2016年07月28日

◆「生前退位」は陛下の

斎藤 吉久



「生前退位」は陛下の「ご意向」ではなかった!?
──NHKではなく「週刊現代」のスクープだった

陛下の「生前退位」報道は、「ご意向」の真偽が確認されることもなく、
リークした「宮内庁関係者」が表舞台に出ることもなく、どんどん独り歩
きしています。

とりわけ女系継承容認の改革派は意気軒昂で、まるで錦の御旗を得たかの
ようなハイテンションです。

けれども、NHKのスクープ以前に「生前退位」を報道したメディアがあ
り、その内容が今回の「ご意向」報道とはまったく別物だったとしたら、
話は完全に変わります。

特ダネに逐一反応し、振り回されるのは考え物です。むしろその背後に何
があるのかを冷静に考えるべきです。


▽1 「宮内庁関係者による」報道

今月13日の夜7時のNHKニュースでは、

(1)陛下が「生前退位」の「ご意向」を宮内庁関係者に示されているこ
とが分かった、

(2)陛下は数年内の譲位を望まれている、

(3)陛下ご自身が内外にお気持ちを表す方向で調整が進められている、

 と伝えられました。

 その背景には、

(4)「憲法上の象徴としての務めを十分に果たせる者が行為にあるべき
だ」というお考えがあり、

(5)皇后陛下や皇太子殿下、秋篠宮殿下なども受け入れられている、

 とされています。

 また、

(6)陛下がこうした「ご意向」を示されたのは5年ほど前である

 とも伝えられました。

 しかし「宮内庁関係者による」報道はどこまで事実か、分かりません。
匿名の「宮内庁関係者」が「ご意向」とされるものをNHKにリークした
というのが考えられる最低の事実です。陛下に直接、事実関係を確認でき
ないのですから、それが皇室報道の限界です。


▽2 今年5月半ばに始まった

 後追いしたメディア報道で、面白いのは毎日新聞です。

 翌日の報道では、陛下の「ご意向」を受けて、宮内庁の幹部5人が今年
5月半ばから会合を重ね、検討が本格化させてきたと伝えています。

 5人というのは、風岡典之長官ら宮内庁トップ2人と侍従職トップの2
人、そして皇室制度に詳しいOBで、「4+1」会合と呼ばれ、早朝に会
合を開き、杉田和博内閣官房副長官とすり合わせし、両陛下には河相周夫
侍従長らが報告してきたとされています。

 陛下は7年前から皇太子殿下、秋篠宮殿下と3者会談を設けられてい
て、それを受けて、「4+1」会合が開かれることもあり、皇室典範改
正、元号、退位後の呼称などが検討されたとされています。

 きわめて具体的ですが、なぜ「今年5月」なのかは説明されていません。

▽3 「5年ほど前」ではなく「7年前」

その謎に迫っているのが「週刊新潮」です。

同誌は、「ご意向」が示されたのは、NHKニュースが伝えた「5年ほど
前」ではなくて、「さらに1、2年遡る」と伝えています。

平成20年2月、羽毛田長官が「愛子さまのご参内が少ない」と皇太子殿下
に異例の「苦言」を呈するほど、御所と東宮との間にすき間風が生じてい
たころ、皇后陛下の発案で翌21年、3者会談が実現します。毎日新聞も伝
える「7年前」でした。

折しも同年には国体でのお言葉廃止などご公務削減が始まり、23年には東
日本大震災が起こり、これが「ご意向」の遠因となりました。被災者に寄
り添おうとなさる陛下のお体は悲鳴を上げていたのです。

ブータン国王歓迎行事は陛下ご欠席のまま行われ、その年の秋には秋篠宮
殿下がお誕生日会見で「陛下の定年制」に言及されました。

翌24年、心臓手術を受けられ、手術は成功したものの、陛下は「天皇とし
ての任を果たせないのならば」と「ご意向」を3者会談の場で漏らされる
ようになりました。

同年6月に風岡長官が就任すると3者会談は定例化し、長官もオブザー
バーとして同席し、当然、「ご意向」を聞き及ぶことになり、やがて侍従
らにも伝わりました。

けれども実現性は疑問視され、遅々として進みません。ところが今年5
月、宮内庁による大幅なご公務軽減策をめぐって、陛下は強い難色を示さ
れました。

「ご公務削減案を出すのなら、なぜ退位できないのか」

原案を突き返された官僚たちは、遅まきながら仕組み作りに走り出したと
いうのです。

つまり、陛下の強い「ご意向」が宮内庁を走らせたということになります
が、だとすると「生前退位」なる新語は陛下ご自身の創作なのでしょうか。


▽4 小泉時代に検討されていた

どうも違うのです。

陛下の「生前退位」は「ご意向」ではなくて、ほかならぬ宮内庁の「計
画」であり、「5年ほど前」でも「7年前」でもなく、十数年前に遡れる
と報道されているのです。

それが「宮内庁『天皇生前退位』“計画”の背景」と題する「週刊現代」
2005年5月21日号の3ページの記事です。

サイパン御訪問が閣議決定されたが、強行スケジュールは71歳の陛下に
はかなりのご負担で、「生前退位」検討の動きが庁内に出ていると職員の
証言を伝えています。

折しも小泉内閣時代で、皇室典範有識者会議が開かれているから、「即
位」条項だけでなく、「退位」についても詳しく明記すべきではないかと
いう声が出ているというのです。

しかも、退位後のお住まいは京都迎賓館とするという、皇族方の京都移住
を提案する「双京」構想論者が泣いて喜びそうなプランまで検討されてい
るとされています。

とすると、「退位」でも「譲位」でもない「生前退位」なる新語の創作者
は「宮内庁関係者」なのか。当時、「宮内庁関係者」が提案したという
「生前退位」と7年来の陛下の「ご意向」とされる「生前退位」とはいか
なる関係にあるのでしょうか。


▽5 無視される祭祀のお務め

私にはやはり、現行憲法が定める「象徴」天皇制度の下でのご公務ご負担
軽減問題ではなくて、もうひとつの問題としての宮中祭祀簡略化が背景に
あるように思えてなりませんが、報道からは完全に無視されています。

21年には祭祀簡略化が始まり、23年には古来、皇室第一の重儀とされ て
きた新嘗祭が夕の儀、暁の儀とも簡略化されました。「ご意向」を漏ら
された時期と重なります。

陛下は即位以来、皇室の伝統と憲法の規定の両方を「追い求める」と仰
せです。ご公務だけが「ご意向」の原因であるはずはありません。むしろ
主因は祭祀かも知れません。

平成の祭祀簡略化は昭和の先例に基づいていますが、昭和天皇は側近に
よる祭祀簡略化に抵抗され、「退位」「譲位」を口にされたと側近の日誌
に記録されています。

今上陛下は「憲法上の象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位
にあるべきだ」とお考えなのではなくて、「祭祀を十分に行い、ご公務を
十分に果たせる者が」と仰せなのではありませんか。

 その「ご意向」が曲げてリークされ、さらに曲げられて報道されている
のではないでしょうか。宮中祭祀とご公務のうち、前者を軽視し、後者ば
かりを重視してきたのが当局であり、メディアです。まして皇室典範改
正、女系継承容認論が消えたわけではありません。

 陛下の「ご意向」は改革派に利用されているのでしょう。


◇ 筆者のプロフィール ◇

 斎藤吉久(さいとう・よしひさ) 昭和31(1956)年、福島県生まれ。
弘前大学、学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者などを経て、現在は
フリー。テーマは、天皇・皇室、宗教、歴史、食文化など。発表記事など
はFacebookの「ノート」で読める。著書に『天皇の祈りはなぜ簡略化され
たか』(並木書房)、共著『日本人なら学んでおきたい靖国問題』(青林
堂)、私家版電子書籍「検証『女性宮家』論議」など。

2016年07月27日

◆なんか変だよ、都知事選

池田 元彦



7月14日告示の都知事選も終盤に入る。当初全てのメディアが喜々として
報道し、小池先行、鳥越切迫、増田後追い、と余裕で報道していた。その
後左巻新聞は、殆ど紙面を賑わさない。鳥が、雁(ガン)だけではなく阿
呆鳥、鸚哥(インコー)にも変化したためか。

野党共闘で万全の態勢で進めた鳥越俊太郎候補自身のお粗末さが街頭演説
で露呈した。ビジョンも政策方針も何も喋らず、耳障りは良いが陳腐な発
言しか出来ない。街頭演説も1分程で応援者に代わる程だ。体力も続か
ず、今は人の耳目に触れさせないことが戦略だ。

小池百合子候補の「病み上がり」発言に怒り露わにしたが軽くいなされ
た、御年76歳。最初の癌の段階で余命10年と宣告され、残り後2年、計4回
の手術を経ての体力の衰えと再発の可能性。認知症的勘違い発言多発に加
え、淫行報道で打つ手なしのお手上げだ。

大手新聞で鳥越候補の強姦未遂報道をしたのは産経だけだ。後は女性問題
と誤魔化した。浮名を流すのは男の勲章だが、強姦未遂は明白な犯罪だ。
新聞は挙って文春の嘘出鱈目を非難合唱すべきではないか。

民進党は、共産党と禁じ手の共闘により解体への道を歩く。共産党は必ず
民進党内部を侵食し主導権を握る。国民にも露呈し、民進党の終焉が近づく。

自民党も変だ。国益なき無定見の都議会と石原伸晃議員は、増田寛也元総
務大臣を推薦した。岩手県知事在職12年間で6千億の赤字を1兆4千億迄増
やし、都民税から6年間で1兆円の地方ばら撒きを法制化したが、岩手県の
中小企業失業率や倒産件数を最悪にした。

年間100回以上国内外出張する、ファーストクラス愛用者。ソフトバンク
と組んでは赤字地方競馬に300億円を次ぎ込んだ。日韓海底ケーブルを敷
き、電力不足の韓国に電力供給すると言う狂気か間抜けな政策を本気で提
唱していた。どこが舛添前知事と違うのか。

幾ら小池憎しといえども、政策でなく利権で選ぶ自民党都議連は、大掃
除、洗濯すべきだ。老害古狸の大ボスが旧態依然で都議会議連を牛耳り、
党議員の意見を聞く耳を持たない。本来喝を入れ、風通しを良くすべき監
督者の石原伸晃議員も同類項で、国益の観念がない。

自民は、1番名乗りを挙げた小池候補を推薦せず、2度目も国益や信念の無
い候補者を推薦した。更に今度は間抜けな都議連が墓穴を掘った。親類に
至るまで与党以外に投票したら除名だとのお達しを党員に出した。親類迄
をも対象として、自民党票を小池候補に贈呈した。

都議連のオウンゴールは、組織推薦なく戦っていた小池候補に幸運の女神
を齎した。ネットでは圧倒的に小池支持だ。保守層の多くも小池支持と
なった。若者層も多分そうだろう。但し知事選の魔物、浮動票がある。組
織票と浮動票の鬩ぎ合いで、予断は許されない。

鳥越候補が当選の場合、都政は間違いなく共産党が主導する。外国人地方
参政権、永住権のゴリ押し推進となるだろう。2012年の石原都知事辞任以
降4年間で4度目の知事選のリスクもある。主義主張、人格に関わらず、知
力・体力の衰えた候補者はリスクだらけだ。

増田候補が当選すれば、都議会の改革はなく、23区の自民党区議会議員も
やる気が更に失せる。都議会改革を目指すなら、石原・内田ラインを崩
す、小池候補しかあり得ない。

政党推薦候補を単に自分の支持政党を理由としては選ばない時代に突入し
ているのだ。



◆今も続く日本と中国共産党との100年冷戦

伊勢 雅臣



・内務省の調査によれば、日本共産党は結党当初から、コミンテルン→中
国共産党→日本共産党という指揮命令系統の中で人件費や新聞発行費など
の資金の面倒も見てもらっていたわけだ。


・昭和3(1928)年、対日工作を担当する「中国共産党日本特別支部」が結
成された。百名を超える党員のほとんどは各大学にいる中国人留学生で
あった。


・昭和3(1928)年、治安維持法違反容疑により日本共産党幹部は一斉に検
挙され、壊滅状態に追い込まれた。共産党の再組織に奔走していた日本共
産党の領袖市川正一は中国共産党員の李某と会合し、再組織運動資金とし
て前後四回に邦貨五千五百円[約一・五億円]を受け取った。


・昭和14(1939)年「中国共産党東京支部」が結成され、暗殺・爆破を任務
とする別働隊「鉄血青年団」と「破壊隊」も設立された。日本政府が汪支
部長以下36名を検挙したため、日本の敗戦に際して計画されていた破壊工
作は未然に防ぐことができた。


・昭和29(1954)年、中国共産党主導の極東コミンフォルムは北京郊外に日
本人の革命家を育成する学校(馬列学院・高倉テル校長)を創設し、1957
年までの3年間で約2500人の革命家を養成した。彼ら「革命家」たちが日
本に帰国した直後に勃発したの60年安保闘争であった。

しかも、その後、70年安保闘争にかけて全国の大学で学園紛争が吹き荒れ
たが、そのスローガンが「造反有理」、つまり毛沢東が文化大革命で唱え
た言葉であり、「毛沢東語録」が学生運動家たちのバイブルであった。


■江崎道郎「『反戦平和』の本質と『戦争法反対』『民共合作』の怖
さ」、「正論」H28.5

伊勢雅臣> サヨクの掲げる「反戦平和」「保育園落ちた日本死ね」の陰
には共産主義思考がある。

・知識人・芸能人やマスコミを「デュープス(間抜け)」にする手法を編
み出したのが、コミンテルン幹部でドイツ生まれのヴイリー・ミュンツェ
ンベルクだ。

ミュンツェンベルクは1930年代、物理学者のアインシュタイン、作家のア
ンドレ・ジッド、孫文夫人の宋慶齢、劇作家のバーナード・ショーなどの
世界的な著名人を「反戦平和運動」に巻き込んで反戦世論を盛り上げ、ア
メリカやイギリス、そして蒋介石政権をソ連主導の「反日反独の人民統一
戦線」に取り込むことに成功、結果的に日本を敗戦に追い込んだ。


・共産主義者は「戦争とは資本主義国同士が限られた資源を争奪する過程
で不可避的に勃発するものであり、恒久平和を実現するためには国際社会
から資本主義国をなくし、世界を共産化するしかない」と考える。日本の
防衛を否定し、いざとなれば日本が戦争で敗北するように動くことが、共
産党の主張する「平和運動」なのである。

・サヨクたちは「資本主義国では、子供は必然的に搾取され、抑圧され
る。子供たちを戦争と貧困の危機から救い、真に児童の権利を守るために
は、資本主義・帝国主義を打倒し社会主義社会を実現するよりほかにな
い」と考えているのだ。

だからサヨクは、「保育園に入れないのは、子供を搾取する資本主義体制
だからであり、資本主義を掲げる日本を打倒しない限り、この問題は解決
されない」と思い込んでいるのだ。「日本死ね」という言葉の奥には、資
本主義体制への呪詛がある。



◆【ソウルから 倭人の眼】

名村 隆寛



噂を扇動・蒸し返してバッシング そうかと思えば「日本
に学べ」の大合唱…韓国人はなぜこれほど騒々しい?

安倍晋三首相への猛バッシングや、5月末のオバマ米大統領の広島訪問へ
の過剰な干渉など、「日本!日本!」と日々、騒々しかった韓国。現在は北
朝鮮の核・ミサイルに対処する「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備
や、これに反発する中国との問題に関心が集中している。

“つかの間の日本離れ”の一方で、核をちらつかせる北朝鮮の脅威もよそ
に、世論の分裂、政権批判、内紛はつづいている。相変わらずの“韓
国らしい”騒がしさと同時に、不安感も漂っている。(ソウル 名村隆寛)

■噂の流布、噂の利用

韓国で最近、世間が騒いでいるのは、THAADが米韓の合意に基づき、南部
の慶尚北道・星州に配備されること。北朝鮮のミサイルから韓国の国民は
もちろん、原発や石油貯蔵施設を守る防衛手段だ。

ところが、ミサイルを捕捉するレーダーが人体や農作物に被害を与えると
の噂がすぐに広まり、地元の星州では「主要な農産物であるマクワウリが
被害を受ける!」などと騒ぎになった。

朴槿恵大統領はアジア欧州会議(ASEM)首脳会議への出席のためモンゴル
にいて不在。地元に説明に行った黄教安首相は、生卵をぶつけられるわ、
ペットボトルを投げつけられるわ、揚げ句の果てには韓民求国防相と6時
間も車の中に事実上の“監禁状態”に置かれるわ、散々な目に遭った。知的
でスマートなイメージがある黄首相の憔悴(しょうすい)しきった変わり
果てた姿からは、騒ぎの激しさが嫌というほど伝わってきた。

実はこの騒動。THAAD配備に反対する野党や、反米・親北朝鮮の左翼勢力
が加勢、扇動していた。特に、親北政党で昨年、解散に追い込まれた統合
進歩党勢力が加わっていたことが論議をかもした。

国防省をはじめ韓国政府は「レーダーが人体に及ぼす影響は問題がない」
と根拠を挙げて説明した。だが、反対勢力にはそんなことは関係ない。気
に入らないもの(韓国政府や米軍)を攻撃できれば何だっていい。THAAD
はその格好の材料なわけだ。

■蒸し返して大騒ぎ

THAADの星州への配備発表を前に、別の騒動もあった。今月8日に米韓が配
備(当時、配備先は未定)を発表した際、尹炳世外相がソウル市内のデ
パートでズボンを買っていたことに韓国メディアがかみついた。

尹外相は「外務省庁舎で転び、ズボンが破れたために」などと釈明したそ
うだが、「こんな大事な時に!」とメディアは許しておかない。本人がう
ように破れたのかどうかは分からない。

でも、大韓民国の外相も人の子。ズボンの一つぐらい買いに行きますよ。
知人の外交官(韓国人ではない)は「厳しいねえ。大変だねえ」としきり
に驚いていた。

尹外相のズボン騒動はともかく、国と国が決めたことは守って、粛々と履
行しなければ困る。THAAD配備の無効化を訴える勢力は、明らかに決定を
蒸し返そうと騒いでいた。現在開かれている韓国国会でも、THAAD配備は
格好な政争の具にされている。

国会の質疑で野党の有力議員が、こんなことを言って黄教安首相をしつこ
く攻撃していた。

「THAADの韓国への配備を日本はどう見ていますか。日本は歓迎している
のではないですか?」「日本の国益にTHAAD配備が決定的に寄与します。韓
国の国益は何ですか?」

このように日本まで持ち出して、ネチネチと敵を攻撃する。「日本の利益
になること」を悪いことのように指摘するのは、韓国では相手を追い詰め
るための手軽な材料
なのだ。日本そのものを非難するような発言ではなかったが、相変わらず
の光景だった。

■コロコロ変わる方針。180度転換も

THAAD配備をめぐって、韓国、特にメディアが騒がしいのは中国の動向だ。

朴槿恵大統領は昨年9月に北京で行われた「抗日戦勝70年」の記念式典に
出席し、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領と並んで天安門の楼上
から軍事パレードを観閲した。当時、韓国国内でも是非が論議された、い
ろいろな意味で今も記憶に新しい“歴史的な場面”だった。

あれからまだ1年もたっていない。北朝鮮の核実験や長距離弾道ミサイル
発射といった、その後の現実を直視すれば仕方がないことなのだが、中国
との関係で韓国は完全な方針転換をしたように映る。

中国側に向かっていた韓国は、今は中国に尻を向けて真逆に走り始め、真
逆に戻っている。

気付いた時には戻れないものでも構わない。韓国は戻るのだ。ただ、朴大
統領は当時、国内の保守派が懸念していたように、北京にまで出かけ、中
露の両首脳と“歴史的”な場面に同席した。その事実は歴史に刻み込まれて
しまったのだ。

尹炳世外相も当時、「米中双方が韓国に歩み寄っている」などと自信たっ
ぷりに語っていた。当時、「自画自賛だ」(韓国メディア)と批判された
尹外相だったが、「あの盛り上がり、喜びようはいったい何だったのか」
(韓国紙記者)と今となっては、「奇妙な出来事」との振り返り方が多い。

■一喜一憂

天安門の歴史的なイベントを韓国メディアは当時、「中朝関係の変化を象
徴」(聯合ニュース)「朝鮮半島の南北に対する中国の比重が変化」
(KBSテレビ)などと、中国の「変化」としてこぞって肯定的に強調した。

しかし、THAAD配備に中国が反発していることで、「喜び」は一転。今や
「憂慮」に変わってしまった。「中国が韓国に経済制裁を加えてくる」
「韓中関係が大きく後退」と、韓国メディアは連日、中韓関係に関して悲
観的な論調を展開し、テレビのニュースや討論番組では「ああでもない。
こうでもない」と論争ばかりが続いている。

韓国政府の心中も似たような感じのようだ。南シナ海問題をめぐる仲裁裁
判所の裁定(7月12日)について、韓国外務省は翌13日に、「仲裁裁判の
裁定に留意しつつ、これを契機に南シナ海の紛争が平和的で創意的な外交
努力を通して解決されることを期待する」との報道官声明を発表した。

仲裁裁判所の裁定に強く反発する中国に対し、裁定履行を直接求めること
は避けたわけだ。日本や米国とは違い、中国に対し神経を逆なでしないよ
うに気を使っているのだ。

韓国らしい対応ではあるのだが、歓喜しまくっていたのが突然、うろたえ
と不安に陥る。このブレの激しさ、政策方針の転換、なりふり構わぬ変わ
り身の速さ。こうした韓国らしさが、ソウルでは日々、目に入ってくる。

■気に入らないが、日本に見習おう

韓国の政府、メディアが不機嫌そうな中国の顔色をうかがっているなか、
主要韓国紙で驚くべきコラムを見た。

尖閣諸島の領有をめぐり2012年に「自国領土」を主張する中国が軍事挑発
し、中国
国内で日本製品の不買運動や激しい反日デモが続発し、経済的な損失を受
けたにもかかわらず、日本は中国の報復や脅しには動じなかった。韓国は
日本を参考にして、度胸の座った対応をすべきだ-。要約すれば、こんな
内容だ。

どう見てもまともな主張である。驚いたのはその内容ではなく、コラムの
筆者がかつては東京特派員を経験し、東京発で日本に対する批判的な記事
を連発していた記者だったためだ。

2014年に広島市で起きた土砂災害の際には、当局の手際の悪さを含め、自
然災害ではどうにも仕方がないことをことさら批判しまくっていた。書く
のは自由。ただ、日本が韓国よりも自然災害が多いが、一方で自然災害に
も慣れていることを分かっていない-との印象を当時受けた。この記事だ
けでなく、日本の不幸や失敗への“喜び”が行間からにじみ出るような記事
が目立っていた記憶がある。

こうした報道に親韓国的な日本人記者も首をかしげていた。その日本嫌い
であるとみられていた記者までが、「日本に学ぼう」と言い始めている。

この日本バッシングから「日本に学べ」式の転向。韓国ではよく見られる
ものだ。だが、正直なところ、「ここまで変われるのか」と驚いている。

■わが国も! わが国も!

THAAD配備や中国との関係悪化に対する不安といった懸念材料の一方、韓
国では最近、日本がからむ悪くはない社会現象が起きている。

米国などで爆発的な人気の、任天堂などが開発したスマートフォン向けの
ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」が、利用できないはずの韓国の一部地域で
楽しめ、利用可能地域の北東部、束草などに若者が続々集結しているの
だ。それも、日本国内での配信開始に何週間も先立って。

報道によれば、釜山の高校でも、スマホの画面でキャラクターのポケット
モンスターをつかまえた生徒がおり、注目されているという。

大人がTHAAD配備で騒ぎ、中国の経済的報復にビクビクしている一方で、
若者は黄色いピカチューとやらを追いかけて楽しんでいる。面白いものは
面白い。楽しいものは楽しい。新しいモノ大好き。これも韓国らしい、実
にほのぼのとした現象である。

このポケモンGO現象について、韓国メディアは「一時は倒産の危機にあっ
た任天堂が一気に蘇り、羽ばたいた」などと、一企業のことではあるが日
本を高く評価している。

さらに、「なぜ韓国にはできないのか」「わが国も遅れをとってはならな
い」といった主張も目立っている。歴史認識で日本をコキ降ろしまくって
いる韓国メディアなどの「日本に学べ!」「わが国の企業もやるべきだ!」
との、これもおなじみの主張だ。

■自己激励の末は

「また日本と比べての“われわれも論”か」と韓国メディアの報道ぶりを見
ていて思う。安易な“われわれも論”を戒める意見も含め、「あれもやれ、
これもやれ」「こうするべき、そうあるべき」と韓国メディアは日々「べ
き論」や「ねばならない論」に相変わらずいそしんでいる。「勝手にやっ
てちょうだい」といったところか。

メディアは韓国らしい“自己叱咤(しった)激励”の主張を続けている。自
国にハッパをかけ続けている韓国ではあるが、時間がたてば、騒いだ割に
結局は何も変わっていない。この夏も、また、おなじみの韓国らしい一段
落を見て終わりそうな気がする。
産経ニュース2016.7.23
                 (採録:松本市 久保田 康文)

◆私の「身辺雑記」(367)

平井 修一



■7月23日(土)、朝6:30は室温22度、曇、かなり涼しい。

散歩がてらに床屋へ行こうと出かけたら、3メートル先を歩いていたお兄
さんがひょいっと床屋へ。先を越されてしまった。太宰曰く、嫌な予感は
実によく当たる(いい予感は全部外れる)。

30分後、散歩の帰路に床屋を覗いたら待ち客は1人。それなら15分後に出
かけようということで、靴を履く前にトイレへ行って、念のためにキッチ
ンの艦橋から見たらオッサンが床屋に入っていくところだった、嗚呼。

15分後に再挑戦したが、待ち客が1人いた。もう待つしかない。とにかく
安い上手い早いから客がひっきりなしに来る。カットと襟足剃りで1200
円、シャンプーをプラスしてもたったの1500円。普通の店の半額以下。

最近は女性客も増えており、今日は少なくとも2人は現認した(顔剃り含
めたフルサービスでも1800円。カミサン曰く、パーマ屋なら4000円前
後)。床屋に女が来るなんてビックリだ。そのうち男子トイレに来るだろ
う(女はトイレでぐずぐずするのが好きだからいつも行列。以下の話は半
分は実体験)。

「岡田さん、男子トイレが空いているから使わしてもらいましょうよ」
「あら志位さん、いいのかしら」「ノープロブレム、オバマさんが好きな
方でしていいって言ってたわ、安倍さんの奥様も絶対いいって言うわ
よ」、嗚呼。

床屋の書棚にある漫画「JIN−仁−」2巻目を読んでいたら涙が出てきた。
訴求力、表現力で漫画の力は文字を大きく上回ることがある。この作品は
代表的な成功例のひとつだろう。日本の漫画が世界で高く評価されている
理由が分かる。恐るべし漫画パワー。

小生に影響を与えた漫画は子供時代は「鉄腕アトム」(大義に死す)、青
春時代は「あしたのジョー」(燃え尽きろ)、現役時代は「のたり松太
郎」(土俵の下には名誉、酒、女、カネ・・・すべてがある)、晩年は
「スラムダンク」(諦めたらそこで終わり)あたりか。

漫画で「ドキュメント『官邸』死闘の1192日」なんてやったらヒットする
んじゃないか。原作:瑠比ボナパルト、作画:井上雄彦でどうだ。閑話休題。

調髪してもらいながら店主に床屋さんの職業病を聞いた。

――やっぱり腱鞘炎って多いのかな?

1日中、鋏をパチパチやりますから、腱鞘炎も多いですよね。私の場合は
腰痛がきついですよ。

――1日中、立ちっぱなしだものね。

体を曲げたり、中腰になったり、しゃがんだりしますからね、腰への負担
が大きい。

この仕事で一般的に一番きついのは、手が荒れることでしょうね。洗髪の
お湯は夏はぬるくてもいいですが、冬は熱くするでしょ。もう手が荒れて
どうしようもありません。ずいぶん高い軟膏を使っていますが、数日間仕
事を休まないと直りません。

床屋はまだいい方で、美容院だと新人は1日中、洗髪をさせられますから
ね、女性は髪が長いから床屋の何倍ものお湯を使う。で、20代なのに手は
ボロボロ、可哀そうなくらいひどいことになる。そのために美容師をあき
らめる人もいますよ。まあ、個人差はあるでしょうけれど。

――業界として対策に取り組んでいないの?

そういうことはありませんねえ・・・旦那さん、後ろはこんな感じでいい
ですかね?(以上)

ブログ「美容師、理容師の裏っかわ!」から。

<どの職種にも職業病なんてモノがありますよね。私達の職種にも当然、
職業病なんてものがあります。

この時期からドンドン、進行していくのは「手荒れ」! 手荒れはこの職
種に限った職業病ではありませんよね。調理師さんや花屋さん、エステ
シャンなど水に関わる職業なら、みんなが悩まされます。

私の場合は面の皮が厚い替わりに、手の皮というか皮膚が丈夫というか、
あまり手荒れなんてしにくいのですが、寒さが厳しくなり、乾燥する時節
になってくるとひび割れてきます。

これがまた「かゆい!!」。気がつくと手をかいてる。手はカサカサにな
るし、血は出てくるしで良いこと無し・・・

でも私のはまだよい方なのです。

私の勉強時代の先輩は手荒れが酷すぎて、手を通り越して肩まで荒れが広
がってしまったの見ていたんです。

先輩の手荒れは荒れすぎて、手から黄色い半透明な汁まで出てきたんで
す。直すにしてもできるだけ触らないようにして、自然治癒力を高める薬
を付けるぐらいしか無かったんです。

その薬もだんだん、効かなくなってくるし・・・

寝るときだって、寝ている間に手を掻かないようにするために、薬を塗っ
た上に手袋して保湿をして、自分でできる限りのことをするんですが治り
ません。

先輩が病院で治療している姿を見て、話を聞くと、もともとの体質が問題
とのこと。つまり肌が弱いってことなのですが、病院の先生の第一声は
「理容師、美容師をやめないと治らないね」って。最後通告じゃん。

その先輩は今でも現役理容師をやってます。先輩は私に言った言葉があり
ます。「やっぱ、やめられないんだよねぇ!この仕事」

実感がこもっていたんだすよ、これが・・・私にとって、それほど理容師
や美容師の仕事って魅力のある仕事なんだなぁーっと思わせてくれる言葉
はなかったな。

自分の荒れた手を見るたび、軽く握るだけで「パキッ!」って音をたてて
ひび割れる手を見るたび思い出すんです。がむしゃらに頑張ってきた時の
ことを・・・

若い理容師さんや美容師さんはこの時期、忙しいのと職業病とで戦ってい
ます。がんばれー! がんばれー! 負けるなよぉー! 私もがんばる
ゾー!!

皆さんは自分の何かと引き替えにしてもやりたいことがありますか? 今
は無くても探してみてください。そうすれば、知らず知らずに掛け替えの
ない「何か」を持っているかもしれませんよ>(以上)

泣けるなあ、みんな頑張って、踏ん張っているんだ、日本人っていいなあ。

「ド・ケルヴァン病情報サイト」から。

<職業病で、ド・ケルヴァン病にかかってしまう危険性が高いのが、美容
師さんや理容師さんです。 実際に、かかってしまったことによって、仕
事が続けられなくなった方もいます。ですから軽く考えていないで、心当
たりがあるときには注意をしたらいいでしょう。

ド・ケルヴァン病は、親指からその付け根、さらには手首にかけての痛み
や炎症が広がっていくのです。症状がひどくなったときには、親指がまっ
たく動かなくなってしまったり、何かのものをつまんだり、つかんだりす
ることもできなくなります。ですから、思った以上に日常生活で困ったこ
とになるのです。

美容師さんや理容師さんは、髪の毛を切るときに、はさみを親指の間に挟
んでお客様の髪の毛をカットします。そして、親指を浮かしたままではさ
みを動かしていきます。このような動作を、1日中繰り返すわけです。

そうなったときには、手や甲や親指にかかる負担がかなり大きくなるので
す。その負担が積み重なったときに、ド・ケルヴァン病にかかってしまい
ます。

美容師さんや理容師さんの業界では、多くの人がド・ケルヴァン病を理由
にして仕事をやめたり休職をしたりしています。治療をした後でまた仕事
に復帰をしても、結局は手や甲や親指を非常によく動かしますから、痛み
を感じずには仕事をこなせないのです。

これは、典型的な職業病です。

だから、美容師さんや理容師さんの業界では、常に腱鞘炎やド・ケルヴァ
ン病に注意を呼びかけているのです。せっかく仕事を続けていきたくて
も、大切な手が思い通りに動かなくなってしまったら、大好きな美容師さ
んや理容師さんの仕事も続けられない、大きなリスクがあります>(以上)

この仕事は世界中にあるから、同じような病気に苦しむ人はいっぱいい
て、それでも必死に頑張っているのだろう。そういう人がいるから世界は
見捨てたものじゃないのだ。

【今朝の産経から】1面「トランプ氏 指名受諾演説 『米国第一』共和
変質」。

同記事には演説骨子が紹介されているが――

・「米国を第一に考え、再び偉大にする」

(平井:ごく当たり前。世界を第一、自国を第二、なんていう国はない。
ただ、偉大な国になるためには世界秩序が守られている必要があるから、
紛争に介入せざるを得ないこともある。

つまりメリハリをつけた外交・軍事を展開する、優先順位を決めて、無駄
なこと、余計なことはしないということだろう。ネオコン(民主党生ま
れ)に引きずられた小ブッシュ、ISを増長させたへっぴり腰のオバマのよ
うなことはしない、ということだろう)

・「不法移民対策でメキシコ国境に壁建設」

(平井:実際に壁を建設するわけではないだろう。「資金はメキシコが出
せ」と言っているが、出すわけがない。つまりは国境管理を強化するとい
うことだ。ごく当たり前のこと)

・「法と秩序を重んじ、米国に安全を取り戻す」

(平井:Andy Chang氏が「オバマ政権になってから黒人が居丈高になって
きた」と書いていたが、現在の「白黒銃撃戦」の背景にはそれもあるだろ
う。白人警官の「黒人=犯罪予備軍」的な取締に、仕方なく従っていた黒
人が、オバマ政権をきっかけに「もうウンザリだ!」と怒りを爆発させた
のではないか。

人種間の和解、共生は難しい。それができないから個別に暮らしていたも
のを一緒にするというのは無理がある。無理を通すには自由民主人権法治
という価値観の称揚、失業率の改善、教育の向上などが不可欠だが、一朝
一夕にできるものではない。

月一くらいで「トランプと黒人との対話」といったTV番組や、「少数民族
担当相」を新設するなどが必要ではないか)

・「TPPは拒否」

(平井:TPPは一種のブロック経済圏だ。圏内でヒトモノカネがルールに
従って動く。中韓など圏外からそこに入り込むのは難しい。日本の製造
業、農業にとってはいいチャンスだと思う。小生が知っているのはそんな
ことくらいで、トランプもそんなものだろう。

トランプは「それでは米国の製造業がダメージを受ける」というが、それ
ほど競争力に自信がないのか。製造業を潰してきたのは目先のリターンを
優先するウォール街的銭ゲバ経営だろう。これを産業育成・雇用拡大経営
へと転換すれば製造業は強くなるし、TPPで市場を拡大できるチャンスが
ある。

TPPを拒絶することはそのチャンスを逃すことになる。TPPを拒絶したとこ
ろで銭ゲバ経営を続ければ製造業は弱体化するだけだ。この辺りをフロマ
ンはトランプに説くべきである。

・米国が防衛する同盟国に応分の負担を要求

(平井:確かに年60兆円の国防費(戦費は別)は負担かもしれないが、そ
れによる世界覇権、最新技術開発でそれなりの利益は享受しているはず
だ。かなりきついのなら同盟国は応分の負担にノーとは言うまい。「タダ
乗りしている」などと上から目線で非難するのではなく、しっかり説明し
て理解を求めることだ。

核シェアリングを認めれば米も同盟国も国防費は軽減されるかもしれない)

23面「ポケモンGO 列島狂騒」。驚くべしポケGO効果で「米では『自閉症
の息子がハイタッチ』」。

わが街の平日通勤時の歩きスマホは女10%、男3%だが、今日は土曜とい
うこともあって若者のほとんどが歩きスマホ。ポケGOの影響だろう。子連
れも子供をウォッチしないでスマホを見ている。

警戒心のない小4中2レベル、歩きスマホで目の前の穴も見えないだろうか
ら事故多発は必至。ま、ケガしないようにとは願うが、Let's go to hell
with Pokemonで何人か死なないと対策は取らないのが日本流。

「私はポケGOで天国へ来ました」なんて聞いたら神様はビックリするだろ
う、「君は呆けGOか?」。

夕食会へ行っていたカミサン、長女、N母子が9時に帰宅。7歳女児を寝か
すと姦し娘の宴会が始まった。

■7月24日(日)、朝6:30は室温24度、素晴らしい快晴、今は涼しいがかな
り暑くなりそう。

テーブルは「兵どもが夢の跡」、さっさと片付けて、朝食準備、そして洗
濯。いつもの日々。全天候型全自動家事ロボット「万歩/マンボ」、ゴミ
出し機能付き。動力源はアルコール。♪燃えろ マンボ 可哀そ過ぎる 
ヂヂイとの出会い

ま、半分は趣味、4割は運動だから苦にはならないが。

事実は小説より奇なり。自分の両親がロシアのスパイだった! 20歳と16
歳の青年は茫然自失する。「僕の両親はロシアの敏腕スパイだった!──実
の息子たちが語るその諜報活動の内情と私生活」(クーリエジャポン
7/17)から。

<2010年、米国に潜伏していたロシアのスパイ10人がFBIに一斉摘発され
る事件が発生。「隣人がスパイだった」という事実は、米国社会に大きな
衝撃を与えた。

逮捕されたスパイを両親に持つある兄弟は、好奇の目にさらされながら
も、事件後ひたすら沈黙を守ってきた。だが6年のときを経て、ついに事
件の真相について英紙に語った。

ロシアの諜報活動の内情と、それに翻弄された2人の兄弟の心情を赤裸々
に描いた傑作ロング・ルポルタージュ>

小生にとってもショックだった。ソ連・ロシア、米国はここまでやるか!
 諜報活動の最前線は静かに隠蔽され、ときに暴露される。↓
https://courrier.jp/translation/56841/

【今朝の産経から】1面「独で乱射 9人死亡」。デタラメルケルが欧州を
破壊する。愛と寛容が憎悪を生んだ。愛は地球を破壊する。EU離脱へ加速
するしかない。合言葉は「もっとフェンスを!」。

6面「中国河北省で大洪水 死者114人」。中共は人民を守らないどころか
恐れている。命や暮らしを守るという発想がゼロだ。天変地異あるいは人
災の頻発は王朝末期のシグナルか。

9面、長辻論説委員の「被害者参加制度で見えたこと」。父上が車にはね
られ亡くなった、その裁判の話。司法、特に地裁はアカの巣窟だと小生は
思っている。アカはいつも加害者に寄り添う。被害者のことなんてどうで
もいい、家族はグダグダ言うな、という感じ。事勿れ主義。

裁判員制度はアカどもが「死刑判決を減らすために」設けた制度。ふたを
開けたら被害者に寄り添う普通の人は「許せない、死刑を」となった。裁
判長は都合の悪い民意は無視。そういう世界。ダメアカ日弁連を含めて抜
本的な司法改革が必要だ。

9面、門田隆将氏の「新聞に喝!都知事選報道でも敗北」、曰く「記者だ
けでなく、組織自体が、単なる「いい子」になってはいないか。この“情
報ビッグバン”の時代に新聞社と記者が「いい子」に安住したら、もう終
わりである。スクープに目をぎらつかせていた、かつての“ブン屋魂”を思
い起こしてほしいと思う。今の新聞に欠けている最大のものは、「チャレ
ンジ精神」にほかならない」。

羹に懲りてなますを吹く。誤報をすると出世が遅れたり左遷されたりする
から、記者は萎縮しやすいのだろう。

そう言えば部下の祐子ちゃんの叔父さんは週刊新潮の記者で、その縁で取
材に応じたことがある。彼女によると「新潮の記者は皆社員」、叔父さん
を尊敬しているのだ。

一方ライバルの週刊文春は外部ライターを積極的に活用しているようだ。
外部ライターは一匹狼もいるが、大体がグループというか梁山泊に集って
いる。

お抱え正社員記者(大出版社の新潮社なら高学歴で家柄もいいお坊ちゃ
ま、お嬢様) VS ヒットときどきホームランを放たないと飯の食い上げの
飢狼・野武士ライター。野武士は“ブン屋魂”があふれかえっている。一発
当てる、場外満塁逆転本塁打、これが彼らの生き甲斐なのだ、「もう死ん
でもいい」。

海千山千の野武士は徒党を組んでいるから情報源が多い。タレコミも多い
だろう。文春がスクープを連発するのは、エリート記者 VS 野武士、この
違いが大きいだろう。

野武士は誤報で仕事を(一時的に)はずされても、もともと仕事を掛け持
ちしているし、仲間から仕事を回してもらったりするから、“できる奴”は
サバイバルできる。みなマムシのような根性だ。

新潮の場合は、週刊誌/雑誌部門から書籍部門へといった異動は当たり前
だ。会社員のサガとして、やはり出世コースに乗りたい。失敗は許されな
いから「通らばリーチ!」なんて危険は冒したくない、そういう気分が働
いてしまい、「いい子」になりがちなのではないか。

以上は編集プロダクション社長として野武士を使っていた経験から。

夜は8人で手巻き寿司、タケノコなど野菜と鶏ももの煮物、カチャトー
ラ、酢の物、シジミ汁。大好評。カミサンが頑張ってくれたので助かった。

■7月25日(月)、朝6:30は室温24度、素晴らしい快晴、今は涼しいがかな
り暑くなりそう。

ArgusAkita7/22「【NHKをぶっ壊す!】パチパチパチ(拍手)」から。

<都知事選に立候補している立花孝志の政権放送。まさにやってくれました。

都知事に当選することなどおそらく最初から微塵も考えていないと思われ
るが、供託金300万円をこの政見放送(公選法によって決して編集されない
ため)のために使ってくれたのだろうと思うと、あっぱれである。例え投
票は小池でも、この政見放送は全国に拡散して欲しい>(↓)

https://argusakita.wordpress.com/2016/07/22/%e3%80%90nhk%e3%82%92%e3%81%b6%e3%81%a3%e5%a3%8a%e3%81%99%ef%bc%81%e3%80%91%e3%83%91%e3%83%81%e3%83%91%e3%83%81%e3%83%91%e3%83%81%e6%8b%8d%e6%89%8b/

立花氏はNHKに20年勤めた方。職員の平均人件費は年1800万円だという。
ユーモアもあり、とても興味深い演説だった。

在特会の桜井氏のパチンコ追放演説も説得力があった。すさまじい額のパ
チンコマネーが北に流れているそうだ。

草の根民主主義、草莽崛起、いいことである。

ところで外交官出身の河東哲夫氏、「かとうてつお」と思っていたが「か
わとうあきお」だそうだ。氏はロシア勤務が長かったのでロシアを叩くこ
とはない。氏のブログは日本語、英語、ロシア語、中国語の4か国語で発
信されており、当然、中露には友達=情報源もいっぱいいるだろう。だか
ら中露は叩けない、ということになる。

この辺の限界はあるが、いい論客である。これからもウォッチしていこう。

さてさて中共は相変わらずの権力闘争。「記事誤植で恐れる内部粛清 中
央宣伝部がネット最大手を調査、処罰へ」から。

<【新唐人2016年7月22日】中国インターネット最大手テンセントの
ニュースサイトが7月1日、中国共産党成立95周年大会で習近平国家主席が
行った講話についての記事で、「習近平が重要な講話を発表」と記述する
ところを誤って「習近平が狂って重要な講話を行う」と記述したことが、
政府内で問題となっている。

「習近平が発表する」と書くべきところを「習近平が発飆(狂うという意
味)する」と書いてしまったのだ。ネットでは笑いの種となった誤植だ
が、テンセントは10億人のユーザーを有するマンモスネットメディア。中
央宣伝部はその影響力を憂慮し、この誤植を大問題と捉え、調査グループ
を組織してテンセントを調査することにした。

7月21日付香港紙『明報』の報道によると、調査グループは初期段階の調
査結果に至り、同社編集長の王永治氏と誤植に関与した責任者を辞職させ
るよう求めるという。さらに、同社の管轄を深セン網信弁から北京網信弁
へ変更するという。

また、調査グループは同社のニュース配信アプリ「天天快報」も調査し、
党の指導者に関して政府の見解と異なる描写が記述中にあるとして、これ
らの記述を削除し、歴史に関する話題については厳格に審査するよう命じ
た。もしも調査グループの求めに応じなければ、軽ければ歴史関連の話題
をすべて封鎖、重ければ同アプリを停止させるとした。

中央宣伝部が今回の強硬手段に出たのは、中央宣伝部を掌握する劉雲山
(平井:序列5位、上海閥)が、自分たちの失態を捉えて習近平と王岐山
が攻撃してくるのをかわす目的があると見られる。

今年3月には新華社が習近平を「最高指導者」と書くところを一字間違え
て「最後(の)指導者」と書いてしまったことで、中央宣伝部への攻撃材
料を与えてしまった。この二の舞を踏むまいと、今回いち早く自ら関係者
の処罰に乗り出したのである>(以上)

「習近平が発狂」「最後の指導者」、実に絶妙、確信犯的な“誤植”だ。高
見の見物というか世界ウォッチングは実に面白い。

【今朝の産経から】7面正論、芳賀綏(やすし)・東京工業大学名誉教授
の「道義的潔癖の範となる日本人に」、曰く「大正13年から寺田寅彦もそ
の成長に寄与した理化学研究所(理研)が、時を隔てた平成の世に「STAP
細胞」論文の愚挙で信を世界の学界に失ったスキャンダルは、いまなお記
憶に新たで、旧聞として済まされぬものがある。

道理を忘れ、野望と焦りにかられた印象の否めない一連の作業では、利用
されただけと思えるメンバーも働き、遂に自殺者まで出してしまったが、
賢者のわきまえを欠く者が学問のまね事を演じた極例と思われた。あそこ
には、現代の研究機関が各所でアカデミズムの魂を失っていく深刻な病理
現象が露頭していた。

あのスキャンダルを防止できなかった当時の理研も、肥大しすぎた組織の
防衛や、機関として一層高いステータスと巨額の予算を獲得することなど
が最大の目的と化し、権益の擁護と拡大に熱中する、哲学なき集団だった
のではないか。

そこでは、むしろ小粒なメンバーが量産され、精神空間が矮小化してい
く。知恵分別、道理の感覚の忘失は必然である。

筆者自身は40歳まで人文系一色の環境にいたが、以後60歳まで、理工系研
究機関の様子を垣間見る位置にいて、研究費獲得が最大目標・自己目的か
と思える感覚の主にも接し、質より量の世界か、としばしば奇異の感を覚
えていた」。

同級生の東大教授が「研究費獲得に追われて、自分は何なんだろうと分か
らなくなる」とこぼしていたっけ。

8面「民主幹部 クリントン氏へ肩入れか 全国大会に影」、ウィキリー
クスが暴露した。中立であるべき幹部はサンダースが不利になるような討
論会日程を組んだりしていたようだ。大スキャンダルになるかもしれない。

小生は、クリントン夫妻は本人と周辺にスキャンダルが多すぎるとの印象
を持っている。清潔ではなく不潔、単純ではなく複雑、表ではなく裏、光
ではなく闇の印象。サンダース支持者は今回の問題で激怒したろう。この
幹部とヒラリーを叩くに違いない。(2016/7/25)


2016年07月26日

◆日本の選択、反発か屈服か

平井 修一



外交官出身の河東哲夫氏はとても優秀だ。が、人柄がいいから善意を信じ
ている。「話せば分かる」式。小生は悪意を信じ、常に警戒する。「コイ
ツ怪しい」式。生き残るのは小生だ。

氏の論考7/21「東アジアの地政学 戦国時代への逆行か、ポストモダンの
千年至福か」から。

<東アジアが騒然としている。5日中国海軍は、南シナ海のパラセル諸島
周辺で大規模な演習を始めた。12日ハーグの仲裁裁判所がこれらの島の領
有権につき判断を示すのを前に、示威行動に出たのであろう。

中国軍は東シナ海でも、6月中旬の日米印共同演習に対抗してか、日米を
挑発するかの動きを強めているし、北朝鮮は核兵器、ミサイル開発の手を
緩めない。

ロシアはロシアでその中国に接近して米国に対抗し、千島列島の中央、松
輪島には調査団を送ってオホーツク海防衛強化の構えも見せている。

台湾では民進党政権が国民党政権時代の中国本土寄りの政策を修正して、
中国政府との関係を冷却化させ、香港では本土に政治的・経済的に呑みこ
まれてしまうことへの抵抗が強まっている。

東アジアは地政学の季節を迎えたのだ。

「地政学」と言うと仰々しいが、英語でGeopolitics、つまり読んで字の
如く、地球規模の政治学のことと思えばいい。政治学と言えば、あれこれ
の紛争や競り合いの主要当事者(アクター)にはどんな国やどんな組織が
いて、それぞれはどのような内部事情を抱え、何を目的にしてどのように
他のアクター達と組む、あるいは競り合っていくつもりなのかを調べる――
まあ、学問と言うより分析の「技」なのだ。

冷戦が終了し、中国が対外開放に舵を切った1990年代、東アジアは国際的
経済分業を通ずる相互繁栄への道を歩み始める――かに見えた。

中国の低賃金労働を活用した、「グローバル・サプライ・チェーン」が現
出する。つまり、米国のアップルやクアルコムは自分では工場を持たずと
も、台湾企業の所有する中国の工場で日本などから輸入した部品を組み立
てさせ、iPad、iPhoneなどとして売出し、日本企業を打ち破ったのである。

こうして中国、韓国、ASEAN諸国の工場が、最終製品を米国、EUに輸
出、得た外貨は米国債に投資して、米国経済を更に膨らませ、もっと多く
を輸入させるという、共生関係が成立した。

自由貿易が守られている限り、いずれの国も(北朝鮮を除く)ハッピー
で、国境問題などで争うのは野暮という状況が、リーマン・ショック前の
東アジアには現出したのである。

ここでの主役は実際には、西側そして日本の資本と技術と経営手腕であり
続けたし(今でも中国の輸出の半分は、外資系企業によって行われている
)、日本を主要基地とする米軍がにらみを利かせていたので安定が保たれ
ていたのだが――当時、中国の識者は、日米同盟をアジアの安定を維持する
要素として前向きに評価していた――、ちょっと見には、東アジアは「ポス
ト・モダン」の先頭を切っているように見えたのである。

ポスト・モダンとは、グローバルな経済関係の進展によって、「国」を前
面に立てた対立が時代遅れで馬鹿らしいものに見えてしまう、夢のような
時代のことである。だがその夢は、リーマン・ショックで破られた。

中国は4兆元(約60兆円)もの内需拡大措置で空前のブームを演出、その
バブル景気の勢いと急拡大した軍備を背景に、米国にことごとに楯を突
き、米軍を東アジアから押し出す構えを見せた。

そして習近平時代になると、東シナ海、南シナ海を中心に領土要求を先鋭
化させ、周辺諸国を威圧するようになった。ポスト・モダンは一気に、プ
レ・モダン、つまり中世の乱世時代に後戻りしたのである。

今の東アジアは、いくつものパワーの間のバランスで、かろうじて安定を
維持している。それはモービルのようなもので、各パワーはある時は連
携、またある時はいがみ合いつつ、バランスを維持している。そしてその
バランス構造は、いくつもの活断層によって安定を脅かされている。

*東アジアの活断層地図

その活断層の一つに、身に沁みついた過去の記憶、癖というものがある。
中国人、特に今の習近平国家主席は、アヘン戦争までの中国の栄光と勢力
範囲(実際には満州民族が樹立した清帝国のものだったのだが)を回復し
たいという意欲を露骨に見せる。

経済発展の中に生きてきた中国の現代青年の多くと違って、文革時代に青
春を送った習近平の世代は意識が古い。彼らにとっては、主権国家の平等
を前提とした(かなり偽善的なものではあるが)現代の国際秩序は理解の
外。中国が父親で残りは目下の一族郎党という(平井:華夷秩序、中華思
想の)「国際的家父長制」しか理解できない。

その中国一家の中で日本は、ついこの前父親に歯向かったはぐれ者なので
ある。

尖閣や「歴史問題」を日中間の活断層と見なし、日本が譲ることで早く収
拾してしまえと呼びかける人たちがいる。だがこれらの問題は、日中国交
回復の時、声明や条約によって既に解決されたものである。

中国の反日は、日本をおとしめ、追い込み、譲歩させるための外交手段と
して使われているので、日本がいくら譲って見ても、また新たな要求をつ
きつけてくるだけである。これは、活断層と言うより、人造の地下トンネ
ルのようなものだ。

東アジアでは、戦後初めて近代国民国家を持つに至った国々が多数ある。
ここでは遅れてやって来たナショナリズムが国民に浸透している。生計を
たてることにかまけていた彼らも、生活水準が上昇すると新聞を読みテレ
ビを見るようになり、外国と問題が起るたびに強硬姿勢を政府に求める。

パワー・ゲームは以前、国を牛耳る少数のエリート間の意地の張り合いで
あったのが(平井:実体は利権争い)、今や国民全体がゲームをリード
し、対立の歯止めが利きにくくなった。

戦後間もなく、政府間の条約、そして声明の類で解決されたことになって
いる慰安婦の問題、そして賠償の問題も、韓国や中国の国民にとっては
「そんな条約や声明のことは聞いたことがない。交渉をやり直せ」という
ことになってしまう。

竹島や尖閣のような領有権がからむ問題についても、日本政府の言い分は
「聞いたことがない」のである。

そして東アジア諸国の国内の状況も、断層を動かす要因だ。

例えば、中国では独裁の存続――と言うか共産党員を頂点とする今の利権構
造の存続――が、共産党政権にとって至上の課題なのだが、それは豊かに
なった社会にもうそぐわない。

選挙というガス抜き手段を持たない政治体制は、ばらまき、或いは弾圧に
よってしか維持できないし、暴動によってしか権力の交代は起らない。そ
して共産党内では、習近平一派と江沢民残党との間で熾烈な権力闘争が続
いているようで、習近平は対日ばかりでなくあらゆる外交問題において弱
みを見せることができなくなっている。

共産党による一党独裁は時代遅れになっているばかりでない。政権を、外
国との対立に向けて押しやっていくものとなっているのである。

そしていくつかの国では、この前の英国の国民投票や米国でのトランプ人
気にも通ずる、ポピュリズムの横行が国際関係を阻害する。

(中韓北に加えて)もう一つ、日本にとって危険な要素が東アジアにはあ
る。それは、米国がロシアとの対立を激化させる場合である。ロシアのク
リミア占領、シリアでの爆撃以降、米国ではロシアを「主敵」とする論調
が盛んになっている。

世界には、米国がからむ、紛争の大きな温床が3つある。

一つは欧州(ロシアとの対立)、二つは中近東(イスラエルと産油国サウ
ジ・アラビアの防衛)、三つめは東アジア(太平洋戦争という血の代償で
贖った地域における中国との対決)である。

ロシアが主敵ということになると(それは米陸軍・空軍にとっては予算獲
得のためのかっこうの大義名分となる)、オバマ政権の「アジア・リバラ
ンス」政策は棚上げになり、中国への抑えが利かなくなる。また、米国は
日本をロシアとの過度の対立に引きずり込もうとして――極東ではロシア軍
はさしたる脅威ではない――、安倍政権の対ロ外交を止めにかかるだろう。

こういったところが、東アジアの「地政学」の現状だ。ロシア、そして中
国の西方「ユーラシア」のモンゴル、中央アジア、インドといった諸国
は、東アジアのパワー・ゲームでは副次的な役割しか果たさない。

ロシアは中国と語らって、ユーラシアに統合市場を作ると豪語している
が、それは砂漠の蜃気楼のように実体の乏しいものに止まるだろう。経済
取り引きの大宗はユーラシア大陸の内部よりも、米国、日本、中国海岸
部、ASEANといった海洋部分で行われているのである。

なお、ASEAN諸国は東アジアのバランス・ゲームで重要な存在になってい
る。この国々は後れた軍政や腐敗の問題を引きずるところもあり、そうい
う国々では米国との関係も、外国からの直接投資も進みにくい。またカン
ボジア、ラオスを中心に中国の影響力が大きく浸透してもいる。

それでもなお、人口総計で6億人を越え、GDP総計では2.4兆ドル(ロシア
の2倍)を有し 、外交面では声を一つにして発言することが多いASEAN
は、大国の出過ぎた行動を戒める力を持った安定化勢力として、重要な存
在なのである。

*日本の立ち位置

米国で、内向きの傾向が強まっている。そして、これは日米同盟に軸足を
置いてきた戦後日本にとっての転換点、あるいは危機だとして、浮足立つ
人がいる。しかし米国は常に内向き傾向を持つと同時に、外部にもかか
わってきた国である。

特に日本に有する米国の足場は、太平洋戦争の結果、血で贖ったもので、
軽々に手放すわけにはいかない。そして日本は、東アジアの諸国(特に
ASEAN)を取りまとめていくには、何かと便利な存在なのである。

米国は日本が好きだから日本を守ってくれるわけではない。日本、つまり
日本語で好い暮らしができる空間を守るのは日本人自身だ。米国には核の
傘など、日本だけでは不足する抑止力を提供してもらうこと以上を期待す
べきでない。

しかし、米国が中国のことも大事にしているから日米同盟は止める、とい
うのは短慮だろう。中国から得られる経済的利益に目がくらんで、米国が
日本を犠牲にすることがないように、常日頃関係に油を差し、釘をうって
おく。乱世の現在に、日米同盟を放り投げてしまうような軽挙妄動は禁物
である。

日本は、欧米文明とも、中国文明とも、一味違った価値観に生きている。
それは、農村共同体での人付き合いに仏教や儒教の教えや武士道がブレン
ドされたもので、「ちゃんとしていること」という言葉で集約できる。そ
れは、個人主義と権威主義の中庸をいく生き方である。

日本では、中世以来、農地を特定の農家が代々耕作してきたが、農民はそ
うすることで、権利意識を培ったはずである。これは、小作人の多かった
中国、その他のアジア諸国と一線を画する、日本歴史からの贈り物だろ
う。地政学、シニカルなパワー・ゲームに惑わされず、「ちゃんとしてい
ること」という旗印を掲げ、実行していくことが日本のパワーとなる。

それを踏まえて、東アジアが乱世からまたポスト・モダンに戻るよう、あ
るいは更にその先のAIやロボットが主役を果たす新次元の文明に進めるよ
う、旗を振り、汗もかいていくのが、日本の役割ではないだろうか。

米国のように民主主義を力で他国に押し付け、そのあげく大混乱の中に放
棄するのでなく、経済発展を助けることで民主主義をじわじわと浸透させ
ていく――そういうことの手助けをする中庸穏健な民主主義国で、日本はあ
り続けたい>(以上)

「経済発展を助けることで民主主義をじわじわと浸透させていく」ソフト
方式は、残念ながら中韓にはまったく効き目がなかった。彼らに対しては
常に警戒し、抑止力を高め、一旦緩急あれば撃滅する覚悟で臨まなくては
ならない。ハード方式しかない。できる限り交際しないことだ。

日本が平和であり続けたいのなら上着の下に防弾チョッキを身に着け、腰
に銃と手榴弾は欠かせない。中韓に大反発しなけば屈服して属国になるし
かない。これがリアルだ。(2016/7/23)

◆韓国のまともな国造りを妨げている理由

櫻井よしこ



韓国がおかしい。

例えば韓国人窃盗団が対馬のお寺から盗んだ長崎県有形文化財の仏像を、
韓国のお寺が、元々これは14世紀に自分の寺で作ったものだと主張し、
“自分の寺に戻してほしい”と要求する。戻してほしいのは日本のほう
だ。

3月25日、初の女性大統領となった朴槿恵氏は、北朝鮮が核の小型化に成
功し実戦配備が可能となったこの非常時に、国民の安全ではなく国民の
幸福を守るという就任演説を行った。

大統領としてスーパーマーケットを視察し、豚肉の価格が高過ぎるとし
て値下げを指示するのだが、「国民の幸福」は国家の安泰なしには得ら
れない。だが、国家安泰の基盤である安全保障について、大統領は語ら
ない。

国家の安泰を担保する国際社会の枠組みについての理解もおかしい。安
倍晋三首相が特使を送ったのに対し朴大統領は最初の特使を中国に送っ
た。演説で「米、中、日」と語り、中国を日本より重視した。

韓国の危機の元凶は北朝鮮と、北朝鮮を支持する中国である。韓国は日
米両国に支えられて初めて、事実上中国とのせめぎ合いになる北朝鮮有
事を乗り越えることができる。日本は米国と共に韓国にとってなくては
ならない支援国だ。にも拘わらず、中国重視の感覚のズレは一体何なの
か。

「統一日報」論説委員のホン・ヒョン氏が興味深い答えを語った。

「韓国は光州事件以来、北朝鮮との戦いに敗れ続けており、結果、おか
しなことが続発しているのです」

1980年、全斗煥大統領が光州で起きた反政府運動を徹底的に軍事制圧し
たとされるのが光州事件だ。洪氏はあの事件の本当の性格を認知するた
めに池萬元氏の著書をめぐる司法判断を知ってほしいと言う。池氏は米
軍海軍大学で博士号を取得した元大佐である。

池氏は著書で光州事件は「5・18(光州事件)は金大中などが起こした内
乱事件」であり、「北韓の特殊軍が派遣されて組織的な作戦指揮を執っ
た。不純分子が市民を銃で撃った」「左翼がこれを軍人になすり付ける
謀略戦を繰り返し、事件を民主化運動と位置付けた」「心理的内戦はま
だ終わっていない」と書いたのだ。

光州事件の負傷者の会など18団体が池氏を名誉毀損で訴えたのが2008年9
月、最高裁判所の判決が出たのが昨年12月だった。判決は池氏の完全勝
利であり、「光州事件は北朝鮮特殊部隊の工作だったという主張」が正
しいと、認められたのだ。

だが、このニュースは韓国では一切報じられなかったと洪氏は指摘する。
韓国全体が北朝鮮の側に立って考え、北朝鮮に不利な情報は伝えない国
になっているのだ。

池氏は事件で殺害された学生や住民の70%が全政権の政府軍ではなく、
北朝鮮の特殊部隊に殺害されていたことを詳細に描いた。当時、韓国軍
が使用した武器はM16だったが、多くの人が異なる武器の銃弾で殺害され
ていた。実は韓国の予備軍の武器庫が襲われて、およそすべての武器が
奪われていた。奪ったのが北朝鮮の特殊部隊だったというのだ。

「いまも、韓国人も日本人も、このことに向き合おうとしません。当時
はなおさらです。全政権は軍事ファッショ政権と見做され国際社会の非
難を浴びました。

あの時点で韓国は北朝鮮の謀略戦に敗北したのです。敗北は続いていて、
朴大統領も北朝鮮を脅威と捉え準備するというまともな国家指導者とし
ての考え方が出来ないのです」

仏像をめぐる韓国のお寺の反応は韓国人としても「狂気の沙汰」だ、あ
の一例をもってすべての韓国人が同じだと考えないでほしいとも洪氏は
語った。

洪氏の主張や説明のすべてに納得するわけではないが、光州事件につい
ての日本の理解が著しく不十分なのは明らかだ。そうした無理解が韓国
の保守派を追い詰め、まともな国造りを妨げていることにも気付かされ
た。(週刊ダイヤモンド)

2013.04.02 Tuesday name : kajikablog



◆民主主義と選挙

Andy Chang



民主主義の第一歩は国民に投票権があることだと言うが、国民に投
票権のあることは愚民政治の第一歩でもある。国民が投票して決め
たことが国益に沿った選択でなく弊害が多いことはよくある。

英国のBREXITがその良い例だ。民主投票で欧州連合から離脱するこ
とが決まって英国だけでなく欧州各国も困惑している。同じように
アメリカの大統領選挙でトランプとヒラリーが候補者に選ばれたの
はアメリカの史上最悪の結果と言える。民主選挙はあまりよい制度
といえない。

言論の自由は意見を発表する媒体と著者の見識が必要だが、インタ
ーネットの発展によってフェイスブックやツイッターで誰でも簡単
に発言が出来るようになった。これこそ暴言、放言の始まりでもあ
る。新聞やテレビは暴言を面白がって報道するからもっと悪い。

良識は期待できない。国民は善悪の判断さえできないことが多い。
ヒラリーはウソつきで違法行為がたくさんある。FBIはヒラリーの
犯罪事実を羅列しても起訴に持ち込めず、事実を知らない人がヒラ
リーに投票する、知っていても投票する人も居る。

トランプは政敵の人身攻撃で有名になったが、メディアが暴言を増
幅し、愚かな国民が面白がり、真っ当な候補者は敗退した。トラン
プの悪口をストップ出来ない共和党は団結を呼びかけてトランプを
候補者に選出したが、会場の外では反トランプのデモ、会場ではテ
ッド・クルース議員がトランプを支持せず「良心に従った投票」を
せよと演説した。大会が終った翌日にはメディアがアメリカの史上
最悪の党大会と批判した。

●民主主義選挙の現実

殆どの国民は投票用紙に並んだ候補者の名前も知らないことが多い。
候補者の国家観念、政治意識などについて殆ど何も知らない。顔写
真、政党所属を見ても街頭で演説をしていても殆ど知らないことが
多い。そんな人にも投票権があるのだ。名前さえ聞いたことがあれ
ば投票する。有名人やテレビタレント、候補者の所属する政党、メ
ディアの宣伝などに頼る。こうして選ばれた政治家がセクハラ、公
金横領や乱費などを暴露されてから後悔する。リーダーがダメとわ
かってから後悔しても国は良くならない。

これが民主主義投票の現実である。オバマは10兆ドルの負債を築き、
中東政策で敗退してISISの増長発展、アメリカ国内では違法入国者
の増加、二大政党の対立、人種の対立、犯罪率の増加、政府不信。
それでもオバマが黒人で民主党員だから批判しない。

トランプはこのような国民の怒りを増幅させて有名になった。しか
しトランプは国民の怒りを増幅させて人気を得ても解決策がない。
知識階級に反対され、知識の低い階級で人気が高いのは彼が暴言で
「有名だから、国民の不平不満を表現するから」である。

トランプの意見は実行不可能なことが多い。「オレが解決する、オレ
だけがこれを解決できる」と言うが、例えば国境に塀を作りメキシ
コ政府に金を払わせる、国内の違法入国者を追放する、イスラム教
徒の入国を禁止するなど、人気が高くても実行できるはずがない。
愚かな支持者は彼にやらせてみろと言う。不可能とわかって後悔し
ても後の祭りだ。

共和党はヒラリーが大統領になったら大変だ、トランプに投票しな
ければ負ける、ダメでもトランプに投票しろと言う。国益より政党
優先である。ヒラリーが当選すれば共和党は滅亡する。トランプを
選んだ共和党首脳の責任である。共和党はトランプさえ制御できな
いくせに国民がヒラリー反対に期待している。

アメリカの8割のヒスパニック、黒人の9割以上、女性の7割以上
がトランプに反対している。これではヒラリーに勝てるはずがない。
民主党側では黒人の8割、ヒスパニックの7割、女性の8割がヒラ
リーに賛成だ。

トランプがヒラリーに負けると言う調査結果が出てもトランプを候
補者にする共和党は自ら墓穴を掘っているようなものだ。どうして
ヒラリーに勝てる候補者をださないのか。

アメリカの大統領選挙は「ならず者トランプと嘘吐きヒラリー」の
選挙なのだ。これが民主国家アメリカの実情である。国内ではトラ
ンプはヒラリーよりまし、国外ではヒラリーはトランプよりましと
言う評判である。だが国内でも国外でもトランプとヒラリーに対す
る正しい認識はない。

トランプが当選すれば国際関係が悪化する。BREXITに次ぐトランプ
発のAMEXITである。トランプは政敵を罵倒してで大統領候補になり、
当選すれば武力と経済力で諸国を屈服させるつもりだ。傲慢な独裁
政策で世界に君臨するつもりだが、ヒットラーと同じく諸国の服従
を強要すれば必ず失敗する。

ヒラリーが当選すればどうなるか。ヒラリー国務長官時代に26か国
がクリントン基金に多額の贈与をした。賄賂を貰ったヒラリーが大
統領になれば世界は汚職政治が跋扈する。法無視と違法行為が世界
で通用し、国際関係は金で動くようになる。

クリントン家は中国より多額の賄賂を貰っていたから中国の横暴を
止められない。アジア諸国では中国の進出で動乱が顕在化する。
AMEXITでアメリカが孤立すれば諸国は自衛力の増大と諸国の小競り
合いが頻発するようになるだろう。これが21世紀の民主主義選挙の
結果である。

2016年07月21日

◆核ミサイル開発の真の狙いは?

伊勢 雅臣



北朝鮮情報 〜 核ミサイル開発の真の狙いは?

中国の南シナ海軍事基地化。世界各地でのテロなどのニュースに隠れて、
最近は北朝鮮があまり話題に上ることが少なくなりましたが、その陰で核
ミサイル開発は執拗に続けられています。

それは何のためか、我が国はどう対応すべきなのか、について、興味深い
2編の記事を紹介します。

■北朝鮮は核ミサイルを使うために開発している(西岡力 正論H28.4)

〜北朝鮮は自衛のためではなく、第2次朝鮮戦争で韓国を赤化併呑するた
めに核ミサイル開発を進めてきたのだ〜

北朝鮮は冷戦後、国際的に孤立する中、体制を維持するために核ミサイル
を持とうとしている、米国との外交カードとして使い米朝平和条約締結で
米朝国交正常化を狙っている等の見方が多い。これらの見方は、実は北朝
鮮が政治工作として意図的に拡散しているウソだ。

元北朝鮮軍パイロット「自分たち北朝鮮軍人は士官学校に入ったときから
現在まで、ずっと同じことを教わってきた。1950年に始まった第1次
朝鮮戦争で勝てなかったのは在日米軍基地のせいだ。あのとき、(韓国へ
の)奇襲攻撃は成功したが、在日米軍基地からの空爆と武器弾薬の補給、
米軍精鋭部隊の派兵などのために半島全域の占領ができなかった。

第2次朝鮮戦争で勝って半島全体を併呑するためには米本士から援軍がく
るまで、1週間程度韓国内の韓国軍と米軍の基地だけでなく在日米軍基地
を使用不可能にすることが肝要だ。だから、射程の長いミサイルを実戦配
備している。人民軍偵察局や党の工作員による韓国と日本の基地へのテロ
攻撃も準備している」

米国にこれは民族内部の問題であって米軍を介入させるなと、また、日本
に在日米軍基地から米軍の朝鮮半島への出撃を認めるな、それをするなら
核ミサイル攻撃をするぞと脅すというのだ。

韓国内に構築した地下組織を使い大規模な反米、反日暴動を起こしながら
核ミサイルで脅せば、米国と日本の国民がなぜ、反米、反日の韓国のため
に自分たちが核攻撃の危険にさらされなければならないかと脅迫に応じる
可能性があると彼らは見ている。

アーサー・ウォルドロン米ペンシルベニア大学教授「アメリカ本土に核が
撃ち込まれるという状況に陥らない限り、絶対に核兵器は使わないと確信
しています。約束は守られないでしょう。アメリカの拡大抑止力、そして
核の傘という神話を抜きにすれば、どこの国であれ、自前の核戦力を持た
ない国は、同盟国に頼れず、1国で侵略国の脅威と略奪に立ち向かうこと
になります」

最小限核抑止力とは、「戦争を始めるにはその核戦力は小さすぎるが、核
攻撃を防ぐには十分な能力がある」というものです。フランスもイギリス
も、それぞれ3隻の原子力潜水艦を持っています。潜水艦には核兵器が搭
載された弾道ミサイルが積まれています。潜水艦の少なくとも1隻は常に
どこかを航海しています。

そして、もし自国に攻撃があったときには、何千マイル離れていたとして
も、ミサイルを相手国に発射する態勢ができているのです。

伊勢雅臣> 韓国の保守論客・趨甲済氏は「われわれ国家の生存を、どこ
に向かうか分からない若い独裁者と、米国の善意だけに任しておけよう
か」と言っているそうですが、これに「中国の独裁者たち」も含めれば、
我が国の状況となります。こういう軍事常識に基づいた議論が我が国にも
必要です。


■覚悟なき経済制裁の危険(西尾幹二 正論H28.4)

〜 経済制裁は戦争行為。北朝鮮への経済制裁を続けているうちに、核ミ
サイルを撃ち込まれても、世界は何もしてくれない。戦闘爆撃機で「打ち
上げ前の核ミサイルを破壊する準備を〜

北朝鮮の核弾頭が東京のど真中で昨裂し、一千万人以上の死者が出るとい
う事態が起こっても、決して奇異ではないだろう。世界はもちろん驚く
が、次の瞬間には、アメリカの約束のむなしさと日本の無策ぶりへの憐れ
みを口々に語るばかりであろう。東アジアはその後なにごともなかったか
のような平静さを取り戻すのに一年は要すまい。

パリ不戦条約の起案者の一人であった当時のアメリカ国務長官ケロッグ
は、経済制裁、経済封鎖は戦争行為であると認識していた。もしも経済制
裁、経済封鎖がすでにして戦争行為であるとしたら、日本は北朝鮮に対し
て「宣戦布告」をしているに等しいのではないだろうか。

アメリカ人は今の日本人より現実感覚を持っている。日米両国のやってい
る経済制裁を戦争行為の一つと思っているに相違ない。北朝鮮も当然そう
思っている。そう思わないのは日本人だけである。

この誤解がばかげた悲劇につながる可能性がある。「ばかげた」と言った
のは世界のどの国もが同情しない惨事だからである。核の再被爆国になっ
ても、何で早く有効な手を打たなかったのかと他の国の人々は日本の怠惰
を憐れむだけだからである。

北を相手に核で対抗を考える前にもっとなすべき緊急で、的を射た方法が
あるはずである。イスラエルがやってきたことである。前述の「打ち上げ
「前」の核ミサイルを破壊する」用意周到な方法への準備、その意志確
立、軍事技術の再確認である。

私が専門筋から知り得た限りでは、わが自衛隊には攻撃能力は十分そな
わっている。即戦力の戦闘爆撃機で十分に対応できるそうである。

日本の本気だけがアメリカや中国を動かし、外交を変える。六カ国協議は
日本を守らない。何の覚悟もなく経済制裁をだらだらつづける危険はこの
うえなく大きい。

伊勢雅臣> 核攻撃の危険にさらされた時に、敵基地攻撃をするのは、現憲
法下でも可能という法的判断が出ています。こういうレベルの具体的現実
的な議論を展開すれば、「九条教徒」は何も言えないでしょう。

◆スパイ大好き中共の実情

平井 修一



どこの国もスパイ=諜報活動をしており、同時にスパイされないように防
諜活動=摘発/取り締まりに努めている。中共はスパイ活動に非常に熱心
な国の一つだが、そのため警戒されることも多く、摘発事例には事欠かな
い。「米軍機密情報盗んだ中国人ビジネスマンに46カ月の禁固刑」から。

<【新唐人7月15日】アメリカの連邦裁判所は7月13日、米軍の機密データ
を盗んだとして逮捕された中国人の男に3年10カ月の禁固刑を言い渡した。

中国国籍のビジネスマン、スー・ビン被告(音訳すると蘇斌。英語名ス
ティーブン・スー)は2008年から2014年までに中国軍のハッカーと共謀し
て、ボーイング社や米軍事企業のコンピューターシステムに侵入し、戦闘
機など米軍機に関する機密文書を盗んだことを今年3月に認めていた。

ロサンゼルスの連邦裁判所はスー被告に46カ月の禁固刑と罰金1万ドルの
支払いを命じた。

カナダの永住権を持つスー被告は、2014年7月にカナダのリッチモンドで
逮捕され、今年2月にアメリカへ身柄を引き渡されていた>(以上)

スパイはリクルートされ、教育される。「スパイ逮捕で明らかになった中
国のスパイ獲得法」から。

<【新唐人7月15日】アメリカで逮捕された有名な中国のスパイと言え
ば、金無怠、郭台生、そしてグレン・ダフィー・シュライバーの3人だろ
う。この3人の事件を通して、中国政府がどのようにスパイを獲得し利用
しているかが明るみになった。米誌『ナショナル・インタレスト』が報道
した。

*金無怠 40年にわたるスパイ人生

同誌によると、金無怠は1949年、中共が建国される前に中華民国に駐在す
るアメリカ大使館の官員だった時に、中国共産党の情報機関によって買収
されスパイとなった。その後1985年に逮捕されるまでの40年間にわたり、
中国の情報機関に対し報告を行っていた。

この間、金はアメリカ政府の複数の機関で通訳として働き、たとえば在韓
米軍で捕虜尋問の通訳などを務めた。

中国の情報機関が金に支払った報酬額は100万ドルに上るという。金は香
港経由で中国へ極秘入国し、上司に会ったり報酬を受け取ったりした。ま
ず香港のホテル客室宛に手紙を出した後、中国政府が人を派遣して金と面
会し文書を受け取るという手法を用いていた。

*郭台生 中国出張中にリクルートされた台湾系米国人ビジネスマン

帰化米国人の郭台生はルイジアナ州の家具店の営業担当者だった。90年代
に中国へ出張した際、中国情報機関にリクルートされた。郭は姻戚関係を
通じて台湾の政治関係者と接触があったものの、アメリカ政府の情報を直
接入手できる手段は持っていなかった。

郭はアメリカ国防部に接触するよう勧められ、グレッグ・バーガーセンと
ジェームス・フォンドレンを中国スパイにリクルートすることに成功した。

米太平洋軍ワシントン連絡事務所の所長代理だったフォンドレンは郭を通
じて米国の政策に関する情報を中国へ渡していた。国防総省分析官だった
バーガーセンはアメリカの対台湾武器売却に関する機密を郭に提供してい
た。郭の上級機関は中国国内で郭と会ったり、連絡者や電子メールを介し
て接触したりしていた。郭は2008年に逮捕される。

*グレン・ダフィー・シュライバー 中国に留学 論文が情報機関の目に
とまる

シュライバーは中国の大学に留学し卒業している。ある論文コンテストで
中国の情報機関(国家安全部と見られる)の目にとまり、スパイにリク
ルートされる。実はこの論文コンテストはスパイとなる人材を見つけるた
めに催されたものだった。

シュライバーは中国当局者と20回以上接触し、2010年に米中央情報局
(CIA)への入局を試みた際に逮捕された。この前には2度、連邦調査局
(FBI)への入局も試みていたが、試験に合格しなかった。

中国政府はシュライバーに7万ドルの報酬を渡している。シュライバー事
件をもとにビデオクリップが製作され、FBI職員の教材として使用されて
いる。

*中国の情報収集の特徴

同誌はこれらのケースによって中国当局の情報収集におけるいくつかの特
徴が読み取れると分析している。

(1)中国情報機関にリクルートされたスパイは中国国内に相当な時間滞
在する。

(2)中国情報機関は多額の金や豪勢な食事などの欲望につけこむ。

(3)潜在的な協力者は必ずしも直接重要な情報が入手できる手段を有さ
ずともよい。

(4)スパイのコントロールはすべて中国国内で行われており、スパイは
中国在住の外国人や中国と外国を頻繁に行き来する外国人でもよい。

中国政府はあらゆる手段を用いてさまざまな形態の諜報活動を行ってお
り、その中には隠蔽行為や影響力の確立、外国の科学技術の獲得、外国に
住む中国人の監視なども含まれる>(以上)

外交は血を流さない戦争、戦争は血を流す外交で、外交と戦争は一体的な
ものだ。スパイはハニートラップや脅迫、暗殺など汚い手も使うが、国益
になればいいのである。

スパイされる方が間抜け、摘発される方が間抜けというわけだ。(2016/7
/19)

◆トルコ軍事クーデター未遂は

宮崎 正弘



<平成28年(2016)7月19日(火曜日)通算第4966号 > 


 〜トルコ軍事クーデター未遂は北京中南海に激震を与えた
  習近平、あらためて警護要員の身元調査、各部隊の状況把握を指示〜

 トルコの軍事クーデター騒ぎは、北京時間7月16日払暁だった。
 一報をうけとるや、習近平は跳ね起きて、外交部、国家安全部に詳しい
情報報告をあげるように命じ、ただちに在京の政治局幹部を招集するよう
栗戦書(中央弁公処主任、政治局員)に伝えたという(博訊新聞網、7月
17日)

 トルコ政変を重大な教訓として新しく治安対策、とりわけ幹部の身辺警
護のあり方の検討をするよう関係各部署に通達した。
 
 すでに就任以来、習近平は中南海をまもる警衛局のメンバーをすべて交
替させた。江沢民、胡錦涛時代の警護班は全員が入れ替わっていた。

 12時間後にクーデターが失敗したとの報がはいると、習近平は安堵の
様子をみせつつ、「なにが本当の原因だったのか」、徹底的に解析せよと
命じた。
 事実、習近平、膨麗媛夫人、そして王岐山と李克強は何回か暗殺の危機
に遭遇しており、軍隊の不穏な空気が流れる瀋陽軍区(現在の「北部戦
争」)が管轄する遼寧、吉林、黒竜江省の視察に際しては軍隊の基地、駐
屯地をパスする行程を組むなどそれなりの防御策を講じてきた。

 旧瀋陽軍区は失脚させられた徐才厚の息のかかった軍人が多く、深く習
近平を恨んでいる部隊が残存する。
 そのうえで習近平は公安系に各地区の治安状況の詳しい報告をするよう
に指示したほか、警衛局のメンバー全員の思想調査、出自、人間関係など
をいまいちど洗い直すよう緊急の指令を出した。

中央警備ならび北京公安局に対しては政治局員以上の共産党幹部の身辺警
護をさらに厳重にせよ、と伝え、さらに通達には陸海空三軍と武装警察、
公安、消防の各部署に、いかなる政変や突発事態にも対応できるシステム
の強化をすること、ネットの監視強化ならびに各地の発電所、港湾、高速
道路の安全確保の工作強化なども盛り込まれた。

 いま中国は年に一度の「北戴河会議」を控えており、くわえて九月には
杭州で「G20首脳国会議」のホスト国となる。

2016年07月20日

◆「生前退位意向」報道の怪

池田 元彦



天皇陛下「生前退位意向」報道の怪

天皇陛下「生前退位の意向」のニュースが流れた。宮内庁幹部を情報源と
しながら、内容が自棄に確定的なのだ。陛下御自身の意向だと前置きし、
その為には皇室典範改訂が唯一の対策だと断定的な怪訝なニュースであ
る。反皇室派勢力の蠢動が再発したとしか思えない。

NHKは、天皇のお言葉として「象徴としての務め」を十分に果たせない な
ら、代役を立てず「生前退位」したいとのご意向だと言う。あたかも唯
一絶対の解決策の如く、200年間なかった「譲位を制度化」する為と称し
て、皇室典範改訂の観測気球を上げたのだ。
 
更に皇室の継嗣課題について、解説に於いて「女系天皇」の検討が恰も
必要と迄踏み込んだ記載もしている。天皇は現行憲法の規定である「象
徴」が良いとし、皇室典範の規定を変えて迄も皇太子に譲位し、「女系天
皇」も典範改訂の範疇だ、とNHKは言いたいのだ。

ニュースの出所も曖昧のままだ。NHKは「宮内庁の関係者」というが、直
後に山本信一郎次長が否定し、翌14日に風岡典之長官も否定した。同日、
菅官房長官も「生前退位の制度化・皇室典範改訂は想定外」と切り捨て
た。但し、皇室典範改訂の検討は認めた。

皇統の永続の為に必要な旧皇族の皇籍復帰を蔑ろにし、過去の自民党政府
のやったことは女性宮家や女系天皇の容認だけだ。皇賊小泉純一郎、福田
康夫しかりだ。安倍晋三現首相は、小泉政権時の官房長官だ。安倍首相が
「男系男子」堅持出来るか、大いに不安がある。

宮内庁幹部のリークと称して、策謀する勢力が検討内容を歪めてマスコミ
に流したようだ。生前退位には皇室典範の改訂以外にないとして、皇室典
範改訂議論の中に、女性宮家、女系天皇容認条項を盛込もうとする、邪悪
な勢力の3度目の挑戦とも言えるのではないか。

皇太子に譲位し自ら上皇として恣意的政治を司った天皇は歴史上半数程あ
るが、明治以降は弊害を避け譲位は不可とした。それを敢えて改訂させる
為、天皇の強い意向だと反対出来ない論拠を楯に、選択肢は生前退位しか
ないように国民世論を誑かせる策謀なのだ。

生前退位では、上皇の天皇への恣意的容喙を許し、上皇自らの権威を維持
する為第3者の意向を押付ける可能性もある。更には上皇派、天皇派と
いった派閥間争いを激化させ、時間をかけて男系男子の皇統を消滅させる
深慮遠謀の意図が透けて見えて来るではないか。

蠢動する勢力は反天皇の共産、社民と民進党の左翼が主だが、問題は獅子
身中の虫、自民党内の利権議員だ。公明はこの時野党化する。日本の歴
史・伝統・文化、そして皇室の素晴らしさを認めず、只管中韓に媚び、欧
米を崇める国賊と言っても良い国会議員が一番危ない。

「天皇を元首とする憲法改正」に反対し、表向き生前退位という癖玉で国
民の目を逸らし、気がついた時には、女性宮家や女系天皇容認の皇室典範
改訂審議が成立しているのだ。

摂政は、天皇が未成年又は重篤な疾患等である場合に全ての国事行為を天
皇に代って行えるし、特例として1代に限り認める方法もある。国事行為
臨時代行なら、内閣の助言と承認が必要なものの天皇による委任だ。何
故、国事行為臨時代行で出来ないのか不思議だ。

メディアや間抜け学者は外国王室云々と言うが、万世一系2千年の皇統の
参考にもならない。天皇には宮中・皇室祭祀という世界に類のない最重要
な日本の根本儀式があるのだ。

 

◆支那の農業の未来は「?」

平井 修一



「農地を貸したら5年放置!『愚かな日本人』と嘲笑する中国人を、驚愕
の結末が待っていた!」(中国メディア・網易7/5の抜粋)

<日本の大手企業3社が共同出資して山東省莱西市に1ヘクタールの耕地を
20年間の期間で借り受けた。しかし最初の5年間、耕地は放置されて野草
が伸び放題の状態だったため、現地の農民は心を傷めるとともに「日本人
が土地を借りたのは、地中に埋まっている宝物を探すためではないのか」
などと疑り始めた。

日本人たちは5年後に、ようやく動き出した。まず牛を飼い、その糞で土
壌を改善させ、無農薬の農作物を栽培、それを乳牛に食べさせて、品質の
高い牛乳を生産するようになった。

また、5年間耕地を放置した理由について関係者が「種を植える前にまず
土を作る。土を作る前にまず人を作る」と語り、土壌の質を最重要視した
結果、もとは肥沃ながらも化学肥料や農薬によって汚染されて痩せた土地
を、5年かけて回復させたのだと説明した。

日本人が無農薬を貫きながら「天に任せる」形でトウモロコシや小麦、イ
チゴなどを栽培、生産量が思わしくなかったことから赤字を出し続け、現
地農民の笑い種になった。しかし、それから5年後、ここの牛乳の価格が
国内相場の1.5倍となり、イチゴも高値で取引されるようになった。それ
まで笑っていた中国人が腰を抜かすほど驚く結果となった。

「農薬を使わずに5年間損を出し続ける」という話は笑い種ではなく、警
鐘なのだ、環境保護型農業の開発が、食品安全問題に苛まれている中国に
おいて農家の増収と食品の安全確保を促すことになり、農業も農民も「最
後には笑う」ことなるのだ。

目先の利益ばかりを急いでいては、いつかそのしっぺ返しが来る。逆に、
将来のために損を承知で地道な下積みを重ねていけば、やがては損を出さ
なくなるだけではなく、大きな利益になって帰ってくる。そこで大事にな
るのはやはり、「先のことを考える」ことと「じっくりガマンする」こと
なのだ>(以上)

こうした地道かつ緻密な農業を支那人がやっていたら、今日のような“毒
菜”問題は起きなかったろう。これからは食の安全・安心に重点を置く農
業へ転換していけばいいのだが、実はもうほとんど手遅れのようだ。

「中国農業の深刻な現状 先のない中国農業 農村社会の復活に打つ手は
あるのか」(大紀元7/6)から。

「70後不願種地、80後不会種地、90後不提種地(70年代生まれは畑仕事を
嫌がり、80年代生まれは畑仕事ができず、90年代生まれは畑仕事の話題に
触れない)」。

これは中国で流行っている、働く世代の農業離れを表した句だ。現在、中
国の農業を支えているのは老人と中年女性で、若い世代は都市部で働いて
いる。中国の農業の将来性が危ぶまれている。

*「農業で生計を立てるなんて、期待していない」

人民日報ネット版は5月29日、河南省、山東省の農村地域を対象にした実
態調査の結果、55歳以下の住民はほぼ農業に従事しておらず、興味もな
く、そもそも農業に関するノウハウを持っていないことが明らかになった。

河南省寨鄉平陵村の農業従事者、張文明さん一家は5人家族だが、息子と
嫁は張さんのところに子供を預け、2人とも都会へ出稼ぎに出ているた
め、約2/3ヘクタール(6667平米)もの面積を張さん一人で作付けしてい
る。一家は息子夫婦の約6000元(約93000円)の月収で楽に生活できるか
ら、「農業で生計を立てるなんて期待していない。単なる小遣い稼ぎだと
思っている」という。

74歳の李成さんは、昨年手術を受けたことをきっかけに、農業を止めて田
畑を息子の李文献さんに譲り渡した。その理由を「自分から農業をやりた
いと言い出したわけではないが、息子は体が弱く出稼ぎに出られないた
め、家で畑でもやるしかない」と語る。

平陵村の人口は550人で、農地の合計は約327ヘクタール。村長の話では、
55歳以下の村民が畑仕事をすることはほとんどなく、畑を維持しているの
はほとんど老人と中年女性だけ」と、村の厳しい農業事情を説明する。

河南省平野部の農村地帯はまだましな方だと言わざるを得ない。例えば山
西省の山間地域はさらに深刻で、棚田を耕す農民はほとんどおらず、多く
の畑がうち捨てられ、荒れるがままに放置されている。

うまくいっていた農業経営が行き詰まったことをきっかけに、農家の意欲
がそがれる場合もある。延津県僧固郷沙庄村の大型穀物栽培農家・郭衛峰
さんは、中国政府が奨励した穀物の大規模栽培に取り組んだ。他の農家3
軒と共同して農地の租借制度を利用し、2014年までに耕作委託農地を40ヘ
クタールにまで広げた。

数十万元を投じて農機具も購入したが、3年目に穀物価格が大暴落し、9万
元の損失を出す結果となった。郭さんはこの痛手に、新たに農地を借りる
気が失せたという。

*改革開放が中国の農村構造を叩き潰した

「中国の農業は改革開放でズタズタにされた」というブログ記事では、農
業従事者が労働に見合った利益を得ていないことが、物価の面から説明さ
れている。

それによると、中国の多くの物の値段は80年代基準で100倍以上に上昇し
たが、主食である穀物価格はほんの数倍しか値上がりしていない。例え
ば、80年代のトウモロコシの市場価格は1キロ0.7元で、今の価格は約3倍
の2元強。「もはや穀物の価値はゼロに等しい」とブロガーは嘆く。それ
でも農家が畑を耕し続けるのは、他に選択肢がないからだという。

赤字が明白な穀物栽培では、銀行から融資を受けるのは至難の業。農家の
協同組合の多くが経営難に陥り、組織自体が有名無実で、ほぼ解散状態に
なっている場合もあるという。

あるネットユーザーは、「現在、農業に従事している50歳以上の農業人口
がゼロになってしまったら、農業技術を身につけた中国人は皆無となる。
誰も畑を耕さず、後継者もいない。14億の中国人が、外国から食べさせて
もらうしかなくなってしまう」と中国の将来に警鐘を鳴らしている。

*荒廃を極める農村

江蘇省の江南大学法学院社会心理学副教授・王君柏氏が2015年、故郷であ
る湖南省のある小さな農村で行ったフィールドワークの考察メモが、ネッ
トで公表されている。それによると、村の耕地は長年の大量の農薬投与で
硬化し、農作物が育たなくなり、村の農業は立ちいかなくなった。将来性
を見いだせず子どもは村を出て、高齢の村民も希望もなく暮らしていると
いう。中国農村部の問題の縮図といえる。

王氏によると、その村は1985年ごろの人口は132人で、半数は若者だっ
た。現在、村の定住人口は54人まで減り、そのほとんどが高齢者と子供。
子供たちは6〜15歳で村を出る。

「村には水田があるが、田植えがされている面積は10分の1にも満たな
い。ほとんどがトウモロコシに転作されており、コメが足りなくなった村
民は町に出て購入する」

「長年にわたって除草剤と農薬漬けの栽培を行ってきたツケが回り、畑の
土壌は硬化し、収穫量も激減している」

「最終的に村民は、この畑にまだ所有者がいるということを周囲に知らせ
るためだけに、畑に茶の木やアブラツバキを植えるようになった。だが手
入れもされずに伸び放題になった枝が畑の作物の日照を遮り、野生動物と
人間が食料の争奪戦を繰り広げている」

「農村部では昔から一定の社会秩序を維持していたため、村人同士が良好
な関係を築いていた。健康的で良識ある伝統や風習は安定した社会を維持
するための非常に大切な要素で、村の生活に秩序をもたらし、人々の生活
を意義あるものにしていた」

「だが、こうした伝統的な価値観が崩壊してしまった現在の農村部では、
親孝行という言葉は過去のものとなり、男女関係は乱れ、夫婦のきずなも
失われてしまった。甚大な環境汚染に苦しむ地域も多く、村民がガンを患
う『ガン村』もあちこちに存在する」

王氏は、農村部の衰退は時代の流れであり、状況は悪化の一途をたどると
考えている。

*農村を荒廃させた諸悪の根源は

中国政府もこの状況を認識してはいるが、有効な解決手段を持っていな
い。中国共産党のシンクタンクが発行した『中華読書報』ダイジェスト版
に、「地方名士のいない農村地帯は没落を免れない」という題の文章が掲
載されている。ここでは農村の没落を招いた原因を、地方の名士がいなく
なったことだと結論付けている。

一方、時事評論家の横河氏は大紀元に寄せた文章で、農業衰退の問題の根
本は、地主の統率力を失わせ、伝統の村社会の形を壊した、共産党の改革
だと指摘する。

横氏によると、強いリーダーシップで農村を率いる地方名士は「伝統文化
の継承と、安定した社会構造を維持」を担っていて、歴史上の王朝交代や
戦乱で人口が減っても、強大な統率力によって、農村部はたくましく復興
を遂げてきたという。

*農村社会復活の策とは

しかし、1949年の共産党政権以後、農村部はいちぢるしく荒廃する。「階
級闘争」の風が農村部でも吹き荒れ、地主は、結託した農民と争うことと
なり、土地を奪われる。また、農民の土地所有を否定する改革開放で、伝
統的な村社会の基本構造は根幹から崩壊することとなる。

横河氏はこのように結んでいる。「未来の農村社会の理想像として、昔の
地方名士統治の体制を復活させようとは言っていない。しかし、復興は伝
統文化や人類の普遍的な価値観に基づいて構築されるべきだ。伝統文化を
破壊する中国共産党が、歴史という舞台から退場しなければ、新たな農村
社会を作り出すことなどできない」>(以上)

農業・農村・農民の「三農問題」、すなわち農業の低生産性、農村の荒
廃、農民の貧困をいかに解決するかだが、上記のような状況では完全に手
遅れと言うしかないだろう。コトバンクから。

<農民問題では、著しく低い所得を余儀なくされ、都市に出稼ぎに行って
も戸籍管理制度の壁もあって十分な行政サービスを受けられない農民の不
満は大きい。農地の収用や農業行政をめぐる幹部の腐敗や権力乱用が後を
絶たず、2005年には8万7000件もの農民抗争、農民暴動が発生、今日でも
各地で続いている。

中国当局は農業税廃止などの保護政策に着手しているが、問題の根本的な
解決には程遠い>

一方でもしかしたら再生、発展できるかもという動きも小さいながらあ
る。莫邦富氏/作家・ジャーナリストの論考「中国の若き農業者たちが日
本視察で見せた熱意」(ダイヤモンド7/8)から。

<ここ数年、中国各地で農業に対する関心が高まっている。これまでの工
業優先の政策で、農業や自然環境の保護がないがしろにされたばかりでは
なく、居住環境まで破壊された現象も各地で広く見られている。こうした
問題に対する反省もあり、農業を再出発させようと心がける人が増えている。

しかもそこには、ある共通現象が見られる。大都市でそれなりに成功した
高学歴者が多い。女性が占める割合も高い。中には、大都市で手に入れた
安定した生活を敢えて手放して、自分の出身地の村に戻って、村おこしに
情熱的に力を入れる若者も登場している。

5、6年前から私はSNSでこのグループの人間と知り合い、ずっとその観察
と応援を続けている。彼らの努力と行動に中国の将来の描き方、中国農業
の模索が読み取れると思うからだ。

その中の代表的な人物の一人は、陳統奎という36歳の青年だ。中国新農業
従事者の間ではスター的な人物で、南京大学を卒業し、かつては「南風
窓」という雑誌の記者だった。2009年、故郷の海南島火山村に戻り、村人
らを率いて社区(コミュニティ)を創業し、民宿事業を試行錯誤で始めた。

*若き新農業従事者視察団の来日

この度、陳さんは私の提案を受け、中国の若い農業経営者二十数名を率い
て農業視察のために日本にやってきた。高知県の馬路村や農産品直売店、
物産販売センター、美しい自然が残る四万十川、仁淀川などの河川、岡山
県真庭市のバイオマス発電所などが主な見学先となった。

この新農業従事者視察団は合計23名、最年少は1991年生まれである。30
代、40代が大半を占める。現在の職種を見ると、民宿経営者、農場主、フ
ルーツ店チェーン創始者、社区(コミュニティ)サービス企業の経営者、
ブランド農業創業者などツワモノぞろいだ。

北京、上海、重慶、江蘇、海南、陝西、福建、広東などの省市から集ま
り、会社の資産は数百万から数千万、数億元(1元は約15円)までまちま
ちだが、農業というキーワードで結ばれているグループだと見ていい。最
も長い企業は創業してすでに十数年になる。

高知県と四国域内の移動は時間がかかる。バス移動中は勉強会に体験発表
会、ホテルや民宿に到着して夕食を終えたあとはその日の見学の感想を発
表したり今後の目標についての考えを披露したりして、非常に勉強に熱心
な視察団だった。

訪問団の主な目的は日本農業の産業化の取り組みを学び、帰国後、自分た
ちの企業発展に役立てる、という来日前の連絡の内容を思い出した。来日
して31年、こんなに学習意欲の高い訪日団と出会ったのは3回目だ。しか
し、今回は一番、年齢が若い。もうひとつ、農業関連では初めてだ。そこ
に中国のある種の変化を体感できたと思う。私にとっても収穫の多い接待
となった>(以上)

中共と習近平が居座る限り支那は壊れ続けていくしかないのではないか。
(2016/7/17)