平井 修一
■8月29日(月)、朝6:00は室温24度、小雨、涼しいが洗濯物が乾かな
い。不満は尽きないが・・・世の中は思うようにはいかない、ということ
だ。体調はまあまあ。昨日は3週間ぶりにハーフ散歩、四股踏みも。
ちょっと感激。
カミサンから腰痛用にエアサロンパスをもらった。彼女は何でも持ってい
る。ドラえもんのポケット。ひたすら貯め込む。ウンチまで貯め込んで、
便秘薬は山のよう。つまり全然効かないということ。
パール・バックの「大地」を読めば、支那4000年の養生の基本や chinese
way of life =蓄財蓄妾美酒美食が分かるが、彼女は読書の習慣がないか
ら、かつ小生の言うことなんてまったく聞かないから、便秘は続くよ、い
つまでも。まあ、アル中の小生が偉そうなことは言えないけれど。
昨日でキッチンのラヂオを片づけた。いい機会だからTV・ラヂオについて
書く。
ラヂオは物心つくころからあった。ガーガーピーピーの安物だったよう
で、あまり聴かなかったが、歌謡曲はそれで馴染んだ。TVは小4あたりに
父が買った。昭和36年頃。今上陛下のご成婚、ミッチーブームでTVブーム
も始まったが、TVは好きになれなかった。「これで一家団欒は破壊される
だろう」というのが第一印象。
家族で食事についても会話もなくTVを見ている。みんなテンデンバラバ
ラ。インモラル、かつ痴呆症的。行儀が悪いことこの上ない。実にみっと
もない。
NHK特派員報告は好んで見た。「特派員になりたいなあ」と思い、結局、
記者になったのはその縁なのかもしれない。
高校生になるとTVはほとんど見なくなった。後に知ったが、NHK放送文化
研究所によると、TV・ラヂオの想定視聴者は中2坊主で、高校生の小生に
とってはレベルが低すぎ、知的刺激をまったく受けなくなった。
以来、朝7時のニュース以外はほとんど見ないし、社会人になってもTV・
ラヂオが話題になることはめったになかった。男どもは「あれは女・子供
のおもちゃ」という認識だったのだと思う。
2011/3/11の衝撃映像で、「もうこれ以上の映像はあるまい」と、TVを
まったく見なくなった。その代わりにNHKラヂオのニュースは聴いたが、
このところ激しく劣化してきた感じだ。
新聞で言えば、三面記事、それもベタ記事のような日常茶飯の事件事故、
それとどうでもいい天気予報が真っ先に報じられる。天気なんてネットで
チェックすればピンポイントで知ることができるし、第一、沖縄や北海道
の天気なんてどうでもいい。
どうでもいいニュースの代わりに、政治、経済、国際情勢がほとんど報じ
られない。「日本は大丈夫か」という小生の知的関心にNHKは何も応えな
い。今すぐ知りたければネットで見るしかない。TV・ラヂオの時代は小生
の中では終わったのである。この電波式白痴玩具は近いうちにメディアの
上位から転落するだろう。
ああ、それから小生がTVを見ないのは、スポーツに関心がないからでもあ
る。プーシキンかゴーゴリが「パンとサーカス、今のスポーツは知的刺激
に縁のない庶民のためのサーカスだよ、まともな大人が見るもんじゃな
い」と書いていた影響が大きい。あれは見るよりやるもの。ナニと一緒だ。
TVを見る人で賢そうなのはまずいない。多くは軽佻浮薄。テレビ局の経営
者はTVを見ない。駄菓子屋メーカーの社長は自社製品を試食するだけで、
普段はそんなものは食わない。マックの社長もそうだろう。従業員には
「ジャンクフードは食うな」と教育している。
バカが「スーパーサイズ・ミー」とジャンクフードとコークをひたすら
食って、デブになり、薬物と酒におぼれて自殺する。「一般的には生きる
ために食う。米国人は死ぬために食う」そうだ。これが21世紀の
American way of life。トランプだろうがヒラリーだろうが、この悪弊は
永遠に治らない。
■8月30日(火)、朝6:00はクーラー効果で室温26度、小雨、洗濯物が乾
かないのでクーラーに頼らざるを得ない。今夏は天候が不安定だった。
降ったりやんだりの連続で主夫泣かせだった。
朝食の用意は今朝で終わりにした。「需要がないので朝食サービスは8/30
で終わりにします 店主敬白」と書いておいた。
多くの女は米よりパンを好む。「健康にいい」と、小麦を売りたい米国に
洗脳されているからだ。現実を見れば米国人はほとんどデブだ。パンはデ
ブになる危険性が高い。パンはバターを塗って、コーヒーだけで一応食事
ができる。ジューシーな厚焼きのベーコンが付けば最高だ。
米飯は最低限、一汁一菜を伴う。味噌汁、漬物、納豆、卵、つくだ
煮・・・これは最低限の朝食だろう。
どちらが健康的か。考えればすぐに分かるが、女は感性で動く。理性は苦
手だ。女の哲学者はいない。女は考えるのが苦手なのだ。女は1)可愛い/
きれい、2)おいしそう/面白そう、3)安い/お得、という基準でしか判断
しない。出産・育児が最大の課題だから、それで十分なのだ。
男は狩猟と安保が最大の課題だから、スネ夫になって考えまくらないとメ
スをGETすることもかなわない、ましてや子孫を遺すこともできない。セ
コかろうがズルかろうが、餌を運んで、家族の安全を守る、これがオスの
使命、存在意義である。無い知恵を絞らざるを得ない。
考えて考えて考え抜くと、やがて男は哲学者になるのである。昔は長老と
いった。部族の重要な決定は長老の判断によった。徳川につくか、豊臣に
つくか、判断を誤れば滅亡だ。「長男坊は徳川につけ、次男坊は豊臣につ
け」、肉親が殺し合うという残酷、骨肉相食む判断だが、どちらが勝って
も一族は残る。そういう判断をせざるを得ない場面というのはあるのであ
る。哲学は学問の中の学問だ。
そうならないための教訓もある。「付和雷同」「長いものにまかれよ」
「寄らば大樹」。「千万人と雖も我往かん」は恰好いいし潔いが、夏彦翁
曰く「千万人なら俺も(そっちに)往く」。合戦が始まると戦況を見た軍
団は一斉に徳川方についた。
司馬遼が随筆「軽薄へのエネルギー」にこう書いている。
<日本人がもつ、どうにもならぬ特性のひとつは時流に対する過敏さとい
うことであるらしい。過敏なだけではない。それが時流だと感ずるや、な
にが正義か、なにが美かなどの思考はすべて停止し、ひとのゆく方角にむ
かってなりふりかまわず駈けだしてしまう。この軽薄な、というより軽薄
へのすさまじいエネルギーが日本の歴史をつくり、こんにちを動かしてい
ると考えられなくはない・・・
日本人の面白さはここであろう。そのために日本歴史はいかような変革期
にも片づきが早かった・・・この特性のお蔭で、日本人は早くから統一社
会を構成することができたし、社会が壊れればすぐ建て直すことができ、
文化や文明を作るエネルギーも組みあげた社会から出してきた。
こうおもえば軽薄も偉大な美質ということになる。日本人が明治以降文明
世界のなかに入って一ツ社会を組みあげてきた能力の原資の一つはこのあ
たりにあるのだろう。歴史はくさしもできないし、ほめもできない>
上手いね。希代のストーリーテラーだ、「くさし」まくった昭和史観はい
ただけないが。
戦後70年、相変わらずのGHQ洗脳状態だ。古い上着よサヨウナラと過去を
捨て去って、大事なものも捨ててしまった。取り戻すためには70年はかか
るだろうと思っていたが、「軽薄へのエネルギー」で数年で元に戻るかも
しれない。ブームになれば日本人は一斉に軍艦マーチ、なにしろ過労死
へっちゃら、「壮絶な最期だったなあ」なんて敬意を表する民族だか
ら・・・奇妙奇天烈、日本大好き!
■8月31日(水)、朝6:00は室温24度、台風一過、乾燥して涼風たっぷ
り、まさに秋晴れだ。夏子の背中が見える、秋子がルンルンとやってく
る。いいなあ、秋子大好き。
今夏は2週間ほどへばっていたので、人生で最悪の夏だった。寝具が汗臭
くなったので洗ったが、折しも台風で3日間かかっても乾かないでウンザ
リしていたが、今日でパリパリに乾くだろう。楽しみだ。
体調は良いとはいえないが・・・こういう不快な状態が続くのが老化とい
うものだろう。いやなものである。
夕食は8人で宴会。クリームシチュー、餃子、タコ焼き、温野菜サラダな
どでもてなす予定だ。お、明日から9月か。なすこともなく8か月過ぎた
が、やがて年末か。駒光なんぞ馳するがごとき、少年老い易く、学成り難
し、小生はなにを遺すのだろう。(2016/8/31)