2021年04月19日

◆中国CAC(サイバースペース監督管理局)

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月14日(水曜日)
     通巻第6861号  

 中国CAC(サイバースペース監督管理局)が新規則
  党史の否定、社会主義批判、指導者非難は許されない


 4月第2週、19歳の大学生を拘束したと発表があった。拘束理由は
ネットに「日本の南京大虐殺は嘘では?」と書き込んだためとされた(多
維新聞網、4月12日)。
 CAC(中国サイバースペース監督管理局)は新規則に基づく措置とした。

ネット上で展開を許されない議論は(1)党史への疑義や批判をしては
ならない(2)社会主義の優位性に疑問を抱くなり、体制の批判はしては
ならない(3)共産党の指導者は英雄であり、また党の決定した政策は正
しく、これらを批判することは許されない。

いずれも中国共産党が7月1日の党結成百周年大会を控えてのことだ。

他方、軍事演習、侵略の予行演習、台湾、日本、フィリピンへの領海、
領空侵犯が頻度激しくなった。4月12日には台湾上空に中国空軍の領空
侵犯は25機。東シナ海、南シナ海でも鵺的な軍事行動が目立つ。

米国務省が4月9日に台湾政府との接触制限を緩和する新ガイドラインを
発表ばかりで、中国の行動は米台の接近に対して嫌がらせ表明とも取れる。

侵入機は「殲16」が14機、「殲10」が4機、爆撃機「轟6K」が4
機、対潜哨戒機「運8」が2機などだった。

米軍は空母ルーズベルトを旗艦とする空母打撃群をフィリピン近海に投
入し、フィリピンとの合同演習を展開した。フィリピンはこれを「バリカ
タン作戦」と命名し、2000名の兵士を動員した。

フィリピンのスカボロー岩礁などに中国艦船は居座りを続け、水陸両用タ
ンクを駆使した上陸演習も行っている。

また4月7日には福建省南部において、人民解放軍第37集団軍が、台
湾侵攻作戦の軍事演習(隠蔽浸透作戦)を行った。

最初にドローンを飛ばして索敵し、その背後へ回り込み、忍びより作戦
よって「敵」を囲み殲滅するなどの作戦演習が行われたという。
    
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2223回】    
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港105)

      ▽

南斉とは、南北朝時代(439〜589年)に都を建康(現在の南京)に置い
た短期政権(23年間)である。

北方(朔北)と南方(長江・黄河流域)が鋭く対立し、それぞれの有力勢
力が覇権をめぐってグチャグチャに入り混じり群雄割拠した一種の疾風怒
濤の時代である。

漢(前漢:前206〜8年/後漢:25〜220年)に象徴されるそれまでの中
華帝国秩序が崩壊し、北方異民族を巻き込んだ文明のハイブリッド化と漢
化が進み、プロレスのバトルロイヤルにも似た覇権争いの時代を経て、新
たな中華帝国秩序に基づく隋・唐につながった。

精神文化的には北方の雄である北魏の拓跋氏を通じて浸透する仏教に対
抗すべく、道教の体系化が試みられた時代でもある。

高校教科書のような雰囲気になってしまったが、『南齊書』の「出版説
明」で注目したいのは「王命論を主に支えるのが仏教における因果応報説
だ。仏教の道理が儒教と道教を超越しているとデッチあげている」との指
摘だ。

どうやら因果応報説を支える仏教は歴史唯物論とは相容れないし、 「仏
教の道理が儒教と道教を超越している」わけはないと主張したいのだ ろう。

 『南齊書』の出版から11か月後の1972年12月に公表された儒家批判論文
をキッカケに、後に批孔批林運動と呼ばれる四人組による周恩来批判運動
が起こる一方、儒家を反動派・売国主義派と批判し、法家を革命派・愛国
主義と讃える儒法闘争に発展していった。

いわば『南齊書』出版の段階では道教と共に「仏教の道理」なんぞに劣
るわけがないと認められていた儒教が、1年ほどの後には完全に否定され
てしまうのだ。

1年ほどの間に起こった中華伝統文化の大本たる儒教・儒家に対する評 価
の激変の背後に、やはり四人組の台頭などの政権をめぐる政治力学の変
化が兆しているようにも思える。

『南齊書』出版から1か月後にニクソン訪中があり、その1か月後の1972
年3月、隋に滅ぼされ、南朝最後の幕を引くことになる陳(557〜589年)
の歴史を綴った『陳書』が出版された。

『陳書』も「他の封建地主階級の史書と同じように、反動的な唯心主義
歴史観に貫かれ、人民大衆の歴史うえの地位を抹殺し、地主階級の代表的
人物の歴史上の働きを鼓吹している」と、内容的には『南齊書』の「出版
説明」と大同小異である。

そこで正史をテコにして林彪の「天才論」を論駁しようとする意図が感じ
られないわけではない。

だが、出版へ向けての基本的な作業は文革が開始された1966年には完了
し、1971年に再度訂正の後に出版に至ったと記されている点が気になる。

ここでフト、新亜研究所の先輩の言葉を思い出した。

一連の歴史書を買い込んでいた頃、「中国では全ての印刷物は簡体字、横
組みになっていると日本で教えられた。

倉石武四郎・東大教授は、中国で は将来的に漢字が廃されローマ字綴り
になると力説している。事実、倉石教授の中国語教科書は全部がローマ字
綴りで、漢字は見当たらない」と話 すと、彼は「日本人は単純が過ぎ
る」と呆れ顔。

彼は「たしかに出版物は簡体字で横組みだ。だが、数千年前から共産党政
権成立までの記録は全て繁体字で縦組みだ。簡体字しか知らなかったら、
漢字で記された古代からの精神文化遺産は学べない。

じつは共産党政 権は極めて優秀な人文系の頭脳を選び、彼らを政治運動
にはタッチさせ ず、ひたすら古典を学ばせていると聞いている。そうで
なければ、こんな 時代に二十四史なんぞを連続的に出版できるか。考え
たら分かりそうなも のだ。いいか何度でも言う。日本人は単純が過ぎ
る。動脳筋(あたまをは たらかせろ)!」と。

大陸の青壮年全体に銃を持たせるほどの工業力はないと教えてくれたの
も、この先輩。「共産党=簡体字=伝統文化否定」との連想ゲーム的な
「即断」は単純にすぎる。
     
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)先般の貴誌にあった書評の、高倉健さんの妹さんの句集(森
敏子『飛花落花』、文学の森)ですが、なかなかの俳人ですね。切れ味の
良いナイフをもち、かつ、短歌的な抒情もそなえていますね。

少し緩い句もありますが、それは気にするほどではないと思います。自
選三句もよいのですが、
 「あを/\と月を曳きゆく飛花落花
 「細く細く手に裂く手紙秋の暮
 「美男なる死神来ませ二十日月
などのほうが、好ましく感じられます。兄高倉健への追悼句集、短歌で
いえば「挽歌」。二人は気質が似ていたようですね。(HN生、新潟)

  ♪
(読者の声2)日本文化チャンネル・桜からのおしらせです。本日(14
日)のニュース解説番組「Front ジャパン」は生放送です。午前
1100から一時間ほど。ホストは葛城奈海さん、ゲストは宮崎正弘さん
でお送りします。 後刻、ユーチューブでもご覧になれます。
    (チャンネル桜)

2021年04月18日

◆マインドコントロール応用

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月13日(火曜日)弐
     通巻第6860号  

「認知戦争」という新しいタームをご存じですか?
  マインドコントロール応用、相手国民の認知を根底からひっくり返す。

 「認知戦争」(COGNITIVE WARFARE)という新しい
ターム。國際政治学上の語彙は豪のシンクタンクに集ったエミリー・ビエ
ンヴニュ、ザック・ロジャース、そしてシアン・トロースらによって最初
に提議された。

 エミリー・ビエンベニュー女史は豪防衛科学技術グループのシニア・ア
ナリスト。彼女の研究は戦略的資源としての信頼、戦争の性質の変化、紛
争よりレベルが下の競合状況も含む。ザック・ロジャースは、米国・アジ
ア政策研究センターの上級研究員。南オーストラリア州フリンダース大学
ビジネス、政府、法律大学で博士号取得。シアン・トラウスはフリンダー
ス大学で博士号を取得、「複合戦闘戦略応答」「複雑な人間システムのモ
デリング」研究に取り組む。専門分野は国際関係論、信頼理論、外交政策等。
 脳科学と防衛とサイバーを結びつけた国防理論であるところが新しい。

 この「認知戦争」を、台湾の軍事研究のシンクタンクがすぐに応用し、
中国は台湾に対して、認知戦争を行っているが、これは「明日の戦争」の
先駆となり、戦場は陸・海・空、宇宙からサイバー空間へ移行していると
分析した。
 簡潔に言えば、相手の心理、良心、感受性に影響を与える。「マインド
を乗っ取れ」という戦法である。

 認知戦争という語彙を駆使した最初の米国軍人はデビッド・ゴールド
フェイン将軍(米国空軍)で、「消耗戦争から認知戦争への移行」と述べ
て、注目された。

 通常兵器の消耗戦から、効果重視の作戦へ移行させ、明日の戦争を支え
るのは、デジタル化され、ネットワーク化されたインフラをベースとする。
これに沿ってインテリジェンス、監視、偵察、電子戦争、心理作戦、サイ
バー作戦を総合して情報をコントロールする。米軍の考えることは総合的
でシステマティックである。

 米国ならびに盟国はハイテクを防衛し、知財を擁護する政策に転じてい
るが、かえって敵対国家の軍事戦略の方向性の転換、敵に学習の機会を提
供したと言えなくもない。なにしろ孫子以来、中国は「戦わずに勝つ」こ
とに戦略的文化の中枢があり、心理戦の優劣が勝敗を決めるという戦争の
本質を理解している。


 ▲中国の「超限戦」とロシアの「ハイブリッド戦争」は同質のカテゴリー

 従来の戦場での優位性、その実践経験の蓄積があり、米国と同盟国は兵
器、そのシステムに改良を重ねた。インターネットとはそもそも米軍の通
信網から発展したではないか。
宇宙衛星による敵情報のモニターもスパコンによる解析も圧倒的に米国が
有利だった。それも昨日までの話である。

西側によって考案され、商業部門に転用され民生活用され、あげくは
GAFAの興隆であり、その中国の亜流(ファーウェイ、テンセント、パ
イドゥ、アリババ)が世界市場を席巻した。
こうしてネットワークによるデジタル時代の技術は、摸倣的想像力が豊か
な敵対者への戦略的贈り物に化けた。まことに皮肉である。

 「認知戦争」は広範な文脈での「情報戦」。狭義に捉えると情報操作で
ある。
つまりマインドコントロールの応用で、相手国民の認知を根底からひっく
り返す。COGNTIVEはCOGNITION(認識)の形容詞だ。

2016年の大統領選でトランプが勝利した時、「ロシアが介入した。フェイ
クニュースを流した」と左翼が騒ぎ、民主党は弾劾騒ぎに持ち込んだが、
これぞロシアが企図したアメリカの分断である。
米国はまんまとロシアの仕掛けた認知戦争に引っかかったのだ。

 中国の唱える「超限戦」とロシアの「ハイブリッド戦争」は同質のカテ
ゴリーに捉えてよいのではないか。

 廣瀬陽子『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代
新書)はこう定義する。

「政治的目的を達成するために軍事的脅迫とそれ以外のさまざまな手段、
つまり、正規戦、非正規戦が組み合わされた戦争の手法である。いわゆる
軍事的な先頭に加え、政治、経済、外交、プロパガンダを含む情報、心理
戦などのツールの他、テロや犯罪行為なども公式、非公式に組み合わされ
て展開される。ハイブリッド戦争は、2013年11月の抗議行動に端を
発するウクライナ危機でロシアが行使したものとして注目されるように
なった」

 その年の二月に参謀総長だったゲラシモフが「新しい戦争の形態や方法
を再考すべきだとしたうえで、21世紀の戦争のルールは大幅に変更さ
れ、政治的、戦略的目標の達成のためには、非軍事敵手段は、特定の場合
には軍事力行使と比較してはるかに有効であることが証明されていると主
張し」ていた。

 廣瀬陽子教授に従えば、プーチンの手法はハイブリッド戦争である。こ
れは言葉を換えて言えば、プーチンが仕掛けていたのは「認知戦争」だっ
たのだ。
 人間の認知、情報を如何に捉え直し、理解するかを変える。情報を変え
るのでない。相手の認知の捉え方を変えてしまう。いかなる情報に対して
も、正しい判断をしにくくなる。


▲目の前にあるものを操作してしまうと人間の意思決定サイクルは狂う

 専門家のジェイムズ齋藤氏は「トカナ」というサイト(2021年2月
23日)のなかで次のように発言している。
 
「ロシアが仕掛けたのは情報空間の二極化を加速させたということです。
ロシアの認知戦には「反射的コントロール(reflexive control)」とい
うものがあって、
簡単に言いますと、人間の認知を徹底的に分析し、相手の意思決定サイク
ルに入り込むものです。このサイクルはウーダループ(OODAループ)と呼
ばれるものが
代表的で、少し説明すると人間には「観察(Observe)、方向付け
(Orient)、決心(Decide)、実行(Act)」の流れを繰り返すループが
あって、客観現実=目で見たもので意思決定をするということがわかって
います。逆に言えば、目の前にあるものを操作してしまうと人間の意思決
定サイクルは狂っていくんです。ロシアはこのウーダループに介入して、
自分たちが意図した方向に意思決定サイクルを狂わせたんです。
 情報操作を深化させて洗脳の域にまで達しているということです。昔か
ら行われている情報操作は敵国内のプロパガンダだったんですが、いまは
世界がソーシャルメディアでつながっていますよね。つながっているとい
うことはいつでもあなたの目の前にロシア、中国が介入できるということ
になります」。

 さて日本はハッカー対策がやっとこさ軌道に乗りつつある段階、左翼の
情報操作は日常茶飯、認知戦争には対応さえ取れない状態ではないのか。

 ところで「朗報」がひとつ。
 中国の公安部サイバーセキュリティ対策室の前責任者(元陝西省副省
長)のリュウ・シンユ(音訳不明)が、「不適切は業務逸脱」として過去
一年間捜査を受けていたが、さきごろ「腐敗行為」があったとして逮捕さ
れという(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、2021年4月12
日)。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)府中の大國魂神社について、貴誌前号に投稿がありました。
投書氏は、府中に住まれて十数年になるにもかかわらず、この大国魂神社
がオオクニヌシノミコトを祀る由緒正しい古社であることをご存知なかっ
たようです。
 実は、小生も府中競馬場へ散歩に行った際、初めてこの神社を見て、な
ぜこんなところにこれほど立派な神社があるのか、恥ずかしながら、理解
できませんでした。
 しかし府中は律令時代に武蔵国の国府が置かれた地であることを知っ
て、あらためて納得した次第でした。
 私も幼少期を過ごした地(大阪・奈良)などを歩いていて、改めて、今
まであまり注目しなかった神社の存在に気がつくことがしばしばです。人
間とは視力を有していても、関心(認識眼)を持って見なければ、真の姿
は見えていないものだということを思い知らされるときです。
 平泉澄氏は「かくて歴史は、自国の歴史に於いて、我れ自らその歴史の
中より生れたる祖国の歴史に於いて、初めて真の歴史となり得るものであ
る事は、今や明らかであらう。我が意志によりて組織し、我が全人格に於
いて之を認識し、我が行を通して把捉するが如きは、祖国の歴史にあらず
んば、即ち不可能である。祖国の歴史にして始めて古人と今人との連鎖、
統一は完全である」
と述べておられます。
その皇国史観の当否についての議論は措くとして、こうした叙述に接する
と、もう余生いくばくもなくなってきた自分ですが、速やかに関西帰還を
果たし、関西(特に、我が故郷である大阪・奈良)の地を巡りながら過ご
したいという想いがつのってきます。
  (椿本祐弘)

  ♪
(読者の声2)通巻第6858号で DF生様は「『鬼滅の刃』とナショ
ナリズムの復権等、神話復活現象の解析、現象の分析をしてほしいと思い
ます。」と投稿されました。
 私は通巻6848号で「最近の日本のポリティカルコレクトネスやジェ
ンダーと称する『異様な』報道を見るに、彼等はそもそも文化の本質を理
解せぬばかりか、むしろ否定し、人類が生きていることの本源的実感を体
現できる『人生』を奪っている「非人道的且つ罪深い行為」であることに
気づいていない」と書きました。
 先週は発刊されたばかりの「ナショナリズムの美徳」(ヨラム・ハゾ
ニー著 東洋経済)を店頭でみつけました。この本を読んでDF生様のご
関心の方向性や私の
考え方をうまく説明しているなと感心しました。同書の解説者の中野剛
志・施光恒氏は「・・・トランプ政権の外交政策の基盤とされ、再三引用
されたのが本書
だった。
また、政治ジャーナリストのダニエル・ルーバン氏も、ネオコンや新自由
主義に代わる新しい保守主義の潮流の中心的人物として、ハゾニー氏をあ
げ、本書を
『右派知識人のマニフェスト』の位置にあるものだと論じている。同氏は
また、欧州のいわゆるポピュリスムの指導者にも影響を与えていると示唆
している。
・・・新しい保守主義の潮流とは、新白由主義(市場原理主義)に基づく
グローバリゼーションの猛威から、国(ネイション)や地域社会の伝統や
文化、庶民の生活を守ろうとするものだ。これは、ナショナリズムと親和
性が高い。グローバリゼーションから人々の生活を保護するため、国民国
家の役割を重視するからである。米国におけるトランプ大統領の登場や英
国のEU離脱、あるいはフランスの『黄色いベスト運動』など反グローバ
リズムの動向の背後にある思想だとも言える」
と解説しておられます。


しかし、私は天皇の継続性の「担保」論議を「ジェンダー」から行うのは
誤りであり、「国家の存続性の要件に資する重要性」から主張されるべき
問題であると考えるのですが、むしろそのための「理論的・学問的説明」
を同書から得ることができたような気がいたします。
   (SSA生)
                  
  ♪
(読者の声3)4月24日(土)午後は、宮崎正弘先生独演会『WORLD RESET
2022』です。
当会の毎年恒例企画、日本有数の中国ウォッチャーの宮崎先生が語り続け
ます。
※会場はとしま区民センター(池袋)になります
皆様のご来場をお待ちしております。
FAX 0866-92-3551、E-Mail morale_meeting@yahoo.co.jp
          記
【日時】 令和3年4月24日(土)14時30分〜16時30分(開場:14時)
【会場】 としま区民センター7階会議室701〜703 豊島区東池袋1-20-10
(JR・メトロ・西武池袋・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩4分)
【講師】宮崎正弘(みやざきまさひろ)先生 作家・評論家
 http://miyazaki.xii.jp
【参加費】事前申込:2000円、当日申込:2000円、事前申込の大学生:1000円
(高校生以下は無料)
【申込先】 4月23日21時迄にメール又はFAXにて下記で受付(当日受付も可)
      FAX:0866-92-3551  E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主催】千田会 https://sendakai.wixsite.com/home
【後援】新しい歴史教科書をつくる会 岡山県支部

  ♪
(読者の声4)「食にうるさい中国人は大学や工場の食堂、高速鉄道の車
内販売にいつも文句を言っている。2012年と少し古いですが、社員食堂に
超大型の調理場を設置し自炊OKにしたら離職率がダウン」という記事。
http://gahalog.2chblog.jp/archives/52114755.html
https://www.narinari.com/Nd/20120718478.html
 制服姿の従業員はサンダル履き、中華鍋を振るう姿に笑えますが、昔の
支那兵は鍋を背負って行軍していたという話を思い出しました。中国人の
たくましさを感じさせますね。
シナは不景気で高失業率だという話がふっとんじゃいますね。今年は例外
なのでしょうか。
ところで、いまは大手企業が脆弱化し、ネット関連の数々のスタートアッ
プ企業の時代です。銀行の支店は20−30%は消滅するでしょうし、ほ
とんどの窓口業務はすべてRPA(ロボティック・プロセス・オートメー
ション)化されるでしょう。一方、ソフトバンクやユニクロは大企業です。
スガノミクスでDX政策をやっていますが、マイナンバーの浸透率はいまだ
28%です(マイナポイントやっても)。巨大人口のインドやシナは
100%。この危機的状況のなかで、要はスガノミクスは10年後に消滅する
ジェネレーションを黙殺すると宣言したようなものです。
私のジェネレーションはPC98時代ですが、ラッキーにも、ITリタラシーな
んて要は知ってるか、知らないかだけと喝破しています。今の若者世代な
んて怖くありません。
逆に、宮崎先生他のような深い教養・発想・情報が欲しいです。が、これ
には時間がかかります。パワースポット行けるところはできるだけ宮崎本
を片手に行ってみたい。
  (Z生、逗子)

  ♪
(読者の声5)貨幣の誕生、について。科学・技術の分野では「事実・現
実」を無視するわけにはいかず、絶えず嘘の理論が淘汰される。文化系で
は、経済学、金融論なども含めて、嘘の理論が多く、現実と乖離していて
も、長い間真理として信じられてしまう。日銀のチンプンカンプンな説
明、予想、言い訳、などは「日銀文学」と呼ばれ、信者に伝えるお経のよ
うなは響きがある。FRB, ECBも同様。
 リチャード・ワーナー氏は「円の支配者・虚構の終焉」2001年、の著者
で、世界の最大銀行の20社全部が日本の銀行であった頃、日本に来て、
当時世界で最大、最悪のバブルを現地で観察、解析そして指南したが、無
視されたという経歴を持っている。
97%の貨幣は文字どうり「無」から、銀行の貸し出し、によって製造さ
れ、3%が中央銀行による、と「実験」により確かめた、という。そのよ
うにして誕生した「おかね」がどう使われるかが問題で、それが1。投
資・投機に使われれば、土地、株などの値段が上がり、2。消費に使われ
れば、商品の値段が上がる。現在、消費によるインフレが既に始まってお
り、一年後あたりから超インフレになる可能性がある、と予想。
  3。お金が企業、それも中小企業の生産設備投資に使われると、経
済・生産性の効率が上がり国が富む。そのような投資は地元の小さな親身
な銀行が行う。大手の銀行は興味がない。全世界で、全ての企業・銀行の
「統合」が進み、その結果、国家にとって大切な、優れた中小企業・銀行
が潰されている、と警告。
つまり、逆の進化、退化。尤もな話で、大手の企業は、例えばNHK、朝日
の様な、無益、有害な寄生虫的な存在になる。
参考動画;https://www.youtube.com/watch?v=u8j51XZegsk
(KM生)
 

(読者の声6)4月7日、中国外務相・趙立堅報道官は、「植民地主義、
人種差別、動乱輸出、外国干渉、ダブルスタンダードが米国を5つの罪だ」
よって人民裁判にかけたという。これからは、トランプなどの一部ではな
く、全米に対する対決姿勢を鮮明にしたという。
 中国は、人民の半分が死んでも恐れない。アメリカは一人が死んでも恐
れる。これをみても、勝敗は明らかである。新冷戦どころか、第三次、い
や、大惨事世界大戦が始まるかもしれない。
 中国の終わりの始まりではあるが、東京や大阪にもミサイルが飛んで来
るだろう。
    (斎藤周吾)

2021年04月17日

◆アリババ、独禁法違反に問われ

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月12日(月曜日)
     通巻第6858号  

その次に待つ運命は分社化、金融業からの撤退だろう

 4月10日、中国国家市場監督管理総局はアリババが「独占禁止法に違
反した」とか、虚説とりまぜた言いがかりを元に180億元(3200億
円)の罰金を科した。
 
昨年12月にアリババ本社を手入れし、捜査の結果、アリババへの通販
出店業者が他のプラットフォームに出店することを禁止した等が独禁法違
反であり、こうした商慣習によって通販市場での支配的地位を乱用してき
たとした。 
 しかしこれほど唐突な解釈変更という、恣意的で、理不尽な裁定って、
ありか?

 中国において電子商取引(EC)のユーザーは十億人近い。その取引総
額は34兆8100億元(約541兆円)である。これまでは偽札に気を
取られてきたがゆえに中国では電子マネーが急速に発展した。往時、流通
する紙幣の20%が偽札と言われ、日本製の偽札発券機が、レストラン、
ホテルにあった。


筆者など、よく偽札を掴まされると満員のバス、混み合うスーパーなど
で使用した。偽札は日常茶飯だから、受け取った方も、すぐにほかの混み
合う場所で使う。いってみればババ抜きのババだった。

スマホによる支払いは迅速に中国の支払いシステムを変貌させた。喫茶
店からタクシーまで。スーパーの買い物もECが常識である。

アリババ傘下の「庶民銀行」(アント集団)は、ネット上の架空の銀行
であり、至便なので中国の国有銀行の存在を根本的に脅かし、さらには中
国政府が推進するデジタル人民元の脅威となる。

経済の一元的支配を担うのが中国共産党の全体主義体制であり、アリバ
バのやり方を指をくわえて見ている筈はなかった。

「アント集団」はスマホ決済「支付宝(アリペイ)」の運営で急成長した
うえ、ネット上で金融ローン、資産運用、信用情報など新分野を開拓し、
瞬く間に全土を席巻、そして2020年11月5日に上海と香港の証券取
引所へダブル上場を予定していた。

この新規株式公開(IPO)で空前の340億ドル(約3兆6000億
円)の資金が調達されることになっており、あらかたの購買希望者は予約
金も支払い済みだったのである。しかも多くの予約者は江沢民に連なる
人々、アンチ習近平の金持ち達であり、アントの最大株主は江沢民の息子
だという。

中国共産党は、これを党への脅威と受け取った。

もっと正確に言えば習近平への敵対勢力の金儲けと認識したのであり、
アリババならびに傘下の「銀行」が、通販流通で巨大な存在となって国有
百貨店を脅かしたばかり、国有銀行への最大の脅威となった。

そこで、習近平政権は独占禁止法の適用と恣意的な「行政指導」を思いつ
いた。

次に待つ運命はアリババの分社化と、金融業からの撤退だろう。すなわち
アントの事業は、実現が困難となってとみるべきであろう。
      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2222回】                    
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港104)

    ▽

毛沢東が自らの暴力革命理論の要諦を「槍杆子(てっぽう)から政権が
生まれる」と表現していることは夙に知られているが、じつは毛沢東が
「槍杆子」と同等に、あるいはそれ以上に重要視し、巧妙・縦横無尽に
使ったのが「筆杆子(ペン)」、つまりメディアによるイメージ戦略である。

権力の甘い汁に引き寄せられた最高の頭脳は、権力の狙いのままの役割
を果たす。

文字を知る相手には膨大な文書を紡ぎ出し、膨大な古典から片言隻語を選
び出し巧妙に組み合わせながら、政敵の頭上に「紙の爆弾」の絨毯爆撃の
ように浴びせ掛ける。一方、文字を知らない圧倒的多数には演芸(芝居、
お笑い、歌など)という娯楽をテコに洗脳工作を展開する。娯楽=教育=
洗脳というカラクリである。

かくして文革とは一面では毛沢東の意を受けた、あるいは忖度した筆杆
子が八面六臂の大活躍をしたハデな舞台でもあったのだ。

この伝統は現在にも続く。TVニュースなどに登場する共産党政権の公式
見解を発表する男女の「報道官」の振る舞いなど、まさにそれだ。

以下、筆杆子による攻撃的で空虚で牽強付会な、いわば鼻白むようなリ
クツ(=ほぼヘリクツ)が続くことになるが、筆杆子が得意とする常套手
法を知るうえからも、暫しの忍耐をお願いする。

なお、原文でゴチックで強調されている部分には下線を引いておいた。

というわけで、各々の正史が出版された時間を追って「出版説明」の狙
いを探ってみたい。先ずは『周書』(71年11月出版)である。

「搾取階級は歴史編纂に当たり必然的に歴史を転倒させようとする。と
どのつまり彼らは、搾取階級の中の『高貴な人物』を歴史の主宰者とする
一方で、逆に歴史を真に創造する人民大衆をカスと見なしてしまう」。

王朝の歴史を公式に書き留める官僚である「封建史官は反動的な英雄史
観、反動的な『天命論』を大いに宣揚し、人民が創造した歴史を帝王やら
宰相の歴史に作り変えてしまう」。

だからこそ今、「我われは毛主席の『人民、人民こそが世界の歴史を創造
する原動力である』との偉大なる導きに従って、〔中略〕歴史の本来の姿
を取り戻さなければならない」。

まだまだ延々とヘリクツが続くが、要するに生まれながらの「天才」はい
ないと言いたいわけだろう。つまり林彪の説く「天才論」を歴史の上から
否定しようと狙った。歴史学の立場から反天才論を打ち出そうとした。だ
が、『周書』が出版される2か月以前に林彪が自らコケてしまった。想定
外の椿事であっただろう。

要するに中国においては、歴史学という学問は筆杆子が跳梁跋扈する権
力闘争の修羅場と理解すべきなのだ。中国における学問とは、古来、その
ような性質を色濃く帯びていた。学問とは権力と密接不可分なもの。おそ
らく、これまでも。そして、これからも。

『南齊書』が出版された1972年1月は、林彪夫妻のモンゴルにおける
「不審死」から4か月後、ニクソン訪中の1か月前に当たる。

『南齊書』は歴史唯心主義を訴える。英雄史観と宿命論を繋ぎ、王命 論
の観点を宣揚する。〔中略〕王命論を主に支えるのが仏教における因果
応報説だ。仏教の道理が儒教と道教を超越しているとデッチあげている。
〔中略〕『階級闘争とは、ある階級が勝利し、ある階級が消滅すうこと
だ。これが歴史であり、これこそが数千年の文明史である。このような視
点で歴史を解釈することが歴史的唯物主義であり、このような視点の反対
に位置するものが歴史的唯心主義だ』と、毛主席は我われ教え導く。

『南齊書』は歴史的唯心主義によって歴史の真の姿を転倒させてはいる
が、いま我われは歴史的唯物主義の視点から再吟味するなら、南斉時代の
階級闘争の状況を見定めることができる」。饒舌難癖・無理圧状!
       
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1)小生は府中に住んで十数年になるのですが、駅前の大国魂神
社がオオクニヌシノミコトを祀る由緒正しい古社であることを貴著を読む
まで知りませんでした。古事記は神話が冒頭の三分の一ですが、その神話
の世界が、現実に目の前にあり、貴著によれば、そこもパワースポットとか。

土曜日は天気も良く、そよ風に誘われるように初めて参拝したのです
が、じつに爽やかな体験でした。また神社の左手には国府跡があって巨木
のレプリカが林立しており、これも初めて気がつきました。

ともかく貴書の『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』
(海竜社)を片手に、先ずは近いところからと、次に走水の我妻神社、そ
して秩父の三峯神社をまわる計画を立てております。

いまから参拝が愉しみ、霊験で聖域体験が出来ることを念じております。
(FH生、府中)

  ♪
(読者の声2)貴誌6857号で(KM生)氏が「ハイパー・ループ」とい
う新しい鉄道により、飛躍的に速度、値段共に、既存の鉄道を無効化す
る、と投稿されています。

既に何十年も前の大昔の話しになりますが、エアーシューターと言い、
所帯の大きな会社の中には直径15センチくらいの減圧パイプが水道管の
ように各部署に張り巡らせてありまして、カプセルに社内のメッセージを
入れて、この減圧パイプの中を猛スピードでカプセルが行き来し、社内間
の「連絡」ができるようになっていました。

書類などを別部門にいちいち持ち運びしなくて済むようにするためです。

ですから当時から、「むき出し」で地上を超高速で走る新幹線のように
事故を起こしたら大事になる鉄道よりも具合のよさそうなエアーシュー
ターのような鉄道がありうるのに・・・と私は思っていましたし、そのパ
イプを鉄やコンクリートでつくらずとも、透明な化学製品で創れば日本の
石油化学会社は喜ぶだろうに、と思っていました。

つまりマスク氏のアイディアを知った時も、別に驚きはしませんでした。
それよりも問題はなぜこのような「簡単で、有益」な運送手段が「技術立
国」の日本の技術者の間で提起され開発に向かわなかったのかと云う事だ
とおもいます。(SSA生)

(宮崎正弘のコメント)とくにホテルのレストランの勘定をフロントに送
るのがエアーシューターでしたね。名門おオオクラもニューオータニも一
時期は、その速さ、ほかのホテルではレストランのマネジャーがフロント
へ走って持っていったものでした(笑)。
 いまパソコンが繋がり、マネジャー達が走る必要がなくなりました。

  ♪
(読者の声3)オースチン米国防長官が11日にイスラエルを訪問し、冷
却化していた米国・イスラエル関係の改善に意欲を示したようですが、バ
イデン政権発足から、三ヶ月して、ですね。よほど両国関係は冷え切った
のでは? (BD生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)ガンツ国防相の第一声は「われわれはフルパート
ナーだ」。つまり、そう言わざると得ないということでしょう。バイデン
嫌いのネタニヤフ首相とは翌日に面談予定。イスラエルは猛烈に米国のイ
ランとの核合意交渉再開に腹を立てていますから。

イランの核施設で大がかりな配線事故。イランは「テロ」と言って いま
すが、タイミング的になにがしかのイスラエルの秘密工作の臭いがし ます。

  ♪
(読者の声4)2ケ月ほど前の『正論』で、宮崎さんが「『鬼滅の刃』と
ナショナリズムの復権」を論じておられ、先日読み返したのですが、こう
いう神話復活現象の解析、つぎは1億冊を突破した『巨人の進撃』現象の
分析をしてほしいと思います。(DF生、水戸市)


(宮崎正弘のコメント)『巨人の進撃』という題名から読売ジャイアンツ
の長島、王、松井選手らの物語だろうと連想していたのですが、あに図ら
んや、これはSFホラー漫画ですね。ハリウッド映画にも類似の作品が
あったように思います。

 ところで、巨人と言えば、あの阪神ファンに囲まれた関西にあって、数
学者の岡潔先生が巨人ファンだったこと、フト思い出しました。

2021年04月16日

◆バイデン政権の国防予算は7150億ドル

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月11日(日曜日)
     通巻第6857号  

 バイデン政権の国防予算は7150億ドル
 中国に対抗する艦船と実現可能な原子力の現代化に焦点

 中国は世界一の演算速度を豪語した「神威 太湖之光」に代弁される
スーパーコンピュータを誇る。スパコンの演算速度はパソコンの百万倍、
日本には富士通の「富岳」などがあるものの気象衛星など民生用である。

 日本と米国と中国が、このスパコンの演算の速さを競うが、中国と米国
の関心事は、暗号解読など戦争での速度を争うポイントにある。
 たとえばミサイルが発射された場合、発射位置、時刻、その方位、ミサ
イルの種類、性能などから、落下地点を直ちに予測する。そのためにはス
パコンの演算速度が重要であり、米、中はそうした解釈に基づく開発だ。

 米商務省は中国のスパコン企業である「天津飛騰信息技術」など七社を
対象に禁輸措置を発表した。レモンド商務長官は兵器開発にはスパコンが
不可欠であるとしたうえで、「全ての権限を使い、米国の技術が中国の軍
備近代化に使われることを防ぐ」と声明した。

 バイデン大統領は、最初の予算策定にあたり、焦点の国防予算を
7150億ドルとする意向を固めた。04%の減額だが、膨大な予算であ
ることに変わりはなく議会に反対の声は聞こえない。骨子は中国に対抗す
る米国海軍の艦船の充実ならびに実現可能な原子力の現代化である。

 国防予算は削減が予測されたが、トランプの拡大路線を踏襲し、同時に
中国への外交、国防路線では前政権を踏襲する姿勢が鮮明になった。それ
もこれも、アメリカ国民の対中国感情が極度に悪化しており、親中派のバ
イデンといえども、世論の動向には逆らえないからだろう。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1)貴誌6856号で(PB生、千葉)氏が日本の鉄道の輸出の
話をされていました。かつて日本で花形であった石炭産業が衰退したよう
に、米国における鉄道は飛行機、自動車が生まれる前の時代が全盛期であ
り、以後毎年確実に衰退しており、時折、膨大な政治の資金援助を受け、
莫大な赤字、かろうじて生き延びているというのが現状。
シアトル近郊を結ぶ新しい鉄道を作ったが、なんと朝3本、昼間はお休
み、夕方3本、というような嘘のような時刻表。
 何故、鉄道がこれから急速に衰退するか。
1) EV, 自動運転により、個人の運搬の質、値段が向上し、現在の公的
運搬機関が太刀打ちできなくなる
2) 「ハイパー・ループ」という新しい鉄道により、飛躍的に速度、値
段共に、既存の鉄道を無効化する。
  テスラのマスク氏が、遊び心で開発し、特許も取らずその仕組みを公
開しているので、世界中でその実験、実施が始まっている。高速の鉄道、
飛行機も同様に、強い空気の抵抗が 問題。そこで、ジェットが1万メート
ル以上の真空に近いところでのみ飛行可能であるように、管の中の空気を
抜いて車両を飛ばすと、外気、雪、雨、風などの影響も受けず、音速以上
の速さも可能など。
この管は地上の高架でも、地下鉄にしても構わない。マスク氏は、「ボア
リング・カンパニー」という地下に管を通す、という建設会社も始めてお
り、管の中にはEV車であっても、車両であってもいい。大都市圏の車の渋
滞の解決になる。管の断面積がかなり小さいので、非常に早くこのトンネ
ルを掘削・施工でき、つまり安くできる。現状では1日に3キロできると
いう。
 マスク氏の方針はいつも同じで、とにかく劇的に安く、しかも最高の品
質にする。NASAが50年間、如何にも官僚的に毎年何も改良せずに、予算だ
けは減らず同じことをしてきた。氏の「SPACE・X」社は、既にロケット打
ち上げ費を半分にし、さらに1/10を1/1000 にすると計画している。
その理由は、なんと「火星を100万人の移民が住める場所にする」ためだ
そうだ。夢のような話だが、本人は極めて本気で、多くの科学者・技術者
が嬉々として賛同してやっている。夢、大義こそが心を動かす。 長者番
付の多くの資産家が、デジタルの世界で活躍し富を得ているのに対照的
に、氏は日本の特技「ものずくり」で世界1になった。

2021年04月15日

◆「2021年の戦略的競争法」

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月10日(土曜日)
     通巻第6856号  

「インド太平洋地域における米国の戦略に必須。台湾との協力関係を強化
する」
米上院外交委員会、「2021年の戦略的競争法」を審議へ

 米上院外交委員会は中国の影響力拡大に対抗するため、人権の促進や同
盟国の国家安全保障への支援を基軸とする法案を準備し、4月14日に審
議に附される。

 この法案は「2021年の戦略的競争法」。一連の外交的、戦略的対策
の権限を付与する内容である。とくに中国との経済的競争ばかりか、ウイ
グル族などイスラム系少数民族に対して、或いは香港の民主活動家への弾
圧、南シナ海における軍事的な行動の脅威などを含む広範な内容となって
いる。

「インド太平洋地域における米国の政治的目的を達成するために必要な軍
事的投資を優先する」ことを併せて主張しており、米議会の法案は連邦予
算に直結する。
2022─26年の会計年度に、同地域に軍事援助として計6億5500
万ドル、インド太平洋海上安全保障構想と関連プログラムに計4億
5000万ドルを拠出するとしている。

 とくに台湾問題である。
 「インド太平洋地域における米国の戦略に必須」なために台湾との協力
関係を強化する必要があるとし、規制を撤廃して米国が台湾と交流できる
ようにすべきとしていることも注目すべきだろう。

 中国の軍事設備を置く国(ジブチ、パキスタン、スリランカ等)に対す
る支援を制限すし、中国の「一帯一路」は「中国の安全保障を推進し軍事
アクセスを拡大するもの」と決めつけているポイントも画期的である。
      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2221回】         
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港103)

    ▽
『柳文指要』に前後して中国系書店で買い込んだ繁体字、縦組みで巻頭に
「毛主席語録」が掲げられていない歴史書を上げてみる。もちろん全て上
海人民出版社の出版ではない。

『漢書』(1970年版、全12冊、香港中華書局、1971年)
『後漢書』(1971年版、全12冊、中華書局香港分局、1971年)
『資治通鑑』(全4冊、総9800頁余、中華書局香港分局、1971年)
『周書』(全3冊、北京・中華書局、1971年11月)
『南齊書』(全3冊、北京・中華書局、1972年1月) 
『陳書』(全2冊、北京・中華書局、1972年3月)  
『史記』(全10冊、北京・中華書局、1972年5月)
『北齊書』(全2冊、北京・中華書局、1972年11月)
『三國志』(全5冊、北京・中華書局、1973年1月) 
『梁書』(全3冊、北京・中華書局、1973年5月) 
『明史』(全28冊、北京・中華書局、1974年4月)
『魏書』(全8冊、北京・中華書局、1974年6月)
『新五代史』(全3冊、北京・中華書局、1974年12月) 

 留学中に、『史記』から『明史』までの中国の正史とされる二十四史の
全てが出版されていたかどうか。当時、中国系書店を覗いて新刊書を目に
したら、養豚方法であろうが乾布摩擦健康法の類であろうが、およそ中国
で出版された本は手当たり次第に買い込むことにしていた。
だから、二十四史のうち上記以外も売り出されていたが、買いそびれたの
かもしれない。あるいは買うことに飽きてしまったのか。はたまた軍資金
が底を尽いてしまったのか。半世紀が過ぎた今となっては、記憶は定かで
はない。

 この手の難しそうな文字がビッシリと並んだうえに目方が重い本は、
その重さを感じるだけで難しい内容の全てが頭の中に納まったような「満
足感」に包まれるから不思議だ。
『全上古三代秦漢六朝文』『佩文韻府』『魯迅全集』『斉如山全集』など
は、その一例。もちろん、極く僅かな例外はあるが、大部分は長期積読状
態のままに長い時間が過ぎてしまった。

 さて肝心の二十四史のうちの手許に「死蔵」していたものを半世紀ぶり
に開いてみて、不思議なことに気づかされた。
すべて巻頭に「出版説明」が置かれている。『漢書』『後漢書』『史記』
『三國志』の巻頭には、それぞれが依拠した版本に関する必要最小限の書
誌的説明はあるものの、「毛沢東史観」とでも呼ぶに相応しい仰々しい政
治的・思想的な教訓・評価の類は一切見られない。

 だが他はそうではない。「毛主席語録」は掲げられてはいないものの、
毛沢東の言葉をゴチックで目立たせ、「毛主席の偉大な教導」と讃え巧み
に引用しながら、古代の反動封建支配階級のために記された歴史書を批判
的に学ぶことによって、「今日のプロレタリア階級の政治的任務となり得
る」と説いているのだ。

 たとえば531年から楊堅が隋を起こす581年までの48年間の歴史を綴っ
た『周書』の「出版説明」を見ると、「封建歴史家は反動的な英雄史観を
大いに讃え、人民の歴史上の働きを抹殺し、人民の闘志を摩滅させ、地主
階級の統治を守ろうと画策する」。
だから「毛主席の『人民こそが世界の歴史を創造する原動力である』との
偉大なる教えを断固として順守し、ひっくり返された歴史を再びひっくり
返し、歴史本来の姿を取り戻す」。そうすることが「現在のプロレタリア
階級の政治に尽くすことだ」と記されている。

『周書』の出版が準備されていた時期は「天才論」をめぐる暗闘が激化
していただろうから、二十四史の出版にも政治的メッセージが込められて
いたということか。
  
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 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜加瀬英明のコラム
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コロナ禍がもたらした「国家の復権」

アメリカでバイデン新政権が発足してから、3ヶ月になろうとしている。

私はアメリカを専門としていることから、バイデン新政権の対日、対中
政策がどうなるか、意見を求められる。バイデン政権が中国に躙(にじ)り
寄って、日本を袖(そで)にするのでは ないか、不安でいっぱいだ。

日本国憲法は前文で謳っているように、自国の運命を諸 外国の善意に
委 ねると定めている、世界に類例がない「無抵抗憲法」だ。

といって、まさか日本国民は中国や北朝鮮に、運命を託しようとしてい
まい。かたわら、アメリカに日本の安全を丸投げしている。

それなのに、多くの善良な日本の男女が、この憲法を“平和憲法”と呼ん
で、世界の手本となるべき理想的な憲法だとみなしている。

だが、もしアメリカが同盟諸国を守る気力を衰えさせて、日本を見捨て
たら、護憲派の諸兄姉はどうするのだろうか。
 アメリカが日本と同じ“理想平和主義”を採ったら、護憲派の国民は欣喜
雀躍するのだろうか。

なぜか、日本ではあまり知られていないが、「キャンセル・カル
チャー」という言葉が、バイデン政権を支えるアメリカのリベラル・進歩
派の人々を動かすス ローガンとなっている。「キャンセル」は日本語に
訳せば「抹消、帳消し」だが、こ れまでアメリカが誇ってきた歴史を罪
深いものと断定して、消去しようとするものだ。

初代米大統領のジョージ・ワシントン、独立宣言起草者の3代目大統領の
トマス・ジェファソンが荘園を経営して多くの奴隷主だった、コロンブス
は新大陸の侵略者だったリンカーン大統領が人種差別主義者だといって各
地で銅像が撤去されている。

日本もアメリカの占領下で、誇りある歴史を奪われて、自虐を嘖(さい
な)むようになった。アメリカが日本に似るようになっている。

コロナの大感染を境にして、世界がどのように変わったのだろうか。

アメリカで4年前にトランプ政権が出現したのは、私が無国籍企業と呼
ぶ多国籍企業が、無国籍な世界がつくったのに対して、アメリカのナショ
ナリズムが反撃したものだった。

グローバリズムが無国籍な金(かね)をもたらし、人々が甘い蜜に群がっ
た。ナショナリズムによる束縛を嫌い、奔放な生活を求めるリベラルな
人々がバイデン 政権をもたらした。

ところが、コロナ・パンデミックは世界を支配していた、グローバリズ
ムという幻想を粉砕してナショナリズムが蘇えった。

自国しか信じられない情況がもたらされた。
私は「コロナ・ナショナリズ ム」と呼んでいる。コロナによって、国家
しか頼れないという現実が生まれている。国家の復権だ。

日本もコロナとの戦いに国民が団結して、全力を傾けることを強いられ
ている。

コロナとの戦いは時間との競争を強いられている。そのわきでコロナよ
りも恐ろしい、中国と北朝鮮の脅威が刻々と増しているのに、目を背けて
よいのだろ うか。

中国が尖閣諸島を奪おうとしている。北朝鮮が核ミサイルの性能を高め
て、爪を磨いている。中国、北朝鮮が日本を攻撃すれば、コロナ・ウィル
スより、はるかに悲惨な大災害に見舞われる。
憲法改正して、国防力を強化することが、集団免疫力を高める。生残る
ために憲法改正を急ごう。
        (かせ・ひであき氏は国際問題評論家)
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 日立が米グローバルロジックを1兆円で買収という話には驚
きましたが、鉄道事業にも力を入れる日立はワシントンの地下鉄車両の受
注に成功。256両+オプションで最大800両という大型案件です。

ワシントンの地下鉄はすでに川崎重工が700両以上納入しており、日立 が
オプション分も受注すれば川重・日立の2社で分け合うことになる。

もともと日立が買収したイタリアのブレダ社が1970〜80年代に製造した
300両以上の車両の置き換えなので順当といえるのかもしれませんが、鉄
道記事に詳しい東洋経済オンラインによると国防権限法による中国製車両
排除も後押しだったという。
https://toyokeizai.net/articles/-/420715

日立の鉄道事業は2017年度に海外比率が80%を超えるなど順調な伸び。
英国工場は組立工場ですがイタリア工場は1からの製造工場。不良品と納
期遅延で買い手もつかなかったアンサルドブレダを買収して立て直した事
例も紹介している。

製造ラインには新型溶接装置を導入し、社員食堂もリニューアル、ピザ窯
まである充実ぶり。
https://toyokeizai.net/articles/-/299554

製造業の福利厚生の一環ですが、ドイツのフォルクスワーゲンの工場で
はソーセージの製造設備まであるという。従業員の心をつかむにはまずは
胃袋からなのでしょう。

食にうるさい中国人は大学や工場の食堂、高速鉄道の車内販売にいつも
文句を言っている。2012年と少し古いですが、社員食堂に超大型の調理場
を設置し自炊OKにしたら離職率がダウンという記事。

http://gahalog.2chblog.jp/archives/52114755.html
https://www.narinari.com/Nd/20120718478.html
制服姿の従業員はサンダル履き、中華鍋を振るう姿に笑えますが、昔の
支那兵は鍋を背負って行軍していたという話を思い出しました。
中国人のたくましさを感じさせますね。(PB生、千葉)

2021年04月14日

◆中国海軍空母「山東」

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月9日(金曜日)
     通巻第6855号  

中国海軍空母「山東」、年内に公海で試験航海か
  過去の試験航海は渤海湾内と近海だった

 中国海軍の国産空母「山東」が年内に公海上での訓練を行うとCCTV
がヴィデオを公開した。「八一電視」(軍のテレビ)が録画したものの再
録だが、仔細にみると艦載機は五機である。

これまで山東は8回、試験公開をしているが、いずれも渤海湾内だっ
た。五日間ほどの試験航海を終えると、そそくさと大連の海軍基地に戻っ
ており、長期の航海は無理と西側軍事筋は見積もってきた。

ところが、2029年 11月15日に9回目の試験航海に出し、翌々日に台
湾海峡を通過して南シナ海へ向かったのだ。しかも6隻の艦が護衛し、艦
載機はJ15(殲15,ジェット戦闘機)が7機だった。

そのまま海南島の三亜に到着した。三亜はリゾート地、中国のハワイとい
う表の顔と、裏の顔は中国海軍最大の潜水艦基地である。

2019年12月17日、海南島の三亜海軍基地で習近平(このときの肩書きは中
軍委主席)が出席し、記念行事が執り行われた。

中国発の国産空母「山東」は全長315メートル、7万トン、速力31
ノット、艦載機可能上限は36機、蒸気タービン型(いずれも推定)。ち
なみに米海軍最新鋭の空母「ジェラルド・フォード」は全長337メート
ル、10万トン、30ノット。常時艦載機は70機で原子力駆動である。

    
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は男
女差別がひどいという論調にPRESIDENT Online の反論記事。

「国連開発計画「人間開発報告書」の2020年版における「ジェンダー不平
等指数」では24位(162カ国中)となっており、女性差別社会とは言えな
い結果になっている」
https://president.jp/articles/-/44903

「もえるあじあ」というまとめサイトを読むと日本では考えられない 指
摘が。『アメリカ人女性と仕事したけどあいつらハンパないからな 決 算
時期の書き入れ時になると薬飲んで生理止めて遅くまで仕事するし子ど
も生まれても一週間で仕事復帰するからな  ちょっと甘え過ぎだわ日本』
https://www.moeruasia.net/archives/49678986.html
 英国では日帰り出産が主流で出産から退院まで平均1日以下なので考え
方がちがうのかも。
 上記サイトのコメント欄を読むと、この指数なるものがいかにいかがわ
しいものかがわかる。
・ジェンダーギャップの統計ではアフリカの国々が上位にいるんだけど、
理由は誰でも分かるよね(笑)。
・ギャー!120位と騒ぐ前に、ナムビアやルワンダがランキング上位の点
で、その有効性に疑問もてよ。
・女性が財布のひもを握る国ランキング。
1位 日本 58.1%、2位 フィリピン 56.7%、3位 ロシア 34.3%、最下
位はノルウェーで1%。
 (※財布のひもランキングは2012年のテレビ番組らしいが出所不明)
 ちなみに2020年のジェンダーギャップ指数では、5位 ニカラグア、9位
ルワンダ、12位 ナミビア、13位 コスタリカ、16位 フィリピン、と貧し
く平等でも上位にくる意味のないデータ。
タイやマレーシアに観光・出産ツアーまでするアラブ諸国はのきなみ日
本以下。アラブではないけれどトルコは130位、イランが148位など明らか
イスラム蔑視ではないのか。
 アジアでは日本よりも上位に、43位 ラオス、50位 バングラデシュ、54
位 シンガポール、75位 タイ、85位 インドネシア、87位 ベトナム、89位
カンボジア、101位 ネパール、102位 スリランカ、104位 マレーシア、
106位 中国、108位 韓国、112位 インド、114位 ミャンマー
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/20200327/shiryou1_2.pdf
 
形式的な男女平等の不毛さですが、子育ては低賃金の外国人ベビーシッ
ターに任せれば良いという先進国の思惑が透けて見える。

アメリカ映画ダイ・ハード(1988年)ではロサンゼルスの別居中の妻が自宅
のベビーシッターに電話するシーンではスペイン語でした。こんな指数で
も日本の移民特区推進派は英語が通じて人件費の安いフィリピン人メイド
を使いたいだろうし、政府・自治体の男女共同参画を推進する部署も予算
獲得に都合がいいことでしょう。

アジア・アフリカ・中南米のランキング上位国で女性が政治・経済分野
で活躍できる大きな理由の一つは中・上流階級の女性は使用人を安く使え
るから。

 世界の多くの国では先日亡くなった橋田壽賀子のドラマ「おしん」の世
界そのものですが、ダボス会議で綺麗事を言う政治家・財界人の本音はそ
んな世界こそが望ましいのでしょう。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声2)『週刊エコノミスト』4月13日号「深層真相」は、大阪で
は圧倒的な強さを発揮する維新も、一選挙区の定数が多い市議会(中選挙
区制)で過半数を獲得することは至難であること、そこで、従来から、維
新は衆院選挙(小選挙区制)の際に対抗馬を立てると示唆して、公明の協
力を得てきたこと、しかし、府議会では維新は過半数を獲得済みであるこ
とから「府に権限が移れば、公明を気にする必要がなくなる」ことを指摘
しています。

先に、再度の住民投票(直接民主制)で否決された大阪府・市の(一部
の事務)統合案を、議会(間接民主制)が、ごく短期間で、実質的に復活
させてしまったことについて、議員の保身的意図、党利党略が、健全、妥
当な結果を表した民意を疎外するという結果になっているということを述
べました。

維新が、市の権限を府に吸収することに執拗であるのは、要は、上述した
背景に基づく利己的意図があるのでしょう。

これなど選挙区制度の問題性が顕現化された例ではないでしょうか?

小選挙区制では、支持者がそれほど多数ではなくても議員数では圧倒的
多数、という結果を比較的容易に実現できる。衆院議員の現行選挙制度で
は、死票が多くなるという弊害を軽減するために、比例代表制を併用して
いるのですが、必ずしも妥当な結果が出ているとは言えないのが現状では
ないでしょうか?

かつて、「政治改革」というスローガンが称揚され、中選挙区を廃止し
ようとした際には、中選挙区制の弊害が強調されたと思います。

しかしその「改革」によって、企図された目的が実現され、「改革」の成
果が出ているかについては、大きな疑問が残るところではないでしょうか。

「制度」には、当然ながら、長所もあれば短所もあるのであって、必要
な「改革」を躊躇するべきではないことは当然としても、その実施に当
たっては、それに要するコストと実際的に予測される結果を、慎重に予
測、精査、熟考することが不可欠であるという当たり前のことを、改めて
考えさせられるところです。(椿本祐弘)


  ♪
(読者の声3)次の「公開講座」は西村幸祐氏の講演です。

三島由紀夫研究会の4月公開講座は憂国忌発起人でもある評論家の西村幸
祐氏が講演されますのでご期待下さい。

日時   4月26日(月) 18時より
会場   アルカディア市ヶ谷(私学会館)JR/地下鉄「市ヶ谷」下車2分
講師   西村幸祐(評論家、作家、憂国忌発起人)
演題   「死後半世紀、益々存在感を強める三島由紀夫」
参加費  一般2千円 (会員・学生は1千円)
講師略歴 昭和27年生れ。東京都出身。慶應義塾大学文学部哲学科中
退。戦略情報     研究所客員研究員。アジア自由民主連帯協議会副
会長。関東学院大学国際文化学部非常勤講師、岐阜女子大学南アジア研究
センター客員教授。
   (三島由紀夫研究会事務局)

  ♪
(読者の声4)下記の要領講演会を開催します。国際歴史論戦研究所
(iRICH)所長として御活躍の山下英次大阪市立大学名誉教授、西洋政治
思想史が専門で政策研究フォーラム理事も務める清滝仁志駒澤大学法学部
教授の講演は、ここでしか聞けない話ですので、研究者以外の方もぜひ御
気軽に御参加下さい。
「日本国史学会 第77回連続講演会」
https://www.facebook.com/events/3864307090292842

【日時】 令和3年4月10日(土)14:00〜16:45(開場13時
30分)
【講師】 山下 英次(大阪市立大学名誉教授)
「戦前日本の海外統治はヨーロッパの植民地とは全くの別物」
    清滝 仁志(駒澤大学法学部教授)「日本政治史の中の民社党」
        基調講演後、質疑応答
【会場】 日本経済大学 東京渋谷キャンパス 10号館(大学院棟)246ホール
    (JR渋谷駅南改札西口から徒歩3分)https://shibuya.jue.ac.jp
/access_tokyo/
【資料代】 学会員2,000円 / 非学会員3,000円(大学生・大学院生は一
律500 円、当日入会可能)
【主催】 日本国史学会 http://kokushigaku.com/
※ コロナ対策のため、参加者におかれましてはマスク着用のうえ、体調確
認と個人情報提供に御協力お願いします。
(日本国史学会事務局)

2021年04月13日

◆台湾の風向きが変わった

宮崎 正弘


令和三年(2021)4月8日(木曜日)
  通巻第6854号  

 台湾の風向きが変わった。予備役も動員し実弾演習
  軍の近代化を加速化し、兵器体系もコンピュータ戦争に適応

 度重なる領海侵犯、領空侵犯。中国は「台湾は中国の一部」と傲慢な主
張を変えず、習近平は武力による台湾併合を否定していない。軍に対して
は「いつでも戦争の出来る準備を」と発破をかけている。

 中国軍は人民解放軍から30万人を縮小したなどと発張しているが、人民
武装警察は80万人以上。また退役軍人を海警に投入している。このように
巧妙な改編を偽装しているが、事実上、軍人の数は増えているとみてよ
い。後者の海警の「漁船」は「避難」を名目にフィリピン領海にすでに
一ヶ月も居座り続けている。

 中国は国際仲裁裁判所の「中国の領海の主張には根拠がない」と結審し
たが、「あれは紙くず」と言い放ち侵略の刃を研いでいる。尖閣諸島近海
への度重なる領海侵犯、日本の防衛識別圏への領空侵犯を続行しながら、
同時に「日中友好」を説いて薄笑いを浮かべる。  
日本のメディアの中国批判には裏側から手を回して、政治宣伝戦争でも優
勢である。

 こうした情勢の緊迫化に対応し、台湾の風向きが変わっている。
 台湾ではトランプ前政権の強い支援姿勢と、香港の民主主義が殺された
ことを目撃し、世論は中国に対して甘い見解を捨てた。劇的に風向きが変
わり、国民党ですら「一国二制度」を発言しなくなった。
 そして国防予算強化、「軍システムの近代化」「その加速化」を鮮明に
主唱し始めた。

 台湾軍の実弾演習には予備役から8000名を導入した。またコンピュータ
戦争という未来図を予測したウォーゲームも、軍の中で、本格的なドリル
が始まった。ハッカー部隊が台湾軍の指揮系統を破壊しかねない情勢にあ
るため、今後も対応を急ぐことになる。

 台湾が緊張度を深めたのは、習近平が終身皇帝を狙い、しかも「第二の
毛沢東」を自認し始めるという誇大妄想に取り憑かれたからである。北京
から見れば、習の権力基盤は軍を掌握できたことで固まったと見ており、
共青団と旧江沢民派を追い込んだ。香港の植民地化に成功した。これらは
習近平にとっては「手柄」なのである。

 こうなると習の妄想はさらに拡大し、功績を残すための最後の仕上げを
台湾併合において、歴史に名を留めたいという野心に変貌する。
 台湾軍は、上層部が外省人であるがゆえに中華思想の性格を知ってい
る。したがって台湾軍首脳は習近兵の野心を正確に分析することが出来る
からだ。

 日本の防衛力増強は国際情勢からみても必然だろうが、永田町の議論は
依然として幼稚園レベルに留まっている。

      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラ
ム〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2220回】               
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港102)

             ▽

 『柳文指要』(「第1版」)は、毛沢東との権力闘争に敗れた林彪がソ
連逃亡を図り、モンゴルで墜落死したとされる1971年9月に出版されてい
る。偶然だとは思うが、なんとも不思議な巡り合わせだ。

 全面戦争一歩手前まで進んだとされる中ソ国境武力衝突(「ダマンス
キー島事件」=「珍宝島事件」)の発生が1969年3月で、翌4月に開かれた
第9回共産党全国大会を毛沢東は「勝利の大会」と「自画自賛」した。
この大会で林彪は毛沢東の後継者として正式に認知されている。その後に
伝えられたところを総合すれば、この大会前後から、毛沢東と林彪の間
で、共産党最高権力をめぐる暗闘が始まったと見て間違いないだろう。

 ここで付言するなら、ニクソンが1969年1月に米大統領に就任したこと
から、キッシンジャーを軸にニクソン政権による米中接近工作が動き出した。

 一般に林彪は米中接近に否定的だったとされるだけに、『柳文指要』は
共産党政権最上層で権力と外交方針をめぐる暗闘が激化している過程で準
備され、出版されたと考えて強ち間違いはないだろう。

 以下、当時の状況を敢えて深読みしてみた。
 1969年4月に毛沢東後継に公式に選ばれてから1年4か月が過ぎた1970年8
月(あたかもそれは、林彪のモンゴルで“謎の死”の1年ほど前だ)、毛沢
東と林彪の間で「天才論」を巡って対立が表面化している。

 1970年8月の共産党第9期2中全会と呼ばれる重要会議の席上、林彪は文
革を発動した1966年半ばに発表した「20世紀の天才はレーニンと毛沢東」
「毛主席のような天才は全世界で数百年に1人、中国では数千年に1人しか
現れない」と「天才論」を蒸し返し、毛沢東を徹底してヨイショした。加
えて林彪の取り巻き連中は、毛沢東が主唱した国家主席廃止論に反対を表
明した。「早く国家主席ポストを林彪に譲れ!」と言うのだろう。

 このような動きに激怒した毛沢東は、「重要なのは天才ではなく社会的
実践であり、人間の知識や才能は後天的なものだ」と強調したと伝えられ
る。これ以降、毛沢東(派)と林彪(派)の間の暗闘が激化し、やがて
1971年9月のモンゴルにおける林彪の「謎の墜落死」へと繋がっていくわ
けだ。

  『柳文指要』は「出版説明」で、「章士?による柳宗元研究は、弁証
唯物主義と歴史唯物主義の視点に立てば必ずしも十分とは言えず、欠陥も
見られる。
だが、我が国古代の優れた文化遺産を批判的に吸収する観点からは一定の
価値がある」としたうえで、章士?が柳宗元の「民を以て主と為す」とい
う思想の正しさを力説する一方で、韓愈の「民を以て仇と為す」という誤
りを論駁する点を高く評価する。

 じつは「出版説明」は文末を「中華書局一九七一年四月」の日付で結ん
でいる。
「民を以て主と為す」と「民を以て仇と為す」暴力革命理論と
してあまりにも有名だが、じつは彼は「槍杆子」と同じように、いや、時
にそれ以上に「筆杆子(ペン)」、つまりメディアによるイメージ戦略を
巧妙に使った。

 文革当時の中国におけるメディア戦略の大きな柱は、やはり筆杆子だっ
たのだ。
であればこそ出版には最高度の政治的判断が反映されていたに違いない。
だから毛沢東の意向を無視して、出版メディアの牙城である中華書局で
『柳文指要』の出版が許可されるはずがない。
『柳文指要』は、当時の政治状況を雄弁に物語っていたように思えるのだが。

     
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‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 文科省の教科書検定基準の反日化は、日本の子供がチベッ
ト、ウィグル、内モンゴルの扱いになってきたということでしょうか。
 SSA樣のご心配に同感です。教科書の万国共通の基準は愛国主義で
す。ここにおいて自由社を除き失格です。日本はすでに独立したので基準
を愛国主義に正さなければなりません。
 またプロパガンダが発達しているので、生徒達に正しい知識とだまされ
ないように対応を教えなければなりません。
歴史については、大東亜戦争については「黒幕はスターリンだった」と支
那事変と中共については「中共の正体」をハート出版から刊行しました
が、さらに多くの方が日本人の立場から見た民族の正しい歴史観を広報し
ていただくことを期待しています。
  (落合道夫)


  ♪
(読者の声2)人民の支持・選挙に依らない独裁政権ほど、人民の支持を
必要とする、という不思議な政治力学の矛盾した構造がある。
それは反社会的組織が、大きな災害に対し政府がオタオタしている間に、
おむすびを飢えた被害者に配り人気を得る仕組みに似ている。現在の支
那、正確にはCCP(支那共産党が支配している地域、反社暴力団)は、お
むすびを過去数十年にわたり配りすぎて限界にきたので、他の手段で人民
の支持を得なければ、という新しい時代に入った。
 全世界が「みんなで渡れば」いくらでも借金しても大丈夫、と世界同時
破産・貨幣の崩壊の寸前に来ており、しかも武漢菌の蔓延による衰退、ト
ランプから痴呆症バイデンへ、売国奴に占領された親中・日本政府、とい
う、支那にとっては、国外の最高の全ての条件が整った。
 喩えでは、配るべきおむすびが切れて、尚且つ飢えた人民の怒りを回避
すべく、無能・無益な政府、交番などを攻撃し、「男を揚げる」。人民
も、しばらくは飢えを忘れる。しかも、戦争で勝てば、タダで膨大な資
産、食料などを、かつて外国、今国内の自治区からいくらでも得ることが
できる。
 こんな選択の余地のない「お膳立て」では、神風でも吹かない限り、未
来は既に確定してしまった、と言える。
70余年も続いた世界平和こそが異例であり、小さな山火事を人工的に防
いでいると、かえって巨大な山火事を製造してしまう。
 人工的な「神風」は勿論存在し、極秘の計画もあるが、それを使用する
勇敢な指導者がいない、といういつも不都合な歴史が繰り返す、らしい。
(KM生)

2021年04月12日

◆不動産バブル、株式バブルの自爆を懸念

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月7日(水曜日)弐
  通巻第6853号  

中国中銀「ことしは貸し出しを増やすな。与信枠は2020年レベルに」
不動産バブル、株式バブルの自爆を懸念

 中国の中央銀行である「中国人民銀行」が3月22日にメジャーな銀行
24行に対して、通達を出していた。
 「与信枠を増やさず、2020年のレベルに保ち、貸し出しをおさえ
ろ」とする通達である。

 2020年のローン合計は19兆6000億元(3兆米ドル)だった。
2021年はすでに最初の二ヶ月で4・7兆元を貸し出しており、前年同
期比の11%増となっている。3兆ドルと一口に言うが、この額は中国の
保有する「外貨準備高」に匹敵する。

 2021年の与信枠が前年同様のレベルにおさえられると、過去15年
間で最低の与信枠増となり、この通達が遵守されると、熱狂に沸いてきた
不動産投資、株式投資への与信枠が限定される。つまり中国経済を牽引し
てきた両輪が破壊されることになる。

 すでに中国では不動産ローンが支払えず、開発業者の倒産、社債デフォ
ルト、利払い不能という悲鳴があちこちにあがっており、個人でも夥しい
ローン破産が報告されている。
 物件は売れても、住んでいる人がいない。投機目的で借金して購入した
からである。
 或る統計では幽霊マンションは12億戸に登っており、数年前から指摘
されたゴーストタウンは、その後も無数に生産されてきたことが分かる。

 大手開発業者が手元資金を手当てするために組んできたドル建て社債
も、高金利(8・5%から14%)に苦しみながら、デフォルトが連続し
ていることは小誌でも伝えてきたが、開発業者が事実上の倒産となってお
り、投資家やローンを組んだ人たちの抗議活動が中国全土に拡がっている。

 しかし中国経済の破綻危機が目の前にあっても、多くが事態の深刻さを
軽視しているのは、欧米の株式市場に雪崩の前兆があるからだろう。
 バイアコムの株価暴落が端緒となって、同社へのポートフォリオが高
かったファンドの「アルケゴス」がふらつき、クレディスイスが5200
円の損出となりそう。日本の野村證券も2200億円の損出がでそうと騒
いでいる。

 また米国の野放図とも言える財政出動(1・9兆ドル)によって、辛う
じてウォール街の株価は高値圏を維持しているが、財政支出増大の即効的
な効果が収まれば、株価の暴落も当然予測されるシナリオだろう。
       
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  ▲▲▲▲▲ 訃報  ▲▲▲▲▲
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  ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 
  四宮正貴(しのみやまさたか)氏
  ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
 (『万葉集』研究家。『伝統と革新』編集長。「政治文化情報」主宰者)
つい二週間ほど前でした。氏は公開日記にこう書いています。
 「某月某日 なつかしい想い出に浸った一日であった」。病院で各種検
査を受け、医者から「病状が進行している」として食事の注意を受けた、と。
そのうえで「介護サービスのケアマネージャーとよく相談ください」と言
われ、文京区高齢者安心相談センターへ行った由。「介護認定から始めな
ければならない。ついこの間両親の介護の相談に行っていたのに、もうわ
たし自身のことを相談しなければならない」
そのあと、ふらりと千駄木の街を散策し、「小生の母校などを廻った」と
なんだか、人生の終結を予兆するような記述が目立ったので、小生のよう
な「文章心理学」に関心を持つ人間としては、大いに気にしていたばかり
でした。合掌。
   ▲
 氏とは半世紀を超える知己だが、いつもメモを取る癖があり、また小生
の講演会にも時折顔を出されこと十数回、かならず質問を浴びせる趣味も
お持ちだった。大伴家持、柿本人麻呂を尊敬し、歌人の歌の意味を歴史、
文化、伝統の文脈で浪漫に満ちた解釈をされるので、つねに啓発された。
 歴史にも通暁され、古事記、日本書紀を読みこなして天皇論はきわめて
正統な立場に立脚され、新右翼を批判する一方で、三島由紀夫を高く評価
していた。
「遺作」と言えるか、どうかは分からないが、小生が最後に目にした文章
は吉田松陰論。過激な攘夷論とその魂魄を論じ、「松陰の辞世の精神を継
承した人々によって、明治維新の大業が成就した」と結んでいる。
戦後のマスコミは保守本格派の声をまったく無視したが、彼はそんなこと
はお構いなく常に何事にもたじろがず、臆せず、正論を堂々と述べてい
た。四宮氏の所論は、ときおり、小生の著作にも引用させて貰った。
世間は井戸端会議の長老発言ていどの頑固爺ぃという印象しか持たなかっ
たかも知れないが、分かる人には分かっていた。なぜなら四宮氏の主宰し
た「政治文化情報」は田久保忠衛氏など、意外なインテリが隅々まで読ん
でいたからである。
       
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 貴誌前号(6852号)の書評、「日本の外務省の語学能
力が劇的に劣化している現状を憂慮」について。

外務省のみならず、日本政府、企業、組織、全ての「能力」の劣化、特
に指導者の劣化が問題で、しかも劣化した組織を「改善」する仕組みも意
思もない、という根本的致命的な問題を抱えている。

日本の歴史を見ると「外圧」あるいは巨大な危機が、かろうじて解決した
という極めて「他動的」な「あなた任せ・無責任」文化が定着恐らく江戸
幕府の最大の負の遺産。
 
最近 IT起業家、深田萌氏の優れた言論活動を見て感じたが、短大・美術
科、派遣社員、などの不幸な経歴を見ると、日本の人材開発の欠陥、つま
り文科省、教員独占の「日本の未来・国益」を無視した仕組みを変えない
限り、貴重な人材が、「横に並んで、みんな1等賞」主義の悪しき「平等
主義」により無駄にされている。

親類の中学生は、大学の講義を受けられるなど、米国の公立教育制度は全
体的には劣っているが、人材開発に関しては極めて真剣であり、移民制度
にしても、大量の低賃金労働者受け入れる反面、ロシア、支那、イスラエ
ルなどから超優秀な移民をも輸入している。一人の天才が万人の凡人を凌
駕。しかも一人の天才の教育費はかなり安い。凡人10人分ぐらいだろう。


日本でも戦前までは、国の指導者育成を公然とし、「飛び級」などの制
度があり、生徒全員を同じ低い程度の教育を強要しなかった。語学能力の
みならず、すべての能力を最大限にすべきであるが、同時に指導者用の
「正しい」日本文化、歴史、を教える事も重要。外交官が、無邪気にも反
日的な知識・思想を持っている現状では、いくら英語が流暢でも国益に反
する発言をしてしまう。
 結論は、国力を増す、日本人の知識・教育を改善。それには、まず、と
りあえず、NHK, 文科省、をぶっ壊す。
(KM 生)

  ♪
(読者の声2)過日の投書「KM生様」がご紹介の番組「ニュース・女子」
は何時 曜日 放送局 は どこでしょうか?

青山透子氏、深田萌絵氏は知りませんが、具体的には以降は KM生様の改
善案でしょうか?

LINEに関連して、韓国の親会社経由 中共国のものであると言い募り 武
装船、軍艦が始終、領海を侵し上陸する構えの事態に於いて まさに、
その中共に操作依頼が行われている。

これは「刑法 八十二条 外国より武力の行使ありたるとき之に与して
(中略)其他之に軍事上の利益を与えたる者」に相当すると考えますが 
宮崎先生と皆様は如何に、お考えになりますか?

すでにテレビ等が無関心、気楽に受け流すよう誘導してはいますが、中共
に都合のいいものにするべく使っているはず 香港は 20数年で現状てす
が、日本も案外 たやすい予行演習やらせてくれて友好唱えている。ハハ
でしょう。 ( SH生 北海道 )

  ♪
(読者の声3)貴誌6852号の椿本様の威信に対する意見、大賛成です。今
後も意見よろしくお願いします。
 伝えよう大阪の街に! 水と空気の心と技術を…
   (前田隆司)

  ♪
(読者の声4)貴誌通巻6850号の読者の声欄に「新しい歴史教科書を
つくる会は、3月31日に文科省記者会において会見を行い、今後は、1年遅
れとなる採択戦に取り組むのと同時に、文科省による『不正検定』問題や
中学・高校教科書の『従軍慰安婦』記述問題についてさらに各取り組みを
強化してまいります。」と投稿されました。


私は通巻6851号に「コロナ禍で学校教育のオンライン授業が、急激に
増えているようですが、これをいかにも奨励しているような報道をする本
朝のNHK TV 番組
を見れば、これからますます我が国をどうにかしようと画策するはずの国
は、日本の子供達に直接アクセスできる体制ができあがると、大喜びで手
ぐすね引いて待っているに違いありません。

何しろ自国の子供向けの「洗 脳」教育体制と同様に、直接日本の子供た
ちに「彼らの主張」を教育する 事が簡単にできるようになるからです。
一体、菅総理もデジタル庁も文部 省もこの重大な危険性に気付いている
のでしょうか?」と投稿いたしました。

 どうやら本件は教科書や文科省レベルの問題では既に済まない時代に
きているようです。
どなたも経験済みだと思いますが、もしAさんがXという商品に関する情
報をご自分のパソコンで検索してみると、それを発端にAさんのパソコン
画面にはX関係する会社の宣伝がどんどん増えてきます。つまりAさんがい
かなる物事に関心があり、いかなるものを手に入れたいと考えているかを
個別に判読し、それに見合った「都合の良い情報」をAさんのパソコンの
画面に大量に送信する仕組みが既に一般化しているのです。
以上からわかるように、この仕組みは学校の教育場面にうってつけで、こ
れがオンライン事業なのです。例えばある子供B君が「従軍慰安婦ってな
んだ?」と検索
すれば、C国はその子供B君を瞬時に特定し、一冊の教科書レベルの話どこ
ろか、あふれんばかりの「従軍慰安婦の実在論とN国の責任論」を(教科
書を通さずとも)
B君の(個別の思考状態に合わせて)パソコンに流し込めるのです。要す
るにC国にこの「理想的な」仕組みを提供しようというのが「オンライン
教育」なのであり、日本の学校教育の現場をスルーして、直接外国の政治
勢力は、日本の子供に「教育=洗脳」することが可能になるのです。C国
はこの仕組みを日本が一生懸命整備していることを待ち望んでいるに違い
ありません。なぜなら彼らは外国に居ながら、日本の教育現場の全体を
そっくり乗っ取ることができるからです。
これらの観点から、日本の子供の教育を護るための「新しい歴史教科書を
つくる会」の「新しいミッション」はこれまでの文科省相手よりはるかに
広範かつ重要になる事になります。どうかネット社会の実状を理解され、
我が国の学校教育全体を外国勢力から護る為に最大級のご尽力を同会には
お願いしたいと思います。  
(SSA生)

2021年04月11日

◆バイデンは「米国のブレジネフ」

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月7日(水曜日)
  通巻第6852号  <前日発行>

 バイデンは「米国のブレジネフ」(英文プラウダ)
  「冷戦時代の古い思考体系を引きづって硬直している」

 ロシアの英字紙『プラウダ』(2021年4月5日)は「バイデン大統
領は『米国のブレジネフ』とも呼ぶべきだ。冷戦時代の古い思考体系を引
きづっていて頭が硬直している」と批判した。
 またこうも言った。
「メルケル独首相やマクロン仏大統領が、プーチン露大統領を『人殺し』
呼ばわりしたことがあるか」

とはいえ、プーチンは法律改正を急ぎ、2036年まで大統領に居座る腹
づもりであることは確実だろう。中国の習近平も、終身皇帝を既成事実化
し、毛沢東と並ぶ英雄に自らをなぞらえ始めた。こうした背景からミャン
マー情勢を読み解くと、露西亜がなぜ、ミャンマー国軍に梃子入れを継続
拡充しているかが分かる。

プーチンが怖れるのはミャンマー民衆の抗議活動が「カラー革命」化しよ
うとしている状況への懸念である。スーチーを監禁した国軍のクーデター
は、体制の変革ではなかった。ミャンマー国軍は抗議活動を容認した。す
ると英文プラカードだらけの抗議デモ、集会は或る意味で不思議な体制変
革を目指していることが浮き彫りとなった。(いったいあの英文プラカー
ドと抗議活動の資金を提供しているのは誰なのか)という露西亜の邪推が
深まる。

というのも「アラブの春」を嚆矢とするカラー革命は、グルジア(現
ジョージア)に最初に「薔薇革命」をもたらし、つぎにウクライナに「オ
レンジ革命」を運んできた
アラブの春はチュニジアからエジプト、シリアに飛び火し、カダフィのリ
ビアは内戦となって、カダフィ大佐は仆れた。カラー革命の暴走に露西亜
は有力な手段を講じられず、国連の安保常任理事会でも反対票を投じな
かった。

「体制変革」はクレムリンにとっては悪夢である。
 プーチンはシリアのアサド体制の維持を決め、軍事的にも介入した。そ
して電光石火の如く、クリミア半島を併合し、ウクライナの東側を露西亜
圏に留め置くことに成功した。

この文脈から露西亜はミャンマーの国軍政権とは協力関係を深める。
3月26日、アレクサンドラ・フォミン露西亜国防副大臣は、ミャンマー
国軍記念日に首都ネピドーを訪問し、軍事パレードを観戦した。
「露西亜とミャンマーは長い友好関係を誇り、建設的で戦略的パートナー
であり、信頼しあえる関係にある」としてミャンマー国軍のフレイン最高
司令官と堅い握手を交わした。
国軍のクーデター以後、ミャンマーは泥沼から這い上がれないままである。

     
☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒書評 しょひょう BOOKREVIEW 
書評  BOOKREVIEW 
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世界現代史の舞台裏で何が蠢いているのか、事情通ふたりの丁々発止
奇々怪々の舞台裏、国際問題に関心の向きは裏情報の宝庫かも

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佐藤優 vs 岡部伸『賢慮の世界史』(PHP新書)
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 インテリジェンス戦争に通暁するふたりの論客が世界の裏面でいま何が
起きているかを、日本の外務省が議論しない情報機関の視点から物語る。
 世界現代史の舞台裏に何が動いているのか、ふたりの丁々発止に途中で
止めることが出来ないで一気呵成に読んだ。
 英国の情報機関の動き、露西亜のそれ、そしてイスラエル、アメリカが
絡む。日本は置いてきぼりのうえ、日本の外務省の語学能力が劇的に劣化
している現状を憂慮している。外務省高官が英語を満足に喋れないとなる
と、某国から「コミュニケーションが成り立たない」として以後の情報交
換さえ出来ない地域があるというから、日本のインテリジェンスのレベル
は惨状と言って良いのではないか。
 ところが、そういう日本をイギリスはファイブアイズに加盟させようと
しているのは、日英同盟の再建を狙っているからなのだろうか?
 それはともかく、以下のくだりをひとつだけ紹介しておこう。
 嘗てはエリツィン政権の輝ける星だったネムツォフは、銃撃を受けて死
亡した。
 2006年にはリトビネンコ毒殺事件があった。この人物はKGBで防
諜担当、FSBのテロ対策担当だった。
 岡部 「政商ベレゾフスキーの暗殺を命じられながら1998年11
月、FSBの命令を内部告発して逮捕されます。(当時の上司はプーチン
で、最釈放後)、家族を連れてイギリスに亡命しました。リトビネンコは
亡命後、反プーチンの言論を次々と展開します」
 モスクワなどで起きた爆破テロ、とくに300人近くが犠牲となって爆
破事件はチェチェンではなくプーチンの自作自演だったとか。
 その結果、「リトビネンコは2006年、ロンドンで放射性物質のボロ
ニウム210を呑まされて殺されました。早くから露西亜のFSBの関与
を疑っていたイギリス政府は、内務省管轄のMI5やMI6に調査を命じ
ます」
 そしてイギリス諜報機関はモスクワなどの爆破はFSBとしたリトビネ
ンコの主張をみとめ、彼の殺害はおそらくプーチンの指示によるものだと
指摘しています。イギリス政府は明確にロシア政府と正面衝突するかたち
でプーチンのかつての悪事を世界に向けて暴露した」(50p)

 その説は「まるで説得力がない」と断言するのが佐藤優氏だ。
 佐藤 「リトビネンコは、ロンドンで武器ビジネスに関与していまし
た。彼は死ぬ前にイスラム教徒に改宗しましたが、おそらくチェチェン・
マフィアと関係があるでしょう。(中略)陰惨なかたちで殺したのは、ほ
かの者への見せしめだと思います」

 ほかにも夥しい奇々怪々の舞台裏情報、国際問題に関心のある読者に
とっては、裏情報の宝庫でもある。
       
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 4月5日の朝日新聞社説では、「『否決』の重み忘れるな」
として、府と市の議会で3月末に成立、4月1日から施行されている、大阪
府・市の間で、一部の事務を一元化する条例の問題点を指摘しています。
 昨年11月の住民投票において、当初の予想を覆して維新案が否決された
要因は、維新と公明党が政党段階で野合したことに対して、その不当性、
非理念性を納得できない公明党支持者の相当数が、個々の健全な判断に基
づき、党の方針、党利党略に反する独自の投票行動をとったことによるこ
とは明らかであったと思います。
 一般的には、直接民主制では、その短所として、選挙民の直情的判断に
より、独裁を支えてしまう結果にもなりがちだという点が挙げられるで
しょうが、今回の大阪府・市の問題においては、逆に、住民投票における
住民の理性的判断が、その代表たるべき議員たちによる、住民利益よりも
党派利益を優先する行動を制止したという結果になっていると思われます。
その点で、直接民主制が、間接民主制による独善、独走、暴走を阻止する
という、制度の長所が現れたケースと考えられます。
しかるに住民投票を二度も行い、再度の結果が出てから半年も経たない内
に、大阪地方政界で主導権を握り続けたいという思惑によると思われる、
維新なる政治団体の執拗な行動には、大阪市出身者として憤怒を感じます。
 このコロナ禍、財政悪化の中で、制度いじりなどにかまけている時では
ないはずです。維新なる奇態な政治団体と、それに野合する公明党に支配
される大阪府・市の前途には暗澹たる思いです。
   (椿本祐弘)

  ♪
(読者の声2)日曜日に散歩していてフト立ち寄ったブックオフで、宮崎
さんの『日本が全主義に陥る日』(ビジネス社)が目に停まり、題名に引
かれて購入しました。全体主義批判だと、思想的な政治書だとばかり思っ
ていたら、そうではなく、これは現場報告。それもカラー写真がふんだん
にあって、ロシアばかりか、嘗てのソ連衛星国、合計30ケ国をぜんぶ廻
られての報告なのですね。吃驚です。
 特派員は別としても、旧ソ連のカフカス、中央アジア、バルト三国、そ
してベラルーシモルドバ、ウクライナに加えて旧東欧のすべて、確かにコ
ソボもふくめて三十ヶ国ですから、エネルギーと時間と費用をかけて、こ
れだけ観察された成果が、この一冊に詰まっているわけで、初めて知るよ
うな情報に溢れていて大いに参考となりました。その脚力、フットワーク
の良さにも祝意と敬意を表したいと思います。
   (YT生、さいたま市)

2021年04月10日

◆ウイグル自治区の奴隷労働

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月6日(火曜日)
    通巻第6851号  

 ウイグル自治区の奴隷労働、強制収容所関連企業は150社 国連が調
査、しかし制裁を課したらどうなるのかも同時に考慮

 名前が挙がったのはH&M、アディダス、NIKE、ユニクロなど。世
界的なブランド製品のボイコット運動が、西側ならまだしも、中国で起き
ている。ようするに「我が社の製品はウイグル自治区の非人道的な強制収
容所で造られてはいない」「ウイグルの事態を憂慮している」などと声明
を出すと、逆に生意気だからと通販のリストから削除される。

とくにスウェーデンが本社のH&Mは、「ウイグル産の綿花を使わない」
と表明したところ、ネットで批判が炎上した。加えて同社ホームページに
記載された地図が「間違っている」と指摘され、対策に追われた。

ウイグル自治区の綿花は直接、間接を問わず、アパレルメーカーの多くが
使用していることは事実であり、アメリカは、この濃厚な実態が判明した
ので、トランプ政権の時にも制裁適用を半年延期した経過がある。
またレーヨンは、ウイグル自治区のメーカーが世界で群を抜くシェアを誇る。

他方、アリババに対抗する通販ネットではH&Mの三割引をおこなって、
凄まじい売り上げを記録したところもでた。
西側のアパレルメーカーのボイコットを行っているのは中国政府ではな
く、あくまでのアリババなど民間の通販企業、ネット社会でのことだが、
背後に中国政府の影があることは間違いはないだろう。

2020年3月に豪シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所」は、
「少なくとも83社のサプライチェーンに組み込まれ、8万人以上のウイグ
ル人が強制労働させられている」とする詳細な報告書を発表した。
https://www.aspi.org.au/report/uyghurs-sale

日本企業は11社(日立製作所、ジャパンディスプレイ、三菱電機、ミツミ
電機、任天堂、パナソニック、ソニー、TDK、東芝、ユニクロ、シャー
プ)が名指しされた。

国連報告では、「ウイグル自治区の奴隷労働、強制収容所関連企業は
150社以上」としている。
ブランドの名前を挙げてはいないが、該当する外国企業ならびに中国の国
内企業は150社以上にのぼると報告しているのである。

とりわけ西側の北京五輪ボイコット運動に対応するため、中国はどぎつい
反論を続けているが、通常の頻度より激しく「フェイスブックとツィッ
ターを政治プロパガンダの手段に利用している」(ウォールストリート
ジャーナル、4月5日)。

つまりフェイスブックとツィッターの利用者のアドレスが、中国に読まれ
ていることにならないか?
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克
夫のコラム 
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【知道中国 2219回】                       
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港101)

      ▽
 とはいえ、それら「紙の爆弾」は香港住民に受け入れられるわけもな
く、もちろん香港住民が表立って関心を示すこともなかった。
それまでの共産党に対する素朴な恐怖・嫌悪に、文革に煽られ「香港暴
動」(1967年)を引き起こしてしまった親中勢力に対するマイナスイメー
ジが重なり、大多数の香港住民の共産党に対する拒絶感情は高まっていた
はずだ。

そのことはメディア、労組を含む香港に置かれた一切の親中勢力、中国
政府系機関も承知していただろうから、香港における文革は限られた親中
勢力の内部に止まり、一般社会に漏れ出しはしなかった。一般住民が目に
できるのは、せいぜいが中国系の書店店頭や新聞紙面からだけであり、そ
れらとの接触を断ちさえすれば、文革によって一般住民の生活が左右され
るようなことなどありえなかった。

これを言い換えるなら、中国系の書店と新聞こそが香港の一般住民が文
革に接触できる唯一の貴重な接点ということになる。だが、だからといっ
て彼ら一般住民が「文革テーマパーク」「文革ワンダーランド」と化した
書店に強い関心を示すはずもない。

だが『大公報』『文匯報』は別格らしく、飲茶などでも両紙に見入る客
を見掛けることは珍しくはなかった。
無関心を装うが、誰もが大陸の動向を注視していたことは確かだ。やはり
共産党政権の一挙手一投足が香港の運命、それは同時に1人1人の香港住民
の「明日以降」を大きく左右することを、誰もが本能的に身に染みて知っ
ていたからに違いない。だからこそ、1972年のニクソン訪中の成否に最大
限の関心を払ったのである。

とはいうものの、こちらは留学生というレッキとした、正真正銘の、天下
晴れての野次馬である。暇さえあれば──じつは四六時中がヒマではあるが
──商務印書館、中華書局、三聯書店、南方書店など「文革テーマパーク」
「文革ワンダーランド」を覗き、店頭に並べられた文革派の「紙の爆弾」
を手あたり次第買い込んだ。

 『資本論』からはじまって共産主義、社会主義、唯物史観など関する
西洋文献の翻訳書からはじまって、中国人の手になる歴史書、文学書、哲
学書、実用書(料理、養豚、裁縫など)、はては児童書から絵本まで、お
よそ毛沢東に率いられた共産党の正統性、毛沢東思想の無謬性、文革の必
然性(「造反有理」「革命無罪」)を訴えない印刷物はなかった。

その大部分は上海人民出版社の出版で、表紙を開けると最初のページに
「毛主席語録」が掲げられ、当然のように簡体字で横組みで印刷されていた。
ところが奇妙なことが起きたのである。1972年の初頭だったと記憶する
が、巻頭に「毛主席語録」はなく、簡体字ではなく繁体字、さらに縦組の
書籍が店頭に置かれていたのだ。『柳文指要』(全十四冊 北京・中華書
局 1971年)を初めて手にした時の新鮮な驚きは、やはり忘れ難い。

 著者の章士?(1881〜1973年)は共産党政権成立に協力した無党派人
士。故郷が毛沢東と同じ湖南省長沙で、毛沢東の古典文学上の師匠とも伝
えられていた古典文学研究者が、唐代の文学者で思想家でもあった柳宗元
(773〜819年)の残した文章(『柳河東集』)を精緻に考証し、一生を賭
して書き上げたという。

巻頭の「出版説明」には、章士?は「柳宗元の『民を以て主と為す』の
思想を極力評価し、韓愈の『民を以て仇と為す』という誤りを論駁してい
る」と記されている。
ここで中国人得意の「借古諷今(古を借りて今を批判する)」の政敵批
判・追及の手法に則るなら、文革を巡る当時の客観状況からして、『柳文
指要』が単に章士?の畢生の仕事を世に問おうとしたものでないことぐら
いは想像できる。やはり政治的なウラがありそうだ。

「民」が「主」か。はたまた「仇」か──意味深な命題は、いったい何を
問い掛けているのか。『柳文指要』の香港登場は、一般に毛沢東派が勝利
する形で進んでいると伝えられていた文革だったが、はたして新たな事態
でも発生したのか。疑問が疑問を呼ぶ。
   
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 貴誌の「フェイスブックの利用者の、じつに5億3300
万人の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが漏洩していたが、イ
ンターネットで閲覧できる状態だったことが判明した。」を読み、「危な
い、危ない」とFBなどには近寄らないでいた私は正解だったと思います
し、世界はますます、「不信」というヴィ─ルスが蔓延する世界に覆われ
そうです。
 またコロナ禍で学校教育のオンライン授業が、急激に増えているようで
すが、これをいかにも奨励しているような報道をする本朝のNHK TV 番組
を見れば、これからますます我が国をどうにかしようと画策するはずの国
は、日本の子供達に直接アクセスできる体制が「無料且つリスクなし」で
できあがると、大喜びで手ぐすね引いて待っているに違いありません。
何しろ自国の子供向けの「洗脳」教育体制と同様に、直接日本の子供たち
に「彼らの主張」を教育する事が簡単にできるようになるからです。これ
ではまさにカモが葱を抱えてくるのです。一体、菅総理もデジタル庁も文
部省もこの重大な危険性に気付いているのでしょうか?
 それにしてもインテリジェンスの実態を最も熟知していると自分たちは
勝手に思い込んでいる外務省が、ビザの発給作業を中国人にやらせていた
などを知ると、空いた口がふさがりません。
何しろ外務省は「合いかぎを誰に作らせているのか」という考えが及ばな
いような人達なのですから、彼等に外交を任せてはいけないことを示して
います。
まさか大使館内の重要な部署の「合鍵」も「外注」させてはいないと願っ
ておりますものの、外務省を退官した人達も何かと論壇で「モノ知り型意
見」を述べておられますが、その前に本件に対する彼等の御意見(言い
訳?・実態?)をぜひ聞かせてほしいものです。
(SSA生)

  ♪
(読者の声2)貴誌前号コメントの「なにしろ暴れん坊の関羽も、中華圏
のあちこちに関羽廟ができて、金儲けの神さまとして祀るのが中国人で
す。外国のチャイナタウンにもあります。横浜中華街にも」(引用止め)。
 反中のベトナムでもホーチミン証券取引所に関羽の絵画がありました。
どの国の証券取引所にもおいてあるブルベア(牛・熊)の彫刻もありました。
 ついでに、ホーチミン証券取引所の話題ですが、現在の同証取の取引シ
ステム(韓国製らしい。HOSEの設立は2001年です。カンボジア証券取引所
は韓国のシステムを設置していますが、 2016年設立です。こっちは問題
なし。)が口座数急増(ベトナム人が外国人多い)と取引増で対応できな
くなっています。そのため、売買が途中でストップする銘柄もでてきてい
ます。
 ホーチミン証取の対応は売買単元を100株単位から1000株単位へ変更す
る(売買回数を減らす)、銘柄をハノイ証取(売買システムはFPTコープ
作成)へ鞍替えする等の案がでていましたが、結局、同国の大手企業の
FPTコーポ(日本支店あり)が一時的なメンテ追加システムをやるという
ことになったようです。
 ホーチミン証取が取引システムへの大量設備投資をなぜためらうのかわ
かりません。正直なところかなりいい加減ですから、こういうのが修正さ
れない限り、国際的な証取とは認められないでしょう。
人材不足かもしれません。ベトナム人投資家の間では、株価が操作されて
いる等の噂がでています。つまり、証取の信認にかかわる重要な問題なの
ですが、付け焼刃の対処という印象です。
  (R生、逗子)

  ♪
(読者の声3)コロナ禍で、地域センターが使用不可となり、細川庭園で
の吟行に参加しているのですが、過日の宮崎さんの「飛花落花」の書評
は、まず句集を、と思わされました。版元さんに連絡しましたら、高田馬
場から細川庭園に行く途中に「文学の森」さんにあり入手出来ほっと。
吟行もそこそこに帰宅し、拝読して身近な人を亡くす寂しさ、辛さを共有
できる安堵感。私は95歳で亡くなった母ですが、

身に沁むや見えざる人に声をかけ。
 数へ日や空より落ちて来る孤独

 私も亡き母を詠みたいと思いました。

 亡き母と茶摘み懐かしたすき掛け

 俳句の門の入り口に立たずんでいた私に光が射し込む思いがしました。
    (深井貴子)

2021年04月09日

◆情報がこれほど大規模に漏れて

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月5日(月曜日)
    通巻第6850号  

情報がこれほど大規模に漏れて、SNS社会はどうなるのか?
フェイスブックの5億3300万人の個人情報が公開されていた

 フェイスブックの利用者の、じつに5億3300万人の氏名、住所、電
話番号、メールアドレスなどが漏洩していたが、インターネットで閲覧で
きる状態だったことが判明した。最近は同窓会名簿さえ、学校によっては
作成されていないのに、この不手際はどうしたことだろう?

 フェイスブックは、「これらは2019年に漏れた古いデータだ」と被
害の矮小化に努めているが、二年前のデータと変更がない利用者のほうが
多いだろう。
 情報がこれほど大規模に漏れて、SNS社会はどうなるのか?

 SNS社会では情報の管理、保護、防衛の限界がはっきりと示されたこ
とにもなり敵性国家群のハッカー部隊が、今後も暗躍を続け、身代金など
を要求する恐喝犯罪は止むことはないだろう。

 企業機密にしても、とりわけ新製品開発やデータは、会社の財産ともい
える知財であり、アクセスできる範囲を絞り込むなり、あるいは一昔前に
ようにコンピュータには打ち込まない処置が必要だろう。
とくに敵性国家が狙うのはハイテク開発の特許情報である

 さきにもLINEの利用者8600万人のデータが「中国の委託先の従
業員が閲覧できる状態にあった」と発表された。データは韓国の業者に保
管を委託していたとか。
 あまりのも杜撰、無防備。国家安全保障の観点に立脚するなら、フェイ
スブックやLINEは危なくて、おちおち使えないではないか。
     
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1) 『新しい歴史教科書』(自由社)が検定合格。声明で全国
の自治体・私学に採択の呼びかけ。令和元年度の「不正検定」問題、「従
軍慰安婦」記述問題にも言及
 3月30日、文部科学省は、『新しい歴史教科書』(自由社)の検定合格
を発表しました。これを受けて新しい歴史教科書をつくる会は、3月31日
に文科省記者会において会見を行い、下記の声明を発表しました。会見に
は、高池勝彦会長、岡野俊昭・皿木喜久・藤岡信勝の3副会長、荒木田修
理事が出席しました。
 今後は、1年遅れとなる採択戦に取り組むのと同時に、文科省による
「不正検定」問題や中学・高校教科書の「従軍慰安婦」記述問題について
さらに各取り組みを強化してまいります。
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『新しい歴史教科書』検定再申請の合格報告と今後の課題
令和3年
3月31日
新しい歴史教
科書をつくる会

 (1)当会が推進し自由社が制作した、中学校用『新しい歴史教科書』
は、令和元年度の検定で「一発不合格」となりましたが、令和2年度に再
申請した結果、3月30日の検定審議会で合格が決定しました。一度死ん
だ『新しい歴史教科書』は不死鳥のように蘇ったのです。この度の再申請
を支持していただき、多大なるご支援を賜りました皆様に心より御礼申し
上げます。
再申請検定に合格した教科書は、まさに「つくる会」24年の集大成
となる教科書です。今後は、文科省の新しい規則に則り、夏の採択に向け
て全国採択区や自治体、私学など関係各所に見本本を送付いたします。5
月末には検定合格本として市販本も販売を予定しており、さらに6月には
全国の教科書展示会が開催されますので、手に取ってご覧いただければ幸
いです。
『新しい歴史教科書』の理念と内容に共鳴し、採択替えをする自治体
や学校が数多く現れることを願っております。
 
(2)令和元年度検定に於ける自由社の『新しい歴史教科書』の「一発不
合格」について当会は昨年2月より、処分は極めて不当であると訴えてま
いりました。昨年
6月以降、各社白表紙本(検定申請本)及び採択用見本本などをもとにさ
らに綿密な調査を行った結果、驚愕すべき事実が次々と明らかになりまし
た。自由社で検定意見を付けられ欠陥箇所とされたのに、他社の同様の記
述には検定意見を付けられずそのまま合格しているという事例が、本日ま
でに実に31件も見つかったのです。当会ではこれを検定に於ける「ダブ
ルスタンダード事例(ダブスタ事例)」と呼んでいますが、これほどのダ
ブスタ事例を文科省はどう説明するのでしょうか。回答を求めていきます。
 昨年12月24日、株式会社自由社は、これらを理由に検定不合格は不
当とし、文科省に対し行政不服審査請求を行いましたが、不合格処分後3
か月という請求期間が過ぎているとして門前払いをされました。そこで同
社は、不合格処分によって会社経営に甚大な損害を被ったとして、何らか
の法的手段を取ることを検討しています。
 さらに、「文科省『不正検定』を正す会(加瀬英明会長)」では、今年
5月に昨年同様に多くの国民の皆様にも参加いただき「不正検定」を正す
新聞意見広告を企画しています。新しい歴史教科書をつくる会は、「不正
検定」の全容解明を目指して、自由社と「正す会」の取り組みを全面的に
バックアップしてまいります。
 
(3)中学校教科書「従軍慰安婦」記述復活問題は日本の将来にとって
由々しきことです。ご承知のとおり、令和元年度検定において山川出版社
の教科書の「従軍
慰安婦」の記述は何の検定意見もつかずに合格しました。この件について
は当会と慰安婦の真実国民運動(加瀬英明代表)の連名で、3度にわたり
大臣に記述削除
の申し入れを行いましたが、過去2回は「ゼロ回答」となっています(3
度目は3月31日を回答期限としています)。また、国政の場において
も、本日までに各委員会で3人の議員が4回にわたって質問を行いました
が、萩生田文科大臣は自らの答弁をひたすら避け、また官僚も矛盾に満ち
た答弁を繰り返すのみです。もはや「従軍慰安婦」の記述の正当性はどこ
にも見当たりません。文科省が検定の誤りを素直に認めて、文科大臣が早
期に山川出版社に対し訂正申請の勧告を行うよう、今後も各方面と連携し
て取り組みを強化してまいります。
 一方で、山川に限らず、高校では「従軍慰安婦」記述がまだ多くの教科
書に残る状況で、これは驚くべきことです。今後は高校も含めて、「従軍
慰安婦」「慰安婦」の記述を徹底的に問題にして参ります。

(4)この「不正検定」問題と「従軍慰安婦」記述復活問題は、ともに令
和元年度検定において発生しました。文科省の教科書検定の実態及び制度
に、根本的な問題があると言わざるを得ません。例えば次のような事項を
検討することが欠かせません。
1)検定審議会の議事録の作成と公開
2)教科書調査官の任用を国会承認事項とする
3)教科書調査官に任期制を設ける
4)「誤解するおそれ」などのあいまいな検定基準を廃止する
当会は文科省の教科書検定の体制・運用が抜本的に改革され、健全化
することを目指して今後とも取り組んでまいります。
国民の皆様のますますのお力添えをお願い申し上げます。
  (新しい歴史教科書をつくる会)


  ♪
(読者の声2)貴誌で書評があった「メルケル仮面の裏側」(川口マーン
恵美著 PHP新書)をとても興味深く読みました。
同書の最後に川口氏は「・・・メルケル賞賛(称賛?)の声が高い日本だ
が、彼女の掲げる世界観に、私たちは一体どこまで同道すべきか、今こそ
塾考する必要があるだろう」と書いておられます。
私もこの本をよんでドイツ国やドイツ人に対する見方がかわりました。な
んだかドイツ人は「シッカリ者」というよりも、案外流れというか、空気
に流されやすい国民だと感じましたし、メルケルも平気で突然「豹変」し
たり、なんとなく薄気味の悪い信頼のおけぬ人物だと(言外に)川口氏は
訴えているように私には読めました。
そして何冊かのエマヌエル・トッド氏の本ではドイツをいつもかなり批判
的に述べておられることに私は若干なぜだろうと疑問を感じていました
が、この本を読んで何となくエマヌエル氏の「反ドイツ的感情」の原因が
分かったような気がしました。
そう言えば、これも貴誌に紹介された渡辺惣樹氏の「チャーチル英国の
闇」をよんでのことですが、ほとんどの日本人がチャーチルを偉大な政治
家と思っているものの、本当は其れとは違った見方をすべき人物であると
渡辺氏は訴えていることを思い出しました。
(SSA生)


(宮崎正弘のコメント)スターリンの幻影を追って、彼が死んだときに日
本の株式市場に「スターリン暴落」が起こりました。マッカーサーが離日
したときは、星条旗を振る歓送風景があったように、チャーチルもメルケ
ルも、日本人は幻影を追っていたことになりますか。

  ♪
(読者の声3)福建省厦門で、石材商がトランプの石像、しかも座禅を組
んで作務衣を着た元米国大統領の仏像的な石像が発売と同時に200体も
売れたとか。
 小型のもので、6万円、大型仏像が30万円とか。
https://timesofindia.indiatimes.com/world/china/be-at-peace-meditate-trump-buddha-statue-designer-tells-former-president/articleshow/81774834.cms
 しかし、どういう了見なのですかね?
   (FG生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)甘粛省の蘭州のシッピング街で見たのは毛沢東の
布袋様像でした。等身大で、価格が10万円ほどでしたが、遠距離の運搬
は無理ですから地元でしか流通していない様子でした。トランプの仏像は
小型なので、価格が下がれば日本でも売れるかも(笑)。
 なにしろ暴れん坊の関羽も、中華圏のあちこちに関羽廟ができて、金儲
けの神さまとして祀るのが中国人です。外国のチャイナタウンにもありま
す。横浜中華街にも。
 

2021年04月08日

◆スエズ運河のタンカー座礁事故は

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月4日(日曜日)
    通巻第6849号  

 スエズ運河のタンカー座礁事故はいかなる教訓を残したのか
  中国は北極海ルート、北欧へも一帯一路。タイには「クラ運河」構想
本格化へ

 世界のチョークポイントはスエズ運河ばかりではない。ジブラルタル海
峡、ポスボラス海峡、ホルムズ海峡、マラッカ海峡、そしてパナマ運河。
大航海時代には喜望峰、マゼラン海峡も重視されていた。英国の「七つの
海の覇者」とは、これらのチョークポイントを抑えることで成立していた。

 戦争や事故で、一箇所が封鎖されると経済の大動脈がパニックに襲われ
る。つねに代替ルートの確保がセキュリティの第一歩。中国の進める
BRI(一帯一路)は、この代替ルート戦略に繋がっている。

 第一に中国が目を付けたのは北極海だった。
砕氷船「雪狼」を二隻、最新型を新造して試験航海を繰り返し、ロシアの
神経を逆なでしながらも「2030年には商業化出来る」としている。中
国が北極海ルートの開発に正式に踏み切ったことが表面化したのは
2018年で、それで判明したことは、北海道の土地買い占めは、この
ルートに沿っていることだった。
アイスランドで宏大な土地を開発しようとしていたこと、フィンランドを
けしかけて、北極海に面した不凍港からヘルシンキまで鉄道を敷く計画な
ども、この大戦略絡みで発想されたことだった。
 現時点でも中国はフィンランドの企業家を巻き込んでバルト海のエスト
ニアへ、トンネル工事を計画している。バルト三国では反中国感情が強
まっており、実現する見通しは薄いが。。。

 第二にパナマ運河が輸送量の限界に達しており、代替の運河をニカラグ
アに持ちかけ、実際に工事を始めていた。途中で資金が続かず現在は挫折
した格好となっている。

 第三がマラッカ海峡の代替ルート、すなわちタイにけしかけているクラ
運河建設である。前国王は関心を示さなかったが、現国王は前向きである。


 ▲陸と海のシルクロード、そして資源輸送のバイパス建設はセットだった

 かくして中国がカネと労働力にあかせて驀進させてきたBRI(一帯一
路)は陸のシルクロート、海のシルクロード、そして資源輸送のバイパス
建設(パキスタンのグアダールからカシュガルへの「CPEC=中国・パ
キスタン経済回廊」建設がそれの目玉。

ミャンマーのチャウピューから昆明へのパイプライン、中央アジアのトル
クメニスタンから上海までのパイプラインの大工事(後者二つは完成)
中国はいまや世界最大の資源輸入国であり、世界中の鉱山開発にも積極的
に絡んでいることは周知の事実だろう。

 海のシルクロードは「上海からピレウスまで」が合い言葉だ。現にギリ
シアのピレウス港の運営権を中国は30億ドルで買った。
 ピレウスからはEU加盟国なら何処へでも、シェンゲン協定によって自
由に移動できたから、欧州各地に中国人があふれ出したのだ。

インド洋スリランカのハンバントタ港は中国海軍の御用基地に化けたし、
紅海の入り口に位置するジブチには一万の中国人民解放軍が駐屯している。

 いずれもが中国の資源輸入ルートでもあり、とりわけ北極海重視に中国
が傾斜している理由は無尽蔵の石油、ガス、鉱物資源が未開発のまま埋蔵
されているからでもある。専門家の見積もりでは、900億バーレルの石
油。1670兆立法フィートのガス、そして計測不能のレアメタル、レア
アース等々。

 一方、米国はリトアニアに駐屯している米軍の増派に踏み切る動きがある。
 2020年8月に500名の戦闘部隊と25台の戦車を投入し、隣国ベ
ラルーシの動きにそなえてきた。
 ルカシェンコ独裁のベラルーシがリトアニア、ポーランド国境で軍事演
習を繰り出したからだった。計画では2021年六月までの暫定駐留とさ
れたが、延期されるばかりか増派。何かの予兆だろう。
    
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2218回】                英国殖民地だっ
た頃・・・香港での日々(香港100)

          ▽

あれは香港生活も半年ほどが過ぎた頃の1971年初夏の頃だったと記憶す
る。下宿に戻ると、2人の若者が客間で大家のSさんと額を突き合わせて小
声で話し合っていた。それまで見たことのない顔であり、そのうえ香港の
若者とは異なって質素極まりない身形で、目が血走り殺気だっていた。
当時、香港の若者の間で流行していた「ラッパズボン」と呼ばれた裾の広
がったズボンを穿くような雰囲気は、彼らからは微塵も感じられなかった
のだ。

 私の顔を怪訝そうに眺める彼らに向かって、Sさんは「日本人留学生
だ」と紹介した後、「この若者は元紅衛兵で、大陸を脱出し、やっと私を
探し当て、今後のことを相談しているところ」と。

 じつはSさんは大学では数学を専攻していた。1950年代末期の反右派闘
争の際、共産党に反対の声を上げたことから追われる身となり香港に逃げ
てきた。Sさんからは、異見の持ち主に対する共産党の徹底して冷酷・非
情な対応ぶりを耳にタコができるほど聞かされた。

 若者の1人が便所に立ったが、すぐに戻ってきた。どうやら洋式便器は
見たことがなく、どう使っていいのか分からないらしい。そこでSさんが
先に立って使い方を教えた。彼らは中国の山間僻地ではなく広東の都市部
で育ったとのこと。にもかかわらず洋式便器は初めてというのだ。初めて
であったとしても使い方ぐらいは「本能的」に分かりそうなものだが。さ
すがに驚くばかり。

 こんなところから、「偉大な領袖」である毛沢東に率いられた「新中
国」「人民中国」が秘めた、日本ではついぞ聞かれなかった「不都合な真
実」の一面を知った思いだった。 
 そういえば新亜研究所で隣の研究室の先輩──彼も物心ついた頃、家族と
共に深せん河を越えて香港に逃れ着いた──に、「中国では国民皆兵で、若
者以上のすべての国民に銃を渡し、国防訓練をしていると日本では伝えら
れているが」と質問したことがあった。
すると即座に、「日本人はバカか。大陸の工業力は、青壮年の全てに銃を
与えられるほどに発達しているわけはない」と、彼は苦笑するばかり。

 たしかに先輩の説く通りだ。常識で考えれば、青壮年の全てが即座に戦
えるほどに銃を持たせるためには、不具合・故障などを考慮すれば、おそ
らく青壮年人口の数割増しの銃と弾丸を常備しておかなければならないは
ず。かくして新島淳良をはじめとする毛沢東主義者の夢物語は当然のこ
と、日本で仕入れた中国に関する「日本的常識」の一切を捨て、虚心坦懐
に知ることを心した次第だ。
それが奏功したか否かは別問題ではあるが・・・。

 新亜研究所の同期の1人も、ある時、紅衛兵として暴れ回っていたが身
の危険を感じて香港に逃げてきたと自らの過去を話してくれた。ともかく
もガムシャラな勉強ぶり。その理由を尋ねると、「ともかくもアメリカに
行きたい。アメリカに逃れて自由に研究したい」と。ある時、「オレ、
ハーバード大学行きが決まったから」。どんな伝手でアメリカに渡ること
が可能になったかは話してはくれなかったが、おそらくアメリカは香港を
ハブに様々な人脈、ルート、ネットワークを張り巡らし、中国研究の人材
をリクルートしていたのだろう。
 まさに「アメリカ、恐るべし」、である。

「真の意味での文化大革命は、一九六九年四月の党大会で終わったと考
えるのが合理的では」(前掲『中国との格闘  あるイギリス外交官の回
想』)とは言うものの、当時は文革が終わったわけではなった。そこで武
闘の犠牲者と思われる雁字搦めに縛られた死体や、逃亡途中でサメの餌食
になった無惨な死体などが砂浜や埠頭に流れ着くこともあった。

 当時、香港で文革に接することができたのは中国系書店の内側だけだっ
た。そこには批林批孔運動、儒法闘争、『水滸伝』批判運動などの推進役
を果たした大量の書籍──まさに、それは「紙の爆弾」と呼ぶにふさわしい
ような量と内容──が並んでいたのだ。
   ○△□◇ヒ◎○△□イ○△□◇ズ◎○△□ミ△□◇◎   
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読
者之声
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  ♪
(読者の声1) 貴誌前号の書評『ウイグル・ジェノサイド』を拝読し、そ
の前に産経新聞にでた広告で、当該書籍を購入してはいたのですが、ツン
ドク状態でした。さっそくページを開いて、その予想をこえる残虐なやり
方に、中国共産党の非人道的行為にあきれ果てました。
 まさに宮崎さんが指摘しているように、ウイグルが中国に侵略されたのは、
「ウイグル人にとって『新彊ウイグル自治区』は、ウイグル人が平和のた
めに戦争を放棄した結果、中国共産党に騙された結果、母なる祖国のため
に犠牲をはらうことを怠って結果なのである」。 
 これこそ、日本への最大の教訓です。
   (TY生、川崎

2021年04月07日

◆西側は中国ウイグル自治区

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)4月3日(土曜日)
  通巻第6848号  

<読書特集>

ムカイダイス著『ウイグル・ジェノサイド』(ハート出版)
森敏子『飛花落花』(文学の森) 
    ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書
評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 西側は中国ウイグル自治区に於ける虐殺蛮行を『ジェノサイド』と非難
   ユニクロの不買運動如きを怖れ、中国非難の列に入らない臆病者がいる

  ♪
ムカイダイス著『ウイグル・ジェノサイド』(ハート出版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 いま、西側世界が中国に突きつけた破邪顕正の刃はウイグルにおける
「ジェノサイド」非難決議である。
 トランプ政権終盤にポンペオ国務長官が言明し、中国とズブズブのバイ
デン政権でも、ブリンケン国務長官は、『ジェノサイド』非難を踏襲する
と言明した。カナダ国会も議決した。トルードー首相は棄権するという際
どい演技を見せたが、あの弱腰リベラルのくに、カナダさえ、中国にジェ
ノサイドと言ったのだ。
 ところが日本政府はまた認めていない。

日本政府は北京と財界の顔色を伺い、政権与党、その連立相手は腰砕けで
ある。中国を激しく非難しているのが日本共産党という矛盾した政治構造
になっている。

西側が立ち上がって中国のウイグル自治区に於ける蛮行を『ジェノサイ
ド』と非難しているときに、ユニクロの不買運動如きを怖れ、中国非難の
列に入らない臆病者がいる。

しかし問題は、日本人の感覚を超えて深刻なのである。

つまり西側世界に於けるジェノサイドという意味は「ナチス」の蛮行と同
義語であること。この非難の合唱に加わらない日本は、ジェノサイド同調
組に識別され、中国と並列で非難されることになるのである。こんな国際
感覚が、永田町の政治家にないというのは、悲惨である。

本書でもっとも重要な訴えは下記の数行である。

「ウイグル人にとって『新彊ウイグル自治区』は、ウイグル人が平和のた
めに戦争を放棄した結果、中国共産党に騙された結果、母なる祖国のため
に犠牲をはらうことを怠って結果なのである」。

まさに明日の日本の危機を、これほど直截に比喩した言葉はないだろう。
戦いを放棄した結果、中国の植民地に陥落してしまったのだと訴えている
のだ。

 言葉を奪われ、宗教を奪われ、資源と食糧を奪われ、核実験場に利用さ
れ、虐待され、搾取されつづけるウイグルは、中国が侵略したのである。
それまでには歴とした「東トルキスタン」という国だった。中国の植民地
に成り下がってしまったが、ウイグルの民は自尊心を失わず、正義の訴え
を国際世論へ投げかけている。

なお著者のムカイダイス女史は、『万葉集』のウイグル語の翻訳者であ
るばかりか、関岡英之氏の『防共回廊』をウイグル語に翻訳した知識人で
あり、本書には関岡氏への哀悼がこんこんと述べられていて涙を誘う。

関岡英之の名書『帝国陸軍、知られざる地政学戦略───見果てぬ「防共 回
廊」』(祥伝社新書)を併せてお読みいただきたい。拙評は下記に。
 http://miyazaki.xii.jp/column/index.html
 ( 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 高倉健の七回忌、「剛健忌」に寄せて実妹が詠んだ
  「君よ憤怒の河を渡れ」は優しさを秘めた日本男児の姿を描いた

   ♪
森敏子『飛花落花』(文学の森)
@@@@@@@@@@@@@@

 「花曇り 身をくぐりゆく 水の音」などの秀逸な句がならぶ。一度、
ざっと通読したが、かなり時間を掛けて読み直したいと思った。

詠み人の兄への思い、果てしなき哀惜、悲嘆と希望、その心理の奥底まで
透けて見えるような、情緒に溢れる作品ばかりで、科学文明の現代だから
こそ、こうした情緒の薫り高い俳句が、しずかに、多くの日本人に詠まれ
るのだろう。

知人の山本悦夫氏が評する。

「怪しげで妖艶な美しさがあり、研ぎ澄まされた感性に、時には鬼気迫
るものがある。この世とあの世、そしてそのどこかに兄、高倉健の姿が影
となって見え隠れする」。
 推薦の辞を元内閣官房副長官の古川貞二郎氏が寄せている。

 評者(宮崎)が印象深いと思ったのは、
 「女にも 武士道ありし 白菖蒲」
 「兄に逢ひたし 夕顔の ひらききり」
 「死に顔に まみえぬ訣れ 冬銀河」 

 作者森敏子氏の自薦の三句は、
 「魂魄の ひそむ桜に 待たれいし」
 「桜月 身の門の 揺らぎけり」
 「水音の 暮れても 桜の薄明かり」

(註 この句集は市販ルートでは入手出来ないため御興味の向きは版元へ
問い合わせを)
       
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読
者之声
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(読者の声1) 未来ネットから番組のユーチューブのお知らせです。「い
わんかな#46 生放送!(4/1生配信)。
 ゲスト:阿比留瑠比、レギュラー:高山正之・馬渕睦夫・宮崎正弘・福島
香織・松田喬和・塩見和子 
https://youtu.be/VtLJpbT-cCE
   (未来ネット、旧「林原チャンネル」



  ♪
(読者の声2)台湾の列車事故のニュースを見て驚き。ガードレールもな
い線路脇の道路に工事用トラックをハンドブレーキをかけず放置したため
線路に落下という。
https://imgcdn.cna.com.tw/www/WebPhotos/1024/20210402/2000x1299_0626131229160.jpg
https://i.imgur.com/zdALBy7.gif

最近、日本でも台湾でも半導体工場での火災・不審火が相次ぐなかどう
してもテロの可能性を考えてしまいます。
 今回の事故に対し菅首相以下、外務・防衛の主要閣僚などがお見舞い
メッセージをツイッターで発信するなか、現地報道では安倍前総理による
「台湾の皆さんの友人として協力を惜しまない」発言を取り上げている。
https://i.imgur.com/37AWDWF.jpg
 米中摩擦が強まるほど世界でも安倍再登板待望論が出てくるのかもしれ
ません。(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)台湾の鉄道事故、痛ましい限りです。犠牲者の冥
福を祈ります。ところで、あの路線を走る特急「自強号」(事故車の「太
魯閣号」は正式に「自強太魯閣」号)に小生も数回は乗っていますが、台
湾の東海岸は切り立った崖をトンネルで繋いでいて、トンネルから海、ト
ンネルから海、といささか殺伐とした風景が続きます。

花蓮まで行って、それからクルマでタロコ、文山温泉という観光コース
が日本人にも人気でしたが、近年は台北─花蓮の飛行機を利用する人が多
くなっていました。この風光明媚な場所へは、竹村健一夫妻と一緒に旅行
したり、特急には村松剛氏と乗ったり、六年前の台湾総選挙では、この地
盤からでていた粛美琴(現台湾駐米大使)の選挙取材で、花蓮の町をあち
こち選挙戦をみてまわりました。台湾の仏教団体で最有力の慈聖功徳会本
部と病院も、この花蓮にあります。

  ♪
(読者の声3)最近の日本のポリティカルコレクトネスやジェンダーと称
する「異様な」報道を見るに、私は彼等はそもそも文化の本質を理解せぬ
ばかりか、むしろ否定し、人類が生きていることの本源的実感を体現でき
る「人生」を奪っている「非人道的且つ罪深い行為」であることに気づい
ていないような気がしてなりませんでした。

そして、ふと「近代の虚妄」(東洋経済・佐伯啓思著)を思い出し、その
ことに言及された部分を再読したところ、私が下手な文章でクドクド述べ
るよりもはるかに的を射ている文章をみつけましたので、その部分を抜粋
させていただきます。

(引用開始)世物への関心、スローガンの愛好、歩調を一にした行列行
進などの中に
ある幼児化をわれわれは見ることができるだろう。それを彼(ホイジンガ
─)は「小児病」と呼んだ。この小児病はまた、ユーモア感覚の欠如、何
事に対して もなされる
誇張的反応、物事にすぐに同意してしまう傾向、他人の思想に対する不寛
容、他者を褒めたり非難する時の途方もない誇大表現などである。今日ほ
ど、それら が、公共的
生活の中に膨れ上がり、大衆化し、残虐化したりしたことはなかった。そ
してこれもまた、今日われわれが生きている21世紀の現代文明の相貌その
ものではな かろうか。
 では何がこの小児病をもたらしたのか。彼(ホイジンガー)は次の三つ
をあげている。第一に「中途半端な教養を身につけた大衆が精神的交わり
の世界に加 わったこ
と」、第二に「道徳的な価値基準が緩んでしまったこと」、第三に「技術
と組織が社会に与えた伝導率があまりに大きいものであったこと」によ
る、という。 要するに、本当の意味での教養ではなく、中途半端に様々
な知識を持ち、それなりの 教育を受け、生半可な教養を持った「半教養
人」が社会の核を占めるようになって しまった。

これらの半教養人は、既成の道徳的な価値を疑い、伝統的な価値や道徳的
規範がよってきたるゆえんなどに対してもはや一顧だにしなくなるだろ
う。オルテガ のいう「大
衆人」である。そして、高度な技術の展開や、また、高度に組織された
人々の集団や生活が、人々の間にあまりの高速度で情報を伝達し、人々を
同質化し、 いってみれ
ば、熱密度の高い社会を作ってしまった。こうして教育、良風美俗、それ
に伝統の薫陶を欠いた、いまだ大人になりきれない若者風の精神態度が、
今日、あら ゆる分野で
主導権を握ろうとし、それに誘導されるかのように世論が作り出されるの
だ。これは遊びの小児病化ではあっても真の遊びではない。

真の遊びとは、一定の様 式を持ち、精神のゆとりを持ち、神聖さへの奉
仕の感覚をどこかに保持していなけれ ばならない。それはある種の成熟
を要するものなのである。そして「自ら成熟を放 棄してしまうような精
神のあらわれのなかには、ただ迫りつつある崩壊の兆ししか見 ることは
できない」と彼(ホイジンガ─)はいう。この時に、文化は坂を転げるよ
う に衰弱の道をたどる。なぜなら「文化は高貴な遊びというもののなか
にその基礎をお く」からである。(引用終了)
(SSA生)



  ♪
(読者の声4)マスコミの左翼偏向は昔からとはいえ、たった6人の集会ま
でニュースにしてしまう異常性。もう話題にもならないグレタにちなんだ
「学校ストライキ」を経産省前で実施。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210402/k10012952241000.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95455
NHKも東京新聞も腐りきっていますが、集会に参加した高校生・大学
生の将来が気の毒になる。 記事に名前まで記載されては将来の就職活動
は応募段階でハネられそう。
 大多数の若者はマスコミに騙されずまともだという証拠かもしれません
ね。(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)2年前にニュージーランドのオークランドで目撃
したのですが、1500名ほどの高校生が地球温暖化抗議のデモをやって
いました。世界的な連帯、背後に左翼組織のオーガナイズがあったよう
で、先生が歩道で、出席生徒の名簿を確認していていました。


◎スエズの座礁貨物船から、出るは出るは死屍累々、生存者も多数、大量
破壊兵器も!:スエズの座礁貨物船から、出るは出るは死屍累々、生存者
も多数、大量破壊兵器も!

友人からの情報は下記の通りです。:北村維康

There are no pictures yet. It has not hit the mainstream news at
all. Sources have found an equal number of people alive as to
those who died. They found a nuclear weapon and drugs. The hope is
that this will ultimately lead to the undoing of the deep state,
cabal of the World. Apparently they feel there are two more nukes
to be found, that is playing a part in the delay of its being
revealed. This is something as you know that has been going on for
eons and finally will come to an end.

(まだ写真はありません。これはまだ全然話の本筋ぢゃないんです。亡
くなったと同じくらいの数の生存者も発見されました。核兵器や麻薬類も
見つかりました。望みは、これが究極的にはディープ・ステイトと言ふ集
団の悪事をやめさせることにつながることです。明らかに、あと2個の核
兵器が、まだ見つかってはゐません。そのためにまだ全体の究明が遅れて
ゐるのです。これが途方もないほど長い間に行はれてきたことであり、最
終的に終りとなることなのです。)



The ships captain and crew have all been arrested.

(船の船長たちや乗組員たちは、全員逮捕されました。)



友人からの情報は下記の通りです。



There are no pictures yet. It has not hit the mainstream news at
all. Sources have found an equal number of people alive as to
those who died. They found a nuclear weapon and drugs. The hope is
that this will ultimately lead to the undoing of the deep state,
cabal of the World. Apparently they feel there are two more nukes
to be found, that is playing a part in the delay of its being
revealed. This is something as you know that has been going on for
eons and finally will come to an end.



(まだ写真はありません。これはまだ全然話の本筋ぢゃないんです。亡く
なったと同じくらいの数の生存者も発見されました。核兵器や麻薬類も見
つかりました。

望みは、これが究極的にはディープ・ステイトと言ふ集団の悪事をやめさ
せることにつながることです。明らかに、あと2個の核兵器が、まだ見つ
かってはゐません。そのためにまだ全体の究明が遅れてゐるのです。これ
が途方もないほど長い間に行はれてきたことであり、最終的に終りとなる
ことなのです。)



The ships captain and crew have all been arrested.



(船の船長たちや乗組員たちは、全員逮捕されました。)



北村維康