平井 修一
■7月23日(土)、朝6:30は室温22度、曇、かなり涼しい。
散歩がてらに床屋へ行こうと出かけたら、3メートル先を歩いていたお兄
さんがひょいっと床屋へ。先を越されてしまった。太宰曰く、嫌な予感は
実によく当たる(いい予感は全部外れる)。
30分後、散歩の帰路に床屋を覗いたら待ち客は1人。それなら15分後に出
かけようということで、靴を履く前にトイレへ行って、念のためにキッチ
ンの艦橋から見たらオッサンが床屋に入っていくところだった、嗚呼。
15分後に再挑戦したが、待ち客が1人いた。もう待つしかない。とにかく
安い上手い早いから客がひっきりなしに来る。カットと襟足剃りで1200
円、シャンプーをプラスしてもたったの1500円。普通の店の半額以下。
最近は女性客も増えており、今日は少なくとも2人は現認した(顔剃り含
めたフルサービスでも1800円。カミサン曰く、パーマ屋なら4000円前
後)。床屋に女が来るなんてビックリだ。そのうち男子トイレに来るだろ
う(女はトイレでぐずぐずするのが好きだからいつも行列。以下の話は半
分は実体験)。
「岡田さん、男子トイレが空いているから使わしてもらいましょうよ」
「あら志位さん、いいのかしら」「ノープロブレム、オバマさんが好きな
方でしていいって言ってたわ、安倍さんの奥様も絶対いいって言うわ
よ」、嗚呼。
床屋の書棚にある漫画「JIN−仁−」2巻目を読んでいたら涙が出てきた。
訴求力、表現力で漫画の力は文字を大きく上回ることがある。この作品は
代表的な成功例のひとつだろう。日本の漫画が世界で高く評価されている
理由が分かる。恐るべし漫画パワー。
小生に影響を与えた漫画は子供時代は「鉄腕アトム」(大義に死す)、青
春時代は「あしたのジョー」(燃え尽きろ)、現役時代は「のたり松太
郎」(土俵の下には名誉、酒、女、カネ・・・すべてがある)、晩年は
「スラムダンク」(諦めたらそこで終わり)あたりか。
漫画で「ドキュメント『官邸』死闘の1192日」なんてやったらヒットする
んじゃないか。原作:瑠比ボナパルト、作画:井上雄彦でどうだ。閑話休題。
調髪してもらいながら店主に床屋さんの職業病を聞いた。
――やっぱり腱鞘炎って多いのかな?
1日中、鋏をパチパチやりますから、腱鞘炎も多いですよね。私の場合は
腰痛がきついですよ。
――1日中、立ちっぱなしだものね。
体を曲げたり、中腰になったり、しゃがんだりしますからね、腰への負担
が大きい。
この仕事で一般的に一番きついのは、手が荒れることでしょうね。洗髪の
お湯は夏はぬるくてもいいですが、冬は熱くするでしょ。もう手が荒れて
どうしようもありません。ずいぶん高い軟膏を使っていますが、数日間仕
事を休まないと直りません。
床屋はまだいい方で、美容院だと新人は1日中、洗髪をさせられますから
ね、女性は髪が長いから床屋の何倍ものお湯を使う。で、20代なのに手は
ボロボロ、可哀そうなくらいひどいことになる。そのために美容師をあき
らめる人もいますよ。まあ、個人差はあるでしょうけれど。
――業界として対策に取り組んでいないの?
そういうことはありませんねえ・・・旦那さん、後ろはこんな感じでいい
ですかね?(以上)
ブログ「美容師、理容師の裏っかわ!」から。
<どの職種にも職業病なんてモノがありますよね。私達の職種にも当然、
職業病なんてものがあります。
この時期からドンドン、進行していくのは「手荒れ」! 手荒れはこの職
種に限った職業病ではありませんよね。調理師さんや花屋さん、エステ
シャンなど水に関わる職業なら、みんなが悩まされます。
私の場合は面の皮が厚い替わりに、手の皮というか皮膚が丈夫というか、
あまり手荒れなんてしにくいのですが、寒さが厳しくなり、乾燥する時節
になってくるとひび割れてきます。
これがまた「かゆい!!」。気がつくと手をかいてる。手はカサカサにな
るし、血は出てくるしで良いこと無し・・・
でも私のはまだよい方なのです。
私の勉強時代の先輩は手荒れが酷すぎて、手を通り越して肩まで荒れが広
がってしまったの見ていたんです。
先輩の手荒れは荒れすぎて、手から黄色い半透明な汁まで出てきたんで
す。直すにしてもできるだけ触らないようにして、自然治癒力を高める薬
を付けるぐらいしか無かったんです。
その薬もだんだん、効かなくなってくるし・・・
寝るときだって、寝ている間に手を掻かないようにするために、薬を塗っ
た上に手袋して保湿をして、自分でできる限りのことをするんですが治り
ません。
先輩が病院で治療している姿を見て、話を聞くと、もともとの体質が問題
とのこと。つまり肌が弱いってことなのですが、病院の先生の第一声は
「理容師、美容師をやめないと治らないね」って。最後通告じゃん。
その先輩は今でも現役理容師をやってます。先輩は私に言った言葉があり
ます。「やっぱ、やめられないんだよねぇ!この仕事」
実感がこもっていたんだすよ、これが・・・私にとって、それほど理容師
や美容師の仕事って魅力のある仕事なんだなぁーっと思わせてくれる言葉
はなかったな。
自分の荒れた手を見るたび、軽く握るだけで「パキッ!」って音をたてて
ひび割れる手を見るたび思い出すんです。がむしゃらに頑張ってきた時の
ことを・・・
若い理容師さんや美容師さんはこの時期、忙しいのと職業病とで戦ってい
ます。がんばれー! がんばれー! 負けるなよぉー! 私もがんばる
ゾー!!
皆さんは自分の何かと引き替えにしてもやりたいことがありますか? 今
は無くても探してみてください。そうすれば、知らず知らずに掛け替えの
ない「何か」を持っているかもしれませんよ>(以上)
泣けるなあ、みんな頑張って、踏ん張っているんだ、日本人っていいなあ。
「ド・ケルヴァン病情報サイト」から。
<職業病で、ド・ケルヴァン病にかかってしまう危険性が高いのが、美容
師さんや理容師さんです。 実際に、かかってしまったことによって、仕
事が続けられなくなった方もいます。ですから軽く考えていないで、心当
たりがあるときには注意をしたらいいでしょう。
ド・ケルヴァン病は、親指からその付け根、さらには手首にかけての痛み
や炎症が広がっていくのです。症状がひどくなったときには、親指がまっ
たく動かなくなってしまったり、何かのものをつまんだり、つかんだりす
ることもできなくなります。ですから、思った以上に日常生活で困ったこ
とになるのです。
美容師さんや理容師さんは、髪の毛を切るときに、はさみを親指の間に挟
んでお客様の髪の毛をカットします。そして、親指を浮かしたままではさ
みを動かしていきます。このような動作を、1日中繰り返すわけです。
そうなったときには、手や甲や親指にかかる負担がかなり大きくなるので
す。その負担が積み重なったときに、ド・ケルヴァン病にかかってしまい
ます。
美容師さんや理容師さんの業界では、多くの人がド・ケルヴァン病を理由
にして仕事をやめたり休職をしたりしています。治療をした後でまた仕事
に復帰をしても、結局は手や甲や親指を非常によく動かしますから、痛み
を感じずには仕事をこなせないのです。
これは、典型的な職業病です。
だから、美容師さんや理容師さんの業界では、常に腱鞘炎やド・ケルヴァ
ン病に注意を呼びかけているのです。せっかく仕事を続けていきたくて
も、大切な手が思い通りに動かなくなってしまったら、大好きな美容師さ
んや理容師さんの仕事も続けられない、大きなリスクがあります>(以上)
この仕事は世界中にあるから、同じような病気に苦しむ人はいっぱいい
て、それでも必死に頑張っているのだろう。そういう人がいるから世界は
見捨てたものじゃないのだ。
【今朝の産経から】1面「トランプ氏 指名受諾演説 『米国第一』共和
変質」。
同記事には演説骨子が紹介されているが――
・「米国を第一に考え、再び偉大にする」
(平井:ごく当たり前。世界を第一、自国を第二、なんていう国はない。
ただ、偉大な国になるためには世界秩序が守られている必要があるから、
紛争に介入せざるを得ないこともある。
つまりメリハリをつけた外交・軍事を展開する、優先順位を決めて、無駄
なこと、余計なことはしないということだろう。ネオコン(民主党生ま
れ)に引きずられた小ブッシュ、ISを増長させたへっぴり腰のオバマのよ
うなことはしない、ということだろう)
・「不法移民対策でメキシコ国境に壁建設」
(平井:実際に壁を建設するわけではないだろう。「資金はメキシコが出
せ」と言っているが、出すわけがない。つまりは国境管理を強化するとい
うことだ。ごく当たり前のこと)
・「法と秩序を重んじ、米国に安全を取り戻す」
(平井:Andy Chang氏が「オバマ政権になってから黒人が居丈高になって
きた」と書いていたが、現在の「白黒銃撃戦」の背景にはそれもあるだろ
う。白人警官の「黒人=犯罪予備軍」的な取締に、仕方なく従っていた黒
人が、オバマ政権をきっかけに「もうウンザリだ!」と怒りを爆発させた
のではないか。
人種間の和解、共生は難しい。それができないから個別に暮らしていたも
のを一緒にするというのは無理がある。無理を通すには自由民主人権法治
という価値観の称揚、失業率の改善、教育の向上などが不可欠だが、一朝
一夕にできるものではない。
月一くらいで「トランプと黒人との対話」といったTV番組や、「少数民族
担当相」を新設するなどが必要ではないか)
・「TPPは拒否」
(平井:TPPは一種のブロック経済圏だ。圏内でヒトモノカネがルールに
従って動く。中韓など圏外からそこに入り込むのは難しい。日本の製造
業、農業にとってはいいチャンスだと思う。小生が知っているのはそんな
ことくらいで、トランプもそんなものだろう。
トランプは「それでは米国の製造業がダメージを受ける」というが、それ
ほど競争力に自信がないのか。製造業を潰してきたのは目先のリターンを
優先するウォール街的銭ゲバ経営だろう。これを産業育成・雇用拡大経営
へと転換すれば製造業は強くなるし、TPPで市場を拡大できるチャンスが
ある。
TPPを拒絶することはそのチャンスを逃すことになる。TPPを拒絶したとこ
ろで銭ゲバ経営を続ければ製造業は弱体化するだけだ。この辺りをフロマ
ンはトランプに説くべきである。
・米国が防衛する同盟国に応分の負担を要求
(平井:確かに年60兆円の国防費(戦費は別)は負担かもしれないが、そ
れによる世界覇権、最新技術開発でそれなりの利益は享受しているはず
だ。かなりきついのなら同盟国は応分の負担にノーとは言うまい。「タダ
乗りしている」などと上から目線で非難するのではなく、しっかり説明し
て理解を求めることだ。
核シェアリングを認めれば米も同盟国も国防費は軽減されるかもしれない)
23面「ポケモンGO 列島狂騒」。驚くべしポケGO効果で「米では『自閉症
の息子がハイタッチ』」。
わが街の平日通勤時の歩きスマホは女10%、男3%だが、今日は土曜とい
うこともあって若者のほとんどが歩きスマホ。ポケGOの影響だろう。子連
れも子供をウォッチしないでスマホを見ている。
警戒心のない小4中2レベル、歩きスマホで目の前の穴も見えないだろうか
ら事故多発は必至。ま、ケガしないようにとは願うが、Let's go to hell
with Pokemonで何人か死なないと対策は取らないのが日本流。
「私はポケGOで天国へ来ました」なんて聞いたら神様はビックリするだろ
う、「君は呆けGOか?」。
夕食会へ行っていたカミサン、長女、N母子が9時に帰宅。7歳女児を寝か
すと姦し娘の宴会が始まった。
■7月24日(日)、朝6:30は室温24度、素晴らしい快晴、今は涼しいがかな
り暑くなりそう。
テーブルは「兵どもが夢の跡」、さっさと片付けて、朝食準備、そして洗
濯。いつもの日々。全天候型全自動家事ロボット「万歩/マンボ」、ゴミ
出し機能付き。動力源はアルコール。♪燃えろ マンボ 可哀そ過ぎる
ヂヂイとの出会い
ま、半分は趣味、4割は運動だから苦にはならないが。
事実は小説より奇なり。自分の両親がロシアのスパイだった! 20歳と16
歳の青年は茫然自失する。「僕の両親はロシアの敏腕スパイだった!──実
の息子たちが語るその諜報活動の内情と私生活」(クーリエジャポン
7/17)から。
<2010年、米国に潜伏していたロシアのスパイ10人がFBIに一斉摘発され
る事件が発生。「隣人がスパイだった」という事実は、米国社会に大きな
衝撃を与えた。
逮捕されたスパイを両親に持つある兄弟は、好奇の目にさらされながら
も、事件後ひたすら沈黙を守ってきた。だが6年のときを経て、ついに事
件の真相について英紙に語った。
ロシアの諜報活動の内情と、それに翻弄された2人の兄弟の心情を赤裸々
に描いた傑作ロング・ルポルタージュ>
小生にとってもショックだった。ソ連・ロシア、米国はここまでやるか!
諜報活動の最前線は静かに隠蔽され、ときに暴露される。↓
https://courrier.jp/translation/56841/【今朝の産経から】1面「独で乱射 9人死亡」。デタラメルケルが欧州を
破壊する。愛と寛容が憎悪を生んだ。愛は地球を破壊する。EU離脱へ加速
するしかない。合言葉は「もっとフェンスを!」。
6面「中国河北省で大洪水 死者114人」。中共は人民を守らないどころか
恐れている。命や暮らしを守るという発想がゼロだ。天変地異あるいは人
災の頻発は王朝末期のシグナルか。
9面、長辻論説委員の「被害者参加制度で見えたこと」。父上が車にはね
られ亡くなった、その裁判の話。司法、特に地裁はアカの巣窟だと小生は
思っている。アカはいつも加害者に寄り添う。被害者のことなんてどうで
もいい、家族はグダグダ言うな、という感じ。事勿れ主義。
裁判員制度はアカどもが「死刑判決を減らすために」設けた制度。ふたを
開けたら被害者に寄り添う普通の人は「許せない、死刑を」となった。裁
判長は都合の悪い民意は無視。そういう世界。ダメアカ日弁連を含めて抜
本的な司法改革が必要だ。
9面、門田隆将氏の「新聞に喝!都知事選報道でも敗北」、曰く「記者だ
けでなく、組織自体が、単なる「いい子」になってはいないか。この“情
報ビッグバン”の時代に新聞社と記者が「いい子」に安住したら、もう終
わりである。スクープに目をぎらつかせていた、かつての“ブン屋魂”を思
い起こしてほしいと思う。今の新聞に欠けている最大のものは、「チャレ
ンジ精神」にほかならない」。
羹に懲りてなますを吹く。誤報をすると出世が遅れたり左遷されたりする
から、記者は萎縮しやすいのだろう。
そう言えば部下の祐子ちゃんの叔父さんは週刊新潮の記者で、その縁で取
材に応じたことがある。彼女によると「新潮の記者は皆社員」、叔父さん
を尊敬しているのだ。
一方ライバルの週刊文春は外部ライターを積極的に活用しているようだ。
外部ライターは一匹狼もいるが、大体がグループというか梁山泊に集って
いる。
お抱え正社員記者(大出版社の新潮社なら高学歴で家柄もいいお坊ちゃ
ま、お嬢様) VS ヒットときどきホームランを放たないと飯の食い上げの
飢狼・野武士ライター。野武士は“ブン屋魂”があふれかえっている。一発
当てる、場外満塁逆転本塁打、これが彼らの生き甲斐なのだ、「もう死ん
でもいい」。
海千山千の野武士は徒党を組んでいるから情報源が多い。タレコミも多い
だろう。文春がスクープを連発するのは、エリート記者 VS 野武士、この
違いが大きいだろう。
野武士は誤報で仕事を(一時的に)はずされても、もともと仕事を掛け持
ちしているし、仲間から仕事を回してもらったりするから、“できる奴”は
サバイバルできる。みなマムシのような根性だ。
新潮の場合は、週刊誌/雑誌部門から書籍部門へといった異動は当たり前
だ。会社員のサガとして、やはり出世コースに乗りたい。失敗は許されな
いから「通らばリーチ!」なんて危険は冒したくない、そういう気分が働
いてしまい、「いい子」になりがちなのではないか。
以上は編集プロダクション社長として野武士を使っていた経験から。
夜は8人で手巻き寿司、タケノコなど野菜と鶏ももの煮物、カチャトー
ラ、酢の物、シジミ汁。大好評。カミサンが頑張ってくれたので助かった。
■7月25日(月)、朝6:30は室温24度、素晴らしい快晴、今は涼しいがかな
り暑くなりそう。
ArgusAkita7/22「【NHKをぶっ壊す!】パチパチパチ(拍手)」から。
<都知事選に立候補している立花孝志の政権放送。まさにやってくれました。
都知事に当選することなどおそらく最初から微塵も考えていないと思われ
るが、供託金300万円をこの政見放送(公選法によって決して編集されない
ため)のために使ってくれたのだろうと思うと、あっぱれである。例え投
票は小池でも、この政見放送は全国に拡散して欲しい>(↓)
https://argusakita.wordpress.com/2016/07/22/%e3%80%90nhk%e3%82%92%e3%81%b6%e3%81%a3%e5%a3%8a%e3%81%99%ef%bc%81%e3%80%91%e3%83%91%e3%83%81%e3%83%91%e3%83%81%e3%83%91%e3%83%81%e6%8b%8d%e6%89%8b/立花氏はNHKに20年勤めた方。職員の平均人件費は年1800万円だという。
ユーモアもあり、とても興味深い演説だった。
在特会の桜井氏のパチンコ追放演説も説得力があった。すさまじい額のパ
チンコマネーが北に流れているそうだ。
草の根民主主義、草莽崛起、いいことである。
ところで外交官出身の河東哲夫氏、「かとうてつお」と思っていたが「か
わとうあきお」だそうだ。氏はロシア勤務が長かったのでロシアを叩くこ
とはない。氏のブログは日本語、英語、ロシア語、中国語の4か国語で発
信されており、当然、中露には友達=情報源もいっぱいいるだろう。だか
ら中露は叩けない、ということになる。
この辺の限界はあるが、いい論客である。これからもウォッチしていこう。
さてさて中共は相変わらずの権力闘争。「記事誤植で恐れる内部粛清 中
央宣伝部がネット最大手を調査、処罰へ」から。
<【新唐人2016年7月22日】中国インターネット最大手テンセントの
ニュースサイトが7月1日、中国共産党成立95周年大会で習近平国家主席が
行った講話についての記事で、「習近平が重要な講話を発表」と記述する
ところを誤って「習近平が狂って重要な講話を行う」と記述したことが、
政府内で問題となっている。
「習近平が発表する」と書くべきところを「習近平が発飆(狂うという意
味)する」と書いてしまったのだ。ネットでは笑いの種となった誤植だ
が、テンセントは10億人のユーザーを有するマンモスネットメディア。中
央宣伝部はその影響力を憂慮し、この誤植を大問題と捉え、調査グループ
を組織してテンセントを調査することにした。
7月21日付香港紙『明報』の報道によると、調査グループは初期段階の調
査結果に至り、同社編集長の王永治氏と誤植に関与した責任者を辞職させ
るよう求めるという。さらに、同社の管轄を深セン網信弁から北京網信弁
へ変更するという。
また、調査グループは同社のニュース配信アプリ「天天快報」も調査し、
党の指導者に関して政府の見解と異なる描写が記述中にあるとして、これ
らの記述を削除し、歴史に関する話題については厳格に審査するよう命じ
た。もしも調査グループの求めに応じなければ、軽ければ歴史関連の話題
をすべて封鎖、重ければ同アプリを停止させるとした。
中央宣伝部が今回の強硬手段に出たのは、中央宣伝部を掌握する劉雲山
(平井:序列5位、上海閥)が、自分たちの失態を捉えて習近平と王岐山
が攻撃してくるのをかわす目的があると見られる。
今年3月には新華社が習近平を「最高指導者」と書くところを一字間違え
て「最後(の)指導者」と書いてしまったことで、中央宣伝部への攻撃材
料を与えてしまった。この二の舞を踏むまいと、今回いち早く自ら関係者
の処罰に乗り出したのである>(以上)
「習近平が発狂」「最後の指導者」、実に絶妙、確信犯的な“誤植”だ。高
見の見物というか世界ウォッチングは実に面白い。
【今朝の産経から】7面正論、芳賀綏(やすし)・東京工業大学名誉教授
の「道義的潔癖の範となる日本人に」、曰く「大正13年から寺田寅彦もそ
の成長に寄与した理化学研究所(理研)が、時を隔てた平成の世に「STAP
細胞」論文の愚挙で信を世界の学界に失ったスキャンダルは、いまなお記
憶に新たで、旧聞として済まされぬものがある。
道理を忘れ、野望と焦りにかられた印象の否めない一連の作業では、利用
されただけと思えるメンバーも働き、遂に自殺者まで出してしまったが、
賢者のわきまえを欠く者が学問のまね事を演じた極例と思われた。あそこ
には、現代の研究機関が各所でアカデミズムの魂を失っていく深刻な病理
現象が露頭していた。
あのスキャンダルを防止できなかった当時の理研も、肥大しすぎた組織の
防衛や、機関として一層高いステータスと巨額の予算を獲得することなど
が最大の目的と化し、権益の擁護と拡大に熱中する、哲学なき集団だった
のではないか。
そこでは、むしろ小粒なメンバーが量産され、精神空間が矮小化してい
く。知恵分別、道理の感覚の忘失は必然である。
筆者自身は40歳まで人文系一色の環境にいたが、以後60歳まで、理工系研
究機関の様子を垣間見る位置にいて、研究費獲得が最大目標・自己目的か
と思える感覚の主にも接し、質より量の世界か、としばしば奇異の感を覚
えていた」。
同級生の東大教授が「研究費獲得に追われて、自分は何なんだろうと分か
らなくなる」とこぼしていたっけ。
8面「民主幹部 クリントン氏へ肩入れか 全国大会に影」、ウィキリー
クスが暴露した。中立であるべき幹部はサンダースが不利になるような討
論会日程を組んだりしていたようだ。大スキャンダルになるかもしれない。
小生は、クリントン夫妻は本人と周辺にスキャンダルが多すぎるとの印象
を持っている。清潔ではなく不潔、単純ではなく複雑、表ではなく裏、光
ではなく闇の印象。サンダース支持者は今回の問題で激怒したろう。この
幹部とヒラリーを叩くに違いない。(2016/7/25)