2015年11月23日

◆私の「身辺雑記」(283)

平井 修一



■11月20日(金)、朝は室温17度、曇、ちょっと寒い、1/3散歩。

タカリ・バラマキ大好きな寄生虫的かつ品性のかけらもない現世利益の利権集団・池田教徒は5:30に新聞を配っている。輪番制だろう。名目はボランティアだろうが、実際は上からの命令による義務だろう。命令に逆らうと村八分で利権のオコボレを貰えなくなるから信徒は従順に従うのだ。素直な戦士たち。一種の痴呆。

一種の宗教である日共はソ連の命令で武装闘争を展開したことがある。

<日本共産党では1951年の第4回全国協議会(四全協)より山村工作隊などの武装闘争路線が採用された。しかし1955年の日本共産党第6回全国協議会(六全協)では武装闘争路線を転換し、権力が暴力で革命運動を抑圧しない限り、革命運動も暴力を行使しない、という「敵の出方論」を採用した。

権力奪取が、武装闘争になるか否かは、状況次第、ということになる>(ウィキ)

宗教とアカは何をするか分かったものではない。いずれも狂気の沙汰。命令次第で平気で、嬉々として、無差別大量殺戮をする。洗脳、インプットされ、ロボットになってしまうのだ。

池田教は世代交代が辛うじてできたようだが、それ以外の新興宗教は日共を含めてひたすら少子高齢化している。老人ばかりの日共はわが街でも赤旗の自力配達はやめてしまったようだ。団塊世代の健康寿命は間もなく終わる。日共は(も?)衰退を免れない。

しかしアカに洗脳されたマスコミは依然として元気で、相変わらず売国的印象操作をしていると、読者のMOMOさんからメールが届いた。曰く――

<(理研に巣食う外国人研究者の数)中国 153名 韓国 70名 (全体
で)合計 704名

驚きました。韓国もこんなにいたとは・・・

NHKなども激しくなってきました。21」日7時のニュースで大相撲の結果を知らせる画面です。

別に何も問題ないですが、今年の初場所ではその画面が勝ち力士は下地が赤で文字が黄色、負け力士が下地が白で文字が赤。違和感を覚えたので色々考えたら、勝ち力士は中国の国旗、負け力士はわが国のそれですね。

この「赤と黄色」の中華街配色に注目しておりますと、民放にもそれ以後、「強調する部分を「赤、黄」を使うようになってきました。先般は「赤旗日曜版−戦争反対」の記事にも登場してきました。

わたしは被害妄想かもしれませんが、中国の国旗に抵抗感が無くなって来るのが恐ろしいです>

MOMOさんは岡山県人で、岡山と言えば桃太郎である。桃太郎は、鬼ヶ島の鬼が人々を苦しめているために鬼退治に旅立つ。現代の鬼ヶ島は支那、鬼は中共である。桃軍団はイヌ、サル、キジという有志連合だ。日米豪印越比+ASEAN。8000万の鬼を除染し、水空気土地の除染もする。激しく汚染されているから長期の難しいオペレーションになるだろう。閑話休題。

洗脳についてネットでいろいろ調べてみた。

「すりこみ」

<生まれたばかりの動物、特に鳥類で多くみられる一種の学習。目の前を動く物体を親として覚え込み、以後それに追従して、一生愛着を示す現象。動物学者ローレンツが初めて発表した。刻印づけ。インプリンティング>

「ステルスマーケティング」

<英: Stealth Marketing。消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。略称はステマ>

マスコミの得意技「印象・情報操作、世論誘導、隠蔽・偏向報道」

<マスコミは「報道しない自由」をこんなに行使している。ある事象について複数の意見が対立する状況下で、特定の立場からの主張だけを特に取り上げて情報操作が行われています。テレビ・新聞などのマスメディアはいつも「報道の自由」を主張していますが、私たちが本当に知りたい情報や、公正な情報を報道していません。マスメディアの印象操作や世論誘導は許せない!>

この世は(善意や正義を装った)悪意に満ちているから油断大敵だ。敵をマークし、正しく憎悪し、警戒し、しっかり備えを固め、反撃、撃破する。これは自立した人間であるための最低限の自覚だ。

集団の威を借りる他力本願のアカ、バカ、朝毎東NHK共同記者、リベラル、コメンテーター、在日、中韓露、総連、岩波・・・などの反日屋には常に警戒すること。ソフトを装ったISみたいなものだ。

共謀罪、緊急事態法、スパイ防止法、棄憲=新憲法(産経11/20 102歳の奥野誠亮・元法相「そろそろ自前の憲法作ろう」!)・・・必要な手を打って行かないと日本はソフトISクリームで毒殺されるだろう。

■11月21日(土)、朝は室温17度、快晴、1/3散歩。

戦後の中近東・アフリカの秩序(実態は無秩序か)は戦勝国の英仏が主導して作ったのだろう。英仏は当然、国益を最優先するから、住民や地域の都合などは二の次だったに違いない。英仏は植民地経営の経験を積んでいたから、地域の結束や発展を望むはずはなく、支配しやすいように分散統治を持ちこんだろう。

民族が団結しないように、少数派が多数派を統治するようにしたろう。少派がおいしい思いをし、多数派は恵まれない。戦前はインドやビルマでこのやり方は大成功した。共通語さえ作らせなかった。(インド、ビルマは今も後遺症に苦しんでいる)そうしておいて英仏は君臨したのだ。君臨すれど統治せず。貧しい多数派の恨みは少数派に向けられるだけだ。

アジアでは日本がこの植民地的秩序を崩壊に導いた(世界史的な快挙。しかし英仏蘭の骨を断ったものの、米国に肉を大いに切られて瀕死の重傷。今も後遺症に悩んでおり、アカい傷口がいっぱい)が、中近東・アフリカでは戦後も英仏の作った秩序をガラガラポンする盟主が現れなかった。

一時期はエジプトあたりがリードするかと期待されたが、ナセル以後はパワーダウンしてしまい、さらにイランのホメイニ・イスラム原理主義革命後の中近東・アフリカはテンデンバラバラ、まるでフライパンの中のコーンのように混乱している。

英仏の蒔いた種、英仏が苦しむのは自業自得だが、混乱が欧州に飛び火しているから、とりあえずは火を消さなければならない。一番凶悪、危険なISを駆除しないとどうしようもないと、英仏は盛んに空爆しているが、先進国は自国兵士の死を(政権批判が高じる、選挙で敗けると)極端に恐れるから、地上軍は派遣できないでいる。これではIS駆除は難しいだろう。

タンクローリーを破壊してISの資金稼ぎを困難にするというが、効果があるのかどうか。

テロの温床になっている移民問題という内憂、新たな難民の津波という外患。永い戦争になりそうだ。

支那ではウイグル人が中共へ反撃を続けているが、中共もウイグル人を容赦なく殺している。『炭鉱襲撃、容疑者28人殺害=「国外組織指揮のテロ」と指摘−中国・新疆』から。

<【北京時事11/20】中国新疆ウイグル自治区アクス地区バイ県で9月に炭鉱が襲撃され、多数が死傷した事件で、中国紙・新疆日報は20日、警察当局が逃走していた容疑者28人を殺害したと伝えた。当局は「国外の過激派組織が直接指揮したテロ」と指摘している。

容疑者のリーダー2人は、報じられた名前からウイグル族の可能性がある。同自治区などでは複雑な民族対立を背景とした事件が相次いでいる。

当局によると、炭鉱は9月18日朝、武装集団に襲われ、警察関係者5人を含む16人が死亡、18人が負傷した。逃走した容疑者を追跡した末、今月12日までに28人を射殺するなどした。このほか1人が投降したという>(以上)

血で血を洗う戦争・・・「迅速対応をアピール=テロ組織摘発でベルギー」から。

<【ブリュッセル時事11/20】ベルギー政府は、パリ同時テロを計画・実行した中心メンバーがブリュッセルのモレンベーク地区在住者だったことに衝撃を受け、テロ組織を徹底的に摘発する方針を打ち出した。メディアに「テロ対策に失敗した」とたたかれたミシェル首相は「過激主義を未然に防ぎ、鎮圧する」と、汚名返上に向けて迅速な対応をアピールしている。

ミシェル首相は19日の議会で、テロ対策費として、4億ユーロ(約530億円)を計上する方針を表明。また、モレンベーク地区が欧州で起きた複数のテロの温床となってきた事実を重く見て、勧誘に利用されるモスクを強制的に閉鎖する可能性にまで踏み込んだ。首相は「信教の自由は憲法で保障されているが、礼拝の場がジハード(聖戦)を呼び掛ける場であってはならない」と強調した>(以上)

日本もテロに備えて翁長や過激派、シールズなど怪しい人物、組織の監視を強化することだ。キチキチバッタが蠢く沖縄でテロが起きる気がする。朝鮮総連は叩かれると「女生徒のチマチョゴリが切られた!」と自作自演で被害者を装っていたが、キチキチバッタが同情を買うためにテロを演出しそうだ。

大横綱、北の湖が20日に亡くなった。氏が引退した直後だったか、奥さまが文藝春秋にこう書いていた。

<現役の頃、親方は汗をはじいていました。それがある時から、汗が流れるようになりました。限界が来たのかと・・・>

“憎らしいほど強かった”一強多弱の大横綱よ、安らかなれ。

■11月22日(日)、朝は室温17度、曇、1/3散歩。

小1女児の七五三祝い。カミサンは夕べから花ちらし寿司、お煮しめ、豚の角煮を準備、小生は今朝から鶏の唐揚げ、茶わん蒸し、ポテトサラダ、天ぷらの下ごしらえ。忙しい。

巷はXマス気分だろうか。ウィーンで13日夜、欧州最大規模のクリスマス・マルクト(市場)がオープンしたが、パリ・テロを悼んでツリーに火は灯されなかったという。世界日報11/20『テロと麻薬と「クリスマス市場」』から。

<「パリ同時テロ」事件は7カ所で発生した。最大の犠牲者を出したバタクラン劇場、パリ近郊のサッカー競技場、レストランなど治安関係者が恐れる“ソフトターゲット”だ。

特定の相手、施設を狙ったテロではなく、一般の娯楽施設、市民が集まる施設だ。それだけに、治安関係者にとって警備が難しい。テロリストはその弱点をついたわけだ。

17日に独ハノーバー市で予定されていたサッカー親善試合、ドイツ対オランダ戦は開始直前、爆弾が仕掛けられた危険性がある、という外国治安情報筋からの警告を受け、キャンセルされたばかりだ。

欧州各地でイベントが次々とキャンセルされている。テロへの不安がその理由だ。不安を煽ることがテロリストの目的とすれば、彼らの狙いは成功しているわけだ。

一般国民はテロに対して不安を感じるが、テロを実行するテロリストも決して平静心で実行しているわけではない。パリに潜伏していたテロ容疑者アパートを捜査した警察関係者は使用済みの注射針を見つけている。容疑者たちが麻薬を摂取していた可能性があるという。

オーストリア日刊紙プレッセ(11月17日付)は「人がどうして大量殺害を実行し、自身も最後は破滅させることができるのか」というテーマを提示し、その答えは麻薬の影響と指摘している。

その麻薬は“Captagon”(カプタゴン)と呼ばれ、一般ではフェネタリン(Fenethylin)という神経刺激薬だ。サウジアラビアでよく利用されている麻薬だ。

ISの戦闘員が麻薬を取っていることはよく知られている。米軍兵士も不安を排除し、戦闘意欲を高めるためにある種の薬を摂取することは知られている。「パリ同時テロ」を実行した容疑者たちもCaptagonをヘロインとミックスして摂取し、“ハイの状況”(異常に高揚した心理状況)でテロを繰り返したのではないかというのだ>(以上)

ファイト一発、欧州の指導者もCaptagon&ヘロインミックスが必要かもしれない。朝雲11/19「指導者なき文明の闘い」から。

<欧州の指導者は長年、自由・民主主義の概念に馴染まない中東から数百万人のイスラム移民を受け入れてきた。多くが兵役年齢の若者で、イスラム過激派の支持者も多いことを承知の上だった。そして惨事が起きる度に驚きと怒りを表し、国境の警備強化を誓うのがパターンになっていた。

「国境なき欧州」などを夢想したツケは必ず回ってくる道理で、オーストリアやスウェーデンが今になって国境警備を強化しても、多分もう遅いのではないか。

明らかな「文明の闘い」に臨んでいるのに、西側にはリーダーがいない。気候変動が人類最大の問題とかいう政治家ばかりで、チャーチルもルーズベルトもドゴールもいないのである>(以上)

妙にハイなのはプーチンくらいだ。何を飲んでいるのだろう。「保温マグに入れた普通の(ミルクを入れない)紅茶」だそうだが、小生も毎日、紅茶をストレートで飲んでいる。興奮剤になっているかもしれない。   
                         (2015/11)

2015年11月22日

◆夫婦別姓 最高裁は慎重な判断を…

八木 秀次



結婚すると夫婦が同じ姓を名乗るとする民法750条と、女性は離婚後6カ月経過しなければ再婚できないとする同738条を、「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとした2つの訴訟について、最高裁大法廷は先頃、当事者の意見を聞く弁論を開いた。2つの裁判はともに1審、2審と憲法に違反しないとして原告が敗訴している。

弁論を行うのはこれまでの判例の変更や憲法判断する場合だ。12月の最高裁の判断で、わが国の家族制度が大きく揺らぐ事態とならないことを願いたい。

 《「姓」は家族共同体の名称》

 夫婦別姓の主張は3種類ある。(1)結婚により夫婦の一方が姓を変更するのは多くの手続きが必要で、仕事上の連続性もなくなる(2)結婚で一方の家名がなくなる(3)姓を変えることで自分が失われてしまう気がする−というものだ。

別姓の主張の大部分は(1)だが、今日では職場などでの旧姓の通称使用が普及している。女性の政治家の多くは旧姓を通称使用し、現在ではパスポートでも旧姓の併記が可能になった。民法を改正する必要はない。

(2)は子供が娘1人といった場合に強く主張されたが、さらに次の世代(孫)を養子にして家名を継がせればよく、どのみち孫が複数生まれなければ家名の継承者はいなくなる。別姓での解決は不可能だ。(3)は少数だが根強く、裁判の原告の主張もこれだ。

夫婦同姓の制度は戸籍制度と一体不可分だ。結婚すると夫婦は同じ戸籍に登載される。その間に生まれた子供も同様だ。つまり、姓(法律上は氏)は夫婦とその間に生まれた子供からなる家族共同体の名称という意味を持つ。別姓になれば、姓は共同体の名称ではなくなる。

 《軽視すべきでない精神的一体感》

同姓にしたい人は同姓に、別姓にしたい人は別姓に、すなわち選択制にしたらよいという主張もある。しかし、選択制であれ、制度として別姓を認めると氏名の性格が根本的に変わる。氏名は家族共同体の名称(姓・氏)に個人の名称(名)を加えたものだが、別姓を認めると、家族の呼称を持たない存在を認めることになり、氏名は純然たる個人の呼称となる。

選択的夫婦別姓制を認めた平成8年の法制審議会答申に法務省民事局参事官として関わった小池信行氏は「結局、制度としての家族の氏は廃止せざるを得ないことになる。

つまり、氏というのは純然たる個人をあらわすもの、というふうに変質する」と問題点を指摘している(『法の苑』第50号、2009年春)。当然、戸籍制度にも影響は及ぶ。

家族の呼称が廃止されることから夫婦の間に生まれた子供の姓(氏)をどうするのかという問題も生じる。夫と妻のどちらの姓を名乗るのか、どの時点で決めるのか、複数生まれた場合はどうするのか、さまざまな問題が生じてくる。

そこに双方の祖父母が関わる。慎重な検討が必要となる。

家族が同じ姓を名乗る、すなわち家族の呼称を持つことで家族としての精神的な一体感が生ずるという点も軽視してはならない。多くの人が自らは別姓を選ばない理由はここにある。別姓の容認は家族の呼称の廃止を意味し、家族の一体感をも損なうことになる。

 《合理性ある女性の再婚禁止期間》

女性の再婚禁止期間は生まれた子供の父が誰かの判断を混乱させないための措置だ。民法は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(772条1項)、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」(同2項)と規定する。

重要なのは「推定」という文言で、国(法律)としてはあくまで夫の子と推定するにとどまり、真実に夫の子であるかどうかには関与しない。結婚している間に妻が宿した子供は夫の子であるだろうと推定し、夫に父親としての責任を負わせるのが法の趣旨だ。


家族の呼称が廃止されることから夫婦の間に生まれた子供の姓(氏)をどうするのかという問題も生じる。夫と妻のどちらの姓を名乗るのか、どの時点で決めるのか、複数生まれた場合はどうするのか、さまざまな問題が生じてくる。そこに双方の祖父母が関わる。

慎重な検討が必要となる。

家族が同じ姓を名乗る、すなわち家族の呼称を持つことで家族としての精神的な一体感が生ずるという点も軽視してはならない。多くの人が自らは別姓を選ばない理由はここにある。別姓の容認は家族の呼称の廃止を意味し、家族の一体感をも損なうことになる。

 《合理性ある女性の再婚禁止期間》

女性の再婚禁止期間は生まれた子供の父が誰かの判断を混乱させないための措置だ。民法は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(772条1項)、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」(同2項)と規定する。

重要なのは「推定」という文言で、国(法律)としてはあくまで夫の子と推定するにとどまり、真実に夫の子であるかどうかには関与しない。結婚している間に妻が宿した子供は夫の子であるだろうと推定し、夫に父親としての責任を負わせるのが法の趣旨だ。

女性にだけ再婚禁止期間があるのは女性しか妊娠できないからだ。再婚禁止期間の廃止や短縮も主張されているが、そうなれば、子の父が誰であるかについての紛争が増える。DNA鑑定すればよいとの指摘もあるが、法は真実は詮索せず、法律上の父親を早めに決めて監護養育の責任を負わせるのが趣旨だ。

DNA鑑定により数代前からの親子関係、親族関係がひっくり返る可能性もあり、影響は相続関係にも及ぶ。再婚禁止期間中に現在の夫との間で妊娠した子も前夫の子と推定されることから、出生届を出さずに無戸籍となる子供の救済は再婚禁止期間の見直しとは別に行えばよく、民法の問題ではない。

憲法は合理的な根拠のある差別は許容する、とするのが最高裁の判例の立場でもある。夫婦同姓も女性の再婚禁止期間も十分な合理性がある。最高裁には国会の立法権を脅かす越権行為は慎み、国民の大多数が納得する賢明な判断を求めたい。(麗澤大教授)

産経ニュース【正論】2015.11.17 12:30更新

◆中国のネパール投資がインドを越えた

宮崎 正弘 


<平成27年(2015)11月21日(土曜日)通算第4734号 >

 
〜中国のネパール投資がインドを越えたという驚きの事実
  ヒマラヤ山脈にトンネルを掘ってカトマンズと結ぶ構想にも本気〜


青蔵鉄道というのは青海省西寧からチベットのラサを結ぶ高山鉄道。すでに完成し、日本からも鉄道ファンが乗りに行った。この鉄道は既にチベットの首都ラサからシガツェ(第2の都市、パンチェン・ラマの拠点)まで延びており、中国はこれをネパール国境、山越えの貿易拠点の町まで延長する。

従来、ヒマラヤというそびえ立つ山々が地政学的にも障害となって、中国とネパールが交易することは考えられなかった。気がつけば、中国のネパールへの直接投資は140億ドルにも達しており、全体の30%である。

中国はネパールのハイウェイ、鉄道敷設、水力発電所などの建設をなし、これまで直接投資と言えば、殆どがインド商人のものだったから、状況は激変したことになる。

とはいえ貿易の70%はインドとの間になされ、ネパール国民2800万人のうち、600万人がインドへ出稼ぎに行き、またインド人60万人がネパールで働いている。両国の結び付きは、中国の劇的な参入をみながらも確乎としている。

1950年にインドとネパールは「平和友好条約」を締結し、武器供与はほぼすべてインドが行ってきた。チベットを侵略した中国に抗議し、またチベット難民がネパールを経由して印度北部ダラムサラに向かった。

ネパールのインド依存は強大であり、貿易の70%はインドとの間になされている。

したがって2008年までネパールへ中国が本格進出することなど、考えられなかった。

それが変わった。


主因は政変である。ギャネンドラ国王を戴く王制を廃止し、共和国制度へと改変の後押しをしたインドに対して、「大国」「盟主然として傲慢」とする不満が頭をもたげ、ネパールが「チャイナカード」を切ったのだ。

以後、マオイストがネパールに浸透し、一時は政権を担うほどだったが、2014」年に選挙で少数派に転落した。この間、中国はネパールに130万ドルの武器教よも行っている。

インドはネパールの二股外交を好ましく思わず、時折ガソリン供給をとめるなどの制裁に走り、この十月には中国が緊急に130万リットルのガソリンを供給した(ネパール全体の年間ガソリン消費は13億7000万リットル)意外な場所で、意外なことが進行中である。
   

◆イスラムは西側に馴染まない

平井 修一



世界日報1/18『イスラム系移民の西側「統合」問題』は、この問題の核心をついていた。曰くーー

<(欧州への)イスラム系移民の場合、(言葉以外にも)別の困難に直面する。彼らはキリスト教社会に統合を求められたとしても、基本的には難しいのだ。例えば、イスラム系女性はヒジャブの着用を放棄できないようにだ。

アブラハムから派生した唯一神教の場合、神は自身への絶対的信仰を求める一方、他の文化、社会への統合を戒める。必要ならば力を行使して異教文化を打破するように求める。だから、イスラム教徒の中には異教社会への統合が難しくなる者が出てくる。なぜならば、彼らの神が統合を願っていないと信じているからだ。

「旧約の神」はカナンに入るイスラエル民族がカナンの異教神の影響を受けてはならないと警告し、異教徒を一人残らず殺せと命じた。もちろん、「旧約の神」は21世紀に生きる大多数のイスラム教徒にとっても受け入れられない内容だが、異教社会への統合には消極的となる。

だから、時間の経過と共に、イスラム系コミュニティが欧州社会で生まれる。買物先から学校までイスラム系の独自ネットワークができるのだ。

北アフリカ・中東から多数の難民、移民がドイツに殺到している。ヴルフ前独大統領は在職中、「イスラム教もドイツ文化の一部だ」と主張し、多文化社会を支持したが、メルケル首相は、「多文化社会は幻想に過ぎない」とし、イスラム系移民にドイツ社会への統合を求め出した。

一方、大多数のイスラム系移民はキリスト教社会で(と?)統合する考えすることに専心。ホスト国が笛を吹いても、彼らは踊らないのだ。

“宗教の百貨店”と呼ばれる日本の国民には想像できない世界かもしれないが、イスラム教徒が異教社会に生きることはそれだけで非常に多くの困難と試練がある。イスラム教徒にとって、欧州社会への統合は外部の人間が考えるほど簡単ではないのだ。

イスラム系若者の中には、過激思想に出会い、それに惹かれ、そこに自身が失ってきたアイデンティティを見出す者も出てくる。「パリ同時テロ」に関与した者のように、これまで充満してきた不満、怒りの爆発先を見つけ、テロに走る者も出てくる。

ちなみに、西側社会では「統合」という言葉は一般的にはポジティブな意味で受け取られるが、イスラム教社会では“禁断の実”を食べるような不敬な行動と同一視される傾向が見られる。だから、西側のホスト国はイスラム系移民の「統合」への消極性、不安に対して理解を示す必要もあるだろう>(以上)

小生も西側社会の一員だろうが、基本的に「多様な言論、思想、宗教があるのは当たり前。すべては相対的であり、絶対的な善も悪もない。言論、信教の自由、民主主義は保障されるべきだ。腹が立ったら選挙で決着をつければいい。それを否定して暴力に訴える者は断固排除する」と思っている。

これはごく当たり前の西側の価値観、コモンセンスだろうが、唯一神のイスラム教徒は「自分の宗教は絶対的な善であり、それ以外は悪、邪である」とまったく受け入れないから「融和」「統合」なんてまったくあり得ない。

融和的なトルコなどの世俗主義も、宗教は「純度」の高い方が魅力的だから、原理主義に陥りやすく、今後どうなるかは甚だ怪しい。

曽野綾子氏は「多民族が暮らす場合はせめて棲み分けした方がいい」と氏の経験から書いたら、何も経験していないお花畑屋からバッシングを受けた。小生も思うに、イスラム教徒とのごちゃまぜ的共生、共存は永遠に不可能ではないか。せめて棲み分けるくらいしかないだろう。その上で法を遵守し、寄生せずに自立してほしい。

それができないのなら、せめて大人しくしてほしい。下郎の逆恨みで人殺しに走るのはやめてほしい。ま、西側的正論が通じる相手ではないけれど。(2015/11/21)

◆中台会談、習近平の「中国夢」

Andy Chang

18日の日本経済新聞で中沢克二編集委員の書いた「中台会談、80秒握手の深謀.習氏の任期延長への布石」を興味深く読んだ。習近平は会談の結果で共産党総書記の3選を図るというのである。ところが中沢論文ついての読者コメントは中沢氏の見解に相反するものだ
ったのが面白かった。

中国に住む外人記者がメディアの報道を解読した予測と台湾で解読した予測は全く違う。台湾の報道でも国民党系メディアで予測するのと民間から見た予測は違う。

中国のメディアが習近平を批判することはあり得ない。台湾の国民党系メディアも馬習会談を批判しない。だが台湾人は馬習会に批判的で馬英九の支持率は9%以下だから、習近平が馬習会談を使って中国共産党総書記の三選を図るのは無理だと思う。2024年まであと
8年もある。この期間に何が起こるかは台湾だけでなく米国やアジア諸国の出方も見なければならない。

●中沢氏の「習近平の深謀」とは

中沢氏の記事、中国側の解読と台湾側の反応は大きな違いがある。簡単に書くと以下のようになる:

第一に、習近平は81秒の長い握手で中国と台湾の首脳が握手で和議に入ったという歴史的事実を作りあげたと言う。だが「中台会談」のを成果を大袈裟に報道したニュースはすぐに各国のメディアで否定されたように、「中台会談」ではなく、中華人民共和国の総書記と
中華民国総統の「中中会談」である。

中国メディアは歴史的握手と賛美したが、これは中国側の一方的解釈である。台湾は中国の領土ではない。中華民国は台湾に亡命した蒋介石政権である。1952年のサンフランシスコ平和条約で日本が台湾の「主権を放棄した」が中国に譲渡したのではない。台湾の国際
的地位は未定であり、中華民国には統一を協議する権利はない。

第二に、習近平と馬英九は「92共識」と「一つの中国」を強調し、統一の合意があるとする狙いがあった。中国の新聞はそう書いたけれど台湾では逆に台湾は中国の領土ではない、馬英九は売国奴だと糾弾した。つまり「一つの中国」を主張したため台湾独立の意識を
高める逆効果となり、合意は無かった事がわかった。

第三に、会議のあと習近平が強調したように、92共識と一つの中国を中台協議の条件とする。国民党が政権を失っても「一つの中国」の緊箍咒(きんこじゅ)で民進党を縛ることが出来る。国民党は中台パイプの影響力を維持し、馬英九は中台パイプ元老の権威を維持
できると言うのである。

だがこの意図は台湾では通じない。92共識は存在しない嘘である。台湾人は一つの中国を認めない、中国と台湾は二つの違う国である。一つの中国を条件にした協議は人民が承知しない。

●トウ小平の遺言から現在まで

中国の台湾政策はトウ小平によって企画され、周知のように中国共産党総書記は?小平の遺言により、江沢民→胡錦濤→習近平の移譲が指名された。?小平の遺言録音は中国共産党の機密だが知る人も多い。台湾問題について簡単に書けば次のようになる:

(1)台湾問題は中国の生死存亡、共産党の生死存亡である。
(2)台湾は香港と違って租借ではない。早急に解決すべきだ。
(3)出来れば胡錦濤の二期、2012年を越さないうちに解決すべき。
(4)江沢民は台湾問題で焦って冒険してはならない。

トウ小平の死後、江沢民、胡錦濤から習近平まで、中国共産党の主導者は?小平の遺言に沿って台湾併呑を計画してきた。台湾併呑は武力でなく「和平解決、不戦而勝」を目標としている。

それでも江沢民の時代には部下の陳良宇、王守業などが果断な手段で台湾を解決する計画を進言したが江沢民は拒否した。胡錦濤が2005年に軍の権力を手中にすると王守業、陳良宇は逮捕され、汚職の名義で処罰された。胡錦濤も習近平も政界や軍部の大物を粛清す
るときは汚職を理由している。

2002年に胡錦濤が中共総書記になると国民党の最高権力者の買収を始めた。胡錦濤は2008年6月に政治局拡大会議を開催し、彼の幕僚令計画が作った三つの主要計画、「台湾問題解決の政治戦略」、「台湾軍事闘争に関する預案」、「台湾統一に関する政治法律処置の預案」
を通した。この年に馬英九が政権を取り、連戦、宋楚瑜などが争って中国詣でを始め、中台貿易の利権を手にした。民進党の政治家も中国投資に熱中した。だが胡錦濤は2012年に台湾問題を解決することはできなかった。

習近平が総書記になったあとも和平統一路線を続け、馬英九も合作して強引にECFA(経済合作枠組み協定)、経済市場一体化と金融一体化を推進した。

台湾問題の外に習近平は「中国夢」を発表し、汚職追放、南シナ海進出など世界覇権の夢を推進した。中国の太平洋進出では台湾が最大の課題である。台湾を併呑すれば太平洋の東半分は中国の勢力範囲となる。

●「ヒマワリ学生運動」と台湾アイデンティティ

中国の台湾併呑計画が挫折したのは2014年のヒマワリ学生運動のおかげである。国民党が国会で強引に提案30秒だけでサービス貿易協定を通そうとしたために起きた学生の反対運動だった。

この運動のあと台湾人の反中意識が高まり、同年11月の総合選挙で国民党は惨敗した。こうして台湾人の反中、反統一が高まり、来年の総統と立法委員選挙では国民党の総統候補者・朱立倫は落選し、立法委員過半数も取れないと言われている。

馬習会談は一つの中国と中台のパイプを掲げて選挙に勝つことだが、逆効果で惨敗する可能性の方が高い。民進党が選挙に勝てば国民党の汚職追放、国民党違法資産の追及、司法改革、国民投票法改革などで独立意識が高くなる。

米国は中国の台湾併呑に反対だから中国の台湾に対する武力行使は出来ない。習近平は和平路線の他に方法はない。中沢氏の予測した習近平の総書記三選は実現しそうもない。


2015年11月21日

◆自衛隊頑張れ、国民は応援している

池田 法彦



旅行で飛行機に乗る機会がある。フライト中、機長からアナウンスが有り「当機には、XX(イラク等の国名・地名)で活動され、現在帰還中のXX(例えば陸軍xx隊の)皆さんが同乗されています」といった場面に遭遇することが間々ある。特に米国では何度もあった。それは感動的な経験だ。すると乗客は盛大な拍手で応じたものだ。

特に何らかの貢献がニュース等で周知されている場合は、飛行中ながらスタンディングオベーションに至ることもあった。米国民が、如何に自国軍人、軍隊を尊敬・賞賛し信頼を置いているのか実感し、日本の現状との格差に何回も悲憤を感じた。翻って、自衛隊は反日日本人達に罵声を浴び、自衛隊員の子供迄反日教師に苛められた。

2008年千葉沖でイージス艦愛宕と漁船の衝突事件があった。海難審判は愛宕が事故主因とし、刑事裁判では責任当直士官2名が業務上過失致死等に問われた。一審、控訴審とも無罪判決、検察は控訴を断念した。にも拘らず事件当初よりマスコミは挙って、自衛隊非難合唱を煽った。

本来なら憲兵、軍法会議が有る処だが、海上保安庁が民事感覚で捜査、海上自衛隊を敵と見下し好い加減な海図で罪状を捏造した。軍事と民事の違いも理解出来ない福田総理や石破防衛大臣は自ら事実究明もせず怠慢・不注意として、未判決段階で艦長更迭、士官を停職処分にした。

自衛隊海外派遣反対のピースボートのソマリア沖護衛をさせられたこともあった。3.11発生時、急ぐ東電社長を乗せた自衛隊機を、態々名古屋に引き返させた北澤大臣は、原子炉にヘリから放水させ「首相と私の重い決断を、統合幕僚長が判断し、自ら決心した」と卑劣にも責任転嫁をした。

1度も防衛省を訪れず口先の感謝だけで10万人を超える自衛隊員を4か月間駆り出す一方、原発事故を最初に支那に知らせ、韓国、支那の救援隊は副大臣が空港で歓迎、最初に手を挙げた台湾を2日待たせ、空港では1日救援許可を出さなかった。これが菅内閣と諸大臣の所業だ。

将来を担う有為ある士官の為に防衛大学校はあるが、経験・見識ある自衛隊出身校長を就任させず、国防意識のない反日自虐史観の校長を何故就任させるのか、有為の人材を潰したいのか、政府の真意と見解を糾したい。
数え上げれば限のない、反日・反自衛隊政策・命令ばかりだ。

民主党福山哲郎議員が藪蛇質問をした。「機密文書が34000件も無断で破棄された」と。小野寺防衛大臣は「34千件のうち3万件は民主党政権で無断破棄された」「大臣通達で恣意的な廃棄は止めさせた」と応酬。3万件は民主党から韓国に漏洩し、韓国は支那に献上したとのことだ。

日本の軍事等の機密情報を得た韓国は2010年対馬侵略・占領を計画したが、直前に米国と支那の折衝、支那の強引な指示により中止させられた、という噂が根強く流布されている。最近の韓国の言動では敵国に近い。韓国には公式機密情報も日米政府・自衛隊は提供を止めたようだ。

韓国の国籍法・兵役法改正、支那の国防動員法は、実質的には対日開戦準備法であると認識すべきだ。自衛隊を暴力装置と認識する民主党政権下で、自衛隊は屈辱的扱いに耐え、震災・津波・原発対応で親身の活躍をし、都合よく復旧にも利用された。クーデタの噂迄も流れる程だった。

海外では自衛官は事実上軍人待遇だ。自国日本だけが軍人の地位と名誉を認めていない。反日大臣に勲一等を授与する前に、毎年殉職の70-80名の命懸けの自衛官を顕彰すべきだ。

◆中国はビジネスでもまともな国とは思えない

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)11 月20日(金曜日)通算第4733号 > 

 
〜中国はビジネスでもまともな国とは思えない
    米中経済安保委員会が警告的な報告書を議会に提出〜

 
米国の「米中経済安全保障委員会」は11月18日に、2015年版の報告書を議会に提出し、数々の問題点を指摘した。
 
第一に中国の経済改革、その産業競争力評価がなされ、とくにデジタル分野での貿易障害とサイバーによる産業スパイ活動への警告がなされている。

第二は安全保障方面で中国のミサイルの脅威増大について述べられている。

第三は中国を取り巻くアセアン、中央アジア諸国の実情が述べられ、37の提言が盛り込まれた。

とりわけ注目されるのは中国の為替操作、輸出補助金、過剰投資の危険性であり、また弁護士、ジャーナリストなど自由民権を擁護する人たちの拘束は人道的な問題であること、そして中国における外国企業の活動が制限をうけ、互恵の精神に反していることなど問題点が列記され、米国企業のこれからの中国との関わり方、その近未来の危険性などについて深刻な懸念が表明された内容となっている。

以下、米中経済安全保障委員会の2015年報告書全文である。 2015 Report to Congress of the U.S.-China Economic and SecurityReview Commission U.S.-China Economic and Security ReviewCommission, November 2015
http://www.uscc.gov/Annual_Reports/2015-annual-report-congress

プレスリリース
http://origin.www.uscc.gov/sites/default/files/2015%20AR%20Press%20Release.pdf

(PDF 281 KB, 6 p.)

◆中国の目先の利益に乗るな

石 平



今月に入って中国は、アジア太平洋地域において一連の慌ただしい近隣外交を展開してきた。

1日、韓国のソウルで李克強首相は3年半ぶりの日中韓首脳会談に参加し、日本の安倍晋三首相との初の公式首脳会談を行った。5日には、今度は習近平国家主席が就任後初めてベトナムを訪問し「関係の改善」を図った。

10日、王毅外相はマニラを訪れてフィリピンの大統領、外相と相次いで会談した。

この一連の外交活動の対象となった3カ国が抱えている共通問題といえば、やはり南シナ海だ。

同海での中国の拡張戦略に対し、当事者として激しく反発しているのはベトナムとフィリピンの両国である。一方の日本もまた、自国のシーレーンとなる南シナ海の「航海の自由」を守るべく、中国の戦略に強く反対する立場を取っている。

こうした中で中国がこの3カ国に急接近してきた意図がはっきりと見えてくる。

10月末の米海軍による南シナ海哨戒活動の展開によって米中対立が一気に高まった中、中国政府は南シナ海問題の当事者諸国との緊張を緩和させることによって、中国批判を強める米国を牽制(けんせい)するつもりであろう。当事者同士が話し合いで問題解決に向かうのなら「部外者」のアメリカは口出しが難しくなる計算である。

さらにAPECの前に、関係諸国を取り込んだ上でアメリカの攻勢を封じ込めておくのが一連の中国外交の狙いだったろう。

要するに、アメリカを中心とした「有志連合」が中国の拡張戦略に立ち向かおうとするとき、「有志連合」の参加国と個別に関係改善を図ることによって「連合」の無力化を図る策略なのだ。

それは中国で古来使われてきた伝統的得意技である。

中国では紀元前8世紀から同3世紀まで戦国という時代があった。秦国をはじめとする「戦国七雄」の7カ国が国の存亡をかけて戦った時代だったが、7カ国の中で一番問題となったのが軍事強国で侵略国家の秦であった。

いかにして秦国の拡張戦略を食い止めるかは当然他の6カ国の共通した関心事であったが、その際、対策として採用されたのが、6カ国が連合して「秦国包囲網」を作るという「合従策」である。

6カ国が一致団結して「合従」を固めておけば、秦国の勢いが大きくそがれることになるが、一方の秦国が6カ国の「合従」を破るために進めたのが「連衡策」である。6カ国の一部の国々と個別的に良い関係をつくることによって「合従連衡」を離反させ、各個撃破する戦略だ。

この策で秦国は敵対する国々を次から次へと滅ぼしていったが、最終的には当然、秦国との「連衡」に応じたはずの「友好国」をも容赦なく滅ぼしてしまった。秦国の連衡策は完全な勝利を収めたわけである。

それから二千数百年がたった今、アジア太平洋地域もまさに「戦国時代」さながらの様相を呈している。中国の拡張戦略を封じ込めるために米国や日本を中心にした現代版の「合従連衡」が出来上がりつつある一方、それに対し、中国の方はかつての秦国の「連衡策」に学ぶべく、「対中国合従連衡」の諸参加国を個別的に取り込もうとする戦略に打って出たのである。

その際、日本もベトナムもフィリピンも、目先の「経済利益」に惑わされて中国の策に簡単に乗ってしまってはダメだ。あるいは、中国と良い関係さえ作っておけば自分たちの国だけが安泰であるとの幻想を抱いてもいけ
ない。

秦国によって滅ぼされた戦国6カ国の悲惨な運命は、まさにアジア諸国にとっての「前車の轍(てつ)」となるのではないか。

                   ◇

【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

産経ニュース【石平のChina Watch】2015.11.19
                  (採録:松本市 久保田 康

◆欧州は“世界の火薬庫”に

平井 修一



フランスが主に中近東やアフリカからの移民を受け入れ始めたのは1800年代後半からだ。フランス革命で「個人の自由」を偏重したためだろうが、「家」が瓦解し始め、少子化が始まった。

特に第一次世界大戦後は少子化による労働力不足が深刻化し、移民はどんどん増えていく。第二次世界大戦後の高度成長期にはさらに増えていった。

現在は正規移民(フランス国籍をもたない居住者)は400万人、不法移民は100万人〜200万人ほどいるようだ。合わせて500万人〜600万人はフランス国籍をもたない居住者ということになる。人口の10%だ。

移民1世は概ね母国で食いっぱぐれた連中で、主に単純労働に就くしかなかった。貧困層で、識字率も低く、移民2世も高等教育を受ける機会はなかなか難しかったろう。つまり代々、底辺に沈むしかなかった。

上昇のチャンスがないのだ。これは絶望に至る。移民2世(自動的にフランス国籍)、3世は当然、うんざりする。夢を持てないのだから。不満、怒りを蓄積していく。

(日本人の移民は基本的に読み書きソロバンはできたし、創意工夫、努力、立身出世の気概があった。また、現地への貢献、日系人としての名誉の向上という夢もあったと思う。上昇志向が強く、単純労働者ではなかったろう。とにかく勤勉。宗教に淫して1日に5回も礼拝したり食事制限するイスラム教徒とはかなり違う)

AFP=時事11/16『ドイツ南部で「エッフェル塔見に行く」男拘束、車から銃や爆発物』から。

<ドイツの警察当局は15日、爆発物や自動小銃を積んだ車を運転していたとして南部バイエルン州の高速道路で身柄を拘束した男(51)が、「エッフェル塔を見るため」仏パリに向かうところだったと話していたことを明らかにした。

独警察は今月5日、バイエルン州ローゼンハイムの高速道路で所定の取り締まりの実施中、モンテネグロ出身の男を拘束した。警察によると、車内からはパリの住所が書かれたメモとカラシニコフ(自動小銃)8丁、拳銃3丁、爆発物が見つかった。パリの住所は車載衛星ナビゲーションシステムにも入力されていたという。

男は「パリでエッフェル塔を見て、それから帰国するつもりだった」と述べ、発見された銃や爆発物については、車内にあったことさえ知らなかったと主張したという。車載ナビの情報からは、男の車がモンテネグロからクロアチア、スロベニア、オーストリアを経由してきたことが確認された。

警察はパリで起きた連続襲撃事件に関して男から話を聞こうとしたが、男は一切の供述を拒んでいるという>

時事通信11/16「同時テロ、シリアで計画=欧州諸国狙う再発警告―仏首相」から。

<フランスのバルス首相は16日、地元ラジオに出演し、13日に起きたパリ同時テロは「シリアで計画されていた」と語った。

また「数日あるいは数週間以内に再びテロが起きる可能性がある」と警告した。AFP通信が伝えた。

ロイター通信によると、首相は、仏情報機関が夏以降、数回のテロ攻撃を未然に防いでいたと主張した。さらに、仏警察は、フランスだけでなく、他の欧州諸国を狙ったテロ計画があることを把握していると指摘した>

欧州全体が“世界の火薬庫”になってきた。短絡的な発想でまったく価値観の違う異教徒、異邦人を、3K職場の移民として迎え入れたことが現在のカオスを招いた。

その大きな(大きすぎる、取り返しのつかないほどの)失敗を日本は他山の石として学ぶべきである。(2015/11/20)

    

2015年11月20日

◆IS(イスラム国)、中国人人質を殺害

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)11月19日(木曜日)通算第4731号>  

  〜IS(イスラム国)、中国人人質を殺害
          中国は「空爆」に参加するか?〜

18日、イスラム国は数ヶ月ほど人質にとってきたノルウェイ人、中国人のふたりを殺害したと英語版サイトで発表した。

ノルウェイ人はヨハン・G・オフスタッドと言い、中国人は北京からきた広告代理店をなのるファン・ジン・ホエ(ファン京輝)。

ISは、各5000万ドルの身代金を要求していた(多維新聞、19日)という。

ふたりの顔写真はカラーで、丸坊主にされ、黄色の囚人服を着せられていた。殺害方法は銃殺と書かれていた。

さて、問題は中国の出方である。

ロシアと組んで空爆に参加するか、地上戦に戦闘部隊を送り込むか、なにもしないか。

ちなみに新華社は、中国人人質殺害のニュースを(2015年11月19日、午前5時現在)流していない。

◆私の「身辺雑記」(282)

平井 修一



■11月17日(火)、朝は室温17度、晴、ハーフ散歩。

無差別大量殺人を行ったオーム真理教への破防法適用を妨害したのは後藤田正晴だ。

ウィキによると後藤田は初代内閣安全保障室長を務めた佐々淳行の上司でもあったが、佐々の著作によれば、後藤田は当時要人テロを警戒して護衛をつけて欲しいと(周囲から)再三促されたが、「有り難う。でも私は結構」と かたくなに断り続けたという。後藤田は実際に土田・日石・ピース缶爆弾事件の標的の1人となっている。

後藤田には国を守る、国民を守る、己を守るという防衛意識が薄いのだ。

1993年に村山富市が日本社会党委員長に就任時、「自衛隊について社会党と意見の違いはあるけど、自衛隊が武装して海外に出ていくことには反対しなければならない。その点は同じ考えです」と話した。

「自衛隊の海外派遣や集団的自衛権の行使など、憲法が認めないことがなし崩しになることに危惧を抱いていた」と村山、社会党を評価していた。首相時代の村山にとって後藤田は良き相談相手の一人であった。

だから国賊の河野洋平を非常に可愛がり、「つくる会」の新しい歴史教科書(扶桑社発行)の採択では、一貫して反対の立場をとった。自虐史観、GHQチルドレンだ。

警察官僚出身だが左派色が強く、後藤田は自分は保守的な政治家であるとし、「自分が左派扱いされるのは、日本が右傾化し過ぎているのではないのか」と反駁したという。

オームに破防法が適用されないのなら、破防法は死んだ法律そのものになってしまった。後藤田が葬ったのである。悪に対して甘いのだ。警戒心、危機意識ゼロ。

宗教とは何か。定義が難しいが、理論的でも理性的でも学術的ない。むしろ感情的、妄想的、多かれ少なかれ一種の狂気に近いだろう。マルクスは宗教を(苦痛を根本的に治癒(=革命)することをしないで一時的に苦痛を忘れる、あるいは快楽を得るための)麻薬だと言った。共産主義自体が人の正常な判断を狂わす麻薬、危険ドラッグだが。

後藤田はアカ=容共左派の反日屋ではないかもしれないが、河野や村山とお友達ならリベラル≒アカにかなり近い。自分自身は「良識的なリベラル」とでも思っていたのかもしれない。

キリスト教は宗教改革などを経て一応は世俗的、人畜無害的になったが、イスラム教は相変わらず政教一体を志向するから狂気の要素が強い。しっかりした防衛本能があればイスラム教徒を忌避するのだが、メルケルのようなカトリック教徒は危機意識、防衛本能がない(薄い)から、危険(狂気、凶器)を呼び込んでしまう。後藤田みたいなものだ。後藤田が警察を牛耳っていたときに過激派は暴れまくった。

こういうリベラルの思想、行動は一種の痴呆に似ており、注意欠陥・多動性障害(ADHD)とも言える。冷静に考えて行動すればいいものを、衝動的に猪突猛進してしまう。人を見れば善人と思って抱きしめてしまう。この世には善人と悪人と、その中間に膨大な(善人にも悪人にもなり得る)第三者がいるという事実を無視するという愚かなことをしてしまうのだ。

イスラム殺人狂のテロを呼び込んだのはフランス自身である。自由、民主、人権、法治を狂人にも適用したから、彼らは類は友を呼ぶでどんどん増えて、ますます凶暴化していった。

穏健なイスラム教徒もいるだろうし、それが多数派だろうが、外形は人間であっても異星人ぐらいに思って、しっかり警戒したほうがいい。愛は地球を破壊する、この世は悪意に満ちている。善意を信じる者は殺される。これが現実だ。

犬死したくなければ常に警戒し、怪しいものは予防拘禁する。それができなければテロの連鎖は収まらないだろう。

彼らジハード主義者は殺人狂であり、破防法(のような効果的な法)で徹底的に抑え込むしかない。最終的にはイスラム教を禁教にするしかないのではないか。国民の命と生活のために治安維持は最優先すべきで、狂気のタネを宿しているイスラム教を禁止しない限りテロは永遠に治まらないだろう。

フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」から。

我らは自ら進み行く
先人の絶える時には 我らは見つけるだろう 先人の亡骸と 彼らの美徳の跡を!
生き長らえるよりは 先人と棺を共にすること欲する我らは気高い誇りを胸に 先人の仇を討つか 後を追って死ぬのみ!

フランス革命で革命軍は絶対王政とカトリックを破壊し、近代国家への道を拓いた。今、フランスの自由・平等・友愛がイスラム教テロリストによって脅かされている。犠牲者の無念を晴らすためにもジハード主義者の摘発と極刑を進めるべきではないか。

■11月18日(水)、朝は室温19.5度、曇、ハーフ散歩。犬の足腰はかなり弱ってきて、1/3散歩がどうも限界のようだ。世は事もなし、という具合にはいかない。

ロイター11/16「パリ同時多発攻撃、事件の衝撃を引きずる市民」から。

<フランスのパリで11月13日夜(日本時間14日早朝)、市中心部のコンサートホールや北部サン・ドニのサッカー場などを標的とした同時多発攻撃が発生した。これまでに死者は129人にのぼり、350人以上が負傷した。

事件から2日たった15日夜(同16日早朝)、追悼のために事件現場のひとつとなったレストラン前に集まった数百人の群衆が、突然蜘蛛の子を散らすように逃げ出し、現場には靴の片方や踏み荒らされた花束が散乱。

警察当局は、デマの警告があったのではないかとしているが、突然の群集行動の原因はわかっていない>

パリ市民は戦々恐々としている。怖いのだ。フランスの憂鬱は欧州全体の憂鬱でもある。ブレイディみかこ氏(在英保育士、ライター)の論考「海辺のジハーディスト」(ヤフーニュース2014/10/14)から。

<米国によるシリア領内への空爆で死亡した最初のブリティッシュ・ジハーディストは、イブラヒム・カマラというブライトン出身の19歳の青年だった。

わたしが住むブライトンという英国南端の街は、UKのゲイ・キャピタルと呼ばれるほど同性愛者の人口が高く、アナキストが多いことでも知られ、英国で初めて(そして今でも唯一の)「みどりの党」の国会議員をウエストミンスターに送った街でもある。

つまり、ウルトラ・リベラルな土地と言われているのだが、その一方で、最近では「海辺のジハーディスト」の街などと呼ばれ始めている。

イブラヒムはレイシズムに激怒して暴力的になったり、ギャングの仲間入りをするようなタイプではなかった。ジョークをとばして周囲を笑わせる、マンチェスター・ユナイテッドとヒップホップが大好きな青年だったらしい。カレッジではコンピューター・プログラミングを学んでいた。

しかし、そんな彼がある日ぷっつりとサッカーの試合結果を追わなくなり、夜明け前に起床してコーランを読み始めた。そして一人暮らしのベッドシットで何時間もPCに向かっていることが多くなったという。

遂に今年2月2日、イブラヒムの母親は運命の電話を受け取る。

「母ちゃん、僕、今シリアにいるんだ!」

彼女は無言で電話を切ったそうだ。そしてその足で警察に行き、我が子がシリアに行ったと通報した。

だが、イブラヒムの弟たちはフェイスブックで兄と連絡を取り続けた。彼女もそのうち気持ちをほだされ、イブラヒムに「愛しているから帰って来て」「バカなことをするのはやめて」と呼びかける。

が、9月23日、イブラヒムの14歳の弟が、ブライトン出身の16歳の「海辺のジハーディスト」の1人から、フェイスブックで「おめでとう!」というメッセージを受け取る。

「おめでとう!君の兄は殉教者になった!」

次に家族が見たのは、袋から血と砂で汚れた顔を垂れたイブラヒムの死体の画像だった。

最近、テレビでニュースを見ていると、毎日のようにジハーディストの母親たちが出て来る。

「愛しています。お願いだから帰って来て」

シリアに向かった15歳の少女や、18歳の少年に、頭にヒジャブをつけたお母さんたちが呼びかけている。ブリティッシュ・ジハーディストたちは低年齢化し始めている。

「あの子は被害者です。洗脳されたのです」

と彼女たちは泣く。

そんな映像を見るのも、もはや英国では乾いた日常の光景の一つになってきた>(以上)

恐ろしい時代だ。イスラム過激派は世界中をイラク・シリアにしたいのだ。安定ではなく混乱を求めている。殉教者となって神から祝福されるために無差別殺戮を繰り返す。

厄介なことはイスラム教徒に自浄・改革機能がないことだ。宗派が異なれば完全に敵だから、話し合いができない。ひたすら殺し合うだけだ。強力なリーダーがいないから棲み分けもできない。うんざりした信者(とテロリスト)は寛容で安定した欧州に逃れ、そして今、欧州は地獄の淵に立たされている。

イスラム教は致死性の高い伝染病である。隔離し、包囲し、除染しなければならない。その方策をG20などは早急に練るべきだ。

■11月19日(木)、朝は室温17.8度、快晴、やっとこさ1/3散歩。

世界有数の美しい観光都市、パリ。「平井君、どうだいこの写真。ベンチを撮っただけなのに美しいだろ。パリはどこを撮っても美しい」と言っていた人がいたっけ。この人、ホテルオークラのスタッフを殴り飛ばしたために業界から永久追放された。

一寸先は闇、パリは戦場になってしまった。

Financial Times11/17「子供たちが近所のテロを生活の一部と見なす街 パリ同時テロ〜現場の競技場に居合わせたFTスポーツ記者のコラム」から。

<多くのパリ市民と同様、私の家族も土曜日(テロ翌日の11/14)、自宅にこもって過ごした。子供たちには、パリで銃乱射事件が起きたが、犯人はもう死に、襲撃は終わったと伝えた。

最大の虐殺が家から500メートル離れた場所にある、私たちもよく通り過ぎるバタクラン劇場で起きたことは言わなかった。子供たちは落ち着いてニュースを受け止めた。

娘は1月の(シャルリーエブドへの)テロ攻撃の後には取り乱したが、この週末は落ち着いていた。「私たち、もう、これにちょっと慣れたから」と説明してくれた。彼女は近所のテロを、日常生活の一部、起きては終わるものと考えるようになっている。恐らくは、どう対処していくか、答えを出そうとしているのだろう。

*多民族都市に暮らすことを選んだパリ市民

その他大勢のパリ市民も同様だ。土曜の夜、私はバタクラン劇場の近くで、丸い帽子を頭にのせた正統派ユダヤ教徒の男性数人が、ひげを生やしたイスラム教徒の男性2人と、ユダヤ教の戒律に従った食べ物やコーランの教えについて話しているのを見た。

あるユダヤ人男性がイスラム教徒たちに「我々ユダヤ人は仲間内でさえ意見が合わないんだ」と言うと、イスラム教徒の1人が「多様性があるのは良いことだ」と答えた。

パリ市民は多民族都市に暮らすことを選び、大半はただ、それがうまく機能することを望んでいる。

発展途上国では、無数の人が病気や暴力による死を日々恐れて暮らしている。パリ市民は一時的に彼らに加わった。

*変わってしまった生活

パリは今でも世界で最も安全な大都市の1つだ。だが、たとえ大量殺害がこれで終わったとしても、パリは武装キャンプと化し、公共の場が恐怖心によって汚染される恐れがある。

私の子供たちはすでに、マシンガンを携帯した警官たちの横を通って学校へ歩いて行くのが普通のことだと思っている。私はそんなふうな育ち方はしなかった>(以上)

ジュリエット・グレコは「パリの空の下で」を明るく歌っていたっけ。

パリの空の下 鼻歌が聞こえる フム ムそれは今日少年の心に芽生えたもの

パリの空の下 恋人たちは散歩する彼らが感じている幸せを 確かめているかのよう

ベルシー橋の下では 哲学者が座っていて2人の音楽家と何人かの見物人

その後に続く何千人の人々・・・

ナチス強制収容所から奇跡的な生還を果たしたユダヤ人医師のヴィクトール・フランクル。著書「夜と霧」にこう書いている。

「もっとも良き人々は帰ってこなかった」

殺され傷ついた人々。元には戻れない。武力による秩序破壊は許さない、と、西側世界はイスラム過激派への包囲殲滅戦をともに戦うべきだ。アカのカナダは脱落したが・・・敵前逃亡の卑怯者は永遠に軽蔑されるだろう。(2015/11/19)

◆今こそシュミット元独首相の知恵に学べ 

榊原 智



日本が将来、南シナ海情勢の直撃を受けて対応を迫られるかもしれない安全保障問題について、取り上げておきたい。

冷戦期の西ドイツで1974年から82年まで首相だったヘルムート・シュミット氏が死去した。中国の脅威に直面する現代の日本人は、シュミット氏が推進した、冷静な政治決断についてわきまえておいたほうがいい。

それは、ソ連が77年から導入した中距離核ミサイル・SS20に対抗して、米国の中距離核ミサイル・パーシングIIを西ドイツなどに配備させた北大西洋条約機構(NATO)の「二重決定」である。

米本土へは届かないが西欧諸国は攻撃できる射程約5500キロメートルのSS20によって、ソ連は米欧分断をねらった。

米ソは大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などで相互確証破壊(MAD)の関係にあった。

ソ連がSS20で西欧を攻撃しても米本土は射程外だ。西欧からソ連を攻撃できる中距離核ミサイルはなかった。そこで、米国は本土を犠牲にしても守ってくれるのかという「米国の核の傘」「米国の西欧防衛の意思」への疑念が、西欧に生じたのである。

もともと通常戦力が劣勢なNATOは、ソ連が圧倒的に優勢な通常戦力で侵攻してくれば戦術核兵器を使う作戦だった。核の応酬は米ソ全面核戦争へ発展しかねないが、その構図の維持を西欧諸国は欧州における戦争抑止のために「期待」していた。

その算段がSS20の配備で大きく揺らいだ。戦争になれば西欧の独立と自由は失われ、戦争に至らずとも隷属を強いられかねない。そこで、シュミット氏らの推進でNATOは79年、SS20の撤去にソ連が応じなければパーシングIIを配備するという「二重決定」に踏み切ったのである。

 ソ連は撤去に乗らず、西欧はじめ世界では「反核運動」がわき起こった。この運動は、自由を認めないソ連には何の圧力にもならず、パーシングII配備を妨害する意味合いばかりをもった。

それでも西ドイツには「二重決定」に沿ってパーシングIIが配備された。ソ連は米欧分断に失敗し、その後、中距離核戦力の破棄に応じたのである。

米国が今、南シナ海の「航行の自由」を重視する理由の一つに核戦略がある。中国が、水深の深い南シナ海から米海軍を追い出してSLBM搭載の戦略原潜の聖域とすることを防ぎたいのだ。米国の態度は日本にとって朗報である。

それはなぜか。中国SLBMの射程が将来伸びて、南シナ海に潜む戦略原潜が米本土を核攻撃できる事態になれば日本の安全保障に深刻な影響が及ぶ。旧満州(中国東北部)などに配備された中国の中距離核ミサイルが現代日本にとっての「SS20」となり、米国の拡大抑止(核の傘)が破れ傘となる。日米同盟の形骸化である。

日本人に対中隷従を拒む気概があり、米国にロシアとの中距離核全廃条約の見直しや核搭載巡航ミサイルを活用する意思があれば、日本はシュミット氏の知恵に倣うことになるかもしれない。(論説委員)

産経ニュース【一筆多論】南シナ海情勢を見据え2015.11.18
                 (採録:松本市  久保田 康文)

◆ヴェルサイユ便り C

寺田 輝介(安保政策研究会 常務理事)

       


〜第三次金融支援の決定〜


首脳会合の基本合意を踏まえ、8月14日財務相会合が開かれ、今後3年間で最大860億ユーロ(約11兆9000億円)の金融支援が正式に決定され、からくもギリシャの財政破綻そしてユーロ圏離脱は回避された。夏の「ギリシャ・ドラマ」は斯くして幕を閉じた。


〜ギリシャ問題の地政学的側面〜


今次ギリシャ債務危機については、主として経済・財政面から詳細に報道されてきたが、前記ル・モンド紙の「ギリシャ特集」は、「ギリシャのユーロ圏離脱が意味する地政学的危険」と題する記事を掲載していたので、簡単にその要旨をご紹介する。


「ギリシャ危機発生以来、地政学的重要性の議論が全面的に無視されている。ギリシャのクレタ島スダアには米国第6艦隊の重要拠点港がある。安定したギリシャはバルカン半島の安定に寄与できる。弱体化したバルカン半島にロシアが食指を動かしているのに加え、イスラム過激派も手を伸ばしている。


地中海を越えて欧州に入国を試みる難民・不法移民の入境地点はギリシャにある。加えて中国はギリシャを新シルクロードの欧州の入口と考えている。ロシアはギリシャのユーロ圏離脱によってもたらされる戦略的利益に関心がある他、新パイプライン構想のトルコ・ストリームにギリシャを取り込むことにも関心を強めている」。

      − − − ― −

今年のヴェルサイユの夏は、過ごしやすい「冷夏」であったが、ギリシャ債務危機をフォローする筆者にとっては「熱い夏」であった。


ギリシャの債務危機は一応遠のいたものの、ギリシャ国内政治の不安定性、経済の不調、更に返済不能の債務額を考えると、遠からず債務危機が再発することが危惧される。
 

筆者が帰国の準備を始めた8月下旬になると、今度は難民・不法入国者問題がEU諸国全体を取り込む問題となってきた。連日メディアで大きく取り上げられるようになり、どうやらこれから秋にかけて最大のイシューとなる気配である。

――ヴェルサイユにて。2015・8・27記。(終)
               
(元韓国駐在大使・元メキシコ駐在大使)