2013年05月17日

◆政府 北朝鮮の出方を見極めへ

古澤 襄


訪朝している飯島勲内閣官房参与は、キム・ヨンナム最高人民会議常任委員長らと会談したが、その内容は飯島氏が帰国して安倍首相に報告するまで分からない。報告しても会談の機微にわたる内容は公表されないであろう。外交交渉には、そういう面がつきものである。

出し抜かれた韓国はワーワー、キャンキャン騒いでいるが、菅官房長官は「何を言っているのかわからない」と無視してみせた。韓国が反日態度をとっているかぎり飯島情報を詳しく教える義理はない。無礼な態度を改める方が先決ではないか。

政府内からは、北朝鮮が国際社会で孤立を深めるなかで、日本との対話に応じるメッセージではないかという見方や、日米韓の連携にくさびを打ち込もうとしているのではないかなどという指摘が出ている。

飯島氏に対する北朝鮮の厚遇は、日本側の想定を超えた面がある。日米韓の連携にくさびを打ち込もうとしているのは間違いないが、拉致問題をかかえる日本としては、北朝鮮が日本との対話に応じるなら、受けて立つ柔軟な姿勢も必要であろう。

それはまた、北京との対話の道にも通じる。硬軟とりまぜた、したたかな外交を日本はとる必要がある。

<北朝鮮を訪れている飯島勲内閣官房参与がキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長らと会談したことについて、政府内からは、日本との対話に応じるメッセージではないかという見方も出ており、政府は、アメリカや韓国との連携を重視しながら、今後の北朝鮮の出方を慎重に見極める方針です。

小泉元総理大臣の政務秘書官を務めた飯島勲内閣官房参与は、今月14日から、北朝鮮の首都ピョンヤンを訪れています。

飯島氏は、キム・ジョンウン第1書記の側近の、朝鮮労働党のキム・ヨンイル書記と会談したのに続き、16日は国際的な首脳会議で北朝鮮を代表して参加するキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長と会談しました。

会談では、拉致問題などを巡って意見が交わされたものとみられますが、北朝鮮内で序列の高い要人が会談に応じていることについて、政府内からは、北朝鮮が国際社会で孤立を深めるなかで、日本との対話に応じるメッセージではないかという見方や、日米韓の連携にくさびを打ち込もうとしているのではないかなどという指摘も出ています。

こうしたなか、外務省の杉山アジア大洋州局長は、日本を訪れているアメリカ国務省のデイビース特別代表と会談し、飯島氏の北朝鮮訪問について説明しました。

デイビース氏は、飯島氏の訪朝について、日本側から事前に説明を受けていなかったとしていますが、会談のあと、「実りある会談だった。拉致問題は、アメリカとしても重視しており、日本国民に寄り添って解決に向けて進めていきたい。飯島氏の北朝鮮訪問については、引き続き詳しい情報を求めていきたい」と述べました。

また、政府は、外交ルートを通じて、韓国側に対しても飯島氏の北朝鮮訪問について説明しました。

政府としては、各国が国益を考慮し、独自の外交を展開するのは当然だとしながらも、アメリカや韓国との連携を重視しながら、今後の北朝鮮の出方を慎重に見極める方針です。

■各国揺さぶるねらいか

キム・ヨンナム最高人民会議常任委員長は、北朝鮮を代表して外国の首脳と会談することが多い最高幹部の1人です。また、キム・ヨンイル書記は、朝鮮労働党の国際部長で、外交政策の中枢に関わっています。

両者は、日朝両国の外務省ルートでの協議における北朝鮮側の代表より指導部内での地位が高く、拉致問題についてある程度突っ込んだ話し合いをできる権限を持っているとみられ、キム・ジョンウン第1書記に直接話ができます。

北朝鮮としては、飯島参与が訪問してきたのは、安倍政権が対話に積極的な姿勢の表れだと受け止め、ハイレベルの人物を会談相手に出すことによって、日本との対話に弾みをつけたいものとみられます。

一方、北朝鮮は国営メディアを通じ、飯島参与の訪問を繰り返し伝えています。

核実験などを受けて、日本、アメリカ、韓国、さらには北朝鮮の後ろ盾となってきた中国もが制裁措置を取り、圧力を強めてきただけに、北朝鮮としては、飯島参与の訪問を積極的に伝えることで、「国際社会は一枚岩ではない」と主張し、関係国を揺さぶるねらいがあるとみられます。(NHK)>

<【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は16日の定例会見で、飯島勲内閣官房参与の訪朝について、「北朝鮮への対応で韓米日はもちろん国際社会が緊密に協調体制を維持することが重要だ。そうした意味で飯島氏の訪朝はプラスにならない」と述べた。

韓国政府が日本の要人による秘密裏の訪朝を公に批判するのは異例のことだ。日本が14日、韓米などへの事前通告なしに飯島氏を訪朝させたことが明らかになり、北朝鮮政策での韓米日の連携に亀裂が生じかねないとの懸念が広がっている。

趙報道官によると、日本政府は15日、飯島氏の訪朝について韓国側へ説明し、説明が遅れたことに遺憾の意を示したという。韓国政府は、北朝鮮との急接近を控えるよう日本側に「速度調節」を要請したとみられる。(聯合)>

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月16日

◆飯島訪朝で”8月衆参ダブル選”浮上

古澤 襄


常識的には衆参ダブル選挙はないとみるのが妥当だが、自民党内には昨年の衆院選に関し「1票の格差」の無効判決が下されたことから1年以内に衆院選を実施する大義名分はあるとして、ダブル選の可能性がくすぶっている。

そこにもってきて飯島内閣官房参与が訪朝して、姜錫柱副総理らとの会談が実現すれば、停滞していた拉致問題が前進する可能性が出てきた。選挙前に安倍首相が訪朝するとみるのは時期尚早だが、拉致問題が前進する兆しがみえれば安倍政権にとって大きな得点になるのは間違いない。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは「飯島氏の訪朝で”8月衆参ダブル選”浮上」と早々と観測気球をあげた。ダブル選となった場合には「民主党が壊滅状態になる」とみられることから、野党側も飯島訪朝に神経をとがらせている。

<内閣官房参与の訪朝で、安倍晋三内閣の北朝鮮問題への取り組みに関心が強まっている。今後の状況次第だが、拉致問題の打開のタイミングをにらみ、7月に予定される参院選までに間に合わなければ8月実施も視野に入れ、衆院と同日(ダブル)選に打って出る可能性が一部で指摘される。

ダブル選挙で与党大勝なら憲法改正も着手しやすい環境に飯島氏はきのう午後、空路平壌空港に到着。今回政権の当局者として初の訪朝となる。日本の政府関係者は訪朝日程や目的を明らかにしていないが、小泉純一郎元首相の訪朝を手がけた実績から、拉致問題の事態打開に向けた動きとみられている。

安倍内閣の昨年12月発足に伴い官邸入りした飯島氏を2月に取材した際、安倍内閣からのミッションは「参院選に勝つこと」と述べていた。

安倍首相は就任後、拉致問題を在任中に解決すると強い決意を示しており、閣内でも古屋圭司拉致問題担当相が北朝鮮と国交のあるモンゴルへの早期訪問を模索している。

「北朝鮮カード」は政局の重大局面まで温存したい切り札だろう。足元で「アベノミクス」を手掛かりに円安が進み、日経平均株価は4年超ぶりの1万5000円台まで回復。与党圧勝が確実視される参院選で、その切り札を切るだろうか。

7月28日に任期が切れる参院の改選121議席は、現時点で7月21日投開票が見込まれている。ただ公職選挙法の規定により、最長で8月27日まで延期もできる。

参院選が8月にずれ込んだ例は過去にないが、急転直下で拉致問題が解決に向かえば、ダブル選も「ありえないとは言えない」とある自民党関係者はみている。参院選の投開票日は過去3回、6月中旬ごろに閣議決定されている。

同日選は常識的に、衆参で与党大勝が予想される際に実施する。衆院選は昨年12月に実施したばかりで、またすぐに選挙ということなれば費用面からみても非現実的だろう。

ただ、昨年の衆院選に関し「1票の格差」の無効判決が下されたことから1年以内に衆院選を実施する大義名分はある。

ダブル選となった場合には「民主党が壊滅状態になる」と自民党筋はみている。連立相手ではあるがこの問題に慎重姿勢な公明党の発言力を弱めたい意向もあるだろう。

自公は選挙で協力関係にあるが、同自民党関係者は「政権にとどまりたい公明党は改憲論議で自民党に同調せざるを得ないのではないか」と踏んでいる。

4月17日掲載のJRT「それでもくすぶる衆参ダブル選挙の思惑」で、現実には考えにくいものの、1票の格差を背景に安倍内閣の高支持率や民主党の低迷により7月に衆参同日選挙が実施されるとの見方が与野党関係者にくすぶっている、と指摘した。

衆参ダブル選挙で与党大勝なら、安倍首相が政権発足当初から目指す憲法改正に着手しやすい環境になる。(ウォール・ストリート・ジャーナル)>

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月14日

◆河野、村山談話の罪重い

加瀬 英明


北朝鮮がミサイルを発射する構えを示して、「ワシントンを火の海とする」「核ミサイルを撃ち込む」「東京も例外ではない」と、連日これでもかこれでもかと、戦争熱を煽り立てている。

北朝鮮の芝居の振付け師は、中国だ。

ピョンヤンのテレビ放送の画像を見ていると、金正恩お坊ちゃまが黒い外套を着て、アイロンがよくかかった軍服に、胸に略章をつけた将軍たちに囲まれて、双眼鏡を覗いて指示を与えている。双眼鏡で、ワシントンや、東京を覗いているつもりなのだろうか。

映像は兵隊ゴッコを、連想させる。まるで学芸会の演し物だ。中国が背後に控えているから、安心しきっている。戦争に突入しようとしているのなら、戦闘服を着るはずだ。

ところが、ワシントンは正恩お坊ちゃまの下手な芝居を真面目に受け取った。

アメリカのケリー国務長官が北京へ走っていって、習近平国家主席と会見して、北朝鮮を宥めてくれるように懇願した。

このところ、中国は日本だけではなく、東南アジア諸国を脅かしたために、米中関係が緊張した。そこで、米中関係を修復しようとして、北朝鮮をけしかけた。中国が仕掛けた罠に、アメリカが落ちた。悪巧みが成功したということだった。

アメリカは財政を再建するために、向う10年間で連邦支出を1兆1千億ドル(約110兆円)を削減しなければならない。その半分が国防費である。アメリカはもはや中東とアジアで、同時に戦う能力がないために、すっかり腰が引けている。

だから、アメリカは日本が中国を刺激して、日中が尖閣諸島をめぐって、武力衝突を招くことを、恐れている。

アメリカは北朝鮮が悪ふざけしたのに対して、強硬な姿勢を崩さずに、習主席に中国が北朝鮮を説得しないかぎり、北朝鮮のミサイルや、核施設に限定した攻撃を加えざるをえないと、伝えるべきだった。

北朝鮮に外科的な攻撃を加えたとしても、中国が北を援けてアメリカと戦うことは、考えられない。習体制は北朝鮮がアメリカによって罰せられるあいだ手を拱いていたら、面子を失って、体制が揺らぐことになるから、北朝鮮を抑えることになったろう。

アメリカは経済的な快楽を求めて、貧しく無力だった中国から、世界第2位の経済力を持つ妖怪をつくりだした。アメリカは中国の経済力にいまだに魅せられているから、中国と対決したくないから、腰が定まらない。中国を友としたいが、敵のようにも思える。

そのために、米語に中国を指してfrenemyという新語がつくられて、さかんに使われるようになっている。友「フレンド」と、敵「エネミー」の合成語である。

ケリー国務長官は中国に好意をいだいているが、東ヨーロッパのアシュケネジ(ユダヤ人)の血をひいており、母方は中国貿易によって大儲けした。日本を対米戦争の罠にはめたルーズベルト大統領の母方の祖父が、中国との阿片貿易で巨富をなしたことから、中国贔屓だったのを思わせる。

オバマ政権は1期目のなかばから、中国と対抗するために、2020年までにアメリカの海軍力の60パーセントをアジア太平洋に集中することを決定し、「アシアン・ピボット」(アジアへ軸足を移す)戦略と呼んだものの、中国を刺激しないように「リバランス」と言い替えるようになっている。

中国も北朝鮮と同じように体制が行き詰まって、戦争熱を煽って、北朝鮮化している。

オバマ政権は安倍政権が「強い日本」を志向していることに賛成しているが、慰安婦についての河野官房長官談話、日本が先の大戦に当たってアジアを侵略したという村山首相談話を否定することには、中国、韓国の怒りを招くことになるから、まったく望んでいない。アメリカの国内世論からも、強い反発を招いて、政権を窮地に立たせることになる。

慰安婦であれ、先の大戦中に侵略を働いたというのであれ、南京事件であれ、事実無根であるが、一国の政府がまったく虚偽の事実を公的に認めるような奇想天外なことは、民主主義国ではありえないことだ。全世界が事実だと信じ込んでいるのも、当然のことである。

それだけに、河野、村山談話の罪は重い。日本が国家の安全を守るのに当たって、日本の汚名を清(そ)ぐことを、急がねばならない。

日本の名誉を回復することが、日本の価値を高めることになり、ひいては日本外交に力を与えることになる。

政府としては広報予算を大胆に投入して、海外で通用する民間の識者を動員して、正しい歴史的事実をひろめなければならない。対米、対中外交を建て直す第一歩となる。  


「慰安婦は必要だった」「侵略、反省とおわびを」橋下氏

<朝日新聞デジタル 5月13日(月)11時48分配信 >

日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は13日、戦時中の旧日本軍慰安婦について「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と述べ、慰安婦は必要だったとの認識を示した。大阪市役所で記者団に語った。

橋下氏は「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(慰安婦を)活用していた」と指摘。そのうえで「なぜ日本の慰安婦だけが世界的に取り上げられるのか。日本は国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。

だが、2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定では、そういう証拠がないとなっている」と述べ、「事実と違うことで日本国が不当に侮辱を受けていることにはしっかり主張しなければいけない」と語った。

一方で「意に反して慰安婦になったのは戦争の悲劇の結果。戦争の責任は日本国にもある。慰安婦の方には優しい言葉をしっかりかけなければいけないし、優しい気持ちで接しなければいけない」とも語った。

また、橋下氏はアジア諸国に対する反省とおわびを表明した村山談話については、「日本は敗戦国。敗戦の結果として、侵略だと受け止めないといけない。実際に多大な苦痛と損害を周辺諸国に与えたことも間違いない。反省とおわびはしなければいけない」と強調。

一方で、安倍晋三首相が「侵略の定義は定まっていない」と主張している点については「学術上、定義がないのは安倍首相が言われているとおり」と述べ、理解を示した。

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月13日

◆政権陥落の一因は小沢氏 菅直人氏

古澤 襄


何のために開いたのか、参院選を前にした民主党の「公開大反省会」だとしたら、票を失うイベントだとしか思えない。スポーツ紙から政権を失った“最大の責任者”菅直人元首相は反省どころか、言い訳と悪口を連発するばかりだった・・・と揶揄されている。

”脱小沢”、”小沢切り”を主導した菅直人氏は、「(小沢氏は)ここまでひどい(人)とは思わなかった」。小沢氏が、党政策調査会を廃止したことにも「あれで党と内閣がぎくしゃくしたことが、政権を失った大きな理由だ」と述べ、政権陥落の一因は小沢氏だと言わんばかりだった。

これには小沢氏側も一言あってもしかるべきだろう。それとも過去の人となった菅直人氏?の”ひとり相撲”にはつき合っていられないということだろうか。

<民主党は11日、政権を失った原因を探る「公開大反省会」を都内で開いた。しかし“最大の責任者”菅直人元首相(66)は反省どころか、言い訳と悪口を連発するばかりだった。

菅氏は、政権時代に対立した小沢一郎・生活の党代表(70)への思いを問われ、迷わず答えた。

「自分の権力が最大限の状態を維持しようとした。ここまでひどいとは思わなかった」。さらに「現在は消費税増税を批判しているが、細川政権時は増税に積極的だった。自分の政治的影響力を強めるには、何を言えばいいか。そう思えば分かりやすい」とも語った。

小沢氏が、党政策調査会を廃止したことにも「あれで党と内閣がぎくしゃくしたことが、政権を失った大きな理由だ」と述べ、政権陥落の一因は小沢氏だと言わんばかりだった。同席した枝野幸男元官房長官が「分からない人」、長妻昭元厚労相が「感覚は違う」と短く答えたのとは対照的だった。

矛先は自民党にも及び、東日本大震災後に協力しなかった理由を「衆院解散優先が、自民党のスタンスだった」。脱原発については「民主党だから原発を少なくできた。自民党はできない」と胸を張った。

しかし、消費税増税を掲げて敗れた10年参院選について、枝野氏に「あそこで打ち出すことはない、ということは申し上げた」と暴露され「未熟だった。多くの仲間も失いまずかった」と釈明に追われた。

東日本大震災、福島第1原発事故での対応を自省する半面、「もう総理大臣はやりたくない」とあっさり答えた。

参加者からは「反省ではなく言い訳だ」の指摘も。大反省会のはずが、企画倒れの側面も否めなかった。
(日刊スポーツ)>

<「頂門の一針」から転載>

◆戦後レジームとは何か

山堂コラム 470


利権屋政治が跋扈する今日、安倍晋三(総理)が「戦後レジームからの脱却」を唱える事。まあ分からんでもない。志ある政治家ならば自分の国を変革して少しでも良い国にと――そういう理想を掲げて努力する。そうでなければ政治家としての存在価値はないからである。

しかし戦後レジーム云々の、その主張に甚だ危っつかしいものがあるのは気になるところ。敗戦から立ち上がり、懸命にわが国の復興と繁栄に汗を流し頑張った戦後の我ら日本人。自民党政治も含めて、その苦労や努力が水の泡になるおそれ。

軍部の暴走を許し国を滅亡寸前までもっていった戦前の歴史。それを反省するどころか、肯定賛美。できれば復活させたいとする不思議な思考形態――おそらく取り巻きの胡麻摺り学者や夜郎自大のエセ右翼らが吹き込むのであろう。

しかし歴史の事実を正確に見据え、真摯に反省してこそ美しい国は実現するのではないか。

そもそも安倍総理の云う戦後レジームとは一体何なのか。GHQ(連合軍・実質には米国)が占領政策で日本に強いた様々な改変。文字通り「日本国憲法」に凝縮される制度や仕組み――雑駁ながら思いつくままに列挙してみる。

象徴天皇・主権在民、議員内閣制、3権分立、陸海軍の解体・徴兵制廃止、皇族の縮小・華族の撤廃。家父長制度の消滅、男女平等・女性参政権。

言論の自由・信教の自由・検閲の禁止。財閥解体・独占禁止。労働3法・組合団結権の保障。全方位平和外交・国連主義。

まだまだある。農地改革・農業委員会・不在地主追放、63制教育・検定教科書・駅弁大学等々。

書き落としたものはないか?PTAにDDT、オンリー・パンパン、チューインガム・・・こんなのは違うか。

何はともあれ、戦前の大日本帝国憲法下では当然というか、むしろ助長された身分格差、男女間格差、貧富の格差――少なくともそれらの格差を無くすか、せめて是正し埋めていこうとする理念。それは窺える。

しかし政治を掌る権力者(治世者)になってみれば、こうした制度や仕組みは邪魔なのだ。手間のかかる政治、決められない政治。その手枷足枷。だからそのレジームから脱却して。

やりたい放題したい放題。戦前に復古するが一番というわけだ。しかしその指向するところは結局は国家主義。軍部の暴走を許した陋習。今の北朝鮮。

現行の日本国憲法の改正なんぞ、先の先。オラの生きているうちは無いだろうとタカをくくっていた。どっこい、意外と早く改憲論議が高まってきた。安倍政権はこれを今年夏の参議院選挙の主要争点にしたいと主張している。

その理由は自民党結党以来の党是であること。先に大勝利した衆院選での党の公約だったこと。と言うのだが、そんなのは理由にならん。

本当の狙いは憲法9条・平和条項で、自衛隊を国防軍にすること。もう一つは国民主権を制限して国家専制・公共の秩序優先などなど・・・少なくとも自民党が提示する今の素案(保利試案)ではそうなっている。実にお粗末な案じゃがの。

晋三内閣、参院選では同床異夢ながら同じように改憲を主張する「維新の会」や「みんなの党」と3分の2を確保。まずは改憲手続き条項第96条を骨抜きにしようという作戦。維新の会・橋下代表とはすでに「カジノ法案」とのバーターで合意が出来ている。

橋下竜馬が目論むは、大阪関空の近くに特区を作ってカジノを誘致すること――大阪都構想とか道州制、首相公選論とか偉そうな口をきくが維新の会、ひと皮剥けば所詮その程度のもの。

同代表の慎太郎との不思議な野合も推して知るべし。しかもその仕掛人が誰あろう。維新の会の後見人にして政府・産業競争力会議の委員でもあるハゲタカエージェントの彼。しかしこれって、これから一騒動アルゼよ・・・予言しておく。(了)


<「頂門の一針」から転載>

2013年05月12日

◆「尖閣」揺れるオバマ政権

古森 義久


オバマ政権の尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する姿勢がどうにもおかしい。同盟国の日本を同盟国扱いしないようなブレやズレがちらつくのだ。

ヘーゲル国防長官やケリー国務長官は尖閣問題では「現状を変えようとする行動や、いかなる力による一方的な行為にも反対」という言明を繰り返す。

国防総省高官たちも尖閣の主権や施政権をめぐる対立は「平和的、外交的、国際法に沿った方法で」と公式に強調する。

尖閣の日本の主権や施政権の現状を一方的に、しかも力によって変えようとしているのは中国であることは歴然としている。公船だけでなく軍艦や戦闘機を動員して、日本の領海や領空に頻繁に侵入してくる、まさに「力による一方的な行為」が連日、米軍の目前で展開されているのだ。

だがオバマ政権は中国のその非を指摘しない。中国の名もあげず、単に日中両国を同等に並べて、「抑制を」と述べるだけである。

そもそも尖閣をめぐるいまの緊迫も必ずしも中国のせいではないという見解はオバマ政権周辺では珍しくない。

民主党傾斜の外交政策の大手研究機関「外交問題評議会」のシーラ・スミス日本研究員は尖閣でのいまの日中対立の出発点を昨年9月の日本側の尖閣国有化だとして、日中両方のナショナリズムが対立をあおるという論文を発表した。

実際には尖閣は日中国交正常化での「棚上げ」で現状維持が合意されたのに、中国が1992年の「領海法」で一方的に領有を宣言した。

その後も政府に認知された不法侵入者が絶えず、2010年9月には中国漁船が領海侵入だけでなく日本側の巡視船に体当たりしてきたのだ。

「日中両方のナショナリズム」というが、中国での政府公認の大規模な日本の企業や商店の攻撃、破壊のような暴力的な「ナショナリズム」が日本のどこにあるというのか。

オバマ政権の対応でさらに気がかりなのは、有事の尖閣防衛を明言しないことである。米側高官たちは「尖閣は日米安保条約の適用範囲内にある」と繰り返す。

普通の解釈では、外部からの武力攻撃には米国も日本と共同で対処の行動をとるという同条約第5条の適用を意味するが、オバマ政権ではだれも「尖閣への武力攻撃には米軍もその防衛にあたる」という具体的な誓約までは言明しない。日本側としてはなんとも気になる曖昧さが残るのだ。

この点での不安材料は中国の海洋戦略の専門家マイケル・マクデビット氏の4月の証言である。米海軍少将から国防総省東アジア政策部長まで務めた同氏は議会諮問機関「米中経済安保調査委員会」の公聴会で「米国はこの無人島をめぐって中国人民解放軍との直接の戦闘に入ることは避けるべきだ」と述べたのだ。尖閣有事には米国は「偵察、兵站(へいたん)、技術助言など後方支援を提供すればよい」というのである。

同氏はオバマ政権に近いとされるが、尖閣の戦略的価値の軽視としては前述の外交問題評議会の問題提起でも「小さな無人島」と、ことさらの表現が使われていた。尖閣は日本側が抑制のためにあえて無人にしているという現実は無視なのだ。

中国との協調を優先させ、同盟国への誓約を曖昧にするということなのか。

万が一にもオバマ政権が尖閣諸島を有事でも守らないという方向が明らかになったとき、日米同盟の歴史はその瞬間に変わるだろう。(ワシントン駐在客員特派員)

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月11日

◆中国人は鬼である

Andy  Chang


中国人に人間性はない。中国人と交渉するとき、相手が道徳や社会ルールを守ると思うな。私はいつもこう言ってきた。ところが今回の台湾旅行では中国人の口からこの警告を聞いたのである。

袁紅氷と言う中国人の作家、思想家がいる。内蒙古に生まれた漢人で、天安門事件のリーダーの一人。94年に共産党によって貴州に放逐されたが、2004年にオーストラリアに亡命し、今では台湾で中国の台湾併呑計画について警告を発している人である。

著書に「台湾大劫難(台湾の大災難)」や「被囚禁的台湾(牢獄に入れられた台湾)」がある。中国共産党と中華民国の国民党が合作して台湾併呑はすでに進行していると警告しているのだ。

今回の台湾旅行で袁紅氷と台湾の現状を討論する機会があったが、その席で袁氏は中国人は鬼であると喝破したのである。以下は袁紅氷の話である。

●毛沢東の文化革命

中国4千年の歴史にはいたるところに極悪非道な大虐殺が記載されている。しかしこれらの凶悪犯罪は今日の中国政府の非人道な大虐殺、たとえば法輪功信者の屠殺に比べたら何でもない。

生きた人間の臓器を取り出して販売し、銃殺してから家族に銃弾の費用を要求する今の中国人の凶悪ぶりは、古い歴史を見る必要などなく、彼らがやっている現在の行為を見るだけでよい。

残忍な現在の歴史とは毛沢東の文化革命からである。記録によれば文化革命で中国人の7千万人が餓死したと言われる。実際にはそれより多かったかもしれないが、当時の中国の人口は5億と言われていた。

5億人のうちの7千万人、或いはそれ以上が餓死したのだ。毛沢東は実に人口の14%以上を餓死させたのである。

だが4億の人間はどうやって生き延びたのか?彼らは餓死した人間を喰って生き延びたのである。人が人を食って生き延びた、それが今の中国人であり、指導者たちである。

仏陀が言ったように、人間が人肉を喰らえばたちまち人間性を失って鬼になる。今の中国人、今の指導者層はみんな鬼だ。毛沢東の文革で地方に放逐されて生死極限の暮らしを生き延びた彼らに人間性など少しもない。

中国の脅威を恐れるあまり思考力を失った台湾人、正直すぎる日本人やお人よしのアメリカ人も、中国人と交渉する時には彼らの口先を信用してはならない。中国人には世界に通用するルールや孔孟の道徳などもとからないと知って対応すべきだ。

彼らは人が人を食う世界で生きてきたのだ。悲しいことに台湾人は中国人と合理的、平和な話し合いで問題を解決できると思っている。台湾を併呑するのに理屈やお情けなどかけらもないことを肝に銘じるべきだ。

●習近平と中国共産党の指導者層

彼の話ですぐに思い起こすのは習近平のことである。習近平は正に文化革命の被害者で、10歳のときすでに洛陽の南にある工場で働き、 15歳の時には陝西省の人民公社に飛ばされ、洞穴に住んでいた経歴を持つ。

彼がどのようにして今日の地位までのし上ったかを考えれば、彼の経歴に人情や容赦などかけらもないと知るべきだ。

習近平は子供の頃から苦労して来たのに、中国の最高指導者となった彼には中国の貧民層を解放するとか、人民の生活向上に努力するといった発言は見られない。彼の言う「中国の夢」とは中国が世界の覇権国家となることだけである。

彼と同じく中国の指導者たちは、なりふり構わず近親関係や人脈を使っておのれの栄達を図り、権勢を得たものはあらゆる手段で金を集めることに奔走し、子弟を国外に出す事しか考えない。

口先だけの愛国思想や共産主義、民主主義などはない、私利私欲を丸出しにした我利我利亡者である。中国の官僚は上から下まで、程度の差はあれ、個人の栄達と金銭蒐集に狂奔する鬼畜の世界である。

●凶惨シナに叩頭する台湾人

袁紅氷はオーストラリアに亡命したが、台湾がシナ人に併呑されることを憂え、最近は台湾に住んで台湾人に啓蒙書を出し、各地で講演して台湾人に警告を発している。

しかし台湾人の政党を自任する民進党には、中国に媚を売れば政権をとれるという中国の甘い宣伝に騙されるものが多く、数人が中国詣でをして中国との関係を深めようとしている。

謝長廷が中国を訪問したあと、民進党は台湾独立を止めて中国に接近すれば次の選挙で国民党に勝って中華民国の政権をとれると言い出した。袁紅氷は謝長廷が中国に買収された、台湾は既に滅亡の道を歩き始めていると警告しているのだ。

人肉を喰って生き延びた中国人に媚を売って、中国人のお情けで政権を取れると言って憚らない謝長廷は売国奴である。民進党は謝長廷を追放できないばかりか、賛成するものさえいるのだ。

袁紅氷は人肉を喰って鬼畜となった中国人は、台湾人の奴隷根性を嘲笑し利用して数年内に台湾を併呑してしまうだろうと警告している。

●凶惨シナ人の本性

人肉を喰らい、生死の極限を生き延びた中国人にとって、権力を恐れ、権力に媚びる台湾人や、過去の富国強兵を忘れず、飽食に飽きて痩せる事に専念する肥ったアメリカ人を手玉に取るのは容易な事だろう。人間性を失った中国人と交渉するのに世界のルールや道徳などあるはずがない。

袁紅氷の話聞きながら思い出したのは、「風とともに去れり」のスカーレット・オハラだった。荒廃した荘園に立った彼女は泣きながら天を向いて「May God be my witness; I will never be hungry again」と誓ったのだった。二度と餓えることはせぬと誓ったスカーレットにはまだ神を信じる心があったが、人肉を喰らった中国人には神佛など存在しないのだ。

<「頂門の一針」から転載>

◆来週の日本株は高値もみあい予想

古澤 襄


次女がロイター・マーケッテング部に在籍していたこともあって、ロイター・マーケットチームの分析には、とくに関心がある。ロイター経済情報は、おそらく世界一であろう。

為替市場でドル/円が100円の節目を超えたことで、常識的には過熱感が意識されやすい状況となった。輸出産業はわが世の春を謳歌しているが、輸入産業にとっては苦難の状況が続いている。

しかしロイターは、短期的には過熱感が意識されやすいが、「世界景気の先行き不透明感は後退しつつあり、海外投資家、個人などの買い意欲は旺盛。6月中旬にも明らかになる安倍政権の成長戦略への期待も相場を下支えしそうだ。株価は調整があっても一過性との見方が市場の大勢を占めている」と強気の見方を示している。

<(東京 10日 ロイター)来週の東京株式市場は高値もみあいとなりそうだ。

為替が1ドル100円を超える円安に進み、企業業績の先行き上振れ期待が強くなっている。海外投資家、個人などの買い意欲は旺盛で需給面の不安も乏しい。

緩和マネーの市場流入は継続するとみられるが、これまでの急速な上昇で過熱感も意識されやすい。日経平均は1万5000円の手前で小休止を交えて値固めの展開が予想される。

日経平均の予想レンジは1万4300円─1万5000円。

各国中央銀行の緩和策による流動性相場が続くとの観測から、高いリターンを求める資金が日米欧の株式市場に流入している。中でも日本株の上昇率が際立っており、海外投資家の注目度は高い。

「パフォーマンス競争に負けないために日本株を買わざるを得ない状況だ。円安による目減りを防ぐため為替ヘッジをかける海外勢も多く一段と円安が進む。株高と円安が同居する構造は崩れにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)とみられてい
る。

2013年3月期の決算発表は10日でピークを越えたが、為替市場でドル/円が100円の節目を超えたことにより、輸出企業を中心に早くも業績予想の上振れ期待が出ている。

自動車、電機大手の2014年3月期想定レートは1ドル90―95円に集中している。100円付近の円安水準が続けば、4―6月期決算が発表される7月下旬以降には上方修正ラッシュとなる可能性もあり、市場には楽観ムードが広がっている。

一方、短期的には過熱感が意識されやすい。

4月2日の直近安値(1万1805円78銭)からきょうの高値(1万4636円81銭)まで23%もの上昇を記録している。終値と25日移動平均線(1万3533円01銭=10日)とのかい離は7.9%まで拡大した。

「7―8%までかい離が広がるといったんは調整するケースが多い。国内機関投資家の戻り売りも出やすい水準だ。中長期の株高基調は不変だがスピード調整は必要だろう」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)という。

世界景気の先行き不透明感は後退しつつあり、海外投資家、個人などの買い意欲は旺盛。6月中旬にも明らかになる安倍政権の成長戦略への期待も相場を下支えしそうだ。株価は調整があっても一過性との見方が市場の大勢を占めている。

主なスケジュールでは、15日に3月第3次産業活動指数(経済産業省)、16日に1─3月GDP1次速報(内閣府)、17日に3月機械受注(内閣府)が発表される。

海外では13日に4月中国鉱工業生産、16日に4月米住宅着工件数、17日に5月米ミシガン大消費者信頼感指数速報値などの経済指標が発表される。(ロイター)>

<「頂門の一針」から転載>

◆北朝鮮への抑止力ゼロの日本

古森 義久


アメリカ国防総省の北朝鮮軍事力報告の最後です。

北朝鮮が日本をもいざというときの軍事攻撃の標的とみていることは確実だというのです。

では日本はその「いますぐ、そこにある危機」に対する防御策があるのか。

軍事的にはゼロだといえます。

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37734

国際激流と日本

今こそミサイル防衛の真剣な見直しを米国防総省が明記した北朝鮮の日本への脅威

          =======

・北朝鮮は2009年7月に日本海に向けて合計7発のスカッドミサイルを発射して、日本をも攻撃できることを誇示した。

以上のように北朝鮮が日本を少なくとも潜在的な敵だと位置づけていることは明白なのである。米国の国防総省がそう認定しているのだ。しかも北朝鮮が日本をいざ攻撃する、あるいは攻撃するぞと威嚇する、その最大の手段は弾道ミサイルであることも明白だと言える。

北朝鮮のミサイルに対する抑止力を持たない日本

その弾道ミサイルは移動可能な発射台が多くなっているとはいえ、米軍の偵察能力により日ごろの所在位置は判明している。

しかも最近の人工衛星の機 能向上により、実際に発射の準備が始まれば、その探知はさほど難しくはない。つまり日本への弾道ミサイル発射の準備が開始されれば、即座に探知できる能力 は日米同盟側にはあるということである。つまり日本も察知できるわけだ。

しかし日本側にはミサイル防衛網があるとはいえ、もちろん盤石という状態からはほど遠い。攻撃は最大の防御とよく言われるが、北朝鮮のミサイルが 稼働され、日本に向けて発射される直前に破壊ができれば、日本の防衛という観点からは理想である。

日本側がいざという場合には北朝鮮のミサイルを破壊でき る能力を保持することが北朝鮮に知られていれば、北は実際のミサイル発射を抑制してしまうこともあり得る。

だがいまの日本にはその目的のための抑止力の手段は何もないのである。北朝鮮の弾道ミサイルを破壊できるミサイルも、爆撃機も、日本は保有していない。保有を許されてもいない。その理由をさかのぼれば、結局は現行憲法による制約ということになろう。

米国の国防総省報告が明らかにした北朝鮮の日本に対する軍事脅威は、期せずして日本固有のそんな課題をも提起したのである。(終わり)

<頂門の一針」から転載>

2013年05月10日

◆沖縄全体奪取を狙う中国の露骨な意図

古澤 襄


沖縄県の日本帰属の正当性を否定する中国の学者論文を”妄言”で片付けるのは簡単だが、この筋違いの論文は中国共産党の機関紙「人民日報」に掲載された。そのことを日本政府としては厳しく糾弾すべきで、単なる抗議で済ますべきではない。謝罪を求めるべきであろう。

産経新聞は[主張]で、「人民日報」の沖縄論文は筋違いの妄言で看過できぬ・・・指摘した。人民日報の論文は、尖閣だけではなく、沖縄全体の奪取を狙う中国の露骨な意図が透けてみえる。中国側の政治的な意図には、日本はすばやく反撃しなければならない。沖縄県民の不安を払拭するためにも、ためらうべきではない。

在日米軍の基地が沖縄に集中していることに、県民が抗議行動をしているのは民意としてやむにやまれぬものだ。それを沖縄に野望を抱く中国が利用しようとしている。卑劣な試みではないか。

そのことを見分けて、中国に素早く反撃することが、いま一番必要なことだ。後手に回ることを怖れる。

<開いた口がふさがらないとは、まさにこれをいう。中国共産党の機関紙「人民日報」が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する中国の領有権を主張し、沖縄県の日本帰属の正当性をも否定する学者の論文を掲載した。

沖縄について「明・清両朝の時期には中国の藩属国だった」としながら、その後「独立国家だった琉球を日本が武力で併合した」とし、「未解決の問題だ。改めて議論する時期が来た」と論じている。妄言以外の何物でもない。

沖縄県はまぎれもなく日本だ。沖縄の一部に基地問題をめぐって「独立論」もくすぶる中、一党独裁政権の見解を反映する人民日報が「未解決」と断じたことは重大だ。軍事力を背景に尖閣の奪取を狙って、沖縄全体を国際社会向けの「世論戦」の材料にする揺さぶり戦術の可能性もある。

菅義偉官房長官が「全く不見識な見解」と中国に抗議したのに対し、回答は「研究者が個人の資格で執筆した」と極めて不誠実だった。中国政府は謝罪すべきだ。

沖縄県について中国と台湾は、日本領土として公式に認めていない。沖縄県の地位を中台が問題にするのは、日本が受諾したポツダム宣言に「日本国の主権は本州、北海道、九州、四国並びに吾等の決定する諸小島に局限せらるべし」との一節があったためだ。

連合国の一員であり、かつての宗主国を関与させずに日米間で沖縄返還を決めたことへの反発がにじんでいる。

中国で、沖縄の地位を未確定とする学者の論文は以前にも発表された。沖縄は台湾や尖閣とともに日本に奪い取られた、との一方的な言論も少なく
ない。

この問題は5年前、米上院軍事委員会の公聴会でも取り上げられた。当時の米太平洋軍司令官は中国側の思惑に関し「中国海軍高官から、ハワイを境に米中が太平洋を東西に分割管理してはどうか、と提案された」と証言した。

中国にとって沖縄は、台湾−フィリピンへと延びる事実上の対米防衛ライン「第1列島線」の起点として重要な意味をもつ。中国海軍艦船の沖縄近海での航行が常態化しているのもこのためだ。

今回の人民日報の論文からは、尖閣だけではなく、沖縄全体の奪取を狙う中国の露骨な意図が透けてみえる。「世論戦」ではすばやく反撃しなければならない。(産経・主張)>

<<中国と沖縄…「朝貢」踏まえくすぶる分離論 毛沢東以前に先祖返り>>

<中国政府は、国交正常化前の沖縄返還問題にさかのぼって、沖縄の日本帰属を支持してきた。明清二代の王朝が琉球王国の朝貢を受けてきた歴史を踏まえ、歴代の中国では沖縄の分離を模索する議論がくすぶってきたものの、今回の論文は新中国成立後の既定路線を踏み外す内容といえる。

中国共産党機関紙「人民日報」(8日付)の掲載論文は、明治政府による沖縄県設置を「琉球王国の併呑」と批判し、沖縄の地位を「歴史的な懸案であり、未解決の問題」とした。

これは、反米主義の立場から、米軍基地撤去の要求とならび、沖縄の本土返還の訴えを「日本人民の正義の闘争」と支持した毛沢東の外交談話(1964年1月)から離れた主張だ。

研究者によれば、新中国の首相を務めた周恩来は、早くも51年8月の声明で沖縄、小笠原への米国の統治を批判し、「これらの島嶼(とうしょ)が過去、どんな国際協定の下でも、日本を離脱すると規定されたことはない」として、沖縄への日本の主権を明確に認めていた。

沖縄の法的な地位を「未定」と論じ、中国の影響力拡大をもくろむ論文の視点は、新中国と敵対した蒋介石の主張にむしろ近い。

第二次世界大戦下の43年11月、中国の最高首脳だった蒋介石は、カイロ会談で米大統領のルーズベルトと琉球の帰属を協議。中国による琉球統治を打診されたのに対して、蒋介石は「米中の共同管理」による統治を提案した。

こうした蒋介石の主張は、戦後の台湾に持ち込まれ、72年の沖縄返還を前にした台湾・外交部の抗議声明は、「琉球群島の将来の地位は未定」と主張していた。今回の論文を含め、この数年中国で高まった沖縄への強硬論は、毛沢東以前への先祖返りともいえる。
(産経)>

<「頂門の一針」から転載}

2013年05月09日

◆韓国と護憲派の類似点

阿比留 瑠比


日本に対しては言いたい放題、やりたい放題の韓国は、もしかすると日本が外国であることを理解していないのではないか。

「北東アジアの平和のためには、日本が正しい歴史認識を持たねばならない」

朴槿恵(パク・クネ)大統領は7日のオバマ米大統領との会談でこう述べたという。率直に言ってわけが分からない。

朴氏は、日本が歴史問題で全部譲れば北朝鮮は核・ミサイル開発をやめ、韓国は竹島(島根県隠岐の島町)を返し、中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)奪取も海洋進出もあきらめるというのだろうか。

相手が日本なら、無理でもデタラメでも許されるというのは、幼児的で他者依存的な「甘えの構造」だ。ところが、韓国はそんな自明の理にも気づかない。

それどころか、今月2日の米国務省の定例記者会見ではこんな場面もあった。韓国人記者が繰り返し「日本の憲法改正に賛成か」と質問したのに対し、ベントレル報道部長が「それは日本の内政問題だ」と2度、強調したのである。

米国は占領下の日本で、連合国最高司令官(SCAP)が新憲法を起草したことへの批判だけでなく、起草に当たって果たした役割についての一切の言及すらも検閲で禁止したが、今では「改憲は日本の内政問題」と言い切っている。一方で、当事者でもない韓国側がそれに不服顔をする。

つくづく不思議な構図だが、米国の威を借りて戦勝国・敗戦国の秩序固定化を図り、日本の「戦後」を永続させようとする韓国の姿勢は、日本国内の護憲派のあり方とどこか似ている。

日本の手足を縛り、無力化するための占領政策の柱が現行憲法であるのは疑えない。それゆえに、96条の改正要件を厳しく定めたわけだ。そして今、護憲派は韓国メディアなどと声を合わせて、改憲派に対してこう扇情的に決め付ける。

「アメリカとともに世界で戦争をするために9条の改悪をしようとしている」(社民党の福島瑞穂党首)

根拠なく一方的に日本は右傾化、軍国主義化したとあおり、自分で勝手に憤激している韓国そっくりだ。

ちなみに、米軍の検閲に詳しい明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏によると占領期、憲法の成り立ちにかかわる論文などの次のような記述は、片端から削除させられた。

「(憲法改正草案は)往々英訳の条規をしらべて見なければ、原文の条規の意味を明確に捕捉し難いものがある」(恒藤恭「天皇の象徴的地位について」『世界』昭和21年)

「(新憲法は)明治憲法が当時に対して在ったよりも一層に、我が国に対して異質的である」(木村重義「新憲法と平和国家論」『思想問題研究』21年)

「新憲法は風聞する処原文は英文であって、それを和訳したもの、といはれている」(安津素彦「信教の自由」『悠久』23年)

国民はもう気づいている。護憲派や外国勢力がどうレッテルを貼ろうと、改憲派は、67年前に日本封じ込めの目的でつくられた古い「米国製品」を、今の時代でも使い勝手のいいようにしたいと主張しているだけだ。
                        (政治部編集委員)
産経ニュース 【極言御免】 2013.5.8 21:59

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月05日

◆夢も希望もない韓国経済

伊勢 雅臣


■1.「夢も希望もないウリ(我らが)社会」

「大学新卒者が5人集まれば正規雇用は1人だけ。3人は非正規、1人は無職」とは、韓国の大学卒業者の就職状況である。その就活(就職活動)の苦しさは、日本以上だ。

全企業数に対してサムスン電子やLGエレクトロニクスといった財閥系企業が占める割合は、わずか1%に過ぎない。しかし、主要財閥の総売り上げはGDPの約75 %を占める。その入社試験の倍率は少なくとも数百倍で、トップのサムスン電子に至っては700 倍とも報じられている。[1]

財閥系企業では(会社側は否定しているが)、TOEIC990 点満点中、800 点以上でないと履歴書すら見て貰えないという。

就職支援会社の調査では、サムスン電子の新入社員の年俸は約4千万ウォン(約345 万円、日本流にボーナス5ヶ月と考えると、月給換算20 万円ほど)で、これは中小企業の40 代前半の大卒男性の平均年俸に相当する。

一方、全企業の新人社員の6割は、18 百万〜220 万ウォン(約155万円〜190 万円、月給換算9万〜11 万円)。年俸制を採用する韓国では1年単位の契約なので、正規雇用と言っても、1年後に契約が更新されなかったら、クビである。

非正規雇用となれば、年俸は中小企業の正規雇用のさらに80 %程度で、社会保険への加入も制限される。これでは、財閥系企業に殺到するのは当然だろう。希望通り就職できないので、何年も就職浪人をする学生も少なくない。それもやっていけなくなると、あきらめて中小企業に向かうか、それも無理だと非正規雇用となる。

財閥系企業の社員が住む高級マンション街を仰ぎ見るように密集する古びた小型集合住宅。そのなかでも一番家賃の安い半地下階の、陽の当たらない部屋で湿気に耐えつつ仕事の疲れを癒やす若者も多い。

「夢も希望もないウリ(我らが)社会」−韓国の大半の若者がそう漏らす。[1]

■2.同世代の6人に1人が国を捨てる

夢も希望も持てなければ、当然、国を捨てて海外脱出を目指す国民も増える。

韓国の名門女子大学である梨花女子大の校内誌が2005年に行ったアンケート調査では「生まれる前に自分の意思で祖国を選択できるなら、韓国を選択するか?」という問いに、62 %にあたる492 人が「NO」と答えた。

名門女子大に入れた女学生と言えば、学力もあり、裕福な家庭に育った女性たちであろう。その過半数が、韓国には生まれて来たくないというのでは、中流下流の女性たちの気持ちは推して知るべしである。

学生ばかりではない。2011年に韓国の男女会社員932 人を対象に行われたアンケート調査では、実に76 .1%が「移民が可能であれば、韓国を離れたい」と回答した。

理由として多かったのは、「不十分な福祉政策」(62.5%)、「貧富の差」(49 .5%)、「深刻な失業」(47 .8%)など、経済的な苦境が主要因だ
った。

移民願望は現実となっている。2005年の韓国統計庁の国際人口移動統計では、韓国を脱出した人数は8万1千人。その86 %が30 歳未満の若者で占められている。

韓国の出生率は日本を下回り、世界でも最低レベルだが、それでも1年間の出生児数は50 万人規模である。年間8万人規模の脱出ということは、若者の6人に1人が国を捨てて海外に行ってしまっている、ということになる。[2,p72]

■3.世界一となった自殺率

身軽な若者は、国を捨てて、アメリカなり、日本なりに脱出できるが、ある程度の年齢以上になると、それも難しくなる。そういう人にとって、残された道が自殺である。

Wikipediaでの国の自殺率順リストでは、韓国は人口10 万人あたり33 .5人と、トップに立っている。日本では自殺者が3万人を超えて大きな問題となったが、それでも10 万人あたり23 .8人と韓国の3分の2のレベルである。[3]

韓国は1995年あたりまでは10 人以下の水準だったのに、アジア通貨危機後の1998年くらいから、急上昇を始めたのである。[4]

とくに高齢者の自殺は目に余るものがあり、65 歳以上では10 万人あたり81.9人と、全体平均の2.6倍にも達しています。

高齢者に限って言えば、日本の4〜5倍に相当しているのです。

・・・社会保障がOECD加盟国最低の水準で、韓国の基礎老齢年金の支給額は9万4600ウォンしかありません。日本円にして1万円にも満たない金額ですから、高齢者の困窮ぶりは容易に想像がつきます。[2,p64]

■4.韓国企業の躍進と韓国国民の窮乏化

最近は、自動車の現代(ヒュンダイ)、スマートフォンやテレビのサムソン電子、製鉄のポスコなどの韓国企業の躍進が伝えられているだけに、韓国社会はかつての高度成長時代の日本のように、国民が未来への希望に燃えて張り切っているのか、と思いきや、意外な実態である。

どうして韓国は、こんな「夢も希望もないウリ社会」になってしまったのか。その問いに答えてくれるのが、先にも引用した三橋貴明氏の『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』[2]である。

氏の解説を簡単に要約すると、

(1)韓国は少数の独占的大企業が世界的な輸出企業に育ったが、

(2)それは自国民を低賃金、ウォン安で搾取し、政府に払う税金も少な
く、
(3)しかも、その利益は、外国人株主に持って行かれてしまう

という、言わば、「植民地経済」になってしまっているからである、という。この見方からすると、韓国大企業の躍進と、韓国国民の窮乏化が同時に説明できる。もう少し詳しく三橋氏の説明を追ってみよう。

■5.国内を犠牲にして海外進出している韓国経済

まず、「少数の企業が世界的な輸出企業に育った」という点だが、韓国の「三大輸出企業」と言えば、現代とサムソン、ポスコで、この三社の売上合計は、韓国のGDPの売り上げの30 %に相当する。

対抗する日本のトヨタ、パナソニック、新日鉄の売り上げを合計すると、平成22 (2010)年度で合計31.7兆円で、2010年のGDP512兆円の6%強に過ぎない。それぞれの分野で、強大なライバル企業がひしめいているからである。

しかも、韓国経済はGDPの44.9%も輸出に依存している。我が国は10.7%に過ぎない。これではアメリカや欧州、あるいは中国市場が風邪を引いたら、韓国がすぐにクシャミをすることになる。韓国の輸出企業は、日本企業と競合する分野が多いので、最近の円安ウォン高で大騒ぎをしているのも頷ける。

しかも、輸出大企業の稼ぎ方が異常である。サムソンの利益を国内外で分けて見ると、[2,p9]

・海外市場 売上63.7兆円 営業利益 1.5兆円 利益率2.4%

・国内市場 売上18.3兆円 営業利益 10.3兆円 利益率56.1%

たとえば携帯を原価1万円で作れるとしたら、海外では245 円だけ乗せて売り、国内では2万3千円弱と倍以上の値段で売っている、という計算となる。

同業どうしの競争の激しい日本の国内市場では、営業利益率56 .1%などという数字は聞いたことがない。家電分野では、サムスン電子とLGの2社しかないので、こんな暴利をむさぼることができるのだろう。

そもそも国内利益10.3兆円がなければ、海外市場で2.4%などという低い利益率では長続きしないだろう。

韓国経済は一部の大企業が、国民を安い賃金で使い、高い商品を売りつけて、その国内利益を元手に輸出で外貨を稼いでいる、という構図が浮かんでくる。

■6.外国人株主が半分近く

しかも、韓国経済を支える輸出企業はことごとく外国人株主が半数を占めている。サムソン電子は外国人株主比率49%、現代自動車、ポスコなども50%近くを占めている。

ということは、サムソン電子など巨大輸出企業があげた利益の半分近くは外国人株主に持って行かれてしまう、ということである。[2,p10]

また税金も2006〜2008年にかけてサムスン電子が支払った法人税は、平均で15.7%に過ぎない。同時期にシャープが日本政府に支払った法人税率は平均35.8%だった。

シャープが利益を上げれば、日本政府、ひいては日本国民が豊かになるが、サムソン電子が儲けても、韓国政府、韓国国民にはそれほど還元されない、ということである。

 韓国経済はまさに外国資本に搾取されている、ということが言えそうだ。

■7.「経済成長しても国民が豊かになれない、歪んだ経済モデル」

なぜ、韓国経済はこんな植民地のような構造になってしまったのか。三橋氏は1997年のアジア通貨危機と、その後のIMF(国際通貨基金)の介入が契機となっていると説明する。

<それまでの韓国には多くの財閥企業が存在し、傘下にある企業が過当競争を繰り広げていました。現在は家電メーカーとして名高いサムスンも、自動車など様々な事業を幅広く展開していました。

しかしIMFは、過当競争によって各企業の利益が圧迫されていることこそが問題だとして、「ビッグディール(企業の大規模事業交換)」を強制的に行ったのです。

日本企業でたとえるなら、パナソニック、ソニー、日立製作所、東芝、富士通ひとまとめに合併させるようなものです。

その結果、サムスン電子のような超巨大な家電メーカーが誕生し、国内市場をほぼ独占することになります。同じことが、ほとんどの業界で行われました。

それ以降、大手企業は国内で「やりたい放題」の商売をして利益を上げ、グローバル市場での競争力を高めていくことになるのです>。[2,p6]

外国人株主が半分近くを占めるようになったのも、やはり通貨危機後のIMF管理によって行われた構造改革が原因だという。

<ウォンと株価が暴し、バーゲンセール状態になった状態で、外国人株主がサムソン電子などの株を買い漁ったために、外国人の資本的支配を受けることになってしまいました。

そして、韓国国民の利益に何の関心も持たない外国人が株主として君臨し、配当金の最大化を目指す「株主資本主義」のための経済モデルを作りあげていきました。・・・

輸出企業が世界中で売上を伸ばし、いくら利益を上げたところで、ゴッソリと外国人がいただいていく。

経済成長しても国民が豊かになれない、歪んだ経済モデルなのです。>
[2,p10]

■8.韓国経済はグローバル化時代の反面教師

韓国経済のもう一つの弱みは、日本の高度設備や先端部材に全面的に依存していることである。たとえば、半導体製造に必要な工作機械、計測機器、半導体の原材料となるシリコンウエハーなど。半導体製造に絶対必要なレアガスは100%、日本依存だという。

韓国の企業が稼いだ輸出代金の4割は、日本などからの設備・部材の支払いにあてられる。したがって、韓国の輸出が増えるほど、日本からの輸入が増えるという構造になっており、1965年の日韓国交正常化以来、韓国は一度も対日貿易で黒字になったことはない。

技術面でも日本やアメリカの特許を無断で使っているものが多く、パナソニックやシャープなどの家電メーカーが次々と特許侵害訴訟を起こした。サムソン電子は3800件もの訴訟案件を抱えている。

また新日本製鐵(現・新日鉄住金)も、ポスコと元社員を相手に、約1千億円の損害賠償と鋼板の製造・販売の差し止めを求める訴訟に踏み切った。

腰を据えて、自前の技術を開発するのではなく、手っ取り早く他国の技術をコピーしたり、設備・部材を買ってきて済ませるという韓国のビジネス・モデルは行き詰まってきている。

韓国経済の悲惨な現状は、グローバル化の時代の反面教師である。我が国においては、手間暇かけて自前の技術を育成し、国民を雇用し、国民に優れた商品を提供し、収益を国内株主に、税金を日本政府に納める企業をこそ、大切にしなければならない。

■リンク■

a. JOG(280) 世界を不幸にするIMF

 諸国民の富を使って「市場原理主義」を押しつけ、失敗しても責任を問
われない不思議な国際機関。
http://bit.ly/10addTy

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 平井敏晴「憧れの財閥は『狭すぎる門』で大半は一生貧困 『夢も希
望もないウリ社会』の実態」、SAPIO、H25.4

2.三橋貴明『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』★★★、
WAC BOOK、H25
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4898311989/japanontheg01-22/

3. Wikipedia「国の自殺率順リスト」
http://bit.ly/135G7cC

4. 主要国の自殺率長期推移(1901〜2010)
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2774.html

<「頂門の一針」から転載>

2013年05月04日

◆“安倍たたき”こそ時代錯誤

黒田 勝弘


韓国の朝7時のテレビニュースが冒頭から「日本が軍国主義復活の歩みを早めております!」と興奮気味に声を高めていた(4月30日のKBS)。

画面には日本での政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」で安倍晋三首相ら出席者が「天皇陛下万歳」の声を上げた場面と、安倍首相が迷彩服にヘルメット姿で戦車に乗って手を振っている写真が出ていた。

「軍服姿の安倍首相」というが、自衛隊関連のイベントの際、背広の上に迷彩のジャンパーを羽織ったものだ。日本のネットに紹介された写真で「軍国主義」というにはいささかしまりのない姿だった。

韓国のメディアはこのところ「国会議員多数が靖国神社参拝」「安倍首相が侵略否定発言」「改憲へ拍車」といって日本非難と“安倍たたき”に大忙しだ。「このままでは日本、アジア、世界は大変なことになる!」とひどく心配してくれている。

メディアで見る限り韓国のこのところの対外気流は「反日」と「親中」と「韓国主導権」だろうか。

とくに来週の朴槿恵大統領初訪米を前に、韓国外交の方向性として従来の「韓米日」に代わる「韓米中」協力体制が語られ、北朝鮮と日本に対する「同時圧力」とか「日本はずし」を書き立てている(4月29日付、東亜日報)。

5月3日付の中央日報は「北東アジアには今、日本軍国主義の亡霊が徘徊(はいかい)している」と断じ、安倍首相に対しては「自閉症」「道徳的品性の不在」「単細胞」「愚民政策」…とののしりに近い。「国際問題担当大記者」という肩書の著名な金永煕氏の長文のコラムだが、結びにはこう書かれている。

「われわれ市民社会は全世界の市民団体と連帯し、アジアの平和を攪乱(かくらん)する安倍の時代錯誤的な野望を世界に知らしめるとともに、安倍の浅薄な国粋主義的扇動にまだ染まっていない多くの日本国民にも直接訴えなければならない」

これが一流紙の一流コラムニストの論評である。日本批判−反日だと何を言ってもいいという感じだ。

「韓米中・三角体制」論の東亜日報は「安保での韓米日協力と韓中日の地域経済協力が日本の歴史歪曲(わいきょく)・挑発や中・日領土紛争などで揺らぐなか、韓米中3国協力が韓国外交の“期待株”として浮かび上がっている」とし、「韓米中3国協力の成功は韓国が“韓国主導外交”をいかに発揮できるかにかかっている」と檄(げき)を飛ばしている。

これに応えているのが朝鮮日報3日付の「東アジア国際関係の主人公はわれわれだ」と題する学者(尹平重・韓神大教授)のコラム。

新羅や高句麗、百済、倭(日本)、唐(中国)などこの地域の古代史から近代史まで説き起こし、最後は「韓国は今や経済大国で民主先進国だ。東アジアで弱者にとどまっている理由はない。時代錯誤的な小国意識は永遠に廃棄すべきだ」と意気盛んだ。

同感である。だから日本で誰かが靖国神社に参拝しようが、憲法改正をしようが、歴史認識を異にしようが、韓国がまた日本に侵略・支配されるなどということはもはやない。心配や警戒こそ時代錯誤なのだ。

訪米する朴槿恵大統領に米国は「韓国の対中外交力は日米との確固とした協力体制が背景にあってこそですよ」とやんわりクギを刺すだろう。“安倍憎し”の反日ムードの中で聞く耳があるかどうか。
産経ニュース2013・5・4[緯度経度]

<「頂門の一針」から転載>