2014年07月09日

◆生存競争における文化比較論

前田 正晶


個人として如何に生存するかが課題なのだ:

私はこれまでに「アメリカやヨーロッパの会社かまたは何らかの団体またはスポーツの組織に転身すると、我々異文化の国から行った者には生存競争が厳しくて大変だ」と言ってきた。

だが、この度日本代表の補欠選手だったセレッソ大阪の柿谷がスイスの一部リーグに転身するとのニュースを見て、ふと、これまでの「生存競争」についての表現を変えるべきだと考えるようになった。

それは欧米の諸国での評価は個人が主体と言うか対象であり、我が国のような所属する組織の一員としての同僚との比較においての査定ではない」という意味だ。

私自身もそうだったが、彼等は飽くまでも「即戦力としての個人というか、その人物の能力を認めて採用しているのであって、その人物が期待ないしは約束し計算通りの成果を挙げたか否かが査定の対象」なのである。その組織内(事業部でも日本式の課単位でもよいが)他の者との比較において査定するのではない。それは入社時ないしは各年度毎に上司とその年に達成すべき目標は合意して設定されているのだから。

遠回りしたが、同一組織内の同僚と競い合ってその成果の比較において生存しようと努めるのではなく、個人としての目標を達成したか否かが問題になるのある。他人を出し抜くとか、目立って見せようとの努力は勿論必要だが、問題は飽くまでも個人としての生き残りを賭けて日々の業務と言うか上司に約束した課題の達成に精励することなのである。

要するに、他 人との比較ではなく「自分が如何に実績を挙げたか」で生き残りか決まっ てくるのだ。くどいようだが、他人との比較や競争の結果が基準ではない と思う。

この違いは「常に周囲との調和や仲良くティームとして機能するためには何をすべきかや、他の部課との根回しに神経を遣ってきた」我が国の「和」を重んじる文化と比較して初めて解ってくるものだ。

表現を変えれば、同じ組織内の他人の援助など初めから期待しない方が無難だということである。責任者は自分自身で、自分がやるべきことが組織の期待通りに出来ていなければ、生存が難しくなるということ。出来る者を雇えば良いといわれるのだ。

このような違いがある世界に行くと、これだけではなく言葉の問題にも遭遇するし、我が国とjは全く異なった上司との付き合い方もある。それは如何にして採用された時点以上に彼ないしは彼女に自分を売り込んで認めさせるかも重要な課題になってくる。「何だ。それなら日本にいても同じじゃないか」と言われるかも知れない。確かに同じだ、個人が単位という文化と言語の違いを除けば。

サッカーや野球で海外に出て行った選手たちの一層の奮励努力に期待したい。君たちの相手は自分自身であって、周りにいる仲間ではない。彼等は敵でも味方でもない。

言わば隣に店を出している異なる業種の業者くらいに思っている方が無難だ。即ち、ブラジル料理店は、何かあってもラーメン店の店主を助けてはくれないと思っていた方が良いのだ。


2014年07月08日

◆移民政策は「中国人受け入れ」と同義

「正論」トークライブ


トークライブ「日本を移民国家にしてよいのか」(雑誌「正論」主催)が6日午後、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ケ谷で行われ、評論家の西尾幹二氏の司会で、パネリストたちが移民問題について活発に話し合った。会場には約800人の観覧者が集まり、議論にも参加した。

トークライブは、政府が推進・検討する外国人労働者受け入れ拡大策や移民政策について、その問題点や是非を考える材料を広く提供しようと企画された。パネリストとして評論家の関岡英之氏、ノンフィクション作家の河添恵子氏、元警視庁刑事の坂東忠信氏、経済評論家の三橋貴明氏、産経新聞社の河合雅司論説委員が順々に、現状などをリポート。その後、フリートークで議論を深めた。

 西尾氏と各パネリストの主張は以下の通り。

■西尾氏 移民を送り出す国のパワーに依存していいのか

「移民を受け入れれば、移民を送り出す国のパワーに依存することになる。在住期限を切るからいいという意見もあるが、どんなに期限を設けても必ず定住する。そして、移民も年をとれば介護の問題も生じる。

移民は日本社会で出世も求めていくだろう。日本社会には階級がないのだから、外国人を一定の仕事だけさせておくことができない。そのとき、日本社会はどう対応するのか。海外は、移民を受け入れても冷徹。

シンガポールでは、メードが妊娠したら、すぐに帰国させる。日本ではそんなことはできない。日本は宗教的に懐が深い民族だからと、他国民を容認すべきという意見もあるが、一気に外国人を受け入れるという移民とは、まったく別の話だ。断固反対だ」

■関岡氏 反日教育を受けた中国人の増加を警戒すべき

「安倍政権は素晴らしい政権だが、だからこそ、こういう問題でつまずいて欲しくない。外国人の技能制度では、いままで認められていなかった再入国を認め、期間も延長。業種も建設業だけといっていたのが、造船業も含めてしまった。

労働力不足の解決というが、移民を受け入れれば、日本人が加害者にもなり得るという問題も考えるべきだ。現在でも不心得な企業が安い残業代しか払わなかったり、パワハラがあったりと問題を起こしている。

そもそも発展途上国への国際協力だったのに、中国人の単純労働者の受け入れに成り下がっている。現在、反日教育を受けた中国人が増えている。中国人を差別する気はないが、中国共産党の特殊な国家の問題であることを認識すべきだ」

■河添氏 中国人が半数超? 住民構成はあっという間に変わる

「中国が天安門事件で無政府状態になっているとき、多くの中国人が国を逃れた。多くがユーラシア大陸の陸路を渡ってルーマニアに移動した。私は現場を見たが、多くの人が昼間は粗悪品を売る物売りをし、夜間は賭け事のカジノにいた。

いま、中国は国として、人民にどんどん外国へ出て行けという政策を進めているのではないか。2000年以降、世界各地で見られるアジア人の多くが中国人となった。

その結果、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど移民立国では、わずか10年ほどでどういうことが起きたか。例えば、カナダのある都市では、中国人が住民の半数以上を占めるようになった。住民構成というのは、これだけ早く変わっていく」

■坂東氏 目の前の中国人犯罪を解決できないのに…

「移民政策を進める前に、現状を考えたい。東京の都市には、中国人の犯罪や売春をうかがわせる広告があふれている。北京語で『ビザの切れた方、なりすましで入国した方、氏名生年月日の書き換えで入国した密航者や不法滞在の皆さんを、黒から白にします』と書かれたものまである。

東京など大都市だけではなく、岡山レベルの都市でも中国人売春組織があることがうかがえる。脱法ハーブも、中国人にしか分からない場所でやりとりされている。中国人社会には、警察官も介入が難しいのが実情で、中国人犯罪は表面化しにくい。こうした問題を解決せずに、移民を進めていいのか」

■三橋氏 人材投資、設備投資をたたき潰す政策だ

「現在は、仕事があるが、人がいない、物がつくれないという状況で、それを外国人で埋めようとしているが、受け入れが進められようとしている建設業も造船業も、私たちの安全保障を担う産業だ。東日本大震災のとき、まず現場に入ったのは土木建設業であり、海上自衛隊の艦艇や海上保安庁の船を造っているのは造船業。

こういう仕事を外国人がやるものだと思ってしまえば、日本人がやらなくなってしまう。そういう重要なところを外国人、特に中国人に依存していいのか。そうなったら、機密がだだ漏れだ。かつての日本の高度成長期は生産性の向上がもたらしたものであり、人材投資、設備投資を行ったからだ。それをたたきつぶそうとしているのが、いまの政策だ」

■河合論説委員 国民的議論で、さまざまな労働力活用を

「産経新聞は外国人を受け入れることをすべて否定しているわけではないが、国民的な議論もなく、なし崩し的に受け入れることは認めないという立場だ。日本にも労働力として活躍できる人材はたくさんある。

女性もそうかもしれないし、高齢者、若者、すべてを考え、そのうえで議論されるべきだ。私個人の考えでは、目前の労働力不足という問題だけで単純に考えていいテーマだろうかと思う。

いまのままの低い出生率で推移すれば、毎年20万人の移民を受け入れていくと100年後には3人に1人は移民となる。そういう現実もよく考えるべきだ」
産経ニュース 2014.7.7

◆中国の闇資金の全貌

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)7月7日(月曜日)通巻第4287号 >


〜習近平の反腐敗キャンペーンの行方にある中国の闇資金の全貌
   米国の新税法FATCAによって巨額の不法資金は摘発されるか?〜

米国の新税法FATCAは、テロ対策の一環である。

2001年ブッシュ政権は「テロ戦争」を宣言し、「これは長い闘いに なるだろう」と言った。手始めは国家安全局の設置だった。つづいてテロ リストへの資金提供を食い止めるためスイス銀行など、世界のタックスヘブン、オフショア市場へ「資料提供」を呼びかけた。

スイスは猛反発した。

中世より顧客の秘密を守ることによって匿名口座を維持してきたスイスは、情報開示に応じたら顧客を失うではないか。信用をうしなえば銀行ビジネスは立ちゆかなくなるではないか。同時にスイスの秘密口座をもつ、世界の富豪も独裁者も、また多くの闇資金の預金者も困り果てるではないか。

米国は巧妙な政治圧力をかけつづけ、時間的余裕を与えつつ、とうとうスイスは米国の圧力に屈した。

ただし数年の間に多くの富裕層の口座はスイスから逃げた。規制の緩いタックスヘブンや、リヒテンシュタインのようなオフショア市場、ドバイの金融市場など若干の抜け道もあった。とりわけ中国の富裕層は英国領バージン諸島を中継地点として活用した。

しかし現時点に立って過去を眺めやれば、これもまた米国の仕掛けた罠ではなかったのか。なぜならスパイ衛星がモニターしていたのは敵性国家の電話、FAX、インターネット通信ばかりではなく、銀行間の資金の移動もモニターしていたからだ。ワシントンにある「グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ」(GFI)がデータを掌握した。
 
その結果、なにが分かったか?

世界の闇資金、不正蓄財の多くの実態が具体的な金額とともに判明したのだ。
 

 ▲悲鳴を上げたロシア、北朝鮮、そして中国

第一にロシアの新興財閥が海外へ不正に送金し蓄財してきた概要を掴んだ。プーチン側近たちがスイスや欧米に隠匿していた巨額の預金、証券のたぐい。

そしてクリミア併合に対してオバマ政権は「経済制裁」を課した が、その結果でてきたのはプーチンの側近十数名の在米資産の凍結であ り、しずかなブローとなった。強気だったプーチンが、そのご、ウクライ ナ侵攻をあきらめざるを得なかった。

第二に北朝鮮は、10年前にマカオの口座が凍結されて干上がったように、核武装の代償は独裁者の秘密資金の凍結と逼迫、もはや北朝鮮は日本の要求をのまざるを得ない立場へと追い込まれた。

第三が中国である。

というより今後、もっとも深刻な影響が出るのは、中国である。

中国の富裕層、というより共産党幹部らが不正な闇資金を香港で洗浄し、英領バージンン諸島を中継地点に活用して世界に投資してきた金額は具体的に1兆800億ドル。米国は、この資金の流れを掴み、秘密裏に中国に通知した。

あまりの天文学的金額が海外へ逃げていた事実に習近平は 仰天したらしい。1兆800億ドルといえば邦貨換算で110兆円、日本 の国家予算より多いではないか。

中国で反腐敗キャンペーンがすすみ、劉志軍、薄煕来、蒋潔ち、周永康、徐才厚らの失脚へと繋がるのだが、中央規律委員会は具体的証拠を持っているからである。

このたび発表された米国の新税法FATCAとは何か。

これは「外国口座税務コンプライアンス」(THE FOREIGN ACCOUNT TAX COMPLIANCE ACT)と呼ばれ、主眼は外国銀行、証券会社、ならびに保険会社にアメリカ人顧客の情報開示を義務づけるというもの。

つまり外国金融機関は5万ドル以上の資産をもつアメリカ人顧客の情報を提供することになる。

もし違反すれば、利子、配当などの所得に30%が課税される。

中国は内示を受けて考慮したあと、米財務省と暫定協定を結び、このFATACAに参加する用意があると伝えた(ウォールストリート・ジャーナル、7月4日)。

中国にとって一番の目標は、すでに米国永住権(グリーンカード)を取得している中国人の金銭実態を把握できる上、汚職捜査の証拠を米国から提供されるというメリット。つまり米国にあって税金のがれのための手練手管を講じてきた富裕層の実態が判明する。

2013年にEB5ヴィザの発給を受けた中国人は、じつに71329人。「投資移民」を促進する目的の「EB5ヴィザ」の8割が、なんと中 国人だったのだ。

二番目に中国のメリットは、これからも米国への脱出計画をたてて密かに資産を移そうとしてきた富裕層、共産党幹部への心理パニックとなる。海外への資金逃避が減少するだろうという見通しである。
 
新法FATCAは既に6月30日から実施されており、在米金融機関およそ77000が対象である。

しかし中国人の特性は「上に政策あれば、下に対策あり」だから、もっと巧妙に税金逃れの手口を巧妙化して来るであろう。
      

2014年07月07日

◆「核」が日中開戦を抑止する(50)

平井 修一


松本徹三ソフトバンクモバイル取締役特別顧問の論考「岐路に立つ中国」から――

              ・・・

中国が近い将来米国と覇権を争う潜在力を持った大国である事は間違いない。そのベースは「知的レベルの高い漢民族という単一民族が十億人以上も一定地域に居住している」という事実にある。

現在の共産党一党支配体制はいつかは崩壊するだろうが、中国が巨大な単一国家であり続ける事はほぼ間違いない。そうなると、人口的には、米国、EU、ロシア、カナダ、豪州を併せた白人世界全体に一国でほぼ匹敵する事になる。

しかし、直近をみると、これほど大きな問題を抱えた国も少ない。そもそも、「多分に疑似的なものとは言え、資本主義体制が既に定着している一方で、新しいインターネットサービスが瞬く間に全国に拡散する状況も既に出来上がっている」この中国という国で、「現在のような政治体制がいつ迄も維持出来るわけはないではないか」というのは誰でもが考える事だろうが、それ以上に「何時爆発してもおかしくない大きな火種」が幾つも存在しているのが問題だ。

「格差」「汚職」「公害」は、既に国民の多くにとって堪え難いものになっているので、「天安門事件」に匹敵するような騒乱が再度起こるのも時間の問題と言えるし、経済的にも「地方都市の膨大な不稼働住宅群と不稼働工業団地群」「多額の潜在不良債権を抱えていると思われるシャドウバンク群」という爆弾を抱えている。

国営企業は相変わらず不効率で、民営の企業に勢いがあるのもIT産業関連程度に限られているから、中国版リーマンショックは何時起きてもおかしくない状況だ。

「格差」や「汚職」や「公害」を徐々に減らし、民主化を徐々に拡大し、国有企業を徐々により効率的な民営企業へと転換させていく事は、言うは易くとも実際に行うのは至難の業だ。

太子党をバックにした習近平と共青同をバックとした李克強の新コンビは、明らかに前政権よりも強い指導力を持っているように思えるが、抱えている課題があまりに大き過ぎる。大規模で厳正な汚職の摘発が国民の不満を解消するのに一番手っ取り早い方法だが、「数珠つなぎに摘発していくと、結局はどこかで自分たちの仲間や縁故者に行き着いてしまう」というのが悩みの種だろう。

ここで私が最も心配するのは現政権が、「国民の注意を外部に向けさせる」という「より安易な方策」を取って、取り敢えず急場を凌ごうとする事だ。権力闘争に打ち勝って政権を安定させる為には軍の支持が必須だが、こういう政策には「軍の指導者の歓心を買う」という一石二鳥の効果がある。

「生活水準が上がった膨大な人口を賄うには、中国本土にはエネルギー資源と食料(蛋白質)資源が圧倒的に不足している」という事実認識の上に立てば、「海洋資源と海外資源の確保が国家の生命線」というスローガンは十分に説得性を持つ(「満蒙は日本の生命線」と呼号した戦前の日本の状況に似ている)。

「偉大な中華の夢の実現」とか「太平洋は米国と中国が分け合うのに十分な広さを持っている」等という習近平の言葉を聞くと、否が応でもこの懸念は膨らまざるを得ない。

しかし、ここで私は「自分がもし中国の指導者ならどうするか」という観点から考えてみたい。

先ず、私なら、軍事的な冒険主義は絶対に忌避する。最も危険なのは、尖閣列島近辺の日本と中国の防空識別圏が重なる地域での両国の空軍機同士の偶発的な衝突だが、このリスクを回避する為には、その地域での哨戒任務に当たっている戦闘機の搭乗員を厳選して、中央政府の統制に完全に服させる事が必須だ。

前線の兵士の中には、前後の見境なく、勇ましい(英雄的な)行動に出たがる人間がいないとも限らず、日本の自衛隊機に対して際どい挑発行動に出ないとは限らない。既にその兆候が見られている現状は看過出来ない。

日本の自衛隊は現時点では自衛隊法に縛られている上に、十分統制がとれているので、簡単に挑発にのる可能性は少ないが、それ故に、万が一にも中国機に日本の自衛隊機が撃墜されるような事態が生じると、日本の世論は一気に硬化して、両国関係は断絶するだろう。

日本は決して張り子の虎ではなく、現在の中国が日本と本格的に事を構えれば、その事が経済に与える損害は計り知れない。国民は一時的には愛国モードになるかもしれないが、経済情勢の悪化にはそんなものを吹き飛ばしてしまう位のインパクトがあるだろう。

(ちなみに、中国人も欧米人も「日本人の本質」を計りかねて恐れているのは事実のようだ。「日本人は通常はこの上なく親切丁寧で、柔軟で妥協的のようにみえるが、ある種の集団心理が働くと、突然狂信的になる可能性を秘めている」と彼等は思っている節がある。「長らく海に守られて諸外国から隔離されていると、そういう理解を超えた性質を身につける事になるのだろう」と考えている人たちもいる)

東沙諸島や南沙諸島を巡るベトナムやフィリピンとの衝突も絶対に回避すべきだ。ここで事を起こせば、どこからみても軍事的に弱体なベトナムやフィリピンを非難する人はおらず、世界の世論は米国や日本の介入を容認するだろう。

かつて、周恩来は「アジアで覇権を求めず」と宣言し、トウ小平は「当面は韜晦(力がないように見せかける)が良策」と言って幹部を諭したと聞いているが、この路線は今後少なくとも20年位は(或いは永久に)継承したほうが良い。(以上)

              ・・・

松本氏は京大卒、伊藤忠の国際ビジネスマンなどを経て現職。最後の一節は習近平と中共軍幹部以外の世界中が望んでいること。見境なしに牙をむいていると再び竹のカーテンで封じ込められ、世界の孤児になるぞと警告しておくが、習近平と中共軍幹部はとにもかくにも戦争をしたくてうずうずしており、それを止められるのはプーチンしかいないのだから、本当に危うい状況だ。

日本人は戦争の危機に際してしっかり抑止力、迎撃力を高め、祖国に殉じる覚悟を固めなければならない。マキャベリ曰く――

「祖国の存亡がかかっているような場合は、いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される。この一事は、為政者に限らず、国民の一人一人に至るまで、心しておかねばならないことである。

事が祖国の存亡を賭けている場合、その手段が、正しいとか正しくないとか、寛容であるとか残酷であるとか、賞讃されるものか恥ずべきものかなどについて、一切考慮する必要はない。

なににもまして優先されるべき目的は、祖国の安全と自由の維持だからである」

愚劣な池田教徒と神学論争をやっている場合じゃない。(2014/7/5)

◆陰で進む抑圧政策 ウルムチ暴動5年

川越 一


【北京=川越一】中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市で約200人が死亡した大規模暴動が起きてから、5日で5年となった。中国政府は経済発展を加速させることでウイグル族の懐柔を図っているが、ウイグル独立派が関与したとされるテロ事件などが今年に入っても続発しており、ウイグル族の反発が収まる気配はみえない。

ラマダン中なのに昼間も料理店営業

現地からの情報によると、ウルムチ市内では5日、繁華街を中心に小銃を持った武装警官が配置され、時折、装甲車両が行き交っていた。

ウイグル族が信仰するイスラム教のラマダン(断食月)期間中にもかかわらず、市内のイスラム料理店も日中から営業。同自治区の公式ニュースサイト「天山網」をはじめ、中国メディアは関連報道を控えており、中央政府の意向で“平穏”を演出している可能性がある。一方、中国のNHK海外放送は5日夜、暴動に関するニュースの際に画面が真っ暗になり、音声も聞こえなくなった。

5年前、激しい衝突があった市中心部の人民広場の周囲には最近、柵が設置された。これまでは所持品検査をパスすれば広場内に入ることができたが、5日には「工事」を理由に閉鎖されたといい、当局が抗議行動などを警戒していたことをうかがわせる。

ひげ、ナイフ規制…民族の尊厳傷つけられ

中国政府は今年、同自治区のインフラ整備に昨年の約3倍に当たる1兆元(約16兆3千億円)を投じる見通しだ。経済的繁栄の恩恵をちらつかせることで、ウイグル族を懐柔する狙いがみえる。ただ、漢族との経済格差に対する不満を抱えるウイグル族はなお多い。あごひげやナイフ所持が規制され、民族としての尊厳も傷つけられている。

地元当局は5月以降、取り締まりを強化し、ここ1カ月間で約380人を拘束した。最近は公安当局による安易な発砲も目立ち、「恐怖」でウイグル族を封じ込めているのが現実だ。

北京では5日を前にガソリンスタンドの安全検査が強化された。地下鉄のゴミ箱でも15分間隔で不審物の捜索が指示されたという。ウイグル族や便乗する不満分子への対策とみられる。

                 ◇

■ウルムチ暴動 2009年7月5日、中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで、漢族支配を中心とした中国政府の少数民族政策への不満を背景に発生したウイグル族による大規模な暴動。

中国当局の発表では死者197人、負傷者1700人以上。少なくとも35人に死刑判決が下った。中国当局は、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が事件を扇動したとしている。
                 産経ニュース2014.7.5 21:13


    

◆ぼくらの祖国を甦らせる

伊勢 雅臣


「硫黄島は祖国を甦らせる手がかりだ」

■1.「奇跡の島」

日米の最大の激戦が行われた硫黄島(いおうとう)は、アメリカでは「奇跡の島」と呼ばれている。戦後、日米の生き残った戦士やその子、孫、ひ孫が集まって、毎年早春に合同慰霊祭をやっているからだ。

青山繁晴さんは、硫黄島で生き残った一人、金井啓さん(当時82歳)と会った時、この合同慰霊祭について、こう語った。

「それなのにそこにやってくるアメリカ軍の生き残りは、自分だけでなくて子や孫、ひ孫に至るまですべてアメリカ国民が支えて、つまりみんなみんな、税金で来ますね。アメリカ国民の支えによって、アメリカの政府とアメリカ軍の支えによってやってくる。

そして亡くなった方々は、ぼくが調べたらケンタッキーに帰った人も、ニューヨークに帰った人も、カンザスシティーに帰った人も、サンフランシスコに帰った人も、みなヒーローになって、そこで褒め称えられて祖国を守った英雄として扱われています。

 ところが日本では生き残った金井さん、あなたは政府が決めた、あんな小さい場所で、そこだけで戦友の遺骨を探し、お金も自分たちで出さなければいけない。そういう扱いを受け、国民からも忘れられ、そして亡くなった方はいまだに滑走路の下や岩の下に閉じ込められたままになっています」。[1,p209]

■2.「この違いは何ですか。日米の違いは何ですか」

日本から遺骨収容に行く人々は自費で硫黄島に渡り、政府に許されたごく一部の地域でしか、活動を許されていない。そして、米軍が作り、今は自衛隊が使っている滑走路の下には無数の遺骨が、今も眠っている。およそ2万人の戦没者のうち、遺骨として収容されたのは、いまだ8千数百柱に過ぎない。

「金井さん、この違いは何ですか。日米の違いは何ですか。ほんとうは、日本は戦後教育で日本兵は悪者だったと教えてきたから、英霊は英霊ではなくて悪者だと教えてきたから、悪者だから忘れて良かった、悪者だから放っておいてよかった、悪者だから滑走路の下に閉じ込めて滑走路を便利に使ってよかった、これが戦後日本の本当の真実なんですね」。

金井さんはそのとき突然、大きな声を出した。

「その通りっ。俺たちのどこが悪者なんだ。おまえたちのためにみんな戦ったんだ」

そのたった一言を叫んで、金井さんはまた静まった。

■3.擂り鉢山

青山さんは金井さんに会う前日、硫黄島に行っていた。硫黄島は東京都の小笠原村に属する昔からの日本の国土である。青山さんはFNN(フジ・ニュース・ネットワーク)の社有ジェット機に乗せて貰ったのだが、羽田からわずか2時間半、沖縄より近い。

しかし、硫黄島は海上自衛隊の基地となっており、特別な許可がないかぎり上陸できない。青山さんは防衛庁と半ばケンカ混じりの交渉をして、「行くなら勝手に行け。ただし自衛隊は協力しない」とまで言われて、個人的にFNNのツテを辿って、ようやくやってきたのだった。

ジェット機が島の上空に到達すると、慰霊のためにぐるりと一周して貰った。南端の擂鉢山は、その名の通り、擂り鉢(すりばち)の形をした火山であるが、その南側の火口が崩れている。アメリカ軍の艦砲射撃と爆撃により、火口が吹き飛んでいるのだ。この山にも張り付いていた日本軍将兵は、山の形が変わるまで砲撃されて、どうやって生きていられただろう。

この擂り鉢山の頂を、激しい戦闘の末に占領した米兵のうちの6人が力を合わせて、星条旗を結んだ一本のポールを立てた。従軍カメラマンのローゼンタール記者がその光景を撮った写真は、ピュリツァー賞を受賞し、世界的に有名になった。

アメリカはその写真を第二次大戦中最大の激戦の勝利を記念するものとして、そのまま立体の巨大な彫刻にして、首都ワシントンDCの広場に据え、自国のヒーローたちを称えている。

わが国の観光客が、ワシントンDCを訪てその像の記念写真をとったりしているが、その陰に2万余もの同胞が犠牲になっていることをどれだけ知っているだろうか。ここでも、硫黄島のアメリカ軍将兵と、日本軍将兵とのそれぞれの国の処遇の違いは残酷なまでに明らかである。

■4.滑走路での土下座

1944年12月、米軍はサイパン島などマリアナ諸島から爆撃機を飛ばして、日本本土の爆撃を開始したが、マリアナ諸島から東京までは往復5千キロもある。戦闘機は航続距離が足りなくて護衛できない。また爆撃機も被弾したり、故障したりすると、途中で海に落ちるしかない。

マリアナ諸島と東京のちょうど中間にあるのが、硫黄島だった。米軍からしてみれば、硫黄島に滑走路を作れば、日本の本土爆撃をより効率的に、より少ない損害でできる。

だから、米軍は硫黄島の戦いが終わる前から、必要な土地を制圧するや滑走路を作り始めたのだ。日本兵の亡骸を収容することもなく、その上からコンクリートを流し込んで、滑走路を作った。

硫黄島が返還された後も、滑走路のごく一部が遺骨収容のために掘り返されたが、大部分は今もその下に日本兵の遺骨を下敷きにしている。

ジョット機が滑走路に着陸し、倉庫の隅に機体を寄せた。小さな飛行機で、滑走路に降り立つステップは3段ほどしかない。しかし、青山さんの両足は凍りついたように動かない。

その理由は青山さんには分かっていた。自分が滑走路に足を下ろしたならば、自分たちのために命を捧げた先人の頭や胸や腰を踏みつけることになるからだ。

しかし、硫黄島に滞在できる時間は限られている。クルーは帰りに備えて機体の点検もしなければならない。青山さんは足を無理に動かして、地面に降りると、そのまま土下座をした。滑走路のコンクリートに手のひらを当て、その下にいるはずの英霊たちに語りかけた。

「これから硫黄島の中を見せていただいて、それをぼくが生きている限りは必ず国民のみんなにありのままお伝えしますから、今から島の中を見せてください。どうかお許しください」。[1,p180]


■5.「これは実質的な敗戦ではないか」

硫黄島の日本側の司令官、栗林忠通・陸軍中将は、武官として米国駐在経験もあり、米軍の物量作戦や戦略を見抜いていた。そして本土空襲を一日でも遅らせるために、硫黄島での戦闘を一日でも長く引き延ばすことを決心した。

そのためには波打ち際で華々しく玉砕するのではなく、島内に地下壕陣地を作り、砲撃・空爆を凌ぎつつゲリラ戦に出る、という戦術をとった。

中将は「自決をしてはならぬ」「万歳突撃をしてはならぬ」と命じた。どうせここで死ぬなら、最後は華々しく散りたいと願うのは人情で、この命令には反発もあったが、中将は各部隊を回って、自身の考えを説いた。

結果から見れば、中将の作戦は成功した。2万余の日本将兵のほとんどが戦死したが、米軍も総員7万5千のうち2万6千近くの死傷者を出し、当初、島を5日間で占領する計画だったのが、36日間もかかった。

「これは実質的な敗戦ではないか」という一大論争が米国内に沸き起こった。小さな島一つ取るのにこれほどの被害が出るなら、ルーズベルト大統領の主張する無条件降伏を要求し続けて、日本本土決戦まで行ったら、どれだけの米兵の命が失われるのか、という疑問がつきつけられた。

硫黄島戦の直後、ルーズベルト大統領が急死した事もあって、ポツダム宣言での有条件降伏に変更され、ようやく日本が降伏を受け入れられる余地が生じた。硫黄島2万余の英霊は、その死闘によって、和平への道を切り開いたとも言えるのである。[a]

■6.地下壕

青山さんは同行した海上自衛官らとともに地下壕の一つに入った。掘った道具は今も、そのまま転がっている。青山さんが見たのは、子どものおもちゃのようなトンカチだけだった。それだけでも手にできた人は幸運で、道具のない人は、生爪をはがしながら手で掘った。しかも、硫黄島は地獄のように暑い。掘っていったら、気温が70度にもなったと、わずかに生き残った兵は証言している。

青山さんが入った地下壕は、草藪の中に、小さな縦に掘った穴が口を開いていた。両手を広げ、体をこすりながら、ストーンと真っ直ぐに下まで落ちる。底には、毛細血管のような細いトンネルが、横に続いている。灯りで照らすと、壁は全部、焦げている。米軍の火炎放射器に焼かれたのだ。

横穴を、両腕を縮めて匍匐(ほふく)前進すると、突然、天井が高くなって、背が立つようになる。さらに進むと、びっくりするくらい広い部屋が突然、現れた。そこはまったく焦げていない。栗林中将は、米軍が火炎放射器を使う事を知っていて、この迷路のようなトンネルを作ったのだ。

日本軍の将兵は、こういう地下壕から出没して、米軍に果敢なゲリラ戦を挑んだ。

■7.英霊の方々が本当に聞きたいこと

青山さんは、我慢できなくなって、後ろについてきた海上自衛官たちに絞り出すような声で語りかけた。

「みなさん、これを見ましたか。

生半可な努力でこんなものは掘れないよ。そして一番大事なことは、これを掘った2万1千人の日本の方々のうち、一人でも自分の利益のために、自分が助かりたいとか、自分の利益になるからといって掘った人はいるんですか?

ひとり残らず、ただ人のために、公のために、子々孫々のために、祖国のために、それだけが目的で掘ったんですね。

そしてこの掘った人たちを、私たちは戦後ずっと日本兵というひと固まりで呼んできました。ほんとうは大半が普通の庶民なんです・・・

ここにいらっしゃる、間違いなくこの部屋にいらっしゃる、この英霊の方々が本当に聞きたいのは戦争は悲惨でしたという話だけではなくて、今、自分たちが助けた女性と子供を手がかりにして甦っていった日本民族が、祖国をどんなよい国にしているのか、その話を聞きたいんだ。

その英霊の方々にぼくたちは、日本はこんな国になりましたと言えるんですか。

経済は繁栄したけれども、いまだ国軍すらないから隣国に国民を拉致されて、されたまま救えず、憲法はアメリカが原案を英語でつくったまま、そして子が親をあやめ、親が子をあやめ、さらにいじめられた子が自殺する。

そういう国に成り果ててしまいましたと、この英霊に言えるのか。 ぼくたちの一番の責任はそこでしょう」。[1,p204]

■8.「祖国を蘇らせる手がかり」

地下壕を出ると、若い海上自衛官が、青山さんの目をまっすぐに見て、話しかけてきた。

青山さん、私たち昼ご飯を食べていると、帝国海軍の方が横で昼飯を食べているんです。今まではただの幽霊だと思っていました。しかし本当は、おい、おまえたち、祖国はどんなよい国になった、今、話してくれ、祖国はいい国になったんだろうなと、それを聞いていらっしゃるんですね。

 初めて今日、わかりましたよ」。[1,p206]

この硫黄島の話をインターネットの動画で視聴した琉球大学の学生から、青山さんはEメールを貰った。彼は「思春期のころから、夢のない無気力人間」だったが、硫黄島の話に触れて、こう考えるようになったという。

<自分の欲求、私利私欲だけを追求し続けて死にたくない。人のために生きたい。人のため、社会のため、公のために、生きたい。人のためになら、たった一度の人生を頑張れる、克己(こっき)できる。そう思いました。>[1,p18]

祖国とは、自分が大切に思う家族、郷里、さらに自分の血肉となっている言語、歴史、文化である。したがって祖国とは自分の心のうちにある。

戦後教育は、その祖国を意識的にわれわれの心の中から忘れさせようとしてきた。しかし、忘れたものは、思い出せばよい。青山さんは、思った。


{あぁ、硫黄島は、ぼくらの生きるヒントだ。生きる手がかり、生き直す手がかり、祖国を蘇らせる手がかりだ。}[1,p207]



■リンク■

a. JOG(191) 栗林忠道中将〜精根を込め戦ひし人「せめてお前達だけでも末長く幸福に暮らさせたい」と、中将は36日間の死闘を戦い抜いた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h13/jog191.html

b. JOG(.795) ココダの約束 〜 戦友の骨を拾う約束を25年かけて果たした男「もしお前たちがここで死ぬようなことがあっても、俺たちが必ずその骨を拾って、日本にいる家族に届けてやるからな」
http://blog.jog-net.jp/201304/article_4.html

c. JOG(661) アルピニスト野口健が聞いた声 洞窟の中の夥しい戦没者の遺骨が、野口さんに語りかけた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h22/jog661.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1.青山繁晴『ぼくらの祖国』★★★★、扶桑社、H23
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594061834/japanontheg01-22/

2. 青山繁晴 硫黄島の戦いで何があったのか 6〜8/8
https://www.youtube.com/watch?v=F7ul54hmy6U


2014年07月06日

◆「特別委」は目くらまし

張 真晟


犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行

北朝鮮の特別調査委員会の構成を見て、私は目を疑った。日本人拉致事件の主犯は対南工作部署なのに、国内政治監察組織の国家安全保衛部副部長が委員長として登場したからだ。

きちんとした調査委にするなら、保衛部も一般人を監視する人民保安部も最初から外すべきなのだ。なぜなら、拉致を行い、今でも被害者を直接管理している朝鮮労働党対南工作部署は、保衛部や人民保安部の管轄領域の外にある特殊機関だからだ。

閉鎖社会である北朝鮮では、労働党の課長以上の幹部と対南工作部署の要員を別途、蒼光保衛部と蒼光保安部が監視、管理している。「蒼光」とは中央党庁舎と幹部社宅が密集する平壌市内の通りの名前で、蒼光保衛部と蒼光保安部は、労働党の最高権力を握る組織指導部の直属である。

日本人拉致被害者は対南工作部署に所属しているので、蒼光保衛部、蒼光保安部の「管理人物登録台帳」(名簿)に含まれている。ところが北朝鮮は、行方不明者について「人民保安部による(一般人を対象にした)住民登録台帳」で調べると説明した。

北朝鮮は初めから嘘をついているのだ。

国防委「特別な権限」嘘

北朝鮮の計略はこれだけではない。特別調査委員会から、拉致の主犯である朝鮮労働党の対南工作部署を外し、国家安全保衛部や人民保安部、国土環境保護省、保健省、朝鮮赤十字会などを調査委に含めた。拉致調査は対南工作部署で十分なのに、調査を全国規模に拡大したことにも大きな企(たくら)みが潜む。

国防委員会は「特別な権限」を持っているという前提も嘘だ。なぜなら国防委は北朝鮮の先軍政治を強調するための象徴的な機構にすぎない。北朝鮮で国防委員の任命から解任までできる特権を持っているのは党組織指導部である。

国防委の特別権限ですべての機関、人物を調査する−などと強調しているのは、日本の要求を満たしたように見せかける戦略で、北朝鮮の欺瞞(ぎまん)だ。

今回、北朝鮮側には4つの目的がある。

(1)再調査の形式を膨らませて、対南工作部署の犯罪性への追及を回避するとともに、工作機関のある平壌の3号庁舎から北朝鮮全域に関心をそらし、時間を稼ぐ

(2)対南工作部署の外部にいた拉致被害者を1人か2人、象徴的に帰還させた後(今後を見なければならないが)、会談の議題を拉致問題から遺骨送還に変質させる

(3)調査規模を最大限にして人件費や労力を注ぎ込み、大きな成果がない場合、安倍政権に“請求書”を出す

(4)拉致問題の会談が失敗した場合は日本政府に責任を転嫁する−の4点だ。

北朝鮮はなぜ日本との対話を再開したのか? 理由は核廃棄への中国の圧力のためだ。張成沢(チャン・ソンテク)処刑で中朝関係は明らかに変わった。北朝鮮がロシアとの関係強化を望むのも、張成沢処刑に対する中国の怒りが党組織指導部への潜在的威嚇になっているからだ。

こうした環境で日本側は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)本部を競売に掛け、政治的、理的に優位にあった。ところが、拉致被害再調査という時間と弁解の機会を北朝鮮側に提供し、日本自らがこれに拘束されるという誤りを犯した。一言でいえば、犯罪者に自分の犯罪の再調査を求めるという世にもまれな特別免罪符を与えてしまった。

日本は、対南工作部署を交渉に引き出して直接対話を行う方式を取るべきだったのだ。それでこそ議題を最初から、全員帰還か否かという攻撃的な次元で主導することができた。

北朝鮮は犯罪の代価を要求している。この間の拉致被害者家族の皆さんの心情を思うと、この文を書く私の心は重い。

【プロフィル】張真晟 チャン・ジンソン 北朝鮮・金日成総合大学卒。元朝鮮労働党統一戦線部(対南工作部門)幹部で2004年に脱北。北朝鮮の権力実態に詳しいウオッチャーとして注目されている。日本人拉致問題にも関心を寄せ、「救う会」のセミナーに参加し被害者家族との交流もある。

               ◇

◇張真晟氏メルマガ発刊中

張氏が運営する北朝鮮情報サイト「NEW FOCUS」のコンテンツを精選して邦訳したメールマガジン「張真晟の北朝鮮コンフィデンシャル New Focus」(毎週金曜日)が発刊中です。発行は産経デジタル。詳しくは
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産経ニュース【張真晟氏特別寄稿】2014.7.5

◆ニュージーランドも大量の移民抑制へ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)7月4日(金曜日)弐:通巻第4286号> 

〜牧畜と農業でのんびりできた時代は終わった
   ニュージーランドも大量の移民を抑制へ。秋の総選挙へ向かう政局〜

ニュージーランド(以下、NZと略す)は人口僅か430万人。7割が白人、15%が原住民、のこりがアジア、ポリネシア系。この人口小国に年間250万人もの観光客が押し寄せる。
 (人間ってのんびりしたいんだなぁ)

したがってツーリズム産業、英語留学の教育ビジネスが強いのも頷ける。

ガリポリの闘いで共闘した豪とNZは特殊な絆で結ばれている。アンザス同盟である。ガリポリはアナトリア半島に位置し、1915年連合国は、ここへ上陸を試みた。

「ガリポリ記念日」(4月25日)は豪と共通の祝日。各地で軍事パレードが開催される。ガリポリはトルコ沿岸、ここへオスマントルコとの戦争で両国ははじめて国際的な海外派兵を行った(戦果は上陸情報を先にトルコ側に読まれて待ち伏せされ、大負けだったが)。

そのNZが激変の最中である。

移民政策に寛容な与党・労働党が劣勢、9月20日に予定されている総選挙では国民党、NZファースト党など「野党連立」に戻りそうという情勢らしい(ウォールストリート・ジャーナル、7月4日)。

EU諸国がEU議会選挙で演じられた保守政党の大躍進に似て、政治地図が塗り変わるだろうと予測されている。

第一に不動産価格の急激な値上がりが経済にひずみをもたらしており、政治問題化しつつあることだ。海外からの投資移民ルールは、豪、カナダなどに準拠するが、この制度を活用して夥しくやってきたのは、言うまでもないが中国と韓国だった。

第二に投資移民問題にも繋がるが、とくに中国がカネにあかせて不動産投機をはじめたこと、さらにはNZの資源企業を次々に買収し、不評を買う。
第三に留学生問題がある。中国から2万5千以上、次が韓国。3番手は日本だが、なぜ日本がズーズー弁の英語のくにに語学留学するのか、よく分からない。中韓の留学は将来の移民目的である。

第四にNZの婦人層にも悪印象をあたえたのは、中国と韓国からの売春婦の出稼ぎ入植で、従来の「相場」を破壊するダンピングまで始めたのだ。

こうして海外からの観光客大歓迎、しかし怪しげな移民は歓迎できないとして移民の制限を訴える野党(保守系)の人気が回復している。


 ▲かくてNZにも周回遅れのナショナリズム、移民排斥の空気

有力紙「ニュージーランド・ヘラルド」に寄稿したチャイナ・ウォッチャーのディビッド・シャンドーは「NZ国民は中国への対応が純朴すぎる上、近視眼的で貿易、経済のみにしか関心がなかった。

長期的にみれば、中国移民がふえ、中国資本が増えていくとどういう結末になるか、考えるべきではないか」とした(同紙、7月4日)。

現実にNZの不動産価格は年率10%の値上がりでオークランド市内ではlDKのマンションが5500万円もするようになり、若者たちは「とても手が出ない」と不満の声を上げ始めた。

フランスで国民戦線が、英国で「英国独立党」が飛躍したように、突然NZ政治に吹きはじめた嵐はナショナリズムである。
      

◆「強制連行」という魔術語

鄭 大均


「強制連行」という魔術語を使って在日の由来を語ったのは朴慶植(パク・キョンシク)氏の『朝鮮人強制連行の記録』(未来社、1965年)である。この本には60年代末に出合ったが、ひとごとのような気がした。

私は父が「強制連行」で日本に来たのではないことを知っていたし、周囲の在日一世にもそれらしき人はいなかった。一世とは、無理算段して朝鮮の故郷を脱出した人びとではなかったのか。

とはいえ、この言葉。ときおり左翼のメディアに現れることはあっても、それ以上の影響力を発揮することがないという時代が長く続いた。転機になったのは韓国ブームが起き、日韓の間に教科書問題が生じ、在日たちの指紋押捺(おうなつ)拒否運動が展開された80年代のことである。

メディアで水先案内人の役を担ったのは左派系の人びとであり、この言葉の流布に一役買ったのは彼らである。「強制連行」は大衆化すると変わり身の早い言葉となり、かつてあった名前(徴用、労務動員)をかき消すとともに事実を攪乱させ、やがては「慰安婦」というような言葉に結びついて、有頂天の時代を迎える。

強制連行論者は、朝鮮人の男たちが炭鉱や建設現場に送り込まれ、重労働を強いられたのは怪しからんというが、日本人の男たちは戦場に送られていたのではなかったのか。日本帝国時代には、日本人も朝鮮人も日本国民だったのであり、徴兵であれ、徴用であれ、戦時期に国民に課せられた運命共同性のようなものだった。

戦場に送られた男たちのことを無視して、朝鮮人の男たちの被害者性を特権的に語るのが強制連行論であるが、それはあきれるほどの偏向ではないのか。

拙著『在日・強制連行の神話』(文春新書)はそんな違和感を動機にしたもので、ある程度の影響力を発揮したとは思うが、十分なものではない。

今読み直してみると、強制連行論の「おかしさ」には触れても、「こわさ」には十分に触れていないことにも気がつく。韓国に長くいて、強制連行論が教科書に記述され、博物館に陳列され、歴史テーマパーク化し、ドラマ化され、独断的な被害者性の主張が民族的、宗教的な情熱で自己実現していく様を目撃していたはずなのに、そのこわさを十分に伝えてはいないのである。

一方で朴慶植氏の衣鉢を継ごうとするものたちの努力も続いている。

2005年に岩波書店から刊行された『朝鮮人戦時労働動員』の著者の一人である山田昭次氏は「鄭大均の朴批判は朴の思想を単純化して理解したために、朴の思想の根底に無理解な批判となっている」という。

「無理解な批判」とはなにか。私は、平壌・朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)に共鳴する朴慶植氏には思想的にも方法論的にも問題があまたあると記したのではなかったか。

外村大(とのむら・まさる)氏の『朝鮮人強制連行』(岩波新書、2012年)は「日本の朝鮮植民地支配はさまざまな苦痛を朝鮮民族に与えた。そのなかでも第二次世界大戦下の労務動員政策は食料供出と並んで、とりわけ民衆を苦しめたものとして知られている」という文に始まる。

外村氏は1966年生まれの東大准教授。この若さでこんな常套句の羅列では先が思いやられる。この本、本文では「強制連行」よりは「労務動員」や「徴用」の言葉を使うのに、書名には『朝鮮人強制連行』とあるのはなぜか。

【プロフィル】鄭大均

てい・たいきん 首都大学東京特任教授。1948年岩手県生まれ。立教大学と米UCLAで学ぶ。専門は日韓関係。主な著書に『韓国のイメージ』(中公新書)、『在日・強制連行の神話』(文春新書)、『姜尚中を批判する』(飛鳥新社)など。2004年日本国籍を取得。・首都大学東京特任教授
産経ニュース【日韓の細道】2014.7.5

2014年07月05日

◆「核」が日中開戦を抑止する(49)

平井 修一


国際ジャーナリスト・木村正人氏の論考「尖閣めぐるチキン・ゲームが始まった 激しさ増す日米VS中国の攻防」(6/15)から――
・・・

米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン元国家安全保障会議アジア上級部長が6月13日、ロンドンのシンクタンク、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)で開かれた討論会に参加した。

CSISが発表した調査報告書「アジアにおけるパワーと秩序」をもとに日米中関係の裏話も加え、現状と課題を詳細に解説してくれたので、非常に役立った。

ロンドンでは最近、連日のようにアジア安全保障をめぐる議論が行われている。沖縄・尖閣諸島をめぐる緊張は駆け引き(ポーカー・ゲーム)の段階を過ぎ、抜き差しならないステージ(チキン・ゲーム)に突入している。

東シナ海の公海上空での自衛隊機と中国軍戦闘機の異常接近や、朝日新聞が報じた中国軍艦が海上自衛隊の護衛艦と哨戒機に射撃用の火器管制レーダーを向けたと疑われる事案はその一端に過ぎない。

グリーン氏の解説に筆者の個人的見解を加えながら、日本が今、何をすべきかを論じてみたい。筆者の個人的見解の部分は【筆者】と記し、グリーン氏の解説と区別した。

CSISは、日米のほか中国、韓国、台湾、インド、豪州、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の外交専門家計402人にアンケートを実施。

・東アジアで力を持つのは

次の10年で、中国が東アジアで最も力を持つと考える国が増えている。全体の53%が「中国」と答えた。(CSIS報告書から筆者作成)

・経済パートナー

日本やインドを除くと、東アジアの大半の国が中国を最も大切な経済パートナーと考えている。(同)

・日米中の外交戦略

米国の戦略には大きく分けて、大陸を重視する「大陸主義者」(キッシンジャー元米国務長官)と、シーレーン(海上輸送路)をコントロールする者が世界を支配するという「海洋主義者」(マハン)の戦略がある。オバマ米政権も2つの戦略に左右されている。

オバマ大統領が最初に米国に招いたのは日本の麻生太郎首相(2009年2月)。これは海洋主義者の戦略。方や、オバマ大統領の訪中と胡錦濤国家主席の会談(同年11月)は大陸主義者の戦略に基づくものだ。このとき米中首脳は互いに「ウィン・ウィン」の関係を望んでいた。

ホワイトハウス、米議会、シンクタンクの中には決して少なくない大陸主義者が存在して、東シナ海と南シナ海で緊張が高まっているのは日本やベトナム、フィリピンが悪いと考えていた。ワシントンには対中外交に関する強固なコンセンサスは存在しない。

13年になって、中国の習近平主席が「新型の大国関係」を呼びかけ、2期目のオバマ政権が応じる構えを見せたことから、安倍政権に動揺が走った。同年11月に中国が尖閣を含む東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定するまで、中国の戦略はかなり成功を収めていた。

一方、戦後日本の外交戦略は3つに大別できる。

【吉田ドクトリン】
対米関係を重視しながらも、朝鮮戦争やベトナム戦争などアジアでの紛争には関与しない。

【岸・安倍ドクトリン】
対米関係を最優先にし、アジアに積極的に関与する。現在、日本は「吉田ドクトリン」ではなく、「安倍ドクトリン」に明確にシフトした。

【民主党の鳩山由紀夫元首相の外交政策】
対米依存から脱却し、アジアへの関与を強める。

<【筆者】中国は08年の世界金融危機をきっかけにトウ小平氏の遺訓「韜光養晦(とうこうようかい、時が来るまで力を蓄える)」の平和台頭路線を改め、習近平氏は13年、強兵路線を意味する「中国の夢」を掲げ、前方展開力を増強するため空母建造などを加速させている。

チャタムハウスの中国専門家ケリー・ブラウン氏(元英外交官)は「東シナ海も南シナ海も中国は自国の領土と考えているので、日本やベトナム、フィリピンとの外交問題は存在していない。国内問題として処理される」と断言する。

米ボストン大学のトーマス・バーガー教授は、中国は12年9月の尖閣国有化を「屈辱」と受け止め、公式に領土問題を歴史問題に結びつけたと解説。その上で筆者に「日中は尖閣をめぐってスローモーションのチキン・ゲームに突入している」と指摘する。

石原慎太郎元東京都知事が12年4月に明らかにした尖閣購入計画は、石原氏の一時的な人気取りにはなっても、尖閣をめぐる日本の法的立場を強めたわけでも何でもない。中国の権力移行期に行われた民主党の野田政権による国有化は、習近平氏が対日強硬路線と強兵路線を進める口実に使われてしまった。

習近平氏が防空識別圏の設定を強行せず、もう少し賢く振る舞っていれば、日米同盟に亀裂が入っていた恐れは十分にある。この半年、安倍晋三首相の懸命の外交努力でオバマ大統領から「尖閣防衛義務」の言質を引き出し、安全保障上、「日米VS中国」の構図に持ち込んだのは見事な外交的勝利だった>

・領土奪われたら軍事力で取り戻す

「他国に領土を奪われた場合に軍事力で奪い返すか」というアンケートに「はい」と答えたのは、米国88% 韓国86% 中国83% 日本81%。(同)

あくまで外交専門家の回答で一般世論とは異なるが、日本はこれまでの「吉田ドクトリン」から「安倍ドクトリン」に転換したことが理解できる。

・経済、安保

東アジアでの中国の台頭が安全保障のプラスになると考えているのは、米国ではわずか1%。日本では2%だ。日米にとって必要なのは両者の間にミゾが生じていると中国に思わせないことだ。

安倍政権は近く集団的自衛権の憲法解釈を見直し、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を改定する。オバマ政権は尖閣問題が武力衝突に一気にエスカレートするリスクはそれほど大きくないと考えているが、尖閣有事は日米同盟の真の試金石となる。

尖閣に中国の関係者が上陸した場合、米国側が「初期段階は外交的・経済的な手段で対応すべきだ」と説明すると、日本側が「米国は日本を守るつもりがないのか」と反発するなどの食い違いがあった。

しかし、日本を安心させるための再保障をめぐるある程度の合意ができて緊急事態対処計画を策定するプロセスが始まり、安定性を高めている。

率直に言って、問題なのは、安倍政権の首相官邸から発せられるメッセージが微妙で、オバマ政権のホワイトハウスとの事前調整が十分働いていないことだ。

自衛隊機と中国軍戦闘機の異常接近は極めて危険だ。2001年に南シナ海上空で米軍の電子偵察機と中国の戦闘機が空中衝突した事件では、ブッシュ大統領(当時)が12回も江沢民国家主席に電話をかけた。13回目でようやくつながった。中国との信頼醸成はそれほど難しい。

(日韓関係は)領土問題、歴史問題を無理して解決しようとするよりも悪化させないようにコントロールして、関係を改善させることが日本にとってベストな選択肢だ。

・パワーバランス

米国の力が衰えても、東アジアで米国が指導力を発揮することを望む国が多い。(CSISの報告書より)

<【筆者】尖閣をめぐる現状変更は日中間の武力衝突に発展するリスクが極めて高い。中国がこのまま緊張をエスカレートさせれば、日中衝突は不可避となる。

中国が東シナ海での現状変更を強行するのを防ぐには、限定的な集団的自衛権の行使容認を足掛かりにして、日米防衛ガイドラインを改定、日米同盟を強固なものにするしか道がない。

日米間の相互信頼のため、尖閣をめぐる緊急事態対処計画を策定するのは、まさに焦眉の課題だ。

中国が「韜光養晦」から「強兵路線」に転換したのは、中国共産党内部の権力闘争と密接に関係している。日本は「吉田ドクトリン」や「鳩山ドクトリン」に戻れない。状況を悪化させるだけだ。

尖閣国有化で中国の領土問題と歴史問題を一体化させ、靖国神社参拝と従軍慰安婦をめぐる河野談話見直し論で韓国の態度を一段と硬化させたのは、日本の外交と安全保障にとってマイナスにしかなっていない。

日本側から歴史問題をたきつけることは愚の骨頂だ。中国や韓国国内の対日協調派の立場をさらに悪くし、対日強硬派を勢いづかせるだけだからだ。

さらにホワイトハウス、シンクタンク、米議会で大陸主義者たちが「どうして米国が安倍首相の危険な火遊びに付き合わされなければならないのか。中国とうまくやろう」と再び声を上げかねない。

そうなれば日本はグリーン氏のような最大の理解者を失うことになる。無人の尖閣諸島をめぐって世界第2、3の経済大国が対立する不毛のチキン・ゲームの針は音を立て、ゆっくり回り始めた。

リスクが無用にエスカレートしないよう、日本政府も国民も、一刻も早く万全の守りを築き上げるとともに、歴史問題という火種を消す努力を怠ってはならないと切に思う>(以上)
・・・

平井思うに「日本側から歴史問題をたきつけることは愚の骨頂だ」と木村氏は言うが、産経の元記者にしてはちょっとピンボケではないか。南京虐殺や慰安婦で嘘八百を喚いて日本に歴史問題をたきつけたのは中韓だ。違うか。日本は低姿勢でひたすら謝れとでも言うのか。彼らは図に乗って攻めてくるだろう。

英霊に感謝と敬意を表するのは政治指導者として当然のことで、外国からとやかく言われる筋合いはない。内政干渉だ。靖国に参拝しない指導者の命令では将兵は命をかけては戦わない。違うか。外交リスクはあっても将兵と国民の愛国心を高めることがチキン・ゲームの今は大事なのである。

緊張から逃げたら負け。チキン・ゲームとはそういうことである。違うか。

マキャベリ曰く、「新秩序を打ち立てるということくらい難しい事業はない。自力で行おうとしているのか、それとも他者の助けを当てにしているのか。

自力で行おうとする者は、途中で何が起ころうと、それを超えて進むことができる。反対に、他者の助けを当てにする場合は、実行の過程で必ず障害が生じてきて、目的を達成することは不可能になる。

だからこそ、武装せる予言者は勝利を収めることができるのであり、反対に、備えなき者は滅びるしかなくなるのだ」。

最終的には「自前の核」がなければ滅びるしかない。違うか。(2014/7/5)

◆“恐怖政治”体現した保衛部

櫻井 紀雄


拉致被害者らを調べる北朝鮮の特別調査委員会の中核に位置付けられた国家安全保衛部は、最高権力者の“手足”として独裁体制を支え「恐怖政治」を体現してきた。拉致被害者5人が帰国した2002年の日朝首脳会談前にも調整役を担ったとされ、今回の調査における役割に関心が向けられている。

水面下の日朝接触が始まった昨年12月。日本政府関係者は北朝鮮側の出席者の一人に注目し、「本気で臨んでいる」と感じ取った。

金(キム)ジョンチョルと名乗る保衛部幹部だった。今年3月の外務省局長級協議でも同部から別の幹部が同席し、交渉に目を光らせた。

02年の会談でも金正日(ジョンイル)総書記の直接指揮で、保衛部の責任者、柳敬(リュギョン)副部長が調整に当たったとされる。金ジョンチョル氏はその部下だったという。

保衛部は政治・思想犯を取り締まる秘密警察で、体制に不満を持つ疑いがある党や軍の幹部、住民らを摘発し、政治犯収容所に送り込んできた。海外公館にも部員を派遣し、幹部らの監視に当たっているという。

昨年12月、金正恩(ジョンウン)第1書記の叔父の張成沢(チャンソンテク)氏の処刑を担当したのも同部だ。消息筋は「この功績から発言力を増し、調査委で大きな権限を与えられることになったのだろう」とみる。

日本人拉致は、朝鮮労働党の工作機関などが個別に実行し、それぞれが被害者を掌握してきたが、保衛部は被害者の所在情報管理に関わってきたとされる。保衛部の主任務は国内の治安維持だが、外国人を管理して外交カードとして温存することは、体制維持のために重要な役目とみなされたからだともいわれる。

04年の拉致被害者の再調査は一般警察の人民保安部が担当した。人民保安部には最高機密の拉致問題に立ち入る権限はなく、新たな安否情報はなかった。

それだけに今回、日本政府は調査委に保衛部が関わるかどうかを試金石とみてきた。「調査委の組織が重要ではなく本当に全ての被害者を帰すかが問われている」。政府関係者はそう警戒しつつも、保衛部の関与に注目している。産経ニュース 2014.7.3

◆カナダ市民は孔子学院の真目的を疑う

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年7月4日(金曜日)通巻第4285号 >

〜トロント教育委員会が勇断。「孔子学院は中国の宣伝機関だ」と暫時閉校
    カナダ市民は孔子学院の真の目的に猜疑心を抱いた〜


カナダのトロントにある「孔子学院」の前でPTAがプラカードを掲げて、反対運動を展開している。カリキュラムの偏向を問題視しているのだ。

そもそも「孔子学院とは孔子に名を借りて中国共産党の宣伝をしている。教育目的を逸脱し子供らの教育に向上に役に立たない」とするカナダ市民、とくに中国系住民の抗議が教育委員会に集中していた。カナダへ移住した中国人は共産党をきらって国を捨てた人々が多い。

トロント教育委員会は「孔子学院の九月再開」を暫定的に中止させる動機を圧倒的多数で可決させた(14年6月25日、EPOCH TIMES)。

決議案は付帯条件に「もし再開させるのであれば、教材の公開を義務付ける」とした。

教育委員会が強く問題としているのは孔子思想を教える機関ではなく、まさに中国共産党政治局常務委員の劉雲山が指摘したように「孔子学院は中国の文化戦争の戦場であり、かならず中国が使用している教材を使用し、中国的社会主義を世界に拡大する目的がある」としていることだ。

トロントの孔子学院は2011年に37名の教職員が中国に招待され、五星ホテルと豪華レストランで連日もてなされてきた。そのあげくにカナダに孔子学院が開設された経緯がある。

まるで中国政府の出資による文化戦争の先兵として利用されていると批判が渦巻いていたのだ(もっとも習いに来る人たちは孔子より、中国語を習得することが目的であり、実務的である)。

すでに2004年以来、世界的規模で孔子学院は開設されており、世界各地に400.膨大な資金が中国から投じられているが、とくに米国コロンビア大学に開設されて孔子学院には100万ドルが供与された。


 ▲北米もEU諸国も中国からの移民に大甘でありすぎた

こうした孔子学院批判の運動は世界各地の、むしろ在住中国人の反対によって行われているポイントに特色があり、せっかく外国へ移住しても子供たちが自由主義教育をうけず共産主義に洗脳されることを親は恐れるからだ。

カナダはさきごろ、中国からの移民の制限を始めているが、この動きも世界に伝播しており、米国、EU諸国、豪、NZ、そして東欧諸国にも広がる勢いとなっている。
 
米国の統計では、2013年だけで7万1798名もの中国人がグリーンカードを取得している(次点はインドの6万8458人)。米国も投資移民を制限し始めているため、2011年に8万7816人、12年に8万1784とグリーンカード取得者が漸減傾向にあることは明瞭だ。

しかも投資移民の申請ではなく、家族移住による永住権取得へと流れが変わっており、それが申請の65%を占めた。職業移民はわずかに16・3%でしかなかった。

中国人が集中するのはカリフォルニア、ニューヨーク、フロリダ、デラウエア、イリノイ、アリゾナ、バージニア、メリーランド、ペンシルバニア州の順番だという。

そしてカナダに先んじて米国の一部地域でも孔子学院への疑義が提出されている。

◆カタカナ語と造語を拾えば

前田 正晶


言わば「国語を乱すカタカナ語と造語」の続編:

以下は言わば連載の補完として、思い浮かんだものとお知らせ頂いた言葉を挙げていく。

ファイト    fighting spirit、

解説)どうやら「闘争心」か「闘争」ないしは「戦え!」のつもりで使われているようだ。"fight"には「闘争心」の意味はないと思うが、ジーニアスには「闘争心」が出てくる。Websterには最後に "strength ordisposition for fighting" と出てくる。

しかし、私の経験した範囲ではこういう使い方をしたアメリカ人はいなかった。思うに「ファイティング・スピリット」を短縮した言葉の誤用だと思っている。即ち、「コンプレックス」の同類か。

余談だが、巣鴨の地蔵通りの先の庚申塚に有名な人気餃子屋があると聞いて一度だけ出掛けていったことがある。ここは一般的に「ホワイト餃子」として知られているが、実際には何と「ファイト餃子」だった。

店側が言うには「ファイト」が何時に間にやら誤って(訛って?)伝えられた結果「ホワイト餃子」で知られてしまったのだそうだ。では、この分類は言葉の誤用ではなく、転訛という新分野を作らねばならないか。

タイムスリップ   a time slip または slip into the past、

解説)私はこの目的語が先に出てくるカタカナ語は造語だと信じているが、ジーニアスにはこの訳が出ている。まるで国語辞典であると思った。幾ら探してもOxfordにもWebsterにも出ていなかった。英辞郎も英語では採用していなかったが、英訳には "slip back in time" とあった。また、"slip back in time" との説もあった。

私はふと "Back to the Future" というアメリカ映画を思い出した。この連続ものだった映画は全部アメリカ往復の機内で見た。この手法で行けば、素直に "back to the past" で良くはないか。

プレゼン   presentation、

解説)勿論、presentation のことである。恐らく元の英語の発音を無視して「プレゼンテーション」と読んで、その頭を採っテローマ字読みしたのだと信じている。UK式では「プレズンテーション」でアメリカ式では「プリーゼンテーション」という表記が原語に近いと思う。

何れにせよ、「プレゼン」が戸籍を得てしまったので、今更どうにもなるまい。「英会話」の中ではお使いにならないようご注意を。「プレゼンテーター」の枠で挙げておくべきだったかと反省。

スキーム   scheme、

解説)「計画」という意味ならば、言葉としての使用法は概ね正しいと思う。これを使われる一見インテリ風の方は多いと感じている。私は語彙が小さかったせいか「こんな難しい単語を使ったことがあったかな」と思っている。

簡単に "plan" と言っても同じ意味で通用すると思うのだが。矢張り、単語帳重視の教育の成果だろうか、話し言葉ではない単語がここでも使われている。Websterには "a graphic sketch or outline の次ぎに a planor program of action" とある。

これからも随時補完していこうと考えている。