2019年06月09日

◆令和は未曽有の危機の御代だ

加瀬 英明


令和の御代は、日本にとって未曽有の危機をはらんでいる。

トランプ政権はかつて東西冷戦下、レーガン政権がソ連を崩壊させたように
中国の共産体制を倒すことを決意している。米中関税戦争は、その入り口
でしかない。

中国が世界に対する脅威であって、中国を抑えつけようというのはトラン
プ政権だけではない。アメリカ連邦議会の強い意志だ。

中国経済が揺らいで、日本の景気も冷えきろう。10月の消費税増税は凍
結されよう。


令和の御代に、皇室の存続が問われている。日本国憲法が何をいおうと、
天皇こそが国民精神の要(かなめ)となって、日本を日本たらしめてきた。

 天皇なしには日本は、中国や、韓国のような乱れた国となる。天皇が日
本の美徳を代表してきたが、政治家は悪徳を代表してきた。  

 中国、朝鮮は覇者の政治文化だが、自由な選挙で選ばれた首相だって覇
者だ。

 いま、今上陛下を除けば、男性皇族が3人しかおられない。世論調査に
よれば、女性天皇を望む声が、80%を占めている。これまで8人の女性
天皇が10代おいでになられたが、全員が独身か、寡婦だった。

 女性天皇と、女系天皇は違う。女性天皇が配偶者を迎えれば、皇統が
2000年以上も男系で受け継がれてきたが、初代の女系天皇となる。遺
伝子学によれば、DNAは男系によってのみ、受け継ぐことができる。女
系は新しい血統になる。女系は亡国を招く。

 日本は天皇を頂点として戴く、家族国家であることを誇ってきた。日本
を日本たらしめてきた家族制度が、崩壊しつつある。子孫を残すことが家
の目的であったのに、「家」は住宅を意味するだけの言葉となってしまっ
ている。

 社会が物質的に豊かになると、地域共同体や、集団を形造っている固い
絆や、家族の結びつきが弱まって、個人が社会の主人公として、もっとも
大事にされる存在となる。

 私たちは個人が崇められている、まったく新しい社会に生きている。個
人の欲望をみたす金(かね)が、人と人を刹那的(せつなてき)に結んでいる。

 金(かね)には心も、情もない。伝統的な心の絆が力を失うと、家族愛
も、愛国心も失われる。

 かつて企業は、家族といわれた。会社を家族として見なくなったため
に、正社員に替って、使い捨ての不正規労働者が働く場となった。愛社心
も、愛国心も同じことだ。

2019年06月08日

◆皇位の安定的継承へ 皇室典範改正を

加瀬 英明


4月に都内で講演した時に、私は「天皇が日本の美徳を代表されているの
に対して、政治家が悪徳を代表している」といった時に、和田政宗参議院
議員が前列に座っていられるのに気づいて、「ごく少数の政治家を除い
て」と、慌てていい直した。

和田議員はNHKのアナウンサーとして知名度が高いが、皇室の崇敬者と
して、天皇を戴く日本の国柄を守るために、国政の場で先頭に立ってこら
れた。7月の参院選挙の改選に当たって、全国区から立候補されている。
和田先生にぜひ投票していただきたい。

天皇は2000年以上にわたって、日本の文化の原型を守ってくださってこら
れた。天皇は美徳を代表されてこられたからこそ、日本の民族意識のもっ
とも底にある要(かなめ)になってきた。

日本国憲法は、天皇の地位が「主権の存する国民の総意に基く」と規定し
ているが、まさか、いま生きている国民だけを意味していまい。日本が開
闢してから生きてきた、日本国民全員の総意に基くと、解釈すべきである。

世界に200あまりの国があるが、元首の家系が万世一系といわれて、226代
にわたって辿(たど)れる国は他にない。

令和という元号が示すように、日本は天皇のもとで、国民の和を保ってき
た。私たちは天皇がいない日本を想像することが、まったくできない。

外国の王朝の出自はみな、覇者である。自由な選挙によって選ばれた首相
も、覇者であることに変わりがない。天皇がいなければ、日本はまったく
違った国となってしまおう。

天皇、あるいは皇室のありかたが、その時代にあわせて変わってゆかねば
ならない、という声がある。

「開かれた皇室が望ましい」とか、「皇室は国民のあいだに融け込む努力
をするべきだ」という。そのなかで「庶民的なプリンス」とか、「庶民的
なプリンセス」が人気を博する。

だが、皇室を平民社会、大衆社会のなかに吸収させてしまって、よいもの
か。日本という国が現われてから、天皇家が変わることなく、文化の原型
を守ってこられたからこそ敬われ、今日まで続いているのではないか。

皇室の人気を芸能人の人気と、同じように考えてはなるまい。芸能人の人
気は上がったり、下ったりする。

天皇家は日本と世界の幸せを真摯に祈られる宮中祭祀を守られ、徳の手本
として存在してくださっているから有難い。

平成最後の年の4月に、天皇皇后両陛下が伊勢神宮に行幸啓された。テレ
ビで拝したが、沿道を埋めた群衆のなかの中年の女性が、記者の質問に答
えて、「もったいない」と語ったのが、国民感情を現わしていると思う。

私は皇嗣殿下となられた秋篠宮殿下が、平成元年に礼宮であられたが、昭
和天皇の諒闇(りょうあん)中に婚約された時に、皇室の将来について深い
不安をいだいた。まだ、兄宮の御婚約が決まっていなかった。一般の家庭
でも喪があけていないのに、急いで祝い事を決めないものだ。秋篠宮家の
お二人の内親王殿下の奔放なお振舞いや、「一個人として」というご発言
も、皇室のありかたにそぐわない。

秋篠宮家の悠仁親王殿下が、皇位継承者第2位となられた。このままゆく
と、悠仁親王がお一人だけになって、お世継が絶えて、皇統を維持するこ
とが危ふくなる。
 
先週、私の小学校の同級生のM君から、手紙を貰った。

「天皇家の将来を考えると、心配です。このままでは先細りになって、絶
滅危惧種です。皇統の男子を残り少ない宮家の養子とするよう、皇室典範
を改めるべきです。このままでは、全ての宮家が消滅してしまいます」

まったく同感である。占領下で臣籍降下を強いられた旧宮家の男子を、皇
籍に迎えるべきである。

どのような社会も、その国の伝統文化によって、支えられている。



2019年05月22日

◆自衛隊機事故で得た違和感

加瀬 英明



自衛隊機事故で得た違和感 憲法に自衛隊を書き込むべきだ

4月に、わが航空自衛隊の最新ステルス型F35戦闘機が、三沢基地から
訓練飛行中に、青森県の日本海沖合で墜落する事故があった。

はじめの報道では、パイロットが40代の2佐(国際的呼称では中佐)とい
うことだった。尾翼が発見され、殉職した隊員が41歳の操縦幹部で、姓名
が公表された。

最新鋭の戦闘機パイロットが40代だったのは、自衛隊員の高齢化が進んで
いるからだ。

高齢化が、陸海空3自衛隊を蝕んでいる。

列国のジェット戦闘機のパイロットは、30代で引退するものだ。

若者が自衛隊に応募しないために、自衛隊は定員に満たず、陸上自衛隊を
とれば15万人の定員に対して、13万人しかいない。中隊長は旧軍では20代
か、30代だったが、陸上自衛隊では定年直前の48、9歳が、珍しくない。

高齢化は、深刻だ。3自衛隊を年齢の樹に見立てると、幹部(国際的呼称
では将校)、曹(下士官)、士(兵)のうち、曹ばかり異常に多いため
に、腹が突き出して、体を支えるべき脚が細い。

このために、自衛隊は応募の年限が28歳だったのを、昨年から32歳に引き
上げるかたわら、体重の制限も外した。

 それと並んで、防衛省は女性自衛官を増すことによって、補おうとして
いる。

 大手の保険会社が毎年行っている、青少年が憧れている職業の調査によ
ると、警察官は入っていても、自衛官が入ったことが一度もない。国民の
国防意識が弛緩しているのだ。

 私はF35戦闘機が洋上で遭難した直後に、三沢市の種市一正市長が搭
乗員の安否を気づかうことも、殉職に哀悼の意を表することもまったくな
く、陸地における墜落の危険のみを危惧して、飛行再開に反対したことに
唖然とした。

 これも、憲法に自衛隊が書き込まれていないからだ。

 もし、国軍であったとしたら、市長が国民の一人として、このような非
礼を働くことができただろうか。

 岩屋防衛大臣が、今回の訓練中の事故について陳謝したが、陳謝する必
要があったのだろうか。広報として必要であるならば、大臣ではなく、航
空幕僚長か、制服の幹部が行えばよいことだ。

 日本を取り巻く国際環境が厳しいものとなっている時に、自衛隊を鵺
(ぬえ)のような存在にしたままでいることは、許されない。鵺は伝説上の
正体不明の怪獣である。

 政府は「自衛隊は軍ではない」という詭弁を、いまだに改めないでいる
が、国民全員が自衛隊という呼称自体が欺瞞であることを、よく知ってい
よう。

 江戸時代に、禁酒を強いられていた僧侶が、般若場といって誤魔化し、
四つ足を食べてはならなかったので、猪を山鯨と呼んで、兎を鳥だという
ことにして、いまでも1羽2羽と数えるようなものだ。

 自衛隊の存在を認めたうえで、応援している国民の大多数が、「普通
科」(歩兵)「特科」(砲兵)「対地支援機」(攻撃機)「運用」(作
戦)をはじめとする、謎めいた“自衛隊特殊語”を、理解できないでいる。

 いうまでもないことだが、自衛隊と国民、軍と国民は一体でなければな
らない。

 一日も早く、継子(ままこ)となっている自衛隊を憲法に書き込み、国民
の実子にしなければならない。


2019年05月11日

◆「令和」の御代にこそ憲法改正を期する

                         加瀬 英明


早春に80代の親しい婦人の夫君が、長い闘病生活の後に亡くなった。医師
だったが、歌人でもあった。

私は悲嘆に暮れる夫人に、万葉集の一首の「行く方なき空の煙となりぬと
も 思ふあたりを立ちは離れじ」を手渡して、慰めた。私は万葉集に親し
んできた。皇子が恋した娘に先き立たれて、口ずさんだ歌である。

4月1日に、新しい元号が発表された。万葉集が出典だった。私は日本の
歴史ではじめて、元号を中国の漢籍ではなく、国書から採ったことを、何
よりも喜んだ。

明治は文明開化とともに、日本化の時代だった。天皇は江戸時代が終わる
まで、即位礼に真紅の大袖に龍の縫い取りがある中国服を、召されたもの
だった。

平成が20年ぶりの御譲位によって、終わる。私は平成を占領下で強いられ
た憲法を、改められなかったことによって記憶しよう。

私は今上陛下が3年前の8月8日に、テレビを通じてお言葉を読まれたの
を、謹聴した。

ご高齢によってお疲れになられたから、譲位したいと訴えられた。

私は月刊『WiLL』誌に、「これは天皇によるクーデターだった。明治
天皇によって定められ、現憲法下で継承されている皇室典範は、天皇の譲
位を認めていない。お言葉のなかで、皇室典範が定めている摂政制度を斥
けられたが、天皇が法を改めるよう要求されることは、あってはならな
い」と、寄稿した。

NHK社会部の記者がインタビューにきたが、私は「天皇のお言葉は憲法
違反だったのに、どうして護憲を日頃説くNHKが、憲法違反のお言葉を
放送したのか」とたずねたが、答がなかった。

私は現行憲法を国際法に違反した、正統性の無い「偽憲法」と呼んできた。

現憲法には、多くの重大な瑕疵(かし)がある。なかでも、天皇を「象徴」
として、国民より下に置いているのは、日本が歴史を通じて守ってきた伝
統を歪めている。

国会は一昨年6月に日本共産党を含む全会一致で、「天皇退位などに関す
る皇室典範特例法」を可決した。国会が天皇が現憲法の上にあることを、
認めたのだった。譲位を「退位」と呼んだのは、天皇の御意志によって譲
位されると、憲法に違反したからだった。

今上天皇は英邁であられる。8月8日のお言葉によって、「象徴天皇制」
を一撃で破壊されたのだった。

陛下は聡明であられるから、その後、お言葉のなかで護憲派の反発を招い
て、国論が割れないように、「象徴天皇としてのありかた」に、頻繁にお
触れになられている。

占領憲法に罅(ひび)が入ったのだった。令和の御代に憲法が改正すること
を、強く期待したい。

今日、天皇は身近なご相談相手を欠いておられる。天皇は日本の要(かな
め)であられるのに、皇居で孤立されている。

旧憲法下では、内大臣が宮内官として側近にあって、日常意見を求められ
たし、総理大臣以下閣僚や、軍幹部が頻繁に参内して拝謁した。

ところが、宮内庁長官と侍従長は、全員が皇室の伝統についてほとんど無
知である。

11月に皇居において、天皇を天皇たらしめる大嘗祭が、執り行われる。

古来から大嘗祭のために建てられ、すぐに撤去される大嘗宮の仮宮は、青
い茅(かや)で葺(ふ)かれてきた。ところが、皇族のお1人が経費を節減す
るために板張りすべきだと、意見を述べられた。伝統についてご勉強が足
りないと、お諫め申し上げねばならない。

積水ハウスか、タマホームの建て売り住宅風では、伝統の尊厳を損ねてし
まう。

会計検査院によれば、3兆円が来年の東京オリンピックに投じられる。皇
室あっての日本だが、オリンピックを催さなくても、日本は日本だ。


2019年04月26日

◆グラムシの予言に慄然 衰弱する愛国心

加瀬 英明


アメリカ鷲と中国龍が、アジア太平洋の未来を賭けて争っている。

かつての米ソ間の冷戦になぞらえて、「第2の冷戦」といわれている。

といって、自由主義対共産主義の抗争ではない。

今日の中国は毛沢東時代と違って、共産主義と呼べない。

中国共産党による専制下にあるが、習近平主席の中国は「5000年の偉大な
中華文明の復興」を呼号しており、独裁制とナショナリズムである中華主
義が結びついている。

習主席の中国は、春秋時代(紀元前722年〜前481年)に生きた孔子を称え
ているが、「5000年の中華文明」は19世紀に生まれた共産主義と、まった
く無縁なものだ。

そのかたわら、豊かな先進自由諸国ではグローバリズムによって愛国心が
蝕まれて、ナショナリズムが衰弱するようになっている。

共産主義の脅威はもはや暴力革命や、一党独裁によるものではなく、伝統
社会と国家を破壊しつつあるグローバリズムとなって、私たちを襲っている。

昨秋ワシントンを訪れた時に、アントニオ・グラムシ(1891年〜1937年)
の著作集を求めて、久し振りに読んだ。読みなおすと、この異端で鬼才
だった共産主義者による予言が当たっていることに、慄然とした。

グラムシといえば、日本で2960年代から70年代にかけて、新左翼の青年た
ちによってひろく読まれたものだった。

グラムシはイタリア共産党のイデオローグとしてグローバリストであり、
「ヘゲモニー(指導)装置」と呼ぶ「国家の消滅」を目標としたが、階級
闘争によって歴史の必然として革命が成就して、共産社会が実現するとい
うマルキシズムの理論を否定して、第2次大戦前に、粗暴で権威主義だと
みたロシア(ソ連、中国、北朝鮮など)モデルの社会主義体制が、瓦解す
ることを予見していた。

グラムシは先進国において科学技術が進み、豊かさが増した結果、上部構
造に従属してきた社会集団が分解して、ヘゲモニーが理論も、革命への自
覚も欠き、まったく組織されることがない一般の人々に移ることによっ
て、国家が消滅してゆくことを、見透した。

伝統が培った生活慣習を、「歴史的堆積物」と呼んで、滓(おり)とみなし
た。人々が在来文化の鎖に繋がれてきたが、古い鎖が溶解してゆくと説いた。

グラムシは個人に何よりも高い価値が与えられることによって、慣習に
よって束縛されてきた従属社会集団が、解体することを予見した。

私たちの身の回りでも、社会を統べてきた人と人のあいだの絆や、日常用
いられてきた言葉に託されてきた意味や、伝統的な儀礼などの慣習が、
人々を束ねてきた機能を急速に失うようになっている。

 年を追うごとに、新年が新年らしくなくなっている。一つの例にしかす
ぎない。日本が日本らしくなくなっているのだ。

 人も企業も、全世界に通用する金(かね)を崇めるようになっている。金
(かね)はグローバリズムそのものだ。

人々はつい昨日まで、先人から受け継いできた社会の伝統文化や、徳目を
尊んできたが、精神的に無国籍な若者や、LGBTなど、個人が聖なる存
在となったために、私たちのすぐ目の前に無政府状態がある。

2019年04月12日

◆「制裁継続」を決めたトランプの腹の内

加瀬 英明


2月末、8ヶ月ぶりにハノイで開かれた、鳴り物入りの米朝首脳会談が終
わった。

前日、私は都内の帝国ホテルで経営者団体に招かれて、講演を行った。

私は「もし予想が外れたとしたら、もう一度お招き下さって、なぜ予想が
外れたのか、詳しくお話したいと思います。北朝鮮が核兵器を手放すこと
はありえない。明日から始まる米朝サミットは、成果がなく終わるでしよ
う」と、述べた。

 米朝首脳会談の寸前まで、テレビにさまざまな専門家が登場して、アメ
リカのカードはこうだ、北朝鮮のカードは何だといって、米朝間で取り引
きが行われることを、まことしやかに論じていた。こういった番組は
ニュース番組ではなく、物見高い視聴者を満足させるエンタテインメント
なのだから、おもしろおかしくなるのは仕方がない。

 2日にわたった米朝首脳会談が終わった直後に、先の経営者団体の会長
が電話で「よく適中しましたね」といって、誉めてくれた。
 
 私は金正恩委員長がトランプ大統領と再会して握手する時には、掌(て
のひら)を垂直にださずに、水平に差し出すことになるはずだ、といっ
た。一刻も早く制裁を解除して、お金が欲しいと急(せ)いたあまり、トラ
ンプ大統領が呑めない要求を行うことになるだろうと考えた。

 米朝首脳会談が物別れだったのは、上首尾だった。トランプ大統領の技
が、1本決まった。

 トランプ大統領は会談後、金委員長を「よい友人だ」と誉めそやした
が、金委員長に何1つ土産を渡すことがなかった。今後、アメリカは北朝
鮮に対する経済制裁を、いささかも緩めることがないから、金委員長の苦
難が深まることになる。

 金委員長はハノイでしくじった。これには、親北・反日の文在寅韓国大
統領が南北融和を焦って、金委員長にアメリカが北朝鮮に譲ることになる
という、甘い期待をいだかせた責任が大きい。文大統領にとって大きな挫
折だ。

 それにしても、トランプ大統領はニューヨークのマンハッタンで不動産
業で財をなした父の子として、少年時代からマフィアや、建築業界の労働
組合の幹部たちとつきあっていたから、相手を微笑を浮べて、誉めながら
脅すのに長(た)けている。アメリカの建設業界の労働幹部は、マフィアに
よく似ていることで知られる。

 私はシンガポールにおいて第1回米朝首脳会談が行われた前から、北朝
鮮が核兵器を捨てることはありえないと、説いてきた。核兵器なしには北
朝鮮は経済が破綻した、みじめな小国にしかすぎない。アメリカの大統領
と会談できるのも、核兵器の効用である。

 仮に北朝鮮が「非核化」を受け入れたとしても、核弾頭の所在や、核施
設を「自己申告」することになっているから、隠すことができる。北朝鮮
が無条件降伏をしないかぎり、北朝鮮全土を隈なく捜すことはできない。

 北朝鮮はアメリカと話し合っているかぎり、核実験や、ミサイルの試射
を行うことができない。これはトランプ大統領の大きな功績だ。

 それにしても、金正恩委員長は、トランプ大統領が“ロシア疑惑”によっ
て追い詰められ、来年の大統領選挙へ向けて功名をたてることを焦ってい
るという、アメリカのマスコミの報道によって騙されたのではないか。

 アメリカの主要なマスコミはこの前の大統領選挙で、ヒラリー候補を支
持して惨敗したために、日本のマスコミが「反安倍」であるように、反ト
ランプ報道に血道をあげている。

 “ロシア疑惑”がトランプ政権の致命傷となることはありえないし、トラ
ンプ大統領の支持率はかえってあがっている。

 北朝鮮の金体制が崩壊しないかぎり、北朝鮮の脅威は去らない。日本
は、中国の脅威にも、備えなければならない。
日本として米朝の話合いが続くあいだ、防衛力の強化を急ぐべきである。


2019年03月06日

◆「専守防衛」ほど無意味なものはない

加瀬 英明


日本は世界のなかで、自国の憲法が安全保障の最大の脅威となっている、
唯一つの国だ。

憲法はその国の精神を、表わしている。

前文が、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす
る」と述べて、日本だけに先の大戦の全責任を、一方的に負わせて、日本
が悪い国だときめつけている。

この憲法のもとで、日本は自虐的な態度をとってきたために、国外から軽
くみられ、虐げられる原因をつくってきた。

前文はさらに、一国の安全を世界の「諸国の公正と信頼して、われらの安
全と生存を保持」すると、宣言している。

日本国憲法が世界の現実を歪めてきたために、国民が危険な幻想に浸って
きた。

日本は人にたとえれば、幻視、幻聴を病んできたために、人格が崩壊し
て、正常な社会的関係を結ぶことができない統合失調症を患っている。

このところ、韓国が日本を好き放題に嬲(なぶ)っているために、日本で嫌
韓感情が沸騰している。 

書店に嫌韓本が並び、雑誌も韓国に呆れ果てて、韓国を憐れむ記事で埋
まっている。

慰安婦(ウイアンプ)など両国間の合意を踏み躙ったうえで、徴用工(ジン
ヨンゴン)、火器管制レーダーの照射問題など、常軌を逸した振舞いがと
まらない。

韓国は現実を無視して妄想にとらわれているから、とうてい国家と呼べな
い。日本中が韓国を疫病のように、みるようになっている。

韓国は国として体をなしていない。政府もどう対応したらよいか、途方に
暮れている。

だが、いったい日本に韓国を見下したり、嘲る資格があるものだろうか。

昨年、政府が3万トン級の“いずも型”ヘリコプター搭載護衛艦を空母に改
装して、F35Bステルス戦闘機を搭載すると発表すると、岩屋防衛相が
「状況に応じて戦闘機を載せるから、他国への脅威とはならない」と述
べ、自公与党が「専守防衛の枠内で運用する」という確認書を交換した。

だが、危機が迫ってから、艦載機を載せるのでは、訓練や運用に支障はな
いのだろうか。

テレビのワイドショーで、識者が真顔をして「攻撃空母を保有するのは、
憲法違反だ」と述べていたが、番組の他の出演者は誰も非常識な発言だ
と、思わなかった。多くの視聴者も同じことだったろう。

中国の国防支出は中国政府の発表によっても、1988年以後、毎年2桁で増
して、日本の10倍以上もあり、アメリカにつぐ軍事大国となっている。
 
私には“いずも級”護衛艦を、F35B戦闘機を8機か、10機搭載する小型空
母に改装しても、どうして中国に脅威を与えることになるのか、理解でき
ない。

「専守防衛」という言葉は、日本国憲法と同じように、日本の国内にだけ
通用して、外国語に訳することが、まったくできない。「専守」という概
念自体が、世界のどこにも存在していない、無意味な言葉だ。

日本語でも、具体的に何を意味しているのか、分からない。

いったい「専守に徹する」スポーツ競技が、あるものだろうか。読者諸賢
のなかで、説明できる方がいられるだろうか。「必要最小限の防衛力」
も、意味がない言葉だ。

日本の独立と国民の生命を、わけが分からない言葉に託して、よいはずが
ない。

 人体の健康と同じように、平和は努力して守らねばならない。平和を守
る努力をしないのでは、平和を大切にしているといえない。


2019年02月24日

◆安全保障の脅威は日本国憲法

加瀬 英明


安全保障の脅威は日本国憲法 「専守防衛」は日本だけが使う言葉

韓国の文在寅政権が日本を好きなように嬲(なぶ)っているのに対して、日
本で嫌韓感情が沸騰している。

書店に嫌韓本が並び、雑誌も韓国に呆れ果てて、韓国を憐れむ記事で埋
まっている。

慰安婦(ウイアンプ)をめぐる合意を踏み躙ったうえで、徴用工(ジンヨン
ゴン)、火器管制レーダーの照射問題に続いて、文大統領が日本に「反省
(パンソン)を求める」発言を行い、常軌を逸した振舞いがとまらない。

韓国は現実に目をつむって、妄想にとらわれている。とうてい国家と呼べ
ない。

日本中が韓国を疫病のようにみなすようになっている。政府もどう対応し
たらよいか、途方に暮れている。つける薬がないのだ。

韓国は頭痛の種だ。といっても、日韓関係を軋(きし)ませた責任は、慰安
婦問題をつくりだした朝日新聞と、故なく謝罪した河野洋平官房長官(当
時)など、韓国に対して毅然たる態度をとるべきところを、紙面を売るた
めにニュースを捏造したり、侮られるもとをつくった日本側にある。

日本は自虐的な態度をとってきたために、は国外から軽くみられて、虐げ
られる原因をつくってきた。

韓国は歴史を通じて中国の属国(ソグク)だったために、物事を自主的に決
める力がなく、強い者に諂うかたわら、弱い者に対して居丈高になって、
苛める習性がある。

韓国は国として体をなしていない。このままでは、国として成り立ってゆ
かないだろう。

憐れむべき国だ。だが、いったい日本に韓国を見下したり、嘲る資格があ
るものだろうかと思う。

昨年、政府が3万トン級の“いずも型”ヘリコプター搭載護衛艦を空母に改
装して、F35Bステルス戦闘機を搭載すると発表したが、自公与党が「専
守防衛の枠内で運用する」という確認書を交換した。

テレビで識者が真顔をして、「攻撃空母を保有するのは、憲法違反だ」と
述べていたが、番組の他の出演者は、誰も非常識な発言だと思わなかっ
た。多くの視聴者も、同じことだったにちがいない。

中国の国防支出は中国政府の発表によっても、1988年以後、毎年2桁で増
して、日本の10倍以上もあり、アメリカにつぐ軍事力を擁している。

私には、“いずも級”護衛艦を、F35B戦闘機を8機か、10機搭載する小
型空母に改装しても、どうして中国に脅威を与えることになるのか、理解
することができない。

「専守防衛」という言葉は、日本の国内だけで通用して、外国語に訳する
ことがまったくできない。「専守」という概念自体が、世界のどこにも存
在していない、意味がない言葉だ。

いったい、「専守する」スポーツ競技があるものだろうか。「必要最小限
の防衛力」といっても、武芸や、スポーツに適用できるだろうか。

一国の安全を「諸国の公正に信頼して、われらの安全と生存を保持」する
という日本国憲法からして、世界の現実を受けいれることを拒んで、妄想
に浸っている。

日本は人にたとえれば、幻視、幻聴を病んでいるために、人格が崩壊し
て、正常な社会的な関係を結べない、統合失調症を患っている。

日本は自国の憲法が安全保障の最大の脅威となっている、唯一つの国だ。

2019年02月07日

◆憲法改正には、女性の声がどうしても必要だ

加瀬 英明


私は仕事で、アメリカや、ヨーロッパをしばしば訪れてきた。いまでも毎
年、ワシントンに春と秋に通っている。

欧米ではカーナビをはじめ、さまざまな案内や指示が、男性の声によって
行われているほうが多い。ところが、なぜか、日本ではほとんどが、女性
の声だ。

交差点では、交番の拡声器から女性警察官の声で、「左右をよく見て、お
渡り下さい」という注意が流れてくる。

なぜなのだろうか。どうして案内や、指示というと、日本では女性の声が
用いられるのだろうか。

日本は女性が優っている国なのだ。女性が家庭を取りしきって、支配して
いる。父親ではなく、母親が家庭の中心だ。男たちは幼い時から、母親に
よって育てられ、躾けられる。

日本では男たちは、女性の声には安心して従うものの、男性の声だと反発
して、すなおに受け容れない。

日本では祖国を、母国と呼ぶ。出身校は母校だ。敷地のなかで、もっとも
大きな家は母屋(おもや)だ。乳母車(うばぐるま)や、トラックにかかって
いるホロを、「母衣(ほろ)」と書くが、武士が戦場で首筋を守るために、
後頭部にかけた鎖の綱のことだ。いつも、母が守ってくれるのだ。

英語、ドイツ語では、「母国」(マザーランド、ムターラント)ともいう
が、「父国」(ファーザーランド、ファータラント)とも呼ぶ。フランス
語になると、「父国」(ラ・パトリ)しかない。

母親はできる子も、できない子も、均しく愛してくれる。父親はできる子
と、できない子を区別する。日本が平等な和の国であるのに対して、西洋
は厳しい競争社会だ。

西洋は男尊女卑の社会だ。女は弱者だから大切に扱われるが、女のほうが
男に甘えて我儘(わがまま)になる。弱い者のほうが我儘になり、強い者は
耐えるものだ。日本では男が我儘で、女性が男が我儘であるのを許す。男
が弱者だ。

日本では女性が男性に対して、「男らしくしなさい」と叱るが、西洋では
男から男にしか「ビー・ア・マン!」(男らしくしろ)といわない。西洋
では夫が家計を握っているが、日本では夫が妻から小遣いを貰う。

日本神話の主神は、女神の天照大御神でいらっしゃるが、西洋ではギリ
シャ、ローマ、北欧神話など、どの神話をとっても、主神が男性神であっ
て、厳格な独裁神である。

日本は歴史を通じて人と人との和を、もっとも大切にしてきたために、平
安時代の400年、江戸時代の260年にわたって、平和が保たれた。このよう
に長く平和を享受した国は、世界のなかで日本しかない。これも、女性が
優っている国だからだろう。

いま、日本を取り巻く国際環境が激変している。日本の平和を守るため
に、現行憲法を一刻も早く修正する必要に迫られている。

ところが、12月に終わった国会会期では、憲法審査会が開かれたのに、野
党が改憲について論議するのを拒んだので、憲法が論じられなかった。

野党は憲法を軽視して、おろそかにしている。もし、真剣に護憲を主張し
ているのなら、「日本がアメリカの占領下のままでいるべきだ」と、どう
して堂々と主張しないのか。

日本の平和を保ってゆくためには、憲法を厳しい現実に合わせなければな
らない。

憲法を改めるためには、女性の声がどうしても必要だ。女性が男たちを励
まして、憲法改正運動の先頭に立ってほしい。

2019年01月24日

◆意味不明な言葉に頼る「専守防衛」

加瀬 英明


意味不明な言葉に頼る「専守防衛」 国防と防衛の違いとは

12月に、平成31年度政府予算案が発表された。

防衛費が7年続けて脹らんで、前年比で1.3%増の5兆2594億円となる
かたわら、『いずも型』ヘリコプター搭載・大型護衛艦を、空母に改装す
ることとなった。

日本が講和条約によって独立を回復してから、66年以上もたって、ようや
く旭日旗を翻した航空母艦が、最新鋭ステルスF35Bを載せて、日本の海
の守りにつく。

といっても、岩屋防衛相が「状況に応じて戦闘機を載せるから、他国への
脅威とならない」と述べ、読売新聞が「常時戦闘機を搭載せず」という大
きな見出しを組んで、報じた。

さらに、自民・公明与党が、新空母について「専守防衛の枠内で運用す
る」という、確認書を交換した。

私は頭が悪いので、艦載機を危機が迫ってから載せると、どうして専守防
衛に変わるのか、理解できない。艦載機を常時搭載しないで、訓練、運用
に支障はないのだろうか。

「専守防衛」という言葉は、英語をはじめとする外国語に訳することがで
きない、まったく意味不明な言葉だ。

英字新聞は、”defense-oriented policy”と訳しているが、「防衛を主と
した政策」であれば、どの国もそう装っている。アメリカは国防省、中
国、韓国も国防部を称している。

国家の安危と国民の生命を、このような意味不明な言葉に、依存してよい
ものだろうか。 

戦後の日本の政治家や、マスコミは、脳腫瘍を患っていて、言語障害にお
ちいっている。これでは、国を守ることができない。

11月に、私はワシントンで政権の友人たちと会食した。

なかに、国家安全会議(NSC)補佐官がいた。

「ドイツの国防費は、GDP(国内総生産)の1.15%だ。自国を守る価
値がないと思っている国を守るために、アメリカの青年たちが、血を流す
だろうか?」といった。

オバマ政権下で、北大西洋条約機構(NATO)ヨーロッパ27ヶ国は、
GDPの2%を国防にあてることを、約束した。ところが、イギリスなど
7ヶ国しか、約束を守っていない。GDP比で日本の防衛費は、ドイツ以
下だ。

政府も、私も「防衛費」といっていることに、注目してほしい。「国防」
は禁句とされている。

なぜ、国防といってはならないのか。日本の国防は米軍が行うことで、自
衛隊は米軍をわきから援けて、防衛に当たるからだ。

空母に常時艦載機を載せると、周辺諸国に脅威を与えるというが、中国、
北朝鮮、韓国を除く他のアジア諸国は、日本が空母を保有することを、双
手を挙げて歓迎しよう。「刺激してはならない」というのでは、中朝韓
3ヶ国がまるで暴力団の組事務所のようで、失礼ではないか。

日の丸を翻す空母が登場するのは、60年遅かった。もし、独立を回復した
後に、空母が出現していたら、北朝鮮によって多くの日本国民が、拉致さ
れることがなかった。

拉致被害者は、「日本国憲法」の被害者なのだ。

人体の健康と同じように、平和は守らなければならない。平和を守る努力
をしないのは、平和を大切にしないからだ。


2019年01月18日

◆悪意に満ちた国連委員会の対日非難

加瀬 英明


8月に、スイス・ジュネーブで国連人種差別撤廃委員会が「対日審査会」
を行い、慰安婦、韓国人・朝鮮人に対するヘイトスピーチ、委員会が先住
民とみなすアイヌ・沖縄県民、朝鮮学校問題などを取りあげて、3日にわ
たって日本を嬲(なぶ)りものにした。

私はこの討議の一部を動画で見たが、どの委員も日本が性悪な国として、
こき下ろした。

戦前の国際連盟が本拠だった「パレ・ウィルソン」(パレは宮殿)で開か
れ、会合での対日非難は悪意にみちたものだった。

韓国の委員の鄭鎮星(チョンジュソン)女史は「性奴隷(セックス・スレイ
ブ)」といって、「慰安婦の残酷な状況は、当時の文書、映像、証言など
多くの証言によって、裏付けられている」と、日本政府代表団に迫った。

アメリカの黒人女性のマクドゥガル委員は、日本政府代表団が反論したの
に対して、慰安所を「強姦所」と呼び、「事実を議論すべきではない。こ
れは女性の尊厳の問題だ。慰安婦の大多数が韓国人だった」と、詰め寄っ
た。事実は、大多数が日本女性だった。

ベルギーのポッソート委員は、日本において韓国・朝鮮人が迫害されてお
り、「日本に住む40万人の韓国・朝鮮人の大多数が、植民地時代に強制的
に日本に連行された」と、攻撃した。事実は同じ国だったから、自由に往
来できたために、より豊かだった日本本土に、仕事を求めて移ってきたの
が、正しい。

コンゴ民主共和国をはじめ、諸国の委員がつぎつぎと日本を誹謗した。

このような国連委員会が世界の世論をつくって、日本の名誉を大きく損ね
てきた。

委員会の会合は、荒唐無稽としかいえないにもかかわらず、日本政府代表
団が一つ一つ、丁寧に答えていた。私は代表団を率いた大鷹正人外務審議
官や、法務省員の苦労を心からねぎらいたいと思った。

私も英語屋だが、大鷹審議官の英語は流暢で、素晴しかった。ところが、
日本政府の代表が「お詫びし、償い金を支払っている」といって、委曲を
つくして答えるほど、弁解しているように見えた。

私だったら弁明に終止せずに、相手を積極的に攻撃して、その歪んだ根性
を叩きなおそうとするだろう。

韓国の委員には、「韓国が独立を回復してから、貴国の国軍は日本の旧軍
の制度を受け継ぎましたが、国軍の将兵の性処理のために、『慰安婦
(ウィアンプ)』と呼ぶ女性たちが働く売春施設を、つくっていました。
『慰安婦(いあんふ)』は旧日本軍とともに姿を消したはずなのに、韓国軍
に長いあいだにわたって存在しました。慰安婦がそんなにおぞましいもの
だったら、どうしてこの日本語を韓国語として発音をして、使っていたの
ですか?」と、たずねたかった。

アメリカの委員には、「アメリカでは1960年代に入るまで、黒人は選挙権
を認められず、白人と黒人の性関係が犯罪とされ、水飲み場、便所から、
食堂まで区別されて、ひどい差別を蒙っていたし、今でも苦しんでいま
す。日本が先の大戦を戦って有色人種を解放したおかげで、黒人が白人と
同等の公民権を勝ち取ったのではないですか?」と、質問する。

委員会が国際連盟を創設することを提唱した、アメリカ大統領の名を冠し
た「パレ・ウィルソン」で開かれたのも、皮肉だった。

ウィルソン大統領はアメリカ南部のジョージア州とサウスカロライナ州で
育ち、有色人種が優生学的に劣っていると説いた、人種差別主義者だった
ために、ウィルソンが創学者のプリンストン大学では、学生たちがその銅
像の撤去を求め、アメリカ議会が創立したシンクタンク「ウィルソン・セ
ンター」を改名すべきだという運動が、行われている。

私だったら、委員たちに「パレ・ウィルソン」の名を改めることを、提案
しただろう。

 このように愚かしい委員会で、日本政府の代表が暴れれば、世界のマス
コミが取り上げて、日本の主張が理解されることだろう。

2019年01月10日

◆日本という太陽が世界を照らす

加瀬英明


6年前に、セルビア共和国のアダモヴィッチ・ボヤナ大使によって、大使
館に昼食に招かれた。

私は挨拶を終えると、すぐに第一次世界大戦後のパリ講和会議において、
日本全権団が戦後世界を管理する国際機構となる国際連盟憲章に、「人種
平等条項」をうたうように提案したのに対して、セルビアが賛成票を投じ
てくれたことに、御礼を述べた。

すると、女性の大使が驚いて、「着任してから、このことについて御礼を
いわれたのは、はじめてです」といって、喜んでくれた。

11月に、パプア・ニューギニアでAPEC(アジア太平洋経済協力機構)
サミットが開催され、安倍首相も参加した。

3年前に、私は都内の夕食会で、パプア・ニューギニアのガブリエル・
J・K・ドゥサバ大使と同席した。すると、大使が「私の父親は先の大戦
中、日本軍の連隊を助けて、密林のなかを、オーストラリア軍と戦いまし
た。日本のおかげで、独立を達成することができました」といって、連隊
長の名と連隊番号をあげて、感謝した。

ニューギニア島は東半分がオーストラリア、西半分がオランダによって、
領有されていた。

パリ会議は、ヴェルサイユ会議としても知られるが、1919年2月に日本全
権団が「人種平等条項」を提案したところ、11票対5票で採択されそう
になったが、議長をつとめていたウィルソン・アメリカ大統領が、「この
ような重要な案件については、全会一致でなければならない」といって、
日本案を葬った。

小国が賛成票を投じたのに対して、アメリカはフィリピンを領有し、国内
で黒人を差別していたが、英仏などの植民地帝国が反対した。

今年は、日本全権団が「人種平等条項」を提案してから、100周年に当たる。

日本は先の大戦で、大きな犠牲を払って戦って敗れたが、西洋が数百年に
わたり支配していたアジア諸民族を解放し、その高波がアフリカ大陸も
洗って、次々と独立していった。

その結果、日本の力によって、長い人類の歴史における最大の革命となっ
た、人種平等の理想の世界が、はじめて招来された。

不平等条約改正と、人種平等の世界を創ることが、幕末からの日本国民の
大きな夢だった。

日本という太陽が昇って、世界を隅々まで照らした。

 私事になるが、オノヨーコが私の従兄姉に当たるので、ジョン・レノン
とも親しかった。今年がジョンとヨーコが結婚してから、50周年に当たる
ために、内外でさまざまなイベントが催される。

ジョンは『イマジン』の曲で有名だが、日本が先の戦争によって、戦争前
に誰も想像(イマジン)すらできなかった、人種平等の世界を創ったことを
高く評価して、ヨーコと2人で靖国神社に参拝している。


2019年01月09日

◆憲法下では自衛隊は国防の傍役でしかない 

加瀬 英明


私は春と秋に、年2回、ワシントンに通っている。

いま、世界の未来が、アジアのありかたにかかっている。

トランプ政権は発足してから、11月に次の2020年の大統領選挙の折り返し
点になった2年が過ぎたが、前半の2年に起ったもっとも重要な出来事
は、中国と真正面から対決することになったことだ。

中国の習近平政権は中国の力を過信して、アメリカが内に籠ろうとしてい
ると判断して、アメリカを追し退けて、世界の覇権を握ろうとしているの
に対して、アメリカが反発して、立ち塞(ふさ)がったのだ。

習近平主席は、南シナ海に埋め立てた7つの人工島を「軍事化しない」
と、オバマ大統領と固く約束したのにもかかわらず、ミサイルを配備し
て、南シナ海を支配しようとしているのをはじめ、軍事先端技術でアメリ
カを凌ごうとするかたわら、中国からアジアを通ってヨーロッパまで、
70ヶ国あまりを取り込もうとする、「一帯一路」戦略を露骨に進めてい
るのに、アメリカが堪忍袋の緒を切らしたのだ。

米中対決は、“米中新冷戦”と呼ばれているが、これはトランプ政権だけに
よる決定ではない。共和、民主両党をはじめ、アメリカの識者、著名シン
クタンク、大手新聞・テレビによる、コンセンサス(合意)だ。

トランプ政権のもとで、アメリカは世界を一手に守ってきた重荷を軽くし
て、ヨーロッパや、日本などの同盟諸国が分担することを期待している。
多くのアメリカ国民が諸国の防衛を、アメリカに押しつけられてきたと
思って、不公平だと考えるようになっている。

アメリカは国防費にGDP(国内総生産)の3.1%を、支出している。
オバマ政権下でNATO(北大西洋条約)に加盟しているヨーロッパの
27ヶ国が、GDP2%を国防費にあてると約束したのにもかかわらず、
約束を守っているのは、イギリスなど7ヶ国にしかすぎず、ヨーロッパ第
一の大国のドイツは、1.2%でしかない。

11月に、ワシントンを訪れた時に、トランプ政権の旧知の関係者と会食し
たが、なかに国家安全会議(NSC)の幹部がいた。

 「ドイツの国防費は、1.2%にしかならない。ドイツ国民が自分の国
の価値が、それしかないとみなしているのなら、どうしてアメリカの青年
たちが、自国を大切にしない国を守るために、血を流す必要があるのだろ
うか」
 といった。

 日本はNATOの計算基準を当てはめると、防衛費として1.15%を
支出している。

 ここで、私が「防衛費」という言葉を使っていることに、注目していた
だきたい。「国防費」ということは、許されないからだ。

 日本は現行の「日本国憲法」のもとで、「国防」はアメリカに委ねて、
自衛隊はアメリカ軍を補助して「防衛」に当たることになっている。アメ
リカが日本の国防の主役であって、日本は傍役(わきやく)なのだ。

 日本国民は非常の場合には、アメリカが守ってくれると思い込んでいる
から、国防意識が低い。これでは、日本が亡びてしまう。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は、親北朝鮮政権であって、在韓米軍
が撤退することもありうる。

 憲法を改正して、自衛隊を保有することを憲法にうたうことを、急がな
ければならない。