2017年12月17日

◆財務省「忖度説」の破綻くっきり

                     阿比留 瑠比

財務省「忖度説」の破綻くっきり 固執する朝日新聞が書くほど浮き上が
る別の構図


首相夫人昭恵氏への忖度で安く払い下げたというより、籠池氏の「恫喝」
に、一刻も早く問題物件を売り払いたい財務省が屈したというのが本当の
ところではないか。そこがより明確になってきた。まして安倍首相の関与
など、影も形も見えない。

■カケ→モリに重心

朝日はここのところ、森友学園ではなく加計学園の新獣医学部設置問題に
執心していた。それが急に森友問題追及へと重心を移したのはなぜか。

 朝日は文部科学省の文書にある「総理のご意向」という文言は、飽くこ
となく繰り返してきた。一方で、同文書にある「〜という形にすれば、総
理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」という論調に合
わない部分は決して報じようとしないことが、広く知られてきたこととの
関係が注目される。

 読売新聞は11月28日付社説で、自民党の菅原一秀氏が11月27日
の衆院予算委でこの部分を取り上げたことについてこう主張した。

 「『これは、首相からの指示がないということではないか』との菅原氏
の指摘はうなずける」 財務省の「忖度説」をはじめ、朝日による一連の
モリカケ疑惑報道の破綻がはっきりしてきたように思える。(論説委員兼
政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】



2017年12月11日

◆財務省「忖度説」の破綻くっきり

阿比留 瑠比

財務省「忖度説」の破綻くっきり 固執する朝日新聞が書くほど浮き上が
る別の構図

昭恵氏への忖度で安く払い下げたというより、籠池氏の「恫喝」に、一
刻も早く問題物件を売り払いたい財務省が屈したというのが本当のところ
ではないか。そこがより明確になってきた。まして安倍首相の関与など、
影も形も見えない。

■カケ→モリに重心

朝日はここのところ、森友学園ではなく加計学園の新獣医学部設置問題に
執心していた。それが急に森友問題追及へと重心を移したのはなぜか。

朝日は文部科学省の文書にある「総理のご意向」という文言は、飽くこと
なく繰り返してきた。一方で、同文書にある「〜という形にすれば、総理
が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」という論調に合わ
ない部分は決して報じようとしないことが、広く知られてきたこととの関
係が注目される。

読売新聞は11月28日付社説で、自民党の菅原一秀氏が11月27日の衆院予算
委でこの部分を取り上げたことについてこう主張した。

「『これは、首相からの指示がないということではないか』との菅原氏の
指摘はうなずける」

 財務省の「忖度説」をはじめ、朝日による一連のモリカケ疑惑報道の破
綻がはっきりしてきたように思える。(論説委員兼政治部編集委員)

2017年12月03日

◆朝日新聞へ「疑念が晴れない」

阿比留 瑠比

朝日は21日、著書『徹底検証「森友・加計事件」 朝日新聞による戦後
最大級の報道犯罪』の中で、足立氏と同様の部分を指摘した文芸評論家の
小川栄太郎氏に対しても申入書を送り、こう反論していた。

 「弊社は、上記8枚の文書について、その内容を本年5月17日、18
日、19日の紙面で紹介しており、『安倍の関与を想像させる部分以外
は、文書内容をほとんど読者に紹介せず』という指摘は事実に反します」

 そこで17〜19日の朝日紙面を改めて読み直してみたが、「総理から
の指示に見えるのではないか」との部分への言及は見当たらなかった。朝
日はそこは重要だとは判断しなかったというのだろうか。やはり疑念は晴
れない。(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.11.23

2017年11月27日

◆朝日新聞へ「疑念が晴れない」

阿比留 瑠比


 朝日新聞が学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題に関し、執拗(し
つよう)に用いる表現を使えば「疑念が晴れない」「疑問が残ったまま
だ」「追及を何とかかわしたい。そんな狙いもうかがえる」とでも言うべ
きか。

 まるで国家の存亡にかかわる重大問題であるかのように、加計問題につ
いて膨大な記事を量産してきた朝日が、紙面に載せたがらない事実のこと
である。

 日本維新の会の足立康史衆院議員は15日の衆院文部科学委員会で、
「新学部『総理の意向』」「文科省に記録文書」と書いた5月17日付朝
日の朝刊1面トップ記事について捏造(ねつぞう)報道だと指摘し、その
理由の一つとしてこう述べた。

「『国家戦略特区諮問会議決定という形にすれば、総理が議長なので、
総理からの指示に見えるのではないか』と書いてある。総理からの指示で
はないが、こういう形にすれば総理からの指示があったかのように見える
よね、と書いてある。これを見た朝日が、こういう記事を1面に出すとい
うのは捏造という」

 朝日はこの日の1面で、文書を写真入りで報じていたが、足立氏が指摘
した部分はなぜか暗い影が落としてあり、判読できないようになってい
る。筆者も疑問を抱き、6月23日付当欄で「逆に首相の指示などないこ
とを示している」と記したところだ。

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】
(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

2017年11月19日

◆韓国は寝転び駄々こねる子供

阿比留 瑠比

 

「(日米)両国はかつて戦争をした歴史がありますが、その後の日米の
友好関係、米国からの支援により、今日の日本があるのだと思います」

日本政府が提唱する新たな外交方針「自由で開かれたインド太平洋戦
略」について、訪韓したトランプ米大統領が文在寅大統領との首脳会談で
米韓同盟として関与することを提案したものの、韓国側は同意しなかった
ことが9日、分かった。

交際相手の女性が体調不良になったのに、医師の診断を受けさせず放置
したとして、大阪府警枚方署は9日、保護責任者遺棄容疑で同府枚方市の
警備員の男(48)を逮捕した。


韓国大統領府がトランプ米大統領の歓迎晩餐(ばんさん)会に、元慰安婦
を招き、竹島(島根県隠岐の島町)の韓国名「独島」を冠したエビ料理を
出した
 

韓国大統領府がトランプ米大統領の歓迎晩餐会に、元慰安 婦を招き、竹
島(島根県隠岐の島町)の韓国名「独島」を冠したエビ料理 を出した。

明らかな反日宣伝であり、日韓関係を損なうだけの所業だ。

北朝鮮の核・ミサイル開発を止める連携が重要な局面である。その今、
わざわざやることなのか。愚かにもほどがある。

菅義偉官房長官はトランプ氏がアジア歴訪で日韓を最初の訪問先に選ん
だ意義を指摘し「日米韓の緊密な連携に悪影響を及ぼす動きは避ける必要
がある」と述べた。控えめな物言いだが、これを認識しない文在寅政権に
あきれる。

韓国政府は「儀式的なことについて、あれこれ言うことは適切でない」
と応じたが、受け入れられない。元慰安婦は、強制連行された「性奴隷」
などと歴史をゆがめ、一方的主張を展開する反日運動の象徴的存在である。

竹島は日本固有の領土であり、韓国に不法占拠されている。日本が何も
言わない方がおかしい。米首脳をもてなす場に反日を持ち込む方が外交儀
礼に反しよう。

日米韓の関係に水を差す文政権の非礼さと北朝鮮に対する認識欠如は、
韓国を危機に陥れるだけである。そんな指導者をいただく国民は哀れである。

河野太郎外相を含め、日本政府は連日抗議し、慰安婦問題の日韓合意を
順守するよう求めた。合意は最終的かつ不可逆的な解決を確認し、国際社
会で非難しないと約束したはずだ。

日韓合意は、北朝鮮情勢をはじめとする地域の安全保障を考え、日韓関
係の改善が欠かせないとかわされた。その意義の重要性が増していると
き、文政権で反故(ほご)にする動きが目に余る。自国の国際的信用と立
場を悪くするばかりだと気づくべきだろう。

文氏は北朝鮮への融和路線で大統領に就いたが、北朝鮮の暴挙の前に路
線転換を余儀なくされた。危機にあたっても、有効な手立てを取れていない。

ミサイル防衛でも中国の圧力に屈し、米軍の「高高度防衛ミサイル
(THAAD)」の追加配備は進んでいない。

八方ふさがりで国内向けの反日宣伝しか、アピールすることがないのだ
ろうか。お家芸の告げ口外交では打開は望めまい。嗤(わら)うのは北朝
鮮だ。

産経ニュース11月16日【阿比留瑠比の極言御免】韓国は寝転び駄々こねる
子供 たまにはきちん と叱らねば



2017年11月13日

◆森友・加計問題とあわせ

阿比留 瑠比


「森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意
図は明らかだ」(26日付社説)

 「『疑惑隠し』があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない」
(同日付根本清樹論説主幹コラム)

「首相の狙いは明白である。森友学園・加計学園の問題をめぐる野党の
追及を消し去り、選挙準備が整っていない野党の隙を突く」(29日付社説)

「『疑惑隠し解散』との批判にどう反論するのか。(中略)説明責任に
背を向ける首相の政治姿勢こそ、選挙の争点だ」(10月6日付社説)

「共産党の志位和夫委員長は首相に『森友、加計学園疑惑隠し。これ以
外にない』とただした。その通りだろう」(9日付社説)

「選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問
題の追及の場を消し去る」(11日付社説)

「大事な政策論議の前にまず、指摘しておかなければならないことがあ
る。森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ」(12日付
社説)

「この解散総選挙も、森友・加計疑惑を隠し、逃げるという本性におい
て類似のもの」(18日付福島申二編集委員コラム)

「森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散−−」(23日付社説)

目についたものをざっと拾っただけだが、よくもこれだけ同じことを書
き続けられるものだ。

だが、読者に特定の見方を刷り込み、言うことを聞かせようという底意
がすでに国民に見透かされているのは、まさに今回の選挙結果が示す通り
である。

野党も一部メディアも、国民をあまりにバカにしてはいないか。
「森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意
図は明らかだ」(26日付社説)

「『疑惑隠し』があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない」(同
日付根本清樹論説主幹コラム)

「首相の狙いは明白である。森友学園・加計学園の問題をめぐる野党の追
及を消し去り、選挙準備が整っていない野党の隙を突く」(29日付社説)

「『疑惑隠し解散』との批判にどう反論するのか。(中略)説明責任に背
を向ける首相の政治姿勢こそ、選挙の争点だ」(10月6日付社説)

 「共産党の志位和夫委員長は首相に『森友、加計学園疑惑隠し。これ以
外にない』とただした。その通りだろう」(9日付社説)

 「選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問
題の追及の場を消し去る」(11日付社説)

 「大事な政策論議の前にまず、指摘しておかなければならないことがあ
る。森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ」(12日付
社説)

 「この解散総選挙も、森友・加計疑惑を隠し、逃げるという本性におい
て類似のもの」(18日付福島申二編集委員コラム)

 「森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散−−」(23日付社説)

 目についたものをざっと拾っただけだが、よくもこれだけ同じことを書
き続けられるものだ。

 だが、読者に特定の見方を刷り込み、言うことを聞かせようという底意
がすでに国民に見透かされているのは、まさに今回の選挙結果が示す通り
である。

野党も一部メディアも、国民をあまりにバカにしてはいないか。

2017年11月06日

◆あまりに国民をバカにしていないか?

阿比留 瑠比


あまりに国民をバカにしていないか? 野党とメディアも問われた選挙 

民意無視の印象操作

蓋を開けてみると自民党の完勝に終わった今回の衆院選は、5年近くに
わたる安倍晋三政権の信任を問うものだった。ただ、国民はそれだけでな
く、野党やマスメディアの姿勢もまた、問うていたのではないか。

7月の東京都議選で「神通力」を発揮した小池百合子知事が代表に就任
し、一時は政権交代もあり得るかと思わせた希望の党は、あれよあれよと
いう間に失速していき、希望は失望へと変わった。

「きつい言葉だった。傷つけるつもりはなかった」

小池氏がこう反省を示す「排除発言」が、国民の反感を買ったとされる
が、失敗はそれにとどまらない。選挙戦で、小池氏が森友・加計学園問題
を連呼しだしたことで新味が薄れ、「これでは旧来の民進党や共産党と変
わらない」とがっかりされた部分も大きい。

主要メンバーの顔ぶれがほとんど菅直人内閣と重なる立憲民主党のほう
が、左派色が明確なだけ分かりやすく、反自民票の受け皿として選ばれた
のだろう。

そしてより深刻な惨状を呈したのが、メディア報道のあり方だった。事
の軽重も優先順位もあったものではなく、ひたすら「モリカケ」「モリカ
ケ」と一つ覚えのように粘着する姿はグロテスクだった。

せっかく民意を国政に届ける機会なのに、一部のメディアは安倍首相が
「国難」として提示した北朝鮮危機も少子高齢化問題もそっちのけで、モ
リカケにこだわっていた。特に突出していた朝日新聞は、首相が衆院解散
を表明した9月25日以降、解散の意味を矮(わい)小(しょう)化し続
けた。

森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図
は明らかだ」(26日付社説)

「『疑惑隠し』があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない」
(同日付根本清樹論説主幹コラム)

「首相の狙いは明白である。森友学園・加計学園の問題をめぐる野党の
追及を消し去り、選挙準備が整っていない野党の隙を突く」(29日付社説)

「『疑惑隠し解散』との批判にどう反論するのか。(中略)説明責任に
背を向ける首相の政治姿勢こそ、選挙の争点だ」(10月6日付社説)

「共産党の志位和夫委員長は首相に『森友、加計学園疑惑隠し。これ以
外にない』とただした。その通りだろう」(9日付社説)

「選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問
題の追及の場を消し去る」(11日付社説)

 「大事な政策論議の前にまず、指摘しておかなければならないことがあ
る。森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ」(12日付
社説)

 「この解散総選挙も、森友・加計疑惑を隠し、逃げるという本性におい
て類似のもの」(18日付福島申二編集委員コラム)

「森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散−−」(23日付社説)

目についたものをざっと拾っただけだが、よくもこれだけ同じことを書
き続けられるものだ。

だが、読者に特定の見方を刷り込み、言うことを聞かせようという底意
がすでに国民に見透かされているのは、まさに今回の選挙結果が示す通り
である。

野党も一部メディアも、国民をあまりにバカにしてはいないか。
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.10.24

2017年10月26日

◆前原さん、ありがとう

阿比留瑠比

前原さん、ありがとう 保守と左派分離 民進の矛盾すっきり

前原さん、本当にありがとう−。希望の党への合流を決断した民進党の
前原誠司代表に、心から感謝したい。複雑かつ不合理にこんがらかり、解
きほぐせそうにない矛盾を抱え続けていた政界の在り方を瞬く間に一変さ
せ、すっきりと分かりやすくした功績は憲政史上に残ることだろう。

「現時点では全てが想定内だ。私の判断は正しかったと思う」

4日付毎日新聞朝刊によると前原さんは3日、記者団にこう言い切った。
産経新聞の4日のインタビューでも、民進党側から小池百合子東京都知事
にだまされたとの声が出ていることについて「だまされたと思ったことは
一度もない」と明言している。

民進党の事実上の解散と党残留組、希望の党への移籍組、無所属組への分
裂など現在進行している政界の離合集散、再編の動きをあらかじめ予測し
ていたというのである。政局の先の先を見通す千里眼の持ち主だというし
かない。

民進党はもともと、党内に旧社会党出身者ら左派から保守派まで抱え、正
体の分からない「ぬえ」のような政党だった。その民進党を、保守系の民
間労組から左派系の官公労まで幅広い労組の集まりである連合が支援して
きたのだから、政策も党としての方向性もバラバラで揺れ動き、訳が分か
らなかった。

党のアイデンティティーが定まらないから、「アンチ安倍晋三首相」と
いった政党としての目的も存在意義も見失ったような共通項しか持てな
い。事の軽重も優先順位も現実の要請も無視し、党が一つになれる政権の
揚げ足取りにいそしむ姿は無(む)惨(ざん)だった。反対のための反対
を繰り返す万年野党から抜け出す兆しは、どこにも見いだせなかった。
ところが、前原さんの決断で全ては変わった。ぼんやりとにじんでいた政
界の輪郭がはっきりとした。

憲法改正への支持や、安全保障関連法の適切な運用を盛り込んだ希望の党
の「政策協定書」をのめない民進党左派は、立憲民主党という一塊となっ
て有権者の目に可視化した。民進党という大所帯の中に紛れていた左派勢
力が分離したことは、有権者の一票の選択の助けとなろう。

つい最近まで憲法違反だとして厳しく糾弾していた安保法を特に抵抗なく
受け入れ、大挙して希望の党入りする民進党前議員らのありさまはどう
か。彼らが危険視・有害視していたはずの安保法が、実はそんな問題のあ
る法律でも何でもなかったことの証左となった。

希望の党入りを望んだがはじかれた前議員は、有権者の目に「賞味期限切
れ」と映ったのではないか。

また、惰性で民進党を支持してきたように思える連合は今回、特定政党を
支持せず、候補者を個別に支援する。とはいえ、選挙運動の中核である自
治労、日教組など官公労は、方向性の近い立憲民主党への支援に傾いてい
くと予想される。

保守系労組の旧同盟と左派系労組の旧総評が合体した現在の連合の在り方
は、最初から無理があった。この点が今回の政界再編を契機に再整理され
れば、これも前原さんの功績だ。

かつて外交評論家の故岡崎久彦氏は野田佳彦前首相による衆院解散と、そ
の結果の民主党(当時)の下野について「野田さんは最後に身を殺して仁
を為(な)した」とたたえた。前原さんの政界への貢献は、野田氏に勝る
とも劣らない。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース26日【阿比留瑠比の極言御免】

2017年09月17日

◆前川喜平氏は聖人君子か

阿比留 瑠比



前川喜平氏は聖人君子か 野党や多くのメディアが無条件で正しいとみな
す根拠は?

北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射して一夜明けた30日、
民進党は国会内で「加計学園疑惑調査チーム会合」を開いた。党代表選も
9月1日に控える慌ただしい時期だというのに、その執着ぶりには恐れ入る。

加計学園の獣医学部新設をめぐっては、大騒ぎを3カ月以上続けても、安
倍晋三首相が不適切な介入をした証拠の一つも出てこず、違法性などどこ
にも見当たらない。疑惑の存在自体が「フェイク(偽物)」の様相を呈し
ている。

にもかかわらず、野党もメディアもここまで固執するのはなぜか。前文部
科学事務次官というもっともらしい肩書を持つ前川喜平氏という格好の人
物が登場して、「(首相官邸に)行政がゆがめられた」と証言したこと
に、「安倍政権打倒に利用できる」と飛びついたからだろう。

野党も多くのメディアも、今では前川氏をまるで無謬(むびゅう)の「聖
人君子」のように持ち上げている。安倍政権側が前川氏の発言に反論し、
その不適切な言動を指摘すると、過敏に反応してかばう。例えば朝日新聞
の関連社説で目についたものの一部を紹介すると、次のようである。

「(菅義偉官房長官は)文科省の天下り問題を持ち出し、前川氏に対する
激しい人格攻撃を始めた」(5月26日付)

「前川氏に対する人格攻撃を執拗(しつよう)に続け、官僚がものを言
えない空気をつくってきたのは首相官邸ではないか」(6月10日付)

「最初に証言した前川喜平前次官を菅官房長官が攻撃し、義家文科副大
臣は国会で、内部告発者を処分する可能性をちらつかせる答弁をした。考
え違いもはなはだしい」(6月16日付)

「『総理のご意向』文書の存在を前川喜平・前文部科学次官が証言する
と、菅官房長官は前川氏の人格攻撃を始めた」(6月18日付)

「(前川氏の国会証言は)国会の場で、国民の代表の質問に答えた重い
発言である」(7月11日付)

一読、異様である。座右の銘は「面従腹背」だと言い放ち、現役官僚時
代に風俗店に通って女性を連れ出し、小遣いを与えていたことを「女子の
貧困実態調査」だと言い訳した前川氏を、無条件で正しいとみなす根拠は
何なのだろうか。

朝日は国会で閉会中審査が行われた翌日の7月11日付朝刊社会面でも、
「『個人攻撃』に前川氏反論」との見出しの記事を掲載している。記事
は、前川氏の証言に疑問を示す議員の質問については「個人攻撃とも取れ
る質問」と書くが、前川氏批判は許されない行為だとでも言いたいのか。

朝日だけではない。毎日新聞も同日付朝刊の1面コラムで、教育行政の
トップだった前川氏の座右の銘が面従腹背であることについて、「国民と
同じ良心や常識を守るための隠れみのだったのか」と無理やり解釈して称
揚していた。

 だが、そもそも前川氏は文科省の違法な天下り斡旋(あっせん)に深く
関わり、引責辞任した人物である。今年2月7日の衆院予算委員会に参考
人として出席した際には、「万死に値する責任がある」「順法意識の欠如
があった」と述べていた。

 文科省が3月30日に公表した「文部科学省における再就職等問題に係
る調査報告」は、前川氏に関して「自らが再就職あっせんに関与してい
た」「違法行為が実施されることが推測できた」と記し、国家公務員法違
反を犯していたことを繰り返し指摘している。


「法律に違反した前川氏が、税金から巨額の退職金(推定5610万円)
を受け取ることは許されない。自主的に返納すべきだ」

 民進党の江田憲司代表代行は2月の時点では、前川氏に対しこう批判し
ていた。毎日は2月8日付社説で「ルール破りにあきれる」と書いた。と
ころが現在、民進党もメディアも、天下り問題には触れない。

 かつて厳しく指弾した相手でも、安倍政権攻撃に利用できるとなれば手
のひらを返して粉飾し、美化する。あまりのご都合主義に情けなくなる。
(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.8.31

2017年09月08日

◆「何をしでかすか分から ない国じゃないですか」

阿比留 瑠比



「北朝鮮(に対し)、性善説のような質問ですが、

菅義偉官房長官が1日の記者会見で、北朝鮮側ではなく日本政府の対応
ばかり疑問視して対話を促す東京新聞の記者を、こうたしなめる場面も
あった。

国民の生命・財産に直結し、世界平和を脅かす危機を引き起こしている
北朝鮮よりも、日本政府に対して「性悪説」をとって攻撃する人たちも少
なくない。

5日付東京新聞朝刊によると、安倍政権による憲法9条改正に反対する
市民団体の呼びかけ人の一人である評論家、佐高信氏は4日に記者会見
し、こう訴えたのだという。

「再び戦争をしたい人たちを阻止していきたい」

だが、筆者は安倍政権内でも自身の周囲でも、再び戦争をしたい人など
ただの一人も知らない。少なくとも日本では、護憲派と改憲派などそれぞ
れの立場や考え方によって、平和を維持・確保するための方法論が異なる
だけで、誰も戦争など求めてはいない。

8月29日朝に、北朝鮮が日本上空を飛び越える弾道ミサイルを発射 し、
政府が12道県で全国瞬時警報システム(Jアラート)を配信した際 に
は、金子勝慶大教授がツイッターでこんな投稿をしている。

「まるで戦時中の『空襲警報』を一斉に流す。北朝鮮も怖いが、『戦時放
送』を流す安倍政権も怖い」

また、9月3日の北朝鮮の核実験を受け、コラムニストの小田嶋隆氏は一
応、北朝鮮を批判しつつも4日付朝日新聞朝刊にこんなコメントを寄せて
いた。

 
「安倍政権は、求心力を高めるために国防意識を強い口調であおっている
ようにも映る」

政府が北朝鮮のミサイル情報を国民にただちに伝えたことや、安倍首相ら
政権中枢が北朝鮮の無法への憤りを口にしたことが、まるで問題のような
言い草である。「安倍嫌い」をこじらせて、どんな事態、状況も安倍政権
批判に結びつけなくては気が済まなくなってしまったのか。

評論家の石平氏は6日、自身のツイッターでこうはっきりと断じていた。

 「『北を追い詰めたのは日米だ』と金正恩の立場を弁護したり、北朝鮮
の脅威に対処するための自国防衛強化に難癖をつけたりする人はいる。そ
んなのはもはや平和ボケ程度のものではない。日本国民に対する犯罪だ!」

言葉はきついが、おおむね同感である。自国は信用できないが、他国は信
頼しようと説く人たちの道連れにはされたくない。(論説委員兼政治部編
集委員)


2017年08月31日

◆前川喜平氏は聖人君子か

阿比留 瑠比



前川喜平氏は聖人君子か 野党や多くのメディアが無条件で正しいとみな
す根拠は?

北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射して一夜明けた30日、民
進党は国会内で「加計学園疑惑調査チーム会合」を開いた。党代表選も9
月1日に控える慌ただしい時期だというのに、その執着ぶりには恐 れ入る。

加計学園の獣医学部新設をめぐっては、大騒ぎを3カ月以上続けても、
安倍晋三首相が不適切な介入をした証拠の1つも出てこず、違法性などど
こにも見当たらない。疑惑の存在自体が「フェイク(偽物)」の様相を呈
している。

にもかかわらず、野党もメディアもここまで固執するのはなぜか。前文
部科学事務次官というもっともらしい肩書を持つ前川喜平氏という格好の
人物が登場して、「(首相官邸に)行政がゆがめられた」と証言したこと
に、「安倍政権打倒に利用できる」と飛びついたからだろう。

 そして野党も多くのメディアも、今では前川氏をまるで無謬(むびゅ
う)の「聖人君子」のように持ち上げている。安倍政権側が前川氏の発言
に反論し、その不適切な言動を指摘すると、過敏に反応してかばう。例え
ば朝日新聞の関連社説で目についたものの一部を紹介すると、次のようで
ある。

「(菅義偉官房長官は)文科省の天下り問題を持ち出し、前川氏に対す
る激しい人格攻撃を始めた」(5月26日付)

「前川氏に対する人格攻撃を執拗(しつよう)に続け、官僚がものを言
えない空気をつくってきたのは首相官邸ではないか」(6月10日付)

「最初に証言した前川喜平前次官を菅官房長官が攻撃し、義家文科副大
臣は国会で、内部告発者を処分する可能性をちらつかせる答弁をした。考
え違いもはなはだしい」(6月16日付)

「『総理のご意向』文書の存在を前川喜平・前文部科学次官が証言する
と、菅官房長官は前川氏の人格攻撃を始めた」(6月18日付)

「(前川氏の国会証言は)国会の場で、国民の代表の質問に答えた重い
発言である」(7月11日付)

一読、異様である。座右の銘は「面従腹背」だと言い放ち、現役官僚時
代に風俗店に通って女性を連れ出し、小遣いを与えていたことを「女子の
貧困実態調査」だと言い訳した前川氏を、無条件で正しいとみなす根拠は
何なのだろうか。

「法律に違反した前川氏が、税金から巨額の退職金(推定5610万円)を受
け取ることは許されない。自主的に返納すべきだ」

民進党の江田憲司代表代行は2月の時点では、前川氏に対しこう批判して
いた。毎日は2月8日付社説で「ルール破りにあきれる」と書いた。とこ
ろが現在、民進党もメディアも、天下り問題には触れない。

かつて厳しく指弾した相手でも、安倍政権攻撃に利用できるとなれば手の
ひらを返して粉飾し、美化する。あまりのご都合主義に情けなくなる。
(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】8・31

2017年08月25日

◆民主主義破壊するメディア

阿比留瑠比



民主主義破壊するメディア 安易な「報道しない自由」

22日付の産経新聞と読売新聞に、民間団体「放送法遵守を求める視聴 者
の会」による意見広告「異常に歪んだテレビ報道 視聴者の知る権利が
奪われ続けています」が掲載されていた。ご覧になった読者も多いだろう
が、そこに示されていた数字は、寒気すら覚えるものだった。マスメディ
アの現状を考えるうえで、非常に重要なポイントなので、改めて紹介したい。

広告は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐる7日10日 の
国会閉会中審査について、テレビがどのように報じたかを検証している。

それによると、テレビ各局は10日から11日までにこの問題を計30番組で合
わせて8時間36分23秒間、報じた。問題なのは、その内訳の 極端な
偏りである。

各局は、国会に招かれた参考人のうち「首相官邸によって行政がゆがめ
られた」と主張する前川喜平・前文部科学事務次官の発言については、計
2時間33分46秒にわたり取り上げていた。

ところが、前川氏に反論し た加戸守行・前愛媛県知事の発言はわずか計
6分1秒、原英史・国家戦略 特区ワーキンググループ委員の発言はたっ
たの計2分35秒しか放送しな かった。

加戸氏は実際に加計学園を誘致した当の本人であり、かつては前川氏の上
司でもあった。原氏は獣医学部新設の是非を議論、審査した当事者である。

にもかかわらず、「岩盤規制にドリルで穴を開けていただいた。ゆがめら
れた行政が正された」との加戸氏の訴えや、「規制改革のプロセスに一点
の曇りもない」との原氏の証言は、テレビでは事実上なかったことにされ
た。テレビ東京に至っては、加戸氏と原氏の発言を一切報じなかった。


まさに「歴史上最悪に属するとみられる偏向報道」(視聴者の会事務局長
で経済評論家の上念司氏)だといえる。放送法4条は次のように定めてい
るが、守る気はさらさらないようだ。

「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、でき
るだけ多くの角度から論点を明らかにすること」

もっとも、これはテレビ局だけの問題ではない。放送法の縛りは受けない
ものの、7月10日の閉会中審査における加戸氏の発言に関しては、朝日新
聞と毎日新聞も、記事本文中では1行も触れなかった。

テレビも新聞も、事実や読者・視聴者が考えるための材料をありのままに
提供することよりも、自分たちの主義・主張に都合のいいことだけ熱心に
伝えている。前川氏の意見と加戸氏らの反論のどちらに軍配を上げるかは
本来、情報の受け手自身が選ぶべき話である。そんな当たり前のことが、
前川氏の見解だけしか報じないメディアによって妨害されている。

今回、テレビ報道の偏向を調べた一般社団法人日本平和学研究所の理事長
で文芸評論家の小川榮太郎氏は、筆者も同席したインターネットの「言論
テレビ」番組(4日放送)で、こう指摘していた。

「報道機関の社会における存在意義は、報道による情報を基に国民が判断
する(という)民主主義の根幹を担っていることだ。その情報がこんなに
極端な虚報に彩られ、何カ月も是正されないとなれば、これはデモクラ
シーそのものが否定、毀損されていると言っても過言ではない」

マスメディアは今、率先して民主主義の根幹を壊している。そして、安易
な「報道しない自由」の行使によって、自らの存在意義も失おうとしてい
る。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.8.24 更新


2017年08月10日

◆10年前から続く印象操作

阿比留 瑠比



10年前から続く印象操作 憲法改正を目指す保守派はメディアが問題視、
ハト派なら目こぼし

延々と続く森友・加計学園関連報道などを通じ、メディアが恣意的な切り
貼りや「報道しない自由」の行使、レッテル貼りと印象操作などあらゆる
報道技法を駆使して、気に食わない安倍晋三政権の倒閣運動を展開してき
たことは、これまで何度も指摘してきた。

ただ、こうしたメディアのやり方は、今に始まったことではない。10年前
の第1次安倍政権当時も、社会保険庁(現日本年金機構)の年金記録 紛
失が明らかになった「消えた年金問題」や、「政治とカネ」の問題をめ
ぐって、メディアは安倍政権たたきに異様な情熱を注いでいた。

「年金問題」当事者は

「消えた年金問題」は、社保庁の長年にわたる怠業体質が引き起こした
失態であり、本来は歴代政権が等しく監督責任を負うべきものだろう。安
倍政権はむしろ、既得権益維持を図る社保庁の労働慣行を改め、「解体的
な出直し」を訴えている側だった。

また、年金記録を紛失した当事者は、民主党を支持してきた公務員労組
員たちであり、民主党こそが深い反省を示すべき場面だったはずである。

実際、フジテレビの番組「報道2001」による平成19年6月7日の 世論調
査の時点では、「問題の責任は誰にあるか」との問いへの回答は (1)
歴代社保庁長官(64・2%)(2)社保庁職員(14・2%) (3)安倍
首相(6・6%)−の順で、国民は比較的冷静だった。


ネットが暴く不公平

メディアが問題視すれば些細な行き違いが「巨悪」となり、メディアが目
こぼしすれば問題などなかったことになる。相手が憲法改正を目指す保守
派ならばあることないこと総動員してやっつけるが、近隣諸国に融和的な
ハト派なら都合の悪いことは報じない。

そんな悪弊は確かに当時もあった。ただ、あの頃と大きく変わったのは、
インターネットのさらなる普及で、そうしたメディアの不公平で不誠実な
姿勢が多くの人にばれてしまい、メディア自身が国民から強い批判と監視
の目を向けられるようになったことだろう。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2017.8.10