2014年02月23日

◆メダルより子犬を奪い合う五輪選手達

古澤 襄


■ 連れて帰るのは一苦労

ソチ五輪の公式グッズなど問題ではない。冬季五輪に参加している米国選手たちは、もっと抱きしめたくなるような土産を囲い込んでいる。野良の子犬たちだ。

米国が13日に表彰台を独占したフリースタイルスキー男子スロープスタイルの銀メダリスト、ガス・ケンワージー選手は米国に連れて帰ることを計画している4匹の子犬とその母親のために、この2日間を犬小屋とリードの購入に費やした。現在は山岳地域のメディアセンターのそばにある警備テントの中が犬たちの棲家となっている。

犬たちを選手村に連れ帰ることはできないため、ケンワージー選手は毎日そこを訪れている。

コロラド州デンバー在住のケンワージーさんは「試合の準備をしようとするとき、犬たちは良い気晴らしになる。余計なことを考えずに済むんだ」と話す。彼が引き取り手続きを始めたのは1週間以上も前のことだった。

毛色が黒と茶で耳の垂れた子犬たちのことを「とてもかわいい」とケンワージーさん。「僕のお気に入りなんだよ」。

数日前、ケンワージーさんが自分の膝の上でからだを寄せ合う4匹の子犬の写真をツイッターに投稿すると、国際的に大きな反響を呼び、ポップスターのマイリー・サイラスさんも「@guskenworthyをフォローすべき4つの理由」というコメントと共にリツイートした。

「(子犬たちのかわいさは)建物解体用の鉄球に打たれたような衝撃だった」。ケンワージーさんはサイラスさんの曲の歌詞をもじってそれに返信した。

女子スノーボードクロスでメダル候補だった米国のリンゼイ・ジャコベリス選手は、準決勝で転倒するという苦い経験をした。

しかし、「私と私の子犬」と題されたツイッターの写真には、満面の笑みで毛色が黒と茶の子犬のあごを撫でている彼女がいた。

ジャコベリスさんの代理人、ジョッシュ・シュワルツ氏によると、ロシアの動物病院に行き、ペットパスポートを購入するなど、彼女はその子犬の引き取り手続きを終了しているという。ジャコベリスさんはソチと名付けたその子犬と一緒に20日に帰国する予定だ。

ソチでは子犬の数が急増している。五輪会場の建設のために押し寄せた大勢の建設労働者たちが野良犬にエサを与えたためだ。最近拡充したソチのペットシェルター、ポボドッグの女性広報担当者によると、ソチ地区には推定2000匹の野良犬がいるという。

このシェルターはロシアのアルミニウム富豪、オレグ・デリパスカ氏から資金援助を受けている。その広報担当者は引き取りを望んで連絡してくる人の90%が米国人だと話した。

米オリンピック委員会の広報担当者は、ソチの野良犬を引き取ろうとしている米国選手の数は把握していないと述べた。それでも、ツイッターへの投稿に基づくと、選手たちの多くが子犬たちを連れ帰りたがっているようだ。

米国の男子アイスホッケーチームには、北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)で億単位の年棒を稼ぐ屈強な男たちがたくさんいるが、彼らもソチの子犬たちには弱い。

18日のチーム練習の数時間前、ゴールキーパーのライアン・ミラー選手がある写真をツイッターに投稿した。そこには、NHL選手協会の小屋の外で横たわる茶色の耳と黒のぶちが特徴的な白い犬が写っていた。

ミラーさんは「家族のホテルマスコット!」というコメントを添えた。「2匹の野良犬が風呂に入り、選手たちに引き取られた」。

米国チームのフォワード、デビッド・バッケス選手によると、米国、カナダ、スロベニアの選手たちは子犬をロシアから自分たちの国に連れ帰ることが可能かどうか検討している。選手たちが大会期間中に敵チームと協力することには問題があるが、選手たちの妻たちの一部が団結し、その輸送手段を見つけ出そうとしている。

「妻たちは自分たちだけの同盟を組んでいるんだ」とバッケスさんは言う。

犬たちを受け入れてくれる米国のシェルターをすでに見つけた選手たちもいる。しかし、選手たちが自分たちのチャーター便で犬たちを連れ帰ることができるかどうかは不透明だ。

今週になって、アエロフロート航空がソチの野良犬を無料で米国に運ぶことを申し出たという噂が広まったが、その航空会社の広報担当者は今も輸送上の問題解決に取り組んでいると話した。同社による犬たち――米国への空輸の問い合わせがあったのは今のところ10匹――の輸送が可能かどうかの決断は19日にも下されるという。

雪上、氷上での抜きん出た個人パフォーマンスに欠ける今回の冬季五輪では、ソチの野良犬がサプライズヒットの1つとなった。犬たちはまた、捨てられた動物やその引き取りに関する問題点にも光を当ててくれた。

18日、動物福祉団体、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)はそのホームページに「ソチの衝撃的な実情」という見出しを掲げ、ソチやその他の場所での捨てられた動物の助け方に関する情報を掲載した。

HSIのアンドリュー・ローワン会長は「私が覚えている範囲で、メディアがここまで野良犬の問題を大きく取り上げたことはなかった」と述べた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)>

2014.02.21 Friday name : kajikablog

2014年02月22日

◆「河野談話」根拠覆す石原証言

阿比留 瑠比


石原信雄元官房副長官が20日の衆院予算委員会で、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」の作成過程について(1)日本軍や官憲が強制的に女性を募集したという客観的資料はない(2)談話は韓国での元慰安婦16人への聞き取り調査に基づくが、裏付け調査はしていない(3)談話は軍や官憲の直接的指示での募集(強制連行)を認めたわけではない−の3点を証言した意義は重い。



談話作成時の事務方トップだった石原氏は、これまでも産経新聞のインタビューなどで同様の認識を表明していた。また、第1次安倍晋三内閣も19年に「政府発見の資料の中に強制連行を示すような記述はない」と閣議決定している。

極めてずさんで証拠能力が認められない元慰安婦の聞き取り調査が、事実上、唯一の河野談話の根拠だったことは産経新聞がすでに報じてきた通りだ。

ただ、今回はNHKの全国中継が入る国会での当事者の証言であり、国民に河野談話の実態を周知する効果は小さくないだろう。

これを受け、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が元慰安婦聞き取り調査の再検証の検討を明らかにしたことも、問題解決に向けた一歩前進となる。

河野談話は海外で「日本政府が正式に強制連行を認めた」と誤解・曲解を招き、荒唐無稽な「20万人強制連行説」や「性奴隷説」の根拠として利用されてきた。歴代内閣も外交問題化を恐れるあまり、この誤った風説が流布されるのを腕をこまぬいて見てきた。

国内でも、こうした海外の誤解・曲解を正すどころかそれに迎合し、一緒になって過去の日本を糾弾するメディアや政治家が少なくなかったのも現実だ。

今月12日にも、村山富市元首相が韓国の国会で「軍や業者、慰安婦の皆さんの証言、調査をまとめたもので、信頼すべきものだ」と講演している。

村山氏が何を根拠に「信頼すべきもの」と断言したのか不明だが、今回の石原氏の国会証言はくしくもこれへの反証となった。

何より問題なのは、談話が事実や証拠に基づくものではなく、「強制性」を認めれば慰安婦問題は収まるとの日韓の政治的談合でできたことが改めて明確になったことだ。

「当時の日本政府の善意が生かされていないのは、非常に残念だ」

石原氏は予算委で慰安婦問題の現状をこう嘆いた。だが、国際社会では善意がねじ曲げられることは珍しくない。
産経ニュース2014.2.21

◆捏造された歴史の被害者にはならない

田北 真樹子


立ち上がった日系人、

米国カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求めて、日系人や在米日本人らが立ち上がった。慰安婦像の撤去だけでなく、市が慰安婦募集の強制性を裏付ける証拠を持たないまま像を設置したことを明るみにできれば、米国内で生じている慰安婦問題への誤解を解く貴重な機会ともなる。

「日本は捏造(ねつぞう)された歴史の被害者だ。この被害から逃れるには、積極的に加害者と闘う必要がある。国際社会では自分でやらなければだれも助けてくれない」

原告の一人で、南カリフォルニア在住の目良(めら)浩一元ハーバード大助教授(80)は、訴訟に踏み切った動機をこう語る。目良氏らは、像のそばのプレートに日本軍が強制連行したと記述されたことなどに“義憤”の念を抱き、日本をおとしめようとする試みをただそうとしている。

米国内ではすでに慰安婦像・碑が設けられた4都市以外にも、新たに設置する動きがくすぶっている。原告は訴訟を通じ、将来、提訴される可能性があることを周知することにより、自治体や議会による新たな設置の動きに歯止めをかけようとしている。

また、グレンデール市が連邦政府の外交権限を侵害していることが認定されれば、「日本海」の表記に代えて韓国政府が主張する「東海」表記を浸透させようとする州レベルの動きに対する牽制(けんせい)にもなる。

今回の提訴に当たり、原告はオスマン帝国時代のアルメニア人虐殺に端を発した、さまざまなトルコ対アルメニア訴訟の経験を持つ米国弁護士事務所と契約し、態勢を整えた。

ただ、最大の懸念は訴訟費用の確保だ。訴訟準備の初期費用は原告が自ら負担したが、訴訟が長期化すれば資金不足となるのは必至。このため、原告の一部がメンバーとなっているNPO法人「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)では日米両国で寄付金を募る。

日本政府は、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話に縛られて身動きが取れない。訴訟を通じて慰安婦問題の真実を正そうとしている目良氏らは、正しい歴史を後世に伝えたいと願う日本人による強い支援を求めている。
産経ニュース2014.2.21

2014年02月21日

◆妙ちきりんな民主党の憲法解釈

阿比留 瑠比


時折、怖いもの見たさで菅直人元首相のブログをのぞいてみる。世の中にはいろんな人、不思議な見方があるものだという驚きと発見に満ちているからだ。18日付のそれは「立憲主義を否定する安倍総理」との題で、「政府の答弁については(内閣法制局長官ではなく)私が責任を持つ」と述べた安倍晋三首相についてこう批判していた。

菅氏の首相批判

「安倍総理は、『憲法は権力者を縛るもの』という立憲主義の原則を否定し始めた。(中略)そして憲法解釈も、総理大臣は自分の一存で変更できると、立憲主義を真っ向から否定」

はて、そんな過激な発言があったかと過去の議事録を調べると、首相は平成25年4月の参院予算委員会では次のように述べている。

「憲法は権力者の手を縛る、為政者に制限を加えるという側面もあるが、実際は自由民主主義、基本的な人権が定着している今日、王制時代とは違うわけで、一つの国の理想や形を示すものでもある」

立憲主義の否定ではなく、ただ、王が絶大な権力を握っていた絶対王制時代とは憲法観もおのずと変わってきたという当然のことを説明しただけだ。今年1月の衆院本会議でも首相は明確にこう語っている。

「立憲主義と平和主義を軽んじる人が、私を含めてこの会場に一人として存在するだろうか。存在するわけはない」

菅氏は首相が目指す集団的自衛権をめぐる憲法解釈変更に反対なのだろう。とはいえ、その指摘は勘違いか、首相へのレッテル貼りを試みた「ためにする議論」にすぎないといえる。

大体、これまでさんざん一般の憲法観を踏み外した発言を続けてきたのは菅氏の方なのは間違いない。

「日本国憲法には三権分立という言葉はない。私は(三権分立の原則という)これまでの憲法解釈は間違っていると思う」

菅氏は副総理時代の21年11月には参院内閣委員会でこう答弁しているほか、「議会制民主主義とは期限を区切った独裁を認めること」を持論としてきた。そして、実際に首相時代には数々の法令を無視し、独裁者然として振る舞っていた。

枝野氏「国辱的」

また、菅氏同様、枝野幸男元官房長官も最近、首相を強く批判している。「最高権力者だから憲法の解釈をどう変えてもいいと取られても仕方がない国会答弁だ。国辱的発言だ」

だが、法制局長官の国会答弁を排除した鳩山由紀夫内閣で法令解釈担当相を務めた枝野氏は22年6月、朝日新聞のインタビューにこう答えていたではないか。

「もともと内閣法制局は広い意味での意見具申機関だから、(法制局)長官が何を言っても首相や官房長官が『あれは参考意見です』といえばおしまい」

「行政における憲法の解釈は恣意(しい)的に変わってはいけないが、間違った解釈を是正することはあり得る」

菅内閣でやはり法令解釈担当相に就いた仙谷由人元官房長官も就任時の記者会見でこう明言している。

「憲法解釈は政治性を帯びざるを得ない。その時点で内閣が責任を持った憲法解釈を国民、国会に提示するのが最も妥当な道だ」

民主党は行政府の長であり、内閣のトップである首相が憲法解釈に責任を持つのは「国辱」で、一閣僚なら良いことだとでも言いたいのだろうか。それこそ妙ちきりんな解釈ではないか。(政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2014.2.20


◆日本は蝕まれつつある

池田 元彦


1965年日韓基本条約が締結され、戦後一切の補償問題は合意解決した。当初日本は個人補償も提案したが韓国側が拒否し、結果として当時360円換算レートで8億ドルの資金・融資援助を韓国政府に供与することとなった。当時韓国の国家予算3.5億ドルの時代だった。

日本が併合した韓国は、戦勝国でもなく敗戦国でもなく、所謂第三国で補償の義務もなかったが、朝鮮に残した資産、当時の金額で53億ドルも日本は放棄した。オランダが散々インドネシアを搾取した上、独立賠償金を逆に奪取したことを思えば日本はお人好しだ。

戦後韓国朝鮮人は日本に強制連行されたと主張し、何の根拠もなく所謂特別永住者特権を次々と獲得していった。在日朝鮮人商工連合会(≒朝鮮総連の下部組織)は、所得税や固定資産税の軽減(50%前後)、裁判係争案件の協議解決、各種損金の必要経費化等々だ。

その後、悪用可能な公的文書への通称名使用、永住資格、所得税・相続税・固定資産税の負担軽減、生活保護優遇、外国籍のままでの公務員就職、一般職制限撤廃、朝鮮大学卒業者の大検や司法試験第1次試験免除、指紋押捺免除等々で、日本人以上に優遇された。

戦争中徴用は日本人・朝鮮人共にあったが、強制連行はなかった。朝鮮人の徴用は終戦前半年間だけで優遇されていた。戦争直後200万人居た朝鮮人の75%、150万人は帰国し、残る50万人のうち「245人の徴用労務者を除く在日朝鮮人は犯罪者を除き自由意思で残留した者とその子孫」だと1959年外務省が調査に基づき発表、朝日新聞も報道している。

即ち日本は在留朝鮮人に特別待遇をする必要性も、道義も義務もないのにかかわらず執拗な被害言立てに根負けした税務署、各地方公共団体は、日本国憲法、地方公務員法の趣旨に則り明らかに法令違反の裏操作黙認で、各種優遇を特別在日朝鮮人に供与していた。

敵性国家北朝鮮の総連を大使館扱いして固定資産税等を無税にする必要など一切ない。商工団体や私企業の所得税、相続税を軽減する理由もない。餓死する日本人は時たまあるが、在日朝鮮韓国人の日本人の3倍の比率での受給、あるいは不正受給を放置するのか。

当然、朝鮮韓国に限らず如何なる外国籍人も国家・地方公務員として採用すべきでない。韓国では成人は指紋押捺強制で身分証明書を持たされるのに、何故在日は押捺拒否しそれを日本政府は許したのか。米国は、顔写真と全部の指10本の指紋を入国時に必ず採取する。

在日は、何故内乱等の特別な犯罪でなければ、本国送還されないのか。また民主党政権下で、子ども手当をばら撒くだけならまだしも、在日外国人の海外在住子弟に迄ばら撒き、在外邦人の子弟は一切貰えないとう理不尽な決定は、日本人誰もが納得していない。

家族制度崩壊を狙う夫婦別姓、外国人参政権を主張する民主党以下がいる。それを広報・積極報道するマスゴミがいる。下支えする細胞組織がいる。地方公共団体の予算を騙し取り、公民館の一室を男女共同参加xxxとして占有し、子供にセックスを教える。

これ等人種は、精々10%から15%程度だが、マスコミ、日教組、在日諸団体との連携と怪しい言動の国会議員90名以上を確保している。日の丸君が代が嫌いで、予算ばら撒き賛成、自衛隊、集団的自衛権、原発、そして憲法改正に特定秘密保護に反対する連中だ。


        

2014年02月20日

◆大物・周永康失脚へ最後の一撃

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年2月19日(水曜日)貳:通巻第4152号>  

大物・周永康失脚へ最後の一撃(致命一撃)は海南省副省長の取り調べ
    10年間、周につかえてきた右腕、キ文林(石油派)を「双規」

中国語媒体はトップ記事である。

党中央規律委員会監査部筋の情報によれば、キ(上が「北」、下に「異」)文林が厳重な規律違反として当局に拘束、取り調べを受けていることが判明、「習永康の大秘書」(明報)と言われたキの失脚は、周永康を筆頭とする石油派の壊滅に繋がる。

これで「金庫番」だった蒋潔敏(国家資源委主席)、四川省閥を形成して周永康の回りを固めた李春城(四川省前副書記)と郭永祥(秘書役)、ならびに石油畑で習の家来だった李文喜(遼寧省公安庁長兼務遼寧省政協会副主席)および李東生(公安副部長)の「五人衆」全員が正式な取り調べを受けていることが判明した。

まさに「建国以来最悪の腐敗集団」といわれた「石油派」への鉄槌がおろされたことになり、『死老虎』と書いた。大物として政治局常務委員をつとめた周永康は自宅軟禁状態にあるというが、彼の政治生命は終わった。
        

◆オバマ政権の大使たちの無知

古森 義久


オバマ大統領が大使として任命する人物たちの資質の貧しさがワシントンで話題になっています。批判が民主党側からも表明されているのです。

外交や政治や国際情勢とはなんの関係も知識も経験もない人たちが、オバマ候補の選挙資金を多額に集めた功績だけを評価されて、各国に駐在するアメリカ大使に任じられるという慣行です。要するにカネで大使ポストが買われるにも等しい現象です。

ここまで書くと、はっとする方もいるでしょう。では日本駐在のアメリカ大使はどうなのか、と。

<なぜオバマ政権の大使は「無知」なのか米国の外交に暗雲をもたらす選挙功労人事>

オバマ大統領の大使任命が、選挙献金への報償にあまりに傾きすぎる」という批判が、ワシントンで噴出してきた。

選挙資金を巨額に寄付した実績だけで大使に任命された人物のなかには、外交の基礎知識が極度に欠ける人物もいることが判明し、嘲笑を受けるという事態なのだ。

日本に送られてきたキャロライン・ケネディ大使も、大統領選でオバマ候補を強力に支持した功績を高く評価され、選ばれている。この論功行賞人事の論議の広がりは、わが日本にとっても他人事ではないようだ。

■アルゼンチンについて何も知らないマメット氏

オバマ大統領が自分の選挙キャンペーンで巨額の寄付金を集めてくれた人物を大使に任命して恩返しをするという人事パターンは、就任1期目に日本駐 在大使としてジョン・ルース氏を選んだ頃から顕著だとされてきた。フランス駐在大使に任じられたチャールズ・リブキン氏は、2008年の大統領選挙でオバマ選対の財政委員長だった。

2期目の今回は、外交や政治はもちろん中南米情勢にもまったく無縁の選挙コンサルタント、ノア・マメット氏がアルゼンチン駐在大使に任命された。 同氏は2012年の大統領選挙で、民主党のオバマ候補に合計50万ドルの選挙寄付金を集めたバンドラー(束ね役)として名を知られていた。

大使の任命は議会の上院で承認されなければならない。マメット氏も2 月6日の上院外交委員会の公聴会に出て、証言し、議員たちの質問に答えた。その質疑応答で、同氏はまず赴任国のアルゼンチンは過去、一度も訪れた経験がないことを明らかにした。さらにはアルゼンチンを米国の「同盟国」と呼び、「成熟した民主主義国」とも評した。

もちろんアルゼンチンが米国の同盟国であるという認識は誤りだし、完全な民主主義国家でもない。議員たちからは「ずいぶんユニークな同盟国だ」といった皮肉な発言が続出した。(つづく)
2014.02.19 Wednesday name : kajikablog

◆驚き!韓国人の「願望史観」

平井 修一


the-prayerさんからコメントをいただいた。

<戦争中の事実は歴史が明らかにするとして(米国における)韓国ロビー活動は日本国を敵国として扱っています。これは韓国の憲法の前文からきています。このような憲法をもつ国は世界広しといえども見たことがありません>

「韓国憲法の前文」というのは何か。「シンシアリーのブログ」にはこうあった。

<日本の敗戦後の1948年7月12日、建国時の憲法の前文から紹介ます。

「悠久の歴史と伝統に輝く私たち大韓国民は己未三一運動で大韓民国を建立し、世界に宣布した偉大な独立精神を継承し、今や民主独立国家を再建する」

3.1運動で大韓民国を建立・・・って何の冗談だ?と思われるかも知れませんが、韓国は韓国という国の歴史の流れを「大韓帝国→併合時代→大韓民国」ではなく、「大韓帝国→臨時政府→大韓民国」としています。

3.1運動時の宣言文で臨時政府が出来たことになっており、臨時政府の理想を受け継いだからこんな見方になっています。

1962年12月26日、第5次改憲の時、前文が随分変わりました。

「悠久の歴史と伝統に輝く私たち大韓国民は3.1運動の崇高な独立精神を継承して4.19義挙と5.16革命の理念に立脚して、新しい民主共和国を建設する」

1972年12月27日、第7次改憲。

「悠久の歴史と伝統に輝く私たち大韓国民は3.1運動の崇高な独立精神、4.19義挙と5.16革命の理念を継承し、祖国の平和的統一の歴史的使命に立脚して、自由民主的基本秩序をさらに強固なものにする新しい民主共和国を建設する」>

祖国の平和的統一も建国時からの理念だと書き改めたのだ。都合のよいように歴史を書き換えるのが彼らのやり方のようだが、どうも政権交代=新国家樹立と考えているのかもしれない。

「3.1運動」は1919年3月1日から日本統治時代の朝鮮で起こった運動。大韓帝国初代皇帝高宗の急死後、国葬が行われる3月3日に向けて独立運動が計画されるようになった。中心となったのは天道教やキリスト教、仏教の指導者たち33名で、3月1日、京城(ソウル)中心部のパゴダ公園に集い「独立宣言」を読み上げることを計画した。

パゴダ公園には数千人規模の学生が集まり、その後市内をデモ行進した。道々「独立万歳」と叫ぶデモには次々に市民が参加し、数万人規模になったという。3月から5月にかけて集計すると、デモ回数は1542回、延べ参加人数は205万人に上る。

その過程で暴徒化した群集を朝鮮総督府が武力鎮圧する際、死傷者が出た。日本側、朝鮮側の被害は諸説ある。総督府による鎮圧と慰撫政策の結果、運動は次第に終息し、1945年(昭和20年)の日本敗戦に至るまで大規模な運動は起こらなかった。

「4.19義挙」あるいは4月革命とは、1960年に民衆デモにより李承晩大統領が下野した事件。最も大規模なデモが発生した日が4月19日であったことから4.19革命とも言う。

「5.16革命」あるいは5・16軍事クーデターは、1961年5月16日に、後の韓国大統領で当時少将だった朴正煕などが起こした反乱。朴正煕は1942年、満洲国軍軍官予科を首席卒業、同年日本陸軍士官学校に編入(57期相当)、1944年に日本陸軍士官学校3位卒業、1945年8月、満洲国軍中尉で終戦を迎えている。

1963年10月に大統領に就任し軍事独裁体制を築いたが、日韓基本条約の締結を行い、日本の支援を得て「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長へと結びつけた。韓国はこの経済成長により最貧国グループから脱した。

朴正煕と安倍総理の祖父、岸信介は昵懇だが、娘の朴槿恵は朴正煕について「当時の政権下で弾圧されて苦痛を受けた被害者とその家族に心から謝罪する」と述べているから「漢江の奇跡」を評価していないようである。不肖の娘。閑話休題。

韓国では時の政権が正当性を主張するために憲法前文で歴史を書き換えているわけだが、東洋史家の宮脇淳子氏曰く「韓国人にとっての歴史とは、こうであってほしかった、という願望そのものでもあるのです」。

変な国。(2014/1/16)

2014年02月19日

◆「すべての始まり」に過ぎなかった

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26(2014)年2月18日(火曜日)貳:通巻第4150号 

 〜広東省東莞の売春窟手入れは「すべての始まり」に過ぎなかった
  中国全土で売春、博打場、麻薬拠点を一斉手入れ。習近平vsマフィアの様相〜

東莞市は改革開放の荒波にのって部品メーカーが蝟集していた。隣の虎口、広州市南端の番寓、順徳そして仏山にかけての広州メガロポリスは中国経済を象徴する大工場地帯となった。

輸出基地でもあり、広州のひとりあたりのGDPは1万ドルを超えた。

比例して「黄風暴」(風俗、売春)のメッカとして東莞が注目される。なにしろ昼間から怪しげなネオン、いかがわしいサウナ、マッサージ、カラオケ、卑猥な看板の床屋が林立している。「小休憩」はラブホ。一流ホテルにもデリヘルがいる。

不況が襲った。部品メーカーの倒産、給料不払いなどで生活できなくなり、売春窟で稼がざるを得ない地方出身の女性が夥しく、東莞、厚街、虎口一帯で風俗産業に従事するのは30万人と言われた。

2014年2月9日から12日にかけ、6000名の公安警察を動員、市内数百ヶ所の売春宿などを手入れし、数百名を逮捕拘束した。

この大捕り物は中国ばかりか、世界的ニュースとなり『ウォールストリート・ジャーナル』(2月18日)も大きく報じた。

同紙は「今後、中国全土で売春、博打場(betting)、麻薬(drug)の取引拠点、マフィアのセクトを一斉手入れ。習近平vsマフィアの様相」と書いた。

「黄風暴」(売春)ばかりか、その隠された狙いが博打、麻薬の取り締まりにもあるということは全土に猖獗するマフィアと政権の対立構造に事態が急速に変質していることを物語る。

はたして宿痾のごときマフィアと習政権は対決できるのだろうか?

従来、地元権力と党、公安はぐるになって業者から賄賂をうけとり、取り締まりはじつにいい加減だった。

地元公安の腐敗の温床、最大の利権でもあった。ところが、東莞の副市長兼公安局長以下五名が職務怠慢として免職され、にわかにこの取り締まりが本気であることが表面化した。つまり「なぜ取り締まりをまじめに遂行しなかったか」という理由で免職処分を受けたのは東莞副市長兼公安局長ばかりか、となりの虎口、厚街(この二つの市は日本企業が多い)、黄江鎮、風岡鎮の公安責任者だ。

▼GDPの20%が地下経済の中国で、闇へメスを入れる?

習近平政権発足と同時に王岐山が中心となった「反腐敗キャンペーン」が開始され、党の贅沢禁止、軍の綱紀粛正は、たとえばアワビなどを供する高級レストランを連続的経営不振に陥らせた。

ついでに軍の経営するホテルも閑古鳥、愛飲してやまなかったマオタイ酒、五糧液など酒造メーカーも四苦八苦の状態となり、不平不満がつのる。習近平はやり過ぎではないか、と。地下経済がGDPの20%といわれる中国で、この闇の部分が凹めば、景気も沈没を余儀なくされるだろう。

こうした東莞のような「セックス・シティ」は浙江省杭州、甘粛省蘭州、山東省済南、江西省柳川、黒竜江省ハルビン、四川省成都などがあげられるが、かつて四川省でもマフィアへの手入れは武装警官を投入し、やくざと乱闘、銃撃戦に発展したことがある。

おりから日本でも「王将」の社長が射殺される事件がおきたが、ヒットマンは中国大連のヤクザが派遣したプロ、しかも女性で、その日の内に中国へ出国したという。
(本日発売の『新潮45』、高山文彦ルポ)。

      

◆目覚めなければ韓国は危うい

櫻井 よしこ


2月6日、安倍晋三首相は参議院予算委員会で、韓国との関係について、「積極的に出ていき、首脳会談が実現するよう努力を重ねていきたい」と関係改善に取り組む考えを強調した。

一方、韓国でも朴槿恵大統領が記者会見に臨んでいた。朴大統領は、北朝鮮の金正恩体制の基盤は極めて不安定で、今後が予測不可能になりつつあるとして、今年の韓国外交の中心軸を「朝鮮半島統一に向けた基盤構築」に置くことを明らかにした。

その際協力を呼びかける「核心的な国々」として、米国、中国、ロシア、EU(欧州連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)を挙げ、日本を排除した。

同日同時刻に日韓両国の首脳は正反対のことを語ったわけだ。国家戦略として正しいのはどちらかと尋ねるまでもない。朴大統領の暗愚はとどまることがないのだろうか。

韓国は北朝鮮の脅威に対処する際、米国の支援を必要とする。このところ、たびたび行われている米韓両軍の合同演習は朝鮮半島情勢の逼迫ぶりを示すものだ。

韓国のために米軍が出動するとして、米海軍第七艦隊の母港は神奈川県横須賀である。度重なる韓国による執拗な対日歴史批判、米欧諸国にまで舞台を広げて展開する慰安婦問題に関する事実無根の日本非難、あくまでも日本敵視の韓国外交などで、日本国民が、米軍が在日米軍基地から韓国のために出動するのを快く思わなくなる日が来ないとも限らない。

米軍が韓国に協力するのは構わないが、在日米軍基地がそのために活用されるのは嫌だと多くの人々が考え始め、そのような米軍の軍事活動に日本国は一切協力すべきでないとの世論が高まりでもしたら、日米軍事協力は壁にぶつかる。米軍は事実上、動けなくなる。

米軍が効果的に動けないとき、朴大統領は中国に救いを求めるのか。もしくはロシアか。それではたして韓国の自由と民主主義の体制を守れるのか。

北朝鮮をめぐる朝鮮半島での紛争を、中国が虎視眈々と狙っているのはいまさら言うまでもない。南北朝鮮問題は、米中、あるいは米中露問題であることを肝に銘じることだ。

そのとき、ものをいうのは軍事力である。外交を変える力としての軍事力が朝鮮半島の勢力図を決定する。韓国の国益はいま日本と良好な関係を構築し、日米の協力体制の下で朝鮮半島を守ることで担保されるだろう。歴史と国際情勢を正しく理解できずに反日を叫んで留飲を下げるばかりでは朝鮮半島の未来は暗い。

韓国の現状は、ただでさえ、異常である。野党統合進歩党の李石基議員ら計10人が国家反逆の内乱陰謀罪で逮捕され、2月3日、李容疑者に懲役20年が求刑された。

彼らは地下革命組織(RO)を結成し、北朝鮮の対南攻撃に呼応して韓国を混乱に陥れる具体策を練っていた。驚きは、北朝鮮の工作員と断定してよい人物が韓国の国会議員になっていたことにとどまらない。彼らが北朝鮮の偵察総局と連動していたとの見方が有力なことだ。

偵察総局は、金正日から金正恩への権力移行が挫折しないように、韓国を積極的に攻めて吸収するために、金正日が死亡する前に新設した対南工作組織である。李容疑者と偵察総局のつながりは北朝鮮のために働いている反韓勢力が朴大統領の足元で暗躍していることを示す。

加えて北朝鮮の工作が浸透していない、韓国唯一の情報組織、国家情報院がいま、つぶされそうになっている。今月にも国情院の韓国国内での活動を禁ずる法律が可決される可能性があるが、その場合、韓国は本当に北朝鮮に吸収されるだろう。

朴大統領が見詰めるべき危機は、実はこうした事柄である。大統領が暗愚の闇から目覚めない限り、あの国は危ういと私は考える。(週刊ダイヤモンド)
2014.02.18 Tuesday name : kajikablog


2014年02月18日

◆北京も上海も人の住むところではない

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26(2014)年2月18日(火曜日):通巻第4149号 <前日発行>

 〜「北京も上海も人間の住むところではありません」
     この上海社会科学院のレポートはネットから削除された〜

ソチ五輪開会式に飛んでいった習近平・中国国家主席と仲良く握手して見せたプーチン(ロシア大統領)だが、中露が仲良く提携できるのはジェスチャーでしかなくロシアの中国警戒心は根深い。プーチンは安倍首相とは他の首脳をさしおいても、特別にランチを取ったほどだった。

とくに2012年に中国が砕氷船を北極探査に派遣したこと、また13年には、北極海航路へのアジア側の通過海域であるオホーツク海に中国艦艇が進出したこと、これらを異常に警戒するロシアは周辺海域で海軍の軍事演習を実施している。

中露関係が仲良しと表面的にとるべきではない。

とくにシベリアへもぐりこむ中国の不法移民にロシアは業を煮やしており、ハバロフスク地方では2012年一年だけで「ロシア連邦保安局」(FSB)は千人以上の中国人不法移民を国境で阻止し追い返した。同年にはモスクワの非合法屋台を一斉に手入れし、数百の中国人行商人を追放した。

(空気の綺麗なシベリアへ移住したい中国人の気持ちは分かるなぁ)。

2012年2月12日に上海社会科学院が報告した「中国の都市は人間の住むところではない」というオフィシャル・レポートは一度ネットに掲載されたが、ただちに「何者かによって」削除されていたことが分かった(2月13日、アジアタイムズ)。

世界の大都市のなかでも東京、ロンドン、パリ、ニューヨーク、そしてシンガポールの5大都市は住みやすいという評がされる一方で、北京、上海などは「人間が住むところではない」と公的機関が報告したのだ。

この上海社会科学院の公式レポートが、削除される前に報じられた内容は「6億の中国人はなんらかの公害被害を受けており、ちかく北京では新規則によって公害安全規則を満たさない数百の工場が閉鎖されるというが、すでに富裕層は海外逃亡している」など衝撃の内容が含まれていた。

世界保険機構(WHO)の調査によれば、世界のガン発症、中国が世界ワースト一位だったことが分かった。

あの大気汚染、水質汚濁で肺ガンばかりか肝臓ガン、食道ガンの発生が中国で際立ち、2012年の新規患者のうち死亡した人の、じつに36%が中国人。肝臓と食道ガンの死亡率は50%(世界人口に占める中国人は19%)。 
だから中国人にアンケートをとっても「来世は中国人に生まれたくない」と答える人の方が多いことになる。
         

◆はとバス社員の「おもてなし」

伊勢 雅臣


「私は、お客様の喜ばれる顔が見たくて、この仕事を続けています」

■1.「あなたの経営者としての責任はどうなっているのですか」はとバスと言えば、東京観光の代名詞だが、平成10(1998)年までの4年間、赤字続きで借入金は70億円にまで膨らんでいた。年収120億円の半分以上の借金である。バブル崩壊に、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と相次ぐ事件に乗客が激減していた。

その年の6月に経営を建て直すべく、社長に任命されたのが、東京都庁に長く勤務していた宮端清次さん(当時63歳)だった。

社長に就任した9月の株主総会では、「来年6月の決算時に黒字にできなければ、責任をとって社長を辞める」と啖呵を切ったものの、63歳の自分は辞めれば済むが、社員たちを路頭に迷わすわけにはいかない。

まずは社長3割、役員2割、社員1割という賃金カットを決めた。危機感を抱いていた組合も「やむをえない」と受け入れてくれたが、一人の運転士からはこんな抗議もあった。

<私たち従業員は何十年も一所懸命働いてきたが、赤字になったからと言って、我々にツケを回して、賃金カットを押しつけてくるとは何事ですか。あなたの経営者としての責任はどうなっているのですか。>[1,p29]

■2.「社長、心配しなくても大丈夫だよ」

宮端さんは「申し訳ない。心からお詫びする」と頭を下げ、「皆さんをもう二度とこんなに辛く、悲しい気持ちにさせないと約束する。だから、今回ははとバスのために一緒に頑張ってくれませんか」とお願いした。

その場はなんとか収まったものの、宮端さんは自分の経営者としての自覚の甘さに気づかされた。社員の数は700人、その後ろに1500人の家族がいる。どうやったら、合計2200人の人々が安心して暮らしていけるように、はとバスを建て直せるのか。


「そんなある日のこと。私は考え事をしながら社員食堂に向かいました。
ポケットに片手をつっこんでうつむき加減に歩く姿が、思いつめているように見えたのでしょうか。ある運転士に肩を叩かれました。驚いて振り向くと、

「社長、心配しなくても大丈夫だよ。俺たちが頑張って会社を建て直すから」と言うではありませんか。うれしく、思わず目頭が熱くなりました」。[1,p32]

はとバスのV字回復は、社員のこういう気持ちが結実した結果だろう。翌年6月の決算では、見事に黒字回復を果たす。

■3.「お客様に満足していただくためには、労を惜しまない」

なぜ、はとバスが赤字に陥ったのか。確かにバブル崩壊による不景気は大きな打撃だったが、その後、景気が徐々に回復していく中でも、はとバスが業績を下げていったのは、社員の中に「顧客第一主義」が浸透していないからだと考えた。

それが浸透してこそ、お客様がはとバスを利用してくれる。宮端さんは社員全員に丸一日の研修を受けさせようと考えた。総額で1千万円近くかかるというので、経理担当役員からは「そんなお金どこにあるんですか」と反対された。宮端さんは「この1千万円については、私個人で責任を持つから」と言って、なんとか納得して貰った。

運転士、ガイドから、営業所の社員、予約センターのオペレータまで、1回30人ほど集まって貰い、7、8人のグループに分かれて、「サービス日本一と言われるためにはどうすればよいか」などというテーマで討論をし、社長以下の幹部にまとめを報告する。

そこからサービスを向上させるためのアイデアが、初年度だけで160件ほども出てきた。この研修を通じて、宮端さんは、社員がいかにはとバスという会社を愛し、いかに熱意を持って働いているか分かった。

ある運転手から出た提案の一つに、お客様がバスから乗り降りする際に、踏み台を置いては、というアイデアがあった。観光バスから何度も乗り降りするお客様を思いやっての提案であった。

しかし、実施するとなると、踏んでもぐらつかない踏み台にする必要がある。宮端さんが「かなりの重量になると思うが、その重い踏み台は誰が運ぶのか」と質問すると、「バスが止まり、お客様が乗り降りするために、私たちがトランクから出し入れします」。

「お客様に満足していただくためには、労を惜しまない」という姿勢に心を打たれました。鉄製の頑丈な踏み台は、一個50万円もする代物でしたが、150台のバスすべてにつけることにしました。

運転士によると、この踏み台を出すと行く先々で他の観光バスの乗客から羨望の視線が集まるということで、お客様の乗り降りが楽になったばかりでなく、はとバスのサービスの高さを示す、よい宣伝になったようです」。[1,p123]

■4.「私は、お客様の喜ばれる顔が見たくて、この仕事を続けています」

宮端さんは「お客様第一主義」を経営方針に掲げたが、その本当の意味を教えてくれたバス・ガイドがいた。地方の高校を卒業して、上京してはとバスに入社したというガイド歴3年の22歳の女性だった。

お客様からの評判が大変良く、勤務成績も良いので、この先も頑張って欲しいと、社長表彰をする事にした。宮端さんは、彼女に直接感謝の気持ちを伝えたくて、勤務が終わった後、役員室に来て貰った。


「あなたの働きに感謝しているよ。ありがとう。朝も早いし、夜も遅い。週末も忙しい。これじゃデートもできないでしょう。それはよく分かっているけど、辞めないで、これからも頑張ってほしい」

とお礼を言った後で、何の気なしに彼女に聞いてみました。

「あなたは地方からわざわざ出て来て、はとバスに入社してくれたんだけど、なんでバスガイドの仕事を続けているの?」

するとその22歳のガイドは、数秒ほど考えた後、こう言ったのです。

「私は、お客様の喜ばれる顔が見たくて、この仕事を続けています」

はとバスのツアーに参加されたお客さまが、ツアーを楽しんで下さり、「ありがとう」「よかったよ」と言ってくださる。給与でもなく、待遇でもなく、「お客様の喜び」が仕事を続ける原動力になっているというのです。私は頭をガツンと殴られたような気分でした。[1,p109]

彼女のように「お客様の喜び、感動を、自分の喜び、感動にできる人がサービスのプロ」だと宮端さんは思い知った。それが本当の『お客さま第一主義」だと教えられた。


■5.現場の社員は「末端」ではなく「先端」

このガイドさんや、あるいはお客さんのために重い踏み台を出し入れする運転士さんたちが、現場の最前線で、お客様の喜びを作り出す。

「愛されたことのない人間は、他人を愛することができない」といいますが、現場でお客様に接している乗務員も同じ事です。「会社から自分が扱われている以上には、お客様を扱わない」のです。

お客様第一主義を徹底するために、現場で日々お客様と接している乗務員を大切にしなければならない。こうした意識を乗務員以外の社員に浸透させるために、そして乗務員には自分たちが大事にされていることを感じてもらうために、組織図を逆三角形に置き換えました。[1,p75]

逆三角形の組織図とは、一番上にはお客様がおり、その下にお客様にサービスをするガイドや運転士がいる。彼らをその下で支えるのが、課長や部長であり、一番下に社長や役員がいる。

現場の最先端でお客様に直接サービスをしている従業員が、思う存分、働いて貰えるよう支えるのが、課長や部長、そして社長の仕事だ、という考え方である。

しかし、組織図を逆さまにしただけでは、人々の意識は変わらない。宮端さんは、社内で「末端」という言葉を使うことを禁じた。ある役員が、今までの意識のまま「この計画を末端まで周知徹底して行います」と言った時に、宮端さんは「何を言っているんだ」と一喝した。

「末端は社長であり、お客さまと接する現場の社員は「先端」なのです。 現場にいるガイドや添乗員たちは、社長や役員に代わって、毎日お客様から叱られています。お客様から叱られて泣き、褒められて泣きながら成長しているので、意識が一番高いのです。彼らこそ、会社の先端なのです」。[1,p92]

■6.自分が客になって分かった不満の数々

末端にいる社長が、どれだけお客様に喜んで頂けるサービスを提供できているか、を把握するには、自分がお客様になってみるのが、一番だと宮端さんは考えた。自腹を切って、はとバスのツアーに参加するのである。

宮端さんは「私は休みの日に月3回、女房を連れて、はとバスに自腹を切って乗る」と宣言し、幹部にも、月1回でいいから自腹で乗るよう要請した。

これは「目から鱗(うろこ)」と思うほど、多くのことを学ぶことができた。バスに乗っていると、隣や後ろの座席から、こんな声が聞こえてくる。

「あの観光ポイントは大したことなかったわね。別になくてもいいわよね」

「いいところなのに、もうちょっとゆっくり見たかったわ。やっぱりバスツアーはせわしないわね。」

特に食事については不満が多く、「お味噌汁がぬるい」「天ぷらが冷め切っている」といった声が、食事の間中、漏れ聞こえてくる。

某メーカーの調査によると、そのメーカーの製品に対し、不満・苦情を感じた人のうち、メーカーに直接不満をぶつけてくる人はわずか6.8%。残りの93.2%は、何も言わない代わりに、その会社の製品を使わなくなる、と言う。

とすれば、お客様を増やすのは簡単だ。こういう不満を一つ一つ解決して、この次もまた、はとバスに乗りたい、という人を増やせば良い。それは、「お客様の喜ぶ顔がみたい」というガイドさんの気持ちを、そのまま経営として実践するだけのことだった。


■7.「お客様が選ぶ日本一にならなければダメです」

こうした努力が実を結んで、宮端さんが社長に就任して4年目には「プロが選ぶ観光バス30選」で日本一に選ばれた。発表の翌日にたまたま研修があったので、「ありがとう。皆のおかげで日本一になった」と、感謝の気持ちを込めて挨拶をした。

すると、あるガイドさんから、その日のレポートとして次のような指摘があった。

<社長、これで有頂天になっていてはいけません。そんなものは、大事故でも起こせば一夜にしてひっくり返ります。「プロが選ぶ日本一」になるのも結構ですが、本当は「お客様が選ぶ日本一」にならなければダメです。>[1,p131]

これには、宮端氏も「参った!」「あっぱれ!!」と感じた。日々、現場でお客様を喜ばせられるか、真剣勝負をしている「先端」の社員ならではの指摘であった。

■8.「国の光を観る」

宮端さんは業績のV字回復をなしとげ、4年間後に社長を退任したが、はとバスはその後も「プロが選ぶ観光バス30選」の第一位を維持し、利用客も増えて、業績も好調である。

その原動力となっているのは、やはり「お客様の喜ばれる顔が見たくて」とか、「お客様が選ぶ日本一にならなければ」という心持ちで日々のサービスに取り組んでいる先端の社員たちであろう。こういう人々が心からの「おもてなし」をする企業が、強くならないはずがない。

「観光」とは、中国の古典「易経(えききょう)」にある「国の光を観る」という一節が語源になっているそうだ[1,p180]。豊かな伝統文化や美しい自然は我が国の「国の光」であるが、日々、こういう「おもてなし」をする人々がそこかしこにいることも、我が国ならではの「国の光」である。

昨年の訪日外国人旅行者数が初めて1千万人の大台を超え、安倍首相は、東京オリンピックが開催される2020年までに2千万人を目指す考えを示した。

その原動力は、やはりこころを込めて、「おもてなし」をする人々であろうし、またそういう「国の光」を2千万人もの外国人が見せれば、それは人としての生き方、企業経営のあり方に関して、国際社会に対して大きな示唆を与えるであろう。


■リンク■

a. JOG(666) 世界ダントツのサービス品質が未来を拓く 日本企業が元気を取り戻す近道。
http://blog.jog-net.jp/201009/article_3.html

b. JOG(757) なぜ日本食は世界で人気があるのか
 数世代、数百年かけて伝えられる技術と伝統がその原動力。
http://blog.jog-net.jp/201207/article_5.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 宮端清次『はとバスをV字回復させた社長の習慣』、祥伝社、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4396613687/japanontheg01-22/


◆これがジャーナリズムです!

浅野 勝人

  
〜為政者にとって「思想友達」は無益というより危険だ!〜
           

 ジャーナリズムは不偏不党をかざして中立公正を求め、「権力と対峙」するのが使命です。そして、ジャーナリズムを支える報道の自由は、高い倫理観と重い責任感を担保に保証されています。その欠落はジャーナリズムであることの放棄を意味します。同時に権力は、何より大切な健全な批判、諫言に耳を傾ける機会を失います。

 利潤の追求が美徳であり、権力に寄り添うことによって利潤を得る環境に育った中小IT企業の経営者に、突然、ジャーナリズムを理解せよというのは無理な相談です。

 NHKは世界一の文化集団です。世界有数の報道機関です。長い歴史の中で、昼夜をいとわぬ修練の積み重ねが、それに恥じない実績を残してきました。ですから、新会長が「ボルトを締め直す」必要があると思ったのはNHKの職員に対してではなくて、実は「自分自身」に対して必要な作業だったのです。知らないのだから無理もないと同情すると同時に知らないということほど恐ろしいことはないとガックリきます。

思想信条の自由は憲法が保証しています。ですから、誰がどんな思想をどんな言葉で公に表明しようが自由です。しかし、不偏不党を旨とする報道機関の諮問、監視役が、自分が応援する以外の都知事選挙の候補者を「人間のクズ」呼ばわりしたり、右翼団体幹部の言動を礼賛するのは論外です。

こうゆう自由人は、個人として自由闊達に発言したり、書いたりできる立場に戻って、言論の自由を満喫してはいかがでしょうか。

第一次安倍内閣の人事では「仲良し政治家グループ」の極端な登用が裏目にでました。その教訓から第二次安倍内閣の人事では、内閣、党ともに安倍色を薄めて成功しました。ところが、政府・自民党以外のポストを気楽に考えたのか、思想友達の登用に気を許してしまいました。

安倍首相は、安倍政権にひたすらおべんちゃらするマスメディアよりも、中立公正と真剣に向かい合いながら安倍政権を批判、諫言するメディアの方が、実は、自らにプラスになる存在だということに気づくべきです。

取材する側と取材される側の両方をたっぷり体験して苦しんだ私が言うのですから間違いありません。

思想友達の安易な人選は、国民の目には「有力野党の不在が、これほど政権の横暴を許すのかと日々驚きを新たにする」(毎日新聞、読者投書欄)と映ります。

長期安定政権を期待する立場からみますと、次の国政選挙を見通しながらゾッとする反応です。但し、市井の人々の率直な感想です。
 
 安倍さん、バタバタ慌てず、もっと、どっしり構えたら如何でしょう。                        (元NHK解説委員、元内閣官房副長官) 2014/02/17