2016年03月18日

◆富豪トランプ氏にみる大統領選の「歪み」

猪木 武徳


米国の大統領候補者選びの経過を見ていると、所得や資産の格差拡大への強い不満が米国社会に広がっていることがわかる。当初は泡沫(ほうまつ)候補とみられていたサンダース氏への根強い支持は、格差問題を抜きにしては説明がつかない。昨年冬に日本のメディアを賑(にぎ)わした「ピケティ現象」は、政治の世界にも強い影響を与えたのだ。

 ≪高収入は悪とする意識の広がり≫

ピケティ氏の格差論をめぐっては現在も研究者の間で論争が続いている。ただ、社会良識から考えて、現今の格差是正の政策論には改めて問題とすべき点が多い。

ひとつはピケティ氏の分析が「トップ1%の高所得者」に焦点が当てられ、高い所得や資産に課税し、いかに彼らの所得の低下を図るかが論じられている点だ。

しかし重要な社会問題は、極端に低い所得に苦しむ貧困層の現状であって、高い所得を得ている者の所得自体を減じることを政策目標とすることは妥当ではない。

もちろん貧困層への政策対応には財源が必要であるから、累進的な課税の問題を避けて通ることはできない。だが、高所得自体が望ましくないという形で課税の議論が進むと、高所得を得ることが倫理的に悪であるかのごとき錯覚を与えてしまう。実際、ピケティ氏は「資本からの収益には、企業家の労苦、純粋な運、そして公然たる窃盗の3つが分かちがたく絡まっている」と述べているのだ。

米国はこうした問題を放置してきたわけではない。既に20世紀初頭から、大統領や下院議員の選挙における銀行からの州を越えての寄付を禁じ、上院・下院の選挙では寄付者名簿の公表を義務付け、富の影響を弱めるための努力が重ねられてきた。また1925年の連邦法では、献金そのものに上限を設けることを実現している。

その後、米国の連邦選挙資金規正法は何度か改正を経てきたものの、富(お金)と選挙の関係を断ち切れないでいる。法的規制を実効あるものにすることがいかに困難かということである。

 ≪富を還元する気概がうせた≫

この点で、「トランプ方式」も「サンダース方式」も、格差を背景にして現れた対照的なファイナンスのスタイルといえよう。選挙資金規正法から独立したところで選挙戦を戦っているからだ。

注目すべきは、トランプ氏が予想外の強さを見せていることだ。そこに「アメリカ社会の変質」が読み取れる。伝統的な米国市民には、公正な競争の勝者に拍手を送り、嫉妬する者を軽侮する美風があった。経済競争には家庭、社会環境、「運」の要素が入り込むため、獲得した富は勝者が独力で得たものではないという考えだ。

米国社会が厳しい競争を肯定するのは、競争を勝ち抜いたものが富を独り占めするのではなく、自発的に社会に還元することによって社会全体が豊かになるという富の再分配の哲学を尊重してきたからだ。熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜いた者は、進んで富を社会に還元するからこそ憧れの対象となりえた。古くはカーネギー氏、近年ではビル・ゲイツ氏などがその典型例であろう。

自己の富の由来の社会性を意識しないトランプ氏はこうしたタイプの富豪ではない。富を自己の独占物と考えるスーパーリッチが跋扈(ばっこ)するからこそ、サンダース氏のような民主社会主義者が支持を得るようになってきたのだ。

資産格差は19世紀の米国社会にも同じようにあった。問題は所得や富の分配というよりも、富を自発的に社会に還元しようとする気概が社会的に消えうせつつあるということではなかろうか。

(いのき たけのり・青山学院大学特任教授)

産経ニュース【正論】2016.3.15
 

2016年03月17日

◆青春の墓標、一枚の卒業写真

馬場 伯明



ここに1枚の古い写真がある。薄茶色に褪色している。昭和19(1944)年9月22日の東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部)の卒業写真である。戦時中のため6ヶ月の繰り上げ卒業となった。写真には全卒業生116人のうち30人しかいない。

小林古径教授(日本画科)や梅原龍三郎教授(油画科)など教師の数の方が多い。鈴懸の葉が繁る東京美術学校本館前で、彼らは学生服姿で整列し戦時下特有の厳しい表情をしている。

じつは、この卒業写真はこの世に1枚しかない。撮影後フィルムが焼失したとされていた。ところが、日本画科の卒業生である私の叔父馬場孟臣(たけおみ・父の弟)が1枚持っていた。写真館の主人からチェックを頼まれた試し焼きの写真である。その直後写真館は全焼したのであった。

日本画科卒業生は3人。最後列の左から4番目の叔父、5番目の大竹武雄氏、7番目の信太金昌氏だけ。加倉井和夫氏(神奈川県)、竹山博二氏、渡辺定夫氏(岐阜県)、桑原喜八郎氏(静岡県・戦死)、それに大山忠作氏(後に文化勲章受章)など他の者は学徒動員のためそこにはいない。
         
叔父は大正10(1921)年3月31日、長崎県南高来郡南串山村(現在の雲仙市南串山町)に生まれ、長崎県(旧制)諫早中学から昭和15年に東京美術学校日本画科へ進んだ。

小林古径(こけい)教授や安田靭彦(ゆきひこ)教授らに師事し、親友の加倉井氏や竹山氏たちとともに、戦争のさなかであったが、ひたすら絵を描き日本画の未来を語り合った。

当時、南串山村の小学校教師であった私の父(馬場賀臣よしおみ)と母(ミスエ)は2人の俸給の中から叔父の学費や生活費を仕送りしていた。

しかし、戦争も激しくなりそれも苦しくなった。父は「美術学校をやめさたい」と叔父の副保証人であった地元選出の馬場元治代議士(のち建設大臣)に美術学校への訪問と叔父の修学状況の問い合わせを依頼した。

結果は意外だった。「孟臣君は抜群の成績であり同期トップだった。後世、代議士の私は忘れられても孟臣君の名前は残るかもしれない。卒業まで仕送りをがんばってほしい」との返事だった。美術学校の学籍簿(写)にある本科4年間の成績(実習)平均90点は稀有のことだという。

戦後の混乱の中、叔父は昭和22(1947)年に帰郷し、翌年旧制長崎中学(現在の長崎東高校)に美術教師として奉職したが、健康を害し、昭和24年11月7日、28歳の若さで死去した。

叔父の50回忌を済ませた4年後の平成5(1993)年春、父は私設美術館「自彊館(じきょうかん・平屋50坪)」を自宅敷地内に建設した。叔父の作品を展示するためである。「孟臣、不憫である」と。若くして逝った弟の生きざまを何らかの形で残してやりたいとの思いからであった。

父母は亡くなり、ときは流れた。自彊館開設21年後の平成26(2014)年12月、姉史子を中心に兄弟姉妹(叔父の甥と姪)の私たち5人が力を合わせ叔父の画集を制作した。「早世の画家 馬場孟臣」である。A4版・全カラー・125頁(非売品)。

発行者である姉は、数少ない公募展の作品や(旧制)諫早中学時代からのスケッチ類も収録し、それに美術学校時代の写真帖の写真や友人の回想記なども加え、叔父の一代記風に編集した。見せることはできなかったが亡父母も草葉の陰で喜んでいると思う。

画集の巻頭にある姉の「六歳の記憶」から抜粋する。

《孟臣叔父は長身であった。前髪が半分額にかかっていた。・・・さっと斜め上を向いて額に垂れた髪を払った/村の小学校の合同スケッチ大会に参加することになった。/革張りの画板を叔父が持たせてくれた。階段(の下)で行ってきますと言った。/この日はいい絵ができた。/次の日の朝叔父はなくなった。お棺に昨日の絵を入れた。画板は形見にもらった。私が6歳8ヵ月のときであった 》。

美術学校の卒業制作が2作品あるのは異例だという。雄大な「山」と静謐の「苔」の2点。だが、現物は行方不明で写真だけが残る。画集の表紙にした「農家の牛(96cm×125cm)」はおだやかな色合いで心温まるような作品である。一方、「横浜外人墓地(126cm×188cm)」は当時の日本画とは思えないような斬新なピンク系の色使いの大作である。

昭和16(1941)年の下志津野外演習の写真には日本画科同期生20人が勢揃いしている。「(戦死された)桑原喜八郎君遺作展」の写真を見るのはつらい。竹山博二氏からの病気見舞いの挿絵入りの手紙や、死去に際しいただいた山本丘人氏(助教授:当時)の追悼の葉書も収録した。

入学は1年先輩だったが叔父と同級生になった信太金昌(しだきんしょう)氏に、平成14(2002)年の創画展の折に私がインタビューし、その内容や表現について了解を得ていた文章6頁分を載せた。

信太氏は創画会の重鎮であったが、美術学校時代の叔父との交遊や当時の学校の状況を、少しも飾らず鮮明にかつ愛情を込めて詳しく話してくださった。その一部を紹介する。

《馬場と2人で横山大観先生の自宅を訪ねた。出征学徒の寄せ書きの国旗を示し、馬場が美校の改革を直訴した/出征する大竹武雄氏を上野駅で見送った。「死んだらだめだ。必ず帰って来い」と叫んだ馬場の声が今も耳に残っている(大竹氏は中国で戦病死。享年21歳)/

卒業制作のために馬場と2人で埼玉県正丸峠や長野県霧ヶ峰へ行った。/馬場は同期では作画の実力がずば抜けていた。年4回のコンクールでは4年間殆ど一席であり、作品は何点も文部省の買い上げとなった 》。

平成26(2014)年12月13日、私は信太氏がおられる埼玉県の老人施設「飯能リハビリ館」を訪問した。叔父の画集を手渡し1時間半、話し込むほどに信太氏の記憶は鮮明になり70年前の若者の顔になっていった。

ところが、平成27(2015)年1月6日、信太氏は肺炎で死去された。生前に叔父の画集をご覧いただくことができよかった。享年94歳。合掌。

画集は長崎県内の図書館や美術館、近隣の公共団体や小中学校、国会図書館、東京藝大図書館などへ寄贈し、係累の者などに配った。

叔父の2歳年上だった私の母は後年早世の叔父を偲び、短歌を詠んだ。

菊の頃逝きし義弟の命日に菊束持ちて墓参果たしぬ義弟(おとうと)の遺せし秋の富士の軸掛けてけふ祥月命日義弟(おとうと)よ今に在(い)まさば世に出でて勝(すぐ)れし絵あまた描きしものを

今、私は深く思う。叔父の無念さを・・・。次は「愛しき日々」(小椋佳作詞・堀内孝雄作曲)。日本TV系時代劇「白虎隊」の主題歌(1986)。

風の流れの激しさに 告げる想いも揺れ惑う
かたくなまでの ひとすじの道
愚か者ものだと笑いますか
もう少し時がゆるやかであったなら
(中略)
いとしき日々のはかなさは
暮れ残る夢青春の影(以下、略)

戦中・戦後の混乱の東京上野の森で、純粋に絵画芸術を求め必死にがんばった一人の若者がいた。その死後66年。手許にある1枚の卒業写真は、あの時代を精一杯駆け抜けた叔父孟臣の青春の墓標である。
(2016/3/15 千葉市在住)


◆トランプの対中強硬論の中味とは?

宮崎 正弘



<平成28年(2016)3月16日(水曜日)通算第4851号 >

 〜トランプの対中強硬論の中味とは?
  公正な自由貿易は米国に裨益するとして保護貿易には反対している〜

 2000年、クリントン政権の後期に米国は中国のWTO加盟を認めた。「農業から通信機器、自動車から航空機までアメリカの製品は中国市場へのアクセスが増えるため、この取引(WTOへの加盟認定)は米国に裨益する、とクリントン大統領は言ったが、実際には中国との貿易アクセスの影響で、米国は50万の工場を閉じた。クリントンの言ったことはすべ
て嘘だった」。

ト上記の発言はドナルド・トランプの中国に関する激越な演説の一部である。

トランプは中国に対して次のように続ける。

「中国との通商の失敗が代表するようにワシントンの政治家がやったことは米国経済の失敗に繋がった。中国との交渉で必要なのはタフな交渉力とリーダーシップである。ウォール街の権益のみならずアメリカの労働者、製造者の利益を護るために力強い交渉を中国とやり直すべきである」。

以上は抽象論とはいえ、わかりやすい。単純に中国を仮想敵として置き換えることによって労働者、一般納税者へ訴えるパワーがある。

そしてトランプの自由貿易論とはこうである。

「われわれは保護主義やブロック経済を目指してはいない。しかし、ずるずると米国の工業力の衰退に手をこまねいてみているわけにはいかな い。

偉大なアメリカの再建が重要であり、自由貿易の前に、公平さが必要だ。公平な自由貿易とは、中国も米国と同じようなレベルの門戸開放に移行するべきで、そうすればアメリカの労働、製造業はオフショア(国外や自由貿易特区)に移動せずとも、自国内で生産、労働に従事できる。それこそが米国の国益というものだろう」。

ドナルド・トランプが言っていることは、まことに正論であり、なぜこの演説がウォール街や共和党主流派や貿易自由主義、すなわちグローバリズムの信奉者に嫌われるのか、よく分からない。

いや、逆に反グローバリスム、反自由主義経済論の持ち主であるということが、よく分かる。

「トランプ政権発足の暁には」としてトランプは未来の政策を語る。

「第一に『中国を為替操作国』として認定し、第二に知的財産権を楯に中国からの不正行為を防ぎ、不公平な取引慣行を止めさせるためにタフは交渉を開始する。米国の技術を護り、正当な競争によって中国市場へのアクセスを拡げる。第三に中国に不正な輸出補助金を撤廃させ、大気汚染の弊害を取り除かせ、アメリカ人の雇用を拡大する。

第四はアジア太平洋地域において米軍のプリゼンスを高め、米国企業に対しては法人税減税をなし、赤字国債を解決して中国の金融脅迫を駆逐し、なんとしても国内の経済を活性化させる」。

かなり具体論に踏み込んでいるが、実現性があるかないかは別として、とくに目新しい政策はない。
 
しかしながら次の現状認識は間違っていると言わざるを得ない。

すなわちトランプは「中国は明らかに金融力を駆使して、米国の赤字国債を補う国債を大量に保有し、これで米国に脅しをかけたためオバマ政権は中国を『為替操作国』と認定することをためらった。米国のエコノミストの多くは人民元が、対ドルレートで、15−40%過小評価されている とみている。だから米国の輸出競争力が削がれ、国内に失業が増大したのだ」

こうしたトランプの経済理論、とりわけ貿易不均衡理論はじつは成り立たない。かつて日米貿易摩擦の折も、日本円を人為的に高くする圧力を掛け「非関税障壁」などと難癖をつけて日本から大幅な譲歩を引き出した。しかし、そうやっても結局、アメリカ製品は競争力がなかった。すべては米国の国内問題なのである。

ついでこういう。

「米国から知的財産権を不当に入手した結果、中国はアメリカに 3000億ドルの損害を与えた。ハッカーによる攻撃も今後は見逃しはし ない」 金額はともかく、この主張はアメリカ人ビジネスマンには受け入れられやすい。

「不法な輸出補助金を止めさせ、不公平な貿易習慣に米国は適切な対応をとらなければならない」中国はWTOのルールを無視して、不公平な貿易を世界中で展開しているため報復関税などの措置をとるべきだ」

したがってトランプは雇用を重視し、TPPに反対の立場を鮮明にしている。オバマ政権の推進するTPPは連邦議会の承認を得られそうにない雲行きである。
 
日本政府ならびに日本の言論界は、トランプが「日米安保条約は片務的であり、日本の防衛負担増をもとめる。日本が危ないときに米国が助けるが、米国が危殆に瀕しても日本は米国を助けないという条約は不公平きわまりなく、日本に防衛させるべきだ」という主張に恐れをなし、危機感を強めている。またTPPに反対していることを危惧し、日本はなぜかクリントン政権の誕生に期待している。
 
つまり「ぬるま湯」がもっと続けば、急激な改革よりはマシと考える官僚主義、役人根性が丸出しである。
 
しかしトランプは南シナ海の中国の軍事力拡大に苛立ち、極東ならびに南シナ海での米軍のプレゼンスを明確に拡充せよと言っているのであり、オバマのように優柔不断、南シナ海に於ける中国軍の横暴には断固として対抗措置を講じると宣言しているのである。

このあたりのことを日本のメデイアは詳しく伝えていないのではないのか。

◆慰安婦反日映画「鬼郷」の予告篇映像

泉 ユキヲ



日本軍兵士による朝鮮少女らの拉致・運送、慰安所直営、暴行、虐殺・焼却 ── とんでもない大ウソを映像化し「史実にもとづく」と標榜する反日映画「鬼郷」が韓国で
大ヒットしている。

こういうノイズは脳から即座に消し去ってしまいたいところだが、いったい如何なる映画なのか、予告篇映像をネットで探してみた。

「鬼郷」と漢字で検索して出てくるのは、2チャンネルのコメントを編集したような文字映像ものが多い。そこで朝鮮語のハングル文字で「クイヒャン」を検索したところ、
予告篇は簡単に見つかった。


■ 黒田勝弘さんの切ない嘆き節 ■

予告篇のYouTubeサイトをご紹介する前に、産経新聞ソウル駐在特別記者・黒田勝弘さんの嘆きを引用させていただく。産経・平280305・5面から。

≪慰安婦を主人公にした映画「鬼郷」が人気を集めている。1週間足らずで早くも観客動員100万人突破!などとニュースで大いにもてはやされている。

もともと7万人以上の個人募金を集めて制作された独立プロダクションのキャンペーン映画だが、いわば“時流”に乗り、マスコミの宣伝が加わって大衆映画として大ヒットしている。

しかしこの映画はひどい。1970年代から韓国の映画やテレビ、舞台で数多くの反日ドラマを見てきたが、これは最悪である。

「慰安婦として強制連行された可憐な韓国の少女たちと極悪非道の日本兵」という図式で、日本兵による少女たちに対する殴る蹴る引き裂く…の残虐な暴行、拷問場面の連続は正視に堪えない。

客席からは悲鳴が上がるほどで、暴行によって少女たちはいつもみんな顔が腫れ上がり、唇は切れ、体は血だらけ、傷だらけだ。

しかも驚くべきことに、日本兵は慰安所から脱走しようとしたとして少女たちを野原に引き出して全員銃殺し、死体は穴に蹴落とし石油をまいて焼いてしまう。

映画はわざわざ「元慰安婦たちの証言による事実にもとづく」と銘打っている。

荒唐無稽なストーリーもさることながら、マスコミや識者、文化人から異論や批判はまったく出ず、絶賛一色という知的現実が実に切ない。≫

これを「切ない」で終わらせる、黒田勝弘さんの武士の情けが実に切ない。


■ 予告篇 ver.1 ■

まずは、この予告篇をご覧ください:
https://youtu.be/N195hUscuRI

ん? 拉致も暴行も出て来ないじゃないか。

そうです。これはまだ撮影が進んでいない頃の予告篇で、詩的映像のみから成り立っています。

末尾に出てくるテロップがふるっている。


≪日本軍慰安婦強制動員被害者少女たちの実話にもとづいて作られた映画「鬼郷」は、他郷で亡くなられた20万人の無念の英霊たちをはじめとして、魂だけでも故郷のふところにお祀りし、あたたかいご飯のひと口なりとも差し上げようという映画です。

現在まで(2014年10月30日)1万人以上により韓国・米国・日本各地で募金された後援金で1場面1場面を制作しつつあります。

映画が作られて1度上映されるたびに、ひとりの魂が故郷に戻ると思いつつ、鬼郷制作陣は最善を尽くします。≫


こういう言い草に、ころりと騙されてきた日本人は多かった。
韓国人の洗脳は今も刻々と進行中だ。


■ 予告篇 ver.2 ■

では、拉致・暴行が次々と出てくる予告篇 version 2 をご覧ください:
https://youtu.be/Bpt5JBjBQJA

仮にこれが本当に起き、朝鮮総督府がほったらかしにしたなら、総督府は連日にわたり何十万人もの怒りで捨て身の朝鮮民衆に取り囲まれ、朝鮮統治そのものが重大な危機に
陥ったろう。

20万人の朝鮮少女が日本軍に拉致されたとなれば、父母・親族は百万人単位である。それが京城に押し寄せる。

そうならなかったのは、これが真っ赤なウソか、朝鮮人がよほどの腰抜け揃いだったかの、どちらかである。

後者でないことは確かだ。

「鬼郷」には、貧しい家から親の合意の上で少女らを連れ去った朝鮮人の女衒(ぜげん)は出てこない。

慰安所を経営した朝鮮人業者も出てこない。

慰安婦さんらに兵士が暴行したら、真っ先に怒るのは、高いカネを払って少女たちを調達した朝鮮人業者のはずだ。

カネがかかった慰安婦さんらを無駄死にさせることなど、朝鮮人業者が絶対に許さない。

慰安婦の大半を占めた日本出身の慰安婦も出てこない。

もうこうなったら、本当は居合わせたはずのそういう人たちを映像の中に据え直した、ちゃんとしたホントの慰安婦映画を日本人が作るしかないのかもしれない。


■ 北朝鮮の手のひらの上? ■

制作現場の映像も含めた予告篇 version 3 もある:
https://youtu.be/iuJdBaZhjSs

それにしても映画「鬼郷」は、日・韓・米の精神的離反にみごとに貢献する。

韓国人は、昨年末の「最終的かつ不可逆的解決」を反故(ほご)にしたくなる。
 
うぶな米国人はこの映画を観てドキュメンタリーと思い込み、慰安所はホロコーストだ! と叫び声をあげる

日本人は、史上最低の反日映画を作り広めるトンデモない韓国など、いっそ中国・北朝鮮に併呑されて結構! と思いたくなる。


慰安婦問題でなぜか静かな北朝鮮のほうがよほど可愛く見えてくる。

そこで出てくるのがわたしの全くの私見だが、この「鬼郷」もまた北朝鮮の工作員らが上手に仕組んだものではないかなぁと。

2016年03月16日

◆足許が揺らぎ始めた中国・習近平体制

加瀬 英明
 


2016年が明けるとすぐに、テレビ局に招かれて、「新しい年の世界がどうなるか」予測する番組に出演した。

いま、世界が混沌として、混乱がいっそうひろがりつつある。

まず、私は世界に内部から崩壊してしまった地域と、内部崩壊が進みつつある国があって、その隣にあるために巻き添えになっているか、そうなる国々があると、指摘した。

中東が崩壊した地域だ。そのわきで、中東や、北アフリカから、難民がヨーロッパに蝗(いなご)の大群のように押し寄せて、EU(ヨーロッパ連合)が解体する危機に臨している。

中東が溶解している。混乱がいっそうひろがって、サウジアラビアなどのアラビア半島の王制産油諸国を、呑み込もうとしている。

この場合に、アメリカも、ヨーロッパ諸国も、アラビア半島諸国を救うことができない。

日本に眼を向ければ、日本のすぐわきで、中国と、北朝鮮が、内部崩壊へ向かっている。

2017年が終わる前に、中国か、北朝鮮が“突然死”する可能性が、目の前にある。

習近平体制が、綱渡りをしている。習近平国家主席は中華帝国の皇帝であるが、歴代の中華帝国の皇帝は、天から天命を授かって中国を統治してきた。天命を失うたびに、王朝が倒れた。

中国はケ小平による改革以後、共産主義イデオロギーを捨てて、経済発展を政権を天命としてきた。その天命を、失おうとしている。

中国経済がすでに、破綻している。習体制は、何とか生き延びようとして、無理に無理を重ねている。AIIB(アジア・インフラ投資銀行)をとっても、国際通貨基金(IMF)が人民元をSDR(特別引出権)の構成通貨として、国際通貨に加えたのをとっても、なすことすべてが失敗している。

習近平国家主席は、2019年に2期目の任期に挑戦する。虚偽によって塗り固められた体制が、長く続くはずがない。

習近平体制は足許が揺るぎはじめたために、「5千年の偉大な中華帝国の復興」をスローガンとして打ち出して、膨張政策をとってきたが、これも大失敗だ。かえって周辺諸国が反発して、日本から東南アジア、インドまでの諸国が、中国包囲網をつくるようになった。

そこで、危機的な状況を乗り切るために、独裁体制の強化をはかって、熾烈な権力闘争を進め、大規模な軍改革を強行するなどしているが、1年以内に何が起るか分からない。

中国という巨人が、高熱に浮かされている。体制が内部崩壊に迫られれば、国内を引き締めるために、国外に危機をつくりだそう。その場合に、尖閣諸島を奪いにくる可能性が、現実となる。

北朝鮮の金正恩政権も、体制を固めるために、大粛正を強行してきた。金体制も、薄氷のうえを歩いている。金正恩第一書記が、暗殺される可能性もある。

北朝鮮が内部崩壊をきたした時に、核兵器がどうなるか。もし、韓国のもとで朝鮮半島の統一が実現して、統一韓国が核武装国家となったら、日本にとって悪夢となろう。

新年のテレビ番組で、アメリカの大統領選挙が話題となった。

私は「1つだけ、朗報があります」と前置きして、「2008年にオバマ大統領が当選した年の新年にも、4年前に再選を果した新年にも、この番組に招かれて、誰が日本にとって大統領となったら望ましいか、たずねられて、『そんなことが話題になるのは、小国はいざ知らず、世界のなかで日本だけだ』と答えました。今年はそんなことが、話題になっていません」と、いった。

もはや、日本がアメリカに依存することができないという意識が、日本国内でもひろまっているのだ。

アメリカを頼りにせずに、日本が自立せざるをえない時代に入ったのだ。

◆私の「身辺雑記」(323)

平井 修一



■3月13日(日)、夕べはたくさん着込んで部屋をしっかり暖めて寝た。少し体調は良くなったが、背中はざわざわするし、咳は止まったものの、くしゃみと鼻水は相変わらず。気分はブルーだ。

朝5:00は室温14度、暖かくなるといいが・・・カミサンはスーパー銭湯1泊へ。「情は無用」という感じ、ちと心細い。

逆の立場なら、小生はためらいなく1泊旅行は止めるね。「アンタ、行ったらいいじゃない」「いや、なんぞの時に俺がいた方がいいだろう」と。

パートナーが辛い時は、恩を売るチャンスなのだ。小生は狡猾、それでなければ商売はできやしない。スネオ主義・・・この辺が中2と高2の違いだろう。

別にジャイアン、米国が好きなわけではない。恨み辛みはいっぱいあるけれど、こいつに反発するより、同盟国であるほうが遥かに国益だと。まあ、日本人はおおむねそう思っているのではないか。トモダチ作戦は双方にとってとても良かった・・・トモダチから前進して多分現場では義兄弟になった。

♪親の血をひく 兄弟よりも かたいちぎりの 義兄弟 こんな小さな 盃だけど 男いのちを かけてのむ

朽木誠一郎氏/ライター・編集者の論考「原発事故から5年 福島で変わったこと、変わらないこと」(ヤフーニュース3/12)から。

<「風評被害」は、今ではニュースなどで取り上げられる機会もすっかり減ったように感じる。スーパーで福島県産の野菜を見かけても、特に安いわけではない。しかし、依然として風評被害は「ある」と、いわき市で「ファーム白石」を営む農家の白石長利さんは言う。

「でも、正体がわからない。完全に売れなくなるのであればわかりますが、安い値段であれば売れるんです。農家には賠償金が支払われているため、バイヤーに買い叩かれても取り引きに応じてしまう。その差額がどこに、どのように渡っているのかは、農家にはわかりません」

農地の復旧は進んでいる。2015年に農林水産省が発表したデータによれば、福島県の津波被災農地全体5460haのうち、ガレキなどの撤去により、2014年度までに1630haと、約30%が営農を再開している。

しかし、2014年時点で避難指示区域に当たる農地が2120haあり、こちらは避難指示が解除されなければ営農再開の見込みは立たない。農業が大きな打撃を受けた東北地方の中で、福島の農地の復旧が宮城・岩手よりも遅れている理由のひとつだ。

暗いニュースばかりではない。2016年2月24日、いわき市に複合型農業テーマパーク『ワンダーファーム』がオープンした。地元農家と連携し、レストランで野菜料理を味わったり、野菜の収穫を体験したりできる。白石さんはこの運営スタッフだ。

白石さんは、原発事故をきっかけに「これまで生産者と消費者の壁を作ってきたのは、生産者かもしれない」と思うようになった。「福島の野菜に厳しい目が向く今、私たち生産者はできるだけ情報を開示し、消費者に選ばれる努力をしなければならない」ためだ。

そこで、白石さんはFacebookなどのソーシャルでも情報発信をするようになった。そのおかげか、ワンダーファームの立ち上がりは順調だそうだ。

「安全安心で、美味しい野菜を作るという思いは、事故以前から今も変わらないものです。変わったのは、それをいかに伝えるか」

一方、農地の復旧が遅れているのには、もともと後継者が不足しており、事故をきっかけに廃業する農家もいる、という事情がある。2015年の福島県の農業人口は初めて10万人を割り込み、約3万人減の約7万7000人となった。

ワンダーファームに関わる農家はその内の80〜90人だ。希望の芽は出ているが、実るのはもっと先かもしれない>(以上)

♪春は名のみの 風の寒さや・・・春と聞かねば 知らでありしを 聞けばせかるる 胸の思い

<東日本大震災から5年。落ち込んでいた被災地の観光需要が回復の兆しを見せている。新たな地域資源の発掘に加え、訪日外国人客数も震災前の水準に近づいた。一方で原状回復の遅れや風評被害も根強く、「観光立国」の一翼を担えるか正念場を迎えている>(産経3/12)

まったく悩ましい。一歩一歩、前へ向かって匍匐前進いくしかない、ウッタク・・・小生ができるのは意識的に東北産品を消費することくらいか。隔靴掻痒の気分ではある。

薬箱をごそごそしたら風邪薬(ペレックス)が出てきたので服用。落ち着いてきたので午後からハーフ散歩、曇。桜の蕾は大きくなってきたし、桜堤には提灯もつけられた。アジサイ、ドウダンツツジも芽吹いてきた。もう冬は堪能した、春よ来い!

帰路にワイン2本ゲット。自分で自分をバカにしたい、「バカが・・・ウッタク、さっさと薬飲んで、クソして寝ろ!」。正論である。

理論と実際は異なる。面白いと言えば面白い、悩ましいと言えば悩ましい。

米国リベラルはトランプ旋風で民主・共和の左右ともパニックになっている。どう解釈していいのか、呆然自失という感じ。白人の中間層前後(そこそこ食えるけれど、ちっとも暮らし向きは向上しない、新車も買えない、うんざりだ)がトランプ支持層の核になっているようだが、リベラルはこの層=サイレントマジョリティを無視し続けてきたのではないか。

この視点からの論考はほとんどない。記者はインテリで、まあ恵まれた層だから、高卒白人ブルーカラー、MLBに夢中になっている層の人々の「人はパンのみにあらず、大義がなければやっていけない、今の閉塞状況は、もう、うんざりだ、Make America Great Again」という気分が分からないのかもしれない。

演説中にトランプが襲われたが、一気にガードマンが制圧した。迫力ある画像が拡散したろう。(ヤラセかどうかは分からないが)“強いトランプ”・・・トランプ人気は更に盛り上がるだろう。

■3月14日(月)、カミサンは休み。熟睡できて朝8:30は室温13度、小雨、散歩不可。体調は少し良くなったが、朝食は上手く取れなかった。くしゃみと鼻水は止まったものの嘔吐感がある。

<【3月12日 AFP】米シカゴで11日、米大統領選の共和党候補指名を目指すドナルド・トランプ氏の選挙集会の会場でトランプ氏支持者と反トランプ派の人々の間で小競り合いが発生し、トランプ氏は安全上の懸念から集会を中止して後日改めて開催すると発表した。

トランプ氏は警察と協議して集会の中止を決めたことを明らかにした。またCNNに対し「私は誰にもけがをさせたくなかった。われわれは(集会を中止するという)良い決断を下したと思う。われわれの言論の自由は侵されたが」と述べた。

これに先立つ同日、ミズーリ州セントルイスで行われたトランプ氏の選挙集会も反トランプ派の人たちにより数回にわたって中断されていた>

動画を見たが「憎悪と暴力」満載。自称リベラルの焦りだろうか。話し合いとか討論の時代は終わり、言論ではなく肉体的な力で敵を叩く時代になったかのようだ。

欧州でも自称リベラルは反対者を「極右」とレッテル貼りして社会的抹殺をしてきたが、今は形勢が逆転しつつある。リベラルは所詮アカ、中共と一緒で、暴力で敵を叩きまくるのだ、文革や六四天安門そっくり。アカは「正義」と思い込んでいるから、どんな悪事でも平気でする、なぜなら「それは正義」なのだから。

民族浄化も難民抱擁も「それは正義」だと何でもやる。バカというか狂気だ。

アカは徒党を組む、群れる、騒ぐから始末が悪い。規制すると「言論弾圧だ」とまたまた騒ぐ。敵を定めたら「小異を捨てて大同につく」というコミンテルンの人民戦線術をとり、人数で押してくる。脳ミソは空っぽだが、パワーはある。

保守派とか右派は大体が「小異を唱えて大同を捨てる」。理論先行の頭でっかち、パワーとして結束するのが苦手だ、「小異を捨てる? そんなのは野合だ」と。だから暴力発動にはなりにくい。議論倒れの佐賀藩みたいに。

ために「下々は議論は不要、上の命令に従え」という薩長、新撰組のような圧倒的集団パワーにはなかなかなれない。

自民党は左派から右派までをカバーしている。大きな家であり、「政権党にいてこそ政策を実現できる」という人々が集う。一応は集団パワーを発揮できている(ただの一票に過ぎないアホ議員も多いだろうが)。

野党は暴力革命をしかねないアカの共産党と、労組依存のピンクの民主党に分裂しており、相互不信から大同団結はできない。共産党は昨年、人民戦線術を民主党に提案したが、共産党へのアレルギーから不調に終わったようだ。

いずこの国も基本的に左右両派の対立があり、まあ先進国なら表向きはそれなりに安定している。欧州は英国のEU離脱か残留かで揺れているが、英保守党のキャメロンと労働党のコービンは共に残留派だ。

希少動物的アカのコービンはEUの左派と連携してパワーアップを図り(=人民戦線術、「万国の労働者、団結せよ!」)、福祉向上や賃上げなどの左派的政策を勧めたいようだが、財源がないのだから絵にかいた餅でしか
ない。

反グローバリズム(=親ブロック経済)で「緊縮財政反対、米国とのTTIP(環大西洋貿易投資協定)反対」と主張するが、反対のための反対、ただの人気とりだ。

EUは左派の夢の実現だったが、難民問題でずいぶん結束は弱まったろう。プーチン・ロシアへの経済制裁は表向きは成功したかに見えるが、プーチンが「EUからの輸入禁止」というカウンタ―パンチを放ったから、フランスでは農産品が値崩れして10万人の農民が「どうにかしろ」(=補助金を増やせ)と糞尿をまき散らして猛抗議している。

甘やかしてきたから泣き叫べばいいと思っている。どうやったら南欧の安い農産品に勝てるか、テメエの頭で考えろと思うが、甘やかされてきたからオツムがない。オランド左派政権もパワーを発揮できていない。農民票が欲しいけれど財源がない。

欧州全体で右派とか極右勢力の台頭が著しい。多くの国民が国益を毀損する左派にうんざりし始めたということだ。

米国のトランプ現象もそういう趣があるが、上流と中流を基盤とする共和党主流は、上流トップクラスのトランプの“暴走的爆走”にかなり動揺しており、民主党が今のところ漁夫の利を得ているようだ。

左派の退潮傾向は多くは「自滅」だろうが、オウンゴールに期待するのではなく、各国とも右派が大同団結して、積極的にパワーを発揮すべきだ。左派が自信喪失、動揺している今は、国を強靭化する絶好の機会だと思う。

妄想的理想主義で亡国(EUのように国境を撤廃して世界統一=独裁)を目指す共産主義の残滓を一掃することは現代人の最優先課題ではないか。

国連、五輪、FIFA・・・カネカネカネでモラルなし。中共そっくり。中共軍事パレードに出席した潘基文(北の代理人・金大中=盧武鉉系列)のようなアカは、世界を自分の思い通りになる利権・独裁の巣窟にしたいのだ。習近平妄想、猿山の頂点に立ちたいという一種の征服欲か・・・

党名のパクリ、恥ずかしくないのか。せめて「中共の狗」「紅い旋風」「紅一直線」「倭自治党」「新党龍柱」あたりの方が性格をしっかり表していると思うが。産経3/14<新党名は「民進党」 世論調査で「立憲民主党」上回る>から。

<今月中に合流する民主、維新両党は14日午後、新しい党名について「民進党」とすることを決めた。12、13両日に行った世論調査で、維新の党提案の「民進党」が民主党提案の「立憲民主党」を上回った。略称は「民進」となる見通しだ>

林建良「台湾の声」編集長が反発している。

<【迷惑だ】民主・新しい党名を「民進党」にする案

民主党と維新政党が合流後の新しい党名を「民進党」にする案が浮上している。これは台湾人にとっては極めて迷惑な話だ。その党名をやめてほしい。新党名は「民共党」(民主共産党)にした方がふさわしいではないか>

「眠眠党」「ミシミシ党」「不信党」「惰眠党」「愚民党」「不進党」「民生党」「民新党」あたりもいいか。ずばり「売国無罪」「痴呆党」「脳ない新党」「新党後追い」「北京のこころ」もいいなあ。

■3月15日(火)、朝6:00は室温10.5度、ずいぶん冷えているが久し振りの快晴。どうやら風邪は落ち着いたようだが、初期段階できちんと対応すべきだった。老化で体力がないのだから、昔のように温かい酒をぐっと飲めば直る、というわけにはいかないのだ。

ニューズウィーク2015/12/8「企業人目指す黒人女性の不安」は大層刺激的だった。若い黒人女性の思いとか本音は、少なくとも日本のマスコミでは報道されていない。

<ノースカロライナ州を拠点に活動する、アフリカ系アメリカ人アーティストのエンディア・ビール。ウィンストン・セーラム州立大学の准教授でもある彼女は写真やビデオを使って、人種問題やジェンダー意識の今を表現している。

最新の写真シリーズ「私はあなたが求めている人ですか?」は、社会へ巣立つ前のアフリカ系アメリカ人の女子大学生たちを被写体にしている。撮影場所は彼女たちの自宅。背景には、ビール自身がかつて勤めていたエール大学のIT部署の廊下の写真をつるした。

学生たちには就職の面接で着たいと思う服を着て、面接に臨むふりをしてもらった。カメラが捉えたのは、企業社会でマイノリティーとなる黒人女性たちの不安や将来の不確かさだ。↓

http://www.newsweekjapan.jp/picture/165593.php

*ジャスミン(21)「アメリカの企業はモノクロの色合いで男性中心の社会になっている。女性の気配りができて合理的で、巧みな感覚があれば企業のためになるだろう」

*キアラ(26)「企業とは『自分自身』であることを歓迎してくれず、ひたすら『標準的』なことにこだわっている場所に思える。私には居心地が悪い」

*ドンシャ(21)「自分がアメリカの企業社会に入るには、白人の人たち以上に人脈をつくる必要がある。でもいったん入ったら、抜きんでて重要な地位に就けると思う」

*マルティニーク(21)「アメリカ企業で働いた経験があるが、公平な待遇を受けた。その道のプロと信頼関係を築き、マイノリティーを対象とする市場について私の意見を聞いてもらえた」

*アレクサス(19)「統計によれば、米企業で専門職に就くアフリカ系アメリカ人の女性はわずか5%だ。私はマーケティング専攻の学生として、企業のリーダーになる将来を思い続けなければ」

*ジェシカ(28)「より大きな市場シェアを得るための企業戦略とともに多様な視点を持つこと、そして多様性を受け入れることはアメリカ企業のためになる」

*ジャスミン(21)「若いマイノリティー女性の私にとって、企業は少し気後れする場所。私みたいな外見で、地位の高い人はあまりいないから。でもそのことが、後に続くアフリカ系アメリカ人に道を開くため、もっと努力しようと思わせてくれる」

*サブリナ(23)「アメリカの企業は近寄り難いが、成功したい私にとっては将来が期待できる場所でもある。尊敬と報酬を勝ち取るには人の倍は努力しないといけない」

*カトリーナ(23)「私も顔の見えない主人公として、米企業社会の中のマイノリティー女性の一員になる。大企業が、マイノリティーや女性のリーダーを雇うことで、均等な機会を与える努力をしていることは認める。それはベンチで出番を待つ腕のいい選手たちがいるということでもある」>(以上)

日本の企業は新入社員を一人前に育ててくれるので小生は2つの会社(トラベルコンサルタントと航空新聞社)にはとても感謝している。独立と同時に仕事もくれた。外国でもそういうことはあるのだろうか。

米国ではスタートアップ(外部が投資してくれる起業)が流行っているというが、競争も激しいだろう。パックン(パトリック・ハーラン)氏によるとアメリカンドリーム=大富豪を実現できるのは0.1%、つまり1000人に1人とか。

10%とは言わないが、せめてそこそこの金持ちになれる確率が1%くらいにはなってほしいものだ。ちなみにトランプ級は0.0001%だそうで、尊敬する人は少なくない。上記のインタビューで「尊敬と報酬を勝ち取る」という言葉があったが、純正アメリカンドリームはそういうことなのだろう。

ジャパニーズドリームの場合、金銭的な成功は皆なんとなく興味があまりない感じだ。自立し、子供をしっかり育て上げ、さらに社会に貢献できれば上等だ、「立って半畳、寝て一畳、成功しても目刺しで十分」のような価値観がある。

「死んで名を残す。金を遺すのは下だ、人を遺すのが上」、人材育成が大事だなどとも言う。

小生のモットーは恐ろしく職人志向の内向きで「真面目にコツコツいい仕事」「欲少なく足るを知る、足るを知りて分に安んずる」。そんなふうに思っている日本人は少なくないのではないか。

激烈な競争社会の米国、穏和で清貧志向さえもある日本(世界遺産に登録したらいい)。小生は日本は世界一暮らしやすい国と思っており、成田に帰ってくると本当にホッとしたものだ。

先日3/10、Argus Akita氏が「日本に帰ってくるたびに、日本の平和さというか社会的問題の顕在化の少なさに驚いている。そんなに日本は相対的に理想的で安寧な社会なのか・・・」と書いていた。皆びっくりしている。実に不思議な国だ。

いろいろな国柄、国民性があるから「日本を手本にしたらいい」とは言わないが、日本式がノンビリできることは確かだろう。42度の露天風呂につかって美しい景色を眺めている感じ。神道(皇室)、仏教、武士道(靖国)、職人気質・・・このあたりがキモかもしれない。

「天国に一番近い島」・・・そう言えば“酒はうまいし、ねえちゃんはきれいだ”という歌もあった。小生は日本が大好きだ。

(日赤大阪に台湾地震救援金を寄託した大阪の産経厚生事業団=マヌケ、子供を産んで育てるのが女性の一番大事な仕事と言った校長を叩く大阪市教育委員会=モロアカ、関電高浜原発の運転差し止めを関電に命じる仮処分を決定した大津地裁=アカモドキ。大阪界隈はかなりイカレテルが「そこまで言って委員会」で叩き潰したらえーやんか。どついたれ)
(2016/3/15)


◆共和党の重鎮は殆どが「トランプが嫌い

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)3月15日(火曜日)弐 通算第4850号> 

 〜共和党の重鎮、イデオローグは殆どが「トランプが嫌い」
  「彼は共和党でもなければ保守主義者でもない。彼がなれば共和党は
二分される」〜

ハリウッドの映画スターのなかでもジョージ・クローニー、マット・ダモン、スパイク・リーらは、はっきりと大統領候補としてのドナルド・トランプを批判している。

ハリウッドはどちらかといえば、民主党支持者が 多い。共和党支持者はシルベスタ・スタローンとか、シュワルツネッガー くらいしかいない。

米国のジャーナリズムは(西欧のメディアもそうだが)七割以上が民主党支持のリベラル派だから、最初から偏光プリズムを通してしかトランプを見ていない。

英国の新聞も同様である。

だからと言って共和党がトランプを支援しているかといえば、党中枢、保守本流はマルコ・ルビオを推し、トランプにはすこぶるひややか、活動的保守の陣営は、茶会をはじめ、ネオコンもテッド・クルーズを推している。

大統領予備選の意外な展開によって、共和党高層部、とくにイデオローグや重鎮等の危機感は、想像以上のものがある。そもそも、共和党のエスタブリシュメントは、ほぼ皆が、「トランプが嫌い」なのだ。 いきなりアウトサイダーの出現はかれらにとって迷惑でもあるらしい。

「彼が正式候補となったら、われわれは独立政党をつくって挑戦するべきだ」と強調しているのは「ネオコン」総帥格だったアービン・クリストフの息子、ウィリアム・クリストフだ。

そもそもトランプには大統領になる「資格などない」と最初から決めつけている。

しかしアービンは元トロツキスト、ネオコンの論客ロボート・ケーガンは夫人がウクライナ政変の裏でポロチェンコ大統領擁立に動いたことがばれて、ワシントンではあまり信用されていない。

つまりネオコンがジュニア・ブッシュ時代に「我が世の春」とばかり、チェイニー副大統領を担いで、中東や南アジアで展開したことは民主党の路線のネガフィルムでしかないからだ。

議会の暴れん坊、1995年から99年まで下院議長の職にあった ニュート・キングリッチは「トランプもクルーズも共和党保守本流に対し ての不信を象徴するのであり、しかし、かれらがトランプを受け入れると なると、1964年のゴールドウォーター惨敗につながるか、或いは 1980年のレーガン地滑り勝利かの二者択一となる。忘れたかもしれな いが、あの
80年選挙で、共和党主流はレーガンを嫌った。でもレーガン が後に(予測に反して)名大統領となるや、彼を嫌ったことなぞ、都合良 く忘れている」

つまりニュート・キングリッチはどちらかと言えばトランプ容認派である。


 ▼「あんなのが大統領になったらアメリカはどうなる」とレーガンのときも杞憂された

AEI(アメリカン・エンタプライズ・インスティチュート)の副理事長ダニエレ・プレトカは次のように言う(AEIは共和党系の有力シンクタンク)。

「5年前、トランプは民主党に寄付をしてきた。かれは自由貿易を憎み、移民を憎み、イスラムを憎み、ジョージ・ブッシュの施策に反対してきた。なぜ彼が共和党なのだ?

彼が大統領になれば恐ろしい8年間になるに決まっている。だからも しトランプが正式候補に決まれば、われわれは第3党をつくらなければなるまい」

AEIは次期政権には有力スタッフをおくりこむ構えをみせているが、それはトランプ以外が候補になると言う前提だった。

エリック・カンター元下院院内総務はトランプに対して、さらに激しい。

「トランプは保守主義者でない。かれが言っていることは国家安全保障を脆弱にするばかりか、経済はめちゃくちゃになる。彼の動きにストップさせなければ・・・」

共和党はトランプが破壊すると予測するのはアリ・フレイチャー (ブッシュ政権書記のホワイトハウススポークスマン)だ。

「米国は3つに割れるだろう。第1はヒラリーとサンダースが代表するリベラルな集団。第2はクルーズやライアン下院総務に代表される保守のグループ。第3がポピュリスト集団だ。後者は確乎たるイデオロ ギーがまったくなく、指導者の個性と人気だけで動く」。

しかし共和党の重鎮からこれほど嫌われているトランプが、本当に正式候補となりそうな勢いを維持しており、この状況にありながらも保守本流はいまた打つ手もない。共和党はいつのまにか、トランプの勢いに鯨呑(げいどん)されている。
     
 

◆『自滅する中国』という予言

湯浅 博



中国の習近平国家主席は昨年9月に訪米し、確かに「南シナ海を軍事拠点化しない」といった。果たして、この言葉を素直に信じた沿岸国の指導者はいただろうか。

その数カ月前、米国防総省の年次報告書「中国の軍事力」は、南シナ海の岩礁埋め立てが過去4カ月で面積が4倍に拡大していると書いた。中国の国防白書も、「軍事闘争の準備」を書き込んで、航行の自由を威嚇していた。

かつて、マカオの実業家がウクライナから空母ワリヤーグを購入したとき、中国要人が「空母に転用する考えはない」と語ったのと同様に信用できない。中国の退役軍人がマカオ企業の社長だったから、尻を隠して頭を隠さずというほど明白だった。

漢民族は自らを「偉大なる戦略家である」と思い込んでいる。孫子の兵法を生んだ民族の末裔(まつえい)であるとの自負が誤解の原因かもしれない。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問、E・ルトワク氏は、戦略家であるどころか「古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎない」と酷評する。実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックだけが生きている。

その詐術も足許が乱れることがある。米メディアが南シナ海のパラセル諸島への地対空ミサイル配備を報じた直後、王毅外相が「ニュースの捏造(ねつぞう)はやめてもらいたい」といった。すると、中国国防省がただちに「島嶼(とうしょ)の防衛体制は昔からだ」と反対の見解を表明して外相発言を打ち消していた。

国家の外交が、ひそかに動く共産党の軍に振り回されている。軍優位の国にあっては、当然ながら国際協調などは二の次になる。

ミサイル配備が明らかになったウッディー島は、南シナ海に軍事基地のネットワークを広げる最初の飛び石になるだろう。早くも2月22日には、CSISが南シナ海スプラトリー諸島のクアテロン礁に中国が新たにレーダー施設を建設しているとの分析を明らかにした。

やがて、これら人工島にもミサイルを配備して戦闘機が飛来すれば、船舶だけでなく南シナ海全域の「飛行の自由」が侵される。2月23日訪米の王毅外相はどうにかつじつまを合わせるのだろう。

ルトワク氏はそんな中国を「巨大国家の自閉症」と呼び、他国に配慮することがないから友達ができないと指摘する。例外的に1国だけ、核開発に前のめりの北朝鮮がいるが、それも近年は離反気味である。

中国が脅威を振りまけば、沿岸国など東南アジア諸国連合(ASEAN)は、共同で対処する道を探る。オバマ米大統領が昨年はじめてASEAN大使を任命し、米・ASEAN関係を戦略的パートナーに格上げすることで、その受け皿にした。

中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含む札束外交で歓心を買おうとしても、従属を強要する意図が見えれば中国への警戒心はむしろ高まろう。ASEAN首脳が米西海岸サニーランズでオバマ大統領との会談に応じたのも、対中ヘッジ(備え)になってくれると考えるからだ。

オバマ政権のアジア・リバランス(再均衡)に中身がなくとも、中国のごり押しで米国とASEANの緊密化が進み、中国の影響力をそぎ落とす。それがルトワク氏のいう『自滅する中国』という予言なのだろう。(東京特派員)
産経ニュース【湯浅博の世界読解】2016.2.24


◆「中華民族の復興」は夢で終わる

平井 修一



漢字、ひらがな、カタカナからなる日本語メディアは、多分世界一学ぶのに困難な言語だろう。つまり国際発信力に弱い。英語は世界共通語だから強い。米国の外交誌フォーリン・アフェアーズ・リポートから。

*中国経済のメルトダウンは近い 中国経済はまったく成長していない(2016年3月号掲載)サルバトーレ・バボネス/ シドニー大学准教授(社会学)

<中国の経済成長が減速しているのは誰もが認めるところだが、北京が言うように本当に中国経済は依然として成長しているのだろうか。中国政府は2016年の成長率を6.5%と予測しているが、コンファレンス・ボードは3.7%という数値をあげている。

だが、実体経済の動きを示すさまざまな指標をみると、3.7%という数字さえ、楽観的かもしれない。2015年に電力、鉄鋼、石炭の消費はいずれも低下している。

購買担当者指数(PMI)もこの10カ月にわたって50を下回っており、これは製造業部門の生産が長期的な収縮トレンドにあることを意味する。中国経済の成長率は3%かそれを下回っているかもしれない。

そして政府の赤字財政支出は、実際には間違いなくGDPの3%を超えている。つまり、中国の実体経済はおそらくまったく成長していないかもしれないし・・・いまや中国経済を動かしているのは政府支出だけだと考えてもおかしくない>

*「中国の台頭」の終わり 投資主導型モデルの崩壊と中国の未来(2016年2月号掲載)ダニエル・C・リンチ /南カリフォルニア大学国際関係大学院准教授
(国際関係論)

<いまや中国はリセッションに直面し、中国共産党の幹部たちはパニックに陥っている。今後、この厄介な経済トレンドは労働人口の減少と高齢化によってさらに悪化していく。

しかも、中国は投資主導型経済モデルから消費主導型モデルへの移行を試みている。中国の台頭が終わらないように手を打つべきタイミングで、そうした経済モデルの戦略的移行がスムーズに進むはずはない。

でたらめな投資が債務を膨らませているだけでなく、財政出動の効果さえも低下させている。近い将来に中国共産党は政治的正統性の危機に直面し、この流れは、経済的台頭の終わりによって間違いなく加速する。

抗議行動、ストライキ、暴動などの大衆騒乱の発生件数はすでに2000年代に3倍に増え、その後も増え続けている。

経済の現実を理解しているとは思えない習近平や軍高官たちも、いずれ、中国経済が大きく不安定化し、その台頭が終わりつつあるという現実に向き合わざるを得なくなる>

*中国経済のスローダウンを分析する(2016年2月号掲載)セバスチャン・マラビー /米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)

企業投資の前提は高度成長であり、成長の結果である消費の拡大によって、投資が作り出す財が吸収される。しかし、経済成長がスローダウンすれば、大規模な不良債権を抱え込む。これが資金の流れを淀ませ、経済成長は鈍化する。成長率の鈍化はさらに多くの融資を不良債権化する。

中国でこの手のネガティブなフィードバックループによる負の連鎖が起きる危険がある>(以上)

欧州はついこの間まで中共の台頭を歓迎していた。英独仏の首脳は昨年、商売のために立て続けに訪中し、ウィンウィンとニコニコ顔だった。習近平も李克強もせっせと欧州を訪問した。

軍事的脅威については、地政学的には「極東の話」だからほとんど今も用心していないが、中共の経済失速には「あれあれ、どうなっちゃっているの?」とけげんに思うようになったろう、一周遅れだが。

つまり欧州も中共への投資を控えるようになる。リスキーだからだ。撤退する企業も増えるだろう。カネが中共から逃げる。失血死しかねない。

中共は2008年のリーマンショックをインフラやビルへの固定資本投資で短期間で切り抜けた“成功体験”がある。成功は失敗の元でもあり、先進国はそれを知っているが、北京は初心者だから知らない。現在の苦境も固定資本投資で切り抜けられると思っているようだが、人民網3/2でさえ「大丈夫だろうか」と迷いに迷っているようである。

<1つの物件の価格が1日の間に3回の値上げ、手続きロビーで並んでいてなかなか順番が回ってこない。不動産仲介業者の門前には長い行列ができていた…

春節が終わると、中国の不動産市場は低迷から抜け出したかのように活発になり、上海、北京、深センなど一線都市では不動産価格がまるでカンフル剤を打ったように上昇し続けた。そして両会の時期になると、不動産価格の問題に再び焦点が当たるようになった。

中国の不動産価格は安定するだろうか。国土資源部(省)の姜大明部長は9日、「都市別に対策をうち出す努力をすることで、不動産価格は必ず安定する」と述べた。

姜部長は、「両会期間に多くの代表委員が土地の供給面積を増やして不動産価格を安定させる必要があると提言した(平井=加熱させるなということ)。国土資源部はこれに対し保護策と抑制策の使い分け、構造の最適化、分類に基づく調整などの措置を取って、都市の土地供給面積を合理的に増やしていく」と述べた(平井=実態を見ながら土地供給をコントロールしていくということ)。

全国政協委員を務める清華大学経済管理学院の李稲葵教授はこのほどメディアに対し、

「現在のようなキャッシュフローが相対的に充足した基本的環境(平井:投資先がないのでカネが余っている)を、大都市の不動産価格の急激な上昇に転換させてはならない。目下の不動産価格上昇をあおる金融パワーは前回よりも大きく、大勢の人が市場の外で資金の分配を行っている(平井=マネーゲームをしているということ)。

そこで為替市場も含む金融市場を全体的に安定させることが必要で、そうしなければ債務の再編を加速させ、遅れた生産能力の撤退を加速させ、不良債権の処理を加速させることはできない(平井=構造改革はできないということ)>(以上)

「カンフル剤を打ったように上昇」・・・つまり江沢民派が売り逃げをし、経済不安を起こし、習近平に打撃を与えようとしているということだ
ろう。

金融市場の安定は結局は市場にゆだねるしかないが、一気に元安が進めばハイパーインフレで経済は不調となり、人民の不満は大爆発するだろう。中共はIMFにすがるかもしれないが、そうなれば軍事予算は真っ先に切られる。軍は利権を守るためにクーデターを起こすしかないのではないか。

いずれにしろ「中華民族の復興」は「中国の夢」で終わりそうだ。   
                    (2016/3/15)

        

2016年03月15日

◆ラブロフ外相と協議を重ねる

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)3月15日(火曜日) >  

 〜ラブロフ外相と北朝鮮制裁でつっこんだ協議を重ねる〜

 3月10日、王毅が唐突にモスクワ空港へ降り立った。全人代の最中に閣僚が、席を外すのも異例なら、なぜモスクワなのか、憶測が乱れ飛んだ。

 共同記者会見では国連決議に基づく北朝鮮制裁の完全実地で両国は合意したとし、また六者協議の早期再開を確約したとされるが、問題は同時期に実施された過去四半世紀で最大規模の米艦軍事演習への牽制にあったようだ。

 王毅はラブロフ外相と北朝鮮制裁に関して、両国の協力関係を話し合ったという。 すでに中国もロシアも北朝鮮制裁の国連決議に賛成票を投じており、中国では山東省日照港に入港しようとした北朝鮮船籍の「グランド・カーロ号」の入港を拒否、この動きは香港の港でも見られる。

 日本ばかりかフィリピンでもスービック湾に入港した北朝鮮船籍のJINTENN号を差し押さえた。中国は北朝鮮産の鉱物資源ならびに石炭の輸入も中断した。

 もともと米国が原案を提示した制裁の中味は、出入りする船舶の検査、北へのジェット燃料輸出禁止、北からのレアメタルなどミサイル開発に関連する鉱物資源、石炭の輸入禁止、航空機の検査は危険物資の積み込みがないことを確認した上で、発着をみとめる(これはロシアと中国だけ)、そして個人が17人と12の組織の渡航禁止である。従来は個人、組織の禁止対象が35で、あらたに追加され、日本代表は「かつてない強い制
裁」とした。

 制裁の主たる目的は北朝鮮の核弾頭、ミサイル開発に繋がる製品、部品、そして兵器開発の人物など広範囲にまたがっているが、ロシアは二つの例外事項を国連から認められた。

すなわち羅津港から出荷される「外国産」(つまりロシア産)の石炭などは日本を含む諸外国へ輸出できること。

もうひとつは北朝鮮の兵器産業のモスクワ代表をロシアは入国を認める、というもの。ラブロフは、「人道的食料援助は続ける」としており、げんに国連の制裁決議案はロシアの要請で一日見送られたが、その決議前夜の2月26日にロシアは北朝鮮へ2500トンの小麦を輸出した。

北朝鮮のロシアからの現有は2014年に898万ドル相当になり、15 年からは鉄道輸送も加わっている。 中国は北朝鮮への輸出代金の不払いに遭遇し、おおくの輸出を制裁では
なく、物理的、金融的条件で中断してきた。 王毅・ラブロフの緊急会談は、こうした制裁内容の吟味にあったようだ。

     

◆慰安婦の事実に踏み込む反論したが…

西岡 力



肝腎の外務省のHPに載っていないのはなぜなのか 

評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉


〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉
 
〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

 〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉
 
〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉

〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。

首相が国会で「誹謗中傷に対して政府として事実でないと示す」と答弁しているのに、外務省は国際広報で全く取り上げていない。

朝日新聞が吉田清治記事などを取り消した後である2014年10月に、外務省は慰安婦問題に関する新しい説明文書(日英)を作成した。驚いたことにそこでは、河野談話で謝罪し、アジア女性基金で償いを行ったとしか書いていない。その文書が今現在も、外務省のウェブページの慰安婦コーナーの先頭に置かれている。

外務省高官らは国際社会の誹謗中傷を放置することが外交上得策だと今も内心、考えているのではないかと私は疑っている。外務省OBらは以下のごとく、慰安婦問題や南京事件で事実に基づく反論を政府が行うことを否定して、外務省のこれまでの姿勢を擁護している。

 先にゴールポストを動かした日本

ある外交評論家は、過去の価値基準に基づき過去の事実を評価することは学者に任せるべきであり、外交においては過去の事実を現在の価値基準に基づいて評価しなければならない、という趣旨の発言をしている。

別の評論家は、事実関係ではなく過去に対する日本人の主観が焦点になっている、と発言し、元大使は、国際社会に過去を反省していないという不信感を植え付けるから、慰安婦の狭義の強制性はなかったという主張はすべきでない、と言っている。

評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉

〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉
 〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。

                      東京基督教大学教授

産経ニュース【正論】2.24 13:19



◆アジア安保は「中共包囲網」で

平井 修一



産経3/11「J・アワー氏講演要『日米の連携強化が不十分だと、中国は軍事行動で覇権を握る試みに出る』」から。

<終戦前から日米同盟の重要性を訴えていた学者に、米エール大学のニコラス・スパイクマン教授という人物がいる。スパイクマン教授は1942年に出版した著書の中で、ソ連の覇権による危険性を警告しており、「アジア太平洋地域で良好なパワーバランスを維持する唯一の方法は日本と同盟を組むことだ」と勧告していた。

当時は日米は戦争中で、著書の内容は多くの米国人にとっては考えも及ばない内容だったが、その正しさが後に判明する>(以上)

スパイクマンという地政学者がいたとは知っていたが、戦前に“日米防共協定”を結べと言っていたとは驚きだ。で、ネットで調べたら坂元一哉・大阪大学大学院法学研究科教授の2012年の講演原稿「米国新戦略と日米同盟」があった。とても勉強になったので、一部を引用する。

<*はじめに

アメリカ大統領選挙の討論会を見ておりましたら、オバマ大統領が例の「ピボット」という言葉を使って、政権のアジア重視政策を説明していました。「ピボット」という言葉は、国務省がバスケットボール好きの大統領に気に入ってもらえるように考え出した言葉だ、とまことしやかにいう人もいます。

真相はともかく、たしかにこの言葉はバスケットボールの「ピボット・ターン」をイメージさせます。

昨年、クリントン国務長官がこの言葉を使ったところ、すぐにヨーロッパは懸念を示しました。おそらく、いままで中東、ヨーロッパの方(西の方)を向いていたアメリカがアジアの方(東の方)に、くるっと向きを変え、中東、ヨーロッパには背中を見せる、そういう「ピボット・ターン」のイメージがあったからでしょう。

国務省はすぐに、いや「ピボット」ではなく「リバランス」、すなわち重心の移動だ、といってヨーロッパの不安をいくらかでもなだめようとしています。

「ピボット」という言葉ですが、国際政治学的にはどうでしょう。私は、他に連想するものがあります。

イギリスの地理学者、ハルフォード・マッキンダー卿が1904年に書いた有名な論文“The Geographical Pivot of History”(地理学からみた歴史の回転軸)のなかで使っている「ピボット」(回転軸)という言葉です。

マッキンダー卿は、ユーラシア大陸のステップ地帯とその北の森林地帯(つまり中央アジアとシベリア)を、世界史を動かす中軸の地域だとして、「ピボット・エリア」と呼びました。このマッキンダーの言葉が、19世紀末に誕生した地政学の発展に、大きな影響を与えたのは、みなさんご存知の通りです。

そしてそのマッキンダーの地政学でいう「ピボット」からの、そのまた連想、地政学つながりで、私がこんどのアメリカの新戦略を理解するのに役立つと考えるのが、戦前、戦中、イェール大学で国際政治学を教えた地政学者、ニコラス・スパイクマン教授の1942年の著書『世界政治におけるアメリカの戦略』(Nicholas J. Spykman, America's strategy in WorldPolitics)と、その本の表と裏の扉に添付してある同じ一枚の世界地図です。

今日は、この地図(平井:行方不明だが米国中部のミズーリ州セントルイスを中心にしたもの。いずこの国も自国を中心にする)を見ながら米国新戦略の性格を考えつつ、今後の日米同盟の発展強化のために何が必要か、思うところをかいつまんでお話したいと思います。

1 時代をどう見るか(略)

2 地政学的視点

台頭する中国に対する米国の警戒、その警戒に対する中国の反発。結果としての米中対立。いまわれわれの目前にあるこの状況は、かなり構造的なものだと私は思います。

一国の力の興隆に対する他国の警戒、という万古不易の国際政治の一般論はもちろんとしまして、三つほど要因があるのではないでしょうか。

一つは、対テロ戦争が収束に向かいつつあること。つまり米中が共通の敵を失いつつあることです。(平井:IS登場で情勢は悪化)

もう一つは、アメリカがリーマンショック後、国内製造業重視、輸出重視の経済政策をとろうとしていること。これは輸出主導の経済発展を行っている中国との経済摩擦を引き起こしやすくします。

ただ、オバマ政権が中国と対峙する姿勢を明確に打ち出すようになった、その最も大きな要因は何かといえば私は、アメリカの世界戦略に対する中国の挑戦だろうと考えます。

すなわち世界のパワーバランスに重大な影響を与える地域の支配を敵対勢力(平井:アジアでは中国)には許さないという(米国の)基本戦略への(中国の)挑戦です。

その挑戦は、2010年3月、訪中したスタインバーグ国務副長官に対して、戴秉国国務員が伝えた、「南シナ海も中国の核心的利益」という言葉で明らかになります。

そのちょうど一年前、南シナ海の公海上で中国艦艇五隻が米海軍の音響測定艦「インペカブル」を取り囲み、その航行を妨害しています。また、南シナ海で中国が周辺諸国と深刻な領有権問題をかかえているのは周知の事実です。

だからアメリカにとって中国外交の実力者の口から出た、この「核心的利益」という言葉は決して穏やかな言葉ではなかったのではないでしょうか。

この言葉に対抗して米国新戦略の最初の「鬨の声」をあげたのがクリントン国務長官でした。長官は2010年7月、ASEAN地域フォーラム(ARF)において、「南シナ海の航行の自由は米国の国家利益」と明言いたしました。

「南シナ海」、そして「航行の自由」という二つの言葉は、とても重要な言葉です。この二つは直接的、また間接的に、20世紀アメリカの二つの大戦争の原因になりました。

まず「航行の自由」あるいは「航海の自由」は、第一次世界大戦にアメリカが参戦する大きな原因でした。アメリカは1917年、ドイツの無差別潜水艦作戦再開に反発して参戦します。

アメリカの戦争目的を示したウィルソン大統領のいわゆる「一四か条」の二番目に、この原則があげられていたのは周知の通りです。

次に「南シナ海」の方は間接的ですけれど、アメリカの第二次世界大戦参戦の原因になりました。というのも、日本を真珠湾攻撃に踏み切らせたのはアメリカの対日石油禁輸ですが、この禁輸は日本軍の南部仏印(ベトナム南部)進駐に対抗したものでした。(平井:当時フランスはドイツに占領されていたので、ドイツと同盟している日本は進駐できた)

なぜ南部仏印進駐をアメリカは許せなかったか。それはアメリカが、日本の進駐を、東南アジア全域を制覇するための第一歩と解釈し、シンガポール、フィリピン、香港といった「南シナ海」にある英米のアジア前進基地、あるいは領土(植民地)に対する重大な脅威と受けとめたからです。

「南シナ海」と「航行の自由」という二つの重要な言葉が出たところで、スパイクマン教授の地図をご覧ください。米国の新戦略に関連して、この地図を紹介する理由はいくつかありますが、まず第一は、この地図を見れば「南シナ海」の戦略上の重要性が明確になることです。

スパイクマン教授も、マッキンダー卿の考えにならって、ユーラシア大陸(平井:ヨーロッパ+アジア)、世界最大のこの大陸が敵対勢力に支配されないことを米国および南北アメリカ、つまり新世界の安全保障の要諦と考えました。

マッキンダー卿がユーラシア大陸の中の「ピボット・エリア」を重視したのに対して、教授は、ユーラシア大陸の周辺部、「リムランド」と名付ける部分をパワーの中心として重視します。とくに東は中国沿岸部、西はヨーロッパ、そしてこれは潜在的にですが、インドの重要性を認識して、米国の戦略を考えたわけです。

そのことはよく知られています。しかし、それほど知られていないのは、教授が世界における「三つの地中海」の戦略的重要性を強調していることです。五つの大陸の結節点であり、世界をコントロールするための要所となる三つの海です。

この「三つの地中海」の一つは言うまでもなくヨーロッパにある地中海、ユーラシアとアフリカ大陸を分けます。

もう一つは教授が「アメリカの地中海」と呼ぶカリブ海とメキシコ湾のことです。これは南北両アメリカ大陸を分けます。

そして三つ目が台湾、シンガポール、そしてオーストラリアのヨーク岬を結ぶ線に囲まれた「アジアの地中海」("the Asiatic Mediterranean")で、ユーラシアとオーストラリア大陸を分ける海です。この「アジアの地中海」の大部分を占めるのが「南シナ海」なのです。

スパイクマンの地図を見ればユーラシア大陸を取り囲む海の動線の一部として「アジアの地中海」すなわち「南シナ海」が、そしてそこにおける「航行の自由」、つまり米国の商船と艦船の通行の自由が、たんにアジア戦略だけでなくアメリカの世界戦略にとっていかに大切なのかが、よくわかります。

世界のあらゆる地域へのアクセス、自由行動は、海洋国家アメリカの世界戦略を支える基盤です。

米国西海岸カリフォルニア州のサンディエゴを出て、ハワイ、グアム、そして日本、台湾、フィリッピンの近くを通り(ときには立ち寄って)南シナ海に入り、シンガポールを抜け、インド洋へ抜ける海の道。

いまなら軍艦はディエゴ・ガルシアで補給を受けて、ペルシャ湾、ソマリア沿岸、紅海とスエズを通り地中海に入ることができる。米国海軍第五艦隊の本拠地はペルシャ湾のバーレーンにあります。紅海の入り口のジブチにも基地がある。

地中海に入ればイタリアのナポリに寄り、ジブラルタルを通って、大西洋を横切り、東海岸バージニア州のノーフォークに帰る。

そういう、ユーラシア大陸の周辺をアメリカから見て時計回りに回る重要な動線が、この地図でよく見て取れます。

もし中国が、「核心的利益」という言葉でもって「南シナ海」をあたかも中国の内海にするかのような態度をとれば、それは米国の世界戦略に対する重大な挑戦になってしまう。そのことをこの地図は如実に示すのです。

アジア重視の米国新戦略、そのなかでの「南シナ海」の重要性を端的に表現しているのは、今年(2012年)1月の国防総省文書「米国世界指導の維持 “Sustaining US Global Leadership: Priorities for 21st CenturyDefense”」のなかの一文ではないでしょうか。

すなわち、アメリカの安全保障と経済利益は「西太平洋と東アジアから、インド洋地域と南アジアに続く弧」の発展と分かちがたく結びついている、という一文です。この弧の中心になるのが「南シナ海」です。

新戦略についてよく、アメリカはアジア太平洋に「軸足」を移した、といわれますが、より具体的に、アジア太平洋のどこに「軸足」を移したかと問われれば、それは「南シナ海」だ、と答えるのがいいのでしょう。

スパイクマン教授の地図を紹介する別の理由は、教授が「南シナ海」周辺の地域、つまり東南アジア地域はアメリカにとって原料資源の最大の輸入先であり、アメリカと世界の繁栄に欠かせない場所だとして、経済的にも重視していることです。

いまはヨーロッパによる植民地支配の時代ではありませんし、他の地域での資源開発や技術の発展で、その意味の経済的重要性は相対化されましたが、市場、投資先としての価値は急速に高まっており、オバマ大統領が少年時代を過ごしたインドネシアをはじめ東南アジア諸国の経済発展は世界経済にとって大きな希望になっています。

アメリカはこの地域との貿易や投資で中国に遅れをとっていることもあって、今後は経済関係を確実に深めていきたい地域のようです。

もう一つ、この地図を紹介する理由は、スパイクマン教授の予言にあります。教授はアメリカにとって重要な意味を持つ「アジアの地中海」をコントロールするのはイギリスの海軍力でもなければ日本の海軍力でもない。はたまたアメリカの海軍力でもない。もしこの海をコントロールするものがあるとすれば、それはこの海に面して陸上に基地を多数確保できる、中国の空軍力に違いないと述べているのです。

空軍力を三次元の戦争遂行能力と考えて、ミサイルを付け加えますと、最近中国の空軍力は伸長著しく、自信も増大しているようです。航空戦力の方は、まだアメリカと日米同盟の敵ではありません。しかし台湾海峡沖などに展開する数多くのミサイルは大きな脅威になっています。

アメリカが東アジアに展開する米軍の分散を行っているのも、このミサイル対応という側面がありますし、このミサイルと海空軍力による中国の接近拒否戦略を打ち破ることを一つの大きな理由として、いわゆる「エア・シーバトル」の強化にもとりかかっています。

「南シナ海」を中国がコントロールするような事態、スパイクマンが予言するような事態はなんとしても避けたいからでしょう。

スパイクマン教授も、米欧諸国の努力次第で、中国が「南シナ海」をコントロールし東アジア全体を支配することを防ぐことはできる、と考えていたようです。『平和の地政学』という本は、教授が49歳で亡くなった(1943年)翌年に、残したノートや地図などを集めて出版された本ですが、この本には次のようにあります。

「もし西洋の主要国が地球上の全地域に影響力を残しておこうと考えるのであれば、自分たちの基地を海にある島国の上に設置する必要がある。中国という国家が必然的に持つことになるパワーの限界という点から考えてみると、このような島国にある基地は、将来中国が極東を完全支配しようとする動きに対抗するための備えとしてはおそらく十分であろう」

「基地を海にある島国の上に設置する必要」というのは、この本が書かれた後の歴史を知っているわれわれにとって、とくに興味深いところです。

ともかく「南シナ海」から見た米国のアジア重視新戦略は、中国への軍事的対抗という色彩が濃いものです。これはさすがにスパイクマンが予言するところではありませんが「南シナ海」は、中国が将来、SLBM搭載の原子力潜水艦を潜航させるのに適していますから、そのことへの軍事的警戒も要ります。

米国の新戦略は、軍事だけでなく、政治的、経済的にも、中国との競争の姿勢を明確にしています。オバマ大統領は2011年11月、オーストラリア・キャンベラでの演説で、アメリカは、中国との協力的な関係を続けるが、国際規範の重視や人権の大切さについては言わせてもらう。

すべての国は自分で自分の進む道を決めるが、言論、出版、集会、宗教、それに「市民が自分たちの指導者を選ぶ」自由は人間の普遍的な権利である、などと述べて、中国に変化を促し、ありていにいえば喧嘩を売っているわけです。

またTPP 、もちろん米国の貿易推進策ですが、同時に中国がその経済力でアジア太平洋諸国に独占的な影響力を持つことがないよう、アメリカ主導で経済グループをつくろうという構想です。

そういう新戦略を中国封じ込め戦略と呼ぶべきでしょうか。私はまだそこまではいっていないと思います。

中国の現在の力と最近明らかになりつつある経済発展の限界、あるいは格差、腐敗など国内のさまざまな矛盾、そして何より世界を指導する理念やイデオロギーの欠如。それらを考えると、中国がソ連のような世界覇権を求める力、ユーラシア大陸を制圧するかもしれないような力を持つ可能性は低い。アメリカは中国を、そう見ているのではないでしょうか。

つまりまだ「封じ込め」という言葉を使うほどの脅威ではないということです。

それで私が、この新戦略の性格について、たぶんそういうことなんだろうと思うのは、コロンビア大学のウォルター・ラッセル・ミード教授の見方です。要約し、少し言葉を足しますが、つまるところ、

「アジア・太平洋における、米国を中心とした自由と繁栄の国際システムに参加するようアジア諸国を誘うとともに、中国に対しては、地域覇権追求を抑止しつつ、そうしたシステムのフルメンバーになる選択肢を与えている」

ということではないか。対中「封じ込め」というより、条件付きの「取り込み」が目的なのだと思います。条件というのは、中国政府が軍事行動を自重する。国内における自由と人権を重視し、国際法と国際規範を尊重する、といったことです。

京都大学で国際政治学を教えた高坂正堯氏も、1965年に出した処女作『海洋国家日本の構想』のなかで、日本にとってのアメリカとの連携、安保条約、日米同盟の地政学的意義を似たような視点から、次のように述べています。

「巨大な隣国から自己の同一性を守ることは実にむつかしいことなのである。日本が東洋でも西洋でもない立場をとろうと思うならば、遠くの力とより強く結びついて、近くの力と均衡をとる必要がある」

いま巨大な隣国の力がさらに拡大するなか、日本はますます遠くの力、つまりアメリカと強く結びつく必要があります。そして遠くの力(アメリカ)の方も、日本に近いところにある力(中国)の急速な増大を警戒し、日本とのより強い結びつきを必要としている。つまり日米どちらにとっても同盟の強化が求められています。

それで同盟強化のために何が必要か。これは日米双方の努力でもあり、さまざまな具体的議論が必要ですが、とりあえず日本の努力で大事なことをあげておきます。

一つは、米国の新戦略をよく理解し、それにシンクロする日本自身の外交・安全保障戦略を持つこと。そして日米同盟をその二つの戦略に基づいて運営していくノウハウを強化していくことです。戦略のシンクロナイゼーション、擦り合わせ、といってよいでしょう。

これは日米両国が、日米同盟を日本の平和と安全だけでなく、広く東アジア、さらには世界の平和と安全の維持、あるいは自由と繁栄の秩序形成に資するように使っていくことにつながります。

この点、「西太平洋からインド洋への弧」を重視する米国の新戦略。その弧が、インド洋から先、中東、アフリカへも伸びるとして、日本は「自由と繁栄の弧」という概念をブラッシュアップするのも一つのアイデアでしょう。

海賊対策やPKO、あるいは災害対策など、戦争以外の軍事行動も含めつつ、官民あわせての海外経済協力をおこなって、その弧のなかにある国々の、発展と安定を助けることで米国と協力していく、といったことです。

すでに日本は、シンガポール、インド、あるいはオーストラリアとの防衛交流を開始し、東南アジア諸国の海賊対策に協力し、ソマリア沖でも国際的な海賊対策に参加し、ジブチに基地をつくり、中国が石油の輸入先として関係を深めているとスーダンから分離した南スーダンにPKOを派遣しています。

最近は、ODAを利用して南シナ海・スカボロー礁の領有権をめぐって中国と対立するフィリッピンに大型巡視船を供与しようともしています。私がいわなくても、すでに日米の「擦り合わせ」ははじまっているのかもしれません。

次にコスト負担増の覚悟も大事です。日米同盟の強化は、かけ声や精神論だけではだめで、それなりにコストがかかる。アメリカの方は、軍事予算がさらに削減されることもありそうなので、日本の防衛予算を増やすことが、一層大切になります>(以上)

この講演からの4年間で、世界は急激に揺らいだし、中共は自制心を失ったように凶暴化を深めている。日本は集団的自衛権を行使できるようになったし、米国は南シナ海で自由航行作戦に踏み切り中共を警告している。アジア版NATOという長城、包囲網でしか中共の暴発は防げない。一旦緩急あらば義勇公に奉じる国民の覚悟が必要だ。(2016/3/14)

2016年03月14日

◆何故トランプの暴走を止められないのか

Andy Chang

アメリカの大統領選挙はトランプとヒラリーの対決となった感がある。ヒラリーは起訴されなければ止められらないし、トランプは止める方法がない。来週15日のプライマリーでオハイオ州とフロリダ州の結果で大勢が決まると言われている。今のところクルース以外
にトランプを止める候補者はいない。

調査によると国民全体のトランプ反対者は64%、ヒラリーはもっと高くて70%以上と言われる。それなのに二人とも自党の選挙で高い人気を維持しているのは不可解である。まるで一般国民と政党の投票者は全く違う国の民衆のようだ。

国民の意見は以下の4点に絞られる。

第一、オバマがアメリカをダメにした。

第二、ヒラリーが当選すればオバマ政権の延長となる。

第三、トランプは国内だけでなく世界中に敵を作った。

第四、国民の54%がトランプはヒラリーに負けると言う。

●カーソンがトランプ支持を表明

数日前に選挙運動を止めたベン・カーソンは今日、トランプ支持を発表した。トランプを支持する理由を聞かれたカーソンは、トランプは二人の違った人間である。暴言放言を繰り返してきたトランプと細心でアメリカの将来を憂慮しているトランプが居る。私は二人
目の違ったトランプに賭けると発表した。

カーソンの発言に大きな批判が起きている。人格の全く違うトランプが二人居るなら、トランプはカメレオンのようにコロコロと主張を変え、傲慢無礼な奴からたちまち謙虚な人間に化ける人間なのか。国民はこんな人間を信用できるか。

政治家は思想、政策、主張に一貫性がなければいけない。これこそテッド・クルーズの言うように、一貫した主張を守る政治家でなければアメリカを救えないし大統領になる資格はない。トランプの暴走を止められるのはクルースしかいない。ところが共和党はクルー
スを支持しない。

なぜトランプの暴走を止めることが出来ないのか。最近のメディア報道やクルースの講演などでだんだんわかってきた理由が幾つかある。共和党の失敗、トランプの扇動力、メディアの陰謀、民主党の陰謀などが主な原因である。

●トランプはヒットラー型扇動者である

ベン・カーソンはトランプが2つの人格を持つ人間であると言ったがこれは半分当たっている。トランプは2つの違った人格を持つ人間ではなく、その時その時に臨時応変で人格を変えることが出来る扇動者、大道芸人、香具師、詐欺師である。

オバマは8年の政治でアメリカを分裂させた張本人である。保守とリベラル、共和党と民主党、金持ちと貧乏人、黒人と白人、民衆と警察、クリスチャンと回教徒、みんな敵味方に分裂させたのである。その結果アメリカは分裂し民衆は敵と味方に分かれ、互いに憎み会い攻撃しあうようになった。

民衆は怒っているとトランプは言う。何が不満なのか、国民はすべての現状に不満である。トランプは民衆に向かって憤懣をぶちまけ、民衆の不満を増大させて人気を得る。ヒットラーがアジテーターから伸し上がって偉大なる独裁者となったように、である。

トランプは民衆の不満を煽るだけで解決がない。解決がないから不満が解けず人気を維持できるのである。私はこのことに気が付くまで随分と長い時間がかかった。民衆は気が付かないからトランプの暴言に溜飲を下げ、トランプを支持するのである。

●共和党の失敗

共和党の失敗はトランプをストップできないばかりかクルースを支持しなかったことである。クルースはトランプをストップできる唯一人の共和党候補者なのにクルースに批判的でルビオを支持してきた。しかしルビオの人気は上がらなかった。何故クルースを支持し
ないのかというと、クルースは国会改革と税制改革を主張しているからである。

共和党体制派がクルースを支持しない理由は税制改革にあるらしいことがようやくわかってきた。税制改革は金融業者、いろいろな基金会、大企業などに大きな影響を与える、つまり各種のロビイストが税制改革で損をするから国会議員や体制派を動員してクルースに
反対するのだ。ロビイストと政党体制派がクルースに反対なのだ。

いわゆる政治エスタブリッシュメント、民主党も共和党も含む体制派とその背後にある各種組織がおのれの利益のためクルースに反対している。民衆はクルースの税制改革に賛成だから彼の人気が高いのである。

●メディアの陰謀

トランプの暴言を宣伝しているのが3大メディアである。メディアはなぜトランプの暴走を助長するのか。トランプが共和党を代表すればヒラリーが勝つ。だからトランプの暴走を助けるのだ。

クルースの講演で明らかになったことは、メディアは殆ど民主党系でヒラリー支持で、ヒラリーとトランプの対決となればヒラリーが勝つ。トランプの人気を煽って彼が共和党を代表するように仕組めばヒラリーに有利となる。これがメディアの陰謀である。

●民主党の陰謀

民主党の最も大きな心配事はヒラリーが起訴され降ろされることだ。ヒラリーが起訴されたら殆ど間違いなく有罪になり、オバマとの関係も調査の対象となる。例えばベンガジ事件の調査、リビアとシリヤ動乱の介入、ヒラリーのスマホメールの内容、司法、税務などの関与など。共和党に政権をとられたら民主党の関与したいろいろな問題が明るみに出る。

ヒラリーが当選するにはトランプを共和党代表にさせること。トランプは世界中に敵を作り、国内でも反対者は64%と言われている。だからトランプが有利なようにいろいろ世論操作をするわけだ。民主党の陰謀は共和党が分裂を起こしトランプが代表になればヒラリ
ー有利となるとみている。

●アメリカの将来

ヒラリーやトランプが大統領になったらアメリカは大変だ。3月15日のプライマリー選挙でオハイオ州とフロリダ州の大票田がトランプとヒラリーの将来を確定すると言われている。

アメリカ国民はオバマの8年でウンザリし続けてきたがこの二人のうち誰が当選しても国民の失望は続くだろう。この状況を救うことが出来るのは今のところテッド・クルースしかいない。