2020年08月08日

◆対中強硬派にふたりの中国人、

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月7日(金曜日)通巻第6612号  

(休刊のお知らせ)小誌は明日(8日)から連休明けの6月11日まで休刊となります

 対中強硬派にふたりの中国人、ひとりのウイグル人アドバイザー 余茂春(ポンペオ顧問)と蒋蒙は優秀な学者から国務省へ

 国家安全保障担当大統領補佐官オブライエンの副官はポッテンガーである。ウォールストリート北京支局特派員から海兵隊出身で流暢な北京語を操る。
 国務省にあってアジア担当の国務次官補はディビット・スティルウェルだ。かれは空軍パイロット出身である。

 ポンペオに助言を与える国務省高官になかに、二人の中国人学者がいる。
 「中国共産党」と「中国人」を峻別するようにポンペオ演説に求めたのは、マイルズ・ユー(余茂春)。中国共産党の演説の文章などの分析から、その修辞学的な特性を分析し、助言した。

 もう一人がムン・チアン(蒋蒙)で、ポンペオのハイテク、工学の助言をしている。1977年天津産まれ、88年に香港へ移住するが、天安門事件以後は米国へ移住し、UC
BA卒業、大学工学部長を務めた。
 ほかに中国生まれの高官にはエレーヌ・チャン運輸長官がいる。チャン女史はレーガン政権時代からのキャリアで知られる。
 さらにウイグル人のエルニガル・エルティミイル女史がホワイトハウスにて、米国のウィグル政策に助言する。ウィグルからトルコ経由で米国へ移住した。
 
 通商交渉はライトハイザーUSTR代表、ナバロ通商局長らがタフな交渉をすすめている。こうしてアンチ・チャイナのブレーンが勢揃いしており、人民日報系の『環球時報』は、これら強硬派を「白宮反華智嚢団」を比喩した。

(註 蒋蒙の「蒙」は、さんずい)
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(休刊のお知らせ)小誌は連休明けの6月11日まで休刊となります 
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 戦後の歴史教育を根底からひっくり返す落合史観
  「嘘の博物館」が中国の近現代史講義、騙しのテクニックの仕組み

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落合道夫『日本と世界を騙しに騙した中共の正体』(ハート出版)
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 「シナ事変」から「武漢肺炎」まで、嘘、嘘、嘘のオンパレードである。
 中国共産党は政治プロパガンダの天才。歴史をねじ曲げることなんぞ、屁でもない。
 自分が犯した兇悪犯罪、虐殺など暗い出来事はすべて頬被りするか、他人がやったことにすり替える。南京大虐殺然り、上海事件しかり。しかも悪質なるは、こうした嘘の上塗りを日本のメディアが臆面もなく続けて、利敵行為を展開していることだ。後者はもっと悪質かつ犯罪的な行為ではないのか。
 武漢ウィルスでも私たちは中国の吐く嘘の数々を目撃した。
「中国も被害者である。アメリカ軍が仕掛けたのだ。中国は医療チームを各国におくり、世界から感謝されなければいけない」と白々しくのたまわった。
 欧米の賠償請求に対しては「中国に責任はない」と高飛車な「戦狼外交」を展開する。凄いなぁ。
 かの「731部隊」はあまりの不衛生な中国から疫病を少しでも減らそうとした専門家ぞろいの医療チームだった。ところが、いつのまにか人体実験とかにすり替えられ、共産党の宣伝にうっかりのった森村誠一は『悪魔の飽食』で赤恥をかかされた。
中国の共産革命とは、毛沢東の天下取りのための易姓革命であり、革命の功労者は、邪魔になれば全員を粛清した。共産革命で中国は良くなると信じた多くは騙された。
劉少奇に人気を奪われそうになると、毛沢東はあらゆる手を使って文化大革命をおこさせ、さんざん利用した紅衛兵も、用が済めば、さっさと下放させて、用済みとした。中国の学生、インテリ、民衆もまた毛沢東に騙された。
一番騙された被害者は誰か、日本である。
それにも拘わらず、多くの日本人はまだ洗脳されて、まるで日本が悪いことをしたような錯覚、つまり催眠術に引っかかっている。それほど中国共産党が繰り出すプロパガンダが巧妙、秀逸ということになる。
 以下、本書はシナ事変、上海事変の正体、西安事件の裏側、スターリンの大謀略、国共合作の失敗、革命の裏側と戦後の毛沢東の陰謀等々、これまでの歴史書がスルーしがちだった謀略工作に重点を置いて、近代史を整理整頓したもの、通読すると頭がすっきりする。
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  簡潔に明瞭に、NHK対策をまとめた小冊子
    放送法は第四条と六十四条が矛盾しているのだ

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小山和伸『決定版 NHK契約受信対策マニュアル』(展転社)
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 本書は法的処置も万全という手引き書だが、法律の専門家を背景に、一問一答形式でNHKへの具体的な対処法を開陳している。
 そもそも受信料をまったく徴収しないで民間のテレビ局が立派に成り立っているばかりか、経営は黒字である。NHKも民営化すれば良いのだ。
「放送法第四条」を無視して反日偏向報道をしながら、同法六十四条を楯に、受信契約と受信料支払いを国民に強要するNHKをいかにして撃退するか、良識ある国民の多くが本気で知りたいところだろう。
 あれほどの偏向放送を重ねながらも恬として恥じないメディアが、なぜ、いかなる理由で受信料を強要できるか不思議である。
 この仕組みの基盤である「放送法」は昭和二十年代に、まだラジオが普及し始めた頃に作られたため、時代の趨勢、その変化に適応できないシロモノだ。 
 放送法はまだGHQの占領下にあった昭和二十五年に制定された。法律論議を始めれば、この法が憲法と矛盾するポイントをつけば解決するのだろうが、一方で、同法の第四条は公明正大でなければならず、偏向報道はしてはいけないと明記している。
 NHKがどれほどの偏向ぶりかは改めて指摘する必要がないが、基本的前提は、GHQの押しつけた東京裁判史観と、自虐的歴史観をこれでもかこれでもかと政治宣伝に利用している番組が多すぎるのだ。
 すなわち「NHKは、放送法のうち自分に都合の良い条文だけを振り回して、受信契約と受信料支払いを迫っている」ことになり、換言すれば「NHKは、自らに課せられた義務基底を無視しながら、視聴者には義務規定を守れと強要している」ことになる。
 「たのむから電波を送らないでくれ」と集金人に言っても『放送法で規定されている』という強弁をつかうが、この盲点を指摘すると、「ではどこか偏向しているのか」とたたみかけてくる。そういうノウハウを集金人が教え込まれている。
本書は簡潔に明瞭に、NHK対策をまとめた小冊子である
        
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴第6610号(読者の声1)「天照大神と日食」で高柴昭様より、「240年年代後半に我が国付近で起こった日食を、天照大神や卑弥呼と結びつけるのは大胆さを通り越した無謀な論」だというコメントを頂きました。拙論とは対立するご意見ですので、その文章に沿ってひとつひとつ意見を述べさせてください。
 前回話題になった論文「相馬充,上田暁俊,谷川清隆,安本美典『247  年
3 月 24
日の日食について』国立天文台報
第14巻,15−34(2012)」の中で「北九州市周辺は皆既になるが、福岡市や佐賀市は皆既帯からはずれ、いずれの場合も食分0.99ないし0.98となる。日食の間中、あたりは暗くならないことを指摘しておく。
天照大御神は卑弥呼のことが神話化・伝承化したものであり、天照大御神の天の磐戸伝承は卑弥呼の死と関係する、との見解がある。卑弥呼の死の前後と見られる紀元247年に、北九州で、皆既または皆既に近い日食があったことは、注目に値する」とあることを紹介しました。
 高柴昭様ご指摘の渡辺敏夫先生の著書は、この論文よりも30年以上も前の1979年に出版されたものです。手元にそれがないのですが、「247年の日食は中国大陸で始まり日没直前に朝鮮半島の南部で終了」との記述から皆既日食が観測される地球自転時計の遅れΔT=7,300秒辺りを採用して計算した結果ではないかと思います(詳しくは、理解を容易にするための図入りでアップする予定の拙ブログhttps://blog.goo.ne.jp/katumoku10/
の注に御座います)。
 ご存知のように地球は完全な球体ではないので、ΔTは地球の1回転が24時間でどのくらい遅れるかを表す数値です。19世紀に時計合わせして、古文献に見られる日食の記録から、古い時代になるほど遅れることが知られています。
 このΔTは相当変動幅があるようなので、この論文では200年から300年代の中国史書の日食の記録も見直して、247年の日食を、非皆既の条件で再計算するとΔT>7,750秒という結果が得られ、北九州で皆既日食が見られる条件はΔT>8,500秒となっています。

 その前後の部分食・非皆既の条件を計算すると 221年8月5日が ΔT<10,480秒、273年5月4日はー200秒
<ΔT<10,900秒となり、その間の247年でΔT>8,500秒として北九州付近で皆既日食が観測される可能性は十分あると判断しています。宇佐市安心院町の卑弥呼も ΔT=8,700秒なら、日没方向の山によって直ぐに隠れはするものの、部分日食を見ることが出来たと思います。詳細はこの論文をご覧ください。
 つまり、高柴昭様ご指摘の渡辺先生の著書にある計算結果が現在では修正され、247年3月24日に、北九州で皆既日食、北部九州一帯で深い食が見られたとしてよいと思います。

 (高柴昭様)皆既日食が天照大神の伝承と結びつくためには文字通り皆既日食でなければならず、部分日食では暗くなり方がそれほどでもないため、神話の伝承に見られるような劇的な現象は起こりません。因みに、太陽は月に比べて46万5千倍明るいため99%欠けてもその明るさは満月の4万6千500倍も明るく、日の出前や日没直後程度の明るさはあります。
 皆既日食では皆既の直前に急速に暗くなり、数分の文字通り真っ暗の時間の後、太陽が月の陰から出る直前に月の山の切れ目から僅かに覘く瞬間によく知られたダイヤモンドリングが見られます。
 この現象は、真っ暗闇の中で日神がほんの少しだけ顔を出す、神話の伝承とよく合いますが、それは皆既日食でなければならず、部分日食ではそのような感激とは程遠いものです。
 247年と48年の日食は日本列島ではいずれも部分日食で、しかも日没直前または日の出直後であり、曇りの日の日没や夜明けと大して違わない程度の暗さであり、古代の人が日食に気がついたかどうかはっきりしない程度の日食なので、これを神話の伝承と結びつけるのはまず無理なのです。

(刮目天)卑弥呼も見たと考えられる247年3月24日の日食は、日没の約1時間前ごろから欠け始まり、日没の頃に相当深く欠けたまま太陽が沈んだ模様です。糸島市の伊都国男王らは海に沈む深い食の異様な夕日を見たはずです。とても不吉な現象だと感じたと思います。
 日中の皆既日食はいったん暗くなっても徐々に明るさを取り戻すので、恐怖は一時的かもしれませんが、太陽が徐々に欠けながら日没になる方が、古代人は太陽が二度と昇らないのではないかと、一晩中、心配したと思います。
 古代人にとってはこの部分日食はインパクトが大きかったと思います。
 そして、倭国に敵対する狗奴国の軍勢が押し寄せてくるという情報が加われば、伊都国男王(倭国王難升米)に卑弥呼が殺される条件が満たされていると考えています。男王は直ぐに暗殺を部下に命じたでしょう。

(高柴昭様)安本氏の研究姿勢はこの場では置くとしても、240年年代後半に我が国付近で起こった日食を、天照大神や卑弥呼と結びつけるのは大胆さを通り越した無謀な論だと申し上げたいと思います。

(刮目天)論文内容の信ぴょう性に関わるご意見ですが、一般に、科学技術論文は研究者の倫理・良心と学協会の権威で発表されるものですので、自らを傷つけるようなことはしないと信じています。

 以上述べましたように、皆既日食でなくても深い部分日食が日没時に見られたことで、卑弥呼は殺されたのだと推理しています。そして、日食が原因で卑弥呼(比売大神=宗像女神)が殺された事実を示唆するものが幾つか見つかっているので、その伝承が720年に完成した日本書紀に女神アマテラス(天照大御神)の岩戸隠れの神話のネタにされ、歴史が改ざんされたのだと推理しています。詳細は拙ブログでどうぞ!通説と異なりますので、疑問点を当方に直接お寄せください。どうぞよろしくお願い致します。

    

2020年08月07日

◆「さよなら中国」。日本企業の第一陣は

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月6日(木曜日)通巻第6611号  

「さよなら中国」。日本企業の第一陣は87社が中国から離脱「ただいま」と、そのうち57社は日本へ復帰。
焦燥感漂う中国

 ピークは2012年だった。中国進出の日本企業は14393社だった。
 2013年からエクソダスが始まり、2016年に13934社となった
 2019年には13685社(帝国データバンク調べ)。

 中国にとって日本は最大の貿易相手国。日本にとっても弐番目の貿易相手である。
 ようやく全体の1%未満だが、87社がコロナ以後の経済の落ち込みを理由に撤退を決めた。日本政府がしずかに奨励し、補助金、低利融資に舵を切ったことが、じつは最大の契機である。

 2020年七月末、ジェトロの統計に拠れば、このうち57社は日本へ復帰する。のこり30社はアジアの、ベトナム、ミャンマーなどへ工場を移転する。日本政府の補助金は、第一陣に対して6億5300万ドル(日本円で692億円=一ドル=106円で計算)。
 第二陣が近日中に続く。作業が遅れているのはコロナ災禍で人の行き来が止まったからである。

 撤退理由には、アメリカが中国のハイテク企業を排斥し始め、米中摩擦が激突の段階へ突き進むと、従来の中国の未来図に暗雲が拡がり、企業戦略としても、中国との関係を根本的に偏向する必要が生じたからだ。

 サプライチェーンに組み込まれている以上、電気、電子、とりわけコンピュータ、スマホ、そして自動車とその部品メーカーは、「いますぐ」に撤退というわけにはいかない。そればかりか、トヨタなどは工場増設を決めている

 日本が中国と切れることはないとタカを括ってきた中国は焦燥感に取り憑かれ、習近平のメンツを失いかねない動きではないか、と政治的に神経質になった。

 一方、アメリカはトランプ政権の対中政策の強硬措置が連続し、「同盟国」である日本にもファーウェイ排斥、ELリスト掲載の中国起業との取引停止などから、今後「新ココム」の制裁対象として日本企業を監視することになる。
 「とくに強要はしないが、日本企業は独自の賢明な判断をするだろう」(CSIS幹部)。

 というのもジェトロの在中国日本企業の調査によれば、進出日本企業のうちの80%以上は「撤退など考えていない」と回答している。また中国の国内市場を狙って進出した産業は「販路拡大が今後の課題だ」と撤退には背を向けているという。

 基本的には国家安全保障の問題であって、私企業の利益ではない。極小化、供給源の多角化は、基幹的な戦略であり、これを怠った日本企業にはそもそも「戦略的思考」が苦手なのだ。
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2113回】                  
 ──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘73)
  「中國共産黨の新理論」(昭和2年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

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「(二)『農民革命』の方式の確定」に関し、橘は「中國共産黨農民運動の根本的なる確定政策が樹立せられたわけである」と評価する。この政策を打ち出した瞿秋白の「農民政権と土地革命」を根拠に、「國民革命の目的は帝國主義の羇絆から中國を解放することになり、而して帝國主義は國内の軍閥及び買?をその手先とし、軍閥の地盤は農村内の土豪劣紳にある」とした。


つまり帝国主義(国外勢力)と軍閥(国内勢力)が結託した中国支配をひっくり返すためには、軍閥の基盤である郷紳(地主)を支えている土地制度を徹底して改める必要がある。「郷紳の社會的・經濟的及び政治的勢力は、十の九まで農民に對する搾取の上に築かれて居る」。そこで瞿秋白は「農民政權を樹立するところの土地革命を實行」することを提唱した。帝国主義から中国を解放するためには、土豪劣紳から土地を取りあげ、農民が自らを解放しなければならない、というわけだ。


軍閥を温存したままに反帝国主義を掲げた孫文を批判していただけに、橘からすれば瞿秋白が打ち出した新方式は「我が意を得たり」だったろう。

 ここで改めて橘の中国社会分析を簡単に整理しておきたい。
 橘は封建中国においては、「官僚階級は、軍閥・官僚及び郷紳から成立つところの支配的社會階級」であり、「この三つの中で、政治方面を代表するのが官僚又は軍閥、社會經濟方面を代表するのが郷紳である。而して土豪劣紳は惡質の郷紳を意味する」。
「官僚及び軍閥と郷紳との關係は、現役と豫備との差に過ぎず、同じ畑で互いに循環し合つて居る」。「郷紳の農民に對する直接關係は、地主と小作人の關係であり、間接には『財閥』として商業的搾取を行ふ」。「郷紳はその餘剩資本を商工業に投下して、親近者をして匿名組合的の企業を經營せしむる」。
「此の種の企業者は、申す迄もなく地方の小資産階級中に有力な地位を占得する」。


 いわば封建社会の根幹に官僚階級が位置し、一方では軍閥となって外国帝国主義の手先として中国侵略に加担し人民を苦しめ、一方では郷紳となって土地を仲立ちに農民を搾取し、さらには企業経営者として経済・商業活動を支配し、中国の権力を独占し富を壟断する。土地(農地)が郷紳の力の源泉であればこそ、郷紳から土地を取り上げることで郷紳の力を、というわけだ。

 ここで些か話題を転ずるが、この郷紳層こそが中国であったと考える。
秦から始まり清に至るまで歴代王朝は漢族のみで築かれたわけではない。漢族にしたところで、家系を同じくしたわけでもない。漢族以外の異民族出身であれ、どこの馬の骨なのか分からない人物であれ、権力を握れば「中華王朝の皇帝」に変じ、その皇帝が統治する王朝は同じく「中国」とされる。それは郷紳が歴代王朝を一貫して支えてきたからだ。いわば中国とは、権力と富とを独占して郷紳による統治・支配のカラクリということになる。これを言い換えるなら、郷紳による官僚階級が中国を操ってきたのである。


このカラクリを変えない限り、中国は変わりようがない。これを逆説的に捉えるなら、このカラクリを変えてしまったら中国ではなくなってしまう、となるかもしれない。


 閑話休題。かくして共産党は「第五回全國大會に於て、資産階級との敵對關係及び土地革命を工作の中軸とする國民革命と云ふ二つの新方針を明らかにした」わけだが、それが共産党を危機的状況に陥れる一方、蒋介石に反発する勢力を糾合した国民党左派にも複雑な影響を与えることとなる。
コミンテルンをも巻き込んで、事態は紛糾の度を増すのであった。
      
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS  
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(読者の声1)「天照大神と日食」
 この場にしばしば邪馬台国論が登場し、その中で紀元240年代後半に連続して起こった日食と天照大神や卑弥呼が結び付けられることが多いようです。
それらの論は、安本美典氏や井沢元彦氏の論が下敷きとなっているようです。もしそうであれば、その論拠は甚だ危うく、再検討されるのが妥当だと考えますので、一言述べさせて頂きます。
 ご承知のように、古代日食については「日食月食宝典」渡辺敏夫、雄山閣として出版されており、その中に247年と248年に日本付近で起こった日食についての記載があることは事実です。
 然し乍ら、よく見れば、247年の日食は中国大陸で始まり日没直前に朝鮮半島の南部で終了しています。また、248年の日食は朝鮮半島東部で夜明け頃に始まり日本の北部(北陸地方北部から東北地方南部)を経て太平洋上に抜けています。
 皆既日食が天照大神の伝承と結びつくためには文字通り皆既日食でなければならず、部分日食では暗くなり方がそれほどでもないため、神話の伝承に見られるような劇的な現象は起こりません。因みに、太陽は月に比べて46万5千倍明るいため
99%欠けてもその明るさは満月の4万6千500倍も明るく、日の出前や日没直後程度の明るさはあります。
 皆既日食では皆既の直前に急速に暗くなり、数分の文字通り真っ暗の時間の後、太陽が月の陰から出る直前に月の山の切れ目から僅かに覘く瞬間によく知られたダイヤモンドリングが見られます。この現象は、真っ暗闇の中で日神がほんの少しだけ顔を出す、神話の伝承とよく合いますが、それは皆既日食でなければならず、部分日食ではそのような感激とは程遠いものです。
 247年と48年の日食は日本列島ではいずれも部分日食で、しかも日没直前または
日の出直後であり、曇りの日の日没や夜明けと大して違わない程度の暗さであり、古代の人が日食に気がついたかどうかはっきりしない程度の日食なので、これを神話の伝承と結びつけるのはまず無理なのです。
 かなり以前になりますが、私が東京天文台で確認したところ、このことは東京天文台の方々もよく承知しておられ、安本氏に対して「まず成り立たない」ということを申し入れられたそうですが、安本氏はそのことを全く無視して自説を強弁しておられるようです。
 安本氏の研究姿勢はこの場では置くとしても、240年年代後半に我が国付近で起こった日食を、天照大神や卑弥呼と結びつけるのは大胆さを通り越した無謀な論だと申し上げたいと思います。
    (高柴昭)
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(読者の声2)ニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物取引の中心である20年12月物は日本時間5日の取引で大きく上昇、一時1トロイオンス2048.6ドルと、前日に続き中心限月としての最高値を更新した(15:54
日経速報ニュース )。
また金の現物は、ロンドンのドル建て取引価格で、5日に一時1トロイオンス2040ドル前後まで上昇した(18:47
日経速報ニュース)。
自分などは、これは近づいてきた全世界的な貨幣価値の低落、インフレ化への先行指標ではないかと思う。
 ところで、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)の8月11/18日号は、「2020年後半 日本・世界経済大展望」なる特集を行い、シンクタンク、証券会社など計13社の金価格予測を載せている。これを見ると、13社が予測する2020年8〜12月の金価格上限は1800〜2000ドル。全13社の金価格上限予測平均値は1935ドル。 雑誌発売直後でありながら、もう既に13社全社が予測を外している。
 「金と銀」と題するコラムでは、コモディティアナリストと称する方が「金は年内2000ドルへ」と題して「年内に2000ドルは達成できない水準ではないだろう」「2000ドルの可能性も」などと述べている。 まことに、「未来予測」は難しい。
 上記特集では、ドル・円の予想については、28社が参加しており、全28社の平均値は、2020年8〜12月で、下限102円、上限112円、21年1〜12月で、下限102円、上限113円
 そして、「ドル・円」と題するコラムでは、大手銀行チーフストラテジストと称する方が、「円、ドル、ユーロの主要3通貨の強弱関係は、日本の解散総選挙への警戒はあるものの、決定的なダメージの少ない円が消去法的に、まずは対ドルで、やがては対ユーロで買われるという展開を予想する。
・・・・・・基軸通貨として世界にバラまかれたドルの価値は、大量に供給されたものの価値は下がるという経済原理にのっとり、ドル売りを引き起こす。来年3月に1ドル=100円割れの場面も予想する」などと述べている。
 藤巻健史氏が述べる円暴落説、日銀破綻説は、一般的にはまったく認められていないようである。
しかし大幅税収減が見込まれる一方で、20年度の歳出は160兆円超に上るといい、「財政黒字化一段と遠のく、政府目標は困難」(日本経済新聞・8月1日朝刊)という
ような日本経済・財政の現状の中で、「決定的なダメージの少ない円が消去法的に、まずは対ドルで、やがては対ユーロで買われる」というのも自分の「感覚」に合わないし、「大量に供給されたものの価値は下がるという経済原理にのっとり、ドル売りを引き起こす」という点についても、もちろん、要は相対的な問題であろうが、それでは円は大量に供給されていないのか、と思ってしまうがどうだろうか? 
  8月5日付の日経新聞朝刊では「長期金利、プラス圏推移、国債増発懸念、海外勢の買い鈍る」という見出しの下で、「長期金利がプラス圏で推移している。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは6月12日の取引時間中にマイナスになったのを最後に、プラス圏での推移が定着している。新型コロナウイルスを受けた財政出動による国債増発の懸念が根強く、海外勢の買いが鈍っているためだ」などと述べられている。
これなどを読むと、自分などは、いよいよ、「国債増発懸念 → 金利上昇
→・・・・・・・」が近いのではないか、と思ってしまうのであるが、はたして現実はどう展開するのであろうか。
  (椿本祐弘)

2020年08月06日

◆トランプはスカボロー礁に奇襲をかける

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月5日(水曜日)通巻第6610号  


中国軍筋「トランプはスカボロー礁に奇襲をかける可能性」
   フィリピン「いかなる共同軍事演習にも比軍を派遣しない」

 米海軍の空母攻撃群が南シナ海を遊弋している。
2隻体制だという。空には警戒機が偵察飛行を続けている。むろん潜水艦も当該海域の海底にある。

ポンペオ国務長官は7月13日の会見でも「中国の南シナ海に於ける違法行為をわれわれは許さない」と明言した。翌日、トランプは香港制裁法に署名した。

リムパック(環太平洋合同演習)はアセアンばかりかAPECの国々を加えて、8月17日からハワイ沖で展開されるが、フィリピンのロレンザナ国防相は、「いかなる共同軍事演習にもフィリピン海軍を派遣しない」と言い出した。

ドゥテルテ大統領は就任直前にハーグ国際法廷がだした「中国の主張に根拠はない」、つまり勝訴(2016年)という法的バックを得ているのに、何もしなかった。

中国は「あの判決は紙くず」と轟然と言いはなかった。

ドゥテルテ大統領は支持率63%(2020年7月の世論調査)。しかし、こと中国政策となると、支持率は急減する。

ドゥテルテ大統領は言う。「中国と戦争をしたら負けるじゃないか」。むしろ北京を何回も訪問した。バナナ禁輸措置の取りやめ、スカボロー岩礁周辺でのフィリピン漁民の操業を取り付け、とりあえず中国との間に軍事衝突を避けた。

2019年6月には、ロザリオ前国防相が香港の入国を拒否された。ロザリオはアキノ前政権の重鎮で親米、反中政治家として知られる。

この流れのなかで、フィリピンは米国との地位協定を「破棄する」と言い、つぎに「18ヶ月の猶予」と訂正し、またまた「破棄すると言ったことを破棄する」と、もとに戻した。

というのも、フィリピン世論は93%が、「ドウテルテ政権は中国のもっと強い態度を示せ」(サウスチャイナ・モーニングポスト、8月4日)としており、激しい反中デモが起きている。

中国の軍事筋は「無人のスカボロー礁にトランプは奇襲を仕掛けるのではないか」と予測している。「大統領選挙前に人気挽回のための『オクトーバー・サプライズ』はそれだ」と短絡的な予測だが、米国側から見れば、「無人の岩礁を爆破して、軍事的に何ほどの意味があるのか」と中国の観測気球を訝しんでいる。
 
だとすれば、オクトーバーサプライズは、何処で、何時?
       
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜国民としての矜持、尚武の心、その気風をはぐくむ工夫がなされ
戦前の国語教科書は古事記、英雄伝、国民と精神を教育していた。

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復刻版『初等科国語 中学年版』&
復刻版『初等科国語 高学年版』(ハート出版)
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戦前の国語教育がいかにまともな、健全な日本人の精神を培う内容であったか。

正義と公平と尚武の精神をさりげなく教え、情操を豊かにすることに重きが置かれた。まともな人間に育て上げることが教育目的であった。

叙述はくどくなく、あっさりと、しかし平明で力強い語彙に溢れている。GHQは、このような正しい教科書に墨を塗らせ、あげくには廃棄処分とした。

占領下に作られた教科書は、無味乾燥で、道徳を軽視した、要するに日本人の脳幹を破壊する企みが仕掛けられていた。このため戦後世代は戦前の日本が軍国主義で、間違ってアジアを侵略したと教え込まれ、洗脳された。

その弊害は遅れて効果を運ぶ。戦前の教育をうけてきた教師らは追放され左翼教師らが教育現場に立ち、だから沈潜していたGHQの病原菌が、いまごろになって歴然とその悪影響の効果を顕している。

なにしろ古事記、日本書紀を読まなかった世代が、留学先で日本の歴史を質問されても何も返事が出来ない。「英語が喋れる」って? 日本語も満足に喋れない人が英語をマスター出来るはずがないではないか。

まず、『初等科国語 中学年版』を見よう。

神話の天の岩戸から始まり、スサノオ、ニニギノミコト、そして聖徳太子がでてくる。戦後教科書が無視した日本の歴史の本質が、チャンと教えられていた。神話、偉人伝を教え、そして神社のことを説き、尚武の心の大切さを教えている。

この巻の解説を書いた葛城奈海さんはこう言う。

「現代日本人が失ったものの大きさを痛感せざるを得ないであろう。優しさ、尚武の精神、美学。優しいからこそ、強くなければならなかったし、強いからこそ優しくなれた。平和を守るためには、それが脅かされそうになったときには、最終的には戦う覚悟が必要だ。その覚悟をもった人間を美しいと感じるのが、日本の美学であった。『平和』を『文化』に置き換えても、また同じことが言える」。

次いで復刻版『初等科国語 高学年版』を見ると、乃木大将とステッセルの水師営の会見が見事な情景描写、心理描写で描かれている。満州を縦断した特急亜細亜号、明治神宮、源氏と平家。

『古事記』の項目には、こうある。

「わが国初以来の尊い歴史であり、文学である。殊に大事なことは、こうしてわが国の古伝が、古語のままに残ったことである。こごには、わが古代国民の精神がとけ込んでいる。われわれは今日古事記を読んで、国初以来の歴史を知るとともに、そのことばを通じて古代日本人の精神を、ありありと読むことができるのである」
 
高学年版は昭和17年の編集であるため、シンガポール陥落、マレー沖海戦そして、南洋の島々の生活なども出てくる。

ともかく二巻を通読して、一貫した基本姿勢は、「国民としての矜持、尚武の心」、その気風をはぐくむ工夫がなされていることなのである。いまの文科省の教科書検定官たちにも是非、読んで欲しいものだ。
        
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)通巻第6596号の読者の声欄にてMMTに関して申し述べました。しかし私にはもっと強調したいことがあります。それは本当の学者・専門家が声を大に指摘していても不思議ではないほどの事なのに、今にいたって誰も言い出さないのはなぜだろうと云う事なのです。

(1)「簿記がわからないが故にMMTに批判的な専門家が多くて困っている」「簿記を知る人にとって、MMTは常識であり、貸方=資産・借方=負債の記録をしっかりと見てゆくという簿記の概念を、経済学・経済政策論に持ち込んだ『常識』に過ぎない」(「クライテリオン」誌)とMMT肯定派は言われます。

でも本当にそれは正しいのでしょうか?

(2) 私は1971年にニクソン政権が通貨の兌換を放棄したと云う事を「通貨自体はもはや価値を内包せず、単なる価値を動かす道具であるとみなすことに決定した。」のだと認識すべきと思います。

この発表は長い人類の歴史上、商品貨幣説・信用貨幣説のように貨幣は価値を有しているものだというそれまでは当たり前の事が、他ならぬ基軸通貨を以って明確に否定された大変化であり、些細な政策上・制度上の変更ではすまないのです。

(3)それにも拘わらず、MMTに則って政府が通貨を増刷する際に、「兌換を放棄し、価値を伴わなくなったハズの通貨自体の数字が、資産や負債の勘定科目に『出現』し、これをもって肯定派の専門家たちはMMTを説明するのです。

その例がA.(前回の投稿文で『奇跡の経済教室』中野剛志著から引用したように)「(MMTを基盤として)人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり・・・』とか、B.クライテリオン誌の「国債をどんどん発行してゆくと国民の資産がそれだけ増える」(日銀副総裁の国会答弁)、と云う事であり、これらは全て、通貨そのものが印刷された時点から既に価値を内包していることを前提にしているが故に、初めて口に出す事ができる意見だと私は言いたいのです。つまりMMT肯定派の思考回路には「兌換廃止」の意味が抜け落ちているのです。

(4)ここで注意すべき点を申します。通貨には2種類あり、一つは印刷したばかりの未だ価値を背負っていない(価値の裏付けのない・価値を帯同していない・人間により付加価値が労働によって付けられていない)価値と、もう一つは価値を帯同している価値があると私は思います。

前者を価値なし通貨(増刷通貨・新刷通貨)、後者を「価値付通貨」と称するとわかりやすいと思います。つまりここで私がMMT関連で申しますことは増刷に当たり未だ価値が付与されていない段階での増刷・新刷通貨についての論であります。

(5)それでは、「兌換されない増刷通貨とは何か?」と云う事になります。私は「通貨は価値の交換・保管(在庫)の機能を持っているが、増刷通貨は価値を包含・内包しているのではなく、価値に帯同するものの基本的には別物、即ち価値を生み出す触媒・呼び水であり、ヒトをして価値創造のためのアクションを起こさせる手段・ツールになったと云う事です。

そしてこれから価値を通貨に帯同すべく、経済活動を刺激する道具と云う事です。

(6)先の投稿文で述べましたように、仮に価値総量と通貨量が一定(仮にそれぞれ100とする)の国家では、政府が100通貨量を増やせば、国内通貨量は200になり、それ以前に国民が有していた100通貨に相当していた価値量は半減してしまう。

つまりこの場合、経済成長で価値量が100増えて200になればこそ、国民の保有していた通貨価値は守られるのです。

換言すれば「政府が通貨をどんどん発行して行くと国民は働かなくても金持ちになってしまうはずはなく、もし社会・国家の価値総量が一定であれば通貨量が増えれば国民の貯蓄額はどんどん減耗(目減り)することになります。

また国民は「働かなくてもいい社会」において、経済成長率をインフレ率より高くはできるはずはなく、成長に必要なイノベーションは生まれない。

いくら通貨増発は豊かさを増すための触媒とはなり得ても、増発そのもので社会が豊かになることは出来ないのであり、MMT理論は価値を持たない増発(価値なし・新刷)通貨が、簿記上に記帳される限り、正しい理論とは言えないと思うのです。(SSA生)

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(読者の声2)貴第6609号「長浜浩明『最終結論 邪馬台国はここにある』(展転社)」の書評の中で紹介された論文「相馬充,上田暁俊,谷川清隆,安本美典『247
 年 3 月 24 日の日食について』国立天文台報
第14巻,15−34(2012)」ですが、その中で「北九州市周辺は皆既になるが、福岡市や佐賀市は皆既帯からはずれ、いずれの場合も食分0.99ないし0.98となる。日食の間中、あたりは暗くならないことを指摘しておく。


天照大御神は卑弥呼のことが神話化・伝承化したものであり、天照大御神の天の磐戸伝承は卑弥呼の死と関係する、との見解がある。卑弥呼の死の前後と見られる紀元
247
年に、北九州で、皆既または皆既に近い日食があったことは、注目に値する」とあります。
 つまり皆既日食が見られた北九州市付近を除き、北部九州一帯は真っ暗にはなりませんが、かなり深い日食が観測されましたので、宇佐市安心院町の山城に居た卑弥呼は、この日食を見た糸島市の伊都国男王によって殺されたと推理しています。
 魏志倭人伝に、卑弥呼の死後、改めて男王が立つが、皆それに服さずに千人以上が殺される内戦が起こったと記されています。卑弥呼の死の直前、正始八年
(247年)、帯方郡に新しい太守が着任し、卑弥呼は使者を遣わし、狗奴国と戦争状態だと報告し、援軍を要請した模様です。しかし太守は国境守備隊の役人張政に黄幢(魏の正規軍の旗)と詔書だけ持たせて派遣し、張政は大夫難升米に軍旗を直接渡して「頑張れよ」と告げています。従って、難升米が倭国の軍事を掌握する人物であることが分かり、卑弥呼の政治を補佐する男弟であり、刺史のような役割の一大率であって、伊都国男王のことだと分かります(孫栄健「決定版 邪馬台国全解決」(言視舎)2018,pp.300-302)。
 卑弥呼の死後、王に立った人物が伊都国男王(倭国王難升米)だとすると改めて王に立つまでもありませんから、別の人間のはずです。そうすると、この王に立った人物は、狗奴国から北部九州に押し寄せて倭国を滅ぼした人物だと推理できます。(注)
 ということで、卑弥呼の死の直前には、狗奴国が倭国に攻め寄せる動きを見せていたということです。丁度このタイミングで北部九州で日食が起こったので、これも魏志倭人伝にある持衰(じさい)が殺される理由と同じように、卑弥呼が不謹慎で、霊力が衰えたためと伊都国男王が判断し、不吉な予兆を回避したいために生贄として殺したと推理しています。
 卑弥呼の径百余歩(直径約150m)の墓も発見しました。そして卑弥呼が殺された場所も数々の状況証拠から推理しています。つい最近、滋賀県近江八幡市にある日牟禮(ひむれ)八幡宮で、日食で殺された卑弥呼を宗像女神(イチキシマヒメ)として祀っていたのが分かりました。詳細は拙ブログに掲載していますので、よろしければお越しください。どうも失礼しました。

【関連記事】卑弥呼は日食で殺されたムナカタの姫巫女だろう
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/e/54c8e862ac33f689f751df801346f3b8
卑弥呼が見た日食はこれだ
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/e/ddf335ec398676b3f1e20f2f42597a10
卑弥呼の墓は見つかってるよ!
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/e/a695bf2231ba2efeb69e61f181ba205e
古代史の謎を推理する
https://blog.goo.ne.jp/katumoku10/e/e5f3c79c776262d1ae311988f7e58e3e

 (注)魏志倭人伝に倭国王難升米が殺されたとは書いていませんので、さっさと帯方郡に逃げたのだと思います。そして、倭国追討軍の主将が狗奴国王ならば、内戦にはなりませんので、狗奴国王卑弥弓呼を裏切った人物だと推理できます。
 その人物が内戦で死んだ後に卑弥呼の宗女台与が13歳で女王を継承するとあります。つまり、張政が内戦の勝者に、狗奴国王を裏切り、台与を女王卑弥呼の後釜にして魏の後ろ盾によって狗奴国と対立するように進言したと推理できます。狗奴国王の命を受けた倭国征討軍の主将を殺してしまったので、張政の言葉に従ったと推理できます。
 この新しい倭国王が卑弥呼の倭国に加えて、元々の支配地(山陰・北陸地方)を版図とし、列島の広い領域を支配したので、後世「大国主」と呼ばれた人物だと突き止めました。魏志倭人伝では狗奴国王よりも先に紹介された狗奴国の有力者狗古智卑狗(久々遅彦、豊岡市久々比神社の祭神、奴(ナーガ=龍蛇神)国大王スサノヲの直系の子孫大国主命)と突き止めました。
 また狗古智卑狗が当初従った倭国追討軍の主将は、纏向遺跡の外来土器の約半数を占めるのが東海の土器ですから、尾張王と推理しました。狗奴国王と同じ天照大神尊ニギハヤヒを祖とする一族の有力者だと推理しています。
 張政は魏から晋に帝位が禅譲された翌年(266年)、女王台与の遣使と共に帯方郡に帰還しています。墓から「帯方郡太守張撫夷」の?が発見されていますので、
約20年間大国主・台与の倭国に滞在して、東夷を手なずけた功績で太守に出世して死んだものと思われます。ですから、難升米はもしも郡にたどり着いたとしても、張政から連絡を受けた太守によって、すでに邪魔者として密かに始末された可能性が高ので、難升米の墓も見つからないでしょう。恐らく親魏倭王の金印も持って逃げたはずですので、鋳つぶされていなければ帯方郡址か洛陽付近で見つかるかもしれません。
(刮目天一)


(編集部から)版元を通じて著者へ転送をお願いしております。


(読者の声3)尖閣諸島に、中国公船の侵入が、継続111日ぶりに止まった。いよいよ中国も、国外より国内が厳しくなったようだ。いや、事の真相は、尖閣に台風が接近し、危険が迫ったからのようだ。ハワイで行ったリムパックでさえ、船酔いが続出したからだろう。
 旧日本海軍は、むしろ、台風が来ると、大型艦を乗り出して訓練を行った。その操舵は、任官したばかりの若い少尉にやらせることもあったそうだ。
若者は鬼の形相で必死に操艦したという。周りの艦から、おかしい、危ないと信号を送られたが、艦長は、任官したばかりの少尉の操舵だというと、周りは黙ったそうだ。
ミッドウェー海戦で指揮を執った水雷畑出身の南雲忠一は、敵の雷撃機の魚雷をかわそうと、旗艦赤城を自ら操舵した。ことごとくかわした。
 日本の軍艦は、友鶴号転覆事故以来、復元力が強化され、艦隊運動は世界一であったことがわかるエピソードです。だが空母は、空から爆撃された。
 南雲忠一と同郷の私から見ても、南雲は優れた指揮官かどうかの判断に迷うところです。
保安庁の巡視船は出航を見合わせて居るだろうが、海上自衛隊の護衛艦は、台風のさなかでも、尖閣海域で演習しているのだろうか。気になるところではあります。
   (斎藤周吾)
     

2020年08月05日

◆真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月4日(火曜日)通巻第6609号  

<< 読書特集 >>

長浜浩明『最終結論 邪馬台国はここにある』(展転社) 
渡邊惣樹『真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か』(ワック) 
馬渕睦夫『コロナ危機後の未来がわかる 国際ニュースの読み方』(マガジンハウス) 
     

 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
 
 
何故リンドバーグは「悲劇の英雄」になったのか
FDRはリンドバーグが代表した「不介入主義者」
を敵視した

 渡邊惣樹『真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か』(ワック)
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 まもなく75回目の終戦記念日。靖国神社。そして戦争史の書籍が書店に並ぶ。
 本書のひとつの箴言は95ページにある。
 「米国は戦争をはじめる場合、国内世論をまとめるため、必ずと言っていいほど米軍が先制攻撃を受ける事件がおきる」。
 大統領選挙前、南シナ海がきな臭くなってきた。何かをやらかす気配が漂う。
 真実を75年の間、ひたすら隠し続けてきたアメリカ。ばれると何がまずいのか。
 日米開戦はアメリカのFDR政権がひたすら望み、仕掛けた世紀の陰謀といって良いだろう。アメリカ人の歴史学者と話をすると、机を叩いて「修正主義野郎」ということになるが、一番触れて欲しくないポイントだからだ。
 日本の真珠湾攻撃を震えながら待ったのはFDRだった。このような真実は、近年になって、さすがのアメリカでも語られ始め、出版されるようになったが、いまだに「修正主義」のレッテルを貼られている。
 本書で渡邊氏は、従来あまり語られなかった、当時の「アメリカ第一主義委員会」の活動にスポットを当てた。不干渉主義、対独戦争にも参加を拒む世論を背景に、この組織はたいへんな影響力があり、英雄リンドバークは全米と世界を講演して歩き、どこでも熱狂的歓迎を受けた。リンドバークは日本にもやってきた。
 FDRが、この組織を敵視し、活動を露骨に妨害するのである。日米開戦を前に不介入主義が蔓延することは不都合だったからだ。
PR作戦ではリンドバークがドイツとべったりという印象操作を行った。「リンドバーグ=ヒトラー」という諷刺漫画を狡猾にばらまいて不介入主義者の影響力を削いだ。
 この印象操作のやりかた、いまも有効である。
トランプ=人種差別主義=ナチ。
「チャイナ」と「ナチ」を引っかけた「チャイナチ」は香港の若者たちがポスターにした。
 日米戦争は主にFDRが基本を描いた。
その周りを囲んだハルとスチムソンに、本書は的を絞り込んだ。密約もハルノートも、はては原爆を開発したことも知らされずに政権を引き継ぎ、原爆投下を決断したハリー・トルーマンは道化師であり、リンドバークは悲劇の英雄として扱われた。
原爆投下の後押しをしたのはチャーチルだった。
これも渡邊氏の新しい視点であり、ポツダム会談で、新型爆弾の開発を知らされてもスターリンは「あ、そう」と軽く受け流すポーズをしめした。本当はホワイトハウスに張り巡らした共産主義者のスパイ網を通じて、すべてを知っていたのだ。
 スチムソンは狂信的な日本嫌いだった。
 この国務長官から陸軍長官へ二代の政権に使えたスチムソンについては評者(宮崎)と渡邊氏との対談第一弾(『激動の日本近現代史 1852-1941』、ビジネス社)でも触れているが、日本のアメリカ学者さえ軽視している。
 スチムソンは長老会に属する熱烈なプロテスタントで、勧善懲悪の二元論という視野狭窄の思考から日本悪漢論が導かれた。しかし土壇場で原爆投下の第一候補地だった京都を外した。スチムソンこそは「非情なる軍国主義者」だった。
 つまり「正統派と呼ばれている歴史書の近現代史解釈は歪んでいる」のであって、世間にどっさりと溢れる「リベラル的倫理観がちりばめられた歴史署」は眉唾であり、これらを批判的に読めば「善悪の倫理観からなされる判断がいかに歴史を歪めたか」を了解できるだろう。
 戦後75年、日本人は歴史解釈の罠に陥没してきた。だが、いまこそ真実を知るときである。

(余記)なお渡邊惣樹氏の大作『チャーチル』がいよいよ単行本として近く上梓され、これに合わせて前掲の渡邊vs宮崎共著がソフトカバー版で再登場します(いずれもビジネス社)。ご期待下さい。
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トランプは世界を裏から支配するディープステーツに戦いを挑んでいるのだトランプ落選を画策する「グローバリスト=民主主義の敵」の正体

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馬渕睦夫『コロナ危機後の未来がわかる 国際ニュースの読み方』(マガジンハウス)
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 とかくユダヤの陰謀論と同一視されがちだったのが「ディープステーツ」である。
 アメリカを陰で動かし、グローバル化を目ざす『陰の政府』のことであり、アメリカファーストのトランプ大統領とは、敵対関係になる。
 最近、日本の論壇でも「ディープステーツ」議論が喧しくなったが、馬渕氏が先鞭をつけた。藤井厳喜氏、渡邊惣樹氏らの力強い合唱がなされる。
 このアメーバのような組織は左翼、マルクス主義者にネオコンが加わり、これらは嘗ての共産主義インターのように、団結し、超党派で動く。具体的にはアメリカの民主党、共和党に跨るのである。
 なぜパウエル、ロムニー、ブッシュといった共和党エスタブリッシュメントが、前回は『ヒラリーに投票しよう』と呼びかけ、今回は『バイデンに投票しよう』と言っているのか?
党利党略から言えば、敵対する民主党を応援する利敵行為だが、基底のグローバリズムが地下で深く繋がっているため、政党間の軋轢なんぞは簡単にこえるのである。
 馬渕大使は、グローバリズムを定義して「共産主義ならびに社会主義、そしてグローバル市場主義に通底するのは、国境を廃止して世界をひとつにしようというイデオロギー」とし、その代表的な論客にジャック・アタリ、ズビグニュー・ブレジンシキーなどの名前を挙げる。
反対のナショナルな論客の代表格はパット・ブキャナンである。
 米国のリベラルなメディアはトランプ陣営の主張を取り上げることはない。この左翼メディアを翻訳しているだけの日本の左翼新聞が、したがってトランプを批判するのも、当然だろうし、それにしても自ら考える力さえない、日本人ジャーナリストらの主体性の無さは呆れるばかりだ。
 トランプの登場で流れが変わった。
 国際秩序はコロナ以後、ナショナリズムに向かい始めた。新しい世界秩序とは「国家社会の基本単位である主権国家各国がそれぞれの文化を大切にして国民の利益を尊重するという当たり前の考え方」に復帰しようとする。その象徴が「アメリカファースト」を掲げるトランプ大統領である。
 トランプは世界を裏から支配するディープステーツに戦いを挑んだのであり、ならば、 トランプ落選を画策するのが「グローバリスト」は「民主主義の敵」ということになる。
 ここで次のシナリオを馬渕大使は描く。
 第一は中国の世界覇権を目ざす闘い。第二はディープステーツが「グローバル市場化」を狙い続ける。「ディープステーツの中核である國際金融資本家」たちがコロナ災禍で低迷する企業を買いたたき焼け太りするだろう。その障害となるトランプの再選阻止に動く。
 ところが、第三にトランプ率いる自由陣営の戦いでの主敵を中国としていることと、グローバリストらも中国を敵視しており、「三つ巴」の錯綜状況が生まれることになる。
 なぜなら自国優先利己主義の固まりである中国の市場をこじ開けようとするディープステーツにとって、中国は打倒すべき敵であるものの、トランプ再選阻止ではディープステーツと中国の利益が通底している。
 ならば日本はどうするのか。八紘一宇の精神とは自国第一主義の下で共存するという世界秩序であり、トランプの方向性に合致するという。
 いささか構造の図式化に短絡的な特徴があるが、この本は、池上彰のようなグローバリストの説く間違った国際政治解釈より、その裏に蠢く実態の基本が会得できるので、国際情勢の把握には格好の入門書となっている。
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  なぜ日本書紀より魏志の倭人伝が戦後歴史論壇で上位に扱われたのか珍妙なる『理論』(?)が世の中に支配的だったが、本書で結論がでた

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長浜浩明『最終結論 邪馬台国はここにある』(展転社)
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 長浜氏は前作で神武天皇の建国を紀元前70年と推定され、その背景となる数式、方法の科学的根拠を示された。斯界ではかなりの評判を取ったが、歴史学者は無視する態度を続けた。左翼学界は自らの学説がひっくり返されることをなにより怖れるからだ。
 同時に長浜氏は「古事記」をさほど重視しない特徴がある。
 著者は本書への意気込みをかく言う。
 「根拠なき思いこみ、追求不足、科学的論理的思考の欠如、持論への固執などから、長らく決着が付かなかった邪馬台国論争。文献と考古学資料を根拠に、不毛な論争に終止符を打つ」と。
 本書にはご丁寧に巻末に『魏志倭人伝』の原文が付いている。
 戦後日本が歴史解釈で自虐史観の誤謬に転落したのはGHQの検閲であり、神道指令によって『日本書紀』を教えてはいけないことになったからだった。それゆえ、戦後の教育界であるいは歴史論壇で、あろうことか、魏志倭人伝が日本書紀より上位にあつかわれるという、珍妙な現象がおこり、この本末転倒は、いまも続いている。
 もともと江戸時代から魏志倭人伝は解釈論議が盛んで、新井白石も本居宣長も挑んでいるが、当時は考古学的な、あるいは地理学的な視角が欠落しているため、文献上の字句の解釈からおもわぬ方向へ行きがちだったこともある。
 津田左右吉、直木考次郎らは神功幸皇后捏造説を唱えた。
 左翼歴史学者たちが戦後なした数々の虚妄の論理をいまさら羅列してみても始まるまいが、長浜氏の批判の矛先は、保守論客にも向けられる。これが本書の際立った特徴である。
 まずは井沢元彦氏への批判から安本美典氏への批判が展開されているが、ついで百田尚樹氏の『日本国記』批判は次の通り。
 「卑弥呼は二四七年か二四八年に死んだとされているが、じつはこの年に不思議なことが起きている。九州地方と大和地方でかなり大規模な日蝕が見られたのだ。」という百田氏の記述は嘘であるとする。この根拠を明らかにしないまま、百田氏は嘘に嘘を重ねたとして、次のように井沢元彦説をもとに続ける。
 「その日蝕が起こった年に卑弥呼が亡くなっているのは偶然だろうか。作家の井沢元彦氏は、卑弥呼は天変地異の責任を取らされて殺された可能性があるという説を唱えている。卑弥呼が太陽神を祀る『日の巫女』であるならば、大いに納得できる」と百田氏がかいているそうだが、当該の年に日蝕は北九州では皆既日食ではなかったことが『国立天文台報 第十四巻15-34』で証明されている。
 多くの日本の歴史学者、とくに卑弥呼に関して論ずる人が多いが、なぜ古事記に一行の記述がないのかを論究した人はいない。卑弥呼神社がないのは何故かに言及したひとも殆どいない。この点は田中英道氏が衝いた。
 銅鐸圏の解釈も和辻哲郎あたりが間違いの源流にあるが、これは1982年に北部九州で銅鐸が発見され、誤謬があきらかとなった。
 かくして百田氏の記述した古代史は方々で間違いだらけ、誤解だらけで、現在までの研究成果を知らないで、井沢元彦からの孫引きならびに井沢がそのご訂正しているにも拘わらず、その改訂版を読んでいる気配がないと徹底してその勉強不足を批判している。
 和辻、井上光貞、そして井沢氏らは卑弥呼東方遷都説を唱えたが、一切の物的分権的証拠がなく、魏志倭人伝の文章解釈から推測による創造力がなせる業とでも考えたほうが良いだろう。そして井戸沢氏はのちに東遷都説をやめた。
 評者(宮崎)の見解をここで述べることは控えるが、魏志の倭人伝なるものは伝聞を集めただけの噂話集でしかなく、歴史学が異常に拘るのは学問の劣化としか思えない。
 蛇足ながら宋書にある「倭の五王」は、誰が誰か特定されてこなかった。
 だが、長浜氏は「実年が明らかになることで、讃=仁?天皇、珍=反正天皇、済=允恭天皇、興=安康天皇、武=雄略天皇で確定した」とする。
 (?)。
 歴代天皇のお名前を漢字名にしたのは八世紀。淡海三船の仕業であり、ということは五世紀の倭の五王の呼称は大和言葉だった筈である。たとえば仁?天皇はオオサザキスメラミコト、雄略天皇はワカタケルである。
さはさりながら、こうした論戦を展開する挑戦的な古代史論争に評者は興味が尽きないのだ。
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読者の声どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)先日、どのテレビだが、忘れましたが渡邊哲也氏との番組で、宮崎さんが、米中激突を「貿易戦争」→「ハイテク争奪戦争」→「金融戦争」の第三段階に現在突き進んでいると解説されていて大いに参考になりました。先生のどの著作にくわしく書かれていますか?
   (DF生、郡山市)


(宮崎正弘のコメント)強いて言えば下記の二冊です。
『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで、さよなら習近平』(ビジネス社)
 しかし九月末に、近況分析を盛り込んでの新作を予定しております。
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(読者の声2)宮崎さんの新刊『WHAT NEXT』に韓国人は「二重人格」と記してありましたので一言述べさせてください。
 元々新羅系「韓国人」には人格と言うものがありません。問えば「人格」て何?と「キョトン」とするでしょう。
 朝鮮(韓国)の真実を無視した横暴な言動に、朝鮮時代を知る人達が広く真実を語られないのが残念です。
 併合されていた当時38度線の側で生まれ、物心付くまで朝鮮で育った引揚者が、鼻息荒く土を掻き狂う猛牛の如く抗議させていただきます。
 私は昭和15年朝鮮は忠清南道大田府堺町生まれました。父は朝鮮鉄道の助役で朝鮮の人夫さん達を百名ほど采配していました。二歳の頃はよく入れ替え線の機関車の前で手を広げて停め、機関区に連れて行かれては父から目玉を食らったものです。その都度母にも厳しく叱られていました。
 私は支那人や朝鮮人と云う人種の言うことは、一人の人間として全く信用していません。
 支那と言う地域は古代より「走為上」の人種でしょう。朝鮮も、又、然りで新羅の血は「虚言癖」の塊でしょう。
 日本人はこれら虚言癖の人種にどれ程の害を被ったか歴史が証明しているのに未だに呆け外交をしています。
 支那の蒋介石は「支那人は欲望最高、道徳最低」と評しているかと思えば、戦勝国でもないのに九州割譲を願い出ている。かと思えば、根本博駐蒙軍司令官に中華民国を救ってくれたお礼に馬の焼き物贈っている。支那人の心は日本人では読めません。
 秦の始皇帝は儒者を200人生き埋めにしたが俺は400名以上埋めた。俺の方が上だと豪語してみたり、一村一殺や邪魔に成った紅衛兵を要領よく始末したり、富裕層や立てつく者たち3,000〜7,000名を殺害した今世紀始まって以来の希代のペテン師で殺人鬼の毛沢東が偉大なる国家元首???天安門の上部中央に偉大なる国家元首として顔写真が堂々と飾られている。
 エリザベス女王主催の晩さん会で、習近平国家主席はありもしない日本兵の残虐行為を述べ、顰蹙を買っていた。実に礼儀を知らない幼稚な男ですね。
日本国はこんなにふざけた男を国賓として呼ぶのですか?
日本国は支那の属国ですか。随分と程度の低い国家ですね
 あ。そうか。ハニ-トラップで泳いだ議員や裏金を頂いた議員たちが仕組んだことか。成るほど納得ですね。
 歴史を知らないと云うよりは、半分が日本人、半分が支那人と云う政治家共には困ったものです。情けない。
次期総理と持て囃されている(単なる表向き)石破茂は、「朝鮮史は今からよく勉強してみる」、と寝ぼけた事を言っていますが、此奴単細胞の阿保ではないかとさえ思いたくなります。
 
今騒いでいる少女の慰安婦像は、米軍の装甲車に撥ねられた15歳の二人の少女でしょう。日本軍とは何も関係ない。又、「日本国」は「韓国」などと戦争をしていないし、将校用・兵隊用、慰安婦所などもあるはずがありません。
 ジ─プで、ヘリコプタ−で連れて行かれた??? 当時日本国にはそれらの物を保有していなかった。伊藤博文の反対を押し切って朝鮮国を日本国に併合したけど皆平等で弾圧など一切していない。朝鮮生まれで、終戦間際まで朝鮮に居て、遊び友達は朝鮮人しかいなかった日本人が証言します。
 朝鮮人の女衒が連れて来る慰安婦には大きく分けて二種類ありました。兵の労をねぎらう軍人専用の慰安所と、一般用の女郎屋の二種類です。
 軍専用の慰安所は、兵隊が性病その他の病気に罹らない様に最善の注意を払っていたはずです。だから応募者も多かったようです。
 軍隊の月給が7〜10円弱のころ、はい次、はい次で25円位ウハウハと稼いでいたそうです。笑いが止まらない商売だったようです。(小野田氏の言)。
 幾ら衛生管理はされていると言っても病気に成る危険性は付きまとうもの、だから終わった後は袋小便を必ずしていたと戦後県警の吹奏楽隊長をしていた叔父が笑いながら話していました。兵用の慰安婦と、一般用の女郎を一様に見るのは論外です。
  又、どんなに可愛がっていても情勢が変われば直ぐ豹変するのが朝鮮人です。
  終戦間際に六家族の夫婦がみえ、「日本はもう負けます。負けたと分かったら朝鮮人は何をするか分かりません。悪い事は云いませんから今の内にお帰り下さい、家財道具は責任もってお届けします」と告げられました。母は信じたのでしょう持てるだけの物を持って釜山港に来たものの予定の船が機雷で前半分とられていました。そのため一週間の足止めをくらいました。その間男衆だけはガ−ドのため居残ってくれました。
 家財道具も何一つ欠ける事無くきちんと着いていました。多分百済系の人達だったのでしょう。この方達には感謝して余りあります。
 あんなに可愛がった人達がそんな事はしないでしょう、と戦後まで居残った人たちは惨な目に遭わされました。引き上げ者の女性たちは二日市の温泉街に、臨時に設けられた診療所で診察を受け全国に散らばていきました。
 二日市の温泉街には此処で堕胎した人たちの水子の霊があります。今の子たちは殆ど有ることさえ知りません。
 優しかった隣のお姉さんが引き揚げて来られたと母から知らされ、居ても立つ手もおられず会いに行きたかったのですが母は、迷惑されるよ、の一点張りで住所を教えたくませんでした。悲惨であった事は後で知ったことですが、お会いした時の言葉が無く惨めで会いに行けませんでした。
 私にはあんなに親切だった人達が何で殺し、犯しまわる乱暴狼藉を働いたのか全く解りませんでした。
 百済系の人たちに囲まれていた私たちは幸運でした。
 相手が強い時は平身低頭。弱いと見たら今まで受けた好意や恩義などからりと捨て乱狼藉を働くのが新羅系朝鮮人。この性格は関東大震災の時でも、近代化した今日でも何ら変わりはありません。
 李承晩ラインなどある訳がありません。これが朝鮮人の強かさです。直近でも李明博の裏切り、朴槿恵の、「千年の恨みは変わらない」、うぬ? 莫迦こけ、朝鮮に千年の恨みを持ってよいのは日本の方だ、壱岐に行ってみろ、至る所に朝鮮人に故無く殺害された「無辜の民」の千人塚が至る所に在るではないか、と言いたいです。
 現大統領の文在寅は典型的な新羅人だと思います。物の通りが分からないのが支那・朝鮮人です。朝鮮人は支那人の上を行く邪心を持っています。
 この様に恩を仇で返す様な民族と仲良く出来る訳がありません。
 それにしても最と詳しい方たちが真実の声を上げられないのは何故でしょうか?
   (北九州素浪人)

2020年08月04日

◆ドイツ連立与党のパートナーはメルケル

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月3日(月曜日)通巻第6608号  

ドイツ連立与党のパートナーはメルケルの中国のめりこみを間接批判中国は欧州の基本的価値観たる「人権」と「法治」を無視している

ドイツのミカエル・ロス欧州担当大臣は、メルケル首相とは微妙に立場が異なり、はっきりと中国への警戒、無造作なファーウェイ受け入れに警告を発した。

「専制的独裁政治は一党独裁であり、人権を軽視する露骨な政策が香港において行われた」と、ロスはドイツ最大の有力メディアである『シュピーゲル』に寄稿した。

メルケル首相は北京に通うことに熱心で、フォルクスワーゲン救済のために、中国工商銀行から融資を受けたりしつつも、欧州議会の手前、「人権」批判は取って付けたようにリップサービスだけ。強硬な制裁措置をとる構えさえない。それでいてトランプ批判はどの国よりも凄い。

ロス大臣は社会民主党所属で、メルケル与党との連立を組む。

この社民党が重点を置くのは「人権」「法治」であり、「中国の政策は香港への強圧的措置に見られるように人権を無視した、基本的な価値に基づかないものであり、われわれ欧州が伝統的にみなしてきた基本的価値観とはまったく違う」

そのうえで、「欧州は団結して行動を取るべきだ」として、中国の圧力に根負けして批判色を緩めたギリシア、ハンガリーを名指ししないまで批判した。

欧州全体でコロナにより犠牲者が20万人を突破した現実的な悪影響が目の前にあり、欧州でも反中国感情が強く表面化している。英国とフランスはファーウェイの5Gシステムの導入を正式に中止した。

武漢コロナ=中国というイメージは欧州全体に拡大している。

中国は欧州全体の批判を懼れ、「分割統治」、すなわち各個撃破の外交を展開してきた。

『戦狼外交』は現在の中国政権の基本にあって、逆に言えば中国高官の誰もが強硬姿勢を貫かなければ権力闘争の負け犬に転落することを怖れているからでもある。

   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2112回】                  
「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘72)
「中國共産黨の新理論」(昭和2年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

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「共産黨は無産階級及び農民の中に深くその根を下しつゝ、彼らを指導して政治革命から引續き社會革命を完成すると云ふことに、その目標を置く」。もちろん「最終目標は中國赤化の完成、即ち世界的ソヴェート共和國なる大組織の中に中國を溶け込ますことにあるのは今更申すに及ばぬことである」と、橘は共産党の路線を示す。

共産党は「中國人としては、比較的短氣」ではあるが、「目前の中世紀的社會經濟組織を持つ中國民族を引提げて、一足飛にマルクス的極樂淨土に飛び込まうと夢想して」はいないだろうし、「極樂淨土の門を潜る前に、中國民族は嫌でも應でも國民革命及び社會革命と云ふ2つの難關を突破せねばならぬことを能く心得ている」はずだ。


だが、「國民革命及び社會革命」を教条的に捉えたままで革命に突き進もうとするならば、「幼稚な失敗に陷り、烈しい手傷を負ふことにもなり易い」──この見立てに従うなら、橘は「目前の中世紀的社會經濟組織」で形作られた中国の社会構造に基づかない共産党の方針では革命は覚束ない。だから共産党の革命方針は間違っていると言いたいのだろう。

「中國には國家はあるが、正しい意味での國民が無い」と考えるから、橘は「目前の中世紀的社會經濟組織を持つ」中国における「国民革命」は「國民」による「革命」ではなく、「國民」になるための「革命」でなければならないと説く。

これを第一段階にして、次いで「植民地又は半植民地の被壓迫民族が、帝國主義の?絆を脱する爲の民族運動」である「民族的政治革革命」の段階に突き進む。最後が社会革命で「一千年の?史を持つ官僚階級」を起源とする「軍閥や土豪劣紳や貪官汚吏や所謂大資産階級」の支配をひっくり返す。

つまり、このように性格の異なる3段階の革命を積み重ねることでしか、「中國赤化の完成」は達成できない。これが橘の主張に違いない。

だが、これまで共産党は「究極の目標を無産革命に置」き、「階級的自覺を有し、階級鬪爭の爲の組織を有する産業勞働者」を革命の中心とし、「無産階級が農民を呼び覺して、これと提携しつゝ」革命を目指してきた。

そこで共産党による労働運動に危機感を抱いた上海の資本家たちが?介石を支援し、「階級鬪爭の爲の組織を有する産業勞働者」に壊滅的打撃を与えた。1927年4月にショウ介石が起こした所謂「上海クーデター」によって、共産党は「マルクス的極樂淨土」とは真反対の地獄に突き落とされてしまった。


そこで共産党は従来の方針を転換し、1927年の4月末から5月初旬に開催した第5回全国大会で「農民が革命の中心勢力と云ふ高位に据ゑ」た。この動きに対し、「廣く中國共産黨の農民運動に對して新たに決定した態度であると見ることが出來る」と好感を示す。

橘に依れば、第5回全国大会の宣言と決議が示す共産党の方針が従来の大会のそれと大きく異なっている点は、「(一)資産階級との敵對關係の確定、(二)『農民革命』の方式の確定」である。

前者について橘は現在進行形で進んでいた北伐を例に、次のように解説する。

当初、資産階級による反軍閥の運動は反帝国主義の色彩を色濃く帯びていた。だから資産階級と無産階級とは聯合戦線を構成し、農民の力をも糾合して北伐を進めることが出来た。

だが北伐が成功裏に進むに従って、資産階級は軍事的勝利の独占を目指すようになった。「單純なる民族主義的見地からは、資産階級と無産階級及び小資産階級的民權派とが聯合戰線を形成し得た」。

ここで「共産主義的見解」に立てば、こういった曖昧な形の聯合戦線は認められない。そこで資産階級は「共産主義者に據れば、?介石氏の率ゐる右翼國民黨との結合」に転じ、ショウ介石氏は單に資産階級の指導者たるのみならず、同時に封建勢力の味方」になった。以上が「(一)資産階級との敵對關係の確定」に関する橘の見解だ。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)寝てばかりいる10歳の愚猫ですが、おやつ煮干しの袋を二階で開くと、瞬時にこれを察してコトコトと階段を上がってきます。

煮干しの揮発成分が空気の「分子運動」で飛ばされるからで、数理的な計算では、匂い粒子の拡散速度は秒速200mにもなるとされます。

ウイルスは匂い粒子より大きいとしても10倍かその程度のレベルですから、単体なら同じように飛ぶのでしょう。武漢ウイルスも、急速度で拡散し希薄化して、お仲間の何百種類のウイルス、リケッチア、プリオンなどとともに環境に遍在していると覚悟すべきです。

理学的には検知が困難な極微の世界、ウイルスたちのマクロなビヘイビアは、いまだによく解明されていません。

人には貪食細胞など何重もの防衛機能があるので、病原ウイルスが防御の弱い粘膜や傷口に暴露しても、必ず感染つまり「生体に侵入して定着・増殖する」わけでなく、大量の暴露、繰り返しの暴露で感染して「発症」に至っても、また免疫が戦って治癒して抗体が残る。

空気の振動で飛ぶ程度のウイルス量は、まず感染しないが、一定の免疫活動を喚起し抗体をつくるというロジック。なぜ日本ではすでに「集団免疫」が達成されているといわれるのか、猫が教えてくれました。

病毒性? .医療崩壊? .経済毀損? .情報錯乱の四面対応が問題の肝です。武漢肺炎の「致死率」は、現下の日本では、風邪と同等です。

大騒ぎを続けているのは「?」を見極めないで、大衆も知識人さえも「?」に流されているから。政府も小心であいまいな戦略。小川榮太郎さんや武田邦彦さんも最近では呆れている。

高橋泰教授や上久保教授の説に有効な反論をしている専門家はあるのか。経済学者からの批判に対して「平成不況を防げなかった経済学は黙れ」といった専門家があったのにはびっくりしました。

風通しの極ワルの業界? 指定感染症などは即刻解除して、梅雨明けの太陽の下へ!(石川県、ボケ脳)


(宮崎正弘のコメント)メディアが恐怖を煽っている分を割り引いて考えるべきと思います。テレビを見ないので誰が何を言っているのか知りませんが、新聞報道をみていても、慎重論が支配していますね。当方は講演活動を再開していますが、フェイスマスクをつけての講演は息苦しい(苦笑)。会場も人数制限していて、盛り上がりを欠きます。

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(読者の声2)蓮蓬公爾さんの「熟読玩味」というコラムに下記の文章があります。

(引用開始)「【新刊紹介】『神武天皇実在論』林房雄著、ハート出版・本体1500円。

神武天皇を著す著名人として橘孝三郎を先ずあげる。橘氏は五一五事件に連座した農本主義者、昭和35年『神武天皇論』を刊行した。

今日『抄神武天皇論』展転社にて読むことが可能。『令和日本史記』八幡和郎著・ワニブックスー神武以下126代迄の天皇網羅致す。神武東征を立証された書も刊行されてをる。然し、左傾した教科書は変わらずだ。

「神代の部を否定してしまう事は一種の暴挙であり、きわめて非科学的」(林)。
此れを敗戰後の日本的〈否定的実証主義〉と呼んでいる。正に真実でして史的唯物論に毒された教授逹は、全て〈科学的〉実証のみを正義と観、「古事記」「日本書紀」を擬態な作り物とあざ笑って居る。歴史検証を怠ったのである。

林氏自身、東大新人会・プロレタリア作家であった。浅野晃同様に獄中転向した。転向者の多くは、檻の中で初めて「日本神話」に触れ、大八州(日本)と天皇(御門)に早春の目覚めを体感したのである。其れほど迄に左傾された人間の頭脳構造は、神話を拒絶していたのである。

昭和40代は、祖國への無知と歴史検証を真摯に學ぶ姿勢が薄かった。此の時期、実在した「神武天皇」を論じた林房雄に敬服致す。叉『天皇の起源』『大東亜戦争肯定論』も論議を呼ぶことに相成った…。

「解説」文末
宮崎正弘も同様に述べて居る。余談に為るが、宮崎氏が主宰していた『日本学生新聞』に、わたし(蓮坊)は「林房雄の死」(昭和50年・72歳死去)を載せた事思い出したね。

林氏は、壱、天皇の起源(神道の根は深い)縄文中期(独自紋様には岡本太郎画伯も慧眼)迄さかのぼる。弐、神武天皇依り前に六十三代の天皇(様々な大王・一例アマテラス地神五代)が存在してをった。「古事記・日本書紀」以前『富士古文書』『上記』を取り上げて居る。

此は文献學者等に依り偽書と無視されて居る。だが林氏は奇書だが価値があり参考にしてをる。参、人類學に鑑みても有史以来〈日本人単一民族〉が正論である。四、神武は漢風であり其れ以前の神代文字『富士古文書』に或・カムヤマトイワレヒコと呼ばれて居た。

本居宣長・平田篤胤、新しきは津田左右吉ら、國學や神道學者の説も多数掲示。大和朝廷(神武天皇)に依る國譲り(統一)への道しるべが理解出来る筈である。

作家・林房雄の深淵な學識「歴史は過去の精神・理想を書き記す」頭が下がる思いである。

天皇(天朝)は、日本独自の〈非合理〉な権威(道統の継続)であって、安直に西洋合理主義で解明できぬからこそ、「民族的価値」があり國體の概念も生まれるのである。
〈復刻本〉有意義、此処に極まる。拝きみちか」(引用止め)(TH生、大宮)

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(読者の声3)貴誌6606号「台湾のモーゼ、李登輝閣下逝去」ですが。

現今、世界最高の指導者が高齢で死去されました。かの地では国葬乃至はそれに準じる葬儀が成されると思はれますが、これに米国大統領、本邦総理、英国皇太子が列席できれば中華人民共和国(人民共和国?)への強烈なメッセージとなりますし、前二者の支持率回復に繋がり得るのではないでせうか。安倍首相は宰相でなく知人として臨席できると思ひます。王座に上るのも覚束無い皇太子への同国民の支持もやや向上するのでは?

なによりもEU離脱決定後の意志の発露として盟主ドイツに一矢報ひることになる。葬儀外交は故人に対して礼を失する観も否めませんが、今回は台湾民主主義の父たる方への手向けとして列席に意義があります。愚生は、若き日まで同国人であつた故李登輝前総統に謹んで哀悼の辞を捧げ首を垂れるばかりです。不一。 (TY生)

2020年08月02日

◆ポンジスキームの典型だった

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)8月1日(土曜日)通巻第6607号  

 ポンジスキームの典型だった中国ラッキン珈琲の
ウォール街上場時価総額110億ドル、90%が米国の上場廃止で蒸発した

スタバを超える勢いだった。日本ではまったく無名の珈琲チェーン「ラッキン珈琲」。中国ではドトールより有名である。

2019年初に世界で1189店舗だったチェーンは同年末に3680店舗に拡大していた。スタバより20%安く、サービスは迅速だとされた。

もともと創業者は福建省厦門のクルマのレンタル業から、未知だったカフェ業界に飛びこんできた。

ラッキン珈琲はフランチャイズでまたたくまにブームを作りだし、ウォール街の二部「ナスダック」に上場を果たした。

米国証券取引委員会は内部告発などにより内偵を続けていた。一日の売り上げが過剰に水増しされており、あたかも儲かって仕方がないという演出がされていたこと、2つの子会社との曖昧な取引。関連する23の金融機関との照合など、捜査は大詰めを迎え、4月1日に上場廃止が決まった。

時価総額110億ドルの90%が蒸発した。最大株主は厦門の創業一家だが、シンガポールのGICファンド、カタールの公的ファンドなどだった。

このラッキン珈琲のスキャンダルを契機に米国に上場している怪しげな中国企業の実態が浮き彫りとなり、新規上場はほとんど不可能になったばかりか、中国企業の上場廃止、米国株式市場からの撤退が続き、同時に米国の投資家の中国企業を見る目が変わった。

まさにポンジスキーム(ネズミ講)の典型だったのだ。
       
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2111回】      
 ──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘71)
「中國共産黨の新理論」(昭和2年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

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『橘樸著作集第一巻』の最終章は「4 中國共産黨の初期『土地革命』方略に關する考察」と題し、1927、28(昭和2、3)年に雑誌などに発表された論文──「中國共産黨の新理論」、「國民黨の再分裂」、「武漢政府失敗の二大因由」、「武装暴動の理論及び實際」、「勞農政權樹立への新方略」、「中國共産黨土地問題黨綱草案批判(二)」、「中國共産黨方略の正常化」──が収められている。

この時期の中国は、現在と同じように国際社会を揺さぶっていた。

中国革命に対する指導をめぐってスターリンとトロツキーの間で激しい対立があり、コミンテルンの方針も国民党(左派)の位置づけと武装土地革命の是非を巡って揺れ動いた。国民党左派が組織した武漢政府を支持した(27年5月)かと思えば、武漢政府からの共産党員の退出を指示したり(27年7月)。

かくて第一次国共合作は崩壊する。27年5月には武装土地革命を指示しながら、29年2月には「革命は退潮期に入った」と指摘し、武装闘争を進めた瞿秋白ら指導部を「一揆主義」と批判するなど、コミンテルンの方針は首尾一貫していない。

毛沢東が共産党内の権力闘争を勝ち抜き実権を掌握するのは1930年代半ば以降のことだが、1927年2月に農民運動の重要性を示した「湖南農民運動視察報告」を発表し農村での革命を唱えた。

第一次国共合作崩壊を踏まえた共産党は同年8月に瞿秋白を中心とする新指導部を構築し、活動の重点を土地革命と?介石率いる国民党への武装反攻と定めた。もちろん最重点は農民による秋の取入れを狙った「秋収蜂起」と呼ばれる農民暴動である。

毛沢東は同年9月に南昌を中心に秋収蜂起に決起したが、モノの見事に失敗。1000名弱の残存兵力と共に、命からがら湖南省と江西省の間の山間僻地の井岡山に逃げ込んだ。後に人民解放軍の生みの親となる朱徳と合流し、28年5月に紅軍(工農革命紅軍第4軍)を組織する。同地は毛沢東正統史観から「革命の聖地」と呼ばれるが、実態は敗残兵が逃げ込んだ山塞といったところか。

この時期、陝西、河北、河南、湖北、江西、広東など中国中央部の各地で共産党は農民蜂起を試みたものの、悉く失敗に終わってしまう。

27年3月24日、蒋介石麾下の国民革命軍が北伐途上での南京占領に際し、英米軍艦が南京市街を砲撃した(「南京事件」)。

4月18日にショウ?介石が南京政府を樹立し、翌5月28日には日本が第一次山東出兵に踏み切った。1年後の28年5月、済南事件が発生した。28年11月にはアメリカは?介石率いる南京の国民政府を正式承認している。


中国国内をみると、南京に拠った蒋介石の目指す国内統一は先行き不透明なままであり、共産党も革命方針をめぐって内部対立が激化する。これにコミンテルンが絡んで、事態は紛糾の度を加える。

まさに橘が共産党関連の論文を連続的に世に問うた時期は中国を舞台に内外諸勢力の思惑が交錯し、1949年10月の建国まで続く疾風怒濤の時代の始まりでもあった。であればこそ、チャイナウォッチャーとしての橘の「眼力」に注目してみたい。

「中國共産黨の新理論」は、1927(昭和2)年5月上旬に漢口で開かれた共産党第5回全国大会(中共五全大会)で採択された「新たなる態度及び理論」について論じている。

冒頭で橘は「新たなる態度及び理論」を明らかにした「宣言書が最近私の手許にも届いた」と記す。大会は5月で、この論文を掲載した雑誌『滿蒙』の刊行が8月。ということはかなり早い段階で宣言書を入手し、短期間で論文を書き上げたと考えられる。
果して橘は、相当に確度の高い情報ネットワークを共産党周辺にまで広げていたのだろうか。
     
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パンデミックは人類に曲り角を強いる
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5月末に、政府が非常事態宣言を解除した。といって降伏式典が行われて、ウイルスが降伏文書に調印したわけでないから、戦いに勝ったのではない。

自粛を続けると経済が崩壊するから、国民生活と両天秤にかけねばならない。

トランプ米大統領、フランスのマクロン大統領が、コロナウイルスによるパンデミック(大流行)を「戦争だ」と述べた。私もそう思う。パンデミックと戦争は共通している。戦争に当たっては、戦費に糸目をつけない。

日本政府は国民1人ひとりに10万円を給付することを決定したが、あまりに少額だ。

戦争だと考えれば、外出自粛によって自宅に閉じこもる人々は、感染拡大の防止に大きく貢献しているから、最前線で戦う兵士と変わらない。勝利へ向けて、全力をあげねばならない。コロナとの戦いも、同じことだ。

最前線に兵器糧食を迅速に供給しなければならない。

7月になっても、10万円が届いていない世帯が多い。持続化のための融資も、政府から曾曾孫(ひひまご)請けした民間会社にまかせたせいなのか、経済を支えている多くの弱小企業の救済に間に合わない。苦戦している部隊に弾薬を送るのに、煩雑な手続きを必要とするようなものだ。

おカネがなければ刷りなさい

 ¥戦争は帳尻を問題にしない。コロナウイルスによる危機を乗り切るために、200兆、300兆円をさらに投入するのを躊躇してならない。そうすれば、経済の力強いV字型回復をもたらすことになろう。

そういうと、政府が国債を発行して借金が野放図に膨張すると、財政が破綻して国債の償還すらできなくなるというだろう。

国が収入以上に消費すれば、借金が脹れる。読者の多くが、質実な家庭であれば支出を収入の範囲内に抑えると、心配しよう。

5月に産経新聞が「カネがなければ刷りなさい」という、5段にわたる記事を掲載した。

日本国民の財布やポケットには、かならず2種類の通貨が入っている。

1つは日銀券だ。大事なお金なのに案外知られていないが、もう1つは政府貨幣と呼ばれている。通貨について、『通貨の単位並びに貨幣の発行等に関する法律』がある。政府が閣議によって決定すれば、天井知らずで百兆円、数千兆円と発行できる。

政府貨幣は、これまでのところ1円から、昭和天皇御在位60年記念の10万円金貨まで、硬貨に限られているが、紙幣でも、貝殻でも、石貨でもよい。

政府貨幣は政府の収入となる。国債を発行すると政府の借金となって、償還と利払いが発生する。デフレの時に、その範囲内で政府貨幣を発行しても、インフレを招かない。

政府が新しい意匠の紙幣(たとえば、枯木に花を咲かせた花咲爺(はなさかじい)さん)を、発行する必要はない。政府が小切手を1枚きって、日本銀行に持ち込んで、日銀券に替えればよい。

▼政府貨幣を活用しよう
 
産経の記事は私の多年の戦友だった、政府貨幣を活用すべきだと説いた丹羽春喜教授を取り上げて、「丹羽提言の検討を急げ」という小見出しを組んでいた。

1980年代に入ってから、宍戸駿太郎、丹羽両教授を中心にして、経済学者の有志を集めて、日本経済再生政策提言フォーラムを結成して、増税、国債によらずに、政府貨幣を発行するように提言した。宍戸氏は経済企画庁計量分析官をつとめ、退官後に筑波大学副学長、新潟国際大学学長となった。

宍戸氏がフォーラムの初代の会長となり、丹羽教授が継いだ。私が両教授のもとで理事長をつとめた。2人の敬愛する先輩を、野辺(のべ)に送ってしまった。

 日本では平成の30年間が「失われた30年」とか、「第2の敗戦」と呼ばれているが、この間、世界経済の年間成長率が2%から3%だったのに、日本はゼロ成長に留まった。その後も、日本経済はデフレによって苦しめられた。

そのために日本は平成元年に、世界経済の17%を占めていた第2位の経済大国だったのに、平成30年に5.6%になって、第3位に転落した。このままゆけば、坂道を転げ落ちてゆこう。
 
コロナウイルスによる外出や、営業自粛によって消費が萎縮したために物価が下がり続けて、デフレが深刻なものとなっている。

いまこそ、政府が貨幣発行特権を行使して、巨大なデフレの穴を埋めるべきだ。

▼アメリカの生き抜く取組み

アメリカは3月に連邦議会が、政府が2兆ドル(約216兆円)を追加支出することを議決したが、コロナ危機を克服するために、さらにドルを刷っている。

いまではMMT(モダン・マネタリー・シオリ─)と呼ばれており、アメリカが実践している。


コロナ危機がいつまで続くか、わからない。私はコロナウイルスによるパンデミックの到来を、歓迎している。そんなことをいうと、顰蹙(ひんしゅく)を買うにちがいない。

多くの人がウイルスに冒され、非正規労働者が収入を絶たれ、零細企業が倒産している。私もその1人となるかもしれないから、よく理解できる。

コロナ危機は、1929年に始まった世界大恐慌と並ぶものといわれる。だが、危機を無駄にしてはならない。私たちのこれまでの生きかたに、正すべきところがあれば、改める好機としたい。

これまで14世紀にヨーロッパを襲って、ヨーロッパの人口の3分の1が死んだといわれる黒死病(ペストとされる)から、第2次世界大戦まで、世界が大きな危機に見舞われるたびに、社会のありかたが大きく改まった。

これまで世界は、人々の限りなく膨れあがる欲望を満たすことが、目標となってきた。目がまわるような速度で、息急(いきせ)切って疾走してきた。

外出自粛は息切れした人々に、立ち停まって、息を整えることを強いたと思う。欲望に駆られて驀進してきた社会が、スローダウンした。そうすることによって、周囲をあらためて眺めることができる。

 ▼コロナ危機が社会文化の変化をもたらす

コロナ危機が終息した後に、社会文化のありかたが大きく変わることとなろう。

どうなるのだろうか。テレワークが普及するかたわら、感染症の犠牲になる危険が高い人口密集地を避けて、地方の時代が本格化するのかもしれない。

テレワークは、よい意味で自己中心の社会をもたらそう。かえって働く人の創造力が高まり、生産性があがるのではないか。

数ヵ月にわたった外出自粛は、時間が停まったような異常な体験だった。社会が日常を取り戻した時に、長い眠りから覚めたか、浦島太郎が故郷に帰ったように感じられよう。

これから変化が加速して、早送りしたように変わってゆこう。

高齢化が進んで、これまでの性急な青年型の文化が、落着いた成人型の文化へ移ってゆこう。

欲望より必要を大事にしよう
 
私は欲望よりも、必要を大事にする社会が到来することを願っている。

これまでの欲望をみたすことを優先してきた社会は、人の心ではなく、数量によって動いてきた。人の精神が軽視されたために、歪(いびつ)な社会をつくっている。

技術と富があいなって、全世界にわたって人々の生活水準が向上した。そのかたわら、恵まれた階層と恵まれない階層に、所得格差が拡がっている。

これは資本主義が悪いわけではない。資本主義は共産主義のようなイデオロギーでも体制でもない。人の性(さが)から生まれたものだ。

つい7、80年、100年前まで、アメリカも、日本も、人類は貧しかった。そのために際限のない欲望に駆られて、ひたすら量を追求する社会をつくってきた。だが、これから量よりも質を求める社会に、転換しなければならない。 
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)7月25日、東京で行われましたアジア自由民主連帯協議会開催の講演会において、香港独立派のアラン氏が登壇いたしました、その講演内容の全文です、ぜひお読みください
https://freeasia2011.org/japan/archives/5845
  (三浦生)

2020年08月01日

◆李登輝・元台湾総統

▼▼台湾民主化の父)逝去▼▼

「宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月31日(金曜日)参 通巻第6606号  

「アジアの巨星」。邪悪に挑戦した「台湾のモーゼ」=李登輝元総統」

「わたしは日本人だった」。「台湾人にうまれた悲哀」と歴史的な名言残して



何回もお目にかかった。その情景が様々な感慨とともに瞼に浮かんでくる。

1996年に台湾初の直接選挙による総統選挙が行われ、中国がミサイルを撃って脅迫を続けていた。筆者は台北にいて、総統選挙を取材していた。

巷は騒然としていた。李登輝は「国民党は外来政権」と比喩したが、蒋介石に付いてきた外省人の一部は急ぎ財産を売り払って米国へ逃げた。

街の声は「逃げたい奴はとっと失せろ」だった。

李登輝は96年ミサイル危機を目の前にしてこう言った。

「何も心配は要らない。わたしには18の戦略がある」。

この剛胆とも言える総統の発言に本省人の多くは頼もしさを見出し、安堵感を得た。アメリカは親中派のクリントン政権だったが、空母を当該海域に派遣し、中国はすごすごと引き揚げていった。

96年の総統選には民進党から「台湾独立運動のカリスマ」と言われた膨明敏が出馬していた。

多くの本省人は膨明敏支持だった。しかし同時に心情的には李登輝を応援した。結果は李登輝が55%。膨25%。

残りは林洋港(旧国民党強硬派。参謀総長、首相を歴任した赫白村が副総統候補)と陳履安(無所属)が出ていたが、旧勢力は惨敗だった。

この選挙戦で、筆者は初めて李登輝氏の輝きを見た。この人の行くところ、後光が射しているかの如くで、じつは他の候補は霞んでいた。民進党は善戦したと言える。

前後して日本側が中嶋嶺雄教授と住友電光の亀井正夫氏の呼びかけで毎年一回、台湾と日本を交互に「アジアオープンフォーラム」が開催されていた。私は台中会議から呼ばれるようになり、取材陣に加わった。毎回、李登輝閣下は出席して基調演説をこなし、懇親会にも顔を出されることがあった。

日本側の参加者を総統府に招かれ、ひとりひとりと握手された。筆者は初めて李登輝氏と握手を交わした。手に暖かみがあった。

李登輝はキリスト教を信仰していたが、台湾のキリスト教は一神教の風情がまったくなく、台湾の風土と道教的な馬祖信仰の伝統に被さった、独特のキリスト教である。

なかでも長老会派の勢力が強いが、戒厳令の時代、教会が、じつは台湾独立派の集まる秘密集会の場所でもあった。


 ▼守旧派と千日の静かなる闘いに李登輝は勝利した

李登輝の使命感は「台湾のモーゼ」。邪なものに挑戦し、正義を回復する。良いものは良いと評価し、一歩一歩、確実に改革に邁進するという政治信条をもち、蒋経国急死のあと、副総統から昇格したのち、守旧派と千日にわたる凄絶な戦いを続け、ついに戒厳令を撤廃し、蒋介石時代からの終身立法委員を廃止し、総統を民意で選ぶ民選にまでもっていく。

独裁政権だった国民党は大きく動揺し、李登輝を敵視する守旧派はあらゆる場面で李登輝を妨害した。
 
李登輝は怯まなかった。

さずがに「台湾のモーゼ」を自称し、武士道を日本精神の中核とする信念は無私無欲、日本との繋がりを重視し、継続発展させるには、新幹線を日本に強引に発注する決断をなした。その後のメインテナンスで、日本との関係は継続され、深化するという独特の読みがあった。
 日台の民間交流はますます活発になった。

1999年だった。筆者は竹村健一氏を誘って、李登輝総統への独占インタビューに出かけた。印象深かったのは、同席した「お目付役」の国民党幹部らの渋面である。同席の通訳が早業のように翻訳した紙切れを廻すと「え、こんなことを言っている」「なんとまぁ、こんなことを発言しているゾ」というあきれ顔、渋面、苦渋を浮かべる国民党幹部の顔色と、悠然と自由な会話を愉しむ李登輝総統の対比的な光景を観察しているだけでも愉しかった。

当時、李登輝のまわりを囲んだブレーンの一人が蔡英文(現総統)だった。彼女が「中国と台湾は別個のくに」という二国論を起草した。

ドイツのラジオ局とのインタビューという形で出した「二国論」に中国は猛烈に反発したが、李登輝は自信を持って対応した。筆者は直後に『諸君!』に「猿でもわかる二国論」と題した文章を寄稿した。

蔡英文女史はその後、立法委員に当選し、いつしか党の重鎮となり、2016年総統選で国民党候補を破った。

李総統が『台湾の主張』を出版されたときは、論壇の多くに呼びかけて発起人を引き受けて貰い、オークラに1500人が集まった李登輝出版記念会。大盛況だった。


 ▼李登輝氏とはその後も何回かインタビューに出向いた

その後、台湾へ出かける度に、李登輝氏の台北の自宅、大渓の別荘、李登輝氏主宰のシンクタンクは淡水にあったが、そこにも3回か、4回は訪問している。

自宅を訪ねたときは花田紀凱、堤堯、中村彰彦氏が一緒だった。別荘に伺った時はたしか高山正之、花岡信昭氏が一緒だった。

別荘の地下が書庫となっていて、その大半が日本語の書籍。哲学、思想関係のほかに日高義樹氏の著作もあった。最新の日本事情に詳しい背景がわかった。

シンクタンクへの訪問は最初、ラジオ番組収録のために、ミッキー安川と一緒だったが、このときは急遽入院されたので叶わず、後年、息子のマット安川との特別番組のインタビューの時は会えた。

別の機会には、井尻千男、片岡鉄哉、藤井厳喜氏らが一緒だったこともあった。いずれも筆者が台湾側と交渉し、ツアーを組んだ企画だった。

東京に来られたときも六本木の国際文化会館で開催された後藤新平賞授賞式では楽屋に訪ねた。日本李登輝友の会の懇親会では拙著への質問があり、氏の隣に呼ばれた。

李登輝総統との幾つかの会話で、筆者は多くを発見した。
 
第一に『武士道解題』をかかれた李登輝氏の武士道理解は『死ぬことと見つけたり』の山本常朝の武士道という悲壮な世界観に立脚するのではなく、新渡戸稲造的なキリスト教的コモンセンスの世界解釈だったこと。

第二に、三島由紀夫に関しては、おそらく情報不足からか、一度も発言がなかった。

第三は、李登輝世代は恋文も哲学も日本語でなしたので、大正から昭和初期にかけての日本的情緒、その奥ゆかしさを体現でき、思考の基礎を日本語で組み立てることだった。それも正調日本語である。

 或る時は駐日大使(台北経済文化代表処長)のお招きで芝のレスオランに筆者夫婦、阿川弘之夫妻、竹村健一夫妻が招かれ、懇談した。席上、阿川弘之氏が李登輝総統に会いに行くことになった。そのとき阿川氏は「断じて自費で伺います」と元日本海軍将校の基本姿勢を言われたのも印象深い。

かくして日本李登輝友の会は初代会長を阿川弘之、二代目が小田村四郎、そして現在は渡邊利夫(拓殖大学学術顧問)となって地道な活動を続けてきた。

これからも李登輝総統閣下をカリスマとして、日台友好発展のための中核的組織として継続される。毎年7月30日の命日には追悼行事が組まれることになるだろう。

     
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ 
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(読者の声1)李登輝元総統の訃報に接して
                      
台湾独立建国聯盟日本本部委員長
                          王 明理

李登輝先生が旅立たれてしまった……。こんな日が来ることは分かっていたはずなのに、いざその時が来てみると、喪失感の大きさにたじろいでいる。

今の台湾があるのは李登輝先生のお蔭であり、今日の民主的な社会は李登輝先生の手腕無くしては有り得なかった。
小さな政策ではなく、大きな哲学に貫かれた国造り。

正義感に裏打ちされた政治力。まさに世界史上に残る政治家であり、哲学者であり、いえ、どんな形容も当てはまらないような世界に一人だけの特別な存在であった。

日本に亡命した私の父(王育徳)と、台湾に残る道を選んだ李登輝先生とは、離れ離れに生きていたが、今から約60年前に無理を押して密かに会って、一つの同じ理想を持ち、お互いがそれに邁進していくことを確かめ合った。

台湾に民主的な理想郷を作る、台湾人の立派な国を作る。人生を賭けるに惜しくない大きな目標。なんという大きなやり甲斐のある仕事であっただろう。李登輝先生は見事にその使命を果たされた。血を流さずに、一党独裁体制を民主主義に変革したことは燦然と世界史に刻まれるべきことであった。

人は育ち、民主国家台湾は今や世界中から称賛されるまでになった。きっと、安心して旅立たれたことだろう。国内には優秀な人材がひしめき、頼りがいのある若者が大勢いる。そして、国際的にも台湾の存在感はどんどん高まっている。きっとそれを肌で感じ取られて、幸せを感じながら立派な一生の幕を閉じられたことだろう。

今、胸に溢れる尊敬と感謝の気持ちはどんな言葉でも表すことができない。

李登輝先生が御自身の全てを注いで下さったことが無にならないように、私たちは怠らず力を合わせて努力していかなければ……。天国からいつでも、また慈愛に満ちた笑顔で見守っていて下さることを信じて。

李登輝先生、長い間お疲れ様でした。本当に有難うございました。(台湾の声)

2020年07月31日

◆ネバートランパーたちが

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月30日(木曜日)通巻第6602号  <前日発行>

 ペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは接戦州
  ネバートランパーたちが共和党内をかき荒らしている

RVAT(REPUBLICAN VOTER AGANIST TRUMP=共和党員だがトランプに投票しない運動)を組織したのはジャック・スピエルマン(元陸軍サイバーセキュリティ・エンジニア)だ。

彼は一貫して共和党支持だったが、トランプが陸軍中将ヴィンドマンを解任して以来、バイデンに投票することを決めたばかりか、ほかの共和党支持者にもおなじ投票行動をおるように呼びかけ、5月にRVAT運動を始めた。

6月、もっと大がかりな「リンカーン・プロジェクト」が始動する。

これはブッシュ政権の高官が中心となって、かなり広範な呼びかけが行われており、ミット・ロムニーやジェブ・ブッシュといった、トランプに個人的に反感の強い人脈が母体となっている。

もうひとつ、元ブッシュジュニア政権を担った共和党員たちが集合し、「アルミネ43」が結成された。

さらには「ブレイブリー・プロジェクト」が発足した。これら四組織以外にもトランプ反対運動が共和党員によってなされており、いずれも共和党支持者だけれども今回はバイデンに投票しようと、共和党のPACリストを基に、共和党集票マシンの分断を図る。共和党の選対から見れば分裂主義、裏切り者と映るだろう。

すでにコーリン・パウエルや、アーミティジらは四年前にも50人が連名でヒラリーに投票するとして露骨なトランプ当選阻止を狙ったが、こんかいも同様にバイデンに投票することを呼びかけている。

この動きに同調する共和党有力者が微増しているという。

彼らはブッシュ親子がそうであるように民主党と深い根では繋がる、いわゆる「ディプステーツ」であり、もし民主党政権ができても、国防長官と財務長官は共和党系で占めるという伝統的な流儀にしたがっているように推測できる。

年初まで共和党内のトランプ支持率は90%あって磐石だった。党内の反トランプの分派は、ごく少数で資金も集まらず、吼えるだけの存在として、まったく無視された。
 
コロナ災禍で状況が激変した。

共和党内でトランプ反対(ネバートランパー)と言われる人々が急増するようになった。 党内でトランプ支持が78%にまで急落した。これは失業率の増加に比例した。

とりわけペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは前回トランプが辛勝し、ここでヒラリーをひっくり返したが、2020年大統領選挙では、この3州をうしなうとトランプは極めて危ない情勢となる。

ネバートランパーらは、この3州に集中する行動に出た。集まった資金の大半を、テレビCMに注ぎ込み、バイデン支持に乗り換えるよう共和党支持者に訴えるという想定外の政治宣伝を始めたのだ。

ネバートランパーの組織にはウォール街の非主流派や、ニューヨークのファンド筋から10万ドル単位の資金が寄せられ、RVATは1300万ドルを集めて、勢いづいた。彼らは同時に、選挙に弱い共和党議員への攻撃も開始した。

メイン州のスーザン・コリンズ、コロラド州のコリー・ガードナー、モンタナ州のスティーブ・ダイネス(いずれも上院議員)。トランプ政権は、現在上院が過半数ゆえに助けられているが、上院が民主党多数派にひっくり返ると、防衛外交政策に反対がなされ、政策実現が流動的となる。

それもこれもあれも、みんな武漢ウイルスの所為だと中国への反感はますます募る。
  
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)あれほど異論の多かったMMTが武漢ウイルスの件で世界を席巻しだしたと言っては言いすぎでしょうか?

それなのに経済の専門家はなぜかダンマリの様子です。

そこでこれからの世界経済をMMTが主導することを予想し、私はMMTのメカニズムを素人の目で、且つ自分の頭で検証してみようという気になりました。

 A)まずMMTとは何かについてですが「奇跡の経済教室」(中野剛志著 KKベストセラーズ)には下記のような説明になっています。
(1) 政府は通貨を決定する。(2)
国民にその国の通貨単位で計算された納税義務を課す。(3)政府は通貨を発行し、租税の支払い手段として定める。

以上から通貨には納税義務の解消手段としての需要が生じる。こうして人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり、その通貨を民間の取引の支払いや貯蓄などの手段として利用するようになる。こうして通貨が流通するようになる。

B)以上を起点として、わたしは以下の如く考えを巡らせて行きました。
1)と云う事は・・・政府は自分が必要とする通貨を自分で印刷している。誰も無から有を生み出せない。つまり政府は自分で通貨を印刷することで価値を創造しようとしているのではなく、通貨を富(価値)を徴収する手段とみなしているのだ。→
 2)と云う事は・・・通貨の価値はその国内・社会で”流通”している価値と同一以上である事、つまり通貨の額面より富の価値は低くあってはならないと政府は考えるはずだ。→
3)と云う事は・・・通貨は少なくとも額面通りの価値(富)を運んでくれない(吸い上げてくれない)と政府は困るのだ。→
 4)と云う事は・・・「きちんと通貨が価値を政府に運んでくれる(吸い上げてくれる)限り、国民に納税を求める必要はない。つまり通貨価値の下がるインフレは政府にとって好ましくない。→
 5)と云う事は・・・政府は一方で通貨を増刷し続けることで通貨価値を下げてしまうインフレ策を実施していることになり、これは矛盾である。→
 6)と云う事は・・・通貨を印刷することで、インフレという欠点を補う十分なメリットが無くてはならない。それには「通貨増刷に伴い、人工価値(実社会における富)の増大を促す」ための何らかのメカニズムが用意されねばならない。それは「インフレ率<経済成長率」と云う事だろう。
 7)このスタンスは政府ばかりか民間も同じだ。インフレでもそれ以上の人工価値(富)の増大が得られるのであればこそ、「無税国家」の恩恵がえられるはずだ。(補足)仮に価値総量と通貨量が一定(仮にそれぞれ100とする)の国家では、政府が100通貨量を増やせば、国内通貨量は200になり、それ以前に国民が有していた100通貨に相当していた価値量は半減してしまう。つまりこの場合経済成長で価値量が100増えて200になればこそ、国民の保有していた通貨価値は守られる。→
 8)もう一つ問題・・・MMTでの財政のなかで社会福祉が『充実』しすぎるとどうなるかだ。つまり失業者が生活に必要なマネーを政府から常に支給されれば、人間は働く必要(目的・意欲)がなくなる社会になろう。
 9)と云う事は・・・誰も働かないのに人間が食べて行ける社会が出現することになる? でも、例えば食料は誰かが創らねばならない。誰も働かなくなる社会で経済成長がインフレ率より高くなるのか?
 10)更に・・・「国債をどんどん発行してゆくと国民の資産がそれだけ増える。民間貯蓄が増える」と日銀雨宮副総裁は国会で答えたと2019.9月号クライテリオンは肯定的にかいている。でも政府が通貨をどんどん発行して行くと国民は働かなくても金持ちになってしまうのか?

もし社会・国家の価値総量が一定であれば通貨量が増えれば国民の貯蓄額はどんどん減耗(目減り)することにならぬか?国民は働かなくてもいい社会なのに、経済成長率をインフレ率より高くするなんて可能か?成長に必要なイノベーションは生まれるのか?

 11)つまりMMT理論は貸借対照表的には、それなりに筋が通っているが、全体を流れとしてみると、時間軸のある損益計算書的には正しい理論ではなさそうだ。

そうではないとするためには「通貨がどんどん発行されると国民は(勤労意欲を失うのではなく)成長率>インフレ率となるよう更に働くようになる動物だ」という「メカニズム」が必要となるし、「通貨は価値を誘引(呼び水)する手段(道具)であり、この”呼び水効果“は永続するモノだ」という定理も必要となろう。

 12)それではMMTが国の為になると言えるようにするためにはどうすればいいか・・・

 (a)健全な理由なくして働かない国民にはいかなる補償も行わない事、即ち人は働かなくては食べて行けない・生きて行けないという制度を堅持する事。
(b)通貨発行額の上限を、「国家の失業率ゼロを目指した政策」を大前提に設定する事。
(c)その発行された通貨の相当割合は、補助金ではなく減税還付金という形で使用され、発行された通貨はヘリコプターマネーのように国民に直接交付することは避け、 経済政策の最高位の目的である雇用確保へ貢献した企業などへ付与されること。
 (d)この減税は社会に付加価値を創出するために貢献し且つ雇用の確保に貢献した(税金を支払った)黒字企業に適用されること。
 (e)企業などへの減税額は規模・役員賞与総額・納税額などを勘案しつつも、根幹は雇者人数により厳格・適性に決められ、企業の実雇用者数と減税還付金額は公表され「社会貢献企業」とみなされること。
(SSA生)

2020年07月30日

◆共和党内をかき荒らしている

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月30日(木曜日)通巻第6602号  <前日発行>

 ペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは接戦州
  ネバートランパーたちが共和党内をかき荒らしている

 RVAT(REPUBLICAN VOTER AGANIST TRUMP=共和党員だがトランプに投票しない運動)を組織したのはジャック・スピエルマン(元陸軍サイバーセキュリティ・エンジニア)だ。
かれは一貫して共和党支持だったが、トランプが陸軍中将ヴィンドマンを解任して以来、バイデンに投票することを決めたばかりか、ほかの共和党支持者にもおなじ投票行動をおるように呼びかけ、五月にRVAT運動を始めた。

 六月、もっと大がかりな「リンカーン・プロジェクト」が始動する。
 これはブッシュ政権の高官が中心となって、かなり広範な呼びかけが行われており、ミット・ロムニーやジェブ・ブッシュといった、トランプに個人的に反感の強い人脈が母体となっている。

 もうひとつ、元ブッシュジュニア政権を担った共和党員たちが集合し、「アルミネ43」が結成された。
さらには「ブレイブリー・プロジェクト」が発足した。これら四組織以外にもトランプ反対運動が共和党員によってなされており、いずれも共和党支持者だけれども今回はバイデンに投票しようと、共和党のPACリストを元に、共和党集票マシンの分断を図る。共和党の選対から見れば分裂主義、裏切り者と映るだろう。

 すでにコーリン・パウエルや、アーミティジらは四年前にも50名が連名でヒラリーに投票するとして露骨なトランプ当選阻止を狙ったが、こんかいも同様にバイデンに投票することを呼びかけている。
 この動きに同調する共和党有力者が微増しているという。

 かれらはブッシュ親子がそうであるように民主党と深い根では繋がる、いわゆる「ディプステーツ」であり、もし民主党政権ができても、国防長官と財務長官は共和党系で占めるという伝統的な流儀にしたがっているように推測できる。

 年初まで共和党内のトランプ支持率は90%あって磐石だった。党内の反トランプの分派は、ごく少数で資金も集まらず、吼えるだけの存在として、まったく無視された。
 
 コロナ災禍で状況が激変した。
 共和党内でトランプ反対(ネバートランパー)と言われる人々が急増するようになった。 党内でトランプ支持が78%にまで急落した。これは失業率の増加に比例した。

 とりわけペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは前回トランプが辛勝し、ここでヒラリーをひっくり返したが、2020年大統領選挙では、この三州をうしなうとトランプは極めて危ない情勢となる。

 ネバートランパーらは、この三州に集中する行動に出た。集まった資金の大半を、テレビCMに注ぎ込み、バイデン支持に乗り換えるよう共和党支持者に訴えるという想定外の政治宣伝を始めたのだ。

 ネバートランパーの組織にはウォール街の非主流派や、ニューヨークのファンド筋から10万ドル単位の資金が寄せられ、RVATは1300万ドルを集めて、勢いづいた。彼らは同時に、選挙に弱い共和党議員への攻撃も開始した。

 メイン州のスーザン・コリンズ、コロラド州のコリー・ガードナー、モンタナ州のスティーブ・ダイネス(いずれも上院議員)。トランプ政権は、現在上院が過半数ゆえに助けられているが、上院が民主党多数派にひっくり返ると、防衛外交政策に反対がなされ、政策実現が流動的となる。
 それもこれもあれも、みんな武漢ウイルスの所為だと中国への反感はますます募る。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)あれほど異論の多かったMMTが武漢ウイルスの件で世界を席巻しだしたと言っては言いすぎでしょうか?
それなのに経済の専門家はなぜかダンマリの様子です。
 そこでこれからの世界経済をMMTが主導することを予想し、私はMMTのメカニズムを素人の目で、且つ自分の頭で検証してみようという気になりました。
 A)まずMMTとは何かについてですが「奇跡の経済教室」(中野剛志著 KKベストセラーズ)には下記のような説明になっています。
(1) 政府は通貨を決定する。(2)
国民にその国の通貨単位で計算された納税義務を課す。(3)政府は通貨を発行し、租税の支払い手段として定める。
以上から通貨には納税義務の解消手段としての需要が生じる。こうして人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり、その通貨を民間の取引の支払いや貯蓄などの手段として利用するようになる。こうして通貨が流通するようになる。

B)以上を起点として、わたしは以下の如く考えを巡らせて行きました。
1)と云う事は・・・政府は自分が必要とする通貨を自分で印刷している。誰も無から有を生み出せない。つまり政府は自分で通貨を印刷することで価値を創造しようとしているのではなく、通貨を富(価値)を徴収する手段とみなしているのだ。→
 2)と云う事は・・・通貨の価値はその国内・社会で”流通”している価値と同一以上である事、つまり通貨の額面より富の価値は低くあってはならないと政府は考えるはずだ。→
3)と云う事は・・・通貨は少なくとも額面通りの価値(富)を運んでくれない(吸い上げてくれない)と政府は困るのだ。→
 4)と云う事は・・・「きちんと通貨が価値を政府に運んでくれる(吸い上げてくれる)限り、国民に納税を求める必要はない。つまり通貨価値の下がるインフレは政府にとって好ましくない。→
 5)と云う事は・・・政府は一方で通貨を増刷し続けることで通貨価値を下げてしまうインフレ策を実施していることになり、これは矛盾である。→
 6)と云う事は・・・通貨を印刷することで、インフレという欠点を補う十分なメリットが無くてはならない。それには「通貨増刷に伴い、人工価値(実社会における富)の増大を促す」ための何らかのメカニズムが用意されねばならない。それは「インフレ率<経済成長率」と云う事だろう。
 7)このスタンスは政府ばかりか民間も同じだ。インフレでもそれ以上の人工価値(富)の増大が得られるのであればこそ、「無税国家」の恩恵がえられるはずだ。(補足)仮に価値総量と通貨量が一定(仮にそれぞれ100とする)の国家では、政府が100通貨量を増やせば、国内通貨量は200になり、それ以前に国民が有していた100通貨に相当していた価値量は半減してしまう。つまりこの場合経済成長で価値量が100増えて200になればこそ、国民の保有していた通貨価値は守られる。→
 8)もう一つ問題・・・MMTでの財政のなかで社会福祉が『充実』しすぎるとどうなるかだ。つまり失業者が生活に必要なマネーを政府から常に支給されれば、人間は働く必要(目的・意欲)がなくなる社会になろう。
 9)と云う事は・・・誰も働かないのに人間が食べて行ける社会が出現することになる? でも、例えば食料は誰かが創らねばならない。誰も働かなくなる社会で経済成長がインフレ率より高くなるのか?
 10)更に・・・「国債をどんどん発行してゆくと国民の資産がそれだけ増える。民間貯蓄が増える」と日銀雨宮副総裁は国会で答えたと2019.9月号クライテリオンは肯定的にかいている。でも政府が通貨をどんどん発行して行くと国民は働かなくても金持ちになってしまうのか?
 もし社会・国家の価値総量が一定であれば通貨量が増えれば国民の貯蓄額はどんどん減耗(目減り)することにならぬか?国民は働かなくてもいい社会なのに、経済成長率をインフレ率より高くするなんて可能か?成長に必要なイノベーションは生まれるのか?
 11)つまりMMT理論は貸借対照表的には、それなりに筋が通っているが、全体を流れとしてみると、時間軸のある損益計算書的には正しい理論ではなさそうだ。そうではないとするためには「通貨がどんどん発行されると国民は(勤労意欲を失うのではなく)成長率>インフレ率となるよう更に働くようになる動物だ」という「メカニズム」が必要となるし、「通貨は価値を誘引(呼び水)する手段(道具)であり、この”呼び水効果“は永続するモノだ」という定理も必要となろう。
 12)それではMMTが国の為になると言えるようにするためにはどうすればいいか・・・
 (a)健全な理由なくして働かない国民にはいかなる補償も行わない事、即ち人は働かなくては食べて行けない・生きて行けないという制度を堅持する事。
(b)通貨発行額の上限を、「国家の失業率ゼロを目指した政策」を大前提に設定する事。
(c)その発行された通貨の相当割合は、補助金ではなく減税還付金という形で使用され、発行された通貨はヘリコプターマネーのように国民に直接交付することは避け、 経済政策の最高位の目的である雇用確保へ貢献した企業などへ付与されること。
 (d)この減税は社会に付加価値を創出するために貢献し且つ雇用の確保に貢献した(税金を支払った)黒字企業に適用されること。
 (e)企業などへの減税額は規模・役員賞与総額・納税額などを勘案しつつも、根幹は雇者人数により厳格・適性に決められ、企業の実雇用者数と減税還付金額は公表され「社会貢献企業」とみなされること。
(SSA生)

2020年07月29日

◆金価格。史上空前の1937ドル60セント

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月28日(火曜日)通巻第6600号 

「米ドル安、香港ドル高がつづく」とジョセフ・ヤム(元HKMCトップ)
 金価格。史上空前の1937ドル60セント。先行きの「ドル安」が見えた  

ジョセフ・ヤム(中国名=任志剛)は国勢金融界では有名人である。日本でも金融ビジネスに携わる人なら、たいがいは聞いたことのある名。1993年から2009年まで、香港通貨当局のトップにあった。
ということは1997〜8年のアジア通貨危機と2008年のサブプライム危機に遭遇し、香港ドルを守った「功績」がある。現在も閣僚級として林鄭行政長官の財政アドバイザー。72歳。

さて問題は、この任志剛が、「次の異様な金融危機が視野に入った」と発言していることである。任によれば、1997〜8年の「アジア通貨危機」は強欲資本主義の投機筋が仕掛けてきた「グローバル金融の危機」であり、HKMCは、1180億HKドルを投入して投機筋に対応した。

 「2008年、リーマンショックによる金融危機は「『国際金融文化』の危機だった」と任志剛は分析してみせる。

 ならば次の金融危機が視野に入ったとする理由は何か。
 「米国のゼロ金利が向こう二年続くとすれば、ドル安に傾くのは当然であり、一方でドルペッグ制のHKドルは、ドル預託の安定通貨であるために買われる。4月以来、29回HKMCは香港ドル高を防ぐために介入し、1093億ドルを投入した。中国のユニコーンのHK市場への上場が重なり、香港の株式市場に夥しい資金が投下されたためだ。このため米ドルが弱含みとなり、香港の金融収支における入超は140億HKドルに達した」(サウスチャイナモーニングポスト、2020年7月27日)

 同日、金価格は2011年九月につけた最高値1923ドル70セントを越えて、史上空前の1937ドル60セントを更新した。
日本の小口投資家に人気の高いウィーン金貨(1トロイオンス)は田中貴金属の店頭表示で238566円(税込み)。一年前は14万円台だった。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎正弘さんが『夕刊フジ』に書かれて提唱された『鎖国の薦め』は、下記に再掲載されています。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200725/dom2007250005-n2.html
   (ST生、大宮)



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(読者の声2)ただでさえ破綻的状況にあった日本財政ですが、最近のコロナ対応支援政策によって、ますます危機的状況を深めているように思われます。
 しかしながら、それにもかかわらず、今のところは財政破綻の兆候は見えず、本日(7月27日)のドル円レートは、106円を割っていますね。
 財政破綻を否定する理論?として、国の負債は貸借対照表における純債務で見るべきだとか、さらにはMMT理論だとかの主張があるようではありますが、小生は、赤字国債は、結局は、将来の徴税可能性が担保になっているのであって、いずれは増税か、それが不能なら、実質的増税である高率インフレによって、その累積が解消されることが必然だと思っています。
 『週刊ダイヤモンド』7月25日号を見ると、「金融市場異論百出」なる頁で、「コロナ中に世界は財政再建議論」「『増税・歳出削減』驚異の実態」という見出しで、英国では、もう既に、財務省で、巨額の国債を返済するため、増税や年金支給額に物価スライド停止、公務員の賃上げ凍結などが検討されていること。
 国会議員に対する5月の調査によると、72%の議員が増税が必要だと回答。英国民の77%がコロナ対策を賄うために所得税率の引き上げを受け入れると回答したことが紹介されています。「財政資金をばらまいたからには皆で負担せねば」という感覚のようだと述べられています。
 米国でも、特にコロナ禍で税収急減に直面している地方政府では、公務員や教員の削減による歳出カット、不動産税の引き上げ等の増税を「既に」実施した都市が出てきており、計画中の都市、州が増えていることを紹介しています。
 英財務省の「検討」については、国民に危機意識を持たせるために同省が意図的にマスコミにリークした可能性が高いと言われているとは言え、わが国の状況とはかなり様相を異にしているように推察されます。
 わが国においても、財政正常化論が出てくると、すぐにこれは財務省による策謀だと一蹴する論者も多いのですが、家計と公財政を一律に論ずるべきではないとは言え、やはり「借りたものは、いずれは返済されるべし」という原理を否定することはできないのではないでしょうか? 
 わが国の症状では、もう増税によって解消できる域ははるかに超えていると言わざるを得ないでしょうから、わが国においては、いずれは高率インフレという実質的増税となる可能性が高まってきているのではないかと、私は考えています。
 もっとも、インフレ化ということは、金利上昇、国債価格下落につながるということですから、大量の国債を保有する日銀の大幅債務超過化は必然ということになります。そして、それが現実になれば、日銀券(通貨YEN)の暴落ということになるでしょうから、仮にそれによって輸出が振興されるとしても、輸入品(原油、食料等)の価格上昇につながり、インフレ化を加速することになるでしょう。
私のつたない経済知識では、上記の展開が必然のように思えるし、その他の変動要因として首都直下型、南海トラフ大地震の発生を予期せざるを得ないでしょうが、これも従来の神戸震災、東北震災後の展開とは異なり、震災直後はともかく、その後は、巨額の復興事業のための国債大量増発が、上記の流れを加速させることになるのではないだろうか。
 当面の指標としては、先週でオンス1900ドルを超えたGold
が、今週以降、どういう展開をするのか、そしてドル円相場がどう推移していくのか、に注目したいと思っています。本日も105円台の円高が継続していますが、Gold価格は、国内、NY先物市場ともに、新高値を更新しています。 
  (椿本祐弘)



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(読者の声3)アメリカの混乱は続いていますが、アメリカの歴史について書かれた本を読むと最初から分裂していたのが独立戦争でなんとかまとまったものの南北戦争で亀裂があらわになり、北軍勝利の後の南部は北軍という進駐軍に法律から教育まで変えられ、それ以来ヤンキー(北部人)の価値観がアメリカの価値観とされてきたことがわかります。
それでも南部は北軍の占領が終わったあとはすぐに元に戻している。
南軍の先制攻撃により始まり北軍の容赦ない略奪と破壊、戦後の再建という名の価値観の押しつけ、すべて第二次大戦の日米戦に通じます。南部の人間が北部人をヤンキーと呼ぶときの侮蔑的かつ屈辱的な感情はいまだに残っているのでしょうか。
 17世紀にアメリカに入植したプロテスタントはいろいろな宗派がありますが、信仰の自由を求めてマサチューセッツに入植した清教徒の末裔などある種の選民思想
であり、地上に神の国をつくる使命感に燃え、価値観の合わない宗派は排斥、クウェーカー教徒など追放、再度侵入すれば死刑というほど。しかし家族単位での入植に加えて高学歴の都市民が中心でタウンミーティングなどすべては自分たちで決めるというアメリカの基礎を築いた。当時は子供を十人以上生むことも珍しくなくたちまち人口増加。後にはカリフォルニアまで宣教団を送り北部の価値観を植え付けた。
 他宗派からは傲慢・押し付けがましいと批判されながらも聖書中心主義から識字教育に力をいれ聖職者の養成も兼ねたハーバード大学設立は1636年、エール大学は1701年。カトリック教会の聖職者は権力欲にまみれた強欲な守銭奴であり、カトリックの信者は無知蒙昧な貧乏人というイメージ。
とくにスペインはバチカンによるプロテスタント弾圧の尖兵として憎まれ、さらにスペインの植民地ではスペイン女性の不足から混血が一般的で現代のヒスパニック嫌いにはカトリックであり人種の混交を嫌ったアングロサクソンの価値観が反映されているという。当時の英国で主流だったアングリカンチャーチ(イングランド国教会)は偶像崇拝であるカトリックのまがい物というのですから徹底しています。

 「11の国のアメリカ史」という本では南北戦争の危機が迫っていた時点でも南部の先制攻撃がなければアメリカが分裂していた可能性が高かったという。
旧オランダ領のニューヨークはアムステルダム同様、信教の自由も思想の自由もありさまざまな人種が混じり合う街だった。
さらにユダヤ人を拒絶せず、出版と貿易も盛んだったためハンザ同盟のような都市国家としての独立を模索していたとも。本家のアムステルダム同様ユダヤ人はキリスト教の良心とは無縁で奴隷市場が作られ、奴隷貿易はユダヤ人の得意分野ですから奴隷市場はユダヤの休日には開かれず、北部諸州が奴隷制度に反対するなか、ニューヨークは奴隷制度を維持し続けた。
 クウェーカー教徒は絶対平和主義かつ権威への反抗という日本の憲法9条教徒みたいな面があり、フィラデルフィアを中心とするペンシルベニアでは外敵の侵入になすすべもなく政治的には無能だったところも日本の左翼と似ています。
英国では全裸で教会に押し入る、糞便を身体になすりつけて通りを行進するなど奇矯なふるまいから危険視されたといいますが、宗教はウイルス同様に強毒性の過激派は淘汰され弱毒化していく。日本で有名なクウェーカー教徒といえば第二次大戦後に皇太子殿下の家庭教師となったバイニング夫人がいます。
絶対平和主義者を皇室に配したのはGHQの思惑だったのでしょうか。他にはヘンリー・ストークス氏がいますが、クウェーカー教徒であっても、軍隊や国を護るために命を捧げた人を顕彰するのは大切であるとして靖国神社の参拝も行っています。ストークス氏はプランタジネット朝エドワード1世の末裔といいますから、家系は13世紀に遡る名門です。クウェーカー教徒は奴隷制度に反対し男女の平等を認め、他宗派にも寛容だった。
そのためペンシルベニアから西部に向かってドイツ系や北欧系などさまざまな宗派の人々が入植し、現代文明を拒絶するアーミッシュのような人々さえ尊重する文化が生まれたという。大統領選挙でスイングステートと呼ばれる州の多くがこの地域にあるのにも理由があったのですね。
  (PB生、千葉)

2020年07月28日

◆とんでもないフランケンシュタイン

宮崎 正弘
 

令和2年(2020)7月27日(月曜日)通巻第6599号 

 ポンペオの演説会場に魏京生と王丹が招かれていた
 ニクソンは「とんでもないフランケンシュタイン
(中国)」と不安を述べていた

7月23日にカリフォルニア州のニクソン元大統領記念図書館へわざわざ飛んで、ポンペオ国務長官は演説を行った。
各紙、一面トップで取り上げるほどの画期的な演説だった。「アメリカ歴代政権の中国政策を誤りだった」とし、習近平を「破産した全体主義の信奉者」と規定し、さらに「民主国家に呼びかけて『新しい同盟』を結成しよう」とする演説だった。ちなみに7月23日を選んだのは、1789年フランス革命勃発の日だからだろう。

1972年2月、ニクソンは北京を訪問し、周恩来と固い握手を交わして国交回復への道筋をつけた。実際の米中国交樹立は1979年のカーター政権になるが、米国はその後一貫して中国に肩入れし、経済的に豊かになれば中国は民主化するという甘い幻想をいだいてきた。その期待は完全に裏切られた。

中国は輸出で稼いだカネを軍事費につぎ込み、強大な軍事力で周辺諸国を脅かし、世界的に最悪の不安材料と化けていた。ニクソンは晩年、「われわれはトンでもないフランケンシュタインをつくりあげてしまったのではないか」と発言したこともポンペオを演説の中で触れた。

ニクソン記念図書館は通称「ニクソンライブラリー」と呼ばれ、ロスアンジェルスから車を飛ばして50分くらいのところにある。館内にはニクソン時代の様々な出来事や、ニクソンに関する記念品が展示され、周恩来と握手する等身大の像もある。売店ではニクソンのバッジやネクタイ、そしてニクソンの著作がすべて揃っている。中庭にはニクソンの生家が再現されており、中をのぞける。ニクソンが少年時代、いかに貧しい生活を送っていたかを偲べる。

ポンペオは、この中庭を演説会場とした。参列者には魏京生(北京西単の壁の指導者)、王丹(天安門事件のときの学生指導者)を招待し、さらにポンペオは香港の反政府運動のリーダーである黎智英にあったことにも触れた。

2018年10月のペンス演説から始まったトランプ政権の中国敵視は、オブライエン補佐官、バー司法長官、レイFBI長官、そしてポンペオ国務長官と、だんだんとオクターブが高まっており、いずれトランプ大統領の決定的な方針が出現するだろう。

http://miyazaki.xii.jp/world-situation/index.html

なお、筆者はニクソン『リアルピース』の翻訳者であり、ニクソンとの独占インタビューを上記サイトに再録している。

   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2108回】           
「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘68)
 「ショウ介石」(昭和3年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

           △

橘は孫文を「偉大なる革命理想を懷」いた「偉大なる革命家」として論を進めてきたが、「孫文の東洋文化觀」にも「日本觀」にも必ずしも共鳴しているわけではない。

ハワイと香港で西洋式教育を受けた孫文の中国古典理解は不徹底であり、東洋文化と見做す王道思想について確固たる理論的裏付けを欠いていた。さらに日本に関しては専ら孫文に同情し、孫文を支援した日本人に基づいて考え、自分に都合よく捉えていた──これが橘の孫文観だと思う。

孫文亡き後、統一を求めるも中国は四分五裂状況に突入する。その原因の一端は孫文の思想が孕んでいたからだろう。やはり孫文は思想的にも偉大なドン・キホーテだったのだ。
橘は、その孫文の「忠實にして謙?なる弟子」である?介石について論を進める。

先ず橘はショウ介石を「家庭及び彼自身の生活氣分は共に中産階級上層者的──小資産階級的のものであつたことが明白に認められるやうに思ふ」と捉えた。


橘に依れば「清末以後に輩出した多くのインテリゲンチャ達は、總て中産家庭の出身であ」り、「彼等はその修めた新學問を頼みとして、支配者の地位を手に入れることをその理想として居た」。辛亥革命も、袁世凱による帝政復活の試みも、共に根底には「支配者の地位を手に入れること」を目指した「中産家庭の出身」のインテリによる「安直な政治革命」であった言うのだ。

だが1911年の辛亥革命、1919年の五・四運動、1924年の国民党改造と言う「三次の洗禮を受けた小資産階級インテリゲンチャは、不可避的に新しいイデオロギーを抱き始めた」とし、その「新しいイデオロギー」を、「一、自由民主主義/二、無政府主義的孫文主義/三、儒教主義的孫文主義、/四、資産家的孫文主義、/五、小資本家的孫文主義、/六、無産者(農民及び勞働者)的孫文主義、/七、共産主義」に分類した後、こういった思想を介在させて?介石と孫文が結びついているわけではない、と橘は見立てた。

両者の「間柄は他の重要黨員(国民党員)に較べると寧縁故の淺い方であつた」。だがショウ介石の孫文に対して抱いた「英雄的情操は、何人も及び難い程に熱烈なものであつた」。

ショウ介石の孫文崇拝は「純眞にして且つ情熱的」であり、「實に?氏から見れば、孫文は一點一畫の例外もなく彼の全體である」。「孫文と共に考へ、孫文と共に行ひ、孫文と共に革命すると云ふ事が、この忠實にして謙?なる弟子の願望の全部である」。

かくて橘は「孫文と共に生きる以外に自身の生活は無いと思ひ込んで居る所に?氏の強みがある」と結論づける。ということは?介石は孫文のクローン人間と見做してもよさそうだ。であればこそ「?氏の強み」は同時に弱みではなかったか。

思想も行動も孫文のコピーでしかなかったがゆえに、孫文が左傾化すればショウ介石も左傾化するわけで、「左傾し切った彼の叫びは、其の實孫文の聲に過ぎなかつたのである」。

 孫文死後、ショウ介石は「先輩たる汪精衞及び廖仲?氏の指導に從」っていた。廖仲?が生きていた間は毛沢東や周恩来のように国民党入りした「共産黨員の非國民黨的行動を抑へ」られたが、廖仲?が1925年に亡くなり、残された汪精衞では共産党員の抑えが効かない。


そこで1926年3月に勃発した中山艦事件を機に、ショウ介石は「共産主義者は孫文の遺産たる國民黨破壞の陰謀を蓄へて居ると信ずるに到つた」。「この先入見に捉はれて後」、?介石は孫文の「遺した左翼民主主義的理論及び政策を悉皆打忘れ、事毎に共産黨と衝突しつゝ、知らず識らずの中に急速に右傾した」。

その行動は客観的には孫文に背くことになるが、「併し主觀的には疑もなく孫文崇拝の灼熱せる感情に導かれたものであり」、やがて「前非を悔いて理論的に汪氏の許に立歸つた」。?介石の「孫文信奉」・・・ここに極まれり
      
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)連休を利用して、宮崎さんの新作『WHAT NEXT(コロナ以後大予測)』(ハート出版)を読了しました。

書店に行くとアフターコロナ本も沢山ならんでいて目移りしますが、ジャーナリズム特有の総花的なムック本まで出ていたのにはビックリでした。感想ですが、近未来予測で多死社会がきて、少子高齢化社会というより、看取り士が増えるという箇所は大いに考えさせられました。
   (FG生、川崎)



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(読者の声2) 日本の左翼運動の背後には昔からソ連、中国、北朝鮮がいたことは明らか。アメリカのリベラルと言われる勢力も。文部科学省の教科書検定では主任調査官が北朝鮮のスパイだったと週刊「アサヒ芸能」が取り上げていますが、事務次官の前川助平をみればさもありなん。三流官庁といわれるほどですから左翼が潜り込むには都合が良かったのかも。

詳しい内容は「ナニワの激オコおばちゃん」というブログに詳しい。
https://gekiokoobachan.jp/blog-entry-1101.html

文科省批判から萩生田大臣への批判へと続く。偉そうなことを言ってたわりには何もできない大臣に呆れている。
https://gekiokoobachan.jp/blog-entry-1103.html

子供の頃を思い出すと1960年代は学生運動は激しかったものの祝日にはどこの家も日の丸を掲げていて、中学では年配の教師は戦前の地主の娘でしたが極めてまっとうでした。

英語の女性教諭は婚約者が戦争で亡くなったという噂でオールドミスと呼ばれていました(子供はけっこう残酷です)。1970年代になると若い教師が増え、天皇陛下を天ちゃんと呼ぶなど教師の左傾化がひどくなりました。日教組の女性音楽教諭の主張で卒業式の「仰げば尊し」もなくなりました。

高校では成田空港の三里塚闘争を応援に行く純真というか単純な生徒もいて、大学では学生運動は下火とはいえ革マルと中核派で殺し合いをしていた時代。新宿の地下道への階段などシンナーと小便の臭いで汚いことこの上なかった。

戦後の武装闘争も学生運動も失敗し左翼は新聞・テレビといったメディアから官公庁・教育・司法の分野まで潜り込む戦術に切り替えたのでしょう。

1982年の教科書検定では華北への「侵略」を「進出」に書き換えたとの誤報が新聞各紙で広められ、当時の文藝春秋社の雑誌「諸君」に渡部昇一が「萬犬虚に吠えた教科書問題」として問題提起しました。誤報を認めたのは産経新聞だけだったでしょうか。1984年に当時購読していた日経新聞に誤報を前提とした記事があり、本社に問い合わせてものらりくらり、それで日経を止めました。

民主主義の弱点は「表現の自由」という名の嘘・偽り・プロパガンダがまかり通ること。戦前の本を読むと新聞の危険性として外電の転載を繰り返すことで内容がどんどん捻じ曲げられることを上げています。

朝日が火をつけ、ニューヨーク・タイムズや中韓のメディアが反発する。火のないところに火を点ける「アジアの放火魔」と言ったのは20年前の漫画「戦争論」が売れた頃の小林よしのりだったと思いますが、ネットがなかった時代ならともかく、スマホ時代の今ではデモ隊の仕込みから火付けの現場まで撮影されますからプロパガンダの効力もだいぶおちていることでしょう。

アメリカも日本の学生運動と同時期にベトナム反戦運動や公民権運動があり左翼があらゆる分野に浸透したのはハンチントンの「分断されるアメリカ」(2004年)に詳しい。

ケネディ亡き後のジョンソン大統領時に成立した「公民権法」「投票権法」では人種差別を禁じたものの黒人に対する優遇措置を認めるものではなかった。

ところが連邦政府の役人と連邦裁判所はつぎつぎに特定マイノリティ優遇措置を認めていく。大学に至っては入試でアジア系は基礎点を下げられ、黒人・ヒスパニックは基礎点を上乗せといったことになる。

公教育の内容も西洋史や建国の英雄の物語が消え、マイノリティの話ばかりが取り上げられる。その結果、1987年に高校生を調査した結果では独立戦争のワシントンや奴隷解放宣言のリンカーンよりも奴隷解放の活動家のほうが知られているという事態に。

1990年代初めに実施された世論調査では北東部の名門アイビー・リーグに通う学生の90%は公民権運動の発端となったローザ・パークスが誰だか知っていたが、「人民による、人民のための、人民の統治」が誰の言葉か知っている学生は25%しかいなかった。リンカーンのゲティスバーグ演説を知らないアイビーリーガーがこれほど多いとは呆れてしまう。

日本でも東大出のバカといわれる福島みずほや東大医学部を出てはいてもコロナ騒動ででたらめ発言をを繰り返した上昌広、援交で辞職した前新潟県知事の米山隆一、極めつけは首相まで努めた鳩ポッポこと鳩山由紀夫など学歴バカにはことかかない。

鳩山由紀夫といえば韓国で元慰安婦(偽)に土下座していました。被害者ビジネスが得意な韓国では8月に慰安婦像に土下座する「安倍総理」の像を公開するとか。
https://hosyusokuhou.jp/archives/48883364.html

https://i1.wp.com/hosyusokuhou.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/l_2020072501003075900243531.jpg?fit=610%2C407&ssl=1

本当に腐りきった民族です。触れたもの全てを黄金に変えたミダス王にちなんで全てを腐らせる逆ミダス王といわれるだけのことはある。半島人の別名は他にもユダヤ人の悪いところ(被害者ビジネス、嘘つき、金に汚い、なりすましetc)にそっくりなところからニダヤ人。北海道ではウポポイアイヌ民族博物館利権に食い込み、でたらめなアイヌの踊りや手抜きの展示物、さらに関係者が北朝鮮つながりの在日だとばれている。

自己申告の偽アイヌで顔がひらべったいからウソポイのザイヌとも。日韓離間の要因をわざわざ作ってくれるのですから遠慮なく日韓断交へと進めますね。(PB生、千葉)

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(読者の声3)番組のお知らせです。明日(7月28日)夜に放送予定の「フロント・ジャパン」は福島香織、宮崎正弘両氏のコンビでお送りします。中国問題から世界の趨勢までのホットな話題を語ります。テーマは「ルビコン河とわたったトランプ」の予定 
  

2020年07月27日

◆反米暴動を極度に警戒する中国公安

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月26日(日曜日)通巻第6598号 

成都の米国領事館前に数千人の群衆。爆竹片手に愛国歌
反米暴動を極度に警戒する中国公安、厳重な警備体制をく

 7月24日、テキサス州ヒューストンの中国領事館が閉鎖され、米国官憲が立ち入った。この領事館はかねてからスパイ網拠点として、FBIの監視対象だった。前日までに米国は四人の中国人をスパイ容疑で逮捕した。情報窃取の拠点を米国はひとつ壊滅させた。

 ただちに報復措置を発表した中国は四川省成都の米国領事館閉鎖を通告した。
 成都領事館はチベット、ウイグルにおける中国の弾圧をモニターし、監視する拠点でもある。また嘗ては王立軍(薄煕来の右腕だった)が女装して重慶から駆け込んで亡命を求めた所でもある。この事件を切っ掛けに薄夫人の英国人殺害がわかり、習近平最大のライバルだった薄煕来失脚に繋がる。
 
 テレビで知った住民およそ数千名が米国領事館前にあつまり、爆竹とカメラを片手に、愛国歌を歌うなど、規制を挙げている。爆竹は祝福のサイン?
 反米暴動に発展することを怖れる警備当局は、一帯に厳重な警備体制と敷いた。

 同日、ニクソン記念図書館へ出向いて「中国との関係は終わった」と演説したのはポンペオ国務長官だった。かれは「中国共産党と中国国民は違う。国民は全体主義に立ち向かうべきだ」とし、「党」と「国民」を明確に峻別して、習近平と「主席」とは言わずに「党総書記」と呼称した。この語彙の選択は、あきらかに意図的である。米国は鮮明に中国への姿勢を転換したのだ。

 すでに米国は戦前の@ハルノート」に匹敵する最後通告的なメッセージを送った。
となると、次の事態は、WAITING TO THE PAERL HARBOR?
 成都で反米暴動が起これば、米国の思うつぼにならないか?
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  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆   書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 中国にも良識ある人が、本物の知識人がまだいた
  習近平は劣悪なる指導者、中国がよくなる展望はない

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金文学『われわれが習近平体制と命がけで闘う13の理由』(ビジネス社)
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 在日中国人(元中国人)で切れ味鋭く習近平独裁を批判する言論人が日本の論壇に輩出するようになった。米国へ行けばもっと多いけれども、日本で活躍する人たちが立ち上がったことが重要である。
 日本のメディアで批判を続ける石平氏を筆頭に、楊逸女史(芥川賞作家)、そして、この金文学氏だ。本書は、その金氏が中国へ行って、あるいは米国に移住した知識人を訪ね歩き、ほんものの中国知識人が何を考えているのか、魂の叫びを聞いて廻ったのだ。本書は、その集大成。題名の13の理由とは、13名の知識人と会話記録だからである。
 トップバッターは猿偉時(元中山大学哲学部教授。「猿」の獣偏をとる)だ。
 中国はGDPで世界第二位の大国だなどとご大層に自慢するが、「反面、精神性はかつての農耕文明レベルで止まったまま。全体主義的な垂直命令型社会で一見効率が良さそうに思えるかも知れませんが、実態は無能で、かつ無常です」
 「この荒唐無稽な体制が中国大陸を支配し、不条理に満ち溢れている状態を本当は拒否したいのにできないでいる。それが中国の一番の悲しみではないでしょうか。」

 賀衛方(北京大学法学部教授)は党員だが党批判を舌鋒鋭く展開する人物である
 「仮に世界中の鶏をすべて殺しても、夜明けは阻止できない」。しかし「誰もが排除されたり、言論空間が狭められたりするなど、いまはまさに毛沢東の死後、中国大陸の知識人にとって最も暗黒な時代です」。
 在米社会学者(元人民大学教授)の周孝正は『中国共産党は実態は社会主義の衣を着たナチス』と非難して憚らない。
 コロナ対策チームを率いて英雄扱いされる鐘南山・博士とて「習体制の手先、喇叭だ」とし、中国共産党が自らを「偉大、光栄、正確」などと自画自賛するのは自信のない証拠であり、「いま、中国社会には、黒蛇、白蛇、コブラという三つの蛇が活きている」という。「黒い法衣を着た法院(裁判所)、白いガウンを着た病院、そして学校の先生が眼鏡を掛けている。すべてがお金を必要とする職能に従事していて中国人を苦しめているから蛇のように嫌われるのだ、という。
 中国共産党はロシアからの借り物のマルクスレーニンン主義ではなく、その「統治体制は、共産主義の名を借りた一種の封建王朝的システムなのです。これが中国共産党の本質でと思います」 
 女傑の郭干華(清華大学教授)は「一党独裁の毒性は新型コロナをはるかに上回るとして次の指摘をする。
 「この21世紀において『二党国民』『三党国民』が存在する国は中国や北朝鮮くらい」だが、他方、町の声はといえば、「貴方は来世も中国人として生まれたいか」のアンケートに70%が「生まれなくない」と回答したばかりか「20%は現世でも中国人為なりたくない」
 かくして、「問題の源泉はすべて権力の独裁にあります」
 以下、作家、経済学者ら、現代中国を代表する知識人達の現状分析と党への批判が濃密かつ雄渾に展開されている。
たとえば「21世紀は中国の世紀などというは戯れ言」だと断言するのは銭理群(元北京大学教授)。大学の質は落ちていて技術だけが向上しても、意味がないとする。
王学泰(中国社会科学院研究員)は「中国史の裏面は暴力という社会病理だ」と歴史の本質を衝く。
女流作家で日本語に翻訳された作品もある残雪はノーベル文学賞候補にも挙がっているそうだが、「中国の文壇は集団的退行」をとげており、伝統回帰を譫言のように言いつのるだけ。「文学賞の選考にも不正がはびこっている」と指摘する。
 
日本でも有名な馬立誠(人民日報元解説委員)は日中関係の「新思考」を展開したので、日本のメディアでも話題となったジャーナリスト。本書の掉尾を飾る。
「日本はすでに平和大国として変容しているのに、なぜ中国はまともに評価しないのか」と純粋な気持ちを吐露し、「戦後、日本は中国に対し、150以上の重大な
プロジェクトを支援し、6兆円ものODAを惜しみませんでした。なぜ、このような援助に対して言及、感謝しないのでしょうか」と率直な感想を述べている。馬の発言を精密に追うと、その歴史認識には間違いが多いし、「日本の軍国主義」などど岩波文化人が好みそうな左翼用語を使っている点は、まだ共産党の歴史教育の洗脳の残滓があるわけで、大いに気になる。また多くが中国の「劣根性」(中国語に根性という語彙はない。劣根性という日本人にわかりにくい概念はある)に関して、多数が共通してことを通読した発見できたことは収穫だった。
いずれにせよ中国には世界常識が通じる良識ある人が、本物の知識人がまだいろことが分かって有益このうえない書物となっている。
         
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2107回】                 
──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘67)
 「孫文の東洋文化觀及び日本觀」(大正14年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

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同文同種は「兄弟の國」を意味し、落魄した兄を羽振りの良くなった弟が助ければ昔のように仲良くなれる──これが孫文の主張なら、たしかに手前勝手と言うべきだ。
 橘は日本人の一部に孫文の考えを支持する者があるものの、「(日本人の)大多數は未だ傳統的保守的思想に縛られて『輕薄にして不道?』なる中國の爲に髪毛一本でも犠牲にすることは出來ないと云ふに傾いている」と説く。そして「孫氏は、日本が中國の爲に不平等條約廢止を援助して呉れたら、其れが日華親善を實現する第一歩の方法であると觀て居る」と、孫文の狙いを捉えた。ここでも孫文の身勝手が顔をもたげる。


 案の定である。日本では「所謂王道文化を骨子とした大亞細亞主義に對しては」孫文を満足させるような反応は起こらなかった。
「不平等條約廢止に對しては之に同情しつゝも、理論及事實の兩方面から其の實現の容易ならぬ事を主張する者が多かつた樣である」。また「孫氏は日本が歐米列國の協同戰列から離れて中國と握手せんことを望んだ次第であるが、日本の側からは之に共鳴する聲が起こらなかつた」。


 孫文の日本に向けられた大きな期待が外れた原因を、橘は「日本の輿論が相變らず國際關係の紋切り形を押破る氣力を持たぬ事」「日本人の自負心の乏しい事」に求める一方で、孫文の中国それ自身の現状に対する甘い認識を指摘している。

 孫文が「中國統一問題として軍閥打破を選ばずに所謂帝國主義の打破を選んだ事」を、橘は「聊か不合理の感なきを得ない」とした。なぜならば、帝国主義列強が「軍閥を煽動したり援助したりする」ことが「中國の國内問題の解決を妨げ」ているからであり、「中國統一の敵は軍閥が主であつて、(帝国主義)列國は從である」からだ。

 かくして橘は「孫文氏に軍閥と云ふ事の觀念に就て可成り不徹底な所があつた樣に思ふ」とする。それと言うのも孫文は自らが打ち立てた「廣東政府の首領としてデモクラシーを高唱した」が、彼自身が「軍閥の上に立脚して」いたからだ。自らの政府が軍閥を基盤にして成り立っていることに気が付かない孫文だからこそ、自らが「廣東省の人民を苦しめて居た事」に意を注ぐことができなかった。
これを言い換えるなら、孫文には自己省察が欠けていた。正しいことをしていると確信(盲信?)するあまり、自らが進める政治が結果として「廣東省の人民を苦しめて居た事」に無頓着であったとことだろう。

 孫文には、中国統一への最大の障害である「軍閥退治を比較的輕視し、列強退治を比較的重視する傾き」がある。「其の主なる原因の一つが、或は此の點──軍閥に關する觀念の不徹底──にあるのではなからうか」。橘による孫文批判である。

 かくして橘は、「孫氏の最後の日本に於ける講演は、今日迄の所、大體上失敗に終つたと言ふべきである」と見做す。では、なぜ失敗したのか。一つには軍閥に対する不徹底な態度が招いた中国統一に関する「理論に缺點のあつたこと」。もう一方に「全く日本人が中國知識に乏しく、同時に東洋の強大民族であると云ふ事に關し充分にして且つ正當な自負心を持つて居ない事に歸せねばならぬ」。つまり日中双方が共に自己省察に欠けていたわけだ。


 だから日本人は中国人による中国統一、つまり「『国家改造』と云ふ事業に對し何の程度の情熱と希望とを懷いて居るかを研究」すべきであり、その一方で「東洋の先進國であるとか世界の五強國の一つであるとか云ふ事に就て眞面目な自負心を懷いて居る事が事實であるなれば」、「如何なる使命と責任とを負はねばならぬものであるかに就て深く自ら反省しなくてはなるまい」と結んだ。

 ここに見える橘の慨嘆は2020年の現在にも通じる。
であるとするなら、この辺りに「普通の国」に飛躍できない日本の根本的病理が潜んでいるように思えるのだが。

2020年07月25日

◆米国商務省のブラックリスト

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月23日(木曜日)通巻第6597号 

米国商務省のブラックリスト(ELリスト)に中国の11社を追加
かつらの「和田浩林」から中国科学院傘下の「北京基因組研究所」まで

7月20日、米国商務省は「ウイグル少数民族の弾圧に使用された」監視カメラ製造あるいは、弾圧されて強制収容所内で作られた製品を製造販売した容疑で、11の中国企業をブラックリストに加えた。筆頭は「和田浩林髪飾品」。ウィグル強制収容所でウィグル族に作業させた製品としてボストン税関で13トンのカツラが押収された。

またエスケル集団の「エスケル繊維」はYシャツやマスクの製造で知られ、グループ全体で5・7万人の従業員がいる。エスケルはラルフ・ローレン、ヒューゴ・ボスなどのアパレル、ポロシャツなどのOEM生産で急成長してきた。

先にあげられていたのはファーウェイ、ハイクビジョン、センスタイム、ダーファー、メグビーなどだが、ウィグル弾圧の監視カメラなどが中心だった。

新しいリストに新たに加わったのは、このほかに「KTK集団(今創集団)」、同社は鉄道、線路設備一連の製品、また「湯園技術」(音訳。アルミ製品)、そして「南昌Oフィルム」は、アップル、アマゾン、マイクロソフトへも部品を供給している企業だ。
 
驚きは中国科学院傘下の「北京基因組研究所」(国家生物信息中心)までがリスト入りしていることで、理由をマルコルビオ上院議員は「この研究所は中国共産党直属である」とした。

同日、トランプ政権はテキサス州ヒューストンのある中国領事館の閉鎖を命じた。外交的に前代未聞の措置、まるで戦争前夜の様相を呈してきた。
 
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2106回】 
           
「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘66)
「孫文の東洋文化觀及び日本觀」(大正14年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房) 

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毛沢東の死から5年、対外開放から2年が過ぎた1981年に開かれた中国共産党11期6中全会で決議された「歴史決議」には、文革当初に掲げられた「社会主義のより深く、より広い、新たな発展段階」なる意義づけが全面的に否定され、文革は「党と国家と各民族に大きな災難をもたらした内乱である」と記されている。

もはや多くを語る必要はないだろう。「幼稚な發達をしか遂げて居ない此の政治學説を買被つて、孫氏の樣に大袈裟に吹聽することは愼むべきだ」との橘の苦言は、悲しいことに現在に至っても“効力”を失ってはいないらしい。

橘から「幼稚な發達をしか遂げて居ない」と見做された「孫文氏の亞細亞主義論」を、なぜ、その後も後生大事に持ち続けた日本人がいたのか。じつに不思議だ。

続いて橘は「彼の日本人に期待するところ」と題し、孫文が日本人に求めたことについて言及しているが、その前に「中國人に所謂國家主義思想の稀薄であると云ふ事實」を孫文秘書の戴天仇がどのように捉えていたのか。参考までに以下に記しておく。

「中國の現代一般の人々は非常に無政府的思想に傾き易い。動もすると現實を離れて事物を考へる傾向があり、思想は極端に走るが、現實の主張では非常に妥協性に富んで居る。

それも老子の思想から影響を受けて居る。老子の思想では個人に對するのは宇宙であり、其の間に何一つ無きが故に總て極端に走るが、總て妥協する。其れは即ち老子は極端な個人主義であるからであります」。

以上が戴の主張だが、たしかに中国では「思想は極端に走るが、現實の主張では非常に妥協性に富んで居る」。宇宙と個人の間に「何一つ無きが故」かどうかは知らないが、たしかに中国人の振る舞いには「總て極端に走るが、總て妥協する」といった傾向が見られる。

老子、極端な個人主義、無政府的思想に傾き易く現実から離れた考え、「思想は極端に走るが、現實の主張では非常に妥協性に富んで居る」
戴の指摘は記憶に留めておきたい。

さて孫文の「彼の日本人に期待するところ」だが、ここで橘は「專ら孫氏が其の大亞細亞主義及び不平等條約廢止の實行に關して何を日本人に希望して居るかを述べ」ている。

以下、橘の解説に従って孫文の考えを示しておく。

まず孫文は「亞細亞諸民族に間に歐羅巴民族に壓迫に反抗して獨立運動の勃興したのは、日本が露西亞に對して戰勝した事が直接の刺戟となつた」と説く。

日露戦争からの20年ほどの間のアジアにおいては、エジプトからはじまりトルコ、ペルシャ、アフガニスタン、アラビヤと独立の動きが見られ、いまやインドもまたこの動きに続こうとしている。

中国と日本が中心となってアジアの諸民族を連絡することで、アジア民族の独立運動は達成される。問題は、現時点で中国と日本の「兩中心が仲を惡くして、連絡どころか相反撥して居る」ことだ。だが目下のところはともかく、いずれ「將來は我々東亞細亞の各民族も亦大勢に促されて必ず連絡することになるであらう」。
 
孫文は不平等条約廃止の平和的達成を求め、国際的影響力を高める日本の援助を望んだ。日本が自ら築いた国際的地位をテコに中国を日本と同じ地位に引き上げて欲しいし、日本に西洋の覇道文化に対する東洋の王道文化の武力的擁護者となることを期待している。

「我々は口癖の樣に中國と日本は同文同種の國」であり、「之は兄弟の國であると云ふ事を意味する」。そこで「弟は兄と憂を分ち兄を援けて奮鬪し、不平等條約を改造して兄を奴隷的地位から救ひ出してやるべきである。さうしてこそ中國と日本とが再び兄弟の誼を結ぶ事が出來であらう」。

こう孫文は「日本人に期待する」。
だが孫文センセイ、身勝手が過ぎマスヨ!
      
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)日経新聞7月19日(日曜日)第5面囲みコラム「風見鶏」に「『東芝ココム』はまた起きる」との見出しで、政治部記者の署名記事が掲載された。

内容は、日本企業が漠然と中国企業と技術提携したりしているが、このような鈍感な姿勢ではアメリカの脅威とみなされ、かつての東芝機械ココム違反事件のようなことが起こるだろうというもの。

これには、読んでいて我が目を疑った。

貴誌7月18日配信、第6594号「ハルノートを突きつけられた中国、『真珠湾』を待つ米国 米中対決、いよいよ最終局面に。気がつかない日本政府の鈍感」の趣旨とそっくりだったからだ。

その中ほどに「いずれ『第二の東芝ココム事件』に類することがおこるだろう」との記載まである。

貴誌は国際動向を現地現物からレポートするのみならず、世界200か国を主筆自身が誰のアテンドも受けずに、自分の脚で歩いた生々しい現実を「即座に」「無料で」「大量に」「毎日」配信するという、文筆業やマスコミの常識からかけ離れた離れ業を今日も演じている。

どこにも載っていない情報ばかりだし、それが日本の歴史文化伝統という基盤にどのように意味があるのかを縦横無尽に語り尽すので、世の中のマスコミ勤務の諸氏はかなりの比率で購読(タダなので「購」読ではないが)しているといわれている。

平安の昔から本歌取りという技法もあったことだし、先人の知恵に着想を得て文章を書くのは悪いことではないから盗作とか剽窃と難じる積りはないが、件の記者ご本人からすれば整理部によって付けられた見出しがあまりにもモロ出しだったので苦笑していたのではと勝手に勘繰るのも読者の気楽なところ。

若い記者諸君は本紙主筆が30年以上も前に日経新聞ウォッチャーとして記事どころか組織全体を丸裸にした著書を刊行したこともあるのは知らぬが仏というものだろう。
(江東区、YE生)


(宮崎正弘のコメント)後節の著作は、拙著『ザ・日経』(上下二巻、山手書房、絶版)のことですね。よくぞ記憶されていました。小生自身、忘れていました。

第二のココムは、2018年に成立した「国防権限法」のなかに盛り込まれているECRA(輸出管理改革法)です。ハイテク技術、ソフト、製品で米国の安全保障の脅威となる技術を規制するもの、具体的には「Emerging
Technologies(「新興技術」)」と「Foundational
Technologies」(「基盤的技術」)が対象とされると原文になります。このECRAにより、まさに対中ココムは発動している。

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(読者の声2)親中派こそが「反日自滅主義」。「反日種族主義」を読み始める、冒頭から「嘘をつく国民/嘘をつく政治/嘘つきの学問/嘘の裁判/反日種族主義」と、自己批判とも思える韓国社会への猛烈な告発が書き出される。どこかで見たような聞いたような既視感に囚われる。日本の戦後社会そのものではないか、「嘘をつく・・・/反日自滅主義」と書き始めます。

「日本国憲法という嘘に縛られる国民/国連という嘘をつく政治/太平洋戦争という嘘つきの学問/東京裁判という嘘の裁判/すべてが反日自滅主義」であり、「危機日本の根源:反日自滅主義」だと思われます。「自虐史観」と戦後の歴史教科書を総括しましたが、残念ながら「自滅史観」が正しいようです。

「危機日本の根源:反日自滅主義」の現状:武漢コロナ禍報道にみる「反日自滅主義」

まさしく現在進行形の武漢コロナ禍報道は、反日自滅主義そのものでしょう。時々刻々の感染者数と人々の生活困窮ぶりが昼夜を問わず報道されますが、疫病の核心は報道されません。重症者死亡者数推移や感染源地域からの入国者数とその推移などが「疫病対策の核心」のはずですが、「政府は語らず報道は追及せず」を決め込んでいます。

国民に事実真実を丁寧に伝え、経済活動への奮起を促すべきところが、疫病の核心は伝えずに生活への不信,不安や心の萎縮ばかりが日々煽られています。やはり反日自滅主義の表れのようです。

とりわけ政府から新聞テレビまでが「新型コロナウイルス」と称し、武漢肺炎,チャイナウイルスという疫病発生源の隠匿を図っています。「嘘をつく国民/嘘をつく政治」は現在進行形なのでしょうか??

発生源に最も近い日本が、世界中の嘘に加担して「?つきは泥棒の始まり」と子供たちに言えるか、反日自滅主義の闇は深いようです。(高橋玉次、いわき市、元厦門在住)

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(読者の声3)別のネットで、中国はコロナ騒動のため、空母の3隻目は造れないとあったのを見たが、何が何でも空母を造るようですね。今の中国は、コロナどころか、水害で困っているはずである。

中国やマスコミが、水害を針小棒大に発表しているのだろうか。

日本は、ミッドウェー海戦では、源田實の発案で、空母を集中的に運用して敗北した。
アメリカは、分散して空母飛龍の逆襲に耐えた。戦後のアメリカは、その戦訓を活かして打撃軍として完成させた。それを中国が取り入れても、果たして、質、量、士気はどうだろう。
 中国は、合同艦隊演習をしても、それぞれの戦隊の充分な成果を得たと発表する。艦隊司令長官の命令が、戦隊の末端まで、1分1秒の迅速さで伝達し、攻撃態勢を取らねばならない戦闘時なのにである。
 艦は浮かんでさえいれば、戦力になると思っているのだろうか。しかも日清戦争以来、海戦の戦訓がない。大陸国家では、有能な人材・資財は陸空にゆく。他国ごとながら、案ずる所である。(斎藤周吾)


(宮崎正弘のコメント)大陸国家はしょぜん、海洋国家にはなれないでしょうね。ドイツは海軍が脆弱です。嘗ての海洋国家、スペイン、ポルトガル、オランダは衰退してしまった。