2017年08月10日

◆10年前から続く印象操作

阿比留 瑠比



10年前から続く印象操作 憲法改正を目指す保守派はメディアが問題視、
ハト派なら目こぼし

延々と続く森友・加計学園関連報道などを通じ、メディアが恣意的な切り
貼りや「報道しない自由」の行使、レッテル貼りと印象操作などあらゆる
報道技法を駆使して、気に食わない安倍晋三政権の倒閣運動を展開してき
たことは、これまで何度も指摘してきた。

ただ、こうしたメディアのやり方は、今に始まったことではない。10年前
の第1次安倍政権当時も、社会保険庁(現日本年金機構)の年金記録 紛
失が明らかになった「消えた年金問題」や、「政治とカネ」の問題をめ
ぐって、メディアは安倍政権たたきに異様な情熱を注いでいた。

「年金問題」当事者は

「消えた年金問題」は、社保庁の長年にわたる怠業体質が引き起こした
失態であり、本来は歴代政権が等しく監督責任を負うべきものだろう。安
倍政権はむしろ、既得権益維持を図る社保庁の労働慣行を改め、「解体的
な出直し」を訴えている側だった。

また、年金記録を紛失した当事者は、民主党を支持してきた公務員労組
員たちであり、民主党こそが深い反省を示すべき場面だったはずである。

実際、フジテレビの番組「報道2001」による平成19年6月7日の 世論調
査の時点では、「問題の責任は誰にあるか」との問いへの回答は (1)
歴代社保庁長官(64・2%)(2)社保庁職員(14・2%) (3)安倍
首相(6・6%)−の順で、国民は比較的冷静だった。


ネットが暴く不公平

メディアが問題視すれば些細な行き違いが「巨悪」となり、メディアが目
こぼしすれば問題などなかったことになる。相手が憲法改正を目指す保守
派ならばあることないこと総動員してやっつけるが、近隣諸国に融和的な
ハト派なら都合の悪いことは報じない。

そんな悪弊は確かに当時もあった。ただ、あの頃と大きく変わったのは、
インターネットのさらなる普及で、そうしたメディアの不公平で不誠実な
姿勢が多くの人にばれてしまい、メディア自身が国民から強い批判と監視
の目を向けられるようになったことだろう。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.8.10


    

2017年08月03日

◆在日強制連行の「神話」捨てよう

阿比留 瑠比



朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは不当な差別に当た
るかをめぐり、司法の判断が割れている。先月19日の広島地裁判決が学
校側の請求を全面的に退けた一方、28日の大阪地裁判決は国の処分が裁
量権の乱用に当たるなどとして学校側勝訴の判決を言い渡した。

筆者は、朝鮮学校に対する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)や北朝鮮
本国の影響力を認定した広島地裁判決の方が、常識的で妥当だと思うが、
そこを論じるのは別の機会とする。

ただ現在、韓国で戦時中の朝鮮人徴用工問題が無報酬の強制連行・強制
労働であるかのようにねじ曲げられ、反日映画が制作・公開されるなど再
燃していることもある。そこで、在日韓国・朝鮮人たちがどうして多数、
日本にいるのかを改めて考えてみたい。

断っておくが、いわゆる「在日」の人々をいたずらに排斥したり、差別
意識をあおったりするつもりは毛頭ない。だが、彼らを強制連行被害者の
子孫だとみる勘違いや誤解、つまり「強制連行神話」がいまだに根強いと
感じている。

実際はどうなのか。今年5月19日付の当欄でも指摘したように、昭和
34年の政府調査(外務省発表)によると、当時約61万人いた在日朝鮮
人のうち、徴用労務者として日本に来た者は245人にすぎない。裏を返 せ
ば、ほとんどすべての在日韓国・朝鮮人は自らの意思や家族に連れられ
るなどして日本に渡った人々の子孫だということである。

30年6月18日の衆院法務委員会では、韓国からの無登録の入国者と、 そ
の犯罪行為が議論されている。その中で、小泉純一郎元首相の父である
小泉純也法務政務次官は、こうはっきりと答弁している。

「60万と推計をせられる朝鮮人のうち、日本から母国に帰りたいとい う
者は一人もいないといっても大した言い過ぎではない。一方向こうから
は、入れれば手段方法を選ばず、命がけでも密航をして、怒濤(どとう)
のごとくどんどん入ってくる」

「それをみな国費で、国民の血税で養ってやらなければならない。その
取り扱いについても、極めて懇切丁寧にしなければ、人権蹂躙(じゅうり
ん)というような問題まで起きてくる。日本国民の血税の犠牲において、
韓国人をまず第一義として大事にしてあげなければならないのかというと
ころまで、考え方によっては行く」

これに対し、椎名隆委員(自民党)もこう質問で訴えている。

「連中は、日本に行きさえすれば生活ができるというところから、どん
どん入ってくるのじゃないか」

繰り返すが、日本に定住して代を重ね、日本に生活の基盤を置いて日本
文化・風土に慣れ親しんでいる人たちに対し、今さら帰国しろだとか遠慮
しろだとか言う気はさらさらない。

ただ、彼らに不必要な贖罪(しょくざい)意識を持ったり、無意味な同情
心を抱いたりするのは筋道が違うし、韓国や北朝鮮の対日誤解・曲解を深
めるばかりだと考える。

20年前の平成9年にインタビューした直木賞作家で在日韓国人2世の故つ
かこうへい氏は、取材の最後にあっけらかんとこう話して笑っていた。

「うちのおやじなんかも日本に強制的に連れてこられたようなことを言っ
ていたが、なに食いつめて渡ってきたんだと思うよ」

 事実関係を互いにちゃんと踏まえた上で、感情的にならず対等に、本当
のことを言い合える共生関係をこそ築きたい。(論説委員兼政治部編集委
員)産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.8.3 



2017年07月29日

◆憲法改正を恐れ、ひるみ、印象操作か

阿比留 瑠比



憲法改正を恐れ、ひるみ、印象操作か メディアは「言論の自由」と「風
説の流布」をはき違えるな

産経新聞の27日付朝刊政治面に掲載されているインタビュー記事で、 森
喜朗元首相がこう述べていた。

「安倍晋三首相への逆風が厳しいね。僕が首相だったときもそうだった
けどマスコミの印象操作は相変わらずひどいな。最初から結論を決めて
『安倍が悪い、安倍が悪い』と連日やられたら、そりゃ支持率も下がるよ」

筆者は森内閣当時も首相官邸担当だったので、あの頃のメディアによる
森バッシングと、それに呼応した形で自民党内外から仕掛けられた「森降
ろし」の流れはよく覚えている。

直接的なきっかけは、米原子力潜水艦と愛媛県立宇和島水産高校の実習
船「えひめ丸」の衝突事件への初動対応への批判だった。だが、やがて自
民党議員の金銭スキャンダルも日経平均株価の低迷も、何でもかんでも全
部「森が悪い」という空気が作られていった。

後に、森氏がこう振り返るのを聞いた。

「私があれほどマスコミにたたかれたのは、私が本気で教育基本法を改
正しようとしていることが分かったからだ」

敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)によって規定された戦後の枠組み
を墨守したい勢力の抵抗と反撃は、それほど激しかったということだろう。

悪意隠さぬ倒閣運動

まして安倍首相は第1次政権でその教育基本法の改正を59年ぶりに初
めて成し遂げ、今度は本丸の憲法改正を実現しようとしているのだからな
おさらだろう。首相が憲法9条に自衛隊を明記する具体案を示した5月以
降、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画などを使ったメディアの攻
撃が強まっている。

中でも拉致問題、外交・安全保障政策、教科書・歴史認識問題…とことご
とく安倍首相と対立してきた朝日新聞が、憲法改正は絶対に阻止しようと
「明らかな倒閣運動」(政府関係者)に打って出たのは、当然のことなの
かもしれない。

朝日は第1次安倍内閣が発足した翌日の平成18年9月27日付朝刊の紙面で
も、内閣・自民党役員人事について、こんな嘲笑的な見出しの記事を載せ
ていた。当時から、ひたすら安倍首相をたたきたいという悪意を隠してい
なかったのである。

 「恐れ、ひるみ、とらわれた」「安倍『学園祭内閣』」

親友だから利用せず

文芸評論家の小川栄太郎氏は7月に入ってから、森友学園、加計学園に関
する朝日の記事を全部集めて通読したという。半年で1000件を優に超える
分量だったとのことで、27日付の自身のフェイスブックにこう感想を記し
ている。

 「見出しで『安倍首相 強弁』とか『深まる疑念』とか『逃げる政府答
弁』とかが並ぶだけで、読んでも読んでも『問題』が全く見えてこない」
「証拠が全くないのに安倍晋三氏といふ『個人』を風評で貶める−−これ
は権力批判ではなく、深刻な人権侵害だ」

ただ、この傾向は朝日だけではなく、ファクト(事実)ではないただの印
象論がメディアで横行している。テレビのワイドショーでは、司会者が安
倍首相と加計学園理事長が友人であることをもって、根拠なくこう決め付
けていた。

 「(獣医学部新設計画を)親友に言わないなんて信じられない」

長年の大切な友人だからこそ、相手の地位や立場など利用しないと考える
方が普通ではないか。安倍首相自身、周囲には「彼はそんなこと一回も
言ったことはない」と話している。言論の自由と風説の流布とをはき違え
てはならない。(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.7.28


2017年07月25日

◆メディアの自殺行為

阿比留 瑠比




ひたすらに倒閣運動にいそしむメディアの自殺行為

結局、朝日新聞をはじめとする左派・リベラル系メディアの主目的は事
実の究明でも権力の監視でもなく、安倍晋三政権への不信感を広め、ダ
メージを与えることにあるのは、火を見るよりも明らかだろう。

 それによって実際、安倍政権は内閣支持率が急落し、「安倍首相は信用
できない」との世評が高まるなど苦境に追い込まれた。彼らは今、そうし
た一時的成果に酔っているかもしれないが、いびつな構図に気付いている
人も少なくない。

 テレビのワイドショーや左派系新聞を主な情報源としている人は丸め込
めても、今後、そうした人は少なくなろう。すでにインターネット上で
は、メディアの偏向報道と印象操作は周知の事実だからである。

 ただでさえ読者・視聴者が減少傾向にあるメディアは、自分で自分の将
来を閉ざしつつあると感じる。それも意識してか無意識かはともかく、ス
クラムを組んでやっている。

 朝日と東京新聞は東京都議選の直前の6月30日付朝刊1面トップで、
自民党の下村博文幹事長代行のスキャンダル(下村氏は否定)を報じた。
毎日新聞は1面カタ(2番手の記事)で、産経新聞は2面、読売新聞は第
2社会面、日経新聞は第1社会面だった。

結局、朝日新聞をはじめとする左派・リベラル系メディアの主目的は事実
の究明でも権力の監視でもなく、安倍晋三政権への不信感を広め、ダメー
ジを与えることにあるのは、火を見るよりも明らかだろう。

それによって実際、安倍政権は内閣支持率が急落し、「安倍首相は信用
できない」との世評が高まるなど苦境に追い込まれた。彼らは今、そうし
た一時的成果に酔っているかもしれないが、いびつな構図に気付いている
人も少なくない。

テレビのワイドショーや左派系新聞を主な情報源としている人は丸め込
めても、今後、そうした人は少なくなろう。すでにインターネット上で
は、メディアの偏向報道と印象操作は周知の事実だからである。

ただでさえ読者・視聴者が減少傾向にあるメディアは、自分で自分の将
来を閉ざしつつあると感じる。それも意識してか無意識かはともかく、ス
クラムを組んでやっている。

朝日と東京新聞は東京都議選の直前の6月30日付朝刊1面トップで、 自
民党の下村博文幹事長代行のスキャンダル(下村氏は否定)を報じた。
毎日新聞は1面カタ(2番手の記事)で、産経新聞は2面、読売新聞は第
2社会面、日経新聞は第1社会面だった。

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.7.24



2017年07月15日

◆毎日カップ麺なら良い政治家か

阿比留 瑠比



毎日カップ麺なら良い政治家か 「恣意的な切り取り報道」こそメディア
不信の元凶

古今東西、為政者はそしられ、揶揄(やゆ)の対象とされるものだろう
が、同じようなパターンの批判が繰り返されると鼻につく。産経新聞自身
の反省も込めて少々記しておきたい。自民党が大敗した東京都議選投開票
日の2日夜、安倍晋三首相が都内のフランス料理店で会食したことが、や
り玉に挙げられている件である。

フランス料理に批判

「夜の会合に連日行き、一晩で何万もするような高級店に行っている。
庶民の感覚とかけ離れている」

これは、安倍首相に投げかけられた言葉ではない。平成年20年月10当時の
麻生太郎首相が記者団から受けた質問である。このころ、麻生氏は ホテ
ルのバー通いなどが問題視され、メディアから「庶民感覚がない」
「カップラーメンの値段を知らない」などと責め立てられていた。

 今回、安倍首相は同様に「ぜいたくだ」「落選した候補者の気持ちが分
からない」などと攻撃された。首相は就任前の24年9月、自民党総裁選
決起集会で験担ぎのカツカレー(3500円)をホテルで食べた際にも、
テレビのワイドショーなどで散々いじられていたが、そこに、政治の何の
本質があるというのか。

 会合場所が安居酒屋だったり、食事がカップめんだったりすれば、政権
運営はうまくいくのか。苦い肝をなめ、固い薪の上に寝れば国民の暮らし
はよくなるのか。そんな道理はない。

2
ジャーナリストの池上彰氏は22年9月、就任後にも行きつけのラーメン
店に行った菅直人首相(当時)を「庶民派」だと持ち上げたが、たとえば
菅氏の23年6月29日の夜日程は次のようである。

 まず7時21分に東京・赤坂のすし店で会食し、9時16分から東京・
六本木の焼き肉店へとはしごし、さらに10時16「分からは伸子夫人も合
流して、近くのイタリア料理店で11時25分まで1時間以上過ごしている。

まだ同年3月に起きた東日本大震災の傷痕も生々しい時期に、高級店で
飽食の限りを尽くしている。菅氏の健啖(けんたん)家ぶりは極端にして
も、メディアは切り取った部分によって、その政治家を庶民派ともどうと
でも描ける。無意味で恣意(しい)的な切り取り報道は、大事な点を見え
なくする。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】7.14


2017年07月08日

◆民進党は解党した方がいい

阿比留 瑠比



党内からも「民進党は絶望的だ」「歴史的使命は終わった」

先月下旬、政府の拉致問題担当者の一人の意見を聴く機会があった。彼は
私見だと断りつつ、拉致・核・ミサイルなど北朝鮮の諸問題を解決するに
は、金正恩・朝鮮労働党委員長の首をすげ替えるしかないとの考えを示した。

 「米国なり、中国なりが狙撃手を送り込んで暗殺するか、工作で内部
クーデターを起こさせるか…」

 こう語る真剣で切実な表情を見ながら、民進党をはじめ野党の質問が閣
僚の失言やスキャンダルの追及に終始し、今そこにある北朝鮮危機につい
て、ほとんど議論されることのなかった通常国会の惨状を思った。

「使命は終わった」

 その後、7月2日の東京都議選では、自民党が大敗して地域政党「都民
ファーストの会」が49議席を確保という大躍進を遂げた。だが、民進党
は共産党の19議席の約4分の1のわずか5議席にとどまった。

 「おごれる自民党への嫌悪感が充満し、安倍(晋三)政権にノーという
意思表示が示された」

 野田佳彦幹事長は3日未明、選挙結果をこう振り返ったが、原口一博元
総務相が同日のツイッターでつぶやいた次の言葉の方がはるかに現実を見
つめている。

 「他党の事はどうでも良いです。(中略)民進党は自民党の批判票の受
け皿にもなれず多くの同志が議席を得られませんでした。2大政党による
政権交代を諦めるなら存在意義はありません」

また、増子輝彦元経済産業副大臣は5日付のメールマガジンで、こう率直
な感想を吐露していた。

 「民進党は絶望的です。(中略)安倍自民党への批判の受け皿になり得
なくなった民進党は執行部が責任も取らず居座り、(中略)政党としての
歴史的使命は終わったと言わざるを得ません。国民は民進党に何の期待も
していません」

 北朝鮮は4日、とうとう米本土を攻撃可能な大陸間弾道ミサイル
(ICBM)を発射し、一線を越えた。それでも、民進党から聞こえてく
るのは、外部から耳目を閉ざした「蓮舫代表降ろしがどうした」だとかの
コップの中の嵐のような小さな話ばかりだ。

 国民は、まだ海の物とも山の物ともしれない都民ファーストには期待は
示しても、すでに正体を知り尽くした民進党には関心すらないのだろう。

 もはや民進党は政権交代の受け皿にも選択肢にもなっていない。いくら
国会で安倍政権を厳しく批判してみせても、政党支持率は各種世論調査で
8%前後と低い値で安定し一向に上昇しないのは、増子氏が言うように
「政党としての歴史的使命は終わった」からではないか。

意識向上に「貢献」?

 民進党は旧民主党政権当時の3年3カ月の間に、党の設立メンバーであ
り長年のエースだった鳩山由紀夫、菅直人両元首相を登板させた。その結
果、国民は「首相など誰がやっても同じ」では決してないこと、リーダー
を安易に選ぶと自分自身が痛い目に遭うことを深く心に刻んだ。
また、増子輝彦元経済産業副大臣は5日付のメールマガジンで、こう率直
な感想を吐露していた。

 「民進党は絶望的です。(中略)安倍自民党への批判の受け皿になり得
なくなった民進党は執行部が責任も取らず居座り、(中略)政党としての
歴史的使命は終わったと言わざるを得ません。国民は民進党に何の期待も
していません」

 北朝鮮は4日、とうとう米本土を攻撃可能な大陸間弾道ミサイル
(ICBM)を発射し、一線を越えた。それでも、民進党から聞こえてく
るのは、外部から耳目を閉ざした「蓮舫代表降ろしがどうした」だとかの
コップの中の嵐のような小さな話ばかりだ。

 国民は、まだ海の物とも山の物ともしれない都民ファーストには期待は
示しても、すでに正体を知り尽くした民進党には関心すらないのだろう。

 もはや民進党は政権交代の受け皿にも選択肢にもなっていない。いくら
国会で安倍政権を厳しく批判してみせても、政党支持率は各種世論調査で
8%前後と低い値で安定し一向に上昇しないのは、増子氏が言うように
「政党としての歴史的使命は終わった」からではないか。

意識向上に「貢献」?

 民進党は旧民主党政権当時の3年3カ月の間に、党の設立メンバーであ
り長年のエースだった鳩山由紀夫、菅直人両元首相を登板させた。その結
果、国民は「首相など誰がやっても同じ」では決してないこと、リーダー
を安易に選ぶと自分自身が痛い目に遭うことを深く心に刻んだ。

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.7.7 01:00更新 


2017年06月23日

◆朝日新聞のスクープ記事もなぜか不自然

阿比留 瑠比



記事は、加計学園の獣医学部新設計画について、文部科学省が「内閣府か
ら『官邸の最高レベルが言っている』『総理のご意向だと聞いている』な
どと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった」というスクー
プだった。

それはいいが、記事に添えられた「大臣ご確認事項に対する内閣府の回
答」と題された文章の写真が不可解である。写真はなぜか下側が暗く文字
がよく読めないが、文科省が15日に発表した同様の文書をみると、その
部分にはこうある。

「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なの
で、総理からの指示に見えるのではないか」

つまり、安倍首相の指示だと取り繕ってはどうかという話であり、逆に
首相の指示などないことを示している。

ところが、そこが朝日の写真では不自然に隠された形となっている。こ
れでは「印象操作」と言われても仕方があるまい。

真実は不確実

「安倍政権に批判的な記者の一人」であり、安倍政権が掲げる政治目標
に「ほとんど賛同できない」という立場の元朝日記者でジャーナリストの
烏賀陽弘道氏は、新著『フェイクニュースの見分け方』でさまざまな情報
を検証している。

その上で、(1)日本会議=安倍政権の黒幕説を首肯できる事実は見い
だせない(2)(安倍政権の言論統制を非難する記事や出版物の)「報道
に介入した」「圧力を加えた」「統制した」と主張する根拠がわからない
(3)(高市早苗総務相の放送法関連答弁について)民主党時代と同じ発
言を根拠にした「安倍政権は報道の自由を恫喝している」という非難は不
思議−などと結論付けており、うなずける。

記事は、加計学園の獣医学部新設計画について、文部科学省が「内閣府か
ら『官邸の最高レベルが言っている』『総理のご意向だと聞いている』な
どと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった」というスクー
プだった。

それはいいが、記事に添えられた「大臣ご確認事項に対する内閣府の回
答」と題された文章の写真が不可解である。写真はなぜか下側が暗く文字
がよく読めないが、文科省が15日に発表した同様の文書をみると、その
部分にはこうある。

「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なの
で、総理からの指示に見えるのではないか」

つまり、安倍首相の指示だと取り繕ってはどうかという話であり、逆に
首相の指示などないことを示している。

ところが、そこが朝日の写真では不自然に隠された形となっている。こ
れでは「印象操作」と言われても仕方があるまい。

真実は不確実

「安倍政権に批判的な記者の一人」であり、安倍政権が掲げる政治目標
に「ほとんど賛同できない」という立場の元朝日記者でジャーナリストの
烏賀陽弘道氏は、新著『フェイクニュースの見分け方』でさまざまな情報
を検証している。

その上で、(1)日本会議=安倍政権の黒幕説を首肯できる事実は見い
だせない(2)(安倍政権の言論統制を非難する記事や出版物の)「報道
に介入した」「圧力を加えた」「統制した」と主張する根拠がわからない
(3)(高市早苗総務相の放送法関連答弁について)民主党時代と同じ発
言を根拠にした「安倍政権は報道の自由を恫喝している」という非難は不
思議−などと結論付けており、うなずける。

米国の著名なジャーナリスト、リップマンは1922年刊行の著書『世
論』で、ジャーナリストの仕事についてこう訴えている。

 「人びとの意見形成のもととなるいわゆる真実といわれるものが不確実
な性格のものであることを人びとに納得させること」

フェイクニュースが蔓延しているならば、なおさらだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)
23日産経ニュース



2017年06月18日

◆韓国に謝罪すべき理由とは

阿比留 瑠比



韓国に謝罪すべき理由とは…鉄道網整備に護岸工事、ダム建設…みんな懺悔
に値する。

「韓国国民の中で受け入れられないという感情もあるのも事実だ」「日
本が韓国国民の心情をくみ取ろうとする努力が重要だ」

自民党の二階俊博幹事長と12日に会談した韓国の文在寅大統領は、慰安
婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認した日韓合意について、
こう述べた。文氏の言葉の「感情」の部分を、「情緒」と訳していた新聞
もあった。

文氏は5月に安倍晋三首相と電話会談した際も「国民の大多数が、心情
的に合意を受け入れられないのが現実だ」と語っており、これが公式見解
なのだろう。

国民感情が実定法や国際条約に優越する韓国独特の「国民情緒法」が、
どうして外国にも通用すると考えるのか。なぜそんな自分勝手で甘えた要
求を、日本が受け入れると思うのか。

先人の行いと姿勢

韓国は、本当に面倒くさい国だなあとあきれていたが、作家の百田尚樹
氏の新刊『今こそ、韓国に謝ろう』(飛鳥新社)を読んで自分の浅慮に恥
じ入った。

百田氏はここ数年、日韓併合の歴史を調べていくうちに、次のように感
じてこの本を書いたのだという。

「日本が朝鮮および朝鮮人に対して行った悪行を知り、愕然としたから
です。その非道の数々は、私の想像を絶するものばかり」

「現代に生きる日本人のほとんどが、70年以上前に、祖先が朝鮮半島 で
いかにひどいことをしてきたか知りません」

詳しくは本を手に取ってもらいたい。百田氏は例えば、日本の悪行につ
いて次のように例示している。

▽朝鮮人の子供たちに学校に通うことを強制して、自由を奪うという人 権
蹂躙▽下層階級が使う文字とされていたハングルを勝手に広め、文字文 化
を変えてしまった▽はげ山の植林事業で5億9000万本もの木を植 え、 地
肌むき出しの朝鮮半島独特の景色を作り替えてしまった−など。

韓国に謝罪すべき理由とは…鉄道網整備に護岸工事、ダム建設…みんな懺悔
に値する

「韓国国民の中で受け入れられないという感情もあるのも事実だ」「日
本が韓国国民の心情をくみ取ろうとする努力が重要だ」

自民党の二階俊博幹事長と12日に会談した韓国の文在寅大統領は、慰 安
婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認した日韓合意について、
こう述べた。文氏の言葉の「感情」の部分を、「情緒」と訳していた新聞
もあった。

文氏は5月に安倍晋三首相と電話会談した際も「国民の大多数が、心情
的に合意を受け入れられないのが現実だ」と語っており、これが公式見解
なのだろう。

国民感情が実定法や国際条約に優越する韓国独特の「国民情緒法」が、
どうして外国にも通用すると考えるのか。なぜそんな自分勝手で甘えた要
求を、日本が受け入れると思うのか。

先人の行いと姿勢

韓国は、本当に面倒くさい国だなあとあきれていたが、作家の百田尚樹
氏の新刊『今こそ、韓国に謝ろう』(飛鳥新社)を読んで自分の浅慮に恥
じ入った。

百田氏はここ数年、日韓併合の歴史を調べていくうちに、次のように感
じてこの本を書いたのだという。

「日本が朝鮮および朝鮮人に対して行った悪行を知り、愕然としたから
です。その非道の数々は、私の想像を絶するものばかり」

「現代に生きる日本人のほとんどが、70年以上前に、祖先が朝鮮半島 で
いかにひどいことをしてきたか知りません」

詳しくは本を手に取ってもらいたい。百田氏は例えば、日本の悪行につ
いて次のように例示している。

▽朝鮮人の子供たちに学校に通うことを強制して、自由を奪うという人 権
蹂躙▽下層階級が使う文字とされていたハングルを勝手に広め、文字文 化
を変えてしまった▽はげ山の植林事業で5億9000万本もの木を植 え、地肌
むき出しの朝鮮半島独特の景色を作り替えてしまった−など。

また、美しい朝鮮半島の至る所に醜い鉄道網を敷き、河川の護岸工事で川
本来の原始の美を壊し、現在も電力源となっている多くのダムを造り、傷
痕を今に残したことなども記し、懺悔している。朝鮮半島は日本統治時代
に耕地面積は倍近くに増え、人口も2倍となり、24歳だった平均寿命は
42歳にまで延びたとされる。

 百田氏は「そんなものを朝鮮人たちが望んだわけではありません」と指
摘し、こう問いかける。

 「私たちの先人が朝鮮半島で行ってきた非道で勝手なふるまいを反省す
べきではないでしょうか」

 なるほど、韓国がいまなお日本に対しては何をやっても許されると誤解
しているのは、先人たちの行いと姿勢のせいだったのか…。

日本の誤った報道

韓国に関連してはもう一冊、ジャーナリストの大高未貴氏の新刊『父の
謝罪碑を撤去します』(産経新聞出版)も紹介したい。

韓国・済州島で朝鮮人女性の強制連行を行い慰安婦にしたと虚偽証言し
た故吉田清治氏の長男のインタビューなどをまとめて検証した内容で、長
男のこんな言葉が紹介されている。

「父が発信し続けた虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすること
も、それが史実として世界に喧伝され続けることも、これ以上、私は耐え
られません」

慰安婦問題が日韓間の国際問題化した発端が吉田氏の偽証や、吉田氏を
しつこく取り上げ続けた朝日新聞など日本側の誤った報道にあったのも事
実だろう。

ならば朝日新聞にも、韓国に対し、心から謝罪してもらいたい。

(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.6.17

2017年06月08日

◆鏡に映る自分に憤る民進党

阿比留 瑠比



鏡に映る自分に憤る民進党 自分たちなら特区制度を悪用するから、きっ
と安倍政権も?

時代小説の名手、池波正太郎氏の代表作の一つ『剣客商売』の中で、主
人公の老剣士、秋山小兵衛が自分を鏡に例え、こう語る場面が出てくる。

「相手の写りぐあいによって、どのようにも変わる。黒い奴には黒、白
いのには白。相手しだいのことだ。(中略)だから相手は、このわしを見
て、おのれの姿を悟るがよいのさ」

唐突にこのセリフを引用したのは5日の参院決算委員会での民進党の平
山佐知子氏の質問を聞いて連想したからである。平山氏は学校法人「加計
学園」問題をめぐり、安倍晋三首相とこんなやりとりをしていた。

「もし私ならば…」

平山氏「親友の加計さんがそういうふうに(獣医学部新設を)希望され
ていたということは、(首相も)じゃあ新設されればいいと思ったことは
あるか」

安倍首相「私がそう思っていたら、政策に関与しただろうという印象操
作に一生懸命になっている」

平山氏「もし友人が獣医学部をずっと新設したいと思っているのであれ
ば、そうなればいいと私だったら思うから聞いてみた。だから首相もきっ
とそう強く願ったんじゃないか」

安倍首相「私がそうしたいなあと(思っていると)いうことを前提に質
問されても困るんですよ」

長年にわたる民主党(現民進党)のエースであり、「民主主義は期限を区
切った独裁」が持論の菅直人元首相はこのところ、自身のブログで激しい
安倍首相批判を繰り返している。

「官僚が安倍総理の私兵化し、安倍独裁国家になる。このままでは民主主
義が死ぬ」(5月30日付)

「安倍総理自身がウソであることを自覚しているにもかかわらず、ウソで
押し切れると考えていることだ。国民を心底馬鹿にしている」(6月6日付)

「批判する者を社会的に抹殺するためにスキャンダルをマスコミに流す。
独裁政治の始まり」(7日付) 菅氏もきっと自ら思い当たることが多
く、自分の姿を安倍首相という鏡に投影して怒りと焦りを募らせているの
だろう。

長年にわたる民主党(現民進党)のエースであり、「民主主義は期限を区
切った独裁」が持論の菅直人元首相はこのところ、自身のブログで激しい
安倍首相批判を繰り返している。

「官僚が安倍総理の私兵化し、安倍独裁国家になる。このままでは民主
主義が死ぬ」(5月30日付)

「安倍総理自身がウソであることを自覚しているにもかかわらず、ウソ
で押し切れると考えていることだ。国民を心底馬鹿にしている」(6月6
日付)

 批判する者を社会的に抹殺するためにスキャンダルをマスコミに流
す。独裁政治の始まり」(7日付) 菅氏もきっと自ら思い当たることが
多く、自分の姿を安倍首相という鏡に投影して怒りと焦りを募らせている
のだろう。

長年にわたる民主党(現民進党)のエースであり、「民主主義は期限を区
切った独裁」が持論の菅直人元首相はこのところ、自身のブログで激しい
安倍首相批判を繰り返している。

 「官僚が安倍総理の私兵化し、安倍独裁国家になる。このままでは民主
主義が死ぬ」(5月30日付)

「安倍総理自身がウソであることを自覚しているにもかかわらず、ウソで
押し切れると考えていることだ。国民を心底馬鹿にしている」(6月6日付)

 「批判する者を社会的に抹殺するためにスキャンダルをマスコミに流
す。独裁政治の始まり」(7日付) 菅氏もきっと自ら思い当たることが
多く、自分の姿を安倍首相という鏡に投影して怒りと焦りを募らせている
のだろう。(論説委員兼政治部編集委員)産経ニュース6・8


2017年05月20日

◆韓国の方が歴史問題を直視せよ

阿比留 瑠比



韓国の方が歴史問題を直視せよ 次は徴用工問題…日本は事実を主張し続けよ

実は産経は、これらについて少なくとも過去3回報じてきたが、せっかく
なのでおさらいしたい。

朝日の記事は「大半、自由意思で居住 外務省、在日朝鮮人で発表」「戦
時徴用は245人」との見出しで、外務省の報道発表に基づき、こう記して
いる。

「韓国側などで『在日朝鮮人の大半は戦時中に日本政府が強制労働をさせ
るためにつれてきたもので、いまでは不要になったため送還するのだ』と
の趣旨の中傷を行っている」

「在日朝鮮人の総数は約61万人だが、このうち戦時中に徴用労務者として
日本に来た者は245人にすぎないとされている」

また、高市氏は外務省が当初は「そんなに古い資料はもうない」としてい
た記事の元資料を探させて、質問を行ったものである。

資料は、当時登録されていた在日朝鮮人約61万人について「いちいち渡
来の事情を調査した」結果をまとめたもので、次のように明確に指摘して
いる。

「第2次大戦中内地に渡来した朝鮮人、現在日本に居住している朝鮮人の
大部分は、日本政府が強制的に労働させるためにつれてきたものであると
いうような誤解や中傷が世間の一部に行われているが、右は事実に反する」

「(在日朝鮮人で)国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数
はごく少部分である。かれらに対しては、当時、所定の賃金等が支払われ
ている」

現在、ソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前と光州駅前に徴用工
の像を設置しようと計画する韓国の民間団体は、必ずしも在日の元徴用労
務者を想定しているわけではない。

ただ、韓国人徴用工問題は、在日韓国・朝鮮人は強制連行された人たちの
子孫だとする「強制連行神話」と無縁ではない。

韓国人は無理やり日本に連れてこられ、無給で奴隷労働を強いられた−な
どと、事実と異なる被害イメージを勝手に膨らませている韓国側に、「歴
史問題を直視」させる必要がある。そのためにも、資料にあるような事実
は主張し続けなければならない。

(論説委員兼政治部編集委員) 
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017・5・19


2017年05月12日

◆日本国憲法70歳の何がめでたいのか?

阿比留 瑠比



日本国憲法70歳の何がめでたいのか? 投げやりで無責任な条文が日本人
のモラルをゆがめ

93歳の作家、佐藤愛子氏のベストセラーとなったエッセー集『九十歳。何
がめでたい』をもじって言えば、「70歳。何がめでたい」となろうか。3
日、施行70周年を迎えた日本国憲法のことである。

現行憲法は、占領下に連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策を担う若手
民政局員らが、ごく短期間で草案を書き上げた。しかもそこには、日本の
非武装化・弱体化を狙う明確な意図すら込められていた。

そんなものを、われわれは後生大事に70年間も神棚に飾って信心し、全
く手を触れずにきた。何とも「おめでたい」話であり、とても祝う気には
なれない。

とはいえ、時代は徐々に変わり、産経新聞社とFNN(フジニュースネッ
トワーク)の4月の合同世論調査では、憲法改正に賛成の人が52.9%
(反対は39.5%)に上った。昨年11月の調査に続き、すでに過半数を得
ている。

国会では、衆参両院の憲法審査会で憲法をめぐる諸課題が議論されてい
る。ただ、与野党の幅広い合意を得られる改憲項目を見いだすため、その
歩みが遅々としているのは否めない。

避けられぬ「9条」

そもそも国民投票で賛否を問う憲法改正項目については、「1回で3条項
前後が常識的だ」(自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長)とされる

93歳の作家、佐藤愛子氏のベストセラーとなったエッセー集『九十
歳。何がめでたい』をもじって言えば、「70歳。何がめでたい」となろ
うか。3日、施行70周年を迎えた日本国憲法のことである。

現行憲法は、占領下に連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策を担う若
手民政局員らが、ごく短期間で草案を書き上げた。しかもそこには、日本
の非武装化・弱体化を狙う明確な意図すら込められていた。

そんなものを、われわれは後生大事に70年間も神棚に飾って信心し、
全く手を触れずにきた。何とも「おめでたい」話であり、とても祝う気に
はなれない。

とはいえ、時代は徐々に変わり、産経新聞社とFNN(フジニュース
ネットワーク)の4月の合同世論調査では、憲法改正に賛成の人が
52.9%(反対は39.5%)に上った。昨年11月の調査に続き、す
でに過半数を得ている。

国会では、衆参両院の憲法審査会で憲法をめぐる諸課題が議論されてい
る。ただ、与野党の幅広い合意を得られる改憲項目を見いだすため、その
歩みが遅々としているのは否めない。

避けられぬ「9条」

そもそも国民投票で賛否を問う憲法改正項目については、「1回で3条
項前後が常識的だ」(自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長)とされ
る。

何より「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生
存を保持しようと決意した」と掲げる前文は罪深い。存在しない子供じみ
た絵空事を国の最高法規で説くことで、9条2項と連動し、日本人のモラ
ルと国際感覚、現実認識をゆがめてきた。

 厳しく叱られた子供が、卑屈に大人を見上げて「もう悪いことはしませ
ん。言うことを聞くいい子になります」と許しを請うているようなみっと
もない文章である。米国憲法や国際宣言を切り離し、敗戦国の悲哀をまぶ
したような前文は一刻も早く改めたい。

 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という基本的な原則は守りつつ
も、憲法には全面的な改正の必要がある。

(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.5.4

2017年04月13日

◆蓮舫・民進党が向かう先は…

阿比留 瑠比



北の脅威に目を背け、長島昭久氏にも見放された蓮舫・民進党が向かう先は…

民進党が「反党行為」を理由に除籍処分する方針の長島昭久元防衛副大
臣が、鳩山由紀夫内閣の防衛政務官を務めていた平成21年12月のこと で
ある。ある会合で、長島氏がこうぼやいていたのが記憶に鮮明だ。

「民主党政権になって政府に入れてもらったと思っていたら、社民党政
権だった。米国との関係は完全に冷え切るだろう。盧武鉉政権時代の韓国
のように」

当時、米国は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の年内決着
を強く求めていた。だが、鳩山首相が連立を組む社民党の意向を優先さ
せ、結論の先延ばしを決めた。そんな頃の話である。

自覚していたのならば、もっと早く離党すればよかったのではないかと
いう気もするが、ともあれ、党内保守派の代表格だった長島氏に見放され
た民進党は、どこへ向かうのか−。

「党内ガバナンスという魔法の言葉によって、一致結束して『アベ政治
を許さない!』と叫ぶことを求められ…」

長島氏は10日の離党表明記者会見でこう振り返っていた。政治思想・ 信
条を共有できないまま無理にまとまろうとすると、特定の攻撃対象を設
定しただけのようないびつな結束になってしまうのだろう。

12日の衆院厚生労働委員会では、民進党議員が飽きもせずに「森友学 園
問題」を取り上げていた。この日の同委は、質問内容を介護保険法改正
案に限定することを条件に安倍晋三首相が出席し、野党のみの質疑に応じ
ていたにもかかわらず、である。国民生活に直結する介護保険問題より
も、森友問題が喫緊の課題であるかのようである。

ともすると左側に引きずられ、傾きがちな民進党にあって、長島氏の存在
はバランスを保つ上でも「保守派もいる」とのイメージを維持する上でも
貴重だったともいえる。長島氏なき今後、民進党はさらに先鋭化し、社民
党化が加速するのではないか。(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.4.13



2017年02月12日

◆閉じた言論空間に戦慄を覚えた!

阿比留 瑠比



実に不可解で不得要領な1面記事だった。東京新聞が2日付で掲載した
「『ニュース女子』問題 深く反省」「沖縄報道 本紙の姿勢は変わら
ず」という記事のことである。それには深田実論説主幹の署名で、同紙の
長谷川幸洋論説副主幹が司会を務める東京MXテレビ番組について、次の
ように記されていた。

「内容が本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なることはま
ず明言しておかなくてはなりません。加えて、事実に基づかない論評が含
まれており到底同意できるものでもありません」「とりわけ論説副主幹が
出演していたことについては重く受け止め、対処します」

これでは、東京新聞が具体的に何を問題視しているのかよく分からな
い。長谷川氏が、報道姿勢や社論と異なる他の媒体に出演していたことを
今さら重く受け止めるのであれば、今まではなぜ、副主幹の肩書で番組に
出ることを容認してきたのだろうか。

何より、「深く反省」と言いながら、当事者である長谷川氏自身の言葉
が一切出てこないのはどういうことか−。

案の定、翌3日付の朝刊各紙では、東京新聞の対応に対する疑問点が取
り上げられていた。読売新聞は服部孝章・立教大名誉教授のこんなコメン
トを載せた。

「東京新聞は『事実に基づかない論評が含まれる』と番組を批判するな
らば、どこが事実に反するのかを明らかにすべきだった。中途半端な謝罪
で、かえって読者の信頼を損ねたのではないか」

朝鮮半島で女性を強制連行して慰安婦にしたとする詐話師、吉田清治氏の
偽証を十数回も掲載しておきながら、平成26年8月に記事を取り消した
際には、どんな記事で吉田証言を使用したかをきちんと示さず、かえって
強い批判を浴びた朝日新聞の事例を連想する。

また、3日付の毎日新聞では、岡田憲治・専修大教授(政治学)がこう
指摘していた。

 「長谷川さんが申し訳なかったと自己批判しているか、そうでないかで
記事の『対処』の意味合いが変わる。本人が仮に悪くないと考えているな
ら、堂々と紙面で議論したらよい」

 もっともな意見である。毎日新聞には読売新聞にも登場した服部氏もコ
メントを寄せ、「社論と違う点を問題にすべきではない」と述べていた。
これも、率直にその通りだと感じる。

確かに、社論形成にもかかわる論説副主幹という立場にある以上、外部
での発言にも一定の制約が課されるとの考え方もあるだろう。だが、東京
新聞は毛色の変わった長谷川氏の自由な発信を認めることで、自社の言論
の多様性を内外に示してこられた部分も小さくないのではないか。

長谷川氏は、6日のニッポン放送のラジオ番組で、自身の考えについて
このように主張している。

「私が社外で発言することが東京新聞の報道姿勢と違っていても、何の
問題もないし、それを保障すること自体が言論の自由を守ることだ」「私
に対して処分をするということは、言論の自由の侵害だ」
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2.9