2014年12月30日

◆朝日新聞よ 現実を見よう

阿比留 瑠比



平成26年も余すところ僅かだ。政界のこの1年を振り返ると、消費税 率8%実施、集団的自衛権の限定行使容認、衆院選での与党大勝利…とい ろいろと大きな動きがあった。

一方、メディアをめぐる最大の出来事はと いうと、何と言っても朝日新聞が東電福島第1原発の吉田昌郎所長(当時)の聴取記録「吉田調書」報道と、積年の慰安婦報道の一部を取り消 し、謝罪したことだろう。

特に慰安婦問題をめぐっては、戦後ずっと左派・リベラル系言論の支柱だった朝日新聞の主張の根幹、そのあり方に、疑義が突きつけられたのだ。しかも朝日自身が設けた第三者委員会によってである。

第三者委の提言は次のように強調している。

「たとえ、当初の企画の趣旨に反する事実(任意に慰安婦となった者もいたことや、数が変動したこと)があったとしても、その事実の存在を無視してはならず、(中略)事実を軽視することのないよう努める必要がある」

「自己の先入観や思い込みをなるべくただすと共に、一方的な事実の見方をしないよう努める必要がある」

第三者委がこんな基本的な指摘をせざるを得なかったのは、朝日新聞の報道にそれだけ事実軽視や思い込み、一方的な見方が多かったということだろう。

だから、朝鮮半島で女性をトラックに詰め込んで強制連行したとの「職業的詐話師」(現代史家の秦郁彦氏)、吉田清治氏の証言を何度も記事にしてきたのだろう。吉田氏の話は「荒唐無稽で直ちに真実と思える内容でもなかった」(第三者委の中込秀樹委員長)にもかかわらずだ。

朝日新聞は吉田証言関連の記事を計18本取り消したが、これだけ繰り返し取材しておいて「おかしい」と気付かなかったという点が、朝日の「角度」(第三者委の岡本行夫委員)の根深さを示している。

一方の吉田調書報道も同じ構図のはずだ。あらかじめ社内に「東電と原発は悪」「極限事故には作業員は対応できない」という「空気」の共有があったのだろう。だからこそ、ごく少数の記者しか吉田調書を実際に読んでいないにもかかわらず、社説や1面コラムで堂々と東電や政府を批判し続けられたのだ。

朝日新聞の姿勢とは対極にある竹山氏は、歴史への向き合い方に関してこうも述べている。

「歴史を解明するためには、先取された立場にしたがって予定の体制を組み立ててゆくのではなく、まず一々の具体的な事実をとりあげてそれの様相を吟味するのでなくてはなるまい」

 「固定した公理によって現象が規定されるのではなく、現象によって公理の当否が検証されなくてはなるまい」

ちなみに、竹山氏は朝日新聞によって「危険な思想家」だとのレッテルを貼られ、43年に米原子力空母の佐世保寄港に賛意を示した際にはバッシングを受けたこともある。だが、朝日と竹山氏のどちらが日本にとり危険だったろうか。

「今回の検証記事は、誤報の際に必要な謙虚さが感じられず、むしろ頭が高く上から見下ろすような印象を受けるものであった」

第三者委の報告書は、朝日新聞が8月5、6日付朝刊紙面に掲載した特集「慰安婦問題を考える」についてこう総括している。

朝日新聞は長年、自分たちは無謬(むびゅう)の存在であり、常に正しいかのように傍若無人に振る舞ってきたが、その「裸の王様」ぶりが第三者に厳しく指摘されたわけである。そろそろ目を覚まして、世界と日本の現実をきちんと見てほしい。(政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免 拡大版】2014.12.29

◆今、歴史的使命を果たせ

櫻井よし子



衆議院議員選挙の前日まで、新聞各紙には自民単独で3分の2を超える317議席以上という数字が躍り、自民党300議席超えが半ば確定的に報じられていた。結果、自民党は2議席減の291だった。


予想されていた勝ち振りが余りに華々しかったために、意外の感を抱いてしまうが、この数字は、しかし、たしかに自民党の圧勝なのである。前回の選挙で大量当
選した1回生議員もほぼ全員再選を果たした。これも驚べきことだ。大勝した次の選挙で1回生の殆どが落選してきたこれまでの選挙を考えると、今回はかつてない勝ち方であり、安倍晋三首相と政権への信任を示すものだ。首相の政権基盤は確実に強化されたといえる。


投票率が低かったことを政治不信につなげる意見もある。だが、民主主義国における選挙結果は国民の明確な意思である。自民党大勝利という結果は、日本が直面する内外の諸問題・中国の脅威と米国のアジア政策に対する不安、憲法改正の歴史的必然性、皇位継承と皇室問題、経済成長のための改革・これら重要課題の解決を安倍首相に期待する国民の声に他ならない。

安倍首相には、自らの信念に基づいて戦後体制が抱えるこれらの課題に本質的に切り込むことが期待されている。その時期は今を措いてなく、この大事な局面で強固な政権基盤を与えられた首相は、まさに歴史的使命担っているのである。

安倍首相はかねてより、自分の歴史的使命は憲法改正だと述べてきた。その言葉が本物であることは、首相の行動が示している。第1次安倍内閣で憲法改正のための国民投票法を成立させ、第2次安倍内閣では同法の投票年齢を18歳以上に引き下げる改正を行った。

12月14日の選挙後の記者会見 では「憲法改正はわが党にとっての悲願だ」と語り、夜、各テレビ局の取 材に対して「国会における3分の2の勢力を確保しても、国民投票で過半数 の支持を得なければならない。国民の理解を深めるところから進めていき たい」と語った。

平和という言葉の幻想

首相の憲法改正にかける気持ちは真摯であり、今回、多くの人が驚くタイミングで選挙に打って出た背景には、圧勝して憲法改正に向けての動きを加速させたいとの思いもあったのではないかと思う。


選挙結果は大勝となったが、憲法改正の視点で考えれば、大勝の中に負の要因も見てとれる。憲法観を共有し、安倍首相の心強い支えとも推進力ともなり得る次世代の党がほぼ潰滅状態に陥った。渡辺喜美氏の勢力も消滅した。

反対に共産党が21議席を確保し、法案提出権まで持った。憲法改正については往々にして自民党のブレーキとなってきた公明党も議席を伸ばし、民主党も増えた。憲法改正にマイナスの要因が増したわけで、それだけに安倍首相はしたたかに準備する必要がある。

まずアベノミクスを成功させて経済成長の恩恵を広く国民に行き渡らせ、首相への信任をさらに高めることだ。国力を強化させつつ、日本があらゆる意味で進化を遂げなければ、厳しい国際社会で生き残れないことを、国民にわかってもらうことが重要だ。

経済成長には合理性と創意工夫が欠かせない。農協改革を進め混合診療を拡大し、首相の言う岩盤規制を打ち破り、果敢に開国してみせることだ。

新たな挑戦であるTPPも実現してみせることだ。その方向に日本が進み始めるとき、アベノミクスは豊かな恩恵をもたらすはずで、勇気ある変革の中にこそ成長を担保し、国力を強化する力があることを、生活実感と結びついた形で国民に示す事例になるだろう。こうした上で、世界の現状に向けて国民の目を開かせていくことが大事だ。

中国はいまや公然と国際法や国際秩序に挑戦し始めた。南シナ海の中国の領有権は2000年前から確立されていると主張し、防空識別圏や排他的経済水域に彼ら独自の法解釈を適用し始め、他国のプレゼンスの排除に乗り出した。

にも拘らず、日本人の国防意識は、憲法改正の必要性を感ずるどころか、怠惰な眠りの中にある。中国は尖閣周辺海域に日常的に公船を侵入させ、日本国民がとりたてて反応しない水準まで「常態化」させた。

それでもまだ、日本国民の中には集団的自衛権の行使容認に反対する声がある。国防へのこの無頓着と非常識が中国の跋扈を許し、小笠原、伊豆両諸島海域には220隻に上る中国漁船が押し寄せる事態にまでなった。海上保安庁などの船5隻では到底、対処できない。

そういう状況の日本だから、中国漁船群は、2012年7月には五島列島福江島の玉之浦湾にも易々と侵入した。彼らは、望めばいつでも日本の海に侵入できるのだ。

平和という言葉の幻想に縛られ、軍事に関する一切に対しての拒否反応に染まる現行憲法の精神の矛盾を今こそ大いに指摘すべきだ。

圧倒的支持を足場に

自衛隊や海保の装備と人員を増やし、憲法、法律上の空白も埋めていこう。集団的自衛権に関する7月の閣議決定は、安全保障に関する戦後の無責任体制と決別する偉業だった。それはしかし、ポジティブリストの項目を増やし、実際の国防のための運用をより複雑にしかねない。安倍首相が目指すべきは、ポジティブリストの自衛隊からネガティブリストの自衛隊へと、真の国防に向けた質的変換をはかることだ。

一連の作業を経たとき、初めて日本は歪な非戦国家から国際社会のまともな普通の国になれる。

歴史において、日本は幾度かの戦争を戦った。その中で日本国に殉じた人々がいて、現在の日本がある。その英霊を慰め、感謝を捧げることは、国民を代表する首相にしか果たせない重要な責務である。

日本人の精神的支柱のひとつであるその大事な靖国参拝を中国の対日歴史カードにさせ続けないために、叡智を結集すべきだ。中国は戦後70年の来年を対日全面的歴史戦争の年と定め、12月13日には、南京大虐殺記念館で習主席が日本軍の30万人虐殺説を根拠もなく述べた。

中国の挑戦に屈服しない道は唯ひとつ、王道を歩み続けることである。首相は靖国参拝の心を世界に発信し続け、毎年静かに参拝を続けるべきである。

今回の選挙結果は、アベノミクスを含めた安倍政権2年間への総合評価なのである。戦後70年の道のりで私たちが置き去りにしてきた大事な価値観を、安倍首相なら取り戻し、国の根幹を正せると、国民が信頼を寄せたのである。

国民が安倍首相を圧倒的に支持したことを足場として、首相は経済、国防を強化し、憲法改正を国民に説き、独立国の宰相としての姿を鮮明にしてほしい。毎年、靖国神社に参拝し、英霊への感謝と礼節を示して国民の誇りを取り戻すことこそ、歴史が安倍首相に託した使命である。

『週刊新潮』 2014年12月25日号 日本ルネッサンス 第636回

              (情報採録:久保田 康文)

◆アサヒに捧げるバラード

平井 修一


コラ!アサヒ、何ばあんたしようとかいな、アサヒ。はようアサヒ、地獄へ行ってこんね、アサヒ。地獄へ行ってアサヒ、死刑になってこんね、アサヒ。毎日アサヒ、テレーとしてから。

近所の人からアサヒ、いつも、何て言われおっか、わかっとってね。築地のバカ新聞、嘘つき新聞って、アサヒ噂されおっとよ。どうしてまたこげん頭の悪か新聞のできたとかいな、ほんなことおまえは。

あーも、アメ公があんた、あの日原爆で脅して憲法を押し付けてこんかったらお前のごたあバカ新聞はできとらんかったとに。

待て!待て、おまえ。また嘘ばつきよろうが、ほんなことこの子は。国民が、この日本ば経営するためにあんた、どれだけ苦労しよるとかわからんとか、ほんなこと。血と汗と泪にまみれた日本の150年がわからんか、このアホ新聞!ほんなことも、腹立つ、ほんなこと。

いってこい、どこへでもいってきなさい。日本人、お前のごたあ新聞がおらんごとなっても、何もさびしうなか。が、いうとくがなあ、なまじ「角度」を右寄りにして誤魔化そうなんて絶対思たらつまらんど。

死ぬ気で「重く受け止め」てみろ、アサヒ。きちんと取材し、裏をとって、検証しぬいて、もう中韓北に媚びたいとか、日本を虚報で貶めたいとか思うたら、一度でも思うたら、はよ死ね。それが記者ぞ。それが新聞ぞ。

おまえも故郷を捨てて北京へ出てゆく限りは、帰ってくるときは習近平の首をとって帰って来い。行ってこい、行ってこい。

♪今も聞こえるあの日本の声 ぼくに新聞道を教えてくれたやさしい日本人(以上)

            ・・・

まあ、小生は「愛が地球を救う」なんて鼻で嗤い飛ばすクチで、「世界は憎悪と敵意と打算で動き、それが新たな世界秩序と発展をもたらした」と思っているから、アサヒの解体的出直しなんてまったく望まない。

アサヒが消滅すれば日本の言論界の大きな一歩になる。唯一かつ最後の奉公としてイワナミも連れて「はよ死ね、アサヒ」。(2014/12/29)


◆黒田博樹は男の中の男だ!

馬場 伯明



12/27早朝、何となくPCを開けたら、私と同じ熱心な年配の広島県のカープ女子:Nさんから仰天メールが飛び込んできた。

《 馬場さ〜ん!黒田、カープ復帰へ。今朝の新聞見て!ドジャーズの19億円超の提示を断って現役最後はカープで・・・と、嬉しいコメント》

すぐ日経新聞・朝日新聞を見たが載っていない。なぜだ。そう、広島県は中国新聞なのだ。「黒田がカープに戻るぞ!」と叫んだら(巨人ファンの)妻が「あら、さっきラジオで・・」とポツリ。私はTVも見ていなかった。「ううっ・・それを早く言ってくれ!」

私は半世紀を超えるカープファンである。黒田の快挙に興奮した。すぐJR稲毛駅へ新聞を買いに走る。でも、読売新聞など一般紙には掲載がない。スポーツ新聞を漁る。あれっ、ない、ないぞ・・・。あった一紙だけ。スポーツニッポンの最終面。「スポニチ」さん、Thank you!

《 黒田8年ぶり広島復帰(7cm角の赤地に白抜き文字)メジャー21億円オファーより4億円でも古巣愛、男気決断!!きょう正式発表、育ててもらった「カープに恩返しがしたい」》以下、記事の本文を転載する。
 
《 ヤンキースからFAとなり、去就が注目されていた黒田博樹投手(39)が8年ぶりに古巣・広島への復帰を決めたことが26日、わかった。年俸は4億円超とみられる。きょう、正式発表される。

メジャーで5年連続2桁勝利をマークしている右腕には、パドレスが年俸1800万ドル(約21億6千万円)を用意するなど複数球団が争奪戦を演じていたが、黒田は巨額オファーを蹴って、育ててもらった広島で野球人生の集大成を飾る道を選んだ。》

黒田はメジャー移籍後(8年前)に言っていた。《今の僕があるのはカープのおかげ。いずれは帰り恩返しがしたい気持ちはある。日本に帰るならカープしかない。帰るならバリバリやっている時に帰りたい。》と。

すばらしい。爽やかな有言実行であり、乾坤一擲、男気溢れる見事な決断である。黒田博樹は正真正銘の「男の中の男」だ!

黒田博樹については、かつて、本誌に2度掲載していただいた。

「黒田博樹は『男』だ!624号2006/11/09)」黒田がFA宣言した後「国内のカープ以外の球団に行かない」とカープに残留したのだった。縄文塾の(故)中村忠之さんが「黒田残留!馬場さんよくぞ言ってくださった」と誉めてくださったことを思い出す。

「がんばれ!黒田博樹(1245号2008/7/11)」黒田がブレーブズ戦で7回まで無走者だったが8回先頭打者に打たれ完全試合を逃した。残念であったが「がんばれ!」と私はエールを送った。

今回の黒田の決断の背景には、カープがこの2年間連続Aクラスとなり、クライマックスシリーズ(CS)に進出した事実があると思う。ずばり、来季は優勝の可能性が現実にあるという事実だ。

黒田はカープに在籍した1997〜2007の11年間で6回も10勝以上したが、チームの順位は3位1回、4位1回、5位9回と低迷した。黒田の唯一の渇望は1800万ドルの金ではなく「優勝」である。カープの必死の説得のセリフは「黒田帰ってこい。優勝しよう!」であったと私は自信をもって推測する。

黒田は本人自身が最高のカープファンなのだ。米国にいても「心にいつも赤ヘル」を抱いていた。2011年からは「1年1年が勝負」との考えから、複数年契約を拒否し、敢えて単年契約とし勝負してきた。つねにカープ復帰を視野に入れていたのだ。

パドレス提示の年俸1800万ドル(約21億6千万円)を断ったという衝撃ニュースは、ニューヨーク市民の度肝を抜いたことであろう。黒田は真の(日本の)サムライだったのだと。

「びっくりした。帰って来てくれたことがうれしい。野球に取り組む姿勢、行動とか若い選手が見習える。カープファンにとって、少し遅れたクリスマスプレゼントになった」。松田元・オーナーは嬉しさを抑え、控えめに語った。
     
世の中は世知辛く嫌な事象に満ちている。止まないオレオレ詐欺、東大(医)医師の研究費不正使用、議員の政治資金不正経理・・。「金より大事なものがある」。黒田は身をもって示した。2014年末の最高の佳話となった。

黒田の決断にファンは痺れ狂喜する、私も・・・。来季24年ぶりのリーグ優勝を狙うカープに、最高の、そして最強の戦力が加わった。今、はっきり、こう言うことができる。来季のカープは、勝〜ち、勝ち、勝〜ち、勝ち!だ。

カープを率いる緒方孝市監督は静かな闘志を燃やして言った。《 黒田選手の選択に感謝している。・・・カープファンの優勝への期待もさらに高まり、選手たちのモチベーションもあがる、チームにいい相乗効果が生まれると思う》

全国の・・・団塊の世代のカープファン、花のカープ女子、そして、大勢のその他のカープファンのみなさん、来年は、来年こそは、鬼が泣いても笑っても、絶対に優勝してもらいましょう。

黒田博樹よ、来季はカープで優勝しよう、球団・選手・ファンとともに。さあ、みんなで腕を組もう、やってやろうじゃないか!
(2014/12/27千葉市在住)


2014年12月29日

◆「衆院議長」はなぜ町村氏に

桑原 雄尚


「なすべきことは明確であります。安倍内閣の総力を挙げて、この総選挙で国民の皆さまにお約束した政策を一つ一つ確実に実現していくこと、それに尽きると考えています」

安倍晋三首相(60)は24日夜、第3次内閣発足後初の記者会見で、 改めて経済政策「アベノミクス」や安全保障法制の見直しなどの政策実現 に強い意欲を示した。

先の衆院選では自民、公明両党で再び3分の2を上回る議席を獲得し、数の上では盤石の態勢になった。同時に、もはや言い訳のできない正念場を迎えているともいえる。

国政に空白つくれず

第3次安倍政権の船出で、まず注目されたのは人事だった。

主要な自民党役員は全員続投した。閣僚も、当初は全員再任を検討していた。

しかし、江渡聡徳(えと・あきのり)防衛相兼安保法制担当相(59)が、自らの政治資金が先の臨時国会で問題になったことなどを理由に「安保法制論議に遅滞があってはならない」と再任を固辞した。

首相は、来年の通常国会で集団的自衛権の行使容認に向けた安全保障法制関連法案の成立を目指すと宣言している。江渡氏の「政治とカネ」の問題が審議に影響する懸念はあったが、首相サイドは「十分乗り切れる」(官邸筋)と判断していた。それでも、江渡氏の意志は固く、首相は受け入れざるを得なかった。政府高官は「江渡氏の親族が猛反対した」と打ち明ける。

結局、中谷元(げん)元防衛庁長官(57)を防衛相に起用し、残りは 全員再任した。

首相は、通常国会の後も見据えている。来年9月に任期満了を迎える自民党総裁選だ。党内で首相に対抗する動きは今のところみられないが、首相周辺は「通常国会終盤の来年夏の情勢次第で、名乗りを上げる人が必ず出てくる」と警戒する。

半年以上先の景気状況は見通せない上、安保法制の国会審議で内閣支持率を落とす可能性もある。時の首相が少しでも隙を見せれば足を引っ張り、あわよくばその座を奪おうとするのは政界の常だ。首相が「芽が小さいうちに不穏な動きは封じる」と考えるのは不思議ではない。

“煙たい”派閥領袖を封印

その動きの一つが、衆院議長人事だった。

伊吹文明前議長(76)は衆院選後も続投に意欲を示していたとされるが、首相は町村信孝元官房長官(70)への交代を指示した。

伊吹氏は自身のフェイスブックで今回の衆院解散を批判するなど、首相にとって“煙たい”存在であった。議長としても「モノを言う」伊吹氏の発言力を抑えるための「事実上の更迭」と見る向きもある。

後任の町村氏も、首相が在籍していた最大派閥「清和政策研究会」の先輩だが、常々「首相とはそりが合わない」といわれ、伊吹氏と同様“目の上のたんこぶ”だった。

町村氏の議長就任により、派の会長は町村氏から 首相の信頼が厚い細田博之幹事長代行(70)に交代した。首相は将来的 な「安倍派」への移行をもくろんでいるとされ、今回その動きが強まった 形となる。

長期政権を視野に、着々と先手を打つ首相だが、もう一つのカギが衆院当選2回以下の大量の若手議員の支持を得ることだ。2年前の衆院選以降に初当選した議員は総裁選の激しい攻防を経験しておらず、若手の動向が総裁選の行方を左右することも考えられる。

ベテラン秘書は「首相は今回の選挙戦で、目をかけている若手の応援に特に力を入れていた。党全体の議席の増減よりも、“安倍シンパ”が何人当選したかの方に関心を持っている」と指摘する。

「来年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますことを祈念しております」 首相は24日の会見の冒頭発言をこう締めくくった。「障害」は排除した。それでも、政界は「一寸先は闇」ともいわれる。来年は首相にとっても素晴らしい一年となるのだろうか。(政治部)

産経ニュース【安倍政権考】2014.12.27

◆私の「身辺雑記」(175)

平井 修一



■12月26日(金)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。

カジノについていろいろな議論があるが、ほとんど触れられていないMICE(マイス)について書く。

MICEとは、Meeting(会議、会合)、Incentive(褒賞旅行、招待旅行)、Convention(大規模な大会、集会)、Exhibition/Event(見本市、展示会、博覧会、催し物)のことだ。世界中から膨大な人々が集まる。

この市場をいかにして獲得するかを世界中の政府や旅行関係者が日々考え、アクションを起こしている。激しい争奪戦、国際競争なのだ。

これらの訪問者の受け皿になっているのが統合型リゾート施設(IR、Integrated Risort)だ。大小の会議室、国際会議場、巨大な展示スペース、大規模な宴会場、巨大なリゾートホテル、劇場、さらにカジノやゴルフ場、観光地、歓楽街などがそろっていないと争奪戦に勝てない、不利になる、敗けることになる。

例えば多国籍企業の年次大会。会議の後やオフデーには奥さんと一緒にショーを楽しんだり、カジノに興じるかもしれないし、観光地に行ったりする。

(米国企業では、こうしたイベントの際に、夫人は特別格安料金とかロハで旅行に同行できることが珍しくない。パーティーは夫婦で、とか、旦那を監視するためという面もあるようだ。羽目を外して社員が下半身の醜聞を起こすのを防ぐためもあるようだ)

ちなみにラスベガスは「ショーの街」というイメージがすっかり定着した。カジノは楽しみの一つにすぎない。

会議が目的なのだから会議場さえあればいいというのでは、「東京もいいけれど、参加者の1割はカジノを楽しみにしているから、今回はシンガポールにしよう」となってしまう。日本はスピードと商才のあるシンガポールの後塵を拝しているのだ。

<ICCA(国際会議協会)の統計によれば、2001年に全世界で開催された会議数は5262件。2010年には9120件へと約73%増加している。また、IAPCO(国際PCO協会)によれば、2006年から2010年までの5年間の開催件数は、企業会議では3倍以上の伸び、学会・産業団体等の協会系会議においても4割以上の成長を見せている>(観光庁)

日本では煙草も酒も自由だが、中毒になっているのはごく一部だ。わが街のパチンコ屋は土日でも閑古鳥が鳴いている。カジノ即ギャンブル依存症増加と決めつけて、カジノを嫌悪、非難、忌避するのはいささか幼稚ではないか。

アジアでの会議件数はうなぎ昇りだ。2004年の1466件から2009年は2594件だ(IAPCO)。1000人規模の1件の会議を受注できれば航空会社、旅行会社、ホテル、タクシー、飲食店、レストラン、土産店、物販店、デパートなどが潤い、景気はよくなるし、雇用も増える。

MICE参加者は数日間滞在するから、経済効果は1泊2日の周遊客より何倍も大きい。こんな会議や会合、イベントを月に10件でも受注できればかなりの経済効果がある。

参加者が帰国すれば「いやー、日本はとてもエキサイティングだった」と宣伝してくれ、個人客やツアー客も押し寄せるだろう。

アカに洗脳された沖縄は辺野古叩きに夢中でカジノに興味がなさそうだから、これという産業のない奄美大島にIRができればいいのだが。沖縄振興費を半分にして、残りを奄美のインフラ整備に充ててはどうか。

まあ、現役時代はこんな提言をして煽っていたわけよ。どういうわけか「こうしろ」「ああしろ」という論調を読者はみな好んだ。ナリチュウ(成り行きが注目される、式のへたれ記事)はバカにされた、無視された、軽視されたから、できるだけ裏付けのデータを揃えて「真実はこうだ!」と断定した。

(MICEのうちのIncentiveについては100万円かけて独自に調べた。誰も正確な情報を持っていなかったから大変好評だった。元はとったかな)

まあ、こんなふうで30年メシが食え、老後もどうにかいけるのは幸いだ。虚仮の一念、煽りに煽っていけば中共殲滅、支那解放も夢ではないだろう。

■12月27日(土)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。

在米の北村淳氏の論考「誰も口には出さないが 自衛隊員に絶対必要な保証とは いよいよ2015年は集団的自衛権元年か?」(JBプレス12/25)から。

<防衛法制の常識的原則が導入されたとしても、それだけで自衛隊が集団的自衛権に基づいて日米共同作戦に従事して、日米共通の外敵と戦火を交えて日本と同盟国の国益や国民の生命財産を防衛することはできない。それを実現するためには、いくつかのより具体的な法令や規則それに組織の整備が必要である。

それらの整備が必要な諸々の施策のうち、過去半世紀以上にもわたって自衛隊が実際の戦闘に直面することがなかった日本社会ではほとんど口端にのぼることはない事項を、2014年の本コラムの最後に記しておきたい。

それは「母国や同盟国のために戦い、武運つたなく戦死した将兵」を取り扱うための規定や組織である。現に今日も何らかの戦闘行動を実施しているアメリカ軍やアメリカ社会では当然のこととされているが、日本ではあまり直視されにくい施策であると考えられる。

例えば、アメリカでは戦死者を母国に後送するための各種手続きや儀礼、それに遺体に着用させる制服や棺や国旗それに関する細目、母国に帰還した遺体を軍事施設から故郷で待つ遺族のもとに送り届ける際の護衛兵の規定や各種儀礼の細目など具体的かつ手厚い制度が確立され実施されている。

そして、本人の生前の希望によって、全米各地にある戦没者墓地や指定の墓所に葬送部隊の手によって葬られることになる。もちろん、戦死者家族に対する金銭的保証や、生活支援態勢も(決して万全とは言えないと内部でも言われているが)充実させる努力がなされている。

また「運悪く戦死して遺体そのものが行方不明になってしまった場合でも、あらゆる手段の限りを尽くしてアメリカ将兵の遺体を発見・収容し、アメリカに帰還させ、家族のもとに送り届ける」ことを軍当局(アメリカ政府)は将兵と約束している。

そのための専門組織(捕虜・戦時行方不明者究明統合司令部=JPAC)も存在し、現在進行形の戦闘のみならず、ベトナム戦争や第2次世界大戦で戦死した将兵の遺骨を収容し、個人を特定して家族(子孫)のもとに帰還させる作業を続けている。

アメリカ軍では、1990年代中頃からこのかた、全将兵のDNAを採取して保存している。これによって、たとえ本人の判別が困難な状況の遺体と化してしまっても、行方不明となり数年後・数十年後に遺骨となって発見された場合でも、JPACにより本人の特定がなされて、必ず家族の待つ故郷に帰れる望みが保証されるのだ。


このような「武運つたなく戦死した場合、そしてさらに運悪く行方不明になってしまった場合にも、国家は自分(遺体・魂)をアメリカそして家族のもとに必ず返してくれる」という保証があるからこそ、まともな人間ならば決して進んで身を投じたくはない「人を殺すかもしれず、人に殺されるかもしれない」戦闘に従事することができるのである。この点でアメリカと日本の戦闘員への配慮は極めて大きな隔たりがあると言ってもよい。


先日、日本を熟知する退役海兵隊大佐で現在はJPACに勤務している筆者の友人のオフィスを現役自衛官と訪れる機会があった。その際、JPACの実務に関する体験的説明ということでJPAC技官が我々のDNAサンプルを採取した。

その時の海兵隊大佐が自衛隊将校にかけた言葉が実に興味深いものであった。

「これで安心して戦えるぞ。万が一の場合でも、我々が必ず見つけ出して靖国神社に送り届けてあげるからな」>(以上)

「靖国で会おう!」残念ながら皇軍将兵の遺骨収集はあまり進んでいない。硫黄島の滑走路撤去、捜索は来年には始まるのだろうか。

■12月28日(日)。朝は室温12度、快晴、フル散歩。

朝日の言い訳記者会見、「重く受け止めています」連発。今年の流行語大賞はこれじゃあないか。吉田調書、積年の吉田証言、池上コラムの件で朝日の異常性が天下に知れ渡った。

Press of the Year賞があれば産経と阿比留瑠比氏だな。ライト級がヘビー級に強烈なカウンターパンチを食らわして、朝日丸はヨタヨタだ。早く介錯した方がいい。

小生も左巻時代の過ちを「重く受け止めて」反日勢力叩きに引き続き邁進しよう。

ジャーナリスト(東京新聞・中日新聞論説副主幹)の長谷川幸洋の論考「朝日新聞はまもなく3度死ぬのか!?」(現代ビジネス12/26)から。

<(第三者委員会報告によると、朝日は)【謝罪することで朝日新聞の記事について「ねつ造」と批判している勢力を「やはり慰安婦報道全体がねつ造だった」とエスカレートさせてしまう恐れがある、朝日新聞を信じて読んでくれている読者の信用を失うといった意見から、謝罪文言を入れないゲラ刷りも作成された。

(中略)経営上の危機管理の観点から、謝罪した場合、朝日新聞を信じてきた読者に必要以上に不信感を与える恐れがあること、朝日新聞を攻撃する勢力に更に攻撃する材料を与えること、「反省」という言葉で表現することで謝罪の意を汲んでもらえるとする意見などにより、結局、謝罪はせず、他方、吉田氏にまつわる16本の記事については記事そのものを取り消すという対応をすることとした】

この部分には本当に驚いた。報告書は池上コラムの不掲載を決めたのは、実質的に辞任した木村伊量社長の判断だったと認めたが、批判を受け入れない姿勢はここでも一貫している。

朝日は自分の批判勢力を利さないかどうか、を紙面作成の判断基準にしていたのだ。

そうだとすれば、自分の意見、主義主張が第1で、客観的事実は2の次という話である。これは報道機関がすべき判断ではない。主義主張を唱えるプロパガンダ機関の判断である。

ここを読んでしまったら、あとの部分はすっかり読む気が失せた。とっくに朝日は死んでいたのだ>(以上)

嘘を書いた時点で死に、訂正記事で死に、もうすぐ三度目の正直で死ぬか。まあ、朝日の親類みたいな左巻の東京・中日の幹部が「よー言うよ」とは思うが、朝日はアカとバカ、AKABAの基礎的読者/信者を持っているから、なかなか死なないだろう。来年も皆で地道に自殺に追い込んでいくしかない。「築地の葬式は俺が出す」この覚悟で奮闘しようぜ、同志諸君!
(2014/12/28)


◆「電気、水道、ガス、ダイシン」

伊勢 雅臣



生活インフラとして地域社会を支えるダイシン百貨店の挑戦。

■1.「電気、水道、ガス、ダイシン」

「電気、水道、ガス、ダイシン」というスローガンを掲げるのは、東京の下町・大田区山王のダイシン百貨店である。小売店は、電気、ガス、水道と同様、住民が生活に必要な物資を供給するインフラだという考えである。

 あるおばあさんは「ダイシンとカラオケと病院が私の日課、杖をついてダイシンに行き、買い物をしながら販売店員とおしゃべりなどをして半日ほど過ごしている」と語っている。

 ダイシン百貨店の来店者数は年間4百万人に達する。元日を除いて毎日営業しているから、一日あたり1万人以上。その中には、1日も欠かさずに来店して買い物をしてくれている顧客が160人もいるという。ポイントカードのデータから判明したとの事だ。

 旧店舗の「昭和館」は東京オリンピックが開かれた昭和39(1964)年に開館したが、老朽化したので平成23(2011)年に建て替えとなった。その時に「昭和館」を懐かしんで、人々が階段の壁に落書きをするようになった。曰く:

「ダイシン大好き」

「ダイシンで育った私、娘をダイシンで育てています ソフトはなくさないで!!」

「ダイシンらしさをいつまでも...」

「しょうわのダイシン...アリガトウ!」

ダイシンがいかに地域の人々に愛されてきたかが偲ばれる。そんなダイシンがどんな店作りをしてきたのか、見てみよう。


■2.たとえ1個でも品揃えする

生活のインフラなら、住民が必要なものは何でも提供できなければならない。そのために「超・地域密着経営」を方針とし、「半径500メートル圏内シェア100%」を目標に掲げる。これは店から歩いて通える圏内の住民は、ダイシンに来れば何でも用が足りる、ということである。

そのために、ダイシンは「たった1人のお客様であろうと、『これが欲しい』とご要望があれば、たとえ1個でも品揃えする」という方針をとっている。

たとえば、歯ブラシ売り場には200種類が並ぶ。大手メーカーの定番商品だけでなく、馬や山羊、豚などの毛を使った天然毛歯ブラシまである。1階の食品売り場には、全国津々浦々の味噌が180種類、豆腐が50種類、納豆も30種類という具合である。

そのほかにも数十万円のカシミヤ・コートから、昔懐かしい金網のネズミ獲りまで。食品も100グラム78円の豚肉から、2千円の神戸牛までが並ぶ。

全店の商品点数は18万点、品揃えで定評のある東急ハンズの渋谷店が16万5千点というから、それに匹敵する。見て歩くだけでも飽きない、という
声が出るのも当然だろう。

これは近年のスーパーやコンビニの売れ筋商品に絞り込む戦略の逆を行く商法だ。これらの全国チェーンでは、本部が売れ筋商品を絞り込んで、一括大量仕入れをして、全国の店舗に配送するので、どこでも同じような商品が並ぶ。

しかも、一度、売れ筋から外れた商品は置かなくなるので、客から見れば、使い慣れた商品が見つからない、ということになる。「ダイシンに行けば、自分が使っている商品がかならずある」という安心感、信頼感をダイシンは提供しているのである。


■3.お年寄りへの配慮

大田区山王は歴史のある住宅街だけに高齢者が多い。ダイシンへの来店者の7割が50歳以上だ。「半径500メートル圏内シェア100%」を狙うには、地元のお年寄り層への配慮が欠かせない。

たとえば食品売り場では、太巻きを1切れずつパックして小売販売する。同様に刺し身は4切れから、豚肉は40グラムから販売している。一人暮らしのお年寄りも買いやすいように、何でも極小パックにしてしまう。

家電売り場には、ラジカセやカセットテープが置いてある。お年寄りがカラオケをするための必需品である。昔ながらの花柄の炊飯ジャーなども「最新式は必要ない。使い慣れたこっちがいい」という年配のお客さんも多い。

一方、家電の新製品は高機能化が進み、お年寄りには操作が難しくなっている。そのために、ダイシンの店員はバカが付くほど丁寧に商品説明をする。顧客は納得いくまで店員の説明を聞くと、家電量販店より価格が高くとも、満足して買ってくれる。

こうした品揃えや丁寧な商品説明が高齢者の「ダイシンびいき」をもたらしている。


■4.「一人の人間が仕入れも販売も売り場の管理も」

多種多様な商品を置き、商品の説明もとことんできるよう、ダイシンでは、それぞれの売り場で同じ人が仕入れから販売、在庫管理まで、すべての業務を行っている。1階の食品売り場マネジャーの天川谷昌洋(あまかわや・まさひろ)さんはこう語る。

「ダイシンがすごいのは、一人の人間が仕入れも販売も売り場の管理もこなしている点。他店でいうなら、「バイヤー兼チーフ兼スーパーバイザー」といったところでしょうか。

しかし、だからこそ、自分で考えて自分でモノを売るという、この仕事の面白みが味わえるし、大手のスーパーなどに比べて、お客様のニーズをすばやく売り場や商品に反映できます」。[1,p102]

いわば、昔の商店街で、八百屋や魚屋、肉屋、用品店など、それぞれの店主が、自分の店の仕入れから販売、商品管理まですべてやっていたのと同じである。当然、商品については何でも知っていなければならないし、顧客のニーズにも敏感になる。

そういった「店主」が各売り場にいるので、「あの人の選んでくれる魚なら、間違いなく新鮮でおいしいから」と、店員を指名して買い物してくれる客もいる。

また仲良くなった店員の所に、毎日、おしゃべりにくる年配のお客さんもたくさんいる。


■5.「なんで、客の了解も得ずに、勝手に改装なんかするんだ」

商品説明やセールスが上手なだけの店員なら、他店にもたくさんいるだろうが、「ダイシン百貨店の店員の接客は、とにかく丁寧で一生懸命」と、社長の西山敷(ひろし)さんは語る。

お客さんが店員に話しかけやすいように、あえて営業時間中に商品の陳列をしたりもする。店員が商品を並べたりしていれば、お客さんも「あら、何か新しい商品でも入ったの?」などと声をかけやすい。

西山社長は、こうも言う。

「お客様からのクレームも、コミュニケーションの一つだと思っています。

「商品の場所がわかりにくい」とか、「店が汚い」とか、いろいろなクレームをつけてくるお客様がいらっしゃいますが、売り場や商品に要望や注文をつけられるのは期待されている証拠です。

こうしたお客様を遠ざけるのではなく、逆にお客様がツッコミを入れやすいように、店員がボケてあげるくらいがちょうどいいと思っています。なぜなら、そんなやり取りを楽しそうにしている高齢のお客様が結構いらっしゃるからです。

こちらがちょっと至らなかったり、接客が下手くそだったりすることがあっても、お客様に育てて貰い、楽しんで貰えればいいのだと思います」。[1,p141]

お客が文句を言うのは、その店を見離していないからである。見離されたら、お客は文句黙って他の店に行く。文句を言っても、真面目に聞いてくれる店には、「自分が育てている店」という一体感が生まれやすい。

ある時、売り場をきれいに改装したら、ある年配の客から「なんで、客の了解も得ずに、勝手に改装なんかするんだ」と叱られた、という。それだけダイシンを「自分の店」と感じているのだろう。

■6.「買い物難民」を救うインフラ

全国各地に郊外型の大型ショッピング・センターができて、若いファミリーが子供連れで買い物を楽しむようになった。しかし、こうしたショッピング・センターは都心部に住むお年寄りのことは考えていない。そもそもお年寄りは車を持っていない。電車で行くのも億劫だし、帰りの荷物運びも大変だ。

したがって、高齢者には昔ながらの駅前商店街が頼りなのだが、それらの店が、郊外型ショッピングセンターの影響で次々と潰れてしまうと、歩いて通える範囲では日用品すら買えない「買い物難民」となってしまう。

こういう人々にとって、ダイシンは頼りになる店だ。1ヵ所ですべて揃う。昔ながらのお気に入りの商品も必ず置いてある。「半径500メートル圏内シェア100%」というのは、お客さんの視点から見れば、「歩いて行ける範囲に、何でも揃う店がある」ということで、まさしく地域の人々にとって「電気、水道、ガス」並みのインフラなのだ。

買い物難民をさらにサポートする試みとして、購入後の商品を無料で配送する「しあわせ配送便」を設けている。これはおよそ半径1.5キロの圏内に住む70歳以上の高齢者、妊娠中の女性、身体の不自由な人を対象として、ペットボトル1本から自宅に運んでくれる。千人を超える顧客が申し込み登録をしており、そのうち約3分の1は毎週、利用しているという。

商品を配達するのは、宅配業者ではなく、顧客と日々接しているダイシンの社員だ。配達先でお年寄りと話し込んでしまうこともあるが、そういう非効率さこそ、顧客が求めているものである。

買い物難民を救うインフラを広げるべく、ダイシンは30分おきに地域を巡回する「ダイシンバス」を何ルートか走らせている。ダイシン百貨店の会員カードを見せれば、誰でも無料で乗れる。買い物の足としての交通インフラである。


■7.地域のインフラとしての進化

ダイシンは地域のインフラとして進化を続けている。「しあわせ配送便」で各家庭を訪問しているうちに、介護サポーターから弁当の宅配の要望が高いことを聞きつけ、平成21(2009)年からスタートした。

日替わりの弁当をワンコイン(500円)でお届けする。午前11時までに電話で予約すれば、1食から無料で自宅まで届けてくれる。店の新鮮な食材を使い、栄養バランスにも配慮したお弁当は好評だという。さらに店内にあるベーカリー、カフェ、和食レストランの力も使って、新たなメニューの開発を進めている。

このお弁当の配送は、高齢者の安否確認も兼ねている。万一、何か異常があったら、事前に登録された連絡先に報告がいく、という仕組みである。

お年寄りが多い地区だけに、次の段階として医療サービスをインフラに取り込むよう準備中だ。たとえば店内で、血圧、体重、脈拍、血糖値などを測定して、そのデータを顧客のポイントカードに記録する。そのデータをもとに食事レシピを提供したり、予防医療セミナーの案内を送ったりする。

さらには店内のエステやジム、健診センターと近隣の医療機関を連携させて、幅広い健康管理、予防医療サービスを提供する計画もある。ここまで来ると、もう公共サービスのインフラと言える。

ダイシンが果たそうとしているもう一つのインフラ機能は、地域のコミュニケーションの活性化である。かつては、神社の境内や、駅前商店街、公民館などが、住民が集い、語らう場となっていた。しかし核家族化が進み、商店街は疲弊し、子供たちは塾通いに忙しい、という状況で地域のコミュニケーションは崩壊しつつある。

そこで、ダイシンは様々なイベントを提供して、地域のコミュニケーションのインフラを提供しようとしている。たとえば夏祭り、冬祭り、ゴールデン・ウィークの子供祭り、茨城県の契約農家の田んぼに家族連れを招待する稲刈りツアーなどだ。

夏祭りでは金魚すくい、射的、バザーのカキ氷、イカ焼きなどを採算度外視で提供し、子どもバンドによるステージ、スイカ割り、花火打ち上げなどもあって、ちびっ子たちで大賑わい。3回目の平成22(2010)年には、この夏祭りはダイシンだけのものでなく、地域全体の「山王夏祭り」に進化して、約1万3千人もの参加があった。


■8.高齢化社会を精神的にも経済的にも活性化するインフラ

これだけ地域に尽くし、地元に愛されているダイシンは経営的にも安定している。

売上高経常利益率も3%近くと、大手小売グループをしのぐほどだ。地域のお役に立てば、そのお礼として、利益がもたらされる、というわけである。

高齢化社会となっても、ダイシンのようなインフラ機能をしっかり果たす店が各地域にあれば、それぞれの地域が精神的にも経済的にも活性化される。それこそが真に幸福な国興しへの道であろう。

そういう道を示してくれているダイシンに感謝と敬意を表するとともに、今後、こうした挑戦が、いろいろな地域、分野で行われることを期待したい。また、我々も消費者として、そういう挑戦を積極的にサポートしていきたい。


■リンク■

a. JOG(836) はとバス社員の「おもてなし」
「私は、お客様の喜ばれる顔が見たくて、この仕事を続けています」
http://blog.jog-net.jp/201402/article_6.html

b. JOG(666) 世界ダントツのサービス品質が未来を拓く
 日本企業が元気を取り戻す近道。
http://blog.jog-net.jp/201009/article_3.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 西山敷『”下町百貨店・ダイシン”はなぜ、不況に強いのか』★★、講談社、H23
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4062165376/japanontheg01-22/


2014年12月28日

◆朝日、無反省の居直り

池田 元彦
    


首相は、来年の通常国会で集団的自衛権の行使容認に向けた安全保障法制関連法案の成立を目指すと宣言している。江渡氏の「政治とカネ」の問題が審議に影響する懸念はあったが、首相サイドは「十分乗り切れる」(官邸筋)と判断していた。それでも、江渡氏の意志は固く、首相は受け入れざるを得なかった。政府高官は「江渡氏の親族が猛反対した」と打ち明ける。

結局、中谷元(げん)元防衛庁長官(57)を防衛相に起用し、残りは全員再任した。

首相は、通常国会の後も見据えている。来年9月に任期満了を迎える自民党総裁選だ。党内で首相に対抗する動きは今のところみられないが、首相周辺は「通常国会終盤の来年夏の情勢次第で、名乗りを上げる人が必ず出てくる」と警戒する。

半年以上先の景気状況は見通せない上、安保法制の国会審議で内閣支持率を落とす可能性もある。時の首相が少しでも隙を見せれば足を引っ張り、あわよくばその座を奪おうとするのは政界の常だ。首相が「芽が小さいうちに不穏な動きは封じる」と考えるのは不思議ではない。

◆単純労働移民受入は危険だ

平井 修一


今年の2月9日、スイスで国民投票が行われた。外国からの移民を規制するよう求める右派政党SVP(スイス国民党)の動議に、有権者の50.3%が賛成した。この結果は、移民問題を抱える世界の国々に強い衝撃を与えた。スイス政府は、今後3年以内に移民規制を法制化していくという。

小生は単純労働で移民を受け入れると大変なことになると危惧している。単純労働→低賃金→子供ができても大学は無理→子供も単純労働→低賃金という負の連鎖が続いてしまうからだ。ゲットーができて治安も悪化するだろう。

経済ジャーナリスト・磯山友幸氏の編集・文による対談「地域のあり方と移民問題 日本の将来をスイスから学ぶ ウルス・ブーヘル・駐日スイス大使×國松孝次・元駐スイス大使」(ウェッジ12/25)から。なお、國松氏は元・警察庁長官。

國松:スイスが現実的な解決策を見出すことを期待しています。日本は少子・高齢化が進み、これまで同様の生活水準を維持しようと思えば、より多くの外国人労働者を受け入れざるを得ない状況にあります。しかし、一方で多くの外国人の流入が難しい社会問題を引き起こすことになるでしょう。

外国人受け入れの必要性と、それによって起きる問題をどう調和させていくのか。スイスはたくさんの経験を積んでいます。日本が学べることは多いと思います。

ブーヘル:そうですね。スイスが過去に採った政策ですと70年代から80年代の経験は教訓になるでしょう。当時、安い労働力としてより遠い国から違う文化的背景を持った、あまり高い教育を受けていない人たちを移民として受け入れました。しかし、彼らはスイスにうまくとけこむことはできませんでした。

ただ安い労働力を求めて、たとえ数万人といえども、低スキルの移民を入れるべきではないでしょう。グローバル経済の中で、われわれは最高の生産性を誇る国になるべきです。海外からの安価な労働力の流入は、生産性の一段の向上を図るために改革されるべきシステムを、永続化させることになりかねません。

國松:貴重なご意見です。

ブーヘル:今では移民は間違いなく必要です。スイスでは大まかに言って
医療分野で働く人の50%が非スイス人です。ヘルパーから看護師、医者、
大学教授まで、スイスの医療システムには必要不可欠です。これは問題で
しょうか?

病気で倒れた時、助けてくれたドイツ人医師やイタリア人看護師に感謝し
こそすれ、脅威に感じるはずはありません。社会システムに貢献している
人は誰であれ尊重されるのです。

國松:スイスが受け入れている外国人の数は約186万人。スイス全居住者の約23%は外国人という勘定になります。これは、ヨーロッパ各国のなかでも、群を抜いて多い。これに対して日本国内に居住する外国人の数は約206万人。全人口比では1.6%に過ぎません。

逆に、海外に居住するスイス人は60万人〜70万人と聞きました。これは、スイスの人口の約10%にあたります。これだけの人々が、海外に進出して活躍しています。こうした海外のスイス人をつなぐOSAスイス海外協会という強力な組織があって、彼らをサポートしています。

これに対し、海外に居住する日本人の数は、およそ120万人で、全人口の1%にも満たない。日本はよくその「内向き志向」を指摘されますが、スイスに比べれば、海外進出率は10分の1ということになります。

ブーヘル:スイスのスタンダードからみれば、日本の移民問題は、まだないに等しい。これからの問題です。スイスのよい経験と悪い経験の両方を参考にされたらよい。

それから、海外進出率のことですが、スイスでは海外に行く経験を持つのはごく普通のことです。若い人たちが、旅行だけでなく、1〜2年海外で勉強するというのは一般的で、そうした海外経験をプラスに評価します。

ところが、日本で話を聞いていると、学生の時に1年海外に行ったりすると、1年を無駄にしたように受け取られるといいます。40歳になるまで外国を見たことがない人が、本当に外国の人たちを尊重できるはずはありません。

私の息子は14歳の時に6週間インドに行き、16歳では6週間ブラジルで過ごしました。そして高校を卒業すると南アフリカで3カ月生活した。今、彼
は米国で勉強しています。私は彼に海外に行くことによって、同時にスイ
スをより理解してもらいたいと思っています。

今は、日本政府も海外留学を後押しする制度を始めたようですが、これは非常に重要なことだと思います。

スイスも日本も伝統を重んじる国民ですが、古い考えに凝り固まるのではなく、発想を変えていかなければなりません>(以上)

スイスの公用語は3つだから、他民族への親和性が歴史的にあるのかもしれない。日本の移民の2大グループは韓国・朝鮮人と中国人だ。ともに反日を国是とする国家の民であり、日本人はとてもじゃないが親和性を感じない。韓北中の国民は、仕事や生活保護で利益を受けているから日本に住んでいるのであって、日本を愛する人々ではない。

外国人技能実習制度で来日した外国人は2013年度5万1510人、うち中国人は3万5459人。実に68.9%が中国人だ。単純労働の移民を受け入れれば中国人がどっと入ってくる。日本が日本でなくなってしまう。とても危険である。小生は「古い考えに凝り固まっている」のだろうか。スイスに学べば「低スキルの移民を入れるべきではない」のだ。(2014/12/27)


◆「NYTのレッテル貼りの偏向

古森 義久



「ニューヨーク・タイムズのレッテル貼りの偏向はこの記事のようにグローバルに広がる。同紙によれば欧州もアジアも危険で不快な右翼どもに満ち満ちているというのだ」

「ファクラー記者は自分たちが悪者とみなす日本側の相手は『超国粋主義者』という偏向の呼称では不十分とみなし、『右翼』というレッテル言葉を記事中のすべての段落で使っていた」

 実際にファクラー記者のこの記事は「右翼」という用語を10回以上も連発していた。すべて朝日新聞の慰安婦問題誤報を批判する側への決めつけだった。その表現に従えば、誤報を厳しく批判した朝日新聞第三者委員会も「言論弾圧の右翼」となる。

 だがニューヨーク・タイムズの記事には「右翼」についての定義も説明もない。語感として排他、独裁、さらには無法などという政治志向を思わせるだけなのだ。この記事でのその使い方からすれば、非民主的なファッショまでを連想させる侮蔑的な言葉だともいえる。

安倍首相を「右翼首相」と呼ぶNYT

この報道姿勢に対しMRC報告は同紙が「右翼」のレッテルを貼るのは米国内の保守派に加え、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相やポーランドの政治家の同性愛志向に反対するメディア、そして日本の安倍首相らだとして「同紙にとって全世界でとにかく悪いのは『右翼政治家と右翼メディア』なのだ」と、からかい気味に批判していた。

 
事実、ニューヨーク・タイムズは最近の社説やソウル発記事でも安倍首相を「右翼首相」と呼び、「安倍政権が朝日新聞への威嚇運動を奨励している」と断じていた。日本国民が民主主義的な方法で選んだ首相に「右翼」という反民主主義的な決めつけをにじませたレッテルを根拠を示さないまま貼るのは、偏向した断定としかいえないだろう。同紙は非民主的な独裁国家の元首の習近平氏や金正恩氏にはそんなレッテルを貼らない。

 言語の機能を研究する意味論の権威S・I・ハヤカワ氏の分類に従えば、この種の断定の、ののしり言葉は一見、客観的な意味を持つように響きながら、実は使い手の主観的な嫌悪の情を表しただけの「イヌの吠え言葉」(反対は「ネコのなで言葉」)と呼ばれるそうである。
        (ワシントン 駐在客員特派員)

産経ニュース【緯度経度】2014.12.27

◆「ナッツリターン」事件以来

前田 正晶



ナッツリターン事件以来、マスコミは競うかのように大韓航空と韓国政府の癒着を報じている。お陰様で私は1971年だったかにソウルまで乗る機会のあった大韓航空をてっきり国営だと信じていたものが、1969年に既に韓進グループによって民営化されていたと知ったのだった。

余談ではあろうが、対日輸出を担当していたので、HANJIN(韓進海運)と書かれたコンテイナーがあるくらいは承知していた。その大韓航空が韓進の傘下に入っていたのだった。

さて、癒着論だが、私に言わせれば「マスコミは何を今頃になって大韓航空が監督官庁に大量の元社員を送り込んでいることを恰も事件の如くに採り上げるのだろうか」と疑問に感じるのだ。

あの国の体制がそういう風に出来ている(なっている?)くらいは彼等は十二分に承知しているはずだ。韓国と関係した仕事に従事された我が同胞の方々も先刻ご承知のはずだ。それだから「何を今更」と詮ないマスコミ批判をするのだ。

私の経験でも、1970年代の初めに韓国に出張した際に取引先の中小財閥のオウナーの依頼を受けて、数点の本来は高率の関税を支払わねば国内持ち込みが禁じられていた物を持参した。

事前に「税関に申告せずにボンドして預かり証を渡せ」と指示されていた。預かり証をオウナーにお渡しすると翌日には受け出されていた。「なるほど、そういう仕組みか」と妙に納得出来た。

因みに、私はこのオウナーに出入り禁止の板門店のDMZに案内されたが、言わばフリーパスの状態で北朝鮮を見渡せる場所に立って恐る恐る「北」を見る機会を与えられた。ナイーヴな私は彼はそういう法律を超えた特権階級の方かと思っていた。

実は、それ以前の1970年夏に初めてフィリピンに出張した時にも似たような経験をしていた。それはマニラの空港に降り立つと、我が国の常識で言えば外部の者が立ち入れないはずの入管と税関の間に現地の取引先の社長に息子が我々を待っていて、そこから先の手続きを先導してくれたのだった。

驚かされた。だが、我々の後にこの際の品質問題の解決に出張されたメーカーの課長はパトカーの先導でマニラ市内に向かわれたそうだった。

ここに採り上げたような仕組みがあるのが屡々法治国家と呼ばれる我が国と、アジアの諸国との違いであることくらいはマスコミは現地に特派員を置いていることだし、知らぬはずがないだろうと私は考えている。但し、承知してはいても何か事故か事件でもない限り真っ向から「かの諸国は云々」と言い出せないくらいも解る。だからと言って、大韓航空であの事件が発生したからといって、今更得々として採り上げるのは如何なものかと思うがどうだろう。

特に韓国については近年にその実態と言うか国として見た(我が国等の先進工業国と比較して)場合の問題点を指摘する本が続々と刊行され、売れ行きも良いと聞いているし、私もその本を数冊読んでいる。

そこで知り得たことは韓国の経済成長の裏にはかの十大財閥が言わば国家を代表するかのような形で進歩発展し、その背景に国と一心同体のような協力(支援?)関係があったと読めるのだ。

私はそこにもマスコミが相手にしていると思われる層は、我々ではないのだと痛感する次第だ。喩えそうではあっても、アジアの諸国の実態が少しでも知らされていくことは私は否定するものではない。それは、そうすることで我が国が如何に真面目な優れて良い国だと解らせていくからだ。

2014年12月27日

◆台湾関係法とキューバ関係法

Andy Chang



オバマが国会に通報せずキューバと国交を回復すると発表したので国会は大反発した。この状況は36年前の1978年にジミー・カーターが国会に通報せず中国と国交回復した歴史と同じである。

アメリカのアジア政策は決して賢明ではなかったし、台湾政策では中国の台湾侵略を抑える事ができなかった。キューバ政策で米国が賢明な政策を取れるだろうか。

三権分立のアメリカでは行政の長官である大統領が国交回復を発表しても、国際関係における米国の立場、外交官の行動規範、経済活動の可否などは国会が法律を作って詳しく決めなければならない。

オバマが行政権を駆使して国交回復をしても国会がその後の処理をしなければならない。行政と立法の関係悪化はオバマの責任だ。つまりオバマはキューバと国交回復の前に国会と相談すべきだったが、オバマはカーターと同じく国会に相談しなかったから国会議員が憤慨するのは当然である。

オバマは09年の大統領就任演説で「私はアメリカの歴史上最も透明(Transparent)なホワイトハウスを目指す」と大見得を切ったが、実際には米国の史上最悪の秘密とウソで塗り固めたオバマ・ホワイトハウスである。透明なオバマでなく不透明なオバマ、Opaque Obamaである。

カーターの場合は、彼が突然中国と国交を始めた際に記者会見で「台湾はもう無くなった(There is no more Taiwan)」と言ったため、米国と台湾の国際関係が宙に浮いてしまい、米台関係を維持するためアメリカ国会は台湾関係法(Taiwan Relations Act:TRA)を創立したのであった。

オバマの突然なキューバ国交回復も同じように国会がキューバ関係法(Cuba Relations Act:CRA)を創立しなければならない。新しい国際関係が出来上がる前に、アメリカ、台湾とキューバと台湾の三方面から歴史と将来の予想で見てみよう。

●中南米関係の改善を目指すアメリカ

アメリカとキューバの国交回復はアメリカの長年の課題だが、キューバは共産主義国家で反米の立場を続けてきたし、アメリカに亡命したキューバ人もかなり多い。ベネズエラのウゴ・チャベスはブッシュ政権の頃から反米路線を主張し続け、その影響もあって中米諸
国ではアメリカに反感を持つ国も少なくない。特にキューバ、ニカラグア、エクアドル、ボリビアとベネズエラは中国やロシア、イランとの関係を強化し、米国との関係は冷え切っている。

アメリカは1992年にカナダ、アメリカとメキシコとの間で北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement :NAFTA)を結んだが、オバマ政権は中南米でこれと似たような貿易協定を結ぶ動きがあったが、中米諸国は反米的で進展はなかった。キューバと国交回復を始めた目的の一つはオバマの中南米諸国の反米的立場を改善する意図と見られる。

しかしオバマの国会無視はホワイトハウスと国会との関係が悪化し、フロリダのキューバ亡命者の強い反対がある。国会に隠して国際関係改善を進めれば国内の反発は当然の成り行きである。だから不透明なオバマのキューバ建交は国内で難航するかもしれない。

●台湾関係と台米関係

米国がTRAを創立した理由の一つは台湾と米国の関係維持のため、台湾が中国に併呑されないため、つまり政治と経済の両方面で台湾を守ることにあった。つまりTRAの目的は三つある;

第一、中国と国交を回復した後は中華民国を承認せず、台湾との関係を放棄しないで「統治当局:タイワン」とする曖昧な国交を続ける。タイワン自衛のために必要な武器を提供する。

第二、台湾人民(外省人と台湾人を含む台湾に住む人民)の安全に関心を持つが、人民自決、台湾独立には反対する。

第三、台湾の国際地位は現状を維持し、将来は平和的に解決すべきである。米国は現状維持で出来るだけ介入を避ける。

多くの台湾人はアメリカが台湾人民の独立願望を援助すると思っているが、実際には中華民国の名前をタイワンと変えただけで経済政治活動は変わっていない。台湾は米国の属領でもないが、米国は台湾独立を支持せず、現状維持と平和的解決を強要する。つまり台湾
の未決地位の解決を極力避けているだけである。

2000年に陳水扁が中華民国の総統に当選したとき、アメリカは陳水扁に「四不一没有:(独立宣言をせず、国名変更をせず、台中両国論を憲法に加えず、統一独立の国民投票歯行わない、国家統一綱領と国家統一委員会の廃止問題もない)」を押し付けた。

つまりアメリカの台湾関係法の目的は台湾が独立して中国の武力行使とアジアの動乱を避けるのみで、台湾独立を支持しているのではない。

米国の中国宥和政策は間違いであった。2012年の総統選挙ではダグラス・パールを台湾に派遣して国民党の馬英九支持を表明し、明らかな干渉を行った。このため中国の経済侵略と馬英九政権の統一政策で台湾の政治と経済状況は悪化した。

アメリカは台湾の国際的地位を未解決にし、現状維持を強要しているが、11月29日の九合一選挙で国民党が大敗し、国民党の敗退により台湾の現状は大きく変わった。アメリカはカーター、クリントン、オバマと、民主党政権は台湾および日本という中国に対抗する上で重要なパートナーを軽視し中国や北朝鮮に卑屈な態度をとり続けている。

独立願望の台湾人も多くの人が米国に甘い期待を持ち、米国は台湾の占領権を持つ、台湾を米国の第51州にする、台湾名義で国連加盟する、などの愚かな運動を続けるグループがある。米国はこんな運動を支持しない。

●米国のキューバ建交で何が変わるか

キューバは50年も米国の経済封鎖で諸国に比べ経済発展が大幅に遅れている。米国と国交回復すれば経済的に大きく発展するだろう。しかしラウル・カストロが米国と国交を回復しても共産主義を棄てないと発表したとおり、キューバと近隣国は反米態度を改善するの
は難しい。

つまり国交回復で得をするのはキューバだが米国との政治関係改善には長い時間がかかる。キューバと国交を始めるに当って、米国は真っ先にキューバ関係法を創立しなければならない。この関係法の内容によって双方の関係の発展ぶりが明らかになる。

キューバ関係法の制定はキューバだけでなく、中国やロシアも多大の興味を持って研究し将来の中南米政策を決めるだろう。この半世紀のあいだ、キューバはロシアに依存するところが大きかったし、中国の参与もかなりあった。この状況を維持して米国と政治経済の
方面で合作を始めれば大きな政治闘争のドラマが繰り広げられるし、日本や欧米諸国も十分に注意して見守る必要があるだろう。



      

◆[「日本は核武装を検討せよ」

平井 修一



ジョン・ミアシャイマー氏(1947年-)は、米国の政治学者で、シカゴ大学政治学部教授。日本でも知名度が高まっている。国家が他国に対してパワーの拡大を試みる行為主体だと想定して安全保障を研究する攻撃的現実主義(offensive realism)の代表的論者として知られる。

ニューヨーク市生まれ。ウェストポイントを卒業後、将校として米空軍に7年間在籍する。空軍在籍中の1974年に南カリフォルニア大学より国際関係論の修士号を取得。空軍退役後、1981年にコーネル大学から博士号を取得する。

地政学の泰斗として敬意を表されており、氏の著書の翻訳なども手掛けている奥山真司氏が、最近のミアシャイマー教授来日講演内容の要約をサイトに載せている。以下転載する。

<中国の台頭にたいする日本の反応

 1)アジアで変化しつつあるバランス・オブ・パワー

本講演での焦点は、中国の台頭とその発展が、アジアにおけるバランス・オブ・パワー(balance of power)にどのようなインパクト与えることになるか、である。

中国とその周辺国たちの間のバランス・オブ・パワーが変化しつつあることに加えて、本講演では米中間のバランスと、アメリカのヨーロッパとペルシャ湾にたいするコミットメントが、アジアにおけるアメリカのプレゼンスにどのような影響を与えるかという点にも大きく注目していきたい。

 2)この地域への影響

私が主張したいのは、

「もし中国が今までのような急激なペースで経済発展を続けるのであれば、軍事力をさらに強化して、アメリカが西半球(=南北アメリカ大陸)で行ったような形でアジアを支配しようとする」

ということだ。

中国はアジアで「地域覇権国」(regional hegemon)になろうとするはずだが、その理由は、それが大国にとって「危険な世界で最大限安全を確保する最適な方法だから」だ。

これは実質的に「中国は周辺国とのパワーの差を最大化しようする」ということであり、北京政府はインド、日本、そしてロシアなどよりもはるかに強力になろうとするということだ。

加えて、中国はアジアからアメリカを追い出そうとするだろうし、アジア版の「モンロー・ドクトリン」を発展させることになる。

また、中国は自分たちのシーレーンを保護し、ペルシャ湾のような戦略的に重要な地域に戦力投入するために、外洋海軍を整備するだろう。

中国の周辺国(これにはアメリカも含む)のほとんどは、中国を封じ込めつつ、それが地域覇権国になるのを防ぐために、あらゆることをするはずだ。

中国のライバル国たちは中国を阻止するために「バランシング同盟」(balancing coalition)を結成するだろう。

日本はこの同盟において重要なプレイヤーの一人になるはずだが、それを機能させる上で中心的な役割を果たすのはアメリカになる。

このような結果として、中国とその周辺国の間では戦争を引き起こしやすくなる「安全保障競争」(security competition)が激化するはずだ。

この地域では戦争につながりそうな発火点がいくつかある。朝鮮半島、南シナ海、台湾、そして東シナ海の尖閣諸島がそれだ。

 3)日本への影響

もし中国がその台頭を継続するのであれば、日本は防衛費をはるかに増額しなければならないだろうし、日中戦争のリスクは目立って高まるはずだ。

さらにいえば、日本は核武装の可能性についても長期的かつ熱心に考えなければならないだろう。

その理由の多くは、このような大量破壊兵器が「究極の抑止力」(theultimate deterrent)であるからだ。

また、日本はこの地域の主要国(major power)の中では核武装をしていない唯一の国である。

日本が核武装をしていない最大の理由は、アメリカが日本に「核の傘」を拡大しているからだ。

ところがアメリカが中東で負け戦の泥沼にはまりこみ、長期化する可能性のあるウクライナ危機の対処にとらわれ続ければ、日本がこの「拡大抑止」(extended deterrence)の信頼性に疑いを持つ可能性は高い。

 4)結論

日本は、中国がこのまま目覚ましい台頭を続けないように祈るべきであろう。なぜならこれに失敗すると、日本はアジアにおいてますます危険度が高まる安全保障環境に直面することになるからだ>(以上)

以上の論考を経済面から考えてみよう。小生の見立てによると中共経済は失速してきた。産経の田村秀男氏は鉄道貨物輸送量を見ると実際のGDPはマイナス成長なのではないかと書いていたが、「新常態」という安定成長とは裏腹の長期低迷に入りつつあると小生は思っている。日経12/13から。

<中国の金融市場に再び不穏な雰囲気が漂っている。中国人民銀行(中央銀行)は11月22日から約2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、緩和効果は乏しい。企業の資金需要が高まる年末と春節(旧正月)を前に、短期金融市場ではじわじわと緊張が高まりつつある。

人民銀によると、今回の利下げの目的は景気刺激ではなく、「中小零細企業の資金調達コストが高止まりしている問題を解決すること」。ところが人民銀の狙いとは裏腹に、現実には中小零細企業どころか国家電網のような国有の大企業でさえ資金調達コストが上がり始めている>

人民は理財商品などの金融商品に手を出さなくなったのだ。資金がなければ企業は投資できないし、事業は手詰まりになる。一方で賃金と物価は上がる一方だからリストラして過剰設備、過剰人員を整理していかないと沈没してしまう。中共経済は鍋底に向かっているとしか考えられない。

そういう点を考えると、ミアシャイマー教授の「もし中国が今までのような急激なペースで経済発展を続けるのであれば軍拡からアジア覇権に向かう」というのは、ちょっと難しいかもしれない。

中共は経済が不振であっても一党独裁という、高官にとってはたまらなくオイシイ体制を維持するためにアジア覇権を目指すはずだ。景気が悪いと戦争しない、景気がいいと戦争する、というものではないだろう。ウクライナとロシアは景気が悪くても戦争をはじめ、さらに一段と景気が悪くなっても完全な停戦合意には至っていない。

戦争はいつ勃発するか分からない。日中は「不測の事態に備えて海上連絡メカニズムをつくろう」と合意しているが、中共、習近平の夢は「日清戦争以来の50年の恨み」(人民網)骨髄、憎い日本と戦争し、そして完勝し恨みを晴らすことなのだから、連絡メカニズムなんて進展しないはずだ。

勝てば人民の支持を得られ、中共体制は安泰になる。彼らは戦争を求めているのだ。敗ければ人民から総スカンを食らい中共帝国は崩壊する。座視していれば長期不況で民心は離れる。ここは死中に活を求めて戦争にかけるしかない。背水の陣だ。

毛沢東はパンツ一枚になってもいいと必死で原爆を開発した。毛を崇敬する習はパンツ一枚になる覚悟で日本に絶対勝つための軍事力を備えるだろう。

日本は核武装をはじめ粛々と中共軍殲滅の方策を構築していけばいい。備えあれば憂いなしだ。出る習を撃て!(2014/12/20)