2014年04月19日

◆中国農地汚染 食糧生産危機に直面

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年4月18日(金曜日)弐:通巻第4209号>   
 
〜汚染された中国の農地はメリーランド州の面積に匹敵
農地はカドニウム、ニッケルそして砒素で汚染され、食料生産も危機に直面〜

4月17日に発表された中国環境保護部の報告書は衝撃的である。

中国の農地の五分の一が、急速な工業化の結果、毒性の強い化学薬品、農薬などで汚染され、次の農業生産が危ぶまれているという。

以前から公害反対運動は中国全土で拡大してきた。汚染された河川の水を生活飲料としてきた農村などでは、奇病が蔓延し、電池工場や化学薬品、染料や農薬工場付近では夥しいデモが警官隊と衝突を繰り返した。
 
報告に拠れば中国の土地全体の16・1%が汚染され、農地では全体の19・4%が汚染されている。この調査は環境保護部が2005年4月から13年度末まで8年をかけて、およそ240万平方マイルの土地を調べた結果である。

主な原因とは農薬、汚染水、殺虫剤の大量使用などが挙げられたが、とくに汚染された農地のうち82・8%で、毒性の強いカドニウム、ニッケル、砒素が発見され、その総面積は米国のメリーランド州全体に匹敵する。

PM2・5問題は北京や上海だけのはなしではない。中国全土の大気汚染は偏西風にのって朝鮮半島から日本にまで及んでいる。

「愛国主義による中華民族の復興が中国の夢」などと、抽象的なスローガンを並べる指導層は現実をどうみているのか。

李克強首相は「中国の夢」と問われて、「きれいな空気を吸い、安全な水がのめること。それが夢だ」と語って習近平を皮肉ったものだったが。

◆「核」が日中開戦を抑止する C

平井 修一


栗栖弘臣・元統幕議長の「私の防衛論」(高木書房)から。この本はインタビュー形式で、聞き手は産経新聞の牛場昭彦氏だ。前文はなく、あとがきに栗栖氏はこう書いている。

<去る7月(1978年)、私が臨機退官して以来、高木書房以外にも他の多くの出版関係者から、何か書かないかとか、従来書き溜めた物を纏めて見ないか等のお誘いを受けた。

残念ながら現在の私には、一冊の本を書く余裕も纏める時間もなく、すべてお断りしてきたが、高木社長より対談でもよいからと強く言われ、それならなんとか出来そうだと思い応諾したのである。

が、私如き者の言うことが、果して、一般に役立つのか甚だ疑問に思うし、また対話の為十分に考えることが出来ず、意を尽くさない表現も到る所に存在するので、読者の方々にまことに申し訳なく感じている。

もとより私は一介の自衛官に過ぎなかったので、広く文献を漁り、内外の要人や専門家と会談する機会に極めて乏しく、専ら自衛隊の現場にあって考えて来たものである。いわゆる評論家や学者と異なる所ありとするならば、私は現実を通じて考察するのに対し、そういう人々は、理論や他の人々の言い分を分析しているからであろう。

本書に多少とも存在価値があるとすれば、それは、世の中の平穏な時、騒々しい時とを問わず、黙々として国防の任務に励んでいる全国二十数万の現職自衛官の声なき声を含んでいるからである>

以前にも紹介したが、栗栖氏は1978年7月、「週刊ポスト」誌上で「現行の自衛隊法には穴があり、奇襲侵略を受けた場合、首相の防衛出動命令が出るまで動けない。第一線部隊指揮官が超法規的行動に出ることはあり得る」と有事法制の早期整備を促す“超法規発言”を行った。

これが政治問題化し、栗栖氏は記者会見でも信念を譲らず、同様の発言を繰り返したため、文民統制の観点から不適切として、時の防衛庁長官・金丸信(北への支援の見返りに金塊をもらって自滅した売国奴)に事実上解任された。

日本では本当のことを言うとクビになる。それは栗栖発言からちょうど40年後の2008年10月、田母神俊雄・航空幕僚長が「日本は侵略国家ではない」と言ってクビになったのと全く同じである。40年間、政府はこと国防についてはまったく暗愚のままだったのだ。恐ろしいほどの不作為である。

40年間、いや1945年の敗戦の時から70年後の今日まで、ほとんど無為無策で、今頃になっても憲法改正も集団的自衛権容認もできず、核武装についてもまともな議論さえなされないままだ。だから栗栖氏の問題提起は今なお(悲しいことに)新鮮である。しかし、がっくりしたところで諦めたらおしまいだ。さあ、勇気を鼓舞して読んでいこう。

             ・・・

――日米安保条約は世界でもただ一つの片務協定だと言われています。

<言われていますね。これに対して、日本のやや我田引水があるかもしれませんけれども、我々は基地を提供している、それでちゃんとギブ&テークだという説があります>

――片務協定の上にいろいろ条件を付けて、挙句の果ては事前協議でチェックする。相手の手足を縛ることばっかりやっていて実際に(安保機能が)働くか、という点は野党からも指摘されています。

<その点、非常に問題ですね。核の傘に頼ると言いながら、核の日本への持ち込みということを寄港にまで拡大して、非常に厳格に規制している点も問題があると思います>

――最終的には核の傘に頼ると言っていながら、国是としては非核三原則できれいごとを言って済ませている。

<結局あれは、抽象的に考えた、あるいは核の傘というのは――大きな戦略的な核の傘、これはかぶっているんでしょうからね、かぶせているのは米ソの本国対本国でかぶせているかもしれません。そういうことを考えただけじゃないでしょうか。具体的にどうのこうのということまで考えた非核三原則じゃないと思います。

政治的な一種のスローガンとして出てきたということじゃないかと思います>

――安保条約の前提になっている極東の範囲の中で、台湾がああいう(孤立的な)状況になってしまった。韓国の価値が、アメリカがどういうふうに見ているか評価はいろいろあると思いますけれども、絶対的な価値から、可能な限り韓国を持ちたいというふうに変わってきたんじゃないかということになると、六条(日本国内の基地使用)の持つ意味が非常に薄くなってしまうという見方もできる。

アメリは当然、腹の中では安保の見直しを思っているかも分かりませんが、日本自身はどうなんでしょうか。

<日本では政治情勢上、なかなか難しいんじゃないでしょうか。現状を維持するのがやっとだという感じですね>

――いざという場合に、アメリカは日本を救援するだけの余力はあるんですか。

<昨年、アメリカは、極東において何か事が起こる可能性について次のように言っています。

一つは、朝鮮半島においてソ連および中国の支援のもとに北が攻勢に出る。

二つは、アジアにおける米ソ衝突、

三つは、米中戦争、と分類していましたが、本年はこの三点とも否定的な見解になっている。

むしろ戦争の原因としては欧州、次いで中東、ペルシャ湾、それから最後に外部からの支援を受けた北朝鮮の攻撃と述べ、中ソ関係から見て半島情勢は比較的安定していると判断しています。

つまりアメリカの考え方として、北太平洋地域においては当分、現状態が継続するという状況判断をやっているわけですから、従って、そこに万一火が噴くにしても、その可能性は極めて少ないし、大体現地でおさまる程度のものであろうと考えて現在の戦略体制を見直しているだろうと思います。

そうすると、日本人が考えているように、何かあったら必ず来てくれるという問題は、アメリカの頭の中にどの程度比重を占めているかということをもう一度考えてみる必要がありそうですね。もちろんアメリカは条約を遵守する、これは民主主義体制ですから誠実にそう思っていると思います。

しかし、条約が機能するためにはいろいろな条件がある。まず、意志というものがあります。それから能力、もう一つ客観情勢がある。

第二次大戦の直前を見てみますと、1939年になってイギリスは、ポーランドがナチスの餌食になりそうだというので、これを保障すると言ったら、ポーランド側としてはもう少し明確な条約の形で保障してもらいたいと主張して39年8月25日に正式協定が結ばれたわけです。ところが9月1日にドイツはポーランドを攻撃した。

これに対してイギリスは、直ちに力の及ぶ限りポーランド政府に支援を与えるという約束が物理的に履行できず、9月3日にドイツに対して宣戦布告したというのにとどまった。これは、初めからイギリスにはポーランドを保障する能力が地理的にもなかったわけです。ポーランドは強大なナチをとび越えたその向こうなんですから、初めから能力がなかったということが言えると思います。

次に意志の問題。たとえば、初め、米国は台湾あるいは韓国に対して十分に救援するつもりだったと思うんですが、今のような客観情勢が出てきますと、米国がどの程度台湾なり韓国に対して実際上、保障する意志があるかという点が問われるような時代になってきた。意志なり、能力なり、客観情勢の三つの条件がそろわないと、なかなか攻守同盟の実効性というものは期待しにくい。

言葉を換えて言いますと、こういう条約は約束したけれども、確実な保障を与えられたことではないんだということになると思います。これは、日米がそうだという意味じゃなくて、論理的にも、歴史的にもそういうふうなのが同盟条約の宿命ではないかと思います>(つづく)(2014/4/17)

2014年04月18日

◆中国の不動産 68%下落する

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
」 

<平成26(2014)年4月17日(木曜日):通巻第4206号>    

 〜中国の不動産価格はどこまで崩落するだろうか?
   市場の規則は半値・8掛け・2割引(つまり68%下落する)〜

公害反対の暴動が新型であるとすれば、いま中国の都市近郊でおきているのは「不動産バブル崩壊序曲」のモデル模型展示ショーケースの打ち壊しである。これは、暴動前夜の「予行演習」にあたるかも知れない。

不動産価格が下落し始めたところ高値で買った居住者が「金返せ」と押しかけ、あげくにモデルルームや販売模型の破壊をはじめた。

日本のマンション販売はサンプル室に内装をすませ、調度品をかざったギャラリーとなっており、そこで商談を進める。

中国はコンクリ打ちっ放しの状態で販売する(インテリアはフロア、トイレ、内装、電気配線と電球一式はマンションの購入者が負担)。高値で買った人たちは、価格が下落すればローンの負担が重荷になり、手放したくともすでに買い手がいない。

そこで徒党を組んでデベロッパー相手に「金返せ」「値上がりしない責任を取れ」などと呼号しながら、モデル模型展示場へおしかけて「下落した差額を補償せよ」などとわめいて模型をぶちこわし始めた。一部地域ではない。ほぼ全土的におきている。

不動産バブルが崩落し始めたが、まだ序の口。市場の原理は「半値・8掛け・2割引」だから50%x80%x80%。つまり100が32に化ける。極端な話、中国の不動産価格は過去10年で10倍になったから、10分の1に戻るのが自然だろう。

さてこういう問題が国内でおきていても習近平執行部は対外政策を重視して、日本攻撃に余念がないが、マレーシア航空機遭難の捜索活動に主力艦船を投入したため、海軍パレードを中止するに至った。

同日、第一回の国家安全保障会議(議長 習近平)が開催されたが、最初の報告は貴州省貴陽で武器密輸団が摘発され、銃15000丁とナイフ12本が押収されたという衝撃の武器密輸事件だった。

同じ頃、習近平に政権の座を譲って軍事委員会主任のポストも蹴飛ばして野に下った胡錦涛前総書記が、胡耀邦の生家を訪問したというニュースだった。

というのも、その前日に胡耀邦の息子で太子堂改革派の領袖とされる胡徳平が訪日して菅官房長官と会見した上に、安倍首相が秘密裏に面会していたことがわかった。

中国では共産党トップが引退した場合、対外的行事に姿を現してもニュース種にはならず、また外国人訪問客とも席巻が禁止されている。胡錦涛が表立って行動を起こしたことは「裸退」の潔さを示して官場から消えてきただけに異形であり、すわ団派の逆襲かと騒ぐのである。

(胡徳平来日の意義を重大に伝える日本のメディアはおかしい。小生は某誌にコメントしたが、日中間の影響力なし、胡耀邦ラインは日本でも中国でも壊滅状態にあり、実権を握るのは楊潔チ、王毅、唐家旋あたりだろう、と書いた)

◆奴隷貿易は誰が公認したのか

池田 元彦


「大統領の執事の涙(=Butler)」と言う映画がある。アイゼンアワーからレーガンに至る7代の大統領に仕えてきた黒人執事の数奇な半生を、白人による黒人への家畜扱い差別の時代から、公民権運動、ブラックパンサーそして現代迄をシンクロさせて描いた映画だ。

米国黒人奴隷の嚆矢は1618年バージニアで黒人20名をオランダ人から買上げた時だ。欧州からの白人労働者同様、年季を勤め上げれば解放されていたが、徐々に各地で奴隷化されプランテーションで酷使され、1640年には既に黒人奴隷容認の判決も出されていた。

奴隷容認判決の根拠は黒人が英国市民でなく英国慣習法の適用外と言うのが理由だ。北部では主に金持の従僕、南部ではプランテーションの栽培奴隷。南部の州によっては人口の65%迄占めたという。奴隷貿易は税金を支払えば保障すると合衆国憲法判断も出た。

更に最高裁判所は1857年、黒人は子孫も含み市民ではなく所有者の財産、との判決も出た。リンカーンの奴隷解放宣言6年前である。リンカーンは直前迄奴隷解放より連邦統一が最優先だと言明していた。奴隷解放への本気度は、少なくとも連邦維持の下位だった。

1870年黒人の選挙権が憲法で認められ、一時は黒人州知事、上下院議員も誕生したが、20年後には逆戻りし、南部諸州では交通機関やレストラン等の施設、或は学校における人種差別隔離が州法・市条例等により正当化され。白人席、黒人席が明確に区分された。

戦後、公職における人種差別撤廃、軍隊内部での人種差別禁止等を経て、1954年公立学校における人種差別禁止が憲法で制定された。1957年アーカンソー州リトルロックで州知事が黒人入学を州兵出動迄して阻止し、アイゼンハワーが政府軍を派遣し黒人を保護した。

奴隷解放宣言100年目前後から公民権運動が全米に盛り上り、1964 年公民権法が制定された。選挙時の読み書きテスト等恣意的投票手続準禁止、人種等による宿泊飲食を含むサービス、設備、特典、利益、便宜の完全かつ平等、公教育や雇用の差別排除が定められた。

奴隷は戦勝国が敵の統治者一族は皆殺し、捕虜や子女は奴隷にするのが一般だった。それを事実上ビジネスとして公認したのはローマ教皇ニコラウス5世だ。1454年キリスト教徒白人のみが神に愛された人間と認め、異教徒非白人の永遠の奴隷化と奴隷貿易を認めた。
 
大義名分で理論武装したポルトガル人等々は良心の呵責なく大量の奴隷を家畜扱いした。

秀吉は宣教師に対し、日本人奴隷の現況を叱責した。後の伴天連追放令第10条は奴隷売買禁止を明記する。天正少年使節団の記録では、50万人の日本人奴隷がいたと綴っている。

「行く先々で日本女性が何処まで行っても沢山目につく。肌白く見目良き日本の娘達が秘所丸出しに繋がれ、弄ばれ、奴隷らの国に迄転売されていくのを正視できない。

鉄の伽を嵌められ、同国人を係る遠い地に売り払う徒への憤りも元々なれど、白人文明でありながら、何故同じ人間を奴隷に致す。ポルトガル人の教会や師父が硝石(火薬の原料)と交換し、インドやアフリカまで売っている。」。キリシタン大名が容認或は直接売買していたのだ。

アメリカインディアンや黒人マサイ族は、奴隷にされていない。部族の滅亡を懸けて反抗するなら、犠牲があっても奴隷にはならない。大切なのは命ではない。誇りある命だ。



◆漢人の精神構造 根底に平等主義?

泉 幸男


最近2回にわたり、韓国人メンタリティ(精神構造)を取り上げました。 「二者が親しい関係を結ぼうとするときには、兄と弟にあたる上下関係が想定され、平等主義から遠ざかる」という仮説です。

中・朝・韓は、この「上下関係」原理に支配されているから執拗に日本を「下」に置きたがるのではないか、というのがわたしの仮説でした。

ところがこれに反して、中国人(漢人)メンタリティの根底には平等主義があるという説を読みました。


■ 歴史人口学者の悲観論 ■

論者は、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド(EmmanuelTodd)氏。日経ビジネスオンライン上のインタビュー、題して「後退する中国、大惨事のヨーロッパ」から、中国に関する部分だけ ≪ ≫ 内に引用し、わたしのコメントつきでご紹介します。

【全文は、以下のサイトで読める】
http://nkbp.jp/1hp0tWu


≪私(=エマニュエル・トッド氏)は中国については、非常に悲観的だ。ほとんどの歴史人口学者はそうだと思う。その人口が膨大であるのに対し、出生率が極端に低いという問題を抱えている。中国は全員が豊かになる前に高齢化社会に突入する。

他方、社会保障制度が未整備で、男の子を選択するための偏った人工中絶が行われている結果、男女比率のバランスが取れていない。≫

高齢化社会になっても、最低限の自給自足が成り立てば何とかなるかも。しかし今の中国は、都市のみならず農村部まで、自然の水源(河川と地下水)を工業廃水で汚染してしまった。

雨が多く降り、河川が短い日本と異なり、中国大陸は比較的雨が少なく河川が長大で汚染が滞留沈殿する。環境を破壊し、自給自足経済もままならなくなったところで、高齢化社会に突入するわけですね。こりゃ地獄だ!


■ 中国という巨大な植民地 ■

≪経済については、膨大な輸出能力を持っている。しかし、私はこの国が自分で運命を操れる怪物であるとは思わない。

共産党のビートルズ(成功した世界的スター)ではなく、西側が経済成長を実現するための輸出基地と言える。

利益率を上げるために中国の安い労働力を使うことは西側にとって自然な決定だった。≫

「西側が経済成長を実現するための輸出基地」とは、短く言えば「植民地」ですよね。要すればトッド氏の説は「西側が現在進行形で中国を植民地化しているのは自然な決定だった」と言っているのに等しい。さすが西洋人だ!

そのプロセスにおいて買弁(ばいべん = 植民地支配者の手先となる現地の利権者)はさしずめ中国共産党でしょう。

≪現状の中国経済は設備投資比率がGDPの40%、50%に達している。それは経済バランスから見て異様であり、スターリン時代の旧ソ連がそうであったように、経済が非効率であることを示している。≫

設備投資を一気に集中的に行ったから、陳腐化・老朽化も一気に起こるわけです。おそろしいですね。

■ 兄弟間の平等主義 ■

さて、ここからが、取り上げたかった本題です。

≪中国の社会はどうかというと、これも非常に不安定だ。中国社会で素晴らしかったのは、平等主義だ。特に兄弟間の平等性が重視されてきた。中国で共産主義革命が起きたのも、社会に平等主義の信念があったからだ。

ところが、近年の経済成長にともなって、不平等、貧富の格差がすさまじい勢いで拡がっている。社会には依然として平等主義の考え方が根強いため、潜在的な政治的不安定度が高まっていくだろう。

中国共産党が国民に対し、ナショナリズムや反日感情を強調する理由が分かる。 ≫

このくだり、二重線で下線をぐいぐい引きたくなりました。

韓国の兄と弟の上下関係の厳しさは、「儒教の影響」と説明したくなるところですが、儒教の本家本元のはずの中国では「兄弟間の平等性が重視されてきた」というわけです。はて?

■ やはり著作を読んでみないとね… ■

トッド氏の説を受けての、わたしのひとつの仮説としては、漢人の根底にある平等主義がもたらすカオス(混乱状態)を是正すべく、漢人の本性とは異なる秩序規律として形成されたのが儒教だったのではないかな。

その儒教規律を、漢人の本性と信じて自国に徹底させたのが朝鮮なのかも。

かりに中国共産党の反日教育が干渉することなく、漢人が本性のままに振る舞えたなら、漢人なりの「兄弟間の平等主義」は日中関係にも生かされたものでしょうか。

トウ小平時代の中国の対日政策には、あるいはそういう平等主義があったのかもしれません。しょせんは実利のための、身勝手な平等主義だったとはいえ。多くの日本人が「日中友好」でだまされた。

「エマニュエル・トッド」の項をウィキペディアで読んでみると、家族の形態が国民性を作っているという説がおもしろかった。

トッド氏の著作を読んでみようと思っています。

トッド氏について激しく批判しているブログもありました。
http://megu777.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html

誰が正しいか、わからなくなってきました。やはり、トッド氏の著作そのものを読んでみて、自分の脳で考えないとダメですね。

■ GDP総額は有効な指標か ■

≪GDPでの日本と中国の比較は意味がない。なぜかと言えば、中国ではいろんな階層の人たちが何とか一緒に暮らしているのに対し、日本は人口の半分ほどが大学など高等教育を受けて卒業して働くという社会構造なっている。≫

最近は、一国のGDP総額ではなく「1人あたりのGDP」を指標にすべきだという論者が増えてきました。わたしも同感。

「1人あたりのGDP」とは、その社会が個々人の貢献をどれだけ効率的・建設的に生産高へと変換できるかを示すもの。つまり、社会構造の質を示す指標であるわけです。

もしかりにどうしても地域のGDP総額を云々したいなら、むしろ「日本」にとどまらず「日本+台湾+ASEAN」を指標にして、台湾・ASEAN諸国を含めたトータルの繁栄を企画するのが正しい道だというのがわたしの持論です。

■ キャッチアップからリードへ? ■

≪中国が経済指標で先進国にキャッチアップするということと、中国が世界をリードして将来をつくっていくということは別問題。

中国が米国より効率的な社会となると考えるのはナンセンスであり、単独で支配的国家になると予想するのも馬鹿げている。

中国は共産主義体制から抜け出し、前進していると自分で思っているはずだが、私の観点からは、逆に後退しているように思う。≫


いま、中国にあこがれる人たちが世界にどれほどいるものなのか。やはり、あこがれられる存在にならないと、世界をリードすることはできません。「リードする」と「暴れる」は違う。

山水画のなかの小川のほとりの家に住み、詩歌と琴と碁に時を忘れるような境遇になるのも悪くないと思いますが、今ではよほど辺鄙(へんぴ)な上流に行かねばそんな小川には出会えないようです。

2014年04月17日

◆中国巨大化に幻惑されるアメリカ

加瀬 英明


アメリカが中国に靡(なび)いている。

昨年、中国の貿易総額が4兆1600万ドルに達し、アメリカの4兆ドル弱を初めて上回って、世界一となった。アメリカは8年前まで127ヶ国にとって最大の貿易相手だったが、今では76ヶ国にまで減り、中国が124ヶ国にとって最大の貿易相手となっている。

ワシントンは、中国の目覚ましい興隆に眩惑されている。今後も中国が巨大化して行き、日本が力を衰えさせてゆくという見方が、政権、議会、シンクタンク、マスコミによって共有されている。テレビ、新聞に、中国が取り上げられない日はないが、日本の記事は少ない。

どうして、アメリカは日本よりも、中国に魅了されるのだろうか?

昨年12月に、アメリカは中国がわが尖閣諸島の上に、防空識別圏を設定するという暴挙に出ると、中国の措置を受け容れられないといって、形だけ反発した。

同月中に、バイデン副大統領が日中韓3国を訪れたが、私はバイデン副大統領が中国に対して強い不満を表わすために、訪中をキャンセルするのではないかと、期待した。

だが、バイデン副大統領は日本の後で訪中して、習近平国家主席と会談し、中国が設定した防空識別圏を認めないと発言したものの、安倍首相との会談の2倍も時間をついやした。

中国が第2次大戦後、アメリカに門扉を開いたのは1972年の電撃的なニクソン訪中によったが、その10年後に?小平が開放経済に大きく舵を切って、アメリカの投資を受け入れるようになってからのことである。

アメリカは日本について、日本を占領以来知っていると思っているが、中国は未知な巨大な国であるうえ、急成長する経済に魅入られてきた。いま中国が国外で動かしている資金は、莫大なものだ。

アメリカ国民は中国に見果てぬロマンチックな夢を、清朝末期から描いてきた。

アメリカはどの国よりも商売熱心であり、通商を拡大することを、常に求めてきた。大型帆(クリッパー)船が清国に航路を開くと、3億人(当時)の市場に憧れた。日本は小さな島国で、市場を期待できなかった。

それに中国をキリスト教化する夢を描いた。中国人は続々と入信したが、日本では宣教師が献身的に努力したのにもかかわらず、ごく少数の者しかキリスト教を受け容れなかった。

私はニクソンの後を継いだフォード大統領と、親しかった。キッシジャーはフォード政権の国務長官もつとめたから、何回かフォード大統領とともに、会食した。

私はキッシンジャーに、なぜアメリカ人は日本人よりも、中国人を好むのだろうか、たずねた。すると、「中国人は意見をはっきりという。そして論理的だ。あなたがたは黙ってばかりいて、いったい何を考えているのか、よく分からない」と、いった。

アメリカも、中国も異民族が行き交い、競うから、論理を駆使して相手を言い負かさねばならない。だから、どちらも声が大きい。日本人の曖昧な和を、理解できない。食事の嗜好が油っぽいのに対して、和食は淡泊だ。日本人は何事についても控え目だ。

アメリカ人と中国人は北京の故宮のように大きなものや、贅を凝らしたものを好むが、日本人は伊勢神宮や桂離宮のように、簡素で質素なものを尊ぶ。

アメリカ人と中国人は、拝金主義者だ。富を誇示する。中国の友人から旧正月に賀状が送られてきたが、「金運 福運」と願ってくれた。金が何よりも大切なのだ。人生で快楽を追うところも、日本人と異なる。

日本人は西洋化するまでは、アメリカ人や中国人と違って、金銀宝石といった見よがしのものを疎(うと)んだ。派手な色も嫌う。

アメリカ人は日本人よりも、中国人に近い。日本は異質な文化なのだ。


◆「核」が日中開戦を抑止する B

平井 修一


「日本は(こうなったら)核武装する(しかないな)――戦中戦後92年生きて分かったこと」の著者、吉澤正大氏(水産大学名誉教授)の提言はこうだ。
              ・・・

核武装する上でやっかいな問題は、国民総体としての官民一体の「日本有核化への合意」である。このコンセンサスは最も難しい。西部邁氏の説明を紹介する。

<原子力発電は平和利用といい、核兵器は最悪の反平和利用だという。核は最大の抑止力で、ある意味で最大の平和手段であるという理解ができない日本社会を、(列島)劣等人と呼ぶことに私はいささかの躊躇も覚えない。

劣等人の集まりである日本社会に有核のコンセンサスを求めることはほとんど不可能だ。自衛隊も警察も皆解散したらよい。その時何が起きるかを体験して初めて気がつくという劣等人集団なのだ>

私の思いは西部氏と同じである。

しかし、ともかくも国家中枢・高等官僚などの中の有志少数を中心として有核化へ具体的行動を起こすことだ。有核化作業は従来の原発を中心とした核作業の延長上にあるから、その気で進めれば秘匿性は充分効果的にできる。

あと約20%程度の作業で(日本製の核爆弾は)完成するから、あらゆる作業が準備できるまで国民の大部分は知らないで済む可能性すらあると私は思う。原発運転の結果、プルトニウムPu239/93という原爆素材は2010年現在、約1万発分も生産され、青森県の六ヶ所村の国家施設に厳重に保管されていることを国民の大部分は知らないし、気にしていない。

米紙ニューヨークタイムズは2010年4月、中国は南シナ海を自国の「核心的利益」に加えたことを初めて報道した(読売の「論点」に井尻秀憲氏寄稿)。

それによると、中国はこれまで台湾やチベットを自国の「核心的利益」と位置づけ、領土保全を図るうえで「死活的に重要な地域」と見なし、他国への妥協を一切拒んできた。新たに南シナ海を加えたことで、この海域の海洋権益の獲得を強行に推し進める意思を明確に示したのである。

これにり、域内の周辺各国、特に東南アジア諸国から当惑や警戒感が噴出している。ベトナムを軸にASEAN諸国は対中国警戒感の共有で結束したように見える。

これらの動きは米国の対中関係にも影響している。米国はこれまでの中国重視から同盟国重視へと調整を行い、米中関係は悪化の兆しが見えはじめている。

これはASEANの問題だけではない。日本の生命線であるシーレーンが重大な脅威を受け、まさに死活問題だ。問題は本当に切迫してきた。中国の尊大な横暴は唯一「中国の核」による。これを抑止する実力は「日本の核」以外にない。(以上)
・・・

吉澤氏は「有志少数で極秘裏に核武装するしかない」と言っている。小生もそれしかないと思う。氏はこの作業において米国の協力は不可欠だと言っているが、米国の国是は「日本を100年間、戦争をできない国にする」だから、特に米民主党政権では協力は得られまい、と小生は思っている。

協力を依頼すれば逆に「日本に最大限の圧力をかけて核武装を阻止する」に違いない。米国にとって最大の脅威は中共やロシアではない。米国は真剣に中露と戦ったことはない。とことん戦った相手は日本である。

逆に日本にとっての潜在脅威は米中露である。

米国はなによりも「日本の再武装」を恐れている。日本は世界の400年間に及ぶ「白人支配秩序」を被抑圧民族との連帯でぶっこわした。白人の植民地はすべてなくなった。戦後、オランダごときは米国の残飯を羨むほどに没落した。すべてを日本のせいで失った。

大英帝国もほぼ解体して1965年あたりからは「英国病」と言われるほどへたった。ビートルズしか輸出するものがなかった。今でも快復していない。

白人は日本に勝ったはずなのに戦後は(米国を除いて)没落した。日ソ不可侵条約を破って日本に襲いかかったソ連も消えた。白人は確かに戦闘で日本に勝ったが、「大東亜解放」という、白人による有色人種収奪撲滅という日本の大戦略は(民族独立の導火線に火をつけて)結果的に成功した。日本は試合に負けたけれど勝負に勝った。

恨み骨髄、白人が一番嫌っているのは「強い日本」、その復活である。

今の米国は吉澤氏の著書が刊行された2011年2月とは大きく異なっている。今や米国は「世界の警察官」を廃業しつつあり、へたをすると中共に譲歩しかねないという体たらくだ。

さらにバカな米駐日イルカ大使と米国務省は「日本人よりクジラ、イルカが大事よ」、シーシェパード万歳、日本人大嫌いと言ったのである。

親米派のような保守論客の櫻井よしこ氏は「安倍政権に“失望した”という米国に“失望した”」と強烈なカウンターパンチを食らわした。「保守の親米派(米の核の傘を信じるおめでたい依存派)はいなくなるぞ、反米、嫌米(日本は独自に核武装すべしという自立派)になるぞ」とオバマへブラフ(脅し)をかけたのだ。

それでなくともイルカを駐日大使にするオバマ米国に不信感を抱いていた小生は「もう米国には頼れない、核武装しかないな」という思いを新たにした。

米国は「中共の核」より「日本の核」(広島、長崎の報復)を恐れているから、そんな日本人の思いに慌てたのだろう、唐突に中共に「日本は俺の縄張りだ、ちょっかい出すな」と言い始めた。櫻井氏らのブラフが効いたのだろう。イルカはリニア新幹線で安倍と大いに談笑した。まあポーズだ。

こんなのは、危機爆発がちょっとばかり遅れたということで、中共の日本殲滅の意志が軽減したわけではない。東欧と中東の2正面で米国がアップアップしている今は、中共のアジア覇権の絶好のチャンスなのだ。ロシアのクリミア強奪に世界G7は何もできなかった、中共のアジア武力制覇、覇権確立にも何もできやしないだろう(注)。

再び言う、「日本は中共の属国になりたくない」「中共のアジア制覇を許さない」と覚悟するのならのなら、日本は極秘裏に核武装するしかないのである。(つづく)

2014年04月16日

◆ウクライナ暫定政権、軍事力を投入

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年4月16日(水曜日):通巻第4205号>    

 〜ウクライナ暫定政権、軍事力を投入し占拠派排除へ
        飛行場を奪還、銃撃戦で親露派の4人が死亡した〜

ウクライナ暫定政権は軍事力を投じて、東部ルガンスクなど占拠のつづく スラビャンスク飛行場や政府庁舎に進撃を開始し、反政府活動家の強制排 除に乗り出した。暫定政権は、選挙している親露派を「テロリスト」と読 んだ。
 
日本のマスコミのウクライナ報道は、すこしおかしい。
いや、あまりに欧米の基準に立脚しすぎである。プーチンが悪魔のように 報道されているが、民族自決の原則から言えば、クリミアの住民が決めた ことを欧米が露骨に介入した内政干渉であり、欧米の論理の方がおかしい のである。

欧米スタンダードに従えば、東チモール、コソボ、南スーダンの住民投票 による分離独立は正当で、クリミアの独立はそれなら何故いけないか論理 的整合性のある摂理は一切開示されていない。

もっともロシアの強権的なクリミア併呑はいささか帝国主義的ではある が、もともとクリミアはフルシチョク時代の「ボタンの掛け違い」からウ クライナ編入の経緯があり、地もと住民はウクライナ国民というアイデン ティティに乏しい。

率直に言えばシリア空爆をドタキャンしたように、オバマ外交は失策につ ぐ失策である。

プラス面で作用したのはウクライナの中央から西半分のウクライナ人が、 より欧米寄りになったこと。中国が他国の領土を侵害した場合、国際社会 から、制裁を受けるという現実を認識できたこと等だが、依然としてウク ライナは親露派と西欧派にわかれ、内戦に発展する危険性が残る。


EUがウクラナイ問題でプーチンを激しく非難しない。理由はウクライナ 支援に最大で13兆円程度が必要(最低でも三兆円強)とわかって、欧米 はもうこの辺で介入をやめにしようと悲観的なことが挙げられる。

これ以上ロシアに楯突くより、ウクライナが希望の高まりをもってEUと 米英の支援に経済を依存しようとしているのは明瞭であり、それがもはや お荷物という判断にEUは傾いた。

▲ウクライナ経済の未来に青空がみえてこない

ほかにもマイナス面はウクライナの暫定政権にネオナチが多数混入してい て、どうやらまともな政権とは言えないことが欧米メディアでも明らかに なっていることだろう。

ガス供給中断をちらつかされてEUの結束がはやくも乱れ始めたこと、と りわけドイツは制裁に距離をおいて米国とは宙ぶらりん。つまりウクライ ナのユーロ加盟は格段の明瞭さで遠のいた。

また産油国の米国離れが加速している現実に対してオバマはほとんど無能 である。ケリーは中東で「失言」ばかり繰り返し、イスラエルも彼の和平 仲介に迷惑顔となった。

サウジアラビアとの関係改善のため、急遽リヤドを訪れたオバマはサウジ 国王と2時間会見したが、イランをめぐる意見の相違は埋まらず、ついに 晩餐会に国王は欠席するという事態が出来した。

欧米寄りの論調で「アルジャジーラ」を放送するカタールは産油国の中で 鼻つまみ、エジプトは事実上の軍事政権が復活した。

リビアは部族対立の内乱に解決の見通しは薄く、トルコはトルコで、エル ドアン批判をそとから繰り返した欧米情報機関とマスコミの「希望」を覆 してエルドアンが圧勝。イスラエルは米国の介入を意に介せず、独自の中 東外交を展開するに至った。

気にくわないナショナリストが当該国のトップにたつと攻撃を加えるのも 欧米マスコミの癖、安倍首相を「危険なナショナリスト」「靖国参拝に失 望」と酷評した欧米ジャーナリズムが立脚するのは要するに左翼リベラリ ズムの延長にある「グローバリズム」である。

だからトルコのエルドアンは「チンピラ首相」となり、次期インド首相に 最先端のモディ師には「ヒンズー至上主義」の危険人物というレッテルを 貼るのである。

◆外相訪露でプーチン氏の本音探れ

佐藤 優


10日付の産経新聞に掲載された宮家邦彦氏(キヤノングローバル戦略 研 究所研究主幹、元外交官)のWorld Watch「欧州情勢は複雑 怪奇?」は、ウクライナ危機がヨーロッパに与えている影響を冷静に分析 した優れた論考だ。結論部を引用しておく。

 <それでは過去70年間封印されてきた欧州のナショナリズムはどこへ 行くのか。筆者の独断と偏見をご紹介しよう。

確実に言えることは伝統的ナショナリズムが復活してもドイツなどでネ オナチのような極端な排外主義が再燃する可能性は当面ないことだ。

一方そこまでは至らないもののEU(欧州連合)のような行き過ぎた国 際主義やEU官僚による中央集権的支配を快く思わない国が増える可能性 はある。

同時に、これらのナショナリズムは欧州独自のロジックを加速するかも しれない。例えば米国の知らないところで、将来独露間にクリミア併合を 黙認しウクライナを「緩衝国家」とする密約が結ばれる可能性はないだろ うか。

19年8月末、平沼騏一郎内閣は「独ソ不可侵条約に依(よ)り、 欧州 の天地は複雑怪奇なる新情勢を生じた」と述べ総辞職した。同じこと が 再び起こらないともかぎらない。日本の政治指導者は欧州情勢について 戦前の間違いを繰り返してはならない>

落としどころは

ロシアはウクライナの新政権を認めていない。しかし、5月25日に行 われるウクライナ大統領選挙にロシアは異議を申し立てていない。この状 況を踏まえた上で岸田外相はモスクワにおもむき、ラブロフ露外相と会談 すべきだと思う。

そこで、岸田外相がラブロフ外相に、ウクライナ問題を めぐる国際社会 の懸念を伝え、ロシアから、「(クリミアを除き)ウクラ イナとの国境 線を変更しない」という約束を取りつけることが、平和を維 持するため に死活的に重要だ。ロシアは国境線の不変更に同意するととも に何かの 条件をつけてくる。

この条件を分析すれば、ロシアの落としどこ ろについての本音がわか る。(SANKEI EXPRESS 作家、元 外務省主任分析官) 産経ニュース【佐藤優の地球を斬る】2014.4.14


2014年04月15日

◆日本に巣食う無法チャイナ社会

伊勢 雅臣


「本国で盗みをしていないのに、何で日本でやるんだよ?」


■1.中国人犯罪者から「反省」を聞いたことがない

通訳捜査官として、中国人犯罪者の取り調べに永年、立会って来た坂東忠信氏によれば、彼らから「反省」という言葉を聞いたことは一度もない、と言う。

取り調べの終わりに近づくと、刑事はおきまりの質問をする。「どうだ、今回の事件について、何か言いたいことはあるか?」 ここで反省の弁を聞けば、情状酌量の余地も出てくる。しかし、返ってくるのは、日本人にとっては想像もできない言葉である。

「私、ものすごい借金あるんだから、こうしたのは仕方のないこと」

刑事の怒りが炸裂する。「反省してんのかって言ってんだよ! こんなことしてよくなかったとか、やるべきではなかったとか言えねえのか?」

「あ、あう、う〜ん、あのとき外に出なければ、捕まらなかったよ。失敗したなあ」

確かにこれも「反省」だが、日本語の「反省」とは意味が違う。坂東氏はこう述べる。


「もちろん中国語にも「反省(ファンシン)」「自我検討」という単語はある。しかし彼らは悪事の露見を「后悔(=後悔)」するばかりで、日本人が求める「被害者の立場に立った反省」はしないのである。利害が対立した相手の気持ちになって物事を考えるということは、できないらしい」。[1,p44]

これは差別発言ではなく、「生まれ育った社会の仕組みと脳の回路が違うので、本当に反省しないのである」と坂東氏は言う。

■2.「本国で盗みをしていないのに、何で日本でやるんだよ?」

「社会の仕組みが違う」例を挙げよう。

坂東氏が中国人犯罪者に「本国で盗をしていないのに、何で日本でやるんだよ?」と聞くと、「中国の店で盗みが見つかったら、よその店の人や通行人までもが寄ってたかって殴りかかる。警察が来る前に死ぬかも知れない」と答えるそうだ。[1,p43]

日本人と偽装結婚して取調中の女性に、中国に住む弟から次のような手紙が来た事がある。弟も日本滞在中に警察にひっくくられた経験があるらしい。

<お姉さん、ニイハオ。日本の警察はとても優しいですから大丈夫。中国の警察みたいに、殴ったりしませんから安心してください。・・・体の不調があれば、何でも言ったほうがいいよ。僕は歯を治しました。>
[1,p71]

中国で犯罪を犯すと、家族が村八分になったり、通行人に袋叩きにされたりする。警察に捕まれば殴られたり、自転車泥棒でも死刑になったりする。それによって犯罪が阻止されている。「そう考えると、現在の中国の体制を単純に『人権軽視』などとは非難できない」と、坂東氏は指摘する。

しかし中国人が日本にやってくると、そういう抑制が一切、なくなってしまう。やさしい「人権社会」の日本では、彼らはたとえ捕まっても、冷暖房完備の留置所や刑務所で三食昼寝付きで遇され、病気や怪我もタダで治療してくれるのだ。

これでは「普通の中国人」が、日本にやってきて犯罪者に早変わりしても不思議ではない。

■3.「日本に行ってカネ稼いで親孝行しなさい!」

「普通の中国人」が日本に密入国し、その一部が犯罪者となっていくプロセスが坂東氏の著書に明らかにされている。

台湾の対岸にある福建省から日本への密航する者が多いが、坂東氏は彼らからこんな話を聞いている。[1,p92]

<日本に来た複数の福建省密航者の話によれば、若者が地元でブラブラしていると、近所のおばちゃんから、「なんだいあんた、いい若い者が密航のひとつもできないで! 日本に行ってカネ稼いで、親孝行しなさい!」と気合いを入れられるとのことであった。

彼らの話を聞くと、「日本から帰ってきたヤツの生活を見て、うらやましくなった」と言うほかに、「親に勧められて密入国してきた」と言う者が意外に多かった。「オレの兄弟はみんなそうだよ」と言う者もいた。>

かくて親孝行な「普通の中国人」が、大量に密入国してくるのである。

■4.日本密航はベンチャー・ビジネス

密航にはカネがかかる。密航の手配をする蛇頭(じゃとう)に10万元程度の金を払わねばならない。現在のレートでは160万円、日本人の金銭感覚では3千万円ほどにもなる。そんな大金を家族、親戚、知人のコネを通じて借りまくる。頼まれた知人の方は、たとえばこんな風に考える。

{こいつの息子はまだ若いから、日本に行けば一日でこっちの一ヶ月分近くは稼げる。よし、投資と思って、金を集めて貸し付けよう。}

稼ぎの大きい日本に密航するのは、行く方も金を出す方も、一種のベンチャー・ビジネスなのだ。そこには密入国は不法だ、などという意識はない。

そして日本への密航に成功すると、稼いだ金を送るようになる。「親孝行」という点では尊敬すべきだ、と坂東氏は指摘する。


「どんなに凶悪な犯罪者でも、ほとんどの場合はきっちりと親元に送金しているのだ。

もっとも福建省密航者の場合、来日の時点で親が多額の借金を背負っているので、送金するのは当たり前かもしれないが、その借金を返済した後も、せっせと稼ぎの半分近くを親元に送金し、高額な国際電話カードを買って、マメに連絡を取っている場合がほとんどである。」[1,p94]

■5.金さえ払えば誰でも密航できるシステム

金ができれば、密航を手引きしてくれる「蛇頭」に依頼する。「蛇頭」とは中国マフィアというより「中国公安当局や中国海上警備隊、船長、信頼できる親戚などの日本滞在者と連携を取り合う、資金力のある手配師」だという。[1,p103]

密航の一つのパターンは、漁船や貨物船のエンジン・ルームか、甲板の下に隠れて日本に渡る、というものだ。密航者たちは4日から1週間程度の航海中、そこに隠れ、パンやカップ麺を食べて過ごす。

日本近海まで来ると、日本人ヤクザの運転するクルーザーが来る。密航者たちは立派な船のお迎えに大喜びするが、船の甲板の高さが違うので、波に揺れるクルーザーに飛び降りるところで海に落ちてしまう密航者もいる。「海に落ちたヤツがいたけど、助けてはもらえなかった」とは、坂東氏が複数の密航者から聞いた話である。

クルーザーは日本の港に接岸し、夜中になってから密航者を上陸させる。日本人ヤクザや福建人通訳が出迎え、ワゴン車に密航者たちを詰め込み、逃げないよう外から鍵をかけて、名古屋や東京などの大都市に連れて行く。

密航者たちは、そこで5〜7人のグループごとに、アパートの一室に入れられる。そこから見張りの中国人が密航者の実家に電話をかけ、本人の声を聞かせて、密航費用支払いの督促をする。

実家の両親が指定された場所でカネを渡すと、地元の蛇頭は見張りの中国人に連絡し、その密航者に目隠しをして、日本に住む知り合いに送り届ける。これで密航の成就である。

密航は「普通の中国人」が金さえ払えば、誰にでもできるよう、ビジネスとして成り立っているのである。

■6.「どうだい、一緒に一儲けしないか?」

こうして日本に入国した密航者たちは、知り合いのアパートに転がり込む。知り合いの方も、家賃を分担させることができるから、歓迎である。

彼らは夜中でも大声で話し、大量の油を使って何人分もの中華料理を作るので、換気扇も外壁も油でベトベトになり、生ゴミをまき散らす。日本人の住人は喧噪と異臭に耐えられずに出て行き、空いた部屋にはまた中国人密航者が入る、ということで、アパートはスラム化していく。

仕事の方は、はじめのうちは皿洗いなどして真面目にやっていても、やがて盛り場で遊び歩くようになる。

{中華料理の香りに誘われて中華居酒屋に入ると、懐かしいお国なまりが聞こえてくる。

「おお、あんたも同郷か! 奇遇だなあ」

 中国人は食事をともにすれば、一気に友だちになる。仲間を見つけ孤独な生活から解放された気分になり、気もゆるむ。

「おう、仕事がないから、どうだい、一緒に一儲けしないか?」・・・「どうせ日本人相手だ。男気を見込んで誘うんだぜ。一緒にやらないか」}

「男気」、中国語では「義気」という言葉に中国人は弱い。「おお!いいねえ! やろうじゃないか!」と現代版三国志が成立し、翌日、一緒に泥棒に行く。日本人が家にいたら、あっさり刺して、あっという間に強盗に昇格する。

日本人の場合は、強盗になるまでに、借金地獄に陥ったり、酒におぼれたり、とストレスに苛(さいな)まれて、強盗犯にふさわしい凶相となる。しかし中国人の場合は、こんな具合にあっという間に強盗になってしまうので、犯罪の凶悪さが顔に表れない、と坂東氏は言う。

■7.無法チャイナタウンの出現

犯罪は日本人相手に行われるものだけではない。中国人が中国人を誘拐し、中国の実家や、日本にいる関係者に脅迫電話をかけるが、被害者は日本の警察には訴えられない。密入国や不法な滞在延長だったりすると、逆に逮捕されてしまうので、黙って金を払うしかない。

不法滞在者が多く集まる中華料理店や中華パブなどで、ケンカや傷害事件が発生しても、110番通報されることは、まずあり得ない。日本人経営者が不法就労者を雇っていて、金を持ち逃げされても、警察に通報したら、不法就労助長罪で自分の身が危ない。

しかし、こういう在日中華社会でも、秩序は必要なので、ヤクザの出番となるが、日本のヤクザは中国人とのトラブルは面倒なので、「中華マフィア」に任せてしまう。

かくして日本の警察の手が出ない無法チャイナタウンが出現する。「世界各地に点在するチャイナタウンには、そうして生まれたリーダーが群雄割拠し、現地人を押しのけ、表と裏の中華社会基盤を拡大している」と坂東氏は指摘する。[1,p164]

逆に、国内で真面目に暮らしている中国人も多いが、彼らの多くは同国人との付き合いを避けている、という。人脈を重視する中国式の人付き合いでは、「パスポートや保険証を偽造するから貸してくれ」などと同郷出身者に頼まれても断れない。下手に断ると、実家が村八分にされたりする。

「普通の中国人」が普通に暮らしていこうとすると、無法チャイナ社会から絶縁しなければならないのだ。

■8.将来の禍根を残す前に

平成24年度での来日外国人犯罪の検挙状況では、中国人が件数6,483件(42.2%)、人数3,719人(40.6%)と、いずれも2位韓国の4倍以上のぶっちぎりトップである。

しかも本稿で見たように、不法滞在者数もよく分からず、警察に通報されない犯罪も多いことから、これらは氷山の一角に過ぎない。水面下では、この何倍もの犯罪が行われているだろう。

現在、東京オリンピックのための建設労働者不足などを理由として、外国人労働者の積極導入を、などと言う声が上がっているが、世界中で外国人移民で成功している国など聞いたことがない。

弊誌でもドイツがトルコ人移民問題でいかに苦しんでいるかを紹介したが[a]、中国人は、トルコ人よりもはるかに人口が多く、賃金格差が大きいため、不法移民の大量流入につながるリスクは各段に高い。さらに「普通の中国人」が犯罪者化する率も高いだろう。

その上、中国政府自体が、外国への過剰人口の「棄民」によって、海外での覇権を伸ばそうとする政策をとっている。[b]

建設労働者が足りないなら、もっと賃金を上げて、国内の労働力を無駄使いしている低生産性分野から労働者を吸収したり、働いていない層を開拓すれば良いだけの話で、それでこそデフレ脱却も進む。目先の企業利益のために、国内で無法チャイナ社会をこれ以上、広げては将来に禍根を残すだけである。

あなたの周囲に移民賛成論者がいたら、こう聞いて欲しい。「移民政策がうまく行っている国があったら教えてくれ。移民政策で失敗して困っている国なら、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダなどいくらでも教えて上げるから」と。我が日本も、その一つになりつつある。


■リンク■

a. JOG(143) 労働移民の悲劇ぼくたちには何のチャンスもありません。ドイツに夢を抱いていたことが間違いでした
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h12/jog143.html

b. JOG(784) 中国の列島蚕食
「日本列島は日本人だけのものではない」が現実になる日。
http://blog.jog-net.jp/201302/article_1.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 坂東忠信『新・通訳捜査官』★★、経済界新書、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/476672030X/japanontheg01-22/

2014年04月14日

◆「核」が日中開戦を抑止する @

平井 修一


人類の歴史は戦争の歴史である。人間が大切にするのは、第1に自分、第2に家族、第3に部族・民族、第4に国家・領土・縄張り・・・といった順だろう。

自分・家族・民族を安全に守るためには「安全圏である国家」を守らなければならない。周りは敵ばかりだから小国では守りきれない。どうすればいいか。

寄らば大樹で大国の属国になる(支那属国の韓国、米国属国の日本のように)、中小国が集まって大国になる(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandのように。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの「カントリー」から構成されている)、集団を組んで戦力・抑止力を高める(NATOのように)、小国でも武装して抑止力を高める(ハリネズミ国家のイスラエル、スイスのように)。


そんな選択肢があるだろう。

安全圏は広い方がいい。軍事力に自信をつけた中共はアジア・西太平洋に安全圏を拡大したい。自分の縄張りにしたくて周辺諸国との緊張を高めている。同時に海底資源を独占したいと狙っている。特に尖閣諸島周辺には900兆円とも言われる資源がある。中共がさらなる発展を遂げるためにはさらなる資源が必要なのだ。

この地域に覇権を確立し、米国と並立し、あわよくば米国を駆逐したいと思っている。

周辺諸国との緊張、危機は高まるばかりだが、中共にとって危機を高めることはメリットである。防衛省防衛研究所の「中国安全保障レポート2013」から――

<軍事科学院戦略研究部では、国際的危機とは「外交協議を中心とする対立する双方の駆け引きである」と規定している。人民解放軍では危機管理の目標として、

(1)危機を平和的に解決することや戦争へのエスカレーションを防ぐこと、

(2)最大限に自身の利益を追求すること、

(3)危機を起こす源を取り除くこと、

(4)危機を利用して情勢を変化させ、利益の拡大を目指すこと、

という4つが挙げられている>

米露など強い相手に対しては(1)を選択するが、チベット、ウイグル、モンゴル、フィリピン、ベトナム、インドネシアなど弱い相手、日本、台湾、インドなど、もしかしたら勝てそうな相手に対しては(2)(3)(4)を当然選択する。

2008年版の中国国防白書では、「軍は軍事闘争を政治・外交・経済・文化・法律など各領域の闘争と密に連携させ、積極的に有利な安全保障環境を作り、危機を主導的に予防・解消し、衝突や戦争の勃発を抑止する」と述べている。

戦争の危機をなくして「中共が安心できる安保環境を作る」ためには日本、台湾、ASEAN諸国を戦争で、あるいは恫喝で抑えつけて、2度と中共に盾つかないようにするのが一番である。攻撃は最大の防御だ。中共は「戦争の危機をなくすための戦争」を欲している。

これはほとんど自己肥大的妄想だが、中共は世界から己の台頭を邪魔されている、被害者なのだという被害妄想に取りつかれていることがベースにある。

さらに戦争によりナショナリズムを煽り国民の不満をそらすという国内事情もあるから、戦争をしたくて仕方がない。軍人は兵器の威力を実戦で試してみたいとも思っているだろう。

最適な攻撃対象は、支那国民党軍や中共軍がほとんど勝てずにいた日本である。日清戦争以来の屈辱を晴らしたいこともあるし、日本はすぐに降伏することはないから、いろいろな兵器を試せるというメリットもある。今は好機だ。

中東から逃げ始めたオバマ米国は金欠・厭戦で無能だし、中共が尖閣強奪で日本を襲撃しても、核攻撃の脅しをかけても、米国が何もしないことは確かだ。日本の本土が核攻撃を受けたところで米国が報復できるはずがない。

中共は「米国本土に核ミサイルを1発打ちこめば50万人が死ぬ。報復でたとえ我が国は3億人死んでも構わない。人口はすぐに回復する」と言っている。漢族は爆発的に繁殖するから国民が大量に死のうが平気である。そもそも中共は国民を守ることに関心はなく、唯一、中共独裁を守ることが政治家、党員、軍人、官僚ら独裁で利権を得ている者たちの使命なのである。


大統領がオバマであってもマケインであっても50万人の米国人の死は耐えられないから、中共の脅しに屈するしかない。日本に「核の傘」はないのだ。あると思っていたのは幻想だ。

中共の日本攻撃を唯一止められるのは「核武装」である。在米ジャーナリスト伊藤貫氏の言葉――

<筆者は今まで何度か日本の雑誌に、「日本はアメリカの核の傘に依存してはいけない。日本には自主的な核抑止力が必要である」と書いてきた。

最近、ある著名な日本の親中派政治家が北京を訪れて、中国政府の知日派官僚と懇談していたとき、この中国の官僚は筆者の論文を厳しく非難して、「われわれ中国人にとって、日本が核を持つことくらい嫌なことはない」と述べたという。

筆者はそのことをこの親中派政治家から聞いて、正直言ってうれしくなった。「中国政府がそんなに嫌がっているなら、日本は自主的核抑止力を持つべきだという僕の主張は、そう的外れのものではないのだ」と感じたのである。

中国政府は2020年代に日本を中華勢力圏に併合することを企んでいる(注1)。もし日本人が中国の属国民になりたくないのなら、自主的な核抑止力を構築することである。それが「中国にとって一番嫌なこと」なのである>(「中国の核が世界を制す」)

日米同盟を解消すべきだとは思わないが、核の傘がないことは100%確実である。日本の自主的な核抑止力保持に米国は協力しないだろう。米国は強い日本を望まない。日本は極秘裏に自主開発するには時間がかかりすぎるから、核弾頭ミサイル一式をインド、イスラエルあたりから購入することも考えてはどうか。(つづく)(2014/4/12)

              ・・・

注1)「中国の核が世界を制す」から。

<表向きは「平和的台頭」を唱える中国政府が、実際には「アジア最強の覇権国となり、19世紀初頭の広大な中華勢力圏を取り戻す」という国家戦略を着実に実現しつつあることは、日本にとって非常に危険な地政学的要素となっている。

日本がこの中国の国家戦略に対する対応策を間違えれば、2020年代の日本は独立国でなくなってしまう――つまり中華勢力圏内の衛星国「東夷・小日本」になってしまう可能性がある。

1990年代の中頃、中国の李鵬首相はオーストラリア首相に、「日本などという国は20年くらいあとには消えてなくなってしまう国だから、まともに相手にする必要はない」と語ったといわれる(注2)。

中国政府はいずれ台湾と日本を中華勢力圏に編入・併合したいと本気で考えているから、この李鵬首相のコメントはそれほど奇異なものではない。実際に、中国の周辺国であったチベット、ウイグル、内蒙古、満洲は中国に併合されて「消えてなくなって」しまった。

勢力圏拡張主義者である現在の中国政府首脳部にとって、「台湾を併合したい。朝鮮半島を保護領にしたい。戦前、中国を侵略した生意気な小日本を中国の属領にしたい」と願うことは、彼らの伝統的な価値観である中華主義、華夷秩序と強烈な反日ナショナリズムからすれば、ごく自然な思考である。


ただし、李鵬首相が望んだ「20年くらい後」という時期は、いささか時期尚早であろう。2015年頃の中国の軍事力と外交力は、米国の覇権をアジアから駆逐するだけの能力をまだ獲得していないだろう、と分析されているからである。

しかし2025年頃となれば、話は別である。2020年代になると中国の実質的経済規模と軍事支出規模が、アメリカをしのいで世界一になっている可能性が高いからである>

注2)参議院 (1996年11月8日)「参議院会議録情報 第134回国会 国際問題に関する調査会 第2号」

参議院議員笠原潤一:米国人の方はどちらかというと日本人よりも中国人の方に親近感を感じているわけです、長い歴史の上からいっても。中国人社会がいかにアメリカの中に溶け込んでいるかというのは日本人社会以上ですから。

そういう点からいえば、時々は米中はぎすぎすしますけれども、お互いの話というのは、コミュニケーションというのは非常にいいわけです、これはもう第二次世界大戦の例を見てもわかるように。

ですから、その点では我々はそういう点をもう少し認識しないと、日米というよりも中米の方が本当を言えばタイトなんですよ、いろんなことからいって非常に関係が深いわけですから。そういう点で、その点もしっかり把握しておかないと日米という問題は将来大変なことになるだろう。

この前、ちょうどAPECを控えて、我が自民党で御承知のようにAPECの問題でアメリカとオーストラリアに行ってもらったんです。そのときに、オーストラリアのキーティング首相がこう言ったんです。

「中国の李鵬さんと会ったらどう言ったかといいますと、日本とのいろんな話をしたら、いや日本という国は四十年後(平井:20年後、30年後説あり)にはなくなってしまうかもわからぬと」、そう言ったというんです。これはうそじゃありません、これはほかの先生みんな行って言っているんですから。それくらい軽視されているわけです、ある意味では。

          

◆英単語を記憶させる教育の成果か

前田 正晶


まるで長引くデフレのように先月に引いた風邪が長引いており、医師には高齢が長期化の原因と言われて落ち込んでおります。昨日も何処にも行かずにMLBの中継を2試合見ていて、幾つかの用語を再確認出来ましたので、ここに纏めてみる次第。

敬遠の四球(intentional walk)、牽制球(pick-off throw (attempt)*サヨナラホームラン(walk-off home run)、前進守備(draw-ininfield)、バックホーム(throw to the plate)辺りでした。

これら以外にこれまでに採り上げたものがありますので、ごく一部を再録します。

畏メル友・O氏は<ええーつ、という感じがします。逆に言えば、「上手く訳したものだ」という気持ちにもなりますね。>との感想を寄せて下さいました。私は同感です。元はと言えば英語(米語?)だったのですから、日本語をアメリカで訳したはずはないでしょう。だが、唸らせられるほど上手い訳です。いえ、意訳でしょうか。

上記以外では「エンタイトルド・ツーベース」というのが凄いと思います。わたしは元は"ground rule double"ですから、これを先ず日本の感覚で"entitled two base (hit)"という英語にして、カタカナ語の「エンタイトルド・ツーベース(略してエンツー)」にしたと思っています。何度か書きましたが、私は"entitle"等という単語を使った話した記憶がないほど所謂「難しい単語」の部類だと考えています。

そういう単語を導入した先人の英語力が凄いのだと思うのです。これは決して皮肉っているのではなく、それだけ「単語の知識」をつける英語教育がこういう形で表れたということだと推理しています。だが、戦前の英語教育が如何なるものだったかは知りません。

余談ですが、私の大好きな挿話に”試合を決めるホームランを打った外人選手がヒーロー・インタビューで「ホームランを打った球は何」と訊かれて「あれは確か野球のボールだった」と答えて事”です。

これはロバート・ホワイティングという人がその著書に載せたので私は当時書いていたコラムでは後れを取りました。投球は「球」と言われていますが、英語では"pitch"か"delivery"なのです。私はこれを最初は「投球」と訳し、後に「球」(タマ)に短縮したのだと思っています。

野球用語は言い出せば切りがないほど全部が巧みに意訳されたカタカナ語と言えるでしょう。しかし、「ストライク」と「ボール」は意訳しようがなかったようでしたが、戦時中は「よし」と「駄目」(または悪球)だったかと記憶しますが。


主宰者より:もともと「野球」と訳した正岡子規の訳が天才的ですね。


        

2014年04月13日

◆戦争問題賠償で「小日本を滅ぼせ」

西見 由章


第2次大戦中に日本に「強制連行」されたとして、日本企業に損害賠償などを求める集団訴訟が中国国内で相次いで起こされ、3月には北京の裁判所が初めて正式に訴状を受理、審理が始まることになった。

中国のネット上では若い世代の日本への感情的な書き込みが多くみられる中、戦争賠償を放棄した1972年当時の共産党指導部への批判もわき起こっている。集団訴訟を対日カードにしたい中国指導部の思いとは裏腹の“副作用”も出ているようだ。

最高裁「共同声明で個人請求権も放棄」

まずは日中間の戦争賠償をめぐる経緯について簡単におさらいしよう。

昭和47年9月29日、北京の人民大会堂で、田中角栄、周恩来両首相が日中共同声明に署名し、両国の国交は正常化された。声明の第5項は「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」としている。

その後、中国で日本への民間賠償を求める動きが表面化したのは、江沢民政権が愛国・反日教育を推し進めた1990年代以降だ。95年には当時の銭其●(=王へんに深のつくり)外相が「中国政府は個人の賠償要求を阻止しない」と発言。

同年6月、終戦直前に秋田県で中国人労働者が蜂起し死傷者が出た「花岡事件」をめぐって元労働者らが日本企業を提訴し、その後、中国人による日本での提訴が相次いだ。

この一連の訴訟に対する日本の司法の最終結論とも言えるのが、2007(平成19)年4月の西松建設訴訟と元慰安婦の中国人女性らの訴訟の上告審判決だ。

最高裁は判決で「被害者らのこうむった精神的・肉体的な苦痛は極めて大きなものであった」と認める一方、「日中共同声明第5項に基づく請求権放棄の対象となるといわざるを得ない」「裁判上訴求することは認められない」として、中国人個人の請求権を、裁判を通じて実現することはできないとの明確な判断を示した。

日中共同声明により、両国間の賠償問題は決着済みであるとの立場を確認したといえる。

しかし、中国側は「対外関係にかかわる敏感な問題」(原告側支援者)して、これまで訴状の受理を認めてこなかった姿勢を今年3月に一転させた。

「小日本を滅ぼせ」

こうした対日関係をめぐるニュースへの中国ネットユーザーたちの反応は、おおよそパターン化されている。今回の集団訴訟へのリアクションを通じて分析してみよう。

最も多いのは、やはり中国当局側の主張に沿った日本への批判だ。

「もし勝訴したら、中国政府は日本企業の資産を凍結し、被害者に分配するべきだ」

「われわれは決して日本の罪行を許さない」

「中国に進出している日本企業に重大な制裁を加えて日本経済にダメージを与え、安倍(晋三)首相がどう出るか見てみよう」

案外、このコメントは中国指導部の本音に近いのかもしれない。

もっと感情的で稚拙なネットユーザーもたくさんいる。いちいち読むのもうっとうしい罵詈(ばり)雑言の類いである。 

「請求額が少なすぎる!すべての中国人民に1人1億元(約16億円)賠償しろ」

「小日本(日本人の蔑称)はこんなに多くのひどいことをした。彼らに快適な生活をさせてたまるか。小日本を滅ぼそう」

「日本人をいじめ殺せ」

「日本に被害を受けた国家がみんなで日本を滅ぼし、財産を山分けしよう」

日本人の「残虐行為」「侵略」を批判している自分自身が、残虐な行為を肯定する潜在意識をさらけ出してしまっている。恐ろしいのは、こういった声の多くが若者から発せられていることだ。

こうした“感情ぶちまけ型”のコメントのほか、“日本製品ボイコット呼びかけ型”も多い。

「小中学校は日本のあらゆる製品を列挙して教え、決然とボイコットさせる教育をすべきだ」

日本との対立が先鋭化するたびにこうした意見は出るのだが、一向に成果が表れないことへのいらだちもまた、お決まりの声だ。

「日本車を運転している者たちは平気なのか?」

「毎日毎日、日本製品のボイコットを叫びながら、実際にはまったく行動しないじゃないか」

これが高じると自国への“自虐批判”が展開される。

「中国人がいつ団結できるっていうんだ。100年後でも不可能だ。もし中国が団結できてたら、現在はこんな姿ではないだろう」

冷静な声も

一方で“冷静な声”も一定数ある。

「何十年も前の過去のことを、しかも当時周恩来が賠償を放棄しているのに、今になって現行不一致をやっている。中国にメンツはないのか?」

「彼ら(日本)の企業は1世紀たっても存在している。彼らの長所を見習うべきだろう。彼らの謹み深さと礼節は学ぶに値する」

ただし、こうしたコメントは必ず「畜生野郎」などと罵倒される宿命にある。こうした“愛国者”たちの怒りの矛先が、反日教育を進めてきた共産党自身に向けられ始めてもいる。

「なぜ政府はこんなに長い間、訴訟を支持しなかった?」

「こんな大事なことを、なぜ国内でもっと宣伝しない。宣伝部門の人間はみなクビにしろ」

日中国交回復当時の共産党指導者らを批判するコメントも、削除されないまま残っている。「成立したばかりの中国政府が、戦後の日本の苦境に同情して賠償を放棄したのは本当にバカの極みだ」
賠償放棄のわだかまり

「賠償なしで、どうして恨みが解けようか?」。こうした思いを持つ中国国民は実際、少なくないようだ。「中国人が日本に対して一番わだかまりを感じているのは、戦争賠償を放棄したことだ」(北京市の大学生)という声もある。

小泉純一郎首相の靖国神社参拝などをめぐって日中関係が悪化していた2005年9月、米国のシンクタンク「カーネギー国際平和財団」が、日中の衝突防止に米国が役割を果たすことを提唱する報告書を発表した。

報告書は日中関係が悪化した中国側の要因について、(1)中国共産党指導者たちが自国民に対する民族主義の信頼を保つために日本のイメージを侵略的、軍国主義的なものとして意図的に強めた(2)その延長としての「愛国教育」で共産党の政治的な正当性誇示のために日本の侵略をことさら拡大し、若い世代の反日民族感情をあおった

(3)日本側の戦争での贖罪(しょくざい)意識をあおり、日本の対中政府開発援助(ODA)を事
実上の戦争賠償とみなした−などと指摘している。

この中国側が「事実上の戦争賠償」とみなしたはずのODAは、円借款も含め総額3兆6千億円以上になるが、中国の一般国民の認知度は、ほぼゼロである。中国側が自国民に説明しなかったのはもちろん、日本側の広報努力も不足していたと言わざるを得ない。

「共産党のコマ」

広東省の週刊紙、南方週末(電子版)は3月28日、一連の「強制連行」訴訟を取り上げた。記事によると、中国人の「強制連行」をめぐる訴訟は2000年12月以降、河北省や上海、山東省などで訴えが起こされてきたが、裁判所側は正式に受理してこなかった。

1988年から対日損害賠償請求について研究してきた河北大学の劉宝辰教授によると、当初は元労働者らへの聞き取り調査などは当局から妨害されていたという。しかし90年代後半から当局側の態度は急変し、「彼らは私を先生と呼ぶようになった」そうだ。

そして今、外交カードとしての機が熟したということだろう。つまりは正義や法理よりも、国内外の政治的な環境、つまり時の政権の都合が優先されるのが中国の司法である。

「中国側は、今回の集団訴訟では裁判所に判決を出させず、和解という着地点を見いだそうとしている」(日中関係筋)との見方もある。いずれにせよ、対日外交のカードとして利用されることは間違いない。

米国に拠点を置く中国ニュースサイト「多維新聞」のコメント欄には、次のような中国語のコメントが寄せられた。

「必要なときには“提訴”し、不必要なときには“放棄”する。1972年に中国共産党は賠償の放棄を宣言したのではないか?中国人は中共のコマに過ぎない」。
産経ニュース【中国ネットウオッチ】2014.4.12