2016年01月06日

◆大事な「富国強兵の愛国心」

平井 修一



ケビン・メアNMVコンサルティング上級顧問/元米国務省日本部長の論考「内部留保活用と抑止力強化」(ロイター2015/12/26)は日本への提言。

<[東京12/25] - 今の日本に必要なことは、経済再生に向けては産業界が内部留保の有効活用によってリーダーシップを示すことであり、安保においては日米の防衛力統合などにより抑止力の強化に努めることだとケビン・メア氏は指摘する。同氏の見解は以下の通り。

*民間企業の巨大内部留保を有効活用

安倍政権は財政・金融政策や、アベノミクスが掲げる「3本の矢」に関連した真の経済改革において、リーダーシップを示してきた。日本の経済界・産業界トップもこれと同様のリーダーシップを示し、自国の経済復興に向けて自らの責任を果たす必要がある。

日本の民間企業の内部留保は、国内総生産(GDP)の65%に相当すると推定される。通常、企業が蓄積した内部留保は設備投資や配当増加、賃金引き上げに活用される。

しかし、大半の経営者はそのいずれも行わず、代わりに安全に保管することを選択してきた。これは非常に非生産的な金融資産だ。

私の個人的見解では、彼らはただ決断力を欠き、妥当な範囲でリスクを冒す自信がないだけのように思うが、それは恐らく彼らが、バブル経済崩壊後の「失われた20年」の間に現在の地位に上り詰めたからだろう。

だが、もはやバブル崩壊の痛みを克服してよい頃合いであり、日本経済を成長させるためには自らが戦略的役割を担う必要があることを認識するべきだ。

2016年春の賃上げ交渉においては、過大な内部留保を従業員の実質賃金の大幅な引き上げに回すことがとりわけ重要だ。もしこれが実現しなければ、それはアベノミクスの失敗ではなく、日本の経済界・産業界リーダー側の責任という結果になるだろう。

*日本は抑止力の強化が必要

安倍政権の最初の3年間では、現実的な安全保障政策の導入において歴史的な進歩が見られた。このことは日本国民を守るとともに、地域の平和維持に大きく貢献するだろう。

特筆すべき変化は、「国家安全保障戦略」の策定、「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」の見直し、「特定秘密保護法」の成立、武器輸出を許可する新ルール「防衛装備移転三原則」の導入、「集団的自衛権」の行使を認める安全保障政策の転換、そして安全保障関連法の成立だった。安倍首相はまた、防衛費を11年ぶりに増額に転じさせた。

日本はこうした安全保障政策の転換をすばやく実行に移すため、新たな安全保障法制の枠組みに肉付けを行い、防衛力増強に向けた具体的な取り組みを継続していくべきである。そのためには、防衛費の大幅な増額が求められる。

同時に、日米の防衛力の統合とネットワーク化を推進することも重要だ。これによってもたらされる軍事力相乗効果は、中国や北朝鮮、そしてますます強まるロシアからの極めて現実的な脅威に日米がともに立ち向かう上で、最も現実的かつ効率的な方法だ。

戦力のネットワーク化を強化する上で重要な分野は、相互運用性と統合化だろう。次世代戦闘機「F35」や早期警戒機の「E2D」、イージス艦を先端システムの「CEC(共同交戦能力)」や「IFC(統合火器管制)」と統合させることに加え、「ISR(情報収集・警戒監視・偵察)」や共同ミサイル防衛システム、「ASW(対潜水艦戦闘)」も重要性を増すものと思われる。

日本に差し迫った脅威はないと信じている人々は、武器を搭載した中国軍艦が尖閣諸島付近を定期的に航行していることと、そして尖閣諸島は沖縄県に位置していることを認識する必要がある。これは日米にとって抽象的な事案ではない>(以上)

至極まっとうな論だが、現実を直視しない商売人的経営者やお花畑的リベラル=アカの人々には受け入れがたいだろう。

いずれも国家発展の基本である「富国強兵の愛国心」がないのだ。愛国心、憂国の想いがなければ日本人とは言えない。非国民ばかり。日本の一番の問題は、こういう人々を素早くチェンジできないことではないか。

サンケイ夕刊1970/7/7の三島由紀夫の論考「果たし得ていない約束−私の中の二十五年」から。

「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら『日本』はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである」

三島の叫びから45年たっても日本人の質もレベルも変わり映えしないようだが、野党が回復不能の劣勢に転落したことは前進かもしれない。「革新勢力」「進歩的文化人」などの言葉は完全に死語になった。

三島は絶望して自決したが、小生は日本のネット界の隅っこから叫び続けたい。「死んでもPCを離しませんでした」(2016/1/5)

         

2016年01月05日

◆次の19回党大会前に玉突き人事がおこる

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016) 1月4日(月曜日)通算第4768号  <前日発行>> 

〜劉源の勇退と軍の新設3つの組織人事をみて
  次の19回党大会前に玉突き人事がおこる。〜 

大晦日に突如、人民解放軍のなかに新設された3つの部隊とは「陸軍指導機構」、「ロケット部隊(火箭隊)」「サイバー(戦略支援部隊)」である。

李作成が成都軍区司令員から「陸軍指導機構」に移動することになるが、習が陸軍大将に任命した。

ロケット部隊の魏鳳和も大将昇格は習が任命した。魏は「第2砲兵」(戦略ミサイル軍)からの横滑り人事である。

そしてサイバー部隊の高津(中将。軍事科学院長)は習が近く大将に任命する。

さきに劉源の勇退を報じたが、これにより人民解放軍は次の党大会までに玉突き人事が行われるだろうと事情通はみている。

まず空軍司令員の馬暁天と海軍司令員の呉勝利は年齢を理由に勇退を余儀なくされるだろう。

海軍司令は孫建国がつぐことが最有力視されており、空軍は乙暁光が就任するだろう。

ともにすでに大将である。孫は「ミスター潜水艦」の異名をとるが、訪米団に随行し、あるいは米軍との交流でも名前をうった。昨年五月の「シャングリラ対話」では南シナ海で一方も譲らず、タカ派でならした。

また党大会で副主任の氾長龍が定年となり、太子党の張又峡が後継に有力視されているほか。総参謀部長の房嶺輝は団派出身のため勇退に追い込まれそうだという。いずれにしても、軍の高層部は近く二十人ほどが副主任クラスで移動になると予測される。
        

◆習近平「五里霧中、負の連鎖」に

平井 修一



支那通・近藤大介氏の論考「ネットにあふれる怨嗟の声 中国と習近平の“悪循環”が止まらない 経済失政、戸籍差別、権力闘争…2016年、何が起きてもおかしくない」(現代ビジネス2015/12/28)は勉強になった。痛烈な皮肉がたっぷりだ。以下紹介。

<イソップ寓話に「ロバを売りに行く親子」という話がある。農夫とその息子が、飼っていたロバを売るため、ロバを引いて街の市場へ向かった。すると通行人が「誰も乗らないなんてもったいない」と指摘したので、父は息子を乗せた。

しばらくして別の通行人が、「何と親不孝な息子だ」と指摘したので、今度は父が乗った。するとまたしばらくして別の通行人が、「子供だけ歩かせるなんてひどい親だ」と指摘したので、今度は親子で乗った。

さらに行くと、通行人が「ロバがかわいそうだ」と指摘したので、親子でロバを担いだ。そこは橋の上で、突然担がれたロバはビックリして暴れ出し、橋の下の川へ落ちて死んでしまった――。

2015年の中国経済と習近平政権(以下、肩書は略す)の対応を見ていると、まさに「ロバを売りに行く親子」の物語を髣髴させた。やることなすこと後手後手かつ付け焼き刃的で、あちらを立てればこちらが引っ込む。そして、状況はますます悪化していくという悪循環である。

*「新常態を認識し、適応し、導いて行かねばならない」

習近平は、今年の締めくくりである中央経済工作会議を、12月18日から21日まで、北京西郊の人民解放軍総参謀部が経営する「要塞ホテル」京西賓館で開いた。参加者は、党中央委員会メンバーら約400人の面々だ。

習近平は直前に散髪したらしく、さっぱりした様子だったが、笑顔もないままに、今年もう何十回目か知れない重要演説をぶった。

「中国経済は全体としては平穏に運行しており・・・(無内容なので以下略)」

おそらく参加者たちは、「そんなの分かってるよ」とため息をつきながら、中国中央テレビのカメラを意識しつつ、両手を膝に当てたり、メモを取るフリをしながら聞いていたのではなかろうか。

*製造業は生産過剰状態に陥っているが…

習近平は表だってはキレイゴトしか言わないが、実際には中国の製造業は、とんでもないことになっている。例えば鉱業業界の「微信」(WeChat)プラットフォームである「鉱業界」は10月に、業界の惨状を暴露した。その要旨は、以下の通りだ。

<石炭>

・石炭業界は約1万3000社あり、就業者数は約400万人で、全エネルギーの65%をまかなっている。だが9割の企業は赤字で、約100万人が失業の危機に陥っている。

・10月に陝西省が18ヵ所の炭鉱閉鎖を発表した。全国の年産30万トン以下の鉱山はことごとく消えた。第3四半期までの電力使用量は4兆1344億kWで、前年同期比0.8%増は過去最低。

<鉄鋼>

・海外産の鉄鋼コストは1トンあたり50ドルを切るのに、中国産は90ドルに上る。すでに全社赤字状態に陥っている。今後2年以内に、中国国内の4分の1の鉄鉱山が閉鎖される見込み。中国鉄鋼工業協会加盟社全体で3兆元(約60兆円)の負債を抱えている。非加盟の約2割の企業を含めれば、さらに多い。

今年第3四半期までの粗鉄生産量は2.1%減、鉄鋼価格は18.8%減、利益総額は97.5%減。

このように、製造業は大幅な生産過剰状態に陥っているのだ。そのため、生産規模を減らさざるを得ない。そうすると大量の失業者が出るし、政府や地方自治体の税収も減る。つまりは負の連鎖に陥っていく。

1990年代後半にも、朱鎔基首相が主導して大胆な国有企業改革を行った際に、大量の失業者が街に溢れ出たことがあった。だが朱鎔基改革は、一時的に構造調整で「出血する」けれども、その後は以前よりスリムになった国有企業がV字回復するし、かつ国有企業が住宅供給を停止するため誰もがマンションを買えるようになる、という「明るい未来」を見据えた改革だった。

それに較べて今回の習近平改革は、まったく五里霧中の航行で、まさに冒頭のイソップ寓話のような状態なのだ。

*中国の「袖の下」文化は健在

現在、地方経済の崩壊によって、大量の失業者が都市部に出てきている。だが北京も上海もすでにパンク状態で、周知のようにPM2.5地獄に喘いでいる。

習近平は戸籍制度改革を唱えているが、これには二つの側面がある。一つは都市戸籍と農村戸籍の「人種差別」を撤廃することで、もう一つは一人っ子政策を廃止して、来たる少子高齢化時代に備えることである。

だが、「人種差別」を廃止したら、農村はますます(人口流出で)荒廃し、都市部はますますパンク状態に陥るのが見えている。また、一人っ子政策は2年前の「3中全会」で廃止を謳ったが、それでもこの不況と最悪の環境下で2人目を産もうとする夫婦は少ない。

私の北京の若い友人夫婦は、2016年春に出産予定だが、通院中の産婦人科から、「子供を産んでも北京戸籍は取れない」と宣告されて、強いショックを受けている。

夫妻とも地方出身者だが、夫人が「優秀留学帰国者特別枠」で数年前に北京戸籍を取得しており、生まれてくる子供は、当然ながら北京戸籍取得の権利がある。だがいまや北京市政府は人口を一人でも減らしたくて仕方ないため、容易に戸籍を支給しないというわけだ。そうなると、戸籍を取得しようと思えば、多額の「袖の下」が必要になってくる。

もう一人、北京でこの年末に念願のレストランを開店させた友人の例を挙げよう。彼は不況で潰れたあるレストランの権利を買い取ったのだが、厨房が狭かったので少し広げることにした。そうしたらそこに、北京市の商務局、消防局、環境保護局、衛生局などが目をつけ、これらの役所の許可証を取るのに、計60万元(約1200万円)もの賄賂を払わされたというのだ。

彼はこうぼやいた。

「習近平は3年前に、『トラ(幹部)もハエ(小役人)も同時に叩く』と宣言し、徹底した腐敗撲滅運動を始めたが、実際に叩いたのはトラだけだった。むしろ小バエは、以前よりも激しくタカってくるようになった。
何年たって役人たちも生活貧窮の折、生きるのに必死だからね」

*中央都市工作会議の最中に…

中央経済工作会議の後半、具体的には12月20日と21日、習近平主席は意外な展開に出た。中央都市工作会議を開催したのだ。これは、党と政府が都市を一括して管理するための会議で、これまで1962年9月、1963年10月、1978年3月に3回開かれた。すなわち、37年ぶりの開催である。

新華社通信の発表によれば、中国の都市化率(全人口に占める都市部の戸籍人口の割合)は、1978年に18%弱だったのが、2014年には55%弱まで上がったという。人口で言えば、1億7000万人から7億5000万人に増加した。都市の数は193から653に増加した。毎年の都市部人口の増加は2100万人に上り、これはヨーロッパの中等国の人口に匹敵する。

習近平主席はこの会議の重要講話で、次の6点を指摘した。

1:都市の発展紀律を尊重する。特に土地と人口、環境などを考えて都市設計を行う(無内容なので以下略)

約400人の党中央委員たちは、やはり二日前と同様に、「そんなの分かってるよ」とため息をつきながら、両手を膝に当てたり、メモを取るフリをしながら聞いていたに違いない。

それは国民とて同様だろう。12月21日夜7時の中国中央テレビのメインニュース番組『新聞聯播』では、何と9分50秒にもわたって、習近平重要講話の映像と解説を報道し続けたのだ。

しかも、大変間の悪いことが起こった。この会議を開催中の12月20日午前11時40分頃、広東省深セン市光明新区鳳凰社区にある恒泰裕工業団の敷地内で、大規模な土砂崩れ事故が発生したのである。

おそらく中国のトップ400人に対して、習近平主席が都市問題の訓示を垂れている前後に、中国を代表する都市の一角である深センで、大事故が発生したのだ。

*習近平総書記の「腐敗撲滅運動」とは

前回の第3回中央都市工作会議は、建国の父・毛沢東主席の死後2年経って権力を掌握したトウ小平が、新たな都市作りをブチ上げた会議だった。そしてその会議から2年後の1980年にトウ小平が始めたのが、経済特区第1号の深センの開発だった。

香港に隣接した人口3万人の漁村に「第2の香港」を建設するとトウ小平がブチ上げた時、誰も信じるものはいなかった。ところがトウ小平は深センを、「第2の香港」どころか、郊外まで含めれば香港の2倍もの人口を擁する巨大都市に作り上げたのだった。

今回、習近平は、1978年のトウ小平のような心境になったに違いない。だからこそ、37年ぶりに第4回中央都市工作会議を開催したのだ。だがその当日に、深センで前代未聞の大事故が発生してしまったのである。

この事故の一報が北京の京西賓館に伝えられた時、400人の幹部の中で一番蒼くなったのは、胡春華・広東省党委書記(省トップ)ではなかったか。胡春華党委書記はすぐさま会議を離れる許可を取って、広東省にスッ飛んで帰ったはずだ。

2012年11月に第18回中国共産党大会が開かれて、習近平副主席が党中央委員会総書記(党トップ)に就任した。それから現在までの3年余り、習近平が唱える腐敗撲滅運動によって、多くの幹部が失脚したことは日本でも伝えられている。それは実際は、腐敗撲滅運動という名を借りた習近平の権力闘争である。

だが習近平の権力闘争の中で、実は最も重要だがまったく伝えられていないものがある。それは、「習近平vs胡春華」の闘争である。

2012年に引退した胡錦濤前総書記は、2007年に「弟分」の李克強を自分の後継者にできず、習近平に全権委譲せざるを得なかったことが、痛恨の極みだった。そこで、「ポスト習近平」には、自分の実の息子のような存在の胡春華が就けるよう、中国31地方で最大のGDPを誇る広東省を胡春華に与えて引退したのだった。

習近平は、晴れて総書記に就任した翌月、最初の視察地に広東省を選んだ。それはその翌週に広東省党委書記として赴任する予定だった胡春華を牽制しておきたかったからだ。その時から、習近平vs胡春華の権力闘争が始まった。

*深センの事故は誰による「人災」なのか

端的に言えば、2017年秋の第19回共産党大会で、習近平は胡春華広東省党委書記を、党中央政治局常務委員(トップ7)に引き上げたくない。引き上げればその5年後に胡春華が党総書記に就くからだ。かつ習近平時代の後半5年は、いつレイムダックになるか知れない。

そして、胡春華を常務委員に引き上げないためには、胡春華に「失点」を与える必要がある。

今回、習近平は、12月21日に中央都市工作会議が終了するまで丸一日間、報道管制を敷いて、深センの大事故について報道させないようにした。その上で中国官製メディアは、33棟が崩壊し、死傷者、行方不明者合わせて93人に上る「人災」が発生したと、センセーショナルに報じたのである。

「人災」とは、誰による災害か? 個々には地元企業とか地元の小役人とかだろうが、広東省全体の責任者と言えば、胡春華党委書記である。「北京で重要な中央都市工作会議を開いている最中に、広東省はいったい何をやっているのだ!」と叱責されることは、胡春華にとって、大きな「失点」となる。

2017年秋の第19回共産党大会まで2年を切った。ここから習近平vs胡春華の権力闘争は本格化していく。そしていまの中国の政治経済環境は、冒頭のイソップ寓話さながらである。2016年の中国では何が起こってもおかしくない――>(以上)

習近平vs胡春華の権力闘争・・・小生はまったく知らなかったが、支那通の世界では常識のようだ。遠藤誉・東京福祉大学国際交流センター長/筑波大学名誉教授/理学博士の論考「深セン土砂崩れの裏に緑威公司と地方政府の利権構造」(ヤフーニュース2015/12/22)から。女史は1941年中国生まれで、国共内戦を経験し1953年に日本に帰国したという経歴の持ち主だ。

<(深センの土砂崩壊)事故の犠牲者に対する関心とともに、筆者だけでなく中国人民は次期国家主席の有力候補者とされる中国共産党広東省委員会の胡春華書記に対する影響がどうなるのだろうかということに、連鎖反応的に注意がいく。

そこで土砂崩れ事故と胡春華の二つのキーワードを入れて中国のネット空間で検索してみた。すると、実に奇妙な現象が現れた。

いきなり「広東省委書記胡春華看望深セン山体事故傷員」という選択項目が出てきたので、驚いてクリックした。

ところが、どのページをクリックしても、すべて「削除されました」とか「申し訳ありません。このページは探し出せません」あるいは「notfound」という表示が出てくるではないか。これはただ事ではない。

知り合いの退職した中国政府の老幹部に確認したところ、どうやら「よからぬ噂」が流れていたので、このタイトルのページは検閲に引っかかり、全て削除されたのだという。

中国共産党新聞網によれば(習近平と李克強は)胡春華などの中共中央および広東省の関係指導層に対して、緊急に救助活動に従事するよう命令を出したとのこと。

胡春華は、広東省の書記としての責任は当然負わなければならないだろうが、直接の影響は少ないようだ。継続して事態の経緯を見守りたい>(以上)

胡錦涛、李克強らの団派が次期エース候補の胡春華を守るため、彼に責任追及が及ばないようにネット規制をしたのかもしれない。相変わらず真相は闇の中だが、習近平が弱り目に祟り目、泣き面に蜂が「常態」であることは確かだ。(2016/1/4)


◆動き出すか憲法改正

大石 格



2016年、日本と世界の経済・政治はどうなるのか。日経新聞のベテラン編集委員の見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点 日経大予測2016』(日本経済新聞出版社)をもとに紹介する。

日本国憲法は一度も改正されたことがない。自主憲法制定を党是とする自民党は結党60年を経ていよいよ悲願達成に動き出すのか。2016年夏の参院選は日本の政治の行方を大きく左右する。

■かつてなく低い国会発議のハードル

これまでほぼ不可能とされてきた憲法改正が、なぜ現実味を帯びてきたのか。与野党が国会内でつくる会派の勢力図をご覧いただきたい(15年12月16日現在)。

衆院では与党の自民党(291議席)と公明党(35議席)を合計すると326議席。憲法改正の発議に必要な3分の2の多数(317議席)を上回っている。

憲法改正に前向きな姿勢をみせる「おおさか維新の会」(13議席)や「改革結集の会」(5議席)の協力も当てにできる。

衆院は手中に収めたとなると、焦点は参院である。こちらは自民党(113議席)と公明党(20議席)を足すと133議席。過半数(122議席)は超えるが、3分の2の多数(162議席)には届かない。ただ、野党のうち「日本を元気にする会・無所属会」(7議席)、「維新の党(大阪系)」(6議席)、「次世代の党」(5議席)、「無所属クラブ」(3議席)、「新党改革・無所属の会」(2議席)、無所属の松沢成文氏を丸ごと改憲勢力に引き込めれば合計157議席となり、あと5議席で目標に届く。

参院は3年おきに半数の議席を改選する仕組みだ。自民党の113議席の内訳をみると、16年夏に任期満了を迎えるのは民主党政権だった10年の参院選で獲得した48議席。政権奪回後の13年の前回選では与党の看板のもとで65議席を獲得したことを考えれば、16年夏に5議席を上積みするのはさほど難しくない。

もちろん自民党が大勝する場合、はじき飛ばされるのが民主党や共産党ばかりとは限らない。元気(改選3議席)、大阪系維新(同1議席)、次世代(同2議席)、無所属ク(同1議席)、改革(同1議席)が全滅したと仮定すると、自民党の上積み目標は13議席となる(獲得議席の変動が少ない公明党は現状維持とみなした)。

つまり前回選の実績を下回る61議席獲得で達成できる。憲法改正の国会発議のハードルがかつてなく低くなっていることをおわかりいただけただろうか。

自民党は05年と12年に憲法改正草案を発表済みだが、そのすべてをいっぺんに実現することはできない。衆参の憲法審査会で改憲案を発議する際、テーマごとに分割して国民投票にかけることになっているからだ。

与野党の憲法調査会長らに聞くと「いちどきに国民投票にかけるのは2〜3テーマがせいぜい。初めてのときは1テーマにすべきではないか」というのがほぼコンセンサスだ。

これを踏まえ、自民党は初の国民投票に9条改正のような国論を二分しそうなテーマは持ち出さないつもりだ。「初めての国民投票の結果が否決だったら、再び改憲を政治日程に載せることは不可能になる」(党幹部)との判断からだ。

自民党憲法改正推進本部では(1)大規模災害などに対応するための緊急事態条項の新設(2)環境権やプライバシー権など新しい人権の新設(3)財政規律条項の新設――の3案に絞って検討に入っている。

国民があまり抵抗感を抱かないテーマから始める。この進め方について、安倍晋三首相に近い礒崎陽輔参院議員が首相補佐官だった頃、「憲法改正を国民に1回味わってもらう。『憲法改正はそんなに怖いものではない』となったら、2回目以降は難しいことを少しやっていこうと思う」と発言したことがある。いわゆる「お試し改憲」論である。

ただ、自民党の憲法改正草案では緊急事態を「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他」とかなり幅広に規定している。

「社会秩序の混乱」とはどの程度の状況を指すのか。現在の自衛隊法には治安出動規定があるが、発動されたことはない。1960年の安保闘争の際、岸信介首相は国会議事堂や首相官邸を包囲するデモ隊を排除するため、自衛隊の出動を求めた。

だが、赤城宗徳防衛庁長官が「自衛隊が国民の敵になりかねない」と難色を示し、実現しなかった。

■「しばらく封印」の声も

1960年の安保条約改定を巡って、国会議事堂周辺には反対を唱えるデモが続いた960年の安保条約改定を巡って、国会議事堂周辺には反対を唱えるデモが続いた。

こうした事例を考慮すると、治安維持のために政治権力者に超法規的な権限を与えることには相当な反対が予想される。特にそれが安倍首相であると、祖父の岸首相の自衛隊出動命令と絡めて語られるのは避けがたい。

緊急事態条項の新設は憲法改正の最も有力な選択肢ではあるが、適用範囲は自然災害だけにするなど相当な絞り込みをし、国会の事後承認までの期間も短めにしなければ、発議にこぎ着けるのは困難だろう。

憲法論議では長年、環境権の新設が改正の1番手とみられてきた。高度経済成長のひずみが顕著になった60年代後半から71年の環境庁発足にかけて、公害基本法などを手書きする規定が憲法にあった方がよいとの世論が盛り上がった。環境保護を求める市民活動家の多くは左翼寄りだったので、自民党が護憲勢力を分断する絶好の機会と捉えて環境権設置に前向きな姿勢をみせたこともこうした動きを加速した。

ただ、最終的には保革相乗り的な運動にまでは至らなかった。環境権を憲法に規定したドイツなどで大規模公共事業への違憲判決が相次ぎ、国土開発計画が滞る事態が相次いでいることも影響し、従来は環境権新設に熱心だった公明党は近年、トーンを下げた。

新たな人権としては、政府内で何が行われているのかを知る権利や、その反対に個人のプライバシーを守る権利などが論議の対象になろう。自民党の憲法改正草案には、国民に行政内容を説明する義務を政府に課す条項が入っている。

 財政規律の維持は、ギリシャ危機などに絡んで急浮上した。バブル景気の崩壊後の度重なる財政出動で日本の財政赤字が危機的な水準にあるのは事実だが、それを憲法にどう書き込むのかとなると答えはなかなか出ない。現憲法は単年度会計主義を明記し、大幅な公債発行は違憲とする憲法学者もいないわけではないが、あまり現実的な議論ではない。

一方、政府・与党内では改憲論議はしばらく封印した方が得策ではないかとの声が広がっている。萩生田光一官房副長官は「2016年夏の参院選で憲法改正が争点になることはない」と語る。背景にあるのは、安全保障法制の整備が国民的な議論の対象になって以降、国民意識が憲法問題にセンシティブになっているという事情がある。

日本経済新聞とテレビ東京が15年4月に実施した憲法に関する世論調査によると、「現在のままでよい」は44%、「改正すべきだ」は42%だった。同じ設問で質問し始めた04年以降で護憲支持が改憲賛成を上回ったのは初めてだ。

こうした雰囲気の中で憲法論議を活発化させれば、参院選で自民党は議席を増やすどころか減らすことになりかねない。第1次安倍内閣だった07年の参院選で自民党は「消えた年金」問題などが影響して37議席に終わり、55年の結党以降初めて参院での第1党の座を民主党に譲った。程なく退陣に追い込まれた安倍首相はこのときのことを忘れていまい。

改憲を封印するのは、自民党に逆風が吹いて大敗するのを避ける狙いがある。この「死んだふり」戦略が功を奏し、自民党の思惑通りに参院でも改憲勢力が3分の2の多数を占めることになるか。安倍首相は参院選に合わせて衆院を解散して同日選に持ち込むのではないかとの臆測もある。過去2回の衆参同日選ではいずれも自民党が大勝している。

[10月21日発行の『これからの日本の論点 日経大予測2016』の一部を抜粋、加筆・再構成]

大石格(おおいし・いたる)
1985年に日本経済新聞社に入社。政治取材を始めて30年になる。政治とは人の心を動かす技。その究極である選挙が大好きだ。動員術や票読みのプロをよく訪ね歩く。日本経済新聞編集委員 
                 (採録:松本市 久保田 康文)

2016年01月04日

◆私の「身辺雑記」(299)

平井 修一


■平成28(2016)年1月1日(金)、元旦、国旗掲揚、皇居、靖国遥拝。朝は室温11度、快晴。君が代を聴き、軍艦マーチをBGMに具沢山のお雑煮を食べてハーフ散歩。帰路、八幡神社に初詣。氏子の平穏無事を祈る。

今年もビシバシ行こう。撃ちてしやまん!

『学歴不要!人生は「読書次第」で大きく変わる カリスマ堀紘一さんが語る』(東洋経済12/31)から。堀氏はドリームインキュベータ代表取締役会長。

<あの渡邉恒雄主筆に見いだされて読売新聞社に入社。その後、三菱商事、ボストンコンサルティング社長を経て、55歳で「ドリームインキュベータ」を起業、同社を東証一部上場企業に育て上げた。

カリスマコンサルタントとして名を馳せる堀紘一さんは、幼い頃からの“本の虫”。さまざまな本を読むことで目標を達成し、自己実現をしてきました。そんな堀さんの、仕事に効く戦略的読書術を初公開します――

*教養を身に付け、一流の人間になるためには?

人生を楽しく生きるには3つの方法がある。ひとつは「金持ちに生まれる」、もうひとつは「有名人の子どもに生まれる」。詳しい理由は割愛するが、いずれも自分では決められないことだ。これは運命でしかない。なら、その他の大多数の人はどうやって人生を楽しめばいいのか。

そこで3つ目の方法として挙げたいのが、教養を身に付けて一流の人間になること。

(そう)なるのに「氏」も「育ち」も関係ない。自分の努力で決まることだから、これは誰でもその気になればできること。そのために重要なのが、ほかならぬ「読書」なのだ。

本を読むのにはさほどお金はかからないし、公的な図書館を利用すれば、無料で本を読み、教養を磨くことだってできる。

教養の有無、一流であるかどうかに、学歴はなんら関係がない。いわゆる一流大学卒でも教養のない人はごまんといるし、三流大学卒でも一流の人間は大勢いる。その差を生む要因のひとつは、「どれだけ本を読んでいるか」という読書量の違いだと私は思う。

日本ではまだまだ学歴で人を判断する風潮が強いようだから、学歴偏重主義のバカバカしさについて改めて強調しておきたい。

諸外国における学歴とは、高卒なのか大卒なのか、大卒ならバチュラー(学士)なのか、マスター(修士)なのか、ドクター(博士)なのかの違いを差している。

どこそこの大学卒だから学歴が高いという風潮、つまり大学受験における偏差値で評価する日本の学歴のとらえ方は、諸外国とは大きく異なっていることを知っておくべきだ。だからといって諸外国の学歴に対する認識が正しいとは、私はこれっぽっちも思っていない。「学歴なんてクソくらえ」といってもいい。

学歴はくだらないものだが、「学」と「歴」の間に「習」という漢字を入れるとコペルニクス的転換が起こる。

昔、学歴ではなく「学習歴」こそが重要だと親しい経営者から教わった。

地球上でヒトというちっぽけな動物が「万物の霊長」として威張っていられるのは、言葉を身に付けて知恵の伝承ができるようになり、過去から学んで未来を切り開く学習経験ができるようになったからだ。同様にビジネスパーソンも、学習歴の幅と深さと長さが、その人の人生を決めるといっても過言ではない。

その大事な学習歴を身に付ける方法は2つしかない。ひとつが「読書」であり、もうひとつが人の話を聞いて学ぶ「耳学問」だ。

こう聞くと読書より耳学問のほうが簡単そうに思えるかもしれないが、それは違う。耳学問はそれ相応のレベルの話を聞かなければ意味がなく、そのためには人的ネットワークを構築する必要がある。一般のビジネスパーソンが、おいそれと築ける類のものではない。

それこそ金持ちの家にも、あるいは有名人の家にも生まれるチャンスがなく、1000人に1人、1万人に1人レベルの人たちの話が聞ける機会がなくても、読書なら誰でも学習歴を深め、教養を深めて一流の人間に近づける。

読書には耳学問が持っているような欠点がまるでない。読書は好きなときにできるのだ。

*若い世代は年100冊、それ以外の人は年50冊を目標に

読書をする利点を頭に入れてもらったところで、今回は本を読むのが苦手な人でも読書が身に付く実践的なテクニックについて紹介しよう。

何事も目標は明快なほうがやる気が出てくる。読書に関しても1年間で読破する冊数を決めると、本を読むモチベーションも高まるだろう。

学生と30歳までの若いビジネスパーソンに関しては、年間100冊は読まなくてはならないと思う。

若い頃は時間も比較的自由であり、生涯で最も本が読める。そこで年間100冊も本を読まないと「少年老いやすく学成り難し」でろくな大人になれない。「学成り難し」ではなく「学成らず」で終わるのが関の山なのだ。

若い世代が電車でスマートフォン(スマホ)のゲームに夢中になっているのを見ると、なんともったいない時間の使い方をしているのだろうとあきれてしまう。知人にそうこぼしたら「いやいや、堀さんはそうおっしゃるけれど、必ずしもそうではありません。パチンコ、パチスロの代わりにスマホでゲームをやっているのだから、お金の節約になるし、タバコの煙がない分、健康的なものです」と教えてくれた。

でも、パチンコもパチスロもスマホゲームも時間の無駄使いであるという点ではなんら違いはないのではないか。時間を無駄に使い、輝かしい将来をドブに捨てているようなものだ。

30代になると仕事も忙しくなる。年100冊読もうと思うとちょっと努力が要るが、年50冊ならいけるだろう。30代以降も年50冊を最低ラインとしてほしい。

読書の習慣がない人には、年50冊、100冊の本を読むのは大変なことのように思えるかもしれない。だが、それは未経験者特有の誤解だ。

私のまわりの若い人たちに読書をすすめると、「忙しくて本を読む時間がありません」という答えが返ってくることもあるが、それはヘタな言い訳にすぎない。本を読む時間は、いくらでも生み出せるはずだ。

読書が身に付いていないと、本というものはある程度のまとまった時間を確保して、腰を落ち着けて一気に読むものだと思い込みがちだ。そう考えてしまうから平日は本を読む時間がないように思えるのかもしれない。でも、細切れの時間ならどうだろう。ちゃんと考えてみると、結構時間はあるものだとわかるだろう。

細切れの時間で、本はいくらでも読める。実際、私はいまでも年100冊以上の本を読んでいるが、読書の大半は細切れの時間にしている。

私はどこへいくにも、カバンのなかに2、3冊の本を忍ばせている。そして移動中、細切れの時間を見つけては本を読んでいる。起床後、就寝前、移動中、打ち合わせが始まるまでのちょっとした時間……。1日のなかで本が読めないタイミングを探すのが難しいくらいだ。そういう半端な時間をつなぎ合わせるだけで、読書のための時間をまとめて設けなくても1日20ページくらいは読めてしまう。

あとは週末に少し時間を見つけて本を開くクセをつけておけば、週1冊はラクに読めるから、年50冊の読破なんていとも簡単なのである。

電車でスマホゲームに夢中になったり、無料通話アプリで友達同士のやりとりに没頭したりする暇があったら、その時間を読書にあてるだけでも、本を読む時間は生まれるものだ。

*「4:3:3の法則」で読書する

どういう種類の本を読むべきかは、その人の置かれた立場によっても変わってくる。仮にビジネスパーソンの読書を前提にすると、私は「4:3:3」というバランスがよいと思っている。つまり「ビジネス書40%、小説30%、その他30%」ということである。

ビジネスパーソンだから、読書の柱になってくるのはビジネス書だ。しかし、自慢話とサル知恵が詰まったハウツー本はいくら読んでも百害あって一理なし。貴重な時間を浪費するだけで終わる可能性大である。

小説は単なる気分転換の道具ではない。小説を読むと語彙や言い回しが広がる。それがコミュニケーション力やストーリー構築力といった表現力の向上につながってくる。

その他のジャンルとしては生物学、歴史、軍事学、哲学の4つを挙げたい。ほかにも、ノンフィクション、エッセイの類いが入ってくる。

年100冊ペースなら、小説とその他がそれぞれ30冊。月1、2冊といったところだから、細切れの時間の寄せ集めでも余裕で読破できるだろう>(以上)

若い時に読書の習慣をつけないと、ほとんど一生、読書と無縁になる。そうであっても仕事を通じて教養、知見を身に付けて人格も立派な人がいるが、これは例外的だ。

一生は1回きりで、その体験や学習は高が知れている。読書をすることは多くの人生を学ぶことになる。その効果は大きいのではないか。人格が軽佻浮薄から重厚長大になる可能性がある。

何を読むか。小生の場合はベストセラーは避けた。口当たりがいいからベストセラーになるのであり、ほとんど勉強にならない。長い間読み継がれてきたロングセラーや古典がお勧めだ。

読書をしない人はテレビを見る。テレビはせいぜい中2レベルだから、何年間見てもそれ以上のレベルにはいかない。大人になっても中2レベルでしかない。小生は高2レベルだが、20年間、会社を経営できたのは、周りの多くが中2レベルだったからだ。競争力、突破力が違う。高2レベルは高給を得る、中2レベルはそれなりでしかない。当たり前だ。

テレビやゲーム、マンガで知恵や教養が身につくはずない。自業自得、自己責任だ。悲惨な晩年を迎えたくないのなら良書をできるだけたくさん、若いうちから読むことだ。

悪知恵もつくぞ。金も女もついてくる。荷風散人のお妾さんは累計10人を超した。情けは人のためならず、読書はもろ自分のためになる。

昼から義弟一族来、赤ん坊を含めて18人で新年会。カミサンは鶏飯を含めて奄美料理で大車輪の活躍。小生と娘2人は片づけのみ。若い人は気持ちよいくらい食べる。結構な元旦だった。

■1月2日(土)、国旗掲揚、皇居、靖国遥拝。朝は室温14度、晴、ハーフ散歩。

翻訳家・脇坂あゆみ氏の論考『日本人が知らないアメリカ的政治思想の正体 自由至上主義の源流に「アイン・ランド」あり』(東洋経済2015/12/4)は面白かった。編集部による前書きはこうだ。ちょっとカッコイイ。

<かのカール・マルクスの『共産党宣言』は「ヨーロッパに幽霊が出る――共産主義という幽霊である」という書き出しで始まる。アメリカにも幽霊が出る。アイン・ランド(1905〜1982年)という幽霊だ。

この思想家・政治家は米国の政治家、企業経営者の中に信奉者が多く、その著作は聖書に次いで多くの若者の思想形成に影響を与えたともいわれ、発行部数は累計3000万部に及ぶ。

アメリカの政治思想を知るためには、起業家精神、そして小さな政府を説いたアイン・ランドを知ることが不可欠だ。にもかかわらず、ほぼ日本では無名である。今回、アイン・ランドの著作の翻訳者である脇坂あゆみ氏に、「現代米国とアイン・ランド」というテーマでリアル・アメリカを解説してもらう>

小生もアイン・ランドは知らなかった。ウィキにはこうある。

<アイン・ランド(Ayn Rand、1905年2月2日 - 1982年3月6日)は、ロシアで生まれロシアで教育を受け、1926年に米国に移住したロシア系アメリカ人。小説家、思想家、劇作家、映画脚本家である。

2つのベストセラー小説『水源』(The Fountainhead、1943年)および
『肩をすくめるアトラス』(Atlas Shrugged、1957年)があり、また自ら
「客観主義」と名付けた思想体系の創出者としても知られる。

ランドは「理性を知識を得る唯一の手段として擁護し、信仰や宗教を拒絶
した。合理的かつ倫理的なエゴイズムを支持し、倫理的利他主義を拒絶し
た。政治においてはInitiation of Force(自分の側からの強制力の行
使)を非難し、集産主義(共産主義など公共の福祉のために中央集権的な
統制の必要を強調する信念や方法)および国家主義に反対した。また無政
府主義にも反対した。

最小国家主義および自由放任(至上)資本主義を、個人の権利を守る唯一
の社会システムと信じ、支持した> (以上)

米国共和党は小さな政府を志向するが、ランドの影響を多大に受けているという。日本人は「清く正しく美しく。清貧に甘んじる」という、いささか禁欲主義的な生き方に肯定的で、麻生太郎氏などの富裕な政治家を嫌う傾向にあるようだが、ランドは資本主義を経済システムとしてベストとし、さらに「金儲け=金をつくる」ことは道徳的にもまったく正しいとした。

つまりランドの思想こそが「アメリカンドリーム」の理論的裏付けになっているのだ。

脇坂あゆみ氏は続編として『日本人が知らない"カネの国"アメリカの美徳 「カネを作る人」がもっとも尊敬される』(同2015/12/31)も書いているが、以下の箇所は小生にとって強烈だった。

<ドナルド・トランプといえば、日本では金ぴかのタワーを建てて自らの名を冠し、強欲で自己顕示欲の強い利己主義者のイメージが強い。日本では、それは一国のリーダーとなる高潔な人格者のありかたからはほど遠いものだ。

アメリカでも今回の大統領選の序盤では単なるナルシストとしてメディアからは現実的な候補者扱いはされてはいなかったのだが、彼の支持者は違う。とくに茶会系の支持者たちは、かれらが信奉するアイン・ランドの理想、資本主義の象徴である成功した実業家として無邪気にトランプの人格と資質を礼賛している。

*トランプが体現しているものとは?

アイン・ランドは今でも多くのアメリカ人を魅了し続けている

大企業で役員を務め、アイン・ランドの哲学である客観主義の研究に30年以上たずさわり、茶会運動にも活発に関与してきたクレイグ・シュルツは早くも8月に保守系のウェブマガジン『アメリカン・シンカー』で、

「トランプはかつての良きアメリカを想起させる。アメリカ人は楽観主義者だ。自分の手を動かし、問題を解決し、創造し、成功を讃える。アメリカ人は独立心旺盛で、誇り高く、おおむね幸福な人たちだ。アメリカは独立独行の男(セルフメイド・マン)の国であり、カネが政治的な配慮や駆け引きでたかられたり獲得されたりするのではなく、作られる国なのだ」

と書いている。

アイン・ランドを読んだことがある人なら誰でもすぐにピンとくるのだが、最後の一文はほとんどが、彼女の代表作『肩をすくめるアトラス』のなかでも有名な「おカネの演説」からの引用である。

演説は物語の中盤、カネに無頓着な博愛主義の経営者タッガートの結婚式で、「金(カネ)は諸悪の根源だ」と語るジャーナリストの言葉を耳にした銅山王ダンコニアが招待客を前に、「それではあなたがたがたは、金(カネ)は諸悪の根源だとお考えなのですね?」と異議を唱えるところから始まる。

そこでダンコニアは、お金が横領や略奪ではなく、ある名誉の象徴、生産と思考の象徴であり、「おカネの根源たる道徳律をおかさない人間がいるという希望の証」だと主張する。そしてアメリカ人が最も誇るべき特徴は、かれらが「おカネを作る」という文句を創った民族であることだと指摘する。

「だがお金は弱者の犠牲の上に強者が作るものだと言われるのでしょうか? 富は考える能力の産物です。ではお金はモーターを発明した男が発明しなかった人びとを犠牲にして作るのでしょうか? 賢者が愚者を犠牲にして? 有能な人間が無能な人間を犠牲にして? 野心家が怠け者を犠牲にして?

お金は作られるのです。すべての正直な人間それぞれの能力に応じた努力によって、横領されたりたかられたりする以前に作られるのです」>(以上)

トランプ人気は一時的なものではなく、彼の主張は茶会系などの共和党支持層の基本的価値観と共鳴、共振しているのである。脇坂氏はトランプと副大統領候補のテッド・クルーズのコンビでヒラリーと戦うことになりそうだと予想する。クルーズ自身もヒスパニック系のアメリカンドリームの体現者だ。

脇坂氏はそれでもヒラリーには勝てないだろうと書いているが、いい勝負になりそうだ。一寸先は闇、事によればサプライズがあったりして・・・

超大国の大統領選という“内戦”で11月まで米国も世界も一喜一憂することになる。日本も夏まではW選挙で“内戦”だ。まったく民主主義は騒々しい。

■1月3日(日)、国旗掲揚、皇居、靖国遥拝。朝は室温12.5度、快晴、ハーフ散歩。

支那は実に多くの国が創られ、多くの国が亡びた。1000年ほど前からの王朝、政権を振り返ると、こんな風だ。( )内は寿命。

「遼」916〜1125、契丹族(209年)
「宋」960〜1279、漢族と突厥人の混合(319年)
「元」1271〜1368、蒙古族(97年)
「明」1368〜1644、漢族(276年)
「清」1616〜1912、満洲族(296年)
「中華民国」1912〜1949、漢族(37年)
「中共」1949〜、漢族(今67年)

元は蒙古=モンゴル帝国である。第5代ハーンのフビライが大都(北京)に遷都して、支那を支配。1279年南宋を滅ぼし、領域は支那全土からモンゴル本土を含み、東欧、中欧、朝鮮、チベットをも服属させた。当時の世界最強の国だった。陸軍=騎馬軍団が機動力を発揮した。

日本も襲撃され、元寇=蒙古襲来として記憶されている。文永の役(1274年)、2度目を弘安の役(1281年)という。弘安の役において日本へ派遣された艦隊は当時の世界最大の艦隊だった。元に元寇を勧めた高麗(韓国)が尖兵となり残虐の限りをつくしたのだ。中韓連合、今とそっくり。

この最強帝国が100年もたなかった。善政もしたが、権力闘争と人民の反乱などで半ば自滅した。

中共は建国100年の2049年には世界最大最強の国家を目指す「100年マラソン」「偉大なる中華民族の復興」を国是としている。あと33年だ。もつのかどうか。

明は対日戦(耶蘇教の明軍を利用した日本侵略に猛反発した秀吉の先制的朝鮮征伐)で経済が破綻し、清は日清戦争で敗北して戦国時代になってしまった。米ソに使嗾された中華民国・蒋介石は対日戦で疲れ果てて中共軍に追い出された。

そして今や四面楚歌の中共は・・・経済低迷の中、権力闘争、人民の反乱、それとも対日戦で消えるのか。今年はその行方が分かるだろう。

午後に年末から連泊していた子・孫はN母子以外は撤収した。5日間戦争が終わった。(2016/1/3)

◆財務省は嘘つきなのか

平井 修一



日出ずるところの大和さんちの借金は1000兆円だそうです。財布を預かっている財部さんがいつもそう言っており、「大変だ、大変だ、台所は火の車だ、増税しないと潰れそうだ」と事あるごとに領民にお金をせびっています。

でも領民は「それって本当なの? 大和さんちは換金性の高い資産をいっぱい持っているし、不動産もある。純粋の借金はGDP比60%くらいの300兆円ほどじゃないの。財部さんて、なんか怪しい・・・」と思う人が近年増えているようです。

財部さんの元同僚だった高橋洋一先生は「やっぱりウソでした それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!この国のバランスシートを徹底分析」(現代ビジネス12/28)で領民の素朴な疑問に答えています。

高橋先生は1980年、大蔵省(現財務省)入省、理財局資金企画室長、内閣参事官など歴任。小泉内閣、安倍内閣では 「改革の司令塔」として活躍。07年には財務省が隠す「埋蔵金」を公表、08年に山本七平賞受賞。政策シンクタンク「政策工房」会長、嘉悦大学教授というツワモノです。

高橋さんは今や財部さんの天敵になっているようです。お話を聞いてみましょう。難しい話はカットしました。

<先週26日(土曜日)、大阪朝日放送の番組「正義のミカタ」に出た。大阪のニュース情報番組だが、東京とは違って、自由な面白さがある。そこで、「日本経済の諸悪の根源はZ」というコーナーをやった。Zとは財務省である。

その中で筆者が強調したのは「借金1000兆円のウソ」である。借金が1000兆円もあるので増税しないと財政破綻になるという、ほとんどのマスコミが信じている財務省の言い分が正しくないと指摘したのだ。

借金1000兆円、国民一人当たりに直すと800万円になる。みなさん、こんな借金を自分の子や孫に背負わせていいのか。借金を返すためには増税が必要だ。……こんなセリフは誰でも聞いたことがあるだろう。財務省が1980年代の頃から、繰り返してきたものだ。

テレビ番組は時間も少ないので、簡単に話した。「借金1000兆円というが、政府内にある資産を考慮すれば500兆円。政府の関係会社も考慮して連結してみると200兆円になる。これは先進国と比較してもたいした数字ではない」

これに対して、番組内で、ゲストの鳥越俊太郎さんから、「資産といっても処分できないものばかりでしょう」と反論があった。それに対して、多くの資産は金融資産なので換金できる、といった。

筆者がこう言うのを財務省も知っているので、財務省は多くのテレビ関係者に対して、「資産は売れないものばかり」というレクをしている。鳥越さんも直接レクされたかがどうかは定かでないが、財務省の反論を言ってきたのには笑ってしまった。

番組が昼にかかり15分くらいの休憩があった。そのとき、鳥越さんから、「金融資産とは何ですか」と筆者に聞いてきた。「政策投資銀行(旧日本開発銀行)やUR都市機構(旧住都公団)などの特殊法人、独立行政法人に対する貸付金、出資金です」と答えた。それに対して「それらを回収したらどうなるの」とさらに聞かれたので、「民営化か廃止すれば回収ということになるが、それらへの天下りができなくなる」と答えた>(以上)

こんな意見はファイナンシャルプランナー・金井康祐さんも自社サイト2013/6/5で「資産も負債も金メダル」で述べています。

<「日本の借金は1000兆円、日本人一人当たり800万円」という数字がよく使われる。たしかにウソではない。しかし、借金(負債)が1000兆円ある一方で、資産も700兆円ある。つまり、資産負債差額(純債務)は300兆円ほどで、GDP比60%程度である。

*金融資産500兆円の内訳

資産の範囲をどこまで見るかによって、国際比較する際に注意が必要である。700兆円というのは実物資産まで含めているが、金融資産だけで見ても500兆円くらいにはなる。

固定資産は約200兆円、貸付金と出資金も合わせて200兆円、有価証券が300兆円である。有価証券の中で主なものは、外国為替130兆円のうちの100兆円(有価証券)と、年金140兆円のうちの130兆円(運用預託金)である。

固定資産は建物の一部の証券化、年金は巨額の責任準備金(平井:将来の給付のために現時点で保有しておかなければならない積立金)の一部だけでも十分である。(平井:運用預託する必要はない、ということらしい)

貸付金と出資金の200兆円は特殊法人を整理(民営化)すればよい。民業(営利追求)にそぐわないとされているが、現在の特殊法人はみな巨額の内部留保を抱えている。つまり、儲けているため、民営化できないはずがないのである>(以上)

証券化とか民営化で資産の現金化はできるのだから、金がないというのは間違い、あるいは詭弁だということのようです。特殊法人とか独立行政法人は財務省をはじめとする官僚のおいしい天下り先になっているから財務相は民営化を拒否しているのでしょう。

こうした意見に対して財部さんたち財務省はサイトでこう反論しています。

<政府の負債と資産

Q:日本の政府は借金が多い一方で資産もあり、資産を売れば借金の返済は容易だという説もありますが、どのように考えていますか?

A:国においては、企業会計の考え方を活用して貸借対照表(バランスシート)を作成しており、平成21年度末時点では、1019兆円の負債に対し、647兆円の資産が存在しています。

しかしながら、これらの資産の大半は、性質上、直ちに売却して赤字国債・建設国債の返済に充てられるものでなく、政府が保有する資産を売却すれば借金の返済は容易であるというのは誤りです。

代表的なものをご説明すると、

(1) 年金積立金の運用寄託金(121兆円)は、将来の年金給付のために積み立てられているもので、赤字国債・建設国債の返済のために取り崩すことは困難です。

(2) 道路・堤防等の公共用財産については、例えば国道(63兆円)などや堤防等(67兆円)などとして公共の用に供されているものであり、また、収益を生むわけでもないので、買い手はおらず、売却の対象とはなりません。

(3) 外貨証券(82兆円)や財政融資資金貸付金(139兆円)はFBや財投債(※)という別の借金によって調達した資金を財源とした資産であり、これらの借金の返済に充てられるものであるため、赤字国債・建設国債の返済に充てることはできません。

※)財投債:国債の一種で、財政融資資金貸付金の財源として発行され、償還は財政融資資金の貸付回収金などによって賄われるもの。

FB:国庫もしくは特別会計等の一時的な現金不足を補うために、国が発行する短期の資金繰り債。政府短期証券(Financing Bill)の略称。

(4) 出資金(58兆円)は、その大部分が独立行政法人、国立大学法人、国際機関等に対するもので、これらに対する出資は、そもそも市場で売買される対象ではありません>(以上)

なにか言い訳じみていますが、世の中ではジャンク債だって市場で売買されているご時世です。大口の借金だって小口に証券化して金融商品として売っています。企業は自社ビルだって売却し、それを賃借するのも常套手段です(リースバック)。やろうと思えば換金できるはずです。

結局、財部さんは自分たちの利権(天下り先など)を守りたいために「増税するしかない」とマスコミなどを洗脳しているようです。国立大学、たとえば東大は必要なのかどうか。小生には非常識なイカレポンチ製造所としか思えませんが。

大番頭の安倍さんは財部さんの提言に従って2014年春に増税しましたが、領民は気絶してしまいました。

財部さんは2017年春に再び増税を企んでいますが、領民は今度はショック死するでしょう。安倍さんは「もう財部さんの言いなりにはなるまい、民のカマドの火が消えてしまう」と決心しているのではないでしょうか。
(2016/1/3)



◆ロケットなど3つの部隊を新設

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)1月 3日(日曜日) 
通算第4767号  <前日発行>>

  〜習近平の一大軍事改編、「5大戦区」への再編は見送られたが
   陸軍、サイバー、ロケットの3つの部隊を新設。新空母建造を公表〜

12月31日、中国人民解放軍は新しく3つの部隊を新設させ、その発会式には習近平が出席し、それぞれの責任者に部隊旗を自ら下げ渡す儀式を執り行った。

新設は「陸軍指導機構」、「ロケット部隊(火箭隊)」「サイバー(戦略支援部隊)」の3つ。

これらは軍事改革のプログラムに最初から謳われていた部隊でおどろきではないが、同時に7つの軍区を5つの「戦区」へ改変するという計画の具体的な発表がなかった。

同時に中国国防部は、海軍が新空母を建造中であることを公式に認めた。

『サウスチャイナ・モーニングポスト』(1月2日)によれば、この新空母は現有ソ連型の「遼寧」に酷似した旧式のもので、スキージャンプ型、ディーゼル駆動で、速力は不明。5万トンという。
正月早々の中国の話題は、軍事のことでした。

◆めでたい経済話

大江 洋三



昨12月15日、日経新聞において「日本の経済政策への提言」と題し、ピーターソン国際経済研究所のA・ポーゼン氏とO・ブランシャール氏による経済コラムが紹介著された。

日本政府はもっと高いインフレ率を実現すべきで、その方が財政再建の早道だと主張している。

この点は、日本にも賛同者がいるから譲るとして、論の前段階として非常に興味深い指摘がある。

「日本の1人あたり国民所得は、金融危機のかなり前から他の先進国を上回っている」

国民所得の国際比較は、ドル表示でなされるから為替相場で伸縮することは間違いない。

しかし「かなり前から」と述べている。文意からすると「今も」である。二人とも歴とした経済学者だから、我々が見ていないものを見ていることになる。

考えられる理由はただ1つ。彼等は一般政府の医療・年金支出の拡大をカウントした。平均寿命が伸び続けているから根拠にはなる。

我々は、税で賄う一般会計の赤字に捕らわれ過ぎて、特別会計に拠る支出を過小評価しているのではなかろうか。心配症の癖みたいなものだ。ここら辺りは、内閣府の国民所得統計をみても判然としない。

アメリカは短期金利を上げするほど景気がいい。それでも失業率は5%。日本ではかなりの不景気水準に相当する。

彼等は何故?と考えただろう。

マクロ経済学の三面等価に依れば、国内総生産=分配国民所得(貯蓄+消費)=支出国民所得(投資+消費)になる。

経済は「作って、売って、買って」そして作っての循環だから、必然的にそうなる。この場合の貯蓄は納税(社会保険料込)を含む。

また、生産・支出・分配に官・民の色分けがあるわけではない。

ただし、それぞれの額は優れて統計的産物(推計値)で、何を加えたか数えないかに拠る。また誤差・脱漏は付きものである。

政府が‘17年度より企業の研究開発支出を投資勘定にしてGDPに加えるが如である。

投資の根元的な意味は、未来の人が使用する財貨・サービスを、いま支出生産することを指す。

消費よりも経済波及効果が高いことが知られている。

未来に支出するのだからリスクも高いが、楽しみがより多いから投資する。

現役世代が社会保険料を納めるのは投資であり、我々高齢者は消費する。だから、若者に間違っても未来は暗いなんて言ってはならないし、なるべく消費しないようにしなくてはならない。

お爺ちゃんが孫に小遣いを与えるのは投資で、自らの飲食に当てるのは消費である。

孫にお年玉を与えることは、爺・婆の務めである。

2016年01月03日

◆朝日“捏造”新聞の狂気

平井 修一



朝日新聞は相変わらず嘘つきである。平気でバレバレの嘘をつく。捏造するのだ、なんのためらいもなく。日本人とは違う人種としか思えない。ほとんど狂気、絶対病気だ。

古森義久氏(ジャーナリスト・国際教養大学客員教授)の論考「朝日新聞の虚報、慰安婦問題日韓合意で〜日本がワシントンで“告げ口外交”?」(Japan In-depth2016/1/1)から。

<日本と韓国の慰安婦問題に関する合意に対しては日本側では当然ながら多様な意見が表明されている。そのなかでは朝日新聞が事実を曲げてまで、日本側を非難し、韓国側に奇妙に肩を持つ社説を掲載したことが目立った。こんな事実をゆがめる評論は世間に広く知られてしかるべきだろう。

朝日新聞のこの社説は12月29日付朝刊に「慰安婦問題の合意 歴史を越え日韓の前進を」という見出しで掲載された。見出しはいかにも朝日新聞らしい日本も韓国も悪いのだから、という調子の、言ってしまえば、えらそうな論評を反映していた。

自分たちは日本でも韓国でもない高所に立って、そこから双方を叱り、たしなめるという朝日方式の“宇宙人的”な説教だといえる。だがその説教には大きな事実関係の虚偽があるのだ。その社説の結論部分にある以下のような記述である。

「日韓の国交正常化を強く後押しした米国は、今回の和解にも大きく関与した。この2年半、日韓両国はワシントンを主舞台として、激しい『告げ口』外交を展開してきた。その結果、傷つき、疲れ果てた日韓が悟ったのは『不毛な争いは何も生み出さない』というあたり前のことであり、対話という原点に戻ることだった(以下略)」

上記の記述のうち決定的な虚構は「日韓両国はワシントンを主舞台として、激しい『告げ口』外交を展開してきた」という部分である。日本がワシントンを主舞台として激しい「告げ口」外交を展開した事実などまったくないのだ。私自身がワシントンに駐在して慰安婦問題でのアメリカや日韓の動きは詳しく追ってきた体験からも、この朝日新聞の記述はデマとして響く。

この場合の「告げ口外交」とは二国間の問題をめぐって、他の第三国や国連のような直接の当事者ではない対象に向かって、二国間問題の相手を非難し、批判することだろう。水面下の駆け引きではなく、公開や公式の場で、二国間問題の相手国の非をあげて、糾弾することを意味する。つまり韓国側代表がアメリカの首都で日本を名指しして、アメリカ側に向かって日本を非難することである。

韓国側はこの日本を名指ししての「告げ口外交」をワシントンでさんざんに実行してきた。朴槿恵大統領の演説に始まり、韓国の政府代表、国会議員、学者などワシントンの官民の舞台で慰安婦問題など歴史関連案件を主体に日本を標的に一方的な糾弾の限りを尽くしてきた。なかには悪口雑言とも呼べる言辞もあった。

私自身が公開のシンポジウムでの韓国の政治家の日本非難に対して「第三国にきて、日本側が反論の機会のないまま、一方的に日本を悪者にするのは不公正ではないか」と指摘したこともあった。

その一方、日本側の代表がワシントンで韓国を非難する「告げ口外交」らしき言葉を述べたことなど、皆無だった。とくに日本政府の代表、つまり在米日本大使館は情けないほど反論をしなかった。日本の立場さえ主張していない。少しは「告げ口外交」をするべきだったのに、反論を述べるという範囲の発言さえゼロといえる状態だったのだ。

朝日新聞はその事実を無視して「日韓両国はワシントンを主舞台に激しい『告げ口』外交を展開した」というご託宣を述べるわけだ。虚構である。デマなどという下品な言葉を使いたくないが、ひょっとするとこの言葉は今回のような事例を評するために存在するのかもしれない。

朝日新聞の社説の筆者がこの虚構とかデマだという私の指摘に反論するならば、日本側によるワシントンでの「告げ口外交」の具体例を提示してもらいたい>(以上)

「俺の見方、意見は絶対正しい」「事実などはどうでもいい」・・・かくして朝日は「慰安婦強制連行」「慰安婦狩り」捏造をバックアップし、世界中に拡散して日本人の名誉を棄損した。

今回はモロ捏造である。朝日の読者は中2レベルだから騙されるだろうが、ネチズンには古森氏のような大学教授レベルもいるから、嘘をつけばすぐにバレルのである。嘘つき記者は軽蔑され、叩かれるのである。

こんな簡単なことが分からないのは、「息をするように嘘をつく」と言われている中韓の異様な反日病患者だからだろう。そんな患者が朝日には溢れているに違いない。朝日殲滅も今年の重要課題だ。徹底的に朝日を貶めることが大事である。(2015/1/2)



◆世界秩序の崩れは世深刻な現実だ 

中西 輝政



≪皮肉な「素晴らしき新世界」≫

昨年、日本では「戦後70年」に人々は大きな関心を向けたが、世界では、ある戦争の「戦後25年」が差し迫った話題になっている。それは1991 年に起こったあの湾岸戦争である。というのも、冷戦後の世界秩 序の歴史的な崩れがいよいよ現実となってきたからである。

実際、 2015年の世界は、シェークスピアが人々の傲慢なほどの楽観主義はや がて大いなる幻滅と混乱をもたらすことを皮肉を込めて呼んだ「素晴らし き新世界」を現出するものとなった。

中東とヨーロッパ・北米を覆った凄惨(せいさん)なイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)によるテロの連鎖と、第2次大戦以来かつてなかった大規模な難民流出という人道上の危機。

目を東に転じれ ば、この数十年「改革・開放」を掲げグローバル経済の恩恵を受けて急成 長してきた中国が、一転、強硬な軍事膨張政策を露(あら)わにし南シナ 海の人工島をめぐり米軍と正面切って対峙(たいじ)し始めた。

さらにプーチン政権のロシアも武力を行使してクリミアを併合した上に、ソ連時代にもやらなかったような中東への直接的な軍事介入に乗り出している。他方、アメリカは中東への本格介入は何としても避けようとしている。冷戦後の世界秩序は明らかに「底抜けした」と言うしかない状態である。

かつて「希望の世紀」の到来と期待された冷戦終焉(しゅうえん)後の世界は、今や全く皮肉としての「素晴らしき新世界」に成り果ててしまった。一体なぜこんなことになってしまったのか。全ては「あの戦争」に起因しているのである。

日本では湾岸戦争というと、自衛隊を派遣すべきか否かで大論争になり、結局、派遣できずに大金を支払って逆に世界から顰蹙(ひんしゅく)を買った出来事、という記憶しかないかもしれない。

が、あの戦争こそ今 日の国際秩序の混迷の元凶だったことを知る必要があろう。

 ≪単独覇権もくろんだ湾岸戦争≫

25年前の1月17日、湾岸戦争開戦の朝、「砂漠の嵐作戦」に参加し たアメリカ第82空挺(くうてい)師団のある軍曹は次のような手記を残 した。「今われわれは今後数百年にわたる世界の大改造のためにこの戦争を戦おうとしているのだ」。

ブッシュ大統領(父)も、この戦争の目的を 「世界新秩序の確立」と、その開戦演説で語った。

確かに武力でクウェートを占領したサダム・フセインのイラクを制裁しクウェートから撤退させることは国際社会の一致した意思であった。問題はそのやり方だった。しかもアメリカの目標は理念的にすぎた。ここにアメリカの過誤があったといえる。

実は地上戦突入の直前、イラク軍のクウェートからの無条件撤退が行われる流れができあがっていたのである。しかし、アメリカはあえてそれを許そうとはしなかった。このことは近年公開され始めた各国の外交文書や各種資料が実証するところである。

私は湾岸戦争直後、「湾岸に沈んだ新秩序−単極体制を夢みるアメリカは世紀の過ちを犯す」と題する論文を発表した(『Voice』91年5月号)。そこでも触れたが、ブッシュ大統領は開戦演説でアメリカ独立戦争の思想的指導者トマス・ペインの言葉を引用して「この戦いは人々の魂をめぐる戦いとなろう」と語っていた。

つまり、アメリカの圧倒的な力を世界に見せつけることによって、冷戦後の世界で「唯一の超大国」として強いリーダーシップとアメリカの単独覇権という世界秩序を作り出すことがこの戦争の目的だ、ということを意味していたのである。

 ≪アメリカの振幅と落差の大きさ≫

実際それはあまりにも華々しく成功し、しかもあまりにもあからさまであった。その傲慢さは世界中に深い反発と怨念を残すことになった。その一つがアルカーイダなどのイスラム過激主義を生み出し「9・11」やアフガン戦争、イラク戦争をもたらし、今日のISの出現に繋(つな)がってくるのである。

今こそオバマ大統領のアメリカは世界秩序維持のために地上軍による本格介入が求められるときであるのに、そしてアメリカにはその力があるのに、シリアの人道危機にも正面から対処しようとしない。この振幅と落差の大きさは、アメリカの同盟国としてわれわれは覚えておく必要があろう。

湾岸戦争を見て米軍のハイテク兵器に震え上がった中国の人民解放軍は以来、営々と歴史的な大軍拡へと突き進み今日に至っている。地上戦突入の前日(91年2月23日)には、モスクワ中心部に50万人のソ連軍人 が集まってアメリカへの対抗の必要を訴えた。

これこそソ連崩壊を超え て、今日アメリカへの対抗心をむき出しにクリミア併合や中東介入に突き 進むプーチン外交を支えるロシア国民の精神的な淵源(えんげん)なのだ。

 かくて世界は冷戦後の新秩序の機会を失っていったのである。25年の長丁場で世界を見る視点が求められるゆえんである。(なかにし てるまさ・京都大学名誉教授)
産経ニュース【正論】2016.1.1

2016年01月02日

◆劉源(劉少奇の息子)が「裸退」を発表

宮崎 正弘 


<平成28 年(2016)1月 2日(土曜日)弐 通算第4766号 <前日発行>>

(速報)
  〜大晦日の北京、中南海に激震
    劉源(劉少奇の息子)が「裸退」を発表〜


劉源は習近平の「軍師」。そして人民解放軍のなかにあって腐敗撲滅を推進し、巨額の汚職に邁進し、各地に豪邸を建てて美女を十数人も愛人にするなど豪華な生活をおくっていた腐敗軍人の谷俊山を最初に血祭りに上げ、ついで江沢民系の軍トップだった徐才厚と郭伯雄を失脚させる原動力となった。

劉源は軍では「総後勤部政治委員」だが、凄まじいまでの綱紀粛正をすすめたため上海系軍人から恨まれ、宿泊したホテルが放火され、自動車事故(運転手は死亡)などの暗殺未遂に数回も遭遇したほどだった。

習近平には適宜適切な、数々の助言をなし、習がもっとも頼りにした「兄貴分」だった。

したがって近く発表される軍改革で、劉源は「軍事委員会中央紀律委員会」の書記となり、さらなる汚職撲滅を進め、軍の近代化の旗頭になるだろうとチャイナウォッチャーの多くが見ていた。

その劉源が潔く、次のポストも見返り条件もなく退役する(これを「裸退」という)というのだから、中南海の共産党高層部が慌てたのも無理はない。

12月31日、国防部スポークスマンは会見で、劉源の勇退を発表し、理由は「65才定年の規定によるもの」とした。

さて、これにより、軍改革は挫折するか、より迅速に進むか?

或いは、劉源の退任は上海派からあがっていた不満のガス抜きなのか、様々な憶測が乱れ飛んでいるが、なぜ大晦日という日を選んで、劉源「裸退」のニュースを流したかに、その謎が潜んでいるようである。

すなわち習近平が9月3日の軍事パレードで宣言したように「軍の近代化」「30万削減」という大目標は、従来の「7軍区」を4、ないし5の「戦区」に改変し、さらに総政治部、総参謀部、総装備部、総後勤部の「4総部体制」を撤廃し、西側の軍にあるように「統合幕僚本部」を設置して、全軍一致、命令系統の統一、地方軍閥の希釈化をはかる壮大な「軍再編」がやりやすくなったのではないか。

現に現在「中央軍事委員会」の呉勝利は70才、馬暁天は66才であり、劉源の65才定年退役の例に倣えば、退役せざるを得なくなるだろう。

軍事委員会には胡錦涛が指名した軍人が大半を占めるとはいえ、「太子党」の張又峡、張陽らがおり、副主任の許基亮より政治勢力としては大きい。

折しも劉源退任発表の前日(12月30日)、軍隊内で「反日派」の頭目とされる劉亜州(国防大学政治委員。陸軍大将)が内部資料に論文を書いて「この軍改革は『革命』であり、譚嗣同の精神を継承してやり遂げなければならない」と主張していることがわかった。

彼のいう「譚嗣同精神」とは洋務派が流血なく改革をやり遂げようとした方法論を指すものと解釈され、「この軍改革をやり遂げなければ軍は死ぬ」としている点に特徴がある(「軍改之一場革命」)

この劉亜州もまた『太子党』で岳父は李先念(元国家主席)。父親は蘭州軍区後勤部副政治委員だった劉建徳。武侠小説をかく変わり者でもある。
     

◆ラファイェット疑獄

Andy Chang



中国では大物政治家の贈収賄事件や官商癒着が報道されているが台湾のラファイェット疑獄ほど国際的に広範囲な事件はない。ラファイェット疑獄は台湾、フランス、中国の高官が介入した大事件であり今も続いている。

私は2006年に一連のラファイェット疑獄の記事を書き、台湾の楊基銓国際文化基金センターで2回(日本語と台湾語)、友愛会で日本語の講演をしたあと日本に赴き、宮崎正弘と東海子のお2方のご尽力を得て、靖国会館で日本語、外人記者クラブで英語の講演を行った。

●ラファイェット疑獄のあらまし

台湾の海軍は1990年に光華3号計画を立案した。本来の計画はアメリカの設計図による韓国製の2000トン級駆逐艦を16隻購入するはずだった。ところがこれを聞いたフランスの東京にオフイスを持っていたトムソン社のアルベサール(Jean-Claud Albessard)が当時の参謀総長カク伯村にフランスの最新式3000トン級のラファイエット巡洋艦を売り込み、カク伯村は光華2号計画を変更した。

ラファイェット巡洋艦はステルス艦で、76ミリ速射砲、ミサイルなどの外にトムソンCSF(Thomson-CSF、いまのThales Group)社が開発したTAVITAC(Traitement Automatique et VIsualisation TACtique)と呼ぶ軍艦用戦術情報処理装置を持つ。アメリカのイージス艦に類似したレーダー海面監視と連合艦隊作戦系統である。

シンガポールはこの巡洋艦6隻を12.5億ドルで購入したが、台湾海軍は6隻12.5億ドルの予算を26.5億ドル(一説では28億ドル)で契約した。これがフランス側のOperation Bravoで、契約により余計な14億ドルが闇に消えたのだ。

1993年のトムソン社との契約書には「リベートは取らない」と明記したにも拘らず、契約書の付記に「18%のリベートを払う」と書いてあった。リベート約5億ドルは台湾、フランスと中国が分け合った。

年が明けた1994年、フランスのシラク大統領は中国が抗議したので契約は実行できないと発言。同年2月フランスのデュマ外交部長は56箱のラファイエット設計図を持って中国を訪問。フランスの設計図に加えて台湾側は巡洋艦に搭載した武器一切を中国に「贈呈」し、
中国の「許可」を得たのである。

中国はフランスから貰った設計図と台湾が贈呈した武器でラファイェット型巡洋艦6隻を建造した。これで台湾のTAVITACの連合艦隊作戦は中国側に筒抜けとなるから無用化したのである。

台湾海軍はフランスで建造した軍艦を台湾までの航海中に一隻がマラッカ海峡で岩礁を擦って横腹が破損した。

空っぽの軍艦のためカク伯村は更に20億ドルの武器予算を立てた。元来は12.5億ドルで軍艦と武器一切を含む値段だから、武器の値段はせいぜい5億ドルなのに20億ドルの予算を立てたのである。

新しい武器購入のためフランスに赴いた、汚職の実情を知らなかった尹清楓大佐は、フランでカク伯村らの酷い汚職を知って驚き、同僚に隠して詳細を記録しておいた。同年12月、同僚の郭立恆に記録を公開すると言ったため郭立恆らに殺害され、死体は海に捨てたが
翌日発見され、始めて事件が発覚した。

一説ではアルベサールが尹清楓殺害に加わっていたと言う。尹清楓の死んだ翌日、アルベサールと台湾の購買仲介者・汪傳浦(AndrewWang)は急遽台湾を離れた。

●ラファイェット疑獄の調査

台湾とフランスでラファイェット疑獄の調査が進むと、台湾では12人ほどの関連者が死亡し、フランスでも12人ほどが意外死を遂げた。意外死とは建物の4階、5階から投げ落とされたような「竹聯幇の見せしめ」式殺し方である。台湾に駐在していたThierry Imbot情報部員とフランス海軍の技術者Jacques Morrisonがこのような死に方をした。

その後(2011年)台湾では事件に関係していた張可文中佐が12年の刑期を終えて出獄したあと、不可解なオートバイ事故で死亡した。喋れば死ぬのは確実だが、尹清楓殺害の張本人郭立恆大佐は沈黙を守り通し、昨年釈放され、改姓名してまだ生きている。

アルベサールは2000年に癌で死亡したと報告されているが、癌になった原因や東京かパリで死んだのかは不明。台湾の噂では彼の東京オフイスの椅子から放射性物質が発見されたと言う。

トムソン社が取った5億ドルのリベートは三国に分与されたと言う。
台湾側の分け前は外交手段でパリからアメリカ経由で台湾に送金され、カク伯村が半分、残り半分を海軍高官と国民党高官が分け合ったと言われている。

中国側が受け取ったリベートは朱鎔基、姚依林など6人が分け合ったと言われているがもちろん確証はない。

フランスが取ったリベートは当時の内政部長・サルコジーがこれを使ってルーマニアの選挙に介入して一人の反フランス候補者が死亡。モロッコでも二人の政治家が死亡したと言う。もちろん証拠はない。

●疑獄は終わっていない

2008年頃、フランス法廷はラファイェット疑獄の調査資料のコピー二箱を台湾法廷に引き渡したが、法廷が受け取った直後に海軍側が「資料の翻訳をする」と称して横取りした。その後この資料がどうなったのか報道されていない。法廷はコピーを取らなかったのか。

フランス法廷の調査のおかげでスイスの銀行は汪傳浦の銀行口座を凍結し、台湾側は金の返還を告訴していた。

Operation Bravoだけでなく、Operation Tango、Magicなどいろいろなフランスとの軍備購入計画には汪傳浦(Andrew Wang)が仲介していて、彼はスイス、リヒテンシュタインなどの銀行に10億ドル以上の金を隠していることがわかっている。アメリカでもニューヨーク、ロスアンジェルスなど各地に不動産多数を所有していることがわかっている。

Bravoだけでなく、フランスから購入した60機のミラージュ戦闘機(Operation Tango)は3000億元の予算でラファイェットの三倍以上である。Tangoはこれまで調査されていないが、来年の選挙で民進党が政権を取ればTango疑惑の調査を要求する話もある。

だが今年の春に英国に住んでいた汪傳浦が死亡し、遺産は息子と娘が継承したと報告された。台湾の最新報道では凍結された金は遺産として継承できないとして返還を求めていると言う。

蔡漢勲氏によると汪傳浦は英国で耳や顔の整形手術を受けて面相を変えた記録があるので本当に死亡したかどうかも不明である。

また、元トムソン社の副社長で、ラファイェット疑獄に深い関連のあるAlfred Sirvanも2005年に心臓発作で死亡したとされているが、実地Toulouseの墓地を調べた蔡漢勲氏によるとシルバン氏の墓は見つからなかった。

以上が私の知る限りの情報である。疑惑はまだ終わっていない。

◆主要国がボイコットした真相は…

矢板 明夫



中国浙江(せっこう)省桐郷(とうきょう)市で12月中旬に世界インターネット大会が開かれた。習近平国家主席(62)自らが開幕式で基調講演を行うなど、中国で最も重要な国際会議の一つと位置づけられているが、残念ながら世界中のほとんどの主要国と企業にボイコットされた。国際社会で大きな話題にもならなかった。

大半の主要国が不参加

主催者発表によれば、今回の大会には中国の政府関連部署の各責任者、IT関係企業のトップなどがほとんど参加したほか、ゲストとしてパキスタンのマムヌーン・フセイン大統領(75)や、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相(50)ら7カ国の首脳をはじめ、シリア、スーダン、キューバなど約50カ国の閣僚級の政府代表が出席した。しかし、ネット産業が最も進んでいるといわれる米国、日本、ドイツ、英国などの主要国の政府高官の姿はなかった。

北京で9月3日に盛大な抗日戦争勝利70周年を祝う軍事パレードが実 施された。中国政府は事前に日本、米国、フィリピンなどに対し首脳の参加を要請したがほとんど拒否された。

結局、アフリカや中南米の、抗日戦 争と無関係の国々が多く招待された異様な式典となった。今回のネット大 会も同じ構図となった。主要関係国に参加を拒否され、ネットの普及があ まり進んでいない発展途上国が中心メンバーとなってしまった。

大会を取材した香港記者は「インターネットに対する中国政府の考え方は、あまりにも国際社会と乖離(かいり)しているため、出席しても意味がないと主要国の関係者たちが判断したのだろう」と分析。

その上で、 「インターネットにあまり興味はないが、中国の顔を立てる形で大会に出 席し、その代わりに経済支援を引き出したいと考えている国は少なくない はずだ」と話した。

中国のインターネット利用者は6億人を超えており、世界で最も多いといわれている。しかし一方で、政府による厳しいネット規制も同時に実施されている。ツイッターやユーチューブといった世界の著名関連企業のサービスが遮断され、利用できない。書き込みを削除するために数十万人の“ネット警察”が毎日目を光らせている。

活用よりも規制強化

言論の自由やジャーナリストの権利を守る活動をする団体「国境なき記者団」(本部・パリ)は「中国は世界第一のインターネットの敵だ」と主張し、世界の主要国と企業に対し今回のネット大会へのボイコットを求める声明を発表した。

「国境なき記者団」が予想していた通り、大会は、ネット産業を活用し、発展させることよりも、「ネットへの規制をどう強化すればよいのか」が中心議題となった。

習主席は演説で「ネット空間は無法地帯ではなく、秩序を構築せねばならない」「各国が自主的にインターネットの発展方式や管理モデルを選択することを尊重し、他国の内政に干渉すべきではない」などと強調。自国のネット規制を正当化した。習主席はその上で、インターネット空間にも国家主権が適用される「ネット主権」という新しい言葉をも口にした。

閉幕直後から接続悪化

中国は今回の大会を通じて、中国の「優れた」インターネット技術を国内外にアピールする狙いがあった。地元浙江省は大会に合わせて、中国初のインターネット病院のサービスを開始したと発表した。

病院の公式サイ トに携帯電話のアプリをリリースし、全国の人々に再診を中心とするオン ライン治療サービスを提供するという。医師と患者が直接顔を合わせる必 要がなく、オンラインチャットだけで処方箋の交付や調剤といった診療を 終えることができるのが利点だという。

中国がいかにネットを活用し、国 民生活の向上を図っているかを示したい思惑があったが、医療関係者の間 では、「患者と直接交流しないで診断することは怖い」といった慎重論も あった。

大会は「ネット空間の運命共同体の構築」などを盛り込んだ共同声明を発表し、閉幕した。その直後から、北京の産経新聞社の支局のインターネットのつながりが悪くなった。人民日報や国営新華社通信などのホームページは普通にみられるが、日本語と英語のサイトがなかなか開かなくなった。メールを送れないこともしばしば起きた。

習主席の大会での講話を聞いて、担当者たちは規制を強化しただろう。大会は中国のインターネットの発展にマイナス効果をもたらしたようだ。

                        (中国総局在籍)
              産経ニュース【矢板明夫の目】2016.1.1