2014年09月13日

◆朝日 国益損ねた自覚もなし

阿比留 瑠比


朝日新聞が11日夜の記者会見で、5月20日付朝刊の吉田調書に関す る“スクープ”記事を全面的に取り消し、朝鮮半島で女性を強制連行したと 証言した吉田清治氏の証言に関し、少なくとも16回紙面で取り上げたこ とについても初めて読者におわびした。

一歩前進ではあるが、記者会見で の幹部らの発言からはなるべく非を認めたくない本音もうかがえる。一連 の朝日報道が、国益と報道の信頼性を損ねてきたことへの真摯(しんし) な反省はくみとれなかった。

「意図的なねじ曲げなどはありません」

杉浦信之取締役(編集担当)は、吉田調書についても慰安婦報道に関してもこう繰り返した。だが、とても素直にはうなずけない。

吉田調書をめぐり朝日新聞は5月20日、「所長命令に違反 原発撤 退」「福島第1所員の9割」との見出しを取り、福島第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉田昌郎所長の待機命令に違反し、10キロ 南の福島第2原発に撤退していたと書いた。

記事は命令違反の根拠として、吉田氏がこう述べた部分を引いている。

「本当は私、2F(第2原発)に行けと言っていないんですよ。ここがまた伝言ゲームのあれのところで、行くとしたら2Fかという話をやっていて、退避をして、車を用意してという話をしたら、伝言した人間は、運転手に、福島第2に行けという指示をしたんです。

私は、福島第1の近辺 で、所内にかかわらず、線量の低いようなところに1回退避して次の指示 を待てと言ったつもりなんですが(後略)」ところが、朝日の紙面ではこの吉田氏の証言の中で肝腎の「伝言ゲーム」の部分や「行くとしたら2Fかという話をやっていて」という部分がなぜか抜け落ちていた。

11日の記者会見で木村伊量社長や杉浦氏は「所長の発言の評価を誤った」「記者の思い込みやチェック不足があった」と説明し、何らかの意図を指摘する複数の質問は否定した。ただ、自社の主張に都合のいい部分をつまみ食いし、全体像をゆがめて伝えたのではないかとの疑問は拭えない。

また、吉田氏が続けて「よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しい」とも述べた点を朝日が記事に書かなかったことについて杉浦氏は、「書くべきだったと思う」と振り返った。ただ、なぜ書かなかったかの理由は、「事後的な発言ということで割愛した」とあいまいで説得力がない。

吉田氏が「馬鹿野郎」という言葉まで使い、菅直人元首相の言動や現場介入を強く批判していることも朝日は書いていない。これも杉浦氏は「意図的ではない」というばかりだ。防戦一方ながら、何とか単純ミスの延長線上の「誤報」と位置づけようとしていた。

反対に、朝日が8月5、6両日に掲載した自社の慰安婦報道の「点検」記事に関しては木村氏はこう胸を張った。

「いろいろと批判を受けているが、内容には自信を持っている」

吉田清治氏の証言では「訂正が遅きに失したことを読者におわびする」(木村氏)とは言うものの、慰安婦問題については本心では悪くないと考えているようにみえる。朝日の点検記事は、言い訳と自己正当化に満ちた甚だ不十分な内容だったにもかかわらずだ。

「一部の記者の問題か、もっと深い(構造的な)問題があったのかも含め、社外の第三者委員会でも違う角度から検証していく」

木村氏は、今後も一連の誤報の検証を続けることを何度も強調した。その言葉は往生際が悪く聞こえ、どこか他人ごとのようだった。(政治部編集 委員 )産経ニュース2014.9.12



◆朝日新聞撲滅を宣言

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 


<平成26年(2014)9月12日(金曜日)通巻第4335号 > 

 〜「朝日新聞を糺す国民会議」を結成、廃刊を目指し国民運動を
    10月25日に都内で結成大会、朝日新聞撲滅を宣言〜

「朝日新聞を糺す(ただす)国民会議」結成への呼びかけ

私たちは慰安婦問題等に如実に示された朝日新聞のねつ造歪曲報道を徹底的に糺すべく、全国民的な運動組織、「朝日新聞を糺す国民会議」結成を呼びかけています。

私たちは全国民の力で、この反日朝日新聞を廃刊にまで追い込んでいくことを目指します。

朝日新聞は、敗戦後、一貫して反日報道を続け、日本と日本国民を貶め、本来の日本を取り戻そうとする国民運動への妨害報道機関の役割を果たしてきました。

その結果として、外国勢力の謀略宣伝機関の手先となって来たのも、まぎれもない事実です。のみならず、朝日新聞は「左」の側から戦後体制を擁護してきた中心組織でもあります。朝日新聞打倒は、戦後体制脱却への大きな第一歩となります。

そのためには、日本国民が大同団結して、朝日新聞打倒への一大国民運動を展開しなければなりません。

私たちは、東京高裁で勝利したNHK1万人集団訴訟を踏襲した戦後日本最大の集団訴訟、全国民的な朝日新聞不買運動、朝日新聞スポンサーへの働きかけ、朝日新聞集団訴訟への「証拠類」となる朝日新聞抗議糾弾百万人署名運動、朝日新聞不買・契約中止を呼びかける日本全国一千万世帯ポスティング運動・街頭宣伝活動・デモ行進・「朝日新聞読まない、買わないTシャツ電車ラリー」等々を全国民規模で展開していく予定です。

私たちは呼びかけます。今こそ、草の根国民が起ち上がり、この運動を全国的な朝日新聞打倒ムーブメントにすることを。また結成大会を平成26年10月25日に砂防会館にて開催する予定です。

そのためにも、是非「朝日新聞を糺す国民会議」にご登録いただくようお願い申し上げます。ご登録いただいた方には、様々な国民運動の情報や現在の状況の御説明等をお送りさせていただきます。皆様のご登録をいただき、文字通りの「草莽崛起」を実現していきたいと考えております。

朝日新聞を糺す国民会議   結成準備事務局
                     事務局長 水島 総
http://www.asahi-tadasukai.jp/
(申し込み方法は↑)

◆日経も富田メモ大誤報を謝罪せよ

池田 元彦


2006年7月20日、日本経済新聞が一大スクープを発表した。富田朝彦元宮内庁長官の日記やメモを発見し、メモの一部を天皇ご自身の言葉と断定して発表した。 

「私は或る時にA級が合祀されその上松岡、白取迄もが。筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが、松平の子の今の宮司がどう考えたのか、易々と。松平は平和に強い考えがあったと思うのに、親の心子知らずと思っている。だから 私あれ以来参拝していない。 それが私の心だ」。この年の新聞協会賞受賞特ダネだ。

翌日主要新聞各紙は、メモは事実、天皇はA級戦犯合祀に不快感と大騒ぎした。日経のみ、加えて「中韓の反対、米国の厳しい世論もある」と言及している。何か怪しい。

実はこの年4月13日に杉田亮毅日経社長は北京に飛び、「靖国参拝止めろと厳命」の唐家?と秘密会談をしていた。

天皇は敗戦の年の年末「米国から見れば犯罪人、我が国から見れば功労者」「東條はそんな人間でない、彼程朕の意見を直に実行した者は居ない」とのお考えであり、事実A級戦犯処刑以降も、毎年祥月命日には東條家に下賜品を送り、残された家族の現況を気遣って居られた。

そもそも陛下が、親の心子知らずとか、A級戦犯という用語、高松宮逝去で弟宮を薨去とは言わない。富田長官の立場で天皇行幸を参拝、添書きの「そうですが、が多い」等書けるわけ訳がない。

陛下は1988年4月25日に87歳誕生日を前に記者会見されている。28日に富田長官は記者会見しているが、徳川義寛前侍従長の参与として初出勤、侍従長退任後初の記者会見に同席した時のメモだったのではないか。その時の徳川発言が、天皇87歳誕生会見の翌日報道に繋がった。

即ち、該富田メモは28日の徳川発言を後日、切り貼りしてメモ帳に挿入した疑いが強い。A級戦犯合祀に反対で、就任直後に即合祀した松平永芳宮司を不快とし、宮内大臣が宮司の父親であったことを勘案すれば、徳川侍従長の日頃の発言と一致、即ち侍従長発言メモでしか有り得ない。

陛下は翌29日吐瀉等体調悪く、富田長官が陛下の回想談話等聞く暇はなかっただろう。即ちこれは政治的な策謀であり、1か月後の小泉首相8月15日参拝、次期首相濃厚の安倍官房長官の参拝を牽制する、中共の意を受けた杉田日経社長の反靖国参拝キャンペーンと考えるしかない。

そもそもA級戦犯は1978年靖国秋例大祭で合祀され、報道発表されたのは翌1979年4月。即ち昭和天皇の靖国行幸の最後の1975年11月21日で、靖国A級合祀の3年も前だ。

陛下の行幸が途絶は、その年の三木首相の私的参拝に端を発し、左翼勢力の追求に富田長官が「天皇行幸は私的行為」と失言、吉国一郎内閣法制局長官が天皇参拝は「憲法第20条第3項の重大な問題」と更なる失言を重ねた。陛下は、憲法解釈問題を避ける為に中断されたのだ。

その後も陛下は毎年靖国例大祭に勅使を送り奉幣され、A級戦犯も含む戦没者慰霊追悼式にも毎年参列されている。又愛知県三ヶ根山の頂上にあるA級戦犯墓地「殉国七士廟」を一望できるホテルに敢えて宿泊され、翌早朝6時頃には20分余り廟に向かって黙祷されてもいる。

今上天皇誕生日にGHQはA級戦犯7名を処刑した。今上両陛下、皇太子も同様に黙祷され、その後も毎年使者を遣わし、この「お墓参り」を続けられている。昭和天皇が、A級戦犯合祀に不快感を持たれたとのメモの検証もなく、公開もせず、意図的に歪曲して流した日経の罪は重い。

朝日も朝日だが、この件及び親中共姿勢に関しては、日本経済新聞は反省、謝罪せよ。


◆重大な脅威には万全の備えを

平井 修一


「新聞社って訂正記事をどうやって決めているの?」( BLOGOS 9/8)。新田哲史氏(元読売新聞記者)の論考はとても勉強になった。以下一部転載。
               ・・・

私も社会部時代、ある先輩から「半年で2度、単純ミスによる訂正記事を出したら左遷だから気を付けろ」と注意されたことがありました。

勝負を賭けた特ダネに限って、かえって訂正やおわびをしづらい“誤報”になってしまうのは先述したとおりですが、事件系の報道でも捜査情報の機密保持をかいくぐって特定の情報源に依拠する分、時には敢えてダミー情報をつかまされることもあり、誤報のリスクは高いのですが、記者の力量をそこで評価されるので、ついつい記事を飛ばしたくなります。

1989年、かのグリコ森永事件で、毎日新聞は犯人逮捕の大スクープを放ったのが一転、世紀の大誤報になり、後に政治番組のコメンテーターでおなじみになった故・岩見隆夫さんは、その時の編集局長で責任を取って辞任した経緯があります。

しかし、やはりそれ以上に“謝りづらい”誤報が自社のオピニオンの根幹に関わる記事です。朝日以外でも同じことで、たとえばイラク戦争開戦の折、社説で支持した新聞社もありましたが、根拠となった大量破壊兵器がイラクに存在しなかった結果について紙面で総括しきれたかというと微妙なところです。

最近だと、(東電の)吉田文書を巡る各紙の報道がまさに典型的ですが、同じファクトを見ても解釈には記者個人や新聞社それぞれのスタンスに基づいてきます。

本来、ファクトには忠実であるべきですし、現場記者のファクト確認が徹底していることは先述したとおりですが、編集責任が現場デスクを超え、上層部肝煎りの案件になってくると、ある特定の方向に世論を持って行こうという思惑が働き、悪意がなくても自説を補強するように思えるファクトに出会ったら飛びついたり、過剰に強調したりする恐れがあります。

これはどの新聞社でも程度の差はあれ、原理は同じだと考えていいでしょう。だからこそ、自戒が必要なのです。原発再稼働のように国論が割れるようなイシューは、あえてポジ、ネガを含めた事実報道に徹して最終判断を読者に任せるというスタンスも一つの路線としてありでしょう

慰安婦問題の誤報の件に関する私の考えですが、池上さんの寄稿、あるいは池田信夫さんのブログをお読みいただければ分かるように、事実検証や謝罪姿勢がとても足りないです。

ワタクシメは記者を辞めた現在、企業広報支援を生業の一つにしていて、朝日新聞からネット選挙の講演等でお仕事をいただいたこともあるので「友人」として忠告しておきたいのですが、中途半端な謝罪は危機管理的にも最悪なシナリオです。

むしろ寝た子を起こして夜泣きされて泡食っているのが今の状態。そのことはツイッターで「蜂起」した(朝日)記者たちも当然同様の指摘をしていて上層部も分かっているはずです。

それでも朝日新聞がなぜ“謝り切れない”のか?

池田さんが別の記事でも指摘している通り、一つには、慰安婦報道を推進してきた「左翼軍団」の社会部系の派閥と、社内の負の遺産を返上したい木村伊量社長ら政治部系の派閥による社内抗争の可能性が考えられます。

このあたり、キーパーソンの存在が明確で権力構図が一般人にも分かりやすい、どっかの新聞社(平井:読売?)と違うところで(笑)、私も朝日新聞の対応にハラオチできない理由です。

木村社長を巡っては社内メールの文言から、「反省していない」との批判も浴びていますが、権力闘争というのは自民党の代々のそれを見ればお分かりのように、非常に複雑怪奇な力学が働いているもの。広報の教科書通り、率直な全面謝罪に振り切れない背景には色々な事情があるのでしょう。

しかし読者や社会はそうした社内事情を待ってくれません。会社が傾く前に打つべき手を打つ、例えば池上さんに三顧の礼を尽くして第三者委員会を立ち上げて検証してもらうべきではないでしょうかね。(以上)

                ・・・

我々は「朝日の社内事情」なんていう些末なことに構ってはいられない。逃げる朝日「ウソツキ国」を追撃して反日プロパガンダ主力軍を殲滅するのがまず第一歩だ。続いて「ウソツキ国」と連携するNHK、共同、中日=東京、毎日、琉球、沖縄、道新の新聞・テレビ等を叩く。岩波、赤旗、社民、民主、電通、日教組、革マル、NYタイムス、そして池田教も掃討する。

その他の諸雑派も弱体するだろうから、とりあえず平成のレッドパージはこれで収束。ずいぶん空気が洗浄されるはずだ。米国での対アカ戦争で失意に倒れたマッカーシー先生も喜んでくれるだろう。

3年でこれができたら挙国一致の総力戦、対中共包囲戦に全力投球する。それを待つほど中共は甘くないから習近平は早めに開戦するだろう。開戦前に中共自体が自滅しかねないという事情もあるはずだ。緊張感と抑止力を高め、プーチンのようにいつでも戦えるように備えておこう。

小生の妄想か、それともリアリズムなのか。「土砂崩壊危険区域に指定されると不動産価格が急落するから反対だ」と命より金を重視した住民はその両方を失った。これがリアリズムだ。重大な脅威には万全の備えが必要なのだ。(2014/9/10)



2014年09月12日

◆その元にまた朝日新聞

阿比留 瑠比


アジア女性基金元幹部の韓国への絶望、その元にまた朝日新聞

ちょっと前の話だが、産経新聞の1日付朝刊政治面に「アジア女性基金の元理事『韓国に絶望』」という小さな記事が載っていた。元慰安婦に一時金(償い金)を支給したアジア女性基金の理事だった大沼保昭明治大特任教授が、慰安婦問題に関して韓国の報道陣にこう語ったとの内容だ。

「(強硬な姿勢を示す韓国に)失望し、ひいては絶望している」

大沼氏は、朴槿恵(パククネ)大統領がこれまで以上の謝罪要求を続ければ、日本社会で受け入れられる解決策を日本政府が提示するのは難しいとの認識も示したという。

あのリベラル色の濃い大沼氏が「絶望」かと、少し意外に感じ、すぐにさもありなんと思い直した。アジア女性基金の歴史とは、日本の善意が韓国に理解されず、逆に反日に利用された見事な実例だからである。

韓国はアジア女性基金を当初は「評価」しておきながら、韓国内の反日団体が反発するとおびえて手のひらを返した。基金による一時金支給に対し、「(国家補償ではなく)そういうものをもらえば、ことの本筋をすり替えることになる」(当時の金大中大統領)と批判に転じたのだった。

そこで大沼氏が登場する平成18年10月の座談会「アジア女性基金と私たち」(デジタル記念館「慰安婦問題とアジア女性基金」に収録)をひもとくと、大沼氏はその時点で同様に韓国への絶望を表明していた。

「もう(日韓の問題を)35年以上やってて自分ですごく厭なのは、韓国の社会のあまりにも変わらない、反日さえ言っていればいいという体質です」

「これほどだめだったのかということを韓国について知ってしまって、はっきり言って僕は今、韓国があんまり好きじゃない」

「自分が慰安婦問題についてやったことは日韓関係の改善には役に立たなかったのでしょうね」

大沼氏はまた、慰安婦を「性奴隷」と認定し、韓国を含む世界の誤解を強化した1996(平成8)年のクマラスワミ報告書と、それを報じた日本のメディアの姿勢も批判している。

「学問的には水準が低いんですね。事実の面でも信頼できない意見に依拠しているし、法的な議論にも問題があるのです」

「それを大々的に真実として報道した日本のメディアの責任も問われるべきだろうと思いますね」

そのクマラスワミ報告書をめぐっては、菅義偉(よしひで)官房長官も5日の記者会見で「報告書の一部が、朝日新聞が取り消した(韓国・済州島での女性の強制連行を証言した吉田清治氏に関する)記事の内容に影響を受けているのは間違いない」と断じている。

大沼氏が座談会で述べた「信頼できない意見」とは吉田氏や、吉田証言を引用して本を書いたオーストラリア人ジャーナリスト、ヒックス氏のことだろう。

それでは「大々的に真実として報道した日本のメディア」とはどこか。国連人権委員会でのクマラスワミ報告書の扱いは「留意(テークノート)」との弱い表現にとどまったのに、8年4月20日朝刊記事で「『慰安婦決議』を採択」と大きく報じた朝日新聞のことだろう。少なくとも、「報告書を事実上不採択」(同日付朝刊)との見出しを取った産経新聞は該当しない。

韓国がひどいのは確かだが、大沼氏の絶望の元をたどるとまたしても朝日新聞に突き当たった。げんなりだ。(政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2014.9.11

◆中国主導の「真珠の首飾り」にくさび

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)9月11日(木曜日)弐通巻第4334号 > 

 〜バングラデシュに6000億円、替わりに国連安保理事国を日本に譲る
   スリランカ訪問で、日本の援助は中国を上回った〜

安倍首相の猛烈な外国訪問、就任以来すでに49ヶ国。歴史を書き換える壮挙である。2014年9月6日から8日まで2泊3日という強行軍で安倍首相はバングラデシュとスリランカ(旧セイロン)を訪問した。

行っていない国? もちろん、「反日」の御両家。

バングラデシュのハシナ首相は5月に日本に来ている。すでに東京で下打ち合わせは終わっており、6000億円もの経済支援大盤振る舞い。これは東隣のミャンマーへの支援に匹敵する。その替わりか、どうか。バングラデシュは次期国連安保理事国への立候補を辞退し、日本に譲った。

安倍首相の『真珠の首飾り』打破外交は、じつはミャンマーから始まった。中国のアジア外交は真珠の首飾りと呼ばれ、アジアを中国の覇権のもと、勢力圏に強引に組み入れようとして、そのあまりの野心剥き出しのやり方は各国から反発をうんだ。

ベトナム、フィリピンを筆頭に、豪やインドネシアも、むしろ日本が米国を後ろ盾に進める「自由と繁栄の弧」に傾いた。アジア、アセアン歴訪の安倍首相では反日メディアの「朝日新聞」がいうような「過去の反省」を求められず、殆どの国が日本の積極的関与を評価したのだ。

その象徴的出来事が5月のシンガポールで開催された「シャングリラ対話」で、基調演説の機会は安倍首相に与えられ、航海のルールの遵守を訴えた。ヘーゲル米国防長官は中国を名指しで批判するほどだった。

中国は出席軍人らが中華思想丸出しの反発を示したものの、自らの四面楚歌ぶりに気がついたのである。

 ▼中国の孤立はミャンマーから始まった

日本の外交への評価が変わったのはミャンマーからである。

ミャンマーへは過去の累積債権5000億円をチャラ(史上空前の徳政令かも)にして差し上げた上、新しく910億円を援助し、ヤンゴン郊外の港付近に日本企業専用工業団地を造る(ようやく工事が始まった)。筆者が取材したときはまだ草ぼうぼうだったが。。。

安倍首相はヤンゴン訪問のおり、この現場を視察した(詳しくは拙著『世界から嫌われる中国・韓国、感謝される日本』(徳間書店)を参照されたい)。ヤンゴンには日本食レストランも多く、現在、日本企業の進出ラッシュが続いている。

中国はこれまでミャンマーを自分の子分と認識してきた節がある。というのも、ミャンマーの南北を縦貫するガスパイプラインは稼働しており、幹線道路建設をはじめ、殆どのミャンマー援助は中国がなしてきた。

第二の都市マンダレーは雲南華僑の街であり、金融と流通は華僑が支配してきた。

ところが、オバマのアセアン首脳会議における「ピボット発言」とその直後、突然のクリントンのヤンゴン訪問以来、西側の制裁は中止された。

ミャンマーは中国が進めていたダム工事を中止した。爾来、2年間、ミャンマーと中国の関係は冷え切り、じつは口もきかない冷たい関係に成っていた。

余談を一つ。ヤンゴンの都心にあるトレーダーズホテルとその周辺が日本企業のメッカ、同ホテル2階のバアで山口洋一元大使と呑んだことがあるが、以前「カミカゼ」というカクテルがあった。それを頼むと「いまはありません」という。それだけ進出激しい中国に遠慮しているのかもしれない。

 ▼バングラデシュも中国の影響下にあった

今回、安倍首相はバングラデシュとスリランカを訪問した。

バングラデシュへも中国企業の進出めざましく、港湾整備、空港建設などのほか、首都には五万人規模のチャイナタウンを首都のダッカに建設中である。『バングラの東大』と言われるダッカ大学にはマオイストが猖獗している。

湿地帯のダッカに大きな橋を架けているのも中国の援助による。

バングラの繊維産業の半分は中国資本で、中国が雇用している女工だけでも軽く百万人である。対照的に日本企業の進出はあまりにも少なく、商業看板はおおかたが中国語併記である。オートバイ、テレビなど殆どが中国製に溢れる。

しかしバングラデシュは1972年独立の時から親日国家であり、その国旗は日本の日の丸を模倣して色を変えただけということが歴然としている。ハシナ首相は祖父が建国の父ラーマンである。

そして日本は空前の6000億円のバングラデシュ支援に踏み切るのだ。


▼日本は中国主導の「真珠の首飾り」にくさびを打ち込んだ

スリランカへの首相訪問は岸信介以来、じつに久しぶりのことだった。

コロンボの海岸沿いにある大統領公邸でラジャバクサ大統領主催の歓迎式典が開催された(この海岸には英国の植民地時代からの大砲がならび、その隣はマレーシア系華僑のシャングリラホテルが建設中だ)。

スリランカ(旧セイロン)も仏教の篤い信仰に支えられており、極めつきの親日国家である。ラジャバクサ大統領は昨年3月にも来日している。

北部に盤踞したタミルゲリラの反乱も、印度との和解を機に戦闘は収まり(タミルは印度の軍事支援をうけていた)、治安は回復された。

なおスリランカの首都はコロンボではなく、北よりの東海岸にあるスリジャヤワルダナブラコッテ。誰もこの首都の名称をすぐに覚えることは出来ないだろうが。

スリランカへ日本は巡視艇供与の検討にはいったとも伝えられ、実現すればフィリピン、ベトナムへの安全保障面での協力緊密化の路線に沿っていることになる。
 
いずれにしても注目すべきはバングラデシュもスリランカも、これまでは『中国様』に貌を向けていたのである。

中国のインド包囲外交、即ち『真珠の首飾り』を切ることが日本外交の密かな目的なのだから。


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◆柯隆氏の中国研究は甘すぎる

平井 修一


富士通総研経済研究所主席研究員の柯隆(かりゅう)氏は、日本の中国研究は「結論ありき」になっていないか?と疑問を投げかけている(JBプレス8/25)。

<今の日本の中国研究は深刻な問題を抱えていると思われる。それは、書店の中国関係コーナーを見れば一目瞭然だが、中国脅威論(日本にとっての悲観論)と中国崩壊論(楽観論)に二極化していることである。

いかなる研究も、まず求められるのは客観性である。そのうえ、建設的でなければならない。しかし、今の日本の中国研究の多くはいずれも欠如しているように思われる。

通常、どんな学問でも最終的に明確な結論を示さなければ、研究として完結しない。しかし日本の中国研究論文を読むと、明確な結論のないものが散見される。

一方、マスコミは結論ありきの発言や寄稿を研究者に依頼する傾向がある。「悲観的に書いてほしい」とか「中国を批判するトーンでコメントしてほしい」といった具合である。マスコミは一部の読者の嗜好に迎合して世論をミスリーディングしようとする。そして研究者はそれに応える。これは中国研究に限る話ではないかもしれない。

日中関係が国交回復してから最悪な状況に陥っているとよく指摘されるが、なぜここまで悪化しているのだろうか。その原因の1つは両国関係を健全化する知的創造機能の欠如にある。

すなわち、日中関係を良好に保つための知恵を出すシンクタンク機能がないから、政治が思いつきで間違った方向の政策を決断してしまうのだ。換言すれば、目下の政治は頭脳のない政治と言える>(以上)

釈迦に説法で恐縮するが、柯隆氏は現実を見た方がいい。

 1)日中関係の悪化は江沢民以来の反日教育と異様な軍拡という、中共の 一方的な攻撃により始まった。一党独裁体制の危機という中共の内部矛盾 を、外部に敵をつくることで解決しようとしたのだ。

日本も世界も「中共にも自浄力があるだろうから、やがてはそれなりに国際標準に近づくのではないか」と、20年以上も見守ってきたが、中共は対内的にも対外的にもますます凶暴化していった。

「客観的」かつ冷静に見れば、中共はもう暴力団だ、力で封じ込めるしかないだろうと最終的に国際社会が判定したのが今年、2014年である。匙を投げたのだ。「明確な結論」を出したのだ。日本は中共の攻撃にしっかり反撃できるよう準備を進めているだけだ。

日中の良好な関係を建設することは不可能になった。建設を拒否したのは中共である。

 2)社会科学院のようなシンクタンク機能を潰したのは習近平である。言論の自由も抹殺した。権力闘争で敵を潰そう、個人独裁を目指そうと「思 いつきで間違った方向の政策を決断して頭脳のない政治をしている」のは 習近平だ。中共はもはや矯正できない、更生して国際社会復帰するのは不 可である。

以上の2点は漢族・朝鮮族・アカ以外の世界中が思っていることではないか。プーチンだって中共を警戒しているはずだ。これがリアリズムである。中共との平和友好の時代は終わったのだ。

柯隆氏は「独禁法違反でベンツ、マイクロソフトを調査、外国企業に苛立ちをぶつける中国政府」(同9/9)ではこう書いている。

<中国政府はマイクロソフトやメルセデスベンツなどの多国籍企業が独禁法に違反しているのではないかと大がかりな調査に乗り出している。外国メディアでは、これは外国企業を狙い撃ちにしているとの論評が散見される。

なぜこのタイミングで中国政府が独禁法違反に関する大がかりな調査に乗り出しているのかは明らかではない。中国の景気が減速していることを考えれば、ここで外国企業を懲らしめる選択肢はないはずである。

外国企業は中国の「改革開放」の立役者だったと言って過言ではない。中国ではこの三十余年で奇跡的な経済発展が成し遂げられ、今や世界一の外貨準備を保有し、モノづくりの技術も、世界一流とは言えないものの、「世界の工場」と言われるほどその技術力は大幅に躍進している。

しかし現実的には、中国企業の技術力は高い壁にぶつかっている。中国企業の研究・開発能力は一向に高まらない。特に、エレトロニクスや自動車およびそのキーコンポーネントの技術がほとんど外国企業によって独占されている。中国企業への技術移転は思ったように進んでいない。

習近平政権になってから、中国政府は産業構造の転換と高度化を目標に掲げている。しかし、1年半以上経過しても構造転換は進んでいない。

しかし、構造転換を実現しなければ、中国のサステナブルな経済成長はあり得ない。そこで中国政府は、中国に進出している外国企業を追い落とすという方法を選んだ。ターゲットにされたのが、高付加価値の技術集約型企業である。

今回の一件で明らかになったのは、中国市場では、外資を無条件で優遇する段階が終わったということである。

外国企業としては、中国市場で生き残るために、今まで以上に中国をよく知ることが重要である。中国政府に対して独禁法違反の調査を非難するのではなく、より透明性を高めるよう求めていく必要があるだろう>(以上)

柯隆氏は人が良すぎるか、愛国者なのか、中共の意を呈しているのか。一度帰国してはどうか。朱建栄氏のように豚箱に半年間でも拘束されれば中共の凶暴さを思い知るのではないか。

中共に「透明性を高めるよう求めて」いってもムダである。無視されるか追放されるか、最悪の場合は逮捕されるだけである。世界中が基本的にそう認識している。

理想を掲げても平和にはならない。リアリズムに立って最悪の事態に備えるのが正しい姿勢だ。

裴敏欣(Minxin Pei)クレアモントマッケナ・カレッジの政治学教授がこう書いている(同9/9)。

<トウ小平主義の最大の知的欠陥は、抑制の利かない権力が支配層のエリートの間で強欲と腐敗を醸成する可能性があることを考慮に入れられなかったことだ。その最大の政治的失敗は、そうした権力を制限するために必要な民主的改革に抵抗したことである。

最近、政府のあらゆるレベルで組織的腐敗が明らかになっていることは、中国の長期的な経済的成功に対する最も憂慮すべき脅威が、対抗する者のいない、野放図な一党制国家であることを示している>

これがリアリズムだ。もっとも裴敏欣氏は習近平の虎退治を応援しているのだが。

いずれにしても柯隆氏の中国研究は甘すぎる。(2014/9/10)


◆美容脱毛VIO

馬場 伯明


夏が終わり、総武線の電車内の変な車内広告(CM)が少し減った。でも、世間的には最先端の流行の広告らしい。その広告とはVIOだ。あらま、2014/9/8、京都出張の近鉄電車にもVIOの広告があった!

本誌の読者は高齢者が多いらしいのでVIOをご存知の人は少数かと思われる。VIOとは「美容脱毛」の一種である。電車内の一等席のドア両側の上部に、Musse(ミュゼ)の次の広告が堂々と鎮座している。

《 両脇+Vライン 美容脱毛完了コース 特別価格250円 人気の2カ所セットコースをスペシャル価格で ご好評につき「緊急値下げ」続行 お申し込みは早めに キラキラ素肌応援キャンペーン》(安い!おとり?何回も何回も必要なのだ)。 

美人・美肌のトリンドル 玲奈ちゃんがピースサインで笑いかけている。(れいな、Triendl Reina、1992/1/23 - 、22歳)日本の女性ファッションモデル・女優、父がオーストリア人、母は日本人、慶大在学中)。

《ミュゼプラチナム(MuseePlatinum)は(株)ジンコーポレーションが運営する女性専門の脱毛サロン。脱毛方法はフラッシュランプによる光脱毛。 2002年福島県郡山市に1号店、その後全国 展開。:Wikipedia》。

また「TBC」、「銀座カラー」など同業の車 内広告がもあった。

美容脱毛とは、髪の毛以外の女性の体毛の脱毛処理のことであるが、VIOの中身を知ったら驚く人が多い。

【Vライン】ビキニライン、下腹部の三角地帯。下着や水着からの毛のはみ出しを回避する。【Iライン】VとOの間、性器周辺、両サイド。【Oライン】肛門周辺。これらの箇所の毛を完全に!抜くのである。

何と、はしたない広告であろう。美容脱毛VIOの処置はどのようにして行なうのか。M字開脚なのか、猫の背伸びなのか。そもそも、このような広告は公序良俗上、許されるのか。

ところで、多くの男性は脱毛ではなく頭の薄毛や禿げの進行で悩む。サザエさんの父波平のように頂門の一針ならぬ頂門の一毛になっては困る。

薄毛やハゲであっても、羞恥心と自尊心が強い男性は、密かに育毛、増毛、植毛、そして発毛の方法を次々と探し、試し、お金を投じ、望みを託す。だが、大半がむなしく裏切られている。

じつは、数年前から私の頭の髪は「スダレ(簾)」状態であり日々進行中である。左端の髪を伸ばし右へかぶせているが、頂門総退却のX-DAYはいつ来るのだろうか・・・。

少し横道へそれた。本題の女性のVIO処理に戻る。

女性の毛に関する美容と言えば、脇、顔、腕、脚など外部から普通に見えている毛を「剃る」ことが一般的だった。いつの頃からか、毛は「剃る」から「抜く」に代わった。

毛を抜くのは痛い。しかし、レーザー脱毛(医療行為)や光脱毛(エステ・弱出力で非医療行為)などの痛くない方法により一気に脱毛処理が広がった。とくに「光脱毛」は非医療行為としてエステティックサロンなどで急速に普及している。(同時に問題や苦情も報告されている)。

「ケツの穴の毛までむしり取られる」という文がある。(債務者の)ケツの毛などをむしっても(抜いて)も何の価値もないが、徹底的に収奪し尽くすという意味である。Oの脱毛!を女性が自分からやってどうするのだと言いたい気分である。

それは自分が精神的に相手に完全に服従状態になること、女性の自立とは正反対であるから。かつて、奥村チヨはヒット曲「恋の奴隷」で「♪あなた好みの女になりたい」と歌ったが、VIOの脱毛は、精神的には「性の奴隷」になるということではないのか。

名古屋のマットヘルス「ゴールデンハンター」じゅり嬢が語る。《「もともと(毛が)薄かったし、お客さんに喜んでもらえると思ったので、迷うことなく剃毛しました」彼女の股はあっと驚くパイパンなのだ。(日刊ゲンダイ2014/9/2)》脱毛ではなく剃毛にしたのは彼女のかすかな意地だという気もする。止めればまた生える。

ところが、VIOで「恋人の男性の目を意識する女性も多いという。毛を処理しないことを不衛生だと感じる人(男)もいるからだ(朝日新聞「VIO脱毛 イマドキ女子2014/9/5」)。何ということだ。最低の男である。

この記事の高重治香記者は「・・・自分で見えない肛門の毛まで(女性が)管理して当たり前という美意識が固定されるような社会は、息苦しい」と書く。当然であり、それは屈折した美意識である。

漫画家の伊藤理佐のコラム「オトナになった女子たちへ:そして産毛を失った」(朝日新聞2014/8/24)。《「(山口)百恵ちゃんが歌っていた「♪あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ〜」の一番大切なものってもしかして「産毛」だったんじゃないだろうか、・・・産毛を失った44歳のわたし」》と。

《「4歳の娘のおでこの・・・若い産毛たっぷりの美しいこと」「女子は、毛を切る、剃る、抜く・・・(私は)白髪を抜く」》一番大切なものを、もう、大切な人にあげることができない。伊藤さんは髪そのものを失くしてしまうかも・・・。

2014/8/9総武線の電車。日焼けしたテニス部員らしい数人の女子高校生がどっと乗り込んできた。その黒いうなじには黄金色の産毛があった。何と美しいのだ。

映画「アンと雪の女王」で、」王女エルサ(日本語版・松たか子)は、「Let It Go〜ありのままで(エンドソング)」を美しく誇り高く歌いあげた。

「♪ありのままの姿見せるのよ ありのままの自分になるの」「♪何も怖くない 風よ吹け  少しも寒くないわ」と。

若い女性たちよ、「VIO脱毛」などという女性蔑視・屈辱の思想に染まらず、ありのままの自然体で生きよう。「脱毛」を要求するような下司な男とはおさらばする。さあ、ありのままの自分になるのだ!
(2014/9/10千葉市在住)


2014年09月11日

◆ダライラマが後継選択制度廃止を望む

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)9月10日(水曜日) 通巻第4332号 > 

 〜ダライラマ猊下が衝撃の発言をされていた
  後継は輪廻転生によらないで、廃止を望む〜チベット仏教の最高指導者=ダライラマ

猊下はドイツ誌とのインタビューを通じて、「後継者選びを従来の輪廻転生によらず、この後継選択制度は「廃止」してほしい」と訴えていたことが分かった。

これまでにも「再考」を希望したいと発言されることはあったが、明確に「廃止」を言い切ったことはチベット仏教の伝統の否定につながり、これは衝撃的「事件」である。

もし、これが事実とすれば、猊下の発言の背景にいかなる事情があるのか不明であるにせよ、仏教界を震撼させる。

筆者自身、チベット自治区はもとより、青海省、四川省、雲南省などのチベット族の集落を何回か覗いてきた。とくに四川省の山奥にあるチベット族居住区では(そこは観光地だが)北京の認めた似非パンチョン・ラマの写真が飾られ、また若いチベット人が「わたしはチベット語を喋れません」と北京語で答えた。

衝撃だった。

ペマ・ギャルポ氏に聴いても、漢族との同化政策が長期化しており、義務教育の場が北京語(普通語)と決められ、国家試験、運転免許そのほかも中国語に統一されてしまったため、若い世代は急速に民族伝来の言語を失ったという恐るべき現実を嘆かれる。

ネパールではダライラマ猊下の写真が方々に飾られていて、とくに土産屋、タンカ(曼荼羅など仏教画)を売る店ではダライラマ猊下の写真を見ながら中国人観光客が買い物をしている。

店長に聴くと「中国人は、この写真が誰か知らないのですよ」と笑ったが。

    

◆私の「身辺雑記」(142)

平井 修一


■9月8日(月)。朝は室温22度、8人分の大量の洗濯物をベランダに出したら結構な雨。取り込んだら、やがて雨は止んだのでまた出した。自然相手だからしょうがないが、いささかゲンナリ。

夕べの餃子は48個作ったが、「おいしい、おいしい」と大好評で3個しか残らなかった。

小生はそれを「今日の昼食に」と思っていたが、昼食前にNが突如きて「パパ、これ食べていい?」。まさかNOとは言えやしない。

その餃子だが、あまりいいことではないが、実はいつもより味付けを濃くしたのだ。皆が「旨い」と歓迎したが、濃い味に慣れると、やがては病気になるだろう。

中共の反日憎悪も年々濃い味になって、急激に不健康の域になった。

(濃い味といえば、久し振りに写真で見た天津のお嬢さんはメタボ寸前。
以前はサレンダーだったが・・・)。

憎悪は募って今や戦闘機で接触死亡事故を起こしかねないほどだ。

中共は劣等感の裏返しで日本人を端からバカにしているが、彼らは中華意識ゆえに伝統的に人種差別的で、白人や黒人にも侮蔑の目で接しているようだ。「中国の“偉大なる復興”で人種問題への態度の硬化も」(FT9/5)という記事から。

               ・・・

中国は露骨な人種差別と無縁ではない。北京では、別の面では見識があり、教養を持った国際人である中国の企業幹部や官僚が、アフリカ人やアフリカ系米国人のことを「猿」と呼ぶのを聞くのは当たり前のことだ。

中国と接触した歴史を持つ事実上すべての民族に蔑称があるが、白人は一般に十把一絡げにされ、「洋鬼子」と呼ばれる。

大方の中国人は白人を、本人に面と向かって「老外(ラオワイ)」と呼ぶ。文字通り訳すと「古い外人」となる言葉だ。民族的に中国系の人たちは、米国に移住し、あらゆる意味において「米国人」になることができるが、外国人は、どれほど長く中国に住んだとしても、同化するためにどれほど努力したとしても、いつまでも「老外」だ。

人種差別的な特別な蔑称が、日本から来る隣人のためにとってある。日本人は「小日本鬼子」と呼ばれている。

大多数の中国人は、日本に行ったこともなければ、一人たりとも日本人に会ったこともないが、第2次世界大戦の前と戦時中の日本軍の中国占領を理由に、すべての人が日本人という人種全体に対する深い憎しみを表す。

最後の王朝である清朝を含め、中国の偉大な王朝のいくつかは、中国の人口の9割以上を占める漢民族から従来野蛮人と思われていた異民族によって築かれた。

現在、中国西部のチベットや新疆では、高圧的で家父長主義の政府の政策によって民族間の緊張が高まっているが、チベット人やイスラム教徒のウイグル人に対する日常的な人種差別もその原因となっている。

中国で見られる人種差別的な態度は、中国がつい30年前まで外の世界を完全に遮断していた、非常に均質的な社会だという事実に起因しているのかもしれない。

しかし、この国に暮らす多くの外国人にとっては、政権を担う共産党が世界に対し、より強硬で国家主義的な政策を取るようになるにつれ、人種問題に対する態度がますます硬化したように見える。

この流れは、「中華民族の偉大なる復興」を実現するという習近平の願望に象徴されている。一見すると、これは称賛すべき目標だ。もしかしたら習氏は中国を、同国が唐王朝期に経験した比較的寛容な時代に戻す復興を思い描いているのかもしれない。

しかし、歴史について極めて選別的で、「外国人の手によって犠牲になった」という被害者意識を助長する国家主義的教育とプロパガンダに照らすと、このスローガンはもっと悪意のある見方ができるかもしれない。(以上)

              ・・・

中共に善意があるわけがないから我々は「中共は悪意を持っている」という見方を常に前提にする必要がある。中共の子分の韓国も同じだ。

■9月9日(火)。朝は室温22度、涼しい。犬の希望により久し振りにハーフ散歩。犬は少し元気になった。

梶山季之(としゆき)は人気作家だった。「裸にて生まれて来たに何不足」という名言を残している。

ところが彼は韓国人に土下座して日本統治時代を詫びたというのだ。朝鮮日報9/4のコラム「友人になれる日本人はもういないのか」は、それに続けて、こう書いていた。

<産経は今年4月にも韓国と中国を「反日チンパンジー」と表現した>

まさか。産経や日本人がこんな表現を使うはずがないと、調べたら真実はこうだった。

<上田和男氏の論考「近くて遠い『反日・中韓』より、遠くて近い『親日・インド』を大事にすべし…パール判事の「知性」を思い出そう>(産経2014.4.19)。以下転載。

                ・・・

動物・人類学者のお説によると、類人猿には大区分すると、攻撃的・闘争的なチンパンジー派と友好的・防御的で愛の心情を持つボノボ派の2種に分かれるそうです。

人類にも同じような性癖が継承されているらしく、さしずめ中華・朝鮮両民族がチンパンジー系なら、日本・インド両民族はボノボ系といえるのかもしれません。

こうした観点から思い至るのは、むずかる中韓とは、しばらく距離を置き、インドを代表とするアジアの友好的諸国との心情的・政治外交的距離感をもっと短縮化すべき努力が、今こそ問われているのではないでしょうか。「近くて遠い反日国」より、「遠くて近い友国」をもっと、大事にすべきだと確信する次第です>

ごくまっとうな話だ。

「反日チンパンジー」という言葉はないのに、産経がそう表現したと朝鮮日報は書く。虚報、捏造の類であり、まさに慰安婦→従軍慰安婦→強制連行による性奴隷、はこうして捏造された。朝日のお友達、中韓は皆狂っている。

それにしても梶山季之はなぜ謝罪したのか。日本=悪者の証拠を持っていたのか。「相手に謝らせることで上位に立つ」という上下関係がないと心が安定しない華夷秩序に、梶山は土下座でしっかり応えたのはどいうわけだろう。

韓国で本を売りたかったのか。

ウィキなどによれば、梶山は父が朝鮮総督府に勤務していた関係で京城(ソウル)で1930年に生まれた。1942年京城中学校入学。敗戦後に引き揚げ、両親の郷里の広島県で育つ。

梶山の人生は「中国新聞」の金井利博と知り合ったことでずいぶん変わったのだろう。梶山は高等師範学校在学中の1950年、金井が進める「広島ペンクラブ」の設立、運営に加わった。梶山に「日本悪玉論」を吹き込んだのはこの金井利博ではなかったか。

金井は「被爆地からの原爆報道の礎をなしたジャーナリスト」だそうで、大江健三郎の師匠的存在だったようだ。それにより大江は「ヒロシマ・ノート」で名を成した、のではないか。(小生はこの辺の事情は知らない。アドバイスが欲しい)

金井は九州帝大卒、1939年に東京朝日新聞社に入社、徴兵に応召し満洲で終戦。1945年10月からソ連に抑留され1年2か月後の1947年1月に復員した。

<シベリア抑留では、その過酷で劣悪な環境と強制労働が原因で、厚生労働省把握分では抑留者全体の1割にあたる約6万人の死亡者を出した。

一方、共産主義の教育が定期的に施され、もともと共産主義的だったり、隠れ共産党員だった捕虜が大手を振い、また「教育」によって感化された捕虜も多数いる>(ウィキ)

金井はすっかり洗脳されて「ソ連の手先」としてわずか1年2か月で“釈放”されたのではないか。復員した年の4月に(共産主義・反日に路線転換した朝日と同類の)中国新聞社に入社している。朝日の口利きではないか。

金井は梶山に小説を書くように勧め、紙面を提供した。金井はまさに作家・梶山の生みの親だ。

日本ペンクラブのサイトによると、(この組織の)「目的は、言論、表現、出版の自由の擁護と文化の国際的交流の増進ということが定款にうたわれています。日本ペンクラブの事業は、すべてこの目的に沿った文化活動で、そこに団体の性格が集約されています」とある。

日本ペンクラブは「反原発を考えるペンクラブの集い」を開催したり、日中交流の訪中団を派遣したり、「集団的自衛権に関わる政府基本方針の決め方は許されない」と声明を発表しているから共産党とそっくり、つまりアカである。

<梶山はあらゆるジャンルの作品を手掛けたが、生涯のテーマは、朝鮮・移民・原爆とも言われ、日韓併合期の朝鮮を題材にした「族譜」「李朝残影」などの作品も残している>(ウィキ)

この2冊の版元はアカの岩波。広告を見ると自虐史観タップリの洗脳本のようだ。梶山は金井に洗脳されたとしか考えられない。梶山がアカだったのはちょっと驚きだ。

梶山は歴史小説として書き、詐話師・吉田清治は実体験として書いた。吉田の嘘は罪深いが、梶山も非難を免れないのではないか。専門家の意見を聞きたい。

午後3時半、パナソニックのサービスマンが冷蔵庫をチェック。「呼べばすぐ来る、来れば戦い、必ず勝つ(直す)」。♪颯(はやて)のように現れて、颯のように去っていく、月光仮面のようで30分で分解、掃除、再生。アドバイスに従って小生も掃除。冷蔵庫は復活した。

風呂上りに空を見たら満月。そう言えば「お月見」だ。甚平を着てススキを採りに去年あった群生地へ行ったら、草刈り後で何もなかった。近所をうろうろしていたら、ブタクサ100本の中に3本だけススキがあった。外来種に純血種が駆逐されるのだ。移民反対。

たった3本を花瓶に入れても冴えないから、仏壇の花を一緒にして飾った。結構素敵で、月の明かりを受けてなかなかの「お月見」の飾りになった。中共殲滅、支那解放を月に祈る。

■9月10日(水)。朝は室温22度、涼しい。カミサンは今日は休みなので早朝に襲撃したが、諫早湾なるぬ「いやいや湾」で開門はできなかった。戦略的な勝利ではなくても、ちょっかいを出してプレゼンスを印象付けることは大事である、ナンチャッテ。

先日の夕方にカミサンは勤務先の病院で講演会があり、その後になんとケータリング業者が用意した料理での大宴会があったと言う。

「いつもならせいぜい乾きもののツマミで、缶ビールを1、2本貰って帰る人が多いのだけれど、すごい料理で皆楽しんでいたわ」

「よく金があるなあ」

「製薬会社が全部持ってくれたのよ」

薬九層倍で製薬会社は相変わらず景気がいいのだろう。医師、看護師をてなづけるのに100万円なんて安い投資だ。

病院も創業者が昨年亡くなり、その息子が新理事長になり、併せて倹約、節約を永年うるさく言っていた番頭さんの事務長が定年退職、その後任に新理事長のお姉さんがついたという。

「なんだ、徳洲会そっくりだなあ、これはもう家業だ」

「ハハハ、そうねえ。でも現場で必要なものはすぐに買ってくれるし、エアコンもすぐに交換してくれた。コンピュータシステムも一新するそうよ」

「この間までヒーヒー言っていたのに儲かっているのか」

「新理事長も新事務長もお金持ちだし、節約なんて考えてないみたい。傘下にITの会社が2つもあるしね」

まるで「売家と唐様で書く三代目」みたいだ。この病院は2代目だが、3代目で行き詰まるのかもしれない(子会社は今は3代目で、トップは現理事長が兼務)。来月には「病院創立50周年祝い」をするそうだ。

製薬会社が競って祝儀をはずむのだろうが、金はある所にはあるものだ。
さてさてオレの金はどこにあるのだろう。

カミサンは人手が足りないということで急遽出勤していった。患者が自殺を図ったそうだ。「我が身よりも会社・職場のため」という戦士が灰塵の中から経済大国を造った。父母の遺志を継ぎ、我々は政治大国、文化大国を目指す。中共に併呑されないために「お国のため」と頑張るのだ。

◆100年俳句:国防力強化

MoMotarou


淡雪や離婚届のうすみどり  夏井いつき

(評:いつきの淡雪と離婚届は唸らされる。この句は論評の範囲を超える。松田ひろむ)



凄い事が起きつつあるのだろう。たかが俳句の添削番組でありますが、その鮮やかさには仰天。影響はいずれ日本中に広がります。我国語(最近は「日本語」と言わされている)の「多様な力」を再認識しました。

 *「夏井いつきの100年俳句日記」 http://100nenhaiku.marukobo.com


■ 田原総一郎(政治評論家)が俳句に挑戦
 テレビ番組「プレバト」に田原さんが登場。なんとなく夏井いつき組長との激闘バトルがなされるかと思っておりました。しかしさすが田原氏。いつもとは違う趣(おもむき)で添削に感心していました。

題:写真「夕暮れの江ノ島」を見て一句
 田原作:行く夏を惜しむ夕日が浜てらす
 添削後:行く夏や夕日の浜に国憂う

 田原さんの句からいらないものを削っていくと五文字空いた。そこへ夏井さんが「国憂う」を入れる。どうですか、ピッタリですね。田原さんが「ありがとう」と感謝。この田原さんを連れてきたのが面白い。一昔前の政治家は俳句等を作って洒落ていた。

三木武吉涼しく痩せて眉太し  万木(大野)
火種なき老政治家の古火鉢   鰌児(林)
十和田湖に爆弾投げて夏涼し  片山哲

次点:炎天へ霊火噴き立ち原爆忌 中曽根康弘

付録:「夏井いつき組長 プレバト編」 即刻削除の可能性あり
   http://ameblo.jp/momotarou200/entry-11921232071.html
 夏井いつき組長登場 NHKラジオ「私の日本語辞典」mp3ファイル
   http://yahoo.jp/box/XfvO7e


■多機能性国語日本
 街には英語が氾濫しハングル語まで大きな顔をしだしました。占領下ならともかく、自分の国の国語を大事にしないのは、自国の文明文化を低劣に置いている事になるでしょう。

 フィリピンは今は英語ですが、その前はスペイン語でした。会社では英語で話せという企業がありますが、いずれ落ちぶれます。夏井いつき組長がんばりましょう。国語が輝いて見えました。
  
 いずれ総理が俳句を披露します。影響は大きくなり言語を通じた「国防力強化」に繋がるでしょう。


2014年09月10日

◆イスラム国が狙う習近平

平井 修一


9/8の中共報道によると、習近平がパキスタン訪問を取り止めた。暗殺を避けるためだろう。背景は何か。

キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹・美根慶樹氏の論考「米・中・イスラム国関係」9/8から抜粋。

              ・・・

オバマ大統領はニューヨークタイムズ紙によるインタビュー(8月8日付Friedman記者の記事)で、

「中国について大統領はどうするつもりなのか。中国は現在イラクで最大のエネルギー投資国である。大統領は、中国に対して、貴国はこの世界でただ乗りでなく、ステークホルダーとなる時が来ている、と言うつもりはあるか」

と質問されたのに対し、オバマ大統領は

「そう言いたい。中国はたしかにただ乗りしている。過去30年間ただ乗りした」と述べた上、大国としての自覚と責任に関する持論を展開し、米国は他国のために行動することを期待されており、大国とはそういうものだと述べつつ、中国はそのようには見られていないし、行動もしていないなどと厳しく指摘した。

米国はイラクにおいて莫大な犠牲をこうむった。戦死者だけでも約4千5百人に上った。しかし、イラク戦争に参加しなかったどころか批判的であった中国とロシアがイラクで権益を拡大し、ある意味で最大の受益者となっている。

このような状況は米国から見ると、「ただ乗り」と見えるのであろう。オバマ大統領に限らずそれが米国民の気持ちであることはインタービューアーの質問からも窺える。

しかし、中国にとっても事は簡単でない。香港の『鳳凰週刊』は8月9日、「ISIS、数年後に新疆ウイグルの占領を計画、中国を『復讐ランキング』首位に」と題した記事を掲載した(12日の新華社日本語版が転載)。

ISISは言わずと知れた「イスラム国」であり、イラク政府はもちろん米国にとっても頭の痛い問題となっている。英国出身の戦士が米国人記者を処刑し、その模様をインターネットに流すというおぞましい行為が行なわれたのもイスラム国である。

『鳳凰週刊』はつぎのように記している。

<イスラム国の目標は、アフガンにイスラム国を実現させるというタリバンの目標よりもっと壮大で、カリフの伝統に戻ることを主張しており、数年後に西アジア、北アフリカ、スペイン、中央アジア、インドから中国・新疆ウイグル自治区までを占領する計画を立てている。

イスラム国は、

中国、インド、パキスタン、ソマリア、アラビア半島、コーカサス、モロッコ、エジプト、イラク、インドネシア、アフガン、フィリピン、シーア派イラク、パキスタン、チュニジア、リビア、アルジェリアと、東洋でも西洋でもムスリムの権利が強制的に剥奪されている。中央アフリカとミャンマーの苦難は氷山の一角。われわれは復讐しなければならない!>

(こう)表明し、その(復讐の)筆頭に中国を挙げている。

バグダッドでの声明では何度も中国と新疆ウイグル自治区に言及し、中国政府の新疆政策を非難した。中国のムスリムに対し、全世界のムスリムのように自分たちに忠誠を尽くすよう呼び掛けている」

中国が資源の確保を求めて進出している地域はイスラム圏が多い。イスラム諸国にとって中国は、かつては第三世界の利益を守ってくれる頼もしい存在であったが、今や矛盾することが目立つようになっている。イスラム過激派との関係は特殊であるが、矛盾の象徴でもある。

一方、オバマ大統領の発言は、イスラム圏において中国は米国との関係でも矛盾を抱えていることを示している。中国はこのような状況でどのように対応するか。

中国が多国籍軍に参加することは、いくら米国がイスラムの過激派と戦うのに強力な味方を必要としていると言っても当面はまずありえないが、将来起こりうるパワーバランスの変化としては頭の片隅に留めておくべきことと思われる。(以上)

               ・・・

テロリストが習近平、中南海を狙う情報は多くなった。以外にもイスラム国が中共崩壊の引き金を引くかもしれない。(2014/9/8)





◆中国での労働運動の質が変わった

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)9月9日(火曜日)通巻第4331号  <前日発行>>

 〜中国の農民暴動は相変わらず、労働運動の質が変わった
    賃上げ要求はほぼ終了、福祉厚生方面の改善、ドミトリー冷暖房化などを求める〜

新型暴動 その1

不動産をめぐる民衆の暴動

不動産投資ブームがおわり、バブルの崩壊が始まったが、中国の主要都市の90%で不動産価格の値崩れがおきたことは日本経済新聞でさえ伝えた。

これに伴い(1)高い値段で買った人は「割引分に戻せ」と騒ぎ出し、デベロッパー企業に抗議。(2)モデルルームを展示するマンション・ギャララリーを「騙された」と言って打ち壊し活動。(3)もともと農民はだまし取られた農地の代替地が遠い、補償金をもっと増やせという農民一揆が頻発してきた。これらが簡単に弾圧されたのは組織がなく、指導者が不在だったからである。

こうした従来型暴動の列に新しく加わったのが「カネを払ったのに登記が為されていない」という詐欺の頻発事件により監督官庁への抗議活動が立体化したことである。

「9月2日から5日にかけて、中国7省18都市で一斉に抗議活動がおこり、このデモはデベロッパーや不動産業者ビルを取り囲んで抗議したのではなく、なんと地方政府に『なんとかしろ』と抗議したのだ」(『博訊新聞』、2014年9月6日)。


 ▼工場ストライキや街頭デモではなく、直接、政府庁舎へ抗議

詐欺的な業者を放置した責任、そして登記を役所の責任で被害者におこない補填せよという新型要求に官庁側はたじろぐ。

全土で数千人が抗議するという異常事態が出現し、警備当局が慌てた。

なぜなら申し合わせたように全土で同時多発、矛先も同じ、要求内容も同じだったからだ。

原因は2009年に、雨後の竹の子のように急設立された「光麟不動産」という会社で、社長の呉重麟がマンションの頭金など10億元を持ったまま「蒸発」したのだ。

同社は全土に1000店舗、子会社を含め、派手な宣伝でマンションを販売してきた。

抗議活動が起きたのは山西省、陝西省、内蒙古、河北、河南省、吉林省などで、西安、太源、フフホト、赤峰、パオトウ、長春などで政府庁舎を囲んだため警官隊が動員され、一部都市では乱闘騒ぎとなり、負傷者が続出した。今後、この種の暴動が頻発しそうである。

新型暴動 その2

労働運動の急変、党指導の労組は役に立たず

中国に進出した海外企業に限らず、殆どの会社には共産党細胞がある。国有企業には党委員会があり、お目付役が居る。これまでの労働争議は党細胞の労組が適当な範囲内で主導したものだった。

過去3年ほどの暴動に発展する労働抗議は、ほとんどが突発的で、組織されない、リーダー不在の、烏合の衆の不満の爆発だった。

たとえばipod、スマホ部品などをつくる台湾系のファックスコムでは警備員の態度が横柄だ、勤務時間が長いのに残業手当が少ない、宿舎の停電、設備の悪さなどがその原因とされ、従業員の飛び降り自殺事件が頻発するなどして環境はかなり改善された。

「賃上げ」に関しては、ほぼ全工場で満額回答ではなくとも、それなりに上昇した。

というのも、賃金が上がらなければ労働者は平気でほかへ移動する。3K現場では、完全な人手不足が起きており、農村にリクリートへ行っても労働者は集まらなくなった。

 
 ▼経営側がもっともいやがる生産停止という戦術をとるようになった

昨今の労働運動は、従来型と質がまったく異なる。

福利厚生の拡充、宿舎に冷暖房設備など最新の改善要求は、週休2日制の完全実施など、なにやら先進国風になってきたのである。
 
このたぐいの労働争議は毎月平均で60-70件起きており、2011年統計の3倍になった。「自らの権利に目覚め、言うべきことを言うのが自分なりの中国の夢を達成する唯一の手段である」と多くの労働者が自覚したからだ。

しかも単なる暴動、突発的行為とは異り、操業ボイコット、生産ライン停止という、企業側のもっとも弱いポイントを突く戦術を選択するようになった。
 

 ▼80年代ポーランドの「連帯」に酷似すると当局の警戒

現にウォルマート成都店は、ストの長期化により閉店を決断、IBM深セン工場では、むしろレノボへの合併に反対するストライキが長期化した。

東莞の靴工場はナイキ・シューズなどの供給が不能になりアディダスは、ほかの省や国へ生産ラインを委託せざるを得なくなった。つまり、新戦術は経営側に要求を呑ませるために、生産計画に支障がでる戦術が多様化されるようになったのだ。

プロの労組員が混入してはいないが、ネットなどで横の連絡が円滑になされるため、最新の労組の動きや、新しい戦術がすぐに連鎖的に伝わるからである。

こうした動きを当局はもっとも憂慮し始めた。

「これは80年代にポーランドで起きたワレサの『連帯』運動と同じ勢いがあり、いずれ共産党を凌駕する組織が広がる可能性が強いと恐れている」(『TIME』,2014年9月15日号)