2014年01月04日

◆ドイツの新聞の偏向

永冶ベックマン啓子


ドイツの全国紙であるフランクフルターアルゲマイネは通常保守リベラルとして知られるなかなか良い新聞で発行部数は約36万部です。安倍首相の靖国参拝に関する記事に目を通しますと、随分と偏った軍国主義だとか、戦争犯罪人が奉られていて隣国の神経を逆撫でするとか、隣国への挑発など、明らかに中国韓国よりの記事となり、誰がどこで書いたかを見てみますと、やはり記者2人とも北京在住でした。

南ドイツ新聞は左派リベラルで発行部数は44万部ですが、記事の内容はほぼ感じようでしたが、日本軍は南京や韓国の慰安婦に残酷なことをしたから、広島長崎に原爆が落とされたのは大変気の毒だが止むをえなかった。しかし「日本はドイツとは異なると主張している」との一言が最後の一文にありました。ディ ヴェルトは保守ですが、ナショナリスト(ドイツでナショナリスはナチス時代に戻ること)、毛沢東の誕生日を安倍は台無し
にした、などともあり呆れた次第です。

例えば、ドイツの車メーカーはEU全体への輸出量より、中国への輸出量の方が多いという現状です。先日訪問したBMW社の自分で運転するロールスロイス車の3大顧客の1人は中国人でした。1時間1ユーロの犯罪的な人件費での労働力あれば、それも当然可能な人達がいるという事でしょう。

外務省は、沖縄県、尖閣諸島が日本固有の領土である事を知らせる為、北京やソウルに駐在する欧米の記者百数十人を本年3月までに沖縄・島根での滞在期間10日間を想定し、補正予算案に2億円が盛り込まれた事が昨年12月29日に発表しています。

近年東京に支局を置く外国報道機関が減少し、北京が大幅に増えている現象が見られ中韓の一方的な主張に対抗する為とありました。

中国は膨大な予算を、メディア・プロパガンダに組み込んでいるのを読んだことがありますが、日本の外務省は予算をもっともっと増やし、各国領事館も協力させ南京問題、慰安婦問題に関しても優れた有識者による説明会を何回も開いて事実を伝え、名誉回復に向けて活動して欲しい物です。事実を伝える良い書物の翻訳活動も必要です。

ドイツ人はやはりジーメンス社の後に中国支社総責任者だったジョン・ラーベの言葉を単純に信用してしまい、侵略戦争時だったからやはり日本兵も残虐なことを中国や韓国にしたのだろうと、このままでは安易に思い込む人達も多く、対策を講じなければ国際世論戦に完全に負けてしまいそうです。

日本人でも、正しい歴史認識が持てていない人達はまだ多いかと思いますが、国際世論での名誉回復の方が時間が掛かりそうですが、長期の目標を作りコツコツと事実を伝える努力をすれば難しすぎるという事もないのではないでしょうか。(ミュンヘン在住)

2014年01月03日

◆平成26年元旦は清々しい

池田 元彦

 
明けましておめでとうございます。今年の元旦は、一際気分が爽快です。何故なら、安倍首相が「痛恨の極み」を遂に解消し、多くの日本国民の期待を年末ぎりぎりに成就してくれたからだです。そうです、内閣総理大臣として、毅然と靖国参拝を果されたのです。

靖国神社は「国家の為に一命を捧げた方々を慰霊顕彰することを唯一の目的」とし、祀られている250万柱は「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」だ。世界各国も同様の慰霊碑・施設があり、該国民が慰霊・顕彰するのはどの国でも当然だ。

中韓の靖国参拝反対の主張理由は2重・3重の虚偽、嘘出鱈目だ。A級とは、戦勝国だけで裁いた東京裁判における、前代未聞の「平和に対する罪」だが、「C級の人道に対する罪」同様に事後法であり、法の不遡及の原則に反し、事実その後他に適用した国際判例はない。 

1952年サンフランシスコ条約発効により、日本は主権を回復し、即東京裁判のA,B,C全ての拘束死亡戦犯は「公務死」とした。戦犯は数度の国会決議、条約11条に基づき、11の条約参加国の同意を得て、順次減刑、出所が行われ、1953年国会で名誉回復決議があった。

日本は東京裁判を受諾していない。「判決(Judgment)」を受諾しただけだ。A,B,C何れの戦犯の公務死扱い、減刑、出所も全条約締結国から同意承認され、A級戦犯の重光葵、岸信介等は戦後、大臣、総理大臣となったが、条約締結国は一切異議異論を唱えていない。

該サンフランシスコ条約には、中共や韓国は参加も招聘もされていない。特に朝鮮人は、日本人として日本と共に連合国と戦ったのだ。創始改名しなかった洪思翊中将も他の2千余名の朝鮮人と共に靖国神社に眠っている。それを誇りに思えない支離滅裂な民族だ。

首相は本殿傍の鎮霊社にも参拝された。鎮霊社は「戦争や事変で亡くなられ、靖国神社に合祀されない国内、及び諸外国の人々を慰霊する為」1965年に建立された。敵味方を超えた慰霊社なのだ。戦没馬や軍用犬の慰霊像、伝書鳩の鳩魂塔もある。死ねば皆神なのだ。

中韓の誹謗中傷は別として、今回米国が首相参拝を「失望」とした。中途半端なシリア介入と同じで、双方に好い顔をするしか出来ない、決断力のないオバマの戯言だ。米国はオバマの所為で更なる国際的地位・軍事力の低化が進んでいる。口だけ達者な大統領だ。

小泉首相の時来日した息子ブッシュは、靖国参拝をしようかと小泉に持ちかけたようだが、小泉自身か外務省のチキンが断ったそうだ。代わりにブッシュは明治神宮に参拝した。もしこの最大のチャンスを生かし、ブッシュが参拝していれば、中韓の容喙はなかった。

安倍首相の戦後レジームからの脱却とは、靖国だけでなく、慰安婦、原爆投下・空襲、東京裁判等々の真実全てを掘り返し、正しく歴史を改めることだ。即ち、米国の隠したい真実と汚点が明るみになる。それを避けたいのが米国の本音だ。失望して当然だろう。

知日派でさえ日本軍の残虐行為を歴史的真実と前提にして日本弁明をする。日本の朝鮮統治を評価するジョージ・アキタでもそうだ。諸外国の日本研究者は、アジア等を侵略し残虐行為を働いた自分達の祖先に後ろめたさを感じる潜在意識が有るので、日本の歴史学研究会等の偏向論文を意識・無意識に真に受け嘘に同意する。日本の敵は中韓だけでない。

◆年初、安倍・大江の「公開討論」を

岩見 隆夫


新年号から冴えない話と思われるかもしれないが、この国、実際にどこに 漂流していくのか、深刻に気をもんでいる人が意外に多いのである。言論 界の様子をみていると、

〈日本の崩壊〉

という言葉が頻繁に登場してくる。有識者や学者がそう予見しているから で、国が崩壊するとは具体的にどういうことなのだろうか。そんな空気に 影響されてか、暮れの党首討論では、安倍晋三首相の口から、

「日本を取り戻そう!」

という言葉が出てきた。首相の潜在意識のなかに一種の欠落感があること が読み取れる。何からの欠落かが重要で、取り戻したいのが、かつての日 本の〈よい部分〉を指しているなら、その〈よい〉のが何かを見極めるの がさらに重要だと思われる。一国のトップが、ただ、漠然と取り戻そうで は無責任で話にならない。

日本が簡単に崩壊するほど脆弱(ぜいじやく)な国家とは、私はまったく 見ていない。たくましさを十分備えている。ただ、世間の思考動向もまこ とに千差万別で、心もとなく、危なっかしい。

さて、時代はめぐり、21世紀も7分の1を過ぎようとしているが、いよい よ本格的な転換期にさしかかったと言ってよい。どういう種類の転換か は、人により、立場により違ってくるが、1年あまり前、首相の座に就い た時、安倍晋三首相の立場は明快だった。憲法9条改正を安倍政治の中心 に据えたからである。

それ以前の歴代自民党政権は、9条問題に関心がほとんどないに等しかっ た。あとの3代民主党政権は9条を忘れていたか、避けていたも同然だった。

しかし、安倍さんは明らかに違っていた。首相の適齢としては若い58歳の 熟年指導者の心のなかで、何かがバシッとはじけたな、と私はそのとき直 感的に思った。もしそうだとするなら、画期的なことである。

先の衆院選、首相就任前の演説でも次の決意を述べている。

「自民党が政権公約において、憲法の9条改正によって自衛隊を『国防 軍』と位置付けるとしたのも、不毛な論争に決着をつけて、歴史の針を進 めるために他なりません。

自国の民を守るために戦わない国民のために、代わりに戦ってくれる国は 世界中のどこにもありません。

日本が抱える課題を列挙してみると、拉致問題のみならず、領土問題、日 米関係、あるいはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)のような経済 問題でさえ、その根っこはひとつのように思えます。

すなわち、日本国民の生命、財産および日本の領土は、日本国に政府が自 らの手で守るという明確な意思のないまま、問題を先送りにし、経済的豊 かさを享受してきたツケではないでしょうか。

まさに『戦後レジームからの脱却』が日本にとって最大のテーマであるこ とは、私が前回総理を務めていた五年前と何も変わっていないのです」

 ◇燃えたぎる心の血が事態を先に進める

憲法9条改正は日本の最大のテーマ、の再確認である。

世間や、自民党内では中曽根康弘元首相ら9条改憲派の期待が一気にふくらみ、それに向けた法案整備などの動きにも拍車がかかった。しかし、こ の一年の安倍政権の足跡をたどってみると、日本最大のテーマとした9条 改正論の推進力がトーンダウンした。安倍さんの心境に変化があったかど うかは判然としないが、

「政権の人気維持のために、一時的にアベノミクスに重点を移したのは仕 方ない」

という見方が大勢だった。私もそれが間違っているというわけではない。 だが、首相とは一体、何をするためにあるのだろうか。9条改正とアベノ ミクスの取り組みに優先順位をつけるために座っているのだろうか。違う と思う。アベノミクスは最緊急課題であり、9条改正は第一次安倍内閣の 時からの日本最大テーマに変わりはない。しかし、世間は、

「憲法で飯は食えないぞ」

と悲鳴をあげる。これには反論しにくいが、日本最大のテーマをとりあえ ず横において各論から始めるのが政治の本道か。

いま、国民の憲法意識は、9条改正確信派2割、改正阻止派2割、煮つめ て考えてこなかった派が6割と私は見ている。国民に「考えてもらう」の が先決だ。せめて「考えてもらう」比率を7割ぐらいまで広げないと話に ならない。

このカギを握るのは、国民世論とのエネルギッシュな対話を通じ、議論を 深めることしかない。

9条改正の動きに警鐘を鳴らし、改憲の企てを阻むため一人一人の努力を 呼びかけた「九条の会」が民間にできたのは、およそ10年前の2004年6月 である。日本を代表する9条護憲派の井上ひさし、梅原猛、奥平康弘、小 田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子と代表世話人のノーベル 文学賞受賞の作家、大江健三郎の計9人が代表に名を連ねた。

「九条の会」は翌年7月、東京・有明コロシアムの大会場で講演会を開い た。トップの三木さんの、

「今年88歳のおばあさんでございまして……」
で始まる講演は短いものだったが、深い感動を残した。世界の平和とは何 か、をトツトツと静かに語り印象的だった。一方で、

「これは何とかせねばならないと、燃えたぎる心の中の血を、それこそ文 字どおり燃え立たせているわけでもございます」

と語り、演題にも「血を燃え立たせてやってきた」とあった。

以来10年近く、「燃えたぎる心の中の血」こそが、事態を先に進めると私 は信じてきた。改憲推進派がそれを備えているだろうか。擁護派はこの10 年に三木、加藤、小田、井上を亡くしている。全国で3000を超える支部が 立ち上がっているが、「たぎる血」がどれほど燃え立っているか。

2014年初頭、安倍首相は「九条の会」の大江健三郎代表世話人と是が非で も公開討論会を開き、国民の目の前で、耳に聞こえるところで、「たぎる 血」のほどを語り合うべきである。詳細は次号で。

<今週のひと言>

今年、ミカンがうまい。

サンデー時評:2013年12月25日
(いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

(サンデー毎日2014年1月5-12日新春合併号)

2014年01月01日

◆強い国、強い同盟以外に道はなし

田久保 忠衛


今年を振り返り来年に目を向けて何を考えるかと問われれば、米中両大国の狭間に立たされた日本の生き方という答えになる。

 ≪日米の対中温度差の認識を≫

先ごろ、中国が国際常識に全く合わない「防空識別圏」(ADIZ)を設定、日米の対中批判をバイデン米副大統領が直接、中国の習近平国家主席に伝えた。その際に副大統領はADIZの撤去を口にしなかった、民間航空機の飛行計画を中国側に提出するかどうかについて米政府の態度を曖昧にした−の2点が日米「温度差」と、日本の新聞で取り上げられた。ホワイトハウスの定例記者会見でも連日そのやり取りが行われた。

ニュースを調べながら、私はウォーターゲート事件で大統領辞任に追い込まれたニクソンが、引退後に書いた名著「指導者とは」で紹介した挿話を思い出した。1964年にニクソンは大磯で吉田茂に会う。

フランスのドゴールが日本に何の相談もなく中国と国交樹立をした直後だっただけに、吉田は米国も同様の行動に出ないかと気にし、同席した元駐米大使、朝海浩一郎は、自分の在任中に、米国は何度も日本に関係する問題を頭越しに決めた、と言い出す。ニクソンは可能性は排除しないと答えたが、このころまでには対中政策の大転換を構想していた。71年の劇的な訪中発表である。

安倍晋三首相が手がける一連の戦後安全保障政策の見直しは、10月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で確認され、日米同盟にはいささかの揺らぎもないと確信しているが、中国に対する微妙な温度差も存在することをわれわれは認めておいた方がいい。

バイデン訪中は経済問題を話し合うために前々から予定が組まれていた。直前にADIZの設定という突発的な出来事が起きたのでこれが取り上げられ、会談ではエネルギー問題、食糧・薬品の安全、中国のシェールオイル、ガスへの投資、開発など広範な分野でいくつもの合意がなされている。バイデン訪中の目的は決してひとつだったわけではない。

 ≪紛争に関わりたくない米国≫

ADIZ設定発表直前の11月21日、ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、米ジョージタウン大学で「アジアにおける米国の将来」と題する演説を行った。

アジアに軸足を移す「リバランス」政策を説明したが、ここに登場する中国は朝鮮半島だけでなく、イランによる核開発、安定して安全なアフガニスタン、スーダン紛争終了に向けた平和的解決、サハラ以南の地域における平和と開発促進の共同行動、など米国のパートナーとしての存在である。

6月に米カリフォルニア州パームスプリングズで行われた米中首脳会談では、習近平主席がオバマ大統領に「新型大国間関係」を呼びかけたのに対し、大統領は明確な回答は避けていた。だが、ライス補佐官は「新型大国間関係を機能できるようなものにしたい」と明言している。

これは、海外の争いに巻き込まれたくないとのオバマ政権の考え方と無関係ではないと思う。

19日に外務省が公表した、米国での日本に関する世論調査結果がある。日米安保条約を「維持すべきだ」と答えた人が67%で昨年に比べて22ポイントも減ったという。

「アジア地域で最重要パートナー」はどこかとの質問に日本と答えた人は一般で35%(昨年比15ポイント減)、有識者で39%(同1ポイント減)、中国を選んだ人は一般で39%(昨年と同じ)、有識者では43%(昨年比11ポイント減)になったそうだ。米国人の目に映る日本と中国の存在感が逆転したか、しつつあると見ていいのかどうか。とりわけ、日米同盟の根幹である日米安保条約の重要性が米国にとって薄らいでいるのは気になる。

これに正しく対応しているかどうかは不明だが、11月公表の内閣府の世論調査では、米国に「親しみを感じる」者の割合は83・1%で、日本人の親米度は一貫して高い。中国に「親しみを感じない」者は80・7%だった。専門家の分析を聞きたいところだが、日米関係に何かねじれ現象のようなものが発生しつつあるのだろうか。

 ≪「日米関係は日中関係だ」≫

戦前に新聞聯合社(後の同盟通信社)の上海支局長として、中国国民党と共産党合作のいわゆる西安事件の大スクープをものにし、米中両国に深い人脈を持った松本重治氏は、回想録「上海時代」で「日米関係は日中関係である」との名文句を説いた。

日米、日中、米中という2国間関係だけで国際情勢を割り切ろうとする単純な捉え方に警告を発したのだと思う。フランクリン・D・ルーズベルト大統領が米世論を動かし、日本との戦争を仕掛けた様子を追究した米歴史学界の泰斗チャールズ・A・ビーアド氏を恩師とする松本氏の指摘だけに、含蓄に富む。

北京に対する東京とワシントンの間の温度差を意識したうえで言うが、軍事力を背景にした外交によって国際秩序の現状を変更しようとする国に対抗するには、日米同盟強化と「強い日本」志向以外の道は見いだし難いのである。(たくぼ ただえ)杏林大学名誉教授
                    産経[正論] 2013.12.31
 

2013年12月31日

◆中国、連日批判もデモなし

矢板 明夫


【北京=矢板明夫】安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国の政府要人は連日のように厳しい批判談話を発表し、日本に対する強い姿勢を示している。しかし、具体的な報復措置は発表されておらず、各地の活動家が公安当局に申請した反日デモはすべて却下されたという。

共産党関係者は「前最高指導部メンバーの汚職疑惑を抱えている習近平指導部はいま、国内の安定を最優先にしている。対日カードもそのほとんどを使ってしまっており、有効な手段が取れずに困っている」と理由を指摘している。

安倍首相の参拝を受けて、中国政府高官は次々と日本批判を展開した。「日本側は引き起こされる結果を引き受けなければならない」(羅照輝・外務省アジア局長)、「日本が引き続き対立を激化させるなら中国も最後まで相手をする」(王毅外相)、「安倍首相は自らの過ちを正さなければ歴史の失敗者になる」(楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員)。いずれの発言も対抗措置を強く示唆するものといえる。

北京の日中関係者の間では、安倍首相が参拝した26日中にも、程永華駐日大使の召還を含め、経済制裁が発表されるといった観測が浮上した。しかし、29日夕の段階で具体的な制裁措置などは実施されていない。

中国外務省関係者は「駐日大使を一時帰国させる案があったが、一度帰国させると、日本に戻すタイミングがなかなか見当たらないため、慎重論が強い」と話す。

また、2010年秋の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で発生した中国漁船衝突事件を受けて、中国はレアアースの対日輸出を減らすなど経済制裁を実施したが、結果として中国側が受けたダメージの方が大きく、今回は経済制裁を実施しない可能性が高いという。

さらに、首脳会談や閣僚級交流は、尖閣諸島が国有化された昨年9月以降、すでに停止している状態で、これ以上の措置は取れないという。

尖閣国有化の際は中国全土で反日デモが展開され、日本への「圧力」となった。しかし、周永康前政治局常務委員の汚職疑惑への捜査が大詰めを迎えている現在は、党内の権力闘争が激化している。

周永康氏の支持者が反日デモを利用して反発する可能性もあり、「党指導部はこの時期の反日デモには否定的だ」(共産党筋)という。

中国共産党の機関紙、人民日報傘下の環球時報は、日本への対抗措置として安倍首相らを「中国で歓迎を受けない人物」のブラックリストに入れ、5年間入国禁止にするなどの措置を取るよう提案する社説を掲載した。党指導部内に存在する意見の一部との見方もあるが、外務省関係者の間では「自分で手足を縛るようなものだ」と反対論が強い。
                     産経ニュース 2013.12.29

2013年12月30日

◆「嫌軍」が危機を呼び込む

中静 敬一郎

 
「憲法9条を改正して尖閣を守ろう!」

こんなキャッチコピーをあしらったポケット・ティッシュが近く、お目見えしそうだ。

検討しているのは広島県福山市議会議員の徳山威雄さん(69)だ。10月下旬、地元での憲法勉強会の講師に招いた日本大学法学部教授の百地章さんが、「生かそう憲法!」と書かれたポケット・ティッシュを見せながら、「護憲派は必死です。憲法改正を国民投票で否決しようと、これを駅前で配布しています。改憲派も何か働きかけをしなくてはいけません」と語ったところ、徳山さんが呼応したのだった。

◆「改憲ティッシュ」登場

「こっちも憲法改正を訴えるものを配ろう」。徳山さんの申し入れに百地さんは、冒頭のキャッチコピーを示した。徳山さんは仲間たちと文案を詰め、来年2月の建国記念の日には1万個を配布する予定という。

百地さんらが危機感を強めるのは、改憲の具体案が国民投票により過半数を確保できず、葬り去られる事態がありうることだ。憲法改正については、確かに、総論として6割前後が賛成なのに対し、改正発議を3分の2
から過半数に緩和する96条改正を例に取れば、FNNと本紙の今年の世論調査6回のうち、賛成が反対を上回ったのは1回にすぎない。

憲法9条を改正し、自衛隊を軍と位置付けることに対しても、FNNの新報道2001調査(4月25日)は反対(51%)が賛成(38%)を上回った。

個別案件については質問により賛否に幅があるが、96条改正などのハードルは低くない。

それにおじけづいて事態を静観すれば、憲法改正は遠のくだけだ。

いま、日本人がもっとも不安に感じているのは、防空識別圏設定など、力による威嚇をあからさまにしている中国に的確に対抗できるかどうか、だろう。

◆力を結集できぬ脆弱性

足かせになっているのは、日本の弱体化を図った連合国軍総司令部(GHQ)が、日本人が力を結集できないように主権行使を制限する9条という非軍事化条項を設けたことだ。ここに日本の脆弱(ぜいじゃく)さ
がある。

例えば、漁民に扮した海上民兵が潜水艦などを利用して武力攻撃せずに尖閣を侵略したとする。列国の軍隊なら、民兵に対し自衛権を行使し、不法な主権侵害行為を排除する。

ところが、日本は、戦力の不保持を定めた9条のもとでは、法制度上、自衛隊は軍隊ではなく、警察組織とされる。武力行使も、自衛隊法に定められた防衛出動以外はできない。

防衛出動の条件は、「わが国に対する武力攻撃が発生した場合」かつ「他国による計画的、組織的な武力攻撃」だ。前記の尖閣侵略はこれにあてはまらず、自衛権を行使できない。

治安出動はありうるが、警察権の行使のため、自衛隊の武器使用は正当防衛と緊急避難に限定される。武装工作員の攻撃を待って、初めて対処が許されるというのでは耳を疑う。

自衛隊を軍隊として扱っていないことが、かつてない大きな危難を呼び込んでいる。

◆首相の「歴史的使命」だ

戦後日本は「軍を悪」とみて、貶(おとし)めてきた。軍への国民の不信感はなお根強い。

だが、国家の独立と平和を守れるのは軍しかないのである。これまで日本の平和と安全が守られてきたのも、在日米軍を中心とする日米安保体制が憲法9条の非現実さを抑止力でもって補完してきたからだ。

哲学者、田中美知太郎が著書『今日の政治的関心』で「いわゆる平和憲法だけで平和が保障されるなら、ついでに台風の襲来も、憲法で禁止しておいた方がよかったかも知れない」と著したことを胸に刻みたい。

これらをいかに多くの人にわかってもらい、支持を広げるか。百地さんは「抑止力の大切さを話したい」と語る。

この局面を転換できるのは安倍晋三首相だ。首相は8月12日、山口市内で「憲法改正に向けて頑張っていく。
これが私の歴史的使命」と語った。首相が26日に靖国神社に参拝したように、先頭に立ち、自民党憲法改正草案に盛り込まれている「国防軍」がいま、なぜ必要かを心を込めて訴える。「まともな国」への国民の熱い思いを引き出すに違いない。

広島でのポケット・ティッシュ配布も、尖閣の守りの大切さを考えることを通じて、日本人の覚醒を促していく。(なかしず けいいちろう)
産経ニュース 論説委員【日曜に書く】 2013.12.29

◆靖国参拝 オバマ政権の偽善

古森 義久


米国のオバマ政権は安倍晋三首相の靖国神社参拝に対し「失望」を表明した。その背後には靖国に祭られた霊の中に米国を敵として戦い、戦後に戦犯と断じられた人たちがいるからという理由づけもあることは明白である。

だが米国の首都のワシントン国立大聖堂にもアメリカ合衆国を敵として戦い、戦後に戦犯扱いされた将軍たちが祭られている事実が新たな注視を集めたことは皮肉だといえる。オバマ政権の、自国と日本に適用する価値基準が明らかに背反しているからだ。

首都中心部にそびえる大聖堂はキリスト教のあらゆる宗派の礼拝や追悼の国家的な場となってきた。多数の大統領の国葬や歴史上の人物の式典が催され、無数の米国民が参拝してきた。

大聖堂のネーブ(身廊)と呼ばれる中央の礼拝堂の祭壇わきには南北戦争でアメリカ合衆国に反旗を翻し、奴隷制を守るために戦った南部連合軍の最高司令官 のロバート・E・リーとその右腕のストーンウォール・ジャクソンという2人の将軍の霊をたたえる碑文と生前の活動を描く多色のステンドグラスが存在する。 その慰霊表示は礼拝堂の壁面全体でも、よく目立つ巨大な一角を占めてきた。

その事実が話題になることはこれまで少なかったが、12月11日、大聖堂で南アフリカの大統領だったネルソン・マンデラ氏の追悼式が催されたのを機に議論を生んだ。

ワシントン・ポストの首都圏コラムニストのジョン・ケリー氏が「なぜリーとジャクソンが大聖堂で栄誉を受けるのか」と題する記事で疑問を提起したのだ。 「人種平等のために戦ったマンデラ氏を悼む場に人種平等阻止のため戦った2人が堂々と祭られていることに驚いた」との指摘だった。

バージニア州のランドルフメーコン大学のエビー・テロノ歴史学教授も「首都の大聖堂にこの首都自体を破壊しようとした将軍たちの慰霊表示があることは矛盾」との見解を述べた。

だが両将軍の大聖堂への祭祀(さいし)は1953年と歴史は古い。南部連合の子孫の女性団体が20年がかりで訴え、実現させた。その結果はリー将軍らの「高貴な信念の豪胆なキリスト教戦士」という碑文での聖人化であり、戦場での勇猛な活躍ぶりのガラス画化だった。

こうした疑問に対し大聖堂の広報官は「南軍将軍の慰霊表示も米国の歴史のキリスト教の視点からの紹介であり、歴史にはよい部分も悪い部分もある」として公式の反対はないと言明した。死者の霊は生前の行動によって責められることはないとの見解だった。

だからこそこの大聖堂にオバマ大統領も閣僚たちも頻繁に参拝するのだろう。だが、その政権は靖国に対しては問われる前に日本の首相の参拝への「失望」を 喧伝(けんでん)するのだ。ブッシュ前政権が当時の小泉純一郎首相の靖国参拝を認め、むしろ中国の圧力に屈するなという意向を示したのとは対照的である。

日本の首相は頻繁に靖国を参拝すべきだというジョージタウン大学のケビン・ドーク教授は「オバマ政権の靖国への態度は大聖堂の現実からみると明らかに偽善的だ」と論評するのだった。
(ワシントン駐在客員特派員) 産経ニュース【あめりかノート】13・12・29

2013年12月29日

◆「失望」した米大使館声明に「失望」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

平成25(2013)年12月28日(土曜日)貳通巻第4103号 

安倍首相の靖国参拝に「失望」した米大使館声明に「失望」した。本国のエンドースはあったのか、国務省は正式な追認をしていない

どうやらケネディ大使の「暴走」ではなかったか?
 
首相の靖国参拝に「失望」(disappointted)という語彙を用いること自体、外交儀礼を欠いている。友好国に用いるべきではなく、外交の素人としか言いようがないのが、今回の米国大使館の声明だった。

ワシントンの本省ではサキ報道官が「在日大使館の声明を読んでください」と言っただけで、公式的に声明を追認していない。ホワイトハウスは沈黙したままである。
 
こうみてくると先の参拝批判はケネディ大使の暴走ではないのか。もとより外交にずぶの素人を送り込んできたオバマ政権、同盟国への配慮が足りないようである。
      
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆
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靖国神社参拝は日本人の宗教的感情と行為であり、これを批判するのは、ウェストファリア条約に違反した野蛮国がなすこと、軽蔑するほかはない!

  ♪
渡部昇一『自立国家への道』(到知出版社)

どうも、この本が安倍首相をして靖国神社参拝を決断させたのではないか。渡部氏は、しきりに安倍首相に「ガッツをもて」と説いておられるうえ「日本を間違った方向へ導いてはならない」と警告している。

「他国の宗教に介入するのは野蛮国である」とする基調で貫かれている本書は、ウェストフェリア条約の基本精神を演繹されている。

すなわちヨオロッパは17世紀の宗教戦争の結果、1648年にウェウストファリア条約の成立をみたが、これは「他国の宗教に介入してはならない」と規定している。

「以後、先進国はこの規定を守り、内政に干渉することはあっても宗教には一切干渉することはなくなった」

しかるに最初に条約をヒトラーが、ついでマッカーサーが規定を無視して日本に神道指令を押しつけ、「戦勝の勢いに乗って靖国神社を焼き払おうとした」こともあった。

「3つ目のウェウストファリア条約違反は、いまの中国と韓国による靖国参拝批判だが、これは野蛮国のすること」だとされる渡部氏は、韓国をさらに批判して「歴史認識にすり替えている」と分析される。

「靖国神社問題は純粋に宗教の問題です。先祖、先人の霊を慰め供養するというのは、長い歴史と伝統によって培われた日本人の宗教的感情であり行為です。国のため命を捧げた人々を慰霊する靖国神社参拝は、この日本人の伝統的宗教感情の発露に他なりません。中国と韓国の剥きだしの対日批判は、日本人のこの宗教行為に手を突っ込み、伝統を破壊しようとしている、ということです。こういうのを野蛮というのです」

したがって、「こういう国は軽蔑する他はありません」と論旨明快にして日本の対場をあざやかに代弁した快著である。

◆中国の海洋覇権「背後から牽制」

山本 勲


習近平政権の海洋覇権拡大の動きはとどまるところを知らない。日本は中国の周辺国との連携をさらに強めてこれを抑止する大戦略を展開すべきだろう。筆者の本欄執筆も最後なので、そのための提言をしてみる。

「中華民族の偉大な復興の夢実現のために発奮し、周辺外交でなすべきことをなさねばならない!」

習主席は10月の外交座談会でこう力説。トウ小平の遺訓である低姿勢外交から高圧的、攻撃的な対外戦略に転換した。日本の領土・領海を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定する暴挙もその一端だろう。

習氏の母校、清華大学の閻学通・当代国際関係研究院院長によると、中国は2023年の習政権満了時までに、米国にほぼ匹敵する海洋強国となるそうだ。

その時点で(1)国内総生産(GDP)17兆ドルと米国(19兆ドル)にほぼ並び(2)有人宇宙基地を有し(3)5隻の空母を建造(最低3隻就役)(4)射程8千キロの核ミサイル搭載原子力潜水艦4、5隻を保有する計画だ。

習政権の狙いは今世紀最大の成長圏である太平洋からインド洋にかけての海域で、米国と並ぶ覇権を確立することにある。その最初の関門が日本と台湾だ。

日本の取るべき戦略は、相手の矛先を東シナ海の一点に絞らせないことだ。安倍晋三政権が台湾と漁業取り決めを結んだことは、中国の日台分断を封じるうえでも高い評価に値する。漁業問題が、良好な日台関係の唯一のトゲだったからだ。

安倍首相は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国を訪問、南シナ海の領海問題で中国の不当な主張に苦しむ諸国との連携を強めた。中国と長大な国境を接するモンゴル、ロシアに続き、年初にインドを訪問することも大いに結構だ。

次の課題は中国西側の中央アジア諸国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)との関係を強化することだろう。

日本は2004年8月、川口順子外相(当時)の各国(トルクメニスタンを除く)歴訪時に、これら5カ国との対話と協力の枠組み「中央アジア+日本」を立ち上げ、外相会合などの交流を重ねてきた。06年8月には小泉純一郎首相(同)がカザフスタンとウズベキスタンを歴訪したが、首相訪問はその後途絶えている。

安倍首相にはこれら諸国とのトップ外交を再強化してもらいたい。首相は10月のトルコ訪問で、エルドアン首相と安全保障対話の深化や経済・技術協力の拡大などで合意している。

トルコ国民の親日ぶりは有名だが、中央アジア諸国もタジキスタン以外はトルコ系民族が主流だ。首相歴訪が実現すれば、すでに関係緊密なモンゴルから中央アジアを経て、トルコに至る友好の絆がつながる。

中央アジアはかねて欧米列強が入り乱れる覇権争奪の場だった。ソ連崩壊後は上海協力機構(中国、ロシアとトルクメニスタン以外の中央アジア4カ国で構成)が地域の安全保障や政治、経済連携の場となったが、各国の思惑は随分異なる。

新疆ウイグル自治区にウイグル族(トルコ系)の独立運動を抱える中国にとっては最重要の辺境対策だ。一方、ロシアは旧ソ連圏の中央アジア諸国を含む「ユーラシア同盟」の創設をめざし、中国の勢力拡大を警戒している。

米国もアフガニスタンや中国をにらみ、この地域での勢力強化に虎視眈々(たんたん)だ。日本は米国やロシアとも連携し、習政権の海洋覇権拡大を背後から牽制(けんせい)、抑止する戦略を展開すべきだ。
産経ニュース(緯度経度】2013.12.28


2013年12月28日

◆首相は今後も堂々と参拝重ねよ

大原 康男


≪政権発足後1年の“壮挙”≫

正月まで1週間足らずというところで、驚きのニュースが飛び込んできた。安倍晋三首相が靖国神社に参拝したのである。平成18年8月に小泉純一郎首相が参拝して以来、実に7年ぶりであり、第2次安倍政権の発足からちょうど1年という節目である。

つらつら思い起こせば、平成8年7月の橋本龍太郎首相の例外的参拝を除いて18年間も途絶えていた首相の靖国神社参拝の再開を、小泉首相は目指し、その意を体して再開への道筋を苦労して整えたのが当時、官房副長官の安倍氏だった。

そして、小泉氏の後継者となりながら、参拝を中断してしまったことを「痛恨の極み」と嘆いた安倍首相である。第1次政権からの懸案をようやく果たしたことで安倍氏が味わっている安堵(あんど)感もひとしおではないか。

安倍首相は、今年の春季例大祭には靖国神社に真榊(まさかき)を奉納し、終戦の日の8月15日には、萩生田光一・自民党総裁特別補佐を名代として参拝させて玉串料を奉納するなど着々と参拝への布石を打ってきたにもかかわらず、多くの期待が寄せられた秋季例大祭では、参拝を見送って再び真榊を奉納するにとどまっている。


それだけに、年末ぎりぎりになっての参拝には確かに多少の違和感を覚える向きもあるかもしれない。

しかし、真榊や玉串料の奉納程度のことに対しても、中韓両国からはお定まりの批判が寄せられてきた。しかも、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加盟交渉や特定秘密保護法の制定といった難題を背負ったりこなしたりして、あれほど高かった内閣支持率が低下しつつある中での参拝である。


秋の例大祭直前の本欄(10月11日付)でも、首相の参拝を求める一文を草していた筆者としては、遅ればせながらとはいえ、今回の参拝を“壮挙”として評価する。

ところで、第2次安倍政権を、発足以来一貫して「極右政権」と罵倒してきた近隣2カ国のうち、韓国では朴槿恵大統領の非礼・不見識な反日言動にようやく批判的な声が出始めているという。そうした空気の変化を反映してか、有力紙の1つ、朝鮮日報の日本語版(12月8日付)には次のような注目すべき一節がある。

≪中韓はアジアの「仲間外れ」≫

〈韓国・中国と同じく第2次大戦で日本の侵略を受け、かつ現在進行形の「従軍慰安婦」問題を抱え「反・集団的自衛権戦線」に加わって当然のフィリピン、タイ、マレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国が集団的自衛権を言い換えた「積極的平和主義」を支持しているのは、ショッキングだ。これらの国々すら日本の肩を持っていることから、集団的自衛権の問題で韓国と中国はアジアの「仲間外れ」になった〉


中国はともかく、韓国が「第2次世界大戦で日本の侵略を受け」たというのは、お得意の歴史の歪曲(わいきょく)といわねばなるまいが、何よりも興味深いのは、戦後に靖国神社に参拝した外国人の中に、フィリピンをはじめ4カ国の人々がそろって入っていることである。

このほかにも、インド、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、さらにはイラン、トルコなど中東諸国からの参拝者もいる。靖国神社参拝の問題でも、「韓国と中国はアジアの『仲間外れ』になっ」ているのだ(ちなみに外国人による靖国神社参拝の歴史で記録上、最も古いのは、明治20年9月のタイ国王の弟、デヴァウォングセ外相の参拝であるという)。

≪「A級戦犯」合祀批判に反論≫

周知のように、今日、首相や閣僚らによる靖国神社参拝の最大の障害になっているのは、憲法の政教分離問題(最高裁判決で決着ずみ)ではなく、いわゆる「A級戦犯」合祀(ごうし)問題である。これに対する中国の言い分については繰り返し反駁(はんばく)してきたので、これ以上は触れないが、韓国の主張に関しては少し補足しておく。


韓国が「A級戦犯」合祀を材料に靖国参拝に反対しだしたのは、中国がこの問題を取り上げた昭和60年の中曽根康弘首相の参拝からかなり時間がたってのことだ。

そのころだったと思うが、韓国のテレビ局から、この点でコメントを求められたときに、次のように答えたと記憶している。

「先の大戦で韓国の人々は私たち日本人とともに、後に東京裁判を設ける連合国と戦ったのではないですか。戦時下の朝鮮総督であった小磯国昭元首相はともかく、『A級戦犯』合祀を一括(くく)りに批判するのは納得できませんが…」

これには一言も返ってこなかった。ささやかな反論だが、政治家の方々は、靖国参拝についてその都度、それ以上にきちんと対応すべきであろ。かつて王毅駐日中国大使にこの点を糺(ただ)されて、安倍氏が、元「A級戦犯」の重光葵外相が復権し国連総会で演説した事実を紹介したところ、大使は絶句してしまったと聞く。


「痛恨の極み」を晴らした首相に切に望む。どうか今回の参拝を貴重な出発点に今後も堂々と参拝を重ねられんことを。(おおはら やすお)(国学院大学名誉教授)産経 [正論]2013.12.27


◆安倍首相、基軸は日本の精神で

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成25(2013)年12月27日(金曜日)貳通巻第4101号

安倍首相、ようやく靖国神社を参拝。「魂がそこにあるから」中国、韓国、米国の反発など気にしなくて良い。基軸は日本の精神である

靖国神社に参拝できなかったことを「痛恨の極み」と安倍首相は発言していた。このメッセージは、じつは早くから発せられていた。気がつかないのは左翼か、感性が少し鈍くなったか、外国の発想を基軸とする無国籍人間だけだろう。

大きな潮の変化を見せたのは4月からである。

安倍晋三首相は新藤総務相、丸川参議院議員、公明党の山口代表らを伴って4月14日、硫黄島を訪れた。異例のことである。

大東亜戦争の激戦地・硫黄島へ自衛隊機で到着し、戦没者追悼式に参列した。安倍首相は、「この島で生じた悲痛な歴史を若い世代に伝えていかなくてはならない」と述べ合掌した。同道した新藤大臣は硫黄島で切腹した栗林忠道中将の孫にあたる。
 


硫黄島で戦没者の遺骨収集作業を視察したほか、滑走路の下に眠る英霊に合掌し、滑走路移転工事を決断した。この硫黄島の滑走路の下に、まだ一万余の遺骨がそのまま眠っており、米軍はその上に無神経にコンクリートをながして飛行場を建設したのだ。

滑走路の移転工事は予算の兼ね合いで数年にわたるプロジェクトとなるが、戦後68年にして、ようやく英霊が報われる。

ともかく移転工事の決断にいたるまで、これほどの長い歳月を必要とした。

硫黄島から帰京後、サンフランシスコ条約発効により、戦後、真の独立となった4月28日に政府主催で「主権回復の日」記念式典を開催した。その直前、靖国神社の春の例大祭に供物をおくった。

主権回復記念日こそ国民こぞって参画すべきイベントである。これまでは民間有志があつまって開催してきた。春の憂国忌とも呼ばれた。主権を尊重するということは政治日程にいずれかならず憲法改正を上程する決意でもある。

そして8月13日、おりから郷里山口県で休暇中だった安倍首相は、萩市の松陰神社を参拝した。

筆者は、この報に接したとき、「15日の靖国参拝はできないが、国民の皆さん、悟って欲しい」というメッセージだろうと考えた。松陰は誰もが一致して思う、日本の愛国者の代表格。革命家、維新の先駆者として広く尊敬を集め、萩でひらいた松下村塾に集った木戸、高杉、伊藤らが明治維新の主人公となって、日本の変革を導いた。

終戦記念日の直前に靖国神社ではなく、安倍首相が松陰神社を訪れた意味は、深い国民へのメッセージだった。

▼諸外国の情勢を分析したうえで

中国と韓国は図に乗って日本批判をやめず、どれだけ説明しても、無意味であることを悟った。終戦記念日に靖国参拝が出来なかった背景の一つは米国からのシグナルで、オバマは「現状維持を変えるな」というヴィジョンにかける臆病者だが、政権の周りには反日家が多い。

その優柔不断ぶりは多くのアメリカ人を失望させてきた。

まして中国が突如「防空識別圏」を設定し、アセアン諸国ばかりか、これには欧米も批判的となった。安倍首相は靖国参拝のタイミングは近いと読んだ。

韓国では朴権惠大統領の支持率が50%を割り込み、中国では指導力に疑いがある習近平は毛沢東礼賛で国民を糾合しようとしたが、天安門で車炎上、山西省共産党ビルは爆弾テロにやられ、社会擾乱はますまる加速している。

絶好のタイミングが来た。

12月13日、東京迎賓館にアセアン首脳10ヶ国を集めての日本アセアン特別首脳会議で、安倍首相は「空の安全ルール」を共同声明に盛り込んだが、中国の代理人といわれたカンボジアからも反対がなかった。

アセアンは強い日本を希望していた。

安倍首相は予算案の閣議決定を待った。

同時に宗教対立という解釈を避けるためにクリスマスが終わるのをまった。そのうえで、毛沢東の120年祭記念日に政治的な的(まと)を絞った。おりしも韓国は日本が南スーダンで韓国軍に弾薬を供与したことに、「感謝」しなかったばかりか、「政治宣伝に利用した」と日本を指弾した。

12月26日、中国では毛沢東生誕を祝う行事が共産党の肝いりで行われたが、まことの精彩を欠いた。タイミングとして絶妙の選択である。

同日午前11時32分、首相はモーニング姿で単身、靖国へ詣でた。閣僚を伴わず、僅かにSPだけが随行した。

中国、韓国、米国が反発し、安倍首相を批判したが、これらは通常よりも弱々しく、抗日デモさえなく、いかに一部のカルト的反日組織だけの仕業であるかが分かる。中国では劉延東が日本の政治家との会談をドタキャンしたくらいである。

とくに米国の「失望した」などとする声明は在日大使館が用意したものであり、本国国務相の見解でもなければオバマ大統領のコメントもなく、おそらく在日アメリカ大使館に巣くう民主党左翼リベラルたちの蠢動の結果であろう。

▼個人的なコメント

さて同日の朝、筆者には霊感があったかのように、ふと松陰先生のことを思って世田谷の松陰神社参拝しようと閃きがあった。

9時頃に家を出た。ポケットには再読中だった吉田松陰の「留魂録」「幽囚禄」「回顧録」を入れて電車の中で重要箇所を読んだ。

三軒茶屋でのりかえ、東急電車で松陰神社前、境内は静けさに囲まれ、随所が掃き清められ、新年の初詣準備に余念がなかった。神社の右奥には松下村塾のレプリカ、左奥には松陰先生の公募が控える。

なぜ参詣を思い立ったかと言えば、明平成26年秋までに、懸案の拙著『吉田松陰と三島由紀夫』を完成させたいという望みがある一方で墓園に報告も兼ねた。

松陰は『回顧録』にこう書いた。

「余二人士気たのまず、且つ自ら曰く。吾、あに人の差引をうけて大事をなす者ならんや」

また『急務四条』ではこう述べている箇所がある。

「御講学の儀、老師宿儒御親しみ遊ばされ候段肝要の儀に候へども只今然るべき物とてもこれなく、(某某は)時勢に諂い候祖俗儒にて、国家の大計勤王の大義等へは毫も心付き申さず候徒(ともがら)につき、有損無益」(奈良本辰也編著『吉田松陰著作選』(講談社学術文庫版より)

なるほど安倍首相は周囲に諮らず独断で靖国参拝を決行した。

さて世田谷の松陰神社を出た私は、半蔵門線に乗り換えて九段下で東西線に、茅場町で日比谷線に乗り継いで小伝馬町へ向かった。伝馬町牢獄跡地に参拝するため、この場所で松陰先生は斬首された。

その記念の石碑があり、「身はたとへ武蔵野の野辺に朽ちぬとも、留め置かまし大和魂」の大きな歌碑がある。

さらに地下鉄をのりついで南千住に向かった。

いうまでもなく、この地に小塚原回向院があり、最初に松陰の遺体が埋葬された。木戸らが駆けつけ、遺骸を掘り返して、あらためて埋葬した場所である。

この回向院の右奥にも吉田松陰の墓がある。折しも11時半をすぎた頃だった。ちょうど、安倍総理が靖国神社参拝の時間だった。
       

◆第三次世界大戦:見えない戦争

MoMotarou


秩序と秩序の戦いー総力戦の哲学「世界的立場と日本(昭和18年刊)」よりGHQ焚書図書開封51回 西尾幹二
       http://youtu.be/7BhNPT6oR6E?t=13s

               ★

物騒な話ですが、何時の間にか始まっていた。第一次・第二次世界大戦と違うのは戦車も飛行機も大砲も出てこない事ー取り敢えず。中心はシステムと構造改革という思想のもので、相手国の構造を、脅したり、籠絡・謀略で“運用”を自国有利にすることであります。これに対するにはしっかりとした「国家観」を持っていないとやられます。数値に幻惑された、プロパガンダに踊らされたりします。

■戦争を知らず

我国は戦後はGHQの占領政策で、独立後は残置工作機関「日教組」によって、新しい日本と旧い日本とに分けられました。この二つの謀略機関に共通するのは「共産主義」であります。

米国は"マッカーシー旋風"で犠牲を出しながらも掃除をしました。しかし、我国には温存されていました。それら残存勢力が反日国家群と呼応して樹立したのが先の民主党政権であります。

■国家中枢に到達した反日反国家勢力

次第に明らかになってきておりますが、あの3年間で行政機関にも浸透しました。例えば、公安情報が民主党政権下で約30、000件の公安情報が破棄されておりました。

>>産経新聞より

小野寺五典防衛相は20日の参院国家安全保障特別委員会で、防衛秘密に指定された文書が5年間で約3万4000件廃棄されていた問題に関し、このうち約3万件が民主党政権時代に廃棄されていたことを明らかにした。

小野寺氏は「私が防衛相になってからは通達で廃棄を止めている」と述べた。(民主党の福山哲郎氏への答弁)>>

これを破棄する基準を誰が示したか。国会議員だけではないでしょう。北朝鮮の工作員などのプロが、行政組織に侵入した証拠であります。これが安倍政権が秘密保護法を急いだ理由でもあります。

■反日反国家勢力の一斉蜂起

それ故、サヨクなどが市民を装って組織的反対運動を起こしました。マスコミなども労組の圧力を受け反対運動を「奨励」ました。菅直人元総理大臣を象徴とする勢力のアガキであります。

これからは、行政組織・立法組織に反日反国家勢力が浸透しているとの前提で国家運営を行わざる負えないでしょう。

■日本を取り戻す力

さてそれに対するワクチンはあるか。短期対処的には特定秘密保護法、長期では教育でありましょう。まともな目覚めた両親や先生が必要です。世論形成のためにはNHKを日本に取り戻す事も必要です。来年もすることが沢山ありますね。


2013年12月27日

◆政治家・安倍晋三」の信念

阿比留 瑠比


「国の指導者が参拝し、英霊に尊崇の念を表するのは当然だ。(以前の)首相在任中に参拝できなかったのは痛恨の極みだ。今言ったことから考えてほしい」

安倍晋三首相は就任前の昨年9月の自民党総裁選共同記者会見で、首相に就いた場合に靖国神社に参拝するかどうかを問われ、事実上、参拝する考えを明らかにしていた。

それに先立つ平成23年11月の産経新聞のインタビューでも、「それ(自身の不参拝)以来、首相の靖国参拝が途絶えたことでは禍根を残したと思っている」と述べるなど、参拝に強い意欲を示していた。

首相は小泉政権時代の小泉純一郎首相の靖国参拝を一貫して支持、支援してきており、靖国参拝は「政治家、安倍晋三」としての強い信念に基づいている。

にもかかわらず、首相は第1次政権では病に倒れて参拝する機会を逸した。再登板後も春の例大祭、8月15日の終戦の日、秋の例大祭…と参拝を見送ってきたのは、「英霊の慰霊を政治・外交問題化したくない」という思いからだった。

今回、26日というタイミングを選んだ背景には、靖国参拝に反発する中国、韓国との関係は「現在がボトム(底)で、これ以上悪くなる心配がない」(政府関係者)ことが一つある。

また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に進展があり、「日米の安全保障関係が底割れする懸念がなくなった」(外務省幹部)ことも大きい。

いずれにしても中韓や野党などの反発は避けられないが、首相は「日本を取り戻す」ためにも、靖国参拝を断行すべきだと決断したのだろう。

産経ニュース2013.12.26
中国、対抗措置を示唆=靖国参拝に「強烈な抗議」−毛沢東生誕日と重なる


【北京時事】中国外務省の秦剛報道局長は26日、安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け談話を発表し、「強烈な抗議と厳しい非難」を表明した。談話は「両国関係の改善発展に新たな重大な政治的障害をもたらし、日本側は引き起こされる結果を引き受けなければならない」と警告、対抗措置を示唆した。中国外務省は、駐日大使を通じ日本側に抗議した。

中国政府は、参拝後、即座に反応することで、強い反発の意思を表した。沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立する日中の緊張がさらに高まるのは必至だ。

報道局長の談話は「安倍首相は中国の断固たる反対を顧みずにA級戦犯の祭られた靖国神社参拝を強行した」と批判。中国政府として「中国を含めたアジアの戦争被害国の国民感情を踏みにじり、歴史の正義と人類の良識に公然と挑戦する行為に強烈な憤慨を表す」とも強い不快感を示した。

外務省の中国版ツイッター「微博」によると、羅照輝アジア局長も「中国人は絶対に受け入れられない」とした上で、「日本は地域最大のトラブルメーカーだ。領土主権と歴史問題で強硬姿勢を示している」と述べた。

26日夕には、中国訪問中の小渕優子元少子化担当相ら超党派の国会議員10人が北京・中南海で劉延東副首相と会談する予定。中国政府は、首相の靖国参拝を受けて予定通りに会談するかどうかなどを検討しているとみられる。

一方、中国では26日は毛沢東主席生誕120周年の記念日。新華社電によると、習近平国家主席ら最高指導部・政治局常務委員7人は、北京・天安門広場にある毛主席記念堂を訪れ、毛沢東の偉大な功績をたたえた。

習主席は同日、生誕記念の座談会で演説する予定。共産党にとって「特別な日」の参拝に、指導部は強い不満を抱いている可能性が高い。 
(2013/12/26-13:43)


安倍首相の靖国参拝に「失望している」、米大使館が声明

【AFP=時事】安倍晋三(Shinzo Abe)首相が26日午前に靖国神社(Yasukuni Shrine)に参拝したことについて、在日米国大使館は同日午後、「米国は失望している」とする声明を発表した。

安倍首相の参拝から数時間後に発表された声明文には、「日本は大切な同盟国であり友人だ。それでも米国は日本の指導者が日本の近隣諸国との緊張を悪化させる行動を取ったことに失望している」と書かれている。

また声明文は、「米国は、日本とその近隣諸国が、関係を改善し、地域の平和と安定というわれわれの間で共有されている目標に向けた協力を促進するため、過去からのセンシティブな諸問題を処理する建設的な方法を見いだすことを希望する」「われわれは、安倍首相が過去への反省を表明し、日本が平和に関与していくと再確認したことに注目する」としている。AFP=時事 12月26日(木)16時10分配信