2014年12月20日

◆私の「身辺雑記」(172)

平井 修一


■12月17日(水)。朝は室温10度、快晴、フル散歩。

中央日報12/17「韓国経済のゴールデンタイムが過ぎていく」から。

<日は沈むのに行く道は遠い。2014年は暮れて行くのに経済が回復する道は依然として漠然としている。経済を回復させるとして「地図にない道」を進んだ崔ギョンファン経済チームは何ひとつまともに成し遂げたこともなく1年を終えることになった。

今年の成長目標達成はすでに水泡に帰し、来年の成長見通しも下方修正しなければならない状況だ。どうにか生き返りそうだった不動産市場は瞬間的に回復したが価格が上がるだけで沈滞に陥った。

1度力を失った消費はまったく回復の兆しを見せず、凍りついた投資は厳しい寒波の中でさらに萎縮した。内需不振に加え年末が近づくほどこれまで経済を引っ張ってきた輸出まで萎縮し始めた。

内需と輸出の両輪で走っても不十分なところに、それでも回っていた輸出の1輪までぐらつくことになり、近く韓国経済という車は推進力を失い座り込むかのように危険だ>

泣きが入ってきた。めでたしめでたし。反日音頭を踊っているがいい。

ところで韓国の宗主国の中共は情報鎖国で国際ネットを遮断しているが、在米経済学者の何清漣女史によると、公務員は階級に合わせて世界中のサイトにアクセスでき、高官ならすべて自由なのだという。そうしないと国際情勢が分からなくなるからだ。

また一部の人民は苦労しながら“壁越え”に挑んでいるという。女史のサイトから。

<情報社会において、人々が情報を渇望するのはすでに日常的な要求になっているところです。中共がクラス別や政治上の必要に応じて「世界的な情報」に接するのを段階制限しようとも、多くのネット企業やメディアも何台かのパソコンに「壁越えソフト」をインストールして仕事につかっています。

これは当然、政府高官らのような合法的なものではなく、「半合法」的なものというべきでしょう。この「合法」「半合法」両方と、こっそり自分のパソコンに壁越えソフトをいれている普通の庶民が一緒になって中国の「壁越え」大軍をなしているわけです。

当局側はいつもその壁越えソフトを無効にしようとしてますから、ソフト開発者側もやむをえずさらに新しいソフトを開発せざるを得ません。ある人は壁越えするのに2、3時間かかるがそれでも、もう慣れた、といいます。

1日、外国のネットに繋がらないといてもたってもいられなくなってしまい、つながりにくい日にはとにかく何時間でもつながるまで頑張って、やっとつながるともうそこで満足してやめちゃうとか。

つまり中国政府は巨費を投じ「鉄の壁」を築いたが、結果は「鉄条網」程度のものしかできなかったわけです。鉄条網なら決意さえ硬ければ自由にくぐれます>

苦労して得た情報はネットで拡散される。中共は当然、不都合な情報は削除するが、誰かが情報を保存しているからイタチゴッコになるのだろう。若い世代は少しずつではあれ世界の真実と中共の異常さを知っていくに違いない。

<情報封鎖と思想統制は最高にうまくいったとしてもただ悪政の死亡過程を延命できるだけで、起死回生とはいきません。

今回の台湾の馬英久と国民党の落日はまさに中共のメディアコントロールの失敗をあらわしています。台湾のメディアは香港同様、中共がその力をきわめて深く浸透させてきました。いくつかの大メディアはとっくに中共の支配下にあります。しかしこうしたメディアを読むのは45歳以上の人たちです。ネット世代は基本的にこうしたテレビや新聞を読みません>

本も読まないが、ゲームや漫画、自由、民主、ヒマワリ、雨傘は好きなの
だろう。若者よ、北京にNO!を突きつけよ。

■12月18日(木)。朝は室温9度、快晴、フル散歩。パッチ(ズボン下、ももひき?)を用したら下半身は温かだったが、手足の先は凍えてしびれっぱなしで痛いほど。手袋、靴下は2重にしないとだめだな。

韓国には現代財閥、大宇財閥、三星財閥(サムソンで有名)、LGグループ、SKグループなどの大規模財閥があり、 財閥トップ10による売上高は国内総生産の75%以上に及んでいるという。

日本と違って中小零細企業という広大な製造・創造の裾野がないわけで、クッション(緩衝材)がないから、財閥がこければ即効で経済ががたつくという弱点がある。

財閥順位9位の韓進グループの“御令嬢”である趙顕娥・大韓航空副社長が大暴れした「ナッ・リターン」事件で御令嬢は国土部(日本の国土交通省にあたる)から調査を受けたのシンシアリー氏によると、まあ大変なことに。

<12日、国土部で調査を受けた「ナッツ回航」のチョ・ヒョンア前副社長ですが・・

大韓航空関係者がその2時間前に、彼女が調査を受ける場所(航空鉄道事故調査委員会)の近くのトイレを「前副社長が使うかもしれないから、もう一度掃除して欲しい」と頼んでいたことがわかりました。

彼女が調査を受ける場所には約30人の大韓航空役員たちが事前に訪れ、一々調べまわったとのことです。

上が両班(貴族)根性なのか、下が奴婢根性なのかはわかりませんが、どうやら大韓航空など韓進グループに「チョ・ヒョンアが悪いことをした」という認識はまったく無いようですね。

国土部はトイレ掃除の要求に応じたとのことです>

まるで皇女和宮! 韓進グループはお役人の天下り先だから御令嬢に粗相はできないというわけで便所掃除。さらに続けて――

<例の大韓航空の件で、全北大学社会学部教授が「まるで“奴婢文書”を所有している貴族のように会社の従業員の上に君臨しようとした前副社長の行動は、過去の封建時代によく見られた前近代的な発想だ」と話しました。

「奴婢文書」とは、奴婢を所有した、貸した(借りた)、返した、などを記録した文書のことです。検索してみたら、さっそくヒット。保管状態が良いものがあったので見てみました。

「急にお金が必要になって、女の子(娘)の身の値段として二十五両を受け、子供ををその家に委託し、文書を記録、作成する。後日、もし問題が発生した場合、(この文書で)互いに証明する」>

この文書の1875年当時は世界中で身売り、奴隷制度があり、親が娘を女衒に売るなんていうのは日常茶飯事だったろう。食べるので精いっぱいの時代で、口減らしでもあったろう。

ところで「財閥」。福田恵介・週刊東洋経済副編集長の論考から。

<韓国では日本とは違った視点で問題にされている。それは、韓国で根強い財閥企業のあり方、という側面だ。今回の趙顕娥氏の行動は傲慢、横柄さばかりが目に付く。そんな趙氏の行動こそ、「財閥の傲慢さ」に直結しているととらえられている。

韓国経済における財閥の存在はとてつもなく重い。よくも悪くも韓国経済を牽引する存在だ。また、入社希望ランキングでも財閥グループが上位を占めるなど、国民も財閥なしでは経済が回らないことをよくわかっている。

だが、そんな財閥にとって、後継者問題は実に大きな悩みでもある。大韓航空のように、韓国の主たる財閥企業は3代目の時代を迎えている。彼らが優れた経営者であればよいが、そうでない場合、その扱いが頭痛の種なのだ。

大韓航空でも、趙顕娥氏には弟の趙源泰(チョ・ウォンテ)氏(大韓航空専務)、妹の顯?(チョ・ヒョンミン)氏(同)がいるが、彼らも一時、醜聞を起こしたことがある。

日本でもそうだが、韓国でも「3代目が会社を潰す」という言葉は人口に膾炙している。サムスン電子や現代自動車をはじめ、相次いで代替わりする時期を迎え、財閥企業のあり方がなおさら注目されている。とはいえ、「結局何も変わらない。財閥だから、趙顕娥氏も1、2年後には復帰するはずだ」(韓国紙記者)。そう思われるのも、韓国財閥の現実なのだろう>


チヤホヤされ、我慢を知らずに育つと「世の中は自分の思うようになる」という皇帝、皇女になってしまう。3代目の時代、あと数年で韓国財閥、韓国経済も終わるだろう。クネは「不通」のままに政治をほっぽらかして、せっせと反日音頭を踊っていろ。韓流はホント、世界中を飽きさせない。ナッツが大いに売れているという。

♪歴史、歴史、謝罪しろ、轢死、轢死、お仕舞だセウォル号 空白の7時間 クネいずこ(2014/12/19)

◆どれが本当のアメリカか

前田 正晶



100人に1人か1,000人に1人か/どれが本当のアメリカか:

これは今日までに何度か述べてきた「アメリカ人の中に極めて優秀な者がどれだけいるか」との議論だ。この件を1990年代に偶々帰路のNorthwest航空(今やDeltaに吸収されてしまったが)の機内で隣り合わせた我が国の某財閥系エンジニアリング会社のアメリカ支店長さん交わしたことがあった。実は、私は腹蔵なき極論だがとして「1000人に1人くらいしか本当に優秀と認めて良い者がいないと感じさせられている世界」と述べた。


支店長さんの意見は「優秀な者が少ないとの説には同感。だが、いくら何でも0.1%は極論である。私は100人に1人が妥当なところだと考えている」とヤンワリ否定された。それから暫く0.1%対1.0%を巡って討論を続け、結論としては1%説に落ち着いたのだった。私はこの支店長さんの幅広いアメリカ観と認識には感心させられるだけではなく、大いに勉強させて頂いたのだった。


さて、議論が終わった後の雑談で、私は迂闊にもアメリカ国内における空港やホテルでのチェックインの際や、規模の大小を問わず小売店での客への応対の杜撰さと遅さ等を非難した。要するに、我が国でごく普通に当たり前のように経験出来る素早さもなく、暗算も出来ず、兎に角時間ばかりが無駄に流れてしまうのが、生来せっかちな私には腹立たしいので、そう言ってしまったのだ。


すると、彼は笑って言った「それは自己矛盾でしょう。貴方はほんの少し前に0.1%を捨てて1.0%を受け入れたばかり。即ち、アメリカの街中では極めて優秀な者に出会える確率が1.0%だと認めたのです。我が国並みの人に出会える可能性は低いのでしょう。即ち、貴方は99%の者に出会っているだけでは」と。誠にご尤もで、恥じ入ってしまった。


何でこのような自分の失敗談を持ち出したかと言えば、多くの我が同胞がアメリカを単独かパック旅行ででも旅した場合に、本当に優れた能力者や実力者に出会えて意志を通じ合える確率はどんなに幸運にも恵まれても精々1%にも達しないだろうからだ。そこに私が考えた「層」中で、アメリカ総人口の5%を占めるに過ぎない「アッパーミドル以上の白人の層」か「ビジネスの中枢にいる人たち」を考えれば、その人たちと旅行中に出会える機会は先ず訪れないのではないか。


私が言いたいことは「我が国で多くの方がアメリカだと思って見ておられる、承知しておられる、知らされている、映像で見ている、本で読んでいる、自分で行って感じてきたアメリカは、もしかすると99%の部類というか、95%を占めているだろう4年制大学出身者とそれ以下の学歴の人の層、労働組合員等の層、少数民族等の層の人たちとその文化を『これぞアメリカ』と受け止めて、理解し、認識していたのではないのか」なのだ。


そこには「自由で平等で、差別はあっても努力しさえすれば恵まれた生活を楽しめる立場や地位を確保出来そうな理想というか、一種の夢と希望が実現出来る余地が残っているかも知れない国」という映像が、恰も現像されていないフィルム(古いかな?)のように存在しているのではないか。それを印画紙に焼き付けるのは難しいのではないか。だが、私はそれを全面的に誤りだ等とは言う勇気はない。


だが、更に言えば、貴方がアメリカに今から成功を目指して、ではなくともアメリカを楽しもうと期待して出掛けて行っても、貴方が思い描いた形が出来たとしても、これまでに別けてきた四つの層の何処に入れるか、どれを見たいのか、または何処を見られるかを予め十分に考えておく必要がありはしないか。


それよりも何よりも私が言いたいことは、これまでに別けてきた四つの層のどれを以てアメリカだと思い浮かべてきたかが問題ではないのかという点だ。私には誰でもが何とか懸命に努力してアッパーミドルと同等ないしはそれ以上の世界に定着出来て、彼等の仲間入りすることが不可能だとまでは言えないし、言う権利もないだろう。だが、そこで彼等の中で対等以上にわたりあって生き残るのは、如何なる世界ででも大いなる努力が必要
だと承知しておくべきではないと思うのだが。


私はこれから先に我が同胞がアメリカに外国人として入っていくか、ないしは入ってしまう場所は、如何なる層が自らに適しているかも考慮の余地があると思う。どの層に入っていくことになるかを十分に事前に検討しておく必要もあると思う。かの地では如何なることで差別される危険性があるかなどは、実際にその場に立ってみなければ解らないことだ。現に私は何度か「アメリカの会社があのようなものだと予め承知していたら、転身
しなかっただろう」と述べていた。


また、芸能・スポーツ・映画・演劇・音楽の世界で成功して引退後にカリフォルニア州でプール付きの豪邸で悠々自適の元野球選手もいたとは聞いた。だが、その人物は1億2,600万人中の何%であるかを先ず考えねばなるまい。あの層の中で競争に勝って生き残る大変さを考えずに「上手く行くこと」か「何となるだろう、アメリカに行けば」的な安易なというか、希望的観測だけで行って良い世界ではないと私は思う。

先ずは自分が知らされていた、承知していたアメリカとは一体どの層のことだったかを知る必要があるのだ。オバマ大統領が大統領になれたことを以て、差別は消えて自由な国だと立証されたか否かなどは、現在でもリタイヤーして20年も経って彼等アメリカ人と日常的に交流している訳ではない私には、容易に語れる材料など持ち合わせはない。


私の結論は、経験から纏めた手持ちの資料だけではなく、長年のアメリカ在住の経験者の意見と認識にマスコミ報道をも含めて総合的な資料を基に判断して、「何もアメリカに限ったことはないが、外国を『こんなものだろう』などと簡単に決めつけて考えることは必ずしも良い方法ではなく、危険なことではないのか」なのである。事前の十分な調査は必要だ、マイナスの意味の100人に1人にならないためにも。

2014年12月19日

◆中国に「抵抗」か「恭順」か

湯浅 博



最近、中国専門家の話を聞く機会が多い。共通しているのは、いまの中国経済は足踏みしているものの、持てる経済力を武器に周辺国を巧みに抱き込んでい るという説明だ。典型例が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設であ り、南シナ海で対立しているベトナムもフィリピンもインドネシアまでもが加盟すると 解説する。

自信に満ちた習近平政権は、その勢いに乗って「大国外交」をいっそう強めよう。専門家らはその強さに影響されてか代弁なのか、「日米がAIIBに反対し て、蚊帳の外でいいのだろうか」と問いかける。経済関係が深まれば、安全保障も確保 されるとの考え方が背後にある。

対する戦略の専門家は、経済の相互依存が進んでも友好が深まるとは限らず、むしろ不安や摩擦を引き起こすと警告する。シカゴ大学のミアシャイマー教授 は『大国政治の悲劇』で、第1次大戦前の英国とドイツは主要な貿易相手国だった が、経済的な結びつきが英独関係の悪化を食い止めることはなかったという。

米中の経済的な結びつきも、為替相場操作の疑いや対中貿易の極端な赤字でかえって紛争のタ ネになる。

他方、東南アジアの国々は国益のためにどの大国を活用するかを考える傾向がある。たとえAIIBに加盟しても、主権侵害には海洋防衛力を使って阻止する 意思を示し、かつ巧みな外交ですり抜けようとする。東南アジア版の「関与とヘッ ジ(備え)」である。

ほぼ全域を「中国の海」だとする南シナ海で、中国はとりわけ強硬な態度に出る。これに対する東南アジアの沿岸国は、中国との距離に応じて「抵抗」と 「恭順」という相反する2つの政策を使い分けている。中国に近接する国ほど強い圧力 を感じ、それをすり抜ける外交術で「恭順度」は高くなる。その典型例は北の国境を 中国と接し、過去に中越戦争も経験しているベトナムである。

2013年憲法でパラセル諸島とスプラトリー諸島をベトナム領であると宣言し、潜水艦などの軍備増強に努め、米国など第三国を関与させようとする。同時に 中国との対話を絶やさず、外交的にへりくだることも辞い。それが何千年もの 間、中国の陰で生き延びてきた外交の知恵であって本心ではない。

ところが、中国との距離が遠いインドネシアになると、逆に「抵抗度」が大きくなる。南シナ海を隔てたこの国は、治安維持に向いていた陸軍中心の軍から、海軍重視にシフトしつつある。

ジョコ新大統領は就任演説で「海洋国家の栄光を取 り戻す」と宣言し、中国による南シナ海の「力による現状変更」に反対する姿勢を示 した。

とくに、11月の東アジア首脳会議の演説では、同国がインド洋と太平洋の結節点にあると位置づけ、「航海と貿易の自由を守るため、インドネシアが海軍力 を大幅に増強する」と表明した。南シナ海のスカボロー礁で中国と対峙(たいじ)す るフィリピンの「抵抗度」はいうまでもなく高い。

英誌エコノミストは、中国がAIIBを主導して恣意(しい)的にインフラ投資に振り向ける可能性があり、周辺国には「大きな利益を受けるのは中国だけ」との不満がくすぶっているという。中国の狙いは、まさに市場拡大による「勢力圏の拡大」と受け取られているのである。(東京特派員)
産経ニュース【湯浅博の世界読解】2014.12.17

                (採録:久保田 康文)

◆バングラデシュから見た日本の総選挙

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26年(2014)12月18日(木曜日)弐
    通巻第4418号 
 
〜バングラデシュから見た日本の総選挙
  日本は本当にミンシュシュギですね。首相の選び方も国会議員も。〜


総選挙後盤をバングラデシュで見ていた。

不在者投票(期日前投票)をすませ、ゲラを数本抱えての旅立ちだったため、最初の晩、ダッカの宿で日本からのFAXを受け取ったものの訂正ゲラの発信ができず、返信は2日目の宿、ボグラのホテルからだった。

FAX1枚につき、送信料が300円もかかる。通信に大きな障害がある。国際電話が通じない。ボグラは人口300万人という大都会なのに。

もちろん、テレビはNHK・BSが入らない。バングラデシュでは日本のニュースはなにもない。インドと事情が異なる。この国は情報砂漠である。

バングラデシュでは英語の新聞もちゃんと発行されているが、4つ星ホテルにさえおいていない。

現地語の新聞は数種あるが、街角で買えるとしても、ベンガル語はちんぷんかんぷん。余談だがバングラはインドと似た言語状況で、通貨タカには7つの言語表記がほどこされている(インドは15の言語表記)。

町の看板は英語が多い。英語を解する国民は意外と多いようだ。

というわけで日本の選挙結果はバングラ第3の都市クルナのホテルで、概略が分かった。

自公で310議席という中間の開票速報、共産党が2倍。維新横ばい、次世代ゼロとういう開票日の日本時間午后10時頃の情報がつかめた。

翌日、ングラデシュの英語新聞で確認したのは「アベノミクス信任」とだけあって、数行の記事。それもニューヨークタイムズやブルームバーグからの転載だった。

つまりバングラデシュでは、日本の政治情勢のニュースは無きに等しく、選挙区の深い分析なぞあろう筈もく、細かな数字や候補者の当落は分からない。海江田が落選だけは、報じられた(野党党首だからだろう)。


 ▼バングラデシュ経済の浮沈は日本の6000億円の援助だが。。。。

ジャイカの関係者に聞くと「日本の動きにそれほどの関心はなく、バングラデシュ国民はハシナ首相の汚職の話ばかり。彼女はラーマン初代大統領の娘というだけで、政治力はなく、国民の人気はない。

にもかかわらず投票箱のすり替えや、数字の捜査で首相になれる。日本はつくづくミンシュシュギですね。投票箱擬制の国家にも、IMF基準や国連のウケさえよければ巨額の援助。今回の日本の援助6000億円は、この国の評判では、これで日本に国連安保理事会の議席を売った、という評価になってますよ」

そうこうしているうちにボグラ、クルナ、モングラを経て飛行機でダッカへ戻り、ようやくにして英字新聞を読んだ。

自民は微減、公明党増席、共産党2倍と、これでは安倍政権勝利とは言えないではないのか。まして民主党さえ11議席増。維新は横ばい、次世代はわずか2議席。民主と維新は比例区復活がやけに目立つのだが、外国のメディアはそんなことは伝えない。

アベノミクスが信任されたとはとても言えない結果ではないか、と筆者はダッカの宿で考えたのである。

バングラは農業大国。しかし出稼ぎで外貨準備が成り立つ国であり、空港は産油国とマレーシア、シンガポールへ出稼ぎにいく人々でごった返しており、チェックインに1時間もかかる。出稼ぎひとりが外国から帰ると平均で10人が空港に出迎える。フィッリピンも一時期そういう風景が日常だった。

それゆえバングラデシュ国民から見れば日本はまぶしい存在なうえ、各地の幹線道路や橋梁は日本が建ててくれた。日本の国旗がちゃんと各地に立っていて感謝の意を表している。

またバングラデシュはパキスタンからの独立という歴史解釈だから、パキスタンは大嫌い、その背後にいる中国は嫌い。インドは保護国だから好き、インドと仲良しの日本は大好き、という構造になる。町中ではバングラの国旗が溢れている。

したがってバングラデシュの国民は日本の総選挙に関心が深いかと言えば、ほとんどが無関心なのだ。

貧富の差が激しく人力車タクシーがダッカだけで五十万台。バスは超満員。屋台では10円程度で食事ができる。タバコは20円(10本入り)。ビールは闇でしか手に入らない。イスラムの戒律が厳しいが、人々は明るい。未来に希望をもっているところが日本の若者達と異なる。
 
この国の識字率はいまだ低く、農業国家として農作物の輸出で糊口をしのぎ、あとは手先の器用な女性が大量にアパレル、服飾、繊維産業に流れているが、日本企業の進出はまだ200社前後しかなく、しかし外国人の不動産取得が可能なため、不動産投資を果敢に展開する日本企業がいたことは驚きだった。

というわけでバングラデシュ視察記はエルネオス2月号に書きます。

◆「核」が日中開戦を抑止する(81)

平井 修一



習近平は相変わらずバカなことをやっており、汚職摘発のために密告を奨励し始めた。子が親を公安に売るという文革時代並である。ところが、「もし世論調査があれば習の支持率はプーチン並の80%にはなるだろう」という論考があった。

中共ではロシア同様、習に非を唱える報道はまったくないのだから、結局、人民の多くは「習は正しい」と刷り込まれ続けるだけ。基本的に暗愚のままだ。そういう国といかに戦うか、我々は考えなくてはならない。

在米の戦争平和社会学者、北村淳氏の論考「国産地対艦ミサイルの輸出を解禁して中国海軍を封じ込めよ 日本にとって好機となる米国の対中A2/AD戦略」(JBプレス11/13)は勉強になった。以下要旨。

<先月、アメリカ連邦議会下院軍事委員会のフォーブス議員は、「中国海軍をいわゆる第1列島線に接近させないための具体的な軍備態勢を、アメリカが主導して構築していくべきである」という書簡を米陸軍参謀総長オディエルノ大将に送った。

フォーブス議員たちが推し進めようと考えている対中A2/AD(接近拒否)戦略は、中国海軍や航空戦力が第1列島線へ接近することを阻止する構想である。これは米軍関係国防シンクタンクが提言しており、それに対中軍事政策に関わる連邦議員たちが着目したわけだ。

この構想は、従来のASB(空海戦)作戦の発想とは異なっている。ASB作戦は、アメリカ側の海中・海上・航空戦力を(質的に)強化して、中国海軍や空軍が第1列島線から第2列島線へと侵攻するのを撃退する、という発想
だった。

それに対して対中A2/AD戦略は、「中国海軍が第1列島線を突破するために必ず通過しなければならないチョークポイント(海峡や島嶼と島嶼の間の海域)を射程圏に収める地上発射型長距離対艦ミサイルを多数配備して、軍事的緊張が高まった際には、中国軍艦艇が第1列島線に接近すること自体を阻止してしまう」というものである。(以下に参考地図)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42188?page=2

そして、それらの地上発射型長距離対艦ミサイルを運用する部隊は地上の部隊であるため必然的に陸軍であるという点が、これまでとは大きく異なっている。これまでのASBをはじめとするアジア重視政策に対応した軍備態勢では海軍と空軍が主役であり、陸軍は出番がなかったのである。

現在、西側軍事サークルで評判が高い地上発射型長距離対艦ミサイルは、スウェーデンのRBS-15地対艦ミサイルである。しかし、それと互角あるいはそれ以上の性能を有すると考えられる地対艦ミサイルは陸上自衛隊が運用している12式地対艦誘導弾システムである。また、陸上自衛隊が運用している88式地対艦誘導弾システムも、チョークポイントによってはやはり十二分に有効なミサイルシステムである。

これらの日本製の地上発射型長距離対艦ミサイルは、これまで日本政府が武器輸出3原則に拘泥してきたため国際社会に知られることがなかった。その結果、アメリカ軍関係者といえどもそれらの“凄さ”を認識していないし、これらの存在すら知らない専門家も少なくない。

しかし、米軍関係者だけでなく、対中A2/AD戦略におけるチョークポイントを有する諸国の防衛担当者が日本の地対艦誘導弾システムの実力を知りさえすれば、アメリカによる対艦ミサイルの開発を待って時間を浪費してしまうよりは、必ずや日本のシステムを導入する途を選択するはずである。

これから長距離対艦ミサイルを開発しなければならないアメリカとは違って、日本はすでに極めて優秀な国産長距離地対艦ミサイルシステムを保有している。したがって、この国産ミサイルシステムを増産してフィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールそれにアメリカに輸出すれば、アメリカ主導よりも極めて短期間で対中国A2/AD戦略がスタートすることが可能となる。

第1列島線上に位置する日本は、アメリカ以上に早急に対中A2/AD戦略を具体的に始動させる必要がある。幸い、武器輸出三原則の縛りを安倍政権は取り払う方針を打ち出した。国産地対艦ミサイルシステムを活用して、アメリカが構想している第1列島線への中国艦艇接近阻止戦略を、日本が主導権をもって実施していく好機は今をおいてない>(以上)

矛と盾で、日本は盾を重視してきたが、迎撃ミサイルのように高価でありながら完璧に迎撃できないという難があり、十分な予算がないために、これでは中共の安価で大量のミサイルには対抗できないことが今、問題になっている。米軍も予算削減で「抑止力のためには攻撃力を高めることを優先すべきだ」という議論になり始めたようだ。

攻撃は自分の好きな時、好きな場所で始められるが、防衛は24時間年中無休でそれを監視しなければならないから、どうしても後手後手になるし、莫大な金がかかる。高価な迎撃ミサイル保有が1000発のときに2000発の安価なミサイルで攻撃されたらもうおしまいだ。

攻撃は最大の防御、ということを日米が認識し始めたことは、中共への大いなる抑止力となるだろう。(2014/12/15)

2014年12月18日

◆選挙の顔と日英同盟

MoMotarou



12月13日午後8時。テレビで選挙運動期間中に各党首を追った特集番組が始まった。興味深く見ていると面白い場面に出会った。新聞を読む姿。安倍さんが自宅に帰った場面、地元で頑張っている妻に電話。その後机に重ねてあったものを取り上げる。「産経新聞」。私も毎日買っているからボカ してあってもよく分かる。

海江田さんの場面では「朝日新聞」を読んでる姿をアップ。同じくボカしてあるが「朝日新聞」と大写しだから小学生でも判読できる。テレビ局の姿勢が判る。共産党はスクラップ版。「赤旗」では世間の事はわからない。公明党は不明。但し、どこの地区に行っても同じような顔が並ぶ。健全な政党だ。

■日英同盟にみる「集団的自衛権」

ノートからパラリと落ちたコピーを取り上げると、高山正之氏のコラム「変見自在 2014-6-19号」だった。凄い!これだけで先の戦争への道筋がわかる。「坂の上の雲」を半分読む以上の価値があり。長文だが転載してみましょう。

●1(前略)破壊され尽くした露艦隊に戦意はなかった。「白旗をマストに、艦尾には日本の旭日旗を掲げて降伏の意を示した。プリポイ(露戦艦アリヨール水兵)は敗北の原因について日本海軍の抜群の強さと対する露将兵の低い士気を挙げている。

露艦隊はマダガスカルを出てインド洋を横切りマラッカ海峡から仏印のカムラン湾まで約2か月間、どこにも寄港できなかった。そのカムラン湾も仏艦がきて追い出され、漂泊して過ごした。全舷上陸して英気を養うこともなく、そのまま戦場に入った。彼らは身も心も倦んでいた。

●2 なぜ寄港できなかったか。日英同盟ゆえだ。第三国が露に支援したら、規約に従い英国はその国に軍事制裁することになる。英はこれを脅しに露艦隊のスエズ通過を阻み、寄港地の国々に干渉した。どの国も英国と戦争する気はない。露艦隊はどこからも石もて追われた。

●3 一方、英のロイター通信は日本に露艦隊の情報を提供し、対露宣伝戦も展開した。日露の戦況は世界に流され、ロシア人は落ち込み、逆にビルマ人もイスラム社会も興奮し、白人国家には想定外だったが、第三世界の民族意識も高めた。それほどの宣伝効果だった。

 日本が勝てた要因の少なくとも3割はこの日英同盟のおかげだった。

●4 もちろん英国が戦争すれば日本は義理を返す。第一次大戦に日本も参戦し、青島の独要塞を叩いた。地中海にも巡洋艦明石以下18隻が出て、Uボートから連合国軍側の艦船を守った。勇敢な救難活動は高く評価され、マルタ島にはその顕彰碑が今も残る。

●5 日本嫌いの米国はこの同盟を快く思わなかった。ワシントン会議では「日英同盟に対抗し戦艦比率を米8英5日3にする」と脅して、同盟を破棄させた。日本が孤立するとすぐ独逸が支那に最新の兵器と軍事顧問団を送り込み、強くなった蒋介石軍を2度も日本にけしかけた。上海事変である。

●6 米も独に倣う。杭州に飛行学校を建て、米国製の戦闘機を供与し、ジョン・ジュエットら教官団を送って支那空軍の養成を始めた。しかし支那人に操縦は無理と分かるとF・ルーズベルトは現役の米空軍操縦士を義勇兵の名で大量に支那に送り込んだ。フライングタイガーと呼ばれた。

●7 上海事変は一次も二次も本ものの戦争だった。ただ、日本が戦争だと言えば、中立国米国はそれをロ実にすぐ石油禁輸に出た。だから「事変」としか言えなかったが、もし日露戦争当時の日英同盟が生きていれば、話は違った。蒋介石が攻めた段階で日本はすぐ宣戦できた。日英同盟が直ちに機能し、蒋の軍の作戦指揮まで執っていた独に英国はすぐ宣戦しただろう。

●8 空軍を送り込んだ米もまったく同じ立場になる。言い換えれば日英同盟があれば危険な米国ですら日本には手出しはできなかった。

●9 日本は日英同盟を廃して自国一国だけでは国を守れないことを知った。いや一国で十分と愚かな山口那津男は言う。お題目の合間でいいからプリポイの本を読んだらどうか。

■さすが高山正之さん!

昔映画でシナ軍が日本軍より優秀な、ドイツ製の十連装モーゼル大型拳銃やチェコ製の機関銃を持っていた疑問も解けました。英国は自国の為に日本と組んだ。米国は自国の為にシナをけしかけた。ドイツは自国の権益の為に蒋介石に手を貸した。シナは自国の為ではなく自分達の為に日本以外と組んだ。世界は自国の為に戦争までする。これが現実なんだなぁ。

◆民主投票の限界

Andy Chang



米国、台湾、日本と選挙が終わって希望通りに大きな変化があったと喜ぶ人も多い。戦い済んで日が暮れて、何がどう変わったのかと考えたら、それほど大きな変化は期待できないみたいだ。

民主国家では有権者が自由意志で投票できるが、有権者がどれほどの自由意志をもち、平均的にみんなが国際、国内問題、経済や生活などに十分な知識と意見を持って投票するのか疑問である。また、当選した議員が国民の総意を忠実に守ってくれるかと考えたら、両
方とも不十分である。

議員は所属政党の意見に沿って投票するだけで、議会政治とは政党闘争にほかならない。国民の意見はメディアが牛耳っているが、メディアは中道ではなく総体的にどの国でも左翼寄りである。

●国民の投票知識はゼロに近い

国民の国や社会に対する知識も貧弱である。ニューヨーク市内で町を歩いている人たちに現職市長の名前を聞いたら8割が答えられなかった。こんな具合だから候補者の名前など聞いたこともないし、候補者の政見には興味がない。投票するなら有名人とか、知ってい
る名前に投票するだけだ。俳優とかニュースキャスターが当選するわけだ。俳優にどれほどの政治知識や愛国心があるのか。

私だって政党政治の知識はあるし、国会議員の名前は知っているが、自分の選挙区の市会議員や市長の名前は知らない。候補者の政見を読んでも大した違いはないから候補者の所属政党をみて投票する事が多い。つまり政党に投票するのが大勢である。

米国では反オバマや反民主党に投票する。台湾では反国民党、反中国に投票する。日本では自民党のほうがましだから自民党に投票したと言った人が65%以上だった。つまり殆どが大まかな知識と意見で投票している。これが民主投票の限界である。

●議会政治は政党闘争

国会とは国政に参与する場所だが、過半数を制御した政党の議案は通るし反対党は何も出来ない。オバマが最もよい例である。オバマは就任するとすぐに3000ページの予算案を国会に提出して、48時間内に通せと要求した。これでは国会審議などできっこない。

民主党優勢の国会が予算を通したら、オバマはその次に2400ページの健保法案(オバマケア)を出して48時間で法案を通せと要求した。国会議員が内容を審議する時間も与えないで通せというのは完全な独裁である。ところが当時の民主党議長、ナンシー・ペロシは「通
してからゆっくり討論しましょう」と言って投票に持ち込んだのである。

オバマケアは数え切れないほどの欠点を抱えているので、法案を通してから6年が過ぎてもまだ問題だらけである。議会における政党闘争の結果で民意に反する法案も通すのである。

台湾の国会では、馬英九がサービス貿易協定を提案して、国会で取り上げると議長がたったの45秒で?大多数賛成?といって通そうとしたため、学生たちが憤慨してヒマワリ革命がおきた。今回の中間選挙で国民党が大敗した原因は馬英九、国民党の独裁に国民が反対
したからである。

議会で大政党が強引に法案を通せる制度は決して民主主義ではない。今の民主制度ではこれが普通となっている。民主主義の限界は投票制度にあるといってもよい。

有権者の政治オンチと国会に於ける政党闘争をなくすべきである。国民教育で人類社会の知識を高め、愛国心を高めることが大切である。小選挙区、比例代表制度を導入して多数党がいつも勝利する二大政党制は決して民主主義国家が採るべき制度ではない。

●何が変わったのか

結論を言えば選挙で大きな変化があったのは間違いないが、国際政治はどれほど変わったかと考えたら、大山鳴動鼠一匹、あまり期待できそうもない。

米国は内弁慶で、同盟国には高圧的態度を示すが真の敵には尻尾を振ってばかりだ。日本が憲法改定、9条改定をして正常な国になるまでまだ長い時間がかかりそうだ。台湾では米国の現状維持を押し付けるため台湾独立には程遠い。米国はオバマが大統領の任期を終えるまで変化は見られず、現状維持という時間稼ぎしかやらない。

二年後の米国の統領選挙でヒラリーを破って強いアメリカを主張する大統領が誕生し、台湾では中国の圧力を破る総統を選出して米国に台湾人民の独立の決心を伝え、日本も二年毎の選挙を止めて安倍首相が長期戦略を実施できる政府を維持して欲しい。
                (在米台湾人地球物理学者)

◆小生と「世界日報」との縁

平井 修一



小生は統一教会系の「世界日報」を引用することが多いが、同紙は強烈な反共だから、結構、保守層にファンは多いようだ。同じ宗教系とは言え、「守護霊」云々のカルトビジネス的な大川隆法の「幸福の科学」とはずいぶん違うと思う。

両者には正気と狂気くらいの違いがあると思っているが、まあ、宗教はビジネスだなあ、バカがせっせと金を貢ぐのだなあ、そのお陰で産経も収入増になっているのだなあ、なんて思っている。大川隆法はせっせと産経に広告出稿している。

カミサンはその広告を見て「何、これ、どういうこと、なんで産経にこんなアンディ・チャンのインチキ守護霊記事の宣伝が載っているのよ!」と朝っぱらから怒り心頭だから、小生は「広告を出すのも商売、載せるのも商売。世の中インチキと算盤ばっかり。それを前提にして判断しないとダメよ」。

大川隆法の本なんてとても読むに耐えない、「こいつバカか」と20年ほど前に書店で立ち読みして思ったが、近年では動画で「西側的正義」をアピールしている。反共、反独裁、自由民主みたいなことを語っているが、有名人を出汁に使っているから怪しいものである。

福永法源は「足裏診断」の教団を作って大層儲けたが、根っからの詐欺師。詐欺は仕掛けが大きい方が効き目があるから、環境系の「EarthAid」とかいう雑誌を立ち上げて、あろうことか鉄血宰相のサッチャーと対談した。多分「英国の環境団体に1億円寄付しますから対談させてください」とか言って持ちかけたのだろう。

1時間で1億円ならサッチャーも訪日のついでだからOKとなったのだろう。福永はそれを大いに宣伝に利用した。ウハウハ儲かるのだ。

どこかのバカどもが「先生は有名人と対談した、名誉博士号をもらった、だから偉いのだ」とほとんど同じことを10年一日のごとくアピールしているのと一緒。詐欺師の類。

「Earth Aid」の福永は下請けに金を払うのをとことん渋った。小生の会社のデザイナーが独立して受注した仕事が「Earth Aid」だったから、その間のスッタモンダは聞いている。廻り中でトラブルになった。サッチャーの話もデザイナーから聞いた。

一方、信濃町は資金潤沢、原稿料はいいし(2、3倍? 皆籠絡される)、金払いもいいのだろう、苦情を聞いたこともない。

かくしてチンケでケチな福永は詐欺罪でお縄ちょうだいし懲役12年、2017年まで務所暮らし。一方の金満巨悪は与党となってお咎めなし。教祖は生死不明、摩訶不思議の何邪悶邪、冥府魔道の世界へワープ。

話を元に戻せば、世界日報は世界中に姉妹紙を持っており、米国ではワシントンタイムズがそれで、小生の親友のTed Heartlyが時々記事を書いていた。彼が日本に来ていたときはしょっちゅう一緒に飲んでいて、わが家にも泊まっていたが、ある時、彼が本多勝一を褒めあげたことを契機に論争となり、小生は60!)の水槽を彼の頭にぶつけた。

飛び散ったガラスの上に彼は仰向けに倒れ、小生はそれに飛びかかってくんずほぐれつ。カミサンが慌てて引き離したが、彼の頭と背中は血だらけ。カミサンが必死で治療したが、それが彼との最後になった。

以上は10年ほど前の話で、4年ほど前に「大病して日本にいる、あのことは水に流して、また交際しよう」とハガキが来た。本多を「最高の記者だ」というTedと、「言論、取材、報道の自由のないなかで、本多がどういう環境で中共人民を取材できたのか。全部、中共のシナリオによるお膳立てだ、嘘八百の作り話だ」という小生では、もはや和解なんてあり得ない。ハガキは無視するしかなかった。

そういうわけで小生にとって世界日報はまんざらよそ者の新聞ではない。韓国版世界日報は11/28に、クネの「空白の7時間」の相手ではないかとされた元秘書官らが、クネの「影のアドバイザーグループを作って非公式に会合を持っていた」と報じたようだ。

元秘書官は「空白の7時間」に占い師を訪ねていたという。クネが占いで政策を決めていたというのなら、「南北統一は大チャンス!」「日米よりは韓中を優先!」という、ほとんど理解不能な妄想政策を選んだことはすっきりと理解できる。韓国トップの脳みそは壊れたのだと思う。

これからもいい論考があれば紹介していきたい。(2014/12/15)


  

2014年12月17日

◆神代から続くリーダー不要の日本

加瀬 英明



今年、ハーバード大学出版局から、『近代アジアを創った人々(メイ カーズ・オブ・モダン・エイシア)』という著作が、出版された。

20世紀のアジアをつくりだしたリーダーたちが、取り上げられている。私はさっそく読んだ。

編者は歴史家として国際的に高名な、インドのラマチャンドラ・グハ教授である。ガンジー、ネール、毛沢東、ケ小平、蒋介石、パキスタンの“建国の父”のアリ・ブット、ベトナムのホー・チミン、シンガポールのリー・クアンユーをはじめとする、アジアの指導者の生涯を描いている。

ところが、なぜなのか、日本の指導者は、1人も取り上げられていない。

だが、20世紀のアジアを創ったのは、日本ではないか。

20世紀が明けるとすぐに、日本は1904年に強大なロシア大帝国と 戦って、勝利を収めた。それによって、数世紀も西洋の苛酷な植民地支配 のもとに耐いでいた、アジアの民が覚醒した。

日本は唯一つの有色人種の国として、白人の国ばかりだった列強の仲間入りを果して、万丈の気を吐いた。もし、日本が第2次世界大戦を戦わなかったとすれば、アジアが解放されることがなかった。

それなのに、どうしてこの本のなかで、1人も日本人が、入っていないのだろうか?

編者のグハ教授が前書きのなかで、こう述べている。

「日本から1人も取り上げていないのは、特定の日本の政治家をあげるのは、きわめて難しく、不可能に近いからである」

日本で1885年に内閣制度が発足して、伊藤博文公が初代首相となっ てから、先の大戦に敗れるまで、42回も内閣が変わった。平均して1年 4ヶ月ごとに、首相が交替するか、内閣改造が行われた。日本には、指導 者(リーダー)が存在しないのだ。

安倍内閣ははじめの2年が順調だったのに、内閣改造を行ったために、新しい閣僚たちの不祥事によって悩まされた。

これは、日本に独特な現象だ。他の国々であれば、閣僚は4、5年は交替しない。

アメリカでは閣僚も、各省の幹部も全員が「大統領任命官(プレジデンシャル・アポインティ)」と呼ばれ、大統領によって任命されるから、全員が大統領の代理人だ。

ところが、日本の閣僚は首相の代理人ではない。そのために、首相が与党の支持をとりつけるために、内閣を頻繁に改造して、閣僚を入れ替えなければならない。

日本神話では、女神の天照大御神が最高神である。至上神が女神なのは、他の主要な神話にみられない。

中国、朝鮮の至上神は、男性である。ギリシア、ローマ神話、北欧、インド、エジプト、バビロニア、ペルシア神話の最高神も、ユダヤ・キリスト・イスラム教の最高神も、みな絶対権力をもつ男神である。

天照大御神が天の岩屋に籠(こも)ると、八百万(やおよろず)の神々が天(あめ)の安(やす)の河原に集まって、どうしたらよいか、相談する。リーダーが、不在なのだ。

他の神話では、上に立って決定する主神がかならず いる。きわめて、日本らしい物語だ。

聖徳太子の『十七条憲法』をとれば、「自分だけが頭がよいと思ってはならない」(10条)、「重要なことを、ひとりで決めてはならない。全員でよく相談せよ」(17条)と、定めている。

指導者という言葉は、明治以前の日本語に存在しなかった。リーダーという英語を訳するために、造った明治訳語だ。それまで上に立つ者は、お頭(かしら)、頭立(かしらだつ)、主立(おもだて)などと呼ばれて、合議することによって人々をまとめた。

今日でも、日本人にとって、神代が続いているのだ。

男親が子どもたちに優劣を競わせて、規律を課すのに対して、母親はできる子も、できない子も、均しく守る。日本人は優しいのだ。

◆アベノミクス第2幕の基本はこれだ

泉 ユキヲ

 

安倍晋三長期政権が確定して、まずはひと安心だ。これからの4年間、中国も韓国も経済破綻で ますますネチッこく カネを せびりに来る時期だ。

 日本史的に見ても、勝負どころの4年間。

日本に対する中国政権のあざけりもますます高まる。人間の性(さが)の悲しさ、ウケをねらう軍の末端が沖縄の海で暴走するとき、日・米が弱体と見れば北京は軍の暴走を本気では止めないだろう。

中国政権がそういう誤った判断をしないようにするには、どうすればいいだろう。

北京にへつらうことではない。それだけは確かだ。

■ 次世代の党の議席減が残念だが ■

民主党が62→73と票を伸ばし、共産党が 8→21と大きく票を伸ばした。この辺が、前回の衆院選からの揺り戻し。喰われたのが次世代の党で19→ 2 と激減してしまった。残念だ。

(次世代の党の選挙前議席数は、産経は19、日経は20と書いている。)

今回の衆院選で起きた変化は、つまるところこれだけ。中国語でいうなら、これがたぶん日本の“新常態”なのかもしれない。

ぼくが票を入れた次世代の党は、中山成彬さん、西村眞悟さんらまっとうな戦士が落選してしまった。

このひとたちに本当は自民党の中核を担ってもらいたいというのがぼくの思いなのだけど。

自民党の別働隊として保守議席の積み増しに貢献してもらえればよろしいが、今回はそうならなかった。

各党の主張を比べれば、次世代の党が正論ど真ん中。しかし、まっとうな安倍政権の下でなら自民党と別の党派を形成する必然性はない。

安倍晋三首相の志は、次世代の党とまったく重なるはずだ。

「次世代の党」はとてもいいネーミングだが、その「次世代」を象徴する次世代スターがいなかったから、支持者のわたしでさえ違和感を感じた。ごめんなさい。

小泉進次郎さん級はムリとしても、30代〜40代のスターがいたらメディアの扱いはまったく違ったはずだ。

もともとメディアは次世代の党のような正論が大嫌いだから、選挙前19議席の政治集団だというのに、選挙戦中のメディアの扱いは選挙前2議席の社民党並みだった。


■日本企業の収益増を社会にどう還元させるか■

1ドル120円の円安はいつまで続くだろうか。マクロで見れば、1円の価値を下げることにより、日本政府が営々と積み上げた巨額の債務を目減りさせていく必要がある。

一気にやると死人が出るから、10年、20年単位で取り組まなければならない。

 そういうメッセージを日本の政治はきちんと発信しているか。
していない。

 為替が円高に揺り戻しそうになったら、そういうメッセージを発信して円安基調を維持しなければならない。

当然、輸入品は値上がりし、給料の伸びはすぐには追いつかないから、メディアが政権批判をするネタにはなるけれど。

いまの円安が来年3月末まで続けば、輸出や海外投資を収益源にしている日本企業の当期純利益は大きく上ブレる。

これを下請企業への発注価格アップや設備投資増、さらに従業員給与ベースアップないし一時金の形で給与所得増に反映させるよう強いメッセージを発信する。

さっそく始まっているが、これがアベノミクス第2幕の基本路線だ。日本は社会主義国ではないのだから、政府が企業活動をしているわけではない。

第3の矢「富国政策」は、農業や医療をテーマの中心に据えてはいけない。

衆院選の結果によって得た政治エネルギーを最大限につかって、日本経済を牽引する日本企業に対する強いメッセージを発し続けるのが基本である。

◆私の「身辺雑記」(171)

平井 修一



■12月14日(日)。朝は室温11.5度、快晴、フル散歩。寒くなるとの予報だったが、いい陽気だ。明日の天気さえ当たらない。総選挙で8時に投票。自民圧勝になるか、田母神閣下は当選するか。

子・孫来襲したがカミサンがケアしたので小生はまあ楽だったが、孫はじゃれ合って騒々しいこと。

世界日報2/3にいい記事があった。

<衆院総選挙の投票が行われるあす14日は、赤穂浪士討ち入りの日(元禄15年)である。大石内蔵助ら四十七士が眠る東京・高輪の泉岳寺では、毎年義士祭が行われるが、今年は少し様子が異なったものになりそうだ。

泉岳寺のすぐ隣で高さ24メートル8階建てのマンションの建設工事が始まったのが10月。「歴史的景観を台無しにする」と猛反発した寺と住民は「泉岳寺の歴史的文化財を守る会」を結成し、約1万人の反対署名を集めた。義士祭も建設反対の決起集会になりそうだ。

武士道に憧れ、泉岳寺を訪れた外国人に、この景観破壊をどう説明するのか。建設を進める不動産会社は、港区の規制の範囲内で計画変更の予定はないというが、法的に問題がなければいいというものではない。明らかに公益に反しており、文化的な国民のすることではない。

文化的歴史的景観の破壊は多くの史跡で起きている。法整備の遅れを取り戻し、何よりわれわれがその価値に目覚める必要がある>(以上)

建設しているのは「ナカノフドー建設」。儲かれば何でもやっていいのか。モラルの崩壊だな。

「守る会」のサイトによるとマンション建設は中門のすぐ隣で、これでは景観が完全に破壊されてしまう。敷地を買い取るしかないそうで、港区にも用地買い取りのお願いをするための署名を集めているという。

「日本ばかりでなく海外にも広く知られ、世界中この数か月だけでも42か国以上の国から観光客が訪れています。忠誠に始まる倫理規範が日本の美徳として国の内外から多くの共感を得ている証拠であり、この忠義、武士道といった価値が普遍的価値として海外から認められれば、世界遺産になってもおかしくないと専門家から指摘されています。

泉岳寺を歴史的な文化遺産と認識し伝え守り続けて来た、先人の努力を私たちは次の世代に伝えなくてはならないと思います」

ネット署名もできるようだが、不具合でうまくいかなかった。
http://sengakuji-mamoru.jimdo.com/

青瓦台ゲート事件でカギを握ると思われる警察官は案の定死んだ。自殺説、他殺説があるという。

■12月15日(月)。朝は室温10度、快晴、フル散歩。

安倍自民圧勝の290議席。財務省を軸とした増税派を粉砕した。次世代の党は石原、田母神、西村を含めてほぼ壊滅。「石原の季節」は完璧に終わった。自民の右側の党づくりは現実的には難しいかもしれない。安倍自民を少しずつ右に仕向けていくしかないだろう。

ところで今年世界で一番目立ったプーチン大帝の官製メディア「ロシアの声」は結構エグイ記事を載せる。12/14「新年1日からロシアでは右ハンドルの自動車使用禁止」から。

<1990年代ロシアで大変流行し、当時国中の道路に溢れていた右ハンドルの日本車は、今もその人気を失っていないが、ついに来年2015年から「自動車交通の安全に関する」新法が効力を発する事から、いよいよ姿を消しそうだ。新法は、税関同盟加盟諸国領内で右ハンドルの自動車を移動手段として利用する事を禁じている。

来年1月1日から、ロシア、カザフスタン、ベラルーシでは、右ハンドルの自動車の輸入及び登録が禁止となる>

ロシア製の車が不人気なので日本製中古車を追放するわけだ。やることが乱暴すぎるが、「上に政策あれば下に対策あり」で、ロシアの民は多分、日本で左ハンドルに改造してからロシアに送るはずだ。

同12/13「北朝鮮はシステマティックに障碍者を排除している?」から。

<北朝鮮は心身に障害をもつ人を社会にとって無益なものと見なしている。「テレグラフ」が報じた。

ある脱北者の証言では、心身に障害をもつ人が北朝鮮から姿を消している。「北朝鮮でシステマティックな住民の『浄化』が進んでいる」という。

32歳のジ・ソンホ氏が北朝鮮を逃げ出すきっかけになったのは、左足の膝から先と左手首を失ったこと。氏によれば、北朝鮮では障碍者は現体制の「染み」であり、現体制への「侮辱」であるとみなされる。障碍者は社会から放逐される。子供であれば、遺棄される。

国連の担当委員会は先に、北朝鮮で身体障碍者が医学実験の材料になっている可能性がある、との声明を出している。しかし、この情報には確証がなかった。北朝鮮における人権問題については、2013年、脱北者の4割が「障碍をもつ子供は殺されるか遺棄されている」と証言している、との調査がある>

プーチンは北への接近を強めており、中共に代わって宗主国になりつつあるが、北を貶める記事まで拡散してどうしようというのか。「ロシアは障碍者に優しい国」ということをアピールしたいようだ。バリアフリーとかユニバーサルデザインの面で日本企業が協力しているが、まあ、お互いに戦争はしたくない相手だと思っているだろう。

■12月16日(火)。朝は室温11度、まあ晴、フル散歩。すぐに氷雨になってしまった。

【今日の気づき1】10世帯あるとしよう。9世帯の年間世帯収入はそれぞれ500万円前後で、貧しくはないが暮らしにゆとりはあまりない。買いたいものがあっても我慢することが多い。

ところが1世帯(Aさん)は1億円もある。他の世帯の20倍だが、20倍の消費をしているわけではない。家は1軒でいいし、車も1台で十分だ。まさか20倍も食費に費やしていたら死んでしまう。つまりAさんは金持ちではあっても大して消費には回らないのだ。

10世帯の年収の合計は1億4500万円だ。これを分ければ1世帯当たり1450万円になる。そうなると皆は車を買う、旅行に出かける、外食も楽しむようになる。かくして経済は活発化し、世帯収入も上がる。万々歳だ。

ところが現実は1%が使い切れないほど稼ぎ、99%はカツカツの稼ぎしかない。世界中でこういう格差拡大が進んでおり、結局、経済が低迷しがちになっている。(日本はゆとり層10%、並60%、キツイ層30%くらいか。まだましな方で、立ち直る可能性は高い)

ノブレスオブリージュで金持ちにはもう少し税金を払ってもらい、企業はせっせと利益を従業員に還元するという方へ向かわないと資本主義は発展しない。

安倍首相や日銀は盛んに財界に「賃金を上げてくれ」と呼びかけているのは、このままでは立ち直りかけている日本経済が躓いてしまいかねないからだ。経済の好循環を促すのが給料アップなのだ。財界の皆さん、奮発してください。もっとお金を!

【今日の気づき2】先の衆院選の投票率は戦後最低の52%台だった。多くの女性の生き方は「きれいなべべ着て、旨いもの食って、面白おかしく過ごす」だと小生は思っているが、男でもそういう価値観の人は珍しくない。

オタクとかアイドルを追っかけまわしている人は、それが生き甲斐であり、それを可能にする最低限の稼ぎがあればいいと思っているから、拘束が多い正社員より派遣やバイトでいい、と思っているはずだ。

小生の姪っ子はフラメンコにはまり、ずーっと派遣、結婚にも興味がない。趣味を最優先しているのだ。政治的な鬱屈や不満が多分ないのだろう。そもそも政治に興味がないから投票にも興味がない。娘のNもそうだ。

政治に関心があるというのは、政治に不満があるからだろう。こうなってほしい、こうしてほしい、とか。有権者の52%は大なり小なり鬱屈があるわけだ。

もし投票率が100%だったら、全有権者が鬱屈をかかえて、政治でどうにか改善してくれと思っていることになる。これはとても異常であり、選挙をやっても決着がつかずに赤シャツ隊と黄シャツ隊でデモ合戦をしている国もある。

幕末を除き江戸時代は庶民は政治向きの話はしなかった。「野暮な話はすなさんな」とたしなめられた。御政道は侍の仕事と見ていた。庶民の多くは「きれいなべべ着て、旨いもの食って、面白おかしく過ごす」ことを上とした。これでまあ鎖国政策もあって200年以上は内戦もなかった。基本的に平和だった。

普通選挙や自由民主があるのなら、国民が政治に関心を寄せる率が高い国より、低い国の方が「良い政治が行われている」としか考えられない。投票率が低いのを諌める風潮が一般的だが、むしろそれは「御政道がうまくいっている」ことなのだから歓迎すべきではないのか。

60年安保のデモで国会周辺が大荒れのとき、神宮球場はファンで満杯だったという。政治に不満がある人は少ない方がいいのである。(2014/12/16)

◆意味不明の総選挙に当惑

浅野 勝人



〜「4日遅れの古新聞」〜


前回の総選挙(2012年12月16日)も年末ぎりぎりの時期でした。2年前の選挙は政権交代の是非を問う重大な意味がありました。今回は、私たち有権者は何を問われていたのでしょうか。

さっぱりわからないまま投票日を迎え、どうしたものかハタと困り果てました。

消費税の再引き上げ延期なら、付則18条に従って政府が決めれば済むハナシと新聞に書いてありました。国民の過半数を超える延期反対の声があるから信を問うというのなら十分理解します。

ところが、断固反対は財務省だけだそうですから政府部内で調整していただければ済むことです。選挙で可否を問う意味は全くありません。

これからアベノミクスを実施するか、しないかを問うのなら真剣に考えたのです。

政策遂行の途中で評価を聞かれても、「この道しかない」とおっしゃるのなら、頑張ってまず成果を示して下さいと申しあげるしかありません。途中経過で成功、失敗の分岐点も不明な段階では選挙の争点にはなり得ません。

特定秘密保護法や集団的自衛権の問題は、すでに決着済みです。限定容認論を一歩進めて、憲法を改正して明記すべきだという信念ならはっきり意思を表明していただかないとわかりません。

外交・安保政策について信を問うテーマの説明はまったく聞こえてまいりません。

報道機関の世論調査だと自民党が、保守合同以来、最高の330議席とる勢いだと伝えていました。長期政権の基礎固めのために野党不在の間隙を縫って信任投票をするのが狙いなら、素人が嘴(くちばし)を入れる筋合いではありません。だからどうなるのかさっぱりわかりません。プロのあなたの見立てを聞かせて下さい。 ( 2014/12月13日、総選挙投票日前日。メル友 )

「憲法改正のとば口に立つ決意でしょう」

実は、ここ1ヶ月、あなたと全く同じ趣旨の質問ないしは意見表明に対する応対の繰り返しでした。電話やmailをいただくのは、かつて選挙でお世話になった親しい自民党支持者ばかりです。

話しているうちに私が現役の当事者だった頃と錯覚して、「意味不明選挙」を強(し)いることに対する詰問だったといった方が当たっています。

代表的なmailをご紹介します。優良企業の家業を継いだ名古屋大学卒の知的レベルの高い方です。

「信を問うべき事が何もない自分勝手な思い上がり選挙に腹が立ちます。しかも、私たち中小企業者が必死で働いている超多忙な暮れに迷惑千万です。一貫して自民党を支持してきたことは何のためだったのか、今回に限って共産党に投票するしかないと思い詰めています。私の連れも似たり寄ったりで、今回はパスすると申しております」

たまたま、同じ町内に住む元NHK社会部の敏腕記者だった同期の安藤博とばったり会いました。勢い立ち話の選挙談義になります。

「安ちゃん、オレの周りの根っからの自民党支持者が、大方みんな今回に限って共産党に投票すると言っている。それなのに各紙とも自民党が30議席増えると予測している。この食い違いは何なのだろう」。

「その人たち、棄権するか、投票場に行ったらやっぱり自民党と書く。ほかに入れる政党がない。心配無用だね。よくよく腹に据えかねている少数の人が共産党に投票するかもしれないが、所詮、批判票でしょ。山はピクリとも動かない」。

さすが、昔取った杵柄(きねづか)は、伊達ではありません。

ですから、私の分っていることは、投票率が50%を切るでしょう、確実に最低記録を更新すること。8議席の共産党が倍増もしくは3倍増すること。

野党不在の間隙をついた戦略勝ちというあなたの見立てが「やはり的を射ているに違いない」と思わざるを得ないこと以外、確かな予見は何ひとつできません。

私は、自民党が30議席減で食い止められたら成功と思っていました。マスコミ各社の予測は30議席増です。±30議席を差し引きするとゼロですから、選挙の結果が現有議席の295議席とどんぴしゃりだったらマンガでしたね。強ち(あながち)馬鹿にできない数字かもしれません。

それでは何のために仕掛けた総選挙なのか。

私は、憲法9条の改正を政治日程の射程距離に入れるための電撃作戦だったのではないか。安倍首相のターゲットは憲法改正にあると理解しています。

次の参議院選挙(2016年7月)でも自公与党で2/3を確保して、憲法改正の国民投票を実施するための布石の総選挙だったと考えれば腑に落ちます。

国民投票で過半数を得て、戦後政治史に燦然と輝く存在として名を残すか、過半数を得られず政権の座を去るか、安倍晋三は祖父・岸信介譲りの筋金入りの保守本流の政治家であることに変わりはありません。 
                    (安保研理事長)

2014年12月16日

◆国の総 力結集できぬ脆弱性

中静 敬一郎



小笠原サンゴ問題、防衛省・自衛隊に声かからず… 具体化しない海保・海 自の連携

日本の国の守りの脆弱(ぜいじゃく)性が浮かび上がってきた。200隻 を 超える中国漁船団によるサンゴ密漁に対し、日本がなすすべもなかったか らである。

脆(もろ)さとは何か。小笠原周辺海域が防衛力の空白地域であるうえ、 尖閣諸島の領海警備に全力を挙げている海上保安庁の手が回らなかったこ とをさす。

対応が困難ならば、自衛隊の出番になるが、自衛隊を使うどころか、連 携・協力すら具体化しなかった。日本が国の総力を結集できていないとこ ろに問題の 根源がある。

 ◆侵害を許してしまった

日本の排他的経済水域(EEZ)の3割を占めるこの海域は海上自衛隊の哨 戒対象になっていない。自衛隊基地はあるが、救難や飛行機支援が任務 だ。本土から約1千キロ離れた海域が侵害されるとは想定していないから だ。海域を守る小笠原 海上保安署が監視取締艇(5トン)1隻なのも無理 はない。

中国漁船団が確認された9月中旬以降、巡視船が違法操業を現認して逮 捕 したが、領海外に漁船を追い出すのが精いっぱいだった。11月下旬、巡視 船が増派 され、領海内の夜間操業などを積極的に摘発する方針に切り替 えた。漁船団の姿は見 えなくなったが、2カ月以上、領海やEEZ内のかけ がえのない海洋資源の奪取を許して しまった。

■防衛省・自衛隊に声かからず

こうした事態に警戒・監視を含め、海洋の治安維持にもっともパワーを 持ってい海自との連携・協力を求める声が出るのは自然だった。小笠原村 の森下一 男村長らは11月14日、安倍晋三首相宛ての要望書に「防衛省等 各機関の連携による警 戒監視の強化」を盛り込んだ。

少し前には自民党の外交、国防などの4部会が「小笠原諸島周辺の警戒 監 視体制の脆弱性は従来から指摘されている」としたうえで「取締体制を増 強すると ともに大船舶が入港可能な港湾の整備や飛行場の設置、レダー の配備、十分な人 員の常駐など、海上保安庁、水産庁、警察、自衛隊の 基盤の整備ならびに装備を充実 し、万全な警戒監視体制の構築を政府に 求める」決議を採択した。

 ◆自衛隊を使えないとは

しかし、サンゴ問題に対する政府の実務責任者が集まる関係省庁の局長 会合は10月31日に開かれたが、参加したのは内閣官房、外務省、海保、水 産庁の4省 庁だけだった。防衛省・自衛隊には声がかからなかった。

この背景には、省庁の縦割り意識と自らの権益を守ることへのこだわり が見え隠れする。

警察(海保は海洋警察)と自衛隊は平成12年、「警察力が不足する場合 には治安を侵害する勢力の装備、行動態様などに応じて自衛隊と警察の任 務を分担す る」協定を締結した。だが、分担の線引きはあいまいだ。自 らの組織では対処できな いと認めることが組織の否定につながりかねな いから、協力を躊躇(ちゅうちょ)す るのである。

また、自衛隊が前面に出ることにより、事態をエスカレートさせるとの 危惧もあった。

しかも現状では海自は違法操業者の逮捕すらできない。警察権がないか らだ。海自が警察権を行使するには自衛隊法に基づく海上警備行動の発令 が必要だ。

この行動には首相の承認を得なければならない。首相の判断次第だが、 ハードルは高 い。国民の生命、財産を守るための自衛隊を使おうにも使 えない。

 ◆不可解な無罪判決確定

不思議な出来事もあった。今年5月、長崎県・五島列島沖の領海内でサ ン ゴを密漁したとして、中国漁船の船長(48)が外国人漁業規制法違反で水 産庁取締 船に現行犯逮捕された。

だが、10月15日の福岡地方裁判所の判決は「被告に領海に 入った認識は
なかった」と無罪(求刑懲役8月、罰金100万円)を言い渡した。

福岡地検は2週間後、控訴しないとし、無罪が確定した。

領海侵犯と違法操業で逮捕されても「日本の領海とは認識していなかっ た」と言えば、無罪という「悪例」をつくった。「泥棒さん、いらっしゃ い」判決と 揶揄(やゆ)されてもいる。事実、確定直後に最多の212隻が 押し寄せた。相手も 日本の弱点を知り抜いている。危機を呼び込んでい るといえないか。

日本が国益を守る「オールジャパン」の態勢を早急に整えることが抑止 になる。脆弱性の克服の延長線上には憲法改正や日米安保条約の再改定も 入る。

(論説委員・ なかし ず けいいちろう)

産経ニュース【日曜に書く】2014.12.14
                  (情報採録:久保田 康文)