2014年07月13日

◆米中は明確な対決時代に入った

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)7月11日(金曜日)通巻第4291号 >

 〜米中は明確な対決時代に入った
   北京の米中戦略対話、まったく意見がかみ合わず物別れだった。〜


日本のマスコミは奥歯に物が挟まるような書き方だった。北京で開催された「米中戦略対話」である。

習近平が出席し「新しい大国関係」を強調したが、中国側の主役は王洋(政治局員、副首相格。序列9位)だった。米側はケリー国務長官だが、はっきりと「ハッカー」攻撃により米国の機密が盗まれていると中国を非難した。

王洋はかつての中国側責任者、王岐山にかわって戦略的政治の先頭に立ち、王岐山は、むしろ経済畑を離れて、目下、反腐敗キャンペーンの 責任者。習近平の権力固めの黒子に徹している。軍高官にメスを入れた影の立役者は、この王岐山(政治局常務委員、序列6位)。

 同時期、ウォールストリートジャーナルが中国のハッカー部隊の全貌をあばく記事を掲載した(2014年7月9日)。

電子スパイの本拠は中国人民解放軍総参謀部三部である(以下「3PLA」と略す)。

この機関は大使館、主要企業、マスコミ支局などの通信を傍受しており、とくに上海の郊外では米国との海底ケーブルによる通信をまるまる盗んでいる。

ケリー国務長官は外交上タブーとされる「盗む」という語彙を使用した。

3PLAの構成はおよそ10万人とされ、語学の専門家に加え、コンピュータ技師、通信暗号解読専門家、数学者らが地域ごと、分野ごとの任 務を分担している。

すでに知られているが、この3PLAのハッカー部隊の本部は上海にある軍事施設で通称「61398部隊」と呼ばれるが、総参謀部3部2局が 主管し、米国が先般起訴した中国人5人は、この部隊の所属で、「総参謀 部3部2局3処」(通称61800部隊)である。

中国はスパイの存在さえ認めず米中対話は一切の合意がなく散会した。これで米中関係がぬきさしならない対立構造にあることが浮き彫りになったといえる。

     

◆産経台湾支局が北京に陥落?

平井 修一


「台湾の声」の林建良編集長が「産経記事に異論」と産経記事「台湾よ、お前もか…集団的自衛権で誤解氾濫、支持低め」(7/11)に苦言を呈している。

田中靖人記者の記事なのだが、台湾人は日本の集団的自衛権を支持しない、という内容で、小生も「これは北京寄りの外省人の声なんじゃないか」といぶかったものである。林建良氏はこう書いている。

<この産経の報道は完全に間違っています。

交流協会の前のデモは親中派によるデモでまったく台湾の民意を代表していない。現場で取材すればすぐにわかることなのに、何故これもわからないのか。

更にこの記者が引用した「台湾紙の中国時報」とは、親中派である「聯合報」よりも中国寄りの姿勢になっており、中国政府の代弁者といってよい。

記事の中に出る「馬政権で安全保障担当の高官を務めた一人」とは楊永明のことで、彼は筋金入の親中反日派であり、親台湾的な故斎藤正樹大使を交流協会台北所長から蹴落とした張本人であるのだ。

集団自衛権に対する見方を本気に探求するならなら以下の自由時報の社説の方がより台湾国民の声に近いのだ>

として自由時報のURLを紹介している。小生もこのサイトを開いて翻訳したが、非難がましい記述は見当たらなかった。

さらに7/12にも林氏はこう問題提起している。

<産経新聞の台湾記事は親台湾的日本人に絶大の信頼を得ていると思います。しかし最近の台湾記事のレベルはかなり低くなっています。

それは会社の方針転換か、記者の質の低下によるかは分りませんが、ゆゆしき問題です>

「台湾の声」読者からもこんなコメントが寄せられている。

<小生も記事を読みましたが、産経の記者の中にも報道の質とその影響をよく考えない人も居るということでしょうか。

おそらく台北駐在の田中靖人記者はまだまだ新米かも知れません。それにしても田中記者の上司やその上の編集長は昼寝をしていたのでしょうか。産経購読者 坂田>

田中靖人(たなか・やすと)記者は何者か。

<産経新聞政治部記者。1998年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。2000年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了(政策・メディア修士)。2000年、産経新聞社入社。2005年9月より現職>

産経7/5の「台湾民衆との直接対話に乗り出した中国」も彼の記事だが、軸足を北京に置いているかのようだ。

<中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の張志軍主任が6月25〜28日、担当閣僚級として初めて台湾を訪問した。張氏は期間中、当局者との会談よりも台湾の民衆との直接対話を重視。「対台湾工作の新たな措置と思想の実践」(中国の研究者)とされ、笑顔で交流する姿は中国側の政策転換を象徴的に表していた。

中国側がこれまで「台湾独立勢力」と指弾してきた野党、民主進歩党の地盤である中南部の農村に、張氏があえて乗り込んだのは、根強い反中感情を和らげる狙いがあるとされる。

だが、単に低姿勢で「声を聞く」だけでは独立派が親中派に転向するはずもない。抗議を目の当たりにしたことで、今後は中南部の農産品の購入拡大など、より直接的な利益供与の方策を強化するとみられる>

「笑顔で交流」「中国側の政策転換」「あえて乗り込んだ」「より直接的な利益供与」・・・中共はソフトにやります、と、まるで中共を代弁しているかのようだ。

田中記者は22歳で大学を出たのなら、今は38歳。現役バリバリの中堅だが、6月1日付の産経新聞東京本社人事には、編集局台北支局長(外信部)田中靖人とある。なんと彼が台湾取材のトップなのだ。

台湾、中共についてしっかり勉強しているのだろうか。中国語は大丈夫なのか。ネットと親中派新聞で記事を書いてるのではないか。

2014.1.25には<【中国ネットウオッチ】「日本人は残忍」「変態民族を排除せよ」ケネディ大使のイルカ漁批判に賛同の声続々>なんていう記事も書いている。中共から送り込まれた工作員と疑われても仕方がないだろう。

いずれにしても、どうも生の声を取材する能力に著しく欠けているようだ。

なお林氏は【ヒマワリ運動】上空からの撮影記録、

https://www.youtube.com/watch?v=BQh98YbH1ys&feature=youtu.be

を紹介しているが、すさまじい迫力でびっくりした。ヒマワリ運動に馬英九や習近平はショックを受けたのではないか。将来の歴史家は「ヒマワリ運動は確実に台湾と世界を変えるきっかけとなった」と書くに違いない。(2014/7/13)

◆グローバリゼーションの考察

前田 正晶


我が同胞には世界に対して憧憬があるのかなと思ってしまう:

何も今になって始まったことではないが、我が国ではマスコミが何かにつけて「世界に進出」とか「世界第何位にランクされた」とか「誰々が世界に誇る何とかになった」と大きく採り上げる。

かと思えば「このグローバリゼーションの時代に云々」といった論調が出てくる。決して悪い傾向ではないと思っている。何事でも誰でも「世界に認められる」のは良いことであり、優れた業績でもあるのだから。

実は、私は「グローバリゼーション」という言葉が意味することが何だか解っていなかった。いや、もっとハッキリ言わせて貰えば「何故世界に認知されることがそれほど価値があるのか」良く解らなかったのだ。どうして目に見えない「世界」が何だか解っていて、それに認めさせられたかが認識出来るのが不思議だった。

そこでこの度、初めて広辞苑に「グローバリゼーション」がどのように説明されているかを調べてみた。「国を超えて地球規模で交流や通商が拡大すること。世界全体にわたるようになること」とあった。「何だ、世界全体の国と貿易をしたり、事務所を設けて駐在員を置くこと」とどう違うのかなと思ってしまった。

そこでOxfordは何と言っているかを当たった。"the fact that differentcultures and economic systems around the world are becomingconnected and similar to each other because of the influence oflarge multinational companies and of improved communication" となっていた。広辞苑よりも規模が大きい気がする解説だと思う。具体的な感があると思った。

他人様の言われることの受け売りではなく、自分ではどのように受け止めているかを述べてみたい。先ずは「我が国は世界にも希な優れた国であり、世界水準を超えた優れた国民が集う国だ」という誇りを持って、諸外国とその国民に接して貰うことが基本だと申し上げたい。もっと簡単に言えば「世界などという抽象的なものを有り難がらないで欲しい」のだ。

私がこれまでに接してきた国の数は精々20くらいで、中でも時間も頻度もアメリカが圧倒的に多い。この国は素直に言えば「世界の中でも田舎者の度合いが高い国であり、そういう国民(州民?)で構成されていると思う。勿論、俗に言うインテリ階層にはとても私如きが対抗出来ない優れた人たちが多く、その人たちは尊敬に値すると思っているが。

グローバリゼーションでは簡単に言えば「全世界と広く遍く交流し取引し、彼等と我々との間の文化・思考体系・宗教の違いを十分に認識した上で付き合っていくことが肝要だ」と信じている。そこで私が最も重要だと経験上も言えることは「仮令如何なる困難な状況下に追い込まれても『日本人であること』との誇りと自信と矜恃を失ってはならない」姿勢だと固く信じている。

自分の例で恐縮だが、私は多くのアメリカ人に「君の話す英語と着ているものを見れば、我々の多くは君が間違いなく我々の仲間だと思うだろう。そして間もなくそれが誤認識だと解る。君は骨の髄まで日本人だというのが実態だから」と言われた。「紛らわしい」との表現を使った者もいた。私はこれを何時までも誇りに思っていテ良いと思っている。外国人の中にいれば愛国者になっていくものだとも言えるが。

確かに現代は通信、交通、言語、貿易、政治、軍事と多方面で世界の国々の間の垣根が低くなってきた。行き交う人の数は著しく増えた。だからと言って、私は今でも外国というか世界に憧れる必要があるのかと思っている。多くの外国を回り交際か取引の範囲を広げるのは良いことだろう。

外国を知って、見聞を広めて失うものなどないはずだ。しかし、私は如何なる場合でも仮に良い意味で外国に憧れても、日本人としての誇りを堅持してその場に臨むことこそ真の「グローバリゼーション」を達成することになると思っている。

換言すれば「外国を知って自国を知れば百戦これ危うからず」であり「日本人として外国に接し、彼等を必要以上に仰ぎ見ることなど不要だ」と言いたいのだ。「我が国ほど優れた国が世界に幾つあるのか」という誇りと自信を持つことだ。そうして、自分を堅持すれば、彼等はついてくると信じて行動することだ。

因みに「君は骨の髄まで日本人だ」は "You are a Japanese to thecore." だった。実は、ここで Japanese の前に "a" を置くべきかどうか迷った。聞いた時には付いていたかどうか覚えていないのだ。


2014年07月12日

◆「核」が日中開戦を抑止する(53)

平井 修一


鎖国は徳川幕府が勝手に決めた政策で、215年後の開国も勝手に決めた。尊王攘夷派は「開国には勅許が必要だ、勅許、詔勅もなく開国したのは専横だ、朝敵だ、許せない」と幕府を攻めに攻めたが、この時、幕府がこう主張したら、幕末の混乱はずいぶん違ったものになっていたかもしれない。すなわち、

「そもそも鎖国したのは勅許によるものではないのだから、鎖国を止める、開国するのに勅許が必要だというのは理屈に合わない。幕府は、主に祭事・顕彰を執行される朝廷から行政、立法、司法の三権を完全に任されているのであり、外交判断はその範囲内である」

これで尊王攘夷派を論駁していたら幕府の求心力はそれなりに残存され、公武合体の穏やかな「貴族連合王国」になったかもしれない。(多分、米英仏によって植民地にされたろうが)

砲艦外交で日本を開国したアメリカは、91年後に日本を核を含む爆弾、砲弾で攻撃し、占領後にGHQは憲法を押しつけた。

この際は「自衛権は認めない」、しかし東西冷戦と朝鮮戦争が始まるとGHQは解釈変更で「自衛権はある」と180度転換、やがて政府は「個別的自衛権はあるが集団的自衛権はない」と解釈変更、そして安倍氏は「集団的自衛権もある」と解釈変更した。

そもそもあの憲法は改憲できない仕掛けになっているから、GHQも政府も最初から解釈変更でやってきたわけだ。それを今になってから突然、「解釈変更、解釈改憲はダメだ、やるのならちゃんと議会で議員の3分の2以上の同意を得て改憲しろ」というのは理屈に合わない。アカの屁理屈でしかない。

ウェッジ誌6/10の岡崎研究所 による論考「世界では当たり前 エコノミスト誌も支持する集団的自衛権行使」から――
・・・

5月17-23日号の英エコノミスト誌は、安倍総理が日本を平和主義から脱却させようとしていることは間違っていない、と報じています。

集団的自衛権の行使について、日本政府の主張を十分に理解した論文です。

歴史問題については、戦勝史観を決して譲らないエコノミスト誌ではありますが、問題を集団的自衛権にしぼれば、「日本以外の国であったらごく当たり前のもの」であると言っているとおり、そもそも、反対のしようもない問題です。また、中国の反対についても「中国の誤解はほとんど故意のものに思える」と言っています。

集団的自衛権の問題に関しては、日本は、中国だけは例外として、海外論調について何ら心配することはないと思います。(以下、エコノミスト誌の論調)

<同盟国を防衛できる日本にするという安倍氏の提案は、日本を正しい方向に向かわせるものであり、精力的外交を伴って実施される限り、地域の安全を高めてくれるはずだ。

日本は1945年の敗戦以来、模範的な世界市民であり、東アジアの平和と繁栄に貢献してきたが、そうした功績のいったんは、日本を占領した米国の起草による平和憲法にある。同憲法9条は、国際紛争の解決のための武力行使の永久放棄を謳っており、これによって周辺諸国は日本の軍国主義に二度と脅かされないことを確信でき、米国は太平洋で主導権を握ることになった。

また、(米国に)安全を保証され、軍備を放棄した日本は、経済的繁栄に向かってひた走ることができた。多くの日本人にとり、平和憲法は誇りの源であると共に、国民的宝でもある。(平井:アカにとってはそうだろうが、小生は小3のときからインチキ憲法だと思っていたがね)

しかし、状況は変わり、こうした取り決めは時代遅れなものになりつつある。核爆弾を開発した北朝鮮は今やそれを搭載するミサイルを開発しつつあり、日本への怒りを忘れようとしない中国は軍備を増強、日本が長年管轄してきた東シナ海の島々の領有権を主張している。

一方、日本国内では、アジア以外の紛争にも関わらざるを得ず、中国との対決を避けたがる米国の安全保障の確実性に対して不安が生じている。また、米国は米国で、米国の提供する安全保障に日本がただ乗りすることにうんざりしている。

現行の憲法解釈では、日本は北朝鮮が日本の頭越しにカリフォルニアに向けてミサイルを発射しても、それを撃ち落すことはできず、朝鮮半島有事の際も、現地に向かう米国の航空機に燃料補給さえできない。しかし、米国は、日米同盟において日本により大きな役割を果たしてもらいたいと思っている。

こうした事情を誰よりも良くわかっている安倍氏は、日本初の国家安全保障局の設置や国家安全保障戦略の策定等、慎重な日本の基準から言えば瞠目すべき措置を既にとっている。今回の提案は、憲法の改正ではなく、憲法が認める事項、とりわけ集団的自衛権の原則の再解釈を求めるものだ。

中国は、自国メディアは軍国主義的姿勢であふれているにも拘らず、日本の軍国主義を非難するが、こうした中国の誤解はほとんど故意のものに思える。平和維持活動を除いて日本が自国の領海外に部隊を配備することはあり得ない。

安倍氏がこうした比較的小さな変化でさえ、受け入れるよう国民を説得するのに苦労していることは、日本に戦争を望む気持ちがないことを示している。新解釈の主な効果は、兵站や情報の面で日米がより緊密に協力できるようにすることにある。

安倍氏の提案は、日本以外の国であったらごく当たり前のものだ。しかし、日本が戦時中引き起こした大惨事と現在の周辺諸国との不安定な関係を考えると、改革は外交と歩調をそろえて進めていく必要がある。改革が安全を掘り崩すのではなく、高めるものになるには、安倍氏は日本の意図は限定的かつ善意のものであり、軍国主義復活への一歩ではないことを再確認し、周辺諸国を安心させなければならない>

まあ、いい論考だけれど、「日本が戦時中引き起こした大惨事」?・・・なんのことだろう。ナチスによるホロコースト(語源は“焼きもの”らしい)と、米国による日本への原爆を含む無差別大空襲(焼殺)しか小生には思いつかないが。

酒井信彦氏の論考「米国の空襲は生きた人間の焼き殺し」は手厳しく米国を非難している。

<第二次世界大戦において、正真正銘の焼き殺し・ホロコーストは別にあった。それこそ、アメリカによる我が国に対する残虐極まりない「空襲」である。さらに日本では原爆の残忍性ばかり注目されるが、その反面、一般の空襲による被害については、驚くほど軽んじられていると思わざるを得ない。

アメリカは日本の都市に対して、いわゆる「絨毯爆撃」を行った。絨毯爆撃とは絨毯を敷き詰めるように、徹底的に爆弾の雨を降らすことを言う。しかしこの絨毯爆撃という言葉では、アメリカによる空襲の残虐さが、正確に表現されているとはとても言えない。

アメリカによる空襲の最大の特徴は、普通の爆弾ではなく焼夷弾を大量に使用することにあった。B29のような巨大爆撃機に焼夷弾を大量に積み込んで、木造で作られた日本の都市を焼け野原にした。

しかもその爆撃方法は、まず周辺地域を大きく円を描くように爆撃して火炎の巨大な輪を作り、人間をその中に閉じ込めておいてから、更に中心部分も爆撃すると言う、残虐極まりないやり方であった。

それによって、老若男女を問わない一般市民が、紅蓮の炎に包まれて苦しみ悶えながら、焼き殺されていったのである。これこそホロコーストそのものではないか。ウィキペディアの解説にある、「火災による大虐殺」に、まさにドンピシャリである。

このような空襲は、昭和20年3月10日の、一夜にして10万人の犠牲者を出した東京大空襲が有名であるが、東京だけでも大規模な空襲は外に何回もあり、大阪・名古屋の大都市のみならず、地方の都市でも凄まじい空襲を受けているのは言うまでもない。

世界各地にホロコーストを記念した博物館は多数あるようだが、とくにアメリカのワシントンには、「米国国立ホロコースト記念博物館」という、世界最大の施設がある。ユダヤ人虐殺の博物館であるが、ぜひとも東京大空襲をはじめとする、日本空襲による大虐殺の展示を実施すべきである。それこそホロコースト博物館の名称にもっともふさわしいのであるから。

日本人は、ケネディ・アメリカ大使を通じて、日本空襲の展示を行うことを、アメリカ政府に強く要求すべきである>

最後のフレーズはもちろん冗談で、イルカ大使に何を言ってもダメ、「失望」するだけというのは皆知っている。

日本人が大声で米国の非道を非難しないのは、非難したところで死者が生き返るわけではないし、現在の同盟関係を毀損することになるし、前を見た方が生産的だからだ。日本人はそっと涙を流しながら、耐えているのである。

しかし、我らが祖父母、両親、英霊への嘘八百の侮辱は絶対に許さない。

中共殲滅、支那解放の声は世界中で日一日と高まっている。1日早まれば1日の善だ。3日なら3善。そう「参戦」し、諸民族、諸国とともに中共に「惨戦」を強いて、中共に殺された8000万人の無念を晴らし、8000万党員を必ずや地球から抹殺する。目には目を。

失意に死んだマッカーシーの遺志を引き継ぎ、レッドパージを完遂してみせる。「アサヒの葬式は俺が出す」、その覚悟で撃ちてし止まん。のんびり死んでいる場合じゃない。(2014/7/10)

◆米国牛耳るクリントン・ブッシュ両家

加瀬 英明
 

次のアメリカの大統領選挙は、2016年に11月するから、2年4ヶ月ある。

誰が両党の候補となるか予想するのはまだ難しいが、アメリカの大かたの政治専門家と、マスコミによれば、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官と、共和党はブッシュ前大統領の弟のジェフ・ブッシュ元フロリダ州知事の一騎打ちとなると、みられている。

オバマ大統領は昨夏、シリアのアサド政権が毒ガスを使ったのが許せないから、制裁攻撃を加えると宣言した後に逡巡したために、支持率が急落して、今日、多少取り戻したものの四十数%で、指導力を回復していない。

アメリカでは1989年からブッシュ(父)が第42代大統領として4年、クリントンが第43代目として2期8年、ブッシュ(子)が第44代目として2期8年、合わせて20年にわたって、大統領をつとめた。

民主党ではヒラリーが巨人ゴリアテであって、2016年に挑戦できるダビデ少年は現われないと、いわれる。

5月に『ワシントン・ポスト』紙とABCテレビが発表した、2016年大統領選挙をめぐる共同世論調査によれば、共和党の有力候補としてジェフ・ブッシュが、首位に立った。民主党の最有力候補とされるヒラリー夫人に迫る勢いで、2人が大統領選挙を争った場合、ヒラリー夫人の支持率が53%に対して、ジェフ・ブッシュが41%だった。

ジェフ・ブッシュが61歳に対して、ヒラリー夫人は6歳年長だ。もし、ヒラリー夫人が大統領として当選すれば、レーガン大統領が就任した時より、1歳年下になる。

それにしても、アメリカは人口が3億1千万人もいるというのに、他に有力な大統領候補がいないのだろうか? どうして、大統領候補となると、能力がある政治家が多くいるというのに、全員がアウトサイダーとなってしまうのだろうか。

これでは、アメリカの政治に新鮮なアイディアや、方向をもたらすことができないことになる。アメリカは民主主義の手本であるようにいわれるが、クリントン家とブッシュ家が争うのでは、パロディのようではないか。アメリカの一部の識者が指摘するように、アメリカの政治制度が硬直化して、疲弊しているのだろうか。

もっとも、2008年に民主党の大統領候補指名をめぐって、オバマ上院議員と、ヒラリー上院議員が鍔迫り合いを演じた時も、両者のあいだに政策の違いが、ほとんどなかった。2人は1期目の上院議員だったが、ブッシュ(子)大統領のイラク戦争を支持した。

経済政策も巨大企業の利益を代弁するもので、2人のホワイトハウス入りしたい個人的な野心が、鎬(しのぎ)を削っただけのことだった。オバマ上院議員のほうが弁がきわだっていたために、勝利の栄冠を手にした。

オバマ議員はイリノイ州シカゴの「シカゴ民主党(シカゴ・デモクラティック)マシーン」、ヒラリー夫人は夫のビルの「クリントン・グローバル・イニシアティブ基金」という集金マシーンが働いて、全米の大企業、弁護士事務所(アメリカでは弁護士は巨額の報酬を手にする)、大手ファンドや銀行から、潤沢な政治資金を掻き集める能力を競った。

アメリカの大統領選挙は、マスコミを使って虚像をつくるのと合わせて、金次第だ。

ブッシュ家もテキサスの石油産業や、サウジアラビア・コネクションをはじめとして、集金能力において劣らない。クリントン、ブッシュ両家の他には、このように全米から政治献金を募ることができる、ポリティカル・パーティ・マシーンに入り込む余地がない。両家がアメリカの政治を、牛耳ることになる。

アメリカは大企業によって、支配されている。商務省の報告書によれば、昨年、企業の純益がGDPに占めた比率が、大恐慌の1929年以後最高に達したが、従業員の報酬の比率は、1948年以後で最低となった。


◆安易な安倍訪朝は避けよ

張 真晟


日朝間で対話が再開し、小泉純一郎元首相に続いて安倍晋三首相の北朝鮮訪問が取り沙汰されている。

私には、日本政府が政治的にとても性急に動いているようにみえる。対北制裁の一部解除は北朝鮮側の対応のスピードをみて段階的に行うこともできたのに、人的・物的交流の基本的解除で譲歩したようだ。しかし日本がこれから“真実の刃”を握って対話を進めれば、情勢を主導できる。

まず、安倍首相の訪朝を絶対に簡単には実現させないことだ。なぜなら北朝鮮は首領独裁なので、指導者個人の決心と行動を絶対視する習慣がある。

恐らく北朝鮮は、日朝対話の究極の目標を安倍首相の訪朝に置いている。安倍首相は、横田めぐみさんとの面談、そして拉致被害者全員の送還を条件に訪朝する意思を明示すべきだ。そうすれば日本は会談の心理的な主導権を握ることができる。

現在、平壌が活用できるカードは極めて限定的なものだ。

小泉純一郎首相の訪朝のとき、金正日(キム・ジョンイル)総書記は日本の国交正常化資金100億ドルを当て込んで拉致事件を公式謝罪したが、すでにこのカードはなくなった。平壌は、小泉訪朝で「拉致解決カード」を使ってしまったのだ。

衝撃的な解決法が残っているとすれば、日本の悲願である横田めぐみさんと他の生存者たちの送還だが、北朝鮮は“死亡”をすでに何度も明言している。

小泉訪朝のときと唯一異なるのは、今回は拉致再調査にとどまらず、遺骨収集・送還問題に調査を転換することができるという点だ。北朝鮮はこの政治的継続と余韻を狙い、国防委員会の特権による全国再調査という大々的な規模と“誠意”を演出しているのだ。

韓国には「カラの荷車の方が音が大きい」ということわざがある。北朝鮮は全国に特別調査委員会の支部を設置するなどと騒いでいるが、日本側は、短剣のように小さくても鋭利なファクト(事実)を中心に対話を模索していくべきである。

首領の神格化や歴史歪曲(わいきょく)の虚偽宣伝を一貫して行ってきた北朝鮮は、客観的なファクトに体質的に弱い。小さな解決なしに大きな解決もないという原則の手順を守れば、北朝鮮は慌てるに違いない。

原則の手順とは、拉致問題を解決してこそ遺骨送還の主題へ移れるというような段階の設定を明確に規定することだ。

すなわち「前の丘を越えてこそ次の山も越えることができる」という認識を北朝鮮の政権に分からせなければならない。

そうしてこそ、遺骨を探そうと全国を徘徊(はいかい)する北朝鮮交渉チームの心理を初めから対話のテーブルに固定することが可能になり、(拉致を実行した)対南工作部署に交渉全体の責任を押し付けることもできる。

日本外務省の自画自賛は禁物だ。自らの成果を広報するため結果でなく過程を強調すると、後日、対話が失敗したとき、安倍政権に責任を押し付ける際の物証に使われてしまうだろう。

心理戦の勝者こそ、対話の勝者である。北朝鮮は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と結託して、調査委の活動を誇大に喧伝(けんでん)し交渉を背後から圧迫しようとするのは明らかだ。

その対日心理戦を遮断する方法は、対話の成果だけでなく、難航している状況も日本国民にそっくりそのまま知らせることだ。

そうすれば北朝鮮は、自分たちの嘘がバレることを恐れ慎重になるだろう。そして、日本人特有の粘り強く緻密なペースに巻き込まれていくに違いない。
                ◇

【プロフィル】張真晟(チャン・ジンソン)

北朝鮮・金日成総合大学卒。元朝鮮労働党統一戦線部(対南工作部門)幹部で2004年に脱北。北朝鮮の権力実態に詳しいウオッチャーとして注目されている。日本人拉致問題にも関心を寄せ、「救う会」のセミナーに参加し被害者家族との交流もある。

               ◇

張氏が運営する北朝鮮情報サイト「NEW FOCUS」のコンテンツを精選して邦訳したメールマガジン「張真晟の北朝鮮コンフィデンシャル New Focus」(毎週金曜日)が発刊中です。発行は産経デジタル。詳しくは
www.mag2.com/m/0001619334.htmlへ。
産経ニュース【元労働党幹部、張真晟氏特別寄稿】 2014.7.11

◆株主総会は面白かった

池田 元彦


例年6月末は、株主総会が集中する。全上場企業3,430社中、66%の企業が3月決算という事もあるが、特に最終週の最終平日に株主総会が同時開催されて来た。その大きな理由は、総会屋が同時に多くの株主総会に出席出来ないようにするための企業防衛の一環策だったのだ。

総会屋が仕切ったのは1070年代だ。ピーク時で8千人、今では400人程だ。数度の商法改正による利益供与厳罰化、企業、株式の国際化による外国投資家の購入比率の拡大、経営のガバナンス監視等で、総会屋の活動が制限され、個人投資家と経営者の対話の場となりつつある。

自らは非上場の中堅ソフト開発会社の役員として10名も居ない内輪の取締役、監査役と一部の大株主だけの経営側出席経験と、社団法人事務局責任者として総会の取り纏め、議事進行の経験はあるが、今年初めて株主として大手4社程の株主総会に参加してみた。何事も経験として。

2年前は上場全社中18%がインターネット議決権行使を選択出来たが、今年は、大半が行使可能になっているようだ。ある大手証券会社では、6%未満の株主が、議決権の70%以上をインターネットで株主が行使したとの説明があった。私は従来からインターネット議決派だ。

30年前、総会屋介入でソニーの株主総会に12時間半も要した。今回出席した全ての総会は、午前10時に始まり、粗2時間から2時間半以内に終了した。

内2社の総会で、老齢の男性が総会前、総会中にクレーム騒ぎを起こしたが、速やかに退場させられたのを、各1件見た程度だ。

今の総会は、社長自らが議長となり最後迄総会を仕切っている。企業を統率する以上当然とはいえ、昔は司会や社長代行で専務等が議長をしていたようだが、望ましい変化だ。又映像、ビデオで業績を簡潔明瞭、視覚的に説明するのも現代的でよい。質疑応答の場内放映も望ましい。

総会は、昨年度業績に基づく利益配当案、及び新役員人事決議等を決議することが趣旨だが、議決は、90%以上の賛成で経営側議案が確定しており、総会会場での賛否は全くの儀式に過ぎない。だから質疑応答は悪く言えばガス抜き、良く言えば経営と株主の年1回の対話の機会だ。

よって、総会の殆どの時間は、株主との質疑応答に割かれ、1人2問迄3分以内の質疑とされる。株主質疑には、国会質疑同様、前提知識もないレベルの低い質問から、経営の急所を突く質問もある。銀行や証券会社は、支店現場でのサービス対応問題等の正当なクレームも散見された。

会場には定年後の老人が大半だ。40代前後の働き盛りのビジネスマンも多く、株式投資が日本でも一般化していることが認識できる。壇上に駆け上がれない様、4社とも正面及び脇も板張のバリケードが設置してあり、加えて社員及び警備会社職員が常時見張っている総会もあった。

総会に出席せず、只単にお土産目的で、受付に来る株主が結構目立った。株主の権利かも知れないが、来た以上は出席すべきと、義憤?を感じたのは私だけだろうか。電力9社の株主総会は、原発停止や利益計上等に絡んでの株主提案議案が多く出され、全て否決されている。

株主の原発知識は読めないが、原発無くしては潰れることは目に見えている。日本の将来を考えれば、極めて正常な感覚だ。原発各社が頑張って欲しい。

日本国民は、まだまだ利息が無きに等しい定期預金に拘っている が、株式投資は自己責任を承知した上で、銀行を通さず直接企業経営に一 票投じられるのだから、資産ポートフォリオに一定割合を組込むのも一案 である。

2014年07月11日

◆中韓以外には評価高い安倍外交

阿比留 瑠比


先月、韓国に出張した際、学者や元外交官ら複数の取材相手から「安倍晋三首相の外交はうまい。なかなかやる」と指摘された。要所に布石を打ちながら、多角的に外交を進める首相の「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」のことである。

「日本に『フェア・ゴー(公平に行こうというオーストラリアの精神)』を与えてください。日本は今日の行動で判断されるべきだ。70 年前の行動で判断されるべきではない」

オーストラリアのアボット首相は8日の安倍首相との共同記者会見でこう述べ、さらに強調した。

「日本は戦後ずっと、本当に模範的な国際市民だった。日本は法の支配の下で行動をとってきた。日本に『フェア・ゴー』をというのは『公平に見てください』ということだ」

さぞや中国の習近平国家主席は歯がみをしたことだろう。前日の7日の講演で「抗日戦争の勝利から70 年となる今日も、依然として歴史の事実を無視し、時代に逆行しようとする者がいる」と述べ、安倍政権を批判したばかりだからだ。アボット氏の言葉は、これへの強烈なカウンターパンチとなっている。

アボット氏はおまけに、安倍首相が東シナ海や南シナ海で力による現状変更を狙う中国を牽制(けんせい)する際に使う、「法の支配」という言葉も口にした。「法の支配」は日豪共同声明にも盛り込まれており、中国にしてみれば最も聞きたくないセリフだったはずである。

メディアは日中、日韓の首脳会談が開かれないとすぐ「孤立する日本」と書きたがる。だが、中韓の方が極端な少数派であり、彼らを除く世界中で日本は歓迎されている。歴史問題をめぐる対日強硬姿勢で世界から孤立しつつあるのは、むしろ彼らの方ではないか。

習氏が、中国・ハルビン駅で伊藤博文を暗殺し、韓国では英雄とされる安重根の記念館設置を自ら指示したことや、今月の訪韓時には中国・重慶に創設されたという大韓民国臨時政府の軍隊「光復軍」に言及したことも効果のほどはどうか。

韓国は確かに喜んだことだろうが、北朝鮮は安をことさら英雄視していないし、金日成国家主席とかかわりのない光復軍についても認めていない。
中国が北朝鮮と距離を置いて韓国取り込みを図っていることがうかがえ興味深いが、こうした中韓の接近も拉致問題をめぐる日朝交渉を進展させる上で、日本に追い風となる側面がある。

政府内では、北朝鮮による拉致被害者の「特別調査委員会」設置と対北制裁の一部解除が4日に行われたのも、「安倍首相が習氏の訪韓のタイミングにわざとぶつけた」(高官)ともささやかれている。

「『和をもって貴しとなす』の日本は、国際会議のまとめ役になれる。(他国は)みんな自分の主張しかしないから」

安倍首相は6月にベルギーで開催された先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)から帰国後、周囲にこう語った。会議で首脳らがどんな発言をしたかは極秘とされるが、会議終了後、首相はロシア制裁に慎重な立場のイタリアのレンツィ首相からハイタッチを求められ、制裁積極派のオバマ米大統領からは初めてハグ(抱擁)されたという。

安倍外交は中韓以外の各国から高く評価されている。いや、本当は中韓も実は評価しているからこそ焦っているのかもしれない。(政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2014.7.10


◆座り込み戦術は香港からマカオへ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)7月9日(水曜日 通巻第4289号> 

〜台湾「ひまわり学連」の座り込み戦術は香港からマカオへ飛び火
  天安門事件以来初、2万人の座り込み「中国の間接支配」に抗議〜

カジノで経済が成り立つマカオ。2003年に本場ラスベガスを抜き去って、いまカジノでは世界一。カジノからのテラセン収入が400億ドル近く(ラスの二倍以上)。なにしろ年間4000万人が中国大陸から博打と付随して買春にくるのである。

マカオの名物風景は「押」。この「押」ショップが目抜き通りに軒並み林立している。何の店? 質屋さんです。博打ですったあげく、身につけてきた装身具、アクセサリー、ハンドバッグ、高級時計などを売り払って、無一文になるまで博打を続ける。

他方、カジノで儲けた人は、それを安く買う合理的システム。これはマカオならではの風景。

このマカオで異変が起きた。

89年の天安門事件直後の抗議デモ以来といわれる多数が座り込みを開始した。特別区高級公務員への退職金が高額すぎることが抗議運動の切っ掛けだが、マカオを間接統治しているのは中国共産党であり、人臣はなかば絶望的だった。

もともとはウォール街を占拠した「われわれが99%」という米国の座り込み運動が、世界に拡散し、台湾では国会占拠の学生がでた。学生の国会占拠には台湾全島あげての支持があり、馬英九政権は窮地に追い込まれた。

事実、来台した中国共産党代表の張志軍(閣僚級)は、各地で抗議デモに遭遇し、ペットボトルを投げつけられ、ほうほうの体で逃げ帰った。

この「台湾ひまわり学連」方式が香港へ飛火し、7月1日の返還記念式典前後には50万人の抗議集会とデモ、そして金融街中枢(セントラルを占拠せよ)の座り込みである。

HSBC(香港上海銀行)本社前は広場になっており、となりが中国銀行。このあたりに座り込めば交通が乱れるが、金融取引はコンピュータで行われているため、政治的効果がどれほど上がるかは疑問だが。。。。。。
 
こうした動きをみていたマカオ住民が、珍しく抗議の声を挙げた。

◆井の中の蛙、昔の解釈改憲知らず

佐瀬 昌盛


先日、所用で総理官邸向かいの国会記者会館を訪ねた。夕刻の3時間ほど、外で拡声器がスローガンをがなり立てていた。「解釈改憲反対!!」「憲法9条を守れ!!」

1日に集団的自衛権の限定的行使容認を含む閣議決定が出たことへの抗議デモだ。所用のあと、外に出ると、地下鉄の入り口が分からなくなるほどのデモ参加者はいた。が、60年安保騒動当時にこの界隈(かいわい)を埋め尽くした大群衆の記憶鮮明な私は「たったこれだけ?」とつぶやいた。しかし、人数だけが問題なのではない。

 ≪いくつもの前例になぜ沈黙≫

問題は解釈改憲反対なるスローガンだ。この言葉は、安倍晋三政権が集団的自衛権の憲法解釈を見直す意欲を示し始めた7年前から頻繁に登場するようになった。以前にはほとんど出番がなかった。

日本国憲法は昭和21年11月の公布以来一度も改正されていない。ただ、それでは実際問題としていろいろ不都合が生じて、柔軟な解釈が幾度も加えられた。だからこの憲法は長命化したともいえる。

安全保障関連でもそうだった。吉田茂首相は当初、憲法が自衛権を直接には否定していないが、その発動はほぼ不可能かのような答弁を残した。

鳩山一郎政権は「憲法は、自衛権を否定していない。…憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない」との見解を示した。

1960年日米安保論争では、岸信介政権が集団的自衛権の制限的保有論を唱えた。

今回閣議決定では、1972年政府「資料」が限定的行使容認の論拠となっている。だが、9年後の81年政府答弁書では、わが国は国際法上は集団的自衛権を保有するが、憲法上その行使は許されない、とされた。右往左往である。

これらはすべて解釈改憲ではないか。が、解釈改憲反対論者たちは安倍政権以前の右の諸説をその都度の解釈改憲だとは見ていないらしい。一部のマスメディア、知識人とデモ参加者たちは、過去のいくつもの解釈改憲になぜ沈黙するのか。身勝手が過ぎる。それほど安倍政権だけが憎いか。

 ≪国連も憲章の解釈で若返り≫

目を転じて国連憲章を見よう。憲章は74年までに3回改正された。最重要なのは安保理非常任理事国数の増加だ。が、それは国連加盟国数の著増の影響である。憲章の基本的骨格に関わる規定は一貫して不変だ。

憲章改正が至難だからである。しかし、国際社会も時代によって変化する。その変化に対応するためには、やがて古希を迎える憲章の解釈を柔軟化するほかない。憲章の若返り策だ。

今回の閣議決定では、国連の集団安全保障分野も大きく扱った。当然である。関連するPKO(平和維持活動)、PKF(平和維持軍)などはいずれも憲章若返り策にほかならない。いってみれば、それは国連的「解釈改憲(章)」である。それなくして今日の国連はない。日本の解釈改憲反対論者はこの現実をどう見るのか。

彼らがやっているのは「井の中の蛙(かわず)」の一点凝視にすぎない。大海を知らない。「解釈改憲」非難しか念頭にない。それは幼児性、駄々っ子性の表れである。幼児はいずれ分別の年齢に達するが、解釈改憲反対派に精神的成長を期待するのは多分、無理だろう。

 やらせておくしかあるまい。

われわれに必要なのは、解釈という人間的営為の意味を改めて考えてみることだろう。私見では解釈は人間だけがやる。判断は動植物もやる。解釈と判断は違う。人間の特技たる解釈は広がりも深まりもする。しかも止まることがない。そのことに気付かせてくれるのはなかんずく宗教典の解釈である。私は信仰心の薄い人間だが、教典解釈が不断の営みであることにはしばしば頭(こうべ)を垂れてきた。

 ≪法制局見解の欠陥是正が先≫

仏教にせよキリスト教にせよイスラム教にせよヒンズー教にせよ、いずれも原教典と目されるものがあった。だが解釈が始まる。その解釈は一色(ひといろ)ではなく、多様化した。結果、分派が生まれた。すると争いが生じる。他宗派との間で。また同一宗教の異宗派間で。その根にあるのは神の解釈、教典の解釈の不一致である。不一致が原因で宗教戦争が幾度も起きた。

解釈とは、ある意味でそれほど厄介な人間的営為だ。そして変化してこその解釈でもある。変化は解釈の生命なのだろう。だから日本国憲法9条の解釈が変遷してきたのは、当たり前のことだ。それを咎(とが)めるのは間違いである。

巷間、集団的自衛権行使容認は正々堂々と改憲をもってなされるべきだとの声がある。一見、もっとも臭い。が、この手順論はよく考えるとおかしい。なぜか。集団的自衛権は「憲法上行使不可」とした従来の内閣法制局見解が欠陥品だからである。欠陥は変更ではなく、是正こそが必要なのだ。

是正をしないまま改憲で集団的自衛権の行使は可とすれば、論理的には、現行憲法下での内閣法制局見解は間違っていなかったことになる。これはおかしい。その旨を私は本欄でも著書でも繰り返し述べてきた。この考えはいまなお不変である。(させ まさもり)

【産経ニュース】 2014.7.10 [正論]〔情報収録 − 坂元 誠〕

2014年07月10日

◆徐才厚失脚がもたらした激震

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)7月10日(木曜日)通巻第4290号 >

 〜徐才厚失脚がもたらした中国軍高層部の激震
  連座で8人の大幹部も「延焼」失脚、つぎは郭伯雄(前軍事委副主任)か〜

徐才厚(前軍事委副主任。つまり中国軍のナンバー2)が失脚したのは6月30日だった。党籍剥奪だから、完全に失脚である。

それまで北京の病院に入院し、末期ガン。「死老虎」といわれ、これ以上の追求はないと言われてきたので小誌もそういう憶測を書いた。その「死にかけ老人」を逮捕し、獄舎に収監したのだ。

軍高層部に激震が走る。延焼が燃え広がった、次から次へ。

4大総部、7大軍区は一斉に習近平に忠誠を誓うとし、累が及ぶのを避けた。昨年来、軍は大好きな宴会も自粛し、マオタイ酒を飲まなくなり、酒造メーカーの株価は暴落、あまった酒は中国国内でも売れ残り、世界市場へ。いま世界の空港免税店には山とマオタイ酒が積まれてダンピングの最中だ。

徐失脚によって連座失脚はとりあえず8人。

第2砲兵(戦略ミサイル軍)副政治委員だった干大清少将。遼寧出身で徐と親密な関係にあり、08年少将、ことし中将に出世の予定だった。

加えて「解放軍報社」前社長の黄国柱が失脚した模様(多維新聞、7月8日)

四川省軍区前政治委員の叶万勇は西南方面に勤務時代、徐才厚に巨額の賄賂を贈ってポストを買った嫌疑。

済南軍区政治部主任だった張貢献は叶万勇が四川省軍区時代に昵懇となり、収賄などに手を染めた。張は徐の秘書を務めていた。

徐才厚失脚事件と直接関連はしないが、前の谷俊山・中将の汚職逮捕に連座して取り調べをうけたのは湖北省軍区副司令の羊伝杢少将。

ほかに方文平(前山西省軍区司令)、府林国(総後勤部副参謀)らの名前があがり、これらの退役少将以外にも多くの軍幹部が現在取り調べを受けている。

このため疑心暗鬼が軍内を支配し、次は我が身かと戦々恐々の空気が人民解放軍高層部を蔽っている。しかし軍隊の腐敗は八路軍時代から中国の伝統であり、驚くことは何もないが、目を見張るのは、そのごまかしたカネが天文学的だということである。

蛇足ながら、失脚した軍人らの勇ましい名前よ! 国柱、万勇、貢献、大清。勇ましき名前の少将らは、名前負けしたんでしょうかね。

◆ワールドサッカーで勝つ

MoMotarou


歌を忘れたカナリアは後ろの山に棄てましょか/いえいえ それはかわいそう/歌を忘れたカナリアは背戸の小薮に埋けましょか/いえいえ それはなりませぬ/歌を忘れたカナリアは柳の鞭でぶちましょか いえいえ それはかわいそう/歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀のかい 月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す (童謡 「かなりあ」)

              ★  

いつも行くコンビニの女の子がサッカーユニホームを着ていない。あぁ、そうか。日本チームが早々に負けてしまったのを変な所で実感。評判倒れの感在り。

今度は石原大臣の「金目発言」。そして都議会議員の変な野次と変わった職歴の女性議員。次は兵庫県議会議員の経費ネコババ誤魔化し号泣。次が日朝国交回復交渉スタート。何かを国民の眼から逸らそうとしているかのような性急さ。

何か?消費税導入による経済への心理的影響ではないだろうか、と心配します。落ち込みは「想定内」という数字も出てこない可笑しな政府報道。あぶねぇ。


■サッカーの監督が日本人ではないこと。

メキシコで銅メダルを取った日本代表チーム。クラマー(ドイツ)さんは監督ではありませんでした。飽くまでもコーチ。しかし日本人になり切ろうと、選手たちと一緒に日本旅館泊まり、2時間をかけて箸の使い方を覚え、味噌汁をすすり、布団に寝ました。

来日前には、父の日本庭園に親しみ、茶道や禅を勉強し、サムライ映画も見ました。神風特攻隊の話も戦時中(落下傘部隊、少尉)に上官より聞かされておりました。要するに日本文化を理解し、日本選手の特徴を生かそうとしました。明治建軍当時のメッケル少佐(ドイツ)を思い出します。

監督の出身国がバラバラで日本代表チームの形が完成されていないと思います。

■国別対抗なのに無国籍化

やはり日本を忘れて勝てないのではないでしょうか。卓球の"愛ちゃん"がいまひとつ国際試合で勝てないのは早くから中国に行ってしまったから、ここ一番で神懸り的パワーが出てこないのかもしれません。

昨今グローバル化がもてはやされております。しかし、相手が得意な形で万全な準備で攻めてくるのに、慣れない形で立ち向かっては損をするばかりです。日本の得意な形に持っていくことが「勝利への道」です。社内の英語化や早くからの英語教育は敵を助けるようなもの。日本民族精神の敗退でしょう。商人も文部省も落ちてしまった。

韓国を見よ!強い方に尻尾を振っていく民族精神。我国は民族独立の為に、明治以来3度も戦った。国を挙げて女を売春婦として売り飛ばしたりしない!

2014年07月09日

◆池袋チャイナタウンは安全地帯でない

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)7月8日(火曜日)通巻第4288号 >

〜やくざ、暴力団顔負け、新宿、池袋を根城の帰国二世グループ「怒羅権」
        やっぱり池袋チャイナタウンは安全地帯ではなかった〜

7月7日は七夕。習近平は北京のはずれ、廬講橋に出向き「廬講橋事件」77周年記念式典に出席して、かわりばえのしない反日演説を繰り返した。「日本に反省を求める」って? いまや蘆講橋事件は中国共産党の仕掛けた謀略であることは証明されているのにもかかわらず。

人民日報はこう書いた。

 「七夕の日、日本の庶民は早く安倍首相に辞職して欲しいと願いを短冊に書いて祈った」。

そして同日、北京で最大のトピックとは。地下鉄の炎上(13号線)だった。

前日7月6日午後10時40分だった。池袋にあるオープン・カフェ(桜ホテル別館)で中国人男性が激しく口論となった挙げ句、相手の女性(中国人)を拳銃で撃ち殺した。凶器はレボルバー。殺されたのは犯人の妻で別居していたらしい。

池袋住民に悪夢が蘇った。

すでに池袋北口から数ブロックは「チャイナタウン」である。飲食店、スナック、書店、食材店、バアなどがひしめき合い、中国語が闊歩し、中国語新聞が配られ、日本人は小さくなって歩く。

小生は毎週、ここへ食事がてら中国語新聞をあつめに行くので、かなり詳しいつもりだが、すくなくとも午後8時ごろまで治安は保たれている街である。

『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(7月7日)は速報で書いた。「池袋は中国人が多く、『赤線地帯』としても知られる歓楽街である」と。


 ▲池袋を根城とする中国人犯罪グループ
 
池袋を舞台にしての中国人犯罪は脱法ハープ密売、オレオレ詐欺の電話拠点。ニセDVD販売。クレジットカードの詐欺など。

もともと池袋を拠点として中国系やくざは『東北幇』と呼ばれ、エアガン、ナイフ、ぬんちゃく、青竜刀などで武装し、中国人経営のスナックなどから「みかじめ料」を徴収し、薬物やら怪しげなマッサージなども経営してきたと言われる。中国人経営の売春はマッサージ店が拠点だが、デリヘルも盛業中とか。

この東北幇と連合を組むのが残留孤児(帰国子女)の二世、三世である。日本人でありながら、日本語がたどたどしく、教室でも浮き上がり、次第に暴走族化し、江東区、江戸川区、お台場などでパトカーや交番襲撃などの狼藉をはたらくようになったのは1988年ごろからだ。

彼らは暴力団まがいだが、親分子分の関係にはなくアドホックに集団化するので実態がつかめない。まとめて「怒羅権」(ドラゴン)と呼ばれた。

次第に凶暴化し、向こう見ずにも住吉連合に喧嘩を売るなど暴力沙汰を繰り返した。

『活躍』の舞台は池袋から新宿、さらに大阪、神戸、広島へ進出した。貴金属店を襲って2億円相当の物品を盗み出したり、ホストを恐喝したり、置き引き、窃盗などは序の口。構成員は数百名と推定されている。

6月30日に起きた池袋の脱法ハーブ男のクルマ暴走事故では中国人女性ひとりが犠牲となった。この脱法ハーブも池袋で入手したが、それは中国人グループではなかったのか。

そして殺人事件に密輸拳銃が使われた。

拳銃が簡単に入手できるほど、地下の暴力組織、中国マフィアが台頭していることを物語っていないか。

池袋は歓楽街から「ギャングの巣窟」化したかのような近未来の不安を掻きたてる事件となった。