2016年09月12日

◆アフリカ象絶滅の危機

野口 裕之



わが国のアフリカ向け貿易・投資を促進すべくケニアの首都ナイロビで開
かれた第6回アフリカ開発会議(TICADVI)の関連行事の合間を縫い、安倍
晋三首相(61)はケニア大統領と会談したが、日本政府は大統領発言の背
景を分析したであろうか。

中国が闇に葬ったと小欄が感じる「スパイ事件」が、ケニア大統領の発言
の背景に、どうしても透けて見えるのだ。

安倍首相が、中国の東・南シナ海における海洋侵出を念頭に「一方的な現
状変更は認められない」と懸念を表明すると、大統領は「日本の立場を尊
重すると」応じた。

中国が嫌がる安全保障関連法をはじめとする「積極的平和主義」の意義を
首相が説明すると、大統領は日本の取り組みを評価した。さらに、日本が
提唱する国連安全保障理事会の改革にも理解を求め、迅速な進展が必要と
の認識で両者は一致した。

「国連」の二文字と、後述するが、チャイナ・マネーを「熱烈大歓迎」し
ていた姿勢を気味が悪いほど封じたケニア大統領の「日本理解」で思い出
した、とある事件を求めスクラップした資料をめくった。事件のあらまし
は以下-。

《ケニア警察当局は2014年11月、ナイロビの高級住宅地など7カ所の一戸建
てを拠点にしていた77人の『中国人』を拘束した。室内の様子がわからぬ
よう、部屋の窓は全て防音材でふさがれ、インターネットに接続したコン
ピューターがあった。

ケニア政府のサイトをハッキングしていた可能性が浮上、スパイ活動の疑
いでも捜査が進められた》

 《一方、キャッシュカードのマイクロチップを偽造した形跡を発見。
ネット詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)の容疑も強まった》

結局、「中国人」は「大規模な国際詐欺集団」として裁判にかけられた。
しかも、中国人 に加え台湾人も一味だったことが発覚したが、中国人と
一緒くたに中国に強制送還された。台湾当局が猛烈に抗議し、むしろ、こ
の強制送還の方が注目された事件だった。

しかし、幾つもの不可解な点はいまだ解消されていない。

 (1)高等裁判所は台湾人の台湾送還を命じたが、警察当局は台湾当局
の引渡し要求を無視し、送還を強行した。

 (2)ケニア外務省は事件直後、現地の中国大使を呼び出し、「中国政
府が事態を事前に把握していたか」説明を求めた。ところが、だいぶたっ
て《中国側が捜査の端緒をつかみ、ナイロビの拠点を突き止め、ケニア政
府に協力依頼した。中国福建省公安局の捜査では、省内の女性が1億円だ
ましとられた》との報道が唐突に流れる。 

「国連」の二文字に戻る。小欄の興味は、犯行拠点の近くには国連ナイロ
ビ事務局や米国大使館が所在する点。特に国連ナイロビ事務局は、ニュー
ヨークの国連本部や国連ジュネーブ事務局、国連ウィーン事務局ととも
に、主要4事務局の一つだ。ナイロビ国連事務局がサポートする国連機関
が、ナイロビに本部を構える《国連環境計画=UNEP》なのである。UNEPは、
希少な野生動植物の国際取引を規制する《ワシントン条約》の管理も担う。

結論から言おう。中国人らの犯行組織は、象牙密輸にからみ、UNEPなどを
監視・盗聴対象としていた…

 ■象牙の「爆買い」

事件発覚前、ロンドンを中心に活動する環境保護団体《環境調査エージェ
ンシー=EIA》は、ケニアの南隣タンザニアで起きた、ワシントン条約で国
際取引が規制されている象牙の密輸実態をまとめた報告書を発表していた。

報告書によると-

EIAの覆面調査員は2014年9月、最大都市ダルエスサラームで象牙密売人2
人と接触。密売人は驚きの言葉を口にした。

 《13年3月、中国の習近平・国家主席(63)率いる政府高官や財界人の訪
問団がタンザニア公式訪問中、数千キロの象牙を買い付け、1キロ当たり
の卸値は通常の倍(8万円)にまで高騰した。

象牙は税関検査や捜査当局も介入できぬ外交用の荷物に詰められ、政府専
用機で中国に運ばれた》 

米国に本拠を置く中国語ニュースサイト《博訊=ボシュン》も、専用機の悪
用は否定しつつ、習氏率いる訪問団の象牙「爆買い」と、中国共産党最高
幹部・政治局常務委員&過去の中国指導者が専用機で象牙密輸を謀ったの
は事実と報じている。 

 ■報告書は続けて-

《中国海軍艦が2013年12月、ダルエスサラームに寄港時、象牙取引が活発
に行われ、取引業者の一人は軍艦乗組員に570万円で売った。中国海軍士
官2人に売却する81本(300キロ超)の象牙をトラックに積載した中国人男
性が、港に入ったところで逮捕された》

博訊も《海軍艦の利用は事実》と断じている。

報告書はまた、2009年2月の胡錦濤・前国家主席(73)の公式訪問でも同
じような手口で、違法取引→密輸が行われたほか、中国大使館の外交官の
関与証言も記した。

報告書によると、世界遺産に登録されるタンザニアのセルース猟獣保護区
では、象が4年間で7割近くも減少し、2013年だけでタンザニア国内の象は
1万頭も殺された。

違法象牙の7割が中国向けとも分析。中国がアフリカ象の「大量殺りく
国」だとの証拠を、改めて突き付けた。

中国では、象牙を加工・彫刻した指輪や置物などの装飾品は富裕層のス
テータスシンボルで人気があり、薬の原料としても使われる。富裕層の増
加と共に需要も激増し、中国内の象牙価格は3倍以上に急騰した。

習政権は、党・政府高官の「腐敗撲滅」を徹底してきたが、習氏率いる訪
問団の象牙密輸で、「腐敗撲滅」が政治的陰謀だと自白してしまった。

EIAの報告書が公表されたころ、象の保護団体《セーブ・ザ・エレファン
ツ》なども、中国の象牙違法取引が、規制取締り能力を超える規模と化し
《制御不能状態》だと警告する報告書を公表予定であった。《象牙価格は北
京で13・5倍に達した》とい
う。

 ■中国が国連環境機関を盗聴・ハッキング?

次第に強くなる国際団体の対中攻勢に危機感を強め、中国はナイロビの
UNEPの盗聴やハッキングをしていたのではないのか? マネーロンダリン
グも、中国共産党・政府高官と象牙密輸業者とのカネの流れを隠ぺいする
目的だったのではないか? では、台湾人の役割は何か、疑問は残る。小
欄の見立てはこうだ。

《中国が台湾の政財界要人を籠絡するため、象牙を贈る仲介要員だった。
従って、台湾当局と対立してでも、中国人とともに台湾人も中国送還をせ
ざるを得なかった…》

ケニアは、中国の圧力を受け、スパイ活動を不問に付し、詐欺罪に仕立て
上げたのかもしれない。見返りには事欠かぬ。

例えば、中国企業がナイロビとタンザニアとの国境に近いモンバサ港を結
ぶ3870億円もの鉄道建設事業計画を締結・受注したが、総工費の9割を中
国輸出入銀行が特別融資する運びになっている。

モンバサ港の拡張工事も中国路橋工程有限責任公司が行う。鉄道+モンバ
サ港の連結は、東アフリカ最大規模の輸送インフラとなる。

賄賂が日常の光景である中国とアフリカ諸国は、意思の疎通も手っ取り早い。

ただし、中国人はどこまでいっても中国人のまま。札ビラをちらつかせる
傲岸不遜の反り返った態度に、誇りを傷つけられたアフリカ人も多い。

本国より引き連れてくる労働者や労働者の衣食住を目当てに群がる中国企
業が、アフリカ各地にチャイナ・タウンを造り出し、インフラ建設と二重
写しとなって、チャイナ・パワーに侵食されていく祖国に危機感を強める
常識有る指導層も出始めている。中国・国営新華社通信は《経済や政治へ
の『雑念』と海外への軍事拡張の『野心』を隠せない》と、日本主導の
TICADVIを批判したが、自らの『雑念』『野心』をうっかり、表に出して
しまったようだ。

今次TICADVIで、安倍首相は12カ国の首脳に支援を求められ、約束した
が、単なる経済・人道支援ととらえず、中華圏に組み込まれていくアフリ
カの首脳たちが発した悲痛な「SOS」と理解すべきだ。

現に、中国が手掛けるモンバサ港開発に、安倍首相が名乗りをあげると、
ケニア大統領は喜んで賛同した。チャイナ・マネーの手前、中国に面従腹
背するアフリカ諸国は多いが、「スパイ事件」で中国の恐ろしさを目の当
たりにしながらも、圧力をかけられ、事件を黙認した?ケニアは筆頭格だ
ろう。

ここでまた、象牙の密輸に登場してもらおう。

中国外務省は、中国の象牙密輸を暴いた「EIEの報告書には根拠がない。
中国は野生動物の保護を一貫して重視してきた」と反論する。だが、少数
民族や自国民ですら「保護」するどころか、大量虐殺を「一貫して重視し
てきた」加害者が言っても説得力はゼロ。そればかりか、被支援国の紛
争=火に油まで注いでいる。

 ■ケニア人大量虐殺に手を貸す中国

キリスト教国家と言って差しつかえないケニアが安全保障面で目下、最大
脅威と認識するのは、国境を接するソマリアのイスラム過激派武装集団
《アッシャバーブ》。アッシャバーブの有力資金源の一つが、1本300万円も
する象牙の密売だ。

ケニア国内では2011年以降、ソマリア国境沿いの北東部を中心に、観光客
やNGO(非政府組織)関係者の殺害・誘拐事件が続発。アッシャバーブ掃
討などに向け、ケニア軍はアフリカ連合(AU)多国籍軍の主力の一角とし
てソマリアに派兵した。

報復に出たアッシャバーブは13年、ナイロビの高級ショッピング・モール
を襲撃し、39人を殺し、150人を負傷させた。2015年には、ケニア北東部
の大学にテロ攻撃を加え、学生ら150人を殺りくした。

中国はケニアと、右手で握手しながら、左手は反ケニアのテロ勢力に「資
金援助」しているのだ。国連常任理事国=中国は、国連の勧告に基づき発
効したワシントン条約に違反する象牙密輸を平然と行うのだから、わが国
の領海でも行う密漁など「歯牙」にもかけない。

ケニア近海はインドマグロの好漁場で、中国漁船が犯した密漁の被害は
120億円にものぼり、ケニア海軍は取締りに悲鳴をあげている。

ところで、中国人民解放軍はケニア〜隣国ソマリア沖の海賊退治に海軍艦
を、北西部で国境を接する南スーダンとスーダンにPKO(国連平和維持活
動)のため陸空軍部隊を、それぞれ派遣している。

ケニアは海と大陸に陣取る中国人民解放軍に挟撃された格好だが、中国海
軍艦が密輸象牙の「運び屋」だった事実をお忘れなく。アフリカ諸国は
「まさか…」と思わず、中国海軍がマグロ密漁を、中国陸空軍が象密猟
を、それぞれ支援せぬよう十分な監視をお薦めする。

 
産経ニュース【野口裕之の軍事情勢】中国の象牙爆買いでアフリカ象絶滅
の危機…タンザニアでは年1万頭殺戮 あげくスパイ活動の無法ぶりにア
フリカ諸国は爆発寸前! 2016.9.5
             (採録: 松本市  久保田 康文)

2016年09月11日

◆民主党DNAが色濃く流れている

阿比留 瑠比



「国」を否定・軽視する民進党には、やっぱり民主党DNAが色濃く流れ
ている

民進党の代表選に立候補している蓮舫代表代行の日本国籍と台湾籍との
「二重国籍」疑惑と、それに対する同党の極めて薄い反応をみると、旧民
主党のDNAが色濃く受け継がれているのを感じる。党の体質やあり方
は、党名を変更したぐらいではそうそう変わるものではないのだろう。

鳩山元首相そっくり

蓮舫氏の疑惑の細かい検証は他記事に譲るが、本質は個人が特定の国家
に所属していることを示す「国籍」への軽視にある。蓮舫氏自身もそうだ
が、疑惑発覚後も代表選の他候補も含めて特に問題視せず、蓮舫氏優勢も
動かないという民進党は異様に思える。

 「国というものが何だかよく分からない」

 「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」

民主党政権で初代首相を務めた鳩山由紀夫氏はかつてこう言い放った
が、蓮舫氏の二転三転する説明は、「国籍というものが何だかよく分から
ない」かのようである。

自身の国籍も、国籍の持つ意味も理解しないような人物が、堂々と自衛
隊の最高指揮官である首相を目指し、周囲から疑問も異論も出ないという
のは、一体どういうことなのか。

「民進党のイメージを思いっきり変えたい」

蓮舫氏は先月の記者会見でこう強調していたが、今回の疑惑は逆に、民進
党が旧態依然とした民主党時代の発想から抜け出せていないことを表した
形だ。

民主党は、国家解体を志向する政党だった。

鳩山氏の平成22年1月の施政方針演説の草稿を書いたとされる劇作家 の
平田オリザ氏は、同年2月のシンポジウムでこう語った。

「鳩山さんとも話をしているのは、(中略)やはり21世紀は、近代国 家
をどういうふうに解体していくかという100年になる」

鳩山氏ばかりではない。次の首相、菅直人氏は市民運動や革新自治体の
理論的支柱だった政治学者の松下圭一氏を信奉し、22年6月の所信表明
演説でも「私の政治理念の原点」だと掲げた。菅内閣で官房長官を務めた
仙谷由人氏も松下氏の著書をまくら元に置いて、年中読んでいたという。

松下氏の政治思想とは、ひらたく言えば国家には解体・再編が必要で、
国際的には国連などに統合され、国内的には地域に主権が移っていくとい
うものだ。

こうした「国」を否定・軽視し、市民と対立的にとらえる発想・思想が
現在の民進党にも脈々と流れ、蓮舫氏の疑惑を放置し、不問に付すような
姿勢につながっているのではないか。

三文芝居に涙が出る

また、民主党といえば、政権を取りさえすれば何でもできると信じていた
ような幼稚さが目立っていたが、7日の民進党代表選の候補者討論会での
次の場面は、まるで小学校か中学校のホームルームの光景であるかのよう
だった。

民主党政権当時の失敗について前原誠司元外相が深々と頭を下げると、玉
木雄一郎国対副委員長が涙ながらに「謝ってほしくない」と訴え、それを
蓮舫氏が「男なら泣くな」とたしなめたのである。

これが子供たちのセリフだったならばまだいいが、いい大人、それも首相
を目指そうという選良が演じる三文芝居には、座布団を投げたくなる。

そういえば、民主党政権の立役者の一人だった仙谷氏は、著書『想像の政
治 政治の創造』の中で「生徒会民主主義で育ち」と誇らしげに記してい
た。民進党はやはり、民主党時代から変わっていない。(論説委員兼政治
部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2016.9.9


◆信用と正直

Andy Chang



日本人は信用と誠実を命より大事にする。信用を失ったら自殺する
会社の責任者も居るぐらいだ。だが信用を大事にする日本が外国と
の交渉で相手国に騙されてはならない。

小保方晴子の論文にデータ偽造があったと言われ、指導教授の笠井
芳樹博士が自殺したことは日本人が「信」の字を大切にする証拠で
ある。

これに比べたらヒラリーは毎日新しいウソが発覚しているのに顔色
も変えずテレビの前で嘘の上塗りをしている。笠井教授の標準で言
えば、ヒラリーは一万回首を吊ってもまだ足りない。

しかも彼女は大統領になりたいのである。ヒラリーが大統領になっ
たらアメリカは信用できない国になることは明らかだ。

トランプも同じだ。暴言放言がメディアで批判されるとすぐにあれ
これ弁解するが、トランプは決して間違いを認めない。最近の選挙
戦はトランプとヒラリーの悪罵合戦でテレビを見る気がしない。

●信用も誠実もない国がたくさんある

日本人が信用を大事にするのは立派だが外国を相手にするときは注
意しなければならない。相手を信じては損をするだけである。外交
とは戦争である。相手はウソと謀略でかかってくるのに簡単に信じ
てはならない。

「白人がインディアンとの条約を破らなかったことはない、そして
インディアンが条約を破ったこともない」という。また、「ロシアは
条約とは破るもの、中国は条約とは守らないものと思っている」と
も言う。相手を騙すのが外交と思っている国がたくさんある。

オバマの広島訪問がそうだった。オバマは8年前に核拡散防止の講
演でノーベル平和奬を貰ったが賞を貰うのに必要な実績はなかった。
賞を貰って8年たって大統領の任期が終わりそうになっても実績が
ない。

オバマの広島訪問は人類の歴史で唯一の原子爆弾を使った国の大統
領として初めての訪問だったが、オバマは反省も謝罪も表明しなか
った。それでも日本のメディアは「悲惨な過去の清算と寛恕」でオ
バマを褒め称えたのである。

オバマはノーベル賞の実績を作りたかっただけなのに日本人はウマ
ウマと騙されたのである。

考えてみるがよい。日本は戦後から今日まで71年、一貫して謝罪と
遺憾と賠償を繰り返してきた。戦争で多くの国を侵略した、罪を認
め迷惑をかけたと何度も謝罪と賠償をしてきたが、中国や韓国は今
でも「歴史問題が日本の最大の弱点」として攻撃している。

オバマは原爆を使った国として反省も謝罪もしないのに、日本人は
何十万の人民が殺されたことを「清算と寛恕で終結する」という。

日本の外務省が戦争に負けてひたすらお詫びするのが正しいと思う
のは間違いである。相手国は日本の罪を繰り返して攻撃し続ける。
日本国は未来永劫に罪障國として諸国に対応しなければならないの
か、日本の外交政策は間違っている。

戦争は終わった、謝罪も賠償も済んだ。今後は謝罪、弁償、弁明、
一切やらない、平和な日本国として対等に付き合う、それが外交部
の最重要の任務である。

●外務省の背信

日本の友人が送ってきた記事に、山岡鉄秀氏の「外務省の背信」
(Hanada-2016年10月号)があった。2015年末の日韓合意で日本の
岸田外相の発言は「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の
女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日
本政府は責任を痛感している」とあったと言う。しかも日本政府は
責任を痛感し、お詫びと反省を表明し、10億円を提供して財団を設
立すると言うのだ。

慰安婦問題では日本軍の直接の関与はなかった。それにも拘らず日
韓交渉では日本の外務省が軍の関与があったことを認め、反省とお
詫びと10億円の提供をするというのだ。こんなバカな合意をする日
本外交部は日本の為に存在するのか、それとも国益を損傷するため
に存在するのか。外交とは自国の国益を守る戦いをする場所である
のに、ありもしない慰安婦問題で謝罪と反省と賠償、外交ではなく
売国である。しかも最近の報道では韓国側は慰安婦像の撤去に言及
しないと言い出した。踏んだり蹴ったりではないか。

●日本の外交政策見直し

中国や韓国との交渉において日本は相手国との関係が悪化しないこ
とを最上課題としているみたいで、相手は国際関係が悪化するぞと
日本を恫喝している。外交とは自国の国益を守ることが最上の任務
である。国益に反する交渉はやるべきでない。日本政府は「今後は
歴史問題を交渉しない立場」を維持すべきである。

当然のことだが合意を文書にするときは外務省だけでなく、政府や
国会が一体となって一字一句、詳しく検討してから発表すべきであ
る。発表してから英語に問題があったとか文面が相手に悪用される
など、あってはならないことだ。

誠実と信用は日本人の誇りである。しかし相手も日本と同じ信義を
守ると思ってはならない。日本は国際間で信用され尊重されると同
時に、国益を守り自国の尊厳を傷つける外交をしない国となるべき
である。 

             

◆中国の膨張主義の背景に強い劣等感

櫻井よしこ



「中国の膨張主義の背景に強い劣等感」

意外なことに中国人には強い被害感情がある。彼らは度々、「奪われた」
と語り、力をつけたいまは取り戻す時期だという。深層心理に澱のように
蓄積してるこの強い被害者意識が、中国を反撃としての膨張主義に駆り立
てる。

習近平国家主席の「偉大なる中華民族の復興」を支える基盤にも同様の要
素がある。
 
中国人の心理を文化人類学者の楊海英氏は「コンプレックス」だと分析す
る。コンプレックスの塊りとしての心理を歴史的背景の中でとらえること
なしには、現在の中国の行動を理解することはできない。
 
楊氏の近著、『逆転の大中国史ユーラシアの視点から』(文藝春秋)はそ
の意味で中国理解の刮目すべき手掛かりとなる。南モンゴルで生まれ、中
華世界で成人し、中華思想の下で教育された氏の「少数民族」の論考は、
自身の体験、モンゴル民族としての体験、文化人類学者としての幅広い
フィールドワークに加えて、先人の研究に学んだ知見に裏打ちされてお
り、強い説得力をもつ。
 
氏は著書で断じている。

「コンプレックスに囚われすぎているために、中国はいつまでたってもき
ちんと近代とむきあい、自分のものとすることができない」「この劣等感
は、われわれ(日本人やモンゴル人)が想像する以上に根深い」
 
政策から外交姿勢まで含めて、全身で中華思想を発信しているのが習主席
だ。だがこの中華思想こそ、事実を見る際の彼らの目を曇らせる。

アヘン戦争以降の清朝の没落も、近代における日本の台頭も、すべて「漢
民族が諸民族をリードし、一致団結して抵抗したことによって、日本帝国
主義と西洋列強をしりぞけた」「悪いのはみんな外国だ」という話にして
しまう。そうすれば、自らの敗北を省みる苦痛は回避できるが、歴史から
何も学べずに終わる。
 
彼らは真に歴史を見詰めることもなく、中国中心の心地よい物語にどっぷ
り浸って満足し、中国人の論理を「自他の見境も」なく押しつける。これ
が中華思想の本質である。

歴史の復讐
 
彼らが華々しく世界に提唱したアジアインフラ投資銀行(AIIB)も
「一帯一路」の経済発展構想も、アフリカ諸国への年来の巨額融資も中華
思想にその根源を発するものだが、一連の働きかけで中国が真に国際社会
に向かって開かれ、諸国に歓迎される国になるかといえば、そうではない。

中華思想はむしろ、彼らの足かせになっている。古代以降、歴史の中に中
国を置いて見れば、自己中心史観の中国は常に世界との相性が悪かった。
これからの彼らは必ず「歴史に復讐され」ずには済まないだろうと楊氏は
結論づける。
 
では中国とは一体何か。漢民族とは一体誰か。この点を、氏はユーラシア
大陸全体を眺めてつき詰めていく。本書冒頭の「『シナ=中国』と『ユー
ラシア東部』の国家の変遷表」が雄弁に「中国」、正しくは「シナ」の実
態を示している。
 
紀元前21世紀から400年余りシナに君臨した「夏」から始まり、私たちが
暗記させられた「殷、周、秦、漢、三国、南北朝、隋、唐、宋、元、明、
清」などという中国王朝のつながりの中で、漢民族の王朝は前漢・後漢の
405年間と明の276年で計681年にすぎない、宋はシナを部分的に支配した
地方政権にすぎないというのが、氏の指摘だ。

「中国5000年の歴史」或いは「4000年の歴史」と言うが、それは決して漢
民族の歴史とイコールではなく、「古い漢人(プロトシナ人)」は184年
の黄巾の乱でほぼ消滅した。
 
では、私たちが漢民族と呼ぶ人たちの正体は一体誰か。そもそも漢民族は
自らを「民族」とはとらえず、「漢人」だと表現するという。自らを「漢
民族」ととらえない理由は、彼らには国家や共同体の概念が非常に希薄だ
からであり、それが国家と民族がほぼ同一の日本もしくは日本人との大き
な相違である。
 
また漢人にはユダヤの人々のような宗教による絆もない。楊氏に言わせれ
ば、「中国語」さえ漢人の共通語ではない。現在の中国語は1919年の「五
四運動」で起きた言文一致運動の中で、北京語が標準語とされ、それを中
国語と呼んでいるだけで、中国語、即ち北京語が漢人をつなぐ共通の要素
ではないというのだ。
 
国家、共同体、民族、宗教、言語のいずれも、漢人の漢人たる共通基盤で
はない中で、限りなくバラバラになりがちな彼らをひとまとめにする強力
な共通項となったのが漢字だった、と見るのは楊氏だけではない。だが漢
字を用いる言語体系でひとつのまとまりとなり得ても、そこから国家や共
同体の概念に基づく社会が生まれるわけではない。

現代中国人が共産党支配の下で個人の利益を国家の命運に優先させ、全て
をカネで決めるかのような行動様式を取りがちな理由もここにあるのでは
ないか。
 
一方で漢民族が支配した歴史がわずか700年にも満たない事実を踏まえ
て、「シナ」が生み出した輝ける文化の創造主を探してみると意外な事実
が判明する。

「横に分ける」
 
シナの優れた文化といえば、日本人は恐らく唐を思い浮かべる。わが国は
遣唐使を派遣して、彼らから大いに学んだ。現代中国でも一時期「唐王李
世民」というドラマが大人気で、「唐は漢民族の歴史で最も華やかな時
代」と国民に教育されていた。

しかし、近年の歴史研究によって、唐は漢人ではなく「鮮卑拓跋(せんぴ
たくばつ)人」が樹立した王朝であることが証明され、その事実が知れ渡
るに従って、中国共産党は唐を褒めそやさなくなったそうだ。シナの歴史
で唐の次に華やかな時代は元であったが、元はモンゴル人の王朝だ。結
局、現代中国人には漢民族による、誇るに足る輝かしい歴史は存在しない
と、楊氏は結論づける。
 
氏の著書で私が最も啓発されたのはユーラシア大陸を「横に分ける」とい
う視点である。日本の研究者がカザフスタンやキルギスタン、パミール高
原、天山山脈とアルタイ山脈、サヤン山脈をつなぐ線を軸にユーラシア大
陸を縦に分けて考えがち(どうぞ、地図を見てほしい)なのに対して、モ
ンゴル人、ロシア人、中国人は横に分けて考えるというのだ。
 
横の境界線の第一が古代シナ人の作った万里の長城である。万里の長城か
ら北極圏までと、万里の長城から西のヒマラヤ山脈、イラン高原、さらに
黒海南岸をつなぐ横の線で分割して思考するという。非常に斬新かつ示唆
に富む指摘ではないか。
 
いま大きく動く世界の中で、日本は間違いなく正念場にさしかかってい
る。勝負のし所は、中国との向き合い方、中国に優る日本の価値観を以て
どこまで世界への貢献を具体化していけるかである。中国の実態をよりよ
く知り、己を知るためにも、楊氏の著書は必読であろう。

『週刊新潮』 2016年9月8日号 日本ルネッサンス 第719回
           (採録: 松本市 久保田 康文)

2016年09月10日

◆“外弁慶”の中国は10回化ける?

加瀬 英明



中国の現行漢字の簡略字は、簡体字と呼ばれている。華を化の下に十と略
す。きっと、十回化けるという意味なのだろう。

中華人民共和国が1回目に化けたのは、ケ小平が実権を握ると、「白猫
でも黒猫でも、鼠を捕りさえすればよい」といって、毛沢東の共産主義
を、すりきれた沓(くつ)である弊履(へいり)のように捨てて、資本主義に
切り替えて、経済成長を党是か、国是とした時だ。

 江沢民時代に入ると、野放図な経済成長が中国社会を歪めたために、愛
国主義を加えることによって、2回目に化けた。

胡錦濤時代になると、中国は世界のなかで貧富の格差が、どこよりも大
きく開くようになったために、毛沢東時代に反革命思想として敵視してい
た孔子崇拝を復活して、金持も極貧者も睦みあおうという、「和諧社会」
をスローガンとして選んだ。3回目に化けた。

習近平時代に入ると、また化けた。無茶苦茶な成長によって経済が破綻
したために、中国人が古代から夢見てきた、「偉大な五千年の中華文明の
復興」を掲げて、中華大帝国を復活しようと煽るようになった。

いまや、習主席の中国は南シナ海全部が中国のものであると、主張する
ようになっている。南シナ海は、地中海より大きい。オバマ政権が中国と
対決するのに怯(ひる)んで、眼を背けていた間に、満潮時に海面下に潜
る、7つの岩礁を埋め立てて、3000年以来の「神聖な領土だ」と叫ん で
いる。

習主席は、7月にハーグの国際仲裁裁判所が7つの人工島について、中
国の主張を認められないという判決を下すと、「紙クズでしかない」と
いって、斥けた。

中国のマスコミは、アメリカが仲裁裁判所を操ったといっせいに非難し
て、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)などアメリカ企業をボイ
コットするように、呼び掛けた。ところが、KFCの前に反米の幟(のぼ
り)を持った群衆が集まると、警察隊が解散させた。反体制の暴動に発展
することを、恐れたのだ。

中華人民共和国は、誰よりも人民を恐れている。だが、人民の支持を確
保するためには、外に対して強面(こわおもて)をしなければならない。中
華帝国の復興の夢を煽るためには、東南アジア諸国、日本、アメリカに対
して、一歩も譲れない。

といって、習体制は国際社会から孤立することを恐れている。強面が行
きすぎたことも、悔いている。しばし日本、アメリカに対して微笑(ほほ
え)みたいものの、どうしたらよいのか、苦慮しているところだ。

中国が2、3年以内に、南・東シナ海において軍事冒険を試みる可能性
が、きわめて高いと思う。中国人は商人(あきんど)の国だから、かならず
勝てる戦争しかしない。アメリカと正面から衝突するようなことはしない。

アメリカで誰が次期大統領となっても、内に籠ることになろう。中国は
世界が流動化しているところに、付け込もうとしよう。

中国は今年6月になってから、海軍艦艇に尖閣諸島の接続水域をしばし
ば航行させて、既成事実をつくることをはかっている。

中国が軍事冒険を試みれば、ホーバクラフトなどを用いて、尖閣を占領
しよう。その場合に、アメリカは日本を援けて介入しまい。

中国を囲む海で、尖閣がもっとも脆い環だ。

中国の兵法では、古代から「軟土深掘(ニアンソウシエントウオ)」(柔
かい土は、深く掘れ)という。



◆海も陸も破壊しまくる中共

平井 修一



大紀元8/25「中国漁業資源が枯渇?『乱獲で、東シナ海に魚はもういな
い』=農業部」から。

<乱獲と環境汚染で中国領海の漁業資源が枯渇の危機に陥っている。中国
国営メディアの中央人民ラジオ放送局傘下ニュースサイト「央広網」(14
日付)で、中国農業部が「東海(東シナ海)には捕獲できる魚は、もうい
ないというのはすでに事実だ。他の領海も同じような状況がみられる」と
の見解を示したと報道した。

また農業部によると、中国政府が管轄する領海での(年間)捕獲可能量は
800万から900万トンだが、実際の年間捕獲量は1300万トン。これは深刻な
乱獲実態を浮き彫りにしている。農業部は乱獲が中国漁業を持続不可能に
陥らせた主因だとした。

(経済情報の)ブルームバーグによると、2015年中国の食用魚介類消費量
は世界全体の35%を占めた。中国は今や世界最大の魚介類消費国と輸出国
になった。1979年から2013年まで(の34年間で)、漁船が5万5225隻から
69万4905隻に、漁業者は225万人から1400万人に急増した。現在、中国漁
業は国内総生産(GDP)の3%を占め、年間約2600億ドル(約26兆円)を中
国経済に貢献している。

生態系や環境に配慮せず利益を追及した結果、漁業資源の激減が深刻化し
ている。農業部によると、国内食用淡水魚の60%を供給してきた長江で
は、今まであった370種類の魚のうち、約170種類が絶滅に瀕しているという。

ブルームバーグはこの危機的な状況に漁業者と中国政府が責任を負わなけ
ればならないと批判した。

「2013年だけでも、中国政府は65億ドル(約6500億円)規模の資金を漁業
補助金に充て、漁民に対して公海、および他の国の排他的経済水域で捕獲
するよう奨励した。中国人民解放軍はその方針を指示し、漁民たちにグ
ローバル・ポジショニング・システム(GPS)機器を提供している」と指
摘した。

今後の中国政府の目標は、南シナ海における「歴史的な捕獲権利」を強化
することだとの見解を示した。

漁業資源や他の天然資源の獲得をめぐって、中国漁船が今後も頻繁に日
本、韓国や他の東南アジア諸国の領海に侵入することよって地域間の緊張
が高まることが予想される>(以上)

漁業補助金には、海上民兵を派遣する際の日当と燃料費なども含まれてい
るのだろう。乱獲した末に資源が枯渇して困窮する漁民は廃業、転業する
のが筋だが、軍事のために飼っているわけだ。

朝雲5/26「埋め立ては環境に悪影響 南シナ海で米議会報告」から。

<米連邦議会の政策諮問機関である「米中経済・安全保障調査委員会」は
このほど、中国による南シナ海での珊瑚礁埋め立てと人工島建設が周辺環
境に与える悪影響や、国際法上の是非に関する報告書を公表した。

中国に よる同海域での一方的行動には、領有権問題や安全保障の観点か
らの分析 が行われてきたが、環境保護の視点からも中国の膨張戦略を阻
止する試み といえる。


報告書は、スプラトリー(南沙)諸島での埋め立ては浚渫(しゅんせつ)
した砂や砂利を珊瑚礁の上に積み上げて行われており、太陽光を遮断され
た珊瑚の死滅をもたらしていると指摘。

報告書の中で米マイアミ大学のマ クマナス教授は、隠れ場所だった珊瑚
礁を奪われた小魚も死滅するか、珊 瑚礁外へと追いやられたとの見解を
示す。この結果、小魚を捕食してきた ベラやハタなどの大型魚も減り、
南シナ海全体の漁業資源の減少につながる。

また、浚渫作業を行う船舶から排出される重金属や石油、その他の化学物
質も海洋生物への脅威となっている。埋め立ての環境への悪影響につい
て、同委員会は中国の海洋研究所に問い合わせたが、回答は得られていな
いという>(以上)

1983年頃に初訪中したが、列車の床がゴミだらけだったのにはびっくりし
た。「汚す」ことにまったく抵抗感がないというのは支那民族の初期設定
なのだろう。

中国の社会問題を週刊誌などで執筆中の奥窪優木氏のレポート「【黒社会
大陸 中国】世界へ拡散する中国マフィア 習政権の締め付けで海外に活
路」(ZAKZAK8/25)から。

<今年5月、賭博罪で収監されていた山西省晋城市の黒幇(ヘイパン=マ
フィア組織)トップが出所する様子を、地元テレビ局が大きく報じた。刑
務所の前に100人以上の構成員と高級外車がずらりと整列し、大量の爆竹
を鳴らして盛大に祝福する模様やその後の出所祝いのパーティーの様子ま
でを、ニュース番組で放映したのだ。

この一件をして「これまで保たれてきた公安と黒社会の縁が切れつつある
ことを象徴している」と指摘するのは、広東省地方紙記者だ。

「集会結社の自由のない中国では本来、これだけの数の犯罪組織構成員が
公然で集合すること自体が違法。しかもその場所は刑務所の真ん前。それ
をテレビで放送されては、地元公安のメンツも丸潰れでしょう。

ネット上では、黒幇の構成員らが、自らの力や富を誇示するような動画や
写真をアップしていて、公安にケンカを売っているといっても過言ではな
い。今後は、中央(=習近平政権)から『打黒除悪』(マフィア殲滅作
戦)の命を受けた公安と、生き残りをかける黒社会の対決が各地で展開さ
れるでしょう」

一方、シノギ(資金源)を失ったうえ、打黒除悪キャンペーンで窮地に立
たされる中国の黒幇の一部は、海外進出にその活路を見いだしている。

英BBCの7月1日付け報道によると、欧州最大の華人コミュニティーが存在
するイタリア・トスカーナ州のプラート市で中国系マフィアがその活動を
活発化させている。彼らは中国系の商店からみかじめ料を請求しているほ
か、北アフリカからのアラブ系移民に危害を加えているという。

スペインメディアの報道によると、同国バルセロナでも中国系マフィアが
勢力を増しており、薬物販売や組織売春、強盗などの犯罪に関わってい
る。事態を重く見た地元警察は6月28日、中国系マフィアの構成員20人を
逮捕。さらに組織のマネーロンダリングに加担していた宝石店などを摘発
している。

このように、海外で興隆する中国マフィアに対しても、中国政府は打黒除
悪に乗り出している。中国公安部はアルゼンチンのブエノスアイレスに特
殊部隊を派遣し、現地警察とともに同国最大のチャイニーズ・マフィア
「貔貅」(ヒキュウ)を撲滅させるべく「龍頭作戦」と呼ばれる任務を展開。

中国ニュースサイトの国際在線によると、6月13日には同組織の22の拠点
を一斉に急襲し、一部拠点での銃撃戦も経て、合わせて組織の関係者40人
を拘束し、大量の拳銃やドラッグを押収した。同マフィアは、強盗や暗殺
までをシノギとして扱っており、その凶悪性が問題視されていたという。

中国で進められるマフィア殲滅作戦によって黒幇たちが他国に流入してい
るとしたら、迷惑甚だしい話だ。欧州や南米より地理的に近い日本には、
一体どれほど黒幇が新たに流入しているのだろうか>(以上)

支那人旅行者があちこちで排尿排便して顰蹙を買っているが、マフィアの
輸出に比べれば可愛いものだ。

支那の空気、土壌、川、海、地下水はとっくに汚染され、「除染再生には
日本の技術を借りても100年はかかる」と何清漣氏が書いていた。さすが
のマフィアも外国へ避難し始めたのだろう。中共幹部もせっせと逃げる準
備をしている。中共版「エクソダス」、世界はこのモンスターにいつまで
振り回されるのだろうか。(2016/9/7)


◆守るべき国とは何か、元自衛官の問い

櫻井よしこ



伊藤祐靖氏の『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と
行動』(文春新書)を読み始めて、涙が出た。
 
本書で伊藤氏は、国民を守り国を守るとは何かを問いつつ、国とは何か、
日本とは何かと問うている。命を賭けて必死に問うている。自力で国を守
るという基本を忘れさせられ、その状況に慣れてしまった、現在の日本の
壮大な喪失に、全力で異議を唱えている。
 
氏はかつて海上自衛隊に属し、防衛大学校で指導教官を務めた。イージス
艦「みょうこう」の航海長当時、能登半島沖で北朝鮮の工作船を追尾し、
戦後初の海上警備行動発令を受けて、工作船に対峙した。
 
氏が著書の第一章で描いたのは、1999年3月の海上警備行動発令に至る状
況と、発令後に氏を含めた自衛官が展開した戦いの実相である。
 
数百隻の漁船群の中からようやく見つけた北朝鮮船の後方に一定距離を保
ちつつ、つけると、観音開きの船尾が目に飛び込んできた。そのとき氏の
脳裡には、「扉の中へ、無理矢理引きずり込まれる日本人の姿が浮かん
だ」そうだ。

「このやろう、拉致船じゃねえか!」、「血液が逆流するような」激しい
感情がわき起こったと、振りかえっている。
 
だが、その感情は、同じ現場で工作船を追尾した海上保安庁の巡視船が
「燃料に不安あり、これにて新潟に帰投致します」とのメッセージを残し
て新潟港へと反転したとき、「血液が沸騰しそう」な怒りに変わる。
 
憤死する程のこの怒りは、しかし、海保というより、現在の日本国の国防
の根幹、信じ難くも脆弱な、アメリカ頼りの実態に向けられたものであろう。

拉致された日本人が船尾に閉じ込められているかもしれないとき、最後ま
で追うこともなく、臨検することもなく、なぜ、海保は港に帰らざるを得
ないのか。海上警備行動が発令されない限り、自衛官には警察官職務執行
法も適用されず、工作船に乗り込む権限も工作員逮捕の権限もない。闇深
い海で海自にできるのは、ひたすら工作船を追い続けることだ。

漫画本を腹に巻き
 
尖閣諸島の海を侵す中国船に対しても同じである。眼前で中国の漁民が尖
閣諸島に上陸しても、彼らが攻撃してこない限り、ただ見守ることしかで
きない。これでは国土防衛など不可能だ。
 
誰何(すいか)し、臨検し、阻止する警察権限を持つ海保にしても、装備
において北朝鮮の工作船や中国の偽装漁船にかなわない。中国船が船体に
白いペンキを塗っていても、北朝鮮船が漁船に偽装していても、実際は軍
艦であり、工作船だ。

乗組員は、軍事訓練を重ねた練達の強者であろう。彼らと海保は「任務が
違う」。海保に工作船対処を任せること自体、国防の基本が間違っている。

「みょうこう」が単独で工作船を追う展開となったとき、戦後初の海上警
備行動が発令された。「みょうこう」は数限りない砲弾を、工作船本体を
外して船の前後左右に撃ち込んだ。それでも工作船は怯まない。止まらな
い。遂に「みょうこう」艦長が指令を出した。

「苗頭正中(びょうどうせいちゅう)、遠五〇(えんごじゅう)」─最大
限の危機である。その緊張感には息を呑むが、詳細は本書に譲る。
 
エンジン故障で工作船が止まった。伊藤氏らはどう行動したか。
 
私は1年程前、この場面に関して伊藤氏に電話で取材をしている。遂に止
まった工作船に、臨検のため乗り移ろうとしたときの状況を聞いたのだ。

防弾チョッキも備えていない「みょうこう」で、自衛隊員は漫画本を腹に
巻いて準備した。だがそこに至る過程で、隊員たちが見せた不安につい
て、深く考えさせられる話が、本書には書かれている。若い隊員が航海長
の氏に尋ねた。闇夜の海で、手旗信号係りの自分が出動する意味はあるの
か、と。氏は明確に答えた。

「今、日本は国家として意志を示そうとしている。あの船には、拉致され
た日本人のいる可能性がある。国家は、その人たちを何が何でも取り返そ
うとしている。だから、我々が行く」「その時のために自衛官の生命は存
在する」

「ですよね、そうですよね。判りました」と、若い隊員。10分後に再集合
した彼らは前述のように部厚い漫画本を体に巻きつけたりしていた。
だが表情からは暗い不安が消えさり、どこか余裕さえ感じさせたという。
 
彼らは乗り移ったが最後、凄まじい戦闘に直面する。戦闘経験のない彼ら
が、工作員を制圧する可能性は限りなく低い。たとえ自衛隊側優勢で戦っ
ても、工作船は最後は自爆する。船倉に囚えられているかもしれない拉致
被害者を含めて、全員の死は避けられない。任務完遂の可能性はゼロだ
と、氏は考えた。

誇りある軍人
 
彼らを行かせたくない、国民を守るとはどういうことか、国防とは一体ど
ういうことか、その実態を理解していない政治家たちの命令で、若い隊員
を行かせたくない。伊藤氏の葛藤を他所に隊員たちはわずかな時間の中で
心を整理し、公への奉仕を信じて自分の死を受け入れる覚悟をした。
 
だがこれは間違っていると、伊藤氏は、繰り返す。「私」を捨てた若者を
賛美するだけでは、日本人は過去の歴史から何も学んでいないことにな
る。氏はこの局面で、日本に欠けているものに気づく。厳しい訓練を経て
心身を鍛え抜いた、自覚した部隊の存在である。そのような人々を誇りあ
る軍人としてきちんと位置づける国防の精神である。
 
結論からいえば、決死の覚悟をした隊員たちが工作船に乗り移ろうとした
その瞬間、工作船は修理が終わったのか、猛ダッシュして北朝鮮の領海へ
と逃れていった。任務完遂の可能性ゼロの、絶体絶命の淵から隊員たちが
戻ってきた瞬間でもある。
 
能登半島沖での事件の反省から、日本政府は自衛隊に特殊部隊を創設する
ことを決め、伊藤氏はその準備室勤務となる。創設に当たって、日本政府
は米海軍特殊部隊(SEALs)から学ぶことも考えたが、米国側が秘密
保全を理由に断った。
 
伊藤氏は語る。「国家理念も、戦術思想も、国民性もまるで違う他国の部
隊にそのまま使えるものなどあるわけがない」と。
 
結果として日本は日本なりの特殊部隊の創設へと踏み出した。だが、7年
後、まだ真の意味での特殊部隊創隊には至っていない段階で、氏は異動を
命じられた。それを機に防衛省を去った氏のその後の歩みは、日本人離れ
の一言に尽きる。心も肉体も、現在まで特殊部隊員として生きる伊藤氏の
体験と、国防の本質を衆参両院で圧倒的多数を獲得した与党政治家に知っ
てほしいと思う。

『週刊新潮』 2016年9月1日号 日本ルネッサンス 第718回
                  (採録:松本市 久保田 康文)


2016年09月09日

◆「中国夢」今は残り火

平井 修一



「私は間違いなく、中国ビジネス最前線にいる」と言う、骨の髄からの日
中友好派の国際弁護士、村尾龍雄氏が興味深い見立て「たった10年間の黄
金世代が今後の中国経済の中心となる」を書いていた(8/31)。曰く――

<昔は中国人と聞けば、貧しいイメージを抱いたものですが、今、中国人
と聞いて昨年までの「爆買い」に眉を顰めた向きこそあれども、貧しいど
ころか、北京、上海、深センなどの大都市圏の中国人にはお金持ち度合い
では到底かなわないと感じる日本人は増える一方ではないでしょうか。

しかし、彼らの豊かさの源泉はどこにあるかを一考してみると、朱鎔基が
国務院総理(1998年3月乃至2003年3月)に就任した直後の1998年6月30日
までに分房制度(国有企業で一定期間稼動した職員に住宅を付与する)が
廃止され、安定居住の基礎であり、銀行を信用しない中国人にとって貯金
代替機能も果たす不動産購入機運が一気に高まり、その結果、大都市圏で
は不動産価格が10倍にも達することとな(りました。)

その頃に不動産投資を開始していた老百姓(一般庶民の意味)は文字どお
り大金持ちとなり、昔懐かしい万元戸どころか、億元戸が多数登場するこ
ととなりました。

もっとも、今後の不動産が分房制度廃止から2008年頃までの10年間で経験
されたほどに値上がりするかと言えば、それはあり得ない話です。

北京や上海の内環状線の不動産はそこに優れた教育機関が多数集中するな
ど、全国の富裕層が不動産を買う意欲が普遍的に旺盛であるため、バブル
崩壊懸念こそないものの、そのcapital gainで大金持ちになるチャイニー
ズ・ドリームの再来はあり得ないのです。

そうすると、投資対象の王道が不動産か、株式か、コモディティーかの3
つに限定されると仮定した場合、老百姓が大金持ちになるチャイニーズ・
ドリームの基礎を形成するのは一体どれなのだという疑念が生じます。

(しかし)中国ではコモディティーの投機熱が生じるのを物価統制に強大
な権限を有する国家発展改革委員会が許しませんので、消去法的思考よ
り、株式になるはずだ、との仮説が生まれます。

実際、2014年11月22日の法定基準金利下げを契機として2015年夏の株式バ
ブルの崩壊まで継続した半年余りの期間の株式狂想曲は、魅力のある投資
先が株式しかなくなりつつある中国の現状を端的に示すものとなりました。

しかし、株式市場で投資をする老百姓がそれだけで大金持ちになれるはず
もありません。

やはり株式で大金持ちになるには、上場企業の創業者か上場企業でストッ
クオプションを貰うことができる立場になるほかないでしょう。

でも、上場企業の創業者は人数が余りに限定されますから、老百姓にとっ
て現実的選択肢はストックオプションをもらえる立場になること、しかも
できればそれをできるだけ多くもらうことができる立場になることになる
はずです。

こうした立場のど真ん中にいる世代こそ、1975年から1985年までに生まれ
た10年間の黄金世代です。(平井:現在なら30〜40歳あたり)

興味のある方は中国で巨大な利益を上げている民営企業の株主の内実を調
査していただくと、よくわかるのですが、民営企業は従業員にストックオ
プションを付与するのに極めて積極的であり、末端の従業員に至るまで本
当に多数の人々がその恩恵を享受しています。

著名通信機器メーカーのHuaweiなど創業者が保有する株式は従業員組合持
分を含めても5%程度に過ぎないと言われます(公表されている個人名義
の比率はもっと低い)。

これには優秀な従業員ほど将来性のある新興企業にヘッドハントされる傾
向が極めて顕著な中国において、優秀な従業員を留め置くための苦肉の策
であるという側面が色濃いのですが、こうした企業政策が中国全土に流布
して長い時間が経過して、ストックオプションの積極的付与は既に中国の
企業文化を形成した感があります。

(平井:インセンティブ=人参をぶら下げて猛然と働かせる米国式そっくり)

そして、その恩恵を最大限享受している世代こそ、1975年から1985年まで
に生まれた10年間の黄金世代だ、というわけです。

私の友人の会社など昨年兆円単位の利益を計上しましたが、CEOを含む経
営幹部はいずれもこの黄金世代に属します。

その会社は文化大革命の影響で金融投資の最先端投資に関する経営判断を
最も正しく実施できるのはロートル(老头儿)世代ではなく、30代の若手
であると年配の経営陣が総退陣を自ら判断し、若手に経営権を全部承継さ
せるという日本ではあり得ない経営改革を断行したのですが、このような
事例は中国では枚挙にいとまがありません。

なので、私が何時も一緒に行動する友人たちも30歳台が中心となります。

しかし、彼らは今後早期にリタイアする必要など全くありません。30代の
エネルギー全開の時点で経営権を承継した彼らは、自らアーリーリタイア
メントを選択しない限り、60歳、70歳まで会社経営を牽引し続ける公算が
高いかもしれません。

だって、こんな若い時代から複雑な経営判断を一手に引き受けていれば、
後進がいかに頑張ろうとも彼らを能力的に追い抜けるはずもないのですから。

こうして不動産投資成金が終焉を迎えた現在、1975年から1985年までに生
まれたストックオプションバブル世代が今後20年以上に亘り中国経済を牛
耳ると同時に、新たに大金持ちとなる元・老百姓集団を形成することとな
るでしょう。

不動産投資成金と10年間限定の黄金世代を除けば、残る老百姓にチャイ
ニーズ・ドリームの種は残されておらず、彼らにとって中国は先進国同
様、下克上のチャンスの大半が喪失した普通の国家になるのです。

2000年頃、中国の若者たちが「今の中国は1000年に一度のチャンスが溢れ
た国家だ」と興奮気味に語っていたことが思い出されますが、現在は残り
火が静かに燃えるという様相に移り変わってきたことをわれわれ日本人も
現代中国の理解として知っておくとよいかもしれません>(以上)

支那のインテリ層は「習近平は経済音痴だ」という認識を共有しているそ
うだ(チャイナウォッチャーの近藤大介氏)。素人の小生から見ても、汚
職だろうが何だろうが「蓄財蓄妾美酒美食」が生き甲斐の民族に対して
「腐敗撲滅」「贅沢禁止」なんて強制すれば経済はおかしくならざるを得
ないと分かるが、習近平にはそれがまったく理解できない。

で、庶民の習近平離れが始まっている。日本戦略研究フォーラム政策提言
委員・拓殖大学海外事情研究所教授 澁谷司氏の論考9/5「中国一般庶民の
間での江沢民元主席再評価」から。

<今年(2016年)8月17日、江沢民元主席(「上海閥」)は満90歳の誕生
日を迎えた。ネット上では、その誕生日を盛大に祝おうと盛り上がりを見
せていた。

ところが、北京政府は、江沢民誕生祝いを警戒し、祝賀を中止させた。習
近平政権は、ネット世論が江沢民元主席を称賛するのを怖れている。

香港の中国専門家、ウィリー・ラム(林和立)によれば、江沢民元主席は
健康ではないが、依然、共産党内で多大なる影響力を持つという。そのた
め、習近平政権は、ネット世論が江元主席に味方するのを警戒したに違い
ない。

実は、以前ならば、四角い眼鏡をかけた江沢民元主席は、ヒキガエルのよ
うなイメージのため、笑い、あざけりの対象となっていた(平井:習近平
の策謀による)。ところが、今では、大笑いしながら大きな声で話す江元
主席が祭り上げられている。江沢民元主席は英語やロシア語ができ、“教
養人”との評価すらある。これは、歴史の皮肉かもしれない。

実際に、江沢民時代(1989年から2002年)(実績は多く)、まず、1997年
7月、英国から中国へ香港が返還された。

次に、(江沢民時代に)2008年の北京五輪や2010年の上海万博誘致などが
決まっている。

つまり、江沢民政権下、中国の一般庶民が自国の将来に対し、希望の持て
る時代だった。

一方、当時、まだ中国経済が世界的にそれほど大きくなかった。そのた
め、江沢民主席は、トウ小平の教えである「養光韜晦」(能ある鷹は爪を
隠す)政策を堅持し、欧米との摩擦が少なかった(ただ、江沢民主席は我
が国を敵視する「愛国主義教育運動」を始めた。その結果、日本との関係
は悪化していく)。

また、江沢民時代、“中国の文化”と言える腐敗が大流行した。そして、賄
賂が人間関係構築の潤滑油として機能している。売官等が平然と行われて
いた。

江沢民時代後期、朱鎔基首相が登場し、国有企業改革を強行した。当時
は、リストラされた従業員が別の職場へ行くことがまだまだ可能だった。
今、習近平政権下で、国有企業改革を実施すれば、間違いなく従業員は失
業したままとなるのではないか。

われわれが前から主張しているように、中国共産党は経済を発展させなけ
れば、その存在意義はない。今のままの経済の低迷状態が続けば、社会は
ますます不安定化するだろう。

周知のように、江戸時代、松平定信による「寛政の改革」の際、「白河の
清きに魚のすみかねてもとの濁りの田沼恋しき」 という狂歌が詠われ
た。老中、田沼意次時代を懐かしみ、「寛政の改革」を風刺している。

現在、一般庶民やネットで江沢民元主席が再評価され、親しみを持たれて
いる。という事は、習近平主席の人心が離れている証左ではないだろう
か>(以上)

戦後、「昔陸軍、今総評(社会党)」と言われたものである。政治家は強
者に配慮し、遠慮しながらことを進めないと暗殺されたり、失脚/引退さ
せられたりするからだ。
今、習近平が一番恐れているのは中共軍と人民だ。彼らを怒らせると殺さ
れたり、大暴動になるからだ。習は常に中共軍に監視されており、傀儡と
化している。人民も対外的に習が譲歩したり弱気になれば大暴動を起こす。

だから習は外交で強気を維持しなければならない。「一歩も譲らない、こ
れは核心的利益だ」、これでは外交にならない。

習は先の杭州G20では少しも存在感を示せなかったし、中共軍が傀儡であ
る北を使って「譲歩するな」とミサイル3発で脅した。これでは何もでき
ないから実に無内容な首脳宣言に終わった。

習近平政権が続く限り支那はひたすら黄昏ていくだけだ。それは世界秩序
にとってはいいことだろうが、支那にとっては阿片戦争、日清戦争での敗
北に近い屈辱の日々になるのではないか。「残り火が静かに燃える」だ
け・・・キャンプファイアは終わったのだ。(2016/9/7)

2016年09月08日

◆私の「身辺雑記」(380)

平井 修一



■9月1日(木)、朝6:00は室温25度、秋晴れ、涼風、結構なことだが、体
調は悪いというか、朝から疲れ果てている。自分で自分を支えられないと
いうか、疲労困憊というか・・・これが日常化するのが老化なのだろう。
実に厭なものである。

ガソリンを入れないと気力、体力がオンにならない。肺がん手術後の父の
晩年もそうだった。術後に6年間生きたのは当時、1980年頃は珍しい方
だった。ウィスキーのビール割をドリンク剤に、とりあえずは穏やかな晩
年だった。「もうだめだ」と思ってさっさと入院し、さっさと昇天した。
皇軍兵士は実に潔い。こうありたいね。

もっとも小生は自宅派、水だけでやがて枯れることを望むが・・・思うよ
うにいかないかもしれない。生きながらえば恥多し、65歳以上に「安楽
丸」を配れば多くの問題は解決するだろう。税制上の優遇措置とかのイン
センティブが必要かもしれない。

言っておくが、まともな男なら60歳とか65歳までには、やるべきことはや
り終えているはずであり、それ以上生きる意味はあまりないのである。
さっさと昇天していいのだ。意味もなく長生きしたいというのは醜悪、大
迷惑、小生の美学からは程遠い。

騒ぐだけ騒いで責任をとらない団塊世代は往生際が悪すぎる。「安楽丸」
を強制的に飲ませた方がいいのではないか。大好きな朝日新聞を持ってあ
の世へ逝け、あの世へ。小生があの世で老人狩りをしてやるよ、無間地獄
の北京、上海へでも墜ちるがいい。

小生はいささか異常である。アブノーマル。生き甲斐が「中共殲滅」なん
て言う人はまずいない。毎日、殺し方を考え、練習している。先日は「お
酢鉄砲」を作った。水鉄砲の水の代わりにお酢を入れ、闖入者の目を破壊
するのである。そして階段から蹴落とす。闖入者は気絶する。これを表へ
引きづりだし、アキレス腱をえぐり、脳髄に釘を刺して殺す。

こういう輩は年間300万円をかけて刑務所に置いておく必要はない。超法
規のドゥテルテ流。警察は小生を捕縛するだろうから、小生は父の形見の
自動小銃と手榴弾で抵抗する。父はキャンプ座間の警備担当者だったから
武器はゴロゴロしている。籠城戦で一週間はもつ。ノープロブレム。

今朝、日通警備のガードマンが目の保護のためにプラスチックの覆いを装
備していた。「目が弱点」だと気づいたのだ。グレーゾーンの海上民兵に
よる攻撃は日本の弱点である。超法規だろうがなんだろうが恥多き死を与
えないと禍根を残す。これが普通の人の常識だ。なんでもあり、ノープロ
ブレム。日本人は何をするか分かったものではない、という恐怖感を中共
軍に叩き込む。

NHKラヂオを聴くのを止めたが、ちょっと寂しいのでいろいろ放送を聴い
たが、結局、ニッポン放送FMになった。小生以上に異次元の異常振りで、
小池都知事の発言を報じたニュースの後の天気予報は、小池氏の物真似に
よるものだった。ほとんどそっくりで、多くの人は物真似とは気づかない
だろうくらいに上手かった。何でもあり。異常な小生が「これってあり
か」と思うくらいにめちゃくちゃ、はちゃめちゃだった。

しかし、ニュースは産経ニュースなのである。ニッポン放送って何なのだ。

<株主:株式会社フジ・メディア・ホールディングス (100%)>

なんだ、産経そのものじゃん。中共曰く“極右”の産経からさらに右に落ち
たような異次元の異常な奇妙奇天烈の人が巣食っているのだろう。すごい
なあと大いに敬服、というか、いささか畏怖するね。

そう言えば50年前、受験勉強中に聞いていたオールナイトニッポンもニッ
ポン放送だったのか。営業ドライバーをしていた時によく聞いた上柳昌彦
アナの番組もニッポン放送だった。上柳はリベラルを装う右派、産経主流
派なのだろう。

ニッポン放送にはジョン・レノンの「イマジン」をモチーフに、白をテー
マカラーにしたスタジオホールがあるそうだ。ビートルズの事実上の中核
ジョン・レノンはリベラルを装うが、嫌な奴だったらしい。「純」と言え
ば「純」だが、清濁併せ持つ風ではなかったようだ。

コンサートが客の騒音でほとんど音楽が聞こえず、「観客はただ騒ぎたい
からコンサートに来ている。もう音楽会ではない」と、彼は思ったのだろ
う。コンサートはやめた。女は失神するためにコンサートに来ていた。ほ
とんどビョーキ。

以降はもっぱらスタジオ録音になったが、ロンドンでの屋上ライブ「ルー
フトップコンサート」はいいね。のびのびやっている。これが最後のライ
ブだったのではないか。観客は数人、関係者しかいなかったが・・・

小4あたりでプレスリーを聴いて失禁、中2あたりでビートルズを聴いて脱
糞、高1あたりでローリングストーンズを聴いて失神、以後はひたすら革
命道へ。1971年、捕縛される前に聞いた南沙織の「17才」で多少は正気/
トラディショナルになり、それからはひばり、ちよこ、はるみ、あき、な
おみ、テレサ・・・どっぷり演歌の花道だ。

遠回りしたものの日本人に戻ったが、異常ではあっても人畜無害だから、
ま、いいか。奇妙奇天烈な老人や放送局があってもいいだろう。笑って見
過ごしてくれ。それにしてもニッポン放送、貴種というか奇種だな、ちゃ
んと広告をとって稼いでいるからOKなのだろう。

■9月2日(金)、朝6:00は室温25度、秋晴れ、涼風、結構なことだが、体
調は悪いというか、とにかく朝から疲れ果てている。これが日常化するの
が老後なのだろう。嫌なものである。カミサンは公休。

朝食後に布団でゴロゴロしていたらカミサンがスマホのイヤホンを突っ込
んできた。小生はおもちゃ、ほとんどレイプ。昭和歌謡大全を聴かされ
た。カミサンは初期の芸者の歌手を含めてまず全部知っている。

カミサンの母上は昭和一ケタ生まれですこぶる可愛い、父上は海運業です
こぶる羽振りがいい(喧嘩も強いし、頭に来ると猟銃をぶっ放すし、やた
らともてる)、留守の時に奥さんが淋しくないようにとやたらとレコード
を買ってきた。だからカミサンも最新の歌謡曲を赤ん坊のころから知って
いるのである。

カミサンは小生を訓導したい、自分色に染めたいのである。65歳のヂヂイ
をしつければ、まあそれなりのペットになるかと思っている。賞味期限が
とっくに切れているのだから放置するのがいいと思うが、カミサンは「コ
イツ、まだおもちゃになりそう」とちょっかいを出すのだ。小生も貧弱な
ナニでちょっかいを出すとカミサンはまんざらでもない風だし、ま、お互
いさま、ま、いいか・・・

ビーグル犬が昨年12/7に17歳で昇天してから、カミサンの関心が小生に集
中し始めたようである。いつもそばにいたがる、監視したがる。無視され
るよりはいいが、ナンカナーという感じ。あまり寄り添うと死んだ後で喪
失感が大きくて苦しむから、そこそこ距離を持った方がいいんじゃないか
と思うが・・・

2003年のがん手術後の抗がん剤治療で小生がフラフラになっていたときカ
ミサンはしょっちょう泣いていた、「死なないで」と。小生は泣きながら
カミサンの涙をペロペロ舐めるしかなかったが・・・どうもあまり進歩し
ていないようで、「また修羅場かよ」と心配だなあ。おい、かーちゃん、
大丈夫かよ。

クソヂヂイは罵声をもって見送るべきだが、カミサンも子・孫も泣きそう
だ。困ったな。「いいヂイヂ」を演じし過ぎ、「いいヂイヂ」が体にこび
りついてしまった、それ以外の擬態ができない、いかにせん。静かな老境
という風にはどうもならんようである。まったく人生は厄介だ。

こういう「リアル」なことを書く人はあまりいないから、ま、面白いで
しょ。楽しんでいただけたら幸甚である。

■9月6日(火)、朝6:00は室温25度、秋晴れ、涼風、結構なことだが、体
調は多少改善したが、憔悴だな。久し振りに日記を書く体力気力は戻って
きたようだ。

老人の色惚けという話は聴いたことがあるが、9/3の昼頃、不思議な体験
をした。通りを歩いているJK以上の女がすべて可愛く見えちゃうのだ。
あ、これも買い物カゴに入れよう、あ、あっちも買う、もうこの際だ、全
部まとめてGETだと。

その日の10時、カミサンが宴会から帰ってくると、小生は一気に色惚け発
症、発情、ほとんど狂気になってカミサンを追いかけ回し始め、襲っては
眠り、襲っては眠り、4日の昼頃に正気が戻るまでそれを繰り返した。

その姿は完全に色惚け老人で、下半身まるだし、しかもチンチンに黄色い
リボンをつけて、「幸せの黄色いハンカチ」ならぬ「幸せの黄色い下半
身」などとはしゃいでいたのだ。娘のNの見ている前で。

Nは呆れて「とにかく入院してよ、そうじゃないと私たちが(保護義務違
反で)非難されちゃうわ」(つまり自己防衛)、カミサンも「そうよそう
よ、入院するのなら抱いてあげてもいいわ」(ナニは取引材料)。小生も
異常だが、女どもの発想も結構えげつない。

正気が戻って残ったのはものすごい疲労感で、今朝まで立っているのが
やっとだったが、どうにか食事をとれて、カミサンの出勤前にシャワーで
汗を落とした。風呂場で倒れるとコトだし。

まあ、この色惚け事件で小生への同情票はないな。お互いに距離を置いて
淡々と老後を送るのだ。禍を転じて福と為す・・・

とにかく「老いはいつでも初舞台」、この先何があるかわからない、静か
に昇天するのは容易ではないだろう。(2016/9/6)


        

◆中国のパワープレーヤーは

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)9月6日(火曜日) 弐 通算第5020号 > 

〜杭州G20で、中国のパワープレーヤーは誰々だったか
  周小川、楼継偉、劉?に混じって注目は高虎城(商工大臣)と徐昭史〜
(改革委主任)

G20で、主役は習近平だったが、主賓ではオバマ、プーチン、メルケルが
注目され、ついでエルドアン、モディ、メイ英首相、わが安倍首相は国
際的報道では、ほとんど登場しなかった。

G20の中味は空っぽ、日露首脳会談はプーチンの「ポーカーゲーム」に終
わった。

インドのモディは「南東アジアに一国だけテロリズムを武器として安定を
かき乱している国がある」と名指しこそしなかったが、パキスタンを批判
し、その背後にある中国を暗に非難した。

インドの新聞はこのモディ首相の発言を特筆しているが、ほかの国々のメ
ディアは注目もしていない。

エルドアンはひたすらプーチンと並んで露土蜜月の演出に余念がなかっ
た。オバマはたいそう中国側におちょくられ、赤絨毯は無し、随行記者団
の冷遇という仕打ちを受けた。トランプは「わたしなら、そういう時はき
びすを返して帰国する」と言った。

 さて日中首脳会談で習のまわりを外交ブレーンが囲んだが、両脇に楊潔
ち(国務委員)、王毅(外相)をしたがえ、その隣が王?寧(外交顧問、
中国のキッシンジャー)という配置だった。

対日外交はやはり楊、王ラインが握っていることが分かる。

経済政策では周小川(人民銀行総裁)、楼継偉(財務相)、劉?(経済ブ
レーン)に混ざって、注目を集めたのが高虎城(商工大臣)と徐昭史(改
革委主任)だった。後者ふたりは「新顔」を言っても良い。
両方にまたがって登場場面が多かったのは王洋(副首相、団派)で、「米
中戦略対話」を取り仕切る関係から、ルオ財務長官と親しいところを見せた。

G20で、主要プレーヤーの変化が把握できた。中味は空っぽだが、中国
の権力状況の趨勢が把握できた。


      

2016年09月07日

◆チャイナに乗っ取られていた

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)9月5日(月曜日)通算第5018号 > 


 〜オーベルヴィリエ市、気がつけばチャイナに乗っ取られていた
  パリで1万3000人が参加、「中国は出て行け」のデモ〜

パリから北へ1時間ほど。のどかな農村だったオーベルヴィリエ市がある。

いつしか繊維産業の工場が建ち始め、気がつけば7万8000人の人口のう
ち、6万強が中国人となっていた。

フランス最大のチャイナタウンというより、こうなると「チャイナ・シ
ティ」の出現だ。

フランスにおける中国人のコミュニティでは急速に治安が悪化、泥棒が強
盗となり、強盗も殺人を伴い、安心して町も歩けない。

のどかな農村だった、奴らがやってくるまでは、と住民がこぼすという
(アジアタイムズ、9月5日)。「最初はかっぱらい、つぎに強盗とな
り、最近は強盗殺人にエスカレートしている」。

実際に先週、服飾デザイナーが中国人強盗団に襲われて殺害された。

パリでも「中国人、韓国人、日本人」のツアーが狙われる。順番に大金を
もっていると強盗団に推定されているからだ。
 
2016年9月4日、パリでは治安悪化、暴力追放、中国人は出ていけとプラ
カードを掲げてのデモ行進が行われ、パリ市民1万3000人が参加した。 
パリ市長は北京を訪問し、中国当局に対策を促したが、一切効果がないと
いう。

イタリアでもフローレンスの近くのプラト市。皮革製品製造で有名だが、
グッチやルイビュトンもこの町で作られており。同時に偽物も中国人工場
で作られる。プラトはいまや完全にチャイナシティとなり、チャイナ・コ
ミュニティに住む中国人は五万人となった。イタリア政府の悩みの種である。

2016年6月にもプラトでは中国人と警察との激突があり、数名が負傷する
という暴力沙汰がおきた。 

原因は繊維工場の立ち入り検査に不満をもつ中国人工場長が従業員を集め
て威嚇したことから警官隊が導入され、激しい暴力事件に発展した。

プラトは5万人の中国人労働者がいつのまにか這入り込み、2010年から15
年にかけて、45億ユーロ相当の模造品を不正に輸出し、稼いだ外貨を中国
に不法送金したため、当局は10億ユーロの追徴課税をかけた。
     

◆自衛隊 大規模改革急げ

櫻井よしこ



ASBはアメリカの核抑止力が有効であることを前提に、通常戦力による
軍事バランスを維持して紛争を抑止し、長期戦で中国の国力を疲弊させ、
終戦に導く戦略だ。

一方、中国のそれはShort Sharp War、短期・高強度戦
法と呼ばれる。核以外の全ての力を集中させて短期決戦の局地戦で勝つと
いう考えだ。

現在の米軍の作戦では、中国にミサイル発射の兆候が確認されれば、空
母も海・空軍も第2列島線の東側に退き、眼前の敵には日本が立ち向かう
構図である。

であれば、日本の防衛の根本的見直しが必要なのは明らかだ。自衛隊は
装備も隊員も圧倒的不足の中にある。加えて憲法も自衛隊法も専守防衛の
精神にどっぷり浸り、自衛隊の行動も攻撃能力も厳しく制限されているで
はないか。

アメリカは第1列島線防御を長期戦で考えるが、最前線に立つ第1列島
線の構成国は日本、台湾、フィリピンだ。日本以外の2カ国はもとより、
日本に、「長期戦」に耐える力などあるのか。

週刊誌『AERA』の世論調査では、自衛戦争も認めない日本人は男性
で3割、女性で5割以上を占めていた。こんな状況で、厳しい制限下にあ
る自衛隊が第1列島線を守り切ることなど不可能だ。そのとき、日本国は
中国軍に押さえられる。悪夢が現実になるかもしれない局面が見えてきて
いるいま、警鐘を乱打し、国民に危機を伝えることが政府の役割であろう。

中国軍の下で日本が何をさせられるかについてはアジアの同朋の悲劇を思
い起こすのがよい。かつてモンゴルを占領した中国はモンゴル軍にチベッ
トを攻めさせた。日本をおさえた段階で、中国は自衛隊を中国の先兵とし
て戦線に強制的に送り出すだろう。悲惨である。国防の危機を前にして戦
わない選択肢はないのである。

オバマ米政権も日本も手をこまねいた結果、中国は多くの分野で優位性
を手にした。2020年の東京オリンピックまでに日中の軍事力の差は1
対5に拡大する。孫子の兵法では速やかに戦って勝ち取るべき、中国圧倒
的有利の状況が生まれてしまう。

力をつけた中国が日本を核で恫喝することも十分考えられる。ミサイル
などを大量に撃ち込み、到底防御しきれない状況に日本を追い込む飽和攻
撃も懸念されている。わが国の弾薬備蓄量の少なさを中国は十分に知って
いるため、日本の弾が尽きる頃合いを見てさらなる攻撃をかければ、日本
は落ちると読んでいるだろう。

一旦達成すればどの国も挑戦すらできない一大強国を出現させるのが人
工知能とスーパーコンピューターによる「シンギュラリティ(特異点)」
である。そこに中国があと数年で到達する可能性を、3期連続世界一の省
エネスーパーコンピューターをつくった齋藤元章氏が警告する。
そのうえで、誰よりも一番戦争を回避したいと念じている自衛隊制服組の
声に耳を傾けよ。戦争回避のために必要だと、彼らが考える防衛装備と人
員を整え、防衛予算を倍増する程の大規模改革を急ぐときだ。

 自民党の歴史的使命は、この大危機の前で、憲法前文と9条2項の改正
が日本の運命を決することを国民に誠心誠意説くことであろう。



2016年09月06日

◆インドネシアは闘ってきた

伊勢 雅臣



日本軍が引揚げた後も、インドネシアは植民地主義・共産主義と戦ってきた。

■1.「我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業」

インドネシアのサンバス将軍は、次のように語ったと伝えられている。

日本の戦争目的は、植民地主義の打倒であった。その目的の大半は達成し
たが、植民地主義国はまだ残っているではないか。ソ連(ロシア)は最後
の植民地主義国だ。中国もチベットやウイグルを併呑した植民地主義国
だ。これから我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業は、中ソが
相手となる。[1, p111]


 25年ほど前の発言だが、ソ連こそ打倒されたものの、チャイナによる
チベット、ウイグルの弾圧・搾取は酷くなる一方であり、最近の南シナ海
の軍事基地化はそのまま、東南アジア諸国への侵略である。

 しかし、この発言の真意を理解するには、インドネシア国民が第二次大
戦後も植民地主義と戦ってきた足跡を知らなければならない。インドネシ
ア国民から見れば、西洋植民地主義や共産主義と戦ってきた日本が大東亜
戦争の敗戦で引き上げてしまったので、その後の「植民地一掃の大事業」
を、彼らだけで取り組まなければならなくなった、というのである。

 戦後のインドネシアの戦いを見れば、大東亜戦争の意義も、日本の今後
の使命も見えてくる。


■2.日本軍の支援を受けて独立準備

 1602年から始まったオランダのインドネシア支配は過酷で、各地でコー
ヒーや砂糖の栽培を強制し、その収益はオランダの国家予算の三分の一を
占めたと言われている。貧困に喘ぐインドネシア人の平均寿命は、一説に
よれば、35歳まで低下した。

 オランダ支配に抵抗して、インドネシア人民は何度も独立闘争を起こし
たが、そのたびに制圧された。そこに登場したのが日本軍だった。日本軍
は同じアジアの民としてインドネシア人に助けられ、わずか七日あまりで
オランダ軍を降伏させた。

 インドネシアに駐留した第16軍司令官・今村均大将は、独立運動の指
導者スカルノに対し、将来の独立に向けた準備を支援する代わりに、戦争
に協力するよう求めた。スカルノはこの取引に応じ、日本軍に物資や労務
を提供する代わりに、日本軍はインドネシア人による軍隊(PETA)の創
設・訓練、官僚の育成、法制度や教育体制の整備などを進めた。[a, b, c]

 その上で、日本軍が敗れた1945年8月15日の2日後、スカルノは初代
大統領に就任して、独立を宣言したのである。


■3.オランダの「侵略戦争」

しかし、それで過去300年以上の権益をあきらめてしまうようなオラ ンダ
ではなかった。オランダの副総督ファンモークは、スカルノの独立宣 言
を無視して、インドネシアの港町スラバヤにイギリス軍とともに、上陸
した。

ファンモークは「インドネシア人は、日本軍が降伏してしまった現在、
我々が上陸すれば、彼らは直ちに元通り従順になるに違いない」と考えて
いた。しかし、インドネシアは「日本軍のおかげで羊がトラになった」と
オランダは驚愕した。

イギリス軍は連合軍の管轄として、日本兵の武装解除、本国輸送などの
役割を果たすためにやってきたのだが、インドネシア独立戦争に巻き込ま
れ、大きな犠牲を出した後で、1946年11月に軍隊を撤退させた。

しかし、オランダは諦めず、1947年7月に戦車、飛行機、機関銃で武装
した部隊約10万人を投入して、大規模な攻撃に出た。インドネシア共和
国軍は兵員こそ2百万人もいたが、武器は日本軍から秘密裏に渡された小
銃4万丁ほどに過ぎず、大半の兵士は竹槍を手に立ち向かった。オランダ
軍は瞬く間にジャワの大部分と、スマトラ油田地帯を含む産業地帯を占領
した。

オランダの「侵略戦争」は世界中の非難を浴び、国連安保理も「オラン
ダの敵対行動の即時停止」と「平和的手段での解決」を謳った決議案を採
択した。


■4.「植民地主義と戦うには力がなければ勝てない」

オランダは、この決議案を受け入れて、停戦に応じるかと見せかけた
が、占領地域からの軍隊撤退は拒否した。外交交渉が乗り上げ、局地的戦
闘が続く中、1948年12月20日、オランダは空挺部隊による第2次攻撃 を
開始。

オランダとの独立戦争では、日本軍人数千人が戦後も現地に残ってイン
ドネシア軍とともに戦った。そのなかには、インドネシア国立英雄墓地に
祀られている人々もいる。[d]

国際世論、特にインドを始めとするアジア諸国はオランダによる都市の
無差別爆撃に激しい非難を浴びせかけた。国連安保理も1949年1月28日、
オランダに対して、インドネシアから撤兵するよう勧告する決議案を 採
択した。

アメリカ議会の中では、これ以上、軍事行動を続けるならば、マーシャ
ル・プラン(アメリカによる欧州経済復興援助)を打ち切るべきだという
声が出てきて、これが最終的にオランダを諦めさせた。結局、国連による
非難決議は、オランダの侵略に対する有効な阻止手段とはならなかったの
である。

3年半の独立戦争で、インドネシア側が払った犠牲は死者だけで80万
人、負傷者は1千万人を超えた。しかし、オランダは謝罪するどころか、
戦闘を賄うために自ら発行した軍票60億ドルのインドネシア政府による
弁済、オランダ人官吏への恩給支給、オランダ人所有の不動産の権利承認
などを要求した。

インドネシア政府は独立確保のために、オランダの要求をすべて呑ん
だ。そして再侵略の心配がなくなった1963年に、オランダの要求を否認す
る声明を出した。その時の外相であったルスラン・アブドルガニー氏は、
[1]の筆者・江崎道朗氏に次のように語った。

我々はようやく力がついてから全世界の見ているところでオランダとの
約束を全部破り捨てました。つまり植民地主義と戦うには力がなければ勝
てないのです。オランダと戦う力、つまり軍事能力を戦時中、日本が与え
てくれたおかげで我々は独立することができました。[1, p80]

連合国が東京裁判で我が国を「侵略の罪」で裁いている最中に、原告側
に立っていたオランダは露骨な侵略をしていたのである。


■5.共産クーデターとの戦い

オランダからの独立を果たしたのも束の間、インドネシアは今度は共産
主義勢力の標的とされる。ソ連や中国はスカルノを操って、インドネシア
を共産化しようとした。1958年には、スカルノ政権はソ連から10億ドル
もの武器援助を受けとった。

1963年、終身大統領に就任したスカルノへの反感から欧米諸国が援助を
控えると、中国は肩代わりし、共産党の勢力拡大に注力した。インドネシ
ア共産党は「入党すれば、いい仕事につける」と宣伝し、党員3百万人、
シンパ1800万人にまで膨張した。

1965年10月1日未明、ついに共産クーデターが勃発。大統領親衛隊の 約
5百人の決起部隊が、陸軍将校の邸宅を次々と急襲し、大統領官邸を占
拠した。俗に「9・30事件」と呼ばれる。

しかし、陸軍戦略予備軍司令官のスハルト少将が、共産クーデターに呼
応しないよう国軍幹部を説得し、即座に鎮圧に動いた。スハルトを中心と
した陸軍が行動を開始すると、学生とイスラム教徒の民衆は共産党に立ち
向かった。

各地で民衆が左右に分かれて激突し、半年間で死者百万人に上ると言わ
れる内戦が繰り広げられた。この結果、共産クーデターが失敗に終わり、
周恩来主導のアジア共産化構想は頓挫した。スカルノは大統領の職位こそ
解かれなかったが、失脚して実権を失った。


■6.「日本にぜひ協力してもらいたい」

9・30事件の翌66年2月、インドネシア軍の司令塔となっていたア リ・
ムルトポ准将が来日して、福田赳夫外相、佐藤栄作首相と会談した。 ム
ルトポは、次のように訴えた。

束南アジアはこれまで、米中ソの代理戦争をしてきました。米中ソを入
れないようにASEAN(東南アジア諸国連合)という垣根を作ります。
1967年にその構想を発表します。中国、ソ連、ベトナムに対抗する政治連
合です。

共産国の出方次第では、軍事連合にするかもしれない。しかし、我々が
政治団体とか軍事団体を結成すると言えば、アメリカにぶち壊されてしま
うので、当分の間は文化、観光、経済の団体という覆面をするつもりで
す。日本にぜひ協力してもらいたい。[1, p121]


日本政府は察知していなかったが、9・30事件以降、インドネシアや マ
レーシア、シンガポールなど東南アジアのリーダーたちは、「もうこれ
以上、巨大な象(米中ソ)に我々の士地を荒らされてはかなわない」と考
えて、ピースゾーン(平和地域)としてのASEAN建設に向けて一致し
て動いていたのだ。

日本政府は、スハルト大統領体制が発足すると、直ちに大規模な
ODA(政府開発援助)を供与しインドネシア政府を支援した。

ムルトポ准将の言葉通り、1967年、タイ、フィリピン、マレーシア、イ
ンドネシア、シンガポールと反共を国是とする5カ国でASEANが誕生
した。

昭和51(1976)年に総理大臣に就任した福田赳夫は、翌52年、東南ア ジア
諸国を歴訪し、マニラで、ASEANを全面的に支援する事を約束し
た。この演説は「福田ドクトリン」としてASEAN諸国から、今も高く
評価されている。


■7.日本を助けたインドネシア指導者たち

インドネシアをはじめとするASEAN諸国は、日本を頼りにするばか
りでなく、日本をできる限り助けようとした。アイゼンハワー政権のダレ
ス国務長官が、日本が講和独立後に、朝鮮戦争特需に代わる新たな経済市
場が必要と考えた時に目をつけたのが東南アジア市場だったが、東南アジ
ア諸国の指導者たちも、この方針を支持し、日本企業の東南アジア進出を
支援した。

1973(昭和48)年にOPEC(アラブ石油輸出機構)が中東戦争を有利 に
運ぶために、石油供給を削減して、石油ショックが起こった。

この時、日本政府は内密にOPECのリーダーであるサウジアラビアの
フェイサル国王に日本向け石油の供給増加を依頼したのだが、その際に同
じイスラム教徒として、国王との仲介をしてくれたのが、アラムシャ副首
相やモハメッド・ナチール首相らインドネシアの指導者だった。彼らはこ
う語って、日本への支援を求めた。


(大東亜戦争によって)キリスト教徒(オランダ)に支配されていた我々
イスラムの民を救い、その独立を支援してくれたのが日本であり、日本は
イスラムの味方だ。[1, p90]


平成17(2005)年、小泉首相の靖国参拝に関して、中国政府がヒステ リッ
クな批判を繰り返していた際にも、ちょうど訪日していたインドネシ ア
のバンバン・ユドヨノ大統領は「国のために戦った兵士のお参りをする
のは当然のことだと思う」と参拝を支持した。


■8.「たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは遺憾だ」

戦後も続いた日本とインドネシアの橋渡しをしたのが、中島慎三郎氏と
いう一民間人だった。中島氏は戦時中は日本陸軍の防疫給水部衛生兵とし
て、インドネシア各地で伝染病対策を行って、大歓迎を受けつつも、疲弊
した人々の生活に心を痛めた。

終戦後に帰国し、東京新橋駅前で花屋を始めた。そこに出入りするよう
になったのが、戦時中に陸軍士官学校や早稲田大学に留学していたインド
ネシアの青年たちだった。彼らは帰国できないまま、母国の発展には日本
の協力が必要だと考え、日本との関係を築こうとしていた。彼らは中島氏
を父とも仰ぐようになり、やがて母国に戻って、政財界で活躍するように
なる。

アリ・ムルトポ准将を福田外相に引き合わせたのが、この中島氏であ
る。ユドヨノ首相が靖国参拝を支持してくれたのも、中島氏がツテを辿っ
て依頼したのである。

 冒頭の「我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業」と語ったサ
ンバス将軍の言葉は、実は海部首相が行った大東亜戦争に関する謝罪演説
に激怒して、中島氏に国際電話で語ったものだった。それはこう続く。

そんなときに行つた海部演説は、植民地主義打倒の悲願を放棄したこと
になる。海部さんは日本の果たしてきた歴史を踏まえ、アジア・アフリカ
の悲願を代表して、まだ残っている植民地主義を攻撃すべきだった。大東
亜戦争は継続中だ。たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは
遺憾だ。[1, p111]


このサンバス将軍の発言を、中島氏は次のように解説した。

要するに、戦争に負けたからと言って、その戦争で自ら掲げていた理想
まで否定するのは無責任ではないかと、サンバス将軍は言っているのだ
よ。その無責任さが結局、現在の日本の東南アジア政策のお粗末さになっ
て現れているのだ。[1, p111]


「植民地解放」という理想を忘れてしまった現代日本が、現状維持だけを
旨とする「お粗末な外交」に堕(だ)してしまったのも当然である。それ
を歯噛みして見ている国々がある。草葉の陰の我が先人たちも同様であろ
う。日本が戦った植民地主義・共産主義との戦いとしての「大東亜戦争」
は、今も続いているのである。

■リンク■

a. JOG(045)「責任の人」今村均将軍(上)
 インドネシアでは、民族独立を目指すスカルノとの友情を貫き、ラバウ
ルでは、陸軍7万人の兵を統率して、玉砕も飢えもさせずに、無事に帰国
させた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_2/jog045.html

b. JOG(046) 「責任の人」今村均将軍(下)
 戦犯として捕まった部下を救うために、自ら最高責任者として収容所に
乗り込み、一人でも多くの部下を救うべく奮闘した。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_2/jog046.html

c. JOG(193) インドネシアの夜明け
 インドネシア独立を担った人々が語る日本人との心の交流。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h13/jog193.html
d. JOG(036) インドネシア国立英雄墓地に祀られた日本人たち
 多くの日本の青年たちがインドネシアを自由にするために独立の闘士た
ちと肩を並べて戦ってくれました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_1/jog036.html