2015年01月15日

◆直観と論理:日本

MoMotarou



日本人は太古の昔から直感によって、万物に神霊が宿っていると、信じてきた。日本人は全宇宙が神聖だと、直感したのだった。(加瀬英明)

       ★

正月一日、県議会議長の知人が新年祝賀の為参内した。「二重橋」を車で渡ったそうだ。思い出すのは田中角栄さんの事。結婚する時、奥さんに約束させられた「将来二重橋を渡るときは一緒に連れて行くこと」があった。約束は守られた。決断と実行。

■わが民族の力

「日本人は何を考えているのか判らない」と云う言い方をする外国人がいて、日本人の中にもその考えに毒されている人々もいる。ならば我が国は混乱しているかというとそうでもない。見事今日まで整然と日々生活している。竹中平蔵さんや舛添要一さんみたいに口から泡を飛ばすことも無くだ。コストパフォマンスは良い。

加瀬英明(国際問題評論家)さんが「一般宮中参賀」に関連して、私達に備わ りながら気が付かないことについて書かれている。転載したい。表題は小生。

*「一般宮中参賀と日本」加瀬英明のコラム」メールマガジンより

□精霊信仰の国に論理の仏教が渡来

<今年も1月2日に、皇居に8万1千人の善男善女が参賀に訪れて、万歳を唱えた。日の丸の小旗の波が、美しかった。天皇陛下のお姿は、いつ拝しても神々しい。世界に多くの国々があるが、日本だけが125代にわたる御皇室を、戴いている。御皇室こそが、日本を日本たらしめている。

どうして、日本が開闢(かいびゃく)して以来、天皇がもっとも崇められるべき人である「すめらみこと」として、尊ばれてきたのだろうか?神道は万物に神霊が宿っているとする、精霊信仰である。
 
世界の先進国のなかで、日本においてだけ、精霊信仰がいだかれている。
御皇室と神道は同じ源(みなもと)から、発している。日本人は太古の昔から直感によって、万物に神霊が宿っていると、信じてきた。日本人は全宇宙が神聖だと、直感したのだった。

ところが、長いあいだにわたって、神道には名前がなかった。神道という言葉が日本語に加わったのはかなり最近のことで、日本の2番目に古い歴史書である『日本書紀』(西暦720年)のなかに、はじめて現われる。

神道は日本が生まれた時から存在してきたが、仏教が伝来すると、仏教と区別するために、「神道」と名づけられた。仏教とともに、日本に中国大陸から、論理的な考えかたが入ってきた。>

□神道の直観と仏教の論理

<神道は直感によっているから、知性を働かせる論理と、無縁である。そのために神道には、仏教や、大陸から伝わった儒教と違って、今日にいたるまで、教典が存在していない。

仏教と儒教は、日本が発展するのに当たって、大きく役立ってきた。仏教と神道は争うことなく、互に学びあって混った。

中国やヨーロッパや中東では、論理が直感を圧倒するようになったのに、日本では神道が今日まで力をまったく失わなかった。>

□王朝交代と論理

<中国やヨーロッパや中東では、論理や、詭弁による争いが絶えることなく、論理を用いて組み立てられた善と悪を振りかざして、権力を争奪して、王朝が頻繁に交替した。

日本人は直感を大切にしてきたから、論理によって支配されることがなかった。日本では人が身勝手に決めることができる善悪ではなく、何が清らかで美しいか、何が穢(きたな)くて汚れているかという感性を、尺度としてきた。>

□「宇宙」の把握

<日本では天照大御神が最高神だが、中国の天帝や、ユダヤ、キリスト、イスラム教の最高神と異って、宇宙を創造した万能で、絶対的な権力を握っている至高神ではない。

日本最古の歴史書である『古事記(ふることぶみ)』(西暦712年)によれば、神々によらずに、宇宙は自らの力で、自成して誕生した。>

□階級差別と奴隷

<中国は、今日でも階級社会である。ヨーロッパにも、厳然とした社会的な差別がある。アメリカでは黒人に対する差別が行われて、大きな社会問題となっている。

それに対して、日本は平等な社会であってきた。神々も、地上に生きている人も、同じように「みこと」とされている。>

<新しい年が明けると、皇居において天皇陛下が主催される、歌会始(うたかいはじめ)が厳(おごそ)かに催される。毎年、その前の年に御題が発表されて、全国から和歌が公募され、入選者は社会的地位や、職業の貴賤を問わずに、皇居に招かれて、両陛下や御皇族の前で入選歌が披露(ひろう)される。

どの歌も、平和を願う祈りである。歌会始の歴史は、古いものだ。中世の中国やヨーロッパでは、ありえないことである。>

■日露戦争は「地球儀戦争」

日清戦争は、我が国も漢籍を教養としてきたから相手の様子も理解できた。日露戦争は西洋白人との未知との戦いであった。

日本が西洋の手に落ちれば、西洋白人における「世界支配・分割」は、ほぼ終わるはずだった。“論理的”に考えれば、小国日本が大国「中国・ロシア」に勝てるはずはなかった。

しかし、見事に勝利し、「終戦」に持ち込んだ。両戦争とも相手国の”首都”は制圧していないのにであります。やはり政府に「力量・識見」があった。官僚も政治家も頑張って欲しい。国民も「餌(えさ)のバラ撒き」に惑わされないよう頑張りましょう。自分の国なのであります。


2015年01月14日

◆米国の傲慢な歴史修正

阿比留 瑠比


戦勝国は全てを正当化、敗戦国は我慢…もつわけがない

戦後70周年を迎える平成27年は、歴史認識をめぐる「歴史戦」の年になる。米紙ニューヨーク・タイムズなどは早速、日本の保守勢力に「歴史修正主義」のレッテルを貼ってきたが、戦勝国の立場にあぐらをかき、歴史を修正してきたのはどちらか−。

そんなことをぼんやり思いながら昨年末の休暇中、高校書道部を舞台にした漫画「とめはねっ!」(河合克敏著)を読んでいて、思わず息をのんだ。

作中、見開きで大きく紹介されていた昭和20年3月10日の東京大空襲を題材にした元教師の書家、井上有一氏の書「噫(ああ)横川国民学校」(群馬県立近代美術館所蔵)があまりに衝撃的だったからだ。

「アメリカB29夜間東京空襲 闇黒東都忽化火海 江東一帯焦熱地獄」「親は愛児を庇(かば)い子は親に縋(すが)る」「全員一千折り重なり 教室校庭に焼き殺さる」「噫呼何の故あってか無辜(むこ)を殺戮(さつりく)するのか」「倉庫内にて聞きし親子断末魔の声 終生忘るなし」 書幅いっぱいに埋め尽くすように書かれた文字は、積み重なり、苦しみ
ながら焼き殺された人々に見える。

自身は一命を取り留めたものの教え子を失った井上氏が、血涙で書約10万人が死亡した東京大空襲は、非戦闘員の殺傷を目的としており、もとより国際法違反である。

米田建三・元内閣府副大臣の調査によると、東京大空襲の「作戦任務」(同年3月9日付)の目標は、軍事施設ではなく「東京市街地」と明記されている。最初から一般住民を標的にしていたことは明らかなのだ。

また、東京大空襲・戦災資料センターが東京都から寄贈された被害者の名簿3万人分のうち、年齢が分かる人について調べた結果がこの空襲の性質を表している。

それによると、被害者の年齢層で最も多いのは0〜9歳の20%で、次いで10〜19歳の18%だった。実に4割近くが未成年だったのである。これは通常の戦争遂行行為ではなく、米軍による子供の大量虐殺(ジェノサイド)にほかならない。

しかも米国は戦後、こうした自らの罪を日本人の目から隠そうとした。明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏の著書「抹殺された大東亜戦争 米軍占領下の検閲が歪(ゆが)めたもの」(明成社)によると、連合国軍総司令部(GHQ)は検閲で、例えば米軍の東京大空襲での国際法違反行為を指摘したこんな文章を削除した。

「無辜の一般市民に対して行へる無差別的爆撃、都市村邑(そんゆう)の病院、学校、その他文化的保護建物の無斟酌(しんしゃく)の破壊、病院船に対する砲爆撃等、計(かぞ)へ来らば例を挙ぐるの煩に堪へぬほど多々あつた」(信夫淳平氏「我国に於(お)ける国際法の前途」)いたかのような印象を受けた。

「米国は原子爆弾と中小都市焼爆で日本全土を荒廃し数百万人の非戦闘員を殺傷せしめた」(石原莞爾氏・宋徳和氏対談「満州事変の真相」)

米国は、自分に都合の悪い歴史は堂々と修正し、歴史から抹殺しようとしてきたのである。当時、日本に対する空襲について「史上最も冷酷、野蛮な非戦闘員殺戮の一つ」(ボナー・フェラーズ准将)と自覚していたのは間違いない。

焼夷(しょうい)弾を使用した夜間無差別爆撃に踏み切ったカーチス・ルメイ少将の下で、作戦計画作成に当たったロバート・マクナマラ元国防長官は記録映画「フォッグ・オブ・ウォー」(2003年公開)の中でこう赤裸々に証言している。

「ルメイも私も戦争犯罪を行ったのだ。もし、負けていればだ」 だが、戦勝国は全部を正当化し、敗戦国はすべてを我慢するなどという状態が70年以上ももつわけがない。米国は傲慢になりすぎない方がいい。(政治部編集委員・あびる るい)

産経ニュース【阿比留瑠比の視線】2015.1.12
                 (情報採録:久保田康文)

◆自由言論の闘士よ、何処へ行く

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成27年(2015)1月13日(火曜日)弐 通巻第4439号>  


〜自由言論の闘士、ジミー・ライ(黎智英)よ、何処へ行く
   香港にささやかに残った「言論の自由」もなくなってしまうのか?〜


香港の「占中」(セントラル地区を占拠せよ)運動は「雨傘革命」とも呼ばれる。

12月にようやく収束し、「道路交通法」違反容疑などで指導者100ん人以上が逮捕され、その中に大スポンサーといわれ、デモ行進でも先頭をあるいたジミー・ライ(黎智英)も含まれていた。彼は12月3日に釈放された。

ジミーは12歳の時に広東省から香港へ流れ込んだ。

苦労して留学し、英語をマスターし、やがて香港へ舞い戻り、ファッシン小売りチェーン「ジョルダーノ」(中国のユニクロ)の経営で当てた。

その軍資金で日刊の「りんご日報」を創刊した。グラフィックを主力に新鮮な紙面作りだったので、爆発的に売れた。

香港返還前から、香港のマスコミは中国共産党の顔色をうかがうようになり、共産党系の「文ワイ報」「東方時報」「大公報」などは共産党礼賛、英字紙の「サウスチャイナ・モーニングポスト」と「香港のウォールストリート・ジャーナル」と言われた「明報」とて、広告の激減(北京がスポンサーに圧力をかけるため広告主が出稿をためらう)という深刻な事態に直面し、批判のトーンがダウン。


やがて「サウスチャイナ・モーニングポスト」(南方早報)は身売り、最初は新聞王のマードックが買い、その後は共産党寄りのマレーシア華僑が買収した。同紙から往時の鋭角的な共産党批判は薄れた。

果敢な報道をつづけた「リンゴ日報」を目の敵とした中国共産党は、ジミーが経営していたジョルダーノの広東の弐店舗に放火して、警告した。

彼はひるまず、ジョルダーノを手放して、むしろリンゴ日報の経営に専心した。同紙を運ぶトラックが襲われたこともあった。

こうした言論環境の中、果敢に言論の自由をもとめての創刊だったから、「リンゴ日報」はまたたくまに香港一のメディアに成長し、週刊誌『壱』も、そこそこの売り上げを示してきた。

ジミーは台湾にも進出し、新聞と週刊誌を発行した(いまは他の経営者に売却)。

▼「国際金融都市」が機能するには情報の透明性、正確さが必要

1996年だったと思う。

筆者は香港でジミー・ライにインタビューした。坊主狩りにジャンバー、あまりに若いので、彼が同社の応接室にはいってきたとき、私はお茶を運ぶ給仕かと間違えたほどだった。

会話で印象的なのは、言論の自由と香港の未来に関してだった。

ジミーは流ちょうな英語でこう言った。

「わたしはハイエクの信奉者。香港は国際金融のメッカ。つまり国際金融センターを今後も機能させようと中国共産党が考えるのであれば、(いくぶんの制約はあるかも知れないが)香港から言論の自由はなくならない。なぜなら市場というのは情報の透明性、その正確さによって成立するからだ」

ジミーは雨傘革命で逮捕された責任をとってリンゴ日報の社長を辞任した。「それでも個人的に民主化運動をささえる」と記者会見した。

その直後にリンゴ日報本社で放火未遂事件があり、ジミーの自宅には火炎瓶が投げ込まれた。

「こんな嫌がらせは過去にもしょっちゅうあったし、私はひるまない」と彼はウォールストリート・ジャーナルのインタビューに答えている(1月12日)

朝日新聞は、この言葉をいかに受けとめるのか?

◆陳水扁釈放の影響

Andy Chang



陳水扁元総統が病気釈放されて6日になる。陳水扁は冤罪で6年余も収監され、監獄内で非人道的な虐待をされていた。陳水扁は一坪足らずの寝床のない監房でトイレの傍のフロアに寝て生活し、24時間の照明と監視カメラの下で6年余も虐待されて、心身ともに廃人
同様になった。


しかしいまでも陳水扁を有罪と信じて疑わない人が居る。病気釈放は人道的に当然だが、この6年の間じゅう陳水扁の病気釈放に反対し、釈放された後もノーコメントを続ける高名な政治家が居る。


世間の評価はメディアの影響が大きく左右するが、メディアの報道を鵜呑みにする人は多い。今でも(A)陳水扁は無罪(冤罪)である、(B)法廷の判決を信じるから有罪、(C)不道徳な人だから釈放に反対、と言う三種の違った意見がある。個人の意見は知識の程度、信仰の有無、職業など、いずれも関係がないようだ。人間はなかなか自分の意見を変えないものらしい。


明らかなのは陳水扁の冤罪と監獄内の虐待は全て馬英九が決定したという事実である。11月の選挙で国民党が大敗したため馬英九は陳水扁の病気釈放に反対できなくなった。国民党の存亡に関わる大事だから馬英九は嫌々ながら一ヶ月だけと時間を限って陳水扁の釈放
に同意したのである。

●陳水扁釈放後の台湾の将来

1ヶ月と期限を付けたのは馬英九の負け惜しみである。1ヵ月たって再入獄させると言ったら民衆の抗議で革命が起きて国民党は滅ぶ。馬英九は陳水扁釈放で台湾人に中台和解を願ったと言われる。

釈放は一時的な譲歩で、時機を見て復讐するという人が多い。この方が信憑性があると思われる。中国人は台湾人を奴隷視している。陳水扁は中華民国総統になって中国人を統治したから中国人は彼を恨み、馬英九は陳水扁を監獄で虐待して殺するつもりだったのだ。

11月の選挙の結果は国民党の衰退、存亡に関わる事件である。中国の台湾併呑は遠のき、習近平は馬英九に冷淡になった。だから国民党は台湾人と和解して中華民国を護持しなければならない。つまり馬英九は台湾人と和解しなければならない。


中台和解に同意して過去の恨みをすべて忘れろと言うのか。果たして中国人は本当に中台和解のあと台湾経営に努力するだろうか。国民党はこれまで掠奪と汚職で台湾を食い潰してきた。一度の選挙に負けただけで後悔して和解するなどありえない。ナイーブな台湾人
は和解に同意したいと言うが反対者は多い。台湾人の中台和解に対する意見は三つに分かれている:


台湾人は国民党に対する恨みを忘れ、中国人と和解し、共に中華民国を民主国家にする。

(2)馬英九の和解提案はウソ、中国人は信用できない。選挙に負けた国民党は一時的な和解で台湾人が恨みを忘れろと言い、将来の政権交替まで待つ。国民党が勝ったときは和解を反故にして圧政を再開始するに違いない。

(3)台湾人は70年も国民党の暴虐に苦しんできた。陳水扁の虐待を忘れることはできないし、台湾人の恨みは陳水扁だけではない。国民党を徹底的に潰して独立を達成すべきだ。

●和解の条件

和解についても違った考え方がある。ある人は台湾が民主国家でないのはどちら側も和解しないからである。陳水扁が釈放されたのを機会として中台和解に応じ、台湾民主国を世界に示すべきだという。ある人は中国人政権の暴虐が和解を妨げる主因である、中華民国独裁の司法、行政、警察を糾すのが先決だと言う。


別の人は馬英九の陳水扁釈放は一ヶ月の期限を切っているから本当に釈放ではないと言う。更に別の人は陳水扁を無罪釈放しなければ和解は成立しないと言う。

また別の一人は台湾人は戦後から一貫して中国人の暴虐、汚職と掠奪で台湾を食い潰してきた。和解する台湾人は中国人のトリックに乗せられていると警告している。

ある国民党員は外省人と台湾人が和解し、中国を民主化させるべきだと主張した。中国は台湾併呑がで台湾人を尊重するつもりはない。この党員は国民党のために屁理屈を述べただけである。

選挙に負けた外省人が慌てて台湾人を尊重する言論を述べても信用できない。馬英九は中台統一を主張して台湾の衰退を招いた。だから台湾人はみんな反中国である。

●3人の総統の評価

李登輝、陳水扁、馬英九と三代の総統を経て台湾は経済的、民主的に大きく衰退した。中台和解を提唱すれば台湾人は反対する。台湾人の三人の総統に対する評価は以下のようにほぼ一致している

李登輝は全民投票を推進したが、李登輝の時代は経済的に国民党の台湾蚕食が始まった時期であった。日本人が台湾に残した資産を国有資産とし、それを国民党の資産に編入し、劉泰英が国民党資産を経営し、財政赤字が大幅に増えた時代であった。

李登輝に次いで総統になった陳水扁は政府の赤字解消に励み、汚職追放に熱心だった。李登輝時代の4千億元の赤字を1千億元まで下げた功績がある。

陳水扁のあとを継いだ馬英九は6年で国家の財政赤字を4兆元以上に引き上げた。馬英九は中台統一を主張し、中国に接近し、国会の討論を飛び越して経済合作協定(ECFA)に署名し、台湾を空洞化させた。

●政治主張の変遷

李登輝は「中華民国は民主国家である」と主張したが、台湾独立を主張したことはない。何回も新聞記者に対し「私は台湾独立を推進したことはない」と述べている。李登輝が民主化したのは中華民国であって台湾ではない。李登輝の主張が蔡英文の「台湾は中華民国である」と言う主張になり、台湾人が反対している。台湾は中華民国ではない。


陳水扁は独立願望があったが、総統になるとすぐにアメリカが強い圧力をかけたので、やむなく「台湾独立をしない、国家の名称を変更しない、両国論を憲法に編入しない、国民投票をしない」と言う「四不一没有」公約を発表した。その後で陳水扁は公民投票法、中華民国名義を台湾名義に変更するなど、穏やかな台湾化を推進したのでアメリカは陳水扁が公約に背いたと強く批判した。アメリカの圧力に負けず台湾独立に貢献したのは陳水扁である。

馬英九は中台統一を推進し、中国人受け入れ、経済合作などで台湾の衰退を招き、台湾資本が中国に流出した。馬英九政権の下で官商汚職、汚染食物、土地転がしなど色々な問題が起きている。

つまり陳水扁は経済的、政治的に台湾に大きな貢献をしたと評価されている。このため馬英九は陳水扁を中国人の敵として憎み、無実の罪で監獄に入れ、非人道な虐待で廃人同様にしたのである。

馬英九は陳水扁を監獄内で死なせるつもりだったが選挙で大敗北したため陳水扁を釈放せざるを得なかった。馬英九は台湾人と和解するつもりはないし、今でも台湾人を軽蔑し、台湾人に負けたことを恨んでいる。中国人の執念深い復讐は陳水扁を虐待した事実で証明できる。中台和解は無理である。

陳水扁の釈放で善良な台湾人が和解に同意しても大部分の台湾人が中国人を信用することはない。中国人と台湾人が和解するなら過去70年の暴政、虐殺と掠奪、汚職などを清算したあとで初めて可能となる。

◆私の「身辺雑記」(180)

平井 修一



■1月10日(土)。朝は室温13度、快晴、フル散歩。

8日(木)から集団的子育てが続いている。夕べは手作りでハンバーグ、ポテトサラダ、パエリアを作ったが、大好評で皆ウハウハ。

これを見ていたら、何か脱力してカミサンに「もう戦争は終わりにしよう」と声をかけた。「あらアンタ、疲れたの」「うん、もういいや・・・」

昨年11月29日の小生の「開戦宣言」から。

<話しかけないで。精神が壊れるから。苦情は言わないで。説教しないで。非難しないで。難詰しないで。ボクとアナタは別の人格です。アナタと違います。自他の区別を守ってほしい。必要なことはメモしてください>

これに対するカミサンの「反撃宣言」。

<必要なことは返事をメモして! メモを読んだら処置して。私も2度と話しかけない。私も精神が壊れるから>

かくして開戦のゴングが鳴り、会話断絶、壮絶な冷戦が始まった。長女はカミサンに付き、因循姑息というかクレバーなNは中立、犬は我関せず。わが方は孤軍奮闘。

で、夕べ終戦。30代には3か月の冷戦だったが、気力体力が衰えた今は40日で疲れてしまった。かくして小生の「終戦宣言」。

<1月9日、冷戦は終わりました。皆さまにはご迷惑をおかけしました。ごめんなさい>

Nからは「よかったね」、長女からは「薬飲んだ方がいいよ。楽になるよ」のメッセージ。長女とカミサンは小生を狂人と思っている(半分は当たっているが)。

本来は何も小生が謝ることはないのだが、カミサンは(多分、女は)自分が正義だと思っているから絶対謝らない。これではケジメがつかないからリップサービスで書いたまでのこと。

サンフランシスコ平和会議における吉田茂総理の受諾演説(1951年9月7日)から最初と最後の部分。

「過去数日にわたつてこの会議の席上若干の代表団は、この条約に対して批判と苦情を表明されましたが、多数国間に於ける平和解決にあつては、すべての国を完全に満足させることは、不可能であります。

この平和条約を欣然受諾するわれわれ日本人すらも、若干の点について苦情と憂慮を感じることを否定出来ないのであります。・・・

日本はその歴史に新しい頁をひらきました。われわは国際社会における新時代を待望し、国際連合憲章の前文にうたつてあるような平和と協調の時代を待望するものであります。

われわれは平和、正義、進歩、自由に挺身する国々の間に伍して、これらの目的のために全力をささげることを誓うものであります。われわれは今後日本のみならず、全人類が協調と進歩の恵沢を享受せんことを祈るものであります」

ケジメは大事だが、河野談話は大失敗だった。日韓両政府は慰安婦の件でケリをつけようと思っていたが、火に油を注いでしまった。今や韓国では反日が初期設定だから、妄想、幻覚、幻聴で病膏肓、事実や真実なんて完全に無視、反日=正義、親日=悪で凝り固まってしまった。

異常な国との交際、交流はべったりせずに距離を置くことが肝心だ。カミサンとの暮らしでもそうしていくしかない。カミサンもそう思っているだろう。

今夜は寿司パーティー。昨日と同じく2時から準備すればいいだろう。

■1月11日(日)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。

夕べの寿司も大好評だった。7人(含チビ3人)の食事でも米は1.5合で十分なのだが、4合炊いて海苔巻と握りにしてほとんど完食。「家庭内冷戦」終戦で皆機嫌よく、遅くまでキッチン・食卓界隈で楽しく過ごしていた。平和は良いことだ。

「マット安川のずばり勝負『絶対に総理大臣にしてはダメ』な人物の比例復活」(JBプレス1/9)から。あの人のことだと皆分かるのが嗤える。面白いから全文転載する。

<安川 年始め、新春スペシャルとして自民党衆議・平沢勝栄さんをお迎えして、2015年の政界展望はじめ、外交、経済、憲法改正など、詳しくお聞きしました。

*政権を奪うのが野党の役目、解散・選挙批判は噴飯もの

平沢 昨年12月の衆院選挙は、投票率の低さに象徴されるように盛り上がらなかったのは、ひと言でいえば野党が不甲斐なかった、だらしなかったということです。

相撲で言えば、自民党に対して、野党は四つに組んで戦おうという気概があまり感じられなかった。ですから有権者の関心がぐんと下がった。つまり今回の選挙は自民党が勝ったのではなくて、野党が負けたということだと言えます。

その中で共産党が議席を伸ばしたのは、底力があったわけではなく、自民党以外にしっかりした野党がなかったから、反対の一部の票が流れただけです。反自民の票をどこに入れるかという時に、ほかに選択肢がなかった。

国民のみなさんも共産党が政権を取ることはないと分かっているから共産党に入れたわけでしょう。共産党は「たしかな野党」などと言っていますけど、たしかな野党ではなくて、政権を取りにいく野党にならなければいけないと思いますね。

今回の解散については、野党から多くの批判を受けました。国民のみなさんの中にもそういう声がありました。ただ、解散は総理の専権事項ですし、政権発足から2年経っています。そもそも戦後23回総選挙が行われた中で、4年の任期満了までいったのは三木武夫内閣(1976年)の1回しかないんです。平均2年10カ月くらいです。

昨年9月にあるテレビ番組で民主党の枝野(幸男)幹事長と一緒になりまして、その時に枝野さんは11月に解散があると思うので自分たちは準備しているとはっきり言われた。ところが実際に解散が行われたら、ケシカランと言う。確かに選挙は12月で時期が少しズレましたけど、枝野さんが解散を批判するのはおかしい。

だいたい野党というのは、選挙を1日でも早くやってくれと言うものです。早く政権を取って、自分たちの政策を実現したいというのが野党です。ところが選挙を早くやりますと言ったら、ケシカラン、ケシカランと騒ぐ。そんな野党は初めて見ました。噴飯ものというか、喜劇というか、信じられないですね。

*景気回復は道半ば、消費税増税の先送りは正しい選択

今回の選挙では、野党からアベノミクスは失敗だという攻撃をずいぶん受けました。確かに昨年4月に消費税率が上がって経済が落ち込みました。消費、設備投資も落ち込んで、景気が停滞したのは事実です。

デフレから脱却している途中に増税したのが大きく影響したと思います。やはり3%上げるというのはたいへんなことなんです。その駆け込み需要の反動が大きく出た。

私の地元の声として圧倒的に多いのは、景気をよくしてほしいというものです。アベノミクスで日本経済はよくなっていると言われていますが、その恩恵は地方や中小企業にはぜんぜん来ていない。東京でも私の地元である葛飾や江戸川などには来ていない。

一部の大企業、しかも輸出、製造業に限って恩恵を受けていて、中小企業では円安で原材料費などが上がり、国民も賃金が上がらないのに物価が上がり悲鳴を上げている方が大勢いる。

安倍政権にとって最大の課題は、アベノミクスの恩恵が中小企業や地方に行きわたるかどうかです。来年は参議院選挙が行われますから、来年の春くらいまでに景気がよくならなかったら、安倍政権にとっては大きな反動が来ると思います。

ですから今回、消費税増税を1年半先延ばしにしたのは正しい選択だと思います。昨年の駆け込み需要の反動が落ち着いてきた今年は、景気は徐々に上向いていくと思います。

ただ、増税によって落ち込んだことをとらえて、アベノミクスは失敗だというのはいかがなものかなと思います。この間、株価は大きく上がり、一部の人たちだけが儲かっていると言いますけど、年金などは株で運用している部分も大きく、それによって25兆円くらいの収益が出ている。これは国民全体の財産です。

ですからアベノミクスはマイナスだけではないと思います。もちろん、アベノミクスの恩恵が地方や中小企業には行きわたっていないのは確かです。お風呂のお湯も上から温まるんです。いま一番上が温まっていますから、かき混ぜて全体が温まるようにしなければならない。それが3本目の矢です。

*安倍政権継続で対日戦略の練り直しを迫られる中国・韓国今回の選挙は世界中が注目していました。なかでも一番関心を持っていて、一番ガッカリしたのが中国と韓国ではないでしょうか。両国は安倍政権が負けてくれればとおそらく祈っていたと思いますが、続行することになった。そのために対日外交の戦略を練り直さなければいけなくなった。

日本は変わる必要がなく、変わってはダメで、いままでどおりでいいと思います。主張すべきことはきちんと主張していかなければいけない。安倍政権は国民の信任を得て大きな力を与えられたわけですから、いままでどおり毅然とした外交を続けてもらいたいと思います。変わらざるを得ないのは中国と韓国です。

これまでの対中国・韓国外交において、問題だったのは日本の外交姿勢、とりわけ外務省が悪かったと思います。外務省は外国に言うべきことを言わなかった。その点でこれまでの自民党政権も反省すべきです。

安倍政権になって毅然とものを言うようになり、外務省も変化してきています。米国の新聞などに安倍政権や慰安婦問題などで批判的な報道があると、駐米大使や総領事が寄稿して反論しています。いままではあまりなかったことです。中国・韓国もおそらく戸惑っているんじゃないでしょうか。いままでの日本と違うぞと。

そういった海外での広報予算も来年度は大幅に増やして500億円つける予定です。これから日本の外交は変わっていくと思います。

*小沢氏はこれで終わり、民主党は菅元首相らがいる限りダメ

小沢(一郎)さんはこれで終わりだと思います。山本太郎参院議員を入れて新党(生活の党と山本太郎となかまたち)をつくりましたが、まさに「溺れる者は藁をも掴む」です。

民主党については今回の選挙でつくづく思いましたが、なぜ民主党がダメなのか。約3年の政権時代に大失敗して、国民はその記憶がある。だったらメンバーを替えなければダメですよ。昔の人がそのまま出てきて、特に菅(直人、元首相)さんのような人が出てきて、民主党はどこが悪かったのか反省して総括しますと言っても、誰も信用しません。

民主党は菅さんなどがいる限りダメだと思います。総理大臣までされた方がやっと比例復活でビリッケツでひっかかった。恥ずかしくないのかなと。なぜお辞めにならないのか不思議で不思議でしょうがない。

ちなみに、私の師である後藤田(正晴、元副首相)さんは、菅さんだけは絶対に総理大臣にしてはダメだと言われていた。その菅さんが総理大臣になった。結果として何が起こったのかは、みなさんご承知の通りです。あの間に日本の国益は大きく失われた。後藤田さんの言われたことはまったく正しかったということです>(以上)

後藤田の指名で初代内閣安全保障室長に任命された佐々淳行は菅をこう評している。

「菅さんは東工大の学生時代、ノンセクト・ラジカルのグループに所属し、学園紛争を煽っていた。私は当時、警視庁警備課長として機動隊を連れ、3回ほど東工大に行ったので、菅さんを知っていました。彼は我々の間で“4列目の男”と呼ばれていた。アジ演説が巧く、聴衆を集めるが、検挙を覚悟の上でゲバ棒で逆らってくるようなデモ隊の3列目には決して加わらなかった。巧妙なリーダーでしたよ」(週刊新潮2010年7月8日号)

菅といい、ルーピーといい、民主党にまともな政治家はいるのかどうか。どうしようもない政党だ。綱領さえないのだから、ただの烏合の衆。こんな奴らに投票するのはよほどのイカレポンチだろう。

■1月12日(月)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。成人の日で振り袖姿がちらほら。

1歳女児はインフルで隔離のために先日、長女と帰宅したが、居残り組の3歳男児は結膜炎、6歳女児は中耳炎らしい。夕食はミックスフライで大好評。牡蠣がうまかった。

■1月13日(火)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。

Nが休みをとって3歳男児と6歳女児を連れて病院へ。小児科と眼科だから大変だし、連休明けのためかとても混んでいたという。病名は診たて通りだった。昼過ぎにぐったりしながら帰ってきたが、大急ぎで海苔巻を5種類作った。

今夜はトマトパスタとハンバーグだ。大いに楽しみ。(2015/1/13)

2015年01月13日

◆韓国で深刻な景気後退への危機感

白井 修二



「チャイナ・インパクト」で韓国経済は危険水域へ

それでも「慰安婦」「領土」広報予算は聖域? (産経新聞)

 韓国で深刻な景気後退への危機感が強まっている。

中国の高成長によって造船や石油化学などの主要産業で潤った韓国だが、中国の成長鈍化で、韓国経済が逆サイクルに回り始めたからだ。

世界トップクラスの造船会社、現代重工業は創立以来、最悪の業績に陥り、大規模なリストラに着手。韓国サムスン電子はスマートフォン市場の競争激化による不振から抜け出せずにいる。

一方、今年度の政府予算には思い切った景気対策が不可欠なはずだが、慰安婦問題や韓国が不法占拠を続けている島根県・竹島(韓国名・独島)などをめぐり、韓国の主張を海外に広める広報予算は1・4倍にする方針で、相変わらずの増強路線。韓国経済は自力で這い上がれるのか−。

ついに「ゼロ成長時代」か

韓国経済のゼロ%台成長は1年を迎えた。

韓国銀行が明らかにした韓国の昨年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0・9%増となり、一昨年10〜12月期以来、1%に満たない低成長が続いていることが分かった。

同4〜6月期は、旅客船セウォル号の沈没事故を背景にした消費の萎縮が理由にあげられたが、ここまで長く低迷するからには、韓国経済が構造的な壁にあたっている可能性が高い。

「スマートフォンがアップルと中国の小米科技(シャオミ)のはさみ撃ちを受け、中国への輸出増加傾向も弱まり、海外で生産して加工貿易の形態で中国に向かう半導体・液晶表示装置などの量も減った」。中央日報によると、韓銀の経済統計局長はこう分析している。

韓国サムスン電子は本業のもうけを示す営業利益は4四半期連続で前年同期を下回る不振ぶりだが、苦境にある企業は、サムスンだけではない。
「役員全員、辞職願出せ」の号令

現代重工業が昨年10月16日に発表した人事では、役員職の3分1が消えたと、中央日報が伝えた。

日曜日の同月12日に本部長会議を開いた現代重工業は、役員全員に辞職願を提出させる方針を確認したばかりだが、わずか4日後で大胆な人事に踏み切った。262の役員職のうち、81を無くした。先行きへの危機感にほかならない。

聯合ニュースによると、9月の船舶受注量で韓国は、日本の造船業界に押され、3位に転落した。市況分析の英クラークソンのデータでは、中国が92万2800CGT=標準貨物船換算トン数(市場シェア45・3%)、次いで日本が55万1850CGT(同27・1%)につけ、韓国は42万1528CGT(標準貨物船換算トン数)でシェア20・7%だった。

韓国が月間ベースで日本に抜かれたのは4月と6月に続き今年に入って3回目という。日本は、韓国や中国との受注競争で劣勢だったが、円安を背景に韓国や中国との船の価格差をつめてきていると分析した。

中国の恩恵は減り、逆風に

「『チャイナインパクト』(マイナスの意味での中国の影響)がある」

韓国の大企業の業績悪化の一因について、日本総研は昨年10月に公表したリポートでこう指摘した。

造船業界でいえば、中国の成長が鈍化してきたことで、それまで旺盛だった資源需要が急速にしぼんで、荷動きが減速。中国景気の恩恵を受けてきた造船や海運には逆風が吹き始めた。

現代重工業は、リーマンショック後で落ち込んだ造船受注を取り戻そうとしたが、安値受注(船舶価格下落)に海洋プラントの損失が重なり、利益が出にくくなった事情がある。

中国からは、生産過剰になった鉄鋼や石油化学などの素材が世界中にあふれ出して市況が悪化。サムスンが得意としてきたスマートフォンも、中国の小米科技(シャオミ)、聯想(レノボ)などの低価格品の台頭と米アップルの人気から、苦戦を強いられいる。製品戦略を含めた構造的な問題に直面しているのだ。

経済崖っぷちでも外交部予算は初の2兆ウォン台

韓国経済を牽引する企業が弱る中、政府が打ち出す景気対策には大きな期待がかかる。

韓国政府が昨年9月に発表した今年予算は、前年比5・7%増の376兆ウォン(約38兆5千億円)。毎日経済新聞よると、金融危機以降で増加率は最大で、「財政の積極的役割を通じて景気をいかすことが最も重要な目標」と位置付けられ、「創造経済予算」と呼ばれる枠には、17・1%増の8兆3千億ウォンを配分するという。

限られた財源の中で、景気に軸足を置いたメリハリをきかせた配分が重要になるが、そうはいかない予算もあるようだ。

聯合ニュースによると、韓国外交部の予算案は、2・9%増え、2兆495億ウォンと初めて2兆ウォンの大台に。なかでも「公共外交」(広報文化外交)関連予算は131億ウォンで、14年より41億ウォンも増加。13年と比べれば2倍以上の増額になる。

慰安婦や竹島問題について、「外交課題に関する理解を高めるのが狙い」としている。

さらに「独島が韓国固有の領土であることをアピールし、東海の『日本海』表記などに対応する」ための領土主権守護事業には今年と同水準の48億ウォンがあてられ、韓国の国際協力団(KOICA)への政府開発援助(ODA)予算は600億ウォン増額するという。

たとえ、韓国経済が崖っぷちにあり、企業が骨身を削るリストラをすることなっても、日本との外交にかかわる問題については、引くに引けない韓国のお国柄が予算案にもうかがえる。

http://news.livedoor.com/article/detail/9633699/

◆安倍晋三×櫻井よしこ 対談

櫻井よしこ



選挙に大勝し、新たな船出を迎えた第3次安倍政権。だがアベノミクスの効果は未だ限定的だ。急激な円安は新たな弊害を生み、再増税先送りで財政再建を絶望視する声もあがる。ジャーナリストの櫻井よしこが、不安渦巻く日本経済の先行きについて、総理に問うた。

櫻井よしこ 選挙での大勝、おめでとうございます。快勝で、第3次安倍内閣がスタートしました。自民党単独で291議席を獲得し、自民・公明の与党で3分の2を制した。これほどの勝利を可能ならしめた背景には、安定した政権のもと、「日本が抱える重要課題を解決し、歴史的使命を果たしてほしい」という国民の期待の大きさがあると思います。

これだけの信任を得た今、総理には、中国の脅威への対処や集団的自衛権に関わる安保法制の整備、憲法改正、経済成長のための改革など、重要課題に、さらに断固とした姿勢で取り組んでいただきたいと思います。とりわけ大事なのは、アベノミクスの恩恵をより一層、浸透させることでしょうか。

安倍晋三総理 そうですね。まず日本の国力を強くするには、何より経済が大事ですから。2012年にスタートさせたアベノミクスはまだ道半ばです。もっとも、雇用面に関して言えば、我々の主導した経済政策によって、すでに100万人の雇用を創出することができました。

また宿題であっ た正規雇用も、この2014年7〜9月期で、前年同期比10万人の増加を達成し ています。まだ給与の面で景気回復を実感できない人が多いかもしれませ んが、2015年に企業がさらなる賃上げを実行していけば、多くの国民の方に、我々の経済政策は成功しつつある、間違いなく良い方向に向かっているんだということを理解していただけるものと考えています。

櫻井 確かに先の政労使会議で、総理は「2015年春の賃上げをぜひお願いしたい」と要望され、経済界からも前向きな回答を引き出しました。それが実現すれば、展望はかなり明るくなるとお考えですか。

安倍 はい。先の経済界、労働界との合意では、いくつかの点を重視して、お願いしました。その一つは、円安により大きな利益をあげている企業には、それに関連して原材料の高騰に苦慮する下請けの関連企業に対し、充分な配慮をお願いしたいということです。

それにより、中小企業や 小規模事業者の皆さんにも、円安によるメリットを平等に得られるように していくことが可能になると思います。

櫻井 その円安ですが、ここまで進むと、弊害の方が大きいという意見もあります。今後さらに、130円台などになれば、日本はどうなるのかと、先行きを危ぶむ声も出ています。円安についてはどうお考えですか。

ものづくり企業の国内回帰

安倍 もちろん、円高、円安、それぞれにメリット、デメリットがあります。円安にも難点があるわけですが、だからといって、民主党政権下の行き過ぎた円高に戻っていいはずはありません。日本はこれまで苛烈な円高によって疲弊し、塗炭の苦しみに喘いできました。

国際競争力を失うまいと、自動車メーカーや半導体、家電メーカーなどの「ものづくり企業」が次々と日本から出ていき、海外に生産拠点を移すという事態に晒されたわけです。それによって、我々は雇用を失い、税収も喪失する憂き目に遭いました。

しかしながら、その為替がようやく是正さ れてきた。これによって、たとえば東芝は、この間、国内にあった4つの 生産工場の閉鎖を余儀なくされましたが、今度は一転、3000億円以上を投 資して、三重県四日市市に生産ラインの新設を決めました(2014年9月着 工)。再び日本に工場を作り、日本人を雇って、日本で税金を納めよう と、そういう重大な経営判断を行ったのです。

民主党政権時代に円高、デフレを放置したため、先を競うようにものづくり企業が国内から出て行ってしまったのですが、この悪しき流れを変えることができたと自負しています。

今後、さらに大手企業が国内回帰を進めるでしょう。そもそも大手メーカーは海外に避難できても、下請けの企業はついていく資力がありませんから、工場や店舗を閉めざるを得なかった。

だから、倒産件数もそれにつれて増加したわけです。私が第2次安倍政権を発足させる前の2012年の企業の倒産件数は月平均約1000件でしたが、それを2014年には月平均約800件とし、この間、2割近く減らすことができました。

櫻井 確かにそういうプラス面も大きいですね。その反面、輸入による原材料の価格高騰で中小の製造業は厳しい現実に直面し、食料品の値上がりも国民の生活を直撃しています。


安倍 もちろん、原材料や食料品の値上がりにもしっかりと目配りをしていく必要があると認識しています。円安が生む弊害への対策はきちんと手を打たねばなりません。具体的に申し上げますと、中小や零細企業で原材料費が上がり、経営困難に陥っている会社や、借金の返済もままならなくなっているところには、政府系金融機関による低利の融資を行っていきますし、金融機関に対し、返済の猶予をするよう要請もしています。


もっとも、円安によって、他のプラス効果も出ています。海外からの旅行者が増大しているのです。東日本大震災以前は年間800万人ほどだった観光客が、2014年は1300万人を突破する見込みです。実に500万人も増えたわけで、そのインパクトは相当大きい。

こうした旅行者が地方にも足を伸ばしてくれれば、地域の経済を潤してくれます。なにしろ、外国人旅行者は、日本人旅行者より平均して、1人約10万円も多くお金を使うという統計があります。

円安による観光客の増加 は、少子化、人口減による消費の冷え込みをカバーし、内需拡大に寄与し てくれるのです。旅行収支(訪日外国人が日本で使う消費金額から、日本 人旅行者が海外で支出する金額を差し引いた金額)が2014年4月、月単位 において、あの大阪万国博覧会が開かれた1970年7月以来、44年ぶりに黒 字に転じました。

かつては、毎年3兆円の赤字であり、これを通年で黒字にするのは大変なことですが、それが実現できれば、日本の経済にとっては大変なメリットとなります。観光は新たな稼ぎ頭の産業となり得るもので、しかも地方創生につながる大きな可能性も秘めているのです。

櫻井 円安の好機をうまく捉え、そのメリットを日本経済の成長につなげていく一方で、もう一つ、心配なのが、財政再建の問題です。巨額の財政赤字を抱え、日本の国と地方を合わせた長期債務残高はすでに1000兆円を突破しています。

これだけの大借金を背負いながら、消費税の10%への再増税が先送りされました。先の選挙は、その是非も問うたうえで、信任を勝ち得たわけですが、やはり政府は財政健全化への道筋を示す責務があります。

日本の個人金融資は約1654兆円もあり、それで国債を吸収している形ですが、債務総額はその3分の2にまで迫ってきています。このままのペースで国債を発行し続ければ、あと10年ほどで借金の額がこれを上回ってしまうという指摘があります。財政再建はもはや待ったなしの感がありますが、総理はどういう対策をお考えでしょうか。

毎日100億の国富流出

安倍 我々は、借入金を除く税収などの歳入と、過去の借入金の元利払いを除いた歳出の差を示す「プライマリー・バランス」(基礎的財政収支)を挙げて、財政健全化への道程を示しています。

まずは2015年度までに、このプライマリー・バランスの赤字額の対GDP比を、2010年度(マイナス6.6%)に比べ、半減させていきます。そのうえで、2020年度までにプライマリー・バランスを黒字化する目標を掲げているのです。これらの目標を達成すべく、現在、全力で取り組んでいるところであります。

櫻井 これまで仲々できなかったことですが、実現できるのでしょうか。

安倍 安倍政権になって、この2年間でプライマリー・バランスは7兆円も改善しました。対GDP比でも1.5%、赤字幅を縮小させています。その意味では、財政は着実に、確実に改善してきているのです。いずれにしろ経済の再生なくして、財政再建はありません。

この間、税収は50兆円を超え、民主党政権時代と比べると、8兆円も増やすことができました。今後、経済の好循環を創り上げ、デフレ経済から脱却していく中で、さらに税収を増やしながら、その一方で無駄はしっかりと削減していきたい。そうすることで経済成長と財政健全化の両方を成し遂げたいと考えています。

櫻井 国家運営の命運がかかった極めて重大な課題ですから、ぜひとも国民に率直に語りかけて財政再建を進めてほしいと思います。

エネルギー政策では原発の再稼働問題についても、前向きの指導力が必要です。世界で一番厳しい規制基準を設けている原子力規制委員会の審査に合格した原発は安全が確認されたわけですから、再稼働させていくことが、日本経済にとっても大切なはずです。

安倍 仰る通りです。規制委員会が新基準に適合したと確認した原発は、地元の理解を得る努力を続けながら、再稼働を進めていきます。目下、国内の原発をすべて止めているがために、火力発電の稼働に要する追加燃料の輸入増などで、毎日、100億円もの国富が海外に流出しているのです。これは貿易赤字を拡大させているばかりか、電気料金の値上げにより、国民負担にもつながっています。

櫻井 先ほどから、総理はアベノミクスの成果がすでに出始めていると話されてきました。これを成功させ、経済再生と財政健全化に道筋をつける努力をしたうえで、やはり総理に期待されているのは、憲法改正や、集団的自衛権の問題だと思います。

今回の衆院選で自民党は大勝しましたが、その一方で、保守の側から安倍総理を叱咤激励する役割を果たせるはずだった「次世代の党」が壊滅状態(改選前の19議席から2議席に減少)となり、渡辺喜美さんの「みんなの党」も空中分解してしまった。

反面、民主党が少し議席を増やし、共産党 が3倍弱に躍進しました。与党の公明党も議席を増やしましたが、集団的 自衛権などに関しては、ブレーキ役を果たすと仰っています。

そういう意 味では、国会では反対勢力、リベラル勢力が力を増した形です。今後、国 会での法案審議の進め方などにかなり高度な戦略・戦術が必要になってく るのでしょうか。

安倍 今まで通り、丁寧に議論していき、国民の皆様への説明もしっかり行っていきたいと思っています。この集団的自衛権に関しましては、国民の生命・財産や幸せな生活を守るために、7月、自民党・公明党で行使の一部容認を閣議決定致しました。

それも争点となることを前提とした今回の総選挙です。各テレビの討論会においては、これも必ずテーマになりました。その結果、集団的自衛権行使の一部容認を閣議決定した与党が3分の2の議席を獲得したわけです。

我々はその信任の上に立って、安保法制の整備を進めていきたいと考えています。


櫻井 集団的自衛権に関する閣議決定は、安全保障に対する戦後の無責任体制と訣別する歴史的な偉業だったと、私は評価しています。しかし、別の面からすると、自衛隊が実行可能なことをリストアップする「ポジティブリスト」の項目を増やし、「ポジティブリスト」の上にまた「ポジティブリスト」を作るという状況に陥っていくように思えます。

これでは国防のための運用がより複雑になりかねません。この方式ではなく、「やってはいけないこと」をリスト化する「ネガティブリスト」方式へ変え、有事に即応できるようにすることが肝要です。「ポジティブリストの自衛隊」から「ネガティブリストの自衛隊」へと質的変換をはかることが理想ですが、総理はどう思われますか。

安倍 有事というものは、そもそも全てを予測し得ません。日本を侵略しようと考える勢力は、私たちの考える防衛政策の裏をかこうとします。ですから、「自衛隊はこういう事態では、こういうことしかできません」と、中身を明示する完全ポジティブリストでは、それこそ相手側の思うつぼなんです。

国際的な常識に鑑みれば、「国際法上、やってはいけないことはやりません」ということにすべきでしょう。それは、櫻井さんが仰った「ネガティブリスト」ということになりますが、ただ日本の安全保障上の政策には、当然、憲法の制約がかかります。そうした憲法との関係を十分に踏まえながら、国民の命を守り、その幸せな生活を切れ目なく守っていくことに資する法制にしていきたいと思っています。

「もはやデフレではない」

櫻井 まさにその憲法の問題ですが、総理はかねてより、「自分の歴史的使命は憲法改正だ」と述べてこられました。その実現に向け、第1次安倍政権で国民投票法を定め、第2次安倍政権では、同法の投票年齢を18歳以上に引き下げる改正を行いました。

12月14日の選挙後の記者会見でも「憲 法改正は、我が党にとって悲願だ」と語られた。第3次安倍政権が発足 し、そこからさらに一歩進んでいただきたいと願いますが、この憲法改正 への思いをお聞かせください。

安倍 憲法改正には、まずどの条文をどう変えていくかという問題がありますが、現状では、衆議院・参議院いずれにおいても議会で3分の2の勢力を構築しなければ、発議すらできません。そのうえにおいて、国民投票で過半数の支持を得なければいけない。日本の場合、この両方が必要なので、要件が厳しいのです。

櫻井 総理は、憲法改正の発議に、衆参の3分の2以上の賛成を要するという96条の条文の変更を唱えられていた時期もありましたね。

安倍 憲法を国民の手に取り戻すためにも、本来なら、国民投票の方がより大切で、重視されるべきなんです。それにもかかわらず、両院で3分の2の勢力を確保できないと提案さえできない。ハードルが高すぎて、国民投票まで辿り着けないということ自体が、おかしいと思うんです。

櫻井 私たち民間で今、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」という会を設立し、2016年の参院選の頃に試案を提示しようと言っているんですが、総理は憲法改正の実現を、いつ頃、どうしたいというお考えはありますか。

安倍 時期に関しては、まだいつまでにと明示できる状態にはありません。ただ、両院の3分の2の多数を得られたとしても、国民投票によって否決されたら、一巻の終わりになるんです。だからこそ、そうならないように、まずは国民的な議論を深めていく必要があります。

櫻井 憲法改正の歴史的必要性については、我が国を取り巻く現下の国際情勢を見れば、明らかです。ぜひとも改正に向け前進し、戦後体制が抱える課題に切り込んでいただきたいと思います。また2015年は、大東亜戦争終結から70年という節目の年です。歴史問題に関する中国の反日攻勢が激しさを増すのは必定で、私はとても憂慮しています。総理は、中国の反日プロパガンダなどに対し、どう情報発信を行っていかれますか。

安倍 この70年で日本が平和国家として歩を進め、アジアの発展、そして平和、民主化に大きな貢献を果たしてきたことは評価されているものと思います。

櫻井 その点は、2014年7月の総理のオーストラリア訪問の際、アボット豪首相も共同記者会見で、「日本を公平に見てほしい。70年前の行動ではなく、今日の行動で判断されるべきだ」と強調してくれました。

安倍 その通りです。70年を機に、今後、日本がどういう道を歩んでいくのか、しっかり世界に向けて発信していきたいと思います。日本と志を同じくする国々とともに、アジア・太平洋地域をより平和で安定した地域にしていかなければならない。戦後50年を迎えた際は村山談話、60年では小泉談話が発表されました。

戦後70年を迎えるに当たり、安倍政権として、先の大戦に対する反省とともに、この間の70年の日本の歩みや、今後、我が国がアジア地域や世界のためにどういう貢献を果たしていくのか、その思いをしっかりと表明し、新たな談話の中に書き込んでいきたいと考えています。

櫻井 日本が・まともな国・になるためには、毎年、総理が靖国神社に参拝され、英霊への尊崇の念を示すことも重要だと思います。中韓からの不当な批判に晒されようが、総理には毎年、靖国参拝をしてほしいと思わずにはいられません。

安倍 これに関しては、今まで述べている思いにいささかの変化もありません。国のために戦って、尊い命を捧げた方々に対し、そのご冥福を祈り、手を合わせる。極めて当然のことであり、世界各国のリーダーに共通する姿勢だと思います。私自身もそういう気持ちを常に持ち続けていきたいと考えています。

櫻井 経済再生や国防の強化、憲法改正などは、総理に託された使命です。安定した長期政権を築いたうえで、日本を立て直してください。

安倍 ありがとうございます。経済再生に関して言えば、アベノミクスで雇用を生み、賃金を増やし、消費を拡大させる状況を維持しています。「もはやデフレではない」という状況を作ることができるところまで来た。それによって、間違いなく2017年4月には消費税を10%に引き上げられる環境を整え、財政再建に取り組むこともお約束します。

次は景気判断条項はないのですから。民主党のように「もう成長できない」と言ってしまったら、終わりです。逃げてはいけない。日本はもっと成長できる。それに向かって経済政策を進めていくのが、私の責任なのです。

『週刊新潮』 2015年1月1・8日合併号 日本ルネッサンス拡大版 第637回 日本経済の「先行き不安」説に答える!

(情報採録:久保田 康文)

◆レーザー兵器が中共を抑える

平井 修一



陸自出身の学者、矢野義昭氏の論考「技術革新著しいレーザー兵器、その現状と課題」(JBプレス1/9)から。

<2014年7月31日付けで、『海軍の艦載用対水上・対空・対ミサイル防衛レーザー: その背景と議会にとっての課題』と題する米議会報告が出された。その中では、米海軍の高出力レーザー兵器の開発の実態が詳細に記述されている。

1 報告書全般要約

現在の開発段階では、今後数年で射程1マイル程度の一部の対水上・対空目標に対処可能な艦載型の高出力レーザーの配備が可能になった。

その後数年でさらに強力な艦載型レーザー兵器の配備が可能なところまで来ているとされている。

米海軍は、ドック型輸送揚陸艦「ポンセ」にレーザー兵器システム(Laser Weapon System; LaWS)を搭載し、今年の夏からペルシア湾で作戦環境下での試験を行っている。2020年度又は2021年度に初期作戦段階になることが予定されている。

2 レーザー兵器の利点

(1)1発当たりの限界費用が安価

艦載レーザー兵器は、水上、航空、弾道ミサイル目標に対し、1発当たり1ドル以下という極めて安価な費用で対処できる。

従来の海軍の短距離防空ミサイルは1発数十万ドル、長距離のミサイル迎撃用ミサイルは数百万ドルかかった。

この1発当たりの限界費用の劇的な低下という利点により、レーザー兵器は、安価で大量に装備できる小型ボート、無人機、あるいは対艦巡航ミサイル、対艦弾道ミサイルの集中攻撃に対して、予算的に可能な範囲での防御を可能にする。

(2)無尽蔵に近い弾倉

水上艦艇はミサイル発射管に限られた数の迎撃サイルを搭載している
が、搭載したミサイルを撃ち尽くせば、再装填のため戦列を一時離れなければならない。近接防御火器システムも、弾丸を撃ち尽くすと再装填の時間が必要になる。

しかしレーザー兵器の場合は、電力源と冷却に必要な燃料がある限りは、無限に連続発射が可能である。このためレーザー兵器により、艦艇に搭載された迎撃ミサイルや近接防御火器の能力を超える、多数の目標に対する防御が可能になる。

(3)迅速な交戦時間

レーザー光線は瞬時に目標に到達するため、迎撃のための未来位置を計算する必要がなく、目標の特定部位を狙い続けることもできるため、数秒間で目標を無能力化できる。別の目標への変換も数秒以内で可能である。

このような迅速な交戦時間は、ミサイル、ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾などの脅威に曝される、陸地に近い地域での交戦時に特に重要になる。

(4)極めて機動力に富む目標にも対処可能

レーザー光は、一部の巡航ミサイルのような極めて機動力に富む目標の追尾、連続照射に使用できる。

(5)正確に交戦でき、二次被害のリスクを大幅に低減可能

レーザー光の照射範囲は直径数インチと、極めて精度が高い。また直進するため、砲弾やミサイルと異なり、目標を逸れても地上に落下してくることはない。特に港湾地域の作戦では、二次被害を局限することが求められるが、レーザー兵器はそれを可能にする。

(6)その他の用途にも使用でき、段階的対応が可能

レーザーは目標を破壊できるだけではなく、発見・監視、非殺傷攻撃、電子光学センサーの妨害などにも使用できる。

そのためレーザー兵器は、警告のための妨害、能力喪失に至らない限定的損害の付与、無能力化まで段階的な対応が可能になる潜在能力を有している。

4 レーザー兵器の各種目標に必要な出力

レーザー兵器の目標としては、次のようなものが挙げられる。

(1)ペルシア湾で使用が予想されるイランがすでに入手している多数の小型ボートの群れ

(2)多くの国家や非国家主体に拡散しているロケット弾

(3)米海軍艦艇に対する情報収集、目標情報の収集、攻撃などに使用できる無人機

(4)ヒズボラが2006年にイスラエル艦艇に使用したとされ、国家のみならず非国家主体にも拡散している対水上巡航ミサイル

(5)中国が開発している対水上弾道ミサイル

弾道ミサイルについては、直接無能力化することはできないレーザーでも、追尾、画像撮影などにより、わが方の弾道ミサイル防衛能力を高めるために使用できるであろう。

5 今後の展望

「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」の打破を目指し国力を挙げて取り組むべき革新的兵器

レーザー兵器は、指向性エネルギー兵器(DEW)の1種だが、その他のDEWとして、高出力マイクロ波(HPM)兵器などがある。

軍の将来の戦闘能力は最新の効果的な技術を迅速に取り入れるか否かに左右されるが、DEWはそのような革新的技術となる潜在力を持っている。陸海空、宇宙、サイバー空間などあらゆる戦闘空間において、DEWは重大な影響を及ぼす潜在力を持っている。

特にDEWは、極めて速い交戦時間、安価な交戦費用、本質的に無限の弾倉、トータルの装備化費用の安さなど、革新的な利点をいくつも持っている。

DEWの致命的な、あるいは非殺傷的な各種の能力は、実験室でも野外でもすでにいくつもの試験により実証されている。出力が向上すれば、超音速巡航ミサイルにも対処でき、任務に応ずる致命度を選択することもできるようになるであろう。

さらに、上記報告文書では、DE技術は「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略など、高まりつつある脅威に対する司令官達の差し迫った作戦上の要求にも応じ得る、重大な利得をもたらすであろう」と明言されている。

このように、日本の防衛にとり最も深刻な脅威となっている中国のA2/AD戦略を打破しうる可能性を持っていることが明言されている。

日本としても、科学技術力の総力を挙げてこのDEWの研究開発、配備に向けて、尽力すべきであることは言うまでもない。そのための、予算や人材についても、国家資源を傾けて取り組む必要がある>(以上)

レーザーとは何か。調べたものの文系で高2レベルのオツムではまったく分からなかったが、理論的基礎を確立したのはアインシュタインだそうだ。

実際の応用例としてはレーザーメスは知っていたが、工業分野ではレーザー加工機(切断、穴あけ、彫刻など)、レーザー溶接などがあるというから、強烈なエネルギーなのだろう。

「米国の最新レーザー兵器 天気が悪いと…」(日本テレビ系NNN、1/10)から。

<映画・スターウォーズの世界が現実味を帯びるかもしれない。7日付のワシントンポスト紙は先月アメリカ海軍が発表した「レーザー兵器」を詳しい図解つきで報じている。

30キロワットのレーザー光線を発する装置の直径は約60センチ。約5キロ先の標的まで破壊できる。1回の発射のコストは約70円と格安。

しかし、天気が悪いと、効果が発揮されにくいというデメリットもあるという>

安い、旨い、速い。中共が持っていない最先端の兵器を日本は持つべきだし、それを周辺国に売却するなり貸与すべきだろう。(2015/1/11)


      
    

2015年01月12日

◆韓国メディアは日韓協力の真実伝えよ

黒田 勝弘



関係再スタートへ

韓国の新年のスポーツ紙を日本人が飾っていた。米メジャーリーグのヤンキースから古巣の広島カープに復帰する黒田投手と、中日ドラゴンズの超 ベテラン、山本昌投手だ。韓国では近年、日本と逆にサッカーより野球が 人気で、とくに若い世代や女性は「野球の方がカッコいい」といってい る。野球人気を背景に日本人の2人が注目されているのだ。

黒田は「必ず戻ってくる」という日本のファンへの約束を守った「義理堅い男」として称賛され、山本昌は「50歳で現役、年齢をアウトにした驚異の男」というわけだ。

韓国も高齢化時代を迎え、とくに山本昌のようなシニア世代の頑張りには関心が高い。一般紙の中央日報(6日付)でも力投する山本昌のアップ写真がスポーツ面のトップにドーンと掲載されていた。

韓国人にとっては身近で何か参考になるというのは今もやはり「日本」なのだ。

これが反日一辺倒と思われている韓国での一方の日常風景である。なのになぜ日本で反韓・嫌韓感情が高潮しているのか、今年は韓国としても“反日国家”のイメージ払拭のために努力してもらいたい。

とくに世論を扇動するメディアの突出した反日報道は何とかしてほしい。あれでは国際社会で“反日民族”とみられている韓国国民が気の毒である。

ところで先ごろ日本の総理府による恒例の「外交に関する世論調査」が発表された。それによると韓国に対し「親しみを感じない」が前年比8.4ポイント増の66・4%で、過去最悪になったと話題だ。韓国でもそう伝えられ、日韓双方でこの数字だけが注目された。

これに対し「親しみを感じる」は31.5%で一時の半分だ。確かに“韓流ブーム”のころに比べると「親しみ」は急落である。しかし筆者は逆に「それでも30%もあるのか…」と逆に驚いた。韓国の執拗(しつよう)な反日に刺激された反韓・嫌韓感情の拡散と韓国たたきの流行の中で、堂々と「それでも親しみを感じる」という日本人が3人に1人はいるというのだから。

日本社会は健全だと思う。これに比べると韓国社会はあんなに日本のことが気になって仕方ないほど日本に関心が強く、日本への強い親近感(いや接近感か?)があるにもかかわらず、世論調査となるとみんな「親しみを感じる」とは決していわない、いや、いえない。この実態を離れた不健全さ(!)にはメディアの責任が大きい。

今年は日韓国交正常化50周年である。朴槿恵(パククネ)大統領も早くから意味ある年にしたいと語っている。そのためにはこの50年間の日本との協力関係が韓国の発展にプラスしたということをまず正直に認めることだ。

その意味では韓国メディアがいかに事実に即した客観的な歴史回顧で国民に「日韓協力の真実」を伝えるかがカギになる。

筆者はこの50年のうち40年以上、韓国と付き合い、30年以上、韓 国に住んできて韓国の発展に対する日本の寄与を実感している。この正直 な歴史評価から新しい関係はスタートする。 (ソウル駐在客員論説委員)

産経ニュース【から(韓)くに便り】2015.1.11

◆国力を総動員して領土領海を守れ

平井 修一



元海上保安官・一色正春氏の論考「国力を総動員しなければ領土領海をまもれない」(ブロゴス2014/12/30)から。

<こういうふうに船1隻捕まえるだけでも、日を追うにつれて必要な人間の数は少なくなりますが、だいたい20〜30人の人間が3週間ほど、専従しなければなりません。

このような現状を踏まえると、現在、尖閣海域に沢山の船艇や人員を割かれている海上保安庁としては、よくやっている方ではないかと思えてくるのではありませんか?

しかし、これは海上保安庁の一現場の話であり、日本国の総力をもってすれば、もっと多くの船を捕まえることは可能です。ただ、具体論を述べる前に、あの中国漁船の乱暴狼藉を、どうとらえるのかということをはっきりとさせておかねばなりません。

マスコミは、こぞって「密漁」という言葉を用いますが、はたして、あのように数に物をいわせて堂々と盗みを働く人たちと普通の泥棒(官憲の目を盗んで悪事を働く密漁者)を同じ扱いにして良いのでしょうか。

例えば、スーパマーケットで一人の人間が、こっそりと盗みを働けば「万引き」ですが、一挙に200人以上が押し寄せて、警備員の制止を無視して盗みを働くのは「万引き」とは呼ばないでしょう。

マスコミにどういう意図があるのか分かりませんが、ニュースである以上は正しい言葉を使ってもらわなければ、多くの国民が誤解してしまいます。

あれだけの大船団が、統一された行動をとるということは、何らかの大きな力が働いているとみるのが妥当で、本来であれば侵略者として対応すべきところですが、表面上は民間漁船であり工作船であるという確たる証拠がない以上、日本側としては犯罪行為として警察権を行使する方が賢明です。

とはいえ、その規模や場所を考えると、通常の体制では対抗できないことは明らかです。相手が国家レベルの犯罪行為を仕掛けてきているという認識のもと、日本政府は一省庁に任せるのではなく総力戦体制で挑まねばならないことを覚悟してかからねばなりません>

氏は具体案を示しており、詳細は下記を参照されたい。
http://blogos.com/article/102216/

ところで「拿捕」。韓国やロシアは日本漁船を盛んに拿捕したが、日本の官憲が中国船を拿捕したという話は聞かない。拿捕とは何か。

<拿捕(だほ)とは、国家が主体となっておこなう船舶の航行の自由を制約する行為のうち、船舶の抑留など実力行使を伴うもの。捕獲(ほかく)や鹵獲(ろかく)、拿獲(だかく)ともいう。しばしば船員の抑留や積荷の没収を伴う場合もある。

古来より沿岸国が自国の勢力圏の海域へ航行してきた船舶を、沿岸国の危険を防止する名目で拿捕する行為は数多く行われていたが、国家や国際社会の発展のためには、主権を害さない範囲で船舶の航行の自由を広く認めるべきだという思想が生まれ、やがてそれが支配的な考えとなり国際慣習法が形成された。

歴史的には戦時における拿捕をめぐって問題があったが、現在では平時における拿捕の可否も争点となっており、船舶の種類が公船か私船か、また航行場所が内水か領海か接続水域か排他的経済水域か公海かで、船舶の航行の自由の範囲は異なるため、拿捕が許される範囲も事情により異なってくる>(ウィキ)

まあ、ややこしい話のようだ。ロシアは領海を侵犯されるとすぐに銃撃するが、確信犯の海上民兵200隻を迎撃、追放するにはそれくらいの荒業が必要ではないのか。10時間にもわたって逃げる船や、逆に衝突してくる船に海上保安官が乗り込んで制圧するというのは限界がある。銃撃や拿捕について検討する必要があるだろう。(2015/1/3)

◆マヤの遺跡と伊勢の神宮

伊勢 雅臣
 


多くの古代文明が滅んでいるのに、我が国が古代から同じ文明を持続発展させているのは何故か?


■1.「死せる遺跡」

正月休みを利用して、メキシコ・ユカタン半島のマヤ遺跡の一つチチェン・イッツアを訪れた。幸い天気もよく、強い日射しに30度を越す暑さで、ガイドの説明を聞くにも木陰に入らねばならない。

ガイドはマリオという身長150センチほどもない老人で、90%はマヤの血筋だと言っていた。このあたりのメキシコ人は男性も女性もみな背が低い。どうやらマヤ人は背が低かったようだ。マヤ語は今も残っているそうで、マリオは、自分も子も孫もマヤ語を話せると言っていた。

遺跡は高さ24m、底面55m四方の階段状のピラミッドを中心に、祭壇や球技場など壮大な石造りの建物が散在している。球技場の壁画では、マリオは、球技の勝者は名誉を讃えて、首を刎ねられたという説明をしていた。マヤ人の血筋は残っても、遺跡の説明は現代の考古学者の研究成果である。

これらの遺跡は9世紀から13世紀に栄えたマヤ文明によって作られたが、その後、森林破壊による食糧不足、疫病の流行、戦争などによって打ち捨てられたと言われている。

現代に生きるマヤ人の末裔は、その記憶を完全に失っている。したがって、そのピラミッドはまさに「死せる遺跡」である。訪れている観光客は多いが、その目的は遺跡見物であり、ピラミッドを作った人々の祈りは、誰も受け継いでいない。


■2.生ける伊勢の神宮

マヤの遺跡を見ながら、私は正月の伊勢の神宮での賑わいに思いを馳せていた。一昨年の式年遷宮で、この正月の参拝客はまだ真新しい橋を渡り、白木のお宮を拝んで、清々しさもひとしおであろう。

マヤの「死せる遺跡とは違って、神宮は今も生きている。我々日本人が千数百年も前から、現代にいたるまで参拝し続けているからである。御遷宮のあった平成25年は参拝者1400万人だったというから、日本人の10人に1人以上が参拝している勘定になる。


イギリスの文明史家アーノルド・トインビーが、伊勢の神宮を訪れて、「世界には神聖な場所がいくつかありますが、伊勢の神宮は最も神聖な場所の一つ」として、ギリシアのデルファイ神殿などと同列に語った。

それに対して、案内役の皇學館大学教授・田中卓氏が「デルファイは壊れた柱が数本立っているだけの廃墟だが、神宮は一環した生命を保っている」と違いを指摘したところ、トインビーは「なるほど」と答えた。[a]

マヤやデルファイのみならず古代の宗教施設は、エジプトのピラミッド、ギリシアのパルテノン神殿、イギリスのストーンヘンジなど、みな「死せる遺跡」に過ぎない。千数百年前に創られて今もこれほどの参拝者が訪れる宗教施設として、伊勢の神宮は世界的に見ても珍しい存在である。

伊勢の神宮に限らない。今年の三が日の初詣のトップテンは、明治神宮(約316万人)、成田山新勝寺(約305万人)、川崎大師(約302万人)を筆頭に、9位・太宰府天満宮(約200万人)、10位・神戸市の生田神社(約152万人)と続く。

正月3が日の寺社トップテンだけでの合計約2500万人。全国に神社だけで8万はあると言われているので、それらを含めたら、その数倍の1億数千万人、すなわち日本人全員が1回は初詣に行っているということになるのではないか。「日本人は無宗教」どころか、これほど熱心に宗教施設に参拝する国民も珍しい。


■3.夜明け前の祈り

元日の夜明け前から出かける熱心な初詣客も多いが、その頃、皇居では陛下が神々をお祀りされている。午前5時半から、皇居の白砂の上に小さな畳を敷き、屏風で囲った御拝座で行われる四方拝(しほうはい)は、伊勢の神宮をはじめ、神武天皇陵、明治・大正・昭和天皇の各山稜、石清水八幡宮、熱田神宮など、四方の諸神を拝される。

続いて「歳旦祭(さいたんさい)」では宮中三殿(賢所(かしこどころ)・皇霊殿・神殿)で天皇と皇太子が、天照大神、歴代天皇、および八百万の神々に、旧年の神恩を感謝され、新年にあたり国家の隆昌と国民の幸福を祈願される。

明けそむる賢所の庭の面(も)は雪積む中にかがり火赤し

平成17年の御製(天皇のお歌)である。朱に染まる朝空、赤々と燃えるかがり火、庭を覆う真っ白な雪。身を刺す寒気のただ中で、81歳の陛下が国の平らぎと民の幸せを祈られる。

陛下のお祀りは元日だけではない。主な宮中祭祀だけでも、神嘗祭、新嘗祭、春季皇霊祭、秋期皇霊祭など20以上。それに毎月1日、11日、21日の旬祭にも、ほとんど代理に任せず、ご自身でなされる。[b]

さらに毎朝の「日供の儀」(にっくのぎ)、「毎朝御代拝」(まいちょうごだいはい)があり、さすがにこれらは内掌典(女性)や侍従が代拝する。しかし、その間も陛下は「おつつしみ」、すなわちお祈りされている、と言われている。

こうした世の平らぎと民の幸せを祈られる宮中祭祀が、天皇の御本務なのである。弊誌で紹介してきた被災地やハンセン病療養所、養老院、孤児院などへのお見舞い、「全国植樹祭」「豊かな海づくり大会」などへのご参加は、その御祈りが外に現れた形と言っても良い。


■4.「神を祭ることが、まず先」

天皇の御本務が神々への祈りにある、とは1千数百年前から語り継がれ、歴代天皇が継承されてきたことだ。たとえば西暦645年の『大化の改新』の頃、天皇に対して、こんな進言をしている人がいたと『日本書紀』は記している。[1,p75]


<天皇は、まず神祇(あまつかみ・くにつかみ)を祭り、そのあと政治(まつりごと)を行うべきです。>

『大化の改新』は聖徳太子の描いた理想国家を具現化しようとしたもの、と弊誌は捉えたが[c]、政治(まつりごと)の根底には、民の幸せを神々に祈る(まつりごと)ことがなければならない、と我が古代の先人たちは考えていた。

鎌倉時代の第84代順徳天皇も、宮中の行事・制度などを解説した『禁秘抄』に、こう書かれている。


<すべての皇居で行うことのうち、神を祭ることが、まず先であり、他のことは、すべてそのあとに行うものです。天皇たる者、朝から晩まで、神を敬うことを怠けてはなりません。>

こうしたお諭しを、8百年後の今上陛下もそのまま実行されているのである。


■5.「世の平らぎ」と「民安かれ」

歴代天皇が神々に何を祈られたのか、近現代の天皇の御製を見てみよう。

今上陛下(第125代)
波立たぬ世を願ひつつ新しき年の初めを迎へ祝はむ

 昭和天皇(第124代)
わが庭の宮居に祭る神々に世の平らぎをいのる朝々

大正天皇(皇太子時代のお歌、第123代)
もろもろの民安かれの御いのりも年のはじめぞことにかしこき

明治天皇(第122代)
とこしへに民安かれと祈るなるわがよをまもれ伊勢のおほかみ

孝明天皇(第121代)
あさゆふに民やすかれと思ふ身のこころにかかる異国(とつくに)の船まるで同一人物の歌かと思ってしまうほど、5代の歴代天皇が祈られているのは、すべて「世の平らぎ」と「民安かれ」なのである。この祈りが皇室の伝統を貫いている。


■6.「無償の愛」

皇學館大学教授の松浦光修教授は、天皇の祈りについて、こう書いている。

<・・・ふつうの人が神仏に「祈り」をささげる時の「祈り」の内容は、ほとんどの場合、「自分の幸せ」とか、「家族の幸せ」とか、せいぜい広がっても「自分のいる組織の幸せ」とか、そういう、いわば「現世利益」の「祈り」が多いでしょう。>[1,p76]

松浦教授は、前節に紹介した昭和天皇の「わが庭の宮居に祭る神々に世の平らぎをいのる朝々」を挙げて、

<天皇の「祈り」は、人々に対する、このような「無償の愛」に貫かれています。「無償の愛」というのは、「見返りを求めない愛」のことで
す。・・・

「愛」といっても、この世には、いろいろな「愛」がありますが、それらのうち、もっとも尊いのが、この「無償の愛」だといわれています。>
[1,p77]

人は、他人が「何か」をしてくれるから、「何か」をする。愛してくれるから愛する、褒めてくれるから頑張る、等々。

<けれども天皇は、ただ一方的に、人々の幸せを祈ってくださるのみで、それに対する見返りなどは、何も求められません。それは無条件の愛、、、ただ与えるのみの愛です。>[1,p77]


■7.「国民の父母」

凡人である我々も、「無償の愛」を体験しうる。それは子どもを授かって、親になった時である。

<・・・ふつうの「お父さん」や「お母さん」は、わが子が、たとえ「困った子」であろうと、「どうしようもない子」であろうと、自分を逆恨みするような子であろうと、それでも、なお愛してやみません。

 ふつうの人は、親になってはじめて「無償の愛」というものを、深く実感できるようになるようです。>1,p78]

 天皇の「無償の愛」とは、我々が子どもに抱く「親の愛」と同じなのである。「天皇とは国民の父母」である、とは、皇室の伝統的な自覚であった。

戦国時代の代05代後奈良天皇は、国内に悪い病気が流行して、国民が苦しんでいることに、とても心を痛められて、秘かに有り難いお経を写して、お寺に奉納された。その理由について、お経の最後にこう書かれている。

<今、国民が流行病で苦しんでいるのは、国民の父母である私の徳が足りないからではないかと思われ、私はとてもつらい思いです。もし、このお経の不思議な力で、国民の苦しみが少しでも楽になればと思い、奉納します。>(『宸翰英筆』)[1,p80]


■8.天皇の祈りは「国民統合力の源泉」

陛下は私たち国民の幸せを、日々祈ってくださっています。「ならば・・・私たち国民一人ひとりは、その御恩に、どう報いていけばいいのか?」と私は考えるのです。(中略)

私は、いつも「感謝の心」と「報恩の行い」は一つのものと言っています。(中略)私のいう「報恩の行い」とは、“一人ひとりの国民が、日本人としての“つとめ”を、それぞれの立場で、りっぱに果たして生きること”、それが基本です。(中略)

私たちは、「私は陛下に喜んでいただけるような生き方をしているのか?」とみずからに問うてみなければなりません。[1,p83]

陛下の「無償の愛」を「無償」で終わらせないためには、それに対する「感謝」と「報恩」の心を持って、「日本人としてのつとめ」を果たすことである。

「日本人としてのつとめ」と言っても、そう大げさに考える必要はない。初詣で、家族の健康や事業の成功などをお祈りした後に、「我が国が平安でありますように」「国民みなが幸せでありますように」と付け加えてみてはどうか。

あるいは、受験祈願をする際に、「神様、ぜひ合格させて下さい」という祈りに付け加えて、「合格したら、一生懸命に勉強して、少しでも世のため人の為に役立つ人間になります」と誓う。

そうした祈りは徐々に、しかし確実にあなたの生き方を充実させ、「世の平らぎ」と「民の幸せ」への陛下の御祈りを実現させる方向に寄与していく。曇りのない目で我が国の歴史を学べば、そういう生き方をした日本人がいかに多かったかに、驚かされる。

天皇は「国民統合の象徴」だが、天皇の祈りは「国民統合力の源泉」なのだ。マヤ、エジプト、ギリシャなどの古代文明はとうに滅びてしまったのに、我が国が古代から現代まで脈々と一つの文明を持続・発展させ、その中で他文明に比べてはるかに立派に「世の平らぎ」と「民の幸せ」を実現してきているのは、この国民統合力によるものである。


■リンク■

a. JOG(377) 伊勢神宮を支えた千数百年
 千数百年にわたって伊勢神宮が20年ごとに建て替えされてきた理由は?
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h17/jog377.html

b. JOG(427) 皇室という「お仕事」〜 紀宮さまの語る両陛下の歩み
 「物心ついた頃から、いわゆる両親が共働きの生活の中にあり、、、」
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h18/jog427.html

c. JOG(799) 歴史教科書読み比べ(9) 〜 大化の改新 権力闘争か、理想国家建設か
 聖徳太子の描いた理想国家を具現化しようとしたのが大化の改新だった。
http://blog.jog-net.jp/201305/article_4.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 松浦光修『日本の心に目覚める五つの話』★★★、明成社、H22
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/494421992X/japanontheg01-22/

2015年01月11日

◆新スリランカ大統領は反中、親日派

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成27年(2015)1月10日(土曜日)通巻第4437号  <臨時増刊号>>

 
〜中国に[NO]を突きつけたスリランカ大統領選挙
   親中派のラジャパクサ大統領を破ったシリセナは反中、親日、親インド派〜


2015年1月8日に投・開票が行われたスリランカの大統領選挙、番狂わせが起きた。

現職ラジャパクサ大統領の親中路線に反対してきた新人シリセナ候補が野党連合の統一キャンペーンに成功し、51%vs47%で当選したのだ。

これは親中路線をつきすすんできたスリランカの外交方針を根底から揺るがす国際政治上の大事件。つまり中国に対して[NO]を突きつけたのが、スリランカ大統領選挙の結果なのである。

シリセナ新大統領は国際的に無名とはいえスリランカ政治ではベテラン、青年時代から農業改革に挑んで、89年に早くも国会議員。農業水利相もつとめて、タミル族過激派の暗殺部隊には2回襲撃され、窮地に立った経験もある。シリセナはシンハラ人で仏教徒である。

シリセナ新大統領は、政治的手腕は清廉潔白であるがゆえ、未知数とはいえ前政権で保険大臣をつとめ、清潔な政治家として知られた。

そのイメージが、汚職の蔓延にあきあきした国民の期待を担った。投票日、スリランカは厳戒態勢に入り、全土に66、000名の警官と軍人を配備したが、暴力沙汰も投票妨害も発生せず、民主主義の成熟ぶりをうかがわせた。

シリセナ新大統領はすぐさま大統領宣誓就任にのぞみ「社会と政治、経済を変革させる。それも100日以内に方針を出し、世界のあらゆる国と密接な関連を結び、外交を強化したい」と述べた。

 
 ▼選挙結果に慌てたのは中国である

勝因はラジャパクサ大統領とその一族の利権掌握、とりわけ外国支援をうけてのインフラ整備事業、港湾整備などで利権が一族の懐を肥やし、スリランカは孫の代になっても借金を払えない状態に陥没したことへの不満の爆発である。

つまり中国がインド洋から南シナ海にかけて展開している「真珠の首飾り」戦略の一環としてスリランカのパパンドタ港が中国軍の基地化しており、なかんづく、9月の習近平訪問の際に中国海軍の潜水艦がスリランカに寄港するなど、そのラジャパクサ一族のあまりの中国寄り外交とただれた利権関係を批判したことだった。

また若者とインテリが同氏を支持したことも特筆しておくべきで、インドは外交戦略上、シリセナ候補を間接的に支持するのは当然としても旧宗主国の英国がメディアを動員して、ラジャパクサ一族の腐敗を暴き、シリセナ候補を間接的に支援したことがおおきい。

『ファイナンシャル・タイムズ』紙も、『ザ・エコノミスト』誌も、シリセナ大統領に好感をもって事前予測を報じていたからだ。

選挙中もシリセナは「浅はかな外交でスリランカのイメージを破損した結果、スリランカは国際社会で孤立した」などと訴え、大統領宣誓でも「今後はインド、日本、そしてパキスタン、中国との友好関係を強化し、新興国との関係も区別しないで促進する」と述べた。

シリセナ新大統領はラジャパクサ政権での閣僚であり、与党だったSLFP(スリランカ自由党)の幹事長までつとめていた。

選挙直前に「新民主戦線」(NDF)を組織し、野党のUNP(統一国民津尾)との統一候補としての立候補に成功した。

したがって新政権の首相にはウィクラマシンハ(元首相)が就く。

◆事なかれのヘタレ外交改めよ

平井 修一



小生は加藤紘一(1939年6月17日 ‐ )が大嫌いだ。加藤は外務省出身だから、「外務省はこの手のリベラル≒アカ≒ピンキー≒外国べったりの反日屋≒事なかれ主義者が多いのではないか」と不信感を持っている。

古森義久氏は不信感どころか憤慨している。氏の論考「日本はこうして世界に発信せよ、正しい歴史を伝えるための10の提案 外務省はジャパン・ハウス建設の前にやるべきことがある」(JBプレス1/7)から。

<2015年は、日本が諸外国へ向けて歴史や領土に関しての明確なメッセージを発信すべき年である。日本がこれまでのように対外的に沈黙していたのでは、汚辱の傷を深め、領土さえも失いかねない。

安倍晋三首相にとっても、長期政権の見通しが強くなったいまこそ、この対外発信を真正面に前進させる必要性が高まり、その土壌も固まってきたと言えよう。

だが、その先兵となるべき外務省の姿勢がどうにも不可解なのである。日本国がいま最も必要とする発信を避けて、日本食やアニメという緊急性の低い無難なテーマへと逃げこもうとしているようなのだ。

日本の外務省には、慰安婦問題や南京事件という歴史的な課題に関して戦後の長い歳月、一切、反論や説明を対外的にしてこなかったという負の軌跡がある。


中国や韓国、そして米国の一部からどんなに非難されても、事実関係の誤りを正すことさえしてこなかった。対外的に述べるのは謝罪だけだった。個別の外交官がたまに歴史問題に言及しても、せいぜい「その案件はすでに外交的には処理ずみ」という範囲の弁解だった>(以上)

情けないほどにほとんど暗愚なのである。

加藤は衆議院議員(13期)、防衛庁長官、内閣官房長官、自由民主党政務調査会長、自由民主党幹事長、宏池会会長を歴任した。加藤のオツムは外務省で作られたのだろう。

加藤は1963年、東大法学部政治学科を卒業。朝日新聞の入社試験には合格したが、外交官試験は不合格であった。そのため4月に法学部法学科公法コースに内部学士入学する。

その後あらためて外務省を受験し直し、合格。1964年、東大法学部公法学科を卒業し外務省に入省した。

在職中、台湾大学、ハーバード大学に留学する。1967年、香港副領事在職中に結婚。1970年に帰国し、外務省アジア局中国課次席事務官。

1971年5月、次期衆議院議員総選挙への出馬を表明し、同年12月をもって外務省を退官。

小生とは比べものにならない立派な脳みそのはずなのだが、中共に籠絡されたのだろう、完璧な走狗になった。加藤は妄言を連発した。

<1992年7月、宮澤内閣の官房長官として「細部は論じたくないが、(慰安婦側が)強制連行されたと主張するならその通りなのだろう」と日本側の非を認め、「お詫びと反省の気持ち」を表明した。

また、南京事件について「物の見方だと思います。南京大虐殺も(犠牲者は)30万人という人と3000人という人と。僕はこう思う。3000人でも一般市民を虐殺したら、された方は虐殺と思う。(慰安婦問題も)それに近いんじゃないか。だからそこをあんまりとやかく、細かく論じたくありませんね」と語ったとされる。

1994年8月、当時自民党政調会長だった加藤は中国人民抗日戦争記念館を訪れ「ここに来るのは長年の願望だった」「来年は終戦から50年。日本では、どう50年を迎えれば良いか議論しており、日中戦争が本格的に始まるきっかけとなった盧溝橋を訪れることができたことは意義深い」とした。

また、外務官僚時代にハーバード大学に留学した際に「蘆溝橋事件が起きるまでの一年」と題した論文で修士号を取得したことを述べ、「亜州歴史的真実只有一個(アジアの歴史の真実はただ一つ)」と記して抗日記念館の館長に献じた。

この他の語録。

「(金正日総書記は)向こうの国(北朝鮮)でいえば天皇陛下みたいな立場」(2007/12/18 報道2001番組内で発言)

「(拉致被害者は)北朝鮮に返したほうがよかった」(2008/7/7 BS11番組内で発言)

「(中国海軍艦艇によるレーダー照射問題について) ほんとに(中国は)やったのかな…」と述べた。 (2013/2/13 日本記者クラブでの会見)>(ウィキ)

2006年に自宅を放火される事件も起きたから、加藤を嫌う人は多いのだろう。今は政治家業は娘に譲ったようだが、公益社団法人日本中国友好協会の会長を務めている。

加藤のようないびつなキャラを産んだのは、外務省のいびつなDNAによるのではないか。

<外務省は、平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに、主体的かつ積極的な取組を通じて、良好な国際環境の整備を図ること、並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ることを任務とする(外務省設置法3条)。

この第3条に掲げた目標を達成するため、外交政策、外交使節、通商航海、条約等の国際法規の締結・運用、外国政府との交渉、情報収集・分析・発信、在留邦人の保護および文化広報活動など国の対外関係事務全般をつかさどる。

2012年度(平成24年度)一般会計当初予算における外務省所管予算は6172億5100万円である。組織別の内訳は外務本省が5040億9700万円、在外公館が1131億5400万円である。

外務省の広報誌には、外務省発行の『外交』と『外交フォーラム』(都市出版発売)がある。(注:外交フォーラムは2010年に休刊)

駐米大使を務めた村田良平は外務省退官後、外務省があまりにもアメリカ合衆国に従属的であると述べている。

一般職の在職者数は2011年1月15日現在、外務省全体で5648人(うち、女性1408人)である。

省内の派閥関係としては、語学研修部門別の「アメリカン・スクール」「チャイナ・スクール」「ロシアン・スクール」などがあり、出身学校別としては東京大学出身者による「東大閥」を初め、東京外国語大学出身者による専門職を中心とした「外大閥」、創価学会員や創価大出身者による派閥「大凰会(凰会)」などが知られている。

外務省では、事務次官経験者がその後大国又は国連等の重要な国際機関に派遣される特命全権大使を務める慣例があり、特に在アメリカ合衆国大使の多くは次官経験者が務めてきた。

しかし、2001年頃に発覚した数々の外務省の不祥事を受けた改革において、次官経験者の自動的な大使任用慣行は一旦改められた。

その後、政府は大使の任用は「適材適所の観点に立って」判断するとしてきたが、2012年には11年ぶりに佐々江賢一郎が次官経験後に駐米大使に就任した>(ウィキ)

この引用の冒頭の外務省設置法3条には「一に国益、二に国益、三、四はなくて五に国益」という覚悟がないのだ。だから、相手が文句を言ってくると、事なかれ主義で、すぐに謝罪する。かくして日本叩きが拡大再生産されるのだ。ヘタレ外交と言う他ない。

杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏の論考「棍棒外交の意味を問い直せ」
(産経・正論1/6)から。

<米国にべったり寄りかかって棍棒を軽視してきた日本が何をすべきかはおのずと明らかだろう。ソフトパワー重視もいいが、アニメと日本食のPRを熱心に試みても尖閣諸島や小笠原諸島に不法に入ってきた中国船には何の効果もない。

米国との絆を強めつつ日本は何をすべきか。安倍晋三首相はご自身が運命の人であることを自覚しておられると信じている>

日本外交は国益を拡大するどころか毀損していることが多いのではないか。事なかれのヘタレ外交改めよ。(2015/1/7)