2016年02月29日

◆習近平「核心擁立劇」の落とし穴

石 平




1月中旬から各地方の中国共産党トップが習近平総書記(国家主席)を党の「核心」と位置づけて「擁立」するような発言が相次いでいる。

口火を切ったのは、1月11日、天津市代理党委書記の黄興国氏であった。13日には安徽省書記と広西省書記が「習近平総書記という核心を断固として支持する」という同じセリフを使って習氏のことを「核心」と称した。

さらには、今月中旬までに31の省・直轄市・自治区のうち、約20人の党委書記が「核心」という言葉を口にしたから、広がりは全国的なものとなっている。

「核心」というのは、江沢民政権時代に用いられた慣用語で、江氏の最高指導部における格別な地位を示すための「特別用語」だ。「江沢民を核心とする党中央」はその時の定番表現であったが、胡錦濤時代になると、「核心」という言葉が消え、「胡錦濤を総書記とする党中央」が党の正式用語となった。

習近平政権になってこの数年、「習近平を総書記とする党中央」の表現が踏襲されてきたが、最近になって、権力の掌握を進めた習氏は名実ともに政権の「核心」になろうと画策しているようである。

したがって、上述の各地方トップからの「核心擁立発言」は結局、習氏が策動した自分自身への「核心擁立運動」と見てよいと思う。実際、習氏は1月29日の党会議で「核心意識の増強」をことさらに強調しているが、それは当然、各地方のトップに態度表明を促すための「号令」であったろう。

しかし、地方からの「核心擁立運動」を促そうとすることは、逆に言えば、習氏が党中央からの「擁立」を得ていないことの証拠だ。実際、この原稿を書いている23日現在、党の政治局委員・常務委員の中で、「習総書記が核心だ」との言葉を使った人は一人もいない。地方幹部たちの熱烈な「擁立発言」とは裏腹に、肝腎の党中央は意味深長の沈黙を保ったままである。

地方の党委書記の何人かは政治局員でもある。北京市書記の郭金龍氏、上海市書記の韓正氏、重慶市書記の孫正才氏、広東省書記の胡春華氏だ。しかし、先月中旬から現在に至るまで、彼らの誰一人としても、習総書記のことを「核心」と明確に位置づけてそれを「支持」するような発言をしていない。

特に注目すべきなのは広東省書記の胡春華氏だ。彼こそが胡前総書記が率いる「共青団派」の次の総帥と見なされているからである。

今月14日、彼は広東省の党常務委員会議を主催して、習氏が唱える「核心意識」について討議したようだが、胡氏自身がどういう発言したかはいっさい伝えられていない。

「会議が強調する」という形で、「習近平同志を総書記とする党中央と高度なる一致を保つ」との言葉が報じられているが、それは明らかに、「習氏が核心である」と明言することを巧妙に避けているものだ。

各地方の指導者が「習近平核心を支持する」と発言している中で、胡春華氏の広東省党委員会は実質上、それに対する無言のボイコットを行っているのである。そして胡氏の態度はそのまま、彼の背後にある「共青団派」の共通した思いであろう。

こうして見れば、習氏のための「核心擁立運動」は党内で強力な抵抗に遭っていることは明らかだ。

大きな抵抗を承知の上で、地方幹部を動員して無理やり「核心」になろうとする習総書記の拙速な動きは逆に、彼がいまだに党内を掌握していないことの証拠であり、その焦る気持ちの表れであろう。

もし、今度の「核心擁立運動」が中途半端な形で不発に終わってしまうのなら、党内における習氏の立場はむしろ「沈没する方向」へと向かうのではないか。
                   ◇
【プロフィル】石平
 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
産経ニュース【石平のChina Watch】2016.2.25




◆木津川だより 上津遺跡 A

白井 繁夫



「木津川」の左岸に鎮座する御霊神社を中心に東西約2万平方メートルの地域に広がる「上津遺跡(こうづいせき):木津町宮の裏」は、@回目に綴ったごとく、昭和51(1976)年の第1次発掘調査から昭和55年(1980)の第4次に亘る調査によって出土した、遺物(土器.瓦塼)や遺構等から、広く学会にも紹介されて上津遺跡が知られるようになりました。

しかし、この遺跡が初めて学会に紹介されたのは、先の大戦前の昭和13(1938)年に、
田中重久氏により、「伝誓願寺跡」と名付けられた時からです。『木津町史 史料篇 T』

田中氏は各地の遺跡や寺院跡を仔細に踏査し、発掘調査による出土古瓦等を研究した結果から誓願寺跡と推定したのです。

奈良朝の瓦(相楽神社蔵)が出土した現況、寺址として絶好の地形(川の水面より4m高い自然堤防の氾濫原)、出土瓦の文様は紫香宮や恭仁宮、即ち国分寺に等しいものがあり、国分尼寺は国分僧寺の付近にあるからです。(誓願寺は奈良時代の国分尼寺でした。)

当時の田中氏の瓦は散逸していますが、昭和51年(第1次)の出土瓦は恭仁宮と同笵瓦が出土し、当時の学界の状況から見れば、寺院跡としての判断は当然だったと思われます。

その後、高橋美久ニ氏のこの遺跡に対する新たな注目すべき視点です。

この遺跡付近の通称「上津:こうづ」が国府津(こくふつ→こうづ)に通じることより、津の遺跡即ち、「上津遺跡」と命名されたのです。

天武天皇が企画した唐の律令制度を取入れた本格的な都城「藤原京」から、和銅3(710)年に元明天皇が大和盆地の北端に新しい都城「平城京」を造営して遷都したことにより、奈良山丘陵の北側に位置する「泉津」は都の「外港」として重要な地位を得ました。

しかも、天平12(740)年に聖武天皇が恭仁京(くにきょう:木津川市)に遷都したことにより、都の造営事業に関係して、泉津の一角を占める上津遺跡には国の官衙や倉庫などの施設もできたと想定できますが、そこが木津川の自然堤防の氾濫原のため、千数百年間の長き年月人知れずに地中に眠ったままの状態で発見された遺跡なのです。

上津遺跡の発掘調査出土品の概要
★第1次調査(昭和51年3月 約440平方メートル)

遺物は弥生時代から近世までですが、奈良時代が最も多く出土しました。

弥生式土器(高杯の脚部長短2種の破片)、奈良時代の須惠器.土師器.瓦類.灰釉陶器.陶磁器.土馬など、出土品は平安時代のも少し出ましたが、奈良時代の遺物が中心であり、奈良時代の遺跡としての存在が実証されたのです。

特に軒丸瓦の文様が十七葉細弁蓮華文の出土は、恭仁宮(山背国分寺創建瓦)と同笵(平城宮V期)瓦です。(誓願寺跡:国分尼寺跡と推測した当時の田中氏の説、理解できます。)

★第2次調査(昭和52年2月〜4月、5月末〜7月末 約3010平方メートル)

2次調査は、上津遺跡の中心部(御霊神社)に隣接する北側の地域です。東西に長く伸びる溝など多数の遺構などあり、約3千平方メートルの期待を込めた発掘調査の結果は奈良時代の土器類や瓦塼など夥しい量の遺物や遺構が発見され、想定外の成果が得られました。

土器の中の最高級品と云われた鉛釉陶器の超珍品:奈良三彩陶器や何棟か建ち並んだ掘立柱建物跡など後述しますが、奈良時代の「泉津」(木津の港)に造営された官衙施設と推定される「上津遺跡」の評価を得るに足る多種大量の遺物が出土したのです。

★第3次調査(昭和54年10月3日〜翌55年2月末 約1810平方メートル)

3次調査は御霊神社の北西側、2次調査地の西側隣接地域です。前回調査と同様、調査地全域で遺物や遺構が多種大量に検出されましたが、遺跡の西限を確定できる塀や溝など遺跡の範囲を決めるものが検出できませんでした。遺跡の範囲はさらに西方に広がりがあるのかJR奈良線があり、遺跡の西の西限は不明です。

この遺跡は方2町(約2万平方メートル)を越える広い敷地を持っていたと思われます。しかし、都が平安京への遷都で、官衙(造宮省.木工寮)の官僚も移動したと思われます。

「奈良時代から平安時代の前葉まで銭司遺跡(木津川市加茂)では皇朝十二銭の和同開珎から隆平永宝(796年初鋳年)を鋳銭していました。

しかし、この遺跡では和同開珎(708年).万年通宝(760).神功開宝(765)の銭貨3種計41枚出土しましたが隆平永宝はまだ発見されていません。」(大寺院の泉木屋所は以後も存続するが、上津遺跡は衰亡したか?)

★第4次調査 昭和55(1980)年11月6日〜21日  約350平方メートル

御霊神社の東側、約350平方メートルと面積が狭いからか、まとまった遺構の検出は有りませんが、2次.3次調査と同様に多彩な遺物が出土しました。この地域も遺跡の主要部の一部分であると想定できます。

4次に亘る発掘調査で判明した遺構や遺物は想像を遥かに超えました。特に遺物は多種多彩であり、種別ごとに説明すると膨大な量の須惠器や土師器など含め長文になりますので、以下出土品名のみを簡略して列挙します。

◆土器 多種大量の須惠器と土師器が出土し、(須惠器が全体の60%で土師器が多い平城宮とは異なる)、その他の土器は小量ですが黒色土器.彩釉陶器.墨書土器.円面硯.転用硯.韓竈.土馬.製塩土器.など(鉛釉陶器:三彩の合子蓋:は陶器では類例がない珍品、金属器の同形態は法隆寺献納品、円面硯.須惠器杯類の転用硯は官人使用、土馬.墨書人面土器.韓竈は祭祀用です。)

◆金属製品 銭貨.帯金具.刀の鞘尻金具.鉄斧.刀子.楔.金銅飾金具.銅製獣脚付容器.海老錠の鍵など(帯金具.鞘尻金具など官僚の佩用具が出土)

◆瓦塼 軒丸瓦.軒平瓦.丸瓦.平瓦.文字瓦.塼ですが、丸瓦と平瓦の出土が最も多い。軒丸瓦  については2次調査出土瓦が中心です。1次調査で恭仁宮(山城国分寺創建瓦)と同笵瓦(平城宮V期瓦)が出土し、第3次では藤原宮式軒丸瓦(平城宮T期瓦)が出土しました。

泉津は奈良時代の都の玄関港として律令制度の確立に基づき全国から物資が集められました。

上津遺跡の官衙は、律令収奪体系の特徴とも取れる出土品:製塩土器は紀伊を中心とする東部瀬戸内地域や北部九州から中.西部瀬戸内地域産、煮沸用土師器は山城型.大和.河内.近江.伊賀.伊勢型等各地、須惠器も群別構成は平城宮のそれと同様の傾向を示しています。

上津遺跡は平城京の外港「泉津」におかれた「官衙」(官の施設)で最も活況を呈した時期は天平期の740年代と思われます。平城京の造営事業に関する国の出先機関(造宮省.木工寮)が天平12年から短命の都ですが、恭仁京の造営に最大の力を発揮したと思います。

聖武天皇は恭仁京において、国分寺造営の詔、墾田永世私財法を発令、大仏造立の発願等を行いました。しかし、この遺跡は奈良時代末に廃絶されました。その後、9世紀後半代のものが小規模ですが短期間あります。

ただし、泉津に在る南都の大寺院の木屋所や律令制度に基づく郡衙(相楽郡の役所等)はその後も存続しています。(了)      2016.2.28

参考資料:木津町史 本文篇、 史料篇 T、木津町
     木津町埋蔵文化財調査報告書 第1集 〜 第4集 木津町教育委員会 

2016年02月28日

◆私の「身辺雑記」(317)

平井 修一


■2月24日(水)、朝6:00は室温12度、ちょっと寒い、ブルーな曇。葬式で風邪を引いたか、くしゃみと鼻水。ハーフ散歩。

昨日は3年ぶりに電車に乗ったが、人混みとかスピード感に耐えられないになった。自分が肉体的精神的に劣化しているとも言えるが、人々の服装を見ると確かに豊かにはなっているものの、車内で本や新聞を読んでいる人はゼロ。皆スマホ。女子高生は知性どころか援交性痴性予備軍みたい。

大方の脳ミソは開店休業中か、あるいは岡田民主党、日共シールズの猿レベルに劣化しているのではないか。

わが街で見かける賢そうな子供はカリタス学園生だ。ただ、目が澄んでいる。疑うことを知らない、世の中が邪悪なことを知らない、現状認識ができていない。そんな感じ。かなりまずいのではないか。

カリタス「宗教についてどう思うか」

小生「・・・うーん、それは個人の好き勝手だろう。何を信じるのもいいけれど、信じないのも、軽蔑するのも自由だ。バカは宗教に淫する。ちょっと前までキリスト教は魔女狩りをしていた。ほとんど狂気だ。

ローマはキリスト教の狂気によって滅びた、皇帝アウレリウスも嘆いている。マキャベリも忸怩たる思いを語っている。それ以前の神々は光り輝いていた、キリスト以降はただの惨めな神になった。磔の像・・・醜い。

負け犬、敗者の宗教、キリスト教が救った人々よりも、キリスト教ゆえに死んだ人数の方が多いのではないか。ほとんどバカだ。諸君はそれで飯を食っている、恥ずかしくないのか」

カリタス「もういい・・・」

かくしてカリタスお受験の親子面接は大失敗したのである。人に宗教観を尋ねたり、支持政党を詮索するのはバカだろう。人はいろいろな価値観があり、多様性に満ちている・・・この基本が分からないから、ついに宗教は誰も救えない、何も解決できない。

現実を直視するというリアリズムがないのだから「解」を出せるはずがない。劣化というか知性、理性排除は宗教に限らない。そもそも人間も同様に本来は暗愚ではないのか。

お喋りは女の専売特許だと思っていたが、火葬場へ向かうバスの中で喋りっぱなしのヂヂイがいた。よせばいいのに周囲があいの手を入れるから、もう吉本興業、上方漫才、耳栓がないと耐えられない世界だ。

「老化」はついに「軽薄短小」と同義語になるか。女は可愛いが、男のバカは犯罪、公害だ。

米国大統領選挙のTVネガティブキャンペーンは、とてもえげれつ(えげつない+お下劣)で、子供に見せられないレベルだとか。一種の内戦だから敵を罵倒し貶める。敵を毒蛇だ、猿だと罵るのだ、米国はかつて日本をそう言って憎悪を高めたように。

(小生はキッシンジャーとかビル・クリントンを豚野郎と罵倒するが「=豚」とは思わない。ところがほとんどの米国人は「日本人=人間未満の猿」と思い、米国籍の日本人を荒野の檻に隔離した。70年たってもオツムが進化するはずはない。それは己を見ればよく分かる。IS含めて猿山の猿レベル、地球は「猿の惑星」、言い得て妙だ)

法政大学は昔はアカの大内、今はバカの山口が看板か。大内はそれなりの大物=虎、あるいはボス猿、山口はクソにたかる蠅だろう。蠅が看板では誰も入学しないのではないか、中共からの留学生以外は。昔「中核」、今「中共」・・・「教育は浮薄の普及なり」、緑雨の昔から変わらない。

猿と猿が縄張りを争う非常に醜い世界だが、それが現実なのだろう。「私は美の中に醜を見てしまう。私は醜の中に美を見つけて感動する。襤褸切れに残った美しい刺繍のような儚い美・・・」

荷風散人はこうして「墨東奇譚」を遺してくれた。我は何を遺せるのか。

義兄の葬儀での写真は「人を小馬鹿にした、斜に構えた上から目線」で、義兄の特徴をよく表しており、カミサンもNもそれなりに“感動”したようだ。小生もしかり。

美しく生きることは難しい。せめてひとつでも美しいことを遺せれば甲種合格だろう。中姉曰く「義兄はガンコで暴君で、闘病の2年間は大姉も子も皆大変だったけれど、子供にはずいぶん経済的支援をしていたようよ。あなたは子供3人、孫5人、家事もするから、いい夫、いい父親、いいオヂイチャンよ」。

先日めでたく(めでたくもなく)65歳になったが、「いいヂイヂ」だけで終わりそうだ。愛犬のように2、3日寝込んでポックリ逝きたいものだが、カミサンによると「昇天丸」はあるそうだ。

「モルヒネよね。意味のない延命治療はせずに、痛み、苦痛があればモルヒネをどんどん投与する。そうなれば意識もなくなり心臓も止まるから・・・ホスピスとか緩和ケア病棟とか終末期医療の現場はそういう方向よね。昔のように人工呼吸器とかチューブだらけにして延命させることはしないわ」

小生は2003年に胃袋を取ったが、その際にナースステーション隣の集中治療室には人工呼吸器で「生かされている」女性がいた。意識はないが看護婦は「オバタさん、どう? 元気?」なんて呼びかけていた。

元気なわけはないが、今はそういう(病院にとっては儲かるけれども、国が厳しく規制している)無意味な延命治療はしないのだろう。母も地元の病院から入院を拒否され、遠くの(日共系)病院からは2か月ほどで追い出された。

在宅介護は大変だったけれど、「公」に頼り切る時代は終わったのだ。意識が混濁する前に「昇天丸」を選べるようにしたらいい。

「静かな老後を」と思うなら慶弔の義理を欠いて逼塞するしかない。無理をすると体調を悪くする。

70歳前後でも大統領になりたい・・・「元気な老人=社会の迷惑」という感じもするが、米国のトップ=世界のトップで、頂上を極めたいという肉体的精神的パワーには畏れ入る。ヂイヂ同士か、ヂイヂ VS バアバ対決になるのか。いやはやスゴイ国である。

空母2隻は横須賀港で、海兵隊は沖縄で、しっかり抱きしめておいた方がいい。一種のヒ・ト・ジ・チ?

■2月25日(木)、朝6:00は室温12度、ちょっと寒いし、今朝もブルーな曇、霜の少し残る遊歩道を、滑って転倒しないようハーフ散歩。

米国は天下分け目の内戦中だし、難民禍のEUはタガが緩みっぱなし、中東
はドンパチ真っ盛り、アジアでは中共軍が周辺国を威嚇しまくっている(習近平は軍を統制できていない印象で非常に危険)。「明日をも予測できない世界」の感がする。

ブログargusakita2/23「近未来のリーダーの髪型はこれか?」から。

<6月23日のEU離脱に関する国民投票が決まったイギリスは、トランプが大統領になってしまいそうなアメリカとともに目が離せない。(平井:argusakita氏はトランプ嫌い? 政府による規制を嫌う超自由主義者、それとも無政府主義者?)

ここオーストリアは移民・難民の人数制限を決め、『女神メルケル』のドイツ寄りからヴィシェグラード・グループ(平井:V4、中欧のハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアの4か国)寄りになったかのようで、国境にフェンスを巡らすことをほぼ決めたようだ。

EUの中でも優等生的なポジションで、政治的な面ではドイツ追従でこれといった発言をしてこなかったオーストリアが、こういった大きな方針転換を打ち出すのは(筆者の印象では)非常に珍しい。

とにかく、EUは先週のEU首脳会議を見ても既にバラバラという印象で、EU首脳会議の成果を自画自賛するイギリス・キャメロンやトゥスクEU大統領の言葉とは裏腹に、実際に決まったのは次回の首脳会議開催とトルコの参加くらいのものだ。

首脳会議で一定の譲歩を引き出したとするキャメロンのイギリスでのドヤ顔がやたらTVニュースに出るが、ここ数か月はこのイギリスのEU離脱に関する国民投票の話題が続くだろう。

そもそもキャメロン(一応離脱反対の立場)が置かれている状況が興味深い。キャメロンの所属する与党・保守党は離脱賛成が多数派だが、野党の労働党、SNP、ウェールズ民族党と自由民主党は離脱反対とネジれている。

実におかしな構図だが、これを端的に表しているのがロンドン市長のボリ・ジョンソン(保守党、離脱賛成派、自転車通勤で有名、キャメロン同様庶民院の国会議員)である。(平井:キャメロンの後継者らしい)

イギリスはかつて産業革命を起こし世界の工場となったが、第一次大戦後アメリカにその役割・地位を奪われ、第2次大戦後は欧州の病人(英国病)と呼ばれるようになった。

それが特にサッチャー以降製造業中心から金融業中心へとシフトし、アメリカのウォール街と並ぶようになった。その中心がシティであり、今や新自由主義の巣窟と言える。

1992年のEU発足によって通貨ポンドの独自性を死守したものの、ヒト・モノ・カネの自由な往来はEUによって制約を受けるため、長年シティの不満が溜まっている。このはけ口(?)ともいうべきアクションが、支那のAIIBへの積極的参加である(当然、支那を食い物にしようとしている)。

イングランド銀行の独自性を要求し、EU内の後発国(南欧や東欧)の支援や債務に対する責任をイギリスは負わないことなどを求め、それが叶わないならEU離脱するぞと脅しで迫る今回のイギリスの要求は、まさにシティの新自由主義者達の要求そのものとも言える。

キャメロンは次期首相にはならないことを公言しているため、シティの連中の票を得ることが目的ではないものの、アメリカやドイツの影が薄くなってきた今、大英帝国の夢をもう一度と考えているように見えるのは間違いではなさそうだ。

しかし、後継者とされるボリス・ジョンソンがEU離脱派のため、実際に国民投票が行われた場合の結果は今は全くわからない。最新の世論調査ではEU残留賛成が51%、離脱賛成派が49%とされる。

もし離脱となれば、スコットランドはまたまた独立+EU参加を持ち出すだろうし、移民・難民反対の右派独立党なども勢いを増しそうだ。

とにかく、イギリスの動きはEUの近未来を決め、もし離脱となれば盟主ドイツの地位、ひいてはメルケルの立場も危うい。

それにしても、ボリス・ジョンソンとアメリカのトランプ。21世紀のニューリーダーはこんな髪型が流行りになるのか・・・↓>(以上)

https://argusakita.wordpress.com/

ユーラシアグループによる「2016年のTop10リスク」は、1)同盟の空洞化、2)閉ざされる欧州、3)中国の波紋、4)ISISと仲間たち、5)サウジアラビア、その他にトルコ、ロシア、ブラジル、北朝鮮などだった。

米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」による人類滅亡までの残り時間を示す「終末時計」は「あと3分」とか。今年は「あと2分」になりかねないのではないか。

カーナビに頼り切ってまったく違う場所に行ってしまうドライバーは珍しくないそうだが、世界中のナビゲーションシステムがおかしくなってしまった感じがする。

一歩間違えば地獄という、まるで地雷原のような危険な世界。地域で結束して対処するしかないが、隣国同士は大体トラブルを抱えているから容易なことではない。

トランプ米国は世界の警察官に復帰するか、日本はアジアの警察官になれるのか。中共包囲網を創らなければ身動きできなくなる。行動しなければ危険は増すばかりだ。

■2月26日(金)、朝4:00は室温14.5度、ちょっと寒い。久し振りに朝湯。湯につかるのは2年振りか。きれい、さっぱりした。4歳男児以外の子・孫は機嫌よく帰っていった。洗濯は2回まわし。

今朝は久し振りの快晴、ハーフ散歩。午後には区役所に赴き個人番号カード受領。「マイナンバー」という表現はボツになったようだ。Tell meyour "my number" これではなんか変だし。

岡田民主党は党名を変えて野党を糾合するとか。何をしたいのか、まともな政策がないから全然分からない。ただ中共に代わって安倍政権の足を引っ張りたいのだろう。ボツにしたい人々だ。

『WiLL』(ワック)の花田紀凱編集長(取締役)が飛鳥新社に移籍するそうだ。鈴木隆一社長とそりが合わなかったのか、お山の大将は1人でいいということなのか。鈴木社長はかなりやり手のようで、ブログ「薔薇、または陽だまりの猫」にはこうあった。

<『WiLL』を作っているワック・マガジンズの社長は、元『フォーカス』にいた鈴木隆一氏であり、彼は91年に立ち上げた広告代理店「ウイルアライアンス」の社長でもある。

ウイルアライアンスのホームページには、クライアントとしてトヨタやソニーなど名だたる企業と並び、東京電力が入っている。新潮社時代の東電との関係が、そのまま『WiLL』の膨大な広告量につながっていくのだろうか>

現在のウイルアライアンスのサイトによると、主な取引先には東電は記載されていないが、NTTグループ、科学技術振興機構、JRグループ、ソニー株式会社、トヨタ自動車、日本自動車工業会とある。

大体、社内のトラブルは「金目でしょ」が多いだろう。「もっと報酬を上げてくれ」「いや、もう限界で・・・納得してもらえないのなら、どうぞお好きなように」

こんなところかもしれない。役員は退職後に一定期間「類似業務には就かない」というシバリをかけられることがあるそうだが、花田氏の場合はどうなのだろう。飛鳥新社で花田氏が創刊する雑誌は『WiLL』と似たようなものになるのかどうか。

出版業界は少子高齢化や活字離れで構造的な斜陽産業だから、購読者が安定するまでは大変だろう。ボツにならぬことを祈る。(2016/2/26)


       

◆中国最大財閥の「万達集団」は

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)2月27日(土曜日)通算第4831号> 

 〜中国最大財閥の「万達集団」は共産党高層部と株で繋がった{股友}。
   株式公開前に大量の株を高層部に提供〜

万達集団は大連が本社である。摩天楼のような本社ビルが中山公園から大連港へ行く道に聳えている。筆者も三年ほど前に大連滞在中、タクシーをとめてビルを撮影したことを思い出した。

万達集団は最初は不動産開発で成り上がり、デベロッパー主体からビジネスを多彩となして、まずは米国の映画館チェーンの買収を手始めに、中国全土でも映画マルチセアターのチェーン化、レジャーランドの建設に手を広げ、直近ではハリウッド映画買収へと派手なパフォーマンスで世界的に知られる。

同社CEOの王健林は、中国富豪のナンバーワンである。

中国最大財閥の「万達集団」は共産党高層部と株で繋がった{股友}だったのだ。(「股友」とは株仲間。「股」は株式の意味)。

習近平の姉、齋橋橋は香港に陣取って、夫のトウ家貴とともに「泰川太地公司」などコングロマリット企業を経営することで知られるが、2009年に万達集団の未公開株式を2860万ドルで買い入れており、13年には、その株価は2億4000万ドルとなった。10倍近い!

温家宝前首相の息子、温雲松は「インサイダー取引の帝王」と言われる。

彼は2010年に万達集団の株式を大量に購入し、2013年現在、時価が5億2000万ドルに膨らませていた。

同じく温家宝の娘、温如春の持ち株時価が2億5000万ドル。温如春は別名、常麗麗という。北京に登記された不動産会社の役員欄に、この常麗麗の名前があるという。

賈慶林(江沢民政権で政治局常務委員)の女婿、李泊漂は2010年に900万ドルを投じて万達集団の株式を購入し、現在の時価は1億3100万ドル。

そのビジネス・パートナーである藩永武はもっとも早く2007年に20万ドル以下の資金で購入し、2億5000万ドル。大化けの典型で、このあたりから中国共産党高層部の太子党に万達株式のインサイダー取引が拡大したのだろう。

王兆国(政治局員)の息子、王新宇が、これらの太子党メンバーの中ではもっとも早くに万達集団の躍進と将来性に目をつけ、2007年に50万ドル以下の金額で購入した株式は、2013年現在6億4000万ドルに達していた。トップの成績を上げていることが判明した。

共産党トップとの深いコネクションを利用して商圏を拡大するという手口は中国特有のものであり、薄煕来の失脚に連座して逮捕され、獄中で急死した徐明の遣り方も同じである。

徐明も大連を地盤に「大連実徳集団」を経営し、薄と仲間の周永康に美女を斡旋するなどして、自家用飛行機を乗り回して世界中を飛び歩いた。

これらは1年前のニューヨークタイムズ(15年4月)に一度報じられたものだが、2016年2月23日に香港メディアが文献証拠を入手できたとして改めて報道したもの。それを在米の「博訊新聞」も同日付けで伝えた。
 
大富豪が共産党の利権に深く?がり、またそういう相関関係がなければ、つまり党の庇護がなければリスキーな商売は展開できないのである。 底知れぬ北京の闇の奧。
    

2016年02月27日

◆「外交・安保」手抜きは危険

平井 修一



羹(あつもの)に懲りてなますを吹く・・・安倍氏は昨年は安保法制をめぐってアカのバッシングを受け、どうにか法案成立に持ち込んだが、かなり消耗したのではないか。

軽減税率、支那発の世界的経済不安、アベノミクスの停滞、参院選 or W選などの課題があり、今年は「外交・安保より内政重視」のような印象だ。しかし、中共の軍事的脅威は高まりこそすれ、低くなっているわけではない。日本と周辺国の国民の「生命と財産を守る」ことは、政権の取り組むべき最優先課題であることは少しも変わっていない。

山口さんちの晋三君、この頃少し変よ。甘利氏辞任事件などもあって、このところ精彩がないような印象だが、どうなんだろう。疲れてきたのか、体調が悪いのか・・・

北村淳氏の論考「日米両首脳はなぜ中国の脅威から目を背けるのか 安倍首相もオバマ大統領も現状認識が甘すぎる」(JBプレス1/28)から。

<安倍首相の施政方針演説では、日本を取り巻く緊迫した軍事情勢と、それに対する政府の基本方針が全く語られなかった。さすがに安倍政権寄りの一部日本メディアも、その姿勢には少なからぬ危惧の念を表明していたようである。

だが、それらのメディア以上に不満を口にしているのが、極東軍事戦略に携わるアメリカの軍事関係者たちだ。

*日本を取り巻く不穏な情勢への言及は?

米海軍関係大学院で極東戦略の教鞭をとる退役将校は次のようにこぼす。

「安倍政権は昨年、国民的議論として盛り上がった安全保障関連法案を成立させた。その際、せっかくリーダーシップを発揮した(アメリカの軍関係者たちの目から見てだが)にもかかわらず、その後は日本の具体的な国防政策に目立った動きが見られない。安倍首相の施政方針演説でも、安全保障関連法制に基づいた国防戦略や具体的方針などへの言及がなされなかった。

アメリカと違って、スローテンポでじわりじわりと政策転換を進めていくのが“日本方式”なのかもしれない。しかし、日本を取り巻く軍事情勢は急展開している。日本国内の内政問題と違い、相手が外国勢力である軍事外交に“日本方式”は危険ではなかろうか?」

たしかに、昨年(2015年)末から正月を挟んでのわずかの期間だけでも
以下のような出来事が立て続けに起きている。

(1)中国海警局の重武装巡視船が尖閣周辺海域に出没を繰り返す。

(2)中国海警局の超大型“モンスター巡視船”が尖閣周辺海域と南沙諸島海域に同時に展開できる態勢が整う。

(3)南沙諸島の中国人工島に建設されていた3000メートル級滑走路が運用可能な状況に立ち至った。

(4)北朝鮮が水爆実験と称する核実験を実施した。

(5)中国人民解放軍が、日本が大金を投じてアメリカと共同配備を進めている弾道ミサイル防衛システムを打ち破る能力を持った極超音速グライダーの開発に成功していたことが確認された。

(6)日本を射程圏に収める各種長射程ミサイルを開発し配備する司令塔である「人民解放軍第二砲兵部隊」が「人民解放軍ロケット軍」に改組され、さらに強化された。

(7)ロシアが中国人民解放軍に対して、世界最強戦闘機の1つと言われているSu-35戦闘機の本格的な供給を開始した。

このように日本に直接悪影響を及ぼしかねない軍事情勢だけでも、次から次へと発生しているのである。

しかしながら施政方針演説では、日本の領土領海が脅かされている東シナ海情勢についてまったく触れなかった。日本に対する様々な軍事的脅威を強めつつある中国人民解放軍についての言及もなされず、南沙諸島をはじめとする南シナ海情勢も無視された。

*オバマ大統領も中国軍の動向に触れず

南沙諸島での人工島建設や軍事拠点の設置をはじめとする中国による南シナ海支配態勢の加速度的進展状況に関しては、オバマ政権も口をつぐんでしまっている。

安倍首相の施政方針演説に先立つ1月12日に行われたオバマ大統領の“最後の”一般教書演説でも、珍しく国防問題に関してはあまり言及がなかった(安倍首相の施政方針演説よりも、演説全体に占める割合は大きいが)。

アメリカの大多数の政治家や軍関係者たちにとって最大の国防問題は中東問題・対テロ戦争である。しかし、それらに対してすら、米海軍関係者の口を借りると「ほとんど中身のあることは述べられていない」。

したがって、オバマ大統領が今回の一般教書演説で、中国や北朝鮮の軍事動向、あるいは中国・北朝鮮周辺の同盟・友好諸国に対する軍事的脅威に関して触れることがなかったのは当然だったと言えよう。

しかしながら、アメリカ海軍関係戦略家たちの間では、アメリカ海軍力の低下が真剣に取り沙汰されている。そして、それ以上に海兵隊や陸軍など地上戦力での戦闘力低下に対する危惧の声が上がっていることも事実である。

もちろん、軍内部からのそのような声があがるのは、予算確保と人員削減への牽制、といった思惑がないわけではない。しかしながら、軍事関係シンクタンクや軍教育機関の研究者の多くも、オバマ大統領が切り捨てた「敵勢力が強力化しつつあり、米軍戦力が弱体化しつつある」という“レトリック”を、具体的データを基にして論じている。

例えば、「中国が南シナ海で人工島を7つも建設した」「軍用滑走路を3本も完成させた」「アメリカ空母を撃破する対艦弾道ミサイルを実用化した」「アメリカの弾道ミサイル防衛システムを打ち破る極超音速グライダーの開発にこぎつけた」といった数々の事実が、今、アメリカの眼前に突きつけられている。

そうしたいずれの脅威も「世界最強のアメリカ軍にとっては恐れるに足りないため、一般教書演説では無視し去ったということなのだろうか?」と、オバマ大統領の対中姿勢に対する疑問の声も少なくない。

*頼みの綱のアメリカが本当に抑止力となるのか?

日本政府、とりわけ安倍政権にはあまりにも現状を甘く見ている姿勢が見受けられる。「日米同盟という“枠組み”が波風立たずに維持さえされていれば、アメリカ軍という“虎の威”に中国は恐れをなして、日本に対する軍事攻撃や軍事的圧迫を思いとどまる」と考えていると見なされても致し方がない。

しかし、いくらオバマ大統領が「現在もアメリカ軍が世界最強である」と強調しても、東シナ海戦域、南シナ海戦域、東北アジア戦域といったように、局地的軍事紛争を考えた場合には「アメリカ軍最強論」こそレトリックにすぎない状況になりつつある。

今回の安倍首相の施政方針演説だけが日本の国防政策の表明ではないが、「日本自身がどのような国防戦略を実施するのか」という基本方針を明確にしないで、ただ「日米同盟を維持することによって抑止力を確保する」と繰り返しているだけでは、決して真の抑止力は生まれない>(以上)

仏作って魂入れず。「日米同盟」を仏壇に飾って拝んでいても抑止力にはならない、具体的な外交・安保政策の推進は政権の取り組むべき一丁目一番地の課題だ。欧米の政権がどちらかというと「中共の脅威に鈍感、商機に敏感」である今、日本は率先して周辺諸国との結束を強めなくてはならない。

Financial Times 1/28「中国の意図を知る手がかりは米国海軍の歴史にあり 修正された軍事ドクトリンが意味すること」から。

<今年に入って中国から流れてきたニュースと言えば、株式市場の下落と不安定な為替相場の話ばかりだ。だが、あまり報じられていないが、上海総合指数の急落や人民元の値下がりと同程度のインパクトを世界に及ぼしかねない北京発のニュースがもう1つある。中国は指針としている軍事ドクトリンを静かに修正していたのだ。

国有メディアの環球時報は今月、この新しいスタンスの要約をきびきびとした調子で伝えていた。

これによると、「我が国の軍事力の強さは世界に示されなければならない」という。また、「軍隊が強ければ、中国はこれまで以上に政治的に魅力のある、そして影響力も説得力もある国になれる。ネットワーク作りも容易になるだろう」と論じている。

*「韜光養晦」の終わり

このようなタカ派的姿勢は、1970年代後半以降の中国の外交政策を規定してきた「韜光養晦(とうこう・ようかい)」、すなわち「己の能力を隠し、時機が来るのを待つ」という方針が事実上終わりを迎えたことを示している。

この方針転換は実は数年前から始まっていたが、人民解放軍が年初から発表している一連の声明で、新しいドクトリンが「積極防御」という概念に集約されていることが明確になってきた。

中国国防省のウェブサイトで今月、ある発表がなされた。ほとんど注目されなかったが、海軍所属のあるトップクラスの計画立案者はこの中で、「21世紀の海のシルクロードに沿った航路」を守る中国初の国産空母建造計画を明らかにしていた。

中国政府の公式定義によれば、この海のシルクロードには、中国の東の海岸線とイタリアのベニスの間にあるものすべてと、その途中にある戦略の要衝が含まれる。どう見ても、これは中国の海洋防衛ドクトリンの途方もない拡張である。自国の領海を守ることに的を絞っていた以前のドクトリンとは大違いだ。

中国がこれらの航路のいずれかを支配する能力をまだ持ち合わせていないことは明らかだ。人民解放軍の海軍と空軍は今のところ、中国が自分のものだと主張している南シナ海や東シナ海の領域で活動する米国や日本の船舶・航空機を停止させることはできない。

しかし、中国がその軍事活動の範囲を広げたがっていることは誤解の余地がない。中国の経済活動がますますグローバル化していることを考えれば、これは論理的な行動でもある。

これに米国政府がどう対応するかが、今日の世界で最も重要な外交政策問題だと言えるだろう。

残念なことに、中国の不透明さと西側諸国の知識のなさが相まって、中国が何を望んでいるのか、そしてそれをどのように手に入れる計画でいるのかを十分に把握している人は、中国政府の内部で政策立案に携わるエリートを除けば、ごくわずかだ。

外国の観測筋が「穏和で平和を好む中国」という空想を繰り返せば繰り返すほど、中国の台頭は大きな脅威になる。西側の政策立案者は北京から出てくる巧言に耳を傾けるのではなく、「中国が実際にやっていること」に注意を払うべきだ。近代中国の文化、政治を形作っている作用について、従来よりずっと深い理解を育む必要がある。

*米国が歩んだ道

ほかの興隆する大国の歴史は示唆に富んでいる。今日の中国のように、米国もかつて明確に帝国主義と拡張主義の概念を否定した。

米国の世界的優位の時代は、ほかの大半の帝国と同じように始まった。自国領土から遠く離れたところにいる商人や市民を守る必要性から始まったのだ。

19世紀初め、生まれて間もない米国政府は北アフリカの沖で海賊と戦うという具体的な目的のために最初の公式海軍を立ち上げた。その結果、米国で最も古い戦争記念碑は、アナポリスの米海軍兵学校の敷地内に立つ、第1次バーバリ戦争(1801〜1805年)の英雄を称えるトリポリ記念碑だ。

中国の場合、過去600年以上の間で初めて領海外へ軍艦を派遣したのは2008年のことだ。その任務は何だったか? アフリカ沖でソマリアの海賊と戦うことである>(以上)

大国は安全保障上、地域覇権(縄張り)を求める。中共は東・南シナ海を制覇し、さらに西太平洋、インド洋でも覇権拡張を進めるだろう。彼らの国益は我らの脅威になる。油断することなく迎撃の体制を強化しなければならない。

中共を信じる国は蹂躙され(朝鮮戦争)、中共を警戒する国は侵されない(中越紛争)。これは一つの史実である。(2016/2/26)

◆早くもトランプ政権の誕生を予測

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)2月26日(金曜日)弐通算第4830号 >

 〜英紙『ガーディアン』、早くもトランプ政権の誕生を予測
  「トランプは『最初の百日間』に何をするか」のシナリオを提示〜

「最初の百日」というのはアメリカの不文律で、大統領就任式から百日間は大統領を攻撃しないで、出だしを観察する。

メディアと行政トップとの蜜月でもある。

英紙『ガーディアン』(2016年2月25日)は、早々とトランプ政権の誕生を予測し、その陣容と政策とを「トランピズム」と銘銘している。 (チト気が早いのでは?)

 11月8日の大統領選挙本番で、民主党候補をトランプが破り、大統領になる可能性はもはや「決して低いとは言えない」と同紙は書き出し、もしトランプ政権が誕生した場合、1月20日の就任式以後、かれは何から先に手を付けるかという予測記事を掲げた。

まずは最高裁判事の人事である。

保守穏健派のスカリア判事が急死のあと、欠員をオバマはリベラル派から撰ぼうとしているが議会の反対は目に見えており、新政権までもたつく。したがって、トランプは最初に保守主流から最高裁判事を選ぶだろう。トランプは選挙前にも「中絶に反対」の立場をとっており、リベラルな思想には対決的である。
 
ついで政権を固める人事だが、トランプはルビオやクルーズを閣僚に取り入れる可能性もあり、ベテラン政治家をホワイトハウスに配置するだろう。それは彼が『私は政治家ではない。だから政治家が必要だ』と繰り返しているように、周囲を政策通のベテランで固め、政権運営を円滑化させるだろう。

さて難民問題、不法移民に対してどうでるか。

オバマは屡々議会の反対を飛び越えて、大統領命令で政策を強引に実行しようとして、結局は議会の猛烈な反対でいくつかのオバマケアは潰されてしまった。

トランプも時と場合によっては大統領命令で議会の意向を無視する行為に出るかも知れないが、難民問題、不法移民は米国に1400万人も存在しており、すでに既得権益でもあり、強力なロビィ集団があって短時日には解決できない。

外交ではイランと中国へいかに出るか。

イランとの核合意、制裁解除についてトランプは反対の立場を明確にしており、イランとの再交渉が考えられる。

中国とは貿易摩擦を目の前に、トランプは盛んに「私が大統領になったら初日に中国を『為替操作国』と認定する」と発言してきた。

南シナ海の係争に関して目立った発言はないが、「偉大なアメリカを再現する」と叫んでいる以上、オバマ政権のような微温的態度では臨まないだろう。

またロシア、シリア、北朝鮮など強硬姿勢をくりだすものの中味は曖昧であり、トランプは「個人的にプーチンとは馬が合う」と言ってみたり、オバマのキューバへの急激な傾斜へも取り立てての反論をしていない。問題はグアンタナモ基地返還に待ったを掛けるだろう。

イスラム排撃は、ポピュリズムの極端なアピールだが、そもそも移民の連邦国家がアメリカであって、WASP主流という考え方はもはやない。たとえトランプ好みの最高裁判所人事がなろうとも、イスラム排撃などという極端な政策は実行不可能であり、そのことはトランプ自身がよく認識している筈だ。

以上のシナリオを英紙が描いているわけだが、問題はトランプの勝利を、米国の政治通ばかりか朋友英国のメディアも深刻に認識し始めたというポイントにこそ注目するべきだろう。
   

◆アメリカの沈没?

Andy Chang



オバマがアメリカをダメにしたのは誰でも知っているが、アメリカの沈没は次の大統領が国をもっと悪化させると思われるからである。

共和党主流はトランプの暴走を抑えられずパニックに陥っている。民主党側はヒラリーが優勢だがヒラリーは罪状を幾つも抱えているし、サンダースは社会主義的な主張は国民の支持は低い。トランプは暴言で人気が高いが当選したら暴言は首枷(くびかせ)となる。
オバマが国を目茶苦茶した。エスタブリッシュメント(政治体制)はオバマ同様にダメだから民衆は反体制となった。

民衆は反体制を支持する。共和党主流はトランプ嫌いだがトランプの暴走を止められない。民主党の候補はヒラリー、サンダース両方とも問題がある。「

トランプが、或はヒラリーが次期大統領となったらアメリカはどうなるか。アメリカの沈没は予期できる。アメリカが沈没すれば世界の情勢はどうなる?中国、ロシアの覇権進出、中東のISISテロと戦乱、欧州は難民の怒涛で沈没。

●共和党の失策

共和党の失策はトランプを軽視していたこと、次にトランプの暴走をストップできなかったこと。共和党体制はトランプに対抗できるテッド・クルーズを支持せず体制主流に近いマーコ・ルビオを支持したが、ルビオは妥協的でクルーズのように主張が明確でない。

体制派がテッド・クルースに反対したのは彼が直接税制を主張したからクルーズをトランプと同じような反体制(アンチ・エスタブリッシュメント)としたのである。直接税を導入すれば多くのスキャンダルを抱えている税務署を廃止し、税収の増加、公務員の削減、
国費の節減、多くの税問題をなくせる。体制派は直接税に反対だ。だから主流派はクルースを攻撃してルビオ支持に回り、トランプを放置している間に暴走が始まった。クルーズを支持せずルビオを支持したのは共和党本部の大失策である。

民間ではトランプ反対者は50〜70%と言われ、彼が共和党の候補者となれば共和党の支持者も反対が多く当選は無理だろう。

●民主党の抱えている難題

民主党はこれまでヒラリーの勢力が強すぎて競争相手が居なかった。ところがヒラリーは国務長官時代に個人のスマホとサーバーを使用しただけでなく、スマホは合法だとか国家機密のメールは一切なかったとウソの強弁を繰り返し、ベンガジ事件も未決である。ヒラリーはまだ起訴されていないが国民はヒラリーを信用できない。

ヒラリーの人気は高いが、起訴されたら選挙どころではない。ヒラリーは嘘吐きで信用できない。50〜70%がヒラリー反対である。

一方、サンダース上院議員は民主党員でなく無党派である。しかもサンダースは社会主義で大きな政府、富の分配、金持ちは90%の税金を支払えと主張している。経済界は彼を支持しない。

●アメリカの問題

アメリカはいろいろな問題を抱えているが、国民は民主党より共和党に期待している。でも、共和党優勢の国会はオバマ独裁をストップできず、トランプの暴走も止められない。

トランプはメキシコ国境に塀をめぐらしメキシコが費用を払えと言う。また、中国と日本がアメリカ人の雇用を奪ったと言う。千万人以上の違法入国者を強制送還すると言う。回教徒の入国を禁止すると言う。こんな阿呆が大統領になったらアメリカは世界を敵に回す
ことになる。

共和党はルビオ支持に回ったがトランプの暴走を止めることが出来なくなってパニックに陥った。こんな事態になっても共和党の党首Priebusはまだ大丈夫、トランプをストップ出来ると呑気なことを言っている。狂人トランプをストップできなかったらどうなるか?

民間ではトランプとヒラリーの一騎打ちならヒラリーが勝つと言う。ヒラリーは国務長官の経歴があるし、クリントンの勢力はまだ衰えていない、トランプのように金と暴言で勝負するのとは違う。でもヒラリーのような嘘吐き、犯罪者が大統領になったらアメリカの信用度は限りなくゼロに近くなる。その反面トランプが大統領なら世界を敵に回す。どちらにしてもアメリカは没落する。

スカリア最高裁判事が死亡し、大統領は新判事の指名権があるが、国会は反対権を行使すると言う。上院議長は新しい大統領が選出されるまで待つべきだと言明した。つまり最高裁判事の指名は保守とリベラルの戦い、選挙で大きな影響力を持っているのだ。

オバマはアメリカの分裂を作った張本人である。民主党と共和党の分裂、黒人と白人の闘争、保守とリベラルの分裂、金持ちと貧乏人の分裂、自由と独裁の分裂。あらゆる方面で分裂を作って国政を悪化させた。オバマは国民の反体制感情を作り上げたのである。

トランプはオバマよりもっと悪い。国民が体制に反対したのはオバマの責任だが、トランプは敵を作り塀を作り無責任発言を繰り返して反政治、反体制の民衆を味方につけたのである。ローマ法王がトランプを批判して「塀を作って橋を作らない(反対者を拒否し、協
調をしない)者はクリスチャンではない」と言ったら、トランプはローマ法王を恥知らずと罵り、ルビオもトランプに同意した。

アメリカの将来はどうなる?オバマはアメリカの衰退を作ったが、次の大統領が嘘言や暴言のヒラリーやトランプならアメリカは沈没する。アメリカの沈没で21世紀の世界は群雄割拠となるだろう。

    
  

2016年02月26日

◆中国に効果的な制裁の選択肢

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)2月25日(木曜日)通算第4827号 > 

 〜中国に苛立つ米国だが、効果的な制裁の選択肢は限られている
  王毅外相「南シナ海は中国領だ」とケリー国務長官に開き直り〜

2月23日、米中外相会談は、北朝鮮への制裁国連決議についてのみ、合意が得られたが、西砂、南沙諸島の人工島埋立て、最新鋭のレーダー配備などの中国の侵略的行為の撤回など米国の要請に、中国は一切、聞く耳を持たなかった。「あそこは中国領であり、防衛は当然の主権行為、挑発して軍艦を派遣したりしているのは米国だ」とあべこべに開き直った。

パラセル(西沙諸島)の永興島へのレーダー配備にしても「かなりの高性能で米軍のF22などステルス機さえ無効とするシロモノ」とCSISのレポートやワシントンタイムズの辣腕記者、ビル・ガーツも警告を発している。

 従来、米国で議論されてきた中国制裁論に対してメディアの論調などは、「賢明でないばかりか、米国がそういう措置を施すような可能性が見えてこない」というもので、もっと犠牲コストがかからない範囲内で、効率的方法があるだろう、と議論されてきた。

 財務省は中国が米国の赤字国債を1兆2000億ドルも保有しているため、市場で投げ売りされると困るとばかり、むしろ北京の顔色をうかがってきたほど卑屈だった。本来なら在米資産凍結を言えば、中国の保有する国債も凍結出来るのだが、そのことを財務省は口にさえしなかった。
 
ロシア、イラン、北朝鮮に対して課してきた金融制裁はそれぞれ効果があり、ロシアは新興財閥の資金移動が難しくなった。イランは在米資産の凍結により国際的ビジネスが停滞、経済は後退した。金額は問題外だが、北朝鮮のマカオに於ける銀行資産凍結は、北の孤立を決定的とさせ、それぞれ効果があがった。

 しかし対中制裁は「「米中貿易、人的交流などが強大すぎる」ために制裁の対象はきわめて限定的にならざるを得ない。

 最近では米国の国家機関、大手企業から大学、ペンタゴンに到るまで中国からのハッカー攻撃に曝され、南シナ海の軍事的暴走がくわわって米国では中国制裁論がたかまりをみせているのだが、何一つ決定的な措置はとられず、苛立つ共和党候補者等は、中国制裁を合唱する。

 また『中国崩壊論』で気を吐くゴードン・チャン(中国名=章家敦)などは、
「崩壊は半年以内におこる」などと言い始めている。
 
その根拠は人民元暴落、企業倒産、失業増大が経済活動に致命的な打撃をあたえ、社会擾乱から暴動の頻発による中国共産党の崩壊にいたると、日本での議論に重なるような展望を語っている(多維新聞網、2016年2月24日)。

 国家安全保障に関して、ハイテク流失の懼れが高い企業買収にのみ、米国当局が関与して買収案件の白紙化を一部に実現した。 国家安全保障に脅威となる中国の行為に対してのみ、米国は神経質に、しかし迅速に適切な反応をする。


 ▼ロシアやイラン制裁と同様な制裁は効果が疑わしい

さてそうなると、効果的な対中制裁にはいかなる選択肢が残されているのか?

リビアやロシア、イランは産油国であるがゆえに、その方面の輸出を国際的合意で、制限するという制裁は効果を挙げた。

しかし中国は産油国なれど、同時に世界一の原油輸入国であり、ロシア、イランと同様な方法は無効であるばかりか、関係各国の経済をも痛めつける懼れがある。

だから台湾への武器供与をオバマ政権がきめると中国は対米制裁にでたが、中味はロッキードマーチンなどとの取引停止だった。ロッキードマーチン、レイセオンなどは中国への輸出を禁じられているから、中国の対米制裁はレトリックだけで、現実のビジネスはなんらの被害も被らない。

グーグルなどは中国から撤退するが、居残る米国企業が、今後の報復制裁を中国がはじめるとすれば、真っ先の対象となるだろう。

それゆえ米国はつねに神経質に冷静に、制裁のオプションを探ってきたのである。

『ナショナル・インタレスト』最新号に拠れば、在米の中国人五名をハッカーによる情報の党首容疑で逮捕状を執行したように、個別のケースにより、個人もしくは個別企業のみを対象として、制裁を施すという方法が、いまのところ、もっとも有効で、日本が受けたレアアースの突然の輸出禁止など、一部のアキレス腱をねらう報復を中国はかならず行うが、反撃されても被害の少ないという計算のもとに制裁の選択肢を考慮するべきだと米国の専門家が議論しているという。

迂回路ながら、米国が検討をはじめているのは個々の企業への制裁である。

たとえば西砂、南沙諸島周辺に海洋リグ工事をしているCNPC(チャイナペトロ)やCCCCG(中国通信建設集団)などを名指しで制裁すると、当該企業は事実上、上場予定を止めなければならなくなる。社債の格付けが低下して資金調達が難しくなり、その下請けや関連企業も株式の下落が不可避的となる。

こうした金融面での締め付けが効果をあげるだろうと米国有数のシンクタンクが議論している。

◆亡国招いた支那の技術軽視

平井 修一



著作家・宇山卓栄氏の論考「世界遺産で見る、宗教で栄えた国・滅びた国」(東洋経済2/21)から。

<ピラミッドやアンコール遺跡群は、宗教が経済を牽引した成功例として、今日に残っている遺跡ですが、宗教によって、国が崩壊した失敗例として残る遺跡もあります。その代表が北京の紫禁城です。

紫禁城は15世紀以降、約490年間、明、清王朝時代の王宮でした。現在では、「故宮」と呼ばれます。約72万m2、東京の皇居の約3.5倍に相当する広大な敷地に、9000近くの部屋があります。

中国では、北極星を「紫微垣(しびえん)」と呼びます。絶対中心・動かざる天を意味する「紫微垣」から、「紫」は皇帝を表す文字となります。皇帝の宮殿を表す「紫宮」と、庶民の立ち入りを禁じた「禁地」を重ねた「紫宮禁地」から、紫禁城と呼ばれるに至ります。紫禁城で、皇帝は絶対権力を行使し、中国全土に指令を発しました。

明、清王朝は儒教を国の宗教として定めました。儒教は、君主と臣下のわきまえるべき分を説く「君臣の別」と呼ばれる考え方を持ち、臣下に絶対的な服従を求めます。この考え方は、中国を中心とする周辺諸国に対し、中国への服従を求める中華思想として強化されていきます。

*交易のチャンスを逸す

紫禁城の中央に、太和殿、中和殿、保和殿の三大殿が並び立ちます。太和殿は三大殿の正殿で、歴代皇帝の即位式をはじめとする宮廷の重大な式典を行った場所です。式典が行われる際、太和殿前の広場に官吏たちがずらりと並び、一斉に「三跪九叩頭の礼」を行います。

「三跪九叩頭の礼」とは、臣下が皇帝に対面するとき、3度跪き、そのたびに3回ずつ頭を床につけて拝礼するという儒教的な儀礼です。

18世紀に君臨した乾隆帝は、イギリスから交易を求めてやってきた使節に「三跪九叩頭の礼」を求めます。しかし、イギリスの使節はこれを拒否し、乾隆帝の不興を買います。

イギリスの使節団は、交易品として、ゼンマイ式時計、オルゴール、小型銃、機械人形、機関車模型などを持って来ました。それらは、機械化を国策としているイギリス独自の技術力を示すモノでした。

乾隆帝はこれらのモノを見て、「浅はかな工作人の思いつき」と笑ったようです。乾隆帝は、「お前たちの国には貧弱なモノしかない。われわれが欲するモノは何ひとつない」と言って、イギリス人を追い返しました。

*なぜ、中国は変革できなかったのか

当時の乾隆帝をはじめとする中国の支配者層は儒教的な世界観を強く有し、君臣序列の礼を国際関係にも当てはめました。大国の中国は諸外国を従属させ、世界秩序の中心とならなければならないとする中華思想を持っていたのです。

中華思想に取りつかれていた中国の支配者層は、イギリスが発明した銃や産業機械の有用性を正しく理解できず、小ざかしいとさえ考えました。

イギリスの科学史家ジョゼフ・ニーダムは大著『中国の科学と文明』の中で、中国人が発明した火薬を、中国人自身が銃や大砲として、実用化できなかったのは、技術革新という新規なものに対する潜在的な不信感があったからだ、と述べています。

儒教的な因習や伝統に固執する中国人にとって、新しいものは伝統基盤を破壊する忌避すべきものと映ったのです。乾隆帝は献上されたイギリス製品の価値を理解できなかったのではなく、理解したくなかったのでしょう。

儒教的な中華思想が、中国の変革へのチャンスを奪い、衰退への道を決定的にし、その後、欧米列強に支配される原因となります。紫禁城の奥深くに住み、「紫微垣(動かぬ天)」と崇められた皇帝は儒教秩序に固執し、世界の鄒勢を見極めることができなかったのです>(以上)

日本は新技術にすぐに飛びつき、ヨーロッパ製の鉄砲に出あうと、「これはすごい、これからは鉄砲の時代だ」と鉄砲鍛冶が発達、瞬く間に世界有数の鉄砲輸出国となった。好奇心が旺盛で、創意工夫が大好きなのだ。

<鉄砲伝来後に、日本で最初の鉄砲鍛冶で呼ぶべき人物は、天文12年(1543年)に種子島において鉄砲の生産に成功した八板清定(金兵衛)らであったとされている。

螺子(ネジ)の技術など当時の日本では知られていなかった技術が用いられていたため、八板らは苦心をして鉄砲を製作したことが知られているが、要領が明らかになると比較的単純な技術をもって製作が可能であったことから各地に生産が広まった。

種子島以外では和泉国の堺、紀伊国の根来、近江国の国友及び日野などが代表的な産地であったが、他にも備前国の長船や城下町である鹿児島、仙台も知られた>(ウィキ)

支那でも同時期には鉄砲を入手しただろうが、鉄砲鍛冶が発達したようには思えない。鉄砲は軍事革命をもたらす、これからの戦争は刀槍弓矢ではなく鉄砲が主役の時代になる、と日本の武士や大中小名は大いに刺激され、興奮したが、支那ではそういうことはなかったのではないか。

支那は1990年代からの高度成長期においても、新技術をパクル、模造することに熱心ではあったが、技術を学び、改良し、革新することはほとんどなかったのではないか。

変化や成長のチャンスが目の前にあっても「中華思想に取りつかれていた中国の支配者層は、イギリスが発明した銃や産業機械の有用性を正しく理解できず」に自滅するという構図は今もまったく変わっていないように思える。

結局、モノヅクリに夢中になって寝食も忘れる日本人のような職人、技術者を軽視するのが漢族の民族性なのかもしれない。詩や書画に夢中になる文人こそが貴族の理想であり、力仕事なんぞは下郎のやることだと蔑んでいるのだろう。

民族性はまず変わるものではないから、支那は昇降を繰り返すのだろうが、今年から数年間は下降し、低迷していくことは間違いない。売り物が唯一「安い労働力」で、今は少しも安くはないから、売り物ゼロ。復活はあり得ない。自業自得だ。(2016/2/22)


2016年02月25日

◆トランプの中国攻撃は効果を挙げるか

宮崎 正弘 


<平成28 年(2016)2月24日(水曜日)弐 通算第4826号 > 

 〜予備選、ネバタ州ラスベガスの博打客は中国人が激増し
          はたしてトランプの中国攻撃は効果を挙げるか〜

ネバタ州といえば砂漠に蜃気楼のごとき娯楽天国ラスベガス。

スーパーチューズディを前にして大統領選の方向性を決めけねないると言われるネバタで、共和党予備レース、はたしてトランプは首位を維持できるか?

というのもネバタ州は10年前まで経済最悪、失業率最高という貧困の地区として知られたが、いまや高度成長、とくに中国からの博徒襲来(元寇なみ)、ラスベガスの一流ホテルのギャンブル場にどっと押し寄せたのは昨年だけでも20万人、とくに中国人が集中するのはマレーシア華僑が40億ドルを投じた「リゾートワールドホテル」の博打場である。

またネバタ州の鉱山関係は対中輸出で潤った。ということは実業界は中国熱に侵され、なかなかの親中派でもある。

そのうえ中国はラスベガスからカリフォルニアを結ぶ高速鉄道の建設計画をぶち挙げ、ネバタ州、カリフォルニア州の政財界を揺さぶる。

そうはいうものの、共和党候補者らはクルーズもルビオもトランプの後を追って対中国批判のオクターブを挙げ、中国との貿易不均衡、なんらかの制裁関税が必要と訴えている。南シナ海における中国の軍のプレゼンスについても批判している。

中でもトランプは中国が「アメリカ人の雇用を奪った」、「為替操作国」であり、「制裁措置を加えるべきであり」、「偉大なアメリカを取り返せ」と主張している。

このため、中国はわざわざトランプ発言に反論し「我が国は為替を操作していない」と駁論を寄せているほどである。
          

◆私の「身辺雑記」(316)

平井 修一



■2月21日(日)、朝6:30は室温14度、雨上がりの曇/晴。昨日の産経にキモイ男の写真があって、「何だ、こいつ、女みたいだな」と思って記事を読んだら、宝塚の男役だった。正真正銘の女。宝塚とか歌舞伎の女形なんて日本特有の文化だろうが、実に奇妙だ。

今朝のNHKラヂオが外国人評論家の面白い話を伝えていた。

「日本語とか日本文化とか、それが障壁になって日本は市場参入には時間がかかる。上場するにも4年はかかる。ところが、それが防壁になっているから競争が緩い。市場も1億人と大きい。

一方でシンガポールなんて全部英語で用が足りるから参入は楽、1年もあればいい。スピード感がある。でも世界中からライバルが押し寄せる上に市場は500万人。競争が激しい」

ジパング・・・ふーん、まったく奇妙な国である。日本人でもそう思うのだから、外国人には相当なカルチャーショックだろう。「やあ、おはようございます、どちらへ」「ちょっとそこまで」。皆“ちょっとそこ”って言うけれど、どこなんだろう、とってもいいところなんだろうなあ、ああ行ってみたい・・・外国人は皆悩む。悩ましい国だ。

さてさて、春子はワンピースで舞台中央へ飛び出しそう、ジーンズの冬子は「冬組公演は終わりです」の感。ハーフ散歩。

最近「民泊」についての記事を目にするが、民宿とか簡易宿泊所、旅館、
ホテルとどう違うのだろう。ネットから。

<法律上明白に違います。

民宿:狭義には農林漁業者が営む農林漁業体験の宿泊施設。農山漁村余暇法と旅館業法に基づいた許可(簡易宿所営業)を得て営業しています。

広義には和風の小規模(家族経営主体の)宿泊施設となり、「民宿」を名乗っていても、実体は旅館業法の旅館業またはホテル業、という所も多いです。

民泊:狭義には旅館業法の許可を取っていない個人経営の違法宿泊施設。
寝室を貸すOR(Office, Resident?)投資用のワンルームマンションの空室を日単位で貸す行為。

当然法律違反ですし、賃貸の場合は賃貸契約違反に該当する場合もあります。最近では不動産管理会社や、不動産投資会社などが大規模にやっているケースもあります>

わが街でも最近は毛色の変わった人をよく見かけるが、無許可の民泊が増えているのかもしれない。この民泊を「公的に認定しよう」という動きが報道されているわけだが、どうなるのだろう。

ライター・唐仁原俊博氏の論考「外国人が隣室で大騒ぎ!「民泊」で不動産業界にトラブル多発中」(ダイヤモンドオンライン2/20)から。

<*認定「民泊」出現も認可申請はわずか1社だけ

今年1月29日、東京都大田区は、全国で初めてとなる「民泊」を認める条例を施行。同日から申請を受け付け、今月12日、インターネット宿泊仲介サービス運営「とまれる」が認定第一号となった。しかし12日時点で、手続きの煩雑さなどから、申請に訪れたのは1社だけになっているようだ(2月12日付東京新聞による)。

*無認可「民泊」に頭を悩ます不動産業者たち

いろいろな規制をかけたうえで認定業者が行う「民泊」であれば、何らかのトラブルが発生したときにも、責任の所在ははっきりしていてよいのだが、不動産業者や賃貸仲介業者も、無認可「民泊」には神経を尖らせていて、私もそれを肌身に感じたことがある。

去年の秋頃から、私は引っ越しのために物件を探していた。友人たちとシェアハウスをしてみるかということになり、一軒家を中心に都内の賃貸仲介業者をあちこち訪ねたところ、「一軒家」というフレーズを私が出すたびに「まさか『民泊』やるつもりじゃないでしょうね」と釘を刺されたのだ。

豊島区の物件の内覧をしたときには、「民泊」で今まさに痛い目を見ているという業者の話を聞いた。

そもそもがグレーゾーンの「民泊」。急激に広まりつつある無認可の「民泊」に対し、不安を抱く人は少なくないようだ。

株式会社ジャストシステムが発表した『民泊に関する意識調査』でも、それが裏付けられている。

東京都在住の20歳から69歳の男女のなかで、戸建て持ち家のある290人のうち、自身が「民泊」サービスに登録すると近所に迷惑をかける可能性があると答えた人は61.4%(「あてはまる」28.6%、「ややあてはまる」32.8%)。自分の家の近所ではやらないでほしいと思うと答えた人は、55.2%(「あてはまる」29.7%、25.5%)だった。

そして、オーナー不在の場合に犯罪が起こる可能性があると思うと答えた人は約7割(「あてはまる」26.6%、「ややあてはまる」42.8%)に上る。実際にさまざまなトラブルが報道されているので、「よからぬことが起こるに違いない!」という印象を与えてしまっているのだろう。

もともと外国人訪日客の急増にこたえるべく、本格的な検討が始まった認可「民泊」。大阪府も今年4月には「民泊」条例を施行する見通しだ。無認可の人々からすれば、「行政の対応が遅すぎる」「泊まりたい人を泊まらせて何が悪い」というところなのだろうが、「民泊」に対する不安が蔓延するようになれば、向かい風にもなるだろう。

私だって、一軒家を借りようとするたびに疑いの目を向けられたくはないので、早いところ、この問題が解決することを望んでいる>(以上)

1人に貸したはずが数人が寝泊まりしているとか、事故(器物損壊や火事、薬物保管、テロのアジト化など)の際の責任問題などに対応するために民泊の認定制度は必要かもしれないが、どうせ膨大な書類を出すことになるだろうから申請はあまり増えないだろう。

「自分の家に友だちを泊めているだけ。問題ないよね」

こう言われたら役人は返す言葉がないのではないか。多分、大事故が起きるまで民泊は自由だろう。オーナーや借り手の自己責任、そういう緩さがあってもいいかもしれない。自動車はその典型で、年間80万人の死傷者なんて誰も気にしない。日本は世界有数の自動車王国だ。

民泊をコンドミニアム、ゲストハウス、オーベルジュ、ゲストランチ、リトリート、タウンハウス、ずばり“ラビットハウス”なんて横文字にすれば人気になるはずだ。素泊まり1泊2000円、全国の空き家は800万戸、この際、民泊王国を目指してもいいのではないか。地方活性化にもなる。

インバウンドのテーマは昔から Off the beaten track、いつまでも東京、富士山、奈良京都、大阪ではダメだ、新しいところを紹介しようという意味だ。民泊推進は観光立国、デフレ脱却へのターボエンジンになるのではないか。ステッキガール、素敵な遊郭も復活させたらいい。議員諸君、「チンポ使うな、知恵使え。チンポは子供を創るため」。3人は創れよ。

■2月22日(月)、朝6:00は室温13度、曇、ハーフ散歩。

今朝の産経に「重力波の初検出は新たな天文学や物理学に道を開く『世紀の発見』」とあったが、小生を取り巻く政治経済社会外交文化文明戦争平和にどのように影響するのだろうか。

重力波研究に政府予算がつく→学者・大学が喜ぶ→研究施設ができる→建設会社が喜ぶ→雇用が生まれる→結婚できる→子供が増える→富国強兵・・・よく分からないが、「子供が増える→富国強兵」なら子供1人産むごとに100万円を贈呈した方が即効で効果があるのではないか。

重力波検出は「世紀の発見」と言われても、世界の安定や米国大統領選挙に影響するのか。まったく関係ないだろう。オタクの世界の話で、「何用あって月世界へ」(山本夏彦翁)に共感する小生は困惑するばかりだ。

米国のマスコミ(TVが主流。新聞は地方紙が主流で、身近な冠婚葬祭情報が人気)はほとんどがアカ(≒バカ。フランシス・ヨシヒロ・フクヤマのような現状認識できない自称“リベラル”ばっかり。日本も一緒)、つまりは民主党大好き、共和党大嫌いである。それでも国民の支持率はほぼ拮抗しているから、良識ある中間層がいるということだろう。

米国マスコミは、トランプ候補は絶対に阻止すべき「悪」だと思っている。心底嫌悪し、恐れている。WSJ:ウォールストリートジャーナル2/21「トランプ氏の連勝が共和党に意味するもの」はほとんど悲鳴だ。

(日本のお上品なインテリ屋もそんな感じ。今朝の産経正論に山崎正和という方がこう書いている。

「(イスラム過激派という)一刀両断しか知らない敵と戦うのは難しいとはいえ、間違ってもフランスのルペン氏やアメリカのトランプ氏のように、一刀両断を叫ぶことに勝利の道はないのである」

重力波の影響なのかどうか、イスラムの若者に「自由、平等、友愛」の理想と現実を時間をかけて教育しろだと。81歳になってもリアリズムが分からない。ヘタレが危険を招くことが分からない。戦争が憎悪むき出しの殺し合いだということが分からない。危険除去のために戦争以外の手段がないから戦争するということが分からない。一神教の危険性が分からない。暗愚というしかない。こういう人は西側世界で結構多い)

おっとWSJを忘れるところだった。

<米大統領選の序盤3戦で2勝したトランプ氏の候補指名獲得はもう止められないのか。これには肯定・否定の両面から議論できる。

サウスカロライナは次に予備選・党員集会を控える各州によく似ている。大半が南部の州で、保守的かつ福音派の影響力が強く、全米平均よりも世帯収入が低いといった点などだ。

トランプ氏がサウスカロライナで勝利できるなら、3月1日のスーパーチューズデーでは規模の大きな複数の州で勝利する可能性が高い。

だがその一方で、サウスカロライナでのトランプ氏の得票率は開票初期の段階で33%程度だった。これは(前回の)ニューハンプシャー州での得票率や、全国規模の世論調査の集計結果をやや下回る。

トランプ氏のライバルたちにしてみれば、これは同氏の支持率が頭打ちになったとの希望が持てる水準だとも言える>(以上)

アカが蛇蝎のごとくに嫌うのだからトランプはマトモなのだろう。ネットで拾ったトランプ語録から。( )は小生の判定。

•メキシコ人は犯罪と麻薬をアメリカに持ち込んでいる!(Yes)
•メキシコとの国境に万里の長城を作れ!(Yes)
•不法移民は全員強制退去させよ!(Yes)

•全てのイスラム教徒はアメリカに入国させてはいけない!(Yes、隠れ過激派、スリーパーを選別できないから完全に拒否するしかない)•イスラム過激派は野蛮人だ、核兵器を使え!(No、住民を盾にしているから難しい)

•中国もメキシコも日本もアメリカから金を奪っている!(Yes, but、2014年のデータでは日本の対米輸出は13.6兆円、輸入は7.5兆円。日本の出超だが、昔の日米貿易摩擦騒動の頃からは大きく改善されているのではないか。日系企業は雇用も創出しているし、米国製造業の米国回帰もあるし、TPPなどで是正されていくと思うが)

•キャロライン・ケネディを日本の大使にしておくのはオバマのコネが理由だ!(Yes、イルカはオバマの財布だった)•韓国などタダで守ってやる必要はない(Yes、ミカジメ料を取るべし)

•習近平がアメリカに来ても晩餐会などやらなくていい、マクドナルドでも食わせておけ!(大いにYes、ケンタのチキンとピザハットも忘れずに)

以上は物議をかもした言葉、プロパガンダでもある。以下は成功したビジネスマンとしての言葉。

•心配するのは時間の無駄、心配は問題を解決するうえで邪魔になるだけだ•どうせ考えるのならば、大きく考えろ!どうせ生きるのであれば、大き
く生きろ!
•小さな損失を避け続けて成功は得られるわけではない、大きな成功を追って初めて成功を手に収めることができるのだ

•経験も実績もないのであれば情熱とエネルギーをアピールしたらいいのだ•理想的な仕事というものは仕事も休みも区別がつかなくなるような仕事のことなのだ

前半の咆哮は、米国の現状を苦々しく思っている人に代わって「本音」を言ったもの。リベラルの人にとってはすさまじくカチンとくる言葉だろうが、小生にとっては「別に大それたことを言っているわけではないよね、ほぼ共感できる」という感じだ。

後半はアメリカンドリームを語ったもので大いにYesだ。泡沫零細企業の経営者でありながら東証一部上場企業から仕事をもらっていた小生には、「理想的な仕事というものは仕事も休みも区別がつかなくなるような仕事」という言葉には「ウンウン、その通りだ」と拍手を送りたくなる。

ローマ法王フランシスコはトランプ発言にたいそうご立腹で、「トランプはキリスト教徒ではない」と罵倒しているが、自分はしっかり一周3.2キロの高い壁に包まれたバチカンで暮らし、外出時は警護要員にしっかり保護されている。

自分はそういう環境であり、袖を引っ張られ転倒しそうになるや不快感を露わにするフランシスコに、「こいつ、なんかなー」と小生が思うのは間違いなのだろうか。

<[モレリア(メキシコ)2/17ロイター] - メキシコ訪問中のローマ法王フランシスコが、スタジアムで群衆のなかの人物に引っ張られて転倒しかけ、声を荒げる出来事があった。

この場面を撮影した動画によると、着席している子供たちにあいさつするため立ち止まった法王を何者かが捕まえて通行を妨害。バランスを崩して車いすに乗っていた子供の頭の上に胸から倒れかかった。

側近と警備員らが転倒を食い止めたが、体勢を立て直した法王は怒りの表情となり、引っ張った人物を見つめ、声を荒げてスペイン語で「自分勝手なことをするな」と2回言ったという>

国家の安全のために壁を築いたり、危険な外国人を排除する必要があると主張するのは間違いなのだろうか。きれいごとを言いながら高僧が「少年愛の美学」に耽溺する、ハンセン病患者を悪魔のように罵るのは正しいのだろうか。

こいつらは所詮は「宗教利権」の輩、小生がバカならバチカンはクズだ。カトリックは昔は侵略の尖兵、この前までヒトラーと手を握っていた疑惑がある。ネット論壇「ナチスとバチカン 教皇ピウス12世の沈黙」から。

<1933年、ヒトラーが政権を取ったとき、意外にも国際的に高い評価が下されていた。「ドイツ政府元首ヒトラーが共産主義ならびに虚無主義とあくまで戦う決意の人であることを認め、喜びにたえない」(ローマ教皇ピウス12世)

「ヒトラーの成功はボルシェビズムに対する防衛の強化である」(イギリス『デイリー・メール』)、「結局、ヒトラーの善意は保証できる」(アメリカ『ニューヨーク・タイムズ』)

こうした評価の裏には、当然理由があった。ヒトラー政権の誕生を国際的にも認知し、陰から後押ししたのがバチカンであり、またヒトラー政権は、米英仏の世界体制の中で、反共主義でソ連を敵とすることが期待されていたからだ>(以上)

大澤武男著「ローマ教皇とナチス」の広告から。

<地上におけるキリストの代理者、使徒の頭ペトロの後継者として、全世界のカトリック教徒から崇敬を集めるローマ教皇。だが第二次世界大戦中、モラルの体現者ともいうべき教皇は、人類史上未曾有の犯罪であるナチスのユダヤ人虐殺を知りながら止めようとはしなかった。

当時の教皇ピウス十二世は、なぜ“沈黙”してしまったのか。その理由を、彼の人生だけでなく、ヨーロッパ文化の基層にまで遡って探る>

「ヴェニスの商人」を読めば分かるが、ヨーロッパ文化の基層にはユダヤ人≒金融資本主義(≒共産主義)へのすさまじい反感があるのだ。

節操のないバチカンは今は共産主義の味方で、悪逆非道、盛んに南米とアフリカに革命を輸出してきた“カストロ王朝”キューバ独裁政権に救いの手を差し伸べている。

フランシスコ一派はほとんど狂気だ。こいつらはロシア正教会=プーチンの支持基盤とも手を握ったが、そのうち北朝鮮、中共を救うのだろう。信者が拡大すればそれでOK、所詮この世は「金目でしょ」、そういう世界。違うのか。

この宗教妄想利権屑野郎を殲滅するのは正しい。バチカンの壁を崩すべし。「トランプは“邪”だ」と言うなら「自分勝手なことをするな」と命懸けでかかっていけばいい。

メルケルはギリシャ財政破綻による危機を涙でかわした“実績”がある。今は「メルケルの2度めの涙には騙されないぜ」、ドイツ以外のEUは皆そうなった。「とにかくフェンスだ」と。

文句があるなら戦争したらいい。グダグダ言わずに、武器は刺身包丁にしましょうとか、鉄砲まで許容しましょうか、自爆攻撃もありですか、それとも私の大好きなサッカーで勝負しましょうかと決めたらいい。リベラルのED野郎にガチンコの覚悟はあるのかどうか。小生もとっくにナニは卒業したが、刺し違える覚悟はある。

フランシスコ・バチカンと、その狗として難民を呼び込んだメルケル・ドイツ、ダッチロール習近平・中共、火病クネ韓国、ゴロツキ北朝鮮は少なくとも小生の生きているうちに潰す。多分、これは可能だろう。情況はそこまで来た。

小生の時代認識が間違っているのか、それともWSJ、朝日など“アカ”マスコミの認識が正しいのか。それはすぐに判明するだろう。「修一さんに1億円」、小生は自分の見立てにさほどの狂いはないと思っている。

夕刻は義兄の通夜。子・孫に海苔巻3種、出し巻き卵、N製カレー、焼うどん、シューマイなどを急いで食べさせる。忙しかった。

■2月23日(火)、朝6:00は室温13.5度、曇、ハーフ散歩。昼から義兄の告別式、お骨あげ、疲れたので初七日の食事会は遠慮した。73歳、膵臓がん、1年ほど闘病したが肝臓に転移したという。

病気と闘うと消耗する、受け入れるとか共生する方を選んだ方がいいのではないか。姉も子供も孫も泣いていたから、義兄はまあ、いい夫、いい父親、いいヂイヂだったようだ。義兄に一番反発していた次男坊が号泣していた。

悪党プーチン・ロシアは予想以上に早くこけそうだ。築城25年、落城1年あたりか。習近平・中共とどちらが先に落伍するか、英国ではブックメーカーが倍率(オッズ)をつけている(かどうか、「プーチンさんに1億円」)。

テレビ朝日系(ANN)2/20「通貨下落“住宅ローン返せない”銀行前でデモ」から。

<原油安の影響で、資源国のロシアの通貨「ルーブル」が下落しています。外貨建てでローンを組んだ市民の返済負担が増していて、抗議集会が開かれる事態になっています。

19日、モスクワの中心部にある大手銀行の前に外貨建て住宅ローンの利用者ら50人以上が集まり、契約条件を変更するよう訴えました。銀行の担当者は話し合いに応じず、利用者らが騒いだため、警察が出動しました。

高い支持率を背景に締め付けを強めるプーチン政権下で集会が開かれるのは極めて異例で、経済政策を巡る政権への不満がくすぶっています>

終わりの始まりだな。事態は深刻である。国民は逃げ始めた。岡崎研究所の論考「ロシア国外移民40万人の現実」(Wedge 2/20)から。

<米シンクタンクCSISの客員フェローで、モスクワの工業化後研究センターの所長を務めるイノゼムツェフが、1月17日付のワシントンポスト紙に、「プーチンの自壊する経済」と題する論説を寄せ、ロシア経済の状況を解説しています。論旨は次の通りです。

《*2017年に成長が戻らなければ……

ルーブルが25%下落した「ブラック火曜日」から1年少し経ったが、ロシア経済はまだ不確かである。GDPは3.9%減少し、インフレは13%以下であった。今年は成長するとの予測も、非現実的に見える。

国際金融機関とロシアの経済省はともに2016年経済成長はないとしている。IMFと世銀は0.6%の縮小、ロシア当局は0.8%の縮小を予想している。しかし2017年、成長は戻ると言うのが今のコンセンサスである。それなら、今の状況は、石油価格下落と制裁による通常の経済の下押しと言える。

しかし、もし成長が戻らないとすると、どうなるか。

ロシア経済は、2009年よりずっと悪い。可処分所得は減り、ドルベースの名目賃金は2005年より低い。小売りは2009年から半分になった。連邦予算収入は2006年と同じレベルである。モスクワの平均的アパートの価格は、2014年よりルーブルで16%下落し、ドル換算では半分になった。モスクワとサンクトペテルブルクの事務所家賃は2002年レベルに押し戻されている。

ロシア経済は、石油収入の減少や官僚的圧力で苦しんでいる。

2000年からのロシア経済を評価すると、二つの時期がある。

2000〜2007年の間は7%経済成長し、株は上昇、平均所得は3倍になった。2008年〜2015年は停滞であった。成長はほぼゼロ、資本逃避が加速し、ビジネス環境は悪化し、増税もなされた。 プーチンがグルジア、ウクライナ、シリアで軍事作戦をし、軍事支出は倍増した。彼の関心は経済から地政学になった。

この時期は、二つの危機と一つの回復と言われる。しかし、成長のない長い期間というのがより適切である。メドヴェージェフ首相が言うように、ロシアは最初の危機を脱する前に次の危機に入った。

ロシア経済はますます不自由になる政治に完全に従属させられており、たとえ、制裁解除や石油価格の正常化があっても、回復の希望はほぼない。

1988年(平井:ソ連崩壊の始まり)にも2008年(リーマンショック)にも外国企業はその投資を放棄しなかった。しかしEUに対する「逆制裁」(輸入禁止)、トルコとの緊張、ロシア法により国際条約が凌駕されるとの宣言で、ロシア政府は、外国からの投資にブレーキをかけている。

昨年、オペル、アドビシステムズ、ストックマンを含む20以上の西側企業がロシアから撤退し、外国人所有の約30の生産施設が閉鎖された。ロシアからの移民は2008〜2010年の年平均3万5千人から、2015年には約40万人以上の予測になっている。この傾向が変化する兆候はない。

もしロシア経済が今年も縮小するならば、我々は長期的下落の始まりを見ていることになろう。もしそうなら、停滞は回復にではなく、何年も続く急な下落に入っていくことになろう。これは2018年以降のプーチン第4期にも続くだろう。

1990年代や2000年代始め、ロシアは混乱していても希望があった。投資家はダイナミックで改善基調の国内状況に引きつけられていた。2012年以降それは変わり、今ロシアは幻滅の領域になった。2016年に成長が戻らないと、ロシアは経済的自壊の時期に入ったことを意味しうる。それがプーチン第3期を特徴づける》

*“停滞”ではなく“衰退”の時代へ

この論説の趣旨には賛成します。ロシアは経済面では停滞ではなく長期的な衰退過程に入ったと思われます。よくなる気配がありません。

石油価格は、ここしばらくは1バレルあたり30ドル付近またはそれ以下になるでしょう。ロシアの予算の想定価格50ドルをかなり下回ることになり、財政面で苦しくなります。イランの石油が市場に出てくる中で、またOPECが減産で合意する見通しがない中で、また中国経済の減速の中で、それ以外の予想は立てがたいです。

資源に依存する経済を、もっと製造業などが強い経済にする改革には失敗したと言わざるを得ません。「資源の呪い」にとらわれてしまったと思えます。

プ−チンは、政治は権威主義であるが、安定と経済的福利を国民に提供してきました。それが人気につながっていました。しかし経済が停滞に陥るなか、今は国民のナショナリズムを支持基盤にするべく、国際的に影響力を取り戻したロシアを演出しているところがあります。

しかしウクライナにせよ、シリアにせよ、経済的にはマイナスです。ロシアからの移民が2015年に40万人にもなるということは、人々がロシアの現状に愛想をつかしてきていることを示しています。そのほとんどは優秀な若者でしょう。

言論の自由もなく、医療、教育は劣悪で、汚職は蔓延し、エリートは地位を利用して私腹を肥やすと言う状況で、将来への希望を若者が失うのは自然です。

プーチンは国力にそぐわない地政学的地位を求め、結局ロシアを衰退させてしまう可能性が大きいように思われます>(以上)

悲惨だな。亡国へ一歩一歩と向かっている。ヤヌコビッチは愛人と手を携えてロシアに亡命したが、プーチンはフランスに愛犬と亡命するのだろうか。秋田犬は秋田のバカ殿様に返せ。

プーチンの政敵で国外に滞在している元石油会社社長ホドルコフスキー曰く「プーチンは犬にしか愛を感じない男」。国民を愛してもいないし、むしろ恐れているのではないか。プロの殺し屋をガードマンにしているが、一服盛られるかもしれないといつも恐れているだろう。習近平とそっくりだ。独裁者は人相が悪くなる。

若者はプーチン丸と沈没する気はない。ある程度蓄えのある国民も下船するだろう、支那人のように。貧困層とマフィアだけが残される。チェチェンのゴロツキも「カネを出せ、ケチったら暴れるぞ」とプーチンを脅している。

内憂外患だなあ、プーチン、「じゃあね、さようなら」(パカー、ダスヴィダーニャ)。余生はクレルモンフェランでどうぞ。

http://jp.france.fr/ja/discover/31186

(2016/2/23)

◆国難に際して:泣き虫政治家奮闘記

MoMotarou

 

新春早々より政治家の質を疑うような事件が頻発します。イクメン代議士の浮気騒動等は頭が可笑しくなります。注目点は自民党の議員の場合のみ大騒ぎになること。

 例えば民主党などの場合は総理の犯罪でも(菅元総理のこと)マスコミは知らんふりで追及が甘い。国民は民主党等の質問や追及姿勢は国益に叶っていないと知っています。テレビ局の視聴率稼ぎに騙されてはいけません。阿保らしくなってきた。消費税・受信料など払う気がしないぞ!

               ☆彡

■運命を開く(安岡正篤 人間学講話「運命を開く」 プレジデント社より)

(開始)
・・・・・世界の奇蹟と言われるほどに日本を発展・勃興させた明治時代の政治家と、今日の議会などを通じて見る政治家とのどこに相違があるか。第一の相違は、この情緒・精神の問題です。至醇な熱烈な情緒・精神というものを、今どきの政治家は持ち合わさない。持っている人がまことに少ない。これがたくさん出てくれれば世の中は問題ないのです。必ず良くなるのです。

 (橋本)左内十五歳の時の彼の感想から思いついて申しますと、たとえば明治時代の政治家・大臣などは、ひとたび天下国家の事になると、よく泣いた。今は天下国家のために泣く、人民のために泣くなどという政治家は少なくなりました。

●日露戦争の頃、、、                  
 桂首相の秘書官であった中島久万吉(くまきち)翁の話に、当時、なにしろ皆、昂奮して何かというと激論が多かった際に、桂さんや小村さん(寿太郎。外相)が抱き合って泣いている光景をよく見かけることがあった。いま国事を憂えて抱き合って泣く政治家がいましょうか。

 築地の料亭「瓢家」の女将(おかみ)の話。これも日露戦争に関係してのことですが、その当時、一の急務は軍費の調達で、外国の借款に成功しなければならない。誰かアメリカからイギリスへ行って、急遽借款をまとめてこなければならぬ。それで白羽の矢を立てられたのが、高橋是清(これきよ)さん(一八五四〜一九三六、日露戦争当時の日銀副頭取。のちに蔵相、首相)でありました。

 幸いに彼の地で成功して帰ってこられたのですが、この高橋さんが、外国借款について、桂さんたちから説得せられたのが築地の瓢家においてでありました。 

●ここの女将が、、、
 なかなかの女傑でありまして、この女将が老病で重態になったということを聞いて、高橋さんが瓢箪(ひょうたん)をさげて見舞に行った。「実は、見舞に瓢箪というのは、おかしいようだが、これは大いに意味がある。それは、わしが、もう一世一代の心血をそそいで苦労したのが日露戟争の時の借款だ。ロンドンで、これをまとめて、やれやれと重荷を下ろした気持で、ふと街を散歩したところが骨董屋がある。そこに日本の瓢箪がかかっていた。

 懐かしく思って、記念に買ってきた。というのは、わしが任命されたのは、この瓢家であったから・・・。そこで思い出してお前の土産(みやげにと思って買ってきたのだが、それっきり忘れとった。今、お前が悪いと聞いて思い立って、記念にこれを持ってきた」こう言って、その瓢箪を与えました。

●すると病床の老女将、、、
 むくむくと寝床から起き上がって、「ああ思い出しました。そのとき、私はまだ若いお酌の時代で、何だか分らなかったけれども、ある晩、総理大臣をはじめ偉い方々が奥の部屋にお集まりになって、用事があったら手を叩くから、そのときは酒を持ってこいと言われて、お手が鳴ると恐る恐る銚子を運んだものです。

 そこへ貴方がおいでになって、何だか非常に真剣な、私たちでさえハラハラするような空気で、長い時間秘密のお話がありました。やっとまたお手が鳴ったので、お銚子を持って行ったところ、皆さんが貴方に、『よく引き受けてくれた』と、泣いてお礼を言っておられた。

●何も分らなかったが、、、
 自分もその光景に非常に感動しました。今、貴方のお話をうかがって、そのときの光景をまざまざと思い出します。しかし、その時分に比べて、近頃の政治家たちは、ありや一体なんですか。こんな政治で日本の国はもつのでしょうか。私ゃ気がかりで仕方がない」と、重態の老女将、大の憤慨です。

 高橋さんはびっくりして、「そう怒るな、体に障(さわ)るぞ。まあまあ、そんなことは俺に任せとけ」と言って、やっと寝かして帰ってきたということです。これは中島さんが高橋さんから直接聞かれた話だそうです。

●こういう、国家とか、民族とか、、、
 世の中の為ということに、純潔熱烈な感情・気概が、市井の人々にも豊かにあったのが明治の好いところです。 近来、教育ある人々は、一般に、人間の大事な機能をもっぱら知性・知能として、頭が良いということを一番の誇りに考えてきました。

 そして情緒とか気概というようなものを割合に軽視しました。ところが、最近やっと心ある学者たちも、〈むしろ人間に大事なものは情緒である〉ということを証明するようになってきました。

〈頭が良いということより、情緒が良いということが大事である。むしろ、優れた情緒の持ち主であってこそ本当に頭も良い〉

ということを説くようになりました。これは最近、学問の趨勢の顕著な一例です。(終)・・・・・


■因果応報か?
 代議士にも「のっぺらぼう」みたいな顔が増えた。今なら故水木しげるさんも妖怪発見には困らないだろう。安倍総理は二度目の挑戦前からすると顔つきが変わってきた。イケメンではないが味があると思う。国会も合コン会場ではないしワイドショウ・ニュースショウごでもない。野党代議士は日本人かと思うような質問もする。やはり教育が悪かったのだろう。

(のっぺらぼうそのものは存在せず、ムジナ、キツネ、タヌキなどの動物が人を驚かせるために化けたものといわれることが多い)

2016年02月24日

◆中国に「ノー」を突きつけた台湾の総統選挙

加瀬 英明



1月16日に、台湾の総統選挙で、民進党の蔡英文候補が圧勝したというニュースを知って、思わず「加油(チャヨウ)! 台湾(タイワン)!」と、叫んだ。

「加油」は台湾語で、「頑張れ」だ。民進党は、一院制の国会である立法院においても、単独多数を獲得し、かつて大陸から蒋介石に率いられて、台湾へ逃げ込んできた国民党は、それまでの議席数を半減した。

前日、愚妻が長年使いこんだ財布を、買い替えに出かけるというので、緑色を選ぶようにいった。緑色は国民党の青色に対して、民進党のシンボル・カラーである。

選挙の最大の争点は、台湾の人々が「中国人なのか、台湾人なのか」というものだった。台湾人は親中派だった馬英九政権を葬って、台湾が中国によって取り込まれてしまうことを、拒んだのだ。

 国民党の青色は、国民党軍が毛沢東の共産軍との内戦に敗れて、台湾海峡を渡って台湾を占領した時に、翻していた『青天白日旗』の色である。今日でも、歴史の大きな捩(ねじ)れによって、『青天白日旗』が台湾の国旗となっている。

中国は台湾が「中国の一部」だと主張して、もし、台湾が「中国から分離して、独立」をはかった場合には、「武力を行使する」といって、威嚇してきた。

しかし、台湾国民が総統選挙によって、中国に「ノー」を突きつけたことは、習近平国家主席の対外戦略に、手痛い齟齬(そご)をきたすものとなった。

習主席は「偉大なる5000年の中華文明の復興」を呼号して、アジアの覇権を握ることを目指して、アメリカに太平洋を米中の二大国によって二分する「G2」体制を受け入れるように、提唱してきた。

この戦略を実現するために、2014年以後、南シナ海で7つの岩礁を埋め立てる、大規模な建設工事を進めて、南シナ海を中国の内海(うちうみ)にしようと目論んできた。国連海洋法条約は満潮時に海面下に沈む、これらの岩礁を領土として認めていない。

北京の戦略は南シナ海から東シナ海まで、“中国の浴槽”とすることだったのに、台湾に“嫌中政権”が登場したことによって、南シナ海から東シナ海までの線に、ポッカリと大きな穴があいてしまった。

習国家主席は、臍(ほぞ)を噛んだにちがいない。

もっとも、台湾は地理的にも、中国の一部ではない。インドネシアのボルネオ島からフィリピン、日本列島まで点々と連なる島々の列に属している。台湾人は漢族ではないし、歴史的にポルトガル、スペイン、明や、清が一時的に支配していたことがあったが、中国の一部だといえない。

台湾人と中国人は、文化的にも大きく隔たっている。

台湾人は中国人が、無教養で、貪欲で、公徳心がなく、不潔であることから、中国人を台湾語で「猪(テイ)」(豚)とか、「死阿陸(シーアラア)」(死んでしまえ)と呼んでいる。韓国人も歴史を通じて、今日でも陰で中国人を、「垢野郎(テンノム)」と呼んでいる。

もっとも、アメリカは台湾が中華人民共和国の一部であることを、認めていない。中国を恐れて、台湾が「中華民国」という国号を変えたり、台湾として独立することに、反対している。

台湾は現行の国名と『青天白日旗』で、我慢し続けねばならない。