2014年03月09日

◆「江沢民氏ら手配」の表と裏

西田 令一


江沢民元国家主席や李鵬元首相らかつての中国指導部お歴々に対し、スペインの裁判所が逮捕状に基づき国際手配を求めた。チベット族へのジェノサイド(民族・人種などの計画的殲滅(せんめつ)、人道犯罪の一つ)のかどだという。

高齢の江氏らは外遊しないだろうし、中国の反発を受けて国外の人道犯罪に対するスペイン特有の裁判を制限する法改正が進んでいることもあり、氏らの逮捕・訴追は現実にはあり得ない。

とはいえ、今回の件は、チベット族に対する中国当局の過酷な弾圧について国際社会に強烈な印象を与えた意義はあろう。

ただし、手放しの歓迎とはいかない。例えば、直後にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談し、チベット族の人権を高く掲げたオバマ米大統領も歴代の大統領や政権幹部らも、この報道に接していればだが、内心、厭な感じを持ったに違いない。

スペインは、国境を越えて裁ける「普遍的管轄権」の法理を人道犯罪などに導入し、1998年には、英国で療養中のチリ軍政独裁者、ピノチェト氏を訴追して、国際社会を騒然とさせた。

英当局は氏を拘束しながらも、身柄のスペインへの引き渡しは拒否して、チリに送還する。その過程で、サッチャー元英首相は一貫して訴追に強く反対し、父ブッシュ元米大統領もそれを「茶番劇の裁判」と非難している。

スペインの裁判所は、イラク戦争に絡む人道犯罪なども捜査しようとして、米政府の圧力で断念に追い込まれたとされる。

スペインだけではない。普遍的管轄権を設定していたベルギーの裁判所に、1991年の湾岸戦争を遂行した前述のブッシュ元大統領、チェイニー元国防長官、パウエル元統合参謀本部議長らが戦争犯罪で告訴されるという事態が2003年に起きて、ベルギーはやはり米政府の圧力で普遍的管轄権を撤廃するに至っている。

その辺の事情は、時の米国防長官ラムズフェルド氏の回想録「ノウン・アンド・アンノウン」に詳しい。氏は、キッシンジャー氏が米国務長官時代に東南アジアなどで戦争犯罪に関わったとして、今も外国訪問のたびに法的手続きの脅威にさらされていると語ったことでこの問題を認識したとし、ベルギーの一件に触れる。

ラムズフェルド氏は、03年の北大西洋条約機構(NATO)国防相会議の際にベルギーの国防相を別室に呼び、「他の場所で会合するのは完全に可能だ」と、NATO本部を首都ブリュッセルから移すと警告した。法律は2カ月足らずで廃止されたという。

米国が神経を尖(とが)らせる「国境なき裁判」の典型が、人道犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)であり、歴代政権はその設立条約を批准していない。氏は「われわれは…選んでいない公職者や責任を課すことができない法廷に海外から治められも裁かれもしない」との原則論を強調し、主権と民主主義の問題だと断じる。

普遍的管轄権とは、その切っ先が手を血で汚した独裁者にも民主主義国家指導層にも向かう「諸刃(もろは)の剣」だといっていい。(論説副委員長)産経ニュース【一筆多論】2014.3.8

◆ウクライナ侵攻とアジアピボット

Andy Chang


プーチンのウクライナ侵攻はオバマの強硬な恫喝が逆効果を招いたといわれている。アメリカのメディアはオバマの警告でロシア議会が硬化してクリミア出兵に賛成したという。真相はともかく、アメリカは世界各国から「紙老虎」と見られるようになった。

このような世界政情で懸念されるのは、中国がアメリカの「アジアピボット」を軽視して覇権拡張を進めることだ。中国の台湾侵攻、尖閣上陸にアメリカは対応できるか。

アジア問題はすべて中国覇権の結果である。アメリカは中国の覇権進出に無作為だけでなく、日本を危険視する発言を繰り返す。オバマは日本に無関心、メディアは日本批判をやめない。日本はアジアで最も重要な戦略的パートナーだから、アジアピボットは日本に頼
る他はないのに、日本批判を繰り返すのは愚か、日本が沈黙しているのも間違いである。

●米国の現代戦争体制と国防費削減

チャック・ヘーゲル国防部長が陸軍兵員を第二次大戦前の45万人に減らすと発表していろいろな批判があったが、私はこれをアメリカの現代戦争への体制転換と見ている。要約すると、陸軍を減らし長期戦争から短期攻撃(海兵隊)の作戦、11隻の空母を主体とす
る海上戦闘群、?無人偵察機とピンポイントミサイルで経費と人員削減、?テロとサイバー攻撃に対応、の4つである。

この体制変換は長期作戦をやめて短期作戦に絞ることだが、弱点は敵の長期テロに対応できないことだ。毛沢東の「敵が進めば我は退き、敵が駐留すれば我は擾乱する、敵が疲弊すれば我は叩く、敵が退けば我は追う」と言うテロ作戦に対する対応は無人機の攻撃だけ
となる。

イラク、アフガン戦争は陸軍の攻撃で勝ったが、テロの地雷爆弾や自殺テロで手足を失う兵隊、死傷者が続出した。新型戦争は陸軍の地上戦ではなく空の攻撃、これに対する敵側のテロ攻撃である。

アメリカの現代戦争体制は二方面作戦を放棄し、単なる短期作戦だけとなる。つまりアメリカは安保諸国に「現状維持」を要求する他はなく、「作戦に勝っても戦争に負ける(Win the battle, losethe war)」のである。

このような状況で起きたウクライナ危機を見て、中国がアメリカを軽視し、アジアで進出するいくつかのシナリオを考えてみよう。

●空の台湾侵攻と台湾の防衛力

ロシア軍がヘリコプターでクリミア半島に侵攻してもアメリカは兵力派遣が出来ない。オバマの警告はリップサービスと見られ、経済制裁は欧州諸国が賛成しない。アメリカと欧州諸国に出来ることはウクライナの経済援助だけだ。

台湾は東南アジアの中央にあり、中国が太平洋進出に欠かせない要塞である。中国がアメリカの衰退に乗じて中国が輸送機やヘリコプターで台湾の空港を急襲すれば大事だ。国民党軍は戦力も戦意もないし、馬英九は中国寄りである。アメリカは国交がないから軍隊派
遣も出来ず、海上封鎖で上陸した中国軍の自滅を願うのみだろう。国交が無ければケリー長官が台湾に飛んで馬英九に圧力を加えることも出来ない。

アメリカには台湾関係法があるが、中国軍が侵略した後でアメリカが反撃する可能性は薄い。残るところは台湾人民の抵抗だが、武器が無いから民間人の無差別殺戮は必至である。

このような事態を防ぐには、アメリカが早々と台湾は中国の領土ではない、中国の侵略は国際法違反であると宣言することである。こうすれば米軍が上陸して人民を保護する名目が立つ。アメリカは早くから宣言すべきだったのに曖昧政策で何もしなかった。

オバマはアジアを放置して中東にかかりきりだった。ヒラリーがアジアピボットを宣言したが、海軍兵力をアジアに移す計画は遅れている。アメリカは日本とインドがアジアの海上平和を受け持つことを望んでいる。シンガポールとフィリピンの港の駐留も遅れている。

●尖閣諸島上陸と日本の反撃

尖閣も台湾と同じく中国の太平進出の要点であるのに、アメリカは尖閣諸島は日本領であると言わず、尖閣は日米安保の範囲内であるというだけ。中国は尖閣諸の帰属を?未解決領土?から勝手に「中国の領土」に切り替え、軍事行動を正当化する発言を繰り返す。

アメリカが何もしないことが明らかになると中国が尖閣に軍艦を派遣して中国の旗を立てることも考えられる。日本は領土防衛で中国と交戦する用意はあるだろうか。アメリカが安保条約に則って中国軍を撃退する可能性は薄い。日本は早急に自己防衛を合法化し戦争
準備をすべきである。

●南シナ海の進出とアジア諸国

中国はこれまで何度も海軍の軍艦がフィリピンやインドネシアの漁船を攻撃し、スプラトリーやパラセル諸島の島々に施設を作ってきた。アメリカが抗議をしたと聞いたことがない。南シナ海はアジアのみならず世界の重要な商業航路である。東南アジア諸国は中国海
軍の暴虐に困惑しているが、アメリカの態度が煮え切らない。この状態がエスカレートすれば各国の商船は中国海軍に妨害されるかもしれない。

パラセル、スプラトリー諸島はサンフランシスコ平和条約(SFPT)で日本が主権放棄をした領土で帰属は未定である。中国はSFPTに署名していないのに南シナ海を自国領と宣言し、島々の占領を繰り返してきた。中国に対抗するには諸国とアメリカが合同して中国の進出を塞き止め、台湾を含む帰属未定の領土を中国の侵略から守るべきである。これが私の東南アジア平和連盟(PASEA)の主張である。

●アジア諸国の合作(PASEA)

アジアの平和達成は中国の覇権拡張を押さえること、これしかない。中国の武力行使、言いがかり、メディア宣伝にアメリカはいつも弱腰な反応だけである。アジアの不穏はアメリカが中国の横暴を抑制できないため、つまりアメリカの責任だ。諸国はアメリカの無作為に対し自力防衛を進めるべき。それには東南アジアの平和連盟が必要だ。東南ア諸国連合が出来ればアメリカは喜ぶ。PASEAを主催するのはやはり最強国の日本しかない。

アメリカの衰退に諸国は自衛力を増強して中国の覇権に対抗すべき、これでこそアジアの平和を保てる。アメリカの衰退で中国が進出すれば諸国は防衛を強化し、アメリカが弱腰になればアメリカの尻を叩くべきである。日本はアジアの平和に最も重要な国である。アメリカの日本批判に強く反論し、日本の立場と正論をアメリカに「教える」べき、「美しい日本はシナに強い日本である」とアメリカに言うべきである。

2014年03月08日

◆朝日新聞の「特定秘密」

阿比留 瑠比


どうやら朝日新聞にとっては、慰安婦問題の真相は読者に知らせるべきでない「特定秘密」に当たるらしい。6日付の同紙の週刊新潮、週刊文春の広告は、それぞれ次のような伏せ字が施されていた。

 ◆週刊誌広告に伏せ字

「●●記事を書いた『朝日新聞』記者の韓国人義母『詐欺裁判』」(新潮)

「『慰安婦問題』A級戦犯●●新聞を断罪する」(文春)

もちろん、他紙の広告をみるとこの伏せ字部分は「捏造(ねつぞう)」「朝日」とはっきり記されている。朝日は、こんな子供だましの隠蔽(いんぺい)で一体何をごまかそうとしているのだろうか。

朝日は昨年10月30日付の社説では特定秘密保護法によって秘密が増えるとの懸念を表明し、「秘密保護法案 首相動静も■■■か?」と伏せ字を用いたタイトルでこう説いていた。

「政治家や官僚は、だれのために働いているのか。原点から考え直してもらいたい」

 ◆誰のための記事か

政府には秘密はいけないと説教する一方、自身に都合の悪いことは堂々と隠すというわけだ。そんな朝日にこそ、誰のために記事を書いているのか、報道機関があるのか原点から考え直してもらいたい。

新潮が「捏造」と指摘しているのは、慰安婦問題に火が付くきっかけとなった平成3年8月11日付の朝日の記事「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」のことである。記事はこう書いている。

「日中戦争や第二次大戦の際、『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり…」

記事では実名は記されていなかったが、この女性は同年12月に日本政府を相手取り、慰安婦賠償請求訴訟を起こした金学順氏だ。

だが、25歳未満の女性を勤労挺身隊として動員し、工場などで働かせた「女子挺身勤労令」と慰安婦はそもそも何の関係もない。

また、金氏は訴状では、17歳だった昭和14年に「金もうけができる」と説得され、養父に連れられて中国へ渡り、そこで慰安婦にされたと記しているが、女子挺身勤労令の公布は19年8月なのである。

朝日の記事は、女子挺身隊と慰安婦を意図的に混同し、しかも養父にだまされたと証言している女性が日本軍に「連行」されたように書いたのだから、捏造といわれても仕方がない。

 ◆指摘から目をそむけ

金氏は別のインタビューでは「40円でキーセン(朝鮮半島の芸妓(げいぎ)、売春婦)に売られた」と明かしており、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話の根拠となった聞き取り調査に応じた際には訴状とは異なるこんなストーリーを語っている。

「17歳だった16年春ごろ、少女供出の噂が広まり、養父と満州方面に逃げた。北京で将校風の軍人に連れていかれた」

言うことがころころ変わっているが、河野談話は無批判・無条件にこうした証言を受け入れて成立した。一方、朝日は平成4年1月12日付の社説「歴史から目をそむけない」でも、重ねてこう書いている。

 「『挺身隊』の名で勧誘または強制連行され…」

慰安婦問題でデマをしつこく報じ、反論や誤りを正す指摘から目をそむけて見ないようにしてきたのは、ほかならぬ朝日自身ではないか。(政治部編集委員)産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】014.3.7


◆国防方針に「習政権的特徴」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26(2014)年3月7日(金曜日)貳:通巻第4175号  

〜全人代報告で次の国防方針に「習政権的特徴」
   「主導防御」「現代軍事力量体系」など新概念が現れた〜

李克強首相の開会基調演説(全人代初日、2014年3月5日)のなかで、 国防報告に新しい語彙が散りばめられている。

専門筋は、これは従来の国防方針を「大調整」していると分析している。 とくに2014年の軍事任務に関して、「強化日常戦略」と「防衛海空管控」 という文字が躍る。

日本のマスコミ報道では「国防力強化」「思想教育を強化する」「国防費 増12・2%」などの見出しに集約されるだけで、これという解説にお目に かかれなかった。

「加強軍事戦略指導」なる表現に習近平の特色が滲み出ており、これは 1956年に最初の国防方針がでたときの「階級防衛」から、1969年にはソ連 の軍事力に対峙するために「早打、大打、打核戦争」となっていたものと も明らかに異なる。

改革開放以後は国際環境の変化にともないトウ小平は「4つの現代化」を 訴えた。その一番目が「軍事力の近代化」であり事実上のハイテク兵器装 備と海軍力の拡大強化である。

その基本方針が「主導防衛」となり「完善現代軍事力量体系」と標榜する に至ったのだから、これは国防の基本の「大調整」であるとみたほうが良 いだろう。

この方向への最初の示唆は2013年4月16日に国務院新聞弁公室が発表した 「中国武装力量的多様化運用」という新しい語彙だった。その再確認を党 中央軍事委員会トップでもある習近平が確認したことになる。

すでに中国の軍事力は「第一列島線」を突破する実力を備え、次の10年に 第二列島線まで延びる。他方、米軍は「ピボット」を言って、60%の艦船 を西太平洋に向けるとしているが国防費は大幅にカットされる。

「南シナ海から西太平洋までが『中国の海』となる」という野心が、この 報告の示唆する野心的方針なのである。

◆「真珠湾」の1年前(2)

情報収録:平井修一


アメリカが軍艦の建造を怠けた其の結果、1933年(フランクリン)ルーズベルト氏が大統領になった当時には日米の海軍力の割合は古い船を加えまするとアメリカの10に対して日本の8・5程度にはなったのでありますが、恐らく実力に於ては日米大差のない状態になったのであります。

又其の前年1932年アメリカが我国の満州事変に対して盛に不承認主義を以て妨害をしていた当時に於きましてアメリカの海軍当局者は日本の海事力に対して、アメリカは全く勝味がないと云うような考え方になって居ったのであります。

又事実に於きましても其の当時の力は大体大して距りがなくて、従ってアメリカから日本に攻めて来る場合には全く勝算がないと云うような状態にあったのであります。

そこで大統領は就任と同時に其の形勢を見ましては是は大変だ、何とかして一日も早くアメリカの海軍力を(ワシントン会議の)所謂条約比率、御承知のように5対3、日本の3に対してアメリカの5、是だけの勢力を早 く築き上げなければならないと。

大体ルーズベルト氏は、アメリカのビッグネーヴァーパーティ、大海軍論者と云う一派がアメリカの政界、実業界を中心として一つの勢力を持って居るのでありますが、其の大海軍主義者の中のルーズベルト氏は有力なるメンバーである。

勿論同氏は長く海軍次官をして居る関係もありまして、海軍のことに付ては恐らく今日のアメリカ政治家中心の何人よりも詳しい知識と、而して海軍に対する理解とを持って居るのであります。そこで33年に大統領に 就任するや直ぐにあのニューディルに依る産業復興計画の為の軍艦建造と称して32艘の軍艦を大急ぎで造ると云う案を決定しまして軍艦建造を 命じたのであります。

この結果アメリカの海事力は充実されて108万噸(トン)の海事力が揃いまして、日本に対して5対3の比率を維持することが出来る計算になったのであります。

処が其の翌々年日本がロンドン会議を脱退し続いてワシントン条約を破棄したのであります。アメリカはロンドン条約中のエスカレーター条項を採用しまして更に十数万噸の建艦を加えまして126万噸迄引上げること になったのであります。

日本の海事力がどれだけであるかと云うことは最近は我々が申上げる自由を持たないのでありますが、恐らく此のアメリカの126万噸の海事力に対して5対3の比率を保ったものだろうと思うのであります。

それから翌年1937年になりますと世界の形成は段々軍拡及武力制覇と 云う風な形勢に動いて来ましたのでアメリカでは第二ヴィンソン計画が成立しました。

之に依って其の126万噸の兵力を更に2割だけ増加し34艘、 約20万噸の軍艦を増加することが承認され、それから本年(1940)の1月になりますと3番目のヴィンソン案が議会を通過しまして、之に依っ て又それに1割1分を加えることになったのであります。

昨年(1939)戦争が始まって米国民の軍事熱が自ら昂まって来た機会を利用しまして、本年の海軍予算は大体日本の金に直しますると43億円に上ったのであります。此の43億の海軍費と云うものは海軍の歴史に於 きましては初めての大きな額であります。

処が本年の5月ご承知のようにドイツの欧州大陸に於ける勝利がアメリカを刺激しまして、アメリカは将来は自分の力だけで大西洋を護らなければならないような形勢が来ないとは限らない、是は本気で大至急海上国防の充実を図らなければならないと云うので、ルーズベルト大統領は予算決定以後、5月18日に第一次臨時緊急国防費と云うものを議会に提出しまして、そうして其の中から21億円を建造中の軍艦促進の為に投ずること になったのであります。

そうすると其の後フランスが戦敗し、愈々イギリスが孤立の状態に陥ったのでアメリカは更に第2次臨時緊急国防費を議決しまして、其の中から約25億円を海軍の方に振向けたのであります。そこで本年度にアメリカ 海軍が使う金は約90億円となったのであります。

それだけでも既に未曾有の巨額であり、我々を驚かすに十分であったのでありますが、7月に入りますと更に第3次臨時緊急国防費と云うものが議会を通過しまして其の総額は48億弗、日本の金に直しますと約208億円の臨時国防費が決定され、同時に軍事部長スターク大将の所謂両洋艦 隊が、即ち太平洋と大西洋に同時に艦隊を整備すると云う両洋艦隊、是が議会の承認を経て成立することになったのであります。

此のスターク計画と云うのは数字で申しますと現在の海軍兵力に対して7割だけ増加することになりますので、或は7割拡張と言い、戦闘艦七艘、それから航空母艦が8艘、巡洋艦27 、駆逐艦が115 、潜水艦40 、 合計200 艘の軍艦を建造してアメリカの兵力を7割だけ増し、そうして日 本、ドイツ、イタリーの3国の海軍が連合してかかって来たものに対して 対等の勢力を持つと云うのを標準としたのであります。

現在アメリカが造りつゝある軍艦、即ち第1次ヴィンソン案から第3次ヴィンソン案迄の計画で造りつつあり軍艦は、戦闘艦が10 艘、航空母艦が 5艘、巡洋艦が21 艘、駆逐艦が68 艘、潜水艦が43 艘、合計137艘の軍艦を造りつゝあるのであります。

それに先月(1940年9月)の8日にスターク計画に依る軍艦建造を各造船会社及海軍の造船所で引受決定しましたので、其の結果今日アメリカが造りつつある艦及造ることに決まって是からキール(船底を船首から船尾にかけて通すように配置された構造材)を置く艦、それ等を加えますると、戦闘艦が17 艘、航空母艦が13 艘、巡洋艦が48 艘、駆逐艦が176 艘、潜水艦が83艘と云う数字になりまして、合計が337 艘になる。

この337 艘が同じ時に或一つの国に依って建造されると云うことは 恐らく空前であることは勿論でありますが、将来も斯ういうことは起こり 得ないと考えられる程の大建艦なのであります。

私は昨年イギリスが同時に112 艘の軍艦を造って居ったのを以て近年に於ける記録的な建艦であると考えたのでありますが、アメリカの今や将に試みんとするものは約其の三倍に當る厖大なる計画でありまして、戦闘艦17 隻と云うのは今日我が国が持って居る戦闘艦の約2倍に匹敵する分量であります。斯う云う風な大建艦が滞りなく完成するかどうかと云うことは一つの研究問題なのであります。(つづく)(2014/3/6)

2014年03月07日

◆共産党政権の黒社会化

石 平


先月20日、四川省出身の劉漢という人物が起訴されたことが中国でニュースとなった。注目される理由の一つは劉漢が四川有数の大物経営者であることだ。彼が董事局主席(取締会会長)を務めた四川漢龍集団という財閥は数十の企業を傘下に置き、金融・証券・不動産・鉱業などの領域に進出して成功を収め、総資産額が400億元(約668億円相当)にも上った。

地方財界の頂点に立つ劉漢は政治的にも日の当たる場所にいた。逮捕される前に彼は連続3期四川省政治協商会議の委員と常務委員に選出され、民間経営者ながら政権側のエリート層の一員ともなっていた。

しかし彼の正体は実は正真正銘の黒社会のボス、ヤクザの親分であった。新華通信社が2月21日に配信した関連記事によると、1990年代半ばに賭博専門のゲームセンターの経営から身を立てた劉漢はヤクザ組織を一から作り上げ、商売の競争相手を次から次へと、殺していく手口で事業の拡大を図ってきたという。

2009年までの十数年間、彼の組織は三十数件の刑事罪を犯し、9人の人々を殺した。そして13年3月に摘発される前には、劉漢の手先となる「地下武装組織」は自動小銃・拳銃・手榴弾(しゅりゅうだん)などで武装する戦闘部隊に「成長」した。

劉漢はこの戦闘部隊を手足に使って、自らの商売敵をたたき潰し、公共事業プロジェクトの入札競合者を徹底的に恫喝(どうかつ)することによって地元のありとあらゆる「おいしい仕事」を独占できた。

そこで吸い上げた潤沢な資金を持って、彼は、四川省の党・政府と公安の要所要所の幹部に賄賂を贈ってことごとく買収、共産党の地方政権そのものを自分の後ろ盾にした。だからこそ、彼の組織があれほどの凶悪な罪を犯しておきながらも、13年3月までには一度も司法から訴追されることがなかった。

それどころか、地方政権の上層部に深く食い込んだ劉漢は、自分の商売の邪魔をする地方政府の幹部を更迭に追い込む力まで手に入れた。逆に彼の「事業」に協力した幹部なら、劉漢の「推薦」のひとつで昇進することもあった。一黒社会のボス兼「民間企業家」の劉漢は、共産党政権独占の政治的人事権にまで首を突っ込むことができた。

このままでは、劉漢の黒社会組織が四川省の共産党政権を乗っ取ってしまう勢いだった。逆に言えば、四川省の共産党政権自体がそのまま黒社会に変質してしまう可能性さえあった。だが、劉漢の最大の後ろ盾であった共産党中央の某元最高幹部が政争に敗れて追及される身となった結果、「党中央と公安部」の直接指揮下で劉漢とその黒社会集団が摘発され、破滅の道をたどった。

しかし、件(くだん)の元最高幹部が権力闘争に負けていなければ、劉漢というヤクザのボスは今でも、四川の政界と財界に君臨し、ほしいままの暗黒支配を続けているはずだ。

こう考えてみれば、劉漢が破滅した今でも、彼と同様の大小のボスたちが依然、各地方で跋扈(ばっこ)していることは簡単に想像できよう。中国共産党の天下は半ば黒社会の天下ともなっているのだ。

もちろん、共産党政権の体内を侵食していく黒社会の存在が共産党自身にとっても命取りの「がん」であろう。だからこそ、今の習近平政権はこうした組織の撲滅に全力を挙げようとしている。そして体制内の「がん」と戦う傍ら習政権は体制外から中国を変えていこうとする民主派勢力とも戦わなければならない。

こうした中で、共産党の独裁体制はいずれ崩壊するだろうと思うが、しかしその後、中国が法的秩序の下で民主主義国家に変身するのか、それとも劉漢のごとく大小のボスたちが牛耳るような無秩序の暗黒社会となるのか、それがまた問題なのである。

【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、
神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活
動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
産経ニュース 石平のChina Watch】2014.3.6


◆何処の国がならず者の侵略国家なのか

池田 元彦


安倍首相の言動は、過去のどの首相よりも、本格的な日本回帰を滲ませ、心より日本を思う人々の間に共感を生んでいる。共感どころか、安倍首相には果たして頂きたい願いが沢山ある。安倍首相も勿論胸に秘めた決意をお持ちだろうが、前途は厳しいことは間違いない。

何故か。日本人が日本の文化伝統を大切にし、日本独自の憲法を定め、日本人の生命・財産を守り、国土、国益を守り、自主独立を維持することには誰も異存がないはずだ。だが実際には、確信犯の中韓北が日本を取り巻きDiscount Japan運動をし、欧米が支援する構図がある。

中韓北連合は、言い掛かりをつけ日本から賠償金等の名目で金を強請る意図は明白だ。海外で謝れということは、金を出せなのだ。因縁をつけ、謝れの繰返しの末、現金を得る。

欧米も二枚舌だ。中韓の扇動に乗った振りをして、安倍首相を保守反動、東アジアの安定を損なうと右翼と、左翼新聞のみならず米国政府がケチをつけるまでに至っている。これは決して米国全体の姿勢ではないが、民主党オバマの中国寄りの姿勢の反映であることは確かだ。

戦後70年。今もってならず者の侵略国家は誰か、は明白だ。第2次世界大戦後、日本をやっつけて直ぐにアジア植民地に舞い戻ったのは、旧宗主国の英米欄仏だ。日本の邪魔なく甘い汁を再び吸うためだ。が、日本軍の教育・軍隊訓練で自信をつけた各国は独立を果たした。

日本を右傾化、東京裁判を反故にする等として、大声で非難する中共こそが、軍事費を毎年累積的に拡大し、海域周辺諸国を虎視眈々と狙っている。日本は戦後一貫して一度も侵略、戦争に加担することもなかった。専守防衛一筋だ。英国だってフォークランド戦争をやっている。

さて、中国はどうか。チベットは1949年以来何度も中共が侵略し、朝鮮戦争最中で手を出せないまま、チベット全土が中共に占領された。同じことが(南)モンゴルでも起こった。

共通するのは、占領後多くが祖国の遥か遠隔地に強制移動させられ、代わりに大量の漢人を入植させ、抵抗する者は弾圧と虐殺で民族浄化し、結果的にその地の民族比率を激減させ本当に少数民族に落し込め、民族の歴史文化を崩壊させ、祖国の言葉も忘却させるやり口だ。

ネパールは、2001年王族皆殺の首謀者が不思議にも自殺し、結果中共傀儡政権に奪われ、ネパール人が弾圧されている。ブータン、タジキスタンは、様々な難癖をつけられ、その国土をブータンは20%削られ、タジキスタンは、1000?奪われている。国連は一切動かない。

ラオスは、経済支援名目で土地を貸したが最後、事実上中国人に街が占領されている。ベトナム、フィリピンは、皆が知っての通り、南沙諸島、西沙諸島を力づくで奪われ、奪い返すこともできず、今日に至っている。明日の尖閣諸島、明後日の沖縄の悪夢だ。

以上を鑑みれば、戦後70年間他国を侵略してきた一番の国は中共である。皆力づくであり、既成事実の積み重ね、強制集団移植、民族弾圧、虐殺、女性は漢人との半強制的結婚迄させられている。その結果、自らの言語、文字さえ奪われ、支那語しか喋れない程だ。

その間、南朝鮮を攻撃(≒朝鮮戦争)、ベトナムを攻撃(≒中越戦争)、毎年20万件の国内騒乱を鎮圧している。台湾は中共に一度も実行支配されていない。ウイグル、チベット、内蒙古、満州を併せれば、中共の面積960万?の50%を超える。即ち半分は略奪した土地なのだ。


◆朱建榮事件が意味するもの

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26(2014)年3月6日(木曜日):通巻第4173号 

〜 朱建榮事件がなにを意味するか? 中国のメディア規制強化
  米国人ジャーナリストを追放し、言論の自由を無視する北京の狙いは奈辺に?〜

朱建榮が7ヶ月の長期拘束のあと、ようやく釈放され日本に帰還した。しかし彼は一切を語らず獄中の取り調べで何がなされたかは不明のまま、中国の言論弾圧と、その盗聴、防諜、間諜というスパイ行為の闇を覘かせた。

ニューヨークタイムズの辣腕記者、オースチン・ラムゼイ北京特派員は「ヴィザの滞在期間が切れた」という理由で2014年1月に中国から事実上追放された。彼は温家宝前首相一家の不正蓄財を克明に暴いた。

中国国内では共産党幹部らの不正・腐敗を報道した新聞記者、ブロガー、編集者が30名以上拘束され、中には懲役刑で獄中にある記者もいる。

また香港『明報』編集者は、暴漢に襲われ重症を負った。これに抗議する香港市民は『言論の自由』を求めて2万人ちかくが抗議デモ行進を繰り返した。「こんなメディア操作をする国がAPEC議長国になる資格があるのか」と。

香港の人権グループは習近平一家の汚職は300億円以上ののぼっていると全人代へ告発した。

中国の影響力が強いカンボジアでも政権の腐敗、汚職をあばいた記者スオン・チャンが2014年2月に殺害された。ベテラン外国人記者のディブ・ウォーカーは行方不明となっている。

「フィリピンでは1992年以来、じつに70名のジャーナリストが殺害されている」(アジアタイムズ、2月27日)

現在、世界中の3000のメディアが中国の妨害に遭っている。具体的には中国に都合の悪いニュースを切断し、インターネットが繋がらないようにある。NHKの画面が時折まっ黒になる。あれと同じである。

2001年の上海APECでもロイター、CNN、BBCなどが電波妨害をうけた。さらに主要なメディアのHPへのサイバー攻撃がなされている。

全人代前日の記者会見で中国は、「南沙、西砂、スカボロー岩礁などへの中国の侵略」について質問が飛ぶと、「中国は挑発を受けている」とあべこべの回答をなすほど、心臓に毛が生えた態度にかわりはない。

記者会見においても、一方的プロパガンダで、国民を洗脳しているのである。だから中国の学生、インテリは政府発表の公式見解をまったく信用しなくなった。

全人代では今年の経済成長を7・5%目標とした。この数字を達成できないことは、いまや誰の目にも明らか、マイナス成長の可能性がある。

にも拘わらず中国は軍事予算を2桁増加させ、8080億元(邦貨換算で13兆4000億円)とした。

2011年に10・7%、12年は11・2%、そして13年は10・7%、今年度予算は12・2%増の8080億元という異常な突出ぶりだが、ことしから国内治安対策費より、国防費のほうが多くなった。


▼日本政府、情報戦での反撃を開始

日本政府も安倍政権になってから、従来の「沈黙は美徳」の殻をやぶって日本の立場を鮮明にするメッセージの発信を開始した。管内閣官房長官は2014円3月4日、「ニューヨークタイムズの偏向報道に抗議と反論の掲載を要求した」ことを明らかにした。

これは2月26日の同紙が安倍晋三首相の靖国神社参拝を強く批判し「中国、韓国との緊張をさらに高める「危険なナショナリズム」だとした社説である。

同紙は「アジアに必要なのは各国間の相互信頼であり、安倍氏の行動はその信頼をむしばむ」と中国の主張のような批判を述べるとともに、他方で、「尖閣諸島の領有権や慰安婦問題をめぐる中韓両国の対応が日本国民に軍事的脅威を感じさせたり、不信感を抱かせたりしているとも指摘。問題解決のため、中韓首脳は安倍氏と会談すべきだ」と中国韓国への批判も併記した。

しかし、問題なのはニューヨークタイムズが「安倍氏の究極の目標は日本の平和主義的な憲法を書き換えることであり、日本の軍事的冒険は、米国の支持があって初めて可能となる。米国は安倍氏のアジェンダ(政策課題)は地域の利益にならないことを明確にすべきだ」とオバマ政権に注文を付けていることだ。


▼このままでは日本の悪印象が世界にひろがってしまう

ロンドン駐在の林景一大使は『ディリー・テレグラフ』(1月6日)に寄稿し、「軍事拡大を継続する中国は、あたかもハリー・ポッターにでてくる闇の帝王、『ヴォルデモート卿』の役割を演じている」と批判しつつ、「挑発ではなく対話を」と中国に呼びかけた。

林大使は続けて、「中国の戦争行為と受け止められる軍事的挑発に日本は最大限の自制で絶えてきた。戦後の日本は一貫して民主主義と人権尊重の道を歩んできている。安倍首相の靖国参拝は不戦の誓いであり、日本には軍国主義の復活はあり得ない」と強く苦言を呈した。

李克強首相が全人代初日の演説で、「歴史認識」で安倍政権を批判したが、日本政府は直ちに菅官房長官が記者会見で「わが国は歴史を逆行することはあり得ない。戦後、一貫して自由と平和と民主主義の道を歩んでいる」と強く反論した。

菅長官は中国の軍事費と日本の防衛費を比較しても、中国はあまりに不透明であるとして、真正面から反論し、悪い印象の意図的な拡大を防ぐという安倍政権の姿勢を示した。

昨師走の首相の靖国神社参拝以降、一部の欧米メディアが「日本が右傾化している」とまるで中国の新聞のように批判報道がなされているのは、中国が世界的規模で日本批判のプロパガンダを展開しているからだ。

このため日本は事実誤認や一方的な見解に基づく中国の主張に逐一反論する方針に切り換え、中国の不正義、邪しまな試みには、正々堂々の「言論戦」で対抗する姿勢である。
    

◆「真珠湾」の1年前(1)

平井 修一


日本の旧帝国大学の流れを汲む7大学の出身者によって構成されている「学士会」のアーカイブに、真珠湾攻撃で始まった日米戦争の1年前、1940年10月の講演記録があった。

第二次世界大戦は1939年9月に欧州で戦端が開かれ、日本は独伊とともに三国同盟(枢軸国)陣営、米国は英米中蘭などの連合国陣営で対立しており、日米ともに参戦はしていなかったが、日米戦の緊張感が高まっていた時期である。

講演テーマは「太平洋問題と米国海軍」で、演者は時事新報海軍記者の伊藤正徳だった。米国が何年も前から海軍力を着々と強化していたことが分かる。

ウィキによると伊藤は1889年(明治22年)10月 - 1962年(昭和37年)4月。ジャーナリスト、作家、軍事評論家。海軍部内に精通し「大海軍記者」と称された。

慶應義塾大学理財科を卒業し、時事新報社に入社。海軍のブレーントラスト「外交懇談会」の一員でもあり、記者生活の傍ら、母校慶應義塾大学で軍事学の講義もした。以後、中部日本新聞主筆、戦後は共同通信社理事長、日本新聞協会理事長、時事新報社長、産経新聞顧問等を歴任した。

戦後は第二次世界大戦の戦記を執筆。『連合艦隊の最後』などのベストセラーを世に送った。保守派論客の田久保忠衛は伊藤に師事している。

以下、講演を抄録するが、戦争に勝つためには彼我の力量を冷静に研究し、驕らないこと、敵を侮らないことがいかに大事かが分かる。予想される日中戦争の参考にしていただきたい。

                ・・・
編集子の前書き:

本稿は去る10月21日、本会定例午餐会席上に於けるご講演の速記録で ありますが、今や日米両国民の間に太平洋問題を巡っての関係が日に日に白熱化しつつあるは避くべからざる一大事実であり、我が日本国民が之に対し正面より真向うべき歴史的必然に置かれあることが痛感せられる。

俟(ま)つあるを頼むは我が国民の非常時に処する頼もしき伝統的態度でありますが、此秋に当りご多忙中にも不拘これ等の問題に就て講演を賜りたる講演者に対し会員一同と共に深謝致します。

講演:

只今理事長山田博士からの御希望がありましたように、アメリカ海軍の真相を成るべく詳しく話せと云うことでございました。私は平素日本の言論界等に現れるアメリカ海軍の見方について不完全であるように考へて居る点が少なからずあると考えるのであります。

今日の情勢では成るべく外国の実力等を低く見積って大国敢て恐るゝに足りないと云うような言表し方をすれば方々で喝采を博するような時代になって居るのでありますが、私はそう云う風な傾向を国の為に危険であると考えまして、必ずしもアメリカを敵と云う訳ではございませぬが、海軍の関係に於きましては所謂想定敵国の立場にあるアメリカの海軍に付いて其の特徴と弱点とを併せ知って置く必要があると思うのであります。

日本の海軍が、例えば無敵艦隊であるとか、空軍が無敵空軍、又陸軍が無敵陸軍であると申しますが、果たして其の通りであれば敢えて外国の兵力に付て言う必要はないのでありますけれども、私はアメリカの海軍も決して馬鹿には出来ない海軍であるように考えて居るのであります。

勿論素人の見方でありますから当局者の観察とは色々違う点もございましょう。併しながら御話申上げるアメリカ海軍の内容には別に私は誇張も用いないし、又自分の知り得た事実を基礎として御話が出来ると思うのであります。今日のような会合に於きましては恐らく自分の思う所を最も端的に申上げて差支ないと思うのであります。

私は5月に或講演会でドイツの対英上陸作戦は不可能であると云う演説をしたのであります。処が数日を経て或所からそう云う演説は穏かでないと云う風な批評を受けたのであります。私は「ドイツを勝たせたいと云う希望」と「ドイツが勝つと云う、軍事上戦略上の事実」とは引離して冷静に考えなければならないと思うのであります。

今日太平洋の問題が国民の重大関心事となって居りまするのに付きましても、戦争が早く片付いてしまえば恐らく太平洋には本当の危機を招かずに時局が済んでしまうのでありますが、是が長引いて居る間には勢の赴く所どう云う風な結果になるか、恐らく皆様も其の点をご心配になって居られることと思うのであります。そう云う風になかなか勝負が付かない。欧州の戦争が長くなるに従って極東の上には色色な影響が及ぶのが当然であり
ます。

丁度前回の世界戦争(第一次大戦、1914〜1918)当時を顧みますると、是も一種の英独争覇戦であったのであります。そうして日本とアメリカは連合国のメンバーであったのでありますが、それにも拘らず日米の関係は海軍競争を中心として段々と悪化して行ったのであります。それでパリ会談(パリ講和会議、1919)直後の世界評論は「此の次の戦争は太平洋にある」と云う観測に一致して居ったことを思い出すのであります。

其の時の状態は一方には欧州戦争が続いて居る。他方では我が国とアメリカとの間に激烈なる海軍競争が行われ、そうして支那と日本との関係は戦争にはならなかったけれども却って前より不和の状態にあったのであります。

二十一箇条(対華21カ条要求、1915)の問題を中心としまして日支間の関係は非常に悪い。そうして傍らには日米の海軍競争がある。其の情勢を見て此の次の戦争は太平洋にあると云う予想が行われたのであります。

処がワシントン会議(ワシントン海軍軍縮条約、1922)が開かれ、そこで日米間の競争は終りを告げ又支那を中心とする色々な不穏な原因も、是は我が国の満足なる状態に於てではありませぬけれども、兎に角一応ケリが着きまして、太平洋の戦雲は一掃されたのであります。

そう云う歴史が今後にまた繰返されるかどうかが重大なる問題でありまして、果たして第二のワシントン会議が開かれるような時勢が来るかどうか、今日迄の形勢を見ますると、欧州戦争の歴史は繰返されましたけれども、其の他の政治現象は20年前とは反対に動いて居るのであります。

詰り日本はドイツの陣営に合体しまして、そうしてアメリカと相反する立場に立ったのであります。従って海軍競争よりも更に一層激烈なる内容を伴ってくる訳であります。

そこで結局アメリカ海軍の存在と云うものは我が国の外交政策を決定する上に決して無視することの出来ないものであります。それは丁度アメリカの外交が太平洋に於ける我が国の海軍力を無視することが出来ないのと全く同じ関係であります。

そこでアメリカの海軍力が現在どう云う風な内容を持ち、また今後どう云う風に発展して来るか、其の実力および動向はどんなものであるかと云うことが単り軍事的のみならず、政治的にも、外交的にも重要な意味を持ってくることは申す迄もない所であります。

アメリカ海軍の特徴を先ず御話申上げる前に概論として、1916年頃から日米間に海軍の競争が行われた当時には、アメリカは有名なるダニエルス海軍計画と云う、二百余艘の軍艦を建造する案を決定しました。そうして我が国の八十八艦隊計画に対抗して之を凌駕しようとしたのであります。兎に角十六艘の戦闘艦を同時に起工しまして天下を驚かした。

処がワシントン軍縮会議が纏りまして愈々軍縮の時代に入りまするとアメリカは俄然軍艦の建造を忘れてしまいまして、一九二二年から一九三三年の間、此の十二年間の間に八インチ大(大口径砲搭載)巡洋艦を造った以外には殆ど軍艦を造らなかったのであります。

此の期間に外の二大軍事国である所の日本とイギリスはどうであったかと言いますと、我が国は毎年8800万円の建艦費をずっと継続して行ったのであります。大正14年の如きは海軍予算が僅かに2億6000万円に低下して居りますが、其の際にも尚軍艦健造の為に8800万円を使って参ったのであります。

イギリスはどうかと申しますと、其の期間に毎年巡洋艦2艘、護送艦4艘、潜水艦2艘をほとんど定石のように毎年定めて造って居ったのであります。

是等は海軍国が当然履むべき道であって、此の建艦に依って造船技術の退歩を防ぎ、併せて建艦技術への刺激、また発明の刺激を得まして海軍としてほかに劣らないことを期したのでありますが、其の日英両国の態度と全く反対にアメリカはもう海軍は要らないのだと言わぬばかりの怠け方をしたのであります。(つづく)(2014/3/5)


2014年03月06日

◆ロシア、安保理で孤立

加藤 賢治


【ニューヨーク=加藤賢治】国連安全保障理事会は3日、ウクライナ情勢に関する緊急協議を開き、クリミア半島での軍事行動を正当化するロシアと、これに反発する欧米が改めて激しい論戦を繰り広げた。

リア問題などへの対応でロシアと安保理で同調してきた中国も欧米の主張に近い立場を明らかにし、ロシアの孤立が深まりつつある。

「法秩序回復のため、プーチン大統領に軍事力を行使するよう要請する」ロシアのチュルキン国連大使は安保理議場で、大統領の座を追われたヤヌコビッチ氏のプーチン露大統領への書簡のコピーを掲げ、文面を読み上げた。

クリミア半島を掌握した軍の行動を正当化するための演出だったが、フランスのアロー国連大使は協議後、記者団に「誰かが彼に会いに行き、(書簡に)署名させたのだろう」と一蹴した。

チュルキン大使は「過激な民族主義者による脅迫や暴力で、ロシア系住民の生命や利益が危険にさらされている」との主張を繰り返したが、米国のパワー国連大使は「証拠はない」と反論。「起きてもいないことを根拠に、軍事行動を正当化出来ない」と非難した。

ウクライナ情勢に関する安保理の緊急会合は3回目で、欧米とロシアが非難合戦を繰り広げてきた。ただ、3日の協議では、中国の劉結一国連大使が「中国は一貫して内政不干渉の原則を支持し、ウクライナの独立、主権と領土の一体性を尊重する」と演説。

背景には、国内に分離独立を求める少数民族問題を抱える事情があるとみられる。劉大使は「対話による政治的解決を求める」とも述べ、ロシアの主張から距離を置いた。
(2014年3月5日10時06分 読売新聞)

◆米、国防戦略見直し 中国を警戒

青木 伸行


【ワシントン=青木伸行】米国防総省は4日、安全保障戦略の指針となる「4年ごとの国防戦略見直し」(QDR)を発表した。在日米軍の強化などアジア重視戦略を堅持し、日本などとの同盟関係の進化も戦略の軸だとした。

2020年までに、駆逐艦など海軍艦船の60%をアジア太平洋へ移すという既定方針を維持し、それには「日本国内の極めて重要な米海軍の強化が含まれる」と強調。海兵隊のグアム移転を進め、航空戦力も偵察機など「情報、偵察、監視のための追加的な戦力を地域に投入する」とした。

アジア重視戦略の根拠である中国については、部分的に名指しを避けつつ、(1)軍事力の包括的な更新・近代化を、急速なペースで進めている(2)米軍の展開を阻止する「接近阻止・領域拒否戦略」と、サイバー攻撃、宇宙空間の軍事利用による対米(戦略)強化を追求し続ける−などと警戒。

このため北朝鮮への対応も含め、アジア重視戦略では日本や韓国、オーストラリア、フィリピン、タイなどとの「安全保障同盟を近代化し、(軍事能力を)高める」とした。サイバー戦能力と宇宙空間の取り組みも強化する。

また、北朝鮮と中国の弾道ミサイルから米本土を防衛するため、地上配備型迎撃ミサイルGBIを30基から44基に増強し、迎撃能力を強化。北東アジアでは、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処能力を強化するため、日本(京都府の航空自衛隊経ケ岬分屯基地)に、2基目のXバンドレーダーを配備する方針も明記した。

一方、国防予算の削減が今後も続けば、「危機に迅速に対応する米軍の能力などが低減する」と危機感も表明。「将来の紛争などに対する同盟・友好国の貢献が、必要になるだろう」として、いっそうの役割分担を求めている。産経ニュース 2014.3.5

2014年03月05日

◆TPPの死はアベノミクスの死

屋山 太郎


TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉の日米合意失敗で、アベノミクスの先行きに暗雲が立ち込めだした。安倍晋三首相がダボス会議で、日本の「岩盤規制」をドリルで砕くと言明し、世界にアピールした矢先である。

 ≪日本農業と米自動車の衝突≫

日米貿易交渉がつまずくのは常に、日本のコメ、酪農と米国の自動車が衝突するからだった。両方とも関税ゼロになると、日米の消費者はともに4兆5千億円程度の得をするのに、である。中でも日本のコメ政策には、ウルグアイ・ラウンドの交渉期間を含めて20年余、世界もうんざりしてきた。

世界が安倍首相の「岩盤規制」粉砕宣言に期待したのは当然だ。ここが突破口になれば、あとの項目はすべて小さな問題にみえる。アベノミクスの第3の矢と位置付けられる成長戦略の決め手は一に農業、二に医療である。安倍氏の思惑はTPPをきっかけに、聖域とされてきた分野の規制を撤廃することだったに違いない。

交渉がまとまらなかったのは、米国が自動車関税を死守したからのようだ。みるところ、オバマ米大統領は、自動車労組を説得する迫力もなければ、理屈で圧する論理もない。米国の自動車に関税が必要なのは、質的に劣る車を製造しているからで、日本が米車を拒んでいるからではない。現にドイツ車の輸入は増えている。

安倍首相は国会で「TPPの交渉は終わったわけではない」と答弁しているが、これで終わりならアベノミクスも終わりになるだろう。米国の自動車で埒(らち)があかないから、日本の「農業改革」もやめていいということにはならない。

米車は技術面に問題があるから売れないのであり、日本は日本で農政の失敗により農地というかけがえのない資源を無駄にしているのである。安倍氏も甘利明TPP担当相も、参院選で自民党が掲げた「守るべきものは守る」という公約は守れたと言っているが、政治家はより良き道を選択することを任された存在でもある。農水族やJA(農協)と一緒になって喜ぶような話ではなかろう。

 ≪30年河清まつがごとき農政≫

日本には、農地は450万ヘクタールしかない。このうち50万ヘクタールが耕作放棄地になっているのに加え、100万ヘクタールが減反対象となっている。残る300万ヘクタールがコメと野菜、果樹、畜産、酪農に使われている。

度し難いのは、農政の中心が常にコメにあることだ。コメを高値につり上げるために、150万ヘクタールが減反と耕作放棄地になっている。そして耕作放棄地は農家の高齢化に比例して増えつつある。

コメ農家の所得は、450万円で年金と農外所得がそれぞれ200万円。コメ所得は50万円に過ぎない。50万円を確保させるため、他の農地150万ヘタールに「捨て作り」を強いていることになる。

こんな馬鹿げた農政が批判されだしてからすでに30年がたつ。なぜ矯正されなかったのか。

農業委員会は田畑の貸借や売買を監督する機関で平均21人から成る。ほぼ全員が村の有力者だ。農業振興に必要なのは農地の移動と新規参入だが、あらかた彼らに拒否されている。安倍内閣はこの農業委員会を廃止する方針だ。

農業協同組合は本来、農家の生産物を高く売り、飼料や肥料を安く農家に売るのが仕事だが、自立した農家ほど農協を使わない。現在、コメは1俵(60キロ)1万2千円だが、農協は1万6千円を目指す。

単に手数料が増えるという理由からだ。4千円引き上げるため農林水産省がやろうとしていることは、「水田フル活用」と称して減反対象の田んぼに米粉、エサ米を作付けさせることだ。米価並みの収入がなければ農家は作らないから、10アール当たり10万5千円(食用米と同じ)払うという。

 ≪国家戦略特区で風穴開けよ≫

農水省が転作補助金1万5千円を「5年後に全廃」と打ち出したのは、もともと不要なものをやめただけで、完全な目眩(めくら)ましだ。農水官僚、農水族、農協の癒着を断ち切る最良の方法は、早々に「国家戦略特区」を設け、(1)一般企業の農地取得(買収、借地)(2)農業委員会の廃止(3)農協の金融機関化(今の農協に実質的商社機能はない)
(4)専門農協設立の自由−などを実行してみせることだ。

国家戦略特区は、都市再生、教育、雇用、医療、歴史的建造物の利用、農業の6分野からメニューを選べる。地域だけでなく規制緩和する分野ごとの「飛び地連合」も許される。

安倍首相は、岩盤規制を打破する手段として、この国家戦略特区を構想している。しかし、具体化に当たって、各省は必死の抵抗を示している。このためか、担当の新藤義孝総務相は早々と「今国会では特区設定はやりません」と逃げに出ている。

しかし、兵庫県養父市の広瀬栄市長は「農業委員会委員は外部から呼ぶ」と述べ、都市再生の地域構想をも発表している。千葉県の和郷園(木内博一代表理事)は92軒の農家で食材生産を始め、「4千万円農家」も続出しているという。政府は、こうした地方の動きに水をさしてはならない。

(評論家・ややま たろう)産経【正論】 2014.3.4 03:54


◆「慰安婦」&「虐殺」考

平井 修一


以下を英語にして各国のサイトに掲載したら少しは反応があるのかなあと書いてみた。
・・・
世界中で性的サービスを提供することによって金銭を得る女性、すなわち売春婦(prostitute)は昔からいた。原始時代なら、売春により食べ物を得ていたのかもしれない。

日本では売春婦を表すいろいろな言葉がある。娼婦、花魁(おいらん)、遊女、女郎、淫売婦、醜業婦、街娼、夜鷹、慰安婦(comfort women)など様々だ。1600年頃から1868年までの江戸時代には外国人を相手にしていた売春婦を羅紗緬(らしゃめん)と言っていた。1945年の戦後には米軍など占領軍の兵士を相手にした売春婦はパンパンと呼ばれた。

売春婦は、時には軽蔑されることもあるけれど、敬意を表されたり、時には大スターとして憧憬されることもあった。1200年頃の武将、義経は日本人が大好きな英雄の一人だが、彼の恋人は白拍子(しらびょうし)という歌舞の芸人で、一種の高級売春婦だった。

江戸時代において、高級売春婦の花魁は大変な人気だった。超弩級のスーパースターであり、アイドルであり、トップモデルであり、しばしば浮世絵にもなった。花魁の最高位である高尾太夫と、一介の紺屋の職人との純愛をテーマに据えた落語は今でも人気だ。

1945年以前の支那大陸では、主に日本軍兵士を相手にした慰安婦が多かった。慰安婦の6割が日本人で、朝鮮人が3割、支那人が1割あたりだったろう。当時は売春は合法的な商売で、女性が手軽に始められて、かつ大変儲かったから、売春婦になる人は多かったが、需要がそれを上回り、いつも人手不足だったようだ。

朝鮮人の慰安婦は朝鮮ピーとか朝鮮銀行と呼ばれた。「ピー」 とは支那の隠語で女性の性器をあらわす。日本の兵士は、日本語での会話が弾む日本人慰安婦を好んだ。いろいろな思い出を語り合うことができるからで、時には恋愛になることもあった。しかし、お金がない時は安い朝鮮ピーで間に合わせた。

支那に進出した慰安婦たちを日本軍兵士は「娘子軍」(じょうしぐん)と呼ぶこともあった。「若い女性軍」という意味だ。「こんな奥地まで我が娘子軍は進出していた」などと言った。

日本では1958年に売春が表向きは禁止されたが、需要があれば供給があるから、今でも売春産業は繁栄している。今の日本では売春婦を「嬢」(お嬢様)とか「姫」(プリンセスとかレディー)などと呼んでいる。

こういう歴史的な経緯と感覚だから日本人は売春婦を奴隷視したことはない。前借金を返せないためにずっと売春婦を続けなければならなかった女性も少なくなく、だから事実上の人身売買であり、性奴隷(sex slave)であるという見方があるが、日本政府は明治維新早々の1872(明治5)年には「娼妓解放令」を定めて人身売買を禁止、娼妓は前借金を棒引きされて解放された。

しかし、こうして解放された女性も、生きるために再び売春婦になる人が少なくなかったと聞く。裸一貫でたっぷり稼げるのだから効率がいい商売なのだ。それを知っている女性は堅気の低賃金の商売、仕事なんてとてもやる気にはなれなかったのだろう。

韓国人は「日本は朝鮮人女性を強制的に拉致して日本軍兵士用の性奴隷にした」と世界中で叫んでいるが、兵士の10倍もの収入のある売春婦がなぜ奴隷なのかまったく分からない。朝鮮人女性を暴力で日本軍が拉致したのなら、彼女らの勇気ある父や兄は命懸けでそれを阻止したはずで、当然、大規模な暴動になったろうが、そんな話はまったく聞いたことがない。朝鮮人の男は勇気がなかったのか。

そんなことはない。日本でも朝鮮でも、娘たちは「一家のためにお金を稼いでくる」と売春婦になったのだ。気の毒ではあっても当時はそういう時代だったのだ。

日本人の売春婦は支那のみならずアジア各地へ出かけていった。大儲けして故郷に錦を飾った人もいれば、尾羽打ち枯らして帰郷した人もいる。

韓国人売春婦も同様だろう。成功者は口をつぐんで何も言わない。失敗者は金が欲しいから「無理やり性奴隷にされた、私は被害者、賠償しろ」とわめく。日本の兵士は彼女たちを性奴隷にしたおぼえはまったくないし、むしろ彼女たちの収入増に貢献したのである。彼女たちや朴クネは「日本の兵隊さん、ありがとう」とこそ言うべきではないか。

もう一つのテーマである「虐殺」について。

支那人は昔からむごたらしく殺すことを好んで文革でもやりたい放題だったが、半島人も昨年は張成沢の死刑執行で機関銃を使ったそうだから似たようなものだろう。むごいのが好きなのだ。一方で日本人は死刑執行では基本的に名刀で首を斬るだけで、死ぬ人は痛みも感じないし、斬る人は「いかに美しく斬るか」を考えていたろう。

国内での戦争でも残虐な殺し方をしたのは織田信長ぐらいではないか。1571年の比叡山焼き討ちでは信長は僧侶や児童の首をことごとく刎ね、数千人を殺したと言われている。

織田信長はプーチンのような独裁的な強いリーダーシップと戦争指揮で評価はされているが、残虐性から今でも嫌う人は多い。日本人は虐殺を歴史的、文化的に好まない。だから日本軍は南京で30万人の支那人を虐殺したなどと中共から言われると、そういう感性、嗜好がまったくないから「?」と思わざるを得ないのだ。

中共は独裁を正当化するために「日本=残虐な悪者」で、その日本をやっつけて支那を救ったのは「中共=正義の勇者」、だから中共独裁には歴史的根拠、正当性があるのだとわめいている。

日本人的メンタリティの人は「中共は嘘を言っている」と思うけれど、GHQやアカに洗脳された人はそうは思わないで「南京虐殺は事実だ」と触れ回っている。うんざりするが、こちらも大声をあげなければならないからシンドイことである。(2014/3/3)