2014年04月25日

◆原発は必須のエネルギーだ

池田 元彦


財務省発表によれば日本は3年連続貿易赤字で2013年度は、14兆円赤字、輸入額は854兆円で赤字の主要因だ。原油・LNG等の鉱物性燃料が総輸入額総額の34%占めている。原発停止によるLNG輸入急増も一因だが、原油を含む単価の高騰化が一番の問題だ。

エネルギーを諸外国に依存すると、輸出停止や将来の枯渇による高騰化で未来永劫日本の安全保障は脆弱なままとなる。原発等日本国内で調達できる発電システムが必須だ。

低品質石油・石炭の燃焼はNOx、SOx、CO、HC、PM等を撒き散らし、毎年世界で300万人が死んでいる。CO2の排出は地球温暖化を促進する。原発こそがクリーンエネルギーであり、石炭・石油や水力発電よりも事故死亡者率が統計的実績として最少なのだ。

原発は省スペースかつ大規模発電力を継続供給出来る最高効率の発電手段だ。核廃棄物の貯蔵スペースも極小だ。「原発核廃棄物問題を扱う10万年後の安全」及び「パンドラの約束」という2本のドキュメンタリー映画を一挙に見た。是非見ることをお奨めする。

フィンランドの地下500mにある処分場(オンカロ)は、ウラン放射線が減衰する迄の10万年間、原発核廃棄物を貯蔵するプロジェクトだが、10万年後迄の間に後世の子孫か宇宙人が万が一発見した場合の対策を机上の空論で延々と続ける陰鬱かつ恐怖を煽る映画だ。
 
「パンドラ」は、地球環境保全推進の世界的リーダーが、反原発の立場で実地も含む調査の結果、原発こそが現存する最適な電源と反省し、その実証に各地の現状を映像化した。 

チェルノブイリの死者は僅か56名だった。事故直後に立入禁止を破り被災地に戻り20年間以上健康に住んでいる人々。ブラジルのある砂浜は37mSvの放射線量があるが、血行促進等で国民が砂温泉を活用している。福島の立入禁止地区内は44mSvだった。

福島同様の事故が発生しても自動的に発電停止出来る原発(=IFR)は、当時の民主党が政治的理由で建設中止した。現在第4世代の高度安全な原発がある、米国全エネルギーの半分に、ロシアから購入した核弾頭が原発燃料に使われていることは、驚きだ。

「年間5mSvでも安全だが、『安心のため』年間1mSvを基準とする」と科学的知見もなく決めた小宮山元厚生相は国賊に等しい。飲料水放射性セシウムの米国基準は0.22mSv 、WHOは0.36mSv、日本0.04mSvだったが、小宮山は10bq(≒0.0018mSv)とした。

国連科学委員会は、福島県内18歳未満の甲状腺検査では、他県と比較し福島がむしろ低いとし、内部被曝のセシウム137半減期は6歳児で1月、2歳児で10日だったとし、大げさに嘘の基準で騒いでいたが、何等健康上害がなかったと結論している。

年間20mSvどころか、100mSv以下なら間違いなく放射線はOD酵素を活性化し、傷ついた細胞を自爆させる遺伝子が活性化する。反日日本人やマスコミは恐怖を煽りたてることしかしないが、未だ民主党の改悪した諸基準を是正できない自民党政府も情けない。

現在第4世代のより安全な各種原発の構築が可能だ。メタンハイドレードも期待できる。原発を主軸として、出来るだけ国内調達比率を上げ、他の効率よい燃料とのベストミックスで、国の安全保障を守ろう。ドイツやイタリアの愚を他山の石とすべきではないか。


◆李嘉誠が中国の不動産売り逃げ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」


<平成26(2014)年4月24日(木曜日):通巻第4215号>   

〜香港最大財閥、李嘉誠。中国の不動産を売り逃げていた郎喊平の不動産(暴落予測)セミナー、超満員。定員の2倍の投資家が押しかけた〜
 
「不動産ローンを組んだ投資家は99%が破産する」など過激な予言で知られる人気エコノミストの郎喊平が先ごろ開催したセミナーに2500人が押しかけて、会場が人で溢れた。香港のマスメディア、テレビの殆どが取材に入った。

要は不動産暴落にいかに備え、次に何に投資するかという問題意識が、それほど末端にも浸透している実相を象徴している。

香港最大財閥として知られる李嘉誠は長江実業、ハッチソン・ワンポア集団を率いて、広州、南京、上海、北京など主要都市にランドマーク的な複合ビルを建ててきた。

2013年8月以後、李嘉誠グループは保有する不動産物件の売却に入り、広州の西城都プラザビル、上海の東方広場、南京の国際金融センターなどを次々と売却し始め、次男リチャード(李沢偕)が経営する北京の「パシフィック・センチュリー・プラザ」も93億ドルで売却したことがわかった。

長江実業の2013年度純利益は邦貨換算で4630億円(ブルームバーグ、2月28日)。

フォーブス誌の世界不動ランキングで世界20位、個人資産310億ドルという大財閥の李嘉誠が、中国大陸に保有する不動産を売り払ったことは、何を意味するか?

他方で李嘉誠はロンドンの新副都心カナリーワーフにほど近い場所に3500戸の団地を建てることでロンドン市長と合意している。李は中国の不動産投資からは手を引いたが、世界へ分散投資のスピードを上げている。
          

2014年04月24日

◆集団的自衛権も個別自衛権もない日本

加瀬 英明


集団的自衛権の行使を禁じてきた、憲法解釈を緩和するのをめぐって、紛糾しているが、日本が成熟した国だと、とうてい思えない。

国連憲章の51条は、それぞれの加盟国が「個別的又は集団的自衛権の固有の権利」を、持っていることを認めている。

日本は戦後憲法第9条のもとで、自衛権の行使が許容されているという見解を、一貫してとってきた。

国連憲章をみれば、個別的自衛権と集団的自衛権が一体のものであり、不即不離であることが分かる。今日の世界では、独立国が自分の力だけで、国を守ることができない。日本がひたすら縋っている日米安保体制も、その1つである。

集団的自衛権の行使を禁じている憲法解釈を変えることに、反対している人々は、もし、改めたら、日本が再び戦争を仕掛ける国になってしまうと、批判している。だが、日本はすぐにも戦争を吹きかけようとしている国によって、脅かされているのではないか。

それなのに、日本の手を足を縛る議論に、貴重な時間を空費している。それよりも、どうしたら、中国の手足を縛ることができるものか、知恵を出すべき時ではないか。

政府が、集団的自衛権を行使する権利はあるが、憲法が禁じているという解釈を行ったのは、かなり最近で、昭和56(1981)年のことだ。愚かな解釈をしたものだ。

公明党の山口那津男代表が、集団的自衛権の解釈を見直すことに反対して、「個別的自衛権があれば、足りる」と、主張しているが、防衛問題についてまったく不勉強だ。防衛問題について、口を開くべきでない。

私は公明党の山口代表に、個別的自衛権の中身について、早刻、検討をはじめるように提唱することを、すすめたい。

今年2月に、関東甲信と東北が記録的な豪雪によって、見舞われた。私は雪がやんでから、5日後あたりに、テレビのニュースをみて、唖然とした。

安倍首相を囲んでいる映像だったが、「豪雪対策本部」が設置された、ということだった。

他の主要国であれば、大型地震、ハリケーン、洪水などの非常事態に備えて、普段から軍司令官を指揮官として、陸海空軍(アメリカなら海兵隊も加えて)、警察、消防、医療機関、沿岸警備隊、薬品、食品、倉庫、運送会社などを傘下に置いた組織が、常設されており、中央から指示があれば、すぐに災害に対処できる体制をとっている。

日本では、福島原発事故の時にも、閣議が開かれて、まず議論が行われたうえで、ようやく対策が講じられた。

これでは、遅い。個別的自衛権の行使についても、まったく同じことである。

仮に尖閣諸島の周辺海域で、わが海上保安庁の巡視船が、中国の公船から攻撃を受け、海上自衛権の護衛艦がそのすぐ近くにいたとしても、護衛艦は傍観するほかない。

総理大臣が「防衛出動命令」を下令するまでは、武器を使用することが、許されない。

「防衛出動命令」を発するためには、まず閣議が召集される。そのあいだを省略するが、最後に、衆参両院の議決を必要とする。

いったい、どれだけの時間が、失われることになるのだろうか? 世界のどの国も武器使用は、現地指揮官の判断に委ねられている。

個別的自衛権があっても、無いに等しい。


◆「天安門記念館」オープン

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年4月22日(火曜日):通巻第4212号>    

〜香港の民主活動家らが「天安門記念館」をオープン
  六月四日「天安門事件25周年」には世界各地で中国抗議デモと集会〜

香港には尖閣問題で反日行為を繰り返す過激派もいるが、れっきとした反政府愛国団体もある。

ことしは1989年6月4日の天安門事件から25周年となる。

4月20日、「香港市民愛国民主運動支援連合会」は「天安門事件記念館」を香港市内の繁華街にある雑居ビルに堂々とオープンした。市民有志からあつまったカンパが1億3000万円(976万香港ドル)に達した。

スペインでは江沢民(元総書記)に裁判所から正式の逮捕状が出たが、これもスペイン市民の地道な運動が実った。あの暴政、人権無視は許せないと海外の中国人が立ち上がったのだ。

ニューヨークでは民主活動家、人権団体代表など著名な民主活動家が集合して記者会見し、2014年の「天安門事件25周年」を記念するための諸活動計画が発表された。

このイベントのため多彩な民主活動家、団体が超党派で「天下園城」を結成し、まずは世界各地の中国大使館前でハンガー・ストライキなどの示威運動を始めた。

同時にネット拠点を設立し、ネット自由論壇で多彩な議論を展開する一方で、6月4日には全世界の中国大使館ならびに領事館前に集まり、民主化、人権の尊重などを訴える。

NYでの新聞記者会見によれば、この超党派新組織に共鳴している人は8964名に達しているとされ、なかには胡平、王丹らが含まれている。

日本でも民主活動家が中心になって、チベット、モンゴル、ウィグルの代表に台湾独立運動からも代表が参加し、さらに領海問題で中国と揉めているフィリピンとベトナムからも代表者が加わった「天安門事件二十五周年 東京集会」が開催されることが決まった。

同日はほかにも中国大使館への抗議デモや集会が予定されている。

  
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 東京でも「天安門事件25周年 東京集会」開催が決定
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「天安門事件25周年 東京集会」の概要

 とき   6月4日 午後6時〜8時15分(17:30開場)
ところ  アルカディア市ヶ谷 3階大ホール(「富士」、700人収容)
 入場   ひとり 千円 (外国人留学生と学生は無料。ID提示)
 主催   「天安門事件25周年 東京集会実行委員会」
呼びかけ人 黄文雄、石平、相林、ペマ・ギャルポ、宮崎正弘 水島総、鳴霞

共催   「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄 代表)
「国防問題研究会」(玉川博巳 代表幹事)
後援   世界ウィグル会議 チベット百人委員会 モンゴル自由連盟党
台湾独立建国連盟日本本部、日ベトナム島嶼会議 日比同準備会

協賛   日本文化チャンネル桜、日本李登輝友の会、史実を世界に発信
する会

ほか多数の団体と交渉中です

 プログラム 石平が基調報告。国会議員多数が出席予定

発言は中国民主活動家、ペマ・ギャルポ(チベット)、イ リハム・マハムティ(ウィグル)、オルホルド・ダイチン(内蒙古)、王 明理(台湾独立建国連盟日本本部委員長)、鳴霞(旧満州)ほかフィリピ ン代表、ベトナム代表、ミャンマー代表。宮崎正弘、水島総らも発言予定 です。 また「賛同者」として著名文化人、教授、ジャーナリスト、作家ら百名。
現在、最終的な調整中です。詳細は追って発表されます)

◆「核」が日中開戦を抑止する E

平井 修一


(承前)栗栖弘臣・元統幕議長の「私の防衛論」(高木書房)から。

――いまだに野党の(日米安保条約)反対の一番の柱というのが、例の「巻き込まれ論」ですね。その恐れは非常に多いとみなしたほうがいいんですか。

<多いというのかどうか、とにかく巻き込まれなければ日本は孤立するわけですから・・・。日本がかつてあれだけの大失敗をしたというのは、国際連盟から42対1で脱退をして次第に孤立化の道を歩んで、結論的には、日本とは直接関係のないドイツ、イタリアと結ばざるを得なくなった。

そのために日本が破滅の道に入り込んだ。やはり日本にとって一番警戒すべきなのは、孤立化じゃないかと思います。

「巻き込まれ」ということは、日米が結びついているという反証です。こちらの方が日本としてはとるべき選択じゃないかと思います。しかも相手がドイツのような全然日本と関係ない国とではなく、今度は太平洋の中ですぐ隣である、しかも世界で資源的に最も強大、人口も多い、武力も非常に優れている国と一体になっているんですから、これこそ優れた選択の道だといえます。従って、巻き込まれることは当然の選択であるということ
でしょう。

もし巻き込まれないという立場を日本が貫くと、まさにアメリカからも見捨てられる。中国も恐らく日本を見捨てるだろうと思いますし、ソ連は当然見棄てる。そうなってくると、ABCDラインどころじゃなくて、周囲の強国から全部虎視眈々と狙われる形になるんじゃないかと思います>

――有効に条約が発動されるためにはどういうことを日本がやっていかなければならないかですね。

<アメリかは、なかんずく世論の国だと思いますし、「自国の憲法上の手続きに従って」ということになりますと、5年前決められた大統領の権限を制限する法律(注)によって、60日間は行政府だけである程度出兵できるでしょうが、その間でも上下両院が否決すればすぐ兵力を引かなければいけない、しかもベトナムであれだけ痛い目に遭っている以上は、大統領としてもなかなか極東には出さないと思います。

そうなってくると、議会が承認をしなければ、日本に対して、あるいは極東アジアに対しては、まず兵力は出さないということになると、まず議会の承認を得やすいような雰囲気、ということは、平素からアメリカ国民の意識を、日本とはどうしても運命が一体だから助けなければ大変だというふうに仕向けていくことがもっとも重要であると思います。

そのためには、今の極東あるいは日本にいる兵力の展開等に対してもブレーキをかけないと同時に、日米の経済的な摩擦もできるだけ減らさなければいけませんし、文化的な交流――これはアメリカから言えば、NATOは文化的、歴史的に非常に近い、東洋とは(それが)ないんだと、とはっきり言っていますので、そういう点もこちらから求めて作っていくというふうにしないといけませんね>

――一部では、栗栖さんは基本的には安保不信論者であるという説がありまが・・・

<これはとんでもない誤解でしてね。今のままの安保では十分ではありませんよ、という意味ではまさにそうなんですけれども。だからこれを解消しろというんじゃなくて、これを強くしなければいけない、しかも不断に努力しなければならない、こういうことなんです>

――日本は海外派兵が禁じられているので、外で助けてやらない、助けられるだけだという片務性。これで米国が日本を助けてくれますかね。

<それでひとつ疑問は、日米安保には「日本は憲法の規定に従って防衛力を整備する」、その前に「自助及び相互援助の原則に従って」というふうに「自助」という言葉がちゃんとあるんです。自ら助けないということは、初めからアメリカの念頭にない。それがいま日本が侵略された場合に、まず自ら助けないでアメリカさん来てくれというのはどうかという、日米安保の根本的な考え方にも引っかかってくる問題だと思うんです。人に頼むが、自分のために血を流さない。これが一つ。

もう一つは、日本は国連外交、世界平和を口で言いながら外国のために努力をしないという点が非常に問題がありますね。この辺も、もう少し国民のコンセンサスを得て、どちらがいいのか決めて、もし依然として出さないほうがいいとなれば、今度は経済援助なり技術援助、あるいは善意で若い人は国外へ出ていって仕事をする、そういう形で補完する。もう少し世界のために汗くらいは流さないといかんのじゃないかと思います>(つづく)
               ・・・
注)戦争権限法:米国大統領の戦争に関する権限を制約する法律。大統領は軍の総指揮官としての権限を有するが、同法は、敵対行為等に対する軍の投入に際し、大統領と連邦議会が共同で判断することを求めている。1973年制定。

連邦議会の戦争宣言がないまま大統領が軍を投入した場合、48時間以内に議会に報告する義務があり、議会の承認が得られない場合は60日以内に軍を撤退させなければならないことなどが規定されている。(2014/4/21)

2014年04月22日

◆朴政権に打撃 韓国各紙「三流国家」

加藤 達也
 

 【珍島(チンド)(韓国南西部)=加藤達也】300人を超す死者・行方不明者を出した韓国・珍島沖の旅客船沈没事故が社会の安全重視を掲げている朴槿恵(パク・クネ)政権に打撃を与えている。

韓国各紙は「韓国は『三流国家』だった」「国民が不信の烙印(らくいん)を押した“じたばた政府”」などの見出しを掲げた記事を相次いで掲載、政権の対応を批判している。

韓国紙、朝鮮日報は、「国民は政府関係者の事故対応能力がいかに低レベルかを改めて知った」などとし、朴政権が日本の総務省に近い役割とされる「行政安全省」を国民の安全が最優先との方針から「安全行政省」に変更したにもかかわらず、「このざまだ」と批判した。

発表内容の相次ぐ訂正も不信を買っている。乗船者数の把握には3日ほどかかり、船内にダイバーがまだ進入できていなかった18日には「船内で捜索を始めた」と発表、数時間後に撤回した。

韓国メディアによると、政府への不信感を募らせた安否不明者の家族らの一部が、「朴槿恵大統領に責任を問う」として、抗議のためソウルの大統領府(青瓦台)行きを決行。道路を封鎖するなどした警察と対峙(たいじ)する事態となった。

バスで移動することを阻止されたため、家族らは20日午前1時半ごろ待機所となっている珍島室内体育館を徒歩で出発。騒動を収拾するため鄭チョン首相が現場に出向き、説得を試みた。

家族らに取り囲まれる中、首相は「罪人になった気分だ」としながら、「これまで出たすべての(捜索)方法を検討して用いる」と述べると、家族らは「すべて嘘だ」「同じことばかり繰り返している」と反発を強めた。

鄭首相は今回の事故でソウルと現場を度々往復しており、政府の異例の対応ぶりがうかがえる。

韓国では大規模災害時の対応や処理などにあたって、時の政権が直接、世論の批判にさらされることが多い。

1990年代に大統領を務めた金泳三(キム・ヨンサム)氏は、500人以上が死亡したソウル市内の百貨店崩壊事故など在任中に相次いだ大事故の記憶と結びつけられ、韓国民の間での人気は今も低いままとされる。

折しも、韓国政府は25日からのオバマ米大統領訪韓を控え、ソウル市内での警戒を強め、反政府デモや政治的な騒動に神経をとがらせている。

朴大統領はオバマ大統領との米韓首脳会談など、重要な外交日程をこなす一方で、事故の対応にも万全を尽くすことが求められている。  産経新聞 4月21日(月)7時55分配信


◆まだまだ資源は石炭の時代

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年4月21日(月曜日):通巻第4211号>   

 〜中国の石炭火力発電も大気汚染の元凶だが
      豪、インド、米国、そして日本が大型消費というパターンが変わった〜

石炭の国際相場が値崩れを起こした。中国の発電は72%が石炭による火力発電、だから煤煙、粉塵により大気汚染が起こる。それでも世界の石炭消費はふくらむ一方だった。日本にはとうに炭鉱そのものがなくなって、輸入炭に依存している。

ところが東日本大震災直後から日本の原発停止状況によって石炭が見直されたため、原油を炊く火力についで石炭による発電が増えた。

それだけが原因ではない。中国の電力消費が異常なうねりを描いて上昇したため、石炭需要が国内炭では間に合わなくなって、中国は豪、インド、米国、カナダ、南アなどから輸入してきた。

世界消費の50%近くが中国で消費され、日本は微増でしかない。火力発電の新設が日本では容易ではないからである。

豪の鉱山ほか、中国は世界中の鉱山を買収してきた。

異変がおきた。米国のシェールガスである。

米国の石炭火力発電への依存度は26%から近未来には22%へ減少する。

このため米国の石炭在庫がふくらみ、価格が値崩れ、かといって炭坑から積み出し港までに鉄道輸送などにコストがかかり、在庫を一斉に中国に売り切れるというわけにはいかないうえ、長期契約で輸送費が設定されているため、簡単に供給元を変更できないという実情もある。

シェールガスは投資を煽るブームが先行している。

シェールガス埋蔵は米国が6814億立方メートルで、以下カナダ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルと続くが、日本企業はすでに北米とブラジル、メキシコなどに権益を確保した。

ロシアも埋蔵は5923億立方メートル、中国は未確認だが31兆立方と推定されているが、全くの未開発。ドリル技術が後れているためだ。(数字は日本経済新聞2014年4月21日)。

 
 ▲そして中国は南シナ海でメタンハイドレート探査をしていた

シェールガス開発に遅れる中国は逆に南シナ海へ突出した。

ベトナム、フィリピンと領有権を争う海域で資源探査活動を強化していることがわかり、さらに同海域での緊張が深まることになる。

一説に南シナ海でのメタンハイドレート埋蔵は680億トンと推定されているが、まだ商用化できるかどうかは、まったく未知の分野。日本でも日本海での開発が、ようやく探査段階で予算がついた程度である。

こうみてくると、まだまだ資源は石炭の時代なのである。

世界の石炭大手はBHP・ビルトン(英豪の多国籍企業)、グレンコア(アングロ・スイス)、ピーボディ・エナージー社とアーチコール社はともに米国企業だ。いずれも公害対策に頭を痛めている。

米国ミシシッピー州には巨費を投じての石炭火力発電所が建設されるのも、シェールガスは地中深く、パイプラインと掘削技術の高度化が求められている。 

ガス代金の半値で済むためドイツさえ一部を火力発電に切り替えている。 石炭火力発電で粉塵をほとんど出さない見本発電所は日本だけ。煙突が200メートルで、しかも無人地帯に立っているが、中国では町中にあって煙突の高さが30-50メートルしかない。

したがって煤煙、粉塵、発電所近くは煤と匂いもついてまわる。中国での公害反対運動はますます燃え広がりそうだ。
       

2014年04月21日

◆韓国船沈没ルポ 倒れ込むダイバー

加藤 達也
 

【珍島(チンド)(韓国南西部)=加藤達也】多数の船がひしめく海上には、鼻を突く油の臭いが漂っていた。19日に訪れた旅客船「セウォル号」の沈没現場。「無事発見」の知らせを願う安否不明者の家族の希望を背に、韓国海洋警察のダイバーたちは疲労をにじませながら必死の捜索を続けていた。

沈没した海域は珍島から南西に約20キロ。記者が乗った全長約15メートルの釣り船は午前7時50分、珍島の小漁港、西望(ソマン)を出港した。

中小の島々の間を縫うように進みながら、暗礁が潜む海域であることを実感する。うねりは想像以上に高く、風も強い。陸の気温は11度だったが、釣り船の船長は「風もあるし、体感温度は7、8度以下だろう」と話した。

出港から約1時間後、海上に巨大なクモの足のような物体が姿を現した。船体引き揚げに備えて投入された巨大クレーンだ。現時点では作業開始のメドは立っていない。

さらに進むと、強い油の臭いが鼻を突いた。甲板に出ると、沈没地点を示す大きなエアバッグのような形をした黄色いブイが見えた。おびただしい数の艦船が目に入る。

海軍の救難チームの隊員とみられるダイバーが、海上に頭を出してはボート上の隊員に引き上げられ、倒れ込む姿が見えた。鍛えられたダイバーでも潜水時間は十数分が限度という厳しい状況がうかがえた。

透明度の低い緑色の海面には油が漂う。セウォル号から流出した燃料やオイルだ。海域には海洋警察や海軍の艦船のほか、世界中のメディアがチャーターした船がひしめき合っていた。

しばらく徐行して進んでいると、側面に「海洋警察」と書かれたオレンジ色のボートが急接近してきた。記者が乗った釣り船にぶつかると、乗組員が「接近しすぎるな」と大声で怒鳴って走り去った。

時計を見ると、異常が起きたセウォル号が救難要請信号を発した午前9時前に近づいていた。

この海の下に、大勢の人々を乗せた巨大な船が転覆して沈んでいる。そう思った途端、釣り船が大きく揺れた。

冷たい手すりにつかまっていなければ海に投げ出されてしまいそうな激しさだ。もしも自分が乗った船が突然沈み、暗い船室に閉じ込められたら…。そんな恐怖感にとらわれた。
産経ニュース4月20日(日)7時55分配信

◆目標達成のオバマケアに根強い反発

小雲 規生


バラク・オバマ大統領(52)の看板政策である医療保険制度改革(オバマケア)をめぐる根強い党派対立が浮き彫りになっている。

オバマ氏は1日、オバマケアの保険加入の登録者が目標を上回る710万人に達したと発表した。しかし米国民の間では、安価な医療保険の浸透を目指す意義への支持は集まるものの、罰金を科してまで個人に保険加入を義務づけるオバマケアの手法には反発も根強い。

共和党はこうした不信を受けて、オバマケア批判を中間選挙の争点に位置づける考えだ。ただしオバマケアへの代案策の検討は難航している模様で、「反対するだけの野党」から抜け出せていない面も残る。

勝利を宣言

1日午後、ホワイトハウスのローズガーデンで、登録者数の目標達成を発表したオバマ氏の表情は自信にあふれていた。声明では「どうして彼らは国民が健康保険を持つことを必死になって邪魔しようとするのか」と、オバマケアに反対してきた共和党を厳しく批判。「オバマケア廃止をめぐる議論は終わった」と、勝利を宣言した。

オバマケアは約4800万人の無保険者がいる米国の現状を打開しようとするオバマ大統領の看板政策だ。2010年3月に成立した関連法は、個人の保険加入義務化などを盛り込み、米議会予算局は16年末までに無保険者が2500万人減少すると予測する。
 
オバマケアをめぐっては昨年10月の登録開始後、医療保険を比較して購入できる連邦政府運営のウェブサイトで大規模なシステム障害が発生。このため登録が締め切られる今年3月末までの目標だった700万人の達成は不可能とみられていたが、有名人を起用したテレビ広告などのPR作戦で挽回に成功した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は1日、「意義深い成果だ」と評価した。

有権者の58%が否定的

ただしこの目標達成がオバマケアへの全面的な支持を示しているわけではない。米世論調査会社ラスムセンは7日、有権者の58%がオバマケアを否定的にみているとする調査結果を発表した。オバマケアで健康保険の質が悪くなるとの回答は53%で、共和党支持者の間では85%にのぼっている。

オバマケアが不人気な理由のひとつが、「個人への保険加入義務付け」だ。医療保険未加入者は14年には95ドル、15年には325ドル、16年以降には695ドルの罰金を支払わなければならない。3月26日に発表されたカイザー家族財団の世論調査では、加入義務付けに好意的な回答は全体の35%に留まった。

またオバマケアは低所得層の保険料負担への支援などのため、10年間で約1兆5000億ドル(約155兆円)の財政負担をもたらすと試算される。貧しい境遇からでも努力を積み重ねて幸福を手にすることに重きを置き、自らも実践してきたと自負する保守層には、オバマケアに象徴される国家からの支援を重視したリベラルな政策は「安易な救済」に映る。

中間選挙でも争点に

保守層から支持を受ける共和党はこうした不満を背景にして、中間選挙でもオバマケアを争点に据える構えだ。ただしオバマケアでは、保険会社に病歴を理由として保険加入を拒否することを禁じる条項などには支持が多く、単に「オバマケア反対」と叫ぶだけでは有権者の納得を得られないのが現実でもある。

共和党のポール・ライアン下院予算委員会委員長(44)は米メディアの取材に対し、「オバマケアは根本的に間違っている」として見直しの必要性を主張。さらに「巨額の財政負担を伴わないかたちで、病歴がある人たちを含め、国民全体が安価な医療保険を得られるようにすることは可能だ」として、共和党として独自の改革に取り組む考えを示した。

しかし米通信社ブルームバーグは9日、共和党によるオバマケアの代案の概要の発表時期が当初予定されていた4月中から、後ずれすることになったと報じた。

代替策には民主党からの強い反発が予想されるだけでなく、保守層の強硬派から「オバマケアに融和的で弱腰な内容だ」との批判を受ける恐れもあるため、慎重な検討を続けているとみられる。

昨年10月の政府機関閉鎖以降、共和党には代案を示さない無責任な政党だとの批判が増しているが、支持層をひとつにまとめながら現実的な代案を示すことは容易な作業ではない。(在ワシントン支局 )産経ニュース【アメリカを読む】2014.4.20
    

2014年04月20日

◆中国人コミュニティー動揺

黒澤 潤


カナダ政府の投資移民プログラム見直しで、中国人コミュニティーに動揺が広がっている


カナダ政府は2月中旬、一定額の投資を条件に永住権を外国人に与える移民プログラムを大幅に見直す方針を打ち出した。永住権取得後に資産だけを移し、実際には居住しないなど問題が多いことが背景にある。

今後、 投資額の引き上げなど条件を厳しくし、受け入れ対象者を制限するとみら れるが、申請者の多くが中国人であることから、カナダ国内の中国人コ ミュニティーには動揺が広がっている。

経済の貢献度低く

「政府の新方針は、われわれを“狙い撃ち”にするものだ。カナダ政府は昔と違って、私たちに非友好的になっている」。異国情緒あふれるバンクーバーのチャイナタウンで、宝石業者の中国系カナダ人、フランシス・ワン氏(40)は吐き捨てるように語った。

1986年から施行されているこの移民プログラムは、政府関連事業に 80万カナダドル(約7500万円)を5年間、無利子で融資した場合、 永住権を獲得できるというもの。取得した外国人は18万5000人に上る。

目立つのが中国人の富豪だ。97年の香港返還以降増え、最近は経済成 長著しい中国本土からの申請も相次ぎ、全体の半数以上(9万7000人)に上る。

カナダ政府が方針転換に踏み切ったのは、投資家の多くがカナダに実際住まず、期待通りの税収を上げられないほか、企業創設を通じて雇用創出を図るといった実体経済への貢献度が低いことが背景にある。

中国人富豪を“狙い撃ち”か

一方、中国系以外の住民からは新方針に賛成の声が出ている。8年前にカナダに移住したインド系のサム・フーダさん(50)は「市内のマンションには空き室が多い。中国の富豪たちが購入したのに住まず、貸し出そうとしているからだ。そんな中、私は日光もろくに入らない地下の部屋を借りている。賃貸価格が早く下がればいい」と期待する。

11年の永住権申請者の86%を占めたという中国本土の人々に向ける香港系住民の視線も厳しい。9歳のころ、親と香港から移住した女性会社員のスージーさん(29)は「本土の人々は香港に来ると子供に街中で平気で排泄(はいせつ)させるなど、同じ中国系でも香港の人々とメンタリティーが違う。

永住権を取ろうとする本土の富豪の中には、汚職で金を得た人々も多くいるはずだ。こうした人々とカナダで(同じ中国系として)ひとくくりにされるのは真っ平だ」と冷たく突き放した。(カナダ西部バンクーバーにて)

              ◇

在カナダの中国人 1850年代以降、西部地域のゴールドラッシュや、カナダ太平洋鉄道の建設にともない流入。19世紀後半、人頭税が課され、1920年代には排斥を意図した中国人移民法が成立した。カナダ政府は2006年に謝罪。中国系人口は百数十万人で、全体の3%強。   産経ニュース 2014.4.19

◆日本の女性化:去勢

MoMotarou


男女平等というのは戦後一貫して、新憲法と一緒に綿の御旗になってきた。

                      長谷川三千子 哲学者

           ★

「憲法三原則(主権在民・基本的人権の尊重・平和主義)の中には入っていませんけれども、男女平等と言えば、みんなが「へへぇー」とひれ伏してしまうような錦の御旗として、戦後五十年、日本に君臨している。」 
                            (同上) 
20万人移民導入。安倍政権になって突如、とんでも無い計画が浮上してくることがあります。経済がらみが多く、その司令塔は恐らく「経済諮問会議」でしょう。

■金に振り回される政権

配偶者控除や移民導入計画など民族の根幹に係わる事が「経済性」のみの視点から提案される。企業の要望という事でしょうが、その企業自体が海外の巨大ファンドに支配されてきているので、日本民族性などはお構いなしになるのでしょう。ドルに「日の丸」は印刷されておりません。

■女性を盾に使う安倍政権

女性を家事・家族の世話から開放する。その為に外国から移民する。ところで「日本語」は話せるのでしょうか。シナやハングルなど反日的思想から引っ張ってくると子供にも可笑しなことを教え込まれるでしょう。

また「おしん」を見て涙する国民性から、家政婦を大事にし過ぎて使い切れない。いずれ人権派活動家が「儲けの種」にして騒ぎ出します。家政婦の移民はカモフラージュで、「女性の家事」からの解放を宣伝して実体を隠そうとしているのです。あの「消費税を福祉に使う」という論法と同じでしょう。巧妙だ。

■女性ばかりが人間ではない。

安倍政権になって「女性の??、女性の??」という言い方が多すぎると思います。票目当てであるのはわかりますが、女性と男性を分断しているのに気が付きます。まさに「変態男女共同参画」の精神が支配してます。

■日本を蝕む変態精神

最近日本の若手男子の女性化が進んでいるのではなかと気になります。「少子化」の問題は女性を取り巻く「環境」にあるのではなく、男子の「去勢化」にあると思います。この線で未来をみると日本から「男らしさ」は無くなって、外国の侵略を許す事になるでしょう。

「アマゾネス」を目指した国は地上には一国も残っておりません。やはり日本は危ない。民族精神を歪める思想が国の中枢部に侵入している。この影響から逃れるには、国民一人ひとりが「家庭・家族」を大事にし「常識」でもって防御することが大切でしょう。

■精神の「変態構造改革」を許すな!

日本は経済で倒れるのではなく、「精神」によって衰退していきます。サチャーさんやレーガンさんが大切にしたのは「精神・教育」でした。日本の共産主義化を食い止めよう!


◆「核」が日中開戦を抑止する D

平井 修一


(承前)栗栖弘臣・元統幕議長の「私の防衛論」(高木書房)から。

――結局、いくら条約を結んでも、最終的には自分の国の国益が第一である、そういうものを乗り越えて他国の救援に赴くようなケースはまずない。

<ま、そういうこととも言えますね。それは今の(条約を守るという)意志の問題でしょうが、意志があっても客観情勢でどうしてもできないという場合がやはりありますね。

条約が国益を超えるかどうかという問題は、1939年に独ソ不可侵条約を結んでいながら、翌々年の41年にはすでに(独ソは)戦端を開いております。これなんかは一つの方便として結んだのだ、時間を稼いだのだと言われていますから、初めからお互いに守る意志はなかったということもあるでしょう。

それから、1945年に日ソ中立条約をソ連が一方的に破棄したわけですが、これなどは戦局の進展状況、つまり客観情勢に応じて途中で意志を変えて破ったんだという例になるでしょう。

日本でも台湾との間の日華平和条約を外務大臣の声明によって破棄したという事実がありますね。憲法98条で誠実に条約は遵守しなければならないと言っているのを、日本が政策的な見地から破っているわけです。これなんかは明らかに、自国の国益が最優先するという証拠かと思います。

おもしろいのは、核拡散防止条約の10条に「自国の至高の利益を危うくするにいたった場合には条約から脱退することができる」という条文が入っいるんです。これは今のように、国益を優先していつでも条約を破ってもいいというのではなくて、その考えも取り入れて、条約の中で、最終的には国益の方が優先しますよ、ということをはっきり述べた例だと思います>

――特に核の問題になってくると、日本は核の傘の中に入ったというのでおさまり返っていますが、あれだけ(米国と)親密な関係にあるNATOでも、いざとなったらアメリカが自国に報復されるおそれを冒してまで核を使ってくれるかどうかが問題になっていますね。

<いろいろな問題があります。しかもちゃんと核運用委員会を持っているんですね。それである程度の情報はお互いに交換をしているわけです。それですら、事があれば、各国首脳が絶えず米国に念を押している。

ところが、日米安保の中ではそういう委員会はありません。したがって、核そのものの情報もまず日本には知らされていないというようなことで、NATOでも核の傘が疑問になるときに、日本が具体的な詰めもなく「いや、大丈夫」というところにやはり認識のずれが非常に大きいと思います>

――破れ傘だということですか。

<破れているかどうかすらわからないということです(笑)。案外やってくれるのかもわからない。そういう点は否定はしないんですが、わからないということです。

核問題は、現在、日本は核拡散防止条約に加盟したわけですし、国際条約を遵守するということは憲法にも明示されているので、それに対してとやかく議論する段階ではなくなったと思います。しかし考えなきゃならぬことは、政治的な問題、あるいは国民感情的な問題、国民経済的な問題、および軍事的な問題だろうと思います。

政治的な問題としては、これはフランスあたりでよく言われる議論ですけれども、世界の国は三つの分類の中に入る。

一つは「核超大国」であって、これは自分自身の運命のみならず、その周辺国の運命まで左右する力を持っている国である。次が「中級核国家」で、これは米ソ以外の、核を装備した国である。周囲の国まで巻き込む力はないけれども、自分の国の運命は自分の手で決定し得る国である。その他は、「自国の運命を他国に依存している国」であるというふうに言われているのです。

次に国民感情上の問題としては、米ソが持っているということは、とても戦力が隔絶してて、別格として考えるというので、我々はあまりびっくりしません。フランスとかイギリスが持った時には、あれは遠い国だというので大して驚かなかったと思いますが、中国が10年前に開発、実験したときには、日本人は心では相当ショックを受けたろうと思います。

しかしその後、中国は非常に巨大な国であることが言われるようになって、まあやむを得ないだろうという一種の日本人的な劣等感といいますか、諦めが頭を占めてきた。

しかし問題は、日本周辺の韓国なり、台湾などが核兵器を開発した、あるいは一発でも持ったということになると、国民感情としてどういうふうに考えるのだろうか、この点が考慮すべきもう一つの点だろうと思います。

国民経済的な問題としますと、開発、生産が日本の経済力でカバーできるということは当然でありまして、技術ももちろんこれに伴っていると思いますが、持つ場合と持たない場合とを考えて、世界の資源というのはだんだん乏しくなっている。しかも日本は資源をほとんど他国に依存しています。食糧も燃料もそうです。

そういう情勢が強まったときに、ぎりぎりの線で、なるほど現在のところは兵器が欲しい、こういう国が多いだろうと思いますが、さらにいきますと、核開発能力が欲しい、それを与えてくれる国には乏しい資源を分割してもいいけれども、そうでない国へは輸出しないというふうな事態がないとも限らない。そういう点も考慮条件の中に入れるべきではないかと考えます。

軍事的な点としましては、通常、「核が核を呼ぶ」、少々の核装備をすると強大な国の核にたちどころに潰されるから、まったく意味がない、巨大な労力、金額を投資しても無駄である、こういうことが言われているのです。

核が核を呼ぶという理論は、私は核超大国間の理論だと思うのです。核超大国間で事を構えるとすれば、生きるか死ぬかの戦争を予期しなければいけませんので、あらゆる手段を使って――先制攻撃も考えるでしょうし、核の全面使用も考えるでしょう。

こういう場合には、相手に核があれば核で叩くということが当然考えられるけれども、中級核国家、さらに進んでは核を持たない国が若干でもそれを持った場合に、これを叩き潰すというために大きな国が核を使うということは、非常な決心を要する問題だろうと思います。

今でも核超大国は、先に核は使いませんということを言っておりますし、世界の世論もそうです。

核の中でも、戦略的な核と、戦術あるいは戦域的な核との区別が言われております。戦略的な核というのは、相手の国の心臓部、あるいは相手が致命傷と考えられるようなところにも被害を与え得るような核でありましょうし、戦術的な核というのは、戦域というか、戦場においてこれを行使する程度の核だろうと思います。

したがってこの両者を分けて核問題を考えないと、これを混淆して考えるとまた議論がおかしくなってくると考えます。

核問題を考える上においてのさしあたり考慮すべきいろんな点を申しましたが、わが国に当てはめてみて、今この問題を議論するということは、日本の国の方針、あるいは政策のみならず、条約加盟という国際的な約束をした以上は、これを取り上げる時期ではないと考えます。
・・・

栗栖先生、日本人が昼寝をしている間にパンダ中共は核超大国の怪獣キマイラになり、日本は「核問題を取り上げざるを得ない時期」になってしまいました。嗚呼、如何にせん。(つづく)(2014/4/16)

2014年04月19日

◆河野談話見直し自民党も奮起を

阿比留 瑠比


慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話の見直しを求め、2月20日から署名活動を行ってきた日本維新の会の「歴史問題検証プロジェクト・チーム」は18日、座長の中山成彬元文部科学相らが首相官邸を訪ね、菅義偉官房長官に集めた署名を手渡す。

わずか2カ月足らずで、14万2284筆もの署名が集まったというか ら、国民がいかに河野談話の「毒」に傷つき、悩まされてきたかがうかが える。

「印象的だったのは、幼い子供がいる若いお母さんたちが『子供のために』と署名してくれたことだ」

中山氏はこう語る。裏付けもないまま韓国にへつらって作られた河野談話によって、将来を担う子供たちが辱めを受け続ける事態は避けたいという、親の切実な願いが胸に響く。

維新では、山田宏筆頭副幹事長もこの問題で金星を挙げている。河野談話作成時の事務方トップだった石原信雄元官房副長官の国会参考人招致を実現させ、「作成過程で(韓国との)意見のすり合わせは当然行ったと推定される」との証言を引き出した。

これが、政府が河野談話の作成過程の検証に乗り出すきっかけとなった。政府高官は14日、記者団にこう語っている。

「(検証チームの)人選はほぼ決まった。時間のメドも考えている」

菅官房長官も11日の衆院内閣委員会で検証チームの構成について、法 曹関係者、マスコミ、女性などを例示し、結果は国会の要請を受けて公表する考えを明らかにした。

平成5年の発表以降、20年以上も国民の目から隠されてきた河野談話の実態が、ようやく日の目を見ようとしている。維新の功績を多としたい。

それに比べ、パッとしないのが自民党である。先人たちにいわれなき罪を着せ、日本を「性奴隷国家」におとしめてきた河野談話を批判することに対し、あまりに及び腰だと感じる。

維新は石原氏だけでなく河野氏本人の参考人招致も求めたが、自民党は「犯罪関係を除き、元衆院議員を参考人として呼んだ例はない」として拒んだ。

苦しい言い訳だが、実際は、河野談話発表時に自民党総裁も兼ねていた河野氏への気兼ねからだろう。

だが、そんな身内に甘い姿勢で国民の理解や評価が得られるだろうか。むしろ相手が元自民党総裁だからこそ、国会で説明責任を果たすよう説得するぐらいしてはどうだろうか。

9年6月には自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が勉強会に河野氏を招き、堂々と河野談話に異論を述べている。安倍晋三事務局長(現首相)は、談話の根拠となった元慰安婦16人への聞き取り調査の裏付けが取られていなかったことについて、こう訴えた。

「もう一度検証をちゃんとするか、事実として確定していないということにしなければいけない」

また、議員の会編の記録「歴史教科書への疑問」には、当選1回だった菅氏もこんな言葉を寄せている。

「未来にはばたく青少年が、わが国の近代について間違った意識を持ち、わが国に誇りを持てなくなるような事態は、何としても避けなければなりません」

現在の若手議員にも、志を抱き奮起することを望みたい。

              (政治部編集委員)産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2014.4.18