2014年11月30日

◆沖縄県知事選現職敗北の“失望”

櫻井よしこ



沖縄県知事選挙は自民党支持の現職、仲井眞弘多氏が対立候補の翁長雄志氏に10万票の大差で敗北した。私は今回の知事選にとりわけ注目していた。なぜなら、沖縄で今回の仲井眞氏ほど鮮明に基地問題を真正面に掲げて前向きに闘った候補者はかつていなかったと思うからだ。仲井眞氏が勝利すれば、それは沖縄の民意の成長の証しであり、そこから新しい可能性が生まれると感じていた。

だが結果は仲井眞氏の大敗北だった。争点は言うまでもなく、普天間飛行場を沖縄本島北部の辺野古に移設するか否かだった。当選した翁長氏は「辺野古に新たな基地は造らせない」と、次の点を強調した。

 ・住民の意思を無視して辺野古に新たな基地は造らせない。沖縄県民の自己決定権と尊厳を尊重せよ。

 ・安倍政権の威勢のいい前のめりな言葉で尖閣問題を解決しようとすれば将来に禍根を残す。安倍晋三首相は平和外交と国際法にのっとって解決せよ。

 ・基地の負担軽減が大事だ。

私は選挙の熱い風が吹く沖縄に2度、足を運び取材をしたのだが、翁長氏の主張が矛盾だらけであることは明白だった。その矛盾を明確に指摘していたのは仲井眞陣営だった。

翁長氏の主張に対して仲井眞氏は、具体的に反論していた。まず、基地負担軽減のために、普天間から辺野古に移すのだとの主張だ。普天間飛行場の広さは480ヘクタールだが、辺野古の飛行場はその約3分の1の面積になる。

普天間からの移設をきっかけに米軍再編成が進み、嘉手納以南の基地全て、総面積約1000ヘクタールが返還される。北部訓練場の一部も返還され、沖縄県民の手に戻される基地面積は5000ヘクタールに上る。これこそ、沖縄県民の基地負担を軽減する道だと、仲井眞氏は主張した。

だが、翁長氏はひたすら、「辺野古に新たな基地は造らせない」「本土は沖縄を犠牲にし続けている」と言うばかりだった。

辺野古への移転を許さないのであれば、普天間はどうするのか。普天間に飛行場ができた後、付近には次々に住宅や学校が建てられた。いま同飛行場の周囲には住宅が密集し、向かい側には小学校もある。普天間は世界一危険な飛行場だ。だからこそ、一日も早く移設しなければならない。

翁長氏はその具体策は何も示さない。基地負担の軽減策も示さない。

翁長氏は尖閣諸島の問題について安倍首相が「威勢のいい前のめりな言葉で解決しようとする」とも非難するが、前のめりで尖閣諸島周辺海域に侵入し続けているのは中国である。日本政府でも安倍首相でもない。

翁長氏は、平和外交と国際法にのっとって尖閣問題を解決しろとも安倍首相に要求するが、お門違いだ。その言葉は中国に向けるべきである。中国こそ、日本のみならず東南アジア諸国など全ての国と平和裏に問題を解決しなければならない。国際法を無視して他国の領土・領海、権益を侵す行動を慎まなければならないのは中国である。

本当に基地を減らし、中国に対処できるのはどちらの候補者か。答えは明らかに仲井眞氏だった。尖閣の海を守れるのも仲井眞氏だった。そのことに沖縄県民は気付くだろうか。中国の脅威が顕著な沖縄で、県民がその事実を直視すれば、仲井眞氏は勝てるはずだと私は考えた。

だが仲井眞氏を支持した有権者は約26万人、他方、36万人が翁長氏に票を投じた。非合理的主張を展開するばかりの翁長氏はかつて自民党県連の幹事長でありながら、今回は共産党や社民党と組んだ。そんな人物の主張が支持されたのだ。

沖縄で取材中に聞いた言葉が胸に残っている。「基地問題に主体的に取り組もうとする仲井眞陣営が勝てば、それはわれわれ県民の成就の証しです」。結果は逆、返す返すも残念だ。

『週刊ダイヤモンド』 2014年11月29日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1061 

◆「海の危機」は待ったなし

峯 匡孝



http://www.sankei.com/images/news/141129/plt1411290018-n1.jpg

自衛権めぐる政府解釈

「宝石サンゴ密漁か 小笠原に押し寄せる中国船」-。産経新聞は10月12日付1面で、小笠原諸島(東京都)沖で大量の中国漁船がサンゴを密漁している実態をスクープした。

密漁船はその後も増え続け、10月末には海上保安庁が伊豆諸島(同)周辺と合わせて計212隻を確認、大きな社会問題となった。

これを受け、外国人の違法操業への罰則を強化する改正外国人漁業規制法と改正漁業主権法が衆院解散を目前に控えた11月19日、駆け込みで成立した。12月7日に施行する。だが、罰則強化だけで日本の海洋資源を貪(むさぼ)る中国船の不法行為を抑止することはできない。

 「中長期的観点から領海警備体制を整備しなければならない」

11月19日の自民党部会で、国防部会長の佐藤正久参院議員はこう訴えた。まず急務なのは、海上保安庁の態勢強化だ。海保の巡視船は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵犯を繰り返す中国漁船の対応にも追われ、ギリギリの運用を強いられている。違法操業を取り締まろうにも手が回らないのが実情なのだ。

問題はさらに根深い。中国海軍は、中国漁船の動きに同調するように、対米防衛ラインとして自ら設定する「第1列島線」(九州〜沖縄〜台湾〜フィリピン)を越え、「第2列島線」(伊豆諸島〜小笠原諸島〜米領グアム)まで勢力を拡大しつつあるからだ。佐藤氏はこう打ち明けた。

「太平洋は対岸が同盟国の米国だったこともあり『海の守り』はスカスカだった。だが、小笠原諸島の父島、母島には住民がいる。グレーゾーン事態が起きたらかなり厳しい…」

              × × ×

グレーゾーンとは、有事には至らない緊急事態を指す。例えば、漁民に偽装した武装集団が離島に上陸・占拠した場合、武力攻撃を受けた事態とはいえず、自衛権の発動対象とはならない。そうなると警察権による対処を強いられ、武器使用も大幅に制限される。

安倍晋三首相が7月1日、集団的自衛権行使を限定的に容認する閣議決定に踏み切ったのは、こうした事態が絵空事ではなくなったと判断したからだった。

行使容認といっても閣議決定だけでは絵に描いた餅にすぎない。解釈変更に伴い、グレーゾーン事態を含む幅広い安全保障法制を整備してこそ実効力を伴う。

首相はもともと、安保法制関連法案を先の臨時国会に提出する考えだった。その上で自衛隊と米軍の役割分担を定める「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を年末に再改定し、日米同盟を実態に合わせて運用できる態勢を整えようと考えていたのだ。

 ただ、一抹の不安があった。

              × × ×

昨年秋の臨時国会で成立させた特定秘密保護法。欧米各国と機密情報を共有するには、情報漏(ろう)洩(えい)を防止する国内法制の整備は不可欠となるが、朝日新聞など一部メディアと民主党などの激しい批判にさらされた。事実を歪曲(わいきょく)した批判も少なくなかったが、内閣支持率は一時的に急落した。

安保法制の審議での野党の抵抗は特定秘密保護法の比ではないはずだ。自衛隊法や周辺事態法など過去に国会を紛糾させた法律を最低10数本は改正しなければならないからだ。一部メディアはさらに激しい批判キャンペーンを繰り広げるに違いない。

そんな法案の束を今年秋の臨時国会に提出すれば、昨年以上に紛糾するのは火を見るより明らかだった。そうなると米軍普天間飛行場移設問題を抱える沖縄県知事選だけでなく来春の統一地方選にも影響しかねない。自民、公明両党の連立は揺らぎ、自民党内がガタつく恐れもある。そうなれば消費税再増税に関する判断も鈍る-。

こう考えた安倍晋三首相は秋の臨時国会への安保法制提出を見送った。

そこで首相が描いたのは、来年の通常国会で予算成立後に解散し、統一地方選と合
わせて4月の衆院選に踏み切るという筋書きだった。ここで盤石な態勢を敷いた上で
臨時国会を召集し、夏までに安保法制を整備する考えだったのだ。

   × × ×

ところが、首相が描いたスケジュールは大幅に狂った。

11月18日夜、消費税再増税の1年半先送りを決めた首相は衆院解散を表 明した。唐突にも見えたが、理由ははっきりしている。

1つは、首相の「再増税先送り」判断を恐れた財務省が自民党議員に説 得攻勢をかけ、政局めいた不穏な空気が覆ったことが大きい。首相は当時、周囲にこ う漏らしている。

「俺はすでに消費税を3%上げている。税でこれ以上つまずいたらもっと大事な目標を見失いかねない」

首相の言う「もっと大事な目標」とは安全保障を指す。そして当面の目標は安保法制の整備となる。

もう1つは民主党がスキャンダル国会を仕掛け、女性閣僚2人が辞任に追い込まれたからだ。首相は「こんなことで国会が空転するようでは安保法制の審議は できない」と考えた。

「安全保障政策についても党の公約にきっちりと書き込んで選挙戦を堂々と戦っていきたい。有意義な論戦を行っていきたい」

解散表明の記者会見でも首相はこう述べた。もっと前面に打ち出した方がよかったように思えるが…。

             × × ×

首相の解散表明に、朝日新聞など一部メディアと野党は「大義なき解散」と批判を浴びせる。

果たしてそうだろうか。

集団的自衛権行使容認に関する閣議決定に際し、民主党の松原仁国対委員長(当時)は記者会見で「衆院を解散して国民に信を問うくらい大きなテーマ だ」と断じた。生活の党の村上史好幹事長代理も衆院予算委員会で「国民に信を問う べきだ」と首相に迫った。

この衆院選でも自民党は政権公約に「閣議決定に基づき、いかなる事態に対しても

国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安

全保障体制を速やかに整備します」と明記している。民主党はマニフェストに「集団
的自衛権閣議決定の撤回」を掲げた。

 これほど主張が対立し、しかも先に安保法制整備を控えているならば、信を問うべ
き大義となるのは自明だ。消費税再増税やアベノミクスの是非以上に重い政治課題と
もいえる。

 「いま集団的自衛権をやっておけば日本は今後50年安全だ…」

かつて首相は周囲にこう語った。ならば衆院選で堂々と国民に説くべきだろう。そして野党も正面から論戦を挑み、対案を示さねばならない。
                           (政治部)

【政権の是非を問う】=集団的自衛権= なぜ解散スケジュールが狂ったのか? 首相が執念燃やす安保法制:産経ニュース  2014.11.29

                 (情報採録:久保田 康文)


2014年11月29日

◆安倍解散は大義ある解散だ

池田 元彦


阿比留産経記者が書いた通り、解散に大義を問う等、聞いたことがない。

朝日、毎日ならいざ知らず、日経や田母神氏迄この言葉に縛られている。戦後では三木首相を除き、総理大臣は皆解散しているに拘わらず大義、大義と騒ぐのは、朝日以下の反安倍勢力の隠れた意図が垣間見える。

即ち、解散を反攻機会と見、朝日以下は再び安倍降しを始めた。大義ない、争点がない、無駄な選挙だと国民を騙せば、国民の関心が薄れ投票率が落ちる。加えて安倍が600億円の無駄な選挙をすると嘘出鱈目で騒ぎ、事実を確認もしない見識のない浮動票を民主党等に流す魂胆だ。

朝日は、反日政権の再樹立を未だ夢見ているのだ。外国籍人地方参政権、夫婦別姓等マニフェストにない隠れた政策を次々に法制化しようとし、出来ないことを口走り、中韓に阿り毅然とせず、原発事故に素人首相が介入し事故処理や復旧を混乱に浸した。朝日が反省してないことが判る。

早速、世論調査と称して、消費税先送りは国民の60%が賛成するが、解散選挙には同じ60%程度が反対しているとNHKが騒ぐ。600億円かける意味有りますか、と質問すれば多くの国民はないと答える。「大義ない」という毒ある宣伝効果自体は、徐々に国民に染み渡ってきているのだ。

全て前政権のマニフェスト違反、無策・無能の結果だということを忘れて、週刊朝日は消費税、景気、沖縄全てを先送りする「我欲のままの自己中解散」だと迄宣う。

しかし、法律上は、消費税値上先送りには、景気諸条件の判断に加え、且つ先送り法案の国会承認が必要と明記している。

国会で議論し、新たな先送り法案を提出する旨、安倍首相も明言している。が、メディアは争点を暈そうとする。尤もアベノミクスを含め、この2年間の安倍外交、内政の実績評価を安倍も選挙により国民の賛同承認を改めて確認し、政策断行を推進するのだ。だから過半数でもいいのだ。

その心は、最後まで抵抗した財務省等官僚、そしてノイジー反日勢力の声を黙らせたいのだ。特に財務省は、政府の意に反して延期反対工作を執拗に展開していた、政府に逆らう官僚だ。

白(川)より黒(田)の選択が正しく、集団的自衛権、特定秘密保護法、主権を侵そうとする諸外勢力に毅然と対処すること、成長戦略、アベノミクスの継続を、国民過半数以上の支持を得、選挙後は野党の無意味な質問、官僚の抵抗を黙らせる。だから与党325議席数維持には拘っていない。

衆議院定数は5議席減って475。過半数238さえ取れれば安倍の2年間の実績は信任されたと見做される。そして秘めた願いは絶対安定多数の266確保であり、あわよくば270台だ。

その心は、家族、地域、共同体を壊す長年の反日勢力の工作により、崩壊しつつある日本に歯止めをかけ、日本の美徳を取り戻しつつ、歴史観を正し、国際社会に日本の正当な扱いを要求する方向にある。それに邁進出来るのは安倍首相以外にない。その先には最後の目標がある。

GHQに押し付けられた憲法の破棄、権利ばかりで義務がない条項や9条改正は必須だ。一方、2千万人移民だとか、外国籍人地方選挙参加、夫婦別姓等は断じて許すべきではない。安倍首相の信念に逆行することだ。女性管理職比率等割当等は間違っている。あくまで能力で昇進だ。

消費税は欧州20%、米国8%前後(州により異なる)で、食料品等は粗3分の1或は0%だ。社会的弱者の生活を守るため食料品等の消費税軽減も、与党内では合意された。公明党の主張は、偶には良い政策もある。但し、調査一環としての韓国視察は、無意味、金と時間の無駄使いだ。


 

◆「菅直人の復活に期待する会」

阿比留 瑠比



衆院選公示を来月2日に控えた25日夕、東京都内のホテルで政治資金パーティーが開かれた。その名は「菅直人の復活に期待する会」。この手のパーティーは取材フリーなのが常識なのだが、元首相で元民主党代表という立場にもかかわらずなぜか非公開だった。受付にはご丁寧に「取材はご遠慮ください」と大書されていた。

「なぜ取材させないのか。何か後ろめたいことでもあるのか?」

取材陣はこう詰め寄ったが、事務所側は「今回はダメなんです」の一点張り。その間にも法政大の山口二郎教授、ジャーナリストの高野孟氏ら“民主党応援団”が続々と扉の向こうに吸い込まれていく。先日、不出馬表明した元官房長官、仙谷由人氏の姿もあった。

「まるで秘密結社みたいだな」と思って眺めていると、テレビでおなじみの朝日新聞の星浩特別編集委員が制止もされずスルリと会場に入っていくではないか。「それならば私にも取材させてほしい」と求めたが、事務所側は「彼は(菅氏との)個人的なつながりで来た。マスコミとしてではない」と譲らなかった。ふ〜ん。個人的な関係ね…。

結局、この日はSP(警護官)を引き連れてトイレに入る菅氏の姿を見ただけだった。


× × ×

そもそもパーティーの名目である「菅直人の復活」とは何を意味するのか。究極は首相の座に返り咲くことだろうが、およそ現実的とは思えない。多くの国民もそれを望んではいまい。

菅氏は、民主党で鳩山由紀夫元首相、小沢一郎元代表(現生活の党代表)とトロイカ体制を敷き、「党の顔」として君臨してきたが、今は見る影もない。

平成24年12月の前回衆院選では、東京18区(武蔵野・府中・小金井の各市)で、自民党の土屋正忠氏に1万超の票差で敗れ、比例復活で何とか議員バッジをつなぎ留めた。

その後は「反原発の闘士」を自任。翌25年7月の参院選では、民主党の公認を外れた無所属候補を支援して党員資格停止3カ月の処分を受け、党最高顧問の役職も解かれた。

今年4月には、トルコなどへの原発輸出に関する原子力協定承認案の衆院採決を無断欠席した。桜井充政調会長(当時)は「党の方針と異なる運動をするのであれば党を離れて活動すべきだ」と離党を促したが、馬耳東風。もはや党幹部が「今度変なことをしでかしたら次は切る」と公言するほどの“お荷物”となっている。

    × × ×

それでも復活を望むならば、まずは小選挙区で勝ち、元首相の威厳を示さぬことには話になるまい。

パーティーから一夜明けた11月26日午前7時、菅氏は冷たい雨が降りしきる東京都府中市のJR北府中駅前で、ビニール傘を片手に辻説法を始めた。

「原発ゼロ実現」の幟(のぼり)を背に、菅氏は東京電力福島第1原発元所長、故吉田昌郎氏の聴取記録「吉田調書」に言及した。

「吉田さんは調書の中で『東日本が壊滅する』との言葉を残しています」 吉田氏が調書で、菅氏を「馬鹿野郎」呼ばわりして激しく批判したことには触れず終いだった。続いて菅氏は安倍晋三首相をナチス・ドイツのヒトラー総統を何度もなぞらえ批判した。

「集団的自衛権の解釈変更を閣議決定した安倍さんを見て私はヒトラーの行動を頭に浮かべた。なぜドイツはヒトラーの独裁政権になったか。やり方がそっくりなんですよ!」

ちょっと待ってほしい。「議会制民主主義とは期限を区切った独裁」と断じ、首相時代は数々の法令を平然と無視し、超法規的存在として振る舞ったのは一体誰だったか。東日本大震災と原発事故という未曽有の災禍が襲いかかる中、政府機能を麻痺状態に追い込んだ張本人ではなかったか。

辻説法は1時間余に及んだが、立ち止まって耳を傾けた人は皆無。ほとんどは菅氏の姿が見えないかのように無関心に通りすぎた。

菅氏と握手を交わしたのは2人だけ。うち1人は事務所関係の知人のようだった。菅氏と写真を撮った人が2人いた。その1人は20歳の女子大生。「菅氏を支持しているんですか?」と聞くとこう即答した。

「いいえ違います。今年有権者になったので、ちょっと興味があって…」

それでも菅氏は演説後、居合わせた記者数人に「手応えは非常に感じています…」と謎の自信を示した。

一方、菅氏と4回目の対決となる土屋氏はこう語った。「今回ははっきり決着をつけたい。最後の決戦だ。お互いの年齢的にも負けた方は引退だ…」

市民活動から政界に身を投じ、一世を風靡したこともある菅氏は復活の狼煙(のろし)を上げるのか。それともこのまま埋没していくのか。この衆院選で東京18区は民主党の将来を占う意味でも最大の注目区といえる。


              ◇

【阿比留瑠比】(あびる・るい)産経新聞社政治部編集委員。平成2年、早稲田大卒業後、入社。文化部、社会部などを経て政治部。政治面でコラム「極言御免」を連載中。主著に「破壊外交−民主党政権の3年間で日本は何を失ったか」「政権交代の悪夢」など。福岡県出身。48歳。

産経ニュース【阿比留瑠比がゆく】2014・11・28

◆ノー“C”、ノー“K”

平井 修一



CはChinese、KはKoreanだろう。元統幕議長・杉山蕃(しげる)氏は今春、家族で地中海クルーズを楽しんだ。その際にこんな見聞をした。

<我々の乗った船は8万トンを超える客船で、2000人の乗客であったが、親しくなったインドネシア人のルーム・スチュワードから、この船は「ノー“C”、ノー“K”」であると告げられ、如何に隣国の旅客が敬遠されているかを痛感した>

CもKも世界中で顰蹙を買っている。異形の大中華、異様な小中華、異常な習近平、異端な朴クネ。プーチン・ロシアとともに来年も世界中から嫌われるのだろう。

杉山氏の論考「密漁、軍事と理不尽な中国 一事が万事の横暴ぶり ルールに則り毅然と対応を」(世界日報11/27)から。

<中国漁船の小笠原海域での不法な赤サンゴ密漁が問題となり、政府・海上保安庁は重い腰を上げ、取り締まり強化に動き出した旨報道されている。

他方、比・越・台等と領有権について係争が続く南シナ海群島での中国の本格的基地整備も急ピッチで進んでいるようである。我が国の領土である尖閣諸島への理不尽な行動は勿論、尖閣上空への中国防衛識別圏(ADIZ)の公告が非難される。

ADIZ自体は、当該国防空上の見地から設けるもので、基本的にはその国の勝手である。しかし、今回のように軍への事前通告を必要とする等の処置を義務付ける行為は国際航空協定上理不尽な公告であるし、我が国領空主権への侵害でもある。

軍事面での膨張も著しい。訓練用空母「遼寧」に続き、国産空母2隻の「鋼板切断式」が行われた。大連及び江南造船所で建造し、一隻は「遼寧」タイプのジャンプ台型、もう一隻は、全通・カタパルト型の本格空母という情報がある。

空母搭載機についても、ウクライナ紛争でロシア擁護の立場をとる見返りに成算がついたと見られている。原子力潜水艦の開発配備も進んでいるようであり、年々隻数を増加させている。

特に、南シナ海・東シナ海において、自己の主張を押し通す理不尽な行動が相次ぎ、周辺関係国にとって横暴極まりない行動と捉えられているのは読者周知の通りである。

中国は北京五輪はじめ、各種の努力で国際化を行ってはいるものの、海外での不遜無礼な行動、周辺海空域での横暴な行動、加えて軍事力の増強に執念を持っているかのような行動等、世界中から好感を持たれているとは言い難い。

我が国は隣国として種々の摩擦・係争があるのはやむを得ないところであるが、何より必要なのは、是是非非、国際ルールに則り毅然(きぜん)たる対応を失ってはならないことだろう。

衆議院解散・総選挙、首相指名・新内閣誕生、予算編成と目まぐるしい日程が予定されている。防衛面では予算業務は勿論、集団的自衛権の肉付けともいうべき法制整備、新ガイドライン作業など懸案が迫っている。

この間是非、中国の軍事は勿論、民船を含めて、あらゆる出方に対応できるよう努めてもらいたい。我が国の目標は、国家としての誇りと国際社会における信頼にあり、我が国を陥れようとする態度をとる政権に対する弱腰な態度であってはならないと思う次第である>(以上)

今年は国際社会が揺れに揺れた1年だった。紛争は一つも解決には向かっていない。この先、明るい展望はない。経済も不調が続きそうだ。

中共も韓国も経済がとても怪しくなってきた。ともに内政も揺らいでいる。日本の将来だって明るいとは言えないが、反日国の将来よりはマシだろう。来年以降は、彼等の暴発を抑え込んで東アジアの安保に寄与することが日本の国際的責務として西側世界から称揚されていくだろう。ルビコン川を渡る日は意外に近いかもしれない。(2014/11/27)

◆五ヶ條の御誓文を擴張ヘボン式で轉寫

上西 俊雄



「五ヶ條の御誓文」を擴張ヘボン式で轉寫してみた。ブラケットで囲んだ英譯はドナルド・キーン氏によるとネットにあったもの。一つといふところは略した。もし英語でいふなら that となるのだと思ふ。「上下」といふのは zhauge としてもよいのではないかと思ったけれど、櫻井よし子氏の讀み方に從った。

五ヶ條の御誓文

gokadeuno goseimon

[Oath in Five Articles}

一 廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ

hiroku kwaigiwo okoshi banki kouronni kessubeshi

[Deliberate assemblies shall be widely established and all matters
decided by public discussion.]

一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ

shauka kokorowo itsunishite sakanni keirinwo okona`ubeshi

[All classes, high and low, shall unite in vigorously carrying out
the administration of affairs of state.]

一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス

kwambu itto shominni itarumade ono-ono sono kokorozashiwo togezhinshinwo shite mumazarashimenkotowo eusu

[The common people, no less than the civil and military officials,shall each be allowed to pursue his own calling so that there maybe no discontent.]

一 舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ

kiuraino roushi`uwo yaburi tenchino koudauni motodzukubeshi

[Evil customs of the past shall be broken off and everything based
on the just laws of nature.]

一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ

chishikiwo sekaini motome o`oini kwaukiwo shimki subeshi

[Knowledge shall be sought throughout the world so as tostrengthen the foundations of imperial rule.]

櫻井氏の講演は次世代の黨の集會で聽いた。中國の主張する新型大國關係と對する米國民主黨政權のオバマケアに象徴される政策。米國の基地があるから米國の戰爭に卷き込まれるとの主張があったけれど、その主張はいまや米國のものになりつつあるといふのだ。

確かに米國民の税金で、米國の若者の血を外國のために流す必要があるのかといはれれば米國民が二の足を踏むこと大いにあり得べきことと思はざるを得ない。

氏は中國人民解放軍副總參謀長が今年6月「中國は2千年前から南シナ海の島々を領有してゐる」と語った例を引き、領海侵犯と珊瑚略奪は彼らの戰略が第二列島線段階に至ってゐるといふ。かかる行爲こそ侵して略することではないかと思ふので、以下侵略といふことにするが、2百の侵略者に對して海上保安廳の方はやっと五だといふ。

2つの力の均衡が不安定になれば戰爭の蓋然性がます。安倍政權が集團的自衞權を認めたけれど、いろいろの縛りがあって實務上は明快でない。これも戰爭の危險性を高めるものであるといふことは言はれなくてもわかる。

漢字はあるけれどつかってはならないといふのと通ずるものがある。巫が人名漢字に追加になるさうだ。といふことは巫は常用漢字でもなかったわけだ。「國語が金甌無缺であった」で卑彌呼は日巫女であったのではないかと書いたとき、これには氣づかなかった。

卑彌呼は日み女と書くのか。いや女にコといふオンはないだらう。念のため辭書で調べると女は小學校一年で教へてもよい漢字なので二年生以上なら使用可能。但し音はニョウとジョだ。戰前ならジョでなくヂョだ。日も小學校一年で教へてもよい漢字だから2年生以上なら使用可能であり、かつヒといふ音も使用可能だ。すると日みこと書くべきなのか。それでは讀みにくいから鉤括弧をつけて「日みこ」とすべきなのか。

小學校の教師が黒板に漢字を書きながらラーフルで消して(パソコンならbackspace を叩いて)平假名に書き直すのを孫の授業參觀でみた。教師も大變なのだ。

集團的自衞權に對するしばりと漢字や假名字母に對するしばりとを同日に斷じることはできまいが、その不當であることはあきらかではないか。

櫻井氏の講演、うまくつたへることはできない。次世代の黨の中山恭子參議院議員が閉會の辭で氏の講演を歴史にのこるものと表現した。さういふものだったのだ。

「國語は金甌無缺であった」で人名漢字について觸れたけれど、福祉のことをやってゐた知人にいはせるそんなものではない。普通の名前でも、いちいち讀み方を訊かれるといふし、變な讀み方のためにイヂメにあふことも多いのださうだ。

次世代の黨あたりには、まづは人名漢字といふ別枠をやめることをうったへてほしい。さうすれば應援にも一段と熱がはいるといふものだ。



2014年11月28日

◆韓国を守る必要あるのか

大礒 正美



少し早いが、師走の総選挙後に、第3次安倍晋三内閣が発足することはほぼ間違いない。安倍総理の身になって考えてみると、第1次安倍内閣を1年で投げ出したあとの6年間に、練りに練った宿願の政治的目的を追求するには、このチャンスしかないと決意しているだろう。

衆院解散の真の狙いはここにあるのかもしれない。メディアはこの重要ポイントを見逃している。その宿願とは「戦後レジームからの脱却」にほかならない。

奇跡的な「アイ・アム・バック」で総理再登板となった第2次政権では、長期デフレからの脱却がすべてに優先され、外交では中国と韓国の新リーダーから敵視され、米欧からは歴史修正主義者と疑われ、宿願にはほとんど手を付けることができなかった。

いわゆる「集団的自衛権の限定的行使容認」の閣議決定は、数少ない成果の1つで、米欧からは評価されているが、それでも石破茂幹事長(当時)などが主張する全面的容認を、初めから断念した結果だった。

宿願の1つであったはずの「河野談話」見直しという公約は、いつの間にか「しない」という対外公約に変わってしまった。その後に、朝日新聞の大誤報(正しくは捏造)取り消しとなったのは、何とも皮肉だった。

安倍首相にとって、さらに2年か3年先の第4次政権に、一番やりたいことを先送りするという選択肢はない。これは自明のことだ。

とすれば、まず何をどう着手するか、それが問題だ。

筆者が繰り返し指摘しているように、米国の政権や指導層、メディアが間違って思い込んでいることを、効果的にひっくり返すことを考えるべきだ
ろう。

それには、「韓国は日米で守る価値がない」という提案を堂々と行うことである。それが刺激的すぎると思えば、一歩引いて「民主主義の価値観を共有しているのかどうか疑問だ」という言い方でも十分だ。

米国と韓国の軍事同盟は、北朝鮮の攻撃に備えるためだが、もはや休戦状態が60年を超え、「国連軍 Vs. 北朝鮮・中国」という対決は完全に形骸化してしまった。

陰の当事者だったソ連(ロシア)は離脱し、中国ももはや北を助けて参戦する情勢ではなくなった。

韓国は1950年6月、北の奇襲によって国のほとんどを制圧され、日本に亡命政権を打診するほどの危機に陥った。日本に駐留するマッカーサーの米軍が反撃し、ようやく元の国境を取り戻した。

それ以来、現在に至るまで、韓国駐留の米陸軍部隊は日本国内の海空基地と、日本国民の協力に支えられて、韓国の防衛を実質的に担ってきた。

いま、その韓国では、大統領が率先して日本非難のヘイトスピーチを世界中にまき散らし、世論調査では嫌いな国のトップは日本、次がアメリカと定着している。

潜在敵国のトップも日本であって、北朝鮮ではない。

政治体制は一見、議会制民主主義のように見えるが、当選した大統領に有形無形の権力が集中し、とくに現政権は「不機嫌な女帝」が君臨しているとしか思えない。

そういう政権とメディアが共鳴し、日本にすべて言うことを聞けと要求し、同時に中国には露骨に「事大」する(大につかえる)。

誰が見ても「歴史的朝鮮」に本卦還りしてしまったのである。

こういう韓国の変貌を、日本から米国側に問題提起するべきである。現在に至るまで、米国は米韓・米日の安全保障トライアングルをすべての前提に置き、その前提にヒビを入れるような行動をしないよう、安倍政権に露骨な牽制をかけてきた。

実際のところ、ヒビを入れているのは韓国自体なのだが、米国側はその事実を直視したくないか、あるいは中韓両国を結びつけた中華秩序というものに無知なのかどちらかだ。

幸い、というのも変だが、中東で自称「イスラム国」が百年前に押しつけられた「西欧秩序」に挑戦し始めたところなので、東アジアでも同じことが起きているのだと説明すれば、欧米側の理解は得られるだろう。

韓国を日米欧の側に引き戻すことはもう不可能だ。では、軍事問題はどう考えるのか。

中国が参戦する可能性がほとんどないとすれば、北朝鮮が単独で南に侵攻する可能性もほとんどない。もしあったとしても、韓国が単独で撃退できる。北の戦力はもはや比較するに値しないほど遅れ、韓国を占領するなど夢のまた夢だ。

米国は中国への抑えという意味と、核の中東への拡散を最も恐れていたが故に、韓国の防衛を当然視してきたが、その両方とも、今では意味がほとんどなくなっている。北の核開発は張り子の虎でしかなかった。

安倍首相が米国と本音で協議するべきなのは、このまま韓国と北朝鮮が何十年も存続するはずはないので、朝鮮半島の将来をどう見定めるかということである。

北の経済力はどんどん低下しており、最近の韓国政府機関の推計では韓国と「43対1」の差がついているという。東西ドイツの場合は、10倍程度の差だった。
 
この前例をあてはめると、韓国が北に対し20年間で5千億ドル、すなわ550兆円近くを注ぎ込む必要があるという。

米国は、60年前の朝鮮半島でなく、21世紀の現状を直視しないと東アジアに同盟国、友好国は日本だけになる。

そして中華秩序に組み込まれた朝鮮半島は、「偉大な復興」のコストを、南北分断の責任があるのだからと日米に押しつけてくるに違いない。

安倍首相は「戦後レジームからの脱却」の意味を、そう説明することから始めるべきである。

(おおいそ まさよし 国際政治学者、シンクタンク大礒事務所代表)

◆沖縄の第五列を封じるべき

平井 修一



朝雲11/13から。

<日本の平和と安全にとって最大の脅威は、中国の驚異的な台頭であり、その最前線は南西諸島だ。本来であれば、この地域の要である沖縄本島と、150万を超す住民の命をどうやって守るかが、我が国の安全保障にとって最重要課題であるはずだ。

例えば、沖縄本島に自衛隊専用の滑走路がないことが、普天間問題の影響で議論すらされていないことは残念でならない。現在自衛隊は、那覇空港を民航機と共用しているが、過密な離着陸の様子を見ていると、もはや官民共用は限界と思う。

高まる中国の脅威に備え、来年度中に空自は、今の1個戦闘機部隊を2個態勢に強化する。6年後の供用開始を目指し、那覇空港では2本目の滑走路建設がはじまっているが、悠長に構えている時間はない。

滑走路が増えれば民航機の便数も増える。事故が起きてからでは遅い。1日も早く米軍嘉手納飛行場を自衛隊管理の基地にして、空自と米空軍が共用できる態勢を整えるべきだろう>

有事の際に軍専用の滑走路がないというのはかなり問題ではないか。それ以前の話として、アカに乗っ取られた沖縄を拠点に中共と戦うのは何かと不都合だろう。アカどもは第五列だ。

<第五列とは、本来味方であるはずの集団の中で敵方に味方する人々、つまり「スパイ」などの存在を指す。また、自らが居住している国家に敵対する別の国家に忠誠を尽くすことを求められた人々や、自らが居住している国家に対して戦争のときに敵方の国家に味方する人々を指す場合にも使用される>(ウィキ)

日中激突の際に沖縄のアカは中共に使嗾されて反戦、反軍活動を活発化するだろう。労組などを使ってストライキ、サボタージュ、デモ、道路封鎖、街頭占拠などにより基地機能を阻害するはずだ。非公然活動としては殺人、放火や爆弾攻撃もあるだろう。

革マル派はこう叫んでいる。

<沖縄県知事選では、辺野古への米軍新基地建設推進派の仲井真が、基地建設反対を訴えた翁長に約10万票差をつけられて大敗した。沖縄の労働者・人民がつきつけた圧倒的な「基地建設反対」の声が、安倍政権を震えあがらせているのだ。

知事選の結果を無視抹殺して「辺野古移設が普天間問題の唯一の解決策であり、粛々と進める」(官房長官・菅)などとほざいている安倍政権に、弾劾の嵐を浴びせよ!

安倍政権は、オバマ政権とともに、日米新ガイドラインの策定をつうじて日米新軍事同盟を対中国(対ロシア)の攻守同盟として本格的に構築しようとしている。

しかもそれを、「集団的自衛権行使」を合憲とする閣議決定を跳躍台として日本を一流の軍事強国へと飛躍させ、「日米同盟における日本の役割」を拡大するかたちでおしすすめようとしているのだ。

われわれは、日米新ガイドラインの策定・日米新軍事同盟のグローバル・アライアンスとしての強化を断固として阻止するのでなければならない。

オバマ政権とともに対中国戦争準備に突進する安倍ネオ・ファシスト政権の打倒にむけて反戦・反安保の一大奔流をまきおこせ>(解放11/24)

中共国民はいずこに国に暮らそうが、有事の際は中共の指示に従うことが義務付けられている。中共は彼等や革マルなどの第五列に資金や武器を提供するだろう。

彼らが公然、非公然に暴れる前に米国に対する「私戦予備及び陰謀」罪などの容疑で拘束しなければならない。「対中国戦争準備」に遺漏があってはならない。(2014/11/26)

◆「金」が韓国「風船ビラ」怖がる理由

宮塚 利雄



北朝鮮側に拉致問題の解決に向けた強い態度を示すには「行かないリスク」よりも「行くリスク」のほうが少ない、と日本政府は国民を説得し、代表団が平壌へ出かけた。

北朝鮮側はこれに対し「前の調査は焦っていたこともあり、ずさんな調査だった」「今度は拉致に関わった特殊な機関も調査するので、待ってほしい」と、慇懃(いんぎん)な説明をして日本側をけむに巻いた。しかも、前例がないという特別調査委員会の少将の軍服を着た委員長なる者を登場させ、それらしき建物を見せて日本側を安心させたのである。

ところが、金正恩第1書記の関心は、どうやら他のことにあったらしい。つえを振り回して怒り心頭の形相で「早くぶち落とせ」と命じたのは休戦ライン上の韓国側から「自由北韓運動連合」などの民間団体が北朝鮮側に向けて飛ばす風船ビラであった。

小欄のいる山梨県の山中にも、朝鮮半島から飛んできたのではないかという風船が発見されたが、日本では、9月にこの県から北朝鮮に行った60人近くの友好親善団と同じく、世間からほとんど注目されることはなかった。

しかし、北朝鮮側=金正恩政権は風船ビラに異常な反応示した。「直ちにビラの散布を中止せよ、黙認すれば南北関係が破局に瀕(ひん)する忌まわしい事態が起きる」と恫喝(どうかつ)してきた。そしてついに飛ばされた風船が北朝鮮の領空に入るや否や攻撃を始め、その銃弾が韓国側にも落ちて韓国軍も応戦した。

金正恩第1書記が風船ビラを恐れるのは、ビラに「金王朝の実態暴露と打倒」の文字があるからだ。金正恩第1書記は相手が強く出てくると狼狽(ろうばい)し、ついまともな対応をしてしまうところがある。

 拉致問題の解決も同じである。本欄の超辛口コラムニストである宮嶋茂樹氏を団長に、“不肖・宮塚”が通訳、そして平壌側に「こいつらが一番悪党」と呼ばれた産経新聞を加えた代表団を改めて派遣したらどうか? 戯言と一笑に付すなかれ。もはや北朝鮮に正当な交渉術は通じないことを知るべきである。

               ◇

【プロフィル】宮塚利雄

みやつか・としお 山梨学院大学経営情報学部教授。1947年、秋田県出身。高崎経済大卒。韓国・檀国大学校大学院経済学科博士課程単位取得満期退学。専門は朝鮮近代経済史。主な著書に「北朝鮮驚愕(きょうがく)の教科書」(宮塚寿美子との共著)など。

産経ニュース【宮塚利雄の直球&曲球】2014・11・27

◆「チョロ」の国家機密

渡部 亮次郎



日本の元総理大臣が外国に招待されて打ったゴルフの第1打が、あろうことか「チョロ」だった。本人すかさず側近に「これは国家機密だッ」と緘口令を敷いた、という笑い話。

隅田川に上がる豪快、華麗な花火(2007・07・25)を見ながら聞かされた話だ。福田赳夫が総理を辞めてから、朴正煕韓国大統領が殺害される3ヶ月前の話だというから、時は1979年7月。ソウル市郊外の有名ゴルフ場である。

歴史書を紐解けば、福田は自民党総裁選には初めは田中角栄との「角福戦争」(1972年)に敗れて雌伏。やっと1976年に大平正芳との密約成立により総理総裁に就任、70をとうに過ぎていた。

密約の在任期間は「2年」。ところがもっとやりたい福田は密約を一方的に破って大平に対抗出馬。やはり、あえなく敗退。「天の声にも時には変な声がある」との迷科白を吐いて恥かしさを誤魔化した。

私はこの頃すでに外相園田直(すなお)の秘書官だった。それ以前NHKで福田派担当記者だったから、福田を比較的、良く知っていた。誘われてゴルフも何回となくしたが、ロンドン仕込みとはいえ腕前は上等とはとても言えなかった。

その福田が朴大統領に招かれるについては、親分岸信介と朴との関係に遡って親密な関係にあった。朴は先にライバル金大中拉致事件では当時の総理田中角栄に現ナマを贈って政治解決を図るなどしたが、岸・福田ラインとの親密さは不変だった。福田を慰労し、発展する韓国を見せたかったのだ。

花火を見上げながらの話だと、朴は福田を招待するについて、随分気を遣った。特にゴルフについては福田が老齢ゆえ、きつい坂は堪えるだろうと春ごろに坂を削るなど改造させて待った。

当日は側近の安倍晋太郎、石原慎太郎、森喜朗らが同行。迎える朴大統領は一行の靴下やパンツからクラブなど道具一式を選り取りみどりをデパートを現地に出張させて用意するという念の入れ方。図体の特に大きい森の身体に合うサイズ取り揃えてあったのには一同感服。

大統領が日本の前総理とゴルフをするというのだから、警備は大変。警察官がティーグラウンドからフェアウェーに沿って10mおき、後ろ向きに並ぶ。北朝鮮が攻めてきたら大変、それに備える態勢だから緊張が走る。ボールが当る危険性、十分。

かくて朴が第1打。あっ、なんと30mぐらいの「チョロ」。上空から警備のヘリの騒音に緊張したのか。

朴正煕は植民地統治下の朝鮮慶尚北道善山郡(現在の亀尾市)で生まれた。貧しい農村部家庭の末子であった。

小学生の頃は、学校に弁当を持っていけないほど生活は苦しく、酒に酔うたびに友人や側近に「俺は本当の貧しさを知っている」と語っていたという。

1963年8月に軍を退役し、大統領選に出馬。前大統領の尹を破り、自らが大統領の座に就く。1965年6月22日には、日本との国交を回復(日韓基本条約)。この条約の締結により得た資金を不足していたインフラの整備に充てた。福田がその頃、大蔵大臣だった。

次いで打ったのは福田。はっ、これはもっと酷い「チョロ」10mも行っていない。ところが福田は平然「三尺下がって師の影を踏まず!」一同、大拍手で緊張が解けた。直後、傍にいた顔見知りの日本大使館員に「これは国家機密!」と緘口令を敷いたのだ。

釜山・馬山で民主化暴動が起こっていた1979年10月26日、側近の金載圭KCIA部長によって射殺された(10・26事件)。享年61。国葬が執り行われ、遺体は国立墓地顕忠院に葬られている。朴大統領は1985年には自ら下野すると側近に話していたという。

葬儀に日本は本来、総理大臣大平正芳が参列すべきだったが、日韓議連会長岸信介を派遣した。手間取って岸は葬儀に間に合わなかった。

埋葬の儀は外国人はオフリミット。それでも岸はOK。大使館の韓国側とりなしなど苦労は大変だった。

やはり埋葬にしか間に合わなかったフィリピンのマルコス大統領夫人イメルダが大泣きして娘さんを抱きしめるのに、岸は沈黙。対照的だったそうだ。(文中敬称略)

2014年11月27日

◆憲法第9条は「包装紙」にすぎない

加瀬 英明



衆参議員会館前の歩道に、秋雨に濡れながら、「憲法第9条を守れ」と書いたプラカードを持った十数人が立っていた。

それほど、第9条が素晴しいものなら、ウクライナまで出かけて、9条の崇高な精神をウクライナ国民に説くことを、奨めたい。

プラカードを手にした男女は、9条が「金甌(きんおう)無欠」のものだと、固く信じているにちがいない。

戦前、昭和12年につくられた『愛国行進曲』に、「金甌無欠揺らぎなき、我が日本の誇りなれ」という歌詞があった。

だが、いったい、憲法第9条は全世界に向かって、胸を張って、誇れるものなのだろうか?

「平和憲法」と、誤まって呼ばれているが、誰もが、アメリカが占領下で日本からいっさいの武装を解除して、日本を未来永劫にわたって属国とするために、押しつけられたことを知っていよう。

憲法というものの、憲法を装った不平等条約である。

日本文化の大きな特徴の1つは、「包む」ことに、異常なまで執着してきたことだ。

東大卒であれば、80、90の爺さまになっても、「あの人は東大出だ」といわれる。

高島屋の包装のほうが、「西武百貨店」の包装よりも、有難がられる。

御進物は、中身よりも包装のほうが、立派なことが多い。

日本女性を包む着物は、世界のどの文化の衣(ころも)よりも、贅沢なものだ。世界のなかで、もっとも金(かね)がかかっている。

日本の花嫁衣裳、歌舞伎の装束や能衣装をとれば、マリー・アントワネットたちがベルサイユ宮殿で纏ったドレスや、中国の歴代の皇妃たちの衣装を圧倒している、絢爛豪華なものだ。

つい、このあいだまでは、洋酒のジョニ黒や、輸入物のブランデーを貰うと、桐の箱に入っていたものだった。

昨年は、富士山が世界文化遺産に登録されたところ、登山者が急増した。今年は、群馬県の富岡製糸工場が、世界文化遺産に指名されたが、それまでは誰も訪れることがなかったのに、観光客が殺到するようになった。

日本は、包装文化なのだ。日本国民の多くが、憲法第9条も包装紙にすぎないのに、アメリカが日本を無抵抗な国民にするために、銃剣によって脅かして、強要したものだという、中身をよく見ようとしない。

平和は祈ることや、念じることによって、もたらされない。平和は国民が努力して、創りだすものだ。

議憲派の人々は昭和20年に金甌無欠の日本を守るために、「一億玉砕」の掛け声のもとに、「神州不滅」を念じて、竹槍を持って本土決戦に備えたことを、連想させられる。

多くの国民が神風が吹いて、日本が最後の勝利をおさめると、教えられていた。

青年たちによって、「神風(しんぷう)特別攻撃隊」が結成されて、敵艦に突っ込んでいった。

元寇にあたって、全国の神社仏閣で護摩壇を設けて、敵国降伏を祈った。

しかし、それと同時に、全国の武士たちが肌赤、褌(ふんどし)に日本刀をぶち込んで、槍を手に博多湾に集まって善戦したために、祖国が護られた。

9条という衣を脱ぎ去って、素っ裸になって、日本の行く末を考えてほしい。

◆トルコの動きに注目

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)11月26日(水曜日)通巻第4407号 >
 
〜トルコのエルドアン政権、ますます欧米との協調から距離をおいた  
エジプトのシシ政権は「合法性がない」と外交関係の回復を拒否した〜

トルコのイスラム回帰を欧米メディアは危険視し始めている。

トルコ北方でトルコ軍は現在、クルド族志願兵への軍事訓練を実施している。クルド塀はおよそ230名と言われる。

11月24日、エルドアン大統領は「エジプトのシシ軍事政権は 合法性がない」と強く批判し、「八月にかけて、(ムスリム同胞団など の)市民3000人を虐殺した軍事政権はいかなる意味から民主的といえるのか」と批判のオクターブをあげて言い放った。

「シシ政権は非合法である。われわれは外交関係の正常化を留保する」

イスラム原理主義過激派の台頭が産油国の安定を揺るがしている最中に、まして欧米がISIL(イスラム国)を敵視して空爆を行い、資金源を絶つための協力作戦を敷いているときに、「NATO」の一員であるトルコが、際立って異なる政治的立場を表明したことに欧米はとまどいを隠さないでいる。

トルコへの最大援助国のひとつである日本としては、このトルコの大胆なイスラム化の動きに鈍感ではおられないだろう。
         

◆「核」が日中開戦を抑止する(78)

平井 修一



習近平は南シナ海の島嶼に軍事基地を建設しだした。それを潰す覚悟を我々は固めなければならない。

以下「中国の暴走を止めるのは無理? 制止するリスクを負う覚悟を」
(ウェッジ9/22)の岡崎研究所の論考から。
・・・

中国は南シナ海の係争中の5つの島嶼に灯台を建設する計画を発表したが、関係諸国がこのような一方的行動を放置すれば、アジアの係争水域における中国のプレゼンスは益々大きくなるとして、米AEI日本研究部長のオースリンが、8月12日付ウォールストリートジャーナル紙で警鐘を鳴らしています。

<東アジアは平和に見えるが、表面的な安定の下で、地域の状況を大きく変える可能性がある、懸念すべきパワー・ポリティックスの動向が見られる。中国が、紛争地域における自国の主張を押し付ける方針であることを示す一方、米国の地域における影響力は弱まってきている。

中国は、南シナ海の係争中の5つの島嶼に灯台を建設することを発表した。このようなエスカレーションは、ベトナム、フィリピン、台湾の領有権主張を切り崩すことが目的である。

東南アジア諸国の懸念が高まる中で、中国の影響力は増大している。8月のASEAN地域フォーラムでは、如何なる国家も海洋において挑発的行動を執るべきでないとする米国の提案は、中国その他の参加国により退けられた。

時を同じくして、中国は海警の艦船を尖閣水域に派遣した。日本政府が最新の防衛白書で同諸島周辺での中国の「危険な行動」を批判した直後のことである。日本が、厳しい批判により中国の威嚇行動を抑止できると期待していたとすれば、それは誤算であったことになる。中国は、日本の決意の程度を試しているものと見られる。

日本が中国の破壊的行動を公然と批判することを避けてきた時代は去った。安倍総理は、中国の軍事力増強を懸念するアジア諸国の安全保障のパートナーになることを申し出た。日本政府はベトナムに中古の巡視船用船舶6隻を供与する計画を発表し、フィリピンに対しても10隻の巡視船を供与することとしている。

7月に日豪両国は先端的潜水艦技術の共同開発に合意している。日印間の協力関係強化は両国首脳の優先課題となっている。

しかし、以上のような戦略関係の変化は、中国が領土紛争に対する姿勢や軍備増強を見直すことには繋がっていない。むしろ、近隣諸国のこのような反応は、中国の軍近代化計画を正当化する理由に使われている。東アジアでは、全ての関係国が態度を硬化させており、きわめて不安定な状況にある。どの国も一国で中国に対抗することはできない。

板ばさみになったアジア諸国は、中国のイニシアティブに反応するしかない。更に厄介なことは、中国が米国を外交的に孤立させようとしていることである。王毅外相は、米国を部外者扱いして、「アジア諸国」に対し、外部の干渉無しに共同で問題を解決しようと呼びかけた。

そのような手口は、米国がアジアの信頼できる一員であると見做されている限り通用しないが、紛争水域における事態の進展につき米国の影響力が弱まれば、アジア諸国が直接中国と取引する他ないと考える可能性は高まる。活発に動き始めた日本も、地域全域での中国の主張に直接対抗するまでには至らない。

米日両国は、アジアの力のバランスがゆっくり変化することを望んでいる。両国は、中国が孤立を深めていることを意識すれば、その態度を和らげるものと期待しているようである。

しかし、中国を孤立させようとする両国の試みは、望んでいた結果を挙げなかった。更に圧力を掛ければうまく行くかは疑問である。中国が追い詰められたと感じれば、更に頑なな立場を執る可能性もある。

協力関係を深めている国々もあるが、中国が地歩を固めていくことに直接挑戦することはほとんどない。中国が今後ともイニシアティブを押し付ける限り、アジアの戦略バランスは、中国が有利になる形に徐々に再編されていく。

域内の軍事力を有する国々が、中国の灯台建設を力で阻止する等の共同の圧力をかけることが、唯一、中国に行動を改めさせる方法であろう。ただ、そのようなことが出来る可能性はほとんど無いので、アジアの紛争水域での中国のプレゼンスはますます増大することになろう。(以上)
・・・

岡崎研究所曰く、「ここでのオースリンは、極めて悲観的な見方を示しています。オバマ政権の無策に対する危機感や批判の意味も込められているものと推測されます。

確かに、現状において、南シナ海の領土紛争について、米国が中国と直接軍事対決する可能性は高くありません。しかし、中国のベトナム水域での石油試掘に際するベトナムの抗議行動が中国の国際的イメージを損なう上で一定の効果を挙げたことも事実です。

日本のベトナム、フィリピンへの巡視船供与は、両国が中国の一方的な行動に対抗する上で一定の効果を持ちます。紛争発生時に米国が周辺水域に艦船を派遣するだけでも、それなりの意味はあります。

関係諸国が中国の一方的行動について広く世界に報じ、中国のイメージ低下を図ることは、最低限の対抗措置といえるでしょう」(以上)

我々は中共殲滅のために「何をなすべきか」。

習近平以外に「汚職撲滅」なんて本気で思っている幹部は支那にはいないということ。皆、上から下まで儲けたいのだ。蓄財、そして蓄妾が生き甲斐なのだ。軍隊は習のハエ叩き、虎退治には「面従腹背」になった。誰も言うことを聞かない。

李克強は経済を構造改革(市場経済化推進)でソフトランディングさせたいが、習は相変わらずのインフラ投資で活性化できると思っている。リーマンショックの時に48兆円を投入して中共経済が世界に先立って立ち直ったから、そのパターンで鉄道やら空港建設でガソリンを注げば上手くいくと思っている。

ただ、もう金はない。動かせる金は10兆円だけだ。たかが知れている。貯め込んだ400兆円のドルを大量に国内市場に注ぎ込めば(ドル売り元買い)ドル安になり、資産が減る(あっという間に40兆円が消える)から、なかなか難しい。元が高騰して輸出競争力も弱まる。

中共経済は手詰まりになった。外交も失敗した。周辺国は完璧に反中包囲網になった。習近平は「投資銀行」などあれこれ弥縫策を企てているが、効力はないだろう。

今、我々が強めるべきは反中包囲網、ABCDならぬ「3AEJI」包囲網だ。America, ASEAN, Australia, Europe, Japan, India。中共経済は確実にへたれてきた。絶対に我々は勝てる。(2014/11/24)