2022年02月20日

◆ヒラリーのスパイゲート事件

Andy Chang

AC 論説No.883
先週2月11日にトランプのロシアゲートでっち上げ事件を調査していた
John Durham特別顧問が連邦法廷に提出した報告(ダーハムレポート)で
ヒラリーがトランプのロシアゲート調査の資金提供者であり、ヒラリーの
選挙顧問だったMichael Sussmann弁護士がインタネットの専門家や会社を
雇ってトランプの「ロシアゲート物語」をでっち上げた。ヒラリーが落選
した後もトランプのホワイトハウスとニューヨークにあるトランプタワー
のサーバーがロシアの銀行と連携していたという「ロシアゲート物語」を
でっち上げ、更にその資料をFBIやCIAに渡して調査させたと発表した。

ヒラリーがトランプホワイトハウスをスパイしていたのが事実ならニクソ
ンのウォーターゲート事件よりはるかに厳重な犯罪事件だが、左翼メディ
アは今日まで関連情報を報道せず、日本のメディアも報道していない。
ダーハムレポートの発表から1週間経過し、フォックスニュースはじめ多
くの新聞社がスパイゲートの追加報道をして居る。かなり複雑で錯綜した
事件だが時間を追って説明する。

ダーハム(John Durham)特別顧問とは、マラー特別検察官がトランプ疑惑
を2年かけて調査したあと、「ロシア疑惑は民主党のでっち上げで、証拠
はなかった」と結論した後でバー(William Barr)司法長官が「誰がトラ
ンプ降ろしの嘘の情報をでっち上げたか、無期限、無制限の調査」をダー
ハム氏を特別顧問(Special Councel)として任命したのだった。

バイデンがイカサマ選挙で当選して政権を取ったあと民主党の司法部、
FBIやCIAは調査に協力せず、ダーハム特別顧問の調査は難航していた。し
かし去年になってダーハム特別顧問はヒラリーの選挙特別顧問だった
SussmannがPerkin Coie法律事務所との関係についてFBIに嘘をついたこと
を突き止めて彼を起訴したあと多くの人を極秘に喚問して新事実がどんど
ん出てきた。報道によるとダーハム特別顧問はすでに24人の大陪審予定者
をインタビューした。大陪審の結果次第でサスマン氏は起訴される。

ロシアゲートは2016年7月にヒラリーがコイ(Perkins Poie)法律事務所を
通じて元MI6諜報員がでっち上げた「スティール文書」をFBIを使って調
査を開始し、遂に国会がモラー特別検察官を任命してトランプとロシアの
関連を調査させた事件である。ダーハム特別顧問はヒラリーとPerkins
Coie法律事務所の関連を調べて居るうちにSussmannとPerkins Coieの関係
がわかって起訴に持ち込んだのである。

Sussmann(サスマン)はヒラリーの選挙事務所の特別相談役だったが、彼
はインターネットの専門家や会社、Mark Eiiasや、Rodney Jaffeyが社長
である「Tech Executive-1」(TE-1)と称する会社や大学の学者、その他
多数のハイテク人員を雇ってトランプのアラ探しをしていた。TE-1はイン
ターネットデータを収集したあと「トランプのロシア関連の物語」を作成
し、サスマンはこれらの陰謀操作に要した資金をヒラリーに請求していた
事実が確認された。

TE-1はトランプとロシアの関連を探すため、当初はニューヨークのトラン
プタワーとロシアのAlfa銀行がサーバーで連絡しているというガセネタを
デッチ上げた。ヒラリーの選挙事務所の主任だったJakeSullivan氏は2016
年10月31日に「トランプタワーのサーバーがAlfa Bankに通じてる」と発
表した。

サリバンは現在のバイデンホワイトハウスの国家安全保障顧問である。ヒ
ラリー陣営はこのガセネタをFBIとCIAに提供し、政府の調査機関を使って
トランプの疑惑調査を開始したのである。ヒラリーが落選したあとも彼女
の陣営はトランプ政権内の誰か(つまり内通者、名前は未発表)を使って
TE-1がホワイトハウスのコンピューターにアクセスすることができた、つ
まりヒラリーがホワイトハウスをスパイしていたことがわかったのである。

これに関連した報道によると、トランプ政権が発足する直前の2017年1月
5日に、FBIのコーメイ長官はオバマのホワイトハウスで多数の幕僚と秘
密会議を行い、会談の直後にトランプタワーに赴いてトランプ次期大統領
に事情報告を行ったという。報道によると秘密会議に参加した人員はホワ
イトハウスのオバマ、バイデン、ライス、サリーイェーツ、FBIのコーメ
イ、DNIのクラッパー長官などであると言う。

その後コーメイ長官はトランプに嘘をついていたことが発覚して免職処分
となった。ホワイトハウスの秘密会談はトランプを陥れるための会談だっ
たのだ。トランプ降ろしの陰謀に誰が関与していたのかは追々明らかにな
るだろう。政府の司法、調査機関などの他に国会でもトランプを弾劾した
議員の多くがトランプのロシア疑惑でっち上げの実情を知っているはずだ。

ヒラリーが出資してトランプのあら捜しからトランプタワー、ホワイトハ
ウスのスパイ、ロシア疑惑をでっち上げた上に、FBI、CIAを使ってトラン
プ降ろしの陰謀、マラー特別検察官の調査、さらにこれに飽きたらず国会
のペロシ議長などは強引にウクライナ疑惑をデッチあげてトランプを弾劾
した。2016年から最近に至るまでの反トランプ陰謀は数々の大きな台風を
巻き起こした。ダーハムレポートは最終報告でなくてこれから始まるアメ
リカの史上初の大台風の始まりで、ヒラリーが台風の目であると発表した
のである。

ヒラリーはトランプ降ろしの陰謀を企んだだけでなく、FBIやCIAの国家機
関を使ってトランプ疑惑を調査させ、更にホワイトハウスのデータをスパ
イしていたのである。これはこれまでになかった大犯罪である。ニクソン
のウォーターゲート事件とは比較にならないほど大規模な犯罪である。左
翼メディアはダーハムレポートの発表から1週間経っても沈黙しているが
事実は隠せない。

ウォーターゲート事件ではニクソンが辞職した以外に69人が起訴され28人
が有罪判決を受けた。スパイゲートでは数倍の人間が起訴されるはずだ。
バイデン大統領がスパイゲートに関与しているほかに、バイデン政権のサ
リバン、ブリンケン、ライス、オバマ、FBIのAndrew MacabeとAndrew
Wray、コーメイ、CIAのジョン・ブレナン、DNIのクラッパーなど、数えき
れないほどの政府の現役官僚や元長官が起訴されたらバイデン政権も民主
党もガタガタになってしまう。乞う御期待。


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◆靖国神社ってなに?

和田 憲治

中島みゆきの歌じゃありませんが、
人生には縦の糸と横の糸があります。

靖国神社といえば、先人たちの
人生を考えざるをえません。

人生はなんのためにあるかというと、
他者を幸福にすることでしょう。
自分の命を大事にすれば幸せなんて、
先人たちの奮闘を考えれば間違いだとわかります。

力のある者が力のない者の面倒を見ることだったり、
普通に友人や家族でも助け合ったりすることでも、
他者を幸福にすることです。

一緒に働いている人や近所の人に、
幸せを感じてもらいたいというのも
他者を幸福にすることです。

身近な人でなくても、
働いている人は仕事を通して
その商品やサービスを使ってくれた人が
幸せを感じてくれているでしょう。
仕事を通して他者を幸福にしています。

これは同時代の繋がりで横の糸です。


縦の糸は、代々続いてきた、
時空を超えるものです。

私の祖父は大東亜戦争で戦いました。
命がけで戦った祖父ら男たちは、
家族や子孫のために戦いました。
家族含めた他者の幸福を守るためにです。

日本の戦線の最先端のニューギニアで
足を撃たれました。
太腿に銃弾が残ったままで、
取り除く手術もされずですが、
幸運にも運ばれ帰国できました。

命は助かりました。
戦死でないので、祖父の魂は靖国神社にはいません。
実家には墓があり、それを守るのが子孫の仕事です。
父が墓参りにうるさかったため、
今でも年に数度帰省し、墓参りをしています。
さらにここ数年は自宅の霊璽に、
ほぼ毎日の焼香をかかしません。
これは縦の糸です。

横の糸は同時代だからまだしも、
子供が生まれなかったり、孫ができないと、
この縦の糸は切れてしまいます。
そうなると祖父の事を語る人、
焼香する人はいなくなります。

靖国神社には、子孫を残すことができている人も
子孫を残すことができなかった人の
戦死者たちも多くいます。
それでもこの神社がある限り、
永遠に縦の糸が残っています。

最初に、力のある者が力のない者の面倒を見ること
とも書きましたが、
先祖供養、縦の糸を守るのは、生きている者の
やるべきことです。

横軸は、同時代に生きる者と助け合い、
縦軸は、先祖供養です。

明日、2月19日土曜、14時から
靖国神社で講演会があります。
高市早苗先生は、何を語るのか?


私は花田編集長の週刊誌欠席裁判の放送のあと、
編集長の取材について、現地で見学する予定です。

当日はコロナのため、
一般の会場見学はできないことになりましたが、
逆にラッキーにも
オンラインで無料で見ることができます。
ぜひ、みなさんも見て下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=VplCspOvOAw

また、米中決戦については
奥山先生が、米中20年戦争に備えよ!
の音声講座のパート7をつくっています。

合わせて、政治家の米中戦争への
認識具合を考える目安にしていただければと思っています。
高市氏の靖国講演までは特別に
発売時につけたオマケの音声講座もつけます。
URLはこちら
http://www.realist.jp/usvschina7/


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◆米露中はいかに反応するか

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月15日(火曜日)弐
    通巻7220号
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 イスラエルがイラン核施設を空爆したと仮定して
  サウジ、イラン、湾岸諸国、そして米露中はいかに反応するか
*****************************

 世界のメディアはウクライナに注目している。
偵察衛星はロシア軍の動き、配置などを把握し、侵攻が近いと予測してい
るが、ウクライナ国内で侵攻するロシアのハイブリッド作戦は目に見えな
いから、報道がない。
すでにハッカー攻撃、フェイクニュースなどロシアのハイブリッド作戦は
進行中だ。

そのうえ、ロシアの第五列はすでに首都キエフや第二の都市=オデッサへ
潜入し、開戦となればインフラの破壊工作を始める。ガス、水道、電気の
インフラが止まれば、社会は痲痺する。

他方、ウィーンではイランとの核合意交渉が大詰めにきた
まもなく最終合意に到るという観測が欧州の外交筋であがっている。イス
ラエルは会議のゆくえを注視している。

 合意がなされた場合、イスラエルがイラン核施設を空爆するシナリオは
遠のくだろう。
しかし交渉が決裂すれば、イスラエルの空爆は可能性がたかまるし、イス
ラエル国防軍は「いつでも出撃できる態勢にある」としている。

 ウィキストラントというシミュレーション専門コンサルタントは、世界
13ヶ国、31人の専門家を集めて、オンライン会談を行い次のシナリオ
を提示した(エルサレムポスト、2022年2月14日)。

(1) 空爆が成功した場合、サウジアラビア、湾岸諸国はイスラエルと
の外交関係を強化する方向に歩むだろう。とくにサウジは国交回復も射程
にいれている。
また報復を考えるイランは北朝鮮のように秘密裡の核開発を潜行させるこ
とになるだろう。

(2)空爆が失敗に終わった場合、サウジアラビアなどはイスラエルとの
関係を冷却化させ、とくにサウジは独自の核武装計画を進めることになる
だろう。
 米国議会はイスラエル支援の立場を変えないがEU諸国は複雑に反応
し、またロシアはイスラエルとの軍事協力を強化する可能性がある。

 すでにサウジにもイスラエルにも武器を売買し、イランとも密接な軍事
協力をしてきした中国が、つぎにいかなる鵺的な行動にでるか。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ★読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1) 貴誌2月14日(PB生、千葉)さんの下記投稿についてお尋
ねしたく思います。
 アブダビ国営石油グループでは、日本の建国記念日に合わせて日本への
感謝のディスプレイを本社ビルで展示したとのことで、日本とのアラブ首
長国連邦との良好な関係が紹介されていました。またカタールの天然ガス
開発に日本企業が関わっていたと紹介されていますが、これに関して気に
なることがあります。
 カタールの天然ガス輸入を担うJERA(東電と中部電力の合弁会社)が、
昨年末期限を迎える同国との天然ガス輸入契約を延長しないとの報道があ
りました。長年の友好関係のある同国との契約を今バッサリ切るという判
断が、わが国のエネルギーの安定供給に反するのではないかと危惧しま
す。先生のご意見をいただけると幸いです。(堀弘)


(宮崎正弘のコメント)どなたか、詳しい読者がいたらご教示下さい。基
本的にガス輸入は将来需要を見込んでの長期契約ですから、日本の需要が
減る方向にあると判断すれば、距離の近いインドネシア、ブルネイからの
輸入で補えますし、シベリアからのガスパイプラインも繋がっていますの
で、あるいはカタール分は余剰になるのかも、いずれにしても専門筋の分
析を待つことにしましょう


(読者の声2)前号にて、貴著『日本が全体主義に陥る日』(ビジネス
社)からウクライナのオデッサ訪問記のダイジェストがありました。本箱
から、三年ほど前に購入した、この本を取り出して再読を始めました。
 昨夏には宮崎さんが高崎に講演に来られたので、聞きに行きました。お
もに台湾のお話をされていましたが、じつに台湾への百回も行かれたとか。
 旧ソ連30ヶ国をすべて取材されての集大成は写真も豊富で、そのうえ
冒頭4ページはカラー写真。これほど現地をまわって現場の雰囲気を追っ
たジャーナリストへ稀有のことと思います。いまウクライナ問題が騒がれ
ていますが、現場の報告からも、戦雲の雰囲気が伝わりました
   (FH生、高崎市)
   ♪
(読者の声3)故堺屋太一氏の「日本を創った十二人」に石田梅岩が入っ
ている。当時のバブルの絶頂期、元禄時代が崩れる頃に生まれ「石門心
学・せきもんしんがく」と言う「勤勉と倹約」を説く精神哲学を作り、近
年に至るまで日本人民の擬似宗教的な基盤を生み出した。
基本的に受動的で、苦しい環境・境遇を感受し、その中で勤勉により仕事
に人生の意義を見出そうという権力体制にとっては便利な精神論になっ
た。「清貧」とは、貧しくとも清く生きれば、正しい。
「足るを知る」とも言う。令和の日本にも使える標語。「百姓一揆」を防
げる。
 全世界の国別の「政府・役人の汚職度」の番付が10年ごとに発表され、
後進国が上位を占め、先進国は比較的に綺麗になっている。一位はデン
マーク、フィンランド、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、
などが「清廉潔白」であり、日本は18位、米国は28位。10年前の番付に比
較すると、豪州、カナダが顕著に劣化している。おそらく中共の侵略によ
るのだろう。(かつてヴァンクーヴァーに住んでいたが、支那人の侵略は
凄まじかった。空港付近の街はほぼ完璧に占領された。)
 どの様な基準で評価されたのか分からないが、直接役人が賄賂を要求す
るのは簡単に調査できるが、間接的な汚染、例えば日本の文科省の大学な
どへの「天下り」などは隠された大きな賄賂である。
各省の民間企業への「指導・援助」なども莫大な被害を伴う賄賂に違いな
い。検察、裁判所の不正な判断・判決、なども賄賂の一部になる。警察が
巨大なパチンコ業界とも癒着している。
莫大な海外援助資金も政治家が賄賂を受けて成立している
こんな問題を含めると、日本の番付はもっと下がり、アフリカなどの後進
国並みになるのだろう。
役所に依存しているNHK,テレビ局などは、政府・役人の悪を報道しないか
ら、人民は知らない。
https://www.visualcapitalist.com/mapped-corruption-in-countries-around-the-world/
 鎖国とは、鏡の無い世界で、自分の顔が見えなければ、どんな自己評価
も可能になる。再び石門心学が再利用され、日本国家は高い品格を持ち、
貧しくとも清く正しい。人民どもよ、文句を言わずに勤勉に働け。無知と
幸せ、は表裏一体。つまり、NHK様は公共の精神的な福祉に貢献し、人民
の反乱も防いでいる。
でも、自殺も犯罪も増え続け、少子化も止まらない。
(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)日本的な『プロテスタンティズムの倫理と資本主
義の精神』が石田梅岩ということになりますかね。マックス・ウェイバー
はドイツ人で、まさに宗教改革の論理の延長線にある思考でした。
 バンクーバーのチャイナタウン、旧チャイナタウン、そしてシナ人はい
まや高級住宅地に浸透しつつあります。バンクーバー市内中央の寿司屋さ
んは日本人経営だけど、持ち帰りの寿司チェーンは韓国系ですね。

  ♪
(読者の声4)明日(2月16日)、未来ネットの「宮崎正弘の生インタ
ビュー」は、ゲストに福山隆元陸将をお迎えし「インテリジャンスとは何
か」を話題とします。おりからウクライナでも前哨戦はハッカー攻撃です。
 2月16日 午後四時〜五時。ご期待下さい。
予約サイトは下記です。
at 10:09 | Comment(0) | Andy Chang

2022年02月04日

◆ウクライナ問題はバイデンの失敗

                     Andy Chang

いたようにウクライナの緊張はバイデンが作り出したといえる。 バイデ
ンは中間選挙に向けて
世界のリーダーであることを見せようとして、米軍を派遣する意図がある
とか、ロシアがウクライナに
侵攻するからアメリカは軍隊を派遣すると述べた。ところがロシアはウク
ライナに侵攻する意図はない
と言い、アメリカの軍部も戦争はしないと主張している。戦争しないなら
軍隊を派遣する必要はない、
ウクライナに武器弾薬を提供する必要もない。

先月27日、ウクライナのゼレンスキー大統領は売電を電話で一時間ほど討
論した。ホワイトハウスは電
話会談は友好的で有益だったと発表したが、CNNはゼレンスキー大統領が
バイデンの軍隊派遣やロシア
の脅威宣伝に反対したと報道した。ゼレンスキーはウクライナに明らかな
戦争の脅威はない、キエフの
町に戦車が走って居るわけでもないと述べたと書いた。ゼレンスキーは米
露の覇権闘争の生贄になるの
反に対である。ゼレンスキーは戦争になったらウクライナが戦場になって
大損傷を受ける。バイデンが
でっち上げたウクライナ緊張は迷惑だと言ったのである。

それでもバイデンは31日に国連安保理でロシアがウクライナ国境付近に12
万の軍隊を配置して軍事訓練
を行なって居るのは「危険」だと主張して諸国の同意を求めた。国連安保
理でロシアのウクライナ侵攻
の「可能性」に同意してロシアの撤兵をを求め、経済制裁に同意させよう
としている。

安保理でロシア側はバイデンの軍隊派遣を無謀な恫喝と譴責し、ロシアは
NATOの東方進出に反対する、
ウクライナのNATO加盟に反対だがウクライナに侵攻しないと述べた。ロシ
アもアメリカも戦争はしない
と言って居るのにアメリカは軍隊を派遣すると言って居る。安保理がロシ
アを譴責してもロシアの原油
とガスに依頼しているEU諸国は経済制裁に同意できない。アメリカはロシ
アと戦争はできないし、経済
制裁もできないのだ。

国民に強いリーダーを示すつもりでも国内の反応はかなり冷淡だ。上院は
バイデンの軍隊派遣を議会で
討論するとしている。アメリカ大統領は国会の同意なく戦争を始めること
はできない。バイデンには軍
隊を派遣する大義名分がないからウクライナの「要請」が必要だがゼレン
スキーは拒否した。米軍は
NATOの軍隊として派遣しなければならない。ウクライナはNATOに加盟して
いないからNATOがウクラ
イナに派兵する大義名分がない。

バイデンは8500人を東欧に派遣すると言ったけれど実際に派遣したのでは
ない。ペンタゴンはバイデン
の軍隊派遣に反対である。ペンタゴンのJohn Kirby報道官は「バイデンの
命令は待機命令であって派遣命
令ではない。軍隊を派遣する前に色々な方法を検討する必要がある」と述
べた。ミリー参謀長もバイデ
ンの軍隊派遣に反対で「戦争になったら双方の損害は途方もなく甚大なも
のになる。ウクライナ問題は
政治的に解決すべきである」と述べてバイデンの先っぱしりを批判した。
オースチン国防部長も戦争に
なる理由がないと述べた。

ロシアは自国の領内に軍隊を集結させている。それに引き換えバイデンは
自国と関係のない所に8500人
の軍隊を派遣すると恫喝したのだ。バイデンはウクライナの大統領に圧力
をかけてウクライナに軍隊を
駐屯させたいがゼレンスキーは拒否した。アメリカには軍隊を派遣する大
義名分がない。殊にバイデン
はすでに駐ウクライナ大使館を撤去したからウクライナのアメリカ国民を
保護すると言う大義名分も無
くなった。

アメリカはこれまで一貫してNATO名義で軍隊派遣をしてきたのである。
NATOの存在意義がなくなった
後もNATO名義でネオコンの民主主義侵略を続けしてきたのである。

そもそもNATOは1949年のスターリンの時代に作られた欧州と米国の連合軍
である。NATOの目的とは
「第二次大戦のあとに起きた、強力な共産主義連盟の増大と拡張から同盟
国の自由を保護するため」に
設置されたものである。あの時から70年も経ってスターリンはすでに死亡
し、ゴルバチョフのおかげで
ソ連は解散した。そして旧ソ連の国々が独立を果たし、東西ドイツも統一
した。

この時点でNATOは解散すべきだったのにNATOは解散しなかった。NATOと
言っても主力は米軍であ
る。そしてアメリカはソ連が崩壊した後、「民主主義を諸国に広めると言
う目的」で解体されたソ連の
近隣諸国を民主化させ、ポーランド、バルト3カ国、ルーマニア、バルカ
ン半島諸国などがNATOに加盟
してロシア包囲網を完成させたのである。この上にウクライナとグルジア
がNATOに加盟すればロシア包
囲網は完成する。だからプーチンにとってはウクライナのNATO加盟は絶対
に譲歩できない。

誰が「民主主義を使った侵略者」であるかは明らかである。自国の権益で
もなく自国の安全保障問題で
もないアメリカがウクライナ民主化に固執する必要な全くない。EU諸国は
ロシアの侵略を恐れる必要は
ないし、最近は脱炭素や温暖化が進んでEU諸国はロシアのエネルギー源に
頼る必要がある。つまりEUは
ロシアとの戦争も経済制裁も反対である。つまりバイデンののウクライナ
恫喝は国内の賛成も得られな
いしEU諸国も反対である。

トランプ時代の国防部副長官だったRobert Wilkieはロシアに対する経済
封鎖は予期した効果はないし、
ロシアへの経済制裁は中露友好を推進させて中国とロシアを敵に回すこと
になると述べた。アメリカと
EUがロシアに経済制裁を強行すればロシアは欧州に向けるはずだった石油
とガスを中国に売るからロシ
アにとって損はない、もしも金融取引禁止を実施すればロシアは中国を経
由した金融取引を進めるから
損害はほとんどない。その代わり米国、日本と諸国が取引禁止で受ける影
響は大きいと述べた。

アメリカはポーランドやバルト3カ国など旧ソ連の連邦国を民主化させた
が、それらの国々をNATOに加
盟させてロシア包囲網を作る必要は全然ないのだ。ロシアが旧ソビエト諸
国を取り返して新ソビエト連
邦を作ることはない。強引に民主化した国をNATOに加盟させて米軍を駐留
させ、ロシアを監視する必要
はどこにもない。イソップの北風と太陽である。ロシアを敵視するよりも
友好関係を作ってロシアと共
に中国の覇権拡張に対処すべきだ。

中国のGDPはロシアの十倍である。中国の脅威はロシアの十倍以上なのに
バイデンはウクライナ問題で
ロシアと敵対して中露友好を促進する愚策を続けている。アメリカが旧ソ
ビエト連邦諸国を民主化させ
て居る間に、中国は「戦狼外交」でアジアに進出し、台湾の武力侵攻を主
張し、南シナ海のセイシェル
諸島を占領して軍事基地を作り、一帯一路で鉄道をアジアから欧州まで伸
ばし、アジア諸国から中南
米、中東諸国、アフリカ諸国に軍事基地を確保したのである。

中国はなぜ米露のウクライナ緊張に沈黙を守って居るのか。中国がバイデ
ンの失策を見逃すはずはな
い。あと数日すれば北京で冬季オリンピックが開催され、プーチンが北京
で習近平と会談する。この会
談の後ロシアと中国が友好条約を締結して軍事外交両面で合作を強化さ
せ、アメリカに敵対するのはほ
ぼ確実だろう。


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◆韓国「強制労働」放置なら禍根残す 

阿比留瑠比

 24日の衆院予算委員会での自民党の高市早苗政調会長の質問を聞いてい
て、政府が何と答弁するか耳をそばだてた場面があった。高市氏が昭和34
年の外務省記事資料の内容について現在も政府の公式見解か否か問うたと
ころである

強制的に連れてきた?


 高市氏は資料の内容について具体的に触れなかったので、国会中継を見
ていてもよく分からなかった人もいることだろう。そこで補足すると、資
料にはこう記されている

 「現在日本に在住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働
させるためにつれてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部
に行われているが、右は事実に反する」

 「現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万人であるが、最近、関
係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査
した結果、右のうち、戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にす
ぎないことが明らかになった」

 「現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意
志によって日本にとどまった」

 また、昭和14年から20年の終戦直前までに約100万人も増加した内地
の朝鮮人のうち、@約70万人は自ら職を求めてきた個別渡航と出生による
自然増加A残り30万人の大部分は鉱工業、土木事業などの募集に応じて自
由契約に基づき渡来したB国民徴用令により導入された徴用労働者の数は
ごく小部分であり、所定の賃金などが支払われている・・・とも明記され
ている。

 この資料は高市氏が「そんな資料はもうない」と渋る外務省に探させた
ところ、「昭和35年の『外務省発表集10号』の中にあった」と提出してき
たものである。記事資料とは「外務省の正式発表のうち、外務報道官とし
ての公式見解などを表明するもの」と位置づけられている。

不可解な曖昧答弁

 高市氏は12年前、民主党の鳩山由紀夫内閣当時の平成22年3月の衆院外
務委員会で、岡田克也外相に同じ質問を投げかけている。岡田氏の答弁は
こんなそっけないものだった。

 「ちょっと今、急に聞かれても私、把握しておりませんので分かりません」

 そこで岸田文雄内閣の答弁を注目したところ、林芳正外相はこう答えて
いた。

 「ご指摘の記事の資料の存在について承知している。数字などが正確で
あるかどうかについては、それを否定する客観的な情報はないということ
だが、現時点で詳細について確認することができないため、お答えするの
が困難だ」

 なぜわざわざこんな曖昧な答弁をするのかよく分からないが、「否定す
る客観的な情報はない」のだったら、現在も政府の公式見解だということ
になる。

 高市氏が国会でこの問題を最初に取り上げたのは、もともと民主党政権
が永住外国人への地方参政権付与を目指していたことが背景にある。

 例えば、当時の原口一博総務相は「自分の意思に反して(日本に)連れ
てこられた人が、地方で投票の権利を持つのは日本の国家として大事なこ
とだ」と主張していた。この認識自体が大間違いなのである。

 ただ、悪貨が良貨を駆逐するように、悪意ある誤情報が事実を覆い隠し
見えなくすることは少なくない。在日韓国人・朝鮮人は強制連行されたか
ら日本にいるわけではない

問われる戦う姿勢

「佐渡島の金山」(新潟県)の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界
文化遺産への推薦に関しても、一番重要なのは登録の可否ではないのでは
ないか。韓国が「韓国人の強制労働の被害現場だ」と虚偽に基づく宣伝戦
を仕掛けていることに対し、受けて立つか立たないかこそがまさに問われ
ている。

岸田首相自身も24日の衆院予算委で、昨年4月に閣議決定した「『募
集』、『官斡旋(あっせん)』及(およ)び『徴用』による労務については、
いずれも強制労働に関する条約上の強制労働には該当しない。これらを
『強制労働』と表現することは適切ではない」との政府の立場を踏襲する
と答弁しているではないか。

「いわれなき中傷には毅然(きぜん)と対応していく」

 岸田首相はくしくも、昭和34年の外務省記事資料と同じ「中傷」という
言葉を用いてこうも述べた。中傷とは、「ありもしないことを言って他人
の名誉を傷つけること」であり、高市氏のいう「国家の名誉にかかわる事
態:を座して見過ごしてはならない。

 韓国による中傷を放置すれば禍根を残す。

 当コラムは平成25年4月に始まり、今回で計400回を迎えました。ご
愛読に深謝します。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
産経新聞 採録




        
━━━━━━━━━━━━━


◆スロバニアが台湾代表処設置

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月1日(火曜日)
     通巻7204号 
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 「リトアニア・ドミノ」、バルカン半島へ
  スロバニアが台湾代表処設置へ準備中とヤンシャ首相
**************************

 スロベニアのヤネス・ヤンシャ首相はリトアニアに引き続き、国内に台
湾代表処を設置する方向にあると語った(1月30日)。
「台湾の代表機関設置について台湾政府と協議中である。我々がより強力
な連合を組んでいたなら、とうの昔に貿易代表事務所は設立されていた」

 名称についてはいきなり台湾を用いず「台北」をする。
しかしヤンシャ首相は台湾が主権国家であり、台湾が「中国の『正統な後
継者』だ」との認識を示しつつ個人的見解として「台湾の独立を支持す
る」とした。

 リトアニアから始まった台湾への外交接近は『リトアニア・ドミノ』と
も言われ、中国が旧東欧諸国を基軸に、影響力拡大を狙った「1+17」
からもリトアニアは脱退している。
北京のリトアニア大使館は大使不在のまま、首都ビリニュスの中国大使館
にも、召喚されて北京に戻ったため、大使不在となっている。

 バルカン半島で中国が承認していない国はコソボだが、とくに旧共産圏
だった東欧諸国が、中国のやり方に不満を抱き、米欧の動きを見ながら、
台湾とのアプローチを顕著に活発化させている。
 この新しい波、どこまで広がるか?

     
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 ──700万人の国民が韓国を捨てた現実が意味することは何か?
 ──韓国はサヨクが支配するバクチ経済、いずれ悲惨な結末がやってくる
──「日本を上回った」など、とんでもない。インチキな「韓数字」で作り
出した虚構。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 イーグルとパンダは助け合い、憎しみあい、そして対立へ到った
  米国は中国の何が許せないのか

  ♪
竜口英幸『グッバイ、チャイナドリーム』(集広舎)
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 四百年の歴史パノラマを背景に中国と、アメリカ、ロシア、日本の立ち
位置、関与の変貌を物語風に追った異色作だ。
 国家安全保障の専門家らしく、国防と軍備の具体的なデータからも、中
国の軍事能力を客観的に評価し直している。政治を論じているのだが、歴
史と文化が、軍事と掻き混ざって混沌とした全体像を描いている。
中国海軍のアキレス腱は宮古海峡だと指摘し、また中国の空母はわが護衛
艦「加賀」にも劣るシロモノと実態を抉り出す。
ソ連時代に空母は九隻造られ、いずれも役立たずだった。現ロシア唯一の
空母「クズネツォフ」は黄昏にあり、そのコピィでしかない中国空母「遼
寧」と「山東」は、まもなく役立たずの廃棄物に化そうと著者は示唆する。
 そしてこう言われる。
 「アメリカは、独立前の植民地時代からほぼ四百年にわたり、一貫して
極東の大国チャイナに憧れを抱いてきた」
 黒人奴隷とクーリー貿易が対比的にでてくるが、黒人奴隷が払底する
と、かわりの「奴隷として」中国から労働力を輸入した。その数、およそ
150万人とも言われる。
 資産を成して故郷に錦を飾ったクーリーはすくなく、大方が米国のあち
こち、中米諸国、カリブ海から南米にかけても輸出され、そこで朽ち果て
るか、チャイナタウンを形成して住み着いた。
 さて日本はと言えば「アメリカの親チャイナ路線に翻弄されてきた」と
総括する。
まさにその通りだろう。
カネに目が眩んで日本の外交を曲げた田中角栄以後、日本の政治は北京に
操られてきた。
ニクソン以後のアメリカも、みごとに騙された。
トランプ以降、そのアメリカの親中路線は劇的に変貌した。米中は「新冷
戦」に突入したが、それなら日本はこのまま親中路線の舵取りを替えなく
て良いのか?と訴えている。
           ◎◎◎◎◎◎◎◎
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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  ♪
樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2323回】    
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港205)

   △
 ほどなく、九広鉄路の沙田駅から歩いて10分ほどの所に格好の物件──住
所は香港新界沙田下禾■(■=山の下に大、大の中に車を記す)9号景園──
が見つかった。

 屋根は切妻式で、レンガを積み上げた壁に穿たれた窓は極端に少ない。
家の横幅は20メートルほどで、奥行きは10メートルほどだっただろうか。
新界の農村集落で普通に見かける典型的な民家で、左右に分けられてい
た。私が住むことになったのは向かって右半分の右端の角部屋であり、左
半分に住む家族とは、挨拶する程度の付き合いだった。

 長い間使われていなかったらしく、小汚いうえに部屋には悪臭が漂って
いた。だがステキな庭が気に入った。
当時、香港にどれほどの邦人が住んでいたかは不明だが、庭付き生活を満
喫できたのは須磨弥吉郎香港総領事を除いたら、おそらく私くらいではな
かったか。

 大幅に下がった家賃分を第六劇場通いに回すことが出来るわけだが、距
離的に遠くなっただけに往復に大幅に時間を取られてしまう。
だが、そこは「棄児行」である。京劇のために敢えて「斯の身飢ゆ」の道
を選んだワケだから、四の五の泣き言を口にはできまい。

 引っ越し当日は日曜日。佐敦道渡船街から窩打老道への前回の引っ越し
と同じで李さん、黄さん、梁さんがトラックを調達してきて手伝ってくれ
た。寝具、高さ1メートルほどの折りたたみ式木製本立て、3段ほどの小引
き出し、京劇レコード観賞用の小型ステレオ、カセット、それになにより
の宝であった大量の京劇レコードを積み込んで景園に向かった。

数少ないがゆえに貴重な家財道具を部屋に運び入れた後、沙田駅近くのレ
ストランで冷えたビール──多分、「生力(サンミゲル)」だったろう──の
栓を抜いて、先ずは乾杯。今回も李さんが払いを済ませてくれて解散。み
んなはトラックで九龍に帰っていった。

景園に戻り1人になって改めて部屋の中を見回す。
 部屋の真ん中には背の高いベッドが1つ。4本の足にはゴロが付いていて
移動可能だ。おそらく病院で使われていたものだろう。鉄枠に塗られた白
いペンキはそこここで剥がれ、ヤケにサビが目立つ。ベッドの左は隣の部
屋との壁で、その壁を背に頑丈そうな4段ほどの横幅の広いタンスが置か
れている。長いこと使われていなかったらしく、ガタピシャと音を立てて
簡単には引き出せない。

 天井がないから、見上げると瓦の裏側が丸見えだ。瓦を支える梁の1本
から土色に薄汚れた蚊帳が垂れ下がっている。いつ取り付けたのか解らな
いが、長い間使っていなかったのだろう。蚊帳には蜘蛛の巣が絡みつき、
湿気を含んで不気味だ。

 ベッドの頭の先に窓があり、窓の外側は集落の中心部にある廟に通じる
石畳の路地だった。
窓は縦横1メートルほどの観音開きで部屋側がガラス窓、中間が鉄格子、
外側が鉄板の三重構造。湿気が多いのに、なぜ、こんなに厳重にするの
か。もちろん泥棒対策である。ベッドに向かって右手の窓は庭側を向いて
いて少し大きいが、構造は同じく三重だ。ベッドの足の方の部屋の角に
は、戸の開かない大型の洋服ダンスがデーンと置かれていた。

 1週間前から大量の芳香剤を置いていたのに悪臭が消えず、憂鬱さは増
す。さて、いつまでこの部屋に住むことになるのか。考えるほどに「斯の
身飢ゆ」の感慨は募るばかり。
 錆び付いた鉄格子の窓の向こうに目を転ずると、庭の端には大きな楊桃
(ジャック・フルーツ)の木が1本。黄色く熟れた星形の実を、枝もたわ
わに稔らせていた。

 その時、ドアがトントンと叩かれた。開けてみると、上着もズボンも絹
製で白髪交じりのおかっぱ頭の60歳代後半と思しきバーさんだ。自分を指
差し「日本仔、ニィ好、我係曽妹(ヤッポンチャイ、ネイ・ホー、ンゴー
ハイツォンムイ)」と続けた。敢えて訳すなら「おい、日本アンちゃん、
やあ、どうも。ツォンムイさんですよ」と言ったところか。
 おいバーさん、藪から棒にトボケているんじゃないよ・・・些かムカつ
いた。

     □☆●□☆●□☆●☆□☆●□☆●□
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  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆     
読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)貴誌、前号の書評中にあった元寇と鎌倉武士との戦い、
YouTube に面白い解説動画あった。15分ほどの動画で元寇が2本、欧州方
面の戦いが5本、総合解説が2本のもの。
https://onl.la/A2RLXzK
『モンゴルから日本を救え!武士の壮絶な戦い【元寇・文永の役】世界の
戦術戦略』
https://www.youtube.com/watch?v=zWxTCVDX0Zg
『武士とモンゴルの運命の最終決戦!【元寇・弘安の役】世界の戦術戦略』
https://www.youtube.com/watch?v=roNxXutMmD4

 地形も描かれていて解説がとにかくわかりやすく学説・解釈の一つとし
て楽しめる。戦法・戦術についても武士は重装弓騎兵だったとか、弓の威
力も日本の方が強かった、蒙古兵が弓を放つ絵も後の描き足しだなど、ず
いぶん学説も変化したものです。
 中央アジアは1219年からのバトゥ・スブタイの西征ではまずホラズム
(サマルカンド、ブハラなど)からカスピ海方面へ。スブタイはアメリカの
パットンとドイツのロンメルが師と呼んだほど機動力に優れていた。グル
ジアを破りキプチャクを懐柔したあとで壊滅させる。スブタイはクリミ
ア、ジェベはドニエプル河へと進みルーシ・キプチャク連合軍とぶつか
る。ちょうどウクライナが舞台の戦い。モンゴルは9日間の撤退戦で敵を
おびき寄せカルカ河畔の戦い(1223年)で撃破した。
https://www.youtube.com/watch?v=1yURS8FeNas&list=RDCMUC5dzkTCM0Jxnc5widb8arDw&index=10

 欧州方面は1236年からのバトゥ・スブタイの西征ではルーシは簡単に落
とし、ポーランド・ハンガリーへ。1241年のリーグニッツ(ワールシュ
タット)の戦いとモヒの戦い。
https://www.youtube.com/watch?v=y1BjzGNEFEA
https://www.youtube.com/watch?v=qIoiX4uyhic
 世界史的にチンギスハンのモンゴルは陸において別格の強さだったと改
めて理解できます。(PB生、千葉)
  ♪
(読者の声2)日本文化チャンネル桜からの番組のお知らせです。
2月4日(金曜日)午前1100からの生番組「フロントジャパン」は葛城奈
海さんと宮崎正弘さんでお送りします。
http://ch-sakura.jp/
テーマは「さようならGAFAM」の予定です。
   (日本文化チャンネル桜)



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重 要 情 報
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身 辺 雑 記
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4日の東京湾岸は。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
at 10:23 | Comment(0) | Andy Chang

2022年01月31日

◆ウクライナは「民主主義侵略」の一部

AC 論説No.880  Andy Chang

ウクライナの国境で緊張が高まっている。ロシアがウクライナの国境付近
に10万人規模の部隊を集結させた。アメリカとNATOはロシアがウクライ
ナに侵攻するかもしれない が、もしもロシアがウクライナに侵攻すれば
「重大な代償と結果を招く」と警告し、ロシアに部隊撤収を 要求してい
る。しかしロシアは「自国の領内で演習を行なって居る」とアメリカの要
求を拒否した。ロ シア側の要求は「NATOの東方不拡大(ウクライナ、
ジョージアなど)を約束せよ」と言うことだ。そもそもNATOは東西ドイツ
が統一した後は解散すべきだったと言うのがロシアの主張である

ウクライナの緊張を更に高めた原因はバイデンが先日の記者会見で「ロシ
アのウクライナ侵攻はあり得る、もしもロシアの侵攻が小規模ならアメリ
カ側の報復も小規模」と言っ た失言を補うため、「ロシアの侵攻は本当
だ、5000人の部隊を派遣する用意がある」と失言の上塗りを したからで
ある。このバイデン発言には紛争の当事者であるウクライナのゼレンス
キー大統領もバイデ ンの過剰反応だと批判した。だがバイデンは更に派
遣部隊の人数を5000人から8500人に引き上げ、ウク ライナにロケットな
どの武器弾薬を提供した。ドイツは軍備の代わりにヘルメット5000個を提
供した。 つまり恫喝を二度も三度も繰り返したのはバイデンである。

バイデンは就任以来、一度も自分の失策を改善したことがない。改善しな
いばかりか二度、三度と失策を強化する命令を下して失敗を拡大する。ウ
クライナ失言、アフガン退 却、国境解放、インフレ、エネルギー政策、
コロナ疫病対策、マスク着用強制命令など、失敗を重ねるだ けで改善し
ない。つまりバイデンは智力減退、無能、無策だけでなく頑迷、独裁であ
る。ある人はバイ デンが独裁的ではなく彼は黒幕の操り人形にすぎない
と言う。操り人形だから黒幕(DS?オバマ?)の 言いなりになっている
のかもしれない。

プーチンはバイデンが無能で失策を繰り返すことを熟知しているから引き
下がるはずがない。ロシアの目的はウクライナやジョージア(グルジア)
をNATOに参加させないため国 境に軍隊を集結させて武力恫喝をする。ウ
クライナに親ロシアまたは中立政権を作りたい。ハッキリ言 えば「アメ
リカの民主主義侵略」を防ぎたいのである。

「アメリカの民主主義侵略」とはオバマが大統領になって以来、「世界に
民主主義を推進する」ことを理由にして世界各地で革命を推進し、親米政
権を作ろうとした政策(陰 謀)である。チュニジアのチューリップ革命
から、リビア、エジプトなどでタリバンに武器を提供し て独裁者を倒し
た挙句、タリバンに提供した武器を取り戻そうとして失敗したベンガジ事
件が起きた。 そして次の目標だったリビア革命は失敗した。去年のバイ
デンのアフガン総退却は民主化に失敗した続 きであり、ウクライナの
NATO加盟も民主主義を理由とした侵略である。民主主義の推進と言いなが
らバ イデンの絶対に失敗を認めない態度は独裁そのものだからアメリカ
も独裁国と大差はない。

ウクライナの緊張が高まったと言うけれど、ロシアはウクライナに侵攻す
るつもりはないと言っている。ロシアと違ってアメリカはウクライナに武
器を提供し、ウクライナの 米国大使館の撤退を命令した。これはバイデ
ンがアフガン退却の大失敗を繰り返さない為とも言える が、ウクライナ
に武器を提供した結果、ウクライナ側がロシア側に発砲したらプーチンに
ウクライナ侵 攻を正当化する口実を与える。誰が戦争を嗾けているのか
は歴然としている。しかもアメリカは戦争 に介入しないし、できない。

ロシアがウクライナに侵攻してもアメリカは介入できない。アメリカには
戦う意思はないしドイツも戦争に反対である。アメリカがウクライナ戦争
に介入すれば戦争が拡大して 収拾がつかなくなる。アメリカには他人の
国の戦争に介入する正当性がないし、アメリカ国民は戦争に 反対であ
る。それなのにバイデンはウクライナに武器弾薬を提供し、大使館員の撤
退を命令したのだ。 このようなアメリカの挑発的行は絶対に危険であ
る。中国がこの機会を利用して武力で台湾を攻撃する 可能性もある。北
朝鮮はこの数日で6回もミサイル発射を行った。

ウクライナ問題が武力衝突となっても大きな戦争にならないし、アメリカ
に出来ることは経済封鎖だけである。それならウクライナに武器弾薬を提
供するのは無駄なことだ。ロ シアに対する経済制裁は両刃の剣である。
経済制裁がロシアに与える影響は大きいが、同時に欧州や日 本も大きな
影響を受ける。ドイツは多大にロシアの原油や天然ガスに依頼しているの
で経済制裁はやり たくない。天然資源制裁の他に、ロシアに対し金融取
引停止をすると世界諸国の金融取引が大混乱を起 こす。だからアメリカ
の一存で経済制裁を加えることはできない。つまりロシアに対しては武力
戦争も 経済戦争も困難なのだ。

ウクライナ紛争の元はロシアがウクライナのNATO加盟に反対していること
である。アメリカ側とロシア側が平和的に交渉して「ウクライナの民主
化」を中止すればそれで良いの だ。その上でアメリカはロシアと共同で
中国の世界侵略を食い止めるべき、これがアメリカにとって最 善の策で
ある。

アメリカのDeep Stateが推進する政策は大きな間違いを犯し続けてきた。
キッシンジャーは中国の民主化に失敗した。イラクの独裁者サダム・フセ
インを殺したけれどイラクの 平和と繁栄はなかった。オバマとヒラリー
の民主化陰謀で倒したチュニジア、リビア、エジプトの現状 は惨憺たる
ものだし、アフガンの大失敗に懲りず、ウクライナでロシアを敵に回して
いる。

アメリカが勝手な民主主義侵略で失敗を繰り返している間に、中国は南シ
ナ海の7つの島を占領して軍事基地化し、台湾征服を主張し、尖閣諸島を
狙っている。この他にも膨大 な資金と軍事力を使って東南アジアの
国々、インドネシア、南米諸国とアフリカ大陸の戦略的資源を買 収して
いる。ロシアも中国の覇権拡張に強い警戒心を持っている。中国の覇権拡
張はロシアにとって大きな脅威である

ロシアと敵対するより中国の覇権拡張を食い止めることが大事である。ア
メリカがウクライナ問題でロシアを敵に回せばロシアと中国がグルになっ
てアメリカと敵対する。こん なバカな政策は即時中止してロシアと平和
友好を取り戻し、ロシアと共に中国覇権を食い止めるべきで ある

           


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◆雀庵の「開戦前夜/12備えなき国・民族は淘汰される」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/423(2022/1/27/木】米国民主党に担がれたバイ
デンが大統領になってから1年が過ぎた。民主党は「バイデンは神輿、軽
くてパーでもいい、多少呆けていても側近が支えていれば大丈夫だろう」
と担いだのだろうが、♪たちまち元気になっちゃって・・・暴走老人のよ
うにアクセルを踏んで、やることなすこと軽佻浮薄、無理無体、まるで
ダッチロール。

極めつけはアフガニスタン撤収で、素人の小生だって歴史小説を読んで
「戦線離脱、撤収は敵に悟られないようにそーっと、かつ迅速にやるべ
し、最後尾の部隊は殿戦(しんがりせん)で敵の追撃を受けるから往々に
して甚大な被害を蒙る・・・サル! 覚悟はいいか」「殿、藤吉郎、命惜
しまず名こそ惜しめの覚悟はできています、必ずや恩に報いてみせます」
「よし、行け!」

これくらいは知っている。バイデン翁はご存じないのか痴呆症なのか、撤
収のスケジュールまで公表して主敵タリバンを勢いづかせて撤収はドタバ
タの敗戦、逃亡、まるで米軍を敗残兵にしてしまった。


<NHK2021/8/27:アフガニスタンでは26日、首都カブールの国際空港の入
り口とその近くにあるホテルの周辺で大規模な爆発があり、現場にいたア
メリカ軍の兵士13人を含む多くの死者が出ています。複数の海外メディア
によりますとアフガニスタン人の死傷者は、数十人に上るとみられていま
す。(1日の米軍死者数としては10年で最悪)

これを受けてホワイトハウスで記者会見を開いたバイデン大統領は、過激
派組織IS=イスラミックステートの地域組織が犯行に関わったとしたうえ
で「犯行に関わった者を見つけ出し代償を払わせる」と述べ、強く非難し
ました

その一方で「20年にわたる戦争を終わらせる時だ」と述べ、アメリカ人や
地元の協力者などの退避を今後も進め、今月31日の期限までにアメリカ軍
の撤退を終える考えを改めて強調しました。

アメリカ国防総省によりますと、アフガニスタンでのアメリカ兵の死者数
は、軍事作戦を開始した2001年10月以降、これまでに2400人以上に上ります。


ただ、去年2月にアメリカ政府(トランプ政権)と武装勢力タリバンが和
平合意を結んでからは、アフガニスタンでアメリカ兵の死者は出ていませ
んでした>

「犯行に関わった者を見つけ出し代償を払わせる」は空手形。それどころ
か北村淳・軍事社会学者によるとバイデンはタリバンに以下の兵器を大盤
振る舞いをした(globe.asahi.com 2021/9/9)。

<軽装甲車両:2000両以上、各種輸送車両:75,989両、C−130軍用輸送
機:4機、ブラックホーク汎用ヘリコプター:45機、偵察戦闘ヘリコプ
ター:50機、自動小銃や機関銃など:60万丁以上、7.62mm(NATO標準)小
銃弾:20,150,600発、機関銃弾:900万発>

暗愚どころか狂気だ。バイデンは自分に自信を持っているから周囲の声な
んて聴く耳もたずのよう。ロイター2022/1/25「バイデン氏、『バカ野
郎』と記者を罵る マイクオンに気付かず」から。

<バイデン米大統領がマイクがオンになっていることに気付かず、記者に
「バカ野郎」と小声でつぶやいたのが捉えられていた。バイデン氏は24
日、ホワイトハウスで行われた消費者物価の引き下げについて話し合う会
議に出席した。係員が報道陣の退出を促す中、フォックスニュースのホワ
イトハウス担当記者が大声で質問したのに対し、バイデン氏は直接は答え
ず、小声で「なんてバカな野郎だ」とつぶやいた>

アカモドキの「バカな野郎」のお陰で大統領になったから、恩返しでみん
なを笑わせたり喜ばせたりしたいのではないか。ところが過ぎたるは猶及
ばざるが如し、バイデンを支持したウォールストリートジャーナル
(WSJ)もダメ出し、どうやら民主党支持者も匙を投げ始めたよう。この
ままの「バカな大統領」では米国も世界もおかしくなってしまうという危
機感、恐怖感のような論稿をWSJは大量掲載した。まるで爆撃。

★その1)2022/1/25「迫るロシアとの戦争、身構えるウクライナ市民 不
安定さに慣れたこの国でも、今回は何かが違うと国民は感じている」
(James Marson)から。


<[キエフ(ウクライナ)]コンピューター専門家のコフズンさんは子ども
にピストルの使い方を教えた。菓子店とカフェを経営するナボズニアクさ
んは、ロシアとの戦いに集中する必要が生じた場合に備え、スタッフのみ
で店を回せるよう研修中だ。バーのオーナー、キリチェンコさんは、急
きょ移動が必要になる事態を想定して、車のガソリンを常に満タンにして
いる。

ウクライナは1991年に独立して以降、国家としての安定を築けず、2014年
からは戦争状態にある。それでも、10万人のロシア兵が国境近辺に集結
し、1940年代以降の欧州で最大の地上戦の脅威が迫る中で、市民は今回は
何かが違うと話している。

「またかと口にするのが当たり前になった」と言うコフズンさん(46)。
「一方で、パニック状態にも陥りやすくなっている。(内戦が続く)シリ
アのような悪夢になるかもしれない。それがロシアが(ウクライナで)唯
一達成できることだ」>悪夢、諦観・・・

★その2)2022/1/25「プーチン氏の大胆不敵さ、背中押す米独中の事情」
(Gerald F. Seib)から。


<プーチン大統領の狙いを読み解こうとすることは常に高いリスクを伴
う。ウクライナ危機が深刻化する中では間違いなくそう言える。

それでも、プーチンがなぜウクライナを侵攻する下地を整え、しかもこの
時期に行っているかを理解しようとすると、霧の中からいくつかの重大な
要素が浮かび上がってくる。プーチンがこのタイミングで行動しようとす
るのは、ウクライナに対する自身の影響力が弱まりつつあると痛感してい
るためだ。そしてプーチンが何ら足かせなく行動できるであろうと踏んで
いる理由は他の3カ国にある。米国、ドイツ、中国だ>


中共のみならず米独もプーチンをのさばらせている、と怒っているよう。
ドイツは第一次世界大戦以来の「私は正義病」が激しく、ドイツ哲学はそ
れを隠蔽するためにやたらと化粧するから(カール・マルクスもマルク
ス・ガブリエルも)分かりにくいが、「頭脳明晰を装った行動野蛮の民
族」と心得ていた方が良い。今一信用できない、信用するとひどい目に遭
う、本質は(メルケルのように?)共産主義志向の人々だということ。そ
う思っている人は多いようだ。

★その3)2022/1/24「ドイツは信頼できる米同盟国ではない 安価なガス
と中国向け自動車輸出、プーチン氏を怒らせないことを最優先する国」
(Tom Rogan)から。

<プーチン大統領がウクライナ侵攻に乗り出す気配が濃厚となる中、米同
盟諸国の大半はウクライナ政府を支持し、北大西洋条約機構(NATO)加盟
諸国の中で脆弱な国々を安心させる行動を見せている。しかしドイツは、
ロシアの利益を欧米側の利益よりも優先するという、異なった対応を示し
ている。

ドイツ政府の対応からは、厳しい現実が分かる。それは、米国と第2次大
戦後の民主的国際秩序が、中国・ロシアという2つの最も重大な安全保障
上の脅威に直面する中で、ドイツはもはや信頼できる同盟国ではなくなっ
たということだ。

ドイツにとっては、安価なガス、中国向け自動車輸出、そしてプーチンを
怒らせないことが、民主主義に支えられた同盟諸国の結束よりも重要なよ
うに見える。ウクライナの運命は、ドイツが担うべき責任の重さを伝える
ことになるだろう>

カエルの面に○○、つける薬なし、ドイツ人は頑迷固陋のままだろう。ドイ
ツ人に限らず国民性とか民族性はなかなか変わるものではない。ロシア人
の冷静沈着、忍耐力を備えた“豺狼”プーチンに世界は右往左往させられて
いる。

★その4)2022/1/25「狭まる選択肢、カーター政権以来の危機 プーチン
氏は最低限のコストで極めて大きな成果を得ることに成功」(Walter
Russell Mead)から。


<ウクライナ侵攻の脅しをかけるプーチン大統領の策略は世界中で大きく
報道され続けており、同大統領は最低限のコストで極めて大きな成果を得
ることに成功している

プーチンは、相互に関連し合う3つの目標の達成を目指している。それは
「旧ソ連が築いた一大帝国にできる限り近い勢力圏の再構築」「北大西洋
条約機構(NATO)の解体」「欧州連合(EU)の連帯の阻害」だ。

同氏が繰り出してきた外交的要求、プロパガンダキャンペーン、サイバー
攻撃、軍事攻勢は、こうした重要目標に極めて近い成果を彼にもたらし
た。プーチンに対抗する西側勢力は、こうした動きに効果的な対応を示す
ことができず、より深刻な分断と矛盾に満ちた状態へとよろめきながら進
んでいる>

東側ヘビー級チャンピオンのプーチン、対するに西側ヘビー級シニアクラ
スチャンピオンのバイデン・・・お話にならない。そもそもバイデンはリ
ングに上る気もないよう


★その5)2022/1/21「サイバー戦争の予兆か、ウクライナで警戒高まる 
バイデン氏、サイバー攻撃程度ならロシアへの強力な報復はないと示唆」
(Robert McMillan and Dustin Volz)から。

<ウクライナで最近サイバー攻撃が発生したことを受けて、ロシアが自ら
の地上侵攻を支援するため「破壊的なハッキングを画策している」との懸
念が浮上している。ただ、専門家からはロシアの意図を読み切れないとの
声も上がっている。

ウクライナでは先週、70余りの政府機関のウェブサイトがハッカー攻撃を
受けた。国家特殊通信・情報保護局の副責任者、ビクトル・ゾラ氏が明ら
かにした。少なくとも二つの政府機関でコンピューターシステムの稼働を
不可能にする「ワイパー」ソフトウエアを埋め込まれたとして、とりわけ
警戒しているという。ロシアはサイバー攻撃への関与を否定している。

攻撃は少なくとも数週間前から仕組まれていたようだ。ゾラ氏によると、
ハッキングに関する最初の兆候が確認されたのは2021年終盤だった。米
ネットワーク機器大手シスコシステムズの幹部、マシュー・オルネイ氏
は、同社のデータでは昨年11月からハッカー攻撃の準備が進められていた
形跡が見受けられると話している>

欧米はプーチン・ロシアを最も恐れており、中共は二番手の敵のようだ。
歴史的にロシアは200年ほど欧米の敵だが、中共は江沢民から習近平政権
の2000年代、ここ20年ほどで明確な日本の敵、台湾の敵、南シナ海諸国、
太平洋諸国、インドの敵、そして今や欧米の敵、西側世界の敵として警戒
されるようになった。

欧米はレーニン、スターリン時代を含めてロシアの強さ、残虐さを身に染
みて知っているから大いに恐れるが、中共の国際デビューは毛沢東後のト
ウ小平が発動した改革開放の1980年以降だから、まだ40年しか経っていな
い。その前半の20年は韜光養晦でそれなりに大人しくしていたが、直近の
20年は夜郎自大でまるで蛮族。ついには病膏肓“俺さまの夢、中国の夢、
中華民族の偉大なる復興”を目指すまでになって世界制覇の意気盛ん。当
然、先進国、近隣国から大ヒンシュクを買って今や味方はプーチン・ロシ
アやイランなどのゴロツキ国家と、“銭ずら、銭がすべてずら”の金銭亡者
ばかり・・・

中露の野望は世界の悪夢、ロシアはウクライナを、中共は台湾と日本を
狙っている。中露ダーティペアは当然、同時に戦端を開く。バイデン米国
が二正面の開戦に右往左往すること、また危機のセンサーが働かない日本
など米国依存症のパープリン国が中露の餌食になることは確かである。


「自国は自国民で守る」、この気概や備えのない国、民族は淘汰される、
というのは明瞭だ。新大陸の先住民はほぼ消滅された、あるいは絶滅危惧
種として細々と荒野の居住区に“保護”されている。「国境周辺におけるロ
シア軍増強の動きなど重大な懸念をもって注視している。ウクライナの主
権や領土は重要な問題だ。先進7カ国(G7)の枠組みを重視しながら適切
に対応していかなければならない」・・・ナンミョーじゃあるまいし、お
題目を唱えれば危機が去るとでも思っているのか? プーチンや習近平は
嗤っているだろう。

「年内に1000発の核ミサイルを配置すべく作業を進めている」となぜ言え
ぬ。丁寧に国民に今の危機を説き、できる限りの抑止力で備えるべきだ。
天は自ら助くる者を助く。危機感をもって第3次世界大戦に具体的に備え
るべし

            
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◆巨額の罰金は「独占禁止法」違反

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月28日(金曜日)
     通巻7200号 
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エヌビデアはなぜアーム社買収に待ったをかけられたのか
フェイスブックもアマゾンも巨額の罰金は「独占禁止法」違反
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 米国は「米国競争法2022」を可決し、ハイテク産業の育成に努める
としながら、他方ではビッグテックを片っ端から独占禁止法に抵触すると
して提訴し、規制強化している。
明らかに矛盾している。アメリカの整合性のなさは政権vs議会vs実業
界vsアカデミズムと、つねに政策立案と遂行面でアンビバレンツだ。

 1月26日、ソフトバンクは年初来最低の株価となった。51%強の下
落である。
 世界中に強気の投資を続けてきたソフトバンクグループ(以下、SBG
と略する)だが、中国の馬雲率いたアリババの「大後退」以後は、まった
く冴えない業績に転落した。
株価下落の主因は、エヌビデアのアーム社買収が「独禁法」に抵触すると
して白紙に戻されかねないからだ。

アームは、世界一の半導体設計で知られ、とりわけ自動車運転の半導体開
発、CPU設計などがアーム社の寡占状態である。
SBGが将来を見越し、2020年九月に3兆円で買収していた。SBG
は、この株式を4兆5500億円で「売り抜ける」予定だった。

 この巨大買収に待ったをかけたのは、2021年8月に、英国で「競争
市場庁」が「競争上に深刻な懸念があり」として調査するとし、11月に
は追加調査を行うとした。アーム社は英国籍である。
 ついでFTC(米連邦取引委員会)で、21年12月に買収差し止めを
提訴、ひきつづきEU委員会が「独禁法に照らし、22年三月まで調査続
行」とした。要点は「エヌビデア+アーム連合が誕生すると、半導体業界
で強すぎることになる」からだ。
 株価急落に見舞われたエヌビデアは、買収撤退を検討するとした。

 マイクロソフトは、ゲームソフト大手の「アクティビジョン・ブリザー
ド」の買収を発表したが、これもまた米司法省がM&A(企業合併・買
収)審査を厳格化する方向にあるため、先行きどうなるか不明である。
 
 ▼[GAFAM]もネットフリックスなど「巣ごもり」もピークは打った


 テレワーク時代は終わりを告げているのではないか。
 自宅にいてPCと向き合い、ネット回線で仕事をこなす方が能率が上が
るとされた。ところが、人と人との結び付きがないため気楽に住居移動が
始まる(シリコンバレーからテキサスへの移住が顕著だった)。移住でき
ない人はペットを飼ったり。
「ズーム」は明らかに頭打ち状態となった。
 また寝ころんでテレビを見たりするから外食を避けるのでウーバーを活
用、寝ころぶソファ等が必要となりニトリ株価が急騰し、ネットフリック
スは会員数を激増させた。インスタント食品も売り上げを伸ばし、コカ
コーラはノンアルコール・ビールに挑戦するそうな。

 GAFAM全盛もピークを打ったのではないか。
 最大の理由はバイデン政権がビッグテックの情報、データ・サービスの
寡占状況を敵視するようになったからだ。
 グーグルは司法省に提訴され100億ドルの罰金、グーグルの広告事業
との関連で、プライバシーの保護に欠陥が在りと指摘されてきた。また
グーグルが利用者の位置情報を不正に収拾したとしてテキサス州、アリゾ
ナ州、ワシントン特別市などの司法長官から提訴されている。これは「消
費者保護法」違反という。

 アップルも半導体不足で業績が下落傾向にある。グーグルやアップルな
ど、閲覧者の行動履歴を追跡し、広告が流されるが、この「サードパー
ティクッキー」が規制される。

 ついでフェイスブック(最近「メタ」と社名を改称)も巨額の罰金。独
禁法とプライバシー保護が法源である。フェイスブックはアプリのダウン
ロード数で、三位に甘んじた(一位はTIKTOK、二位がインスタグラ
ムだった)。フェイスブックのデジタル通貨は立ち消えとなった。
 アマゾンもオンラインの在り方に疑義を挟まれ、提訴される方向とい
う。マイクロソフトは嘗て司法省とのいざこざに懲りて、慎重な対応を
取ってきた。それでもマイクロソフト株は年初来12%安。ネットフリッ
クスは35・6%安。

 中国はもっと悲惨かも知れない。
 独裁政権の中国共産党の意向に逆らってデジタル銀行やら、個人の情報
データを独裁政権以外の民間企業があつめ、それを活用するのは許さない
のだ。

 アリババ、テンセント、バイドゥ、ハイセンス(所謂「BATH」)は
経営がふらつき、また「中国テック五傑」と言われるのはアリババ、テン
セントに加えて美団、京東集団、ピンドゥオドゥオ)が株価を
80−60%も下落させている。


 ▼NEXT GAFAMとは?

 ならば次の産業は何か? EV、メタバースは誰もが指摘する。
 基本的にはAI、ロボット、量子、医療だろうが、夢ばかりが先行し、
突発的な株価暴騰(典型はテスラ)などが見られる。
たが近視眼的ではなく、長期展望に立てば、産業の根幹は半導体、AI、
ロボット、素材、そして鉄鋼や機械であり、AI技術開発がもっと進め
ば、医薬品や新製品が出てくるだろう。
それが具体的には何なのか? 予測は現時点でたいそう難しくなった。

   
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 中国の皇帝に必要なものは『正統』、それを著すのが国爾
  天子とは黄皇帝の子孫であり、始皇帝の印象が必要だった

  ♪
岡田英弘『皇帝たちの中国  始皇帝から習近平まで』(WAC)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 現在の中国とは共産党王朝のことであり、中国共産党の最高指導者は
『皇帝』となんら変わらないのであり、中国の歴史は皇帝たちの歴史であ
るとする岡田史学の基礎認識をもとに過去のシナの歴史をダイナミックに
描く。
 「国家意識」とか「国民意識」とか、もっと近代的な言葉をつかえば
「国民国家」とか、『愛国心』とか、シナ人には理解不能である。人民解
放軍は国軍ではなく、共産党の傭兵である。
 したがって兵士らは、いかに上が鼓吹しようが、「愛国心」では動かな
い。軍閥の私利私欲で動く。軍の理論家が「国軍とすべき」と言えば、失
脚するのだ。
 秦の始皇帝がシナ大陸始まって以来、『天下』を統一して『皇帝』を名
乗ったが、実力だけでは支配者になれない。法的根拠なるもの、つまり天
命の「正統」を見せつける必要があり、その原則のような正統性史論を書
いたのが司馬遷である。
 岡田氏はこう言う。
 「司馬遷の『史記』を見ると、神話時代の『五帝』のうち、最初に天下
に君臨した天子は黄帝で、その次の四人の『帝』はみな黄帝の子孫であ
る。それだけではない、夏、殷、周、秦の王たちも、すべて「五帝」のど
れかの子孫だということになっている」
 史実をみれば黄帝は伝説であって架空の神だし、始皇帝が由緒正しき出
自などとは聞いたことがない。劉邦はヤクザの親玉だったし、明を開いた
朱元章は秘密結社を利用して皇位を簒奪した生臭坊主。いやだからこそ彼
らは秦の始皇帝が用いた「印爾」を必要としたのだ。
 「斑固の『漢書』によると、前漢の末、王もうが皇位の位を乗っ取ろう
として、伯母の王太后に『漢伝国爾』という印章を引き渡すように要求し
た。かつて劉邦が軍を率いて秦の都喊陽に入城したとき、秦王子嬰は降伏
し、始皇帝の印章をさしだした。劉邦が項羽を倒して皇位の位についてか
ら、その始皇帝の印章を引き続き使用したので、それから歴代の前漢の皇
帝は、その印章を引き継いで『漢伝国爾』と叫んだ」(171p)
 以後、皇位を狙う人々は玉爾の奪い合いを演じる。
 シナ人のドライさは漢字が主因である。
 漢字とは表意文字であり、ドライな語彙の羅列だから漢詩にしても、感
情の機微を表現できない。評者(宮崎)もいろいろなところでのべてきた
が、恋愛感情、愛情の微細な表現はしにくいため、現代でも渡辺惇一の小
説が中国でベストセラーになるのである。
 「やさしい」「奥ゆかしい」「みやび」という表現ができないのは、漢
字の宿命であり、ましてや、現代の簡体字ともなると『心』のない『受』
(愛)、『雨』のない『云』(雲)。横棒三本に縦一本(三+l)が
「豊」なんて、日本人からは想像もできない文字体系を生み出した。
 例外があるという。
 それは十八世紀に沈復が亡妻を偲んでの『浮生六記』だけ。ほかに漢文
で書かれたシナの恋愛小説なるものは、すぐに帯を解いて裸になり剥き出
しのセックスでしかない。
本書の解説は岡田未亡人の宮脇淳子女史。最後に秦の始皇帝から溥儀まで
の歴代皇帝一覧年表がある。
    
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)人気の討論番組「イワンかな」、次回は2月3日です。翌
日2月4日をひかえて、北京五輪直前のタイミングですので、楊逸さんを
お迎えし、中国問題の討論です。
 2月3日 木曜日 午後四時半から六時
 司会=高山正之 パネラー=馬渕睦夫、福島香織、塩見和子、宮崎正弘
の各氏。
 ゲスト=楊逸(芥川賞作家、『わが敵・習近平』など)
   (未来ネット、旧『林原チャンネル』)

  ♪
(読者の声2)ウクライナ情勢で国内外の掲示板を見ていたら面白い意見
があった。1918〜19年の「夢よもう一度」なのだろう、というもの。要す
るに1917年の革命で最初はユダヤ人が30%程度だったのがボリシェビキ革
命では80〜90%というユダヤ人によるクーデターという見方。
 実際に当時のペテルブルクでは電話帳(電話は金持ちしかもっていない)
を元に貴族・大商人の屋敷や豪邸を占拠。劇場のボックス席はユダヤ人ば
かり。ペテルブルクとモスクワをむすぶ列車には「エルサレム」と名付け
られた
 第二次大戦後、台湾で国民党がしたことや、日本の敗戦後に自称戦勝国
として駅前の土地を奪った朝鮮人と同様ですが、ドイツが連合軍と休戦す
るや英仏と合同でロシアに攻めてくるという噂でモスクワに逃げ出す者も
多かったとか、このあたりも逃げ足の早い中国・朝鮮人と似ているかもし
れない。
 おおまかにいうと、西のユダヤ人がナポレオンのサンヘドリン以降、ユ
ダヤ法ではなく各国の法律にしたがい、同化主義を受け入れ、英国に至っ
てはボーア
戦争のように、ロスチャイルドの利益は英国の利益とばかり一体化してし
まった。ナポレオン時代のアルザスでは東から来たユダヤ人がひどく嫌わ
れていた。厳格なユダヤ法で縛られた東のユダヤ人はキリスト教徒とまじ
わることを嫌いゲットーに閉じこもり、ユダヤ法の束縛を逃れたい者は過
激思想になる。ロシアではユダヤ人に平等の待遇を与えれば与えるほど反
政府運動が盛んになり困り果てた。ポーランド分割で大量のユダヤ人を取
り込んだのがロシアの命取りだったのかもしれない(日本の朝鮮併合のように)

 ユダヤ人の排他性はムソリーニがローマのユダヤ人街の壁を取り壊した
ときにはユダヤ新聞は大いに嘆いたということからも察せられる。
シオニズムにおいてもアフリカ案を受け入れようとしたヘルツルに対し東
のユダヤ人は大反対。ヘルツルはなぜか都合よく死んでしまう。
 少数民族支配であっても元や清といった大帝国が長く続いたのに対し、
ユダヤ人はあまりに視野狭窄で短期利益にこだわり、社会的に敵視され自
滅する。スターリン以降、ユダヤ人は徐々に排斥され、ユダヤ人がほとん
どいなくなったブレジネフ時代には社会が完全に停滞した、とソルジェ
ニーツィンは書いている。
 ロシア革命後の1931年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂は爆破され
た。跡地には1250フィート(エンパイアステートビルと同じ高さ)以上のソ
ビエト宮殿が建てられる予定だったがなぜか中止。大聖堂はソ連崩壊後の
2000年に再建された。ユダヤ人抜きに欧米資本主義経済は成り立たず、ユ
ダヤ人の強欲さはキリスト教精神と相容れない。ロシア経済の舵取りも難
しいのだろうと思う。
   (PB生、千葉)

  ♪
(読者の声3)ウクライナ危機で英国は16日夜、対戦車兵器と扱い方を指
導する兵士を乗せたC-17を2機派遣したがドイツ上空を迂回して飛行し
た。ドイツはウクライナに対する榴弾砲輸出許可を拒否、支援はヘルメッ
ト5000個という笑い話。
 1941年の独ソ戦ではスターリンが先制攻撃を計画していたとする説がある。
バルバロッサ作戦でドイツが先制攻撃を仕掛けていなければ大西洋まで共
産主義になっていたとまで主張する向きもある。さすがに極論と思えるが
スペイン内戦にソ連が関わっていたこと、ソ連が猛烈な勢いで軍需生産を
強化していたことなど考えるとありえない話でもない。
 ソ連の軍事情報将校だったウラジーミル・レズンという人物はのち英国
に亡命、ヴィクトール・スヴォーロフというペンネームで、この仮説を3
冊の本にまとめている。その書評が英語で書かれている。
http://library.flawlesslogic.com/suvorov.htm
 この書評のなかにドイツの戦時図鑑「シグナル」英語版に掲載されたバ
ルト海から黒海まで長大な戦線に大量に動員されたソ連軍の戦車部隊の地
図がある。
http://library.flawlesslogic.com/signal_map.jpg

 スヴォーロフはスターリンの戦争計画として1939年8月19日の演説を証
拠としている。「過去20年間の経験から、平時の共産主義運動は権力を掌
握できるほど強くないことがわかった。そのような党の独裁が可能になる
のは、大きな戦争の結果としてのみである...。その後、復活したドイツ
からの保護を受け入れたすべての国が、我々の同盟国になるだろう。我々
は、世界革命を発展させるための広い分野を持つことになるだろう」。
 ドイツの「バルバロッサ」攻撃は、ヨーロッパ全土を「解放」するとい
うスターリンの綿密な計画を打ち砕いた。この意味で、スヴォーロフはス
ターリンが第二次世界大戦に「負けた」と主張している。ソ連の首相は、
ドイツを破り、東欧・中欧を征服しただけでは、失望したとしか思えな
かったのである。
 ※1970年に「ヨーロッパの解放」というソ連映画があった。T-34戦車が
塹壕を飛び越えるシーンなど映画とはいえ信じ難かった。
 スヴォーロフによるとスターリンの失望感の表明は次の通り。
1.1945年の戦勝パレードでは自分ではなくジューコフ元帥に指揮を取ら
せた。
2.5月9日の公式戦勝パレードは、スターリンの死後まで許可されなかった。
3.スターリンは第2次世界大戦終了後に授与された勲章を一度も身につ
けなかった。
4.スターリンは憂鬱な気分の時、親しい人たちに戦争が終わったので引
退したいと言ったことがある。
5.スターリンが長年計画していた「ソビエト宮殿」の建設を断念した。

 スヴォーロフの説明によれば、1941年6月22日の朝、ドイツ軍が攻撃し
た戦車は3,350両であったのに対し、ソ連の防衛軍は24,000両であった。
しかも、火力、航続距離、装甲などの技術的な面でも、ソ連の戦車は優れ
ていたとスヴォーロフは強調する。この点について、スヴォーロフはドイ
ツの戦車大将ハインツ・グデーリアンの回想録「Panzer Leader」
(1952/1996, p.143)を引用している
『1941年の春、ヒトラーはロシアの軍事委員会に我々の戦車学校と工場を
視察させることを明確に命じた。ロシアの将校たちは、IV号戦車が実際に
我々の最重
戦車であることを信じようとしなかった。彼らは、最新型の戦車を隠して
いるのではないか、すべてを見せろというヒトラーの命令を実行していな
いのではないか、と何度も言ってきた。軍事委員会があまりにもしつこい
ので、最終的にはメーカーや兵器局の関係者がこう結論づけた。「ロシア
人はすでに我々よりも優れた重い戦車を持っているのではないか」と。
1941年7月末、T34戦車が戦線に登場し、ロシアの新型戦車の謎が解けたの
である。』

 ロシア革命以来、アメリカから工作機械を買い入れ、さらに膨大な支援
物資がソ連に流れ込んでいたことを考えると独ソの格差は時間とともに開
く一方だったのだろう。ロシア人としてロシアを贔屓目に見ているとして
もロシアの軍事力は侮れないものがあったし、現在も同様である。
 バルバロッサ作戦に関する議論など英語のネット上では多数の図版を添
えて盛んに行われている。
https://www.quora.com/What-if-the-Russians-attacked-Germany-first-before-Operation-Barbarossa
 戦争ポスターの数々には「母なる祖国像」や「子供殺しのヒトラーに復
讐を誓う兵士」などが出てくる。情動を刺激するのに子供を使うのは昔か
ら、鎌とハンマーだけでは戦意高揚にならないのだろう。
 おまけでスターリン大好きベラルーシの軍事博物館「スターリンライ
ン」体験レポート。
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1069602.html
ロシアの最新鋭Su-57戦闘機の動画。なかなか格好いい。
https://www.youtube.com/watch?v=eqgrv2kHQHA
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ちょうど二年前の今日(2020年1月28
日)、NYで、KGB記念館を見学したことを思い出しました。目玉は
「傘」、そしてKGB創設者ジェルジンスキーの執務室、当時の暗号解読
器とか通信機など。傘はロンドンでKGB工作員が、傘の先に毒を塗って
地下鉄駅で暗殺したものです。
 モスクワにジェルジンスキーの銅像を復活させる動きがあります。気味
悪い独裁国家ベラルースの首都にはジェルジンスキーの銅像がいまも「健
在」です。
at 10:18 | Comment(0) | Andy Chang

2022年01月15日

◆政府の工作員が国会暴動を煽動した可能性

ANDY Chang

AC 論説No.878 

去年1月6日の国会乱入事件についてペロシ議長が強引に立ち上げた調査
委員会は前の記事に書いたよ
うにトランプに責任を押し付け、トランプを政界から追放する陰謀と言え
る。この調査委員会はとラン
プの親族や幕僚を喚問したり、メールの提出を強要したりしてるが、民間
の報道ではすでに連邦政府の
工作員(スパイ)が群衆の暴動を煽動した可能性を伝えていた。それが昨
日1月11日の上院議員がFBIの
高級官僚を喚問した際に「ほぼ確実」になった。

テッド・クルース(Ted Cruz)上院議員は昨日、FBIのJill Sanborn(サン
ボーン)国家安全局副局長
(NationalSecurity Branch Executive Assistant Director)を上院の公
聴会に召喚し、1月6日の国会乱入事
件(以下1.6事件)の際に連邦の情報提供者(Federal Agent、つまり連邦
工作員)が群衆に「暴動または
犯罪活動を煽動した」可能性について幾たびも質問を繰り返した。

しかしSanborn副局長は全ての質問に「答えることはできません」と返答
して確答を避けた。これで米国
政府が暴動を煽動や使嗾した可能性が浮き彫りになった。でも彼女が返事
を拒否したので確証は得られ
なかった。

政府の工作員(Federal Agent、連邦工作員または連邦スパイ)が1.6事
件で群衆に混入していたことは
既にGateway Pundit、Breitbart、The Hillsなどの新聞、雑誌社が報道し
ている。その他にも数千件の1.6
事件のビデオがある。今回の質問でクルース上院議員が集中的に取り上げ
た人物はアリゾナ州のRay
Eppsという人物で、Eppsが事件の前日と国会乱入の当日、群衆に対し「国
会に行け」、「国会の中に入
れ」と呼びかけていた証拠がたくさんある。

Gateway Pundit 社は既に去年6月にEppsの存在を報道していた。しかし
ペロシの調査委員会は一年近く
で700人余を逮捕したのに、Eppsは逮捕されず彼については沈黙を守って
いた。彼は群衆に混じってト
ランプ支持者のGAFAと書いた赤い帽子に似た、TRUMPと書いた赤い帽子を
被って群衆に「国会に行
け」、「国会の中に入れ」と叫んでいたビデオがある。Eppsは1.6事件の
前日にAntifaの激越行動者と言
われるJohn Sullivanと一緒になっていた写真もある。また、Eppsの外に
複数のオレンジ色の毛糸帽子を
被ったグループが1.6事件の暴動に参加していたことも幾つかの新聞社が
報道している。

昨日の公聴会でSanborn副局長はどのようにクルースの質問に答えたか。
以下はいくつかの問答である:

Cruz:1.6事件には何人の連邦工作員(Federal Agent)が参加していまし
たか?
Sanborn:私はそれに答えることはできません(I can not answer to that
question)

Cruz: 連邦工作員は1.6事件の暴力沙汰に参加していましたか?
Sanborn: お答えすることはできません。

Cruz: 連邦工作員は積極的に暴動を煽動または使唆したでしょうか?
Sanborn: お答えすることはできません。

Cruz: 貴女はRay Eppsを知っていますか?
Sanborn: 名前は知っていますが、詳しいことは知っていません。

Cruz: 多数の国民は連邦政府が意図的に1.6事件の暴動に対し違法行為
(Incite)と暴動( Insurrection)を
奨励したという懸念を抱いています。これは大切なことですからお答えし
てください。連邦工作員、ま
たは工作員に助力していた人が1.6事件で積極的に暴動や犯罪行為を煽っ
ていたでしょうか?
Sanborn: 私の知る限りないです(Not to my knowledge)。

この問答の通りSanborn副局長は確答を拒否している。イエス、ノー、或
いは知りませんと答えなかった
のは知っているけれど答えなかったのだ。5年来FBIが公聴会で事実を知
りながら確答を避ける常套手段
である。公聴会での宣誓証言は、Truth, all the truth, and nothing
but the truth(真実、全ての真実、そし
て真実のみ)を話しますと誓う。お答えすることはできませんといえば
「真実の答え以外」に当るはず
だが偽証罪に問われた者はいない。

ペロシの調査委員会と違って上院の公聴会は公開質問だったのでサンボー
ン副局長が真実を答えなかっ
たことは直ちにGateway Pundit社が報道した。すると公聴会の一時間後に
ペロシの国会乱入事件調査委
員会は、「Ray Eppsについては既に去年11月に我々が尋問した」と発表し
た。だが11月にEppsを尋問し
たが逮捕されなかったし、調査委員会はEppsを尋問した事を隠していた。
これは如何にも不自然だ。
Eppsが群衆を煽動したビデオはたくさんあるのに調査委員会は彼を逮捕し
なかった理由は何故か?

また、Eppsが調査委員会で尋問されても逮捕されなかったなら、調査委員
会はEpps を釈放した理由を
逮捕された700名よの弁護士たちに知らせるべきだったはずだ。

最後に、Eppsが連邦工作員だったことがバレたら、ペロシの調査委員会は
トランプを犯罪者に仕立てる
陰謀であることが明らかになる。サンボーン副局長は質問に答えなかった
けれど、1.6事件とは政府が
仕組んだ反トランプ陰謀であることが誰の目にも明らかである。


=======  AC 通信  =====   AC通信   =====
AC通信は転載自由です。
マグマグAC通信の登録は http://www.mag2.com/m/0001690065.html



           

━━━━━━━━━━━━━━


◆トヨタ「EVシフト」に震え上がる欧米

斎藤 満

トドメの大本命“水素自動車”で日本車が世界を制す

トヨタ自動車は14日、「バッテリーEV戦略に関する説明会」で新発表の15
車種を含むバッテリー電気自動車(BEV)16車種を披露しました。電動化
投資を加速し、2030年までに30車種投入すると発表しています。ついにト
ヨタが動いたと話題になっていますが、日本の優位性を維持するために
は、トヨタが同時並行で進めている「燃料電池車(FCV)」の成功こそが
重要になってきます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)


※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年12月15日号の一部抜
粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月す
べて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和
銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミスト
としてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀
行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投
資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経
て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっている
かを分析している。

トヨタが水素エンジン車投入
世界でEV(電気自動車)シフトが進んでいますが、その中でトヨタの欧州
法人が12月2日、突然水素エンジン車「GRヤリスH2」を公開しました。ト
ヨタはすでにこの水素エンジン車で耐久レースにも参加していて、EV開発
と並行して水素エンジン車の開発も進めています。脱炭素のなかでの自動
車業界としての1つの選択肢として持っておきたい、と豊田社長は言って
います。

もちろん、トヨタはEVの開発も進め、独自の電池生産体制も強化しています。

※参考:豊田章男社長、バッテリEV戦略説明会で2030年までに30車種のBEV
投入を表明 レクサス「RZ」など16車種を一挙公開し電動化投資は8兆円に
– Car Watch(2021年12月14日配信)

脱炭素社会の中で、温室効果ガスを排出させない自動車として、これまで
は主にリチウム電池車の開発が進み、米国のテスラ社などが実用商品化し
ています。そして中国もEV生産に巨大な投資を進めています。

EVにおいて日本はやや出遅れ感がありますが、日本の選択として、大きな
分岐点に来ていると思います。

脱炭素・EV化の裏表
今や世界的な潮流となった脱炭素、EV化の動きは逆戻りできないところま
で進んでいます。地球温暖化を抑制するとの大義は世界で認識され、先
般、英国グラスゴーでCOP26が開催され、この意向が再確認されました。

しかし、この動きの背後には様々な思惑、狙いがありそうです。

この潮流を作りあげるに際して大きな力を発揮したのが、米国のアル・ゴ
ア元副大統領の「不都合な真実」でした。北極の氷や氷河が溶けだし、北
極熊が氷から落ちるシーンは衝撃をともなって世界にアピールしました。
温暖化を何としても阻止する必要を訴えました。



そしてゴア氏はその後、排出権ビジネスで経済的利益を上げています。こ
の温暖化阻止に対応できないところは排出権を買い取る必要があり、世界
に大きな市場ができる狙いを見事に先取りしました。

一部には温暖化を否定する考えもありましたが、世界の主流は温暖化が進
み、世界の脅威になるとの考えに傾斜してゆきました。

Next: EVシフトは日独の優位性を落とすための罠。トヨタはそれでも屈し
ない  
        


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◆暴動の背後にあって「裏切り」

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月13日(木曜日)
     通巻7185号 
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 カザフスタンのカリム・マシモフ情報治安トップ    (元首相)を逮捕
  暴動の背後にあって「裏切り」、中国と強固な絆
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 164名の死者を出して5000名が拘束されたカザフスタン暴動。
 ロシアから治安部隊が投入され、騒ぎは沈静化した。中国の習近平主席
は、治安回復の強硬路線を支持するとした。

 この暴動の背後に何があったのか?
 1月12日、トカエフ大統領は治安と情報工作のトップであり「元首相
のカリム・マシモフを拘束した。暴動は訓練された工作員が仕掛けた。国
家反逆罪の容疑だ」と発表した。逮捕から三日後だった。
 このニュースは衝撃的である。あたかも暴動の背後に、治安の責任者が
いて外国とグルになっていたと示唆しているからだ。

 マシモフはソ連時代から貿易実務に長け、USSRとなった1991年
に中国へ通商、貿易ミッションが派遣されたときの顧問格。以後、通商・貿
易・運輸交渉で主要な役割を果たし、北京外国語大学、武漢大学で中国語
をマスターし、この時期に「ハリク銀行」を立ち上げた。カザフスタンの
運輸大臣時代には鉄道を中国から欧州へ繋ぐ路線強化で交渉の中心にいた。

 カザフスタンの金融を担うハリク銀行は、カザフスタン最大の銀行で、
ナゼルバエフ前大統領の娘と息子が経営している。国民からは疑惑の目で
みられていた。
 また中国とのSCO(上海協力機構)に署名し、テロリズム対策の責任
者となって情報治安部門を統括する一方で、中国主導の一帯一路プロジェ
クト推進では中心人物だったとされる。
たびたびの訪中では李克強首相とも仲が深いと言われた。

 マシモフは2001年から副首相、2007年─12年、2014年
─16年と二回、首相を務め、ナゼルバエフ前大統領に次ぐナンバーツー
の地位にあった。カザフスタンの権力抗争がからみ、政治の主導権争いか
ら邪魔者が除かれたのだろうと推察される。
 とはいえ、真相は薮の中、暴動直後の対応とみていると、ロシアと中国
は何か別の情報を握っているのだろう。
  

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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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知道中国 2315回】              
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港197)

   △
 結論から言うなら、じつに残念ではあるが便法は考えられない。
 相手は「重んじるのは力だけ」ではあるが、だからと言って、こちらも
相手と同じような手法で応戦する必要はない。
日本の現状から考えれば力押しなど所詮はムリな話であり、とどのつまり
費用対効果の面からみても骨折り損のくたびれ儲け、となるのが関の山だ。

 ならば経済的効率も考慮して、相手が弄ぶ軍事力と身勝手なヘリクツと
いう「力」ではなく、「知の力」で応ずるべきだ。ヘリクツには真っ当な
理屈で、ムリ筋には道理で、身勝手な偽史には正しい歴史で、子々孫々の
代までも説き続ける覚悟を持つのである。
だが、この場合、相手の理不尽さの前に腰砕けにならないことが肝要だ。
断固として引き下がってはならない。もちろん必要最小限の物心両面の備
えを怠るわけにはいかないが。

 ここで付言しておきたいのが日中の人口比である。日本の1.2億人に対
し、中国は14億ほど。単純計算で1対14だ。この差を考えるなら、日本人
がこれまでの14倍ほど気張って、やっとトントン。ということは、最低限
15倍以上は頑張る覚悟を持つべきではないか。

 孫文と肝胆相照らす仲になる以前、宮崎滔天は故郷熊本の貧乏農民を率
いてシャム(タイ)への移民を試みたことがある。その際、バンコクにお
ける在留邦人と華僑の振る舞いを較べ、前者を「一気呵成」、後者を「子
ツツリ、子ツツリ」と捉えた。たしかに「一気呵成」対「子ツツリ、子ツ
ツリ」だとは思うが、ならば日本人は「一気呵成」と「子ツツリ、子ツツ
リ」を融合させて身構えてはどうだろう。

 相手が居丈高に振る舞うような素振りを見せたら柳に風と受け流し、
「公道不公道、自有天知道」と言ってやるがいい。我が方にこそ「天」が
付いていることを、それとなく分からせればいい。
相手が得意とする手法で相手をやり込める。これがイチバンではないか。

 これまでも何回か言及したと思うが、日本人は日中関係を歴史関係も含
め二国間の「特殊な関係」で捉え過ぎる。
 だが、たとえば日中戦争を例に取ってみても蒋介石の背後にルーズベル
トあり、スターリンあり、チャーチルあり、さらにヒトラーあり。
毛沢東の背後にコミンテルンあり、アメリカあり──利害が錯綜する国際政
治の坩堝の中から日中関係だけを取り出し「腑分け」して論じることは不
可能だけではなく、むしろ無意味に近い。そこで日中関係を、中国を取り
巻く国際関係の一部分として捉え直す必要があるはずだ。

 中国を取り巻く国際関係を考えた場合、やはり習近平が今年の年頭にも
国民に訴え掛けた「中華民族の偉大な復興」との常套句に注目したい。

 GDPを推測すれば、清代盛時のそれは当時の世界全体の3分の1強を占
め、宋代では80%前後だったとの主張もある。かりに習近平が清代盛時、
あるいは宋代の地位への「復興」を目指しているとするなら、おそらく
「中華民族の偉大な復興」はアヘン戦争敗北を機とする「中華民族の没
落」を大いに意識しているに違いない。
まさにアヘン戦争以降の1世紀余に亘って中国を「簒奪・蹂躙」しまくっ
た列強への報復につながってくる。

 そこで中国人にとっての報復に思い出されるのが、映画監督の陳凱歌が
『私の紅衛兵時代 ある映画監督の青春』(講談社現代新書 1990年)に
綴る次のような考えだ。

 「昔から中国では、押さえつけられてきた者が、正義を手にしたと思い
込むと、もう頭には報復しかなかった。寛容などは考えられない。『相手
が使った方法で、相手の身を治める』というのだ。
そのため弾圧そのものは、子々孫々なくなりはしない。ただ相手が入れ替
わるだけだ。おばあさんは目に一丁字もなかったが、幼い子供にこの明快
な道理を教えてくれた。彼女の目の確かさと、見識のほどが知れよう。し
かし当時の風潮は、『敵に対しては厳寒のように冷たく無情に』というも
のだったから、おばあさんの話を私が理解できなかったのも不思議ではな
い」。

さて、いま、誰と誰が入れ替わろうとしているのか。
 
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 どく
しゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読 者之声
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(読者の声1)御新刊の『日本の保守』を拝読しました。書くべき人が、
書くべきテーマで書くとこうなるという、じつに鮮やかな一書です。永く
読み続けられる本となるだろうと予感させてくれます。
  (渡邊利夫)



  ♪
(読者の声2)「真珠湾の真実と米国」
 1.真珠湾の真実
 先般バイデン大統領が真珠湾事件を卑怯な攻撃として例に出したが、米
国でもこれがルーズベルトの陰謀と気づいている歴史家はいる。ネット時
事解説の「ハラノタイムス」をご覧ください。占領軍の一員として来日し
た人類学者ヘレン・ミアーズ女史は占領中に既に「アメリカの鏡日本」の
中で、戦前の外交記録を見れば日米戦争の原因が米国の挑発であったこと
は明らかと記している。
しかし反日大宣伝の結果今でも米国ではこれに反論することは難しいと言
う。魔女裁判的迷信が今も生きているのだ。
 2.日米戦の原因
 原因は米国が満洲進出欲と対独戦参戦狙いで日本を圧迫したと言うこと
だろう。
 日本は1937年スターリンが起こしたシナ事変に軽率に対応して講和のな
い対?介石戦に引き込まれ苦しみ、米国に仲介を要請した。しかし米国は
仲介を断るどころか逆に?介石に援助して火に油を注いだのである。日本
は必死に米国に妥協しようとしたがルーズベルトは受け入れようとしな
かった。そして1941年の無理難題のハルノートである。ハルはハルノート
といわれるのを嫌がったという。歴史的な汚名になることを知っていたか
らだろう。
 3.スターリンの勝利
 1945年日米戦は米国が勝利したがそれで歴史は終わったわけではない。
今から見ると米国はスターリンの世界的な支配権拡大のために巨額の軍費
と米青年の人命を貢いだころになる。
ルーズベルトはテヘラン会議でスターリンから民主主義のために戦うとは
素晴らしいと皮肉を言われている。この結果、戦後大陸は共産化した。中
共の国共内戦勝利も米軍が1945年トルーマンの大統領選挙のためにシナか
ら全面撤退し蒋介石支援を止めた結果である。
4.日本の核自衛
米国は不安定な国である。
日本が全面的に安保を依存することは危険である。米国も日本の紛争に巻
き込まれることを嫌っている。NYが東京の代わりに核の身代わり被爆する
などあり得ないことは誰でも分かるだろう。日本は独立した国防力が必要
だ。そして米国にとって、本土防衛の前哨として日本の核自衛が必要に
なっている。国際情勢は変わる。パーマストン卿の「国家には永遠の敵も
味方もない」が当てはまるケースだ。 以上
  (落合道夫)



  ♪
(読者の声3)MMT教徒・狂徒達に酔って、例によって「日本は特殊」な
国である、故に普通の法則は無効になる、という都合のいい言い訳が出て
きて、しばらくすると、「やっぱ、うまい話は嘘だった、」という学習能
力の無い生徒を演じるだろう。
(R生、逗子)様が予想されるように、円の価値が落ちるのはもはや必然
となったが、その時期の予想は難しい。
ラクダに背中に載せる最後の一本の藁、ひとひらの雪が巨大な雪崩の引き
金。今年あたりには、そんな「最後」の起爆剤が目白押しに待っている。
 投機の専門家、かつての政治家の藤巻健史氏は円のハイパーインフレが
確実だとし、ドル買いを勧めているが、ドルも危ないと思う。
公式には6.8%というが、かつての基準で測ると既に20%になっている。
どこの政府も平気で統計をごまかして嘘をつく。ソ連や支那だけでは無
い。ジャパニフィケイション(日本化)最近ではチャイニフィケイション
(支那化)とは、財政赤字を貨幣の乱発で先送りする悪しき風潮を意味
し、米国も感染したと批判される。
武漢菌のお陰で、雇用が減り、人手不足に加えて、今一人毎月20万円援助
する、という嬉しい案も出ている。
政治家は、人民の望むことは何でもする。全て、「異常・緊急事態」とい
う言い訳が通る。 恐ろしいインフレが始まり、本当の緊急事態になった
時、打つ手は無い、がそんな先の事は考えない。
考えても、解決案すら無い。藤巻氏は、ご破算で願いましては「新円」
「新日銀」。つまり75年ほど前の日本に逆戻り。当時の「新円」
は$1=360円、今回は$1=3600円、それとも円が消えて、人民元? 
 https://www.fujimaki-japan.com/takeshi
(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)コロナ禍で生活保護が受けやすくなったようで
す。また寂しさからペットを飼い始めた人(とくに独身女性)が急増して
いましたが、数ヶ月で飽きて、ペットを野に放ち、地方では野犬も野猫も
増えたとか。



  ♪
(読者の声4)つぎの「千田会」は拓殖大学防災教育研究センター長 濱
口和久先生講演『「竹島」不法占拠から70年 日本の領土問題の何が問題
なのか』です。
 国土を奪われながら放置する国家に未来はあるのか。狙われる日本の国
土、竹島を始め隣国との領土問題について、元自衛官で、安全保障の専門
家の濱口和久先生が多角的な角度から熱く、冷静に、語ります。
           記
【日時】令和4年2月6日(日)18時30分〜20時30分(開場:18時10分)
【会場】としま区民センター7階会議室701-703 豊島区東池袋1-20-10
交通:JR・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口
より徒歩4分
【講師】濱口和久先生 拓殖大学大学院地方政治行政研究科特任教授・防
災教育研究センター長  http://www.hamaguchi.ne.jp/profile.html
 現在名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程社会環境学専攻在籍
中、拓殖大学大学院地方政治行政研究科特任教授・防災教育研究センター
長、政策研究フォーラム理事、著書『だれが日本の領土を守るのか?』
『日本版 民間防衛』『戦国の城と59人の姫たち』『日本の命運 歴史に学
ぶ40の危機管理』等11冊(共著含)。
【参加費】事前申込:1500円、当日申込:2000円、事前申込の大学
生:500円、高校生以下無料
【申込先】2月5日21時迄にメール又はFAXで下記受付(氏名=漢字フルネー
ムと連絡先必須)  FAX:0866-92-3551
 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主催】千田会 https://sendakai.wixsite.com/home
【参加される皆様へお願い事項】必ずマスクを持参し、ご着用して頂きま
す様お願い申し上げます。発熱などの症状がある方は来場をご遠慮くださ
い。予防的な観点を熟慮し、マスクの正しい着用、手指消毒・衛生的手洗
いなど十分な対策を各自で行って下さい
━━━━━━━
at 10:44 | Comment(0) | Andy Chang

2021年12月19日

◆集団強盗は危機ではない?

              Andy Chang

先日の記事(AC通信 No.871)で最近アメリカの大きな都市で頻発した集
団強盗に触れたが、昨日の新
聞では政府が集団強盗の重大さをもみ消すような記事があった。

バイデン政権の最も唾棄すべき点は自ら作り出した失敗や現状を真剣に改
善する意図がないばかりか、
問題を過小評価して揉み消そうとすることだ。中国人が好んで使う言葉、
「大事化小、小事化無」つま
り大事件を過小評価し、続いて揉み消してしまう手口のことだ。このよう
な手口をNYタイムスとかワシ
ントンポスト、LAタイムスのようなサヨクの代言メディアを使って国民を
誑かすのだ。

昨日15日のロスアンジェルスタイムスにSam Deanと言う記者が
「Organized theft crisis? Data say
otherwise (計画的窃盗の危機?データは否定的だ)」と言う記事を掲載
した。彼のタイトル、計画的窃
盗とはつまり集団強盗のことだが、強盗と言わないで窃盗(盗み)と言い
換え、様々な関係のないデー
タを使って強盗は大したことではないと言う記事をサヨク新聞で発表し、
集団強盗が起きたのは危機で
はない、だからバイデン政権は真剣に対応しないで済むと言うのである。

この記事は過去数年間の様々なデータを使って読者を混乱させ、実際に起
きた最近の強盗事件にはほと
んどタッチせず、集団強盗を万引きや店員の窃盗や、出入貨記録の間違い
などと一緒にして、「各種の
販売店」の「毎年の窃盗による損失」と比べたら「集団強盗による損失」
は大したことではないと結論
付けている。集団の障害犯罪はテロ行為に等しい。それを金銭上の損害に
すり替えるようとしている。

Sam Deanの記事で最初に提示したのは、販売店の窃盗による損失は全国販
売店の全体販売額100ドル中
の7セント、0.07%だと言う。続いて今回発生したサンフランシスコと
オークランドの強盗事件の損失は
36億ドルだが、これは同地方の2019年の総売り上げ155億ドルの25%にす
ぎないと言う。若しも集団窃
盗による損失が「毎年」700億ドルだとして、カリフォルニア州全体の損
失が全国の10%とすれば加州の
損失額は70億ドルになると言う。

全国販売組合(National Retail Federation)の総合的データによると例
えて言えば全国の販売店全ての窃
盗による損失は10億ドルに対し、強盗事件の損失は70万ドル、つまり
0.07%にすぎないなど、沢山の
データを並べているがこれは今年のデータではない。今年になって起きた
計画的な強盗事件と関係のな
いデータを並べて読者を混乱させようとしているとしか思えない。

Sam Dean 記者の記事は今年のデータではなく2015年、2019年などの資料
を使って「総論的」な結論を
出しているが、今年は集団強盗が全国の17都市で起きた事件、それも有名
店、高級店が計画的に狙われ
たのである。これを危機と言わず、金銭の損失は大したことはないとする
のは間違いで、政府が意図的
に問題をすり替え、危機を過小評価して揉み消そうとしているのである。

この記事の窃盗による損失とは客の万引きや店員のコソ泥など全般的な損
失のことで、集団強盗の破壊
的闖入による損失ではない。特筆すべきは強盗事件を金銭の損失にすり替
えていること、有名店で起き
た強盗事件を全国のドラグストア、スーパー、小売店などの万引きと一緒
にしていることだ。集団強盗
は有名店で起きたことなのに、関係のないドラグストア、スーパーなどの
万引きの損失を計算に入れる
のは読者の視点を逸らすためである。

強盗事件は重大犯罪なのに万引きやコソ泥と一緒に論じて損失を過小評価
してはならないし、グループ
が計画的に集団で白昼堂々と犯罪を犯すことは、店員や監視員などの安全
が脅かされる事件なのに、こ
のような重大犯罪を単なる金銭上の損失で議論するのは根本的に間違って
いる。

サヨクの政治家が最近の国民を脅かす集団強盗事件に対する態度はどう
だったか、以下は実例である。

Lori Lightfoot市長は、シカゴで起きた集団強盗事件について、販売店が
店の安全確保に「説明できないほ
ど」不十分なため強盗の侵入を許したことに非常に失望していると述べ、
販売店が強盗に出会ったこと
は販売店の責任だと譴責した。シカゴは世界でも有名な犯罪都市で毎年の
銃砲事件による死者は4000人
を超える程だが、市長がシカゴ市民の安全保障に尽力しない。

アレクサンドリア オカシオ国会議員はサンフランシスコとオークランド
のNordstrom、Luis Vitton、
Rolexなどの有名店で起きた集団強盗事件のビデオは嘘のでっち上げ映像
だ、信用しないと述べた。

ホワイトハウスのサキ報道官は全国沢山の都市で相次いで起きた集団強盗
事件について、あれはコロナ
疫病のせいだと述べて失笑を買った。でも、確かにバイデンのマスク強要
のため犯罪者の確認ができな
いのは確かである。バイデンは集団強盗の犯罪を過小評価して責任逃れを
している。

カリフォルニアのニューソム州長は犯罪事件の増加についてこれから警察
のパトロールを強化していく
と述べた。しかし全国のサヨク都市では警察の経費を削減しているのが現
状である。

Sam Dean記者の記事でも少しばかり有名店が犯罪防止の設備や人員を増や
すことに言及した。しかし有
名店が監視員の数を増やしても、一度に20数人の強盗が突然ハンマーやナ
イフを振りかざしてドアを壊
して店内に闖入したら監視員に勝ち目はない。集団強盗はハンマーや斧で
ぶち破って闖入し、ハンマー
で強化ガラスの展示ケースを叩き割って全ての展示品を奪って行ったので
ある。

このような暴力犯罪では安全防止には人員の安全と傷害保険、物件や店舗
の装飾などあまり意味がな
い。高級品を全て奪われ、店員の傷害損失は保険をかけても防げないし、
保険料が増大すれば店の資本
に影響する。有名店なら保険とか犯罪防止設備に金をかけることができる
けれど、中小企業にはできっ
こないことだから中小店は破産して閉鎖する他はない。

今のアメリカは暴力犯罪の増加とインフレで国民の生活と治安が脅かされ
されている政府は国家、社
会、国民の安全に全責任を負うべきである。犯罪防止は国家の責任、バイ
デン大統領の責任である。



         
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◆【変見自在】伊邪那美の国

高山 正之

 「吉田茂は李承晩を徹底して嫌った」と堤堯『昭和の三傑』にある。

 ホントに嫌な奴で、嘘は平気、無責任で、自分たち朝鮮人同士の戦争も
さっさと米国に押し付けた。

 北朝鮮人も同じ。ソ連と支那に丸投げして大国に代理戦争をやらせた。

 2年経って押し付けられた大国がこんな滓みたいな国のために自国民が
血を流すのに嫌気し、お互い休戦を考え出した。

 そしたら「何を言う」と李承晩が出てきて「北進統一」つまり米軍はも
う一度北を攻め、韓国が南北を統一するまで戦えと言った。

 それならお前らがやればと米、支、北が休戦協定に調印した。その場に
李承晩がいなかったのは北進統一をまだあちこちで吹聴していたからだ。

 だいたいこの男はよその国に戦争をやらせていた間、何をしていたか。
日本海に李承晩ラインを引いて日本漁船員を捕まえ、日本領竹島まで奪っ
ていた。

 日本は国交断絶を留保したが、今からやってもおかしくない。

 李はもっとふざけたこともした。李ライン騒ぎのさなか昭和27年秋、八
丈島の南で海底火山が噴火して島ができた。

 焼津の漁船が見つけ、漁船名に因んで明神礁と名付けられた火山島は間
もなく水没するが、それでかえって世界の注目を集めた。

 なぜなら当時はまだ領海3海里時代。その外側は公海だった。明神礁は
公海中に位置するが、再浮上して島になれば、それを最初に見つけた者の
国の領土になる定めだった。

 だから日本は急ぎ観測船の第五海洋丸を現場に出した。米もソも支那ま
で軍艦を出して、再浮上する火山島を待っていた。

 そこに目下戦争中のはずの韓国艦までやってきた。

 伊豆諸島の真ん中に韓国領の島を持ち、太平洋にも李ラインを広げよう
という悪意が見え見えだった。

 日本人には耐えられない嫌がらせだった。

 第五海洋丸はその思いもあって噴火海域のすぐそばで観測を続けた。

 そして間もなく大噴火が起き、標高三〇〇メートルの火山島が出現したが、
海洋丸からの報告はなかった。

 波に浮かぶ残骸から船長以下31人全員が殉職したことが確認された。

 その後、海洋法は改められ、領海は12海里まで広がり、その外側に12海
里の接続水域、さらに200海里までの排他的経済水域が認められるよう
になった。

 その中で海底火山がいつ島になろうと、そして韓国人が第一発見者であ
ろうとも日本国の領有になる。

 もう7、8年前に小笠原諸島近くの西ノ島の脇で海底火山が噴火した。

 新西ノ島はどんどん成長して1平方キロの本島を飲み込んで今は4平方キロ
の大きな島に成長した。

 それがどれほどの大きさなのかというと、支那が因縁つける尖閣の魚釣
島より一回り大きく、李承晩が盗んだ竹島の20倍にもなる。

 どんな国もこと領土となると品もマナーも投げ捨て、さもしさを剥き出す。

 日本の何十倍の領土を持つプーチンも芥子粒(けしつぶ)ほどの歯舞も色
丹も「盗んだもの勝ちだ」と恥ずかしげもなく言い放つ。習近平も同じ。
嘘を承知で尖閣は昔からオレにものと言う。

 世知辛い領土問題でも日本人は気長に待てる。

 なぜなら領土は伊邪那岐(いざなぎ)伊邪那美(いざなみ)の昔から神様が
海を搔き回して作ってくれるものと信じているからだ。

 他国を騙したり強奪したりしなくとも西ノ島のように領土が平和裏に増
えていくのは日本だけだ。

 つい先日も硫黄島の南約75キロの福徳岡ノ場で海底火山が噴火し、1平方
キロの島ができ上った。

つまり日本の領土がまた増えた。国生みは今も続いている

 ところがこれが馬鹿な朝日新聞にかかると「軽石被害」に集約して「漁
船の出港を邪魔し、モズクの養殖を妨げる」(天声人語)。

 何とロマンのない。

 軽石は国生みの後産と思えないのか。それに「軽石亭主」という言葉も
ある。

 伊邪那岐のように妻一筋の生き方は美しい。


〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 採録



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◆チベットからネパールへ鉄道を敷く 

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月11日(土曜日)
通巻第7155号  

 大言壮語からリアリティになるのか。チベットからネパールへ鉄道を敷く
   ヒマラヤ連峰にトンネルを掘って、カトマンズと北京を繋ぐ???

 青蔵鉄道の開通は2005年だった。青海省西寧からチベット自治区の
ラサへ、標高四千メートルを驀進する鉄道が開通し、旅客は高山病をさけ
るために酸素ボンベが装備された列車だった。日本からも多くの鉄道ファ
ンが試乗にでかけた。
 ラサからさらにチベット南部のシガツェに鉄道は延長されたのは
2016年、オリ(ネパール副首相)が北京を訪問し、署名した。

 さらにシガツェから国境のギイロンへ鉄道敷設工事が始まり、2022
年開業を目指している。
チベット側の工事は中国が占領しているから、やりたい放題だが、ネパー
ルは従来、インドの保護領的存在であり、中国とは力の均衡を取ってイン
ドを牽制するために、ヒマラヤを越える鉄道の提案を受け入れた。ポーズ
だけと見られた。

 ヒマラヤに穴を空けて、鉄道で繋げるなどというのはおとぎ話、だれも
本気にしなかった。まして中国からの輸送は空輸とトラック輸送で行われ
ており、鉄道を敷設することは経済効果としても意味が薄い。
 だが、中国は一帯一路の一環プロジェクトとして前向きなのである。当
初27億ドルと見積もられた工事費は55億ドルに跳ね上がり、もちろん
ネパールに、支払い能力もなければ返済の当てもない。

 プロジェクト見積もりの98・5%がトンネルなのである。中国の計画
では蘭州からラサへ2431キロの鉄道も繋がり、輸送力は倍加したと
し、シガツェからカトマンズへは724キロ。隧道工事の技量が問われる
だけだと中国鉄建などは豪語している。

 12月初頭、雲南省の昆明からラオスのビエンチャンへ新幹線を繋げた
ばかりで、士気は高い。ラオスは借金が支払えず、借金の罠に落ちたが、
どうせどの国も経済支援をしてくれないのだから、ま、いいかというわけ
なのだろう。

 ネパールは王制を倒したマオイストが政権を握り、経済は悪化の一途。
この状況に2015年、地震に襲われて、町も村も荒廃したまま、復興のメ
ドは立っていない。
インドもこれ以上の面倒は見られず、ネパール経済の基軸は観光とヒマラ
ヤ登山客。それに国連軍へ派遣するグルカ兵くらいだ。コロナ禍で観光と
登山客は不在となった。

 ネパールに筆者が最初に行ったのは半世紀前。親日的で、仏教徒の国だ
から人々は融和で、町は平穏だった。ポカラへも足を延ばした。
七年ほど前に再訪したおりは、世界遺産の近郊都市を訪ねまわり、
1972年に泊まったホテルで食事したが、王制は倒された跡で、国王は
王宮に隠棲し、町には喧噪だけが響き、ひとびとはややささくれ立っていた。

町の表情といえば、半世紀前の光景が残存しており、日本人観光客は去
り、多くあった日本風居酒屋は中国人で満員だった。
     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 そうだろうなぁと推測してきた歴史の闇から、真実が出てきた。
     発端はソ連の崩壊。そして英米の機密文書の公開だった

   ♪
江崎道朗『日本人が知らない近現代史の虚妄』(SB新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 いきなり知らないタームが本書の冒頭に出現する。「リッツキドニー文
書」って何だろう?
 世界各地のアーカーブや戦争記念館を訪ね歩き、機密文書の公開をまっ
て、真実を掌握し、これまでの通説や歴史解釈がいかに間違っていたかを
抉り出した快著。全編、これ歴史の見直しである。
 ここ十年ほど、近現代史の評価がおおきく入れ替わって、修正が相次い
でいる。
 発端はソ連の崩壊と英米の機密文書の公開である。
 たとえばポーランド将校一万数千人を銃殺した「カチンの森の虐殺」な
ど、巷間ではソ連の仕業とされたが、証拠がなかった。
 ルーズベルト大統領の周囲はソ連のスパイだらけだった。日本の軍部に
さえ、夥しい社会主義の理解者が存在し、スパイ活動は容易だった。
 そうと推測してきた人は多いが、機密文書公開によって歴史の闇の奥か
ら、真実が顔を出した。
 とりわけ歴史の真実が表沙汰になった三大文書とはヴェノナ文書、米国
共産党調書、そして、リッツキドニー文書である。
 1991年、ソ連解体となってエリツィン大統領が登場し、あの頃は酔っぱ
らっていなかった彼は「ソ連邦時代の世界各国に対する『秘密工作』に関
する機密文書」を公開した。これが通称「リッツキドニー文書」である。
スパイの政治工作、暗殺、重要施設の破壊活動などが「立証」された。
 しかも副次的な僥倖に恵まれた。
リッツキドニー文書を分析していたアメリカの研究者は、そこで「アメリ
カ共産党」に関しても秘密文書を発見したのだ。これはソ連時代に『誰も
閲覧しなかった』ために少し離れた倉庫に保管されていた。
 台車で運ばれてきた秘密文書はホンの一部だったが、それでも「本当に
腰を抜かした」とアメリカ人研究者は語っている。
 「それは全部で4300以上のファイルに上ることが分かった」
(156p)。
 そして1995年に公開された「ヴェノナ文書」が何をもたらしたかと
言えば、東欧とアジアにもソ連がスパイを送り込んで、とくに「ソ連のス
パイたちが意図的に反日感情を煽り、日米戦争へと誘導したことも判明し
つつあります。アメリカの原爆技術がソ連のスパイによって盗まれていた
こともまた、明確になりました」
 続きが英国だった。
「第二次大戦中の機密文書を公開するようになり、国際政治の『裏舞台』
が少しずつわかってくるようになり、当時の英米の指導者たちとソ連の指
導者ら密約を交わし、中・東欧諸国の『自由』を蹂躙していたという『不
都合な真実』も」明るみにでた。
 過去の歴史解釈の通説が間違いだらけだったということである。
 江崎さんに殊勲賞!
         
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)80年目の12月7日、ハワイ真珠湾攻撃記念日。
12月7日は、日本海軍連合艦隊空母群が、ハワイ真珠湾攻撃を記念する
『Pearl Harbor Day』という日である。攻撃開始時間は、日本時間では80
年前の12月8日午前3時23分、ハワイ時間では7日午前7時53分でした。
連合艦隊空母群より発進した、合計183機の急降下爆撃機と戦闘機による
第1波と、それに次ぐ167機による第2波の艦載機の奇襲攻撃にアメリカ側
では民間人68名を含む2,403人が亡くなり、1,178人が負傷しました。
『トラ・トラ・トラ』と真珠湾に終結していたアメリカ太平洋艦隊総攻
撃が開始され、当時最高の性能が在った酸素魚雷と猛訓練のパイロット達
が職人芸で、一隻ずつ確実に命中、被弾させた急降下爆撃機と雷撃機の攻
撃で、アメリカ艦隊は、戦艦5隻を含めて18隻の船が沈没または大破、
350機の飛行機が破壊、大破の損害を受けました。航空魚雷が何本も命中
して、最も被害が大きかったのは沈没した戦艦アリゾナでした。
その火薬庫の大爆発で、真珠湾の海底に鎮座沈没で1,102名が命を失いま
した。
私が実感と体感でこの12月7日、日本海軍が攻撃した『ハワイ真珠湾
攻撃記念日』を思い出します。
 最初の実感は来たばかりに年の47年前の12月7日の事でした。友人
が共同で開店準備をしていた店の建築許可を貰いに窓口に行って、そこの
担当者が申請許可を貰いに行った友人をつかまえて、『今日は何の日か
知っているか?』と言う質問に、『さて・・!何の日か・・・?』と答え
たら、『Pearl Harbor Day』だと教えられ、『この腕を無くした・・』と
見せ付けられたと聞いて、実感として先ず感じました。
 32年前に2度目の家に引越しをしてから、隣の住人が12月7日の早
朝から私の左側の塀に星条旗を高々と掲揚していました。嫌がらせと直ぐ
に感じましたが、口先で偏見の言葉を吐き、そして差別していました。
私もそれを感じて彼が死ぬまで30年、一度も言葉を交わす事は在りませ
んでした。  私は現在はアメリカに帰化して、アメリカのパスポートで
祖国日本を訪ねます。しかし、アメリカ人と議論する時は堂々と祖国日本
を擁護致します。
私の持論は、『貴方がたアメリカ人は、大和民族の日本人を侵略者で世界
制覇を狙う軍国主義国家であったと決め付ける事は如何な事かと、反論致
します。』
当時、昭和14年7月、日米通商航海条約はアメリカに破棄され、日本
政府は非常な圧迫と政治的な緊張下での立場を受けており、昭和15年5
月頃は、アメリカの大艦隊が、ハワイに集結していたという事実を知って
いるかと話します。
「アメリカ」「イギリス」「オランダ」が対日資産凍結を同じくして、日
本企業がこれらの国で預金口座、貿易決済などの資金も全て凍結され、原
料資源輸入のための支払いが不能となり、また輸出の代金も日本に送金で
きなく、貿易決済資金が無く、結局日本は輸出入を完全に閉ざされたのを
知っているかと質問すると、大抵のアメリカ人は答えが在りません。
当時の列強が緊密に連絡と連携をして対日経済制裁を遂行され、日本が自
滅の道に追い込まれた事を知っているかと質問致します。これも答えが無
いか、彼等は答えに窮します。
日本はアメリカやオランダ領のボルネオ油田などからの、全てのオイル供
給を望めない様な有様の窮状では、石油貯蔵もどんなに節約、統制配給し
ても1ヵ年で底を突き、重要産業は全て破壊され、生産停止され、国防上
の備蓄船舶燃料も2年以内には完全に底を突き、海軍艦艇はただのスク
ラップになる事を待ち、国家経済を全て失くす様な有様で、日本人がこの
地球に座して死を待ち、国家生存権をこの世界から失くす事をしなくては
ならなかったか? この質問にも大抵は答えなど在りません。
当時の日本は資源と言う物は、殆ど無く、『絹と絹糸の産業』で日露、日
清戦争などの戦費を捻出した様な有様で、鉄鋼資源、石油、アルミ、ゴ
ム、錫、銅などの多くの非鉄金属、綿や羊毛など全てを供給途絶され、枯
渇して国家と言う存在を否定する列強の制裁から生き残る戦いに、彼等、
自ら日本を戦争に引きずり出したのではないか? それを予測して準備し
ていたのではないか? 貴方はそれをどう考えるか?
この質問にも大抵は返事が在りません。
1940年(昭和15年)アメリカや英、蘭、国防省は陸海空の一般戦備ならび
にその南方諸地域での連帯と提携は緊密と強固になり、軍事拠点のアラス
カ軍事根拠地の建設増加、12月には51ヶ所の飛行場増設、改修工事の
予算を決定、日本を目標にした戦争準備と事前設営がなされ、またオセア
ニア、南太平洋での米英豪蘭其他の陸海空軍の大拡張が継続され、日本を
目標とした軍備拡張がなされていた事と、それと同時に米国海軍省では
1940年(昭和15年)1月以降に艦艇2831隻の建造契約をして、現在
968隻を建造中なる旨発表しました。
1941年(昭和16年)10月下旬には米海軍の建造状況に関し、就役せる戦
闘用艦船346隻、同じく建造中か契約済345隻、10月1日現在海軍
飛行機4535機と製造中のもの5832機なる旨発表していた。
アメリカ政府は日本を経済的な麻痺状態に追い込むと同時に、米国は対日
軍備の増強を続け、日本側は鉄も石油も多くの産業資源の輸入を止めら
れ、その軍事力は日々衰弱し破滅する一方であったが、米国はその国力を
傾けて各国と協力と同盟して軍備大拡張に邁進していたのであるが、貴方
はそれを知っていたか?
この質問にも大抵は返事が在りませんし、知らない人ばかりです。
東京裁判では、キーナン検事が冒頭陳述で述べている事を我々日本人も考
えなければなりません。
『彼ら日本人は文明に対し宣戦布告をしました。彼らは起訴状に列挙され
ている偉大な民主主義諸国に対し侵略戦争を計画し、準備したのです。世
界の支配および統御が彼らの共同謀議の趣旨であったのです。』
『日本が世界を支配しようとしてアジア各国に侵略戦争を起こした』とい
う戦後の東京裁判史観と、それに同調して、日本人を卑屈な立場に考える
人もいる事を客観的にもう一度考える事が重要と思います。日本人にも民
族自衛の立場と独立した国家としての価値観があると思います。東京裁判
でインド人の判事がただ一人、国際法の立場から日本を弁護し、擁護した
弁論で連合国の判事達に対抗した事を忘れてはいけないと思います。
 極東国際軍事裁判判事『パール判事』の彼の主張は『無罪』でした。
貴方も移住した国で、たとえ、その国に帰化すると言うことになっても、
祖国日本の大和魂までは捨てる事は無用なり。(桑港老亀)


  ♪
(読者の声2)「第二次大戦の勝者はスターリンだけ、米国は敗者」
1.勝者はスターリンただ一人/日本人は米軍に原爆を落とされ占領された
ので、米国が第二次大戦の勝者だと誤解している。しかし米国のウェデマ
イヤー中将は、勝者はスターリンただ一人と喝破している。それは戦後世
界を見れば分かるとおりである。スターリンが戦後の新しい勢力図を最高
幹部に見せると一同賛嘆のあまり声も出なかったという。スターリンは戦
後世界を想定して戦争指導を進め米英を手玉に取ったまさに魔法使いで
あった。米英は戦争をスポーツのように考え勝つことしか考えず、ソ連に
利用された。

2.米国の敗北/米国は莫大な戦費を費やし、敵のソ連を応援し、30万人と
いう自国の青年の生命を失ったあげく、何一つ得るものは無かった。ス
ターリンはルーズベルトが民主主義のために戦ったというと、偉いものだ
と皮肉を言った。共産主義者を粛清していた現実主義者の彼にとって戦争
の価値は領土と権益以外になかった。

3.真珠湾は反撃/これは戦術的には攻撃だが、戦略的には反撃だったこと
を知っておきたい。戦争分析は高い視点が必要だ。

4.ソ連と日米戦争/戦前の米国は1899年のジョンヘイ長官の支那満洲門戸
開放機会均等宣言を国是としていた。だから満州国を建国し宣言を侵犯し
た日本を敵視した。しかし時代は大きく変わっており、外交専門家マクマ
レは、日本敵視はソ連を利するだけと対日敵視を止めるように国務省の
ホーンベック極東局長に提言したが理解されなかった。そしてルーズベル
トはスターリンの作ったハルノート原案を採用して、日米戦争を起こした
のである。
戦後の極東はマクマレの予言した通りとなった。米国の大失敗であった。

5.何故中共は勝利したのか/1945.8日本軍が降伏するとソ連は押収した武
器を各地に山積みし、共産軍に自由に持ち去らせた。これを使って国共内
戦が始ま
った。しかし米軍は支那から撤退してしまった。当時米国支那派遣軍の
ウェデマイヤー将軍は最大の冷戦になると見て蒋介石支援を主張したが、
マーシャル将軍は受け付けなかった。これは現代史の謎の一つであるが、
おそらく大統領選で不利だったトルーマンの選挙戦術ではなかったか、と
思われる。長年の米軍依存で戦意の低下した国民党軍は破竹の勢いの共産
軍の前に次々に撃破され敗退した。辻政信は国民党に長江を境とする支那
の南北分離を主張したが採用されなかった。

6.スターリンと支那
スターリンは中共の支那全土支配を想定していなかったようで扱いに困っ
たようだ。しかし重視しており、1949年には毛沢東を招待して歓待してい
る。この時スターリンは毛沢東を一ヶ月近くモスクワにとどめたので毛沢
東は殺されると思い慌てたという。スターリンは海外の共産党の幹部を呼
び寄せては殺していたからである。その後毛沢東は帰国するとスターリン
の存命中は二度とソ連に行くことはなかった。フルシチョフは二人を評し
て、双方とも冷酷、狡猾であり、友達がいないこともよく似ていたと記し
ている。
参考:「黒幕はスターリンだった」、「中共の正体」(落合道夫著。ハー
ト出版(落合道夫)

  ♪
(読者の声3)ニカラグアが台湾と断交しました。これで台湾の外交承認
国が14ケ国に減り、南太平洋諸国でも動揺が広がっています。戦狼外交
で、中国は国際的孤立を深めているのではなく、カネにあかせて台湾孤立
を推進しています。
 安倍元首相がいう「台湾有事は日本有事」との言葉がなんだか虚ろに響
きました。(FH生、板橋区)


(宮崎正弘のコメント)ニカラグアは極左サンディニスタ政権ですから、
いままで台湾と外交関係にあった経過の方が、不思議と言えば不思議でした。
一方、欧州ではリトアニアが先陣を切って、台湾の事実上の大使館をビリ
ニュスに認め、中国は腹いせにリトアニアから輸入品を通関させないとい
う嫌がらせ行為にでています。
at 08:14 | Comment(0) | Andy Chang

2021年11月17日

◆誰も「王様はハダカ」と言わない

               Andy Chang

AC 論説No.869 

今やバイデンがボケで幾つも失敗を繰り返したことは世界で知らないもの
は居なくなった。しかしサヨ
ク議員とメディアなどは絶対に「王様はハダカ」だと言わない。ハダカの
王様はいろいろな利用価値が
あるから、ボケで無能で煽てやすい人の方が便利だ。

先週金曜日に国会下院はバイデンの推進した1.2兆ドルのインフラ補修予
算を通した。この法案は古く
なった国の道路や橋梁の補修のための予算だから、8月に共和党の上院議
員が13人も古くなった国の基本
建設の補修に賛成して通したのだった。上院で通った法案だから民主党優
勢の下院で通ることは明らか
だった。しかしバイデンと民主党サヨク議員はインフラ補修法案が通った
ことで勝った勝ったと凱歌を
上げ、続いてBuild Back Better(BBB)と呼ぶ1.75兆ドル予算を通そうと
している。

ペロシ下院議長は来週月曜日の15日にBBB法案を下院で投票に持ち込むと
言明した。Build Back Betterと
は嘘も方便で、実はトランプの保守政策を社会主義国家に作り替えようと
する法案である。

BBB法案は国の基本的建設や道路の補修などに関係がない社会主義化法案
である。主な内容は将来10年
に向けて國民健保(オバマケアの復活)、老人や幼児の家庭に与える補助
金、気候変動に対する大幅な
予算、全国に電気自動車の充電所を設置するなど、無駄が多いアメリカを
社会主義国家に作り替える法
案と言える。低所得層の生活補助と言う名目で非生産階級の無職遊民の蔓
延る社会主義国家に作り替え
る法案である。

しかし民主党内にもまともな考えを持つ議員、無制限にドルを印刷して赤
字国家になることに反対する
議員がいる。Joe ManchinとKysten Sinema上院議員が反対を表明してい
る。Manchin議員の試算による
と1.75兆ドルは本当に実施すれば4兆ドルを超える無駄遣い、バラマキだ
と言う。この法案は民主党優
勢の下院で通るが上院では民主党と共和党の議員が50対50だから民主
党のManchinとSiennaが反対
すれば52対48となって失敗する。

バラマキ法案の金はどこからくるのか。バイデン政権は政府の御用官僚や
経済専門家を使って金はある
と言うが詳しい説明はない。例えば国家経済諮問会(National Economic
Council)のBrian Deese議長は
BBBつまりバイデンの復興計画についていろいろ説明したが、いくら読ん
でも国民がどれだけ得をする
かと言った説明だけで政府の収入について言及していない。金がないのに
金を使う法案を作るサヨクは
何を考えているのか。

Googleで調べたところ、国家の収入(National Revenue)は、国民所得税
41%、社会保険税25%、消費税
20%、不動産税12%、企業税4%から成り立っている。つまり国の収入の
半分近くが国民の所得税である
からインフレや疫病などで国民の生産性が落ちたら大変だ。バイデンは大
統領命令で国民の生活と安全
に影響する政策、例えば国境の解放、石油生産をストップ、ワクチン注射
の強制、大幅なインフレ、犯
罪率の増加と失業者の増加などを強行実施しているが、どれ一つ国民の利
益になる政策ではない。

アメリカは30年来のインフレとコロナ疫病のため生産性がガタ落ちしてい
る。しかもバイデンはワクチ
ン注射およびマスクの強制と処罰を大統領命令で発布したのである。既に
全国各州ではバイデンを憲法
違反で告訴している。インフレと物流停頓、違法入国と犯罪の増加、国民
のボイコットなどみんなバイ
デンの責任である。

こんなに国民が反対するサヨク政策を通そうとすれば来年の中間選挙で民
主党が惨敗するのは明らかだ
が、彼らは今でも強気に社会主義政策を通そうとしている。面白いことに
クリントン派のアドバイザー
だったMark Pennは昨日、民主党が強引に社会主義政策を通そうとすれば
来年の中間選挙で間違いなく
惨敗すると警告した。民主党は一枚岩ではない。

社会主義者はバイデンがボケと知っている。でも彼らはバイデンが「ハダ
カの王様」だと言わない。バ
イデンはボケで失敗を繰り返しているけれども利用価値がある。「ハダカ
の王様」は大統領命令を発布
することができるし、失敗はみんな彼の責任だ。バイデンを王様と煽てて
「元気な大統領と言う見えな
い着物」を着せて社会主義政策を推進する。「ハダカの王様」を操る傀儡
師はオバマとホワイトハウスに
巣食っているオバマの腹心部下のJake Sulllivan首席外交問題補佐官、
Ron Klain首席補佐官、Susan Rice
外交問題補佐官などと社会主義者のBernie Sandersである。つまりバイデ
ン政権の実権はオバマが握っ
ているのだ。

=======  AC 通信  =====   AC通信   =====
AC通信は転載自由です。
マグマグAC通信の登録は http://www.mag2.com/m/0001690065.html


           
━━━━━━━━━━━


◆戦略なき10万円支給
【有本香の以読制毒】


ドケチな岸田首相に“失望”「カネの使い方の下手な人は儲け方も下手」筋
金入りの「親中派」林外相人事にも落胆  

岸田文雄首相(自民党総裁)は10日、第101代首相に選出され、第2
次岸田内閣を発足させた。外相には、知米派ではあるが、政界屈指の「親
中派」として知られる林芳正元文科相を起用した。岸田首相は記者会見
で、新たな経済対策について数十兆円規模になると説明し、「子育て世帯
に年収960万円の所得制限を設け、現金とクーポンを計10万円相当給
付」「経済的に困窮している世帯や学生に10万円支給」などを示した。
衆院選で勝利した岸田政権だが、その方向性や具体性は明確ではない。中
国の軍事的覇権拡大が進み、コロナ禍で打撃を受けた経済再生が求められ
るなか、大丈夫なのか。ジャーナリストの有本香氏が喝破した。

 「カネの使い方の下手な人は、儲け方も下手」。会社員だった四半世紀
前、あるカリスマ経営者から聞いた言葉である。同じことを、カリスマ経
営者とは程遠いが、わりに商売上手だった筆者の亡父は「生き金、死に
金」という表現でよく語っていた。

 「生き金」とは、相当の価値が出るように有効に使われる金(または使
い方)を指し、「死に金」とは、役に立たないところに使う金(の使い
方)である。

 いま、畏れながら、この言葉を、岸田首相に謹呈したい。

 「金儲けと一国のかじ取りを一緒にするな」と怒られるかもしれない。
しかし、昨夜(10日)の第2次内閣発足を受けた会見は、あまりにも
ガッカリさせられるものだった。ガッカリのポイントは2点。国家経営の
要諦ともいうべき、「カネと人事」である。

岸田首相は会見で、「コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても
10万円の緊急給付金を支給する」と表明した。これを報道各社が速報す
ると、たちまちSNSには失望の声があふれた。岸田首相と自公与党、そ
して財務省の皆さまは、なぜこうも非効果的な金の配り方(=属性で分断
し、チョロチョロ配る案)ばかり考えつくのか。国民を助けるどころか、
国民の不安と失望を広げ続けている。

 始まりは先週5日だった。19日に決定するという経済対策について、
政府与党が「18歳以下への10万円相当の支給」という公明党案に合意
する方向で調整する旨が報じられた。これには、自民党内から批判が噴出
した。高市早苗政調会長は「(困窮者救済をうたった)自民党の公約とは
まったく違う」と反発した。

 そもそも、「所得制限を設けずに高校3年生以下の子どもへ10万円相
当支給」という公明党案は、「未来応援給付」と銘打って同党の衆院選公
約に書かれたものだ。コロナ対策という位置づけはおかしい。

 これを丸呑みして「コロナ対策」に見せかけようとしていたなら、筋違
いも甚だしい。まさか、「公明党さん、選挙ではお世話になりました。感
謝の印」というつもりだったのか。

 筆者は自民党案にも賛成ではない。いまは「景気」を浮揚させ、経済を
「成長」軌道へと戻す策を打つときだ。迅速に「使えるカネ」を配り、国
民の消費マインドを刺激し、どんどん経済を回す策を打つべきである。具
体的には、国債を財源に、最低でも国民一人10万円以上の期間限定金券
など配るのが良案だ。「富裕層へのバラマキはよくない」とワイドショー
や野党が騒ぐだろうが、経済の分からない者たちの戯言と捨て置けばいい。

 「税金だから無駄遣いはできない」という「分配」発想も、いまは適切
ではない。無駄無駄というなら、「困窮者」をどう線引きし、どう配るか
の小田原評定を延々やる時間が最も無駄だ。そんな検討をしているうち
に、困窮者はさらに困窮し、国民の消費マインドはさらに冷え込む。やた
ら細かいオペレーションの業者委託にも無駄が生まれやすい。

 ■「聞く力」発揮いいかげんにして

 第1の「ガッカリ」で思いのほか筆が走ったが、第2は人事。はっきり
言えば、外相人事である。

 林氏は「優れた人材」と評判の人だが、他の閣僚ならいざ知らず、外相
起用には疑問の声が多い。仕事を始める前から色眼鏡で見るのはフェアで
ないかもしれないが、林氏が超党派の日中友好議員連盟の会長であり、親
子2代の筋金入りの「親中派」であることを考えれば、G7(先進7カ
国)が一致して中国に対峙(たいじ)しようという今なぜ? と思う国民
が多いのは当然だ。

 そんななか、あたかもバランスを取るかのように、「岸田首相が、安倍
晋三元首相を来月上旬、マレーシアに特使として派遣する意向を固めた」
と報じられた。保守派の不信感をなだめようとの狙いが透けてみえる。

 カネの使い方も人事も、適材適所は当然として、内外に「何を目指す
か」を知らせるアナウンス効果が大事だ。その点、初日の岸田采配には憂
いが深くなる。

 岸田首相におかれては、公明党と親中派への「聞く力」発揮はいいかげ
んにしてもらいたいものである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市
生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。
国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に
『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬
舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国
紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録



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◆マルクス・レーニン主義を構え直し

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月16日(火曜日)
通巻第7117号   <前日発行>

夢遊病者の悪質で幼稚な作文が習近平の六全中会報告
  マルクス・レーニン主義を構え直し、西側資本主義社会に挑戦を宣言

 それにしても幼稚な作文としか言いようがない。
 「100年に亘る奮闘の重大な成果と歴史経験」なる決議文は、毛沢
東、トウ小平と習近平を並べての自画自賛。思い上がりを周囲の誰も諫言
できなかったのだ。

 曰く。
 「中央政治局は中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、マル
クス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論にくわえて『三個代表
論』(江沢民)、『科学的発展観』(胡錦涛)、そして習近平の新時代の
中国の特色ある社会主義思想を指針として堅持した」(すでに絶滅したマ
ルクス・レーニンの亡霊が甦ったのかな。「偉大な」トカ「高く掲げて」
トカの常套句は左翼特有のアジテーション語彙だ。

 また曰く。
 「科学技術の自立自強に向けた取り組みを積極的に進め、改革開放を不
断に深化させた。貧困脱却の艱難攻略という戦いに予定どおり勝利した」
(自立の技術なく、すべてを日米から盗み出し、貧困は深まり、一部の富
裕層だけが肥ったことは『予定通り』だったけど)。

 「全党は唯物史観と正しい党史観を堅持し、過去に我々が何故勝利出来
たかを見極め、初心を貫き使命を貫徹してゆく」(要するに嘘八百の党史
観がただしい歴史観、つまり「正しい」という形容詞は、自己礼讃用語で
ある)。

 「中華民族の復興を図ることは自らの初心、使命として、つねに共産主
義の理想と社会主義の信念を堅持し、全国各民族を団結させ率いて、民族
の独立と人民の解放を達成し、国家の富強と人民の幸福を実現するため
に」(団結とはほど遠い少数民族問題は看過した)。
 
 そして獅子吼した。
「過去の奮闘は『歴史における最も壮大な叙事詩』が書き上げられた」
(もっとも悲惨な歴史記録を壮大な叙事詩とすり替えるのはアジテーショ
ンの芸術とも言える)。

 またまた曰く。
「旧中国の半植民地半分封建社会の歴史に完全に終止符を打ち、ごく少数
の搾取者が広範な勤労人民を支配する歴史を完全に終わらせた」(この文
言に行き当たると、えっと声をあげる。「極少数の搾取者」とは中国共産
党幹部であり、「広範な勤労人民を支配」しているも中国共産党であると
いう実態を、こういう風に表現するんだ)。


 ▼香港とマカオは「愛国者の統治」とか

 そうやって「持続可能な発展」に取り組むそうだが、香港とマカオから
自治を取り上げ、一国両制度の約束を踏みにじったことは「愛国者による
香港統治」「愛国者によるマカオ統治」と置き換えられる。都合の悪いこ
とはすべて「愛国」で誤魔化すわけだ。
 
 そして今後の計画は「四つの意識」「四つの自信」「二つの擁護」「五
位一体」「四つの全面」という漢詩的語彙をきらびやかに並べて、まるで
中味のない報告を派手な飾りをもって誤魔化した。
 ちなみに「四つの意識」とは政治、大局、核心、一致の意識だそうな。
ただし注目は「二つの擁護」であり、習近平の党中央と全党の核心として
の地位を守ること。党中央の権威と集中的の徹底も擁護するとは、言葉を
換えて言えば全体主義の独裁をますます強めるということである。

 結語は「中華民族の偉大な復興と中国の夢の実現であり、勝利の栄光を
勝ち取った中国共産党と中国人民は、必ずや新時代の新たな道のりで勝利
することが可能と確信している」となる。

 「中華民族」なる創造上の概念は存在しない。文化人類学的にも存在し
ないし、まともな神経の持ち主なら「中国の夢」とは悪夢であることくら
い、党指導部は了解しているのではないか。
 もっとも、台湾侵略に触れていないが、この「中華民族の偉大なる復
興」には、台湾を含めているから、わざわざの表記を避けたということだ
ろう。
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 樋泉克夫のコ
ラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2298回】  
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港180)

        △
 玄宗皇帝は叔母である太平公主を倒し唐朝最長の44年もの長期に亘って
皇帝の位に在った。一連の権力奪取劇に功労があったことで重用されるこ
ととなった高力士は、玄宗皇帝の治世を裏から支え続けた──こう、歴史書
は綴る。
いわば高力士は、それまでの王朝では見られなかった宦官による政治介入
の嚆矢となるだろう。であるなら実際の高力士は「貴妃酔酒」に登場する
狂言回しのヤワな宦官ではなく、権謀術数に長けた冷血漢に違いない。

 だが、芝居に親しむ庶民の大方は文字を知らないし、だいいち史書など
はトンと無縁である。そこで庶民は芝居から歴史を知ることになる。
庶民にとっての歴史は、当然のように実際に繰り広げられ、正史などの史
書に記された歴史とは異なってくるわけだ。

 「貴妃酔酒」で唱われる歌詞の原型は、清朝の乾隆年間(1735〜96年)
に公刊された『太古伝宗』のうちの『酔楊妃』に収められているが、芝居
としては康煕年間最末年の1722年に編まれたとされる。

 ということは、最初に唐代の楊貴妃、玄宗皇帝、安禄山、高力士をめぐ
る史実があり、それが正史などの歴史書に書き記され、長い年月を経た末
に戯作者や役者の手で面白おかしく脚色されて芝居に編まれ、清朝末年と
思われる頃に「春情頓熾」「忍俊不禁」「放浪形骸」「作種種酔態」「及
求歓猥褻状」の演技がタップリと盛り込まれる芝居に変えられた。さらに
6、70年を経た共産党政権誕生後、梅蘭芳の手で「改編と整理を重ね、不
健康な部分を取り除き、比較的整った古典歌舞劇に仕上げ」(『梅蘭芳演
出劇本選』)たことになる。

 史実から芝居として舞台で演じられるまで、じつに安禄山の乱から千数
百年の隔たりがあるが、この間、楊貴妃、玄宗皇帝、安禄山、高力士の間
柄は史実を離れ、後世の人々の想像の中で絡まり合いながら千変万化し、
興味深い筋運びの芝居に変容する。
 中華人民共和国が建国される半年ほど前のことだ。北京(当時は北平)
を制圧した人民解放軍は1945年3月25日に「人民解放軍北平軍事管制委員
会文化接管委員会」の名義で55本の「有毒旧劇」の公演禁止命令を出した。

 そこでは禁演措置を受けた55本が「第一、神仙・妖怪・迷信を提唱する
演目」「第二、淫乱思想を提唱する演目」「第三、民族の矜持を失わせ異
民族の侵略を提唱する演目」「第四、封建道徳を褒め上げる演目」「第
五、封建圧政を称える演目」「第六、一種の荒唐無稽な、あるいは定まっ
た劇本のない演目」の6つに分類されているが、「貴妃酔酒」は「第二、
淫乱思想を提唱する演目」に指定されている。
因みに、これまで見てきた「奇怨報」(「烏盆記」)は「第一」に、「大
劈棺」は「貴妃酔酒」と同じ「第二」に、「四郎探母」と「鉄公鶏」は
「第三」に分類されている。

このように1945年3月25日に「有毒旧劇」に指定された「貴妃酔酒」で
はあったが、やがて梅蘭芳の手で「長年を掛けて改編と整理を重ね、不健
康な部分を取り除き、比較的整った古典歌舞劇に仕上げ」られ、朝鮮戦争
の前線で兵士を、あるいは工場などの生産現場で労働者を慰問するため
に、さらには海外で『新中国』のイメージアップを狙って公演されるよう
になったのである。

 ここで些か穿った見方をするなら、共産党政権としては全国区レベルの
名優であり、海外でも著名な京劇役者の梅蘭芳を政権の広告塔として使い
たい。一方の梅としては十八番の「貴妃酔酒」を手放すわけにはいかない。
かくて両者の思惑が一致して、「貴妃酔酒」が本来的に秘めている「色情
を暗示する演出」が削除され、「長年を掛けて改編と整理を重ね、不健康
な部分を取り除き、比較的整った古典歌舞劇に仕上げ」られた。いわば現
在の「貴妃酔酒」は共産党政権と京劇名優の間の妥協の結果──今風の表現
に従えば「双贏(ウィンウィン)関係」の産物──と見なすことができるの
ではなかろうか。
   
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)「保守の歌姫」、SAYAさんのライブです。
saya2021 Special Autumn Live 〜至高の二胡奏者 チェンミンさんをお
迎えして
 世界的二胡奏者のチェンミンさんをお招きしてのJZ公演が決定いたしま
した。
 チェンミンさんといえば映画「たそがれ清兵衛」や大河ドラマ「風林火
山」、アニメ「火の鳥」など多くのテーマ曲を演奏されている二胡の第一
人者。
 悠久の自然と郷愁をたたえたチェンミンさんの二胡の響きとともにオリ
ジナルやカバー、唱歌など、どんな風に生まれ変わるのか私自身も楽しみ
です。忙しない日常を飛び越え、心の奥深く繋がる時間をお届けします。
 ピアノ塩入俊哉さん、コントラバス齋藤順さん、
最高の布陣でのぞむ秋のスペシャルライブ、ぜひ足をお運び下さいますよ
うお願い申し上げます!

とき     11月20日(土)開場17:00 開演18:00 Charge¥6,000
ところ    Jz Brat Sound of Tokyo
http://www.jzbrat.com/
渋谷区桜丘町26-1セルリアンタワー東急ホテル2階 
(渋谷駅より徒歩3分)
Members   saya(vo)、チェンミン(二胡)、齋藤順(b)、塩入俊哉(p)
ご予約:Jz Brat 03-5728-0168

  ♪
(読者の声2)三島由紀夫没後51年、恒例の「憂国忌」が開催されます。
皆様是非ご参加ください。プログラムは以下の通りです。
             記
日時    11月25日(木)午後2時開会(1330開場)
会場    星稜会館大ホール(東京都千代田区永田町)
司会    佐波 優子
開会の辞  富岡幸一郎 記念講演  葛城奈海 発言者 藤野博他
閉会の辞  松本徹
会場分担金 お一人2000円
(三島由紀夫研究会事務局)

  ♪
(読者の声3) 偶像、動物、などに特別な霊感などを覚えて、信仰の対象
にする、と言う精神構造は、世界的、西欧の基準では珍しく、時には忌
避、禁止される。日本では、たぬき、狐、イヌ、ネズミ、鳩、鶴など、
違った意味を持つ。「鶴を折り紙で折る」と祈りが叶う、と言う信仰もあ
る。幼稚園で工作の時間に習う。
 趣味は勉強という外交官、稲垣久生氏は最近着任したシアトル総領事。
武漢菌で苦しむ米国人のために丹念に祈りながら、毎日一羽の鶴を折ると
いう。沢山の色とりどりの自分の作品を誇らしげに映した写真が新聞に
載っていた。
私見ではそんな幼児的な祈りは、幼稚園児、女子供の遊びに過ぎず、日本
人誰一人として御利益がある、とは信じていないだろう。
 米国人が聞いたら、吹き出すか、精神医の助けが必要だと心配されるだ
ろう。
こんな総領事を選んだ外務省も、相当アヤシイおかしいと判断される。領
事館の人達も、氏が毎日、丹念にツルを折るのを見て陰で笑っているが、
残酷にも忠告する勇気も親切も無い。要するにみんなダメ。税金でタダ飯
を食い、家賃ただの豪邸に住み、専属の料理人、運転手付きの車でひょろ
ひょろ遊んでいる。鶴1羽の製作費用が100万円ぐらいだろう。
ここで注意せねばいけない点は、かつては先進国の人間が後進国の「野蛮
な行動を嘲笑う」ことは当然に許されていたが、近年これは、仮にそれが
正しくとも、「弱者に対する非礼」と見なされる。
つまり稲垣氏の行動は、かつては公然とバカにされただろうが、現在では
口を噤んで、あたかも「素晴らしい文化だ」と言わんばかりの表情をしな
ければならない。
そんな背景があるので、新聞に載って賞賛されても、裏では「幼児のよう
な変な男だ」と思われていることを認識せねばならない。
いわば日本の得意な「本音と建前、裏と表の偽善の文化」が世界に広まっ
た。これはポリコレと訳された。
(在米のKM生)

  ♪
(読者の声4) 2021年の日本政治は大波乱の一年でした。そこで、その結
果を詳細に分析し、背景にある民意を精密に知ることは、これからの日本
を考える上でも非常に重要なものと思われます。米国型の科学的選挙分析
に関する日本の第一人者が、そのような諸件を踏まえて科学的データに基
づいて解説してくださいます。
貴重な機会ですので、多くの方々のご参加を待ち申し上げております。
【講 師】三浦博史:慶應義塾大学卒。安田信託銀行入行。その後1979年
から椎名素夫衆議院議員公設秘書を9年間務める。その間、社団法人国際
経済政策調査会事務局長等を歴任。1988年、米国国務省個人招聘プログラ
ムで米国に派遣。1989年、日本初の選挙プランニング会社である「アス
ク」を設立。代表取締役。以後、世界各地の選挙事情の情報収集などにも
努め、日本各地で行われる国会・首長・地方議会選挙で、わが国初の選挙
プランナーとして活動中。
             記
【日 時】 令和3年11月19日(金曜日)午後6時〜8時 (受付5時
30分)
【会 場】 憲政記念館・第2会議室 (千代田区永田町1-1-1/国会正面
向側)
【参加費】 2000円
【要申込】必ず以下のフォームからお申込みください。
https://ozakiyukio.jp/information/2021.html#1006
【主 催】グローバル・イッシューズ総合研究所
at 06:24 | Comment(0) | Andy Chang

2021年11月08日

◆民主党議員のバイデン批判

               Andy Chang

11月2日火曜日の選挙でヴァージニア州とニュージャーシー州の州長選挙
があり、ヴァージニア州では
共和党のYoungkinが民主党のMcAuliffを破って当選した。ニュージャー
シー州では民主党のMurphyが
共和党のCiatterellliを僅差でリードしていて、メディアは既にMurphy当
選を報道しているが正式な発表
はまだである。この二つの州は民主党が優勢だったが、ヴァージニア州で
優勢といわれたMcAuliffが負
けたのは国民がバイデン政権にノーと言った結果と見做され、これが来年
の中間選挙に大きく影響する
といわれている。

メディアの報道によると民主党が選挙に負けた原因は大体において以下の
順番である:

*バイデン政権がCRT(白人原罪論)を学校教育に強制導入したから父母
が大反対した。
*ワクチン注射を政府公務員や大企業に大統領命令で強要し罰則や罰金を
作った。これは違憲である。
*インフレ、エネルギー危機、物価高騰などが国民の生活に直接影響して
いる。
*国境をなくしたため違法移民、麻薬、犯罪が増加した。
*アフガンの米国国民を見捨てたアフガン総退却。
*バイデン就任以来、彼が推進した政策は一つも成功していない。

メディアが報道した民意に対し、多くの民主党議員はバイデンが大統領が
あまりにも弱腰で自分の推進し
た政策を強く推し進めて通すことをしなかったから国民が失望した、つま
り今回の選挙の失敗はバイデ
ンにあり、民主党議員の責任ではないというのだ。議員たちは来年の中間
選挙で共和党に負けて落選す
ることを恐れ、自分の責任逃れでバイデンに敗選の責任を押し付けている
のである。

確かに上にあげた原因を見れば全てがバイデンの大統領命令で推進した政
策だ。だから負けた原因はバ
イデンにあると言っても良い。だが議員たちが批判するようにバイデンが
弱腰だったのではない。その
逆にバイデンの強引な独裁的態度や憲法違反でゴリ押しした政策が国民に
反対されたのである。


          
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◆雀庵の常在戦場/108温暖化対策より中共対策を急げ
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/388(2021/11/6/土】此比(このごろ)都ニハヤル
物、夜討(ようち)強盗、謀綸旨(にせりんじ)、召人早馬、虚騒動(そらそ
うどう)・・・1334年の「二条河原落書」。

近頃、地球に流行るもの・・・コロナ禍は2年で落ち着いたようだが、
「習近平・中共禍」と「温暖禍」はこれからいよいよ猛威を振るいそう。
温暖禍には「謀綸旨、虚騒動」のような怪しさを覚える人は少なからずい
る。何しろ1970年頃まで世界中の気象学者の圧倒的多数は「地球は寒冷化
する」と言っていたのだから・・・

その頃と比較すれば人口は35億から75億に倍増、環境汚染も都市部への人
口集中も急増したろうし、一方で植物、森林は食糧増産や木材需要などで
急減しているだろう。近年では太陽光パネルが緑を覆って窒息させてい
る。諸悪の根源は「人間増え過ぎ」と「医療過多」「病的長生き願望」
「飽食」の感じがするが、どうなんだろう。

危機を煽ると「懐」が温暖化する企業や経済人、政治家、学者、国連に巣
食うNPOなどがいて、彼らは自分たちに都合のいいデータだけを集めてい
るのではないか、あるいはアル・ゴア元米副大統領のようにそれに便乗し
て稼いでいるのではないか、と思うのは下司の勘繰りか。

<『不都合な真実』(An Inconvenient Truth)は、2006年の米国のド
キュメンタリー映画。アル・ゴアが主演している。

英高等法院は「西南極とグリーンランド氷床の融解により近い将来、海水
準が最大20フィート上昇する可能性がある」とするゴアの主張を「これは
明らかに人騒がせで、グリーンランド氷床の融解では相当量の水が放出さ
れるが、それは1000年以上先のことである」と判断している。


しかしながら、「前回に当たる約12万年前の間氷期に、氷床崩壊により数
十年間で海面が3メートル程度上昇した」とする研究結果が、2009年4月の
英科学誌ネイチャーに掲載されている(*)。

チェイニー米副大統領の来日に際して、安倍晋三首相が本作(『不都合な
真実』)に触れて「日米で協力して地球温暖化対策を進めよう」と持ちか
けたところ、「あの映画はアル・ゴアのプロパガンダだ」と不快感を示さ
れた旨が『報道ステーション』などで報道された>(WIKI)

*メキシコ国立大学の地球科学者(主にサンゴ礁の研究)、ポール・ブラ
ンチョン(Paul Blanchon)の研究だが、著書はないようだ。

“環境少女”“環境青年”“環境政治家”“環境NPO”・・・結構ビジネスとして
はいいようで、ゴアのテネシー州の豪邸は一般家庭の20倍もエネルギーを
使うと報じられている(マーク・モラノ著『「地球温暖化」の不都合な真
実』)とか。

彼ら環境派は叫ぶ、「CO2を減らさないと気温上昇で氷河が解けて水位が
上がり、陸地は減り、沈没する島も出る、石炭や油を使う発電は危険だ、
CO2を排出しないエネルギー政策に転換しよう、脱CO2で地球を救え!」。

学者、政治家、マスコミ、財界人らが一斉に「ごもっとも!」と大騒ぎす
る時は、冷静になって彼らの動機は何か、利益は何か、を考えた方がい
い。「悪は正義を装う」のが普通だからだ。正義と思えば何でもできる、
平気で噓をつく、朝日の慰安婦報道なんて代表格だろう。

電通「戦略十訓」は1970年代、電通PRにより提唱されたらしいが、電通や
企業の営業マンは売上を上げるために以下の方針を日々徹底せよ、と訓示
している。

<もっと使わせろ、捨てさせろ、無駄使いさせろ、季節を忘れさせろ、贈
り物をさせろ、組み合わせで買わせろ、きっかけを投じろ、流行遅れにさ
せろ、気安く買わせろ、混乱をつくり出せ>

つまり今の状況下では、脱CO2=正義を煽って、これまでのエネルギー政
策・技術を流行遅れ、古臭いもの、捨てるべきものと煽って世論を誘導
し、スクラップ&ビルドで新システムや最新の機器を買わせて経済を活性
化させ、みんなで美味しい思いをし、かつ地球環境をクリーンにしましょ
う――というわけだ。

地球に優しい技術革新・・・この波に乗ると旧式のインフラはどんどん廃
棄されて最新のインフラに変えられていくから経済は大いに活性化され
る、企業は景気が良くなり、給料は上がる、国民も潤い消費が増える、物
価も上昇する、GDPは上昇する、万歳、みんな良かったね!・・・という
ふうになるかどうか。地球に優しい投資話・・・上手い話に騙されて泣き
を見るのではないか。

地球に優しい(を標榜する)ドイツ人は「脱原発・脱CO2・温暖化阻止」
に無我夢中というかビョーキみたいだが、いよいよ末期症状になってきた
ようだ。川口マーン惠美氏「ドイツ次期政権を待ち受けるメルケルの置き
土産『原発容認vs.反原発』の戦い」現代ビジネス10/22から


<実は、脱原発で電力の安定供給が崩れる危険というのは、今出てきた話
ではない。電力供給の責任者は10年間ずっと(その)警告を発し続けてき
た。しかし、原発嫌いのドイツ国民は聞く耳を持たず、脱原発は倫理的に
正しいと胸を張り、メディアはそれを礼賛(日本メディアも!)。「脱原
発」を掲げた政治家が、ポピュリズムの最先端を肩で風を切って進んだ。

唯一、ドイツで脱原発の無謀さを堂々と主張していたのはAfD(ドイツの
ための選択肢)だったが、AfDはどのみちあらゆる政治家とメディアから
攻撃を受けている政党だ。脱原発の無謀さを説いても「またAfDが良から
ぬことを言っている」と思われて終りだった。

ただ、その中で、実は(ドイツ)自民党も、原発の必要性を認識していた
と思われる。言葉の端々にそれが現れることがよくあったが、しかしドイ
ツには、それを堂々と口にできる土壌が皆無だった。下手に口に出すと票
を失う。あるいは「AfDと同じじゃないか」と言われては、大きなマイナ
スだ。

だから結局、皆で(脱原発の)危険は無視したままここまできてしまった
わけだが、今ようやく、ブラックアウト(停電)が現実味を帯びてきたの
を見て、自民党が「稼働延長」を取り出しても不思議ではないかもしれない。

現在残っている6基の原発はコンディション良好で、まだまだ運転を継続
できる状態だという。これを動かせば、ガスに比べて膨大なCO2を削減す
ることもできるし、また、現在すでに50%を超えてしまっているロシアガ
スへのさらなる依存も軽減できるだろう。もちろん、電気料金やガソリン
価格も下がるだろう。

ただ、もし、本当に自民党が声を上げ、国民の意見が変化し、原発の稼働
延長に「ノー」を言わなくなったとしたら、袋小路にはまり込むのは「緑
の党」だ。「原発も火力発電も要らない。ドイツの電気は再エネで賄え
る」という主張を曲げるのは、ほとんど自殺行為に等しい。かといって主
張を貫けば、自国をブラックアウトに導くことになるかもしれない。

それに対してドイツの環境大臣はこれまで「原発は超危険テクノロジーだ
が、風力は危険ではない。この違いを考慮するべき」として、原発をEUの
グリーン・リスト(環境に優しい電力源)に入れることに真っ向から反対
してきた。それどころか同大臣は、風車をドイツ国土の立てられるところ
には隈なく立てろとか、新築の建造物には太陽光パネルの設置を義務化す
べきなどと主張していた人だ

ただ、エネルギーの高騰は、各国首脳の考えを急速に変えさせている。電
力不足には、再エネ原理主義では太刀打ちできない。英国は、電力確保の
ため、大慌てで石炭火力を再稼働させ、原発の新設まで考え始めた。岸田
首相は産油国に増産を促すという。

現在ドイツでは、社民党が次期政権奪取を目前に高揚しているが、彼らが
引き受けようとしているのは、メルケル政権が16年掛かって積み上げた瓦
礫の山だ。エネルギー政策しかり、難民政策しかり。修復はよほど覚悟し
て取り掛からないと失敗するだろう。

風運急を告げるドイツ。しかし、肝心のメルケル氏はまだドイツの首相で
あるはずなのに、すでに神隠れしてしまっている>

中共は気候変動の責任は先進国にあると、何やら逃げているようで11月3
日、中国外務省の報道官が定例記者会見でこう突き放した。

<先進国は、地球規模の気候変動と炭素排出の主要な責任者だ。 途上国
が気候変動により良く対応できるよう資金を提供することは、先進国の道
徳的責任であり、国連気候変動枠組条約とそのパリ協定の下で果たすべき
国際的義務である>

習近平・中共にとって台湾制覇が現在の喫緊の課題だから、わけの分から
ないCO2との戦いには関与したくないのだろう、「ない袖は振れぬ」と。
Vision Times Japan 11/1から。

<豪州のトニー・アボット元首相は、10月29日に米国のシンクタンク
「ウィルソンセンター」のオンラインイベントで、中国共産党(中共)が
「まもなく」台湾を封鎖、あるいは本格的な侵攻を行う可能性があると考
えており、台湾海峡の情勢は非常に緊迫しており、何年も何十年以内にも
何も起こらないと想定すべきではないと警告した。

アボット氏は、自分もかつて中共に対して楽観的な考えを持っており、習
近平が2014年に豪州議会で、2050年までに民主主義を実現すると約束した
ことをプラス的に見ていたが、近年の習の行動が見方を変えたと認めた。

習は台湾問題を「水のように水温を高くするが沸騰させない、なぜなら台
湾を犯すリスクが高すぎるからだ」と考える専門家もいる。しかしアボッ
ト氏は、冒険は習の好みに合っており、香港の「一国二制度」協定を破っ
た時も多くのリスクを犯したが、大きな反発に遭っておらず、国際社会か
ら制裁を受けた中共幹部すらいなかったとし、西側諸国の温和な反応がか
えって中共の励ましとなり、台湾を犯すリスクを高めていると反論した。

香港と違って台湾は反撃するだろうが、外からの支援が必要である。ア
ボット氏は民主主義諸国に「想像しがたいこと」への備えを呼びかけた。
おそらく近い将来、中共は台湾を封鎖したり、あるいは全面的に侵略した
りして、事態を拡大する可能性があると考えている。状況は「それだけ切
迫」しており、世界は何年も何十年も台湾海峡で何も起こらないと考える
べきではないと強調した


中共を抑止するために何をすべきかについてアボット氏は、中共が台湾に
対する行動をエスカレートさせた場合、米国、日本、オーストラリア、そ
の他の世界の民主主義国は、軍事的、経済的にどのように対応すべきかを
考え始めるべきだと述べた。

「台湾に対するいかなる行動も、最も深刻な結果をもたらすことを中国に
認識させなければならない


中共が台湾に嫌がらせをするために高強度の軍事飛行を繰り返している最
中の10月初めに、アボット氏は個人名義で台湾を訪問した。台北玉山
フォーラムに出席した彼は、「世界のどこにも台湾海峡両岸ほど自由と専
制の闘いが激しい場所はない」と述べ、台湾海峡両岸の緊張は中国の「好
戦的な態度」によるものだと批判した。「今、台湾を応援することより緊
急を要するものはない」とも警告した>



自衛隊出身の先輩は原稿締め切りでバタバタしている小生によく言ったも
のだ、「やるべきことには重要事項と優先事項がある、優先事項から取り
掛かるべし」。現在の世界で喫緊の優先事項は戦争で世界制覇を狙う中共
の封じ込め、中共包囲網の推進であり、怪し過ぎる「温暖化対策≒新資本
主義への移行」ではないだろう。

JPプレス2021.11.4、福島香織氏「習近平の大失点、COP26欠席でリーダー
シップが米国の手に? 不穏な国内『引きこもり』を続ける習近平」から。

<武漢でコロナ感染がアウトブレイクして以来、習近平は実に21カ月もの
間、中国国内から一歩も出ていない。コロナ以前、習近平は年間平均14カ
国を訪問し、その訪問ペースは米国大統領をしのぐ勢いだった。あれほど
外遊していた習近平がなぜここまで「引きこもり」に徹しているのか。

本当ならば習近平がG20(気候変動対策)、そしてCOP26(国連気候変動枠
組条約第26回締約国会議)に自ら乗り込んで、こうした米国の動きと直接
対決し、どちらが世界のリーダーの資格があるか、参加国に問うこともで
きただろう。ではなぜ、習近平はローマ(G20)にもグラスゴー(COP26)
にも赴かなかったのか。

習近平のCOP26の欠席は、気候変動問題でのリーダーシップを取ろうとい
う中国の野心、一帯一路を通じた中国秩序圏の拡大という野望を阻むとい
う意味では、米国など西側社会にとっては一見よかったかもしれない。だ
が、習近平の本心をうかがい、各国との緊張関係の緩和や妥協点を探る機
会が失われたともいえる。

習近平が来年秋に長期独裁体制を確立するために、国内問題、とくに人民
の不安や不満をコントロールしようとすれば、結局、敵を外の世界に作
り、国内のナショナリズムを刺激するのが手っ取り早いからだ。むしろ、
習近平の「引きこもり」は中国がより危険な底知れぬ国になってきたよう
に思えて不気味である>

支那の民は腹が満足していれば不平不満があっても「上に政策あれば下に
対策あり」で権力にそれなりに従うが、包囲網で食糧事情が悪化すれば窮
民による易姓革命に立ち上がる、そういう伝統、DNAがあるだろう。ソ連
の民も実に忍耐強かったが、ついに堪忍袋の緒が切れてソ連はあれよあれ
よという間に自壊した。我々が上手く、狡猾に包囲戦=冷戦で締め上げれ
ば習近平・中共も無血革命で消滅する可能性はあるだろう。

プーチン・ロシアはスターリンの如く本質的には中共を嫌って(警戒して)
いる、今は孤立を避けるために“友邦”を装っているが、もともとロシアは
欧州(知的で洗練された気品のある欧州貴族文化?)に片思いしており、
ガサツで野暮ったい蛮族風の習近平・中共と運命を共にする気はないだろ
う。習近平・中共が包囲戦で弱体化、あるいは末期症状になれば、プーチ
ン・ロシアは冷たく見捨てる可能性はかなり高いのではないか。

永遠の友も永遠の敵もない、義理より国益優先・・・エゲツナイが、それ
が外交の基本だとすれば習近平・中共は孤立無援で消滅するのだろう。こ
の目で最終章を見たいものだ。同志諸君、長生きしようぜ!



 
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◆中国の不動産市場の崩落

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月3日(明治節、文化の日)
通巻第7105号   <前日発行>

 中国の不動産市場の崩落がやがて迎える地獄
  恒大集団ばかりではない。大手は軒並み、デフォルト含みの危機

 恒大集団は、珠江デルタ地域(広東省)で工事中だった40件のプロ
ジェクトで建設を再開した。
管制色の強い工事再開というニュースは大きく取り上げられたが、デフォ
ルト回避を熱望するのは、このマンションをすでに頭金を支払ってローン
を組んだ人たちである
恒大集団は、32軒を年末までに完成して引き渡しできると豪語している。

 中国の不動産事情に詳しい専門家によれば、現場労働者へ、これまでの
賃金は凍結したまま、日払いで動員し、リース会社にも日払い、セメント
など原材料も、新規分をキャッシュで精算し、ともかく工事続行を演出し
ているのだろう、と推定している。

 恒大集団は、このところドル建て社債のデフォルトを回避するために、
創業者が個人資産を売却するなどで対応し、利払いだけを行って、所謂
「手形のジャンプ」を繰り返しているが、22年度に償還がくる社債が
77億ドル。23年度が85億ドルと、いったいどういう手品を使って倒
産を回避できるだろうか。

 いや、手品は何回も使った。
なかでも驚き桃の木はEV生産だった。一台も販売実績のないクルマを、
自動車ショーで展示し、欧州五社とエンジニア契約を結んだとして、大宣
伝のうえ、いきなり株式を上場した。それでかき集めた資金は?

 この恒大集団と一位、二位を争ってきた中国の大手デベロッパーは碧桂
園である。
碧桂園は「新型都市化住宅」を得意としており、団地ごと造成して、不動
産ビジネスの多元化に成功した。
 
 2007年には香港市場へ上場。海外へも進出し続け、日本にも支社がある。
失敗の典型はマレーシアだった。ジョホールバルの人工島に数十のマン
ション群を建て、一大リゾート地建設を始めたが、マハティール首相(当
時)が、「そこはオランウータンの島だ」と不快感を表明したことにより
ブームが去った。

 碧桂園の創業者は楊国強といい、恒大集団の許家印と同様な貧農出身。
広東省順徳の生まれ、17歳までまともな靴を履いたことがなかったという。
 順徳は、香港の不動産王のひとり、李兆基の出身地でもある。楊国強は
セメント工や建築工として働き、北?建築工程公司に入社するや、めきめ
き頭角を現し、総経理(社長)に出世した。?小平の南巡講話の潮流変化
に乗って、碧桂園を創業し、奇跡の発展を遂げてきた。
 

 ▼融創集団の負債も恒大の半分で17兆円あります

 中国の不動産販売大手のなかでも、融創集団は負債総額17兆円(恒大
は33兆円)、軒並み経営危機だが、経済学の常識に従えば必ず金融危
機、金融パニックを誘発する。しかし資本主義システムとは異なる中国故
に、西側では考えられない手法を講じるから、事実上倒産しているのに不
動産業界はしぶとく生きのびている。

 新手は不動産投資ブームがおわり、ビットコインも禁止されると、次な
る金融商品が登場するという手回しの良さ。中国が言う「理財商品」の代
替となる金融商品が「公募投信」である。すでに430兆円の規模に膨脹
している。

 日本人の投資感覚はリスクの少ない、冒険をしない金融商品に集中して
いるため、投信は中国の三分の一以下の規模でしかなく、銀行預金、保険
で日本の個人金融資産は1900兆円。アメリカは株式、投信が中心だか
ら、その感覚が異なる。
 こうした新手の金融商品を中国で仕組んでいるのが米国ウォール街の
ファンドである。

 業界大手のひとつ陽光城集団は米ドル債の一部を現金と新発債の組み合
わせと交換する案を債権者に示した。新発行のドル建て社債に創業者保証
を付け、25%のドルの現金を上乗せし、起債分と交換する。

2023年2月および22年の1月と3月に満期となるドル債が対象で、
額面の総額は7億4700万ドル。

 この陽光城は、政府の政策引き締め、クレジットイベント、消費者信頼
感の悪化を背景に不動産会社の借り換えによる資金調達が断たれ、「当社
の短期流動性に非常に大きな圧力が加わった」と説明。
池袋にもチャイナタウンの入り口に陽光城なる食品、酒のスーパーがある。
同社の株価は十月第四周だけで25%近く下げた、22年3月に期限の来
る社債の相場は20%以上下落した。 


 ▼鉄壁といわれた香港の不動産価格も下落を始めた

 不動産不況の荒波は香港にも押し寄せた。
 香港の不動産価格は世界一と言われたが、2019年からの香港大乱 と、
民主運動への過酷な弾圧、言論の自由封殺によって香港住民は嫌気を さ
し、夥しい香港人が海外移住した。不動産価格の下落が始った。

 香港の四大デベロッパーは、長江和記、李基兆(ヘンダーソンラン
ド)、新鴻基(サンホンカイ)、新世界発展である。
 それぞれ一代で築き上げた立志伝中の人々、ちなみに長江の李嘉誠は長
者番付意の常連で個人資産317億ドル、ヘンダーソンランドの李兆基は
301億ドル、いずれも息子たちに経営権を譲渡した。ふたりの伝記はい
まもベストセラーだ。
 
香港は、不動産開発と言えば植民地の政庁利権を握っていた英国のジャ
ディーン・マセソンとスワイア・グループだったが、香港の四大開発業者
がいつのまにか英国勢を斥けていた。
 大陸の共産党幹部らが投機物件として香港不動産価格をつり上げてきた
が、このカラクリも崩れ、価格下落が始まった。いよいよ中国発金融恐慌
の警鐘がなった。
     
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号のワクハン回廊(Wakhan Corridor)の記事につい
て、この回廊は19世紀の英露のグレート・ゲームの結果、英領インドとロ
シアの緩衝地帯としてアフガンに残された。
 過酷な環境で半農半牧の生活を送る人々を取材した BBC Documentary
の映像がある。
https://www.youtube.com/watch?v=UP8pA0v6QFE
 東西の交易路だっただけに人々の顔立ちは様々で金髪の子供もいる。イ
ザベラ・バードの伝統かレポーターの女性は何でもチャレンジ。食事は基
本的に毎日パンと塩茶のみ。
バターを作るのもひと仕事。燃料はヤクの糞を乾燥させたもの。都市以外
は13世紀とアフガン専門家がいうのもわかる。
モンゴルの遊牧民が太陽光発電で衛星テレビを見てスマホを使っているの
とは大違い。モンゴル編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=3Tg6EQ4Dio0
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)東西の交差点、地政学の要衝とは、混血をうみ、
多種多様な人種が共存する世界ですね。なにしろソグドにスキタイ、マケ
ドニア、ペルシアが放牧民と混ざり合って、そこへ突厥系チュルクが雪崩
れ込んだわけでしょう。人種の坩堝という意味ならシチリア島とも似てい
ます。
 小生、当該回廊は未踏ですが、タジキスタンはウズベキスタンの国境に
近いペンジケントという街に行ったことはあります。
 故西部邁氏は、「中央アジアのパリ」と言われた頃のカブールに滞在し
たことがあると言っていたことを思い出しました。

  ♪
(読者の声2)グローバリストの云うグレートリセットの狂気の内容と、
習近平が今やろうとしている中身は、非常によく似ています。
両者は、脱炭素の名の下に厳しい管理・統制を行い、習近平の云う「共同
富裕」「不動産税」は、何も持たないでみんな一緒に貧しくなろう、とい
う点で一卵性双生児のように一致しています。
 これまで、グローバリズムのやることなすことすべてが、人類のために
なるものでなく、いたずらに対立と混乱混迷をもたらすばかりで、人類の
文化の退廃に貢献するものでした。たとえば、今まさに回帰しようとして
いる共産主義経済は、すでにその破綻によって多くの餓死者を出したもの
です。また、非学問的なジェンダーフリー&平等などの、普遍性から外れ
た多様性の偏重、株主偏重資本主義による社会の衰退、非科学的な脱炭素
の強行による経済の崩壊などなど。
 何故こういうことが起きるのか?と云いますと、マルクスによって、人
類の正常な発展の道しるべとなる、本物の学問が破壊されてしまったから
です。
より正確に云いますと、人類の哲学の歩みと、その完成者であるヘーゲル
の真の学問が、換骨堕胎されて、人類を騙す詐欺の有効な材料にされてし
まったために、人類が、マルクスにコロッと騙されてしまったからです。
 これによって人類は、学問の体系化の道を閉ざされ、真の学問を創出す
る方法論を見失うことになってしまいました。
 皮肉なことに、その害毒を一番蒙ることになったのは、ブーメランのよ
うに己の上に降りかかったマルクス主義者たちであり、グローバリストた
ちでした。
 今の左翼の連中に、どんなに真実を説いても話が通じないのは、科学や
唯物論を標榜する彼らが、一番強烈な悪しき観念論者となって、己の是と
するものを絶対的に正しいとの先入見を以て、事実を取捨選択し、あるい
はねつ造までもするようになっているからです。だからマルクス主義の研
究者たちの研究は、何の役にも立たず、学問的にも無価値なものばかりな
のです。
 これは嘘が文化となっている迷惑な隣国人たちにとても親和性があるの
で、彼らによってそういう面がますますバージョンアップされていく現実
があります。慰安婦問題はその典型です。
 そこのところを、もう少し深入りしますと、ヘーゲルは、絶対的真理す
なわち俯瞰的全体的真理と、相対的真理すなわち部分的真理を、否定的媒
介を通じて統一・統合する弁証法を創り上げて、学問の体系化の道を切り
拓きました。
 ところがマルクスは、学問の冠石である絶対的真理の追究の学問である
哲学を否定し、その立場である観念論も否定し、統一の武器である弁証法
までも、唯物弁証法として使いものにならないものへと矮小化してしまっ
たのです。
 結果として、マルクス主義者のほとんどが、マルクスの打ち立てた階級
闘争論などのドグマを正しいものとして、否定的媒介なしに、いきなり対
象に押しつけようとして、事実から手痛いしっぺ返しを受けて失敗する、
という悪しき観念論に陥ってしまっているのです。
 一方、ヘーゲルの学問的方法論においては、概念となった絶対的真理は
己が立場である観念論を一旦否定して、科学的立場である唯物論の立場に
立って、事実を丸のまま認めその固有の論理が浮上してはっきり形になる
まで待ってから、はじめて己が絶対的真理とその浮上してきた相対的真理
との統合を図っていくのです。
これがヘーゲルの云うところの「概念の労苦」の実態なのです。
 グローバリストの説く、「脱炭素」や「夫婦同姓は女性差別で奴隷制
だ」論が、いかに現実の豊かな多様性を見ない、陳腐で単細胞の愚論でし
かないことに全く気付くことのできない彼らのアタマの構造は、以上から
作られてくるのだと思います。
 したがって彼らの駆逐は、真の学問の復活・復興によって、根本的に解
決するものと思います。
また、それこそが、彼らによって歪められてきた人類の歴史を正常の軌道
に戻す道だと信じます。(稲村正治)

  ♪
(読者の声3)むかしむかし、ある米国の大学にいた時、外務省から来た
外交官の卵から聞いた話。彼の先輩の失敗談。ある日、時間に追われて、
レポートを書くことが出来ずに、日本から送られてきた専門雑誌にあった
x教授の論文を無断で拝借して、英文に翻訳し、自分の名前を書いて提出
したところ、早速呼び出しをくらった。
そんな日本人の論文を米国の教授が読んでいるとは考えられず、不審に
思って出頭すると「君は他人の論文を盗んだ」と言われる。
白状せずにうろたえていると、もっと恐ろしい事実が段々と浮かび上がっ
てきた。つまり、高名な日本人のx教授こそが、米国人の論文を盗んでい
たのである。
 
さらに後日談があって、留学が終わり母校に帰り、ある日ある専門雑誌を
パラパラとめくっていると、担当の教授の随筆が載っている。読んでみる
と、実は全文が盗作であった。それは、小生が宿題として提出したもの
だった。ぎゃっと驚いたが、誰にも言わなかった。卒業間近になって、
「君、うちの研究室に来るかね」と誘われたがお断りした。
さらにもっと以前、東京の文京区に住んでいたので、近くの附属小学校へ
通っていた。大きな社会的な事件が起こり、それを題材に書いた文が「わ
かぎり」という生徒の雑誌に載った。これは、盗まれたわけではないが、
だいぶ改竄され、強い政治的な着色が先生によってなされていた。つま
り、本人の承諾を得ず、「紅衛兵」に祭り上げられていた。何分にも内気
であったため、抗議することもできず、若い社会主義的論者とみなされ
た。そして要領の良い生徒は、迎合して先生に褒められる仕組みを学ぶ
こんな限られた個人的な経験からも、いかに外務省も文科省も学校も腐
敗、荒廃しているか良くわかる。

おそらく日常茶飯事の模倣の倫理も無い文化なのだろう。そんな劣化した
理不尽な世界で育った指導者たちが、平気で嘘をつくのは当然な成り行き
であり、「支那や朝鮮が嘘つきだ」と延々と非難する前に、自分を鏡で見
てみると、そこには卑怯な醜い売国奴ばかりがいる。
日本の過去はともかく、現実の今の「国家の品格」はかなり低い。アジア
の諸国は、ずるい日本に失望している。遺憾である、懸念する、注視す
る、が何もする気は無い。国民も国家に裏切られた。当然、報道も平気で
嘘をつく。
故に、取り敢えず、なにはさておき、「NHKをぶっ壊す」べし。その次は
文科省。厚生省も大嘘つきで国民の命を奪う。(在米のKM生)

  ♪
(読者の声4)邪馬台国問題は間欠泉の様に、噴出しては静まる、国民的
関心事ではある様です。私は刮目天様とは具体的な場所は違いますが、九
州説という点では同じ側に立っており、拙著「邪馬台国は福岡平野にあっ
た」で詳述しております。
私が重視するポイントは、距離の物差し(短里)、進み出す方向、現地の
地形の三つです。

このポイントに沿って倭人伝を読み解けば、松浦上陸後の魏使の足取りは
ほぼ紛れがなく、邪馬台国へたどり着くことができます。私が読み解いた
邪馬台国の所在地と博多湾との間を結ぶ当時としては立派なほぼ直線の道
路が以前に検出されています。

幅7mで両側に側溝を備えた弥生時代後期の竪穴住居時代としては比類な
いものだと考えられます。おそらく卑弥呼の都と海外の玄関口である博多
湾とを結ぶ幹線道路であると考えています。
残念ながら、この道路のことはあまり注目されていません

多くの専門家はあえて無視しているとも考えられますので、この場をお借
りして、改めて注意喚起をしておきたいと思います。現在は那珂中央公園
の一部にその跡が表示されています。
また、新しくブログを始めました。ブログでは拙著の補完および、古代史
書の読み解きに注力しています。今までに、『古事記』の序文は後の時代
に付け加えられたもので、太安万侶は『古事記』の編纂は行っておらず、
聡明だとされる稗田阿礼は実在していなかったこと、また、現存『古事
記』の元になった『原古事記』の成立年代は現存『古事記』より80年ほど
早い時点であることまでを検証してきました。
今後とも可能な限り掘り起こしに務める予定です。宜しければ下記ブログ
までお立ち寄りください。
https://yamataikoku.exblog.jp/(高柴昭)

(宮崎正弘のコメント)古事記の序文が後世に書き加えられたというポイ
ントは、すでに多くの指摘もあり、小生もそう思っています。
at 06:44 | Comment(0) | Andy Chang

2021年11月01日

◆性別不明となったアメリカ

             Andy Chang

AC 論説No.867

バイデンはボケているだけでなく独裁ぶりを発揮して国が破産寸前という
のに3.5兆ドルの赤字予算をゴ
リ押しで通すと言う。金は何処から来るのかといえば「金持ち」の所得税
を43%まで引き上げるとい
う。更にキャピタルゲイン、土地不動産税や営業税なども増やすと言う。
社会主義者は大きな政府が国民
の生活を保護すると言うけれど、実際には国民が大きな政府に奉仕する仕
組みになっている。

昨日のNYタイムスの報道によると、違法入国した「親とはぐれた未成年
者」に対し、一人45万ドル(約
4500万円)を支給するという。バイデンが「解放した」国境を歩いて違法
に入国した子供が「親と別れ
ました」と言っただけでバイデン政権が45万ドルくれると言うのだ。今
のアメリカ政府は金がない。
それなのに違法越境した者に金をばら撒く。バイデンは理財能力も理非曲
直の判断もできない人間だ。
バイデンを操っている黒幕に「大統領の権力」を代表する権利があるのか。

もうひとつ呆れたニュースがある。Powerhouse Newsの報道によると、バ
イデン米国政府は国が発行
するパスポートの性別欄に男(M)、女(F)以外に性別不明(X)を加えたと
発表した。アメリカ人は男と
女以外に「性別不明」人間が増えたのである。

報道によるとパスポートに(X)欄を加えたのはDana Zzyymという「人」が
五年も法廷で争った結果で
あると言う。実におかしな話で、この人のファーストネームはDanaだから
女性らしいが、ラストネーム
のZzyymは宇宙人かと思われる名前である。出生証明書を見れば(そんな
証明書があればの話だが)昔は
どんな姓で性別が男か女かわかるかもしれない。アメリカの法廷がサヨク
の無茶な主張に根負けした挙
句、アメリカ国務院がパスポートの性別欄に「X」を加えた結果、米国政
府は性別さえ分からない人間の
存在を認めてしまった。世界各国はアメリカの「X」宇宙人の入国を認め
るだろうか。

アメリカという国がおかしくなった、社会全体がおかしくなった。これか
ら世間ではこの人を彼(He)
と呼ぶか、彼女(She)、または奴(It)と呼べば良いのか。国の政府が認
めたらこの後どんどん「X人間」
が増えるのは予想できる。すると公共場所やレストラン、学校などはMen
とWomenの他にXのトイレを
作らねばならない。監獄、運動場、スポーツジム、スタジアムなどの公共
場所は新たに「X」用トイレ、
シャワールーム、ロッカールームが必要となる。男装、女装の他にX装が
必要となる。

Powerhouse Newsの報道によると、このような理不尽な傾向はサヨク州で
は前からあったそうで、
ニューヨーク州は2018年から生まれた赤ん坊の出生証明書の性別欄に
(X)を使っていたそうである。
これは人権問題ではないだろうか。生まれた赤ん坊の性別は生物学的な証
明である。外見の他にもDNA
の判別で男女が決まっているから、そのように出生証明書に書くべきであ
る。両親には「生まれた子供
の性別を隠す」権利があると主張したことを政府が認めたなら法律問題だ。

生まれた子供の性別は生物学的な判別である。親が勝手に「子供の性別は
子供が将来的に自分で決める
権利がある」と主張することはできない。生まれた子供に思考力、判断力
はないが生まれながらの権利
がある。生まれたときから男女は生物学的に決まっている。親が子供の権
利を無視して「性別不明」と
出生証明書に書く権利はない。そんな不合理を許可したNY政府も問題だ。

アメリカは性別の判別もできない「X」人間が増えた。黒幕が自己判断力
を失った大統領の代わりに勝手
に金をばら撒き、法無視、独裁で法令を発布したおかげで違法入国者、犯
罪者、麻薬密輸、暴力、無政
府状態が続出しているのである。



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◆小選挙区制が裏目、裁断が下される
斎藤 満

衆院選情勢を変えた若者「#選挙に行こう」運動。与党有利の小選挙区制
が裏目、裁断が下される


いよいよ衆議院議員総選挙の投開票が10月31日(日)に行われます。これ
までとは状況が異なり、100年に1度の厄災であるコロナ禍にあって、国民
がようやく政治の役割・重みに目覚めた中での選挙といえるでしょう。こ
れが日本の政治を変えるきっかけになるかもしれません。(『マンさんの
経済あらかると』斎藤満)

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和
銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミスト
としてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀
行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投
資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経
て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっている
かを分析している。

若者の間に投票への意欲
最近、注目されているのが、ハッシュタグ「選挙に行こう」の動きです。

組織力の強い自民党・公明党は、投票率が低いときに、その組織力が生
き、選挙に有利となります。ですから、与党は投票率を非常に気にしてい
ます。

これまでも、連休などで人が出かけて、選挙に行きにくい時期を選んだこ
ともあるほどです。

そのなかで与党はハッシュタグ「選挙に行こう」の動きを気にしています。

近年の投票率低下の裏には、若者の関心が薄れ、選挙離れしていることが
大きく寄与しています。前回平成29年の衆議院選挙の投票率は53.68%でし
たが、20代が33.85%、30代が44.75%と低くなっています。

この若者・無党派層が選挙に関心を持つようになると、与党は苦しくなる
とみています。

静岡の参院補選では野党が圧勝
その一端が見えたケースとして、先の参議院補選の静岡のケースです。

もともと自民党地盤の選挙でしたが、結果は立民推薦の山崎氏が約5万票
の差をつけて当選しました。しかも、共産党候補に11万票入っているの
で、与党対野党では60万票対76万票の完敗となりました。

ここでも投票率の上昇がものを言っています。

今回の静岡補選での投票率は45.57%でした。前回の衆議院選挙、県知事選
の投票率に比べるとやや低くなっていますが、投票率が低くなりやすい補
選同士で比較すると、前回2009年の補選では35.64%だったので、今回はこ
れを約10%ポイントも上回ったことになります。

これが与党敗北につながったとみられます。

それだけに、今、ハッシュタグ「選挙に行こう」運動が広がると、若者の
投票率が上がるとの警戒感が与党内で強まっています。

このため、SNSを使ってこの動きを冷やそうとの動きもあるようです。


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◆中露の蜜月は演出であり

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月29日(金曜日)
通巻第7097号  <前日発行>

 中露の蜜月は演出であり、戦略的パートナーシップは誇張がすぎる
 北極航路、宇宙でロシアの警戒心はむしろ強まっている

 ロシアと中国の「戦略的パートナーシップ」なるものは誇張されている
と、パヴェル・K・バエフ(オスロ国際平和研究所上級研究員)が分析し
た(米ジェイムズタウン財団発行『チャイナ・ブリーフ』、2021年
10月号)
 両国のパートナーは、その強力なプロパガンダマシンによって生成され
誇張されたもので、たとえば習近平主席とウラジーミル・プーチン大統領
とが8月25日に行った電話会談は、微妙な点で不一致なのである。

 中ロ関係は、国境紛争が解決した2005年以来、急速に高まった。
ウスリー島の中州には免税特区も作られ、両岸にはリゾートマンションが
林立している。
ロシアは孤立を深めたために中国に接近せざるを得ないという状況があっ
た。とくにクリミア併合とウクライナへの進行が西側の制裁を誘い、中露
は2014年から「戦略的パートナーシップ」が開始された。

 ロシアは原油とガスを大量に中国に輸出している。中国からは日用品、
食品、雑貨など夥しい生活必需品やスマホ、家電などである。
しかし北極航路をめぐっては、ロシアが「核心的利益」を主権し、地政学
的見地から軍事的手段を考慮する。中国は欧州との通商航路が第一と主張
しているが、ロシアの猜疑心は強い。

ロシアはインドと長年にわたって事実上の軍事同盟だったが、米国のアジ
ア、太平洋シフトによってQUADが形成され、インドとの伝統的関係は
弱体化した。
またAUKUSにより、豪が取得する原子力潜水艦は、中国の海軍能力の
増強ぶりに比べても、ロシアにとって懸念が少ない。

ロシアにとって西側との関係は、じつは中国より重要なのである。
中露の二国間協力が有益な分野は宇宙探査である。
ロシアは、衛星を軌道に乗せ、宇宙ステーションを米国の衛星ステーショ
ンに供給する能力がある。猛追してきた中国は天東宇宙ステーションモ
ジュールを打ち上げ、ロシアからの入力なしに稼働させるシステムを完成
したようである。同時に中国のICBMの増強と拡充は、西側ばかりかロ
シアにとっても脅威という認識になる。

さらに中国は極超音速ミサイルの実験をなして西側の専門家を驚かせた
が、ロシアが開発してきた技術との共有がない。中国の戦略能力の向上は
NPT体制の破綻を意味している。

したがってNATOの旧東欧諸国を巻き込んだ強化と、ロシアに対する制裁強
化がプーチンをして、北京に近づける可能性は低い。こうしたロシア欧州
関係の焦点はウクライナとクリミアであり、中国はこの状況に関与する意
図を示していない。
すなわち中露同盟は誇張されすぎであると、バエフは結語している。

    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 これほど重要な国防議論が大手メディアも永田町も無視するのか何故か
  自主防衛という独立国家のプリンシパルを忘れた日本の知識人

  ♪
矢野義招『核抑止の理論と歴史──核の傘の信頼性を焦点に』(勉誠出版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 本書は「抑止」の定義から始まる。異色なのは従来の国際政治学が軽視
しかちだったポイントを衝いていること、とくに米ソ中に英仏を加えた核
兵器列強に追いついて印度、パキスタン、そして北朝鮮とイランの核兵器
の実情を扱っている。
 核による抑止力という、まことに大切極まりない国防議論を、日本は国
会ばかりか大手メディアもインテリたちも無視してきたのは、いったい何
が原因だったのか。
核アレルギーという感情論の蔓延だけが原因とは言えない。ずばり米軍の
存在である。独立主権国家に他国の軍隊が駐屯していても、日本人が不思
議にも思わないという、スバ抜けた主権感覚の喪失、それが最悪の原因で
はないのか。
アカデミズムといえば、理想を掲げて「へいわけんぽう」の条項解釈に明
け暮れても、核抑止という重要なイッシュウを臆病なほどに避けてきた。
「自主防衛」という独立国家のプリンシパルを忘れた日本の知識人は、平
たく言うと、ニセ知識人である。

 アメリカの核の傘は「やぶれ傘」であり、土壇場でアメリカが日本を守
ることは考えにくいのが現在の政治環境と言える。
矢野氏はこう言われる。
「核兵器の抑止力がすべての脅威の抑止に対し有効であるわけではない。
破壊力が大きすぎるため、核攻撃に対する相手方の報復核攻撃により蒙る
損害のリスクに比べて、小さすぎる脅威であれば有るほど、核抑止力は作
用しにくくなる」
日本にとって尋常ならざる脅威とは、暴発暴走が得意な謎の国、北朝鮮の
核である。
「北朝鮮の核開発の歴史は、国家が堅固な意思をもって一貫して核保有を
追求すれば、いかなる大国も国際社会もそれを効果的に阻止できないとう
いことを立証する事例となあっている」
この事例はパキスタン、印度、そしてイスラエルの核保有の歴史に共通する。

 危機が増大した主な理由は中国の核戦力の飛躍とは対称的にアメリカの
国防力が大幅に削減され、しかも兵員の充足率が極端に激減したばかり
か、フェミニズム、LGBTの悪影響によって士気が喪失されたこと、つ
まりアメリカの兵力や核の傘が、明確に機能しなくなっていることだ。

▼日本独自の核武装も選択肢に入る

 とすれば、日本の選択肢には何が残されているのか。このポイントが本
書の重要部分である。
矢野氏はこう分析されている。米国の対日拡大抑止の信頼性低下があり、
この傾斜に歯止めをかけるには日米同盟強化などによる信頼性強化策が求
められるだろう。
 幾つかの選択肢が考えられる。
 第一は米軍の核持ち込み、或いは配備である。
 第二に嘗てのドイツ型のように日米間の核共有である。この変形に英国
型の共有もある。
 第三に日米間の全般抑止の強化策が上げられる。
 価値観、体制を共有する諸国との集団的自衛体制の構築という選択も
QUAD、AUKUSという新型の防衛同盟の模索、その初期段階として
の歩みが顕現している。
 また矢野氏は「国際的な核協同管理」という体制構築もオプションに加
えているが、最後に考察するのは「自主防衛体制の構築であり、それには
独自核戦力への移行」が考えられるとする。
当該箇所には多岐に亘る分析に加えて具体的な兵器保有と特徴点を網羅さ
れているが、この書評では割愛する。

 トランプは2016年の大統領選挙緒線において、日本の核武装は当然
の権利であるとした。
 保守の論客として著名なパット・ブキャナンは「日本は独自に核武装を
検討するべきだ」とした(『産経新聞』、2017年12月30日)。
 エマニエル・トッドは、「米朝会談は茶番であり、むしろ日本の核は東
アジアに均衡と平和をもたらすのではないか」と発言した(『文藝春
秋』、2018年7月号)

 さて評者(宮崎)はと言えば、じつは昭和四十二年頃から、主宰した
『日本学生新聞』などを通じて日本の単独核武装を訴えてきた。
その頃、東京12チャンネルにいた田原総一郎氏が、早稲田大学国防部
(『部』などといても同好会だが)に注目し、30分の番組を作成して放
映したので多大な反響を呼んだこともあった。
また日本が核拡散防止条約に批准したときは、当時の三木外相渡米阻止を
唱えて羽田空港へ抗議デモ。直訴状を持った同盟員が空港内に突入し逮捕
された。三島由紀夫がやはり注目し、翌年に森田必勝が議長となった「全
日本学生国防会議」結成大会に志願して駆けつけてくれた。国防議論が高
まることに期待し、前途を祝し、激励の辞を三島が述べたことも昨日の出
来事のように思い出す。 
核拡散防止条約への傘下は米ソの構造に屈服する亡国の愚挙であるとし
て、当時、孤軍奮闘していたのは核物理学者だった野沢豊吉博士(石原慎
太郎がこの人をモデルに短編小説にした)に何回か講演を依頼したことも
あった。
爾来、半世紀以上を閲したが、核武装どころか、国民の多くは国防に無関
心であり、北朝鮮のミサイル発射実験にも不感症である。
国家安全保障はアメリカに依存しておれば安心という「信仰」が日本を支
配している。
だが、アメリカの衰退は火を見るように明らかであり、しかも分裂に向
かっている。中国はそれを嗤いながら日本への侵略の牙を研いでいる。
日本の選択肢が奈辺にあるのか、真剣に考慮するべきときを迎えているの
である。
       ☆
(なお本書はアマゾン取り扱いが遅れており、下記で購入が可能)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=9784585330004
           
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
読者之声
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(読者の声1)台湾の戒厳令下の人権迫害とその救援活動の貴重な記録
    台湾独立建国聯盟日本本部 委員長 王 明理

 「私たちのくらしと人権」〜台湾国家人権博物館特別展>が9月15日か
ら11月15日まで台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで開催されている。
 当時の孤立無援の台湾人のことや政治犯のことを知る者としては、台湾
政府機関が堂々とこの問題を取り上げ展示することにも、朝日新聞や毎日
新聞がこの展示について大きく報じたことにも、隔世の感を覚える。
 戒厳令下で政府によって「政治犯」に仕立てられて投獄され、死刑や長
期刑を宣告された幾多の人々。その数は数万を下らない。その人々を救う
活動をしたのが、日本の「台湾の政治犯を救う会」の人々である。
勇気をもって、台湾から政治犯のリストを持ち出した三宅清子さんをはじ
め、この会のメンバーたちの活動に今も胸が熱くなる。そして、三宅さん
が持ち出した政治犯のリストを掲載したのは、『台湾青年』である。
 今回の展示室の中では、白色テロ被害者4名のインタビュー映像と、
2008年に台湾で作成された「火線任務─台湾政治犯救援録」がリピート再
生されていて、一見に値する。
 「火線任務─台湾政治犯救援録」には二人の台湾独立建国聯盟盟員が出
てくる。彭明敏博士の亡命を助けた宗像隆幸氏と、収監されていた台湾警
備総司令部から出る時に、政治犯リストを持ち出した小林正成氏である。
 他にも、政治犯が処刑される前に書いた自筆の遺書のコピーが展示さ
れ、その教養深い日本語の内容と達筆な日本語に胸がしめつけられる。
 台湾人はなんと苦難に満ちた歴史を歩んできたことか。そして、なんと
見事にそれを克服してきたことか。その陰に、日本の心ある人々の助力が
あったという事実。大きな意義のある特別展である。
          記
 展示は土平日の10時から17時まで(土日休み)
 台湾文化センター(地下鉄銀座線・虎ノ門駅 出口1番、10番から徒歩
約1分) 
 https://jp.taiwan.culture.tw/content_32.html
 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビル2階 電
話:03-6206-6180(台湾の声)

  ♪
(読者の声2)欧米の価値観の混乱はかなりのようで心配です。日本も保
守主義、左翼についてしっかり理論武装する必要があります。
 「民族主義と保守主義の重要性について」
 これはプーチンの演説をハラノタイムスから抜粋要約したものである。
日本にとってロシアの危険性は変わらないがこの内容には頷けるところが
ある。
 プーチン演説要約 2021.10.21 モスクワ
1. 現状
今世界が衰弱し、正しい価値観の重要性が高まっている。それはあらゆる
民族が歴史的に発展させ作ってきた独特のものである。諸民族の交流は視
野を広げる事を可能にしたが、それは反発もされ拒否もされる。今進歩し
た西側の諸国の驚くべき価値観の変化の進行にはロシアは関係しない。
 欧米では自分達の真実の歴史を削除し少数派のために多数派が差別され
ている。父、母の性別、家庭まで放棄するように主張している。彼らはこ
れが社会を再生させるマイルストーンだと考えている。私が言いたいの
は、彼らには権利があるが私たちにも拒否する権利があるということだ。
ロシア社会の反応は違う見解であり、我々は自分達の文化や伝統を守らな
ければならない。
2. 古い進歩主義者
いわゆる社会進歩主義者は新しい意識が世界の進歩に寄与すると言ってい
る。しかしこれが新しい思想ではないというと皆さんは驚くかもしれな
い。ロシアは既にそれを経験しているからだ。それは1917年のロシア革命
に続く共産党のマルクス・エンゲルス思想による統治である。政府は政治
だけでなく人間の価値観や社会の基礎まで変える事を要求し、伝統的な人
間関係を破壊した。家族を分断し、友人を密告させたが、当時はそれは進
歩と言われ今のように流行っていた。しかし共産党は他の意見を許さな
かった。
 3.破壊と偽善
 今、そんな政策が一部の先進国に見られて驚いている。学校や大学は過
去の偉大な文学を否定し、古い落ちこぼれと非難した。今ハリウッドで
は、皮膚の色
で出演者が選ばれます。
しかしキング牧師のような本当の人種差別反対論者は人間は皮膚の色では
なく品格で選ばれるべきと主張しています。人種への必要以上なこだわり
が人々を分断している。男女区別がなくなると、鶏のように女性も共有さ
れる。もう一歩でそんな社会になります。父母が親1号、2号、母乳が人乳
と言い換えられる。これは新しいことではない。共産党は用語を変えて人
間の価値観を破壊した。思い出してもぞっとする。子供たちは性別を選べ
るように教えられます。しかし子供にはそんな重大な選択を決断する能力
は無い。それが人道の名の下に行われている。
4.健全な保守主義の必要性
 今は非常に危険である。世界の構造が破壊され現実が衰弱している今、
健全な保守主義が必要である。これから来るグローバル世界のデザインは
不明だが、温和な保守主義が正しい。検討されないで行われる社会実験は
とてつもなく悲惨で高い代償を払うことになる。物質の破壊だけでなく、
人の価値観も破壊されそのご再建されないのです。
  (落合道夫)

  ♪
(読者の声3)マァイアの島といわれたイタリアのシチリア島が、豪雨で
冠水しています。道路は川に化けています
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%A8%98%E9%8C%B2%E7%9A%84%E8%B1%AA%E9%9B%A8%E3%81%A7%E3%82%B7%E3%83%81%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%B3%B6%E5%86%A0%E6%B0%B4-%E6%B7%B1%E5%88%BB-%E3%81%AA%E8%A2%AB%E5%AE%B3/ar-AAQ0fyf?ocid=msedgdhp&pc=U531
 シチリアと言えば、パレルモ音楽祭で、日本人もかなりの観光客が行く
ところですね。宮崎さんの「ローマ憂国忌」(『三島由紀夫の現場』所
載)を思い出したところでした。(IY生、静岡県)


(宮崎正弘のコメント)そうでした。ローマのあと、シチリアへ飛んで四
日間を過ごしました。方々で中国人と間違えられました。カルタゴ遺蹟の
探訪が目的でした。
at 05:49 | Comment(0) | Andy Chang

2021年10月25日

◆ベンガジとアフガン失敗の真相?

             Andy Chang

AC 論説No.866
前の記事「バイデンを操っているのは誰か」を配信した3時間後にテレビ
のFoxnewsでJudge Jeanine
の番組でバイデンを操っているのはオバマではないかと言って詳しく分析
してみせた。

Jeanine女史はまず選挙運動の当初からバイデンがボケで無能なことが
ハッキリしていたし、副大統領に
選ばれたハリスは人気が無かったのに、オバマが推薦した、おかげでバイ
デンが当選したと説明した。
つまりオバマが闇の帝国で政治をとるためボケで無能なバイデンを当選さ
せたのである。

バイデンは記者会見の時にテレプロンプターを読み上げるだけである。し
かも最新は透明で記者たちに
見えないテレプロンプターを使っている。バイデンが一人で喋った映像を
ホワイトハウスの一室の背景に
取り入れたバーチャル記者会見を配信している。テレプロンプターを使え
ない場所もある。オバマが
Stephen Colbertの記者会見で説明したのは「耳のなかに入れた補聴器」
を使えば野外の演説でもバイ
デンを野外に立たせ、私が部屋の中で喋る言葉を聞きながら喋る、誰も気
が付かない」と話した。つま
りオバマは本当の黒幕であり人形使いである、バイデン政権は闇のオバマ
政権である。

バイデン政権の閣僚たち、Ron Klain首席補佐官、John Kelly気象担当移
動大使、Jake Sullivanと
Susan Rice外交問題補佐官、Blinken国務長官、Austin国防部長などはみ
んなオバマの閣僚である。
もっと詳しく言えば「オバマとヒラリーのベンガジ失敗」の時の閣僚である。

ベンガジ事件でスティーブンス大使が殺害された事件はオバマとヒラリー
が真相を隠しているので
国会の上院と下院の諮問会報告書も曖昧模糊とした報告に終わった。真相
は民間の記事にたくさんある
が、決定的な証拠がない。POLITICOの「Final Benghazi Report Details
Administration Failures」
には「真相の鍵」がいっぱいあるけど彼らが必死に隠している真相を暴く
ことはできなかった。

以下は巷間の伝聞に私の憶測を加えたベンガジ事件である。
オバマとヒラリーはアル・カイーダに武器を提供して中東の独裁者を倒し
て民主国家を作り上げようとし
た。チュニジアの革命に成功した後、取り戻した武器をリビアのカダフィ
を倒したあと、アル・カイーダ
から武器を返してもらってシリアのアサドを倒すつもりだった。武器をテ
ロに提供したこと、ベンガジ
で武器を返してもらうことは極秘だから、ヒラリーはスティーブンス大使
をトリポリからベンガジに少
数の護衛だけで派遣した。ところがアル・カイーダは武器を返す約束を
破ってベンガジの領事館を攻撃
したのだった。攻撃を受けたスティーブンス大使はホワイトハウスに緊急
電話を入れて救援を要請した。
しかしヒラリーは援軍を派遣しなかった。結果として大使と護衛の四人が
殺害された。事件の後でオバ
マはスーザン・ライス国連大使を使ってアル・カイーダの攻撃は「あるイ
ンタネットのビデオが原因だっ
た」と嘘の発表をしたが、嘘がバレても真相を隠し続けた。

民間に伝わる「ある記事」によると、ヒラリーが援軍を派遣しなかったの
は「武器をアル・カイーダに
提供した事実」を隠滅するためだった。アル・カイーダの攻撃を受けた
時、スティーブンス大使は秘密の
部屋に隠れたためアル・カイーダは彼を発見できず退去した。ところが彼
らが領事館を離れて間もなく
アル・カイーダ側に秘密の電話があり「領事館の秘密の部屋の在処と開け
方を教えた」と言うのである。
密電を受けた彼らは急いで領事館に引き返して秘密の部屋を開けてス
ティーブンス大使を殺害したのだ。
つまりアル・カイーダが裏切ったのでヒラリーの「反乱分子に武器を提供
して独裁者を倒す計画」が失敗
し、ヒラリーが武器をアル・カイーダに提供した真相を隠すため、ヒラ
リーはアル・カイーダに密電を送っ
てスティーブンス大使を殺害したと言うのである。だからヒラリーは国会
の真相調査諮問会で10時間
以上も嘘を突き通したし、オバマは諮問会の調査を避けた。

自分の敵を倒すために別の敵に武器を与えたというとんでもない計画がバ
レたらオバマDeep Stateは壊
滅する。だから秘密に加担したスティーブンス大使を殺したのである。恐
ろしい話だ。

次に話題を今のアフガンの失敗に向けてみよう。
昨日21日ののワシントンタイムスは「アメリカはアフガンを失ったので
『Plan Z』に似た計画でタリ
バンを援助して彼らの敵を倒すと言うテロとの戦いを考えている」と言う
タイトルの記事を発表した。

「Plan Z」とは第一次世界大戦のあと、ポーランドやフランスと戦うため
海軍の艦隻を増やす計画の名
前である。この計画はヒットラーが命令して一年で失敗した。
ワシントンタイムスの記事によると、バイデンのアフガン撤退の大失敗で
アメリカが20年も続けてきた
「テロとの戦い」の基地を失った。そこでペンタゴンの将軍たちはタリバ
ンとパートナーシップを組ん
でアル・カイーダやISIS-Kとの戦いを行うことを考えていると言う。加え
てロシアのプーチンとも交渉し
てロシア国内の軍事基地を使い、「地平線の彼方」からドローンやミサイ
ルを飛ばしてテログループを攻
撃することも考えていると記事は書いている。このとんでもない計画につ
いてトランプ時代の国務省のテ
ロ対策責任者だったNathan Salesは「英国のような(信頼できる)国はな
い。しかし私はタリバンとか
ロシアのような敵をパートナにして別の敵を倒すというPLan Zのような計
画は考えたことがなかった」
と述べた。

バイデン政権の黒幕であるオバマやヒラリーにとってアル・カイーダはタ
リバンよりも憎い敵である。
でも、つい先日バイデンを裏切ったタリバンとパートナシップを組んで
(恨み重なる)アル・カイーダと
(タリバンの敵)ISIS-Kを撃滅する計画は一体誰が考え出したのかと誰し
も呆れるはずだ。

でも、もう一度ベンガジの真相を思い出してみれば、オバマとヒラリー、
バイデンとバイデンの部下の
サリバン、ブリンケン、ライス、オースチンなどの計画ならありうるかも
しれないと気付くはずだ。

アフガン撤退は大失敗だった。バイデンは多数のアメリカ人と家族を救出
せずアフガンから撤退した。
しかも850億ドルの武器弾薬も残したのである。850億ドルの武器は密約に
よってタリバンとともにア
ル・カイーダを撃滅するはずだった。それでもバイデンは様々な批判を受
けても満足できる説明、謝罪
をしていないし、全ての批判に対し沈黙している。ベンガジの失敗と同じ
である。

バイデンにはタリバンに武器を提供してアル・カイーダを攻撃する密約が
あったのではないか。けれども
タリバンに裏切られたのでアメリカの歴史で最悪の無様な撤退をした。そ
れでもベンガジの時と同じく
敵に渡した武器が残っている。だからバイデンと部下たち(黒幕も)は再
びタリバンを説得してタリバ
ンとパートナーシップを組むことを考えている。これがアフガン撤退の真
相であると思う。彼らは決して
喋るはずがない。ベンガジと同じく真相は永久に明らかにされないだろう。
読者の皆さんはどう思いますか?

=======  AC 通信  =====   AC通信   =====
AC通信は転載自由です。
マグマグAC通信の登録は http://www.mag2.com/m/0001690065.html




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◆ 這ってでも選挙へ行け

      鈴木 傾城

クーデターや暴動より「一票」で国は変わる、間違った政党・議員が当選
すれば亡国一直線

選挙で国は確実に変わるのは実証されている。国を変えたければ、別に暴
動やクーデターやテロを起こさなくてもいい。権力者に賄賂を払わなくて
もいい。私たちは国を変えるための手段を与えられている。それが選挙に
行って、重い一票を投じるということなのだ。(『鈴木傾城の「ダークネ
ス」メルマガ編』)

【関連】迫る消費税11%超えと日本衰退富裕層・大企業だ

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。

日本のために立ち上がってくれる政治家に入れ替える
日本の野党は売国と反日の政党ばかりであり、だからこそ日本の政治は中
国・韓国・北朝鮮に弱腰に終始しているのだと言える。自民党も私から見
ると保守中道でも何でもなく、ただのリベラル政党である。



自民党が本当の保守政党であるならば、もうとっくの前に日本はアメリカ
から自主独立しているはずだし、改憲して自衛隊は日本軍になっているは
ずだし、中国・韓国・北朝鮮に対しては外交でやられたらやり返している
はずだし、日本共産党は消滅しているはずだ。

そうなっていないということは、自民党は「本当の保守政党」ではなかっ
たということでもある。そもそも、自民党が本物であれば、中国・韓国・
北朝鮮が傲慢に振る舞うのを許していない

2015年の日韓合意をまとめたのは当時外相だった岸田文雄氏だが、この日
韓合意もひらすら反故にされてしまっている。にも関わらず、まとめた岸
田文雄はまったく韓国に対して批判の言葉を浴びせたことはない。

日本の議員の弱腰にイライラしている人も多いはずだ。なぜ、日本の政治
家はもっと強く出ないのかと歯がゆい思いをしている人も多いはずだ。こ
の現状を変えるにはどうしたらいいのか。

合法的で確実な方法がある。選挙のたびに「弱腰の政治家を排除し、日本
のために立ち上がってくれる政治家に入れ替える」のである。

選挙で、弱腰の政治家、売国の政治家、反日の政治家を排除する。選挙
で、政治家を淘汰していく。選挙で、日本のためになる政治家を登場させ
る。日本を変えるのに、これほど合理的で効果的なやり方は他にない。日
本人は、日本を変えようと思ったら一瞬で変えられるのである。

「どうせ誰に入れても同じ」という冷めた気持ち
日本の投票率は50%を切ることが多い。場合によっては40%台のこともあ
る。半分の国民は選挙にいかない。

なぜ、選挙に行かないのか。以前、東京都選挙管理委員会事務所がまとめ
た資料によると、人々が選挙に行かない理由として以下のものが挙げられ
ていた。

「仕事が忙しく、時間がなかったから」
「適当な候補者がいなかったから」
「病気、または体調が悪かったから」
「選挙によって政治や暮らしが良くなるわけでないから」
「候補者の人柄や政策が分からなかったから」
「自分一人が投票しなくても選挙の結果に影響はないから」
「政治や選挙に関心がないから」
「投票所へ行くのが面倒だったから」
「旅行に出かけていたから」
「投票日を忘れていたから」
「投票所が遠かったから」
「その他」
「分からない、忘れた」

「仕事が忙しくて時間がなかった」「適当な候補者がいなかったから」と
いう理由だけで約6割を占めているのだが、この2つの理由は「どうせ誰に
入れても同じ」という冷めた気持ちがあるからではないか。

「どうせ誰に入れても同じだ。仕事も忙しいから選挙は棄権しよう」
「どうせ誰に入れても同じだ。適当な候補者もいなさそうだ」

後に続く「選挙によって政治や暮らしが良くなるわけでない」「自分一人
が投票しなくても選挙の結果に影響はない」というのも、やはり「どうせ
誰に入れても同じ」という諦観のようなあきらめのような気持ちがこもっ
ている。
           
━━━━━━━━━━━━━━━


◆習近平肝いりの新都心「雄安都市」

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月22日(金曜日)
通巻第7089号  

習近平肝いりの新都心「雄安都市」は、ゴーストタウンに?
  雑草が生い茂り、人の出入りは殆どなく、コンクリート残骸
**************************

 2017年、習近平は新都心「雄安都市」建設を高らかに宣言した。ま
た一つゴーストタウンを増やそうというわけでもなかったが、河北省の僻
地、アクセスが悪い上に水利に問題があると指摘された。
案の定、いまでは雑草が生い茂り、人の出入りは殆どなく、コンクリート
残骸の山が築かれた。

 政府機関の一部や社会科学院などを強制移転され、雄安新都心は輝かし
い中国の未来をしめす新しい都市として無人バスなどの実験も行われた。
大型トラック、クレーンが林立し、建物はあちこちに出現したのも束の間
に現象だった。

 習近平の狙いは、上海浦東、深セン特区につづく、三番目の大規模な新
都心だった。予算が付けば業者は潤う。
コンクリート・ミキサー、ブルドーザが集中し、労働者も夥しく集まり、
建設現場は活況を見せつけた。2020年から武漢肺炎という疫病のた
め、多くの工事が中断した。

 日本では「副都心」として、難波宮が造成されたことがある。しかし難
波宮は不運の都市だった。副都として機能したのは僅かの期間だった。

 前期難波宮は「乙巳の変」(645年〉)直後、孝徳天皇が遷都を決断
され、白雉3年(652年)に完成した。孝徳天皇崩御のあと、飛鳥にい
た皇極天皇は、斉明天皇として重姐され、飛鳥板蓋宮に戻った。その後、
天武天皇が複都制の詔をだされ、難波を副都とするも朱鳥元年(686)
に難波宮室は全焼した。

 持統天皇が建てた藤原京は、宏大な敷地が残り、一部レプリカで宮殿の
台座が再現されている。
早々と藤原京は捨てられた。湿地帯で水はけが悪く、首都機能を果たせな
いと判明したからだ。

 乙巳の変から100年後の744年、聖武天皇は難波宮遷都の詔を出さ
れた。この後期難波宮を聖武天皇が再造営に着手し平城京の副都とした。
ところが、翌年に難波京から紫香楽宮へ遷都がなされる。そして延暦3年
(784)、桓武天皇は長岡京に遷都された。
 

 ▼遷都の目的は防疫、旧体制一斉、裏に陰湿な権力闘争

 たびたびの遷都は旧体制の桎梏から、権力闘争から逃れての新政が目的
だったが、疫病の防御という別の目的もあった。

 延暦3年(784)政務を担当していた藤原種継は山背国乙訓郡長岡へ
遷都を建議した(長岡京は継体天皇の乙訓宮の跡地)。
 同年、藤原種継は桓武天皇から長岡京造宮使に任命され、遷都プロジェ
クトの責任者となるが、延暦四年九月に矢で射られ、暗殺された。

桓武天皇が留守中の事件で、「犯人」として大伴一族ら多数が斬首となっ
た。直前に死去していた大伴家持にまで累が及んだ。
真犯人は分からないが、ほかにいたはずである。

この時代は王宮と豪族と坊主たちの陰湿な権力闘争が展開されており、長
屋王、穴穂部皇子、大津皇子、早良親王らの暗殺が連続した。
遷都に反対する勢力が放火など露骨な妨害をした。

 その後、長岡京は廃止され、平安京へ遷都したのも、早良親王の怨霊が
原因とされる。京への遷都は和気清麻呂が建議した。地政学的に京都のほ
うが守りやすいからでもあった。
 
 習近平政権が狙った雄安都市という副都心計画の目的は防疫、旧体制一
斉、裏に陰湿な権力闘争が絡んでいる筈である。11月8日から北京で開
催される六全中会で、この問題への追及がなされる可能性は少ない。
     
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 石平さんの新刊は石原莞爾現代版? ついに最終段階に入った米中対決
  世界は習近平を絶対に許さない姿勢。けれども実態は?

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石平『中国 vs 世界最終戦争論』(清談社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 世界秩序を乱暴にアトランダムにかき荒らす中国。
 善意で世界秩序を構築していると錯覚して悦にいっているのだから中国
共産党幹部の脳幹は、私たちと仕組みが異なるのだろう。
 とはいえ、習近平政権の世界戦略なるものの基底に一貫した戦略は不在
で、マスク外交、ワクチン外交を展開したかと思えば、戦狼外交であり、
台湾と尖閣の領空、領海侵犯を繰り返し、インドの国境ではドンパチ。
 ずっと敵対してきたアフガニスタンのタリバンとは気味悪い笑みを浮か
べて握手。頼みの綱のEU諸国もドイツのような親中国さえ南シナ海に軍
艦を派遣した。リトアニアは中国をジェノサイド国家と規定し、台湾と
「事実上の外交関係」を形成した。
孤立無援を知覚したか、中国は突如おもいつきでTPPに加盟申請した
が、これは、嫌がらせなのか。
「誰が見ても悪い冗談でしかない。TPPというのはそもそも独裁的全体
主義国家の中国を排除したうえでの自由貿易圏であって、まさに経済領域
での中国封じ込めを強く意識したものである」と石平さんの舌鋒は鋭い。
とは言え、TPPは米国が言いだしたのだ。
ある日、突如としてTPPを抜けると言い出し、アメリカもまた戦略に一
貫性が欠落している。日本は二階に上がって梯子を外された。だから
TPP11となって、米国の変身を待っている構図。ただし台湾の加盟に
日本は歓迎とした。
台湾に関して言えば、石平氏は「台湾独立」ではなく「台湾建国」とした
ほうが良いとも提言されている。
なにはともあれ、米中戦争は世界最終戦だから、西側世界の運命を決する
戦いであり「史上最悪のファシズム国家中国とのこの戦いの結果によっ
て、生きるか死ぬかの岐路に立たされる」と、深刻な現状認識を述べる。
だが局面が変わった。
以下は評者(宮崎)の中国情勢分析も加える。 
「貿易カード」のトランプから「人権カード」のバイデンに米国政治の主
人公が替わり、バイデンがやったことはアフガニスタン撤退の大失敗、米
中会談では中国の大声による米国非難とつづき、孔子学院の閉鎖は中断、
あまつさえFBIは中国人スパイの摘発をやめ、むしろ反中の保守派の監
視をつよめるというあべこべ。留学生ヴィザの緩和、関税品目の見直し
(高関税を近く取り下げる怖れがある)。
挙げ句の果てが、ファーウェイの孟晩舟の釈放ときた。バイデンは「カナ
ダの司法の独立」とかなんとか、そもそもカナダに圧力をかけて、孟晩舟
を拘束させたのは米国じゃなかったのか。

この劇的な対中戦略の後退は、米中戦で西側の勝利を予測させることはむ
ずかしいのではないか。
島田洋一(福井県立大学教授)によれば、バイデン政権は側近に大物がお
らず、むしろ隠れ親中派の大物、ジョン・ケリーがしゃしゃり出てきた。
ケリーは気象担当移動大使とかの役目だが、やっていることは中国とのボ
ス交であり、楊傑チ国務委員とはお互いにスマホで情報交換をしていると
いう。
他方、中国経済は満身創痍の悪状を露呈している。
13億人がすめるほどのマンションが空室。
一説に6500万戸が誰も住んでいないマンション、住宅投資は日本の
50倍の金額。あまつさえ、そのマンションは農民工が建てたお粗末な工
事ゆえに、倒壊事故もあとを絶たない。
メインテナンスは、想像を絶する手抜き。挙げ句の果てに、高層マンショ
ンが地震もないのに揺れるという恐怖の実話がよく耳にはいるのである。
 韓国では日本が建てた橋梁は百年以上、びくともしないが、となりに韓
国企業が立てた橋梁は落ちた。デパートは自ら崩壊した。
このようなケースが中国で夥しく発生しているが、情報が伏せられている。
 中国の現状を把握するに良書である。
     
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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   ♪
(読者の声1)毎日新聞(21日)の報道です。(引用開始)「非営利団
体「言論NPO」(東京都)と中国国際出版集団は20日、第17回日中共同世
論調査の結果を発表した。中国側の回答で、日本の印象を「良くない」
(「どちらかといえば」を含む、以下同)とした人は前年比13・2ポイン
ト増の66・1%で、「良い」とした人は13・2ポイント減の32・0%となっ
た。日中関係を「悪い」とした人も20ポイント増の42・6%だった。一
方、日本側の回答では、中国の印象を「良くない」とした人が5年ぶりに
90%を超えた」(引用止め)。
 日本でまだ中国の印象が良いとする人が残存しているという事実が信じ
られませんね。
 この調査、作為的なのか、質問設定が微温的なのか。いずれにしても、
小生の周辺に中国が好きという友人、知己は皆無です。(DI生、横浜)


  ♪
(読者の声2)仮想・暗号通貨、その4 BITCOIN vs CBDC
「支那が嫌がることは、日本、世界にとって良い。逆に、支那から褒めら
れたりする政治家、企業家、学者は日本の敵だ」が正しい公理とすれば、
ビットコインは良い、CBDC(中央銀行によるデジタル通貨)は悪、となる。
来年の北京五輪に支那はCBDCを世界に向けて先頭を切って施行する。
既に深セン市で試験的に配っている。この通貨には「賞味期限」がついて
いて、使わないと消えるので、90%の人民は急いで買い物をした。

 この期限は、今月中、とか1年間、とか決めることによって通貨の「速
度」を変え、インフレを上下操作する事も容易い。
「イジゲン緩和、ザイセイ出動」も簡単簡略。税金なども、本人が面倒な
申告などせずとも、政府が「正しい」金額を瞬時に巻き上げる、こともで
きる。逆に、良い人民、良い行動・言動にはご褒美が送られる。つまり、
政府主導の秘密の賄賂。すべての通貨に「しるし」がついているので、金
の動きが完全に把握でき、どこからの収入か、どこで使ったか、貯金はい
くらあるか、などなど、すべての記録が政府によって保持される。
更に、顔認証などで行動場所の確定、SNSなどの個人情報と見比べて、反
政府的な態度、言動などのある「好ましからざる人民」には、更なる税
金、罰金などを徴発する、こともやるだろう。そんな悪者には、同然自宅
から1キロ以内でしか金が使えないようにしたり、飛行機、汽車の切符な
どを買えないようにする。いわば、独裁国家、支那、北朝鮮などのための
究極の理想的な通貨なのである。
 
 ところが、それゆえに、世界の中央銀行の8割が、シナを羨み、遅れて
なるものか、と急いでいる。日銀も米国FRSも、ドコモ。1917年に始まっ
た、共産主義協賛運動が、100年かけてとうとう世界を制覇する、通貨に
関しては。人民はますます弱くなり、政府は傲慢に常に肥大しつずける。
これに反して、共通の技術的な性能、性格、利点が多いが、基本的に「真
逆」なのがビットコインである。上記のような政府による不法な卑怯な反
人権的な奴隷運営的な「個人の金の操作」を不可能にしたのが$B。人民
の唯一の防衛兵器。

 武漢菌騒動にかこつけ、世界中の言論、思想、行動の封鎖が恒常化し
た。本来は、ホントの国家の危機状態でのみ許される、超法的、反人権
的、出鱈目な政府の行動である。つまり、現在のほぼ全ての政府は「信用
できない、信頼すべきでない」「無実の人民を皆殺している」と自ら証明
している。
そんな輩が、日銀総裁、財務省、総理、NHK, 朝日、テレビ、みんなで
揃って、「支那に倣って、デジタル円を、よろしくね。」
そして来年あたりには、「開店祝いに、1万円入ったデジタル財布を皆さ
んにタダで差し上げま〜す。」 
未来の予測は難しいが、CBDCの未来は明るいと杞憂する。
 (在米のKM生)

  ♪
(読者の声3)橋下徹を初めとした維新勢力は、保守の仮面をかぶった革
命思想です。立憲共産党、れいわ共産党、社民共産党などなど、第二・第
三の共産党が存在していると考えた方が良いでしょう。
 新自由主義を崇拝する維新と、共産党とは相容れないように見えます
が、資本家が富を独占したいか、独裁者が富を独占したいかの違いです。
 伝統や文化の破壊、革命、天皇制反対、家族解体という点では同類で
す。家族解体の第一歩は、選択制夫婦別姓です。結婚して名字を変えたく
ないなら、通称使用で事足りるし、それを企業が認めないなら、認めるよ
うに促せば良いです。
 職業にもよるでしょうが、別に本名で働かなくても、本人が識別できれ
ば良いわけです。だから、水商売とか風俗とかでは、源氏名が使われてい
ます。コンビニのバイトが本名を晒す必要は無いのです。
 また、婚姻でなく内縁を選んだ場合、相続問題が論点になりますが、仮
に婚姻関係でなくとも、遺言で相続(遺贈)できます。解決できないのが
遺留分という厄介なもので、私はこれは憲法違反(被相続人の財産権侵
害)と思っていますが、誰もこの辺を言わないので、法的に問題無いので
しょうね(SA生)


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重 要 情 報
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身 辺 雑 記
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25日

渡部亮次郎わたなべりょうじろう85歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。


外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎
at 06:29 | Comment(0) | Andy Chang

2021年10月19日

◆バイデンを操っているのは誰か

Andy Chang

AC 論説No.865

かねてから疑問に思っていたのだが、ようやくバイデンを操っているのは
誰かと言い出した人が出てき
た。バイデンはいつも誰かが操っていることがわかっている。記者会見で
はテレプロンプターを読むだけ
で記者の質問に答えず、最近では記者がいないところで原稿を読み上げる
ビデオを撮り、コンピュータで
作成した背景に入れて配信している。明らかな操り人形(Puppet)であ
る。ではバイデンを陰で操ってい
る人形使い(Puppeteer)は誰だろう?

政権が発足してまもなく満九ヶ月になるがバイデンはこの国を破壊する政
策を意図的に施行してきた。
イカサマ選挙で大統領に成り上がった(民主制度の破壊)、米国の歴史に
なかった国境の撤去(無法社
会の形成)、社会主義バラマキで財政破綻、高税率で自由経済破壊、犯罪
増加、麻薬密輸、違法移民の
増加(4百万人)と補助で4兆ドル、赤字予算の強行、財政破綻(法定赤
字借款28兆ドル突破)、白人
蔑視政策でCRT(白人自虐史)の強制教育、疫病対策の強制施行の失敗、
アフガン撤退……。ここに書
いたバイデンの失政で国政が完全に麻痺してしているのに、バイデンもホ
ワイトハウスの補佐官たちもみ
んな黙っている。

最近の政府の発表では今年のインフレ上昇率は5.4%で13年ぶりに最高
だったと発表した。しかし国民
が実際に見たり感じたりしているインフレはこの数字より遥かに高い。主
な物資の上昇率を見るとガソ
リン42%、プロパンガス54%、暖房用油43%、一般食料品
5.4%、肉類22%、不動産価格は3
0%以上、アパートの家賃は40%以上などである。ホワイトハウスの首
席補佐官Ron Klainは「インフ
レはハイクラスの問題だ」と言ってメディアで叩かれた。

インフレに続く大問題はサプライ危機である。輸入物資の補給と運搬が停
頓とはアメリカ各地の港湾で
コンテナ船の処理が停滞しているからである。
ロスアンジェルスの港の置場と海上のコンテナ船に積まれたコンテナの総
数は百万個以上という。
港の海上には70隻以上のコンテナ船が荷物を下ろすため順番待ちしてい
るが、船の荷物を下ろすには
二週間以上かかると言われている。
港湾労働者の不足は月給が低すぎるのでもない。労働者が働く意欲を失っ
て失業手当とコロナ疫病手当
で遊んで暮らす人が多いと言われている。
港湾労働者の他に大型トラックの運転手も不足している。

あらゆる面でアメリカが麻痺している責任はバイデン大統領にある。
しかしバイデンは数ある政策の失敗について説明、補足、謝罪など一切し
ない。
バイデンは用意されたの原稿を読み上げるだけで記者の質問に答えず退場
する。
質問に答えないのは陰で彼を操っている者が答えを教えないからである。
だからバイデンは責任を負わないで沈黙を守っている。他人の責任と思っ
ているからである。

バイデン発言の嘘と失言は原稿を書いたRon Klain首席補佐官の責任だ。
アフガンの失敗は外交問題補佐官のJake Sullivanの責任だ。
国境解放の大失敗はDeep Stateの反トランプ政策だ。
ワクチン強制注射、マスク着用強制:あれはFautiの責任だ。
違法移民、赤字予算は社会者議者たちの責任だ。
バイデンを操った補佐官は次官クラスの人間だから責任を負わない。真の
黒幕は誰も知らない。

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◆雀庵の「常在戦場/98 “戦”の一字を忘れるな」

       “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/378(2021/10/17/日】中共の言論弾圧・統制は
凄まじい。戦争に備えて「挙国一致体制」を固めている。新聞からネット
ニュースまで、報道機関はすべて国有の御用メディアになりつつある。習
近平・中共の指示・支持する報道以外は許されない。最期の牙城だった香
港が圧殺され、今や中共全土から報道の自由は完璧になくなり、個人の通
信の自由も近く完全に失われるだろう


ナポレオン曰く「私は敵を恐れない、新聞を恐れる」。報道機関は国民に
大きな影響を与えるから、足を引っ張るようなマスコミは為政者の敵、ヨ
イショするマスコミは味方である。いずこの独裁者も敵対的なマスコミを
潰したいが、露骨にやると間違いなく反発を買って支持率が下がるから、
プーチンでさえ少しは遠慮している。

我らが習近平はそれを恐れずに情け容赦なく言論封殺を進めているが、行
き着く先はヒトラー=自殺、スターリン=亡国、習はムッソリーニ、フセ
インのように公開処刑か。支那独裁王朝最後の皇帝、最後の暴君として歴
史に名を刻むことは間違いない。

ビジョンタイムス2021/10/14「中共の戦争準備文書を暴露  袁紅氷氏
『習氏が台湾攻撃を早める可能性』」から。

<中共の軍用機が10月1日から5日にかけて、台湾を攪乱するために150機
を出動し、過去最高となった。習近平は、戦争の準備や攻撃についても繰
り返し言及している。海外中国語メディア「大紀元時報」が最近入手した
文書で、中共が福建省で戦争準備の調査を密かに行っていることが分かっ
た。これに対し、オーストラリアに滞在する法学者、袁紅氷氏は、「習は
台湾への攻撃を早める可能性がある」と述べた。

「大紀元時報」はこのほど、福建省泉州市恵安県国防動員委員会の「国防
動員可能性調査に関する通知」(昨年1月付)と題する内部文書を入手し
た。同文書によると、この調査は戦争に備えるために行われたもの。

同文書では、当局は「国防動員の迅速な対応能力や、戦争と平和の切り替
え能力を高め、戦争への効率的な参加と支援活動を実現するために、国防
動員資源を全面的に、正確に、かつタイムリーに把握しなければならな
い」としており、また、地元自治体は「軍事闘争の常態化への移行に備え
るべき」と書かれている。

袁氏は「これは習近平が差し迫っている台湾海峡の戦争に対処するため、
中国を戦争状態にするペースを加速させていることを示している。中国の
情報筋によると、習は第20回党大会の後、つまりバイデン大統領の最後の
任期でもある2023年から2024年の間に、台湾海峡の戦争を発動すると予定
している」と述べた。

最近はアフガニスタン情勢が変化し、バイデン政権の米軍撤退の「大敗
北」に近い事態が中共軍を刺激。それを受けて習の幕僚の中には、「米軍
は本質的に脆弱で一撃にも堪えられない」「バイデン政権は中共を相手に
する度胸はない」という見方をする人もいる。そのため、習は軍部に「事
態の発展にもっと注意を払い、戦機を探せ。いったん戦機が熟すれば、絶
対に逃さない」と、新たな指示を出した。

「これは、習が台湾海峡の戦争開始時期を予定より前倒しする可能性があ
ることを意味している。中共は最近、メディアへの民間資本の投資を認め
ない規定を出している。中共は世論をより全面的にコントロールし、政
治・経済・文化などのすべての面で戦争状態に入り、開戦に備えている」
と袁氏は指摘した>

習はやる気満々で、既に係争地域のインド国境には10万人の兵を配備した
という。一方でこのところ南シナ海でのベトナム、フィリピンに対する中
共軍の横暴は影を潜めた印象で、その代わりに台湾への威嚇は狂気じみて
きた。軍事に詳しい上岡龍次氏「中国、攻めから守りに 南・東シナ海の
覇権放棄か」(ビューポイント2021/10/12)の要旨はこうだ。

<米英海軍の活動が南シナ海で活溌化すると、中共軍の存在は南シナ海か
ら減少。制海権を米英に奪われ(今は)台湾を脅すことに奔走する。南シ
ナ海には中共軍の人工島と基地群が存在するが、これらは東シナ海を中継
しなければ、直ぐに孤立する運命を持っている。

このため東シナ海は中共軍には生命線。同時に、米英日から見れば、東シ
ナ海を獲得するだけで中共海軍を(唯一の大型拠点である)渤海に閉じ込
めることができる。中共海軍は、東シナ海を中継して南シナ海・太平洋に
出入りしているが、(制海権を)敵に奪われたら、出撃も帰還もできない。

台湾への軍事的圧力の方向は「台湾海峡とバシー海峡」に向けられてい
る。この海域は海上交通路であり、米英海軍が太平洋・南シナ海を出入り
する。中共軍の意図は、海上交通路を遮断して仮想敵国の経済を破壊する
こと。さらに、米英海軍の連絡線を遮断することが目的だと推測する

地図を見ると、インド洋ベンガル湾からアジア・太平洋への海の道は、マ
ラッカ海峡→ 南シナ海→ 台湾海峡またはバシー海峡(ルソン海峡の北側の
名称)を経て黄海、渤海の中国や、日本海、太平洋の日米に至る。

バシー海峡は「台湾とフィリピンの間にある幅150キロほど、最深部が5千
メートルを越える狭くて深い海峡」である。つまり「台湾&バシー海峡」
を占拠、封鎖されたら中共、朝鮮、日本、米国は動きが取れなくなる「海
上交通路の要衝」であり、そこを抑えた国が戦争では有利になる。上岡氏
はこう説く。

<中共軍の演習が南・東シナ海で減少した意味を考えるべきだ。台湾への
軍事的圧力だけを見るべきではない。中共軍の活動が、台湾&バシー海峡
を封鎖することに限定していることが分かる。これは中共軍が、攻めから
守りに変えた証。中共は南シナ海・東シナ海の覇権を放棄し(台湾&バ
シー海峡の)守りで状況の長期化を選んだ>

正確には「中共は台湾&バシー海峡を封鎖して西側諸国の介入を拒否し、
台湾を征服、軍事占領することをまず狙う。続いて南・東シナ海の覇権確
立へ進む」ではないか。

中共は台湾&バシー海峡を封鎖して台湾を孤立化し叩く・・・一気呵成に
短期間でできるかというと、山岳ゲリラ戦もあるから多分難しいだろう。

トウ小平は1979年に“懲罰”と称してベトナムに侵攻(中越戦争)したが手
こずってすぐに撤収した。何のための戦争か不明だが、「毛沢東死後の権
力闘争を争っていたトウ小平は朝鮮戦争以来の大規模なこの戦争を主導し
たことで確固たる権力基盤を確立したとされる」(WIKI)。

国内での権力闘争のために他国と戦争・・・中共とか支那はそういう民族
性なのだろう。苦戦したのに核兵器を使わなかったのは「国内向けのパ
フォーマンスの戦争」だったからか。凄い国!

習近平・中共が台湾を速攻で落とせないと、米欧日豪印など反中連合が逆
に中共を押し返して対中包囲網を強化するから、習近平は核恫喝、さらに
核兵器を使ってでも台湾を屈服させるだろう。「我が国は人口が多過ぎ
る」と言っていた毛は悪政で1億人を殺してもまったく痛痒を感じないか
ら、習も台湾人口2000万の半分を殺してもまったく意に介さないだろう。
凄い国!

台湾あるいは反中連合が核兵器で中共に相応の報復(14億の半分の7億を
殺処分)を示唆する、さらに実行する、その覚悟ができなければ「中国の
核が世界を制す」(伊藤貫)ことになる。大体、欧米の核保有国が台湾や
日本のために中共に核恫喝、核報復するなんてあり得ないが・・・今のま
までは台湾と日本は中共に併呑される、これは大いにあり得る。

こういう危機感を持っている国会議員や国民は多くても精々5〜10%だろ
う。ただ、歴史を大きく変えてきたのは少数のリーダーが旗を振り、それ
に共鳴あるいは付和雷同的に付いてきた人々だ。1億のたった2%でも200
万、中共軍と同じ! これが塊になって押し寄せたら「道理(常識)が
引っ込む」、多くの人が「撃ちてし止まん」に同調するようになるだろう。

毛沢東と朱徳率いる紅軍は「長征」(1934〜1945年)と称して辺境に逃げ
込んだ時は、中共によると「8万を越えていた兵力が死亡・脱落などによ
り数千人にまで減少」(WIKI)していた。それでも団結すれば固いコブシ
になり、やがては天下を取った。アフガンではつい最近、乞食部隊みたい
なタリバンが最強の米軍を叩き出した。

たとえ少数派でも根性、団結があれば日本を、台湾を守れるということ。
死にもの狂いの努力もせずに「平和」を唱えているだけなら亡国を招き寄
せるようなものだ。新疆、チベット、モンゴル、香港のようになりたくな
かったら「“戦”の一字を忘れるな」(西郷先生)。
at 05:34 | Comment(0) | Andy Chang

2021年10月11日

◆ミリーはDS の仲間である

             Andy Chang

AC 論説No.864
 
アフガン撤退の公聴会でミリー参謀長が二度も中国の李作成参謀長に電話
したことについて質問され
た。公聴会におけるミリー参謀長の答弁にはいくつかの疑問があり、それ
らの疑問を勘案していけばミ
リー参謀長がDeep State (DS)の仲間であることがわかる。

第一回目の電話会談は2020年10月26日、総選挙投票日の10日前であった。
ミリーは李作成に電話して
「トランプは中国を攻撃することはない。もしもトランプが攻撃命令を出
すなら事前に通告する」と約
束した。公聴会でなぜ上司の許可もなく独断で中国側に電話したのかと聞
かれたミリー参謀長は「中国
はトランプが落選すれば中国を攻撃するかもしれないと心配しているとい
う情報を得た。アメリカは中
国を攻撃するつもりはないが、相手の心配を宥めるのは参謀長としての責
務であるから電話したのだ」
と答えた。

この答弁にはさまざまな疑問がある。
(1)ミリーはどこから中国側がトランプが中国を攻撃すると心配してい
るという情報を得たのか?
2020年10月の時点でトランプは大幅にバイデンを上回り、選挙に負ける可
能性はないはずだった。
中国はなぜトランプが落選すると知っていた上に、落選したら中国を攻撃
すると心配していたのか?
トランプが負けると知っていたのはイカサマ選挙を知っていたDSの仲間だ
けである。
中国は(誰かが知らせた?)トランプが落選すると知っていたから彼の暴
走を恐れていたのだ。

(2)ミリー参謀長は(ペロシを説得した)トランプが核のボタンを押す
ことはないと知っていた。
にも拘らずトランプが戦争を仕掛けるなら中国側に事前通達すると約束した。
戦争開始を事前に通達したら中国が先制攻撃する。まさに反逆罪である。

(3)ミリーはトランプがイカサマ選挙で負けると知っていた。
その上で中国にトランプが気狂いだと宣伝し、ミリーが事前に通達すると
中国に約束したのである。
ミリー参謀長が上司である国防長官の同意なく敵国に通達するのは越権行
為である。

(4)戦争になる可能性があれば敵国に通達すると約束したのは通敵行為
である。参謀長が上官の同な
しで電話したのは越権行為だ。この二つはいずれも軍事裁判で裁くべきで
ある。

第二回目の電話は2021年1月8日、つまり1月6日の国会乱入事件が起き
た2日後である。

ミリーは国会の質問に答えて、李作成に電話する前にペロシ国会議長から
電話でトランプが気狂いだか
ら核のボタンを押すかもしれないと心配していたと述べた。そしてミリー
はペロシに大統領には核のボ
タンを押す権利があるけれどボタンを押すには手筈があるから押すことは
できないと説得した。
ミリーはトランプが核のボタンを押すことはできないと知りながら知りな
がらペロシの主張に同意して
李作成に「国会乱入はトランプの煽動で起きたのである」と「アメリカの
恥」を通達したのだ。

ペロシは有名な反トランプである。如何なる屁理屈でも嘘と分かっていて
も、トランプが狂気な独裁者
であると世界に宣伝したい。ミリーはペロシに同意してトランプの狂気を
李作成に教えたのだ。

ペロシはなぜミリーに電話したのか?トランプの暴走を心配するならペロ
シはブリンケン国務卿か、も
しくはミラー国務長官に電話すべきであった。その理由はペロシはミリー
がDSの仲間で反トランプであ
ると知っていたからである。ミリーはペロシの反トランプに同意したから
李作成に電話したのだ。

アフガン撤退公聴会におけるミリー参謀長の答弁で以下のことが明らかに
なった:
1。ミリー参謀長はDSの仲間である。
2。ミリーはトランプが優勢であるにも拘らずイカサマ選挙でバイデンが
当選すると知っていた。
3。DSの目的はトランプを政界から抹殺するため、いかなる違法、不合理
も押し通す。
4。ペロシとミリーはDSの仲間だが、ペロシはミリーより階級が上だから
ペロシに反対できない。
5。Deep Stateがイカサマ選挙で作ったバイデン政権はミリーを裁判にか
けることをしない。




      
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◆雀庵の「常在戦場/94 学ばざれば則ち亡国」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/374(2021/10/9/土】何なんだろう、と好奇心を
持つのはいいものである。

小生は医者の診断では鬱病だが、鬱病ではあまりにもありきたりで「私も
時々落ち込むわ」なんてことでちっとも同情も評価もされないので、「自
閉スペクトラム」と自称している。何となく偉そうだ。

精神病院の隣の薬局でもらった冊子によると、この病気の親戚は発達障害
(ADHD)で、エジソン(1847 - 1931年)はその代表格だという。彼は子
供の頃から度を越した「知りたがり屋」で、「なぜ?」を連発して教師を
困らせ、小学校はたったの3か月で中退になった。彼の旺盛な好奇心と豊
かな創造性を理解し応援したのは母親だけだったそうだ。生涯で1300もの
発明をなした。

1964年頃に父が商売用で買った初代大型冷蔵庫はGE(ゼネラル・エレクト
リック)製だった。GEは元々はエジソンが創業したEdison General
Electric Companyだ。日本との縁も深く、「エジソンは1879/明治12年、
京都の竹をフィラメント素材に使用し、白熱電球を完成させました」
(GE)。

<エジソンが白熱電球の改良でフィラメントに使用した竹の産地、京都府
八幡市男山の石清水八幡宮境内に彼の記念碑がある。電気・電波・コン
ピュータの守護神として崇敬を集めている電電宮がある京都嵐山の法輪寺
にも記念碑がある。また、これが縁で八幡市はエジソンの生誕地であるマ
イランと友好都市の提携をしている>(WIKI)。GEの日本での最初の事業
は1886/明治19年で、政府の印刷工場に発電機を納入している。

エジソンの助手や周辺には日本人青年が結構いた。岡部芳郎(電気技
師)、岩垂邦彦(NECの創設者)、沢井廉(電気技師)、藤岡市助(日本
で白熱電球を製造)など、エジソンに学びそれを活かした日本人たちは、
電化製品に強い現在の日本の礎を作った(NTTファシリティーズ「でんき
案内板」)。

エジソンは、技術を学ぶ日本人に「外国から輸入すれば良いと考えていて
はいけない。自分の国で作ろう、という気概を持たなければ国が滅ぶ」と
伝えていたという。まことに立派な箴言だ。科学、サイエンス、学問は
代々が継承し、それを発展させなければ永遠に後塵を拝すことになる。先
進国になるか、後進国のままか、“エジソン魂”次第だ。

いつの時代でも国境や国籍を越え、さらに私欲を捨てて他国のために貢献
してくれる人はいるのだろう。それが母国や他国のために良かったのか悪
かったのか・・・幸いにも遅れてきた青年、日本は“和魂洋才”、外国人に
多くを学んで先進国になれた。植民地にされた国が圧倒的に多い中で運も
良かったのだろうが、最先端技術を受け入れる素地、好奇心があったのが
幸いした。

日本は種子島の火縄銃にビックリしてから間もなく、堺は世界有数の火縄
銃製造輸出国になり、蒸気船を見てから数か月でミニチュアの蒸気船を造
り、やがて造船王国にもなった民族は稀有だろう。今でも多くの優れた
国、人から学ぶべきことは多い。

近年は外国出身の論客が日本人に「赤ずきんちゃん気を付けて!」と、警
鐘を鳴らしてくれることがずいぶん増えてきた。“外国から見た日本論、
世界論”でもあり、「ああ、こういう見方もあるのか」などと、小生には
とても勉強になる。子曰、学びて時(つね)に之を習う、また悦(よろ
こ)ばしからずや。

WEB chichi 2021/10/2「マックス・フォン・シュラーが読み説く:バイデ
ン政権の終焉、凋落する超大国アメリカ」も刺激的だった。さわりはこん
な風。

<コロナ対策、不法移民への対処、アフガン撤退問題・・・バイデン政権
が抱える問題の一部にすぎません。しかし、私はそれらがバイデン政権の
命取りとなり、近い将来、政権の終焉が訪れることは間違いないと思いま
す。

とはいえ、もしバイデン政権が崩壊したとしても、憲法に従って次の大統
領になるのは、極左のカマラ・ハリス副大統領です。ただ、彼女も敵が多
く、弾劾の話がでていますからおそらく長く政権を維持することはできな
いでしょう

そうなると、次に大統領となるのはナンシー・ペロシ下院議長ですが、彼
女も極左で80歳を超えています。要するに、バイデン政権が崩壊しても、
アメリカは政治的に不安定な状況が当分続くことになります。国民の分断
も深刻化し、アメリカ社会はより一層の混乱状態に陥るはずです。そうな
ると、アメリカ軍が事態の収拾のために動くという状況も全くあり得ない
話ではないでしょう。これまでもこの WEBchichi の寄稿で再三主張して
きましたが、それほどアメリカは危機的な状況なのです。

にも拘らず、日本の政治家の多くはアメリカはこれからもずっと超大国で
あり、永久に日本を守ってくれると思い込んでいます。見識のあるしっか
りしたリーダーが不在という意味では、日本もアメリカの状況と同様なの
かもしれません。

この危機を乗り越えるために、私が日本人一人ひとりにお伝えしたいこと
は、アメリカを頼ることはもちろん、政治家が何とかしてくれるだろう、
という依存心を捨て去ることです。また、様々な利害関係者、日本の弱体
化をもくろむ勢力から影響を受け、日本をミスリードしようとする一部メ
ディアの情報をそのまま鵜呑みにしないことです。

そして一人ひとりが「自分の国、社会の未来は、自分たちで決める、守り
抜く」という強い決意を持ち、自らの頭で物事を判断し、政治、メディア
に対して「イエス」「ノー」を主張していくことです。アメリカでも、政
治家でもない、あなた自身が日本のために立ち上がる時がやってきたので
す>

ニッポン、加油!と𠮟咤激励されている感じ。氏の経歴は――

<1956年アメリカ・シカゴ生まれ。1974年に岩国基地に米軍海兵隊として
来日、アメリカ軍の情報局で秘密調査などに従事。退役後は、国際基督教
大学、警備会社、役者、ナレーター等、日本国内で幅広く活動する。

著書に『アメリカ人が語る 日本人に隠しておけないアメリカのW崩
壊W』『日本に迫る統一朝鮮の悪夢』『アメリカ人が語るアメリカが隠し
ておきたい日本の歴史』(いずれもハート出版)『アメリカはクーデタに
よって、社会主義国家になってしまった』(青林堂)などがある。
YouTube公式チャンネル「軍事歴史がMAXわかる!」でも情報発信中>

シュラー氏のような優れた親日論客が増えている一方で、日本のマスコミ
には共産主義独裁やリベラル≒アカモドキを堂々と擁護するとんでもない
反日論客、記者が実に多い。それにウンザリしているのは小生のような
ヒッキーヂヂイのみならず、TBSワシントン支局長を務めていた方も唖然
としている。

Daily WiLL Online 2021/8/6「山口敬之の深堀世界の真相(45)"ウイル
ス起源"の攻防を報じない日本メディアの『質の低さ』」からさわりを紹
介する。

<アメリカの共和党は8/2、新型コロナウイルスの起源に関する報告書を
公表。この報告書は実は同党が昨年9月に出した「最終報告書」の付録と
いうべきもので、にもかかわらずこのタイミングで発表されたのは、"ウ
イルス起源"の調査を進めるバイデン政権にプレッシャーをかける意味合
いがある。

しかし、このような米国政治のダイナミズムを報じる日本のメディアは残
念ながら皆無だ。米国での"ウイルス起源"の攻防と、そこからわかる日本
メディアの劣化具合に迫る――

産経新聞の黒瀬悦成ワシントン支局長は、昨年の大統領選挙期間を通じ
て、アメリカの大手メディアも顔負けの「反トランプ」報道に徹した。選
挙不正を告発する複数の証拠や資料が出てきているのにもかかわらず、ト
ランプ陣営の選挙不正に関する主張を「根拠なし」と断定した。

昨年4/30にトランプ大統領がコロナウイルスの武漢研究所流出説に触れた
際には、反トランプの姿勢を鮮明にしていたニューヨークタイムズ
(NYT)の記事を引用して、

「同紙によれば、民主党を支持する一部の情報当局者の間では、トランプ
政権が関連情報を中国非難のために政治利用する恐れがあるとして懸念が
広がっているという」と書いた。

こうした黒瀬氏のような報道が、武漢研究所流出説を大統領選挙の情報戦
に矮小化し、ウイルスの起源を客観的に検証する道を阻んできた。「トラ
ンプ憎し」で研究所流出説を圧殺してきたという意味では、日米の他のメ
ディアも同罪である。異なるのは、自らの情報圧殺という罪をどう糊塗す
るかという「言い訳」と「誤魔化し」の手法の違いだ

例えばNYTと深い関係のある朝日新聞は、米下院外交委員会の共和党トッ
プのマコール議員の追加文書についてこう伝えた。

<【朝日 大島隆】新型コロナウイルスの起源をめぐって、マコール議員
と同党スタッフが8/1、「コロナウイルスを研究していた中国・武漢の研
究所から流出したことを示す多くの証拠がある」とする報告書を発表し
た。同委の共和党は昨年9月に新型コロナの起源に関する報告書をまとめ
ていた。その後明らかになった情報などを元に新たに作成したという>

最終報告書が昨年9月にまとめられていた事については、当時は触れな
かったくせに何食わぬ顔をしてアッサリと触れている。全く触れない黒瀬
氏がズルいか。あるいはシレっと触れる朝日新聞大島氏の方がズルいか。
はっきりしているのは、黒瀬氏や大島氏の記事からは、「▼ウイルスの起
源を巡ってアメリカで何が議論の焦点になっているかも、▼バイデンと情
報機関の駆け引きも、▼アメリカ政治のダイナミズムも一切伝わってこな
い」という事である


油断も隙もありゃしない。自称リベラル≒アカは国会議員から地方議員、
記者、物書きまで私利私欲のためには何でもするから安易に信じるとロク
なことにはならない。ミスリードされないように、「情報」を得たら鵜呑
みにしないで、自らができるだけ調べることが大事だ。

国政を左右するような諜報活動は90%が公表されたものの分析で、独自の
(スパイとか秘密的な)調査は10%だと言う。そのレポートをどう評価
し、活用するかは情報部門の長や為政者次第だから、時には正確な情報で
も無視されたりする。それどころか使い捨てされたのが在日ドイツ人記者
のゾルゲだった。

<ゾルゲがソビエトの諜報機関のために働いていることが確認されると、
日本側はソビエトに彼の運命について2度通告した。2度ともソビエト側は
こう回答した。「ソビエト連邦は、リヒャルト・ゾルゲなる者について何
ら与り知らない」

ソビエト側が捕虜交換に応じてゾルゲを救わなかった確かな理由は分から
ないが、スターリンはソルゲが日本側の取り調べで“ソ連のために働いた
事実を認めた”ことが許せなかったのだと考えられている。ソビエトの諜
報員としてあるまじき行為だったからだ。


スターリンは自国で最も優秀な諜報員を見捨て、こうしてゾルゲの運命は
決した。ロシア側を嘲るように、日本は1944年11月7日、ロシア革命27周
年記念日に彼を絞首刑に処した>(ロシアビヨンド)

ゾルゲの存在が知られ「ソ連邦英雄」の勲章を授かったのはスターリン死
後の1964年だった。木鐸のカナリアは捕縛されると祖国から無視され見捨
てられることが少なくないのだろう、中国でスパイ容疑で収監された日本
人10数名の様子はほとんど報道されていない。


小生が偏執狂的に書き散らしている反共系雑文は、最初は「何なんだろ
う、どうなっているんだろう」という好奇心や関心から始まったが、近年
では「忙しい人に代わって現状を伝える」のが目的になってきた。少しで
も役立てれば幸甚だ。

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◆「氷河期」=中国不動産業界

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月5日(火曜日)弐
通巻第7073号  

 火山が爆発したかと思えば、今度は突如、「氷河期」=中国不動産業界
  習近平の腹は読めた。「恒大は潰せ。しかし業界全体はソフトラン
ディングに」。

 香港株式取引所は10月4日、「恒大の株取引は停止している」と発表
した。
 次々と償還期限が来た社債、とりわけドル建て債券の利払いが出来ず
(元本はもちろん出来ない)、事実上倒産していることは誰の眼にも明ら
かである。
しかし、中国の「倒産」というのは、ただちに会社更生法が適用されたり
しない。中国共産党の決定でうやむやの中に処理される。包商銀行も海航
集団も、安邦保険もそうであったように。

 33兆円の負債総額をかかえる恒大集団の有利子負債は判明しているだ
けで10兆円前後。株価はピークから大暴落、ほとんど紙切れ。シャドー
バンキングから幾ら借りているかは不明である。
ほかに独自に発行した「理財商品」はパンクした。投資家はカネ返せ、と
深センにある恒大集団の本社ビル押しかけた。

子会社がEVを生産すると宣伝して「恒駆」のモデルを自動車ショーに
飾って、カネだけあつめた恒大NEVの株式は年初来94%の暴落を演
じ、九月には社員に給与を支払えず、事実上の解雇状況となった。

ヨーロッパの五つのエンジニア企業と派手に提携して署名式を派手に演出
してテレビニュースの話題にもなった。上場を目指したが、EV自動車を
一台も生産しないで、消えた。小米への売却話が一時浮上したが、与太話
のたぐいだろう。

あの株式上場劇は、小誌が指摘したように「マドフ」的な詐欺だった。
(詳しくは拙著『中国の静かなる日本虐殺 2035』(徳間書店)を参
照)。
 恒大集団と同様な倒産状態が業界大手の「華夏幸福」で、負債総額はお
よそ6・7兆円。償還できなかった社債は、現在までに1・4兆円。
 中国の大手デベロッパーが軒並み、苦境に陥った原因はバブルの崩壊が
近いからだが、政府が不動産融資に強い規制をかけたことが、率直に反映
され、銀行ならびに市場から資金を調達する額面は13%強ていど減速し
ている。

個人への不動産ローンも締め付けが厳しくなり、ドル建て外債の起債が前
期比で70%近くも減っている。
世界の格付け機関が中国企業の債権の格付けと落としているからだ。
げんに日本最大の機関投資家GPIFは中国国債投資を見送るとした。
193兆円の総資産のうち、47兆円を外国商品に廻している。


 ▼米国も見切りをつけた

 そのうえ、中国企業のウォール街での上場は困難を極めるようになっ
た。香港でも、中国企業のIPOはまったく人気が集まらなくなり、上場
を見送る中国企業は数十社に達している。

 企業が上場を見送るという事態は、過去二十年ほど中国では考えられな
い事態である。起業家は、株式の上場を目標として、創業者利益で、いき
なりフォーブスのビリオネア名簿に掲載されることが夢だったのだから。
アリババも、テンセントも、そして恒大集団を大企業に育てた風雲児の許
家印も、株式上場にかけて来たのだ。

 荏苒と時を過ごし、倒産をまっていたわけではない。恒大とて、必死の
努力でカネをかき集めるために手持ちマンションのダンピング販売。
 保有したマンションの乱売は、既に購入した投資家にとっては悪夢だか
ら、差額を返せという不満となる。しかし建築中のマンションは工事が中
断したため、今度は頭金を支払った人が「金返せ、これは詐欺だ」という
抗議運動となる。

 恒大集団は、傘下の地銀株売却(盛京銀行の20%売却で1700億円
を調達したが、焼け石に水(しかも盛京銀行は、その分を他の債務返済に
充てた))。9月23日に期限のドル建て債券も、同月29日の金利
5000万ドルも、支払いがなされなかった。
 中国政府が懼れているのはバブル破裂が集中的爆発的に起きることだ。
日本でも不動産価格が劇的に暴落し始めるや、北海道拓殖銀行が倒産し、
銀行業界は怒濤の再編地獄に入った。このように、中国の金融機関が地獄
へ堕ちることになる。
 
 また欧米のファンドが、かなり大規模に中国の社債、株式を組み込んで
おり、そのファンドを購入しているのが日本という構図だから、中国発の
金融恐慌は間違いなく日本経済への津波となる。げんに岸田政権が発足し
たというのに、ご祝儀相場はなく、連日、株価は続落の最中である。

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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)宮崎正弘先生と田村秀男氏共著の『中国発の金融恐慌に備
えよ!』(徳間書店)は、二年前の書物ながら、まさに構造的にこんにち
の中国の危機を預言しています。
 購入しようと思ったのですが、売り切れなのでキンドルで拝読しました。
これを現代風に手直しされて、いまの、このタイミングで改訂版をお出し
になるのはグッドアイディアとおもい一筆。(DD生、六本木)

  ♪
(読者の声2)自民党総裁選挙に勝った岸田氏は、今月の14日に衆議院
を解散し、19日公示、31日、投開票の意向と発表とした。まことに素
早い行動である。
それは、令和のおじさんの菅首相が総裁選に立候補する時、妻を口説くの
に最も苦労したと豪語したのが根底にあるようだ。
菅首相は、維新や公明党が選挙の準備ができないとして解散を見送った経
緯がある。
マスコミは、政権発足後の100日は、出方を見極めるため、批判しない
との紳士協定がある。その後は菅首相叩きに奔った。菅首相の最も悪いの
は、東北人らしく、沈黙が金とばかりに反撃しなかった。反撃出来なかっ
たのであろう。それが、命取りとなった。もし反撃していれば、政権の延
長か、政治生命を絶たれるかであったろう。
岸田総裁は、菅首相の轍を踏まないように、早々に解散に打って出た。
それが、小石河連合が都民ファーストとの連立を防ぐことでもある。だ
が、都民ファーストは、自民党より、立憲の票を大きく食うだろう。立憲
の政策が選挙公約が国政ではなく、県や市町村がかかげるような公約だか
らだ。新聞テレビしか見ない高齢者は支持するだろうが、スマホの世代は
立憲離れを起こしている。
(斎藤周吾)




(読者の声3)例えば、警察の幹部が公然とパチンコ業界に天下る、かな
りの莫大な「合法的な博打・脱税」があり、その利益が北朝鮮に公然と送
られ、ミサイルを作り、原爆を作り、日本を攻撃する、公言する。
 つまり日本の警察は、日本の敵、北朝鮮の有用な工作員になっている。
だから、拉致、約900名の日本人が誘拐された大事件をも警察は無視す
る。この様な「敵に利する行為」は当然、国家反逆罪と認識され、「国民
に対する最大の罪」である故に、死刑が求刑される、べきなのが世界史
上、普通の国の対応。
 この悍ましい「遺憾な」日本の事実に、だれも何もしない。惨めにも、
トランプさんに拉致問題をお願いする。つまり、「国家の仕組み」が全く
機能していない、腐敗、退廃、崩壊している、と解析する。
莫大な税金をかけて、ミサイルからの先制防衛などを考える前に、まずは
すぐにタダで出来る国内の敵を潰す、べき。日本からの義援金が止まれ
ば、世襲3代目金正恩氏の家業は直ぐにいきずまる。奴隷以下の人民も救
われる。これで二人目の総理がノーベル平和賞をもらう。岸田氏には無理
だが、サッちゃんなら出来る。

 さて本題、早苗総理の作り方。政治家・議員・総理の選び方にも大きな
問題がある。今回の総裁選で明らかになった「総裁選の腐敗」とは、「党
員投票の仕組み」。建前では、党員と議員の意向が「同位」としてある
が、これは嘘だ。
もし、自民党員が自民党支持者を正しく反映していれば、党員の大多数、
8割以上は高市氏を支持し、結果は令和3年9月29日に初の第100代女総理
を生んでいた、はずである。2020年11月4日にはトランプ氏が再選されて
いた、はずである。そのように歴史家は正しく事実を書かねばならぬ。
自民党議員は自分の地域から「党員を作る」枠・義務・命令があり、100
名、500名の新党員を掻き集め、名簿を党に献上する。自民党が運んでく
れる金・規制などに頼る官民の組織が、強制的に社員、組員、その家族な
どを党員としてまとめて(無断で)登録し、党員の年会費4千円は、組織
が代わりにまとめて払う、らしい。
投票用紙は組織に配達され、党員ではなく、「組織(議員)が決めた候補
者」の名前を記名し、送り返されるらしい。
党員は国民、日本籍であるべきだが、それを確認していない。投票用紙は
無記名であるので、確かめようがない。用紙には番号・チップ、バーコー
ドなどのない、ただの印刷された葉書であるので、模造は簡単。検証もで
きない。開票の仕組み、検閲などもされない、非公式の集計になっている。

各地方の党の組織が独自に開票し、党本部に報告するので、その多くの伝
達の過程で不正・調整がされる可能性がある。(トランプ氏はこれらの大
規模な同様な不正で負けた)しかも、これらの日本国総理を選ぶ「選挙・
投票」は「内輪の非公式な党内の仕組み」であるために、「公職選挙法の
規定に縛られず」、イカサマをしても犯罪とはならず、罰則もない。悪者
が得をする、飴だけで、鞭が無い。
これらの「党員製造を担当する組織」は、その運営・利益・雇用・存在が
政府に深く依存しているために必然的に「大きな政府」を必要とする。
つまり自民党は「社会主義的な運営を必要」とし、それを拡大する内部構
造になっている。だから多数の自民党議員の行動・言語は野党のそれと酷
似している。米国も似ていて、「名ばかりの共和党員(RINO・ライノと発
音)」と蔑称される。
早苗氏を支持した議員の元には、現在、頼まれもしないのに「党員になり
たい」という問い合わせが殺到している。もちろん個人として、自腹で党
会費を払い、総裁選に投票したい、という意味である。

自民党員になる「資格」とは、1。党の綱領、主義、政策などに賛同。
2。18歳以上、日本国籍 3。他の政党に属さない。4。年額4000円払
う。これから直ぐに、みんなで、家族全員、親族、友人、部下、近所の犬
も、猫も杓子も、党員になれば、総裁選を操作できる。
で、101代に初めて女総理が天皇陛下によって「任命」される。これを機
に日本は正気を取り戻し、急速に正常化し、存亡の危機を乗り越えたので
ありました。めでたし。と、いう歴史も可。

注1.憲法第六十七条 「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決
で、これを指名する。」その細かい総裁選決め方、などは書いてない。し
かし総裁選は適当にやっていい、という意味では無い。GHQ様が、自民党
がそんな下品なイカサマをすると知っていたら、憲法はもっと長かっただ
ろう。
注2、犬や猫の自主的な総裁選参加は、国家存亡の危機には、当然許され
るべき超法規的な特例として認められる、はずである。シナや朝鮮では犬
は食べられ、人民は臓器を取られる。今日本は「超限戦」の最中です。ホ
ント。戦時においては、あらゆる手段が許されます。猫の手も借りて良い。
(在米のKM生)
      
at 06:19 | Comment(0) | Andy Chang

2021年09月30日

◆世界諸国を骨抜きにした中国

Andy Chang

AC 論説No.862
ミリー参謀長が敵である中国の李作成参謀長と繋がっていた事件で、アメ
リカの軍隊は世界最強の軍備
を持っていながら軍隊は戦えないことがわかった。しかも無能なバイデン
大統領はミリーを裁くことも
辞職させることもできない。今の状態ではアメリカの軍隊は戦えないし信
用できない。アメリカのバイデ
ン大統領はこれまで度重なる失策と危機を作ったのに一度も責任を負わな
い恥知らずである。

バイデン政権はミリーの責任を調査する気がないが共和党側は黙っていな
い。Ron Paul上院議員はミ
リーと李作成の通話記録を調べて「ミリーが戦争の始まる前に敵に連絡す
る」のが真実だったら国家反
逆罪で裁判にかけると述べた。でもバイデン政権の妨害で調査は尻つぼみ
になるかもしれない。

バイデン大統はのアフガン総退却は世界に恥を晒した国辱ものだが、それ
に続くミリー参謀長の通敵事
件は米国が「政治と軍事において世界で最もダメな国」であることを証明
したのである。トランプ大統
領が「Make America Great Again」を掲げて頑張ってきたのに、バイデン
は「Made America Last」
に成功したと言える。

この半年間で起きたアメリカの崩壊を一番喜んでいるのは中国である。世
界諸国が中国の覇権拡張に警
戒心を高め、中国の台湾併呑と東南アジアの平和のために米英印豪の
QUAD、米英豪のAUKASを形成し
たのに、肝心の米国の参謀長が敵に通じていることがわかった。諸国連合
の最重要な国が敵に通じてい
るから軍事連合は機能しない。つまり中国が米国を骨抜きにしたから諸国
連合が瓦解したのである。

アメリカは中国の覇権進出を防ぐ最後の砦だった。中国はアメリカを骨抜
きにすることに成功した。中
国はこの四十年の間で常に世界諸国を骨抜きにすることに成功していた
が、アメリカの軍隊を骨抜きに
したことで世界覇権の成功にあと一歩と言うところまで来ている。?小平
の「韜光養晦」でひたすら敵
意を隠しながら世界に進出し、習近平が「戦狼外交」で世界の覇権拡張を
明らかにするまで世界諸国は
一貫して中国の勝手な主張に屈服していたのである。

中国の「骨抜き政策」のもっとも良い例が台湾のラファイエット疑獄であ
る。フランスの巡洋艦を買う
ことで2倍以上の金を計上した。ところが中国がこれに反対したら、フラ
ンスのデュマ外交部長はすぐに
中国を訪問して巡洋艦の設計図を中国に「献上」し、台湾は買ったばかり
の巡洋艦の武器一切と最新の
TAVITAC(アメリカのイージスに匹敵する電子作戦系統)を中国に献上し
た。その上でフランスと台湾、
中国の三国の高官が台湾から分捕った15億ドルの賄賂を山分けした事件
である。中国は台湾とフラン
スの武器購買に反対を表明しただけで軍艦の設計図と武器一切と膨大な賄
賂を横取りしたのだ。台湾も
フランスも中国に骨抜きにされたのである。これが30年以上も前のことだ。

71年に中国が尖閣諸島の領有権を主張し出したが日本は強く反対し今でも
反対している。しかし中国の
漁船や監視船が尖閣付近に進出しているのを止めることができない。中国
が台湾の領有権を主張して最
近は戦闘機が毎日のように台湾の領空を侵している。台湾を防衛するなら
QUADとAUKUSが重要な諸国
の軍事連合となるが、ミリー参謀長が敵に内通していたら連合に裏切り者
がいる事になる。

中国が南シナ海の島々を勝手に占領して埋め立てを始めた時、フィリッピ
ン、マレーシア、アメリカは反
対したが中国は埋め立てを続け、今では滑走路を持つ軍事基地になってし
まった。2010年10月にヒラ
リーが「アジア回帰」を宣言したが中国の島嶼埋め立て軍事化は続けられ
た。トランプは中国を敵と見
做して中東から撤退してアジアに戦力を移そうとしたが、バイデンとミ
リーのおかげで中国封じ込め戦
略がほとんど無効になった。中国がアメリカを骨抜きにしたからである。

日本も骨抜きされたままだ。1945年に日本が降伏した後で日本はOccupied
Japa(被占領国)になっ
た。7年後の1952年にサンフランシスコ平和条約が発効し、日本は独立国
となったけれどアメリカの
作った憲法を維持して新憲法を作ることをしない。中国が同意しないと言
えば反対する議員が多くて新
憲法の提案さえできない。日本国の政治家が新憲法制定に反対なのだ。靖
国参拝はいけないと?小平が
言ったら日本の首相は靖国参拝をしなくなった。骨抜きにされたまま70年
が経過したのである。

このような現状は早急に改善しなければならない。アメリカは直ちにミ
リー参謀長を罷免して裁判にか
け、連合諸国との合作関係改善に努力すべきである。同時に諸国も中国の
覇権拡張に対抗すべく自国の
防衛力を増強すべきである。チャーチルが嘗て言ったように、Situation
is desperate but not
hopeless、事態は厳重だが絶望的ではない。但しアメリカも諸国も早急に
中国の派遣拡張の抑止に取り
組むべきである。

=======  AC 通信  =====   AC通信   =====
AC通信は転載自由です。
マグマグAC通信の登録は http://www.mag2.com/m/0001690065.html




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◆雀庵の「常在戦場/89中共バブル経済崩壊、文革2.0へ」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/369(2021/9/28/火】26日は今季初めて水道水を
「冷たい」と感じた。夕べは3か月ぶりに風呂に浸かって「湯船もいいも
のだなあ」と感じ入ったが、何やら冬子が秋子を追い出しそうである。

寒くなると「温暖化だ、大変だ!」と騒いで自然破壊の太陽光パネルなど
で儲けようというオオカミ少年は静かになるが、気象庁によると関東甲信
地方は12月あたりから平年より寒くなるようである。どうなるかは分から
ないが・・・中共経済はどうも冬というか厳冬になりそうだ。

中共名物の鬼城=ゴーストタウン。俯瞰映像を見ると「凄いなあ、立派な
高層ビルが林立している! まるで新宿、赤坂、虎ノ門、新橋、銀座、東
京みたい」なのだが、人気が全くない。

あちこち鬼城だらけなのに増え続けたのは「箱モノ行政でもとりあえず景
気刺激になるからなのだろう」と小生は思っていたのだが、先日「もしか
したらバブル景気の時の金持ちが値上がりを期待してマンション転がしを
していたのと同じで、買い手がつくから投資物件として鬼城がどんどん造
られたのではないか」と思い至った。実需と乖離したバブル景気であり、
金融引き締めになれば速攻でバブル崩壊になるリスクがある。

日経2021/9/27「中国、不動産バブル懸念 民間債務かつての日本超す 
マンション価格、年収の57倍」から。

<中国恒大集団の過剰債務問題をきっかけに、中国の不動産バブルへの懸
念が高まっている。格差是正を掲げる習近平指導部にとって不動産価格の
高騰を容認しにくくなっているためだ。経済規模に対する民間債務比率な
どの指標はバブル期の日本を超えており、軟着陸は容易ではない。対応次
第では、中国経済が低迷期に入る可能性がある。

中国で不動産は拡大する格差の象徴だ。如是金融研究院によると広東省深
圳市ではマンション価格が平均年収の57倍、北京市も55倍に達する。バブ
ルだった1990年の東京都でも18倍で、中国の大都市圏は庶民に手が届く水
準ではない。

中国人民銀行(中央銀行)は2020年夏に、大手不動産会社が財務面で守る
べき「3つのレッドライン」を設けた。自己資本に対する負債比率を一定
水準以下に保つことなどを求め、借金を増やしにくくした。不動産へのマ
ネー流入が細ることになる。

今年8月には習指導部が「共同富裕(共に豊かになる)」のため、格差是
正を打ち出した。マンション価格の高騰の裏には富裕層の投機もあり、締
め付けは避けられないとの見方が広がった。影響は不動産価格にも出始
め、販売総額を総面積で割った単価は8月に前年同月比2.7%下落した。

価格上昇が鈍ったことで、負債総額が30兆円を超える恒大の経営が苦しく
なるとの懸念が強まり、9月には日米などの株式相場が急落した。

恒大は保有資産や事業の売却を急ぐ。突発的な倒産のような事態を避けた
としても、中国の不動産を巡る先行きの不透明感を払拭するハードルは高
い。不動産に偏った成長が逆回転し、バブル経済が崩壊した1990年前後の
日本を上回るサインがともっているためだ。

2008年のリーマンショックをはじめ、景気減速のたびに財政出動や、企業
に積極的な投資を促して政府が掲げた高い成長目標を達成してきた。

国際決済銀行(BIS)によると、金融機関以外の民間債務は最近5年間、年
1割超のペースで増え、直近で35兆ドル(約3850兆円)を超える。特に不
動産は銀行の関連融資残高が5年で2.1倍に膨らんだ。


この結果、中国の民間債務残高の国内総生産(GDP)比は220%に達し、日
本がバブル崩壊直後につけたピーク(218%)を上回る。融資残高全体に占
める不動産向けの割合も今の中国が3割弱と、21〜22%台だった日本のバブ
ル期より高い。

日本のバブル期は不動産だけではなく株式にもお金が向かった。1989年末
に日経平均株価が最高値を付けるまでの10年間で、上昇率は5.9倍に達し
た。一方、足元の中国の上海総合指数の水準は10年前比で1.5倍程度にと
どまり、不動産への集中ぶりが透ける。

上昇が続くことが前提だった住宅価格が下がり始めれば、借金で購入した
富裕層や在庫を抱える不動産会社による売却が急増しかねない。価格の下
落は債務を抱える不動産会社の資金繰りをさらに悪化させ、住宅着工など
が細ることになる。


中国の住宅の新規着工面積は1〜8月に前年同期比で1.7%減少した。米ゴー
ルドマン・サックスの試算では、2022年の住宅着工が前年比3割減少する
などの深刻シナリオになると、22年の実質国内総生産を4.1%押し下げる。

日本の場合、土地と住宅の時価合計は1990年の2685兆円から、2005年まで
にGDPの約2倍にあたる1000兆円以上が失われた。

日本政府は積み上がった金融機関の不良債権を時間をかけて処理する道を
探ったが、不良債権の増加が収まらず貸し渋りや資金回収が広がった。経
済の収縮を招いて「負の遺産」の処理に10年以上を要した。

中国共産党は7月末の中央政治局会議で21年後半の経済運営方針に「不動
産価格の安定」を盛った。過度な値下がりに対し直接介入を辞さない姿勢
だが、不動産市況の調整は金融機関の不良債権増を通じて中国経済が長く
低迷する要因になりかねない>

イケイケドンドンと金銭亡者みたいに中共経済の拡大を煽りに煽ってきた
日経が、「投資家の皆さん、上り詰めたら下り坂、中共バブルははじけて
長期低迷になりそうです、気を付けて!」と警戒警報を鳴らしたわけだ。
イエローカード、やがてレッドカード、中共進出企業はアジア各地か日本
に工場を移転していくだろう。

バブル崩壊・・・小生の親戚は3軒が破産した。末永のオバサン一家(農
業)は広大な土地を担保に賃貸住宅やマンションを建てたが借金返済が
滞って夜逃げ。等々力のオバサン一家(材木商)は環八沿いの自宅・工場
を潰して大きなビルを建て1Fでステーキハウスを営業していたが、これま
た借金返済が滞って夜逃げ。多摩川べりの菅のオバサン一家(農業、水道
工事業)は大きなマンション2棟を建て、長男坊は白いベンツで愛人宅(2
人説あり)へ通っていたが、これまた借金返済が滞って、辛うじて新築の
自宅は残ったものの、それ以外はすべて失った

小生はバブルの始まる1984年のパッとしない時代に起業し、低金利の融資
を受けてビルも建てたからバブル崩壊の影響は深刻ではなかったが、それ
でも高速道路を走りながら「このまま事故死したら一家心中と思われるだ
ろうなあ」とつぶやいたらカミサンが寂しげに笑っていた。


ただ、バブル崩壊後でも米国が自国の輸出産業を促進するためにドル安=
円高政策を継続していたので小生の巣食う海外旅行業界(円を海外にばら
まく=日本にとっては輸入業)は元気だったので救われた。死んだり行方
不明にならずに済んだのは能力や努力以前に「運が良かった」だけなのだ。

中国バブルが崩壊すれば世界経済にダメージを与えるが、投資しているの
は皆“海千山千”の投資家や経営者である。最大の被害者は中共にいいよう
に踊らされた中産階級になりそうだ。遠藤誉氏の「中国恒大・債務危機の
着地点――背景には優良小学入学にさえ不動産証明要求などの社会問題」
2021/9/22から。

<江沢民時代からリーマンショック直後あたりまでは、党幹部などを含む
富裕層が投機的に不動産を購入する傾向が強く、不動産価格の高騰を煽っ
てきた。中間層が増えるにしたがってディベロッパーは「今買わないと来
年にはもうこの値段では買えませんよ」と消費者心理を煽り、不動産購入
層は中間層へとシフトしていった。

その最大の原因が、優良な公立小学校に入学するときさえ「不動産所持証
明書」が要求される、という事実を知っている人は少ないだろう。

(適齢期の女性が希少価値のため)結婚してみようかという女性の側は、
「結婚したければ『家あり、車あり、高学歴』という条件を揃えなさい
よ!」と強気だ。「剰男」(供給過剰=余剰になった男)の両親あるいは
「剰男」自身が、結婚のために、なけなしのお金を搔き集めてマンション
を購入するという状況は、中国の庶民の間でよく見られる日常風景なので
ある>

とにかく投資であれ実需であれマンションやオフィス物件を買わざるを得
ない仕組みになっている、それが中共経済のガソリンになっていたわけ
だ。そして今、手堅い投資物件という不動産神話が一挙に崩れかねない事
態を迎えた。土砂崩れ一歩手前。

渋谷司・アジア太平洋交流学会会長の「中国不動産バブル崩壊の本質」
Japan-Indepth 2021/9/25から。

<中国の大手不動産会社「中国恒大集団」のデフォルトの危機が叫ばれて
いる。同社は約33兆円の負債を抱えているという。不動産バブルの本質は
以下が主因ではないだろうか。

中央から地方へ派遣されるエリートは、地方での実績こそが出世の重要な
メルクマールとなる。そこで、マンション建設、特に商業施設を伴ったマ
ンション群を建設すれば、GDPは急増するだろう。

不動産バブルは、おそらく中国人の気質も関係しているのではないか。事
実、中国人は“投資”を好む。もっと正確にいえば“投資”よりも“投機”を好
む。一攫千金の夢を見る人が多い。

まず、自分が住むためのマンションを購入する。次に、余裕ができると、
利殖用マンションを買う。中国の金持ちは普通、マンションを2部屋、3部
屋持っている。マンションを人に貸す場合もあるが、一般的に売買目的が
多い。これも不動産バブルを作り出す一因となっているのではないか

無論、中央政府は、個人の不動産売買を規制している。だが「上に政策あ
れば、下に対策あり」である。北京がいくら規制しても、中国人は巧妙に
その規制を逃れるようにして不動産売買を行う。これが中国不動産バブル
の実態ではないだろうか>

経済のプロはどう見ているのか。フォーブスジャパン9/27から。

<今後の最大の焦点は習近平政権が恒大集団を存続させるかどうかであ
る。「当局は直接、救済に踏み切るのか口を閉ざしたままだが、一方で、
大きすぎて潰せない( =Too big to fail)企業は中国に存在しない、と
強調している」(ニューヨークタイムズ紙)。

「Too big to fail」に否定的なのは、救済が「上級国民優遇」との批判
を招きかねないためだろう。「共同富裕」というスローガンの下での習政
権による貧富の格差是正に向けた最近の取り組みとは矛盾する。

だが、破綻に追い込まれれば、中国の金融、不動産業界や経済全般に少な
からず打撃を及ぼすのは避けられそうにない。開発プロジェクトなどに遅
れが出るのは必至だ。信用収縮を生じさせる可能性も決して否定し切れな
い>

ブルーグバーム9/27も「ゴールドマン・サックス・グループの試算では、
恒大の資産は約2兆元(約34兆2400億円)と、中国のGDPの2%に相当し、
いかなる資産処分も市場の混乱につながる可能性がある。恒大に何が起き
るかにかかわらず、中国の住宅価格は現在、大きな下振れリスクにさらさ
れているとシティグループは指摘した」と報じた。

習近平が恒大集団を救えば「上級国民優遇だ」と中流未満の10億の民から
批判される、恒大集団を見放せば中流以上の4億の民から「必死で手に入
れた資産を暴落させるのか」と批判される。

中流未満の10億の民のほとんどは高卒以下で、改革開放の恩恵を未だに受
けているとは言えない層、うち6億は国連基準にてらせば李克強の指摘す
るように「食うのがやっと」という貧困層だが、毛沢東と同様に習近平に
とっても支持基盤である。

中共の戸籍は、農村戸籍(農業戸籍)と都市戸籍(非農業戸籍)に分けら
れており、農村戸籍が6割(8億4000万人)、都市戸籍が4割(5億6000万
人)。毛沢東は貧農と都市部のルンペンプロレタリアート、いわゆる「欲
求不満の窮民」を率いて「農村から都市を包囲せよ」を合言葉に大革命を
成し遂げた。20世紀版の窮民革命「水滸伝」だ。

毛沢東原理主義の習近平はしばしば地方行脚するが、「敵は走資派の金持
ちだ、党内外の腐敗分子を一掃せよ!」と号令すれば、積もり積もった鬱
憤を晴らすように10億の窮民や不満分子は、自分たちを「汚くて臭い下層
民」と蔑んできた4億の上級国民を喜々として叩くはずだ。

中共バブルをハードランディングさせれば都市部は弱体化し、ソフトラン
ディングさせれば10年20年は低迷を免れない。いずれにしても国力は衰退
する。習近平の唱える「中国の夢」はナチスやソ連流の世界制覇なのだろ
うが、国力が衰退するなかで世界中の先進国を敵に回していれば、金の切
れ目が縁の切れ目、中共のタガがいずれはずれて国内は群雄割拠の戦国時
代になるだろう。


清朝末期には白蓮教反乱(紅巾の乱)、太平天国の乱、義和団事件などが
あったが、習近平が原始共産主義的な清貧の桃源郷を目指す21世紀版「窮
民革命」を実行するなら、国家の体力があるうちでないと難しい。小生な
ら年明けの冬季五輪なんぞほっぽり出して今秋から「文革2.0」を発動し
て国境閉鎖、外資企業追放、大企業の国有化を本格化させ、ビシバシと政
敵を排除していくが・・・


紅衛兵になり損ねた遅れてきた青年は、中途半端ではなく徹底的にやらな
いと歴史に名を刻めない。「習近平語録」を手に天安門から無慮数万の紅
衛兵2.0に手を振り、「みんな、よく来てくれた」と挨拶する、それでな
いと毛沢東と並ぶことはできない。習近平同志、「文革2.0」へイザッ!
 世界は自滅を待っている。


          

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◆消えて行く少数民族の言語

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月23日(木曜日)
通巻第7064号  

 中国の普通語を少数民族に普及教育を強化
  消えて行く少数民族の言語。幼稚園から洗脳せよ

中国は少数民族の言語を徐々に消してしまう方針で、実際にチベットで
は、地元の住民でさえチベット語を喋らない若者が増えている。

両親は当然、自分たちの言葉を喋るが、子供はチベットが出来ないという
チベット人が大量に出てきた。

南モンゴル(内蒙古自治区)では90年代までは「バイリンガル」の言語
教育を実施していた。21世紀に入ると、モンゴル語のキリル文字表記をや
めさせ、また高等教育では「第二外国語」として日本語と観光ツアー向け
の基礎外国語の課程があったが、これも中止した。

モンゴルでは「小学校からのモンゴル語禁止、すべての教育を普通語で
行う」という方針に反対し、各地で抗議集会やデモが開催されたものの、
弾圧され、いまや反対の声も?き消された。

フフホトやパオトウの町からキリル文字の表記が消えた。1940年代から
50年代初頭、モンゴルは自国語をキリル文字で表記していた時代があっ
た。現代でもウランバートルは、かなりの看板などはモンゴル語をキリル
文字で表現している。この数年ほどで、殆どはアルファベットと漢字表記
に切り替わっているが。。。。。

新彊ウイグル自治区のおける大々的な方針転換は2014年からで、習近平
は「テロリストとの戦い」を正面のスローガンに掲げ、テロリストの侵
入、イスラム思想の影響拡大を防ぐために、イスラム系少数民族のことば
を禁止し、テロリストへの弾圧には「一切の慈悲は不要」と宣言した。

2017年からは再教育キャンプ(つまり強制収容所)を各地に造成し、地
獄の弾圧と普通語の強要をはじめ、これらを総合して「中国教育現代化
2035」(2019年2月23日、国務院通達)という。

くわえて「愛国教育の徹底」を少数民族地区、地方で徹底し、親にも子
供に少数民族の言葉を使うなと強要した。達成した民族は「模範的少数民
族」と呼称した。

いまは小学校に入る前の幼稚園でも普通語による「愛国教育」が実施さ
れている。つまり就学前の児童の段階から「洗脳」が始まっているのである。

   
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 孫文はいかさま師だったが、毛沢東は逆張りで成功した強運の持ち主
  馬英九は「中国語を喋る陽気なアメリカ人」の印象が変わらない

  ♪
近藤大介『台湾vs中国(謀略の100年史)』(ビジネス社)
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一気呵成に読めるほど迫力がある。引き込まれるほど「面白く」読めた
のも、「です。ます」調で書かれているからだ。

歴史が旋回した現場にいるような臨場感があるのは、近藤さんが、必ず現
地に飛んで、本人や側近、当時を知る人たちに執拗にインタビューしてい
るからだ。

なかでも李登輝、馬英九、陳水篇、蔡英文への直撃インタビューは、
へぇ、こういうことも、聞き出したんだという「聞く力」である。

インタ ビューは最初から相手を挑発してホンネを探ってみたり、相手の
関心分野 を最初に調べ上げて、そのことに突っ込みを入れてやがて本心
を探り出す 等さまざまな方法があるが、近藤氏は週刊誌記者三十数年の
ベテラン、ま とめ方も抜群である。

そのうえ、李登輝元台湾総統がなぜ日本のメディアを優先し、むしろ日
本を発言の絶好の場として活用していたことを、さらりと述べている。評
者(宮崎)も李登輝総統とは十回近くインタビューしているので、よく分
かる。

印象深く面白かったのは、陳水篇が台北市長時代のインタビューだ。こ
れまた評者も同じ経験があるので、雰囲気がリアルに伝わってくる。

思い出した。台湾の新聞局幹部から頼まれて、陳水篇が台北市長時代
だったが、来日時に日本の有力メディアで日本の有力政治家と対談したい
ので仲介して欲しいと言われた。某雑誌と話をつける前に、念のために聞
いたのだ。「陳氏が日本で対談相手の望むのは誰か?」と。答えは「管直
人」だった。がっかりして仲介するのをやめた記憶が突然甦った。

 
幾つかの重要な指摘がある。

まず中国共産党が党史を語る際に三つのポイントを省略していることだ。
百年前の第一回共産党大会はコミンテルンの主導で開催されたこと。モ
スクワから派遣されたマーリンが長い演説をし、毛沢東は幹部ですらな
かったこと。

この大事な会議に創設者の陳独秀が参加していないという 事実。

もう一つは「労働者と農民の党を謳いながらも、参加したのは学者、教
育者、ジャーナリストばかりであったこと。

コミンテルンの革命方式とは「以党治国」であり、少数の組織された暴
力集団が独裁権力を握ることに他ならない。儒教の教えは「修身齋家治国
平天下」だから、真逆の方向性に最初からあるのだ。
さて、一気に読んだとは言ったが、弐箇所ガツンと引っかかった。
ひとつは大東亜戦争を「太平洋戦争」と呼称している点である。もう一
つは所謂「南京大虐殺」なる国民党がでっち上げた架空の事件を疑問視し
つつも、日本軍は一万人の市民を虐殺したと無造作に書いている箇所だ。

そんな事実はない。戦闘員を殺害するのは戦争だが、市民は保護するのが
日本軍の鉄のような規律である、じっさいに南京入城後、中国人は安全圏
を目指して、日本軍が占領した南京に「避難」してきた。

現在の日本のアカディミズムとジャーナリズムの世界では、依然として
「大東亜戦争」は禁句である。

GHQの押しつけ史観は東京裁判、人道に反する罪、平和憲法。アメリカ
は民主主義の見本。だから日支事変は「日中戦争」と書かなければいけな
いことになっている。自らが科した自虐史観が出版界の語彙制限に繋がっ
ているのである。

本書の骨格は両雄並び立たずのライバル物語を基層に、国民党vs共産
党の謀略戦争という裏面を描いており、蒋介石vs毛沢東、蒋経国vsト
ウ小平、李登輝vs江沢民、馬英九vs胡錦涛、蔡英文vs習近平という
構造を図式化し、物語風に歴史を綴ったポイントに特徴がある。
           
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2278回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港160)

   △
 今から振り返れば(いや、振り返らなくても)、たしかに何物かに憑か
れたかのように第六劇場にのめり込んでいた。我ながらそう思うのだか
ら、傍目にはさぞや奇異に映ったことだろう。だが行き掛かり上、この道
はトコトン突き進むしかない。
 なぜ、そこまで惚れ込んだのか。それが分らないのだが、そんな立場か
ら至極納得する文章にぶつかった。1つが日本人のそれであり、1つが自ら
の戯迷振りを「見て見て見まくらずにどうして辛抱しておれよう」と肯定
した中国人のものだ。

最初に挙げる日本人とは、芥川龍之介である。
中国共産党第1回全国大会が開かれた7月1日を3か月ほど遡った1921(大
正10)年3月24日、芥川は上海の埠頭に降り立った。
今から百年前の上海と北京を中心に歩き回り、有名無名の中国人と話を交
わし、『支那游記』(改造社 大正14年)を記した。

芥川は上海でも北京でも、当時の中国においても本場の戯遊を凌ぐほど
の戯遊と評判の高かった村田烏江や辻聴花などに連れられ、京劇小屋の木
戸を潜っている。

「支那の芝居の特色は、まず鳴物の騒々しさが想像以上な所にある。殊
に武劇──立ち回りの多い芝居になると、何しろ何人かの大の男が、真剣勝
負でも
しているように舞台の一角を睨んだなり、必死に銅鑼を叩き立てるのだか
ら、到底天声人語じゃない。実際私も慣れない内は、両手で耳を押さえな
い限り、とても坐ってはいられなかった。

が、わが村田烏江君などになる と、この鳴物が穏やかな時は物足りない
気持ちがするそうである。のみな らず芝居の外にいても、この鳴物の音
さえ聞けば、何の芝居をやっている か、大抵見当がつくそうである」
と、呆れたかのように綴った。

それから、「『あの騒々しい所がよかもんなあ。』──私は君がそう云う
度に、一体君は正気かどうか、それさえ怪しいような心もちがした」と続
ける。

第六劇場に通い詰めた頃を思い起こせば、やはり村田の「あの騒々しい
所がよかもんなあ。」の思いは痛烈に納得だ。
半世紀昔の学園闘争激しき頃の「慣用句」を使うなら、「イギな〜し」。
誰がなんと言おうと、やはり「あの騒々しい所がよかもん」なのである。

だが一歩引いて振り返れば、「一体君は正気かどうか、それさえも怪 し
い心もちがした」と綴る芥川の“憐憫の情”もイタイほど身に滲みて判
る。たしかに日本人的感覚に則るなら、「あの騒々しい所」は決して「よ
かもん」ではないはずだ。

次いで芥川は舞台から客席に視線を移し、「客席で話をしていよう
が、子供がわあわあ泣いていようが、格別苦にも何にもならない。これだ
けは至極便利でる。・・・現に私なぞは一幕中、筋だの役者の名まえだ
の歌の意味

だの、いろいろ村田君に教わっていたが、向う三軒両隣りの君 子は、一
度もうるさそうな顔をしなかった」と、雑然とした観劇風景を意 外に楽
しんだようだ。だが楽屋の汚さには閉口したらしい。

村田烏江の案内で楽屋を訪れる。「兎に角其処は舞台の後の、壁が剥
げた、蒜臭い、如何にも惨憺たる処」であり、そこを「なりの薄汚い役者
たちが、顔だけは例の隈取をした儘、何人もうろうろ歩いている。それが
電灯の光の中に、恐るべき埃を浴びながら、往ったり来たりしている様子
は、殆ど百鬼夜行の図だった」。その汚さには閉口頻りの態だった。

さすがに村田は楽屋でも顔である。

美形で有名な旦(おやま)を紹介され挨拶するのだが、「私は彼自身の為
にも又わが村田烏江の為にも、こんな事は書きたくない。が、これを書か
なければ、折角彼を紹介した所が、むざむざ真を逸してしまう。それでは
読者に対しても、甚済まない次第である。その為に敢然正筆を使うと、──
彼は横を向くが早いか、真紅に銀糸の繍をした、美しい袖を翻して、見事
に床の上へ手洟をかんだ」のである。

芥川の呆れ顔が眼に浮かぶが、美形の旦役者の「手練の早業」もステキ
なのだ。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 
■READERS‘OPINIONS ■どくしゃのこえ■
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)質問がございます。今回の自民党の総裁選の投票用紙がい
ろんなところにばら撒かれていると友人から聞いて驚きました。総裁選
は、党内の党則のみで公職選挙法は関係しないので、党が黙認すれば、ど
んなインチキでもOKですよね。
 つまり中国共産党が簡単に絡めますよね。先生のご意見を拝聴したいと
思います。
(江古田KO生)


(宮崎正弘のコメント)高市候補優勢との判断でもあるのか、某国ならや
りそうなことですが、小生は寡聞にして、そのような噂は聞いておりませ
ん。            
at 05:26 | Comment(0) | Andy Chang

2021年09月21日

◆ぶざまな崩壊が続くアメリカ

Andy Chang

AC 論説No.861 
バイデンのアフガン総退却はアメリカの歴史始まって以来最悪の事態だと
思っていたら、アフガン総退
却から二週間もたたないうちにミリー統合本部議長(参謀長)が敵である
中国の李作成参謀長に電話し
てアメリカは戦争の意図がない、もしもトランプが暴走するなら事前に伝
えると約束した事件が起き
た。バイデン政権が発足して八ヶ月だけでアメリカの崩壊はアフガン退却
だけでなく、軍隊の参謀長が
敵に通報するといった米軍の崩壊が起きたのである。こんな軍隊は最低、
あり得ないことである。

バイデン政権は機能しない。世界で最強を誇っていた米軍の軍隊でも最高
司令官が通敵行為を行なっ
た。バイデンは国の総帥であるのに米軍の参謀長が敵に寝返った国家反逆
事件について「私はミリー将
軍を絶対信頼している」と宣ったのだ。バイデン政権の崩壊に続く軍隊組
織の崩壊である。アメリカ
の崩壊はどこまで続くのか。

これは既に全世界で報道された事件だが、事の起こりは来週に発刊するワ
シントンポストのBob
WoodwardとRichard Costa共著の「PERIL」という暴露本で暴いたミリー大
将の叛逆(反トランプ)
と中国への通敵事件である。WoodwardとCostaはこんなに重大な事件を
知っていながら一年近くも公
表しなかった。二人はアメリカの崩壊である大事件を隠して暴露本の売れ
行きを優先したのである。

この本によると、米軍のミリー参謀長官が去年の選挙の前の10月30日
に中国の参謀長である李作成
大将に電話して、「アメリカは中国を攻撃することはないが、万が一トラ
ンプが(選挙に負けて?)暴
走するようなことが起きたら私が事前に通知する」と伝えたのである。

二回目の電話はインチキ選挙に抗議した群衆が1月6日の国会議事堂に乱
入した事件の後、ミラー参謀
長がペロシ国会議長と電話会談を行い、ペロシがトランプは気狂いだから
何が起きるかわからないと
言ったら「全面的に賛成」と答え、その翌日8日に中国の李作成参謀長に
電話して「我々は落ち着いて
おり全ては順調だが民主主義は時に杜撰なことになる」と伝えたと言う。

トランプが中国を攻撃するかもしれないというのは根拠のないことでミ
リー個人の想像である。トラン
プの命令に従わないのは叛逆罪である。しかし敵国の参謀長に事前に知ら
せるのは国家反逆罪である。
ところがバイデンは記者に対して「私はミリー氏を絶対に信用する」と答
えたのである。
軍隊の上級司令官が敵に寝返っても大統領は彼を信頼できると言う。バイ
デンは正邪の判断ができな
い。反トランプならOK。反トランプは免罪符である。

CNNやMSNBCに登場した人物は皆トランプが悪い、トランプはキチガイだか
ら叛逆でも通敵でも当然
だと述べていた。ある人物は、トランプがミリー大将を統合参謀本部議長
に任命した。だから反逆はト
ランプの責任だと言った。民主党、サヨク、メディアはみんな腐っている。

ある人はこれはアメリカの文民統制の崩壊だと述べた。軍隊の参謀長が敵
国の参謀長に電話したのは政
治行動で軍人がやるべき事でないと言うのだが、そうではない。たとえ軍
隊の指揮系統が文民統制で
あっても「敵の軍隊」に戦争をするぞと通報する人がいたら軍人、公務
員、政治家でも国家叛逆罪であ
ることに違いはない。

ミラー参謀長の報道官であるDave Butler大佐は、「ミラー参謀長の二回
の電話は参謀長としても任務を
果たすためだった」と述べたが、この弁解は通用しない。トランプは大統
領であり国の総司令官であ
る。トランプの下に国務長官ポンペオ、国防部長エスパーがいて、ミラー
統合参謀本部議長はエスパーの
部下である。仮にトランプ暴走の可能性があったと自己判断しても上司で
あるエスパーとポンペオに報
告し相談すべきだった。トランプの暴走を止めるのは国内問題であって、
敵国の軍隊に通報するのは絶
対に反逆罪、弁解の余地はない。軍のトップが勝手に通敵行為を行ったら
この国の軍隊は戦争などでき
るはずがない。軍法会議にかけて絞首刑または銃殺刑にすべきである。

トランプが気狂いと思っているのは彼個人の意見である。個人の判断であ
る。独断で行なった通敵行為
は弁解の余地がない。ところがバイデン大統領はミラーの個人行動を信頼
すると述べ、ミラーの通敵行
為を裁くことをしない。トランプに反対だから自己判断で行なった通敵行
為が国家の正当な裁きを受け
ることがないなら、「ミラーだけでなく誰でも、トランプでもバイデンで
もクーデターを起こす」行為
が正当化される。国家の制度が壊れて無政府状態になる。ミラーの国家反
逆罪、それを裁こうとしない
バイデンのアメリカ合衆国はどこまで崩壊を続けるのか。

立場を変えて見れば良い。もしも中国の李作成参謀長官がアメリカのミ
ラー参謀長官に電話して「我々
は米国と戦争をするつもりはない、もし戦争になるなら事前に通報してあ
げます」と伝えたとしたら、
習近平は李作成を「絶対に信頼する」と言うだろうか。
ロシアのプーチン、英国のジョンソン、ドイツのメルケル、フランスのマ
クロンはアメリカの国家反逆事
件をどう思っているのだろうか。

  

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◆雀庵の「常在戦場/85 キリスト教 vs イスラム教/中」 
          “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/365(2021/9/19/日】踏切がカンカンと鳴り、遮
断機が下り始めたのに突破したチャリ男が「やったーっ!」と一瞬喜んだ
ら天網恢恢、お巡りさんにとっつかまった。5万円以下の罰金である(遮
断踏切立ち入り)。

嗚呼、彼の心情は如何であろう。一般的には反省する(二度と過ちは犯し
ません、心に占める比重20%)、不運を嘆く(今日は仏滅かなあ、運が悪
かった、30%)、再起三起を誓う(クソッ!油断してしまった、二度と捕
まらないように気を付けよう、今度は上手くやるぞ、50%)あたりか

このチャリ男は「不運を嘆く」感じが強そうだったが、仕事を休むわけに
はいかないから何とも複雑な面持ちだった。余り見ていると「あんた、何
か用かよ」、こちらに火の粉が飛びそうだからそこそこに現場を離れ
た・・・

小生は本質的には「再起三起を誓う、70%」あたりの「懲りない派」だ
な。「大体、電車が踏切を越えてから100m離れないと遮断機が開かない
というのがおかしい、さっさと開けろよ」なんて騒いだりして。随分嫌な
性格だが、現実には断酒歴4年で好々爺を演じるのがすっかり板についた
からそんなことにはならないが、男にはそういう“勇武、戦士、反逆、激
情、暴発”的DNAがあるのではないか

子育てには父親の「鳥の目」と母親の「虫の目」が大事だと教えてくれた
のはカトリックの方だった。育児のみならず物事を観察し方向性を判断す
るにも有効な言葉で、近年では「魚の目」、さらには「コウモリの目」も
加わったらしい。目の玉が8個、現代人は疲れるのだ。

鳥の目で全体を俯瞰する、虫の目で細部を見つめる、魚の目で潮の流れを
読む。さらにコウモリのように「逆さまにモノを見てごらん」という。

要は、様々な場所から見る、発想を変えて逆の立場で見る、視点の数を増
やしてごらん、ということだが、平素から余程考え込んでおかないと、イ
ザという時に立ち往生してドジることになったりするのだろう。

大体「論客」として名を馳せる人は常に取材や執筆・講演依頼に備えて
「テーマ」ごとにノート(今はPC)に自分の考え、主張を記録し、常に最
新情報を加えて更新(上書き保存)している。レシピが豊富かつ新鮮、そ
れでないと“過去の人”になってしまう。

外交評論家の草野徹氏は軍事関係者が読む「朝雲」に月に1回、寄稿して
いるが、防衛省か外務省の現役、在米の高官のようで、実に小生には勉強
になる論稿が多い。氏の「アフガン戦争 米軍撤退の“受益者”は」朝雲
2021/9/16から。

<アフガニスタンからの米軍の撤収完了を受けて「歴史上比類のない大成
功」(バイデン米大統領の国民向け演説、8/31)と自賛しても、リアリ
ティーはゼロ。退避作戦中の米兵13人が自爆テロの犠牲になった上、彼ら
の遺体を出迎える式典で最高司令官が「腕時計をしきりと気にしていた」
(遺族)のでは、なおさらの事だ。


外交政策決定の根幹は「国益」が基準だろうが、考えてみれば、米軍撤退
が正確にはどのように米国にとっての「益」になるのか。左右を問わず、
米軍撤退の提案・擁護者から説得力ある論を見聞きした覚えがない。

「20年(の戦争)はあまりに長い」というのはその通り。その変形とも言
える「際限のない戦争を終えなければ」が、最も一般的に聞かれる撤退推
進の論拠だが、いずれも情緒的な意見であって、筋の通った議論とは言え
ない。

今回の撤収では既に兵士13人が死亡した。アフガンで1日に米兵が死亡し
た人数としては、2014年6月以来、最も多い。アフガンで死亡した米兵士
の数を「年間」で調べると、15年22人、16年9人、17年14人、18年14人、
19年21人、20年11人――となる。

どう見ても、米兵士の犠牲が甚大だからアフガンを撤退するとの主張には
無理がある。半面、撤兵から得る益は何もないのに、被った打撃は計り知
れない。同盟国としての信望、強大な国家という評判など、米国の威信へ
のダメージは強調しすぎることはない。

米国は北大西洋条約機構(NATO)と何の協議もせず、事前通告もしなかっ
た。民主党は再三、トランプ前政権は同盟を傷付けたと批判したが、今回
NATOに与えた衝撃はその比ではない。第一、前政権が同じことをしたら、
同党と仲良しメディアが一緒になって、天と地が引っくり返るような大騒
ぎをしていただろう。


一方、慌ただしい撤退と引き続く混乱は米国の弱さ、脆さのメッセージを
世界に発信。中国、北朝鮮、イラン、ロシアや、イスラム系テロ組織に大
きな益を与えた。

西側は昨年、中国の圧政に直面した香港を見捨てた。台湾も有事の際の米
の支援は期待できない。対イラン関係修復の“願望”は相変わらず強く、米
国はイランの行動に関係なく、核協議再開に向けた交渉を進める方針でいる

ウォールストリートジャーナル(8/29)によれば、北朝鮮が寧辺の核施設
で原子炉を再稼働させた可能性が国際原子力機関(IAEA)の報告書で判
明。ロシアに対する宥和策もいつも通りだ。すべて、同盟国の支援には消
極的な西側、特にそのリーダー・米国の姿勢の証明。アフガンは単に、同
盟国放棄の最新例なのかもしれない。

「我々はより強く、より安全になる」(前掲の大統領演説)そうだが、そ
んなファンタジーとは逆の結果が遠からず出るだろう>

古森義久先生もバイデン・民主党の“ボケ”振りにウンザリしている。「バ
イデン大統領は腕時計を見ていた」Japan In-depth 2021/9/6から。

<バイデン大統領の支持率が急降下した。人気が就任以来、最低となった
ことを多数の世論調査が明示した。アフガニスタンからの米軍撤退の方法
が失敗だったとする非難が国内の多方面から浴びせられた結果だった。

だが、なかでも最も厳しいバイデン非難は、アフガンで戦死した米軍将兵
の遺体の帰還の式典の最中、彼が時間を気にして腕時計を何度もみていた
ことに対して浴びせられた


同時に、戦死した将兵の遺族たちとの会話でバイデンは自分の長男の病死
のことを何度も話して、遺族側からたしなめられた事実も広く報じられた。

戦死した海兵隊のカリーム・ニコウリ上等兵の母シェーナさんは、もっと
も激しくバイデンを非難した。彼女のフェイスブックでの発信は「私の息
子の遺体が他の12人とともに祖国に着陸したという厳粛な瞬間にバイデン
は5回以上も腕時計をみて、時間を気にしていた。

祖国のために命を犠牲にしたアメリカ人の若者の霊に最大限の弔意を表す
べきアメリカ大統領が他にもっと重要な用事があるかのように時間を気に
するとは、死者への冒涜だ」と、激しい言葉での糾弾だった>

認知症のようなバイデンが任期中に引退すれば、カマラ・ハリスが大統領
になるが、ハリスは移民問題などで味噌をつけ人気がいまいちだ。日刊サ
イゾー9/17によると、

<グアテマラから米国境に殺到する不法移民に向けて、「米国とメキシコ
の国境まで、危険な旅をしようと考えているこの地域の人々に、私ははっ
きりと言いたい。来ないで。来てはいけない。我々の国境に来れば、追い
返されるだろう」と呼びかけた。


グアテマラでの一連の失言から3カ月がたつ。その後、ハリスが失地回復
に何らかの具体的行動を取ったとの声も聞かれない。

世論調査データ収集サイト「リアル・クリア・ポリティクス/RCP」による
と、ハリスの支持率は41.2%で、不支持率が50.4%(引用した各世論調査は8
月7日から9月7日まで)となっている>

RCPの数字は主要メディアの調査の平均値で、9/17付けの数字ではバイデ
ン支持45.6%、不支持49.6%、ハリス支持41.4%、不支持49.8%。

世界がイスラム過激派、中共帝国主義、コロナの「3大禍」に見舞われて
いる現状では、米国に限らずリベラル≒アカモドキの自虐的、融和的、
「敵の善意を信じる」ような脳内お花畑的「私はいい人、みんな地球市
民、仲良くしましょう」的な政治ではとても危機を乗り切れないだろう。

小生は身近にコロナで死んだ人を知らない。幕末の江戸を中心に猛威を振
るったコロリ(コレラ)では将軍をはじめ7万3000人がバッタバッタと死
亡した。コロナで死んだのが全国累計で1万7000人(多くは高齢者)で、
全年齢で見ると致死率は0.1%〜4%。ちなみに季節性のインフルエンザの
致死率は0.1%程。

「1347年から1351年にかけてヨーロッパを襲った黒死病のパンデミックは
史上最悪の規模となり、ヨーロッパ人口の3分の1が命を落とした」とか。
医療がゼロの時代と今では比べようがないけれど、コロナが「大禍」なの
かなあとは思うが・・・

目の前の中共の脅威については小生は随分書いてきたが、イスラム教につ
いては勉強し始めたばかりであまり知らない。それはキリスト教との角逐
の歴史でもあり、「平和をもたらすはずの宗教が戦乱を招いている、どう
なっているんだ」ということで、ハッジ・アハマド・鈴木氏の「イスラー
ムの常識がわかる小事典」を元にインタビュー形式で学んでいこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・

――唯一神アッラーの代理人である預言者、つまり始祖のムハンマド(モハ
メット、570頃〜632)の死後からイスラーム教の分裂が始まった。タガが
緩んだようですね。

「ムハンマドは死の間際に後継者(カリフ)を指名し、4代目までまあま
あ上手くいった。2代目の時はペルシャ勢力、ローマ軍との戦争があった
が、降伏すればキリスト教にも寛大だった。しかし2代目はペルシャ人キ
リスト教徒に暗殺されてしまった。

3代目で版図は北アフリカまで広がったんだが、人種、言語、慣習の違い
目立ち、問題が増えてきた。融和政策で『不正蓄財以外はOK、儲けられる
者から儲けろ!』とやったんだが、やがて富裕層がのさばり、一方で貧し
い民衆の不満が溜まり、3代目は暴徒に暗殺された」

――中共はそれを真似ているような感じがしますが・・・それはともかくと
して、2代目がイスラーム教への転向を拒否したキリスト教徒に殺され
た・・・つまり両派は一神教ですからガチガチの「共に天を戴かず」、イ
スラーム教とキリスト教は永遠の敵になったようです。3代目は“富裕層は
喜捨、寄付して貧乏人に施せ”と、福祉政策を取り入れたそうですが、こ
れでは民は働く意欲を失い、国家も停滞しかねない。4代目も内政重視で
すか?

「4代目は始祖ムハンマドのいとこであり、かつムハンマドの娘の夫、血
筋がいい上に武勇に優れていた。即位で事態は沈静化すると期待されてい
たが、ただ、質素清貧、直情型で、政治的な配慮や手法に欠けていたよう
だ。

“先代の暗殺事件の責任追及が甘すぎる”など、部下には不満分子が多く、
657年にはシリア総督軍と内戦になり、シリアは事実上独立、失意の中で4
代目も暗殺されてしまった。

それでもムハンマド後の正統4カリフの時代はイスラーム帝国の「黄金時
代」だったが、その後は政治の中心がシリアになり、アラビア半島に戻る
ことはなかった。シリアではカリフの地位は世襲制に堕し、シーア派とい
う分派の成立も世襲制が深く影響している」

――東西のイスラーム勢力が対抗したり権力争いを始める。一枚岩ではなく
なった。

「この虚を突いてキリスト教徒の十字軍遠征が始まる。11世紀末から13世
紀末まで続いたが、彼らの「聖地奪還」というのは名目だけで、実際は軍
事侵略と収奪でしかない。我々はそれを宗教運動とは見ていない。

実際、1099年に聖地エルサレムを攻めた十字軍は組織的な軍隊ではなく、
無差別の虐殺、略奪の限りを尽くし、地中海沿岸は占領された。1148年の
第2回十字軍遠征に対してはアラブ・イスラーム側の準備が整い、迎え撃
つことができ、1187年にはエルサレムも奪回した。1190年の第3回十字軍
遠征では和平協定が結ばれた。

1204年の第4回十字軍はムスリム世界を攻撃せずに、東方キリスト教会の
コンスタンチノープルを攻撃して殺戮と強奪に終始した。

1218年の第5回十字軍のエジプト攻撃あたりから様子が変わってくる。エ
ジプトが勝ったのだが、1229年に聖地エルサレム割譲の密約を結んだの
だ。アラブ世界は大反発したが、当時は「タタール」と呼ぶモンゴルが東
からイスラム世界侵攻を開始しており、西からは十字軍の攻勢により、未
曽有の災厄に見舞われていたから、やむを得ない措置だったかもしれない」

――モンゴル帝国軍は1229年にはアフガニスタンやイランに到達している。
侵攻を退けた国は日本とエジプト王朝(スンナ派のマムルーク朝)だけ
だったそうですね。続きは次回にお願いします。
at 09:23 | Comment(0) | Andy Chang

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