2016年10月20日

◆退潮する米国:構造改革

MoMotaroU



庶民が頑張る大日本。超える「士農工商」

「芸者が支えた江戸の芸」

二大悪所の誕生〜歌舞伎と遊郭】 近世女性史研究家…安原眞琴
   http://www4.nhk.or.jp/P1927/

        ☆彡

「平和、核廃絶、人権」。日本の反日幼稚サヨクと同じ事を言ったのがオ
バマ大統領でした。壮大なる実験は如何に?

「女性の、女性初の。。」と日本のジェンダーフリー女性活動家と同じ事
を言ったクリントン国務長官は如何に?「ベンガジ事件」を起こしアフリ
カ・中東の世俗政権(リビア等)を倒し大混乱を起こしている。

オバマ政権が誕生したとき、名前が同じだと“大歓迎・大慌て”で米国に出
かけて行った、日本民主党(旧)は今は「無い」であります。

サヨク人権妄想に頭が可笑しくなり「体調」を崩し「退潮」する。

■中華思想 対決 世界標準(英: International standard : global 
standard)

中国を見よ!超現実的だ。「銭」が基本。「グローバルスタンダード(世
界標準)」は西洋社会が作ったものだと「中華思想」で追いまくっている。

現実の「お金」と「軍事力」の前に米国さえ“引き下がり”始めた。正義の
味方「オバマ」も「女性クリントン」も手が出ない。貰うものを貰い過ぎ
た結果だろう。

噂によると米国でも「計測単位」がインチ(inch)からセンチ(cm)採用の兆
しがあるそうだ。これは例の「年次改革要望書」に日本側が要求した事。
2009年版。インチフィート法からメートル法へ。随分大物を日本側も
言ったものだと思ったが現実的には進行している。面白い!日本のやり方
を大事にしたい。

■妄想・捏造 対決 現実・事実

韓国を見よ!「妄想と自己中」を現実化し過ぎるとどうなるか。サムソン
の通信媒体は“火”を噴くテロ兵器になってしまった。

サムソン一族は巨額の賠償などを考えるとトンズラする事を第一に考える
だろう。韓国は日本に助けを求めるとき必ず米国に先に行き、米国を使っ
て日本に圧力をかけるのを常とする。

日本はその手を喰ってなならない。幸いなことに日韓では「慰安婦等」を
めぐって障壁がある。これをうまく利用しよう。

「日本第一党」桜井誠党首の活躍で起点ができた。「ヘイトスピーチ対策
法」は一名“桜井誠対策法”と言われるくらい桜井氏を恐れたものだ。東京
都知事選挙で躍(おど)り出た。在日に乗っ取られた大阪市は桜井氏を近
づけない様にするために大変だ。

韓国も日本の外務大臣より桜井氏に注目している。

■市民運動 対決 庶民団結

馬淵睦夫元ウクライナ大使が注目しているのは“草莽”の力。最早政治家で
は限界が見えたそうだ。これからは「世論作り」に力を入れて政治・行政
の“尻”を叩く。そうしないと落選する。出世が出来なくなる。そのような
状況を創る。 日韓スワップは止め。ユネスコ拠出金は保留中だ。静かな
る世論の振動が伝わりだした。

見よ!黙っていると外国人ばかり「優遇」するようになる。外国人には消
費税さえ免除になる。日本人を日本で見下げるようになる。踏ん張りどこ
ろだ!

 庶民が頑張る大日本! (笑)!!!



◆香港でも爆買いが「突然死」

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)10月19日(水曜日)弐 通算第5066号>   

 〜買い物天国だった香港でも爆買いが「突然死」
    反腐敗キャンペーンと外貨持ち出し規制が大きく影響〜


香港の「パシフィック・パレス」といえば、外国ブランドの豪華製品を扱
う旗艦店が集中するショッピングビルとして有名である。

日本橋三越と新宿伊勢丹を合わせたような場所である。

この旗艦店でブランド品の売り上げは50%減というから落下状態だ。

香港人が好きなブランドは旧英国植民地の影響もあって「バーバリ」だ
が、売り上げは2桁の激減に見舞われた。

「香港にやってくる中国大陸からの旅客は9・2%減少だが、買い物は
22・5%の激減ぶりを示した」(サウスチャイナモーニングポスト、10月
19日)。

香港の失速がこれからの中国の経済を占う上で、かなり鮮明にバロメータ
となる。香港の不動産価格は、中国共産党の特権階級が豪邸を買いまくっ
て、価格がつり上げってきたが、天井をつけたあと、暴落に転じた。
 
香港の産業は金融、不動産、そして観光に付随しての小売りである。

この3つの基幹産業の、どれもが駄目になりつつあり、香港経済の先行き
は灰色、そういえば隣接のマカオの賭博場も博徒の客が半減した。

カジノホテルの多くはファミリーを当て込んだリゾートに改装したり、
ターゲットを切り替えたりしているが、リゾートなら海南島のほうが規模
が大きく、また目玉だった香港ディズニーもアトラクションが少ないのに
料金がたかく不人気だった。上海ディズニーランドが開園したため、大陸
からの客が、これまた激減中だ。
         

2016年10月19日

◆ロシアのハッカー部隊が妨害?

宮崎 正弘
 


 <平成28年(2016)10月19日(水曜日)通算第5065号>    

 〜ロシアのハッカー部隊(「ファンシー・ベア」)が米国大統領選挙を妨害?
     民主党とリベラル派マスコミ、必死の予防線。ならば中国のハッカーは?〜

「米民主党とリベラルなメディアが口を揃えてロシアが民主党のコン
ピュータにハッカーを掛けて侵入し、選挙を妨害していると騒ぎ立ててい
る。おなじく米国のNSAも、ロシアのSNSにハッカーを掛けている
が、そのことを問わないばかりか、トランプを阻止するためにと民主党の
不正行為、腐敗、ヒラリー陣営とリベラルマスコミのただれた関係を暴露
されるのを恐れている」

これはトランプの発言ではなく、『ワシントン・タイムズ』(10月15日)
の記事である。

トランプ攻撃は凄まじかった。過去の些細な事件の『噂』を並べ立てて人
権を無視した個人攻撃。証拠などテレビニュースの段階では不要とばかり
に、民主党とリベラルなマスコミの共同作戦、トランプ候補を貶める陰謀
ともとれる。

なぜこうまで激しく攻撃するかといえば、実際にヒラリー当選が危ないの
である。世論調査を何度繰り返しても、彼女の優位がでてこない。

ついには200の新聞がトランプ攻撃に転じ、30のメディアは社説でヒラ
リーへの投票を呼びかけた。

トランプの反グローバリズムを恐れるウォール街、これに呼応する共和党
保守本流、そして移民排斥などで対立する民主党の主流派が一斉に共闘を
くむかたちとなった。

あまりのことに共和党主流派、上下両院の選挙への悪影響を勘案し、トラ
ンプへの組織だった支援をしないことにし、ライアン下院議長は日和見を
宣言した。これでヒラリーの辛勝への道が開けたというのが、この時点
(10月20日)時点の情勢となった。

トランプの逆転勝利の展望は期待薄となった。
 
トランプはツィッターを駆使して、民主党の不正がまかり通っていると、
はやくも選挙無効の予防線を張り始めた。

しかし米マスコミが異常な興奮でロシアのハッキングを脅威視している
が、トランプは「ロシアは妨害しているかも知れない。しかし、それなら
ば中国のハッキングはどうなのか? ほかの国からのハッキングや個人に
よるものはどうなのか」と問いかけてみせた(『TIME』、10月10日号)。

それまでは中国のハッキングばかりをオバマ政権は批判してきたではない
か。今回の大統領選挙で、中国のハッカーの影が薄いのは、米マスコミの
情報操作ではないのか。

そのうえ、中国は現状維持で、御しやすいのはクリントン候補だから、ト
ランプに共鳴するプーチンとは立場が異なり、妨害に出ていないのかも知
れない。


 ▼過去を振り返ればロシアのハッカー軍団の選挙妨害はあった

たしかに2011年のエストニア選挙ではロシアが総選挙にハッカー攻撃をし
かけて、妨害した。

エストニアはIT先進国に変貌しており、世界で初めて国民がスマホで投
票をするという投票様式を採用する実権場となった。

エストニアをもがれた格好のロシアとしては面白い筈がない。

そこで、エストニアにハッカー攻撃を集中し、選挙を見事に妨害した。
エストニアh通信のインフラが脆弱で、そのうえ、エストニア国内にはロ
シア人コミュニティがあちこちに残存しており、ロシアの第五列の役割を
果たすからである。

その後も、ロシアはフランスでルペンの国民戦線に900万ユーロを迂回融
資し、またドイツではテレビ局の番組を乗っ取ってISの旗を掲げたり、
東欧の選挙にもハッカーを仕掛けてきた。

このハッカー部隊は「ファンシーベア」を呼ばれる。

米大統領選挙では、選挙開票は機械が自動的に選挙区内の統計をとるが、
投票所の機械とインターネットとは連動しておらず、閉鎖回路である。ロ
シアが選挙の開票を妨害したり、集計を誤魔化す可能性は殆ど不可能と言
える。

そこで残る危険性として、取りざたされているのは、その前の段階におい
ての有権者のデータ改竄である。
 選挙の投票現場で大混乱が導き出される危険性がある。
   

2016年10月18日

◆いま、喫緊の課題は憲法改正とTPP

櫻井よしこ



「憲法はどうあるべきか。日本が、これから、どういう国を目指すのか。
それを決めるのは政府ではありません。国民です。そして、その案を国民
に提示するのは、私たち国会議員の責任であります」
 
安倍晋三首相は9月26日、臨時国会での所信表明演説でこう語り、
「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の早期発効を大きなチャンスと
し」たい、と強調した。
 
夏の参議院議員選挙で大勝し、戦後初めて、衆参両院で憲法改正に必要な
3分の2以上の勢力を獲得した首相は、日本の課題を率直に表明した。い
ま、日本に必要な戦略はまさにTPPの早期発効と憲法改正である。いず
れの課題も実現には強いリーダーシップと国民の強い支持が不可欠だ。首
相の言葉どおり、決めるのは政府ではなく国民だからだ。
 
民主主義国家において、国民の選択が国の運命をどれ程決定的に変える
か。イギリスのEU離脱の決定やアメリカの大統領選挙を見れば明らか
だ。イギリスはEU離脱によって中・長期的に力を落としていくだろう。

アメリカでは大統領候補のクリントン、トランプ両氏が競うが、両氏の主
張からは超大国アメリカが、台頭した中国にどう向き合い、如何なる世界
秩序を維持していくのか、その長期戦略は窺えない。
 
国際法と民主主義を重視する陣営と、それを否定する陣営とのせめぎ合
いの真っ只中に、いま全世界が置かれている。この中で、アメリカの世界
に対する責任は非常に大きいが、両候補は共にTPPを否定する。この1
点だけでも、両氏は世界戦略を担う資格に欠けている。
 
実力があるにも拘らず、アメリカは世界戦略を担う力を自ら打ち捨てよう
としているかのようだ。これでは、アメリカは世界のリーダーシップを中
国に譲り渡して2番手の国になりかねない。しかし、こんな2人を候補者に
選んだのもアメリカ国民である。

新たな世界秩序
 
国際情勢の潮流が大きく変化したいま、その変化が日本にもたらす影響
の深刻さを考えなければならない。
 
所信表明で首相は語った─「決して思考停止に陥ってはなりません」と。
日本の命運は国際社会の情勢と無関係ではあり得ない、大きく目を開い
て、日本が直面する脅威を認識すれば、憲法改正の必要性もわかるはずだ
ということではないのか。
 
だが、民進党の蓮舫代表は、首相の所信表明を、「伝わるものが全くな
い。まさしく総花的」とバッサリ切り捨てた。伝わるものは本当に、全く
ないのか。
 
民進党(当時は民主党)は政権与党当時、菅直人、野田佳彦両首相とも
TPP推進の立場だった。政権を預かる立場で国益を考えたとき、TPP
は重要な戦略だとしたわけだ。それがいまは反対である。
 
ちなみに自民党も野党時代には反対した。だが政権を奪還するや、安倍首
相はTPP参加を決定し、厳しい交渉を経て、最終合意に漕ぎつけ、い
ま、早期発効を目指す。
 
民進党も自民党も政権与党として国の運営に責任を持ち、国益擁護の立場
に身を置いたときはTPPに賛成している。その理由は、台頭した中国が
全く異る価値観で新たな世界秩序を構築しようとするのに対して、日本は
アメリカと共に従来の価値観を共有する国々と連携しなければ、大変なこ
とになると実感するからであろう。
 
3年3か月、政権与党の座にいた民進党であれば、政権を預かる責任の重さ
はわかるはずだ。ここが、社民党や共産党などとの大きな違いである。民
進党が単なる反対のための反対をするのでなく、真に責任ある野党でなけ
ればならないゆえんだ。
 
にも拘らず、民進党はTPPには賛成できないという。理由として輸入米
に関する売買入札で業者が実際より価格を高く見せかけていた可能性があ
り、アメリカの安いコメが日本に流入する懸念を指摘する。
 
的外れの議論だ。TPPの取り決めではコメには778%という高い関税率
が維持される。平均すれば1キロ当たり341円の関税である。日本のコメ
は、安いものはキロ200円、アメリカから入ってくるコメがたとえ0円でも
関税をかければキロ341円になる。競争力は保たれるのだ。
 
こうしたことも理解したうえで、大戦略としてTPPをとらえることだ。
日米を軸に、透明性の高いルールによって維持される国際的枠組みを作る
ことが如何に重要か。それは中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)
をはじめ国際的枠組みを新設して中国中心の新世界を作ろうとしているの
を見れば明らかだ。

世界貿易機関(WTO)に加盟して、その恩恵を他国よりも受けながら、
中国は往々にしてWTOのルールを守らなかった。彼らが主軸となって、
新しい国際組織を作り、多くの国々が吸い込まれるように加盟しつつある。

だからこそ、日本もアメリカもより公正でより良い仕組みを作り、そこに
多くの国々を集めようとしているのである。その具体策がTPPである。
TPPの重要性を戦略的にとらえられないのであれば、政権を担う資格は
ないとさえ、私は思う。TPPを否定するクリントン、トランプ両氏を否
定するのも、同じ理由からだ。
 
憲法改正についても民進党は国益を考えているのか。蓮舫氏は15日、
「性急すぎる論点整理」などに反対の意向を表明したが、憲法改正は焦眉
の急である。一体何が「性急すぎる」のだろうか。

国民と国を守る責任
 
いま、南シナ海では中国が国際社会の強い反対と抗議にも拘らず、スカボ
ロー礁に手をかけつつある。同礁を押さえれば中国は防空識別圏
(ADIZ)を設け、南シナ海支配を確立させるだろう。
 
東シナ海のわが国の海には中国の武装公船及び軍艦が出没している。東
シナ海上空では人民解放軍の戦闘機がわが国領空に近づいて挑発的な飛行
をしてみせる。平時でも戦時でもないグレーゾーン事態が東シナ海の上空
ではすでに生まれている。
 
だが、わが国はこうした事態に何の法整備もできていない。先の平和安全
法制でもこの分野は置き去りになった。
 
日本の安全保障体制は、いま、この瞬間も欠陥だらけだ。欠陥を補って
いたアメリカも内向きの姿勢を強めている。その分、日本自身が力をつけ
なければならないのは明らかだ。この現実の危機を見れば、安保法制は
「戦争法」だと言って論難したり、憲法改正を遅らせるのは、日本を窮地
に追い込むことになるのだ。
 
民進党も、そして憲法改正を立党の精神とする自民党も歴史の前でい
ま、国民と国を守る責任を果たさなければならない。所信表明を憲法改正
で結んだ首相は、そのような歴史的使命を意識していたと、信じたい。
『週刊新潮』 2016年10月6日号    日本ルネッサンス 第723回



◆北朝鮮の潜水艦に打つ手なし

岡田 敏彦



北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行い朝鮮半島情勢
が緊迫するなか、韓国では「北の潜水艦の脅威に対抗しなければ」と、官
民双方から軍拡論が沸騰している。ところが肝心の韓国軍は“腰砕け”だ。
対潜水艦装備が壊滅 状態にあることを露呈し、米国も愛想を尽かしつつ
ある。

 ■対潜ヘリは舶来の一流品から欠陥品に転落

北朝鮮による8月24日のSLBM発射を機に、韓国では「北朝鮮の潜水艦を 探
知、破壊できる能力を持たなければ」との主張がマスコミなどで広がっ
た。そんな中、深刻な事故が9月26日に発生した。

韓国海軍によると、26日午後9時5分ごろ、韓国東部江原道沖の日本海上
で韓国海軍の対潜ヘリコプター「リンクス」(英国製)1機が墜落、乗員3
人が死亡し た。

米韓合同訓練に参加するなかでの事故だったが、事故原因を調査する過程
で、た だの事故とは言い切れない問題が浮上した。韓国紙の中央日報
(電子版)によると、 この「リンクス」ヘリの修理部品として、粗悪な
国産不良品が納入、使用されていた というのだ。

同紙によると、不正納入は野党「共に民主党」の議員が防衛事業庁の内
部監査資料を入手して判明した。「リンクス」ヘリについては、整備用に
納品された ボルトの品質保証書類が偽造されていた。つまり評価試験の
数値を偽造し、要求性能 を満たさない安価な粗悪品を納入していたこと
がわかったのだ。

驚くべきはこれが氷山の一角だったことだ。過去4年間に600件の「品質
保証書」が偽造されていたことが判明。うち71の部品で欠陥が見つかった
という。

具体的には「リンクス」ヘリのほか、駆逐艦「広開土大王」(3200ト
ン)のプロペラ速度調節部品、さらには韓国唯一の大型揚陸艦「独島」の
発電機フィル ターなどが欠陥品と判明した。いずれも重要部品で、韓国
で「核心部品」と表現され るものだ。

独島艦は実際、2015年に発電機が故障発火して動力を喪失、漂流するとい
う失態を演じている。

 ■パクリ品の運命

修理や整備で交換した部品がニセモノという事態は、韓国軍では珍しく
ない。大統領府を守る機関砲の砲身が偽造品で、低品質のため射撃中に破
裂したり、 主力戦闘機KF-16のスペアパーツを用意せず「新品に交換しま
した」との書類だけを 偽造したりと、ニセモノにまつわる不祥事には事
欠かない。

ともあれ、北朝鮮の潜水艦に対する「第一の矢」のリンクスは、せっか
くの英国製にもかかわらず、安くあげた韓国産パクリ品のために信用度ゼ
ロに。一方 で韓国が自主開発したヘリにも9月23日、欠陥がもちあがった。

中央日報などによると、開発に1兆3000億ウォン(約1210億円)を投じ た
韓国製ヘリ「スリオン」の軍への納入が突然中止された。輸出へ向けて性
能試験の ため米国ミシガン州で低温テストをしたところ、エンジンの空
気取り入れ口付近に氷 が張り付き、そのまま飛べばエンジンのブレード
に氷がぶつかってエンジン本体が 破損する危険性が明らかになったのだ。

同紙によると、設計、製造した韓国航空宇宙産業(KAI)では「韓国の 冬
は格段寒いわけでもなく乾燥している」として、韓国内での飛行に問題は
ないと説 明したという。2018年に江原道平昌で冬期オリンピックを開催
する国の気象状況説明 としてはにわかに信じがたいものだ。

スリオンは着氷問題のほか、今年5月には機体のフレームやウインド シー
ルド(前の窓)に原因不明の亀裂が生じる欠陥が露呈。窓には透明のシー
ルを張っ て補強しているという。

 ■ヘリがダメなら飛行機が…

対潜ヘリがだめでも、対潜哨戒機がある-はずなのだが、韓国では対戦 哨
戒機こそ「ガン」になっている。韓国軍は対戦哨戒機P-3Cオライオン(米
国製)を 16機運用しているが、いずれも老朽化。

代わりに2018年から米海軍で用廃となり保管 されている中古機「S-3B」
27機を導入する方針とされるが、韓国世論やネットユー ザーの間では、
新鋭の米国製ポセイドン対戦哨戒機の購入や韓国による自主開発の声 も
出ている。しかし、これを世界と比べると絶望的だ。

日本ではP-3Cをライセンス生産しており、最盛期には約100機を運用し て
いた。太平洋と大西洋に展開する米海軍の運用数は約200機だ。日本の
「対潜」へ の力の入れ
ようは別格としても、韓国の全20機は、韓国軍の整備力と稼働率を考慮す
れば、24時間哨戒を実施できるエリアなど微々たるものだ。性能云々以前
に「数」の レベルで話にならない。

 ■弾道弾探知レーダーは湿気に敗北

結局、北朝鮮のSLBMを阻止するには、発射後に撃ち落とすのが最も有望
な方策となる。韓国紙の朝鮮日報(電子版)は、「北朝鮮の弾道ミサイル
を終末段階 で迎撃するシステムとして、弾道弾早期警報レーダー『グ
リーンパイン』などがあ る」と指摘する。

グリーンパインはイスラエル製で、弾道弾迎撃ミサイルの探知誘導シス
テムとして開発された。同紙によると探知距離750キロで、現在2カ所で運
用してお り、北のSLBM発射を受けて「グリーンパインの追加導入の必要
性が提起された」と強調 した。しかし、こんな韓国民の希望を打ち砕く
ニュースを3日、中央日報(電子版) が報じた。

国会の国防委員会に所属する議員が入手したグリーンパインの運用状況
報告書によると、2基のグリーンパインは過去3年間に21回故障し、最大で
42時間も監 視網が無力になっていた。

総計の故障時間は472時間で、故障の理由は「水滴のた め」。レー
ダーアンテナの稼働時に発生する熱により機器内部に結露が生じ、電子回
路が故障したというのだ。さらに酷いことに、「軍はアンテナ周辺にエア
コンなどを 設置したが効果はなかった」という。

 ■サイバー戦でも

かつて米軍はイランの核兵器開発を阻止するため、コンピューターウイ
ルス「スティックスネット」をイランの核開発施設に侵入させ、その開発
を頓挫さ せたとされる。最新スマートフォンを次々と開発する能力のあ
る韓国なら、北朝鮮の 核施設や潜水艦基地に監視ウイルスを侵入させる
ことも可能に思えるが、実際は逆 だった。

朝鮮日報(電子版)によると、外部とは遮断された韓国軍のサイバー司
令部のコンピューターがウイルスに感染したことが判明した。感染したの
は陸海空軍 の約2万台のコンピューターのセキュリティーを管理する「ワ
クチン中継サー バー」。

どうやら、2万台のパソコンにワクチンの仮面をかぶったウイルスを侵入
させ放 題な状態となっていたようだ。こんな“IT弱者”ぶりでは、北への
サイバー攻撃など不 可能だ。

 ■夢と現実

この間も韓国のインターネットメディアでは「原子力潜水艦6隻を米国 か
らリースする案を軍と米国が協議している」などという真偽不明の噂や
「米国の協 力を得て原子力潜水艦を国産すれば、北の潜水艦を封じ込め
られる」との夢プランが 飛び交った。

最後はアメリカ頼みという、歴史的な「事大主義」の傾向が伺えるが、
肝腎の米国は、英国製やイスラエル製といったシステムリンクの面倒な
「米国産以外 の兵器」をまばらに装備し、粗悪コピー部品で自ら軍全体
の稼働率を下げる韓国軍に 愛想を尽かし始めている。その一例が、韓国
空軍の主力戦闘攻撃機F-15Kで浮き彫り となった。

韓国の衛星利用測位システム(GPS)は、北朝鮮の攪乱電波で妨害され 使
えなくなる事態が度々発生しており、有事にGPS誘導爆弾が使えない危険
性があ る。

米軍はこうした攪乱電波を無効化する妨害装置を戦闘機などに搭載してお
り、韓国 軍も主力戦闘攻撃機F-15Kにこの妨害装置を搭載しようとした。
ところが9月までに米 国から待ったがかかったのだ。

装置を製造するボーイング社は、分解禁止のブラックボックスとして完
成品を購入するよう提案したが、韓国は国産したいとして電子回路図の提
供を求め た。かつてF-15Kのセンサー機器を分解して違法コピーしようと
した疑惑のある韓国 が、今度は堂々と「パクらせろ」というわけだ。

万一、機器の構造などの情報が敵に漏れれば対抗措置を取られ、米軍が
危機に陥ることとなる。軍のイントラネットをウイルスに乗っ取られる韓
国に、米国 が最新軍事技術を披露するわけがない。原潜や弾頭弾迎撃技
術はいわずもがなだ。

2015年、中国の戦勝記念式典に朴槿恵大統領が参加し「レッドチーム」
(演習時に敵を示す言葉)と指摘された韓国を見る米国の視線は、ますま
す厳しくな りそうだ。

産経ニュース 北朝鮮の潜水艦に打つ手なし
            (採録:松本市 久保田 康文)


2016年10月17日

◆苦境の習主席、頻繁な軍視察の深い意味

中沢 克二



最近、中国国家主席の習近平が、人民解放軍の視察を繰り返している。か
なりの頻度だ。そこには今、習が置かれた厳しい環境も絡んでいる。

まず8月29日。習は、新設した「戦略支援部隊」の視察に訪れた。これ
は、杭州で開いた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため北京を離
れた9月3日の前だった。

戦略支援部隊は旧来の戦闘部隊ではなく、「未来の軍」といわれる。中国
紙、環球時報のインターネット版などによると、戦略支援部隊は3つの部
門で構成される。

(1)ハッキングに備えるインターネット軍=サイバー戦部隊

(2)偵察衛星や中国独自の衛星ナビゲーションシステム「北斗」を管轄す
る宇宙戦部


(3)敵のレーダーシステム・通信をかく乱する電子戦部隊

これらはすべて、南シナ海などで対峙する米国や、中国周辺部の局地戦に
おいて、きわめて需要な役割を果たすとみられる。

■戦略支援部隊、ロケット軍など次々

新設した「戦略支援部隊」を視察し、幹部一人一人と握手する習近平国家
主席(8月29日、国営中国中央テレビの映像から)

新設した「戦略支援部隊」を視察し、幹部一人一人と握手する習近平国家
主席(8月29日、国営中国中央テレビの映像から)

9月13日。習は中央軍事委員会の下に新設した「聯勤保障部隊」の設立大
会に出席した。この組織と関係が深い旧総後勤部は伝統ある陸軍4総部の
1つだった
が、汚職の巣窟でもあった。すでに谷俊山・前副部長が断罪されている。

総後勤部は、習が推し進めた軍再編で後勤保障部に改編。その核心を担う
のが聯勤保障部隊とされる。総合的に全軍を後方支援する兵站(へいた
ん)部門で、食糧供給や戦闘員の確保・投入のほか、軍事衛星・通信衛星
と連動する衛星ナビゲーションシステム「北斗」の運用にも関わるという。

さらに9月26日。新設した「ロケット軍」を視察した。これは大陸間弾道
弾を含む戦略・戦術ミサイル部隊だった「第2砲兵」を格上げし、陸海空
の3軍と同格にしたものだ。ロケット軍は、近代戦の主役であるばかりで
はなく、戦略支援部隊と同じように宇宙戦の核心を担う。

10月11日。人民解放軍機関紙、解放軍報は1面で、前日に北京で全軍の重
要会議が開かれたと報じた。「全軍大組織・軍事委員会機関各部門共産党
委員会書記の専門会議」と称するものだ。習自身は出席しなかったが、軍
事委主席として習が批准した会議であると、あえて冒頭で説明した。

 会議のテーマは、前中央軍事委員会副主席で断罪された郭伯雄、徐才厚
(故人)らが軍内に浸透させた腐敗という「毒」の流れを断つという、お
どろおどろしいものだった。

■軍の足場固めの重要性認識

習主席は軍再編で「ロケット軍」を新設した2015年9月3日、北京の軍事
パレードに登場した弾道ミサイル「東風21D」)

習主席は軍再編で「ロケット軍」を新設した(2015年9月3日、北京の軍
事パレードに登場した弾道ミサイル「東風21D」)

なぜ、こうも頻繁に習の軍視察や、習が指示した軍の会議があるのか。か
つて毛沢東は「政権は銃口から生まれる」と説いた。苦しい場面で軍を視
察し、みずからのバックに軍が控えているとアピールするのは、毛沢東以
来のセオリーに沿った行動である。

習は、清華大学を出た後、国防相だった耿飆(こうひょう)の秘書として
中央軍事委員会で働いた経験を持つ。“青年時代から軍歴がある”というの
が、習の自慢だ。

その自信もあってか、苦しい局面で、あえて軍を訪問してきた。

今年は、軍トップとして軍の一大再編も指揮した。しかも肝煎りの戦略支
援部隊、ロケット軍などは、中国の将来の安全保障を担う核になる。習
は、それを一気に作り上げた功績を掲げ、難局を乗り切り、来年の共産党
大会に臨みたい。

これだけの仕事をしたのだから、本来、すでに足場は固まったはずだっ
た。しかし、この中国で軍を完全に掌握するのはそう簡単ではない。なに
せ無期懲役に追い込んだ郭伯雄、周永康(前最高指導部メンバー)の元部
下や関係者は、なお軍や武装警察の組織内に潜んでいる。彼らは表向き習
の命令を聞いたふりをしつつ抵抗している。

それだけではない。習の「反腐敗」で身動きが取りにくくなった官僚組織
そのものが、裏であらがっている。その一端が、図らずも露呈した事件が
あった。

■抵抗の実相、赤裸々に語る学者ら

無期懲役になった陸軍のボス、郭伯雄・前中央軍事委副主席(2012年11月
の共産党会で)

無期懲役になった陸軍のボス、郭伯雄・前中央軍事委副主席(2012年11月
の共産党大会で)

この夏から秋にかけて、著名な中国の国際政治学者が内部向けに語った講
演内容が大きな話題になった。それは彼の専門領域の話ではなく、内政に
関して指摘した部分だった。

「習近平は柔らかい抵抗にあっている」――。こう題した文章は、講演録を
基に別の人物が書いて、中国の公式なインターネットサイト上に流布され
た。きわめて刺激的な内容だった。習がトップに就いた2012年から14年ま
で、苛烈な「反腐敗」運動の目新しさから大衆人気も盛り上がった。官僚
らも文句を抱えながらも、従うしかなかった。

だが、15年に一変したという。「反腐敗」をはじめとする習の指示は、実
際上無視された。聞くふりをして誰も聞いていない。そして誰も仕事をし
ないので、経済もどんどんおかしくなっている。こんな内容だ。それを
「柔らかい抵抗」と表現している。門外漢の国際政治学者が赤裸々に述べ
ただけに、迫真のルポのような面白さがある。

しかし、その内容は数時間以内に中国のインターネット、ソーシャル・
ネットワーキング・サービス(SNS)監視当局によって削除されてし
まった。中国内の一般庶民に苦しい習を取り巻く実態が流布されてはまず
い、との判断だった。講演内容はいくつかのサイト上で繰り返し流れた
が、その都度削除されている。いたちごっこだ。

この2、3年、習はずっと胸突き八丁のつらい坂を上ってきたつもりだろ
う。そして「反腐敗」、軍再編など力業の結果、ようやく苦しい局面から
抜けられるかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。目の前に再び
高い壁が現れたのだ。

動かぬ官僚、不透明な経済、口うるさい長老たち……。17年党大会の最高指
導部人事に向けて、まだまだ楽はできない。習の頻繁な軍視察は、政治情
勢の厳しさを認識する彼の危機感の表れだろう。

習は今後の権力闘争を優位に進めるためにも、軍の後ろ盾を必要としてい
る。とすれば、どうしても中国の対外政策、安全保障戦略は強硬に傾きが
ちになる。この点にも注意を払う必要がある。(敬称略)
                     日本経済新聞 電子版

              (採録:松本市 久保田 康文)


◆「誇り」とは「優越感」とは違うもの

伊勢 雅臣



「根っこ」から生まれる「誇り」とは、他者との比較による「優越感」と
は別物である。

■1.初めて見たアメリカの豊かさ

最近、「日本人としての誇りを取り戻そう」という趣旨の発言がよくなさ
れるようになりました。以前の「自虐史観」から脱皮しつつあるのは喜ば
しいことですが、「誇り」という言葉に私は少し引っかかりを覚えています。

かつての我が国は「世界第2の経済大国」であることを誇っていました
が、中国に抜かれて第3位になったら、その「誇り」も少し減るのでしょ
うか? あるいは、世界には小さな国が無数にありますが、そういう国の
国民は「誇り」を持てないのでしょうか。

私には「誇り」というよりも、豊かな歴史伝統という「根っこ」を残して
くれた先人への「感謝」という言葉の方がしっくりきます。


「あとがき」なので、詳しくは書けなかったが、「誇り」について、本編
でもう少し考えてみたい。

■2.貧しい後進国から来たという気後れ

誇りを考えるようになったきっかけは、アメリカ留学時代からである。渡
航したのは昭和55(1980)年だから、もう35年も前になる。当時の私は27
歳、初めての外国だった。社員留学制度に応募したのだが、制度はまだ整
備途上で、給料とボーナスは出すから、あとは渡航費も授業料も自分でや
りくりせよ、というものだった。

飛行機代を節約するために、一番安いチケットを探したら、大韓航空で、
伊丹空港からソウルに飛んでロサンゼルス便に乗換え、そこからさらにサ
ンフランシスコに行くという大回りとなった。

ロサンゼルス空港で、今でも鮮明に覚えているのは、壮大な空港の中を多
くのアメリカ人がTシャツやジーパン姿と、それこそ近所に散歩に行くよ
うな格好で闊歩していたことだった。日本では当時はまだ飛行機に乗るの
は贅沢なことだったから、日常的に飛行機を乗り回しているアメリカ人の
豊かさが目映(まばゆ)かった。

サンフランシスコに着いて、近郊にあるカリフォルニア大学バークレー校
に学んだのだが、最初の一年間は留学生用の寮であるインターナショナ
ル・ハウスに住んだ。

5階建てほどの壮麗な修道院のような建物で、窓からはサンフランシスコ
湾が一望できた。日没時にはゴールデン・ゲイト・ブリッジの向こうに夕
陽が沈んで行く。その夕陽に湾全体が赤く染まる壮大な光景に見とれた。

500人の寮生は半分がアメリカ人、半分が留学生で、互いに仲良くつきあ
えるように工夫されていた。寮費は高かったが、部屋は個室で、三食付
き、食べ放題。ある日本人留学生が大きなバケツに入っていたアイスク
リームを山盛りにすくって、一口、口に入れたら「なんだ、これバター
だ」と言った滑稽な場面にも出くわした。

こういうアメリカの豊かさに触れると、日本はまだまだ貧しい後進国のよ
うな気がして、そこから来た私としてはなんとなく気後れを感じたもの
だった。


■3.「優越感」と「誇り」は違う

それでも当時は日本の安くて品質の良い家電や車が、米国市場で存在感を
増しつつあった。このあたりを[1]ではこう書いている。

一般大衆の中には「ホンダを買ったけどグレートな車だ」などと、手放し
で褒ほめてくれる人がいました。ただ大学教授などのインテリ層はそう単
純ではなく、「自動車はアメリカ人が発明したのに、日本人の方が良い車
を作れると認めることは苦痛だった」などと、正直に語ってくれた先生も
いました。・・・

ある授業では、何度も日本製品や日本的経営の優秀さが論じられたので、
インドネシアからの留学生が「授業でも、ジャパン、ジャパン、ジャパン
だ。日本はすごいな」などと羨ましがっていました。[1, p14]

日本の経済的成功はアメリカで感じていた気後れを多少は紛らわしてくれ
るものだった。しかし、こういうふうに他者との優劣で喜んだりするの
は、単なる「優越感」であって、本当の「誇り」ではないのではないか、
という気がしていた。

GDP(国民総生産)で世界第2位だと威張ってみても、アメリカには敵
わない。アメリカに来て、その豊かさに圧倒されて「気後れ」するという
ことは、この優越感の裏返し、すなわち劣等感だろう。

優越感とは、個人で言えば、有名大学を出たとか、一流企業で出世したと
かで、上には上があるし、下の人を見下す事にもなりかねない。そこから
他者の成功を妬み、不幸を喜ぶという心理につながる恐れもある。他者と
の比較で優越感を持つというのでは、精神的に豊かにはなれない。


■4.アメリカ国民の誇り

国民性もあるのだろうが、アメリカ人は明るく、いかにも幸せそうだ。た
とえば最近、ケンタッキー州の田舎町での事だが、私が日本からやってき
て、ヨーロッパで仕事をして、今はアメリカで働いていると言ったら、
「あなたもケンタッキーのような素晴らしい所に生まれていれば、世界を
転々とするような苦労はしなくても良かったのにね」と言われて、苦笑し
た覚えがある。

こういう無邪気なお国自慢は微笑ましいが、そこにはかならずしも他国と
比べての優越感だけではないものを、私は感じとっていた。アメリカ国民
は、自国が世界一豊かな国という優越感とは別の「誇り」を持っている。

それはアメリカは「自由の国」だという意識である。「自由な国」と言っ
ても、何でも気ままにできる国という意味ではない。圧政や迫害からの自
由という意味である。

ヨーロッパでの宗教的迫害から逃れた清教徒が、自由を求めてこの地に辿
り着いたのが国の始まりであり、また自由と自治を求めて英国軍と戦って
独立を勝ち獲り、さらに黒人奴隷解放のために南北戦争を戦い、第二次大
戦ではファシズムから自由世界を救った、という誇りである。


■5.根っこが生み出す感謝と志

アメリカの各地には、歴史博物館や歴史公園がある。ウィリアムズバーグ
という植民地時代の街並みを復元した大規模なものから、リンカーンの生
家だとか、南北戦争の跡地だとか、ちょっとした町ならかならず歴史展示
がなされている。そこに多くのアメリカ人が子供を連れて訪れ、説明員た
ちが熱弁を振るっている。

「アメリカは歴史がないから、百年程度の民家まで歴史公園にしてしま
う」と当初は茶化していたが、今考えると、アメリカの子供たちは小さい
頃からこうした歴史施設に連れられて行って、アメリカ国民としての根っ
こを学んでいるのである。

ここから生まれる誇りは、他国と比較しての優越感ではない。アメリカ国
民の共同体という「根っこ」に自分もつながっている事を知り、それを残
してくれた先人に感謝し、自分もまたその後に続こうという志につなが
る。誇りとはその感謝と志が融合したもの、と言っても良いだろう。

優越感とは、現代の他者と比較する水平軸のものだが、誇りとは根っこを
通じて先人から子孫につながる垂直軸のものである。


■6.ベトナム戦争による根っこ分断の危機

アメリカ国民がいかにも幸福そうに見えるのは、物質的に豊かなだけでは
なく、根っこから来る誇りや志、すなわち誇りによって精神的にも満たさ
れているからではないか。

その根っこは、建国以来、太く逞しくつながっているのだな、と羨ましく
思ったことをよく覚えている。これに比べると、我が国の根っこは先の大
戦で深い傷を受けた。

我が国が侵略戦争をした、という占領軍が始めた東京裁判史観、それを左
翼が受け継いで広めた自虐史観で、我々の根っこはほとんど分断され、先
人への感謝や志、すなわち誇りを持てなくなっている。アメリカ人の幸福
感に比べ、戦後の日本人が精神的に満たされないのは、このためだろう。

実は、アメリカ国民の根っこにも分断されかねない危機があった。ベトナ
ム戦争である。共産陣営のプロパガンダもあって、ベトナム戦争はアメリ
カの侵略戦争とされ、そのために国民の継戦意欲は失われ、米国史上初の
敗戦となった。ベトナム戦争の是非を巡る対立から国民としての一体感も
失われ、「自由の国」という誇りも損なわれた。

それを救ったのが、レーガン大統領だった。大統領は1982年のクリスマス
に全米国民に向けたラジオ・スピーチで、空母ミッドウェイの乗員の手紙
を紹介している。その乗員は南シナ海で沈みかけたボートに乗った65人
のベトナム難民を救助した時の様子を書き送ったのだ。

ベトナム難民たちはすでに5日間も漂流し、水もなくなり、発見がもう少
し遅れたら、船は沈んでいた、という。救助船が近づくと、難民達は手を
振って叫んだ。"Hello. America sailor! Hello freedom man! (ハ
ロー、アメリカの水兵さん。ハロー、自由の人)"と。

この逸話を紹介した後、レーガン大統領はこう語っている。

我々の社会はきわめて独特である。世界中の戦争や圧政から逃れてきた
人々で構成されているが、それでも強く、自由である。我々は一つの事を
共有している。それは先祖がどこから来た人であろうとも、この自由を信
じている、という事である。[2, p141,拙訳]


 このスピーチを聞いたアメリカ国民は、17世紀にメイフラワー号で英
国の宗教的弾圧から逃げ出したピルグリム・ファーザーズと、20世紀に
ベトナム共産政権の圧政から逃げ出したボート・ピープルを重ね合わせた
ことだろう。そして考える、「ベトナム戦争も圧政との戦いであった」と。


■7.回復した根っこ

 後にレーガン大統領は、ワシントンにベトナム戦争戦没者慰霊碑を建て
た。高さ3メートル、長さ75メートルの黒い花崗岩に6万人近いベトナ
ム戦争の戦没者・行方不明者の名を刻んだ壁である。この慰霊碑のそば
で、レーガンは次のようなスピーチをしている。


今世紀の他の戦争と違い、ベトナム戦争が正義と叡知に基づいた戦争で
あったかについては、深い意見の対立がある。・・・この10年間に、絶
望してベトナムから脱出したボート・ピープル、カンボジアの(数百万が
殺された)キリング・フィールド、この不幸な一帯で起きたすべての出来
事を考えれば、我々の仲間が戦った大義が正しいものであったことを誰が
疑えよう。

それは、結局は自由という大義のためだった。その戦略は不完全だった
としても、彼らはその任務のために尋常でない勇気を示したのだった。

おそらく、すべてが終わった今日、我々が同意できるのは、一つの教訓
を得た、ということだろう。それは勝てる見通しのない戦いにアメリカ兵
を送ってはならない、ということである。[1,p367]

ベトナム戦争でアメリカは負けたが、負けたが故に間違った戦争とは言
えない。戦争の勝敗と正義不正義とは別のものである。負けはしたが、ベ
トナム戦争もまた「自由の国」が自由という大義を掲げて戦った戦争だ
と、レーガン大統領は訴えたのである。

大統領のこうしたスピーチと、年間3百万人もの人々が訪れる慰霊碑に
よって、一時は傷ついたアメリカ人の根っこは回復した。根っこからのエ
ネルギーで、アメリカ国民は誇りを取り戻し、アメリカ経済も活力を回復
した。

その誇りと経済力で、レーガン大統領は世界中を圧政下に置こうと企む
ソ連を打倒して、世界の人々の自由を護った。根っこは先人への感謝を生
み出し、子孫のための志を生む。その誇りが精神的な豊かさをもたらす。


■8.先人への感謝と子孫への志を生む垂直的な誇り

物質的な豊かさなどという優越感に囚われていると、他国はライバルと
なってしまうので、友好もありえない。

しかし、自国を「自由の国」とするアメリカ国民の誇りに対しては、
我々日本国民も共感することができる。そして、我々は我々なりの自国へ
の誇りを語ればよい。自前の誇りがあればこそ、他国の誇りにも共感する
精神的余裕を持つことができる。こうして互いの誇りを尊重することが、
国際社会での友好の基盤となる。

それでは日本国民が持ちうる自国の誇りとは何か。アメリカ国民が自国
を「自由の国」と誇るなら、日本国民は日本を「大御宝(おおみたから)
の国」と誇ることができる。わが国は国民を「大御宝」として、その安寧
を神に祈る皇室を中心にしてきた。皇室の無私の祈りを実現すべく、我々
の先人たちは同胞と子孫のために国を築き、護ってきた。

この根っこから生まれるのは、他国との比較に基づく水平的な優越感で
はなく、まさに先人への感謝と子孫への志を生む垂直的な誇りである。

こうした誇りを取り戻すには、まず自分の根っこを知るところから始め
なければならない。そのためにも我々日本国民の根っことはどういうもの
であるかを説いた『世界が称賛する 日本人の知らない日本』[1]と、その
根っこを育てた人物たちを紹介した『世界が称賛する 国際派日本人』[3]
を紐解いていただきたい。

■リンク■

a. JOG(922) アメリカの国体、日本の国体
「自由を求める人びとの国」という理想が、アメリカの歴史を作ってき
た。それに対する日本の理想は何か?
http://blog.jog-net.jp/201510/article_4.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 伊勢雅臣『世界が称賛する 日本人の知らない日本』★★★、扶桑社、H28
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594074952/japanontheg01-22/

2. Ronald Reagan, "Speaking My Mind: Selected Speeches"★★,Simon &
Schuster
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/0743271114/japanontheg01-22/

3.伊勢雅臣『世界が称賛する 国際派日本人』★★★、扶桑社、H28
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594075681/japanontheg01-22/

2016年10月16日

◆民主主義の末路

Andy Chang



第2回弁論会の数日前にトランプが18年も税金を納めていなかっ
たことと、女性蔑視の猥談が暴露され、トランプの人気はガタ落ち
した。トランプは弁論会で「大統領になったらヒラリーの違法問題
を調査して監獄に入れる」と言い、ヒラリーも「トランプは大統領
になる資格はない」と言い返し、弁論会は悪口の言い合いとなった。

トランプは猥談で人気が落ちたが、ヒラリーの人気も上がっていな
い。ヒラリーは嘘吐きで信用できないという評価は不動である。

共和党内部でもトランプ批判が続出し、トランプは反省しないで共
和党員批判を始めたので、共和党は上院の過半数を失う恐れも出て
きた。ヒラリーが当選して上院が民主党過半数となったら共和党は
壊滅状態になる。

トランプのような下種が共和党を代表する候補者になったのは党首
席レインス・プリーブスの責任である。しかも今ではトランプを更
迭する方法もない。

共和党はプライマリーで罵倒戦術を行使して勝ちぬいたトランプを
制御できなかった。民主制度は候補者の品格や罵倒戦術を制御する
ことが出来ない。暴言を面白がってトランプを選んだ国民も感心で
きない。

●トランプの暴走を止められない共和党

共和党のプリーブス党首は候補者の資格を制限することが出来ず、
トランプの罵倒戦術、人身攻撃を制限できなかった。メディアはト
ランプの暴言を面白がって報道し、選民もトランプに投票した。

民主主義ではバカでも狂人でも立候補できる。結果は投票に任せる
ほかはない。だが選民の教育程度や道徳観には大きな違いがある。
バカでも狂人でも選挙に出ることが出来るし、民主主義は人権平等
を重視するからバカも一票、賢者も一票である。公平と言えば公平、
不満足でもある。有能な賢者を選ぶのは無理だ。

共和党の党首はプライマリー選挙で候補者の言論や態度が自党を代
表する資格があるかを考慮し、制限を加えるべきだった。民主主義
だから暴言暴挙でメディアの関心を買い、選民の興味をそそるよう
な行動をストップすべきだった。

それをせずトランプが候補として失格であることを知りながら党代
表にさせたことが間違いの始まりである。共和党の尊厳やメンツに
関わる一大事である。

女性蔑視の猥談が暴露されたとき、プリーブス党首は万難を排して
トランプを「党代表にふさわしくない人物」として排除し代わりの
候補を出すべきだった。だがプリーブスはトランプ更迭は困難とし
て何もせず、トランプの落選と上院議員の過半数を失う危機を招い
たのである。

●国民の民度

選挙は選民がすべてである。バカも賢者も一票である。社会には現
状不満が一杯ある。経済不況、貿易不均衡、失業問題、犯罪増加、
違法移民、オバマケア、中東問題の失敗、テロの増加、人種差別、
宗教や性別など枚挙にいとまがない。これらの問題のどれを取り上
げて批判しても国民が同意するし人気が上がる。

問題は現状不満を如何に解決するかである。トランプがメキシコ国
境に大きな塀を作ってメキシコに払わせる、イスラム教徒の入国を
禁止する、2千万人の違法入国者を国外に送還すると言えば教育程
度の低い人が喝采するが、こんな主張は実行不可能である。

●選挙は不完全な手段である

選挙は不完全な手段である。賢こくて愛国者で能力のある人を選ぶ
には国民の教育程度や道徳観念が普及していなくてはならない。と
ころが民主主義は人権の平等、公平などを重視しても教育や道徳に
言及しない。これでは投票結果のバラつきを解決できない。

投票には教育程度、政治思想などの外に、人種や宗教などが大きな
影響を与える。候補者は有権者にオベッカを使い、有権者の利得や
欲望を満足させる政見を述べる。

言論自由だから有権者は自分の利得になる主張をし、候補者が勝て
ば有権者に有利な社会保障や下層階級の援助、政府の金をばら撒く。
政府が援助するようになると国民は働く意欲を失い、国は困窮する。

●民主主義の末路とはアメリカの末路

選挙を繰り返していると国は社会保障を増やし、国民は怠惰になり、
政府は赤字を増やし、どんどん社会主義国家に近くなってしまう。

国が繁栄している間はよいが経済が落ち目になると赤字が増えて政
府は税金を上げる。金持ち階級から奪って下層階級に分けるのは共
産主義と同じである。民主主義の末路とはアメリカが辿っている道
である。

民主党の政策は一貫して「大きな政府、社会保障」であった。オバ
マは8年足らずで赤字を8兆ドルも増やした。ヒラリーは国務長官
を4年やっただけで、外国人からの献金を2.6億ドルもクリントン
家のファンドに入れた。これが収賄でなくて何だろう。

ヒラリーは権力を悪用して平然と法を犯す金の亡者である。クリン
トン夫妻は過去40年の間に数多の違法行為や、罪を犯しながら有罪
にならなかった。ヒラリーが当選すれば彼女の犯罪、個人スマホや
サーバーの使用、ベンガジ事件、中東政策の失敗も不問に付される。

トランプの女性蔑視の猥談が暴露されて女性票はヒラリーに流れ、
トランプの当選は遠のいた。トランプは自大狂で幼稚で傲慢、大統
領になる資格はない。トランプは共和党を滅亡寸前に追い込んだ張
本人である。トランプとヒラリー、どちらも大統領になる資格はな
い。トランプはダメだが、ヒラリーは絶対に大統領になって欲しく
ない。こんな人間しか選べない選挙はアメリカの衰退、民主主義の
末路である。

           

◆ドイツ人青年が 「正しい歴史」

下條 正男



韓国の『朝鮮日報』は2016年9月8日、「歴史を正しく知れば謝罪・赦
(ゆる)しも可能」と報じた。それは、ソウル大学で博士学位を得たドイ
ツ人青年の ユーリアン氏が、来年度から千葉大学国際教養学部の教壇に
立ち、韓国史と日本史、日 韓関係史の授業を担当するという内容であった。

同紙によると、ユーリアン氏は「日 本の学生たちに正しい東アジアの歴
史認識について教え、韓日両国が歴史葛藤を解決 して、和解に向かうと
ころを共に模索する計画」と、その抱負を語っている。

■「歴史認識」も「和解」も韓国側の論理

だが、ドイツ人青年が言及した「歴史認識」と「和解」は、いずれも韓
国側の論理を代弁するもので、朝鮮日報も次のように伝えている。

「千葉大学は、西洋人として日本の学生に、韓国に対する客観的な認識
を育てることができる教授要員を探し、ユーリアン氏を指名した。『正し
い歴史認識 と和解の道』という講義を準備中の彼は、『葛藤が激しくな
るほど歴史を正しく知 らなければならない』として、『歴史を互いに正
しく認識してこそ謝罪も容赦も和解 も可能になるだろう』と語った」

 このドイツ人青年が、「日本の学生たちに正しい東アジアの歴史認識に
ついて教えよう」とするのは、「日本側の歴史理解は正しくない」という
前提がある のだろう。

それに、「韓日両国が歴史葛藤を解決して、和解に向かうところを共に
模索する」という文脈中での「和解」は、自らの歴史認識に日本側を従わ
せようとす る際、韓国側が使う常套句である。

■歴史問題と竹島問題を無理やり結びつけた韓国

事実、「和解」という表現が登場するのは、竹島の領土権確立を求めて
島根県議会が2005年3月に「竹島の日」条例を制定して、しばらくたって
からである。

韓国政府は同年4月、「竹島の日」の対抗措置として、国策機関「東北 ア
ジアの平和のための正しい歴史定立企画団」を発足させ、2006年9月には
「東北ア ジア歴史財団」と改組した。その財団のホームページでは、財
団設立の目的を「歴史 葛藤を克服し、歴史和解ができるよう政策対案を
開発する」としたからだ。

東北アジア歴史財団にとって、究極的な「歴史和解」とは、1954年以来
韓国側が不法占拠を続ける竹島を死守して、その正当性を日本側に認めさ
せることに ある。

そこで、東北アジア歴史財団が対日攻勢の「政策対案」として、その戦
術に選んだのが、歴史教科書問題、慰安婦問題、日本海呼称問題、靖国参
拝問題など の歴史問題である。

それらを無理やり竹島問題と結び付け、日本には「過去の清算」を求
め、日本側の真正な反省と謝罪を要求したのである。

■韓国の属性に無頓着だった日本政府

だが、竹島が歴史的に韓国領であったという事実はない。従って韓国の国
策機関(東北アジア歴史財団)が歴史教科書問題、慰安婦問題、日本海呼
称問 題、靖国参拝問題などを使って、自らの侵略を正当化する行為はプ
ロパガンダでしかな い。日本が竹島を侵奪したとする「歴史認識」は、
韓国側の妄想でしかないのだ。

日韓の間に、次から次へと歴史問題が起こるのも、事実無根の「歴史認
識」で歴史を語るからである。

日本政府は、この韓国側の属性に無頓着であった。そこに従前の日本政
府の場当たり的対応が影響し、日本を自縄自縛の状態に陥れてきたのである。

慰安婦問題では「河野談話」(1993年に当時の河野洋平官房長官が出した
慰安婦関係調査結果発表に関する談話)が、歴史教科書問題では「近隣諸
国条項」 (近現代史の教科書記述で近隣アジア諸国への配慮を求めた旧
文部省の検定規定)が 足枷(あしかせ)となり、韓国側の容喙(ようか
い)を許した。

そこで韓国側では、首相による靖国参拝までも外交イシューとし、日本
側はその都度、首相の参拝が私的か公式か、「踏み絵」を踏まされるので
ある。

■いつまでも続く“不愉快”な日韓関係

竹島問題を解決できなかったばかりに、日本は韓国側の術中に嵌(は
ま)り、対日攻勢に晒(さら)されることになったのである。

従って、「過去の清算」の対象は、日本による戦前の朝鮮統治ではな
い。竹島問題である。竹島問題を通じて形成された「歴史認識」によっ
て、戦前の朝鮮 統治が糾弾の標的にされるという、本末転倒の現象が起
きているからだ。

日本の教壇に立つドイツの青年教師は、この歴史的事実をどのように理
解するのだろうか。「日本の学生たちに正しい東アジアの歴史認識」を教
えるのであ れば、竹島問題によって生じた「歴史認識」についても究明
すべきである。

戦後の日韓の蹉跌(さてつ)は、韓国政府が竹島を侵奪したことから始
まるからだ。その最初のボタンの掛け違いを直さない限り、日韓の“不愉
快な関係” はいつまでも続く。

■朴教授の勇気ある提言

2011年、韓国の朴裕河教授(パク・ユハ=世宗大学校日本文学科教授) が
『和解のために』を刊行し、教科書問題、慰安婦問題、靖国問題、竹島問
題をテー マにその解決策を模索した。

 だが、日韓の歴史問題の根底に竹島問題が存在する事実には触れていな
い。それ
は、朴先生が歴史学者ではなく、日本語の先生だからであろうが、残念な
一点であ
る。

ただ日韓の関連著書を紹介し、双方の見解を客観的に見ようとする姿勢
には敬意を表したい。一般的に韓国側には、日本側の見解を一切認めず、
また知ろう ともしない傾向が強いからだ。その精神土壌の中で、韓国側
にとって不都合となる日 本側の主張を紹介し、問題解決に向けて提言を
するのは勇気がいる。

■竹島の日韓共同管理を提唱する朴教授

だが竹島問題は、文学作品ではない。日韓の意見を比較検討し、その可
否を論ずる文学論とは違って、歴史の事実とそれを証明することのできる
文献的論拠 を示す必要がある。

朴教授はその著書の中で、竹島は「カイロ宣言」(第二次大戦中に連合
国側が発表した戦後の対日処理方針)でいう「日本が暴力と貪欲によって
奪取した領 土」だとし、その解決策の一つとして、日韓の共同管理を提
唱している。

だが歴史的に、竹島は韓国領ではなかった。従って、「日本が暴力と貪
欲によって奪取した領土」とは無縁で、共同管理も不要である。

■竹島は日本が国家かどうか見極める問題

 竹島問題は、解決しなければならない戦後の課題だ。しかし、領土が侵
奪された事実がありながら、日本の政府及び国会議員たちは、解決に向け
た努力を 怠った。

その一方で、民族的感情に駆られた韓国の一部の人士が騒ぎ立て、それに
日本 の一部が呼応して、問題を大きくしてしまった。

 問題解決を意味する朴教授の「和解」を実現するためには、客観的な歴
史事実を明らかにし、日本の政府及び国会議員たちに当事者能力を持たせ
ていくこと だ。

なぜなら竹島問題の解決は、日本が国家であるかどうかを見極める、主権
に関わ る問題だからである。

産経ニュース【竹島を考える】ソウル大で学んだドイツ人青年が日本の大
学で教える 「正しい歴史認識」とは 下條正男・拓殖大教授 10.13

                (採録:松本市 久保田 康文)


2016年10月15日

◆ばれたヒラリーの無知

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)10月14日(金曜日)通算第5061号 >  

〜ウィキリークスの暴露でばれたヒラリーの無知
  中国が「南シナ海」と言うのなら「太平洋は『アメリカの海』ね」。〜

ウィキリークスが暴露したヒラリークリントンの中国に関して演説内容を
読むと、彼女が中国に対して無知と誤解による幻像を抱いていることが明
らかになった。

ヒラリーは国務長官退任後、ウォール街の大手ゴールドマンサックスや、
その関連会社、CMEグループなどへ出かけて、高額な講演を行ってい
る。そのときの講演録が、今回、ウィキリークスの手で暴露されたのだ。

「習近平は胡錦涛より、はるかにマシな政治家よ」と彼女は言い放った。

「胡錦涛がなしえなかった経済改革と社会改革に壮大なビジョンがあり
そう」。「なによりも彼は短時日で軍を統率して、権力を集中している」。

習近平をほめあげる理由として、「30年前にアイダホ農家に短期だが、
ホームスティの経験があり、彼の娘がハーバード大学に留学していること
は、発表はないが中国高官はみな知っている。つまり彼らの「中国の
夢」って、「アメリカンドリームの中国版」なのよ」。

しからば、中国軍人たちの愛国心とは何かと問われたヒラリーは「人民解
放軍の幹部、とりわけ50代、60代の軍人等は周りに親戚や家族や友人が
「日本軍に殺された」というわ。中国のナショナリズムって、『反日』な
の」。

講演したのは2013年の6月4日(天安門事件記念日に中国を褒める無神経に
注目したい)、そして同年10月(日付け不明)と同年11月18日。いずれも
習近平が国家主席となって数ヶ月ばかりの頃である。

中国へのあまい評価と幻像を抱いていることがこの演説からも読み取れる。
  

2016年10月14日

◆私の「身辺雑記」(388)

平井 修一



■10月11日(火)、朝6:00は室温20度、今季最低、曇。早朝に家の前を掃
除していたら隣家のテッチャンがゴミ出しで通りかかり、「寒いね、もう
これだもの」とダウンベストを指で示した。本格的に秋になった。

テッチャンは小生よりは二つ上。5歳くらいまで小生は天使のよう(なバ
カ)だったから、一人で留守番中にトイレで用を足したところ「落とし紙
がない!」、困惑して泣いていたら、小さな窓から差し入れてくれた。以
来、60年、小生はテッチャンへの負い目を引きずっているが、「修ちゃ
ん、修ちゃん」とずいぶん可愛がってもらった。

小生は小3で目覚め、次第にひねくれ坊主になっていったので、あまり交
際はなくなったが、高校まではテッチャンと一緒だった。テッチャンは東
工大→建設省へ進んでキャリア→エリートになった。今は天下りの独法勤め
で悠々自適だ。趣味は空手。

小生は横浜市大→中核派→囚人→左翼更生派→社長になって、今はヨボヨボし
ながらも最強主夫道を目指している。悠々自適なのかどうか・・・多動児
だから毎日、短期中期計画に従って慌ただしく動いている。ときどき失速
するが。趣味は中共殲滅。

小生とテッチャンは複雑な関係だ。両親が教員で「オール5」(通信簿を
見せてもらったことがある)のテッチャンは、ほとんど「オール3」のバ
カな小生が同じ進学校に来たことにびっくりしていた。

(ほとんどドンケツ入学、入学して最初の試験では50人クラスで48位! 
焦りまくって勉強したら最終的には文系でトップクラスになった。大穴だ
な。それで刑務所行きなのだから、バカは試験勉強してもバカである。バ
カな蓮舫にコケにされてもへらへらしている岡田を見よ)

小生は「落とし紙差し入れ事件」がトラウマになってテッチャンは苦手だ
が、テッチャンは自宅の借地が数十年経っていつの間にか小生のものにな
り、つまり小生が地主になったので、先輩でありながらもへりくだらざる
を得ないという、かなり複雑な思いがあり、苦手意識を持っている。

苦手同士で、だから塀を接していても挨拶を交わす程度の付き合いだ、一
緒に散歩くらいはしたいとは思うけれど。利害関係やら過去のいきさつな
どもあって隣家との交際はなかなか難しいものである。日本と中韓北に限
らず、世界はそういうものだろう。

隣人は苦手、遠交近攻になりやすい。

フィリピンと旧宗主国の米国との関係も複雑だ。大岡昇平の「レイテ戦
記」によると、日米戦の戦場になった比に最大の被害をもたらしたのは米
で、次いで日本だという。米はお得意の無差別大量殺人という爆撃をする
から住民はたまったものではない。汚い手も使うし。

こういう過去からの恨みつらみやらトラウマがあるからドゥテルテの悪口
雑言になるのかもしれない。オバマはクソ野郎(サノバビッチ)・・・
もっともこれは計算ずくだという説もあるが。感情と勘定の駆け引きか。

さてさて常在戦場の小生の気晴らしはPC遊びなのだが、どうも午前11:40
過ぎになるとPCが不調になり、どうにかテキストを上書き保存してシャッ
トダウンできれば御の字というひどい状態が続いている。ブルーだ、ブ
ルーすぎる。

ネットが遮断されると陸の孤島の気分になる。

9日は本宮の80〜90人で担ぐ大神輿を屋上から堪能し、担ぎ手がスムース
に交代していくさまを見たのは大収穫だった。縦の担ぎ棒は1番から4番ま
での4本あり、皆担ぎたいので、たっぷり担いだ4本目の人が肩たたきされ
て離脱、すると3本目の人が4本目に移るというように順繰りで移動するの
だ。空いた1本目に新人が入るという仕組み。

宮家邦彦氏が兵器の操作でも「日本人がやると形式美、様式美になる」と
書いていたが、お神輿でもそうなのだ。

大神輿は担ぎ棒込みで1トン、80人なら1人当たり12〜13キロの負担だ。10
分も担いで回れば結構疲れるだろう。わが街では担ぎ手は右から左へ移動
するが、後ろから前へ移動する街もあるそうだ。そうすると先頭で担いで
いる素敵な写真になるが、神輿の下をくぐるというリスクはある。

人口が急増しているので年々祭りは賑わいを増している。高度成長期は皆
が東京へ行ってしまったために担ぎ手不足で寂しかったが、今はやたらと
マンションができているので担ぎたがる人は多い。

人口は減れば活力は失われる。都市部に人を集めて僻村は無くすしかない
のではないか。娯楽での田舎暮らしは結構だが、年々永住には不向きに
なっている。

10日の体育の日はNとカミサンも参戦して朝からベランダ手摺の仕上げ塗
り。2時にようやく完成した。プロ並みとは程遠いが、まあ85点、成功
だ。万歳三唱。小生は一気に飲み始めた。

小生の手はペンキだらけ。洗剤で洗ってもちっとも落ちない。で、考えて
みたら、女どもは夜に化粧を落とす、それならペンキも落ちるだろうと
思ってクレンジングオイルを塗ってプラ手袋、その上に軍手をはめてみ
た。2時間たったら、あーら不思議、ペンキはポロポロとはがれていく。
小生の前科は永遠に消えないのだろうか。

11日は屋上の鉄製カサギ修理。どうやって直すべきか数日考えたが、いい
アイデアが浮かばない。もう、この際だからと力技で攻めたら、不具合箇
所が判明。その周りを切ってみたらコンクリートの破片が出てきた。これ
が腫瘍だった。切除して丁寧に切り口を縫合して完了。ほぼ100点満点で
大感激、カミサンを初めてGETした時のようで万歳三唱、速攻で一人祝賀会。

主夫としては営繕も含めてよーやるわ、と思うが、慰労とか勢い付のため
にガソリンをあおりすぎるのは良くはない。「分かっちゃいるけどやめら
れない、人生は大昔からその連続だ、ありゃあ実にいい歌だ」とは植木等
が住職の親父さんから誉められた話。どやされると覚悟していたのに褒め
られたから植木等は大いに感激したそうだ。

叱るのは下策だ、誉める方がいい。そう思う頃には蝋燭が尽きようとして
いる。人生はそんなものだな。

■10月12日(水)、朝6:00は室温19.5度、今季最低、曇、完全に秋だ。

このところほとんど集団的子育てが続いたが、孫はよく食べるようになっ
た。7歳女児は小生より食べる。彼女はパブロフの犬みたいに、小生の顔
を見ると食欲が刺激されるようで、「ヂイヂ、お腹がすいた」を朝昼晩と
10時、3時のおやつ時に言ってくる。とりあえずの目標は体重28.5キロだ
そうだ。

昨日もペンキ塗りで悪戦苦闘している小生に「ヂイヂ、お腹がすいた」、
で、大急ぎで6枚切り食パン2枚で具沢山のトーストサンドを作ったが、半
分は残すから俺が食おうと思っていたら完食。大したものだ。運動量もす
さまじい。体育会系だな。

ヒーヒー、ハーハー言いながら屋上の片づけを終え、30鉢あった植木は3
つだけになった。膨大な土はカミサンが1Fの裏庭に撒いてくれた。屋上は
ピカピカ、実に気分がいい。あとは中共を「洗濯し申そう」。

■10月13日(木)、朝6:00は室温19.8度、曇、肌寒い。

夏が去ったので扇風機4台を掃除したが、あれこれ丁寧にやっていたら午
前中かかり、グロッキーになった。体力の衰えはいかんともしがたい。こ
れで脳ミソまで衰えたらいよいよだな。

カミサンは公休。ふらふらしながらニューメンの昼食を作り、その後はソ
ファで周平を読みながら昼寝。習近平の支那は退役軍人がなんと「北京
で」待遇改善デモをしたそうな。上海閥の使嗾だな。習の顔に泥を塗った。

10/9産経の加地伸行氏の論考「中国人の態度」は面白かった。曰く――

「歴史的に、伝統的に、中国人は家族主義であり、今もその基本は変わっ
ていない。ただし、家族主義のその「家族」は、現代日本の核家族に基づ
く10人かそこらの親類一統とは異なり、100人単位、1000人単位の家族で
ある。一族である。

この一族団結は固く、相互扶助(金銭的にも)して生きている。彼らは国
家の援助などあてにはしていない。本宗(総本家)を中心に助け合っている。

一方、中国の歴代政権は、民の面倒などを見てこなかった。だから、中国
人は国家(政権)などあてにせず、一族の団結で生きてきた。そういう構
造なので、政権担当者が外国人であっても平気であった。「関係ない」か
らである。

当然、中国人には国家を重んじるナショナリズムなどこれまでなかった
し、これまでもないであろう>

在中経営コンサルタントの田中信彦氏の論考「『個』の自立を阻む中国社
会 〜ますます強まる同調圧力」(WISDOM9/23)は、支那人とは何かを考
えるうえでとても参考になった。

<「自分のパンを相手に押しつける」

30数年前の話だが、私が学生時代に中国語の勉強を始めた頃、北京大学に
留学した先輩からこんな話を聞いたことがある。当時まだ留学生は少な
かったので、大学の宿舎で中国人学生と外国人の留学生が同室になって暮
らすケースがあった。そんな状況下で中国人、日本人、米国人の学生が同
じ部屋でパンを食べるとする。その時の行動が国によって違う。

米国人学生はパンを手に部屋に戻ると、1人でさっさと食べ始める。日本
人学生はパンを持って部屋に戻ると、とりあえず「パンがあるけど、キミ
も食べない?」とルームメイトに聞くが、そこでは相手が遠慮して辞退す
ることが前提になっている。中国人学生は、部屋に入るや相手の意向も聞
かず、パンをちぎって友人に押しつける――。

実際にこういうことがあったのか、先輩の創作なのかはわからないが、こ
の話はその後の経験からしてもよく出来ていて、今でも鮮明に覚えている。

ここで語られる米国人学生の行動は、個人主義的で冷たく、自分のことし
か考えていないとも受け取れるが、逆に言えば「自分のことは自分でや
る」「人に頼らない」「他人の自由を尊重する」といった態度の表れでも
ある。

日本人の学生はまず周囲との調和を考えて意向を聞く。ただし言葉に表さ
ない暗黙の前提が存在している。

そして中国人の学生は、とにかくまず相手のことを考える。仮に自分はお
腹が減っていてパンを全部食べたいと思ったとしても、そのパンを相手と
分ける。そこにあるのは、自分のことはさて置いて、まず大切な人のこと
を考えるという姿勢だ。中国人には確かにそういうところがあって、これ
は大いなる美徳である。時にこういう中国人に出会うと、感動して涙が出
そうになることがある。

*判断基準が自分の外にある社会

しかしこの美徳の背景には、あえて冷たく言えば「そうしなければならな
い」社会の圧力が存在する。こういう場面で仮に中国人が1人でさっさと
パンを食べたとすれば、その人間は中国社会においては「身勝手だ」「人
間味がない」「思いやりがない人間」と非難の対象になる。

「人間はこうあるべきだ」という社会の観念が明確に存在して、その期待
通りに行動することを求められる。「人はそれぞれだから」という寛容性
が低い。

つまり中国社会では「自分がどうしたいか」よりも「人から認められる行
動とは何か」を考えて行動する傾向が強い。言い方を変えると、自分の行
動を決める判断基準が自分の中にあるのではなく、自分の外にある。何か
決断したり、選択したりする際に、その判断の基準を「自らの考え」より
も「周囲の意向」「社会の観念」に置く傾向が強いということである。

これは「自分で決めて自分で責任を取る」という「個の論理」が根底にあ
る、先の例で言うところの米国人学生の行動とは大きく違う。

中国人社会では、自分の行動は「自分はこうしたい」というだけでは決め
られない。「立派な人間」と認められるには、必ず周囲のことを考え、社
会が期待する行動を取らなければならない。中国の人たちはそのように行
動することが長い間に習慣化しているといえる>

続きは↓
https://www.blwisdom.com/strategy/series/china/item/10636.html

宗族や「幇」などで団結し、「個」がない「群」で動くのが中国か。近代
国家以前の部族社会、封建国家のようなものか。

そう言えば、支那で暴動が多発しているといっても、ゴミ焼却場をめぐる
問題など、身近で具体的なことが争点で、天下国家を憂えるというような
形而上的なことはテーマになっていない。国家なんてどうでもいい、自分
と幇が大事だということだろう。

中国はどこへ向かうのだろうか。傍若無人の軍事大国をひたすら目指すの
だろうか。早めに駆除するに限る。(2016/10/13)

◆軍人失職の若者が軍事委員会ビルで気勢

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)10月12日(水曜日)弐 通算第5059号 >  

〜軍人失職の若者が北京の軍事委員会ビルで気勢、「職を寄越せ」、
「一時金を払え」
  30万人の削減は第1次が2万3000人。軍幹部に抗議行動〜

北京秋晴れ、好天が台無しになった。

長安街の西、軍事博物館の偉容なビルの隣が中国共産党中央軍事委員会の
いかめしいビルである。

10月11日、軍事委員会幹部をあつめて許基亮と氾長龍・副主任の講話が行
われる予定だった。常万全・国防部長の出席していた。

ビルの前にぞろぞろと集結を始めたのは緑の迷彩服を着込んで、国旗を手
に持ち、軍歌をうたう若い兵士。バスが通行不能となり、長安街は、交通
遮断、道路は事実上封鎖された。

軍人OBと見られる年寄りはいない。全員が若い兵士である。
 
彼らは「復員させろ」「毎月数十元の収入では暮らせない」「年金を保証
せよ」「なんで俺たちが軍を追い出され、幹部は高い給与を貰っているん
だ」などと口々に叫びはじめ、なかにはプラカードも掲げる。

習近平が人民解放軍30万人削減と言ったのは、昨年の軍事パレードだっ
た。2017年までにこの目標を達成するとした。

実際に今日までに2万3000名が軍隊から解雇された。しかし、給与補填も
退職金も雀の涙、約束された企業への就労斡旋は果たされておらず、この
ままでは「のたれ死に」だと不満の爆発が伝えられてきた。

共産党をまもる軍が共産党に抗議するとは秋の椿事。それも組織だって整
然と抗議を続けたため、夕方には常万全部長が代表者と会い、説得をした
とアジアタイムズが伝えている(10月12日)

中国のメディアは、一切報道していない。

◆ユネスコの現実、慰安婦登録の危険性

櫻井よしこ



明星大学特別教授の橋史朗氏から1枚の写真が送られてきた。ソウルで
開催された、慰安婦問題の関連資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)
の世界記憶遺産に登録するための「第3回準備会合」の様子を写したもの
だ。歴史情報戦における日本の決定的な立ち遅れを示すと共に、昨年、
「南京大虐殺」関連資料を記憶遺産として登録されてしまったあの悲惨な
敗北の再来も予見させる。
 
準備会合で中央に陣取る白髪の西洋人はオーストラリア国籍のレイ・エド
モンドソン氏、氏の左横には日本人の渡辺美奈氏の姿もある。
 
エドモンドソン氏こそユネスコ記憶遺産問題のキーマンである。氏は1996
年からユネスコ記憶遺産登録に関わり、その考え方や制度を作り上げてき
た。各国のNGO(非政府組織)からユネスコに登録申請がなされると、
事案は登録小委員会に回され、小委員会が結論をまとめて、国際諮問委員
会に勧告する。国際諮問委員会は各案件について何も知らない人たちで構
成されるため、小委員会の結論が事実上の決定となる。同委員会の委員長
を氏は長年務めた。
 
昨年の「南京大虐殺文書」記憶遺産登録に関して、日本はいわれなき非難
を浴びている当事国でありながら、登録資料の内容を全く把握できず、訳
がわからない内に極悪非道の虐殺を行った国として登録された。取り返し
のつかない失態だった。その反省から、提出された資料の真実性、評価の
妥当性などを当事国を交えて議論すべきだとして、日本は制度改革をユネ
スコに働きかけてきた。
 
一方、今年5月には中国をはじめとする8か国14団体に大英帝国戦争博物館
が加わって、2700点の慰安婦関連資料の登録が申請された。登録小委員会
の会合は来年1月だ。時間が切迫しており、2700点の資料のひとつひとつ
に反論することは不可能だ。そのため外務省は、制度改革への働きかけを
強め、成果をあげたと説明する。本当にそうか。前述のエドモンドソン氏
は現在、制度改革小委員会の「コーディネーター」なのである。

ユネスコの不公正
 
彼は9月9日、東京・千代田区の「韓国YMCA」で開催されたシンポジウ
ム「ユネスコ記憶遺産はなぜ作られたのか」で基調講演を行い、その後の
質疑応答で、制度改革小委員会は、日本政府が要請している当事国の主張
にも耳を傾けるという普遍的制度改革を、現在進行中の慰安婦資料登録に
は適用しない、と明言した。
 
制度改革で、不当な慰安婦資料登録を阻止するという外務省の戦略はす
でに破綻しているではないか。このまま行けば慰安婦問題も、南京大虐殺
問題同様、その関連資料がほぼ確実に登録されるであろう。
 
橋氏は、強く懸念する。

「先に示した写真から、こうしたことは読みとれるのです。写真はユネス
コ記憶遺産登録を目指す日中韓の民間団体による準備会合です。そこにユ
ネスコの制度改革小委員会の調整役が出席していたことの意味を考えて下
さい。日本からはユネスコ慰安婦登録日本委員会代表の渡辺美奈氏が出席
していますが、彼女をはじめソウルに集った人々は、何としてでも慰安婦
問題をユネスコ記憶遺産に登録すべく、私たちから見れば決して公正とは
思えない戦術で、準備してきた人たちです。そこに公正中立のはずの調整
役がコミットしている。ユネスコの公正さは、この時点で明確に否定され
ています。そのことを念頭に置いた厳しい対策が必要でしょう」
 
事実、先述したようにエドモンドソン氏は、日本政府の提唱する制度改
革を慰安婦資料登録に関しては明確に否定した。氏と共に会を盛り上げた
渡辺氏は「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)事務局長、「女たちの
戦争と平和人権基金」理事でもある。
 
前衆議院議員の杉田水脈氏が、東京・西早稲田のWAMを訪れた。

「中国・朝鮮半島の慰安婦の写真がパネルで展示され、女性国際戦犯法廷
関連の資料や写真、少なからぬ量のイラストもありました。ハングルで書
かれたものや、昭和天皇と見られる男性が目隠しされて木に縛りつけら
れ、複数の銃口がつきつけられている絵が目につきました」
 
女性国際戦犯法廷は朝日新聞の故松井やより元記者らが中心になって
2000年に開催された。崩御後のことであり弁明もできない昭和天皇を被告
として弁護人不在で行われ、法廷と呼ぶことなど到底できないが、このイ
ベント関連資料が展示されているのである。加えて『松井やより全仕事』
と題する書籍も販売されている。『全仕事』の内容について杉田氏が語った。

「酷いと思いました。韓国の民主化運動のために思いつくことは何でも
やったということが書かれ、シンガポールの特派員時代のものも含めて多
数の記事が載っています。全体として、よくもこれだけ日本が悪かったと
いうことを記事にできたなというのが私の印象です」

更迭を求めよ
 
松井氏と同期入社の元朝日新聞記者、長谷川𤋮氏も『崩壊朝日新聞』
(WAC)で、松井氏はシンガポール特派員時代にマレーシアの山岳地帯
を訪れて、そこで長年続く現地部族同士の争いで殺害された住民も全て、
日本軍が殺害したことにしておきなさい、それで構わないと現地の人々に
言っていた、と書いている。松井氏の日本批判は理由は分からないが強い
反日思想ゆえの、事実歪曲や捏造に満ちた、不条理なものだ。
 
WAM事務局長の渡辺氏もそのような松井氏の遺志を継いでおり、松井
氏の人脈に連なると見てよいだろう。
 
渡辺氏らと連帯しているのがシンポジウムに参加した韓国の申恵秀、韓
恵仁の両氏であり、中国の蘇智良氏らである。申氏は韓国挺身隊問題対策
協議会の前常任共同代表、韓氏は「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員
会」「親日反民族行為真相糾明委員会」の調査官を歴任した人物だ。
 
中国代表の蘇氏は上海師範大学教授で、中国慰安婦問題研究センター主
任、「慰安婦資料館」館長である。氏は『中国人慰安婦』という徹頭徹
尾、反日の虚構に満ちた本の著者でもある。
 
そのような人々と共同行動をとっているのがエドモンドソン氏だ。ユネス
コにおける対日包囲の動きがどれ程周到に準備されていることか。
 
全力で毅然と立ち向かわなければ、わが国はまたもや煮え湯を飲まされ
る。まず、双方の主張が激しく対立する課題で一方に完全に与するような
人物は調整役の資格がない。氏の更迭を、日本政府はユネスコに求めよ。
そのうえで登録するか否かは来年4月に出る予定の制度改革の結論を踏ま
えて行うよう強く働きかけよ。
『週刊新潮』 2016年10月13日号
日本ルネッサンス 第724回