2014年11月14日

◆G7よ、さようなら、と露西亜

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)11月13日(木曜日)弐 通巻第4392号 >   

〜「G8よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(プラウダ)
 「イスラム国の中国敵視は米国の陰謀」(中国)と華字メディアが分析〜

1998 年から2014年まで「ロシアとG7の仲良し時代」は16年間続いた。「情事は終わった」とプラウダが書いた(11月11日)。「西側のロシア敵視政策への転換はモスクワをして、否応なく北京に近づけた。これはオバマ外交の愚策である」(アジアタイムズ、11月10日)。

米国は中国の野心を低く見積もり、同時に中国が対米外交に慎重であることを正確に認識できなかった。プーチンを孤立へ追いやった結果、ロシアはついにS400という防空システムを中国へ供与することとなった。

中国はTPPに対抗するためFTAAP構想を突如打ち上げ(その工程表に賛成したのは韓国だけだったが)、ついでADB(アジア開発銀行)に対抗するため「アジア・インフラ投資銀行」を設立し、IMF・世銀体制に挑戦するために「BRICS銀行」を短兵急につくった。これでドル基軸体制に立ち向かうというが、資本金がドル建てであるという基本的矛盾に対して整合性のある回答がない。

これらは西側が推進したWTOに遅れて加盟しても、まったくルールを守らない中国に業を煮やした米国がTPPを環太平洋に構想し、これを脅威と見る中国が唐突にFTAAPをぶち挙げて牽制するパワーゲームの経済版だ。

しかしあまりに拙速であり、くわえて「上海協力機構」にインドを引っ張り込もうとして「新シルクロード構想」も打ち上げる。

後者は中央アジアのイスラム圏懐柔が裏の狙いだろうが、率直に言ってテロリスト対策が主眼である。

シリア内戦とイラクの末期的混乱から生まれた「イスラム国」は2007年から08年まで米国が軍事訓練し、育てた。

「いずれイスラム国を使そうして中国に刃向かわせ、混沌状態におとしいれようとしているのは、米国の陰謀である」と中国の戦略研究家は見ているそうな。(アジアタイムズ)。

そして中国と表面的な蜜月を演出するプーチンは北京で習近平と握手し、習近平夫人にコートを差し出して緊密ぶりを再演したが、同時に安倍首相とも懇談した

プラウダ英語版が書いた。

「G7よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(2014年11月日)。

◆中国バブルは何時弾けるのか

池田 元彦


過去10%以上のGDP成長率を誇ってきた中国だが、今年前半は7.4%に減速したことを認め、年間では7.5%の見通しとしている。しかし識者によれば、実態は精々4%程度との見方もある。それどころか、中国繁栄の裏にバブル崩壊の兆しがあり、一部には崩壊は既に始まっているようだ。
 
GDP に占める割合が16%という異常な不動産投資で繁栄を謳歌していたが、今や事実上バブルは弾けている。何年も前から主要都市開発において、不動産の販売が停滞化しているのだ。

北京では、本年5月は前年度不動産売上の80%減、或は販売価格の大幅下落となっている。

中国全土に誰も住まないマンション群、借手のないオフィスビル群が続出し、将に新築のゴーストタウンが彼方此方に放置され、増加している。資金繰りのため、販売価格の大幅値下げ、支払不能に至り、大手開発会社社長や共産党幹部が一家諸共夜逃げや海外逃亡をしている。

政府の金融引き締め策で銀行は金を貸さない。闇金融(シャドーバンキング)に高利で金を借り、高額で不動産を売るモデルで大儲けを企んだが、不動産価格の下落で二進も三進も行かない。闇金融は、只では済まさないマフィアが経営している。マフィアのバックには共産党幹部がいる。

そもそも地方政府の幹部が農民から土地を取り上げ、市場原理も理解せず滅多矢鱈と開発をさせ一儲けを企んだ。結果として、幾つもの省が既にデフォルト状態にある。共産党幹部と不動産業者は共倒れだ。業者は倒産、夜逃げ、共産党幹部は海外高飛び、或は自殺しか選択肢がない。

バブルが弾けたら、不良債権は300兆円以上となるとIMFは既に試算している。日本のバブル崩壊でさえ40兆円だった。銀行やシャドウバンキングの債務不履行を含めれば、全体で1200兆円以上のデフォルトが見込まれる。来年2015年にもバブルの本格崩壊勃発の可能性がある。

米国の住宅バブル崩壊は、低所得層向けサブプライムローンの焦げ付きが原因だった。同じ住宅バブルでも、中国は共産党幹部による地方行政の恣意的不動産投資、それに乗った開発業者の無謀な建設ラッシュの結果、理財商品の焦げ付き、即ち一般庶民の怒りの暴動が予期される。

日中貿易額は2年連続で減少し、2103年は前年度比6.5%減だ。中国への輸出は10.2%減少がそのまま日本の輸出減少の主要因だ。勿論不動産建設関連や重電機器、鉄鋼が二桁台減少、その他設備投資が一巡し、輸出するものが粗飽和に近づいたことも原因と思われる。

経済崩壊危機に加え、香港自由化、チベット・ウイグル地区反政府運動、30万件の農民暴動に加え、投機した一般庶民の反政府暴動が加わる。共産党幹部は海外に家族共々不正資金を移し、欧米の高級住宅を買い漁り、中国、共産党自体の崩壊を予期している。共産党政治の崩壊だ。

このような状況下で、中国を議長国とする初めてのAPECが北京で開催された。日本にとり中国は対世界貿易20%を占める最大の貿易相手国だ。首脳会談実現が危ぶまれたが、習近平主席の本音は安倍首相との会談が是非共必要だったのだ。ぎこちない握手と、拗ねた表情で分かる。

靖国参拝は一貫して曖昧、尖閣問題はないと突っぱねた。安倍首相の姿勢は高く評価される。一方的な言い掛かりを条件にして会わないという方が、愚劣で異常な対応なのだ。

横浜APECの時、胡錦濤主席との会談で紙面を棒読みする菅首相の卑屈かつオドオドとした態度に日本国民は落胆し呆れた。安倍首相は習主席の非礼に鷹揚に対するだけの度量があった。

◆首脳会談で敗者となった習主席

石 平


北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で安倍晋三首相との初の首脳会談に臨んだ習近平国家主席の態度は異様なものだった。こわばった表情はホスト役としていかにも不自然で、笑顔の安倍首相に挨拶の言葉をかけられても反応すらしなかった。

余裕のある安倍首相の自然体と比べれば、習主席の態度は稚拙そのものだ。国際会議の晴れ舞台で「自信満々の大国指導者」を演じていたはずの彼が何ゆえにこんな失態を犯したのか。

政権発足以来2年間、習主席はずっと安倍政権と対決路線をとってきた。日本との首脳会談を拒否する一方、国内外においては「安倍叩(たた)き」を進め、「極右分子・危険な軍国主義者」などの汚い罵倒を安倍首相に浴びせた。そして尖閣周辺の海域と空域では日本に対する挑発行為をエスカレートさせている。

一方の安倍首相はその間、一心不乱に中国包囲網の構築を目指すアジア外交を精力的に展開した。日米同盟を強化した上、東南アジア諸国との連携を進め、あらゆる国際会議の場を借りて「力の支配」を企(たくら)む中国に対する批判と牽制(けんせい)を行った。

その結果、アジアで孤立を深めたのは中国の方であった。一時にはベトナムとフィリピンが反中国の急先鋒(せんぽう)となってしまい、ASEAN諸国の大半も安倍首相の中国批判に同調する方へ傾いた。気がついたら、習主席のアジア外交は袋小路に入っていた。

習主席は何とか劣勢をはね返して外交を立て直そうとし、中国が議長国を務めるAPECが最大のチャンスとみて着々と動き出した。まずはベトナムとの対立を緩和させ、フィリピンとの領土紛争も一時的に休戦させた。経済援助を手段に一部のアジア諸国を手なずけた。準備万端整えた上で習主席はAPECの大舞台に立ったのである。

しかし彼には心配事があった。安倍首相の出方だ。中国が招かなくても、安倍首相が国際会議参加のために北京にやってくる。そしてもし、安倍首相がこの重要会議において相変わらずの中国批判を展開していたら、中国にとっての晴れ舞台が台無しになってしまう。会議を利用してアジア外交を立て直そうとする習主席の企みは、ご破算になりかねない。

中国は結局、安倍首相を「野放し」にするようなことはできなかった。そのためには首脳会談に応じる以外にない。もちろん中国はそう簡単に折れたくはない。「領土問題の存在を認める」「靖国は参拝しない」という2つの条件を日本側に突きつけた。

しかし、安倍首相は最後までそれを拒否した。窮地に立たされたのは習主席の方である。そしてAPEC開催の3日前、日中間でようやく4項目の「合意文書」が交わされた。もちろんそこには「靖国」のやの字も入っていないし、日本が認めたとされる「異なる見解」は決して「領土問題」を指していないことは一目瞭然だ。つまり中国は、日本側に突きつけた2つの「条件」を自ら取り下げて首脳会談に応じた。

こういうことを強く意識しているからこそ、安倍首相との会談の冒頭、習主席は自らの悔しさを覆い隠すために、条件を引き下げたことを国民の目からごまかすために、わざと無礼な態度をとって虚勢を張るしかなかった。その瞬間、習主席は文字通りの敗者となった。

習主席にとっての問題はむしろこれからだ。「靖国不参拝」を約束しなかった安倍首相はいつでも参拝できるが、首脳会談に踏み切った習主席にしては、安倍首相に「参拝されたら」大変なことになる。今後、安倍首相に気を使わなければならないのは習主席の方だ。安倍首相を怒らせるようなことはそう簡単にできなくなる。首脳会談後の日中関係で優位に立つのは、結局安倍首相の方ではないか。

【産経ニュース】 【石平のChina Watch】2014.11.13 07:04

                  〔情報収録 − 坂元 誠〕

◆世界の終わりの始まりか

平井 修一



松本太・世界平和研究所主任研究員の論考「残念ながら世界はますます悪くなっている」(JBプレス10/27)には考えさせられた。

氏の経歴は、東京大学教養学部アジア科、昭和63年卒。外務省入省。OECD代表部書記官、在エジプト大使館参事官、内閣情報調査室国際部主幹、外務省情報統括官組織国際情報官等を経て、平成25年より現職。以下、要旨紹介。

              ・・・

ミラノに来ている。ちょうど10月16〜17日にASEM首脳会議が開催されたのに伴って、イタリアのシンクタンクISPI(国際政策研究所)主催による欧州とアジアの有識者を集めた会合に招待されたからだ。

この2週間の間、ジャカルタに始まり、ワシントンDC、ロンドン、ミラノとぐるりと地球を一周回った。世界の有識者がどのように今の世界を捉えているのか様々な意見を聞いた。そして、筆者の見方もぶつけてみた。

その問いと答えは様々だが、1つだけ間違いなく一致していることがあった。「世界はすでにひどく悪い状況にあり、不幸なことに間違いなく一層悪い方向に向かっている」という赤裸々な認識である。

それにしても、わずかこの2週間の間にも、世界全体が一歩ずつ確実に悪い方向に向かっている。そして、そのスピードは誰もが驚くほどだ。

本稿では、世界の混乱が極まる中で私たちが譲るべきではない、いくつかの原則とは果たして何なのか、皆さんと虚心坦懐に考えてみたい。

*「世界の終わり」の始まり?

最初に、筆者がこの2週間の間にこの耳で聞き、この目で見た事実とニュースを次に簡単に並べてみよう。

ジャカルタでは、中東の「イスラム国家」を支援するインドネシア人サラフィー主義過激派の会合まで頻繁に開催されるようになっている。1カ月前には4人の新疆のウイグル系のイスラム過激派と見られる人々がスラウェシ島で拘束されている。マレーシア人の支援を受けてトルコに向かう途中であったという。

香港に向かうキャセイ航空では、「西アフリカのエボラ出血熱、中東地域の中東呼吸器症候群(MERS)、中国における重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行をふまえて、症状に疑いのあるお客様は香港当局に報告が必要となっています」との機内アナウンスがあった。

米国の感染症研究所CDCによれば、今、緊急対策がとられなければ、来年1月半ばには、エボラ出血熱の感染者数は140万人を超えるという。

トランジットで立ち寄った香港では、中環(セントラル)地区を若い学生たちが占拠し、倦むことなく、彼らの雨傘を掲げ続けていた。香港政庁も学生たちも今の状況に出口がないことは百も承知の上である。

ワシントンDCでは、多くの米国人有識者たちが11月の中間選挙以降、オバマ政権がレームダック化することに強い警鐘を鳴らし、これから2年間、世界はますますコントロール不能になるだろうと筆者にひどく悲しげに語ってくれた。

ロンドンでは旧知のアラブ人の友人たちが、イラク、シリア、リビア、イエメンは言うに及ばず、ほぼアラブ諸国の全てがもはや手に負えないほどに機能停止に陥っていることを嘆くばかりだった。とりわけ、イラクはもはや西部のアンバール県のほとんどが「イスラム国家」の手に落ちつつあり、今やバグダード空港陥落のおそれが囁かれつつある。

このような中で、倒したはずのサッダーム・フセインが生き還ってほしいと希望する人々さえいる。

フランクフルト空港では、ひどく厳密なセキュリティチェックが実施されていた。きっと、イスラム国家などによる爆弾テロを厳重に警戒してのことであろう。

そして日本への帰国フライトでは、エボラ出血熱に関するWHOの緊急事態宣言を受けて、西アフリカ諸国に過去3週間以内に滞在した者は日本の検疫当局への報告が義務付けられていることがアナウンスされていた。

筆者は(ミラノでの会議中)700年近く前の北イタリアのことをずっと考え続けていた。ジョヴァンニ・ボッカチオの著作「デカメロン」の世界のことだ。

ボッカチオは、黒死病が迫るフィレンツェの郊外の別荘に集まった7人の女性と3人の男性が語る100の物語を、デカメロンにまとめた。14世紀に猛威をふるった黒死病は、当時のヨーロッパの人口の3分の1から3分の2を死に至らしめ、欧州の人口が回復するのに1世紀半以上の年月がかかったという。

英仏の百年戦争が続く中で、ヨーロッパの諸都市は分断され、未曽有の混乱の中にあった。そのような中で、突如として黒死病が人々を襲うのだ。

混乱の極地に向かう中で、私たちはこの世界の秩序を成り立たしめている、基本的な原理や原則について改めて考えを巡らす必要がある。それは、決して資源や、水や食物といった物質的な問題ではない。

それを世界の規範と呼んでもいいだろう。それが難しければ、普遍的な法と言い換えても良い。逆に国際法と言うと、むしろずいぶん小さなもののように聞こえようか。

世界の各国が、普遍的なルールや規範を平気で犯すことを自らの利益のためにはもはややむを得ないと考え、さらには公然とそれをおおっぴらに語るようになるならば、その時に世界(の秩序)は終わるだろう。

それほどまでに私たちは今や極めて難しい局面にさしかかっている。比喩的に言うならば、世界秩序の底が抜けるか、抜けないかという瀬戸際なのだ。

だからこそ、そのような普遍的ではない、極めて特殊な秩序の形成を意図する者があるとすれば、私たちは、優柔不断な宥和的な姿勢をとることはきっぱりと断り、断固とした姿勢をとらなければいけない。なぜなら、こうした挑戦に対して宥和的な態度をとることは、私たちの生きる世界の秩序の本格的な崩壊を意味するからである。

*「悪」を「悪」と認めること

現在の世界の混乱に立ち向かう上で、最も重要な原則がある。すなわち、「悪」を「悪」として認められるかという、深刻な課題である。

例えば、「イスラム国」を悪としなければ、その時にあなたの世界は途端に終わることになる。なぜなら、サラフィー・ジハード主義者たちは、いかなる対話を重ねたとしても、あなたの自由な思想も、民主的な立場も決して認めることはないからだ。この点において、イスラム過激派との戦いは、本質的にナチズムに対する世界の戦いと同じなのである。

「人と人は対話を通じて分かり合える」と考えることは、実に立派な立場だ。しかし、この世の中には悪が存在することも真実なのである。悪との間では対話は決して成り立たない。世界が悪のために崖っぷちにある時、対話が不可能な相手との間でも、対話が可能であると夢想したり、さらには、それを他人に勧めることは、責任のある大人のすることでは決してない。

イスラム過激派との戦いの中で、過酷な状況に置かれているパキスタンの子供の未来は、まさにこのような断固とした立場を貫けるか否かにかかっている。(命懸けで声を上げ殺されかけた)マラーラの置かれた過酷な環境を、日本の相対主義的な思想の下で理解しようとするのは大きな間違いなのだ。

*悪に対峙しつつ悪にならないこと

同時に私たちは、この悪に対峙する上で、自らが決して悪にならないことを改めて誓う必要がある。どんな正戦にも正しい戦い方が必要なのだ。悪魔の土俵で悪魔の相撲をとれば、戦う前に負けていると言ってもよい。

世界が混沌とすればするほど、次のニーチェの言葉こそ、私たちは改めて肝に銘じておく必要がある。

「怪物と戦う者は誰も自らが怪物にならないように気を配るべきだ」(以上)              
               ・・・

宮本武蔵曰く、多数の人間と戦う時は、こちらが待っていてはいけない。敵が四方から攻めかかってきても、むしろ、こちらから、一方へ追い回す心で向かっていくべきである。待っていてはいけない。こちらから強く切り込み、敵の集団を追いくずし、切りくずしていくのである。

ナポレオン曰く、ひとたび「戦う」と決意したならば、その決意を持続しなければならない。もはや、「いや」とか「しかし」とか言うことは、断じて許されない。

トルストイ曰く、心のふれ合わない、腹黒い人々が、連合軍を作って行動し、民衆に悪をもたらしているとしたら、世界の平和と善意を望む人が、団結し、力を合わせて、悪に対抗すればよい。

チャーチル曰く、私には、血と涙と汗と労苦しか提供できるものがない。我々は全力で戦い、あらゆる犠牲を払っても勝利する。

小生曰く、西側諸国が軍を派遣し、必死でイスラム国を攻撃しているのに、日本が参戦しないことは正しいのか。むしろ卑怯ではないのか。武士道にもとるのではないか。蔑まれることは国益を大きく毀損する。撃て、日本人!包囲殲滅戦へ、いざ!(2014/10/29)

◆なぜ? 負け急ぎ解散

浅野勝人(安保研理事長・元内閣官房副長官)


〜正気の沙汰ではない「負け急ぎ解散」〜
   

衆議院解散・総選挙のリークは、消費税再引き上げ先送りへの抵抗をけん制するためのブラフと思っていました。

週刊誌や駅売り夕刊紙の売らんがための「総選挙、急浮上」の大見出しは、時に見せつけられるいつもの手口程度に受け取っていました。

ところが、毎日新聞や朝日新聞が一面トップで取り上げ、社説まで大真面目で俎上にのせています。

一面トップで勝負したら、誤報でしたとは言い訳できません。安倍サイドのそれなりの確認なしにここまでは踏み切れまい。このところただ事ではない様相を呈しています。

大方の有権者は「衆議院選挙を弄(もてあそ)んでけしからん」と思っています。何のために総選挙をするのかさっぱりわからないからです。

いったん決めた消費税再引き上げを先送りするなら、その理由をはっきり示して政策転換すればいい。なにも問題ありません。むしろ有権者は、当たり前の政策選択と思っています。

異論ありとすれば、国際公約に反し、国家百年の計を誤ると主張する財務省と財務省シンパの一部政治家だけです。

そもそも一つの内閣で同じ税を短期間に二度引き上げる天を恐れぬ所業を見たことがありません。それを避けたいと考える安倍首相の姿勢に間違いはありません。

正気の沙汰ではないと申しあげるのは、「だがら衆議院選挙をする」という思考の結びつきです。

総選挙の思惑の背景に「方針を転換して再引き上げを思い止まってやるから有難く心得よ」という思いが潜んでいるとしたら、それこそ思い上がりも甚だしい。

多くの有権者は、今、2か月も政治空白をつくって、経済政策の推進を等閑(なおざり)にすることが許されるものかどうか考えてごらんなさいと思っています。

アベノミクス、「ク」の字が欠けたらアベノミスになるかどうかの瀬戸際だと案じています。従って、とんでもない計算違いをする結果になるのは必至です。

民主党のミステイクでせっかく獲得した294議席を急いで減らそうとする理由が理解できません。

私たち安保研の仲間、杉浦正章が「ネット:今朝のニュース解説」で自民党は20〜30議席は減ると分析していますが、ホントにそんな程度の目減りでおさまりますかねえ。安倍さん、甘くありませんか。

2014年11月13日

◆馬英九「一国両制度」を否定

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)11月13日(木曜日)通巻第4391号 <前日発行>

 
〜馬英九、香港の民主化運動に押されて「一国両制度」を否定
  一転、台湾政府、中国の統一攻勢に強気の姿勢を表明し始めた〜


台湾統一地方選挙は11月29日。いまのところ野党優勢、国民党の敗色が日々、濃くなっていく中で、馬英九総統は従来の弱気な姿勢を一転させた。

「香港の学生らの民主化要求を支持する。香港は一国両制度のもとで言論の自由、司法の独立、法治が守られるはずだったのに、日々(中国共産党の圧力で)浸食されている。われわれ台湾は、かような状況が進行するとすれば、北京の言う『一国両制度』は受け入れられない」と馬英九は10月31日付けの『ニューヨーク・タイムズ』で主唱した。

人民日報系の大衆紙『環球時報』は、この馬英九の見解にかみついたが、強気の姿勢を崩さず、11月6日のスカンディナビア記者とのインタビューでも同様な意見を繰り返した。

いわく「一国両制度ではない。一つの香港であり、一つの台湾である」
 
これで馬英九台湾総統は香港の民主化運動に押されて「一国両制度」を否定したことになるが、世界の動きを見ながらAPECのタイミングを読んで、中国の統一攻勢に強気の姿勢を表明したことになる。

従来、低姿勢、どちらかと言えばおどおとした態度で北京に臨んできた馬政権だけに、一転した強気の主張をしはじめたことは注目される。

もっとも、選挙間近、弱気の姿勢をしめしていては国民党の敗色いよいよ濃厚となる懼れがあるため劣勢挽回狙いが大きな動機かもしれない。
 

◆韓国原発の恐ろしき実態

岡田 敏彦


【軍事ワールド】韓国原発、「欠陥・事故」続出の恐ろしき実態…偽造部品納入は当たり前、放射能漏れ数値は18倍増に修正 2014年11月12日


http://www.sankei.com/images/news/141107/wst1411070063-n1.jpg

偽物の不良部品が使われたり、事故を頻発させたりと危険きわまりないハンビッ原発の内部(KBSニュースより)

指定された正規の海外製部品を使わず、国内工場で偽造した安価な部品を納入したあげく、事故やトラブルを起こす-。韓国では軍の兵器だけでなく、最も 神経を使わねばならない原子力発電所でもこうした偽造が横行し、実際に配管亀裂や 緊急停止、放射能漏れなどの事故が続発し大問題になっている。

さらに修理箇所を間 違えたり、放射線量の発表数値を修正したりと事故後の対応も問題続きで、日本では 考えられないような原発の恐ろしい運営実態が明らかになってきている。

フランス製のはずが

原発の前にまず、韓国では最近も軍需品の偽造が次々と明らかになっている実態を示しておく。

MBCニュースなどは今月、軍用レーダーなど電子機器の冷却部品はフランス製の放熱ファンを使うよう指定されているにもかかわらず、実際は安価な台湾製 が納品されていた-と報じた。偽物が使われていたのは、誘導ミサイル装備のコムド クスリ級高速ミサイル艇「尹永夏(ユ・ヨンハ)」や最新フリゲート艦「仁川(イン チョン)」などの電子機器冷却ファンで、京機警察長国際犯罪捜査隊は納入業者を逮 捕した。

納入業者は台湾から仕入れたファンの製造ラベルを剥がし、フランス製を示す偽造ラベルを貼って軍に納入していたという。偽造納入は2004年から10年間続 き、その規模は約10万個、額にして14億ウォン(約1億4千万円)にのぼり、海軍主要 艦艇のほか陸軍の弾薬運搬車や衛星通信機器にも使われているという。

偽造の蔓延

こうした部品の偽造は、韓国軍では常態化。国防技術品質院が13年から過去7年間にさかのぼって納品された軍需関連部品の「公認試験成績書」を調べた結 果、241業者が成績書を偽造していたことが明らかになった。

上陸作戦で使うはずが池で浸水して沈没し、死者1人を出す事故を起こ した水陸両用装甲車K-21で268件の偽造が見つかったのをはじめ、K-9自走砲で197 件、新型のK-2戦車で146件など、同院の摘発は2749件にものぼった。チェ・チャンゴン 同院院長は「これらの業者は公認機関が発行する試験成績書を偽造したり、すでに発 行した試験成績書の点数や日付を変造して提出した」と説明。まるで正規部品の方が 少ないのではと思わせ
るような実態だった。

10月の北朝鮮警備艇との砲撃戦では、韓国高速ミサイル艇が装備する主砲2門が両方とも弾詰まりを起こして戦闘が不可能になったが、これも不正部品の納 入を疑う声が強い。さらに恐ろしいのは、こうした部品偽造の蔓延が原発にまで及ん でいることだ。

怖い原発の実態

現地の報道によると、今年10月17日午前2時9分、韓国全羅道霊光郡にある「ハンビッ原子力発電所」=旧霊光(ヨングァン)原発=3号機が、蒸気発生器の 異常で稼働停止し、放射能漏れ事故を起こした。

ハンビッ原発は1986年8月に竣工し、2002年までに6基の原子炉を建設したが、近年は周辺住民の不安をかき立てる事故を次々と起こしている。11年2月には5 号機のモーター内にドライバーを置き忘れたことが原因でモーターが故障し自動停 止。12年4月には6号機で燃料棒が損傷し、夏から秋にかけては2号機と5号機で蒸気発 生器への給水ポンプが故障した。

さらに同年11月には5、6号機で品質保証書を偽造した部品が取り付けられていることが判明。これをきっかけに韓国内で原発調査が行われたが、その結果、 新古里(シンゴリ)1〜4号機、新月城(ウォルソン)1、2号機で、安全系統の制御 ケーブル部品の品質保証書の偽造が発覚。しかもこの2原発の場合、偽造に手を染めたのは納入会社ではなく、なんと試験機関だったことが明らかになった。

中央日報電子版などによると、韓国内では原子炉の冷却材喪失事故を想定した高温、高圧下の試験を行う施設がなく、カナダの試験機関に依頼している。 その試験が規定の圧力条件を満たしていなかったのだが、「基準を満たしたように書 き換えられていた」(同電子版)という。

また新古里1、2号機と新月城1、2号機では、基準に関することだけでなく、試験結果も偽造されていた。もはや試験の意味などない。

トラブルはノンストップ

一方、渦中のハンビッ原発はその後もトラブルが止まらず、12年11月には点検中の3号機で制御棒誘導管84本のうち6本で亀裂が見つかり、再稼働が延期に。 今年3月には2号機で「原因不明」の停止事故が発生。10月3日には1、2号機で外部か らの電源供給が停止し、相前後して1〜4号機の火災感知器約200個も不良品だったこ とが判明した。

10月17日の3号機の放射能漏れ事故は、起こるべくして起きたというほ かない。しかもこの事故では、修理の際に故障箇所を間違えるという重大な人為的ミ スも起こした。朝鮮日報(電子版)などによると、2台ある蒸気発生器のうち、亀裂 が発生したのとは別の蒸気発生器を故障と判断し、経路を遮断したという。

さらに放射能漏れの総量について、原発側は当初1・1ギガベクレル(11億ベクレル)としていたが、10日後に「実は18・8ギガベクレル」(188億ベクレ ル)だったと18倍の量に修正。もはや何を信じていいのか分からない状態だ。

鎖の強度

こうした事故の背景には、「部品1つくらいなら」という軽い気持ちで 安い偽造品を納入する儲け主義や、「1カ所くらいなら」という安易な整備・点検の 姿勢があると指摘される。何事も一から設計して製造することをせず、技術の“パク リ”に走りがちな韓国特有の欠点といってもいい。「鎖の強度は、最も弱い輪で決ま る」という考え方を徹底しない限り、事故はなくならないだろう。
(情報採録:久保田 康文)

        

◆男は外職 女は内職がいい

平井 修一


「お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に」。男は外職(そとしょく)、女は内職(うちしょく)が本来の役割だと小生は思っている。その分際を超えると「牝鶏鳴きて国滅ぶ」になりやすい。女性に子供を産め、家事もやれ、外職にも励め、というのはちょっと無理筋ではないか。

「女性登用先進国の『不都合な真実』」(フィナンシャルタイムズ)から。

              ・・・

首相、財務相、さらには経済界の要職である雇用主組合と労働組合連合のトップに、女性が君臨する。ノルウェーが女性登用先進国と言われる所以である。

2003年、会社法改正により、同国の男女平等政策は民間企業にも広がった。上場企業の取締役会における女性の割合を40%以上とすることを義務づける「クォータ制(割当制)」が導入されたのだ。

国際的には、クォータ制は女性登用に一定の成果を挙げたと評価されている。だがノルウェー国内では、その効果を疑問視する声もあがっている。

ノルウェーではいまや、上場企業の取締役会における女性役員が40.7%を占めるまでになった。だが、実際に経営に携わる女性役員は6.4%にとどまる。さらに言えば、ノルウェーの大手上場企業で社長の座に就いている女性は一人もいない。

結局のところクォータ制は、企業社会の男女平等を後押ししたというより、経営の決定権を持たない女性役員の数を増やしただけだったというのだ。

この制度が非上場企業には適用されないことも、大企業にとっては抜け道となっている。03年に563社あったノルウェーの上場企業は、クォータ制が法的強制力を持つ08年までに、179社に激減した。

女性役員の比率を上げたくないがために、7割の上場企業が非上場に転じたのだ。その結果、役員ポストは上場企業全体で1400となり、現在570人の女性役員がいるにすぎない。他方、非上場企業の役員の50万のうち、女性が就いているポストは9万余り。女性の割合は2割にも満たない。(以上)

              ・・・

組織の人事は資質や能力による適材適所が理想である。それを無視して女性の比率を高めるために重要ポストにつけるなんて愚の骨頂だ。十分な能力を持たない副操縦士が、女だからという理由で機長に採用されるなんて危険極まりない。

米国の旅行会社の経営者は女性が男性を上回っている。小生は「さすが米国、男女平等が進んでいるんだなあ」と思っていたが、真実は「収入が低いから男は一家を支えられない。だから女が多い」。スーパーのレジみたいに奥さん連中がやる仕事なのだ。パートで一家を支えることはできない。

「牝鶏鳴きて内閣躓く」。LGBTのパレードに参加した「家庭内野党」は、「どんな人も差別されることなく幸せに、豊かに生きていかれる社会を作っていきたい」とネットに書いたそうだが、適材適所は区別、識別であり、差別ではない。

「女性が輝く社会」という言葉は美しいが、現実には「女性が疲れる社会」になるだろう。男はとっくに疲れ果てて家事、育児のシェアは所詮無理。男は外職、女は内職がいい。役割分担だ。

企業は220兆円もの内部留保金があるのだから従業員の給料をあげよ。さすれば「男女が輝く社会」になる。無理が通れば道理が引っ込むで、誰も子供を産まなくなるし、景気は良くならないぞ。(2014/11/12)

◆怒れる香港を理解できない北京

熊野 信一郎



民主化要求への対応が中国多元化の試金石に

2日経BPnet0 年11月11日(火) 

9月28日に始まった香港の民主化要求デモは、1カ月以上が経過した今でも解決の糸口が見えない。中心部の座り込みデモを率いる学生団体と香港政府の対話も開催されたが、落とし所がないまま長期化の様相を呈している。

今後、どのようなシナリオが考えられるのか。そして、このデモは日本を含む国際社会に何を問いかけているのか。香港政治の専門家に聞いた。

デモ開始から1カ月以上が経過しました。なぜ、これほど長期化しているのでしょうか。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141105/273445/photo01.jpg

倉田 徹(くらた・とおる)氏

立教大学法学部政治学科准教授。1975年生まれ、2008年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。03年から06年まで在香港日本国総領事館専門調員。日本学術振興会特別研究員、金沢大学人間社会学域国際学類准教授を経て現職。専門は現代中国・香港政治。著書に『中国返還後の香港』(名古屋大学出版会、2009年、サントリー学芸賞受賞)がある。

倉田:当初は続いても2、3日と見られていました。ただ、警察が催涙弾を使ったことで運動が拡散し、デモへの参加者が一気に増えたのです。結果、警察が数の力でコントロールできなくなってしまったという状況です。香港政府にとっても北京の中央政府にとっても、何より学生を中心とするデモ隊にとっても想定外の展開でしょう。

こうなってくると、落とし所が難しいですね。

倉田:現在起こっていることは、中国の権威主義的な体制と、香港の民主主義を求める勢力の対立です。2つの違う価値観の激突ですので、簡単には妥協点が見出しにくいんですね。

デモ隊側もこれ以上の全面対決を求めるわけではなく、北京政府を倒そうと思っているわけではない。逆に香港政府も中央政府も、これだけ注目が集まる中で力でねじ伏せることのマイナスをよくわかっている。

台湾でも韓国でも、アジア各国の民主化要求運動はその前の段階でひどい人権弾圧がありました。その反動で、民主主義を勝ち取った経緯があるのです。韓国では1980年、民主化を求める活動家や学生と軍が衝突して多くの死傷者が発生した光州事件がありました。台湾でも1947年の2・28事件や1979年の美麗島事件など、国民党による弾圧がありました。

香港には、そういう劇的なストーリーがありません。大陸から人や投資が押し寄せる中で、じわじわと街が中国化してきた。それが不動産価格の高騰といった目に見える変化だけでなく、日常生活のストレスとしてのしかかってきたのです。

裾野が広いせいか、デモの参加者や考え方にも多様性があるように見えます。

倉田:もともと金融街のセントラルでを占拠しようとした「オキュパイ・セントラル(中環)」計画は、どちらかと言うと頭でっかちで、欧米的な理念で生み出されたものでした。ですから、当初は香港市民に広く訴えかける力はそれほど強くなかったんですね。

警察が催涙弾を使うなどして強硬姿勢に出たことで、構図が変わりました。セントラルから逃げ惑う中で、デモの参加者が繁華街の旺角(モンコック)や銅鑼湾(コーズウェイベイ)などに拡散したのです。

銅鑼湾と旺角はいずれも繁華街で、デモ隊にとってみれば占拠しやすく効果も大きい。この2カ所は、少し色合いが違います。銅鑼湾は大陸からの観光客も多く、「民主主義教室」として中国へのアピール効果が大きい場所です。

旺角は大衆文化が凝縮されている街で、庶民にとっては「自分たちの街」です。そして、政府機関の集まる金鐘(アドミラルティ)では、政府と対峙する。3カ所それぞれが、独自の色を出し始めたのです。それによって、運動が単なる一部のエリートだけのものでなく、学生や庶民など幅広い層が関心をもつものへと変わったのです。

現場を見ると、それぞれ場所によって参加者もメッセージも違います。ただすべて「中国化への抵抗」というテーマに行き着く。香港社会の頂点から底辺まで、その意識でつながったのではないでしょうか。

だらだらと続く可能性が大

この先、どのようなシナリオが考えられるでしょうか。

倉田:3つの可能性があります。?政府が劇的に譲歩して学生の勝利?力による排除で強制的に運動を収束させる?当面、だらだらと続く。現状では、?の可能性が高いのではないでしょうか。

北京の方針ははっきりしています。「妥協せず、流血せず」です。これは、北京の強さと弱さを象徴しています。国内ではチベットやウイグルといった少数民族の問題を抱えているため、香港で妥協すればそうした方面への影響のみならず、国内のインテリ層を刺激してしまうことになります。

とはいえ、国際社会からの監視の目がこれだけ集まっているなかで、暴力的な弾圧もできない。その意味では、持久戦が続く可能性が高いでしょう。

2003年の50万人デモでは、香港政府は民衆に譲歩しました。当時の行政長官を更迭し、新たな経済振興策を導入したのです。当時と違って、香港政府のやり方も中国化したと感じています。最近の梁振英・行政長官の言動は、「北京にさえ支えてもらえればいい」という風にも見えます。その姿勢はまるで中国の省や直轄区の長と同じで、市民のため、という意識が薄くなっているのではないでしょうか。

 持久戦になれば、デモ隊側にとって不利ではないでしょうか。

倉田:学生側も政府側も、どこかで着地しなければならないという点では一致します。学生側と政府が対話をした時、香港政府は北京で香港を管轄する「今回の件を香港マカオ弁公室に報告する」という条件を出しました。

北京としても、そうした報告があれば、何かしらの反応を示さなくてはならないはず。香港の反中の原因の1つである、極端な経済の融合を調節してくるかもしれません。

注目すべきは、選挙制度についてどのような条件を出してくるかどうかです。もともと北京が2017年に普通選挙をやると言い出したのは、香港の政治問題を2017年で終わりにするためでした。それを、2022年や2027年にも改革可能とするといった条件を出してくれば、学生側にとっては大きな成果です。道路の占拠を解消するきっかけとなるかもしれません。

いずれにしても、中国政府にはビジョンはありません。その時の状況に応じて対策を出していくしかないでしょう。

経済というプレゼントはもういらない

 今回の件で中国政府の対応の仕方を見ていて、どのようなことを感じますか。

倉田:改めて感じるのは、香港の市民感情や価値観というものを、北京では理解どころか想像すらできていないのではないか、ということです。

言うまでもなく、大陸と香港の市民の考え方は全く違います。中国では、共産党という巨大なピラミッドの組織を前提に考えるので、ピラミッドの頂点がどこにあるのか、お金の出どころがどこにあるのか、という視点で問題を解決しようとします。

香港に対しても、10年前なら経済利益を提供しておけばよかったんですね。指導者が出かけて行って、香港経済の活性化につながる「プレゼント」を渡せば喜んでくれたのです。それが突然、「いらない」と突っぱねられたんです。

プレゼントと言っても、結局はマクロ経済のプレゼントで、観光や不動産などの業界に限られます。市民にとっては、インフレなどの悪影響はあっても、思っていたほど恩恵はなく、貧富の格差が拡大するだけということに気がついたのです。

だからこそ、今回の占拠は広く市民にも理解されていると。デモの参加者がこんなメッセージを出していたのです。「大衆は存在しない、群衆が存在する」と。自分たちはデモのリーダーに指示されて参加しているのではない。あくまで自発的に、自分の考えを持ってここにいるのだ、という意味です。

市民が独立した考え方を持ち、それを自由に表現する。そのことを、北京が理解するのは極めて難しいようです。フェースブックを制限して使えなくしている国と、SNS(交流サイト)の利用率では世界トップクラスの香港のギャップです。

北京も困惑しているでしょう。5年前までは、香港の対中感情は良かったのです。2008年に四川大地震が起こった時は、多くの支援が香港から寄せられました。そこから一転、坂を転げ落ちるかのように最悪になったのです。この間、何かターニングポイントとなるような事件があったわけではない。増え続ける大陸からの観光客に対する反感など、市民の日々の生活を通じて反中感情がじわじわと広がったのです。だから、これといった対
策を打ちようがないのです。

相容れない価値観の対立

 民主化要求だけではない問題がそこにあるということですね。

倉田:冷戦後、イデオロギー闘争が終結して中国も西側と同じようにお金儲けの道を突き進みました。ただ、価値観では今でも徹底的に違います。国益が最優先で、外国への敵愾心をあおって国内の団結を求める政治的なスタイルは、西側の価値観とは相容れない。

香港の市民は、そのように違う価値観が存在するという違和感を、世界の先頭に立って感じ取ってきました。2つの価値観を前にして、対立を辞さずに正面から立ち向かうべきか。それとも、経済や国際関係の安定を重視し、友好と経済利益を優先するか。その選択を、香港は世界に先立って迫られたのです。これは、中国と外交問題を抱える日本にとっても関係のない話ではありません。

今後、こうした価値観の対立の構図が新しい国際社会の争点になる可能性があります。経済のグローバル化で世界が1つになっているように見える中で、新興国と既存の先進国のずれが大きくなってきています。経済的利益の奪い合いよりも、価値観の対立が復活するという構図です。

香港の動きはその転換点の先取りかもしれません。一般的には香港の人は「商売ありき」と見られがちですが、変化が見えます。香港大学は過去、市民が「政治」、「経済」、「社会・生活」のどれを重要視するかを調査してきました。10年前は経済が70%と圧倒的でした。デモが起こる前の今年5月の段階で、初めて経済よりも政治が上回ったのです。

それは意外です。

倉田:マクロ経済拡大の成果はいずれ社会全体に浸透すると思ったら、強権体制や腐敗の中でそういう効果は限られてしまった。金持ちはより豊かになり、庶民は困るだけじゃないか、という実感があるのではないでしょうか。

何より、それは中国国内でも同じです。中国は、国内でパイを分配することで、現在の政治体制を維持してきました。パイが大きくなっている間はそれは機能するでしょうが、香港はパイがこれ以上大きくなりにくくなり、不満が出た。中国の経済成長が鈍化すれば、今度は大陸の中でも利益の分配が難しくなり、近いことがおきかねません。

北京サイドが、今の香港の動きをそのように捉えられているかどうか。

倉田:これまでの経済と力に頼る方法以外に、どのような選択肢があるのか。今後は中国もより多元的な、民主的要素を取り入れた政治体制を作っていかなければ維持しきれないはずです。

香港のデモ隊と対峙する中でそのことに思いが至れば、中国の将来も変わってくるはずです。ただ残念ながら、これまでの北京の動き方はこれまでと同じような発想に留まっているように見えます。誰がデモの首謀者で、そこにどう働きかければいいか、といったアプローチです。

習近平体制となってから薄熙来や周永康といった異分子を潰す方向で動いてきました。ピラミッドをより強固にしようという考えは簡単には変わらないのでしょう。

香港のデモは徐々に報道も少なくなってきています。

倉田:今後、何らかのポイントでデモ隊が道路から撤退する可能性はあります。デモ隊が解散した後にこそ、日本を含めた国際社会がちゃんと見ていないとまずい。

デモが終われば、見えないところで締め付けを強化するに違いありません。これまで、自由が失われるそうした状況にしてはならないと、英BBCや米CNNが盛んに報道し、経済学者のポール・クルーグマン博士も発言したのです。劇的な変化が静かに起きていく香港を見守っていく必要があります。

(情報採録:久保田 康文)

2014年11月12日

◆日清・日露両戦争記念顕彰国民大会

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)11月11日(火曜日)通巻第4389号>


〜日清・日露両戦争記念顕彰国民大会
11月18日(火)6:00 於 憲政記念館〜


日清・日露両戦争記念顕彰国民大会が開催されます!
中国の横暴をこれ以上許せるのかと愛国者が結集
     
本年は日清戦争開戦120年、日露戦争開戦110年に当たります。これを記念して両戦争の意義をしのび、先人を顕彰する国民大会を来週の18日に開催します。

これに先立ち2回ほど研究講演会を開催してきましたが、いよいよ来週本大会を下記のとおり開催しますので、万端お繰り合わせのうえご参加くださいますようお願い申し上げます。

                 記
 
とき   11月18日(火)6時(開場5時30分)
ところ  憲政記念館 講堂(千代田区永田町1丁目1−1)
参加費:1000円(学生無料)
記念講演 小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
    平間洋一(元防衛大学校教授)
    宮崎正弘(評論家)
    村松英子(女優・詩人)
主催:日清日露両戦争記念顕彰の会 共催:呉竹会
  共同代表:加瀬英明、頭山興助 大会顧問:小田村四郎、中条高徳
  後援:靖国神社、乃木神社、東郷神社、偕行社、水交会、日本会議 
不二歌道会、展転社、アジア自由民主連帯協議会、史実を世界に発信 する会、日本アジ ア会議
申し込み:日清・日露両戦争記念顕彰会事務局
 TEL 03-5980-9701 FAX 03-5980-2401 mail: nissin.nichiro@gmail.com

<日清日露両戦争記念顕彰国民大会 趣意書> 今年平成26(2014)年は、明治27(1894)年の日清戦争開戦から120周年、明治37(1904)年の日露戦争開戦から110周年を迎えます。

私達はこの記念すべき年に、日清日露両戦争の歴史的意義と先人の偉業を再確認するための、かつ、両戦争の現代的意義を捉え直すことを通じて、現在の日本の危機を乗り越える方向を考えるための「日清日露両戦争記念顕彰国民大会」を開催致します。

日清戦争とは、片や前近代的な華夷秩序のもと朝鮮を属国として内政に干渉し、大規模派兵をはかる清国と、片や朝鮮の独立国たるを支え東洋平和の確立を目指す日本との戦争でした。

日清戦争における日本の勝利は、華夷秩序体制を根本から覆し、清国国民に自国の近代化や民主化の必要性を悟らせ、後の辛亥革命にもつながっていきます。東アジアの近代化は、この日清戦争から始まったと言っても、過言ではありません。

日露戦争とは、当時、世界を覆っていた欧米の帝国主義体制のなかでも最強の大国であったロシア帝国のアジア侵略に対し、これを日本が自国の存亡を賭けて阻止した戦争でした。

日露戦争における日本の勝利は、白人帝国主義による世界支配を揺るがし、植民地化されて喘ぐ全世界の被抑圧民族に希望を与え、民族独立運動の覚醒を促しました。日露戦争は、約40年後に東京で行われた、史上初の有色人種サミットたる大東亜会議によって、自存自衛の戦争目的に加えて、白人支配からのアジア解放という大義を得た、あの大東亜戦争の先駆けだったとも言えましょう。

そうした両戦争に鑑みるならば、現在の東アジアの状況はどうか。中国はかつての華夷秩序を再現しようとしています。中国の植民地と言うべきウイグル、チベット、南モンゴルなどの各民族は、欧米支配時代より以上の苛酷な弾圧下に置かれており、東南アジア諸国や我が国は固有の領土を侵略され、あるいは侵略の脅威に直面しています。

朝鮮半島情勢は、中国、韓国、北朝鮮、米国、ロシアなどの複雑な相互関係のなか混迷を極めています。

私達は、アジア諸国諸民族が連帯することによって、自由で平和な、民族自決に基づくアジアを実現するためにも、上記の日清日露両戦争顕彰国民大会を今年11月18日に憲政記念館にて開催する次第です。皆様方のご参加、ご支援、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

◆煙草を掌で消した政治家

加瀬 英明



昭和32(1957)年のある日、私は園田直(すなお)代議士と一緒に、ニューヨークのウォルドーフ・アストリア・ホテルのエレベーターに乗っていた。引退したマッカーサー元帥に会いに行くためである。

後に福田赳夫内閣、大平内閣、鈴木内閣で外務大臣を務めた園田氏は、当時、外務政務次官だったが、私と個人的に親しかった。首相特使として岸信介首相の訪米準備をするためにニューヨークへ来ていたが、マッカーサーに会いたいというので、私が仲介の労をとった。私は留学生だった。

ウォドルドーフ・アストリア・ホテルは、28階以上がアパートになっている。住人にはマッカーサーのほかにも、コール・ポーターやウィンザー公(元イギリス国王)夫妻など錚々たるところがいた。

執事に案内されて、広い応接間に通されると、まず、その豪奢なことに驚いた。部屋の中は、椅子と絨毯を除けば、すべて日本の古美術品だった。国宝級の金屏風が3,4双並び、金銀の飾物、陶器、美術品がところ狭しと置かれている。

公職追放処分を免れようとした日本の有力者から贈られたものに違いなかった。

やがて、マッカーサー元帥が入ってきた。ダーク・グレイのシングルの背広を着ていた。お濠端の連合国軍総司令部の玄関を颯爽と出てくる姿に慣れている目には、77歳の元帥は年老いて、一回り小さくなったように見えた。

元帥は座ると、シガレット・ボックスをとって、私たちにタバコをすすめた。

・・・元帥は私たちの質問に答えて、話題は憲法9条から極東の軍事情勢にまで及んだ。一旦話し出すと止まらなかったので、質問を続ける必要はなかった。

・・・「その時、幣原(しではら首相)がやってきて、目に涙を浮かべて、日本は平和国家として永久に軍備を放棄すべきだと言った。私は今日でも、第9条は世界に誇るべき規定だと思っている。日本は東洋のスイスでなければならない」。

私はテーブルの上で灰皿を探したが、目の前に置かれた銀の盃(さかづき)の中に、先ほど元帥が擦ったマッチの燃えかすがあったので、そこに灰を落とした。

盃の底に16弁の菊の御紋章があったので、私は咄嗟に、それが天盃(てんぱい=天皇から賜る盃)である事がわかった。しかし、テーブルには、シガレット・ボックスともう1つの天盃が置かれているだけで、ほかには何もなかった。私はやむなくこの「灰皿」を使い続けた。

「私が世界でもっとも尊敬する人物は、天皇陛下だ。私が東京に進駐するとヒズ・マジェスティ(陛下)が会いにこられた。そこで陛下は『大戦の責任は、みな自分1人にある。臣下は自分の命を奉じたに過ぎない』

と厳然として言われ『連合国が責任を問おうとするなら、まず、自分を処刑して欲しい』と述べられた。私はこのとき、真の君主の姿を見たと思った。あの瞬間から、天皇を深く敬愛するようになった」。

当時、アメリカやイギリス、オーストラリアの新聞は、天皇を国際裁判にかけて死刑に処するべきだと主張していた。

私は突然、人間の脂肪の焼ける臭いをかいだ。ふと見ると、横にいる園田氏が掌(てのひら)でタバコを消している。

その表情には何の変化もなかった。瞬きすらしないのだ。特攻隊長として終戦を迎えた園田氏は剣道、居合道、合気道など二十数段の猛者である。数秒が過ぎた後は、何事もなかったようだった。

マッカーサー元帥は、まったく同じ調子で、遠くを見つめるような目をして話し続けていた。

そのうちに元帥は、ソ連の脅威が募っていると警告した。日本が軍備を拡張し、自由アジアの一大軍事勢力として、極東の平和に寄与しなければならないと熱心に説いた。

・・・元帥がドアまで送ってくれた。客が(天盃を灰皿として使うにしのびず)掌でタバコを消したことには気付いていないようであった。それとも案外、知っていたのかもしれない。

帰りのエレベーターの中で、園田氏が私に言った。「君は、よくあの天盃が使えたなぁ」。園田氏の掌には大きな水ぶくれがあった。私は世代の差をそこに感じた・・・。

(渡部亮次郎註:畏友加瀬英明氏が先頃『昭和天皇 32の佳話(かわ)』(実業之日本社 税込み800円)を上梓された。昭和天皇こそは平成の日本人が失ってしまった日本人の美徳を体得されていたと考える加瀬氏が経験から拾い集めた昭和天皇にかかわる心温まるエピソードの集積で、興味が尽きない。

たまたま第1話にわが師園田直が、かつてマッカーサーが灰皿として差し出した昭和天皇の天盃を使わず、掌で消した話を書かれている。了承を得て再録した)。転載自由

◆私の「身辺雑記」(160)

平井 修一


■11月8日(土)。朝は室温17度、曇、寒い、フル散歩。今日も5歳女児を預かる。

昨日は「どこかで子供が長いこと泣いているなあ」と外を見たが、そんな光景はない。もしかしたらとカミサンの部屋を覗いたら孫が「痛い痛い、ママー、ママー」と大泣きしていた。大粒の涙をポタポタ流している。

「どうした?」

「ここが痛い」

腕を吊ったのだ。揉んであげたら直ったが、顔が真っ赤で、おでこに手を当てると熱があるし、鼻水も垂らしているので、大急ぎで小生の部屋に布団を敷き、氷枕を作って頭を冷やした。35.5度だから問題はないようだが・・・

ところが夕食後に吐いた。ちょっと風邪気味で胃袋が痛んだのかもしれない。

今朝は元気だが、どうなるか。

元気になってあれこれ、お絵描きとか、ピアノ練習、絵本などで遊んで、一緒にコンビニにオヤツを買いに行ったりしたが、飽きると小生にまとわりつく。PCをやっていると隣の椅子に座って絵本を読みながら、あれこれ話しかけ、小生のほっぺたを突いたりする。小生は本気で中共殲滅のプロパガンダ戦をやっている最中だから、「今、ヂイヂは狂気を発しているの、かまわないで」と言いたい気分。

小生は逃げ出してキッチンへ行くが、追いかけてくるのだ。そこからの眺めはいいので、「外を見たい」と言うからキッチンの調理台に登らせて見せる。落ちないようにずーっと支える、飽きるまで。

4時には犬の夕食で、それ以降は一杯やりながら夕食の準備を始めるのだが、どういうわけか、いつも犬は小生のそばでゴロンとする。犬に加えて今日は孫もべったっり。絶望的。「お、お、俺は、静かに暮らしたいんだ、ほっといてくれ、Leave me alone!」と吠えたい気分。

製造物責任のNが帰って来て「どうだった?」と聞くから、そういう話をして、「結局は、『私を見て、無視しないで、私はここにいるよ、ちゃんと見て』ということなんだろうなあ」と言ったら、Nも同意していた。

明日からカミサンと子・孫の6人で1泊2日のディズニー旅行へ行くことになっているが、孫は大丈夫だろうか。

夕食は7人でシャケ、焼売、野菜炒めなど。

■11月9日(日)。朝は室温17度、曇。昨日は終日17度で、いささか寒かったが、今朝も寒い、フル散歩。

ディズニー旅行仕掛け人でドライバーのNは「4時45分に出発したい」というから、車内での朝食用弁当のために小生は3時に目覚ましをかけたが、爆睡して起きたのは4時だった。米のスイッチを押したが40分後に炊き上がる。全然、間に合わない。オロオロしていたらNが「早炊きしたらいい」とスマホで検索し「高速」メニューで20分ほどで炊けた。

その間に大急ぎでヒジキ五目煮入りの厚焼き玉子、夕べの残りご飯で海苔巻を作り始めた。夕べの構想・準備で海苔巻の具は、オカカ、梅・シラス、ツナマヨ、メンタイ、シャケ、梅干しを考えていたが、出だしでしくじったので、10本(3等分するので30個)作って小生は息切れ、へろへろ。

するとキチ○イ相手に多くの修羅場をくぐってきた剣道4段の看護師長、そしてディズニー旅行の(小渕優子並)大スポンサーという、心身ともにドラえもん的太っ腹のカミサンが、すっかり身づくろいを終えて「どりゃー、やったるでえ!」と参戦。一気におにぎりを6個作ってくれた。小生は海苔を巻くだけ。ああ助かった。

結局、予定より15分遅れの5時に皆は出発したが、オカカ以外はすべてできて4合のご飯は完売。まあ85点とか90点だから戦争には勝った、と言えるが、もうぐったり。へたった。

松陰先生の首を斬った公儀処刑人、首斬朝右衛門こと山田朝右衛門家では、代々処刑日の夜は「手前や弟子なぞでも人を斬って帰ってきますと、どういうものか顔がぼーっとのぼせて、大変な疲れを覚えます。血に酔うとでもいうのでしょうか。父から徹夜の宴を許されるので、若い弟子たちは底を抜いて騒いだものです」(明治百話)。

朝っぱらから恥ずかしいが、戦争の疲れは酒で癒すしかないと、ちょこっと引っかけた。

癒してくれるニュースもある。「世界革新企業100社、日本は39社でトップに」。久しぶりに明るい話題だ。

<[東京6日ロイター]トムソンロイターは6日、特許データをもとに知的財産・特許動向を把握し、その観点から世界で最も革新的な企業・機関100社を選ぶ「Top 100グローバル・イノベータ―2014」を発表した。国別では、日本が昨年の28社から39社となり、米国を抜いてトップに躍り出た。

知的財産を適切に保護し、グローバルなビジネス展開で効果的に活用していることが要因になっているという。

2位は米国の35社で、日米で全体の74%を占めている。以下、フランス7社、スイス5社、ドイツと韓国が4社。

日本企業で選ばれた39社には、日立、東芝、三菱電機、キヤノン、パナソニックなどの電機関連企業のほか、トヨタ、日産、ホンダなど代表的な製造業が並んでいる。

今回選ばれた100社の研究開発費は前年比16.9%増と、ナスダック上場企業の平均値である同8.18%増の2倍超となっており、イノベーションへの投資が業績向上と密接に関連していることを浮き彫りにした>(以上)

トムソンロイターのサイトで調べたら中共はゼロ。多分「永遠にゼロ」。100年たってもトップグループに追い付けない。もっとも中共は来年あたりには壊滅しているだろうから「お前たちに明日はない」。

おい、習近平、平成の首斬朝右衛門が天安門で公開処刑してやるから、首を洗って待っていろ。空も洗って青空にしておけよ。世界同時生中継。楽しみだ。明るい話題に皆が喜ぶだろう。中共治世で不自然死を余儀なくされた8000万の良き人々、そして六四天安門で虐殺された30万の同志の魂も慰撫されるだろう。

中共殲滅、支那解放へ、あと一押しだ。(ものは相談だが、満洲国を返してくれないか。さすれば国土の汚染を除くが・・・どうかね)

■11月10日(月)。新聞休刊日。朝は室温16度、快晴、少し寒い、フル散歩。

五箇条の御誓文の最初は「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ」。万機は「あらゆる重要事項」の意味。公論は「みんなの意見」「公開された議論」といったような意味だそうだ。明治政府は民主主義を高らかに掲げた。

共産主義国家やその政党は「社会主義的民主主義」とか「民主集中制」とか言うが、一種の詭弁で、党員による党内議論で決めましょう、決めたらそれを守りましょうということで、庶民に民主主義、参政権を与えるものではない。党員が決定事項に反対すると「反党分子」として殺される。

一党独裁は結局は個人独裁になる。「天安門の学生を武力で排除しろ」「能ある鷹は爪を隠す、外国から脅威を持たれないように平和的台頭で行け」「市場経済でまずはチャンスと能力のある者から金持ちになれ、庶民もそれについていくだろう」とトウ小平は指示した。統制経済から外資導入による市場経済への大転回はトウたった一人の判断で、万機公論に決したものではない。

ハエ叩き、虎退治、中国の夢(帝国の再興)も習近平たった一人の判断で、万機公論に決したものではない。一党独裁で個人独裁が免れない例だ。

公論を求めれば多くの国民の意見が集まる。大型タンカーの艦橋に独りでいては安全航行は難しいが、多くの人が前後左右に目配りしていればより安全だ。三人いれば文殊の知恵、という諺もある。一人ひとりは凡人でも多くの人が知恵を出せばいい方針が打ち出せるというものだ。

共産主義がこけたのは、万機公論に決することを嫌い、結局は個人独裁で方向を誤り座礁、沈没したからだ。独裁者は一本の鉄筋で、一見強そうだが、100本、200本の鋼鉄線(公論)で作ったワイヤーのような強靭性と柔軟性に欠ける。鉄筋は折れやすい。必ず国を誤る。亡国を招く。これは歴史的な真実だ。

それなら習近平やプーチンは必ず失敗することになる。この世界2大独裁者は今年、ともに世界中から非難を浴びて孤立した。ともに経済も傾き始めた。ともに言論統制を強めた。「万機公論に決すべし」からますます遠ざかっている。

独裁者の下に集まっているのは、利益を求めるイエスマンばかりだ。異見、公論、諫言はないから暴走するばかりだ。自滅は避けられない。  
                       (2014/11/10)

◆上西俊雄氏のご意見を伺って

前田 正晶



同氏は私にお聞かせ頂いたご意見の中で”schwa”(=あいまいな母音、eをひっくり返した発音記号の音のこと、とジーニアスにはある)に言及されていたので、大変勉強になった次第です。そこで、その関連の話題を。

私のような不勉強だった英文学科の学生の思い出を申し上げます。何度も触れて参りました音声学の権威・千葉勉教授はschwaに当たると今にして思うものを、確か「反転母音」と言っておられました。

だが、正確な記憶であるかの自信はありません。確かな記憶があることは、アメリカ語を厳しい語調で「下品」と決めつけておられた千葉教授は、”R”を響かせた発音をすることを固く否定しておられました。

私は戦後の我が国の英語教育ではアメリカ語即ち品がないとすると聞いた記憶があります(誤解で誤認識ですが)。もしかすると、そのような考え方が未だに残って「セキュリティ−」や「フューリー」のようになったのかと思いますが。

但し、カタカナ語を作り上げているのはK通信社の「ハンドブック」だと聞いた記憶があります。だが、同社のOBで上智や青学の非常勤講師を務められた古き友人は「我が社にそこまでの影響力があったか」との疑問を呈されましたが。

私はアメリカ語の影響下で育ちEnglishを覚えました。そして、戦後間もなくの著名な英会話教師James Harrisだったかが「アメリカ式発音、特に”R”は日本人に不向きだから、UK式の発音を採れば中間になって良い」と言っていたことの影響と、千葉先生のアメリカ語下品論もあって、両者の中間を採って”R”を響かせない発音をしていました。

その背景にはar, er, ir or ,urの発音の難しさと「下品さ?」の回避との狙いがありました。しかし、その発音がUK、カナダ、オーストラリアでは「アメリカ式ではなくbeautiful」と褒められた一方で、アメリカでは「君の英語の発音はアメリカ語そのもの」と言われてしまいました。

私は「どう受け止められようと、正確であって先方様が間違うことなく聞き取ってくれるか否かが重要だ」と思っています。

因みに、schwaの発音とは如何なるものかの手っ取り早い例として、ヒラリー・クリントンの発音を挙げておきます。このもしかして次期アメリカ大統領かも知れない方のar,er,ir,or,urの発音を良く聞いて下さい。かなり明瞭に”R”が響きます。

日本語については、私の経験からも新聞雑誌や単行本等の用語にはこの「ハンドブック」が基準として使われているのは間違いない事実と言えると思うのですが。