2015年12月16日

◆岸井成格氏の発言が放送法違反は明白

高橋 昌之



「政治的公平」をうたった放送法上、テレビの報道番組はどうあるべきかという問題は、私がこのコラムで昨年5月に提起させていただいたときも大きな反響いただき、議論になってきましたが、ここにきてまた注目されています。

というのも、TBSの「NEWS23」の報道が「放送法違反だ」として、作曲家のすぎやまこういちさんが代表呼びかけ人を務める任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が11月26日、番組アンカーの岸井成格(しげただ)氏やTBS、総務相に公開質問状を送ったからです。

私は以前から、とくに平成24年の安倍晋三政権発足以降は「NEWS23」や同じくTBSの「サンデーモーニング」、テレビ朝日の「報道ステーション」は、政治の問題を扱う際に明らかに特定のスタンス(はっきり言えば反安倍政権ですが)をとっており、放送法上疑義があると思っていたので、この動きは歓迎すべきことです。今回は改めてこの問題を考えてみたいと思います。

「視聴者の会」が問題としたのは、岸井氏が安保関連法の審議が大詰めを迎えていた9月16日の放送で、「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言したことです。

これについて、公開質問状は「岸井氏は番組の司会者であり、番組と放送局を代表する立場から、一方的な意見を断定的に視聴者に押しつけることは、放送法4条に明らかに抵触する」として、見解を問いただしました。

放送法4条は「放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない」とし、

(1)公安及び善良な風俗を害しないこと

2)政治的に公平であること(3)報道は事実をまげないですること

(4)意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明かにすること-を規定しています。

新聞は発行しようと思えば誰でもできるので、憲法21条の表現の自由(報道の自由)に基づいて、それぞれの社が独自に政治的な主張を掲げることを認められています。

しかし、テレビやラジオは国から限られた電波を割り当てられた免許事業で、誰でも放送できるわけではありません。さらに、放送は音声や映像で情報を伝えることから、活字以上に国民の思想や世論などに与える影響が強いという側面もあります。

このため、放送法によって報道の自由に一定の制約が課され、政治的な意図をもった主張をしてはいけないことになっているのです。

 放送法のうち、(1)と(3)は当然のこととして、政治報道で問題となるのは(2)と(4)です。国民の間で賛否が分かれている安保関連法のような問題の報道の仕方は、「政治的公平」と「多角的な論点の提供」にはとくに注意を払うべきです。

しかし、岸井氏の発言はメディアの報道の方向性として「廃案に向けてずっと声を上げ続ける」ことを求めていますから、(2)と(4)の規定に反していることは誰の目にも明らかです。

岸井氏は「NEWS23」の中で9月16日の放送に限らず、安保関連法や原発再稼働、特定秘密保護法など安倍政権が進める重要政策について反対の立場を表明してきました。

私にはこれらの発言は「一方的な見解の表明」にしか見えず、「反安倍政権」という自らの政治的主張に視聴者を導こうとする意図さえ感じます。放送法4条の規定に配慮する姿勢に欠けていると言っていいでしょう。

岸井氏だけが問題なのではありません。岸井氏は毎日新聞特別編集委員ですから、その発言は当然、毎日新聞の社論に沿ったものになるでしょうが、番組を仕切る立場のキャスターも、その主張にただ相づちを打って追認するだけで多角的に論点を紹介することはほとんどありません。

従って番組の構成そのものが問題で、キャスターにも、番組の責任者であるプロデューサーにも、そして番組を放送しているTBS自体にも責任があります。

それにしてもなぜ、こうした報道がまかり通っているのでしょうか。それは放送法4条には罰則がなく、「単なる倫理規定」と軽んじられているからにほかなりません。

さらに、「権力に対してチェック機能を果たすのがメディアの役割であり、批判するのであれば意見が偏っていても構わない」という「勘違いの正義感」も背景にあると思います。

しかし、「視聴者の会」が指摘するように、それは視聴者を無視したテレビ局の「傲慢」あるいは「自己満足」でしかありません。多くの視聴者は特定のテレビの報道番組をただ鵜のみにするほど愚かではありません。

テレビに限らず、新聞やインターネットのニュースなどさまざまなメディアから情報や論点を得て、自らの見解を見いだそうとしています。その中で、特定の番組が一方的な意見を押しつけようとしても、そうした賢明な視聴者からは反感を買うだけだと私は思います。

「視聴者の会」が岸井氏の発言について「放送法違反」と指摘したことは、政界にも波紋を広げています。民主党の岡田克也代表は3日の記者会見で、「メーンキャスターが自分の意見を言ってはいけないというのは一つの見方かもしれないが、偏った見方だ」と述べ、「視聴者の会」を批判し、岸井氏を擁護しました。

しかし、もしあるテレビの報道番組のキャスターが「メディアは民主党を無くすように声を上げ続けるべきだ」と発言しても、岡田氏は容認するでしょうか。するはずがありません。岸井氏の発言がそういう問題であることを岡田氏は理解していないのです。

民主党に対しては3年間の政権の失敗やその後も責任ある野党として役割を果たせていないことから、「民主党はもはや無くした方がいい」という意見も少なくありません。

現に党内や他の野党から民主党解党論が出ています。ただ、テレビの報道番組がこの問題を取り上げる場合もやはり、民主党のあり方について一方的な主張を伝えるのではなく、同党の現状や政策、国会での対応、野党再編の動きなどを多角的に報じ、視聴者に論点を与えるべきなのです。

政府・与党は今のところ、岸井氏の発言問題について静観の構えをとっています。しかし、岸井氏の発言に代表されるテレビの政治報道の問題を放置していていいわけはありません。

放送法4条は視聴者、国民、さらには国家のあり方にとって極めて重要な規定だからです。それを「単なる倫理規定」、「従わなくても罰則はない」などとして、テレビ局の恣意的な報道を許していてはその意義が脅かされます。

同条については、平成19年の総務相答弁で「一つの番組ではなく当該放送事業者の番組全体を見て、全体としてバランスのとれたものであるかを判断することが必要」との見解が示されています。しかし、「視聴者の会」の公開質問状が指摘したように、「一般視聴者がある一局の報道番組全体を見ることはできません」。

したがって、「なるべく一つの報道番組内で公平性や多様な意見の紹介に配慮しようと努めるのが、放送番組責任者の当然の倫理的責務」なのです。

政府・与党はこの問題について「報道への権力の介入だ」などという批判を恐れることなく、冷静にテレビの報道番組の現状を分析したうえで、放送法4条の運用がどうあるべきかを、議論すべきだと思います。

監督官庁である総務省も、非現実的な過去の答弁に縛られることなく、同条についてよりきめ細かなガイドラインを定めたり、報道番組の内容、構成をチェックして逸脱していた場合は指摘を行ったりといった対応をとるべきだと思います。

放送法4条には先に書いた重要な意義があるのですから、テレビ局の「傲慢」を許して死文化させてはいけません。まずは「視聴者の会」の公開質問状に、当事者たちがどう回答するのか、注目したいと思います。

産経ニュース【高橋昌之のとっておき】 2015.12.14
              (採録: 松本市 久保田 康文)

◆豪州次期潜水艦をめぐる日独受注戦

野口 裕之



豪州の次期潜水艦をめぐり、日本はドイツと熾烈な受注合戦を繰り広げているが、地力は申し分ない。そこに「韓国海軍の援護射撃」も加われば、勝機は拡大する。韓国海軍の潜水艦はドイツが開発し、韓国企業が組み立てるが、韓国側の瑕疵などでトラブルが続出。「潜水できぬ潜水艦」を保有する世界的に珍しい海軍に、各国海軍は脅威、否、驚異を抱いているからだ。

今後のトラブル件数によっては、ドイツ製の評判を落としかねぬ。韓国軍の兵器は「韓国製」を自称しても欧米の開発で、高度技術が必要な部品・システムは輸入、単純な部品は国内製造し、韓国企業が全体を組み立てるケースが多い。

だが、部品が性能要求を満たさぬ代替品や欠陥品だったり、整備不良だったり。韓国製ではなく、韓国特有の「韓国性兵器」と呼ぶべき惨状だ。そんな危ない「致死性兵器」をインドネシアを皮切りにフィリピンやイラクが買い付ける。危険を顧みぬ、勇気有る決断に敬意を表したい。

 ■トラブル続出の自称国産

3カ国の空軍が導入を決定したのはジェット練習機T-50や派生型の軽攻撃機FA-50など。

韓国内での組み立てに焦点を絞れば「韓国製」ではあるものの、実態は米軍需大手ロッキード・マーチンが開発し、韓国の航空機メーカー・韓国航空宇宙産業(KAI)が製造する。従って、エンジンや電子装備など枢要技術がほとんど「米国生まれ」という「血統」には絶対服従。

10月にはウズベキスタンへの輸出に、米国が武器輸出管理法を持ち出し待ったをかけた。技術流出や周辺国との緊張誘発が問題視されたもようだ。でも、ウズベクは幸運だった。

インドネシアは導入後にひどい目に遭う。受領したのは「視界不良品」。
現代戦は、自機レーダーだけでなく、陸海軍レーダーの捕捉情報も送られ、より立体的かつ遠方の戦況を掌握する。ところが、当該システムに、米国が厳しい機能制限を課した。

イスラム国家との理由、とか。陸上/艦艇レーダーの支援がなくば作戦半径が著しく制限される。そこでKAIは、民生用周波数の代替使用を提案したらしい(異説アリ)。ハッキングの危険に加え、民間電波への干渉が起きるのは必然だった。携帯電話とミサイル誘導電波の周波数を同じにできる国柄が、遺憾なくにじみ出た格好だ。

もちろん、当然、インドネシアは他の契約でも裏切られまくる。整備する部品リストがナシ。そも、交換部品のストックがナシで、稼働中の機体よりはずして使い回す。客の食べ残しを「二次利用」したどこかの料亭顔負けの安全無視行為だ。

機体整備マニュアルも軍事機密を盾に公表しなかったが「新品なので故障しない」と強弁する始末で、むべなるかな。

 ■開発元のドイツも頭痛

もっとも、全てがそろっていても怖い。韓国空軍曲技飛行隊所属のT-50Bは2012年、飛行前整備で整備後取り除くべきパーツを抜かず、操縦系統が誤作動→墜落→操縦士が死亡した。

日本を過剰に意識し、総花的でチグハグな兵器体系、背伸びし過ぎの兵器生産→輸出。無理の上に無理を重ねているのだが、拍車がかかろう。日本の武器輸出が緩和、10月には防衛省の外局に防衛装備庁も設立され、独り相撲ならぬ「独り対抗心」を燃やしているためだ。

豪州海軍の次期潜水艦をめぐり、日本がドイツやフランスと性能面で互角以上に闘っている現実もシャクの種のようだ。嫉妬は、朝鮮日報が11月《中国や日本と対峙する韓国は、生存を懸け原子力潜水艦建造計画を進めよ》と題する論説主幹の記事を載せた辺りにも表れる。

何とも気宇壮大な夢ではないか。ドイツからライセンス生産(輸出仕様)する1800トン級通常型潜水艦も満足に就役させられぬ“技術力”への自覚がない。

ただ、小欄は「韓国海軍による宣伝効果」を頭の片隅に置く。わが国は豪州の次期潜水艦建造を自力で勝ち取る。が、韓国海軍の潜水艦は珍しく「友軍」に成ってくれよう。

まず、数年間ドックに鎮座したままの1番艦の辛抱強さ。原因不明の騒音を修理中というが、契約を破りブラックボックスを分解し、元に戻せなくなったとの観測も、米国兵器に対する過去の「分解犯罪歴」に照らし有力説に浮上する。続いて3番艦。

艦名は安重根(アンジュングン)。日本の初代首相・伊藤博

(1841〜1909年)を暗殺したテロリストの名だ。相も変わらず日本に凄味を利かせたつもりの奇行ではあるが、哀れなほど「締まり」のない艦だ。独企業の締め付け強度要求を満たさぬボルトを韓国企業が製造し、艦橋と甲板を固定するボルトが緩んだり折れたり。

 ■兵器輸出、8年で14倍強

しかし、3番艦の韓国企業製作のスクリュー・プロペラに2014年、151カ所もの亀裂が見つかったと聞き、笑っては気の毒だと思った。敵を待ち伏せする通常型潜水艦の命は静粛・隠密性で、日本企業は芸術的ともいえる精度でプロペラを仕上げる。1カ所の傷でさえ「個性的な雑音」を発出し、敵に艦名まで割り出される危険を伴うのに、151カ所とは…。ドイツ製に交換と成った次第。

このほか、燃料電池の不具合発覚などをへて「潜水艦モドキ」が続々と“就役”。導入時に「マレー半島やマラッカ海峡まで作戦域」と豪語した韓国海軍潜水艦隊は、主に沿岸をウロチョロする本来の実力を余すことなく発揮中だ。

一連のトラブルにはドイツ側の瑕疵が一部含まれるとしても、独技術陣に超頻繁に泣きついている。他国の部品・システムや技術をつまみ食いして兵器を組み立てるので、いつまでたっても力が備わらぬのだ。同時に、外国による技術供与へのロイヤルティーや部品輸入代金の支払いが韓国企業の利益率を圧迫し、将来にわたり苦しめる。

06年に2.5億ドルの兵器輸出額は14年に36億ドルを超え、8年で14倍強に。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、5年ほど前に世界20位前後だった韓国は今や13位に急上昇した。国益よりメンツにこだわる韓国政府は20年までに7位を目指すため、企業負担は膨張を止めないというわけだ。

潜水艦ではトラブルの度、ドイツ技術陣が訪韓を繰り返したが、「韓国性兵器」の拡散に比例し、開発元=欧米の技術者が尻拭いに世界中を駆けずり回る事態も増えそう…。合掌。

(政治部専門委員 野口裕之)

産経ニュース【野口裕之の軍事情勢】 2015.12.14
(採録:松本市  久保田 康文)

◆京都「和歌に登場する山科」

渡邊 好造



百人一首など平安、鎌倉時代の和歌集に登場する山科の代表地は、「これやこの行くも帰るも分かれては 知るも知らぬも逢坂の関」と、蝉丸が詠んだ"逢坂の関"である。

清少納言や藤原定方ら有名歌人もこの地を取上げているのは以前に紹介した。行政的には隣の滋賀県大津市になるが、現地に立ちその地形をみれば山科エリアだと十分頷けるはず、、。


今回はそのすぐ隣りの"音羽山"など、和歌に詠まれた古都京都の奥座敷、山科の優雅な雰囲気を感じとっていただきたい。
 
音羽山は高さ593メートル、逢坂の関の南西、山科四ノ宮の南東に位置し、山科盆地を囲む山の一角にある。音羽山が登場する和歌として有名なのは次の2首。

紀貫之(平安時代の歌人・土佐日記の作者・原典は古今集)= 「秋風の吹きにし日より音羽山 峰のこずえも色づきにけり」。

貫之の従兄弟にあたる紀友則(歌人・古今集)= 「音羽山けさ越えくれば時鳥 梢はるかに今ぞ鳴くなる」。

逢坂の関と音羽山の両方を詠んだ和歌も多い。

代表例をあげると、

・源実朝(鎌倉幕府3代将軍・金槐集)=「逢坂の関やもいづら山科の 音羽の滝の音にききつつ」。

・後鳥羽院(鎌倉時代第82代天皇・原典不明)=「逢坂の関の行き来に色変わる 音羽の山のもみぢ葉」。

・源俊頼(平安時代歌人・金華和歌集)=「音羽山もみぢ散るらし 逢坂の関の小川に錦織りかく」。

・慈円(慈鎮・鎌倉時代天台宗の僧・原典不明)=「音羽山卯の花垣に遅桜 春を夏とや逢坂の関」。

・在原元方(平安時代歌人・古今集)=「音羽山音にききつつ 逢坂の関のこなたに年をふるかな」。

この他、当時の和歌集には小野、花山(かざん)、栗栖野、日の岡といった山科の地名が、いくつも登場する。

・藤原権中納言長方(平安時代公家、歌人・続古今集)=「見渡せば若菜摘むべくなりにけり 栗栖の小野の萩の焼原」。

・後鳥羽院(平安・鎌倉時代の天皇・夫木和歌抄)=「秋はけふくるすの小野のまくずはら まだ朝つゆの色ぞにほひぬ」。

・藤原定家(鎌倉時代公家、歌人・定家の歌集拾遺愚草)=「花山の跡を尋ぬる雪の いろに年ふる道の光をぞみる」。

・土御門院(鎌倉時代の天皇、後鳥羽天皇の皇子・続古今集)=「はし鷹のすすしの原 狩りくれて 入り日ノ岡にききす鳴なり」。

和歌に登場する1千年程前の山科の眺望は想像し難いが、現在の山科の絶景はと問われたなら筆者は次の3つを挙げる。

@東山ドライブウエー将軍塚辺りから見下ろす京都中心部の眺望(京都タワーは目障りだが、、)。
A山科疎水道からの山科の展望(写真・左にJR琵琶湖線、白い土手の右下は京阪電車京津線、後方は東山連峰)。
B音羽山から眺める東山連峰に沈む夕陽。

夕陽については、朝陽のような眩しさや暑さを感じさせないのでじいっと見つめるうち、両手を合せてつい願い事を呟きたくなる。

平安・鎌倉時代の歌人達が眺めた山科の夕陽は、三方を山に囲まれた盆地にあって、今とはまったく異なる自然が一杯の目を見張らせる光景だったはずだが、各種の資料をひっくり返してもこの夕陽を詠んだ和歌は発見できなかった。

京都古人、宮廷人、天上人の視点は、大地、天空、山脈、天下の情勢、庶民生活などを大きく広く見渡すことよりも、恋人、愛人(不倫)、片想い(失恋)、鳥、植物など目前の夢の世界にのみ向けられているかにみえる。

こうした天上人のお気楽な暮らしぶりに対し不満がくすぶり、やがては積重なって鎌倉時代以降の武家社会へと変革していく、そうした様が和歌には窺える。(完)

2015年12月15日

◆共同通信の妄想妄動扇動報道

平井 修一



中田宏前衆議院議員/前横浜市長の論考「“偏っていますが、何か”の神奈川新聞よりヒドいのはあのネタ元」(ブロゴス11/2)から。

タイトルを見ただけで「ああ、共同通信ね」と多くの人は分かるが、アカにつける薬はないから、これからも潰れるまでは左巻で行くのだろう。イカ、引用する。

<ある方に「それにしても中田さん、神奈川新聞ひどいね」と言われました。

どういうことか聞いてみると、安保法制報道のとき、とにかく反対するのはいいけれども、反対のためならあらゆる形で安倍叩きをして、連日あちこち火の手を挙げていたと言うのです。

はっきり言って、私は神奈川新聞はそういう新聞だと思っているので、「前からひどいですよ」と答えました。

今回の安全保障法制についても神奈川新聞には相当批判が来たそうですが、それに対して神奈川新聞は、ホームページの「カナロコ」で、石橋さんという論説委員が「偏ってますけど、何か」と以下のとおり答えています。まず「民主主義の要諦は多様性にある」とし、多様性を前提とした上で、以下本文から引用します。

「(前略)だから空気など読まない。忖度しない。おもねらない。孤立を恐れず、むしろ誇る。偏っているという批判に「ええ、偏っていますが、何か」と答える。そして、私が偏っていることが結果的に、あなたが誰かを偏っていると批判する権利を守ることになるんですよ、と言い添える。(後略)」

私は、これは本当に見識だと思います。

新聞は言論機関ですから、言論機関として持論、社論をしっかり主張していいのです。だから私は神奈川新聞がこれほど開き直って論じることは、むしろ認めるところです。

一方、先日、このようなニュースが、神奈川新聞以外も含めて各地方紙に載ったと思います。

10月18日に安倍総理が、横須賀沖で、原子力空母ロナルドレーガンに乗艦した時のニュースです。

「現職首相が米空母に乗艦するのは初めてという。全保障関連法の成立を踏まえ、強固な日米同盟をアピールする狙いだが、原子力空母配備に反対する野党などからの批判を呼ぶ可能性がある」

これは共同通信という通信社の配信です。

世の中であまり知られていないようですが、地方の新聞社は、海外に特派員をおけない、永田町や国政の取材もすべての新聞社ができるわけではない、東京に支社があっても1人か2人で手薄な状態…という事情のなかで、このような通信社の記事を扱います。

通信社の記事を掲載するときに大事なことは、通信社が事実を淡々と伝えた上で、各新聞社がそれをどのように書くかだと思います。

「野党などからの批判を呼ぶ可能性がある」と野党がなにも言っていない段階で、通信社が野党の追及や批判をあおるような記事を書いてしまうのは通信社としてよいのだろうか、果たして通信社って何だろう、とマスメディアの人自身が言っているほどです。

各地方には全国紙ではなく、長年読みに親しまれている地方紙があります。

こうした地方紙は東京から、あるいは世界からの記事の場合には、こうした通信社を頼ります。

その通信社が、先に結論を決めるような記事を流しているケースがあるので、地方の新聞社も自分たちで考えて記事を掲載していただきたいと思いますし、読み手の方も何で地方紙はこうなってるんだろうと思う時には、実は通信社という存在がリードしてる可能性があることを頭に入れて読んだ方がいいと思います>(以上)

共同通信社にはタチの悪い、ほとんど過激派のようなアカが多いようで、同級生が労務担当をしていたときはずいぶんと苦労させられたようだ。週刊新潮あたりが「共同のバカ記者番付」を袋とじで作ったらずいぶん売れるのではないか。(2015/12/14)

◆金融緩和偏重に限界

田村 秀男



アベノミクスが始まって以来、ほぼ3年になる。当初のめざましい成果は平成26年4月からの消費税増税により大きく損なわれた。にもかかわらず、政府は「緊縮財政」路線にのめりこんでいる。

アベノミクスについては安倍晋三首相が9月下旬に名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す「第2ステージ」を宣言したのだが、当初掲げた「第1の矢」=異次元の金融緩和政策、「第2の矢」=機動的財政出動、「第3の矢」=成長戦略、の重要性はなお大きい中でも金融緩和政策が圧倒的な比重を占めているのだが、財政のほうはどうなっているのか。

今さらながらだが、安倍内閣は緊縮財政に回帰していることに驚いた。政府は民間から税を徴収する一方で公共事業、社会保障などに支出するが、支出増加額よりも税収の増加額が多ければ緊縮財政、少なければ積極財政となる。

税収は急速に増えてきた。財政支出のほうは消費税増税前に大きく上積みされたが、増税後は急激に減った。なかでも公共事業、社会保障と防衛費の合計でみるとこの傾向は顕著だ。

税収が増えること自体は財政の健全化を最優先する考える向きにとっては万々歳だ。しかし、民間の所得を政府が取り上げたまま、支出を通じて民間に資金を還元しない状態を続けると民間の需要を圧縮する。

好景気で民間需要が旺盛で、インフレ率が上がる状態だと、財政支出を引き締めるのは理にかなっている。ところが、「20年デフレ」の日本にとって緊縮財政は不合理である。

25年度は金融の異次元緩和効果で景気が上昇軌道に乗り、円安と株高効果で企業収益は大きく増え、消費者心理も改善したのだが、26年度は消費税率8%への引き上げによって家計消費が押さえ込まれ、デフレ圧力が再燃した。にもかかわらず、財務省は民間向け支出をほとんど増やさず、税収を増やしてはほくそ笑むが、民間需要が落ち込んでも気にとめない。

26年度の実質経済成長率がマイナスに落ち込み、さらに27年度も4〜6月期、7〜9期と2期連続のマイナス成長という、景気後退局面に入った元凶はまさに緊縮財政なのである。

日銀は異次元金融政策を堅持しているし、場合によっては追加緩和にも踏み切るとの期待は株式など市場関係者に多い。この緩和策は日銀が民間金融機関保有の国債を買い上げて、日銀資金を年間80兆円程度新規供給するのだが、国際通貨基金(IMF)は民間の売却可能な国債保有額は約220兆円で、今後2、3年以内に日銀政策は限界にくるというリポートをまとめている。日銀緩和偏重のアベノミクスは持続不可能なのだ。

「第2ステージ」で巻き返すという安倍首相の決意は固い。その目玉が法人税実効税率の引き下げだが、税収減を恐れる財務省は赤字の企業にも事業規模に応じて課税する外形標準課税の拡大や設備投資減税の縮小など、事実上の増税を組み合わせる考えだ。何のことはない、全体として減税にはしないのだ。

法人税率を引き下げても、企業は利益剰余金を膨らませるだけだとの、麻生太郎財務相の懸念はもっともだ。だから、安倍首相らは経団連首脳に対し、税率引き下げの見返りに賃上げや設備投資の上積みを強く求めている。

しかし、政府が緊縮財政路線に固執している限り、GDPの6割を占める家計の需要は増えない。そんなビジネス環境で、経営者がそろって雇用や投資に手元資金を振り向けるだろうか。

何事もグローバル化の時代である。上場企業株式全体の35%以上を保有する海外株主が「余ったカネは株主配当に回せ」と要求するのをはねつけられる大企業経営者が存在するだろうか。

政府・与党は再来年4月の消費税率再引き上げに向け、食料品を対象に軽減税率の適用を検討している。低所得層の負担の重さを考慮すれば、軽減税率は当然だ。加工食品をどこまで含めるかなどが焦点になっているが、幻惑されてはならない。それでも増税=緊縮には違いないのだ。

海外からくるリスクも無視できない。中国景気の大減速は世界に波及している。米連邦準備制度理事会(FRB)が今月中旬に利上げに踏み切るとの観測で、新興国、欧州などから資金の逃避が加速している。そんな情勢のもとで、緊縮財政路線に乗ったまま、GDPをあと5年で110兆円増やせるとは、とても思えない。(編集委員)

産経ニュース【日曜経済講座】015.12.6
                 (採録:松本市 久保田 康文)

◆スターリンが仕組んだ日米戦争

伊勢 雅臣



■1.「ルーズヴェルトが日本に真珠湾攻撃を促した」

日米戦争の直接の引き金を引いたのは、米国が日本に突きつけたハル・ノートであるが、その提案者ハリー・D・ホワイトについて、アメリカの保守系サイトで5億件以上のアクセスを持つ「コンサバペディア」は次のように紹介している。

ハリー・デクスター・ホワイト(1892年10月9日〜1948年8月16日)はアメリカの経済専門家で米財務省高官であった。・・・彼はまたソ連の秘密諜報員であった。・・・

1941(昭和16)年5月、アメリカとカナダで働くKGB(JOG注:ソ連の諜報機関)の軍事担当補佐官ヴィタリー・パブロフとホワイトは昼食をともにした。

「雪作戦」の目的は、日米関係を悪化させるソ連の試みを含む一連の政策イニシャティヴをホワイトに与えることだった。・・・その中には中国からの日本軍の撤退といった妥協を許さないレトリックでくるんだ強い要求があった。ホワイトはそれに基づき役割を果たした。

ルーズヴェルトはホワイトの対日経済制裁の提案を受け入れた。1941年7月26日、ルーズヴェルトは、事実上、両国間の通商を終了することになる全面的な経済封鎖を実施し、アメリカ国内のすべての日本の金融資産を凍結した。・・・

日本の内閣はワシントンで合意に達するよう必死に模索した。日本はソ連・シベリアに対するすべての計画を放棄し、日本が必要とする資源のため、代わりに南方に期待を寄せた。ホワイトの関与と影響力により、アメリカは、ホワイト・ハウスの国益よりクレムリンの利益を優先した外交政策を設定したのである。[1,p183]

これは米国内の一部の特殊な見方ではない。アメリカの「草の根保守」約1千1百万人のリーダーであるシュラーフリー会長はこう語っている。

皆さんに訴えたいことは、きちんと情報を得ているアメリカの保守主義者は、ルーズヴェルトが工作をして日本に真珠湾攻撃を促したという事実を理解しているということです。[1,p157]


■2.200人以上のソ連スパイが米政府内に

ルーズベルト大統領(引用文では「ルーズヴェルト」だが、本誌の慣例でこう記す)がソ連スパイに操られているという見方は、かなり以前からあった。

たとえば、ルーズベルト大統領のライバルであった共和党下院リーダー・フィッシュ議員は1984(昭和59)年に『日米・開戦の悲劇』を著し、「大統領はその絶大な権力を使って、ついに米国を日本との戦争にまきこむことに成功した」と批判している[a]。2001年には歴史研究家ロバート・スティネットが、公開され始めた米国の公文書から同様の説を立証している[b]。

この見方を決定的にしたのが、1995年にアメリカ国家安全保障局が公開した『ヴェノナ文書』である。これは第2次大戦前後にアメリカ国内のソ連スパイたちがモスクワの諜報本部とやり取りした秘密通信を、米陸軍情報部が傍受し、解読した記録である。

これらの機密文書が公開され、その研究が進んできた結果、当時の米政府内に200人以上のソ連スパイが米政府官僚として働いていたことが立 証されつつある。[1,p178]

 前述のウェブサイトやシュラーファー会長の言葉は、これらの研究に基づいた米国内の歴史観の見直しが、急ピッチで進んでいることを示している。

本号では、これらの研究成果に基づいて、ソ連スパイたちがいかに米政府を操って、日米両国を戦争に巻き込んでいったのか、概観してみよう。


■3.「資本主義国どうしが戦争をするように仕向け」

ソ連の指導者レーニンは、1919(大正8)年に世界共産化を目指す組織コミンテルンを創設した。世界のすべての資本主義国家を転覆・崩壊させるために、レーニンが提唱したのが「敗戦革命論」であった。これは資本主義国どうしが戦争をするように仕向け、敗れた国の混乱に乗じて共産党が権力を掌握する、という革命戦略である。

この戦略の重点対象がアメリカと日本だった。アメリカでは同年9月、コミンテルン・アメリカ支部としてアメリカ共産党を設立させている。

また日本は1931(昭和6)年の満洲事変の結果、ソ連と直接対峙することになり、コミンテルンは日本と戦う中国を支援するとともに、対日経済制裁を起こすよう各国の共産党に指示した。

 この指示を受けてアメリカ共産党は1933(昭和8年)、「日本の侵略に抵抗する中国人民の闘い」を支援する世論を形成して、アメリカの力で日本を押さえるべく、「アメリカ中国人民友の会」を結成した。

会長となった左翼系雑誌『ネイション』の編集者マックスウェル・スチュアート、機関紙『チャイナ・トゥデイ』の編集長フィリップ・ジャッフェは、ヴェノナ文書でソ連のスパイだった事が判明している。

同年、ドイツでヒットラー政権が成立すると、ソ連は日独という二つの反共国家に挟まれた事態に脅威を覚え、アメリカやイギリスなどとも手を組んで、広範な人民統一戦線を構築するよう世界各国の共産党に指示した。


■4.「平和」と「民主主義」を守るための反日親中運動

アメリカでの人民統一戦線設立のために採られた手段が、当時、米国最大のアジア問題のシンクタンク「太平洋問題調査会」(IPR、Instituteof Pacific Relations)の乗っ取りだった。

このシンクタンクは、アジア太平洋沿岸諸国のYMCA(キリスト教青年会)が布教を強化する目的で設立した機関だったが、その事務総長や機関誌編集長、研究員として共産党員が入り込み、反日的なブックレットなどを次々と刊行して、欧米諸国の外交政策に多大な影響を与えた。

1937(昭和12)年に、盧溝橋で夜間演習中の日本軍に、蒋介石軍に紛れ 込んだ中国共産党員が銃撃を浴びせたにより、日中の戦闘が始まると、アメリカの反ファシズム団体は一斉に反日親中運動を展開した。

 当時、会員数4百万人を誇る「反戦・反ファシズム・アメリカ連盟」は「アメリカ平和民主主義連盟」と改称して、「平和」と「民主主義」を守るという一般民衆受けするスローガンを掲げた。そして全米22都市に支部を持つ「中国支援評議会(The China Aid Council) を設置し、日本の中国「侵略」に反対するデモを行い、対日武器禁輸を国会に請願する活動を開始した。

この「中国支援評議会」の名誉会長がルーズベルト大統領の実母であり、常任理事にはマーシャル陸軍参謀総長の夫人が就任している。マーシャル陸軍参謀総長は、戦時中、IPRに反日パンフレットを大量に作成・配布させ、また宣伝映画『汝の敵を知れ』を作らせ、日本が世界征服を企んでいるとする偽書『田中メモランダム』や「南京大虐殺」を宣伝さ
せた。


■5.親ソ親中反日のルーズベルト政権

 ルーズベルトが大統領になったのは1933(昭和8)年で、世界は大恐慌の真っ最中であった。これを資本主義の失敗と考え、誕生したばかりのソ連の共産主義こそ経済体制の理想と考える知識人も多かった。

 ルーズベルトは、大統領に就任すると直ちに、ハミルトン・フィッシュ下院議員らの反対を押し切ってソ連との国交を樹立する。

 経済面では「ニューディール(新規まき直し)」政策と称して、社会主義的な政策を打ち出した。農産物価格を維持して農民に利益を保障し、労働組合を支援した。連邦政府の財政規模は急拡大し、「ニューディーラー」と呼ばれる官僚たちの権力が肥大化した。

 ソ連のスパイが200人以上も米政府内に入り込んだのも、ルーズベルト大統領自身に共産主義への親近感があったからだろう。

 しかもルーズベルト大統領の母親はデラノ一族の出身で、この一族はアヘン戦争の頃から、中国とアヘンを含む貿易で財をなしていた。前述の「中国支援評議会」の名誉会長を母親が務めたことも、これが背景にある。


■6.ルーズベルト政権が突っ走った日米開戦への道

 こうしてソ連スパイが多数巣くうルーズベルト政権は、スターリンの指示通り、対日戦争への道に邁進した。

 1940年10月7日付けで、海軍情報部極東課長アーサー・H・マッカラムは日本を開戦にまで追いつめる8項目からなるアクション・プランを作成して、大統領の側近に提出した。ここには、蒋介石政権への援助、日本との全面的通商禁止など、ルーズベルト政権が後にとったシナリオが記述されている。[b]

 1941年7月23日、日本軍による真珠湾攻撃の4ヶ月以上前に、蒋介石政権を助けるために、150機の爆撃機、350機の戦闘機による中国大陸からの日本爆撃計画が提案され、大統領自身が承認のサインをしている。

 提案者のロークリン・カリー大統領補佐官はソ連の工作員であった事が、ヴェノナ文書で明らかにされている。ただし、この計画は欧州戦線への爆撃機投入が優先されたため、実施の前に真珠湾攻撃が勃発した。[c]

 1941(昭和16)年11月26日、ハル国務長官が日本政府にハル・ノートを突きつけた。ここでは中国、ベトナムからの日本軍の全面撤退、蒋介石国民党政府以外の政府(すなわち日本側がバックアップしていた汪兆銘政権)の否認、三国同盟の死文化など、それまでの日本の政策を全否定することを要求していた。日本政府は翌日米国との打ち切りを決定した。

 実際にはハル長官は90日の停戦を骨子とする緩やかな妥協案を作成していたのだが、ルーズベルトは財務次官ハリー・デクスター・ホワイトが6月に作成していた強硬案を採用したのである。冒頭の「コンサーバペディア」が解説したように、このホワイトも、ソ連の工作員だった。

 こうしてソ連工作員たちに操られたルーズベルト政権により、日本はアメリカとの戦争に追い込まれていったのである。


■7.スターリン戦略の世界史に残る成果

 スターリンの工作の仕上げは、日本降伏の半年前、ソ連のクリミア半島ヤルタで開かれたヤルタ会談だった。ルーズベルトとスターリン、イギリスのチャーチル首相の3首脳で、ソ連の対日参戦と引き替えに、満洲の権益や、日本領土である南樺太・千島列島をソ連に与え、ポーランドやバルト三国などをソ連の勢力圏として認めたものであった。

 それも、日本どころか、中国や東欧諸国など当事国の同意もまったくなしに密約がなされた。戦後、東欧諸国がソ連の鉄のカーテンの中に置かれ、満洲から北朝鮮、中国大陸がすべて赤化したのも、このヤルタ会談が原因である。

 この会談でもソ連のスパイたちが暗躍していた。ソ連スパイだったアルジャー・ヒスは国務長官の首席顧問として、ヤルタ会談のほとんど全ての会合に出席した。彼は事前に米政府の立場に関する全ての最高機密のファイルを与えられて、ルーズベルトは「背中に鏡を置いたままポーカーの試合をする」(ウィリアム・ノーランド上院議員)状態の置かれていた。[1,p151]

 また陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルは、敗北を覚悟した日本が和平への道を探っているという事実をルーズベルトにはひた隠しにし、さらに「日本との戦況が悪化し、ソ連の支援がなければ勝利は覚束ない」と虚偽の報告をしていた。[e]

 マーシャルは日本降伏後に勃発した中国での国共内戦でも、蒋介石政権へのアメリカの支援を妨害し、共産党の大陸制覇を助けた人物である[e]。

 こうしてスターリンの「資本主義国どうしが戦争をするように仕向ける」戦略は、北朝鮮、中国から東欧にまで共産主義を広げるという巨大な成果をもたらしたのである。


■8.東アジアに残るスターリンの亡霊

 2005(平成17)年、第二次大戦勝利の60年目にバルト三国の一つであるラトビアの首都リガで、ブッシュ大統領はヤルタ協定を「史上最大の過ちの一つ」と批判した[f]。

 冒頭に登場したシュラーフリー会長は「ブッシュ大統領、ヤルタの屈辱を晴らす」という論文で、その発言を高く評価し、こう語っている。

当時、反共派のアメリカ人は「ヤルタ会談は本当にひどいもの」であり、「ルーズヴェルト大統領はスターリンに魂を売ってしまった」と思っていました。私たちにとって「ヤルタ」とは侮辱の言葉と同じ意味を持っていました。[1,p153]

東欧諸国は、レーガン政権を中心として日欧が結束した冷戦により、ソ連を打倒したことで解放されたが、アジアにおいてはいまだに北朝鮮と中国に共産党政権が残存して、それぞれの国民を圧制下に置き、周辺国に軍事的脅威を与えている。

日米を戦わせて、その漁夫の利によって共産主義を広げようとしたスターリンの亡霊は、東アジアではいまだに生き残っている。スターリンの残した国際政治での「戦後レジーム」は中国共産党と北朝鮮労働党の圧政という形で残存していると言える。

これらの国が圧政から開放されて、国際政治での戦後レジームが終わった時、「太平洋戦争は日本の侵略戦争だった」という歴史観での戦後レジームも終わるだろう。


■リンク■

a. JOG(096) ルーズベルトの愚行
 対独参戦のために、米国を日本との戦争に巻き込んだ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog096.html

b. JOG(168) 日米開戦のシナリオ・ライター
 対独参戦のために、日本を追いつめて真珠湾を攻撃させようというシナリオの原作者が見つかった。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h12/jog168.html

c. JOG(727) アメリカの対日先制爆撃計画
 真珠湾攻撃の1年も前から、ルーズベルト大統領は対日先制爆撃計画を進めさせていた。
http://blog.jog-net.jp/201112/article_2.html

d. JOG(116) 操られたルーズベルト
 ソ連スパイが側近となって、対日戦争をそそのかした。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog116.html

e. JOG(441) 中国をスターリンに献上した男
 なぜ米国は、やすやすと中国を共産党の手に渡 してしまったのか?
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h18/jog441.html

f. W1088 ブッシュ大統領の「ヤルタ合意」批判
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h18/wing1088.html

g. 889 対中戦略を対ソ冷戦の歴史から学ぶ ソ連消滅はいかに実現されたのか。
http://blog.jog-net.jp/201503/article_1.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 江崎 道朗『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾―迫り来る反日
包囲網の正体を暴く』★★★、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4886563805/japanontheg01-22


◆げに難解な「難波(なにわ)の選挙」そのA

浅野 勝人  (安保研理事長 )



もうひとつは、投票日が1995年(平成7年)4/23ですから、政界に転身してからの選挙です。

この折の大阪府知事選挙は、1993年7月の総選挙に敗北して野党に転落した自民党が、1年後に社会党々首・村山富市を担いで与党にカムバックしてから迎えた重大な試金石でした。自民党は、黒田知事が誕生して以来、大阪府政としっくりいってなかったので大阪奪回に懸命でした。  

幸い、相手は漫才師の横山ノックこと山田勇参議院議員です。横山エンタツの実子といっても、今の人はエンタツを知らなでしょう。大勢の中に混じっている異色の議員は、時に一服の清涼剤になりますが、行政官の大阪府知事には不適正と思われるに違いないと判断しました。

自民党は奪還の好機到来と捉えて、横山ノックと対比される候補者を、行政に精通した真面目な学者肌で、利権とは程遠い官庁のトップから選んで、大阪に送り込む算段をしました。大阪外大の卒業ですが、自然科学にも明るく堅物で知られる科学技術庁事務次官の平野拓也に白羽の矢を立てました。

「わたしはおよそ選挙には不向き。ご勘弁願いたい」と固辞する平野を「だからあなたがベスト」と口説いて、「平野候補を全面支援。政府と一体となって大阪を再生」と発表して、「これで大阪はもらった」と安堵しました。

中央官庁最高峰の行政官が、お笑いタレント出身候補に負けることは、よもやあるまいというのが東京人共通の思いでした。(註:著者がお笑いタレントを軽視して表現しているのではないことを書き添えます)

結果は、横山ノック 1,625,256票。 平野拓也 1,147,416票。
なんと477,840票の大差で横山ノックのぶっちぎりでした。

政府・与党の幹部はいち様に、神戸市立楠木高等小学校卒に高級官僚が敗北した現実をどう受け止めたらいいのか、ただ茫然自若とするのみで、「大阪人の考えることはわからない。大阪は怖い」と呻(うめ)きました。

 私にもこの結果について確信をもって解説する能力はありませんが、大阪の有権者は、東京の人が腰を抜かすようなヘンテコリンなことをしたとは思っていなかったのではないでしょうか。

徳川幕府によって都は江戸に取って代わられ、明治維新によって御所も皇居に移されて、新政府が東京に開設されました。日本の中心は神代の昔から「ここだった」という潜在意識が、江戸への反発、東京への対抗心、従って、東京に存在する政府の思い通りにはさせないという複雑な心理を誘発することから生じる成り行きなのではないでしょうか。

「今どき、アホな分析するな」と関西の方々からご忠告をいただきそうですが、実は、横山ノック知事が女子大生への執拗なセクハラで在宅起訴されて有罪となり、知事を辞職した折、大阪の親しい友人から「私もノックに1票投じた1人だが、こんなことになるのではないかという予感はあった。それでも東京にひと泡吹かせてやりたいという誘惑に負けた。深く反省している」と聞かされて、私はそれなりに納得するものがありました。

私の著書「日中秘話 融氷の旅」(青灯社) 3章、ネット随想:友とのメール、91ページ、「・・・私も橋下徹には、当初、日本の改革をやり遂げるかもしれない人材と期待していました。

時が経過するに連れて、改革の内容よりも選挙に得か、損かを天秤にかけて判断する政治行動の原点が見えてきました。龍馬のごとく理想主義をかかげた船中八策もいつの間にか散り散りになって、挙句の果てに帝国主義時代を連想させる高齢者と野合して、乗っ取られてしまいました。

「橋下劇場」も正体見たり枯れ尾花に終わりました。・・・」(2012/12月16日)があります。どうして初心を貫かなかったのか、期待を裏切られた私の恨み節です。

今回の選挙で橋下は、まるで「融氷の旅」を読んで気付いたかの如く原点に返りました。選挙を強行するための口実にした「都構想」を封印して、「おおさか維新の党」と「大阪」を前面に出して「難波(なにわ)」の心を捉えました。

私どもには「難解な難波の選挙」も、政治姿勢を振り出しに戻した橋下には「戦い方の分かり易い選挙」だったのだろうと想像します。

東京の理屈には反するが、橋下は大阪の理屈通りに振舞った。だから、大阪の有権者は、「純血路線」に回帰した橋下に、もう一度チャンスを与えようとしたのが今回のダブル選挙の深層に違いありません。難波の選挙はまことに「粋(いき)」です。

橋下徹が、一旦は引退の形をとっても、政治の磁場に止まるのか、きれいさっぱり去るのか、将来の政治行動について知る由もありませんが、仮に再起する場合、自民党政権を補完するためだけの影絵が映ったら、その時は終演です。

願わくば、何らかの形で政治の修羅に踏みとどまって、次の参議院、それに次ぐ衆議院選挙を差配するヤツの姿が見たい。そして、大阪の心を知り抜いた橋下と強か(したたか)な大阪の有権者の丁々発止が、難波の選挙に関する浅野流解明の正しさを証明することを期待したい。       
(2015/12月14日、元内閣官房副長官)

2015年12月14日

◆私の「身辺雑記」(290)

平井 修一


■12月11日(金)、朝は室温14度、結構な雨、散歩不可。

夕べも集団的子育て。牡蠣、イカ、ホタテ、マダラ、白身魚のボール、野菜入り蒲鉾などの海鮮味噌鍋と、牡蠣とモズクのレモン味ポン酢などを楽しむ。ヤケグイ的な感じで、精神的にショックを受けると人によっては過食になるようだ。

今朝は鍋の残りにご飯を入れてオジヤ。シャケと焼きそばも含めて大好評
だった。

フランスではルペン率いる国民戦線が統一地域選で首位になった。得票率は30%超。「不法移民は強制送還すべきだ」という主張が国民の支持を得た。

ところがマスコミは「極右の国民戦線」と産経でも書いている。極右とか極左というのは、「主義主張を通すためには暴力も辞さない」という意味だと、「極左」中核派の兵隊だった小生は理解しているが、国民戦線は乱暴狼藉をしているのか。そんなことはないだろう。

そもそも「不法移民は強制送還すべきだ」というのは当たり前の話、国際常識である。統治者から圧迫されて命や自由が危険に直面しているというのが「政治難民」で、これは保護すべきだというのが国連の合意だ。ところが「本物の政治難民」はほとんどいない(日本に来た300人超の難民の調査では政治難民はゼロだったという)。

母国では治安が悪いとか仕事がない、生活苦だという経済難民がほとんどなのだ。中共を見れば分かるが、政治難民は殺されているか、収監されているから、国外脱出なんてほとんど不可能だ。他の独裁国家でも同じだろう。

母国を離れて欧州に押し寄せる難民のほとんどは食いっぱぐれた経済難民か悪意のテロリストだろう。性善説のリベラルなアホのEUは国境をザルにしたから、わけの分からない自称“政治難民”が来襲した。今、多くの国は国境管理を強化し、フェンスを作る国も増えた。「不法移民は強制送還すべきだ」というのは当たり前の主張なのだ。

これがどうして「極右」なのだろう。ドイツ、英国、フランスあたりでは「不法移民の受け入れには反対」などと言うと、リベラルを自称する「極左」から猛烈な反発を受け、あたかも「人非人」のごとく烙印を押され、
村八分の制裁を受け、社会的に抹殺されるようだ。

永いことそうだったが、今では移民や経済難民問題を人々は少しずつ話せるようになってきたようだ。今回の難民問題の大量襲来で、欧州人は多少は学習を始めたのかもしれない。遅すぎたがね・・・

「異民族や異教徒は基本的に潜在的な敵だ、警戒を怠るな、最悪の事態に備えよ」と心することが大事だ。これは外交の基本ではあるまいか。

午前中は掃除機の修理。髪の毛が絡んでおり疲労困憊した。公休のカミサンは午後からショッピングに出かけたが、小生用に「尿漏れパッド」も買ってきた。使ってみたがなかなか具合がいい。だから今日は「尿漏れ記念日」。備えあれば憂いなし、か。

■12月12日(土)、朝は室温14度、快晴、フル散歩。散歩の途中で「尿漏れパッド」がはずれて下まで落ちてしまった。慌てて丸めてポケットに隠したが、いい図ではない。

筒井康隆が「フグりを引っ掻いていたら血が出てしまい、カミサンの生理用品をつけて繁華街を散歩していたら地面にそれが落ちてしまい、血がついていたものだから近所では“筒井さんって本当は女なのよ”と噂されるようになった」と書いていた。もちろん作り話だ。

作り話とえいば野坂昭如の「火垂るの墓」は史実のように思っている人が多そうだが、作り話だ。野坂自身がこう語っている。

<ぼくの体験にもとづいてはいるが、実際の妹はまだ1歳4カ月、喋れなかった。 作中では4歳の妹が喋る。主人公の兄は、飢えた妹に最後まで優しい。

ぼくはあんなに優しくはなかった。自分を哀れな戦災孤児に仕立て、妹思いの兄のように書いた嘘が、のちのちまで重荷になっている。

わずかな米をお粥にして妹にやる。スプーンでお粥をすくう時、どうしても角度が浅くなる。自分が食べる分は底からすくう。実のあるところを食べ、妹には重湯の部分を与える。

幼い妹の世話は父や母のように出来ない、妹に食べさせるつもりの食糧まで自分が食べてしまい生後1年半の妹を死なせてしまったと現在でも悔やんでいるのです>(ウィキなど)

10%ほどの真実、実体験に膨らまし粉を入れて小説というフィクションにする。商売にする。疑うことを知らない奴が騙されるのだ。

「痴呆症で重篤のがんを患う高齢者の介護をどうすべきか、体制を整えるべきだ」という論がある。その論者は「体制を整える」ことで儲かる人たちではないか。

生きるということは何事かを成すための手段である。老人は基本的にはそれを成し終えた人で、生きていることは老後、余生、おまけである。若い人たちの負担にならぬように生きるのが筋である、モラルである。

母を4年間介護した経験から言うと、痴呆症になると「抜け殻」である。外形は母であっても、もはや母ではない。人格としての母は死んでしまって、そこにいるのはただの母の抜け殻である。残像。生きている意味はない。母はやるべきことはすべてやり、余生も書道家、俳人として十分楽しんだ。

痴呆症やら骨粗鬆症で治療したが、95歳で大往生したものの、実際、本人にもわが家にも社会にも5年間の介護や治療はまったくの無意味だった。

日本も真剣に安楽死を考えるべきである。まったく意味のない延命に公的資金を投入するのは愚行であり、犯罪的である。子育て世代の支援に向けるべきである。社会的に全くの無駄である介護や治療を受けたければ全額自費でやれ。

山本夏彦翁曰く――

「人は言論の是非より、それを言う人数の多寡に左右される。昔、世間が『君には忠、親には孝』を当然とした時、少年の私はそれに逆らった。その時、彼らが私をとがめた顔つきを、私はまざまざと覚えている。今彼らはその『忠孝』を笑う。だから私は彼らの、いわゆる進歩と平和を笑う」

とにもかくにも(私利私欲に駆られた)奇妙な論者はいっぱいいる。空気や風、波に乗った怪しい言論はマスコミに満ち溢れている。油断していると騙されるということだ。きれい事を言う悪人はいっぱいる。泣く羽目にならぬようにご用心を。

■12月13日(日)、朝は室温14度、微雨、フル散歩。

「老人は地方で暮らせ」などという論がある。横浜の友人は5年ほど前に長野の古民家に移住し、住民票も移した。3年間ほど修理などをしながらのんびり過ごしていたが、体調を悪くしたので横浜に戻ってきた。住民票も横浜に戻した。

田舎ではまともな医療サービスを受けられない。往復だけで4時間、診察待ちで3時間。1日がかりだ。病気を抱えた老人は田舎では快適には暮らせない。

人が都会に集まるのは便利だからである。不便で仕事もなく、あるのは澄んだ空気と緑、イノシシ、シカ、サル。村によっては60歳で青年部だ。騙されて地方へ行った老人は、やがては体調を崩して都会に戻ってくるのだが、都会に家がない、頼る子供もいないなんてことになったらどうするのか。

住み慣れたところで暮らして、足腰が動かなくなったらさっさと死ぬのがいいのである。

川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の論考「中国のゴーストタウンで見た官製バブルの成れの果て 盛大にコケてしまった官僚の描いた机上のプラン」(JBプレス12/9)は日本にとっても示唆的だった。

<この11月に中国遼寧省営口市を訪問する機会があった。

営口市は大連の北方約200キロメートルに位置し、渤海湾に面しており、昔は漁港だったそうだ。市の人口は230万人とされるが、それは周辺部を含んだものであり、中心部の人口はその10分の1程度。中国のどこにでもある都市と言ってよいだろう。

*わずか3年でできた新幹線

営口へは大連から新幹線で行った。乗った車両は外観も内装も日本の新幹線によく似ていた。真似したのであろう。まあ快適な旅だった。大連から営口まで約1時間。

驚いたことに、大連と営口を結ぶ新幹線が2本ある。海沿いと山沿いの2路線。どちらも2010年以降に完成したと言っていたから、リーマン・ショック後の景気対策で急遽建設されたと思われる。だた、海沿いを走る列車は少なく、1日に数本。明らかに必要のない路線であり、過剰投資と言ってよい。

*李克強の計画はなぜ失敗に終わったのか

(ゴーストタウン=鬼城と化した営口の)この巨大開発の陰に、現首相である李克強の姿が見え隠れするという噂を聞いた。彼は2004年から2007年にかけて遼寧省の書記(遼寧省共産党支部のトップ)であった。その頃、彼は政治局常務委員候補の1人であり、実績が求められていた。その実績の1つが営口での鬼城づくりである。

彼のプランは次のようなものであった。中国では農村の発展が遅れているが、農業によって農村を豊かにすることは難しい。そのために、農民を豊かにするには彼らを農村から都市へ移動させる必要がある。農民を都市住民に変える。

しかし、膨大な農村人口を抱える中国では、全ての人を北京や上海の周辺に移住させることはできない。そんな事情から地方の中小都市の拡充が図られた。遼寧省では営口で巨大開発が行われることになった。

営口は渤海湾に面しており、海運の便がよい。そして温暖である(そうは言っても11月の初旬にはツララが垂れ下がる)。だから、営口を開発すれば遼寧省に住む多くの農民が押し寄せるはずだ。これが、李克強が立てたプランだそうだ。

李克強は2007年に遼寧省の書記を退任したが、その後にリーマン・ショックが起こり、その対策として全国で4兆元(今の円換算では80兆円)もの投資が行われ、その一環として営口を通る新幹線も2路線が作られた。

だが、それは所詮、官僚が作った机上のプランである。(マンションは一戸4000万円もするが)そもそも、農民の世帯収入は日本円にして100万円程度。彼らが購入できるマンションは高くても500万円。そんな彼らを対象にして(ショールームで)で見たようなバブリーな物件を作ったことに無理があった。もちろん、写真の物件は市の幹部用であり、農民にはもっと安いマンションを用意したようだが、それでも価格が500万円を下回る
ことはない。

そして、もっと重要なことは、営口に産業が育たなかったことである。工業を中心に据えた開発の時代は既に終わっていた。営口で工業は発展しなかった。就職口がないから、農民が移住することもなかった。

これからはサービス産業の時代。新たなサービス業は大都市に起こり、その中心には高学歴の若者がいる。コンピューターを自在に使いこなす彼らが中心になって産業が発達し、その周辺に各種のサービス業が発展する。これが21世紀の経済発展である。

*官製バブルの夢の後だが、どの国の官僚もこの事実を理解することが苦手である。日本の官僚も苦手だが、独裁体制の中で育った中国の官僚はもっと苦手のようだ。官
僚はインフラの整備と工業団地の建設しか頭になかった。だが、いくらインフラを整備しても、ものあまりの時代に田舎街に工業が栄えることはない。

面白い話を聞いた。営口の若者は、できれば上海、北京、広東、深セン、香港で働きたいと思っているのだそうだ。最低でも大連。田舎街である営口は大嫌い。中国の若者にとっても大都市の魅力は絶大である。

そんな中国で労働人口が減少し始めた。2025年頃には人口も減り始める。そんな状況で田舎街に人が集まるわけはない。いくら市政府が力を入れても、売れ残ったマンションが飛ぶように売れる時代は来ないだろう。

ただ、その建設に営口市や共産党が深く関わっているから、周辺企業が簡単に倒産することもなさそうである。大きな問題が発生すれば、首相を勤める李克強の威信にも傷がつくからだ。今後、営口市は巨額の不良債権を抱えながら、共産党のお慈悲にすがって不透明な資金繰りを繰り返すことになるのだろう。

中国の経済は官僚が作った不動産バブルによって隘路にはまり込んでしまった。今回の旅では、それを肌で感じることができた>(以上)

若者が敬遠する田舎に老人が移住したところでひたすら寂れるだけである。軽減税率を決めたような愚かな政治家はどこにでもいる。「老人は地方で暮らせ」などという論者も同類だ。こういうノータリンのバカは田舎にノーリターンで追放したらいい。(2015/12/13)

◆「中国人に見られるのが悔しい」

吉村 剛史



流行語大賞に「爆買い」が選ばれるなど、中国人観光客の存在が大きくクローズアップされている。その一方で、台湾人観光客は日本滞在中、ほとんど会話をしない“無言の行”を貫くケースが相次いでいることが明らかになった。

必要に迫られた場合もささやき声程度の会話で、「中国人と間違われるのが嫌」との本音が聞こえる。

中台首脳は66年ぶりの会談をシンガポールで実現させたが、台湾の庶民レベルでの「一緒にされたくない」との思いは根強いようだ。

■大声で騒ぐ中国人観光客を横目に…

「普通に会話をしていると、一般の日本人は中国人と台湾人の区別ができない。中国人に勘違いされるのは悔しいので…」

 関西を訪問していた60代の台湾人夫婦は、周囲を気にするように小声でこう語った。

夫婦は約30人が参加した観光ツアーで来日。福島県など東日本大震災の被災地を訪れた後に、京都などの関西観光をして関西国際空港から帰台する約10日間の日程となっていた。

到着当初こそは滞在先で普通に会話をしていたが、次第に観光地やショッピングエリア、ホテルのロビーなど公共の場所での会話は減り、会話をするにしても周囲に聞こえないように小声で最小限ですませるように。

 「中国人に間違われ、土産物店の従業員らに軽くあしらわれたと感じたこともあった。気がつけば、一行全体でこのスタイルが定着していた」という。

夫婦が滞在している関西のホテルでは、バイキング形式のレストラン会場で、このツアーの同行客が身ぶり手ぶりを交えながら高齢の日本人女性にポットの使い方を教えていた。そのうえ、わざわざ空席まで女性を案内。

女性が「ご親切に、どうもありがとうございました」と礼を述べたが、同行客はただ手を振っただけで言葉を発することは一度もなかった。

そのそばでは中国人客らが会場全体に響くような大声で会話をしていた。

■「お静かに」の貼り紙が目立つ博物館

大声で会話する中国人観光客を横目に、日本では静かに振る舞う台湾人たちの実態はこのツアーだけにとどまらない。

名古屋市内の大学に留学中の孫娘に会うために来日し、帰台途中で関西に寄ったという70代ぐらいの台湾人夫婦も、大阪・心斎橋のコーヒーショップでテーブル席に横並びに座り、互いの耳元に近づきながら小声で会話を交わしていた。

「毎年、旅行で日本に来ているが、今年は孫娘から『急に中国人観光客が増えたから、人前で大声で中国語を使わないように』とクギを刺された」と夫婦は説明した。

中国人観光客のマナーに関しては、台湾社会でも問題となっている。

中国歴代王朝の美術品などを所蔵する台北の故宮博物院ではここ数年、中国人観光客が押し寄せるようになったことから館内のいたる所に「観覧はお静かに」との掲示がなされている。

また、台湾の観光地にある有名店では、人民元を握りしめた中国人観光客が行列に割り込み、「あの棚の商品を全部くれ」と大声でまくし立てる姿も。

中国人観光客の横柄な振るまいに、従業員側も「お金を落としてくれるのはありがたいが…」と辟易(へきえき)しているという。

それだけに、台湾人観光客は「日本人の従業員が、中国人に対してときに冷淡な対応をみせる心情は理解できる。でも一緒にされるのは…」と複雑な表情を浮かべる。

■ついに訪日観光客は中台逆転

日本政府観光局のまとめでは、昨年の年間訪日外国人は過去最多の約1341万人となった。国・地域別の内訳は台湾からが約283万人でトップ。2位が韓国で約276万人、3位が中国で約241万人の順だった。

一方、今年1〜10月の推計では約1631万人を数え、すでに年間ベースでの過去最多記録を更新している。内訳を見ると、中国人が2倍近くの約428万人に達している。次いで2位が韓国約323万人、3位が台湾約311万人となっており、日本旅行の中台逆転が鮮明になっている。

そんななか、中国の習近平主席と台湾の馬英九総統が11月7日、シンガポールで首脳会談を行った。1949年以来66年ぶりとなる電撃的な握手が全世界を驚かせたが、台湾社会の反応はいたって冷静だ。

日本へ観光旅行に来ていたある台湾人は「来年1月の台湾の総統選では、政権交代が確実視されている。少なくとも台湾側においては国民党政権による党利党略上のポーズという要素が強い」と説明する。

台湾・政治大学が実施した意識調査では、住民の8割以上が「現状維持」を望んでいるとされる。

別の台湾人観光客は、「台湾は選挙で指導者を選ぶ民主社会。台湾人が中国人と同一視されることを望まないうちは、貿易・経済面以上の関係進展は難しいだろう」と話している。

日本旅行中の台湾人らの“無言の行”の向こう側には複雑な中台関係や、台湾の根強い庶民感情が垣間見られるようだ。
        産経ニュース【関西の議論】2015.12.8
                (採録:松本市 久保田 康文)

◆トランプとヒラリー

Andy Chang



共和党の大統領候補のドナルド・トランプの人気が上昇してアメリカでは危機感が起きている。ある共和党支持の億万長者はヒラリーとトランプが候補者ならヒラリーを選ぶと言った。

インターネットに「トランプとヒラリーのどちらを選ぶか」と言うアンケートがあった。私の答えは簡単、この二人には絶対に投票しない。ヒラリーは法無視行為がたくさん。国務長官在任中に26か国の首長から多額の賄賂を受け取ってクリントン基金(免税)に入れ
た。トランプは暴言乱発の自大狂、世界の笑いものだ。

トランプとヒラリーは二人とも人間の屑だ。こんなゴミみたいな奴が大統領になったら大変だ。こんな人間の屑が国民に支持されるならアメリカはダメになる。

●トランプは世界のイスラム教徒を敵に回した

カリフォルニアのサンバーナディーノで起きたテロ攻撃のあと、共和党の大統領候補ドナルド・トランプはイスラム教徒の入国を禁止すべきだと発言したので全世界から非難が集中した。

ところが翌日になってトランプが「ルーズベルトは大戦中に日本人を拘束した。イスラム教のシャリア法典は危険だ。イスラム信者は危険だ。“テロ分子を摘発できる適当な方法”が見つかるまでイスラム教徒の入国を禁止すべきだ」と言い直したら、共和党支持者の64%
がトランプを支持した。アメリカ人にはまともな判断ができないものが多く、トランプの暴言を面白がっている、キチガイが大統領になる危険性を考えない。

トランプはアメリカ人のテロ恐怖と、オバマ不満を煽ったのである。アメリカ国民はテロ恐怖症にかかっている。オバマがISIS退治を放置してきたからである。

オバマが「アメリカはISISを閉じ込めた」とテレビで発言した翌日にパリで同時テロが多発した。その後になってもオバマはアメリカは安全だと主張していた。オバマの無能がトランプの暴言を増長させたのである。

トランプは世界のイスラム教徒全体を敵に回したのである。彼の入国禁止発言はISISだけでなくすべてのイスラム教徒がアメリカを敵視する結果になったのである。

ISISはイスラム過激派と呼ばれる一握りのイスラム教徒に過ぎない。それなのにトランプはすべてのイスラム教徒の入国を禁止せよと発言したのだ。出来っこないことだがトランプに同調するバカも居る。

イスラム教徒はアラビア半島とその付近だけでもスンニ、シーア、クルドなどの種族があり、アラブ諸国のほかにトルコ、インドネシア、パキスタン、マレーシア、アフリカの国国がイスラム教国である。

トランプの暴言で世界のイスラム国がアメリカの敵になる。狂気の沙汰だが少数の支持者が居る。大多数の国民がトランプをストップせよと呼びかけたが、共和党はトランプをストップできない。共和党が彼をストップすればトランプは無党派で出ると言う。

●ルーズベルトの日本人拘束

イスラム教徒の入国を禁止するのは憲法違反である。どこの国でも宗教を理由に入国を拒否できない。世界中から非難されたトランプはルーズベルト大統領は第2次大戦の時に日本人を拘束したと反論した。暴言に続く暴言である。

ルーズベルトが日本人を拘束して集中キャンプに閉じ込めたのはアメリカと日本が戦争していた時だった。アメリカはISISと戦争しているがイスラム教と戦争しているのではない。しかもルーズベルトの行為は間違いだったと世界中から非難され、レーガン大統領が正
式に謝罪している。

トランプが大統領になったら本気で世界中のイスラム教徒の入国を禁止するかもしれない。このほかにもトランプはアメリカ国内に住む1100万〜1500万の違法入国者を強制送還すると放言している。どちらも実行不可能だが、こんな主張をするトランプが候補者のトッ
プなのである。

●トランプの暴言でテロ攻撃が増える

ISISは数万人だが世界中のイスラム教徒は16億人。数万人のテロでさえ平定できないのに16億のイスラム教徒と敵対したら世界各地で反米運動、敵対行為が起きる。アメリカ大使館や外国に住むアメリカ人、アメリカンスクールやアメリカの会社などがテロ攻撃に
晒される。

アメリカ国内のイスラム教徒もトランプ暴言でイスラム教徒の迫害が起きることを心配している。すでにモスク(回教のお寺)に放火する事件が起きた。この反動でイスラム教徒に不満分子が増えて、過激派のテロ攻撃が頻発するのは避けられない。アメリカの政府、軍隊にはイスラム教徒多数いるが、この中に反米分子が増えたら大変だ。

アメリカは病んでいる。トランプはキチガイでアメリカの最高指導者になる資格がない。それなのにトランプ支持者が増えたと言う。トランプは狂っているがトランプ支持者も狂っている。

数人の共和党員はトランプの処置に困ってトランプとカーソンを除く候補者から一人を選んで党公認代表とする案を党主席に出した。これに対しベン・カーソンはこの方式は民主主義に違反するとして離党をほのめかした。トランプは共和党が彼を排除すれば無党派で
出ると言う。トランプが第三候補になったらヒラリーが喜ぶだけだ。

メディアはたいていサヨクだから共和党の困難を面白がっている。だが民主党も手放しで喜べない。ヒラリーは15件ほどの違法行為がいつ告訴されてもおかしくない。ヒラリーが出ないなら社会主義者バーニー・サンダースが代表になる。アメリカの衰退は明らかだ。
(滞米台湾人 地球物理学者)


◆げに難解な「難波の選挙」その@

浅野 勝人 (安保研理事長)



「橋下徹を問う」大阪の知事、市長のダブル選挙が終わって、アーでもない、コーでもないの百家争鳴も静かになりましたので「難波の選挙」をゆっくり考察してみます。

大方の選挙通を自認している知人の予測は、知事選挙は松井の勝ち。市長選挙はどちらが勝っても僅差だが、柳本ではないか。これが東日本出身者、とりわけ東京から眺めている人の予測の公約数だったといって差し支えないでしょう。

根拠は、府民の賛否を選挙で問うて負け、結着のついた「都構想」を勝手に再び持ち出して、「今度は賛成せよ!」と有権者に迫る選挙には無理がある。まして、大阪市長の任期が満了したら政界を引退すると公言している人の主張としては理解に苦しむ。

物事を論理的に考えがちな東京人の思考回路としては、「理屈に合わない」と判断しますからもっともな結論です。

ところが、大阪の有権者は、実は単純なのかもしれないのですが、わたしどもには分析困難な複雑な心情の持ち主と映っています。だから、一筋縄ではいかないのが難波の選挙予測のむずかしさです。

もし、仮に橋下市長が前言を翻して政界から身を退(ひ)かなくても、難波人種はもともと真(ま)に受けてはいませんから「やっぱりそうか。私の思った通りだ」となります。東京人のケースでしたら、公約違反の嘘つきと断罪されて政治生命が絶たれます。

東京的予想に反して、結果は、知事、市長ともダブルスコアで橋下の勝ち。

ですから、大阪の人は奇想天外な結論を出したとは思っていないのに、東京の人は「まったく分からない結果」と頭を捻る(ひねる)ことになります。

かつて、私は、痛い目に遭った経験が2度ありますから、大阪の人々が簡単に橋下徹を退けるとは思っていませんでした。

いち度は、1971年(昭46)4/23投票の大阪府知事選挙。私はNHK政治部記者の時代です。

現職で4選を目指す自民党公認・左藤義詮と社会党、共産党推薦の新人・黒田了との争いです。

左藤は、3期の実績に加えて、前年、世紀の大阪万博を成功させた最強の候補者です。一方、社共共闘がゴタゴタして調整に手間取り、黒田の出馬表明は告示日11日前までずれ込みました。その上、候補者難から、人選する側にいた黒田が急きょ候補者に担がれました。

火中の栗を拾わされた黒田は大阪市立大学教授の無名の新人でした。勝負にならないと思うのが東京の常識。「左藤大勝」はNHK政治部の疑いようのない判断でした。

この時、NHK政治部にワシントン総局から転勤してきたばかりの外信部育ちの記者がいました。日本の政治、とりわけ日本の選挙を取材するのは初めての経験なので、間違いようのない大阪府知事選挙を担当させて勉強してもらうことになりました。

大阪の出張取材から帰ってきた彼は、選挙情勢検討会議の席上「大阪は甲乙つけがたい接戦だ。黒田が勝つケースを考えておく必要がある」と報告し、万座の失笑をかいました。
 
結果は、黒田―1,558,170票。24,907票の僅差で黒田の勝ち。
時の自民党総裁、佐藤栄作首相が「大阪で何が起きたのか、理解に苦しむ」と言いましたが、私を含めて政治部記者も全員真っ青でした。彼は、なぜか、私に「だから黒田だと言ったのに」と小声でささやいたのを今でも良く覚えています。
 
「煤煙まみれの大阪の空を、もう一度、きれいな空にする」と訴えた黒田の公害・環境対策が当たったというだけでは説明がつきません。

ウィンストン・チャーチルは「最後の血の一滴まで戦おう」とイギリス国民を鼓舞し、全国民全幅の信頼を得てナチとの過酷な戦いに勝ち抜いた「国家の救世主・イギリスの英雄」でした。第2次世界大戦に勝利した戦後、最初の総選挙はチャーチルの勝利を世界は疑いませんでした。

開(あ)けてビックリ! イギリス国民は保守党のチャーチルを退けて、社会党のアトリーを勝利させて、戦後の庶民生活の立て直しを託しました。私はぼんやりそんなことに思いを巡らせていたのを記憶しています。

続きは、げに難解な「難波の選挙」― そのAを15日に掲載します。お楽しみに・・・(元内閣官房副長官)
 
 

2015年12月13日

◆金も人も支那から逃げ出す

平井 修一


辣椒(ラージャオ、王立銘)氏の論考「毒ガスをまき散らす病める巨龍」(ニューズウィーク12/10)は支那の末期的な環境汚染の実体を伝えていた。

<北京市は今月7日、深刻な大気汚染に対して「赤色警報」を発令した。中国が最高レベルの赤色警報を出すのは初めてだ。

中国政府は13年に汚染が続く予測日数に基づき、大気汚染のレベルを「青色(24時間)」「黄色(48時間)」「オレンジ色(72時間)」「赤色(72時間以上)」の4つに分類した。しかし今月7日の前には一度も赤色警報を出したことはなかった。

今回の深刻なPM2・5の発生は先週に始まり、先月30日に政府はオレンジ色警報を発令。ニュース記事によれば、北京の空気中に含まれるPM2・5の微粒子は1立方メートルあたり900マイクログラムを超えた。この数字は、WHO(世界保健機関)の定める上限値の25マイクログラムを大幅に上回っている。PM2・5の状況があまりにひどいため、庶民は政府の警報発令基準に疑いを持つようになった。

PM2・5はいったん人体に入ると取り返しのつかない健康被害をもたらす物質だ。この微粒子を肺に吸い込むと排出できず、成長期の子供の場合だと一生健康被害が残る危険がある。

アメリカの科学者の研究によれば、中国の大気汚染による死者は1日あたり4000人に達している。実に中国の全死亡者数の17%だ。もしPM2・5の発生している時に北京に行けば、1時間の呼吸で寿命が20分縮まるという。

目に見える大気汚染は注目が集まり話題になりやすいが、中国の環境汚染は実際あらゆる方面に広がっている。土壌汚染はおそらく大気以上に面倒な問題だ。全国の耕地面積の5分の1近くは何らかの形で汚染され、10%以上は重金属汚染によって耕作できない「毒土」と化している。毎年、土壌汚染によって食糧は1000万トンも減産している。

水質汚染はさらに恐ろしい。昨年の中国環境白書によれば、中国では3分の2近くの地下水と3分の1の地上水は「人間が直接接触するべきでない」レベルの危険な状態にある。いくつかの都市では、水道水は水洗トイレで流す水にしか使えなくなっている。

筆者は上海で十数年間生活したことがある。上海はすでに超一流の大国際都市だが、水質悪化は住民の激しい怒りを招いている。上海の家で蛇口をひねって出てくる水には明らかに異常なにおいがあり、バスタブで一定の深さまでためると、肉眼でその汚れ具合を確認できる。水道会社に何度電話を掛けて訴えても、検査員は顔色ひとつ変えず私に「正常で問題ない」と答えるばかりだったが。

中国の環境汚染の影響は中国人民にとどまらず、周辺の隣国にも危害を及ぼしている。PM2・5はたやすく日本に「侵入」する。

もしも中国で一党独裁の統治が続き、政治や言論が不自由なままなら、PM2・5を消すことも、そのほかの様々な環境汚染を根本的に改善することもできない。1949年以来、中華の大地の上には「赤色警報」が鳴り響いている。現在の中国は、まるで重病に苦しみ、かつ周辺の隣人に毒をまき散らす巨大な竜のようだ。中国の環境問題を根本的に解決するにはどうすべきか、私は日本の読者の意見に耳を傾けたいと思う>(以上)

絶望的な環境汚染。皆、海外へ逃げ出す。「中国富裕層に海外移住ブーム 米国が一番人気」(大紀元11/14)から。

<2012年以降、中国でエリート層、高級官僚、企業家といった富裕層の間で海外移民ブームが起きており、それに伴い大量のマネーが海外に移されている。米財務省が10月に発表した最新の報告によると、今年1月から8月にかけて中国から海外へ流出した資金は5000億ドル(外国への直接投資を除く)を超えたとみられる。

北京に本拠を置くシンクタンク「中国グローバル化研究センター」(CCG)が作成した海外移住者に関する2012年度の報告書によると、当時、個人資産が1億元(約19億円)以上の企業家のうち、27%がすでに海外移住しており、47%が移住を検討している。また個人資産1000万元(1億9000万円)以上の富裕層では、60%近くが「すでに海外に移住した」、
または「移住を検討中」となっており、その80%以上が民間企業の経営者である。

15年度の同報告書によると、富裕層の移住先として最も人気ある国は米国であり、在米移民全体の中でも、中国系移民はメキシコ人に次ぐ第2位を占めている。

こうしたなか、中国人の海外不動産投資は年々増加の一途をたどっている。全米不動産協会(NAR)によると、ここ数年でアメリカの不動産市場は中国マネーの重要な投資先となり、12年の投資額は81億ドルだったが、15年は10月までに3倍強の286億ドルに急増している

米国の調査会社、リアル・キャピタル・アナリスティックス(RCA)などの統計によると、今年1月から7月までに、中国人が購入したマンハッタンの不動産の総額は38億ドルにのぼり、すでに14年度の購入総額の4倍強に達している。また今年5月までの17カ月間で、米不動産を購入した中国人の46%が現金で支払い、その金額は前期比229%増となった。

元北京大学経済学部教授で、米シンクタンク・ケイトー研究所研究員である夏業良氏は、富裕層移民ブームが生じる主な原因は、中国経済と政治情勢に対する先行き不安が強まっているからだとみている>(以上)

中共独裁の支那に未来はない。逃げる場所も金もない人民は日々毒殺されている。まるでナチスのガス室。

政府の対策はまるでなし。<穏やかな天気は大気中の汚染物質の拡散に不利。では、どのような気象条件で煙霧は拡散するのだろうか?「煙霧の拡散に必要な気象条件は強い北風」であることは北京の天気に詳しい市民なら誰でも知っている>(人民網12/10)

「北風頼み」なのだという。日本に汚染物質を飛ばせと言うわけだ。もはや中共はすべてにおいてコントロールできない国になった。早く死んでくれ。(2015/12/12)

◆人民元国際化の「脅威」と戦え!

西尾 幹二



中国と欧州の関係は「腐肉に群がるハイエナ」だ  

今年入手した外国情報の中で一番驚いたのは、ドイツに30年以上在住の方から中国の新幹線事故、車両を土中に埋めたあの驚くべきシーンが、ドイツではほとんど知られていないという話だった。

中国の否定面の情報統制は欧州では十分に理由がある。良いことだけ伝えておく方が政財界にとって都合がいいし、一般大衆はアジアの現実に関心がない。アメリカでも中国の反日デモは十分には報道されていないと聞く。

ドルを揺さぶる国家戦略に弾み

負債総額約3千兆円、利払いだけで仮に年150兆円としても返済不能とみられている中国経済。主要企業は共産党の所有物で、人民元を増刷して公的資金を企業に注入しては延命をはかってきた砂上の楼閣に中国国民も気づいている。早晩、人民元は紙くずになると焦っているからこそ、海外に巨額を流出させ、日本の不動産の爆買いまでするのではないか。

天津の大爆発、鬼城(ゴーストタウン)露呈、上海株暴落、北京大気汚染の深刻さ。中国からはいい話はひとつも聞こえてこない。

日本人はこの隣国の現実をよく見ている。にもかかわらず、まことに不思議でならないのだが、欧米各国はにわかに人民元の国際化を後押しし始めた。中国経済の崩壊が秒読み段階にあるとさえ言われる時機にあえて合わせるかのごとく、国際通貨基金(IMF)が人民元を同基金の準備資産「特別引き出し権(SDR)」に加えることを正式に決めた。

これで中国経済がすぐに好転するわけではないが、長期的にはその影響力は確実に強まり、ドル基軸通貨体制を揺さぶろうとする国家戦略に弾みがつくことは間違いない。

IMFは準備期間を置いて、中国政府に資本の移動の自由化、経済指標の透明化、変動相場制への移行を約束させると言っているが、果たしてどうだろう。昨日まで恣意的に市場操作をしていた人民銀行が約束を守るだろうか。言を左右にして時間を稼ぎ、国際通貨の特権を存分に利用するのではないだろうか。

資本主義が変質する恐れも

欧州諸国は中国が守らないことを承知で中国を救う。それが自分たちを守る利益となると考えていないか。ドイツはフォルクスワーゲンの失敗を中国で取り戻し、イギリスはシティの活路をここに見ている。

 私は中国と欧州の関係を「腐肉に群がるハイエナ」(『正論』6月号)と書いた。米国の投資家は撤退しかけているが一枚岩ではない。

中国の破産は儲けになるし、対中債務は巨額で、米国は簡単に手が抜けない。中国経済は猛威をふるっても困るが、一気に崩壊しても困るのだ。ちょうど北朝鮮の崩壊を恐れて周辺国が「保存」している有り様にも似ている。

しかし、日本は違った立場を堂々と胸を張って言わなくてはいけない。共産党の都合で上がったり下がったりする基軸通貨など御免だ。為替の変動相場制だけはSDR参加の絶対条件であることを頑強に言い張ってもらいたい。

「パニックや危機が起きた瞬間に中国当局が資本の移動を取り締まるのではという恐れがある限り、人民元をSDRの準備通貨とすることはできない」というサンフランシスコ連銀総裁のコメントを私は支持する。さもないと、資本主義そのものが変質する恐れがある。

目先の利益に目が眩む欧州首脳は「資本家は金儲けになれば自分を絞首刑にするための縄をなう」の故事を裏書きしている。

民主化のみが唯一の希望

忘れてはいけないのは中国は全体主義国家であって近代法治国家ではないことである。ヒトラーやスターリンにあれほど苦しんだ欧米が口先で自由や人権を唱えても、独裁体制の習近平国家主席を前のめりに容認する今の対応は矛盾そのもので、政治危機でさえある。この不用意を日本政府は機会あるごとに警告する責任がある。

思えば戦前の中国大陸も今と似た構図だった。日本商品ボイコットと日本人居留民襲撃が相次ぐ不合理な嵐の中で、欧米は漁夫の利を得、稼ぐだけ稼いでさっさと逃げていった。

政治的な残務整理だけがわが国に押しつけられた。今度も似たような一方損が起こらないようにしたい。

歴史と今をつないでしみじみ感じるのは“日本の孤独”である。誠実に正しく振る舞ってなお戦争になった過去の真相を、今のアジア情勢が彷彿(ほうふつ)させる。

欧州はアジアがすべて中国の植民地になっても、自国の経済が潤えばそれで良いのだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)のうち一国でも中国の支配下に入れば、中国海軍は西太平洋をわがもの顔に遊弋(ゆうよく)し、日本列島は包囲される。食料や原油の輸入も中国の許可が必要になってくる。

米国も南シナ海の人工島を空爆することまではすまい。長い目でみれば中国の勝ちである。中国共産党の解消と民主化のみが唯一の希望である。わが国の経済政策はたとえ損をしてでもそこを目指すべきで、IMFの方針と戦う覚悟が差し当たり必要であろう。

(にしお かんじ評論家・評論家)産経ニュース【正論】2015.12.9