平井 修一
呉竹会評議員・阿部正寿氏(一般社団法人世界戦略総合研究所会長)の論考「危機迫る基地の島 中国の琉球独立工作が進む沖縄」(「青年運動」5/15)を要約する。CH桜沖縄支局の拡散依頼によりテキスト文書にした。
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(前略)問題は今年11月に行われる沖縄県知事選である。現在のところ次期知事として有力視されているのが現那覇市長の翁長雄志である。ところが、この翁長市長が問題の人なのである。
彼は2012年11月の那覇市長選で自民、公明に加え民主も推薦し4選を果たしたが、4期目から反政府、反米の言動が目立つようになってきた。昨年一年「オール沖縄の声」と称して、オスプレイ配備反対の実行委員会の共同代表として運動を主導した。
その一方で、中国寄りの姿勢が顕著になってきた。もともとが中国のエイゼントであったのが、市長4期目に顕著になってきたのではないかと疑われる。それを象徴するのが、一括交付金を使って建設される那覇・福州友好都市シンボルの「龍柱」である。
「龍柱」とは元来、大理石やその他の石材で作った柱で、先端に龍頭を彫ったもので、もともとは中国の皇帝の領土の境界を示す標識として使われたものである。那覇市は高さ15メートルの2本の「龍柱」を、最大の観光地である国際通りの入り口に建てる予定だ。沖縄が中国皇帝(習近平)の領土であることを象徴するようなのだ。
那覇市は福建省福州市と姉妹都市であるが、友好親善のシンボルとして「龍柱」を建てるのであれば、福州市には日本を象徴する鳥居を建てることを要請すべきであるという識者もいる。
さらに問題なのは、翁長市長は、この地域一帯を「松山公園連携施設」と称し、「歴史公園」というコンセプトの下、交流センターや学習施設なども設置する計画を発表。
その中核施設となるのが、久米36姓(福建省から久米村に移住した人々の総称)の末裔で構成される久米崇聖会が管理運営している至聖廟がある。
これらを見ても、将来中国が沖縄を分離独立させ、中国の自治区とする材料は十分整っている。
沖縄では反基地闘争やオスプレイ反対闘争が盛んであるが、その活動の司令部は沖縄のどこを探しても見つからない。これらの活動の総司令部は東京都渋谷区代々木にある。すなわち日本共産党本部が指令を出し、案件に応じて社民党や革マル、その他の諸派が共同して活動する。大規模なデモをやるときは、本土(日本)から労組専従員や活動家が費用を支払われて多数動員される。
彼らは物見遊山のつもりでやってくる。一部の人は別としてレクリエーション気分である。
沖縄の左翼が強いのは、沖縄タイムズと琉球新報が極左的左翼だからだ。両者とも経営は困難だと聞くが、倒れない理由の一つは、ローカル紙として死亡広告が載るからである。沖縄の人々は、この死亡広告を見てお通夜に行き、葬式に参加する。このためだけにこの新聞を読んでいる人が8割近くもいるという。
人の葬式をネタに反日反米を扇動するとは許せない連中である。沖縄の人々にとって、左翼的内容はどうでもよいことのように思われる。
沖縄がこれほど左様に左傾化している最大の理由は、大東亜戦争において、沖縄が犠牲にされたという思い込みがある。日米両軍の戦没者は20万人とされ、そのうち沖縄出身者は122〜228人である。沖縄の人が犠牲にされたという、沖縄人の恨みを左翼が扇動し、組織化されたのが今日の反基地反米、反日活動の出発点である。
さらに加えて、沖縄民間人が、日本の軍命で多数自殺に追い込まれたという、歴史捏造がこれに輪をかけていた。
しかし、沖縄のドキュメンタリー作家、上原正稔氏が、沖縄戦で起きた集団自決に関する連載を一方的に拒否されたとして、琉球新報社を相手に起こした「パンドラの箱掲載拒否訴訟」は控訴審で原告側逆転勝訴。琉球新報社は最高裁への上告を断念した。
この判決は、これまで集団自決が旧日本軍の「軍命」で行われたかのように報じてきた琉球新報が、「軍命〕はなかったとする上原氏に完全に屈したことを意味する。これまで沖縄はタイムズと新報というローカルな偏向マスコミによってほとんど支配されてきたが、新報側の敗訴によって、その一角が崩壊したことになった。
沖縄は今日にいたるまで、地上戦で犠牲になった唯一の戦場であったという触れ込みと、沖縄は独自の文化を持つ地域で、日本(ヤマトンチュー)に支配されてきたという恨みをテコとして、反日反米活動をしてきた。
沖縄の人は元来おとなしく、島中がほとんど親戚なので、ことの善悪をはっきりさせない性格がある。それを利用して民族間の対立を煽り、反基地闘争に結びつけたのは日共本部や社民党の福島瑞穂あたりである。沖縄の人々は、米軍基地に反対するどころか、お金が落ちるので歓迎している。基地問題で大騒ぎすれば、それだけ政府からくる金額が増えるので、黙って眺めているだけで、ズルイところがある。
戦後40年間、沖縄返還以来、沖縄振興予算は9兆2144億円、日本政府が投下したお金は10兆円を超える。民主党政権時代のあるバカな首相は、米軍基地のことで沖縄県民に多くの負担をおかけしたと、しきりにお詫びをしていた。しかし、沖縄の人にしてみれば、米軍基地があるお陰でタップリ政府からお金がもらえて喜んでいるのが実情。負担が大きいフリをしているだけだ。
「人が空気を、植物が水を必要とするように、中国には平和が必要だ」
2月28日、訪問先のドイツで習近平が悠然と述べた。しかし、事実はまったく逆。「月刊中国」主幹・鳴霞氏は、「1月16日、中国は全国海洋工作会議で2013年の尖閣周辺のパトロール航行が50回に達したと報告」としている。また同氏は「尖閣の奪取はもちろんだが、その先の沖縄と奄美の占領を画策している」という。そういう中国の野望を裏付ける資料が「琉球国復国運動基本綱領」と「琉球臨時憲法」である。
まず綱領の一条には「琉球は古来より主体を持つ独立国家である。琉球人民は、琉球に対する日本の植民地支配を承認しない」とある。
さらに「憲法」には、琉球共和国は奄美州、沖縄州、八重山州の三州からなり、大統領制を敷く。同憲法七条には、中国語を公用語とするが、琉球語と日本語の使用も認められるとしている。
中共商務部の唐淳風氏は、「琉球は私たちの血を分けた同胞であり、中国が支持すれば5〜10年で独立できる」と述べている。2013年5月8日付の「人民日報」は、「独立国家だった琉球を日本が武力で併合した。歴史的に未解決の琉球問題を再び議論できる時が来た」と論じている。
沖縄併合をもっとも強く願っているのが習近平その人である、と語るのは元海上自衛官で沖縄在住の作家、恵隆之介氏である。
「中国政府で一番沖縄に詳しいのが習近平である。彼は沖縄と歴史的に関係の深い福建省で17年間生活し、最後に福建省長になった。その間、何度も沖縄を訪れている。実は今、沖縄の中国化が着々と進められている。
その中心は那覇市にある福州園である。那覇市の市制70周年の記念事業として、中国の福州市との友好都市締結10周年を記念して開園された。近くには孔子廟も建てられている」
この近くに翁長市長は久米至聖廟(孔子廟および明倫堂)建設を予定している。那覇市民の一部は、ここに中華街が出現するのではないかと恐れている。さらに初めに紹介した「龍柱」が作られる。「龍柱」は中国の皇帝が自分の支配地域を表示するためのものであった。翁長市長は、現在の皇帝である習近平の意を受けて、沖縄を中国に引き渡す準備をしているのではないか。
中国による沖縄奪取の準備が着々と進められている、それを知らないのは日本人だけではないだろうか。(以上)
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沖縄タイムス6/15によると「龍柱」は年内完成予定で、予算は一括交付金を活用し、総事業費2億6700万円。小生らの税金が売国奴と中共に簒奪されるのだ。CH桜によると沖縄では87歳の金城テルさんらが龍柱建設阻止のため5月に那覇市を相手に訴訟を起こした。(2014/7/2)