2016年08月08日

◆私の「身辺雑記」(371)

平井 修一



■8月4日(木)、朝6:30は室温28.5度、快晴、今日も噛みつくような日射
し、大いに暑くなりそうだ。

折角の日射しだし、雨の心配はなさそうだからと布団を干したり、PCのぐ
ちゃぐちゃコードをきれいにしたり、キッチンを補修し素敵なランタンを
つけたり、屋上の排水口を掃除したりしていたら、もう3時。散歩へ出か
けて、帰路にビールと孫用のアイスなども買ったら4時だ。

【今朝の産経から】1面「第3次安倍再改造内閣発足」。議員は大臣になる
のが当面の夢だから、時々入れ替えしないと不満が高まるのだろう。死ん
でも永久に「元○○大臣」となる。小生は・・・せいぜい「左翼更生派」か。

3面「来月13日にも国会召集 TPP法案成立照準」。トランプもヒラリーも
TPPに反対だ。米国抜きで発効できるようにインドを招致できないもの
か。あれこれやっていれば米は焦ってTPPモードへ復帰するのではない
か。米国抜きのTPPならモロ、大東亜共栄圏2.0になるぜ、いいのかよ、次
期大統領にはよく考えてほしいもの。

7面、大原康男氏「戦後71年に思う (平井:憲法と自虐史観という)日
本人を拘束する歴史の始まり」、曰く「現憲法施行(平井:5/3)のちょ
うど1年前(昭和21年)のこの日に東京裁判が開廷している。

ただ被告への起訴状の送達はその4日前の4月29日(平井:昭和天皇御生誕
日)。絞首刑を宣告された7人の刑執行は翌々年の12月23日(平井:今上
天皇御生誕日)である。わざわざこの日を選んだ勝者の憎しみと傲慢・非
礼…」。

古稀を迎えた氏はずいぶん腰が据わってきた。大いに結構だ。

米は日本を敵に回さないことだ。日本人は「恩讐の彼方に」などと思って
はいやしない。口にはしないが「いつかはリベンジ」、サンディエゴとサ
クラメントに報復の核攻撃をする。無差別大量虐殺には無差別大量虐殺で
報いる。当たり前のことだ。

怖ければ米国は日本に寄り添うことだ。さすれば日本は「主様いのち」で
柴犬で行く。逆らえば日本は秋田犬、土佐犬になりシェパードを噛み殺
す、最低でも歩行困難にする。NYとDCも壊滅する。

米国民はマッカーサーの悔悟の言葉を思い出すんだな。

7面、宮嶋茂樹氏「正直ホッとしたで、東京都知事選」、小生もホッとし
た。グリーンオバサンは勝手連を創ってリリーを守れ。テレビを捨てよ、
街へ出よ、イザ!

8面「比大統領就任1か月 薬物容疑者400人射殺」、曰く「5418人逮捕、
恐れをなした57万人が当局に出頭」。

江戸時代の治安は腕っぷしのいいヤクザ(岡っ引き=平次親分、ほとんど
町内会のボランティア、手下を飼っていたから赤字というか奉仕)がチン
ピラ(ワル)を抑えることで成り立っていた。町の飲食店は親分の酒食を
ロハにすることで事実上のミカジメ料を納めていたのだ。

清水次郎長、飯岡助五郎もお上から十手を預かる大親分だった。ドゥテル
テ大統領はその子孫。死刑がないから“超法規的殺人”で射殺。もろダー
ティー・ハリー。あの国は警察行動では収まらず、軍事行動で抑えるしか
ない。警察官や警備員がユスリタカリをするのである(生活のために)。
小生も嫌な思いをした。

情け容赦なくワルは殺す。結構なことだが、ブレーキが効かなくなり、自
分に逆らうものは殺すとなりかねない。毒薬、劇薬、両刃の剣だな。

8面「台湾の潜水艦建造 日本の支援に期待」。兄弟を支援すべし、反日
の中共に遠慮するな。台湾関係法を創れ。

9面「対中関係は政冷経冷 同友会訪問団帰国 投資急減ですきま風」、
曰く「訪中団には『わが社の課題は中国からの撤退だ』と明かすメンバー
もいた」。支那からの脱出、エクソダス/Exodus、EXOCHINA(クソチャイ
ナ)を進めるべし。

28面「相模原殺傷 県警『匿名は遺族の強い要望』」「問題究明する術な
くなる」。被害者は二度殺されるのだ。命を消され、記憶からも消され
る。加害者は永久に記憶されるから歴史に名を残し、被害者は永久追放
だ。歴史に名を刻むのなら無差別大量殺人に限るってか。

「匿名は遺族の強い要望」と言えば言論封殺がまかり通る。そのうち「被
害状況は遺族/関係者の強い要望で公表しない」「混乱を招くから公表し
ない」「プライバシー、個人情報保護のために公表しない」、つまり言論
の圧殺だ。

<警察庁の金雅仁(かねたか まさひと、1954年6月29日 - )は、日本
の警察官僚。東京都出身。第25代警察庁長官>(ウィキ)

金高が神奈川県警に「匿名にしろ」と指示したのだ。トップなのだから
「知らなかった」とは言わせない。金高はどんな人物か。

<警察庁長官、県警対応の検証示唆 熊谷6人殺害 朝日2015年9月17日

埼玉県熊谷市で14〜16日に計6人が殺害された事件を受け、警察庁の金高
雅仁長官は17日の定例記者会見で「非常に重い結果が生じている。県警は
懸命に対応したと承知しているが、防ぐことができなかったかという観点
から事案をよく見ていく必要がある」と述べ、県警の対応に問題がなかっ
たか検証する必要があるとの考えを示した。

身柄確保の男?事件前に署から逃走 対応問題ないと県警

身柄を確保されたペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容
疑者(30)は13日に熊谷署で事情を聴かれる中で逃走した。金高長官は
「この時点では何らかの犯罪への関与は認められず、署にとどめる根拠は
なかった」と説明した。

県警は、夫婦が殺害された翌日の15日に住居侵入容疑で男の逮捕状を取っ
ていた。金高長官は地域への注意喚起の在り方などで「教訓とすべきこと
があったかよく見ていきたい」と述べた>(以上)

つまり口先だけ、のらりくらりの優柔不断だ。怪しい男が事情聴取中に逃
亡してもお構いなしである。こいつらが犯罪を招いたのだ。

金高は高級官僚なのに不思議なほど氏素性、生まれ育ちは分からない。警
察官僚の多くは東大法学部出身だが、彼は経済学部だ。パチンコ業界は警
察の縄張りだから半島人との接触はあるだろう。なんか怪しい。

■8月5日(金)、朝6:30は室温28.5度、快晴、朝からクーラー。

<障害者権利条約第10条 生命の権利

条文では「生命の固有の権利を認めること、差別したり、権利を侵害して
はならないこと」とされている。障害者を殺したものへの減刑は、その障
害者の生命を軽んじていることになり、これも生命を差別していることに
なる。優生学における障害児の産み分けも禁止することとしている。いわ
ば「存在しない方が良い生命がある」ことになるからである。死ぬことを
前提とした生活も禁止されることとなる>(ウィキ)

差別するな、権利を侵害するなと言い、一方で「知る権利」を阻害する。
戦後最大の大量殺人事件であるのに、国民は「誰が被害者なのか」という
基本的事実にアクセスできない。遺族の心の奥には「障碍者は家の恥」と
いう意識があるのではないか。生きてきた軌跡を広く社会に伝えたい、そ
れが被害者の慰めになろうとは思わないようだ。

この事件には「不都合な真実」があるのかもしれない。金高警察庁長官は
何を隠そうとしているのだろか。

笹森理絵氏のブログから。

<はじめまして、笹森理絵です。

発達障害のデパートと呼ばれるほど、AS、ADHD、LDの特性を併せ持ってい
ることを32歳で診断されました。

3人の息子も発達障害をそれぞれに持ち療育手帳所持です。(長男は高機能
自閉症と軽度のMR、次男はてんかんとADHD、3男は自閉系)

当事者、母親、社会福祉士、精神保健福祉士、睡眠健康指導士の多様な視
点を活かしての、発達障害ダイバーシティ(多様性)サポーターとして、
保護者など親の会、一般の方々、教育、福祉、医療、行政などの専門職・
援助職の方々に向けて、講演会や研修会の講師や委託でピアカウンセラー
をさせていただいております。・・・

2016-07-28 12:56:45 ショックでした

この連日の報道で、ショックを受けています。事件があった、津久井やま
ゆり園を運営している「かながわ共同会」さんには昨年の講演で大変お世
話になり、職員さんや理事長先生とお話をさせていただく機会があったの
ですが、まさかこんな大変なことに巻き込まれてしまうとは思ってもみま
せんでした。

亡くなられた方には心からの哀悼の意を表します。また、お怪我をされた
方の1日も早いご快癒を祈るとともに、日々、一生懸命、職務に取り組ま
れている、かながわ共同会の職員の皆さま、お見舞い申し上げます。

この事件に関しては今もって、言葉にならない思いがあります。どうして
こんなことになってしまったのでしょう…。

そして、テレビで何度も何度も、障害者はいなくなればいいというよう
な、加害者の言葉が流れており、それを息子たちも連日耳にするわけなの
で、母としても当事者としても複雑な心境ではあるのですが、幸い息子た
ちはそういう言葉に負けることなく、堂々と変わりなく日常生活をしてく
れていて、ホッとします。

事件の真相解明はこれからだと思いますが、二度とこんなことが起こらな
いことをただひたすらに祈ります>(以上)

祈るよりもまずは迎撃の練習をした方がいいだろう。

【今朝の産経から】1面「人工知能がん治療法助言 国内初か 白血病見
抜く」、いやはやすごい時代になった。ワトソン君、君の勝ちだ。

2面主張「最優先で(拉致)被害者救出迫れ」。もう軍事行動を起こすし
かないだろうに。

3面「稲田防衛相『中韓と話し誤解払拭』。まったく無意味、時間の無
駄。戦争に備えよ。

3面「首相と小池都知事が会談」、喧嘩は終わりましたか、「小池さん、
あなたの勝ちだ」で握手。

5面「波紋呼ぶ総裁任期延長論 二階氏『3期9年、年内結論』」、二階は
ヨイショの天才か、それともほめ殺しか。

6面、ライター・吉田潮女史「石田純一氏の(都知事選)出馬騒ぎは何
だったのか」。女史は天才的なエンタテイナーだな。実に面白かった。

7面「満洲国軍最後の韓国人生徒」、曰く「朝鮮戦争、朴正熙のクーデ
ターも関与」。あの国は軍事独裁でしかまとめ上げられないようだが・・・

7面、ミスター海道東征、新保祐司氏「『痛み』を精神的再生の梃とせ
よ」、曰く「今日の日本人に必要なのは『臓腑の腐り止め』としての昭和
の悲劇の記憶である。

8月15日は、この(「行くぞオォーオオオー」という)「颯爽たる声」に
心揺すぶられ、誇り高い日本を創造する道に邁進することを決意する日で
ある」。先生、小生は毎日が8月15日です。

8面ポトマック通信「子供に見せられない政治」。大統領選は罵り合い、
どっちもどっち。えげつない。

31面「Rio to Tokyo」曰く「体感治安が異常に悪い。これほどとは思わな
かった」。昔は「サンバのリズムにカリオカが踊る」、今は「パトカーの
サイレンに記者がビビる」。五輪期間中は警察とギャングは休戦とか。い
ろんな国があるものだ。

ウサギ小屋でもウォシュレット、日本に生まれてよかった。

■8月6日(土)、広島無差別大量虐殺記念日。絶対忘れない。朝6:00は室
温28度、7:00は29度、快晴、朝からクーラー。

カミサンは機嫌よく朝食を食べ、機嫌よくさえずっている。男は女を守
る、仕えるのが初期設定だ。女には給料をそっくり渡し、小遣いをもら
い、ひたすら奉仕し、ペロペロ可愛がる。いざというときは命懸けで守る。

さすれば女は本能に従って「きれいなべべ着て、旨いものを食って、面白
おかしく暮らす」、女が機嫌よければ家庭も明るい。子供も元気に育つ。
女は男に一目を置き、男は黙ってひたすら仕える、これでいいのだ。

楽をしたい、遊びたいなんて思ったら「死ね鉄矢!」、何のために生まれ
てきたか、大義に殉ずるためだろう。小さな家を守るのも、国を守るのも
大義だろうが。武士道とは死ぬことと見つけたり。

そういう男が少なくなったようだ。そうなると女らしい女も少なくなる。
男が大黒柱なら、女は梁だ。これらに守られて子供は育つ。柱も梁も器量
に欠けて脆弱だと少子化は免れない。

と、まあ、クーラーの部屋で偉そうなことを書いている小生は、昨日の夕
方に32度のキッチンで仕事をしていたらふらふらしてきた軟弱者。「アン
タ、熱中症に気をつけてよ、倒れて干からびているんじゃないかとヒヤヒ
ヤするわ」とカミサン。

小生はついに干物になるか。なんかあまり旨そうじゃないな。クサヤの対
極、軟弱なシシャモ、それも子持ちじゃない奴。そんなものか。

【今朝の産経から】1面「天皇陛下お気持ち 8日午後3時ご表明」。玉音
放送だ。近衛兵の父は玉音盤奪取の一兵卒だった。それから71年、玉音放
送で陛下は何を語られるのだろう。

2面「PAC3 常時破壊措置命令を検討」。THAADも配備すべし。

2面「実質賃金6月1.8%増 5年9か月ぶり水準」。企業は溜め込んでいな
いで、人材にこそ投資せよ。

5面「社会保障費 過去最高に」。医療費の蛇口をトリアージで締めるべ
し。意味のないダダモレはやめよ、安楽死導入を。

6面「『差別の土壌』を枯らそう」、曰く「生きる意味のない命など存在
しない」。目には目を、「生きる意味のない」ISは容赦なく殺すべきだと
小生は思うが。

7面「IS攻撃 露警戒」。プーチンもトランプもヒラリーもISを潰す覚悟
だ。ISに寄り添うシンパも駆除しないと危険だ。

24面「尖閣領海に中国船団侵入 漁船6隻・海警局船2隻 初の組み合わ
せ」。海上民兵でグレーゾーン・サラミ戦術を強化している。韓国に倣っ
てバンバン拿捕すべし、インドネシアに倣って漁船を爆破すべし。

27面「800キロの鉄板 ヘリが落とす」。重すぎる落とし物。緊張感なさ
すぎ。常在戦場で任務に当たるべし。

紙面はすっかりリオ五輪パラモード。スポーツ音痴の小生は「ナンカ
ナー」。現役時代はスポーツを含めたイベントで海外旅行を促進すべしと
煽っていたが、イベント自体は興味がなかった。トロだろうがアナゴだろ
うが、寿司=旅行商品が売れればいいというわけ。業界人とはそんなもの
である。(2016/8/6)

◆強圧政治とEU、英米に亀裂

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)8月6日(土曜日)通算第4981号 <前日発行>>

 
〜台風の目はトルコ、エルドアンの強圧政治とEU、英米に亀裂
  ほくそ笑むロシア、エルドアン大統領のサンクト訪問を受け入れ〜

リアル・ポリティックスとは、過去の敵を簡単に忘れさせ、敵対関係を
突如蒸発させる。

トルコとロシアは犬と猿、水と油、関係改善はあり得ないと展望され
た。トルコのクーデタ未遂事件と直後からのエルドアンの強圧政治の開始
で、その考えられないシナリオへ事態が急速に進行する。

8月9日、トルコのエルドアン大統領はロシアのサンクトペテルブルグ
を訪問し、プーチン大統領と懇談する。

トルコのジェット戦闘機がロシア軍機を撃墜した事件から、両国は対立
し、経済制裁を掛け合った。あれほどいがみ合った両国が急速な和解。
いったい何が起こっているのか?

嘗てのエルドアンの友、いまや最大の政敵となったギュレン師は米国に
亡命している。

米国はクーデタ未遂事件直後に、民主主義を脅かすクーデタを批判し、
エルドアンの権力復帰を「合法」とはしたが、その後の強権政治にはしか
め面。しかし米国にとって最大の問題はトルコ空軍基地の使用継続である。

トルコの空軍基地に米軍機は駐留しており、ISへの空爆を続行してい
るからだ。

 トルコはギュラン師のトルコへの強制送還を米国に要請し、「証拠がな
い」として態度を保留したオバマ政権の態度にエルドアンはむくれ、とう
とう米土関係はぎくしゃくし始めた。

バイデン副大統領がちかくアンカラを訪問するというが、まだ日程は確認
に至らない。この間、ケリー国務長官はアンカラではなく、ロンドンを2
回訪れている。「特別な関係」である英米両国は、対トルコ問題を話し
合ったと観測されている。

ことの発端は指摘するまでもないが7月15日のクーデタ未遂、直後か ら
エルドアン大統領の政敵排除、それも強圧的に数万人ものギュレン派追
放だった。

これは民主主義国家のルールを逸脱するものとして、ドイツが猛反発し、
米国は強い懸念を表明した。「やり過ぎ」は明らかであるけれども、政変
とは、こういう性格を伴うのが常である。

さて、この状況にEUが介入した。

EU事務局長のトムジョム・ホーグランドは、物見役としてアンカラ入
りし、トルコ政界の様子を探った。EU外相がトルコ行きをためらってい
る理由はワシントンからgoサインが出ないからである。

一方、軍事的関係の深い米軍はジョセフ・ダンフォード統合参謀長がア
ンカラを訪問し、今後の軍事作戦の協同を確認した。

トルコ軍のアカル将軍が、依然としてエルドアンの右腕として軍隊を掌握
しているかどうかを確かめる必要もあった。しかし米軍の最大の関心事は
NATOの重要メンバーであるトルコが、これからも引き続き信頼に足る
NATOの先端としての役割を担うかどうかにある。

また事前には英国が微妙な動きを示した。

駐アンカラ英国大使ムーアは「ギュラン師がクーデタの背後にいたという
トルコの言い分は信頼に足る」と発言し、同時に「背後に米軍の陰謀が
あったなどという米国関与説」を明確に否定してみせた。

英国はEUと米国の対トルコ関係修復の仲介役をかってでたことを意味
する。


 ▼パイプラインの政治学

ここまで米国、EU、英国が強権政治のエルドアン独裁を非難せずに、
いや寧ろ卑屈な態度でアンカラに歩み寄る理由は何か?
 それはエルドアンのロシア訪問という劇的な外交の乱数変化に隠されて
いる。

第1にトルコがNATOを離脱しEUと敵対するという恐怖のシナリオ
をEU首脳は懸念している。これは現下の情勢から判断するなら杞憂に過
ぎないのだが、シリア内戦、ISのテロのトバッチリで発生した大量難民
の問題で、トルコとEU、とくにトルコとドイツが揉めに揉めた。

第2にドイツはロシアからのガスをウクライナを経由せず、すでにバル
ト海の海底パイプラインを使ってポーランドさえパスして輸入するルート
を持っている。ウクライナ経由のガスはほかの東欧諸国と中欧へと繋がる。

第3にオルタナティブとして、ロシアはブルガリアルート(サザンスト
リーム)を推進してきたが、ブルガリアがNATOに加わったことに激怒
し、このプロジェクトを中断、替わりのルートが「トルコスストリーム」
である。

このプロジェクトはトルコのロシア機撃墜で暫時中断したが、エルドア
ンのロシア訪問では中心議題となり、本格的な再開が予測される。


 ▼「トルコストリーム」とは何か

すでにトルコにはロシアのガスパイプラインがカスビ海からトルコ南部を
通過し地中海の拠点へ繋がるセイハンルートが確立している。

「トルコストリーム」は、これとは別にトルコを経由してギリシアからバ
ルカン半島を北上し、イタリアなど南欧に輸出する拠点ルートとなる。

第4にガスプロムは2015」年だけでもトルコへ270億立方メートル の
ガスを輸出した。

新しいルートは、これらのガスビジネスの拡大にあり、しかも隠れた目
的はEUが目論むカスピ海パイプラインの構想を破壊する爆発力がある。
EUが杞憂するのは、じつは、このポイントにある。

第5にロシアは、これにより従来のウクライナルートを絶ちきることが
できる。ロシアに刃向かうウクライナへの陰湿な報復であるが、それでも
EUならびに英米はポロシェンコ政権を支援し、ロシアと政治対立は継続
している。

このような事態の変化にEUは焦燥をつのらせてきた。

代案は(1)米国のシェールガスLNG輸入拡大。(2)イスラエル沖
合の海底油田から得られるガスの商業化である。イスラエルのガスはエジ
プトへ輸出されているが、拠点構築が完成すれば、南欧諸国への輸出が軌
道に乗る。

そして(3)カタールのガスをサウジ経由でヨルダン、シリアへパイプラ
インを敷設し、シリアからEU諸国へルートを開拓するアイディアの実現
である(この案はしかしシリアのアサド政権が蹴飛ばした)。

英米とEUが注意深く事態の推移を見守る中、エルドアンは意気揚々と
サンクトペテルブルグに向かい、プーチンと握手を交わす。

まさに国際情勢は奇々怪々。

2016年08月07日

◆著名ジャーナリスト暗殺さる

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)8月5日(金曜日)弐 通算第4980号 >


〜ベラルーシの著名ジャーナリスト、キエフで暗殺さる
  ルカシェンコ独裁と汚職を追及し、隣国ウクライナで活躍していた〜

キエフはウクライナの首都。人口400万ほどだろうか、華麗な町であり、
サンクトペテルブルグの壮麗さと似ている。

ウクライナはロシア側の東部に親ロ派の武装勢力がはびこり、ロシアから
武器援助をうけて、表向きは停戦したことにはなっているが、実質的な内
戦が続いている。

7月10日、キエフで一台のクルマガ爆発、炎上した。

爆殺されたのは、ベラルーシの著名ジャーナリストとして知られたパベ
ル・シェレメト(かれにはルカシェンコ独裁を猛烈に批判した著作があ
る)。周辺、とくにベラルーシの知識人らに大きな衝撃を運んだ。

ベラルーシのジャーナリスト殺害は、これで5人目。ほかにルカシェンコ
の政敵だった政治家ふたりが行方不明となっている。

シェレメトは1990年代の自由化の波にのってテレビ・ジャーナリストとし
て登場し、96年にルカシェンコ大統領をこっぴどく批判する番組をつくっ
て追放され、97年からはミンスクにあるロシア・テレビ支局に職を得た。

しかしここでもルカシェンコ批判をつづけたため拘束され、3ヶ月投獄さ
れた。彼に恩赦を命じたのはロシアのエリツィン大統領(当時)だった。

以後、シェレメトはモスクワへ移動し、やがて2000年、キエフに移住して
「ウクライナ・プラウダ」を創刊した。共同創刊者はジョージ・ゴンガデ
ジーだったが、このジョージも数年前に暗殺された。

彼は新聞のほかにラジオ番組でもホスト役をつとめ、母国ベラルーシより
も、ウクライナの政治家を批判した。

とくにポロシェンコ大統領とのそのビジネスパートナー等との特殊な利権
関係をするどく批判してきた。

ウクライナはジョージ・ソロスのオープンソサイエティや、ネオコンの流
れを組むアメリカ人活動家多数が入り込み、言論の自由、民主化を訴えて
きたため、比較的言論の自由は確保されていると考えられてきた。


 ▼真剣勝負のジャーナリストたち

暗殺現場はキエフの下町である。

ベラルーシからヒットマンがやってきたとは考えにくい。爆弾を仕掛けら
れた車は「ウクライナ・プラウダ」の現在の社主で、シェレメトのガール
フレンドでもあるアレナ・プリチュナ所有のものだった。

したがって事情通は「暗殺目標はアレナではなかったのか」と推測してい
る(米国ジョージタウン財団発行『ユーラシア・ディリー』、16年7月29
日)。

かくして旧ソ連圏は、ポーランドやバルト3国、チェコのように西側同様
な言論の自由を獲得した国もあれば、ベラルーシ、ウクライナのようにま
だ共産主義独裁の残滓との戦いで、志半ばに斃れてゆく戦士がいる。
ジャーナリストは命がけ、だからこそ真実に近づけるのだ。

(どこかの国のように、無責任な言説を垂れ流し、テレビで顔を売って政
治家になろうとしつつも、真剣さが足りないジャーナリストを見ていると
吐き気がしませんか?)

ところでベラルーシ経済だが、ロシアの原油価格低落により連鎖で経済
がうまく行かず、ミンスクも景気が悪い。ロシアへのガス代金は2億
7000万ドルを滞納している。

しかしベラルーシは農業機械、とくにトラクター生産では東欧一の生産
量を誇り、年間4億4000万ドルを売り上げる。

この状況に西側からIT産業が賃金の安いベラルーシへ進出し、いまで
は152社ものIT企業がハイテク工業特区に陣取って、2万5000人を雇用す
るまでに発展した。売り上げもトラクターを抜いて、5億7700 万ドル。
        

◆軍事的色彩強め立ちふさがる中国

櫻井よし子



フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、7月19日、南シナ海問題で
中国とは交渉しないと、マニラを訪れた米国議員団に語った。
 
南シナ海のほぼ全域が自国の領有だとする中国に対して、ドゥテルテ大統
領はオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所がどのような裁定を下しても、話
し合いで臨むと明言してきた。

氏は、大統領選挙のキャンペーンで、「中国が貧しいフィリピンの鉄道建
設に資金提供するなら、南シナ海問題について口を閉ざしてもよい」とま
で語った人物だ。
 
7月12日に、中国の主張を全面否定する画期的な裁定が示されたときも、
フィリピン政府は、抑制したコメントを発表しただけだった。これはドゥ
テルテ大統領が話し合いを進めようと考えていたことを示すものだろう。
 
歴史を振り返ればフィリピンは融通無碍な国である。2004年、アロヨ政権
は、中国と秘密協定を結んで多額の資金を受け入れ、その代わりに、スプ
ラトリー礁を含むカラヤン諸島のほぼ全域を中国企業が中国の法律に基づ
いて開発する権利を認めるという驚くような決断をした。

ドゥテルテ大統領も同様の道を選ぶのかと懸念されていたところに、中国
とは交渉せずとの情報だ。一体何が起きたのか。見えてくるのは、中国外
交の非常識である。
 
フィリピンと中国は裁定直後に外相会談を開いたが、フィリピン外相のペ
ルフェクト・ヤサイ氏によると、中国の王毅外相は次のように語ったという。
 
王氏はまず、裁定に関して一切のコメントを発表すべきではないとヤサイ
氏に申し渡し、その上で、裁定とは無関係に二国間協議に入るべしと告げ
たそうだ。
 
ヤサイ氏が、そのようなことはフィリピンの国益にも、フィリピン憲法に
も合致しないと答えると、王氏はこう返した。

「もしフィリピンが裁定に拘り、その線上で議論しようとするなら、われ
われは対立(confrontation)に向かうだろう」
 
これをどう喝と言わず、何と言うのか。スプラトリー諸島問題からいった
ん離れて、ヤサイ氏は次にスカボロー礁に言及した。同礁は3年前から中
国が実効支配しており、今年中に埋め立て作業に着手するのではないかと
懸念される注目の岩礁である。

中国がこれを埋め立てて軍事基地化すれば、南シナ海全体を中国に取られ
る。「フィリピン漁民の同礁周辺での漁業を認めてほしい」
 
ヤサイ氏の要請に、王氏は「話し合いには応ずるが、話し合いは裁定の枠
外でのみ可能だ」と答えた。
 
裁定から2日後、中国はスカボロー礁海域をブロックした。報告を受けた
ドゥテルテ大統領は明らかに態度を硬化させ、中国との話し合いを拒絶し
たと思われる。
 
中国の発言はフィリピンを見下したものである。フィリピンは中国の指示
に従えと、支配者然として告げたのである。
 
なぜ中国はここまで尊大なのか。彼らはまず、フィリピンを含む
ASEAN諸国の対中非難の背後に米国と日本の存在を見て取りながらも
オバマ政権が続く間、米国は軍事行動には出られないと読み切っている。
他のアジア諸国同様、日本も米国なしには中国抑止などできないと、これ
も見切っている。
 
国際法や国際世論では中国の四面楚歌は明らかだが、それを突破する軍事
力が中国にはあるとも考えているのだ。裁定から1週間後、中国人民解放
軍は戦闘爆撃機を南シナ海に展開し、以降、戦闘爆撃機の監視飛行を常態
化すると発表した。
 
国際法と国際社会を理解できない中国が、軍事的色彩を強めながら私たち
の眼前に立ちふさがる。この危機を私たちは自覚し、憲法改正を含めた議
論を幅広く始めるべきであろう。

『週刊ダイヤモンド』 2016年7月30日号 新世紀の風をおこす オピニ
オン縦横無尽 1143
                (採録: 松本市 久保田 康文)


2016年08月06日

◆中国の原子炉プロジェクトを中断

宮崎 正弘
 


<平成28年(2016)8月4日(木曜日)弐通算第4978号 >
 
〜英国メイ新政権、中国の原子炉プロジェクトを中断
   国家安全保障に直結――最終的契約には再審査が必要である〜


これはキャメロン・オズボーンが積極的に推進してきた対中外交の劇的
な路線転換だろうか?

メイ首相は中国との間ですすめてきた原子炉プロジェクトの最終合意を
「急ぐべきではない。もっと慎重に時間をかけて再審査するべきだ」と
し、中国はすっかり慌てた。

これは中国が最初に西側に建設しようとして原子炉プラントであり、も
ともと安全性に問題があり、中国のオファーを是としてきたキャメロン政
権の決定がいかがわしいことは、内閣の中枢財務担当大臣のジョージ・オ
ズボーンが異様なほどの中国派だったことに由来している。

昨年10月、4日間におよんだ習近平の訪英において、目玉プロジェクト と
して、両国は署名した。

「拙速すぎる」という批判が当時からあり、また後日エリザベス女王が、
「礼を欠く、品位のなさ」として習近平を名指ししなくとも、それとなく
批判したという逸話はひろく伝わった。

サマセット地区のヒンクレーに建設予定だった原子炉は総額18億ポン
ド(2700億円前後)というシロモノ、安全性の確認もなく急ぎで決めるべ
き問題ではない。急ぎすぎた政治的背景にも、2015年3月に米国の期待を
裏切ってAIIB参加をきめた英国外交の奇妙な親中姿勢にあった。

ついで英国の国民投票はキャメロン路線を否定する結果を招き、かれら
は下野したが、親中派のロンドン政界における退潮の兆しでもあった。
 
世界中で、中国のプロジェクトは頓挫の連鎖が始まっている。ニカラグ
ア運河の工事中断、インドネシア新幹線の中断、米国ロスアンジェルスー
ラスベガス新幹線の米国からのキャンセル。ミャンマーの水力発電ダムの
中止等々、枚挙するにいとまがないほどである。 
 
       

◆軍事的色彩強め立ちふさがる中国

櫻井よし子


フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、7月19日、南シナ海問題で
中国とは交渉しないと、マニラを訪れた米国議員団に語った。
 
南シナ海のほぼ全域が自国の領有だとする中国に対して、ドゥテルテ大統
領はオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所がどのような裁定を下しても、話
し合いで臨むと明言してきた。氏は、大統領選挙のキャンペーンで、「中
国が貧しいフィリピンの鉄道建設に資金提供するなら、南シナ海問題につ
いて口を閉ざしてもよい」とまで語った人物だ。
 
7月12日に、中国の主張を全面否定する画期的な裁定が示されたときも、
フィリピン政府は、抑制したコメントを発表しただけだった。これはドゥ
テルテ大統領が話し合いを進めようと考えていたことを示すものだろう。
 
歴史を振り返ればフィリピンは融通無碍な国である。2004年、アロヨ政権
は、中国と秘密協定を結んで多額の資金を受け入れ、その代わりに、スプ
ラトリー礁を含むカラヤン諸島のほぼ全域を中国企業が中国の法律に基づ
いて開発する権利を認めるという驚くような決断をした。

ドゥテルテ大統領も同様の道を選ぶのかと懸念されていたところに、中国
とは交渉せずとの情報だ。一体何が起きたのか。見えてくるのは、中国
外交の非常識である。
 
フィリピンと中国は裁定直後に外相会談を開いたが、フィリピン外相のペ
ルフェクト・ヤサイ氏によると、中国の王毅外相は次のように語ったという。
 
王氏はまず、裁定に関して一切のコメントを発表すべきではないとヤサイ
氏に申し渡し、その上で、裁定とは無関係に二国間協議に入るべしと告げ
たそうだ。
 
ヤサイ氏が、そのようなことはフィリピンの国益にも、フィリピン憲法に
も合致しないと答えると、王氏はこう返した。

「もしフィリピンが裁定に拘り、その線上で議論しようとするなら、われ
われは対立(confrontation)に向かうだろう」
 
これをどう喝と言わず、何と言うのか。スプラトリー諸島問題からいった
ん離れて、ヤサイ氏は次にスカボロー礁に言及した。同礁は三年前から中
国が実効支配しており、今年中に埋め立て作業に着手するのではないかと
懸念される注目の岩礁である。

中国がこれを埋め立てて軍事基地化すれば、南シナ海全体を中国に取られる。

「フィリピン漁民の同礁周辺での漁業を認めてほしい」
 
ヤサイ氏の要請に、王氏は「話し合いには応ずるが、話し合いは裁定の枠
外でのみ可能だ」と答えた。
 
裁定から2日後、中国はスカボロー礁海域をブロックした。報告を受けた
ドゥテルテ大統領は明らかに態度を硬化させ、中国との話し合いを拒絶し
たと思われる。
 
中国の発言はフィリピンを見下したものである。フィリピンは中国の指示
に従えと、支配者然として告げたのである。
 
なぜ中国はここまで尊大なのか。彼らはまず、フィリピンを含む
ASEAN諸国の対中非難の背後に米国と日本の存在を見て取りながらも
オバマ政権が続く間、米国は軍事行動には出られないと読み切っている。
他のアジア諸国同様、日本も米国なしには中国抑止などできないと、これ
も見切っている。
 
国際法や国際世論では中国の四面楚歌は明らかだが、それを突破する軍事
力が中国にはあるとも考えているのだ。裁定から1週間後、中国人民解放
軍は戦闘爆撃機を南シナ海に展開し、以降、戦闘爆撃機の監視飛行を常態
化すると発表した。
 
国際法と国際社会を理解できない中国が、軍事的色彩を強めながら私たち
の眼前に立ちふさがる。この危機を私たちは自覚し、憲法改正を含めた議
論を幅広く始めるべきであろう。
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月30日号 新世紀の風をおこす オピニ
オン縦横無尽 1143 
                 (採録: 松本市 久保田 康文)


◆習近平が外国人排斥運動?

平井 修一



支那はどんどん悪い方へ向かっている。諫言すると地位、名誉、財産、命
のすべてを奪われるから、習近平の周りにはイエスマンと面従腹背の政敵
しかいない。習は裸の王様で、自分の妄想世界に生きている。急に「外国
技術に依存するな、これからは独自のイノベーションだ!」とわめき始
め、どうやら現場はぐちゃぐちゃになりそうな気配だ。

国際弁護士・村尾龍雄氏の論考8/1「表現の自由の強い規制下でイノベー
ションは成功するか?」から。

<上海にアメリカの大手メーカーに勤めるエンジニアの友人(アメリカ
人)が赴任してきたので、最近よく一緒に飲む機会が増えています。その
彼曰く、赴任直後から難問続出、頭を抱えているというのです。

その難問如何を問うと、「今まで長い間、中国側パートナーと一緒に仲良
く技術開発してきたのに、私の赴任直後から『最早アメリカの技術は不要
で、秘密裏に国産技術を開発するのだ』と言い出したのだよ」というのです。

どうもその背景には第13次5カ年計画で標榜する創新(イノベーション)
政策が深く関与しているようで、上層部から外国技術に安易に依存せず、
独自に新たな技術を編み出せとのお達しが出されている様子とのことで、
アメリカの最先端技術に依拠した共同技術開発チームの相互コミュニケー
ションがとれず、殺伐とした雰囲気が漂うというわけです。

確かに中国は1978年の改革開放以来、外国技術に模倣することで短期間の
うちに製造業の水準を世界トップクラスに押し上げましたが、ドイツと日
本の技術を丸パクリしながら、「わが国の独自開発技術」と誇る新幹線
(高鉄)の例はあれども、実際には独自開発部分は僅少で、模倣部分が圧
倒多数なので(そしてそのことを世界の誰しもが知っているので)、世界
に技術をライセンスし、組織的に儲けることに必ずしも成功していません。

危機感を抱いた中共中央、中央政府は「製造業2025」を政策目標として標
榜し、2025年に技術大国・中国の実現を模索しますが、そのための手段で
ある創新は自主開発を本質とし、独自性に富むものでなければならないと
いう発想があるようです。

しかし、イノベーションとは本来的には自由闊達な思想と表現が完全に保
障される環境下で、一見無関係な複数の技術が融合し合って生み出される
ものですから、当該保障が相対的に後退している現在の政権下で、上層部
からの強制だけでイノベーションを実現しようとしても、そこには構造的
に無理があるのではないか、と思うのです。

エジソンのように何百回、何千回も実験に失敗しようとも、それは決して
失敗ではなく、駄目な方法がまた1つわかったとプロセスを楽しみながら
実験を続けるだけのマインドは強制下で生み出せるものではあり得ないと
思うのです。

むしろ自主創新の実現に向けた一種の焦燥感がアメリカ人の友人の身に起
こったように、中国企業が今までの外国企業から謙虚に学ぶ機会を不合理
に剥奪する結果を招来すれば、模倣中心主義時代より相対的に製造業の力
が悪化する懸念すらあるように思われます。

私がお手伝いする中国版VR(仮想現実)及びAR(拡張現実)のように、ア
メリカで修行した天才エンジニアが驚くべき品質の製品を驚くべき低廉価
格で実現する「海亀寄与型イノベーション」は今後も散見されるでしょう
けれども、自主創新が本当に花開く可能性が高いとは到底いえないように
思えます。

2006年3月の第11次5ヵ年計画で前政権が自主創新の言葉を使い始めて10
年。今後の10年が自主創新をほとんど生み出せなかった今までの10年とは
違うという結果が出ればよいのですが・・・。

親中派を標榜する私の懸念が杞憂であることを祈るばかりです>(以上)

村尾氏の懸念は現実のものになる。習はトウ小平の改革開放路線を大きく
転換し、外国勢力を追放する排外主義へ進み始めたようだ。文革2.0、あ
るいは1900年の外国人排斥運動「義和団事件」2.0を起こしたいのだ。
「今度こそ勝つぞ、勝って大帝国を創るのだ」と。

各国は経済分野で相互関係を強めてきたし、中共もそうやって経済を発展
させ、GDP世界2位に駆け上がった。WTO(世界貿易機関)などの国際ルー
ルに従った良好な経済交流が世界の発展につながるのだ。

ところが国際ルールには先進国に有利な「知的財産権」という、中共が得
意とするパクリやニセモノを禁止する規定もある。たとえば外資が支那企
業と合弁で支那に企業を創り、100億円の利益が上がったとする。外資は
ライセンス料、ロイヤリティなどで60億円を取り、支那企業は5億円しか
取れない。

「実際に汗水流して工場で作り、必死に売っているのは中国人だ。それな
のに利益のたった5%しか我々には還元されない。理不尽だ。外国技術に
依存するな、これからは独自のイノベーションだ、自主創新だ!」と井の
中の蛙の裸の王様、習近平がわめくのは理解できる。

支那人は多くの国々の民と同様におカネが好きだ。それはいいが、とにか
く安直に儲けたい、博打、マネーゲーム大好きというのが数千年来の民族
性であり、地道にこつこつ努力を重ね、特許を積み上げ、ブランドに育て
るという「王道」とは全く無縁である。習近平以下14億人は「王道」の存
在すら知らないだろう。

改革開放以来も「王道」ではなく常に外資の知財を買うことで(多くは盗
んで)安直な「近道」を歩んできた。その民族が突然、イノベーション、
自主創新を叫んだところで、結局は看板倒れ、何も創造はできない。

これは「中共憎し」で小生が喚いているのではない。実態はもっとひど
い。莫邦富氏/作家・ジャーナリストの論考「雑貨の街『義烏』で見た中
国企業の革新と旧態依然」(ダイヤモンド2016/4/14)から。

<2016年3月3日、私は「中国貨物列車のイラン到達は一帯一路の大きな一
歩」と題して、中国の貨物列車が初めてイランに到着したことの意義や中
国版新幹線、高速鉄道の海外進出の動きなどを紹介した。

1月28日、この貨物列車は寝具・工具・アクセサリーなどといった商品を
32個の40フィートのコンテナに積んで、浙江省の「雑貨の町」という呼び
名で知られる義烏(イーウー)を出発し、新疆ウイグル自治区の阿拉山口
から中国国境を出た。

列車はカザフスタンとトルクメニスタンなど4ヵ国をまたいで1万0399キロ
メートルもの距離を走り、14日後に、イラン東北部とトルクメニスタンが
接するサラフスに入った。そこからさらに、イラン国内を移動して、終点
のテヘランに到着した。

そのなかで、「中国の義烏は世界的な日用雑貨の集散地で、イランはすで
に義烏にとって上から5番目の輸出対象国となっている。2015年、義烏を
訪れたイランのビジネスマンは延べ2万人を超え、1万8000個のコンテナが
義烏の税関を通ってイランへ輸出された」と義烏とイランとの経済関係を
述べた。

*14年ぶりの再訪で見た伝統と変貌

このコラムを書いたとき、前回、義烏を訪れてから、すでに14年の歳月が
過ぎ去ったのを思い、近々久しぶりにこの雑貨の町を訪問してみようと考
えていた。2016年4月中旬に中国国際電子商務博覧会が開かれると聞い
て、義烏の再訪に踏み切った。ちなみに、国際電子商務とは「越境EC」の
ことを指す。

14年前、私はNHKのスペシャル番組を製作するため、何度も義烏を訪問し
ていた。だから、14年ぶりの再訪で何を発見できるのか。その比較と発見
は密かな楽しみだった。

当時、上海からは遠く、浙江省の省都杭州市からでも車で3時間くらいは
かかる移動だった。空港はあるが便は少なく、高速道路もまだなかった。
交通は大変不便だった。いまは高速道路ができており、上海からの移動は
3時間くらいで済む。

車が義烏に入る前に、同行の関係者たちに、「義烏の町の照明は暗い。豊
かな町だが、節約を徹底している」といった当時の私の感想を披露した。
車が義烏に入ったとき、関係者たちは一様に感心することになった。「い
まも暗いのだ」と14年前の私の感想と同じ言葉を口にした。 

当時、私は全国紙で、義烏商人の金銭感覚を取り上げたことがある。「小
商品」、つまり雑貨の製造・販売で知られる同市の市内には、バザール形
態の小商品市場があり、蜂の巣のように細かくセルで区切られている。

一つのセルが一つの店舗で、面積はせいぜい数平方メートル。猫の額ほど
の舞台で、爪楊枝を100本売ってようやく0.01元(当時の為替レートで
は、1元は約15円)の利益を手にする、といったうまみの薄い商売をして
いる。(平井:100本で15銭!)

実際に爪楊枝を販売する店舗では、1日に10トンをさばくことも多い。1億
本売れた計算になるが、100本で0.01元なら、利益は1万元(15万円)だ。
私が訪問した眼鏡の商人も、眼鏡一つで利益はわずかに0.04元。だが、
5000個、1万個とまとまった数で世界中に根気よく売っていく。

義烏商人の会社を訪問したとき、38度にもなる猛暑だったが、どの会社の
社長室もクーラーが使われていない。いや、クーラーそのものが取り付け
られていない。片隅に置かれた扇風機も、工場にあるような汚く粗末なも
のだ。驚く私に「クーラーを1分間使うと販売した商品をどれだけどぶに
捨てることになるか」という返事が戻ってきた。

しかし、顧客が来る商品の陳列室には、ちゃんとクーラーを取り付けてい
る。ここまでコストの削減に努力している町全体の姿に頭が下がる思いが
した。

とはいえ、14年後の義烏は、その変革を迫られていた。人件費の高騰や環
境保護の出費もあり、コストの削減だけの努力ではもう限界に達してい
る。越境ECの勃興と伝統的な商売形態の衰退も新しい変貌とレールチェン
ジを求められている。

*原子爆弾を靴下のブランド名にする国際感覚

ある靴下の生産で知られる企業を訪れたとき、広い陳列室に顧客の姿は一
人もいなかった。私たちを案内していた責任者は名刺を持ってこなかった。

口々に「日本市場には入っていない。それを打破したい」と言っている
が、日本の関連企業を紹介しようかと応じたら、「100万足でないと、注
文は受け付けられない」と言われ、唖然としてしまった。「ユニクロとの
商売をしたい。2万足、3万足の仕事はしたくない」と例の責任者が弁解し
ている。

一方で、アメリカ、ドイツなどのブランド品の靴下の製造を請け負ってい
ると自負しているが、自社ブランドに原子爆弾を意味するネーミングをし
ている。海外市場への理解がまったくできてない。道理で日本市場に進出
できなかったわけだ、と納得した。

薄利多売の路線を求め、走ってきた義烏雑貨の発展の道のりを考えると、
その気持ちがわかる。しかし、これではもう時代遅れだ。

もう一つの企業を訪問したとき、まったく逆の発見をした。1994年に設立
した双童日用品という会社だが、二十数年、ずっとストローに専念したビ
ジネスをしている。世界規模のスーパーマーケットなどの優良企業から安
定した注文を受けていた同社は同業者から羨ましいと言われていた。

しかし、彼らは逆に不満を覚えていた。価格においては主導権を握ってい
ないのだ。そこで大手企業1社の注文が中小企業の10社の注文に相当する
なら、その10社の中小企業に営業の重きを置くようにした。

特許をもつ数々の製品の開発やブランディング戦略の構築などの努力もあ
り、順調に発展している。環境保護や社員の福祉厚生にも力を入れ、中国
では珍しい匠の精神に打ち込んでいる企業だ。誰でも納得できる優良企業
と言えよう。

薄利多売の義烏企業のこれまでの路線を離れ、まさにブランド、品質、差
別化で成長を続けている企業だ。後継者問題も解決できたようだ。

31歳の社長は1年前に就任したばかりだ。しかし、創始者でもある前社長
の補佐を5年もしている。16歳から働き始めた若い社長が企業戦略を熱っ
ぽく語っているその横顔を見て、少年工出身だとは思えないその成長ぶり
にまぶしさを覚えた。

まさに義烏の明暗を見た旅だったと思う>(以上)

双童日用品は例外的な進取企業であり、多くは薄利多売のままなのだ。イ
ノベーションを叫べばイノベーションが空から降ってくると習近平は思っ
ているのだろうが、実際に降ってくるのは通貨安によるインフレーション
か需要不足によるデフレーションくらいだ。

それにしてもイランへの輸出品は相変わらずの百均の雑貨・・・あまりに
も気の毒で涙が出そうになるが、これが世界2位の経済大国の実態なの
だ。中共に未来はない。(2016/8/4)

2016年08月05日

◆コロンボ沖人口島プロジェクトにGO

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)8月3日(水曜日)通算第4976号 >

 〜スリランカ、またも変心。コロンボ沖人口島プロジェクトにGO
   替わりに中国は一日38万ドルの損害賠償請求を引っ込める〜

もともと怪しいプロジェクトだった。
コロンボの沖に人口島を造成し、一大都市と港湾機能をそなえる夢の島
をつくって差し上げましょう(実態はチャイナタウンをインドの下腹部に
造成する)と持ちかけた。

飛び上がって喜んだスリランカの前大統領は、中国の提案に飛びついた。
大統領の息子は特別待遇で中国へ留学した。

2014年、習近平は大型使節団を引き連れてスリランカを訪問し、こ のプ
ロジェクトを正式に署名した。 

ラジャパスカ前大統領は、中国に国益を売ったと批判され、猛烈な反政
府運動が起きた。

日本に喩えて言えば、東京湾に大きな人口島を埋立造成し、その島を 99
年借り受け、中国が管理運営するという話だから、独立国家の「主 権」
の問題からみてもあってはならないことである。

しかしスリランカは、南方のハンバントタ港をすでに中国に工事を任
せ、一昨年の習近平訪問時に合わせて、中国海軍の潜水艦が、ここに寄港
した。スリランカ南方は前大統領ラジャパスカの地盤である。

インドは安全保障上、由々しき問題であるとした。

セリナス新大統領が誕生(15年3月)、コロンボ沖合人口島プロジェク ト
は「中断」した。セリナスは、このプロジェクトを中止に持ち込む考え
と言われた。

セリナスは政界のベテラン、閣僚経験もあり、清廉な人物として知られた。

ところが資材を陸揚げし、建設機材などもコロンボの港湾倉庫に山積み
されたまま、中国は、工事の遅れを一日38万ドルの損害と見積もり、合
計1億4300万ドルの損害補填をスリランカ政府に迫っていた。

契約の履行を迫られ悩みに悩むスリランカ新政権だが、押して押して押
しまくられ、ついに屈服するかのように、工事再開に同意した。

2016年8月2日、主契約社の中国交通建設公司(CCCC)は損害 賠償
請求を取り下げた。

スリランカ政府は110ヘクタールの人口島プロジェクト建設に最終的な
GOを出した。

裏取引は、ほかに多くの魅了的プロジェクトを中国が提示し、その多く
が有利な融資条件であったからとも噂される。

とはいえ、中国の壮大な海外プロジェクトは世界各地で頓挫、挫折して
おり、とりわけニカラグア運河の工事中断、資金枯渇などを目撃すれば、
はたしてこの大プロジェクトは完成するのか、訝しむ声も日増しに多く
なっている。

◆私の「身辺雑記」(370)

平井 修一



■8月1日(月)、朝6:00は室温28度、快晴、今日も噛みつくような日射し。

昼過ぎから驟雨沛然、慌てて窓を閉め、やんだら窓を開ける、また驟雨沛
然、窓閉め、やんだら窓を開ける、これを繰り返す。運動だと思わないと
ウンザリする。

【今朝の産経から】1面「都知事に小池氏」。いい選択だった。石原自民
都連と野党四バカ連合の愚かさが明らかになり、彼らのパワーダウンは避
けられまい。小池氏は自民にとどまり、早めに安倍氏に挨拶に行くべきだ。

1面、櫻井よしこ氏「旧日本軍に罪着せる外務省」。害務省、反日屋の巣
窟、解体的出直しが急務だ。

1面「元横綱 千代の富士死去」。ひょんなことから大相撲稽古総見を取
材する機会があり、部下の祐子ちゃんを行かせたのだが、「千代の富士は
共同インタビューでニコリともしなかった、とっても不愛想」と、ちょっ
とがっかりしたようだ。彼女は千代の富士を人気タレント、人気選手だと
誤解していたのだろう。

大相撲は神様へ奉納する神事。千代の富士はそれを体現した最後の横綱か
もしれない。

61歳だったが、「早すぎる」わけではない。ネット「知恵袋」で調べると――

<昭和55年から平成14年の間に死去された100人の幕内経験力士の死亡時
の年齢の単純平均値は63.6才で、昨年度(2002年)の日本人男子の平均寿
命の78.07才より15才近く短命と言うことになります>

肥満が万病を呼び込んでしまうのだ。

<日本人の平均寿命より力士の平均寿命の方が長い時がありました。例え
ば、明治時代は男子の平均寿命43才に対して力士は56才で長生きでした。
明治時代の力士は身長170cm、体重100kg程度で、引退した舞の海関クラス
が平均的だったのに対して、現在の力士会所属力士の平均は184cm、159kg
ですから、明らかに身長の伸びに対して体重が過大になっています>

命懸けの神事。回し姿でどうして笑顔を見せられよう。

8面、矢板明夫記者「スパイ事件裁判 公開を」。東京新聞によると7月に
行方不明になったのは「日中青年交流協会」の鈴木英司理事長(59)。
ネットから――

<1994年。フィリピン中部ネグロス島のバコロド空港で、娼婦から渡され
た土産の中に大麻2キロが入っていたことが発覚して逮捕された男がい
る。鈴木英司氏である。

鈴木氏は「知らなかった」と一貫して主張したが、同年12月には死刑判決
を受けた。翌年、マニラ首都圏モンテンルパ市の刑務所に移送されてずっ
と服役していた。

しかし、彼は恩赦を与えられて刑務所を出た。そして、200万円の支払い
が済むと16年ぶりに帰国することになる。

16年というのはとても長い年月である。一時は死刑判決されていたが、そ
こから終身刑、そして恩赦だから、文字通り「命拾いした」と言ってもい
い。僥倖である>(ダークネスDUA)

2010年10月に帰国した鈴木英司(当時54歳、今なら59歳か60歳)と理事長
(59歳)はただの同姓同名同学年なのか。日中青年交流協会のサイトは
「現在メンテナンス中です」とあり、確認できない。なお、同協会は中共
認定の「日中友好7団体」には入っていない。

午前中にハーフ散歩。千代の富士の雲龍型土俵入りをユーチューブで学
び、さっそく実行した。四股踏みは昨年11月から練習しているので、結構
すんなりと真似できた。わが街で雲龍型土俵入りをできるのは多分、小生
だけだ。今日も勝ったな。そのうち八幡様と菩提寺に奉納しよう。露払い
と太刀持ちは孫だな。アイスクリームで手なずければノープロブレム。

■8月2日(火)、朝6:00は室温26度、いつ雨が降るかわからないので一晩
中クーラーをかけていたからだ。夕べ、軽井沢から機嫌よく帰ってきた
子・孫軍団の膨大な洗濯物も生乾きだし。晴/曇、今日も暑くなりそう。N
母子のお弁当も用意したので朝から忙しかった。

久し振りに椅子に座って朝食をとったが、腸に落ちていかずに全部吐いて
しまった。涙ポロポロ、頭クラクラ、もう立食でいくしかない。

それを除けば、このところの「マイン・カンプ」は勝ちっぱなしだ。舛
添、増田、鳥越は永久追放の所払い、野党四バカ連合は鞭打ち、岡田は戦
意喪失で戦線離脱、石原ジュニアは自滅。

外を見れば欧州の妄想アカモドキは意気消沈、プーチンはキャッシュがな
くてシブーチン、習はひたすらパープリン、経済は崖っぷち、あと100m、
米大統領選は「どっちがマシか」の体たらく。トランプ支持者は腰に拳銃
を吊るして選挙運動をしていたが、そうでもしないとボコボコにされるか
らだ。亀裂は大きくなるばかりだろう。

どっちが勝つか。サンダース票とヒスパニック票がどう動くかが鍵だろう
が、米国人が分からないのだから小生も読めない。日本の台頭、核シェア
リングを含めた自主防衛のためにはトランプの方がマシか・・・

【今朝の産経から】1面「小学英語 年140時間増 中教審案」。小生の受
けた中高の英語教育にはまったく英会話がなかった。米国へ行ってレスト
ランに入り、「すいません、両面を焼いた目玉焼きをお願いします」をど
う言えばいいのかわからず苦労した。

大体、ウェイトレスに声をかける「すいません」は I'm sorry(ごめんな
さい、お気の毒様)ではおかしいだろう。ウェイトレスには mam、ウェイ
ターには man/Sir とよびかけるようだ。見よう見まねでこんな風に言っ
ていた。

Mam, I gonna have eggs fried sunny-side up とか、

Mam, I'd like a fried egg. Turnover please とか言って手のひらを裏
表にして見せたり。これはアジアでも通じる。呼びかけの前に excuse me
を足してもいいようだ。

6年間も英語を学び、試験ではトップクラスだったが、日本の教育ではこ
の簡単な会話さえもできないのである。どうかしている、ほとんど crazy
だ。

7面正論、平川祐弘氏「鴎外像を一新する西澤論文」は医者としての鴎外
を分析しており、勉強になった。論考の書き出しは「岩波書店発行の『文
学』年内休刊が決まった」。岩波のサイトから。

<長年読者の皆様のご支援を賜りました小誌『文学』は、諸般の都合によ
り、二〇一六年十一・十二月号をもちまして、勝手ながら休刊させていた
だくこととなりました。

小誌は1933年四月に創刊・・・以後八十年余、読者の皆様ならびに印
刷・製本・販売等関係する方々のご支持のもと、斯界第一線の研究者・作
家・評論家の方々にご寄稿いただくことにより、文学研究の創造と最新成
果の紹介という創刊以来の目標に邁進することがかないました。

この度の突然の休刊のご報告を深くお詫び申し上げるとともに、長年のご
愛読とご鞭撻に心より感謝申し上げる次第です、云々>

部数減に歯止めがかからなかったのだ。せいぜい3000部だったろう。

出版業界ではおおむね「休刊=廃刊」なのだが、雑誌コードを新たに取得
するのは難しいので「休刊」にしておき、新しい雑誌、たとえば「青息吐
息」を出す際は「文学」を「青息吐息」に書名変更して発行するのが常套
手段だ。

ネットで反応を見ると「岩波は『文学』残して『世界』を廃刊にすればよ
かったのに。国文学の専門誌は残しておいて欲しかった」の声も。まこと
に然り。

8面「原発新設 中国企業参加で 英首相『安保上の懸念』」。習近平は
またまた失敗しそうだ。

27面「最高裁『脱原発テント』退去命令確定」。アカを煽り、支えている
のは弁護士の河合弘之。資金も与えている。河合は岩波から「動かすな、
原発」を上梓している(共著)。殲滅すべし、言論戦で。

■8月3日(水)、朝6:00は室温26.5度、晴。夕べも降ったりやんだり、こ
こ数日間は天気が不安定だ。何か嫌な予感がする。

地政学者・奥山真司のメルマガ8/2「太平洋戦争時と本質的には変わって
いない日米の差異」から。

<私が某幹部学校の講師をしていることは既にご存知の方も多いと思いま
すが、先日、クラウゼヴィッツの講義をしている時に、ある学生の発表で
面白いエピソードを聞きました。

それは米軍と行った、ある軍種の合同訓練の時の話。

これはある航空機を使って、日米チームのどちらがうまくターゲットに爆
弾を落とせるのかを競い合う、いわば競技会のようなことをやった時のこと。

発表した学生は、ある航空機のパイロット(機長)だったのですが、彼が
強烈に気づかされたのは、日米間の乗組員たちの練度や、その組織文化の
違いだったそうです。

まずパイロットの練度ですが、日本のほうが訓練量も圧倒的に多いので、
当然ながらはるかに上。

とりわけパイロット側の飛行時間、つまり経験値がアメリカ側よりも高
く、その差は極端にいえば10倍くらいの差があります。

要するに日本のほうがベテランのパイロットが多く、当然ながら競技会を
やっても、スコアは圧勝だそうです。平均すると、スコアは日本側が95点
でアメリカ側が65点とか。

「日本人は素晴らしい」と単純に考えてしまいがちですが、ここにワナが
あります。

というのも、競技会が進むにつれて、初日は圧勝できていた日本側も、日
数を数えると段々疲弊してきて、ある時からぐんとスコアが下がるとか。

ところがアメリカ側はそもそもパイロットに個人の力量というものを求め
ていないために、交代要員などをつかって効率よく回し、平均65点を維持
しつつ、結果的に総合点では日本側に肉薄したり、勝ってしまうことがあ
るそうです。

この違いは何か。

鋭い方は、ここで考え方の「抽象度の違い」があることに気づく方もいる
かもしれません。

日本側の特徴は、いわば個人の「職人芸」を目指すところにあり、この場
合は特定のパイロットの練度や経験値を上げることに集中し、非常に高い
完璧性を目指すことにあると言えるでしょう。

ところがアメリカ側の特徴は、パイロット個人の練度の高さには注目せ
ず、むしろ「誰が操縦しても平均して良い働きができること」を目指して
いるところにあることがわかります。

つまり彼らは「個人の技量」ではなくて、「部隊としてのシステム」の優
秀さで勝負しているというところがあるわけです。

これを「思想の違い」と言ってしまえばそれまででしょうし、日本も優れ
た個人を育成できるという点においてはアメリカ側よりも優れていると言
い切ることも可能です。

しかも実際は上記のような競技大会の場合で、短期決戦であればアメリカ
側よりもはるかに優秀な成績で勝つことも可能なのです。

ところがこれが長期戦、さらには部隊レベルではなく軍レベル、さらには
国家レベルになると、どうも都合がわるくなってきてしまいます。

なぜならコントロールする範囲が規模が大きくなると、どうしても個人の
持っている「技術」のようなものではなく、集団のもっている「システ
ム」の優位を考える必要が出てくるからです。

そしてそのような「システム」を考える際に必要となってくるのが、思考
の抽象度の高さなのです。

「戦略の階層」という考え方があります。これは、私、奥山真司が「これ
こそが日本人に必要な発想だ!」と長年訴えつ続けている、思考のための
ツールです。

私がこのツールの重要性に気づいたのは、数々の戦略関係の本を翻訳した
り、留学中に「戦略家」と呼ばれるような人たちの話を聞いた時です。彼
らは日本人とは決定的に違うレベルでものごとを考えています。

そしてそのレベルの違いを、少なくともまずは「理解」しておかなければ
ならない・・・これを私は日々痛感しております。

日本はバブル崩壊後の目標として、長年にわたって「ものづくり」という
スローガンの下に新たな経済成長を模索してきました。ところが、日本人
にとってはなじみのあるこのコンセプトは、さしたる成果も挙げずにいま
に至っています。

それは「ものづくり」という技術レベルの話をいくら追究しても、その上
の戦略レベルの「システム(仕組み)づくり」に優れている側には勝てな
いからです。

日本は「仕組みづくり」でももはや欧米には勝てないのかもしれません。
しかし、それにただ盲目的にやられ続けるのではなく、その背後にある階
層的な考えの本質を理解して、それに対する対抗策を考えるというのは、
決して無駄ではないはずです。

この度、この「戦略の階層」という発想を根本から解説しているCDを、時
代の進化に合わせて「2.0」へとヴァージョンアップしました。この機会
に、ご興味のある方はぜひお聴きになって下さい。

「戦略を語れない人生は奴隷だ 戦略の階層」を徹底解説するCD(2.0&2016)

そしてただ聴くだけで終わらせることなく、ご自身の頭で考え、実践して
みて下さい。この大事な思考ツールを、私はみなさんと共に常にブラッ
シュアップして行きます>(以上)

日本兵100人 VS 米兵100人が対戦すると、序盤戦は日本圧勝、日本は予備
がないので疲れてくるが、米国は控えが100人いて順次交代させるので中
盤戦はトントン、そして終盤戦は米国完勝になる、ということだ。

大東亜戦争はせいぜい2年で講和だろうと日本の指導者は考え、序盤戦は
圧勝、1941年12月8日開戦直後の12月10日には、日本軍の上陸を阻止する
ため出撃した英戦艦プリンス・オブ・ウェールズは日本海軍航空機の雷撃
及び爆撃により、僚艦のレパルスとともにマレー沖に沈没した。

ところが中盤戦は苦戦、終盤戦は空襲、原爆、ソ連軍の裏切りで完敗だっ
た。精神力や勇気は大事だが、物量、システムを含めた総合力で優位に立
たないと勝てない、最悪の場合は大敗を喫する。

「戦略の階層(レイア)」とは、下から順に技術、戦術、作戦、軍事戦
略、大戦略、政策、世界観とレベル分けされ、「上位のものが下位のもの
を決定する」という思考方法だ。現実を直視し、冷静に判断しないと、民
族の悲劇を重ねることになる。

【今朝の産経から】3面「ポスト安倍狙いも石破氏『閣外』ちぐはぐ言
動」。石破は何を言いたいのか、何をやりたいのか、昔から全然わからな
い人だ。政治家に向かないのではないか。

5面「都知事選敗北 石原氏『責任者は幹事長』」。つまり谷垣が悪い、
というわけだ。石原ジュニアは父親のいいところではなく、軽佻浮薄なと
ころだけを引き継いでしまった。政治家として終わりだろう。

6面、長辻象平氏「JAXAの超音速旅客機研究 宿命の衝撃音の低減に成
功」、曰く「日本の航空機技術は、第二次大戦後、欧米の後塵を拝する運
命に置かれたが、次世代民間超音速機への挑戦という先端領域で、世界を
リードするコア技術を開発した。この成果の真価は、世の中にもっと轟い
てしかるべきだろう」いいね!

7面正論、小堀桂一郎氏「歴史的記憶を更新する意義」、曰く「昨年の8月
1日に靖國神社で戦後初めての「済南・通州両事件殉難者慰霊祭」といふ
祭事が民間有志の発案により行なはれてゐる。本年もその第2回の慰霊祭
を8月6日の土曜日に斎行する予定である・・・

近現代に於ける対外関係の中での国民の殉難の歴史を想起し、改めて記憶
に刻み、以て今日現在の戒めとするといふ試みは、やはり国民の守護神で
ある靖國の英霊の大前でが適(ふさは)しいと思ふ」。合掌。中共とチャ
イナスクールは叩くべし。

27面「小池都政船出 自民都議は冷遇 都議会のドン くすぶる確執」。
往生際悪すぎ、ダメね!「戦略の階層」を勉強したらいい。男の腐ったの
は救いようがないかも。(2016/8/3)


2016年08月04日

◆新都知事・小池百合子を祝す

大江 洋三



筆者は東京都民ではない。それにも拘わらず、女史を応援するのには訳が
ある。

彼女は東京都の街並みが「みやこ」という名に相応しくないことをよく承
知していて、かねてより電柱・電線の地中化論者であった。今回の選挙公
約においても、それを掲げていた。

わが都(みやこ)の電柱・電線の地中化率は、たったの7%。お隣のソウ
ル市でさえ47%で街並みが広く落ち着きがある。ただし、残り43%はガタ
ガタである。

落ち着きも美の一つと考えると、わが都は劣っている。

車を運転するとよくわかるが、電柱1本で運転幅は少なくとも1mは狭く
なる。徐行運転時を含めると1.5mは狭くなる。

同じ狭くするならその分、歩道を付けた方がいいだろうと思う。それに緊
急時の場合、救急車や消防車が運転しやすい。

震災の場合、倒れた電柱・電線が救助を邪魔することになる。

つまり、電柱・電線化の地中化は防災にもなる。

電柱・電線をむき出しにしているのは、従来の震災復旧作業習慣に依るも
のだろうが、現在のように家屋が過密化すると逆に邪魔になる。
関連する都の財政出動規模がどの程度になるか承知しないが、政府も観光
立国を唱えるなら美都のため応援すべきであろう。

安倍内閣はリニア新幹線計画の前倒しで3兆円の財政投融資をする。
古いといわれるだろうが「風景の見えない鉄道」は考え難い。希望通り
JR東海に丸ごとやらせばいいではないか。銀行も貸し出し先に困ってい
る事だし。

それよりも、3兆円を電柱・電線の地中化に注ぎ込んだ方がいいと思う。
トンネル削掘より関連産業が多いだろうから経済波及効果も大きい。

勿論、コストの問題もあるだろうが、都議会議決で「実施」と決めたらコ
ストは必ず下がる。総需要と技術水準が決まり企業の投資不安が減るからだ。

資金不足なら起債すればいい。何せ東京都の財政規模は先進国のスエーデ
ンと同じ。どちらに金融的信用があるかといえば東京都である。後ろに日
本政府が控えているからだ。

少し行動経済学を足すならば、事業の受益者が未来の人であるなら、公会
計の借金は投資と同じものである。建設国債が赤字国債と異なる所以である。

また、新事業ほど付随する一般管理費は低減する。従前の管理費で賄おう
とするからだ。例えば、新事業ごとに新に給与計算要員など総務を構える
バカはいない。

安倍内閣もようやく財政出動に舵を切った。
新都知事の成功を祈る。(28.8.1)


2016年08月03日

◆外務省は旧日本軍に罪を着せるのか

櫻井よしこ



外務省は旧日本軍に罪を着せるのか 名誉を守る努力をしないのは情報操
作? それとも能力不足?

外務省に日本と日本人の名誉を守る気概はあるのか。強い疑問を抱かざ
るを得ない。

旧日本軍とは無関係の国際的神父殺害事件を旧日本軍の犯行であったか
のように政府高官に報告し、中国の対日歴史非難と歩調を合わせるかのよ
うな情報操作を、外務省が行っていた疑いがある。

右の神父殺害事件は1937(昭和12)年、旧日本軍の南京攻略に先 立つ
110月9日に発生した。中国河北省正定で、当時フランス政府の管轄 下
にあったカトリック教会が襲われ、神父9人(オランダ人神父を含め全
員がヨーロッパ人)が殺害された。世に言う「正定事件」である。

正定事件に関し、中国とオランダは犯人は旧日本軍、殺害理由は日本軍
が女性200人を要求したのを神父らが断ったことだと断定する。命を犠 牲
にして女性たちを守った神父は、「徳と聖性の高い福者(聖人に次ぐ立
派な人材)」であり、列福して顕彰すべきだと両国が2014(平成 26)年
以来バチカンに働きかけている。

世界13億人弱の信者を擁するバチカンの影響力は計り知れない。折し も
中国はイギリスまで巻き込んで慰安婦問題をユネスコの記憶遺産に登録
申請した。9人の神父列福の動きは、中国の対日歴史戦の一部であろう。

正定事件と中国の動きについて、私は遅まきながら今年に入って初めて報
道した。素早く反応したのが官房副長官の萩生田光一氏だった。外務省に
調査を命じ、外務省は直ちに資料をまとめた。要点は「日本軍は9人を殺
害した。しかし、女性を要求した事実はない」である。

だが、外務省報告は根本から間違っていた。それを私は読者の中林恵子
さんと熊岡醇氏に指摘されて知った。届いた資料の中に当時の在北京日本
大使館員、森島守人参事官の公文書が含まれていた。これはスイス在住の
日本人女性がナントのフランス外交史料館で入手したものだ。

森島公文書は1937(昭和13)年2月13日付、在北京フランス大 使館のフ
ランシス・ラコステ氏宛てに日本政府が行った事件の調査結果を 報告し
たものだ。

そこには犠牲者への深い哀悼と、日本軍が第三国の国 民、とりわけミッ
ショナリー(宣教師)の生命と財産保護のために取った 具体的措置が詳
述されているが、最も大事なことは、犯行は日本軍ではな く、「支那敗
残兵」によるものと明記した点だ。当時、支那敗残兵が正定 の教会に避
難した人々の中に紛れ込んでいた。物証は、彼らが事件の犯人 であるこ
とを示しており、森島氏は次のように記している。

「その後も続けた調査では、支那敗残兵の犯行であるとの結論を覆す証
拠は見つからなかった。従って日本政府は当該事件に関する責任を負いか
ねるのみならず、占領地で起こったすべての件に関して責任をとりかねる」

外務省は、先輩外交官の残した貴重な公文書に反して、日本をおとしめる
情報を政府高官に上げていた。意図的な情報操作か。それとも外務省の情
報把握能力の問題か。

私が事件の全体像を把握できたのは本稿で言及した民間の人々の情報発掘
の努力のおかげである。本来外務省が行うべき仕事を民間人が危機感に突
き動かされて代行している。この現状ほど、寒心に堪えないものはない。
産経ニュース【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】8.1 01:00更新


◆レーニンの連立政府戦術の敗退

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)8月1日(月曜日)通算第4975号 >

 〜レーニンの連立政府戦術の敗退
  毛沢東もボルシェビキに学び、天下を取ったが。。。。。〜

都知事選挙の結果は日本人特有の判官贔屓が鮮明にでたものである。
無党派の勝利などと単純明快な説明は耳に凧。それより鳥越惨敗の背景を
政治的にさぐる必要がある。

改憲阻止、野党結集を呼びかけて、野党四党が結束したにもかかわらず敗
退してしまった。公約なし、出遅れ、週刊誌などと敗因が語られている
が、肝心のことを忘れていないか。

レーニン以来の左翼戦術が敗退したことである。

共産党の鉄壁の組織票さえ、2割前後が小池候補に流れたというのは、組
織的締め付けが弛緩し、革命組織の紀律が破裂している事実を示唆してあ
まりある。

レーニンは少数派ボルシェビキ率いて、「野党共闘」により革命を成功に
導く。メンシェビキ(多数派)の壁を破り、かれらが実権を握るには、議会
を長引かせ、徹夜も厭わず、議論に疲れた多数派が退場したと見るや、採
決を強行し、主導権を握る。これがレーニンの組織論であり、のちに毛沢
東が援用する。

日本でも左翼暴力団といわれた全学連が自治会選挙で、よく使った手段で
ある。
 自治会の一割にも満たなくても「組織された」党員が、多数派と連立を
組んだかに見せ、議会を出席議員数でクリアし、多数派が退場したところ
で、居残った「組織された」メンバーが投票を行い、トンデモナイ議案も
突如成立する。その決議は合法となる。

鉄の組織は、日本では弱体化した。野党四党の連立パターンは化けの皮が
剥がれ、ついに左翼退潮の明確な兆しをしめしたのではないのか。

レーニンの連術は死に絶えつつあり、トルコのクーデタ失敗や米国のトラ
ンプ現象のように、新しい武器はツィッター。このハッカー戦争を主導で
きる者が、これからの政治の中枢に躍り出てくるだろう。

第3位の上杉、4位に食い込んだ桜井各候補も、組織票の宗教団体を超え
る得票を示している。何かが壊れ、従来になかった政治手法が、これから
本格的に登場する契機となったのが、こんかいの都知事選挙だったように
思える。

      

◆リリー百合子の「君子豹変」

平井 修一



2016年7月31日6時0分のスポーツ報知「【都知事選】小池氏、最後のお願
いで池袋に5000人…自然とわき起こった『百合子コール』」。実に感情を
刺激する記事だ。なにしろ巨人が敗けても紙面を見れば圧勝しているとい
う、ほとんど神がかった新聞だから、読者を燃え上がらせる技術は並大抵
なものではない。まずは読んでくれ。

<舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は30日、選挙戦最終日を迎え、
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、生活、社民推薦=、
元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、日本のこころ推薦=、元防衛
相の小池百合子氏(64)ら各候補者は厳しい暑さの中、都内各地で「最後
のお願い」に走り回った。

過去最多の新人21人による激戦となった都知事選。31日午前7時〜午後8時
に投票、即日開票され、新たな「首都の顔」が決まる。

小池氏は都内7か所を回り、告示日に第一声を発した地元豊島区・JR池袋
駅前で最終演説。17日間で最多の約5000人の聴衆が集まった。午後7時40
分ごろ、小池氏が選挙カーの上に現れると、自然に「百合子コール」がわ
き上がった。やまない大歓声に涙があふれた。「たった一人で始めた選挙
だと思ったら、あちらこちらから集まってくれた」と頭を深く下げた。

政党や組織の支援のない厳しい選挙戦だった。常に帯同したのは若狭勝衆
院議員(59)と7人の地元豊島・練馬区議だけ。総演説回数はライバルの
増田氏、鳥越氏を圧倒する137回。当初は都心部でも100人ほどしか集まら
なかったが、日を追うごとに増加。最終日の夜も小池氏のイメージカラー
の緑色のTシャツやタオルを着用したり、ペンライトや野菜を持参する人
であふれかえった。

「都政の透明化」を公約に掲げ、国会議員を辞して立候補した小池氏。
「私に帰る場所はない。でも目指す所はあります。東京都庁です」と声を
張り上げ、「ジャンヌ・ダルクのように火あぶりになる覚悟で都庁へ行き
ます。都庁も百合子グリーンで染めていく」。勝利を確信したように約12
分の演説を締めくくった。(江畑康二郎)>(以上)

皮膚が泡立つような“戦勝報道”だ。小生まで百合子コールを叫びたくな
る、「百合子命」と腕に書きたくなる。大した記者である。江畑君、読売
政治部へ移ってくれ。

さて、マスコミは31日午後8時、投票締め切りと同時に「百合子当確」を
打った。NHK開票速報7月31日21:21更新では、開票0.1%で小池1,876、得票
率41.2%、増田1,669、得票率36.7%、鳥越883、得票率18.6%。百合子の圧
勝だ。

反・百合子は55%もあるのは小4中2のテレビ坊主がそれくらいはいるとい
うことで、まあそんなものだろう。まともなのは大体40%だ。

増田応援団の石原親子は「厚化粧のババア」などと百合子に罵声を浴びせ
ていたが、庶民は「この親子はやっぱりおかしい」と怪しんだだけではな
かったか。「天才」どころか「鈍才」だ。

安部氏が増田の応援に行かなかったのは負け犬に賭けるわけにはいかな
かったためだろう。狡猾というか、まあそれが政治なのだろう。

民共社生の鳥越応援団は完璧に「四バカ連合」、まったく空気も人も読め
ない暗愚だということを証明した。賞味期限の切れたアカを担ぐなんてア
ンビリーボー。彼らに未来はない。

で、小池百合子氏の当確記者会見。「戦時にあっては敵、平時にあっては
友、ノーサイドだ」と言うように君子豹変。曰く、「私も議員も都民に選
ばれた。都民のために頑張りましょう」。自民都連に抱き着いたのだ。大
した玉だ。

女に抱き着かれたら、まさか突き放すわけにはいかない。握手してハグし
ないと、百合子命の都民の“グリーン・オバサン”が黙ってはいないだろう
し、来夏には都議会議員選挙がある。

石原親子も自民都連もドンも議席を守るためには「恩讐の彼方に」、戦争
中のことは水に流して「都民のために」汗を流すしかない。それをしなけ
れば百合子知事は自民都連に手を突っ込んで新党を創りかねない。

石原の息子と評判の悪いドンにつくか、それとも百合子につくか。ここは
百合子に従うしかない。勝ち馬に乗るのが定石だ。

百合子は自民党といい関係を維持すればポスト安倍を狙える。知事を4年
やって五輪パラを無事終えたら68歳、まだ総理を狙える年齢だ。野心家の
百合子は当然狙っているだろう。

多くの国民は都知事のスキャンダルにうんざりしている。百合子知事と自
民都連がタッグを組んで静かに難問を解決していってほしいと願っている
に違いない。都民のため、国民のためを最優先に、陛下のご宸襟を悩ませ
ることのなきよう、奮起してもらいたい。リリーよ、寅さんも応援してい
るだろうよ。(2016/7/31)