2017年03月06日

◆国務長官が来日、秋にトランプ大統領

宮崎 正弘 




<平成29年(2017)3月5日(日曜日)通算第5209号> 
 
〜日米異常接近、国防長官につづき、国務長官が来日。秋にトランプ大統領
  やっぱり北朝鮮で何かがおこるのではないのか?〜


 基本的な構造は「普通の国」になろうとする日本と、「普通の国」に戻
ろうとする米国との微妙な関係変化、因果係数は経済ではなく、安全保障
がポイントとなる。
 
これほど頻度激しく、日米首脳が会談するのは珍しい。

安倍首相はすでに2回、トランプ大統領と会ったが、「異例の厚遇」とい
うより「破格の待遇」だった。

裏に何かあると考えるのが普通だろう。

マティス国防長官は議会承認を得るや、すぐに来日したが、こんどはティ
ラーソン国務長官が来日する(3月17日)。

水面下では国防関係者が陸続と横田基地から防衛省へ。

やはり何かある。それも北朝鮮で。

ニューヨークタイムズによれば、オバマ政権下で、北朝鮮の核施設をサイ
バー攻撃する準備を整えていたという。

オバマ前大統領はトランプとの政権引き継ぎのおり、ホワイトハウスにト
ランプを呼んだが、「北朝鮮問題が、もっとも深刻であり、かつ政権が
真っ先に取り組む問題となろう」と伝えているという。(3月4日付け)。

朝鮮半島がきな臭くなった。

マレーシアは北朝鮮大使の国外追放を決め、またヴィザなしの入国を認め
ない措置をとった。

中国は韓国のロッテが進出した中国のスーパーやショッピングセンターに
些細な難癖を付け、罰金をとり、また店の前には抗議集会を演出させるな
ど強烈な嫌がらせ、また団体の韓国行きツアーを事実上禁止するという挙
にでている。

いずれもロッテが提供するTAHAAD基地への「報復」である。

その韓国は大統領弾劾不在という異常時代、次期大統領は親北政権になり
そうというのだから、軍事的空白が生じかねず、これまでの緊張緩和状態
が一気に緩んでいるのではないのか。

2017年03月05日

◆全米で中国への懐疑ムード拡がる

宮崎 正弘
 

<平成29年(2017)3月4日(土曜日)通算第5207号>  

 〜中国の大風呂敷には気をつけようと全米で懐疑ムード拡がる
  鴻海精密工業、対米投資の約束は一度も果たされていない〜

大法螺は大きければ良いというものではない。しかし風呂敷を拡げはじめ
たらもっと大きく拡げるという特性を持つ中国人の右に出る者はいないだ
ろう。

馬雲(アリババCEO)はトランプと面談し、500億ドルの投資、100万人
の雇用創出を打ち上げた。

はたしてトランプはこのほら吹きを信用したのか?

鴻海精密工業(ファックスコム)はiフォンのメーカーとして知られ、中
国大陸で実際に100万人の雇用がある。

猛者として知られる社長の郭台銘は山西省がご先祖。台湾へわたって事業
に乗り出し、液晶パネル事業を奇美実業から譲り受けて、ITビジネスを
拡大した。

売り上げは1360億ドル。

ところが、各地の工場は奴隷工場といわれ、深センでは11名の従業員が飛
び降り自殺した。

中国でも滅法評判の悪い企業である。

この鴻海は日本のシャープを買収したことでも知られるが、買収話は二転
三転し、当初7000億円とされた買収金額は4888億円に削られ、最終的には
3888億円だった。その強引な駆け引きも世界的に悪名高い。
 
この鴻海が米国で70億ドルを投じて、5万人を雇用し、コロラド、アリゾ
ナに新工場を建てると言い出したのだが、全米で拡がったのは「あの法螺
吹き野郎」という懐疑論だった。

というのも約束は何も果たされなかったという「実績」がある。
 
2013年、ペンシルバニア州のハリスバーグに3000万ドルを投資し、従業員
500人の工場を建てると鴻海精密の郭台銘は打ち上げた。

小さな田舎町だから地元は喜んだ。
 
それから4年たったが、工場は建設される気配もなく、地元は約束は守ら
れなかったと失望感に溢れだした。カーネギー・メロン大学工学部のロ
ボット学科に、郭台銘は1000万ドルの寄付を申し出た。しかし半分がよう
やく振り込まれたのは五年後だった。ロボット工学の最先端技術を入手し
ようとしたのは明らかだった。

同じく2013年に、郭台銘はインドネシアに10億ドル投資の工場を建てると
表明した。その後、なにも進展が見られない。

インドでも大工場を建設すると謳ったが、じっさいには小さな事務所が出
来ただけで、当初の約束は反故となった。

 ベトナムで50億ドルの工場、ブラジルで100億ドルのiフォン工場を建
設すると大風呂敷が拡げられたが、数年後に実際に稼働を始めたのは、小
さな、小さな規模の工場でしかなかった。

2017年03月04日

◆テロを呼びかけるヴィデオを作成

宮崎 正弘 


<平成29年(2017)3月3日(金曜日)通算第5206号 <前日発行>> 

 〜ISが中国でのテロを呼びかけるヴィデオを作成
  初めてウィグル語で「イスラム戦士よ、復讐に立て」と鼓舞〜

 ISが中国でのテロを呼びかけるウィグル語のヴィデオ(28分番組)を作
成し、ISに加わったボランティア戦士らに「ウィグルへ帰れ、中国の弾
圧に抗して復讐戦に立ち上がれ」と戦意を鼓舞する作戦にでていることが
判った(ウォールストリートジャーナル、多維新聞、いずれも3月2日付けI.

とくにこのヴィデオが初めてウィグル語での放送であり、新彊ウィグル
自治区における中国共産党の血の弾圧に「イスラム戦士よ、復讐に立て」
と鼓舞したところにポイントがある。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう  
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 〜世界史から抹消されている2つの帝国
  だから世界史はつまらない暗記学問として人気がないのだ〜

 宮脇淳子『日本人のための世界史』(KADOKAWA)
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世界史の教科書がおかしい。
 
ま、日本史の教科書がまるでおかしいから、世界史教科書がまともであっ
たらへんなことになるのだが、歴史を解釈する大事な視点が異なると、欧
米の改竄史観が、日本史でも世界史でも、応用され、ただしい歴史観は片
隅に追いやられるか、消される。

世界史から消された「2つの帝国」がある。

真実を知れば、世界史の真実が見えてくるのだが、その前に簡単な序説と
して、たとえばコロンブスのアメリカ大陸の前にカリブ海にいた先住民族
の歴史はどうなるというのか、英国人探検家がヴィクトリア瀑布を発見し
たと言うが、ずっと以前から当該地区には先住民が暮らしていた。

コロンブスはジェノバで鄭和艦隊の海図をみて、大航海を思い立った。だ
からコロンブスが大航海時代の先駆者という西欧歴史学評価は、あまりに
西欧先制主義である。

マルコポーロは日本が黄金の国であると世界に吹聴した。マルコポーロは
甘粛省に一年以上留まっているが、日本に来たことはなかった。
 消された文明はマヤ、インカ。。。。シュメールも、スキタイも詳しい
ことは判っていないし、ホメーロスの歴史は、シュリーマンがトロイの遺
跡を発見したことによって、神話ではなく、本当の話であることがようや
く判った。

世界史の教科書から消された「2つの帝国」とは、モンゴル帝国と日本が
世界史のプレイヤーだった「大日本帝国」である。

「戦前の西洋史と東洋史はいちおう、それぞれ古い時代から近代に至るス
トーリーがあり、話の辻褄も合うものでしたが、それを合体させた戦後の
世界史は、西洋史と東洋史を年代ごとに輪切りに並べた」(中略)。この
ため「人気がなくなった」。

しかも「現在の世界史のもとになっている、戦前の西洋史、東洋史そのも
のにも大きな問題があります」と宮脇淳子氏は最初に言う。
 
「現在の中国やロシアは、12世紀にはモンゴル帝国の一部でした。ドイツ
やハンガリーもモンゴル軍の侵略を受け、モンゴル軍はもう少しで、ヨー
ロッパ全土を征服する」筈であった。

つまりモンゴル軍はウィーンまで行っていれば、いまごろ西欧は学校でモ
ンゴル語を教えていただろう。

ちなみにシベリアの語源であるシビルは鮮卑である。鮮卑は隋、唐を開い
たが、漢族ではない。

こうした真実の歴史が消されたのは、中国にとってもロシアにとっても、
インドも、イランもモンゴル軍に占領された事実を隠したいからで、とく
に日本の歴史教科書にいたっては「戦後の日本は自らの視点で歴史を構築
することなく、他国から言われたものを世界史として受け取ってきたから
です。中国や韓国にとって大日本帝国の位置づけはつねに悪であり、世界
の主要プレーヤーではありません。だからこそ日本人自身も」、自虐的史
観の罠に嵌ったのである。

したがってモンゴル帝国と大日本帝国という2つの帝国が、「人類の歴史
にほんとうに大きな役割をはたしたにもかかわらず、いまの世界史では無
視されています」と宮脇氏はまとめるのだが、歴史の真実を私たちは、そ
ろそろ知っておく必要がある。

       

2017年03月03日

◆命がかかるエクアドル大統領選挙

宮崎 正弘 


<平成29年(2017)3月2日(木曜日)通算第5205号>  

 〜アサンジ(ウィキリークス)の運命がかかるエクアドル大統領選挙
  親米の野党が勝てば「30日以内に立ち退いて下さい」〜


エクアドルの通貨は米ドルである。

ところが政権は反米、ベネズエラのチャベス前大統領のように反米を公言
し、原油輸出を背景にポピュリズム政策を遂行してきた。

これまたベネズエラ同様に原油価格下落によって歳入が激減し、ポピュリ
ズム政策の継続が難しくなる。エクアドルのほかの輸出品と言えばバナナ
くらいである。

この状況下で大統領選挙が始まり、1600万国民の選択は与党に傾くか、野
党が逆転するかの接戦が続いている。すでに第1回の投票は済んでおり、
多数の候補者のなかで、単独過半を抑えた政治家はいなかった。4月2日
に第1位と2位の決選投票となる。この仕組みはフランスの大統領選挙と
同じだ。

野党候補のラッソは「当選したら英国の我が国大使館で保護してきたアサ
ンジ氏に『30日以内に立ち退いて下さい』を要請する」と公約している。
アサンジは米国が敵視し、スェーデン政府から逮捕状がでている。

アサンジはもともとが豪の人、米国や中国政府の機密情報をネットでリー
クし、ネット時代の情報秘匿の難しさを露呈することにもなったが、米国
ではスノーデン同様に、これはスパイ行為だから、逮捕・起訴にお持ち込
めば懲役数十年の刑罰の対象となる。

現職エクアドル大統領コレアの後継者と目されるのはモレノ候補で、第一
回投票で39%の支持、野党候補のラッソは、28%。ここに第3候補の支持
(16%)の候補が党に回れば、逆転勝利の可能性が生まれる。
 
周辺国でもアルゼンチン、ペルー、ブラジルなどでは反米路線を後退させ
て保守系が選挙に勝っており、エクアドルも保守主義の台頭が著しい。

野党候補のラッソは「極左冒険主義の政治は終わりを告げるべきである。
中道保守の政治にエクアドルを回転させ、自由は国家運営をしなければベ
ネズエラの二の舞になる」と強く警告し、中産階級の票を奪う勢いを示し
ている

アサンジは、もし野党候補勝利となって国外退去を命じられた場合、難民
申請裁判に打って出るだろうと言われる(ワシントンタイムズ、2月28日)。
    

2017年03月02日

◆トランプ効果で不法移民激減

宮崎 正弘
 


<平成29年(2017)3月1日(水曜日)通算第5204号>  

 〜メキシコ国境に壁を築け、トランプ効果で不法移民激減
   その数27%の激減ぶりを示したが。。。〜


トランプ政権がメキシコからの不法移民締め出し強化に転じて以来、不法
移民の数は顕著に減少し、前月比27%(2017年1月速報)。

全体で27%減というのは数にして3万1575人、とりわけ南西部の港湾から
侵入する新ルートの取り締まり強化によって、この地区では28%の現
象、その数は1089人となった。

メキシコとの国境は東西に長く、もともとオバマ政権も不法移民を取り締
まってきた。

不法移民は2つに大別され、職を求める季節労働者、もうひとつは入国後
永住権を狙うもの、この中には麻薬、武器密輸など犯罪組織も加えられる。

不法移民、じつはメキシコ人よりも、グアテマラ、ホンジュラス、コロン
ビア、そしてボリビア、ペルーなどからの人々。

なかでも巧妙な手口で目立つのが、メキシコを経由地として米国へ潜り込
もうとする中国人が顕著だという。
 
    

2017年02月28日

◆トランプはまだよくわからない

宮崎 正弘
 


<平成29年(2017)2月27日(月曜日)通算第5202号>  

 〜トランプは何を考えているのか、まだよくわからない。
青ざめる中国、楊潔チ国務委員が訪米、ティラーソン国務長官らと会談へ〜

中国の外交を司るのは王毅外相ではない。その上の国務委員(閣僚級)の
楊潔チである。楊は元外相、元駐米大使、国連総会で「尖閣諸島は日本が
盗んだ」と公言した、日本から見れば危険人物、基本的に強固な「反日」
派である。

王毅は習近平に取り入るため、国内の動きのほうが国際情勢より重要であ
り、ボンのG20外相会議には土壇場まで出席をためらった。もし国内の重
要会議をすっぽかしたら、首が危ないうえ、次の国務委員昇格という野望
が潰えるからである。

要するに中国の外交高官は習近平の顔色をみてから行動を起こすのである。

北朝鮮の暴走を甘やかしてきた中国は、いま金正男暗殺という予期せぬ出
来事に、国連制裁決議に基づいて石炭輸入禁止措置を講じた。

この大向こうを狙った政治的ジェスチャーを、米国はほとんど一顧だにせ
ず、「中国は影響力を行使するべきだ」と批判を緩めない。

南シナ海では7つの岩礁を埋立て、勝手に3つの人口島に滑走路を建設
し、合計20ヶ所に軍事施設、あまつさえミサイルを配備し、格納庫を
造って、国際秩序に真っ正面から挑戦し続けている。米国はこれを座視し
ているつもりはないらしい。

なにしろ上級顧問のスティーブ・バロンは、安全保障会議のメンバーにも
加わり、米国の国防、安全保障、軍事戦略の最終位置決定プロセスに関与
する。

中国が注目するのは、このバロンである。通商タカ派のピーター・ナヴァ
ロ教授は「国家通商会議」の議長だが、安全保障会議には加わらない。マ
クマスター安全保障担当大統領補佐官は政治的パワーが未知数である。

バロンへの酷評も盛んである。

「バロンは暗い歴史の強迫観念に取り憑かれていることは憂慮に耐えな
い」(ビジネスインサイダー)

「バロンは黙示録予言を信じ切っており、戦争は不可避的であると考えて
いる」(ハフィントンポスト)

「バロンは大惨事世界大戦は不可避的であると信じている」(ネィション)。

中国は狙いをつけ、まずはバロンの思想、考え方の分析に入った。

トランプ政権の閣内不一致をアキレス腱として狙いを定め、ティラーソン
国務長官に近づくことが第一目標、そしてトランプの側近らの攻略を準備
しようというわけだろう。


なにしろバロンは「5年から10年以内に、米国と中国は戦争になる」と公
言してはばからない人物であるにも関わらず、トランプはもっとも頼りに
しているのだから。


 ▼バロンに思想的影響を与えた書物

スティーブ・バロンに甚大な思想的影力を与えた書物があるという。ワシ
ントンポスト(2月24日号)の拠れば、ニエール・ハウとウィリアム・ス
トラウスの共著3冊であるという。

『世代(1584−2061 アメリカの歴史と未来展望)』

『第4次転回点 威厳とのランデブーは次の歴史循環』、

『千年の勃興 1982年移行の世代こそ次の偉大な世代』
という本だ。

ただし、いずれも邦訳はなく、筆者は原書を読んでいないので、ニエー
ル・ハウ本人が書いたコラムから推量するに次のような内容だという。

バロンが製作した『ゼロ世代』は、彼らが書いた黙示録としての未来の歴
史を下敷きにしている。それはポピュリズムとナショナリズムが国家正統
派思想とともに拡大し、その傾向は米国だけではなく世界的規模でおこる
(まさに現在西欧でも進行中だ)。

第2次大戦の勝利の高揚から偉大な社会建設とアメリカ人の戦後的価値観
は、ほぼ20年ごとに変遷している。

もし、この1世代が20年とすれば、次におこるのは新しい世代の価値観に
求められるだろう、とする。
 

 ▼第4次歴史的転換点とは何か?

また米国史という歴史からいえば、過去に3回、価値観の大変革があっ
た。いま迎えようとしているのは「第4次転換点」であり、それは国家、
社会の価値観、個人主義、国家の運営のあり方を根源から変革する衝動の
波となって現れた。

その過去のパターンとは、すなわち1945年、1865」年、1794年の出来事が
参考になるという。

1945年はいうまでもないが、1865年は南北戦争、リーカーンが再選され、
アメリカは南北に別れて死闘を繰り返した。

1794年は独立宣言から18年後だが、上院議会が成立した。

第4次転換点はすでに2005年に開始されており、金融恐慌、アメリカ経済
の減退は、あたかも1930年代の不況とのパターンと重なる。

アメリカは新しいアイデンティティを必要としている。

経済成長と減退は変則的で失業の増大と労働、資本の投資対象が変わり、
デフレへの恐れを目撃しつつ、不平等の拡大、中央銀行への不信、消費の
衰えという状況の中で、孤立主義とナショナリズムと右翼思想の興隆を見
てきた。民主党リベラル思想は沈下した。トランプはまさに時代の流れを
掴んで出てきたのだ。

まさに1930年代のような『ゼロ世代』の時代が来ているのだ、とする。

ニエール・ハウはこう書いた(ワイントンポスト、2月24日)。

「われわれは変動激しい時代に遭遇しており、歴史は加速し、リベラルは
退潮している。レーニンが『数十年間は何事もおこらなかったが、数週間
で数十年にあたりする出来事が起こる』と書いたように、いまアメリカが
遭遇しているのは、こういう変革の時期なのである」

バロンは、こうした考え方におおきな影響を受けており、彼は「5年から
10年以内に中国と戦争が起きるだろう」と予測するに至った。

2017年02月27日

◆強気、楽天ムードのCPAC

宮崎 正弘 


<平成29年(2017)2月26日(日曜日)通算第5200号>  
 
〜 強気、楽天ムードのCPAC(全米保守政治行動委員会)大会
  「我々の時代が来た」(ペンス)「偉大な大統領になる」(ヘリティ
ジ財団会長)〜


 トランプ大統領は2月24日、異例の記者会見を行った(正確には記者会
見を中止し、記者懇談会としてFOXやウォールストリートジャーナルな
ど十数社だけを招いた)。

偏向メディアのCNN、ニューヨークタイムズなどを「嘘ニュースであ
り、国民の敵だ」として締め出したのだ。

快挙と言えば快挙、首相の記者会見から朝日新聞、東京新聞、NHKを締
め出すようなものであろう。「朝日新聞は国民の敵だ」と安倍首相が言っ
たら、どういう騒ぎになるか、想像してみると、よく判る。

その後、トランプ大統領はCPACの年次総会へ向かった。

おりからワシントンDCのおとなりメリーランド州で開催されていた
CPAC(全米保守政治行動委員会)はお祭り騒ぎになって、トランプ大
統領、ペンス副大統領を筆頭にベトシー・デバス教育長官ら閣僚、プリー
バス、バノンら大統領補佐官も勢揃いして、保守の勝利を謳った。

英国や欧州の保守政党、グループからも来賓が登壇し、「嘘ニュースを伝
えるメディアは敵」などと訴えた。

「次の8年、われわれの大統領が続く」(ウエイン・ラピエール全米ライ
フル協会副会長)。

「この政権は公約したことをすべて実行する」(バノン上級顧問)

「健康保険制度でオバマケアは『ガン』だった。あたらしいシステムの構
築を」(ジム・デミント前上院議員、ヘリティジ財団会長)
「われわれの時代だ」(ペンス副大統領)。

CPACのマット・シュラプ議長は「トランプは偉大な大統領となって歴
史に残る」と一際高くトランプ礼讃。

CPACは共和党右派の本丸であり、2011年の状況下では運動が萎み、イ
デオロギーが強調された寂しい大会だった。

2016年にはトランプは予備選の最中、共和党主流派、右派、ウォール街派
すべてを敵に回していたから出席しなかった。

2017年の大会は勝利の酔いがまだ尾を引いており、一方的な宣伝、アジ演
説も見られたが、ティパーティ(茶会)のテッド・クルーズ議員らも出席
し、発言した。

共和党あげての挙党態勢という状況ではないが、トランプ政権をもり立て
ようという合意が、共和党の末端組織にも拡がったという意味で、大変化
の大会だった。

    

2017年02月26日

◆IS殲滅作戦の新戦略を来週策定し発表へ

宮崎 正弘 


<平成29年(2017)2月23日(木曜日)通算第5197号>  
 
〜IS殲滅作戦の新戦略を来週策定し発表へ
  イラク政府軍テコ入れ強化、クルド族部隊への武器援助拡大〜

トランプ政権は選挙公約でもあったIS殲滅作戦に関して、ペンタゴン、
国務省ならびにインテリジェンス機関との協議を重ねてきた。

またマティス国防長官がNATO会議の帰路、突如バグダッドを訪問し、
イラク政府と話し合いをなし、最終的な軍事作戦へのプラン策定を急いだ。

 ワシントンタイムズによれば、第1にイラク政府軍のテコ入れを強化
し、空爆を強化するとともに、第2に地上戦闘に米軍の特殊部隊を派遣する。

第3にクルド族の部隊へ武器供与を増加させる。

クルド武装勢力への武器供与はイラク政府がつよく懸念してきた問題でも
あり、このポイントがマティス国防長官とイラク政府との間で合意が難航
していると見られた。

米軍の訓練と支援によってイラク政府軍は石油精製の拠点でもあるモスル
の東部を辛うじてを奪回したものの、モスルの西側は依然としてISの支
配が続き、この地域に万75万人の市民が逼塞して食糧不足、水不足に悩
まされているという。

またパキスタンの某所に一部のISが拠点を移したとみられており、この
パキスタンの秘密基地を叩くことも作成計画に入っていると同紙は伝えて
いる。

2017年02月24日

◆IS殲滅作戦の新戦略を来週策定し発表へ

宮崎 正弘 


<平成29年(2017)2月23日(木曜日) 通算第5197号>  

 〜IS殲滅作戦の新戦略を来週策定し発表へ
  イラク政府軍テコ入れ強化、クルド族部隊への武器援助拡大〜


 トランプ政権は選挙公約でもあったIS殲滅作戦に関して、ペンタゴ
ン、国務省ならびにインテリジェンス機関との協議を重ねてきた。

またマティス国防長官がNATO会議の帰路、突如バグダッドを訪問し、
イラク政府と話し合いをなし、最終的な軍事作戦へのプラン策定を急いだ。

 ワシントンタイムズによれば、第1にイラク政府軍のテコ入れを強化
し、空爆を強化するとともに、第2に地上戦闘に米軍の特殊部隊を派遣する。

第3にクルド族の部隊へ武器供与を増加させる。

クルド武装勢力への武器供与はイラク政府がつよく懸念してきた問題でも
あり、このポイントがマティス国防長官とイラク政府との間で合意が難航
していると見られた。

米軍の訓練と支援によってイラク政府軍は石油精製の拠点でもあるモスル
の東部を辛うじてを奪回したものの、モスルの西側は依然としてISの支
配が続き、この地域には75万人の市民が逼塞して食糧不足、水不足に悩ま
されているという。

またパキスタンの某所に一部のISが拠点を移したとみられており、この
パキスタンの秘密基地を叩くことも作成計画に入っていると同紙は伝えて
いる。

2017年02月23日

◆安全保障補佐官は交替したが

宮崎 正弘 



<平成29年(2017)2月22日(水曜日)通算第5196号>  

〜フリンからマクマスターに安全保障補佐官は交替したが
  トランプの対ソ接近、中ロ同盟破壊戦略は大きく後退した〜

 2017年2月20日、トランプ大統領は空席となっていた大統領安全保障担
当補佐官にヒューバート・レイモンド・マクマスター陸軍中将を任命した。

代行職にあったキース・ケロッグをホワイトハウス安全保障会議の首席補
佐官に起用し、同時に上級部長のクレイグ・ディアを解任した。

辞任したマイケル・フリンの米国外交戦略構想は対ロ接近、ロシア制裁解
除。そしてロシアを中国から引き離すという隠れた戦略があった。

彼はそのために正式な政権発足前にロシア高官と積極的に接触を会したた
め、その「越権行為」を問われた。やむなく辞任に追い込まれた結果、ホ
ワイトハウス内のパワーバランスに変化が起きた。

対ロ慎重派が多数となり、トランプの当初の構想はおおきく後退、ロシア
との首脳会談は遅れる。

第1は議会共和党が、トランプ政権のロシアとの宥和政策に批判的なこと
である。とくにジョン・マケイン軍事委員長は、ティラーソン国務長官指
名にも反対したし、フリンに批判的だった。

ベトナム戦争の英雄、マケインの立場はむろん、中国敵視に変わりない
が、台湾との関係改善、ベトナムへのテコ入れを主張し、ヨーロッパの裏
側ではNATO重視、ロシアとは当面、距離をおくとするものである。
 
議会の共和党有力者は、このジョンマケインの動きに賛同しており、この
ため国務副長官、国防副賞官など枢要な人事が大幅に遅れている。

第2に米国全体の雰囲気から言っても、ISとの戦いが尾を引いており、
ペンス、ティラーソン、マティスといった政権要人が次々にNATOを訪
問し、またペンス副大統領はトルコ政府高官との協議も重ねた。つまり従
来の「同盟国」ならびに準同盟国への確認作業を急いだ。

マティスは異例のバクダッド入りをはたし、イラク政府軍への協力を再確
認している。

第3はジャーナリズムが、トランプ政権に真っ正面から敵対していること
である。

トランプのツィッターを武器とする反論vs左翼がつくりだす世論という
構造が深まるばかり。

とはいえトランプツィッターの威力は米有力メディア四紙に匹敵する影響
力を誇示しており、支持率は45%と依然として驚異的な高さである。
      

2017年02月22日

◆アンティグア・バーブーダ

宮崎 正弘 

<平成29年(2017)2月21日(火曜日)通算第5195号  

〜アンティグア・バーブーダってカリブ海の国を知ってますか?
何故か、この国の無任所大使を中国人実業家が担っていたのだ〜


アンティグア・バーブーダは歴とした独立国家。ドミニカの北方、カリブ
海東部の小アンティル諸島に位置するアンティグア島、バーブーダ島、レ
ドンダ島からなる島嶼国家で首都はセント・ジョンズ。面積は我が国の種
子島くらいしかない。
 
コロンブスが発見したが、スペイン統治のあと、イギリス連邦加盟国とな
り、大英連邦の一員ではあるものの、米軍のレーダー基地がある。

兵力はと言えば陸軍が125名、沿岸警備隊が45名。これで1個の独立国家
とよんでよいのか、どうか。人口は9万2000人。主要産業はサトウキビと
ラム酒、そして観光業しかない。

このアンティグア・バーブータに目を付けたのは、いうまでもなく中国で
ある。タックスヘブンとして何処まで利用できるか?

2014年8月、この国のブラウン首相が北京へ旅発ち、習近平主席と李克強
首相に面会した。

といっても、この国への最大援助国は米国でも英国でもない。日本であ
る。合計60億円近い無償援助をしている。

実は、この国の外交官パスポートを持ち歩き、「無任所大使」として任命
されていた外国人がふたりいる。

ひとりは有名なハリウッドスターのロバート・デニーロで、おそらく名誉
大使か、観光大使として、同国の観光宣伝にひとやく買ったのだろう。ス
ティーブン・セガールだってロシアの名誉領事ですからね。

さてもう1人の人物とは肖建華である。

そう、あの悪名高き香港財閥。現在行方不明。おそらく中国に拉致され
た。香港の最高級ホテル「ファー・シーズンズ・ホテル」に長期滞在して
いた。

妖しげなインサイダー取引の元締めとして知られ、太子党のファンドに深
く絡む。


 ▼周近平は本気で江沢民にとどめを刺すのか?

この肖建華事件は、これから北京中南海を激甚に揺らすこととなるだろう。

華字紙を総合すると、肖のバックは江沢民、曽慶紅、賈慶林ら江沢民政権
の大物がすらーりと並んでいる。

習近平は、どうやら本気で江沢民一派の退治に向かうようで、ということ
は大権力闘争のどろどろが展開される。これまでの薄煕来、徐才厚、郭泊
雄、周永康らの失脚は、小さな事件だったと総括されるようになるかも知
れない。

肖建華が大使の公用パスポートを保持していたのは2014年8月8日から2
年間で、英語名「XIAO JIAN HUA」と写真入りのコピィがサ
ウスチャイナ・モーニングポスト紙にすっぱ抜かれた(2月20日)。

このパスポートの発行直後にアンティグア・バーブーダの首相が北京を訪
問したのだった。
      

2017年02月21日

◆ベルディムハマドフ大統領が3選

宮崎 正弘 



<平成29年(2017)2月20日(月曜日)弐 通算第5194号   

〜「中央アジアの北朝鮮」と言われるトルクメニスタンで
   97%の得票率でベルディムハマドフ大統領が3選〜


2月12日に行われたトルクメニスタンの大統領選挙は、97%という得票率
で、現職ベルディムハマドフ大統領が3選された。同時に大統領の任期は
5年から7年に延長された。

ベルディムハマドフ大統領は元歯科医。医学大学の学長からニヤゾフ前大
統領の急死をうけて臨時大統領に。そのまま権力のトップに居座った。ニ
ヤゾフ大統領の庶子と言われる所以である。

トルクメニスタンは鎖国をしている不思議の国、全土に金ピカの大統領像
を建立し、街を睥睨しているが、銅像を破壊する動きもなく、やっぱり
「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれても、そうなんだと納得できる。
 葡萄と果物が意外に豊かで、国民生活は貧窮していない。

豊富なガスが出るので、中国へ累計8000キロのパイプラインを敷設して、
およそ生産の80%、残りをロシアとイランへ輸出し、将来はアフガニスタ
ン経由でインドとパキスタンの港から、世界市場を狙う。

旧ソビエト連邦の一員だが、独立後、永世中立国を宣言し、国連に認めら
れた。

それ以後、ロシアの言うことをまったく聞かない独自外交と国内的には独
裁政治を展開したため、つむじを曲げたプーチン大統領は、トルクメニス
タンからガスを買うことを止めた。

その余量が中国へ向かうというわけだ。

財政が豊かなので、国民の不満がなく、砂漠の酋長は、選挙ではなく村長
が撰んできたのであり、投票箱民主主義システムは単にジェスチャーだけ。

一応、大統領選挙は九人の候補が揃ったが、テレビを独占している与党
は、悠然としていた

昨秋、筆者はトルクメニスタンに団体ツアーに紛れ込んで、各地を見てき
たが、首都は摩天楼が林立しているのに居住民が殆ど居ない。ゴーストタ
ウンだった。大理石の建物なので、美しい外見である。国民は、政治が何
を行っているのか殆ど興味がない。

テレビの報道番組を見ていて笑ったのは延々と閣議の模様を放送している
が、大統領と視線を合わせないように、閣僚がメモを懸命に採っていて、
どこかの国と似ていると思った(拙著『日本が全体主義に陥る日』(ビジ
ネス社)を参照)。

バザールに行っても売店には新聞がなく、絵本がちらほら。文房具の質が
悪いうえ、中国製だった。それなのに、国民の多くはスマホを駆使していた。

ますます不思議の国である。

      

2017年02月20日

◆ヒスパニックの不正投票が200万票

宮崎 正弘 



<平成29年(2017)2月19日(日曜日)通算第5192号>   

 〜米大統領選挙 ヒスパニックの不正投票が二百万票あった
  だから投票数ではヒラリーが勝ったんだ〜

最大二百万のヒスパニックが不法登録によって大統領選挙で票を投じてい
ることが判明した。これは「全米ヒスパニックサーベイ」の調査に拠るも
ので、オルドドミニオン大学が調査した。

ホワイトハウスのステファン・ミラー(スポークスマン)も、この数字を
認めた(ワシントンタイムズ、2月18日)。

民主党の末端組織での不正登録は以前から指摘されてきた。5年前のオバ
マ大勝のときも、あまりの票の開きが指摘されていたし、こんかいも得票
数ではヒラリーが、トランプを二百万も引き離していた。

     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう  
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 上に政策あれば下に対策有りの中国で
  下町の庶民も高級幹部も、本気で中国の未来を按じているのだろうか?

  ♪
近藤大介『活中論』(講談社)
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北京の情報通、近藤さんの中国裏路地報告は第6弾。この本も、日本どこ
ろか、北京にいても知り得ない裏情報が満載。

なにしろ路地裏のその奧にも知り合いのいる著者だけに、中国人が知らな
い中国情報を知っている。

中国は巨大化と同時に混迷化を深くしているが、失政がつづくので、経済
的混迷はまだまだ深まるという前提に立つのかと思えば、そうでもなさそう。

裏路地は活気に満ちているらしい。

不動産バブルがはじけているのに、裏路地の活気は、いったい何故なの
か、奇妙な風景がある。

まずタクシーが捕まらない。豪華レストランは、党幹部こそ出入りしなく
なったが、混み合っていて、予約しないと席が取れない店がある。

そこで白タク(黒車)が合法化されたばかりか、スマホの配車が可能とな
り、2、3分で近くにいる白タクがやってくるようになった。スマホによ
る混雑緩和だが、正規のタクシーより安く、しかも運転手は職の見つから
ない大学新卒のアルバイトが多いというのである。

読んでいく裡に、えっという情報にぶち当たった。

国家統計局の王保安局長が逮捕拘束されたのは昨年であり、評者(宮崎)
も、このことはいち早く書いてきた。

とにもかくにも国家統計局発表のGDP数字は出鱈目であり、その責任者
が捕まったのだから習近平は、伏魔殿の清掃に立ち上がって、腐敗分子を
統計局からも追い出したのだが、近藤さんは、この局長、じつはヨオロッ
パへ愛人とともに高飛び寸前だったというのだ。

2016年1月16日、記者会見を終えた王保安は、その夜、七時半から幹部会
議を招集していた。

「李克強首相の新たな講話を学習するためということだったが。幹部達は
なぜ夜に会議なんか開くのかと訝りながらも待機していた」

ところが、王局長は運転手に北京国際空港に向かうよう手配していた。会
議は偽装だった。

「同日夜7時発のパリ行きエールフランス便と、夜九時発のフランクフル
ト行きルフトハンザ便のファーストクラスを、それぞれ2枚」(中略)
「鞄からは『黄国安』と『丁毅』という偽名の偽造公用パスポートが見つ
かった。愛人は空港の貴賓室で捕らえられた。

王局長は古巣の財政部時代に数億元を不正蓄財し、それらをアメリカと
ヨーロッパの隠し口座に隠匿していた。このような無様な大臣が『中国の
経済成長は6・9%』と胸を張って発表していたのだ」
 呆れても物が言えない。

ほかにも呆れるような内部情報がたくさん書かれている。