2015年02月18日

◆日韓基本条約締結50周年

〜日韓併合105年〜
池田 元彦
 


今年は日韓併合105年目、且つ日韓基本条約締結50周年にあたる。朝鮮は、有史以来支那王朝の属国時代が長かった。自らを小中華とする事大主義の李氏朝鮮は、国民を顧みず陰湿な政争を繰り返す半島史上最悪の王朝だった。国民の4割は奴隷状態、否、奴隷そのものだった。

列強の餌食とさせない為、日清戦争で頑迷な朝鮮を清から独立させ、ロシアの満州と朝鮮南下圧力の侵略意図を撃ち砕いたのが日露戦争だ。

にも拘らず国際情勢を理解せず、国内政争に明け暮れ近代化が進まない韓国は、米英賛成その他列国反対なしの列強公認下日本に併合された。

併合には陸奥宗光等は大反対、伊藤博文、井上薫、原敬等は国家予算相当の韓国の負債相殺に消極的だった。が、韓国の将来を憂う一進会は日本が再三却下するも日本との合邦を請願、又高宗密使ハーグ事件の背信、伊藤博文暗殺等で、事実上韓国併合は急転足下実現化した。

併合反対の伊藤博文暗殺実行犯とされる安重根を英雄と崇める韓国人は、きっと隠れ併合賛成派に違いない。併合35年間の結果、主権、国王、人命、国語、氏名、土地、資源の7つを朝鮮から日本が奪ったとの大嘘を主張する。当時の朝鮮人は皆知っているが、口に出せないだけだ。

韓国併合条約は元首署名捺印がないので無効と言うが、国際法に基づく正規の条約だ。主権が委譲され韓国皇帝は王公族として準皇族の待遇を得た。併合により、人命(≒人口)は2倍に増え、平均寿命も30年延び2倍になった。両班が無視したハングルは朝鮮総督府が朝鮮で教えた。

家父長制を糾し、親子夫婦の家族統一名を戸籍に追加した。朝鮮姓名、本貫名は戸籍から奪ってはいない。8割程が日本名で申請したが、2割程は朝鮮名のままだった。日本軍中将や芸術家等、朝鮮姓のままの著名人も多い。名前迄日本名を要望するので、手続有料で認めた程だ。

インフラ整備の為土地収用はした。道路、橋、鉄道、学校、病院等を作る為だ。耕作地を2倍にした。収穫量は3倍になった。鉱工業を興し、禿山には6億本以上の植林をした。旧来の名残である奴隷、幼児売春・虐待・過酷な拷問・カルト呪術医療等は、禁止し、両班の特権を奪った。

 朝鮮近代化の為、度量衡の統一、貨幣経済(紙幣がなかった)導入、上下水道・電気の整備、河川、港の整備、学校・病院を数多全国に設立。女性に名前を付けさせ、入浴と衛生管理が奨励された。

飢餓と不自由な生活は豊かになり、国力は増進した。7奪ではない。14恩とでも言うべきだ。

日韓基本条約締結迄7次13年間に亘る交渉があった。韓国と戦争もしていないのに賠償、韓国への私的資産請求権放棄、過去の条約無効化の明記、朝鮮文化財全ての返還、韓国軍の経費迄負担、強制徴用・徴兵被害賠償等、現在でも呆れる強欲、不当、恥知らずの請求をした。

勿論、拒絶・妥協もした上、漸く当時価格2880億円の有償無償の「経済協力金」を与えた。その間、李承晩ラインを勝手に引き、無法にも日本漁船拿捕328隻、抑留漁民3929人、拿捕時殺傷44人、物的被害約90億円の損害を与え、竹島を強奪した。以降一切の謝罪も賠償もない。

抑留漁民と引換に、在日韓国人472名の常習的・重大犯罪者の放免を要求し、約40万人の密入国者・重大犯罪者や政治犯等を本国送還させず、日本国内に留めることを強要した。朝鮮人犯罪者と密入国者は、その後日本に被害者面して、通名を使い自由に居住している。

今に至るも首脳会談に応じない反日国家韓国とのお付合いは、抜本的に再検討すべきだ。

       

◆ウソ報道の処理

Andy Chang


ニューヨークタイムスがNBCテレビのメーンキャスター、BrianWilliamsが12年前のイラク戦争の取材で、彼の乗っていたヘリコプターがロケット榴弾の砲撃にあったと報道をしたのはウソだったと報道したので、Williamsは慌てて謝罪と弁解をした。

ところが彼の謝罪は彼のヘリコプターではなくグループのヘリだったと言ったが、これもウソで、彼のヘリは一時間後に到着したのだった。これが報道され、続けてカトリーナ台風の時の報道もウソだったと暴かれ、昨日2月10日にNBCはWilliamsを6ヶ月の無給出勤停止とした。

WilliamsはNBCテレビの主要キャスターだから出勤停止はニュース番組に大きく影響する。処分しなければNBCに傷がつく。ニュース番組の主要キャスターだからウソの報道をしたら懲戒免職にすべきだが、大物キャスターだから出勤停止にしたのだろう。

NBCはWilliams記者のウソ報道について謝罪をしていない。

この事件ですぐに思いつくのは朝日新聞の慰安婦問題の対処である。慰安婦報道や吉田調書報道などの真相について、朝日新聞は自らの具体的な見解が披露されることはなかった。また、朝日新聞は植村氏の記事に対し、意図的な事実の捻じ曲げはないと主張してきたが新聞社として誤報の訂正だけで謝罪はしていない。

朝日新聞が「記事を取り消し」たが謝罪しないのは新聞社として如何なものか。記者がウソを書いた、新聞社がウソを報道したので国際問題となった。この場合、記者が意図的なウソを書いたかどうかと言う問題と、新聞社がウソを見抜けず報道したと言う二つの違った責任問題があるはず、新聞社が記者の責任として訂正記事だけで済ますわけには行かない。

植村記者は彼が書いた一連の慰安婦問題報道について、慰安婦と女子挺身隊と混同したことや、「キーセン学校問題」を報道しなかったのは隠蔽ではない、他の記者も間違った報道をしたなどを理由として「私は捏造記者ではない」と主張している。

古い過去のことが捏造かどうかの判断は難しい。記者は記事に責任を持つべきで、間違いはあったが取材の時は知らなかった、キーセンの経歴をは問題ではないと弁解しているが、いくら弁解しても読者側の判断は「灰色」ではないのか。

植村記者は捏造ではないからという理由で桜井よしこ氏や文芸春秋社などを相手取って損害賠償の告訴したがとんでもない。彼の書いた一連の記事が日本国や国民に与えた損害は計り知れないものである。記者の受けた損害より誤報の責任と国家国民の損害賠償が先で
ある。

台湾では去年8月、陸委會主委王郁?が直属部下の副主委張顯耀ほか三名が中国側に国家機密を漏らしたと告発し、彼を辞職に追い込んだ。張顕耀副主委は無実を主張し、告発を白色恐怖だと記者会見をしたので王郁?は事件を検察に報告して法律沙汰になった。そして2月10日地方法廷の検察官は証拠不十分としてこの事件を不起訴処分とした。陸委會主委王郁?は検察の不起訴発表のあと、引責辞職と同時に記者会見で検察側の処分に不満を述べた。

検察官は王郁?は噂話を問題化して部下を免職処分にした、起訴するに十分な証拠がなかったと発表した。確証がないのに告発したなら捏造である。何か別のの原因で副主任張顕耀を更迭しようとしたが、彼が服従しなかったので免職、告訴となったのだ。

陸委会は中国と台湾(中華民国)の交渉の窓口であり、張顕耀は交渉の主席である。こんな重要な地位にある者が交渉相手に機密を洩らしたなら重大問題で、軽くて数十年の刑、悪ければ死刑である。人命に関わる罪を捏造したから不起訴になったあとの引責辞職は当然だが、不起訴に不満で記者会見をするとは恐ろしい話だ。

有名人や権力者は誤報や捏造を認めたがらないが国家国民にとっては誤報や捏造が齎した影響のほうが大事である。新聞社は記者の責任にする、記者は取材相手の責任にする、誰も責任を負わないが、ウソ報道を受けた国家国民が被害者である。誤報でも捏造でも責任は追及すべきである。

    

   

2015年02月17日

◆中国空軍の空域司令官が自殺を図る

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成27年(2015)2月16日(月曜日)通巻第4468号 >
 
〜中国空軍の空域司令官が自殺を図っていた
    謎の飛行逃亡未遂事件は「林彪事件」を思い出すのでは?〜


2015年2月10日、中国の空域管制の国家空管委弁公室副主任の劉子栄が飛び降り自殺を図っていたことが分かった。香港の『明報』(2月11日)が伝えた。

その生死は不明である。

劉子栄は2014年7月におきた謎の空域管制空白事件に関連して査問される直前だった。

2014年7月時点に政治舞台をもどすと、おりから疑惑が沸騰していた周永康の逮捕、拘束が噂されていた時期と重なり、国外逃亡未遂事件がおきたとか、風聞が乱れ飛んだ。

当時、劉子栄は総参謀部作戦部空管局長を兼任しており、空域管制上で、突如、飛行禁止が通達され、大物の逃亡劇かという謎の事件が発生したことの責任を問われていたのだ。

同年7月14日午后から夕方にかけて上海と北京の空域が数時間にわたって「管制不能」という名目の下、数百機が空港に待機を余儀なくされた事件であった。

数日後に当局は「軍事演習だった」などととってつけた理由を発表したが、誰も信じなかった。

中央でおきている政変にむすびつく何かが起こったと言われた。

逃亡未遂事件の主役は当時から周永康といわれたが、彼は前年2013年10月の石油大学創設60年記念行事に姿を現して以後、公の場には出ておらず、自宅軟禁の疑いがもたれていた。

党が正式に周永康の査問を発表したのは謎の飛行禁止事件から2週間後の2014年7月29日である。

このミステリアスな事件は「第二の林彪事件か」と中華圏のマスコミを賑わせた。林彪は航空機でモンゴル経由ソ連への逃亡を図ったが、内蒙古省で搭乗していた飛行機が墜落、死亡したとされる。

2015年2月9日、四川省マフィアのボスで、周永康の悪事に加担した劉漢が処刑された。

劉は周の息子らと組んで、あくどい稼ぎをやりのけ、不正な土地入手転売から、派手な鉱区開発など悪名を馳せ、好き勝手なビジネスで四川省を我が者のように支配したが、五件の殺人が立証され、子分の四人とともに死刑となった。

周永康の外堀は埋まった。

◆愛情ミネラル「マンガン」

永冶ベックマン啓子



人が必要としますミネラルは29種類ありますが、その1つ、マンガン(ドイツ語をカタカナ化した)の人体における働きには、血糖値をコントロールするホルモンの役割りをし、インスリンの合成に関わっています。従い、マンガン不足は糖尿病に繋がる危険性があります。しかし、多すぎても少なすぎても問題が起きるという、バランスがとても大切な重要ミネラルです。

蛋白、脂質、糖質のエネルギー代謝、甲状腺ホルモン、コレステロールを製造し、その他多くの酵素の成分でありまた補酵素として酵素を活性化する影響を特異的、また非特異的に与える栄養素で、とても重要な働きをしています。

マンガンは骨や軟骨、結合組織、関節潤滑液の形成に関与しますから、欠乏しますとそれだけでも、変形性骨関節症、骨粗鬆症、骨格異常、発育不良を来たすことがあります。不眠症、そわそわと落ち着かない、ひきつけ、高血圧なども不足症状です。

マンガン不足は、記憶や神経の伝達物質のアセチルコリンの生産が出来なくなり脳機能に問題が起きます(統合失調症)。マンガンの人体での欠乏症は、しばしば気がつかない事があります。

マンガンには活性酸素の中和作用があり、成人では体内に約12r程全身の各組織に一様に分布していますが、中でもミトコンドリア内に多く存在しています。他、内耳の発育形成、皮膚の形成や成長、肌荒れ、脂質代謝の低下、生殖能力の低下を来たす事があります。

特に生殖能力ですが、不足は男女共に性的関係も好まずなかなか妊娠出来なく成ります。やっと母親は妊娠出産したけれど「自分の子供にどうしても愛情が注げない、赤ちゃんの泣き声に耐えられなく、何故か可愛くない、どうしていいのか分らない、誰も相談して助けてもらえる人が居ない」、等と母親の疲労感や孤独感が強く育児ノイローゼになったりしている人が、核家族した日本社会では少なくないようです。


「赤ちゃんは神様からの授かりもの」、愛しいわが子のはずなのに、愛情を与える事が出来ず、食事も与えなかったりしてしまうのは、複雑な何か事情も他にあるのかもしれませんが、やがては幼児虐待、育児放棄に繋がる問題ケースが日本に増えている印象を最近受けます。

新聞ニュースで、幼児が餓死したとか、食事を与えられなかったとか、寒いベランダに放置されたとか何と可哀想にと心を痛める記事を読んだ事があります。親が子をを殺し、子が親を殺し、世も末だと嘆く人達が多いと思います。しかしこれは、なにも日本だけに起きる現象というわけでもないようです。

ドイツでも子供4人を殺してしまった母親が、マスコミで問題になったことがありました。

先日も「育児に疲れて4歳の幼稚園児と1歳の姉妹を母親が殺害」、「娘がうざくて放置、母親が3歳長女を川に落として殺害」という読んで驚き青ざめるような記事が出ていました。

このような人間がすることとは思えない残酷な幼児殺しまで起きてしまい、「動物以下の冷徹な酷い親」と批判の対象になる怖い事件があり、こういう問題を防止して対応できる施設を開設した、との記事もありましたから、問題が多いという事です。

多くの普通の例では、非人間的で到底考えられないケースと今までは考えられたわけですが、マンガン不足は性機能や妊娠能力の低下と共に、愛する能力や母性本能までも奪い去るという事です。

家畜や動物園、野生の動物にもなかなか妊娠できない、あるいは出産しても殺してしまったり、母乳を与えない、面倒を見ないなどの育児放棄が話題になります。

動物園では母親から育児放棄された動物の赤ちゃんを、人間が親代わりとなり育てるケースがドイツでも多々あります。

マンガンは不足する事はない、と今まで考えられていましたが、どうやら戦後の今日の農地土壌と食品には大きな変化が起きているようです。

北海道で乳牛の受胎率が低下した時、餌や土壌の調査分析の結果、マンガンが不足している事が判明しています。しかも生まれた子牛に授乳拒否、圧死させたりしています。牧草にマンガンが含まれていない、と言う事は土壌にないという事です。

人の食品では、玄米,粟、ひえ、アマランサス、小麦胚芽、大麦、ライ麦、鞘の豆類、エンドウ、納豆、くり、アーモンド、ブラジルナッツ類、卵、茶葉, 大根の葉など葉野菜、ピーマン、ホ−レン草、レンコン、ぶどう、緑茶や紅茶の葉、干しエビ、わかさぎ、青海苔, あさり等貝類などに含まれています。

母性愛を喪失した可哀想な母親達は、上記のような食品が極端に少なかったのでしょう。彼女達の食生活を調査すれば自ずから原因が見えてくると思います。

正常のミネラルバランスになった時、あの母親達は自分のした罪に慟哭し、一生苦しむ事になると思いますが、ここには本人や家族の知識と意識、食品メーカー、医療関係者の母性教育、農政の責任、食料品を生産する農家の意識、複雑に絡んでいます。

質の悪いファーストフードや遺伝子操作された食品、添加物が多いバランスの取れない食事、各種ワクチン、砂糖の多い駄菓子や炭酸飲料、化学薬品、電子レンジでの料理、など長期に渡り多くとれば、更に他の健康上の問題が母子共に多くあることが想像されます。一見豊かに見えますが、私には問題ばかりが目に付きます。

マンガンの過剰摂取は、鉱山でマンガンを吸い込んだり、井戸や水道水やサプリメントで取りすぎたりした時に起きる可能性がありますが、希です。

統合失調症に使われる抗精神薬を服用している人は、顔の筋肉がピクピク自然に動いてしまうマンガン欠乏症の副作用が多く出ることが知られ、マンガンを対策に一緒に、あるいは後に飲むわけですが、そこでマンガンレベルが異常に高くなりますと、暴力的になることがあり要注意とされています。

成人1日あたりの所要量は男性3.5〜4.0mg、女性3.0〜3.5mg、上限は10mgです。

納豆1パックや玄米御飯120のマンガン含有量は約1,1gです。    
2.2015(ながや べっくまん けいこ ミュンヘン在住)

◆私の「身辺雑記」(191)

平井 修一



■2月14日(土)。朝は室温11度、快晴、冷え込んで未舗装の散歩道はカチンカチンに凍っていた。それでも梅の蕾は2ミリになった。あと少しで春が来る。

わが街で産経は朝日ASAが配達している。昨年夏ごろまで4:30に届いたが、秋頃から4:45になり、今は5:00だ。3時から3時間配達するとすれば、180分が150分になったことになる。朝はきついから3:30から配達しているかもしれない。配達時間は2割減だ。

朝日は公称800万部だったが、640万部に減ったかもしれない。押し紙を除いた有償部数が700万部とすれば560万部あたりになっているとも思われる。このあたりは闇だ。新聞界は「真実の報道」を詠うが、有償部数はアンタッチャブルなのだ。

以前、散歩の途中にASAの古紙回収車(ワゴン車)を覗いたら梱包されたままの古紙がずいぶんあった。壮大な嘘に伴う壮大な資源の無駄だ。

わが街のASAは本業だけでは苦しいのだろう、「研ぎ物、傘修理、靴修理」の引き取り・配達もやっている。チラシ減、部数減がボディブローになっている。若者は新聞を読まない。80を過ぎた老人も読まなくなる。

中国新聞も4月末で夕刊を止めるが、紙媒体としての新聞は斜陽だ。一方で電子版の課金では各社とも苦戦している。新市場だから五里霧中、暗中模索で試行錯誤だ。

どうにか成功しているのは英紙ガーディアン、米紙ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズくらいではないか。世界でたった3紙!

電子書籍も日本ではほとんど話題になっていない。出版流通コンサルティング・冬狐洞隆也氏の分析から。

<日本の電子書籍市場は何もかも未熟さを脱していない。業界が騒ぎすぎる割には現実が追い付いていない。また、米国ではある程度、成功したかもしれないが、ここは日本であり、業界構造も、売れる本の質も全く違うのにアメリカの成功を日本でも成功できるとの幻想を見ている人が多い。日本は電子コミック以外それほど拡大しないと推測する>(「出版業界の豆知識」14/9/2)

高2のオツムの小生は高校用歴史教科書「日本人の誇りを伝える最新日本史」を座右の書としているが、先日、こんな記述に出合った。

<縄文時代は、土器の変化をもとに、草創期・早期・前期・中期・後期・
晩期の六期に区分されている>

ネットは1995年あたりから普及したからまだ20年だ。現在は草創期/黎明期あるいは早期(土器の下が丸いか尖っている、穴ぼこに置くタイプ)ではないけれど、前期(底が平らでちょっとおしゃれ)あたりではないか。

中期になると複雑なデザインの土器が登場して百花繚乱という感じになるのだが、ネットはまだ前期で発展途上なのだ。電子新聞や電子書籍が紙媒体の減少を補うくらいに商売として成り立つまでには、あと10年ほどはかかるかもしれない。

■2月15日(日)。朝は室温10.5度、快晴、フル散歩。

莫邦富氏/作家・ジャーナリストが2/5にこう書いていた(ダイヤモンドオンライン)。

<中国から撤退した(日系の)会社を指折り数えていた友人は「中国市場の特徴を理解しようとしない。ひたすら自分たちの思い込みで中国でのシェアを取ろうとする。なぜこれらの会社はみんな同じような失敗を繰り返しているのだろうか。なぜ他社の失敗から学ばないのだろうか」と不思議そうな表情を浮かべた>

日系企業のやり方が悪いんじゃないのか、という論調だ。しかし1週間後の2/12にはこう書いている。

<すこし時間が作れたので、日本帰りの上海の友人と一緒に鍋貼(焼き餃子)に挑戦した。

上海の高級住宅地にある鍋貼専門店に入り、念願の鍋貼と牛肉春雨スープを注文した。味は見事に裏切られた。郷愁はやはり記憶に温存すべきものだと改めて認識した。

2人で31元(約600円)の夕食を済ませたあと、鍋貼専門店を出た。「民工(出稼ぎ労働者)なみの支出だった」と思わず感想を述べた。

この店の隣は不動産仲介会社の店舗だ。大きな窓ガラスに物件の案内がたくさん貼られている。それにふっと目をやると、日本円に換算すれば1億円以下のものは見当たらなかった。一番高いのは9800万元(20億円近く)で売り出した中古マンションだ。

誤解を招かないために、先に断わっておきたい。これはマンションのビル1棟を購入する価格ではなく、マンションの一住宅単位だ。ただ、建築面積が約600平米で、ベッドルームは5つ、リビングルームは4つ、トイレ付バスルームは5つ、といった超高級マンションだ。

31元対9800万元が隣り合わせしているこの現実に、改めて格差が開きすぎるほど大きい今日の中国社会の矛盾を体感した。

足に任せてすこし進むと、衡山路に入る。昼間は人通りもまばらだが、夕暮れとともにどこからともなく、ピンヒールのイケイケギャルや仕事終わりのサラリーマンが集まり、活気に満ちる空間となる。

しかし、今回、目にした光景は打って変ったものになっている。多くの店は閉まっている。冬のせいかもしれないが、街は寂しげな空気に包まれている。冬とは言え、旧正月(春節)が10日後に控えていたこの時期は本来、もっと賑わってもいいはずなのに、と不思議に思った。

北京でも同じような体験をした。(ホテルの)レストランに入ると、客は2、3組しかいなかった。街のレストランも閑散としている。習近平氏が推し進めている腐敗撲滅で、公費を使って飲み食いする輩が高級レストランに行けなくなった結果かもしれない。

レストランばかりではなく、デパートやスーパーでも活気がいま一つのような気がした。いままでは、旧正月を迎えるためにプレゼント用や縁起を担ぐ用の商品などをたくさん買い込む時期なのに、いまやその熱気をなかなか体感できなかった。

海南島を訪れたとき、ゴルフ場のなかに設けられたホテルに泊まっていたが、それも例年ほどの賑わいはまったくなかった。

地元の人に確かめてみたら、やはり「景気が悪くなった」「公用族が減った」という理由が多かった。

日系IT企業で重役を務めていた友人はいまや海南島地元の農業、牧畜業の大手企業で人事部長を務めている。急速に成長する民営企業なので、人材の育成が追い付かず、秩序ある社内統制もうまくとれていないところはその新しい職場での悩みになっている。

沿海部の一流大学を出て、海南島の火山村に戻って村おこしに精魂をつぎ込む30代の青年を訪ねた。

彼の努力の結果、火山村で作られたライチはインターネットを通して飛ぶように売れて、村が潤った。最近の新しい挑戦はライチ風味のお菓子作りだ。「日本のお菓子からいろいろとヒントを受けた」とそのきっかけを隠さずに教えてくれた。

しかし、順風満帆のように見えた彼も深刻な悩みを抱えている。中国の行政単位の末端は複数の村を束ねて管轄する鎮や郷となっている。火山村が所属する鎮の鎮長は彼(青年)の成功を面白く見ていない。むしろ、自分の無能ぶりを炙り出されたという被害者意識が強まり、村おこしに励む彼を敵視している。

鎮長によるいろいろな妨害を受けている青年は、「正面衝突はなるべく避けるようにする。相手の顔を立てられるところはきちんとその顔を立てるようにする。時間はこちらにある。鎮長の任期もいずれは終わり、新しい人が鎮長になるだろう。そこまで付き合っていかなければならない」と語った。

年齢に似合わぬその器量の大きさに感心しながら、中国ビジネスの難しさを再認識しているところでもある>(以上)

莫邦富氏は中国ビジネスについてのプロである。「先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある」というのが同氏のコラムの主旨だ。

しかし、今回の訪中で「忍び寄る景気減速と格差の現実」を実感し、さらに「中国ビジネスの難しさ」を再認識した。

氏こそがこれまで「色眼鏡」で中国を見ていたのだ。今回、リアリズムで初めて中国を見てショックを受けている。覆いようのない現実があったのだ。氏のコラムは2/12で244回を数えている。一体それは何だったのだろう。虚しくないか。

■2月16日(月)。朝は室温11度、快晴、フル散歩。耕作放棄地の灌木の中に白いものがあるのでよく見たら梅が満開だった。びっくり。日当たりがいいとそうなる。生産緑地の西側の梅は二分咲きだった。春は確実にやってくる。

莫邦富氏の乙女チックな衝撃の件だが、要は習近平の「ハエ叩き、虎退治」に14億の民が興じている間に中国経済はとんでもないことになっているのが明らかになったということだ。昨年のGDP成長率が7%台なんて嘘八百(もともと数字の根拠がない)で、良くてゼロ%、今年は確実にマイナス成長だろう。

<[北京2/11ロイター]プラダのバッグのコピー品や米アップルストアの偽店舗、果ては人工の卵まで、偽造品を作り出す中国の能力はもはや伝説的と言っていいだろう。欧米の関税当局が没収した偽造品は、その約4分の3が中国製だ。

中国政府は、電子商取引大手アリババに偽造品対策強化を要請するなど、こうした問題に表向きは取り組んでいるように見える。中国国家工商行政管理総局(SAIC)などは先月、アリババの管理不行き届きが原因で、同社プラットフォーム上で偽造品が横行していると批判する報告書をまとめている。

SAICは抽出したサンプル商品の92%が偽造品、もしくは品質が不十分であったとしている>(以上)

92%が模造品か不良品って・・・救いようがない。サーチナ2/13から。

<中国の大手ポータルサイト騰訊(テンセント)は10日、日本製品を好む背景には「匠の心」への崇拝と信頼があるとの考えを示した。一方で、中国製品が嫌われるのは「国家能力に対する否定票」と主張した。

日本製品に対する高い評価も「美しさ、きめ細かさ、実用性、耐久性」という特徴を持つ日本製品全般に長期間接触した結果として「刻まれたイメージ」と指摘。

さらに、日本の製造企業に共通する、研究者や労働者の高い水準や、厳しい消費者に鍛えられたことで、中国では日本の「匠の心」への崇拝と信頼が定着したと論じた。また、欧米製品も中国人消費者の信頼を得たと指摘した>(以上)

1972年の日中国交回復以降、中国経済の最大の応援団、タニマチは日本だったが、彼らはこの40年間で一体何を学んだのだろう。見栄と面子で「小日本、小鬼子の言うことなんて無視」と、何も学ばなかったのではないか。そうとしか考えられない。

一流の経済、技術を身に付ける前に“習近平不況”が始まってしまった。中共独裁がつづくかぎり二度と立ち上がれないだろう。(2015/2/16)

2015年02月16日

◆「習近平は中国にとって危険」

平井 修一



人民日報は時々「?、これは習近平批判なのか」という記事を載せる。中共最高指導部のチャイナセブン自体が三派に分かれているから、人民日報の中にも習支持派と不支持派がいてもおかしくはないのだろうが、今回の鳳凰網に掲載された元人民日報論説委員の論考「ナショナリズムあおるのは国に危険 日中和解が戦後70年の最重要テーマ」(Record China2/15)はかなり強烈だ。

抗日戦争勝利70周年で一気に反日機運を高めたい習近平に真っ向から異を唱えた内容であり、習は論者と鳳凰網を潰しにかかるのではないか。中国では言論は命懸けだ。以下引用。

<2015年2月14日、中国・鳳凰網によると、中国共産党中央委員会機関誌「人民日報」の元論説委員で中国の識者として知られる馬立誠氏は、抗日戦争勝利から今年70年を迎え、「日中の和解が最も重要なテーマだ」と強調した。

さらに、馬氏は「エリートたちが自分の目的のためにナショナリズムをあおり、国に危険をもたらしている」とも警鐘を鳴らしている。

馬氏は論説委員当時、中国のオピニオン誌「戦略と管理」(02年6号)の中で、「対日関係の新思考−中日民間の憂い」と題する論文を発表。中国国内におけるナショナリズムや狭隘な反日感情に疑問を投げかけた。

この論文は中国国民から強く非難されたが、中国のメディアは擁護し、日本でも新しい思想として反響を呼んだ。

鳳凰網で馬氏は「過去に敵国同士が和解した例にドイツとフランス、ロシアとドイツなどがある」と評価。「ドイツとフランス、ロシアの和解は、日中関係の今後に大きな啓示を与えるだろう。中国の科学技術は発展途上だ。日本の技術や人材、管理経験を必要としているから、日本とは良き関係を結ぶべきだ」としている。

その上で「そうすれば日中両国は手を携え、永遠の平和を守ることができる。日中の歴史問題において、われわれは二つの歴史を覚えていかなければならない。一つは戦争の苦難の歴史、もう一つは戦後の和解と協調の歴史だ」と力説している。

一方、日中両国で高まるばかりのナショナリズムに関連して、馬氏は「戦争が近い時代のものであれば、恨みは生々しく記憶され、遠くなれば次第に薄れていく。トウ小平は自ら抗日戦争を経験したにもかかわらず、『過ぎ去ったことは過去のこととする』とまで述べた」と指摘。

「しかし、今日になってそれが過ぎ去ったこととできないのは道理に合わない。ナショナリズムのために日中関係に多くの困難がもたらされているのだと考えている。エリートたちは自らの目標を達成するために大衆のナショナリズムをあおり、国に危険をもたらすのだ」と危惧する。

こうした中で馬氏は「昨年も日中関係は緊張を続けていたが、日本は中国の若者に人気の旅行先となった。春節期間中、中国から日本を訪れる人は4倍になり、東京の三大百貨店は売り上げが5倍以上になったという」と紹介。

「中国の若者は日本メディアの取材に対し、『国同士のケンカにはうんざり。日本文化と日本製品が好きだ』」とコメントしていた。私はここに希望を見いだしている」と、論述している>(以上)

記事中のエリートとは習近平のことだ。情報を遮断されて知的暗闇に置かれている庶民の多くは習を指示しているようだが、情報を得やすいエリート層の中では、習とその支持者以外に反日政策を本気で支持する者はいないだろう。たとえ支持しても、それはわが身の安全のための方便ではないか。内心では「こいつ、中国を潰す気か」と憂慮しているはずだ。

昨年、中国社会科学院が憂慮を表明したら、習は速攻で恫喝。科学院の学者連中は恐れをなして沈黙してしまった。しかし、脅しに屈しない馬立誠氏のような知識人もいることに一縷の光明を見る思いがするのは小生ばかりではないだろう。

以下の記事は中国の洗脳の恐ろしさ、現在の中共の政治の異常さを伝えている。

「これがおかしくなくて、何がおかしいというの? 20代の訪日中国人女性が考える日中関係」(Record China 2/14)から。

<2015年2月13日、中国のインターネット上に、このほど北海道を旅行に訪れた20代の北京出身の女性が、自身の体験と日中関係について記した(以下の)ブログが掲載された。

北海道で数日間を過ごしてから、私は本当にこの土地が気に入ってしまった。ここに来る前、私は北海道に特別な感情は抱いていなかった。チベットのような美しい景色も、欧州のような悠久の歴史も、米国の大都会のような繁栄もない。では、どうして私は北海道に引かれてしまったのか。

それはおそらく、駅のコンビニで帽子のタグを切ってくれたおばさんや、英語で説明できないために遠い道のりを案内してくれた中学生、少しもゆるがせにせず全神経を集中して寿司を握るおじさんたちの中に理由があるのだろう。彼らの印象が、北海道、そして日本に対する印象に変わった。

身をもって体験していなければ、一衣帯水の隣国の文化レベルがこれほど高いとは想像もつかなかった。一方、中国はどうだろう。街中でお年寄りが転んでも、誰も助ける勇気がない。なんておかしく、悲しいことだろう。文革の10年で文化は荒廃し、人材は失われた。これは、中華民族文化の伝承に修復不能な傷をもたらした。

現在はどうか。ネット規制が敷かれ、フェイスブックやインスタグラムも使えない。外の世界を見ようと願っても、それはかなわないのだ。中国の有識者たちは、そうした国に反対票を投じるために自ら祖国を離れていった。愚民政策が続けば、国民は永遠に未開のまま。一党独裁の悲哀である。

日本人が私に誠意をもって接してくれるとき、中国では同胞が日本車を襲撃している。日本で品質が良く、値段が安い商品を買っているときに、中国では日本製品ボイコットが叫ばれている。これがおかしくなくて、何がおかしいというのだろうか?

国は国、政治は政治である。恨みで両の目を遮ってしまえば、人は極端な方向へ走ってしまう。洗脳がどれほど恐ろしいか。イスラム国はまさに、私たちの鏡なのだ>(以上)

こういうまっとうな人々が増えれば日中は武力衝突を避けられる。我々は彼らを応援すべきだが、どういう方法があるのだろうか。とりあえずは「井伊大老=ISバグダディ=習一人の首を取れば情況は劇的に改善する」ことを訴え続けるしか小生にはできない。

この際、胡錦涛派と江沢民派が永年の憎悪に蓋をして野合し、習とその側近を狙い撃ちにするしかない。「反腐敗運動を終わらせるから」と持ちかければ軍も支持するか中立を守るに違いない。命を惜しむな、名こそ惜しめ。(2015/2/15)

◆民進党は蔡英文でほぼ一本化

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成27年(2015)2月15日(日曜日)通巻第4467号 >

 
〜次期台湾総統選、民進党の公認候補は蔡英文でほぼ一本化
ムードだけは優位だが、国民党の鉄票メカニズムにどう挑むか?〜


台湾野党の民主進歩党は、次期総統選挙の公認候補一本化でほぼまとまり、立候補を表明した蔡英文・党首で選挙戦を戦う。

蔡英文女史は李登輝政権のおりに「中国と台湾は国と国の関係」という発表の下書きをしたといわれ、党内の理論家として台頭し、国会議員も一期
つとめた。

党首として4年前には新北市長に立候補した。昨年11月の地方統一選挙では野党の圧勝を導いた。

問題はムードが圧倒的に民進党が有利とはいえ、総統選挙ともなると大陸の介入が激しくなり、軍資金もなだれ込み、日夜、謀略情報とも闘わなければいけなくなる。

国民党はおそらく朱立倫を候補におしたて、組織をフルに稼働させて集票マシンを再機能させるだろうから楽勝とはいかないだろう。

◆人権よりも中国優先の「冷酷ハト派」

伊勢 雅臣



■1.ダライ・ラマ法王の国会議員会館での講演

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王が、つい3年前に日本で講演した事をご存じの読者はどれほど、いるだろうか? ダライ・ラマは中国に侵略されたチベットの解放を目指して平和的な活動を続けており、1989年にはノーベル平和賞を受賞している。

法王の講演は、平成24年11月13日、衆議院第一議員会館の国際会議場で行われ、実に196人の国会議員が聴講した。当日はテレビカメラが20台ほど設置され、マスコミ席は満員だった。アメリカやヨーロッパなら、ゴールデン・タイムのテレビ・ニュースで報道されたり、新聞の一面トップを飾ってもおかしくない。

ところが当時の朝日新聞の報道を調べると、事前の11月5日付け夕刊1件(264字)と、当日夕刊1件(344字と写真)のみだ。両方とも夕刊2面の小記事で、ほとんどの人は見逃していまうだろう。多くの人が知らないのも当然だ。

事前の1件はわずか264字の小記事なのに「今回の講演は中国政府を刺激する可能性がある」と懸念を述べる。当日の記事も講演内容についての紹介は、以下の1文のみだ。

<ダライ・ラマは「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」と指摘。チベット族の相次ぐ焼身自殺について「地方から中央に報告されていない」と語った。>

この短い記事の中でも「日本政府はチベットの帰属は『中国の内政問題』とし、来日中のダライ・ラマについては『政治活動をしなければ問題ない』(外務省幹部)としている」と、中国のご機嫌を損ねることを恐れるかのような注意書きがある。

■2.チベット人への弾圧の実態

チベットがいかに中国に侵略されたかは、弊誌123号、124号「チベット・ホロコースト50年 上・下」で紹介したが、最近の状況を見ておこう。

まずは論より証拠、以下のリンクに掲載された写真を見て欲しい。大勢のチベット人が「国家分裂」「国家機関襲撃」などの罪名を書いたプラカードを首から吊され、中国の武装警官隊の監視のもとで、引き立てられたり、トラックの荷台で運ばれたり、広場で坐らされたりしている。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51716984.html

チベット解放を訴えるウエブサイト「Free Tibet」では、次のようなデータが示されている。
http://freetibet.org/about/facts-about-tibet

 ・1950年の侵略以来、100万人のチベット人が殺害された。

 ・99%のチベット僧院が閉鎖された。

 ・大量の中国人をチベットに移住させ、すでにチベット人は人口1/3の少数民族になっている。

 ・チベット国旗の掲揚、海外へのメール送信、「人権」を口にすると、拷問を受ける。

朝日新聞は、1959年に中国が数万人規模の兵力を投入して弾圧したラサ動乱に対しても「チベット暴動説は疑問 亡命者の政治宣伝か」と疑い、隠しようがなくなると「狂信的なカンパ族の仕業」などと人民日報顔負けのプロパガンダを流した前科がある[c]。

その頃と比べれば、ダライ・ラマ法王の発言とは言え「人権侵害、弾圧、焼身自殺」にまで言及したのは、報道機関として飛躍的進歩だが、チベットの実態はこの一言で済ませられるような、生やさしいものではない。

■3.「ダライと接触することに反対する」

ダライ・ラマの講演会開催のニュースは、案の上、中国のご機嫌を損ねた。この講演会の実現に奔走していた長尾敬衆議院議員ほかに、中国の程永華・駐日大使からの文書が届いた。それには次のような文面があった。

<チベット問題は中国の核心的利益にかかわるものである。中国政府は民族の分裂に断固反対し、いかなる形、名目でもダライおよびロブンサン・センゲ(JOG注: 後述)による国際的活動に断固反対し、いかなる国の政府関係者も、いかなる形、名目でも、ダライと接触することに反対する。

われわれは国会議員の皆さんがダライとロブサン・センゲの中国分裂を図る反中国の本質をはっきり見抜き、『チベット独立』勢力を支持せず、舞台を提供せず、いかなら形でも接触しないことを希望する。>[2,p84]

ダライ・ラマ法王の「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」という冷静穏当な文言に比べれば、「ダライ」と犯罪者のように呼び捨てにする居丈高な言いようは、まるで脅迫文のようだ。

長尾議員は、当時所属していた民主党執行部関係者に「内政干渉ですよね」と問いかけたが、「変なことをするからだ」と相手にしてもらえなかった。しかし「こんなことで、いちいちビビっているわけにはいきません」と、長尾議員は有志とともに呈大使に抗議文を送付した。

■4.「このイベントの詳細を教えてくれ」

前節の引用にあった「ロブソン・センゲ」とは、チベット亡命政権の首相で、氏もまた長尾敬議員の奔走で、半年ほど前の4月4日に同じく議員会館の国際会議場で講演をした。こちらには96人の国会議員が参加した。

この時も中国から陰険な横やりが入った。まず中国関係筋から、議員会館内の会議室使用について問合せがあった。会館の総務面の責任者、小平忠正衆議院議員は「議員会館内の会議室の使用について中国大使にあれこれいわれる筋合いはない」と突っぱねた。

見識ある物言いだが、こんな形で言いがかりをつける中国側の国際常識の無さにも驚かされる。宗主国が属国の内政にあれこれ口を挟む、という中華意識丸出しである。

またある民主党議員から「このイベント(センゲ首相講演会)の詳細を教えてくれ」と長尾議員に問合せがあった。長尾議員は、てっきり講演会に興味を持ってくれたと思い込み、「ご参加いただけますか」と訊ねた。

しかしその議員は固い態度のまま、「いや、主催は誰だ? 世話人はこれだけか? 議運(議院運営委員会)の許可は取ったのか?」と、取り調べのように質問してくる。

この議員は当時の輿石東(こしいし・あずま)民主党幹事長に近い筋だった。輿石氏が山梨県教職員組合で、まるで北朝鮮のような全体主義的動員体制を作って票を集めてきた様子は[d]でも紹介したが、センゲ首相の講演会をなんとか潰そうと、中国から輿石幹事長経由で干渉が入ったに違いない。

■5.中国から逃げ出す政府高官たち

しかし、「驕(おご)れる者久しからず」という言葉通り、中国の最盛期は過ぎつつある。チベットやウイグルでの独立闘争、共産党政府の暴政、収賄、環境破壊に怒る中国人自身の暴動、長年の一人っ子政策による労働人口の頭打ちと賃金高騰、外国企業の撤退、、、。

長尾議員は「中国が国としてもどうにもならない状態になっていることに気づいている中国人は決して少なくありません」と言う。[2,p191]

実際に共産党幹部の海外逃亡が続いている。政府系シンクタンク、中国社会科学院の調べによると、1990年代半ば以降、海外に逃亡した公務員、国有企業の幹部は1万6千人、彼らが持ち出した金額は8千億元(12兆8千万円)を上回ると推定されている。

これらの多くは、汚職を摘発されて逃亡した官僚などだが、汚職の摘発自体が中国政府内部の権力闘争である。習近平派は今は権力を握っているから摘発側に回っているが、政権を失えばたちまち摘発される側となる。

したがって、政府高官たちは、いつでも高飛びができるように、海外に資産を隠し、子供たちを海外に留学させている。

各国要人や富豪の海外隠し財産を追求している国際調査ジャーナリスト連合(ICIJ)は2014年1月に、次のような発表をした。

<タックスヘブンとして知られる英領バージン諸島にある銀行口座のリストを入手した。2万以上の顧客が掲載されているが、そのなかには、中国要人と企業経営者が多数含まれている。海外に隠匿された資金の総額は不明だが、1兆ドルから4兆ドル(約416兆円)に上る可能性がある。>[2,p190]

■6.在留邦人13万人をいかに救出するか

いずれにせよ、政府高官の多くが沈み行く船から逃げ出す準備をしている。それに比べて、中国に滞在している邦人13万人、進出している日本企業3万社はどうか。

中国では環境破壊や汚職に怒って、年間20万件近い暴動が起きていると言われている。これを押さえつけているのが、全国で150万人にのぼる人民武装警察である。こうした治安維持にあたる警察関連の予算は1110億ドル(約13兆円)に達し、公称国防費1060億ドルを超えている。[4]

2012(平成24)年の尖閣諸島国有化に端を発した反日暴動で、日本国民は中国の恐ろしさを知ったが、あれはまだ共産党政府が裏で糸を引いていたため、物的損害だけで済んだ。しかし、中国政府が抑えられなくなった時、暴徒と化した民衆が日本企業、日本人を襲うだろう。

そして派閥闘争が発展して軍隊や警察同士が戦う内戦状態が起こるだろう。内戦時に、相手側に国際的な非難を浴びせるために、さも相手側の犯行であるように装って外国人を残虐に殺害するというのは、清朝、国民党、共産党と歴代の中国政府がやってきた事だ。[e]

こうした有事の際に、日本政府は邦人13万人をどう救出するのか。長尾議員は次のような机上計算をしている。

まず海上自衛隊、航空自衛隊の輸送機、輸送艦船から、「C1輸送機 収容人数60人x25機配備=1500人」「おおすみ方輸送艦 収容人数1000x3隻配備=3000人」等々を合計すると、1回あたり7869人を運べる。これを16往復すれば、13万人の救出が可能になると計算できる。

「どうか笑わないでいただきたいと思います。実際には、このような仮設さえ一度も行われていないのですから」と長尾議員は実態を暴露する。

■7.邦人救出を妨げる法の縛り

過去、我が国は何度も海外在留邦人救出の瀬戸際に立った。

 1997(平成9)年、カンボジアで内戦が起こったときに、当時の橋本首相は万一の際の邦人救出のために、航空自衛隊のC−130輸送機を隣国のタイに進出させた。

翌1998(平成10)年4月のインドネシア暴動では、同6機をシンガポールに待機させた。この時の暴動のターゲットは華僑であり、幸いにも邦人が襲われることはなかった。

しかし、こんな事態でも、当時の民主党幹事長代理・鳩山由紀夫は「民間機での対処が可能だ」と批判し、なおかつ邦人輸送のための艦船派遣を禁じていた自衛隊法の改正に釘を刺した。[f]

一昨年2013(平成年1月16日にアルジェリア東南部で起きたイスラム武装勢力では人質に取られた日本人10人が犠牲となったが、対応にあたった外務大臣政務官・城内実衆議院議員は、自衛隊法の縛りで国外での自動車の使用すらできないことに歯噛みをしたそうだ。[1,p199]

この点は、同年の臨時国会において、航空機と船舶に加えて、車両も使えるようになり、ようやく空港や港湾から離れた地点でも自衛隊が救出にいけるようになった。これも通常国会で提出されていた改正案が、野党の国会対策で先送りにされていたものだ。

しかし、いまだに携行武器が拳銃や小銃に限定されているため、ショットガンやマシンガン程度で軽武装した中国の武装警察が襲ってきたら、たちまち、やられてしまう可能性が高い。

■8.「長尾さんには民主党は似合いません」

このように「冷酷なハト派」民主党はチベット人弾圧にも海外邦人救出にも関心を示さない。そのために奔走する人々の足を引っ張りさえもする。長尾議員はこう述べる。


「ダライ・ラマ法王後援会では光栄にも司会を仰せつかりましたが、「あらゆる面で中国に配慮する」と政府方針を崩さなかった民主党内において、その後、私はますます居所を失っていくことになり、11月16日の離党に至るのです」。[1,p86]

離党後、長尾氏は平成24(2012)年12月の選挙に落選、しかし、安倍晋三・自民党総裁から「長尾さんには民主党は似合いません」と言われて自民党に入り、昨平成26(2014)年12月の総選挙で衆議院議員に返り咲いた。

チベットでの弾圧に反対することと、中国在留邦人の救出を考えるということの根は同じである。政治が人間の幸福を追求する営みであるとしたら、現代社会においてはチベット弾圧を非難し、一朝事ある時の在留邦人の救出を考えるのが、真の政治家だろう。

チベット人弾圧や在留邦人救出よりも「中国への配慮」を優先する民主党には、真の政治家が似合わないのは当然である。


■リンク■

a. JOG(123) チベット・ホロコースト50年(上)〜アデの悲しみ〜
 平穏な生活を送っていたチベット国民に、突如、中共軍が侵略を始めた
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h12/jog123.html

b. JOG(124) チベット・ホロコースト50年(下)〜ダライ・ラマ法王の祈り〜
 アデは27年間、収容所に入れられ、故郷の文化も自然も収奪された
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h12/jog124.html

c. JOG(567) 朝日新聞のチベット報道
 中国のチベット侵略を、朝日新聞はどう報じてきたか。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h20/jog567.html

d. JOG(607) 日教組、教育界の「北朝鮮」
 少数派が権力握って、一般教員の自由な志を踏みにじる構造は、かの国と同じである。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h21/jog607.html

e. JOG(767) 恩を仇で返す国、中国
「34年間も片田舎で中国人のために医療宣教師として務めました。62の今になって気づきました。『人生無駄にしたなあ』と。」
http://blog.jog-net.jp/201209/article_5.html

f. JOG(051) 冷酷なハト派
 米国人と違って、海外にいる日本人は、いざという場合には、自分の国をあてにできず、自分の身は自分で守るしかないのが現実だ
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h10_2/jog051.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1.ブログ「チベットNOW@ルンタ」
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51716984.html

2. 長尾敬『マスコミと政治家が隠蔽する中国』★★、出版共同流通、H26
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4905156890/japanontheg01-22/

3.矢板明夫「中国共産党幹部・家族、続々国外逃亡中」、WiLL、H26.1

4.古森義久「内乱に対しては『必要なだけ殺す』 暴走中国にオバマ政権は『力』を使わない」、Sapio、H25.1

         
 

◆イスラム国や中国から目をそらさず

櫻井よしこ



イスラム教スンニ派の過激テロリスト勢力「イスラム国」が、ヨルダン軍のパイロット、カサースベ中尉を殺害したとする映像をインターネット上に公開した。26歳、半年前に結婚したばかりの中尉を、イスラム国は無残にも焼殺したと報じられた。
 
世界ウイグル会議代表のラビア・カーディル氏らは、イスラム国はイスラムの名を語るがイスラム教徒とは全く異なる。世界のイスラム教徒約16億人の圧倒的多数は穏やかな人々であり、彼ら自身、イスラム国に弾圧され脅やかされていると強調する。
 
イスラム国は1月26日、全世界への挑戦状、「テロ決行指令」をインターネットで明らかにし、イスラム国の標的は2つだと宣言している。(1)米国を中心とする有志連合参加国とその国民、(2)対有志連合の聖戦(ジハード)に参加しない全てのイスラム教徒、である。自分たちだけが絶対的に正しく、他者は全て殺害するというこれ以上ない身勝手な主張だ。
 
これは言葉上だけの脅しではない。彼らは同じイスラム教徒にも原理主義の極端な思想に「改宗」しなければ処刑すると警告し、実際に幾多の穏健なイスラム教徒を殺害してきた。
 
彼らに話し合いが通ずるはずもないのだが、日本の国会ではまだ的外れな議論が続いている。野党は安倍晋三首相が1月17日のエジプト演説で「イスラム国と闘う国への支援」を表明したことが日本人殺害のきっかけになったのではないかと迫る。

4日には民主党の細野豪志、辻元清美両氏までこの論難に参加した。しかしイスラム国自身、日本は「非軍事的支援で貢献」と動画上に表示しているのであり、民主党の非難は当たらない。
 
イスラム国は、日本の援助が非軍事的だと知りながら、日本人も標的だと宣言したのだ。日本国の政治家はいま首相演説を非難するのでなく、国家として国民を守る手立てをどう築いていくかに集中すべきであろう。
 
テロ勢力の日本への入国を防ぎ、日本人が彼らに拘束されたらどう救出するのか。答えは、日本も他の先進国同様、対外情報機関を持ち、その下に実行部隊を置くという点に尽きるだろう。
 
イスラム国の脅威は眼前で進行中の危機で、一日も早い対策が急がれる。そのことと並行して、私たちが国の在り方について真剣に考え直す時が来ているのである。戦後、日本人は、日本が非軍事政策を貫き、平和を唱えていさえすれば、世界は日本に害をなさないと考えてきたが、そうではないことは明らかで、国民の命を守る体制を変えなければならないのである。
 
首相は2月3日の参議院予算委員会で「自民党はすでに9条改正案を示している。なぜ改正するのかといえば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と語った。
 
自民党は3年前の4月の憲法改正案で9条の改正を明確にうたっている。
 
4日、首相は自民党憲法改正推進本部長の船田元氏らとの会談で、憲法改正の発議は来年夏の参議院選挙後になるとの見方を示した。同本部事務局長は、憲法改正の発議事例として、緊急事態条項や環境権などを示している。加えて首相が、あらためて9条改正を問うこともあり得ると語ったわけだ。私はそれこそが正しい方向だと思う。
 
一方、岡田克也氏は、1月18日の民主党臨時党大会で「安倍首相の下の憲法改正論議には慎重でなければならない」と語った。この種の決め付けや反発、あるいは9条を問うこと自体が軍国主義や戦争への突入だというかような思い込みで、日本国の在り方についての議論を停滞させる時期ではないのではないか。
 
イスラム国の蛮行や中国の脅威から目をそらさず、現実に即して日本国の在り方を考えてほしいものだ。

『週刊ダイヤモンド』 2015年2月14号 新世紀の風をおこす 
オピニオン縦横無尽1071
                    (情報採録:久保田 康文)

2015年02月15日

◆軍隊にも厳格に適用すると習近平

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成27年(2015)2月14日(土曜日)通巻第4466号> 
 
〜反腐敗キャンペーン、軍隊にも厳格に適用すると習近平
    副業禁止の代わりにサラリーを60%増やすというが、その財源は?〜

中国人民解放軍の汚職は凄まじい。

そのうえ、これは中国人の体質であり、数千年もかわらない習俗でもあ り、一朝一夕に是正される筈がないのである。

とくに総装備部と総後勤部は利権の巣窟、賄賂が飛び交う伏魔殿と言わ れ、高級軍人等は「腐敗館」と呼ばれる豪邸に住んでいる。

制服、制帽、軍靴の業者からのリベート、装備品は員数のごまかしからミ サイルは囮と称してセメントで誤魔化し、予算をちょろまかす。新兵の親 からは賄賂、契約している売春屈経営者からも賄賂。あげくに死刑囚の臓 器売買!

すでに徐才厚(前軍事委副主任)、谷俊山、王守業らは悪事を暴かれて失 脚したが、いまも16名の高級軍人が拘束、取り調べを受けている。

1月17日に習近平は軍幹部を集めた会合で「軍人(武装人民警察を含め る)の副業は厳格に禁止する」と通達した。

また飲酒、宴会の禁止、幹部を迎える赤絨毯の廃止、贅沢な会合の禁止、 そして会議でも無内容な発言を慎め等とした。

それほど窮屈な軍隊となれば、多くの軍人はむしろ不満をたかめるだろ う。午後五時から宴会場となり、マオタイ酒が飲み放題だった。それが楽 しみだった軍人から享楽を奪って、彼らは共産党に忠誠心を維持し、命じ られるがままに戦争に行けるのか?

代わりに提示されたのは給与の62%アップ、しかも現職ばかりか、退役軍 人を主体とする民兵の手当、軍人恩給も60%上げるという。民兵だけでも 3900万人もいるのに?

昨年だけでも共産党内部で汚職容疑で失脚もしくは左遷、停職処分をうけ た党員が232、000人にのぼった。例年の3倍の数字である。

しかし軍系列のホテル、貿易会社、関連企業など多くの軍関連ビジネスに ついて、或るいはデベロッパーと組んでの軍用地転売や鉄道輸送の権利売 買など、巨大な利権をそのまま放置するとは考えにくいうえ、財政的にも 給与アップの財源をいかに確保するのか代替案は不透明である。

アメリカの研究機関の多くは、この軍綱紀粛正、汚職追放の効果に懐疑的 である。

◆「KANO」が描く日台の絆

池井 優



台湾全島が熱狂した。昭和6年、全国中等学校優勝野球大会に台湾代表と して出場した嘉義農林が、内地の代表を次々と下し、決勝戦に進出したのだ。現在、夏のビッグイベントとなった甲子園球場を舞台に繰り広げられる高校野球の大会に、当時日本の統治下にあった台湾から代表としてはる ばる海を渡ってやってきた台湾南部の嘉義のチームの健闘は、台湾のみな らず、全国の人々に感動を与えた。日本人、台湾人、台湾先住民からなる 混成チームの善戦、健闘が大きな要因であった。

 《忘れられた嘉義農林の活躍》

日清戦争の結果、台湾を領有した日本は、植民地統治の一つとして野球を 利用した。野球を普及させると同時に、満州、朝鮮とともに外地の中学の 代表を日本で行われる全国大会に参加させ、内地との一体化を図ったので ある。

だが、やってくるチームの選手はほとんどが日本人であった。現地で生活 する日本人子弟が通学する学校が予選を勝ち抜いて出てくるのが通例だっ たのだ。

台湾代表も大会参加以来、台北一中など日本人選手で構成される台北の チームが8年連続して甲子園にやってきた。しかし、近藤兵太郎が南部の 嘉義にある農林学校の監督を引き受け、民族にこだわらず選手を集め、猛 練習で鍛えた結果が台湾の地方大会を勝ち抜き、代表として海を渡って甲 子園への道へとつながったのである。

この嘉義農林の活躍は戦後の台湾ではほとんど忘れられた出来事であっ た。50年にわたって統治した日本に代わって台湾を統治することになった 国民党政権は、日本時代の遺産を払拭するため、野球もその対象とし、ま してや3民族結束がもたらした甲子園の成果など消し去りたかったのだ。

だが、リトルリーグの世界選手権優勝など、野球が台湾の一体化に効果が あると判断した政権の方針変更で、ついにはプロ野球まで創設される至った。

こうした状況の変化の中、先住民が日本に対し反乱をおこした霧社事件を 扱った映画「セデック・バレ」を制作した魏徳聖(ウェイダーション)監 督が、この映画のリサーチ中に資料を見つけ、「これは!」と思い、存命 中の出場選手はじめ関係者にインタビューするなどして脚本を仕上げた。

 《徹底した人選と演技指導》

野球のみならず、ダムを建設し嘉義と台南の平野部を一大穀倉地帯に変 え、今日でも台湾で尊敬されている八田與一を登場させるなどストーリー を作っていった。

問題は監督と演じる俳優の人選であった。魏は野球経験があった「セデッ ク・バレ」の俳優を監督に抜擢(ばってき)し、一番のキーとなる近藤兵 太郎監督役には香港映画にも出演したことのある演技派の永瀬正敏を起用 した。

野球をテーマとする映画で難しいのはフォームやプレーがひどいとしらけ ることだ。約千人の野球経験者の中から13人が選ばれた。特に嘉義農林の エース兼4番の呉明捷役には名門輔仁大学の現役外野手、曹佑寧(ツァオ ヨウニン)が抜擢され徹底的な演技指導を受けた。

企画から4年、2014年2月に完成した映画「KANO」は、全島優勝時を再現し て台北から特別列車を仕立て、関係者一同が嘉義に向かい、駅からかつて の嘉農の練習場へとパレードした。6万人以上が参加し、冒頭から大変盛 り上がった。

上映開始にあたり「日本の植民地支配を美化するのか」「あんな映画は見 るな」といった声も聞かれた。関係者は「見てから批判してほしい」と訴 え、一度上映されると大変な人気を呼んだ。

 《人々に広がる感動と共感》

台湾では映画のエンディングマークが出ると、配役、制作関係者、協力者 の名がスクリーンに映っている最中でも、観客はどんどん帰ってしまうの が普通だが、「KANO」に限って「終」と同時に場内から拍手が起こり、主 題歌が終わるまで誰も席を立たなかったという。

3民族が協力して近藤監督のもと必死のプレーを見せる、特に甲子園にき て決勝進出まで3連投、決勝の対中京商業戦では右手人さし指の爪が割れ 血染めのボールを投げ続ける呉投手と、それを励ます監督とチームメート の姿に台湾の若い層は感動のあまり涙を流し、目をぬぐいながら映画館を 出てくるありさまだった。

史実とは若干時期のずれがあるが、ダムの完成で水田に水が流れていくも ようと嘉義農林の甲子園出場決定をダブらせる手法も効果的で9月に再上 映となった。

昭和6年の台湾と日本を舞台とするため、近藤監督と選手の会話はじめ住 民の話す言葉のほとんどが日本語で観客は字幕で理解する以外ないのだ が、青春ドラマ、人間ドラマとして純粋に楽しめる内容が共感を呼んだ大 きな要因であった。

日本でも1月末から限られた映画館とはいえ、全国で上映が開始された。 中国、韓国との関係がぎくしゃくする昨今だが、戦前の台湾でこうした出 来事があったこと、なぜ現在、台湾の人々がこの映画に共感するのか、ぜ ひ見て考えてほしい。

(いけい まさる)慶応大学名誉教授

産経【正論】映画 ・ 2015.2.13

(情報採録:久保田 康文)

◆サムスン製テレビが盗聴?

平井 修一



まるでジョージ・オーウェルの「1984年」だ。「サムスン製テレビが会話 に聞き耳? 音声認識機能に注意喚起」(CNN2/10)から。

<サムスン製テレビの前では発言に気を付けた方がいい。テレビの前で話 した言葉はすべて傍受され、インターネットを介して送信されている――。 音声でテレビを操作できる「スマートTV」について、韓国サムスン電子が そんな内容の告知を掲載した。

この告知は同社のスマートTVのプライバシーポリシーに掲載された。「私 的な会話や重要な情報を含め、言葉を発すればその情報がデータとして傍 受され、音声認識機能を通じて第三者に送信されますのでご注意くださ い」と呼びかける内容。

サムスンによれば、テレビを音声で操作するためには、発話内容を第三者 に送信して音声を文字に変換する必要がある。同社はさらに、この機能を 改善する必要があるかどうか見極めるための調査目的でも音声内容を収集 しているという。

第三者の社名や、その会社が音声データを録音しているかどうかについ て、サムスンから返答はなかった。

音声操作機能が有効になっている時は、音声が記録されていることを示す マイクのマークが画面に表示される。音声認識機能は無効にすることもで きる。

ただし無効にしたとしても音声は引き続き記録される。サムスンではこの 情報を収集し、特定の指示用語がどの程度使われているかを分析する。

サムスンでは「音声データを保持したり、他社に売ったりはしない」「消 費者が同意して音声認識機能を利用すれば、音声データがサーバーに送信 され、要求されたコンテンツを探してテレビに表示する」と説明してい る>(以上)

音声操作機能というのは「電源入れる」「○○チャンネル」「ボリューム アップ」などと言えばTVがそれに従う、というものだろう。

筋力が衰えてリモコンさえ動かせない寝たきりの人などには便利かもしれ ないが、そもそもそういう人が必要な音量で声を出せるのかどうか。介護 者が近くにいるはずだから、普通なら彼らにささやいて「テレビ見たい」 とか伝えるのではないか。

有用な機能なのかどうか、小生には分からない。

そのうちサムソンのテレビやスマホなどでは、CMのように「日本は朝鮮の 少女たちを性奴隷にして虐殺した。謝罪、補償すべきだ」と洗脳プロパガ ンダを流すのではないか。クネの国は反日のためには何でもするから警戒 が必要だ。(2015/2/13)

 

2015年02月14日

◆台湾軍も反日軍事パレード実施か

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成27年(2015)2月13日(金曜日)通巻第4465号>

 〜台湾軍も北京に呼応した反日軍事パレードを実施か
   10月に抗日戦争勝利記念の軍事パレードを台北市内で?〜


台湾が北京に呼応するかのように「抗日戦争勝利70周年記念軍事パレード」を台湾国防部が検討しているという。

一部の報道をうけた台湾国防部は「軍事パレードの実施については現在検討中である」とコメントした。

台湾軍は毎年実施してきた軍事演習「漢光」の実弾演習を中止し、10月に新竹県にある湖口国家閲兵場で軍事パレードを行うというが、この案に対して中華思想組の国民党の林郁方・立法委員が「中華民国(台湾)が抗日戦争の正統な勝利者であることを示すため」と馬英九政権を突き上げ、むしろ台北市内での軍事パレードを要求したことなど政治背景が絡む。
 
中国、韓国に北朝鮮という「反日御三家」に、まさかよもや親日国家台湾が加わることになれば、国際政治力学上の異変と言わざるを得ないだろう。