2022年02月27日

◆日本の自立を取り戻すには真の自立以外ない

加瀬 英明

  日本はいまから70年前の昭和27(1952)年に対日講和条約が発効してか
ら、年を追うごとに国として尊厳を失うようになった。
いつの間にか、日本は誇りを失った国になってしまった。

 世界のどの国でも学校教育の場で、その国の民として誇りをいだくよう
に教えている。日本ではそうではない。
先の大戦の敗戦によって、明治の開国後、先人たちの努力の賜物として築
きあげた、あまりにも輝かしい業績をあっというまに失ったために、茫然
自失して自信を喪失したた
めだろう。

 独立を回復してから70年もたつから、傷を癒したい。
私はナショナリズムを復活させるべきだと、主張するつもりはない。国と
して自尊心を取り戻すことを求めている。

 自尊心を失った人は、正常な社会生活を営むことができない。国も同じ
ことだ。日本は私たちの根だ。国への誇りを失ってしまうと、日本が根腐
れして立枯れてしまう。

 多文化尊重とか、グローバル市民といった、聞こえだけよい菌によって
根腐病が進んで、樹齢が2000年以上の大木が蝕まれている。

 私を右翼、極右だといって誹謗する人々がいるが、的外れだ。ナショナ
リストだと思ったことはない。

 ナショナリズムは自国が他国に優越していることを、言いひろめる。戦
時下なら許されようが平時にはそぐわない

 自尊心を欠いた国は国を失う私は一人の凡人として、自尊心を欠いた国
は立ち行かないと憂いている。

 自らを尊ぶ心を衰えさせた国は生命力が弱まって、相手の国と対等な立
場にたとうという気概を失ってしまう。

 敵基地を攻撃する能力を持つべきか、問題になっているのが、じつによ
い例だ。

 相手が日本本土を攻撃する能力を備えているのに、そのような手段を
持ってはならないと主張する国会議員が与党のなかにもいるのは、どうし
たことなのだろうか。

 このような自尊心を捨てた人々は、日本が性悪(しょうわる)な国家だか
ら、重い責任を負ったり、負わせてはならないと信じているのだろう。弱
いことが平和を守るとい
う、不気味な妄言(たわごと)を口のなかでいつもつぶやいている。

 現行憲法に崇高な平和主義が宿っているといって擁護している人々も、
昭和50年代に日本教職員組合(日教組)大会が開催された時に、アルバ
イト、リベート、プレゼン
トを禁じる“三ト決議”が採択されたのをみても、けつして純粋な精神を
持っていない。

 もっとも、かつて貧しかった時代には、自分に力をつけなければ生きて
ゆけなかったから、人がそれぞれ強い個性を持っていた。

 ところが、物質的な豊かさが増すにつれて、たいして努力をしなくて
も、ある程度の生活が営めるようになったために、ひ弱になって、人も国
も逞しさを失った。

 このところ日本から個性を持った人々が、ほとんどいなくなった。独立
自尊福沢諭吉翁が「独立自尊」という言葉を、遺している。自らを尊ぶこ
とによって、人も国もはじめて独立することができる。

 私は歌が時代の精神を映しているので、明治以後の演歌、歌謡曲、軍歌
などの歌詞に興味をもってきた。

 昭和20年代に、「こんな女に誰がした」という歌が流行(はや)った。ア
メリカ兵を相手に春をひさぐ女をうたった、自暴自棄な歌詞となっている。

 独り立ちするのを否定した憲法を守ろうとしている人々は、自暴自棄に
陥っているとしか説明できない。

 護憲派の人々は他国が軍を保有するのは当たり前のことだとみなしてい
るが、日本は他の国々と対等でないから、軍が存在してはならない。

 近隣の外国が1970年代に入ってから、尖閣諸島を自国の領土だと偽って
「核心的
利益」と称して、その国の武装公船が連日のように領海を侵犯していると
いうのに、政
府はその国に媚びて、尖閣諸島が沖縄県石垣市に属しているのに市職員も
含めて、日本
国民の島への上陸をいっさい禁じている。

 なぜ、日本を侮る外国の機嫌をうかがわなければならないのだろうか。
外国に位負けしているのだ。

 新潟県佐渡島の金鉱山跡を、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の歴史
文化遺産に登録しようとしたのに対して、韓国が佐渡金山で韓国人が奴隷
労働を強いられていたと、
根も葉もない主張を行って抗議すると、腰がふらついて、一時、申請を延
期するといったのもそうだ。

 文化安全保障のすすめ

 日本は背骨がない国となってしまった。確固たる信念がなく、いつも動
揺して水母(くらげ)のように漂っている。
敗戦直後の日本人は、まだ毅然としていた。

 終戦の年に、私は小学3年生だった。東京・四谷の家を空襲によって焼
かれたために、鎌倉で育った。

 「リンゴの唄」(昭和20年、サトウハチロー作詞)が、ラジオから流れ
ていたので、よく知っていた。

 占領下だったが、四谷の近所の床屋が店を焼かれたので、なじみの客を
鋏と道具を持って巡ってわが家にもきた
私も刈ってもらった。南方から引き揚げた復員兵だった。

 ある時、「リンゴの唄」を口ずさみながら、鋏を使った。「これは日の
丸の歌ですよ。仲間はみなそう思っています」といった。

  赤いリンゴに口びるよせて
  だまってみている青い空
  リンゴはなんにもいわないけれど
  リンゴの気持はよくわかる
  リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ

  歌いましようかリンゴの歌を
  二人で歌えばなおたのし
  皆なで歌えばなおなおうれし
  リンゴの気持を伝えよか
  リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ

 復員兵にとって、リンゴが日の丸だった。占領下で日本は国旗の掲揚を
禁じられていた。いまでも、この歌を聞くと襟を正す思いがする。

 私は一度、サトウハチロー先生に伺ってみたかったが、その機会がな
かった。

 学校教育の場で青少年に日本人として当然な自尊心をいだくことを、教
えなければならない。

 昨今、経済安全保障を確立することが急務だという声があがっている
が、文化安全保障こそ必要ではないか。

 就職前の大学生の人格教育に当たっている株式会社キャリアコンサル
ティングという称賛するべき教育会社がある。私はしばらく前に豊島区公
会堂に招かれて、800人あまりの男女大学生を前にして講演したことが
あったが、学生たちが全員規律正しく目が輝いているのに感動を覚えた

 本誌に高森明勅氏が、皇室について連載を始めたのが嬉しい。

 日本の現状を嘆いている多くの識者が、米国が占領下で日本国民を“洗
脳”して東京裁判史観を植え付けたために、国民精神が混乱していると
いって米国のせいにしているが、筋違いだ。

 日本国よ、目覚めよ

 米国による占領は、僅か六年だった。自虐史観と日本国憲法が定着した
のは、米軍の力によるものではない。占領軍の傀儡となった大新聞や、学
者たちが保身のために協力
したのが、今日に至っている。

 独立を回復した直後に、占領政策による弊害を正すべきだったのに、七
十年にわたって放置してきた日本国民が、責められるべきだ。




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◆雀庵の「大戦序章/1第3次世界大戦が始まった?」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/434 2022/2/25金】先日、孫5人、子供3人が集
まって小生の71歳誕生日を祝ってくれた。孫は4月から中2、小5年、4年、
3年、1年になるが、先が長いから大変だ、と小生は思うけれど、本人も親
も大変さが分かっていないから明るいものである。知らぬが仏、怖いもの
知らず・・・何よりも「若さ」という勢いがあるからこそできることで、
素晴らしいことそれでいいのだ!

2月23日は第126代天皇徳仁(なるひと)陛下(令和天皇)の誕生日であ
る。1960/昭和35年生まれで62歳。共産主義を目指す激動の60年安保騒動
の最中だった。

第125代天皇明仁(あきひと、平成天皇、上皇)様は1933年12月23日生ま
れで88歳。明仁様が15歳になられた1948年12月23日、GHQは極東国際軍事
裁判で死刑判決を受けたA級戦犯7名の絞首刑を実行した。マッカーサー、
GHQは日本人を蛮族、ガキとバカにしていたから、大いに愉快だったろ
う。報復のタネをばら蒔いたのはまずかった・・・恨みはらさでおくもの
か、となるわな。

GHQ、アメリカの占領政策は日本を「100年間戦争できない国にする」の
が最大のキモで、占領下で国家主権がない日本は、GHQが1週間ほどで作っ
た日本国憲法を押し付けられ、1946年(昭和21年)11月3日公布、1947年
(昭和22年)5月3日に施行された。

マンガみたいな“なんちゃって”憲法だが、日本の狡猾な政治家やエリー
トは「軍事はアメリカさんにお任せだから莫大な経費節約になる、戦後復
興急ぐべし」と歓迎したようだ。この憲法は事実上「改憲できない」こと
を軽視したツケが今まわって、いささか“老大国”気味になったアメリカさ
んは大丈夫だろうか、と何となく心配するようになった。旦那が老いるに
従って妾が不安を覚えるのと似ている。

私見だが、国難を迎えた時は、クーデターで暫定憲法を創るか、「想定
外の緊急事態だから超法規で対処する」とかのアクロバットで対処するこ
とになるかもしれない。憲法のために国民があるのではない、国民ために
憲法があるのだ、米国製憲法より国民の命の方が大事だ、とか大声を上げ
れば、正義が大好きな日本人は「確かにそうだ」と了解するだろう。

大きな危険を避けるためには自由民主や法律、人道、人権、共生などは
一時的に規制されるものだろう。強盗に襲われたら、強盗の人権云々より
もまず迎撃する――当たり前だ。「テクマクマヤコン、超法規でヘンシー
ン!」、便利で怪しいオマジナイ。やってみなはれ。

迎撃、排除、駆除・・・「孤立を恐れず」の小生はいささか「される」
側だが、餌を求めて山から出て人間を襲ったり不安にする熊が殺処分され
るニュースを知ると、「そこまですることはあるまいに・・・」と思って
いた。例えば北海道新聞2021/12/3「400キロのヒグマ1頭、羅臼で駆除 
11月被害続出」。

<【羅臼】2日午後7時20分ごろ、根室管内羅臼町北浜の海岸で、ヒグマ
1頭が北海道猟友会中標津支部羅臼部会のハンターに駆除された。

中標津署によると、駆除されたのは雄の成獣で体重約400キロ、体長2.1
メートル。午後4時すぎから近くに住宅がある海岸をクマがうろつき、倉
庫に侵入したため町職員や中標津署員らが警戒していた。夜間発砲は鳥獣
保護法で禁止されているため、ハンターは署員から警察官職務執行法4条
(緊急避難)に基づく指示を受け、計3発を発砲した>

熊が森から出てきたら容赦なく殺処分、他の熊に対する警告でもあり、
二度と人間の暮らす里に出てきませんようにというオマジナイのようでも
ある。過酷な制裁・・・

今、枕頭で周(しゅう)はじめ著「原野の四季 牧場の四季」(合冊
本、1966年)を読んでいる。周氏(後に吉田元と改名)は、「大学卒業後
の1953年、知人を頼って最果ての地、北海道根室原野に移り住んだ。ラン
プの下で日々を送る開拓地の牧場で、野鳥や原野の四季、原野で暮らす
人々の生活をカメラと文章で記録し続けた。足かけ3年を過ごしたのであ
る。1955年に帰京後1971年までの間に、根室原野での体験をもとに写真と
文章による一連の著書を刊行した。後に映像作家として政府公式の『昭和
天皇大喪の礼写真集』監修の大役を全うした」(バードフォトアーカイブ
ス 塚本洋三氏「山階鳥研ニュース」2021年5月号)。小中生向けの「原
野の四季 牧場の四季」にはこんな記述もある。

<昭和28/1953年4月5日、上野駅を出発しました。3日の後、根室原野の
西別(にしべつ)という小さな駅に降り立ち、原野への第一歩を踏みしめ
たのでした。牧場まで四里(16km)の道のりがあり、白樺林を伐り開いて
つけた開拓道路がまっすぐにのびていました・・・>

一帯は根釧台地(こんせんだいち or 根釧原野)、百科事典マイペディ
アによると「北海道東部,根室,釧路両地域にまたがる標高200m以下の
台地。火山灰土の低湿地や泥炭地が多く,海岸部は濃霧がかかり作物生育
は困難であるが,1954年から世界銀行の融資でパイロットファーム(試験
農場)がつくられた。内陸部では主畜農業経営が行われる。湿原の一部は
ラムサール条約の登録地」。

上記のパイロットファームは、米国式の大規模農業・牧畜を推進して米国
製農機を売るのが狙いだったらしいが、米国の農場に比べれば狭いという
現地事情に合わず頓挫したよう。それはさておき、周氏が野鳥や自然観察
を始めた頃の根室原野は、人間と相棒の馬(小柄だがタフでパワーがあ
り、乗り心地が良い道産子など)と乳牛などの家畜がコラボして必死で自
然はもとよりカラス、そして時々ヒグマなどと戦う日々だった。

<時々炭焼きに来る甚平さんに初めて会った時、その顔を見た途端、ゾ
オッとしました。片目がつぶれ、顔中が押しつぶされたように歪んでいた
のです。それは3年前の春の事件にさかのぼります。

甚平さんが入植したばかりの丸木小屋の近くの森に大熊が現れて、放牧
していた馬を倒しました。困難な開拓には杖とも頼む馬ですから、熊に対
する激しい憎悪が燃えあがりました。早速、馬の死体の周りにワナを仕掛
け、町のハンターから借りてきた銃を持って、木に登って熊が出てくるの
を待ち構えていたのです。

幸か不幸か、大グマは闇に紛れて忍び寄ってきました。甚平さんが樹上
で夢中でぶっ放した一発は、見事に熊の心臓に命中しました。甚平さんは
嬉しさのあまり、宙を飛んで森を駆け抜け、部落に着くと「クマをやっつ
けたぞーっ!」と大声をあげたものだから、夜中だというのに人々は大騒
ぎして大グマ見物に出かけました・・・

次の年の雪解けの頃、近くの森をクマが歩いているとの知らせがあり、
甚平さんを隊長に五人がクマ狩りに向かいました・・・ナラの大木の側を
通りかかったその時です、ギャーッ!という絶叫が起こりました。後から
歩いてきた四人の若者が見たものは、木陰から立ち現れ、すっくと後足で
立ちはだかった巨大なクマが、甚平さんを殴り倒し、自分たちに向かって
行くぞ!とばかりに構えた姿でした。

二番目に歩いていた若者が無我夢中で向けた鉄砲は、熊の力強い一撃に
よって、あっけなく飛ばされ、次の瞬間には気を失って倒れてしまいまし
た。残る三人は辛うじてクマの攻撃から逃れることができたものの、今や
クマに立ち向かう気力は全く消え失せていました。

一人が部落に急を知らせに走り、二人は百メートルも離れた木の上にの
ぼって、どうなることかとハラハラしながら様子を見守っていました。

クマは倒れている甚平さんに近寄って、じいっと上から見下ろします。
甚平さんは死んだふりをしていましたが、そおっと眼を細く開いてみたそ
うです。ところがクマの大きな顔がのしかかるようにのぞき込んでいるの
を見て、ギョッとしたとたん、クマの手で思い切りどやしつけられまし
た。甚平さんが呼吸を吹き返すたびに顔や胸を殴りつけ、かきむしるので
した。こんな状態がもう少し続いていたら、いかに気丈夫な甚平さんとは
いえ、ついにはお陀仏してしまったにちがいありません。

ところが幸運にも、少し離れて伸びていた若者が、やっと我に返ったの
です。あたりを見回した途端、甚平さんを見下ろしているクマのどえらく
大きな背中を間近に見て、声にもならぬような妙チキリンの唸り声をあげ
たのです。

若者の驚きもさることながら、さらに驚いたのはクマの方でした。背後
に時ならぬ唸り声を聞くや、脱兎のごとくクマザサをかき分けて森の奥に
逃げ去ったのです。

木の上の二人が駆け寄り、血だらけの甚平さんを助け起こし、森を出か
かった時、部落の人々が駆けつけてくるのに出会いました。

甚平さんは四里離れた町の病院にかつぎこまれ、1か月後に森の丸太小
屋に帰って来た時には、もはや昔日の面影はどこにも残っていませんでし
た。「これからのクマ狩りには鉄砲も槍もいらん。この俺の顔を見たらク
マの方でお辞儀する」と、しごくほがらかだったそうです>

すごい話だ。地球という限られた地は、熊や狼、徒党を組んだ野犬など
先住動物と、やたらと木を倒し縄張りを広げる開拓民=人間との激烈な生
存競争の場だ。人間だけがこの60年で75億に大増殖、倍増し、他の動物は
概ね駆逐され続けている。熊に駆除された人間は少なく、人間に駆除され
た熊は圧倒的に多いだろう。シドニー水族館などによると、サメに殺され
る人間は年間10〜20人、人間に殺されるサメは年間数千万匹(80万トン)
とか。蒲鉾、はんぺん、ふかひれスープ、小生が毎日摂取するコンドロイ
チンもサメ・・・さめざめ、絶滅危惧種になっている種も増えているようだ。

人間は人間同士でも激しく縄張り争いをする。人口増→ 食糧不足→ 開
墾・乱獲して増産→ 人口増を繰り返し、さらには戦争で他民族の命と土地
を奪う・・・人類史はこの繰り返し。人間の繁殖は地球を破壊しかねない
のではないか。開墾して砂漠化してしまう。繁殖力もすさまじい。60年前
の30億人台の頃、「人口が少な過ぎる」なんぞ誰も言わなかったのに、あ
れよあれよの間に倍増してしまった。貧困をなくそうという美名のもとに
生活支援を行い、結局、生態系を乱したのだ。

限られた広さのところに密集すると動物はタフな個体だけが生き残るよ
うだ。前述した道産子はもともと本土から北海道に渡り、厳しい環境の中
でタフな個体が生き残り、パワフルになっていったという。

いろいろな面で激烈な環境を乗り越えて来た北方のロシア人、東北の支
那人は、比較的温暖な地の北米人や欧州人、水田耕作のアジア人などと比
べると、肉体的、精神的にタフな印象がある。気候風土のみならず為政者
による統治の厳しさが、強い者には従うという事大主義や、仲間、一族で
固まる相互扶助的なコネ体制を育んできたようである。有史以来現在ま
で、ロシアと支那という大国は一度たりとも自由民主人権法治を体験して
こなかった。ロシア・支那は「力治国家」だ。「法や道義よりも力を優先
させる国」(櫻井よしこ氏)である。

ソルジェニーツィンの作品は随分読んだが、5回ほど愛読した「イワ
ン・デニーソヴィチの一日」に一貫している思想は「諦観」だと思う。厳
冬の中で「いつか春になるだろう」と耐え抜くのだが、春を自分で引き寄
せるという「能動的意識」がまったくないのは不思議だった。ロシア人も
中国人も皇帝か共産主義の専制独裁政治しか知らず、自分たちで自由民主
人権法治の国を創ろうという発想さえないのだ。

米国に亡命していたソルジェニーツィン曰く「民主主義は高潔な美徳で
なく、圧政を避けるためのもの。一人の暴君が、多数の暴君になることが
ある。選挙では内容なき量が、内容ある質に勝利する時があり、多数が間
違うことがあり、道徳的なものは敗北し易い。政党間の争いは理念なき権
力の獲得となり、国民の利害は、政党の影に隠れてしまう」と、西側の自
由主義体制にも批判的であり、ロシア正教を基盤としたロシア独自の社会
の構築が彼の願い、希望だったという(久恒啓一・多摩大学特任教授)。
自由民主人権法治の「ろくでもない面」ばかりでなく「いい面」も学べば
良かったのに。

ロシア正教を含めてロシアの主要宗教の坊主たちは己の存続のために
レーニンに屈服し、レーニンは独裁統治のために主要宗教を利用した。宗
教と独裁のWinWin コラボ、ソルジェニーツィン、ロシア人の限界だ。自
由民主の経験がないのだから仕方がないのだろうが、実に残念、気の毒な
ことである。

プーチンは2008年のソルジェニーツィンの葬儀に際して、「氏の逝去は
全ロシアにとって大きな損失だ。彼の著述と社会活動、長く困難だった人
生の歩みは、人々と祖国、自由の理想、公正、人道主義に対する真の献身
的行為の見本であり続けるだろう」と遺族への弔電で述べたという(久恒
教授)。プーチンは「イワン・デニーソヴィチの一日」さえ読んでいない
だろう。

共産主義者は平気で嘘をつく。露中の民は保身のために騙された振りを
するが、残虐な国家体制を変えようという意識も知恵もない。良き人々は
殺されるか収容所行きだから、露中を外野の我々が非難したところで効果
はない。隔靴搔痒、イライラしてくる。

小生は去年の元旦にはこう書いていた。「米国依存ズブズブ日本の周り
にブスブスと煙が立ち始め、やがて火の粉が上がり出すだろう。降りかか
る火の粉は払わねばならぬ。2021年、激動の時代が始まった」。

悪い予感はよく当たる。小生は習近平・中共が冬季五輪後に火をつける
と思っていたが、プーチンが戦端を開くとは予想外だった。プーさんでは
なく巨大な人食い熊、プーチンはすこぶる付きの戦争巧者である。策士策
に溺れる可能性はないとは言えないが、難敵である。米欧は犠牲を恐れず
にプーチンを潰せるか。

一方で習近平はこれをチャンスとして台湾侵攻を始めるかもしれない。
欧米にとって対露戦争は己の縄張りに関わる重大事で、極東の台湾にまで
は手が出ないから、習にとってはチャンスのはずである。台湾、日本、ア
ジアを守るためには日豪印米加などが結束して戦わねばならない。第3次
世界大戦が始まったようである。小生の妄想であればいいのだが・・・



        

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◆親日国家ネパールで奇妙な暴動

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月22日(火曜日)
     通巻7227号
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親日国家ネパールで奇妙な暴動 政権は極左マオイストと左派の連立
  米国の3億ドル援助の批准を巡って議会が紛糾
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 2月20日、カトマンズで暴動が起きた。
警官隊が出動し、催涙ガスで鎮圧したが、彼らが掲げたのは「米国の3億
ドル無償援助が問題だ」と言うのである。「反対」ではなく、問題という
のは、ネパールの主権に拘わるからと主張している。

 じつはアメリカの3億ドル援助は紐の付かない、無償援助でMCCプロ
グラムと言い、2017年に決定している。ネパール議会の少数政党乱立
による大混乱で、まだ批准がなされていないのである。
 人口およそ3000万人。一人あたりのGDPは1200ドルそこそこ
で、山岳地方へ行くと貧困家庭が目立つ。山を越えると部族がことなり、
政党政治というより部族政治の側面が強い内陸国家である。

 ネパールが王制から民主選挙の下、民主主義体制に移行したが、投票結
果はマオイスト、マルクスレーニン主義政党、人民党、社会党と少数乱
立。なにしろ政党が25前後あり、このうちの23政党がマオイストか、
もっと左。議席のない極左セクトが多い。

 元国王は旧王宮にいるが、王制支持の保守は議会で少数に転落してい
る。ならばマオイストは暴力革命を目指しているのか? というとそうで
もないらしい。
カトマンズの町は中国人に溢れているが、最大援助国は米国、ついで旧宗
主国の英国。三番目が日本だ。日本食レストラン、居酒屋は殆どが中国人
となった。

 ネパールの親日ぶりは、町を歩くとすぐに分かる。在留邦人は千名そこ
そこだが、日本に出稼ぎに来ているネパール人は十万人近い。

マオイスト国家なのに、ヒンズー教徒が圧倒的。ネパールの北西ルンビニ
でお釈迦様は誕生したが、仏教徒はすくない点でインドの宗教分布と似て
いる。
 ネパールは独立後、インドの保護国というイメージだったが、反インド
感情が強い。グルカ兵を国連に出しているので、「世界平和を維持してい
る貢献国」と、カトマンズ空港の大看板がある。

 現在のデウパ首相は、過去に四回首相を歴任しており、今回が五回目の
首相就任で連立与党を引っ張る。来日歴が二回。ヨガの達人ともいう。
 ならば現在の大混乱をヨガで乗り切れるか?
 
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 諜報とは人を騙すのではなく誠心誠意、協力者と付き合うことが極意
  インテリジェンス戦争のマスター達は国益を求めて工作に命をかけた

  ♪
岡部伸『至誠の日本 インテリジェンス』(ワニブックス)
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 インテリジェンス戦争に詳しい岡部氏の最新作。
 岡部氏がインテリジェンスに興味を抱いたのはKGBによって睡眠薬を
盛られて昏睡状態にされ、目覚めると財布からドル札が抜き取られていた
事件がきっかけという。KGBの「警告」だった。岡部氏が産経新聞モス
クワ支局に赴任し、北方領土交渉の機微に触れる取材をしていたときだった。
 本書は、その副題が示すように「世界が称賛した帝国陸軍の奇跡」を
追って、とくに小野寺信、樋口季一郎、藤原岩市の三人のスーパー・イン
テリジェンス・マスターに焦点を充てている。
 当時、諜報、情報工作にあたった人たちの信条が「謀略は誠なり(誠と
は真心から発するもので、事をなすには誠心誠意をもって従事するこ
と)」。この精神で世界初の情報士官養成所「陸軍中野学校」を開設した
経緯がある。
 小野寺信は連合国から「枢軸国側諜報戦の機関長」として畏怖され、共
産党の転向者らとも交遊し、梁山泊の趣があったという。小野寺はヤルタ
密約の存在を知り、終戦の土壇場でソ連が北海道へも攻め込むという機密
情報を掴んだ。大本営は、この機密電報を握りつぶした。
ヤルタの密約はFDRが、トルーマン副大統領にさえ見せなかったほどの
もので、しかし英国では15部複製され、女王陛下以下の政府トップには
共通の認識だった。
 日本の『同盟国』だったドイツの保安警察(SIPO)は、1941年
に報告書を作成しており、そこには「日本の『東』部門 ──対ソ諜報の長
はストックホルム陸軍武官の小野寺で、補助役がケーニヒスベルグ(現在
のカリニングラード)領事の杉浦千畝とヘルシンキ陸軍武官の小野田寛」
とした。
カリニングラードは、ロシアの飛び地。評者(宮崎)も、数年前に行った
が、瀟洒な海岸や美しい教会が並び、大きな教会の裏にあるカントの墓に
はいまも花束が絶えない。
 日本のインテリジェンス工作員らはバルト三国やスウェーデンを舞台と
して、とくにソ連を憎悪していたので、日露戦争でロシアを負かした日本
に近親感を抱いた小国の協力者がいた。
 1944年にストックホルムにおいて小野寺を訪ねた扇一登(海軍大
佐)は「小野寺さんは他国の情報将校から『諜報の神さま』と慕われてい
た」という証言もある。 
諜報は人を騙し、破壊工作を煽り、どんな手段を講じてでも情報を掠め取
るという暗いイメージ画をあるが、小野寺は「情報活動で最も重要な要素
の一つは、誠実な人間関係で結ばれた仲間と助力者」だとした。
 「その信念のもとで、他国の情報士官と『人種、国籍、年齢、思想、信
条』を超え誠実な『情』のつながりを築いていった」(23p)
 樋口季一郎は杉原千畝の上司。ユダヤ人を救うのは人道主義に基づき、
いずれ国益にも繋がると信じた。
 樋口は哈爾浜(ハルビン)において、海拉爾(ハイラル)、満州里など
に分散していた特務を統一し、また白ロシア人をエージェントに抱えて、
ソ連に潜入させた。ロシア革命を逃れてきた白系ロシア人はスターリンへ
の憎しみを抱いていた。樋口は「東洋のシンドラー」とも言われたが、ス
ターリンの野望をいち早く見抜いた。 
 もうひとり、藤原岩市は「F機関」で知られる。諜報大国の英国も脱帽
したほどの完璧なインテリジェンス工作を展開した。
 マレーシア上陸作戦は、それまでにマレーシアに写真屋、雑貨商などを
表看板として在留邦人が一丸となって情報をもたらし、また英軍の動きを
背後から監視して、日本の部隊へ通信していた。藤原機関は南機関、ハリ
マオなどを駆使し、チャンドラ・ボーズをインド独立軍の領袖に育てた。
チャンドラ・ボーズはガンジーと対立するとされたが、近年モディ政権に
よってボーズへの再評価が浮上している。
 日本の情報能力は、高いのか低いのか分からないが、英国は日本にファ
イブアイズへの参加を呼びかける時代である。このような書籍が、日本の
論壇に登場したことも、顕著な社会的変化のあらわれと言えるだろう。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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  古今東西、英雄は色を好み、烈女は全知全能を傾けて男を繰る
   世界のファーストレディのなか、誰が「あげまん」で誰が「さげま
ん」か。

浜田和幸『世界のトップを繰る「ディープレディ」たち』(ワック)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 「二十四の瞳」という映画があった。いまの国際政治のキーナンバーは
「24」である。
 それって何? トランプ夫人のメラニアとジョンソン英首相夫人の年齢
差は24,仏大統領の年上の女房は24歳上。
 かつてウォール街によく通っていた評者(宮崎)は『ウォール街 凄腕
の男たち』という本まで書いて、T・ブーン・ピケンズ等を取材し、主と
してファンドの仕掛け人らの思想と行動を追った。けれども裏にある女性
達まで取材する余力はなくキッチン・ストーリーは描けなかった。ピケン
ズは小糸製作所の筆頭株主に突如躍りでて、日本のメディアは「黒船、来
る」と大騒ぎだった。
 ゴシップとフェイク情報が乱れ飛ぶ世界。各国トップの家庭の事情。な
かなか真相に近づけることはないが、本書は「世界の凄腕のおんな達の思
想と行動」を追跡した珍しい読物である。
 古今東西、「英雄は色を好み」、「烈女は全知全能を傾けて男を繰る」
のだが、現代世界であまたあるファーストレディのなか、誰が「あげま
ん」で誰が「さげまん」か。
 浜田氏は「あげまん」の代表としてバイデン夫人とマクロン夫人を挙げ
る。惚け老人に助け船を出し、常に大統領である夫に発破をかけ続けるジ
ル夫人は東京五輪でもバイデンをホワイトハウスに残して単身来日し、ア
メリカは日本の力強い味方だと演出して見せた。
 マクロン仏大統領は年上の熟女に頭が上がらない。
 ならば「さげまん」の代表は誰かと言えば、指摘するまでもないがヒラ
リー・クリントンだろう。と思いきや、本書では英首相ジョンソン夫人の
キャリーがいまでは「キャリー・アントワネット」と呼ばれるほどの悪女
だそうな。
さてさてそうなると、トランプ前大統領夫人のメラニアは、どちらか?
 メラニアはスロベニアから野心を抱いて米国へ渡りファッションモデ
ル。全裸ヌードも厭わない美女だが、トランプをいかにして射止めたか、
微に入り細を穿ち、その鮮やかな手法と仕掛けを描いた。
 大統領就任から半年のあいだ、メラニア夫人はNYのトランプタワーを
動かなかった。息子のバロンをメイドに頼らず、自分の手で育てるため
だった。だからバロン君はスロベニア語もペラペラ喋る。すくすくと背が
伸びてトランプより高くなった。
メラニアがイバンカ夫妻を嫌っている理由は何か。いろいろとゴシップや
タブロイド判の情報は知っていたが、これらのフェイク度合いをチェック
しながら、本書は時系列に体系的に烈女の行動の軌跡を追いかける。メラ
ニア夫人は浅薄なミーハーではなく、したたかな、計算高い女性であると
いう実像が浮かんでくる。
ほかに登場人物は世界一の金持ちとなったテスラのイーロン・マスク、ア
マゾンの創業者ベゾスら世界のビリオネアの女性遍歴と、その女性観をつ
ぶさに書き込んでいる。
ベゾスは糟糠の妻マッケンジーと離別した。反トランプのワシントンポス
ト紙を買収したので「アマゾンポスト」となった。
テスラのイーロン・マスクは二回離婚しているが、日本のアニメファン、
とくにもののけ姫に凝っているというが、それがビジネスといかに繋がっ
たのか、興味尽きないゴシップが並ぶ。
意外や意外な「色を好む英雄」はビル・ゲーツの奇譚である。
 ゲーツは史上空前の離婚訴訟で、前夫人と別れた背景に、とてつもない
スキャンダルがあった。ゲーツが全米一の農地所有者であり、よく来日し
て軽井沢の別荘へ行き、和食ファンでもあることは知られるが、フェイク
ニュースならぬフェイクフーズを作ろうとして種子を集めているのだろうか?
 女性スキャンダルを封じ込めたのはゲーツのカネの魔力だが、何故、そ
していかなる謎があったかは本書でお楽しみあれ!
         
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★読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1) MMTの嘘について(林文隆)氏から、小生への御投稿があり
ましたので、以下回答。
「現在の日本でも財政出動して「全世帯にプラスチック光ファイバー網」
の建設、落下寸前の橋梁・トンネル・道路の補修、「超高度科学技術立
国」の政策を掲げれば3年でGDPを3倍に持って行けます。」との事です
が、問題は、
 1。明治時代、昭和には、優秀な官僚が正しく未来を予測し、正しい目
標、計画を立てられたが、1970頃にはすでに彼等、「自分の省だけ、今だ
け、金だけ、後ろ向き」の「受験に強い東大卒」が無能になり、国策のプ
ロジェクトは悉く高価で、コスパが悪く、かつ不能、あるいは負債に陥る
ようになった。(支那、シンガポールの官僚は優秀で、常に時代の先を実
現している)
逆に、落ちぶれていく大きな企業、産業に、莫大な税金を投じ、失う、と
いう歴史を繰り返した。彼等の能力が改善したという気配はない。故に、
政府指導の計画は、必ず無駄になり、負債だけが残り、また維持費だけで
も大変な額になる。
 例えば、新幹線は成功したが、リニアは、過去40年間膨大な費用をか
けて、未だに運転していない。しかも新幹線の重複であり、新しい利点、
効果は期待できない。1^2時間の短縮にどれだけ余分な高価な汽車賃を
払う者がいるのだろうか。既存の新幹線の客を奪い、そちらの被害も考慮
すると、総合的にはあまり意味がない。(おまけに、開発研究費をかけ、
既にそれを支那に盗まれている。新幹線の知的財産権もすっかり取られた。)
2。道路、橋、などの土木工事も同様であり、全く経済効果のない僻地へ
道路や施設を建てても、単なる無駄で、建設業を一時的に儲けさせるだ
け。例えば、四国に高価な長い橋を幾つもかけたが、交通量はほとんどな
く、毎年の維持費さえ生み出せない。つまり、負債、重荷。やがて補修
費。そして、取り壊し工事費。
3。通貨の創造とは、その大部分が「銀行が融資をする」ことによって、
無から生まれる。日本の企業の95%ぐらいは中小企業であり、その融資額
も小さい。
これを担当するのが地方の小さな独立した銀行の任務であり、東京の大銀
行は見向きもしない。民間銀行は損をするわけにいかないので、投資には
砕心の注意
を払い、確実な融資しかしない。つまり「富を産む」計画の投資・融資を
し、結果として雇用を生み経済を大きくする。銀行には、それを判断する
知識・能力・経験が必要で、それには地元の直接現場にある銀行が適して
いる。つまり、霞ヶ関の役人が遠方の見たことも無い地方の計画を操作す
るのと真逆になる。(世界的に銀行の大規模化、統合が行われているが、
危険なことである。中小企業、その雇用を潰すことになる。)
4。自国の通貨をいくらでも増やしても大丈夫、という主張があるが、こ
れは「対外的」には通用しない。戦後、日本が弱かった頃、$1=Y360と
いう時代が長かった。それが1995年に八十円に上り、今115円。これは、
国際的な「円の信用度の評価」による。異次元、財政出動、などを続けれ
ば、いずれ臆病な国際金融機関は、円を遠慮して円滑に縁を切る、方向に
向かうだろう。
つまり360円時代に戻るとすると、日本が輸入せねばならない材料、油な
どが高騰し、国内にもインフレが生まれる。たちまち多くの企業が倒産
し、国も崩壊する。
 5。そんな歴史の繰り返しを見て、やっぱり魔法の打ち出の小槌は嘘
だった、と分かるが後の祭り。
日銀の偉い指導者どもは、責任をとって全員切腹すべきだが、韓国のよう
に逮捕して死刑に処すのもいい。罰を与えないと、また同じ誤りを犯す。
(在米のKM生)


(編集部から)MMTに関しての議論、小誌ではこれで打ち切りとします。
  ♪
(読者の声2)貴誌7226号で、中国の塩害に強い稲作の話題がありまし
た。我が国でも同様の研究は行われているようです。たまたま稲作のこと
で調べていましたら、日本原子力研究開発機構の量子ビーム応用研究セン
ターからの発信がありましたので、ご参考までにお知らせします。
 実用化までにどの程度かかるのかは分かりませんが、研究の進展を陰な
がら応援しています。
https://www.jaea.go.jp/jaea-houkoku10/shiryo/4.pdf
  (高柴昭)

2022年02月18日

◆鹿を指して馬となす

加瀬 英明

 私は全世界が2022年にあると思うと、間違っていると説いてきた。

中国はいまだに秦朝(紀元前221年〜206年)の時代にある
始皇帝の秦帝国が僅か15年で滅亡した後に、中国では王朝がせわしく交
替したが、皇帝の神格化、圧政、歴史の捏造、天帝から全世界を統治する
使命を託されているとい
う華夷思想を、受け継いできた。

 習近平体制も白を黒と言い張って強引に押し通しているが、「鹿を指し
て馬となす」という有名な言葉は、中国の正史『史記』のなかで唐代に纏
められた、始皇帝の一代記
である『秦始皇本記』に登場する。

 習主席は始皇帝が行った「焚書坑儒」を受け継いでいる

 プーチン大統領のロシアはまだ15世紀にあると思えば、わかりやすい。

 15世紀にイワン雷帝(在位1462年〜1505年)が、周辺の国々をつぎつぎ
と征服してロシア帝国をつくり、はじめてツァーリ(ロシア皇帝)を名
乗った。

 「ツァーリ」はローマ帝国の皇帝の称号であるカエサルを、ロシア語読
みにしたものだ。

 中国の最後の皇帝といえば、1912年に退位した清朝の宣統帝であり、ロ
シアは1917年にニコライ2世によって終わったはずだった。

 ところが、習主席が中国の皇帝を演じるかたわら、プーチン大統領は
ツァーリを自任している。

 中国は秦朝から2200年以上もたっているのに、いまだに鹿を指して
馬だと言い張っている。

 昨年12月に、バイデン大統領が110ヶ国・領域を招いて、オンライ
ンで『民主主義サミット』を開催した。

 すると、中国は対抗して『中国の民主白書』を発表して「民主主義は多
様である」といって、「中国式民主主義」を誇示した。きっと「中国式平
和」や「中国式人権」もあるのだろう。中国の報道官が記者会見の席上で
「中国の選挙制度のほうが米国の選挙制度より優っている」と述べた

 中国の“国会”に当たる全国人民代表大会の代議員選挙では、候補者は1
人しかいない。

 かつて英国のアトリー首相が、ソ連の選挙を「馬が一頭しか走っていな
いのに、競馬と呼ぶようなものだ」と揶揄(やゆ)したが、中国ではスピー
ドスケート選手が1人だけ
出場しても、「競技」と呼ぶにちがいない。

 孔子(紀元前551年〜前479年)は、「その位にあらざれば言わ
ず」(民は黙って従えばよい)、『論語』は孔子と弟子の問答集だが、孔
子が「民は之れに依らしむべ
し。これをしらしむべからず」と説いている。

 韓非子(没紀元前233年)は始皇帝の帝国統一の理論をつくったブレ
インとして知られるが、「政(まつりごと)の民に優しさはこれすべて乱の
始まりなり」と教えてい
る。それまでもすべての王朝が内乱で滅びたから、何よりも内乱を恐れた。

 今日の中国も天安門事件の記念日などに天安門広場を封鎖して、人民が
立ち入ることを禁じるが、内乱に対応するためである。

 韓非子は人性利己説を唱えたことによって、知られている。中国人は自
己中心だから強権をもってしか纏まらない。性善説、性悪説は当てはまら
ない。

 毛沢東主席(1893年〜1976年)が「政権は鉄砲の銃口より生ま
れる」と豪語したが、政権は鉄砲の銃口によって維持される。

 中国は古代のままの社会なのだ。近代文明を受容する能力を欠いている。
中国と日本は、何と対照的な国なのだろうか。

 聖徳太子が推古12(604)年に『十七条憲法』の第17で、「夫れ
事独り断むべからず。必ず衆とともに宣しく論ふべし」と定めて、よく話
し合うように命じている
が、天地の差がある。

 日本では、とくに経済人のあいだに顕著だが、中国について生半可な知
識しかなく「中国に阿(おもね)ないと、日系企業の活動に悪い影響が出
る」といって、日中友好を
求める者が多い。

 紀元前3世紀や、15世紀の人々と私たちが話し合っても、意志が通じ
るはずがない。

もっとも、紀元前や600年前の人々も武力は理解しよう


   
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◆奨学金のどこが「悪質な学生ローン」なのか?

返済に苦しむ若者が見落としている5つの
              自業自得=午堂登紀雄

昨今、奨学金が返済できずに苦しんでいる若者がいることで、「奨学金は
悪質な学生ローンだ」などという論調を目にします。奨学金で進学した私
にはちょっと残念に感じます。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト
入門』午堂登紀雄)

プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部
国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事
業創造支援機構代表理事

奨学金は「悪質な学生ローン」か?
今は受験シーズンですが、春からは奨学金を借りて進学する人がいると思
います。あるいは4月から新社会人になる人の中には、学生時代に借りた
奨学金の返済が始まる人もいるでしょう。

しかし相変わらずコロナ禍が続いており、不安を感じている人は少なくな
いと思います。

昨今、奨学金が返済できずに苦しんでいる若者がいることで、「奨学金は
悪質な学生ローンだ」などという論調を目にすることがあり、それが奨学
金で進学した私にはちょっと残念に感じ、感じることを論じたいと思います。

奨学金の「おかげ」で進学できた
私自身、高校・大学を旧日本育英会から借りた奨学金で進学しました。

返済猶予制度を利用しましたから、総額約350万円を完済したのは15年後
の確か40歳頃だったと思いますが、私に東京に出る機会を与えてくれた奨
学金制度には感謝しています。だから私の場合好意的なバイアスがあるの
は確かです

もちろん、経済的に苦境に陥っている人もいて、奨学金を借りたことを後
悔している人がいるのも事実でしょう。コロナで収入が減ったり、仕事を
失ったり、病気などで働けなくなって返済が苦しいという人もいると思い
ます。

延滞を繰り返し、ブラックリスト入り(個人信用情報データベースに事故
記録として記載される)してしまった人もいると思います。もしかした
ら、お行儀の悪い督促をする担当者に遭って精神的につらかったという人
もいるのかもしれません。

世の中にはいろんな状況、いろんな立場の人がいますから、「これが正し
い」とか「これが絶対だ」というわけではありません。

しかし昨今、奨学金に関して世間の注目を集めるのは、こうした社会的弱
者の存在を根拠に、奨学金悪玉論に傾きがちな世論です。

しかし私はそれは制度へのミスリードにつながると感じており、そうした
見方に対して「奨学金は社会に必要な救済制度である」ということを主張
しておきたかったからです

なぜなら、お金がない家庭でも「奨学金のおかげで進学できる」からです。

「奨学金は借金だ」という意見がありますが、もちろん借金です。それを
ことさら「借金だ」とネガティブにいう人は、「奨学金はもらえるという
前提」があるのでしょうか

「だったら教育ローンとか学資ローンという名前にした方がいい」という
声もあるようですが、奨学金には給付型と貸与型があり、前者は返済不
要、後者が返済が必要なので、すべてがローンというわけではありません。

奨学金はその名のとおり、学ぶことを奨励するための資金であり、ローン
であろうと何も問題ないと思います。大学に進学するかどうかは本人の自
由意志であり、進学しなければ奨学金も不要だからです。
       


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◆金融リスクの虎たち

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月14日(月曜日)
      通巻7218号
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今度は銀行と食糧備蓄の責任者の腐敗に司直の手
  「金融リスクの虎たち」を最高検察が連続的に逮捕している
***************************

 2022年2月9日、河南省党委員だった甘栄伸が汚職、重大に規律違
反で逮捕された。
 同月10日 中国銀行副総裁、中国銀行監督管理委員会副主席という重
責にあった蔡顎生が逮捕された。71歳、金融界の大物である。
 同月11日、杭州市党委員だった周江勇が逮捕された。

 食糧備蓄分野の不正にも検察の手はおよび、12日には国家糧食局副長
の徐鳴が収賄、地位利用などの容疑で逮捕された。

「次は誰か?」の噂が飛び交う中、2月12日、中国国家開発発展銀行の
副総裁だった何興祥が、収賄、不正貸し付け、違法起債、海外預金の隠匿
という四つの罪状で逮捕された。
何興祥は銀行畑を歩んできたエリートで、吉林省、海南省、山東省の支店
長などを歴任し、中国農業銀行の副総裁を経験した。

 これら一連の逮捕劇は「金融リスクの虎たち」と呼ばれた一群の人脈が
背後に繋がっているとされる。
     
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2329回】           
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港211)

    △
 いずれは食用として犬買いに売り飛ばそうと考えて、子犬を可愛がって
育てていた。たしかに残酷な話とは思うが、曽妹だけがそうしていたわけ
ではないだろう。香港の農村部では、曽妹と同じような魂胆で子犬を飼育
していた例は数多くあったはず。ならば無数の子犬が、食用になる運命を
背負って愛玩されていたに違いない。

 ヒドイと言えばヒドイようだが、アッケラカンと割り切ってみれば、
それはそれでスッキリしている。ここで「動物愛護を!」などとキザった
らしい物言いをする積もりは全くないし、するべきではない。それが食を
通じての生き方(食文化)なのだから。

 曽妹と子犬の関係から中国庶民の死生観を引き出そうなどと大仰な考え
は毛頭ないが、それにしても《生きているモノ》と《死体というモノ》に対す
る向き合い方の切り替えを見せてもらったことは確かであり、彼らの生き
方の一端を実感させてもらった思いだ。

 ところで香港の農村部の先に広がっているのは、広東の農村である。も
とは同じく広東の農村であり、たまたま殖民地と人民共和国の違いがある
だけで、農村での生き方に大差があろうはずもない。ならば犬の運命もま
た同じだったと考えらはしないか。

 対外開放されて程ない1980年初頭、広東の農村を訪れた時、ある農家の
軒先に皮を剥かれた犬が頭を下にぶら下がっていた。そこにいた農夫に
「旨そうですね、食べるんですか」と尋ねると、「だから買ってきたの
さ」と皺くちゃな顔がニコッと微笑んだ。文革終焉から僅か数年。やはり
食い物に関する習慣は政治の力でも容易くは換えられないらしい。農家の
壁に残された「毛主席万歳!」の文字は色鮮やかなままだった。

 ここで麻袋に押し込められた犬の運命に戻るが、もちろん犬買いの手に
委ねられる。
 1匹ずつ詰めた麻袋を幾つか持って、犬飼は沙田から九龍に向かう幹線
道路の大埔道(タイポ・ドウ)まで出て小巴(ミニバス)を拾う。バスの
狭い通路に犬の入った麻袋を置くのだが、九龍の街に入る直前の山道で潜
り抜けなければならない関門がある。「野蛮で残酷な犬肉販売」を取り締
まるため、10月前後から山道の脇にパトカーを停車させ、警察官が目を光
らせるのである。

或る日、麻袋が置かれた小巴に乗り合わせた。警官の指示で小巴は道の
脇に停車する。ドアが開くと、入り口のステップに片足を掛け、警察官が
身を乗り入れる。乗客をヌメッと見回した後、通路に置かれた麻袋に視線
を落とす。「これはなんだ」。乗客は下を向いたりして視線を逸らし沈
黙。再び「これはなんだ」。またまた沈黙。すると麻袋がモゾモゾと動
き、運悪く袋の中から「キャンキャン」とくぐもった鳴き声がする。「こ
れはなんだ」。またまた沈黙。すると、やおら警官は運転手に向かって
「発車していいぞ」と。ドアが閉まり、小巴は動き出した。
 
 警察官の職務怠慢ではなく、明らかに温情、いや見て見ぬ振り、という
やつだ。乗客の視線は一斉に麻袋の持ち主、つまり犬買いに注がれること
になる。とはいえ彼を非難しているわけではなく、ホッと安堵の雰囲気が
車中を漂う。
 この先、犬買いは九龍の市街で「香肉上市」の張り紙をした屋台の犬肉
屋に「生きのいい香肉」を卸すことになる。

 その先だが、犬はクビに輪を掛けられ、屋台の店先に繋がれる。客が立
て込んできて用意した分が少なくなると、新しく仕込まなければならな
い。そこで店先に繋がれた何匹かの中から1匹を選び、路地の奥の暗がり
の方に連れて行こうとするのだが、ここで犬が前足を突っ張って抵抗す
る。犬もまた自らの運命を察知するのだろう。
オヤジが手にした綱を強く引くから、前足を突っ張ったままズルズルと引
きずられて行かざるを得ない。やがて客の視界から消えるや、「キャン、
キャーン、ウン」の鳴き声を残して絶命です。
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  ★読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1) 建国記念の日に中東のアブダビ国営石油グループは本社ビ
ルに感謝のディスプレイを設置。
https://twitter.com/ArabNewsjp/status/1492416949464223744
 アブダビとの付き合いはもう50年にもなるのかと驚き。カタールの天然
ガスも日本企業が開発した。イラン革命で頓挫したIJPC石油コンビナート
では3千人以上の日本人が働いていた。
 イラン革命自体いまだによくわからない。ホメイニが英国のエージェン
ト説、ソ連のエージェント説、2重スパイ説、その他もろもろ。
 パーレビ国王時代にはイスラエルの航空会社のオフィスまであった。ア
フマディネジャド大統領などユダヤ人の家系であるとの報道もある。昔か
らバザール商人はユダヤ系が多いしバザールが革命の震源地だったりする。
現代では世界の中華街が中国共産党の隠れ蓑になっているようなものかも
しれない。
  (PB生、千葉)



  ♪
(読者の声2)「反中央集権化」が世界中の人民が望み、進んでいる。そ
れは、反グローバル化、国家主義、の内側で進んでいる。ある程度の権力
の集権化、商品の大量生産化、標準化は、効率の効果、低価格をもたらす
が、同時に使用者と提供者の間の剥離が、必ず生じる。その不満を権力・
暴力で解消する国が中共、ロシア、北朝鮮、などである。英国民は、民主
的にEUから英離脱を行った。
 しかしながら日本では260年間の長い「徳川家中央集権政府」の独占支
配により、人民のDNAに変化をもたらし、常に絶対的に「お上に従う」と
いう習慣が定着し、お上を代弁するNHKや朝日などの正しい、唯一の情報
を信じて疑わない。「霞ヶ関から離脱」などは夢想だにしない。戦後の
GHQ占領下に強制され「自主的に」書かされた「憲法」も「不磨の大典」
として未だに尊重されている。
 当時13州(現在は50州)からなる米国で、憲法が書かれ、現在に至る
までに27回部分的な改正が行われてきた。禁酒法もそんな憲法上の改正
で、やってみてしばらくして、正式に取り消している。
その改正の手続きは「上下議院の2/3以上の賛成、国民投票で
2/3」、とかなり難しい。同憲法には、民主的な「改正の方法」が二つ
(重複)あって、その一つが、中央の連邦政府議会に依存していない、各
州が独自に指導・発議する方法で、今かなり進んでいる。つまり。多くの
州の国民が、反中央集権化を望んでおり、その運動が本格化している。
(南北戦争のような「分裂・独立」運動ではなく、過度の中央からのお
せっかいな介入を制御しよう、という事)
 米国憲法、第5条によれば、50州のうち34州(2/3)が希望すれば、「州
議会(Convention of States)」を開くことができ、そこで38州が賛同す
れば、連邦政府の権限、予算、人事を制限することができる。この議決に
は、連邦政府の議員の賛同を得る必要がないため、地方の州議会議員が独
自に主導することになる。この改正手段は米国歴史上、使われた事はまだ
無い。
 あまりにも肥大化し、膨大な負債を生み出したワシントンの政治家、官
僚・役人から、各地方に権限、予算、人事などを取り戻そう、という運動
が2013年から始まり、300万人の支援を得て、すでに17州で決議され、24
州が協議・検討しており、目標に近づいている。著名な保守の言論人、政
治家が賛同している。
 https://conventionofstates.com
2020年からの人民の人権を無視し奴隷のように扱うバイデン独裁政権に対
する不満が高まり、民主党の州さえも鞍替えが予想される。
これで常に巨大化・独裁化する連邦政府を止め、小さな政府、民間企業、
個人の財産、自由を尊重する本来の米国が蘇る、可能性が生まれる。これ
が成功すれば、実質的にこれまでの「憲法の誤った拡大解釈」を大幅に変
え、本来の連邦政府の限られた運営に戻すことになる。(しかし、同時に
連邦政府の縮小とは、「内向き」の外交、軍事を意味し、かつての不干渉
「モンロー主義」の再来ともなる。正義の味方「世界の警察官」も予算も
賛同もなければ、出番は無い。と、いう日本防衛への影響もある。)
 言うまでもなく、日本にも同様なもっと無責任な政府機関の暴走があ
り、国の赤字は断トツで世界一。
GHQが即席に作った「日本憲法」には、これに相当する改正条文は無い。
しかし、故石原慎太郎氏、故渡部昇一氏などが宣言なされているように、
この「憲法」なるものは、占領下において、主権のない国民が「自主的
に」作られたものであり、不法であり整合性を持たず、単に「破棄」すれ
ばいい。
米国も他国も、こんな純粋の国内問題に文句を言うはずはなく、中共、ロ
シア、北朝鮮、朝日新聞、日本共産党、自民党ぐらいだけが反対するのだ
ろう。
 現在、米国も憲法の根本的な問題を解決しようとしており、これに乗じ
て、日本も真似て、戦後処理を行うべし。しかし、私見によれば、遺憾な
がら「あっしには、関わりのねえこってす。ごめんなすって」と仰言る、
大多数の無関心な日本人によって日本が消える、らしい。
「無関心こそ最大の悪」とはユダヤ人の大胆な虐殺を傍観したドイツ人の
現象からの教訓。 
https://www.zerohedge.com/political/nebraska-joins-call-convention-states-amend-us-constitution
(在米のKM生)

2022年02月11日

◆世界を脅かす手負いの「中国龍」と「ロシア熊」

加瀬 英明
 
 古い漢籍に「前門の虎、後門の狼」という言葉がある。

 2022年が明けて、バイデン大統領はアジア太平洋の中国龍、ヨー
ロッパのロシア熊と対峙(たいじ)しなければならない。

 中国の習近平主席が機会あるごとに台湾を「回収する」と叫んで、台湾
を威嚇している。

 そのかたわら、ロシアのプチン大統領が隣国のウクライナとの国境にロ
シア軍を集結して、米国がウクライナをNATO(北大西洋条約機構)に
加盟させないと保障しなければ侵攻すると、居丈高になって脅かしている。

 どうして、中国とロシアは国際的に嫌われ者になっても、荒々しく振舞
うのだろうか。もっとも、中国が今年台湾に襲いかかることはない。

 習主席は今秋の中国共産党大会で前例がない3期目のトップとして、終
身最高指導者となることを目論んでいるから、「5000年の偉大な中華
文明の復興」よりも、自分の権力固めに忙しい。

 習主席とプチン大統領は、ともに何としてもトップの座を譲りたくない
し、よく似た国内情況に直面している。

 暗かった毛沢東時代が終わってから、中国共産党政権が人民によって支
持されてきた最大の理由は、高度経済成長によって、かつてなかった豊か
さを享受してきたからだ。
ところが、習体制のもとで経済成長率が鈍化し続けた。

 前任者の胡錦涛時代から経済成長に翳りがみえ、「保八(パーオーパ)」
(8%成長を死守する)をスローガンとしていたのに、「保四(パーオー
シ)」も困難になった。

 習主席は経済不振から関心をそらすために「共同富裕」という新しいス
ローガンを打ち出し、読経のように台湾侵攻を唱えることによって、国内
を引き締めようとしている

 かたやプチン大統領のロシアは、2014年から経済が降り坂を転げ落 ち
続け、GDP(国内総所得)が30%も縮小して、家計を圧迫している。

 2014年にプチン大統領は、ウクライナの領土だったクリミア半島 を、
民兵に偽装したロシア軍によって捥(も)ぎ取った。当時の米国のオバ マ
政権は傍観し、ロシアに対
して経済制裁を加えるのにとどめた。

 もっとも、ウクライナは17世紀からロシア帝国の一部だったが、1917年
に独立したものの、ソ連邦の一国となっていた。人口4200万人あまりで、
80%がウクラ
イナ人、20%がロシア系住民である。

 ロシアと国境を接するウクライナ東部のドンバス地方において、ロシア
系住民が分離を求めて、ロシアの支援を受けながらウクライナ政府軍と激
しい内戦を戦ってきた。

 プチン大統領は昨年7月に、『ロシア民族とウクライナ民族の歴史的な
絆(きずな)』という論文を発表して、ウクライナの主権を否定している。
ウクライナを中国にとって
の台湾と同じように見立てて、「回収」しようと企んでいるのだ。

 集結しているロシア軍が、ウクライナへ侵攻するだろうか。もし侵攻し
た場合には、ウクライナ軍は25万人を数え、2014年と違って米国の
兵器援助によって装備を一
新しており、ドンバス地帯の戦闘によって鍛えられているから頑強に抵抗
しよう。

 米国筋によれば、17万5000人のロシア軍が侵攻する準備を整えていると
いうが、はたしてこの兵力で足りるだろうか。激しい戦闘によって、多く
のロシア兵が戦死して、毎日、数多くの棺が後送されることになれば、す
でに人気が低迷しているプチン政権が倒れる可能性が高い。

 習主席も台湾本島を攻撃して、失敗した場合には、“終身最高指導者”の
座から追われることとなろう。

 手負いの中国龍と、ロシア熊が吠えたけっている。油断してはなるまい。



            
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◆“種銭”を貯めても不幸になるだけ

午堂登紀雄

未熟な若者が「FIRE」を目指す危うさと愚かさ。
ドケチ生活で“種銭”を貯めても不幸になるだけ


最近、よく耳にする言葉「FIRE(早期リタイア)」。目指すのはよいです
が、ケチケチとお金を貯めて投資をし、その配当で節約生活をすることに
は危うさを感じます。それよりも稼ぐ力と賢く使う方法を身につけること
が重要ではないでしょうか。それが本当の「お金の才能」だと考えます。
(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部
国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事
業創造支援機構代表理事

経済格差は「思考格差」
以前に出版した本『お金の才能』(かんき出版)の担当編集者から「いま
の時代に即したお金の本ができないか」という打診をいただき、執筆を開
始しました。この「お金の才能」が刊行されたのは2009年でおよそ13年が
過ぎましたが、その間、人々の経済格差は縮まるどころかむしろ拡大して
いるような印象があります。

それは統計からもはっきり出ているそうで、富裕層の仲間入りをした人は
増え、億万長者にはさらにお金が集まるという状況になっています。日本
でも貧困世帯が増加しているというニュースがありました。

これはいったいどうしたことなのでしょうか?

その理由のひとつは「思考格差」だというのが私の仮説です。それがコロ
ナでより顕著に見られたからです。

たとえば「GoToトラベル」キャンペーンが開始されたとき、「観光地の知
事は来るなと言うし、政府は旅行に行けという、いったいどうすればいい
んだ」などと、旅行すら他人に決めてもらわなければ決められないという
人がいました。

また、大阪府の知事が「5人以上の会食禁止」と打ち出したとき「4人が良
くて5人がダメという理由がわからない」という意見がありました。

4人か5人かではなく「大人数がダメ」ということと、抽象的に考える思考
能力が乏しいわけです。まあ、もっと厳密に考えれば、4人までなら4人
テーブルだけど、5人になると宴会場とかになって距離があいて大声にな
りやすいという読みがあるのかもしれませんが。

また、屋外でもほぼ全員がマスクをしています。公園でも子どもたちはマ
スクをして走っている!屋外で他人同士が接近していなければ飛沫リスク
はほとんどないのに、科学や医学を超越したこの行動は、思考停止と言え
るでしょう

私の周囲の富裕層の多くは、2020年の早い段階でコロナに対応したビジネ
スモデルや商材の開発に取り組み、勤務形態を最適化させていました。一
方で、庶民はただ自粛して引きこもるのみ。自分の頭で考えていない。

そして庶民は、営業している店やマスクをしていない人を叩く。ルールを
守ることに固執し、時と場合によってルールが不適切になることもあると
いうことに考えが及ばない

これでは格差は広がるというものです。

いつでもお金を生み出せて、賢く使えることが大切
また、世の中は貯金の額が多いことが理想のようで、若くして貯金が数千
万円あると「すごい人」のように思われています。

しかし本当に重要なことは、「節約して〇〇万円貯める」とか、「積立投
資で老後の資産を作る」などといったことではないというのが私の考えです。

私が考えるお金の才能とは、お金を貯めることよりも、まず「どんな状況
になってもお金を稼げること」「どんな時代環境でもお金を生み出す方法
を作れること」だと考えています。

何かあったときのためにお金を貯めておくよりも、何があってもお金を生
み出せる方が、真の安心につながるのではないでしょうか。


   
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◆ウクライナ問題に鋭敏な反応 

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月8日(火曜日)
      通巻7211号
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ウクライナ問題に鋭敏な反応をするブリンケン国務長官
 ウクライナ系ユダヤ人の家系、父親は駐ハンガリー大使
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 アンソニー・ブリンケン国務長官が米国のウクライナ政策を決めている
のではないか。
 父親のドナルド・ブリンケンはウクライナ系ユダヤ人の血を引き、クリ
ントン政権下では駐ハンガリー大使。伯父も同政権下でベルギー大使をつ
とめた。
母親はハンガリー系ユダヤ人で、アンソニーが九歳の時に離婚し、パリへ
移住した。ブリンケンがフランス語に流暢なのも、その環境の所為だろう。

 ブリンケンはクリントン大統領のスピーチライター。オバマ政権下では
バイデン副大統領(当時)の安全保障担当補佐官、2016年にトランプが
当選したあとは、暫く浪人(弁護士事務所)だった。バイデンが当選すると
真っ先に国務長官に指名され、上院で共和党の反対票は22票だった。
共和党と殆ど変わらないのが対中国政策で、人権を表看板にウイグルにお
ける「ジェノサイド」に関して制裁を続行するとしたため、共和党も妥協
したかたちになる。

 こうした経歴からハンガリー系ユダヤ人の大富豪ジョージ・ソロスとは
家族ぐるみの付き合いがあり、ソロスの「オープン・ソサイエティ」の役
員をしていたこともあるという。
 ソロスはカラー革命で旧東欧時代から舞台裏で暗躍した。
ウクライナ問題で火をつけたのも、ソロスだ。米国の左翼を結集し、ウク
ライナに「民主革命」と導入し、資金援助などを行った。

 オープン・ソサイエティ財団は世界の37ヶ国で活動を続けているが、
左翼的傾向が強く、当該国政府とは屡々対立を繰り返してきた。本部は
ニューヨーク。1993年設立以降、110億ドルの支援をしてきたという。

 東欧でのソロス評価は左右に分かれ、毀誉褒貶が激しく、蛇蝎の如く嫌
う保守系の人々が多い。そしてアルバニアで、「民主」派を名乗る左翼政
権とソロスが仲違いを始めた。

 アルバニアはじつに「個性豊かな」国である。
ホッジャ独裁のとき、世界で唯一、中国の味方だったが、冷戦終了ととも
に、もっとも先鋭的な反中国となり、911関連でグアンタナモ基地に収
用され、無関係とわかった中国人五人を引き受けたのもアルバニアだった。

 一方で、セルビアの一州だったコソボに静かにアルバニア人が浸透し、
気がつけばセルビアからコソボを独立させるという離れ業。欧米への根回
しという政治力にはなかなかのものがある。
 そのアルバニアが、ソロスと対立し始めたことは、次になにか不思議な
ことが起こるかも知れない。
      
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
  
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  ♪
(読者の声1)石原慎太郎・元東京都知事が亡くなりました。
 調査会では知事在任中様々な形でお世話になりました。事務所までおい
でいただき、「しおかぜ」のスタジオで北朝鮮向けメッセージの収録をし
て下さったこともありました。ちなみに幹事長の村尾は一昨日偶然にこの
ときのメッセージを聞いており、「今はこんなことを言ってくれる人はい
ないなあ」と思っていたそうです。
※このメッセージは来週以降「しおかぜ」で再度北朝鮮に向けて流します。
 東京都が作成、駅や各公共施設に掲出してくれている「東京へ、返せ」
という独自の失踪者ポスターも石原都知事の決断でできたものですし、都
庁ラウンジでの写真展も同様です。私たちは政府に対して何度も個別具体
的な要請をしていますが、ほとんど何も答えようとしません。それから考
えると石原都知事時代の東京都は着実にできることを実行してくれました。
 平成22年(2010)10月23日には都庁前広場をお借りして「北朝鮮による
拉致被害者救出のための集い」(10・23集会)を開催しましたが、このと
きは次の予定があるにもかかわらず壇上に残り都庁の担当者がパニックに
なったということもありました。
ちなみにこのときは特定失踪者の67家族と家族会4家族、合計71家族(若
干漏れがあるかも知れませんが)120人余の方々が壇上に上がり訴えまし
た。今はこれらご家族の中でも多数の方々が鬼籍に入り、来賓で登壇され
た方の中でも飯塚繁雄家族会代表、古賀俊明都議会拉致議連会長が亡くな
られています。
記者会見での対応や、拉致問題で具体的にやってくれたことを考えると、
ああいうリーダーがいてくれたら、と思わざるを得ません。
ちなみに石原都知事はたびたび映画「風とライオン」を引き合いに出し
て、米国なら軍艦を出しても助けに行くと言っていました。いっそのこと
「自衛隊がだめなら東京都で軍隊を作って取り返しに」と相談してみれば
良かったかもしれません。
 とにかく様々な形でお世話になりました。あらためて生前のご厚意に御
礼申し上げ、ご冥福をお祈りする次第です。
(特定失踪者問題調査会・家族会、荒木和博)



   ♪
(読者の声2)北京五輪は初日に選手団110余名が武漢肺炎を罹患して
いた。旧正月なのに帰省を差し止められ、各地で都市閉鎖と、さんざんな
ゲーム展開ですが、昨日は広西チワン自治区の百色市(人口350万人)が
ロックダウンとなったようです。
 わたしは十年ほど前に、南寧市へ行ったことがあり、大きな団地が「日
式」(日本スタイル)とあって、日本庭園までありました。広西チワン自治
区はベトナムと国境を接しています。裏に外交的駆け引きでもあるので
しょうか?
(FJ生、神奈川県)


(宮崎正弘のコメント)ベトナム国境を中国側からみたことがあります。
川を挟んで国境をテレビなど密貿易の拠点でした。南寧の南、中国が目の
前の憑祥という田舎町で、南寧空港で飛行機を降りてバスで入りました。
小舟が「密輸船」ですが、小口物件、警察も見て見ぬふりをしていて、
人々の衣服も貧しかった。十数年ほど前のこと。
こんどのロックダウンの百色市は、広西チワン自治区の西部で、川を挟ん
での盆地、周辺の村々を大合併した行政区域で、人口は380万人以上に
増えています。
この百色で37例(同日の北京は四例)。ただちに都市封鎖ですから、全体
主義ってのは、凄いところがありますね。
百色市は、ベトナムと国境を接しており、チワン族のほか、ヤオ族、苗族
など少数民族があつまる盆地で「小武漢」と呼ばれています。清王朝時代
に百色を直轄政庁として経緯もあり、遠い地方都市です。
対称的に武漢はロックダウンを解除しました。

2022年02月07日

◆岸田文雄内閣が国際社会に果たす歴史的使命

               加瀬 英明
 
 10月に、岸田文雄内閣が発足した。

 同じ10月に、ワシントンにある著名なシンクタンクの上級研究員で、
ジョンズ・ホプキンズ大学国際政治学科のハル・ブランズ教授が、『世界
の眠れる巨人である日本が目覚めつつある』という論文を発表して、米国
で注目を浴びた。

 教授は「日本はこれまでも世界史の進路を大きく変えてきたが、前大戦
後貪ってきた惰眠から覚醒しようとしている」といって、安倍晋三内閣を
継いだ菅義偉内閣と岸田文雄内閣が、「これまでと変わらない(モア・オ
ブザ・セイム)と見るのは 誤りで、日本は脱皮しようとしている」と説いた。

 この大きな要因が、深刻化する中国の脅威と、米国にいたずらに依存す
ることができなくなったためであり、安倍首相が「開かれた自由なインド
太平洋」戦略を提唱したことを賞讃している。

 そして、日本が「普通(ノーマル)の国としてよみがえることによって、
米国にとって地理的な条件と、経済、軍事、技術力、民主的な価値観を共
有しており、英国と並ぶ重要な同盟国となろう」と予想している。

 日本はこのところ「台湾有事」という言葉が、重くのし掛かっている。

 日本を城にたとえれば、台湾は城門にあたる。城門を破られれば、落城
する。日本と台湾は一蓮托生の関係にる日本は二百十数年ぶりに、第二
の幕末≠迎えている。

 幕末には日本の岸辺に米英仏、ロシアなどの白人帝国主義の外夷が、大
津浪のように押し寄せ、国論が尊王攘夷か、開港かに分裂した。

 中国の習近平主席は機会あるごとに、台湾を「回収」すると、野望を露
わにしている。

 日本は中国が台湾に侵攻した場合に、現行憲法の解釈のもとでは、自衛
隊は後方支援を行うことしかゆるされない。そうなれば、日米安保体制が
崩壊してしまおう。台湾有事は、日米有事となる。

 日本は第2次大戦に敗れて、米国の保護下に置かれてから、江戸260年を
再現したような泰平を貪ってきた。

 “平和呆け”と呼ばれてきたが、戦後、日本の周辺が平和であったこと
は、一度もなかった。
米国による“保護呆け”を、患ってきたのだ。
平和呆けと保護呆けは、まったく違うものだ。

 岸田首相は就任すると、安全保障、憲法改正に意欲を示して、防衛計画
を改定するかたわら、防衛費を増額し、それまでタブーとされてきた敵基
地攻撃の能力の保有を検討することを指示し、党本部に置かれていた「憲
法改正推進本部」を「憲法 改正実現本部」と改 するなど、矢継ぎ早や
に打ち出した。脱兎のごとく 走り出したが、息切れしないだろうか。

 自民党も、日本が危機に直面していることを、認識している。先の衆議
院選挙で、公約としてGDP1%以内に留まっていた防衛費を、2%まで増や
すことを掲げた。
いまや、岸田首相の双肩に日本の安危がかかっている。

 果敢な指導力を発揮することを、大いに期待したい。
首相は歴史的な使命を担っている。
中国の脅威が、日本の存立を危くしているのではない。
何よりも現行の日本国憲法が、日本の存立を脅かしてる。

 現行憲法は非常識な最高法規だ。放置しておけば、日本は内部から瓦壊
しよう。首相と政府は声を大にして、国民に憲法改正を訴えるべきである。

 人間は最強の肉食獣として、食物連鎖の頂点に立っている。それだけで
はなく、途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生業
としてきたが、同じ人間を天敵としている唯一つの生物だ。

 米国が日本占領下で無理強いした「日本国憲法」は、このような人類の
歴史を貫いてきた真理から、眼をそむけさせてきた。狂った憲法だとしか
いえない。

 私たちは日本を取り巻く国際環境が大きく変化して、第2の幕末≠ノ
直面していることを、覚らなければならない。

 もし、幕末に攘夷にこだわっていたとしたら日本は滅びて西洋植民地勢
力によって支配されていただろう。

 ところが、護憲派は戦後76年にわたる米国の軍事保護による、徳川時
代と同じ泰平の世にすっかり馴れて、いまだに日本国憲法を「平和憲法」
と呼んでいる。現行憲法は日本の平和を脅かす憲法だ。

 動物園で育った飼育動物や、野生動物の保護センターで育てられた幼獣
にたとえたい。野生を忘れ、天敵を知らないのに、よく似ている。

 護憲派は、幕末の頑迷無知な攘夷論者の生まれ変わりだ
吉田松陰(1830年〜1859年)は幕末の代表的な志士だった

 松陰は嘉永6(1853)年に、米国のペリー艦隊が浦賀に現れて、1年後に
戻るといって去ると「来春には必定一戦に及ぶべし」と予想した。

「しかるに泰平の気習(きならい)として、戦(いくさ)は万代の後迄も無き
ことの様に思ふもの多し。豈(し)(おろかの意)に嘆ずべきの甚だしさに
非ずや」と、慨嘆している


 松陰は幕府が「時代が翔(とぶ)が如く」激しく動いているのに、史上稀
にみる泰平の世が続いたために、具体的な対策をとろうとしなかったの
で、「一日の安を偸(ぬす)むの論盛んにして、君臣将子必戦の覚悟未だ定
まらず」と悲憤慷慨した。安 政の大獄によって投獄され、明治元年の9年
前に刑死した。

 松陰の言葉は、今日の日本にそのまま当てはまる。
いま、日本を囲む事態が翔ぶがごとく、激しく動いている

 松陰は西洋諸国の圧倒的な武力を前にして、「血気の勇のみ」をもって
対抗できないことを覚って、攘夷から開国へ転向して、嘉永8年に「航海
通市(開国)こそ国家の大計」であり、「鎖国は末世の幣政なり」と断じ
ている

 護憲派の平和の願いは、松陰がいう無謀な「血気の勇」に当たるだろう。

 護憲派は日本国憲法を、権現様(徳川家康のこと)が鎖国を定めた祖法
と同じように崇めており、いささかも改めてはならないと主張している。

 自衛隊をしぶしぶ認めているが、政府も「必要最小限の防衛力を整備す
る」という建前をとってきた。

 だが、愛する家族が重い病気にかかった時に、病院に「必要最小限の治
療をして下さい」と求めるだろうか。

 杉田玄白(1733年〜1817年)といえば蘭医学者で、『解体新 書』に
よって学校教科書にのっている。

 玄白は先人の優れた儒学者の荻生徂徠(1666年〜1728年)が、人体を戦
場にたとえて「地に嶮易あり、兵に強弱あり、備を立て勝敗を論す」と、
医学が兵学と同じだと説いているのに、国と人体は同じだと、目を開かれ
たと述べている。

 護憲派の男女に、玄白や、徂徠の著書を読んでほしい。
私たちは第2の幕末によって、試されている。
岸田首相は「聞く」よりも、国民に何をすべきか、「語りかける」指導者
となってほしい。

 まさか、我儘な国民に媚びる御用聞きの政治によって、政権を浮揚させ
ようと思っているのではあるまい。

 英国の知識人週刊誌『エコノミスト』が、12月に日本特集を組んで、
日本が再び「世界へ(イントウ・ザ・ワールド)」という見出しを組んで、
日本が世界の舞台に復帰
しようとしていると、論じている。日本が鎖国から、国を開こうと感じ
取っている。

 自民党の河野太郎氏広報本部長と公明党の山口那津男代表が、「敵基地
攻撃能力を保有」することを、「時代遅れの発想だ」といって反対してい
るが、軍事の常識から大き
く逸脱しており、理解することができない。

 2人は先の戦争末期に、「本土決戦」「一億玉砕」を絶叫していた、狂
信的な軍人に憧れているにちがいない。


            
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◆「屈辱だけは我慢できない」

【有本香の以読制毒】「屈辱だけは我慢できない」石原慎太郎さんが遺し
た言葉 大功績のタブー破りに触れないメディア 豊洲移転巡り糾弾した
小池都知事、何を思う 

「石原慎太郎氏逝去」の一報から、2日過ぎた。

いまから5年前、石原さんに初めてお目にかかって以来、私は多くの得難
い経験をさせていただいた。この場をお借りして、偉大な政治家、文士で
あった石原慎太郎さんに衷心からの感謝を申し上げ、ご家族の皆さまへの
お悔やみを申し上げたい。

一つ私的なことを明かすと、石原さんは幾度か夜中に電話をくださった。
大概、重要な用件はなく、政局や文学、世界史などの雑談をさせていただ
いた。親子ほど歳の違う私を「あなた」と呼んで(=不思議と『きみ』と
は呼ばれなかった)、「博識だなあ」「ちょっと相談したいんだけど」と
立ててもくださった。

石原さんを「女性差別主義者」などと罵(ののし)る人々がいるが、私に
はまったくピンとこない。

ところで、石原氏の功績を振り返るメディア報道を見ていて、妙なことに
気づいた。多くのメディアが「東京五輪招致」には触れるが、その財源の
始点となった「都の万年赤字財政健全化」の大功績には触れず、「朝鮮総
連施設への固定資産税課税」というタブー破りにも触れないのだ。これ
は、どういうわけだろう。

そして、もう一つ、メディアが触れないことがある。

私が石原さんに初めて会ったのは、2017年2月。仲介してくださったの
は、石原さんと付き合いの長い、幻冬舎社長の見城徹氏だった。面会の理
由は、前年夏からの「小池劇場」にあった。

16年夏、東京都知事に初当選した小池百合子氏は、唐突に、3カ月後に
迫っていた「築地市場の豊洲への移転」を延期すると宣言。その後、「3
代前の元職、石原慎太郎氏の豊洲移転決定に重大な疑義あり」と烈しく責
め立てていた。

当時のメディアは「小池応援」一色だった。「小池アゲ、石原サゲ」のた
めに、科学的にも法的にも安全そのものだった豊洲新市場をも、根拠なき
ネガキャンにさらした。やれ、「地下水の汚染」がどうの、「柱が曲がっ
ている」「土地購入の利権が…」と、連日ガセネタで、元都知事の石原さ
んを大罪人であるかのように糾弾し続けた。

小池都知事小池都知事


その結果、脳梗塞の後遺症に苦しんでいた石原さんは、「罪状」すらはっ
きりしないまま、17年3月、都議会の百条委員会(=地方議会の裁判と呼
ばれる)にまで引っ張り出されることとなる。

私は騒ぎの当初から、「小池氏の移転延期の決定の方が誤りであり暴挙、
石原さんの移転の裁可は英断だった」と主張し続けた。しかし、当時出て
いたテレビのワイドショーで石原擁護をしたのは、ほぼ私一人。常に完全
アウェーだった。そんなある日、石原さんと面会が実現したのである。

当時、この経緯の一切を、私は拙著『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(幻
冬舎)にまとめたが、不思議といま、石原氏を振り返る番組などで、数カ
月間に及んだあの「バカ騒ぎ」に触れる局はない。あれから5年がたち、
豊洲移転延期の判断ミスも、「東京五輪の会場見直し」の混乱の責任も問
われず、小池氏は楽々再選を果たした。その彼女が、カメラの前で神妙な
調子でこう述べていた。

豊洲市場豊洲市場

「(石原氏の)多くの都政における功労に対して敬意を表し、また謹んで
お悔やみを申し上げたい」

2日には、安倍晋三元首相ら政界の重鎮が石原邸を弔問する様子が報じら
れるなか、小池氏の姿もあった。元職逝去にあたり、現職が悔やみの言葉
を述べ弔問するのは当たり前のことだが、私は正直、違和感を覚える。あ
のすさまじく執拗(しつよう)な個人攻撃が、まるでなかったかのように
振る舞う小池氏とメディアはいま、一体何を思うのか

くしくも、石原さんが旅立った日、国会では、中国における人権問題に関
する「決議」が衆院で可決された。もともと、「対中非難決議」と略称さ
れていたものだが、文中に「中国」という国名も「非難」の単語もなく
なった文書を、もはやどう呼ぶべきかも分からない。

「私は屈辱というのだけは我慢できないんだよね」

5年前の初対面の日、絞り出すようにこう言った石原さんの表情が脳裏に
蘇る。闘う政治家、石原慎太郎がこの世を去り、日本の政治中枢に残った
のが「骨抜き文書」1枚。国会がダメなら、在野の私たちが闘いを継いで
いかねばなるまい。


有本香  ジャーナリスト
著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録
           
        
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◆米国と距離を置き始めた湾岸諸国

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月4日(金曜日)
     通巻7207号 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
米国と距離を置き始めた湾岸諸国。欧米から中国へ乗換え
  米はアジアピボット、欧州は原油節約し、EVとガス重視へ
******************************

 米国が中東重視からアジア重視へ基軸を転換させたのは、米国内の
シェールガス開発などが勢いづいたため中東石油への依存度を減らし、輸
出国となったからだ。
 ちなみに2000年の米国とサウジの貿易額は206億ドルだった。2020年
に、それは210億ドルと二十年間に微増しただけだった。

 対称的にサウジアラビアと中国の統計を見ると、中東、とくに湾岸諸国
全体から中国は826億ドルの原油を買い付けていることが世銀統計から 判
明している。
 2000年は僅かに31億ドルだった
 2020年には671億ドルに撥ねあがっていた。およそ、20倍である。

 2022年初頭、サウジアラビア、バーレン、カタール、オーマンの政 府
高官が北京を訪問した。湾岸諸国首脳が米国より中国を重視している姿
勢があらわになった。
 一方で米国はサウジアラビアに対してイエーメンとの戦闘をやめるよう
勧告し、またハウシをテロリストリストから外した。サウジは静かに怒っ
たようだ。

 中国は監視カメラやハイテクの通信機器、防諜装置などを湾岸諸国に提
供し、彼らの反政府運動監視に全面協力をなし、ますます米国との関係に
楔を打ち込んできた。
    
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 自由とは保守与党に組みすることではない
  権力と最後まで闘ったジャーナリストの猛者がいた

  ♪
小野耕資『陸褐南 (筆一本で権力と闘いつづけた男)』(K&Kプレス)
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 国粋主義、福沢の論敵、自由主義を日本流に解釈し、身を粉にして唱え
つづけ、他方では子規や佐藤紅緑や、長谷川如是閑を育てた陸褐南(くが
かつなん)は赤貧に死す。
 有名な逸話は正岡子規を預かり、生活から療養費、葬儀まで面倒を見た
ことだろう。天才の俳人、その才能を見出したのは夏目漱石だが、その活
躍の紙面を与え、自由に書かせたのは陸褐南(褐は「羊」篇)だった。子
規は終生恩人として敬愛した。
 陸褐南の名を現代日本人で知る人は少ないだろう。
かつては丸山真男も司馬遼太郎も注目した。同期には志賀重昂、中江兆
民、杉浦重剛、三宅雪嶺ら錚々たる明治の言論人がおり、後輩には山路愛
山、佐藤紅緑ら、最後まで生活の面倒を見たのが正岡子規。
 論敵は福沢諭吉だった。西洋かぶれと誤解したのだろう。
 政治家で支援者は谷千城、品川弥次郎、近衛篤麿、三浦悟楼らが居た。
とくに谷千城ほど波瀾万丈の豪傑は稀だが、軍人から政治を志し、陸の
『日本』を強く支援した。谷が国粋主義に転じたのは西欧を見て、自らを
反省したからで、軍人生活から政治に人生を変えた。貴族院議院、学習院
院長を拝命した。この国粋主義の風雲に、陸褐南と知り合って、胴元の一
人となった。
陸褐南が主催した新聞「日本」が、最初に社会認知されたのは条約改正に
反対の言論だった。
明治二十二年、大隈重信系といわれた『郵便報知新聞』が改正を是とする
キャンペーンを始め、『東京公論』(星亨系)と『東雲新聞』(主筆・中江
兆民)が反対論。「日本新聞」には反対派の論客・活動家が集結する一大
ロビィとなった。
その甲斐あって(?)日本新聞は八回も発行禁止処分となった。結局は来
島恒喜の大隈外相爆殺未遂事件で、条約は流れ、内閣は総辞職となった。
来島は、その場で自刃した。
在野には頭山満、内田良平ら壮士たちが大活躍していた。
執筆の動機を著者の小野氏が言う。
「世は小泉純一郎内閣で構造改革の嵐が吹き荒れていた。(中略)弱肉強食
的新自由主義路線にはどこかモヤモヤした違和感があった。これが正しい
日本の方向性とはどうしても思えなかった。そんな時に陸褐南を知り、雷
に打たれたような衝撃を受けた。今後の日本の目指すべき政治、言論の在
り方を示して貰ったような気がしたのだ。褐南の同胞愛の精神、それこそ
が現代日本人にかけている精神ではないだろうか」。(114p)。

陸褐南は詠んだ。

真弓にも 征矢にもかえて とる筆の あとにや我は 引き返すべき

『梓弓』ではなく真弓である。
 梓弓は神事儀式に用いられ、和歌では枕詞。真弓は戦闘用の箭に転用で
きる。
新聞『日本』は明治二十二年から八年間で三十回、合計二百三十日もの発
行停止処分をうけるほどの反権力ジャーナリズムであった。国粋主義、自
由主義だが、政府に絶対に阿らなかった。だが停刊は収拾源を直撃するか
ら経営は至難の技となり、あちこちに借金を重ねた。
この反権力の姿勢が甦った。
陸褐南の精神を継続せんとして、南丘喜八郎氏が『月刊日本』を創刊し
て、はや四半世紀。その発行元のK&Kプレスが本書を刊行したのも陸褐
南のもつ磁力に引きよせられた縁だろう。
          
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)クリスマスの商業化はアメリカに始まったというが、昭和
30年代の子供の頃は靴下のプレゼントとクリスマスケーキの日だった。当
時の大人にとっては銀座で大騒ぎする時代だったらしい。
 アジアでもフィリピンなど10月ともなればクリスマスを考えソワソワ
し、12月にはクリスマス一色。タイでも12月にはショッピングモールにツ
リーが飾られデパートからコンビニまでサンタの衣装であふれることにな
る。日本と違うのはツリーが年が明けても撤去されず、たいていは2月の
中国正月まで使われる。それでもお祭り騒ぎ(バカ騒ぎ)では4月のソンク
ラーン(タイ正月)に到底かなわない商業イベントにすぎない。
 ユダヤ系金融の総本山とも言うべきロンドン。ディケンズの小説「クリ
スマス・キャロル」は1843年に書かれた。1970年のミュージカル映画
(Scrooge)は中学時代。単なる強欲な守銭奴と思っていたがどう考えても
ユダヤ人の話。英語サイトを見たらエベニーザ・スクルージ(Ebenezer
Scrooge)という名前が典型的なユダヤ人とある。
 改めて見直したがやはり面白い。
クリスマスイブの夜に商店や露天商、人形芝居にまで借金を取り立てに行
く。原作では共同経営者であるジェイコブ・マーレイ(こちらもユダヤ人
名)の葬儀に
おいても、彼への布施を渋り、まぶたの上に置かれた冥銭を持ち去るほど
の強欲ぶり。欧州には冥銭や地中海地方の邪眼などキリスト教と関係ない
迷信・習俗も多いが、キリスト教は欧州各地の土俗を取り入れたから聖書
と矛盾することも多いし矛盾の塊ともいえる。映画は強欲を戒め慈善と隣
人愛と感謝の気持ちで人生を謳歌することを強調するが、改心したスク
ルージが山のようなプレゼントを用意するところなど商業主義でもある。

 戦前のユダヤ研究家の本によるとユダヤ教の寺院では重要な宗教行事と
もなると座席は入札で金持ちが前列に座ることになる。
航空会社の座席が繁忙期に高くなるのと同じ、一種のオークションだが、
何ごとも金力がものをいう。商業的ユダヤ人としてはクリスマスで儲け、
宗教的ユダヤ人としてはクリスマスに反対する。スクルージは19世紀の改
宗ユダヤ人として映画では1860年の設定になっている。南北戦争と明治維
新が同時期なのは武器商人の視点にたつとリビアや中央アジアの革命さわ
ぎが同時期なのと同じかもしれない。強欲な金貸しのスクルージをロス
チャイルドを筆頭とするユダヤ金融の暗喩として描いた映画と見るのは勘
ぐりすぎかもしれない。
 20世紀後半の映画なのでクリスマスツリーも赤い服のサンタもでてく
る。三人の幽霊に導かれ、過去・現在・未来の自分の姿を見せられ改心す
るが、英国のクリスマスらしく飲んで歌って踊ってと賑やか。あの世の描
かれ方が日本人にとってまったく違和感がない。オスカー・ワイルドの
「幸福な王子」も日本で人気があるが、ツバメが王子とともに天に召され
るとかキリスト教としておかしくはないか、などと考えるのは野暮という
もの。
欧米では今でもペットに遺産を残す金持ちがいるしスコットランドやアイ
ルランドは妖精で有名。英国はオカルト好きでもありハリー・ポッターの
国なのだ。

 貧困にまみれた少年時代を過ごしたディケンズ。産業革命期のロンドン
を描いたこの小説が書かれた時代のアメリカ、清教徒の末裔がつくった
ニューイングランドでは1856年にクリスマスが合法化されるまでクリスマ
スの日に仕事を休むと罰金だったという(連邦政府の祝日になったのは
1870年)。
こうした土壌でユダヤ人がつくったエホバの証人だとかユダヤ人団体はク
リスマスに反対し、公立図書館から反ユダヤ的と勝手にレッテルを貼った
書籍の撤去を要求する。アメリカは面倒な国になったものですが、LGBTに
汚染されることのなかった時代の映画を見るのも良いものです。
 蛇足ですが、映画では大きな七面鳥がでてくる(グーグル翻訳でター
キー:トルコを七面鳥と訳すのは改善してほしい)。
英国は慢性的なCO2不足(医療・食品・産業用)で夏はビールの消費が増え
ればCO2が足りず、冬は天然ガスが高騰し、肥料工場が操業停止、副産物
のCO2不足から七面鳥(CO2で気絶させる)もクリスマス用の花 (温室でCO2
を使う)も高値となった。欧州圏は人権擁護から動物の権利擁護まで進
み、オーストラリアやスイスではロブスターを生きたまま茹でるのが禁止
された。
屠殺において眉間を打つ方法や喉を掻き切るのは禁止の国がふえた。なの
でイスラムのハラールやユダヤのコーシャ肉も北欧圏での屠畜は禁止とさ
れている。
 食文化の違いは面白いもので、ウイグルでは肉の鮮度を示すために店頭
に屠畜した頭を掲げる(羊頭狗肉の意味がわかる)のはさすがに少なかった
が、脚を掲げる店は多かった(屠畜用の生きた羊が店の前にいる)。日本の
大きな水槽を備えた活魚・活造りの店と思えばいいのかもしれない。
 基本的に内蔵肉や馬肉を食べない英国(イングランド)では馬肉入コン
ビーフが大問題になった。
食文化の違うスコットランドは羊の内蔵肉であるハギスが有名。アメリカ
でも牛タンなどブロックでは売っている店もあるが基本的に食材と見なさ
ない。ハラール肉は日本では冷凍肉で輸入されているが、動物の権利を盾
にした政策は、欧州での合法的なイスラム・ユダヤの原理主義者排除政策
なのかもしれない。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声2) 本日(2月4日)午前1100−1200の生番組「フロ
ント・ジャパン」は、葛城奈海さん「石原慎太郎氏の再評価」。宮崎正弘
さん「さようならGAFAM、こんにちはメタバース」でお送りします。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651
  (日本文化チャンネル桜)

2022年02月05日

◆現下日本は“第2の幕末”に直面している

                加瀬 英明

  昨年は中国が台湾を「回収」すると叫び、「台湾有事」が流行言葉(は
やりことば)となるなかで、オミクロン株の出現によって重苦しい歳末と
なった。

 中国の海警船が日常のように尖閣諸島の領海を侵犯するなかで、中国の
脅威が日本に重くのしかかっている。だが中国の脅威が日本の平和を危ふ
くしている、最大の要因ではない。

 日本国民は現行の日本国憲法こそ、日本の平和を危ふくしている、もっ
とも深刻な脅威であることを認識しなければならない。

 改憲論者は米国が占領下で日本が主権を失っていた時に、現行憲法を強
要したのは国際法に違反しているとか、多くの欠陥があると糾弾している。

 私には日本が対日講和条約によって独立を回復して以来、69年も一言
一句改めないできたのか、どうしてなのか説明できない。私は幼いころか
ら動物好きだったから、世界の生物のさまざまな特徴や習性に、関心をい
だいてきた。

 読者諸賢は「地上最強の肉食獣」といえば、きっとライオンや、虎を連
想されることだろう。この答えは間違っている。人間が最強の肉食獣とし
て、食物連鎖の頂点に立っている。

 私たちは毎日のように牛豚鶏羊肉や、魚介類に舌鼓をうっている。その
うえ人間は途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生
業としてきた。
人間は同じ人間を天敵としている、唯一つの生物である

現行の日本国憲法は、鎧(よろい)に当たる軍の保有を禁じることによっ
て、このような人類の歴史を貫いてきた真理から眼をそむけさせている。
狂った憲法だとしかいえな
い。現行憲法は国家の基本法に価いしない。国際法に違反しているより
も、自然法に違反している。

 米国のレーガン大統領は、米ソ対決の冷戦下で、ソ連のゴルバチョフ書
記長と4回にわたって首脳会談を行った。当時の発言録によれば、両巨頭
がアイスランドの首都レイ
キャビクで会談した時に、レーガン大統領が「もし、いま宇宙人が地球に
攻めてきたとしたら、われわれはきっと全ての対立を忘れて、団結して戦
うだろう」と軽口を叩いた
ところ、ゴルバチョフ書記長が「もちろん、そうする」と答えて、笑った
と記録されている。

 だが、コロナウィルスによるパンデミックの大襲来にもかかわらず、ア
ジア、ヨーロッパにおける対立は、いっそう激化するようになっている。

 私たちは国をあげてコロナウィルスと戦うのとともに、わが国に仇(あ
だ)なす外国勢力の脅威を斥けなければならない。仇なすは敵対して害を
加えることを意味している

 私たちは、“第二の幕末”に直面している。幕末に隙あれば日本を支配し
ようとする、西洋帝国主義諸国の船が近海に出没し、国論が攘夷か、開港
か、真二つに分かれた。

 攘夷派は「権現様」と呼ばれた、徳川家康公が慶長8(1603)年に江戸
幕府を開いた時に定めた国法を、祖法と崇めて攘夷に固執した。今日の護
憲派に当たる。

 吉田松陰は危機が刻々と募るのに、国民が徳川二百数十年の泰平の世に
慣れて、「太平の気習(きならい)として、戦(いくさ)は万代の後迄もなき
との様に思ふもの多し」と、憤っている。

        
       
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◆雀庵の開戦前夜/15 岐路の中国:習近平排除か亡国か
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/426(2022/2/1/火】1、2か月に1度ほど大型書
店「文教堂」の政治・外交ジャンルの棚をチェックし、世間の動きを知る
ようにしている。本のタイトルと著者を見れば大体、右巻き、左巻き、中
間の区別ができるが、左巻きの本は佐高信と岩波(日共)の各1冊がある
くらいで、左派≒アカの凋落は予想以上に著しい。日台侵略を狙う中共の
暴政にまったく異を唱えない立憲共産党が支持を失っているのと同様で、
GHQや共産主義に洗脳された団塊世代と共に左派は消えていくだろう。そ
れは多分、先進国、民主主義国の潮流ではないか。

毛が搗き 小平捏ねし 天下餅 一人で腐らす 習近平

毛沢東曰く「戦争は別の手段による政治の継続である。政治が一定段階ま
で発展し、もうそれ以上従来通りには前進できなくなると、政治の途上に
横たわる障害を一掃するために戦争が勃発する。障害がすっきり一掃され
ないうちは、目的を貫くために戦争は継続されるべきである。従って、政
治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治である」。

習近平は夕べもこの一節を読みながら眠りについたのだろう。あるいは
レーニンの「革命党の規律はプロレタリア前衛の献身、忍耐、自己犠牲、
英雄主義による。勤労大衆に接し、結びつき、必要に応じて溶け合い、正
しく導かねばならない。まずは運動と実践の苦しい経験を重ねて党内の規
律を固めるべし」も読んだか。

中坊というか「正義、純粋大好き」の赤色青少年、習近平は長じてますま
す病膏肓、諫める人を次から次へと粛清しまくったから、最早ブレーキが
利きそうもない。キチ〇イに権力・武力・・・一人で勝手に自爆してくれ
と世界中が思っているのではないか。まったく悩ましいことである。

中国は共産党一党独裁の「資本主義半分、共産主義半分」の経済である。
ガチガチの共産主義独裁経済では国力が発展しない、とトウ小平が資本主
義を導入した。「建国の父」が毛沢東なら、GDP世界2位に導いた「発展の
父」はトウ小平である。関 志雄 (C. H. Kwan)野村資本市場研究所シニ
アフェローは「トウ小平氏が描いた共同富裕への道筋」でこう書いている。

<「一部の人、一部の地域が先に豊かになれ」というトウ小平氏の「先富
論」は有名だが、これは「最終的に(国民が)共に豊かになる」ことを目
指す「共同富裕論」の一部にすぎない。

実際、トウ小平は1992年初頭に湖北省・広東省・上海など、南部地域を視
察した際に行われた「南巡講話」において、「先富」から「共同富裕」へ
の道筋について、次のように述べた。

「社会主義の道を歩むのは、ともに豊かになることを逐次実現するためで
ある。その構想は次のようなものである

すなわち、条件を備えている一部の地区が先に発展し、他の一部の地区の
発展がやや遅く、先に発展した地区が後から発展する地区の発展を助け
て、最後にはともに豊かになる、ということである。もし富めるものがま
すます富み、貧しいものがますます貧しくなれば、両極分化が生じるだろう。

社会主義制度は両極分化を避けるべきであり、またそれが可能である。解
決方法の1つは、先に豊かになった地区が利潤と税金を多く納めて貧困地
区の発展を支持することである。もちろん、それを急ぎすぎたら失敗して
しまう。いまは発展地区の活力を弱めてはならず、『大釜のメシ(悪平
等)』を奨励してもならない。

いつこの問題をとりたてて提起し、解決するか、どのような基礎の上で提
起し解決するかは検討する必要がある。今世紀(20世紀)末にまずまずの
水準に達したとき、この問題をとりたてて提起し、解決することが考えられる

その時になれば、発展地区は引き続き発展し、利潤と税金を多く納め、技
術を移転するなどの方式で未発達地区を大いに支持すべきである。未発達
地区はたいてい資源に恵まれており、発展の潜在力は極めて大きい。要す
るに、全国的範囲に考えて、われわれは必ず沿海と内陸部の貧富の格差と
いう問題を一歩一歩スムーズに解決できる」>

共産主義の規律と資本主義の効率性を一歩一歩上手く塩梅すれば格差是正
はできる、とトウ小平は諭しているわけだ。関 志雄氏はこれを受けて
「共同富裕を目指す中国 カギとなる農村所得の向上と二次分配改革」で
こう論考を進めている(一部)。

<計画経済の時代の平等主義に伴う弊害を打破すべく、トウ小平氏は「先
富論」を旗印に、平等よりも効率を優先させる「改革開放」政策を推し進
めた(上記の南巡講話)。40年余り経った今、総じて国民生活は改善され
てきたが、所得格差は拡大してしまった。格差の是正を目指して、2012年
11月の中国共産党第18回全国代表大会を経て誕生した習近平政権は、「共
同富裕」を経済発展の目標として前面に掲げるようになった。

同政権の下で、中国は貧困人口約1億人を全て貧困から脱却させ、国際連
合の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を10年前
倒しで実現した。しかし、都市部と農村部の間、地域の間、各所得層の間
の三つの格差は依然として大きい。中でも、都市部と農村部の間の格差
は、他の二つの格差の原因にもなっているだけに、農村所得の向上が、政
府にとって最優先課題となっている。

2021年8月17日に習近平総書記が主宰した中国共産党中央財経委員会第10
回会議では、「共同富裕は、社会主義の本質的要求であり、中国式現代化
の重要な特徴である」と位置付けられ、「人民全体の共同富裕の促進を、
人民のために幸福を図る力点とし、党の長期執政の基礎を不断に打ち固め
なければならない」としている。

共同富裕を実現するために、「市場主導の一次分配」、「政府主導の二次
分配」、そして「道徳に誘導される三次分配」(民間による寄付、公益事
業)の果たすべき役割が強調されている。中でも、財政と社会保障制度改
革を通じた「二次分配」の強化に寄せる期待が大きい。

2020年の中国における1人当たり可処分所得は、全国では32,189元(1
元=18円として58万円)に達しているが、農村部では17,132元(31万円)
と、都市部の43,834元(79万円)の39.1%にとどまっている。

中国では、所得格差以上に、資産格差が大きい。中国人民銀行がまとめた
調査報告によると、中国における都市部の世帯平均資産残高は317.9万元
(5700万円)、主に実物資産で、住宅がその7割近くを占めており、住宅
の所有率は96.0%である。

農村部については家計資産に関する信頼できるデータがないが、農村部で
は住宅の転売が厳しく規制されており、住宅価格が都市部より遥かに低い
ことを考えれば、都市部と農村部の間の資産格差は、同所得格差以上に大
きいと見られる。

中国経済は、これまで平等よりも効率を重視した結果、高成長を遂げた一
方で格差が拡大してしまった。今後、効率よりも平等を重視することによ
り、格差が縮小する一方で成長は鈍化するだろう。特に警戒すべきは、行
き過ぎた再分配政策の実施が、人々の労働と投資の意欲を抑え、経済の停
滞と「共同貧困」を招きかねないことである。

これらの課題を克服し、共同富裕という目標を達成するために、市場の活
力を最大限に生かしながら、公平かつ透明なルールの下で各階層の利害関
係を調整し、政策運営に当たってうまく効率と平等の間のバランスを取る
ことが求められる>

「市場の活力を最大限に生かしながら、公平かつ透明なルールの下で各階
層の利害関係を調整」・・・習近平が今盛んにやっていることは「市場の
活力を削ぐ」「金持ちを恫喝して委縮させる」、さらに「自由民主主義、
人権の圧殺」「周辺国への軍事威嚇」である。結果的に国民は委縮し、世
界も「つける薬なし」と距離を置き始めた。

小生はこのところ農業に詳しい川島博之氏の著作「戸籍アパルトヘイト国
家・中国の崩壊」を読んでいるが、氏は50回以上も訪中して中国の農村の
実態を観察している。著書には「“食糧危機”をあおってはいけない」
「“作りすぎ”が日本の農業をダメにする」などがある。現在はベトナムを
代表する財閥企業「ビングループ」のMartial Research & Management 主
席経済顧問を務めているが、論文サイトのJBプレスにも寄稿している。

<「バブル崩壊から台湾侵攻へ、中国が描きかねない悪夢のシナリオ 中
国の分断から見る恒大集団問題の深層」JBプレス2021/10/13:中国の不動
産大手である恒大集団が崖っぷちに立たされている。9月23日と29日にド
ル建て社債の利息の支払いを見送ったとされ、中国では30日間の猶予があ
るとされるが、デフォルトは避けられないと思われる。

中国政府はこの問題にどのように対処するのであろうか。それを考える一
助として戸籍制度が作り出した中国の分断について説明したい。

中国人は都市戸籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。原則と
して農民戸籍を持つ者は都市に住居を持つことはできない。このことは日
本でもよく知られているが、実は、地方都市の戸籍を持っていた人が北京
や上海などの大都会に移り住んでも、マンションを購入することは現実的
には困難だ。もし購入しようと思えば、北京や上海などで働いてかなりの
額の税金を納める必要がある。それには、高収入の職を得たとしても10年
程度の時間が必要と言われる。

中国は大都市に不動産を所有する階層と持っていない階層に分断されてい
る。現在、中国政府は都市人口を8.5億人、農村人口を5.5億人としてお
り、都市人口は全人口の61%である。だが中国が改革開放路線に転じた
1978年の時点では、人口が9.6億人であるのに対して都市人口は1.7億人に
過ぎなかった。その割合は18%である・・・>

それが2011年あたりには逆転して都市人口が増える一方で、農村人口は減
る一方になった。川島氏は2022/1/14の「中国不動産バブルの定量的研究
(1)中国に『空きマンションが1億戸ある』は本当か?」でこう続ける。



<中国の不動産バブルの背景に戸籍問題がある。現在中国人は、都市 戸
籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。農村から都市に出て
きた人々は「農民工」と呼ばれて、二流市民扱いされている。彼らは子供
の就学や年金、保険などにおいて差別的な扱いを受けている。この十数年
で、このような差別的な制度はかなり改善されたとされるが、それでも都
市戸籍と農民戸籍の間には大きな隔たりがある。

都市の人口は1998年に4億人だったが、2020年には9億人になった。5億人
の増加である。一方、農村の人口は8億人から5億人に減少した>

都市化進み、農村が疲弊する・・・そう言えばBRICS(ブラジル、ロシ
ア、インド、中国、南アフリカ)の新興国が大きく注目されたのは2000年
頃だったが、今ではインド以外はなにやら「中所得国(中進国)の罠」に
陥ったような印象だ。「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展に
より一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターン
や戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷するこ
とを指す(内閣府)。内田茂男・千葉学園理事長(元日経論説委
員)2020/11/27はこう解説する。

<開発経済学の分野で「中所得国(中進国)の罠」ということが言われてい
ます。一人当たりGDPが1万ドルを超えて2万ドルに到達する国は極めて少
ない、というのです。1万ドルを超えたあたりから人々の豊かな生活への
意欲が低下し、生産性の上昇が鈍化するからです。世界銀行によります
と、中国の一人当たりGDPは2019年でほぼ1万ドル(10,522ドル)です。ちな
みに日本は40,256ドル、アメリカ65,254ドルです。習近平指導部はこの罠
を突破するという目標を掲げているのですが、ハードルはかなり高いので
はないかと思います。

一人っ子政策は2015年に事実上廃止されたにもかかわらず出生率は上がる
どころか顕著に低下傾向にあるのです。所得水準の上昇によって女性の高
学歴化が進んだことなどが原因とみられています。労働力人口はすでに
2012年から減少に転じているという統計もあり、これらが経済成長の足か
せとなることは間違いないと思われます。

高齢化が進めば社会保障関連費が確実に増加します。中国の社会保障関連
費(教育、医療、年金)は2007年にはGDPの6.3%でしたが、2016年には
11.6%と倍増しています。国防費よりも速いスピードで膨張しているので
す。中国の前途はかなり厳しいと見るべきではないでしょうか>

マンションデベロッパーの恒大集団の破綻危機は、不動産開発や投機的な
不動産投資、需要を無視した道路、鉄道など公共インフラ事業によって牽
引してきた中国経済のバブル的危うさを象徴しているように見える。富め
る者と貧しい者の所得格差は10倍(中国統計年鑑2021)もあり、戸籍差別
の是正や税制改革などで徐々に中間層を育てていく必要があるだろう。

そんなことは毛沢東時代の「清く貧しく美しく」への拙速な回帰を夢見て
いるような習近平以外のテクノクラートは十分知っているはずだ。ボディ
ガードに囲まれた習近平一人を排除するだけで14億の明日は「普通の国」
へ大きな一歩を踏み出すことになる。しかし私利私欲、蓄財畜妾美酒美食
にどっぷりつかった民族にできるかどうか・・・そもそも骨のある政治家
や軍人がいるのか? 考えただけで溜息が出る。やはり包囲戦で弱体化さ
せ、内戦を促すしかないか。

        
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◆デジタル通貨を取りやめ

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月2日(水曜日)
     通巻7205号 
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メタ(旧フェイスブック)がデジタル通貨を取りやめ
主要国中央銀行、「暗号通貨は主権国家の通貨発行権を脅かす」
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 メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が主導したデジタル通
貨「ディエム」は取りやめることとなった。
 1月31日、ディエム協会は資産をシルバーゲート・キャピタルに1憶8200
万ドルで売却し、デジタル通貨の発行計画から撤退した。関与した役員も
殆どがメタを退社した。

2019年、フェイスブックはデジタル通貨「リブラ」の構想を発表し、
各国の通貨当局の反対に遭遇、とくに通貨発行は主権侵害になりかねず、
また利用者のプライバシー侵害にもつながると中央銀行から強い抵抗に
あった。

 フェイスブックは会社名をメタに改称したうえ、デジタル通貨の名称を
「ディエム」に、決済処理の電子財布も「ノビ」に変えて、 計画を大幅
に縮小したうえ、拠点をスイスから米国に移していた。

 メタのCEOマーク・ザッカーバーグは、仮想空間「メタバース」が
「モバイルインターネットの後を継ぐ」としたが、ディエムの資産を売却
したため、以後、どのような取引形態となるのか、すでにメタバースで
は、デジタル製品・サービスの売買の多くは暗号通貨でなされている。

 またグーグル(アルファベット)も司法当局から独禁法違反、プライバ
シー侵害などで提訴され巨額の罰金を支払ったが、2021年第三四半期の売
り上げを予測より増大させ、753億ドルだったと発表した。主として検索
エンジンへの広告、クラウドコンピュータが伸び、オンラインショッピン
グと結びついたそうな。
 GAFAMの一角で対称的な動きが出た。
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2324回】                 
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港206)

       △
 その瞬間が曽妹との初の顔合わせであり、それから3年ほど続くことに
なる沙田での、いま振り返って見ても長閑で珍妙としか言いようのない
日々の始まりであった。

 初めての沙田での夜である。昨日までのネオン耀く九龍市街とは違い、
文字通り漆黒の夜空にキラキラと星が瞬いている。電気を消すと、そんな
夜空と同じように部屋の中も真っ暗になった。九龍では味わうことの出来
なかった暗く静かな夜にシンミリしたのも束の間、暗闇のアチコチからガ
サ、ガサ、ガサと異な音がする。はて何事か。

耳をすますと、我が部屋のみならず家全体がガサ、ガサ、ガサ。そのう
ちにチュー、チュー、チュー・・・まさしくネズミである。その気配から
察して、どうやら1匹や2匹ではないらしい。

そう分かると薄気味が悪くなってきて、身体を覆っていた毛布を慌てて頭
の先まで引き上げ、身体全体をスッポリと包み込んだ。ネズミの襲来に備
えるためだ。

 ガサ、ガサ、ガサは続く。ネズミが毛布の中に入ってくるかもしれな
い。とにかく気になって仕方がない。仕方がないと諦め気味になったが、
やはり眠れるわけがない。「日本仔歓迎」の儀式にしては些か手荒すぎな
いか。それにしても迷惑千万な歓迎振りだ。

 とはいえ、なんとか眠ろうと努める。やがて・・・ウト、ウト、ウト。
するとどうだ。こんどは窓もベッドも震わせるかのようにガタゴト、ガタ
ゴト、ピーーーッ。けたたましい音を立てて列車が疾駆する。九広鉄路の
貨物列車である。
ネズミに負けず劣らずの凄まじいばかりの歓迎振りだ。じつは庭の外れの
10メートルほどを線路が走っているわけだから、大袈裟ではなく枕木の隣
で寝ているような心地である。タマッタものではない。

 ガサ、ガサ、ガサ。チュー、チュー、チュー・・・ウト、ウト、ウ
ト・・・。ガタゴト、ガタゴト、ピーーーッ。
 
沙田での、そんなけたたましい一夜が明けた。
睡眠不足の眼をこすりながら洗面所へ。すると、どうしたことか昨日置い
ておいた新品の石鹸が鋭く削り取られている。ネズミの仕業である。ネズ
ミに食べられたのである。

そこで早速、イチバン強力なネズミ捕りを送ってくれるように、父親に
手紙を書いた。
待つこと半月ほど。待望のネズミ捕りが届いた。するとどうだ。効果はバ
ツグンである。ガサ、ガサ、ガサが次の日にはガサ、ガサに減り、数日で
チューとも言わなくなった。

ネズミ退治に取りかかって数日が過ぎた頃、曽妹が怪訝そうに「おい、
日本仔、こっちに来て見ろ!」と。彼女の部屋を覗くと、ネズミの死体が
ゴロゴロしている。「昨日も今日も、この有様だ。いったい、なにを、ど
うしたんだ」。そこで拙い広東語で事情を説明すると、「そんなに効く薬
なら使わせろ」である。

これが彼女に日本製品を取り上げられた最初だった。住み始めてから2 か
月ほど経った頃のことだ。「おい、日本仔、大きな爪切りはないか」と
「ご所望」である。
たしか日本から持ってきた大型があったはず。そこでアチコチ探している
と、曽妹は机の引き出しを指差して、「ここにあるじゃないか」。確かに
爪切りはそこにあった。部屋の入り口の大型南京錠を掛けていたはずだか
ら、彼女が入れるわけはないのだが。どうやら彼女は合鍵を持っていて、
私の不在時に部屋に入って日本仔の所持品を点検していたらしい。油断も
隙もあったものではないが、ここでカーッとしたら負け。

 かくして、その時から部屋の入り口だけではなく、机もタンスもカギを
掛けないことにしてノーガード。「使いたいモノがあったら自由にどう
ぞ!」であった。

 些細なことに目くじら立てて小にしては曽妹との、大にしては日本と香
港との「友好関係」に波風立てるのは、やはり得策ではない。爪切りやハ
サミなど持参した日本製日用雑貨は、いつしか曽妹の管理下に置かれるよ
うになっていた。損して得取れ!
     
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)国内政治は野党の酷さばかりが目立ち、自民党が相対的に
マシという立ち位置。
菅直人元首相は維新にヒトラー発言で喧嘩を売ったはいいが、維新から
抗議をうけるや大阪都構想に理解を示すかのような発言。学生時代は4列
目(すぐ逃げられる)の男といわれ、政治家としては第5列(裏切り者)、も
うそろそろ葬列だろうと揶揄されている。

戦前のユダヤ問題研究家の本では大正時代の欧州で日本が普通選挙を導
入したことに落胆するフランス人の話がでてくる。普通選挙が金権その他
で特定勢力に利用されることが明らかだった。大正生まれの父の話では選
挙で投票所から開票所までの途中で投票箱を奪うなど当たり前だったという。

アメリカの選挙も表向きは二大政党制だが、実質はどちらが勝っても裏
を仕切る大資本家などのいいなり、逆らえば暗殺されかねない。軍産複合
体の危険性を指摘したアイゼンハワーは大統領就任式で人気俳優によるカ
ウボーイの投げ縄をかけられた。単なる就任式のショーに見えて実は縄か
ら逃げられないとの暗喩だったのかもしれない。

アメリカのネットを見ていたら面白い指摘があった。日本がアメリカの
ポチといわれるようにアメリカはイスラエルのプードルだという。

アメリカの軍人がイスラエルのために中東で命を落とすことに反対する論
調。さらに言えばウクライナ問題など東欧系ユダヤ人の私怨にすぎない、
アメリカを巻き込むなとなる。イスラエルをつくったのはロスチャイル
ド、大株主の意見に逆らえない英米メディア。日本国内の論調だけでは見
えない世界がある。

世界の政治家の頭の中は日本の政治家がお花畑で異質なだけで100年前 の
列強が角逐していた時代と変わらない。

クリミア半島の歴史や露土戦争を見てもわかるが、実際にトルコはロシア
からミサイルを購入しながらウクライナに無人攻撃機を売り新オスマン主
義で中東・中央アジアに影響力を及ぼそうとしている。アラブ諸国はアメ
リカの弱体化を見てアメリカ離れ。

 
ロシアはロシア帝国に回帰しつつあり、中国は大清帝国復活を目指して
沿海州を取り戻そうとするかもしれない。
人口で圧倒する中国が移民でロシアを侵蝕しているのは明らかで50年、
100年単位で見れば中国が拡大する可能性が大きい。あるいは便宜上の漢
族である満洲族が復活して満洲から沿海州まで独立国家をつくることさえ
あり得る。ある意味、面白い時代かもしれない。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ウラジオストックは、いまでも中国の地図には
「海参威」(ハイサンウェイ)と明記されています。日本語は「浦塩」で
すが。。



  ♪
(読者の声2) 石原慎太郎さんに感謝と尊敬と哀悼の誠を捧げます。あり
がたうございました。(KM生、豊島区)
 日本のために戦った石原さんの冥福を祈ります。(HK生、神戸)他多数。


(宮崎正弘のコメント)浪漫にいたころ、最初の仕事は石原氏と賀屋興宣
元法務大臣との対談、ついで青嵐会結成前夜から都知事選、藤島泰輔氏が
青嵐会系候補として衆院出馬などが重なり、たぶん週に二、三回は会って
いましたね。いろいろな用事があり、議員会館か、赤坂の氏の事務所(真
革新倶楽部)、青嵐会事務所など。「青嵐会の詩」を書いたらどうかと薦
めたら一晩で仕上げた想い出がよみがえりました。拙篇の『青嵐会 血判
と憂国の論理』はベストセラーとなりました。
 
氏は悪筆で有名で、小生はなんとか読みこなせたものの、ワープロに一
番先に飛びついた理由はよく理解できます。当時、原稿は手書きでしたか
ら、各雑誌社には、書いた原稿をテープに吹き込んでセットで渡していた
ものです。
 書き出せば忽ち二十枚ほどになりますが、濃密な付き合いが四年ほど続
き、最後は三島由紀夫論を巡ってぷっつんでした。数年前に「中国問題で
意見を聞きたい」というので日時も設定していたのですが、石原氏の都合
で流れたことがありました。いずれ追悼記を綴るかも。

  ♪
(読者の声3) 「朝日新聞」の作文。

およそ全ての芸術作品は、作者が全知全能・全感情を傾けて作られる。
50年前の朝日新聞の記者は、「捏造・偏向・意図的な洗脳」記事を書くつ
もりではなく、涙を流して心から感謝・感激していたようだ。

夢見る16歳の少女の文学作品を日本の言論界を支配していた新聞が採用し
ていた。中共やロシアにとって「有益なバカ」が日本の崩壊に貢献してい
た、という証拠。洗脳とは心・感情を操作し、「賎脳」する。
以下、外交評論家の加瀬英明氏の1月27日のブログからの引用。

「朝日新聞は田中角栄首相が日航機から降りて周恩来首相と握手を交し
た時に、「『日中いま握手』と大見出しを組んで、「その時の重く、鋭い
静寂を、何と表現したらいいだろう。

広大な北京空港に、いっさいの音を 失ったような静けさがおちてきた。
1972年9月25日午前11時40分、赤い じゅうたんを敷いた飛行機のタラッ
プを、黒い服の田中首相がわずかにか らだを左右に振りながら降りてき
た」(略)と報じた。

「これは夢なのか。いや夢ではない。間違いなく日中両国首相の手がかた
く握られたのである。」「実際には、その時間は一分にも満たなかったは
ずであった。記者団の群れにまじった欧米記者たちの無遠慮な声もしてい
たかもしれない。しかし、その時間はもっと長く感じられた。なんの物音
もしなかったと思う。四十年も続きに続いた痛恨の時間の流れは、このと
きついにとまった。その長い歳月の間に流れた日中両国民の血が涙が、あ
ふれる陽光のなかをかげろうのようにのぼってゆく──ふと目まいにさそわ
れそうな瞬間のなかでそんな気がした。」
  (在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)日本に当時、まだ僅かに残っていた威厳が、崩れ
去った一瞬でもありました。

2022年01月30日

◆中国を笑っても、日本を笑えるか

                   加瀬 英明
 
 コロナのために気が滅入って、笑う機会が少ない。

 だが、習近平主席の中华人民共和国が笑いを提供してくれる。2月に習
主席は国威を賭けて、北京冬季オリンピック大会を開催する。

 北京冬季大会の金銀銅メダルは、2008年の北京夏季大会と同じデザ
インで、安徽(アンホイ)省で発掘された古代中国の翡翠(ひすい)の飾りを
描いている。「五千年の偉大な中華文明の復興」を象徴しているのだろう。

 中華の「华」と、「習」の「习」は、共産政権が一九五〇年代に創った
三千字あまりの簡体字だ。翡翠の「翠」は、簡体字の「习」と繁体字と呼
ばれる旧字の「卒」が、組み合わされている。

 中国語で「卒」は「死ぬ」、あるいは「終り」を意味している。「卒」
は中国将棋で日本の将棋の「歩」に当たる駒で、「小者」も指している。

 きっと、中国人民は入賞した選手が表彰台に立ってメダルが贈られるた
びに、「习」と「卒」が組み合わせられているから、「习死んじまえ」
「习は終りだ」「习は小者」だと笑うことになろう。

 オミクロン株は“习株”のはずだった北京大会はオミクロン株が猖獗
(しょうけつ)をきわめるなかで、催される。

「オミクロン」は、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタから始まって、
オメガで終るギリシア語のアルファベットだが、この株が南アフリカ共和
国で登場した時に、インド生まれのデルタに次ぐニュウの順番に当たって
いた。だが「ニュウ」と命 名したら、英語の「新しい(ニュウ)」と混同
したから一つ飛ばすほかな かった。

 その次が「ヅィXi」だったが、もし「ヅィ」と名づけたら、習近平の中
国語の発音が「Xi Jinpingヅィ・ジンピン」だから、「习(ヅィ)株」に
なった。

 そこで、中国の僕(しもべ)であるテドロス世界保健機構(WHO)事務
総長が忖度して、一字あとの「オミクロン」とした。どうも、習主席に
とって2022年は幸先が悪いようだ。

 日本ではついこのあいだまで「中国は大人(たいじん)の国」だといわれ
てきたが、誤っている。意地悪く心がねじけている。

 狭量だから台湾を同胞だといいながら、WHOをはじめとする国際機関
に加入することをいっさい認めない。

 中国が横車を押したために、東京大会もそうだったが、今回の冬季オリ
ンピック大会でも、台湾は「チャイニーズ・タイペイ」という名称でしか
参加できない。だが、いくら地図で探しても「チャイニーズ・タイペイ」
という国か、領域はどこにも存在していない。

 そのくせ、習主席は機会あるごとに「台湾を回収する」と演説する時
に、正しく「台湾」と呼び「チャイニーズ・タイペイ」といわない。な
ぜ、中国政府の台湾を担当する部署を「チャイニーズ・タイペイ」にしな
いのだろうか。

 12月に、バイデン大統領が米国に100ヶ国・領域を招いて、オンライン
で『民主主義サミット』を開催すると、中国は対抗して『中国の民主 白
書』を発表して、「民主主義は多様である」といって「中国式民主主
義」を誇示した。きっと「中国式平和」や「中国式人権」もあるのだろ
う。中国の報道官が記者会見の席上で「中国の選挙制度のほうが、米国の
選挙制度より優っている」と、真顔で述べた。

 中国の“国会”に当たる全国人民代表大会の代議員選挙では、候補者は一
人しかいない。
かつて英国労働党のアトリー首相が、ソ連の選挙を「馬が一馬しか走って
いないのに、競馬と呼ぶようなものだ」と揶揄(やゆ)したことがあった
が、きっと北京冬季大会
ではスピードスケートで選手が一人だけ出場しても、「競技」と呼ぶにち
がいない。

 中国は国内で人民に政権を批判することを禁じて、表現の自由を奪うか
たわら、100万人以上のウィグル族を強制収容所に拘束して非人道的な 臓
器移植を行い、チベット人、モンゴル人を虐げ、香港を窒息させている。

 いったい習主席に「平和の祭典」といわれるオリンピック大会の開会を
宣言する資格が、あるだろうか。

今年は、日中国交正常化50周年に当たる。
私は日中国交正常化が、「日中友好」を狂気に駆られて煽りたてる世論の
なかで行われたから、強く反対した。

 半世紀がたつが、今から振り返っても笑うほかない。
朝日新聞は田中角栄首相が日航機から降りて周恩来首相と握手を交した時
に、「『日中いま握手』と大見出しを組んで、「その時の重く、鋭い静寂
を、何と表現したらいいだろう。広大な北京空港に、いっさいの音を失っ
たような静けさがおちて きた。

 1972年9月25日午前11時40分、赤いじゅうたんを敷いた飛行機のタラッ
プを、黒い服の田中首相がわずかにからだを左右に振りながら降りてき
た」(略)と報じた。

「これは夢なのか。いや夢ではない。間違いなく日中両国首相の手がかた
く握られたのである。」

「実際には、その時間は一分にも満たなかったはずであった。記者団の群
れにまじった欧米記者たちの無遠慮な声もしていたかもしれない。しか
し、その時間は、もっと長く感じられた。なんの物音もしなかったと思
う。四十年も続きに続いた痛恨 の時間の流れは、このときついにとまった

 その長い歳月の間に流れた日中両国民の血が涙が、あふれる陽光のなか
をかげろうのようにのぼってゆく――ふと目まいにさそわれそうな瞬間のな
かでそんな気がした

 滑稽な記事だった。私は雑誌に「新聞記者はどのような状況に出会って
も、目まいを起してはならない。しっかりしてほしい。日本であれ、外国
であれ、記者たちはいつも『無遠慮な声』をだしているものではないだろ
うか」と、書いた。

 その3日前に、朝日新聞は『日中新時代を開く田中首相の訪中』と題す
る社説を掲げた。

 「日米安保条約によって勢力均衡の上に不安定な安全保障を求める立場
から、日中間に不可侵条約を結び、さらにその環をソ連にもひろげる。そ
うした外交選択が可能となった」と、主張した。この社説を読んで、私は
目まいにさそわれた。

 20世紀最大の喜劇王といわれたチャールス・チャップリンが、「人間の
生活は近くから見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇だ」と述べている。
チャップリンはロンドンのユダヤ人貧民街で生まれている。

 アルバート・アインシュタインは、「宇宙の神秘は解明されようが、人
間がどうしてこれほど愚かなのかという謎には、永久に答えられまい」
と、慨嘆している。

 独裁者は自分を神格化する
独裁者は自分を神格化して、事実や、歴史を捏造する。

 唐代に編纂された『史記・秦始皇本記』に、「鹿を指して馬となす」と
いうよく知られた言葉があるが、間違ったことを強引に押しつけて、白を
黒と言い張ることを意味している。中国は秦の始皇帝のころから変わって
いないのだ日本には独裁者が登場しない。日本語の最大の機能が人と合わ
せること だ。日本人は謙虚だから、言葉に自己を抑制する強い力が備
わっている。

 これは英語と共通している。だから中国語、ドイツ、イタリア、スペイ
ン語のように雄弁を振って、煽動することができない。チャップリンのヒ
トラーを虚仮(こけ)にした喜劇映画『独裁者』は、英語だから笑えるのだ。

日本は「和」の国であるから、明治に入るまで「指導者」「独裁者」とい
う言葉もなかった。双方2つとも明治翻訳語だ。日本では幸いなことに、
頂点に世俗的な欲望を持たない、神性を帯びた 天皇がおられるから、習
主席のような人物の出る幕がない。



           
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◆【正論】五輪開催の懸念はどこへ消えた

 麗澤大学准教授 ジェイソン・モーガン 


最近、知り合いが私にとてもおもしろいことを言った。「北京オリンピッ
ク(五輪)が近づいているが、新型コロナウイルスを理由に中止を求める
人は、どこにいったのか?」

確かにその通りだ。2020年の東京五輪・パラリンピックは、21年に
延期され、かろうじて無事に開催できた。しかし、その開催にあたって
は、中国・武漢発の疫病が世界を患わせて以来、東アジアを専門にする反
日的な学者、ジャーナリストなどが、中止を繰り返し求めてきた。
「日本専門家」の五輪叩き

例えば、アメリカ人ジャーナリスト、ジェイク・エーデルスタイン氏は、
東京五輪叩(たた)きに熱心だった。21年7月には連名で、米ニュース
サイト「ザ・デーリー・ビースト」に、「東京は狂ったように、ワクチン
接種を大幅に欠いているボランティア軍団をオリンピックに派遣する」と
いう見出しで、容赦なく、日本政府と日本国をバッシングした。

「東京はワクチン接種を遅らせることによって、オリンピックのボラン
ティアを歩くスーパースプレッダー(通常より多くの人に感染を広げる
人)の群れに化しているようだ」と、その記事で恐怖を煽(あお)った。
エーデルスタイン氏はアメリカでは信頼されている「日本専門家」だ。

エーデルスタイン氏らの日本叩きの記事は、アメリカの他の主要メディア
にも取り上げられた。

欧米の反日言論人たちが東京五輪の中止を求めた理由は、コロナ禍だけで
はない。

例えばオーストラリア国立大学名誉教授の歴史学者、ガバン・マコーマッ
ク氏は21年3月に、「アジア太平洋ジャーナル・ジャパン・フォーカ
ス」(APJ・JF)で、「フクシマ」を持ち出し東京五輪開催に暗い影
を落とす論文を発表した。

13年、当時の安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)に、東
日本大震災の被災地は制御下にあると約束したのにまだ問題解決ができて
いないと批判した。東京電力福島第1原発事故についても、大量の核廃棄
物が残っているなどと悪いイメージを強調した。

五輪組織委会長だった森喜朗元首相の「女性がたくさん入っている理事会
は時間がかかる」という失言も持ち出し、東京五輪が「茶番劇」になって
いると毒舌を披露した

マコーマック氏のこの記事も、コロナ禍を理由にして東京五輪の中止をほ
のめかした。五輪を開催すれば、「大量のコロナウイルスの感染と流通に
なりかねない」と懸念を示した。北京五輪には沈黙

他にも、「APJ・JF」で、東京五輪・パラリンピックの開催をバカに
する論文が発表された。英語圏の学界やメディアは、東京五輪を批判する
ことを、皮肉にも、もう一つのオリンピックイベントにしようとした。

しかし、北京五輪については、エーデルスタイン氏も、マコーマック氏も
沈黙しているようだ。

最近、エーデルスタイン氏が書いた記事は、感染力が強いオミクロン変異
株の流行に対し、日本が水際対策を強化したことをめぐり、日本が「外国
人嫌悪」の国だと厳しく批判するもので、日本叩きが変わらない。

しかしネット上で検索してみても、エーデルスタイン氏が北京五輪を批判
する記事は見つからない。マコーマック氏も同様だ。「APJ・JF」で
検索しても、北京五輪に懐疑的な論文は見当たらない。

左翼が牛耳るアカデミアやメディアでは、北京五輪を批判する声がほぼ見
当たらない。アジア研究者が使う情報共有サイト「H―Net 
Asia」では、勇気を出して北京五輪に懐疑的な姿勢をみせている学者
がたった一人、スウェーデンの方だけ。日本叩きの情報は相変わらず毎日
のようにあるのに。

東京五輪・パラリンピック開催の後も、新型コロナウイルスが世の中から
消えていないのに、北京五輪開催に対する懸念はいったい、どこへ消えた
のか?
「ジェノサイド」見ぬふりか

中国国内で今、新型コロナと激しい戦いが進んでいるが、五輪開催を中止
しない北京政府をバカにする、欧米左翼メディアなどの記事や論文は、
いっこうにでてきていない。

しかも、コロナ禍だけが気になっているわけではない。北京五輪が「ジェ
ノサイド(民族大量虐殺)オリンピック」と呼ばれているのは、ただの意
地悪いレッテルではない。ウイグル人らが今、中国の中で、北京政府に
よって、絶滅に追い詰められているのだ。それでも声を上げない理由を、
左翼の「有識者」やいわゆるアジア専門家に教えてもらいたい。

コロナ禍は許せないが、北京のジェノサイドオリンピックには目をつぶる
のだろうか。左翼が常に依存しているダブルスタンダード(二重の基準)
によるものだとしても、あまりに理不尽なことである。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

【産経ニュース】 採録

            
━━━━━━━━━━━━━━━━


◆米国競争法2022,上院を通過

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月27日(木曜日)
     通巻7199号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
米国競争法2022,上院を通過。下院とすりあわせへ
 中国の検閲、ディスインフォメーション対策に1億ドル
**************************

 1月25日、米連邦議会上院は2912ページもある包括法案「米国競
争法2022」を可決した。分厚い法律原案、しかし全部を読んだ議院は
いるのだろうか?

上院で可決後、ただちに下院に送られ、すりあわせとなるが、議長生命を
かけて、ナンシー・ペロシ議長が、法案に強い民主党色をほどこす方向に
ある。
ついでに言えば御年81歳のペロシは議長職は降りるが秋の中間選挙で
12回目の当選を目指すとしており、彼女のカリフォルニア集の地盤は、
リベラル強硬路線で、中国の人権問題のもっとも五月蠅いため政治家だか
ら、人気が高い。ペロシ女史は反トランプの急先鋒だが、広島を訪問して
涙したり、安全保障問題より人権問題で中国に厳しい。先祖はイタリア系
移民。

 眼目は半導体でサプライチェーンの障害が表面化し、遅れをとったと自
覚する米国が半導体開発に巨費を投ずることである。
 520億ドルが次世代半導体開発に注ぎ込まれる。
 台湾TSMC、インテルが、競うようにアリゾナ洲に大工場を建築する
のは、この補助金に照準を当てているからだろう。

 一方、台湾との安全保障政策を強化する。さらに米日印豪のクアッド予
算の正式承認などを含む。中国の検閲を精査し、フェイクなど偽情報
(ディスインフォメーション)への即応態勢に構築などに1億ドルを予算
化し、国務省内に特別チームの設立も謳っている。

 法案は単独法案ではない。議会がつねに揉めるため3000ページ近い
法律が、一括されて議論されるのが最近の米国議会だ。
   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2321回】     
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港203)

        △
 ここで第六劇場の舞台に戻り、「捉放曹」を考えてみたい。
「捉放曹」の種本は小説の『三国演義』であり、その『三国演義』の大本
は正史『三国志』となる。『三国演義』の作者は14世紀の羅貫中とされる
が、宋代には「説三分(三国語り)」と呼ばれる三国志を専門に語る「説
話人(講談師)」が生まれている。彼らは正史を話の大筋にして、様々な
民間説話なんぞを題材に切り貼りして“見てきたようなウソ”を仕立て上げ
ていった。かくして「説三分」を劇的に再構成し、元代至治年間
(1321〜23年)に絵入り講談本として刊行されたのが『全相三国志平話』
とされる。

 これを要するに、三国時代(180年前後から280年前後)に起きた出来事
を陳寿が彼の拠って立つ歴史観に基づいて取捨選択して正史『三国志』と
して纏め上げ、正史から様々な説話が派生し、説話が集大成されて『全相
三国志平話』となり、さらに時を経て小説『三国演義』となり、その『三
国演義』を種本にして名も知れない戯作者や役者によって京劇「捉放曹」
が創作されて舞台で演じられることとなった。

 いわば三国時代の出来事から「捉放曹」までに1700年ほどの時間が過ぎ
ていることになる。この間、当然のようにストーリーは変化する。
 たとえば正史『三国志』の「巻一 魏書一 武帝操」では、董卓の誘い
を断ったことで危機感を抱いた曹操は偽名を名乗って逃亡した、と極めて
簡潔な記述で終わっている。

 ところが、この部分の注記では「魏書に曰く」として、「曹操は数騎を
従えて故郷に逃げ帰る途中で呂伯奢を訪ねたが不在だった。呂の息子たち
は曹操の馬などを奪おうとしたので、曹操は『刀を手にし撃ちて数人を殺
す』」のである。

 別の注記では「世語に曰く」として、呂伯奢を訪ねたが呂は不在だった
が、5人の息子は揃って賓客を迎える支度をした。董卓の命令に背いたこ
とから曹操は疑心暗鬼になり、「剣を手に、夜、八人を殺して去る」と記
す。また別に「孫盛の雑記に曰く」として、呂伯奢の家で耳にした食器の
音を自分を殺そうとしていると思い込んだ曹操は、夜陰に乗じて呂の家の
者を殺した。そして去り際に、凄まじい形相で「俺がヒトに背こうが、ヒ
トを俺には背かせない」と口にした、と記す。

こう見てくると、正史『三国志』「巻一 魏書一 武帝操」は極めて無機
質な記述ではあるが、その背後には「刀を手にし撃ちて数人を殺す」との
事実(憶測?)があり、「数人」が「八人」と“具体化”され、さらに単に
剣を振るって殺すだけではなく、「俺がヒトに背こうが、ヒトを俺には背
かせない」との曹操の独白が付加(潤色?)されているのだ。

 曹操が口にした(とされる)「俺がヒトに背こうが、ヒトを俺には背か
せない」を実際に聞いた人がいるのか甚だ疑問だが、それが「捉放曹」の
舞台で見られる「俺曹操一生做事、寧教我負天下人、不教天下人来負
我!」の台詞に“過激”に劇的変化を来したと考えられる。なぜか。その方
が曹操の冷血・豪胆さを表現できるし、芝居として面白いからだろう。

 正史を下敷きに書き継がれた『三国演義』では、身柄を拘束された際に
曹操は、「皇甫と申す旅の商人」と偽っているが、「捉放曹」では「オレ
様が曹操だ」と堂々と名乗り出た。
 曹操が陳宮と連れだって呂伯奢と出会った場面だが、『三国演義』では
呂の屋敷に出向いているが、「捉放曹」では道端に座っていた呂が「これ
は如何したことか。向こうからやって来るのは、なんと曹操ではないか」
と偶然の出会いとされている。

 かくして董卓の追っ手に恐怖する曹操から、豪胆残虐にも退路を断ち、
権力への断固たる決意を披瀝する曹操へと、大きく性格を変えてゆく。

 なぜ、このように物語は千変万化し縺れるものなのか。やはり最終的に
は劇的効果を求める京劇の創り手──戯作者、役者、そして客──の考えが働
くからだろう。
     
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)「日本文化チャンネル桜」のフロントジャパン(1月26
日放映)です。
https://www.youtube.com/watch?v=F_oOJ0KsS3k
 ホスト佐波優子、ゲスト宮崎正弘の両氏で「ウクライナ問題から日本の
保守」まで。
 とくに42分目から1時間7分までの25分間は宮崎さんの新作「日本
の保守」をめぐっての稀少な討論番組となりました。アーカイブに入って
おり、ユーチューブで御覧頂けます。(日本文化チャンネル桜)
  ♪
(読者の声2)「一目でわかる漫画世界現状地図」
https://blog-imgs-116.fc2.com/o/s/y/osyoube/1932map1.jpg
 「PB生」様の投稿、いつも参考になります。この世界地図も勉強になり
ます。
URLを失念しないよう、自分のFACEBOOKにコメントごと貼り付けさせてい
ただきました。戦前の日本人は世界情勢に強かったとわかります。べーブ
ルースが右打者(本当は左打者)になっているのはご愛敬ですね。野球に
はあまり興味がなかったんでしょうね。
  (R生、逗子)


(宮崎正弘のコメント)印刷して額縁にいれて、孫の教育用にしたいとこ
ろです(苦笑)。

2022年01月16日

◆歴史の近視的視野は大きな災禍を招く

              加瀬 英明

 
 私が『日本週報』という雑誌に連載して、稿料を稼ぎはじめたのが、高
校3年生の17歳の時だった。26歳で月刊『文藝春秋』に評論家という肩書
をもらって、書くよう
になった。

 私は田中角栄内閣が昭和47(1972)年に日中国交正常化を強行した時
に、中国は秦(紀元前221年〜206年)の始皇帝の時代から悪しき帝国であ
り、毛沢東王朝もその延長だから、米国が中国を承認してから後を追うべ
きだと反対した。

 田中首相が北京を訪れて、毛沢東主席に拝跪するようにして会見したの
が、日中関係を今日まで歪めてきた。
角さんは外交について無知蒙昧だったが、それでも私の会に来てくれた。
魅力ある人だった。

 私が28歳の時に日韓国交正常化の前年に訪韓して、田中氏の県紙『新潟
日報』に韓国について10回連載したことから、目をかけてくれた。

 日中国交回復が行われた時の中国は中ソ戦争に怯えて、日本を必要とし
て日本に縋りつこうとしていた。

 私は米国きっての戦略家として名高いエドワード・ルトワック氏を同志
として、昵懇にしてきた。

 私がルトワック氏と親交を結ぶようになったはるか前から私を知ってい
たというので、驚いたことがあった。
若き国防省員としてはじめて訪日した時に、マンスフィールド大使(在任
1977〜88年)から、「金丸信と加瀬英明に会ってはならない」と戒められ
たという。2人が台
湾ロビーということだった。

 大使はしばしば私の会合に出席して、愛嬌を振りまいたが、中国につい
てまったく浅薄な知識しかなかったために、中国にすっかり魅せられていた。

 米国はクリッパー帆船の時代から、中国を貿易とキリスト教化がはかれ
る、“巨大市場”として見果てぬ夢をみていた。

 金丸氏は台湾の蔣介石政権の支援者だったが、私は台湾の独立派を応援
していた。

 大使は炭鉱夫から身を立てて、上院議員として高い評価をえていたが、
多くの米国人と同じように、中国が市場を開放して豊かになれば、民主化
すると無邪気に信じていた

 私は戦略家といわれるヘンリー・キッシンジャー氏や、マイケル・ピル
スベリー氏などと接触をもったが、長期的な戦略観を欠いていたから、と
うてい戦略家と呼べない。
(もっとも、ピルスベリー氏は中国観が誤まっていたことを認めて転向し
た。)2人とも中国の歴史について、驚くほど無知だった。

 せいぜい2、30年先きだけ見て、先見性がなく、当面を凌ぐために対処
するのは、戦術であって戦略に価しない。

 私がフォード大統領と親しかったので、国務長官だったキッシンジャー
氏と食卓を越して、あるいはパネリストとして同席して意見を交わしていた。

 キッシンジャー氏は、ニクソン大統領の国務長官として極秘裏に北京入
りして、1972年のニクソン訪中を演出して、世界を驚倒させた。米ソ冷戦
が絶頂に達していたの
で、中国と結ぶことによって、ソ連を抑えようとした。

 今日の中国という怪物は、日米が育てたものだ。
今日、中国の脅威に戦(おのの)いているが、自業自得だ。

 ヒトラーが1939年にポーランドに侵攻すると、英仏にポーランドを救う
能力がなかったのに、英国はポーランドを救うために、ドイツに宣戦布告
した。ポーランドが独
立を回復したのは、その50年も後に“ベルリンの壁”が倒壊して、ソ連が崩
壊したことによった。

 そのために第二次大戦が勃発した。チャーチルは20世紀の愚昧な指導
者として記憶されるべきだ。戦略眼がなかったために、大戦によって大英
帝国を失った。まったく無益な世界戦争だった。

 人類にとって戦争ほど、恐ろしい災禍はない。

 人間は最強の肉食獣として、地上の食物連鎖の頂点に立っているだけで
はなく、途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生業
としてきたが、同じ人間を天敵としている唯一つの生物だ。

 歴史に「もし」を設けてはならないというが、もし第二次大戦が起らな
かったとすれば、20世紀の2人の巨悪だったヒトラーとスターリンが戦っ
て、ナチス・ドイツとソ連が滅し合うのを、傍観できたはずだ。

 ルーズベルト大統領は英国を救うために、日本を罠にかけて戦争を強い
たが、大戦が起らなかったとすれば、日本がアジアの安定勢力として役割
を果して、中国大陸が共産
化することも、朝鮮戦争も起らず、台湾島民が蔣政権のもとで塗炭の苦痛
を味わうこともなかった。

 歴史は近視的な視野しか持たなかったために、大きな災禍を招いた例に
こと欠かない。

 ルーズベルト政権が対日戦争を企んでいたあいだ、昭和6(1931)年の
満州事変から、日本が追い詰められて昭和16(1941)年に真珠湾を攻撃す
るまでの10年間に、日本では11人も首相が交替した。平均して1人1年も在
職していない。

 これでは時間を超えた和によって自縛されて、先を見ることも、国家戦
略もあったものではなかった。

 日本はいまでも変わっていないが、人事があっても政治がないことを心
しなければならない。

 国家観は歴史をよく学び、先を見る能力を獲得することによって、確立
することができる。


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◆【変見自在】NATO東漸
高山 正之 


 イエスは慈悲と寛容を説いたが、信徒の方はむしろ不寛容を好んだ。

 キリスト教の本山が西のローマと東のコンスタンチノープルに分裂した
のも些細な見解の相違をお互いが許さなかったからだ。

 喧嘩の元はミサで出すパンだ。それがふっくらしたパンか、種なしパン
か、それで揉めた。

 だいたいミサのパンはあの最後の晩餐に因む。

 イエスはパンをちぎって十二使徒に回しながら「パンは私の体だ」と
言った。ワインを指して「私の血だ」と言った。

 ミサで出すパンは聖体のことなのだ。

 ただ、その最後の晩餐はユダヤ教の過ぎ越しの祭りの日に当たった。

 エジプトでの奴隷時代を忘れないように不味い種なしパンとニガヨモギ
とワインが食卓に供される。

 イエスが手にしたのは種なしパンだった。「だからミサでは種なしパン
が当然だろう」とローマ側は言った。

 対して東は「イエスはパンとワインで自分の肉体と血を譬(たと)えた。
それがたまたま過ぎ越しの祭りだっただけで、パンならなんでもいいの
だ」と言い返した。

 ついで言うと十字の切り方も西のカソリックは額、胸、左肩、右肩の順
だが、東は右肩、左肩の順だ。

 そんなこんなで不寛容の挙句に双方が破門し合い、お互いを異端と罵った。

 それは13世紀の第4回十字軍で形になった。彼らはイスラムではなく、
コンスタンチノープルを攻め、破壊と略奪を恣(ほしいまま)にした。

 カソリックにとって東方正教会はイスラムより憎い存在だった。

 15世紀、ワラキアのブラド公は侵攻するイスラム勢力を撃退した。

 その昔、仏のトゥール・ポアチエで北上するイスラムをカール・マルテ
ルが倒した。彼は英雄の称号を与えられた。

 しかし東方正教会のブラド公は同じイスラムを倒したのに、英雄どころ
か血に飢えたドラキュラ伝説によって貶められた。

 東西の憎しみ合いは実は今も元気なのだ。

 東方正教会系のセルビアは戦後カソリック教徒のチトーが支配するユー
ゴスラビアに組み込まれた。

 チトーはセルビアの古都コソボにイスラム教徒のアルバニア人をどしど
し入植させた。京都を在日支那人や韓国人の街にするようなものだ。

 チトーの独裁政権が終わり、主権を回復したセルビアはすぐコソボから
イスラム系を追い出そうとした。

 途端にNATOが介入してきた。NATOは基本カソリックか、プロテ
スタント国家で構成される。

 介入は「コソボのイスラム人保護」の名目で、首都ベオグラードまで空
爆した。

 さらにセルビア人指導者を国際法廷で裁き、とうとうコソボをセルビア
から独立させてしまった。

 NATOは次にルーマニアやブルガリアなど東方正教会系国家にも圧力
をかけて取り込んでいった。

 これを「NATO東漸」と言う。現在、東方正教会系で残っているのは
本山ロシアの他ウクライナとベラルーシとグルジアくらい。

 NATOが目下、取り込みを画しているのがロシアに隣接するウクライ
ナだ。

 実はここはまるまる東方正教会国家とは言い難い。半分カソリックなのだ。

 16世紀以降、ポーランド王国に支配され、国の西側はカソリックに改宗
していて、東方正教会系の民は東側半分に住んでいる。

 NATOはそこを衝いて取り込もうとする。

 ウクライナが取り込まれれば次はグルジアが取られるのは目に見えている。

 そう言えば中立のフィンランドもNATO加盟を言い出した。

 ロシアは完全にNATOに包囲されてしまう。

 プーチンは今、ウクライナ国境にロシア軍を集結させている。せめて東
半分だけでも守りたいという思いなのだろう。

 その辺を公平に理解できるのはキリスト教のたちの悪さをよく知ってい
る日本人だけだ。

 北方四島を素直にすぐ返せ。そしたら日本が仲裁に入ってやるから。



〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 松本市 久保田 康文 採録


           

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◆明治元年から終戦までが77年で        
佐々木 美恵

 今年は、終戦の年の昭和20年から77年にあたります。

 中途半端な数字のようですが、明治から数えてみるとまた趣が変わりま
す。明治元年から終戦までが77年で、ちょうど終戦を起点に同じタイムス
パンなのです。

 公明党の元衆院議員、赤松正雄氏は、新著「77年の興亡 価値観の対
立を追って」(出雲出版)の前書きで、次のように書いています。

 「明治維新の只中(ただなか)から昭和の敗戦までの77年と、どん底
から立ち上がって、今に至る77年。この2つの77年がアルファベット
のMの字のように、山の形を連ね終わった今こそ時代の大きな転換期では
ないか」

 実は赤松氏自身が昭和20年生まれですので、生年にかこつけた論考か
と身構えて読んだのですが、違っていました。景気に循環があるように、
戦後の77年を経て、日本の政治、外交・安全保障など根幹の仕組みが耐
用年数を迎え、第二の危機を迎えているのだと警鐘を鳴らしています。

 同書では、3年前に赤松氏が憲法に関する産経新聞の取材に応じたさい
の真意も記されていました。

 「あのインタビューで言いたかったのは、公明党が自民党と野党との間
に立って、合意形成の汗をかくべきではないかとの一点にあった」
▼憲法審には幻滅 赤松正雄氏インタビュー(令和元年8月)

 まさに取材側である、こちらの底意もこの一点にありました。中道を標
榜し、連立政権に責任を持つ与党から、現実に即した議論を堂々と進めて
ほしい、ということを同じ公明党の中から指摘してもらいたかったのです。

 現実といえば、北朝鮮は正月早々、すでに2度にわたって弾道ミサイル
を発射しました。迎撃困難な極超音速型だったとも、変速軌道を描くタイ
プだったという分析もあります。
▼北、開発進む「極超音速」 敵基地攻撃能力現実的議論を

 公明党の代表、山口那津男氏は、2度目のミサイルが発射された11日
の記者会見で、政府に万全の態勢を取るように求めながらも、敵基地攻撃
能力については「何度も同じことを聞かれるので辟易している」と一蹴し
ています。
▼北ミサイル 公明・山口氏「政府は万全の態勢を」

 記者たちが繰り返す問いかけに対してどんな感想を抱くかはまったく自
由なのですが、与党の代表が議論をする前から、あたかも選択肢を狭めて
しまうかような対応には困惑させられます。
▼曲がり角に来た自公連立 国民のため…自民の信念問う

 平成11年の連立政権発足以来、自民、公明両党は下野などの風雪にも
耐え、政治の安定に寄与してきたことは確かな成果です。その一方で、政
権維持は本来、「手段」の1つであり、「目的」そのものではないはずです。

 77年の二つ目の節目を迎えた今年こそ、憲法や安全保障での議論を逃
げることはせず、堂々たる議論を期待したいと思います。

2022年01月07日

◆日本は奴隷が存在しなかった稀有の国 

      加瀬 英明

  日本は世界の国々のなかで、奴隷が存在しなかった、珍しい国だ。

 ところが、日本国憲法第3章「個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉」
の第18条は、「『奴隷的拘束及び苦役からの自由』何人もいかなる奴隷
的拘束も受けない」とう
たっている。
現行憲法は米国人によって書かれたものだったが、米国は日本国憲法を公
布した81年前に、憲法を修正して奴隷制度を廃止したばかりだった。

 この文言は、米国憲法にふさわしかった。日本について無知だったか
ら、日本にも奴隷が存在したと思い込んでいたのだった。
 今日の日本語は、古代の「大和言葉(やまとことば)」、中国から借用し
た「漢語」、幕末の開港と明治以後に津浪(つなみ)のように押し寄せた
「西洋語」による、三重構造
になっている。

 日本は太古の昔から、「常世(とこよ)の国(こく)」といって、遠い海原
の彼方にある理想の国があって、よいものがもたらされると信じて、海外
から文物を積極的に取り入れては、日本に心情に合うようにつくり変え
て、摂取してきた。「民」という漢字は中国から入ってきたが、『角川漢
字中辞典』でひくと、もとの字形が「把手(とって)のある錐(きり)の字」
と説明され、小学館『新選漢和辞典』によると、「奴隷の目を針でさして
めくらにした形である」と解説されている。

日本と米国、日本と中国も、まったく異なっている国だ。
日本においては、歴代の天皇によって民(たみ)は古代から「大御宝(おお
みたから)」「みたみ」「おおむたから」「おおんだから」と呼ばれてきた。

 ちなみに「中華人民共和国」の「人民」は日本語であり、明治に入って
から中国語の民」「生民」が近代にふさわしくないことから、日本語から
借りたものだ。北朝鮮の
「朝鮮民主主義人民共和国」も同じことで、日韓併合まで朝鮮半島には
「奴婢(ぬび)」と呼ばれる奴隷がいた。

 コロナの感染がひと休みして、夜の街の賑わいが戻っている。小料理屋
に寄ると「これはサービスです」といって、小皿か小鉢に盛られた酒菜
(さかな)がでてくる。
「あの店はサービスがよい」とか「サービスが悪い」という。都市化が進
んで郷里が遠くなったために、テレビで“墓参り代行サービス”が繁盛して
いるのが取りあげられていた。

 「サービス」という英語がすっかり日本語になって、日常使われてい
る。だが、「サービス」というヨーロッパ諸語の言葉の出自が、奴隷から
発していることを知らない
 ヨーロッパ諸語のもとは、古代ローマ帝国の国語だったラテン語である
が、英語圏でもっとも権威がある『ウェブスター英語大辞典』によれば、
サービスの語源はラテン語
の「セルヴィティアムservitium」であって、「奴隷の肉体、奴隷の状
態」を意味している。

 日本の学校歴史教科書では、民主主義が古代ギリシアのアテネから始
まったと教えているが、アテネの経済は売り買いされ、生命の保障がない
奴隷によって支えられていたとうてい民主主義とは呼べない。
奴隷制度が存在した国は、心がない国だ。

 日本の憲法は日本の心にふさわしいものに、しなければならない。外国
人が書いた憲法は、日本人の心を荒んだものにしている。



  
          
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◆落ちぶれる中国。
北野 幸伯

2つの大失策で4000年の歴史を失う習近平の夢の跡

先日掲載の「習近平の止まらぬ暴走。クリスマス禁止令で世界を敵に回し
た隣国」でもお伝えしたとおり、その国際感覚を「ウォールストリート
ジャーナル」にも否定的に扱われた中国ですが、2022年にはさらに苦しい
立場に置かれることが確実なようです。今回の無料メルマガ『ロシア政治
経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、昨年ま
での米中関係を振り返りつつ2022年に世界各地で起こりうる事象を予測。
中国の孤立化を含め、3つのトレンドを挙げています。

2022年、世界はどうなる?
私はいつも、大局の話をします。大きな流れです。

1945年から1991年は、「冷戦時代」、別の言葉で「米ソ二極時代」でし
た。アメリカとソ連が覇権を争っていたのです。

冷戦は1991年12月、ソ連崩壊で終結しました。二極のうち一極が消滅し、
一極だけ残った。1992年から世界は「アメリカ一極時代」に突入しました。

この時代は、今もつづいているのでしょうか?それとも、すでに別の時代
になっているのでしょうか?そう、「アメリカ一極時代」は2008年、リー
マンショックからはじまった「100年に1度の大不況」で終わったのです。

2009年、「米中二極時代」が到来しました。世界には、アメリカ、中国、
二つの超大国がある。さらに2018年、ペンス副大統領(当時)の、「反中
演説」から、「米中覇権戦争」がはじまりました。

今は、「米中二極時代」の「米中覇権戦争時代」です。そして、「米中二
極時代」がはじまった2009年から、2020年まで、重要なファクターがあり
ました。それは、2009年から2020年まで、「中国が有利だった」と
いう事実です。

たとえば2015年3月、「AIIB事件」が起こりました。中国が主導して作っ
た「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)。中国は、「皆さんAIIBに入って
ください!」とよびかけた。アメリカは、同盟国、親米諸国に、「AIIBに
入るなよ!」と要求しました。

ところが、「特別な関係にある」といわれるイギリスが裏切った。それに
つづいて、日本をのぞくほとんどすべての「親米諸国」がAIIBに入ってし
まったのです。ちなみにAIIBの参加国は、すでに100か国まで増えていま
す。この事実から、「2015年時点で、中国が有利だった」ことがわかります。

では、2020年はどうでしょうか?2020年といえば、「中国発新型コロナウ
イルスの年」です。しかし、中国は強権を発動し、新型コロナの感染拡大
をおさえこむことに成功しました。一方、アメリカは、感染者数、死者数
とも世界一でボロボロ。この事実から、2020年の時点でも、まだ中国が有
利な状況であることがわかります。

2021年は逆転の年
しかし、2021年は状況が変わりました。アメリカでは、「親中」といわれ
るバイデンさんが大統領になった。彼は、「反日」でもある。

私は一昨年末から昨年初め、「バイデンは、確かに親中反日です。しか
し、米中覇権戦争はつづいていくし、日米関係はむしろよくなります」と
いいつづけてきました(うそかホントか確認したい方は、2020年12月発売
『日本の地政学』をご一読ください。日本が中国に勝つ、確実な方法もわ
かります)。

バイデンというか、側近のブリンケンさんとかサリバンさんが優秀なので
しょう。2021年、アメリカは、「反中包囲網」を強化拡大することに成功
しました。日米豪印の「クアッド」が強化された。トランプ時代バラバラ
だったG7が再結束し、しかも反中になった。トランプ時代バラバラだった
NATOが再結束し、しかも反中になった。

BBC NEWS JAPAN 2020年6月15日を見てみましょう。

北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が14日、ベルギー・ブリュッセルの
本部であり、中国の軍事的脅威に懸念を示す首脳宣言を発表した。中国の
行動は「全体にとっての挑戦」だとした。

このことは、とても重要です。なぜ?そもそもNATOは、「反ソ連、反ロシ
ア軍事同盟」です。それが去年、「反中国の軍事同盟」にもなった。9月
には、アメリカ、イギリス、オーストラリアの反中同盟「AUKUS」ができ
ました。「クアッド」「G7」「NATO」「AUKUS」これらは、すべて「反中
包囲網」です。

2020年まで、世界の「バランスオブパワー」が崩れていました。要する
に、中国が強くなりすぎていた。バイデン政権は、1年かけて「バランス
オブパワー」を回復させたのです。

注目地域は?2022年の世界に起こること

  
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◆全米イスララム協会などが

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月5日(水曜日)
     通巻7179号 

テスラが新彊ウイグル自治区のウルムチにショールームを店開き
 全米イスララム協会などが、テスラに抗議。デモ、集会

 「テスラはウイグル店舗を畳め」
「テスラはジェノサイドを手助けするのか」
 猛烈な抗議は全米イスラム協会から声があがった。ついで全米製造業協
会からも同様な声があがり、マルコ・ルビオ上院議員らが抗議声明を出した。
テスラが新彊ウイグル自治区の区都ウルムチに販売宣伝のためのショー
ルームを開設したからだ。

 「H&Mは、新彊コットンを使っていたとしてボイコットを受け、中国
国内での売り上げが23%ダウン」(アルジャジーラ、1月4日)。
GAPは倒産し、ユニクロは米国と仏蘭西の税関で、輸入品の差し止め。

 またインテルも部品、もしくは材料がウイグルで生産されたとして、抗
議の対象となり、この動きはますます広がりそうである。ウイグル製品の
ボイコットは、北京五輪ボイコットに繋がり、世界各地でウイグル人留学
生やその支援者による抗議行動はつづき、日本でも様々な集会やデモが開
催されている。

 中国は「強制収容所ではない。あれは職業訓練所であり、拷問は行われ
ていない」と重ねて否定している。
 ところが、欧米は「ジェノサイド」と決めつけており、たとえばリトア
ニアなどは台湾の代表処のビリニュス開設を認可(事実上の大使館)。他
方で、中国からは大使を引き揚げた。「断交」には至らないものの、その
後、大使館員も撤退し、北京のリトアニア大使館は「空っぽ」となっている。
        
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)或るネットで山鹿素行論が沸騰しています。兵学者にして
思想家の山鹿素行がときの宰相・保科正之によって危険思想家と認定さ
れ、江戸から追放。赤穂藩お預けとなり、そこで尊王愛国と忠義を講義さ
れたので、浅野内匠頭が殿中刃傷におよび、赤穂浪士が蹶起にいたるわけ
ですが、そういう思想の影響です。
 そこで宮崎先生の『日本の保守』(ビジネス社)ではどのように書かれ
ているか、この箇所だけでも興味があり、拝読しました。
山鹿素行が鬼籍にはいって二十数年後の赤穂浪士義挙ですから、直接の関
係はないというのが巷間に意見です。ところが、宮崎さんは「時間的な生
死のずれとは無関係、精神と思想は永遠だ」とかかれていて、納得しました。
 先生の指摘された山鹿素行の菩提寺は新宿にあるとか、何時の日か、上
京のおりに墓参したいと思いました。
   (FI生、会津若松)


(宮崎正弘のコメント)山鹿素行の生誕地はお住まいの会津、鶴ケ城の裏
手に石碑(東郷平八郎揮毫)があります。お墓は新宿の宋参寺で、早稲田
通りから緩い坂を登ります。墓園のほぼ中央に囲みがあり、すぐに分かり
ます。裏手が夏目漱石記念館ですが、道は繋がっていません。
(編集部から補足)メトロ「早稲田」(神楽坂方面出口)から早稲田通り
を神楽坂方面へ徒歩五分、外苑東通の手前、おおよそ百メートル手前を右
折、さらに二百メートルほど進むと右が宋参寺の入り口で、そこからぐっ
と奥へ行くと墓園です。



  ♪
(読者の声2)貴誌7177号で「フィンランド、いまごろ寒いでしょう
ね?」
 とありましたので、近況です。
 昨年、12月に入り突然−20°まで下がり、それが1週間ほど続きました。
その後−10°ぐらいが続き、ここ2,3日は−2,3°です。寒さも慣れれば問
題ありません。分厚いコート、帽子、ブーツを着ていますから外で1,2時
間ぐらいは大丈夫です。同じ−20°でもロシア内陸部の乾燥した寒さ
と、フィンランド南部の海に面した地域の乾燥した寒さとは少し違う様に
思えます。流石に、フィンランド南部では鼻水がつららになったり、まつ
げが凍ったりはしません。
私は1973年〜76年まで米国に遊学し、米国の凄さを目の当たりに
し、よくもまあこんな凄い国と日本は戦争したものだと思いました。76
年末に日本に
帰国しましたが、学生時代に全共闘に参加していた高校時代の友人がい
て、多少影響されたこともあり(共産党宣言を読んだ程度ですが・・・
(笑))、78年
に米国と比較するためにソ連を見たいと思い、シベリア鉄道40日間のソ連
旅行をしました。たまたま、知人に自衛隊の人がいて、シベリア鉄道で反
対方向、つまり、極東方面に向かう鉄道貨物の車両数を調べてほしいと頼
まれ、昼夜窓の外を眺めていました。そして、T72戦車の写真を添え
て、フィンランドから東京に送りました。丁度、78年当時は日ソ関係が思
わしくなく、ソ連の日本への軍事侵攻が噂されていたころでした。もう、
ソ連も崩壊し時効だから書いても良いでしょうね。
私が得たソ連旅行の結論は、「日本を絶対にソ連の様にしてはいけな
い。」ということでした。ヨーロッパを回り、帰りは再びシベリア鉄道を
使いましたが、前回の40日間の旅行が長かったせいか、帰途の初めから終
わりまで、シベリア鉄道、ナホトカから横浜までKGBが私のボディー
ガードをしてくれました。(笑)よくもまあ、生きていたものだと思います。
  (AS生、フィンランド在住)

  ♪
(読者の声3)「日本はロシア-NATO間を仲介し、ウクライナ台湾同時侵
攻を防げ」
 昨年12月30日、バイデンはプーチンと電話会談し、ウクライナ危機につ
いて話し合った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021123100121&g=int
 プーチンは、NATOがウクライナを加盟させ中距離ミサイルを配備する事
を国防上も威信上も何としても防ぎたい。そのためにウクライナ国境に兵
力10万を展開している。
 会談は継続協議となったものの、戦略的には正しいアフガン撤退で、大
言壮語しつつ戦術的に最大の失態を演じた記憶も新しい素人集団のバイデ
ン政権が、ボタンの掛け違いをする事も考えられる。
 ロシアにはもう世界覇権を握れる力はないし、欧州はドイツを筆頭にエ
ネルギー供給をロシアの天然ガスに頼っているにも関わらず、NATOがロシ
アを最大敵視し拡大を目指すのは奇妙な事である。
 しかしながらそれを続けているのは、米国を中心に米ソ冷戦思考が抜け
切れず、また軍産学複合体の中に米ソ冷戦の構図で喰っているプレイヤー
が未だに生き延びているためである。就中、冷戦頭が残っているバイデン
は、その象徴である。
 漸く、西側にとってまた世界にとっての最大の脅威はロシアではなく中
国であるという厳然たる事実が浸透しつつあるが、まだ麻薬が抜け切れて
いない中毒患者のように、しばしばフラッシュバックを起こしている。
 大悪魔と中悪魔を取り違え、中悪魔を大悪魔側に追いやり、挙句の果て
に成立した大中悪魔同盟に怯えている構図は、外交軍事戦略上後世の笑い
ものになるレベルの愚かな事である。
 <参考>「インド・ロシア太平洋戦略」:対中国覇権枠組拡大の必要性
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/55006149.html
さて太平洋側では、中国の習近平が2月の北京オリンピック後に台湾侵攻
を行う事が警戒されており、ロシアと連携し、台湾・ウクライナ同時侵攻
となる可能性も懸念されている。
 習近平が毛沢東、?小平と肩を並べ歴史に名を残すためには、台湾侵
攻、中国統一を成し遂げ国内求心力を高める事はほぼ必須条件であり、こ
の危険な賭けに出る事は十分に考えられる。
 その時期は、北京オリンピック終了後から、習近平が総書記3期目続投
に加え絶対的権力基盤を固める事が掛かる今年秋の共産党大会、そして事
勿れ主義で本質的に親中のバイデン政権が議会多数を失う趨勢の11月の米
中間選挙までの間が1つのチャンスだろう。
 或いは、プーチンにウクライナ侵攻を挙行させ西側の戦力と関心をロシ
アに引き付けつつ、台湾やアジア諸国、尖閣、沖縄への静かなる侵攻を倍
速強化させ国際情勢を見極め次なるチャンスを狙うのかも知れない。
 何れにしても、中露の実質同盟に楔を入れロシアを「インド太平洋戦
略」に組み込まなければ、習近平の世界覇権の野望を成就され世界はウイ
グル化する可能性が高い。
 日本は、中国にプライベートでも急所を握られている腰抜けバイデンの
精一杯の打ち手である外交的ボイコットにも、漸く玉虫色ボイコットで追
従しお茶を濁している有様だ。
 だが、NATOとロシアを仲介出来るのは日本以外にはない。
 道化役に終わる事を恐れる必要はない。たとえ成就せずとも、事後にも
西側にパイプを持ちたいプーチンと、ロシアとの経済関係、エネルギー供
給を念頭に米国のロシア敵視に半身の構えの欧州諸国に恩を売れるだろう。
 その役には、習近平の戦略を絶対的に邪魔しない林外相等は論外で、岸
田首相もよく見れば吉田松陰みたいな骨格をしているものの、クラゲの様
に左右を漂い権力維持を図っている中では少なくとも表立っては動けな
い。であれば、岸防衛相、あるいはプーチンと個人的に話が可能な森元首
相、安倍元首相、場合によってはその波状攻撃で多角的にロシアと接触さ
せ、ダメ元でNATO-ロシア間仲介を行うのは1つの選択である。
 習近平の世界覇権の野望を果たさせぬよう、「国際的大義を伴う長期的
国益の追及」を外交理念に掲げ日本は打てる手は全て打つべきである。
(佐藤鴻全)
  ♪
(読者の声4)911テロ事件の時、国連大使だった元外交官が、日本人の
知らない国連の真実について語ってくださいます。
総会や事務総長そして安保理の真の役割。日本は中国の反対を押して安保
理常任理事国になれるか?
貴重な機会ですので多くの方々の御参加を待ち申し上げております。
           記
【日時】 令和4年1月19日(水曜日)午後6時〜8時 (受付5時30分)
【会場】 憲政記念館・第2会議室 (千代田区永田町1-1-1/国会正面向側)
【講師】 佐藤行雄(北米局長、駐オランダ大使、国際連合日本政府常駐
代表などを歴任、その後、国家公安委員会委員、日本国際問題研究所理事
長。著書に「差しかけられた傘」(時事通信社、2017年)。
【主催】グローバル・イッシューズ総合研究所
【参加費】 2000円
【要申込】必ず以下のフォームからお申込みください。
https://ozakiyukio.jp/information/2021.html#1213

2022年01月05日

◆「人」と「ウィルス」――共生の歴史

                加瀬 英明

  戦争とパンデミックというと、1つもよいことがないといって、払い除
けるだろう。

 とんでもない。歴史を振り返ると大戦争とパンデミックは社会のありか
たを大きく変えて、人類に進歩をもたらしてきた。

 第一次大戦はベルサイユ講和会議が白人に限ったが、「民族自決」を打
ち出して、フィンランド、ポーランド、エストニア、チェコスロバキア、
ユーゴスラビアなどが独立を獲得した。

 第二次大戦で日本が敗れたが、アジア・アフリカ諸民族が解放されて、
人種平等の世界が史上はじめて到来した

 両大戦は総力戦だったから、どの国でも女性が男性に代わって職場に進
出して、男女平等をもたらした。

 日本では昭和17年に米の配給制度が施行され、貧富を問わず全員がはじ
めて米を食べるようになった。

 疫病は人類史を通じて多くの人命を奪った。14世紀に黒死病として知ら
れるペストがヨーロッパを襲い、人口の1/3が死んだといわれる。労働
人口が激減したために労働者の地位が向上したことが、中世社会を解体し
て近代社会への転化が始まった。

 ヨーロッパはキリスト教による教条的な支配による暗黒時代にあった
が、疫病による大量死によって神への信頼が揺らいで、16世紀に入ると科
学を重んじるルネサンスが招来され、カトリック教会に対抗して宗教革命
が起って、キリスト新教(プ ロテスタント)が生まれた。

 疫病が接触感染によって広まることを知っていたから、中世のフランス
で「都市は人の墓場」という諺(ことわざ)が生まれた。イギリスでは「ロ
ンドンの大疫(グレート・
プレイグ・オブ・ロンドン)」によって市民の1/6が死に、人々のあい
だの距離を離すために、都市に多くの緑の公園がつくられた。

 日本もしばしば疫病に見舞われた。12世紀にマラリアが流行して、いま
の京都の平安京からいまの神戸の福原に遷都したが、『平家物語』に平清
盛が高熱を発して死んだ様子が克明に描かれている。

 清盛が南宋貿易に力を入れたために、中国船が東南アジアからマラリア
をもたらしたのだった。グローバリゼーションがパンデミックを媒介して
きた。
 都市が集団感染の源となったから人口が地方へ拡散して、地方が潤った。

 ユダヤ人が世界でもっとも優れた起業家だといわれる。金融界、ジャー
ナリズム、ハリウッド、IT業界に君臨している。ノーベル科学賞はユダ
ヤ人の独占場だ。この半世紀は日本人が匠の伝統によって並ぶようになった。

 東ヨーロッパのユダヤ人の言語は、ドイツ語が変形したイディシュ語だ
が、空気がルフト、人がメンシュだ。

 キリスト教徒がユダヤ人を迫害して正業につくことを禁じていたため
に、「ルフトメンシュ(空気男)になれ」という金言がある。

 空気のように隙間に入り込んで、隙間産業を造りなさいという意味だ。
そしてユダヤ人は成功した。

 大戦争とパンデミックはそれまでの社会をガタガタに揺さぶって、多く
の隙間をつくりだす。創造的破壊だといってよい。

 人間は最強の肉食獣として食物連鎖の頂点に立っているだけではなく、
途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生業としてき
たが、同じ人間を天敵としている唯一つの生物だ。

 いや、ウィルスが天敵だ。生物が食物を他の生物に依存するように、
ウィルスにとって人間は格好の狩猟場だ。

 人とウィルスは共生関係にある。
             
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◆☆「中国当局が警戒する男」
垂 秀夫(たるみ・ひでお)

真正面から言い返す垂秀夫駐中大使 安倍発言の反発一蹴 
久保田康文

☆「中国当局が警戒する男」真正面から言い返す垂秀夫駐中大使 安倍発
言の反発一蹴 人脈と情報収集能力に定評、京大時代はラガーメン令和3
年12月3日夕刊フジ

垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使が、毅然(きぜん)とした姿勢を示
した。安倍晋三元首相が、台湾のシンクタンク主催のオンライン講演で、
「『台湾有事』は『日米同盟の有事』だ」などと発言したことに中国外務
省が反発してきたが、垂氏は真正面から言い返したという。林芳正外相は
「政界屈指の親中派」とされるが、現場は踏ん張っているようだ。

「日本国内にこうした考え方があることは、中国として理解をする必要が
ある。中国側の一方的な主張については受け入れられない」

垂氏は、こう言いきったという。

安倍氏は1日のオンライン講演で、「『台湾有事』は『日本有事』だ。す
なわち『日米同盟の有事』でもある。この認識を、習近平国家主席は断じ
て見誤るべきではない」などと発言した。

中国が軍事的覇権拡大を進めるなか、日本や米国などの自由主義諸国は同
様の問題意識を抱えており、安倍氏の発言は当然だ。

これに対し、中国の華春瑩外務次官補が1日夜、「公然と中国の主権を挑
発し、強硬に『台湾独立』勢力を後押しした」「極めて誤った言論で、中
国の内政に乱暴に干渉した」などと抗議してきた際、垂氏は冒頭のように
反論したという。

垂氏は、京都大学在学中はラガーメンとして鳴らし、1985年に外務省
に入省した。いわゆる「チャイナスクール(中国語研修組)」で、中国・
モンゴル課長や駐中国公使などを歴任した。

中国での人脈の広さと情報収集能力の高さに定評があり、「中国当局が警
戒する男」と言われた。2020年9月に駐中国大使に起用されたが、当
初は中国側が人事に同意しない見方も出たほどだった。

今回の、垂氏の姿勢をどう見るか。

京都大学の先輩にあたる福井県立大学の島田洋一教授は「駐中国大使に起
用される前から何度か話を聞く機会があり、垂氏はチャイナスクールの中
でも、特に中国共産党に毅然とした態度をとる人物だった。一方で、中国
側に人事承認を得るためか一時期発言がトーンダウンしたように感じた
が、今回の発言は垂氏の本来の主張に近く、安心した」と語った。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 



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◆雀庵の「開戦前夜/1 日本に巣食うチェンバレン」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/412(2022/1/1/土】初日の出を拝んで一族の無
病息災と「中共殲滅、支那解放」を祈った。爽やかな気分で「今年から昔
ながらの暦を使おう」とPCの側に貼ったが、一白、先負、甲寅、三隣亡な
ど意味が全然分からないのでボーゼン。学ぶべきことが多い、多過ぎるの
で何となく脱力、鼻風邪もひいたので「加齢には勝てぬか」と弱気になる
が、今年も“戦老”で踏ん張っていくしかない。他に関心、趣味、生き甲斐
はないし・・・

去年の元旦にはこう書いていた。「米国依存ズブズブ日本の周りにブスブ
スと煙が立ち始め、やがて火の粉が上がり出すだろう。降りかかる火の粉
は払わねばならぬ。2021年、激動の時代が始まった」。今は火の粉があち
こちで燃え始めている。2022年はどうなるか、占いサイトを見ると――

<【天地人の運勢鑑定】北京冬季五輪が行われる2022年(紀元2682年)は
壬寅(みずのえとら)・金箔金性・五黄土星中宮の年回り。コロナの影響を
なお引きずり、地震や戦争が多発し、賄賂や犯罪がマスコミを賑わせやす
い。中国で国運を占う予言書「渾天宝鑑」によると2022年は水火既済(す
いかきせい=今が一番よい状態だが慢心せずに気を引き締めよ)、勝って
兜の緒を締めよ>

<【OKAME未来予測研究所】2022年は大凶方位が存在しない年である。だ
が五黄中宮といって五黄土星が年方位図の中心に回座する年で、五黄土星
の暗示が出る年である。これまでの歴史を見ると、五黄中宮の年には戦
争、大災害、大事故が起きがちである。五黄中宮の年の出来事は―

第一次世界大戦(1914年)=戦争、関東大震災(1923年)=天変地異、太平洋
戦争(1941年)=戦争、伊勢湾台風(1959年)=天変地異、チェルノブイリ原
発事故(1986年)=大事故、地下鉄サリン事件(1995年)=大事故、スマトラ
沖地震(2004年)=天変地異。

もう少し前にさかのぼれば、1707年の「南海トラフ巨大地震」と「富士山
宝永噴火」も同じ五黄中宮の年に起きた

2021年に、局地的に戦争が起きると予測したが、2022年には全世界が戦争
となる「第三次世界大戦」が予測される>

当たらないことを祈っているが、飛んでくる火の粉は払わにゃならぬ。識
者はどう見ているのか? 古森義久先生の「2022年を占う 中国の動きが
激化する」Japan In-depth2021/12/29から。

<2022年の国際情勢を予測してみた。世界は少なくとも3つの潮流が顕著
になると思う。第一はグローバル化の後退である。第二は主権国家の自主
性の改めての発揮だといえる。第三は中国の動きの激化である。

いずれも2021年からの継続だともいえる。なかでも3番目の中国の動きが
最も大きな激動の要因になるだろう。だが他の要因も国際情勢の地殻的な
変化をともなう重要性がある。順を追って説明しよう。

◆第一のグローバル化の後退はすでに2021年にいやというほどみせつけら
れた。理由はいうまでもなく新型コロナウイルスの世界的な大感染であ
る。どの国も自国の国境を封鎖、あるいは制限することで防疫対策を進め
た。欧州連合(EU)のような国家連合体に近い存在でさえ、連携を保ってき
た国家同士がたがいに国境を閉める厳しい措置をとった。

国家と国家の間の人間の流れがグローバルな規模で大幅に規制されてし
まったのだ。まさにグローバル化の画期的な後退である。

この現象は国家同士の年来の協調や連帯をも薄める効果がある。国同士の
絆が希薄になるともいえよう。政治、経済、文化、社会など多方面での国
家間のつながりがより細くなるわけだ。この流れは国際関係全体にブレー
キをかけるような変動をもたらすことともなる。

◆第二の主権国家の自主性は第一の要因と表裏一体である。それぞれの国
にとって他国よりも自国の利害を最優先して、自国の独自の判断で政策を
決める傾向が強くなる。コロナウイルスがそれぞれの国家に自国民保護の
責務を突きつけることになったのだ。

アメリカ国民を邪悪なコロナウイルスから守るための措置はアメリカ合衆
国しかとってくれない。日本も同様である。国際機関も同盟国や友好国も
他国のウイルス対策には助力はしてくれない。個別の主権国家が単独で対
処せねばならない。主権国家の責任とともに自主性や独立性が問われるのだ。

◆第三の中国の動きはコロナウイルス大感染とも密接な関係がある。全世
界を襲ったコロナウイルスはまちがいなく中国の武漢で発生した。中国政
府はその事実を隠し、虚偽の情報まで流した。その結果、感染が一気に国
際的に拡大した。どの国にとっても自国にこれほどの被害をもたらした中
国という国家への今後の接し方を再考させられることとなる。

そのうえに近年の中国のアメリカに対する、そして日本に対する言動がさ
らに重要である。グローバルなレベルでは国際規範を踏みにじり、アメリ
カの覇権に挑戦してきた。日本に対しては領土の軍事奪取を目指し、経済
面での不正慣行を続け、しかも「抗日」の歴史の名の下に反日の国是を保
つ。中国の国内での人権弾圧は留まるところを知らない。

日本は中国の軍事がらみの攻勢を防がねばならない。その防戦は容易では
ない。国難と呼べる危険や脅威の切迫といえる。新しい年2022年の国際情
勢は日本にこうした苦難を与えるだろう>

危機意識がない、というか、危機意識を認識していても相手を刺激しない
ようにするという、第2次大戦における英国首相チェンバレンのような政
治家はいるものだ。彼はナチス・ドイツに対する宥和政策で知られ、世界
大戦を招いた「世紀の失策の政治家」として有名だが、日本の政治家は
チェンバレンみたいなのが多過ぎる。チェンバレンのことさえ知らないの
ではないか。

数年たてば選挙があり、落選したら生活に困るような議員になるのは、余
程の覚悟と目的意識を持った人は少なく、多くは志も才もない“箸にも棒
にもかからない”歳費目当ての連中ではないか。誤解ならいいが・・・

日本戦略研究フォーラム会長/政治評論家・屋山太郎先生の「対中外交を
転換せよ」2021/12/29静岡新聞から。

<北京冬季五輪・パラに政府代表者を送るかどうかの「対中外交」にどう
にか決着がついた。中国側に「外交ボイコット」という言葉を使わない上
に、日本オリンピック委員会会長の山下泰裕氏らが出席するという。派遣
される者の中には、東京五輪組織委員会会長の橋本聖子氏も入っている。

日中でバランスをとって、双方の顔を立てたというのが、林芳正外相ら親
中派の知恵ということらしいが、こういう姑息な対中外交はやめるべきだ。

親中派の言い分は米中の真ん中に立って、米がどうにもならなくなったら
「日本が口を利く」というものだ。習近平主席が「台湾を獲る」と断言
し、「軍事力の使用もある」と脅しているのを日本はどう手助けできるの
か。日本だけで尖閣諸島を守れるのか。守れないからこそ「台湾有事は日
本有事になる」(安倍元首相)のだ。

だからこそ日本は日米豪印のクアッド提携を結び、米英豪は軍事同盟の
AUKUSを結んだ。仏独も軍事的な関心を示している。なぜ旧西側諸国がこ
ぞって参加することになったのかは明白だ。自由と民主主義、基本的人
権、言論の自由を守る決意を示しているからだ。

香港を見れば、中国圏に取り込まれることが自由の終わりを意味すること
は、はっきりしている。元外務省欧亜局長の東郷和彦氏は「中国が言う
(中台の)平和統一の枠組みに向かって彼らを説得する努力こそ必要では
ないか」(月刊日本1月号)と言う。同氏は親中派の意見を代弁している
が、もはや日本が中国を説得できる時期は過ぎた。国民の9割が嫌ってい
る国を相手にどのような外交手段があり、国民の意見をどうまとめるのか。

我々が決死で守ろうとするものは「自由と民主主義」である。自由とか民
主主義の一部を、中国との取引のために葬る訳にはいかない。これは日本
にとっては絶対的価値である。米国にとっても、西欧にとってもこれは絶
対的な価値だ。米国は新疆ウイグル自治区などでの人権侵害に対する非難
決議を議会で決めた。

これになぜ日本は呼応できないのか。中国は我々にとっての絶対的価値を
危うくしているのである。これは自民、公明両党の執行部に責任がある。
日本の国会で非難決議を見送って、中国から得るものがあるのか。得るも
のを犠牲にしても自由の価値を叫び続けるのが当然ではないか。

「玉虫色外交ボイコット」(朝日新聞12月25日付)と軟化させて、中国へ
の非難を弱めることは、自ら自由の価値、尊さを減ずることでもある。

国家的目標は定まっている。自由と民主主義は米国が教えたとの教育を受
けたが、明治元年に発せられた五箇条の御誓文はまさに民主主義の基本を
述べたものである。自由の価値を引っ込めてまで得るほど価値のあるもの
は何もない。外交は他国に配慮するものだが、自らの価値観を殺してまで
他国に配慮するのは本末転倒だ。中国に配慮する親中外交は清算すべきだ>

相手を刺激したくない外交っていったい何なのだ。外交の一丁目一番地は
大昔から「外交は血を流さない戦争、戦争は血を流す外交」と定義されて
いた。日本のボンクラ政治家は外交のイロハも知らないのか。「名言・迷
言・失言集(イギリス)」チェンバレン語録から。

「私はドイツ首相(ヒトラー)に会いに行きます。私たち二人の会談に
よって有益な結果が生まれると思われるからです。私の政策は、常に平和
の確保が第一です。この訪問が承諾されたのですから、必ずや大きな成果
が得られると期待しています」「私の目的はヨーロッパの平和です。この
旅でそれを達成できることでしょう」「ヒトラーは私が出会った中でもっ
とも凡庸な子犬」・・・

そして最後は「わが国はドイツと戦うことになりました。長年の平和への
尽力が水泡に帰し、痛恨の極みであります」。子犬と思っていた戦狼に噛
まれて大出血、○○につける薬なし。

我らが朝日新聞の2022年元旦のトップ記事は「未来予想図 ともに歩もう
DREAMS COME TRUE」。

<「また会おう!」その言葉が、以前と違う重みを持つようになった。昨
年12月18日、横浜アリーナであった「DREAMS COME TRUE」のライブ。ボー
カルの吉田美和さんは、最後に何度も何度も手を振った。「コロナ前は、
また会えたらいいな、という願い。今は祈りにも似た思い」。コロナ禍
で、ライブの形も変わった。1万数千人が入る会場だが、「密」を避ける
ため1万人以下に絞った。声援はなし・・・>

感動的というか驚愕的というか、記者の余りにものお花畑脳、異次元の世
界、夢は夢、小学生相手の雑誌じゃあるまいし・・・プレスリーの「ブ
ルーハワイ」(1961年)、♪Dreams come true in blue Hawaii は米国が
絶頂期の昔の話だ。時代錯誤どころか危機意識ゼロの完全にビョーキ。

一方の産経元旦のトップ記事は「主権回復 ビッグデータ時代の安全保障
 電子暗号覇者がAI社会制す 2030への処方箋」。知的レベル、問題意識
が産経と朝日は月とスッポン。

日本には政財界から学者、マスコミまで“チェンバレン”が多過ぎる。朝日
は習近平・中共と心中するつもりなのか? 朝日がヨイショしていた立憲
共産党から看板の枝野、辻本も消え、党自体もやがて消えるだろう。朝日
は得意のヘンシーン!をしていかないとマズイのではないか、余計なお世
話だが。

なお、今回から本稿シリーズを「開戦前夜」に改めた。同志諸君、「敗戦
前夜」にならぬようガンバロウぜ、皇国の興廃この一戦にあり、各員一層
奮励努力せよ!


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◆宇宙航空ミサイル分野の花形

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月3日(月曜日)
     通巻7177号 

 ウイグル書記に「栄転」した馬興瑞は、なぜ次記政治局人事で注目され
るのか?
宇宙航空ミサイル分野の花形「哈爾浜工業大学」教授、副学長を経験した実績

 唐突に深セン書記から新卿ウイグル自治区党委員会書記に「栄転」した
馬興瑞は、なぜ次記政治局人事で注目されるのか?
 第一に彼は宇宙航空ミサイル分野で、軍の花形となった戦略ミサイル部
隊に直結する哈爾浜工業大学教授、副学長を経験しているからだ。
 第二に中国にシリコンバレーとして経済発展のめざましい深センの書記
兼広東省省長だった。このポジションは歴代がそうであったように無言裡
の躍進が約束されている。
 鍵は深センという急発展の都会にある。

 最初に深センを「見た」のは1970年代央、香港のホンハム駅からの
んびりと汽車で行く(特急も新幹線もなかった)国境の羅府のひとつ手前
の駅からタクシー運転手が乗り込んできた「国境展望台まで安く行くか
ら」とセールス。双眼鏡が設置されていた。中国は未だ鎖国していた
(嗚呼、あれがレッドチャイナか)という感じだった。遠景にはみすぼら
しい風景が展開していた。
 80年代初頭だったと記憶するが、実際に深センに足を踏み入れたのは
香港から旅行代理店が斡旋する日帰りツアーで、別刷のヴィザが日帰りな
のに必要だった。写真二枚。外国人ツアーに紛れ込んだ。香港の波止場か
ら蛇口港へ、揺れるフェリーに乗って。当時は広東省宝安県で、人口は2
万人程度だった。ガイドが当方の服装、靴、時計に異様な興味を持ってい
ることが分かった。

 およそ文明化に遅れ、冷蔵庫は普及しておらず、もちろんエアコンはな
い。肉を天日のもと、屋台で売っていてビールもぬるい。時代遅れの電化
製品と古着屋、貧しい漁村だった。歩道は舗装されておらず、行き交う車
は滅法少なかった。
 広州市までバスに揺られ、花園ホテルのバアで休憩。「あんた日本人
か。所属する単位は何か?」と聞かれ、職業は自由に選べると答えると信
じられない顔つきだった。広州市は中国一先進的な都会だが、当時、外国
人が宿泊できるのは花園ホテルと中国飯店、東方飯店くらいだった。いま
は無数の高層ホテルがあり、広州は中国一の所得を誇る。広州の繁華街を
あるくと「ここは銀座か」と錯覚するほどに繁栄している。

 トウ小平の南巡講話があり、先富論が叫ばれ、勝手気ままな投資も認め
られ、香港華僑、ついで台湾華僑が本格進出を始める。窓口は深センで、
国境の橋にあった旅行代理店で、日本円で26000円を支払い、半年有
効の数字ヴィザが取得できた。ものの20分だった。東京の中国大使館で
不愉快な思いをしてヴィザを取得する必要がなくなった。

 改革開放が本格化し、のっぽビルが建つようになると、深セン駅前には
闇両替、妖しげなポルノ、薬屋には「長生きできる妙薬」とか「80歳
でも大丈夫」とか。電機部品の秋葉原のような安普請のデパートがあっ
た。スマホどころが、電話機が並んでいて、旅行客は貸し電話屋に飛びこ
んであちこちに電話をかけていた。甲高い音響というより壮大な雑音が町
中に響き渡った。
 町はまだ普請中、道路は囚人が工事をしていた。何かハリウッド映画の
スタジオを拡大したような風景で駅突き当たりのシャングリラホテルの最
上階レストランから市内の全景が見渡せた。町辻のテントでは、横流しの
セータやネクタイが山となって信じられないほど安い値段で売られていた。
 
 以後、所要で香港へ行くたびに、深センに足を延ばし、何回か通ってい
る裡に高層ビルが競うように林立し、地下鉄が縦横に、そして日本人向け
のナイトクラブに妖しげなホテル。筆者の定宿は駅前のボロ旅館で一泊
3000円前後だった。いまとは逆で香港の中間階層のサラリーマンは、香港
のマンションが高くて手が出ないので、深センでマンションを買い、毎
日、およそ35万人 が香港へ通勤していた。三洋電機の深セン工場を取
材したこともあった。

 いまの深センは中国のシリコンバレー、ハイテク企業が蝟集し、テンセ
ント、ファーウェイ、鴻海精密等々。日本人学校もある。人口は1760
万人。高層ビルは350棟以上。飛行場は二つ。株式市場もできた。新幹
線は武漢とも、上海とも繋がった。広州市経済圏とはマカオ対岸の珠海、
仏山、中山、東莞と広州市までの沿線衛星都市が急発展し、メガロポリス
の人口は1800万人くらいだろうか、広州市経済圏と深センを併せると
上海メガロポリスを超える経済力がある。
 だからこそ広州市、深セン市、そして広東省の書記に誰がなるかが、北
京、上海と並んで注目を集めるのである。 
 広東は革命元帥のひとり葉剣英とその一族が長く治め、下放されたトウ
小平を梅県で匿った。剣英の子、葉選平を説得して北京へ呼び寄せ、よう
やく広東の経済力を手にしたトウ小平は、広東省書記、広州市書記を中央
から任命した。だから広東省書記を経験した李長春、張徳生、王洋が政治
局常務委員となり、同書記経験組の胡春華(副首相)に次期人事のスポッ
トがあたり、中央の大幹部への確実な階段となる。
 しかもシリコンバレーで繁栄を築いた深セン特別市の書記を経験する
と、さらに早い出世階段を駆け上る。

 近年、張高麗、李鴻忠、そして先月、深セン市書記兼務広東省長の馬興
瑞が、新彊ウイグル自治区書記に移動し、「悪代官」と呼ばれる陳全国と
交替することになった。前者ふたりは政治局常務委員に上り詰めた。した
がって馬興瑞の政治局入りは確実である。
張高麗はテニスの女王との不倫関係がばらされ、スケベジジィとして有名
になったが、天津特別市書記からトップセブン入りした。そのあとの李鴻
忠も2016年以来、天津市党委員会書記である。
        
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 吉田茂は結局、首相の器ではなかったのだ
  占領終了直後、決断さえすれば憲法改正はできた

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杉原誠四郎vs波多野澄雄『吉田茂という病』(自由社)
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 吉田茂は、なぜか異様に高く評価されてきた。占領が解けて主権を回復
したのに憲法改正をしなかった二流の政治家が。なぜ? 
 本書は正続二巻。副題が「日本が世界に帰ってくるか」となっている。
 吉田への高評価は第一に戦後の価値紊乱という背景があり、経済成長に
政治家の評価の基軸が置き換わったからである。第二は敗戦利得者たちの
尋常ならざる暗躍の結果である。
 戦後最大の政治家は岸信介だが、なぜ売国的外交を展開した「土建屋」
の方に人気があるのか。それは日本人の精神が病んでいるからだろう。

 占領軍の負の遺産を、継承し、拡大して日本をおかしくしたのは、公職
追放者が去った後、その地位に就いた21万人の敗戦利得者であり、まさ
に吉田茂が適切にGHQに対応する政治力があったら、日本は早くに正常
に戻れた。正気凛とした日本が帰ってきていたはずである。
「敗戦利得者」の代表格は宮沢俊義、横田喜三郎らだが、ほかにもごろご
ろいるのでいちいち名前を挙げて論評すると数千パージが必要になる。
 なにしろ敗戦後、重要な人物は皆パージされるか、巣鴨に収監されていた。

 その場凌ぎができる口舌の徒、さしあたって米国と交渉の出来る能吏が
必要で、外交官あがりの吉田はGHQのお眼鏡に適った。吉田は林房雄が
主張した『大東亜戦争肯定論』のように長いスパンで歴史を見ていなかっ
た。それがまず疑問である。単に昭和十年代に起きたことを「変調」と捉
えていたようである。
 「このような浅い解釈が既に吉田が、占領期、占領直後の日本を率いる
首相の資格を有していない」。多くの「負の遺産」を残したにもかかわら
ず、病気のような吉田評価が蔓延したと著者らは言う。そしてこう訴える
のである。
 「吉田の遺した負の遺産を克服し、負の遺産の結果『吉田茂という病』
に陥ってしまっている日本を回生させることができるのではないか」。
 二人は大東亜戦争の総括も大義もしなかった吉田茂を次のように評する。
 波多野 「主権回復後、即ち独立後も、吉田首相のもと、自らの手に
よって大東亜戦争を検証するという気運は起こらず、首相としての吉田は
全く無策でした」
 杉原 「こんなところに、吉田の宰相としての器のなさを感じる(中
略)。他方で、外務省の戦争責任を隠して、けっきょく、かの戦争の大義
を語るどころの話ではない状態をつくる」(351p)

 重ねて保守陣営の吉田茂評価さえ、いまもビョウキだと著者らが言う。
 高坂正堯、永井陽之助、半藤一利、堤堯、保阪正康、百田尚樹、楠綾子
らを俎上に載せ論理的に批判する。
 「吉田ドクトリン」なる標語をつくったのはたぶん永井陽之助だった。
評者(宮崎)は、永井が北海道から東工大教授として東京赴任になったと
き(昭和42年だったか)に会いに行った。当時、かれの『平和の代償』
はベストセラーだった。昭和四十年代初頭にやっとこさ、観念論的平和論
ではなく、リアリストが出てきたと思った。翌々年には神谷不二が関西か
ら慶応大学にきたので、またすぐに会いに行った。
 リアルポリティックスは確かに合理的なロジックだから、日本論壇で席
巻しはじめ、入江通雅、桃井真、小谷豪治郎らがでてきた。
その前に高坂正堯が若くしてデビューしていて、何回か会ったし、京都の
自宅にも伺ったことがあるうえ、ソウルのシンポジウムでは同席もした。
しかし吉田茂評価でまったく評者とは意見が合わなかった。とはいえ高坂
教授は学生の面倒見が良い人だった。
高坂のすこし後輩が矢野暢、教え子に中西輝政、島田洋一らがいる。
 本書に登場しないが、名著『さらば吉田茂』を書いた片岡鉄哉も論壇で
存在感があった。片岡は自らをゴーリスト(ドゴールの自主独立、主権尊
重路線)となのり、日本の核武装を唱えたが、米国のフーバー研究所で吉
田茂を研究していた。米国生活を切り上げ帰国したが、不在が永すぎたの
か、筑波大学教授を務めていたが、途中で日本に嫌気してフーバーへ戻った。
 日本の論壇では受け入れなかったのだろう。新宿でよく呑んだ。ワシン
トンでも片岡に会ったことを思い出した。皆、故人となった。
 さるにても吉田茂である。功罪相半ばではなく、むしろ多大な「負の政
治」を遺した。
       
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2312回】         
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港194   ▼
「説公道、我説我公道、公道不公道、自由有天知道(あんたは自分に道理
ありと言い、ワシはワシに道理ありと説く。さてどっちが正しいか。お天
道サマが知るのみだ)」とは、下っ端役人として人生の酸いも甘いも嘗め
尽くした崇公道の自嘲の弁なのか。
はたまた人生は不条理であり弱い立場に立たされたからにはジタバタして
も始まらない、と蘇三を教え諭そうとしたのか。それにしても崇公道──公
道(道理)を崇める──とは、役の名前とは言うものの、些か出来過ぎ。い
やイミシンの感なきにしもあらず、ではある。

 ここで些末なことだが、手持ちの「小放牛」の脚本を何冊か読み返して
みると、「自有天知道」と記す方が多い。たしかに文法的にも修辞方法か
ら言っても「有」の方がスッキリする。
「由」も「有」も音は同じ「you」であることから、最初に聞いたときに
そう思い込んだのだろう。半世紀ぶりの間違い発見であった。以上、蛇足
の類に違いありませんが。

 本題に戻って、ここで考える。
「小放牛」の牧童が語る「只為口和身、口・・・和身」に崇公道の「自有
天知道」を重ね合わせると、なにやら魯迅の描いた『阿Q正伝』の主人公
である阿Qの「精神的勝利法」が頭の中を過る。
 
 『岩波現代中国事典』(岩波書店 1999年)では『阿Q正伝』を「辛亥
革命前後の農村を舞台として、素性の定かではない阿Qを主人公とする。
プライドだけは高いが、実力の伴わない阿Qが人々から辱めを受けた際、
精神的には自分が相手よりも優位に立っているという自己欺瞞によって、
自らを慰めるのであるが、その「精神的勝利法」こそが、中国人の悪しき
国民性であり、そこからの脱却なしに中国の再生はあり得ないと考える魯
迅の思いを形象化した作品であり、革命を経ても実際には変化のかのない
現実への風刺も盛り込まれている」と解説している。

 古来、この「精神的勝利法」を民族のDNAとして秘めているゆえに、断
固として負けを認めない。客観情勢はどうあれ、なにがなんでも敗北・虚
偽・錯誤を認めない。常に正義で負け知らず。この阿Qこそ中国の全ての
「無告の民」であり、だから魯迅は「そこからの脱却なしに中国の再生は
あり得ないと考え」たはず。にもかかわらず阿Qは生き続ける。

 負けたところで、とどのつまりヒトなんて「只為口和身、口・・・和
身」じゃないか。「公道不公道」は「天」のみが知ることであり、人間サ
マの考え及ぶものじゃあないんだから足掻いたって始まりませんヨ、であ
る。かの日本人が勘違いさせられた「没法子」である。

 だが、再び考えて見ると「天」とは言うものの、古来、その在処を突き
止めたこともなければ、その姿形を見たわけでもない。ならば「天=我」
という図式
を描いたとしても強ち突飛なことでもないはずだ。かりに習近平が自らを
「天」だと固く信じ込んでいたら、いや現実的に「習近平=天」という政
治的、法律的、あるいは社会的装置が作動しているわけだから、国内であ
れ、ウイグルであれ、モンゴルであれ、香港であれ、台湾海峡であれ、尖
閣であれ、南シナ海であれ・・・思うが儘に強権を発動し、強圧的に振る
舞ったとしても、それは「天」の“聖なる意思”を行っているに過ぎないこ
とになる。だが、それこそ身勝手極まりない夜郎自大式のヘリクツに過ぎ
ないはずだが。

 ここで[捉放曹」に戻る。
 「我=天」を声高に叫ぶ演目もないわけではない。「捉放曹」だが、こ
れも第六劇場では飽きるほど見せてもらったから、否が応でもキーワード
になる台詞が頭の中に刻まれた。

 董卓殺しに失敗し逃亡の身を庇ってくれた友人の呂伯奢宅で、自らの思
い違いから無辜の家人を無差別に斬り殺してしまう。
これはまずいと逃げ出したが、折悪しく路上で曹操を歓待しようと酒を
買って帰路を急ぐ呂伯奢に出くわす。曹操、さてどうする?

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読者の声 どくしゃのこえ  READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)日本文化チャンネル桜からのおしらせです。令和四年最初
の宮崎正弘さんの番組は1月26日(水曜日)の生番組「フロントジャパ
ン」となります。
 キャスターは佐波優子さんです。ご期待ください。
   (日本文化チャンネル桜
  ♪
(読者の声2)明けましておめでとうございます。毎朝、最初に宮崎先生
のメルマガを読むのが毎日の日課となっています。そして、自家焙煎の
コーヒーを飲みながら、朝食を食べます。体調には気を付けて、益々のご
発展をお祈り申し上げます。
   (AS生、フィンランド在住

(宮崎正弘のコメント)ヘルシンキへ行ったのは四年ほど前でしたが、波
止場でカモメが観光客の食べ物を狙っていました。ホテルの裏町に居酒屋
があって、しかも料理長が日本人。ここで日本酒の熱燗を飲めたことを突
然思い出しました。孫たちの土産にと、寝具にムーミンのデザインを買っ
たことも。
フィンランド、いまごろ寒いでしょうね?
  ♪
(読者の声3)正月休みを利用して、貴著浩瀚『日本の保守』(ビジネス
社)を読破しました。なんとアマテラスから三島まで、神話時代から現代
までの保守思想の系譜。その日本思想とも言えるべき本流を縦横に説かれ
た名書と認識しました。
 流麗なる筆致に、読ませる力がありました。ますますのご健筆を祈りま
す。(YK生、新宿区)

  ♪
(読者の声4)御新著『日本の保守』を書店で手にして目次に岡潔があっ
たので、すぐに購入。まずは岡先生の箇所を拝読しました。
 わたしはこれまで宮崎先生は中国の専門家、中国情勢解析の権威とだけ
認識しておりましたが、最近書かれている古代シリーズなどは拝読します
と、あにはからんや現場を踏まえた上での日本歴史を描かれ、わが国の歴
史に精通されていること知りました。岡潔先生も晩年は「こころの構造」
と「日本歴史」の二本を柱に思索を続けておられました。非常に共通項が
多いと感激した次第です。
  (KY生、高知)

  ♪
(読者の声5)NHKは2021年12月11日に初回放送された「昭和天皇が語る
開戦への道 後編 日中戦争から真珠湾攻撃 1937-1941」の中で、日本軍が
南京に於いて残虐行為を行ったことが事実であることを前提とする放送を
行った。
 『敗走千里』[陳登元著、別院一郎訳(ハート出版)]には、南京大虐殺
の虚妄、フェイクを中国軍兵士として参戦した支那人が自ら語った貴重な
証言があるなど、日本軍による南京大虐殺はもはや完全に否定されてい
る。支那共産党やNHKなどの反日団体は、朝日の慰安婦捏造報道にも匹敵
する害毒をたれ流している犯罪行為を自覚し、歴史捏造工作を速やかに停
止せよ。一連の歴史捏造は世界の人々と共に発展していこうとしている現
代の日本人の活躍にとって、極めて有害かつ不愉快である。
 また、しきりに支那事変を「日中戦争」と呼び替えようとしているよう
だが、番組タイトルも「支那事変から真珠湾攻撃」に訂正することも要求
する。
 放送法では報道は事実をまげないですること。意見が対立している問題
については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが定めら
れている。真実を歪め悪意ある編集を行い、放送法を踏みにじる番組を放
送したNHKは完全に違反しているというほかはない。
 NHKはみなさまの受信料をこのような反日プロパガンダになぜ使うのか
も説明すべきである。NHKが反日プロパガンダを続ける限り、私は反日活
動を支援するのに使われる受信料の支払いを絶対に拒否する。狂った公共
放送は不要。善良で良識ある国民であるなら、私に続いて受信料支払い停
止を検討してもらいたい。資金源を断つ以外にNHKに違法行為を止めさせ
る手段はないだろう。反社組織に資金提供してはならないのとまったく同
じである。
  (MH生)
  ♪
(読者の声6)貴誌昨師走22日(冬至)号の欄外に「穴八幡、早朝から
数千の列」と有りましたが、何のことかと思いきやトリップアドバイザー
の最新号で「パワースポット」ランキングの筆頭が早稲田の穴八幡でした。
冬至の朝に神社札をいただくと霊験あらたかとか。在所の初詣は相変わら
ず川崎大師。たいへんな人でした。
  (DD生、川崎市)

(宮崎正弘のコメント)元旦の早朝恒例は、近所の神社七つを巡回参詣で
した。今宮神社、正八幡宮、幸神社、水神社を参詣して穴八幡へ。人出が
目立ちます。それから拙宅の菩提寺でお墓参り、神楽坂の赤城神社へ足を
延ばし、帰路に新宿天神という地名の言われがある北野神社へ。合計七社
と一寺。親御さんと受験生の合格祈願が目立ちましたね。所要一時間40
分。一万五百歩でした。
 正月二日は靖国神社へ。早朝からかなりの人出、テント屋台も賑わって
いました。所要一時間45分。一万一千三百歩。
      

2022年01月04日

◆日本国民は日本人として誇りを取り戻そう

加瀬 英明
 
 アメリカでは、白人、アメリカ人、男性、国家であることを恥じる
“キャンセル・カルチャー”が、白人、民主党支持者、中産階級、高学歴の
あいだで、草木を靡かせる力を持って、ワシントン初代大統領、独立宣言
起草者・3代目大統領のジェ ファーソンが奴隷主だった、リンカーン大
統領、第一次大戦時のウィルソ ン大統領が人種差別主義者だといって、
アメリカ大陸を発見したコロンブスをはじめとする銅像、街 路、公園、
公共建造物などがつぎつぎと撤廃されている。

 人種、宗教、性差別といって、〃ポリティカル・コレクトネス〃(言葉
狩り)が暴走して、「ミスター、ミセス、ミス」は全員を「Mx(ミック
ス)」、「メリー・クリスマス」を「ハッピー・ホリデイ」「クリスマ
ス・ツリー」を「ホリデイ・ ツリー」と言い替えねばならない。自らつ
くりだした贖罪意識という泥濘 のなかを転げ回って、快感に浸っている。

 戦後の日本によく似ている。私は親しいアメリカの友人たちに、「アメ
リカが日本占領下で日本の伝統を棄てるキャンセル・カルチャーを強い
て、天に向かって唾を吐いたことが、ブーメランのように頭部に当たって
脳震盪を起している」と、からかっている。

 天網恢恢(てんもうかいかい)だ。ブーメランはオーストラリア原住民の
木製、扁平弓型の狩り道具で、投げ手の元に戻ってくる。

 アメリカは野蛮な国だ。対日占領が粗暴なものだったのに驚くことはない。

 幣原喜十郎内閣が占領軍総司令部の「日本国憲法案」を鵜吞みにするこ
とを強いられた閣議で、幣原首相が涙に咽せながら「国体(天皇)を護る
ために方法がない」と述べたのは、よく知られている。

 アメリカ軍による占領期間は僅か六年だった。自虐史観と日本国憲法が
定着したのは、アメリカ軍の力によるものではない。保身のために占領軍
の傀儡となった大新聞や、学者たちが積極的に協力したからだ。東京裁判
は23人が昭和6(1931)年の満州事変から敗戦までアジアを侵略 する共同
謀議を行った“罪状”によって、裁かれた。

 だが、満州事変から真珠湾攻撃まで、昭和の日本にとってもっとも重要
だった10年に首相が11人も交替した。1人1年以下だ。国家戦略も共同謀
議もあったものでない

 大東亜戦争という名称は、日本政府もマスコミも使用しない。東京裁判
が進行中、連合国は日本が解放したアジア植民地を再支配しようとして侵
略していた。大東亜戦争は昭和20年8月に終わったとされているが、誤
りだ。大東亜戦争をアジア諸民族が戦い続けて、インドネシア、ベトナ
ム、マレーシアなどの諸国が つぎつぎと独立した

 大手新聞の販売部数が激減して不動産収入によって息を継ぎ、占領軍の
商女(ゆうぎ)だった学者も退場しつつある。日本の夜明けが近い。


             
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◆大谷が壊した“アジア人の方程式” 
ロバート・ホワイティング

【サクラと星条旗】 米国に根付く支配的で力の強いアスリートのイメー
ジを覆す 今やMLBのお手本に 

野球の常識を変えた大谷。球史に残るその活躍を目の当たりにしている
我々はまさに歴史の証人だ(共同)

野球の常識を変えた大谷。球史に残るその活躍を目の当たりにしている
我々はまさに歴史の証人だ(共同)

2021年は大谷翔平(27)にとって最高のシーズンだった。本塁打王
まであと一歩に迫り、チームがもう少し得点をあげていたらサイ・ヤング
賞獲得の可能性もあった。WAR(勝利貢献度指数)はメジャーリーグ全
体でトップ。数々の賞を受賞し、全米野球記者協会によるアメリカン・
リーグのシーズンMVPを満票で受賞した

だがその中に大谷と同じことをした選手は一人もいない。大谷は46本塁
打と156奪三振を同時に成し遂げた。4月4日に本拠地アナハイムでシ カ
ゴ・ホワイトソックスを相手に451フィート(約137・5メート ル)の
本塁打を打ち、6月には470フィート(約143メートル)弾を 放った。投球
では100マイル(約161キロ)超えの速球を投げ、うち 1球はその日99球
目の投球だった。彼のスプリットはMLBで最も効果 的な球である。

大谷が過ごしたシーズンは、これまでのどの選手のどのシーズンよりも価
値あるものだったかもしれない。

それだけでなく、大谷は米国で困難な道を歩んできたアジア系アメリカ人
のステレオタイプを破壊しつつある。

19世紀後半から20世紀初頭に米国に渡ったアジアからの移民は、無 学、
不潔と不信感を抱かれる存在だった。第二次世界大戦中、多くの日系 二
世が強制収容所に収容された。ベトナムからの難民は差別を経験した。
最近の新型コロナウイルスのパンデミックでは、アジア系住民に向けたヘ
イトクライムが急増した。トランプ元大統領は新型コロナウイルスを
「チャイナ・ウイルス」と呼んだ

ニューヨーク・ヤンキースに在籍していた田中将大投手(現楽天)は、新
型コロナウイルスのパンデミックが発生すると「身の危険」を感じたと
いう。日本人の母と黒人の父を持つロサンゼルス・ドジャーズのデーブ・
ロバーツ監督は、アジア人へのハラスメントに非難の声を上げた。

これまでメジャーリーグのアジア人選手は、あらかじめ用意された特定の
カテゴリーに当てはめられてきた。野茂英雄、岩隈久志、ダルビッシュ
有、上原浩治は、野球コメンテーターの間で「巧妙」「ディセプション
(だまし)」という言葉で特徴づけられてきたが、「圧倒的パワー」と評
されることはまずなかった。岩隈はテクニック、メカニクス追求型、ダル
ビッシュは「奇想天外な配球」、野茂は「相手を惑わすワインドアップ」
といった言葉で言い表された。

男らしさとは?

イチロー氏の内野ゴロは、典型的なアジア人の「手堅い野球」にぴたりと
収まった。ニューヨーク・ヤンキースで最も得点を生み出す打者として信
頼の厚かった松井秀喜さえ、ヤンキース傘下放送局YESのアナウンサー
やNYCのスポーツ記者から、偉大な選手ながら日本で築き上げた輝かし
い本塁打記録を残念ながら再現できなかった男、と言われた。

反アジア感情による偏見は時として露骨な形で現れた。2017年のワー
ルドシリーズでは、アストロズのキューバ出身のグリエル一塁手は、ダル
ビッシュの目の形を嘲る仕草をしながら、スペイン語で「中国の男の子」
を意味する「chinito」という言葉を発した。

ネバダ大学ラスベガス校でアジア人とアジア系アメリカ人研究に携わるコ
ンスタンシオ・アルナルドJr.助教は今年7月、NBCニュースのイン
タビューでこう話した

「これはマスキュリニティ(男らしさ)の問題だ。…アジア人、アジア系
アメリカ人はいつも男らしさが足りない、という目で見られている。野球
というスポーツは白人の男らしさを体現するもの、という見方があるのです」

「彼ら(アジア系選手)について語る時、強打者、あるいは超男性的な存
在という観点で(欧米人選手と)同じように語られることはありません。
強さやパワーという点から彼らについて論じようとはしないのです」とカ
リフォルニア州立大学フラトン校のクリスティーナ・チン准教授は付け加
える。

「日本人選手がメジャーリーグに登場し始めた当初から、メディアが注目
するのはいつも彼らの修練、安定感、経歴や実績、正確さでした」

だがそこに大谷がやってきて、これまでの方程式を変えた

チン准教授はこう言う。「大谷のアジア人らしさは、古くから米国に根付
く支配的で力の強いアスリートのイメージを覆すものです…。大谷は物語
を完全に変えつつあります」

確かに大谷はアジア人に対する米国の見方を彼一人の力で変えた、とも言
われている。ジャッキー・ロビンソンがMLBの人種差別の壁を壊し、
MLBファンの、そして国民の、黒人に対する見方を変えていったのと同
じように。大谷は古いパラダイムを完全にひっくり返し、二つのカテゴ
リーから成る新しいパラダイムを生み出した。大谷翔平がカテゴリー1、
彼以外のすべてのプロ野球選手が一段下のカテゴリー2だ。

なぜなら誰一人として、大谷と同じことをできる人はいないのだから。

また、大谷はMLBのほとんどの選手よりも体が大きく、強い。その上、
ハンサムと来ている。私は彼がハリウッド映画に登場する日を楽しみにし
ている。シルベスター・スタローンの「エクスペンダブルズ」シリーズな
んてどうだろうか?

米放送局ESPNの著名な黒人のアナリスト、スティーブン・A・スミス
氏が、通訳を使う大谷選手が野球界の顔となるのはよくない、と発言する
と、全米のメディアから大非難を浴びた。
MLBのお手本

大谷翔平ほどMLBにとってうってつけのお手本はいないということは、
誰の目にも明らかである。

あとは、2021年に大谷が見せた最高レベルのパフォーマンスを今後ど
こまでキープできるかだ。いくつかのシーズンをうまくやり遂げて、ス
ポーツ界における歴史的なゲーム・チェンジャー、例えばジャッキー・ロ
ビンソンや、NBAのマイケル・ジョーダンと肩を並べる日は来るだろうか。

彼ならできる、と私は確信している。

最後に一つ。鈴木誠也にもMLBでスターと呼ばれるような活躍をしても
らって、残念感が漂う秋山、筒香、福留の記憶を消し去ってくれることを
期待したい(敬称略)

■Robert Whiting 作家。米ニュージャージー州生まれ。
『和をもって日本と成す』(1990年)で日本のプロ野球の助っ人外国
人を描き、独特の日米文化比較論を展開した。この逆バージョンともいえ
る本コラム「サクラと星条旗」は2007年から好評連載中
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆雀庵の「常在戦場/132 貪欲銭ゲバ資本主義を見直せ」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/411(2021/12/31/金】現代の資本主義経済とは
何なんだろう、ちょっとおかしくなっているのではないか、と、ここ数
年、折に触れて思う。


1800年代から産業革命=機械化による資本主義経済が世界に広がり、1945
年の第2次大戦以降は共産主義圏を除く後進国でも資本主義経済は拡大し
たが、1980年代後半から「アナログからデジタルへ」という強烈な技術革
命が始まり、伝統的な資本主義経済を一新した印象だ。

それにより人間の仕事は大きく変化した。日本ではそれまでは概ね15〜22
歳ほどで就職して5、6年あるいは7、8年頑張って修業=腕を磨く=アナ
ログ技術を身につければ「職人」として一人前になり、60歳ほどまで食え
た(稼げた)のである。ところがデジタル化で半年、1年の職人でも同じ
ような仕事ができるとなれば、アナログ職人は「お呼びじゃない」と駆逐
されるようになってしまった。身近で見た印刷業界ではそうだった。

小生の仕事は編集・記者で、1986年頃まで必要な機械らしい機械はデザイ
ンで使うトレスコープとコピー機くらいだった。書き上げた原稿は出版社
に届けるのが普通で、その後、ワープロ、パソコン使って記事を書くよう
になり、出版社、印刷業界もフロッピーディスクでの原稿を歓迎するよう
になっていった。

いずれにしても原稿なりディスクという“モノ”を出版社に届ける。小生の
場合は夕方届けて、5時過ぎには担当者と飲み屋に行って接待したりされ
たり。興が乗ると出版社の女子に「今〇〇にいるけど来ない?」なんて電
話したり・・・それが普通だった。

ところがキヤノンなどがワープロを進化させてDTP(デスクトップパブ
リッシング)という「電子編集機」を作り始めた。画面上で文字・画像を
レイアウトできるのだ。電子編集機は当時、アップル・マッキントッシュ
が先行していたが、日本語独特の「縦組」ができないので、結構多くの印
刷会社がキヤノンDTPを使っていた。

そこまではいい、単なる技術革新だから。「便利になったものだ」で済
む。そこに1995年あたりから「インターネット」の普及が始まった。革新
的な技術どころか、全てをひっくり返すほどの巨大な“文化大革命”だっ
た。インターネットは米軍の軍事技術を応用したもので、1969年に米国の
4つの大学・研究所を結んで始まったネットワークだったが、これが民間
にも解放され、世界中のコンピュータを相互につなぐという、前代未聞の
大変革だった。

スルガ銀行Dバンク2013/2/7「六川亨(ろくかわ とおる)サッカージャー
ナリストに聞くアナログからデジタルへ 取材現場に見るメディアの変
遷」が当時の様子をこう伝えている。

<今でこそ原稿はパソコンで書き、ネットで送るのが当たり前。写真もパ
ソコンに取り込めば送信できる。最近ではスマホと携帯型のキーボードを
使うライターも出始めた。しかし、つい30年程前(1980年代)までは原稿
用紙に書き、原稿の受け渡しは郵送か手渡しというアナログ時代だった。

それがFAXの普及に続きワープロの登場で原稿用紙が消滅。さらにワープ
ロ通信、パソコン通信の発達によりメディアの仕事方法は飛躍的に進歩し
た。こうした変化に伴い、紙媒体とネット媒体では原稿の書き方にも変化
が出てきている。サッカージャーナリストとして、30年もの間メディアの
変遷を見続けてきた六川氏にメディアの過去、現在、そして未来について
お話いただく。

◆30年前、取材現場は「アナログ」だった

現代では文書のやりとりはメールが中心。書いた原稿や書類は瞬時にして
届けたい相手に送ることができる。写真も然り。動画や音声もデータ通信
が可能な時代となった

が、あらためて振り返ると、それが普及したのはつい10数年前のこと。そ
れ以前は文書を送るのはファックスが主役だったし、さらに遡ると、六川
氏がサッカー界に飛び込んだ1980年代のはじめ頃は郵送や直接届けること
が当たり前だった。

速報性を問われる新聞記者ともなると、試合が終わると会社に電話をか
け、口頭で自分の書いた原稿をデスクの人間に伝えていたという。原稿は
もちろん手書き。いま思えば「きわめてアナログな時代」だ。

その後、80年代の後半にファックスやワープロが登場し、原稿はプリント
したものを現地からファックスするという時代になった。六川氏がこの新
兵器を使い始めたのもこの頃、1990年のW杯イタリア大会では「ワープロ
とプリンターを抱えて現地に飛んだ」。モバイル機器の発達した現在と比
べるとずいぶんと重い荷物だったに違いない。

こうした「面倒」から記者たちが解放されたのは、パソコンが出始めた90
年代に入ってから。まず皆がこぞって使ったのはメールに近い機能を持つ
ワープロ通信だった。その後、デジタル機器は日進月歩の進化を辿る。94
年のW杯アメリカ大会では『Number』誌が写真電送を活用、他誌の記者た
ちを驚かせた。

「あの頃は日本代表も強くなって海外で戦うことが多くなった。ライバル
誌よりいかに早く写真を送るか、それを競争していました」

ただし、デジタルでデータを送りたくても通信事情はその国によって大き
く異なっていた。99年、途上国のナイジェリアでワールドユースが開かれ
たときは、同国から日本に直接画像を送ることができず、モロッコ、ドイ
ツを経由して送信するという手段を使った。通信費は何と100万円。「言
い訳に苦労しましたよ」と、六川氏は苦笑いで当時を回顧する。

だが、無線でのデータ通信が発達した現在では、へたをすると途上国の方
が通信事情がよかったりもする。たとえば2006年のW杯ドイツ大会では宿
舎のホテルに敷かれた有線の送受信速度が遅く、思わぬ苦労を強いられた
という。

文書以上に劇的な変化を遂げたのは写真だ。報道各社が一斉にデジタルカ
メラを使用し始めたのは2000年のシドニー五輪から。デジカメは速報性と
コストダウンの両面でメディアの強い味方となった・・・>

インターネットは強い味方・・・確かにそうだが、副作用も大きかった。
1995年前後に米国アップル・マッキントッシュが縦組みが可能な上にデザ
インもしやすいPower Macを発売した。出版・印刷業界ではハード、ソフ
ト、それにカラープリンター、さらにWebデザイナーが必要になったのだ。

アナログ・デザイナーは一流であってもPower Macを使いこなせなければ
完全に“お役御免”になり、小生が50%出資したデザイン会社の社長は「も
う付いていけない」と愛人と宮古島にトンズラしてしまった。

一方で、懇意にしていたデザイナーのSさんは1年間休業してウェブ・デザ
インの学校でスキルを身につけ「デジタル・ウェブ革命」に乗ることがで
きた。

デジタル・ウェブ革命・・・確かに死屍累々の革命だった。大変化に乗り
遅れたら仕事にならないのだからと出版・印刷業界は試行錯誤を重ねて投
資してきたが、1995年前後に印刷業界は一斉に「Power Mac」を主力にす
ることを決定し、出版業界もそれに倣った。

それは多分、世界中で主流になったのだろう、小生の会社では海外クライ
アントの日本向け広告の仕事でもPower Macでやり取りするようになっ
た。顧客、出版社、印刷会社のシステムが同じなら、時々、新しいソフト
を導入したり、3年に一度ほど新機種を導入するくらいですむものの、小
さなデザイン事務所でも一人1台、バックアップ用にオフィスに1〜2台は
必要だからカネはかかる。

一方で世間ではマイクロソフト・ウィンドウズのPCが主流だから、Macと
ともにWinも必要で、社員は最低2台のPCを使うことになる。今は知らない
が、当初はMacとWinはあまり互換性がなかったのだ。

編集プロダクション、略して「編プロ」は本来は小さなオフィス、ノート
とペン、カメラで始められる商売だった。カネのかかる印刷機などインフ
ラはすべて印刷会社が持っているからだ。しかしデジタル化以来、編プロ
は結構な設備投資が要る商売になってしまった。また、印刷会社がMacを
備えることで、1995年あたりからは印刷会社が編集機能を自前で、あるい
は外部委託で持つようにもなった。製品のパッケージなど印刷による売上
から見ればデザイン料やコピー料は些細だから「タダでいいですよ、その
代わりに印刷はうちでやらしてください」・・これには独立系の編プロ
は太刀打ちできやしない。

資本主義のデジタル革命は「既存のモノは時代遅れにさせよ、捨てさせ
よ、新製品をどんどん買わせよ」という消費を急速に促し、当然、ゴミも
増やし、資源を枯渇させている。どんどん新製品を開発して、それ以前の
モノを廃棄処分にしている。これがSDGs(Sustainable Development
Goals、持続可能な開発目標)と持てはやされている。これってモラルか?

世界の人口は1960年30億、60年後の2020年76億と急増した。人口パンデ
ミック! 60年前に「地球人口は少な過ぎる」なんて誰も言わなかった。
たった60年で倍増以上の増殖、これは異常だ人口増で経済成長すれば世
界中が幸せになれると思うのは、儲かればいいという銭ゲバの政治家や財
界人か。それで人類各国は幸せになったのか?

主に生活苦からだろう、母国を捨ててスマホを手に先進国へ引っ越そうと
いう人々は後を絶たない。GDP世界一の米国民は幸せに浸って仲良く暮ら
しているのか? つまり人口増で経済成長もあったにしても幸福になっ
た、良い世の中になった、とはとても言えない。儒教の本家、中国は衣食
足りて礼節を知るどころか野生の餓狼に先祖帰りしつつある。ロシアも相
変わらずの強権政治で、中共と一緒になって世界を威嚇している。

コロナ禍転じて福となす、これまでのような経済成長至上主義では人間も
生物も地球もろくなことにはならない。貪欲銭ゲバ資本主義を反省し「足
るを知りて分に安んずる」という古人の教えに耳を傾ける必要がある だ
ろう。国連が音頭取りをすればいいがと思うが・・まずはブロック経 済
化で中露と距離を置くことから始めてはどうか。

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◆日米安保体制深化も大事だが、

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月1日(正月元旦)
     通巻7176号 

令和四年(2022年)はどのような世界情勢となるか
日米安保体制深化も大事だが、自主防衛の基軸を忘れるな

 2022年の中国は経済バブルが確実にはじけ、金融恐慌が起こる懸念
が強まっている。
 世界全体を眺めると、近くロシアのウクライナ侵攻が予測される。年末
(12月30日)のバイデンvsプーチン電話会談は完全な平行線だった。
三月に韓国大統領選挙は与野党どちらが勝っても「反日」は変わらない。
つづいてフィリピン、フランス、夏に日本では参院選挙。十一月は米国中
間選挙がある。

バイデン支持率は激甚に低下した(不支持52%、ハリス副大統領の支持率
は28%しかない)。それでも米民主党は党内の派閥事情からバイデンは
2024年の再出馬を表明している。世論は共和党が圧倒的に優勢、24年には
トランプの再選が十分にありうるシナリオとして視野に入ってきた。11月
にバイデン政権はレイムダック入りするだろう。

米国の台湾防衛はリップサービスの曖昧レベルから海兵隊の台湾軍訓練、
最新鋭戦闘機供与など、実質が伴う段階になってきた。他方、「実績」が
ゼロに等しい習近平は国内矛盾をすり替えるために台湾侵攻をやらかす危
険性を否定できない。
その場合、尖閣、南西諸島、沖縄防衛はセットである。日本は何時までも
日米同盟深化などとお題目を唱え、お花畑に安住するわけにはいかなく
なっている。

米国のアジア太平洋へのシフトはクアッド、AUKUSの具体化が進捗す
るだろう。
ところがインドは日米豪を睨みながらも、依然としてロシアとの軍事同盟
を継続し、またASEAN諸国は大方が中国とのバランスをとって、アジ
ア情勢の激変がさらに強まるだろう。米国の思惑通りに事態は進まないだ
ろう。
 
技術、ビジネス方面に目を転ずると、プーチンが「AIが次の覇者を決め
る」と預言したように人工知能の深化は次の産業革命を導くばかりか軍事
技術の革命に繋がる。AIの基本は半導体である。「日米半導体協定」に
よって台湾、韓国に先を越された半導体戦争で日本の巻き返しは可能なの
か。日本はようやく特許制度に「非公開特許」が可能とする法案準備に
入った。スパイ防止法が議会で無理なら、ほかの法律の改正で欠点を補う。

テスラは生産が50万台、リコールが47万台。いよいよイーロンマスク
が「高転びに転ぶ」か。電気自動車の欠陥が浮き彫りとなった。トヨタな
どのEV参入は、ハイブリッド主導の傍ら、現象的傾向には逆らえず、仕
方なくの決断だった。EVは本質的な産業革命とはほど遠い政治決断であ
り、極論を言えば地球温暖化という根拠の薄弱な訴えを巧妙に利用した中
国有利の戦略に日米欧が巻き込まれている構造である。
 
 日本の強みだった鉄鋼、造船、化学、半導体で中国の猛追を受け、日本
の基幹産業は「介護」となった。例外は自動車産業だったが、すでに日本
市場にも中国製EVの廉価版が進出し、トヨタ世界一の座は揺らぎ始めた。

異様な人民元高、対称的な日本円安。エネルギー戦略の出遅れ、つぎは食
糧安全保障の問題が深刻になる。

 GAFAMは、昨今の異様な株高の調整期にはいる。
フェイスブックが「メタ」と社名を変更したように、さらなるSNSビジ
ネスの拡大を狙うが、そろそろ絶頂期を終えるのではないか。
        

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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高校生にこんな歴史を教えて、愛国心が育つのだろうか
  根本の問題は文科省検定、学習指導要領のいびつさ、左翼教師らの猖
獗が続いている

  ♪伊勢雅臣『判定! 高校「歴史総合」教科書』(グッドブックス)
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 「普通の国」では、歴史教育とは国民の愛国心を培うものである。日本
では、歴史教科書を読むと日本の過去の出来事は殆どが悪いことになって
おり、愛国心が芽生えないかのような仕組みが隠されている。敗戦後遺症
がまだ尾を引いている。GHQの洗脳は解けていないどころか悪性のウィ
ルスに深化したようである。令和四年から高校の歴史教科書が換わる。こ
れまで高校教育の現場では、驚くなかれ、歴史は選択科目だった。年表暗
記という無味乾燥な内容の教科書のうえ、記述が問題だらけ。典型例は、
外国へ行って日本の国のなり立ちや神話を聞かれると、ほぼ99%の日本人
が『何も知らない』。恥ずかしい思いをして帰国する。留学生ですらそう
である。
学校で古事記、日本書紀を習わない。古文は漢文だけ、国語は当用漢字と
面妖な左翼作家か朝日新聞の引用である。
だから海外で恥をかいた日本人は、帰国後、猛烈に歴史の勉強を始める。
という稀有な人は、おそらく3%以下である。なぜなら書店に行って歴史
コーナーを見れば、一目瞭然。その貧弱なること。欧米の書店へ行く
HISTORYのコーナーは豊かである。

 そこで伊勢氏は七社の歴史教科書を熟読し、はたして及第点のとれる教
科書があるのかどうか、詳細に比較検討し、一覧表も掲げて、採点をした
のである。労作である。
結果。及第点は明成社、かろうじて合格点すれすれが山川出版社。残り?
 帝国、清水、第一、東書、実教育の五社は『不合格』である(5点満点
で、明成4・4,山川3・0,のこりは3以下)。
 五社の歴史教科書の記述は巧妙な仕掛けがあって、肝心なことを書いて
いない、あるいは日本が悪いような刷り込みの文章が工夫がされ、「問答
無用型」「イメージ刷り込み型」「思想誘導型」「断罪型」がある。中学
の歴史教科書と同様に、或る特定のイデオロギーをもつ人々が、背後で
『連携』し、しかも肝心要の文科省が、これほどひどい中味の教科書を検
定合格としているという現実がある。単に敗戦後遺症、自虐史観、左翼残
存勢力の組織的支援などの問題だけではない、もっと深い企みが底に潜ん
でいるのではないか。近現代史において幕末「攘夷」の評価、日清戦争、
台湾統治、日露戦争、朝鮮統治、日華事変、大東亜戦争の八つをテーマに
選択し、七社の教科書を読み比べて、斬り込む。高校生にこんな歴史を教
えて愛国心が育つのだろうか?
 根本の文科行政のいびつさ、左翼教師らの猖獗が続いている現実が明ら
かになる。
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 英米が日本に「ファイブ・アイズ」に加盟せよと誘っている
日本には法的欠陥、まず何を準備し、何から始めるべきなのか
福山隆『「陸軍中野学校」の教え』(ダイレクト出版)
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 国家安全保障の根幹はインテリジェンスであり、基本的な情報と、諜報
が整合され、システマティックに軍事力と連携する(はずである)。
かつて日本でも、諜報工作は武将たちによって広く理解されていた。信
長、秀吉、家康は諜報能力に優れていた。
 日々戦いに明け暮れ、軍事情報が思考の基軸となると、必然的にインテ
リジェンスは磨かれるのである。
 近代国家として富国強兵の道を歩んだ日本でも、インテリジェンスのエ
キスパートを育てるために中野学校が創設され、2500名の卒業生がいる。
 あの小野田寛郎少尉がでた学校である。浜松に二俣分校があった。多く
の逸材が集まり、インテリジェンスを叩き込まれ、世界に散った。とくに
アジアの現地で様々な諜報活動に従事した。
 その諜報能力は世界のトップクラスだった。いまの日本の壊滅的な情報
収集、分析、評価能力に比べると雲泥の差があった。
情報の世界はギヴアンドテイクである。何もない日本にはろくな情報が入
らない。それでも中国の脅威を前にして、言語的に文化的に近似する日本
の中国分析を欧米は必要とする時代となった。
 英米が日本に「ファイブ・アイズ」に加盟せよと誘っている。時代の変
化の迅速さ、しかしスパイ防止法のない日本には欠陥がある。まず何を準
備し、何から始めるべきなのか? 本書が縷々提言している。
 著者の福山氏は元陸将。じっさい現役時代に諜報任務に携わった。韓国
駐在武官、ハーバード大学アジアセンター上級研究員を経て現在は軍事評
論家として活躍されている
 評者(宮崎)も、インテリジャンスに関してこれまでかなり突っ込んだ
議論をしてきた。
ソ連KGBレフチェンコ証言の翻訳から、戦国武将の情報学、黒田官兵衛
のインテリジェンス、孫子の解題、CIA副部長でJFK政権のとき
キューバのミサイル危機に対応したレイ・クラインの著作は殆ど評者がプ
ロモートした。『ソ連スパイの手口』など十数冊を世に問うてきたもの
の、中野学校に関して詳細な研究をしたことがなかった。
 中野学校の創設にあたっては、先駆者がいた。
 河上操六、田中義一、中村天風、石光真清、福島安正、廣瀬武夫、明石
元二郎らだ。
 本書はこの人たちの簡潔な紹介と業績をたどり、ついで中野学校卒業生
らの「活躍」の足跡を辿る。
 南方作戦をささえたF機関、ハリマオ、南機関。そしてインド、ベトナ
ム、インドネシア独立戦争を背後で支えた日本軍人らの紹介がある。
戦後のGHQとの関係、キャノン期間、藤原岩市、小野田少尉、三島由紀
夫のクーデタ計画に加担した山本舜勝らが時系列に体系的に描かれて、読
み応えがある。
 さて概論は本書にあたって頂くとして、評者、この本を読みながら個人
的には別の印象深い想い出がある。
 十数年前、大分の竹田城を団体で見学したとき、自由時間があったの
で、タクシーを雇い、廣瀬神社へ行った。
 軍神となった廣瀬武夫は、故郷で祀られている。神社脇の記念館に飾ら
れていた青年時代の廣瀬の写真をみて、戦慄が走った。なんと森田必勝
(縦の会学生長)とそっくりではないか。
 森田とは学生時代、同じ釜の飯を食べたが、彼が「全日本学生国防会
議」の議長になるまでに評者らは旧軍関係者を訪ね歩き、戦後初の学生の
国防サークルの連合体発足に理解と協力を求めた。今村均、藤原岩市、岩
畔豪雄、源田実、その関連で田中清玄という怪人物や児玉誉士夫ともあった。
 藤原が三島由紀夫を自衛隊とつなぎ、楯の会結成以後、三島が描いた
クーデタ計画と密接な関係を持ったのが、中野学校で遊撃戦、心理戦など
をおしえた山本舜勝だった。
 本書はこの三島─楯の会─山本─インテリジェンスの側面をカバーしてい
る。結語に福山氏はこう言われる。
 「日本は戦後、アメリカから『核の傘』と『情報の傘』を提供されてき
た。アメリカの『情報の傘』の下に身を委ねる日本は『耳のないウサ
ギ』、『目のない鷹』、と同様で、アメリカの後を付いて行くほかに道は
なかった」。
しかし、「情報体制を(日本が)強化すれば『早耳ウサギ』『鋭い目を持
つ鷹』に変貌できる」(310p)
 「日本の真の独立は情報の独立」だ。今後の日本の情報戦略立案に必読
の書と言える。
       ◎◎◎◎◎
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☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆   読者の声 どくしゃのこえ 
READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)明けましておめでとうございます。貴誌を愛読して20年
近い歳月。定年退職し、日々散歩とか園芸とか、そして、毎朝、愉しみ
に、しかも無料で配信される貴誌を読んでおります。
しかし、まぁよく根気よく二十年も、次から次への世界の情勢を分析され
ながら、日本の国益とは何かをつねに思考の基軸とされて論を展開されて
いると畏怖の念をいだきつつ、時折、町へ出かけると書店に立ち寄って御
著を立ち読みし、興味あるテーマですと購入して、読みふけってきまし
た。最近は古代史に関しても著作多数、これらはメルマガには掲載されな
い題材ですので、ほぼ購入しました。
ともかく何時までもご健勝、ご健筆。引退組も鼓舞していただきたいと思
います。(UH生,倉敷市)

  ♪
(読者の声2)マスコミの力とは「編集操作」に寄って人民の頭脳を操作
する。総理でも大統領でもテレビのニュースに出る時は5秒の「発言」に
短縮される。その瞬時の表情が拡大され編集意図が視覚化され誇張される。
以下はイーロン・マスク氏とレックス・フリーマン氏の2時間半の昨日の
対談。両者とも移民である。後者はロシア生まれ、物理学者の息子で現在
MITでAI関係の教授。両者ともAI自動運転に関しても専門家。
 いつもながらマスク氏はいかに「ものずくり」が大変だ、と言う話を
延々とする。それも大量生産、低価格、高品質、信頼度などが焦点にな
る。かつて
、「乾いた雑巾を絞るような苦労」をして日本の製造業はコストを減らし
た。現在1トンの物を火星に届けるには1000億円かかるが、これを1/一
億の価格に下げないと、火星基地移民10万人が達成できない。そんな誰も
想像さえ出来ない無謀な計画を立てて、今世界最高のロケットエンジンを
大量生産に入っている。早ければ五年後に火星に人間を送る、遅くとも十
年。その基本にあるのは、現在ある材料、方法、道具ではなく、いかに原
子をどう理想的に並べるか、と言うところから始める。
 全てを「ご破算にいたしまして」考えた新人類の火星の新政府とは、直
接民主制、政治家を飛ばした全国民が事を決める。
法律、規制なども「賞味期限」を設け、自動的に消滅する。新しい法律に
は6割の賛成、だが破棄するには4割で良い。地球の多くの無駄で有害な
規制にイジメられている、からだろう。通貨とは「情報」である、と。
 IT起業家には珍しく寅さんを公に応援していた。氏の政治思想は右でも
左でもなく、リベタリアン。左、右を軸にして、縦軸に個人の自由度を入
れた2次元の面ができる。もっとも左の下が北朝鮮。日本は少し右に寄っ
たがあまり上にいっていない。かつての米国は右の上だったが、だいぶ落
ちて、左に寄ってきた。かつてリベラルとは右上、を意味したが、左の報
道者、政治家などが自分たちをリベラルだ、と勝手に卑怯にも再定義して
使っている。
 最後に若者に忠言、本を読んでなんでも多くの知識を得る。子供の頃、
百科事典を毎日読んでいた、そうだ。世界一の資産家とのイメージとはか
け離れた、裏表のない、本田宗一郎氏が東工大の教授を兼任しているよう
な努力家、苦労人の風情がある。彼の人生の使命は人類の生存のための
「生命保険」を作る。
生命保険とは「死んだ時」残された者のため、であるが、火星人がその受
取人になる。あまりにも人間離れした能力と行動力を持つので、親切な宇
宙人が化けて人類を救いに来ている、と信ずる人もいる。宇宙人とは神、
と言ってもいい。
https://www.youtube.com/watch?v=DxREm3s1scA
(在米のKM生)

2022年01月03日

◆護憲派は幕末の頑迷無知な攘夷論者と同じ

            日本を守るD:加瀬英明 

 
人間は最強の肉食獣として、食物連鎖の頂点に立っている。それだけでは
なく途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生業とし
てきたが、同じ人間を天
敵としている唯一つの生物だ。

 米国が日本占領下で無理強(じ)いした「日本国憲法」は、このような
人類の歴史を貫いてきた真理から、眼をそむけさせてきた。狂った憲法だ。

 日本は取り巻く国際環境が大きく変化して、“第2の幕末”に直面している。

 ところが、護憲派は戦後76年にわたる米国の軍事保護による、徳川時代
と同じ泰平の世にすっかり馴(な)れて、いまだに日本国憲法を「平和憲
法」と呼んでいる。動物園
で育った飼育動物が野生を忘れて、天敵を知らないのによく似ている。

 護憲派は幕末の頑迷無知な攘夷論者の生まれ変わりだ。

 吉田松陰の言葉をかりると、米国のペルリ艦隊が浦賀に現われて1年後
に戻るといって去ると、「来春には必定(かならず)一戦に及ぶべし」と
予想した。

 「しかるに泰平の気習(きならい)として、戦(いくさ)は万代の後迄
(のちまで)もなきことの様に思ふもの多し。豈に嘆ずべきの甚(はな
は)だしさに非ずや」と、嘆いている。

 松陰は2年後に「航海通市(開国)こそ国家の大計」で、「鎖国は末世
(まっせい)の幣政(へいせい)なり」と断じている。

 護憲派は日本国憲法を権現様(ごんげんさま=徳川家康のこと)が鎖国
を定めた祖法と同じように崇めて、いささかも改めてはならないと主張し
ている。自衛隊をしぶしぶ
認めているが、政府も「必要最小限の防衛力を整備する」という建前を
とってきた。

 だが、愛する家族が重い病気にかかった時に、病院に「必要最小限の治
療をして下さい」と求めるだろうか。

 杉田玄白(1733年〜1817年)といえば蘭医者で、『解体新書』
によって学校教科書にのっている。先人の優れた儒学者の荻生徂徠
(1666年〜1728年)が人体を戦場にたとえて「地に嶮易あり、兵
に強弱あり、備(そなえ)を立て勝敗を論す」と、医学が兵学と同じだと
説いているのに、国と人体は同じだと、目を開かれたと述べている。
 護憲派の男女に、玄白や徂徠の著書を読んでほしい。


━━━━━━━━
 

◆2021年の回顧
ANDY Chang

AC 論説No.876 

年末は何かと忙しいが、クリスマスが過ぎると一応の落ち着きを取り戻
し、新年を迎えるまでは 静かな
休日となる。 2021年のアメリカは世界の歴史に残る特別な年だった。こ
の一年の間にアメリカで起き
た事件を振り返ってみれば数々の事件が世界に大きな変化をもたらしたこ
とがわかる。

2021年はバイデンがイカサマ選挙で大統領になってホワイトハウスに入っ
た年である。2020年の選挙で
はDeep Stateと民主党の大掛かりな陰謀で不正選挙が行われ、バイデンが
当選した。アメリカ国民だけ
でなく世界中の人が不正選挙があったことを認め、バイデンの当選を信じ
ていない。

それにも拘らずアメリカの司法は一年たっても不正が明らかな各州の選挙
不正を糺すことができない。
Dominion計票機の不正、選挙委員と計票人員の不正は何度も法廷で糾明さ
れているにも拘らず、法廷が
命じたDomoinion機の差し押さえを拒否し続けている。選挙の不正は一つ
の州だけでなく5つの州で明ら
かになった、つまり全国的な不正選挙だった。世界の歴史でこのような大
規模な不正選挙と真実の隠蔽
が起きた例はない。バイデン政権はこの一年間、不正を隠すことに全力を
注いでいたのである。


バイデンがホワイトハウスに入ると直ちに38回の大統領命令にサインし
てトランプの政策を全てキャ
ンセルした。つまりバイデンと左翼は反トランプを主体とした政権であ
る。反トランプ政策とは国境を
なくすこと、国内の石油と天然ガスの生産をストップすること、違法移
民、犯罪者の密入国、麻薬の密
輸入を無視することである。

この一年間のバイデンが実施した政策は一つも成功していない。バイデン
が軍部の意見に逆らって命令
したアフガン総退却はアメリカの歴史に残る最大の敗北だった。続いてミ
リー参謀長は個人的なトラン
プ憎悪で中国に通敵行為を行なったことが発覚した。おかげでアメリカは
中東における影響力を失い、
米中関係、米露関係はバイデン軽視が顕著になってアメリカの威信を損な
われ、パックスアメリカーナ
は威力を失った。アメリカの衰退が始まったのだ。

国内では暴動と掠奪の多発で治安の悪化と、30年来のインフレで国民の生
活が脅かされる様になった。
バイデンは社会主義者とサヨク議員に賛同し、白人原罪論を推進し、司法
と警察はBLMとANTIFAの暴動
略奪を阻止できず、民主党州では警察の経費を削減し、警察は無力化し
た。このため計画的な集団強盗
が全国17の都市で頻発した。社会道徳を失ったアメリカは無法地帯の蔓延
る国となった。

司法が無力になり最高裁も選挙違法を糺す気力がない。バイデンの任命し
た司法部長は法を無視してバ
イデン一家の汚職を糺さず、司法部は民主党左翼の手先となった。国会は
民主党多数でヘイトトランプ
で有名なペロシ議長は法を悪用して政敵を攻撃する、つまり法の政治闘争
悪用である。

62年前に私が留学したアメリカは良い国だった。奨学金で学位を取り、就
職して国と社会に貢献し平和
な家庭を築くことができた。社会は安定し人々には相互扶助の精神があっ
た。それがだんだん変わって
いった。今のアメリカは政治家の闘争と犯罪の氾濫である。

この60年で色々なことがあった。ケネディの暗殺、ベトナム戦争の激化と
撤退、OPECの石油禁輸によ
る経済危機、イラク戦争、ビン・ラディンの911ツインタワー攻撃。これ
らの時期では多少の変化はあっ
ても国民の相互扶助や善意と社会道徳は揺るがなかった。

変化が起きたのはオバマ時代になってからである。黒人のオバマが大統領
になると黒人たちの差別意識
と闘争が激化した。オバマは大変な陰謀家で、大統領になると直ちに政府
の各部門を使って民主党の一
党独裁を推進して共和党の弱体化に全力を尽くした。

外交面ではオバマとヒラリーの推進した「中東諸国の民主化」で、アルカ
イーダを使って革命を推進し
た。チュニジア、リビア、エジプトで革命が成功したが、アルカイーダに
提供した武器類を取り戻そう
としたベンガジの大失敗でスティーブンス大使が殺害され、提供した武器
一切を失った。オバマは失敗
を隠すためホワイトハウスのベン・ローズとジェーク・サリバンが共同で
作り上げた嘘を国連大使だっ
たスーザン・ライスが嘘の発表し続けた。ベンガジ事件の真相は今でも調
査中である。

オバマは政府の公務員を政治化したため司法部、FBI 、CIA、税務署など
多くの政府公務員がが左翼思想
に傾倒し、反トランプ、反共和党となり嘘と悪が蔓延り正義が通らなく
なった。オバマの民主党員が自
由思想や社会主義、グローバリゼーションを推進した。

サヨク政治家によって黒人がのさばり警察は無力化され、マリファナ合法
化で麻薬が蔓延る社会となっ
た。Me Tooのセクハラ、サヨクの犯罪者釈放、違法移民問題など、民主党
とDSはこれらの諸問題を援助
する立場をとっている。つまりサヨクが社会不安と動乱を作り出したのだ。

呆けのバイデンが政権を握るとたった一年でアメリカの衰退が始まった。
しかもバイデンは年末の回顧
で彼のおかげでアメリカは50年来の大きな進歩を遂げたと寝言を言ったの
である。バイデン政権になっ
てからアメリカ政府は嘘と失敗隠しで数々の危機をほったらかしにしている。

何時になったらアメリカは以前の強くて正義の通る国となるのだろうか?
共和党が国会上下院の優勢を
取り戻し、トランプが政権を取り戻した後、違法選挙の真相、ヒラリー、
バイデン一家の国際汚職、ベ
ンガジ事件の真相、嘘のトランプ弾劾を糾明し、正義が通るアメリカを取
り戻すことができるだろう
か。アメリカの将来はDeep Stateとサヨクを追放することにかかっている


        
━━━━━━━━━━━━━━


◆さらば「おめでたい憲法」よ
【年の始めに】 論説委員長・乾正人 


明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げ
ます。

こういうありふれた祝詞が書かれた年賀状を一枚一枚眺めるのが、正月の
楽しみの一つだが、あっという間に終わるようになった。まぁ、人付き合
いも悪いし、嫌われてもいるから、とあきらめてはいるが、日本全体でも
最盛期の半数以下に激減してしまった。ピークは平成15年で、44億
5936万枚も発行されていたのが、令和4年用の当初発行枚数は18億
2536万枚。国民1人当たり35枚も出していたのが、今では14・5
枚と約4割に落ち込んだ。

最大の要因は、スマホの急速な普及によってSNS全盛時代になり、手間
暇かけて新年を寿(ことほ)ぐためだけに年賀状を書く若者が激減してし
まったことだ。若者でなくとも長引くコロナ禍で、「おめでたい」気分に
なれない人々を気遣ってやめた、という会社も知り合いも結構多い(会社
の場合は、経費削減の意味合いが強いが)。

だが、この国は「おめでたい」国なのだ。本当に。正月くらいまずは、明
るい話をしたい。
コロナ禍でも寿命延び

世界保健機関(WHO)が、昨年発表した最新の世界保健統計によると、
日本人の平均寿命は84・3歳と、2位のスイスに1歳近く差をつけて
堂々の1位に輝いた。ちなみに米国は40位で、中国は48位。米国に
至っては、77・0歳(2020年)になり、コロナ禍によって1・8年
も縮んでしまった。日本では、コロナ禍でも寿命は延び、いま生まれた赤
ん坊は、米国より7年以上も長生きできる計算になる。

大幅に出遅れたコロナワクチン接種も今や8割近くの国民が打ち終わり、
接種率は世界トップクラスとなった。

個人が保有する金融資産も1999兆8千億円と前年より5・7%も増え
た。国民1人当たり1600万円近くもあり、世界第2位なのだ(筆者に
縁はないが)。

何よりも戦後76年以上にわたって、他国と干戈(かんか)を交えること
なく、のほほんと平和に過ごせたのがめでたい。

問題は、あまりにも平和が長続きしたため、「いざ鎌倉」となった場合の
備えが、まったくできていないことだ。

「有事」における政府の初動対応のまずさは、阪神大震災や東日本大震
災、それにコロナ禍が実証してしまった。2つの大震災を教訓に地震や風
水害への対策は曲がりなりにも前進したが、「戦争」に対する備えは遅々
として進んでいない。

今年は日中国交正常化50周年にあたる。この間、天安門事件で欧米諸国
から孤立した中国を円借款再開と天皇陛下訪中で救ったのは、ほかならぬ
日本政府なのである。「おめでたい」にもほどがある大失策だったが、事
件から三十余年で中国は強大な「モンスター国家」となり、世界の脅威と
なった。その現実から目を背けている日本人は少なくない。
警戒せよ「習近平の夢」

日本学術会議が出した声明のように大学で軍事研究をするのは罷(まか)
り成らぬ、という風潮は強く残る一方で中国に渡って人民解放軍の増強に
手を貸す研究者が後を絶たない。

世界は、米国を中心とした「民主主義国家」と中露を主軸とした「強権国
家」が対(たい)峙(じ)する新たな冷戦時代に突入した。

両陣営が角逐する最前線が、ウクライナと台湾であるのは論をまたない。
習近平国家主席が目指す「台湾統一の夢」を甘く見てはならない。香港で
の先例が示すように、「台湾有事」がごく近い将来起きる可能性は、かな
りある。

もしもの事態が起きた場合、台湾在留邦人や尖閣諸島を抱える先島諸島住
民の避難をどうするのか一つとっても何の準備もできていない。

憲法や現行法が有事対応の邪魔をしているのであれば、改めるのが政治家
の使命である。国権の最高機関である国会は、今年こそ真剣に憲法改正を
論議せねばならない。

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」国民の安全を図ろうとい
う「おめでたい」憲法は、もう要らない
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
【産経ニュース】採録


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◆ポルトガル国籍を取得

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月27日(月曜日)弐
  通巻7173号 

 ロシア最強の富豪アブラモウィッツが
 ポルトガル国籍を取得
 ユダヤ人セファルディの末裔と証明され、
 ポルトガルの筆

 アブラモウィッツはユダヤ系ロシア人。石油ビジネスのM&Aとロシア
では珍しかった禿鷹ファンドを牽引し、瞬く間に無一文の孤児が頭角を現
した。
ユコスのCEOだったホドルコフスキーのようにプーチンとは対決をせ
ず、チェルク自治区の知事を務めたりして、クレムリンとの距離を巧妙に
保った。

 アブラモウィッツの個人資産は2019年に125億ドルでフォーブス
の世界富豪ランキング107位。直近の資料では資産144億ドルで、世
界ランクは142位。英国のサッカーチーム「チェルシー」を買収し、世
界的にも有名となった。

 ロシアにおいてユダヤ人差別はいまも顕在化しているが、ユダヤ人がい
なくなるとロシア経済は持たないというディレンマがある。
 アブラモウィッツは2017年にスイスの長期滞在ヴィザを取得した。
18年には英国が彼のヴィザ延長を認めなかった。そのため2018年に
アブラモウィッツはイスラエル国籍を取得している。

 先祖はポルトガルに流浪したセファルディの末裔とされ、ポルトガル政
府は2021年4月に申請されていたアブラモウィッツの国籍を認定し
た。これはポルトガルにとっては大ニュースで、いきなりポルトガル富豪
第一位となったからだ。以前からかれはポルトガルのセファルディ系ユダ
ヤ人団体の名誉会員だった。

 ユダヤ人は二千年の流浪の旅、北アフリカらイベリア半島へ流れたのが
セファルディ、東欧諸国へ流れたのがアシュケナージで、イスラエル政治
家の主流は後者が殆どである。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)今年の日本は例年以上に内外混乱しているようで来年が心
配です。以下印象です。
 習近平の不安/この原因は経済の巨大化が共産党の個人独裁を揺るがし
ているからである。実は個人独裁は経済発展とは矛盾する。経済発展は人
と情報の自由を必要とするが個人独裁は情報の統制を必要だからだ。
そこでこれを潰しているが、その先は毛沢東時代の国民総貧困と党幹部の
国家資産の私物化になる。
しかし反対派や軍部までが習近平に反発しているというのでどうなるか。
とにかく精神が腐りきった国家だ。日本の対応は、原潜核ミサイル艦隊の
建設だけである。
 プーチンの錯乱/プーチンはあの犯罪国家ソ連の復活を夢見ていると
いう。ロシアは広大な国であるが、広すぎて管理出来ない。
資源に依存する国では製造業は育たない。遅れた国だ。日本人技術者がい
くら教えても数年すると原型が崩れて変形しているという不思議な国だ。
極東では黒竜江のあのブラゴヴェシチェンスクに中ロ友好橋を架けたが、
あそこは1900年にロシア兵によるシナ人密入植者数万人の大虐殺のあった
町だ。しかし今のロシアにはその力は無い。
ということは極東大乱の種がまかれたというべきだろう。ウクライナは日
本の北海道だ。アイヌ人はロシアによりロシア人と認定されたという。二
重国籍だ。大変だ。スターリンが考えていた日本海側の留萌海岸と東部の
根室からロシア軍の上陸作戦が始まるだろう。これも対策は原潜核ミサイ
ル艦隊の建設しかない。
 日本の国防は、自衛隊の正規軍化から入る。
今の自衛隊は案山子:
そこで日本の軍備だが、現状は戦闘が法律で禁止されているので、自衛隊
は人と兵器だけの仮装行列、あるいは案山子状態だ。これは自衛隊を馬鹿
にしているのでなく現状の危機を訴えているのである。中朝露は知ってい
るから自衛隊を無視する。知らないのは日本国民だけである
自衛隊に魂を入れる:
そこで対策だがまず自衛隊を正規軍にすることである。それは特例法で国
際基準の軍法(軍法会議、憲兵隊、軍刑務所)を付加すれば良い。すぐ正
規軍になり軍事抑止力が発生する。なお、自衛は米国が1953.11、日本政
府が1954.12に占領憲法下でも認めているから国防に関しては憲法改正は
不要である。
憲法が国防を縛っているという考えは間違いだ。国防は生存の確保という
人類の憲法以前の決まりだから憲法でも拘束することは出来ない。国防は
人権の第一だ。
岸田内閣の限界:
親中共シフトは被害を拡大するだけだから、国民は反中共シフトに代えな
ければならない。中共は武力以外には反応しない。逆に日本が国防を固め
れば友好的になる。それだけである。簡単だ。
国防反対は占領利得者:
戦後今まで自衛が出来ない理由としては、政治家の保身がある。憲兵隊が
いれば、活動できない売国政治家が多数いる。
日本の政治は腐りきっているのだ。   
  (落合道夫)


(宮崎正弘のコメント)御指摘のブラゴヴェシチェンスクは、嘗てシベリ
ア出兵の折、日本軍が占領したところですね。黒竜江省の黒河から見える
都会で高層ビルも建っています。 
アムール川は冬に零下二十度以下になるので、凍結し、バスが走る(川幅
は500メートルくらいです)。中国人観光客がかなり通うのは、毛皮な
どを買い付けるほか、地下の非合法カジノです。
 黒河に小生は二度行きましたが、最初に行ったとき(2003年頃)、
夜、ホテルの部屋に中国兵がノックして来て、強い方言なので、用向きを
紙に書かせたら「ヴィザなしで(軍が)案内するからロシアへ行かない
か?」と副業のセールスだった。拙著『日本人が知らない路地裏中国』に
も、この話は書きました。
 黒河は中西れい原作の映画「赤い河」のロケ地でもあり、市内は裏寂れ
ていますが、2012年だったか、二回目に訪れると「ロシアに別荘を買
いませんか?」という広告塔が随処にありました。
 2019年にアムール河を跨ぐ橋梁が完成し(黒河大橋)、2020年
から車が行き交っています。
 黒竜江省はかつての中ソ衝突ダマンスキー島も中州を分け合い、中国側
の町(同江の北郊外あたり)は、サンクトペテルブルグのミニチュアのよ
うな町に変貌していました。
ホテルもレストランもロシア語併記でした。
 中露関係も末端ではビジネス優先ですね。



 ♪
(読者の声2)通巻7171号において、宮崎氏の『日本の保守』につい
て軍事研究家・矢野義昭氏が絶賛されてました。「三島由紀夫氏が諫死を
もって訴えた、日本人が共有する命を賭けても守り通すべき価値とは何
か」と。
 ここ数年、米国でも同様な危機的な状態になってきた。つまり、「米国
を命をかけて守る価値」は無い、と言う人が多くなった。そんなものはど
うでもいい、と言う人民も増えた。
米国は悪い、白人は悪だ、と言う者も多くなった。つまり、国内で、国民
の価値観が変わリ、それを共有する指導者、政治家、裁判官などが増えた。
ロシア、支那によって、過去50年以上にわたってジワジワと執拗に確実に
「洗脳工作」が全ての学校で、そして報道機関によって行われた結果であ
る。それは欧州でも、日本でも同じ成果を産んだ。国内に潜み、白蟻の様
に内部を崩壊してしまう。
 これではいくら最新の兵器を備えても、それを指揮する者の頭がおかし
ければ、役に立たないどころか却って危険である。
顕著な例は、耄碌した故ルーズベルト大統領がロシアを友と誤認し、敵に
組して、敵の敵である日本を敵視してしまった。
 では、日本人が今出来る事とは、
1。緊急事態と認識し、強い独裁政治家を望み、憲法破棄、軍事を強める
など。英国首相故サッチャー氏が現れ、弱った自虐的な「英国病」を直し
た。高市早苗氏がその任に当たる。これを理解し支持する国民が充分いる
だろうか。
2。政治家の殆どが支那、米国の「植民地管理人」を公然と自認している
ので、彼らを正しく国賊と認識し、令和の2・26事件で新しい政府を立
てる。しかし今の自衛隊には無理だろうか。
3。検察、司法、警察が「赤狩り」をして、外国から賄賂などを受けてい
るものを逮捕、罰する。やる気があれば故田中角栄総理大臣さえをも起訴
したのである。普通に簡単に大量の証拠は見つかる筈、故に殆どの売国奴
議員を合法的に排除できる。
4。そして時間が掛かるが「日本弱体化教育」を変える。それにはその監
督官庁・文科省を潰す。
5。即席には、全国民に徴兵制を義務づける。肉体的、兵器の扱いと、即
席の正しい歴史、価値観。つまり心理医師による「脱洗脳」教育。中学生
ごろに3−6ヶ月ほど、親を離れて、子供から大人、少年から日本人男子
となる。
徴兵制とは多くの国で行われており、国体を維持するには必要だろう。国
とは単なる不動産ではなく、国民の価値観に由来する。
(在米のKM生)



  ♪
(読者の声3)財務省は、日本国債が破綻するので消費税などの引き上げ
口実にしておりますが、財務省が02年4月30日、米国格付け会社に先進国
の国債破綻など有り得ないと抗議していた事実があります。
01年ノーベル経済学賞受賞した米コロンビア大学教授スティングリッリ教
授は、「政府統合論」で政府と中央銀行は別々の組織ではない、たとえれ
ば夫婦の関係であると。国家の負債(借金)の国債は、購入した中央銀行
にとって資産です。「政府統合論」では、中央銀行の保有する国債はチャ
ラになると。
増税は、財務省の権益の強化になります。増税分を各省に塩梅する時、各
省の外郭団体へ財務省のOBを送り込む枠を広げることができるからです。
日本には、家計部門も企業部門にもカネはある、日本には人財もいる、世
界最先端の部品や技術もある。無いのは知恵と勇気です。
 日本経済再生は、大英帝国のビクトリア大不況や戦後の米国の戦時国債
の解消の方法が参考になります。解決方法は、(1)膨大なカネの発行(2)膨
大な内需でした。
日本の国策を新生内務省は、「超高度科学技術立国」と制定する。
ヒトラーのアウトバーを真似て米国は、全土にハイウェーを完備して黄金
の60年代を謳歌したが、日本は、全国に光ファイバー網を完備する。家庭
に引き込むプラスチック光ファイバーの基本・応用・量産特許は全て日本
が握ってる。在宅勤務・家庭で学校の授業を受ける・遠隔地の手術も可
能。成層圏に超大型飛行船配備(06年実証テスト済み)。電気自動車の普
及で300万点の部品は10万点に激減する。精密産業界に介護ロボット
や手術ロボット開発に政府は開発援助する。
デンマークの「介護ロボット専門学校」を真似て全国に学校設立すれば雇
用創出になる。北海道に最先端「陸上魚養殖場」「食料工場」を増設。エ
ネルギー源は北海道の豊富な温泉をバイナリー発電で賄う。
 中部国際空港を増設拡張する。首都圏では国際空港の増設は物理的に無
理なので本州の真ん中にあり新幹線で東京・大阪に90分でアクセスでき
る。中部国際港を水深20mに浚渫すれば釜山港に日本の貨物の55%が
頼らなくて済む。
(林文隆)

2022年01月02日

◆中国の脅威に具体的対策とらない日本政府

加瀬 英明 

 日本は“第2の幕末”に、直面している。

 林子平といえば、明治元(1868)年の82年前に「江戸の日本橋よ
り唐、阿蘭陀(オランダ)まで境(さかい)なしの水路なり」という、
『海国兵談』によって知られている。

 19世紀に入ると、日本の沿岸に外国船がやたらと出没して、徳川幕府
はその対策に苦しんだものの、歴史上稀にみる泰平が続いたために、具体
的な対策をとろうとしな
かった。子平の『海国兵談』は、幕府の無為無策を正面から批判したもの
だった。

 幕府が攘夷を唱えながら、西洋式の近代兵備を整えることを嫌ったため
に、子平は板木を没収され、自宅禁固となって幽閉中に憤死した。

 日本は先の大戦に敗れて以来、77年にわたって米国鷲(アメリカン・
イーグル)という親鳥の雛のように護られて、中国の切実な脅威が募って
いるというのに、泰平に馴
れて政府も国民も右往左往(うおうさおう)するばかりで、具体的な対策
をとろうとしない。

 日本橋からアフリカのサヘル地帯のニジェール川まで、境なしの水路が
通じている。

 といっても、読者にはサヘル、ニジェール川がどこにあるのかご存じな
いだろう。

 サヘルはスーダンから大西洋岸のセネガルにいたる熱帯雨林地帯で、ギ
ニアからマリ、ニジェール、ナイジェリアなどの諸国を洗う、全長
4000キロのニジェール川が
流れている。日本から13000キロも離れている。

 米軍がアフガニスタンから完全に撤収したばかりだが、サヘルのニ
ジェール、ブルキナファソ、マリが交る国境地帯で、勢力を増すイスラム
過激派に対して、10000人
以上の米軍とフランス軍などが投入されて戦っている。

 私はアフリカも専門としているから戦況を追っているが、イスラム過激
派がイラン、中国製のミサイルなどを使って、米国、ヨーロッパを攻撃し
た場合に、アジア太平洋が手薄になってしまおう。

米軍が来援しないと他の諸国軍は、台湾、日本を救わない

 吉田松陰は幕末の代表的な志士だった。松陰は幕府が「時代が翔(と)
が如(ごと)く」激しく動いているのに、「一日の安(あん)を偸(ぬ
す)むの論盛んにして、君臣将子必戦の覚悟未(いま)だ定まらず」と悲
憤慷慨(こうがい)したが、安政の大獄によって投獄され、明治元年の9
年前に刑死した。


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◆国家の矜持喪った「だらしない国」
【有本香の以読制毒】

日本対中非難決議の見送りだけじゃない…ミャンマーの“協力者”も見て見
ぬふり 

久保田康文

【有本香の以読制毒】国家の矜持喪った「だらしない国」日本 対中非難
決議の見送りだけじゃない…ミャンマーの“協力者”も見て見ぬふり 令和
3年12月24日


臨時国会が21日、閉幕した。中国当局によるウイグル人らへの人権侵害
を非難する決議は、本年、わが国の立法府でついになされなかった。岸田
文雄政権の「コウモリ外交」を正す役割を負うはずの国会、特に、与党・
自民党のこの体たらくは、日本に「人権外交」も「価値観外交」もありま
せんよと、自ら世界に宣言したに等しい。

腹立ちは収まらないが、この「対中非難決議」成らずの経緯は半年前から
先週までさんざん書いたので、今日は、別の深刻な「人権侵害」事案と、
日本外交の異様さについて書く。

現在、ミャンマー情勢が著しく悪化している。日本の大メディアがほとん
ど報じないので、本紙読者でも現状をご存じない向きが多かろう。今年2
月のクーデター以後、国軍と国民の関係は悪化する一方だ。

今月に入って、国軍と少数民族武装勢力の衝突が頻発、国境を接するタイ
への着弾もあったため、タイ軍の砲撃(=現状は警告程度)まで起きている。

日本に関係する例では、ミャンマー最大の少数民族勢力・カレン民族同盟
(KNU)の支配地域でも国軍との戦闘が起きた。

このカレン州にあるレーケーコーという村では数年間、日本が支援する農
業・教育事業が行われてきた。筆者の友人であり、かつて少数民族武装勢
力のリーダーらを説得して和平のテーブルに着かせた「ミャンマーの内戦
を停めた男」として本コラムでも取り上げた、井本勝幸氏の農業支援事業
もこの村で実施されている。

井本氏によると、現在この農場からは全員が退避し、もぬけの殻。ミャン
マーからタイ側へ多数の避難民がなだれ込んでいて、井本氏はその救援に
追われているという。22日にも国境付近で戦闘があり、ミャンマー国軍
の機銃掃射がタイ側に多数着弾。避難民が逃げ惑っているそうだ。

21日夜には、筆者のネット番組『有本香チャンネル』に、井本氏のほ
か、アウンサンスーチー氏に近いという理由で国軍から指名手配され、難
民となったミャンマー人男性M氏が出演した。

流暢(りゅうちょう)な日本語を話す彼は、日本の政財界にも人脈を持つ
人物。民間人だが、広い意味での「日本協力者」と言っていい。井本氏い
わく、「日本が育てたと言って過言でない優れた人材」のM氏。しかし、
その彼を日本政府も親ミャンマー派の政治家も救おうとはしていない。

指名手配されたという情報を受け、「ミャンマー通」を自認する一部の国
会議員が「井本さん、お願い」と連絡してきたという。お願いの中身は、
Mさんの国外への脱出だ。いくら百戦錬磨だとはいえ、この非常時にそん
な危険なことを民間人の井本氏に頼む神経が分からない。M氏は運良く井
本氏と落ち合い安全な場所へ逃れたが、M氏の日本への出国を井本氏が頼
むと、日本当局は冷淡な返答に終始した。

結局、他の先進国が「受け入れよう」と即断。その詳細はここに記さない
が、あきれ返るわが国の対応である。8月、アフガニスタンの首都カブー
ルが、イスラム原理主義勢力タリバンの攻撃で陥落した際、日本への協力
者を脱出させられなかったのと似た構図だ。

ここで思い出すのが、国会での非難決議=B今年6月、対中非難決議は
見送った一方、ミャンマー議連の議員らが起案した「ミャンマー国軍への
非難決議」は衆参両院にすんなりと出され満場一致で可決された。

採択文には「国軍による現体制の正当性は全く認められない」と明記さ
れ、国軍のクーデターを「民主化への努力と期待を踏みにじるもの」と断
罪している。民主体制の復活に向けて、「あらゆる外交資源を駆使し全力
を尽くす」よう日本政府に求めた、立派な内容といえる。

しかし、現実はどうだ。日本政府は「外交上の手続き」を言い訳に国軍体
制を追認し、民主勢力側の苦難は見て見ぬふりだ。

井本氏が送ってきた映像には、粗末な難民キャンプ内で、満面の笑顔とと
もに国軍へのレジスタンスの印である「三本指」サインをつくる老若男女
が映っていた。

一方、世界有数の富だけは持ちながら、国家の使命も矜持(きょうじ)も
喪った「だらしない国」日本。その惨状を変えられるのは私たち、日本国
民しかいないのである。

ジャーナリスト

著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
夕刊フジ【zakzak】ニュース採録


         
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◆中国共産党、第二十期党大会は来秋

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月27日(月曜日)
  通巻7172号  <前日発行>

中国共産党、第二十期党大会は来秋人事の前哨戦はじまる
  陳全国は常任委入りの可能性大、ライジングスターは馬興瑞(広東省長)

 12月26日、新彊ウイグル自治区におけるウイグル族弾圧の元凶、悪
代官といわれた陳全国が、ポストを解かれ、入れ替わりに馬興瑞(広東省
長兼深セン特別市党委員会書記)がウルムチへ入る。
 西側メディアはウイグル弾圧の国際世論批判の圧力で解任されたのだと
「知ったかぶり」の解説が多いが、逆である。

陳全国は出世し、来秋に開催予定の第二十期党大会で、トップセブンの中
央政治局常務委員に昇格する可能性が高い。
何故って? 党の方針に断固として従い、前任地のチベットでも、チベッ
ト仏教寺院を破壊し、僧侶を弾圧した。

新彊ウイグル自治区の省都ウルムチへ赴任するや、ウイグルの反政府活動
家を監視カメラなどで拘束し、さらには百万人の強制収容所をつくり、洗
脳教育をなし、ウイグル女性を漢族と結婚させ、堕胎を奨励し、イスラム
寺院を閉鎖し、信仰篤きウイグル族を徹底的に弾圧したのは共産党からみ
れば方針に忠実だったのだから、「功績」と評価されるからだ。

 他方、あたらしくウイグルへ赴任する馬興瑞は本籍地山東省、生まれは
黒龍江省。すでに中央委員である。哈爾浜工業大学で宇宙工学を学び、
「航天少元帥」のニックネームがあるように飛行動力で工学博士号。34
歳で同大学教授、40歳で国有航天科技集団の副社長、48歳で社長を務
め、月面着陸などを成功に導いた。この功績から政治へ抜擢され、深セン
特別市書記となる。広東省長を兼務し、このポストは確実に次記政治局入
りを意味する。まさにライジングスターである。
 かくして中国共産党の人事、前哨戦が始まった。
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 シラクは知日家で大相撲ファンだったが、元寇の防塁を見たいと熱望し
ていた
  マルロォはニセ知識人サルトルの「ドゴールは小ヒトラー」発言に平
手打ち

  ♪
山口昌子『パリ日記(2)シラクの時代1』(藤原書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 浩瀚820ページに3段組みの活字がぎっしり。それだけ歴史がつまっ
た本である。
 特派員のパリ日記。しかし随筆でもなく、克明な『日記』には違いない
が、本書は現代史の資料である。
いまから思えば平和で多少ゆとりのあった、あの1980年代の風景と雰
囲気が行間から甦ってくる。
 山口さんは産経パリ特派員として滞在21年に及び、数々のスクープを
飛ばしつつ、パリの政界の動きを歴史家の目を備えて観察してきた。ボー
ン上田國際記者賞受賞のジャーナリストだ。
 その一つは、ドゴール大統領が池田首相をして「トランジスタのセール
スマン」と発言した事実はなかったこと、仏外務省資料や当時のフランス
の新聞を渉猟した結果であり、またエリーゼ宮報道官だったピエール・ル
イ・ブランは「将軍は皮肉屋ではあったが、一国の首相に対して礼を欠い
たことを言うはずなし」と強く否定した(445p)
ミッテランの第一巻から、本巻は第二回配本でシラクの時代
(1995−2002)の第一部である。

時空を超えて記述は、ドゴール、マルロォ、サルトル、そして若き日の
ジェルマントーマとのインタビューも記載されている。
 シラクは大相撲ファンで知られたが、日本の文化に並々ならぬ理解を示
した。それは表面的な仏像観賞のレベルではない。武士道精神に引かれる
からなのである。
 あの蒙古を破った鎌倉武士、その防塁をシラクは見たいと言った。訪日
時に九州場所の相撲を観戦したが、「熱望したのが元寇の記念碑訪問。
『なぜ日本は二度までも外敵を防げたか』の疑問からだ」。
 時間が合わず、ジュペ首相訪日時に代理見学を要請したほどだった。
 この伝統は騎士道を重んじたドゴール、マルロォからシラクへと繋が
る。だから次の何気ない記述を発見すると、フランスの現代史が日本の古
代から中世の精神、そのモラルに繋がっていることに、きっと読者は愕然
となるだろう。
 ドゴールは書いた。「フランスは剣の一撃から生まれた」
 このドゴールを日本の左翼文化人は短絡的に「軍人だから嫌い」だっ
た。日本のドゴール評価は村松剛、竹本忠雄らを除いて低いまま、そこで
山口さんは産経新聞に「ドゴール像の格差」を長期連載した。
 「45年にマルロォがサルトルとラジオ論争した時、サルトルがドゴー
ルを「小ヒトラー」と呼び、マルロォが平手打ちを食らわした」。
 サルトルのような似非知識人がフランスでも大手を振っていたから、日
本にも亜流が輩出した。その典型が大江だろう。
フランスの左翼はナチズと戦わず、「宥和政策にも反対せず、レジスタン
スにも参加せず、宥和政策に反対しつづけたドゴールの方がはるかに彼ら
より分析力、洞察に優れていた故にドゴールに嫉妬し、憎悪した」
(422p)
このドゴールの政治精神がシラク時代にも脈々と生きていた。いまのマク
ロン? 現代フランスは移民が入りすぎて歴史観が改竄されつつあり、シ
ラク時代の精神は遠くなりつつある。
シャネルやルイビュトンがフランスと思っている日本人観光客が主流の現
状。とても相互文化理解には浅薄な関心しかないのだろう。 
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2310回】      
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港192)

      ▽
 ■時代不定=「十八?」「目蓮救母」「青石山」「泗州城」「大泗州城」
「紅橋贈珠」「天女散花」「天河配」「白蛇伝」「金山寺」「水漫金山」
「断橋」「琵琶仙子」「紡棉記」「打面缸」「小放牛」「天官賜福」「拾
黄金」「天官賜福」「大賜福」──

 前回に挙げた「伐子都」から今回の「大賜福」まで、公演時間は同じで
はない。「四郎探母」や「大登殿」などのように長い時間を掛けて演ずる
「大軸戯(通し狂言)」もあれば、「小放牛」や「三岔口」のように短い
時間で終わる「折子戯(一幕物)」もある。

 第六劇場の開演は午後6時で終演は11時近く。演目と演目の間に若干の
休憩時間が挟まるから、正味の公演時間は4時間半前後。この時間内に収
まるよう、日替わりで演目が選ばれる。これだけの時間内に収まらない大
軸戯の場合は、午後11時前には幕となるよう端折るなど、適宜手が加えら
れていた。
 
折子戯の場合は、ともかく4時間半前後の公演時間を持たせなければなら
ないから、たとえば「黄金台」「烏盆記」「小放牛」「古城会」のように
時代背景もテーマもバラバラな演目を組み合わせて公演された。

 出演する生徒が多い頃はまだしも、王雪燕、袁明珠、康玉釧と主軸が1
人抜け、2人抜けとなると、勢い上演演目は限られ、演目のマンネリ化が
始まる。第六劇場の舞台に黄昏が逼っていた頃には、毎週月曜日は「楊排
風」でホボ決まり。戯迷連からすれば、たまには大きな演目と期待するわ
けだが、春秋戯劇学校の貧弱な陣容ではムリな相談と言うもの。京劇を酷
愛しているわけだから、ジッと我慢、がまん、ガマンするしかなかった。

「楊排風」の次に数多く見た(正確には「見せられた」というべきかも
しれない)のが「小放牛」だが、それというのも難しい演技が求められる
わけでもなく、ストーリーは単純で、登場するのは牛飼いの少年に村娘の
たった2人。だから初学者でも舞台が務まった。

 時は長閑な春の一日。場所は村外れの牧草地。草を食む牛を眺める少
年。そこにやって来たのが驢馬に跨がった娘。「何処行くの」「こっちの
村からあっちの村へ」との会話をキッカケに、手持ち無沙汰の牧童の呼び
掛けに娘が応じ、2人による歌の掛け合いが始まる。

 2人の他愛のない遣り取りが続くが、娘の足がマントウのようにデカい
とか。小さいとかといった類の台詞が口にされるや、客席の戯迷連は急に
ニヤけた顔つきになる。中には「ヒュー、ヒュー」と口笛を者もいれば、
腹を抱えて笑う者も。たぶん「マントウのようにデカい足」が何かを指し
ているのだろうが、その何かが分からない。戯迷連に問い質すわけにも行
かず、そのままにして一緒になって笑って済ませてしまった。

 やがて唱い疲れるや、牧童はその場に残り、村娘は立ち去って終わり。
時間稼ぎの演目に過ぎないのだが、とはいえやや大袈裟に表現するなら、
中国庶民の人生観を感じさせるシーンがないわけではない。たとえば芝居
が始まるや、舞台中央に立った牧童が開口一番に「功名」と声を上げる。
一呼吸した後に続ける台詞が、なんともステキだ。

 「功名不成、富貴是個天生。光陰易老、好似風裡個燈。有朝大限到、
黄泉路上行。金銀過百斗、那個半毫分。只看奔労碌、只為口和身、
口・・・和身」

 ──名誉もカネも生まれつき。人生なんて短くて、風に吹かれるローソ
クみたい。あっという間に終わりが来るし、たちまちあの世に長の旅。持
ちきれないよな大金だって、気がつきゃもはやこれっぽち。あくせく稼い
でなんになる。ハラと身がもちャ、それでいい。ハラと身が持ちャ・・・
嗚呼、それでいい──

 牧童の台詞、「生の執着は現実的実効的の儒教思想となり、その抗すべ
からざるを知って服従した生の諦めは、虚無恬淡の老荘的思想となった」
(青木正児『江南春』平凡社 昭和47年)とまでは言わないが、やはり
「只為口和身(胃袋だけが人生さ!)」となるか。
《QED》
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)貴誌前号の「経済強国を取り戻す」という、私の願いに関
連する内容のものでした。ご指摘のとおり、日本の経済敗戦はプラザ合意
を起点としています。
 一国の経済と国民が豊かになるためには、他国を相手に、貿易で稼ぐし
かありません。当時の日本は、排ガス規制対応の自動車と半導体の2つで
稼ぎまくってました。それを外国から咎められ、大号令をかけて「内需」
に転換したわけです。
 ただ、「内需」への転換とは、産業のサービス化になりやすく、市場が
グローバルになっていないなら、自国民を相手に、自国内でお金をやり取
りするだけになりやすい。
 しかも、サービス産業は人口の集積地でしか拡大発展しない。就業機会
も都市圏に多いから、地方から都市への人口流出が続くことになり、まず
地方経済が打撃を受けました。いま、地方が錆びれているのは、工場立地
を選ばない、モノづくり型の輸出産業が空洞化したからです。
 一方、人口が増え続ける都市圏では、地代家賃が高止まりするので、若
年労働者の可処分所得の大半は、地代家賃に消えてしまう。子供を作る余
裕どころか、結婚する余裕もできないのが現実です。
いま政治家は、口を開くと「子育て世帯支援」を言うわけですが、実は、
結婚して子供を作る余裕のある世帯に追い銭しているだけだったりします。
 この状態を打開しようとすれば、政府主導で、モノづくり型の輸出産業
を作り出すしかありません。他国はそれが分かっているから、「クリーン
エネルギー、電気自動車」を言い出したのです。中国問題にしても、少数
民族の人権なんてどうでもよくて、新産業に必要不可欠なレアアースを中
国の手から取り上げたいだけだったりします。だから、証拠なしに証言だ
けで、あたかもウイグルに絶滅収容所が立ち並ぶかのような言説が広めら
れるわけです。
 日本人は、因果関係の探求が苦手のようです。
戦後80年近く経つのに、まだ、誰のどの政治判断が間違って戦争に負けた
のか、広大な帝国の版図と国富を失うことになったのか、きちんと正せな
いでいます。
 経済はさらに難しい。
 政府が過剰な行政サービスでお金をばらまけば、「景気」は良くなりま
すが、それは、現在の非効率な「経済」を延命させるだけで、「経済強国
を取り戻す」どころか、さらに傷口を広げるだけになります。ちなみに、
過剰な行政サービスの半分強が、社会保障という名目の老人の延命サービ
スと、旧国債の償還と新国債の発行(つまりは借金のジャンプ)に費やさ
れていて、建設的な支出に回せるお金は、年々、減り続けています。
 朝野を上げて、「積極財政をさらに続けて、憲法を改正すれば、日本を
取り戻せる」などという話になりやすい。
 これだけ国債の発行残高が積み上がっても、まだ債券市場が暴落しない
のは、金融資本市場では、「大増税によって個人金融資産を召し上げて、
それで帳尻を合わせる」ことが予測されているからです。「経済強国を取
り戻す」どころか、そんな事態に至れば、内外政は大混乱。日本経済は、
再び焦土と化すでしょう。
あまりに保守政治家(とその支持者)が経済音痴すぎます
   (鶴岡士郎)
  ♪
(読者の声2)中国各地で感染者急増、西安市では出血熱もありロックダ
ウン。コロナウイルスの変異株に加えてペストかも。本当に北京オリン
ピックが開催できるのか疑問符が浮かびますが中国なら何が何でも開催強
行でしょうね
https://www.youtube.com/watch?v=IdDMMIZAy8A
https://www.youtube.com/watch?v=KZSqdHS-qVM
  (PB生、千葉

  ♪
(読者の声3)かつて西尾幹二電通大教授が動画で、「外務省の中国専門
官は、宮崎正弘さんのメルマガから情報を仕入れてる」と苦笑したが、貴
誌読者には
多方面で秀でた方が居る。通巻7171号(読者の声1)に寄稿された「(矢
野義昭)様」もその一人で、ネット情報が正しければ、陸上自衛隊(退
役)将補で、(旧陸軍中野学校後継機関の)陸上自衛隊小平学校の元副校
長、で安全保障分野で博士号保持者のインテリでもある。陸将補とは、旧
帝国陸軍少将に相当し、小平学校は諜報士官養成機関である。時が時な
ら、国民全員が氏の名前を知る筈だろう。インド太平洋(旧大東亜)戦争
終戦までは、大人も子供も、陸軍参謀総長や海軍軍令部長を務める将官の
名前を当然の事として知っていた。
 現在はどうか。大人も子供も、皆職業野球の読売ナンチャラや北海道カ
ンチャラ監督の名前や経歴は詳しく知るが(それが悪い訳で無い)、誰も
自衛隊の統合幕僚長の名前を知らない。そもそも「統合幕僚長って何
だ?」というのが実態。それもその筈で、普通に現行憲法条文を読めば、
自衛隊組織は完全な憲法違反で、「あってはならない存在」なのだ。つま
り、「妾が産んだ婚外子」同然の隠して置きたい恥ずかし存在なのだ。こ
れは個々の自衛隊員がどれだけ崇高な使命を持つかという事とは全く別次
元の問題である。
 だからこそ、迎撃ミサイルのブースターが「迷惑だ」と地元住民や秋田
地方紙が主張する余地がある。滋賀県の演習場で砲弾が逸れた事件も同様
(そら少しは逸れる、笑)。ここを突破出来ずに、「いざとなれば、特に
日本男子の大半はそのような卑怯な生き方は選ばない」と過大な期待や、
「やまとごごろ」の白昼夢ロマン主義は何の足しにもならない。
 もし国民がウクライナ国境にロシア軍が集結するのを見て、「わが事と
して捉え」て、中国人民解放軍が皇居の二重橋を行進する姿を想像する事
が出来ないなら、本当に人民解放軍が二重橋を渡り皇居入城しても、多く
は無関心でスマホを見つめ、動画やゲームを見て過ごす事になる。そし
て、動画で皇居を占領する人民解放軍の歓喜する姿の非日常的光景を見
て、「これスゲーじゃん」とバズるだろう。
 (本来は、右翼・保守だろうと左翼・リベラルだろうと、政治信条に関
わり無く自分の国ぐらい自分達で守るのが当然だ。仮に「武力を否定する
憲法が
素晴らしいとして、その憲法効力の及ぶ国の範囲を守るのは武力しかな
い」という絶対矛盾が分からない知的能力ならば、政治家をやる資格は無
い。そして、「解」は、その素晴らしい憲法九条の理念を永遠の目標と
し、その実施条件が整う時が来るまで「(最低10億年くらい)永久凍結」
して、第三項で国家国民を守る日本国防軍と(民主主義国家を守る為の非
民主主義的組織である)諜報機関各組織の創設を明記すれば良い)。
 戦時中、米軍の乱暴を恐れ、多くの日本女性が集団自決したが、戦後は
同じ女性達が「パンパン」として米兵に媚を売る。もう昔の話か。いや、
むしろ現在の方がハードルは低い。ソビエト連邦崩壊前後にモスクワの女
子大生の希望職業の一位は、西側男性相手の売春婦だった事は、日本では
完全に忘れられている。プーチンはソ連崩壊直後にKGBを辞めてるが、サ
ンクトペテルブルク市役所で働きながら、非合法の個人タクシー運転手を
して糊口を凌いだ(後にオリガルヒから資産を巻き上げ独り財閥になる
が、笑)、がその「悪夢」が忘れられない。
https://www.bbc.com/japanese/59632972
 骨の髄までソビエト官僚(つまり、KGBスパイ)体質のプーチンにと
り、やはりソビエト=イコール=ロシアである。ソ連をぶち壊して喜ん
だ、ウォッカ系破壊型で親西側のエリツィン前大統領とは真逆に、ソ連崩
壊はプーチンには「祖国喪失」の経験である。プーチンシンパのユダヤ・
ディープステート陰謀論者は、「ロシア≠ソ連」と勝手に思い込み宣伝す
るが、プーチンが新型コロナ感染流行下に「ソ連がナチスドイツに勝利し
た」第二次大戦の戦勝記念日の軍事パレードを強行する事実が見えない。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000215444.html
 仮に大統領任期の最初の十年間はソ連崩壊後の秩序回復の手腕をある程
度評価しても、プーチン時代にロシアは中東イスラム諸国の様な、第三世
界的な資源
輸出国家になった(あと、シリアで人体実験したミサイルか)。そして、
西側を敵視する事により国内統制を強化。そのプーチン統治下では何と
「スターリン復権」が進み、ますます元東欧圏のNATO諸国と緊張、逆に
NATO諸国の結束も強化。実は「NATO諸国の東方拡大」と「ユダヤ・ディー
プステート陰謀論」は密接に関係している。何故、Qアノンがヒラリー・
クリントンを徹底的に攻撃し貶めたのか。それはヒラリー個人の志向も然
りながら、彼女の夫がビル・クリントンであったからという事が決定的な
理由である。ロシアはヒラリーを非常に恐れていた。
https://www.sankei.com/article/20160406-Z3HXBGUUWJMSNMDEXIFC3W6BYQ/
https://jp.reuters.com/article/usa-election-russian-trump-
idJPKCN12D0WR(道楽Q)

2022年01月01日

◆中国経済の行き詰まりと台湾威嚇

日本を守るB=加瀬英明 

 この2ヶ月の間、中国とロシアの爆撃機、両国のミサイル駆逐艦が腕を
組んで、日本列島のすぐわきをかすめて航行した。

 いったい、中国龍とロシア熊は何を目論(もくろ)んでいるのだろう
か? 龍は熊の耳もとに何を囁(ささや)いていたのだろうか。

 日米、英独仏、オランダ、オーストラリア、インドなどの諸国の海軍
が、中国に対抗してインド洋から極東までの自由航行を守るために、頻繁
に共同訓練を行っている。そ
れに張り合って、龍が熊を誘ったのだろうか?

 習近平主席の大きな夢は、台湾を“回収”することだ。

 台湾さえ占領できれば「五千年の偉大な中華文明の復興」をやりとげ
て、目障(めざわ)りな日本をはじめとしてアジアを支配することができる。

 だが、ロシアは日本を威嚇(いかく)するために、数機の飛行機か、数
隻の艦艇を提供しても、中国と共同して台湾に侵攻することはありえない。

 ロシアはヨーロッパで忙しいから、アジアの戦争に巻き込まれたくな
い。習主席はロ
シア軍が台湾侵攻を手助けすることは期待できない。

 11月に米国のブリンケン国務長官が、「ロシア軍が来年1月以後に、
ウクライナに侵攻する可能性が高い」と警告した。

 日本の新聞やテレビも、ロシアが10万人以上の部隊をウクライナ国境
に集結して、侵攻する構えをとっていると報じている。

 ウクライナは日本から8500キロも離れているが、ロシアと国境を接
している。ウクライナ東部ではロシアの支援を受けて、政府軍と戦闘が続
いている。

 バイデン大統領は「ウクライナの主権を守る、われわれの誓約を確認す
る」と語った。

 ロシアは2014年にウクライナのクリミア半島に白昼堂々侵略して、
自国領土とした。だが、この時に米国もヨーロッパ諸国もロシアに経済制
裁を加えてだけで動かな
かった。

 バイデン大統領は二回にわたって「米国が台湾を守るという決意は巌
(いわお)のように固い(ロックソリッド)」と言明している。

 もしロシア軍がウクライナに大挙侵攻したら、米国、ヨーロッパ諸国は
見捨ておけない。当然、アジア太平洋が手薄になる。

 龍はその隙を狙って、台湾に躍りかかるのではないか。
もう一つ、心配な地域がある。アフリカだ。



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◆雀庵の「常在戦場/131 岸田首相は豹変できるか」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/410(2021/12/30/木】カミサンに急かされて12
/28は我が隔離室を大掃除した。スーパーのライフが正月三が日は休業ら
しいので、小生と孫の菓子、雀の食糧も買った。ヤレヤレとほっとしてい
たら29日には「アンタ、花を買っておいたから墓参りに行きなさい、玄関
の松飾も!」。



嗚呼無情。言われたことはそこそこやっておかないと邪険にされるか
ら・・・泣きっ面に蜂で、階段の蛍光灯がつかなくなったので新品に取り
替えた。もうクタクタだが、昔から年末はヂイサン階級も忙しかったのか
なあ、障子の張替とか餅つきとか。



どうも最近は「さっさと処理する」という行動が苦手になって、「これは
優先事項だろうか、後回しにしても問題ないのではないか」なんてグズグ
ズすることが多くなった。「加齢とはこういうことか、老いてみないと分
からないことは随分あるものだ、面白いなあ」なんてまたまたグズグズす
る。カミサンからすると「ウッタクモー!」、イライラするわけだ。



グズグズヂヂイ(グズヂイ) vs イライラババア(イラバア)。まあ、ど
ちらかが倒れるまでの晩年遊戯だな。先立たれたら「もっと優しくしてや
れば良かった」なんて思うのだろうか。「ああ、清々した」なんて思われ
たり・・・



<医師/大阪大学招聘教授・石蔵文信氏の「男と女の楽しい更年期!」
2021/3/10:米国ロチェスター工科大学の研究でも「妻を亡くした男性は
平均よりも早死にする可能性が30%高い」との結果が出ています。愛知県
での調査でも男性には少しショックかもしれませんが、一般的に高齢にな
ると、妻を亡くした夫は早死にし、夫を亡くした妻は長生きするのはもは
や常識となりつつあります。



男性も女性も「パートナーを失ったときに生活の自立ができるかどうか」
が、その後の人生を豊かに過ごすための大きなポイントになるのではない
でしょうか?>



備えあれば患いなし、油断禁物。敵を知り己を知れば百戦危うからず、外
交の基本でもあるな。

第一生命経済研究所・石附賢実氏「世界自由度ランキングが語る民主主義
の凋落と権威主義の台頭 データで見る国際秩序(3)」2021/8/13が、米
Freedom Houseの“Freedom in the World”2020年調査(2021年版)を紹介
していたので要約する。調査対象はG7、G20の国。なお下記の「政治的権
利」は40点満点、「市民的自由」は60点満点である。



何となく「懐(ふところ)が温かければ温かいほど自由を感じるのではな
いか」と思って、IMFの「2020年の1人当たりの名目GDP(USドル)ランキン
グ」を見ると、上記の「自由度」上位5か国は――



カナダ20位43,294ドル、オーストラリア10位52,905ドル、日本24位40,088
ドル、ドイツ17位46,215ドル、英国22位40,394ドル(因みにアメリカ5位
63,358ドル)



どうも「自由度」は「懐事情」とは直結しないようだ。「自由度」下位5
か国はどうなんだろうと見ると――



ロシア64位10,115ドル、ベトナム122位3,522ドル、ラオス136位2,586ド
ル、中国62位10,511ドル、サウジアラビア42位19,995ドル



IMF調査対象国は193か国だからロシア64位、中国62位は上位3分の1に入っ
ており、どん底(露は1992年〜、中共は1949年〜)から這い上がった国と
しては、国家経営上ではまずまず成功し、富の偏在は大きそうだが中間層
の「懐事情」はそこそこ良いようである。



それなら戦後の日本のように「アメリカをはじめとする皆さんのお陰で
す」とずーっと韜光養晦で“いい子ぶりっ子”していればいいものを、巨額
を投じて軍事力を強化し、さらに周辺国および世界を「武力で脅す」とい
う中露の思考回路が小生には分からない。



中露はここ20年ほどは世界から警戒されっぱなしだ。警戒されても反省す
るどころかますます居丈高になっている。なぜ突っ張るのか。国際社会で
警戒されるよりも、自国民から「軟弱、二流」と軽視され、“最高指導者”
の地位を追われたり、汚職がばれたり、下手すると逮捕、収監、処刑され
たりするから、ヒトラー、スターリン、毛沢東のように「絶対的な君主」
「無敵のリーダー」であり続けなくてはならない、という強迫観念がある
としか思えない。



強権独裁ではあっても、人口の半分ほど、軍隊なら100%は自分の支持層
にしないと安心して眠れないのは確かだ。あのスターリンでさえ緊急事態
で真夜中に予告なしに来訪した部下を「逮捕に来た!」と誤解して腰を抜
かしたというから、習近平もプーチンも同様だろう。一寸先は闇、独裁者
の孤独と不安・・・疑心暗鬼で強気、強面(こわもて)で行くしかないの
だろう。



習近平とプーチンという独裁者は孤立を恐れて連帯を強めている。小生は
このダーティペアは「戦後初めての日本国家存亡の危機を招く」と思って
いるが、世間を見回すと危機意識のない政治家が実に多い。そこで、政
府・与党に巣食う「我らの内なる北京原人」を罵倒しよう、そう思ってい
たら、たまたまブックオフでたった110円(税込み!)で入手した加瀬英
明先生の「日本と台湾」(2013年9月初版、祥伝社)に岸田文雄・現首相
の発言があり、とてもビックリした。曰く――



<2013/平成25年1月に岸田文雄外相(第2次安倍内閣)が台湾は「重要な
パートナー」であり、「民主自由平和といった基本的価値観を共有してい
る」と表明した。日本の政府高官が台湾を「重要なパートナー」とはっき
り呼んだのは1972/昭和47年の日中国交正常化によって台湾と断交してか
ら初めてのことだった。



日本政府は40年以上も、中国を誤って信用するとともに、中国の怒りを買
うことを恐れて、台湾についてひたすら沈黙を守ってきた。岸田外相はご
く当たり前のことを述べただけのことだが、これは画期的なことだった。



私はかねてから、もし台湾が滅びることがあれば日本も滅びてしまうから
日台は一体である、と論じてきた。運命を共にしている、というのが最も
相応しい。



日本にとって台湾はアジアの中で最も重要な国だ。日本が存続するため
に、台湾が私たちと同じ自由と民主主義の価値観を分かち合う政権のもと
にあることが不可欠である。



台湾と日本は、中国という龍の喉に刺さった2本の大きな骨だ。日本に
とって、アジアの中で、日本の生き死に、存亡がかかっている関係によっ
て結ばれている国は、台湾の他に存在していない>



岸田文雄氏・・・何者なのか。上記の「重要なパートナー」発言はボス
だった安倍首相の思想そのものだが、岸田首相がそれを本心から今なお
思っているかどうかは分からない。かなり怪しいのではないか。



菅義偉・前首相は中共コロリの蔓延を「人口1000人あたり感染死0.02人
(ちなみ米国は0.5人)と世界最低に抑え込んだ名君だ」と小生は高く評
価していたが、先の総裁選でよりによって江沢民・中共の犬「江の傭兵=
河野洋平」の息子、ガサツで横柄な河野太郎を支持したのでがっかりした。



菅義偉氏は「中国封じ込めはよくない」「インド太平洋版のNATOを創るつ
もりは全くない」と発言、さらに2021年5月には次期衆院選の党公約に憲
法改正を掲げることは「当然だ」「年内に具体的な改正案を出す」と言い
ながら結局何もしなかった。中共の脅威を感じない、あるいは触れたくな
い、つまり視野が国内にとどまっており、国際感覚が鈍いのだろう。残念
ながら「戦時の宰相の器」ではなかったとしか言いようがない。



チャーチルの英国は勝ったが植民地を失い大英帝国は縮小した。東条英機
の大日本帝国は大負けしたが植民地を解放し、廃墟から復活した。狡猾邪
悪なFDRルーズベルトの米国は唯一の勝者になったものの驕れるもの久し
からず、超大国から盛者必滅の道を歩んでいる。一方で中露は地域あるい
は世界制覇へと軍事的威圧を強めている。



岸田政権は始まったばかりだが、これからの戦時に指導力を発揮できる
か。「中国に対する政治的メッセージは日本がリーダーシップをとるべき
だ。時を稼いでどういう利益があるのか」と体調を快復したような安倍元
首相は岸田首相を煽っている。岸田氏は豹変できるか、覚悟はあるか。
「危機の時代」であり「主敵は中共」という認識、政策がなければ短命に
終わることだけは確かである



         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆デフレの30年は何が原因だったのか

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月26日(日曜日)
  通巻7171号

日本の右肩下がり、デフレの30年は何が原因だったのか
  プラザ合意、半導体協定、そしてバブル崩壊

 日本経済は三十年におよぶ停滞。右肩下がりは若者の夢を奪い、士気の
希薄な日本からは世界を導く新技術は発明されなかった。VHSヴィデオ
も、SONYのウォークマンも、遠い昔の成功物語となった。デジカメは
一時的流行があったが、往時の十分の一以下のシェアとなったスマホ撮影
となり、これも米、中、韓、台湾が優勢である。

 スマホなど新しい技術によるビジネスは米国が寡占し、GAFAは猛烈
な勢いで伸びた。そしてAI開発でも日本は周回遅れである。
 なぜ日本は置いてきぼりを食らったのか。

 第一に1985年のプラザ合意である。
不意の為替レートの変更は日本国内の零細中小企業の輸出競争力を失わ
せ、瞬間風速の竜巻が多くの犠牲をだしたように、弱電分野の多くが倒産
し、あるいは海外へ工場を移転した。日本の空洞化が始まった。政治責任
は大きい。

 第二は1986年の「日米半導体協定」である。
アメリカに経済ナショナリズムの嵐が吹き荒れ、議会前ではSONY、東
芝製品をハンマーで壊す議員らのパフォオーマンス。ついで88年に
FSX国産化が白紙還元となって、とりわけ半導体で世界一を突っ走って
いた日本勢に急ブレーキが掛かった。
次世代の半導体技術は韓国、台湾へ移転した。台湾が技術的にもインテル
を抜いて、TSMCは世界一となった。
 そのTSMCが熊本に工場を新設すると聞いて、日本政府が3000億
円を補助するとは、しかも熊本でつくられるのは旧世代の汎用品でしかな
いのである。

 第三に為替による国内空洞化は、日本経済を金融にシフトさせ、行き場
を失ったカネは株と不動産へ急傾斜する。「財テク」とか「ビッグバン」
とか喧しく言われたが、強い円を国家戦略で用いることはなく、徒らに米
欧豪の不動産投資が行われ、日銀の総量規制によってバブルは破滅した。
以後、二十年どころか三十年に亘って、日本経済はデフレ、GDP成長は
へなへなとへしおられた。

 現在の日本経済の危機は異様な「円安」である。
 円安は嘗ては輸出競争力を高めた。現在は世界的サプライチェーンで、
部品工場は海外にあり、日本の大手企業の多くが海外生産ゆえ、円安はプ
ラスにならない。円安で設けたのはFX投機組だけだろう。

 円安は輸入原油、ガス、食料、原材料価格を押し上げる。そのうえ円安
は、海外から観光客が「日本が安い」とばかりに大量にやってきた。いま
も台湾、香港、中国では「安い間に円を購入し、コロナ以後の日本旅行に
備えよう」とネットの囁きが聞こえる。
       
 
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読者の声 どくしゃのこ え READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴著『日本の保守』を読了致しました。日本の国史を追い
つつ、真正保守の心情と行動の系譜について克明に記述されており、歴史
に遺る大和魂の精華を拝読する思いが致しました。
 日本の現在の低迷は、大東亜戦争における武力戦終戦以降の思想戦にお
いて無残に敗れ、日本人が古来継承してきたやまと心を見失っていること
に、その根本原因があると思っておりました。
 本書を拝読し、その日ごろからの思いが、時代を追って想起でき、自分
自身でも整理できました。先人の守ろうとしてきた日本精神の神髄を、改
めて考え理解することができました。このような力作を著わされた先生の
ご尽力とご見識に敬意を禁じえません。
 陸上自衛官としてこれまで在職間から、日本の国家をいかに守るかを考
え、計画し、訓練を重ね、それなりに備えてきました。しかし、自衛隊に
は、何を守るかについての究極的な回答はありません。
 自衛隊の主たる使命は、他国の軍と同様に、直接及び間接の侵略に対し
て、国家の主権と独立を守ることにあります。しかし、その使命は、国家
存亡の危機においては、自衛官あるいは軍の将兵が、生命を投げ出してで
も戦闘任務を遂行することなしには、完遂できません。
 将校なら、部下を死地に赴くよう命じなければならないこともありま
す。自ら死地に行くよりも、ある意味でもっと過酷な任務です。そのよう
な時に、我々は何のために命を賭けるのか、何のために部下に対し、命の
危険を冒しても任務を達成するように命じるのかが問われます。
 しかし、自衛隊においては、個々の将兵の命を犠牲にしてでも守り抜く
べき、日本国固有の価値について、納得のいく答えは与えられていませ
ん。戦後占領軍に与えられた民主主義や自由のために闘うのでしょうか?
任務に赴く自衛官には、自らの人権も選択の自由もないのです。それでも
守るべき大義に回答がないとすれば、それで国防が全うできるのか、だれ
が本気で国のために闘う気になるのか、そのような疑問を禁じえません。
 単に家族を守る為なら、自分が自ら軍人となり戦う必要はなく、非戦闘
員の立場で家族ともども占領軍に保護を求めればよいのです。もっとも、
日本を侵略するような国に国際法や人道的扱いを期待はできませんが、隷
従に甘んずるなら、無抵抗に徹するという生き方はできます。
 しかしいざとなれば、特に日本男子の大半はそのような卑怯な生き方は
選ばないでしょう。自衛隊は余りに兵員数が少なく、人も物も予備がなき
に等しく弾薬等の備蓄も過少です。たちまち戦力を枯渇させるでしょう。
 本格的な人民解放軍の侵略があれば、国民の一部、少なくとも侵略を受
けた地域の住民自身が武器を執って戦うしかない局面が来ます。米軍には
地上戦は期待できません。予備役の備えも訓練もいまの日本にはありませ
ん。いざとなれば、少なからぬ男たちが死地に自ら赴くことになるでしょう。
 三島由紀夫氏が諫死をもって訴えた、日本人が共有する命を賭けても守
り通すべき価値とは何か、それに対する答えが、彼らには必要になりま
す。その回答が、真正保守の精神であり、やまと心ではないでしょうか。
 民主主義や人権や自由は借り物に過ぎません。それらの規範が追求して
きた世界は、記紀万葉の中ですでに実現していました。日本古来の国体こ
そ、理想世界です。本書では、やまと心を体現した人物の系譜がたんねん
に分かりやすく説明されています。日本の国体、やまと心こそ、日本人が
命がけで守るべきものです。本書を通じそのことを改めて痛感致しました。
 第八章に触れられている戦後の真正保守の系譜の岡潔、福田恆存、林房
雄、三島由紀夫、小林秀雄、村松剛、保田與重郎、江藤淳などの人びと
は、私も学生時代に著作を読みふけった偉人ばかりです。故人に再会した
ような懐かしさを覚えました。
 保守にも近代保守やリアリストの保守もいます。実務、特に防衛や安全
保障も、政治もリアリズムの世界であり、リアリズムに立たざるを得ない
のですが、半面、究極の決断においては、真正の曇りのないやまと心に立
たねば、判断を誤る世界です。
 現代の政財官学の指導者たちは、真正保守のやまと心を学ばずあるいは
忘却してしまっています。このままでは、日本の行く末は危ういと思いま
す。近代主義とグローバリズムを超克し、真正のやまと魂を再発見しなけ
ればなりません。
 僭越ながら、本書はそのための礎となる記念碑的著作だと思います。御
労作に改めて敬意を表します。
   (矢野義昭

  ♪
(読者の声2)いささか旧聞ですが、12月19日に行われた香港立法会
(議会、定数90)選挙は、ほぼ全員が親中派という「無惨」な結果とな
りました。香港大学の天安門慰霊碑や香港中文大学の自由の女神撤去は、
この親中派議会の仕業でしょうか。
 いずれにしても反中派という民主諸勢力は立法会選挙に候補者も立て
ず、投票をボイコットしました。結果、投票率は30%に達せず、この選
挙は「お笑い草」。習近平のいう「愛国者の統治」とは「売国奴の支配」
と言い換えた方がすっきりしますね。(JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)なるほど「愛国者の統治」とは「売国奴の支配」
と同義というわけですね。

  ♪
(読者の声3)貴誌通巻7170号の読者の声 (KI生 尼崎市)様のお
考えはおおむね正しいとおもうのですが・・・もう一歩踏み込みますと・・・
 そもそも簿記なるものは「通貨は資産であり、価値と全く等しく、同じ
ものである」ことを前提に構築されています。この構造は通貨が金
(GOLD)などのように概ね世界中の人間が価値ありと共通認識してきたニ
クソンショックのころまでは、何とか社会の中で価値の「移動」をウオッ
チする任務を簿記は(取り繕いながらも)維持できてきました。
しかし特に「MMT的時代」のようにいくらでも印刷すれば通貨は「価値の
裏付けとは無関係に創出」できることで分かるように、通貨と価値の分離
が顕著になるにつれ、「価値必ずしも通貨額に等しくはない」という「現
実」が、「既存の経済学」を「説明困難の学問」に陥れたのです。この最
も肝心な点を経済学者や会計学者たちは気づいておられないのです。
(SSA生)

   ♪
(読者の声4)日本の国債が大きな赤字というけれど、いざとなったら日
本中央銀行券を印刷すると良いのだと言っていましたよ。米国の国債は多
くの外国人が購入しているのに対して、日本の国債を購入しているのは
5%程度であるので、赤字であっても問題が無い、と選挙の応援演説で
(熊本県)八代に来た麻生元総理大臣が言っていました。
(橋本正次)
  

(宮崎正弘のコメント)日銀券ではなく、政府紙幣のことだと思います。
半世紀も前に丹羽春喜先生が提唱されて、MMT理論の魁とも言われる
「打ち出の小槌」論です。

  ♪
(読者の声5)「国の借金」1300兆円(=国債発行総額)。しかし日
本には個人金融資産総計約2000兆円、法人金融資産総計約1300兆
円、合計3300兆円の「金融資産」がある。故に、まだ大丈夫、と言う
論理が公然と多くの論者が主張しているが、これは極めて共産主義的な
「国と民間企業、個人」の財産があたかも同じ財布に入っている、「全て
は国有」と言う前提を基にしている。
 例えば、ある会社の負債が10億円で、社員の住宅、貯金が20億円あ
る、だから会社がまだ10億円借りても大丈夫だ。会社が倒産しても、親
切な社員が全財産を売り払って、会社の負債の支払いをしてくれる。つま
り、会社は倒産、社員はコジキ、と言う結論になる。そんな集団自殺・一
億総玉砕の契約をした覚えはない。近代の民法では、社員が犠牲になる義
理も義務もない。
 そんな不思議な不法な非倫理的な論理が維持され、市場がそれを支持し
ているかの様に見えるのは、世界中どこの国でも同じ様な新興宗教に頭が
冒されているからであって、同じ教派の信者が同じ教祖、同じ神を信じて
いると言う異例な容態にある為である。しばらくすると、やっぱ、うまい
話は嘘だった、と分かる、と世界の長い金融史が証明している。 
例外は存在しない。かつて天動説を誰もが信じていたが、科学の世界では
地動説が受け入れられ、以前の説に戻る気配はないが、経済学では、現在
が大事であり、過去の事例には拘らない。故に、今更宗派を変えるわけに
もいかず、下り坂を鼻歌を歌いながら転げる。前にも後ろにも、同じ歌を
歌っている国がいる。
トルコや支那はだいぶ先に転んで、後ろには米国、EUなど。(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)国民の金融資産は国家には属しませんが、国家経
済運営の際の、強力な「担保」力を発揮するということです。

  ♪
(読者の声6)日本経済の現場の話です。家族総出で帰ってくるというこ
とで、寝具を買いに行ったら、毛布枕を含めて、1万円足らず! 助かり
ますが、昔あった近所の布団屋さんなら、10万円仕事かな? もちろん品
物が違いますが。
 その布団屋さん、打ち直しを頼んだら、「布団持ってきたで」って、裸
で玄関に放り込んで、慌てて出て行ったら、布団の上にひっくり返るとい
う! それどころか、道路に落として「おちてもた、大きいからな」って!
 それでも、「あのおっさんあほやろ」でおしまい。
 家の居間で、お客さんをお迎えして仕事をしてて、「何じゃ、店ちゃう
やないか!」って言われますが、昔の小説などでは、普通の家や、長屋の
一室を借りたりして、みんな商売してましたよね。
今は、銀行から金を借りて、コンサルを入れて、きれいな店で、私などに
は到底無理!
こんな奴ばかりでは、国も発展しないんでしょうけど。
近所周りで金を回して、みんなで食って行くっていうのは、もう古いんで
しょうかね。
たばこの煙がどうとか、「おっさん、外で吸ったら、こっちに入ってくる
から、中出吸えや」って、冗談は言いますけど。私は吸いませんが、煙の
臭いは好きですが。
子供がやかましいとか、近所周りで、子供たちの騒ぐ声で、将来に希望を
持ちながら死んで行きたいと思いますが。
みんな、もっと寛容になれないものですかね。
どうも失礼しました。

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