2014年05月29日

◆お姉言葉と日本弱体化工作

MoMotarou


2001年以降は保守政党であるはずの自由民主党の党総裁小泉純一郎がスローガンとして構造改革を引用・アレンジして聖域なき構造改革を唱え、さまざまな分野の変革を行っている。 「構造改革 - Wikipedia」より

          ★

“この時、構造改革とはマニフェストと共に、マルクス主義用語であるという紹介もなされている。”(同上)

「構造改革」が必ずしもマルクス用語とは思いませんが、スローガンでイメージ造りを行うのは有効な手段です。「構造改革」と言いますと人為的な感じがします。 我国は急進的な「革命」を避け漸進主義的な改善主義、即ち「維新」を採用し、予測できない危険を少なくしてきました。

■浸透する見えない構造改革

小泉竹中改革は「経済構造改革」だけですが、戦後マッカーサーやコミンテルがやったのは「精神構造改革」です。この両構造改革を継承しているのは隠れサヨクで、多くは教育界自治体マスコミに寄生胚胎しております。

この勢力は自治体など公共組織に入っており生活も安心で、思想の自由も大目に見られております。行政・マスコミ、そして最近は司法にも変な判決が続出し、法体系まで侵食がハッキリしてきました。

■少数派は正しいのか

テレビを見ているとおかしなことに気がつきました。各局とも男なのに女装をしている芸能人が登場しております。際物の芸人として面白いですが、何か違和感があります。

況してNHKのラジオまで朝から常時出演しております。どうも隠れた意図があるように思えるのです。やはり男女参画変態思想―所謂ジェンダーフリーの浸透工作があるのでしょう。

■少数派の多数派支配

民主主義には少数意見の尊重が言われておりますが、検証されない変態思想は勘弁願います。健全性・正当性の危機であります。国家の基盤・背骨が危うくなってきています。

2014年05月28日

◆「核」が日中開戦を抑止する(26)

平井 修一


(承前)松井茂氏の論考「世界軍事学講座」から。
・・・

・第2章 核戦略からエア・ランド・バトルへ

1945年7月16日、米国ニューメキシコ州の砂漠上で、世界初の原子爆弾の実験が成功した。翌8月、原爆は広島および長崎に投下され、第二次世界大戦の終結をもたらした。

広島・長崎の大惨事は、世界中に核兵器の大量破壊効果を何より如実に示した。列強は改めて核兵器に着目し、その研究開発に乗り出した。

折から冷戦が激化してきた。1949年7月10日、ソ連が最初の原爆実験に成功した。ここに米国による核兵器の独占体制が崩れた。

これに慌てた米国は、この分野における優位を保とうと、原爆より桁違いの破壊力をもつ熱核兵器である水素爆弾の製造を1950年1月末に開始した。1952年11月1日、米国は水爆実験に成功した。すると翌1953年8月12日、ソ連も続いて水爆実験に成功している。

続いて、原水爆を搭載するICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発合戦が米ソ間で行われるようになった。その間、米ソとともに五大国と称される英国、中国、フランスが核兵器を保有し、独自の核戦力を持つに至った。

核兵器の拡散はさらに進み、五大国の他にインド、パキスタン、イスラエル、南アフリカが核兵器の開発に成功している(ただし南アは製造した原爆を廃棄したと表明している)。

核兵器保有国が参加した戦争として、米国の朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イスラエルの第四次中東戦争、英国のフォークランド紛争などの例が挙げられる。

しかし、いずれの場合も核戦争に至らなかった。のみならず、湾岸戦争においては逆の現象、すなわち非核保有国が核兵器保有国に攻撃を加えるという事態が起こった。イラクによるイスラエルへのミサイル攻撃がそうである。あの「力の信奉者」であるユダヤ人たちが、核兵器による報復を決断しかねたのであった。

「核戦争」に代わって新型の戦争として登場したのは、湾岸戦争での実戦に示された、精密誘導技術によるピンポイント攻撃に代表される「電子戦争」であった。

どうしてそうなったのか、背景には列強、ことに米国の戦略方針が「核戦略からエア・ランド・バトル」へと大きく転換したことが挙げられる。

この大転換について、軍事音痴で真の軍事記者が皆無に近い日本のテレビ・新聞はほとんど報じていない。日本の軍事雑誌にも体系的に論じた記事がない。日本ではほとんど実情が知られていないのである。

だが、この大転換の本質を知らずして現代の国際政治、安全保障問題、軍事戦略は語れないのである。

米ソの核の対決はオーバーキル状態となった(注)。このもとでは、いくら第一撃で相手の核戦力に打撃を与えても、残存の核戦力でこちらも致命傷を負うことが軍事的に予想されうる状況となった。

全面核戦争が勃発すれば、勝者も敗者もなく、地球上は核による破壊と汚染に覆い尽くされることになる。米ソ両国が競争して行った核戦力の過剰な建設こそが、実は全面戦争の危機を救うことになったのである。

それならば、相手が核兵器を持っていない場合はどうであろうか。米国が広島、長崎に原爆を投下したような攻撃は果たして可能であろうか。

ここで、全面核戦争ではなく、局地紛争と核兵器との関係を見てみよう。実は、核戦争寸前までいった具体例はいくつかある。

朝鮮戦争において、共産側の「人海戦術」に押され気味の国連軍総司令部のマッカーサー元帥は核兵器を用いる決心をした。

第四次中東戦争(1973年)の初期、アラブ連合軍に手痛い敗北をこうむったイスラエルは、ついに手持ちの核兵器をアラブ諸国に向けて照準し、国土を守ろうとした。

湾岸戦争でイラクのミサイル攻撃を受けたイスラエルは一時、(核による)報復に走ろうとした。

しかし、朝鮮戦争ではマッカーサーの決定にトルーマン大統領が反対した。第四次中東戦争のイスラエルの場合は、反撃作戦が大成功を収めて、その必要がなくなった。

湾岸戦争の場合、イスラエルがたとえ通常兵器を用いてイラクに反撃しても「イスラエル対全アラブの戦争」に発展しかねなかった。これこそイラクの思う壺であった。イスラエルが核兵器を用いて反撃すれば確実にそうなったであろう。

同胞であるイラクの民に核の惨禍が及べば、いくらイラク嫌いのシリア、エジプトの指導者といえども、イスラエルと闘わざるを得ないのである。

これらの例に見られるように、政治指導者たちは、できることならば自分が核の発射ボタンを最初に押したくないのだ。(つづく)(2014/5/27)
・・・

注)オーバーキル:核兵器によって地球に住んでいるすべての人々を殺しても兵器が余るという、過剰に兵器がある状態。
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◆バングラデシュに「大判振る舞い」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26(2014)年5月27日(火曜日)通巻第4250号>   

 〜バングラデシュに最大6000億円支援の「大判振る舞い」
   ミャンマーやインドより多いけれど何か隠れた戦略でもあるのか?〜

驚いた。

日本が対バングラデシュ経済支援は「最大6000億円」。インフラ整備などに当てられる。バングラデシュはミャンマー、インドに次いで「日本企業専用工業団地」を造成する。

それにしても、この巨額の援助、「向こう5年、最大で」という条件はつくものの、破格である。

これまでにも有償援助では人材育成プロジェクト、水道整備、都市部総合開発支援、橋梁工事、北部総合開発などに当てられ、無償援助で最大は食料援助だった。

安倍首相は隣国インドを2回訪問し、北東部のインフラ整備にも支援を表明したとき、プログラムの内容を聞いて驚いた関係者が多かった。理由は「北東部」はダージリン、アッサム地方のインフラ整備支援だが、じつはバングラデシュより北東部、つまり中国と国境紛争が係争中の地帯だからである。

ミャンマーへの支援も破格だった。

過去の累積5000億円を「チャラ」として、新たに910億円。これでティワナ工業団地を造成し、日本企業が大挙進出する道筋が示された。

ついでにいえばパキスタンに4500億円。某国へ○○億円。これらはすべて「戦略的」目的から派生したプログラムであり、当該国の民政と経済の安定支援である。

5月26日、来日中のハシナ首相は天皇陛下に拝謁。陛下は「民政の安定」をおたずねになったという。ハシナ首相は「経済も安定し、成長率は6%で、貧困率が低下した」と答えた。

同日、午前中にも安倍首相、岸田外相らと会見、夕刻には首相主催の晩餐会歓迎行事が行われた。
 
バングラデシュは日本の5分の2程度の国土面積に1億6千万人が住むという世界一の人口密度が高い国で、しかも国土の3分の1は湿地、洪水と台風で水につかるのは日常茶飯。貧困から抜け出すのは容易ではなく、日本企業の進出は遅れている。

バングラデシュへ最大の支援国は、かの中国。専用工業団地も造成し、おもに繊維産業への投資が目立つ。中国のアパレル企業が雇用しているバングラデシュ女工はおよそ100万人と言われる。

となれば日本からのバングラデシュへの破格の経済支援の背景にある政治的動機は説明するまでもないだろう。

◆報道の自由と知る権利

〜中国社会、発展のキーワード 〜

浅野勝人(安保政策研究会理事長)
  

中国共産党・政府の建国以来の統治の苦心は、現在なお並大抵のことではあるまいと察せられます。14億人の国民の統治に成功した政治体制は、過去の世界史に例がありません。

日本の26倍の地域に14倍の人が暮らしている途方もない人口と国土のせいだけではありません。

総人口の9割近くを占める漢族以外に政府が公認している少数民族が55あります。しかも国土の2/3を占める5つの民族自治区が、国境沿いに帯状に連なり国境線を独占しています。

この国境沿いの広大な地域にイスラム教徒のトルコ系ウイグル族や独特の仏教を信仰するチベット族が、増え続ける漢族と雑居しています。

そして、いずれの少数民族も漢族とは異なる歴史観と風習、独自の文化を保持しながら、自らの生きがいを求めて暮らしています。これが新疆ウイグル自治区やチベット自治区で多数の死傷者を伴う衝突事件が頻繁に起きる背景です。

最近、頓(とみ)にウイグル族による暴動テロが自治区内外で頻繁に発生しています。簡単には解決できない深淵で複雑な背景の存在は理解しますが、だからといって、少数民族の不満や反発を「力」で抑え込もうとするのは間違いです。

物理的にもネット市民が4億人に達し、フェイス・ブックに代わって微信(wei xin)の携帯ネットを通じて6億人が情報交換している社会現象を無視して、権力が力づくで事柄を押さえて、他所(よそ)に知られないように蓋をするのはもはや不可能です。

従って、中国共産党の支持基盤を安定させ、いっそう強固にする近道は、憲法の枠内での報道の自由を認め、公民(国民)の知る権利に応える政治姿勢に踏み切ること以外にはないと私は確信しています。
中国の憲法は第1条で「いかなる組織または個人も中国共産党が統率する社会主義制度を破壊することを禁ずる」と規定しています。

これは、中国共産党の正統性を批判、否認して国家転覆を目論む明らかな言動については徹底的に取り締まる決意の表明です。けだし、国家としての当然の意思であり、措置です。

例えば、習近平政権が、中国からの分離・独立を目指すウイグル族の「東トリキスタン・イスラム組織(ETIM)」のテロ活動を公権力で厳しく取り締まるのは国家としての重要な任務だからです。
 
同時に、中国の憲法は、◎ 国家は、人権を尊重し、保証する(33条) ◎ 言論、出版、集会、結社、行進、示威の自由(35条) ◎ 宗教信仰の自由(36条)◎ 通信の自由と通信の秘密の保護(40条)を保証しています。

確かに、中華人民共和国の建国綱領として臨時憲法の役割を果たした「共同綱領」(1949/9・29)にあった「真実のニュースを報道する自由の保護」(49条)の規定は、その後の憲法で削除されていますが、報道の自由は基本的人権を保証する上で欠かせない根幹的権利です。

ですから、私が指摘する「憲法の枠内の自由」とは、中国共産党の正統性を否認し、または外交の基本方針に反対して、国家の分裂、破壊、転覆を目論む明らかな言動以外の自由は、原則として認めることを意味します。

「体制内民主化の推進」といった方が分りやすいかもしれません。

具体的には中国共産党に対する国民の不信感を払しょくするため、
▼ 政府の政策全般について、予算措置を含めて情報公開の対象とし、政治の透明性を高める。
▼ 地方政府の役人の権限を制限、縮小して裁量権を大幅に削減する。

これを達成するため、党中央は反腐敗闘争の責任者、王岐山・中央規律検査委員長を全面支援して「腐敗ゼロ容認」を実行することにより、貧富の格差是正を求める人々の不満に応えることがなにより重要です。
 
そして、それを支え、可能にするエネルギーが報道の自由によって啓発される国民の協力です。

一昨年(2012年)小さな漁村の広東省烏坎(うかん)村の村民が結束して村の独裁者となって村民を苦しめていた共産党支部書記を追放して、選挙によって村人の中から村長を選びました。

烏坎村の改革が成功したのは二つの理由によります。ひとつは日本をはじめとするメディアの取材が禁止されなかったことです。選挙の立会演説の生き生きとした模様がTVのドキュメンタリーでキャリーされて世界を感動させました。

もう一つは、村民デモの先頭に「わたしたちは中央政府を支持します」というひと際大きなプラカードが掲げられていたことです。

「党中央支持」を前提に党村支部の腐敗を糾弾する姿勢を鮮明にした村人の英知の勝利でした。まさに憲法の枠内で自由を求めた村人の要求に胡錦濤政権がYESといった瞬間でした。
 
胡錦濤政権を引き継いだ習近平政権は、体制内民主化に踏み出すかに見えた政治姿勢を後退させているように見受けられるのが残念至極です。

恐らく他所からでは計り知れない複雑多岐におよぶ内部事情があるからに違いありませんが、進む方向を見失わないでほしいと念願しています。

国家の命運を決める困難な政治的判断を貫くには、国民の理解と協力が必要です。それを支えるのが報道の自由です。

人々の知る権利に応えようとする報道の自由を許容することは、党・政府にとって知られたくない情報の漏えいを伴い、不都合が発生する懸念は多分にあります。

それにもかかわらず、人々が不正や不条理を克服しようと苦労する政府の方針を理解した時、真の愛国心が芽生えます。

憲法の枠内の報道の自由に象徴される「体制内民主化の推進」こそが中国共産党の支持基盤を安定させて、いっそう強固にする唯一の近道だと考える私の見解です。

中国の方々から余計なお節介といわれるのを承知で申しあげるのは、14億人の安定的統治をめざす中国共産党の歴史への挑戦に成功してほしいと願うからです。
( 北京大学特任講師、元内閣官房副長官、元外務副大臣 )

2014年05月27日

◆「核」が日中開戦を抑止する(25)

平井 修一


松井茂氏の論考「世界軍事学講座」(新潮社、1996)を紹介していく。

新潮社によると「松井氏は1947(昭和22)年、広島県生まれ。軍事・外交評論家。雑誌特派記者などを経てフリーに。紛争地帯への現地取材をお家芸とし、ラオス、イラン、イラク、アフガン、ロシア、朝鮮半島等々を歴訪、外交・安全保障問題を軸にテレビ・雑誌等で活躍。

著書に『イラク』『謎の軍事大国 北朝鮮』『金正日の北朝鮮』『世界軍事学講座』『中国四千年の軍事思想』など。そのグローバルな視点には定評がある」とのこと。

松井氏の学歴、職歴は分からない。元公安調査庁職員との情報もあるが、確認できなかった。国が軍事・安保に詳しいジャーナリストを支援して内外の過激派や現地の事情を収集させることはよくあることのようだ。いわば諜報活動で、松井氏も名前自体が本名なのかペンネームなのか不明という“謎の人物”だったとの記事もあった。すでに亡くなったとも伝えられるが、情報がない。不思議だ。

そう言えば戦前日本の最大のスパイ事件で死刑になったゾルゲはドイツ人記者として日本の滞在許可を得ていた。国営ラヂオ「ロシアの声」が「ゾルゲは1941年秋には、日本がソ連を攻撃する意思のないことをモスクワに打電した。この情報によりソ連指導部は、極東から首都モスクワ防衛のため、40師団を移動することができた。ゾルゲは死後にソ連邦英雄として叙勲された」と賞賛している。

ソ連の師団規模は1〜3万人だから40師団は40万〜120万人。ゾルゲの諜報活動によりソ連はドイツに勝ち、返す刀で日本の北方四島を強奪できたのだ。ソ連にとってはまさに英雄だ。

今、中共は盛んにマスコミ、記者に圧力をかけているが、彼らは中共にとって不都合な機密情報に接触しやすいから耳目封じ、口封じをしているのだ。成功しているようには見えないが…

それはともかくも、以下、同書の要約を記す。
・・・

人類は有史以来、闘い続けてきた。不幸にも、地球上に戦火が絶えることは、近未来のうちには望めないようだ。東西冷戦構造の崩壊も恒久平和に至らなかった。逆に第三世界における地域紛争は増大し、中国、フランスは核戦力の増強を図っている。

中でも中国の軍備拡張は野心的である。北朝鮮も核兵器開発あるいは南進への疑惑を持たれている。アジア地域においてはこれらに対抗して多くの国が軍備増強を図り、緊張感が高まっているかのような観すらある。

こうしたなかで、国際情勢を真に理解するには、軍事・安全保障分野での本質的洞察が欠かせない。ところが現在の日本では、そうした方面の調査研究が大変に手薄い。各地の大学に国際政治学部が新設されているが、欧米の大学と異なり、軍事学の講座がなく、軍事・安全保障を欠いた国際政治学となっている。

さらに現代軍事について系統的に述べた解説書も皆無である。教師もなし、テキストもなしとあっては、現代軍事学について学ぼうにも学ぶ手段がないのが日本の現状である。(注)

筆者は少年時代から軍事に興味を抱き、以後、自習を始め、1975年4月、ベトナム戦争末期のラオスに赴いたのを皮切りに世界の紛争地帯を踏破すること21年となった。

その傍ら、世界の主要国の軍事動向について調査研究に努め、マスコミや軍事専門誌にその成果を発表し、ある程度の評価を得てきた。それらを体系的に集大成すれば、現代および近未来に通用する現代軍事学の本質に迫る本ができると考えて、その体系化に努めてきた。その結果生まれたのが本書である。

本書が広く読まれ、読者諸氏の国際情勢の把握、軍事・外交問題の理解に役立てば著者の喜び、これに勝るものはない。

・第1章 戦争の基本型

戦争とは闘争であり、自分の意思を相手方に強要するために行われる。闘争を行うには、闘う意思(戦意)と手段を必要とする。このうち、どちらかを喪失すれば戦争は継続できない。

そこで、戦争に勝つためには、敵の戦意あるいは闘争手段を失わせることが必要となる。そのための軍事思想としては以下の6つの基本パターンが浮かび上がってくる。

1)野戦軍(あるいは艦隊)主力の撃滅・無力化
2)補給ルートの遮断
3)策源地の機能喪失
4)軍需産業の破壊
5)出血の強要
6)速戦即決あるいは持久戦

以上は各々単独あるいは並行して、関連を持ちながら行われる。この選択は、戦争の目的および遂行方針、投入し得る各種資源の量によって決定される。これらによって戦争の基本戦略(グランド・ストラテジー)が設定され、1〜6のどれを主目的にするか、あるいは重点とするか、複数のものを並行して行うか、が決まる。

基本パターンは時代および軍事科学技術の発展によって各々の影響力が大きく異なってくる。近現代にかけての軍需科学技術、交通・通信手段、海空軍の驚くべき発達は、従来の「野戦軍主力の撃滅・無力化」に代わり、「補給ルートの遮断」「策源地の機能喪失」「軍需産業の破壊」の有効性を飛躍的に高めた。

また、ゲリラ戦争は、古来から弱者の戦法としてあったが、毛沢東やボー・グエン・ザップ(北ベトナム国防相)らが現代に適応する理論に止揚したため、抗日戦争、国共内戦、インドシナ独立戦争、ベトナム戦争、アルジェリア独立戦争、他の第三世界の民族独立闘争に猛威を振るった。そのため「出血の強要」、(持久戦による)「長期化」も有効性を高めるに至った。(つづく)
・・・

注)以下は産経2014.5.15の報道。東大は1959年から赤化が顕在化し、1969年には完全にアカに乗っ取られていたことが分かる。
・・・

東大の軍事研究禁止、職員労組と秘密合意 昭和44年、産学協同にも「資本への奉仕は否定」

東京大学と同大職員組合が昭和44年(1969)に軍事研究と軍からの研究援助を禁止する労使合意を結んでいたことが14日、分かった。東大紛争時に労組の要求に応じ確認書を作成したとみられる。

東大は現在も全学部で軍事研究を禁じており、憲法に規定される「学問の自由」を縛りかねない軍事忌避の対応が、労使協調路線のもとで定着していった実態が浮き彫りになった。

労組関係者が明らかにした。確認書は昭和44年3月、当時の同大総長代行の加藤一郎、職員組合執行委員長の山口啓二の両氏が策定。確認書では軍学協同のあり方について「軍事研究は行わない。軍からの研究援助は受けない」とし、大学と軍の協力関係について「基本的姿勢として持たない」と明記した。

産学協同についても「資本の利益に奉仕することがあれば否定すべきだ」との考えで一致し、そのことが文書に盛り込まれている。

同大本部広報課は産経新聞の取材に「確認書は現存していない。当時、取り交わしがなされたかどうか分からない」とし、確認書に実効性があるかどうかについても明らかにしなかった。だが、職員組合は「確認書は成文化している。大学側から廃棄の通知はないので今でも有効だ」としている。

政府は昨年に閣議決定した国家安全保障戦略で、産学官による研究成果を安保分野で積極活用する方針を明記しており、東大をはじめ軍事研究を禁じている大学側の姿勢が問われる局面となっている。

東大は昭和34年、42年の評議会で「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われるものも行わない」方針を確認。全学部で軍事研究を禁じているが、複数の教授らが平成17年以降、米空軍傘下の団体から研究費名目などで現金を受け取っていたことが判明している。

【合意文書骨子】

・大学当局は「軍事研究は行わない。軍からの研究援助は受けない」との大学の慣行を堅持し、基本的姿勢として軍との協力関係を持たないことを確認する。

・大学当局は、大学の研究が自主性を失って資本の利益に奉仕することがあれば、そのような意味では産学協同を否定すべきであることを確認する。(2014/5/26)

◆「移民解禁」は拙速だ

〜少子高齢化を食い止めよ〜

佐藤 鴻全


●日本の直面する内政最大の中長期的課題は少子高齢化であり、これが経済、年金財政を蝕み続け日本を縮小衰退させて行く。

●一部分野での俄かな人手不足に対する経済界の意向を受け「移民解禁」を図る動きがあるが、安易な移民政策はドイツ等での失敗のように社会に亀裂と混乱をもたらす。

●「社会保障改革」など意味が無い。消費税を上げ、年金保険料を上げ、年金受給年齢を引き上げ、受給額を減らす。数年置きに大騒ぎしてこのバカのサイクルを繰り返しているに過ぎない。

●このような絆創膏貼りの対処療法を止め、先ず老人も若者も女性も国民全般が相応の待遇で働く機会を得られるようにする「日本社会の改造」「労働構造の改造」が必要だ。

深夜に及ぶサービス残業で社畜化している正社員と低賃金・不安定雇用の非正規雇用者間で仕事と報酬を再分配すれば、内需拡大・経済活性化が図られ、進んでは出生率の増加、年金財政の改善にも繋がるだろう。

◆安倍政権の拙速◆

安倍政権は、俄かなアベノミクスの奏功、東京五輪への建設ラッシュ、東日本大震災復興による建設、飲食産業、介護等の一部分野での人手不足による業界・経済界の意向を受け、外国人労働者受入れの拡大、進んでは少子高齢化対策として所謂「移民解禁」を検討している。

筆者は、これらについて必ずしも反対はしないが、先ず国内対策でやるべき事をやり、「移民解禁」はそれを補う形でなければならないと考える。

移民受け入れについては、ドイツで労働者不足による建設業界の要請でトルコ人労働者の大量受け入れをした事例が有名だ。

その後、トルコ人労働者とその家族は、イスラムの風習からドイツ社会に馴染めず、所謂ゲットーを作り、失業率の高止まりからドイツ人からの反感が生じ、ネオナチの若者が彼らを襲う等、深刻な社会の亀裂と混乱をもたらした。

所謂「移民」受け入れは、受入れ職種、受入れ資格、滞在期間をどのように制限するか等が問題と言われているが、より大きな問題は先ず自国民が相応の待遇で職に就く機会があるかだ。

その体制が出来た上でなら、労働者が足りない分野について条件付きで受け入れる事は検討に値する。

しかし、今の「移民解禁」議論は業界、経済界、竹中平蔵氏に代表される米国の意向を受けた新自由主義者の学者等の主張に安倍政権が引き摺られる形で行われている。

彼らは、当然ながら自らの利益を主張するが、部分最適を見て社会全体を見ない。また長期的視野が欠落している。

◆日本社会の改造、百年の計◆

先ず日本人全体が、意欲と能力があれば相応の待遇で働く機会が得られる事。この体制が無ければ、上述のように移民は社会に大きな亀裂と混乱をもたらす。

では、それをどのように実現するか。

日本の社会構造で最大の問題は、単純化し図式化すると深夜に及ぶサービス残業で社畜化している正社員と、低賃金・不安定雇用の非正規雇用者が二極分化している事だ。

社畜化した正社員は、消費をする時間が無い。また結婚により家庭を持つ機会も制限される。

一方の非正規雇用者は、低賃金で不安定雇用の状態にあり、そもそも消費する金が無い。当然ながら家庭を作り維持する事にも躊躇する。

この両者の間で仕事と報酬を再分配すれば、高所得者よりも中所得者の方が消費性向が高いため内需拡大・経済活性化が図られ、進んでは出生率の増加、年金財政の改善にも繋がる。

そのためには、賃金の残業割増率を欧米並みに引き上げる事、労働当局の監督強化、同一労働同一賃金化の徹底、給付付き税額控除の導入等が考えられる。

そうは言っても、サービス残業禁止の監督は形だけだし、「名ばかり管理職」等で抜け穴があり、中小零細企業は残業割増率の負担に耐えられなく、同一労働同一賃金は「同一労働」をどう定義するかで幾らでも骨抜きが可能であり、給付付き税額控除は税負担も増し不正も発生する等々の問題がある。

しかし、要は政府が「国家百年の計」をどう見るかだ。

首相自ら経済界を巻き込む形で、経団連会長に国家百年の計を説き、サービス残業禁止の大企業からの再徹底、残業割増率の増加、中小零細企業にはそのための直接補助金支出、同一賃金同一労働化、給付付き税額控除の制度設計について国民的議論を喚起し導入すれば、これらには相乗作用が起こり得る。

また、これらにより正社員と非正規雇用者間で仕事と報酬の再分配が行われれば、必然的に労働市場の流動化が起こる。

現在の日本の労働市場は、世界的な商品過剰の中、ビジネスの多様化加速に伴って必要となる適材適所化が図られておらず、国際競争に打ち勝つ体制が築けていない。

また、東電に代表される強固な終身雇用制依存・身分死守による無責任体制・事勿れ主義に陥り、日本人全体がチャレンジを避け精神的に委縮している。

しかし、一方で竹中氏や八代尚宏氏のような学者、コンサルタントの城繁幸氏のようなその取り巻きが唱える行き成りの解雇自由化は、雇用の需給バランスとその推移の視点を欠いており巷に失業者を溢れさせる結果となる。安倍政権に限らないが、政府は正社員の雇用を増やすという一方、解雇自由も検討するという雇用を流動化したいのかしたくないのか、分裂症を患ったかのような対応をしている。

先ず、正社員と非正規雇用者の間で仕事と報酬を再分配する。筆者は、それにより自然な形で「善き労働力の流動化」を実現する事が、直面する諸問題を解決する日本社会の目指すべき方向、即ち王道への第一歩であると考える。

安倍首相に、日本社会の在るべき姿を問う。

◆越国から逃げ帰った中国人7000人

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年5月26日(月曜日)参:通巻第4248号>

 〜結局ベトナムから逃げ帰った中国人は7000人
 チャーター機は3機、大型旅客船やフェリーなど5隻の艦船でエクソダス作戦〜

5月半ばに突発的におきたベトナムの反中国暴動は、大量の中国人を脱させる結末となったが、合計7000人が駐越中国大使館のアレンジで取った行動であることが判明した。

大使館が指導する組織動員は、北京五輪前の聖火リレー長野で、動員された中国人の狼藉をみた。あの日、長野は五星紅旗で覆い尽くされ、反対に出かけていった日本人と衝突を繰り返した。中国人の暴力は不問に付された。

また東日本大震災のとき、およそ18万人の中国人が逃げ帰った様を、われわれわれは目撃した。大使館のアレンジで、一斉に逃亡するということは日頃から、そういうマニュアルが存在していることを意味する。むしろ不気味である。

在日中国人の動向をつねに大使館の或る部門が把握し、携帯電話の番号もちゃんと統括しているからこそ出来る「芸当」だからである。

カダフィ政権崩壊後のリビアから合計36,000人の中国人が世紀の大脱走を演じたように。

日本は、率直に言ってこのポイントを重視する必要がある。

なぜならイラン・イラク戦争のおり、テヘラン空港に取り残された在留邦人に、日本政府は何をしたか? 見かねてトルコ航空機が助けにきてくれたではないか。

湾岸戦争前夜、バグダットに取り残された在留邦人に日本航空は救援機を飛ばすことを拒否した。結局誰が助けてくれたのか。台湾のエバ・エアーだったではないか。中国でおきた反日暴動でも、在留邦人はばらばらに帰国した。

さてベトナムからのエクソダス作戦はどのように展開されたか?

駐越中国大使館は5月16日に特別チームを編成した。

翌5月17日にはやくもチャーター機が2機、ハノイへ飛んだ。3千人は、この日までに陸路あるいは独自のフライト予約でベトナムから逃げ出したが、チャーター機2機は四川省成都へ飛んでおもに負傷者、重傷者を運んだ。重軽傷は307人で中国南方航空が飛来した。

5月19日までには海南島海口港を出港した大型客船、フェリーは5月20日に合計3553人を収容した。「五指山号」「銅鼓号」「紫刑号」「白石号」の4隻は大型客船で、ベトナム永安港から海口港へと運んだ。

海南省海口市では120の緊急病院が受け入れ準備をしていたという。

2014年05月26日

◆戴相龍の息子も捜査対象?

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年5月26日(月曜日)通巻第4245号>

 〜上海派が分裂か? 朱容基の右腕だった戴相龍の息子も捜査対象?
   香港の財産を売り払って南アフリカへ逃亡という怪情報〜

戴相龍と言えば、かつて人民銀行総裁(つまり中央銀行総裁、日銀総裁,FRB議長に相当)、その後、天津市長に転じて同市の経済特区開発ならびに天津の金融センター再建を指導した。辣腕エコノミストといわれ、また国際的な顔だった。日本の経済学者、ジャーナリスト、財界人にも広く知られる。

現在は中国社会保障基金理事長。

さて戴相龍の息子のことである。戴志康という。

父親の顔とコネを利用して早くから上海の不動産開発ビジネスに参入し、浦東開発などで高級住宅地やショッピングモールを建てた。

歴代上海市長といえば江沢民、朱容基、黄菊、呉邦国、韓正と江沢民の息のかかった上海派の牙城でもあり、父親の推薦、斡旋によって、許可を取得しビジネスを円滑に進めるには都合が良かった。

戴相龍が人民銀行総裁の期間(1995 −2002)、膨大な開発資金が息子の開発会社に流れ込んだという。

天津市長に転じると戴志康は活動拠点を香港に移した。

香港財閥第一位の李嘉誠に近づき、また当時の香港行政長官は雀英東で、彼もまた江沢民に近い人物だった。いってみれば「団派」の敵人脈が香港財界の主流派だった。数年後、香港の行政長官は団派の人間に移ったため江沢民派はあわてる。
 
戴志康は香港で大々的な不動産開発ビジネスに参画し、昨今は「東風」集団を率い、また香港のフォーシーズンズホテルを経営し、その資産は1000億米ドルと言われた。

昨今、習近平のすすめる反腐敗キャンペーンは、江沢民派だった鉄道部を解体し、石油一派を壊滅寸前に追い込み、ついで守旧派の総本山発電利権にも手をつけようと躍起である。

この過程で香港における太子党の腐敗ビジネスやコネクションにもメスを入れ始めた。

戴志康は「俄然、香港のシティ銀行、スイス銀行に預けていた預金などの解約を始め、その多くを南アフリカへ移転させ、家族ともども移住を準備している」(博訊新聞網、5月23日)。

(注 ITならびに金融証券ビジネスで財閥となった同名異人がいますので注意)
     

◆中韓の反日宣伝とアベノミクス効果

加納 宏幸


「プライムミニスター・アベ(安倍晋三首相)が今年、僕の国を訪問したんだよ」

ワシントンのタクシーの中で日本人だと明かすと、運転手はこう言ってうれしそうに笑った。聞くと、エチオピア出身だという。「有名なマラソン選手と名前が似ているんだよな」。首相が今年1月のエチオピア訪問の際、1964年東京五輪の男子マラソンで金メダルを取ったエチオピアのアベベ・ビキラ選手(1932〜73年)の名を挙げ、「アベだから、学校で『アベベ』と呼ばれた」と冗談を言ったことも知っていた。

増える日本関連ニュース

13年前に半年ほどワシントンに滞在したとき、不況下にあった日本のニュースが新聞に掲載されることは少なく、目を皿のようにして探して、ようやく経済指標を伝える小さな記事を見つけられればいい方だった。

それに比べると、経済政策を中心に、日本関連ニュースは格段に増えている。「ワシントンで日本の存在感が増しているのを実感する。日本に関心がなくても、アベノミクスを知らない人ははまずいないから」と複数の外交筋から聞いた。外交面での「アベノミクス効果」は確実に出てきているようだ。

日本にとってのこれからの課題は、集団的自衛権の行使容認に向けて、いわれなき批判の火の粉をどう払うかだ。

米国務省のマリー・ハーフ副報道官が16日、出張先のウィーンから電話を通して行った記者会見では、香港のフェニックステレビの記者が集団的自衛権の行使容認について「民主主義に反する安倍首相の行動に懸念はないか」「将来の憲法改正が心配ではないか」とただした。

さらに、「米国は常に日本に対して近隣国との良好な関係を保つよう求めている。中韓は歴史問題に非常に敏感だが、日本はこの(行使容認)問題について自制する必要があるとみていないのか」とたたみかけた。

ハーフ氏はこの記者会見で、行使容認をめぐる議論を「歓迎し、支持する」と述べた上で、フェニックステレビの質問には「日本の議論の過程には透明性があり、外国政府にも説明している」と応じた。

日米外交筋は、バラク・オバマ米大統領(52)が集団的自衛権行使の検討に歓迎と支持を表明した4月の日米首脳会談に向けた調整の難しさを次のように明かした。「国務省や国防総省は中国の軍事力にさらされている日本の事情を分かっているが、ホワイトハウスと温度差があった」

ただ、米政府は実際の行使容認については、今のところ「立場を取らない」としている。首相の最終決定をどう評価するのかに留意しておく必要がある。

為にする議論の危険性

話はいきなり飛ぶが、今月6日、ホワイトハウスが一時封鎖される事態に陥った。1台のホンダ・シビックが規制区域に侵入したことが原因だった。

米政府の中枢にある意外な盲点が明らかになったことで、オバマ氏を警護する大統領警護隊(シークレットサービス)に重い課題を突き付けた。

事の顛末(てんまつ)はこうだ。米国の税務当局である内国歳入庁職員のマシュー・ゴールドスタイン氏(55)はワシントン市内を走行中に交通規制が分からないことでパニック状態に陥り急に右折。前を走る車の集団に付いていくことにしたが、不幸にもそれはオバマ大統領の2人の娘を乗せた車列だった。

車列の最後尾にぴったり付いていたため、規制区域への車の進入を防ぐ柱状のバリケードが上がる前に、入り込んでしまった。ゴールドスタイン氏はすぐに逮捕されたが、その後の調べで、単純なミスだったことが明らかになった。

ゴールドスタイン氏に悪意がなかったから事なきを得たものの、ここまで単純な手段で規制区域に入り込めるとは想像していなかった。ただ、集団的自衛権行使の反対論者には申し訳ないが、「不審者が侵入しても、テロに巻き込まれる恐れがあるからホワイトハウスの警備を強めてはいけません」という議論は聞こえてこない。

日本では東京新聞が首相の行使容認方針について「『戦地に国民』へ道」と書いたという。「自衛」という鍵をもう一つかけておくことが、なぜ一足飛びに「海外の戦場に国民を向かわせる」ことになるのだろうか。

日本で為にする議論が跋扈(ばっこ)して中韓の反日プロパガンダが勢いを増すことになれば、米国での「もう一つのアベノミクス効果」は台無しになりかねない。そんな危険性を常にわきまえておく必要がある。
(ワシントン支局)
産経ニュース【アメリカを読む】 2014.5.25

2014年05月25日

◆「核」が日中開戦を抑止する(24)

平井 修一


夕刊フジ2014.3.22の「日本核武装論 米で沸騰のナゼ」を転載する。
・・・

米国で、日本による核武装論が沸騰している。複数の米政府高官が言及したほか、有力外交誌では日本の核武装の是非をめぐり論争が巻き起こっているのだ。日本国内で核武装論は広がりに欠けるだけに、まさに寝耳の水の騒ぎだが、一体、オバマ大統領率いる米国で何が起きているのか。

「日韓が脅威を感じるあまり、独自の核武装へと動くことがないよう両国と協力し合っている」

ケリー米国務長官は3月13日の上院小委員会で、北朝鮮の核・ミサイル開発に関連してこう述べた。

10日にはウォーマス国防総省次官が国防戦略作成にあたり「最低限の国防予算しかない場合、日本のように十分な科学的能力を持つ国々が核開発する恐れが高まるとの暗黙の理解があった」と証言。国防予算の厳しい削減状況を放置すれば、日本が核武装しかねないとの認識を示した。

防衛大学校の神谷万丈教授は「安全保障の一般理論では『米国の核の傘が疑わしくなれば非核の同盟国が核武装しかねない』という見方がある」といい、こう続ける。

「ウォーマス氏は『日本との同盟関係は極めて強固だ』とも述べている。財政支出の削減があっても、日本が心配することはないとのメッセージと、米国国内に向けて『(同盟のために)やるべきことはやるべきだ』とのメッセージが込められているのでは」

専門家からも、同様の指摘が相次いでいる。

米外交誌『ナショナル・インタレスト』2月号は、戦略国際問題研究所(CSIS)のサントロ氏の論文を掲載。同氏は「日韓は速やかに核武装する科学的能力を持つ」とし、日韓両国が核武装した場合は同盟を破棄すべきだと説いた。

米国では伝統的に、日本の核武装を「警戒」するだけでなく、「奨励」する声も少なくない。ボルトン元国連大使は日本が核武装しても構わないとし、国際政治学者のケネス・ウォルツ氏は国際秩序安定のために核武装すべきだと説いていた。

最近でも前出のサントロ論文に対し、新アメリカ安全保障センター(CNAS)のコルビー氏が同誌3月号で「同盟が適正に管理されるなら日韓の核武装を認めることも正当化される」と反論。ペンシルベニア大のウォルドロン教授も日経新聞への寄稿で核武装の奨めを日本に説いた。

安全保障の重心をアジアに移すリバランス政策が進展する米国で、こうした議論が再燃しているのはなぜか。

杏林大の田久保忠衛名誉教授は、オバマ政権がシリアへの軍事介入に踏み切れず、中国との「新型大国関係」を認める姿勢を示していることに触れ、「米国内ではオバマ政権の融和外交が同盟国に不安を与えており、間違っているとの見方が根強い。これが日本の核武装論につながっている」と解説する。

核アレルギーが強い日本で核武装が世論の支持を得る可能性は少ない。米国での議論を受け、オバマ氏が同盟強化に乗り出す結果に結びつけば、意義あることだが…。(以上)
・・・

フォーリンアフェアーズリポート2014年5月号の「アジア重視戦略の本質」は、日本の集団的自衛権行使容認を歓迎している。

<東シナ海での問題を超えて、安倍首相は、日本を数十年に及ぶ経済停滞から解き放ち、国民に国にもっと新たなプライドと、影響力ある国としての自覚をもたせたいと考えている。安倍首相は、第二次世界大戦の戦犯を含む戦没者を称える靖国神社を2013年末に参拝した。

その国際的コストは高かった。日本と韓国の関係はさらに険悪になり、中国は安倍首相が権力ポストにある限り、日本との直接交渉には応じないという路線をさらに固めた。

外交的緊張が高まっているとはいえ、アメリカは、日本がもっと地域的にも世界的にも積極的な安全保障上の役割を担えるように、自衛隊との協力関係を強化していくだろう。

実際には完全に合理的な措置であり、むしろもっと早く手をつけてもおかしくなかった「日本憲法の再解釈と軍事の近代化」を「反動的で軍国主義的だ」と批判する中国のプロパガンダに対抗して(進め)いくことも必要だ。

一方で、アメリカは日本と韓国の関係を改善するためにかなりの政治資源を投入する必要がある>(以上)

小生思うに、靖国参拝をしようがしまいが、中韓の反日は国内事情による国策であり、中共殲滅・支那解放までは永遠に続くのだから、彼らが反発したところで今以上に何もできやしない。反日デモ(暴動)を許可すれば、火の粉は中共、中南海に及んで炎上するしかないのだ。

靖国参拝は日本にとって外交的マイナスにはならない。反発しているのは200か国のうちの2か国、たった1%の中韓だけだ。参拝の「国際的コスト」なんてありはしない。むしろ安倍政権の支持率、求心力を高めるという内政的プラスの方が大きい。上記の論者がそれを知らないのはGHQの日本悪玉論に毒されているからだ。

我が国の核武装は中韓以外のアジア諸国は大歓迎だろう。欧米でも半分以上は賛成するのではないか。ベトナム船への体当たりで中共の凶暴性が世界中に知れ渡ったから、核武装の論議を始めるにはいい時期ではないか。

アジアを中共から守るのは日本しかない。辛い任務だけれどやるしかない。中共殲滅、支那解放・・・夢かと思っていたら中共は清朝末期のように急速に内部から腐り始めた。自滅を遅らせるために対日戦に踏み切る可能性は高いが、それさえできずに2、3年でかたがつくかもしれない。テロと暴動と権力闘争で自壊しそうだ。(つづく)(2014/5/23)

◆「中露同盟」という悪夢の再現か?

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年5月22日(木曜日)弐:通巻第4242号>
   ♪
〜プーチン大統領の中国訪問は「中露同盟」という悪夢の再現か?
   じつはガス交渉が10年越しに合意、4000億ドルの取引〜

ロシアのプーチン大統領が上海を訪問して江沢民元主席と会談した。

こちらの方が、信頼醸成会議よりも中国国内では大きな意味を持つ。つまり習近平のすすめる反腐敗キャンペーンに「上海派をこれ以上追い詰めるな」というサインなのである。

「石油派」の周永康は、江沢民の家来。その周の率いた石油派の幹部およそ400名が失脚したが、周への司直の手はまだ及ばず、自宅監禁のままで ある。

さきに江沢民の右腕といわれた曽慶紅が動いた。

曽も息子たちがすでに豪州へ移住して安全地帯にいるが、習近平―王岐山がすすめる腐敗撲滅キャンペーンがこれ以上進むと危険になる。

一般的に中国では引退幹部は公衆の面前に顔を出さず、見解をのべず、執行部は批判しない。外国要人とは会わないという不文律があるのだが、これを立て続けに犯して江沢民は作夏からたてつづけにスタバ会長、キッシンジャー、そして今回はプーチンと面談し、その健在ぶりを示した。
http://china.dwnews.com/photo/2014-05-20/59472970.html
(江沢民プーチン会談の抱き合う気味悪い写真。中国は「江晋会談」)

プーチンは中国との蜜月を政治ジェスチャーで演出する必要があり、中国との深い絆を内外にみせつけたものの、「アジア信頼醸成会議」(中国語は「亜信峰」)の眼目などハナら信じてはいない。

プーチン訪中の最大の目的はガスである。

じつに10年に亘ったガスの価格交渉がついにまとまったのである。ガスプロム元会長としてメドベージェフ首相が訪中しても、価格交渉はも つれた。他方で、ウクライナ問題の浮上によって欧米から制裁を科せられたロシアは、中国の執拗なダンピング交渉にとうとう応じざるを得ない政治状況に追い込まれ、総額4000億ドルの取引を合意、署名した。

中国が議長国としてのCICA首脳会議(亜信峰。G7をのぞくアジア26ヶ国)では「G7抜きのアジア安保構想」を高らかにぶち挙げた習近平。つまり「アジアは中国の軍事力で新しい秩序をつくる」と傲慢にも宣言したに等しいが、ロシアは気乗り薄、インドなどはてんで本気にしておらず、中国の言うアジア版OSCE(全欧安保)に近づくなどと妄想に近い。

そもそも世界新秩序はヒトラーを訪仏とされる暴言として多くの国々は受け取ったようである。

◆韓国人が泳げないのは儒教のせい

黒田 勝弘


1970年代に韓国に語学留学したとき、大学の構内で女子大生が自転車に乗る練習をしているのを目撃し「大学生にもなって自転車に乗れないとは…」と驚いたことがある。韓国では自転車というと荷車の扱いで、女性が乗るなどというのは、はしたないことだった。

今でもスポーツ用は人気があっても、家庭の主婦はママチャリで買い物なんてやらない。団地には立派な駐車場はあるが自転車置き場などというのはまれだ。

もう一つ、韓国人には意外に泳げない人が多い。海水浴でも泳いでいる人は少ない。なぜ泳げないかというと、日本のように学校で教えないからだ。だから韓国の学校にはほとんどプールがない。

泳ぐというのは裸になることだが、こういうのは動物的であって人間のやることではないという伝統的な儒教的人間観が影響しているのではないかと思う。もちろん今やスポーツとしてやっている人は多いが。

今回の旅客船沈没事故で非難集中の海洋警察(日本の海上保安庁に相当)に対しては、大統領命令で“解体”という厳罰が下されたが、この海洋警察にも泳げない職員が結構いたというウソみたいな話が出ている。水泳訓練もしていなかったのだろうか。職業上、基礎中の基礎のはずだが。

産経【外信コラム】2014.5.24

2014年05月24日

◆プーチン訪中でガス取引は

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年5月23日(金曜日)通巻第4243号>
   ♪
 〜プーチン訪中でガス取引は「概要」がまとまっただけだった
  価格のディテールは未決定、まだ流動的なことが判明した〜

日本ではプーチン大統領の訪中により、中国と露西亜の「軍事同盟」の脅威が語られるが、プーチンの訪中の第一目標はガス輸出交渉の最終合意であった。

トータル4000億ドルという世紀の大プロジェクトに署名し、プーチンは満面のほほえみで習近平との会談のあと江沢民とも会った。

だが、その笑顔の写真の裏側では?

英紙『ファイナンシャル・タイムズ』(2014年5月22日)は、「中国とロシアのガス取引は失敗ではないのか」と書いた。

理由は「具体的な価格交渉の結果がまったく発表されておらず、価格決定はなおも流動的。おおまかに向こう30年で、総額4000億ドルになるだろうという概要に過ぎない」と報じた。

その証拠に輸出主体のガスプロム(ロシア国営、世界最大のガス企業)の株価は僅かに1%上昇したにとどまった。投資家らは、具体的に殆ど進展がなかったことを憂慮したからだ。

中国がかくも強気な姿勢を崩さないのには理由がある。

第一にロシアはEUへの輸出に依存しているが、ドイツを除き、ウクライナ問題で輸出が激減している。

第二に米国のシェールガス開発により、近未来のガス価格がさらに値下げされることが予測されるため、中国はロシアの苦境に乗じて、まだまだ値引きできると強気なのである。過去10年間、ひたすら価格問題がこじれているのは、このようは背景がある。