2014年08月18日

◆日本の誇る英語の達人

伊勢 雅臣


明治日本には見事な英語で日本を語った達人たちがいた。

■1.「世界に影響を与えた日本人の英語」

英語で禅を広めた鈴木大拙(だいせつ、明治3(1870)年−昭和41(1966)年)の晩年の英語による講演テープを聴いた英語・英文学専攻の斉藤兆史(よしふみ)東京大学教授は、次のように感想を記している。

<その英語を聴いてみると、晩年ということもあってか、日本語なまりも強く、けっして流暢ではない。しかしながら、話している一文、一文の正確さ、内容的な密度は驚嘆に値する。おそらく、そのまま書き起こしても、立派に禅の入門書になるであろう。これが世界に影響を与えた日本人の英語なのである。

大拙は若い時分からの英語修行、仏典の英訳、英語での仏教書の執筆を通じ、書き言葉のように正確に話し言葉を操る技を身につけた。放送大学の英語番組の取材に応じてくれたアメリカ人の禅僧によれば、大拙ほど高度な英語を操ることのできる人間は母語話者のなかにもそう多くはないという。>[1,p10]


「英語下手」は、多くの日本人が抱く劣等感である。それは英語の発音が日本語よりもはるかに(というより、世界の言語の中でもかなり)複雑であり、さらに日本語とは文法の共通性がほとんどない、という、日本人にとってはきわめて敷居の高い言語だからである。

また日本は、日本語だけで大学での専門分野も勉強できるし、世界の名作やベストセラーを読めてしまう、という国際社会でも珍しい教養大国である。だから国内に住む人々には、英語はほとんど必要ない、という要因もある。

ただ、グローバル化の中で、商談や学問的な議論など英語を使わなければならない人々は増えている。そういう人々にとっては、大拙までいかなくとも、「日本語なまりも強く、けっして流暢ではない」が、自分の考えを正確に表現しうる英語を目指すべきあろう。

我々の先達の中には、大拙のような英語の達人が何人もいたのである。それらの達人を紹介しながら、そのレベルに少しでも近づくにはどうしたら良いか、考えてみたい。

■2.新渡戸稲造の"Bushido"

斉藤教授は、日本人による三代英文著述として鈴木大拙の"Zen andJapanese Culture"(『禅と日本文化』)ととともに、新渡戸稲造の"Bushido, the Soul of Japan"(『武士道』)、岡倉天心の"The Book ofTea"(『茶の本』)を挙げている。

新渡戸稲造の"Bushido"は1900(明治33)年にフィラデルフィアで出版された。数年後の日露戦争で日本人の忠誠心と勇武の精神が世界的に注目され、それを外国人にも分かりやすく説いた本として広く読まれた。

米国セオドア・ルーズベルト大統領は、"Bushido"を読んで感銘を受け、60冊も買い求めて子供や友人に送り、さらにアナポリス海軍兵学校、ウェストポイント陸軍士官学校の生徒たちにも読むように勧めた。[a]

新渡戸稲造の英語力について、斉藤教授はこう述べている。

<新渡戸の英語がもっとも実務的な力を発揮したのは、彼が国際連盟事務局次長を務めた1920年代前半である。

それは彼が、あまり演説の得意でなかった英国人事務総長ドラモンド卿の代わりに欧州各国を回って国連精神普及の講演を行っていた時代、そして現在のユネスコの基礎となった国際知的協力委員会を組織し、ベルグソン、アインシュタイン、キューリー夫人、ギルバート・マレーらと議論を戦わせていた時代だ。国際連盟の活動を通じ、彼は多くの学者・文人と親交を結んだ。>[2,p22]


鈴木大拙と同様、新渡戸の英語力は国際的にもトップレベルの知的教養に支えられたものだった。


■3.「ヤンキーか、ドンキーか、それともモンキーか」

新渡戸稲造の"Bushido"が日本人の倫理観を世界に訴え、鈴木大拙の"Zenand Japanese Culture"が日本人の宗教心を国際社会に説いたとすれば、岡倉天心の"The Book of Tea"は、日本人の芸術的感性を海外に紹介したものだと言える。

天心は米国の芸術家や美術収集家と親交を結び、またボストン美術館の美術品の整理や、横山大観などの作品展の開催に携わった。セントルイス万国博覧会で『絵画における近代的諸問題』と題した講演の様子は次のように伝えられている。


<講演者が日本固有の服装で演壇に現れ、頗(すこぶ)る流暢な英語で、大胆且つ率直に、この興味ある問題を解剖し去ったので、俄然人気の中心になってしまった。>[2,p42]

「日本固有の服装」とは羽織・袴のことで、天心はこの出で立ちで米国を闊歩していた。ボストンの街で、弟子の横山大観とこの恰好で歩いている時、一人の若者に呼びかけられて、次のように聞かれた。

「What sort of 'nese are you people? Are you Chinese, or Japanese,or Jabvanese?
(お前は何ニーズだ? チャイニーズか、ジャパニーズか、ジャワニーズ
(ジャワ人)か?」

人種偏見に満ちた質問に、天心はくるりと振り返って、


「We are Japanese gentlemen. But what kind of 'keys are you? Areyou a Yankee, or a donkey, or a monkey?
(我々は日本人紳士だよ。ところで、あんたこそ何キーなんだい? ヤンキーか、ドンキー(ろば、馬鹿者)か、それともモンキーか。」

天心が羽織袴で海外を闊歩したのは、日本文化を国際社会にアピールする戦術であろう。しかし、弟子などに対しては「破調の語学で和服を着て歩くことは、甚だ賛成しがたい」と注意している。米国人と英語で議論する自信があればこそ、和服で日本文化を誇示し得たのである。

■4.英語ペラペラを目指すべき

よく語学の達者な人を「あの人は英語がペラペラ」などと言う。ここで挙げた3人の達人も、英語がペラペラだと言えば、それに間違いはない。

かつて中国で買い物をしていた際に、店員からブランド品の偽物を見せられて、「お客さん。財布あるよ これルイ・ヴィトン。偽物ない。本物。でも2千円。2千円。安いよ。安いよ」などと声を掛けられた。

日本語を知らない中国人の同僚から見れば、この店員も「日本語ペラペラ」で売り込みをかけている、ということになるのだろうが、我々の目指すべきは、こういう「ペラペラ」なのだろうか?

もちろん商売をする人がこういう「ペラペラ」を目指すことは必要な場合があろうが、我が国の公教育で膨大な国費を投じて、こんな「英語ペラペラ」人間を大量に育てたとして、それが国民の幸福や外国からの尊敬につながるだろうか?

同じ商売にしても、あるアラブ人は日本商社との長い付き合いを通じて、「商売の基本は正直にある事を日本人は教えてくれた」と述懐している[b]。

日本の商社員が外国でこんな商売をするためには、別に「英語ペラペラ」である必要はない。鈴木大拙のように「日本語なまりも強く、けっして流暢ではない」英語で十分だ。そういう英語を通じてでも、中身のある話ができる方が大切なのである。

■5.漢字を読めなかったことを深く恥じて

内容もないのに「英語ペラペラ」を目指す人々が陥りやすいのが、「ペラペラ」になるには幼児の頃から英語に親しませた方が良い、という説だ。

天心は文久2(1862)年、明治維新の6年前に横浜の貿易商の家に生まれ、6,7歳で英語塾に通い、外国人宣教師について英語を学び始めた。9歳にして、すでに英米人に引けをとらぬ会話力を身につけていたという。

だが、そのために母語の習得がおろそかになった。父に連れられて川崎大師に詣でたとき、父が県境を示す表示杭を差して「あれを読んでみろ」と言った。天心は一字も読めなかった。

天心は漢字を読めなかったことを深く恥じて、国語国文の勉強をさせてくれと父親に迫った。父親は天心を寺に預け、住職から漢学の手ほどきを受けさせた。その一方で、学校に通って英学の勉強も続けた。

英語は出来ても、漢字を読めなかった事を恥じた点が立派である。かりに漢字など読めなくとも英語ができれば良い、と、天心がそのまま進んだら、どうなったろうか。おそらくアメリカ人並みの英語は話せても、海外で講演をして評判をとるような日本美術に関する深い学識は育たなかったはずだ。

まずは母国語で自らの精神や教養を深め、世界に語るべき内容を持つこと、そのうえで外国人が十分に理解できる英語でそれを語る。これが冒頭に紹介した3人の達人が歩んだ道なのである。

■6.素読の効果

天心がお寺で住職から漢学を学んだ方法は、当時の寺子屋と同様、「素読」によったはずである。「師曰はく、学びて時にこれを習ふ、亦(また)説(よろこ)ばしからずや」などと『論語』の一節を、師について何度も何度も音読する。そのうちに、文章のリズムを身につけ、語感を感じとり、内容も少しづつ分かってくる。


その素読を英語学習の正道として勧めているのが、「同時通訳の神様」と呼ばれた國弘正雄氏である。氏は戦争中、中学1年の時に先生から勧められて英語教科書を声を出して、ひたすら読んだ。一つの課について、平均5百回、課によっては千回も読んだだろう、という。


戦争が終わった時に3年生になっていた。米軍がやってきて、子供心に自分の英語を使ってみようと思って、米兵に話しかけた。すると驚くなかれ、こちらの言うことが相手に通ずるだけでなく、相手の言うことも、驚くほどよくわかったという。[3,p20]

氏は、道元禅師の「只管打座(しかんだざ、ひたすら座禅すること」)になぞらえて、「只管朗読」と呼んでいるが、これは漢学における「素読」と同じである。

■7.素読から多読へ

素読には、次のような効果がある。

 1.作文力と会話力が身につく。基本文型を身につけ、かつそれが口をついて出てくるようになれば、それを組み立てて、きちんとした文章を書いたり、話ができるようになる。

 2.基本文型を身につけることによって、直読直解(語順をひっくり返さずに、頭から理解できる)が可能になり、読解力、聴き取り力がつく。

 3.さらに、中身の濃い名文や名演説を素読の対象にすれば、自らの教養や精神を深める事ができる。

 4.一定のスピードで英文を理解できるようになると、多読が可能になる。多読の結果、ますます英語力が身につく。新渡戸稲造は札幌農学校時代に、「図書館にある書物を、片かしから総て読んで了(しま)はうと云う、無謀な大野心」を起こして、手当たり次第に読んだ。この多読により、英語を通じてさらに教養を深める事ができる。


なお、発音については、録音したものを聞いて、それを繰り返すようにすれば、十分に通ずるレベルになる。アメリカ人なみの完璧な発音を目指す必要はない。そもそも英語の発音は、アメリカ国内でも地方によって、いろいろ違いがあるのだから。

■8.素読が育てた幕末の名通詞

素読は、我が国においても伝統的な外国語習得法だった。江戸時代には、長崎奉行所にオランダ人や中国人との事務折衝にあたる通詞(通訳兼商務官)がいた。その一部の人々が、文化5(1808)年のフェートン号事件(イギリス軍艦の長崎港侵入・狼藉事件)を機に、いきなり英語学習を命じられた。

幕末にアメリカ人ラナルド・マクドナルドが利尻島に漂着した際に、英語担当通詞・森山栄之助が応対したが、その英語のうまさはマクドナルドを驚嘆させた。森山はいったいどうやって英語を勉強したのか。当時は英語の書物も限られ、そもそも英語を教えてくれる外国人すら国内にはいなかった。

その学習方法が素読であった。武家が幼児に漢文の素読を授けたように、長崎通詞の家ではオランダ語や英語の素読をさせていたという。

現在では英語の教科書・参考書が書店で山と積まれ、駅前の語学学校で簡単に英語を母国語とする人々から授業を受けられる時代になった。しかし、素読から多読へ、という語学の正道を超える学習法は見つかっていないように思われる。

仕事などで外国人とやりとりする必要のある人は、この正道を踏んで、冒頭の3人の達人には遙かに及ばないにしても、アラブ人に商売の基本を教えられるぐらいの英語力を身につけて欲しいものだ。

また、外国人との会話など必要としない、ほとんどの日本人は「ペラペラ英語」を目指して無駄な時間とお金を使うよりも、日本語の本の素読・多読を通じて、日本人としての品性と教養を磨くべきだろう。



■リンク■

a. JOG(288) 新渡戸稲造 〜 太平洋の架け橋
武士道と聖書とに立脚して、新渡戸稲造は日米両国の架け橋たらんと志した。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h15/jog288.html

b. JOG(354) 道徳力と経済力
経済発展の原動力は「正直、信頼、助け合い」の道徳力にある。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h16/jog354.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 斉藤兆史『英語達人塾 極めるための独習法指南』★★、中公新書、H15
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4121017013/japanontheg01-22/

2.斉藤兆史『英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語』★★、中公新書、H12
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4121015339/japanontheg01-22/

3. 國弘正雄『國弘流英語の話しかた』★★、たちばな出版、H11
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4813311849/japanontheg01-22/


   

2014年08月17日

◆「核」が日中開戦を抑止する(67)

平井 修一


元自衛官で作家の数多久遠(あまたくおん)氏のブログに「米海軍が注目した自衛隊無人潜水艦の正体」があった。以下紹介(一部)。

・・・

防衛省が開発中の無人潜水艦ですが、米海軍が目を付けて、一枚噛ませろと言ってきたようです。

<「無人潜水艦、日米で研究へ…30日間自律航行」(読売新聞14/8/8)

防衛省と米軍は、1か月間連続して海中で警戒監視を行うことができる「無人潜水艦」の開発に向けた共同研究を進める方針を固めた。(中略)

防衛省によると、当初は日本単独で開発を行うことを予定していたが、米海軍が高い関心を示したことから、共同研究に向けた協議を始めたという>

日本主導の研究に、アメリカ側から参加させて欲しいと言ってくるなんて、非常に珍しいケースでしょう。

日本の研究開発は、とかくオリジナリティが少なく(あれば良いってもんでもないですが)、あっても国産化の言い訳のための妙な仕様のモノが多いので、アメリカが興味を持つようなものは少ないのですが、コレはレアケースです。

この研究自体は、今年から予算が付けられており、防衛省としての研究がスタートしています。

26年度防衛省予算資料では、「長期間」としか記載が無かったのですが、読売の記事によると、「30日間」にも及ぶ連続哨戒が可能な能力を目指しているようです。

「無人潜水艦は、全長10メートル程度で、航行する場所をあらかじめ決めておき、約30日間自律して行動した後、帰還することが想定されている。海中では水中音波探知機(ソナー)による警戒監視や情報収集を乗組員なで行う。魚雷などによる攻撃能力は持たせない予定だ」(読売)

この性能が実現できれば、確かに米軍が高い関心を示すだけの価値があります。

1ヶ月の連続哨戒は、普通の潜水艦でも可能ですが、何せコストが違います。艦の取得費用ももちろんですが、人が乗り込む艦と無人艦では、運用コストが桁違いだからです。

そして、コストが安いということは、大量に投入できる可能性につながります。

潜水艦が行うべき情報収集は多岐に渡りますが、やはり最も重要なのは、パッシブソナーによる水中音響の収集でしょう。

音響測定艦による遠方からの情報収集でも、相当の情報が収集できるようですが、電波と同様に遠方まで到達しやすい音は、回折(注1)などもし易く、音源の位置や移動については把握が困難です。

ですが、多数の無人潜水艦が、複数の位置で同時にデータ収集を行えば、目標とする音源の情報は、位置や移動能力についても詳細に把握できます。

潜水艦の有用性は、何よりもその隠密性によって成り立っています。

もちろん、現代の潜水艦は、魚雷だけでなく、ミサイルも搭載したり、特殊部隊の投入も行なうなど、多彩で強力な攻撃力を持つに至っていますが、「どこに居るか分からない。いつ攻撃を受けるか分からない」という恐怖を敵に与え、対潜戦を行わない限り、戦力の展開を行う事さえ困難にする所にこそ、最大の価値があります。


フォークランド紛争中、アルゼンチンの巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」は、イギリスの原潜「コンカラー」に魚雷で撃沈されました(注2)。

その後のアルゼンチン海軍主力は、原潜の活動が困難な浅海域に留まったため、大きな被害を受けることはありませんでしたが、原潜の存在を恐れ、活動自体ができなくなったため、その存在自体が無力化されてしまいました。

このように、潜水艦は、ある意味で地雷のようなモノですが、動き回ることが可能なため、より厄介な存在です。

しかし、潜水艦は、それぞれの固有音響を収集され、行動データの蓄積から機動能力等を把握されてしまえば、隠密性を発揮することはできなくなり、水上艦に比べれば機動能力も攻撃力も劣る潜水艦は、ただの的でしかなくなってしまいます。

現状でも、日中間の戦力に、大きな差があるのがこの点ですが、この無人潜水艦が多数配備されれば、中国の潜水艦は、ほとんど無力と化すかもしれません。

特に、騒音の激しい原潜と比べ、対処に困難が予想される一部のキロ級などの通常型潜水艦の動向把握に効果を発揮するでしょうから、その価値は非常に大きなものになると思われます。(以上)

・・・

数多久遠氏によると、上記の他にも自衛隊は各種無人潜水艦を開発しているという。共産主義系習近平一家への包囲殲滅戦へ、小生も文字による一日一弾で踏ん張っていこう。無人機、無人潜水艦・・・近未来の戦争はロボット戦争みたいだ。

・・・

注1)回折:媒質中を伝わる波(または波動)に対し障害物が存在する時、波がその障害物の背後など、つまり一見すると幾何学的には到達できない領域に回り込んで伝わっていく現象。

注2)防衛省防衛研究所「フォークランド戦争史」から。

1982年3月30日の午後、イギリス国防省は防衛作戦執行委員会を招集した。この委員会は参謀長が軍事作戦の主要方針を決めるためのもので・・・キャリントン外相から3隻目の原子力潜水艦の派出の要請を受け、派出される原子力潜水艦は「コンカラー」とまで決まっていた。


しかしノット国防相は原子力潜水艦の3隻目の派出は他の作戦に重大な影響を及ぼすとの懸念から出港の命令を出していなかった。

当時、イギリス海軍が実践配備していた原子力潜水艦は7隻しかなく、その任務は戦略抑止任務中のイギリスのポラリス型原子力潜水艦の護衛および旧ソ連艦隊に関する情報収集であった。3隻目の派出により対ソ対潜戦に関する重大な情報取集任務が危険にさらされるのではないかと考えていた。

イギリス海軍はフォークランド戦争で最終的に6隻の潜水艦を投入した。原子力潜水艦5隻および通常動力(ディーゼル推進)潜水艦1である。「コンカラー」は、海兵隊の特殊舟艇部隊(SBS)隊員を乗船させて4月4日に英ファスレーンを出港した。

政府が原子力潜水艦の派出を選択した理由の第1は、アルゼンチンを挑発しないで行動できることであったため、政府は原子力潜水艦の行動を公表しなかった。

「コンカラー」はサウス・ジョージア島に向かい、4月19日には同島北部に海兵隊SBSの偵察中隊を上陸させた。4月28日まで、同島で作戦を遂行した後、「コンカラー」は4月30日にフォークランド諸島周辺海域の新たな指定された担当海域に入った。

5月1日の午後、「コンカラー」はアルゼンチンの巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」および2隻のエクゾセ・ミサイル搭載駆逐艦を確認した。

イギリスによる制海権の確立は、5月3日に「コンカラー」がアルゼンチンの巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」を魚雷で撃沈することで確立されたとされる。イギリス海軍は、アルゼンチン海軍と水上戦闘を行わないで、制海権を確立したことになる。

イギリスのノット国防相はイギリス国防省のフォークランド戦争の報告書のなかで、イギリス原子力潜水艦の役割を次のように積極的に評価している。

「我々の原子力潜水艦は、極めて重要な役割を果たした。ヘネラル・ベルグラーノを撃沈した後、アルゼンチンの水上艦艇は効果的に戦闘に加わることは全くなかった」(以上)

・・・

平井思うに、昔、というか敗戦後は米国庇護下にあったから、日本国民は軍事に疎くても大過なかった。今は「世界の警察官」がいなくなったのだ。自分で身を守るしかない。勉強していこう。(2014/8/17)

◆日本貶めた誤りをただすとき

高橋 史朗

 
朝日新聞は8月5、6日付朝刊で、慰安婦問題をめぐる同紙の過去の報道に誤報があったことを認めたが、議論をすりかえ、国際広報もせず、自らの責任を明確にして謝罪することもしなかった。

盧泰愚大統領(当時)は、慰安婦問題は「日本の言論機関の方がこの問題を提起し、我が国の国民の反日感情を焚(た)きつけ、国民を憤激させてしまった」と指摘した。

「従軍慰安婦」と「女子挺身(ていしん)隊」とを混同し、吉田清治氏のウソの証言を報道した朝日新聞が、日本は「性奴隷」国家であるという不当な国際誤解の元凶であったことが明白になった以上、言論機関としての社会的責任、国際的な説明責任が問われるのは当然である。

中韓との教科書騒動の元凶も日本の新聞報道であったが、このような「反日日本人」のルーツは、占領政策を継承し拡大再生産していく「友好的日本人」による「内的自己崩壊」を仕組んだ占領軍の「精神的武装解除」政策にあったことを見落としてはならない。

憲法をはじめとする占領政策をアメリカが押しつけたことのみを問題視する傾向があるが、そのような責任転嫁はもはや許されない。

在米占領文書によれば、米軍は日本の歴史、文化、伝統に否定的な「友好的日本人」のリストを作成し、占領政策の協力者として「日本人検閲官」(約5千人)など民政官を含む各分野の人材とし高給を与え積極的に登用した。

これらの占領軍と癒着した「反日日本人」が戦後日本の言論界、学界、教育界などをリードしてきた事実を直視する必要がある。

ドイツと違って、軍国主義は日本人の道徳(精神的伝統)や国民性、神道に根差していると誤解した米軍の対日文化・心理戦略が、日本人の道徳、誇りとアイデンティティーを完全に破砕する「精神的武装解除」政策として実行され、「内的自己崩壊」をリードする「反日日本人」を活用して、背後から巧妙にコントロールした。


在英秘密文書で共産主義者が憲法制定や公職追放、戦犯調査などに深く関与し、米戦略諜報局の対日占領計画の背景に、英タヴィストック研究所の「洗脳計画」があったことが判明した。

伝統文化や男らしさ女らしさを否定する教育など、抵抗精神を弱体化する「洗脳計画」によって、占領軍の眼をはめこまれた「反日日本人」が日本の国際的信頼を自ら貶(おとし)めてきたのである。

昭和20年8月15日、朝日新聞は「玉砂利握りしめつつ宮城を拝しただ涙」との見出しで、「英霊よ許せ」「『天皇陛下に申し訳ありません…』それだけ叫んで声が出なかった」(一記者謹記)という記事を掲載している。

朝日が「反日」に転じた契機となったのは、占領政策に反するという理由で発行禁止になったことにあり、以来朝日は発行停止にならないように、占領軍の目で反日記事を書くようになった。

江藤淳はこの占領下の「閉ざされた言語空間」について鋭く指摘したが、「反日日本人」が戦後日本に与えた影響について歴史的に検証し総括する必要があろう。単純な米中韓との対立図式では捉えられない戦後の思想的混迷の原点がそこにあると思うからである。


中韓首脳会談で慰安婦問題の共同研究が合意されたが、河野談話の作成経緯に関する検証結果を踏まえた新談話を発表し、不当な国際誤解を払拭する必要がある。

                ◇

【プロフィル】高橋史朗
たかはし・しろう 埼玉県教育委員長など歴任。明星大学教育学部教授。
男女共同参画会議議員。
産経ニュース2014.8.16

◆朝日新聞と河野氏への批判目立つ

阿比留 瑠比
 

69回目の「終戦の日」を迎えた15日の靖国神社は、政治家や政権への批判などはほとんど見当たらず、落ち着いた雰囲気だった。その中で例年以上に目立ったのは、根拠がないまま慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話と、慰安婦問題での自社報道の誤りを一部認めた朝日新聞への批判だ。


最寄り駅から靖国神社へ向かう歩道では、さまざまな団体が世相を映したビラを配っていた。例えばこんなものもある。

「『従軍慰安婦』は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」

「韓国の大嘘宣伝【20万人が性奴隷にされた!】の火元は朝日新聞」

そのすぐそばでは、河野談話撤廃の署名活動も行われていた。

境内で毎年開かれる戦没者追悼中央集会では、司会者が次世代の党の山田宏幹事長について、6月の政府による河野談話作成経緯の検証に道を開いたことを挙げて「英霊の名誉を守った」と紹介した。河野談話によって旧日本軍兵士は、いわれなき罪を背負わされたからだ。

登壇した山田氏は、今月5、6両日に朝日新聞が掲載した自社の慰安婦報道に関する特集記事に関してこう批判した。

「朝日が捏造記事を書き、32年間も放置した。あの程度の記事で罪が償えると思うのか。なぜ今まで黙っていたのか。朝日は明らかにすべきだ」

この言葉は、韓国・済州島で女性を強制連行したと虚偽の証言をした吉田清治氏に関して昭和57年以降、少なくとも16本もの記事を載せておきながら謝罪も訂正もせず、今回ようやく取り消したことを指す。山田氏の指摘には大きな拍手がわき起こっていた。

集会では、安倍政権の安全保障政策に関する次のような声明も採択された。名指しはしていないが、これも朝日新聞をはじめとする左派メディアを念頭に置いていることは明らかだ。

「一部の報道機関から執拗(しつよう)かつ意図的な悪意ある報道が繰り広げられたことは周知の通りだが、その効果は意外なほど小さかった」

集会会場わきの書籍販売所には「〈河野談話〉の虚構」(勝岡寛次著)、「『従軍慰安婦』強制連行はなかった」(松木国俊著)といった本も並んでいた。

正午近くになると、日本武道館で開かれていた政府主催の全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞の音声が境内に流された。

「戦没者の皆様の貴い犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを片時たりとも忘れません」

「日本の野山を、セミ時雨が包んでいます。69年前もそうだったのでしょう」

正午になると、靖国境内でも1分間の黙とうが行われ、ざわめきが一瞬のうちに静寂へと変わり、セミ時雨だけが残った。

すると、平成18年の追悼式で当時、衆院議長だった河野氏が述べた次の言葉が頭をよぎった。

「戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならない」

河野談話を主導した河野氏の責任をあいまいにしてはならないと、改めて心に刻んだ。
産経ニュース 2014.8.15

2014年08月16日

◆私の「身辺雑記」(133)

平井 修一


■8月13日(水)。朝は室温25度、夕べからとても涼しい。快晴だが、風があり、凌ぎやすい。昨日は終日クーラーなしだったが、今日も大丈夫だろう。久し振りにフルコース散歩。

父は12人きょうだいで、ただ一人、末っ子で存命中の叔母さんから電話があった。菩提寺は一緒(真言宗)で、墓も隣り合わせだ。池田教だから「また選挙でもあるのか」と電話に出たら、「修ちゃん? 叔母さんよ。昨日は(お施餓鬼だから)お寺で待っていたけれど、会えなかったからね、具合でも悪いのかと心配していたのよ」。

叔母さんは81歳、旦那は82歳。「主人はもう車椅子でね、週1回リハビリで病院へ通っているのよ。もう老老介護で大変。週2回デイサービスを利用しているけれど、行きたがらないし・・・一日中顔を突き合わせていたら私が参っちゃうわ。私だって買い物をしたいし、おしゃべりもしたいし」

叔母さんは長女一家と2世帯住宅で暮らしているが、同居ではないし、長女は仕事を持っているからそうそう介護を手伝ってもらえるわけではないのだろう。

老老介護と言えば、年初から80代と思しき婦人が午前中に駅へ向かい、夕方帰ってくる。ほぼ毎日だ。左手に杖を引き、右手にバッグ、背中にデイパックで、一体どんな用事があるのだろうといぶかっていたが、どうやらご主人が寝たきりで施設に収容されており、その見舞いと世話のようなのだ。


この婦人はインテリっぽい様子で、服装も高級そうだが、暑熱の中をしんどそうに歩く姿を見ると、大家族でないと老老介護は避けられず、共倒れになりかねない、この際「大往生丸」とか安楽死を選べるようにすることも検討すべきではないか、と思ってしまう。

<安楽死とは、患者本人の自発的意思に基づく要求に応じて、患者の自殺を故意に幇助してに死に至らせること(積極的安楽死)、および、

患者本人の自発的意思に基づく要求に応じ、または、患者本人が意思表示不可能な場合は患者本人の親・子・配偶者などの自発的意思に基づく要求に応じ、治療を開始しない、または、治療を終了することにより、結果として死に至らせること(消極的安楽死)である>(ウィキ)

消極的安楽死は「チューブだらけの延命のための延命はしない」ということで、日本でも普及しているが、積極的安楽死を認めている国は、スイス/1942年、米オレゴン州/1994年、オランダ/2001年、ベルギー/2002年、ルクセンブルク/2008年、米ワシントン州/2009年だという。


母を看取ってから2年半ほどになるが、精神的負担が大きかったので、小生のオツムは自己防衛本能からだろう、母にかかわる晩年の記憶を自動的に封印した。

終戦後に日本人が戦争を思い出したくないと生活再建にひたすら邁進したのも、この自己防衛本能によるところが大きかったはずだ。冷却期間が過ぎれば母の晩年を冷静に振り返ることができるのかもしれない。

お盆の飾りつけをし、夕刻、7人で迎え火。夕食は天ぷら各種、素麺、うどんなど。夏バテなのか皆早めに就寝。

■8月14日(木)。夜中には室温23度まで下がったが、早朝は24度。薄曇りでも風がないから11時には29度になった。ちと暑い。

桜並木は落ち葉が増えてきた。秋が近いからだろう。アブラゼミは群舞。ミンミンゼミはまだ来ない。そう言えばいつの間にかツバメは帰っていった。季節は巡る、か。

子供が小さい頃は蝉取りに連れて行ったものだが、歯科衛生士のNが子供の患者に「蝉取りした?」と聞いたら「ゲーム」だと。今の子供、親は大丈夫なのか。

支那は一時期は「世界の工場」と言われたが、先進国は労賃の安さに魅かれて工場進出した。それにより各国は製造業の空洞化が進み、中流階層の雇用が大きく減ってしまい、下流階層に転落する人々が増えた。

高度な技術、高度な知識、ブラック企業で儲けるような高度なセコさ、アクドサなどを持つ人は上流階級になり、中流は細り、下流は増える。二極分化というやつだ。

アメリカンドリームを信じ、坂の上の雲を目指した米国人は中流の製造業従事者が主体だった。米国に限らず中流、中産階級は国家の背骨だった。その背骨が細くなっているというのは問題だ。

そういう時に支那がチャイナリスクや労賃の高騰により評価を落とし、米国製造業も国内回帰の動きがあるという。大いに結構なことだ。

安達誠司・丸三証券経済調査部長の論考「講座:ビジネスに役立つ世界経済」7/14から。

<中国経済は、すでに実質GDP成長率でいえば10%超の高度経済成長の局面を終え、今、低成長局面(といっても実質GDP成長率で5%程度)への過渡期にあると思われる。その最大の理由は、農村から都市部へほぼ無制限に供給されてきた安価な労働力が尽きたからに他ならない(経済学の用語でいえば、「ルイスの転換点」をすぎた)。


そのため、上海をはじめとする沿海部の工業地帯では賃金の上昇が著しく、為替レート次第では、日本の地方のほうが賃金が安い状況になっているともいわれている。

日本企業の中では、単純な製品の最終組み立て工程をべトナムやカンボジアといった地域に移転される企業も出はじめていると聞く。たとえば、今年5月にジェトロが発表した「第24回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較」によれば、一般工の平均月給は、上海が495ドルだったのに対し、ハノイは155ドル、プノンペンは101ドルだった。


中国の生産コストの上昇は賃金だけではない。社会保障の雇用者負担、事務所の賃料などを考慮すると、もはやかつての中国の高度成長を支えた「安価な製造コストで安価な製品を大量に輸出する」という「薄利多売型」の成長モデルは限界に達している。

現在の中国の成長率低下の要因が当時(1970年代半ば)の日本と同じであれば、中国政府による景気対策は中国経済をスタグフレーション(低成長と高インフレの併)に陥れるリスクがあると考えられる。確かに中国の景気は幾分上向きになってきた感もあるが、元来、遅行指標であるはずのインフレ率が早くも上昇し始めている点には警戒する必要があろう。


スタグフレーションは場合によっては、インフレやデフレ以上に国民生活を痛めつける懸念がある。深刻なスタグフレーションが現在の中国の共産党一党支配体制を揺るがすことになれば、東アジアの地政学的リスクが大きく増すことにもなるので、注意が必要であろう>(以上)
・・・

国際経済も政治・軍事とともにガラガラポンが進んでいるのだ。とても難しい時代だ。

孫・子は夕方までに皆帰った。いればいささか煩わしい、いなければちと寂しい。なかなか複雑だ。チビがいると辛い料理は作れないから、夫婦だけの夕食はキムチ鍋。思いっきり豆板醤を入れたら、もうヒーヒー、ハーハー。昔は別のことでヒーヒー、ハーハーしていたが・・・

■8月15日(金)。朝は室温28度、快晴。昨日は夕方から雨だったし、風があるのでまあ涼しい。終戦の日。「終戦の詔勅」の一部。

・・・

世界の大勢、また我に利あらず。

しかのみならず、敵は新たに残虐なる爆弾を使用して、しきりに無辜を殺傷し、惨害の及ぶ所、まことに測るべからざるに至る。

しかもなお交戦を継続せむか、ついに我が民族の滅亡を招来するのみならず、ひいて人類の文明をも破却すべし。

かくのごとくむは、朕何をもってか億兆の赤子を保し、皇祖皇宗の神霊に謝せむや。

これ朕が帝国政府をして共同宣言に応せしむるに至れる所以なり。

朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し、遺憾の意を表せざるを得ず。

帝国臣民にして、戦陣に死し、職域に殉し、非命に斃れたる者、およびその遺族に想を致せば、五内(ごだい)為に裂さく。

かつ戦傷を負い、災禍を蒙り、家業を失いたる者の厚生に至りては、朕の深く軫念(しんねん)する所なり。

惟(おもう)に、今後帝国の受くべき苦難はもとより尋常にあらず。なんじ臣民の衷情も、朕よく之を知る。

しかれども、朕は時運のおもむく所、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、もって万世の為に太平を開かむと欲す。

朕はここに国体を護持し得て、忠良なるなんじ臣民の赤誠に信倚(しんい)し、常になんじ臣民と共に在あり。

もしそれ情の激する所、みだりに事端を滋(しげ)くし、或は同胞排儕(はいせい)互に時局を乱り、ために大道を誤り、信義を世界に失うが如ごときは、朕最もっともこれを戒しむ。

宜しく挙国一家子孫相伝え、かたく神州の不滅を信じ、任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、道義をあつくし、志操をかたくし、誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらむことを期すべし。

なんじ臣民、それよく朕が意を体せよ。(以上)

・・・

靖国を遥拝し、街の神社の忠魂碑に献花した。碑の表に英霊の名が刻まれ、裏には以下の追悼文が刻まれていた。

<碑に銘記せられたる諸士は明治より昭和に亘る戦役に於いて戦没せられたる勇士なり 凡そ戦に臨むに一身一家を顧みず総ての恩愛と一切の地位名声とを捨て只管(ひたすら)道義の大道に歩して潔く国家に付して身命の犠牲を捧げん

憾(うら)むらくは尊き諸士の死も空しく敗戦の悲運に遭う 悲憤の涙抑え難し 唯謂へらく諸士の犠牲に因り民族的自覚心の覚醒となり世界永遠の平和を齎(もたら)し民主主義的国家繁栄の礎ともならば諸士も亦(また)瞑して可ならんか>云々

碑には昭和14年から20年8月までの英霊51柱の名があり(それ以前については街の記録がなかったようだ)、父の実家の関川家一族は10柱で一番多かった。大義に殉ずる血は小生にも流れているか。

「英霊の皆様、日本のため、世界のために戦ってくれて有難うございました。どうか中共殲滅、支那解放の聖戦に力をお貸しください」と祈った。いい一日だった。

◆「歴史戦」必勝を英霊の前に誓う

新保 祐司


5月30日に月刊誌、中央公論元編集長の粕谷一希氏が84歳で亡くなった。氏は名編集者として知られているが、また、評論家として戦後日本に対する明晰(めいせき)な批評を遺(のこ)した人でもあった。戦前からの良質な教養を受け継いだ真の知性であったといえるであろう。

 ≪「醤油組」糾弾した粕谷氏≫

氏の著作のうち主要なものを3巻にまとめた『粕谷一希随想集』が今、刊行されている。その編集に協力者として参加した私は、氏の評論のほとんどを改めて読み直してみて、戦後日本の諸問題に対する鋭利な指摘から得るものが多かった。

その中でも特に深く心に突き刺さったのは、「醤油(しょうゆ)組の天下」という寸鉄人を刺す鋭さを持った言葉であった。この寸鉄は、確かに「戦後」という時代にとどめを刺す力はある。

昭和53年の「鶴見俊輔氏への手紙」の中に、「私たち多少下の世代から眺めていますと、戦後の論理には、“醤油を飲んで徴兵を逃れた”、いってみれば醤油組の天下といった風潮がありました。

『きけわだつみの声』の編集方針も、意識的に反戦学生の声だけが集められました。愚劣な戦争に駆り出されて、無駄な死を強制された。だから、二度とこうした戦争を起させてはならない。

もう『僕らは御免だ』、ドイツの戦没学生の手記も訳されて、戦後の反戦感情・反戦運動は盛り上げられてゆきました。それは半面では正当に思われました。けれども微妙なところで、何かエゴイズムの正当化といった作為的な思考のスリカエがあるように思われて、当時から私にはなじめなかったことを記憶しています」と書かれている。


「醤油組」とそれに従った人々によって「戦後の論理」は支配されたのであり、「醤油組」の倫理的問題は、実は心の奥底の単に戦争に行きたくないという「エゴイズム」を「反戦」とか、「平和主義」とかの美辞麗句で「正当化」したことである。

行きたくないということを直接的に表明するだけであれば、その人間は卑怯(ひきょう)者のエゴイストと指弾されるわけだが、「反国家主義」とか「戦後民主主義」とかを装うことによる「微妙」な「スリカエ」が行われて、さも「正義」の人であるかのように振る舞うという悲喜劇が蔓延(まんえん)したのが、戦後の生ぬるきヒューマニズムの見苦しい風景であった。


晩年の粕谷氏が、「醤油組」とは対極的な生き方をした戦艦大和ノ最期』の著者、吉田満に深く共感していったのは、「当時から」「なじめなかった」氏としては当然の流れであった。

 ≪『戦艦大和ノ最期』に共感≫

随想集第1巻の巻頭に掲載されたのは、「『戦艦大和ノ最期』初版跋文(ばつぶん)について」である。GHQ(連合国軍総司令部)の検閲で発禁となったこの名作が漸(ようや)く世に現れたのは占領が終わってからだ。

初版には、吉川英治、小林秀雄、林房雄、河上徹太郎、三島由紀夫が跋文を寄せた。氏は、これらの文学者を「戦後の風潮に同調しなかった人々」と称讃している。

氏は5人の跋文を紹介した後、「晩年、吉田満が改めて戦争の記憶に回帰し戦後日本に欠落したものを問いつづけたのも『戦艦大和ノ最期』の作者の十字架であった。飽食のなかで忘却している悲劇の感覚を、もう一度、日本人に喚起したかったからであろう。それに答えうるか否かは、残された者の課題である」と書いている。


この「課題」に今こそ、我々は真摯に対峙しなければならない。「戦後日本に欠落したもの」は、あまりにも多いからである。

かつて私は、或る会で戦後日本の文学作品の中で百年後に残っているのは『戦艦大和ノ最期』だけだと「放言」して会場から呆(あき)れられたことがある。確かに極論に違いあるまいが、少なくとも「醤油組」の卑しい精神からの所産に過ぎないものは、日本の精神の本質にとって何の意味もあるまい。


そして、戦後長く続いた「醤油組」の天下は、今や漸く終わろうとしているかに見えるが、集団的自衛権の問題に表れているように未(いま)だに根強く日本の社会の中に残っている。

「醤油組」の天下を完全に終焉(しゅうん)させることは、戦後の日本人の偽善性という倫理的問題を解決することであり、卑怯者の天下ではなく勇者の天下の日本国に改造しなければならない。≪敗者の方が豊かな教訓得る≫

私が編者としてまとめた『「海ゆかば」の昭和』に氏からは「敗者の教訓」と題した寄稿文を頂いたが、末尾には「敗者の方が勝者よりも豊かな教訓を得る。日本人はいまこそ20世紀前半の自民族の悲劇を誇りをもって語りはじめたらよい」と書かれている。

歴史認識の問題、あるいは歴史戦というものに立ち向かっていく心構えの根底には、この「誇り」がなければならない。8月15日の敗戦の日は、戦後70年の来年に向けて苛烈化する歴史戦で英霊の名誉と我々の「誇り」のために、必ずや勝利することを英霊の前に誓う日にしなければならない。

(しんぽ ゆうじ)文芸批評家、都留文科大学教授・産経[正論]2014.8.15


     

◆恥じぬ韓国の小学国語辞典

泉 幸男


日本の小学生用の学習国語辞典に「チャンコロ」「露助」「アメ公」が収録されることは絶対に考えられない。

これらの民族差別語は、わたしが子供のころ(つまり昭和40〜50年代)は、まだ生きた言葉だった。 しかし今では死語である。

……と、ここまで書いたところで念のためグーグル検索してみた。

結果は以下のとおり。

“アメ公”の検索ヒット数が異常に多いように感じられる。ネット上では案外生き残っているのだろうか?

<検索語>  <検索ヒット件数>

“ちゃんころ”    84,200
“チャンコロ”   800,000
“中国人”    17,300,000
“支那人”     472,000

“アメ公”    1,040,000
“アメリカ人”  4,640,000
“米国人”    1,230,000

“露助”      276,000
“ロシア人”   1,740,000


■「チャンコロ兵」という単語は存在するか ■

「チャンコロ」「露助」「アメ公」は今では死語である、と大見得を切ろうとしたら、のっけから裏切られてしまった。

さすがに「チャンコロ兵」「チャンコロ船」「チャンコロ料理」といった複合語はない、と断言しようとして念のためグーグル検索した。

<検索語>   <検索ヒット件数>

“チャンコロ兵”   1,200
“チャンコロ船”   2,730
“チャンコロ料理”  1,480
“チャンコロ女”   3,810
“チャンコロ男”   1,400

 いやはや。

「一致する結果は見つかりませんでした」と出るかと思ったら、この通りである。

これらの差別語を国語辞典に収録するかどうか。「チャンコロ」は収録するかもしれないが、さすがに「チャンコロ兵」は収録するまい。

まして、小学館や三省堂やベネッセが出している小学生用の学習国語辞典に「チャンコロ」や「チャンコロ兵」が掲載されることは、過去・現在未来にわたり絶対にないと断言できるのではないか。

これはもう日本人としては常識のなかの常識のようなもので、「チャンコロ兵」が見出し語になっている学習国語辞典を想像しただけで頭がクラクラしてくる。

■ 韓国の特殊性が証明された ■

ところが、この人間としての常識が通じない国がある。韓国の小学生用の国語辞典には、「倭〜」という語形の日本・日本人差別用語がいまだに多数収録されている。

わたしは外国語学習用に子供向けの学習国語辞典をよく買う。(たとえばフランスの学習国語辞典といえば、やさしい仏仏辞典ということにる。)

朝鮮語も相変わらず勉強中なので、先日も『東亜初等新国語辞典第6版』(斗山東亜、平成25年刊)を買った。「初等」は韓国の“初等学校”(=小学校)用ということ。

韓国の辞書は昔から何冊も買っている。以前に比べて一段と印刷が見やすくなって大満足だったが、さてさて、「倭〜」という形の単語は、12語掲載されていた。

【倭】<倭国>・<倭人>の短縮形

【倭カン醤】家で醸造する在来式醤油でない、工場のようなところで作った日本式改良醤油を指すことば

【倭寇】かつて、わが国と中国沿岸をうろつき集団的な略奪行為をした日本の海賊

【倭国】日本”をさげすんで言うことば

【倭軍“日本軍隊”をさげすんで言うことば

【倭ノム“日本人”または“日本男子”をののしって言うことば

【倭乱】(1) 倭人らが起こした動乱 (2) <壬辰倭乱>の短縮形

【倭兵】“日本兵士”をさげすんで言うことば

【倭船】“日本船”をさげすんで言うことば

【倭人】“日本人”をさげすんで言うことば

【倭将】かつて“日本将官”をさげすんで言っていたことば

【倭敵】かつて“日本”を敵国として呼んでいたことば


■ 社会が公認する差別語使用 ■

このうち「倭寇」は歴史用語だから差別語とは言えないが、他の11語は差別語だ。

“倭カン醤”は普通名詞とも言えるが、“工場カン醤”とでも言い換えるのが適当だ。“日式カン醤”でもよいが。

“倭兵”や“倭船”は、いわば「チャンコロ兵」や「チャンコロ船」に相当する単語である。

こういう単語が小学生用の辞書に載るということは、教科書や児童図書で現実に使われているということだろう。実態を調べる価値ありだ。

韓国では子供のころから日本や日本人について差別語を使うことが社会的に公認されているわけだから、これでは日本がいくら外交努力をしても日韓友好など絵空事である。

韓国では小学国語辞典がヘイトスピーチしちゃってるわけだよ、舛添さん!

中国語にも“小日本”とか“東洋鬼”といった差別語はあるが、まぁその程度だ。朝鮮語の状況は異常と言うしかない。

今回ご紹介した『東亜初等新国語辞典』を出版した斗山東亜は、30巻本の百科事典も出すような、韓国でも権威ある大手出版社だ。

■ 13年前の産経新聞に載った投稿 ■

この問題のことを、わたしは以前から指摘していた。平成13年3月20日の産経新聞「談話室」に、わたしの投稿が載ったことがある:


≪残念なことだが、いずれの言語にも「アメ公」とか「露助」のような、他民族をさげすむ言葉がある。

英語の「ジャップ」はよく知られているが、朝鮮語にも「ウェノム」という単語がある。「ウェ」は「倭」の音読み、「ノム」は「奴」というほどの意で、「日本人野郎」といったところか。

日本では「アメ公」「露助」は、成人用の国語辞典でも収録はまれだ。ましてや、小中学生用の国語辞典には収録されていないと言ってもよいのではないか。

ところが、韓国の小学生用国語辞典には、この「ウェノム」が堂々と収録されている。教学社の『初等学生学習国語辞典』と斗山出版の『東亜初等新国語辞典』で、いずれにも「日本人のことをののしって言う言葉」と注釈がある。

成人向けの辞典ならいざ知らず、児童向けの辞典に載せる神経が理解できない。

日本の歴史教科書をうんぬんする前に、韓国政府・国民は自国の児童生徒向けの国語辞典をしっかり監督してほしい。在日韓国大使館のコメントがぜひ聞きたいものである。≫

もちろん、在日韓国大使館のコメントなど来なかった。

当時わたしが書いた補足がホームページに出ているのでご覧ください:

「異文明圏韓国の小学生用国語辞典」
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/giga-korea1.htm

【再読したら、それに続く別の文章もおもしろかったので、まぁ読んでみてください。】

■ テレビ討論会など、いかがですか ■

韓国で日本差別語の使用が公認されているのは、慰安婦云々以上の大問題だと、わたしは思っている。

何しろ、現在進行形の問題なのである。

韓国人が次世代を教育するにあたって、差別語を是認する精神構造そのものを根本から変えてもらいたいと、これはもう、外交問題にしてもよいはずだ。

当然ながら韓国人は、「倭ノムどもは反省が足りないから倭ノムと呼ばれて当然だ」などと居直るだろうが、さすがの朝日・岩波も韓国の言い分を支持できまい(と言いたいが、どうだかね)。

いずれにせよ、このネタは、日本人側に圧倒的に分(ぶ)がある。韓国人をコテンパンにやっつける話題として、テレビ討論など企画されませんかね。日本人に分がありすぎて討論が成立せず、韓国側は話題のすり替えに終始することだろうが。

         

◆オスプレイ佐賀配備の意義

原慎平奥

 
防衛省は7月22日、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ全17機を佐賀空港(佐賀市川副町)に配備すると正式に表明し、佐賀県側との協議に入った。

南西諸島防衛で抑止力を高める効果だけでなく、台風や豪雨などの被害が多い九州地方における災害派遣での活躍も期待されるが、地方紙は懐疑的な見方に力点を置く論調が目立った。

陸自は平成30年度までに離島防衛・奪還作戦の主軸となる「水陸機動団」を新設し、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に配備する。オスプレイは、水陸機動団の人員と物資の輸送という重要任務を担うことになる。

産経は社説にあたる7月25日付「主張」で、「『安保』と『災害』に有益だ」との見出しで、佐賀空港へのオスプレイ配備の意義を安全保障上の観点からこう評価した。

「自衛隊の離島防衛能力が格段に高まり、紛争を未然に防ぐ抑止力を大幅に向上させることになる」

「『水陸機動団』と連携する態勢が整えば、尖閣など南西諸島防衛に大きく貢献し、朝鮮半島有事で米軍を支援することもできる」

佐賀空港は、相浦駐屯地と距離にして55キロ、オスプレイで飛行すればわずか7分間の場所に位置する。九州・沖縄の防衛、警備を担う陸自西部方面総監部のある熊本市の健軍駐屯地も近い。有事の際の即応性が発揮される場所だ。

産経は安全保障だけでなく「災害派遣上も重要なものだ」と指摘した。昨年11月、大型台風の被害を受けたフィリピンへ、普天間飛行場(沖縄県宜野湾=ぎのわん=市)の米海兵隊がオスプレイで支援物資や避難民輸送に活躍した事例を紹介した。

オスプレイは巡航速度が速く、離着陸に滑走路を必要としない。九州は数多くの離島を抱えており、本土への救患輸送や災害救助に大きな役割を果たすと期待されている。

東アジアの緊張高める?

九州の主要地方紙は、佐賀空港へのオスプレイ配備問題をどう論じたのか。西日本、佐賀、南日本、熊本日日、長崎の5紙が社説で取り上げた。

なぜ佐賀空港を選んだのか安全性・騒音への懸念はないのか、国は地元に対して詳しく説明すべきだ−。5紙の社説はおおむね、こうした疑問と主張を展開した。

ただ、ずさんな調査で作成された慰安婦に関する政府の河野談話の検証や、集団的自衛権行使を限定的に容認した政府の閣議決定に猛然と反対した姿勢とは異なる対応も見せた。

「選挙目当ての負担軽減か」(熊本日日)と11月の沖縄県知事選と絡める地方紙もあったが、「『沖縄の基地負担軽減』と言われてむげに断ることもできない」(佐賀)と、頭から反対できない苦しい胸の内を明かすところもあった。

西日本は、「なぜ佐賀か説明を尽くせ」との見出しで、佐賀空港について「県・市が軍事利用に否定的な見解を表明してきた経緯も見逃せない。地元に方針転換を迫るのなら、政府は空港の将来像をもっと具体的に語るべきだろう」と注文をつけた。

武田良太防衛副大臣は7月22日、佐賀県庁を訪れ古川康知事にオスプレイの佐賀空港への配備に理解を求めた。産経も同じ視点で「地元側には唐突な印象もあるようだ。なぜ佐賀空港なのかや、国民の生命財産や領土を守るためにオスプレイが果たす役割について、政府は丁寧に説明すべきだ」とした。


しかし、産経と比べ、九州の地方紙が大きく異なるのは、オスプレイが安全保障や災害派遣で果たす役割よりも、オスプレイ配備が東アジアの緊張を高めるとの論調や、事故の危険性に力点を置いている点だ。

5紙の中で、オスプレイ配備に最も強い懸念を示したのは長崎だ。

森永玲氏の署名入り論説で、オスプレイが、水陸機動の部隊輸送を担うことについて「西九州が“有事の出撃基地”と位置付けられていくようだ」とし、「安倍政権の打つ手がことごとく、東アジアの緊張を高める方向に働いている」「隣国との関係回復の道筋を示せない政府が、“勇ましい”態勢づくりだけは着々と進める現状に不安を禁じ得ない」と批判した。


しかし、「中国が地域を不安定化させている」(ヘーゲル米国防長官)との見方が国際的な共通認識であり、東アジアの緊張を高めているのは、領海侵犯を繰り返し、一方的な防空識別圏を設定した中国だ。

長崎の論調は、安倍首相を「軍国主義の道に進む」(中国人民解放軍の王冠中副総参謀長)と批判する中国軍部の発言と重なって映る。ホワイトハウスも導入

長崎と西日本は、オスプレイの安全性についても懸念や疑問を表明した。

西日本「開発段階から事故やトラブルがあり、実戦配備後も安全性が懸念されている。この解消を政府は最優先にすべきだ」

長崎「日本で目立った事故は起きていないが、この機種の安全問題が決着しないまま、導入することに対する疑問は消えない」

確かに開発段階から導入初期にかけて操縦ミスを含めた事故が相次いだ。

長崎は、「安全問題が決着しないまま自衛隊が導入することに対する疑問は今も消えない」とする。

しかし、防衛省作成の資料(平成24年9月時点)によると、陸自が導入するオスプレイ(MV22)の10万飛行時間当たりの事故件数を示す事故率は1・93。米海兵隊航空機全体の平均2・45と、自衛隊の大型輸送ヘリCH47の事故率3を大幅に下回る。

米首都ワシントンでは大統領同行の補佐官や警護官が移動の際にオスプレイを使用する。米大手シンクタンクでオスプレイの専門家であるウィトル上級専門員は、「危険な航空機をホワイトハウスが導入するはずがない。軍用機に100%の安全性を求める方がナンセンス」と語った。


西日本、熊本日日、南日本の3紙は、政府の狙いは11月の沖縄県知事選にあるとの見方を示し、政治問題と絡めて報道した。

西日本は「もし選挙絡みで沖縄の基地負担軽減に努力する姿をアピールする狙いがあるとすれば浅慮との批判は免れまい」と主張した。熊本日日は「安倍政権が知事選をにらんでいることは明らか」などとした。

九州の地方紙は、おしなべてオスプレイ配備に強い懸念を抱いている実態が浮かび上がる。

ただ、佐賀県に寄せられた県民の意見は「南西防衛に有効」「沖縄の負担軽減に役立つ」など賛成が99件で、反対は95件と賛成派がわずかに上回っている(7月31日時点)。

米軍普天間飛行場の移設先である辺野古沖(名護市)の埋め立て申請について、仲井真弘多知事は「国際情勢は県民の意思に関係なく緊張している」ことを承認した理由に挙げた。佐賀と隣接の福岡県も同様に、大所高所の判断が求められる。
    
               ◇

【オスプレイ】 ベル社とボーイング社が共同開発した米軍輸送機の通称。空軍の特殊作戦用のCV22と、米海兵隊の人員・物資の輸送を目的とするMV22の2機種がある。

主翼両端に回転翼があり、その角度を変えることでヘリコプターのような垂直離着陸や空中停止と、飛行機のような水平方向への高速飛行の両方が可能。時速約500キロ、戦闘行動半径約600キロで、それぞれ従来型輸送用ヘリの2倍と4倍の能力を誇る。
            産経ニュース2014.8.15


2014年08月15日

◆「核」が日中開戦を抑止する(66)

平井 修一


軍事ブロガーのdragonerさんのレポート「元艦長に聞く、潜水艦の世界」講演要旨(8/9)から。小生のまったく知らない世界。マスコミも同様。陸、空の防衛を紹介してきたので今回は海の防衛。とても興味津々、勉強になった。

・・・

7月19日、神保町の書泉グランデで、「中国の海上権力 海軍・商船隊・造船〜その戦略と発展状況」の出版を記念して、著者の山内敏秀氏の講演会が開かれました。

山内氏は海上自衛隊入隊以降、潜水艦畑を歩まれてきた方で、潜水艦についての著書も出されていますが、今回は中国の海上権力についての本を出版されました。その出版記念で、著書の内容とはいささか異なりますが、御自身が艦長まで経験された潜水艦について語って頂くという企画です。


潜水艦の情報は限られているだけに、またとない機会だと行ってきました。潜水艦の運用から、最近話題のオーストラリアとの潜水艦協業、あるいは中国海軍の潜水艦という話もあり、中々耳にしない情報なだけにこちらにレポを残したいと思います。

【講演要旨】

潜水艦乗りが共通して持つ感性は何か。それは音に敏感な事。(dragoner注:音の話ばかりです。これ重要)

*P-3C導入時のエピソード

P-3C(平井:ターボプロップ哨戒機、日本では1981年から運用)が導入されて間もない頃の訓練で、敵役の潜水艦1隻が4回くらい訓練で撃沈判定を受けた。あまりに悔しかったので、P-3C乗員を飲み屋で酔い潰して聞き出した所、原因が判明した。

無音潜航にも種類があって、それ以前も無音潜航、哨戒無音潜航等があったが、P-3Cの一件以後は「特別無音潜航別報」(なんでもかんでも停止)という無音潜航を作った。

*同じモーターでも違う音がする

同じメーカーが作った、同じモーターでも駆動音が違う。音の違いで艦が分かってしまう。特別無音潜航別報が発令されたらなんでもかんでも止める。潜水艦で特別無音潜航すると、食事係まで連絡がいく。無音潜航する間に食べる量の食材を出して、あとは倉庫・冷蔵庫・冷凍庫を密封する。

*特別無音潜航で開けっ放しになるドア

艦内の床には無音シートが敷き詰められている。そして、艦内の部屋のドアは開けっ放しにして、動かない様にロックする事で開け閉めの音を出さないようにする。乗員の私物なども皆固定する。

スイムダイブ(出港後、一番最初のダイブ。「スリム」かもしれない)で急速に潜航し、一番深いところまで入る。水圧により船体の軋む音が聴こえるが、水圧により船体が弾性変形している音なので、聴くと安心する。急速に潜航するので船体が大きく傾くが、私物でコーヒー缶を持ち込んだ隊員がいて、固定不足で転がり、ガランゴロンと船内中に響いた。


*音でどこまで分かるか

マンガでシャーシャーというスクリュー音の擬音があるが、あれは意外と正確。1分間に何回音を聞くかで、商船か軍艦かを推測できる。3枚スクリューの商船の場合、1分間に聴こえた音の数を3で割ると軸の回転数になる。

ソナー員によれば、この船はプロペラの先が欠けている、この船はエンジンの調子が悪い、という事まで分かる。

*「マダイが愛を囁いている」

海には魚鳴音(ぎょめいおん)が多い。魚の鳴き声のことで、海ではいろんな魚が鳴いている。ソナー員がある時こう報告した事がある。「マダイが愛を囁いている」。

魚は敵がいる時の鳴き声、エサがいる時の鳴き声で違う声を出している。

「カーペンターフィッシュ」と潜水艦乗りに呼ばれる魚鳴音があるが、何の魚なのか判らない。カーペンター(大工)なのは、大工がカナヅチを叩いているような音から。アメリカの潜水艦乗りに聞いても、「あれはカーペンターフィッシュだ」という答えだった。

*トランジェントノイズ

音の分析にはある程度の長さの時間が必要だった。1分間の中に音が入ってくれないと分析できないので、突発的な音の分析手法に悩んでいたが、ある分析手法を考えて解決した。

この時期(7月)の対馬海峡でよく聴く音があり、正体が判らないのでDAT(平井:デジタル・オーディオ・テープ)に録音して分析した。正体はハゼの仲間が浮袋をふくらませて、メスをおびき寄せる音だった。

*中国の潜水艦の音

本に中国の潜水艦のことも書いた。中国の潜水艦も止まる時は静かになる。走っている時は「闇夜に金太鼓鳴らしている」くらいの音。

漢級潜水艦が領海に侵入した事件があったが、あれは漢級が母港を出港した時点で日米は分かっている。

2009年にアメリカの音響観測艦インペッカブルに中国船が接近して妨害した事件があったが、あれはインペッカブルによる中国の晋級弾道ミサイル潜水艦の音紋調査だった。

晋級の音は隠し切れないので、中国船が近くで騒いで周囲雑音を作り出す事で音紋調査を妨害していた。(平井:インペッカブルに中共がなぜ拒絶反応したのか、少なくとも日本のマスコミはまったく報じなかった)

商級の攻撃型潜水艦が配備された頃、横浜のノースドックに短い期間で33回、米海軍の音響観測艦が来た事があったが、ある日突然全艦いなくなった。(平井:音紋調査が終わったのだろう)

夏級の音は160db(デシベル)もある。鉄道橋の下で100dbなのだから、これはものすごい音。(平井:中共海軍が何を潜水艦に期待しているのか全く分からない。暴走族みたいに賑やかに存在を誇示したいのだろうか)

*海上自衛隊の潜水艦の低騒音化

海自でも潜水艦の雑音低減対策をしてい。ハード的な低減法は幾何級数的に費用がかかってしまい、あるレベルを超えると1db減らすだけでとんでもない費用がかかる。

音を海中に伝播しないようにするということは、船体と海の間を切ってしまう事だ。

音の研究について、少なくとも2000年前後は自動車業界が一番進んでいた。協力を求めようとしたが、トヨタは敷居(平井:ハードル)が高いので見せてくれない。ゴーンが来る前の日産はおおらかで、同じ横須賀同士という事で見せてくれて、音の収集・分析ノウハウを頂いた。(平井:日産は名前どおり愛国的?)


潜水艦の音の出処を調査したところ、通風器を固定するボルトが長すぎて船体にあたり、通風器が回転するとボルトを伝って音が艦体から水中に出ていた。これは建造した造船所に行って、修繕工事をさせた。

今の海自の潜水艦はフローティングデッキ(音的に宙に浮いてしまった、船体と切り離された構造)を採用しており音は小さい。今はいかに海中に雑音を放射しないかが焦点。

水上艦も含め、ある一定の期間を過ぎるとどういう音が出ているかを検査する。1000ヘルツ以下の音が遠くまで伝播するので、調べられている。

*艦長になっていいこと

艦長になると自分の都合で艦橋に降りたり出たりする事が出来た。しかし、艦長は寝れない。艦長は潜水艦でたった1人の1段ベッドだけど、それでも寝れない。

水上艦と違い、潜水艦では艦長が戦術単位の指揮官。今は衛星電話があるので、直接司令部から命令がくる。昔は電報を受信出来なかった事にすることもあった。(平井:知らんぷりして眠れた、ということか)

【質疑応答】

質問:帝国海軍の潜水艦には軍医が乗艦していたが、海上自衛隊ではどうなのか?

医者はいないが、看護長はいる。看護長が薬事法違反だが、薬を出している。薬事法違反になるので麻酔は使えなかったので、指を裂傷した人を4人で押さえつけて縫った事がある。

ただし、アメリカでの訓練等の長期航海に出る時は、医官が臨時勤務で乗艦する。

冬場には風疹で困る事があった。艦内に感染症を持ち込まれるとすぐに広まる。酷い時は半分がインフルエンザでやられた。風疹で副長がヘリで運ばれた事もある。

質問:オーストラリアへの潜水艦輸出が最近言われているが、(豪州は)どういった所を魅力に感じているのか。

海上自衛隊の潜水艦より静かな潜水艦は原則ない。外に(平井:音響が?)伝搬する通路を全て切ってある。

また、ヨーロッパの潜水艦は北大西洋の冷たい海で活動しているが、日本の潜水艦は寒い所から温かい所まで活動している。南の海でシュノーケルで外気を入れると、室温が42、3度、湿度100%。コンピュータがダウンしたこともあった。今は改善している。(平井:それらが豪州から評価されているのだろう)


質問:原子力潜水艦を持つべきだと思いますか。

潜水艦である程度秘匿性を保ちつつ推進出来るのは15ノット以下。原子力潜水艦は機関を止めても、高温高圧蒸気のパイプの音は決して消す事が出来ず、通常潜に比べ静音性に劣る。

フォークランド紛争でイギリス海軍が費やしたリソースの大部分は、アルゼンチン海軍の通常動力潜水艦を警戒した膨大な対潜努力。このロス(投資)が測りきれない効果を持つ。(平井:対潜を含めた対艦努力の主役は潜水艦だった。この詳細は次回に)

質問:(防衛省の)潜水艦の増勢の方針についてどう思われますか。

元潜水艦乗りにも喜んでいる人がいるが、喜べない。潜水艦要員養成の事を考えていない。

潜水艦16隻は重要海峡に3ローテーションで貼り付ける為という理由付けがされているが、今回の増勢でもそうなのか。

防大60年の歴史で、潜水艦適性があるのを優先して採ったのは私がいた防大14期のみ。潜水艦教育訓練隊の物理的な能力拡充無しに潜水艦拡充が決まっている。(平井:整合性がない、ということか。適性というのは、気圧や酸素濃度変化への耐性、狭い世界での他者との融和性などのようだ)

質問:中国の潜水艦について。

中国の潜水艦は海底のドロ巻き上げながら高速で動いている。黄海の水深4、50メートルのところを、海底から10メートルで高速で突っ走っているので、潜水艦が通ると、海底のドロを巻き上げ黄色い帯が出て空から分かる。

潜水艦に関しては中国海軍のやっていることが分からない。何の脈絡もない。(平井:武器を持てさえすればいい、という鎮遠、定遠的なままなのか、理解しがたい)

中国では「上に政策あり、下に対策あり」という言葉があるが、上のベストチームがやったものは素晴らしいが、下の造船所に降りると同じ潜水艦でも悪くなるという事があるのではないか。

しかしながら、要員養成は間違いなく中国の方が日本よりちゃんとやっている。

また、中国PKOやリビアからの自国民避難など、これまで独立して動いていた中国海軍が、外交部や交通運輸部、商務部と連携をとるようになった事は注目される。(以上)

・・・

ウィキで調べたところ、海自の通常動力型潜水艦は16隻(約4万5000トン)。潜水艦隊隷下の呉基地と横須賀基地の2基地に配備されている。通常は海上自衛隊の対潜水艦戦の訓練目標として、作戦行動中は戦争抑止力として活動している。

通常動力型潜水艦は、原子力潜水艦と比較して、静粛性に優れ、建造費及び運用費及び廃艦の処分費が安く、放射能関連の事故や汚染の心配も無く安全で、取り扱いや処分も容易である。

このように原子力潜水艦とは異なった点で数々のメリットがあり、原子力潜水艦の登場以降も世界各国で建造され、運用されている。

哨戒機は、航空集団隷下の基地で哨戒任務に就いており、機動力を生かして広大な日本周辺海域を哨戒している。諸外国の潜水艦、艦艇の領海侵犯、排他的経済水域における日本国の主権の侵害行為に対して常時警戒体制を敷いている。4箇所各約20機の飛行群を配備している。


日本の対潜水艦戦の能力は米国に次ぐ世界第2位の規模と能力を持っており、また、活動面積に対する対機雷戦能力は世界最高水準にあるとされる。

平井思うに、敗戦から70年の今は、米国の助っ人として友好国に安保支援をする時代になったのではないか。日はまた昇る、昇らないと中共にやられる、そんな危機感を持っている。(2014/8/14)


    

◆「危険な台頭」が迫る日本の覚悟

田久保 忠衛


日本人には国家観がなくなったと少なからぬ人々が嘆くが、結局、国民が国際情勢の緊張をどれだけ体感しているかに尽きるのだと思う。

旧制中学校1年生の昭和20年8月15日に昭和天皇の終戦詔書放送を謹聴してから69年を迎える今、日本周辺の国際環境は戦後最大の変化に 直面しているにもかかわらず、日本の大勢はそれに対応する速度が遅すぎる。

国際秩序は、米ソ冷戦体制から米国だけが抜きん出た米一極体制を経て、中国の台頭と米指導力の衰退の時代へと急速に移行している。

 ≪米指導力、世界規模で低下≫

軍事力を背景に現状の変更を迫る中国は日本の安全保障にとって由々しい事態だが、それ以上に心配なのは、最大の同盟国、米国のオバマ政権の指導力が世界的規模で低下してきた事実である。オバマ政権は昨年6月に、カリフォルニア州で行われた米中首脳会談以降、アジアに対しては、はっきりと2路線方式をとり始めたように思われる。


1つは、中国との間に最悪の事態を回避する「新型大国関係」を構築しておくという路線だ。この7月9、10の両日、北京で開かれた戦略・経済対話は、「新型経済対話」をめぐり双方の意見が合わなかった。

この言 葉の定義は定まっていないうえに、(1)中国が米大手企業を狙ってサイ バー攻撃をかけている(2)沖縄県・尖閣諸島を含む防空識別圏を設定し た(3)オバマ氏のアジア歴訪後にベトナム排他的経済水域(EEZ)内 に石油掘削装置を入れた−の3つの問題が介在する。だが、戦略・経済対 話は来年もワシントンで開かれ、危機回避のシステムは続く。


2つ目は、従来通りの日本、韓国、フィリピンなどアジアの同盟諸国あるいは友好国との関係強化である。4月にオバマ氏が日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4カ国を訪れたのは、軸足(ピボット)をアジアに置いて、力の再均衡(リバランス)を図るという約束の確認が目的であった。

オバマ政権が2路線を巧妙に操っていく中での日米同盟であることを、われわれは弁(わきま)えておかなければならない。日本が頼みの綱としてきた同盟国の米国には、軍事力の海外展開に反対する世論と、極度に軍事費を削減しなければならない厳しい財政事情がある。内向き志向がいつ復元するのか、しないのか誰にも分からない。

 ≪国際社会は中国に欺かれた≫

陰鬱な雲と表現するしかない。尖閣諸島をめぐる挑発をなおも続け、安倍晋三首相による靖国神社参拝、歴史認識、集団的自衛権行使の憲法解釈変更などありとあらゆる問題を外交カードにしてくる中国の執拗(しつよう)さは何事であろうか。

易経の君子豹変(ひょうへん)とはこれを言うのかと改めて思い知らされる。2005年にゼーリック米国務副長官がニューヨークの演説で、中 国に対してステークホルダー(利害共有者)になってほしいと呼びかけた。利益を受けるだけではなく、責任ある国際国家になってほしいとの要請であろう。


間髪を入れずに鄭必堅・中国改革開放フォーラム理事長は、中国が「平和的台頭」をすると応じた(米外交誌フォーリン・アフェアーズ9〜10月号)。しかし、国際社会は欺かれたと言っていいだろう。東シナ海、南シナ海、インド洋に及ぶ周辺地域で領土、領海紛争の火付け役を演じているのは、中国ではないか。「危険な台頭」に一変してしまっている。

 ≪米国補う日本に「時運」が≫

欧米のマスメディアは、中国が米欧主導による国際金融システムに挑戦を始めたとしきりに報道している。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)が、途上国のインフラ整備を支援する目的で上海に本部を置く新開発銀行の設立を決めた。

アジア開発銀行と は別に、アジアインフラ投資銀行の創設も中国は提唱している。が、経済 が政治に利用されてしまうのではないか、との警戒はBRICSの中にも ある。

指導部は気付いていると思うが、中国は「危険な台頭」の結果、四面楚歌(そか)を招きつつある。北京に媚態(びたい)を示しているのは、反日の一心に凝り固まった韓国の朴槿恵大統領と、大陸との統一を秘めているとしか考えられない台湾の馬英九総統ぐらいではないか。

対照的に安倍 首相に異を唱える国はどこか。オーストラリアやインドの新政権は積極的 な安倍支持である。同盟国、米国の足らざるところを日本が補うという国 際環境が自然に生まれている。

「時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス」との玉音放送は、昨日のことのように耳に残っている。陽明学者の安岡正篤氏が書いた「義命ノ存スル所」は「時運ノ趨ク所」に書き改められたという(茶園義男著『密室の終戦詔勅』)。

是非はともかく、 「時運」は日本に巡ってきているのかもしれない。(たくぼ ただえ)杏林大学名誉教授 産経 [正論]2014.8.14


       

◆生活保護は、誰の為にあるのか

池田 元彦


外国人の生活保護受給世帯が10年前と比較すると、粗2倍近くも増えてい。特に2010年度以降民主党政権時代に急増しているのは、看過できない。終には、永住中国人が生活保護の権利を主張し、最高裁で永住外国人は「生活保護の対象でない」と否決した。当然の判決だ。

「生活保護法」第1条は「全ての国民に、最低限度の生活を保障し、その自立を助長する」と明記している。対象は「国民として義務責任及び権利を持つ日本人」であり、永定住外国人であっても、生活保護は地方自治体の裁量により「人道上のお情け」で支給しているに過ぎない。

2014年度の生活保護負担金は、全国で3.8兆円、160万世帯、216万人が受給している。政府が4分の3、地方自治体が4分の1の負担割合だ。外国人に対してはその3%1千億円以上が支出されている。

東京都の例で言えば、親子3人で約17万円、母子家庭で19万円、親子4人なら、教育扶助、住宅扶助等々の加算があり月30万円程の保護費が支給される。

時給最低賃金収入は月15万円足らず、各種手当を加えても25万円に届かない。出身母国で30万円は大金だ。真面目で怠けない日本人が、生活保護を断られ餓死する一方、荒稼ぎする中韓の永定住者による不正受給は後を絶たない。行政の末端は、日本人優先で審査をすべきだ。

昨年末、日本在留外国人は210万人、内永定住外国人は105万。永定住で多いのが、韓国朝鮮人46万人、この内特別永住者が37万人。中国人は30万人、フィリピン19万、ブラジル人18万人だ。この内生活保護受給世帯は、4.6万世帯7.5万人。内70%近くが韓国朝鮮世帯だ。

次に中国、フィリピンが各10%、残り10%はブラジル等他国籍人だ。永定住者の生活保護受給率を見ると、韓国朝鮮が10%以上、フィリピン4%、中国2.5%、ブラジル1.5%だ。韓国朝鮮の受給率10%以上は、他国と比較して異常な高さだ。日本人は因みに3%の世帯が受給している。

全外国人世帯比の韓国朝鮮の受給も異常だ。高齢理由90%以上、障害80%以上、傷病60%以上。永定住者或は特別永住者で、彼らが高齢化しているのが原因だ。

1959年7月13日付朝日新聞は「朝鮮人の内、戦時中徴用者として来日し戦後残留する者は245人に過ぎない。現在、日本に居住している者は犯罪者を除き、自由意思によって在留したものだ」との外務省発表を報道した。特別永住者の大半は不法入国者か、犯罪者なのである。

しかるに、生活保護、各種税金の減免、通名の公的使用、国民年金や福祉給付金での優遇措置、犯罪者としての強制送還の緩和等、在日特権を何故与えるのか、整合性ある説明はない。

戦争中、日本人として欧米と戦った朝鮮人は、敗戦後も連合軍到着迄、日本軍が朝鮮を継続管理する程、自らの独立政府も作れず、自らの王室を消滅させた。戦後GHQの甘やかしに乗じて、第3国人として日本国内で無法土地占拠等やりたい放題、横暴の限りを尽くした。

1950年の長田区役所襲撃事件や1951年の下里村役場集団恐喝事件、1952年の生活保護費増額を求めた万来町事件等々で、暴力団紛いの強請り集り強要で地方自治体に迫った。特別永住者は老齢に免ずるとしても、子孫は最低限、他の永住外国人と同等の日本在住の権利義務を負わせ、一切の特権を剥奪すべきだ。嫌なら帰化するか、本国に帰るべきだ。

徴兵を逃れ、日本の社会福祉をただ乗りさせるべきではない。地方参政権など況してや絶対に許容すべきでない。

◆増税後のマイナス成長は想定内だと

前田 正晶


そんなことで済む事態ではないと考えておきたいのだ。

私は今年の4月から消費税を8%に引き上げられる前には、その結果というか吉と出るか凶と出るかを全く予想出来なかった。心中密かに明らかに二択の問題で、何れを選ぶかと訊かれれば悲観論だろうという程度に考えていたが、書かなかった。4〜6月期には明らかに反動があったし、便乗値上げも散見されたし、外税表示にも悩まされ、買い気を削がれたこともあった。


昨13日も何気なく見たPrime Newsでは第一生命経済研究所の長濱氏が言うべき事をハッキリ言わない姿勢の維持に懸命ながら、来年の10%への引き上げは法律になっているが延期した場合に世界がどのように評価するだろうかという表現で、延期説を唱えていたように聞こえた。

確かに、円が¥102を巡って細かく動いていても一向に輸出が伸びたとは聞こえてこないし、さらには政府内部で「住宅と自動車が・・・」の声があるともテレ朝が報じる始末だった。

悲観論者としては「自動車と住宅が」は容易ならざる事態だと思わずにはいられない。それは、もう30年近くも唱えてきた(正確にはW社の知名なエコノミスト、リン・マイケリスに教えられた)。

「アメリカの景気の二大バロメーターは住宅着工と自動車の販売」を基にしているのだ。余計な説明だが、「「家が建てば関連の多種の製品の需要が喚起され、自動車沢山作られれば関連産業が活発化する」という解りやすい単純な理屈だ。

我が国で今「住宅と車が」という実態があるならば、アメリカの例から見てもかなり好ましからぬ方向に進んでいるのかと疑いたくなる。7〜9月期の話しだが。この状態から抜け出す手段は数多く考えられるが、私はごく単純に「経営者たちがどれほど勇気をふるって給与の引き上げを実行出来るか」が大きな問題だと思って見ている。真っ向から言えば「やるだけの度胸があるのか」との疑問である。


次は「安倍内閣が如何に風評と戦って、何のためにあるのかが不明な規制委員会を改心させて原発を再稼働させて、足元を見られた売値で苦しむ電力会社と料金値上げを食い止めるのか」、「建設関係を中心にした働き手の不足を解消する手を打てるのか」、「エネルギー源の輸入で潤っている商社以下の業者を如何にしてより一層輸出に注力させられるか」辺りも対策ではないだろうかと密かに考えている。


TPPも気懸かりだ。未だに合意点を云々などと言っている。アメリカを始め白人国が「妥協点を探ってくる」とか「妥協する気で交渉の席につく」のはあり得ないことであり「話せば解ってくれる相手ではない」という考えを捨てることだ。それにどうしても笑いたくなるのが「米の輸入が増える」という農協だかJAだか知らぬが、未だにそういうことを論点にしている姿勢だ。

カリフォルニア米を考えてみよう。あの我が国よりも面積が広い州のほぼ全土が深刻な干魃に苛まれ水田には水がないことは、一寸でもこの問題に関心があれば知っていることだろう。

即ち、今年の彼の地の米作は大不況だ。その苦境を振り切ってまで「日本に行けば関税も引き下げられて沢山高く買ってくれる」と思い込んで即刻売りに来るか。現地には米食の中国人と韓国人が増えまくっているのだ。韓国人が営む和食も流行っているという。

現地の需要を見切って、良い国である我が国に売りに来るか、妥結した後で。あれほど弱った水田をどうやって復活させ、その後に日本に売りに売りに行くことをどうやって正当化するのだろうか。

しかも、我が国では今月の11と12号台風で関西方面では農業に深刻な痛手を被っている。米作がそのために不調になり供給不足の事態になればどのように対処するのか。カリフォルニア米は頼りにできない事態だろう。

TPPでは農業が危機に瀕するなどと何時までも観念的なことを言っていないで、世界の実態をチャンと伝えるのも、虚偽の報道を続けて国を貶めるよりも重要な仕事だろう、朝日新聞以下の新聞さんよ。

消費税問題も観測記事や「専門家」のどっちつかずの解説ではなく、自社で緻密に調査して信念で語る記事を載せてはどうだ。安倍内閣の右傾切で似非左翼勢力(と韓国と中国)に与するのは好い加減にしたらどうだ。

2014年08月14日

◆「核」が日中開戦を抑止する(65)

平井 修一


青木謙知氏の論考「平成の零戦・航空自衛隊F-2は尖閣有事でどう戦うのか?」(SBクリエイティブOnline2014/4/21)の要約。

・・・

2000年から配備が始まったF-2は、日本の防衛に最適化するべく、すぐれた空対艦・空対地戦闘能力を備えた多用途戦闘機です。F-16をベースにしていますが、開発の主契約社は三菱重工業であり、国産戦闘機といっても過言ではありません。三菱重工業はかつて零戦を開発した企業です。そのため「平成の零戦」と呼ばれることもあります。


F-2は、東北地方太平洋沖地震で発生した津波により18機が被災しましたが、13機が修理中で、F-35の配備後も現役機として運用されます。ここでは、F-2の全貌を記したサイエンス・アイ新書『F-2の科学』の刊行を記念して、尖閣諸島・有事の際のF-2の重要性について解説しましょう。

*F-2に求められた能力とは?

戦闘機の本来の役割は、敵の航空脅威を排除して自国を守る、いわゆる空中戦闘であり、敵の航空脅威の侵入や活動を許さない航空優勢の確保と維持にあります。

また、敵の地上部隊の進撃を阻止したり、敵の地上部隊と戦う友軍地上部隊の支援、敵の地上戦闘力の制圧など、各種の空対地攻撃能力を兼ね備えることを求められた戦闘機もあります。

これまでこうした機種は、戦闘攻撃機あるいは戦闘爆撃機と呼ばれていましたが、今日では多用途戦闘機(MRF:Multi-Role Fighter)という用語が広く使われるようになっています。

日本のように四方を海に囲まれた島国国家にとって、敵の着上陸侵攻(海を渡って海岸から行われる侵攻)に対処できる能力をもつことは極めて重要です。敵の着上陸侵攻を阻止する航空戦活動は、敵が上陸活動中の海岸地域だけではなく、敵の着上陸部隊が事前に集結する洋上を含めた広い範囲で実施できなければなりません。


このような、空対空戦闘能力、空対地攻撃能力、着上陸部隊を事前に撃破する空対艦攻撃能力を備えた航空自衛隊の戦闘機が、支援戦闘機と呼ばれる機種です。従来、支援戦闘機は、防空戦闘を主体とする要撃戦闘機と区別されていましたが、今日、その区分けは廃止されています。区分けが廃止された大きな理由の1つは、次期支援戦闘機(FS-X)として三菱「F-2」が採用されたからです。


F-2は航空自衛隊が必要とする空対空戦闘能力、空対地攻撃能力、空対艦攻撃能力のすべてを兼ね備えた、真の意味での多用途戦闘機として完成しました。今後導入される、ロッキード・マーチン「F-35ライトニング?」も、本格的な多用途戦闘機として完成、熟成される予定です。

*F-2最大の任務は敵艦隊(上陸部隊)の殲滅

航空自衛隊の戦闘組織は米空軍の航空防空コマンド(ADC:Air DefenseCommand)を手本につくられており、多数の警戒監視レーダーの配置や戦闘機部隊配備基地での緊急発進待機態勢の維持など、防空・要撃戦闘に力点を置いて構築されました。この名残はいまも強く残っています。


しかし、1960〜70年代を通じて戦闘機戦力が整備されると機数が余剰化したため、要撃戦闘機部隊とは別に、空対地攻撃などを主任務とする支援戦闘機部隊を整備することにしたのです。

1970年代に入ると国産の超音速支援戦闘機三菱「F-1」の開発が始まりました。F-1ではすぐれた空対艦攻撃力の獲得も開発の大きな主眼とされ、機体とともに空対艦ミサイルASM-1も並行して開発されました。こうしてF-1は、着上陸を阻止できる空対艦攻撃用兵器システムとして完成したのです。

この高い空対艦攻撃力に関する要求は、F-2にも受け継がれました。4発の空対艦ミサイルを携行して、450浬(約830km)の戦闘行動半径をもつことが求められたのです。さらに、防空戦闘機として、視程外射程の空対空ミサイルを運用できることも求められました。当時、世界の戦闘機を見渡しても、これらを満たせる戦闘機はほとんどありませんでした。


こうしたことからF-2は、米国のロッキード・マーチンF-16をベースとして、すべての要求を満たせるように日米が共同して改造、開発することになったのです。F-2には、アクティブ電子走査式のアンテナを使った火器管制レーダーの装備や、炭素繊維複合材料で一体成形した主翼など、日本が得意とする分野での最新技術も多数、盛り込まれることになるのです。

*戦闘機で駆けつけても相当遠い尖閣諸島

米ソ冷戦当時、日本にとっての大きな脅威は極東ソ連軍でした。着上陸による日本への侵攻も、「北海道の利尻島や礼文島が最初のターゲットになるのでは」と想定されていました。3個飛行隊を装備する支援戦闘機部隊のうち、2個飛行隊を青森県の三沢基地に配備したのもその現れでした。

しかし、今日では中国の軍事力の近代化と増強、尖閣諸島の防衛など、南西方面に課題がシフトしていることは確かです。

現在、F-2の飛行隊は青森県の三沢基地に2個飛行隊、福岡県の築城(ついき)基地に1個飛行隊ですが、平成29(2017)年度からの三沢基地でのF-35飛行隊建設にともない、平成28(2016)年度初めに第8飛行隊が築城基地に移動し、今度は築城基地にF-2の飛行隊が2個飛行隊配備されます。これにより、南西方面の海洋作戦力が高まることは間違いありません。


航空自衛隊が九州・沖縄方面で戦闘機部隊を配置している基地は、前述した福岡県の築城基地、宮崎県の新田原(にゅうたばる)基地、沖縄県の那覇基地です。ただ、築城基地から尖閣諸島までの距離は約1,140km、新田原基地からは約1,050km、那覇からは約420kmと、尖閣諸島がこれらの基地から遠いこともまた確かです。

F-2は、前記したように空対艦ミサイル4発を携行して約830kmの戦闘行動半径をもちます。このF-2に、現時点で航空自衛隊が装備するもっとも射程の長い(約150km)空対艦ミサイルである93式空対艦誘導弾(ASM-2)を組み合わせると、基地を発進したF-2が空中給油機や前進基地を利用せず単独で攻撃できる半径は、約980km(約830km+射程の約150km)ということになります。


たとえば尖閣諸島から約1,140km離れた築城基地を発進したF-2が、尖閣諸島に上陸しようとしている敵の船団を攻撃するには、空中給油機の支援を受けるか、沖縄県内のいずれかの飛行場(沖縄県には那覇以外に石垣島と宮古島に比較的大きな空港がある。宮古島から尖閣諸島までは約210km、石垣島からは約170km)を前進基地として使用するなどの必要があるのです。

*中国空軍の戦闘機数は航空自衛隊を凌駕する

現在、尖閣諸島を巡っては、中国が領有権を主張しているので、なにか問題が生じるとしたらその相手は中国ということになるでしょう。中国は近年、空軍の戦闘機を新型化させています。

主力機であるSu-27と、これを国産化した殲撃11型(J-11)は、F-15と同様の大型戦闘機で、高性能のレーダー火器管制装置を備え、搭載できる空対空ミサイルの数も多いと見られています。現在の保有機数は150機あまりのようですが、国産していることから数が増えるペースが速く、すぐ200機に達すると思われます。

中国はまた、Su-30シリーズも100機余り(空軍と海軍の合計)保有しており、こちらはリバース・エンジニアリング(いわゆるコピー)で殲撃16型(J-16)を製造する模様です。

さらに、戦闘機では独自開発の殲撃8型?(J-8!))シリーズ、戦闘攻撃機では殲撃10型(J-10)も装備しており、こうした新型機だけで、機数の面では航空自衛隊の戦闘機数(F-15J/DJ:201機、F-2A/B:92機、F-4EJ/EJ改:62機)を確実に上回っています。(防衛省『防衛白書 平成25年版』)

中国が尖閣諸島に着上陸する必要性や意味の有無はさておき、万が一そうした行動にでた場合、上陸作戦時には、まず殲撃10型(J-10)やSu-30MKK(中国向けSu-30の1タイプ)などが空対地攻撃を行い、その上空や揚陸部隊船団の上空をSu-27や殲撃11型(J-11)で護衛するということが一般的に考えられます。


もちろん、尖閣諸島に自衛隊などがいなければ、航空攻撃なしに、一気に上陸することができます。

*F-15Jの空対艦/空対地攻撃能力は事実上ゼロ

最初に航空攻撃作戦が実施されるとした場合、航空自衛隊の戦闘機は、まず上空を援護する中国の戦闘機を追い払い、その後、攻撃機を駆逐することになります。

しかし、前記のように基本的な機数の差と尖閣諸島までの距離を考えると、現状では数の上で劣勢になることを避けられません。どの基地から何機を向かわせて、どのような形で対処するかを判断するのも、きわめて難しい判断になるでしょう。

航空自衛隊のもう1機種の主力戦闘機は(空対空戦闘の)F-15Jですが、空対艦ミサイルや誘導爆弾などによる空対艦/空対地攻撃能力をもつのはF-2だけです。F-15Jは空対艦ミサイルを装備できず、誘導爆弾、無誘導の通常爆弾の運用能力もありません。正確にいえば、無誘導爆弾を取りつけて、ただ落とすだけならできますが、照準や投下計算機能はないので、空対艦/空対地攻撃能力は事実上ゼロです。


よって、空対艦/空対地攻撃は、F-2が担当することになります。F-2が空対艦/空対地攻撃を行うときには当然、空対空ミサイルの携行量が制限されるので、「F-2に高度な空対空戦闘能力がある」といっても、この能力をフルに活かすことはできません。

そのため、空対空戦闘を担当するF-15Jとバランスを取りながら最適な機数のF-2を作戦に投入しなければならず、現時点では、F-15JとF-2の2機種を効果的に組み合わせて運用することが、きわめて重要なのです。(以上)

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石垣島と宮古島にF-2とF-15Jを配備し、尖閣最大の魚釣島には砲台、トーチカなどの防衛施設を設けて兵を常駐させるべきではないのか。(2014/8/13)