2013年07月25日

◆仕掛ける細野氏 みんな・維新と再編

坂井 広志


続投を表明した民主党の海江田万里代表と、8月末に辞任する細野豪志幹事長が暗闘を繰り広げている。24日の党常任幹事会(常幹)では代表選実施を求める声が上がったが、これを主導してきたのは細野氏。

代表選実施派はその先に、みんなの党などとの野党再編を見据える。海江田氏は党分裂につながりかねない野党再編に消極的で、「海江田降ろし」と野党再編がリンクする形で党内の亀裂が深まろうとしている。

◆代表選求める声

海江田氏「ご自身の身の処し方があるんじゃないですか」

菅直人元首相「党を辞める気はない」

常幹に先立つ24日午前、海江田氏は都内のホテルで菅氏と会談し、参院選で党の方針に反して無所属候補の支援に回ったことを理由に、自発的離党を促した。

海江田氏は菅氏の処分問題の決着を急ごうとした。参院選の“敗戦処理”が長引けば、代表である海江田氏の党内基盤は弱体化する。それどころか、敗戦の責任問題が自身の責任論に飛び火すれば、党内に代表選実施を求める声が高まりかねない。

一方、細野氏に近い議員は、一気に海江田氏の責任論を俎上(そじょう)に載せようとした。常幹で「党のためにもご自身のためにも、進退について体制刷新に向けて決断をお願いしたい」と代表選実施を直訴したのは細野グループに属する小川淳也衆院議員。海江田氏は「自分の進退は自分で決める」と辞任を拒否した。

◆勉強会を模索

この日の会合では代表選実施論は大勢にならなかったが、菅氏への厳重処分と代表選実施が見送られれば、これを口実に細野氏らが離党し、再編に動き出す可能性がある。

実際、細野氏は23日、記者団に再編に積極的な姿勢を示しており、参院選投開票日の21日夜には、みんなの江田憲司幹事長と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長と都内で会談している。3氏は来週にも会談し、野党再編に関する勉強会の立ち上げに向け意見交換する方針だという。

江田氏が渡辺喜美代表の党運営に反発し、25日に開催する両院議員総会で党内統治について問題提起しようとしているのも、維新との合流を拒否する渡辺氏とたもとを分かつためとの見方は強い。

◆橋下氏の思惑

維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は24日、大阪市役所で記者団に野党再編について「国会議員で新しい政党をつくったらいい。(自分は)国会議員ではないから参加できない」と述べたが、「主導権争いとか、くだらないことをやると、まとまらない」とも主張した。あえて一歩身を引くことで、再編を軌道に乗せる−。橋下氏の発言からはそんな思惑がちらつく。

もっとも、江田氏は23日の記者会見で「橋下氏は旧太陽の党と一緒になったことで維新が伸び悩んでいる現実を見極めないといけない」と基本政策の違いから自民党出身者が主体の“旧太陽切り”を促した。

民主、みんな、維新の中にいる再編論者の歯車がかみ合った瞬間、再編は一気に動き出す可能性が大きい。産経ニュース2013.7.25 07:01

<「頂門に一針」から転載>

◆「反一強」「反安倍」リーダーはだれ

岩見 隆夫


参院選が終わって何が起きるか。すぐには何も起きない。

差し当たって注目されるのは、自民党の石破茂幹事長の処遇ぐらいだろう。この人事はむずかしい。安倍晋三首相はハンドリングを誤ると、長期政権戦略に狂いが生じるかもしれない。が、それもすぐにどうこういうことではない。

むしろ、念頭に置くべきは、安倍さんがよほどガードを固めないと、自民党一強体制がそう長続きするはずがないということである。内部から崩れるか、外側から蚕食されるか、とにかくいまの自民党は一強を誇るほど頑丈な体質ではない。

兆候はすでにあちこちに表れている。たとえば、

〈リベラル〉

という言葉。一種のイメージ語でしかなく、きちんとした意味合いで政界に定着しているとは言い難いが、昨年、民主党政権が崩壊したころから使われだした。新しい理念は〈リベラル民主〉で、といった具合に。何を言いたいのかはっきりしないが、〈安倍と違う政治路線〉をリベラルという言葉で言い換えようとしているのは想像がつく。

リベラルは〈反安倍〉の保守勢力結集を目指すシグナルとみれば、わかりやすいかもしれない。参院選後は野党再編が起きるだろうという観測がしきりだったが、負け犬同士をつなぎ合わせたところで、何かが始まるわけでもない。〈一強〉対〈反一強〉のせめぎ合いこそ、政局の流れとみた方がいい。

ひところ自民党リベラル派の代表格とみられていた河野洋平前衆院議長(引退)は、月刊誌『世界』8月号のインタビューで、

−−かつて、自民党はリベラルな、あるいは良識的な政治家が多く存在し、アジア外交においても存在感を発揮していたように思います。また、そうであったからこそ長く国政を担うことも可能であったのではないか。現在の自民党、あるいは野党の政治家への助言を−−
と問われて、答えている。

「私自身の夢を言うならば、自民党の中の良心的な人々、リベラルな人々に頑張ってもらって、バランスを欠いた右偏重の現在の自民党をもっと、中庸を行く政党に戻してほしいと願っています」

右偏重の安倍政治は非良心的、非リベラルとみている。つまり、リベラルという線で自民党を仕分けているわけだ。さらに、河野発言の続きが興味深い。

「民主党の方々にも頑張っていただきたいと思うのですが、どうも今の民主党は、政策的に理解しづらく、いったいどのような方向をめざしている政党なのかが私にはつかめません。

ある意味、いま一番、政党としてしっかりしているのは日本共産党です。長い歴史があり、筋が一貫しています。しかし、現状のままでは政界における広がりは難しい。ならば、欧州の共産党のような、より大胆な政治的決断が必要でしょう。社民党は、その歴史とそれを支えてきた人たちにも、政策にも、共感できるところがあります。

いずれにせよ、政権を取ることを本気で考えるなら、思い切った妥協も必要となります。正論を言いながらも小さく固まっているのでは、多くの国民の期待を担うことはできないのではないかと思います」

河野さんは相当大胆なことを言っている。自民の非リベラル勢力とは袂を分かち、民主から社民、共産まで網羅した新リベラル保守勢力を糾合し、政権を狙ったらどうか、と聞こえるからだ。

そういうダイナミックな展開になるかどうかは予測の限りではない。だが、安倍自民党による一強政治が続けば、反一強の動きが加速されるのは容易に予想できることだ。それを政界再編の流れと言ってもいいし、新たな保守二党時代への胎動とみることもできる。

 ◇欠けていたのは包容力 失敗から学ぶべきこと

だが、戦後史を振り返っても、新党の成功例はないと言ったほうがいい。1955年の保守合同・自民党結党以後、同党を離党し新党に走ったのは、河野洋平、武村正義、小沢一郎の3人である。

河野さんはロッキード事件さなかの76年6月、衆参議員の仲間六人と新自由クラブを結成(同7月、田中角栄前首相逮捕)、一時はブームになった
が、内部抗争から次第に衰退した。10年後に解党、自民党に復党したが、結果的に〈新党のむずかしさ〉を内外に印象づけることになった。

そのせいか、新自ク旗揚げから17年間、自民党分裂の動きは表面化しない。次に武村さんらが離党して新党さきがけを結成したのが93年6月、同月小沢さんらも新生党を結成した。

前年の92年5月に細川護熙前熊本県知事が日本新党を旗揚げしたのは離党ではなく、細川さんは非議員だった。当時、なぜいま新党か、と聞いたことがある。

「直感ですね」

と細川さんは答えた。老化した自民党に代わる新保守党への期待を世間が抱き始めていたということだろう。

その後の経過はご存じのとおりだ。小沢さんの腕力で、自民・共産を除く8つの党派を1つに束ね、細川さんを首相に担いだものの、しょせんは野合政権、短命に終わる。武村さんのさきがけは、自民、社会両党と連立政権を作ったりするが結局消滅。

また、小沢さんが離党から今日までの約20年間にたどった道は、ほとんど常軌を逸していた。政党の転変をみても、新生党から新進、自由、民主に吸収、未来、生活とめまぐるしく、何を目標にしているのか見当もつかないのだ。もはや影が薄い。

いま、肝腎なことは、河野、細川、武村、小沢、さらに加えれば菅直人、鳩山由紀夫の失敗例から何を学び取るかである。反一強や反安倍を唱えるだけでは犬の遠吠えにすぎない。

細川さんの〈直感〉ではないが、時の空気を読むのは大事だ。政治家はおしなべて優れている。しかし、空気だけではことは成らない。

お歴々に欠けていたのは、大きくまとめる包容力ではなかったか、と私は思う。いずれ、かなったリーダーが現れるだろう。

<今週のひと言>
16歳の恐怖、やっぱり大家族。
(いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

サンデー時評:2013年07月24日
(サンデー毎日2013年8月4日号)

<「頂門の一針」から転載

2013年07月24日

◆反日で国の誇りを支える韓国の不思議

加瀬 英明


『韓国軍の仮装敵が日本』という、新幹線の車上で無料で配られている、月刊誌の広告が新聞に載っていた。

私はブッシュ(息子)政権のラムズフェルド国防長官と親しかった。下院議員時代に、信越化学の小坂徳三郎氏が主催した下田会議で知り合った。

韓国の盧泰愚大統領が訪米した時に、ラムズフェルド国防長官と会談した。
 
盧大統領は会談が始まると、真面目な表情を変えずに、「韓国にとって、日本が最大の脅威だ」と、述べた。

ラムズフェルド長官は通訳が訳するのを聞くと、わきにいた補佐官に聞こえるように、「このバカ(フール)は、いったい何をいっているか」といって、「私は忙しい。そのような話を聞いている暇はない」と吐き捨てて、席を立った。

韓国が次期主力戦闘機を選ぶのに当たって、アメリカの国防省(ペンタゴン)が韓国に滑走路が長い基地が少く、短い滑走路でも離着陸できる、軽戦闘機を薦めたのにもかかわらず、F15を採用した。北朝鮮に対して備えるのに、F15は必要なかった。理由は、日本がF15を持っていたからだった。

韓国は高価なイージス艦を4隻も保有しているが、北朝鮮の脅威に対して役立つものではない。日本に対抗するためだった。

韓国は国産の最大の強襲揚陸艦を、『独島(ドクト)』(竹島の韓国名)と命名している。

5月に、朴槿恵大統領はオバマ大統領とホワイトハウスで会談して、「日本が歴史観を歪めて、アジアの安定を脅している」と、訴えた。さらに、6月に北京における中韓首脳会談を行った時にも、習近平主席に対して、日本を名指なかったものの、「歴史認識をめぐる対立が、アジアの安定を脅かしている」と、述べた。

韓国も、中国も、日本が歴史観を正すことによって自立して、力を増すことを恐れている。

韓国は日本に対して80年代まで、きわめて友好的に振る舞ったのに、このところ、ことあるごとに日本を叩いて、快感に浸っている。韓国はどうしてこれほどまで、いじけているのか。

自国について自慢できるものが、まったくないために、反日だけが、国の誇りを支えている。韓国は歴史を通じて中国の属国で、独立することがなかった。そのために、自国に対して自信を持つことができない。

今日でも、韓国語で「大国(デグク)」というと、中国1国だけを意味している。やはり、中国に臣従していたからだ。「大国」の鼻息ばかり窺って生きてきたから、情緒不安定な民族となっている。

落着きがない子供の国なのだ。そう思って付き合うほかない。

韓国は500年にわたった李氏朝鮮が慕華思想(ムファササン)といって、中国を宗主国として崇めてきたが、中国が力を増すなかで、先祖返りして、再び小中華(ソチュンファ)になろうとしている。

だが、もし今後、中国が混乱して揺らぐことがあれば、韓国は日本にまた媚びることとなろう。

韓国に「10年たつと、川と山も変わる(シプヨンイミョン・カンサントピヨナンダ)」という、諺(ことわざ)がある。

日本は韓国を甘やかしてきたが、子供を躾けるためには、ときには子供のために厳しく叱ることが、必要だ。

<「頂門の一針」から転載>

2013年07月23日

◆「小沢王国」はなぜ崩壊したのか

古澤 襄


21日投開票された参院選の岩手選挙区(改選数1)で、生活の党の小沢一郎代表(71)が擁立した候補が惨敗し、地元・岩手県で小沢氏の影響力低下が鮮明になった。

県内4小選挙区のうち3選挙区を落とした昨年の衆院選に続く地元での敗北。かつて圧倒的な支持基盤の固さを誇った「小沢王国」はなぜ崩壊したのか。

<「正直言って大変驚いている」。小沢氏は21日夜の会見で、岩手選挙区の敗北についてこう述べた。小沢氏の同級生、中目(なかのめ)一行さん(70)は「崩壊したとは思っていない。われわれは次の選挙を見据えている」と語るが、今回はおひざ元の奧州市でも異変が現れた。

奥州市内の得票数は、3選を決めた無所属の平野達男前復興相(59)が2万8571票だったのに対し、生活新人の関根敏伸氏(57)は1万2578票と半分にも満たなかったからだ。県全体では平野氏の24万3368票に対し、関根氏は9万1048票にすぎなかった。

           ■  ■

「小沢さんの時代は終わった」。奧州市水沢区の主婦(70)はこう話す。小沢氏の秘書を20年以上務めた高橋嘉信元衆院議員(59)も「王国は完全消滅。政局と自分の立場だけ優先してきた結果だ。人の心は離れてしまった」。

なぜ小沢氏への期待が薄れていったのか。過去に小沢氏と行動を共にした県政関係者は「この1年間だけでも政党が次々と変わり、政策も共産党などの野党と変わらなくなった。その変化に県民がついていけなくなった」と分析する。

理由はそれだけではない。平成23年3月の東日本大震災で岩手も甚大な被害が出たのに小沢氏が初めて被災地入りしたのは10カ月も後の24年1月。小沢氏に近い郷右近(ごうこん)浩県議(48)は「警備上の理由で被災地入りをやめてほしいという要請があったため」と明かすが、被災者の目に被災地入りが遅れた小沢氏は冷たく映った。

津波被害を受けた大槌町の主婦、浜田智子さん(37)は「岩手の人なら来てほしかった」と嘆く。小沢氏の後援会幹部は「尾を引いているのは間違いない」と認める。

             ■  ■

「王国」の崩壊は今度どう影響するのか。八幡平市の田村正彦市長(65)は「小沢さんは自分の意に沿わない人を切り捨ててきた。市長選では露骨に対立候補をぶつけてきた」と振り返る。

首長選で対立候補を立てるのは、小沢氏側かどうか色分けをはっきりさせる狙いがあるとされる。今月無投票で4選した住田町の多田欣一町長(68)は「もうぶつけることもできなくなるだろう。そうなると(選挙の)結果も変わってくる」と指摘しており、小沢氏の影響力低下はより加速するとみられる。(産経)>
2013.07.23

<「頂門の一針」から転載>

◆山本太郎を当選させてしまう程度?

前田 正晶


どの週刊誌だったか記憶はないが「東京の選挙区では民主党の分裂で、その民主党票が山本太郎に流れて当選圏内か」とあったのを見て「恐らく彼が来るだろう」と閃いた。

丁度、サッカー等の試合をテレビでも現場でも観戦すると、その場の雰囲気と選手たちの表情から何れが勝つかが閃き、ほとんどの場合それが当たってしまうという現象に似ていた。

私は以前から「東京の民度はおよそ怪しげなものであり、これまでにレンホーや東国原如きに160〜170票も入れてしまったという輝かしくない実績があるのだから」と唱えてきた。

今回の参議院選挙でもタレントだか俳優だかで、原発反対を執拗に唱えて「命の問題ですから」と訴えてきた山本太郎が出ると聞いてお、いくら何でも泡沫候補の一人かと思っていた。

ところが、エネルギーコスト高騰や、円安傾向が厳しいこの時期に輸入される石化燃料に依存した発電を続けた場合に如何なる事態を招来するかなどを全く考慮しなければ、菅直人最悪の置き土産「脱原発」ないしは「30年までにゼロ」というようなスローガンは、一般受けする危険性が高いのである。

しかも、マスコミも徐々にリベラル派の味方的正体を現してきたので、山本を見えないところで支援した格好になっていたのだった。

果たせるかな灘高・東大でありながら何で東京から出るのだと私が訝った民主党公認の鈴木寛も、菅直人が党の方針に逆らって応援した大河原雅子までも駆逐してしまった。

私はアメリカ人たちには「私はニューヨーク生まれのニューヨーカーが少ないのと同様で、私は数少ない東京生まれの東京人である」と胸を張ってきた。

何を言いたいのかと言えば、東京には東京を故郷とする者が少なく、他所から来られて東京に定着された方にとっては「我が町の代表者だ」というような確固たる姿勢で押し立てていく候補者が少ないのだと思っている。

候補者たちにしたところで、「ご当地出身で御座います」と呼びかけていた例に出逢ったことなどない気がする。東国原も「宮崎をどげんかせんといかん」と言っていたのに、都知事選に出てきた。

そういう環境にあるから、解りやすく感情に訴えやすい「原発反対論者」の山本太郎を押し上げてしまった。恐らく、一票を投じた方々は無所属の議員が国会で声を枯らして原発反対を訴えても、どれほどの訴求効果があるか等は考えてはいなかったのではと思って、彼の当選を眺めていた。

<「頂門の一針」から転載>

2013年07月22日

◆鳩山・菅・小沢時代 名実ともに終わる

古澤 襄


衆院選に続く民主党の大敗は、「トロイカ」と呼ばれた鳩山由紀夫、菅直人両元首相と小沢一郎元代表の時代が名実ともに終わったことも印象づけた。

<3人で唯一、民主党籍がある菅氏は、なりふり構わぬ言動を展開した。

東京選挙区(改選数5)で党が公認から外した現職を「反原発」を理由に支援。細野豪志幹事長から「しばらく黙っていてほしい」と自制を求められても無視した。

16日には、東京電力福島第1原発事故をめぐり安倍晋三首相が「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題したメールマガジンを掲載し続けているのは名誉毀損(きそん)だと訴訟を起こしたが、逆効果だった。

小沢氏が率いる生活の党は改選の6議席を失った。「小沢王国」、岩手選挙区(改選数1)では、たもとを分かった無所属の平野達男前復興相に公認新人が大差で敗れた。

小沢氏は21日夜の記者会見で、平野氏を「このような生き方をしている人に、岩手県で大きな支持が集まることは信じられない」と批判した。ただ、小沢氏が自民離党後に岩手で擁立した候補の敗北は初めて。落日を象徴する「事件」となった。

鳩山氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり中国に理解を示す発言をし続け、「極めて不適切」(細野氏)と強い反発を浴びた。

トロイカ「プラス1」の輿石東参院議員会長も、地元・山梨に張り付いて民主推薦候補を応援したが、自民党に議席奪回を許した。(産経)>
2013.07.22 Monday

<「頂門の一針」から転載>

2013年07月21日

◆京都、埼玉、東京、大阪が面白そう

岩見 隆夫


きょうは参院選の投開票日だから、選挙のことに触れないわけにはいかないが、あまり気が進まない。理由の第一は新聞の予測調査報道のせいである。有権者としては、投票前に、かなりの確度で選挙結果の全貌がわかってしまうのだから、

「なーんだ」

とシラケてしまうのは当然だ。

国政選挙のたびに、このコラムでもメディアの予測調査はやめた方がいいと書いてきたが止まらない。法律で禁止した国もある。

今回の調査によると、自民党は70議席を超す勢いで、自民・公明両党による過半数(122議席)確保はもとより、単独でも非改選の50議席を加えて過半数に迫っているという。

それを知ると、自民に一票、と決めていた有権者のなかには、さてどうしたものか、と考え込む人たちがでてくる。当然だろう。いわゆるアナウンス効果だ。投票行為の純粋性からいえば、そうした結果についての事前情報を極力インプットされることなく、虚心に一票を投じたほうがいい、と思うが、事態は逆に動いている。

メディアが激しい競争社会であることは十分承知している。しかし、競争のなかでも、公共性を考え、自粛する道はある。個々の候補者の強弱まで、事前に細かく予測してみせる必要があるのだろうか。競馬レースとは違うのだから。

ところで、全国紙は6日付でいっせいに序盤情勢の調査結果を報じた。『朝日新聞』は全国 47選挙区、比例区の約4万人、『毎日新聞』は約3万人の有権者から回答を得たというから、統計学的な正確さはまずOKということだろう。

調査はどこまで深入りしているのか。47の選挙区について、両紙の強弱予測をもとに定数ごとに点検してみよう−−。

▽一人区。青森から沖縄まで31あるが、『朝日』は28、『毎日』は29で自民にほぼ確定としている。違いは三重だけ。『朝日』は岡田克也前副総理の地元だけに民主にまだ脈ありとみている。

岩手で、民主を除籍された無所属現職の平野達男元復興相が、沖縄では沖縄社会大衆党現職の糸数慶子がいずれも自民新人と接戦を演じている点では両紙とも同じ。つまり、一人区では、自民が最低でも28、ひょっとすると31選挙区の完全制覇もありうる。

春ごろは、

「一人区の勝敗がカギ。自民は20を超えられるか」

と言われていたのが、いまや驚異的な独走ぶりだ。

▽二人区。北海道から福岡までの10選挙区だ。予測では、全選挙区で自民がトップを走っているが、北海道、宮城、茨城、新潟、長野、静岡、福岡の七選挙区で不振の民主が健闘しており、一1位自民、2位民主でほぼ決まりらしい。

あとの3選挙区で二位が定まらず、『朝日』は京都で共産、兵庫で維新、広島で生活が優位と読んでいる。『毎日』は兵庫の維新は同じだが、京都、広島とも民主が強いと予測していて、食い違う。いずれにしろ、自民は2人区でも10人を確保した。

◇選挙は緊張、スリル必要 予測報道が邪魔している

 ▽残る定数3以上の6選挙区が与野党入り乱れての混戦、今回の参院選の見どころである。まず3人区は埼玉、千葉、愛知の3選挙区。埼玉について、『朝日』は自民・公明・共産・みんな・民主の順。

公明以降は〈横並びの闘い〉というが、一応順位がついている。これに対し『毎日』は自民・公明までは確定的とみて、3位は民主・みんな・共産の乱戦。

千葉は、『朝日』の予測が、自民・自民・民主で決まり。東京以外で自民が2人擁立した唯一の選挙区だ。ところが『毎日』は、自民・民主まではいいが、三位は自民、みんな両新人同士の争いとみる。千葉自民の力量が試される興味深い場面だ。

もう一つ、愛知。『朝日』『毎日』とも、自民・民主・みんなでほぼ確定だ。3つの3人区で自民は3人ないし4人という予測になる。

▽4人区は神奈川と大阪。東の神奈川だが、『朝日』『毎日』とも自民・みんな・公明までは一致、4位についても民主と共産の競り合い、と同じ予測をしている。

西の大阪も両紙の予測は同じで、自民・維新・公明が確定、4位争いを共産と民主が展開しているという。

▽5人区、最大選挙区の東京。『朝日』は自民・自民・公明・共産・民主の順。一方、『毎日』は自民・公明・自民・共産までは同じ(順位は違うが)、5位を民主現職と無所属新人で俳優、反原発の山本太郎が競り合っている、という予測だ。首都で民主の評価が問われるきわどい争いだ。

以上点検してきたことを総合すると、予測報道があってもなおスリルを残しているのは、岩手、埼玉、東京、千葉、神奈川、大阪、京都、沖縄といったところだろうか。なかでも、逆境民主が最後のねばりをみせるかどうかで、京都、埼玉、東京、大阪に注目だ。

また、47選挙区(改選定数73)に出馬している自民候補49人のうち、なんと92%、45人に事実上の当確が出ている。

しかも、30人が新人候補だ。そのほとんどが当選してくる。新人といっても知事、県議、市長出身が大半で、地方自治のベテランではあるが、国会の新顔に変わりはない。小泉、小沢に続く〈安倍チルドレン〉の大量出現である。

ともあれ、投票日の半月も前に、当確を予測されて、候補者、有権者はどういう心境で対応することになるのだろう。

たとえば、東北の某2人区、40代の自民候補Aは3選を目ざしている。前回(2007年)は民主候補に20万票近くも差をつけられて2位当選に甘んじた。しかし、今回は堂々の1位当選が約束されたも同然だ。Aの心境は、〈メディア予測はそうかもしれないが、最後まで油断はできない〉と引き締めているのか、

〈今回は安倍人気で安泰だ〉

と呑気に構えているのか、どちらでもいいが、Aの支持者にしては、パスしたい気分になるかもしれない。選挙には緊張、醍醐味、スリルがなくてはならない。それが民主主義を豊かにするのだ。予測報道は邪魔をしているのではないか。

<今週のひと言>

なんとなく生きてるぞーっ!

(いわみ・たかお=毎日新聞客員編集委員)

サンデー時評:2013年07月17日

(サンデー毎日2013年7月28日号)
   
<「頂門の一針」から転載>

◆労働力の質と製品の品質にある

前田 正晶


アメリカの自動車産業没落の原因は種々あるが、先ずはそれらを表すエピソードから。極めて陳腐な例だが、80年代にサン・フランシスコ支店に転勤した商社マンが、先ず自動車を購入した。彼は多くの人の助言もあり万一を考えて、車体が大きくて頑丈な国産車(アメリカの車である、念のため)新車を選んだ。

我が国とは違うシステムでその新車をディーラーに引取に出向いた。颯爽とアパートに向かって運転を開始した。しかし、残念なことに新車はアパートに到着するまでに至らず、故障して動かなくなってしまった。

彼は怒ったが「間々あることだ」と支店の同僚たちは慌てず騒がす、かえって"Welcome to America."と皮肉交じりに慰められたそうだった。

これは純粋に技術的な品質問題のケースのようだが、元上智大学経済学部の緒田原教授が著した「大いなるアメリカ病」にはこういう逸話が載っていた。笑えなかった。これもアメリカで新車を購入した場合だった。

その車は動き出すと何処からともなく「カラカラ」という音が聞こえてくるのだそうだ。停まれば聞こえなくなったそうだ。持ち主は色々と機械的な面をチェックしたが原因不明だった。しかし、段々その音に神経が耐えられなくなって、ディーラーに持ち込んでクレームをつけたそうだ。

ディーラーでも原因が分からなかったので、最後の手段で持ち主に分解して検査する了解を取った。そこまでやっても解らず、最後的手段でドアの裏面を剥がした見たそうだ。

すると、そこにCoca Colaの空き缶があったそうで、それが原因だろうと結論付けた。ところが、その空き缶を振ると何か未だ音がするので切り開いてみた。

すると、メモ用紙が出てきた「やっと見つけたか」と書かれていたそうだ。持ち主は呆気にとられたのは言うまでもない。彼にはこれがアメリカならではのユーモアなのか、または悪意ある悪戯かどうかの判断がつかなかったそうだ。

正面から分析してみる。飛躍的な結論を言えば「アメリカ製の自動車の質では国際競争力がなかったこと」と言える。私はこの問題は何も自動車産業だけの問題ではないと、経験的にも確信している。

何度も言ってきたことだが、1994年7月に時のUSTR代表のカーラ・ヒルズ大使は「アメリカが対日輸出を増やすためには2つの問題を解決する必要がある。それは識字率の向上と初等教育の改善である」と公開の席で認めたのだった。この意味するところは「労働力の質が低い」なのである。

労働力の質が何故低いかは繰り返し述べてきたから、ここでは細部に触れない。だが、教育関連の他にはアメリカの社会構造と移民を含む少数民族が深く関係しているのだ。

我がW社の事業部も日本市場で最大のシェアー・ホルダーになるためには、絶えざる品質改善の努力と、生産現場即ち、労働組合員に「品質の改善と維持なくして日本市場での生存はあり得ない。我々が日本市場でシェアーを拡大できなければ、本部のみならず工場の生存も危うくなると自覚せよ」と常に叱咤激励してきたものだった。

念のために付け加えておくと、労働組合員には機会を設けて「たゆまぬ品質改善への努力」を説き聞かせ、「ライバルに負けるな」と士気を鼓舞するのだが、その際には「君らは非常に良くやってくれている。そこを乗り越えるもう一段の努力をして貰えば最高」という風に「君たちの努力は評価していますよ」と褒めることから入らないと受け入れない国民性があるのだ。

手前味噌が長かったかも知れない。アメリカでは強すぎる職能別組合という組織があって、それが会社とは言うなれば別個の存在なので、その組合員に「会社のため」と言って説いて聞かせても、我が国におけるような効果は期待できないのである。即ち、「君たち自身の職の安全ための努力」を強調せねばならないのである。

我々は「品質の改善と維持なくしては事業部の存在し続けるとは保証できない。その品質の改善は君らの双肩にかかっている」ということから始めたのだった。しかも、最大の輸出先である日本市場の品質に対する厳しさは世界最大の難関であり、受け入れ基準はアメリカ国内市場のように甘くはないと知らせねばならず、我々もその認識と自覚無しには日本市場では相手にして頂けないのだった。

結論を急ごう。アメリカの自動車産業没落の主たる原因は、「長年“ビッグ・スリー”として世界に君臨していた間に我が国やドイツの後塵を拝し、労働力の質の改善を怠ったことにあるのであって、それがひいては総本山のデトロイトの人口減少に繋がり、法人税収の減少へと悪化していったもの」と考えている。

オバマ大統領はGMに公的資金を注入して救済はしたが、それ以降何らかの政・財界挙っての具体的な改善策が講じられてとは聞いていない。そこにデトロイト市の財政破綻である。その救済策を労働力の質の改善から始める長期的且つ根本的なものの見方が出来るだろうか。

<「頂門の一針」から転載>


◆参院選きょう投票

〜「強い国」へ確かな選択を〜

<2013.7.21 03:18  産經ニュース:[主張]>
 
■憲法改正への姿勢見極めたい

参院選の投票日を迎えた。今世紀前半の日本の政治動向にもかかわる選挙の重みを感じながら、有権者は棄権することなく、投票所に足を運んでほしい。

最大の注目点は、衆参のねじれが解消され、「政権の安定化」が図られるかどうかだ。忘れてならないのは、日本が繁栄と安全を確保していけるかどうかの岐路に立たされていることである。

デフレから脱却して景気を回復軌道に乗せられるのか、中国が力ずくで奪取を図ろうとする尖閣諸島を守り抜けるのか。これがかなわなければ、国家再生を望むことは難しい。

≪日本の岐路を直視せよ≫

安倍晋三首相が進めるアベノミクスの評価や憲法改正への取り組みなど各党は一定の方向性を示した。内外の危機を克服できるのはどの政党なのかを十二分に見極めることが求められる。

どの程度の時間が割かれたかはともかく、最大の争点の一つは国民の間でも支持が拡大している憲法改正だった。

自民党や日本維新の会は、憲法改正の発議要件を緩和するため96条改正を主張した。安倍首相は終盤戦で「憲法9条を改正し、(自衛隊の)存在と役割を明記していくのが正しい姿だ」と語った。

与党の公明党が、自衛隊の存在や国際貢献を書き加えるなど「加憲」の立場から9条論議に応じる姿勢を示したのも注目点だ。

民主党は「未来志向の憲法を構想する」との抽象論にとどまり、96条の先行改正に反対する一方、9条への明確な見解を示さなかった。共産党などは「平和憲法を守れ」と改正反対を主張した。

とりわけ9条を変えなければならないのは、今の9条の下では自衛権が強く制約され、抑止力が働かないためだ。憲法改正を通じて「強い日本」を取り戻そうと腐心しているのは誰かも、重要な選択肢としなければならない。

首相が大胆な金融緩和と機動的な財政出動、企業の投資を喚起する成長戦略を「三本の矢」として打ち出したアベノミクスに対する評価も大きな論点だった。

与党は年率2%の物価上昇目標を掲げ、今年1〜3月期の国内総生産(GDP)は個人消費を中心に年率換算で実質4・1%の高い伸びを示した。6月の日銀短観でも大企業の景況感が改善し、設備投資を増やす姿勢が示された。順調な滑り出しといえる。

維新やみんなの党は、規制改革への大胆な取り組みなどアベノミクスの成長戦略の不十分さを指摘したが、民主党など多くの野党は、物価上昇や金利上昇などアベノミクスの「副作用」を批判し、安定雇用の確保や賃金の引き上げに重点を置く政策を提示した。雇用や賃上げにも企業収益の向上が不可欠だ。その道筋を明確に示せたといえるだろうか。

≪「一票」が政策を変える≫

国民生活や産業に直結するエネルギー政策でも、自民党と野党との姿勢の違いが鮮明となった。自民党は、安全性を確保した原発の早期再稼働について、政府が地元の説得にあたるとした。

民主党などは「脱原発」を進めるという。太陽光、風力など再生可能エネルギーの拡大を強調するが、原発の代替電源をどの程度確保できるかは不透明のままだ。

火力発電の大幅増が電気料金の引き上げにつながり、中小企業などに重い負担を強いている。毎年夏と冬に節電を求められる状況も変わらず、電力の安定供給が果たされているとはいえない。資源の少ない日本にとっての原発の必要性について、改めて冷静に考えることが重要だ。

先送りが許されない社会保障制度改革では、サービス抑制や負担増など有権者に不人気な政策について、与野党とも議論を逃げる姿勢が目立ったのは残念だ。政権当時に税と社会保障の一体改革を自民、公明と進めた民主党が「社会保障切り捨て」と抑制策の批判を始めたのは無責任だ。

懸念されるのは低投票率だ。昨年暮れの衆院選は59・2%で過去最低となり、6月の東京都議選も43・5%と低迷した。選挙後には個々の有権者にとって恩恵を被るもの、新たな負担を迫られるものなど多くの政策が実施される。自分の投票で政治は変わらない、などという他人任せの態度では現状を変えることはできない。

より多くの人が自ら一票を投じることを望みたい。

2013年07月20日

◆韓国がひた隠す韓国軍「慰安婦」資料

加瀬 英明


橋下大阪市長の「慰安婦」をめぐる発言が、内外で大きな波紋をつくった。

いつものように、韓国の反日世論が涌き立った。

ことあるごとに、日本に悪態をついて快感に浸たる。なぜ、韓国はこのようにいじけているのかと思う。

だが、困ったことに、アメリカでも日本の慰安婦問題となると、中国、韓国の多年にわたる工作によって、日本が先の大戦中に無辜のアジア女性を拉致して、軍の「性奴隷(セックス・スレイブ)」となるのを強いたと、ひろく信じられている。

河野官房長官(当時による慰安婦についての談話、日本が前大戦に当たってアジアを侵略したという村山首相談話を否定することには、アメリカの国内世論から強い反発を招くことになるので、オバマ政権も日本のなかでそのような動きがあることに、反撥している。

日本の官憲が人攫いのように、女性の意志に抗って慰安婦となることを強制したようなことは、ありえない。

慰安婦であれ、前大戦で侵略を働いたというのであれ、南京事件であれ、事実無根であるが、民主主義国で一国の政府がまったく虚偽の事実を、公的に認めるような奇想天外なことは、ありえないことだ。そのうえ、謝罪している。全世界が事実だと信じ込んでいるのも、当然だ。

それだけに、河野、村山談話の罪は重い。日本が国家の安全を守るのに当たって、日本の汚名を清ぐのを急がねばならない。日本の名誉を回復することが、日本の価値を高め、日本外交に力を与えることになる。

どの国であっても、軍隊が外地で戦う場合には、将兵が性病にかかることがないように、兵士の性欲の処理にかかわって、管理するものだ。日本軍も例外ではなかった。日本軍の場合には、売春宿を経営する業者に女性を募らせて、慰安所を設けた。

いったい、韓国には、軍人のための慰安婦がいなかったのだろうか?

私は日韓国交樹立の前年に、韓国をジャーナリストとして訪れてから、足繁く通ったが、『東亜日報(ドンアイルボ)』をはじめとする韓国の主要新聞に、米軍のための「慰安婦(ウイアンプ)」を募集する広告を、よく目にした。「慰安婦」という言葉は、旧日本時代から引き継いでいた。

韓国における「慰安婦」について、韓国の学者グループによる研究があるが、2年前に『軍隊と性暴力』(現代史料出版)として訳出刊行された。

同書は、「慰安婦」が朝鮮戦争の勃発から、国連軍(米軍)と韓国政府がかかわって管理されたことが、克明に検証している。

韓国では、米兵相手の「慰安婦」を、「洋公主(ヤンゴンジユ)」(外人向け王女)、「洋(ヤン)ガルボ」(外人向け売春婦)、「国連婦人(ユーエヌマダム)」、「国連婦人(ミセス・ユーエヌ)」と呼んでいたという。米軍向けの売春地区は、「基地村(キジチヨン)」と呼ばれた。

「慰安婦」の「目的は、第一に一般女性を保護するため、第二に韓国政府から米軍兵士に感謝の意を示すため、第三に兵士の士気高揚」のためと、述べている。

韓国軍にも、慰安婦がいた。「『慰安婦』として働くことになった女性たちは、『自発的動機』がほとんどなかった。」「ある日、韓国軍情報機関員たちにより拉致され、1日で韓国軍『慰安婦』へと転落した。」

「国家の立場からみれば公娼であっても、女性たちの立場からみれば、韓国軍『慰安婦』制度はあくまでも軍による性奴隷制度であり、女性自身は性奴隷(ソンノーエ)であった」と、論じている。

2002年に韓国陸軍の「慰安婦」についての研究が発表された直後に、「韓国の国防部資料室にあった韓国軍『慰安婦』関連資料の閲覧が禁止された。(略)『日本軍「慰安婦」問題でもないのに‥‥』と言葉を濁らせた」という。

ソウルの国会と、アメリカ大使館前にも、慰安婦像を設置することになるのだろうか。  

<「頂門の一針」から転載>

◆アメリカは尖閣問題に干渉するな

古森 義久


米中戦略・経済対話の総合評価を続けます。中国側が言いたい放題、日本にとっては当然、気になる尖閣問題ではアメリカに不干渉を求めたとのことです。

<<米中戦略・経済対話で米国を見下ろす中国 人権問題批判に悪びれもせず米国に説教>>

ところがここでも中国側は悪びれることなく、堂々と反論してきた。チベットや新疆では人権状況は改善されている、と宣言したのだった。

そして各国に は独自の文化や歴史があるとして、他国の内政に干渉すべきではないと反論した。そのうえで「米国こそ人権改善に努めるべきだ」(楊国務委員)とまで述べた という。米国内の人種差別や違法移民処遇を指すのかもしれないが、民主主義と人権尊重を標榜する米国もすっかり形なしである。

■「新型の大国関係」を何度も強調した中国

さらに米国側は尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海での中国の威圧的な海洋戦略に言及し、国連海洋法や航行の自由という国際規範を挙げて、抑制を求めたという。

しかし中国側は海洋・領有権問題については「主権と領土保全」を強調し、アメリカの不干渉を求めた。領有権問題は当事国同士で対処するという中国の年来の基本態度をも繰り返したという。

そのうえで楊国務委員は「同意はできなということを同意しよう」という英語の表現を持ち出して、米中両国間には決して一致できないミゾがあることを認め、相手国のあり方に文句をつけることは止めようとまで主張したのだった。

米中両国は今回の対話で首脳間のホットラインの設置には合意したものの、安保や政治ではこれほどのギャップをさらけ出したのである。

中国側がこの対話の全体のプロセスを通じて何人もの代表が何度も強調したのは、米中間の「新型の大国関係」だった。この言葉は米中両国でアジアや 世界を主導するという思いを込めた、中国側の政策用語だと言える。
オバマ・習会談の際にも中国側からしきりと提起された言葉だった。

しかし今回の対話ではアメリカ側はこの言葉を一度も使わなかったという。米中関係のあり方への思惑の違いを鮮明に裏づける現象だったと言える。米中関係はまだまだ曲折が予測されるということでもあろう。

日本としては、尖閣諸島の問題では中国は米国の意向にかかわらず、これまでの挑発的な軍事がらみの攻勢を緩める、というような気配はツユほども見せなかった点に留意しておくべきである。(完)

<「頂門の一針」から転載>

2013年07月19日

◆小沢王国 「被災者置き去り」冷めた声

古澤 襄


参院選投開票まであと3日と迫った18日、自民党総裁の安倍晋三首相(58)と生活の党の小沢一郎代表(71)が岩手県内の被災地に入った。

< 岩手選挙区は小沢氏が長年影響力を誇示してきた「小沢王国」だったが、小沢氏の威光は陰りを見せており、自民は議席奪還に向け、首相自らが乗り込んだ。過去最多の6人が1議席を争う混戦模様で選挙戦は過熱する一方だが、復興を一票に託す有権者からは「被災地が置き去りにされている」と冷めた声も漏れていた。

東日本大震災で津波被害を受けた岩手県沿岸部の宮古市。未明から降り出した雨の中、小沢氏は午前8時すぎからJR宮古駅前に立ち、支持を訴えた。だが、小沢氏の口から「復興」の具体策が語られることはなく、小沢氏を長年支持してきた酒店店主、三上正一さん(64)は「復興について話しても票にならないのかな」とつぶやいた。

被災地では集団移転に伴う用地買収など課題が山積している。市内の仮設住宅で暮らす会社員、鈴木長星(ちょうせい)さん(59)は「政治の力で復興を優先してもらいたいが、希望する高台移転もなかなか進まない」と嘆く。別の仮設住宅に住む漁師の畠山俊雄さん(59)は「政治家は本当に私たちのことを考えているのだろうか」と話した。

生活は新人、関根敏伸氏(57)を擁立したが、「選挙の小沢」と言われた“神通力”も今は昔だ。小沢氏の地元入りは公示後2回目だが、厳しい戦いを強いられている。

昨年の衆院選に小沢氏が所属していた日本未来の党から岩手で出馬した4候補のうち、選挙区で当選したのは小沢氏本人のみだった。古巣の民主党からは新人の吉田晴美氏(41)が出馬。

小沢氏とたもとを分かった現職の平野達男氏(59)は民主を離れ、無所属で3選に挑む。かつて小沢氏の下で結束していた勢力が3つに分裂した形だ。こうした構図に「支持者が分散する」(吉田氏陣営幹部)との危機感も強い。

これに対し、新人の田中真一氏(46)を擁立した自民党は「今までは『参加することに意義がある』だったが、小沢票が3つに割れた今回は違う」(田中氏陣営関係者)と鼻息も荒い。平成7年に推薦候補が敗れて以来6連敗中だが、安倍政権の高い支持率を追い風に「王国」の牙城を一気に切り崩す構えだ。

午後1時40分すぎ、仮設店舗で営業している大船渡市の「おおふなと夢商店街」に安倍首相が姿を現し、被災者らと握手を交わした。ただ、鮮魚店を営む上野英明さん(62)は「政党の争いが目立ち、被災地が置き去りにされている印象がある」と選挙戦にいらだちを隠せない。

岩手県内では、公営住宅や民間の賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設」を含め6月末現在で、3万6806人が今も仮設住宅で不自由な生活を送っている。同市内の会社員、藤野幸枝さん(53)は「いつまで仮設の状態が続くのか。被災地の景気を立て直してくれる人に一票を投じたい」と話した。(産経)>
2013.07.19

<「頂門の一針」から転載>

2013年07月18日

◆中国を向く韓国の対外政策の危うさ

櫻井 よしこ


朴槿恵韓国大統領の中国訪問時の詳細を知るにつけ、韓国と朝鮮半島の未来が案じられる。6月27、28両日の北京訪問で、朴、習近平両首脳は計7時間半、会談した。中韓間には宗主国としての中国が韓国を属国として扱った過去の既視感が漂っている。

顔合わせの席で朴大統領が「韓国と中国は感性が合いますね」と発言したが、かつて宗主国として支配し、200回以上も朝鮮半島を侵略した中国と、どのような具合に感性が合うのであろうか。自主独立の精神を持つ人間や国家にとってこの発言は理解できない。

朝鮮半島をめぐる力関係を見詰めれば中国に心を許すことが韓国の悲運を招くのは自明の理だ。にもかかわらず朴大統領は中国の顔色をうかがう。その姿は隣接する大陸国家におびえ続けなければならない半島国家の宿命を示しているのではないか。現実を見れば、中国の危険を察知できない大統領は韓国の安泰を保証できるとは思えない。

中韓首脳会談は20年以内に朝鮮半島の統一が実現することを前提に行われた。統一がどのような形で実現するのか、周辺諸国のすべてが深い関心を抱くのは当然のことだ。

日本も米国も韓国主導で、自由、民主主義、市場経済、法治などの価値観を軸に、南北統一が達成されることを切望している。そのために最大限の支援をする用意は、日米共にある。

だが、朴大統領が習主席と合意した「未来ヴィジョン声明」を読むと、朴大統領は日本のみならず、米国よりも、中国優先の政策ではないかと感ずる。右の声明には「韓半島の平和的統一の実現」を中国は支持すると記された。その後の記者会見では、しかし、中国は「自主的平和統一の実現」と「自主的」の言葉を加えた。

桜美林大学客員教授の洪?(ホン・ヒョン)氏は、「自主的」という言葉には米国排除を狙う中国の意図が込められていると指摘する。朝鮮半島統一のプロセスからも、統一後の朝鮮半島からも、米国の介入や影響を排除するという中国の考えが「自主的」の3文字に凝縮されているというのだ。中国は米国の介入阻止に全力を挙げる一方で、自らは必ず介入し、中国の思い描く統一の形を実現させようとすると、洪氏は断言する。

こうした危険性を読み取れない朴大統領の下で、韓国は560億ドル(約5兆6000億円)相当の通貨スワップ協定の3年延長を、現行の協定に1年以上の有効期間があるにもかかわらず決定し、2017年10月まで有効とした。必要に応じて額も増やすそうだ。日韓通貨スワップ協定、総枠130億ドルの30億ドル分が、韓国が延長を要請しなかったために、7月3日に失効したのとは対照的である。

韓国はまた中国との戦略対話を従来の次官級から閣僚級に引き上げた。他方、日本の申し入れは無視し、わが国との首脳会談に応じようとしない。

ブルネイでの7月1日の日韓外相会談では尹炳世外相が岸田文雄外相に、日韓会談が開催されない理由は日本にはわかっているはずだと語り、歴史問題で事実上日本を非難した。歴史問題で韓国は、中国と対日共闘体制も築きつつある。韓国の対日政策がこれほど激しく反転したことは戦後、初めてだろう。

民族の生残は四囲の状況を冷徹に観察し、自国のために最善の道を見極める能力があるか、その道を歩み続ける意思力と国家的能力があるかにかかっている。世界で孤立する中国に追随する国など、恐らく韓国くらいのものだ。対日歴史あつれきと反日感情は乗り越えられないと韓国側は言う。

だが、そうした反日感情の暴発を自らに許す前に朝鮮半島が中国によって歴史上、どれほど痛めつけられたかを学ぶことだ。

客観的に考えられない国の未来こそ不安である。わが国はその隣国の戦略と国益の欠落した外交から多くを学ばなければならないと思う。(週刊ダイヤモンド)2013.07.18

<「頂門の一針」から転載>