2015年02月14日

◆私の「身辺雑記」(190)

平井“中庸”修一



■2月11日(水)。紀元節、皇紀2675年。朝は室温10.7度、快晴、国旗掲揚、冷え冷えとしたなかフル散歩。

神話によれば、「このただよえる国をつくりかためなす」という天つ神(あまつかみ、高天原の神々)の言葉を受けて、イザナギ、イザナミのミコトの二神が、大地や風、草木、花などとともに人も産んだ。人も万物も「神の子」であり、「つくりかためなす」という使命をもってこの世に生まれたのだという。

日本という国の誕生日を祝うのが紀元節だ。

<紀元節は、『日本書紀』が伝える神武天皇の即位日として定めた祭日。1873年(明治6年)に、2月11日と定められた。

第二次世界大戦後の1947年、片山哲内閣により、日本国憲法にふさわしい祝日の法案に紀元節が「建国の日」として盛り込まれていたが、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)により削除され・・・日本が独立を回復した1952年から復活運動がおき、云々

高崎正風作詞、伊沢修二作曲の唱歌「紀元節」が1888年(明治21年)に発表され、1893年(明治26年)には文部省によって祝日大祭日唱歌に選定された>(ウィキ)

この歌詞はこうだ(正確な原文=旧字旧仮名がないから少し違うかもしれない)。

一、雲にそびゆる高千穂の 高嶺おろしに草も木も
  なびきふしけん大御世を 仰ぐ今日こそ樂しけれ

二、海原なせる埴安(はにやす)の 池のおもよりなほひろき
  めぐみのなみに浴(あ)みし世を 仰ぐ今日こそ樂しけれ

三、天津(あまつ)ひつぎの?みくら 千代よろづに動きなき
  もとい定めしそのかみを 仰ぐ今日こそ樂しけれ

四、空にかがやく日の本の 万(よろず)の国にたぐひなき
  国のみはしらたてし世を 仰ぐ今日こそ樂しけれ

「埴安の池」は神武天皇が政務をとった橿原宮(かしはらのみや)の近くにあった池だそうだが、この歌は国産み、国造りの物語と弥栄(いやさか)を祝福したものだろう(現代語訳はないようだ)。

ユーチューブで聞たが、どうも初めて聞く歌だった。GHQに“焚書”され、神話を「史実ではない」と否定するアカに隠蔽されてきたから小生(63)でも知らなかった。

塩野七生氏が「神話が史実であるかどうかは問題ではない。民族がそれを大切にし共有することが大事なのである」と書いていたが、大いに首肯できる。

午前に忠魂碑に献花、皇居遥拝。お酒も供えたかったが、子供が飲んだりするとまずいことになりそうなので控えた。英霊の皆さん、ご寛恕を。

■2月12日(木)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。カミサンが有休をとって発熱3歳男児を預かる。集団的安保は大事だ。

昨日「頂門」の渡部亮次郎氏からメールを頂いた。『10日夜、亀戸で開かれた読者の会で「中庸」とは「平井さんだ」で一致しました。あえてお知らせします』とのこと。で、一句。

ネトウヨが「中庸」と呼ばれし御代となり

右端を真っ直ぐ歩いているつもりだったが、いつの間にかセンターラインにいたという感じ。道路が右に曲がり始めたのだ。ちょっと可笑しかった。日本は良い方向=普通の国へ向かっているのだと思う。

NW2/10「アメリカ政府債務の意外な貸し手」から。こういう情報が日本のマスコミに載らないのは、主たる読者/視聴者が中2レベルだからだ。大宅壮一曰く「一億総白痴化」。底打ちしたから反転して上昇、右方向へ進むか。脱「左巻教育」。

<アメリカの公的債務残高は現在、18兆ドル(2106兆円)あまり。多くのアメリカ人は中国をはじめとする外国がその多くを保有していると思っているが、それは間違いだ。

アメリカの公的債務残高の3分の2(65.6%)は、アメリカ国内で保有されている(社会保障信託基金が16%、各種政府機関が13%、連邦準備銀行が12%など)。

国外で保有されているのは、残りの3分の1に当たる6.1兆ドル(714兆円)分のみ。しかも、米財務省が発表している米国債の国別保有残高ランキングには、思わぬ国も名を連ねている。

1位の中国と2位の日本が、どちらも1兆2500億ドル(146兆円)前後で群を抜いているのは、大方の予想通りだろう。上位10カ国・機関が保有する債権4.4兆ドル(514兆円)のうち57%が中国と日本、残り43%は多い順から、ベルギー、カリブ海の金融センター、産油国、ブラジル、スイス、イギリス、台湾、ルクセンブルクとなっている。

ランキングのさらに下位に目をやると、28位にはカザフスタン(351億ドル/3兆6800億円)、35位にはベトナム(137億ドル/1兆6000億円)がランクインしている。これらの国にアメリカが借金をしているなんて、誰が想像しただろう?>(以上)

オバマがヘタレであろうが、米国は軍事力、経済力、文化力で超大国であり、ドルは世界一信頼性の高い基軸通貨だ。各国とも不測の事態に備え、かつ投資目的でドルや米国債を買う or 買わざるを得ない。パクスアメリカーナは十分米国の「血の投資」に見合った。改めて思う、WW2の「唯一の戦勝国」は米国だったのだ。

(毛の中共軍はWW2に現実的には参戦していない、ソ連は冷戦でこけた。中露で戦勝70周年祝賀なんてマンガ、歴史はこうあってほしいという韓国式「ロマン史観」だ)

米国はその地位を維持するために最大脅威の日本を「100年間戦争できない国」にし(米国にとっての平和憲法)、米国自身は戦後の70年間も戦争しっぱなし。

オバマは「世界の警察官を辞任」したが、次期大統領が辞任撤回するかもしれない。次期はヒラリーか、それともジェフか。マケインに期待したいが、80歳では無理だろうな。残念なことだ。

■2月13日(金)。朝は室温9度、快晴、冷え冷えとしたなかフル散歩。

「グレグジット」という造語が流行りそうだ。

<いわゆる「Grexit(グレグジット、ギリシャのユーロ圏離脱)」が現実のものになれば、ユーロ圏全体が新たな危機に直面しかねない。ユーロ圏が崩壊したら世界経済はどうなるのかという底知れぬ恐怖も広がるだろう>(NW2/10)

Greece + exit(出口、退去、退場、死去)。ギリシャはEUの「金は出すが教育的指導に従え」という従来方針に猛反発している。

<【パリ時事2/11】ギリシャのツィプラス首相は10日の議会で、厳しい緊縮財政を伴うEUなどによる現行の金融支援継続をドイツが求めていることについて、「理不尽だ」と批判した。その上で「抑圧の時代に戻ることはできない」と語り、現行支援の延長を拒否する考えを重ねて示した>

EUとギリシャの対立につけ込んでプーチンがちょっかいを出そうとしている。

<EUは、ギリシャ新政権の外交政策にも不安を抱いている。連立与党は共にロシア寄りなため、ウクライナ情勢をめぐってロシア政府への強硬姿勢を強めるNATOやEUに抵抗する可能性がある。

現にツィプラス首相はロシア政府に歩調を合わせ、ウクライナ政府を「ファシスト」と呼んだ。連立を組むANELのカメノス党首に至っては、選挙運動中にEUの対ロシア制裁の完全解除を求めた。ギリシャとEUは、全面的な神経戦に突入したようだ>(NW2/10)

さすがプーチン“食えぬ奴”。習近平、ISとともに武力で世界秩序を変えようとしている。三バカならぬ三狂だ。八百万の神様、三狂に天誅を。(2015/2/13)

2015年02月13日

◆岡田氏が憲法議論を逃げる訳

阿比留 瑠比


民主党の岡田克也代表がこのところ、繰り返し表明している憲法観がよく分からない。岡田氏は、「安倍晋三首相が首相である間は憲法改正の議論はしたくない」と述べており、その理由について6日の記者会見でこう説明した。

「首相は憲法を素人のGHQ(連合国軍総司令部)が8日間で作り上げた代物だと発言している。今の憲法を非常に悪く、低く見ている。さげすんでいるというと言い過ぎかもしれないが、そういう首相の下での憲法論議は非常に危ない」

「一国の首相が自国の憲法を8日間で作られた代物だというのは、民主主義国では考えられない」

また、1月14日の集会ではやはりこの「8日間」を強調してこう語っている。

「自国の憲法をそこまで足蹴にする首相は珍しい」

首相の考え方が気に入らないから議論しないというのも、言論の府たる国会の野党第一党の党首としてどうか。最高法規である憲法について論じるかどうかを、属人的に判断するというのも理解し難い発想だ。

そして、なぜ「8日間」と言うのはダメで、民主主義国では考えられないのかさっぱり解せない。

現行憲法の原案は占領下の昭和21年2月4日、GHQ民政局のスタッフが作成作業を始め、10日に完成して12日にはマッカーサー最高司令官に提出されたものであることは、もはや常識の範囲だろう。8日間どころか実質的に6〜7日間で出来上がったとも言える。

しかも、この民政局スタッフに憲法の専門家は一人もいなかったのだから「素人」とみるのは何も間違っていない。岡田氏はいったい、何が「足蹴」で「危ない」と言うのだろうか。

ちなみにGHQは2月13日に日本政府にこの原案を提示する際、昭和天皇の身柄まで持ち出して受け入れを迫りすらしている。

岡田氏は6日の記者会見では「国民が憲法を大事にし、育んできた」とも述べたが、これにも何を言っているのだろうと当惑する。

当たり前のことだが、現行憲法を国民みんながありがたがっているわけでも、高く評価しているわけでもない。そもそも、戦後一度も改正されておらず、国民の手が触れることすらできなかった憲法をどう育んできたというのか。

GHQ製の憲法は、国民が自ら改正して初めて、真に国民の憲法となるはずだ。

「(GHQで憲法原案を作ったのは)極めて少数、そして憲法の専門家、国際法の専門家は一人もいなかった。この成立過程について問題である、あるいは問題でないという議論は当然あると思うが、この事実については当然認識しておく必要はあるのだ
ろう」

首相は平成25年10月22日の衆院予算委員会で、こう答弁している。何だか分からないことを言い募る岡田氏より、よほどバランスがとれているではないか。

岡田氏率いる民主党は、もともと左派系から保守系まで寄り集まった「選挙互助会」と呼ばれ、憲法や安全保障に関して真剣に議論すると党が割れかねな いと指摘されてきた。

今回、岡田氏が首相の憲法観をことさら問題視し、「ああいう言い方をした首相と議論するのは非常に危ない」(6日の記者会見)と繰り返すのも、本当の理由はその辺りにありそうだ。

実のところは、憲法論議が本格化すると、党が収拾がつかない分裂状態になると恐れて論議自体から逃げているのではないか。(産経新聞政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】 2015.2.12

                 (情報採録:久保田 康文)


◆ドイツ人はそんな韓国人が大嫌い

白井 修二



「日本はドイツを見習え」という韓国人だが、
 http://archive.mag2.com/0001620602/index.html
 黄文雄の歴史から読み解くアジアの未来 2015年2月10日号(第41号)

1月31日、ワイツゼッカー元ドイツ大統領が死去しましたが、韓国の金滉植(キム・ファンシク)前首相は、11日(現地時間)にドイツ・ベルリンで行われるワイツゼッカー元ドイツ大統領の国葬に韓国政府の弔問使節として出席するそうです。

また外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官も4日、在韓ドイツ大使館を訪問し、弔問録に「ワイツゼッカー大統領は、歪曲(わいきょく)なく歴史と直面し道徳的勇気を自ら見せた。ドイツの統合と統一のために彼が残したものは永遠に記憶されるだろう」と哀悼したそうです。

ワイツゼッカーをここまで称揚する意図は、言うまでもなく、「日本もドイツを見習え」という無言の圧力をかけるためです。というか、すでに声に出して言っています。

韓国の尹炳世外相は2月10日の国会答弁で、「日本政府が今年、歴史問題について、ドイのような徹底した反省を行動で表すことが、国際社会に日本の変化した姿を示すことになる」と述べました。

ワイツゼッカーといえば、1985年に「荒れ野の40年」という議会演説を行い、「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」「罪のある者もない者も、老幼をとわず、われわれすべてが過去に責任を負っている」という有名なフレーズが、ナチスの過ちを認め、ドイツ民族として背負っていくことを宣言した、「偉大な大統領」ということになっています。

朝日新聞なども、ワイツゼッカーの功績を手放しで賞賛しています。
 http://www.asahi.com/articles/ASH106RXYH10UHBI02H.html

しかしワイツゼッカーは同時に、この演説において、「一民族全体に罪がある、もしくは無実である、というようなことはありません。罪といい

、無実といい、集団的ではなく個人的なものであります」(『荒野の四十年』岩波書店)と述べています。

つまり、老若男女のすべてが歴史に責任を負っていると述べる一方で、「罪は集団的なものではない」と述べているわけであり、いわば巧妙に、ホロコーストを中心とするナチスの罪を、ヒトラー個人の罪だと断じているわけです。

この点について、西尾幹二氏の『日本はナチスと同罪か』(ワック文庫)に詳しく述べられています。

しかも、西尾幹二氏が指摘するように、ワイツゼッカーはこの演説の中で、関係国に対する謝罪の言葉を述べていないのです。

しかし、日本の左翼陣営や韓国は、ワイツゼッカーの演説の一部を切り取って、「ドイツは戦争責任を果たしている、日本はドイツを見習え」と主張すしているのです。

しかし日本は、そもそもナチスドイツが行ったような「ジェノサイド」を行っていません。

 西尾幹二氏は前掲書において、

「日本の朝鮮半島に対する賠償が不十分であるのを論ずる際に、ドイツ人のユダヤ人に対する賠償額を引き合いに出す不見識はさらに論外である。朝鮮半島の植民地化は1910年、第一次世界大戦前に始まった。比較するならイギリスのインド支配、フランスのインドシの支配、オランダのインドネシア支配と比較すべきである」と述べていますが、その通りでしょう。

「ドイツは戦後補償をきちんと済ませている」という話をよく聞きますが、それも間違いです。

西ドイツ時代、ユダヤ人虐殺などへの個人補償については、日本円で総額約6兆円を支払ってきました。しかし、それは主に500万人ものユダヤ人虐殺についてです。しかもナチス・ドイツのホロコーストは、戦争犯罪ではありません。戦争とは関係なく行われたものです。

そしてドイツはホロコースト以外の戦時賠償については完了していまん。それは戦後、ドイツが東西に分裂してしまったこともあります。そもそも東西ドイツとも、講和条約や平和と呼べるものを連合国と結んでいませんでした。

それが結ばれたのは、東西統合が現実になった1990年になってからです。ドイツ最終規定条約というもので、フランス、イギリス、アメリカ、ソ連との間で調印されました。

そもそも、第1次大戦のドイツに対する過酷な賠償がナチスを生んだという反省から1953年、西ドイツと米・英など西側の債権国19 か国は、ロンドン債務協定を結び、ドイツが負っている借款を半減し、その総額145億マルク を1994年までに返済すると定めました。

ところが西ドイツは、協定を盾に、ドイツの再統一まで講和条約の締結と賠償支払いを凍結したのです。

そして1990年ドイツ最終規定条約が締結されると、英米仏ソはベルリンを含めて、ドイツにおいて保持してきた全ての権利を放棄、これによって賠償問題は消滅します。

また、西ドイツは西側12 か国やユーゴスラビア、チェコスロバキア、ハンガリー、ポーランドとの間で、戦争中の相手国国民請求に対する補償の一括支払いを行いましたが、いずれも対象をナチス犯罪の被害者としています。

つまり、ナチス犯罪の被害者に対する「個人賠償」はしているものの「国家賠償」はしていないのです。

だから、2013年4月には、ドイツに対して第2次世界大戦の賠償を求める動きがギリシャで起こりました。

さらに最近はロシアからも、ドイツに戦時賠償を求める声が上がっています。しかし、ドイツはいかなる支払いも行わないことを宣言しています。この態度こそ、「日本は見習え」と言うべきでしょう。

一方、日本は終戦後、各国との個別の合意の上、当時の金額で1兆300億円という巨額を、国家賠償あるいは経済協力として、いちはやく関係各国に支払いました。ここには、中国に対するODAなどは含まれていません。

韓国に対しては、戦争をしていないわけですから、経済援助という形で無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドルの供与及び融資を行いました。

しかも、1965年の日韓基本条約の締結時、日本政府は「韓国側からの徴用者名簿等の資料提出を条件に個別償還を行う」と提案しましたが、韓国政府は「個人への補償は韓国政府が行うので日本は韓国政府へ一括して支払って欲しい」と述べたのです。

さらにいえば、日韓両国政府は、韓国こそ合法的な唯一の国家として合意したわけですから、韓国へ支払われた経済協力金は、北朝鮮の分も含まれているわけです。

にもかかわらず、今になって韓国は「ドイツを見習え」と事あるごとに主張し、「従軍慰安婦」や「強制労働の被害者」への「個人賠償」を求めているのです。個別補償を断って自ら「国家間の補償」を選んだくせに、後出しジャンケンのように「個別補償が必要だ」などと言っているのですから、何をか言わんやです。

私は、韓国から日本に対するいかなる「正しい歴史認識」について、日本政府をはじめ何人も是認すべきではないと勧告してきました。そこには2つの理由があります。

まず、韓国が主張する「歴史」は真実性を欠き、省察も考証もありません。というよりも、空想妄想です。もうひとつは、韓国人は自国史じついて、ほとんど無知、要するに歴史を知らない民族だからです。

韓国人は確証のない日本の従軍慰安婦については、「人類共通の問題」として糾弾しますが、米軍と国軍の慰安婦問題は懸命に隠そうとしています。

そもそも韓国は人類史上もっとも代表的な「性奴隷国家」でした。高麗朝も李朝も、かつて性奴隷の解放を試みたものの、宮廷の臣下の反対で成功しませんでした。性奴隷が解放されたのは、日韓合邦後です。

現在でも欧米政府は、韓国は強姦の頻発危険地域として、単身の女性旅行者に注意を喚起しています。これに対して韓国の国策民間団体が抗議していますが、まったくピント外れです。

19世紀末、フランスの神父、シャルル・ダレがローマ教会へ送った報告書の一部である『朝鮮事情』には、朝鮮の女性は外に出れば、男性に強姦されることが多く、今以上に危ない国だということが述べられています。そもそもこの国は現在でも、強姦が「国風」ともいえるほど、発生率が高いのです。

ところで、「歴史を直視するドイツは素晴らしい」と絶賛して擦り寄る韓国人ですが、そのドイツでは、韓国人はほとんど好かれていないようです。

BBCワールドサービスの2014年の調査では、韓国に対して「いい印象」を持っているドイツ人はわずか24%しかおらず、59 %が「悪い印象」を持っているそうです。

韓国人は必死にドイツを褒め称えているのに、当のドイツ人から嫌われているのですから、なんだか哀れになってきてしまいます。

 http://archive.mag2.com/0001620602/index.html

◆情報と力こそISILへの対処策だ

櫻井よしこ


日本人2人を殺害したISIL(イスラム国)は「(日本の)国民がどこにいようとも虐殺をもたらす」と脅迫した。

この許し難い犯罪に関して2月3日、「朝日新聞」は社説で「『イスラム国と闘う周辺各国に支援する』という首相の表現は適切だったか、綿密に検証されるべきだろう」と、日本政府に責任があるかのような書き振りだが、的外れであろう。同社説はこうも書いた。

「どんな理由であれ、生活を破壊され、傷ついた民衆のそばに、日本国民は立つという普遍のメッセージを送るべきではなかったか」

まさにそうしたメッセージを、日本政府は長年送り続けてきた。そのことを朝日自身、書いている。

「安倍首相が最近表明した2億ドルの拠出は、周辺諸国への難民の『命をつなぐ支援』にほかならない。戦後日本が培ってきた平和主義に基づく、この地域の人々との協調の証しである」(1月26日)。2月2日には、「難民への人道支援を表明した日本政府を責めたて、身代金や人質交換に応じなければ殺害するという主張は、独りよがりでおよそ道理が立たない」とも書いた。

日本の中東への支援に関して、日によって首相を責めたり、テロリストを責めたり、朝日新聞の社説の立ち位置は変化する。

ISILは、私たちの考えや論理など受け入れない。彼らは1月26日、「テロ決行指令」をネットに掲載し、今後の標的として、・有志連合参加国とその国民、・有志連合に対する聖戦に参加しない全てのイスラム教徒をあげた。自分たち以外全員を敵としてテロを行うというのだ(「産経新聞」2月3日)。

国際法も人道も人権も認めないイスラム過激派勢力は、ナイフだけでなくカラシニコフ自動小銃や携帯型対戦車ロケット砲まで所有する。武器を持ち無差別テロを主張する勢力から、海外で活躍する150万の邦人の安全をどう守り、どう救出するかが、いま、問われているのである。

力をもって立ち向かう

日本国政府の現状は、情報収集も邦人救出も他国に全面的に頼らざるを得ず、殆ど無力といってよい。こうした点について、朝日はどんな答えを出しているだろうか。

「日本は事件から、何を教訓とすべきか。少なくとも、軍事的関与に走ることが日本の安全に直結するとは到底思えない。むしろ逆だろう」「自衛隊による在外邦人の救出といった論議に走るときではない」(社説、2月3日)

思わず、23年前の、はじめて自衛隊をPKO(国連平和維持活動)として海外に派遣するときの朝日の主張を思い出した。自衛隊が海外に行けば軍事大国化を懸念されると書いたのだ。無論、23年間そのような事実はない。この朝日的考え方から脱却することこそ、いまの日本に必要だ。

これまで日本人は海外でさまざまなテロ事件に巻き込まれ、犠牲になってきた。今回も日本政府は情報収集に苦しみ、日本国が昔も今もほぼ無力であり続けていることを露呈した。今後、これまでと同じように情報収集も日本人救出も外国政府頼みでよいはずがない。

ISILは、私たちが国際社会の基本と見做す価値観を認めない犯罪者勢力である。法も人権も認めない。暴力で国際社会の秩序を破壊する彼らの前で、私たちが成し得ることは限られている。平和的な話し合いや交渉が功を奏すことは期待できない。彼らの要求を容れる選択肢も日本にはない。とどの詰り、力をもって立ち向かうしかないのである。私たちに必要なことは、その基本認識を持つことである。

国として国民を守るのに、平和的解決が不可能なら、軍事力を使わなければならない場合が出来する。勿論、でき得る限り、そのような最悪の危機に陥らなくてすむように努力しなければならない。

そこで必要になるのが情報力である。安倍政権は国家安全保障会議(NSC)を設置し、事務局として国家安全保障局を置いた。

同局に各省 から情報が集まり、その情報に基づいてNSCが政策や対策を決定する。 仕組みは一応整えられた。

しかし、まだ十分とは到底言えない。NSCの 判断を支えるための十分な情報を集める機関が日本にはないのである。日 本以外の国々には、アメリカのCIAや、イギリスのMI6など、実働部 隊としての情報機関がある。日本にはこの部分がすっぽりと欠落している といってよい。

内閣情報調査室は存在するが、スタッフは各省からの出向者が多い。彼らはいずれ出身省に戻るのであり、一生掛けて情報の専門家になるわけではない。情報こそ、国と国民の運命を左右する。

だからこそ、情報に携わる 人材や機関をもっと前向きに評価し、情報活動を外務省や警察など縦割り 行政の枠に閉じ込めない形で推進していかなければならない。

日本単独では処しきれない

情報機関とセットで、他国の情報機関同様、実行部隊を設ける必要もある。日本人が海外でテロに巻き込まれるのはISILのケースだけではない。北朝鮮有事の際の拉致被害者救出も懸案である。日本人が囚われている場所などを割り出し、万が一の場合、警察や自衛隊の特殊チームを送り出す法整備が急がれる。

日本はかつて、福田赳夫首相が「人命は地球より重い」と語ってテロリストの要求に屈した。他方、1972年のミュンヘンオリンピックでイスラエル選手団がパレスチナゲリラに殺害されたとき、西ドイツ政府は直ちに対テロ特殊任務を担う部隊を養成し始めた。

海外で邦人が危機に直面するケー スに加えて、2020年の東京五輪を考えれば、日本も同様に対テロ特殊部隊 の養成に力を入れるべきだろう。

アメリカが国際社会への関与の度合いを低下させるのとは対照的に、中国が膨張を続け、国際法の枠外で蛮行に走るISILのような勢力も台頭した。日本だけでなくおよそ全ての国々が、自国と国民を守る戦いに否応なくひきずり込まれている。戦後の日本のパシフィズムとアメリカ頼みでは、日本国民も日本も守れないことを自覚したい。

自らの力で自らを守る能動的な国家へと、日本国の基本的構図を変えなければならないが、日本単独では処しきれない脅威も多い。そのために、まず、集団的自衛権の行使について現実的に考えたい。昨年閣議決定された集団的自衛権も、屋上屋を架すように前提条件が重なり、日本国民と日本を守ることにはなりにくい。

この新たに生じた深刻な危機を前に、私たち は集団安全保障に踏み込む前向きの議論を行い、その先に憲法改正を考え るべきだ。『週刊新潮』 2015年2月12日号2015.02.12 (木)
日本ルネッサンス 第642回

◆能率的に死なせる社会を

平井 修一



日本でもこういう議論ができるようになってきたのは大いなる前進だ。「能率的に死なせる社会が必要になる 建て前としての“命の平等”は外すべき」(東洋経済2/8)から。

<自己決定の尊重という大原則が医療現場を、そして患者本人をも縛っている。人間の死と日々向き合う医師がただす大いなる矛盾と、逡巡の先に到達した着地点。『医師の一分』を書いた里見清一氏に聞く。(中村陽子:東洋経済編集局記者)

──20年前はタブーだったがんの告知。今はもう当たり前ですね。

1990年、横浜の病院勤務時に、「さすがに言わなきゃいけねえよな」と部長が肺がん患者に告知しました。当時その病院で告知したのは僕らだけ。全員に言うか言わないかどっちかなら、全員に言おうと。同じ抗がん剤打ってれば、告知してない患者にもいずれはバレる。

一点の風穴が開くと、告知は一気に広まった。それが2000年くらい。今では面と向かって「あと3カ月です」と言う医者もいる。極めて厳しい膵臓がんなど、昔はどう話そうか悩んだものだけど、今はあまり悩まなくなった。医者のパターナリズム(父親的温情主義)が否定され、“患者のために”医者が決定しちゃいけなくて、全部患者の自己決定に任せよということになってる。

*「医者は自分で責任を負わねばならない」

──自分で決めろと言われても。

困るでしょ。患者が「先生にお任せします」と言うと、今日びの医者は「お任せされても困ります」と突き返す。手術しろって言うならするけど成功率は20%、あなたの人生なんだから自分で決めて、というのは、さすがにどうよと思うんです。

フランツ・インゲルフィンガーという食道がんの権威がいまして、30年前自身が食道がんになったとき、患者に自己決定を押し付けるのはやっぱり違うと痛感した。彼は第一人者だから誰より情報を持っている、でも決められない。結局、有能な同僚にすべてを任せました。

彼は遺稿の中で「医者は自分で責任を負わねばならない。患者に負わせてはいけない。自分の経験を駆使して具体策を提示しようとしない医者はドクターの称号に値しない」と書きました。

自己決定の尊重というのは医者の逃げ口上としてはラクなんですよ。手術が失敗しても、お気の毒でした、でも私は事前に失敗の確率を申し上げましたよね、って言える。

──里見さんは、患者の自己決定を信じない、と明言されてますね。

本人の意思なんてどんどん変わります。それに決められます? 自分が決めたことだからどうなろうと自分の責任、悔いはない、と笑って死んでいく人なんて現実にはいない。「やっぱりあのとき、手術はよしましょう、と先生に言ってほしかった」って言われるんです。自分で決めたことでも、やっぱり後悔しますわね。

僕はよく患者さんに「じゃあその治療で行きますけど、それは僕が決めたことだからね」と言います。僕もOKして決めたことだから、悪化したら僕も責任を持って次の措置を考える、と。患者が選んだ治療でも、結果オーライじゃなかったら謝って、次はこうしよう、とやっぱり医者が決めていくべきじゃないか。

──去年、米国で余命宣告された女性の安楽死が話題になりました。

あれは医者が、苦痛を取る薬ではなく自殺目的の薬を処方したのですから、医者の幇助による自殺です。

それじゃ日本ではどうしてるかというと、耐えがたい苦痛がある場合は眠らせて意識をなくしてしまう。その薬を一度やめて、目が覚めてもやっぱり苦しいならまた眠らせる。そうしてるうちに亡くなってしまう。

二度と目が覚めないことを前提に眠らせる行為と、その段階で殺してしまうのとで何が違うかというと、あんまり違わないかもしれない。

──日本では対応能力が限られる中、今後高齢の死者が急増します。

命は平等かという問題について、私も揺れ動いてるところはあります。ただ建前としての“命は平等”というのはもう外してもいいのかな。現実問題、すでに平等じゃない。

救命センターの研修医時代、パンク寸前で受け入れ制限せざるをえなくなったとき、指導医はこう指示しました。労災は受ける、自殺は断る、暴走族の“自爆”は断る、子供は無条件に受け入れると。僕もそれを正しいと思った。

現実的に命に上下は存在すると思っている。老衰の人に点滴して抗生物質使って、無理やり生かしてどうする? はたしてそれがいいんですかね?貴重なベッドを老衰患者でずっと塞いでしまうことが。

──医学的な重症度以外に、社会的な価値も考慮に入れるべきだと?

実質的にはみんなそう思ってやっています。家族に「もう歳だからあきらめる」と言わせて、あくまで家族の選択として苦痛だけ取ってお見送りする。医者は患者の価値を決めちゃいけないと建前上なってるから、家族にそう言わせてるだけです。

90とか95の老人をさらに生かす見返りに、働き盛りの人にあきらめてもらうのは、やっぱりおかしいですよ。アル中で肝臓悪くした親父が子供や嫁さんからの肝臓移植を希望する。好き勝手した人間がそこまでして長生きしたいと言う。

敏感な人が遠慮して身を引き、鈍感な人がのさばるなら、それはもう不公平でしょ。生きたいという意志を無条件で尊重しなきゃいけないかというと、できることとできないことがある。

*「能率的に死なせる社会」が必要だ

──矛盾と疑問だらけの現実に、今後どう対処していくのでしょう。

僕が役人だったら、能率的に死なせる社会のことを考えますよ。だってそうしないと間に合わねえもん。

ただ現場の医者として、それは怖い。この患者はここまで治療すればOKという明確な方針で進めてしまうと、僕はナチスになりかねない。自分はがん専門だからまだラクで、慢性腎不全なんか診てる同僚は大変ですよ。

90歳で判断能力もない患者を押さえ付けて透析して点滴して、もう10年やってるから今さらやめるわけにはいかない、家族も決められない。今日び医者は訴えられるのが怖いから、逃げにかかって延命措置をする。

──結局、誰かがどこかで線を引く日が来るのでしょうか。

誰か考えてるんですかね? たぶん左右両極端には行けず、宙ぶらりんのまま状況見て、多少右へ左へってことをやっていくんだと思う。それとも何とかなっちゃうんですかね。

今では孤独死を、それでもいいと思う人が増えてるように、日比谷公園で一晩に3人5人死ぬことに慣れちゃって、そんなもんだと思うようになれば、キャパうんぬんも何もどうとかなっちゃうのかもしれない。

仮に医者が安楽死させるなら、良心の呵責に苦しみながらやるべき。自分を守るためにガイドラインを作れ、法律で決めてくれというのは違うんじゃねえかな。今の国会議員に僕は人の命なんか決めてほしくねえや。

結局、今そこで患者を診ている医者が、引導を渡す役を引き受けるしかないんじゃないですかね>(以上)

非常時に治療対象者の優先度を決定して選別を行うことをトリアージというが、通常時でもこれを進めていかないと社会保障費でわが国は沈没してしまう。生活保護を受けている人は医療費の自己負担はゼロだ。事情にもよるが、こんなバカなことは止めるべきだ。

打ち出の小槌があるはずもないのだから、中負担、中福祉を選択すべきである。それ以上の高額の治療を受けたければ自費でやってくれ。(2015/2/12)

◆米、サイバー戦争にいよいよ本腰

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成27年(2015)2月12日(木曜日)通巻第4464号 >

 
〜米国、サイバー戦争にいよいよ本腰
   サイバー脅威情報統合センター(CTIIC)を新設〜

 
2001年9月11日のNYテロ事件直後に、米国はCIA、FBI、DOD、そして「国家安全保障(NSA)などの情報機関を統合する「国家情報局」を発足させたが、この機構のなかに、CTIICを新設し、本格的なテロ情報対策の一環としてサイバー攻撃に備える。

米国はサイバー攻撃を実際に展開している国として中国、露西亜、イラン、北朝鮮を名指ししているが、ISIL(イスラム国)には、まだサイバー部隊はないと踏んでいるようだ。

また英国の「国際戦略研究所」(IISS、有力シンクタンク)が発表した『ミリタリー・バランス 2015』報告書のなかで、アジア全体の軍拡が拡大したが、なかでも中国の軍事費が全アジアの38%を占めると警告した。

同報告書は中国が「グレー・ゾーン的手法」で尖閣諸島の軍事占拠を実行する可能性にも触れて、そのモデルをロシアのクリミア併合と類似するとした。

2015年02月12日

◆対外情報機関の設置が急務

櫻井よしこ



「危機に弱く役に立たない政府機関 

オレンジ色の囚人服をまとい、鎖と手錠で拘束された後藤健二さんが、1月24日午後11時すぎには殺害されたとみられる湯川遥菜さんの写真を、27日夜にはイスラム国に捕らわれているヨルダン人パイロットの写真を両手に持たされ、メッセージを発信させられた。

29日午前段階でのイスラム国の要求は、後藤さんとヨルダン政府が拘束している女テロリストの交換である。

日本人のためにヨルダン政府が、拘束中のテロリストを解放するという一対一の交換は、日本およびヨルダン政府にとって非常に厳しい条件だ。事態は予断を許さないが、私たちは事件が世界に発信していることを読み取り、次なる状況に備えなければならない。

安倍晋三首相の、人命は尊重するが、テロには屈しないという方針を、国民の6割が支持していることが世論調査で明らかになった。非常に心強い。法も道理も踏みにじり、暴力による支配を押し広げていく勢力は、これからも存在し続け、根絶は容易ではないだろう。私たちが慣れ親しんできた国際社会の秩序や道理が公然と否定される事態は発生し続けるだろう。

日本はこうした事態に無防備であり続けてきた。だからこそ、今、国民を守るために何をすべきかを考えたい。まず第一は、世界各地域の情報を自力で取り、分析する能力を養う体制をつくることだ。

日本は、先進諸国の中でインテリジェンスに最も疎い国である。これまで日本人や日本の企業が海外で危機に陥ったとき、ありていにいって各国の在外公館をはじめとする政府機関は、ほとんど役に立たなかった。

危機に直面して、大使館や日本政府に情報を提供してきたのは日本の総合商社やメディアだった。国家としての情報収集能力を備えていないこのような実態は今も基本的に変わっていない。

大国米国が海外での紛争に介入することをためらい、軍事介入に非常に消極的になったことが、世界のルールが大きく変わることにつながっている。今回の事 件に限らず、予想を超える事件が発生し続ける構造的な変化が世界政治に起きてい る中、日本はなんとしても国際社会の動向を察知し、備えるための情報機関をつくる べきだ。

情報機関は、世界を広く俯瞰し、およそ全ての問題を「国際社会の中の日本としてどう対処すべきか」という発想で眺め、分析し、対応策を打ち出せる能力を 備えていなければならない。

例えば日米、日中関係にしても、今回のようなテロリスト問題にしても、二国間あるいはその相手との関係だけで考えるのではなく、日本の国益を担保し、日 本国民の命を守るために何をするのがよいのか、全体像を見詰めた上で戦略を描ける ものでなくてはならない。

であれば、北米課や中国、モンゴル課など、縦割り構造の発想にとらわれがちな外務省では役に立たないということだ。新しい情報機関は既存の役所の外に、 首相直属の独立機関として設置するのがよい。

安倍首相の強い意思で設置した国家安全保障会議(NSC)も、本来、きちんとした情報を上げてくる下部組織を持っていなければ、機能しない。

NSCが正しい判断を下し、正しい戦略を打ち出すためには、判断材料と優れた情報がなければならない。あらゆる意味で、対外情報機関の設置を急ぐことだ。

次に、海外での邦人救出のためにわが国は一体、何をなすべきか、具体的に論じるべきだ。

海外で予想外の事件に巻き込まれると、日本人は現行憲法と現行法の下では、日本政府が助けに来てくれることはないという現実に直面する。助けてくれる国 家を持たないこのような状況に、これからも私たちはずっと甘んじていくのか。官民 挙げて現実的に語り合うときだ。

『週刊ダイヤモンド』 2015年2月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽1070

                    (情報採録:久保田 康)


◆「民族の裏切り者を撲滅せよ」

平井 修一



欧米では左右の対立が進化、深化し、今や極左、極右が中道勢力を圧する勢いのようだ。もっとも極左、極右に定義はなく、このレッテルは政敵や反対者、異論者に対して互いに投げつける悪罵のようなものだが、互いの不信・反感・嫌悪・憎悪・警戒心は日々高まっているようだ。

英国では昨年、スコットランドをめぐり独立推進派と反対派が世論を二分して対立、先年は米国で共和党強硬派の「ティーパーティー」(TaxedEnough Already、もう税金はたくさんだ)と民主党強硬派の「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)の対立があった。

対立が深いと論争にならず、罵倒になりがちだが、今や相手に「災いあれ」と呪うのだという。呪うのはまだマシで、パリでは17人が殺された。

日本でも左右対立は進んでおり、安倍政権と野党はほとんど論争になっていない。55体制の自社のように裏で歩み寄る、取引する、落としどころを探る、ということがなくなり、互いが主張するだけで、論争の意味がなくなっている。

マスコミも左右対立は激しくなっている。『国民新聞』1/25の酒井信彦氏の論考のタイトルは「民族の裏切り者を撲滅しなければならない」というもので、さすがに愛国者の新聞だなあと感心する半面、テロを教唆扇動しかねないかと老婆心ながら心配している。以下引用。

<日本の歴史問題なるものは、淵源は東京裁判にあるが、実質的には一九八二年の教科書事件から開始された。その経過は、まず日本のマスコミが騒ぎ、それに中韓両国が反応して国際問題化させ、さらに日本の政治権力、政府・自民党が屈伏するという、愚か極まるメカニズムが作動していた。

このメカニズムはその後、靖国問題、慰安婦問題などで、何度も繰り返され、その間に河野談話・村山談話が出されて、日本を苦しめ続けてきた。

この状況を克服しようとしているのが、安倍政権であるが、近年明確になってきたのは、中韓のみならず、日本が防衛を全面的に依存している、東京裁判史観の本家たるアメリカによる牽制であり、したがって容易には解決できないと覚悟しなければならない。

昨年、朝日新聞の慰安婦問題の記事取消がようやく実現した。ただし朝日はいまだに慰安婦問題の本質論なるものを振り回して、冤罪をでっちあげて日本の名誉を著しく毀損したという、この問題の真の本質を誤魔化している。

今後、慰安婦問題だけでなく、他の歴史問題における、組織としては朝日・岩波、個人としては大江健三郎に代表される、日本を貶めることに熱狂する、虐日日本人の犯罪行為を、徹底的に告発・糾弾する作業が必要である。まずは内部の敵、民族の裏切り者を撲滅しなければならない>(以上)

どうやって撲滅するのか。自派の媒体やネットで圧倒的に質量ともに敵を上回る言論戦を展開し、時に応じて集会、デモ、訴訟を起こす。選挙になれば自派に有利な政党に投票するくらいだろう。

しかし、産経や読売、週刊新潮、週刊文春などが吉田証言、吉田調書の虚報で“溺れる”朝日を叩きまくったが、部数を減らしたものの朝日は撲滅されていない。蛙の面に○○、悩ましい問題だ。大江は高齢だから逝くだろうが、こういうワルは長生きするから、下手をするとこちらの方が早いかもしれない。

まあ、「目には目を、歯には歯を」、言論には言論で戦うしかないのだが、新聞・雑誌は買わなければ部数は落ちて、発行元は苦しくなる。一方でNHKは放送法を変えて受信料制度を改めることで圧力を加えられるが、民法のテレビ、ラジオは視聴しないことで視聴率を下げ、スポンサーがつかないようにするしかない。

しかし、テレビ視聴者のオツムのレベルは中2で、中2坊主にテレビを見るな、産経や国民新聞を読めといっても無理だ。彼らの関心は猟奇的な事件、大事故、大災害、エンタメ、スポーツ、天気であり、政治・外交・経済なんて興味がない。難しいことを言っても馬の耳に念仏だ。

愛国保守派の正論によりGHQの押し付けた日本悪玉論、自虐史観は薄れつつあり、左巻の論壇誌は岩波世界くらいしか残っていないが、9条教徒は狂信者、宗教脳だから転向しない。

彼らも団塊世代以上がほとんどだろうから、いずれ死に絶えるだろうと期待はできるが、マスコミのほとんどはアカかピンクであり、読者もそうだから、これを是正することも撲滅することも難しい。

地道に、じわじわと、しかし力強く、告発・糾弾を続けることが、やがては「民族の裏切り者を撲滅」することになる。いつ終わるとも知れない持久戦だ。各員一層奮励努力せよ。微力ながら小生も踏ん張る。(2015/2/10)

◆大予言:2015年日本の消滅

MoMotarou



「あと20年ぐらいしたら日本は消滅しているだろう」と語った中国の首相がいた。1995年の李鵬である。オーストラリアでだった。結果は逆だった。(市民の声)

               ★

我が国を舐めてはいけない。わが王朝は2000年以上続いている。皇暦 で言えば今年は2075年だ。

■日本は流れが変わった。

しかし危なかったのは事実。東日本大震災が起き、天皇が「緊急声明」を発信。菅直人ら民主党傀儡政権を引きずり下ろす「分岐点」となった。法的根拠は別として、一種の「勅令効果」があり、内外とも事態の深刻さを理解した。そして風雲児「安部晋三」の再登場に繋がっていくのである。

■マスコミの支配者

産経新聞パリ支局長山口晶子(しょうこ)さんによれば、フランスは天皇陛下の「声明」を全編に亘り放映したという。我が国においてはNHKすら全編放送は一回のみで、あとは部分だけ。如何に天皇の存在を煙たがっているか、図らずもその姿勢が暴露された。

ISIS日本人殺害事件に関してマスコミの報道姿勢は、「反安倍政権」とも取れるものが多く、将に「安倍首相が引き起こした」と言わんばかりであった。

また国会にも少数であるが何時ものプロ・デモ隊が押しかけてい た。このマスコミの姿勢は統一がとれたもので洗練されている。後ろには しっかりとした組織があるに違いない。日本共産党には注意が必要だ。

朝鮮総連の本部が密かに売却された。もっとマスコミが取り上げるかと思っていたが、イスイス「イスラム国」ばかり。北朝鮮お得意のマスコミを使った「陽動作戦」にハマったようにも思える。

■我が国は内戦に突入

第一次世界大戦はサラエボの一発の銃弾から始まった。そして一週間も経てば終わるはずだった。今回のイスイス・テロは異質であり、世界秩序の再編につながるものかもしれない。

我が国は、国内を引き締め、生き残りを掛けて行かなければならなくなるだろう。民主党傀儡政権の3年間は、日本を狙う外国勢力には十分な時間だった。第二の安重根が出てこないように、何と言われようとも、国内の監視は強化しなければ間に合わなくなる。

<ちなみに首都のワシントンDCは上院議員がいない(下院議員は選出されるが議決権を持たない)。つまり首都である東京都の人々には選挙権がほぼないという話である。  「経済コラムマガジン14/10/27(818号)」より>
 http://www.adpweb.com/eco/eco818.html

◆米大統領、ダライラマと面談

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 



<平成27年(2015) 2月8日(日曜日)通巻第4460号 <前日発行>>
 
〜オバマ、宗教指導者があつまる朝飯祈祷会でダライ・ラマ法王と会見
  国防総省は、「ことし米空母の中国寄港の予定はありません」と冷ややか〜


2月5日、首都ワシントンで3千人を集めて開催された世界宗教指導者の朝飯祈祷会で演説し、ダライ・ラマを「親しい友人」と発言した。

その場に参加していたダライ・ラマ法王とオバマ大統領が公開の場で面談した。中国のメディアは「このような分裂主義者との会見は中国を怒らせた」などと報じた。

同日ペンタゴンのスポークスマン、ステーブ・ウォーレンは「年内に米空母が中国に寄港する予定はない」と冷ややかに発言し、米中軍事交流の停滞ぶりを象徴する発言となった。

折しも中国語新聞などによればパラセル諸島にある永楽群島の最南端「中建島」を台風が直撃した模様で中国軍が不法占拠している軍事施設を損壊した。

兵士の犠牲などは不明。中建島は沙州で、海抜1・7メートル、面積は僅か1・5キロ平方の環礁。

解放軍報、中国青年報などは、この報道をしていない。
          

◆今年も世界は憂鬱そう

平井 修一



2014年はひどい年だったが、今年も憂鬱な一年になりそうだ。川口マーン惠美氏の論考「ユーロが欧州にもたらしたのは統一よりも分裂か ギリシャの怨嗟、ドイツの憂鬱・・・統一通貨を待ち受ける茨の道」(JBプレス2/4)から。

<財政再建の進まないギリシャを見て、EUの人々はギリシャ人に怠惰の烙印を押した。ギリシャ人は絶望し、不満がこれ以上にないほど高まった。そして、緊縮政策の先導役であるドイツを、とりわけ憎んだ。

そんな状況の下、国会解散、総選挙と進み、反緊縮を唱えたツィプラス氏が、あれよ、あれよと言う間に突出した人気を得て、ギリシャの首相に収まってしまった。

SYRIZA党のツィプラス党首の圧勝を見ていくと、選挙前のギリシャの国状とヒトラーが台頭した時のワイマール共和国の国状とが、あまりにも似通っていたように感じる。

1933年、ヒトラーが政権を獲った時、ドイツ国民は疲弊のただなかにいた。第一次世界大戦の敗北で大きな痛手を受けていたドイツ国民を襲ったのが、ベルサイユ条約で決められた過酷な賠償金だった。第一次世界大戦の責任は、なぜかドイツ一国に押し付けられた格好になっていた。

当時、ドイツ国民は経済的に追い詰められただけでなく、ひどい屈辱を感じていた。貧困が人々の心の中までしみ込み、欲求不満と絶望が国全体を覆った。最終的に国民を動かすものは、この屈辱の感情であると思う。ヒトラーは、ドイツ国民の屈辱を怒りに変え、怒った国民を自分の機動力にした。

それとまったく同じ状況が、図らずもギリシャで作られていた。EUとIMFと欧州中央銀行の管理下に置かれ、緊縮財政を押し付けられ、息も絶え絶えになったギリシャの没落は早かった。

当時のドイツ人がヒトラーに魅せられたように、現在のギリシャ人もツィプラス氏に魔法のように惹きつけられた。絶望した人々が、怒り、突破口を探すうちに、破滅と紙一重のところに望みを託すことは、往々にしてあるものなのだ。

ツィプラス党首は40歳。彼の導く道は、しかし、破滅ではないかもしれない。彼は人々に希望を与える。彼は、「貧乏人がこれ以上苦しむことはない。国の復興は、金持ちのお金でやろう」と言っているのだ。彼は生粋の社会主義者だ。資本家に支配された世界を変えようとしている。

ツィプラス氏は、ギリシャが援助として受け取った多額の借款も、返すかどうかはもう一度最初から交渉するつもりらしい。民営化はまた国営に戻し、首を切った公務員も再雇用する。とにかく、お金が回るようにする。外国から押し付けられた屈辱の緊縮財政には終止符を打つ。

国民がこの言葉に希望を見出したことは疑う余地がない。どのみち、これ以上悪くはならないだろうと、皆が思っている。ギリシャ人は、今、強い。

ギリシャの新しい財務大臣は、経済学者のバルファキス氏。大学教授だ。しかし、その精悍な容貌は闘士に近い。53歳。

目標は、ギリシャに艱難をもたらしたEU、IMF、欧州中央銀行の独裁制からの自国の解放であると言っている。制度改革、オリガルヒ(新興財閥)の絶滅、そして、国民が貧しくとも幸せに暮らせる国を作る。彼も生粋の社会主義者である。

バルファキス財相は、30日、慌てて飛んできたEUの財務相グループ(ユーログループ)のデイセルブルーム議長と、初の話し合いを持った。

しかし、債務減免や緊縮策見直しを要求するバルファキス財相と、従来の方針の延長を求めるデイセルブルーム氏の意見は、平行線をたどっただけでなく、別れるときに握手するのさえ嫌だというのが傍目にも顕著なほど険悪な雰囲気を醸し出していた。道は険しい。

いずれにしても、EUは今、新しい作戦を練り直す必要に迫られている。交渉が暗礁に乗り上げれば、金融市場に不安が広がる。それは、あっという間にEUを超えて世界へ広がっていくだろう。EUはどうにかして、ユーロという通貨の信用を守らなければならない。

しかし、何のために?

おそらく、今、多くのEUの市民の頭の中で、ユーロを守る大義がわからなくなっているに違いない。共通通貨を持つことの矛盾も噴出し始めた。

ユーロ移行10周年の2012年、それはEUのサクセス物語として称賛された。
ドイツはおそらく、その冥利を一番多く授かった幸運な国だったかもしれない。

しかし今、ユーロは構造的に成り立たないアイデアだったと、皆が思い始めたようだ。しかし、ユーロを壊すには、どれほどの犠牲と痛手を甘受しなくてはいけないことになるのか、その後に何が来るのか、それを考えると俄かに空恐ろしくなってくる>(以上)

社会主義者というのは「共産主義者」のソフトな表現で、基本的にマルクスを信奉している。経済政策は国家統制経済で、ヒトラーは「国家社会主義」を標榜していた。ギリシャの首相と財務相は「生粋の共産主義者」だとするのなら、ギリシャはアカに国家を乗っ取られたのである。

中共は地主や金持ちを殺し、さらに農地を含め全土を自分のものとした。産業と言えるものは農業くらいしかないから、農民を集めて人民公社を作り、集団営農を始めた。一所懸命に働いてもサボっても賃金は一緒だから、皆やる気をなくした。結局、農民の犠牲の上に無謀な工業化を進めたことを契機に餓死者が続出した。

ギリシャの主要産業はサービス業(観光)、鉱工業、農林水産業である。メインは観光業だが、遺跡とエーゲ海、オリーブしか売り物がないということだろう。ツィプラス政権はどうやって国民を食べさせてゆくのだろう。

どうせ踏み倒されるだけだから、もう誰も(多分EUも)ギリシャに金を貸さない。全ての土地や生産設備を国有化される可能性があるから、誰も投資しない。失業者や乞食ばかりの観光地には誰もいかなくなるだろう。

かくしてギリシャ国民は飢えるのである。ドイツはヒトラーに引きずられて敗戦し、国家分断の悲哀を体験したが、教育レベルと技術力があったから再起した。ギリシャ国民はアカをリーダーに選んで「俺を殺せるものなら殺してみやがれ、世界は目茶目茶になるぞ」と起死回生に望みをかけたが、この居直り、あるいは恫喝に西側諸国が応じなければ亡国となる。

地政学的にはロシアあたりが救済に名乗りを上げてもよさそうだが、今のプーチンにはそんな余裕はない。欧州は今年も悩ましい試練の連続だろう。世界はますます憂鬱になりそうだ。(2015/2/8)

2015年02月11日

◆日本人を蝕む西洋化という病

加瀬 英明



新年が巡ってくるたびに、毎年、日本らしさが、失われてゆく。嘆かわしい。

家の近くを通ると、クリスマスツリーや、樅(もみ)の枝輪や、ポインセチアが飾られて、まるでアメリカの街にいるような錯覚にとらわれる。クリスマスが近づくと、テレビがサンタクロースや、クリスマスの曲(キャロル)で満たされる。

もしイエスが生きていたとしたら、百貨店のクリスマスの飾りを、壊すにちがいない。イエスは生涯にわたって、清貧を説いた。

新約聖書はイエスが神殿の前の屋台を襲って、つぎつぎと倒したことを記している。日本国民はサンタクロース教によって、誑(たぶら)かされている。日本が西洋化という病(やまい)によって蝕まれて、内から崩壊しつつある。

昨年も、天皇誕生日に3万人以上の善男善女が日の丸の小旗を振って、聖寿を寿(ことほ)いだ。

11月に大相撲の九州場所の千秋楽で、白鵬関が鶴竜関に勝って、32回目の優勝を果した。私は白鵬関が賜杯を手にした後に、土俵の下でNHKの優勝インタビューにこたえた言葉に、深く感動した。

白鵬関はそのなかで、「相撲の神様に感謝します」といい、声を張りあげて、「天皇陛下に感謝します!」と述べた。私は「相撲の神様」「天皇陛下に感謝します」という言葉を、久し振りに聞いた。

私たち日本人は、太古の昔から八百万(やおろず)の神々に囲まれて、生きてきた。

今日では、相撲は日本語に入った英語を借りて、「スポーツ」と呼ばれているが、本来は神を祭る神事(かみごと)である。私はテレビで大相撲を観る時には、敬虔(けいけん)な思いにとらわれる。

土俵はリングではない。神聖な場だ。力士は土俵を踏む前に、力水(ちからみず)と呼ばれる清(きよ)めの水で口をすすぐ。神社にお参りする前に、口をすすぐのと同じことだ。

 土俵を造る時には、神主を招いて厳粛な神事が行われる。真ん中に10センチ4方ほどの穴が掘られて、米、勝ち栗、昆布などを埋めて供え、お祓(はら)いをしたうえで、四隅にお神酒(みき)と塩が撒かれる。

力士が足を高くあげて、土俵を踏みつける四股(しこ)は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願って大地から地中の悪霊を払う意味がある。

このような形を、過ぎ去った昔のものとして、捨ててはならない。日本の宝である。

私は白鵬関が「相撲の神様に感謝します」と述べたのに、胸が熱くなった。白鵬関は「ちょっと、モンゴル語で話をさせて下さい」といって、モンゴルで観ている両親と国民に向かって、「親と母国の人々に、深く感謝します」と述べた。

日本のあらゆる信仰は、神道をはじめとして、感謝に基いている。感謝の念が、日本人を日本人たらしめてきた。日本を特徴づけてきた「和」の精神は、感謝の心がつくってきた。日本は感謝しあう、美しい国なのだ。

日本語には明治に入るまで、「神話」という言葉が存在しなかった。「ふること」といった。漢字で「古事」と書く。「神話」は英語の「ミソロジー」の明治翻訳語である。

皇居では、天皇陛下が日本の祭主として、秋の新嘗祭(にいなめさい)には、日本民族がまだ文字を持たなかったころから伝わる、古い感謝の神事を行なっておいでになる。ふることは、現代まで継(つなが)っている。有難いことだ。

5千円札に、いまから120年前に赤貧のなかで、25歳で病死した、樋口一葉の肖像があしらわれている。本名をなつといった。

なつは、克明な日記を遺している。しばしば、日本のありかたに触れている。

病没した前年に「安(やす)きになれておごりくる人心(ひとごころ)の、あはれ外(と)つ国(くに)(註・西洋)の花やかなるをしたい、我が国(くに)振(ぶり)のふるきを厭(いと)ひて、うかれうかるゝ仇(あだ)ごころは、流れゆく水の塵芥(ちりあくた)をのせて走るが如(ごと)く、とどまる處(ところ)をしらず。流れゆく我が国の末いかなるべきぞ」と記している。

日本人らしさを、失ってはなるまい。

◆G20財務相会議はイスタンブールで

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

<平成27年(2015)2月10日(火曜日)通巻第4463号> 

 
〜G20財務相会議はイスタンブールで
   直前トルコに飛んで派手なデモンストレーションを行ったのはロシア〜


トルコと露西亜が異常接近している。

かつて露と戦争を闘い、オットーマントルコ(オスマントルコ)帝国は南北から列強の挟み撃ちにあって南カフカスからバルカン半島、アラブ世界、北アフリカの宏大な領地を失った。

ロシアへの恨みは深く、日本が日露戦争に勝ったとき、トルコは国中がお祭り騒ぎとなって日本の勝利を祝福した。

それほど反露感情の強かったトルコが、なにゆえにロシアに接近したのか。

繰り返し小誌でも指摘してきたように、トルコは「ヨーロッパの一員」という歴史認識の下、NATOの重要なメンバーとして冷戦時代はロシアに対峙し、黒海の南端を守備してきた。

NATOの地中海パトロールの拠点はトルコ第三の都市イズミールである。

冷戦終結後、東西ドイツは統合され、NATOは変質し、西欧はEU、そしてユーロの統一通貨を産んだ。

トルコは当然、ヨーロッパの一員として加盟申請したが、冷たくあしらわれ、ユーロに加えてもらえなかった。

このあたりからトルコの欧州離れが始まり、湾岸戦争、イラク戦争、そして現在のシリアから「イスラム国」戦争を通じて、イスラムへ大きく回帰し、トルコ全土の大学にモスクを建設し、イスラム世俗主儀の一部を、宗教の彩りを加えた政策に切り替える。

目には見えないがトルコにはイスラム原理主義が深く存在している。

サルマンラシュディ事件のときも、30人近い翻訳者や作家、ジャーナリストが殺害された。

イスラム国の拠点地域のシリアへ向かう若者らの通り道もトルコであり、当局は間接的にイスラム国の過激派の兵站ルートを兼ねた。

エルドアン大統領はオザル元政権のような親米色が薄く、強固なナショナリスト、あたかもオスマントルコ帝国の再来を期するかのような政治的発言が目立つようになった。

 
 ▼新しいパイプライン敷設予定地域を上空からランデブー視察
 
異変が起きた。

水面下でトルコに接近してきたロシアは西欧へ輸出する石油とガスのパイプラインの新ルートに「サウザンルート」(黒海西側からブルガリア、ルーマニアを経由して西欧へ)を止めて、トルコ経由とすることを正式に発表したのだ。

これは日本では殆ど無視されたが、西欧には衝撃を与える事件だった。

 現在は北海ルート(海底パイプラインをドイツへ)を建設中のほか、既存のパイプラインはウクライナルートとセイハンルート(南カフカスからトルコをまたぎ地中海へ)があり、このうえに黒海東側からトルコ北西部を通過し、ギリシアとの国境へパイプラインを繋げる。

そして2月7日、ロシア国有の大企業ガスプロムのCEOであるアレックス・ミラーがイスタンブールへ現れた。

トルコのタネル・イズデズ(エネルギー大臣)が出迎え、ふたりは特別ヘリコプターへ乗り込んで四時間の飛行を楽しんだ。

イスタンブールから黒海上空を経てマルマラ海まで。ガスパイプラインの敷設予定地を空から視察したのである。

折からイスタンブールではG0財務相会議が開催される。直前に、これほどの当てつけデモンストレーションはないだろう。