2014年10月16日

◆核が日中開戦を抑止する(75)

平井 修一


「暴れる中共、締める米国」ということか。「朝雲」9/11が「中国機、米機にまた異常接近 捕獲が目的か」と報じている。

                ・・・

中国人民解放軍の戦闘機が8月19日、南シナ海の公海上を飛行中の米海軍哨戒機に異常接近していたことが明らかになり、米政府が中国に危険な挑発行動だとして強く抗議した。中国機は一時約6メートルまで接近しており、衝突の危険もあったという。

この異常接近事案について軍事専門週刊誌IHSジェーン・ディフェンス・ウィークリー(電子版)は01年4月に米海軍のロッキード「EP3」哨戒機が「J82」戦闘機に接触され、中国軍機は墜落し、EP3は海南島の空軍基地に強制着陸させられた事件を想起させるとしている。

この事件では着陸後、乗員は10日間拘留、尋問され、EP3は分解されて中国に情報収集された後、7月になってようやく米側に返還された。

それから13年を経て起きた8月19日の異常接近事件は、中国が進化した技術を誇示する狙いがあったものとみられる。

また、南シナ海での島嶼基地建設など挑発行動を中止するよう求めた米国の要請を中国が拒否。これを受けて、米軍がさらに多くのP8A哨戒機を同空域に派遣する方針を打ち出していることから、同誌は中国がP8Aと故意に接触・衝突し、機体の捕獲を試みる可能性にも言及している。

仮に衝突が起きた場合、捕獲を避けるためP8A乗員は着陸をあきらめて機体の深海投棄を選択するかもしれず、その際は米中間で機体の引き揚げ・回収争いが起きると予想している。(ロサンゼルス=植木秀一)(以上)

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中共は内政でも強圧を加えているが、これに対しても米国は「中国人権保護法案」で締め上げる構えだ。人権迫害の中国当局者と家族に制裁措置を課すのが狙いだ。
・・・

【大紀元日本8月19日】米国下院は7日、人権侵害や迫害を行う中国政府当局者を制裁する法案の内容を明らかにした。下院と上院を通過し、米大統領が署名すれば、米国の法律として成立する。

法案は「中国人権保護法案」とも呼ばれている。発起人は長年、中国政府の人権弾圧に強い関心を示してきたクリス・スミス議員。

法案は、「中国で厳重かつ持続的に人権を侵害する責任者に対して、制裁措置を発動する」と定めている。具体的内容は、当該責任者とその直系家族を対象に、▼入国ビザを交付しない(入国禁止)。▼米国での財産を凍結する。▼米国との貿易ビジネスの参入を禁止する、など。

同議員は、「法案が成立すれば米国政府は該当者の名簿作成に取り組む」と述べている。 

法案が定めた「厳重かつ持続的に人権を侵害する行為」には、「不法な逮捕・監禁、強制中絶、受刑者に対する拷問・強姦・精神薬物の違法投与、臓器の強制摘出」のほか、「言論の自由の侵害、インターネットでの情報検閲・信仰/結社の自由の剥奪、違法な財産没収」なども含まれている。

近年、中国政府当局者、特に汚職幹部は家族や財産を海外に移す傾向が強まっており、米国はもっとも人気の高い移住先である。法案は当該責任者のこの選択肢を断ち切ることになる。(以上)

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中共を侵略しようと思う国はない。14億という、その大半が貧困層の国民を抱え込むことは、いかなる国もできない。汚染された国土を除染することは、いかなる国もできない。侵略してもメリットよりもデメリットが多い。

「絶対侵略されない国」ランキングがあれば1位は中共、2位は北朝鮮だろう。外交面では本来は彼らは軍事力を最低限にしてもほとんど支障はないのだ。「中共の発展を諸外国が邪魔している、だから覇権を打ち立てる」と軍拡に走っているが、誰も邪魔なんかしていない。

国際ルールを守れ、武力で秩序を変えることはするな、と警告しているだけである。

中共や支那人がどのような歴史認識を持とうが自由だが、70年以上前の過去は過去で、大事なのは今とか未来だ。雪辱したい、怨念を晴らしたい、というが、これは清帝国の話で、親中国のマターではない。戦争よりも国民に「いい国に生まれてよかった」と小康を与えることが最優先事項だろう。

こういう当たり前のことが習近平には分からない。権力欲と妄想に駆られて暴走するばかりだ。そのうちオウンゴールして元も子もなくすのではないか。

◆日本破壊工作なのか:在日テロ

MoMotarou



呉善花氏の言によれば、「あの国は狎れ狎れしい」という。例えば「南北統一」の問題ひとつとっても、「日韓が一緒になって取り組みましょう」と言う。(中略)しかし、これは100パーセント朝鮮人の問題だ。日本人が関わってはいけない。(高山正之 「白い人が仕掛けた黒い罠」)

              ★

山谷えり子大臣を狙ったテロ攻撃が激しくなった。山谷大臣は国家公安委員長の職にあるのは重要な注目点であります。第2次安倍政権誕生と同時にスタートしたとされる「在日特権の実体調査」。悪質な在日団体が大韓民国と連携しているようにも見える。

■大韓民国在日大使館に「遺憾の意」

NTT番号案内で大韓民国大使館を調べる。代表番号しかない。女性の優しい声で「アンニョンハムシリカ」云々。当方日本語専用人間なので慌てるが、よく考えると当たり前であった。

「産経新聞記者の件にて電話しております。広報に繋いで下さい」と失礼の無いように伝える。このままで良いとの事。「早く記者を日本の家族の元へ帰して欲しい」と静かに伝える。静寂。

「わかりません」と柔らかい声で返事があった。再び「日本で家族が待っています」と伝える。静寂。「わかりました」と小さい声が聞えてきた。

「よろしく」と日本民族の誇りを失うことなく、激怒の感情を抑えてお願いした。この後、地元選出の若手国会議員東京事務所に、「開放の先頭に立て!」と電話。続いて大阪の産経新聞にも電話の件を伝え激励をしました。

■国会での野次

民主党野田議員のヤジは悪質であります。元自民党幹事長福岡の古賀誠さんの秘書をやり福岡市長も経験した人物です。ヤジの内容は「在特会会員が宿泊先も知っている様な懇ろの仲」というもの。韓国のパククネと一緒にしてもらっては困るというのが私の気持ちです。

ヤジ事件に先立つ9月25日外国特派員協会では、山谷大臣に外国人記者が「在特会」関連の質問を繰り出す。これは、「嫌がらせ」以上の、明らかな「罠」であります。 

また、山谷大臣の「統一教会」との関係を追及しようとする動きもあります。在特会会員や統一教会との写真撮影等よりは、北朝鮮で金日成や金正日と一緒に記念撮影をして喜んでいる方が余程問題でしょう。

■東京神田の書店「書泉グランデ」での妨害

「在特会」会長桜井誠氏の著作「大嫌韓国時代」を宣伝したとして、「在日しばき隊」が書店を襲撃。現代の日本でも何か頭が可笑しくなるような事が度々起こる。

結果、義憤を持ったネット住人が、アマゾンに集中発注でアジア関連で第1位になりました。「書泉グランデ」でも大盛りの展示になったとか。

■韓国関連の異様な事件が続く

以上のこと、偶然に起こったことではないでしょう。映画や小説の世界かと思っていた「破壊工作指令」が出ています。我国の反撃が異常に弱い。何か後目痛(suspicious)い事が、我国にあるような印象を世界に拡げております。もうこれだけでも外交宣伝の失敗になります。

女1人(山谷さん)を守れなくて、女性議員は付いてくるでしょうか。見ている。記者一人さえ解放させられないなら、北朝鮮に拉致誘拐された同胞の帰国はどうなるのでしょうか。

安倍政権そしてわが祖国の浮沈がかかった問題であります。一昔前なら、海軍も陸軍も出動しておりました。


◆バイデン副大統領が講演で失言

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)10月15日(水曜日)通巻第4361号>  

 
〜「ISILの胴元はカタール、UAE,サウジ、そしてトルコだ」と
   バイデン副大統領が講演でうっかりの失言。すぐに謝罪したが。。。。〜

失言癖のあるバイデン副大統領。10月2日にハーバード大学の講演で、「ISILの資金源はカタール、UAE、サウジアラビア、そしてトルコである。ただし個人名で献金されている」と言った。

これはブルッキングス報告書に記載されていたため、原稿を棒読みしたようだが、ただちにトルコが抗議し、10月4日、バイデンはトルコのエルドアン大統領に電話して謝罪した。

事件はこれで納まらなかった。

7日に発売されたパネッタ元国防長官の回想録で、オバマ政権のイラク政策はなっていない。撤兵は時期尚早で、当時ペンタゴンは「いま多少の米兵を残留させないと、イラクはアルカィーダが跳梁跋扈してアフガニスタンの二の舞になる」と反対していたが、まったく聞き入れなかった。

ゲーツ前国防長官も回想録でオバマをこき下ろし、ヒラリー前国務長官も、オバマ政策を批判した。なんのことはない。オバマ第一期政権を囲んだホワイトハウスの幹部が、みな、オバマ大統領を無能として、突き放しているのだ。

実際にISILにはサウジ、カタール、UAEから「個人」の名前で巨額の寄付があり、武器購入の軍資金となっている。

ほかにもISILは誘拐身代金や恐喝、婦女子誘拐のうえ性奴隷として輸出していると言われ、イラクから石油を密輸して豊富な軍資金に恵まれ、外人部隊をリクルートしてきた。

米軍のイラク、シリア空爆にもかかわらず、テロリストらは一般民衆を巻き添えにするため、住宅地に潜り込んでいるので、効果的空爆はできない。
 

 ▼「ホラサン」、「アル・ナスラ・フロント」等の過激派組織と合従連衡の可能性

14日発売の『TIME』(14年10月20日号)に拠れば、シリアに陣取る過激派の「ホラサン」の拠点にも空爆したが「効果が挙げられず、FBI長官のジム・コメイは、まもなく彼らの報復テロが米国と同盟国内で開始されるだろう」と悲観的なコメントを寄せている。

「ホラサン」は謎の組織で構成員はアフガン、トルクメニスタン、イランからのメンバーが占め、アルカィーダの幹部だったザワヒリが、密かに部下のモハシン・アル・ファダリをシリアに派遣して細胞を組織させたという位しかCIAも把握していない。

モハシン・アル・ファダリは軍資金集めにも秀でており、最初、かれはシリアにあった「アル・ナスラ・フロント」という過激派の組織に潜り込んだ。アルカィーダ並びにISILと連絡があったようだ。

「シリアのアルカィーダ」がその後、分裂し、ISILに合流したグループとアル・ナスラ・フロントに加わった組があるという。

ともあれ、米軍と有志連合には湾岸産油国も加わっているが、後者がどこまで本気なのか、正体がつかめないうえ、途中から有志連合に加わった筈のトルコも、武器と兵隊のシリアへの密輸ルートの壊滅には消極的である。

他方、イスラムの脅威に対して「移民反対」などナショナリスティクな排外主義が横溢するフランス、イギリスでは、ムスリムに対する「ヘイト・クライム」がISILの跳梁に比例して急増している。

      

◆「イスラム国」の“力”の源泉とは

大内 清


本家アルカーイダから破門された組織がなぜ台頭しているのか

米国を中心とする有志連合が壊滅に向けて動き出したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。国籍や宗教を問わず対立する者を断首などの方法で処刑する残虐性もさることながら、領域支配を確立した上で米欧へのジハード(聖戦)を遂行しようとする点で、テロ組織同士の緩やかなネットワークを特徴とするアルカーイダとは違った形で脅威をまき散らしている。

高級腕時計

今年7月初め、ネット上にある動画が出回った。イスラム国の指導者、アブーバクル・バグダーディ容疑者が、“カリフ即位”宣言後初めてイラク北部モスルで行ったとされる説法の映像。黒衣に黒いターバンといういでたちのバグダーディ容疑者の右手首には、ひときわ目立つ銀色の腕時計が巻かれていた。

アラブのメディアでは「超高級品のロレックス」などと報じられた。その後、「ロレックスではなくオメガ」だとする分析や、イスラム教で採用されている太陰暦に対応した「イスラム時計」の高級ブランドだとする説も登場したが、いずれにしてもスイス製の高級品であるとの見方が一般的だ。

口さがないネットユーザーらは「新しい“カリフ”殿は、即位のタイミングを知るためにスイス(時計)の正確さが必要だったらしい」などと皮肉る。

国境の否定

イスラム国は、名前からも分かる通り、シャリーア(イスラム法)による領域的な統治を目指している組織だ。イラク第3の都市である北部モスルを制圧後の今年6月に「国家」の樹立を宣言。

モスルなどにはイスラム国の基準で非イスラム的と判断された者やイスラム国の支配を認めない者を拘束する機関や、それらを不信仰者と断罪するシャリーア法廷などが設置されているとされる。その点では90年代後半にアフガニスタンのほぼ全土を制圧し厳格なシャリーア支配を敷いたタリバンなどに近いともいえる。

ただ、タリバンは国境の枠内での統治にとどまったのに対し、イスラム国は、他宗派やキリスト教世界へのジハード(聖戦)と同時に、国境の打破を図ろうとしている点に特徴がある。

現在、イスラム国はイラクからシリアにまたがる地域を実効支配下にある「領土」だとしているが、根底にあるのは、第1次大戦後に西洋列強の主導で引かれた国境で成り立つ国民国家の否定と、「カリフ」を自称するバグダーディ容疑者の下で究極的にはイスラム世界全体を統合するという、誇大妄想的ともいえる野心だ。

カリフ

「カリフ」は、イスラム教の預言者ムハンマドの後継者を意味し、かつてはイスラム世界の宗教・政治両面での最高指導者を指した称号だ。歴史上、さまざまな王朝の支配者がカリフを名乗り、オスマン帝国解体後の1924年に廃止されて以降は「空位」の状態にあるとされてきた。

スンニ派では理論上、カリフは、イスラム教に関する深い知識を持つことや、預言者と同じクライシュ族出身であることが必須条件とされる。

バグダーディ容疑者の素性については不明な点が多いが、イラクの首都バグダッドの大学でイスラム法学を学んだ経験があるとされるほか、通称名である「アブーバクル・バグダーディ」の最後にクライシュ族出身をあらわす「アルクライシー」と名乗っていることからも、自身でもカリフに推戴される資格があると強く認識しているものとみられる。

ちなみに、バグダーディ容疑者の本名とされる名前は「イブラヒム・ビン・アッワード・ビン・イブラヒム・アルバドリ・アルラダウィ・アルフセイニ・アッサマラーウィ」と非常に長い。

 イスラム諸国では、バグダーディ容疑者をカリフとは認めないとの声が圧倒的だ。ただカリフという言葉には、イスラム教で理想とされる預言者ムハンマドとその教友らの時代を思い起こさせる響きがあり、特に信仰の原点回帰を唱えて他宗教をジハードの対象とみなすことが多いサラフ主義者らにはその傾向が強い。

「カリフ宣言」後、イスラム国に参加する外国人戦闘員が急増した理由の背景には、豊富な資金力や武器などのほかに、カリフを名乗ったことによるアナウンス効果もあるとみられる。カリフ制国家を名乗るまでに組織が成長したことは、シリアやイラクで活動する武装組織よりも軍事的に優勢であることの証左でもあるだけに、戦闘員らには「勝ち馬」に乗る心理も働いている。

ジハード思想

イスラム国が台頭する以前、イスラム過激派組織の総元締めと認識されてきたのは、2001年の米中枢同時テロを引き起こしたアルカーイダだった。

アルカーイダは、イエメンや北アフリカ、ソマリア、内戦下のシリアなど各地の過激派組織をネットワークとしてゆるやかに束ねてきたところに最大の特徴がある。各組織はアルカーイダの思想に共鳴し忠誠を誓いつつも、自律的に活動しているとされる。

そしてイスラム国も元々は、アルカーイダ・ネットワークの一角だった。

しかし今年初め、アルカーイダの現在の指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者と対立し決別。“破門”となったのは、イスラム国はイラクでの活動に専念し、シリアでの活動はもう一つのアルカーイダ系組織ヌスラ戦線に任せよとの勧告を無視したのが理由だとされる。

国境を前提とした活動を求めるザワヒリ容疑者と、国境を否定するバグダーディ容疑者の路線対立との見方もできる。

ただイスラム国は、アルカーイダが主唱してきた世界規模でのジハード思想は保持し続けている。バグダーディ容疑者が「カリフ宣言」後に行った説法でも、他宗教・宗派の敵と戦うことの重要性が繰り返し強調された。

現在はシリア、イラク両政府や対立するシリア反体制派などの「近い敵」を主なジハードの対象としているが、地盤が固まれば米欧などの「遠い敵」を標的とする可能性は極めて高い。

こうした点からイスラム国は、アルカーイダと完全に別種の組織というよりも、アルカーイダの下で育った苗が独自の成長を遂げた姿だといえる。拘束した人間を処刑するたびに映像をネット上で公開する残虐性は、組織の“強さ”を宣伝する効果を上げており、各地のアルカーイダ系組織にも影響を及ぼす懸念がある。(カイロ特派員)
産経ニュース 2014・10・15

2014年10月15日

◆貴州省三穂県で数万人の暴動が発生

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)10月14日(火曜日)弐通巻第4360号>  


 〜貴州省三穂県で数万人の暴動が発生
   警察が武力弾圧、2人死亡、数百人が重軽傷の惨事〜

10月13日、貴州省三穂県で農地の不法買い占めに抗議する農民、学生らが怒りのデモ行進を行い、政府庁舎前広場で地方政府に改善をもとめる集会を開催した。

デモは香港の学生たちのセントラル(中環)座り込みに影響されたのか、平穏裡に行われていた。

農地が強制的に取り上げられ、三稲県の80ムーの土地が「開発」と称して政府に召し上げられたのだ。

集会は数万人の規模に膨らみ、学生、労働者も加わった。

警察は特殊車両、装甲車18台、くわえて警察犬数十匹を動員し、とつじょデモ隊に襲いかかった。負傷者が続出、三穂医院はけが人で超満員となり、とくに学生の中に重傷者が多く、2人が死亡した。

中国の山奥、そのまだ奥地の農村での出来事だが、スマホとネットにより、この惨事は写真入りで世界のメディアにすぐさま報じられた。

◆現実味帯びる衆参同日選

新井 好典


消費再増税で狭まる選択肢

衆院と参院の選挙を同じ日に実施する衆参同日選挙。衆参ダブル選とも言われ過去2回だけ実施されたことがあるが、平成年夏の同日選がにわかに現実味を帯びてきた。

最大の要因は、来年10月に予定されている消費税10%への再増税にある。安倍晋三首相はこの12月、再増税を予定通り実施するかどうかの判断を行うが「予定通りの再増税を決断した場合、首相が主体的に衆院解散を仕掛けるタイミングがかなり狭められてしまう」(自民党ベテラン議員)ためだ。

解散は原則として国会開会中でなければできないが、衆院選後に召集される特別国会などを除き、一般的に毎年1月に召集される通常国会(会期150日、1回の延長可)と、秋の臨時国会(2回の延長可)がある。

現在の衆院議員の任期は28年12月15日までだから、大まかに言って(1)開会中の臨時国会(2)27年の通常国会(3)27年秋の臨時国(4)28年の通常国会(5)28年秋の臨時国会−といった5つの期間があるわけだ。

ただ、(1)の今国会での解散については、菅義偉官房長官が「(首相は)全く考えていない」と否定。消費税再増税の判断準備や予算編成などを考えても解散する余裕はないので選択肢から除外できる。

(3)の27年秋の臨時国会も同年10月に消費税が再増税されるだけに、その直前直後の解散は考えにくくこれも除外。(5)の28年秋の臨時国会も「追い込まれ解散」になるだけに厳しい。

そこで残るは(2)の27年の通常国会と(4)の28年の通常国会の2つになるが、(2)で忘れてならないのは4月に統一地方選挙が控えていることだ。

連立政権を組む公明党は、統一選と衆院選はできるだけ時期を離してほしいとの立場だ。となると解散のタイミングは国会冒頭の1月か会期末の6月以降に絞られてくるが、1月解散については「再増税決定直後の選挙などありえない」と否定的な見方が一般的だ。

では、会期末の解散はどうか。民主党で国政選挙を担当する岡田克也代表代行は4日放送のテレビ東京番組で、解散時期について「常識的に考えると来年の通常国会の終わる6、7月ごろが一番可能性が高い。28年のダブル(選)がないとすれば来年の夏ぐらいだ」との見通しを示した。

消費税が来年10月に再増税された場合「半年ぐらいは景気がどうなるか読めず、(選挙は)危なくてできない」との理由からだ。

一方、ここでの解散は厳しいとの指摘もある。政府はこの通常国会で集団的自衛権の行使を容認するための関連法案を成立させる方針だが、自民党国対族の一人はこう解説する。

「関連法案の実質的審議は統一地方選への影響を避けて後半国会で行われる予定だが、野党側の抵抗で国会はかなり荒れる可能性が高い。左派系メディアは反対論を連日のようにぶち上げるだろうし、解散を仕掛ける環境にはならないだろう」

加えて前出のベテラン議員はこんな読みを披露する。

「首相の自民党総裁任期は来年9月まで。首相としてはその直前の衆院選で勝利し、総裁選を無風で乗り切る戦略も選択肢の1つに入れていたはずだ。

だが、ライバルになるとみられていた石破茂地方創生担当相が内閣改造をめぐるバトルで失墜。もはや総裁選に気を使う必要はなくなっただけに、その意味での優位性は消えた」

では(4)の28年通常国会はどうか。まず国会冒頭だが、岡田氏が指摘したように、27年10月の消費税再増税から4カ月程度しか経過しておらず解散は無理というのが大勢だ。過去に増税で選挙に勝った例はないからだ。

そこで浮上するのが会期末での解散、いわゆる夏の参院選と同時に行う衆参同日選だ。

再増税から9カ月程度が過ぎ逆風もやや和らいでいることが期待されることに加え、中選挙区時代の話とはいえ、同日選は過去2回をみる限り自民党に極めて有利な結果をもたらしているためだ。

もちろん同日選については公明党が難色を示しており、山口那津男代表は早くも「いっぺんに多数の民意を取り込むダブル選は憲法の精神にふさわしくない」と牽制(けんせい)し始めているが、裏を返せばそれだけ可能性が出てきたとみているからではないのか。

いずれにせよ政界、一寸先は闇である。そもそも首相が予定通りの消費税再増税を見送れば、このシミュレーションは成り立たず解散時期の選択肢は増えることになる。

ただ、再増税見送りは「増税時よりもリスクを背負うことになりかねない」(自民党実力者)だけに、ここでも同日選が注目され続けていくことになるのではないか。(政治部編集委員)
産経ニュース【政治デスクノート】2014.10.14

◆核が日中開戦を抑止する(74)

平井 修一


「悪いのは“右翼政治家”から“日本人総軍国主義化”へ、中国の公式見解に揺らぎ」という高口康太氏の7/17の論考は興味深かった。

小生は山本夏彦翁の教えで「死んだ人と生きている人を差別しない」「古典を重視する」から、この忙しい時代でも何か月前だろうが何十年前だろうが、いい論考はいつでも紹介する意義はあると思っている。

また、「諜報は90%は公開された資料の分析で、10%は独自調査とスパイの情報だ」とも翁は言っている。小生の多くの記事は90%は「引用・転載」だ。

それはオリジナリティに価値を置く記者としては心苦しいことである。しかしながら小生が真面目に歴史や外交を勉強したのはほんの10年であり、「それなら30年、50年研究してきた方の論考を紹介した方がいいだろう」と思って「引用・転載」を続けている。(小生の専門分野は海外旅行産業で、それ以外は素人)

「引用・転載」は「忙しい若い人のためにリタイアして時間のある自分が情報を取捨選択して、日本のためにいいものを伝えよう」という思いからでもある。

小生がメインの媒体としているメルマガ「頂門の一針」主宰者の渡部亮次郎氏によれば「平井原稿には不動の人気がある」とのことで、今のところは以上の姿勢は読者にそこそこ支持されているようだ。

で、今回も支那在住の高口氏の説を以下紹介する。是非おつきあいを。

           ・・・

「日本人民は侵略の罪も理解しているし中国にも友好的。一部右翼が日本を誤らせている」というのが中国の公式な立場。ところが「日本人民全体がわかってない」という、公式見解に反する言説が中国メディアに掲載されるようになりました。

*日本の軍国主義化、その土壌は民衆にある

2014年7月7日付環球時報に掲載されたのが中国人民抗日戦争記念館の李宗遠副館長の署名記事「対日“歴史カード”は倦まずたゆまず切り続けよ」。時事通信の城山英己記者が取り上げていますが、(以下のような論調です)。

<安倍が大胆・無謀になれるのは、日本社会に次のような認識が存在する
からである。

第1に、日本が発動した侵略戦争の罪に関して非常に多くの戦後生まれの人たちが、自分たちと無関係だと認識していること。

第2に、当時の日本は中国との長期抗戦が敗戦の原因ではなく、米国に負けたと認識していること。

第3に今日の経済規模が中国に追い抜かれたことに不満を持っていること。

こうした考えは現在の日本社会において非常に深くて厚い基礎を有しており、侵略戦争を否定・わい曲・美化する安倍のために広大な土壌を提供している>

そして7月3日付重慶青年報の記事「日本に対して友好的過ぎなかっただろうか」にも同様の言及。こちらはブログ「中国という隣人」が取り上げています。

<軍国主義は何もないところからは生まれない。日本の民衆がその誕生の土壌なのだ。最近のアンケートでも、大部分の民衆が「集団的自衛権」の解禁を支持している。感情的に、民衆を軍国主義から切り離すのは、歴史的に事実には合わない>

*公式見解は転換するのか?

上述2本の記事の背景にあるのは、日本の集団的自衛権の行使容認です。行使容認そのものよりも各種世論調査で相当数の日本国民が支持しているとの結果がでていることが大きいのではないでしょうか。

中国外交部報道官はいまだに「日本の一部右翼勢力、右翼政治家が〜〜」という公式見解を踏襲した発言を続けていますが、中国の偉い人の中にも日本の「普通の国」シフトそのものに不満を覚えている数が増えている可能性はありそうです。

公式見解ですと、日中は基本的に友好モードで、悪い右翼が妨害しているという話だと「悪代官を成敗すれば平和が帰ってくる」的なお手軽仲直り方法があるわけですが、「日本人全員がわかってない」となると、「もう一回一億総懺悔をお願いします」となるわけで手続きが面倒です。

現時点ではぽつぽつとメディアに載っているだけですが、この論調が広がるのか否か、注目されます。(以上)

                 ・・・

まあ、日中ともに相手を嫌う率は80%以上で友好モードなんて消えたし、安倍内閣の支持率は60%超だし、事実は日本が「普通の国」、中共から見れば「日本人総軍国主義化」に向かっているのだろう。

左翼更生派の小生はいつも「普通の国にしたいだけなのだ」という思いで記事を書いているが、普通の国はパンツもガードルもズボンもはいて、時にはラブラブで全部脱ぐこともあるが、時には防弾チョッキを付けたり警棒を持ったり、時には鉄砲を持ったりして自衛するのは「普通の国」ならごく当然のことだと思っている。

外交は「平時にあっては友、戦時にあっては敵」「永遠の友も、永遠の敵もない。国益だけが永遠だ」「総ての戦争は自衛権の発動で、戦争が新しい秩序=平和をもたらした」というのが「普通の国」の考えである。

戦争には正義も不義もない、「我にも正義、彼にも正義」で、国益のぶつかり合いである。

先の大戦で日本が仕残したことは共産主義の撲滅だ。今、危険なままで生き残っているのは中共と北朝鮮のみである。中共をつぶせば北も消える。真正面の敵は習近平である。習近平政権ではなく、習近平一人をつぶせば利権をめぐる群雄・軍閥割拠、やがてドミノ倒しで中共は自滅崩壊する。

20余年前、中共をはるかに上回る大国ソ連のまさかの崩壊を我々は目撃した。ベルリンの壁に皆が登り、ハンマーを打ちおろしても誰も射殺されなかった。天安門の毛沢東の看板が引きづり降ろされて踏みつけられる日は遠くない。それは来月か、来年か。予想以上に早いだろう。(2014/9/13)
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◆従軍慰安婦問題の本質

大江 洋三



古森義久氏によるアメリカレポート(will緊急特別号11」月)によれば、残念ながら日本軍によるsex slaveは常識になっている気配である。国家的犯罪視されている部分もある。

人権侵害そのものなら、米国の黒人差別などを例に出して反論すれば済む事だが「軍の関与」に「女性の人権」が付くとややこしくなる。被害妄想はいくらでも膨らむようだ。

一方で、ソ連軍のベルリンや満洲侵攻戦、韓国軍のベトナム戦における凄まじい婦女暴行は不問である。なぜなら、兵士個人の勝手で、軍の関与はないと知らん顔なのだ。

いずれにせよ、戦場の荒々しい性慾を野放しにした軍の責任者が、人権侵害として追及されるべきだがされない。少なくとも、日本では全くされない。

一昨年、ニューズウイーク日本語版で「各国とも慰安婦はいたが、軍(国家)の関与を認めたのは日本政府だけ」という趣旨に出あった事もある。結果、not moneyが許されて、get moneyが女性の人権侵害という妙な事になっている。

おまけに朝日新聞は後者に逃げ込んで、不幸な慰安婦に転化している。こうなれば、朝日の退路を塞ぐべく言いたくない事も言わざるをえない。

●まず、恐れずに慰安婦=売春婦だと主張すること。また両性についても理論武装をしておく事は、陰に潜むジェンダー・フリーと戦う為にも必要である。

売春が男の一方的性慾事情だけで成立するはずがない。

男と女は同じ人間には違いないが、裏表に貼り着いて存在する別の生き物である。そうでなければ、男と女に分かれてこの世に生まれる理由(わけ)がない。物理学用語を借用すると男と女は「対・生成」する。

性交は底に根をはる両性の生物学的理由(性慾)による。逆らい難い「種」の存続本能である。これが一方通行であるはずがない。朝日批判がテーマだった読売系のミヤネヤで、女性コメンテーターが「慰安婦と聞いただけで胸が痛む」と語っていたが、瞬間にいかがわしいと思った。「女を 隠している」と。

この種の女子達が、従軍慰安婦問題に安住してきたのは確かである。意に反して「イヤイヤした」と恰好つけられる分、軍の強制があった方が都合は良かったのではなかろうか。その分だけ日本男児の名誉は貶められているのだ。

●実生活でも「女性が強い」と実感されている男子は多いと思うが、性慾も強かなのである。

若い頃の少ない寝物語からすると、思春期の頃は男子に劣らず悶々とする。違うのは男子が「突き動かされる」衝動に対して女子は「嫌なものが全身に広がる」イライラだそうだ。

そう言えば、女子の性感帯はいたるところに在る。

この「衝き動かす」と「受け入れ清めたい」という慾求が合致して性行為が成立する。

後者は母性の本体であり、ナイチンゲールの存在理由でもある。この種の話をすると、大概の女子は顔をしかめて俯いてしまう。

この衝動の強さも対・生成すると考えた方が実態に合う。艶めかしく誘う力は、女子に与えられた「腕力」である。

この腕力に屈した男子も多いだろう。女子用語では「落とす」と言う。自慢するようだが落とされた事もある。

種の存続本能からすれば、男の性慾は「種を撒きたい」女の性慾は「種を選びたい」である。

これは理性に依るものではない。優れて生物学的理由による。こうして一円でも安く買いたい性と一円でも高く売りたい性が、対・生成する。つまり、売春は女子の性慾が迎える行為でもある。満たされる喜びも満たす喜びも、対・生成する。男と女に別れて生れたのだから当たり前である。

もう三十数年も前のジェンダー・フリーの勃興期に、「女性の性の自立」の会議が放映された事がある。

すると、視聴席でマイクに憤懣をぶつけた女子が現れた。「男は性慾をお金で解決できるからいいが、私のような戦争未亡人の性慾処理はどうなるのか。女は損だ」

会場はシーンとなった。多分、この女子は言ってはならぬ事を言ったのだ。

●思春期の性慾の悩みについては、生理がある分、「女が損」だと寝物語に愚痴った子がいた。

この「女は損だ」と受け身にたつ女心そのものが問題なのだ。そこを人権屋に突かれるのだ。

当時の売春は、貧しい家の女性自立の職業でもあった。善・悪ではなく、そういう時代があったとしか言いようがない。

それにも拘わらず、降って湧いたような「女性の人権」により貶められたら、当の女子達はいたたまれないだろう。

「女性の人権」問題がいかがわしいのは、今の道徳律を過去に遡及させるか らだ。そんな理屈が許されるなら、18世紀まで続いたキリスト教社会の 魔女狩りは今なお断罪されなければならない。

女性の人権をワザワザ半島に遡及させたのは日本の福島瑞穂ほか人権派弁護士である。

その理由は、岩波の「世界」を読むと一通り書いてある。何事につけ「差」を探して全部「差別」にする。

日本と半島の差も差別・被差別。男と女の性差も差別・被差別なのだ。ジェンダー・フリーや夫婦別姓主義者が半島系に多いのが解る気がする。

●昨年、某会合で「従軍慰安婦問題を解決できるのは大和撫子しかいない。私達の男達はそんな悪い事はしない」と参加の女性達にお願いしたことがある。

流石に「女の性を正直に語れ」とは云えなかった。確かに自身にも人権がよく行き届いていたようだ。

もっとも10年前から、臆することなく手を変え品を変え女子たちに「男と女の性は真裏に張り付いている」と話している。偏えに日本男子の名誉回復のためである。

男も女も性慾がゼロになるときは死である。つまり生と性慾同伴する。もう一つ加えておくと、男子だけ女子だけの団体は足りない性がある分、放置しておくとトゲトゲしくなり易い。虐めも異性間では起こりにくい。

従軍慰安婦問題は、大和撫子が正直に戦地のsex consolationを訴えれば即決する。

「男達が戦場で生死をかけている時、なんで女達が慰めに行かれずにおられましょうや。それが女の喜びですもの。いまさら不道徳だなんて」当時の半島は日本の一部だったことも確かである。決して、今でいう植民地ではなかった。

ここら辺りになると、従軍慰安婦問題は歴史認識の問題になる。韓国政府が常に歴史認識を持ち出すはずだ。

●男の理窟をたてるなら、戦場でこそ管理売春が必要であると開き直る事である。荒々しい戦場の性を抑制する理性的措置だったと。

ユーラシア大陸では、兵士へのご褒美や慰労として強姦・略奪を黙認した歴史が各所にある。新大陸でも同様に起きたし、文字通り性奴隷がいた。これらの罪も人権で遡及したらどうか。

支那派遣軍司令官は、戦場兵士のトゲトゲしい性慾対策に苦労したのであって、他所の軍隊のように決して放置していた訳ではない。

「一緒にするな!」と吠えようではないか。


  

2014年10月14日

◆日中首脳会談の機は熟したのか

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)10月14日(火曜日)通巻第4359号(前日発行)>  


 〜日中首脳会談の機は熟したのか
    中華字マスコミは「北京APECの首脳会談は時期尚早」と論評〜

 10月12日、自民党の高村副総裁は、「日中首脳会談の機は熟した」とし、十月の靖国神社例大祭に安倍首相の参拝はないとする観測気球をうち上げた。
 
またすでに安倍首相は谷内正太郎・安全保障局長を密かに北京へおくり、首脳会談実現を打診し、かつ中国側からの李小林が来日して安部首相と異例の長時間会談をもった。だから機は熟した?

 すでに韓国の朴権惠大統領は森元首相の訪韓を受け入れ、日韓首脳会談に前向きとされるが、民間でも反日活動はいっこうに納まっていない。
 
 北京は経済困窮、アジアにおける孤立と対米関係の頓挫などから日本との外交で得点を稼ぎたいところ、突破口をつくりたいと躍起であり、首脳会談をより強く望んでいるのは寧ろ北京であろう。

 ところが北京周辺では依然として日中首脳会談の実現には多くの障害があるとして、反対論が渦巻いているようである。
 
第一に中国は尖閣諸島を巡る問題で日本側は妥協しないばかりか棚上げにも応じない姿勢を糾弾している。しかし日本の立場は尖閣は固有の日本領土であり、棚上げなどと領土問題が存在するかのような妥協はとれないと再三、中国に表明している。
 
 第二に「日本側が」日中関係改善に唐突に変節したと逆に捉えており、そのうえで「前提条件はない」としていることへ不満を表明、結局のところ安倍首相は靖国神社参拝を繰り返した小泉首相と同じであり「第二の小泉」と非難して、河野談話見直しへの動きも批判している。

 第三は安倍首相の言う「戦後レジームの克服」を中国は「日本は反省の色が足りない」と危険視していることだ。中国には相手を思いやるという発想がなく、自分の意見に従うか、従わないかだけでものごとを判断する劣性な性格がにじみ出てくる。

 しかしこれら慎重論はいずれも根拠のない、強硬路線の繰り返しでしかなく、中国共産党首脳部の脳幹が腐っているか、フレキシビリティを失った結果である。
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◆私の「身辺雑記」(151)

平井 修一


■10月11日(土)。朝は室温21.5度、涼しい、晴、フル散歩。長女の2人の子の運動会でカミサン達は出掛けた。静かでいい。

国文学者の物集高量(もずめたかかず)氏は「人間の運命、人生を決める要素のほとんどは運だ」と言っていたが、小生が中韓北などに生まれたらかなり悲惨なことになっていたろう。日本に生まれたことを天に感謝する。

「不幸な中国のエリート、不明瞭な政治体制の産物」(WSJ9/7)から。

<中国国内の評論家は、汚職の取り締まりが最高指導部をたたえる理由にはならないと述べている。一部の幹部は拷問を受けて自白を強要されたと訴えている。粛正は正義とは異なる。

国内経済の鈍化で、民間企業の幹部も追い詰められている。昨年6カ月間に自殺した実業家の数は、浙江省温州市だけで80人を超えた。

起業家たちは、中国でひと儲けすることは自分の背中に的を描くようなものとこぼす。これが、長者番付が中国で「のろいのリスト」とも呼ばれる理由だ。

他の国々と異なり、中国の実業家の多くは、長者番付に入ることを望まない。名前が載れば目を付けられ、その先には破産か逮捕の道が待っているからだ。 

ここに潜むのは実業家たちのジレンマだ。中国では財産権が保護されていない。また、官僚が裁量権を持っていることは、正直な実業家が会社を奪われる可能性があることを意味する。

こうした環境では、共産党指導部との人脈作りが自らを守る唯一の方法となる。となれば、企業の幹部が贈賄の罪に問われるようになるのも無理はない。

人生を楽しむための方法も、その余力もあるはずの富裕層が、中国では自殺に走り、海外移住を考える。

これは法の支配の欠如だけが原因ではない。大気汚染問題や食の安全が脅かされる事件など、生活環境の悪化も一因であるのは間違いない。

しかしこれらは同時に、分かりにくい政治体制が生んだものでもある。共産党は02年以降、社会のあらゆる領域のエリートを代表すると主張しているが、エリートたちはそうは考えていない>

中共には自由も民主も何もなく、唯一許されたのが蓄財だ。ところがハエ叩き、虎退治でいつ摘発され収監、資産没収となるか分からない。外国へ逃げ出すしかない。気の毒だが運が悪かったのだ。もうすぐ夜は明ける。しばらくの辛抱だ。

ルトワック著「自滅する中国」読了。すごい本だ。長男一家来泊、5人目の孫の女児と初顔合わせ、初めまして、私がヂイヂよ。夕食は12人でピザ、鶏唐揚げ、サラダなど。宵宮。孫3人は豆絞りに法被姿で神社へ。綿飴で口の周りをベタベタにして帰ってきた。

■10月12日(日)。朝は室温21.5度、涼しい、晴、2/3散歩。午前中から神輿と大太鼓が目の前を威勢よく行く。迫力満点。

産経記者の松本浩史氏がブログ「政界走り書き」に「『国民情緒法』が何よりも優先する韓国司法界の不思議」(2013/11/5)を書いている。

<韓国には、法律や条約は言うに及ばず、その国の最高法規とされる憲法よりも上位に位置する「国民情緒法」なる法が厳然と存在しているそうだ。

韓国の中央日報で、2005年8月に掲載された「噴水台」というコラムにこうある。

「韓国でこの罪刑法定主義を否定する『国民情緒法』という妙な論理が登場した。これは手につかめる実体も、文字で記録された文件もない。長期にわたって蓄積された慣習法でもない。だが国民情緒に合うという条件さえ満たせば、実定法に拘束されない不文律となっている。憲法上にも君臨する」

つまりは、韓国の司法では、条約や憲法などより、国民感情が優先され、それを自虐的に「国民情緒法」と表現しているわけだ。道理でな、と合点がいくのは、このところの韓国司法があまりに「反日的」だからである>(以上)

「国民感情法」と訳した方がぴったりくる。「日本の極右の産経が我らのクネをコケにする記事を書いた。国民感情法によって成敗する!」というわけだ。

戦後の朝鮮半島には言論の自由はない。国民感情や政治権力に沿わない言論は潰され、社会的あるいは肉体的に殺される。日本について南では反日感情に沿う言論しかない。北では労働党をヨイショする国営の言論しかない。

朝鮮民族は理性より感情で動く。論より証拠、ではなく「声が大きい方が勝ち」「言論より暴力」の人々である。民族性だから直しようがない。

中韓北とは距離を置いて付き合えばよく、政冷経冷で結構だ。中共は国際社会でのバッシングと包囲網、経済制裁で武力紛争なしに倒れる可能性があるが、半島は放っておいても自壊するのではないか。楽しみだ。

それにしても中共殲滅戦で一番活躍しているのが習近平で、何をやっても周辺国から不信、反発、敵意を盛り上げ、孤立を招いた。習が暴れ回れば包囲網はどんどん重厚になる。毛沢東回帰を夢見る習の戦略ミスが致命傷になるのは確実だ。

夕食後に本宮見物。すごい人出。小生が小学生の頃はお神楽ばっかり、それ以降はのど自慢ばっかり、今日はヒップホップ風のダンスばっかり。チョコバナナ屋がピンクのイチゴバナナを売っていた。なんかちょっと・・・風紀紊乱的では・・・クネは何をしていたのか。

午後8時、最大の太鼓が先導する最大の神輿が来た。わが家の前の広場でUターンするのだ。小生らは2階からこれを見る。60人ほどが担ぎ、300人ほどが周囲を取り巻く。すさまじい迫力。震えるくらいだ。

オキュパイ・セントラル! 3万人、30万、300万人が北京に「NO!」を突きつければ習は身動きできなくなる。「自由民主」を標榜する本物のリベラルなら今こそ香港へ行って「占中」に合流すべきだが、リベラル=中共寄りのアカだから何もしないで、逆走してイスラム国支援へ向かう。

それなら香港について「右」は何をしているか。「北京は普通選挙を認めるべきだ、強権発動は許さない」と言うだけで、ほとんどオナラ。小生は隅っこでワンワンと吠えているだけ。

熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君・・・日本の右派はこんな体たらくでいいのか。

■10月13日(月)。朝は室温19.8度、肌寒い、曇、2/3散歩。夕べのうちに神社も街もすっかりきれいになっていた。すごい国だ。民度の高さでは世界一ではないか。

ルトワック著「自滅する中国」に面白い情報があった。

<人民解放軍には、それぞれの軍管区の上に位置する統合司令部がない。つまり、国家レベルでの指揮権の統一もなく、各軍の力を集中させるための即応能力もなく、各軍の行動を調整する能力すらないのである。

これは運用面ではまったく合理的ではないのだが、兵士たちに支配されるよりも兵士たちを指揮したい、選挙で選ばれていない(=国民の信任を得ていない)中国共産党の指導者にとって、これは非常に好都合な仕組みなのだ>

ひとつの軍管区が反乱を起こしても、他の複数の軍管区でもって鎮圧できるから、それぞれの軍管区を“孤立”させてきたということだろう。分断統治だ。これが健軍以来の中共軍の伝統ならば、習近平があわてて「戦える軍隊」を叫んだところで統合作戦能力なんて5年、10年で作れるものではない。

習の大好きな殺人鬼・毛沢東は「米軍は張子の虎だ」と言ったが、中共軍はまさに張子の虎なのではないか。

統合運用(統合作戦)とは何か?「リアリズムと防衛ブログ」から引用する。

<統合運用とは陸海空の三自衛隊が一体となって活動を行うことです。これを推進するため、06年に「統合幕僚長」と「統合幕僚監部」が設けられました。統合幕僚長は自衛隊のトップとして防衛大臣を補佐し、統合幕僚監部は三自衛隊の運用についての幕僚組織です。

以前の問題点は2つです。第一に、防衛大臣(当時は防衛庁長官)を補佐するものが複数存在することになるため、迅速な対処に支障をきたす恐れがありました。第二に、陸・海・空それぞれの幕僚監部(企業でいえば経営企画部)がそれぞれ別個に防衛力を整備、運用する体制だったため、三自衛隊を協同させる際に難がありました。

統合幕僚長および監部の設置によって、これが改善されることが期待できます。

統合幕僚長の設置によって、防衛大臣の補佐が一元化され、有事の際の対応が迅速になると考えられます。それに加え、統合幕僚長が「陸はアレをやり、海はそれをやり、空はコレをやりなさい」という三自衛隊の運用・指揮を執行する立場になるので、一つの方針に沿って三自衛隊が行動できるようになります>

三軍だけとか米軍も加わった統合演習を定期的に実施している。備えあれば憂いなし。(2014/10/13)

◆チューインガム離れスマホ需要奪う?

村山 雅弥


製菓会社の憂鬱

若年層のチューインガム離れが進み、ガムの需要全体が縮小の一途をたどっている。

国内販売額は平成25年まで9年連続で前年を割り込み、ピークだった16年の1881億円と比べて3分の2に減少。危機感を募らせた製菓各社は、新商品の投入やヒット商品のリニューアルだけでなく、ガムに親しみをもってもらうための啓発活動にも取り組んでいる。

ただ、需要を奪ったのはスマートフォンだという想定外の調査結果もあり、需要の底上げには従来にはない新機軸の対策を迫られている。

「当社のガムでは原点といえる看板商品だけに、開発には力を入れ、おいしさとミントの爽やかさを追求した」

国内で推定50%程度のシェアを握るガム最大手のロッテは、新「グリーンガム」(想定小売価格は税抜き96円前後)を4月下旬に投入。河合克美常務は直前の発表会で、昭和32年の発売以来57年ぶりとなる大幅な刷新により、強化を図った商品力をアピールした。

新商品は、花が咲く前に最初に刈り取った「初摘みミント」を使って品質を高め、ミントの香りを引き立たせたのが特徴で、主なターゲットは30〜50代の男女。味のバランスも考慮してシュガーレスとし、板ガムだけでなく粒ガムもラインアップに加えた。

「菓子の原点といえる『おいしさ』に立ち返った」(広報室)という自信作だけに、旧商品と比べた売れ行きは2桁の伸びを維持し、好調だ。

国内販売額9年連続マイナス

シュガーレスの「トライデント」や「クロレッツ」、特定保健用食品の「リカルデント」などのガムを展開し、日本で推定30%弱のシェアを握る米食品大手傘下のモンデリーズ・ジャパンは6月末、18〜34歳の男女がターゲットの「ストライド」(オープン価格)を刷新した。

川鍋洋治取締役は「ガムを口から出す行為で集中力が妨げられないように、ユーザーは味の長続きを求めていると分かったので『集中力持続』に向け、かみ始めのインパクトと清涼感の持続を強化した」と話す。

日本チューインガム協会によると、フルーツ系の商品を買う若年層が減ったこともあり、25年のチューインガムの国内販売額は前年比7.9%減の1220億円に落ち込んだ。

調査会社の矢野経済研究所は「単価の高いボトル入りタイプが全体的に不振。食べきれるグミや錠剤型(タブレット)の菓子が好まれる一方、かんだ後にごみとなるガムが若年層を中心に敬遠されている」(大篭(おおごもり)麻奈研究員)と分析。モンデリーズの川鍋氏は「ガムは平日に働きながら味わう人が多い傾向にあり、労働者人口の減少が響いた」と指摘する。

気分転換の効果や機能性アピール

一方、ロッテの独自調査によると、スマホ利用者の急増がガムの購入減につながっているという意外な結果が出た。「スマホのゲームやメールなどに集中するあまり、それまで電車の中でガムを楽しんでいた人の購入量が減った」(広報室)。

通勤・通学時はガムを味わう典型的な場面の一つだけに、スマホの影響は小さくないという。このためロッテは、アプリ(応用ソフト)に連動した特典を用意するなど、スマホ利用者の取り込みに乗り出した。

ガム離れを食い止めようと、市場全体の底上げを図る取り組みも活発化している。

モンデリーズはキャンペーンソングの動画配信などの「ガムならハカどーる」プロジェクトを展開し、ガムがもたらす気分転換の効果をアピール。ロッテもガムの情報を集めたウェブサイトを立ち上げ、若年層の関心を高めようと知恵を絞っている。

ロッテは今秋と来春、若年層をターゲットにした新商品の投入を計画。明治は口臭防止効果、グリコは初期の虫歯対策といった機能性を前面に出した商品の拡販を図る構えだ。

ただ、ガム離れは嗜好(しこう)の多様化を背景に「先進国が共通して直面する問題」(モンデリーズの川鍋氏)だけに、需要回復は容易ではない。

矢野経済研の大篭氏は「かんだ後、ごみ箱にすぐに捨てられるオフィスでの需要開拓が欠かせない」と指摘している。

産経ニュース【経済インサイド】2014.10.13

2014年10月13日

◆朴大統領への目先の忠誠・利益と国益

黒田 勝弘



産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)したとして在宅起訴された。前任者として触れないわけにはいかないが、迂遠な話から入りたい。

朴大統領の父、朴正煕(チョンヒ)大統領時代の1973年に日本で「金大中(キム・デジュン)拉致事件」が起きた。朴政権批判の反政府活動をしていた金大中氏の口を封じるため、韓国の情報機関が東京で彼を誘拐しひそかに韓国に連れ戻した事件だ。

国際的に大問題になり「韓国はとんでもないことをする国」として非難が噴出した。国際世論の悪化で朴正煕大統領は深刻な政治危機に陥った。

当時、朴槿恵氏は大学生だったが、79年に父が暗殺事件で亡くなった後、金大中拉致事件の記憶について確か「事件の知らせに父は驚き怒ってい
た」と語っていた。

金大中氏拉致は情報機関つまり部下たちの“過剰忠誠”による犯行で大統領は知らなかったというわけだ。部下が忠誠のつもりでやったことが結果的に上司の足を引っ張り、組織の利益と評判を大いに落とすという見本のような話である。

その教訓とは「目先の忠誠や目先の利益にこだわると結果はろくなことはない」である。とくに威勢のいい忠誠心、つまりカッコいい強硬論はいつも要注意だ。これは忠誠を誇示したい部下はもちろん、忠誠を受ける上司にもいえる。

今回の産経前支局長在宅起訴事件に接しながら思いついたことだ。

事件の争点が「大統領に対する名誉毀損」だけに、大統領官邸スタッフや検察など部下たちは忠誠心を働かせるのに懸命だろう。大統領もまたそれをむげにできないだろうが、その対応は「目先の忠誠・利益」に流れている。

今回、日本がらみの事件では珍しく韓国メディアのほとんどが「対外的評判が落ちる」という国益論の観点から起訴に反対し政府を批判している。

政府は過去よく見られた「国家元首への冒涜(ぼうとく)は許さず」などという「目先の忠誠・利益」で動いているが、民主化を経たメディアはそれに惑わされずブレーキをかけているのだ。

起訴状は野党陣営やメディアがしきりに疑惑と騒いだ「セウォル号沈没事故」当日の大統領の「7時間の空白」について、私生活疑惑は虚偽でありそれを伝えた産経の記事は名誉毀損にあたるとしている。

報道が名誉毀損にあたるかどうかを裁判所が判断することになるが、朴大統領の日ごろの“私生活”が「クリーン(清潔)」で「ストイック(禁欲的)」というのは大方の定評である。過去の大統領の“腐敗人脈”を最大教訓に人間関係にはきわめて慎重だ。

最も親しいとされる身内の弟一家さえ大統領官邸には一度も招いていない。それが「人間嫌い」「冷たい」と悪評になっているほどだ。だから大統領も部下たちも「クリーンとストイック」という看板とイメージだけは何としても守りたいと思っているはずだ。

ただそのイメージを守るために外国人記者に法的処罰を与えたのでは逆にイメージが傷つく。本人も部下たちもここは考えどころだ。(ソウル駐在客員論説委員)

産経ニュース【から(韓)くに便り】2014/10/12


◆中国の手の内さらした香港デモ

渡辺 利夫



中国は戦略的国家だといわれ外交巧者だと評されるが、本当にそうか。周辺諸国に圧力を加えて自己主張を押し通すただの強面(こわもて)に過ぎないのではないか。

国力に対する自己評価があまりに過剰なのである。周辺地域の自立化要求や民主化要求などは慎重な配慮に値しないといった傲慢さである。

ウイグルやチベットなど国内異民族への対応はもとより、西沙諸島をめぐるベトナムへの、南沙諸島をめぐるフィリピンへの軍事的威圧はほとんど恫喝(どうかつ)である。

 ≪自由と民主を制約した中国≫

香港で発生した今回のデモは、中国の過剰な自己評価に対する周辺の政治的反発の図式を絵に描いたように示すものである。近代史の屈辱を雪(すす)ぐに十分な力を掌中にしたのだから、栄光の過去(大清帝国)を再現するのに何の躊躇(ちゅうちょ)が必要かという情動なのだろう。

「中華民族の偉大なる復興」という習近平氏の繁(しげ)く用いるフレーズの中にその感覚が滲(にじ)み出ている。

長く険しい交渉を経て1997年に英国から中国に特別行政地域として返還されたものが香港である。返還後、香港のありようは中英合意をもって成立した香港基本法の中に書き込まれた。

返還後の50年間、香港は「一国二制度」の原則の下で英国統治下と同様の資本主義制度を採用し、政治的にも香港住民による香港統治(「港人治港」)をもって自由と民主を守ることが約された。

しかし、中国は香港の自由と民主に制約をかけ続けた。自由と民主が共産党独裁の中国に拡散し、その政治制度を揺るがせることを恐れたからである。

今回のデモの要因は明白である。香港の行政長官は、中国の全国人民代表大会(全人代)や政治協商会議の香港代表、各種職能団体の代表からなる選挙委員により選出される制限選挙である。

香港基本法には返還後香港の行政長官は将来、普通選挙によって選ばれると規定されている。共産党独裁に嫌悪感をもつ香港住民を懐柔して返還をスムーズに実現させようとした中英合意の所産である。

≪反発のきっかけは香港白書≫

この普通選挙がようやく2017年の選挙から実施される旨、今年8月31日、全人代常務委員会による決定として公表された。一人一票の普通選挙の導入である。

香港民主化の前進と思われようが、内実は選挙委員の過半数の支持を受けるきわめて少数の者しか出馬できない制限選挙であり、民主党派人士が立候補者となる道は事実上閉ざされてしまった。

全人代や政治協商会議の香港代表委員が中国政府の代弁者であることは無論だが、職能団体と称される業界代表者も中国の意向に逆らうことは難しい。

金融や不動産はもとより、ほとんどの業界は中国との連携なしに存続は困難だからである。香港民主党派や学生の反発は当然であった。反発行動は香港金融街の占拠であり、事態がかくなることは香港ウオッチャーには十分に知られていた。

今回の香港住民の反発のきっかけは、6月10日に中国国務院(内閣)が「香港白書」を公表し、“香港の高度の政治的自治は香港に固有の権利ではなく、中央指導部の承認を経て初めて行使さるべきものだ”と明確に指摘したことにあった。白書発表を機に民主党派はこれに対する抗議行動を起こす意志を固めていたのである。

 ≪しなやかな「有志連合」も≫

中国の香港政策の転換点は、国家安全条例の法制化を香港政府に迫った2003年4月2日の全人代常務委の決定にあった。香港基本法は“反逆、分裂、反乱扇動、機密窃取、海外政治団体との連携”を禁じていたものの、香港住民の反発を招くこの条例の法制化は、やはり返還を順調に進めるために見送られていた。

当時、香港住民は法制化に激しく抵抗し、デモは返還後香港で最大の50万人規模となった。この反対運動の高揚を前に香港議会は法制化を断念せざるをえなかった。民主党派の次の照準は普通選挙制の導入に当てられたが、これが今回挫折に追いこまれたのである。

中国の対応は愚策である。一国二制度とはいうものの、内実はかくあるという手の内を内外に開示してしまったからである。習近平氏の台湾統一原則は香港型の一国二制度である。

サービス貿易協定の締結が台湾の対中傾斜を後戻りできないものにするという危機感が台湾学生の「ひまわり運動」に火をつけた。実は03年の香港での国家安全条例の法制化は台湾で民進党の陳水扁氏が総統となったことへの牽制(けんせい)だったのである。

周辺地域を力でねじ伏せれば自国の意志を容易に押し付けることができると踏んで事に臨む中国の意図は、その意図に反する抵抗ベクトルを各地で誘発している。

ウイグルやチベット、ベトナム、フィリピン、何より台湾が香港の事態を注意深く見守っている。周辺地域が中国の強圧に耐えかねて静かに相互連携を開始し、中国の周辺部にしなやかな「有志連合」が形成される可能性がある。香港の事態は安倍外交とも無縁ではあるまい。

(わたなべ としお)拓殖大学総長・産経【正論】2014.10.9