2016年10月28日

◆米国の公民投票

Andy Chang



米国の選挙投票日はあと2週間に迫ったが、大統領選挙はヒラリー
がやや優勢とはいうもののトランプとの差は小さく、メディアが情
報操作している可能性もあるので、今のところ誰が勝つかわからな
い。

ヒラリーは非常に陰険でしかも金があるからメディアを自由に
操作できるし、最近ではヒラリーの支援者グループがトランプの演
説会に出かけて擾乱した廉で2人がヒラリーの応援団体から追い出
されたという。

ヒラリーはトランプの選挙妨害には関わっていないと言う。彼女は
決してボロを出さないし、悪いことをしても罪にならない。だから
ヒラリーは絶対にイヤなのだ。

選挙は大統領と副大統領だけでない。国会議員、市会議員、小学校、
中学校や地方大学の教育委員、市の書記と出入係などの選挙も同時
に行われる。

投票には名前も顔も知らない人の名前が並んでいて、誰を選べばよ
いのか迷ってしまう。国民はたいていどの政党にも所属していない
から政党の推薦候補が並んでいても、投票者は保守とかリベラルな
ど「個人の好み」に頼るだけである。

国民の半数以上が国情や社会に関心を持っていないから政治に対す
る知識は白紙に近く、民主制度とはいえ民主選挙が良い政治、良い
国造りになるとは思えない。

●法案が多すぎる公民投票

その上にもう一つ国民が迷ってしまうのは公民投票である。民主主
義国家では何をするにも国民の同意が必要かもしれないが、どんな
条件を通して投票に持ち込むのかがわからない。毎回の投票には法
案が幾つもあるが、誰が法案を作り、どうやって投票に持ち込んだ
のかハッキリしない。

独裁国家と違って民主国アメリカでは些細なことでも公民投票が決
めるようになっている。投票日の1か月ほど前になるとメールや新
聞広告は勿論、テレビに第XX号法案に反対票を投じてください、第
YY号法案に賛成票を投じてくださいと言った広告が何回も出てく
るようになる。

テレビ広告はすごくお金がかかるものだが、投票前に毎日まいにち
何十回も広告を出すとなると随分お金がかかっているはずだ。その
資金は何処から集めたのか。何千万ドルというお金をテレビ広告に
使うぐらいなら、そのお金で1つや2つの学校が建ち、何十マイル
の道路が舗装されるはずだ。

●今年の投票法案は17案

私の住んでいるカリフォルニア州、オレンジ郡、サンクレメンテ市
では今年の投票は大統領、副大統領の外に、国会議員、市会議員、
学校の教育委員、市の書記と財務官など、そしてそのあとに公民投
票の提案が17案ある。

これらの公民投票提案には学校校舎の建設や修理の為に公債を発行
するとか、死刑廃止の賛否などの提案があるが、珍妙な提案もあり、
それぞれの提案に賛成側の募金と反対側の募金の金額が表示されて
いる。17提案のうちのいくつかを書いてみる。(M=百万ドル)

提案51:学校の建設や修理のための公債発行:Yes 12.2M
提案52:カリフォルニア健保(Medi-Cal)の政府補助金を恒久化す
る:Yes 62.2M、No 18.8M

提案55:4年前に通した州の大金持ちに課する高い税を延長する:
Yes 57.1M、No 3000ドル提案56:タバコ一箱に2ドルの税をかけ
る:Yes 30M、No 66.3M

提案60:Adult Videoの男優にコンドーム使用を強制:Yes 4.5M、
No 452.173M

提案62:カリフォルニアの死刑を廃止して保釈なき無期徒刑に変更
する:Yes 8.9M、No 4.6M

提案63:銃砲や銃弾の購買につき、身分検査や犯罪歴の調査を強化
し、犯罪者に所持する銃砲を提出させる:Yes 4.7M、No 742.376M
提案64:21歳以上の成年にマリファナ少量の使用と栽培を許可す
る:Yes 19.8M、No 2.5M

提案67:2014年に通したプラスチック袋の使用禁止に賛成するか:
Yes 2.5M、No 9M

以上、17提案のうちで気になったものだけを挙げたが、どの法案も
かなりの金額をあつめてテレビで賛成、反対を宣伝しているのだ。
銃砲の所持規制はオバマ民主党の一貫した主張だが、反対に7.4億
ドルが集められている。タバコに2ドルの課税は納得できても、AV
の男優にコンドーム使用を強制する法案で反対派が4.5億ドルを集
めたのはオドロキである。AV男優にコンドーム使用を強制するのは
性病やエイズの蔓延を防ぐためだが、反対にこれだけの金が集まる
とは思わなかった。

民主国家とは言えマリファナとかAV男優にコンドーム使用などを
政府が規制してもおかしくはないはずだ。こんな法案でも公民投票
に任せるのが現代アメリカなのだ。民主主義とは言論自由というが、
自由に限度がなければ国民の要求は果てしなく広がる。マリファナ
が合法化されるとやがては麻薬の合法化も提案されるかもしれない。



◆中国の外交的勝利なのか

福島 香織



ドゥテルテ訪中は中国の外交的勝利なのか

暴言と麻薬犯罪の容赦ない掃討ぶりで、日本でも注目されているフィリピ
ンのドゥテルテ大統領は25日から日本を訪問。この訪日による日本とフィ
リピンの外交成果については、この原稿を書いている時点ではわからない
のだが、その前に行われたドゥテルテの訪中については、すこし整理して
まとめておく必要があるだろう。

ドゥテルテ訪中によって、南シナ海情勢は何か変わるのか変わらないのか。

「日本より先に」「六中全会前に」

ドゥテルテは10月18日から4日の日程で北京を訪問、国家主席の習近平は
じめ、李克強(首相)、張徳江(全人代常務委員=国会議長に相当)、張
高麗(国家副首相)らと会談。CCTVの単独インタビューを受けて、南シナ
海の共同開発に意欲的な姿勢を見せたうえに、中国フィリピン経済貿易
フォーラムで講演し、演説の最後に「我々は軍事、経済上を含めて米国と
の関係から離脱すると謹んで宣言する」などとのたまわったものだから、
米国国務省が慌てて、真意を説明せよと要請する事態も起きた。

フィリピン側は「米国依存から離脱するという意味で、関係を断絶すると
いうことではない」と弁解するも、フィリピン金融市場ではペソや株価が
一気に下落し、国際社会も動揺している。

このドゥテルテ訪中が決定したのは、日本訪問の日取りが25日に決まって
以降。これは中国が執拗に、日本よりも先に訪中をしてほしいと促した結
果である。

中国としては日本に訪問して鼻薬をかがされる前に、チャイナマネーで
フィリピンをからめとりたいという意向もあるが、それ以上に、六中全会
前に、フィリピン外交および南シナ海問題で、政敵に見える形の勝ち星を
挙げたい、という意図が見えた。

24日から始まる六中全会とは党中央委員会第六回全体会議、すなわち共産
党にとって年に一度の最重要政治会議であり、ここで来年の党大会に向け
た人事その他の布石が行われる。

習近平としては、ここで68歳の定年制の枠を外すなど、長期独裁体制へ
の方向性を打ち出したいところなのだろうが、党内のアンチ習近平勢力は
意外に根強く、中国に圧倒的不利なハーグ裁定を許した習近平外交の脇の
甘さなどを攻撃している。

ハーグ裁定が発表されて以降、習近平から強いプレッシャーを受けた外
相・王毅の怒涛の対ASEAN外交の結果、その後のASEAN関連の国際会議で、
裁定を理由に中国を表立って非難する声は、公式の声明、コミュニケに盛
り込まれることはなかった。

中国としてはスカボロー礁実効支配という目標遂行に利する、一方の当事
国のフィリピンの“裁定棚上げ”あるいは、米国などの介入を完全に遮断す
る“共同開発”の言質をとれば、それ以前の失点を上回る外交勝利を収めた
ことになる。共同声明にそれが含まれるか否か、おそらくは今回のドゥテ
ルテ大統領訪中のハイライトであった。

135億ドルの大盤振る舞い

さて結果からいうと、中国は期待したほどの成果は得られなかった、よう
である。

共同声明の南シナ海関連の部分を抜き出して、見てみよう。

「双方は南シナ海の問題について見解を交換した。双方は争議問題は中比
関係のすべてではないことを改めて確認。双方は適切な方法によって南シ
ナ海争議を処理することが重要であるということで意見を交換した。双方
は平和と安定を維持、促進し、南シナ海の航行の自由と飛行の自由の重要
性について改めて確認し、国連憲章と1982年の国連海洋法条約が公認する
国際法の原則に従い、武力や武力に相当する脅威を訴えることなく、直接
に関係する主権国同士での友好的交渉、協議によって、領土および管轄権
の争議を平和的に解決することを改めて確認した」

「双方は2002年の『南シナ海行動宣言』と2016年7月25日のラオス・ビエ
ンチャンで採択された中国‐ASEAN外相会議での宣言を振り返った。双方は
宣言が有効的に実施され、協議の上に南シナ海行動規範の早期成立のため
に共同の努力を願うことを全面的に確認した」

「双方は継続して協議し、互いの信頼を醸成し、南シナ海において自制を
保った行動をとり、争いを複雑化させずに、平和と安定への影響を拡大化
することを確認した。これに鑑み、その他メカニズムで補いながら、また
その他メカニズムの基礎を損なわないように、新たな協議メカニズムを打
ち立てることが有益であり、双方は南シナ海について各自直面する問題お
よびその他関心事について、定期的に協議が持てるだろう。双方はその他
協力を展開できる領域を探ることで同意した」

声明文を読めば、南シナ海問題について、当事者同士が話し合って解決と
いうかねてからの発言以上に踏み込めなかったことがわかるだろう。南シ
ナ海の共同開発についても「その他協力を展開できる領域を探る」という
無難な表現で終わった。ハーグ裁定やスカボロー礁の問題に関する具体的
な文言も入らなかった。

一方、中国側のフィリピンに対する援助は13項目あり、海上警察協力のほ
か、およそ135億ドルに相当する経済協力という大盤振る舞いをした。
フィリピンバナナをはじめフィリピンの果物輸入禁止やフィリピン旅行禁
止の制裁を解いたことは、フィリピン経済への大きな贈り物となった。

こういった状況から、中国党内一部からは、フィリピンに対する“贈り物”
に見合った成果を上げられなかったという批判がでている。中国経済が悪
化の一途をたどっている中、外国にここまで経済支援をする必要があるの
かという世論もネット上などで盛り上がっている。

声明文には盛り込まれていなかったが、帰国後のドゥテルテの発言から、
スカボロー礁周辺で中国漁民の漁を認める方向ですでに話し合いが進めら
れているようでもあり、同時に年内完成を目指していたはずのスカボロー
礁の軍事拠点化計画は9月下旬の段階で延期が伝えられている。

とすると、中国側の譲歩の方が大きすぎるという意見も、もっともだとい
うことになる。

では、習近平が老獪なドゥテルテに翻弄されて、対比外交をミスったとい
うことになるのだろうか。

「母方の祖父は中国人」

中国側の真意については、一般に言われているのは、米比離反をまず成功
させ、中国サイドに引き込んでから、スカボロー礁の実効支配を確実にす
ればよいので、ドゥテルテに対米離反を決心させるためにスカボロー礁基
地建設延期という譲歩を提示した、という戦略である。中国にとって最大
の目標がドゥテルテの米依存離脱宣言であるとしたら、それは成功である。

中比経済貿易フォーラムの講演でドゥテルテは、次のように言い放っている。

「中国と我々の関係が良くなり、米国は多少焦っている。米国はプーチン
を恐れているが、それは彼に自信があるからだ。欧州情勢は微妙で、ギリ
シャは救いようがなく米国人はアフガンで過ちを犯し、現在医療システム
を支える資金の保証もない。…

ASEANにおいてカンボジアは中国の真の友人であり、盟友であろう。ラオ
スもだ、ベトナムもだ。インドネシアは中立だが、フィリピンは非常に中
国に傾倒している。


米国にはフィリピン人の生活境遇を真に改善する力はない。日本にだって
できない。日本は我々に援助してくれるだろうが、それは中国にもでき
る。日本も鉄道を作ってくれるだろうし、韓国もそうだろうが、しかし、
我々はより中国に傾倒していて中国から融資を受けたいのだ。なぜなら、
あるとき中国が我々に長期の融資をしてくれて、その後、我々との友誼の
ために、その融資の返済を帳消しにしてくれたことがあるからだ。日本や
韓国では、こんな風にいかない。中国からの資金は充足しているが、私が
さらに中国が好きなのは、さらに、あなた方の真心なのだ。…

中国はこれまで人を侵したことがなく、人を侮蔑したことがない。これが
私にとっては重要だ。私の母方の祖父は中国人である。だから中国人の特
性をよく知っている。友人として、中国はいつも喜んで人を助け、我々の
間の友誼の源流は非常に遠くから流れているのだ。私の個人の経験から
も、このことは深く理解している。…

政治、文化が絶えず揺れ動く時代、米国はすでに負けている。私はロシア
に行ってプーチンに会い、フィリピンは中ロのパートナーになると告げる
つもりだ。…

我々は軍事、経済上を含めて米国との関係から離脱すると謹んで宣言す
る。もちろん、もしあなた方が経済上、米国との間に問題があるようであ
れば、我々があなた方を援助する。あなた方が我々を援助するように」

リップサービスにしては行き過ぎた中国へのラブコールと米国批判に、講
演会ではやんやの拍手が起きた。大統領にここまで言わせたという点で、
中国としては、とりあえず、身銭を切った価値があった、という解釈もある。

いくら後で、米国との関係を断絶するわけがない、などと言いつろったと
ころで、フィリピンが米国から中国・ロシアに同盟関係を乗り換えたいと
公式に言っているのと同じである。かつて米外交誌・フォーリンアフェ
アーズ(9月27日 ウェブサイト)の記事で「ドゥテルテの登場がアジア
太平洋秩序を変えることになるかもしれない」と強い懸念が示されて
いたが、その懸念を今更ながらに痛感する。

フィリピンを信用しすぎるな

上海社会科学院国際問題研究所の研究員・李開盛は英フィナンシャルタイ
ムス(中国語版)に対するコメントで、今回の対比ばらまき外交は、「帳
尻があっている」と評価している。根拠は、会談中に、フィリピン側に仲
裁裁判のテーマを持ち出させず、両者の話し合いで南シナ海の問題を解決
すると重ねて言質をとったこと。米国のアジアリバランス戦略に重大な打
撃を与えたことを挙げている。

「ドゥテルテはハーグ裁定の棚上げをしただけでなく、米軍との合同パト
ロールにも参加しないと宣言し、2度と米軍との合同演習も行わないとも
宣言した。

これは米国の南シナ海戦略を根底からひっくり返す。フィリピンは来年、
ASEANの議長国になり、フィリピンと中国の協力関係が与える影響はさら
に効果を発揮し、おそらく米国の中国に対するけん制に対し、ASEANがさ
らに嫌がるようになってくる」

ただこういう見方に関しては、反対意見もあり、人民大学国際関係学院の
時殷弘教授がニューヨークタイムスの取材に次のようなコメントを寄せて
いる。

「中国がドゥテルテを信用することはそれほど簡単ではない」

「フィリピンにワシントンとの親密な関係を放棄させ、カンボジアやラオ
スのように完全に中国サイドに引き込むことは非現実的だ」

国際社会をより俯瞰している中国学者の間では、フィリピンを信用しすぎ
るなという慎重論の方が強く、むしろ一刻も早くスカボロー礁の埋め立て
を完成させることの方が重要という意見も多い。

冷静にみてみれば、ドゥテルテがどのような言葉を誰に言ったところで、
フィリピン一国には軍事的にも経済的にも中国の「核心利益」であるスカ
ボロー礁軍事拠点化を阻止する実力はない。中国の南シナ海陣取り戦略を
阻止できるのは、最終的には米国の軍事力、経済力を背景としたASEAN、
国際社会としての抵抗力であり、中国がドゥテルテを信頼しなくても、今
回の訪中でのそのビッグマウスが米国や国際社会のフィリピンに対する信
頼を揺るがしたという意味では、中国としては外交的な一勝と
言えるかもしれない。

米国こそが危機的状況を招いた

もっとも、南シナ海の事態をここまで悪化させた張本人は何といっても米
国オバマ政権であることは間違いない。

海軍司令官・呉勝利はファイアリークロス島など南沙三島の埋め立てがあ
まりにも順調にいったことについて、かつてこう発言している。

「思いがけなかったことは、習近平主席が我々をこんなに支持してくれて
いること、我々の埋め立て工事・建設能力がこんなにも強力であったこ
と、そして米国人の反応がこんなに鈍かったこと」

ドゥテルテの言動やフィリピンの突然の外交政策転換を批判するより、米
国こそがこの危機的状況を招いたということを認識してほしいというの
が、南シナ海情勢が自国の安全保障問題に切実に絡んでくる日本人として
は本音である。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る

赤い帝国・中国が滅びる日』

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/102500069/fukushima_bo
ok3.jpg?__scale=w:150,h:224&_sh=0c10660250

「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を
国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護
を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢い
だ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在す
る。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不
満…。

こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いな
るリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知
ることにつながる。

KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行
                (採録:松本市 久保田 康文)

   


         

2016年10月27日

◆異常な事態が中国で

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)10月26日(水曜日) 通算第5072号 >

 〜失業する若者、安定の職を求め異常な事態が中国でつづいている
   たった一人の公務員補充募集に1万人が詰めかけて大混乱〜


中国民主連盟というのは、「野党」ということになっているが、実態は共
産党のダミー、党の綱領には「共産党の指導の下で」と書かれており、ア
リバイ的に野党が存在することになっている建前上の組織。

来客も少なく、やることはとくにない。デモも集会も禁止されているから。

10月25日、この中国民主連盟が「受付」を1人募集するとしたところ、
な、なんと9837人が履歴書を持って列に並んだ。

景気の良いときは誰も顧みなかったポスト、それが「閑職でも安定した収
入が望める」「なんたって公務員だから」とばかり、押しかけたのである。

こうしたポストを「鉄椀」という。

しかし、野党職員の資格は「大学卒業」2年以上の社会経験。やることは
受付と会議の準備、連絡など。野党といっても、これは準公務員というと
ころで、若者から見れば魅力的な職といえる。

共産党のスタッフになるには、「党員」でなければならないうえ、大学も
法学部系という規則があるため募集しても、これほど求職者が詰めかける
ことはない。

かつての公務員の魅力と言えば、賄賂、給料以外の役得。ところが、2013
年に贅沢な宴会禁止、出張制限などが通告され、暇をもてあまして、朝、
ゆっくり食事してから登庁しても、殆どやることがなくなったのが公務員だ。

汚職と誤解されてもいけないので、業者とは会わない。プロジェクトは進
めない。宴会はやらないから、自宅へ直帰。

バブル自体の副収入を知っている公務員はふくれ顔だが、スマホゲームが
できる時間があり、人と会わなくても良いとなれば、引き籠もり勝ち、一
人っ子の現代中国の若者にはぴったりかも。

ただし、これは職にあぶれアルバイトに励む都会の蟻続のはなしで、地方
都市へいくと事情はまったくことなる。

たとえば内蒙古の省都=フフホト鉄道局の補充人員募集には応募がない。
新彊ウィグル自治区の税関にも応募がない(サウスチャイナ・モーニング
ポスト、10月26日)。

地方では27000余の3k現場で人を募集しているが、応募してきたの
は、250名だった。
田舎、3k労働は、完全に若者からそっぽを向けれているようである。
 

◆利権構造改革が歪める日本:農業

MoMotarou



野菜の高騰が続いている。原因は「異常な気候」が原因には間違いない。
しかし高価格が2年続いている事が注目点であります。

■食料安全保障

これが「米」なら“凶作”という言い方になり「2・26事件」へと連想も沸
く。しかしキャベツや大根では逼迫感が湧きません。野菜が駄目ならハン
バーガーあるという子供もいるだろう。

昔フランスの有名なお姫様が「パンが無いのならケーキがある」と言った
らしい。革命で断頭台の露と消えて行かれた。合掌。

今回の高騰は異常な気候の他に、東日本を襲った2つの台風の影響が大き
い。関東地区は先の東日本大震災の放射線風評被害で作付けも減ってい
る。まして福島県は大変だった。茨城千葉の牛蒡(ごぼう)も中国産より
も安く取引されていた。涙が出てきたのを思い出す。

■世界最高水準の日本農作物

日本の農作物は品質が高すぎるのだ(笑)。信じられないだろうが競争が
激しいからだ。電気製品と同じ。当に金正日でも毎日食べられないような
品物が街のスーパーに並んでいる。

今政府は農業分野の「構造改革」に邁進しているが、農薬や農機具の価格
ばかりに注目をしているととんでもないことになるだろう。

政府は農業に対して「国防意識」をもって臨んでいるのか疑問に思う。十
数年前お米の不作で、輸入米を複数年契約で導入しました。しかし売れな
いので東京湾の埋め立てに使っているという噂もあった。豊洲市場もその
上に立っている。

■高騰時のマスコミ報道

野菜の高騰が始まると、中央卸売市場の競(せ)り場面が「NHK夜7時の
ニュース」に登場する。そして競人(せりにん)やスーパーのバイヤーや
八百屋さんが意見を言う。次にスーパーの店頭で買いに来た奥さんにイン
タビュー。「お高いわ!」と言って一連の儀式が終わる。そうすると日本
中に「買い控え」ムードが起き出し沈静化も起き出す。

この間、NHKニュースから約1週間。しかし今年は違うだろう。業界の長
老にも尋ねてみた。「記憶にない」。

■内外の攪乱工作に注意を払え!

気候変動で日本中の産地がやられている。熊本県も野菜の大産地だ。また
外食化が進み「数量」の確保が必要な業界もある。高値は続く。対応を間
違うと、久しぶりに「政変」に繋がるだろう。

不満はマグマのように溜まっている。政府は油断するな。決して政府は直
接海外から輸入工作をしてはならない。“鴨扱い”されるだけだ。民間に任
せろ。商人を信用せよ。マスコミは煽るな!


2016年10月26日

◆世界は暴言、放言時代

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)10月25日(火曜日)通算第5071号 >

〜世界は暴言、放言時代。こんどはイラン大統領が次期米大統領を
  「だれがなっても『悪い』か、『もっと悪い』かだ」とロウニハ〜


 世界は暴言で満ちあふれている。
 「ヒラリーは嘘つき」なんてトランプの暴言も、今や何のパンチもない。

「オバマは売春婦の息子」(ドゥテルテ比大統領)。

イランのロウハニ大統領はインタビューに答えて曰く。

「誰が次期米国大統領になろうとも、それは『悪い』か『もっと悪い』
かだ」(エルサレムポスト、10月24日)。

「米国は200年間民主主義政治を貫いたなどと言うが、この間に50
回の大統領選挙をおこない、そのモラルを見ても、政治倫理的に立派なも
のと言えるのか。米軍の軍備では、いまやイランのパワーをまかすことは
できない」とロウハニは付け加えた。

オバマの腰抜けがシリア問題を悪化させ、その結果がEU諸国を蝗の大
群が襲って、経済難民問題はEUの分裂を招来させようとしているとする
分析が欧米の政治アナリストの間には主流の意見だが、EU諸国として
は、オバマ批判にうつつを抜かしている時期は過ぎた。

そのオバマ政権が展開した外交は連続的な失敗であり、アジア太平洋で
は『アジアピボット』のリップサービス。
発言から5年、米艦艇は、スカボロー岩礁近辺をうろうろと「航海の自
由」作戦を示威するだけ、その結果、南シナ海は『中国の海』と化した。
最大の被害国フィリピンは、領海問題を棚上げして、北京にすり寄った。
米国はアテにならずというわけだろう。

ベトナムはひとり意気軒昂。米艦も寄港しているが、最大の軍事的庇護
はロシア、北京とは一戦交えても構わない覚悟である。

 しかし東欧はガタガタになってロシアの外交攻勢が高まり、中東はイラ
ンとの宥和でサウジとイスラエルをモスクワへ近づけてしまった。これぞ
まさしく米国に負とでた、「中東ピボット」の失敗ではないのか。

オバマはミャンマーとキューバとの外交関係再開で、たしかに外交得点
を稼いだかも知れないが、イラン外交は拙速すぎたとの批判が米国に渦巻
いた。
 
それでもイランを重視するという背景には、やはりドル基軸体制の維持
という目的いがいには考えにくい。

イスラエルのロビィが、連邦議会工作に初めて失敗したのも、このイラン
との核合意だった。

しかし民主党としても、イスラエルとの絆を犠牲にしてまでも、こうした
外交を進めたオバマの裏にひそむドル防衛というもくろみを了解したから
ではないのだろうか。
 
イラン大統領の暴言に対して米国からの正式の反応はまだない。
     

2016年10月25日

◆安全保障と憲法改正

櫻井よしこ


■日本国の欠陥を直視せよ

一体この国は誰が守るのか。拉致被害者を救出するのは誰か、尖閣諸島を
はじめ、領土、領海を守るのは誰か。

拉致被害者は何十年も北朝鮮にとらわれたままである。国民が他国にとら
われ、ほぼその一生をとらわれの地に拘束されるのを見逃し続ける国な
ど、本来、国家とは呼べない。

尖閣諸島に迫る中国は執拗(しつよう)、着実に力を増強して、要求し続
ける。政府の強い意思と自衛隊の十分な軍事力なしに、日本人と日本国を
守り切れない状況が生まれている。だが、わが国は、少なくとも安倍政権
以前、守る意思も力も欠落させてきた。

この、国とはいえない日本国の欠陥に、日本人は、政治家も国民も、気が
ついているのかと、本書は鋭く問うている。自衛隊員の立場から3人の当
事者たちが生々しい体験に基づいて率直に語り合っている。

拉致等の事案で外務省は情報収集および分析において、殆(ほと)んどい
つも間違ってきた。憲法前文の精神に浸り、外交における軍事力の効用を
全面的に排除し、国際社会の善意という幻に縋(すが)り、希望的観測で
国際社会を推し量ってきた。

国民救出を国家の責務と考えない愛のない外交を展開してきた戦後日本国
の異形の姿が浮き彫りにされている。

では国民と国家を守る実力部隊としての自衛隊はどうか。彼らとて、拉致
問題解決は軍の責任だとはとらえていないという衝撃的な実態が指摘され
ている。

また、仮令そうとらえていても自衛隊が北朝鮮で救出作戦を展開すること
ができないのは、安保法制が整えられた今も同じだと、3人は冷静に指摘
する。

そんな国家であり続けてよいはずがない。3人は具体的に指摘し、熱く叱
咤し続ける。拉致もテロも国土を奪われる危険も、すべて私たちの眼前に
ある危機なのだ。

危機回避の最低必須条件はどう考えても憲法改正にある。憲法改正が欠か
せないと考える日本人の心にある。日本を愛する全ての人に、本書を読ん
で、その指摘に応える民意形成を急いでほしいと、願わずにいられない。
 
産経ニュース【書評】櫻井よしこが読む『自衛隊幻想 拉致問題から考え
る安全保障と憲法改正』

一体この国は誰が守るのか? 2016.10.23
                (採録:松本市 久保田 康文)


     

2016年10月24日

◆クリントン有利が決定的に

櫻井よしこ



「テレビ討論会でクリントン有利が決定的に アジア各国を籠絡する中国
に対抗できるか」


日本時間の10月10日午前、米国大統領選挙戦2回目のヒラリー・クリント
ン氏vsドナルド・トランプ氏の討論会には気がめいった。

「うそつき」「下品でわいせつ」「愚か者」「不作法者」「無資格者」
等、考えつく限りの罵詈雑言を互いに投げ付け合った90分間だった。これ
が世界の超大国のリーダーたらんとする人物同士の討論かしらと、視聴し
たおよそ全員が思ったはずだ。
 
だが、それが世界政治の冷酷な現実である。明白になったのは、2回目の
討論でも1回目同様、国際政治や外交、安全保障に関する議論は二の次
だったこと、またクリントン氏がさらに優勢になったことである。
 
米「ウォールストリート・ジャーナル」紙は社説でこう述べた。

「トランプ氏は(わいせつな表現で既婚女性に迫る様子を語った)テープ
が暴露される以前に、すでに支持率を落としつつあった。このまま下落が
続けば、共和党員の良心と共和党の政治的生き残りのために、トランプ氏
を見限っても無責任だと非難はできない」
 
さらに、大統領選挙と同時に行われる上下両院議員選挙で過半数を維持す
るには「クリントン阻止」で団結し全力を尽くせと檄を飛ばしている。
「ヒラリーの国内政治目標はいずれもオバマ大統領のそれらよりも左翼的
で、ナンシー・ペロシが(もし下院議長になれば)それらの法案を可決す
るだろう」と書いて、米国社会がリベラル方向に振れることを警告している。
 
10月8日号の当欄で書いたように、トランプ氏が大統領になった場合、世
界は大混乱に陥ると思うが、かといって、クリントン氏なら安心かといえ
ば、全くそうではない。彼女主導の政治に私は少なからぬ不安を覚えてい
る。現状を見ると不安はいや応なしに高まる。

なぜなら、オバマ大統領が重い腰を上げて築き始めたアジア・太平洋地域
の「団結」が中国に崩され、米国の力がさらに弱まっているからである。
 
今年2月15日、オバマ政権は初めての米・ASEAN(東南アジア諸国
連合)首脳会議を米カリフォルニア州で開いた。曲がりなりにも
ASEAN10カ国全てが参加し、南シナ海での中国の蛮行を念頭に「航行
の自由」と「域内活動の非軍事化と自制を促す」ことを、共同文書で確認
した。中国の強い影響下にあるカンボジアまで署名したことは、オバマ政
権の成果である。
 
しかし、そうした成果を中国は覆してきた。9月7日にラオスの首都ビエン
チャンで開催された日本・ASEAN首脳会議では、安倍晋三首相が南シ
ナ海問題に関するオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判定を尊重すべき
だなどと発言し、ASEAN首脳は支持の意向を示した。
 
だが、翌日の日・米・中・ASEAN首脳会議ではASEAN諸国が中国
に説得され、議長声明から仲裁裁判所の判定に関しての言及がスッポリ抜
け落ちた。議長国のラオスやカンボジアの姿勢がぐらついているのだ。
 
加えてフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の中国への急接近であ
る。合理的な範疇を超えたフィリピンの反米親中路線は南シナ海問題にと
どまらず、アジアの海における米中関係の行方に大きな影響を与える。
 
こうした中で米国の新大統領、恐らくはクリントン氏が登場する。彼女が
ホワイトハウス入りするのは来年1月20日、それまでの約3カ月間、中国は
全力で勢力を拡大するだろう。その状態が新大統領にとっての外交、安保
のいわばスタート台となる。
 
その時点でクリントン氏が中国を押し返せるか。そんな難事に取り組むよ
り、現実的に判断して中国と結び、日本は両国の谷間に追い込まれかねな
い。その可能性も念頭に、日本は準備を進めているはずだ。外交、安保、
いずれも厳しい時代を私たちは迎えている。

『週刊ダイヤモンド』 2016年10月22日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1154


◆イデオロギー色ゼロ

古森 義久



米大統領選トランプ候補はイデオロギー色ゼロ 米国の保守主義は空洞化
したのか否か?

最終盤となった米国の大統領選挙をみていての疑問の一つは、米国年来の
保守主義はどうなるのか、である。この疑問はドナルド・トランプ候補の
指名で土台を壊した共和党の命運への問いとも表裏一体だといえる。

近年の大統領選挙は、程度の差こそあれすべて保守主義とリベラリズムの
対決だった。ごく簡単にいえば、保守主義とは政府の民間介入を最小限に
する「小さな政府」、社会的な価値観では伝統の保持、対外的には強固な
軍事力を含めての普遍的価値の投射、そして介入などを求める思想である。

その逆方向の一連の理念がリベラリズムであり、歴代でも最もリベラル色
の濃いオバマ政権の諸政策をみればその内容がはっきりする。だからオバ
マ大統領への対決からスタートした今回の共和党側では、17人もの候補の
うち16人までが「私は保守主義者です」と熱を込めて明言していた。唯一
の例外がトランプ氏だった。

トランプ氏はオバマ政権への非難こそ激烈だが、保守主義はまず口にせ
ず、保守派の持論たる自由貿易にも反対する。軍事政策では保守志向だ
が、他の主要政策ではイデオロギーをほとんどみせない。そして共和党主
流の保守派の政治家たちをすべてこきおろす。それでもどの世論調査でも
最低40%ほどの支持率は確保してしまう。

となると、トランプ支持層は保守主義にも背を向けたのか、という疑問が
起きるわけだ。

年来、米国民個人では自分自身をリベラル派よりも保守派だとみなす人た
ちがずっと多かった。ブッシュ前政権時代の世論調査ならば保守対リベラ
ルの比率は2対1ほどの差があった。近年はその差は縮まったが、なお個人
レベルでは保守派の数がリードする。ただし大統領選挙となると、他の要
素が入り、その保守傾向は必ずしも共和党候補支持に直結はしない。

こんなイデオロギー構図はトランプ現象で崩されてしまったのだろうか。
米国の保守主義は空洞化、あるいは大幅退潮となったのか。

この疑問への答えは、大統領選と同時に催される連邦議会選挙に向けて実
施された共和党側予備選での結果にもヒントがありそうだ。

トランプ候補が共和党のエスタブリッシュメント(既成勢力)と呼んで悪
口雑言を浴びせてきた側の代表ともいえるジョン・マケイン、マルコ・ル
ビオ両上院議員とポール・ライアン下院議長の3人が、それぞれの選挙区
での予備選で新人にチャレンジされた。3人の新候補はみなトランプ氏の
熱烈な支持者で、共和党主流の政治姿勢をなまぬるいと断じていた。

だがマケイン、ルビオ、ライアンの現職3議員は予備選でいずれも圧勝し
たのだった。政治評論家のマシュー・コンティネッチ氏はこの結果を「保
守主義の大衆主義に対する勝利」と総括していた。

この一事をもって保守主義や共和党の全体を論じることには無理もあろう
が、少なくとも保守主義の主唱で米国の国政の正面舞台に長年、立ってき
た3主要議員は「保守主義の顔」としてなお健在なのである。(ワシント
ン駐在客員特派員)

産経ニュース【古森義久のあめりかノート】2016.10.23    

                 (採録:松本市 久保田 康文)

2016年10月23日

◆米国大統領選挙を妨害?

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)10月19 日(水曜日)通算第5065号    

 〜ロシアのハッカー部隊(「ファンシー・ベア」)が米国大統領選挙を妨害?
  民主党とリベラル派マスコミ、必死の予防線。ならば中国のハッカーは?〜

「米民主党とリベラルなメディアが口を揃えてロシアが民主党のコン
ピュータにハッカーを掛けて侵入し、選挙を妨害していると騒ぎ立てている。

同じく米国のNSAも、ロシアのSNSにハッカーを掛けているが、その
ことを問わないばかりか、トランプを阻止するためにと民主党の不正行
為、腐敗、ヒラリー陣営とリベラルマスコミのただれた関係を暴露される
のを恐れている」

これはトランプの発言ではなく、『ワシントン・タイムズ』(10月15日)
の記事である。

トランプ攻撃は凄まじかった。過去の些細な事件の『噂』を並べ立てて人
権を無視した個人攻撃。証拠などテレビニュースの段階では不要とばかり
に、民主党とリベラルなマスコミの共同作戦、トランプ候補を貶める陰謀
ともとれる。

なぜこうまで激しく攻撃するかといえば、実際にヒラリー当選が危ないの
である。世論調査を何度繰り返しても、彼女の優位がでてこない。

遂には200の新聞がトランプ攻撃に転じ、30のメディアは社説でヒラリー
への投票を呼びかけた。

トランプの反グローバリズムを恐れるウォール街、これに呼応する共和党
保守本流、そして移民排斥などで対立する民主党の主流派が一斉に共闘を
くむかたちとなった。

あまりのことに共産党主流派、上下両院の選挙への悪影響を勘案し、トラ
ンプへの組織だった支援をしないことにし、ライアン下院議長は日和見を
宣言した。これでヒラリーの辛勝への道が開けたというのが、この時点
(10月20日)時点の情勢となった。

トランプの逆転勝利の展望は期待薄となった。
 
トランプはツィッターを駆使して、民主党の不正がまかり通っていると、
はやくも選挙無効の予防線を張り始めた。

しかし米マスコミが異常な興奮でロシアのハッキングを脅威視している
が、トランプは「ロシアは妨害しているかも知れない。しかし、それなら
ば中国のハッキングはどうなのか? ほかの国からのハッキングや個人に
よるものはどうなのか」と問いかけてみせた(『TIME』、10月10日号)。

それまでは中国のハッキングばかりをオバマ政権は批判してきたではない
か。今回の大統領選挙で、中国のハッカーの影が薄いのは、米マスコミの
情報操作ではないのか。

その上、中国は現状維持で、御しやすいのはクリントン候補だから、トラ
ンプに共鳴するプーチンとは立場が異なり、妨害に出ていないのかも知れ
ない。


 ▼過去を振り返ればロシアのハッカー軍団の選挙妨害はあった

たしかに2011年のエストニア選挙ではロシアが総選挙にハッカー攻撃をし
かけて、妨害した。

エストニアはIT先進国に変貌しており、世界で初めて国民がスマホで投
票をするという投票様式を採用する実権場となった。

エストニアをもがれた格好のロシアとしては面白い筈がない。

そこで、エストニアにハッカー攻撃を集中し、選挙を見事に妨害した。
エストニアh通信のインフラが脆弱で、そのうえ、エストニア国内にはロ
シア人コミュニティがあちこちに残存しており、ロシアの第5列の役割を
果たすからである。

その後も、ロシアはフランスでルペンの国民戦線に900万ユーロを迂回融
資し、またドイツではテレビ局の番組を乗っ取ってISの旗を掲げたり、
東欧の選挙にもハッカーを仕掛けてきた。
 
のハッカー部隊は「ファンシーベア」を呼ばれる。

米大統領選挙では、選挙開票は機械が自動的に選挙区内の統計をとるが、
投票所の機械とインターネットとは連動しておらず、閉鎖回路である。ロ
シアが選挙の開票を妨害したり、集計を誤魔化す可能性は殆ど不可能と言
える。

そこで残る危険性として、取りざたされているのは、その前の段階におい
ての有権者のデータ改竄である。選挙の投票現場で大混乱が導き出される危険性がある。
   

◆振り返ればヤツが

西見 由章


振り返ればヤツが…中国は厳然たる警察国家であり監視社会だ

白と紺のボーダーシャツを着た中年男が、列車内の通路を往復しながら
チラチラと様子をうかがってきた。鉄道駅近くのビジネスホテルで宿泊手
続きを済ませ、振り返ると入り口近くにその男が立っている。中国の地方
都市で公安の「行動確認要員」に尾行されるのは慣れてきたが、今回は少
し様子が違った。

翌日朝5時すぎに部屋を出て、7階から非常階段を一気に駆け下りた。駐
車場に警察車両3台が止まっているのが見える。「こりゃ逃げ切れない
な」。気分は指名手配犯だ。

案の定、飛び乗ったタクシーは尾行され、目的地近くで降りると5人ほど
の男に四方を固められた。

奇妙なことに気づいた。昨日と同じボーダーシャツの男がいたがズボンの
色が違う。彼らはみな刈り上げ頭で、どんよりした雰囲気も似ており見分
けがつきにくいが、今日のボーダーシャツは妙に肩幅が広い。

わざと同じシャツを着て印象付けさせ、圧力をかけるのが目的だったよう
だ。取材を試みたのが軍関連だったせいなのか。結局、現場には公安に加
えて地方政府のメディア担当や外国人との交渉担当など計10人以上の公務
員が現れた。頼んでもいないのに。

いくら経済が発展しても、中国は厳然たる警察国家であり監視社会である。
産経ニュース【北京春秋】10.21

2016年10月22日

◆いまごろ日本国籍「選択宣言」

八幡 和郎



蓮舫氏、いまごろ日本国籍「選択宣言」 “偽の二重国籍”売り物に 「違
法状態を放置だ」八幡和郎氏緊急寄稿

民進党の蓮舫代表(48)の「二重国籍」問題は、国民にウソをついた だ
けでなく、違法性が問われる可能性が出てきた。蓮舫氏は15日、都内 の
区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されなかったとして、戸籍
法に基づき「(日本国籍の)選択宣言をした」と語ったのだ。同問題を徹
底追及してきた、徳島文理大学の八幡和郎教授が緊急寄稿した。(夕刊フジ)

蓮舫氏は、戸籍法の義務である「22」歳までの国籍選択」を、最近まで
してこなかったことを明らかにした。党関係者によると、選択の宣言は今
月7日付だという。

これは、国籍選択後の台湾籍離脱が「努力義務」なのに対し、純然たる
「違法状態」を放置してきたことになる。蓮舫氏は立法府の人間でもあ
り、重大性において格段の差がある。

さらに、日本国民であることを選択してこなかったなら、日本と台湾に
同じ重さの忠誠度しかない状態だったことになる。日本の国会議員として
著しく不適切だろう。

これまで蓮舫氏は、法律改正を受けて、17歳の時に国籍選択するまで の
一時的措置で、合法的な二重国籍状態となる「国籍取得」の手続きをし
たことは認めていた。だが、それ以外のほとんどの日付を曖昧にし、日本
維新の会や、インターネットの言論プラットフォーム「アゴラ」などの公
開要請にも、証拠書類は一切開示しなかった。

今回も証拠の提示はなく、国民は本当に蓮舫氏が台湾籍を離脱したのかす
ら確認できない。すみやかに証拠を開示し、特に台湾旅券の使用状況を示
すべきである。

それは、公職選挙法上の経歴虚偽記載や、旅券法、税法などの違法行為の
有無を判断するのに不可欠の材料だ。

蓮舫氏は「二重国籍」状態は、不注意によると強弁しているが、戸籍謄本
などを見れば、国籍選択の不履行は一目瞭然だったはずだ。

 「私は、二重国籍なんです」(『週刊現代』1993年2月6日号)な
どとメディアで発言してきたことが営業トークだと言い張るなら、それを
証明する責任がある。そもそも、キャスターやタレントとして“偽の二重
国籍”を売り物に「産地偽装」のようなことを試みたなどと平気で言うの
もいかがなものか。

 さらに、民進党は公党として、国籍選択すらしていない人物を国会議員
や閣僚、党代表としたことについて、国民に謝罪すべきである。ガバナン
ス(統治)能力の低さについても、根本的な反省が必要だ。

産経ニュース2016.10.21



2016年10月21日

◆共和党葬送曲

Andy Chang



米国大統領選は投票まであと3週間、トランプの女性蔑視談話が暴
露されて人気が下落したが、ヒラリーの人気も上昇しない。トラン
プは女性票と黒人票を失ったがヒラリーは嘘吐きで信用できないと
いう国民が半数以上も居るし、トランプは大統領になる資格がない
という評価は49%だから、2人とも不適任である。

毎日更新される調査ではヒラリーが少しだけリードしているが接戦
である。第3政党の候補ジョンソンは相変わらず10%以下である。

トランプは女性蔑視で共和党の幹部がトランプ不支持を表明するよ
うになったが、トランプは自党の支持を失った危機を乗り切るため
に焦土戦術を始めたと言われ、すべての批判に反撃を加えるらしい。

敵に反撃するだけでなく味方の批判にも反撃するから余計に敵を作
る結果となっている。敵も味方もみんな敵にするトランプの自爆行
動は彼自身の破滅だけでなく共和党の破滅である。

●自大狂の焦土戦術

トランプは良い結果が出たら自分の手柄、失敗すれば全て他人の責
任にする人間である。女性蔑視は彼の責任だが謝罪したから終わり、
あとはみんな政敵ヒラリーの陰謀だと言い出した。

セクハラされた
女性が何人も名乗り出たらトランプは否認して、あれはみんなウソ
だと断言した。セクハラされた女性が9人に増えたが、みんなヒラ
リーの陰謀だと支持者の集会で叫ぶさまは「見苦しい」の一語に尽
きる。しかもヒラリーの陰謀だと言ったすぐあとに、名乗り出た女
性を貶して「あんな女は俺の好みでない」と言った。好みの女なら
手を出す本性丸出しだ。

トランプの焦土戦術とはなんでも反撃の対象にすることだ。選挙は
民主党の陰謀で、投票計票はイカサマで公平でない、ヒラリーと世
界の大銀行が結託してトランプ攻撃の陰謀を企んでいる、ヒラリー
が当選すれば軍人の誰かが彼女を暗殺する、ヒラリーは薬物常用者
らしいなど、根拠のないことを言い出した。

そんな阿呆が共和党を代表して選挙に出れば共和党の名誉にかかわ
る大事だ。ポール・ライアン国会議長やジョン・マッケィン上院議
員などがトランプ不支持を表明し、自粛を要求したのは当然だが、
トランプは彼らを政党離反者で口が悪い、共和党が俺を潰すと反撃
した。これでは誰もトランプを支持しなくなる。味方の票が減った
ら落選する上に共和党も分裂する。

あと3週間で投票日だから共和党はトランプの替りを出すこともで
きない。だがトランプの焦土戦術はマイナス効果の上に味方の共和
党まで敵に回すから支持者が増えるだけだ。

落選すればトランプを最後まで支持する死忠グループは共和党から
離脱するだろう。トランプが落選したら共和党は分裂を起こして共
倒れとなるに違いない。焦土戦術は共和党の葬送曲である。

●ヒラリーが当選すれば

ヒラリーが当選すればたいへんだ。8年も続いたオバマ政権は外交
も内政も失敗だらけだが、ヒラリーがあと4年も続けることになる。
共和党は上院の優勢を失い、最高裁の大法官4人が引退してヒラリ
ーが後任を任命すれば最高裁は超リベラルとなる。

もっと悪いのは数あるヒラリーの犯罪調査が全て不問にされる。こ
れは国民全体が納得できないことである。

ヒラリーには当選させたくないのが大半の国民の考えだ。その証拠
にトランプがスキャンダルで反対者が増えてもヒラリーの支持層は
増えない。そんな時にトランプが焦土戦術でヒラリーに有利なこと
ばかりやる、トランプの自爆である。

●選挙の結果予想

選挙の結果はどうなるだろうか。現在の調査ではヒラリーが少しだ
け優勢である。トランプが個人のスキャンダルで人気が落ちたと同
時に、ウイキリークスがハッキングしたヒラリーのメールを数日お
きに発表するので、投票日までにどんなニュースが出るのかも分か
らず誰が当選するか予測できない。

世間の大まかな予想によると投票の結果は3つあると言う。第1は
ヒラリー辛勝でトランプ惜敗、第2はヒラリー大勝利でトランプ大
敗。第三はトランプ辛勝である。世間はヒラリーが大敗すると思っ
ていない。

予想第1の結果、トランプが惜敗すればトランプ支持者は執念深く
ヒラリーの違法追及にこだわり続け、ヒラリー反対の執念は消えず、
ヒラリー政権は4年で終わるだろう。ヒラリーと世界各国の黒幕の
癒着が表面化すれば金融危機を招くかもしれないとも言われている。

オバマの無為無策路線でアメリカは中東の動乱を招いたが、ヒラリ
ーも一部の責任者だから、ヒラリーが当選した後も中東の紛争は続
き、反米テロは増加するだろう。欧州とアジアにおけるアメリカの
影響力が低下し、中国とロシアの台頭となるだろう。

第2の結果、トランプ大敗ならトランプが酷評され税金問題や過去
のあくどい商売も追及される。共和党もトランプを候補に選んだ責
任を問われ、党員の離脱が共和党の危機となるだろう。ヒラリーが
大勝利すればヒラリーの違法問題は追及されず、クリントン一家の
天下となる。ヒラリーはオバマ以上にリベラルでアメリカは社会主
義に近似する国になるかもしれない。これではオバマが作った22
兆ドルの赤字がさらに増えることとなる。

第3の結果、トランプが勝てば公約通りヒラリー夫婦の犯罪調査、
オバマ8年の失敗を追及するだろう。但しトランプが選挙で列挙し
た政策、国境に塀を作ってメキシコに金を出させるとか、2千万人
の違法移民を国外追放、イスラム教徒の入国禁止などは問題が続出
し停頓する。トランプはもっと傲慢になり独裁者気取りで北朝鮮、
イランなどと戦争が起きるかもしれない。アメリカ社会は黒人問題
が終息せずますます混乱する。世界では誰もトランプの政治能力を
評価していない。

つまりヒラリーとトランプは2人とも不適任、どちらが当選しても
アメリカの衰退は挽回できない。共和党の没落は民主主義の主要制
度だった二大政党制に変化が起きる。民主主義の終焉である。

◆中国の広東省東莞はいま

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)10月20日(木曜日) 通算第5067号 >  

〜嘗て世界の工場の代表格だった広東省東莞はいま
  売春風俗嬢30万人が散っただけでも東莞GDPの10%減〜


東莞は世界の玩具の3分の1を生産していた。靴と家具のメーカーも多
く、雑貨輸出の基地としても知られ、労働者は中国の地方からだけでは不
足しバングラデシュ、パキスタンあたりからも低賃金に甘んじて暮らして
いた。

2年前、当局は風俗営業、カラオケバーでの売春などまかりならんとし
て、一斉捜索におよび数千人の売春婦、斡旋業者、場所提供者、ぽん引き
などを逮捕した。これにより、およそ30万人の風俗嬢が東莞から逃げ去った。

爾来、工場閉鎖、縮小、企業の倒産が相次ぎ、やがて労働者も1人去り、
2去り、数万が東莞からほかに散った。

駅前どころか、商店街は軒並みシャッター通り、工場は廃墟、多くのビル
は「レンタル」の表示があっても借りてはおらず、一気にゴーストタウン
化した。

新しいイノベーションで、新しいビジネスを創造し、再び豊かにしよう」
と地方政府トップは掛け声を掛けるが、言葉は虚しく虚空に吸い込まれ、
地元民は「それもこれも風俗産業の手入れから、こうなったんだ。GDP
はあれだけで、10%の激減。夜の享楽を求めてきた他者者も寄りつかなく
なった」と当局の売春屈手入れが原因とする。

しかしそれは問題のすり替えに過ぎず、賃金が上昇して価格競争に耐えら
れなくなった産業は、ほかに移転して生き延びるしかない。

これはカタストロフィ(破局)だと、分析するエコノミストもいるが、中
国一の繁栄を誇った広東省の一地域とはいえ、東莞のゴーストタウン化
は、明日の中国経済の衰退を予測される典型例である。