2013年12月20日

◆維新の行方と渡辺氏の「嫌がらせ」

澤田 大典


新党「結いの党」を結成した江田憲司代表は平成27年春の統一地方選までに、日本維新の会や民主党を巻き込んだ野党再編を目指す。ただ、合流相手に想定する維新とは、集団的自衛権の行使をめぐり意見が異なる。古巣であるみんなの党の渡辺喜美代表の「妨害」も激しい。試練の時は続く。

「次の衆院選までに野党再編も政界再編も何も起きなかったあかつきには、衆院議員を辞したい」江田氏は18日の設立総会後の記者会見でこう語り、再編に向け並々ならぬ決意を表明した。

来春に維新と再び新党を結成し、来年末までに民主党の一部と合流する−。そんな構想を描く江田氏は、年明け早々に維新の橋下徹共同代表(大阪市長)と政策協議を始めたい意向だ。だが、安全保障政策はその際のネックになりそうだ。

折しも18日、維新の旧太陽の党系の石原慎太郎共同代表、平沼赳夫国会議員団代表が、安倍晋三首相と官邸で昼食を共にした。

「維新は是々非々で政治をするが、憲法の問題は協力してやりましょう。日本の平和と安全を守るために頑張ってください」

石原氏がこう語りかけると首相はうなずき、「この問題はしっかり時間をかけてやらなければいけないですね」と応じた。3人が見つめる先にあるのは、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認だ。

会談後、平沼氏は記者団に、「結い」との連携について「全く考えていない」と切り捨てた。江田氏が保守色の強い旧太陽系を忌避していることが念頭にあったとみられる。

18日の会見でも「憲法解釈を変更するにあたっては慎重にやらなければならない」と語った江田氏。そんな同氏が理想としているのは、旧太陽系以外の維新議員との合流だ。だが、集団的自衛権の行使に関しては橋下氏も容認しており、7月の参院選公約にも「集団的自衛権の行使などを定める国家安全保障法制を整備する」と明記している。旧太陽系と、それ以外とで割り切れるほど維新内は単純ではない。

渡辺氏が結いへの攻勢を強めているのも江田氏にとって頭痛の種。渡辺氏は18日夕、「結い」について「民主党が言っていたイメージに近い印象だ。既視感というか、デジャビュというか。すぐジ・エンドになるんじゃないか」とこき下ろした。

このまま比例代表選出の13人の会派離脱が認められなければ、「結い」の国会活動に支障が生じるのは確実だ。渡辺氏は所属議員の数に応じて各会派に交付される1人当たり月65万円の立法事務費を、13人に渡さない方針だ。

衆院議院運営委員会の与党議員は「渡辺氏も子供じゃあるまいし、当選した議員をしばるのはいかがなものか」と苦言を呈すが、渡辺氏に一歩も譲るつもりはない。産経2013.12.19


◆零戦ブーム“長期飛行”

本間 英士


■書籍やプラモ続々/実機展示で見学1・5倍

先の戦争で活躍した零(ゼロ)戦(零式艦上戦闘機)のブームが続いている。零戦の設計者、堀越二郎氏を主人公にしたアニメ映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督)に続いて、21日には零戦がテーマの映画「永遠の0(ゼロ)」が公開。関連本やプラモデルの人気が再燃するなど、ブームは“長期飛行”の様相となっている。
                  
                 ◇

「永遠の0」は、百田尚樹さんの小説の映画化で、特攻で戦死した零戦パイロットの祖父の足跡を孫がたどるという筋書きだ。平成21年に刊行された原作の文庫は増刷を重ね、今年のオリコン年間ランキング(文庫部門)で1位に。7月公開の「風立ちぬ」も、宮崎監督の最後の長編作品となったこともあって現在も公開が続き、興行収入は今月5日に119億円を突破した。

「零戦への関心は高まっている。『風立ちぬ』の公開以降、若い人やカップルの来館者が増えている」。所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)の学芸員、近藤亮さんはこう語る。

同館では昨年12月から今年8月まで、エンジンが動く本物の零戦を展示。期間中、来館者は通常の1・5倍に増えた。堀越氏の遺品や零戦の未公開資料などを展示した企画展「堀越二郎の生涯」は、9月で終了する予定が全国から延長の要望が相次いだため来年4月まで会期が延長された。

書籍も好調だ。ジュンク堂書店池袋本店(東京都豊島区)によると、今年に入って初心者向けのムックなど多数の零戦関連本が出版され、売り上げも例年より3割程度増えているという。

大手プラモメーカー「タミヤ」(静岡市)によると、零戦モデルの売り上げも「映画などの影響で露出が増え、昨年より伸びている」(広報担当の山本暁さん)。先月には、限定モデルとして「永遠の0」の劇中で登場する零戦を再現した特別版プラモが発売された。

零戦を堀越氏ら技術者の視点でとらえた「零式戦闘機」を執筆した柳田邦男さん(77)は、零戦がいまも日本人の心を引きつける理由を「非常に美しい流線形の機体。大戦初期は空中戦の“花形”として活躍した。

今の日本は国際競争力が落ち、低迷している。多くの人に『日本も捨てたもんじゃない』と思える何かを求める気持ちが強い」と分析し、零戦に「日本人の『ヒーロー願望』の投影」があると指摘する。

「零戦は軽量化やスピードを追求したあまり、防御を犠牲にせざるを得ず、パイロットの人命を軽視する設計となった。零戦を全肯定すべきではない」とくぎを刺す半面、ブームについては、「若い人が過去の歴史に関心を持つきっかけになる」と評価している。
産経ニュース2013.12.15



2013年12月19日

◆公共事業費2年連続増へ

岡田 浩明


息吹き返す建設・道路族 公共事業費2年連続増へ「必要なものは必要だ」

自民党の「建設・道路族」が息を吹き返しつつある。かつては不要不急の公共事業を推進し、建設業者から選挙応援などの見返りを受ける「政官業癒着の温床」と猛烈な批判を浴びたが、東日本大震災を機に「減災・防災」を掲げてバラマキイメージ払拭に腐心する。先の臨時国会で国土強靱(きょうじん)化関連3法が成立したことを受けて、平成26年度予算編成への歳出圧力を強めている。

「国土強靱化基本法の審議で『無駄のないように』と口酸っぱいほど聞かされた。無駄なことをやる気なんか毛頭ない。必要なものは必要だ」

二階俊博・党国土強靱化総合調査会長は、16日夜に党本部で急遽、記者会見を開き、こう強調した。17日に政府の国土強靱化推進本部の初会合が開催されるのを前に、バラマキ批判の機先を制そうとしたのだ。

「コンクリートから人へ」と唱えた民主党政権下では、道路や橋梁などを作る公共事業は「悪」とされ、24年度(当初ベース)の公共事業費は4・6兆円とピーク時の9年度に比べ半減した。

「国土強靱化」を唱える二階氏らに呼応するように全国建設業協会は11月末、自民党本部を訪問。年末の26年度予算編成をにらみ公共事業の増額を求めると、党幹部は「国土強靱化基本法案が担保になるから大丈夫だ」と応じた。

政府の経済財政諮問会議の民間議員が公共事業費抑制を求めると、建設省(現国土交通省)出身の脇雅史参院幹事長らがすかさず反論するなど、圧力をかけてきた。26年度予算は2年連続増額で、今年度比2千億円増える見通しだ。

建設・道路族のルーツは、「日本列島改造論」をぶち上げ、道路特定財源を議員立法で成立させた田中角栄元首相に行き着く。

二階氏は、旧田中派やその流れをくむ旧竹下派に所属していた。「ふるさと創生」事業の竹下登元首相や「道路をつくらないとダメだ」が口癖の金丸信元副総裁が地方の陳情に手厚く対応した手法を熟知してきた。同時に、道路建設が利益誘導の温床と批判された経験から、「必要な公共事業」と強調する。

ただ、自民党内には二階氏らの動きに目を光らせる新勢力も現れた。河野太郎氏ら「無駄撲滅プロジェクトチーム」だ。国交省幹部に道路建設の優先順位が曖昧な点を「ブラックボックス」と指弾、切り込む構えも見せている。産経ニュース【自民党は変わったか】2013.12.18

◆猪瀬さん!もう幕を降ろしましょう

浅野勝人   安保政策研究会理事長


紙面の見出しに目を逸らせます。とても記事を読む神経を持ち合わせていません。TVの猪瀬報道はチャネルを替えます。政治家には「引き際の清さ」が何よりも大切ですが、あなたはその時期を見失いました。しがみつくほどに苦しさが倍加します。

この種の政治的、道義的責任を厳しく糾弾するノンフィクション作家として世に出た方です。もうこれ以上、東京都知事が脂汗を流す姿を人前にさらすのは止めにしましょう。

さて、11月に発売した自著「北京大学講義録:日中 反目の連鎖を断とう」について、アマゾンに次のような書き込みをして五ッ星の評価をして下さったのは、どこの何方でしょうか。

「著者の経歴から察するに、記者、国会議員として主に外交畑、とりわけ対中国関係に熱心に取り組んできたものと思われる。その長年の実績から、日中関係が困難な時期だからこそ北京大学から招聘されたのであろう。

元政治家としての幅広い知見から、両国の関係について、安全保障、経済、文化と様々な視点から説き起こしているのは興味深い。また、著者の講義に対する中国学生の率直な意見も掲載されており、現代中国人の思考の一端を知ることができる。

現代中国を知ろうとする者、日中関係の来し方行く末を考える者にとって、格好の良書である」

誠に有難うございました。(北京大学特任講師、元内閣官房副長官)

2013年12月18日

◆江田新党に視線冷ややか

沢田 大典


18日設立の江田新党「期待しない」66% 泥仕合に視線冷ややか

名称「結いの党」に内定

みんなの党に離党届を提出した江田憲司前幹事長らは18 日、都内のホ テルで新党の設立総会を開く。ただ、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査によると、新党に「期待しない」が 66.2%に上り、「期待する」の28 .7%を大きく上回った。有権者 の冷めた視線にさらされながらの、多難の船出となりそうだ。       
           ◇
江田氏らは16日、国会内で新党設立準備会合を開き、江田氏を代表に内定。他の役員人事を江田氏に一任した。新党名も「結(ゆ)いの党」に内定。徐々に態勢が整いつつあるが、今回の調査結果に江田氏は不満だったに違いない。産経新聞の取材に「結党もしていない、綱領や政策も示していない中ではやむを得ない」と語った。

だが、最近の新党結成直前の調査結果と比較すると、「やむを得ない」と開き直るわけにはいかないのが現実だ。昨年9月設立の日本維新の会の期待値は62%、同11月の旧太陽の党は45.5%だった。

同7月に結成した旧国民の生活が第一こそ11.1%と低かったが、「太陽未満、生活以上」という結果は、決して胸を張れるものではない。

みんなの党の分裂劇の背景に、渡辺喜美代表と江田氏の野党再編に対する考え方の違いがあったのは事実だが、世論は分裂の遠因に両氏の感情的対立があったことを見透かしている。

しかも、泥仕合は継続中だ。新党に参画する江田氏ら14人は16日、衆参両院事務局に会派離脱を届けた。渡辺氏が江田氏を除く比例代表選出の13人の離脱を認めていないためだ。離脱は会派代表が議長に届けるのが慣例のため、受理されなかったが、江田氏はそれを承知で、世論に訴える戦術に出たわけだ。

ただ、調査では比例当選者が離党した場合は「議席を返還すべきだ」が72.5%に上っており、江田氏らのアピールがどこまで世論に届くかは不透明だ。

江田新党の期待値が低い理由は、民主党や維新の存在を抜きにして語ることもできない。

与党の対立軸として最も期待できる政党を聞いたところ、民主党が25.1%でトップ、維新が23.9%と続いた。

しかも、そもそも野党再編には過半数の53.1%が期待していない。江田氏は民主党の分裂や維新の解党を前提にした再編の青写真を描いているが、これでは、民主党と維新に組織防衛の力学が一層強く働く可能性は高い。産経ニュー【本社・FNN調査】2013.12.17

<「頂門の一針」から転載>

2013年12月17日

◆崩壊ソ連と同じ轍を踏む中国

古澤 襄


歴史は繰り返すというが、中国はソ連が崩壊した同じ轍(わだち)を踏んでいる。米ソ冷戦時代に来日したグロムイコ・ソ連外相に同行して京都に行ったことがある。

ミスター・ニエットといわれたグロムイコは国連安保理で拒否権を連発、ソ連は国をあげて米国に追いつき追い越せと軍事力の強化に狂奔していた。国内の疲弊には目もくれず宇宙開発競争、長距離核爆弾の数でも米国に負けまいと懸命だった。

そんな無理が通じる道理はない。京都の夜で仲間の政治記者たちと「ソ連は米国のユダヤ戦略に乗せられている」と怪気炎をあげたものだ。

いまの中国はソ連末期の状態と酷似している。国家の富のほとんど軍事力の強化に当てて国内の民の生活にはふり向けない。中国農村の生活レベルは世界の最低レベルにとどまる。各地で暴動が発生しているが、それを強権をもって抑え込んできた。

13億の人口を持つ中国が民衆の生活レベルをあげる政策を進めれば、中国の市場としての注目度はさらに高まる。外国資本も中国に来るのは必定だが、現状は外国資本が中国からどんどん逃げ出している。

そんな中で海軍力の強化に狂奔し、太平洋で日米と対峙することしか考えない。そんな無理が通じる道理はない。ほんとうに米国のユダヤ戦略に乗せられ、破滅の道をたどっているのであろうか。やはり崩壊したソ連と同じ轍を踏んでいるとしか思えない。支那はもう少し道理が通じる国だった筈だが・・。
2013.12.16

<「頂門の一針」から転載>

◆嫌露グルジア「ジョージア」と呼んで

宮家 邦彦


先週は駆け足でトビリシとアンカラ(トルコ)を回ってきた。現地の知識人と意見交換し、大学で講演する機会まで頂いた。日本では中国の防空識別圏設定や特定秘密保護法で大騒ぎだったが、今週はカフカス(英語名コーカサス)地政学を取り上げたい。

トビリシは「サカルトヴェロ」の首都。日本の外務省は「グルジア」と呼ぶが、この国の人々は「ジョージア」を好む。理由は簡単、「グルジア」はロシア語であり、英語では「ジョージア」と発音するからだ。

サカルトヴェロとはカルトヴェリ人の土地という意味だそうだ。彼らの言語は文字も文法も独特で、他のどの主要言語族にも属さないという。歴史的にも、ここほど地政学的に不幸な場所はない。

北はロシア、南はトルコ・ペルシャに挟まれ、長年これら覇権国家に翻弄されてきたからだ。大学では「よくぞジョージアは生き残ったものだ、これほど厳しい国際環境は他にポーランド、イラク、クルド、朝鮮半島ぐらいしか思い付かない」と述べたが、これは筆者の偽らざる本音でもある。

驚いたことに、100人ほどの学生たちは全員見事な英語をしゃべった。第1外国語をロシア語から英語に変更して約10年、この国は間違いなくグルジアからジョージアになりつつあると実感した。

ジョージア人のロシア嫌いは徹底している。トビリシに軍事博物館はないが、代わりに「ソ連占領博物館」がある。彼らはソ連時代の1921〜91年を占領の70年間だと思っている。

それだけではない。2008年にはロシアと武力紛争が勃発し、西部のアブハジアと中央部の南オセチアが“独立”状態になった。ロシアの「占領」は今も続いているというのがジョージア人の認識なのだ。

四方を海に守られた日本では想像しにくいが、陸続きの国境があるこの国で「占領」は日常的現実だ。トビリシから1時間ほど車で走れば南オセチアとの「国境」の村に着く。ロシアが最近設置した鉄条網は村を二分している。

南オセチア側の小高い丘にはなぜかFSB(ロシア連邦保安庁)の国境警
備隊が24時間監視を続けている。ジョージアは今もロシアの南下政策と対峙(たいじ)する最前線だと痛感する。

この人口わずか450万人の小国に米国は外交官数百人人ともいわれる巨大な大使館を構えている。カフカスにはジョージアの他、キリスト教のアルメニアとイスラム教のアゼルバイジャンがある。ソ連崩壊後独立した両国は対立したままだ。米国にとってジョージアはカフカスでの一大拠点なのだと実感した。

トビリシから東アジア情勢を見ると、今まで見えなかった切り口が見えてくる。ここでは3点のみ指摘したい。

●第1は、キリスト教とイスラムの接点がカフカスにもあることだ。

ここから始まる非アラブのイスラム世界はアゼリからトルクメ、ウズベクなどを通り、カザフまで続くテュルク系民族の世界だ。ここでの動きは同じテュルク系のウイグルとも連動し得る。もちろん中国はこのことを熟知しているはずだ。

●第2は、旧共産主義国家による「占領」がジョージアだけではないことだ。

内政干渉する気は毛頭ないが、そう遠くない将来、中国内の少数民族がトビリシのような「中国占領博物館」を作る可能性は否定できない。ジョージア人は民族の歴史の記憶がそんな軟(やわ)なものでないことをわれわれに教えている。

●最後に、ジョージア外交は、韓国などと同様、「全方位外交」であることだ。

最近ジョージア政府はロシアとの関係改善に熱心だが、外交の基軸はあくまで対EU・NATO関係だ。域外の大国が最も信頼に足る抑止力であることをジョージア人は本能的に知っている。この点はぜひとも韓国の識者にも理解してもらいたいものだ。

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【プロフィル】宮家邦彦
みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京
大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東ア
フリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公
邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル
戦略研究所研究主幹。
産経ニュース【宮家邦彦のWorld Watch】2013.12.12

<「頂門の一針」から転載>

2013年12月16日

◆趙明禄亡き後の軍実力者は誰か

古澤 襄


ワシントン・ポストの外交専門記者だったドン・オーバードファーが4年間の歳月をかけた「二つのコリア」は、今日でも朝鮮半島現代史を読み解くうえで、最高の傑作だと思っている。

この本に触発されて北朝鮮軍部の情報・資料を集めて10年以上の歳月が経つ。情報鎖国の北朝鮮でとくに軍部の動静は外部に漏れてこない。それでも長い歳月の間にいくつかの傍証・確証が出ている。

それを組み立てながら、時には軍内部の確執が表面化するので私なりの見解を杜父魚文庫ブログに書いてきた。

北朝鮮情報では韓国の元KCIA情報が玉石混淆のきらいがあるものの優れていた。KCIA情報は脱北してきた北朝鮮軍の将校から聞き出したダイレクト情報。ヒューマン情報の最たるものであろう。

また日本の公安情報も朝鮮総連のヒューマン情報に依拠するが重要であった。金日成時代には資金面で悩む本国に送金する朝鮮総連の存在は重要であった。

KCIAは改組され、また朝鮮総連もかつての様な北朝鮮本国との繋がりが希薄となっているので情報価値が低くなったが、それでも過去の蓄積があるので無視はできない。

先軍政治を領導した金正日国防委員長時代のナンバー2は趙明禄第1副委員長であるのは論を俟たない。対外的には金永南最高人民会議常任委員会委員長がナンバー2とされてきたが、実権のない”お飾り”に過ぎない。

この趙明禄は金日成の抗日パルチザン部隊に少年兵として参加した革命第一世代で、金正日の生母である金正淑に近かったので金日成の後継者として金正日を強く推し、金正日の後見人として発言力を増した。

2009年の杜父魚文庫ブログで最高権力機関の国防委員会のトップは金正日委員長、ナンバー2は趙明禄、その下に金永春、李勇武、呉克烈の3人の副委員長をあげた。

しかし趙明禄は2010年11月6日に心臓病で死去、国葬で葬儀委員長に金正日自ら就任し、葬儀委員が100名を越える異例の扱いを受けている。

北朝鮮軍を束ねていた趙明禄の死去によって2つの流れが表面化した。この傾向は趙明禄が病床の頃から顕在化している。

ひとつは軍内部の冒険主義的な強硬派の台頭。金格植総参謀長は2009年2月に西海(黄海)北方限界線(NLL)を管轄する第4軍団の司令官に降格されるたが、11月に大青海戦、2010年3月に哨戒艦「天安」爆沈事件、11月に延坪島砲撃事件を起こした。

延坪島砲撃の後、金格植は総政治局の指導検閲で「南朝鮮(韓国)の反撃にきちんと対応できなかった」と批判され、辺仁善上将(大将の下の階級)と交代している。

もうひとつは改革・開放政策を掲げた張成沢の台頭である。

この張成沢台頭をめぐって、張成沢と呉克烈国防委員会副委員長の間で外資の誘致をめぐり深刻な葛藤が生じていたことを指摘したい。

張成沢VS呉克烈の構図は次の様なものである。軍部を基盤に外資誘致をしてきた呉克烈に一歩遅れて張成沢と金養建党統一戦線部長が主導権争い演じている。

呉克烈は外資誘致専門機構として朝鮮国際商会(総裁・高貴子)を設立、張成沢側は朝鮮大豊(デプン)グループを設立、金養建を理事長に、中国朝鮮族出身の朴哲洙を総裁に任命した。

呉克烈は張成沢を憎悪し、大豊グループ・朴哲洙総裁の背後には中国国家安全省があり、中国が朴総裁と朝鮮大豊グループを通して大規模資本を投入し、北朝鮮経済の掌握を狙っていると非難した。

呉克烈の系列に属する金永春らが張成沢追い落としに一役買った可能性が捨て切れない。世上、金正恩第1書記に次ぐ軍の実力者となったのは崔竜海軍総政治局長といわれるが、崔竜海はもともと張成沢系列である。

それだけに張成沢の権力システムを熟知しているから、張成沢にしてみれば「飼い犬に手を噛まれた」思いがあったろう。

さて表面に出てこない呉克烈、金永春ら長老組の役割と今後はどうなのか。呉克烈には外資誘致を巡る噂があるから、第二の粛正劇が待ち受けているのかもしれない。

しかし呉克烈は旧ソ連の空軍大学を首席で卒業、朝鮮人民軍の航空司令官や総参謀長を務めた、典型的な現場型の軍人だ。

呉克烈をよく知る人民軍出身の脱北者は「呉氏は非常に頭が良く、実行力もあるため、野戦部隊の軍人たちから尊敬されている人物だ」と言う。あえて金正恩が呉克烈まで斬るにはかなりのリスクが伴う。

いずれにしても趙明禄亡き後の軍を束ねる実力者の顔がまだ見えない。
2013.12.15

<「頂門の一針」から転載>

◆冷静で前向きな韓国の人の声

櫻井 よしこ


韓国で最も影響力があるといわれる言論人、趙甲済氏が11月27日夜、「中国に対する韓米日共助」が出来たと、ブログで発信した。

中国が一方的に宣言した防空識別圏に、韓国の離於(イオ)島が含まれたが、韓国軍はこれを無視して中国側に事前通知せず哨戒飛行を続けたこと、韓国政府は11月25日、中国側の防空識別圏を認めないと公式に通報したことを指摘した上で、氏は米国がB-52戦略爆撃機2機を中国に通報せず出撃させたこと、日本政府が民間航空会社に同空域の飛行で中国に事前通告をしないように指導したことを取り上げ、「久しぶりに」「中国に対する韓米日共助」が出来た、と評価したのだ。

行間に、朴槿恵大統領の非理性的な日本批判への批判、韓国国内の反日感情と日本での反韓感情の高まりを何とか鎮めたいとの思いを読み取るのは、私だけではないだろう。

「ニューズウィーク日本版」は12月3日号の表紙に「アメリカも困惑する韓国の世界観」と大書し、朴大統領の反日をたしなめた。

米国政府は韓国が日本の「軍国主義化」だと強く非難した集団的自衛権の行使を高く評価した。10月3日の日米外相防衛相四閣僚による「2プラス」では、日本により積極的な軍事的役割を奨励し、日本の集団的自衛権にも米国の積極的支持を打ち出した。

こうしたことについて「朝鮮日報」の論説室長、楊相勲氏による以下のような論陣に注目したい。

「韓国人にとって、日本の集団的自衛権行使容認は戦犯国家による再武装の企てだ。その戦犯国家と実際に戦争した米、英、豪が日本の集団的自衛権行使を歓迎した。

各国が日本の対中牽制能力の向上を望んでいるにしても、日本が『信頼出来る国』『合理的な国』としての評価を得ていなければ、このような国際世論はあり得なかっただろう」

氏は対日請求権問題についても、韓国と同様の内容で日本と請求権協定を結んだアジア4カ国と韓国を比べながら、条約を覆しているのは韓国だけだと、冷静に指摘している。

楊氏の主張は、日本との問題を根本的に解決するには韓国が「もっと合理的で信頼出来る国」になるしかないという点に尽きるだろう。

いま最悪の日韓関係の中で、韓国で発せられるこの種の冷静かつ前向きな声を大事にしたい。韓国の対日観が、不条理の極致にまで、ねじれにねじれている理由を理解するには趙氏の次の指摘が役立つだろう。

国会議員300人中、「前科者が61人」もいる、韓国の国会は異常なのだという指摘である。

「国会には強盗傷害事件の加担者、催涙弾を本会議場に投げた者、火炎瓶で警察官7人を殺した学生たちを民主化活動家として持ち上げる者、北朝鮮式社会主義を信奉し対南赤化戦略に追従する者たちがいる」というのだ。

「前科者」61人中、27人が反共法や国家保安法の違反者、つまり反国家犯罪の犯人たちだと趙氏は断じた。そのような人々が構成する韓国国会は朴大統領の命が狙われる危険な場所でもあると、氏は警告している。

韓国政治が混乱の極みにあり、北朝鮮勢力が中枢部にまで浸透していることが激しい反日の原因でもあろう。

「統一日報」顧問の洪?(ホン・ヒョン)氏は、日韓関係は「心理的断交状態」に陥っているが、韓国人の対日感情は実際には「そう悪くない」と強調する。歴史を知らない若い世代はさておき、韓国の大人たちの多数は偏狭な左翼民族主義の日本非難には同調しないと繰り返すのだ。

いま、反韓反日を言い立てるのは容易である。だが、こんな険悪な状況だからこそ、物の道理がわかっている韓国の人々の声に耳を傾け、彼らをこそ支援するのがよいと思う。
(週刊ダイヤモンド)2013.12.14

<「頂門の一針」から転載>

2013年12月15日

◆防空識別圏「恥かいた」

西見 由章


一転「思い知ったか」…米対応に一喜一憂

「敗戦国が四の五の言うな」。中国が東シナ海に設定した防空識別圏をめぐり、中国のネットユーザー「網民」(ワンミン)たちの“愛国心”が加熱している。無通告で爆撃機を悠々と飛ばしながら防空圏の撤回自体は求めないという米国の揺れる対応に、中国の網民たちは一喜一憂。

その矛先は防空圏拡大を発表した韓国にも向かっている。ただ、「中国こそ軍国主義ではないか」という冷静な見方もじわりと広がっているようだ。

「敗戦国が四の五の言うな」

日本の防空圏は第二次大戦後に米軍が設定したものを1969年に継承した、いわば「戦後秩序」の一部。その防空圏への非難は、中国メディアが日本の「右傾化」を批判する際の決まり文句である「戦後秩序への挑戦」が、ブーメランとなって自国の行動に跳ね返ってくることになるのだが、多くのネットユーザーにその自覚はない。

中国の防空圏設定に対して米国が「深い懸念」(バイデン副大統領)を表明しながらも、撤回は求めず、民間航空機の飛行計画の提出についても事実上容認したことに対して、網民からは歓喜の声が上がった。

「日本は自分が将棋のコマでしかないと思い知っただろう」

「国家が強大になったことを喜びたい」

「小日本は敗戦国だ。四の五の言う資格はない。敗戦国の恥辱を洗おうというのか? アメリカだって承知しないぞ」

「張り子の虎」

ただし防空圏の設定当初、ネット上の言論空間は大荒れだった。11月25〜26日に米軍のB52戦略爆撃機2機をはじめ自衛隊機などが無通告で進入したものの中国側は軍用機の緊急発進(スクランブル)をかけなかったことが伝えられると、中国人の怒りは自国の弱腰な対応に向けられた。

小説家の北村(ベイツン)氏は、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」にこう書き込んだ。

「中国が防空圏設定を発表した直後にアメリカのB52がはるばるやってきて、中国側の声明はまったく相手にしなかった。これは耐え難いことだ。中国はどう対応すると思う? おそらく『厳正に抗議し、申し入れる』のだろう」

11月27日の中国外務省の定例記者会見。海外メディアから「中国側は防空圏が(見かけ倒しの)『張り子の虎』と考えられることを懸念していないのか」と厳しい質問が浴びせられた。

報道官は「中国政府には国の主権と安全を防衛する十分な決意と能力があり、防空圏の空域に対して有効に管理する能力があることを強調したい」などと苦しい回答に終始した。これに対してネット上では多くのツッコミが寄せられた。

「空軍少将は当初、相手が警告を聞かずに防空圏に進入した場合は撃墜することもあり得ると言っていたはず。自分で辱めを招いた」

「答えになっていないぞ」

「これだけ長くしゃべって、実質は何も言っていない。言葉の芸術だ」

「対外的な強硬姿勢を示すことによる国内向けアピール」という短期目標に限っていえば、当初は明らかに“オウンゴール”の感もあった中国の防空圏設定。しかし米国の態度の軟化に伴い、ネット世論もだんだん威勢がよくなっていった。

「頑張れ中国! 国と国の間に正義なんかない。あるのは利益だけだ」

「いっそ原爆を日本に落とせ」

サムスンをやっつけろ

最近の網民たちの主な関心は、12月5日に公表された韓国の防空圏拡大に向かっている。韓国は15日以降、中国と管轄権を争う離於島(イオド)を含む範囲まで拡大することを発表。中国側は黙認の構えだが、ネットでは批判が相次いでおり、ニュースのコメント欄は「棒子(バンズ)」という韓国人への蔑称であふれかえっている。

「棒子は鬼子(グイズ、日本人の蔑称)よりもっとあくどいな」

「軍事的に対抗する必要はない。(中国に進出している)サムスンをやっつければ棒子の経済規模は半減する」

「蘇岩礁(離於島の中国名)は中国のもの!」

「心配無用だ。われわれの有害濃霧で棒子に蘇岩礁は見えない」

「中国こそ軍国主義」

こうした排他的なナショナリズムの高揚を「偽愛国者」「愛国賊」などと批判する冷めた声も少なからずある。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は12月7日、駐中国大使館の堀之内秀久公使が同紙主催の北京のシンポジウムで発言した内容を取り上げた。

「中国は一方的に東シナ海の現状を変えようとしている」と批判し、特定秘密保護法の成立で「日本の軍国主義化」を懸念する中国側に対して、「日本が批判されるなら中国はとっくに軍国主義国家だ」と反論したとの内容である。

日本の立場からの正論だけに“炎上”するかと思いきや、中国のネット上では意外にも「賛同」の声が多く寄せられた。

「日本を支持する。中国こそ軍国主義で、人民に無限の苦痛を与えている」

「来日して3年になるけど、日本兵(軍人)を一度もみたことがない」

「中国の本当の敵は、日本やアメリカではなく汚職官僚だ」

中国の最大の脅威は…

防空圏設定問題の渦中にあった11月29日、環球時報(電子版)は「米国と日本は中国が一流強国になることを妨げることはできない」と題する社説を掲載した。

社説は、中国の発展に向けた最大の障害は日米の軍事的な脅威ではなく、「内部の対立」だとし、「最も重要なことは、国内問題を解決することだ」と主張。「中国社会の分裂は、日米が最も望んでいることだ」と警戒感をあらわにした。

その一方で、「愛国主義は中国の発展には欠かせない。国家の士気の重要な源泉であり、社会の亀裂を修復させるものだ」とした上で、「現在、国内のネット上では愛国主義に泥を塗るような異端の邪説が広まっているが、これは有害だ」と強調している。

他国の愛国心は「右傾化」と批判する一方で、自国の愛国主義は「他国よりも劣ってはならない」というのだから、その我田引水ぶりには恐れ入る。

超タカ派の論調で知られる環球時報のこの社説は、中国が喧伝(けんでん)してきた愛国主義への疑念が、ネット上で無視できない程度にまで広がっていることへの危機感の表れだろう。
産経ニュース 2013.12.14 07:00 [中国ネットウオッチ]

<「頂門の一針」から転載>

2013年12月14日

◆北、機関銃で射殺情報も

加藤 達也


【ソウル=加藤達也】北朝鮮の国営朝鮮中央通信は13日、金正恩(キジョンウン)第1書記の叔父で後見人とされた前国防副委員長の張成沢(チャンソンテク)氏に対し、特別軍事裁判所が12日に開いた裁判でクーデターを画策した「国家転覆陰謀行為」の罪で死刑判決を下し、即時執行したと伝えた。

北朝鮮が指導層の軍事裁判や刑の執行を公表するのは極めて異例。張氏は8日に全役職から解任されたばかりで、金正日(ジョンイル)総書記の死去から17日に2周年を迎えるのを前に、対中関係や経済建設面で強い権限をふるってきたとされる張氏を処刑することで、金第1書記の独裁体制構築の総仕上げを急いだものとみられる。

特別軍事裁判所は、国家安全保衛部に所属。同通信によると、裁判所は、張氏が「政権への野心に狂って分別を失い」軍を動員してのクーデターを画策していたと指摘した。

張氏は罪状について、法廷で「軍隊と人民に国の経済実態と生活の破局が広がっているにもかかわらず(金第1書記の)現政権が何の対策も講じることができないという不満を抱かせようとした」と陳述したとし、金第1書記を対象としてクーデターを起こそうとしたことを認めたという。

同通信はまた、張氏は「クーデター実行の時期は決めていなかったが、経済が完全に落ち込み、国家が崩壊直前に至れば、すべての経済機関を内閣に集中させたうえで自身が総理に就任するつもりだった」と陳述したとし、張氏が経済部署を中心に権力掌握を図ったと強調した。

判決は、張氏を「凶悪な政治的野心家・陰謀家であり、万古の逆賊である」と激しく指弾し、最高量刑の死刑を適用した。処刑の方法や場所などは明らかにされていないが、韓国の与党議員は、情報機関からの報告として、「機関銃で射殺されたと推定される」と述べた。

韓国政府は13日、張氏の処刑を北が発表したことを受け、国家安保政策調整会議を緊急開催。軍や情報機関などが北朝鮮の動向を注視している。産経ニュース2013.12.13 12:08

<「頂門の一針」から転載>

◆便乗増税:朝三暮四

MoMotarou


「列子 黄帝」などに見える故事。狙公(=猿回し)が猿にトチの実を朝に三つ,暮れに四つ与えると言ったら猿が怒り出したので,朝に四つ暮れに三つやると言ったところ猿が喜んだというもの。  大辞泉より

         ★

軽自動車に掛かる税金が上がる。失敗したが発泡酒の税率も上げるつもりだったらしい。郵便料金も上がる。政府は便乗値上げを警戒しておりましたが、「便乗増税」は奨励しておるようです。

■見下げた心

低所得者対策で一万円やるからとなだめる。国民は猿でも乞食でもない。

「便乗増税」の動機の一つには国会議員の選挙がしばらく無いので、今のうちにやって於こうと言う魂胆(こんたん)が働いているらしい。

わが国民が温和しいのは事情を理解しているからですが、甘く見てはいけません。当面中国韓国等の侵略を食い止める為、総理が飛び回っているのは理解しています。しかし安倍政権には油断があります。「命取り」になります。

■規制緩和は「共食い」経済政策

我国の国内にある資産を食い荒らしております。これは外国進出等と違って"手っ取り早く"利益を上げられるからです。創造性はいりません。小泉構造改革内閣では経済諮問会議のメンバーが大儲けをしたというお話。

民主党政権で在日の★孫ちゃんが大儲けをゲット。それを見て慌てた楽天ミキタニちゃんが僕にも儲けさせろとゴネる。米国の圧力を期待してケネディ・キャロちゃんと肩を組む。

「岩盤規制」などといわれておりますが、なぜかいつも引用する外国のお話が聞けません。因みにドイツでは表通りにはマックは出店できないようです。

■国の事より、わが社わが省

軽自動車の増税の裏には、軽から小型自動車などへの移行を画策したメーカーと税収をあげたい財務省と米国自動車産業の連帯があるでしょう。面白いのは日産自動車で「軽四輪自動車」に初参入です。狙いは面白いですね。

地方では今まで買い物に自転車で済んでいました。しかし大型店の出店ラッシュで近くの中小スーパーがダウン。買い物用の車が必要になって来ました。通勤用買い物用娘用を複数台必要になってきています。

■安倍政権は短期政権

安倍首相は、自民党政府などのマスメディア広報戦略を見直す時が来ております。「ボカシ戦術」も通用しなくなってきます。私は「消費税・靖国」対応を見て教訓を得ております。"近い内に"参拝して禊(みそぎ)をしないと「運」から見放されます。

<「頂門の一針」から転載>

2013年12月13日

◆メディアの煽りと恣意性

阿比留 瑠比


−慰安婦報告書非開示にはなぜ沈黙するのか

戦前の新聞はかつてこのようにして国民感情をあおり立て、戦争へと突き進ませたのではないか−。安全保障に関する秘密を漏らした公務員らの罰則を強化した特定秘密保護法に反対する一部メディアの異様な報道ぶりに、そんな不気味さと息苦しさを感じている。

「朝日新聞は戦前はあれだけ戦争をけしかけ、戦後はサンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約、自衛隊の海外派遣に反対した。日本は戦後、全部朝日の考えと反対をやってうまくいってきた。これだけ反対されると、逆に政府は正しいと確信が持てる」

外務省幹部は皮肉混じりにこう指摘し、一連の報道のあり方に「異常で理不尽だ」と憤る。特定秘密保護法の成立によって変わることといえば、「米国相手にぎりぎりと交渉する際などに、軍事情報や衛星写真を少しもらいやすくなる」ことぐらいなのだという。

実際、同法に相当する法律は米、英、独、仏…と主要各国にあり、日本が突出しているわけではない。

「秘密が際限なく広がる、知る権利が奪われる、通常の生活が脅かされるといったことは断じてない」

安倍晋三首相はこう強調し、担当の森雅子消費者担当相も「一般の人が特定秘密と知らずに情報に接したり、内容を知ろうとしたりしても処罰の対象にはならない」と明言している。

つまり、スパイか工作員かテロリストでなければ、この法律は日常生活にも表現活動にも影響しない。にもかかわらず、成立翌日の7日の各紙社説は、まるで開戦前夜のようにおどろおどろしく書いたのだった。

「憲法の根幹である国民主権と三権分立を揺るがす事態だ」(朝日)

「民主主義を否定し、言論統制や人権侵害につながる法律」(毎日)

「われわれは奴隷となることを拒否する」(東京)

もちろん、メディアが政治や行政を監視し、問題点を指摘するのは当然だし、新聞がそれぞれの主張に基づき論陣を張ることも必要だろう。また、現在の情報公開制度が不十分である点は、もっと真(しん)摯(し)に再検討されてしかるべきである。

ただ、「この法律では行政が特定秘密を恣(し)意(い)的(てき)に指定できる」(日経)といった批判には「何を今さら」という感想を抱く。これまでも、行政は(1)国の安全、諸外国との信頼関係を害する(2)公共の安全、秩序維持に支障を及ぼす−などと判断した情報について、一方的に「不開示」としてきたからである。

現状の恣意性と曖昧さは甘んじて受け入れ、今回の法律だけは許せないというのでは説得力に欠ける。

11月26日の衆院国家安全保障特別委員会でのことだ。日本維新の会の山田宏氏は、河野談話の根拠となった韓国での元慰安婦16人の聞き取り調査結果が、特定秘密にも当たらないのに「不開示」とされている問題でこう問いただした。

「特定秘密以外の秘密で、永遠に国民の目に触れないものはかなりある。特定秘密よりひどい。日本の名誉がかかっている。こういう不明朗なものがあるのは、非常に問題だ」

この重要な指摘にメディアは一切反応しなかった。こんな報道の恣意性こそが、国民の不信を招いている。(政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】 2013.12.12

<「頂門の一針」から転載>