2021年12月02日

◆「台湾有事」への備えを急げ

              櫻井よしこ


「私が総理なら合同訓練も含めて、ガッツリ受けてやりますね。台湾有事
が起きたら、明らかに日本の安全にも関わります。台湾にお住まいの邦人
保護をどうするのか。放置してよい課題ではありません」

高市早苗自民党政調会長が11月12日の「言論テレビ」で語った。これは米
国務長官のブリンケン氏が11月10日、中国が台湾の現状を力によって変更
しようとする場合、米国は同盟国と共に対処すると語った件で、日本はど
う応えるのかと問うたのに答えたものだ。

インド・太平洋において台湾のもつ戦略的重要性は比類なく高い。米国の
台湾を守る決意も固い。ただ、米国は単独で中国と対峙するのでなく、同
盟国と共に、と言っている。米国の考えるその筆頭が日本だ。高市氏はそ
れに対して、自分が総理なら「ガッツリ受ける」と歯切れよく語った。氏
はこうも言う。

「岸田総理の口から敵基地攻撃能力という言葉が出た時には本当にびっく
りしました。本気で国を守らなきゃいけない、友好国と連携しなきゃいけ
ないと考えて下さっている」

首相の本気度は、自衛隊の力を大幅に強化する為に必要な国家安全保障戦
略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を早い段階で見直す構えであることか
らも見てとれると、高市氏は強調し、蔡英文政権を「日本がアメリカと一
緒に支え守っていくことがもの凄く大事だ」と言う。

ここまでスッキリ回答できるのは、自民党内のおよそ全ての幹部に目を通
してもらってまとめた党公約があるからだろう。氏は言論テレビのスタジ
オに岸田文雄首相の写真が大きく印刷された自民党公約集を持ち込んで、
文言を読みながら説明した。

「我々は公約で、『〈自由で開かれたインド太平洋〉の一層の推進に向
け、日米同盟を基軸に、豪、印、ASEAN、欧州、台湾など』との連携
を強化すると公約しています。台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)加
盟申請及び世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加も応援する
と公約しました」

こうしたことを念頭に、「一刻も早く、一日も早く、ひとつでも実行した
い。各部会にもフル回転していただいて、官邸に申し入れたい」と高市氏
は言う。

「政治狂人」

蔡英文民進党政権を日米が共同で支え、現状維持を目指すことは、台湾の
実態としての独立維持を支えることだ。自民党政調会長としての高市氏の
発言は重く、また、世界の常識と重なる。

中国側はかねてより高市氏の靖国神社参拝の公約などに関連して「政治狂
人」などと非難してきた。台湾に関する発言にも「台湾独立派」を支える
許し難い言辞だとして反発するが、氏が日米両政権は蔡英文政権を支持す
べきだと強調するのにはもっともな理由がある。中国共産党は「愛国統一
力量」、即ち台湾内部の北京支持勢力を増やして、台湾人自らが大陸との
統一を願い、統一を実現するような政治の流れを作ることに、凄まじいエ
ネルギーを費やしてきたからだ。共産党は14億人のナショナリズムを利用
する。世界第二の軍事・経済力を背景に、2300万人を圧迫する。彼らは手
段を選ばず、日夜、工作を仕掛け続ける。

中国共産党の支配が完全に浸透した香港では、民主的な言辞も行動もあっ
という間に消されていった。台湾が第二の香港にされれば、台北は共産党
の圧政に沈んで国防動員法や国家情報法の拠点になってしまう。そんな事
態は日本にとっても受け入れ難い。日本への影響は考えるだに忌まわし
い。蔡政権を後押しするとの高市氏の決意は、他ならぬ日本のためでもある。

11月9日には米議員団が、それに先立つ3日にはEU議員団も台北を訪問し
た。台湾は政治的には独りではない。多くの友人がいる。しかし、中国に
力による現状変更を思いとどまらせる最終手段は軍事力である。日米台
vs.中国で、軍事力のバランスをできるだけこちら側有利に保たなければ
ならない。それには日本単独でも米国単独でも不十分だ。中国に対峙する
には日米双方の必死の協力が決定的に必要だ。

10月初旬、台湾海峡上空に中国軍機が実戦を想定したと思われる編制で侵
入した。中国政府は5日間で150機もの軍機を飛行させた。かつてない大飛
行団の襲来は人々の不安を掻き立てるが、こちら側も日米英仏独加蘭や
ニュージーランドがさまざまな形で共同訓練を実行している。中国の示威
活動を恐れる必要はないのだ。

加えて、自民党の佐藤正久参院議員は、中国はまだ台湾侵攻を実行して成
功させるだけの軍事力は整えていないと見る。

「中国による台湾侵攻、即ち台湾有事は二つに分けて考えることが大事で
す。台湾の領有する島々への侵略が第一。たとえば南沙諸島や東沙諸島の
台湾領有の島、或いは金門島や馬祖島などです。第二が台湾本島への侵攻
です。習近平氏が来年任期を延長するとして、3期目で小さな離島は取れ
るようになると思われます。しかし本島への侵攻はまだ無理だと考えます」

有事は必ずやってくる

習近平国家主席は来年秋、任期を延長できるか否か、大きな山を乗り越え
なければならない。2期で後継者に政権を渡してきた慣例を破って異例の3
期目に入るからには、毛沢東もできなかった台湾統一を実現しなければな
らず、従って台湾侵攻はあり得るという見方がある。

だが佐藤氏の指摘のように、中国は軍事的にまだ十分な力を構築していな
いという見方がある。異例の任期延長に加えて党主席制度を復活させると
の情報もあるが、このような重大な制度変更を成功させるには、国内政治
において非常に注意深い策を巡らし、間違いなくやり遂げなければならな
い。台湾略奪の暴挙に出る余裕はないとの見方も成り立つ。

であれば、私たちは全力で日本の国防力を強化し、あらゆる対策を講じる
時間を持てるのではないか。佐藤氏が語る。

「台湾有事が予測されれば台湾を助けるのは勿論ですが、いち早く、台湾
在住の日本国民を救出しなければなりません。台湾有事は日本有事ですか
ら、日本国内の与那国、竹富、石垣、宮古などの住民を保護し、避難させ
る手段も確保しなければなりません。万単位の住民の避難には、現時点で
インフラが不足です。港は小さく空港の滑走路は短いなど、対応できてい
ません」

有事の際、中国は間違いなく沖縄諸島を攻撃するだろう。中国が狙う第一
列島線の支配を阻止するためにも、いま沖縄にこそ手厚く自衛隊を配備
し、軍事施設を充実させることが大事だ。中国の台湾侵攻の時期は特定出
来ないが、有事は必ずやってくると心得て現実を見つめ、準備して初めて
中国を阻止できるのだ。

       
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◆始まっていた45歳定年制

上場企業の早期希望退職者2年連続1万5000人超、若手と専門職以外はお払
い箱=今市太郎


物議を醸した「45歳定年論」は、すでに現実のものとなりつつあります。
2年連続で上場企業の早期希望退職者数は1万5,000人を超え、45歳以降も
会社に必要とされるのは時代にマッチした専門職だけという実態が見えて
きます。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)


すでに始まっていた「45歳定年制」
今年の9月、サントリー社長の新浪剛史氏が突然に「45歳定年論」などを
ぶち上げたことから、ネットで猛烈な炎上が起きたのは記憶に新しいところ。

先頃に東京商工リサーチが発表した2021年の上場企業の早期・希望退職者
募集人数を見ていますと、その件数は新浪氏を批難すれば済む話ではな
く、リアルな上場企業の雇用状況の中でも、本当に「45歳定年」が現実の
ものになろうとしていることが見えてきております。

運よく正規雇用の座を確保できたサラリーマンといえども、その賞味期限
は新卒からせいぜい20〜23年に迫っている。

そのことを、相当によく考えるべき時代に突入していることを痛感させら
れます。

上場企業の早期希望退職者数は2年連続1万5,000人超え
新型コロナウイルスの爆発的感染で経済が急ブレーキとなった昨年のこの
時期、上場企業の早期希望退職者募集人数は73社で1万5,642人に及びました。

今年も10月末までの同様の募集人数は72社で1万4,505人となっているよう
で、巷ではかなりコロナ禍から回復したように見えるものの、実際の雇用
環境はまったく改善していないことがわかります。

募集人数のベスト5は、コロナ禍の影響で販売不振のアパレルや運送、交
通インフラ、観光関連のサービス業など、明らかにコロナのために雇用人
数を絞らざるを得ない厳しい業界が増えていることが見えてきます。

ただ、その一方で、本田技研工業、パナソニック、近鉄グループHDなどは
必ずしもコロナとは関係なく雇用者数の粛清を進めているようで、募集人
数すら開示していない状況です。
  


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◆ソロモン暴動続報、

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月28日(日曜日)
通巻第7137号   <前日発行>
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 ソロモン暴動続報、火事跡から三名の焼死体
  パプアニューギニアも35名の治安部隊を現地へ派遣
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 ソロモン諸島の首都での暴動は三日つづき、家を失った多くが難民とし
て別地区へ非難している。放火されたと見られる焼け跡からは三名が焼死
体で発見され、事態の深刻さと治安維持のため、豪につづき隣国のパプア
ニューギニアも治安部隊35名を送り込んだ。パプア部隊は26日に現地
入りした。

 パプアニューギニアは南太平洋銀行がソロモンに幾つかの支点を出して
おり、そのうちの一つがATM3台壊されたため、当該支点を封鎖した。
 またソガバレ首相の秘密とされた私邸が暴露され、襲撃されたという報
道があるが、真偽のほどは不明。

 暴動の切っ掛けは最大の人口を誇るマライタ州が、コロナワクチン接種
などで差別待遇を受けていることへの不満がたかまり、ソガバレ首相の中
国とのべったり関係と、台湾断交に激しく抗議したこととされる。人口
70万ひとのうち3%の2万人が中国人である。

 ソガバレ首相は「暴動の背後に外国勢力がいる」などと言って、あんに
背後に台湾の謀略があるようなニュアンスの言い逃れに終始しているが、
中国から受け取ったとされる賄賂に関して、現地の人々の間には鬱屈した
不満が堆積していたらしい。

 中国外務省はソロモン諸島の暴動を非難する声明をだしたが、まだ救援
機を飛ばすまでの段階ではないと判断しているようだ。
過去に中国はリビア、キルギス暴動の折は、特別機を迅速に飛ばして在留
中国人を引き揚げたことがある。
            
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2303回】        
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港185)

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 経年劣化で薄汚れてしまった1972年12月20日の香港皇都大戯院公演の戯
単だが、半世紀ぶりに手にしてみると、あの日の舞台が鮮やかに蘇ってく
る。記憶とは不思議なものだ。

 開演時間は、いつもの第六劇場の夕方6時と違って「下午八時正開演
(午後8時キッカリ)」。劇場の構造も、率直に言って掘っ立て小屋に近
かった第六劇場とは雲泥の差。老朽化は免れようもなかったが、オール
ド・モダンとでも形容できそうな、隅々まで贅を尽くしたステキな設え
だった。
高い天井からは豪華なシャンデリアが下がり、舞台は広く、高価そうな革
張りの座席はゆったりと座り心地は満点。だが尻と背中の当たる部分は深
い皺が目立ち、全体に固く、白っぽく変色し、時の流れの痕跡が見て取れた。

 広い座席の両脇通路と後部の壁際にはゴ贔屓筋の花輪がビッシリと並
び、第六劇場のシミッタレた雰囲気とは違い、劇場全体が華やかさに包ま
れ、今にして思えば、新しい時代に向かおうとウキウキしていた“あの頃
の香港”の一側面を物語っていたのかもしれない。

 大劇場が醸す『よそ行き』の空気の中で、芝居の始まりを知らせる「開
場鑼」が奏でられる。いつもと勝手が違うだけに役者も舞台右袖に陣取る
場面(はやし方)も、もちろん客席も、緊張の中で幕開けを迎える。もっ
とも京劇では幕は引かれていないから、「芝居が始まる」と言うべきだろ
うが。

 この日の演目は5本。以下、往時の香港の京劇を担った若き役者たちの
『録鬼簿』を。最初の演目は、唐朝を打ち立てた李淵夫人の竇太真が、洛
陽に出征した愛児・李世民の無事を願い日夜高殿で祈る姿を描く「望児
楼」だった。

 竇太真は王金声が、李淵は袁明珠が扮した。共に女性で、王は背が高く
細身、袁は中背でがっちりした体格だったように記憶する。

第六劇場では王は専ら老生を演じ老壮年役が多かったが、この演目では
おばあさん役の老旦だった。袁は春秋戯劇学校の老生のトップ。芸風とま
で言えるかどうかは分からないが、文革で手酷い迫害を受けて憤死した周
信芳が拿手戯(おはこ)としていた「蕭何月下追韓信」「徐策?城」を演
ずることが多かった。
香港皇都大戯院での公演前後から、第六劇場での出演は極端に少なくな
り、やがて顔を見かけなくなった。

 次が「白水灘」。「青面虎」の渾名で恐れられる許世英が山塞を出てか
ら下山し、青石山の道端で酔って寝入ってしまう。
かくて官兵に捕縛され都に護送されるのだが、それを知った妹の許佩珠が
手下を引き連れて奪還を狙う。弱い官兵では勝負にならない。たまたま通
り掛かった若者の十一郎が「義を見てせざるは・・・」とばかりに手助け
し、許世英らを斬り殺してしまう。他愛のない筋運びだが、立ち回りが面
白く、十一郎の颯爽とした動きがじつに格好いい。歌舞伎流鑑賞術に倣え
ば、「タップリ」と声を掛けたいところだ。

 許世英は孟景海が、許佩珠は孟景芬が演じている。背丈も顔つきも体つ
きも身のこなしもそっくりの実の兄と妹。第六劇場では専ら兄は丑、妹は
女丑で、2人とも立ち回りも得意で、台詞は耳に心地よく響いたものだ。

 十一郎は若い男役の小生が専門の郭美玉が務めた。名は体を表すらしく
細身で超美形。いなせな若衆姿は目を見張るほどに美しく、そう背丈は高
くなかったが、立ち回りも喉も申し分なかった。
この公演の前後から、第六劇場の舞台に立つことが大幅に減った。

 青面虎の仲間の抓地虎を恵天賜が、劉人傑を盧淑芬が演じている。恵天
賜は立ち回り専門の武生だが、後に役者が少なくなると老生やら?やら八
面六臂の大活躍と言えば聞こえはいいが、得意の立ち回りを生かせないま
まに便利屋にされてしまい惜しい限り。
盧淑芬は20歳手前の小太り気味。目鼻立ちはハッキリしていて、喉もまあ
まあ。郭美玉が去った後の小生を担い、当たり役は「轅門斬子」の楊宗保
と「白蛇伝」の許仙だった。
《QED》
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)12月10日は「國際人権ディ」です。文京シビックで
「中国人権事情水墨画展」が開催されます。

会期   12月9日、10日の1100−1900まで
会場   文京シビックセンター一階展示室
主宰   王載(民主中国陣線日本代表)、小嶋孝之(アジア民主化運動)
問い合わせ(090)8340−2388
入場無料
  中国で、少数民族弾圧、民主活動家、暴行され死亡した人たちなどの
詳細を水墨画に託した貴重な展示です。

  ♪
(読者の声2)宮崎先生の近刊『歩いてみて解けた「古事記」の謎』(育
鵬社)を拝読しました。古事記は漫画でしか読んだことがなく、ですから
神々の名前がなかなか連想できず、分からない箇所は二回、三回と読みま
したので時間がかかりました。
 北京ウォッチャーとばかり思っていたのですが、宮崎先生は古代史に
も、そして三島由紀夫三部作もあって、カバーする範囲が広いこと、改め
て認識しました。
 オオクニヌシもスサノオも神武天皇も浪漫的な詩人だったという御指摘
は、なるほど実感として伝わりましたし、古事記の現代語訳が林房雄、蓮
田善明、石川淳、池澤夏樹氏らによって文学的になされたことも、初めて
知りました。
まずは蓮田善明訳が岩波現代文庫に入っているようですので、それを読ん
でみることにします。いずれの日かに、先生の現代語訳を読みたいと念じ
つつ(DH生、宇都市)

  ♪
(読者の声3)EV vs ICE について。
世界 vs 日本の戦いは、ほぼ全ての戦況で、連戦連敗の記録を毎年更新
している。その原因は実に単純で、頭が悪いからだ。

1。知識、役に立つ、真実に近い、時節な、情報。
2。理解し、考える。
この2つの必要条件を勝手に劣勢に操作運営しているのが「NHK朝日・文
科省・共同体」。近年、国の富・運命は、資源、気候、交通、人口、など
にはあまり左右されず、人材、頭がそれを決める。そして、考えられたも
のを行動によって現実化可能にする経済・政治の仕組み・価値観。
 
真珠湾攻撃の前、米国の状況、情報、知識が不足し、しかも指導者に知
識が伝わっていなかった。しかも複数の指導者は、戦争の達成すべき目的
よりも、自己の属する部門を優先していた。1も2も無かった。
日本の頭が、悪かった、無かった故に負けた。もし、1と2を使っていた
ら、当時弱かった米軍に勝っていた可能性が十分ある。
 この反省がなされず、現在、再び進行中故、連戦連敗。
かつての最高最大不沈の戦艦大和、武蔵にあたるのが世界最大のトヨタ自
動車。日産、ホンダ、スバル、なども近未来に沈没になる、という自動車
製造の専門家SANDY MUNRO氏の意見。
GM, FORD, VW なども沈没。高価な大切な戦艦は、危険な戦場には送れ
ず、多くの兵士と共に戦わずに沈没する。大本営発表:「トヨタは今年も
世界最高最大」それは今、正しいが、危険な誤報でもある。
今回の新型の敵は、身の軽いテスラと戦略に長けた中共軍。 
(社長の豊田章男氏は、法学部卒、マスク氏が「MBAは企業の敵」と非難
するMBAも取得し、諸悪の根源、投資銀行にも勤務した。若い時はゴルフ
と車のレース三昧。「売家と、唐様で書く3代目」(初代が苦心した財産
を、3代目は没落して家を売りに出すが、その売り家札の筆跡は唐様で
しゃれている。 遊芸にふけって商いの道をないがしろ。氏の場合は得意
な英語で言い訳を言う。章男氏に匹敵する3、4代目の政治家が日本を売
り飛ばしている。)
真相をNHKも朝日も隠蔽する。よって自発的に有用なバカとして中共の工
作員として活躍する。無知蒙昧、無力な百姓は、一揆すらできない。
https://www.youtube.com/watch?v=g63SJwFdGTQ&list=PLkLRBLia2E6UYWLGqMtUfVCiOVk-fchfI&index=8
  (在米のKM生) 
☆☆☆☆☆ 

2021年11月21日

◆中国核弾頭1000発の恐怖

              櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第975回

中国の習近平国家主席の毛沢東化、終身皇帝への道がまた一歩、確実に前
進した。今月8日から開催された重要会議、第19期中央委員会第6回総会
(6中総会)の最終日に当たる11日には習氏の「第3の歴史決議」を採択する。

毛沢東の「若干の歴史問題に関する決議」(1945年4月)、ケ小平の「建
国以来の党の若干の歴史問題に関する決議」(81年6月)に続くものだ。
毛もケも決議によって自らの政治路線の正しさを明確化させ、権威を高
め、権力基盤を盤石にした。「第3の歴史決議」で、習氏はまず毛、ケ両
氏と並び、さらに彼らを凌ぐ絶対的高みに上る道を切り拓くと予想される。

だが、絶対的権力の確立は生易しいものではない。14億人を納得させるに
は、毛沢東も実現できなかった台湾併合の偉業達成が必要だ。そのために
習氏は89年以来の大軍拡をさらに強化しつつある。強大な軍事力を築く一
方で、台湾併合に関しては軍事力の使用を否定しない。また、台湾攻略法
として、経済的圧力、サイバー攻撃、メディア支配、フェイクニュース拡
散、工作員送り込みなどあらゆる手を使う。

対外強硬策は中国国民のナショナリズムを刺激し求心力を高めるが、習氏
は各王朝が下からの革命で倒されてきた中国の歴史を十分に知っている。
自身への絶対的崇拝を徹底させようと躍起なのは、ナショナリズムが政府
への不満に転化し国民蜂起につながるのを恐れているからだ。

中国教育省は8月24日、「学生の頭脳を習近平の中国の特色ある社会主義
思想で武装する」よう指示した。小学生には「全党人民の道案内人は習近
平主席」であると教え、敬愛の念をこめて「習おじいさん」と呼ばせる。
大人は皆、共産党を唯一の指導組織として崇め、企業は「中国共産党と一
心同体でなければならない」と指導される。

14億の国民を洗脳するための一連の独善的政策は外交や安全保障政策にも
通底する。外国に対しては経済力と軍事力をアメと鞭として使う。

日本も最大級の被害

中国の軍事費は日本の4倍以上となり、軍事力の差は開く一方だ。日本も
台湾も存亡の危機だ。そうした中の10月1日、台湾海峡上空に中国軍機が
大挙飛来した。5日までに計150機が押し寄せた。

中国の暴走などで万が一、台湾有事となれば、間違いなく日本も最大級の
被害を受ける。だが、私たちは押されてばかりではない。日本を含めて多
くの国が中国の軍事的脅威に対峙し、中国を抑止するために協力の構えを
作っている。たとえば中国軍機群が台湾海峡上空に飛来した日と重なるよ
うに、沖縄の南西海域で日米英加蘭とニュージーランドの6か国が初の共
同訓練を展開していた。

米空母の「ロナルド・レーガン」「カール・ビンソン」の2個打撃群、英
国の空母「クイーン・エリザベス」打撃群、海上自衛隊のヘリコプター搭
載準空母「いせ」の4空母が訓練の主体を占めた。カナダ、オランダ、
ニュージーランドの艦船も含めた17隻が「自由で開かれたインド太平洋」
(FOIP)の理念を掲げて訓練した。

中国にとっては非常に不快であろう。明らかにこちら側の訓練に触発され
たのであろう、習氏は中央軍事委員会を緊急招集し、直ちに台湾への圧力
を強化せよと指示した。それが中国軍機の台湾海峡飛行の中でも最大規模
の4日の56機の展開につながったと言われている。

ここで注目するべき点はその編制である。どんな種類の中国軍機が飛んだ
かを見ることで、作戦の意図が明らかになる。これまで台湾海峡上空に迫
る中国軍機の中で多数を占めていたのが戦闘機だった。しかし10月初旬の
大規模飛行では戦闘機や爆撃機に加えて作戦支援機である早期警戒管制
機、通信対抗機、電子偵察機、情報収集機、電子戦機、哨戒機などが目
立っていた(『東亜』11月号、防衛省防衛研究所地域研究部長・門間理良)。

戦闘機や爆撃機だけの飛行は実戦的ではない。爆撃機は攻撃の的になる。
そのために、実戦ならば必ず戦闘機の護衛を必要とする。また現代の航空
戦で勝利するには、通信を妨害したり戦闘機を効率よく運用するための早
期警戒管制機などの作戦支援機が欠かせない。

つまり中国は実戦を想定して台湾海峡上空に軍機団を送り込んだというこ
とだ。日米をはじめこちら側も共同訓練を重ね、抑止力を高めつつある。
一方、中国も飽くまでも強気なのである。

全地球をカバー

米国防総省が11月3日、「中国の軍事・安全保障動向に関する報告書
2021」を公表した。2030年までに中国は少なくとも1000発の核弾頭保有を
目指していると報告された。現在、各国保有の核弾頭はロシアが6255発、
米国が5550発、中国は350発とされている。そうした中でこの1000発とい
う数が何を意味するのかを知っておかねばならない。国家基本問題研究所
企画委員の太田文雄氏が語る。

「中国はこれまでのカウンターバリュー(対価値)の戦略をカウンター
フォース(対軍事力)のそれに変えたと思います」

カウンターバリューとは、ある国の大都市、たとえば米国ならニューヨー
クやワシントン、シカゴなどを核攻撃することで、政治的にそれ以上の戦
争続行を許さない状況を作り出す戦略だ。他方、カウンターフォースは、
たとえば米国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の収納サイロを攻撃する
戦略だ。ミサイルの精度を高めることで正確に軍事施設を破壊できるた
め、一般国民の犠牲を減らし、国際社会の非難も和らげることができると
いう考え方だ。

中国は昨年6月に航法衛星北斗で全地球をカバーできるようになり、ミサ
イル攻撃の精度を上げた。全米には多数のICBMが多数のサイロに収納
されている。それらを封じ込めるためにはより多くの核兵器が必要とな
る。それが中国の目指す1000発だと、太田氏は指摘する。

中国が核戦力において米国と並び、かつてない程の脅威となれば日米、欧
州諸国は大いに苦しむことになるだろう。米国は中露両国と対峙しなけれ
ばならない事態も起き得る。その場合私たちの状況は想像を超える厳しい
ものとなりかねない。

そんな状況に追い込まれないように、最大限の知恵を働かせて流れを逆転
する時だ。その第一歩は、何としてでも日本国の軍事力を強化すること
だ。次に沖縄、台湾を守るために、日米協力を飛躍的に強化することだ。
第一列島線に中距離ミサイルを配備する。非核三原則を二原則にして、そ
のミサイルへの米国の核搭載に踏み切る議論を進めよ。


       
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◆林芳正氏を外相に就かせた真の黒幕
新恭(あらたきょう)
 
安倍氏は大激怒。それでも親中派・

「分配、分配」が招く日本の貧困化。岸田政権に見えぬ“育成策”
人格に問題アリか。自民新幹事長に就任の茂木敏充が血相を変えた“ある質問”

自民党幹事長に就任した茂木敏充氏の後任として、第2次岸田内閣の外相
となった林芳正氏。かねてから首相の座への意欲を隠すことのない林氏の
要職への起用については各所から様々な声が上がっていますが、安倍晋三
氏が不快感を示しているとも伝えられています。その理由はどこにあるの
でしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国
紙社会部記者の新 恭さんが、当案件の「キーマン」になったと囁かれる
麻生太郎氏の思惑を推測しつつ、その裏事情を探っています。

国家権力と偏向メディアの歪みに挑む社会派、新 恭さんのメルマガ詳
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安倍氏を怒らせた「林外相」人事の黒幕は麻生氏か
林芳正氏の外務大臣就任に対し、右派論壇から反発の声があがっている。
就任と同時に日中友好議連の会長を辞任したが、親中派であることには変
わりない。

2019年5月、日中友好議連会長として訪中したさい、林氏は中国高官にこ
う語った。「現在の日中関係は麗しくハーモニーがある状況になっている」。

前年の10月、7年ぶりに安倍首相が中国を公式訪問し習近平国家主席と会
談したが、それをもって日中関係が改善したとは言い難い。尖閣諸島周辺
の領海内に中国公船が侵入するなど、東シナ海の緊張は相も変わらず続い
ている。にもかかわらず甘い言葉で北京に擦り寄ろうとする。

そんな人物の外相起用は、中国との対立を深める米国などに誤ったメッ
セージを与えかねない、というのが反発の理由だろう。

安倍晋三元首相も、林外相の誕生を快く思っていないといわれる。もっと
もこちらは、林氏の対中姿勢だけではなく、別の深いワケがありそうだ。

なにしろ、安倍氏と林氏との間には、選挙区の問題が横たわる。安倍氏は
衆院山口4区。林氏は同3区で、参院から鞍替え立候補し、宿願をかなえ
た。二人は今回の選挙でこそ、うまく棲み分けができたが、次回はそうは
いかない。「一票の格差」を是正するため、次回の衆院選から、15都県の
選挙区で「10増10減」の見直しが行われる見通しだ。

山口県は、現在4つある選挙区が3つになり、自民党は公認候補者を1人減
らさねばならなくなる。1区は高村正彦元副総裁の地盤で、今回の選挙で
は長男の高村正大氏が当選した。2区は安倍氏の実弟、岸信夫氏が2012年
以来、連続当選している。

3区は林氏で4区は安倍氏。定数3になったら、いったい誰が公認を外され
るのか。当然、安倍元首相とすれば、地盤の重なる林氏を蹴落としたいに
違いないのである。地元の主導権争いの相手であるのはもちろん、権勢を
保っていくうえでも最大の敵になると予想されるからだ。

林家は安倍家と同じ、下関を根城としている。1717(享保2)年創業の醤
油製造業・大津屋を営むとともに、下関市に本社を置いて路線バスを運行
するサンデン交通株式会社の経営に携わってきた。下関には、表向き安倍
晋三支持でも、実は“隠れ林派”である人が多いといわれる。

そのうえ、林氏は衆院山口3区への鞍替えを念頭に、3区内の宇部市や萩市
などで地歩を固めてきた。2017年の萩市長選では自民党推薦の現職に対立
する候補を支援、20年の宇部市長選では元秘書を支援して、いずれも当選
させている
 

           
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◆柏陽『みにくい中国人』が絶版に

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月19日(金曜日)弐
通巻第7121号

柏陽『みにくい中国人』が絶版に
張香華未亡人が「台湾独立」問題が絡むので絶版を宣言。

 北京では一時発禁処分となった「名著」は静かにロングセラーを続けて
きた。
 柏陽の『みにくい中国人』は日本でも翻訳が出て、かなりのベストセ
ラーとなった(黄文雄氏にも同名の著作がある)。中国人の特性を「汚
い、うるさい、乱雑」とし、喧嘩が好きで、自分勝手で、決して団結しな
い「劣根性」の持主とした(中国語には「根性」という語彙はない)。原
作者の柏陽は2008年に死去している。

 中国によく行っていた頃、筆者が逆に中国人に、「日本人とみて何を想
像するか」との問いかけに多くの中国人は「トァンジェ(団結)」と答え
た。「清潔、静謐、整頓」と答える人はよほどの日本通だった。

 1986年だったと記憶するが、光文社の名物編集者だったF氏から電
話があり、「なんとか原文を手に入れたい、すぐに翻訳を出したい」とい
うので、台湾へ国際電話をかけて友人に頼み、送ってもらった。翻訳も
チームを組んで短時日にできあがり、日本語版は大いなる評判をとったも
のだった。

 当時、台湾の出版界でも画期的な出来事とされ、中華思想の持主、たと
えば作家の李傲などは口を極めて罵った。欧米のチャイナタウン、シンガ
ポール、香港などの書店でもベストセラー入りしたため、中国でも後年、
発行が許可された。

 未亡人の張香華は、「書名が中国の侮辱に用いられる恐れがある」と理
由をあげ、とくに『醜い中国人』を台湾の中学1年生向け教科書に採用さ
れる話を拒否したと語った。台湾の版元=遠流出版社、中国の版元=人民
文学出版社との契約が満了となる2024年をもって絶版とする。
    
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 三島由紀夫氏追悼 第51回追悼の集い『憂国忌』(2021/11/25)
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  ▼▼▼
【LIVE】三島由紀夫氏追悼 第51回追悼の集い『憂国忌』
  当日、生中継番組があります。
  11月25日 午後弐時〜四時
https://youtu.be/6lBTjJ71iyA
        (日本文化チャンネル桜)
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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2300回】          
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港182)

       △
 1976年2月、中国政府の文化部は当時の代表的な映画制作機関である北
京、中央新聞記録、長春、上海の各電影制片廠に対し、極秘に京劇映画の
制作を求めた。
それには「毛沢東主席の要求にもとづき、老芸人による伝統演目を撮影す
ること」「その際、本来の伝統的な筋運びを残すこと」との付帯条件が付
けられていた。つまり共産党政権が自らの政治的基準で手を加える以前の
伝統京劇本来の姿(演技、筋運び)に戻せと言うことになる。

 かくして各地から京劇の「老芸人」が招集される。だが彼らの体は、革
命現代京劇に特徴的に見られる直線的で、力強さを前面に押し出すゴツゴ
ツした演技に慣れて固くなっていた。
「固くなった体を伝統京劇の円を描くような柔らかな動きに戻すことは困
難だった」と、革命現代京劇「紅灯記」で主人公の娘の鉄梅を演じた劉長
瑜が回想している。

 じつは映画が中国にもたらされた当初、中国ではスタジオを舞台に見立
てて伝統演劇を撮影する「戯曲片」と呼ばれる作品が制作された。黎明期
の映画ビジネスを支えていた戯曲片は、芝居好きの民族性とも相俟って京
劇のみならず各地の地方劇版も加わり、その後も制作が続いていた。

 第六劇場と並行して映画館に足繁く通っていた当時、「早場」と呼ばれ
る午前の割安料金で放映される作品に戯曲片は珍しくなかった。
スクリーンに映し出される役者の演技は、芝居小屋の客席から眺める舞台
での動きそのもの。芝居小屋での観客の視線に擬してカメラを固定して撮
影したのだろう。土地柄、香港では粤劇(広東劇)や潮劇(潮州劇)の戯
曲片だった。であればこそ、極く稀に京劇の戯曲片に出くわした時など
は、心私かに「好運気!」「謝天!謝地!」と幸運の極みに感謝した。些
か大袈裟ではありますが。

 閑話休題。
伝統京劇の戯曲片制作を巡る一連の動きの背後には、どうやら体調が思わ
しくなく、北京の邸宅で独り無聊を託っている毛沢東を慰めようという意
図が感じられる。文革状況下で伝統京劇制作の指示を下すなどと言う危険
を冒せるのは、やはり毛沢東本人か江青以外には考えられない。

 かくして各地から呼び寄せられたベテラン役者は各電影制片廠の奥深く
でカンヅメになりながら、戯曲片撮影が極秘裏に敢行された。当時、文革
が終わったわけではない。依然として四人組が暴政を振るっていたわけだ
から、文革で否定した京劇の伝統演目が老芸人によって、しかも「本来の
伝統的な筋運びを残」す形で制作されていることが社会に知れ渡ったら、
江青ら文革派にとっては致命傷になっただろう。
「偉大的領袖」の権威も吹っ飛んだかもしれない。当然のように文革派政
権を揺るがす大スキャンダルに発展し、激しい権力闘争を誘発したはず
だ。だから、一切を外部に漏らすことは許されない。

 なにはともあれ、共産党政権のためのプロパガンダ映画制作の総本山で
ある4か所の電影制片廠の奥の奥で、伝統京劇の戯曲片が、しかも超厳戒
態勢の中で、毛沢東だけのために24本のカラー版として完成する。いま、
それら演目名を挙げておくと、
「斬黄袍」「盗魂鈴」「三岔口」「轅門斬子」「紅娘」「辛安駅」「游
龍戯鳳」「空城計」(以上、北京電影制片廠)、中央新聞記録電影制片廠
が「借東風」「古城会」「連営寨」「売水」「盗仙草」「賀后罵殿」「文
昭関」「独木関」「薛礼嘆月」「断橋」「五台山」「珠簾寨」「長板坡」
「閙天宮」(以上、中央新聞記録電影制片廠)、「漢津口」(長春電影制
片廠)、「四郎探母・巡営」(上海電影制片廠)──

 死を半年ほど前にした毛沢東は、ニクソンや田中角栄を迎えた中南海の
私邸書斎で、独り寂しく京劇映画を鑑賞したとされる。当時、視力は相当
に衰えていたはずだが、24本の伝統演目のうちのどの作品を、波瀾万丈の
人生の最後に目にしたというのだ。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)貴誌前々号で、「在米のKM生」氏がUFOと三島由紀夫の
『美しい星』について所感を書かれていましたが、その下段「コメント
欄」に宮崎さんが私(佐藤守)のことをご紹介されています。
 今や「軍事評論家」よりも、「UFO評論家」の方が有名になりました(笑)。
 私の『美しい星』の評価が当時の評論誌よりも正しかったようで、さら
に嬉しく思っています。
「超科学現象」よりも、2冊目の「実録・自衛隊パイロットたちが接近遭
遇したUFO(講談社)」の第7章「三島由紀夫のE・T小説とは」の項に書きま
したが、当時、奥野健男氏が『美しい星』に「僕はいささか困惑を感じた
ものだ」と、
 三島が「UFOなどといういかがわしいもの」を題材にした事に不安を覚
えていたようですが、読後は「作者は最も穢れた醜い世俗的現実の上に、
美を信じる内的妄想において、超越した完璧の美を形成しようとする」と
激賞しています。
 三島氏は昭和42年12月5日、F104DJに搭乗して高高度から地球を眺めて
います。
F104DJのコックピット内で、上空でパイロットが常用する「膝当版」で、
メモ用紙3枚にびっしりと書き込んでいておられ、この時の体験記は『太
陽と鉄』に収録されています。
 この時、三島氏は今から飛びこむ宇宙の「支配者」に挨拶する準備をし
ていたのかもしれない、と私は書いています。
 『美しい星』は1962年の作、体験搭乗は「1967年」、そしてそれから3
年後の1970年11月25日に市谷基地で三島氏は自決しました。
 作家・三島由紀夫は何かを達成した証しだったのではないかと私は書い
ています。
 近年、米国防総省がUFOを認定して以降、わが「業界」の編集方針も激
変したようです。
 日本人の生き方は「ざるの上の小豆」そのものですね。蛇足ですが、田
母神氏は防大同期ではなく8期後輩です。
    (佐藤守)

(宮崎正弘のコメント)奥野さんは美大の先生でしたから、通夜に小生も
うかがったのですが、美大の教え子が百人ほど来ていました。美大の審美
観で批評されたのかもしれませんね。

  ♪
(読者の声2)次回、宮崎正弘さん登壇のニュース解説番組「フロント 
JAPAN」は、24日です。生番組ですが、後刻ユーチューブでもご覧
いただけます。
 桜チャンネル、11月24日は、宮崎さんと浅野久美さんのコンビでお
送りする予定で、テーマは「日中関係の熱狂と冷却」です。

2021年11月14日

◆自民大勝利、立民共産大惨敗の意味

               櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第974回

衆議院議員選挙で岸田自民党は予想外に善戦し261議席を獲得した。その
岸田文雄首相と選挙前の10月29日、「言論テレビ」で対談した。

岸田氏はコロナ、経済、安全保障を三つの重要政策として訴えたが、焦眉
の急は安全保障問題だ。日本維新の会が41議席と大躍進し、公明党も32議
席をとり3党で憲法改正に必要な3分の2以上も獲得した。自衛隊の強化、
改憲などの公約を自信をもって進める力を得た。

10日程前、中露両海軍の10隻の艦隊が日本をほぼ一周した。専門家は中国
人民解放軍が投入した新型艦艇、レンハイ級ミサイル巡洋艦「101(南
昌)」に注目する。レンハイ級101は射程2000キロを誇る中国版トマホー
クを搭載していた。この演習について、中国国防省報道官の譚克非氏は
「より実戦的になり対抗性が大幅に向上した」と語った。最新鋭艦レンハ
イ級101の投入で艦隊全体の威嚇力が大幅に強化されたと誇ったのだ。

従来のミサイルより射程の長いトマホーク型の搭載に加えてレンハイ級
101はより強力な垂直発射システム(Vertical Launching System)を備え
ている。VLSについてはミサイルを縦に入れる「セル」が幾十も集合し
て積載されている形をイメージすると分かり易い。攻撃のとき、ミサイル
はセルから次々に発射される。セルの数は、日米のイージス艦の96発分に
較べてレンハイ級101は100を超える三桁の規模だ。セルには艦対空、艦対
地、艦対艦のどの種類のミサイルも積める。

中国はこのタイプの巡洋艦を8隻建造中で、一番艦の就役式にはわざわざ
習近平国家主席が出席して現場の士気高揚をはかった。

岸田首相には言論テレビで日々深刻化する中国の脅威について尋ねた。極
超音速ミサイルに地球を周回させ、相手国の防御態勢の薄い角度からミサ
イルを撃ち込む構えの中国にどう対処するかと問うた。

「私が外務大臣だった2013年の年末に、現在の国家安全保障戦略が作成さ
れました。そのときから今まで約8年間、中国の状況は随分と変わりまし
た。極超音速ミサイル、変則軌道、超低空ミサイルなど、技術はどんどん
進歩している。SFの世界だった宇宙やサイバーが、現実の安全保障の重
要なポイントになっています。東シナ海、島嶼防衛のあり方について、日
本は色々と考えなくてはいけない」

考えた上で具体的に何をするのか。

「中国の位置づけからはじまって見直すべきところは沢山ある。国家安全
保障戦略、防衛大綱、中期防は今のままでよいのか。国家安全保障会議に
おいて、既に私から見直しと改定の議論を始めるよう指示を出しました」
と、首相は答えた。

首相の指示は理に適っている。とても重要なことだ。日本人は長い間軍事
のことなど殆ど考えないで暮らしてきたが、中国の果てしない軍事力の構
築と軍事的恫喝は、間違いなくこれからさらに酷くなる。中国はより横暴
になる。中国に勝手な行動をさせないためには、日本の側が冷静で強くな
ければならない。

凄まじい軍拡

しかし、私たち一般国民が、そして政治家が、軍事についてきちんと理解
しておかなければ正しい判断などできない。そこで今更ではあるが、大事
なことを肝に銘じたい。

わが国の安全と国民の命を守るのは、わが国政府と自衛隊だという厳正な
事実だ。日米同盟は、日本が一方的に米国に頼るものではない。わが国を
守るのはわが国でしかないということを、国民全員が共有しなければなら
ない。これは口にするのも恥ずかしい程、当然のことだが、この当然のこ
とが共有されていないために、わが国は憲法改正も未だに実現できていない。

岸田首相が改定を指示した国家安全保障戦略は日本の安全保障の方向と枠
組みを示すもので、わが国の国防戦略の土台である。安全保障戦略を実現
するための大枠の政策が防衛大綱だ。防衛大綱を実地に進める具体策、た
とえば武器装備など、現場の軍事力を整えるのが中期防衛力整備計画(中
期防)である。

これらは5年10年単位で計画される。現時点で策定済みの計画はあと2年間
分残っている。平時なら、そのまま行けばよい。だが今は平時ではない。
中国は前代未聞の凄まじい軍拡をやめない。台湾海峡上空に何十機もの爆
撃機を飛行させ、恫喝を続ける。尖閣領海に我が物顔で侵入し続け、艦隊
を組んで日本を周回する。

このような状況だからこそ、日本は出来るだけ早く、かつ顕著に自衛隊と
海上保安庁を強化し、中国への抑止力としなければならない。中国を深刻
な脅威と位置づけて、その考え方をわが国の安全保障戦略に反映させなけ
ればならない。

究極の事例

岸田氏は、このような状況を見て取り、三つの戦略戦術についての見直し
を指示した。では、いつまでに見直すのか。国家安全保障戦略の修正は深
い思慮と覚悟をもって、しかも猛スピードでやり遂げなければならない。
防衛政策は急には変えられないため、早く始めることが大事だ。

令和3年も終わりに近い今、令和4年は既定路線で行くしかないというのが
専門家の考えだ。一方で国家安全保障戦略以下中期防までの計画は来年冬
までに根本的に見直して、令和5年には防衛力強化に力強く踏み込むのが
日本を守る道だ。

今回の衆院選では日本共産党が力を落とした。共産党と共闘した立憲民主
党は惨敗した。日米同盟の廃棄及び自衛隊の事実上の消滅を党綱領で公約
し、中国とは話し合いで問題を解決せよという志位和夫氏と共産党を有権
者は拒否したのだ。日本が今、どうしてもしなければならない安全保障戦
略の見直しや防衛費の顕著な増額を国民は支持してくれるだろう。

いまこそ私たち国民は軍事に対する理解を進める時だ。日本国民と日本国
の守りには日本国そのものが責任を持たなければならないことは先述し
た。そこでひとつ、究極の事例を思い出そう。東日本大震災の時、3月16
日以降、米軍は福島第一原子力発電所から半径50マイル以遠で活動し、米
国民に退避を勧告した。当時の民主党政権は米国が日本を見捨てたのかと
動揺した。しかしこれは当たり前のことだと元航空支援集団司令官の廣中
雅之氏は強調する(『軍人が政治家になってはいけない本当の理由』文春
新書)。

一国の政府の最大の責任は国民の命を守ることで、米国は当然のことをし
たまでだ。うろたえたわが国の政治指導者には当事者意識が不足してい
た。米国は同盟国だが、日米同盟は運命共同体ではない、との指摘こそ正
しい。

国民の信任を得た岸田首相は大いなる気概を持ってわが国の安全保障政策
を改め、自立国家への道を歩くのがよい。
       

     
           
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◆トランプ氏、人気急回復で復活の狼煙
高島 康司

バイデン政権は信用ガタ落ち、米議会乱入事件にFBI関与との報道も

米大統領選の敗北で人気を失ったトランプだが、バイデン政権への批判が
高まるにつれ、再び人気が復活してきている。いまアメリカで何が起こっ
ているのか。トランプ支持者の動きについて解説する。(『未来を見る!
『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)


バイデン政権の成立以降、トランプは依然として共和党ではもっとも影響
力のある人物ではある。だが、トランプにはかつてのような勢いがなく
なっていた。

バイデン政権はまがりなりにも新型コロナウイルスのパンデミックを押さ
え込み、経済の正常化に向けた動きを加速させた。また、巨額の失業給付
金や事業の支援金などの支給により、仕事を失った国民の生活を支えた。

また、2020年の大統領選挙で不正があったとしてトランプ派が提訴した裁
判には、トランプ派はことごとく敗訴し、バイデンの勝利が正式に確定した。

パンデミックで影響を受け、手厚い失業給付を受けたトランプ派の人々か
らも「バイデンでいいのでは?」という声も上がるようになっていた。

これとともに、ツイッターにおけるトランプに関するツイート数は大幅に
減少した。またトランプが5月に立ち上げたブログは、アクセス数が伸び
ずに閉鎖した。

さらに、トランプ支持派がときおり開催するトランプラリーに結集する
人々の数も減っていた。

トランプは、来年から「トュルース・ソーシャル」という独自のSNSを立
ち上げるとしているが、この状況ではアクセス数は伸びないのではないか
と見られていた。

こうした状況から、一時は全米を二分するほどの勢いがあったトランプだ
が、急速に勢いを失い、現状のままでは2024年の大統領選挙に立候補する
のは実質的に不可能だとする見方が中心になりつつあった。

なぜ?トランプ人気は急回復
しかしながら、夏の終わりくらいからこの状況が大きく変化してきた。ト
ランプの勢いが急速に回復しつつあるのである。それを示す多くの調査結
果がある。

10月15日から18日にかけて行われた「キニピアック大学」の世論調査によ
ると、共和党員の成人の間でトランプの好感度は86%、好ましくない評価
はわずか10%だった。

また、2024年の共和党予備選挙の初期の世論調査では、すでにトランプが
優位に立っている。10月8日から11日にかけて行われたニュース配信サー
ビス、「ポリティコ」の調査では、共和党有権者の47%がトランプに投票
すると回答し、他の候補者は13%を超えていなかった。

もし2023年になってもトランプがこのような高い数値を示しているのであ
れば、彼が候補者になる可能性はかなり高い。さらに、トランプが共和党
内でいまだに強い影響力を持っていることを考えると、他の共和党の政治
家でトランプに対抗して立候補しようとするものはほとんどいないはずだ。

また、共和党員の相当数がトランプの再出馬を積極的に望んでいることが
「ポリティコ」の調査で分かった。共和党の登録有権者のうち、67%がト
ランプの出馬を望み、望まない人は29%に過ぎなかった。望む人々のうち
51%が「間違いなく」出馬すべきだと答えている。

さらに、10月13日から14日にかけて行われたニュースサイト、「ザ・ヒ
ル」の世論調査でも、共和党の登録有権者は77%対23%の割合でトランプ
立候補を支持しており、そのうち52%が「強く」支持していることが分
かった。また、世論調査会社の「クイニピアック」の調査によると、共和
党員の78%がトランプの再出馬を希望し、希望しないと答えたのは16%だ
けだった。

このような共和党支持者におけるトランプの支持は、時間が経つにした
がって確実に上昇している。5月に行われた先の「クイニピアック」の調
査では、共和党員はトランプの出馬を66%支持し、不支持は30%だったの
に対し、現在は78%が支持し、不支持は16%となっている。

共和党支持者だけではなく、有権者全体の調査でもトランプは一定の人気
を維持している。10月13日から17日にかけて行われた「グリンネル大学」
の世論調査によると、有権者の40%がバイデン大統領に、40%がトランプ
に投票することが分かった。トランプの人気は現職の大統領に並んでいる。

         
    
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◆イカロスの翼を馬雲は失ったのか

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月9日(火曜日)
通巻第7114号 

 イカロスの翼を馬雲は失ったのか。アリババの風雲児、スペインで隠棲?
   霜月の朝顔は、萎んで花を咲かせる力がない

 イカロスはギリシア神話にでてくる有名な逸話である。蝋で翼を固め、
空を自由自在に飛んでいたイカロスは太陽に近付きすぎて、翼の蝋が溶け
て失速、海に落ちた。
 現代文明のテクノロジーを信じて、ネットワークの新業種で瞬く間にの
し上がった新興財閥は、最高権力者の怒りに触れて落剥の身となった。
新しい寓話が成立した。

 アリババ創業者の馬雲は、共産主義全体社会のパラダイムのなかにあっ
て、何処まで自在に商業活動が可能かを示した。
すなわち、かの「中国的社会主義市場経済」なる奇妙奇天烈な枠組みのな
かで自由競争の限界に挑戦し、権力に敗れた典型の事例を満天下に示した。

国際大会で馬雲は、「システマティック・リスクというけれど、中国には
システムがない」と本当のことを発言し、中央政府の怒りを買ったといわ
れ、子会社の「アント」という金融企業の上場が突如阻まれた。

 その前に、馬雲は誕生したばかりのトランプ政権に食い入り、ソフトバ
ンクの孫正義、鴻海精密工業の郭台銘らと組んでアメリカへの大々的投資
を行うファンドを創設するとした。
中国共産党は、この出過ぎた「民間外交」にも怒りを露わにしたと事情通
が言う。

 一年以上も消息が絶えていた馬雲は、極秘裏に香港へ現れ、その後「農
業研修」と称してスペインのマヨルカ島に滞在している。ビル・ゲーツの
ように農業の新ビジネスに打って出る準備とも言われる。

 筆者が思い浮かべたのはイカロスではなく、霜月の朝顔だった。
 朝顔は生薬の原料になり古くは平安時代から珍重された。中国では「牽
牛」と言われるほどに貴重な薬草の扱いを受け、贈り物には牛車で届けた。
 
 「朝顔につるべとられてもらい水」(加賀千代)
 朝顔は真夏に咲き乱れるほど盛んな勢いを見せるが、季語は秋である。
そして秋も霜月となると蕾がちらほら、花とはならず、萎んだままであ
る。生気を失って、朽ち果てるのを待つ。
ひょっとして馬雲は「霜月の朝顔」?
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2295回】       
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港177)

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 この?小平の発言を、西園寺はもちろんのこと訪問団一行は単なる外交
辞令と聞き流したはずだ。だが歴史を振り返って見れば、外交辞令などで
ないことは朧気ながら分かるだろう。いや、分かってもらわなければ困る
のだ。

 大正元年に出版された『支那風韻記』(川田鐵彌 大倉書房)は、「論
語の眞髓は、全く日本に傳はつて、支那には、其の實が洵に乏しい」。
「書物など讀むにも、用心して之を見ないと」、「支那人の書いた書物
に、讀まれて仕舞ふようになる」。「元來正直な日本人など」は「日本化
された漢學で、直に支那を早合點」してしまう。だから、「四書を始めと
して、何れの書も、意味をアベコベにとると、支那人の性情が、自ら分
る」と説いていた。

 日本人は玄界灘を越えてもたらされた漢字で記された文章を、「返り
点」「一二三」「上中下」などを考え出すことによって、外国語であるは
ずの漢文を、国語の“亜種”として読み下し理解したと思い込んでしまった。
この辺りに誤解の根っこがあるように思うのだが。

 日本人をして中国と中国人に対する過度の拝跪・重視、その裏返しとし
ての侮蔑・軽視──共に見当違い──という心情を抱かしめた主因は、?小平
が詫びるまでもなく「孔孟の道」であり「漢字」であったはずだ。

 たとえば習近平国家主席は「以法治国」を掲げるばかりか、2002年に母
校の清華大学から法学博士号を取得している。そこで「法」と言う漢字を
知る日本人は、お人好しにも法学博士の習近平は「法」によって国を治め
ようとしていると思い込んでしまう。

だが、ここで習近平が示す「法」は 日本人が夢想しているような『普遍
的な法』なんぞではない。敢えて喩え るなら、曹操が嘯いた「寧可我負
天下人、天下人不負我」──「我(おれ) が天下人(せけん)に負(そ
む)こうが、天下人を我に負かせない」──の 「我」である。
言い換えるなら「法」と「我」は同義語であり、「我の意思」と等価と言
うことになる。

 中国における権力者の常識は、中国以外の世界で「非常識」などといっ
た生易しいものではない。敢えて言うなら「超常識」なのだ。そのこと
を、ゆめゆめ見落としてはならないのである。
 「孔孟の道」や「漢字」については、当然、より深い議論が必要となろ
うが、それは後の機会に譲るとして、いまは当面の「貴妃酔酒」に戻るこ
とにしたい。

 「貴妃酔酒」の見せ場は、酔い始め頬をホンノリと赤らめた楊貴妃が杯
を口に銜えまま後方に反り返り、ユックリと一回転しながら酒を飲み干
し、あるいは百花亭の池に架かった橋を千鳥足で行きつ戻りつ、あるいは
百花咲き乱れる庭をほろ酔い加減で歩き、あるいは倒れ込むようにして
花々のなかに蹲りながらもユックリと立ち上がる──鍛え上げられた強靱な
下半身だけが可能にする演技である。

 だが、それは世に言う筋トレで作られた直線的なゴツゴツした動きでは
ダメなのだ。あくまでも腰の線を動かすことなく、円を描くようにゆった
りと優雅な動きでなければならない。
役者の生身の肉体に掛かる負担が客に伝わるようでは、やはり役者として
は失格だろう。下半身に掛かる相当な加重を客に微塵も感じさせることな
く、舞うように動く上半身に加え、顔面はホンノリと酔いが萌した陶酔感
と色香を漂わせなければならない。
苦悶の表情など浮かべたら、その瞬間に楊貴妃が消え、生身の役者が現れ
たら失格で、即廃業。

 ここら辺りが『梅蘭芳演出劇本選』の「比較的整った古典歌舞劇」に当
たるに違いない。
第六劇場の役者は20歳そこそこの女性だっただけに、一連の動きは柔らか
く美しく感じられた。
だが若い分、体の線が健康的だったゆえ、酔った楊貴妃の艶めかしさ、酒
に寂しさを紛らわせるしかない女の儚さは感じられなかった。やはり客は
若い女性の溌剌たる健康美ではなく、娘を過ぎた女が醸し出す爛熟美、危
うい艶っぽさを求めるのだ。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ++++++++++++++++++++++++++++++++++
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)台湾有事で米軍の介入と自衛隊の支援を阻もうとする中国
の攻撃が尖閣・南西諸島に波及する危険性も高まっており安全保障環境は
大きく変わってきた中で、最重要視点はいかなることでしょうか?
 それは「米国は日米安保条約に基づき時機を得た軍事的介入を真に実行
するであろうか?」でありましょう。
しかし貴誌11月5日通巻7109号にてリン・オルスン著 河内隆弥訳
「怒号の日々(Those Angry Days)」の読後感想を投稿いたし
ましたが、同書から深く考えさせられたことは、アメリカという国は、い
くら両国間に安保条約があっても、それほど簡単には行かない国柄なのだ
ということを踏まえて我が国は有事に備えなくてはならないということだ
と思います。
 「怒号の日々」には、debateとは程遠い、盗聴、偽装、虚言、陰謀など
が勝利目的のために徹底的に利用され、きれいごとのようにロゴスの支配
する場での勝敗ではなく、もっと生命体もしくは動物的本質をむき出しに
したフィシスが支配し勝利がきまるというすさまじい「抗争」が長々と続
き、それは自国本土が攻撃された真珠湾攻撃のごとき何か大きなインパク
トが起きて初めて決着するという実態が、まざまざと紹介されています。
いくらバイデン大統領が、尖閣に日米安保を適用するかのような発言をし
たとて、その発言を根拠にして我が国が「安堵する」人々は全く「この世
の現実を知らざる人々」であると思わざるを得ません。あのFDRでさえ、
真珠湾が攻撃されるまでは、対独参戦に国家を誘導できなかったのですから。
 同書で河内隆弥氏が危惧されているように、現在のアメリカは「二項対
立ならぬ多項対立」国家である以上、「アメリカは『日本有事』に際して
も『自国本土が攻撃されぬ限り』簡単には動けない、という前提での体制
をいかに整えるか」ことこそが、我が国の喫緊の、そして根幹の安全保障
政策でなければなりません。
その意味から「怒号の日々」は昔の話ではなく、岸田政権は米国の自国以
外に対するコミットメントそのものの「脆弱性」を認識し、その任に堪え
られるかを現代に問うているのです(SSA生)
  ♪
(読者の声2)対基軸通貨ドルの円レートは安くなっています。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=USDJPY=X&ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130&a=
 岸田政権になって、なにがなんでも物価目標2%は変質し、「成長はも
う諦めたんで、物価上昇だけで2%」へとゴールが動いた感が強いという
印象です。
 分配と成長。岸田首相のやりたいのは「格差縮小」、手段は給付金と賃
上げ。しかし経済学では給付金の乗数効果は極小で、財政出動や消費減税
の乗数効果の方がずっと高いのだが。とにかくトリクルダウンしなかった
下層へお金を回したいということでしょう。これって社会主義じゃん

 しかし世界は資源高、グローバルバリューチェーンが機能せず、供給制
約でバイクはホンダのGB350やレブル250は納車待ち半年から1年で、中古
車が新車より高くなる現象が起きています。ロレックスも同様。中古が新
品より高い

 この円安でも株は騰がりません。円安は資本流出で、日本への評価が低
まったという意味ととらえています。円高でメリットがあるのが、空洞化
で海外(自社・委託)工場を持つ、ユニクロやニトリなど安売り企業。円
安でメリットのあるのは、パワー半導体とか高付加価値の企業だが、どれ
だけが生き残っているのか。
 アメリカには25年ルールというのがあって、アメリカ人は日本の中古
車を買いまくっています。
おかげで国内中古車市場は暴騰。かれらがいうのはJDM。JDMとは「Japan
Domestic Model」のこと。これからの日本の浮沈はJDMをどれだけマーケ
ティングできると思います。
 
 さて前号に「コロナ災禍以後のテレワークの流行に拠って、家賃の高い
シリコンバレーから、多くのエンジニアらはテキサス州やアリゾナ州へ
引っ越しており、カリフォルニア州の不動産価格は下がる一方というのが
市況である」
とあります。
 カリフォルニアの所得税は高いですが、テキサスは土地が安く、所得税
がゼロ(但し、資産税は高い)です。2017年のトヨタに続いて、ヒュレッ
トパッカードやテスラが本社をテキサスへ移転させている理由です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0805M0Y1A001C2000000/
 Realtor.comによると、アメリカの全タイプの中古住宅価格中央値(9
月)は前年比13.3%増の35万2800ドルへ上昇しました。
9月で115ヶ月連続上昇です。来年金利が上昇する可能性があるので駆け
込み需要もあるようで、住宅在庫は不足しています。
アメリカでは日本と異なって、住宅は築年数が古くなっても値下がりはな
く、修理して使うカルチャーです。日本人は新品大好きで新築一戸建てに
新品プレミアムがついて新築一戸建てを買ったとたんに15%程度価格が下
落するマーケット特性は有名です。
リーマン危機後、日本ではマンション相場は上昇していますが、一戸建て
相場は横ばい。空家数200-300万、空き家はその倍(?)が利いていま
す。一戸建てや駅から遠いマンションに資産性は乏しく、リスク大です。
 「カリフォルニア州の不動産価格は下がる一方というのが市況」とあり
ますが、僭越ながらこれは言い過ぎかと思います。
仮にカリフォルニアの不動産価格が下がればその時にはNY株式市場は暴落
しているでしょう。
現在、もっとも弱い市場が不動産市場で、アメリカが暴落するならばここ
からはじまるはずです。
https://www.noradarealestate.com/blog/california-housing-market
/(R生、逗子

  ♪
(読者の声3)日本国憲法の誕生の秘密。外交評論家の加瀬英明氏の最近の
ブログによると、「敗戦の翌月の昭和20(1945)年9月に、近衛文
麿公爵(元首相)が、まず横浜に進駐したマッカーサー元帥を訪問して会
談した。
 この時、近衛公が元帥に「政府の構成について意見を伺いたい」といっ
た。同伴した外務省の通訳が「構成」を、「コンスティテューション(構
成、構造、組織、憲法などを意味する)」と訳した。これを聞いたマッ
カーサー元帥は日本側が「憲法を改める」意向を持っていると誤解した。
この経緯は、米書『東京旋風』(H・E・ウェルズ著)の、第3章「通訳
による支配」で暴露されている。」
 これは冗談にしては悲しすぎる。
このたった1語の誤訳が、偽憲法を産んだ、とも言える。シアトルに住ん
でいた頃、時々総領事館に招かれ、彼らの英語力を知る事になるが、不安
になる。東大の受験に合格した後は、おしまいなのだろうか。
そんな不備・不能を認識してか、幸いに何もしない。時折、地元の関係者
を招いて寿司などを振舞っている。慰安婦像はまだシアトルには建てられ
ていないが、「遺憾である」と小声で言うのだろう。
現地の世論を好意的に誘導するなど考えてもいないだろう。
外交官の弱点は、すぐに現地国の「代弁者」になって、日本国の「敵」に
変身してしまう。
それには金、女、贈り物、なども当然に絡んでいるだろう。故に、文科省
と同罪であるので、外務省も破棄すべし。かつて日本の総合商社が世界中
に支店を置き、現地の状況を正しく把握していた頃、外務省は彼らの情報
に頼っていたという悲しい歴史もある。
(在米のKM生)

   
櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第974回

衆議院議員選挙で岸田自民党は予想外に善戦し261議席を獲得した。その
岸田文雄首相と選挙前の10月29日、「言論テレビ」で対談した。

岸田氏はコロナ、経済、安全保障を三つの重要政策として訴えたが、焦眉
の急は安全保障問題だ。日本維新の会が41議席と大躍進し、公明党も32議
席をとり3党で憲法改正に必要な3分の2以上も獲得した。自衛隊の強化、
改憲などの公約を自信をもって進める力を得た。

10日程前、中露両海軍の10隻の艦隊が日本をほぼ一周した。専門家は中国
人民解放軍が投入した新型艦艇、レンハイ級ミサイル巡洋艦「101(南
昌)」に注目する。レンハイ級101は射程2000キロを誇る中国版トマホー
クを搭載していた。この演習について、中国国防省報道官の譚克非氏は
「より実戦的になり対抗性が大幅に向上した」と語った。最新鋭艦レンハ
イ級101の投入で艦隊全体の威嚇力が大幅に強化されたと誇ったのだ。

従来のミサイルより射程の長いトマホーク型の搭載に加えてレンハイ級
101はより強力な垂直発射システム(Vertical Launching System)を備え
ている。VLSについてはミサイルを縦に入れる「セル」が幾十も集合し
て積載されている形をイメージすると分かり易い。攻撃のとき、ミサイル
はセルから次々に発射される。セルの数は、日米のイージス艦の96発分に
較べてレンハイ級101は100を超える三桁の規模だ。セルには艦対空、艦対
地、艦対艦のどの種類のミサイルも積める。

中国はこのタイプの巡洋艦を8隻建造中で、一番艦の就役式にはわざわざ
習近平国家主席が出席して現場の士気高揚をはかった。

岸田首相には言論テレビで日々深刻化する中国の脅威について尋ねた。極
超音速ミサイルに地球を周回させ、相手国の防御態勢の薄い角度からミサ
イルを撃ち込む構えの中国にどう対処するかと問うた。

「私が外務大臣だった2013年の年末に、現在の国家安全保障戦略が作成さ
れました。そのときから今まで約8年間、中国の状況は随分と変わりまし
た。極超音速ミサイル、変則軌道、超低空ミサイルなど、技術はどんどん
進歩している。SFの世界だった宇宙やサイバーが、現実の安全保障の重
要なポイントになっています。東シナ海、島嶼防衛のあり方について、日
本は色々と考えなくてはいけない」

考えた上で具体的に何をするのか。

「中国の位置づけからはじまって見直すべきところは沢山ある。国家安全
保障戦略、防衛大綱、中期防は今のままでよいのか。国家安全保障会議に
おいて、既に私から見直しと改定の議論を始めるよう指示を出しました」
と、首相は答えた。

首相の指示は理に適っている。とても重要なことだ。日本人は長い間軍事
のことなど殆ど考えないで暮らしてきたが、中国の果てしない軍事力の構
築と軍事的恫喝は、間違いなくこれからさらに酷くなる。中国はより横暴
になる。中国に勝手な行動をさせないためには、日本の側が冷静で強くな
ければならない。

凄まじい軍拡

しかし、私たち一般国民が、そして政治家が、軍事についてきちんと理解
しておかなければ正しい判断などできない。そこで今更ではあるが、大事
なことを肝に銘じたい。

わが国の安全と国民の命を守るのは、わが国政府と自衛隊だという厳正な
事実だ。日米同盟は、日本が一方的に米国に頼るものではない。わが国を
守るのはわが国でしかないということを、国民全員が共有しなければなら
ない。これは口にするのも恥ずかしい程、当然のことだが、この当然のこ
とが共有されていないために、わが国は憲法改正も未だに実現できていない。

岸田首相が改定を指示した国家安全保障戦略は日本の安全保障の方向と枠
組みを示すもので、わが国の国防戦略の土台である。安全保障戦略を実現
するための大枠の政策が防衛大綱だ。防衛大綱を実地に進める具体策、た
とえば武器装備など、現場の軍事力を整えるのが中期防衛力整備計画(中
期防)である。

これらは5年10年単位で計画される。現時点で策定済みの計画はあと2年間
分残っている。平時なら、そのまま行けばよい。だが今は平時ではない。
中国は前代未聞の凄まじい軍拡をやめない。台湾海峡上空に何十機もの爆
撃機を飛行させ、恫喝を続ける。尖閣領海に我が物顔で侵入し続け、艦隊
を組んで日本を周回する。

このような状況だからこそ、日本は出来るだけ早く、かつ顕著に自衛隊と
海上保安庁を強化し、中国への抑止力としなければならない。中国を深刻
な脅威と位置づけて、その考え方をわが国の安全保障戦略に反映させなけ
ればならない。

究極の事例

岸田氏は、このような状況を見て取り、三つの戦略戦術についての見直し
を指示した。では、いつまでに見直すのか。国家安全保障戦略の修正は深
い思慮と覚悟をもって、しかも猛スピードでやり遂げなければならない。
防衛政策は急には変えられないため、早く始めることが大事だ。

令和3年も終わりに近い今、令和4年は既定路線で行くしかないというのが
専門家の考えだ。一方で国家安全保障戦略以下中期防までの計画は来年冬
までに根本的に見直して、令和5年には防衛力強化に力強く踏み込むのが
日本を守る道だ。

今回の衆院選では日本共産党が力を落とした。共産党と共闘した立憲民主
党は惨敗した。日米同盟の廃棄及び自衛隊の事実上の消滅を党綱領で公約
し、中国とは話し合いで問題を解決せよという志位和夫氏と共産党を有権
者は拒否したのだ。日本が今、どうしてもしなければならない安全保障戦
略の見直しや防衛費の顕著な増額を国民は支持してくれるだろう。

いまこそ私たち国民は軍事に対する理解を進める時だ。日本国民と日本国
の守りには日本国そのものが責任を持たなければならないことは先述し
た。そこでひとつ、究極の事例を思い出そう。東日本大震災の時、3月16
日以降、米軍は福島第一原子力発電所から半径50マイル以遠で活動し、米
国民に退避を勧告した。当時の民主党政権は米国が日本を見捨てたのかと
動揺した。しかしこれは当たり前のことだと元航空支援集団司令官の廣中
雅之氏は強調する(『軍人が政治家になってはいけない本当の理由』文春
新書)。

一国の政府の最大の責任は国民の命を守ることで、米国は当然のことをし
たまでだ。うろたえたわが国の政治指導者には当事者意識が不足してい
た。米国は同盟国だが、日米同盟は運命共同体ではない、との指摘こそ正
しい。

国民の信任を得た岸田首相は大いなる気概を持ってわが国の安全保障政策
を改め、自立国家への道を歩くのがよい。
       

     
           
━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆トランプ氏、人気急回復で復活の狼煙
高島 康司

バイデン政権は信用ガタ落ち、米議会乱入事件にFBI関与との報道も

米大統領選の敗北で人気を失ったトランプだが、バイデン政権への批判が
高まるにつれ、再び人気が復活してきている。いまアメリカで何が起こっ
ているのか。トランプ支持者の動きについて解説する。(『未来を見る!
『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)


バイデン政権の成立以降、トランプは依然として共和党ではもっとも影響
力のある人物ではある。だが、トランプにはかつてのような勢いがなく
なっていた。

バイデン政権はまがりなりにも新型コロナウイルスのパンデミックを押さ
え込み、経済の正常化に向けた動きを加速させた。また、巨額の失業給付
金や事業の支援金などの支給により、仕事を失った国民の生活を支えた。

また、2020年の大統領選挙で不正があったとしてトランプ派が提訴した裁
判には、トランプ派はことごとく敗訴し、バイデンの勝利が正式に確定した。

パンデミックで影響を受け、手厚い失業給付を受けたトランプ派の人々か
らも「バイデンでいいのでは?」という声も上がるようになっていた。

これとともに、ツイッターにおけるトランプに関するツイート数は大幅に
減少した。またトランプが5月に立ち上げたブログは、アクセス数が伸び
ずに閉鎖した。

さらに、トランプ支持派がときおり開催するトランプラリーに結集する
人々の数も減っていた。

トランプは、来年から「トュルース・ソーシャル」という独自のSNSを立
ち上げるとしているが、この状況ではアクセス数は伸びないのではないか
と見られていた。

こうした状況から、一時は全米を二分するほどの勢いがあったトランプだ
が、急速に勢いを失い、現状のままでは2024年の大統領選挙に立候補する
のは実質的に不可能だとする見方が中心になりつつあった。

なぜ?トランプ人気は急回復
しかしながら、夏の終わりくらいからこの状況が大きく変化してきた。ト
ランプの勢いが急速に回復しつつあるのである。それを示す多くの調査結
果がある。

10月15日から18日にかけて行われた「キニピアック大学」の世論調査によ
ると、共和党員の成人の間でトランプの好感度は86%、好ましくない評価
はわずか10%だった。

また、2024年の共和党予備選挙の初期の世論調査では、すでにトランプが
優位に立っている。10月8日から11日にかけて行われたニュース配信サー
ビス、「ポリティコ」の調査では、共和党有権者の47%がトランプに投票
すると回答し、他の候補者は13%を超えていなかった。

もし2023年になってもトランプがこのような高い数値を示しているのであ
れば、彼が候補者になる可能性はかなり高い。さらに、トランプが共和党
内でいまだに強い影響力を持っていることを考えると、他の共和党の政治
家でトランプに対抗して立候補しようとするものはほとんどいないはずだ。

また、共和党員の相当数がトランプの再出馬を積極的に望んでいることが
「ポリティコ」の調査で分かった。共和党の登録有権者のうち、67%がト
ランプの出馬を望み、望まない人は29%に過ぎなかった。望む人々のうち
51%が「間違いなく」出馬すべきだと答えている。

さらに、10月13日から14日にかけて行われたニュースサイト、「ザ・ヒ
ル」の世論調査でも、共和党の登録有権者は77%対23%の割合でトランプ
立候補を支持しており、そのうち52%が「強く」支持していることが分
かった。また、世論調査会社の「クイニピアック」の調査によると、共和
党員の78%がトランプの再出馬を希望し、希望しないと答えたのは16%だ
けだった。

このような共和党支持者におけるトランプの支持は、時間が経つにした
がって確実に上昇している。5月に行われた先の「クイニピアック」の調
査では、共和党員はトランプの出馬を66%支持し、不支持は30%だったの
に対し、現在は78%が支持し、不支持は16%となっている。

共和党支持者だけではなく、有権者全体の調査でもトランプは一定の人気
を維持している。10月13日から17日にかけて行われた「グリンネル大学」
の世論調査によると、有権者の40%がバイデン大統領に、40%がトランプ
に投票することが分かった。トランプの人気は現職の大統領に並んでいる。

         
    
━━━━━━━━━━━━━━━━


◆イカロスの翼を馬雲は失ったのか

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月9日(火曜日)
通巻第7114号 

 イカロスの翼を馬雲は失ったのか。アリババの風雲児、スペインで隠棲?
   霜月の朝顔は、萎んで花を咲かせる力がない

 イカロスはギリシア神話にでてくる有名な逸話である。蝋で翼を固め、
空を自由自在に飛んでいたイカロスは太陽に近付きすぎて、翼の蝋が溶け
て失速、海に落ちた。
 現代文明のテクノロジーを信じて、ネットワークの新業種で瞬く間にの
し上がった新興財閥は、最高権力者の怒りに触れて落剥の身となった。
新しい寓話が成立した。

 アリババ創業者の馬雲は、共産主義全体社会のパラダイムのなかにあっ
て、何処まで自在に商業活動が可能かを示した。
すなわち、かの「中国的社会主義市場経済」なる奇妙奇天烈な枠組みのな
かで自由競争の限界に挑戦し、権力に敗れた典型の事例を満天下に示した。

国際大会で馬雲は、「システマティック・リスクというけれど、中国には
システムがない」と本当のことを発言し、中央政府の怒りを買ったといわ
れ、子会社の「アント」という金融企業の上場が突如阻まれた。

 その前に、馬雲は誕生したばかりのトランプ政権に食い入り、ソフトバ
ンクの孫正義、鴻海精密工業の郭台銘らと組んでアメリカへの大々的投資
を行うファンドを創設するとした。
中国共産党は、この出過ぎた「民間外交」にも怒りを露わにしたと事情通
が言う。

 一年以上も消息が絶えていた馬雲は、極秘裏に香港へ現れ、その後「農
業研修」と称してスペインのマヨルカ島に滞在している。ビル・ゲーツの
ように農業の新ビジネスに打って出る準備とも言われる。

 筆者が思い浮かべたのはイカロスではなく、霜月の朝顔だった。
 朝顔は生薬の原料になり古くは平安時代から珍重された。中国では「牽
牛」と言われるほどに貴重な薬草の扱いを受け、贈り物には牛車で届けた。
 
 「朝顔につるべとられてもらい水」(加賀千代)
 朝顔は真夏に咲き乱れるほど盛んな勢いを見せるが、季語は秋である。
そして秋も霜月となると蕾がちらほら、花とはならず、萎んだままであ
る。生気を失って、朽ち果てるのを待つ。
ひょっとして馬雲は「霜月の朝顔」?
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2295回】       
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港177)

  △
 この?小平の発言を、西園寺はもちろんのこと訪問団一行は単なる外交
辞令と聞き流したはずだ。だが歴史を振り返って見れば、外交辞令などで
ないことは朧気ながら分かるだろう。いや、分かってもらわなければ困る
のだ。

 大正元年に出版された『支那風韻記』(川田鐵彌 大倉書房)は、「論
語の眞髓は、全く日本に傳はつて、支那には、其の實が洵に乏しい」。
「書物など讀むにも、用心して之を見ないと」、「支那人の書いた書物
に、讀まれて仕舞ふようになる」。「元來正直な日本人など」は「日本化
された漢學で、直に支那を早合點」してしまう。だから、「四書を始めと
して、何れの書も、意味をアベコベにとると、支那人の性情が、自ら分
る」と説いていた。

 日本人は玄界灘を越えてもたらされた漢字で記された文章を、「返り
点」「一二三」「上中下」などを考え出すことによって、外国語であるは
ずの漢文を、国語の“亜種”として読み下し理解したと思い込んでしまった。
この辺りに誤解の根っこがあるように思うのだが。

 日本人をして中国と中国人に対する過度の拝跪・重視、その裏返しとし
ての侮蔑・軽視──共に見当違い──という心情を抱かしめた主因は、?小平
が詫びるまでもなく「孔孟の道」であり「漢字」であったはずだ。

 たとえば習近平国家主席は「以法治国」を掲げるばかりか、2002年に母
校の清華大学から法学博士号を取得している。そこで「法」と言う漢字を
知る日本人は、お人好しにも法学博士の習近平は「法」によって国を治め
ようとしていると思い込んでしまう。

だが、ここで習近平が示す「法」は 日本人が夢想しているような『普遍
的な法』なんぞではない。敢えて喩え るなら、曹操が嘯いた「寧可我負
天下人、天下人不負我」──「我(おれ) が天下人(せけん)に負(そ
む)こうが、天下人を我に負かせない」──の 「我」である。
言い換えるなら「法」と「我」は同義語であり、「我の意思」と等価と言
うことになる。

 中国における権力者の常識は、中国以外の世界で「非常識」などといっ
た生易しいものではない。敢えて言うなら「超常識」なのだ。そのこと
を、ゆめゆめ見落としてはならないのである。
 「孔孟の道」や「漢字」については、当然、より深い議論が必要となろ
うが、それは後の機会に譲るとして、いまは当面の「貴妃酔酒」に戻るこ
とにしたい。

 「貴妃酔酒」の見せ場は、酔い始め頬をホンノリと赤らめた楊貴妃が杯
を口に銜えまま後方に反り返り、ユックリと一回転しながら酒を飲み干
し、あるいは百花亭の池に架かった橋を千鳥足で行きつ戻りつ、あるいは
百花咲き乱れる庭をほろ酔い加減で歩き、あるいは倒れ込むようにして
花々のなかに蹲りながらもユックリと立ち上がる──鍛え上げられた強靱な
下半身だけが可能にする演技である。

 だが、それは世に言う筋トレで作られた直線的なゴツゴツした動きでは
ダメなのだ。あくまでも腰の線を動かすことなく、円を描くようにゆった
りと優雅な動きでなければならない。
役者の生身の肉体に掛かる負担が客に伝わるようでは、やはり役者として
は失格だろう。下半身に掛かる相当な加重を客に微塵も感じさせることな
く、舞うように動く上半身に加え、顔面はホンノリと酔いが萌した陶酔感
と色香を漂わせなければならない。
苦悶の表情など浮かべたら、その瞬間に楊貴妃が消え、生身の役者が現れ
たら失格で、即廃業。

 ここら辺りが『梅蘭芳演出劇本選』の「比較的整った古典歌舞劇」に当
たるに違いない。
第六劇場の役者は20歳そこそこの女性だっただけに、一連の動きは柔らか
く美しく感じられた。
だが若い分、体の線が健康的だったゆえ、酔った楊貴妃の艶めかしさ、酒
に寂しさを紛らわせるしかない女の儚さは感じられなかった。やはり客は
若い女性の溌剌たる健康美ではなく、娘を過ぎた女が醸し出す爛熟美、危
うい艶っぽさを求めるのだ。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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(読者の声1)台湾有事で米軍の介入と自衛隊の支援を阻もうとする中国
の攻撃が尖閣・南西諸島に波及する危険性も高まっており安全保障環境は
大きく変わってきた中で、最重要視点はいかなることでしょうか?
 それは「米国は日米安保条約に基づき時機を得た軍事的介入を真に実行
するであろうか?」でありましょう。
しかし貴誌11月5日通巻7109号にてリン・オルスン著 河内隆弥訳
「怒号の日々(Those Angry Days)」の読後感想を投稿いたし
ましたが、同書から深く考えさせられたことは、アメリカという国は、い
くら両国間に安保条約があっても、それほど簡単には行かない国柄なのだ
ということを踏まえて我が国は有事に備えなくてはならないということだ
と思います。
 「怒号の日々」には、debateとは程遠い、盗聴、偽装、虚言、陰謀など
が勝利目的のために徹底的に利用され、きれいごとのようにロゴスの支配
する場での勝敗ではなく、もっと生命体もしくは動物的本質をむき出しに
したフィシスが支配し勝利がきまるというすさまじい「抗争」が長々と続
き、それは自国本土が攻撃された真珠湾攻撃のごとき何か大きなインパク
トが起きて初めて決着するという実態が、まざまざと紹介されています。
いくらバイデン大統領が、尖閣に日米安保を適用するかのような発言をし
たとて、その発言を根拠にして我が国が「安堵する」人々は全く「この世
の現実を知らざる人々」であると思わざるを得ません。あのFDRでさえ、
真珠湾が攻撃されるまでは、対独参戦に国家を誘導できなかったのですから。
 同書で河内隆弥氏が危惧されているように、現在のアメリカは「二項対
立ならぬ多項対立」国家である以上、「アメリカは『日本有事』に際して
も『自国本土が攻撃されぬ限り』簡単には動けない、という前提での体制
をいかに整えるか」ことこそが、我が国の喫緊の、そして根幹の安全保障
政策でなければなりません。
その意味から「怒号の日々」は昔の話ではなく、岸田政権は米国の自国以
外に対するコミットメントそのものの「脆弱性」を認識し、その任に堪え
られるかを現代に問うているのです(SSA生)
  ♪
(読者の声2)対基軸通貨ドルの円レートは安くなっています。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=USDJPY=X&ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130&a=
 岸田政権になって、なにがなんでも物価目標2%は変質し、「成長はも
う諦めたんで、物価上昇だけで2%」へとゴールが動いた感が強いという
印象です。
 分配と成長。岸田首相のやりたいのは「格差縮小」、手段は給付金と賃
上げ。しかし経済学では給付金の乗数効果は極小で、財政出動や消費減税
の乗数効果の方がずっと高いのだが。とにかくトリクルダウンしなかった
下層へお金を回したいということでしょう。これって社会主義じゃん

 しかし世界は資源高、グローバルバリューチェーンが機能せず、供給制
約でバイクはホンダのGB350やレブル250は納車待ち半年から1年で、中古
車が新車より高くなる現象が起きています。ロレックスも同様。中古が新
品より高い

 この円安でも株は騰がりません。円安は資本流出で、日本への評価が低
まったという意味ととらえています。円高でメリットがあるのが、空洞化
で海外(自社・委託)工場を持つ、ユニクロやニトリなど安売り企業。円
安でメリットのあるのは、パワー半導体とか高付加価値の企業だが、どれ
だけが生き残っているのか。
 アメリカには25年ルールというのがあって、アメリカ人は日本の中古
車を買いまくっています。
おかげで国内中古車市場は暴騰。かれらがいうのはJDM。JDMとは「Japan
Domestic Model」のこと。これからの日本の浮沈はJDMをどれだけマーケ
ティングできると思います。
 
 さて前号に「コロナ災禍以後のテレワークの流行に拠って、家賃の高い
シリコンバレーから、多くのエンジニアらはテキサス州やアリゾナ州へ
引っ越しており、カリフォルニア州の不動産価格は下がる一方というのが
市況である」
とあります。
 カリフォルニアの所得税は高いですが、テキサスは土地が安く、所得税
がゼロ(但し、資産税は高い)です。2017年のトヨタに続いて、ヒュレッ
トパッカードやテスラが本社をテキサスへ移転させている理由です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0805M0Y1A001C2000000/
 Realtor.comによると、アメリカの全タイプの中古住宅価格中央値(9
月)は前年比13.3%増の35万2800ドルへ上昇しました。
9月で115ヶ月連続上昇です。来年金利が上昇する可能性があるので駆け
込み需要もあるようで、住宅在庫は不足しています。
アメリカでは日本と異なって、住宅は築年数が古くなっても値下がりはな
く、修理して使うカルチャーです。日本人は新品大好きで新築一戸建てに
新品プレミアムがついて新築一戸建てを買ったとたんに15%程度価格が下
落するマーケット特性は有名です。
リーマン危機後、日本ではマンション相場は上昇していますが、一戸建て
相場は横ばい。空家数200-300万、空き家はその倍(?)が利いていま
す。一戸建てや駅から遠いマンションに資産性は乏しく、リスク大です。
 「カリフォルニア州の不動産価格は下がる一方というのが市況」とあり
ますが、僭越ながらこれは言い過ぎかと思います。
仮にカリフォルニアの不動産価格が下がればその時にはNY株式市場は暴落
しているでしょう。
現在、もっとも弱い市場が不動産市場で、アメリカが暴落するならばここ
からはじまるはずです。
https://www.noradarealestate.com/blog/california-housing-market
/(R生、逗子

  ♪
(読者の声3)日本国憲法の誕生の秘密。外交評論家の加瀬英明氏の最近の
ブログによると、「敗戦の翌月の昭和20(1945)年9月に、近衛文
麿公爵(元首相)が、まず横浜に進駐したマッカーサー元帥を訪問して会
談した。
 この時、近衛公が元帥に「政府の構成について意見を伺いたい」といっ
た。同伴した外務省の通訳が「構成」を、「コンスティテューション(構
成、構造、組織、憲法などを意味する)」と訳した。これを聞いたマッ
カーサー元帥は日本側が「憲法を改める」意向を持っていると誤解した。
この経緯は、米書『東京旋風』(H・E・ウェルズ著)の、第3章「通訳
による支配」で暴露されている。」
 これは冗談にしては悲しすぎる。
このたった1語の誤訳が、偽憲法を産んだ、とも言える。シアトルに住ん
でいた頃、時々総領事館に招かれ、彼らの英語力を知る事になるが、不安
になる。東大の受験に合格した後は、おしまいなのだろうか。
そんな不備・不能を認識してか、幸いに何もしない。時折、地元の関係者
を招いて寿司などを振舞っている。慰安婦像はまだシアトルには建てられ
ていないが、「遺憾である」と小声で言うのだろう。
現地の世論を好意的に誘導するなど考えてもいないだろう。
外交官の弱点は、すぐに現地国の「代弁者」になって、日本国の「敵」に
変身してしまう。
それには金、女、贈り物、なども当然に絡んでいるだろう。故に、文科省
と同罪であるので、外務省も破棄すべし。かつて日本の総合商社が世界中
に支店を置き、現地の状況を正しく把握していた頃、外務省は彼らの情報
に頼っていたという悲しい歴史もある。
(在米のKM生)

2021年11月09日

◆「立共合作」に隠された危うい路線

                櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第973回

日本共産党の志位和夫委員長は10月25日、BSフジの「プライムニュー
ス」で、中国との向き合い方について、日本は軍事力を増強するのではな
く話し合いで対処すべきだと主張した。その上防衛費は今より1兆円も削
減すべきだとも語った。

共産党の的外れは甚しい。志位氏はきちんと現実を見よ。中国が南シナ海
でフィリピンの島を奪ったとき、フィリピンは国際仲裁裁判所に訴え出
た。国際仲裁裁判所の判決は全面的にフィリピンの主張を認め、南シナ海
やフィリピンの島々を自国領だとする中国の主張には国際法の根拠も歴史
的事実としての根拠もないと断じた。

同判決を、しかし、中国は「紙クズ」と罵り、今日に至るまで南シナ海で
の蛮行を続けている。このような中国と話し合いで問題を解決するという
志位氏の主張は意味をなさない。おまけに日本共産党は綱領で日米安全保
障条約の廃棄と事実上の自衛隊の解消を謳っている。

なのに日本国を危うくする共産党と立憲民主党が共闘して、衆院選を有利
に展開しているそうだ。有権者は志位氏や共産党、立憲民主党に騙されて
はならないだろう。

10月23日、中国国防省は、中露の海軍艦艇10隻が17日から23日まで1週間
かけて海上合同パトロールを実施したと公表した。わが国の防衛省統合幕
僚監部も同日、中露両軍10隻の動きを写真と共に公表した。それを見る
と、合同パトロールの実態はわが国をぐるりと周回しつつ、対潜水艦ミサ
イルの発射訓練や艦載ヘリの発着艦訓練などを行う紛うことなき軍事的示
威行動だった。

中露両軍は18日に津軽海峡を通過、19日、東北沖で対潜水艦ミサイルの発
射訓練を実施、20日には千葉県犬吠埼沖で日本領土に130キロまで接近し
た。21日、伊豆半島沖で艦載ヘリが発着艦した。22日、高知県沖を通過
し、大隅海峡を通って東シナ海に入った際も長崎県男女群島沖で中国軍の
ミサイル駆逐艦が艦載ヘリコプターの発着艦を行った。

中国人民解放軍(PLA)海軍からは駆逐艦「南昌」など5隻が、ロシア
の太平洋艦隊からは大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」など5隻が、ま
た両軍から艦載ヘリ6機などが参加した。彼らは日本周回に入る前の
14〜17日まで、ウラジオストク沖の日本海で合同軍事演習を実施した。ま
た中国軍と分かれたロシア軍は対馬海峡から日本海に入り北上を続けている。

米国に対抗し、日本に警告するために彼らは殊更、軍事力を誇示する。中
露が最初に大規模軍事訓練を行ったのは16年前の8月だった。ウラジオス
トク沖の日本海で戦後初の中露両軍による1万人規模の演習をしたのだ。
中国がロシアにもちかけて実現した同演習で最も注目されたのが、3日間
続いた山東半島での訓練だった。空爆を加えながら沿岸部から内陸部へと
兵力を投降下させていったが、それは明らかに山東半島を台湾に見立てた
上陸訓練だった。

日本を狙う精密誘導兵器

次に世界の耳目を集めた合同軍事演習は18年9月の「ボストーク2018」
だ。兵力30万、軍車輌3万6000台、航空機1000機、軍艦80隻の大規模演習
には中国軍の他、モンゴル軍も参加した。中国軍がロシアの国土で軍事演
習をしたこと自体、重要な変化ととらえられた。

また米国の軍事専門家、トマス・シュガート氏が明らかにしたように、中
国内陸部には、日本の嘉手納、横須賀、三沢の三基地を模したターゲット
が造られており、PLAはそこに向けてミサイルの実射試験を行ってい
る。横須賀に停泊中の艦艇、三沢や嘉手納のハンガーや駐機場まで再現さ
れており、ピンポイントで弾道ミサイルが撃ち込まれた跡がある。中国は
日本を狙って、精密誘導兵器で個々の艦や航空機まで殲滅する訓練をして
いるのである。

中国及びPLAの研究で知られる米戦略予算評価センター上席研究員のト
シ・ヨシハラ氏は、中国は大海軍国家への道を非常に賢く歩んできたと指
摘する。即ち、国際社会に疑われないように注意深く力をつけてきたとい
うのだ。

中国が海軍力に目を向けたのはケ小平の時代だ。ケは中国海軍の父と言わ
れる劉華清を重用し、息の長い戦略を継続してきた。今や世界第二の軍事
大国にのし上がった中国は、海上権力についての輝ける理論家、アルフ
レッド・セイヤー・マハンから大いに学んだ。

海上権力が帝国を支える最大の力であることを理論化したマハンは、ある
国がシーパワーとなるには二つの重要な要素、国民性と政府の性質が必要
だと説いた。中国はマハンの教えに基づき、艦船や潜水艦、戦闘機などを
大量に造りつつ、その一方で中国の国民を「海軍の冒険支持へと誘導する
ように、公然、猛然と努力してきた」とヨシハラ氏は書いている。

第二の毛沢東

06年12月、第10回海軍党代表大会で胡錦濤主席は「我が軍の歴史的使命を
新世紀へと引き継ぐための要求に応えられる強力な人民解放軍を構築」
し、「中国的特徴を持つ軍事問題の革命的要求に沿って、海軍構築の全面
的変革をもたらす」と宣言した。同路線は習近平主席に明確に引き継が
れ、更に強化された。国民に中国の在るべき姿は海洋大国だと教育すると
共に、中国は世界を主導すべき偉大なる国家だと教えこんでいる。

中国で国民に対する徹底した愛国主義教育が進行中なのは明らかだ。米国
や日本で見られる若手アイドルをもてはやす「軟弱な」文化を排除し、中
国共産党を唯一絶対の存在として尊敬し、従うよう14億の国民に価値観の
統一を求めている。この行きすぎた愛国教育は最悪の場合、国民を対外強
硬策へと走らせてしまいかねない。

ヨシハラ氏はPLAの軍事戦略、とりわけ海洋戦略は毛沢東の積極防御ド
クトリンから生まれたと指摘する。毛沢東は膨大な量の軍事著作を残した
が、それらはすべて攻撃的内容だ。敵に対して劣勢な場合に仕方なくとっ
た受動防衛戦術も「見せかけだけの防衛」で、それは反撃して攻撃に回る
ための防衛だと、ヨシハラ氏は分析する。

現代中国の海軍戦略家は毛沢東とマハンの論理を取り込んで、第1列島線
の西側の水域の支配権を米軍から奪い去るのを当然視する。第二の毛沢東
になろうとしている習近平氏の下で、中国がより攻撃的になることは、可
能性として十分あり得ると考えておかなければならない。そんな国際情勢
の下で、日本がいま、すべきことは最大限の国防努力である。自衛隊の解
消、その前に日米安保の廃棄、米軍を日本から排除すると綱領に定める無
責任な共産党になど政治は任せられない。共産党と組んだ立憲民主も信頼
できない。共産・立民に票を投じることは日本を危うくすることに他なら
ない。


           
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◆パチンコ業界と放置する日本
鈴木 傾城

生活保護でパチンコに行く人を責めるな。問題はギャンブル依存症を生む
パチンコ業界と放置する日本

パチンコという産業がギャンブル依存者を生み出して、生活保護費を吸い
上げているのであれば、これは「日本に必要なのか?」としっかり考える
必要がある。控えめに見てもパチンコ産業はギャンブル依存症を生み出す
元凶である。こうした業界を何とかするのは国の仕事だ。(『鈴木傾城の
「ダークネス」メルマガ編』)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。

もらった生活保護受給の金を握りしめてパチンコに走る姿
新著『どん底に落ちた養分たち』(刊:集広舎)の執筆のために、2020年
の後半はずっとパチンコ関連の取材をしていたのだが、そこで私は今もパ
チンコ依存者が大勢いるということを実感した。

大阪の西成は今や山谷を抜いて日本最大のドヤ街となっているのだが、こ
こでも相変わらず生活保護受給者が受給日になったら、もらった金を握り
しめてパチンコホールに走る姿があった。

働かないで金をもらった人間がギャンブルに金を注ぎ込む。その姿は異様だ。

「生活保護でパチンコ」という問題はずっと批判されながらも、実は今も
続いていることに問題の根深さを私は感じた。

「生活保護者はパチンコ禁止と法律で定められていないのだから別にいい
ではないか」と開き直る人もいる。しかし、法律で禁止されていないから
何をしてもいいというわけではない。

そういう光景を見ると、世間が「我々の税金はパチンコ狂いの人間たちを
ただ飯食わせて遊ばせるためにあるものじゃない」と怒るのは当然の話で
もある。

しかし、生活保護受給者のすべてがギャンブル狂なのかと言えば、まった
くそうではない。

働けない高齢者の家庭、身体障害を持った人、シングルマザーで働けない
母親など、本当に生活保護が命綱になっている人がたくさんいる。

彼らは生活保護を受けることによって、日本で餓死したり絶望の自殺に追
い込まれないで生きていける。それは日本国憲法第25条の「すべて国民
は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」で謳われた権利
なのである。これは奪ってはいけない。

責めるべきはパチンコ業界
誰でも病気にもなれば、怪我もすれば、子どもを抱えて生活に困ることも
ある。いろんな事情で貯金ができないこともある。金を失うこともある。
あるいは、何も持たないで歳を取ることもある。

つまり、誰でも弱者になる可能性がある。

現代社会はどんどん弱肉強食の資本主義に向かっており、富める者はます
ます富み、貧困層は持っているものまで奪われる時代になっている。今は
生活できても、人生は何が起きるか分からない。

仮に自分が一時的にでも弱者になったとき、生活保護というシステムがあ
れば救われる。極度に絶望しなくてもいい。一時的に不遇を囲うことに
なっても、立ち直る余地はある。これは、とても素晴らしいことである。

日本人は、弱者を生活保護で守っていることを誇るべきなのである。生活
保護は、もし万一、自分や家族が弱者になったとき、自分や家族を助けて
くれる国の制度なのだ。

だから、生活保護をパチンコに費やす人間がいるからと言って「生活保護
をなくせ」というのは、責めるべき方向性が違っている。

責めるべきは、パチンコ業界なのだ。

Next: 日本は異常。ギャンブル依存を生み出す娯楽施設が駅前に林立している


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◆欧州議会議員団が台湾入り

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月4日(木曜日)
通巻第7107号  

 欧州議会議員団が台湾入り。
  米国艦隊は南シナ海航行を増やし
  中国は東シナ海で実弾演習。台湾海峡の波、高し

 中国最大の国際関係研究シンクタンクはCICIR(中国現代國際関係
研究院)である。
http://www.cicir.ac.cn/NEW/index.html
 直近のペーパーでは、台湾海峡危機のおりに日米にくわえて韓国が加わ
る可能性が高いと警告レポートをだした。

 南シナ海では米国、英国、仏蘭西、そしてドイツの海軍艦船が出没し、
とくに米国艦隊は台湾海峡を幾度も通過したほか、毎月のように十数隻の
艦艇ならびに偵察機、艦載機、潜水艦の整合性をみせつける軍事訓練を繰
り返した。
 とくに顕著な変化は「実際の戦争を想定した訓練に変質している。従来
は、警告型のパレード的な、威圧感をしめす訓練内容だったから」と専門
家は見ているようだ。

 また11月2日、欧州議会の公式訪問団が台湾へ到着した。
 これは初めての公式訪問団で議員13名(うち弐名が女性議員)。グ
リュックスマン(フランス=対中強硬で知られる)を団長として、蘇貞昌
首相、蔡英文総統らを表敬し、意見を交換した。

親中路線のドイツが強い系協力を持つ欧州議会だが、基軸に「人権」「自
由」を大切な価値観として民主主義を守るため、中国のウイグルの弾圧を
「ジェノサイド」と決めつけた国が多い。

 公式代表団は「サイバー・セキュリティ」と「偽情報」というSNSに
おける情報の管理分析、偽情報への対応などに関しても台湾の議員らと協
議を重ねた。
     
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌の7097号の書評、矢野義招『核抑止の理論と歴史
──核の傘の信頼性を焦点に』(勉誠出版)について。
 半世紀前に比較し周辺国間の核戦力のバランスは一変し、米国の核の傘
は名実共に機能しなくなっております。
 国際社会は気候変動などという科学的根拠も怪しげな宣伝に惑わされ、
COP26でも脱炭素の目標値を競っているかのようです。その本質は、迫る
米中武力対決の足音を掻き消すためのグローバリストの国際的謀略であ
り、武漢ウイルスと同様に相手国やその友好国の経済と社会の弱体化を図
るための、武力対決の前の非武力戦の一環だと思います。
 日本は真正直に受けすぎて国力を消耗すべきではなく、核論議を進めて
自ら引き金を持つ核抑止力を保有すべきだと思います。韓国はSSBN保有に
動き台湾でも核保有論が出ており、米国内でも韓国については保有もやむ
なしと見る見解も出ています。
 日本は中朝が占領を目指す韓国、台湾よりも核攻撃目標になる可能性が
高いと、米国などの専門家は見ています。それにもかかわらず、日本には
シェルターもなく核論議すらタブーのままです。MDでは極超音速兵器は撃
墜できません。自ら核残存報復力を持つしか確実で効果的な抑止手段はな
いのです。
その最も有効な手段は日本の地政学的環境ではSSBNです。SSBNは5年間で3
千億円で建造配備できます。年間1.5兆円で4隻を運用できるでしょう。日
本には十分可能ですし、それで戦争の脅威も核恫喝に屈することもなくな
り、北東アジアは安定するのです。米国にとっても日本が核恫喝に屈して
西太平洋の覇権を失うよりも、日本のSSBN保有を認める方が、国益に適っ
ています。
 このような議論が国会や有識者の間で真剣に行われるべきです。核保有
こそ30万人の原爆の犠牲者を真に慰霊する道です。何よりも日本人の精神
的自立の証になり、日本人としての誇りも取り戻せます。(YY生)

  ♪
(読者の声2)貴誌通巻第7104号(読者の声2)で、再度「魏使日本
海経由説」を支持されるご意見を頂きました。確かに日本海沿岸部は縄文
時代から古代にかけて流通の最も盛んな地域で、表日本であったと思いま
す。     
しかし、240年と247年の二人の魏使は日本海沿岸部を旅行してはいません。
 半島南部の狗邪韓国(釜山付近)・対馬・壱岐・末盧国経由で伊都国
(三雲遺跡)までは確実に到着しています。その先の奴国(比恵・那珂遺
跡)・不弥国まで行っているか不明ですが、いずれも北部九州の範囲です。
更にそこから先の、南に水行二十日の投馬国へ、そしてさらに水行十日・
陸行一月という卑弥呼の居た邪馬台国には行ってはいないと断言できま
す。何故なら
ば、本来、里数で書くべきところが日数表記になっているのは倭人からの
伝聞だと分かるからです。「隋書」に、「倭人は里数を知らず、ただ計る
に日数を以ってす」とシナ人もビックリとの文章がありますから、里程を
日数で表記することはシナ人にとってあり得ないのです。ですから、魏使
は女王への貢物をチェックする役目の一大率が常駐するとされる伊都国ま
ででしょう。魏使は、ほとんど人には会わない女王の代りに政治を輔佐す
る男弟に面会したはずですが、恐らく伊都国に居た男王と思われます。
 弥生中期後半から後期前半(二世紀初頭)の奴国時代まで、奴国大王が
王族を伊都国王として配置し、外交・対外交易を管理させていました。三
雲遺跡番上地区から楽浪土器が出土しています。
華僑も出入りしていましたので、そこではシナ語が話され、硯や竹簡を入
れる赤漆塗円筒の一部も出土しています。福岡市の雀居遺跡からは木製の
組み机が出土していますから漢字を読み書きできる倭人が居ました。倭国
の中枢部は、従来考えられていたような文化的に遅れていたイメージでは
なかったのです。
 また宮崎先生から「魏志倭人伝は政治宣伝文書とみて差し支えないと思
われます。」とありましたが、全く同感で、そのように確信しています。
(帯方)郡より東南万二千里の海上に邪馬台国が在るとする、明かにデタ
ラメな邪馬台国への行程記事だけを研究者がどのように解釈しても万人が
納得できる結論は得られないとすでに証明されています。むしろ、このよ
うな行程記事がなぜ書かれたかを検討すれば、邪馬台国の位置論は解決に
向かいます。
 通巻第7105号(読者の声4)で高柴昭様が考古学的根拠から「邪馬
台国は福岡平野にあった」という説をご紹介されていますが、これは正し
い方向だと思います。しかし、奴国の在った福岡平野が邪馬台国であると
するには、魏志倭人伝に記載された径百余歩の円墳である「卑弥呼の墓」
が福岡平野で発見されていませんし、魏志倭人伝の「女王國東渡海千餘
里、復有國、皆倭種」に福岡平野が該当しません。もしも邪馬台国が福岡
平野であるならば、なぜデタラメな行程記事が書かれたのかなど、さらな
る検討が必要ではないでしょうか。
 文字に書かれたものがどこまで真実を述べているかは、考古学や民俗学
などの成果によって検証する必要があります。特に権力者が書かせた正史
は、権力者がその権力を維持するための政治的な理由で書かせますので、
権力者にとって不都合な事実は隠蔽されるか、改ざんされます。
 魏志倭人伝は、西晋の史官陳寿が西晋宣帝と諡された司馬懿の功績を称
揚するのが目的で、宮廷の書庫に残された魏使の報告書やその他の文献の
内容などを吟味して撰したものです。卑弥呼の朝貢を絶賛する詔書の全文
を引用していますし、司馬懿が朝廷での権力を握るために不都合な大月氏
の朝貢に絡む西域伝については意図的に削除していますので、このような
陳寿の偏向は明らかです。
 勿論、司馬懿の部下であった魏使の報告書の内容は、司馬懿の、倭国に
朝貢させた功績を、それまで曹魏第一等であった曹真の功績である大月氏
の朝貢を超えるものとする意図から書かれていますから、邪馬台国への行
程記事が大げさで、デタラメなものになったのだと分かります。
 それではどうやって邪馬台国を見つけるかですが、それには日本の古代
史を解明する必要があります。日本の現存する最古の歴史書と言われる
「古事記」も
正史「日本書紀」も、直ぐには答えをくれません。邪馬台国の卑弥呼やそ
の後の台与の記事が「日本書紀 神功皇后紀」の注に有るだけです。「日
本書紀」の編者は魏志倭人伝や西晋の起居注を読んでいますから、意図的
に史実を隠ぺいしたと分かります(「古事記」は九世紀の朝廷で「日本書
紀」を講義していた多人長(おおのひとなが)が突然表に出したもので
す。序文は人長が書いたものでしょう。本文は「日本書紀」の内容に沿い
つつ独自の話を出していますから、「日本書紀」が隠した史実を一部暴露
するものです)。
 「日本書紀」は壬申の乱を勝利した天武天皇が命じて編纂が始まりまし
たが、崩御の約三十年後の720年に、当時の権力者藤原不比等によって完
成されました。ですから、不比等が何をどのように隠したかは、不比等の
目的を読んで推理できます。
不比等は日本の建国で活躍した豪族を抑え、藤原氏だけが権力を維持でき
るように、天皇家さえも貶める内容にしています(大化の改新も虚構だと
分かって来ていますから、中大兄と藤原鎌足は朝廷に歯向かうテロリスト
だったようです。詳しくは拙ブログ「イデオロギーが古代史を歪曲す
る?」でどうぞ)。
 ですから藤原氏の悪行を誤魔化すこのようなものは天皇家の歴史書であ
るはずはありません。
国譲り神話は日本建国時代の争乱を神話化したものですが、藤原氏の遠祖
が活躍する神話などを創作しています。拙ブログ「邪馬台国大和説は過去
の学説
だよ!」に掲載しましたが、ヤマト王権は三世紀の初頭に纏向遺跡で始
まったこと、そして九州の倭国(邪馬台国)と対立した狗奴国だったこと
がわかってきました(狗奴国は旧奴国を狗コロの奴国とする蔑称でした。
魏に最初に朝貢した大夫難升米が名付けました。難升米は、二世紀初頭に
奴国王スサノヲを殺し、倭国王となった奴国宮廷楽師の師升の子孫の倭国
王です。司馬懿の策謀に加担して、卑弥呼を倭国女王とし、自らを政治を
輔佐する男弟としましたが、伊都国の男王です)。
 日本建国時代の二世紀末から三世紀後半までの戦乱の痕跡を、当時の鉄
鏃・銅鏃の出土状況から発見しました。これによって「日本書紀」で書か
れた崇神天皇紀の四道将軍や景行天皇の九州遠征、日本武尊の遠征などは
この時代の史実を基にした創作だったと分かりました。
よろしければ拙ブログ「鉄鏃・銅鏃の出土状況のデータ共有」
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/d/20210823
をご参照ください。基本的な考え方は「【刮目天の古代史】古代史を推理
する」に記載しました。長々と、失礼しました。 (刮目天)


(宮崎正弘のコメント)邪馬台国論争となると、燃える読者がいらっしゃ
いますね。たいへんユニークなご意見を承りました。往時、梅原猛が「稗
田阿礼は藤原不比等だった。年齢が同じだからだ」と、斯界の哄笑を誘っ
た言説をなしたものでした。中大兄皇子と藤原鎌足がテロリストなら、吉
田松陰も高杉晋作もテロリストとなります。まつりごとの本質はゲバルト
であり、歴史はともかく勝者の歴史です。
 なお邪馬台国論争はこの辺で打ち止めとしてください。

 ♪
(読者の声3)アフガンのドキュメンタリーに英国女性レポーターによる
ものがもう一本あります。
https://www.youtube.com/watch?v=7DitAWxzy6I
 太陽暦3月春分のノウルーズ(Nowruz,Nauruz etc)というイラン系の正
月祭りの時期、ポロの原型とされる騎馬で獲物を取り合う競技が大人気。
相撲はマワシというより紐ですがこちらも人気。
 宗教の聖地であるマザーリシャリーフではアフガン全土にテレビ中継さ
れる正月最大の行事が行われる。7分過ぎからの色とりどりの布と旗をつ
けた柱を建てる様子はイスラム教とは何の関係もないのは明白。何度か見
返していたら日本の神社と関係があるのではと閃いた。ネットで調べたら
幟(のぼり)立てという柱を建てる祭りが日本各地にある。東京では江戸川
区の浅間神社に幟祭りがあった。
https://www.youtube.com/watch?v=isCoLWvlH-U
もう一つは群馬県多野郡上野村の幟立てでどちらもアフガンとそっくり。
 https://www.youtube.com/watch?v=KObZcCJPzM8

 日本では神様は柱といい柱の先端の榊は神様の依代ですからアフガンの
正月祭りも元は神様を招くものだったのかもしれない。アフガンに限らず
トルコ領だったバルカン半島や北アフリカから中央アジアまで広がるノウ
ルーズは2010年に国連総会で国際デーとなり2016年には人類の無形文化遺
産の代表リストに登録されたという。
https://www.un.org/en/observances/international-nowruz-day

 ノウルーズでは火祭りのように火を飛び越える、あるいは火の上を歩く
など日本でもおなじみの行事が数多くある。不浄・穢を焼き払う、死から
再生への表れでしょうか。
日本ではワラビスタンなどと称される埼玉県川口市・蕨市周辺のクルド人
がノウルーズを祝っている。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/new-middle-east/kurds-newroz/
ドイツ語のサイトではアフガンの正月を紹介。
https://www.wz.de/nrw/duesseldorf/nauruz-so-wird-das-afghanische-fruehlingsfest-gefeiert_aid-37595951
 年末の大掃除から正月の特別料理と日本とよく似ている。さらに着飾っ
て墓地に行き、亡くなった親族を訪ねて祈りを捧げるというあたり日本の
盆と正月を一緒にしたようなものかもしれない。
 宗教は各国で現地化しますが日本の仏教は仏壇から先祖供養まで中国の
道教の影響を色濃く受けるのに対し、インドの影響が強いミャンマー仏教
では先祖供養はもとよりお墓すら作らないのが一般的という。
 神社の様式やお祭りの神輿に古代ユダヤの影響を指摘するものは数多く
ありますがゾロアスター教以前の中東・ペルシャの影響もかなり大きかっ
たのでしょう。
キリスト教系の英語サイトを見ていたらユダヤ人はエジプトやペルシャの
奴隷で旧約聖書は奴隷状態の身分を解放されるためにでっち上げたもの
だ、ヤハウェは創造主とは異なり堕天使・悪魔のたぐいだ、など宗教に深
入りするつもりはない身としては何も言えませんが、ユダヤの反キリスト
とキリスト教徒の反ユダヤで2千年も争っているのですから手に負えませ
んね。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声4)国家の指導者は、長期的な国益のために国を運営すべきだ
が、往往にして、短期的あるいは一部の企業などの利益のために政策を決
める。
その規模が小さいうちは、あまり被害はないが、それを繰り返すと、その
規模も増し、被害の規模も拡大する。具体的には2000年、2008年、そして
2020年と株式市場、住宅金融、そして武漢菌問題、で原因を潰すのではな
く、とりあえず「痛め止め」を施す。
その効果は抜群で、世界は正しく「過ちをしても怪我はしない」痛みもな
く、罰せられない、返って儲かる。だから過ちの規模が拡大し、被害額も
膨らむ。これは米国の現状だが、日本は過去30年先端を走り、イジゲン緩
和、ザイセイ出動、などの発明を世界に広めた。MMTは日本発である

 これを観察し改善し大規模化したのが支那の巨大不動産経済であるが、
遂に年貢の納め時が来た。
勇敢な習近平氏は、痛め止め無しの大外科手術をすることにした、らし
い。それは独裁者の特権で、民主主義の弱い政治屋には真似ることはでき
ない。(米国も日本も、そんな大政治家はいない。故に今回も「痛め止
め」で先送り、となる、だろうが、今回はその使い慣れた役に立った毒薬
の処方によって患者が死ぬことになる、だろう。)
 長い間過酷な労働で貯めた、親戚、友人、サラ金からかき集めた、資金
で買った不動産が消える。
金が全て、不動産投資を信じていた人民にとっては、受け入れられない。
習近平氏は怒り狂う全人民を、如何して説得して操るのだろうか。
さらに食の供給が途絶え、インフレが、頻繁な停電が、異常気候・寒波
が、天災が、武漢菌が、人民を襲う。人民解放軍でさえ叛旗を翻す、かも
しれない。今さらロシアに、国連に、米国に援助を求めても、助けてはく
れない。唯一残された解決法とは、不満・怒りを海外に向けて、逸らす。
単に戦争を初めても、一人息子は嫌がる。
 南京大虐殺記念館などで全ての生徒を洗脳してきた理由とは、日本侵
略、日本人殺略を正当化し、人民にかつての領土・不動産を分配。もちろ
ん、琉球、尖閣、そしてアイヌに味方して北海道を取り戻してやる。
難民を装った「日本人民を解放する」軍人・便衣兵が大量に船で毎日到着
する。直ちに国際条約、難民受け入れ規定に法って居座る。すでに国内情
報を把握する在日支那人と連携し、計画通りに無血、無暴力で、静かに、
しかし敏速に侵略、占領が進む。
 NHKや朝日は、人道的立場から人権を守り可哀想な難民を助けましょ
う、差別はいけません。親切にも、報道は2国語で行われる。(しかし、
その内容はかなり違う)体育館、公共の施設には難民が満杯。難民の違法
な行為、日本人に対する犯罪、被害は報道しない。自衛隊も警察も、過激
な右翼から難民を守り援助する。政治家も無口になる。やがて大きな貨物
船が来て、かつてのユダヤ人が貨物のように輸送されたように、毎日、毎
月、日本人が大人しく支那に送られていく。ロシアにも、行ったらしい。
 そして難民はタダで素敵な不動産を与えられ、綺麗な空気、水、素敵な
食べ物、安全安心な新天地・領土を取り戻した、習近平氏を讃える。毛沢
東以上の英雄となで苦しむ米国も、国連も何もしない、できない。
(在米のKM生)

(宮崎正弘のコメント)まさに悪夢のシナリオ。小松左京も吃驚ですね。

2021年11月05日

◆日本を守らぬ野党共闘

       【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】

自民党が想定外の勝利をおさめ、立憲民主党と日本共産党は想定外の大惨
敗を喫した。今回の衆院選を特徴づける右の2つの「想定外」は、日本が
直面する危機の本質をメディアや政治家よりも、国民の方が正確に理解し
ていたことを示している。

2つの野党の合体は単なる政権交代への道ではなく、自由と民主主義の政
治体制か、共産党の影響を強く受ける政治体制かの体制選択選挙そのもの
だった。また立民と共産の共闘は後述するように、日本国を安全にするも
のでも日本国民を幸せにするものでもない。そのことに国民の多くが気付
いたのではないか。

安倍晋三元首相、菅義偉前首相への非難に多くの時間を割いた立民・共産
両党の思惑の向こうに、共産党主導の政治体制が出現し得ることや、両党
の共闘に肩入れするメディア報道の偏向などを見てとった有権者は多かっ
たのではないか。

事前予想では、自民党は公示前の議席数を大幅に減らし、過半数の233
議席の確保が焦点だった。結果は261議席、絶対安定多数を得た。日本
維新の会は4倍近くの41議席、公明党の32議席を入れて334議席。共産
党と対立した3党が憲法改正に十分な数を得た。

他方、立民は大幅増を期待されたが、議席は14も減らして96だった。共産
党は得票850万票、得票率15%の目標を横に置いて「閣外協力」の名の
下に事実上の2党合体に踏み出したが失敗した。

国の形について大きく考えの異なる政党共闘にいかがわしさを国民が嫌う
のは当然だ。例えば焦眉の急の国防政策である。共産党は綱領で日米同盟
の「廃棄」をうたう。「アメリカ軍とその軍事基地を撤廃させる。対等平
等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」「いかなる軍事同盟にも参加せ
ず、非同盟諸国会議に参加する」とする。

日米安保条約を軍事的要素のない「友好条約」に置きかえ、自衛隊は「憲
法第9条の完全実施に向かって前進をはかる」。「陸海空軍その他の戦力
は保持しない。国家の交戦権は、これを認めない」が憲法9条2項である
から、自衛隊は解消することになる。これでどのようにして日本を守れる
のか。

皇室について共産党は「一人の個人が世襲で象徴となるという現制度は、
民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく」、天皇制(皇
室)の「存廃は、将来、醸成が熟したときに、国民の総意によって解決さ
れるべき」とする。共産党は皇室をなくすのであろう。他方、立民は日米
同盟、自衛隊、皇室については存続の立場だ。立民は国柄の根本に関して
これほど異なる共産党と連携した。一体どんな国をつくろうというのか。
この節操のなさが野党共闘の実態だ。

いま、国際社会は自由と民主主義の国々が、専制独裁の共産主義諸国と対
立する構図の中にある。相互に深く経済でつながりながらも、人間の自由
を厳しく制限し、各民族、各国の宗教、政治信条、言語、文化、歴史に非
寛容な中国などの専制独裁国家と私たちは相対峙(たいじ)している。

侵略を受けないために重要なのが安全保障の力だ。つい10日ほど前、中露
の海軍艦艇10隻が日本列島を周回した。中国版トマホークを積んだ最新鋭
の巡洋艦を投入した中国はこの演習を「より実践的で、対抗性が大幅に向
上した」と誇った。脅威は日々、目に見える形で増大している。

そうした中、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、「自由で開かれた
インド太平洋(FOIP)」日米豪印4カ国(クアッド)などに見られる
ように、日本が貢献していることは非常に多い。日本への国際社会の期待
度は高く、岸田政権の仕事は日本を強く勇気のある国にすることだ。その
ための応分の責任を果たせる法整備を進めることだ。

たとえば中国がアジアから米国を排除するためにこだわる第一列島線であ
る。第一列島線の島々は日本国の領土である南西諸島だ。日本は自国領で
ある島々で米国と協力し、豪印英仏独などとも協力して東シナ海、南シナ
海、台湾を守る態勢を構築できるのだ。わが国の安全のために、岸田首相
には自衛隊強化の公約実現が期待されている。

衆院選投開票日直前、岸田首相はインターネット番組「言論テレビ」に出
演し、「国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画(中期防)の
改定」の公約実行を強調した。

首相は改定の時期には言及しなかったが、来年冬までにこれら3つの戦略
を根本的に見直し、令和5年には防衛力強化に力強く踏み込むのが望まし
い。占拠で力強い支持を受けたのである。自信をもって公約をやり遂げる
ことが負託に応える道であろう。憲法改正についても岸田首相は多弁だった。

「国民との対話の中で、一票の格差、緊急事態、自衛隊の明記など改正の
意義を十分理解できると気づいていてくれる人々が多かったことを実感し
た。国民の世論形成と国会議員との議論、これを並行してやっていきたい」

憲法改正には固い決意と幅広い支持が必要だ。日本維新の会は力強い賛同
者であろう。自民、維新で公明党を巻き込むのだ。3党で全議員の3分の
2以上の議席を得たのは天命であろう。憲法改正実現こそ岸田首相の公約
で責務である。

産経新聞 令和3年11月2日 【櫻井よしこ 美しき勁(つよ)き国へ】

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

松本市 久保田 康文 採録


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◆雀庵の「常在戦場/106 「勝って兜の緒を締めよ!」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/386(2021/11/3/水】弘法も筆の誤り・・・11/1
産経(最終13版、1日午前0時50分現在記事)は「自民245、公明28、立民
78、共産10、維新34、国民6」と報じ、コラム産経抄では「自民はなぜ大
幅に議席を減らしたのか」と悲憤慷慨していたが、11/2では「自民261、
公明32、立民96、共産10、維新41、国民11」に大訂正。



「勝った」はずが「負けた」のなら大外れの大ショックだが、現実は「負
けた」はずが実は「勝った、大勝ちだ」になったのだから、まあ笑い話、
記者諸君もほっとしたろう。乾正人・論説委員長の以下の“釈明”も何やら
ウキウキしている。



<期日前投票も前回を下回り、投票率は史上最低を記録するのでは、と気
をもんでいたが、あに図らんや前回を上回った。



若い世代を中心に(夕方からの)駆け込み投票が目立ち、都内では行列の
できた投票所もあった。おかげで午後8時の投票締め切りと同時に(情
勢、結果を)発表するため、夕方で打ち切る場合の多い報道各社の出口調
査は大外れ。平均して自民党を約20議席低く見積もり、逆に立憲民主党を
過大視してしまった。(立民が)3桁を割るとは私も想定外で、まったく
面目ない>



小生が「隠れ革マル」と見ている立民・枝野一派とJR総連はどうするのだ
ろう。この際だから暴力革命を起こすか。これまた「隠れ革マル」臭い
「プレジデント」は11/1に「論破王ひろゆき『若い人が選挙に行っても政
治は変えられない』」と題して以下の記事を載せた。



<若い人に向けて「選挙に行けば政治を変えられる」とよびかける人がい
ますが、これはウソですね。日本は平均年齢が48歳の、高齢社会だからで
す。20歳から39歳までの日本人は、40歳以上の人の3分の1しかいないんです。



少数派の若者の全員が選挙に行っても、若者向けの政治が行われることは
ありません。若者が全員選挙に行ったって初めから勝てないこの仕組みこ
そ、政治が変えてほしい>



若者よ、蜂起せよ、勃起せよ、恋せよ乙女、子作りに励め、5人産めよ増
やせよ、ヂヂババが元気なうちに!と言えばいいものを。



少数派が体制変革する一番の近道は暴力革命だ。1960年代の新左翼運動を
繰り返す・・・そう言えばポリコレ病のアメリカもそんな雰囲気・・・歴
史は繰り返す、今度は喜劇だな。欧州の若者はシリアなど中近東でイスラ
ム過激派から軍事訓練を受けたらしいから、米国のアンティファの若者や
隠れ革マルの連中は中近東や中共へ行って首狩りの訓練を受けてはどう
か。もっとも欧州人のケースでは挫折して帰国しヒッキーになったのが多
いとか。



労組の「連合」は組合員700万人、昔の総評みたいなものか、革命を目指
しているようだ。日本労働組合総連合会事務局長・清水秀行「第49回衆議
院選挙結果についての談話」2021/11/1から。



<自民党と公明党が293議席を獲得し、絶対安定多数を許す結果となっ
た。第2次安倍政権発足以降、長らく続いた国会の勢力図が変わらず、二
大政党的体制の実現に至らなかったことは極めて残念である。



連合は、立憲民主党・国民民主党の議席の最大化をめざし、両党と政策協
定を締結して三者一丸となって選挙戦に臨んだ。国民民主党は健闘した一
方、野党第一党でもある立憲民主党は改選前の議席を割り込んだ。両党に
は、今回の選挙結果を受け止め、検証するとともに、働く者・生活者の立
場に立った政策の実現に向けて、両党間の連携・協力をさらに深化させて
いくことに期待する>



連合が組合員の待遇改善や賃上げを望みたいなら、普通の頭なら自民党を
支持するがなあ。自民党だって大票田の連合が支持してくれれば企業に
「内需を高めるためにも子作りを促すためにも給料を上げてくれ」と説得
するだろう。それとも連合の幹部は世界史上一件も成功したことのない共
産主義革命を望んでいるのか。



事務局長・清水秀行は日教組委員長だった。日教組の立役者の槙枝元文は
日教組委員長・総評議長を兼任し、「連合の基礎を創った」と言われてい
る。北朝鮮万歳のズブズブのアカで、日教組と朝鮮総連は今でもWinWinの
強い絆で結ばれている。



北朝鮮の朝鮮新報2021/11/2は枝野立民凋落への報復のつもりか、「“国定
教科書化でわい曲が促進”来年度導入の『歴史総合』 朝大・金竜進教授が
指摘」と難癖をつけている。



<いっそう加速する日本政治の右傾化、歴史修正主義により歴史教科書の
書き換えに歯止めがかからない。2022年度4月から高等学校に新科目「歴
史総合」が導入される。これは2018年に告示された「新学習指導要領」に
基づくもの。10月29日に行われた朝鮮大学校朝鮮問題研究センター朝鮮文
化研究室研究会で金竜進教授(文学歴史学部)は、日本政府よる国定教科
書化で教科書記述の歴史わい曲が進んでいると警鐘を鳴らした>



「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」などが「日本政府が朝鮮大学校
学生への20万円コロナ支援金を排除した」と9月に大騒ぎしたものの相手
にされなかったことへの報復も含まれているようだが、日本人をさんざ拉
致しながら「カネ寄越せ」だと・・・日教組のオツムも連合のオツムも北
朝鮮・金正恩と同じだろう。



労組からアカを叩き出さないとロクなことにならない。ボンサイ枝野は自
沈を装っただけ、各々方、中露朝韓&米の左巻きに油断召されるなかれ!
       

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◆タジキスタンに中国軍の秘密基地

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月1日(月曜日)
通巻第7103号   

 やっぱり噂は本当だった。タジキスタンに中国軍の秘密基地
  ロシアは、嘗ての軍事同盟国の問題になぜ沈黙しているのか?

 アフガニスタンから中国へ繋がる回廊(ワクハン回廊)がある。地図帳
を見ても、タジキスタンの南側、アフガニスタンに挟まれて、中国の新彊
ウィグル自治区へ直結している。この回廊がテロリスト潜入の道に化けると?

 中国はETIM(東トルキスタン独立運動)を敵視し、その摘発、活動
家の割り出しなどをアフガニスタンで、秘かに行い、さすがのアフタニス
タン政府も彼ら中国人スパイを追放した。
 米国は2020年11月に「ETIM」をテロリストのリストから削除
した。理由は「活動した形跡もなく、組織が存在しているかどうかも疑わ
しい」とした。
 つまり中国はETIMがテロリストだとしてウィグル自治区における弾
圧の合法性を得たと錯覚していたのだ。

 タジキスタンは嘗てロシアのアフガニスタン侵略の前線基地だった。い
まなお条約によりロシア軍基地は残存している。人口950万、ひとりあ
たりのGDPは3500ドル程度で中央アジアの最貧国ではあるが、ロシ
アとの距離を置き、中国のSCOに加盟している。

 ほかの旧ロシアの中央アジア諸国と異なるのは、紀元前からスキタイが
入り込み、さらにペルシャの遠征があり、近世にはチュルク系が入り込む
などして、言語はタジグ語(ペルシア語の方言に近い)。イランとの関係
が強いことでも知られる。

中国は前述のワクハン回廊から僅か12キロという場所に緊急展開部隊
(ロシア軍のSOBRに匹敵)の基地を建設している。(ワクラン回廊の
イシカシムという場所)。
 主要な執務ビル、兵舎、給水塔、コンピュータから家具まで中国から輸
入してまかなったが、タジキスタンのラフモンン大統領は、これらを免税
とした。引き換えに中国は相当量の武器を供与した。建設費用は850万
ドル。

 タジキスタンにとって最大の投資国は中国であり、一帯一路の目玉とし
てタジキスタンを横断するハイウェイのバイパスを建設している。ほかに
発電所、通信ネットワーク、金融システムの構築などに10億ドルを投
資、ハイウェイ建設だけでも2039万ドルをぶち込んだ(プラウダ英文
版、10月28日)。

 ロシアはこの問題に沈黙を続けているが、ホンネは、ややこしいタリバ
ンやらテロリストと中国が替わりに戦ってくれるのだから、じつは欣快と
しているらしい。
 プラウダが露骨に書いた。
 「ロシアは中国に死に往く機会を提供したのだ」と。
      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2292回】                    
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港174)
  
   △
 霊魂や冥界は当たり前のこと、霊魂となってでもこの世に蘇り、ついに
恨みを晴らすなど、社会主義社会からすれば荒唐無稽の極みであり、全く
認められる話ではない。だいいち非科学的に過ぎる。だから禁戯──という
ことになるはずだ。だが、毛沢東革命によって生じた多くの犠牲者の立場
に立てば、晴らせない恨みの持って行き場がない。

 たとえば「土地改革」によって土地財産を没収され惨殺された地主の遺
族である。頼るべき一家の大黒柱を殺されたばかりか、生きる術を失った。
挙げ句の果てに共産党政権成立後には人間扱いをされないままに生きるこ
とを強いられたのだ。叶うことなら毛沢東以下共産党幹部を嬲り殺しの目
に遭わせ、地獄の底に突き落とし、針の山で終わることのない塗炭の苦し
みを味合わせてやりたい。こう念じたとしても不思議でも何でもないだろう。

 だが、現実には復讐は無理だ。ならば、せめて舞台の上の絵空事の世
界であったにせよ、現実世界では出会えそうにない清官が現れて破邪顕正
のお裁きを下してくれるわけだから、心の中だけでも復讐を果たせる。僅
かばかりでも気分を晴らしたい。そう考えるに違いない。キッとそうだ。

 京劇(芝居)の効用の1つに「借古諷今(古を借りて今を諷する)」が
ある。目前の現実社会を「諷(あてこすり)」、「諷(いさめる)」こと
は容易ではない。時として権力からの危険が我が身に及びかねない。だ
が、これは昔々の話として「古を借り」たことにすれば、事を荒立てるこ
ともないだろう──というカラクリである。

 じつは建国当初は、国を挙げて「旧社会の迷信を社会から一掃する運
動」を展開していたわけだから、「善有善報、悪有悪報」「因果応報」な
どと言った封建道徳とテーマにした「奇冤報」の公演が許されるわけがない。

 だが邪推を逞しくするなら、「奇冤報」は「土地改革」を柱とする一連
の毛沢東革命の理不尽さを舞台から訴えていたのかもしれない。あるいは
「清官」を称えるが、じつは官僚組織によって支配されていた封建社会を
全面否定する共産党にとっては、官僚に清官も貪官もない。
すべてが打倒すべき対象だったわけだから、「奇冤報」は共産党政権に
とっては厄介千万な演目と言うことになる。だから禁戯を言明したに違い
ない。

 「奇冤報」もまた第六劇場では思う存分、繰り返して愉しませてもらい
ながら、民衆が「奇冤報」に託した共産党に対する抵抗・批判精神の一端
を推測することができたのだから、これまた感謝である。

 次は『水滸伝』を種本とする「翠屏山」(別名は「?家殺山」「殺嫂投
梁山」)だ。
梁山泊の英雄の1人で肉屋を営む楊雄の恋女房の潘巧雲は、じつは好色坊
主の裴如海とただならぬ仲。彼女と和尚の濡れ場を目にしたのが、楊雄に
とっては刎頸の友の石秀であった。秘密を知られた潘巧雲は色仕掛けで石
秀を誘い、口封じを目論んだものの、キッパリと撥ねつけられてしまう。
そこで一計を案じた潘巧雲は「石秀が言い寄って困る」と夫の楊雄に告げ
口。当然のように楊雄は石秀を疑い、漢(おとこ)の友情にヒビが入る。

 石秀は悩んだ末に裴如海を惨殺し、事の顛末を楊雄に打ち明けた。
 ここで芝居は山場へ。翠屏山の墓場となる。恋女房であればこそ、裏切
りは許されない。石秀の目の前で事の顛末を明らかにしようとする。だが
健気に振る舞う潘巧雲を前にしては、さっきまでの決心は鈍るばかり。

 楊雄の心の動揺を見透かすかのように、土壇場で潘巧雲は尻を捲った。
石秀を指さしながら、「ソイツかい。それともワタシかい。
いったい、どっちを選ぶんだい。ワタシが和尚といい仲になってシッポリ
濡れたのも、しょせんはアンタが甲斐性なしのデクノボーだからよ」と毒
づくばかり。それでも楊雄は決心がつかない。水滸伝の英雄も形無しだ。
    
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       ★
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今回の記事はアメリカにおけるナチスとユダヤの活動につ
いて。
神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 アメリカ(12-079)
【大阪朝日新聞 1934.4.30 (昭和9) アメリカとナチス NRAの影に潜む
社会不安】
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00515655&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

 まずNRA[National Recovery Administration] とは米国復興局。ニュー
ディール政策の一環として設けられた政府機関。1933年成立の産業復興法
の執行機関。以下、抜粋。

・さきごろ、ニューヨークで、ユダヤ系の米人が主催者となって、ドイツ
宰相ヒットラーを被告とする模擬公判を開き、マディスン広場に、二万の
大衆が集って、弁論審議の結果、アドルフ・ヒットラーを『文明の敵』と
して極刑に処すべきことを宣告したが、この弁論には、昨年まで大統領の
懐刀としてブレーン・トラストの牛耳をとっていたレイモンド・モーレー
やニューヨーク市長フィオレロ・ラガルディアのような名士も多数参加し
てドイツ宰相を論難した。

・ナチス宣伝部隊が初めてアメリカに入ったのは一九二六年のことである。
 彼等はドイツ系の米人を糾合していわゆる『細胞』をつくり、軍隊教練
を施し、アメリカ全国を東部、中部および西部の三区に分ち、組織的に宣
伝網を拡大した。最近には、十九の大都市に少なくとも六千人の党員を有
し、党費を徴し、宣伝費を募っている。彼等の集会はナチスの制服をつけ
たストーム・ツルーブはヒットラーのスツルム・アブタイルング(突撃隊)
に倣ったもので、謂わばナチスの神風隊である。
 ドイツ政府はこの宣伝に全く無関係なることを明言しているが、アメリ
カの識者はそうは見ていない。少くとも最近のアメリカの言論機関は、こ
の『ヒトレリズムの侵入』に対し、かなり神経をとがらしている。

・ルーズヴェルチズムには二つの方面がある。その一は景気回復案であっ
て、その二は社会改造案である。第一の景気回復策についても議論はある
が、これに対する非難は、思うたほどには効果が挙らないという非難で
あって、やらぬよりはよかったという意味においては、概ね与論が一致し
ている。労働争議は絶えないが、兎も角も賃金はあがり、失業者も減って
いる。物価もあがり、破産件数も減った。
 ただ第二の社会改造案については、国民は一体どこへつれて行かれるの
か解らないという疑惑をもっている。大統領身辺の人々が、ルーズヴェル
チズムはボルシェヴイズムでもない、ファシズムでもない、ナチスでもな
いと弁解すればするほど、それでは一体何だという懸念が濃厚になって来
る。ルーズヴェルト革命という言葉さえ行われている。それほど目標が茫
漠としているのだ。

・ルーズヴェルトの周囲には国務長官コーデル・ハルのような伝統的なデ
モクラツトも多いが、先日農務次官に補せられたレキスフォード・タグ
ウェルの
ような革新論者も少なくない。
ブレーン・トラストの人々は大抵この革新派に属する。尤もブレーン・ト
ラストのうちにも意見の相違はあって、絶えず集合離散が行われている
が、大統領はややもすればこの少壮革新派に引摺られようとする。そして
この不安がナチス排撃の心理に現われているように思われる。アメリカ人
はヒットラーのナチスに脅えているのではなくて、ルーズヴェルトの影に
潜むヒトレリズムを恐れているのではあるまいか。意見の相違によってブ
レーン・トラストから離れたモーレーがヒトレリズム排撃の音頭をとって
いることを思い合すと、一層この感を深くする。
 ユダヤによるヒトラーに対する模擬裁判と同様のものが日本では2000年
末に「国際女性戦犯法廷」という名でありました。判決は「天皇裕仁及び
日本国を、強姦及び性奴隷制度について、人道に対する罪で有罪」。表に
出てきたのは韓国の慰安婦団体に朝日新聞とNHKでしたがユダヤ系が背
後にいるのがまるわかり。
 世界のユダヤ団体による1933年のドイツ製品ボイコット運動はドイツに
対する宣戦布告に等しいとされドイツ国内でのユダヤ人迫害に拍車をかけ
た。さらに1938年にはユダヤの銀行家による秘密会合でドイツと連合する
国に対しても同様であるとされたという。
 国際金融資本を敵に回したイラクもリビアも潰された。中国がどう動く
のか、習近平体制が生き残れるのか興味は尽きません。
  (PB生、千葉)



  ♪
(読者の声2)「祖国とは国語」の著者、藤原正彦氏の両親は著名な作家
であり、数学者として国外で世界を知り、国語こそ国の根幹であると主張
される。この本が書かれたのは20年前になる。
当時「失われた10年」と言われていたが、今30年となった。植民地統治方
法として、現地の言葉を禁止し、よって文化、歴史、価値などを総合的に
破壊するが、これには一世代、20年で完結し、非可逆性である。言葉を
失った人民は、もはや国民ではあり得ない。しかも、現地人には知識も思
考も教育も与えない。考える人民とは、危険。ほんの一握りの現地人に
は、「管理の代理人」として飼育し雇う。表面的には、肌の色が同じ人民
が同じ人民を治めている。
 近年の日本の場合、同様な「国家存亡の危機」が2度あった。明治維
新、GHQ支配、いずれも「西欧の外圧」による、とされるが、いずれも現
地人の自主的な強い賛同によって運営、施工され、現在に至る。
そして、第三の外圧とは、グローバル化、という全世界を植民地化すると
いう計画が進んでいる。
かつては戦艦や兵器が使われたが、今回は「超限戦」と言われる言論、思
考、価値観、文化、政治を、穏便に執拗に操作する事で支配する。当然、
飴も鞭も使う。武漢菌兵器は鞭。飴は美味しい食べ物や映画、麻薬、金、
SNS、などなど。
 この戦争には自衛隊は主役にはなれない。出番が無いうちに終わってし
まうから。最大、最後の国防の武器とは、国語になる。その武器を製造、
管理するのが文科省、その配下の学校、大学、文化人、という悲惨な状態
にあるが、誰も何もしない。
明治の頃に始まる公立学校とは、その根本が植民地のそれと同じ、つまり
役に立つ雇用を大量生産。限られた必要な知識だけを与え、自分で考える
ことは禁止され、創造性は嫌われる。そんな操り人形からなる社会でこそ
オーム真理教が産まれ繁殖できた。
 GHQの親分、マッカーサー氏は当時「日本人は12歳」と公言したが、
今の日本人の言論、行動を見たら「6歳以下」と言われても文句が言えない。
宮崎氏の読者の声は例外で、YOUTUBEの論客に対するコメントを見ると、
かろうじて文字を覚えた幼児のような感想が「絵文字」でつずられる。そ
んな高尚な話に興味がない女の子は、大人の真似をして、援助交際で飴玉
をしゃぶる。三島氏は、早くサヨナラして正解だった、と永遠の純粋な文
学の世界を楽しまれておられるのだろう。
  国家の本質とは、国語と知識。そのいずれも急速に失っているが、そ
れを止めることもしていない。これは、国防上の大問題。その最大の原因
は、教育と
報道、つまり文科省とNHK。GHQは7年かけて、日本を根本的に変え、しか
も信頼の置ける後継者を養成し、今だにGHQの管理運営方針を世襲的に
守っている。つまり、非日本・弱日本化が推進されている。支那や朝鮮
は、GHQの後釜として空いた席に入った。NHK本部に支那国営放送が公然と
同居している。いつでも、時が来れば、習近平氏の顔が現れ全国緊急命令
が放送される準備だろう。NHKは早速、素晴らしい支那の「真相はこう
だ」報道を毎日、命令されなくとも、行い洗脳する、だろう。文科省は小
学生の検定教科書を全て北京語で表記するよう、勧告する。
 かつての植民地政策はひとたび統治されると数百年維持された。多くの
被害国は物理的には今だに存在するが、国も国語はすでに消滅し、遺跡と
し歴史文書にのみ残った。
 日本破壊の犯人、文科省とNHKをとりあえず、直ちに「ぶっ壊す」。最
大の敵は国内にあり、その気になれば、簡単に壊すことが出来る。(しか
し、それを理解し行動できる国民がすでに消えてしまっている、らしい。)
(在米のKM生)



  ♪
(読者の声3)貴誌通巻第7099号(読者の声1)に纏向遺跡が邪馬台
国の有力候補地とされる記事がありました。また先日、産経新聞にも邪馬
台国纏向説の論説が見られました(2021/10/27 08:00 小畑三秋氏)。
しかし昨年「考古学から見た邪馬台国大和説 畿内ではありえぬ邪馬台
国」(梓書院)という書籍を、長年、橿原考古学研究所の所員として纒向
遺跡の発掘・調査に携わってきた専門家の関川尚功氏が出しています。
その前から九州説の研究者らが大和説への説得力ある反論を出しており、
現在は九州説が有力です。すでに大和説は学術的に過去のものとなってい
ます。しかし、NHKもそうですが、マスメディアがこれを正しく伝えない
ので、多くの読者・視聴者が誤解したままです。これについて先程、詳し
い記事をアップしましたので、よろしければ拙ブログへお越しください。
よろしくお願い致します。
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10
(刮目天)

2021年11月03日

◆立民・共産一体化の危険を見逃すな

              櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第972回

10月31日の衆議院議員選挙を立憲民主党などは「政権選択選挙」だと言
う。自民党幹事長の甘利明氏は「自由民主主義の政権と、共産主義が初め
て入る政権のどちらを選ぶのかということだ」と言う。自由民主主義か共
産主義かの「体制選択選挙」だというのだ。どう見ても甘利氏の主張が正
しいだろう。

日本共産党は立憲民主党の政権が誕生した暁には、部分的とはいえ「閣外
協力」で政権に加わる条件で選挙協力を進めている。成功すれば、日本の
政治史上初めて、共産党の政権参加が実現する。彼らの言う閣外協力とは
何か。10月15日、「言論テレビ」で、自民党政調会長の高市早苗氏が説明
した。

「前回選挙の時、共産党は凄い運動量でした。今回立憲民主党は共産党の
運動員を無料で貸してもらう、票ももらう。となると、実際に政策を実行
する段階では、言い分を聞かないわけにはいかなくなります。段々、一体
化していく。閣外協力は内閣の中に大臣を入れないけれども、様々な国会
での採決などでは同じ行動を取るということですから、事実上、立法府の
中で一体化した勢力になるということです」

立憲と共産党が事実上一体化する今回の選挙協力は、立憲が共産党に呑み
込まれる第一歩となるのではないか。それはかつて共産党が社会党に仕掛
けた戦術を見れば明らかだ。『日本における人民民主主義の展望』という
小冊子で伊藤律が、社会党を乗っ取る「社共合同論」を書いている。また
共産党は社会党内に工作員を送り込み社会党を食い荒らしていた(『こん
なに怖い日本共産党の野望』梅澤昇平、展転社)。

現在、立憲と共産党は289小選挙区のうち220で候補者を一本化した。共産
党は比例区で850万票以上、15%以上の獲得を目標としてきた。今回、そ
れらを横に置いて背水の陣を敷いた。2018年、志位和夫委員長は「本気の
共闘、やろうじゃないですか」と語ったが、共産党は今回の選挙に賭けた
のだ。

皇室をなくしてしまう

事実上一体化するにしては立憲、共産両党は大事な政策で全く合致してい
ない。たとえば国防政策だ。共産党綱領には、日米安保条約の「廃棄」が
はっきり謳われている。「アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等
平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」「いかなる軍事同盟にも参加
せず、非同盟諸国会議に参加する」とある。

日米安保条約を廃棄し、軍事的要素のない「友好条約」に日米関係を落と
し込むのであるから、当然、日本の安全保障政策は大混乱に陥る。

さらに自衛隊について共産党は「憲法第9条の完全実施に向かっての前進
をはかる」と綱領に明記している。

憲法9条第2項は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦
権は、これを認めない」というものだ。文字どおりに受けとめれば自衛隊
は解消ということになるだろう。9条の完全実施を謳うことで自衛隊はな
くすと言っているのだ。

折しも中国が極超音速ミサイルの地球周回に成功し、攻撃目標は外したけ
れども、南極圏から米国を攻撃する道筋をつけたとの報道が世界を駆け
巡った。中国が果てしない軍拡を実施する中で、わが国は憲法9条に縛ら
れたまま、日米同盟に依存し続けざるを得ない。米国との協力があって初
めて国土、国民を守り得ているが、共産党は日米同盟を切り捨て、自衛隊
をなくして、如何にして日本国民と日本国を守るのか。

日米安保廃棄という極論は、いまは主張しないと共産党は言う。自衛隊の
解消もいまは主張しないと共産党は言う。共産党の綱領を立憲民主党に履
行せよとは、要求しないとも強調する。しかし、そんな言葉は彼らが綱領
を変えない限り信ずることはできない。共産党の本音は共産党が十分力を
つけて政権を取ったときには、党綱領の実現に邁進するというものだろ
う。いまは単にまだその時期ではないということだ。

日本共産党と中国共産党は双子のようだと思う。中国共産党は米国にも日
本にも、決して敵対勢力にはならないと言ってきた。「韜光養晦」政策で
世界を騙してきた。騙されていることに気づかず、日米をはじめ西側世界
は中国を信用し、世界貿易機関(WTO)をはじめ国際社会の枠組みに招
き入れた。だが、台頭した中国は正体を現し、今では力による世界の現状
変更を試みている。

もう一点、忘れてはならない共産党綱領の恐ろしい定めがある。皇室につ
いてである。共産党は、日本の長い歴史における幾百世代の日本人の気持
ちに反することを綱領に明記している。彼らは皇室を天皇制と呼んでこう
言うのだ。

「一人の個人が世襲で象徴となるという現制度は、民主主義および人間の
平等の原則と両立するものではな」く、天皇制の「存廃は、将来、情勢が
熟したときに、国民の総意によって解決されるべき」、と。これは共産党
が政権を取ったときには皇室をなくしてしまうということだろう。

破壊活動防止法の調査対象

共産党には「敵の出方論」という考え方がある。前出の尚美学園大学名誉
教授である梅澤氏が語った。

「政権を取るには暴力革命を起こすか、議会で政権を獲得するか、その選
択は敵の出方次第だという考え方です。戦後ずっと共産党を率いてきた宮
本顕治氏は、1958年1月4日のアカハタで『敵の出方論の具体策はレーニン
も述べているように文書に書くものでない』と言っています」

共産党は手の内を見せないで活動してきたのだ。しかし、今年、志位委員
長は「敵の出方論」を否定しだした。再び梅澤氏が語る。

「であるなら、宮本・不破(哲三)路線は間違いだったと国民に謝罪すべ
きです。現在、共産党が右翼団体や過激派同様、破壊活動防止法の調査対
象になっているのは、共産党が『敵の出方論』を捨てていないという公安
調査庁の判断があるからです。共産党はこの壁を崩そうと必死です」

立憲民主党を軸とする共産党との事実上の連立政権が誕生するとき、私た
ちは共産党の暗い影の部分をよりはっきりと目にするだろう。たとえば共
産党は、ジェノサイドについて世界から非難されている中国共産党と絶縁
していないと梅澤氏は指摘する。日中の共産党は66年に毛沢東と宮本顕治
が激しく争って断絶したが、98年に関係を回復した。あの中国共産党と党
としての関係を有する政党は、日本では共産党だけと言える。また、言論
の自由を謳いながら、民主集中制の下で事実上、言論の自由を封じてい
る。「敵の出方論」と暴力革命の関係について共産党はどういう立場なの
か。疑問は尽きない。共産党の闇は深い。10月31日、一人一人よく考えて
投票すべきだと思う。


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◆雀庵の「常在戦場/104「文明の衝突世界は開戦前夜」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/384(2021/10/31/日】1か月に1回警戒視察、2か
月に1回は掃討戦・・・油断大敵、安全保障は大変である。今朝は夜明け
とともに我が家の排水パイプ大掃除作戦を実行した。



夕べは数年前に急性期精神科閉鎖病棟の病床で読んだ「ラバウル」(現在
は第204海軍航空隊編集「ラバウル空戦記 (戦記文庫) 」の小生の“読書日
記”を読みながら眠りについたので、今朝は戦意が高揚していたのだ。♪い
ざ征け (ゆけ) つわもの日本男児! インド頑張れ、ブータン踏ん張れ、
中共に負けるな!



常在戦場とは思うけれど、今はいつ熱戦になってもおかしくない「危機の
局面」になってきた。一寸先は吉か凶か・・・不安な怖い時代だ。
Sputnik 日本2021/10/27「ロシア軍と中国軍の艦艇は日本の沖合で何をし
ていたのか?」から。

《ロシアと中国の海軍艦隊が戦略的に重要な津軽海峡と大隅海峡を初めて
合同で通過し、日本列島をほぼ半周した。その後、ロシア艦艇は対馬海峡
を通ってウラジオストクへと進路をとった。両国海軍のこの異常な動きを
どう理解すべきなのだろうか。



この急襲は海軍合同演習「海上連携2021」の修了後に行われたものであ
る。演習の第1段階では、ロシア太平洋艦隊の掃海艇が両国の艦艇を日本
海の訓練海域まで掃海先導した。第2段階では、艦艇群が展開され、それ
らが戦術合同訓練を行った。その後、参加艦艇は掃海訓練、仮想敵の潜水
艦を探知・ブロックする訓練、射撃訓練などを実施した。



ロシア側の参加艦艇は大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コル
ベット2隻、基地掃海艇2隻、877型潜水艦、ロケット艇、救助用タグボー
ト、中国側は、052型駆逐艦2隻、コルベット2隻、ディーゼル潜水艦1隻、
補給艦、救助艇である。艦艇のほか、ロシア太平洋艦隊海軍航空隊と人民
解放軍海軍の航空機およびヘリコプター12機が演習に参加した。



その後、10月17日から23日にかけて、水上艦艇群(ロケット艇とタグボー
トは除く)に大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」とミサイル追跡艦
「マーシャル・クリロフ」が加わり、ヘリコプター6機とあわせて、西太
平洋で1700海里以上にわたる共同パトロールを実施した。



まさにこの段階で、ロシア太平洋艦隊の艦船が、ウラジオストクの基地か
ら太平洋に至る最短ルートである戦略的海峡を通過したのである。



岸信夫防衛大臣は火曜日(10/19)の記者会見で、このように大規模かつ
長期間にわたる行動は初めてだと語った。日本の茂木敏充外務大臣は、中
露艦艇による同時航行について、日本政府は外交ルートを通じてモスクワ
と北京に懸念を表明したと述べた。



発表されたパトロールの任務は、ロシアと中国の国旗掲揚、アジア太平洋
地域の平和と安定の維持、両国の経済活動の対象や輸送回廊の警護である。



しかし、日本近海の外にも目を向けるべきだ。例えば、中露の合同演習
「ザーパド・連携2021」が初めて中国国内で実施された。また、合同演習
「平和ミッション2021」では、人民解放軍の陸軍部隊がオレンブルク地方
(南ウラル)の訓練実施地域に初めて鉄道で移動した。

一昨年には、ロシアと中国が日本海上空で初めて共同で戦略パトロールを
実施した。



ミサイル防衛の共同演習はすでに珍しいものではなくなっており、2018年
にはプーチン大統領が、ロシアは中国の早期警戒システム開発を支援して
いると発言した。これらはすべて、中露が軍事分野で関係を深めている大
きな流れの一コマである。



しかし、西側諸国がインド太平洋で行っていることに比べれば、かなり控
えめな印象を受ける。ロシア大統領府のウェブサイトに掲載されたCNBCの
インタビューの中で、プーチン大統領は次のように述べている。



「米英豪のブロック(AUKUS)を含め、何らかのブロックを作ることは、
当然、地域の安定性を損ないます。なぜなら、お互いに仲良くすることは
良いことですが、誰かに対抗するために仲良くすることは悪いことだと思
うからです。これは、私たちが常々言及し、気にかけている安定性を損な
うものです」



一方、イギリスの空母「クイーン・エリザベス」とその随伴艦は、10月初
旬にシンガポール軍と、戦闘機F-35BとF-16による模擬戦闘行動を含む演
習を実施した。アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲルキース」(*)を
日本の沖縄沖に配備し、アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事力を大
幅に強化した。



日米豪印戦略対話(QUAD)のメンバーである4か国は、毎年実施している
合同訓練マラバールの第2フェーズを10月11日〜14日に実施した。第1
フェーズは8月に実施した。



インド洋のベンガル湾で行われた訓練には、日本のヘリコプター搭載護衛
艦「かが」と護衛艦「むらさめ」、インドのミサイル駆逐艦「ランヴィ
ジャイ」とフリゲート「サツプラ」、オーストラリアのフリゲート「バラ
ラット」と補給艦「シリウス」、そして米海軍の空母「カール・ビンソ
ン」を中心とする空母打撃群が参加した。



アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲルキース」を日本の沖縄沖に配備
し、アジア太平洋地域における米国の軍事力を大幅に強化した。そうでな
くても、日本には世界最大の4万7000人の米軍兵士が駐留している。



どうやら、これらの行動に対応する必要性が、ロシアでも中国でも明確に
なったようだ。しかし、この場合、中露艦艇による日本沖でのデモンスト
レーション・パトロールは、AUKUSとQUADの枠内でこうした活動を提唱し
た張本人、すなわちアメリカに向けられたものということになる。日本は
渦中にありながら、明らかに傍観者の役回りだ。



中国のマスコミはこの中露共同パトロールを中露の軍事協力の大きな変化
の始まりと見なした。複数の専門家が、次のステップはインド太平洋海域
での定期的なパトロールの実施であり、最終目的は同海域で空と海の共同
覇権を確立することだと考えている。もちろん、これは大胆な予測ではあ
るが、この地域の軍事的緊張が高まることは目に見えている》



*)NHK2021/10/10『米海軍の基地がある長崎県の佐世保港の沿岸で10日午
後、停泊していた「ミゲルキース」は、米海軍が世界で3隻保有する「遠
征洋上基地」と呼ばれる艦船で、全長はおよそ240m、ヘリコプターが発
着できる航空基地の機能を持ち、軍事作戦の後方支援を担う。今年5月に
就役したばかりで、米海軍は今月7日の声明で「自由で開かれたインド太
平洋地域のために横須賀を拠点とする米第7艦隊に初めて派遣し作戦能力
の向上を図っている」としていて、海洋進出を強める中国を念頭に置いた
対応とみられている』

・・・・・・・・・・

この記事を書いたロシア人ジャーナリストはアンドレイ・イルヤシェン
コ。経歴は「1958年生まれ。モスクワ国際関係大学卒。RIAノーボスチの
日本特派員として11年勤務。政治学博士」。



WIKIによると、2013年12月、プーチンは「RIAノーボスチ通信」とラジオ
局「ロシアの声」を廃止し、新たに国際情報局「ロシアの今日」を開設す
る大統領令に署名したとあり、要はイルヤシェンコもSputnikも「御用メ
ディア」「プーチンの口舌、クチパク」である。「ロシアにはまともな
ジャーナリズムはまずない」と頭に入れておかないと騙されるぜ、同志諸
君。中露は油断も隙もありゃしない。まあ、プーチン=ロシアの言い分は
分かった。



インド・アジア太平洋での作用と反作用・・・安定・平和ではなく緊張・
対立に向かっていることは確かだ。火元と言うか放火したのは習近平・中
共である。ロシアとともに孤立を恐れて連帯を深めている。更なら包囲網
で“ダーティペア”を自壊させるべし。ビジョンタイムス2021/10/28「日
米、南シナ海で合同軍事演習」から。



<米軍は25日、米海軍の空母「カール・ヴィンソン」打撃群と日本海上自
衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「かが」が、南シナ海で合同軍事演習を
行ったと発表した。これは最近、中国とロシアの軍艦が近日、日本の津軽
海峡を共同で通過したことに対する日米の対応であるという分析もある。



米海軍は25日、今回の合同軍事演習の声明を発表した。「日米軍が南シナ
海で展開する合同軍事演習には、飛行作戦、水上艦艇と空軍が連携した戦
術訓練、海上での給油活動、海上打撃訓練などがある」



海上自衛隊第3護衛隊群司令官の池内出海将補は、日米には共通の基本的
な価値観と戦略的利益がある。今回の訓練は「我々の団結」と「自由で開
かれたインド太平洋」を実現する強い意志を示したものであると表明した。



デル・トロ米海軍長官は記者に対して、米国は国際秩序に従わないロシア
や中国の行動を徹底的に抑止する必要があると述べた。「彼らが他国をい
じめ、侵略者になることを許さない」>



舌戦、罵倒、威嚇の応酬、これが続くのはいい方で、そのうち黙る、静か
になる・・・実はこれが怖い、開戦間近の兆候なのだ。敵を油断させ、準
備万端整えた方が一気呵成に電撃戦を開始する、その前夜である。



真珠湾攻撃の大本営陸海軍部発表の第一報を聞いた青年は寮に駆け戻って
こう言った。「おい、戦争が始まったぞ!」「えっ!?、どことどこ
が?」・・・小生の父は当時、近衛兵だったが「大変なことになっ
た!」、ビックリしたと言っていた。開戦はそれほどに極秘で準備される
から、国民はまさに青天のヘキレキだ。罠を仕掛けたFDRルーズベルトと
側近だけが「ついにやった・・・」と心の底から安堵したのだ。



外なる敵と内なる国民を欺き、天才的な罠を仕掛ける能力のある狡猾で冷
酷で善人を装う奴が率いる大国が勝つ。プーチンはその才があるが警戒さ
れ過ぎているのが難、我らの習近平は・・・どうも・・・ルーマニアの
チャウシェスク、イラクのフセインみたいな最期・・・になるか、ならぬ
か、それは習自身が決めることだな。



中国国防総省「日本は軍事安全保障の分野で慎重に行動すべき」2021/10
/28から。



<10月28日午後、国防総省は定例記者会見を開き、国防総省情報局副局長
と国防総省報道官のタン・ケフィが記者団に答えた。



記者:岸田文雄首相は最近のインタビューで、国家安全保障戦略の見直し
や、敵のミサイル基地に対する先制攻撃能力の開発などについて協議する
計画に言及したと報じられた。 今月初め、海上自衛隊は準空母「出雲」
でF-35B戦闘機の離着陸試験を実施した。 中国側からのコメントは?



タン・ケフィ:アジアの近隣諸国や国際社会は、歴史的・実際的な理由か
ら、日本の軍事安全保障動向を非常に懸念している。 日本側は、いわゆ
る「外的脅威」を誇示し、自らの軍事力の拡大を求め、日本の「専守防
衛」の約束に反し、それは大きな誤りであり危険である。 我々は日本に
対し、侵略の歴史を真剣に反省し、歴史の教訓を真剣に学び、軍事安全保
障の分野で慎重に行動し、地域の平和と発展を促進する上でより多くのこ
とを行うよう要請する>



時事2021/10/29「中国の破壊行為注視 米協会所長が就任後初の会見 台
湾」から。



<米国在台協会(≒大使館)のサンドラ・オウドカーク所長(≒大使)は29
日、台北で記者会見し、「インド太平洋地域の安全、台湾海峡の平和と安
定は米国の利益と合致する」と強調した。その上で「中国が台湾海峡の安
定を破壊する行為を続けていることを注視している」と述べ、台湾周辺で
軍事的な威嚇活動を活発化させている中国を牽制した。



オウドカーク氏が記者会見するのは、7月に就任して以降、初めて。同氏
は台湾関係法などに基づき、「米国は台湾が十分な防衛能力を維持できる
ようサポートする」と説明した>



第2次世界大戦の勝者は米国だけだという。英仏蘭ソなどは勝ち組と言う
ことになっているが、戦後もしばらくは食うだけで精一杯だった。日独伊
は負け組だが、「大国による植民地経営一掃」という世界史的な歴史的事
件の火付け役をしたのは日本である。日本による大東亜戦争がなければ恐
らく今でも植民地の人々は宗主国に収奪され続けたままだろう。日本は戦
争に負けたが、植民地の独立戦争では勝った、と世界史に記される時代は
間もなく来るだろう。



日本に「自由民主人権法治」の価値観が根付いたのは1970年代末だろう。
新左翼はほぼ壊滅し、小生の見立てでは唯一生き残った革マル派は表向き
は立民に脱皮したが、相変わらず共産主義独裁国家を目指していると思
う。革マルが乗っ取った「JR総連」は今日投票の衆院選で候補者65人を推
薦しているが、全て立民である。



世界的に見れば「自由民主人権法治」の価値観を「是」とする有力国はG7
を含めて20か国あるかないかではないか。ハンチントンの言う「文明の衝
突」で、世界は大きく分断しつつある。戦争により世界覇権を目指す習近
平・中共を、日米欧などは有志諸国と共に孤立化させ、自壊へ導くこと
は、最優先の喫緊の課題である。



━━━━━━━━━━━


◆中国・ロシア国境の黒河
「宮崎正弘の国際情勢解題」
 
令和三年(2021)10月30日(土曜日)
通巻第7100号   <前日発行> 

 中国・ロシア国境の黒河、甘粛省の蘭州など、いきなり都市封鎖
  デルタ株感染者が数名、突然のロックダウンは過剰予防か、それとも?

 日本では武漢肺炎(新型コロナ)の災禍が恰も終息したような雰囲気が
あるが、まもなく第六波がやって来そうだ。イヤ、確実に第六波はくる。
 モスクワは一部地域にロックダウン、外出禁止となっている。他方で、
ツアーブームが再燃している。ロシア政府は、10月29日から11月7
日までを「非労働週間」とし、勤務先へ行くな、自宅からダーチャへ行っ
て外出を控えろというキャンペーンを始めた。
 中国でロシアと国境を接する黒河が都市封鎖を決定した(10月28
日)。黒河は、目の前がロシアで、夥しいロシアからの観光客がある。

 WHOによればデルタ株の93%が英国であり、しかも既にデルタ株は
世界43ヶ国で感染が見られるとしている。
 英国ではチャールズ皇太子の感染が確認され自主隔離。スペインではマ
リア・テレサ王女が死亡した。
 いずれもデルタ株による感染と言われる。

 問題は中国である。
 コロナを退治したと大見得を切っていたが、十月中旬に東北部で感染拡
大、内蒙古省では黒河封鎖前にも州都のフフホトなどが都市封鎖となった。
 10月26日、甘粛省蘭州では六人の感染が伝わり、400万都市であ
る蘭州が都市封鎖という厳格な措置が取られた。
 デルタ株への過剰反応、それとも国家安全保障上の訓練なのか?

 北京では僅か四人の感染が出たが、北京五輪の外国人客はお断りとな
り、北京マラソンは延期と決まった。
 公表された数字では中国における10月17日から26日までの感染者
は198人である。因みに日本は規制緩和に動き、居酒屋も久しぶりに再
開された。このところ、一日の感染は東京が30人以下となった。しかし
中国の感染者は、その日本より圧倒的に少ないのである。
 何かおかしくないか?
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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BLM資金管理団体に中国「華人進歩会」が資金援助
FBIとCIAはトランプとは反対の情報活動をしていた
  ♪
馬渕睦夫『馬渕睦夫が読み解く2022年 世界の真実』(ワック)
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 コロナ・パンデミックは秩序破壊の罠である、といきなり凄いパンチ。
 巧妙にBLMなどにかたちを替えて文化破壊を進める極左は世界同時的
に陰謀を進めており、究極的には第三次世界大戦を引き起こす。
 共産主義とポリティカル・コレクトネスという「ふたつの幽霊」に私た
ちは勝たなければならないというのが本書の骨子だ。
 東京五輪の共通コンセプトは「ダイバーシティ&インクルージョン」
だった。これが
「多様性と調和」と誤訳された。後者は調和を意味しない。
 元凶はオバマである。2011年8月に大統領命令13583号を発布
し、連邦政府組織全般に批判的人種論に基づいた人種多様性理論の教育を
義務づけた。この大統領令のなかに「ダイバーシティ&インクルージョ
ン」なる語彙が遣われていたのである。
 全米の教育現場での混乱は、教員組合とPTAの先鋭的な激突、すでに
社会問題化している。極端な例が『白人原罪論』の登場である。
本質を馬渕氏は衝く。
 「共産主義革命家たちは人種差別をなくそうとしているわけでも、また
LGBTの権利を擁護しようと考えているわけでもありません。現在の文
化秩序を破壊するために、彼らを被害者に仕立て上げて革命に利用してい
るだけです」
 米国家情報長官のジョン・ラトクリフが『2020年の大統領選挙に中
国が干渉した』とする報告書を出した。
 しかし中国の選挙干渉を唱えるには強いプレッシャーが存在している。
CIAもFBIも、容共であり、ことにFBIはトランプに敵対し、
CIAはトランプに逆らった。つまり「アメリカで『全体主義革命』が事
実上成就したと言っても決して過言ではない」と馬渕氏は言うのだ。
 トランプ大統領ならびに閣僚や補佐官を、かれらは冤罪をでっち上げて
引きづり降ろし、トランプ路線を徹底して邪魔した。
 アメリカを暴力的に破壊する先頭を走るのがBLMである。
テレビの洗脳報道で、もの凄い金額が、このBLMに寄付されていた。伝
統的な黒人団体を憤慨させているとも言う。
 BLM創設のアリシア・ガルザとパトリッセ・カラーズはともにマルク
ス主義者だと公言している黒人女性だが、このBLMの運動目標とは
(1)キリスト教精神に基づく家族制度を破壊する。(2)警察跡刑務所
を廃止する。(3)トランスジェンダー社会を称賛し、一般的な異性愛を
軽視する。(4)資本主義社会を廃止する等となっている。
 そして、このBLM資金管理団体の「ブラック・フューチャー・ラボ」
に中国系の華人進歩会が資金援助を行っているのである。
 アメリカの解体と分裂は、想像以上に深刻である。

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜     日本
の歴史は世界一素晴らしいのに気がつかないのか なぁ
  日本は女性を敬う愛の国。男女同権は古来からの日本の美徳ではないか
  
  ♪
孫向文『中国人の僕が日本に帰化した理由』(ワック)
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 漫画家の孫向文氏は、ぺーソスに溢れ、のびのびとした画風で、社会の
矛盾を衝く。とりわけ面妖な左派の言い分の誤謬を、大人しい画風で諭す
ように描く。
 その彼が日本に帰化した。これは大事件だが、あまりに簡単に帰化でき
るという日本社会の矛盾を同時に問題視する。『日本の帰化制度は甘すぎ
る』と。
 地位や財産より純愛を尊ぶ日本人に来たばかりの作者は驚いたそうな。
 ともかく本書は、中国にいたときからアニメで日本に親しみ、日本文化
と歴史に興味を深めてゆくうちに、中国で受けた洗脳教育の凄まじさに改
めて気がつく過程も描かれている。
 だがなによりも、本書で印象的なのは、アニメ、映画論を基軸に日本の
文化の歪み、とりわけアニメにおける左派歴史観の偏向ぶりを取り上げて
いる。
 あたらしく日本に帰化した若者らしい視点だ。
 黒澤明の『七人のサムライ』は左翼に利用された。手塚治虫の『火の
鳥』も同様に左派が利用したか、さもなくば社会風潮が左派優位で、そう
いう方向にねじ曲げざるを得なかったと時代背景の分析もわすれない。観
察眼は鋭い。
 典型の悪例が映画『泥棒家族』であると指摘している。ムラカミハルキ
も左翼の奢りがあると辛辣である。
 日本の文化に憧れて日本にきてみると、日本に住む日本人がじつは日本
文化を破壊し、日本歴史を歪めている事実に仰天する。
そして孫さんはこう言う。
手塚治虫の傑作『火の鳥』太陽篇では「仏教の仏たちは大陸からの侵略者
として、日本神道の神々は日本を守ろうとする土着神として描写され、そ
れを大友王子と大海兄王子の戦い『壬申の乱』を重ね合わせた物語が描か
れています。手塚治虫は古代日本の神話は史実に基づいていると考えてい
た、と僕は推測しています」(99p)
手塚同作品「黎明篇」でも、「邪馬台国の女王ヒミコと天照大神が同一視
されあており、ヒミコが岩戸に閉じこもったことによって太陽が隠れたと
いう天の岩戸伝説が再現され、(中略)高千穂峰に天下ったとされるニニ
ギノミコトが実在の人物として登場します」 
このような自由な創作空間が、近年の日本でもポリティカル・コレクトネ
スとかの左翼運動によって激しく規制され、表現の自由が失われている実
態を、次のように捉える。 
「非営利団体や人権は弁護士たちが、差別撤廃の名の下に、多くの表現規
制を主張していています。彼らは、事件を『捏造』して『自称被害者』を
誕生させ、裁判所に訴えることにより、結果的に大きな利益を得ます。僕
は、彼らの活動は、自分たちの利益のために日本作品の魅力を奪って、世
界における日本の存在感を低下させる『反日行為』としか思えない」
(172p)
 サブカルチャーの視点から、みずみずしい文章で、且つ重大な問題点を
提議したのが本書である。
           
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 ‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)現在、日本経済新聞に連載中の安部龍太郎「ふりさけみれ
ば」ですが、最初は浪漫の薫りのする、すがすがしい導入で、阿倍仲麻
呂、吉備真備らの唐における活躍や、遣唐使の実情が描かれていて、おお
いに古代史の浪漫の復権と期待したのですが、このところ、まことに変です。
まさに敗北史観で、藤原京は、中国の建築思想と異なるので、唐王朝から
廃都を命じられたとか、日本書紀は、唐の検閲があったとか、まるで滅茶
苦茶。古代史にも詳しい宮崎先生は、どうご覧になっていますか。(HG
生、水戸)


(宮崎正弘のコメント)「古事記は老婆の昔話」とか、「律令は唐からの
命令だった」とか、まるでGHQ命令が教科書を書き換えたような叙述ぶ
りで、驚いています。ちなみに藤原京は天武天皇と持統天皇が歳月かけて
新都を建設したのですが、土地の凹凸があり、しかも水はけが悪く、これ
では首都機能が成り立たないと分かって、平城京へ遷都したのです。しか
し、その前に副都として難波宮も建築しています。いずれ詳しく読んで、
俎上に載せたいと思います。

   ♪
(読者の声2)継体天皇(正確には「大王」、当時は「天皇」という呼称
はなかった)については、前天皇(大王)からかなり血縁の離れた遠縁の
傍系王族から、しかもかなりの高齢(58歳と言われる)での即位であった
ことから、女系天皇是非論において、しはしば議論の材料とされてきました。
これは「あれほど遠縁であるにもかかわらず選ばれた」ということ、この
ことは逆に「男系血族でなければ天皇になれない」という原則を確固たる
ものとしたという歴史的意義からでしょう。
 この継体天皇(大王)の即位は6世紀前半であり、卑弥呼の在世は3世紀
前半のことです。この間に起きた、共立する「女王」から世襲する「男
王」への転換、男系王統の創出の経緯については、十分な考究を要するで
しょう。天照大神、卑弥呼などが女性であるのにその後、男系世襲が定め
となった由縁を、歴史的に、政治思想的に解明せずして、女系・女性天皇
論を論じられるわけがないではありませんか。
 邪馬台国問題については、「国家の生まれ方は、国家のその後を強く規
定する」こと、「1910年に白鳥庫吉と内藤湖南の間で開始された邪馬台国
論争が、実は日本ナショナリズムのあり方、あるいは日露戦後の日本の進
路をめぐる二人の東洋史学者による、まさに現代思想上の論争であった」
(小路田泰直『邪馬台国と「鉄の道」』2011年)からこそ、重要なので
しょう。
    (椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)継体天皇については三ヶ月前の『正論』で書きま
したので、ここでは繰り返しませんが、11月10日発売の拙著『葬られ
た古代王朝 高志国と継体天皇』(宝島社新書)で掘り下げました。

2021年10月27日

◆バイデンの対中政策に異変あり

櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第971回

米国の対中政策が変化している。「中国とは強い立場」から交渉すると
言ってきたバイデン米大統領が、必ずしもその強さを維持できていない。
日本にとっては切実な問題である。岸田新政権はこの米中関係の変化を見
てとり、全ての面で日本の地力を強める手立てを急がなければならない。

振り返れば、ブリンケン国務長官は上院での指名承認公聴会で、中国によ
るウイグル人の扱いを「ジェノサイド」と認めた。その厳しい対中姿勢は
3月18日、アラスカにおける米中会談での楊潔篪国務委員との烈しいやり
とりにつながった。

ブリンケン氏の中国に対する姿勢の厳しさは、バイデン氏の対中姿勢と一
致しているはずだ。現にアラスカ会談のひと月前、2月10日に行われた米
中首脳電話会談でも、バイデン氏の強気は明らかだった。

米中首脳の初の電話会談は2時間も続いた。双方が発表した情報から、習
近平氏が「両国関係の改善」を熱望し、米中協力の必要性を訴えることに
時間を割いたことが見てとれる。

習氏が特に強調したのが米中対話の枠組み再構築だった。バイデン政権が
人権問題などで強く出てくることは織り込み済みだ。中国は状況が不利な
時は時間稼ぎをする。それがハイレベル対話の再開であろう。意思疎通の
機会を増やすことで、リスクを管理しやすい状況を作る思惑があったと考
えるべきだ。

一方、バイデン氏は、習氏の求める「対話」や「協力」とは距離を置く姿
勢をとり、中国が中国封じ込めの枠組みと見て強く反発している「自由で
開かれたインド太平洋」戦略の維持が政権の優先事項だと明言した。香
港、台湾に対する中国の圧政に関しても、米国の「根本的な懸念」を伝え
ている。

中国側は米中関係について、「協力」や「対話」という言葉を両首脳の発
言として強調したが、米側は「関与」というより控え目な表現にとどまっ
ており、中国の方が米中関係の維持に前のめりだった。

こうした中、4月14日、バイデン氏が重要演説をした。9月までにアフガニ
スタンから撤退、軍事力を中東からアジアに移し、中国の脅威に対処する
方針を明確に語った。そのために、日本を含む同盟諸国の協力拡大を求めた。

2日後の16日に、バイデン氏は就任以来初めての対面首脳会談にわが国の
菅義偉首相(当時)を招いた。米国の要請に応える形で菅氏は、自衛隊を
強化し、日米同盟をさらなる高みに引き上げ、日米間の協力で抑止力を強
化すると語った。国土、文化など主権に関わることについては絶対に譲歩
しないとも語った。これらすべては中国を念頭にした発言で、日本政府は
ルビコン河を渡ったと評価されたゆえんである。

だが、バイデン氏のアフガン撤退作戦はこれ以上ない程、拙劣だった。7
月2日、アフガン全土を監視できるバグラム空軍基地を捨てて、米軍は文
字どおり夜陰にまぎれて撤退した。タリバンは勢いづき、一気に全土制圧
に向かった。

負の効果

丁度この頃、米国務副長官のシャーマン氏が中国の天津を訪れ、王毅国務
委員兼外相と会談した。王毅氏は高圧的とも言える対応に終始し、中国側
はファーウェイ副会長、孟晩舟氏の釈放を含む対米要求事項の数々を長い
リストにして渡した。

米軍のアフガン敗走は、明らかに米国の威信を傷つけ、その負の効果は中
国による米国への侮りとなって外交交渉に影を落としている。9月1日、
ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が天津を訪れた。相手は
ベテランの解振華氏である。ケリー氏はCO2を削減しなければ地球が滅
びるとでも考えているような人物だ。米中関係には多くの懸案事項がある
が、それらに関わりなく、「世界2大CO2排出国は純粋に協力しなければ
ならないと、中国に懇願した」(9月2日、ウォール・ストリート・ジャー
ナル紙)。

CO2のことなどほとんど気にしていないのが中国の本音であろう。彼ら
にとってケリー氏のような環境問題が全てだと思い込んでいる人物はカモ
である。CO2削減に協力するか否かで条件闘争ができるからだ。予想ど
おり、中国側は気候変動問題のみを特別扱いにはできない、中米関係全体
の中で考える、と冷たく言い放った。このとき中国側は米国に提出済みの
「二つのリスト」に回答せよと求めたという。

二つのリストとは、1米国が必ずやめなければならない誤った言行のリス
ト、2中国が重大な関心を持つ重点個別案件のリストである。

前者は、中国共産党員およびその家族のビザ制限、中国の指導者・政府高
官・政府部門への制裁、中国人留学生へのビザ制限、中国企業や孔子学院
への圧力などについてだ。先述の孟晩舟氏の引き渡し要求も入っている。
後者は、中国人留学生の訪米ビザ申請の拒絶などを解除すること等だ。

「貿易戦争で米国に勝利した」

国際社会で米国への信頼が揺らぐ中、9月9日、バイデン氏は習近平氏と2
度目の電話会談に臨んだ。中国側は「米国側の求めに応じて」会談したと
報じた。会談に応じてやったと言わんばかりだ。

WSJ紙によると、約90分の会談で、習氏はもっぱら米国批判に終始した
が、2大国は共に働けるとの楽観的見通しも示した。同紙はバイデン氏は
特別の目的を定めて会談に臨んだわけではないが、中国からの輸入品に対
する懲罰的関税の削除を交渉してほしいと、米国経済界が圧力をかけてい
ると報じた。バイデン氏の国内政治における立場は苦しく、氏は中国が要
求した二つのリストを丸呑みしたと、批判されている。

現に、孟晩舟氏は9月24日に解放された。ファーウェイは中国政府とは無
縁の民間企業だという主張だったが、孟氏は中国共産党のシンボルカラー
である真っ赤なドレスで深圳の空港に舞い降りた。テレビ局は帰国の模様
を生中継し、人民日報は「中国は貿易戦争で米国に勝利した」と狂喜の社
説を掲げた。

バイデン政権発足10か月目にして、米中関係は変わりつつある。10月4
日、米通商代表部のキャサリン・タイ代表が「米中貿易関係の新戦略」に
触れ、翌5日にはシンクタンクでの講演でこう語っている。

「米中の経済切り離し(ディカップリング)は非現実的だ。より建設的な
リカップリングが必要だ」

8日、タイ氏は劉鶴副首相とリモートで話し、両者は、米中貿易はより強
化されるべきだと合意した。年内に米中首脳会談がリモートで行われるこ
とも発表された。

米中の動きを時系列で辿れば、バイデン政権が徐々に後退しているのが明
らかだ。中国の無法やジェノサイドは許さない、という米国の気概が失わ
れつつある。日本よ、岸田首相よ、しっかりしなければ国を守れないぞ。

     


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◆米は中国の攻撃から台湾を守る
北野幸伯


バイデンが歴史的発言の衝撃度

先日掲載の「追い詰められた習近平。米英豪のAUKUS設立で世界に広がる
中国包囲網」等の記事でもお伝えしているとおり、各国の中国に対する姿
勢が厳しさを増している中にあって、バイデン大統領の住民対話集会での
「台湾防衛宣言」とも言うべき発言が大きな注目を集めています。今回の
無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナ
リストの北野幸伯さんが、その発言の「歴史的意義」を解説。さらに現役
米国大統領がたった一言で世界をより平和にし、「バランスオブパワー」
を回復させたと絶賛しています。


バイデンの【歴史的】発言、「アメリカは中国の攻撃から台湾を守る!」
の効果は?
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロは、歴史の転換点でした。このこ
とは、みんな知っています。

しかし、世界には、「あまり知られていない転換点」もあります。たとえ
ば、2003年3月20日。イラク戦争がはじまった日です。アメリカは、「フ
セインは大量破壊兵器を保有している」「アルカイダを支援している」と
いうウソの理由でイラク戦争をはじめた。国連安保理の承認を得ず。私は
当時、「これがアメリカ没落の原因になる」と書きましたが、実際そうな
りました。


表歴史では、06年の「米不動産バブル崩壊」、07年の「サブプライム問題
顕在化」、08年の「リーマンショック」で「100年に1度の大不況」がはじ
まり、「アメリカは没落した」ことになっています。

しかし、裏歴史では、ドイツ、フランス、ロシア、中国を中心とする「多
極主義陣営」と呼ばれる勢力が、ドル基軸通貨体制を攻撃することで、ア
メリカを没落させたのです「多極主義陣営」はイラク戦争に反対していま
した。


2012年11月14日、中国がロシアと韓国に「反日統一共同戦線」創設をよび
かける
2015年3月「AIIB事件」
イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イス
ラエル、韓国などいわゆる親米諸国がアメリカを裏切り、中国主導AIIBへ
の参加を決める。アメリカはこれで、中国を「最大の脅威」と認識2018年
10月4日、ペンス演説から「米中覇権戦争」がはじまる

などなど、普通の人たちがあまり「歴史的」と自覚していない「歴史的で
きごと」もあります。そんな「歴史的できごと」が、また起こりました。
なんでしょうか? 
台湾有事の際、アメリカは、中国から台湾を守る宣言
バイデン大統領が、「台湾が中国に攻撃されたら、アメリカは台湾を防衛
する」と宣言したのです。ブルームバーグ、10月22日を見てみましょう。


バイデン米大統領は21日、米国には台湾を守るコミットメントがあり、台
湾が中国から攻撃を受けた場合には米国は防衛に向かうと表明した。

もう少し詳しく。

バイデン大統領はCNNがメリーランド州ボルティモアで開いたタウンホー
ル集会で、「中国は米国が世界最強の軍を有することを知っている」と述
べ、懸念するのは中国が深刻な間違いを犯しかねない活動に従事している
ことだと付け加えた。


中国が台湾を攻撃しようとした場合、台湾防衛に向かうのかと強く問われ
た大統領は、「イエスだ。われわれにはそうするコミットメントがある」
と明言した。

私はこの発言を【歴史的だ】と考えています。なぜでしょうか?アメリカ
はこれまで「台湾有事の際、アメリカが中国から台湾を守る」と宣言した
ことがなかったからです

アメリカは1970年代、ソ連に対抗するため、中国と事実上の同盟関係にな
る選択をしました。1979年、アメリカは台湾と断交し、中国と国交を正常
化させた。アメリカは以後、中国が台湾に侵攻した際どう動くのか、はっ
きりした態度を示さなかったのです。もし「守る」といえば、米中関係は
悪化し「対ソ連同盟」が機能しなくなるでしょう


1991年末、ソ連は崩壊しました。だから、米中関係は「対ソ連同盟」では
なくなった。しかし、1993年から米中関係は、「金儲け同盟」に転化。ア
メリカを牛耳る「国際金融資本」は、世界一の人口を持ち、なおかつ極貧
の中国を育てることで、「大儲けできる」と考えた。そして、実際彼らは
大儲けしたのです。

では、70年代末から現在に至るまで、なぜ「台湾を守らない」と断言しな
かったのでしょうか?そうなると、中国は安心して台湾に侵攻し、武力に
よって強制併合を成し遂げるでしょう。アメリカは、地政学的に重要な位
置にある「民主主義国家」台湾を、完全に捨てることもできなかったので
す。それで「あいまい戦略」でこれまで来た。

ところがバイデンは、この「あいまい戦略」を捨て去り、台湾有事の際、
「アメリカは中国から台湾を守る」と宣言した。だから【歴史的】です。

この宣言の効果は?
バイデン歴史的宣言の効果は、どうでしょうか?

台湾にとって、非常に大きな抑止力になることは間違いありません。中国
は、1970年代に入ってから尖閣の領有権を主張しはじめました。そして、
2010年から「尖閣は固有の領土で核心的利益だ」と宣言しています。しか
し、11年経っても、尖閣に侵攻していません。なぜでしょうか?唯一の理
由は、「米軍が怖いから」です。

バイデン政権の高官は、しばしば「尖閣は日米安保の適用範囲だ」といい
ます。この言葉が、「抑止力」になっている。習近平は、「尖閣に侵攻し
ようかな」と考えます。「海上保安庁、海上自衛隊はなんとかなりそう
だ」と考える。しかし、唯一の懸念材料は、米軍の動向です。米軍が出て
きたら負ける可能性が高い。そこで彼は、側近に問います。「尖閣に侵攻
したら、米軍は動くかな?」側近は、「バイデンもブリンケンもオース
ティンもサリバンも、『尖閣は日米安保の適用範囲」と明言しています。
動く可能性が高いでしょう」と答えるでしょうそれで習近平は、「では、
やめておこう」となる。

今回、バイデンは、「台湾を中国から守る」と宣言した。この歴史的宣言
によって、習近平は、台湾に侵攻する決断を下すのが難しくなるでしょう。



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◆バイデン、対中輸出規制を大幅に緩和

令和三年(2021)10月23日(土曜日)弐
通巻第7091号  

バイデン、対中輸出規制を大幅に緩和
  またも中国へハイテク輸出を連続して許可

 米国のメーカーが中国の輸出に際して、商務省がブラックリストに掲載
した相手先には逐一の許可が必要だった。
 トランプ前政権が中国を締め上げるための政治的な措置だったが、バイ
デン政権になって、この許可件数は鰻登りとなり、法は大きなザルのよう
な「抜け穴」だったことが判明した。

 米国の半導体企業などに米商務省はファーウェイ向け輸出案件で申請の
あった113件の輸出許可を与え、610億ドルのビジネスを展開してい
た。(2020年11月〜2021年4月速報)。
 SMIC向けには188件、420億ドル(同)。

 しかもファーウェイは米国グーグルと組んで、海外でHONOR50シ
リーズの生産を海外で行うと発表している。

 9月24日にファーウェイの副社長兼CFOの孟晩舟がカナダから釈放
となり、深センに凱旋帰国した。バイデンはトランプ政権の「引き渡し」
を忘れたかのように、「これはカナダの司法の独立である」として一切の
追加措置を講じなかった。背景に米国実業界の親中派の商行為があったこ
とになる。

 実際には米国司法省が、カナダの頭越しに中国との司法取引に応じ、ま
たカナダは中国で人質となっていたカナダ国籍の二人の釈放との交換とい
う条件に応じた。つまり中国の人質外交が成功したことになる。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  サイバー戦
争の究極の目標は相手の脳幹の造り替えだ
  ロシアと中国のサイバー工作の実態と、その効果ならびに未来 

  ♪
佐々木孝博『近未来戦の核心 サイバー戦』(育鵬社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 著者の佐々木氏は元ロシア駐在武官、海将補。サイバー戦争の専門家で
ある。
 ロシアにはハッカー攻撃部隊が幾つかあるが、その「証跡(攻撃に遣わ
れたIPアドレスなどの帰属、プログラムに遣われた言語、攻撃の行われ
た時刻帯、過去の同種の攻撃行動との比較など)から分析すると、
GRU、FSB、SVRと関係が深いとみられる組織が対外的な任務を
担っている」(135p)
 代表例が五つ。
 IRA(インターネットリサーチエージェンシー)
 APT28(ファンシー・ベア)
 APT29(COZY・ベア)
 ベノモウス・ベア
 ブードオ・ベア
 なかでもIRAは常時3〜400名の24時間態勢。「偽のアカウント
を取得するため、実在の米国市民の社会保障番号などを用いてなりすまし
を行い,PAYPALに口座をひらき、フェイスブックに政治広告を掲載
していた」。
2016年の主戦場は、ヒラリー攻撃だった。
 APT8と29はファイブアイズの命名分類であり、ほかの二つの組織
も、宇宙航空、科学技術など極めて特殊な知識をもちエネルギーなど重要
なインフラを狙う。
 しかもロシアは中国の「超限戦」を深く研究しているという。
 トランプの「ロシアゲート事件」なるものは民主党がでっち上げた「事
件」だ。実際にはロシアが「ボランティア」のハッカー部隊を組織 し
て、ヒラリー陣営に不利となるフェイクニュースを流していた。
 ロシアの情報機関はヒラリーの落選を企図していたらしい。そうした活
動をトランプ陣営は知らなかった。ただしロシアの代理人が複数回、トラ
ンプ陣営の幹部に接触していた事実はある。
いずれにしても、あれほど力瘤を入れたロシアゲート捜査だったが、何ひ
とつ証拠が挙がらず、トランプ弾劾は成立しなかった。其れはそうだろ
う、民主党と左翼メディアが仕組んだでっち上げだったのだから。
以前にも書いたが、ロシア政治の暗黒部分を仕切る「戦争請負業」(ロシ
ア版ブラックウォーター)の最高幹部はプーチンのお友達、ロシアが展開
するハイブリッド戦争とは、中国の展開する「超限戦」である。
 プーチンがハイブリッド戦争を世界戦略の基軸においた動機は、ロシア
の軍事的劣勢を認識したからである。
ロシアはたしかに核大国だが、アメリカの核戦力と比較すれば、嘗ての優
位は崩れた。あまつさえ宇宙空間では中国が優位に立った。
「火種がなければ火をおこせない」状況に陥ったロシアは諸外国の政治に
経済支援や軍事援助などの露骨な介入ができず、影響力の行使もままなら
ず、しかし選挙や政府への抗議行動がおきた国では、ハイブリッド戦争を
仕掛けてロシア の対外能力を発揮する。
ロシアに戦争請負会社は20社近くあり、アフリカ各地へ数百名単位で派
遣されている。あの絶体絶命に追い込まれたベネズエラのマドロゥ体制
が、その後も独裁を維持できているのはロシアの支援である。
 げんにウクライナで米国が仕掛けた民主化の東進を防いだ。
 シリア内戦ではアサド体制維持で勝利した。ジョージアの対露戦争で
勝った。ドイツやチェコにもサイバー攻撃を仕掛けて、かなりの成果をあ
げた。なにしろNATOの結束に亀裂を入れ、マクロン仏大統領は欧州軍
の設立を言い出すまでに欧米関係が信頼を損ねる状況を造りだしたから。
 本書も参考文献にあげている廣瀬陽子『ハ イブリッド戦争 ──ロシア
の新しい国家戦略』(講談社現代新書)は、ハイブリッド戦争を定義して
こう言う。
「政治的目的を達成するために軍事敵脅迫とそれ以外のさまざまな手段、
つまり、正規戦、非正規戦が組み合わされた戦争 の手法である。いわゆ
る軍事的な先頭に加え、政治、経済、外交、プロパガンダを含む情報、心
理戦などのツールの他、テロ や犯罪行為なども公式、非公式に組み合わ
されて展開される。ハイブリッド戦争は、2013年11月の抗議行動に
端を発するウクライナ危機でロシアが行使したものとして注目されるよう
になった」
ロシアの新思考が軍事戦略に適用された。
 「新しい戦争の形態や方法を再考すべきであり、21世紀の戦争ルール
は大幅に変更される。とりわけ非軍事敵手段は、特定の場合には軍事力行
使と比較してはるかに有効であること」(ゲラシモフ・ドクトリン)。
 ロシアと中国はお互いがサイバー攻撃を仕掛けないと約束したのも、西
側へのサイバー攻撃と謀略に忙しく、「仲間同士」で、エネルギー をす
り減らすようなことはやめようというわけである。
ただし筆者はロジャーズ前サイバー軍司令官と対談した際にこう言われた
という。
「中国の影響工作の目標・ツールは、ロシアと異なる。中国は自国の評
価、プレゼンス、立ち位置を高めようとしている。一方、ロシアは自国の
ことはさておき、相手国の国力を貶めるため、相手国の社会情勢の不安定
化、分断、民主主義の信頼度の崩壊選挙の民主プロセスの崩壊などを企図
している。また政治指導者の意思決定をロシアにとって有利な状況に導く
という『認知領域』での戦いをおこなっている」(210p)
 とどのつまり、ロシア、中国が狙うのは認知領域における戦争である。
 偽情報を大量に流し、陽動などの情報をリークし、情報を操作して世論
を動かす。
 すなわち「影響工作の主眼は、これらの手法を使って人間の脳内をコン
トロールすることである」(185p)。
 もっとも深刻な、ほとんど無防備なのが日本である。
世界で一番サイバー攻撃に脆弱な国、なにしろ国民に国防意識が希薄なう
え、国防予算は微々たる額、自主防衛が不可能な、 主権を半ば放棄した
かたちの日本が、サイバー攻撃を防衛するにはどうすればよいのか。
        
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)仮想・暗号通貨、その5 ビットコインの政治性
 もう遥かな昔、2019年7月に当時(実は今も)米国大統領・トランプ氏
がシェルトン氏(Judy Shelton)を連邦銀行FRSの理事に推薦した。この
人選は極めて異例で重要だったが、米国でも日本でもほとんど無視された。
氏は近年稀に見る「金本位制通貨」の積極的な支持者。更に昔、1999年ご
ろ、シリコン・ヴァレー、I T起業家には珍しい虎さん支持者であるピー
ター・ティール氏(Peter Thiel)が既に、仮想・暗号通貨などの開発状
況、その利点、なぜ必要か、という演説をしている。
  米国の政治政党は主に2つ、3番目はリベテリアン党
(Libertarian)。社会主義という語は、悪い印象があるので、彼らは勝
手に自分達を「リベラル」だと言い始め、それが受け入れられてしまった
ので、リべテリアンは名前を盗まれて迷惑している。
しかし本来は、かつては、ほとんどの米国人の価値観を代表していた。つ
まり「個人の自由を保障し、それを阻害する政府は最小限に抑える」=共
産主義の真逆。   
 ロシアから逃れてきた思想小説家故アイン・ランド氏(Ayn Rand)が
1943年に書かれた「ファウンテン・ヘッド」はいまだに聖書に次ぐベス
ト・セラーだという。
更に余談、上院議員ランド・ポール氏の父ロン・ポール氏は息子の名前を
尊敬するランド氏に因んでつけた。両者とも医師、であり全く主義主張の
ぶれない稀有の政治家。武漢菌問題でも、政府に迎合することなく、論理
的医学的立場から強く政府に反論している。彼らは妥協して共和党と組ん
でいるが、本来は、そのうちに、リベテリアン党に属す。
 最小限の政府がすべき事として、正しい通貨の発行、運営。遺憾ながら
ほぼ全ての政治家はドコモ、利己的、短期的な思考を持ち、常に躊躇なく
通貨を乱発し、財政を危うくしインフレで国民の富を破壊する。それを防
いでいたのが歴史的に有効だとされている「金本位制に元ずく通貨」で
あった。
そんな背景があって、フィアット(Fiat、無から有)の通貨ではなく、有
(金など又は、裏ずけの資産など)に元ずく、種々の暗号通貨も発行され
ている。
 国家、政府の権力は、かつては主に武力、戦争能力に因ったが、富がな
くては賄えない。故に、経済力、金が最大の必要条件になる。「富国強
兵」とは今も昔も簡潔に正しい。
故に、ビットコインの挑戦とは、世界の全ての国家からその権力を奪う、
根源的な氾濫・百姓一揆であり、極めて政治的な大きな意義を持つ。2019
年、武漢菌が始めた「世界同時独裁政治化」が始めて世界の人民に、真の
政府の凶暴な「裸の王様」姿を見せた。
これが起爆となって、世界の人民の自由が回復されるのならば、武漢菌人
体実験で亡くなられた方々も、英霊として大義を得られる。
失敗すれば、世界が暗い悍ましい北朝鮮になる。
(在米のKM生) 

2021年10月22日

◆岸田氏の課題、「宏池会体質」の転換

                櫻井よしこ  

日本ルネッサンス 第970回

「これからが本当の意味でのスタートだ。強い思いで、強い覚悟を持って
臨んでいきたい」

10月4日、岸田文雄新首相はこう語った。大変結構だ。今、日本を取り巻
く情勢はおよそ全ての分野で厳しい。問題に呑み込まれることなく、ひと
つひとつ解決して乗り越えていくには、揺るぎない強さが必要だ。

そこで氏は早速、衆院選を10月31日に行うと決定した。解散、総選挙の日
程は首相の専権事項だ。思ったとおりにやればよい。だが、そこから先の
岸田氏の「思い」が、見えにくい。党や閣僚人事を見ても、「これをやり
たい!」という氏の明確な意思が伝わってくるわけではない。

政権はスタートした。岸田氏は自民党を掌握して内外の問題に対処する強
い体制をつくれるだろうか。政治ジャーナリストの石橋文登氏が10月1
日、「言論テレビ」で語った。

「安倍晋三元総理がなぜ『一強』と言われる強い政権基盤を持つに至った
か。二つ要素があります。まず安倍・麻生両氏が組んで自民党内の中道保
守勢力をきっちりおさえた。他方、菅氏がはねっ返りの河野太郎、小泉進
次郎ら若手をおさえた。こうして自民党の9割を常にコントロールしてい
る状態を作れたから、安倍一強だったわけです。岸田さんの人事を見る限
り、それが崩れましたね。危ういと思います」

石橋氏は幹事長人事について語っているのだ。

「幹事長に甘利明氏を据えました。甘利氏は菅降ろしの先鋒だった。菅で
は選挙は戦えないと、重鎮クラスで言ったのは、甘利氏が最初でした。菅
氏はそのことを決して忘れないでしょうね。甘利氏をいち早く幹事長にし
た岸田氏は、菅氏をいわば野に放ったことになる。安倍・麻生・菅の一致
した支持を受ける体制作りの見通しは暗い。岸田氏がそこに気付かなけれ
ば、政権は危ういと思います」

『正論』11月号で森喜朗元総理が面白いことを語っている。岸田氏が出馬
の挨拶に来たとき、幹事長は誰にするのかと問うたそうだ。岸田氏は
「え〜」と口ごもって未定だと答えた。森氏はさらに尋ねた。

「それはそうだな。どこの派閥がどうするかまだわからないから言えない
でしょう。官房長官くらいは決めているんでしょ」

だが、官房長官人事についても意中の人はいなかったというのである。内
閣の要が官房長官、党の要が幹事長。この二つの役職が政権の屋台骨とな
る。各々を誰に任せるかで、政権の命運は決まる。にも拘わらず、最重要
の人事構想を岸田氏は決めきれていなかったというのだ。そして甘利氏を
幹事長に据えた。この人事は岸田氏が党内の人間関係の機微を読みとれな
いでいることの証左とみられた。

同時に、岸田政権は岸田氏ではなく、多分に甘利氏にコントロールされて
いると、指摘され始めた。よろしくない兆候である。

保守の姿勢

だが、否定的なことばかりではない。総裁選で善戦した高市早苗氏が、非
常に強い権限が集中する政調会長に任じられた。

言論テレビで『正論』発行人の有元隆志氏が解説した。

「宏池会(岸田派)には、高市さんを閣僚にして、彼女に靖国神社参拝な
どされたら困るという考えがあり、その結果、彼女を党四役の一角に据え
たという事情があります。しかし、これがひょっとして、保守層の支持基
盤をきちっと固めてくれるかもしれません」

その理由は、政調会長に与えられている強い権限だという。

自民党は活発な部会活動で知られる。早朝から勉強会を開催し、侃々
諤々、政策を議論する。自民党議員は部会での論争を通じて鍛えられてい
く。政調会長はそれら部会の長から調査会長までを決定する立場にある。
部会を誰が仕切るかで、政策立案の流れも影響されるために、高市氏は自
民党内にかなりの勢力を持っているリベラル派の政策をおさえて、党全体
を保守の方向に持っていくことができるというのだ。

高市氏はまた、近く行われる衆院選の公約作成にも最終的に責任を持つ立
場だ。氏が「イエス」と言わなければどんな政策も党の公約にはならない
という意味だ。自民党を二分する勢いで議論されている夫婦別姓や
LGBT法案の問題を見れば、高市氏が政調会長として君臨することに、
自民党の支持基盤である保守勢力は安心するだろう。岸田氏が宏池会伝統
のリベラル路線に傾くのではないかという懸念があるとき、高市氏の保守
の姿勢は大きな意味を持つ。

聞き上手を脱して…

日本周辺の国際情勢が厳しいのは周知のとおりだ。中国はわが国の尖閣の
海に侵入し続ける。台湾海峡には連日数十機の戦闘機群を飛行させる。こ
の中国の脅威から目を逸らさず、中国に対して十分な抑止力を築かなけれ
ばならない。それには一にも二にも自衛隊の強化であり日米同盟のさらな
る緊密化である。岸田氏にそれができるか。できるようになるためには、
岸田氏は宏池会の軍事忌避の伝統を否定しなければならない。

宏池会の歴史を少し振り返ってみる。その源流といえる吉田茂元首相は、
自分に仕えた軍事顧問の辰巳榮一氏が幾度も再軍備と憲法改正を進言した
にも拘わらず、助言を退け続けた。しかし、昭和39年11月、引退後の吉田
氏は辰巳氏に、助言に耳を貸さなかったことを「深く反省している」と頭
を下げたのだ。

後に続く宏池会出身の首相は池田勇人氏だ。池田氏は軍事力を否定する日
本を「宦官」にたとえて、日本が軍隊を持てないでいることを悔やんだ。
だが、吉田氏も池田氏も軍事力保持の国家的必要性を認識しながら、その
国際社会の普遍的原理を国政に反映させることなく終わった。二重基準な
のである。日本国民に対する無責任さだとも言える。

さらにもう一人の宏池会出身の首相、鈴木善幸氏は昭和56年5月、レーガ
ン大統領との会談後に発表された共同声明の中の「同盟」という言葉につ
いて、「軍事的意味合いはない」と言う始末だった。

日本に日米安全保障がないとき、また日米同盟に軍事的意味合いがないと
き、日本の安全は一体、どうなるのか。現実を見ないで虚構の平和に縋る
のが宏池会の伝統だ。

その派閥の代表ではあるが、それでも岸田氏は総裁選挙の中で、憲法改正
を公約した。自衛隊の強化の必要性も明言した。日本を標的とした弾道ミ
サイルを相手国領域で阻止する敵基地攻撃能力についても、「抑止力とし
て用意しておくことは考えられる」と語った。

政治家として発した言葉は重い。実行しなければならない。聞き上手を脱
して決断・実行の人になるべきなのだ。宏池会の軍事忌避の打破こそが公
約実現の基盤である。



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 経済失墜気配も利権構造が因縁        

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月19日(火曜日)
通巻第7086号  

 経済失墜気配も利権構造が因縁、スキャンダル頻発の背後は権力闘争
  習近平の究極の狙いは曾慶紅一派の経済利権壊滅。ちかく「大粛清」か

 曾慶紅は江沢民政権の陰の実力者だった。
事実上、江沢民政権を動かしていた。肩書きは国家副主席。日本政府は往
時、その実態としての権力状況をとらえて来日を誘い、特別の歓迎体制を
敷いたほどだった。
曾慶紅が中国北京奥の院の権力中枢を牛耳っていた。そして習近平体制を
誕生させたのは表向きキングメーカー江沢民だが、その裏にあって、曾慶
紅が選考したのである。

 「習近平ならぼんくらでもあり、われわれの言うことを聞くだろう。わ
れわれの利権を脅かすことまではしまい」とタカを括って江沢民と曾慶紅
は習近平を党総書記とした。

 面従腹背、雌伏すること三年。習近平は「朋友」の王岐山を駆使して、
CCDI(中央紀律委員会)を基軸に「虎も蠅も」と腐敗キャンペーンに
乗り出して多くを失脚させた。
習近平に敵対する派閥を潰すことが真の目的だったが、それを表沙汰には
しなかった。当初、国民は汚職顕官の摘発に拍手を送った。
まずは軍と公安から着手し、軍編成を四総部制から十五の部局に改編し、
子分たちを要所につけたが、依然として軍人には反習近平の軍閥が多く、
今に至るも軍の不満はおさまっていない。周永康の失脚により、うまみを
奪われた公安系も、習への不満を募らせている。

あまつさえ連立を組んだはずの共青団にも手を出した。胡錦涛、李克強首
相らを激怒させたが、証拠を挙げての腐敗追求に沈黙せざるを得ず、周
強、令計画失脚以後は、胡春華を守ることにキュウキュウとなって共青団
勢力は大きく後退である。ちなみに恒大集団は、李克強首相との強い絆が
云々されている。つまり習近平が恒大集団の救済に動き出す気配はない。
 曾慶紅は反撃にでた。
 習の右腕だった王岐山が影響力を持つ海航集団の経済犯罪を巧妙にメ
ディアで告発させ、海外での評判を落としていく。同社の経営は無謀な投
資を続けたために倒産危機に直面し、資産売却後、とうとう倒産した。こ
んにちに恒大集団が時間をかけて首を絞められている状況と似ている。

 江沢民、曾慶紅の金権統治だった香港利権にも習近平は大胆にもメスを
入れた。それがインサイダー取引の元締め「明天証券」の倒産に直結した。

 ▼習近平は「豚頭」か「裸の王様」か

 習近平は王岐山を使い果たしたと見るや、寝首をかかれるおそれがある
ため、朋友だったと雖も、王岐山と露骨に距離を置き始めた。
 
第一に王岐山の親友だった任志強の拘束である。2017年、任志強は
堂々と論陣を張って「習を裸の王様」と激烈な語彙を用いて批判した。王
岐山は、任を庇えなかった。
 第二に王岐山の飛車角とも言われ人たちの拘束であり、衝撃的だったの
は汚職摘発の事実上の隊長格、CCDIの董宏を「規律違反」で逮捕拘束
したことだ(21年4月)。紀律取り締まりの本丸の人物が規律違反とは
これ如何に?
 第三に上記に関連して、李東生、孟宏偉、王立科、伝振華らの失脚がつ
づいた・
第四に2021年九月、陳峰(元海南省書記。海航集団トップ)を「経済
犯罪」容疑で拘束した。海航集団の負債は773億ドルに積み上がっていた。

危機を認識している王岐山は、参列資格をとわれる国家行事にトップセブ
ンの列の最後に金魚の糞のように、べたべたと付いてくる風景は、もはや
日常である。月30日に北京人民大会堂で開催された建国前夜祭儀式にも
トップセブン七名の端っこの席に座っている。
「わたしは健全です」とアピールしているのだ。
失脚前日まで、公式行事ににこにこと出席していた薄煕来の表情が、王岐
山の最近の行為に重なって見えるのは筆者だけだろうか。

王岐山の最近のニックネームは「清王子」という。辛亥革命で王朝が消滅
していたのに「王子」を名乗った溥儀の立場?

11月、中国共産党は六中全会を開催するが、経済問題とくに負債処理、
エネルギー不足、金融不安などで「責任」の追求があるだろう。大粛清が
あるかも知れない。
    
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 三島由紀夫研究会公開講座の記録
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(令和3年9月21日)
   ♪
「三島由紀夫と青嵐会─時空を超えた絆」
@@@@@@@@@@@@@@@@@@
         河内孝(元毎日新聞社常務取締役、東京福祉大学大学
院特任教授)

  ◎
 今日の講演では三島由紀夫という比類ない天才が日本人の心にどのよう
な衝動を与え、その影響が日本の政治、文化、社会にどう現れていったの
か、自民党の政策集団、青嵐会との関連で話をしてみたいと思う。
 青嵐会が結成された昭和48年当時、私は毎日新聞社千葉支局で成田空
港建設に反対する三里塚闘争の取材をしていました。昭和49年に政治部
配属となったので、青嵐会草創期の息吹は知りません。青嵐会メンバーと
接触し始めたのは三木内閣期の「三木おろし」や大平内閣期の四十日抗争
あたりからです。

 青嵐会が血判により結成されたのは昭和48年7月10日。記者発表は
同17日。それを朝刊ですっぱ抜いたのは、朝日新聞社でした。宇都宮支
局勤務の経験がある政治部記者・秋山耿太郎氏(後に社長)は渡辺美智雄
氏と親しく、その筋から情報をもらったのだと思います。
発表が遅れたのは、当時、衆参両院で重要法案の審議が大詰めを迎えてお
り、与野党攻防が激化していたので閉会まで一週間延ばしたのではないか
と思います。
 発表直後に青嵐会メンバーの何人かが取材に答えております、浜田幸一
氏は、「血判状というものは、人にお見せするものではない。しかし、
50年後、100年後、政治史の1頁として出てくる可能性はあります
ね」と述べている。48年後の今日、皆さんに血判状をお見せできること
には、一種、感慨を覚えます。

 『青嵐会誓詞』には中尾栄一氏の筆で、「本日、青嵐会の発足に当
り、意見一致をみた同氏はこの約束を証するため左に署名する。昭和四十
八年七月十日」とあります。血判をするか否かについては、10日の時点
で激しいやりとりがあったようです。
石原慎太郎氏の車には消毒綿とボンナイフが用意してあったが、切れ味が
悪かった。このため、中山正暉氏の秘書がホテルニューオータニの売店に
行き、ナイフを買ってくるとか、最後に署名した土屋義彦氏は血判を嫌が
り、帰ってしまうとか、加藤六月氏は酒席を経て血判に臨んだため、勢い
よく指を切りすぎてしまい、出血が止まらなくなったというハプニングも
あったようです。
 当時、血判という行為はセンセーショナルに報道されましたが、一方で
訴えた政策は、ほとんど無視されました。

 血判に至る過程では内部に様々な議論があり、渡辺美智雄氏は血判に反
対だったようです。これに対し中尾栄一氏は、こんなふうに反論したよう
です。
少し前に報道各社が北京に支局を開設する条件として、以後台湾を無視す
る、と節を曲げたことに義憤を覚え、「マスコミの自由を守る会」を結成
した。
ところが田中内閣成立に伴う中国ブームの中、派閥の締め付けにより脱会
する議員が相次いだので、中尾氏は、「政治家の署名ほど、いい加減なも
のはない。今度やるときは簡単に抜けられないようにしよう」という考え
から、血判を主張したと語っています。

 三島が自刃して青嵐会が発足するまでには時間的な開きがありますが、
私は関係者への取材を通じて、三島と青嵐会の間には強い精神的紐帯が認
められると思っています。
三島は『サンケイ新聞』昭和45年7月7日に寄せたエッセーで、「日本
はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、
中間色の、富裕な、抜け目ない、ある経済的大国が極東の一角に残るので
あろう」と述べています。
ある意味で、青嵐会が生まれる社会状況を予言していたのではないか、と
いう気がします。

 青嵐会が結成された昭和48年は「狂乱物価」を背景にして総選挙で
共産党が躍進した年です。当時、中山正暉氏は三島が『文化防衛論』で行
政権と共産
主義が結ぶことを恐れよ、と述べていることを引用し、「我々が守らねば
ならないものは、三島さんがおっしゃったように伝統とか歴史とかいろん
なものがある。中でも民族の魂を支える新しい憲法を命をかけて作ろう、
ということです」と述べています。選挙によって共産党が(野党連合で)
政権を掌握する可能性があるので、そのための防波堤として、自民党が
しっかりしなければならない。その際、三島が主張した文化や伝統の重要
性、民族の魂としての憲法という問題が出てくることになる。こうした三
島精神は青嵐会に引き継がれていったのだと思います。

 一方、私が『血の政治』(新潮新書)を書くための取材で当惑したの
は、石原慎太郎氏の証言でした。当時、東京都知事だった石原氏は私に対
して、「僕自身に関する限り、青嵐会結成と三島さんの事件は関係ない
な」と否定されました。
しかし、三島事件直後にまで遡ると、石原氏の発言は非常に振幅が大き
い。三島事件当日、石原氏は新聞記者に対し、「これは現代の狂気です。
そうとしか言いようがありません」と述べている。のちの著書『国家なる
幻影』でも、三島の行為は政治的には無駄に近かったと述べている。

 ところが、他の青嵐会メンバーの間からは三島精神を評価する発言がい
くつも見られるので、石原氏の発言だけで三島(事件及び思想)と青嵐会
に関係がなかったと捉えることは正しくない。石原氏は昭和49年1月の
青嵐会国民大集会(日本武道館)では田中批判の急先鋒で、田中内閣打倒
を宣言しているが、近著『天才』では田中角榮を礼賛している。
 私はここ数年の「田中角榮ブーム」に対して批判的な一人です。今日の
政治腐敗、混乱の多くは田中の時代に始まったものであり、田中が保守政
治の基本原則を踏み違えたことによる。特に日中国交回復のやり方を誤っ
たことを見ても、田中の性急な北京接近は、現在の日本外交に大きなダ
メージを与え続けていると信じています。

 次に青嵐会結成の時代背景を説明したい。昭和44年1月に東大安田講
堂事件が起きて、同年11月の国際反戦デーでは新宿騒乱があった。ただ
し、この新宿騒乱は三島が予期したような自衛隊治安出動には至らずに終
息し、昭和45年11月、三島は市ヶ谷駐屯地で自刃します。その後、昭
和47年5月の沖縄返還、7月の田中内閣成立を経て、9月には日中国交
正常化、台湾断交が行われている。

 米国ですら7年かけ台湾との関係を調整したうえで中国との国交を正常
化したのに対し、当時の田中政権の性急さ、乱暴さが分かると思います。
佐藤内閣末
期から水面下で中国との交渉は始まっていたが、中国にとっては、佐藤よ
りも田中のほうが御しやすい存在と映っていたのでしょう。青嵐会が結成
されるのは日中国交回復から約1年後の昭和48年7月であり、同月10
日の時点で24人が血盟している。さきに述べたように、田中内閣成立後
は「狂乱物価」に見舞われ、それを背景に共産党が衆院選で躍進してい
た。その危機感も青嵐会結成の一因になったのです。

 日台断交一周年目にあたる昭和48年9月、青嵐会、日華議員懇談会、
日韓友好議員連盟の3団体が航空機をチャーターして訪台し、?経国総統
と会談している。そこで?総統は、「日本の外交的誤りは真珠湾攻撃と日
中国交回復である」と述べています。
 一方、党内左派の動きとしては、同年暮れに自民党河野グループが政治
工学研究所を発足させている。河野洋平らのグループは、同年6月頃から
俳人でもあった藤波孝生のアイディアで「青嵐会」という名称を考えてい
たが、それを先に奪われてしまったので、大分悔しがっていたという。

 青嵐会は、田中の台湾切り捨て、列島改造論が引き金を引いた地価騰貴
に反発して結成されたものであり、そこには三島が死を以て訴えた主張が
影響を及ぼしていた。青嵐会は、次第に田中金権政治への批判を強め、倒
閣運動につながってゆくが、田中内閣は、『文藝春秋』昭和49年11月
号の田中金権追求特集が引き金になり、11月26日、退陣に追い込まれ
ます。

 かつて林房雄は精神と肉体の乖離、矛盾を問題視した。その精神(言行
一致)を体現しようとした政治集団が青嵐会だったように思います。ま
た、村松剛は、「三島事件の影響はすぐに現れず、やがて地下水のように
人々の心に浸透していく」と述べています。当時に比して、憲法や防衛と
いった問題が国民に意識されるようになったことに鑑みれば、確かに三島
の精神は地下水のように浸透していると言えるかも知れません。
日本人が考えなければならない基本理念とは何か、日本の文化や伝統は何
によって象徴されるのか、命を賭して守らなければならないものは何か。
それを説いたのが三島であり、多くの人がそれを考えた。その中に自民党
政策集団である青嵐会がいたといえるでしょう。

 青嵐会趣意書を見ると、三島が惹起した問題がどのように反映していた
のか、が分かります。たとえば、第二項目に「国民道義の高揚を図るた
め、物質万能の風潮を改め、教育の正常化を断行する」とある。
青嵐会メンバーのほとんどは地方から身を起こした人たち、非キャリア官
僚出身の技官などを経て、国政に転じた人たちだった。そのため、「頭と
いうより体で」考え、実践する人たちだった。教育の荒廃を憂慮し、日教
組教育打破の必要性を訴えた。当時、大阪で少年が親をバッドで撲殺する
事件があり、そのニュースに中川一郎氏が、「世も末だ」ととてもショッ
クを受けていたのを覚えています。

 青嵐会代表世話人だった中川氏は1983年1月に自殺しました。前
年の自民党総裁選で思ったよりも票が得られなかったことに心身とも衝撃
を受けたためでしょう。同じく代表世話人だった渡辺美智雄氏は人の心を
読むのが上手かった。幼少期、養子に出され、養母の顔色を見ながら育っ
たためであり、戦後は行商先で国際政治などを語る「学士行商」を経て、
政治家となった。

 一方、知名度のある石原慎太郎氏が青嵐会幹事長となったことは、会の
広報マンとして有効だった。ちなみに私は『血の政治』を書く際、当初は
青嵐会メンバーの息子たちをメインに据えて取材していた。
彼らが父親の跡をどう継ぎ、どうやって乗り越えようとしているか、を
テーマにするつもりだった。しかし、彼ら二代目政治家には私が初代に感
じたパワーが伝わってこなかったので、編集者と相談の上、青嵐会そのも
のをテーマにすることにした。

 同書第5章で述べたように、青嵐会誕生のルーツは三つある。
第一が三島が訴えたように、戦後政治の偽善やナショナリズムの不在に対
する反発。かつて宮澤喜一氏は青嵐会について、「戦後抑圧された健全な
ナショナリズムの発露」と語っている。こうした評価を青嵐会結成当時の
マスコミがどうしてできなかったのか、不思議に思う。
第二のルーツは、農本主義の情念(高度経済成長から取り残された農漁村
の情念)。
それらを集合した第三のルーツが自主憲法の制定でした。
 
 歴史の上で青嵐会が突き付けたテーマは重い。そもそも自民党は日本社
会党の統一に対抗するため、路線の異なる自由党と日本民主党の合同によ
り誕生した政党です。
当時、鳩山一郎や岸信介が目指していたのは総選挙で3分の2の議席を獲
得して憲法改正を実現し、その後に安保改定を実現することであった。
のちに岸自身がインタビューで答えているように、憲法改正より先に安保
改定をしてしまったことは失敗であった。実際の歴史が憲法改正から安保
改定へ推移していれば、国家としての独立自尊のアイデンテティーが復活
し、三島事件も必要なかったのではないかと思う。
青嵐会は自民党を鳩山や岸の理念に戻すための運動だったと言うこともで
きます。

ドイツは1955年の主権回復と同時に再軍備を実現し、翌年にドイツ基
本法を制定しNATOに加盟した。ところが、日本では順番が逆になってし
まった。

 のちに吉田茂は、経済発展を優先させるために再軍備は見送らざるを得
なかったとしながらも、同時に、「終戦直後の政策を今後も日本が取り続
けるならば、国際社会からの批判を招く」と述べている。であれば、後継
の池田勇人や佐藤榮作に対し、順逆を正すための指導をすべきだった。
 三島が述べているように、日米安保体制に依存し続けるのか、自主防衛
を選ぶのか、政治の側が真剣に考えるべきであった。
自民党は政権党として何をすべきか、それを忘れてきたことに問題がある
と思う。この問題は、今もなお自民党に問われ続けている。
          (三島由紀夫研究会事務局速記)
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)仮想・暗号通貨の未来、その2。
「トロイアの木馬」とは、敵に自発的に自らを破壊させる戦略・装置・仕
組み、という意味。今風に言えば、超限戦。通常の兵器を使わず、あるい
は使えないので、敵を騙す。それは、最もコスパの高い、しかも人道的で
敵味方の被害も少ない、優秀な諜報戦略。
 ビットコイン(以下$Bと略)はサトシ・ナカモト氏が2008年に発明した
とされるが、実在の人物なのか、今のところ誰も知らない。(発明者とし
て現在の価値で、約6兆円の$Bを持つらしい)USドル圏、円、ユーロで暮
らす安心安全な国民にとっては、弱い通貨の国民の苦しみ、不安、不条理
を知らない。全く落ち度もないのに、外人の投機などで通貨が売られて、
国が弱まり、輸入品の値段が跳ね上がる。国内においても、無責任な政府
が通貨を乱発し、超インフレで破綻する。
そこで家族を残して海外に出稼ぎをし、苦労して稼いだ外貨を国許へ送ろ
うとすると、膨大な換算手数料などを取られる。彼らにとっては、基軸通
貨もユーロも誠に不便で理不尽な不公平な通貨なのである。
 翻って、近年、過去50年ほど、先進国の国民でも同様な被害を受けてい
る。ここでも腐敗した中央銀行は政府と官民の金融機関に迎合・結託し、
彼らに有利な経路で、ふんだんに通貨を発行供給分配し、貧富の極端な格
差が拡大しつずける。
つまり、北も南も右も左も、世界中の99%の全ての人民、貧乏人は自国の
通貨の不公平な運営の被害を受けつずけている。この強固な巨大な集団は
俗にデイープ・ステイトと呼ばれ、民主的選挙によって選ばれる議員など
が、仮に束になっても永遠に勝ち目はない、と認識されてきた。
 そんな所に2008年に静かに現れた小さな「木馬」が$Bである。この新
型木馬の不思議な点は、秘密がない、つまり中に恐ろしい兵隊など入って
いない。
多少の数学を知れば、全てが公表されており、公正透明。しかも、政府、
政治家、銀行家などの支配、影響を受けない、という独立性にある。これ
は従来の通貨と全く異なる「水平」で、決められた方法によって自動的に
利用者同士で秘密に運営される仕組みである。しかも、利用者の国籍も問
わず、国境も認識しない。しかも瞬時に決済され、ほぼただの手数料。
 先日書いたように、「第3次世界大戦は、「全体主義vs自由主義の国家
間」の戦争ではなく、「自由を守る国民vs自由を奪う政府・国家」の内乱
となり、既に2020年から戦闘が公然と世界中で始まっている」。
実際に、既に、勇気と行動力のある情熱的な国民性の国々では政府、警察
に対して暴力が向けられている。今のところ、その主たる原因は、強制的
な武漢菌対策、不法な危険な人体実験に反対する、本能的な自己防衛によ
る。自分の幼い子供達までも、あるいは未知の子孫の存亡さえ危険に晒さ
れては、大人しく受け入れるわけにはいかない。正しい比較は、ユダヤ
人、女、子供も強制的に毒ガス部屋に押し込められる、に等しい。違い
は、遅延性。これからインフレが加速し、必要なものが欠乏し、ワクチン
の嘘・被害が明らかになると、この内乱も加速するだろう。
 過去1年、$Bなどが急速に広まり、多くの政府、その金融取締機関が正
式にその存在を認める傾向にある。民間の金融企業にとっては、近年稀に
見る、素晴らしく儲かる「急成長株」なのである。
そこで、この無色透明な100%デジタルの木馬を、自ら引き入れる。一度
体内に入ると増殖し、本来のDNAである基軸通貨をも破壊してしまう。長
らくいじめられていた人民は$Bという兵器で国内の敵、荒廃した中央銀
行、政府を打ち負かす。そんな壮大な夢の実現のための兵器としてナカモ
ト氏が発明したのかは不明であるが、$B信者の中には、究極の人民のた
めの人民による世界通貨、と考える。
つまり極めて政治性の強い、金融・通貨変革である。これから、全ての政
治家、論者、報道はこの「踏み絵」の試験をしいられる。早く懺悔し改心
せよ、と。
 本来の通貨のあるべき基本的性格は、普遍性である。1メートルはいつ
でもどこでも誰に対しても、同じ、であるように。($Bの急激な乱高下
とは、見方を逆にすると、それだけ激しくドル、円の信用が疑われている。
本来の「金」の任務が、今のところは、$Bに移行した、とも言える。)
 (在米のKM生)


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◆買おうかどうか迷っている時間の損失
轟 晃成
(とどろき・あきなり)の人間社会考察
 
ネット広告で出てきた、3万円以上もする高級なまくらを買うかどうか
を、かれこれ2か月くらい迷い続けていました。そして結局買うことにし
ました。まだ届いていませんが、とても楽しみにしています。僕はあまり
物欲がある方ではなく、むしろモノは減らしたいのですが、睡眠は重要な
ので思い切って投資をすることにしました。

2か月もの間、評判などを情報収集していましたが、結局最後の決め手は
「これ以上迷っている時間がもったいないから、買って終わりにしよう」
という気持ちになったからです。失敗しても受け入れる覚悟が整いました。

時間とお金のどちらが大事かということについては、人にもよりますし、
また同じ人でも時期によって、例えば学生時代なのか社会人なのかでも変
わります。しかし、悩んでいる時間は三つの意味で損失だと思います。

一つ目の損失は、悩んでいる時間そのもの。二つ目に、いつまでも懸案と
して残っていることによって、脳のメモリが消費されること。そして三つ
目に、早くサービスを享受しないことによる機会損失です。

例えば、オンラインサロンや有料アプリなどの月額制のサービスでは、1
か月だけ試して合わなければ解約することもできます。1か月分の料金は
1000円もしないものが大半かと思います。

そのようなものであれば、加入するか迷い続けるよりも、とりあえず試し
てしまって、継続するかしないかの結論を出してしまった方が早いものも
あります。特にこの手のサービスは早く試さなかったことによる機会損失
が大きい世界です。

何でも欲しくなってしまう人の場合は、衝動的に買わずに、数日から数週
間寝かせておいて、それでも欲しければ買うことで、本当に必要なものが
スクリーニングされて、無駄遣いをしなくて済むという考え方もありま
す。それは一理あると思います。しかし、悩んでいる時間にも損失は発生
していることは気を付ける必要があるのではないでしょうか。

有名な言葉で「悩む理由が値段なら買え。買う理由が値段なら止めてお
け。」という考え方があります。自分なりの購買基準を作って、決断力を
付けることで、悩む時間はできるだけ短縮していきたいものです。

2021年10月14日

◆狡猾で論外、中国のTPP加盟申請

     櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第969回

米英豪3か国が、安全保障の枠組み「AUKUS」の創設と、米英が連携
して原子力潜水艦の技術を豪州に提供することを発表したのが9月15日
だった。

豪州はディーゼルエンジンの通常型潜水艦建造をフランス企業と契約して
いた。世界で2番目の広大なEEZを持つ豪州は、中国の脅威に対処する
ためにも潜水艦を必要としている。豪州とディーゼルエンジンの潜水艦共
同開発の契約をしていたフランス企業は、しかし、納期を守れないだけで
なく、費用も当初案の倍近く、900億豪ドル(約7.2兆円)に膨れ上がった。

自衛隊関係者は潜水艦12隻の建造費がなぜ7兆円を超える巨額になるの
か、理解できないと語る。一方で、この莫大な額を考えれば、大使召還に
発展したフランスの怒りも理解できるだろう。最後まで秘密にされたこと
に加えて、大規模ビジネスを米国に奪われた恨みは深いはずだ。米原潜技
術の豪州への移転が中国の脅威に対する軍事的対抗策であるのは紛れもな
い事実だが、そこに大型ビジネスが絡んでいることも国際政治の一側面と
して忘れてはならない。

この件について、インドは複雑な反応を示している。豪州はよくやったと
いう前向きの反応がある一方、なぜ米国は豪州だけを特別扱いするのか、
との反発もある。インドは豪州同様、4か国安全保障協議体、クアッドの
一員であり、この何年間か、米国に原潜及びステルス戦闘機を要請してき
た。にも拘わらず、インドは豪州のような特典に浴していない、不公平で
はないかという不満が渦巻いているのだ。

アフガニスタンからの米軍撤退によって、タリバン、パキスタン、中国の
結束が強まり、結果として最大の危機に直面するのがインドだという分析
は、大方の戦略家が一致する見方だ。それだけに今回の件も相俟って、イ
ンドの米国に対する不信は募るわけだ。

一方、どの国よりもAUKUSに警戒心を強めたのは中国だ。彼らは翌16
日、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を正式に申請したと発表した。

酷い国

TPPは単なる太平洋圏を巡る貿易・経済問題ではなく、世界最重要の経
済圏における力のバランスを左右する戦略的戦いなのである。その視点か
ら米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)は23日の社説で
「バイデン政権はAUKUS戦略の成功に乗って、TPPに再加盟し、太
平洋圏における権益を増進できる」と、TPP復帰を促した。

AUKUS創設に見られるように、国際社会の新たな枠組みは米中両大国
がこれからの世界秩序、価値観の戦いを制するための手段であり、経済、
軍事を含む多くの断面から見ることが欠かせない。中国のTPPへの加盟
申請についても、日本はあくまでも慎重に、多角的に考えるべきだ。
AUKUSが軍事を超えた経済戦略の一面を合わせ持つように、TPPは
経済を超えて、世界情勢を左右するパワーバランスの問題であることを再
度強調したい。

中国がTPP加盟を申請した1週間後、台湾もサッと申請した。茂木敏充
外相は「歓迎したい。戦略的観点や国民の理解も踏まえて対応したい」と
コメントした。中国の申請に関して「歓迎」という表現を避けたのとは対
照的だ。しかし、国内の議論を見ると、「中台の同時加盟案も一案だ」
(9月24日、日経朝刊)などの意見が散見され、私は驚いている。

TPPは当初「環太平洋戦略的経済連携協定」と呼ばれていたように、中
国の身勝手、国際法や常識に反する行為を許さないための戦略と位置づけ
られていた。国有企業を優遇し、ウイグル人などを強制労働に駆り立て、
企業から最先端技術を奪い取ることなど、許容できないという国際社会の
合意だった。

習近平氏の下で、中国は多少なりとも常識の通ずる国になったか。否であ
る。それどころか、以前よりずっと酷い国になりつつある。だからこそ、
今のままの中国の加盟は歓迎できないのだ。

では、如何にして中国の申請に対処するか。まず第一に、TPPは中国の
ような横暴で国際法違反常習国の行動を認めないために創った枠組みであ
ることを忘れないことだ。目標の明確な再認識が必要だ。

第二に、加盟申請に対して、交渉を開始するかどうかを決める基準を守る
ことだ。シンクタンク国家基本問題研究所の企画委員で明星大学教授の細
川昌彦氏が語った。

「6月に英国の加盟交渉の開始を決定した際、TPPのすべての既存ルー
ルに従うための手段を示さなければならないとしました。これをモデル
ケースにすべきです」

WTOにおける嘘

TPPのすべてのルールに従うと、言葉で誓約するだけでは不十分だ。
TPPのルールに従うために国内法を改正し、TPPの価値観に反する制
度、たとえば少数民族弾圧のような悪行が行われている場合、具体的にい
つまでに、どのように改善するか、またそれを如何に検証するか、などを
示さなければならない。

幸いにも英国との交渉は6月に始まった。この英国の事例を中国に適用す
ればよい。それを明確にしたとき初めて交渉に入れるようにするのだ。

世界は中国が如何にしてWTOに加盟したかを忘れてはならない。巧みに
米国を取り込み、騙したではないか。首相も務めた朱鎔基氏が美しく感動
的なスピーチをしてみせ、多くの米国人を虜にし、その経過で多くの約束
をしたが、WTO加盟から20年近く経ったいまも、全くといってよいほ
ど、実行していない。

TPPの中心軸を成す日本がしっかりする時なのである。中国と安易に交
渉を始めてはならない。交渉に入る前に、中国にTPPの全てのルールを
守ると誓約させること。それがWTOにおける嘘と同じでないことを証明
させるよう、TPPのルール遵守のためにどの国内制度をどう変えるの
か、具体的に示すよう、穏やかに、しかしキッパリと求めるのがよい。そ
れなしには交渉自体を始めてはならない。

まず英国に加盟の道を開き、中国よりずっと準備の整っている台湾との交
渉に入り、台湾加入を実現するのだ。その間に粘り強く、米国を呼び戻す
のを忘れてはならない。

トランプ前大統領がTPPを離脱した2017年以降、米国の対中姿勢は大き
く変化した。提示の仕方によっては、超党派で再加盟に挑戦する価値があ
ると、WSJも社説で強調している。米国は決して戻ってこないなどと、
悲観してはならない。TPPを本来の目的に基づいて機能させることが、
米国抜きでTPPをまとめた日本の特権であり、責任だ。この目的達成に
は強い信念と楽観が必要だが、日本にはそれができるはずだ。


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◆岸田政権の脱「改革」は意外と

         室伏 謙一
 

いい方向に進むかもしれませんが・・・

 先週から臨時国会が開会し、岸田文雄衆院議員が第100代内閣総理大臣
に選出されるとともに、岸田内閣が組閣され、本格的に新政権が動き出し
ました。そして、岸田総理初の国会論戦が今週から始まっています。

 論戦についての評価は終了後に譲るとして、岸田総理の所信表明演説、
その方向性は概ね良かったのではないかと思っています。勿論、新自由主
義からの脱却ということもそうですが、例えば、四半期決算の見直しにま
で踏み込んだところは、株主資本主義による短期主義という、我が国経済
の成長を妨げる元凶の一つを取り除こうという意思の表れとも考えられ、
思った以上に新自由主義からの転換、脱新自由主義を進めようとしている
ことがわかります。(もっとも、全閣僚に対する総理指示には、コーポ
レートガヴァナンス改革の推進が記載されており、どこまで本腰を入れて
取り組むのかは未知数ですが。)

 さて、岸田総理と言えば、所信表明演説で一度も「改革」という言葉を
使わなかったことに関して、フジテレビの報道番組で、「「改革」という
言葉には市場原理主義、弱肉強食など何か冷たいイメージがついていると
感じている。」と述べたそうです。

 その記事はこちら。
https://news.yahoo.co.jp/articles
/821d19c1755198f680d264b397d2005271d6505e 

 イメージというより、「改革」とは市場原理主義の手法そのものであ
り、弱肉強食の社会を助長し、格差と貧困化、貧国化を進めた元凶ですか
ら、まさに的を射た発言であると言えましょう。

 そんな岸田内閣、少なくとも今日のような危機的な状況にあっては、財
政健全化なるものを先送りにしてでも財政支出を拡大して国民を救済する
ことを明言していますし、その財源は国債であるとも言っています。

 これについても至極真っ当な考え方であり、G7のコミュニケにも記載
されたとおり、今後に備えて更なる歳出の拡大をやっていただきたいとこ
ろですし、野党も積極財政、歳出拡大に転じ始め、今や、総裁選の時から
私が指摘してきたとおり、積極財政の中身を巡る論争、そのための前向き
な論争になってきました。立民の泉健太政調会長などは、岸田総理が頻繁
に使う「分配」という言葉を使って、「分配の中身に関する論争」とまで
言うに至っています。

 こちらも非常にいいことなのですが、そこに水を差すというか、政党間
の健全な政策論争を妨害するかのような内容の文章を、財務省の事務方
トップである矢野康治事務次官が文藝春秋に寄稿しました。

 これは大いなる問題であり、与党関係者はカンカンに怒っているとのこ
と、松野官房長官などは火消しに追われているようです。では何がどう問
題なのか。これについて解説する動画を昨日収録しました。明日には三橋
TVで公開予定ですので、是非ご覧いただくとともに、拡散をお願いします。

 矢野次官による暴挙を絶対に許してはいけません。
        
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◆中国情報に特化する新機関を設立

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月8日(金曜日)
通巻第7076号  


 CIA、中国情報に特化する新機関を設立
   最大の脅威はアルカイーダからチャイナへ


 10月7日、米国CIA( 米中央情報局)は、中国の脅威に情報収集
分析などの対応を特化させた新組織「中国ミッションセンター
(CMC)」を設立した。

 ポンペオ前国務長官は「敵は中国国民ではない。中国共産党である」と
明言したが、CIAのバーンズ長官も「脅威は中国国民ではなく中国政府
だ」と強調した。
「中国ミッションセンターは、米国が直面する最も重要な地政学的脅威、
敵対性を増している中国政府に対しての任務を強化する」としている。

 しかし今頃になって中国情報に特化した組織をCIAが設立したとは、
いままで何をしていたのかという疑問を抱くだろう。
 米国内で中国人スパイがやりたい放題の情報工作を展開してきたが、オ
バマ政権まではなんら有効な対策を講じず、また妖しい中国人にもじゃか
すかとヴィザを発給してきた。トランプは中国人留学生のヴィザまで制限
したが、バイデン政権は、この規制を徐々に緩和していく方向にある。

 ウィリアム・バーンズCIA長官は八月のアフガニスタンからの米軍撤
退直前、カブールを極秘裏に飛んで、タリバン幹部のバラダールと秘密協
議をしたという情報が流れた。本人は肯定も否定もしていない。

 バーンズは外交畑出身の官僚。ヨルダン大使、ロシア大使を歴任後、国
務副長官へ上り詰めた(官僚としては最高位)。オックスフォード大学に
留学組。
日本はバーンズに「旭日大綬章」を授与している(2018年)。

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 ウイグルの歴史は異民族の通り道、宗教もシャーマニズム、マニ教、イ
スラム
  仏教が隆盛をきわめて時代の『弥勒との邂逅』なる古文書がでてきた

   ♪
萩田麗子・著&翻訳『ウイグルの地の弥勒信仰』(集広舎)
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 ウイグルはイスラムと思いきや、嘗ては偉大な仏教国家であった。発掘
された古文書のなかには仏教の経典があった。そこには何が書かれていたか?
 表紙ならびに扉に配された「弥勒菩薩交脚座像」(平山郁夫シルクロー
ド美術館)のカラー写真に見入った。
https://silkroad-museum-collection.jp/%e5%bc%a5%e5%8b%92%e8%8f%a9%e8%96%a9%e4%ba%a4%e8%84%9a%e5%9d%90%e5%83%8f/

 明らかにヘレニズムの影響がある。日本の弥勒菩薩のもつ、やさしい、
慈愛にみちた華麗さに比べると、このウイグルの地で発見された弥勒像た
るや、男性的で荘厳で、力に溢れ、深い思考を示唆する顔の表情、凛とし
た髭。ひきしまった肉体。明るい神々しさを感じる。
知性と慈愛より肉体美による決断力を象徴しているかのようだ。嗚呼、こ
れが中央アジアの遊牧民が描いた理想の神々だったのか。
 評者(宮崎)のところへ、歌謡曲♪「ガンダーラ」を謳った「ゴダイゴ」
というグループのタケカワヒデユキ氏が訪ねてきて中国のこと、世界経済
とアジア経済について教示して欲しいというので三時間ほど喋りまくった
ことがある。
あれは三十数年前だろうか、評者の興味はむしろガンダーラ美術だが、シ
ルクロードのあちこちに仏像や仏教遺跡が出土して、しかも多くが現在の
イスラム圏だから、仏教遺跡は徹底的には破壊された。
バーミャンの石仏はアフガニスタンの狂信的集団のタリバンがミサイルで
破壊するという乱暴だった。
評者が、ウイグル自治区のベゼクリグ仏教遺跡を見学したのは四半世紀以
上前で、デジタルカメラではなく、カラーフィルムを入れた一眼レフで撮
影した。
ハミの瓜、トルファンの葡萄とともに強烈な印象がある。というのもベゼ
クリグ遺蹟に並んだ数百の仏像はすべて破壊されていたからだ。観光資源
として中国がツアーを奨励するのも、イスラムの凶暴性をガイドに語らせ
るためではないかと思った。
砂漠という荒涼な風景、その風土が、かように強烈な一神教を生むのだろ
うか。牧畜の民はつねに移動するし、大集団を形成できないから家族の絆
が強い。騎馬民族でもあり、強桿であり、猿の軍団のように強いリーダー
が衰えれば、新人が指導者となり、興亡を繰り返してきた。
 中国の史書に「丁零」と呼ばれたウイグルの先祖が書かれたのは紀元前
弐世紀ごろ、はるか以前の紀元前千五百年に歴史に登場する「きょう奴」
はモンゴル高原を席巻し、この丁零を支配下に置いた。その「きょう奴」
を追い払い、鮮卑が覇権を握って各部族が北燕、前燕などの国を建てた。
中原をうかがい、進出した鮮卑系の王朝が「隋」と「唐」である。
 モンゴル高原に次に登場するのが柔然、六世紀に突厥に滅ばされた。こ
の突厥がチュルクの漢訳である。つまりウイグル、カザフ、ウズベクから
トルコへ到る拡がりを持つ民族の総称であり、方言が異なるとはいえ、基
底は同じチュルク語だとされる。
 「突厥に服属していたときのウイグル人の祖先は、有力部族連合トク
ズ・オグズに所属する一部族として、史書には回?(かいこつ=糸偏に
乞)と記されている」と萩田氏は書く。

 歴史教科書にでてくる鮮卑、柔然、突厥、回?、そして仏教がこれらの
諸族に大きな影響力を与えた。
 仏教が日本に伝来したのは公式的には538年、当時のユーラシアの東
側に拡がったシナ大陸では、このような民族の興亡が繰り返されていた。
 555年、突厥が建国され、大きくなりすぎて東西に分裂した。西突厥
が唐と戦争を繰り返して勢力を失ない、東突厥もウイグル族に敗れた。建
国されたのはウイグル汗国で、唐と拮抗し、防衛協定のような約束のもと
シルクロードを経由する貿易で栄える。
七世紀からは突厥、唐、吐蕃(チベット)との複雑に入り組んだ戦争を繰り
返し、部族のなかには甘粛に定住し「甘州ウイグル国」を建国した。
そしてウイグル汗国時代に、突厥文字で歴史の記録を残した。西ウイグル
は、ソグド文字を改良したウイグル語の文字を編み出し、古代文書はこの
古代ウイグル文字で書かれていた。
しかし古代ソグド語を読める学者は、世界広しと雖も何人もいないだろう。
文書のなかには「仏教やマニ教、キリスト教関係の教典や賛美歌、物語と
いった宗教関係野者が多いが、暦や占いの書、医学関係」があり、加え
て、土地の売買書、賃借証文、農作物取引な行政命令書なども発見されて
いる。とりわけ大乗仏教の漢訳教典は完全なかたちで発見されたのだ。
本書は、その古代教典のひとつ、「弥勒との邂逅」に日本訳であり、現代
人に何を語りかけているかが翻訳の主旨である。
        
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2286回】     
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港168)

  △
 ここで想像を逞しくするなら、「関于制止上演『禁戯』的通知」が糾弾
の対象とする「非合法劇団や素人一座」とは、当時巷に溢れた待業者(失
業者)のなかで芝居心を持つ者が集まって結成した俄劇団ではなかっただ
ろうか。

 ?小平が掲げた「先富論(誰でもいい。どんな方法でもいい。豊かにな
るヤツから先に豊かになれ)」を勿怪の幸いに、客を呼べる「淫毒奸殺」
の演目を舞台に掛けた。昔取ったナンとやら。どさくさ紛れに一山当てて
やれと企んだ元役者がいたように思える。

 するとどうだ。10年に及んだ文革の間、革命現代京劇という毛沢東式の
革命的勧善懲悪芝居に辟易していたことから、娯楽に飢えた人々が殺到し
た。かくして「非合法劇団や素人一座」の公演が重ねられる。
大当たりに次ぐ大当たりの結果、「淫毒奸殺」が芝居小屋から社会に飛び
出してしまい、「大衆に毒素をばら撒き、劣悪な影響を与え」ることに
なった。こういった乱れた風潮は、やはり共産党政権としては許しておく
訳にはいかないということになったはずだ。

 そこで中国政府(文化部)は、1950年から52年の間に禁戯処分にした演
目を再び明示し、「関于制止上演『禁戯』的通知」を出した。おそらく、
そんなところが実情に近いのではなかろうか。

 じつは文化部は1979年9月にも同じような内容の通知を出している。こ
の点から考えるなら、対外開放初期の混沌とした社会では、舞台と言わず
社会でも「淫毒奸殺」が大手を振って歩いていたようにも思えてくるのだが。

 やはり「淫毒奸殺」が消えた舞台なんぞクソ面白くもないのである。舞
台に「淫毒奸殺」の非日常の世界が描き出されるからこそ芝居は人々を引
きつける。
これは古今東西を超え、イデオロギーや政治信条に関係のない人間社会に
とって常理だろうに。

 ?小平が踏み切った対外開放は、毛沢東思想が一元的に支配する閉鎖体
制をブチ破り、基本的には現在につながる経済成長のスタートとなったわ
けだが、その一方で舞台に「淫毒奸殺」を解き放ってしまった。こう考え
るなら、「関于制止上演『禁戯』的通知」から、対外開放初期の社会の実
態が浮かび上がってくる。

 閑話休題。ここで奇妙に思うのが建国後の毛沢東政権にしても台湾に逃
げ込んだ後の蒋介石政権にしても、共に「大劈棺」を禁戯演目に指定して
いることだ。政治的には互いに不倶戴天の敵であるはずの2つの政権が、
期せずして同じ演目を禁じたのである。

 この演目の種本は「蝶の夢から覚めた荘子が、夢の中の蝶が自分なの
か。それとも夢から覚めた自分が自分なのか」を問う、例の“荘子胡蝶の
夢”である。

 荘子が歩いていると、若い女が道端に蹲り手にした扇で盛んに土饅頭の
墓を扇いでいる。こんなシーンで「大劈棺」は始まる。土饅頭は水分を含
んでいて真新しい。墓穴を掘って死者を葬ったばかりであった。
そこで荘子が声を掛けると、「墓が乾けば新しい夫と結婚できる」との返
事。同情した荘子が手伝って2人で扇ぐと、程なく墓は乾燥した。彼女は
扇を荘子に渡して感謝するや、小躍りしながら新しい夫の元へ。

 帰宅した荘子が妻の田氏にこの話をすると、田氏は荘子の手にした扇を
ひったくって破り捨て、「世の中にこんな破廉恥があろうとは」と憤慨す
る。この姿に接した荘子は、妻の貞節振りに感動すること頻りだった。

 数日後、突然、荘子が死んでしまう。もちろん田氏の嘆き悲しみようは
尋常ではない。通夜の席である。棺に額ずき嘆き悲しむ田氏の前に荘子の
弟子がお悔やみにやってきた。それが眉目秀麗の超イケメン。そのうえ独
身。かくて田氏は一目惚れ・・・オイオイ。

     
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)馬渕睦夫・金岡秀郎両先生による講演です。日米同盟を揺
るがしかねないバイデン政権、そして近年さらに苛烈を極める中国の人権
弾圧に臨んで大変タイムリーなテーマでもあります。ここでしか聞けない
話ですので、研究者以外の方もぜひ気軽に御参加下さい。
「日本国史学会 第79回連続講演会」
https://www.facebook.com/events/427174731961053
         記
【日時】 10月9日(土)14:00〜16:45(開場13時30分)
【講師】 馬渕 睦夫(元防衛大学校教授)「ベルサイユ・ワシントン体制
と日本」
     金岡 秀郎(国際教養大学特任教授)「ウイグル問題と日本」
        基調講演後、質疑応答
【会場】 日本経済大学 東京渋谷キャンパス 10号館(大学院棟)246ホール
    (JR渋谷駅南改札西口から徒歩3分)https://shibuya.jue.ac.jp
/access_tokyo/
【資料代】 学会員2,000円 / 非学会員3,000円(大学生・大学院生は一
律500 円、当日入会可能)
【主催】 日本国史学会 http://kokushigaku.com/
※ コロナ対策のためマスク着用、体調確認など御協力お願いします。
(日本国史学会事務局)

2021年10月10日

◆自民総裁選、河野氏への二つの大疑問

             櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第968回

自民党総裁選は9月29日の投票に向けて論戦が本格化した。河野太郎、岸
田文雄、高市早苗、野田聖子四氏の中から次期首相を選ぶ。

まず指摘したいのは野田氏の規格外れだ。4度目の挑戦となった今回まで
の年月、彼女は何をしていたのか。首相たらんと志を立てたのなら、なぜ
年月を無為に過ごしたのか。安全保障、経済、外交、医療、どのテーマで
も他の三候補と議論を交わすレベルに達していない。

この人になぜ、二階俊博幹事長は8名もの議員を派閥から出して支えたの
か。9月17日の「言論テレビ」で「正論」発行人の有元隆志氏が、二階氏
は自身の影響力を温存するために野田氏に協力したと解説した。

「野田氏の出馬で割を食うのは河野氏だと見られています。野田氏が河野
票を少しでも削ればそれだけ接戦になり、二階氏の力がキャスティング
ボートになってくるのです」

野田氏が首相の器か否かが関心事なのではなく、二階氏自身の立場を高く
売りつけるための思惑が透けて見える。このような人々が党中枢部に居座
り続けるとしたら、自民党の未来は本当に危うい。

残り三氏の政策や考え方を見る上で印象深い場面があった。そのひとつが
19日のフジテレビ、「日曜報道」での一幕だ。米軍が対中戦略の一環とし
て考えている中距離ミサイルの配備について、キャスターの松山俊行氏が
問うた。

「米側から正式要請があった場合、総理になった時に配備受け入れを判断
される方、挙手をお願いします」

折しも今月13日と15日、北朝鮮が続けざまにミサイルを発射した。菅義偉
首相は日本の排他的経済水域(EEZ)外に着弾したと語ったが、8時間
後、岸信夫防衛大臣が「EEZ内」に着弾、と訂正した。つまり、わが国
は北朝鮮のミサイルを追跡できていなかった。北朝鮮のミサイルが定めら
れた軌道を飛ぶ弾道ミサイルではなく、攻撃直前、変則的に動いて軌道を
変える新型だったからだ。

正反対の論陣

北朝鮮だけでなく、中国もロシアも保有するこのタイプのミサイルで攻撃
されたら最後である。極めて深刻な事態だ。現時点では米国にもわが国に
も迎撃する手立てはない。だからこそ、十分な抑止力を持つことで彼らに
攻撃を思いとどまらせることが欠かせない。その意味で非常に適切な問い
だった。

ここでさっと手を挙げたのが高市氏だった。

「日本国を守るために必ず必要だと思います。一昨年エスパー国防長官が
アジア地域に配備すると言っていましたが、むしろ積極的にお願いしたい
話です。今アメリカが開発中の長距離のミサイルであれば、中国ほぼ全土
の航空基地に対して効果があります。これも含めて考えていく必要がある
と思います」

氏はミサイルを国産化できれば最もよいと語った。だがここで正反対の論
陣を張ったのが河野氏だった。

「抑止力を考えたときに、必要なのは日本が自分の指で引き金を引けるか
どうか。アメリカだけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いた
からといって、日本の抑止力が高まるわけではありません」

対中抑止力について、「もう少し慎重に議論をした上で日米の役割分担を
決めること」「日米同盟全体の中で抑止力をどう高めていくか」の議論が
先だとし、「よくある敵基地何とか能力みたいなものは、(中略)かえっ
て(状況を)不安定化させる要因になるわけです」として、高市発言を次
のように論難した。

「勇ましい、やれやれ!というような人が喜ぶだけで、日中関係、或いは
日米と中国の安定につながる議論では全くないと思います」

ここで高市氏も反論した。

「勇ましい、やれやれ!という話ではございません。日本国民の命と領土
を守るために絶対にこれは必要だと思っております。当然、日本は文民統
制ですので、引き金をアメリカに引かせるということではなく、導入する
ということが決まった時点でこのルールはしっかりと話し合っておくべき
です」

米軍はいま大急ぎで中距離ミサイルを準備中だが、わが国への配備は北朝
鮮にも中国にも強い抑止力となる。中距離ミサイルの配備を受け入れるの
がわが国の国土防衛であり国益である。そもそも菅首相は、4月16日の日
米首脳会談で「米国と共に抑止力と対処力を強化する」「日米同盟をさら
なる高みに引き上げる」と明確に述べた。

菅首相が誓約したことは、日本のためにこそ実行すべきであろう。その具
体策が北朝鮮や中国の脅威を抑制する中距離ミサイルの配備でもあろう。
日本国を守るためにも必要だという高市氏の主張の方が、日米同盟全体で
抑止力を高めるという河野氏の抽象論よりよほど説得力がある。

思い込みや虚偽が目立つ

もうひとつの見所は、18日土曜日に日本記者クラブで行われた討論会での
一幕だった。エネルギー問題で河野氏は「原子力発電よりも再生可能エネ
ルギーの方が安いことが明確になりました」と語った。これは7月12日に
経済産業省が発表した2030年時点でのコスト比較だ。しかし、この数字に
は太陽光などの自然再生エネルギーに関して、バックアップに必要な火力
発電を確保する費用が入っていなかった。太陽光や風力の変動を吸収する
大容量の蓄電池などの費用も、変動する再エネのピーク時出力に備えての
大送電網整備の費用も、何もかも全く入っていなかった。経済産業省はこ
の数字について後に正式に訂正した。

河野氏がこのことを知らないはずはない。氏は間違いを承知で断言してい
るのではないか。だとすれば氏の言葉は「虚偽」である。

氏はこれまでも発言し続けてきた核燃料サイクル廃止論も繰り返した。こ
れに岸田氏が反論した。核燃料サイクルを止めれば青森県六ヶ所村の再処
理工場も止まり、原子力発電から生まれる使用済み燃料の再処理ができな
くなる。すると、原子力発電所の使用済み燃料を貯蔵するプールが一杯に
なり、原子力発電所は運転停止に追い込まれる。再処理の最終段階で生ま
れる高レベル廃棄物の無害化には10万年かかるといわれるが、これを300
年に短縮する技術も生まれてきている。

こうした主旨を、岸田氏は指摘しようと試みたが、河野氏は、「現時点で
はそういう技術はありません」とピシャリと否定した。だが、すでに
GE・HITACHIニュークリア・エナジー社は小型高速炉(プリズ
ム)を開発済みで、これによって高レベル廃棄物の有害度を低減できる。
つまり300年で無害化する技術は実証されているのだ。この点でも河野氏
は間違っている。

国防とエネルギーという国家の根本をなす問題について、河野氏の主張は
思い込みや虚偽が目立つ。河野氏の総理総裁としての資格を疑うものだ。

 
      
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◆日本のコロナ感染減少は
時吉 達也

「政府が数字改竄」韓国で疑いの声

【ソウル=時吉達也】日本で新型コロナウイルスの感染者が大幅に減少
し、緊急事態宣言が解除されたことに対し、韓国では日本の状況改善を疑
問視する声が上がっている。韓国では厳しい防疫対策が長期化しながらも
感染者数が横ばいで推移しており、一部では日本政府が公表した感染者数
が改竄(かいざん)されたとする報道も展開された。

1日当たりの新規感染者数は、日本が8月下旬の2万人台から今月4日に
は約600人まで急激に減少したのに対し、韓国は約3カ月間、
1000〜3000人台が続いている。

「自民党選挙で勝つのに、一番負担になるのがコロナだ」。韓国で最も人
気が高く、与党幹部らもたびたび出演する時事ラジオ番組「金於俊(キ
ム・オジュン)のニュース工場」で4日、左派系の時事評論家、金於俊氏
は自民党政権が10月31日投開票の衆院選で勝利するため、PCR検査
数を減らし感染者数を抑制しているとの持論を展開した。

金氏は「1カ月で感染者が10分の1になるなんてことはない。そんなや
り方があれば世界はとっくにコロナを撃退している」と訴え、「政府が詐
欺行為を働いてはいけない」と非難。主張の根拠は示さず、「日本メディ
アも(日本政府の不正を)指摘できずにいる」とした。

保守系の中央日報は日本国内の急激な感染者数減少について「(日本の)
専門家も明確な説明を出せずにいる」と指摘。ワクチン効果や人口移動の
減少が複合的に作用したとの分析を紹介した上で、「検査の減少による
『錯視効果』」の可能性にも言及した。

韓国では1日当たりの新規感染者数が1000人を超えた7月上旬以降、
首都圏の夜の飲食店利用が原則2人までに制限されるなど、厳しい防疫対
策がとられてきた。日本に対する根拠のない「不正集計」などの主張が登
場する背景には、事態が好転しない国内状況へのいらだちもあるとみられる。


ワクチン接種率は日本が1回目71・7%、完了61・5%(5日時点)
に対し、韓国はそれぞれ77・5%、54・5%(6日時点)となってお
り、大きな違いはない。


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◆パンドラ文書の衝撃度は、
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月5日(火曜日)
通巻第7072号  <前日発行>

パンドラ文書の衝撃度は、パナマ文書に比べると低いが
  世界の権力者、有名人はタックスヘブン利用が巧いことも判明した

 「パナマ文書」に続く告発シリーズだが、今回の報告者はICIJ(國
際ジャーナリスト調査コンソシアム)が作成し、世界の富豪の330人以
上がタックスヘブンを利用して、資産を隠していることを名前を挙げて暴
露した。それが「パンドラ文書」である。

 過去にも世界の政治指導者、有名人、俳優らが屡々タックスヘブンを利
用してきたことは、「パラダイス文書」、「パナマ文書」などが暴露して
きた。
 
 パンドラの箱を空けようとして取材していた記者が居た。2017年
10月にマルタで起きた女性ジャーナリスト暗殺事件がある。カルアナ・
ガリシアは、脱税やタックスヘブンの実態逃散を追っていて、マフィアに
銃殺された。

 ICIJにはワシントンポスト、BBC、ガーディアン、朝日新聞、共
同通信など主として左翼系の記者が任意に加わっており、600人以上の
ジャーナリストが参加したという。彼らが入手した資料は、英領ヴァージ
ン諸島、パナマ、ベリーズ、キプロス、アラブ首長国連邦(UAE)、シン
ガポール、スイスなどの14の金融機関、おおそ1200万件のファイル。 

 とくに海外のオフショア市場を利用した取引や、タックスヘブンに法人
設立は、多くの国で合法であり、けたたましく叫ぶほどの問題ではない
が、ジャーナリズムはこういう報道が好きなのだ。

 例証のトップはヨルダンのアブドラ二世国王である。英米で1億ドルの
不動産を購入していた。
またトニー・ブレア元英国首相と妻は、2017年7月にロンドンでビルを購
入したが取得税を納めていなかった。なぜならオフィスビルを所有してい
た海外企業を買収する形だったからだ。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は名指しされていないが、側近の
ひとりがモナコにもつ隠し資産が浮上した。

 アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は英国で5億ドルの不動
産取引に関与している。しかし、「パンドラ文書」で判明した取引の多く
は、違法ではない。

 ケニアのケニヤッタ大統領、キプロスのニコス・アナスタシアディス大
統領、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、2019年大統
領選で当選する直前に、資産を秘密の国外企業に移していた。
チェコのバビデ首相は南仏に別送を購入した。

 また芸能界でもコロンビアの歌手シャキラ、ドイツのスーパーモデル、
クラウド・ファシファー、インドのクリケット選手、サテン・テンダルカ
ル、そのうえIMF元理事長のストラウス・カーンも、モロッコで700
万ドルの資産運用もばれた。

 パキスタンのイムラン・カーン首相は、財務相のシャウカド・タリン、
前首相アドバイザーだったマスート・カーンの息子らの不正蓄財を指摘さ
れた。
 名指しされたも同然となって怒りを静かに著したのはイムラン・カーン
首相は元クリケット選手で、ぱきすたンの国民的英雄だ。

 「パキスタン政府は全力を挙げて名前の挙がった人を調査する。しか
し、もし間違っていたら、ICIJはいかなる責任を取るのか。ただし世
界の国々では腐敗が蔓延しており、これは気象問題と同じ、危険な問題で
あることは承知している」とツィッター発信した。

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2284回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港166)

   △
最初に訂正を。春秋戯劇学校の住所だが、今の今まで尖沙咀の宝勒巷と思
い込んでいた。だが、改めて半世紀ぶりに戯単を見返してみると、欄外に
「本校地址:九龍赫徳道十四号三至四楼」と記されているではないか。ど
うやら道を1本勘違いしていたらしい。
赫徳道(HART AVE)は宝勒巷とほぼ平行に走っているが、尖沙咀の先端
に近い。とすると数学教授に連れられていった猿料理の店は、赫徳道を挟
んで春秋戯劇学校の向かいの路地裏にあったことになる。

閑話休題。ここで禁戯について簡単に触れておきたい。それというの
も、政治でも経済でもない側面から香港の役割を見直してみたいと思うか
らである。

 建国以前の中国における庶民の最大の楽しみは「吃喝嫖去聴戯」、ある
いは「吃喝嫖抽大烟」と言われていた。吃(料理)、喝(酒、あるいは
茶)、嫖(おんなあそび)、去聴戯(しばい=京劇)あるいは抽大烟(ア
ヘン)である。じつは古典演劇は基本的に唱(うた)が主であることか
ら、芝居は看るのではなく聴くものだった。

 ザックリと表現するなら、中国では上は皇帝から下は名もなき庶民に至
るまで──身分の上下、貧富の差、教養の違い、学問の有無などを超えて、
芝居は社会を構成する全ての人々が愉しむことのできる文化的・社会的装
置だった。
だからこそ芝居は娯楽であると同時に、民衆教化、政治教育、思想洗脳の
手段たり得たわけだ。

 その演目を禁止するということは、封建王朝であれ辛亥革命以降に誕生
した近代国家であれ、権力の側からすれば不都合な内容を伝えるからであ
り、そのような芝居に民衆が慣れ親しむことを排除する必要があるからと
見なすからである。
いわば禁戯措置を受けた演目は、政治権力の基準に照らして公序良俗に反
するということになる。

 たとえば18世紀末の乾隆五十(1785)年から清朝崩壊の宣統三(1911)
年の間、清朝は総計で80本ほどの演目を禁戯措置にした。
それら演目が観客を「盗」や「淫」の犯罪に煽りたてる恐れあり、という
のが理由だ。ではなにが「盗」や「淫」なのか。当然のように清朝の支配
秩序・道徳律が基準となっている。

 清朝崩壊の後に誕生したアジアで最初の立憲共和政体を備えた中華民国
では、1912年の建国から1949年の中華人民共和国建国までの37年間に、51
本が禁戯措置を受けた。
 それら演目が「国民党の党義に反し邪説を公言する」「治安を乱す」
「封建思想を提唱する」「迷信を流布する」「悪事を誘う」「若者を淫
乱・猥褻に導く」「人道に悖る残忍さを指し示す」「個人や団体を侮辱す
る」「その他、観客の心身を傷つける」からというのが、公演禁止の理由
である。

 満州事変から1945年までの14年間、「淪陥区」と呼ばれた日本軍政下の
地区では9本が禁戯とされたが、その全てが「異民族支配の理不尽さ」
「異民族への反撃・反抗」をテーマにしている。
すでに指摘しておいたように、舞台のうえで理不尽に振る舞う異民族が日
本軍を指していることは敢えて指摘するまでもないだろう。

 国共内戦に敗れ台湾に逃げ込んだ?介石政権も禁戯措置を取った。1949
年から国民党一党独裁体制が崩れた1990年までの間、すでに示した「四郎
探母」を含む15本の演目が禁戯に指定されている。ここで興味深いのが
「覇王別姫」に加え、「文姫帰漢」「昭君出塞」が含まれていることである。

 たしかに「覇王別姫」は?介石・宋美齢夫妻の敗残の姿を容易に連想さ
せる。夷狄に嫁いだ漢族の哀切さを描き出す「文姫帰漢」「昭君出塞」
は、外省人の里心を呼び起こしかねない。
 やはり共産党に敗北した現実を故意に忘れ去ろうとしたに違いない。
 
   ○△□◇ヒ◎○△□イ○△□◇ズ◎○△□ミ△□◇◎  
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  ★アンディ・チャンのアメリカ通信★
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「アフガン総撤退」公聴会
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 アフガン総撤退は米国だけでなく世界諸國の軍事、外交方面に大きな影
響を与えた。にも拘らず米国の国会で行なわれたアフガン総撤退に関する
公聴会は外国のメデイアが一部しか報道していない。バイデンの失敗はア
メリカ開国以来最悪の失敗だが、アメリカのメディアはDeep State の手
先だから詳細を報道しないのだ。CNNやNBCの報道は事実を捻じ曲げたり、
勝手な解釈を加えたりしている。
 国会では9月28と29の両日にバイデンのアフガン総撤退について公
聴会を行った。喚問されたのはオースチン国防部長、マッケンジー中央司
令長官(Central Command、G3)、ミリー統合参謀本部議長(つまり参謀
総長、G2)の3人である。
 公聴会は28日に上院の軍事委員会、29日に下院の同委員会で行われ
た。公聴会はアフガン撤退でこのような大失敗が起きた軍部トップの解釈
を聞くことだが、アフガン問題の他にもミリー参謀長が2020年10月26日
と21年1月8日に二度中国の李作成参謀長に電話したことの諮問会でも
あった。
 公聴会では真っ先にアフガン政府が二週間で崩壊したことや米軍の撤退
作戦の明らかな失敗などだが、驚いたことに召喚された3人の将軍がバイ
デン大統領に少なくとも2500人の兵士を残すべきだと進言していたと証言
したのである。3人とも作戦上の失敗はバイデンが彼らの進言を聞き入れ
なかったからと責任を回避しているように見える。彼らは軍隊がバイデン
の命令を遂行した結果、多数のアメリカ人と家族を残し、850億ドルの最
新武器を残して撤退した責任はバイデンにあると言っているのだ。
 無様な撤退作戦の責任を追求され、辞職を迫られたミリー参謀長は「私
は軍人である。バイデンが私の意見を聞かなかったために辞職するのは文
民統制の規則に反することだ」と答えた。トランプを裏切って中国に電話
した売国奴軍人が文民統制を掲げて責任回避をしたのは笑止のいたりである。
 この証言でバイデンが嘘をついたことが明らかになった。
バイデンはアフガン撤退で少なくとも6回の嘘をついた記録がある。アメ
リカ国民を一人も残すことは絶対にしない、最後の一人が帰国するまでは
撤退しない、アフガン政府は崩壊するはずがない、タリバンはアフガン政
府軍と戦えない、アル・カイーダは一人もアフガンにいない、などである。
 バイデンは誰も2500人の兵隊を残せと進言しなかったとABCの記者に強
調したのである。ABCのGeorge Stephanopoulosと対談した際に、記者から
軍部が撤退を遂行するために少なくとも2500人の兵士が必要と進言しな
かったかと聞かれ、バイデンは2回もNOと返事をした。バイデンは嘘をつ
いた、つまりアフガン総撤退の失敗はバイデンの決定によるものだ。でも
公聴会は軍のトップを召喚しただけでバイデンを召喚して証言を取ること
もできない。

 次はミリー参謀長が結論したアフガン撤退は「戦略的失敗」だったとい
う証言である。アフガン総撤退はアメリカだけでなくやNATO諸国と日本に
大きな影響をもたらした戦略的失敗である。しかしこれは作戦上の失敗で
もある。撤退に当たって米軍は今になってもアフガンに残留しているアメ
リカ人と家族の人数も知らない。バイデンはもちろんだが軍隊はアメリカ
国民をアフガンに残したまま撤退した責任を負うべきである。しかも米軍
は850億ドルの武器弾薬、補給品などを置き去りにして撤退したのであ
る。明らかに作戦上の失敗である。
 もう一つの大失敗はカブール空港に押し寄せた難民とアフガンから退去
するアメリカ人の安全を維持するため空港の入り口を守護していた米軍が
ISISーKの自爆テロの侵入を防げなかったことだ。このため自爆テロが起
きて13人の米兵と180人の難民が自爆テロで死亡した。しかも自爆テロの
翌日に米軍が報復作戦でドローンを使ってISISをミサイルで殺害したと発
表したが、実際に殺害したのは7人の子供と3人の大人の親米アフガン人
だったのだ。
 ミリー参謀長が中国の李作成参謀長に2回も電話したことは上院と下院
で厳しく追求された。
ミリーは2020年の10月26日、つまり総選挙の十日前に李作成に電話して
「トランプは中国を攻撃する気は無いが、若しも攻撃するようなことが
あったら事前に通知する」と伝えたのである。トランプの攻撃命令、それ
も自分勝手に想像したトランプの暴走の可能性を敵に通達すると約束した
通敵行為、国家反逆罪である。
 ミリー参謀長はコットン上院議員の質問に「中国は(トランプが落選で
暴走して)中国を攻撃することを心配しているという情報を得た。それで
相手に安心させるために電話した。これは私の任務である」と陳述した。
上司でるトランプが「中国を攻撃する可能性」があると自己判断で決め
た、その上でこ
の可能性を敵国に通知したのである。文民統制の原則を知っていると自認
しながら上司を裏切って敵に通達したのである。コットン上院議員がどう
して辞職しないかと詰問したら答えなかった。
 ミリーの二度目の電話は21年1月8日である。1月6日に国会乱入事件
が起きたあとペロシ下院議長がミリーに電話して「トランプは気狂いだか
ら核戦争を起こすかもしれない」と言ったので、ミリーは「核攻撃の決定
権は大統領にあるけれど、大統領が決定するまでに幾多の手筈があるから
簡単に核戦争を始めことはできない」と説得したという。
 つまりミリー参謀長はトランプが勝手に核戦争を始めることはできない
と知っていた、けれどもペロシが心配しているから李作成に電話した。ペ
ロシの電話の後で李作成に電話したと言って責任回避をしたのである。
Dan Sullivan議員に辞職を迫られたミリー参謀長は「私はバイデン大統領
の部下である」と答えた。トランプを裏切った男がバイデンに忠誠を示し
て辞職を拒否したのである。
 ミリーの叛逆罪はもう一つある。
公聴会でミリーは中国の参謀長と2度も電話したことや、その他の軍事事
情をワシントンポストのBob Woodwardに話した事を明らかにした。Bob
WoodwardとRobert Conchaはミリーから得た情報を使って「PERIL(差し
迫った危機)」というトランプ批判の本を出した。Woodwardは反トランプ
で知られる記者である。軍人ミリーはトランプに叛逆して中国と通じてい
たことやその他の軍事情報を新聞記者のウッドワードに洩らしたのである。

 少し長くなったが簡単な結論を述べる:
1。公聴会では数人の民主党議員が彼らを弁護していた。ある議員はトラ
ンプがミリー参謀長を任命したからトランプの責任だと言い、ある議員は
アフガン問題は20年ブッシュの責任だと言った。
2。バイデンの嘘が明らかになったが議会はバイデンを裁けない。
3。バイデンはミラー参謀長の反逆罪も調査する気がない。ミラーを裁判
にかけるのは難しい。
4。公聴会の結果は事態の揉み消しに終始している。アフガン失敗の調査
は尻つぼみになるだろう。
5。ミリーの反逆には多くの疑問がある。この次の記事で詳しく分析する。
               (アンディ・チャン氏は在米評論家)
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)10月6日(水曜日)のニュース解説番組は生放送です。
「フロントJAPAN」。ホストは佐波優子さん、ゲストは宮崎正弘さん
でお送りします。
 宮崎さんのテーマは「昭和維新、もう一つの顔」の予定です。
   (日本文化チャンネル桜)



  ♪
(読者の声2)貴誌前号、都内で北京オリンピックボイコットデモがあっ
たと、マスコミはほとんど報道しないので、宮崎様のメルマガで初めて知
りました。
モスクワオリンピックをボイコットしたのと同じ理由で、北京オリンピッ
クもボイコットすべきと思います。
中国の人権問題や他国への干渉に対し、非難決議ばかり繰り返しても、中
国は痛くもかゆくもない。
けれども、北京オリンピックを西欧諸国等が本気でボイコットすれば、効
果があると思いますが、いかがですか。
   (士魂洋才)


(宮崎正弘のコメント)外電、AFPがとくに大きく報じています。日本
では「産経新聞」が報じました。



  ♪
(読者の声3)以下は新刊「ポストコロナの生命哲学」(集英社新書)の
中での著者の一人、福岡伸一氏の「総括」です。
 「人間は経験から同一性を抽出して法則化し、特殊を集めて一般化し、
本来一回性の偶然である自然の中に、因果律を生み出した。つまり自然を
論理に
変えた。ロゴスとは、言語、構造、アリゴリズムのことであり、ロゴスの
力で自然を、客観視し、外化し、相対化し、過去から未来を予言できるように
なった。ロゴスこそが、人間を人間たらしめた最大の力だ。科学は、ロゴ
スの輝かしい勝利である。その中でも、分子生物学がこれほどまでに科学
の王座を
勝ち得だのは、遺伝子がとてもロゴス的に見えたからだ。遺伝子はデジタ
ル信号の配列で、それを書き換えれば、アルゴリズムが変更され、結果も
変わる。
生命の本質は情報である。ロゴスはそう高らかに宣言した。だが生命を情
報と見過ぎたこと、ロゴス化し過ぎたことが、いったい何をもたらした
か。今、
切実に求められるのは、この反省の上にたった、ポストコロナの生命哲学
である。 ロゴスの作用の一番の弊害は、自らの生命が、そして自らの身
体が、最も不確かな自然であることをすっかり忘れてしまったことであ
る。ロゴスは、ロゴスで制御できないこと、予測できないことを極端に恐
れる。それは、ピュシスが本来的に持つ、不確かさ、不安定さ、気まぐれ
さだ。それゆえ、ロゴスは、そのようなピュシスの振る舞いを見て見ぬ振
りをした。」

貴誌10月4日 通巻第7071号の「はい、一万年札は本日からただの
一銭になります。ベネズエラ、100万分の1にデノミ。町は闇ドルが横
行」を上記に重ねて拝読すれば、旧来経済学には診断書も処方箋も見当た
らず、「価値論なきロゴス経済学の終焉」が迫っているような気がいたし
ました。
(SSA生)

2021年10月06日

◆岸田氏公約公約 改憲猶予なし

          【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】 

4日に首相に選出される自民党の岸田文雄総裁は、総裁選で憲法改正を任
期中に目指すとした。日本を標的とした弾道ミサイルを相手国領域内で阻
止する敵基地攻撃能力の保持についても、「抑止力として用意しておくこ
とは考えられるのではないか」と明言した。

出身派閥である宏池会(岸田派)の非軍事に傾く伝統を思えば、岸田氏の
覚悟表明の意味は重い。

米国がアフガニスタンから撤退し、国際社会の安全保障体制は日本を含ん
だ諸国連合の形になりつつある。だが、日本は依然として自衛隊を警察法
の枠内に閉じ込め、通常の軍隊としての活動を許さない。これではわが国
はもたない。岸田氏の公約、憲法改正には一刻の猶予もないのだ。

日本国の切羽詰まった現状への責任は日本国民全員が負うべきものだが、
吉田茂元首相を源流とする宏池会の伝統及び宏池会所属の政治家の責任は
極めて大きい。

吉田氏の私的軍事顧問を務めた辰巳榮一元陸軍中将は、吉田氏に再軍備や
憲法改正の必要性をたびたび進言した。警察予備隊が創設され元軍人が採
用されたときや、自衛隊法が成立したときは、とりわけ懸命に説得した。
自衛隊が国土防衛の任務が与えられた以上、憲法9条は改正されなければ
ならないという辰巳氏の主張は筋が通っている。

だが、非軍事にこだわる吉田氏は聞かず、これを「戦力なき軍隊」だと強
弁した。「戦力の不保持」をうたった日本国憲法を念頭に、本来国軍と位
置づけるべき自衛隊を、軍から切り離すためのへ理屈を展開したのである。

杏林大の田久保忠衛名誉教授は、吉田氏はこのとき、日本の防衛力にも憲
法改正にも、さらに国家存立の根底にあるべき価値観にもモラトリアムを
かけたと指摘する。

その辰巳氏に昭和39年11月、引退後の吉田氏が助言に耳を貸さなかったこ
とを「深く反省している」と頭を下げた。が、吉田氏の反省はその後も生
かされなかった。

吉田氏の後に続いた宏池会出身の首相は池田勇人氏だ。日米安保条約保障
条約を改定し、その先に憲法改正を目指して挫折した岸信介元首相とは異
なり、池田氏は経済政策に特化した。池田氏は37年の欧州訪問で、所掌秘
書官を務めるなど側近だった伊藤昌哉氏に語っている。

「日本に軍事力があったらなあ。俺の発言はおそらくきょうのそれに一〇
倍したろう」(『池田勇人』伊藤昌哉、時事通信社)

池田氏は軍事力を否定する日本を「宦官(かんがん)」にたとえ、伊藤氏は
民主主義に徹することと軍事力排除を同一視するのは日本特有の価値観だ
とし、「武衛問題について日本人は白痴に近い」と論難している。

だが、結局、吉田氏も池田氏も軍事力保持の国家的必要性を認識しなが
ら、その国際社会の普遍的原理を国政に反映することなく終わった。この
二重基準の修正こそ、宏池会代表としての岸田氏の責任である。果たして
岸田氏にその自覚はあるか。

北朝鮮は9月中旬以降、わが国も米国も迎撃できない極超音速ミサイルを
含む新型ミサイルを発射し続けている。中国は台湾と、親台湾路線の日米
に断固たる姿勢を見せるべく、台湾海峡に連日、数十機の戦闘機群を飛行
させている。

台湾の国益の多くはわが国のそれと重なる。4月の日米首脳会談でも6月
の先進7カ国(G7)首脳会議でも台湾海峡の平和と安定重視は自由主義
陣営の共通の戦略として確認された。中国の脅威に対処することで、紛争
に至ることなく緊張した状況を乗り切るには、米国との協力を強化し、よ
り強い抑止力を構築することが欠かせない。

その努力は日本が真っ当な独立国になる道をも切り開くはずだ。岸田氏に
求められることは軍事を忌避する宏池会思考からの大転換なのである。大
東亜戦争における日本の全てを悪とし、日本否定の思考に沈んで日本の軍
事力構築を忌み嫌う自己否定から始まっているのが宏池会ではないか。そ
のような考えから転換するときだ。自らを信じて、米国との軍事協力体制
を強めるときだ。

米国は今、明確に、中国の脅威に米国一国だけでは向き合えないとして、
同盟諸国の協力を求めている。米国の軍事戦略は新しい事態に向けて急速
に再編されつつある。刮目(かつもく)すべきはその海洋圧迫戦略だ。第1
列島線の内側を海兵隊と陸軍が固め、海空軍が遠い外側から中国海軍を攻
撃して押し返す戦略だ。第1列島線を構成する南西諸島は日本国の領土
だ。そこで米軍と協力するのは当然である。

第1列島線上に中距離ミサイルを配備したいとの提案が米軍からなされた
場合、岸田氏は「全く否定するものではない」とした。これは評価したい。

しかし、そこに核の持ち込みの可能性が出てくる場合、「核兵器を持た
ず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則は変えられないと岸田氏は
否定した。

中距離ミサイルの配備は無論、核ミサイルの配備も日本防衛に欠かせない
はずだ。北朝鮮も中国も核を保有し、彼らのミサイルがわが国を射程内に
とらえている限り、わが国が米軍の核を拒絶するのでは抑止力になり得ない。

吉田、池田両氏の後、宏池会は宮澤喜一、河野洋平、加藤紘一各氏らを輩
出した。彼らは慰安婦問題および教科書問題などで日本の国益を不条理か
つ不名誉に損ねたことに加え、憲法改正にも背を向けてきた。他国に国防
を頼ることに疑問を持たないのであろう。

一連の公約の上に立つ岸田氏は、自身の政治勢力の源泉である宏池会の価
値観や安全保障観を改める責務があるといえる。国力の基盤であるエネル
ギー安定供給のための核燃料サイクルおよび原子力発電に維持継続、男系
男子による皇位継承の安定確保の公約もある。国民は一連の公約を忘れて
いない。その実現には「聞く力:に加えて決断・実行する力こそ必要であ
ろう。

産経新聞 令和3年10月4日 【櫻井よしこ 美しき勁(つよ)き国へ】
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
【産経ニュース】採録

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◆2B鉛筆がなくなった!

馬場 伯明

小学校の3年生学級の古い写真がある。67年前、1953年4月〜1954年3月、
まだ9歳だ。長崎県南高来郡南串山村立南串第一小学校。写真屋さんが
撮ったと思われるが、縦8cm×横11cmの小ぶりの写真である。男子21人女子
13人の34人学級である。担任は30 歳前で既婚の志方淑枝先生で、少し太
めの静かな先生だった。

表題を「2B鉛筆がなくなった!」としたが、私は小学校3年生のときに
「窃盗の疑い」をかけられたことがある。その経過と結果などを記す。

ある日の午前中、図工の授業で使うためのAちゃんの新品の2B黒鉛筆1本が
なくなった。柔らかく濃く描ける特別の鉛筆である。志方先生が「教室内
を探しましょう」と指示されみんなで教室内を探し回った。だが鉛筆はな
かった。ところが、昼休みが終わったあと、私の机の近くのゴミ箱で2つ
に折れた鉛筆がみつかった。

(志方先生)「だれがこのゴミ箱に入れたの?伯明(のりあき)君、あな
たなの?」。(私)「ち・・ちがいます。おい(僕)は入れとらんで
す」。しかし、信頼している先生に疑われてしまったと思った私は、顔が
真っ赤になってしまった。みんなが私をじろじろ見ていた。

だれがゴミ箱に入れたのかはわからず、折れた鉛筆だけが残った。鉛筆は
壁などに立てかけ足で踏み折ったと思われた。鉛筆の表面には傷跡があっ
た。一方、犯人と決めつけるような目線で、ある児童を睨んだ者もいた。

鉛筆は2本とも削りなおせば十分使えると思われたが、先生が「鉛筆のこ
とは私が調べてみます。指紋をとればこれを触った人はわかるのよ」と言
われた。「今日はもういいから授業を続けます」と言って、2本の折れた
鉛筆は紙でくるみ上着のポケットにしまわれた。

翌日朝一番、先生は、授業の前に新品の2Bの鉛筆1本を掲げて「A君、こち
らへいらっしゃい。折れていたあの2本の鉛筆を削って、自宅で画用紙に
デッサンをしてみたら、短いのでとても使いやすいの。夢中になって描い
ていたらずいぶん減ってしまったの。減った鉛筆の芯は元に戻せないか
ら、私の手持ちのこの鉛筆をA君に返します。今後なくさないように注
から、私の手持ちのこの鉛筆をA君に返します。今後なくさないように注
意してね。名前もちゃんと書いておいてね」と話された。

Aちゃんはうれしそうにその新品の青い鉛筆を受け取った。それで鉛筆紛
失(窃盗?)事件はだれも指紋をとられることもなく終わり、犯人はわか
らなかったが、学級のみんなはそのうち事件のことは忘れてしまった。

当時、私たちは9歳であり67年前のことである。若い志方先生は、あのと
きこの事件をどう考え、なぜあのような処置をされたのだろうか。私はい
くつか想像してみた。

(1)顔が赤い私を(真)犯人と(仮)判断するが一旦その場を救う。
(2)教室の児童たちの表情を俯瞰・注視し(真)犯人の目星をつけた。
(3)窃盗犯人探しを進めることによる学級の無用の混乱を避ける。
(4)犯人を特定し問い詰めることより児童の将来が大切である。

だが、今となっては、事実はあるが真実はわからない。「藪の中」(芥川
龍之介)? それに、ひょっとしたら犯人は学級外部の者だったのかもし
れないのだ。犯人は、「鉛筆は欲しいが手放すのはイヤだ。でも犯人と
『ばれる』ことはもっとイヤだ」と考えたのであろう。だから、盗んだ鉛
筆を手放すのが惜しくて仕方がなく、足で踏みつけ折って捨てたのであろう。

ともあれ、志方先生のおかげで34人の小さい1つの学級は犯罪人を出すこ
となく平和な日常の学級に戻った。

A君は志方先生から新品の鉛筆をもらえたのでよかった。犯人もホッとし
て、今後は他人の物は盗まないようにしようと心に決めたかもしれない。
そうであれば志方先生は教育の本来の目的を達成したのである。

世間では「三つ子の魂百まで」という。いいことも悪いことも「三つ子の
魂」のせいにされがちである。だから、幼いころの育児は責任重大であ
る。あの事件で犯人はどのような教訓を得たのだろうか。その後の人生に
どのような(善・悪の)影響があったのであろうか。

(犯人が学級内にいた場合)「指紋をとればこれを触った人はわかるの
よ」と、穏やかではあったが、志方先生の真っ直ぐなまなざしと冷徹な物
言いにより、犯人(幼い児童)は恐ろしくて体が震えたのではないか。
だから、先生が自分の代わりに「弁償」してくれ、自分を見逃してくだ
さったことに対し、先生の深い「愛情」を感じたのではないだろうか。彼
(または彼女)が、先生の愛情を胸に抱きその後の人生を歩んだのであれ
ば、おそらく真っ当な人生になっただろうし、それこそ、志方先生にとっ
ても、教師人生の冥利に尽きることであったと思う。

教育というのは不思議でやっかいなものだ。やってみなきゃわからない。
そして、七転八倒しいくら苦労しても結果責任なのだ。叱ってもらったた
めに立ち直る人もいれば、誉められたばっかりに増長し失敗してしまう人
もいる。「♪どうすりゃいいのか、思案橋〜(歌:青江三奈)」である。

そして、それから60年後、私は帰省し南串第一小学校の古稀の同級生の会
に参加した。学年2学級で72人の卒業生だったが参加者は25人であった。
長崎県在住以外の参加者は私を含め3人だった。私が「2B鉛筆がなくなっ
た!」事件を覚えているか?」と当時の学級の数人に訊いたが、だれも
「覚えていない」か「知らない」と言った。

ところで、志方淑枝先生はご健在なのだろうか。息子の志方君は大阪で仕
事を続け、私が卒業した島原半島の県立口加(こうか)高校の関西同窓会
長であったが、その後、先生がお住まいの長崎県へ生活の拠点を移した。
先生はすでに卒寿を越えておられるが心身ともお元気だとのことである。

じつは、とても珍しいことだと思われるが、1953年、田舎の小村の小学校
の志方学級3年生の4人の男子児童が、その後国立の海上保安大学、北海道
大学(法)、東北大学(工)、京都大学(法)の大学へ進学し、紆余曲折
を経ながらも社会と国家にそれなりに貢献し今76〜77歳となった

その中で、酒井勝弘君は、東北大学(学部・大学院修士)で物理・数学・
原子力工学を学び、大阪大学大学院博士課程を終え学位を得た。あの高速
増殖炉「もんじゅ」の炉心の設計にも深く関与した。酒井君は、学位が決
定したときに、何十年も話したこともなかったのに、不意に志方先生を思
い浮かべ、電話番号を調べ直接電話して、「志方先生、学位を得ました。
博士になりました」と報告したという。一方、電話先の志方先生はびっく
りである(笑)後に酒井君は埼玉工科大学の教授になった(現在名誉教授)

「2B鉛筆がなくなった!」小学校3年生のときの(窃盗)事件を、志方

先生は児童を思いやる見事な才覚で処理された。全員にあたたかい愛情を
注ぎ存在感を児童に残された稀有な教師であると思う。コロナ禍の終息を
期待し、酒井勝弘君らとともに、ご健在という志方淑枝先生にぜひ再会し
たいものである。(2021.10.4 千葉市在住)

(追記)
1.志方先生と34人の小学校3年生の写真は「断捨離」せずに、古いアルバ
ムとともに、もうしばらく保管しておこう。
2.でも、あの事件の真犯人は一体だれだったのだろうか?(了)

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◆南太平洋の島嶼国家群

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月1日(金曜日)
通巻第7070号   

南太平洋の島嶼国家群、「中国からカネが来なくなった」
2018年のAPECが中国の援助外交のピークだった。

 キリバス、ソロモンなどはチャイナマネーに転んで台湾と断交した。
 米国はそうした国々への外交方針を切り替え、規制を強化した。豪、
NZなどが、南太平洋地域への援助と投資を増やすとし、英仏も加わっ
た。英国領だったフィジー、サモア、トンガなどにも中国が大々的に進出
していた。

 絶頂は2018年のAPECで、パプアニューギニアの首都ポートモレ
スビーで開催され、中国は国際会議場を建設して寄付した。
そのうえパプアニューギニアの五星ホテルを全館借り切り、習近平皇帝の
宿舎とし、そのホテル玄関に巨大な、朱色の中華門を建てた。

 バヌアツは1800万円程度のマンションを買えば、国籍が付与され
た。どっと中国人がやってきて、パスポートを取得した。
バヌアツのメインストリートの80%が、中国人経営の商店街となった。
当時、繁華街のレストランに入ると全席が中国人で北京語が飛び交っていた。
日本人を見かけなかった。そもそも日本大使館は、ビジネスホテルの一室
を借りていただけだった。

 コロナがやって来た。
中国はカネばらまき外交からワクチン外交へ切り替え、相手によっては戦
狼外交を併用した。
 IMF等の調べでは中国の南太平洋諸島国家群(14ヶ国)への援助は
2憶8700万ドル(2016年)だった。2019年には24億ドルに
たっしていた。
その巨額から2020年には15%減少していたことが判明した。

「一帯一路」関連のプロジェクトは、コロナを口実に中国人エンジニア、
労働者が引き揚げたため、中断に追い込まれた。
援助交際はカネの切り目が縁の切れ目。また台湾へ眼を向け始めた。
 

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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2282回】               
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港164)

  △
 時代は一気に下って中台関係の緊張が高まっていた1990年代半ばであ
る。台湾財界の指導者であり、李登輝総統(当時)から絶大な信頼を得て
いた辜振甫が来日し、有楽町の国際フォーラムで京劇を公演したことがある。

じつは辜振甫は極めて優れた企業経営者であるばかりか、深い教養の
持ち主であり、粋な趣味人であり、なによりも超弩級の戯迷だった。

国民党の台湾統治初期の恐怖統治時代に亡命した香港で、女性ながら生
(たちやく)の名優で知られた孟小冬に師事している。亡命先で道楽に耽
るとは優雅で余裕というべきか、はたまた豪胆で破れかぶれやぶれという
べきか。
台湾に戻った後、激務の傍ら票友(しろうとやくしゃ)として屡々舞台に
立ち、最後には自分用の劇場まで建設してしまったほどだ。

 その辜振甫が態々東京に出向いて京劇を演ずるのだからタマラナイ。
さっそく戯単を見た。すると「空城計」に「借東風」──共に諸葛孔明が主
人公で、京劇十八番とも言える演目でではないか。

守備部隊が出払って無防備状態の居城を守る孔明は咄嗟に一計を案じ
る。開け放った城門の上で琴を奏でる孔明を目にした司馬懿は、城内に
ヒョッとして大軍を潜めているのではないか。城内に突入したら、待ち構
えている孔明軍に殲滅されるのではないか。疑心暗鬼の末に司馬懿は大軍
を退却させる。

ホッと安堵する孔明──弱兵ながら強兵に負けない「空城計」の粗筋だ。こ
れを当時の両岸関係に当てはめれば、強兵を恃んで台湾に対し理不尽な姿
勢を示すと思わぬ痛い目に遭いますよというメッセージにも読み取れる。

「借東風」の舞台は赤壁の戦である。孔明は法術を使って東風を巻き起
こし、劣勢ながら東風の勢いを借り周瑜軍を助け、曹操の大軍を打ち破
る。東風を日本に見立てるなら、劣勢の台湾に力を貸してくれという切実
な思いが痛いほど感じられた。

辜振甫の東京公演を知らせる戯単に記された「空城計」と「借東風」
は、当時の台湾の政治姿勢を物語っていた。
辜振甫は玄人はだしの『旦那芸』を披瀝したかったわけではないだろう。
やはり舞台を通して台湾が置かれている内外状況を訴えたかったはずだ。

ついでながら最近の中国における政治と京劇の関係を。
 中国政府の「文化和旅游部」は7月1日の共産党建党百周年祝賀を謳っ
て、40本の京劇を推奨した。そのうちの代表的現代京劇を挙げてみると、
 中国共産党創立者の1人である李大?の「短くも勇壮な一生を再現」し
た「李大?」。1921年開催の第1回共産党全国大会参加者13人の代表のう
ちの唯一の少数民族出身者である?恩銘の「初心を忘れずに犠牲を恐れぬ
革命精神を貫徹」した姿を描く「?恩銘」。

産党創立に参加した唯一の女性代表で33歳の若さで犠牲になった向警 予
を「傑出したプロレタリア階級革命家で中国女性運動の模範的指導者」
と称える「向警予」。

建国前の共産党指導者で抗日北上先遣隊を率い作戦中に国民党に逮捕さ
れ刑死した方志敏を「諄々と革命の道理を説き、中国共産党の救国救民の
主張を宣揚し、国民党反動派の血腥い統治を暴露し、確固たる革命精神を
体現した」と賞賛する「清貧之方志敏」など。

 加えるに武漢におけるハイテク工業団地建設に焦点を当てた「光之
谷」。「偉大な歴史的変革過程における反腐敗闘争の勝利」を称える「在
路上」。
 
  ──これらの現代京劇に共通するテーマが、共産党に殉じた有名無名の
英雄たちによる「破私立公」に向け奮闘する姿であることは明らかだろう。

 「私ヲ破リ公ヲ立テル」とは文革当時に毛沢東が掲げたスローガンであ
り、今年2月20日開催の党史学習教育動員大会に総書記として出席した習
近平が行った講話の中心テーマの1つでもあった。
いまなお京劇は、共産党政権の政治的メッセージを映し出す鏡だ。

  ▼
(宮崎正弘のコメント)小生も辜振甫氏の京劇公演を見に行きましたが、
鮮烈な記憶は、豪華な花輪が二百本ほど並んでいたこと。
しかし、そうですか、そういう寓意が含まれていたとは!

2021年10月03日

◆河野支持、若手議員はそれで良いのか

櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第967回

自民党総裁選挙は河野太郎、岸田文雄、高市早苗の三氏で争われる。どの
世論調査でも河野氏が断トツに高い支持率を得ている。これら一連の数字
に強く影響されて、自民党議員、三回生以下の若い議員が河野氏の支援に
回ろうとしている。ここでは都合上、年齢に関わりなく彼らを「若手議
員」と呼ぶ。彼らに問いたい。なぜ河野氏なのか、と。

慌てふためいて河野氏の旗の下に馳せ参じる若手議員は、安倍晋三前首相
に寄せられた国民の強い支持ゆえに当選した人々だと言ってよい。安倍氏
は6回選挙を打って全ての選挙で圧勝した。2017年の選挙ではなんと衆議
院で284人を獲得した。その結果、自民党議員の100人以上が三回生以下、
全体の4割近くを占める勢力だ。

彼らは多くの場合、自力に自信がない。そこで党の顔に人気者を据えて選
挙を戦いたいと考えている。総裁の人気で自らに足らざるところを補って
もらわなければ落選の可能性があるからだ。

政治家は選挙で落ちればただの市井の人だ。さまざまな特権は全て失う。
「先生」と呼ばれ、公費で秘書を雇うことも、新幹線や飛行機に無料で乗
ることもできなくなる。航空機の乗り降りに際して特別のルートを通り一
般国民に会わなくても済む待遇も失い、必要な資料や情報を官僚に用意さ
せ、国会や各委員会でそれなりに論陣を張ることもできなくなる。

これらの特権は、国益を考え、日夜日本国の在るべき姿を模索する真面目
な議員には惜しみなく与えるべきだと、私は考えている。課題山積の日本
の、その課題をひとつでもふたつでも解決しようと立法し、果敢に取り組
む議員なら、歳費も研究費も、現在よりもっと与えるべきだとさえ思う。
議員の真価はその人物がどんな考え方をしているか、国の形をどのように
整えていこうとしているかの一点にある。つまり、掲げる政治信条・政策
が大事なのである。

議席欲しさで…

安倍氏の力で当選したと言ってよい若手議員らが、今、河野氏支持に走る
のを、政治信条・政策の観点からみると全く理解できない。安倍氏の掲げ
る価値観は一言で言えば優しく雄々しい保守である。具体的に以下の主張
があった。

・日本の国土、国民の守りを強固にするために、自衛隊を強くする。憲法
に自衛隊の存在を書きこむべく憲法改正に着手する。

・拉致をテロと定義して国連決議に反映させた。拉致された国民を取り戻
さなくては、日本は主権国家ではあり得ないとの思いから拉致問題解決を
自身の最重要の使命と位置づけた。

・日本の国柄の根本に皇室がいらっしゃる。長い日本の歴史は、国民の幸
福を祈り続ける皇室と皇室を尊崇の気持ちで守ってきた国民の、相互信頼
の歴史である。だからこそ、皇位継承を含めた皇室の形を、長い歴史を生
き抜いてきた本来の形のままに守りたいとして、男系男子による継承にこ
だわってきた。

・国民生活を支える経済を重視した。経済・産業の基盤はエネルギーの安
定供給にあるため、火力、原子力、再生エネルギーの最善の組み合わせを
目指してきた。

これら主要政策のどれをとっても、河野氏の考えは安倍氏とは異なる。こ
こ数日の河野氏の発言は微妙に変化している面もあるが、年来の氏の主張
は安倍氏とは対極にある。

私は河野氏が安倍氏と同じ考えを持つべきだなどと言う気は全くない。河
野氏は氏自身の信念を貫けばよい。しかし、安倍氏の力で当選した若手議
員には言いたい。議席欲しさで全く価値観の異なる河野氏の下に馳せ参じ
るのでは、政治家としての存在意義は何なのか、と。

まず国防に対する河野氏の姿勢は安倍氏との比較以前に控え目に言っても
無責任だ。河野氏が防衛大臣だったときにイージス・アショア問題が起き
た。同装備は北朝鮮による核ミサイル攻撃に備えるものだ。北朝鮮は9月
13日も新型の巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表、飛行距離は1500
キロメートルで、わが国のほぼ全土が射程内に入る。

北朝鮮や、或いは中国の攻撃に備えるためのイージス・アショアの設置
を、河野氏はいきなり中止した。ミサイル発射後には燃料タンクが切り離
され、地上に落下する。空のタンクが自衛隊の陣地を越えて民家に落ちる
危険性があるという理由だが、民有地を買い取り自衛隊演習地を拡大する
など、対策はいくらでも打てる。そうした工夫や説得を一切せずに、氏は
いきなり計画を全て中止した。

北朝鮮や中国からの核ミサイル攻撃があれば万単位の人命が失われる可能
性がある。その重大な危険を、タンクが民有地に落下する危険と同列に並
べて独断的に判断した。大きな計画を変えるときにはそれなりの準備と代
替策が必要だが、それを検討した形跡はない。防衛相としてこのような無
責任な決断をした河野氏を若手議員は本当に支えるのか。

国民を騙すような言説

次に経済の基盤であるエネルギーだ。河野氏は原発ゼロを主張してきた。
11年に福島第一原発の事故が起きると、超党派議員連盟の「原発ゼロ・再
エネ100の会」を設立、立憲民主党の近藤昭一氏と共に共同代表になっ
た。同連盟の公式ブログには河野氏について「※休会中」と注意書きがあ
るが、同議連が立憲民主主導で共産党及び社民党などが支えていることは
メンバー構成からも明らかだ。

河野氏は今はこのような立憲民主や共産党との連携を後ろに引っ込めてい
る。保守陣営の支持を得ようとするためか、原発ゼロの持論は表に出さ
ず、9月10日、立候補正式表明の記者会見でこう述べた。

「安全が確認された原発は当面は再稼働していくことが現実的だ」

同時に核燃料サイクルは一日も早くやめるべきだとも語っている。事実
上、青森県六ヶ所村の再処理をやめるという意味だ。

再処理をやめれば各原発から生まれる使用済み燃料の行き場がなくなり、
原発を受け入れている自治体は猛反発する。結果として、原発の再稼働な
ど許さないという流れが生まれる。河野氏の発言は目先を変えた原発廃止
論だ。

口では原発の安全性確保の上で再稼働させると言うが、原発ゼロに向けて
巧妙な仕掛けをしているのが河野氏だ。このような言説を展開すること
は、「嘘をつく」ということだ。河野氏には明確に説明する責任がある。

再生エネルギー中心で、原発をゼロにして、CO2削減のために火力発電
も抑制していくのでは、日本のエネルギーの安定供給は不可能だ。河野氏
の下では日本経済は衰えていくだろう。若手議員らよ、こんなに無責任で
国民を騙すような言説の主、河野氏を支持する理由を明らかにせよ。

 
    
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◆雀庵の常在戦場/90習近平の“中国の夢”は終わりそう」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/370(2021/9/30/木】江沢民の傭兵“江の洋平”の
息子が総理になったら日本は「東海省倭族自治区」になるのだろうなあ、
どこへ逃げたらいいのだろう、と心配していたが、とりあえずホッとした。

岸田は広島地盤の3世議員、サラブレッド。永霞会(永田町・霞が関開成
会)は岸田が主催している。売国奴、加藤紘一の子分だったのは気になる
が、安倍、麻生、甘利、岸、高市らがサポートすれば激動の数年は頑張れ
そう。総理大臣は政治家にとって最高の夢、64歳は働き盛り、君子豹変、
歴史に名を遺す名宰相を目指して欲しいものだ。

さて、「60、70は働き盛り」の政界と違って、最前線でドンパチする取材
記者・現場編集者の働き盛りは25〜45歳辺りのようだ。現役バリバリ時代
の“小生の夢”は「締め切りに間に合う」「仕事が十分ある」「資金に余裕
がある」「毎晩飲みたい」「もてたい」「たまには休みたい」だった。
「小さな夢」だけれど毎日必死だった。

経営者でもあったので土日祝日も出社するのは日常茶飯事。フリーランス
と同様に「仕事がない」というのは最大の恐怖だから、忙しいのは結構な
ことで、まあ、振り返れば「いい夢を見させてもらった」という感じ。
で、あなたの夢は?

全国自治宝くじ事務協議会「日本人の夢を大調査!全国47都道府県14,100
人の“夢”をまとめた『日本ドリーム白書2018』を発表」 2018/4/4から。

<全国都道府県及び20指定都市では、全国の20代以上の男女14,100人を対
象に夢に関する大規模調査を行い、今年の新社会人の夢、47都道府県や年
代別の夢の傾向など、日本人がどんな「夢」を持っているのかを「日本ド
リーム白書2018」としてまとめました。 

夢をもっているのは約半数(51.9%)。1位:健康な生活を送りたい、2
位:好きな趣味に打ち込みたい、3位:一戸建てに住みたい>

何だ、これ? 「設問」が良くない。「健康で快適な家で面白おかしく暮
らしたい」なんてみんなそう思っている。「不健康であばら家に住んで不
愉快に暮らしたい」なんていう人がいたら、まず措置入院だ。宝くじで一
攫千金、となれば夢がかのう、という話なのだろうが、米国での調査によ
ると、大当たりすると「ろくなことにならない」というケースは珍しくな
いとか。もっと増やそうとして怪しい投資話に乗って破産するケースが多
いそうだ。

「私には夢がある」で有名なキング牧師の子供たちは、牧師の遺していっ
た身の回り品でさえ高値が付くので、遺産を巡ってドタバタやったらし
い。想像もしなかった悪夢、キング牧師は泣いているだろう。

小生の心を鷲づかみにしている習近平の夢は「中国の夢」だ。

<2012年11月、習近平は中共中央委員会総書記に選出された半月後、中国
国家博物館の「復興の道」展を視察した際に、こう発言した。

「誰しも理想や追い求めるもの、そして自らの夢がある。現在みなが『中
国の夢』について語っている。私は中華民族の偉大な復興の実現が、近代
以降の中華民族の最も偉大な夢だと思う。この夢には数世代の中国人の宿
願が凝集され、中華民族と中国人民全体の利益が具体的に現れており、中
華民族一人ひとりが共通して待ち望んでいる」>(WIKI)

「中国の夢」とは「中共の、中共による、中共のための世界制覇」と小生
は解釈しているが、オリジナルは中共軍幹部の劉明福著「中国の夢」だそ
うだ。朝日新聞らしからぬ記者の峯村健司著「潜入中国」によると習近平
は中共軍を手なずけるために経歴を積んできたという。要約すると――

<習近平は前任の胡錦涛と比べ、軍とのつながりが強い。2012年に総書
記、中央軍事委員会主席を引き継ぐ以前の地方指導者の時から、軍隊に関
する業務に参画していた。武装部党委第1書記、軍分区党委第1書記、高射
砲予備役師団第1政治委員・・・

習の強みは、前任の胡錦涛や江沢民らが持っていなかった軍との関わりの
深さだろう。(習と同じく)党高官を父に持つ元党幹部が背景を説く。
「父の習仲勲・元副首相の『指導者になるためには軍の経歴が必要だ』
(毛沢東)という教えに従ったのだ」

これほどまでに軍が重要なのは、軍は国家ではなく「党の軍」であり、一
党支配を支える存在だからだ。毛やトウ小平ら最高実力者が中央軍事委員
会主席のポストに座り、権力を掌握してきたのもそのためだ。習の政策も
軍幹部の影響を受けている。

「中華民族の復興こそが、我々の最も偉大な夢だ」。習は「中国の夢」と
いう言葉を繰り返し使っている。軍シンクタンク研究者はこう説明する。
「彼の発言は強硬派の軍幹部の書籍の影響を受けている」>

「強硬派の軍幹部の書籍」とは劉明福著「中国の夢(チャイナドリー
ム)」。劉は1969年に人民解放軍に入隊したから、遅れて来た少年・習近
平の憧れる文化大革命の紅衛兵世代、強烈な毛沢東チルドレンだったかも
知れない。その後、作戦部隊に10年、戦区機関に20年、国防大学に17年間
勤務し、現職は国防大学教授で、「全軍優秀共産党員」に選ばれている。
「チャイナドリーム」は「アメリカンドリーム」を引用したタイトルで、
「中国には中国の夢があるのだ!」と吠えているよう。

<胡錦涛政権の2010年に出版した「中国の夢」は、米国を「中国を抑圧す
る専横的な覇権国」などと批判した内容で、出版後すぐに発禁処分となっ
た。海外での「中国脅威論」を刺激しないための措置と見られている。

ところが習近平が総書記に就いた2012年末、習近平は(軍強硬派の意見を
受けたのだろう)「中国の夢」は再出版された。習はその直後に「中華民
族の偉大なる復興には、富国強兵をしなければならない」と発言したが、
それは「中国の夢」の一説と一致している>(同上)

劉明福は習近平という強烈なバックを得て「グローバルな視点から見る中
国政府」「解放軍はなぜ勝てるのか」「軍魂論」「富国強軍」などを発
表。まるでアジテーターだ。北京共同2021/1/15「中国軍は『世界最強軍
隊』目指す 著名軍人、米軍超え明言」はこう報じている。

<中国の著名な軍人、劉明福国防大教授が新著で、中国軍が今世紀半ばま
での目標としている「世界一流の軍隊」とは、米軍をもしのぐ「世界最
強」になることだと断言していることが15日までに分かった。

習近平が2017年の第19回共産党大会で掲げた目標「世界一流の軍隊」とは
「米軍並み」と見る向きが多かった。より野心的な目標であり、米軍など
は警戒感を強めそうだ。

新著は昨年10月に発行された「新時代中国の強軍の夢」。劉氏は、スポー
ツ試合と異なり「戦場に2位の序列はなく、勝つか負けるかの結果だけ
だ」と強調した>

軍事研究家・元陸自陸将補の矢野義昭氏「中国の国防大教授が明かす台湾
統一への戦略と日程表 中国共産党が夢想する世界制覇は実現するのか」
(JBプレス2020/12/21)が同書を詳しく紹介している。

<個人の著書ではあるが、その立場上、習近平体制下の党と人民解放軍の
意思や思想が色濃く反映された文書とみてよいであろう・・・21世紀に中
華民族の偉大な復興という夢を実現する上での危険には以下の5つがある
としている。

1:中国への侵略、2:政権の転覆、3:国家の分裂、4:安定的な改革と発
展のための環境の破壊、5:中国の特色ある社会主義の発展進展の断絶

1、2、3は共産党独裁体制の強化と覇権拡大を直接目指す上での障害であ
るが、4、5は逆にそのような覇権主義的な行動や国内での独裁強化の動き
により、国際的な反発や警戒の結果、招くおそれもあり、1、2、3と矛盾
している。南シナ海での動きなどを見れば、そのおそれがあることは十分
に予測できるはずである。

しかし、この矛盾点について、その後の論述では明確な分析がなされない
まま、主に1、2、3の脅威に対する「強軍夢」、言い換えれば、軍事力強
化による対外的な覇権拡大主義だけが突出して論述されている。

防衛すべきものとしては、以下の4項目が挙げられている

1:中国共産党の指導的地位と中国の社会主義制度、2:国家の主権、統
一、領土の完全回復、3:中国の海外利益の不断の発展、4:世界の和平と発展

1については、中国共産党の歴史を振り返り、新時代に入った今日、「中
国号」は中国夢実現成功に舵を切り、偉大なる目標への遠洋航海に乗り出
した、中華民族の歴史上のみならず人類史上における一大物語であると自
画自賛している>

自画自賛・・・小生は「我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義の
ぶつかり合い」と思っているが、主義者は「俺だけが正義だ!」という思
い込みが激しく、独裁志向であり、些細な違いから敵対するから、やがて
内乱になり自滅してしまう。中国史はその繰り返しではなかったか。

習近平の「文革2.0」は世界制覇の前に中共分裂・内乱をもたらしそう
だ。平野 聡・東京大学大学院法学政治学研究科教授「習近平の大革命 
毛沢東の文革とはここが違う」ウェッジ2021/9/22から。

<中共は今、AI・ITと実力を以て人々の思想を「中国化」し、さらなる
「発展」へと団結させ動員する条件が揃った。言わば「真正の中国文化に
よる大革命」である。

今後の中国では、経済が突然崩壊しない限り大きな混乱が起こるとは思え
ないが、社会的なインフラが統治者の側に偏重し、人々の自由な空間が厳
しく制約された北朝鮮に似た雰囲気が強まる可能性が高い。

そして「外」との摩擦が増すごとに、「外」とつながるコンテンツや、社
会の積極性を生み出さないコンテンツがますます干渉を受け、最後に残る
のは「愛国主義イデオロギー」に忠実に沿ったコンテンツのみとなろう。

習近平以下「中国の智慧」に自信を抱く人々はそれで満足するかも知れな
いが、本当に中国の個々人がそのような現実に幸せを感じるかどうかは別
の問題である>

鉄壁の経済・軍事の国際包囲網で中共を孤立させる・・・それが今のとこ
ろは民主主義陣営がなし得る最上策だと小生は思っている。晩年の小生の
「ささやかな夢」、きっと叶うだろう。


            
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◆株価が32%恢復って、数字のトリック

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月28日(火曜日)
通巻第7067号  

恒大、 明日(29日)。ついにデフォルトか、前回分の利払い は誰が用立てたのだ?
 株価が32%恢復って、数字のトリック。恒大NEVは94%の暴 落ぶり

 恒大集団は事実上倒産状態にあると言えるが、9月23日のデフォルト
危機を一時的に回避した。
9月23日償還の91億円分は、支払ったと報道されたため、株価が
32%の急騰ぶりだった。ただしウォールストリートジャーナルは、一部
の大手投資家には支払いがなかったと報じた。

恒大を中国政府は倒産させない方針とされ「住宅の健全は市場」をと喧伝
しているが、救済する思惑もない。恒大危機は長引くだろう等と外野席は
五月蝿いが、数字のトリックに引っかかっていないか。

 2017年秋、ピークを打ったときの恒大集団の株価は30HKドル
だった(邦貨換算で450円)である。それが2020年10月8日に
20・2HKドル(300円)に、そして2021年9月20日に2・
11HKドル(32円弱)と、およそ十分の一になっていた。

9月23日に利払い期限がきた人民元建て社債の「利息」、およそ91億
円を誰かが用立てて、支払ったとされ、23日の株価は2・8HKドル
(42円)に戻った。だから32%恢復?
たった10円の上昇をもって、その単位を言わないで、32%恢復と騒ぐ
のは数字のトリックでしかない。
日本でも500円以下の株価は低位株だが、30円とか40円とかの株
価って、事実上の倒産だよね。整理ポストにはいると日本株は、かつて倒
産したJALの株価が1円とか、2円だったけれど。。。

 恒大集団は、この時点でのデフォルトは回避できた。しかしつぎの償還
は9月29日で、4750万ドル(53億円)。しかも恒大集団がかかえ
るドル建て社債の償還は2兆円。これは2022年にまとめて期限がくる。

 もし恒大集団が派手派手しく倒産となると、下請け、孫請け、取引先ほ
かの企業並びに家族を含め350万人以上が路頭に迷うことになる。しか
し不動産ビジネスはすでにミンスキー・モメントを超えており、年収平均
50−8倍というマンション価格は、あたかも「チューリップ投機」のご
とき世紀末現象である。

 さらにトリッキーだったのは恒大集団が、EV開発の新会社を設立し、
一台の販売実績もないのに、自動車ショーに並べて、IPO(株式新規公
開)に踏切って投資家から資金をかき集めた。通称「恒大NEV」の正式
社名は「中国恒大新能源汽車」。
案の定、自動車のEV化けの波に乗って、株価は4月16日に絶頂、時価
総額が870億ドル(95兆円)にも達したが、9月26日には恒大の金融
リスクが大きく報じられたため、上海上場を拒否された。

あまつさえEV自動車は生産されず、この恒大集団の傘下「恒大NEV」
の株価は年初来、じつに94%の下落となっている。こうなると一種の詐
欺だろう。筆者は予測してこう書いた。
「この恒大NEVの株式上場って、全米を騒がせた空前の金融詐欺マドフ
を思い出す」(拙著『中国の静かなる日本虐殺 2035』、徳間書店)。

 資金調達にEVを便法として活用したのは、マルチ商法にも似ている。
ほかに恒大は「独自の「理財商品」なる金融商品を投資かに売りつけてお
り、これはハイリスクハイリターンで元本保障ではないから、投資家が恒
大集団本書に押しかけて抗議を繰り返しても、あとの祭りとなった。


 ▼中国経済は実質的に破綻しているのだ

 中国では不動産関連だけでGDPの50%、住宅投資は50兆7800
億元(邦貨完全863兆円。名目GDPの52%)。
 このうえ顕著な数字があって、中国の家計債務が2016年に44%
だったが、現在は62%(因みに中国の家計債務は9兆ドル=990兆
円、米国は2・8兆ドル=308兆円。例外的に堅実な日本は、400億
ドル=4・4兆円)。

つまり住宅ローンの負担が地獄図に近い。だから若者は結婚しない、こど
もを作らないという深刻な社会現象。

 問題は誰が、何の目的で恒大集団の利払いを建て替えたのか。おそらく
時間稼ぎのため、トップの命令によって中国の国有銀行だろう。
 包商銀行破産の場合も、土壇場で「救世主」が出現した。結局は紆余曲
折を経て、国家管理となった。

 安邦保険は同様な管理体制に移行し、プレミアムホルダーを守るかたち
となった。安邦の場合、CEOの呉小照はトウ小平の孫娘と結婚していた
という特殊事情があった。

資産売却では、嘗て巨費をはたき、売名のために購入したNYの老舗名門
のウォルドルフ・アストリア・ホテルも売却、ヒルトンホテルチェーンも
売却。それでも手元資金充当だったが、間に合わず、安邦保険の負債は天
文学的に積み上がっていた。

 中国にとっては、恒大も、安邦も、海南集団も倒産させるには大きすぎ
るのである。
しかしハードランディングはさせないで、事実上の倒産であるにもかかわ
らず表看板の営業は続けさせる。HNA集団(海南集団)は、倒産してい
るのだが、「海南航空」は営業を続けている。

 具体的には海南集団CEOの王健がフランスで疑惑だらけの「事故死」
と遂げ、謎は解けないまま、ボーイングは機材納入を中断し、海南航空は
政府管理に移行した。なぜなら海南集団は王岐山(国家副主席)の関与が
濃厚だからである。
 誤魔化しながら時間稼ぎを行って、それでも2021年1月29日に
「コロナ禍」を理由に経営破綻を宣言した。かように、実態は曖昧。経営
内容は有耶無耶。

 高橋洋一氏が言っている(『現代ビジネス』、9月27日)
 「役人時代に不良債権のプロとして各種裁判において専門家鑑定を行っ
た経験がある。中国政府にも何度も呼ばれて日本の不良債権処理について
レクチャーこともある。不良債権処理手順は比較的簡単で、バランスシー
トを作成し損失額を算出しその負担者を決めるだけだ。負担は、株主、債
権者の順が原則で、場合によっては政府が出てくることもある。
 しかし、中国でその当時、強く感じたのは破産法制の不備と開示規定の
不備だった。なので、以上の処理原則がまったく適用できなかった。それ
らの不備は今でもあまり改善されていないようだ」。

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  ■読者の声 ■READERS‘OPINIONS ■どくしゃのこえ■
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  ♪
(読者の声1)『マオ 上』でユン・チアンはこう書いています。p327
「毛沢東は、偶然のはいりこむ余地がないように、スノーの訪問に関して
「安全、保密(秘密保持)、熱閙(盛大)、隆重(丁重)を旨とした詳細
な指示を与えた。政治局は事前にスノーから提出させた質問に対する回答
を念入りに調整した。毛沢東は、貴重な情報とまったくの虚構をないまぜ
にしてスノーに聞かせた。スノーはこれをそつくり呑みこんで、毛沢東と
中国共産党指導部を「率直で、腹蔵なく、気取らず、潔い」と評した。
毛沢東はAB(アンチ・ボルシェビキ)団の粛清など拷問や殺人の歴史を隠
し、中国を横断した行軍に「長征」という巧妙な名前を付け、濾定橋のよ
うな戦闘や英雄譚をでっちあげた。また病気のときを除いて「長征6000マ
イルの道のりの大部分を下士官兵と同じように自分の足で歩いた」と語った。
モスクワとのつながりを完全に隠し、アメリカとの友好関係を望んでい
る、と語った。多くの人々が、これに完全にだまされた。
毛沢東はさらに用心のため、スノーがその後に書いたものをすべてチェッ
クし、訂正や書き直しの筆を入れた。1937年7月26日(『中国の赤い星』が
出版される前)、スノーは当時延安にいた妻のヘレンにあてて、「わたし
に話したことを取り消したいという人たちに関するメモは、もうこれ以上
送らないでほしい…」という手紙を送っている。

『中国の赤い星』の中でスノーはこうした背景には言及せず、逆に、毛沢
東は「わたしに対して一度も検閲をおこなったことがない」と書いてい
る。…」p327
スノーは毛沢東に騙されたのでなく、毛沢東の共犯者です。
『中国の赤い星』が世界の運命に及ぼした害毒ははかり知れません。
あの時代に青春をおくった体験からも個人的にブン殴りたい唯一の人間で
したが、北京大学構内のスノーの墓に対して、宮崎先生がある行為をな
さったと聞いたときはうれしく思いました。
(石川県、半ボケ)

  ♪
(読者の声2)貴誌前号の書評にある「和尚打傘」ですが、中国語の良い勉
強になりました。
 早速、手元の辞書「相原茂編・講談社中日辞典(第三版)」で、「和尚
打傘」の意味をチェックしたところ、
 「和尚打傘」( he shang da san):
「坊主が傘をさす。後に「無髪無天」(wu fa wu tian) (髪が無く天も
無い)と続いて、法を無視し、天罰を恐れないとの洒落となり、無法をは
たらく意」とありました。
有難うございました。
(在KU生、在台湾)

2021年10月01日

◆『情報と国家』、日本への警告の書

  櫻井よしこ


昔から日本はスパイ天国だと見做されてきた。少しずつ改善されてはいる
が、現在もそうではないか。

同盟国の米国は長年、日本に情報を渡せば必ず中国やロシアに筒抜けにな
ると警戒し続けた。そして中国を筆頭に諸国のスパイや工作員は働き易く
与(くみ)し易い日本が、今でも大好きだ。

南モンゴル出身で天安門事件勃発の年に来日、21年前に日本国籍を取得し
た楊海英氏は、南モンゴルの亡命団体が北京五輪開催の2008年に活動本部
をドイツから日本に移した時のことを振りかえる。

「在京の中国共産党工作員が『やっと、ウチの縄張りに来てくれた』と喜
んだ。中国に甘いドイツですが、当局は情報活動に対しては厳しく、中国
人工作員が亡命モンゴル人の組織に手を出すことは許さなかった。ところ
が日本ではどうにでもなるというので、日本で闊歩する工作員たちはとて
も喜んだのです」

事実、南モンゴル人組織の本部が日本に移された時から、ベテラン工作員
らは組織のメンバーを逐一調べあげ、介入し、内部分裂を起こさせ、最終
的に組織は機能不全に陥った。南モンゴル人の団結を守りきれなかったこ
とは楊氏の苦い体験となっている。しかしこれは中国共産党員が日本の、
例えば刑法223条(強要罪)を犯している現実に対処しきれない日本当局
の失態である。

そうした日本社会の「ゆるさ」を実感し、日本人は外国の工作員の怖さを
知らないと警告するのは、日本で暮らす元中国人たちである。

中国ハルビン出身で、外国語である日本語で天安門事件を描いた『時が滲
む朝』(文藝春秋)で芥川賞を受けた楊逸氏は、中国共産党幹部の2世3世
が最も好む国は日本とニュージーランドだと言明する。ちなみにニュー
ジーランドはほとんど中国に乗っとられたと言われるほど、中国の工作に
浸透されている。

情報弱者としての日本

中国共産党幹部の2世3世が、日本を好んで何十年にもわたってこの国に住
む理由は何か。「安全で、国全体が中国寄り」だからだそうだ。

まず、一旦日本国籍を取得すると、資金の流れを調べられたり行動を監視
されたりすることがほとんどない。加えて中国人であることがひとつのス
テータスとなるほど国全体が親中的で政財界で人脈を築くのが容易だという。

親中的すぎて心構えがゆるくなっているのは政財界だけではない。メディ
アも学界も同様だ。彼らは見るべき脅威や危険を見ない。結果として現場
の公安・警察関係者らが如何に努力しても、わが国の国益や国民が十分守
られることは少ないのである。

スパイや工作員にわが国を好き放題蹂躙させているのは、心が親中に傾い
ているのに加えて、わが国に十分に強力な取り締まり法や組織がないから
だ。敗戦を機に、国家としての在り方は根本から変えられてしまった。占
領軍によって情報機関も土台から崩された。それを変えようと試みたのが
安倍晋三前首相である。

長く安倍首相に仕えた北村滋氏は『情報と国家 憲政史上最長の政権を支
えたインテリジェンスの原点』(中央公論新社)で、わが国の情報能力が
如何にして占領軍にはぎ取られ、破壊されていったか、その戦後史を鋭く
まとめている。情報こそ国家の命運を左右する。情報機能を殺(そ)がれた
わが国が、戦後の長きにわたってどれほど易々と情報を盗みとられ、それ
が如何なる規模の国富流出につながってきたかを、氏は淡々と具体例を引
いて示している。

北村氏が政権中枢で内閣情報官として働き始めたのは、民主党野田佳彦政
権のときだった。氏は直前に発生した重大事件から、日本国の情報機能の
弱点を痛感することになる。

2011年12月19日、北朝鮮の金正日総書記死去の情報が野田首相に伝わって
いなかったのである。

北朝鮮のメディアは、その日正午に「特別放送」をすると3回も予告し
た。予告するテレビ放送の背景や音楽は明らかに暗かった。わが国にとっ
て重大な脅威をもたらし続けている北朝鮮は、それより5年前に核実験を
断行していた。拉致被害者について偽りの情報を出し続けていた。北朝鮮
の動向に深い関心を抱いているはずのわが国で、官邸に北朝鮮メディアの
「特別放送」が金正日死去を含む重大事の発表である可能性が伝わってい
なかった。情報弱者としての日本の姿に世界は驚いたことだろう。

その日、野田首相は、午後零時10分から予定されていた新橋での遊説のた
めに正午前に官邸を離れ、NHKのニュースで金正日の死去を知ったの
だ。北朝鮮の発表を受けた日本メディアの報道で、ようやく重大ニュース
を知って慌てて官邸に引き返した野田政権の失態を北村氏は深く心に刻ん
だという。

経済安全保障の考え方

政策決定者への情報伝達の在り方を根本から変えなければ、わが国は国家
としての挑戦に悉(ことごと)く敗北しかねないとの危機感であろう。

第二次安倍政権が発足すると、安倍首相は情報機能の強化に取り組んだ。
特定秘密保護法は13年12月の成立だ。続いて14年1月には国家安全保障局
が発足した。北村氏は19年に国家安全保障局長に就任すると、翌年4月、
同局に経済班を発足させた。

安全保障は今や軍事面からのみ捉えていてよいものではない。中国は17年
秋の第19回共産党大会で「軍民融合発展戦略」を加速させた。中国共産党
政権が軍民を一体と捉えて、中国の安全保障の絶対的強化に向けて統制を
強めるのに対し、日米欧の自由主義陣営は、中国に奪われない体制を整え
なければならない。安倍政権下の国家情報機能の強化はまさにその線に
沿ったものだった。

北村氏は経済安全保障の考え方こそ日本が取り入れ、官民一体で取り組ま
なければならないと強調する。企業や研究機関への投資、先端技術の保護
を、経済活動の範囲内のみで捉える時代は終わったのだ。大学での研究や
留学生の問題も知的交流や相互関係の強化という美しい話では終わらな
い。中国の推進する千人計画で明らかなように、これこそ、中国共産党が
大戦略として推進する知財窃盗と軍民融合の核心なのである。

北村氏の唱える経済安全保障、経済・学問研究におけるおよそ全てを安全
保障問題に結びつけて構築し直すことの重要性は、日本ではようやく認識
され始めたばかりだ。

日本国の情報機能の強化の必要性を繰り返し強調する北村氏の主張こそ、
今、日本に必要な正論だと考える。
       

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◆TPP、中国と台湾が同時に加盟申請

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月24日(金曜日)
通巻第7065号  
 
TPP、中 国と台湾が同時に加盟申請。日本が議長国
  米国が言い出して、米国が加盟しないTPPは窯変している

 2021年9月23日、リトアニア国防省は「中国製品の携帯電話を購入
しないよう」に呼び掛け、「保有者もすぐに処分しなさい」と勧告した。
理由は明快で、検閲機能が内蔵されていたのだ。

とくに小米科技(シャオミ)のスマホは、「Free Tibet(自由チベッ
ト)」、「Long live Taiwan Independence(台湾独立万歳)」、
「democracy movement(民主運動)」といった言葉を検出・検閲する機能
が組み込まれていた。シャオミの電話は暗号化された利用データをシンガ
ポールのサーバーに送っていた。ファーウェイのスマホで安全保障上の欠
陥が見つかり、リトアニアの対中不信感は増大している。

なにしろリトアニアはバルト三国のなかでもいち早く、ウイグルにおける
イスラム教徒弾圧を「ジェノサイド」と定義して非難した。
そのうえ八月には、首都ビリニュスに台湾政府の事実上の大使館が設立さ
れ、中国の抗議にリトアニア政府は大使を召還した。

このような状況下、中国は唐突にTPPへ加盟申請した。加盟を認めるか
どうかは全会一致であり、豪が反対している上、台湾が追加で加盟申請。
自由貿易度など資格がどちらにあるかといえば台湾だろう。しかも台湾は
APEC加盟国だ。
TPP議長国は日本、台湾を認め、中国を排除するか。両国を同時加盟さ
せるか、政治力が問われる。
  
  
 日本から中国が横取りしたインドネシア新幹線
  工事はまた終わらず、完成はほぼ絶望、借金だけが残ることに
**************************
 インドネシア政府の要請により、JICAがフィージビリティスタディ
(商業可能性調査)に乗り出したのは2012年だった。ジャカルタから
バンドンまで143キロの新幹線は、バンドンの標高が700メートルの
ため、区間の40%を高架として、トンネル箇所が13ヶ所。日本が見積
もった工事費は61億ドルで、2015年起工、18年完成、ADBが金
利1%の優遇策で融資する付帯条件も付いた。

 途中からこのインドネシア新幹線プロジェクトを中国が横取りした。
フィージビリティスタディは日本のもとに酷似していた。工事は三年、中
国開発銀行が75%を融資し、十年据え置き後、五十年で返済。ただし金
利は6%。そのうえ、「ただし」をもう一つ加えると中国の工事費は日本
より8億ドル安い55億ドルだった。

 2015年にジョコ・ウィドド大統領が訪中して習近平と会談した。
直後に中国が入札に勝った。当時の管官房長官は憮然として「遺憾に思
う」と述べるに留めた。

 中国の工事は遅れに遅れ、完成の約束から三年を過ぎても、トンネルが
ひとつ完成したに過ぎない。当初は2018年開業が謳われていた。
大幅な遅延理由は用地買収の遅れ、住民の苦情と反対運動、そしてコロナ
災禍で中国鉄建のエンジニアが帰国し、工事が中断されたからである。中
国は用地買収の遅れはインドネシア政府の怠慢だとして、自分たちの責任
は一切認めない姿勢だ。

中国開発銀行も、一帯一路関連プロジェクトへの融資見直しを進めてお
り、インドネシア新幹線への融資の実行が遅れている。

事情通によれば「完成はほぼ絶望的ではないか」と暗い見通しを立てる。
そういえばジョコ大統領が政治生命を賭けたカリマンタンへの首都機能移
転プロジェクトも、コロナ対策へ予算を廻したため、決定的な遅延を招い
ている。

 さて中国が世界各地で展開している鉄道プロジェクトの現況をみよう。
 完成間近なのはラオスである。昆明から首都のビエンチャンまで約
400キロの「新幹線」は90%が出来上がり、年内開通予定だという。

 三年前にラオスと中国国境の現地を取材したが、もの凄いトラックの渋
滞と、中国人労働者、しかも附近にはリゾートホテルにマンション、カジ
ノ、免税店ビルが二棟。トラックのナンバープレートを見ると、黒竜江
省、遼寧省など、トンデモナイ遠距離の車両が、中国から資材を運んでい
ることが分かる。

 パキスタンは習近平の目玉「CPEC」(中国パキスタン経済回廊)の
一環として、南西部のグアダールから新彊ウィグル自治区のカシュガルへ
1700キロの鉄道敷設。この鉄道工事はほぼ完成しているが、途中の難
工事区間で工事が停滞しているうえ、レールが盗まれるので、やり直し工
事も追加される。バロチスタン州は、中国人を狙ったテロが頻発している
地域だ。


 ▼元がとれず赤字のアフリカは「借金の罠」と今頃になって。。。。

 アフリカに眼を転じると、中国が34億ドルを投じたエチオピアージブ
チの740キロは三年ほど前に完成し、プラットフォーム、駅舎の表示は
中国語。しかし鉄道収入による投資資金回収は絶望的。

 ケニアのナイロビから輸出港モンバサへの472キロも2017年に完
成し、駅舎は中国語表示の下に現地語。駅の改札に鄭和の銅像が建立され
た。ケニアの債務の57%が、いまや中国である。

 タンザニアから西のアンゴラへ東西横断鉄道は4000キロ。これはタ
ンザニアとザンビア間が完成していたので、その延長工事だった。
 タンザニア鉄道は毛沢東時代から「友好鉄道」だと言って、遮二無二完
成させていたが、その延長でタンザニアから1859キロ、ザンビアへ繋
ぐ鉄道も中国が援助した。

 そのザンビアからジンバブエに繋ぐ鉄道工事は、丘陵、崖、河川、森
林、泥沼に加えて猛獣、治安の悪さ、現時点で開通した情報はない。
 前途多難、というより関与した国は借金の罠、中国は取引条件でつぎに
何を要求してくるか。
   
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2279回】          
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港161)

    △
 アバタのエクボ、だろうか。「あの騒々しい所」だけではなく、なにか
らなにまでが「よかもん」となってしまう。我ながら、じつにコマッタも
のだ。
 次の中国人だが、前回(第2265回)に引き続き顧頡剛に再登場願う。
生まれは毛沢東より半年程早い1893年5月で、死亡は毛沢東より4年3か月
遅い1980年12月──毛沢東とほぼ同時代を生きたことになる。

 それまでの倫理道徳的立場、言い換えるなら道学者センセイの説く是非
善悪の視点からではなく、「科学の工作」として「多くの古史論文を書い
た」と自らを振り返る彼は、古史研究に踏み出すまでの歩みを『ある歴史
家の生い立ち ──古史辨自序』平岡武夫訳 岩波文庫 1987年)として記
した。

 故郷に居た当時から「北京の芝居のすばらしさを聞いていた」彼は、
1913年に20歳で北京大学予科に入学する。「芝居の本場である北京に住む
ことができた」ことを、「福分にありついて」と甚く感激するだけあっ
て、「見て見て、見るまくらずにどうして辛抱しておれよう」。
かくして「とうとう私は『芝居狂』になってしまった」と率直に告白する。

 誰のどの演目というのではなく、「どんな流派でも一座でもおかまいな
しに、どれも幾度も見た。北京中の俳優はたいがい見て廻った。毎日登校
はするが、二時間目の終わるころには、すでに東安門外の広告板に各劇場
の番付が貼り出されていることを知っていたので、休息の十分間に〔中
略〕駆けつけ見わたし、午後に見に行く芝居を選んだ」のである。

 かくて「学校の授業は午後はもともと割合に少なかったし、たとえ授業
があっても私はサボってしまった。この芝居狂いをして二年余りの間、私
個人が放縦になり、学校の成績が低下したことはいうまでもない」わけだ。

 香港と顧頡剛が芝居に狂った当時の北京では、京劇を取り巻く社会環境
が余りにも違い過ぎる。春秋戯劇学校が公演する第六劇場だけでは、「ど
んな流派でも一座でもおかまいなしに」と言うわけにはいかない。だが、
それでも「どれも幾度も見た」ことは同じだろう。
「二年余りの間」の芝居狂いをキッカケに顧頡剛は種本と舞台の関係を
考察し、やがて古代史研究の大海に船出して行った。

閑話休題。顧頡剛が「東安門外の広告板に各劇場の番付が貼り出されて
いることを知って」と記す「各劇場の番付」を「戯単」と呼ぶ。つまり劇
場や劇団──というより小屋であり一座と記すのが相応しいとは思うが──
は、事前に演目と役者を記した戯単を告知する。

「東安門外の広告板」のように定められた場所もあるが、一般には小屋
の入り口、舞台の脇、新聞などで目にする戯単に記された演目、役者を目
安に、客は劇場に足を運ぶわけだ。好みの演目、贔屓の役者が目に入った
ら、居ても立っても入られないという寸法である。そこで戯単は客の観劇
心を鷲掴みするように煽り気味に書かれることが多い。

ともあれ、書かれる名前の順番と文字の大きさが個々の役者の芸の深みを
反映しプライドを裏支えしていると同時に、人気を表すバロメーターでも
ある。加えて演目はその時々の社会状況を微妙に反映しているだけに、そ
れぞれの時代、それぞれの場所での芝居小屋を包む社会の様子が戯単から
浮かび上がってくる。

 たとえば中国人が「淪陥区」と呼んだ日本軍管制下時代の上海で舞台に
立ち続けた周信芳(文革で惨死)は、盧溝橋事件後には好んで「徽欽二
帝」を上演する一方、舞台両袖に「文天祥」や「史可法」などの戯単を掲
げた。
これら異民族の侵略に敢然と立ち向かった救国の英雄を賛美する演目を上
演することで、観客に向かって日本軍への抵抗を呼びかけた。舞台はアジ
テーションの場に、戯単は政治的パンフレットにも化けるのである。  
         
 
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  ■読者の声 ■READERS‘OPINIONS ■どくしゃのこえ■
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(読者の声1)総理になる前にすべき仕事。 過去70年間の統計による
と、総理の任期は1.5年と非常に短い、故に本人も本気で仕事をしない
し、周りもほっておけば、直ぐにいなくなる、とタカを括っている、ので
誰がなっても、何も変わらない。
長い議員生活をして、最後に引退する前に、自動的に年功序列的に与えら
れる勲章のようなつもりらしい。
 日本は一応「法治国家」であるので、総理でも法を無視できない。が、
法が有れば、実行できる。ところが、特に自民党は「法を作る能力」が野
党に比べて低い。
それぞれの官僚、議員は自己の権益を守るために、不利な法案は阻止す
る。故に、全員が賛成するように、妥協が組み込まれ、本来の目的が達成
されない法律になってしまう。
 これに対抗する最大の手段とは、「君たちは不満であろうが、国民が望
んでいる」という「事実・証拠」を作る。
つまり、「私が総理になれば、、、、を実現します」と「具体的な公約、
約束、契約を国民と結ぶ」。そのような具体的な表現をすれば、反対を抑
えることができる。
昔風に言えば、神がそう命令された、天皇陛下がそう望んでいらっしゃ
る。GHQがそう命令した。国連がそう決議した。NHK様や朝日殿下の意見だ。
 今日では、これからは、「国民がそうせよ、として私を選んだ。国民に
主権がある。君達は、国民の僕(シモベ)部下、従業員である。」とは
言っても、あまりバカにして、誹謗中傷しては協力してくれないので、適
当にあやしておかねばならないので、政治的な配慮、飴玉も必要。(しか
し、外国の飴玉を公然としゃぶっている政治家は国家に対する「叛乱罪
人」として直ちに起訴されるべき) 
これらの手段を活用できた故田中角栄氏は多数の議員立法を作り、それを
元に巨大な改革を実現した。しかし東京地検によって非合法的に起訴され
有罪となり、お亡くなりになった。
以後、地検は不遜にも総理さえも文字どうり抹殺できる、という実績をつ
け、無敵である(在米のKM生) 

   ♪
(読者の声2)22日放映された「フロントジャパン」の宮崎さんと葛城
奈海さんの番組(テーマは「朝鮮半島の奇々怪々」)。これまでの韓国報
道とは違って、きわめて有益な分析でした。参考になりました。とくに光
州事件の真相が北の工作員。暴動参加者の写真を12年かけて照合分析の
結果、661名が北からの工作者だったというのは驚きでした。まさにト
ロイの木馬、タリバンが無血入城したように、次にもし、在韓米軍が撤退
したら、ソウル政権は三日で崩れるという異ですね。驚きです。
https://www.youtube.com/watch?v=xo22ys-SoDo
   (YF生、横浜)

  ♪
(読者の声3)韓国通で知られた道上尚史・日中韓三国協力事務局長(大
使級)が2年の任期を終え退任。道上氏が釜山総領事だった時期に韓国大使
だった長嶺安政氏は2019年に英国大使となり2021年2月に最高裁判所判事
となっている。道上氏はまだ63歳なので次の任地があるのか。

道上氏は退任にあたり韓国の代表的月刊誌「月刊中央」最新号にインタ
ビュー記事として韓国に対する苦言を呈したと黒田勝弘氏が東洋経済オン
ラインに書いている。半分以上韓国人視点になってしまった黒田氏もさす
がに最近の日本の韓国嫌いはこたえるのかまともな記事を書いている。

道上氏は韓国外交を国内の世論や雰囲気、あるいは「コード(符丁= 仲
間意識)」で発想すれば国の羅針盤はうまく機能せず、漂流する恐れも
ある」と指摘。

さらに韓国人における寿司や居酒屋、日本観光をはじめとする日本好みは
「日本文化の消費」にすぎず対日外交とは別の問題だと断言。「昼は反
日、夜は親日」といって韓国を持ち上げていた黒田氏にも耳に痛い発言で
しょう。

 『道上氏は今回のインタビューで、最近の日本における反韓・嫌韓的な
世論の雰囲気を伝え、韓国に一考を促している。その際、道上氏の父親は
息子の仕事柄、韓国に親近感を抱いていたが「もうあの国はいい、友達に
なれな い国だとわかった」と言い出していることを紹介しながらこう指
摘してい る。

「平均的な日本人の心が韓国から離れてしまった。現在は韓国への失 望
と“距離置き”の状況だ。これは一時的な現象ではなく、構造的変化と見
なければいけない。韓国に対する偏見や優越感でそうなったのではない。

昔に比べ、日本人の韓国への知識は大幅に増えている。韓国をリスペク
ト していた人ほど失望が深いともいえる」』
https://toyokeizai.net/articles/-/457511

まさに知れば知るほど嫌いになる国。テレビや雑誌でK-POPやら韓国文 化
やらを押し売りすればするほど日本人は韓国が嫌いになる。
 日本の次期首相と韓国の次期大統領がだれになろうと今後の日韓冷却関
係に変わりはないとの宣言にも思えます。
 (PB生、千葉)

  ♪
(読者の声4)「シナとの戦争」豪州TVが放送
 豪州の9ネットワークが放送する「60ミニッツ・オーストラリア」。米
CBSの看板
番組「60ミニッツ」の豪州版。この著名な番組で先日放送されたドキュメ
ンタリー。
本日、日米豪印クアッドの4首脳会談がワシントンであるが、豪はAUKUS
という米英豪3カ国の新軍事同盟締結を目指している。
先日米政府が発表した新しい機軸だ。豪州はAUKUS(オーカス)で原潜保有
に踏み出すので、計画に変化がなければ当然核保有へ動くはずだ。
https://twitter.com/kohyu1952/status/1440964926185500672(KN生、
大田区)

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◆「もしも願いが叶うなら?」
轟 晃成(とどろき・あきなり)


No.11 に感じた違和感 〜願いと目標の違い〜

SNSで回ってきたアンケートで、もしも願うが叶うなら、次のうちどれが
いいかというものがありました。
A 10万円もらう
B 好きな芸能人と結婚する
C 10年前から人生をやり直す
D コンプレックスをひとつ解消してもらう
E 有名になる

この中ではどれを選びますか?

ちなみに、アンケートでは「人生をやり直す」が40%で一番多く、「芸能
人と結婚」と「コンプレックスを解消」がそれぞれ24%でした。「10万
円」と「有名になる」は少ないという結果になりました。

僕は、この中で叶ってほしいと思うものはなく、消去法で「10万円」を選
びました。好きな芸能人と結婚したいという気持ちは全くなく、人生をや
り直したいとも全く思いません。

コンプレックスはありますが、無理に解 消しなくてもいいですし、有名
にもなりたいかもしれませんが、なるなら 自力でなりたいものです。

もちろん冗談の話ではあるのですが、多くの人が人生をやり直したいと
思っていることに驚きました。僕も、人生でも当然失敗もしていますが、
その時その時で最善は尽くしてきたと思いますので、やり直したいとは
思っていません。

コンプレックスを解消したいという気持ちもありません。もちろん、身体
的にも精神的にもコンプレックスはあり、今の自分は全く完璧ではなくダ
メなところだらけです。しかし、今までの自分と、今の自分を受け入れる
ことはできていると思っています。

非現実的な「願い」にすがる気持ちというのは、ありのままの自分を受け
入れることはできていないのではないかと感じます。そのように言うと、
ダメな自分、弱い自分をありのまま受け入れるということは、妥協だと
か、向上心の無さのようにも思われるかもしれませんが、そうではないと
思います。

ありのままの自分を受け入れたうえで、現実的に足りない部分を補ってい
こうというのが「目標」だと言えます。

ありのままの自分に「満足」して しまえば向上心は生まれませんが、不
足を認めつつ受け入れることができ れば、向上心は保たれるのではない
でしょうか。

逆にダメな自分を「否認」して、目を背けていても向上心は生まれませ
ん。不足を「認める」ことが大事です。そのうえで、不足している自分を
肯定して愛してあげることが大事だと感じます。

結局、良い所も悪い所も、過去も現在も含めて自分を丸ごと受け入れて愛
してあげることができなければ、今この瞬間を頑張ることができません。
不完全燃焼な日々を積み重ねていると、人生をやり直したくもなるかもし
れません。

まとめると、「願い」とは非現実的なものであり、ありのままの自分やこ
れまでの人生を受け入れられていないことから生まれるものだと思いま
す。特に今の自分とかけ離れた人生を想像するような願いがそうです。一
方、自分を受け入れたうえで、向上心をもって、具体的に足りない部分を
現実的に補っていこうという考え方が「目標」だと思います。

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