2022年01月29日

◆雀庵の「開戦前夜/11対中戦で岸田首相は名を残せるか」


“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/422(2022/1/25/火】2月4日から20日まで北京冬
季五輪である。中国の春節(旧正月)は1月31日(月)から2月6日(日)
まで7連休だが、これを挟んで40日間ほどは“冬休み”シーズンになる。日
本の夏休みもお盆を中心に7月20日あたりから8月末までは夏休みになるか
ら、「農閑期はお休み」というのが北半球の伝統かも知れない。

昨年の東京五輪はコロナ禍で生の観戦は随分縮小されたが、北京冬季五輪
も同じように無観客が予想され、先進国のボイコット運動もあり、いまい
ち盛り上がりに欠けている。一番残念に思っているのは国威発揚を狙って
いる習近平一派かもしれない。ブログ「やまとごころ」2022/1/20「中国
春節スタート、2022年は若年層の近場旅行に注目 オミクロン拡大と北京
五輪で厳しい外出制限」から。

<2021年12月中旬に国家衛生健康委員会(NHC)は2022年元旦、春節期間
の厳しい移動制限方針を発表しました。感染状況に応じて各地域のリスク
を低・中・高に分類。中・高リスク地域では期間中の住民の移動を原則禁
止とし、やむを得ず外出する場合は48時間以内のPCR検査の陰性証明提示
を義務付けています。

感染拡大中の3都市は既にロックダウンし、低リスク地域でも不要不急の
外出自粛が求められ、五輪開催地の北京や周辺地区では、市外から来る人
に対して海外からの入国者並みの厳格な措置を講じています。

外出自粛ムードが強まる中、鉄道切符の販売は2021年に比べて好調です。
中国では春節期間の帰省ラッシュに伴う輸送ピークを「春運」と呼び、
2022年の春運は1月17日〜2月25日までの40日間です。既に春節休暇に向け
た鉄道関連のチケットは1月3日に販売がスタート。中国国家鉄路集団有限
公司は、2022年のこの期間中の鉄道利用者は前年比28.5%増、のべ2億
8000万人に達すると見込んでいます。また、上海市交通委員会からは、春
運期間の高速道路の総交通量が前年比4.5%増の4650万台になるとの予測
が発表されています>

コロナ禍は2019年12月、中国武漢で最初の患者が確認されたものの、習近
平・中共は“我が世の春”を謳歌していた2020年の春節では規制せずに、の
べ30億人が内外を移動して世界中に菌を拡散したが、2022年の春節の市場
規模は2020年比で10分の1になってしまいそう。汚名挽回のためだろう、
習近平・中共は世界でも厳しいコロナ対策を人民に強いているが、ロック
ダウンされた地域の人々は収容所暮らしのような辛い思いをしているようだ。

<安陽市当局は(2022年)1月10日夜から、約550万人の全市民を対象に外
出禁止令を出し、一般の車が市内を通行することを禁じた。西安市もロッ
クダウンに入り半月以上が過ぎた。天津では市内の一部地域で部分的な封
鎖措置がとられ、12日には約1400万人の全市民を対象としたPCR検査の2巡
目が始まった・・・

注視されるのは習近平政権の威信をかけた五輪への影響だ。北京冬季五輪
組織委員会は11日のオンライン記者会見で、オミクロン株の流行について
「注視している」と述べた。中国在住者のみに限る観戦チケットは販売方
法も公表されておらず、招待客に絞るといった感染対策の強化を検討して
いるとみられる>(産経2022/1/12)

コロナ禍の先は見えないが、最近の欧米では「もうウンザリ、コロナ接種
なんて嫌だ、俺は自由に生きたいんだ!」と気勢を上げたり、米国ではこ
れ幸いと乱暴狼藉を働くワル、火事場泥棒が増えているようだ。日本人は
昔からマスク着用に抵抗感はほとんどないから、国が「マスクを!」と指
示すればすぐに従う。古代から狩猟採集と農林水産業で「村の掟に従う
(従わなければ村八分)」というルールが身についているから「マスクや
外食制限」くらいでは大騒ぎはしない。

そういう順法精神もあって日本のコロナ禍被害は最小で済んでいる。厚労
省はこう説明している。<新型コロナウイルス感染症と診断された人のう
ち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢
者は高く、若者は低い傾向にあります。重症化する割合や死亡する割合は
以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、重
症化する人の割合は約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で
8.5%)、死亡する人の割合は約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上
で5.7%)となっています>

高齢のヂヂババは死亡リスクがあるが、現役世代はまず死なない、という
こと。冷静に、良識をもって世界を見渡せば、今の最大の危機は「戦争で
世界秩序を変えたい」という、まるで国際火事場泥棒の“戦狼”中共と“戦
熊”ロシアである。共に共産主義独裁国家という史上最強のダーティペア
であり、小生は「第3次世界大戦前夜」と危機感を募らせているが、普通
の日本人というか市井の人々は「外交、戦争、安全保障」にほとんど関心
がないようである。

夏彦翁は「それは健康である、健康とは嫌なものである」と説いたが、確
かに健康な人は2、3年先の生活、暮らしのことは考えても、「今にも戦争
が始まるかも」とは考えない。1000年に一度の大地震による巨大津波で原
発が爆発する・・・なんて誰も危機意識を持っていなかったのと同じだ。
学ばざれば昏し、である。

古森義久先生「窮地に陥るバイデン外交」Japan In-depth2022/1/21から
(敬称略)。

<アメリカでは1月20日はバイデン大統領の就任1年の記念日となった。だ
がこの「記念」は明るさをまったくもたらさず、首都ワシントンではバイ
デン政権の抱えた内憂外患に暗い空気が広がる一方となった。


まずバイデンの外交面での現状をみよう。ワシントンではバイデンの対外
姿勢の根幹への批判が広まってきた。アメリカ主導の国際秩序を崩そうと
する中国やロシアという抗米勢力が軍事力を背景に膨張の姿勢を強めるの
に対してバイデン政権は抑止の政策があまりに不十分だ、とする批判である。

確かにロシアはウクライナへの軍事侵攻の構えをみせる。プーチン大統領
は米欧に反発する独裁国家カザフスタンへの支援に自国の軍隊を投入し
た。アメリカや西欧諸国の横っ面を叩くようなロシアの軍事攻勢だった。
カザフスタンの独裁政権の理不尽な弾圧の数々は民主主義の欧米諸国から
嫌悪されてきた。だがロシアはその嫌悪される独裁政権を守るために自国
の軍隊までをも投入したのだった。

中国もアメリカとの対決姿勢を強める。習近平主席は台湾の武力併合への
意図をより露わにしてきた。尖閣諸島の日本領海への武装艦艇の侵入も増
してきた。

そのロシアと中国が軍事協力を強める。2021年10月の日本海での両国艦隊
の合同演習は日本にも衝撃を与えた。合計10隻の中ロ合同艦隊が津軽海峡
を通り、日本列島を一周したのだ。

ロシアは日本の北方領土を不法占拠する。中国は日本固有の領土の尖閣諸
島を軍事力で奪取しようとする。日本にとってのそんな二大敵性国家が軍
事面で手を結び、その軍事力そのものを日本周辺の海域で誇示したのだ。

そのうえにアメリカへの抵抗勢力としてはイランと北朝鮮も健在である。
両国とも軍事力を誇示して米国への敵意の言辞を高める。とくに北朝鮮は
アメリカが最も忌避する核兵器と長距離弾道ミサイルの開発を急ぐ構えを
明示し始めた。

こうした国際情勢は戦争の可能性も含めてワシントンに近年にない危機感
を生んでいるといえる。この危機の原因をバイデンの対外姿勢に帰する指
摘の典型は国際安全保障専門家でハドソン研究所特別研究員のウォル
ター・ラッセル・ミード氏が1月12日に発表した論文だった。

ウォールストリート・ジャーナルに載った同論文は「敵性勢力はいかにバ
イデン外交政策をみきわめているか」と題され、ロシアと中国がバイデン
の対外政策の軟弱さと矛盾をみて、軍事攻勢を強めても強固な反発はない
と判断しているのだ、という趣旨だった。

確かにバイデンはプーチンとの会談でもロシアがウクライナに軍事侵攻し
ても米側の対応は経済制裁に留まると言明していた。ウクライナへの軍事
支援も一方的には実施しないという自主規制を示した。

バイデンは就任1周年を直前にした1月19日の記者会見では「ロシアがウク
ライナに軍事侵攻する兆しがさらに強くなったが、もしロシアがそうすれ
ばアメリカ側はロシアにとって重要な銀行口座を凍結する」と述べた。軍
事侵攻への抑止や反発が銀行口座の凍結だというのだ。おどろくべき弱腰
だといえよう

中国に対してもバイデン大統領は「競合」とともに「協調」をうたう。
「衝突は求めない」と当初から軍事抑止の自粛を示す。ミード氏はバイデ
ンの対外姿勢の基本に対して「人権と民主主義、そして同盟諸国との連帯
という標語、さらに実効の少ない経済制裁を唱えるだけでは中国やロシア
の軍事攻勢を抑えられない」と批判するのだ

同様の指摘は地政学者で「外交政策調査研究所」研究員のロバート・カプ
ラン氏も1月中旬に発表した論文で主張した。「いま修正帝国主義を目指
す中国とロシアの膨張阻止には軍事的な抑止が必要となる」というのだ。
両国とも戦争自体を求めるわけではないから、軍事力依存へのコストがあ
まりに高くつくという展望がわかれば軍事膨張を抑制する、との主張だった。

バイデンの軍事忌避へのこうした批判は超党派となり、民主党支持のワシ
ントン・ポストまでが「アメリカはウクライナと国際法を強固に守れ」と
いう社説を掲げた。軍事抑止の選択肢を除外するな、という主張だった。

アメリカ議会でもこの種の主張は超党派の広がりをみせ、バイデンも在任
の2年目、対外戦略の基本修正を迫られる見通しも生まれてきた。バイデ
ンは外交面ではまさに窮地に陥ったのである>

古森先生のこの論稿は同じくJapan In-depthの2022/1/19に掲載された澁
谷司・アジア太平洋交流学会会長の「戦争準備から国内安定へと舵を切っ
た中国」への反論でもあるようだ。

澁谷氏は「習近平政権が戦争も辞さない“戦狼外交”から国内安定重視に方
針転換か」「習近平派と反習派が鋭く対峙、秋の党大会まで不安定な政治
状況続く」「習派は軍を味方に党大会乗り切りを図る、しばらく“衰狼外
交”(死んだふり外交)が続く可能性」と書いていた。澁谷氏は共産主義
をあまりご存じではないようだが・・・

共産主義は一党独裁であり、それでは見栄えが悪いから「民主独裁」「民
主集中制」「党内民主主義」とか言っているが、党のトップが決めたこと
に異議を唱えることは許されない。トウ小平は3回失脚し、3回復活した
“奇跡の人”だが、「反対派を絶対許さない」のは共産主義の原点である。
習近平は毛沢東の文革時代の個人独裁政治を理想として、さらに毛沢東が
できなかった富国強兵で世界制覇を目指すという己の“戦狼外交”妄想をひ
たすら追求する――中共ウオッチャーはこれくらいの認識を持ったいた方が
いい。

屋山太郎先生(日本戦略研究フォーラム会長)の「中国マネーに操られる
各国の要人たち 日米英豪・・・」(2022/令和4年1月19日付静岡新聞
『論壇』初出)から。

<英国家保安部(MI5)は中国共産党とつながりのある中国系女性が、英
議員への献金を通じて政治干渉を行っている、と警告した。BBC(1月14日
付)によると、ロンドンに事務所を持つクリスティン・リー氏が、英政界
との関係を深めていた。その動きは中国共産党の中央統一戦線工作部に同
調するもので、献金の資金は中国や香港から提供されていた。

政界にカネを送って、自国を有利に扱ってもらおうという趣旨の外国献金
は意外に多い。2017年12月、ターンブル豪首相は政界への「外国からの政
治献金を禁止する」と発表した。これに先駆けてオーストラリアでは、在
豪中国人の実業家5人が、サム・ダスティリア上院議員に献金して政治工
作をしていることが発覚した。こうした献金に対する罰則がなかったた
め、同幹部は刑事責任を追及されなかったが、世論の厳しさを背景に政界
からは永久追放となった。

当時、中国が南シナ海の領有を宣言したことについて、豪政府は強い反対
を表明したが、ダスティリア氏は院内で「問題ない」との見解を表明して
いた。同領海問題については、国際司法裁判所も中国の主張には「根拠が
ない」と判定していた。

バイデン氏が大統領に選出された時も、氏のかねてからの中国寄りの姿勢
に強い懸念が示されていた。バイデン氏はオバマ大統領の時代には副大統
領を務め、この2人が中国と対立するより利益を得ようと、疑われるよう
な行動を取っていった。バイデン副大統領の息子、ハンター・バイデン氏
が設立したコンサルタント会社のソーントン・グループの顧客には中国共
産党や中国政府が含まれる。支払われた対価を父親のバイデン氏は無視で
きないだろう。

習近平氏が次期総書記になることが内定してから、バイデン副大統領は習
氏に急接近し、2011年の年初から1年半の間に習・バイデン両氏は8回も会
議や会食を行った。その際、財閥の「万向グループ」を紹介されたが、同
社は米国のリチウムイオン電池の開発を行う米企業「A123システムズ」社
を無理筋で買収した。子息の中国経済界への食い込み様は只事ではないと
いう。

日本の領土である尖閣諸島の上空に中国が防空識別圏を設定した時、日本
が期待した日米両国で共同声明を出す案にバイデン氏は同意しなかった。
その時、さる外交筋はバイデン氏を動かす背景の大きさを感じたという。

河野太郎氏は総理・総裁の最短距離に立つ人物と言われているが、中国に
相当の資産を築いている。父親の河野洋平氏は1995年3月、外務大臣時代
に自ら経営に携わる電子部品製造企業の北京事業所を開設。同年12月に合
弁会社「北京日端電子有限公司」を設立し、翌年に香港、07年に蘇州、12
年に昆山に進出。17年にも広州に子会社を設立している。

河野氏は原発をやめて太陽光、風力だけにしたいようだが、この旗を振る
と、自分の同族会社が儲かるという仕組みだ。総裁を狙うなら、この利害
関係を清算してからにして貰いたい>

小生は他に選択肢がないから選挙では自民党を支持しているが、河野洋
平、宮澤喜一、加藤紘一、古賀誠だけは「売国奴めっ!」と激しく嫌悪し
ていた。調べてみたら、この売国四羽烏は宏池会(自民党派閥、こうちか
い、小生はヒロイケカイと思っていた)で、現在の通称は岸田派。「宏池
会は池田勇人が佐藤栄作と袂を分かって旗揚げしたのが始まりで、通称の
変遷としては、池田派→ 前尾派→ 大平派→ 鈴木派→ 宮澤派→ 加藤派→ 堀内
派→ 古賀派→ 岸田派」(WIKI)。

河野洋平(江の傭兵、江沢民のポチの意)は宏池会を離脱したが、息子の
河野太郎は余りにも尊大、横柄、傲慢不遜、軽佻浮薄で知性のカケラもな
いよう、さすがに洋平の息子だ。太郎は志公会(麻生派)に所属している
が、幹部からは信用されていないようだ


<2021年自民党総裁選挙では、麻生派所属の河野太郎が立候補する意向を
示し、麻生の容認を得たうえで9月10日に出馬表明した。しかし、派内に
は麻生や甘利明など、ベテラン議員を中心に岸田文雄を支持する声もあっ
たため、派としては支持の一本化を行わず、河野と岸田の両名を支持する
方針をとった。9月29日、河野は決選投票の末に岸田に敗れた>(WIKI)

岸田首相は宏池会=岸田派の大将だが、宏池会は代々パンダハガーのよう
である。これで今の日本の最大の敵、中共と戦えるのか? 「政界屈指の
『親中派』である林芳正外相の起用」(zakzak 1/15)を小生も怪しんで
いるが、ヒトラー・ナチスに迎合して欧州・英国に危機を招いたチェンバ
レン英首相に似ているような嫌な予感がする

一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ 以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ・・・君
子豹変するか、それとも小人は面(つら)を改めるのみか。有事の宰相は
哲学がないと務まらない。米中露、すべて私利私欲のような宰相だが、岸
田首相は大丈夫か?

岸田首相はワルのFDRルーズベルトをも手玉に取ったチャーチルを学ぶと
いい。曰く「凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に
流されている時ではない」「金を失うのは小さく、名誉を失うのは大き
い。しかし、勇気を失うことはすべてを失う」。当面の最大の敵は中共で
ある。岸田首相は救国の名宰相として歴史に名を刻め!

         


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◆中国軍上層部が認めた、
小川和久

台湾武力統一は「失敗のリスク大」という事実

これまでも「中国が台湾本島を封鎖し兵糧攻め?そんな作戦は不可能と断
言できる訳」等の記事で、中国による台湾軍事制圧の可能性について冷静
な議論を訴えてきた、軍事アナリストの小川和久さん。しかし国内メディ
アは何かにとり憑かれたように、台湾有事論を伝え続けています。今回小
川さんは自身が主宰するメルマガ『NEWSを疑え!』で、そんな現状に対し
て抱かざるを得ない懸念を記すとともに、「戦わずして勝つ」の実践でも
ある中国の「三戦」への正しい対応を呼びかけています。


「三戦」の掌で踊らされていないか
昨年の後半から、台湾有事についてリアリティの伴った議論をしないと、
有効な戦略を構築するうえで「目が曇る」と指摘してきました。


台湾全土を武力制圧して「統一」を実現するには、第2次世界大戦のノル
マンディー上陸作戦に匹敵する着上陸を成立させるための条件が必要であ
ることを客観的なデータで明らかにし、今号のストラテジック・アイでも
再び整理させていただきました。

なにしろ、100万人規模の兵力を輸送する船舶が中国にはない、台湾の海
岸線の10%しか上陸に適した場所がない、台湾海峡上空での航空優勢をと
る航空戦力がない、台湾を海上封鎖しようにも日米の海軍力に阻まれると
いうのですから、作戦が成立しないことは誰の目にも明らかです。

実を言えば、中国人民解放軍の上層部も私との突っ込んだ議論のなかで、
作戦を強行すれば失敗するリスクが大きいことを率直に認めています。

中国が台湾にハイブリッド戦を仕掛けるのは、そうした強行策が成り立た
ないことを自覚しているからでもあります。

そんなことは、例えば自衛隊のOBであればわかっていそうなものですが、
実はそうではない。海上輸送の計算式などは、陸上自衛隊でしか教えてい
ないからです。

そういうなかで、右往左往の台湾有事論がマスコミに登場するのですか
ら、まさしく中国の「三戦」の術中に陥っている、中国の掌で踊らされて
いると言わざるを得ません。

三戦とは、中国の主張を世界に声高に発信し、同時に中国の国際的イメー
ジを良くすることにも腐心する輿論戦、国際法を研究し、国際法を活用す
るために国内法を整備する法律戦、空母や対艦弾道ミサイル、極超音速滑
空体など強面のする兵器を次々に登場させ、周辺諸国を威嚇し、心理的に
揺さぶる心理戦のことで、別名「砲煙の上がらない戦争」と呼ばれています。

この中国の考え方の根底にあるのは古代中国の戦略の書『孫子』の「戦わ
ずして勝つ」で、三戦は2003年から人民解放軍政治工作条例に加えられま
した。

日本でも三戦のことを語る人は少なくないのですが、現在進行形で議論さ
れている台湾有事や海洋進出を三戦に照らして眺める作業は遅れたままです。

いま一度、中国の三戦の進み具合を研究し、それに日本が踊らされていな
いか、基本に立ち返って考えてみたいものです。(小川和久)

      

            
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◆中国雇用戦線の実態

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月26日(水曜日)
     通巻7198号 
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中国雇用戦線の実態:新卒の就職浪人は1000万人を超えた
2022年は1074万人の新卒、「大学は出たけれど」事態は深刻
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 大学は出たけれど。。。。
 希望の職場がない。仕方なく大学院へ行く、外国へ留学する、腰掛けで
アルバイトしながら転職先を探す。フリーターだけれど看板は「起業
家」。それでも一千万人が「就職」できず浪人をしている。
 実態は二千万人近いのではないか。と言うのも、学習塾、予備校、家庭
教師が禁止されゲーム産業も規制強化のため、溢れた若者だけでも一千万
人とされるからだ。

 中国の大学新卒者は2020年に874万人。翌年に907万人。そし
て2022年は、新卒予定が1074万人と推計される。
 大学は出てけれど。。。。月給が3000元から4000元。どうやっ
て食べていけるのか。「子供三人OK」と言われても、結婚のメドも立た
ないのになぁ。
これまで人気の職場はIT管理、メディアなどであったが、求職が多い先
は不動産販売、エンジニア、教育現場など。。。「働きたくない職場」と
評判が悪い分野ばかり。

 公務員には212万人が受験した。競争率たるや、なんと68倍。
楽をして、さぼっても給料の遅配がないし、減給も当面ないだろう。ト甘
い考えで公務員になったら黒竜江省、吉林省、遼寧省では給与四割カッ
ト、人員削減。市の財政破綻、デフォルトと来た。IT企業でも人員削減
は30%、35歳以上は肩たたきが始まった。

 北京人民大学「雇用調査研究所」(CIER)の直近の調査で、有効求
人倍率は0・88と出た。つまり単純計算で12%が雇用戦線に置いて行
かれる。
 中国経済の深刻な不況はとうに始まっているのである。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)貴誌前号。「もしヒトラーが1937年に、権力を握ってから
4年目に死んでいたら、間違いなくドイツ史における偉大な人物の一人と
して語り継がれていただろう。ヨーロッパ中に何百万人もの崇拝者がいた
のだから」。「新自由主義」の正反対の政策です。ヒトラーに対する英米
のプロパガンダを抜きにして当時の政策を見直してもいい頃だと思いま
す。との、(PB生、千葉)様は昨日の投稿。
 このような、社会主義的、統制経済による、一時的な「経済活性化」は
強い政府が頻繁に使う便利な手段であり、米国も1930年代に、日本も1980
年以来、財政緩和、異次元介入、ゼロ金利、通貨乱発、MMTなどの自由資
本主義法則を無視した幼児的な楽な便利なふしだらな政策をとる。
ヒットラー氏もそんな手を使い、強烈なハイパー・インフレというツケを
国民が払う事になった。これから、国も日本も、欧州も中共も、みんな
ヒットラー氏の真似をした罪で、「国民が罰せられる」事になっていると
思う。
当時のドイツの経済は極めて素晴らしく、ちょうど今の米国の状態に等し
く、誰も恐ろしい恐慌が始まるとは予想していなかった。(在米のKM生)


  ♪
(読者の声2)古代史に関心があり以前から高志(古志、越)に興味があ
りました。満を持して「葬られた古代王朝 高志国と継体天皇の謎」を拝
読しました。高志の存在と同じく糸魚川の翡翠がつい近年まで1200年も忘
れ去られていた事に驚きました。
物部氏はこちら遠賀川流域が本貫と考えているのですが物部守屋滅亡後氏
族の一部が北陸に行った事は初めて知りました。
「ニギハヤヒが越後を代表する神社の祭神だというのは驚き以外のなにも
のでもない」という一文に私も驚愕いたしました。
 さて、博多山笠で有名な櫛田神社の主祭神は大幡主大神です。この祭神
は垂仁天皇の御代、高志の国平定を成した大若子命(伊勢神宮初代神主と
も言われる)だそうです。櫛田神社の元宮と言われるのが佐賀県神埼市の
櫛田宮。吉野ヶ里のすぐ近くにあります。こ
こで代々神職を勤められているのが大伴安麻呂以来連綿と続く執行家で
す。執行草舟さんのご一族と思われます。宮崎さんは高志の人。ここでお
二人が繋がった!と思いきや櫛田宮の祭神は大幡主ではありません。落胆
していましたら何と近くに高志宮(たかしぐうとお読みします)があるでは
ありませんか。北の白角折(おしとり)神社と南の高志宮と併せて三社一体
なのが櫛田宮との事です。なお櫛田宮、高志宮、白角折神社の祭神は櫛稲
田姫命、須佐之男命、日本武命となっています。またお隣の佐賀市内には
県立高志館(こしかん)高校があります。
 高志と北部九州のつながりがチラとですが見えてきました。九州もまた
葬られた王朝の地であります。
謎だらけですがこれからも日本の古代史探索続けていこうと思っていま
す。(YK生、福岡)


(宮崎正弘のコメント)佐賀県に高志館高校があると言うのは驚きです。
ただ、1994年に旧名改称の由ですので物部との縁は不明ですね

  ♪
(読者の声3)貴誌通巻7196号(読者の声1)の拙文で、「男山山頂に
は、源頼朝の父の源義朝が元服した石清水八幡宮がある」という箇所は、
正しくは「源頼朝の先祖の源義家が元服した石清水八幡宮」で、「木津川
を下ると、木津経由に奈良盆地へのアクセスは容易である」は「木津川を
上ると」の間違い。
同号で(第五十五代)文徳天皇の第一子の惟喬親王が皇位に就けず失意の
中で禁野で鷹狩りに明け暮れ日没を惜み、「日を止め置かせ給え」と祈願
して交野ヶ原(ここでは現枚方市)に日置天神社を建立と書いた。惟喬親
王の母は紀名虎(きのなとら)の娘の静子で、祖父は中納言紀勝長(きの
かつなが)。紀氏(きうじ)は武内宿禰の子孫の名門だが、当時は権勢を
振るう藤原良房の前に霞む。
https://kotobank.jp/word/%E6%83%9F%E5%96%AC%E8%A6%AA%E7%8E%8B-66925
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%87%8E%E3%83%B6%E5%8E%9F

 惟喬親王に仕えた在原業平(ありわらのなりひら)も似た境遇である。
業平は、(第五十代)桓武天皇の第一子の、(第五十一代)平城天皇の第
一皇子で
ある阿保親王が父である。母も桓武天皇の皇女で、平城天皇の異母妹の伊
都内親王である。高貴の身だが「薬子の変」で平城上皇が、同じく桓武天
皇の皇子で、弟の(第五十二代)嵯峨天皇に敗れた為に、皇位系統から外
れる。業平はプレイボーイで、『伊勢物語』は業平が自身をモデルに書い
たと言われる。業平の妻は、紀氏出身で惟喬親王の母親の姪に当たる事か
ら、親王と業平の二人は主従関係を越え気が合ったのだろう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E5%8E%9F%E6%A5%AD%E5%B9%B3
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%A4%89

 惟喬親王らは、交野ヶ原遊猟に用いた皇族別荘の「渚の院(現枚方
市)」を度々訪れ和歌会を行う。そこで業平は、「世の中にたえて桜のな
かりせば春の心はのどけからまし(意味:この世の中に、全く桜というも
のがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょ
う)」という有名な歌を詠んだ。これは業平が、惟喬親王の世を拗ねる心
を忖度したものだろうか。
https://manapedia.jp/text/2086
 渚の院に付いては、後に紀貫之(きのつらゆき)が『土佐日記』で淀川
から見た記述を残している。紀貫之の曽祖父の紀興道(きのおきみち)
は、惟喬親王の母方祖父の紀名虎の兄に当たる。平安の世は斯様に雅で気
怠かった。その後、惟喬親王の異母弟の(第五十六代)清和天皇から源氏
や足利氏が生まれる。時間空間を交野ヶ原から男山に飛ばすと、頼朝の先
祖の源義家が石清水八幡宮で元服して八幡太郎と呼ばれている。
https://manapedia.jp/text/2889
 さて今頃、正月話など「御屠蘇気分」と思われるが(笑)、大河ドラマ
『鎌倉殿の十三人』に託け、おらは正月二日鎌倉に行った。「武士の都」
鎌倉は、「古都」京都とも近現代都市東京とも何か違う感じがする。
元々源頼義が、前九年の役の戦勝祈願した京都の石清水八幡宮を、鎌倉の
由比若宮に勧請して、八幡太郎義家が修復したものが鎌倉元八幡だが、そ
れを頼朝は現在の鶴岡八幡宮の場所に移す。
https://kamakura-guide.jp/motohachiman

 鎌倉時代は主に武士の間に禅宗が流行った時代である。それで臨済宗の
「鎌倉五山」を踏破する事にする。東京から小田急で藤沢まで行き、JRに
乗り換え、北鎌倉まで行く(因みに、おばけのQ太郎の「おばQ」は、藤子
不二雄が小田急の語呂から思い付いた。おらは「どらQ」だが、別に怪し
い者ではない、笑)。北鎌倉駅では駅員が居らず、切符を持ったまま出
た。万引きでもした気分である(笑)。ここが日本の政治軍事の中心だっ
たとは到底信じられない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8E%8C%E5%80%89%E4%BA%94%E5%B1%B1
 駅を出ると、すぐに(鎌倉五山の序列第二位で)臨済宗円覚寺派大本山
の円覚寺の総門がある。
北条時宗開基らしいが、敷地が広大で詳しく観て廻ると、三時間経ち後の
予定が危うくなる。歩き疲れ、ぼおおおっとすると、尻尾の長いリスが何
匹もがぴょんぴょんと表れる。「あああ、神仏の使いか!」と想い、是非
を売店の女性に尋ねると、「ただの害獣ですが」と言われ、へこむ
(笑)。調べたら、外来種の台湾リスらしい。門を出て南下すると、次に
(鎌倉五山で序列第四位の)同じ円覚寺派の浄智寺に着くが、特に変哲も
なく型通り賽銭を入れて拝礼して直ぐに出る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E8%A6%9A%E5%AF%BA
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%84%E6%99%BA%E5%AF%BA
 
 その次に(鎌倉五山序列第一位で)臨済宗建長寺派の大本山の建長寺に
着く。流石に敷地も大きく建物も立派である。とは言え、円覚寺ほどイン
パクトは無い。しかし、門などの敷居の木がやたら大きく高いのが気にな
る。何か「禅問答」の様な気分だが、敷居が高いのは好きになれぬ。お寺
は午後四時、神社は五時に閉門なので、先を急ぐ。いよいよ鶴岡八幡宮に
着くが、大勢が行列。人の少ない三つの禅寺とは対照的である。待つのは
時間の浪費(と言うか、おらはエスカレーターでも歩く性質)なので、先
を急ぐ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E9%95%B7%E5%AF%BA
 今度の地点は、距離があり時間も無いので、「禁を破り」バスに乗る。
正月参拝時期に鶴岡八幡宮付近は交通規制が敷かれ、迂回する路線のバス
停を漸く
探し、京急バスに乗る(流石におらの村のバスとは一味違う、笑)。第四
番目は、(鎌倉五山序列第五位で)臨済宗建長寺派の浄妙寺の筈なのだ
が、着いたバス停は「浄明寺」とあり、字が一つ違う。これも禅問答なの
か。一抹の不安が過るが、直ぐ浄妙寺の入口案内が在る。「明」でなく
「妙」な気分である。昼時をとうに過ぎ、疲れと渇きと空腹を感じる。境
内を本殿に向け進むと、右手に複数の若い女性達が見えた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%84%E5%A6%99%E5%AF%BA_(%E9%8E%8C%E5%80%89%E5%B8%82)
 どうやら外国人らしい、おそらく複数の国の留学生。何と、罰当たりな
事に本殿の縁側に座りスマホで自撮りしている。おらは本殿参拝前に、ケ
シカランと
眉間にしわを寄せてみる。外国人女性達は殺気を感じたか(笑)、そそく
さと退散する。うむ。で、参拝後にその場所を見ると、古いタイプの大き
な湯沸かしポットが二つと大量の紙コップが置いており、そこに「御自由
にお茶をお飲みください」と貼り紙がある。若い外国人女性達は、留学先
の日本で仲間達と禅寺を訪れ、お茶と談笑を楽しんでいたのだ。「ああ
あ、悪い事した」と思い、おらもお茶を入れてみる。熱いほうじ茶であ
る。疲れと渇きと空腹に沁みる。
実は茶飲の普及と禅宗は深いつながりがある。茶飲は元々禅の修行の眠気
覚ましであった。
https://shop.senchado.jp/blogs/ocha/20210608_256

 これは「一本取られた」と縁側に座り、ほうじ茶を三杯もお代わりして
啜る(笑)。シナや日本で茶飲の普及が禅宗と関係有るのと同様に、中近
東ではコー
ヒーの習慣はアラビア半島イエメンのイスラム神秘主義スフィーズムの僧
が修行の眠気覚ましに飲んだのが始まりらしい。故西部邁氏によると、保
守思想の根幹にある倫理は、「おのれの中の卑しさをしっかりと認識する
事」だそうだ。おらも留学生達を無暗に邪険にする、おのれの卑しさを
しっかり認識させられる。そして、鎌倉五山の中で序列最下位の浄妙寺が
一番気に入る。(想定外に文が長くなったので、また続き)。
https://coffeemecca.jp/column/trivia/9287
   (道楽Q)


(宮崎正弘のコメント)石清水は荘厳なお社、二十年ほど前に講演によば
れて伺いましたが、神々しい雰囲気がありました。業平は芥川賞作家の高
樹のぶ子も小説(『小説伊勢物語 業平』)にして居ますが、未読。鎌倉
のご案内、有り難う御座いました。小生の恩師・林房雄のお墓があるの
で、鎌倉にはよく行っております。

2022年01月27日

◆雀庵の開戦前夜/10危機意識をもって中露の野望に備えよ

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/421(2022/1/23/日】「体力の衰え、感じません
か? そんなあなたに回春製薬の“パワーアゲイン”。通常価格4000円、今
ならお試し価格400円! あの素晴らしい愛をもう一度・・・」

産経にはこんなヂヂババ向けの広告が多いが、ここ1週間ほど体力の低下
を痛切に感じる。記事を書くのが連続2時間でパワーダウン、ぐったりし
て、「ああ、先輩たちもそんな思いをして筆を措くようになったんだな
あ」と納得する。元旦の夜から風邪を引いたが、3週間たってもちょっと
油断するとクシャミや悪寒、鼻水が出たりする。嫌なものだ。「無理はで
きない」と思う一方で「あれも書きたい、これも書きたい」と邪心、未練
は募るばかり。煩悩の犬は追えども去らず、解脱の道はなお遠し・・・未
練とはこのことか。

2500年前、80歳で亡くなったお釈迦さまの最後の言葉は「私は29歳で人の
道、善を求めて出家して50年余となった。その間、道の人(求道者)たら
んと努め、正理と法(良き生き方)に従った暮らしをしてきた。修行者た
ちよ、この世に常なるものはない、すべては過ぎ去る、だからこそ理(こ
とわり)を悟り、怠ることなく修行に努めなさい」。

この世は諸行無常なれど、親しい人々に囲まれて穏やかに人生を終えられ
たら良し、と教えているよう。小林一茶は「裸にて 生まれてきたに 何不
足」と詠んだ。そう言えば小生の座右の銘は「欲少なく足るを知る、足る
を知りて分に安んずる(知足安分)」だった。このところ忘れていたが、
これも仏教だ。

いい教えは何千年たっても語り継がれるが、それをしみじみ悟るのは晩年
になってからというのは皮肉だ。確かにいい若い者が「私のモットーは清
貧、静かに暮らせれば御の字です」とか言って5時になったら「お先に失
礼します」なんてことをすれば、チームワークを大事にする日本では「お
い、手が空いたのなら○○を手伝え」と上司からイエローカードが出るね。

つまり古人の良き教えは、現役ではなく「故人」になりそうなヂヂババ、
隠居老人の「穏やかな晩年」には効き目があるが、前線でドンパチやって
いる現役には役立たず、むしろ足を引っ張りかねない。日進月歩の学問、
技術、科学、教育は現役に有効、一方で不変の原理原則を重んじる哲学・
宗教は老後に有効、と言えそうだ。哲宗=撤収世代は大所高所から後進を
アドバイスするのがよろし・・・「余計なお世話」と嫌われたりするが。

現代の国家は概ね経済発展、GDP成長を良しとする資本主義国が多いが、
旧共産圏では中露のような国家独占資本主義国もある。共産主義は宗教・
哲学であり、原点は硬直的な独裁国家で融通が利かない、商売には向かな
い。このために中国は毛沢東死後の1980年前後から、ロシアはソ連が自壊
した1992年あたりから国家独占資本主義国に舵を切った。そうしないと食
えないからだ。

中共はトウ小平の改革開放政策で国有企業の民営化、外資導入なども進み
「世界の工場」になった。もともと支那の民は清朝時代から商売が上手く
カネ儲けが好きだが、国への依存度が低い=我が身は我が身で守る、とい
う必要から商人的民族性が発揮されたのだろう、改革開放で瞬く間に経済
大国になった。

一方でロシアは大昔から国民の大多数は皇帝を頂く貴族の領民、農奴
(1861年に農奴解放令)、兵士のようなものだった。西暦1000年頃からロ
シア正教会(ローマカトリック、プロテスタントと並ぶ3大キリスト教の
一つ)が皇帝の統治策に採用され、今でも国民の半分ほどの支持を受けて
いるとか。教義は分からないが「混乱より安定」重視で、レーニンでさえ
ロシア正教会を潰せず、抱き込んで独裁支配に利用する方針を取った。正
教会も信仰と信者を保障されれば政治に関与しないということで延命を優
先したようだが、実態は分からない。

分かるのは「ロシア国民は事大主義=長い物には巻かれよ」、奴隷時代が
長かったし、中国同様に自由民主の体験もまったくないから今でも「政治
の主役は国民」「主権在民」という意味、意義もぼんやりとしか分かって
いないようである。エリツィンらによるソ連解体は結構だが、ロシアの資
本主義・自由化・民主主義は欧米の支援がなく大失敗、国民はひもじい生
活を強いられたため、強権独裁であれ国家をどん底から引き上げたプーチ
ンを支持したのだろう(欧米が支援していれば少なくとも独裁復活はな
かったのではないか)。

習近平は毛沢東時代の「純粋共産主義独裁国家」を理想として世界革命を
目指している。プーチンは経済発展、軍拡でロシアを軍事強国に復活させ
たが、ソ連時代同様の相変わらずの独裁国家だから“できる”若者はずいぶ
ん国外へ逃避、頭脳流出しているようだ。中露とも異常な独裁国家ゆえ
に、裏で派閥抗争はあっても国民が国家体制を自由民主へ改革するという
ことはほとんど不可能である。

習近平とプーチンが恐れているのは自由民主を国是とする諸国から敵対
視、圧迫されて経済が縮小し、国民の生活が困窮して独裁体制が弱体化、
ひいては反政府運動が起きることである。腹が減って切羽詰まると国民は
窮民革命へ向かい、そこに腹をすかした軍隊が同調、参加すると政権はも
たない。

独裁政権はこれを避けるために対外戦争を始めて国民の目を外に向けるの
が定番のようだ。明治維新でもお役御免になった「不平士族」をどうする
かは大きな問題になって、西郷は「征韓論」で士族の不満を外戦にそらそ
うとしたが、結局は内戦「西南戦争」により不満を抑え込んだ。戊辰戦争
で朝敵と断罪されて生き地獄に追いやられた旧会津藩士は西南戦争で政府
軍に積極的に加わり、汚名を晴らした、つまり戦争は「国民の求心力を高
める」効果抜群だということ。

中露はそれを知っているから対外戦争、国際緊張を熱烈に必要としてい
る。中共は習近平一派を排除すれば、元来が金儲けが大好きな民族だから
改革開放の疑似資本主義国に戻る可能性は高い。そうなればプーチン・ロ
シアは一国では欧米に対峙できないからウクライナなどへの侵略圧力を控
えざるを得なくなるかもしれない。

藤 和彦・経済産業研究所コンサルティングフェローの論稿「プーチンが
絶体絶命…ロシア経済が“崩壊寸前”で、いま起きている『本当にヤバい現
実』」現代ビジネス2021/11/10から(それにしても品格のない見出しだな
あ、ボキャ貧エディター、ヤバイんでね?)。

<ロシアにとって(ロシアからの供給不足のせいだと非難されている)欧
州の天然ガス危機は「対岸の火事」ではない。プーチン大統領は10月20日
に次の認識を示している。「欧州の天然ガス危機の影響がロシアにも及ぶ
可能性がある。国内の天然ガス価格が高騰するような事態になれば、食品
などの必需品価格が一段と上昇し、深刻なインフレを招きかねない」

日本ではあまり知られていないが、ロシアではインフレ懸念が高まってい
る。物価上昇の主因は食糧価格だ。ロシアの年間食品価格インフレ指数
は、8月の7.7%から9月は9.2%に達した。特に果物と野菜の価格が上昇し
ている。

ロシアは食糧輸出大国であるにもかかわらず、小麦、砂糖などに加え、主
食であるジャガイモや卵なども値上がりしている。いずれも国内での自給
可能な品目だが、新型コロナウイルスのパンデミックによる外国人労働者
の流入制限による人出不足が災いした。

昨年(2020)夏には、世界初のコロナワクチン(スプートニクV)を承認
したが、ワクチンに対する国民の根強い不信感から低い接種率にとどまっ
ており、日本とは対照的に感染の再拡大が生じている。首都モスクワなど
で行動制限が再強化されており、人手不足によるインフレ圧力はますます
強まっているのだ。

プーチン政権の長期化に対する不満がこれまでになく高まっている中で、
インフレと不景気の同時進行(スタグフレーション)が起きるリスクが生
じている。ソ連崩壊後の1990年代前半のインフレは極めて深刻だった。忍
び寄るインフレの足音は、インフレがいかに国家を混乱させるかを目の当
たりにしたプーチンにソ連崩壊時の悪夢を呼び覚ましているのではないだ
ろうか>

経団連タイムス2021/10/28も「コロナ禍の影響はあったが現状、ロシア経
済は安定している。過去にハイパーインフレを経験したロシアは、財政の
バッファーとして14兆ルーブルに達する潤沢な国民福祉基金を有してお
り、社会政策や経済対策を重視した予算を組んでいる。他方、保守的な政
策や市場介入の結果、投資拡大が進まないことが課題である」としている
から、当面の経済は不安含みだがまずまずだったのだろう・・・2か月前
までは。

2022/1/21「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ」は
懸念を指摘している。服部氏は1月20日発行『コロナ禍で変わる地政学 ―
グレート・リセットを迫られる日本』(国際経済連携推進センター編、産
経新聞出版)に「コロナワクチン開発では先行したロシアが抱える3つの
弱み」を寄稿しているロシア通である。曰く、

<2022年に入ってからは油価が一本調子で上がっているのに、ルーブルは
下落という逆パターンとなっている。株価は2021年終盤から地政学リスク
を織り込んだ下落に転じ、2022年に入ってもさらに下げが勢いを増している。

それにしても、日本人のメンタリティからすると、株価がこれだけ落ちた
だけでも「軍事行動なんかやめておけ」という大合唱が起こりそうだが、
つくづくロシアは国情が違うと痛感する>

プーチン・ロシアに「ウクライナへの侵略・威嚇をやめなければ痛い目に
遭うぞ」と警告しても無駄ということか。櫻井よしこ先生曰く「法を無視
する力治の思想はロシアだけではない。中国、北朝鮮、韓国も同じだ。領
土も拉致も、日本が力なき国にとどまる限り、交渉では非常に苦しい立場
にある。日本人はそうしたことを覚悟しなければならない」(週刊ダイヤ
モンド2018/1/26)。

各国にはそれぞれ「正義」があるが、正義は国を滅ぼしかねない裏面もあ
る。為政者は国民の代表であり、共に智者は2割ほどに過ぎない、8割は概
ね付和雷同のフォロワーだろう。

1933年2月、満洲を巡る国際連盟の「日本による侵略認定」を受けて日本
全権代表の松岡洋右は国際連盟脱退を通告したが、「やりすぎた、日本国
民から大非難を浴びる」と覚悟しつつ帰国したら拍手喝采で出迎えられ
た。本人が一番びっくりしたが、脱退翌日2月15日付の東京朝日新聞は
「連盟よさらば! 遂に協力の方途尽く 総会勧告書を採択し 我が代表
堂々退場す」と持ち上げていたからだ。英雄凱旋! 本人もその気になっ
た。煽られてその気になると引っ込みがつかなくなる、まあ道を誤らない
ようにという痛い教訓だ。

それにしても朝日の儲け第一、事大主義、誤誘導恐れず、私は正義
病・・・この一貫した姿勢は凄い、シュールである、タフである。岩波
ホールの自滅を岩波書店、日共、朝日は援けられなかったが、今の日本で
は共産圏はすっかり斜陽だ。道を改めるに躊躇うことなかれ・・聞く耳な
しか

古人曰く、備えあれば憂いなし。中露が軍事力を行使すれば日本も軍事力
を行使するぞという抑止力、攻撃力を備えておかなければ日本も台湾もア
ジア諸国も中露の餌食になる。この当たり前の危機意識がないどころか中
露に迎合する政治家、財界人、国民も少なからずいる。反共・愛国の人士
が百家争鳴で「危機である、備えよ!」と倦まずたゆまず説いていかなけ
ればならない。

全国3640万のヂヂババ諸君、最後のお勤めを貫徹せよ! 主敵は中南海と
モスクワにあり、命惜しむな、名こそ惜しめ! 風邪ひかないようにして
頑張ろうぜ。


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◆前例なき「社会実験」

森田 晶宏

ガソリン急騰抑制策 原油高騰長引けば追加対応も
政府が、ガソリンなど燃料の価格急騰を抑える支援策を初めて発動する。
必需品である燃料の価格高騰にさいなまれる家計や企業に安心感を与える
ためだが、前例のない取り組みで、国費を投じた「社会実験」でもある。
緊迫するウクライナ情勢など地政学リスクが台頭する中、原油価格の高騰
局面が長引けば燃料高も続きかねず、政府は負担軽減のための追加的な対
応を迫られる可能性もある。

支援策について経済産業省は、ガソリンなど燃料の急激な価格上昇を抑制
するための「激変緩和」が目的で、小売価格の引き下げを狙うものではな
いと強調「このままだと上がり続けていく小売価格を抑える」(担当者)
と説明する

ただし、給油所には支援策の発動前に仕入れた店頭在庫が一定量あり、発
動後に支援策の効果が小売価格に反映されるタイミングには時間差が生じ
そうだ。

また、ガソリンの小売価格は地域差が顕著で、離島や山間地が多い地域で
は輸送費が重くなるため高くなりやすい。17日時点のレギュラーガソリ
ン1リットル当たりの小売価格でも、最も高い長崎県(176円30銭)
と最も安い宮城県(162円40銭)では約14円の差がある。10以上
の都府県が既に170円を超えている。

支援策について経産省は「全ての地域で170円以下に抑えようとするも
のではない」としている。発動後もガソリンは全国一律の価格にはならな
いとし、それぞれの地域での価格急騰を抑えることを目指す。

一方、支援策は3月末が期限だが、ガソリンの原料となる原油の価格は足
元で再び高騰。ロシアがウクライナに侵攻するなど「何かいったん事が起
きたら、原油もかなりの高騰につながる」と石油連盟の杉森務会長
(ENEOSホールディングス会長)は懸念する。北半球の暖房向け需要
が一服する春を迎えても原油高や燃料高が収まらない恐れがある。


原油高は家計や企業業績を圧迫し、景気減速につながる。萩生田光一経産
相は25日の記者会見で「原油価格が来年度以降も高騰が続くようなこと
も当然シミュレーションしなければならない」と述べた。夏の参院選を控
える中、原油価格の動向次第では追加の対応を余儀なくされかねない



            
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◆ウクライナの米国大使館

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月25日(火曜日)
     通巻7196号 <前日発行> 
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 速報
 ウクライナの米国大使館、職員と家族に退避を督促
  北京五輪開幕日、プーチンは微笑しながらロシア軍の     侵攻
を命じる かも。
**************************

 2008年8月8日、北京五輪開幕。プーチンは北京会場の特等席に居
た。当時の中国主席は胡錦涛だった。
 その日、グルジア(現在のジョージア)にロシア軍が侵攻し、サアカシ
ビリ大統領は自ら戦ったが、当てにした米軍もNATOも軍事介入はしな
かった。結果、オセチアとアブハジアのふたつの「共和国」が独立し、ロ
シア傀儡政権が産まれた(世界の国々は承認していないが。)

 サアカシビリは、人気急落し、その後ウクライナに亡命して、オデッサ
州知事などを務めていたが、国籍を剥奪された。現在はウクライナ国籍を
回復しているが嘗ての影響力はない。サアカシビルはそもそもインテリの
家庭にうまれキエフ大学から米国へ留学し、ニューヨークの法律事務所で
働いていた。
 ソ連が崩壊し、グルジアが独立すると祖国へもどり、政治家に。シュワ
ルナゼ政権と対立するようになり大統領を二回務めた。

 さて米国は、在キエフ米国大使館の職員ならびに家族の国外退去を急が
せるとした。
 ロシア軍のウクライナ侵攻が秒読みになったと判断しているようである。
 ロシアはフェイクニュースであり、挑発的行為であり、ロシアはウクラ
イナ問題の平和的解決を望んでいると反論している。

 北京冬季五輪開会日。プーチンは北京へ飛び習近平と握手して開会式を
見物する予定になっている。
 その日、ウクライナ侵攻があるか。

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 あの文革の惨さ、おぞましさ、死刑直前に獄中十年、精神の記録
  暗黒の歴史を世界に伝えなければいけないと当時の文革高校生が綴った

  ♪
楊小凱著、劉燕子監訳・小林一美解説『中国牛鬼蛇紳録』(集広舎)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 著者は文革時代、高校生だった。鋭敏な神経と感覚を備えた著者は、論
文を書いた。保守過激派の反発を産み、死刑になる寸前だった。獄中十
年、そこで目撃した地獄。
 1968年、湖南省の片田舎で育った著者はまだ高校生。文革が始まっ
ていた。楊少年は「中国は何処へ行くか?」という小論文を書き、ついで
農村の実情を調べるため、多くの農民と話あってレポートを書いた。それ
が回覧され、『保守造反派』の間にもでまわってしまった。
 中国全土を蔽っていた「当時の官製イデオロギーは、全人口の80%を
占める農民の殆どに歓迎されていないことを知った。農民は共産党は好き
ではないが他に選択の余地がないので、仕方なく受け入れているだけであ
る」(33p) 
 そして、こうした思考を続ければ劉少奇らの考え方が正しいという結論
にならざるを得ないという直感があった
当局から目を付けられて拘束され、懲役十年。父は左遷され、母や文革
中、迫害を受けて自殺した。
 獄にぶち込まれた人々にはコソ泥から、掏摸、詐欺師もいた。ソルジェ
ニツィンが書いた『収容所列島』の中国版とは「看守所・未決囚」と「労
働改造所」、そして「監獄」の三つのシステムがある。
 ゴロツキ、研究者、医師、宗教家、同性愛者、流れ者、ヤクザ、左官
屋、舞台監督など履歴は様々だった。その生態を生き生きと描いた。西側
世界は吃驚した。
 楊小凱は獄中でマルクスの英語版を読み、共産主義が完全に誤りである
ことを独習で学んだのだ。獄中が彼の大学だった。
 出所後、印刷工などを経て、武漢大学助教、幸運にもその後、海外へで
ることができた。
83年に渡米し、プリンストン大学で博士号。豪の大学に移り、2002
年には受洗している。
 著者は2004年、オーストラリアで客死した。当時はメルボルンのモ
ナッシュ大学の教授だった。妹の楊暉が現地へ飛んで臨終を見届けること
となった。癌だった。
 本書の一部は1990年に発表され、討論の輪ができた。著者の楊小凱
は学者として名を成し、専門は経済学だったが、米国での議論は経済学で
はなく文革時代のことばかりだった。評判となったので、残りを『北京の
春』に連載し、1991年には英語版も出版された(脱線。評者(宮
崎)、この頃,『中国の春』『北京の春』を郵送購読していたが、論文が
夥しく,読むのに追いつけなかった)。
 それから30年の歳月が流れ、ついに日本語版が世に出た。魂は不滅、
文学的な作品は残るのだ。
 巻末のやや長い解説「毛沢東時代と中国を世界史の中で理解するため
に」を書いた小林一美(神奈川大学名誉教授)は、次の重要なポイントを
指摘している(499−501p)
 「中国で最も長く反体制の教義と反乱実績を持つのは白蓮教である。中
国の白蓮教は、ゾロアスター教(この世を善神と悪神の闘争と捉える)か
ら分裂した
マニ教に起源があるといわれる。マニ教は唐代に中国に広く伝わり、宋代
の国内の禁欲的な白蓮宗などの宗教集団と合体し、元末の大反乱の宗教反
乱の中心
集団となり、そのなかから生まれた朱元章が明王朝を樹立した(中略)。
明清時代には国家から最も危険視される過激な結社であった。なぜなら、
白蓮教は清代には中国伝統の武術結社と結びついており、各地で武装蜂起
を企んでいたからである。白蓮教のモチーフは、『天下大乱し、弥勒仏が
光臨なさる』、『真命天使がお生まれになる』、『この世には、まさに地
獄の災難が降りかかろうとしている』、『勇敢に戦い死すれば、天国に生
まれ変わる』というもので、現在のアルカイーダ、タリバン、ISのよう
な終末論的な預言をした」のである。
 毛沢東以来、中国共産党は宗教の全てを取り締まり、キリスト教会とモ
スクを破壊し(多くは地下に潜った)、法輪功を徹底的に弾圧し、臓器を
摘出して稼ぎまくり、いまウイグルのイスラム教徒を洗脳し、拷問し、労
働改造所で重労働に酷使し、しかも平然と北京五輪を開催して、「世界の
一流国」だと虚勢を張るのである。
         
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  
【知道中国 2320回】      
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港202)

  △
『中國京劇』の2021年11月号は、荒寥とした葦原の外れに立つ小さな茶店
──共産党の地下連絡拠点──を舞台にした現代劇「蘆蕩火種」を特集する。

 文革を煽った革命現代京劇の1つである「沙家濱」を改編したものだ
が、演目名を元の「蘆蕩火種」に戻している。つまり文革前は「蘆蕩火
種」だったものが革命現代京劇へ“昇格”したことから「沙家濱」に改めら
れ、今回、「蘆蕩火種」に戻され、内容を一新して公演されたということだ。

「沙家濱」も今回の「蘆蕩火種」も共に主役は茶店を経営する老板娘
(オカミさん)の阿慶嫂だが、舞台全体での比重に大きな違いが見られ
る。この点を同誌は、「現代京劇『蘆蕩火種』では阿慶嫂の出番が増やさ
れ、地下工作者、優秀な共産党員としての彼女の身分が一層強調されてい
る」と伝える。葦原に身を隠し戦傷の治癒と兵力立て直しを進める共産党
傷病兵の一群を庇いつつ、彼女は茶店を執拗に疑う日本軍や共産党狩りに
血眼になっているヤクザを向こうに回し、知力を尽くして戦う。

 かくして彼女の振る舞いは「より深く、より活き活きとした愛国主義教
育」の生きた教材となり、「新時代の社会主義文化建設に新たな、より大
きな貢献をなした」となるそうだ。「より深く、より活き活きとした愛国
主義教育」とか、「新時代の社会主義文化建設」などと言う手垢の付いた
ような共産党プロパガンダ常套句が習近平政権に対するヨイショであるこ
とは、敢えて指摘するまでもないだろう。

 以上を総括してみると、『中國京劇』が特集として扱った「党的女児」
「花漫一碗泉」「文明太后」「夫人城」「母親」「蘆蕩火種」、加えるに
「岳母刺字」「楊家女将」──これらの演目は「強いオッカサン」に収斂
し、彼女らが指し示す愛国と党への忠誠といった主張に貫かれていると
言っておきたい。

「党的女児」の田玉梅、「花漫一碗泉」の白玉蘭、「文明太后」の文明
太后馮氏、「夫人城」の韓太夫人、「母親」の葛健豪、「蘆蕩火種」の阿
慶嫂、それに「岳母刺字」の岳母、「楊家女将」の?夫人などの「強い
オッカサン」の系譜に習近平夫人の彭麗媛を並べてみると、面妖とまでは
言わないまでも、やはり不思議な構図が浮かんでくるようにも思う。

 延安以来の共産党の権力闘争、わけても建国以来のそれを追ってみる
と、江青(毛沢東夫人)、王光美(劉少奇夫人)、葉群(林彪夫人)の微
妙な立ち位置を考えないわけにはいかない。彼女らは権力者の配偶者であ
ることをテコに政治の世界で「最高権力者の代弁者」として権力闘争に積
極的に関与し、結果として毛も劉も林も、“配偶者の政治嗜好”を阻止でき
なかったことになる。まさに彼女らは「強いオッカサン」然と政治の世界
に闖入していったのである。

 こう振り返って見ると、中国の政治文化において権力者夫人(私)と正
式の政治ポスト(公)を峻別するシステムが機能していないようにも思え
るが、こういった曖昧模糊としたシステムがあるかぎり、やがて彭麗媛は
党中央常務委員ならぬ常務委員、副主席ならぬ副主席として振る舞う可能
性は否定できそうにない。このような政治文化からして、『中國京劇』が
見せる一連の特集は、あるいは現在中国の「強いオッカサン」に対するど
うしようもないヨイショであり、それは同時に習近平一強体制への忖度と
も言えるだろう。

 今秋に確実視される3期目の習近平政権において、あるいは彭麗媛夫人
が愛国と党への忠誠のアイコン役を演ずるのか。興味は尽きないところで
はある。
こう見てくるとアメリカと覇権を争い、世界秩序の大転換を希求する共産
党政権中枢の思考回路には、どうやら文革的思考の残滓がビッシリとこび
りついているようにも思える。
なにやら大いに遠回りしてしまった。大いに反省して第六劇場に戻ること
にする。
     □☆●□☆●□☆●☆□☆●□☆●□
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)今上陛下は二千六百年続く「世界最古の王統」、つまり日
本皇統の継承者で第百二十六代目。ちょうど百代前は、最近注目の第二十
六代継体(継體)天皇。御名はシナの「継体持統」という熟語からで、意
味は「系統を守り体制をつなぐ」事だそうだが、体制より国の在り方(國
體)の方がぴたり来る感じがする。
継体天皇の宮殿である樟葉宮の跡のある、交野天神社(大阪府枚方市)は
787年に桓武天皇が建立した由緒ある神社で、おらも二度訪れたが、新型
コロナ感染症のオミクロン変異株による第六波が収まった後にまた行きたい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%9F%E8%91%89%E5%AE%AE
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%87%8E%E5%A4%A9%E7%A5%9E%E7%A4%BE
 交野天神社へ向かうには主に二通りある。大阪方面のJR新大阪駅か大阪
駅(梅田)から、大阪メトロ御堂筋線で淀屋橋で、京阪電鉄に乗り換え、
特急で樟葉まで行く。京都方面のJR京都駅から、近鉄京都線で丹波橋、ま
たはJR奈良線で東福寺で、京阪電鉄に乗り換え急行で樟葉まで行く。樟葉
駅はバスターミナルが有り枚方市北部の交通要所だが、交野天神社へ行く
バスは無く不便。実際に行くならタクシーに乗る方が良い。
 健脚なら徒歩でも遠く無いが、駅周辺で道を聞いても、十人中九人は当
該神社の存在自体知らずスマホを見た方が早い。おらはディープステート
にGPSで現在位置を把握され無い様に、スマホを持たない主義の故に道に
迷った(なお、ディープステートという組織も連合体も、ロシア諜報機関
の偽情報で実在しない)。
境内では毎月第三日曜日の午前中に、樟葉宮表参道商店街主催で十数軒の
お店が出る『朝ごはんカフェ』イベントが有り、それに合わせるのも良い。
 楠葉宮跡の在る交野天神社は大阪府の北東の外れに位置し、直線で30
メートル東か北東に行けば、もう京都府である。下の航空写真で見ると、
下方中央部
からやや左側に二つの小さい緑の点状が白い塊の上下にある。下から枚方
市市営公園「市民の森」、(ラグビー名門校の)同市市立楠葉中学校、そ
して交野天神社である。写真では判別出来ないが神社の北東には、大阪・
京都間の府境が在り、京都側は生駒山系から続く高地で大阪側より一段高
い。その高地はそのまま写真上の緑の塊である男山に続く。反対に写真の
右下をずっと延長すると筒井順慶で知られる洞ヶ峠もある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yawata_city_Kyoto_Prefecture_center_area_Aerial_photograph.1987.jpg

 写真上に白い空白の有る男山山頂には、源頼朝の父の源義朝が元服した
石清水八幡宮がある。男山の北西側、淀川沿いの麓には、かつて京街道沿
いに橋本遊郭が有り、現在でも建物が保存されている。
逆に男山の南側には、いわゆる被差別部落が存在したが、現在は男山団地
と化している。注目は写真の上方で、桂川、宇治川、木津川、の三つの川
が淀川に合流している事。桂川を上ると、長岡京や京都市西部の嵐山を通
り保津川まで続く。宇治川を上ると、宇治や当時の巨椋池を通り琵琶湖ま
で続く。
 さらに支流の鴨川を上ると伏見や京都市東部に達する。木津川を下る
と、木津経由に奈良盆地へのアクセスは容易である。勿論淀川を下れば当
時の河内湖から瀬戸内海に出る。つまり、男山は古代日本の中枢で戦略的
に非常に需要な位置に有る。そして、継体天皇宮殿の樟葉宮は、男山から
目と鼻の先である。継体天皇が如何に地政学的センスが有ったか分かる。
 実感として、桓武天皇が建立した由緒ある交野天神社ですら、余り地元
市民に知られていないが、さらに知られざるパワースポットが有る。それ
は交野天神社から数キロ南に有る日置天神社という非常に小さな神社であ
る。枚方市や交野市には平安時代には皇族が鷹狩りをする狩場があり、他
者は狩りを禁じられたので「禁野」と呼ばれ、現在も地名が残る。
 九世紀後半に生きた、文徳天皇の第一皇子である惟喬(これたか)親王
は本来なら天皇になる人物である。
文徳天皇自身も惟喬親王を望んだが、当時有力者の藤原良房を恐れた側近
に反対され、結局、藤原良房の娘の子で異母兄弟の第四皇子が皇位に付
く。惟喬親王は失意の中で鷹狩りに明け暮れた。そんなある日、愛鷹の姿
が見えなくなった惟喬親王は日没を惜しんで、「日を止め置かせ給え」と
天神に祈願したので、日置天神社が建立された。
その惟喬親王の異母兄弟の第四皇子が後の清和天皇、つまり源氏の祖先で
ある(ここまで前文だが長いので、本文はまた)。(道楽Q)


(宮崎正弘のコメント)航空写真は初めてみました。継体天皇が行宮に水
運アクセスの要衝を選んだことがよくよく理解できますね。
樟葉宮跡は交野天神社の奧に石碑がありますが(小生も歩いていきまし
た)、そもそも交野(かたの)の由来は現世と黄泉の国との交差点という
意味があるそうです。
この現地紀行は拙著『葬られた古代王朝 高志国と継体天皇』(宝島社新
書)のなかに書きました。

2022年01月22日

◆雀庵の「開戦前夜/9 斗南藩の根性から学ぶ日本精神」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/420(2022/1/20/木】2年ほど前の秋に津軽半島
と下北半島を旅行したが、全体的には海辺の小さな町は迫りくる山裾にへ
ばりついているようで、「何して食っているのだろう、これという産業が
ないようだが・・・」という感じ。寒い季節になったから水産業は冬休み
になっていたのかもしれない。

ところが下北半島の「むつ市」あたりは「陸奥、むつ、みちのく」、つま
り最北端のような田舎の風情とかノンビリした雰囲気かと思っていたら、
あちこちで「下北半島縦貫道路」など建設が進められていて、なにやらバ
ブル時代のようなイケイケドンドン風。しかし、そこに感じる空気は「緊
張」「ナニクソ!の根性」で、なにか街自体が「怒っている」ような印象
だった。

殺伐という「人間関係・雰囲気・風景などに潤いや暖か味のないさま」で
はないけれど、「絶対負けないぞ! 貫徹するぞ!」という必死の思いの
ような・・・

以来、折に触れて「あれは何だったのだろう」と思い出すのだが、星 亮
一著「斗南藩 『朝敵』会津藩士たちの苦難と再起」を読んだら、「島流
しというか僻地に追放され死屍累々、艱難辛苦を強いられたら、どんな試
練にあっても負けまいぞ!」となるはなあ、と何となく納得した。戊辰戦
争から160年経っても「薩長許すまじ」という気概は会津人、特に会津藩
士の末裔にしっかり受け継がれているようだ、まるで昨日のことのように。

ユダヤ人は祖国を失い追放されたが2000〜3000年後にイスラエル国を再建
したから、100年200年前なんて昨日のことで、「恩讐の彼方に」とはいか
ないのが普通なのだろう、特に男は。実際、小生は1945年以降の Made in
USA の日本を残念に思い、日本再生=富国強兵、自主独立、アジア発展を
目指しているのだから。

そう言えば日露戦争でロシア兵として従軍したユダヤ人は捕虜となって日
本に抑留されたが、その一人だったトルンペルドールは「小国日本が大ロ
シアに勝った、頑張れば我々もユダヤ国家を再興できる!」とシオニズム
運動(祖国再建)を始め、それが今のイスラエル国家に繋がったのだ(同
国大使館による)「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為
さぬなりけり」米沢藩主、上杉鷹山は今なお日本人を鼓舞している。立つ
んだ、ジョー!

下北半島に「流刑」になった会津藩士の一族郎党は、廃藩置県までの2年
ほどの短期間ながら「斗南藩」になった。斗南藩という藩名の由来は定か
ではない。この名称を誰が考案したのか、どういう意味なのかはっきりは
分からないが、知られてはまずいから伏せられたに違いない。

オリジナルは中国詩文の「北斗以南皆帝州」、あるいは「星座における射
手座=会津の射手が矢をサソリ座=薩長に向けている」など諸説がある。
含意は多分「南(薩長)と斗(戦)う」だろうが、未だに謎のままだ。

会津藩士は会津藩そのものが無くなってしまったのだから、本州最北端の
斗南藩、あるいは海峡を越えて北海道へ移住する人が多かった。大会社が
つぶされて辺境の地に零細規模ながら移転させられたものの、武士階級は
250年間も「公務員=統治」が仕事で、現場の「農工商」のノウハウはな
いのだから多くの藩士は会社の移転先に着いていかざるを得ないという感
じ。「御家再興」起死回生の夢に賭けざるを得なかったのだが・・・

古人曰く「良い予感は概ね外れ、悪い予感はよく当たる」。会津藩は幕府
から京都守護職を任じられたのが運の尽きになった。拒否できない。ババ
を引いたようなものだ。新撰組など幕府の治安部隊を指揮して頑張った
が、尊皇の思いが強い慶喜が「もはやこれまで」と戦線離脱したのだから
会津藩将兵は会津に帰還するしかない。

慶喜が遁走した時点で既に佐幕派は負けたのだが、討幕派は「はい、そう
ですか、ノーサイド」とはならない。当時の戦争の世界的常識は「徹底的
に敵を叩き潰さないと報復リスクを招く」だから容赦しない。軍功を欲し
がるのか? ケジメなのか? 武士道を忘れたか?

(明治維新前の米国南北戦争では、北軍は降参した南軍将兵をずいぶん虐
待したようだ。これは北軍として戦ったアンブローズ・ビアス著「いのち
の半ばに」によるが、今でも北部の民主党支持者≒アカは南部を侮辱、挑
発しているよう。嫌なものだが、人間の性か?)

薩長政府、特に会津藩と幕府に松陰先生や多くの同志を殺された長州藩
は、会津藩をとことん憎んだ。とりわけ木戸孝允(桂小五郎)は自身も殺
されそうになった私怨もあったから、降伏した会津藩に容赦しなかった。
彼が会津藩追放のために用意しただろう下北半島は、報復のための文字通
りの「流刑地」、寒冷のみならず農業に向かない痩せ地が多く、まさに地
獄の様相だった。(木戸孝允は女々しくないか。粘着質のようで、さっぱ
りした感じがしない。小生の偏見か? そのうち調べてみよう)。「斗南
藩 『朝敵』会津藩士たちの苦難と再起」から。

<明治2/1869年11月に再興を許された斗南藩。 翌年4月から始まった斗南
移住は明治新政府による有無を言わせぬ命令だった。2万1080人の移住に
必要な経費は(交通費、食糧、住宅建設、農業・牧畜などが安定するまで
の3年間で)67万両(現在の422億円)で、拝借願を新政府に申請した。し
かし、政府から不裁可とされ、特別の詮議で17万両(107億円)、米1200
石を下賜するので速やかに移住せよ、との命令があった。

必要経費の3分の1である。にもかかわらず、移住しなければ厳重に処分す
るともあった。補助金の増額がなければ、領地は従来どおり会津若松とす
べしと迫ったが、これも拒否された。すでに移住は始まっていた。あまり
にも冷たい処置に山川浩(大参事)ら幹部は呆然自失、言葉を失った。

広沢安任(少参事)はここに来て初めて罠にはまったことを知った。しか
し撤退も許されない。継続的に補助金の増額を申請するしかないとし、移
住を継続することに決するしかなかった。雀の涙の資金では失敗が目に見
えている。首脳部は夜も眠れぬ日々が続いた。

山川らの見通しが甘いと言えばそれまでだが、藩士の謹慎はすでに2年も
続いている。家族は離れたままだ。最終的な詰めをする余裕もなく移住が
始まったのだ>

最果ての下北半島への移住・・・そこは新天地どころか食事もまるで
「餌」のような地だった。

<会津藩の奉行、350石の上級武士・間瀬新兵衛の次女・みつ(41歳)も
一族5人を率いて三戸(さんのへ)にやってきた。父・新兵衛と弟・岩五
郎は城下の戦闘で戦死、末弟の白虎隊士・源七郎は飯盛山で自決、女たち
だけが残された。

天気の日は面白いほど歩くことができたが、雨降りの時は心細く、大雨に
なると着物は濡れ、袖口から雫がしたたり落ちた。みつが率いたのは母の
まつ60歳、弟の妻雪24歳、幼児清吉3歳、妹ののぶ35歳、つや33歳であ
る。交代で清吉をおんぶした。

盛岡の次の宿、沼宮内(ぬまくない、現岩手町)は好天だったが、翌日か
ら雪となり、おまけに山道にかかり、道が遠く次の宿、三戸(さんのへ)
にたどり着かない。ついに夜になってしまった。松明(たいまつ)もなく
18人ほどが立ち往生した。宿を探したが、泊めてもらえず、夜中になって
やっと三戸に着くことができた。

割り当てられたのは三戸郡大向井村の谷儀平の家だった。割り付けられた
部屋は手狭なので、15畳敷の間を借り、渡された南京豆を煮たところ籾
(もみ)やクズばかりで食べるのに苦労した・・・>

350石取りと言えば大幹部の身分だが、新政府は情け容赦しない、会津藩
士は上から下までまさに地獄へ落とされたよう。以下は高嶺幾乃子(きの
こ)の証言。

<二戸(にのへ)に移住した高嶺幾乃子も貴重な話を残していた。幾乃子
は会津藩士の高嶺忠亮(ただすけ)に嫁ぎ、秀夫、二郎、秀三郎、秀四郎
の4人の母になった。二郎は2歳で夭折。夫は京都在勤中に病死した。長男
秀夫は幼児から神童と言われ、15歳で主君松平容保の小姓となった。

会津戦争の時、幾乃子は夫の両親の忠恕76歳、おえつ72歳、秀三郎10歳、
秀四郎8歳を連れて城外に脱出し、知り合いの農家に匿われた。

明治3年9月末、一家は斗南に移ることになり、新潟から船で野辺地に着
き、西越田中(さいごしたなか、現三戸郡新郷村)に向かった。割り当て
られた農家に住み、ここでは一人玄米3合限りで他に何も出ず、毎日お粥
ばかり食べ、難儀な月日を2年余り送った。

舅は庄屋、田島勘兵衛の息子に書物などを教えていたが、ここで亡くな
り、勘兵衛の墓地に埋葬した。その後、勘兵衛の家に半年ほどいるうちに
廃藩置県があり、各自は好きなところに行けるようになった。ちょうどそ
の時に新政府から来た役人が長男秀夫のことを話し、「立派な人間になっ
ているからぜひ東京に行くのがよい」と勧めてくれた。

早速、秀四郎を連れて盛岡から川船で北上川を下り、仙台、福島から若松
に寄り、佐瀬家の養子になっていた秀三郎も一緒に連れて二本松、郡山、
白河から大田原に出て川船を繋いで東京の新橋に着き、慶應義塾に学ぶ秀
夫のところに着くことができた。明治6年のことである。

秀夫は慶應義塾で学びながら教師を務め、月給16円を貰っていた。明治8
年7月、秀夫は恩師福沢諭吉の推薦で文部省のアメリカ派遣の留学生に選
ばれ、ニューヨーク州オスウィーゴー師範学校で教育学を学ぶ機会を得
た。3年後帰国し、東京高等師範学校に奉職、晩年は東京女子高等師範学
校(お茶の水女子大)校長を務めた。

(幾乃子にまつわるいろいろな)回想録を読むと、会津藩の知的水準は極
めて高いものであることが分かる。また、福沢諭吉が積極的に会津の青年
を慶應義塾に受け入れ、勉学の機会を与えていたことも分かる。今でも会
津若松には曽祖父、祖父、父、本人と一家四代が慶應義塾に学んだ酒の蔵
元もある>

“福翁”福沢諭吉先生は偉かった。一方で薩長土肥“広報部長”の司馬遼太郎
は著書「街道をゆく 北のまほろば」で「斗南という藩名には希望が溢れ
ている」と書いた。司馬遼は方向音痴の面があり「私は正義病」が強すぎ
る、もう少し謙虚になって“朝日メガネ”を外して調べてみればいいのにと
小生は残念に思うが、そう思う人は結構いるようだ。司馬遼はこう書いて
いる。

<戊辰(1868)、薩摩と長州が新政府を創って、世を動かす側に立った。
一場の劇とすれば、会津藩は旧勢力とともに滅びる方の役回りになった。
末路において悲劇的だった。

籠城をし、開城をし、わずか3万石に減らされて、下北半島に移された。
なおも生きようとしたけなげさは「斗南」という藩名に変えたことでもう
かがえる。“これより北はない”という語感が言外にあって、しかも希望に
溢れている。

開拓は容易に進まなかった。厳冬の中で単衣をかさねて過ごすものが多
く、食べ物といえば、わずかな扶持米と稗(ひえ)、それに山野の葛(く
ず)や蕨(わらび)、オシメだった。オシメとは、浜辺に打ち上げられて
いる昆布や若布(わかめ)の根を細かく刻んだものである。あまりの粗食
に、若くして頭髪の抜け落ちた者もいた>

生き地獄だったことを知りながら「希望に溢れている」とうれしそうに書
く神経、まるでGHQを解放軍と大歓迎した共産主義者そっくり。“朝日メガ
ネ”のバイアスがかかっているから赤を白、白を黒と言う。

司馬遼は陳舜臣との「対談 中国を考える」(1974年)でこう語っている。

「中国では法律より道徳が先行する。中国でやってることは非常に大事
で、人間が生きるということ、それを中国に学んで行かないといけない。
社会主義というと、すぐアレルギーを起こす人が世界的にいるけど、中国
はイデオロギーでやっているんじゃなくて、中国民族はどうしたら生きら
れるかと問題を根源的に戻してやっている。これを少し見習って、仮に自
民党が社会主義をやったっていい、共産主義はなにも代々木の専売じゃな
いんだから、誰がやったっていい、またそんな“主義”をつけんでもいいわ
けだ。つまりそうしてやっていかないと我々は滅びるんじゃないかという
気がする」

司馬遼が訪中した1974年は文革末期の鎖国状態、中共は毛沢東の文革と四
人組の暴走でボロボロになっていたが、建国以来、訪中客を洗脳して中共
の宣伝家に仕立て上げるのが中国国家旅游局国際旅行社の仕事だから嘘八
百は実に上手かった。まるで映画舞台のようにシナリオを創り、役者を配
置した。疑うことを知らない日本人は皆、騙された。小生の知るところで
は「これ、ヤラセみたいでおかしい」と気付いたのは岩波書店(=日共)
の女性社員たった一人だけだったが、彼女は社内で孤立し辞職せざるを得
なくなった。

「人は嘘を言わない」と信じている学者やインテリ、善男善女は訪中する
と皆「中共は素晴らしい」と洗脳され、中共をヨイショしまくって、やが
て毛の死後、トウ小平の改革開放時代になると「ころっと騙されたバカ」
と評価されるようになった。“朝日メガネ”の司馬遼もそうなるだろう。既
にそうなっているか?

星 亮一氏は「斗南藩 『朝敵』会津藩士たちの苦難と再起」のあとがきで
こう書いている。

<司馬は斗南藩を率いた広沢、永岡久茂(少参事)、山川の名をあげ、見
事なものだったと褒めた。そして「希望に溢れている」と語ったが、本当
にそうだったのだろうか。私には疑問だらけの斗南藩だった。戊辰戦争は
会津藩の落城で終わったはずだった。蝦夷地や斗南への移住なしで戦後処
理をできなかったのか。その疑念が消えないからである

鳥羽伏見の戦いの後、会津は何度も恭順の意を表明したが、無視され続
け、ついに婦女子を含め戊辰戦争に突入、矢折れ刀尽きてついに落城、無
念の涙を吞まざるを得なかった。

下北の地が、破れた会津藩に耐えられないものであることは、南部藩から
の情報で岩倉具視、木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通らも知っていたに違
いなかった。それを承知で挙藩流罪を決めたことは、明治政府の犯罪行為
と言えるものだった。会津厳罰を言い続けた木戸孝允の罪は大きいと言わ
ねばならない>

歴史は勝者が創るという。勝者が描く歴史、敗者が描く歴史、いろいろ勉
強しないと全体像に近づけない。敗戦後の日本はGHQにより「勝者米国に
よる歴史」を押し付けられてきた。それでは真実とは遠い、教訓にもなら
ない。ここ20年ほどで日本人はようやく“朝日・毎日・共同・岩波的メガ
ネ”のバイアスから距離を置くようになってきた。習近平・中共が暴れま
くれば日本人は急速に日本人を取り戻すだろう。

北京冬季五輪後の3月あたりから“戦狼”習近平は狼煙を上げるに違いな
い。台湾・尖閣有事である。日米豪台などは中共包囲網を強め、中共軍が
突破を狙ったら一気呵成に叩き、内乱に誘導し、習近平一派を排除すべ
し。中共軍は民族として近現代戦の経験が少ない上に一人っ子でかなり脆
弱だろうと言われるが、根拠のない憶測に惑わされず、緊張感を持って
「猟犬は人食い虎を捕らえるに全力を尽くす」で行くべし。釈迦に説法だ
が、各々方、ゆめゆめご油断召さるな、斗南藩の根性、日本精神で行こう!


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◆生産性を鍛える忙しさと創造性を引き出す時間のゆとり
轟晃成(とどろき・あきなり)の人間社会考察

忙しい方がいいのか、それとも暇な方がいいのかという議論があります。
僕は学生時代は忙しい方が好きで、限界まで予定を詰め込んでしまうよう
な生活をしていました。その方が充実していると感じていたからです。

仕事をするようになってからも、忙しい時期は経験しましたが、さすがに
忙しすぎるもの身体に毒だと思いました。しかし、仕事で様々な方と関わ
る中で、非常に時間にゆとりのありそうな方もいました。それはそれで、
苦労もありそうだと思いました。忙しいのも暇なのもメリット・デメリッ
トがあるのだと思います。

忙しい場合のメリットは、充実感があること、そして生産性が上がる原動
力が生まれることがあります。伊賀泰代さんの『生産性』という本でも、
生産性を向上するためのアプローチの1つに労働時間(投入資源)を減ら
すことを言われています。時間が制限されることで、優先順位の高いもの
だけを効率的にやろうという意識が生まれます。「残業は禁止だけれども
業務は完了しないといけない」という無理難題があって初めて工夫が生ま
れます。

『いつも「時間がない」あなたに』という本では、締め切り直前の文章が
捗るように、時間の欠乏が集中力を高めると述べています。しかし、これ
は諸刃の剣であり、集中する分ほかのことが見えなくなってしまうデメ
リットもあります。そして、このプラスとマイナスの効果ではマイナスの
方が大きいと断言しています。時間の欠乏により脳の処理能力をオーバー
してしまうと、色々なミスや無駄が発生し、余計に時間がかかる悪循環に
突入してしまうのです。

時間にゆとりがある場合のメリットは、創造性が高まることだと思いま
す。現在抱えている問題に対する解決策の新たなアイデアが、斬新な視点
や広い視野から浮かびやすかったりするのは実際に感じます。もちろん芸
術的な意味での創造性も高まります。

かといって、ずっと暇であり続ければ創造性が高まるかというと、そうで
もなさそうです。インプットが不足するからです。創作活動においては、
忙しい時間にインプットをして、一旦解放されてゆとりがある時間にアウ
トプットをすると最も効率的であるように個人的には感じます。つまり、
ずっと一年中忙しいでもなく、一年中暇でもなく、適度に忙しい時期と暇
な時期を交互に繰り返すのが理想ではないかと思うのです。

ところで、仕事であれば優秀な人に仕事が集中するとよく言われます。優
秀な人は仕事も速いですが、それ以上に業務が集中してしまい忙しくなり
ます。しかし、真に優秀な人はどこか余裕があるように見えます。何もか
もこなそうとして全てが崩れてしまうのではなく、効果の出ることだけに
取り組んでいるので生産性が高いのでしょう。感覚的には、一流>二流>
三流>超一流の順番で忙しくしています。

自分でコントロールできない忙しさは心身ともに害しますが、自分でコン
トロールできれば疲れにくいです。ブラック企業と活き活きと忙しくして
いる企業を分けるのはこの点だと思います。自分でコントロールしなが
ら、適度な忙しさで生産性を鍛えつつ、かつ創造性を発揮していきたいも
のです。


━━━━━━━━━━━━━━━━


◆日本人なら必ず知っておきたいこと
北野幸伯


私が、メルマガであまり書かないテーマがあります。
たとえば、

・気候変動のこと
・原発のこと
・新型コロナワクチンのこと


などなど。
なぜかというと「専門外」だからです。
もう一つ、私が書かないテーマがあります。


天皇陛下と皇室のことです。
これも同じ理由で、「専門外」だからです。

ですが最近、お世話になっている編集者さんから、一冊の
本を贈っていただきました。

●誰があなたを護るのか

https://amzn.to/3qCFXLG

▼天皇陛下と皇室のことを知らない日本国民

私自身もそうですが、天皇陛下と皇室のことをよく知りま
せんでした。

理由は、「習わなかったから」です。
日本神話のこともよく知りませんでした。
同じ理由で、「習わなかったから」です。


天皇陛下、皇室、日本神話を知らないことは問題でしょう
か?おそらく大問題でしょう

ユダヤ人が、旧約聖書のこと、アダムとイブのことを知ら
ないくらい変な話です。

自分のルーツを知らない。
だから、日本人なら天皇陛下や皇室のことを知っておきた
い。でも、「どこで学べるのか」わからないのですね。
そこでおすすめなのが、

この本最大の特徴は、「マンガ」だということ。

だから、私たち自身も学びやすいですし、お子さんに皇室
のことを知ってもらうのに最適でしょう。
マンガですが、重要ポイントは抑えられています。


たとえば、いまや代表的保守政治家になられた高市さんは、「私は女性天
皇には反対しませんが、女系天皇には反対です」とおっしゃっています。
このメルマガの読者さんなら、ほとんどの人が、「女性天皇と女系天皇の
違い」をご存じでしょう。
ですが、何割かの人は知らないかもしれません。

実際日本には、女性天皇が8人いました。


・推古天皇
・皇極天皇(=斉明天皇)
・持統天皇
・元明天皇
・元正天皇
・孝謙天皇(=称徳天皇)
・明正天皇
・後桜町天皇


だから、高市さんも「女性天皇には反対しない」とおっし
ゃっている。

では、高市さんのいう「女系天皇に反対」というのは、ど
ういうことなのでしょうか?


▼皇室存続議論のベース


私は、「日本の大問題を挙げやがれ」といわれれば、

1、中国が「尖閣はわが国固有の領土で核心的利益」と宣
言し、実際に侵攻の機会をうかがっていること

2、少子化問題、人口問題

(日本の人口は2021年11月、前年同月比で60万人減少。
これは鳥取県の人口57万人より多い。
つまり、日本では、一年で一つの県が消えるほど、人
口が減っている。)を挙げるでしょう。

もう一つ、「皇室の存続」というのも、大きな課題だと思
います。どうすればいいのでしょうか?

議論するにしても、ベースになる知識がなければ、話にな
りません。そのためには、

・天皇陛下とは
・男系とは
・女性天皇と女系天皇の違い
・宮家とは、旧宮家とは

などを知っておく必要があるでしょう。
この本を読めば、

日本神話、天皇陛下、皇室の基本的知識が、楽しく、1時
間ぐらいで身につきます。

日本や皇室の未来を考えるベースができますので、是非と
もご一読ください。

そして、子供たちにも是非読んでもらってください。

2022年01月19日

◆雀庵の「開戦前夜/8 中共経済“三重苦”で視界不良」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/419(2022/1/16/日】それなりの国家なら政治家
が方向を示し、官僚=テクノクラートが設計図を創るのだろうが、設計図
はやたらと難しいから庶民には概ねチンプンカンプンである。

大昔からそのようで「論語:泰伯」に曰く「由(よ)らしむべし、知しら
しむべからず」、すなわち「人民を為政者の施政に従わせることはできる
が、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施
政に従わせれば良いのであり、その道理を人民に分からせる必要はない」
(デジタル大辞泉)。「民に法律をつくった理由を納得させることは困
難」(ブリタニカ)ということだろう。

「論語」は2500年ほど前に成立したが、今でも独裁国家は「政策を丁寧に
国民の皆様に説明する」なんていうことはせず、民が説明なんぞ求めたら
「国家転覆罪」で拘束、脳みそを破壊して廃人にするか、臓器移植の材料
にするか、死刑にする。中共はその代表だ。

田中 修/奈良県立大学特任教授・ジェトロ・アジア経済研究所上席主任調
査研究員の「中国経済分析 中央経済工作会議を読み解く」(サイエンス
ポータルチャイナ2022/1/7)は分かりやすく紹介しているようだが、「簿
記」のイロハさえ分からない小生には難しかったので以下、習近平・中共
の懐具合、内情、見通しを素人解釈ながらざっくり紹介する。

<12月8−10日、中央経済工作会議が開催され、2022年の経済政策の方針
が決定された。本稿では、会議の概要と留意点を紹介する。なお、読みや
すくするため、見出しを適宜つけ、重要な部分は下線で示している。(修
一:以下は下線で示している個所、ポイント、田中氏の解説(留意点)を
拾った。★は小生のツッコミ)

【2021年の回顧】わが国の経済発展は「需要の収縮」「供給のダメージ」
「予想の弱気化」の三重の圧力に直面している。1)党中央の集中・統一
的な指導、2)質の高い発展、3)安定の中での前進、4)統一・協調の強
化――を堅持しなければならない。

(留意点:過去10年の中国経済社会の発展で出現した「貧富の分化、階層
の固定化、環境汚染」等の新たな問題への反省を示している)

[★イケイケドンドン時代は最早過去形、負の遺産が積み重なって人心が
離れ、中共独裁体制は下り坂。重要顧客である先進国を敵に回すような
「戦狼外交」に固執する習近平では経済はボロボロになるぞ、習近平一派
を排除せよ、と経済官僚は「孫子の兵法」流で言っているようだ]

【2022年の経済政策】平穏・健全な経済環境、国を安泰させ民を安んじる
社会環境、気風が清く正しい政治環境を維持しなければならない。マクロ
経済の大きな基盤の安定に力を入れ、経済運営を合理的区間に維持し、社
会の大局の安定を維持しなければならない。

経済政策は「穏」(安定・穏健)の字を第一とし、安定の中で前進を求
め、各地方・各部門はマクロ経済安定の責任を担い、各方面は経済安定に
資する政策を積極的に推進し、政策の力発揮を適宜前倒ししなければなら
ない。マクロ政策は穏健・有効でなければならず、引き続き積極的財政政
策と穏健な金融政策を実施しなければならない

積極的財政政策は効果を高め、「精確・持続可能」を更に重視しなければ
ならない。財政支出の強度を保証し、支出の進度を加速しなければならな
い。新たな減税・費用引下げ政策を実施し、中小・零細企業、個人工商事
業者、製造業、リスク解消等への支援の程度を強化し、インフラ投資を適
度に前倒しで展開する。党・政府機関は倹約を堅持しなければならない。
財経紀律を厳格にする。地方政府の隠れ債務の新たな増加に断固歯止めを
かける


ミクロ政策は、市場主体の活力を奮い立たせなければならない。各種所有
制企業が互いに競い合って発展する良好な環境を作り上げなければならな
い。契約精神を強化し、悪意の代金未払いと債務逃れ・債務踏倒し行為に
ついて有効な対策を講じる。

(留意点:「市場主体の活力」が重視されている。これは雇用の確保にも
つながるからであろう。また、最近の「左派」による民営企業批判を意識
し、「各種所有制企業が互いに競い合って発展」を強調している)

[★中国では「左派」は共産主義原理主義独裁、マルクス・レーニン・毛
沢東を神とし、習近平を支持している教条的な保守反動派である。一方で
「右派」は自由民主主義や資本主義経済を導入していくべきだという改革
開放派。日本の左派は立憲共産党のような反日売国奴が多いが、中国では
左右どちらも愛国的のよう。しかし右派は左派(習近平支持派)を「愛国
的な泥棒」、即ち「愛国を標榜しながら私利私欲、カネで動く奴ら」とし
て侮蔑しているようである]

構造政策は、国民経済循環の円滑化に力を入れなければならない。「住宅
は住むためのものであって、投機のためのものではない」という位置づけ
を堅持し、予想の誘導(政策推進)を強化し、新たな発展モデルを模索
し、賃貸・分譲の並立を堅持し、長期賃貸市場の発展を加速し、社会保障
的性格をもつ住宅の建設を推進し、分譲住宅市場を支援し住宅購入者の合
理的な住宅ニーズを更に好く満足させ、都市の事情に応じて施策を講じて
不動産業の良性の循環と健全な発展を促進しなければならない。

(留意点:ミクロ政策では「新たな発展の枠組の構築」の内容が強調され
ている。住宅政策については、恒大グループ等の経営危機による不動産市
場の動揺を反映して、「予想の誘導強化」が強調されている。また21年は
「不動産市場の平穏で健全な発展」であったが、今回は「不動産業の良性
の循環と健全な発展」と、市場よりも業界の健全な発展に重点が置かれて
いる)

科学技術政策は着実に実施しなければならない。改革開放政策は発展動力
を奮い立たせなければならない。地方の改革の積極性を動員し、各地方が
土地の事情に応じて施策を講じ、主動的に改革を行うよう奨励する。

ハイレベル対外開放を拡大し、制度型開放を推進し、外資企業への国民待
遇をしっかり実施し、更に多くの多国籍会社の投資を吸収し、重大外資プ
ロジェクトの早急な実施を推進する。「一帯一路」共同建設の質の高い発
展を推進する。

(留意点:改革について、地方政府の役割が強調されている。開放では
「一帯一路」が復活した)>

長い論稿なので以下は略すが、最早イケイケドンドンの時代ではない、ト
ウ小平の「豊かになれる条件を持った地域や人々から豊かになればいい」
「儲けられ人から儲ければいい」という「先富論」の時代からの脱却、見
直しを促しているよう。中央経済工作会議の締めくくりにはこうあった。

<わが国の社会主義制度の下、社会の生産力を不断に解放・発展させ、社
会の富を不断に創造・累積するだけでなく、両極分化を防止しなければな
らない。共同富裕を実現するには、まず全国人民の共同奮闘を通じてパイ
を大きく好いものとし、その後合理的制度手配を通じてパイをうまく切り
分けなければならない。これは長期の歴史過程であり、この目標に向け着
実に邁進しなければならない>

ジニ係数(貧富格差指標、国連2020年版)は0.4を超えると社会不安が募
り暴動などが起こりやすくなるというが、中共は0.465(米国は0.45、日
本は0.379)である。米国では以前から泥棒、強盗、傷害、殺人は日常茶
飯事で、今は貧者に優しい民主党政権になったので貧者は暴れまくってい
る。ロイター2021/11/25から。

<年末商戦が近づく中、米西部カリフォルニア州や中西部イリノイ州など
で、高級店ばかりを狙って集団で強盗に押し入り、ショーウィンドウなど
を破壊して短時間で商品を奪う「スマッシュ・アンド・グラブ」という手
口の強盗が相次いでいる。80人ほどの強盗が一斉に押し入ったケースも
あった。当局や店側は警戒感を強めている>

米国は明日の中共か・・・習は「両極分化を防止し、共同富裕を実現す
る、そのためには全国人民の共同奮闘でパイの拡大を」と言うが、貧乏人
はもっと働けということか。やっていることは軍備を増強して周辺国を脅
かしているだけではないか。レーニン曰く「戦争危機を内乱に転化せ
よ」、習近平は「内乱危機を戦争に転化せよ」か。

<中国経済は2021年に入ってコロナ後の力強い回復基調を見せたものの、
今は足踏み状態に陥っている。国内消費が期待されたほど伸びていないの
は、家計所得、特に低賃金の出稼ぎ労働者の所得が伸び悩んでいるためだ
ろう。

上海在住の日本企業の幹部は、問題の根源には極端に大きい貧富の格差が
あると話す。「上海では配達員が10元(約170円)で昼食を済ます横で、
ビジネスマンが500元を惜しみなくはたいて豪勢な食事をしている。これ
は危険な状況だ」

彼が恐れる最悪のシナリオは、経済が不安定になるかバブルがはじけて低
所得層の不満が爆発することだ。当局は民衆の怒りをそらすため外国人を
格好の標的に仕立てるだろう。

既に持てる者と持たざる者の対立をあおるような政治的レトリックが飛び
交っている。最近ブルームバーグ主催のフォーラムで、PR会社アプコの中
国法人会長、ジム・マクレガーは左派ブロガーの李光満の主張を問題にした。

李は、最近の中国政府の規制強化の動きを文化大革命を彷彿させる「社会
主義の本質への回帰」だと賛美したのだ。「富豪は階級の敵だと言わんば
かりの・・・ほとんど階級闘争のような」言説だと、マクレガーは危惧する。

もっとも、今の状況を毛沢東時代の文革に例えれば、重要な違いを見逃す
ことになる。「毛は(集団的な指導)体制を壊して権力を一手に握るた
め、混乱を引き起こそうとした」と、調査会社ガベカル・ドラゴノミクス
の共同創業者アーサー・クローバーは言う。それに対し「習は儒教的な国
家の復興を目指している」というのだ。

文革のトラウマゆえ、中国の人々は混乱よりは極端な儒教的統治のほうが
ましだと思っているのかもしれない。どちらも、中国の持続的な成長を支
える創造性とイノベーションを育むには役立ちそうにないが>(ニューズ
ウィーク2021/10/16「中国から外国企業が『大脱出』する予兆が見え始め
た」)

2500年前の「儒教的統治」・・・毛沢東が秦始皇帝を真似て焚書坑儒した
儒教を、毛沢東の真似っ乞食の“紅二代”習近平が採用するはずはないが、
「我は21世紀中国の赤い星“紅子”になる」ぐらいは言いそうだ。

トップがイカレポンチだと国民は大変だが、松下幸之助曰く「国民が政治
を嘲笑しているあいだは嘲笑いに値(あたい)する政治しか行なわれな
い」「民主主義国家においては、国民はその程度に応じた政府しかもちえ
ない」。他国のことを嗤えやしない。



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◆海底火山噴火しました。
和田憲治

トンガ諸島の海底火山がで大規模な噴火しました。
専門家が「100年に1度の規模」と語ってますが、
大噴火の衝撃波は地球の大気を走り、
太平洋の各地で小さな津波が発生していましたね。
驚きました。

やはり、奥山先生の訳書「フォースターニング」
での「冬の時代」のまんまですね。

「冬の時代」とは、これまでの常識的な日常でなく、
ガラガラポンが起こるというものです。
この言葉は使いたくないのですが、
グレートリセットが・・・笑。

政治的には、習近平が尊敬する毛沢東に負けじと
香港併合含め、文革を始めています。

米国では、トランプ大統領の出現や
連邦議事堂占拠事件などの国内テロまで
起こっています。

米中は冷戦に入り、いつ熱い戦争になるか、
油断できません。

社会面としては、
新型コロナによる全世界への疫病の流行です。
そんな悪条件の中で、世界がSDGsなんか
やり始めたからエネルギー不足です。
今回の海底火山の噴火は地球規模の
地殻変動となるのでしょうか?
フィリピンの火山噴火の翌年は冷夏になりました。
今回は気候変動に別の影響の要素となるのでしょうか?

そんなまったく先の読めなさが加速していく、
先の読めない時代になりました。

先日も、ある知人から、
『やっぱり、来週のどこかで東京都がマンボウを出すそうです。
それに伴って神奈川県もマンボウか、
マンボウと同等の措置を取る予定みたいです』

と、連絡ありました。

このメルマガでも何度も主張してきたように、
私はコロナ対策より経済回せ派です。

現在の日本人は
コロナ対策>経済成長
となっており、経済成長より、
コロナ怖いから対策やってくれ
となっています。
現に、コロナ過剰対策の岸田政権の
支持率は高い。

足元ばっかり見てるとしかいいようがありません。

私は、どう考えても
経済成長>コロナ対策
であり、
日本の近未来のためにも、
経済を止めるべきではないのです。

私は、こう考えてます。
大地震や津波はもう対策しようがない。
来たら仕方ない。
誰にもわからないから運に任せるしかない。

米中冷戦は続くし、どう拡大するかは
これは注視しなくてはならない。
突発的戦争突入時の
ミサイルが当たれば死にますし、
それは仕方ないと思いますが、
そうでないなら、どうにか
生き延びられる可能性は探るべきです。

一番やらねばならないのは、
現状の世界の動きを認識し、
未来を予測して、
どうにも予知できないことは諦め、
取れるリスクととれないリスクを
区別することです。

風邪のようなオミクロン株ならばリスクは小さく、
経済成長を諦めたら後々も含め、
失うものが大きいはずです。

米中戦争が長引いて、日本の経済力がなくなれば、
国防力も落ち、悲惨な未来になるでしょう。
経済成長を諦めてはいけないですし、
個人の経済的基盤は粛々と守っていくべきです。
国に頼るべきでもなく、自立した仲間や家族と
連携していくべきだと思います。

あなたはどう考えますか?

激動の米中冷戦、コロナ禍の中、
日本の方向性を監視し、声を上げ続けなければいけません。

私は政治に声を上げつつ、
個人としては、やれる仕事はやるし、
できるけど、やらない仕事は切ってます。

人生100年時代に
さらに生き延びていくための、
20年働ける体力もつけようと
いろいろ対策をしています。
やれることは限られるから、
選択が重要なのです。

今後の世界の流れを知り、
いくつも人生のシビアな選択をしていくにも、
音声講座「米中20年戦争に備えよ!」pat.7
〜国家と個人のエマージェンと戦略〜

を奥山先生がまとめました。

これからも守らねばならない、
あなたのバリューはなんでしょうか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆トンガ王国を襲った火山の爆発と津波 

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月18日(火曜日)
     通巻7189号 <前日発行>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
トンガ王国を襲った火山の爆発と津波
   遠くカリフォルニア、日本にも津波が押し寄せた
*********************************

 トンガ王国の人々は日本に特別な親しみを抱く、親切な国民が四つの
島々にのんびりと暮らす(ほかに七十近い無人島がある)。緑の広場は王
宮、ここはのどかそのもの。
 トンガから近い国は東にタヒチ、北東にサモア、西へフィジー、バヌア
ツ、ニューカレドニア、南西にNZと豪が位置する。

 海底火山の爆発で1万5000メートルまで煤煙が噴き上がり、首都の
ヌクロファは火山灰でうまった。NZと豪は救援プランをすぐさま発表した。
 火山爆発後、津波がやってきた。この津波は北米から南米へも拡がり、
チリでは死者を出した。フィジーの首都スバの海岸は浸水し、日本にまで
津波が襲い、岩手県久慈港で1メートル10センチ。四国では漁船転覆事
故がおきた。

 トンガへ行ったことを思い出した。宿泊したホテル、浸水しただろうなぁ。
 何処で乗り換えたか? たぶんフィジーだったように記憶する。
トンガ國際空港は島の南端にあって北の海岸線(このあたりが国際的なリ
ゾート)まで小一時間かかる。途中の景色はと言えば、トウモロコシとイ
モ畑、野菜畑、椰子。民家は平屋建て。首都に近付いても二階建ては稀少
で、素晴らしく文明に取り残されたド田舎風景がつづく。平面な光景である。

 ようやく海岸線が見えて、一番高い建物は中国大使館(三階建て)。日
本大使館はその奥で目立たない。ホテルはかろうじて二階建てだった。敷
地の真ん中にプール。その脇にバアとレストラン。結局、朝、昼、夜の三
食はこのレストランで食べた。ホテルの従業員に背の高い男がいて、話し
込むとご先祖は北欧のバイキング。鯨を追って百年ほど前にここまでやっ
て来て住み着いたのだという。捕鯨船は、ここまできたのか!

 観光資源と言ってもかぞえるほど、高波が押し寄せる崖、古代の墓場。
オーソドックスな雰囲気があるのは、王宮の瀟洒なつくり。

 ドライブにでると田畑の廃屋がぽつんとあって「これが曙の生家です」
という。
 横綱・曙はサモア育ちだが、生まれはトンガだったのだ。このことでも
分かるが肥満型の国民が多く、しかし歴史は古く三千二百年前から開け、
古墳のような場所があった。

 目抜き通りは海岸線に並ぶホテルが七つ。裏のメイン通りにぽつんとト
ンガ料理店、バア、ロッジが一軒。それでこの「首都」のすべて。中国人
はそれほどいない。
 筆者のようなせっかち人間は三日間だけの滞在で飽きたが、のんびりと
釣りとか読者したい人なら、暮らしやすい国だろうと思った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)ZOOM の会議で、他の参加者は本人ではなく、AIによる
「偽の』人間である可能性が出てきた。
自分だけが本人で、他の同僚、上司、コンサルタント、などは作り物で、
単に自分を誘導し合意させる為だけの「民主的な会議」なのかもしれない。
同様に有名な政治家、芸人、官僚、論者の動画を見ていると、実は彼は本
人でなく、本人の許可なく、勝手な事を発言しているかも知れない。その
発言の原稿は本人の書いたのか、そうでは無いのかも知れない。
不思議にも時々、親中、媚中的な発言を真剣になさる。既に英国エリザベ
ス女王が、偽女王の被害に遭っている。
 グーグル社が開発したGPT3, AIの人間の表情などは、よく見ても偽物と
は分からない。声も、顔も、変えられるし、どんな外国語も使える。
下記の記事によると、支那でマイクロソフト社のアプリを使い、実際に試
験的に70日間、偽のAI記者が動画で報道し、誰も「異変」を探知できな
かったという。
ある日、習近平氏から、トランプ氏から、あるいは故レーガン氏からテレ
ビ電話が岸田総理にかかってくる。少し相手の反応が遅いが、衛星中継で
は普通の遅延性だろうと疑わない。つまり高性能の進化した「俺おれ詐
欺」が日常化する、誰も信じられない「騙される方が悪い」世界が広まる
らしい。誰が正しいか、自分の判断さえ信じられない。不審と孤独。独裁
制の最強の友は、もはや力の人民解放軍ではなく、悪知恵のAI集団。チョ
ウゲンセンとは孫子の兵法、「戦わずして」人の兵を屈するは善の善なる
ものなり。
https://www.theepochtimes.com/china-reveals-ai-news-anchor-almost-indistinguishable-from-a-real-human_4207963.html?utm_source=partner&utm_campaign=ZeroHedge
  (在米のKM生)

  ♪
(読者の声2)カザフスタンのその後、貴誌1月11日、13日、14日
の分析によれば、トカエフ大統領が、ナゼルバエフ前大統領の院政を支え
て、操り人形といわれていたのに、こんどの暴動を千載一遇のチャンスと
とらえて、ナゼルバエフ前大統領派を軍、警察、治安関係から一斉しまし
た。つまり貴誌指摘のように「二頭政治」の「一元化」です。
 ベテラン政治家トカエフ、なかなかの陰謀家でもありますね。同様な分
析がほかのメディアでも出始めました。
  (DH生、川崎市)


(宮崎正弘のコメント)この人はロシア語も中国語もできるうえ、とくに
中国大使館勤務が長く北京語に通暁しています。ロシアと中国のバランス
を取って、新しい独裁をはじめるのでしょう。

2022年01月17日

◆雀庵の開戦前夜/7銭ゲバ“浮薄”大学が多過ぎないか」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/418(2022/1/14/金】散歩コースに私学の理事長
の豪邸がある。創立者の息子が理事長2代目になり、遺産相続もあって新
築したものだが、今は奥さま一人しか住んでいない。2代目は子供と一緒
に別居したようだ。奥さまは美人だったがちょっと軽薄のようで、町内で
は誰も相手にしなくなった。気の毒だがどうしようもない。第一、本人は
孤立とか孤独という意識がないようだ。まあ「連帯を求めるも孤立を恐れ
ず」の小生も似たようなものだが・・・



私学の理事長は企業で言えばオーナー、学校運営・経営の最高権力者、責
任者だ。「学長」は雇われた工場長みたいなものだろう。日本大学(日
大)は営利企業そのもののようにひたすら「利益」を追求するという激し
いDNAがあるようだ。まるで(株)日大産業。



斎藤緑雨曰く「教育の普及は、浮薄の普及也。文明の齎(もたら)す所
は、いろは短歌一箇に過ぎず。臭い物に蓋(ふた)するに勉むる也。国運
日に月に進むなどいふは、蓋する巧(たくみ=わざ)の漸々(ぜんぜん=
少しずつ)倍加し来ぬる事也」(日刊新聞「萬朝報」明治32年2月4日)。
小生の解釈ではこうだ。



<教育を普及したところで優秀な民が増えるわけではない、軽佻浮薄な民
が増えるだけではないか。文明開化と言うが中身は「いろは短歌」みたい
なもの。「色はにほへど 散りぬるを 我が世たれぞ 常ならむ 有為の
奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず」



美しい花もやがては散る、世の中は無常、有為転変は付きものだ、明るい
夢も見まい、酔いに浮かれもしまい、覚めれば一炊の夢の如し・・・人生
も国家もそんなものだろう。



不都合なことに目を背けて「日本は大国になる」と政府は豪語している
が、プロパガンダだけがいたずらに先行しているよう>



パロディ精神旺盛だが、当時は義和団の乱などで大清帝国が末期症状にな
る前夜、政府は日清戦争で大勝してピチピチの若き帝国として遅ればせな
がら国際舞台にデビュー、シナでの権益保護・拡大に懸命だったから「前
のめりはいかがなものか、ほどほどに」と緑雨は諫めたわけだ。



遅れてきた青年はやがて先輩すべてを敵に回して猪突猛進、獅子奮迅、そ
れだけでは「大義にならん」と「植民地解放、大東亜共栄圏」への道筋を
つけたが、矢尽き刀折れピカドン無差別大量虐殺をくらって嗚呼無情、
1945年に敗戦。



勝ち負けは兵家の常、大体、4勝6敗とか5勝5敗あたりが良いと戦国の武将
は言っている。勝ち過ぎると増長慢心したり、勝ちパターンに縛られたり
するから危険だ、という智慧だ。次回の戦争では勝とう! 復讐するは我
にあり、これが当たり前だから米国・GHQは日本を去勢することにした。
キ〇タマ出すか、それともタマシイ出すか、日本は後者を選んだ。あぽーん!



GHQは日本人の繁殖力を抑えるために占領軍に尻尾を振るコラボレーショ
ニスト、アカ≒リベラルなど反日屋を手先に使って少子化を進めるととも
に、青年の思考、欲望を修業や学問から遠ざけるためだろう、ディズニー
ランドみたいな大学を創らせた。



かくして急行列車が停車する=駅弁が売られているそれなりの街には大学
が雨後の筍のように増えた。大宅壮一はそれを嗤って「駅弁大学」と呼ん
だとか。浮薄は普及、悪貨は良貨を駆逐する、それを今どき嘆くのは小生
くらいかと思っていたが、立教大学の先生がこう学生に訓示しているのに
は驚いた。



<全カリ総合教育科目をめぐって:総合教育科目構想・運営チームリー
ダー/文学部教授 平野隆文



以下は本音の挑発的科目紹介である。第1段落を読んで激怒した諸君は、
精神衛生上の観点からそれ以上読むべきではない。即座にページを閉じる
べし。



斉藤緑雨が喝破したように「教育の普及は浮薄の普及」をもたらした。昔
は馬が大学で学び、ロバはそれぞれ得意な分野で活躍した。それが、戦後
民主主義の平等概念とともに崩れ、高校全入から大学全入までもが叫ばれ
始め、雨後の筍よろしく日本全国に700以上もの「大学」が乱立した。当
然、ロバにも馬並みの教育を施そうとしたが、逆に馬までロバなみのレベ
ルを強要される結果となった。



もはや昔に戻るのは無理だから、仕方なく、戦後になってアメリカ流の教
養教育を強要し、その後、各大学の裁量権が大きくなると、猫も杓子もロ
バ・レベルの教養科目を自前で作成するに至った。立教の総合教育科目
は、そうした露骨な(よって自然で、かつ偽善性のない)知的区別を隠蔽
する目的の下、文科省の覚えもめでたく、何度かの改変を経て今日に至っ
ている。



こうした現実を冷徹に見据えた上で、立教大学の全カリ総合科目を敢えて
否定的に紹介する(プロパガンダ用の美辞麗句は一切使わない、という意
味)。



先ず、立教科目群「立教A」だが、ここでは、いわゆる「自校教育」やら
「建学の精神」とやらをイデオロギーの中核に据え、「宗教、人権、大
学」の3テーマをアプリオリに肯定した上で、「教養あるロバ(形容矛
盾?)は人権主義者となるべきである」という立派な「洗脳」が行われる。



「立教B(立教S)」では、「話せば分かり合える」という幼稚園並の人
間認識に基づいて、「相互理解」の幻想を振りまいてくれるテーマをゼミ
形式で取り上げる。話しても分かり合えない人間(集団)が存在すること
は、歴史を繙(ひもと)けば即座に分かる筈だが、そんな冷徹な現実は無
視するに限るらしい、云々>



平野隆文先生、そこまで言って委員会? この大学の軽佻浮薄振りを揶揄
するような“本音”は立教大学では印刷物にはしなかったそうだが、新入生
にネットで公開したのは寛容なプロテスタントの大学だからか。St.
Paul's will shine tonight St. Paul's will shine・・・立派です。



大学は利益を求める企業であってはならないが、私学の場合は経営者=理
事のトップは営利主義に傾きやすい。大きいことはいいことだと、まるで
民間企業のように事業を拡大したがる。日大は学問軽視、利益優先をやり
過ぎたが、そいう体質があるのではないか。半世紀たっても変わっていな
いようだ。



<日大紛争は1968/昭和43年から1969/昭和44年にかけて続いた日本大学に
おける大学紛争、学生運動の立場からは「日大闘争」である。



理工学部教授が裏口入学斡旋で受領した謝礼を脱税していたことに加え、
1968年に莫大な使途不明金が明るみに出たことで、日大生の怒りが爆発し
たことに端を発し、大規模な大学紛争になった。秋田明大を議長とする日
大全学共闘会議の運動は、教職員組合や父兄会をも巻き込み、全学的な広
がりをみせた。



学内に機動隊が投入され、警察官1名が殉職したほか、双方に多くの負傷
者を出した。同年9月には学生側が古田重二良(じゅうじろう)会頭を筆
頭とする大学当局に経理の全面公開や全理事の退陣を一時約束させたもの
の覆され、運動は退潮していった。



開始時期の早さやバリケード・ストライキの長期的維持、万単位の学生を
動員して理事者との「大衆団交」を実現したことなど、東大紛争と並んで
全国の大学紛争に大きな影響を与えた。東大紛争と比べて要求項目が明確
であり、当初は大学民主化の色彩が濃かった。



1960年代後半に日本では18歳人口の急増と大学進学率の向上により大学生
の数が急伸し、大学教育は大衆化しつつあった。日大は、極めて強い保守
思想の持ち主である古田の経営のもと、その潮流に乗って急速に膨張し
た。1968年には学生・教職員総数15万を数える日本最大の大学となり、全
国大学生総数の約1割を占めるまでに至った。一方で、学習環境や福利厚
生、教職員数はこれに追いついておらず、教育条件の劣悪さに学生の不満
が高まっていた。



講義は500人から2000人程度の学生を入れた大教室で教員がマイクで話す
形式(いわゆるマスプロ方式)が中心であり、教員の質も低く、それにも
関わらず授業料はしばしば値上げされ、当時の日本の大学の中でも特に高
額であった。



一部では環境改善を求める自治運動や学園の民主化、自治会の全学連加盟
などを求める運動も行われたが、大学当局は「学生の指導を徹底強化す
る」「学内における政治運動は禁止する」と方針を打ち立てこれを抑圧
し、運動部や応援団の体育会系学生を優遇して学生活動を弾圧する実行部
隊として利用した>(WIKI)



日大闘争とリーダー、秋田明大(あけひろ、1947―)は、ほとんどの大学
紛争が反日共系の過激派≒全共闘(全学共闘会議)による共産主義暴力革
命運動であったなかで、「大学を学生の立場から真摯に改革したい」とい
う、純粋な運動であったという評価が高い。



一方で悪役になったのが日大のドン、古田重二良だ。WIKIによると古田は
柔道家。日大トップは文武両道、格闘技の猛者でないと務まらないのか?
 古田も日大出身で、同級生だった池田正之輔衆議院議員(当時)は古田
を評し「秋田犬のように噛み付いたら離れない人並みはずれて執念深い性
格の持ち主」と発言しているとか。



<古田は秋田県秋田市生まれ。教職を志し秋田師範学校に入学したものの
校長の排斥運動を行ったことから退学。柔道部の先輩を頼り、日本大学専
門部法律科へと進学し、学生時代には柔道部主将として学業より柔道の方
に身が入っていたという。1926年(大正15年)日大高等専攻科法律学科を
卒業すると、日大高等工学校(現在の理工学部)職員と兼務する形式で柔
道師範として就職する。



古田には日大の歴史において功罪両面がある。戦後教育の民主化と戦後復
興から経済成長による国民生活向上で、高等教育の進学率が上昇した。そ
れに対応する形で高度経済成長に適応した高等教育が必要となり、国(文
部省)は教育政策でアメリカの科学技術・文化を取り入れた。これに影響
されて、首都圏の大学では比較的一般人が目指せるものとして、エリート
養成から大衆化に移行しつつあった。



特に日大では、欧米の大衆化した教育文化に影響され進学率上昇や少子化
社会への移行を踏まえたマスプロ教育が導入された。古田は大学進学率が
低かった頃に、成熟した欧米諸国にある大規模校のように、日大を日本一
のマンモス校へと成長させた。戦前・戦後期のエリート層しか進むことの
できなかった高等教育機関ではなく比較的一般人が目指せるものとした。
また前述した学部・学科の新増設なども産業界の教育に対する要請に応え
る要素が大きかった。



その一方で日大闘争により問題のある設備と教育内容、体育会系の右翼学
生が度々起こす暴力事件など、マスプロ教育の負の側面を露呈した。学部
自体の独立採算制は「学部あって日大無し」と言われるほどの独立性を高
める一方で、学部間の確執や対立を引き起こすマイナス面も招き、政財界
ばかりか芸能・マスコミ・スポーツ界にわたる日大閥を巻き込む格好での
大規模化により巨額の金が学内で動くようになり、それに伴う利権争いや
派閥争いが激化することとなった。



ただ、アカデミズムより法人としての利益を優先する姿勢に対しては日大
内部でも評価と批判が相半ばするところがあった>(WIKI)



今回、またもや日大経営トップがカネをめぐる事件を起こしてしまった。
50年前の日大闘争は経営陣にとっては忘却の彼方になったのか? 情けな
い話だ。産経2022/1/12「私学ガバナンス議論、仕切り直し 文科省の特
別委が初会合」はこう報じている。



<私立大などの運営母体となる学校法人のガバナンス(組織統治)強化策
をめぐり、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の下に新設された特別
委員会(主査・福原紀彦前中央大学長)は12日、初会合を開いた。弁護士
ら有識者のほか、私学団体関係者も委員として参加し、学校法人幹部によ
る不祥事などを防ぐための改革の方向性について意見交換した。同省は特
別委で意見がまとまり次第、17日召集の通常国会に私立学校法改正案を提
出する考え。



昨年12月には、別のメンバーで構成された同省の有識者会議(座長・増田
宏一日本公認会計士協会相談役)が、各法人に設置される学校運営の諮問
機関である「評議員会」を「最高監督・議決機関」として位置付け、学外
者のみで構成し、理事の選任・解任権を与えることなどを柱とする報告書
を文科相に提出。学校経営のあり方に大きな変容を迫るため私学側が猛反
発し、特別委は事実上、議論を仕切りなおす役割を担うことになった。



この日の会合では、日本私立大学連盟会長の田中愛治早稲田大総長が「コ
ロナ禍など不測の事態もあり、教育機関には迅速な意思決定が必要。(非
常勤の)評議員会では速度が落ちる」と指摘するなど、私学関係者から有
識者会議の報告書に対する批判が相次いだ>



営利企業と変わらない儲け至上主義の大学・・・福翁は慶応大学を創設し
たが報酬は得なかった。荷風は一時期、慶応大学で教鞭を執ったが、「早
稲田文学」に対抗して「三田文学」を興すように上から指示され、「早慶
戦じゃあるまいし」とうんざりさせられた。早慶戦は勝っても負けても学
生は街に出て酒をあおり、暴れまわるのが常だった。荷風は早々と大学と
縁を切った。小生は大学から縁を斬られた、嗤うべし。



大学は学問をするところで、スポーツは余技あるいはサブではないか。大
学間で研究、学問の成果を競うなら分かるが、新聞を見るとスポーツの
ニュースばっかり。大学対抗スポーツで優勝や上位入賞だと人気が出る=
知名度が上がる=学生が集まる=儲かる、というようなことを、まさか最
高学府の大学がやっているはずはない、と心の底から信じている・・・そ
ういう人、いるのか?



旺文社教育情報センターによると2021/4/1時点の日本の大学数は788校
だ。国立大学82校(10.4%)、公立大学93校(11.8%)、私立大学592校
(75.1%)など。半分に減らしても394校もある。



労働政策研究・研修機構の職業別就業者数(男女計、就業者数計=6676万
人、2020年平均)によると、販売848万人(12.7%)、サービス828万人
(12.4%)、運搬・清掃・清掃・包装等481万人(7.2%)、建設・採掘等
292万人(4.4%)、輸送・機械運転216万人(3.2%)合わせると2665万
人、40%だ。



福翁が言うようにみんな大事な仕事だが、大学で4年間学ぶ必要があるの
か? 文系の場合は小生の愚息のようにバイト、サークルが主という学生
が6割はいそうだ。日本での多くの仕事は中卒、高卒で十分であり、大学
全入なんぞ愚の骨頂ではないか。私大が儲けるだけのよう。



優秀な若者だけが大学で学べばいい。優秀だけれど金銭的に大学へ行けな
いという若者は国、自治体、財団などが支えればいい。大学は大学業界の
ためにあるのではない、国家に寄与する優秀な人材を育むためにある。日
本や国際社会を脅かす中共など敵性国家の留学生を受け入れるなんぞ愚の
骨頂である。原点に戻るべし。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


◆小池都知事の愚策¢セ陽光発電義務化条約 
【有本香の以読制毒】


「エコ」とは程遠い子供だましの嘘…「ウイグル人弾圧後押し」中国を儲
けさせる 


「直下型地震相当のものという認識だ」

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が急拡大した場合の
経済への影響をこう表現したのは、東京都の小池百合子知事。本コラムで
小池氏の話題を取り上げるのは久方ぶりだが、相変わらず、科学も論理も
お構いなく、ニュースの見出しになることだけを狙ったような物言いは健
在である。

その小池氏はいま、都内の新築一戸建て住宅の屋根に、太陽光発電設備
(太陽光パネル)の設置を義務付ける条例制定に意欲的だという。最近か
まびすしい「脱炭素、再エネ」ブームに、「我こそは先駆者」とばかりに
愚策≠繰り出したのである。

実は、都内某所にある小池氏の私邸はまさにこれ。十数年も前すでに、そ
の屋根に太陽光パネルを貼った、ご自慢の「エコハウス」にお住まいなのだ。

一個人として、「わが家の屋根の上の太陽光パネルで電気の自給自足ステ
キ」と思うのは、小池氏の趣味なのだろうから否定しないが、日本の首
都・東京で、一軒家を建てる人すべてにこれを義務付けるというのはバカ
げている。ちなみに、東京での戸建て新築軒数は月に約十万軒にも上る。
こんな条例案は、何としても都議会で潰してもらわねばならないので、そ
の理由を書く。

そもそも、太陽光発電は「エコ」とは程遠い。化石燃料も原子力も使わな
い、日々降り注ぐお日さまの光で電気がつくれる=エコというのは絵空
事、子供だましの噓だと言ってもいい。

太陽光発電は、絶えず降り注ぐ太陽光を確保する必要があるため、本来そ
れに適した立地条件と広い面積を必要とする、いわば非効率的な発電方法
だ。東京のような密集地、地震も大雨もある大都市に適さないことはいう
までもない。しかも、セメントやガラス、シリコンなど大量の材料が必要
で、ということは廃棄物も大量に出されるということ。脱物質(=脱炭
素)とは正反対の手法で、全然「地球に優しく」ない、ともいえる。

山間部が多く地震も多い日本では、デメリットの方が大きいと見られる太
陽光発電の事業だが、ご承知のとおり、近年、これが超拡大傾向にある。

例の「セクシー発言」で国民に嗤(わら)われた小泉進次郎氏が環境相を
務めた頃、環境省は、2030年度の太陽光発電の導入目標に約2000
万キロワット分を積み増す方針を決めている。原子力発電所20基分に相
当する規模だ。小池氏はここに目をつけたのだ。

しかし、太陽光発電にはもう一つ、深刻な問題が絡む。世界が批判の声を
上げる「ウイグル問題」との関連である。

現在、世界の太陽光発電で用いられる器材の約8割が中国企業でつくられ
ているとされ、そのうちの6割が新疆ウイグル自治区でつくられている。
要するに、太陽光発電推進は、ウイグル人弾圧を後押ししてまで中国を儲
けさせる、反人道的な策といって過言でない。

米当局は昨年来、ここにメスを入れている。

具体的には、米国税関国境保護局(CBP)が昨年6月、新疆ウイグル自
治区で太陽光パネルの原料などを製造する「合盛硅業(Hoshine 
Silicon Industry)」からの輸入を一部差し止める違反
商品保留命令(WRO)を出した。同社製品(ポリシリコンなど)の生産
工程で強制労働があったことが理由だ。

また、米国商務省・産業安全保障局(BIS)は同日、合盛硅業を含む新
疆ウイグル自治区の5つの企業・団体を、エンティティ・リスト(=国家
安全保障や外交政策上の懸念がある企業)に追加した。理由はやはりウイ
グル人らへの拘束や強制労働、高技術による監視などの人権侵害だった。
その後、昨年12月に、米国で「ウイグル強制労働禁止法」が成立したこ
とはご承知のとおりである。

小池氏が真に感度の高い$ュ治家なら、この国際潮流に逆行することは
あり得ないのだが、都知事となってからの小池氏の行動には、「親中派」
政治家のそれと思しきことが多い。

かくなる上は、東京都議会の見識に期待するしかなく、そのためにも良識
的な都民の声の惹起(じゃっき)に努めるしかないのである。

有本香
ジャーナリスト
著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

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━━━━━━━━━━
 

◆カザフスタンの闇。

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月14日(金曜日)
     通巻7186号 

 カザフスタンの闇。トカエフは「二頭政治」体制を暴動に便乗して一元化へ
  ナシモフ元首相拘束は、ナゼルバエフ前大統領「院政」の終わりの始まり
***************************

 アルマトイ等からロシア兵は撤兵を始めた。
 暴動が収まって「訓練されたテロリストが組織的に行った」という総括
の下、元首相を拘束するという意外な展開を見せ、闇に包まれていた背景
が見えてきた。

 つまり、ナゼルバエフ前大統領の形式的な権力禅譲とはイメージだけで
あり、国家安全会議議長はナゼルバエフ前大統領派が牛耳った。
トカエフ大統領は、このボスを拘束したのである。
 
 トカエフ大統領はナゼルバエフ前大統領の傀儡と見られていたが、経験
豊かなベテラン政治家であり、事実上は「二頭政治」体制だった。トカエ
フは、暴動に便乗して一元化へ走る。
だから治安、情報責任者のナシモフ元首相を拘束したのだ。
ナゼルバエフ前大統領「院政」の終わりの始まりとなる。

 権力構造が交替する典型例に一つである。
 以下は拙著『日本の保守』(ビジネス社)からの抜粋である。

 「藤原仲麻呂の絶頂は(新羅征伐の準備が水泡に帰しても)、以後も三
年ほど続いた。
 だが光明皇后がみまかり、仲麻呂を毛嫌いするようになった孝謙天皇が
即位して、淳仁天皇を煙たがり、険悪な関係となった。仲麻呂の世は唐突
に終わりを告げる。

 763年、興福寺別当で仲麻呂派だった慈訓が解任され、後任は誰あろ
う、弓削道鏡だった。同年に鑑真が死去した。道鏡が閨で何を囁いたかは
定かではないが藤原仲麻呂の討伐が準備されていた。
 764年、(ライバルの)吉備真備が太宰府から帰任し要職に就いた。
 
藤原仲麻呂は劣勢に立たされたことを自覚する。すでにその二年前から仲
麻呂暗殺計画が練られており、藤原良継の変もあったが、首謀者らは筑
紫、肥前あたりに左遷されただけの謹慎処分だった。藤原仲麻呂の権勢が
揺らいだのは女婿の藤原御楯が死去し、自らの軍事力が明確に削がれたこ
と、後任の授刀衛督にライバル藤原北家から。正志(四等官)には道鏡の
弟が就任し、つまり王城護衛軍は仲麻呂の統制から離れた。
 
孝謙天皇に絶大な信頼を寄せられ、「法王」の位に就いていたのは道鏡
だった。
 かつて仲麻呂が仕掛けたように謀をなし、仲麻呂の失脚を謀る計画は孝
謙天皇のもと、軍略は吉備真備が臨機応変に立案し、動員計画をすすめ即
応態勢を敷いた。
 仲麻呂は危なきを自覚し近江から越前へ逃亡し越前国府に赴任している
息子のもとで態勢の立て直しを図ろうとした。吉備真備は朝廷軍を先回り
させ、瀬田大橋を封鎖し近江に入れさせず、湖西方面へと仲麻呂軍を追い
やり、要衝をすべて抑えた。これが藤原仲麻呂の乱(惠美押勝の乱)であ
る。」(引用終わり)。
  

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【知道中国 2316回】               
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港197)

    △
 陳凱歌は習近平より1年早い1952年に北京で生まれ、両親は共に共産党
幹部だった。ならば習近平も同じような家庭・社会環境で育った。ここに
記されている「当時」は1950年代末期の反右派闘争前後を指すことから推
測して、おそらく習近平も「敵に対しては厳寒のように冷たく無情に」と
いった時代風潮の中で幼少期を過ごした。
やはり三つ子の魂百までも、と考えても強ち間違いはなかろうに。

 それにしても、である。「昔から中国では、押さえつけられてきた者
が、正義を手にしたと思い込むと、もう頭には報復しかなかった。寛容な
どは考えられない。
『相手が使った方法で、相手の身を治める』というのだ。そのため弾圧そ
のものは、子々孫々なくなりはしない。ただ相手が入れ替わるだけだ」と
の「明快な道理」を、「中華民族の偉大な復興」を解き明かすカギである
と捉えてみたいのだが。

 かりに習近平が現在の中国の持つ経済力と軍事力を「正義」と思い込ん
でいるとしたなら、「明快な道理」からして行き着く先はほぼ間違いなく
「もう頭には報復しかなかった。寛容などは考えられない」ことになる。
だから習近平の対外膨張・覇権路線の根底には19世紀初頭以来の2世紀に
近い民族的怨念が込められている。さらに1958年に大躍進政策を掲げた毛
沢東の見果てぬ夢──「超英?美」──が加味されていると考えれば、習近平
の傲岸不遜な振る舞いが理解できる。夜郎自大もここまでくると、正直
言ってマンガだが。

 スターリン死後、東側世界の盟主を任じていた毛沢東は、「米ソ平和共
存路線」に大きく舵を切るフルシチョフを徹底して見下していた雰囲気が
アリアリ。それはそれでいいのだが、問題はフルシチョフの挑発に乗って
「超英?美(世界第2位の経済大国であるイギリスを追い抜いて、第1位の
アメリカに追い付き追い越す)」などと口走ってしまったことだ。

 毛沢東は「超英?美」をスローガンに掲げ、食糧と鉄鋼を軸にした大増
産運動に国民を駆り立てた。大躍進政策などと名前だけはリッパで勇まし
いが、とどのつまり国民を飢餓地獄に突き込ませただけ。「超英?美」は
最初から無謀極まる愚策だったのである。

 それから60年余。今や経済的にはアメリカに肉薄するばかりか、数年後
にはアメリカを追い抜く勢い・・・らしい。まさに習近平は毛沢東すら達
成できなかった「?美」を実現させつつある。

 かくて最近の習近平の思考回路が「もう頭には報復しかなかった。寛容
などは考えられない」に明確に切り替わったと考えるなら、対症療法的な
中国包囲の網で締め上げようとする方策は再考を要するのではないか。
世界史を振り返ったうえで、「100年戦争」ならぬ「200年戦争」を想定す
べき時期に立ち至っているように強く思う。

 閑話休題。
 第六劇場に通ううちに舞台に登場する老旦(おばあさん)の役柄に悪人
がいない。いや、それどころか正義の体現者であり、一族の団結の要と
いった性格付けがされている点に大いなる戸惑いを覚えたものだ。
それというのも、中国の家族関係においては家長・族長が家庭内、あるい
は一族内では絶対的権威を振るい、女性は虐げられるが儘に忍従の人生を
送ると、日本で教えられていたからである。

 第六劇場で目にした「岳母刺字」「楊門女将」「四郎探母」「李逵探
母」「拾黄金」「目蓮救母」などに登場する母親たちは、日本で学んだ中
国の母親像とは余りにも違っていた。

 たとえば「岳母刺字」である。目の前に跪かせた我が子の背中に自らの
手で「尽忠愛国」の4文字を刻み、異民族との戦いに出征する息子の岳飛
に「この期に及んで怯んでどうする。
凜々しく、正々堂々と戦ってこい」とハッパを掛けるのは、母親である。
ともかくもオッカサンは勁く、正しく、厳しく、そのうえに極め付きで
雄々しいばかりだ。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読
者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)「松の内」はとうに過ぎましたが(地域により時期の差が
あるが、笑)、新年明けましておめでとう御座います。
旧年中も貴誌上の本文にて様々な事象を、また定期投稿の先生方の御意見
や、「読者の声」欄にての読者諸氏の考えを、学ぶ事が出来ました。
 今年こそは、宮崎先生におかれては念願のユーチューバーデビューなさ
れ、「宮崎正弘電子志塾」を開講して後進の国粋青年育成を図っていただ
きたい。
かつて、日本国最高権力者であった小泉純一郎首相が、「女性天皇」と
「女系天皇」の区別もつかないという事態が御座いました。恐らく単なる
無知で悪意は無かったと思いますが、非常に恥ずかしい事でした。
 今後、こういう最低限の日本の伝統、國體、を全く理解出来ぬ者が権力
の座に就く事が無い様に若手政治家や、政治家を志す青年に宮崎先生の教
えが届く年になりますように。(道楽Q)


(宮崎正弘のコメント)小生としては逆で、なるべく映像世界から遠ざか
り、出演本数も減らして、著作に専念したいと考えております。メルマガ
も発行頻度をすこし減らしていく予定です。 

2022年01月14日

◆雀庵の「開戦前夜/6在日中国人は中共の手先になる?」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/417(2022/1/12/水】自衛隊OBの話では「奥さん
が中国人」という自衛隊員は珍しくないようだ。奥さんが帰化(日本国籍
取得)したのかどうかは分からないが、酒場や飲食店に務めている中国人
女性は珍しくない。日本語学校に通いながら夕方からは飲み屋でアルバイ
ト、という20代、30代の中国人女性と小生は顔馴染みになったが、彼女ら
は1985年のバブル景気頃から急増していった印象だ。



自衛隊は基本的に男の職場だから、世間では普通の「職場結婚」の機会は
あまりないだろう。自衛官は公休の夜は飲み屋で過ごすのは普通のよう
で、基地のある街には飲み屋が多い。小生の生まれ故郷は米軍座間キャン
プの側で、最寄り駅の小田急「相武台前」は米軍や基地労働者相手の飲み
屋がいっぱいあり、英語の看板も多かった。学生の頃は横須賀の近くに住
んでいて時々“どぶ板通り”を散策したが、兵隊さんは公休の日は人種を問
わず「酒と女給と娼婦」で癒されるよう。どこの国でも同じだろう。



基地の街は兵隊さんに優しい。近衛兵時代の父は「横須賀に行ったら“兵
隊さん、兵隊さん”って大歓迎してくれた!」と日記に書いていた。小生
は罰当たりにも「どうしたら横須賀基地を機能不全にできるか、港の出入
り口を封鎖するにはどうすべきか、旅順口閉塞作戦を学ぶべし」なんて
思っていた。



ふたつの祖国・・・生まれ育った中国、所帯を持った日本。21世紀版日中
戦争が起きたら自衛官の中国人妻はどうするのだろう。帰化していないな
ら敵性外国人として見られるから生まれ故郷か第三国へ移るのだろうか。
帰化していても「中共の手先」と疑われたりして嫌な目に遭う可能性は高
いだろう。国際結婚とか異国で暮らすというのはそういう面でリスクがある。



在日の中国人は不安を感じないのだろうか。平時でも口座開設、クレジッ
トカードの作成、手続き時のコミュニケーション、年金などの支払い、印
鑑の作成・登録、運転免許・・・女性の場合は妊娠・出産・育児も大きな
不安になっているようだ。帰化していない上に“ふたつの祖国”が戦時に
なったら尚更不安だろう。



結局、在日同胞や中国系の互助組織に頼らざるを得なくなり、その最大の
組織が30の団体からなる「全日本華僑華人連合会」のようだ。国立研究開
発法人科学技術振興機構・アジア太平洋総合研究センターの「サイエンス
ポータル・アジアパシフィック」によると――



<全日本華僑華人連合会は、日本の華僑華人団体により組織される連合体
であり、日本に所在する華僑華人団体の相互の協力及び交流を促進するこ
とを目的とする非営利任意団体である。



趣旨は、歴代の日本に所在する華僑華人の優れた伝統を引き継ぎ、発展さ
せ、華僑華人団体の相互の結びを強め、各地域の華僑華人の親睦及び交流
を促進すること、在日華僑華人の合法的権益を保護し、在日華僑華人の社
会的地位及び名誉を向上させること、並びに日中友好交流及び協力に尽力
し、日中両国の経済、文化及び科学技術の発展を促進する>



何となく中共独裁政権とは距離を置いている感じだ。一方でガチ中共系の
「日本華僑華人聯合総会」もある。聯合総会によると――



<1949年10月1日の中華人民共和国成立は、華僑、留学生に中華民族とし
ての誇りと祖国発展に明るい希望、祖国を熱愛する勇気を奮い立たせた。
さらに台湾解放が目前に迫っている期待と自信をあたえた。



しかし、1950年6月25日、朝鮮戦争が勃発し、米国は中国の台湾解放を阻
止するために、台湾海峡に第七艦隊を派遣し、台湾を防衛すると宣言した。



このような情勢を反映し、米、日、蒋は結託して、新中国を支持する華僑
を敵視し、あらゆる手段を使って、華僑、留学生弾圧の挙に出た。その一
環として、当時の中華民国駐日代表団が華僑弾圧の暴挙に出たので、東京
華僑総会は同学総会と各地同学会と連帯し、祖国を擁護し、「反蒋愛国統
一戦線」の拡大、強化に全力を注いだ。



三十年間の活動:社会主義祖国を擁護し、反中国・華僑迫害と断固として
闘った。一方で(毛沢東の文化大革命により)1966年の中共、日共の共同
声明が不調に終わったことによって引き起こされた友好団体内部の(毛沢
東独裁派 vs 改革開放派)問題、日中友好を守る(毛沢東独裁派の)人た
ちと反中国分子(改革開放派)の闘いは熾烈を極め、各方面の友好事業に
大きな困難をもたらした。 華僑ももちろん、その渦中に巻き込まれ、苦
しい闘いを強いられた。



1972年の中日国交正常化は、華僑にとって大きな喜びであった。国交正常
化以降、また(トウ小平による))祖国の改革開放政策によって華僑社会
でも大きな変化が起こった。



一世の老華僑が減少し、日籍華人が増加したが、全体として5万人足らず
であるのに対し、改革開放政策後、 すなわち80年代以後、大陸からの来
日者が急激に増加し、各方面で活躍するようになった。88年12月末の外国
人登録者数(入管発表)は、中国人27万2230人になり、20余万人の新華僑
が在日しており、また、 すでに帰化した華人も少なくない。これらの新
華僑は個別的な組織はあるが、当時統一組織はまだ成立していなかった。



特に日本においては、華僑、華人の歴史的経過を考慮し、情勢の発展に伴
い、老華僑と新華僑が華人と連携して、華僑華人社会の団結をはかること
が急務であるとの認識から、 2003年5月28日、「日本華僑華人聯合総会」
が成立した。一方、新華僑、華人は2003年9月21日、 「全日本華僑華人聯
合会」を成立した。このように、二つの聯合組織が連携して、 日本にお
ける新老華僑の新しい華僑社会の構築に向かって前進する基礎ができたと
言えよう>



「日本華僑華人聯合総会」は中共べったりの反日勢力で衰退気味のよう、
一方で「全日本華僑華人聯合会」は自由民主・資本主義を支持している勢
力のようだが、習近平・中共は「中華民族はすべからく中共の命令に従
え」というスタンスだから、有事の際に在日中国人がどう動くかは分から
ない。WIKIから。



<在日中国人は、日本に在住している中華人民共和国の国籍を持つ者を指
す。広義には中華人民共和国(香港、マカオを含む)と中華民国(台湾)
の国籍を持つ者を指すが、台湾籍の者は在日台湾人と呼ばれる事が多い。
ちなみに、日本に帰化した者は中国系日本人(華裔日本人、日籍華人)と
呼ばれ、本項では触れない。



日本に中長期に滞在している在日中国人は2020年末現在77万8112人で、他
の在日外国人より多い(194国中1位)。留学や技能研修など日本に学びに
来ている人が多いが、働いている人も多い。職種は技術・人文知識・国際
業務や調理師から経営者、大学教授まで幅広い。戦前から多数日本に居を
構えており横浜中華街などを形成するなどした。その人数は1990年代から
倍増し2000年代前半からも増加傾向にある。



本国を離れてはいても、18〜60歳の男性と18〜55歳の女性の中国人は「国
防動員法」の適用対象のもと、日本に居住している>



「国防動員法」・・・長野市で行われた北京五輪聖火リレーでの騒擾を思
い出す。宮田敦司/北朝鮮・中国問題研究家「毎日のように尖閣周辺に
やってくる中国船 中国の『民間人』に占領される可能性も」デイリー新
潮2020/12/19から。



<2013年11月24日、在日中国大使館が公式ウェブサイトで在日中国人に対
して、緊急事態に備えて緊急時の連絡先を大使館に登録するよう呼びか
け、登録を始めた。



在日中国大使館側は「重大で突発的な緊急事態が生じたとき」に、在日中
国人を支援し、身の安全や利益を守りやすくするためと説明しているが、
この背景には「国防動員法」の存在があるとされる。



国防動員法は中国国内においては、有事の際に「全国民が祖国を防衛し侵
略に抵抗する」ため、公共機関、民間施設・資本を管制下に置き、これら
の物的・人的資源を徴用するなど軍務を優先し、あらゆる民間の経済力を
「後方支援」と位置づけている。



問題は中国国外にいる中国人である。国防動員法は年齢条件を満たした中
国人全てを対象としている(国連職員を除く)。18〜60歳の男子、18〜55
歳までの女性は「平時には法により国防動員準備業務を完遂しなければな
らない」「国が国防動員の実施を決定した後には、所定の国防動員任務を
完遂しなければならない」(第5条)と規定されているからだ。



つまり尖閣(など日中)有事の際、在日中国人も日本国内の治安を乱す恐
れがある。最悪の場合、警察だけでは対応できなくなり、自衛隊に「治安
出動」が下令され、自衛隊も治安維持に投入される=自衛隊の戦力が削が
れてしまう、かもしれないのだ。



仮に「有事」となれば、陸上自衛隊は、政府機関、原発、石油貯蔵所、浄
水場、在日米軍基地、航空管制施設、通信施設の7種類、計135カ所の重要
防護施設の警備に投入されるため、治安維持には対応できない。



国防動員法の前提である「有事」についての規定は極めて曖昧だが、尖閣
諸島で「中国の主権が侵害された」と中国政府が判断した時などに適用さ
れる可能性がある。



2019年末現在、日本に中長期に滞在している民間の中国人は81万3675人
だ。彼らが、平時から同法の課す義務を負っていることに注意を払う必要
がある。次に述べる北京五輪聖火リレーにおける中国人の動向は、国防動
員法の脅威の一端を示している。



2008年4月26日、長野市で行われた北京五輪聖火リレーで畳ほどもある大
きさの無数の中国国旗「五星紅旗」が翻った。警察官3000人を動員する厳
戒態勢の中で行われた長野市の聖火リレーは大きな混乱を避けることはで
きたが、沿道を埋め尽くした中国人4000人による日本人らへの暴行事件が
起きていた。



中国人の応援団は同日未明から大型バスで各地から続々と到着した。早朝
にマイクロバスが5人ずつ沿道各所に中国人を降ろして回っており、各集
団には号令をかけるリーダーが確認されている。この5人はおそらくリー
ダー役だったのだろう。



これらの中国人は、中国大使館が留学生などに大量動員をかけ組織的に長
野へ送り込んだのだろう。このように、在日中国人は大使館の指示によ
り、組織的に動くことが出来るようになっている。



日本国内に居住する中国人が本国で軍事訓練を受けていないとは断言でき
ない。「有事」となったら、軍事訓練を受けている中国人は自衛隊基地・
駐屯地や海保の拠点に対して破壊活動を行う可能性がある>



日本領土、日本国民の命を守ることよりも中共とのWinWin経済が大事だと
いうような媚中派政治家が多過ぎる。「習近平・中共は戦後最大の日本の
危機である」という認識がないのだ。トウ小平の改革開放に大貢献した松
下幸之助パナソニックに対し中共は見事に「恩をアダで返した」のであ
る。加瀬英明先生著「日本と台湾」から。



<戦後の日本を一つの私企業にたとえてみれば、怪しげな平和主義を社是
にして、経済的な快楽を脇目も振らずに追及するビジネスモデルを採用し
てきた会社だと言えよう。



2011/平成23年から2012年にかけて、このビジネスモデルが無残に破綻し
た。中国が全国にわたって官製か漢製の反日デモを煽り立てるかたわら、
露骨に尖閣諸島を奪いにきた。



暴徒が最初に襲ったのがパナソニックの工場だった。私は松下政経塾の役
員を長く務めたから、啞然とした。松下幸之助翁がトウ小平が来日した時
に頼まれて、日本の誰よりも先に中国に投資して工場をつくったという歴
史があったからだ。



1972/昭和47年9月に日中国交正常化が行われて以来、日本が描いてきた
「日中友好」の幻想が無残なまでに破られた。日中友好も平和憲法も幻想
にしか過ぎなかったのだ。



幕末から明治にかけて日本は大人の国であったのに、アメリカによって守
られた“平和”憲法体制の下で幼児化して、子供の国になってしまった>



「子供の国」・・・我が家の近くには「こどもの国」があり、3人の子供
が小さい頃はよく行ったものだ。「戦時中、当地は旧・日本軍最大規模の
弾薬組み立て・格納などを目的とした弾薬製造貯蔵施設(陸軍東京兵器補
給廠・田奈部隊填薬所)であり、敗戦後は田奈弾薬庫として米軍に接収さ
れていた」(WIKI)



米国に牙も爪も奪われた虎は猫になって「戦」の一字を忘れ、猫島の泰平
を貪っていたが、今や戦狼に威嚇されて「泰平の眠りを覚ます上喜撰 た
つた四杯で夜も寝られず」の右往左往になりそう。尻尾を巻いて奴隷にな
るか、勇武果敢に攘夷に向かうか、二択である。まずは同志諸国との連携
で対中経済封鎖をすべし。



なお、青島のパナソニック工場が官製デモにより襲撃された際、工場に勤
めていた若者は「工場で働いているのは皆中国人だ。なぜそれを襲わなけ
ればならないのか? こんなのは愛国じゃない、犯罪だ。僕たちの生活を
どうしてくれるんだ? 同じ中国人なのに」と嘆いていたという(小林史
憲・テレビ東京プロデューサー)。諸悪の根源、習近平一派を排除せよ!





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ここにもプーチンと習近平の影  
北野幸伯

カザフスタン暴動の勝者と敗者:
 
ロシアと中国に国境を接し、地下資源に恵まれた豊かな国・カザフスタン
で起きた大規模な暴動。同国大統領から要請を受けたロシアが主導する部
隊により鎮圧されましたが、カザフスタン独立以来最大の死者を出したこ
の暴動の裏には、どのような事情が潜んでいるのでしょうか。今回の無料
メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北
野幸伯さんが、その背景をロシア留学の経験を交えつつ解説。さらに当暴
動の「勝者と敗者」について論じています。



カザフスタンの乱、勝者と敗者
年明け早々騒がしかったのが、中央アジアの旧ソ連国カザフスタンです。
ここで年明け、ガス料金が2倍になった。そのことをきっかけに大規模デ
モが発生。一部が暴徒化しました。

カザフスタンのトカエフ大統領は、ロシアのプーチン大統領に支援を要
請。ロシアとカザフスタンは、「集団安全保障条約」を締結しています。
この条約には、二国の他に、ベラルーシ、アルメニア、キルギス、タジキ
スタンが加盟している。そして、ロシアを中心とする多国籍軍がカザフス
タンに到着し、大規模デモを鎮圧したのです。

ざっくり話しましたが、普通の日本人であれば、「なんのこっちゃ」とい
う感じでしょう。もう少し細かくお話しましょう。



カザフスタンとは
まず、事件が起きたカザフスタンについて。既述のようにカザフスタン
は、中央アジアにある旧ソ連国です。中央アジア最大の国。ロシアの南に
位置し、カザフ南東部は中国とも国境を接しています。

カザフスタンの地政学的重要性は、「大国ロシアと中国の間にあること」
でしょう。カザフ人の顔はアジア系です。しかし、日本人とは違い、モン
ゴル人と同じような顔をしている印象です。

既述のようにカザフスタンは、かつてソ連の一部でした。1991年12月、ソ
連崩壊直前に独立を宣言しています。私がモスクワに住んでいたころ、カ
ザフスタンは、「中央アジア一の豊かな国」という印象でした。今もそう
ですが。

同じ中央アジアの旧ソ連国でも、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタ
ンは貧しく、モスクワに出稼ぎがたくさんきていました。彼らは、男性な
ら、タクシー運転手、建設労働者、道路清掃などをしていた。女性なら、
スーパーのレジ係、家政婦、ベビーシッターなどをしていました。モスク
ワで雪の降る日、道路の雪かきをしているのは、ほとんど中央アジアの人
たちでした。

ところがカザフスタンからの出稼ぎはいなかったのです。なぜ?カザフス
タンは、資源大国だからです(2020年時点で、石油生産世界14位、石炭生
産8位、ウラン世界1位)。カザフは2000年から2008年まで、9〜10%の急
成長をつづけていました。この時期、原油価格が右肩上がりであがって
いったからです。08年夏、原油価格はバレル=140ドル台まで暴騰してい
ました。それで、カザフスタンは大儲けしていた。この辺の事情は、ロシ
アと同じです。

ソ連崩壊後、初代大統領はナザルバエフさんでした。彼は1991年、独立カ
ザフスタンの大統領になり、なんと2019年までその地位にあった。28年つ
づいた長期政権でした。そして、経済が好調だった2000年代、ナザルバエ
フの支持率は高止まりしていました。当然でしょう。しかし、「100年に1
度の大不況」が起こった08年以降、かつての急成長はできなくなった。
2011年から2020年までのGDP成長率は、平均3.48%になっています。理由
は、シェール革命の進展で、原油価格が以前ほど上がらなくなったことで
しょう。10年間の平均が3.48%といえば、日本人にはうらやましいです
が…。コロナ禍の2020年、マイナス2.6%でした。

カザフの二重権力
2019年3月、ナザルバエフは大統領職を引退しました。そして、外相、上
院議長を務めたトカエフさんが大統領になったのです。

しかし、ナザルバエフは、影響力を保っていたのです。彼は、「国父」と
よばれ、「国家安全保障会議」の「終身議長」という立場をゲットした。
2019年には首都アスタナの名称がナザルバエフの名前である「ヌルスルタ
ン」に変更されました。

これって、想像してみるとすごいことです。たとえば北京の名称を「近
平」、モスクワを「ヴラディミル」、ピョンヤンを「正恩」とするよう
な。普通に考えれば、「大丈夫かなこの人」という感じでしょう。



ナザルバエフ前大統領とトカエフ現大統領。この二重権力が、カザフスタ
ンをややこしくしていたのです。

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◆秘密の特殊部隊「山鷹」は、

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月12日(水曜日)
     通巻7184号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
香港に武装警察特殊部隊の少将が赴任
  秘密の特殊部隊「山鷹」は、香港で何をするのか?
****************************

 香港における武警司令員が膨京堂少将になったと発表があった。
かれはこれまでに済南軍区旅団長、済南軍区司令部軍事訓練部長、武装警
察新江総隊参謀長、武装警察部隊副参謀長などを歴任し、猛訓練に耐えて
精鋭を育成し、テロ対策に備えてきた。

秘密の一端が明らかとなって、中国武装警察には既に「山鷹部隊」が編成
されており、米軍の特殊部隊「シールズ」並の激しい訓練を受け、実弾射
撃だけでも他部隊の三年分を一年で使い果たした。
 ほかに「雪豹部隊」が北京から最近、広州へ本拠と移した。もうひとつ
「猟豹部隊」がある。雪豹は2002年に発足、猟豹は1982年設立、
テロ対策専門部隊である。
 
 中国人民解放軍の特殊部隊には幾つかの組織が確認されてきたが、公開
された例がすくなく、多くは謎につつまれている。

 習近平の軍隊組織編成前までに観測された特殊部隊は、陸軍では「飛
龍」(南京軍区)、「華南之剣」(広州軍区)、「黒貝雷」(済南軍
区)、「雄鷹」(いずれも済南軍区)、「東北猛虎」(瀋陽軍区)、「西
南之鷹」、「猟豹」(いずれも成都軍区)、「暗夜之虎」(蘭州軍区)な
どだ。

 海軍には「蛟竜」という特殊部隊が南海艦隊に所属し、実際にリビア、
シリア内戦では中国人救出にあたった。海に潜り、当該地域に潜入する。
 空軍には「雷神」を名乗る特殊部隊が第15空挺軍に所属する
 警察の特殊警察部隊は「公安特警」と呼ばれ、「藍剣突撃隊」( 北京
市公安局)「防暴突撃隊」(上海市公安局)がある。

 問題は膨京堂司令員が新任された香港である。なぜ、ここにテロ対策の
特殊部隊が必要なのか。
 しかも中国本土の特殊部隊のベテラン少将が派遣されるのである。
 
 これまで香港には「飛虎」(フライングタイガー)という地元・香港警
察の特殊部隊があった(現在も存続しているらしい)。
香港の言論の自由は抹殺され、十万人近い香港人は海外へ散ったが、テロ
リストが潜入する気配もなく、武警の特殊部隊がなぜ必要なのかと訝る声
が大きい。
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読
者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)円ドルは新年に一時は116円。日本は貿易赤字国、米国
テーパリングでマネーストック増加率鈍化予想で日本は緩和継続、米国は
オイルショック以来のインフレ率(YOY )で米金利上昇予想から円ドル相場
は大きな円安傾向に入ったと見立てます。
 日本(財務省)は米国から、頻繁な円売り介入をやめろと言われて財務省
は日銀への円売り介入の指示を出さなくなって数十年たちました。しか
し、そろそろ円買いドル売りの方向に入ってきましたよ。
 原油高の波及の輸入インフレで日常品価格が上がってきています。シナ
はインフレドイツもロシアにノードストローム供給を閉められてインフ
レ。1年内に日本は円買い介入をやり始めるような気がします。
どんどん外貨準備が減るかも、まるで97年のアジアのように、なんて懸念
をしています。
いよいよ、か?
 日本は二十年間あった財投のチャンスを失ないました。 
  (R生、逗子)
  ♪
(読者の声2)前号「KM生」様の「一方、毎年毎年、向上していた「平均
寿命」が突然1.8年減った。通常の変化は0.1−0.2年程度である。1943年
以来最大の減少。戦争中には3年減少。女よりも男、白人よりも有色人種
が多く死ぬ。
https://www.usnews.com/news/healthiest-communities?int=top_nav_Healthiest_Communities
 について。
 日本では昨年は一昨年よりも7万人死亡者数が増えたようです。
 引用「東日本大震災のような大規模災害はなかったのですから、昨年末
からの我々のコロナ対応の影響と考えるのが妥当です。」
https://www.shin-toku.com/blog/director/?fbclid=IwAR0s9TJb6Ov753Qf44Wj8_X6ZWvVFVV0uQNxAlKgLtjpyWHTdKiOKqmjcPs
  (KT生)
  ♪
(読者の声3)未来ネットからのお知らせです。明日(13日、木曜日)
午後四時半から生のトーク番組「いわんかな」のゲストは河崎真澄さん
(産経新聞元上海支局長)です。司会は高山正之氏、パネラーは馬渕睦
夫、福島香織、宮崎正弘、塩見和子の各氏です。
 また17日(月曜日)は恒例の「宮崎正弘の生インタビュー」がおなじ
く生放送です。17日午後四時から五時まで。ゲストは青山学院大学の福
井義高教授です。
 テーマ「間違いだらけの近・現代史」です。ご期待下さい。(未来ネッ
ト、旧「林原チャンネル」)

   ♪
(読者の声4)北海道の読者です。宮崎正弘先生の『葬られた古代王朝 
高志国と継体天皇』(宝島社新書)を興味深く拝読しました。バックグラ
ウンドの知識が深くないので、あちこちで脱線し、一ヶ月かかりました
(苦笑)。
それで、一番興味を惹かれたのは阿倍比羅夫の蝦夷退治ですが、先生は北
海道の道南あたりまでは確実に渡海しただろうと書かれていますが、北海
道では比羅夫神社があり、JR比羅夫駅があります。伝承とはいえ、確実
に阿倍比羅夫は北海道まで蝦夷を追って上陸していると思います。
   (SS生、小樽)


(宮崎正弘のコメント)はい、阿倍比羅夫伝説は北海道にも及んでいま
す。小生、前作で比羅夫が遠征した足跡を新潟、村上、酒田、秋田まで訪
ねましたが、蝦夷退治は、『日本書紀』に拠れば、さらに北上し、青森か
ら北海道へ渡ったことが印されています。
 青森で有名な「ねぶた祭り」では阿倍比羅夫の巨大な人物画も登場して
おりますし、青森県西津軽郡深浦の吾妻浜が上陸地点だったとの言い伝え
がある。
 北海道へわたると、JR函館本線に「比羅夫駅」があって無人駅で民宿
にもなっていますね。

比羅夫神社は喜茂別町字平岡にあり、えっと驚きま すが、北海道開拓を命
じられた旧伊達藩士の阿倍記左右衛門が明治四年に 入植し、その孫らし
い人たちが大正二年に神社建立に貢献した小さな祠で す。きっと阿部一
族の末裔なのでしょう。

比羅夫を主神で祀るのは倶知安神社。羊蹄山スキー場には比羅夫コースが
あり、またニッカウィスキーの郷・余市にも比羅夫が立ち寄った伝説が残
ります。

倶知安神社は羊蹄山神社と併設された中規模なもので、この附近が阿倍比
羅夫が政庁を置いた跡らしい。羊蹄山は蝦夷富士と呼ばれ、美しい景観
で、近年は、ニセコ観光でとみに外国人客をあつめるようになり、スキー
場と別荘地で中国企業が別荘群を建設してますね。泉下の比羅夫が知った
ら吃驚でしょう。

  ♪
(読者の声)MOMAの松風荘。現在のニューヨークは高価な超高層マンショ
ンが立ち並ぶが、戦後には市の中心にある近代美術館の敷地内に当時珍し
い最新のモダンな住宅を建て、それを展示物として実体験させていた。

2年間で取り壊し、次の住宅。3度目には、日本から書院造りが送られて
2年間、おそらく現地の全てのインテリ、学者、芸術家などが初めて日本
建築を体験したのだろう。その趣旨は、古い日本がすでに近代のデザイン
を超えていた。戦争では無残にも負けたが、文化・芸術では、という意気
込みがあったに違いない。
そんな主張を受け入れた大人の米国も、当時既にあった。1953年の昔。
広い米国、多くの人民はそんな体験とは無関係で、「卑怯な真珠湾攻撃」
こそが相変わらずの日本である。2001年9.11の時も、今回の武漢菌攻撃で
も、「真珠湾」以来、と比較される。
軍の独裁に酔った「国策、作戦、目的」の無い、指導者もいない国家運営
の欠陥は、いまだに検証されず、故に改善されていない。故に、「過ちを
繰り返す」事になった。今回は、既に「敗戦」の事実さえもが認知できて
いない、という戦い無き、抵抗無き内部からの静かなる占領。それは国家
規模の貴重な臓器摘出。又しても無指導者・既得権益集団は売国奴となっ
た。松風荘は破棄されずに移転され、保存され、フィラデルフィアで公開
されている。
(当時の首相故吉田茂氏は、同所を1954.11.07に訪れているが、なんと土
足で室内を歩いている。それは戦後、売春宿で占領軍の兵士が行なった慣
習を真似ていたのかもしれない。動画の3分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=ba2drsok3EM&t=5s
(在米のKM生)

2022年01月13日

◆雀庵の開戦前夜/5暴君・習近平が招くチャイナリスク

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/416(2022/1/10/月】小生は枕頭に加地伸行先生
の「論語 全訳注」を置いて時々読むが、概ね人間はいかに生きるべき
か、政治はどうあるべきか、という教えだと思う。論語(儒教・儒学)
は、孔子とその高弟の言行を記録し、本質をついているから古臭さを感じ
させない、とても勉強になる。



一方で強権独裁の皇帝にとって儒教は「民のための善政」を説いているか
ら許し難い教えであり、シナでは初めての統一王朝「秦」(英語発音で
Qin; Ch'in。Chinaの原型だろう)の時代に大弾圧をくらった。それは
「焚書坑儒」として今でも有名だ。日本大百科全書などから。



<中国「秦」(前221〜206年)の始皇帝による思想言論弾圧事件。始皇帝
の天下統一から8年後の紀元前213年に、博士(識者)淳于越(じゅんうえ
つ)が古制に従って子弟を封建するよう建議した(封建=天子・皇帝・国
王などが、直轄領以外の土地を諸侯に分け与え、領有・統治させること)。



これに対し丞相(じょうしょう、首相)の李斯(りし)は、学者たちが「昔の
先例を引いて今の政治を批判するのを禁止せよ」と上奏した。



始皇帝は李斯の主張をいれて「秦記」および医薬・卜筮(ぼくぜい、占
い)・農事などの実用書以外を焼き捨て(焚書)、さらに始皇帝を批判し
た疑いのある方士(政策顧問)、儒生(儒学者)460人余りを検挙し、都の
咸陽で「坑(あなうめ)」の刑に処した。



旧中国における第一の思想言論弾圧事件とされ、とくに焚書令による文化
的損失は大きく、その後10年もたたぬうちに秦帝国は滅亡した>



秦は度量衡の統一、漢字の元となる篆書(今の印鑑文字)、次いで改良し
た隷書の発明による文字の統一という功績もあるが、一方で北方民族の侵
入を防ぐための長城建設は効果が薄く、過酷な労働を強いられた民は疲
弊、さらに始皇帝陵建設も民にとっては大きな負担になった。人口は4000
万人から1800万人に急減したという。民の反発は高まり、統一からわずか
15年で「漢」に滅ぼされた。「造反有理」の典型のよう。



漢の時代に復活した孔子の儒教・論語は日本に5世紀前後にもたらされ、
国家統治の経世済民思想や帝王学的な学問として受容されていった。それ
は江戸時代に朱子学、次いで陽明学という形で武士階級を中心に大いに浸
透し、王政復古の明治維新・近代化のエネルギーになった。「大和心」
「日本精神」は原初からの神道を核に、仏教、儒教、十七条憲法、武士
道、五か条の御誓文、教育勅語あたりで固めたもので、今でも基本はあま
り変わっていないのではないか。



「新中国」の中共では今なお「批林批孔」と称して「焚書坑儒」が続いて
いる。毛沢東は1億人を殺し、その真似っ乞食の習近平はウイグル、チ
ベット、モンゴル、香港などで数えきれないほどの殺戮・虐待、民族浄化
を日々重ねている。儒教の教えとは真逆の統治、つまり「悪政」であり、
長続きはしないだろう。人心は離れる一方のようで、求心力を高めるため
には対外戦争が効くというから“戦狼”習近平は開戦の機会を狙っているに
違いない。



世界日報2022/1/4「日米台識者に聞く台湾有事のシナリオ 併合の野望強
める習主席 軍事・政治両面から侵攻模索」から。



<台湾海峡情勢が緊迫化している。中国が台湾に侵攻する「台湾有事」は
もはや「起きるかどうか」ではなく「いつ、どのように起きるか」を想定
しなければならない段階に入った。考えられるシナリオや求められる備え
について、日本、米国、台湾の識者に聞いた。(聞き手=政治部・川瀬裕也)



【前統合幕僚長 河野克俊氏】かわの・かつとし 1954年、北海道生ま
れ。防衛大卒。海上自衛隊・佐世保地方総監部幕僚長、海上幕僚監部防衛
部長、掃海隊群司令、自衛艦隊司令官、海上幕僚長などを歴任。2014年、
第5代統合幕僚長。19年、退官。



――台湾有事の危険性が高まりつつある。

根底にあるのは中国の急激な軍拡だ。特に台湾海峡をめぐる地域において
米中の軍事バランスを見ると、少なくとも海軍艦艇の数では完全に中国が
上回っている。米中の軍事バランスがこのまま行くと中国有利に傾き、台
湾への軍事侵攻の誘惑に駆られる可能性がある。



習近平主席は今年3期目を迎えるが、もしそこで台湾併合を成し遂げたと
なれば毛沢東のように生涯トップで居続けることもできる。これは彼の政
治的野心を焚きつける一つのテーマでもある。



中国優位の軍事バランスがいつまでも続くとは限らず、さらに中国は2028
年ごろをピークに人口の減少も予想されている。この機を逃せば一生でき
ないと考えているかもしれない。



――考えられる台湾侵攻のシナリオは。

大きく分けて三つのシナリオが考えられる。一つは、軍事バランスが完全
に中国優位になり、米国の介入も抑えられると判断して直接軍事侵攻する
ケースだ。中国にとってはこれが一番手っ取り早いだろう。



しかし、そうは言っても、さまざまなリスクを考え、直接侵攻は難しいと
判断すれば、二つ目として、ロシアがクリミア半島を併合した時のような
「ハイブリッド戦」を駆使してくるだろう。これは正面から軍事力を行使
するのではなく、サイバー攻撃やフェイクニュースを流すなどして社会に
混乱をもたらし、台湾を分裂させるやり方だ。



三つ目は、台湾が施政権を持つ離島に侵攻する。台湾では離島を奪還しな
ければならないと主張する人もいれば、そんな離島のために中国と戦争す
るのかと言う人もいるだろう。もうこの時点で分裂してしまう。つまり中
国は離島を奪取することによって、台湾に直接侵攻することなく、人々の
心を分断し、その隙に併合するというやり方だ。



後者二つについては、台湾内に親中国の臨時革命政府のような組織を樹立
して、その要請で中国が軍事介入するという形を取るだろう。そうすれ
ば、問題を「内政」とできるので、なかなか米国も介入できないと考えて
いるかもしれない。



ただ、これらはあくまでも分析であって、絶対このような動きになると決
めてかかるのは危ない。軍事的な面だけではなく、政治的な側面からもさ
まざまな可能性を考えながら備えておく必要がある。



――中国が上陸作戦を行う際、新兵器を使うことが予想される。

やはり台湾内部を完全に制圧してから上陸した方が損害が少ない。そうい
う意味でサイバー戦や電磁的な攻撃でさまざまなインフラを止めてしま
う。その段階で台湾が白旗を揚げたらその時点で終了となる。一気に上陸
するよりも、そのような形で新しいタイプの戦争のやり方を先行させる可
能性は高い。



――着上陸侵攻に対する備えはできているか。

そもそも中国と台湾とでは軍事力の規模が全然違い、台湾のみでは中国に
太刀打ちできないのが現状だ。ただ、台湾を一つの島として見た時、上陸
できる箇所は幾つかに限られている。恐らく、これらの場所は台湾側も防
備を固めているはずだ。また、ミサイル攻撃に備え、航空施設の強靭化な
ども進めているだろう。しかし、中国は圧倒的な兵力でもって攻めてくる
ことは間違いない。



――台湾有事に米軍はどのように介入するか。

米軍が台湾を助けるオペレーションを行うのであれば、中国に既成事実を
作らせる前に迅速に介入しなければならない。情報戦のせめぎ合いの中
で、軍事侵攻の兆候が見えた段階で米国はその体制を整えるだろう。



しかし、やはり基本は、軍事バランスを米軍優位に持っていくことで中国
を抑止し、手出しさせないことだ。それでも中国が侵攻した場合は、米国
はいかに迅速な展開ができるかがカギとなる。



――米国が介入した場合、日本はどこまで動けるか。

自衛隊は法律に書いてあることしかできない。台湾危機の際に自衛隊が行
動する場合の法的根拠として考えられるのは三つだ。一つは「重要影響事
態」であると認定された場合、米軍の後方支援ができる。



二つ目は「存立危機事態」、つまり、このまま放っておけば日本の国民生
活が根底から覆される事態が予想される状態であれば、日本が攻撃をされ
ていなくても防衛出動で米国を支援することができる。



そして、三つ目が「武力攻撃事態」で、これは日本が攻撃を受けた場合
だ。当然のことながら防衛出動をする。



日本は状況に応じてどの事態に当てはまるのかの認定をしなければならな
いことになる。それぞれの事態によって自衛隊ができることが違ってくる
からだ。そこが他の国とは違う部分だ。



――日本とは無縁の話だと思っている国民もいる。

日本国内では台湾有事を他人事のように捉える向きがある。安倍晋三元首
相が「台湾有事は日本有事」と発言して波紋を広げたが、中国は尖閣諸島
を「台湾の一部だ」と主張している。だから、台湾に軍事侵攻して完全に
奪取するとなった場合、理屈上は台湾と尖閣はセットであると考えなけれ
ばならない。



台湾への武力侵攻とともに尖閣にも侵攻することになれば、一気に武力攻
撃事態だ。安倍元首相が言うように、台湾有事が日本有事になる可能性は
極めて高い。この問題について、国民の代表機関である国会でしっかりと
議論することが世論を喚起していくことにつながる。



尖閣もそうだが、与那国島も台湾にとても近い。約110kmの距離しかな
く、天気のいい日は台湾を目視できるほどだ。そのような距離にある台湾
で、もし大きな紛争が起きれば、与那国島に火の粉が降ってこないという
ことは軍事的には考えられない。



だから、台湾有事を未然に防がなければならない。中国に「台湾に手を出
せば、痛い目に合うぞ」と示して、とどまらせることが何より重要だ。



――台湾有事に備える上で日本の課題は。

日米首脳会談で台湾海峡の平和と安定の重要性が明記されたが、これは大
きな政治メッセージだ。これを素直に受け取ると、台湾海峡で有事が起き
た場合、日米が共同して平和と安定を回復しようということだろう。



だから台湾有事が起こった場合、日米でどのような行動を取るのか、具体
的には日米共同作戦計画のようなものを今後詰めていかなければならな
い。その上で、政治的な問題もあるだろうが、当然台湾との対話も必要に
なってくる。



――邦人救出を行う際の課題は。

アフガニスタンでの問題点を踏まえ、法律を改正する案が出ている。ただ
政府にはやはり、民間機で救出できるなら民間機でやってしまおうという
発想があるように思う。しかし、紛争地帯やその危険性がある地域では、
最初から自衛隊機を使うという発想が必要ではないか>(以上)



習近平は己の保身・出世のために戦争を欲している。邪道である。習近平
は毛沢東が禁書としたために読んだこともないだろう「論語」には「指導
者はかくあるべし」との孔子の言葉が記されている。小生の解釈はこうだ。



<指導者に必要なことは五美(五つの長所)の尊重と、四悪(四つの短
所)の除去だ。五美とは、「適切な給付はするがバラマキはしない」、
「必要な動員はするが不満を起こさせない」、「欲することがあっても欲
張りはしない」、「ゆったりと構えているが傲慢ではない」、「威厳は
あっても猛々しくはない」ということだ。



民が喜んで協力するような政治が大事で、例えば治水灌漑などでの動員で
あれば皆が喜んで協力する。野卑、傲慢で、私欲のために命令するのでは
なく、民のための政治なら皆が納得するものだ。人道を求めれば人道に至
る。そういう政治が大事だ。



四悪とは、「道徳を教えずにおいて重罪犯を処刑する、これを『虐』と言
う」、「事前に注意することをせずに結果を検査する、これを『暴』と言
う」、「行政上の連絡をなおざりにしておいて期日通りではないと罰す
る、これを『賊』と言う」、「民に与えるべきものを出し惜しみする、こ
れを『有司』(小役人根性)と言う」。



人間は大なる天地においてごくごく小さな存在であるが、己の天命を悟
り、意義ある生き方を生きるのが教養ある君子の道だ。言葉、良識、社会
規範を身につけていなければ人間を、己を、真に理解することはできな
い。道を誤ることなかれ>



自分は頭がいい、最高の知性である、選ばれし者である、しかし周りには
バカと間抜けが多過ぎる、焚書坑儒すべし、と信じて疑わない暴君・・・
秦の始皇帝じゃなくて「真の思考停止」、妄想性暗愚だな。狂気の自覚が
全くない習近平、狂気の自覚から常に己を警戒している小生。俺の方が鼻
の差で勝つ!



「歴史は私に無罪を宣告するであろう」と言って世界のリベラル≒アカモ
ドキの称賛を得たキューバのカストロは、タニマチのソ連と共にほぼ自
滅、歴史の判定は「有罪」である。習近平・中共を鉄のカーテンで封じ込
めれば、少なくとも習近平一派は党内派閥抗争で駆逐されるのではない
か。自由民主陣営は有事に備えつつ封じ込めを進めるべきである。

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◆米中20年戦争に備えよ!pat.7-カギは日本だ!
和田 憲治

日本はすごくない!
いいかげんに認めよう、日本はもう「すごく」ない。

2018年10月4日のペンス演説から
米中新冷戦に突入しました。

アメリカ通信では、日本のメディアに先駆けて、
ついに米国が中国を敵認定し、戦時体制を整えていく、
と報じました。

集めてきた証拠を整理し、そしてその経過を予測し、
すぐさま、米中20年戦争の音声講座を作りました。

そして、すぐにペンス演説の現場会場である、
ワシントンのハドソン研究所にも飛びました。

戦略家のルトワックや、各シンクタンクの人たちと交流し、米中戦争の情
報を集めました。結果、「米中20年戦争に備えよ」の内容は外していま
せんでした。

以来、約半年ごとに米中シリーズを更新し、
現在Part.7となる「米中7」まで作成してきました。
そこではいくつかのテーマ重要ポイントを伝えています。
その一つが、戦争は同盟がすべて、同盟で決まる、
というものです。

安倍元首相が提唱した、ダイヤモンドセキュリティ構想が、現在「クアッ
ド」と呼ばれて、日米豪印の四カ国体制に結実しました。
米国はもとより、豪州もすでに中国と水面下で?
火花を飛ばしています。

では、インドはどうでしょうか?

インドが同盟国となりえるか?これは大変重要な要素です。その可能性に
ついて、今回、米中7で奥山先生の見立てと、他の研究者の考えを踏まえ
て状況整理をしています


そして、最後のカギは日本です。「失われた30年」をやってきた日本で
すが、現在、「勉強のできない子」状態です。

どういうことか?

まず、「現在のだめな状況を確認しない、認めようとしない」そして、
「やる気がない」という2点が、今の日本、日本国民の状態ではないで
しょうか?
政治軍事面、経済面でも、ただの「できない子」に成り下がりつつあります。

・日常的に北朝鮮から日本海にミサイルを打ち込まれています。
・尖閣沖には中国の船団が侵入してきています。
・今回のコロナでワクチンでも経口薬でも開発に遅れをとっています。
・株価が30年間最高値を超えてない国は日本くらいです。
・為替によって変わりますが、一人あたりGDPも世界で24位〜30位。
・昨年末には個人の年収額で韓国に抜かれたという報道もありました。

それでも国民は怒りを顕にせず、粛々と耐えています。

私には非常に歯がゆい思いもあり、日本の現状を訴え、変えるべく日々動
画放送をやっている次第です。
今回、音声講座を更新したのは、日本のダメな状況と激変する世界状況を
把握すること。

米中冷戦が進むと、もっと日本が能動的に対応しなければならないからで
す。政治家に訴える。企業経営陣に訴えるべきなのです。そして、せめて
個人でもこの難局をどう乗り切るか?

         

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◆カザフスタンの反政府抗議行動

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月11日(火曜日)弐
     通巻7183号 
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 カザフスタンの反政府抗議行動が「テロリスト、外国人多数が混入」?
  ロシア、いわゆる「平和維持軍」をアルマトイへ空輸
**************************

 ガソリン値上げに抗議するカザフスタン民衆が抗議の声をあげたのは1
月2日だった。
 アルマトイ市役所、大統領官邸などに放火したため、カザフスタン政府
は軍を投入し戒厳令を敷いた。死者数百、逮捕およそ五千人。抗議集団の
なかにアフガニスタンのISが混入していたとトカエフ大統領は発言した。

 カザフスタン政府は「かれらはテロリストであり、多くの外国人が含ま
れている」と「テロリスト」、「外国の陰謀」というイメージを振りま
き、事態の収拾をはかる。

 民衆の抗議の的はナゼルバエフ前大統領(81歳)とその一族であり、
「老人は去れ」と叫んだ。富を寡占し、事実上の専制政治を敷いたナゼル
バエルは明確に敵という位置づけ、かれらは「ナゼル・カーン」と呼ぶ。
現体制は事実上の「ナゼルバエフ院政」である。

 ロシアはCSTOに基づき平和維持軍と称する軍をアルマトイへ空輸し
たが、輸送機は戦車も運んだ。機関銃で武装したCSTO軍にはロシア兵
のほかアルメニア、ベラルーシなどの兵隊も含まれているという。

 ロシア同様に対応が迅速だったのは中国だ。
習近平はただちにトカエフ大統領にメッセージを送り「テロリストへの対
応を支持する」とした。
在カザフの中国大使館は在留中国人の安否を確かめ、被害はないと発表し
たが、警戒を緩めていない。「ガソリン値上げ反対」のスローガンが「中
国の搾取摘発、中国は出ていけ」の反中運動に転化しかねないため、動向
を監視している。

 中国は一帯一路の拠点としてカザフスタンを重視しており、これまでに
数十のシルクロードプロジェクトを展開し、合計192億ドルを投資し
た。2023年までに245億ドルを投資するとしている。
 カザフスタンは中国に原油を50億ドル、トルクメニスタンからのガス
輸送パイプラインの通過代金にくわえて、少量のガスも中国に輸出している。

 中国カザフスタンの貿易は年々歳々増加しており、2021年1月11
月の速報でも中国からの輸出が125億ドル、輸入が103億ドル。これ
にくわえて中国から欧州向けの鉄道輸送は必ずカザフスタンを経由する
 同期の20フィートコンテナは146万個。コンテナ列車は1万
5000本が通過した

 カザフスタンの首都はヌルスルタン(1997年にアスタナを改称、新
都心とした。ヌルスルタンはナゼルバエフの愛称)。最大都市はアルマト
イで、緑のオアシス、木立が緑風を呼び、多くの公園は緑に囲まれて市民
の憩いの場所。モスクワとも鉄道が繋がっている。
 たしかに外国人も多いが、一番目立つのは中国人で、カラオケもレスト
ランもホテルも、中国語が飛び交っていた。

 ナゼルバエフ前大統領は現職時代に四回、訪日しており、わが国が関心
を寄せるレアメタル開発などが実務レベルで話し合われた。
 日本からの現職首相の訪問は小泉純一郎と安倍晋三首相。直近のカザフ
訪問は中西哲参議院議員。
 カザフスタンは中央アジアの地政学の要衝である。

   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2314回】              
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港196)

      △
 毛沢東に楯突いたら彭徳懐のように血祭りにされる。こんな恐怖が、廬
山に参集した共産党幹部の五体を突き抜けたはず。その後の経緯を見れば
明らかだが、共産党No.2だった劉少奇や林彪への仕打ちは、毛沢東からす
れば「殺死老狗、免除後患」に近かったような。

 おそらく対外開放政策に踏み切った際の?小平も、心私かに「寧教我負
天下人、不教天下人来負我!」ではなかったか。
いや、そうであったに違いない。そうでなければ建国以来30余年に亘って
絶対権力を誇ってきた毛沢東の路線をひっくり返すことなどできなかっ
た。だからこそ華国鋒を筆頭とする毛沢東派の残党を血祭りに上げたに違
いない。

?小平に引き上がられた形の江沢民も、江沢民との間がシックリとは
いっていたとは言い難い胡錦波濤も、強弱の違いはあれ「寧教我負天下
人、不教天下人来負我!」。そうでなければ共産党トップなどやってはい
られない。傍若無人振りは一貫不惑で徹頭徹尾。

 さて習近平だが総書記を2期10年続け、いまや3期目もほぼ手中に収め、
ヒョッとすると毛沢東と同等、いやそれ以上の「絶対王者」の可能性もな
きにしもあらず。
であればこそ、誰がなんと言おうと「寧教我負天下人、不教天下人来負
我!」ではなかろうか。もはや手加減無用。思うが儘に一強体制を突き進
むということだろう。

「小放牛」の幼い牛飼いが口にした「功名不成、富貴是個天生。光陰易
老、好似風裡個燈。有朝大限到、黄泉路上行。金銀過百斗、那個半毫分。
只看奔労碌、只為口和身、口・・・和身」。「蘇三起解」に登場する老護
送役人の崇公道が傍らの蘇三を教え諭すように説いた「?説?公道、我説我
公道、公道不公道、自有天知道」。そして最後は「捉送曹」が傲然と言い
放った「俺曹操一生做事、寧教我負天下人、不教天下人来負我!」──

 これら台詞をつなぎ合わせると、中国社会における人々の《生き方》《生
きる姿》《生きる形》──それを文化と呼ぶべきだろう──が浮かび上がってく
るように思える。たしかに人間万事が「只為口和身、口・・・和身」では
あるだろう。だがイザとなったら自分が大事。そこで「公道不公道、自有
天知道」となり、絶対無謬の「天」に持ち出し自らの正しさを支えようと
する。まさに「天」の理は我にあり。夜郎自大そのものだ。

 このカラクリの行き着いた先が、身勝手の極地である「寧教我負天下
人、不教天下人来負我!」となる。
やや強引に結論づけるなら、中国では14億人余が「只為口和身、口・・・
和身」と日々を送りながら、心の裡に「公道不公道、自有天知道」の思い
を秘め、心私かに「寧教我負天下人、不教天下人来負我!」を念じてい
る。であればこそ、その頂点に立つ共産党総書記にすれば、想像を絶する
ほどの決意で、徹底的に「寧教我負天下人、不教天下人来負我!」である
ように思えるのだが。

さて、こういう困った隣人には如何に対処すべきか。そこで思い出され
るのが、アメリカ軍中最高・最強の中国通と言われ、ルーズベルト大統領
によって中国戦線米軍司令官兼蒋介石付参謀として蒋介石の幕下に送り込
まれながら、蒋介石とソリがあわず、1944年秋に同ポストを同大統領に
よって解任されたJ・スティルウェル将軍の臨終の言葉である。

将軍はオブザーバーとしてビキニ環礁での原爆実験に参加したことが原
因したと言われるが、その後の胃癌を患って世を去っている。
死を前にしたスティルウェルは「きみわからんのかね、中国人が重んじる
のは力だけだということが」と呟いたとB・W・タックマンは『失敗したア
メリカの中国政策』(朝日新聞社 1996年)に綴った。
「重んじるのは力だけ」。

 だからこそ、「寧教我負天下人、不教天下人来負我!」と嘯くに違いな
い。では身勝手極まる厄介で困った隣人に、我が国はどのように向き合う
べきか。何事にも由らず。声高で傲岸不遜ではあるが、そういった振る舞
いを日常茶飯と思い込んでいる彼らを、どのような方法でへこませること
が出来るのか。
        
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読
者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)『文藝春秋』2月号に岸田内閣の「新しい資本主義」の内
容が説明されています。
一言でいえば、「中国のやり方から『強権主義色』を消した経済政策、あ
たかも「中国共産党経済戦略マイナス強権主義イコール岸田内閣の新しい
資本主義」であるように見えます。
(SSA生)


(宮崎正弘のコメント)岸田首相のまわりのブレーンは財務官僚では? 
宏知会の伝統は経済に強いはずだったのですが。。。



  ♪
(読者の声2)故マザー・テレサ氏は、「思考に気をつけなさい、それは
いつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になる
から。」と言われたそうである。気を付けなければならない「思考」とは
権力者、影響力のある者、気狂いの、教祖の「間違った思考」である。歴
史によると、そんな「危険な思考が行動」になり、多くの人類が迷惑をし
た。例えば、ナチスや広島。
 人類は個人では弱く不便なので、集団で暮らし、優秀な指導者が生まれ
る。近年、世界の指導者、おそらく数人、数十名ほどが「人類の未来」を
杞憂し「思考」し、相談し合い、合意し、「行動」を始めた、らしい。そ
の崇高な「人類を救う」ために「世界の人口を激減」する手段として、
「脱炭素化」「地球温暖化」「思想統制」、「武漢菌問題」が使われた、
らしい。被害者にとっては、これは人類歴史上大量・最大の虐殺である
が、それは「正当な大義の為の神聖な必要な犠牲」とも認識されうる。も
し、大義が正しい、とすれば。
 その行動の成果とは、先日、米国大手の生命保険会社が、嘘のような異
常な統計を公にした。例年に比べて、死亡率が40%上がった、という。大
きな戦争や飢饉、大寒波、厄病などでも5%も上がる事は無い。200年に
一度の「標準偏差値3」でも10%。しかも、被害者は老人ではなく18歳
から64歳の働き盛りの、大切な保険会社のお客様である。そして、短期的
な身体障害が、長期的に移行している。故に、相当大きな保険料の値上
げ、あるいは倒産が見込まれる。保険屋とは統計が全て。
https://www.thecentersquare.com/indiana/indiana-life-insurance-ceo-says-deaths-are-up-40-among-people-ages-18-64/article_71473b12-6b1e-11ec-8641-5b2c06725e2c.html

 一方、毎年毎年、向上していた「平均寿命」が突然1.8年減った。通常
の変化は0.1−0.2年程度である。1943年以来最大の減少。戦争中には3
年減少。女よりも男、白人よりも有色人種が多く死ぬ。
https://www.usnews.com/news/healthiest-communities?int=top_nav_Healthiest_Communities
 葬儀屋も負けずと、客、遺体が同様に40%増えた。
 この急激な恐ろしい変化は、当然の「努力」の帰結とも言える。つまり
ワクチンの「負の影響」副作用、死、は隠蔽され、効果的な処方は「嘘、
危険、不安全」とされ、全ての報道は「声を大にしてひとつの正しい真
実」以外を排除する。つまり、無知な人民は従属し患者になる。
   今後予想される事は、若い女が妊娠できなくなる。それは男の問題
であるかもしれない。あるいは、奇形児、弱い赤ん坊が多く生まれる。10
年もすると、子供が大人になり、彼らの多くも不妊症に気づく、だろう。
大人の死亡率は増えつづけ、少子化、無子化が定着し、世界の人口が激減。
 良い点は、脱炭素化でCO2が減り気温が下がり、北極の氷も増え、地球
温暖化が止まる、と期待される。故に植物・食物の生育も弱まるが、人口
が減ったので大丈夫。世界人口は現在の80億人から40億に落ちたが、いつ
までどれだけ減りつづけるのか、誰も知らない。ワクチンを逃れた「指導
者」の家族だけが生き残るのかもしれない。
 日本は相変わらず世界に協調して医師会、政府は国民撲滅作戦を強いて
いる。ワクチン、ブースターなどは遅延性の毒。危険。特に子供を守らな
いと日本が消える。日本の隠れた敵は支那より手強い、らしい。以上の過
去2年の全世界的な悍ましい非医学的な「武漢キン対策」を鑑みるに、推
定し得る「動機」とその「行動」に対する非難が、言論封鎖を超えて、今
年には漸く表面化する、らしい。
 (在米のKM生)。

2022年01月12日

◆雀庵の「開戦前夜/4 加瀬氏と宮崎氏と渡部氏」

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/415(2022/1/8/土】6日の正午から降雪、夕方に
は小降りになったが、屋上庭園はまるでフィンランドの森、Xマスの風情
でうっとり。サンタさん、断酒歴6年目の可哀想なヂヂイにノンアルでも
いいからホッピーレモン酎ハイをお恵み下さい・・・嗚呼、無情。風邪が
治ったばかりなので散歩も控え逼塞しているが、こうして老爺は地域から
も忘れられていくわけだ。静かに消える・・・フェードアウト(fadeout)
だな。


「温暖化だ、大変だ!」と騒いで飯を食っている人々は去年あたりから冬
場は出番がないようで、コロナ禍もあって冬眠を余儀なくされているよう
だ。フトコロは寒冷化、季節労働者みたいで、みんな大変。そのうち
フェードアウトしそう。

7日早朝の庭は真っ白。雀の餌場も10センチほど積もっているから除雪し
なければならないが、水道は凍って出ないのでちょっと往生した。素晴ら
しい青天で雪はどんどん溶けていくが、下に積もった雪はぐちゃぐちゃに
なって美しくないし、放置しておくと固くなって何日も残り、滑ったりす
るから危険。9時頃に復旧した水道できれいに流した

雪が珍しいところに住んでいると北国の冬はきついだろうなあと思うが、
農家にとって雪は天からの大事な恵みであるようだ。東北(秋田)を取材
した際、「雪の下で農地は休み、快復、熟成し、春から恵みをもたらして
くれるのだ。農民も一緒、雪の季節に英気を養う」と聞いた。


戦後の旅行業界はドルを稼ぐためのインバウンド(外国人の訪日旅行=輸
出効果)から始まり、1964年の東京五輪から海外でドルを使うアウトバウ
ンド(日本人の海外旅行=輸入効果)へ転換した。冬になると長期休暇が
取りやすく、かつ余裕のあった農家は大挙して海外旅行に出かけたもの
だ。全国農協観光という旅行会社は売上順位で日本交通公社(元はドル稼
ぎのための国策会社)、近畿日本ツーリスト(私鉄系)、日本旅行(国鉄
系)などに次ぐ4位とか5位の売上を誇っていたものだ。


今でもインバウンドは「ドル稼ぎ」のイメージがあり、遺跡や古城など歴
史的建造物、自然景観、宿泊施設、それに“夜のお遊び”あたりがあれば客
を誘致できるから「安直な産業」と見られているようだ。先進国は主にテ
クノロジー(工業)で稼ぐのが正道で、「インバウンドで稼ぐのは“これ”
という工業がない国の産業」という認識だろう


世界有数のインバウンド大国であるスペインは、ガウディのサグラダ・
ファミリア(聖家族教会)、避寒地のマヨルカ島、フラメンコなどで外貨
を稼いでいるが、コロナ禍で観光客が激減して大変なようだ。観光産業は
畢竟“物見遊山”、脆弱であり、依存が過ぎるとよろしくない。スペインで
は2020年の若年層(16〜24歳)の失業率は38.3%にも落ち込んだ。


日本でもコロナ禍の前の10年ほどは中国人を中心としたインバウンドが急
増したが、今はほぼ壊滅。コロナ禍はいつ終息するか分からないので、世
界の観光産業は基本的に「自国民市場だけ」という時代になるかもしれな
い。

ビジネスなどでもネットで世界が結ばれているから「生で対面して商談・
交渉・会議」する必要性は薄くなる。ネット会議の後、「で、どう思って
るの? 本音を聞かせてよ」という飲みながらのオフレコ会話だってでき
るだろう。3か月とか半年に1回は生で会っていた相手とは、1か月に1回は
ネットでやり取り、1年に1回は生で会うとか合理化が進むのではないか。
味気ないけれど・・・

「大きいことはいいことだ」の反対、「Simple is the best」「Simple
life」「Slow life」。「シンプルで行きませんか、成長率よりもゆった
りした質の良い生き方・・・地球に寄り添う○○の提案です」、これCMに使
えそうだな。

夕べは相変わらず加瀬英明先生の「日本と台湾」をベッドで読んでいた
が、とても興奮して眠気が覚めた。


<日本と台湾の間には公的な関係が全く存在していない。それにもかかわ
らず日本と台湾両国民の間は、民間による強い絆によって結ばれている。
日本にとって台湾ほど幅広く強い民間交流によって結ばれている国は他に
ない。


私は1986/昭和61年に、秋田県田沢湖町(現在の仙北市)で国際交流を
テーマとしたシンポジウムが催され、講演を依頼されて招かれた。主催団
体の理事長を秋田県出身で、親友の渡部亮次郎氏が務めていた・・・>

渡部亮次郎氏は「頂門の一針」の主宰者だ。小生が2001年の9.11テロで会
社を畳み、他社に事業を移管し終えたら胃がんで手術、抗がん剤で生きて
いるのがやっとという2004年の頃に、宮崎正弘先生のブログに渡部氏の
「頂門」が紹介されていたのをきっかけに小生は「頂門」に投稿するよう
になった。渡部氏が「書いてみたらいい」と背中を押してくれなかったら
今の「第2の人生」はなかったろう。

加瀬氏と宮崎氏と渡部氏は同志のよう。小生は遅れて来た老人だが、何と
なく呼び込み、下足番、見習いながらも日本愛国寄席の末席に居場所を見
つけた気分だ。ただ出自が過激派、前科者、大学除籍、泡沫企業社長、自
殺未遂、精神科急性期閉鎖病棟・・・とすこぶる怪しいから、精々前座に
なれれば御の字だな。

そう、福翁曰く「重い仕事、軽い仕事、色々あるが、どんな仕事もなくて
はならない。そういう意味で貴賤はないが、上を目指せ、学問に精を出
せ」。老人よ、大志を抱けっつうことだ。安西先生曰く「投げたらそこで
終わり」、奇跡を信じて戦い抜く、これぞ大和男児、♪いざ征け つわもの
日本男児!


後顧に憂いがないから吶喊を躊躇わないが、歩くのもヨタヨタでは足手ま
といか・・・そのうち具合の良いパワースーツができるだろう。「いつか
青空」、希望や目標がないと老いも若きも人生は生き難いものだ。
    

━━━━━━━━━━━ 
 

◆習近平にとって不都合
黄文雄

中国がイーロン・マスクの衛星を乗っ取る日

大量の衛星を打ち上げ、世界のどこからでも安価で高速ブロードバンドの
利用が可能になるという、米スペースX社の「スターリンク」計画。しか
し習近平政権にとってそれは、極めて「不都合」な技術のようです。今回
のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真
実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国寄りの発言を繰り返し
てきたイーロン・マスク氏が率いるスペースXを国連宇宙部に訴えた中国
当局の思惑を解説。さらにスターリンクの技術を将来的に同国が乗っ取る
可能性を指摘するとともに、世界の企業に対して中国と親密な関係を築く
危険性を説いています。


プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学
院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、
評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国
人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ


【中国】イーロン・マスクの衛星が中国に乗っ取られる?
● 中国の宇宙ステーションと米スペースX衛星、あわや衝突 マスク氏に非難

12月27日、アメリカの実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業ス
ペースXの衛星が、中国が建設中の宇宙ステーションとニアミスを起こし
たとして、中国政府が国連宇宙部に苦情を提出しました。これを受けて、
中国のSNSでもイーロン・マスク氏を批判する投稿が相次いでいるそうです。

中国が建設中の宇宙ステーションとは、2022年に完成予定の「天宮」。一
方、スペースXは世界中に高速インターネットサービスを提供するために1
万を超える小型衛星を打ち上げるという「スターリンク」計画を展開して
います。そして、そのために打ち上げた衛星が2021年の7月と10月に天宮
の軌道に入り、ニアミスが起こったとされています。

イーロン・マスクといえば、電気自動車(EV)のテスラ創業者でもあり、
中国市場で工場を持ち、2020年にはテスラ車が中国市場でもっとも売れた
EVとなりました。それだけに、「中国で儲けたくせに、中国の宇宙ステー
ションに危害をくわえるなんて」といった批判が殺到しており、不買運動
にも展開しそうな勢いだそうです。

イーロン・マスクはこれまで、中国の自動車メーカーを称賛したり、中国
の労働倫理を称賛するなど、中国寄りの発言を繰り返してきました。にも
かかわらず、中国政府が一企業であるスペースXへの批判を国連にまで
行ったのは、なぜでしょうか。

● イーロン・マスクは中国の労働倫理を称賛し、アメリカ人の態度を批判する

前述したように、スペースXの「スターリンク」計画は、世界中のいたる
ところでインターネット接続を可能にしようというものです。これが実現
すれば、アンテナさえ設置すれば良く、光ファイバーなどを引く必要もな
く、きわめて安価で高速インターネットの環境が得られます。

そして国土の広い中国においても、内地や山奥など場所を問わずに世界と
つながることができることになります。これは、国内で厳しいインター
ネット検閲を行っている中国共産党にとっては、非常に都合の悪いことです。

経営コンサルタントの竹内一正氏は、このスターリンクが言論統制を敷く
中国やロシアなどの独裁国家に、ネット民主主義を広める起爆剤となるか
もしれないと論じています。すでにロシアでは、スターリンクを利用した
個人および法人に罰金を科す法案が議会に提出されているそうです。

● イーロン・マスクの新事業「スターリンク」が習近平の悩みの種になり
かねないワケ
       


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◆宮崎正弘の国際情勢解題

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月11日(火曜日)
     通巻7182号 <前日発行>

(本号はニュース解説がありません)
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    み○◎☆◎○や○◎☆◎○ざ☆○◎☆◎き
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 

 泥棒村と呼ばれた北京の「中関村」がハイテクパークに変身した
  盗賊企業が世界のハイテク覇権を狙い、独裁を脅かす人々を監視する

  ♪
ジェフリー・ケイン著 濱野大道訳『AI監獄 ウイグル』(新潮社) 
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 原題は「完全な警察国家」となっている。
 ウイグル人への狂気のような弾圧の惨たらしさは、西側世界が等しく知
るところであり、民主国家は中国に制裁を課している。ただし制裁と言っ
ても、直接弾圧に加わった共産党幹部の在米資産凍結、ウイグル産品の禁
輸とか、ほとんど効果の疑わしい措置でお茶を濁すだけである。ファー
ウェイやセンスタイムなどへの半導体供給は継続しているし、半導体製造
装置の東京エレクトンなど、株価が五倍に膨らんでいる。
 北京五輪ボイコットと言っても外交団派遣を見合わせるだけで、選手団
派遣をやめたのは北朝鮮だけという皮肉!
 ウイグル人にとっては、監獄のなかにいようが、外にいようが地獄には
変わりがない。そとにいても、いや外国にいてさえ、エジプトでトルコで
監視されているのだ。
 中国共産党にとって、西側がいかに吼えようが、屁のようなもの、強制
収容所を撤廃するとか、監視網を緩めるとかの緩和方向にない。
 本書はそうした弾圧実態を、別の視座から観察し、告発する。
すなわち、このジェノサイドに等しい血の弾圧に手を貸しているのは米国
のGAFAMと、その米国の技術を得た中国のハイテク企業ではないかと
いう、私たちが見落としがちだった実態の詳細に迫るのである。
 監視カメラ、顔認証、音声識別、DNA採取、密告アプリ等々。これら
の基本技術は米国の、あるいは西側の発明だった。そのハイテクを盗み出
すなり、M&Aでハイテク企業を買収し、特許と技術者ごと手に入れるな
り、あるいは技術提携で中国は自家薬籠のものとした。
北京の中関村は「農民が牛車で行き交う村」だった。ここでマイクロソフ
トの海賊版が売られ「泥棒村」と呼ばれていた。マイクロソフトは「テク
ノロジーの導入に熱心な政府を支援する新規事業」を展開し、1・2億台
のパソコンがあるなら、「1・2億人の潜在的なウィンドウズ利用者がい
る」と計算した。思惑はみごとに外れた。
海賊版と模造品と安売り、粗製濫造の中国人はまたたくまに興隆し、独自
の盗賊的論理でもって、「会社を起業し、やがて革新的なシステムを築き
あげ、ハートウェアと素早く微調整していった。結果として、かれらは欧
米や日本の技術を猛スピードでコピー、摸倣し、強欲な中国の消費者市場
に製品を安く売ることができるようになった」(69p)
 なにしろドラえもん、クレヨンしんちゃんの海賊版など何でもござれ、
ハリウッド封切り映画は翌日に百円で海賊版が売られていたっけ。
 中国は米国ハイテク企業の中国に強い規制をかけ、グーグルは撤退した。
 「急成長する中国の新興テクノロジー企業の存在に気付き始めた米国政
府は、中国の技術の近代化がアメリカの軍事的利害や国家安全保障に脅威
をもたらすと危惧するようになった」(71p)。
 マイクロソフトの中国子会社をスピンオフした中国人はテンセントとい
う会社を立ち上げ「微信」を開始した。一年で一億人の利用者を得た。こ
の数字はフェイスブックが四年、ツィッターが五年を要したレベルだった。
中国政府は監視態勢強化にこれらのビッグテックを使えると判断した。
次の目標がAIの獲得だった。
世界のAI先駆者は米国だが「中国企業はAIの秘密を解き明かすため、
海外に留学してマイクロソフトやアマゾンに就職した優秀な中国人AI開
発者を捜し出そうと躍起になった。そしえ彼らに大きな報酬を与え、さら
に愛国心に訴えて母国におびき寄せようとした」(85p)。
かくしてAIベンチャーは顔認証のメグビーに出資した。同じ頃香港で起
業したセンスタイムはAI業界でフェイスブックに勝ると自画自賛した。
センスタイムの製品開発責任者はマイクロソフト出身だった。勢いがつい
た中国に、ビッグテックは、AIの最先端技術達成に最新鋭の半導体が必
要と判断し、インテルやクアルコムと交渉し、後者はメグビーと連携契
約、見返りはメグビーのAIソフトだった。米企業エヌビディアは監視カ
メラ技術を中国に売り、インテルも半導体輸出で大いに稼いだ。顔認証の
取得も同様な手法で中国へテクノロジーが移転した。
考えてみれば、AI監獄を中国に出現させたのは米国の無定見な世界戦略
と、中国の軍事戦略とが持ちつ持たれつの爛れた関係のなかで形成されて
いったということである。そしてウイグルにおける「AI監獄」は、米国
と中国のビッグテックがつくった実験場となった。
 このまま突き進むと将来はどういう世界となるのか?
 「共産党はいずれ、海外でも国内と同じように振る舞うことになる。そ
う想定しておいたほうがいい。『新彊式の社会統制の輸出』は、最悪のシ
ナリオであるものの、想像を絶するシナリオではない」(310p)。
 GAFAMはトランプの言論を封じ込めた。ネットの言論戦では、日本
の例外ではなく正論は「ヘイト」「人種差別」とかの難癖とともに妨害さ
れているではないか。
        
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜樋泉克夫のコラ
ム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  
【知道中国 2313回】        
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港195)

  △
 曹操は尻尾を巻いて逃げ出すようなヤワではない。正々堂々と居直って
呂伯奢に剣を振り下ろす。絶命を見届け「殺死老狗、免除後患」と嘯く。
すると曹操に付き従う陳宮が「似?這様疑心殺人、豈不怕天下人叫罵
於?!」と強く詰るのだが、すかさず曹操は「這個・・・公台!俺曹操一
生做事、寧教我負天下人、不教天下人来負我!」と傲然と言い放った。

──「殺死老狗、免除後患(な〜に、老いぼれた犬奴を斬り捨て、後々の
禍を取り除いておいたまでのことよ)」

「似?這様疑心殺人、豈不怕天下人叫罵於?!(かような疑心暗鬼での
人殺し、天下人(世間)の罵りを恐れないとでも!)」

「這個・・・公台!俺曹操一生做事、寧教我負天下人、不教天下人来負
我!(う〜ン・・・陳宮ドノ! 我が曹操の生きる道筋では、ワシが天下
人(世間)に背こうが、天下人(世間)をワシには背かせはしない)」──

 ここで曹操が亮相(みえ)を切ると、客席からは「好!」「好!」
「好!」の掛け声が連発される。さながら歌舞伎で大向こうから掛けられ
る「待ってました!」「成田屋ッ!」「タップリ!」の類である。第六劇
場でも「好!」の掛け声は同じ。いつも曹操に扮してた姜振亭は女性なが
らも迫力満点。曹操の傲岸不遜ぶりを憎々しいまでに演じていた。
 
「捉放曹」は『三国演義』の第四回「漢帝を廃し、陳留位を践ぎ、董賊を
謀らんとして、孟徳刀を献ず」を種本にしている。董卓殺しに失敗した曹
操が逃走途中の中牟県で逮捕され、知事の陳宮の前に引っ立てられる。こ
こで陳宮は官職を棄て曹操の将来に賭けた。2人が呂伯奢の許に落ち延びる。
一安心と思いきや、曹操の耳に「ふん縛って殺すがいいぞ!」との声。外
に飛び出し声のする方へ向かった曹操は、その場の全員を斬り捨てた。

だが、目の前には四肢を縛られた豚が。「ふん縛って殺」されそうに
なったのは歓迎宴に供されるはずの豚であり、曹操の早とちりで宴席準備
中の呂家の人たち命を絶たれてしまった。慌てた曹操と陳宮は呂伯奢の家
を立ち去り、再び逃避行へ。しばらく行くと向こうから馬に乗った呂伯奢
がやって来た。歓迎宴のために酒を買い出しに行った帰路である。

「おや、なにゆえに早のお立ちか」(呂)、「追われる身ゆえ長居は無
用」(曹)、「ささ、歓待の席へお戻り下され」(呂)、「おや、貴殿の
後に誰か」(呂)。そこで「何処でござる」と振り向いた呂の背中を曹操
の刀がケサに斬りつけた。そして詰る陳宮に向かって曹操が「殺死老狗、
免除後患」と。

 ここで突然だが、1959年7月から8月の間に、江西省の景勝地・廬山で開
かれた共産党中央政治局拡大会議と、それに続く8期8中全会へと転じた
い。一連の会議では、前年に毛沢東が強引に推し進めた大躍進政策の是非
を巡って激しい議論が交わされたのである。 

 現実を無視した急進的社会主義化の歪みは中国社会の隅々にまで災禍を
及ぼし、食糧不足から大量の餓死者が生じてしまった。そこで毛沢東が故
郷の湖南以来全幅の信頼を寄せていた国防大臣の彭徳懐が私信の形で農村
の実情を訴え、毛沢東に再考を促す。
「飼い犬に手を噛まれた」とでも思ったのだろう。毛沢東は私信を会議で
公開し、「彭徳懐は党の乗っ取りを企む反党集団の頭目だ」と居直った。

 そして「オレは人の話を聞かない。オレの考えが受け入れられないな
ら、この場をトットと立ち去って革命根拠地に立て籠もり、もう一度革命
をおっぱじめてもいいんだぞ!」と嘯いたとか。まさに『逆噴射』である。

 毛沢東の剣幕に驚いた会議参加者全員が道理を説いた彭徳懐を見捨て、
毛沢東の軍門に降ってしまう。
かくて国民は大躍進という名の飢餓地獄を脱出する機を逸したのだ。この
時、毛沢東の心は「寧教我負天下人、不教天下人来負我!」であったに違
いない。
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜者の声 どく
しゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読 者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)楽天の三木谷CEOは、新年の神社参拝を愛宕神社と決め
ているそうです(『週刊文春』22年1月13日)。でも愛宕神社はどの
神さまをお祭りしているのか、知っているんでしょうかね。
 主祭神は火産霊命(ほむすびのみこと)〈火の神〉つまり防火の神さ
ま、だから火消しに関係がある罔象女命(みずはのめのみこと)〈水の
神〉、大山祇命(おおやまづみのみこと)〈山の神〉、そして日本武尊
(やまとたけるのみこと)〈武徳の神〉が祀られていて、家康が江戸を大
火からまもる神として征夷大将軍になったとき(慶長8年、1603)に
創建されたのです。
楽天は火消しが必要なんですね。きっと(UD生、港区)


(宮崎正弘のコメント)ヤマトタケルは草薙の剣であたりを薙ぎ、火打ち
石で逆に火攻めを展開し、駿河の国造をやっつけた(草薙神社)。その屍
体は焼いたので焼津神社。拙著『歩いてみて解けた古事記の謎』の一説で
した。


  ♪
(読者の声2)自民党政調会長の高市早苗議員の積極財政に、岸田文雄首
相は、またぞろプライマリーバランス(財政均衡論)で潰しに掛かってい
ます。ここで、2013年積極財政論を引っ提げて登場した「アベノミクス」
が、たった1年でなぜ挫折したかを考えれば対策ができます。
アベノミクスは、金融緩和と積極財政、成長戦略で経済成長させようとし
ました、正しい政策でした。それを潰したのは世論です。
財務省の提出した一般会計の歳入歳出の状況は、歳入より多く歳出すれば
ワニの口が開いて財政破綻するという話に、世論は子々孫々に借金を負わ
せるなという三文文句にまんまと引っかかったのです。
では、高市早苗議員はどう対策をとればよいのでしょうか。
(1)理論武装、それは01年ノーベル経済学賞を受賞した、米コロンビア大
のジョセフ・スティングリッツ教授の「政府統合理論」で対抗すれば良い
のです。政府と中央銀行(日本銀行)は別々の組織ではなく、国家経済運
営の夫婦関係です。国債は政府の借金、しかし購入した日銀にとっては、
資産です。ですから日銀は、銀行券を発行し銀行の日銀当座預金を積み増
ししているのです。発行国債の50%を日銀が保有していますから、事実
上財政再建は成功しています。
(2)歴史上の成功事例を説明する。ビクトリア大不況を克服した英国や第
二次世界大戦後の膨大な国債を処理した米国のやり方を引き合いに高市早
苗議員は大衆を味方にすれば良いのです。(林文隆)

  ♪
(読者の声3)トルクメニスタンの大統領が観光名所「地獄の門」の消化
を命令した由です。
「?」。
奇行で有名な大統領とはいえ、合理的とは思えないですね。
もしガスが自然に燃えているのを消したらガスが附近に充満して大変だろ
うとおもいますが、思い出したのは宮崎さんの『日本が全体主義に陥る
日』(ビジネス社)でした。
 この現場に行かれたのですね?
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022010900276&g=int
   (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)旧ソ連衛星圏30ケ国を取材した記録ですが、写
真だけでも百葉枚以上、配置されています。
『WILL』別冊でカラーグラビア特集を出して呉れて、そこにも書いた
はずですが、トルクメニスタンが最後に行った国でした。鎖国していたの
で団体にまぎれこみ、御指摘の「地獄の門」は砂漠のような曠野にテント
をはっての野宿でした。前掲書131pです。
トルクメニスタンは『陽気な北朝鮮』と形容してよい全体主義国家で、閣
議の模様をテレビでみていると閣僚らは大統領とは目をあわせないように
必死の形相でメモをとっていました。
グルジアの首都のトビリシで、この大統領一行が泊まってホテルと同宿
だったことを思い出しました。ボディガードたちは黒眼鏡、黒服、丸刈
り、メルセデスも黒。異様な雰囲気です。

2021年12月23日

◆128習近平・中共はヒトラー・ナチスそっくり

“シーチン”修一 2.0

雀庵の常在戦場


【Anne G. of Red Gables/408(2021/12/21/火】毎日のように「赤い狼が
来る、みんな気を付けて!」と小生は喚いているのだが、時々「俺は異常
ではないか、妄想が昂じておかしくなっているのではないか」と不安にな
る。

ヒッキーヂヂイの罪のない妄想ならいいけれど・・・ “あの朝日”の異端
記者、峯村健司編集委員(外交・アメリカ中国担当)が「中国人研究者か
ら技術流出、先端兵器に? 日本も『千人計画』警戒強化」(2021/12
/12)と堂々と警鐘を鳴らし、時流に乗って儲けるのが得意の朝日が“反
中”に舵を切りつつあるようだから、小生の怪しい妄想も“警鐘”として市
民権を得るかも知れない。 

それにしても朝日、エゲツナイなあ。転向・・・ま、小生もアカからの転
向組だから朝日を嗤う資格はないが。朝日1941(昭和16)年12月9日の紙
面、「ハワイ・比島に赫々の大戦果 米海軍に致命的大鉄槌 戦艦六隻を
撃沈大破す」・・・煽りまくって敗戦になると今度は勝者の米国、次いで
アカや総評に擦り寄る・・・そのうち毎日、中日・東京、中国、西日本、
共同などアカ系メディアも「暴支膺懲、撃ちてし止まん」になりそう、
「背に腹は代えられぬ」とか言って。

愛国は結構だが、朝日流で煽り過ぎるとドジるぜ、メディアは国際情勢を
見ながら冷静な木鐸たれ! 難しいけれど頭が良さそうな読売や日経は上
手に反中に舵を切っており、さすがだなあと思う。敢えて官僚の道を選ば
なかった秀才が多いのではないか。

煽るのは妄想暴走ヂヂイに任せてくれ! 読者は割り引いて読んでくれる
からヂヂイに罪はない、ということで笑って許して、許すと言って。我が
家では毎日が敬老の日みたいで、「餌やりしておけば大人しくしてるか
ら」と放任されているような・・・人は早漏・遅漏・朦朧(もうろう)を
経て孤老に至るか、ま、そんなものだろう。


マッカーサー曰く「老兵は語らず、ただ去るのみ」。まあ穏やかな晩年も
結構だが、最後まで第一線で戦う「戦老」というのも魅力的だ。滅私奉
公、コケの一念、一途に信じた道を進む、小生も戦老になって靖国に眠り
たい・・・ビョーキか?

“戦狼”習近平は「名誉」を得るために戦争して勝ちたいという、何やら妄
想性人格障害みたいだが、彼の子分はひたすら漢族伝統の「出世&私利私
欲」が目的のようで、いずれも小生とは真逆の生き方。

習近平・中共の妄想暴走により国際情勢は激動期に入ったと思う人は急増
しているのではないか。いつ熱戦になってもおかしくない雰囲気だ。危機
感を持っている為政者、例えば中共に威嚇されている台湾、日本、イン
ド、豪州、ベトナムなどの為政者なら有事を前に国民の結束を促すことに
なるが、これは多様な価値観、思想信条を認める民主主義国では簡単では
なさそうだ。

大体、政治・外交・軍事、即ち国家統治や国際関係、国防に「とても関心
をもつ」のは、小生の昔からの観察によると多くても人口の20%ほどの少
数派だ。一見すると少ないようだが、日本のような人口1億人の国なら
20%は2000万人で結構な勢力になり、彼らリーダー的な人々によりおおよ
その国家の方向性が決まるのである。

そのフォロワーには「そこそこ関心をもつ」ような支持層があり、それは
30〜40%の3000万〜4000万人あたりだろう。リーダー的な人々と合わせて
5000万〜6000万人、大体人口の半分ほどの意思、支持、了解で民主主義国
は動くようだ。

実際に先進国では議会・国会の過半数を制しないと政治は機能しない。民
主主義国は中露など独裁主義国と比べると効率性に欠けるのだ。それは
「仕方がないのだ」と識者が言うから多くの人は諦めているが、せめて緊
急危機対応の国際標準ルールを創った方がいいと思う。

さらに悩ましいことだが、リーダー的20%は、先進国・準先進国では概ね
2つに分かれている。ざっくり言えば「伝統保守的改革派」と「リベラル≒
平等主義的革命派」である。両派とも「自由民主人権法治」の価値観は掲
げるが、後者のそれは近代史以降では「一党独裁による党員のための党員
による自由民主人権法治」、いわゆる暴力革命志向の「共産主義独裁」と
近似している。米国民主党応援団のANTIFAなんぞまるで極左暴力強盗団み
たいだ。

1945年以降の冷戦下ではさすがに暴力革命を唱えるアカ=共産主義者は少
なくなって、共産主義は社会主義と言い換えられることが多くなったが、
本質は無血だろうが流血だろうが「イザとなれば」内乱を起こして暴力で
政権を取り、一党独裁政治を確立することを否定しない勢力が多い。例え
ば日本では日共はその代表格だし、日共と共闘する立憲民主党(小生は革
マル派の隠れ蓑と思っている)も同類だろう。

今の世に熟成した民主主義国の民は、アカ=赤色革命=独裁国家を「時代
錯誤」と思うだろうが、世界を見れば独裁的国家は民主主義国より多い。
英国紙「ザ・エコノミスト」の民主主義指数調査(2018年版)によると、
世界167か国中、民主主義国と言えるのは75か国、民主&独裁混合国が39
か国、独裁国が53か国。ちなみに日本は21位で「欠陥がある民主主義国」
だったが、2020年調査では2014年以来6年ぶりに「完全な民主主義国」に
復帰したという。随分アバウトな感じだが・・・

独裁主義国家ほど国名に「民主」や「人民」を入れたがる傾向にあるそう
だが、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国・・・いずれも苛烈な共
産党独裁、「悪い奴ほど厚化粧」か。

共産主義など「平等」を善とする思想の歴史を振り返れば古代からの「平
等に憑かれた人々」に行き着く。


<平等観念の起源については遠くは古代ギリシアの都市国家の時代にまで
遡る。アリストテレスは、平等には、各人をすべて平等・対等に扱う「数
の平等」と、諸個人の功績を考慮に入れる「比例的平等」の2種類があ
り、社会の安定を保つためには平等に留意すべきことを指摘。また平等と
正義の関係について、名誉、金銭、その他の事柄が平等に分配されている
ことを「配分的正義」と呼んでいる。

次に歴史上、平等観念を大きく前進させたのは、ローマ帝国時代における
キリスト教の普及であった。人間はすべて神の前では平等であるというキ
リスト教の教えは、しばしば封建諸国における世俗君主の不当な政治支配
に苦しんでいた民衆の抵抗思想の原理となった。

他方、君主の側もローマ教会と手を結び、君主に抵抗することは神に反抗
することだと主張して民衆を抑圧するようになったため、いわゆる中世
「暗黒時代」が1000年余り続いた。

しかし、中世末期になって、古代ギリシアの民主主義思想がイタリアの地
に復活されてルネサンス運動が起こり、またローマ教会を批判するプロテ
スタント(新教徒)による宗教改革運動がドイツで勃発すると、人間の自
由と平等を主張する気運がヨーロッパ諸国に高まった>(WIKI)

小生は「自由民主人権法治」を重んじるが、昔から「平等」思想には懐疑
的である。できる人は報われ、できない人も“それなりに”暮らせる社会で
あれば結構かつ自然だと思う。日本では一般的に1960年頃まで生活保護
(生保)を受けることは不名誉だった。もちろん事故や病気で生保に頼ら
ざるを得ない人は別だが、今は「国が貧者を助けるのは義務、生保を受け
るのは当然の権利だ」と感謝どころか威張っている生保受給者が珍しくな
いようだ。医療費の個人負担がゼロだからやたらと医者にかかるとか。

これって「健全な社会」のか? 小生は「ナンカナー」の気分になるが、
努力して正業に就き、真面目に40年とか年金保険料を払ってきた人と、遊
び惚けてきた結果、晩年になって生保に頼る人がいて、真面目派は治療を
ためらい、遊蕩児派は懐が痛まないから治療入院する・・・医院は生保患
者であれカネになるからウエルカムだろうが、パラサイトの増加は社会的
モラルの低下ではないか。

人間の運命は8割がた運で決まる、という説がある。砂漠の真ん中で羊飼
いのテントに生まれた人、街中の裕福な家に生まれた人・・・たとえ法の
前に平等であっても、羊飼いの子が出世して社長になる、学者になる、元
首になるなんてまずあり得ない。「売家と 唐様で書く 三代目」、家が
発展するためには祖父が頑張り、それを見ながら育った父が奮闘し、孫=
三代目がタスキを受けてさらに努力を重ねる・・・それは理想だが、往々
にして三代目は甘やかされて育つから家の繁栄はなかなか三代は続かな
い、という処世訓だ。

毛沢東が内戦に勝って中共国家を起こしたのが1949年、失政と党内闘争で
1億人を殺した末に毛は彼流に共産主義の“理想”を実現して平等社会に
なったが、経済封鎖を喰らって「みんな貧乏」という清貧国家になってし
まった。人民は外部情報が全くないから「仕事は1日3時間メシが食えるか
ら我が国は世界一の理想郷だ」と思っていたらしい

建国から30年後、“初代”毛が成仏した1979年あたりから韜光養晦で生き延
びた“二代目”トウ小平が資本主義経済導入へ大きく舵を切り、その後継者
(江沢民、胡錦涛)が発展軌道に乗せて経済大国にのし上がった。「東風
は西風を征す」、人口は10倍、人件費は10分の1、低賃金を売りにして
「世界の工場」になり、人民の暮らしも向上した。貧困層でも4000年の歴
史で初めて餓死はなくなった。

そして30年後の2011年あたりから“三代目”習近平が「毛沢東回帰」という
旧体制、「清く、正しく、美しく」という清貧的な桃源郷への先祖返りを
目指すかのような政策を進めることでトウ小平流の経済発展は揺らぎ始めた。

習近平は経済発展にブレーキをかけながら、同時に先進資本主義国の「自
由民主人権法治」の価値観を敵視し、毛沢東もなし得なかった共産主義世
界革命、「世界帝国」を目指すという、恐ろしく常軌を逸した、時代錯誤
の妄想を実現しようと国際秩序を乱している。

まるでヒトラーの「千年王国」そっくり。習近平・中共を包囲網で封鎖し
なければヒトラー・ナチスと同様に侵略を始めるだろう。最初のターゲッ
トは台湾次いで日本になる

<「台米日オンライン会議、安倍元首相『台湾の脅威は日本の緊急課題
に』」ラジオ台湾インターナショナル2021/12/15:日本の安倍晋三・元首
相が、台米日のシンクタンク共催のオンライン会議にビデオメッセージを
寄せ、台湾が脅威にさらされることは、日本にとって喫緊の課題と指摘し
た。

台米日のシンクタンクが共催したオンライン会議「2021台米日インド太平
洋安全保障対話」が14日行われ、日本の安倍晋三元首相が、事前に録画し
たビデオメッセージによる講演を行いました。

講演の中で安倍氏は「日米台は共に自由、人権、法治および民主主義の信
念を共有している。台湾およびその民主主義がもし脅威にさらされれば、
日本にとって緊急の課題となる。そのため、台湾、アメリカ、日本は各分
野での能力の開発を強化し、台湾の国際機関への加入を全力で支援し、台
湾が共通の価値感をより強く守る存在にしていこう」と発言。

安倍氏はまた「台米日は、海底、空域、ネット、宇宙を含むすべての開発
分野の発展で努力を惜しんではならず、三者は関連する知識や技術を共有
することを検討してもよい」と語りました。

安倍氏はさらに、アメリカ、日本、およびその他、理念の近い国々は、台
湾がWHO(世界保健機関)などの国際機関へ加盟するのを支援するべきで
ある、台湾はCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進
的な協定)への参加の資格がある、「より尊厳のある台湾は、我々と共通
の価値観をより強固に守る存在となる。そして、それは日本、アメリカ、
および全世界の最大のメリットとなる」と強調しました。

また「中国のような巨大な経済体が過ちを犯すことは自殺行為になりかね
ない。中国には領土拡大を追求せず、近隣諸国をいじめるようなことを自
制するよう求める必要がある。このようなことは結局のところ中国は自国
の利益を損ねることになる」と訴えました。

この他、「台湾は1996年に史上初の総統直接選挙が行われた。その年が台
湾に民主主義が根付き始めた年でもある。そして今年はそれから25周年
だ」とコメント。台湾が民主的な政治体として、アメリカの「民主主義サ
ミット」に参加したことを喜んでいました。

今回のオンライン会議では、アメリカのロバート・オブライエン元・国家
安全保障問題担当大臣補佐官も講演を行い、国連の「アルバニア決議」に
よって、中国の地位は変わったが、台湾を国連機関から排除したわけでは
ないと指摘、「台湾は国連で一席を持つべきで、世界も台湾に参加しても
らうべきだ」とコメントしました>

安倍氏は習近平・中共に「つける薬なし」と見限ったのだろう。自民党内
には中共のポチやら毒饅頭を喰らった議員が結構いそうだが、親中派の美
味しい時代は終わった、これからは反中へ向かうというメッセージでもあ
るだろう。古森義久先生が2021/12/21産経に「米大統領は現代のチェンバ
レンか」を寄稿している。

<「チェンバレン」という名前が米紙ワシントン・ポストの記事の見出し
に大きく載ったのには驚いた。バイデン米大統領の名前が並んで記されて
いたからだ。12月10日の記事だった。

ネビル・チェンバレンといえば第二次世界大戦直前の英国の首相である。
1938年のドイツのヒトラーとのミュンヘン会談でドイツへのチェコスロバ
キアの一部割譲を認め、ドイツを増長させ、大戦を招いた世紀の失策の政
治家として知られる。

このときのチェンバレンの対応は「Appeasement」と呼ばれた。この英語
は「宥和」と訳される。「融和」とは異なり、相手の要求が不当でも衝突
を避けるために許す対応を指す。国際関係では当面の対決への恐れから譲
歩し、かえって相手を大胆な侵略などに走らせる危険な態度だとされる。
当時のドイツは英国のこの「宥和」から、ポーランド侵攻に踏み切ったと
される>

自由主義世界では日本も欧米もまだまだ「チェンバレン」が多い。先のこ
とを心配したり警戒して中共を刺激するようなことになればやぶ蛇にな
り、かえって緊張を高めかねない、今は静かに見守るのが上策だろう、な
どという日和見派、宥和派は珍しくないが、ビジネス界ではこの手の人は
概ね自己保身のエゴイスト、箸にも棒にも掛からぬクズ、口舌の徒、日和
見主義者として相手にされなくなり、大体は消えていく。政界でも同様だ
ろう。

危機を報じないカナリア、怪しい火災報知機は新しいのに換えないと大事
故になる。あらゆる手段で習近平・中共を包囲しなければ熱戦、第3次世
界大戦になる。危機意識のないボンクラより、心配性のオオカミ少年の方
が遥かに役に立つ。戦争に備えよ。



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◆それでも孫正義の目利きに期待できる理由


なぜソフトバンクG株は年初来30%も下落?「割安」評価は虚構、=栫井駿介

ソフトバンクグループ<9984>の株価がものすごく下がっており、年初来
30%も下落しています。なぜこれほど株価が下がっているのでしょうか?
その理由と今後の成長性について解説します。(『バリュー株投資家の見
方|つばめ投資顧問』栫井駿介)


プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立
鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事
した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第
2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラム
にてMBA取得。
なぜソフトバンクグループは激しく下がった?
ソフトバンクは持っている株式の時価に対して常に割安だとも言われてい
ます。それでも株価が下がる理由を説明します。

端的に言うと、この株価下落の最大の理由は、現在の流動性相場の終焉と
いうところにあると考えます。

まずこの株価の推移です。

今年の始めは調子は良く株価は1万円越えというところでしたが、それを
ピークに12月13日の終値では5,571円と、年初来から30%弱、ピークから
すると半値近くにまで下がっているわけです。

直近で相場が非常に荒れて、日本株は全体的に下がっているというところ
はありますが、それにしてもソフトバンクグループは大きく下がっている
と言わざるを得ない数字ではないかと思います。

原因はチャイナ・リスク
下落している要因として最大のものは、アリババの株価下落です。

中国最大のネット企業、中国におけるアマゾンのような会社ですけれど
も、ここの株価が下落していることが大きな理由としてまず挙げられると
思います。

それから直近で滴滴、中国のUverのような配車サービスの会社が米国の上
場廃止に至ったということもあります。

上記の2つからわかることは、中国のハイテク企業に対する政府による締
め付けが強まっているということです。

アリババに関しては、創業者のジャック・マーが中国政府を暗に批判する
ようなことを言ったことが大きな問題となって睨まれることになりまし
た。直近では独占禁止法の違反ということで巨額の罰金を徴収されて、一
時は四半期ベースで赤字になったということもありました。

滴滴もアメリカと中国の関係が悪化する中で中国政府に相談無しで米国に
上場したことが中国政府の中で問題になり、様々ないじめを受けて結局、
諦めて米国の上場を廃止しました。

ソフトバンクグループはこのような中国の会社に投資していますから、こ
れらの事例を見ればわかる通り、「チャイナリスク」を意識しなければな
らない状況です。


━━━━━━━━━━━            


◆アリババ時価総額は半減

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月14日(火曜日)弐
通巻第7160号   

アリババ時価総額は半減、センスタイムの香港上場も延期
  恒大集団は政府管理か。清華大学系の紫光集団も政府ファンド傘下に

 中国の市場はケンタッキー州を襲った竜巻ていどではない。猛嵐に見舞
われている。
 スペインに雲隠れした馬雲は、一説に欧州に隠した秘密口座を解約し、
資金を回収して、国家に上納するためであると囁かれている。
182億元(3276億円)の罰金は「独禁法」違反と問われたアリババ
本社が支払った。加えて馬雲の個人資産を毟る。恒大集団CEOの許家印
も、とうとう個人資産を根こそぎ剥がれ、いずれ無一文になるだろう。

現在、習近平政権が躍起となっているのは恒大集団が、頭金を受け取って
工事中断している物件を、さっさと完成させて購買者に入居させ、高まる
不満を抑えこむことだ。
同時に不動産暴落をなんとしても回避するために、15%以上の値引きを
するなと強要している。
だが、将来の暴落が見えているので、買い手が居ない状態である。

 頭金を支払い、ローンを組んでしまった不動産購入組、さらにはローン
支払いが途中の人々(暴落となれば、馬鹿馬鹿しくてローン返済どころで
はなくなる)など合計四億人、これが不動産暴動を起こす可能性が高いこ
とは、拙著(『ならず者国家・習近平中国の自滅が始まった!』、石平氏
との共著、ワック)などで何回か指摘してきた通りである。

 恒大集団は巧妙な手口で政府管理下にはいるだろうと予測される。海航
集団がうやむやの内にバラバラにされて政府系に部門売却したように、い
きなりのハードランディングは避けたいのだ。
清華大学系の紫光集団も政府主導で再建されると発表された。いずれも
が、事実上の倒産をそうでないかのように装い、惨状にいたるのを回避し
てきた。

 NY上場を蹴飛ばされたセンスタイムは、顔認証の大手だが、ウイグル
の監視という人権弾圧に使われたとして米国のブラックリストに載り、そ
れではと香港上場を目指した。12月17日にIPO(新規株式公開)が
予定されていた。

購買予約を済ませ、予約金を支払った投資家が夥しいが、三日前になって
突然、延期となった(アリババ傘下の「アント」と同様な唐突さである)。
 こうした異常事態は、まだ始まったばかりである。
      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2306回】            
  ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港188)

  ▽
 関平を演じた董雲?は小顔で目鼻立ちはキリッとしていたが、喉に難が
あった。大柄ではなかったが引き締まった体つきからして、立ち回りを専
門とする武生がピッタリだったように思う。
 年齢は18、9歳だったろうか。こちらが日本人だと分かると、「あの
ね」と呼び掛けてきた。なんでも日本を旅行した際に覚えた日本語が「あ
のね」だったとか。ある時、「映画に出たから見てくれ」と。
題名も映画会社も忘れたが、孟景海と連れだってローマの街を歩き、トレ
ビの泉を背にして2人が「羅馬好大(ローマはでっかい)」と賛嘆の声を
上げたシーンが印象的だった。

 董雲?の演ずる「伐子都」の子都、「白水灘」十一郎、「三岔口」の任
堂恵なども良かったが、なかでも一番印象に残ったのは「鉄公鶏」の張家
祥。馬子に扮し敵の太平天国軍の陣中に乗り込み獅子奮迅の激しい大立ち
回り。最後は舞台中央で弁慶の立ち往生宜しく肩で息しながらに亮相(み
え)を切る。董雲?にとって最高の舞台ではなかったか。

 陸慶平も董雲?と同じく武生。身軽な動きは董雲?を凌いだが、いかんせ
ん体の線が貧相で大きな役柄は些か荷が重かった。?を演ずることもあっ
たが、胴間声にはほど遠く高温で細い声だっただけに、迫力が求められる
主役級の?には不向きだった。役者の数が少なくなるに従って老生を務め
ることもあった。それだけ器用だったということだが、やはり武生専門で
あって欲しかったものだ。

今から振り返れば1972年12月の皇都大戯院での公演が、あるいは春秋戯
劇学校が最も充実した陣容を誇っていた時代ではなかったか。
 それというのも1973年に入ってからの第六劇場を思い返すと、最紅(イ
チバン人気)の王雪燕の出演が極端に少なくなり、いつか気づかぬうちに
袁明珠に康玉釧も舞台から消えていた。
3人とも女性だが、王雪燕は旦、袁明珠と康玉釧は生の大黒柱だっただけ
に、公演できる演目が少なくなってしまい、カブリツキの戯迷連を落胆さ
せたことはもちろんだ。

だが禍転じてなんとやら。ある日の舞台の左袖に、「不日出塲 北方名
伶王登霖 自拉自唱」との布告が張り出された。
 当時の香港の常識では「北方」は中国大陸を指す。ということは、ある
いは中国から合法(ひょっとして非合法)で香港に移住してきた名伶(め
いゆう)の王登麟が、近いうちに出演する。しかも彼の特技は「自拉自
唱」、つまり京劇伴奏用の二胡である琴胡を拉きながら唱う──こう事前に
宣伝するのだから、やはり戯迷としては期待しないわけには行かない。

数日後、その時がやってきた。たしか最初のお目見えは「西遊記」の猪
八戒だったはず。「北方名伶」の看板を掲げるからには初演は孔明など大
きな役どころと思っていただけに、猪八戒とは意表を突かれた。大いに拍
子抜け。だが「北方名伶」の“惹句”は大袈裟に過ぎるものの、その軽妙洒
脱な身ごなしと台詞回しは日頃の第六劇場ではお目に掛かったこともな
く、新鮮な驚きだった。

やがて舞台中央に椅子が置かれ、琴胡を手に王登霖が唱いだした。扮装
は丑(どうけ)の猪八戒だが、唱はレッキとした老生であった。それだけ
に長い間女性が演ずる老生の芸に慣れてしまった戯迷連の耳は「納得の響
き」に満だったはず。

 王登霖が新たに加わったものの、王雪燕、袁明珠、康玉釧の3人を欠い
たままでは上演できる演目が限られてしまい、1973年後半辺りからは精彩
を欠いた舞台が続いた。

 マンネリ気味の舞台の下に陣取る戯迷連の間でも、「春秋戯劇学校の経
営が思わしくない」「パトロン陣が学校経営資金提供を渋っている」「粉
菊花校長も気力が失せた」「第六劇場での公演もこれまで通りにはいかな
いだろう」などの噂が囁かれるようになった。
《QED》
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)(承前)「ロシア革命の出来事に関する米国上院の公聴会
(1919年)の記録」(4)「ボリシェヴィキ軍の主力にはラトビア人と犯
罪者、さらに数万人の中国人。外国人労働者が革命軍の兵士となる。──赤
軍の中国人はフィンランドで森林伐採の苦力(クーリー)だった」
  
【ニューヨークのメソジスト教会牧師、ジョージ・A・シモンズ博士の証
言】−2
1907年秋から1918年10月6日まで、シモンズはペトログラードのメソジス
ト教会の院長としてロシアに滞在

ネルソン上院議員:レーニンとトロツキーの革命が起こった1917年11月、
あなたはどこにいましたか?
Mr. Simons:私はペトログラードにいました。
ネルソン上院議員:概要を教えてください。
Mr. Simons:極悪非道なテロが行われていたとしか言いようがありませ
ん。... ロシア人労働者の格好をして、膝まであるロシア製のシャツを着
て、つばの
下がった中折れ帽をかぶり、ニッケル製の眼鏡をかけていたので、姉から
は「ボルシェビキみたい」と言われていました。私は外に出て、人々の間
を歩き、彼らの会話に耳を傾けました。本を書くために、できるだけ多く
の情報を集めたかったのです。...庶民の間で、生の情報を集めようとし
ました。アジテーターが登場して、レーニンやトロツキーの話をすると、
群衆は「その通りだ」と言います。全くその通りです。そして、アジテー
ターがトラックで去った後に、他のアジテーターを乗せた別のトラックが
現れる。

ネルソン上院議員:そのアジテーターとは誰ですか? 労働者か兵士か?
どのような階級やコミュニティの人たちですか?
Mr. Simons:彼らはプロのアジテーターでした。ロシアの軍服を着ている
人もいれば、黒いシャツや作業着を着た労働者のような服装の人もいた。

オーバーマン上院議員:このテロの内容は何だったのか?
Mr. Simons:事実上、彼らの部下は全員武装していた。労働者たちは、資
本家を殺してプロレタリアートを玉座につけるという熱に取りつかれ、人
類の崇高な理想のための聖戦に参加している気分になっていた。彼らは声
高に主張し、その人たちに銃が与えられた。
彼らのスローガンを、大まかに訳すと「プロレタリアートの目的に対する
信頼は、労働者の手にあるライフルにある」。プロレタリアの武装化がな
ければ、革命は勝てなかったと思う。... 殺人が彼らの...何と言ったら
いいのか...明らかだった。- 切り札である彼らの宣言の多くは、極悪非
道な階級的憎悪だけでなく、殺人をも含んでいた。彼らは何週間にもわ
たってペトログラードやモスクワを捜索し、逃げ延びた将校たちを捕らえ
ようとした。多くの将校が逃げ場を求めて、連合国側に亡命したのです。

ネルソン上院議員:陸軍士官のことですか?
Mr. Simons:陸軍士官。彼らは家から家へと走り回った。中には「今晩泊
めてください」と言ってくる人もいました。彼らは「一晩だけ」と言って
きたが、私たちはそんなことで非難されたくないという単純な理由から、
承諾しなかった。

ネルソン上院議員:あなたは、彼らが武装して仕掛けていたテロについて
話しました。彼らが何をしていたのか教えてください。
Mr. Simons:赤軍は、人が有罪かどうかを調べることなく、その場で射殺
していた。何度も見たことがあります。私は、ボリシェヴィキ政権には多
くの犯罪者がいるという印象を持っていた。1917年の春、すべての裁判所
とその文書が破壊され、警察も同様に破壊された。
街中で大量の書類が運ばれているのを見た。火災で焼失した刑務所、拘置
所、裁判所の施設などから、何千人もの最悪の犯罪者が出てきた。
最悪の人物がボリシェヴィキの役職に就いていた。役職につけなかった者
は扇動者として利用され、武装してボリシェヴィキ軍の一員となった。ボ
ルシェビキとつながり、彼らの保護を受けながら、一軒一軒、強盗に入っ
ていった。そして、銀行が没収され、社会化され、国有化された。この3
つの言葉は、彼らの血まみれの強盗事件でいつも聞かされていた。
私は不動産の所有者として、教会の責任者として、様々な管理面で彼らと
付き合う必要があった。... ある夜、2人の武装した男がやってきて、私
が反ボルシェヴィキであると疑った。... この2人は彼らのロシア語の話
し方から、本当のロシア人ではなく、ラトビア人であることがわかった。
ラトビア人は、1905年の革命や1917-1918年の革命で最も暴力的な要素で
あったと思われます。

キング上院議員:ラトビア人は半年前のボリシェヴィキ軍の約25〜30%を
占め、中国人は5〜6万人、無法者{1}は約10万人で、その間にロシア人、
ドイツ人、オーストリア人が散らばっています。半年前の状況はこんな感
じだったのでは?
※{1}ボリシェヴィキによって刑務所から釈放された犯罪者たち。彼らは、
略奪の機会や高給、飢餓に苦しむペトログラードでの食糧供給の増加に誘
われて赤軍に入隊した。

Mr. Simons:それはかなり正確だと思います。捕虜収容所でボリシェヴィ
キ思想に感染したドイツ人やオーストリア人の捕虜が何千人もいた。この
事件を調査していたロシア人の話によると、昨年の8月の時点で、彼らは
「ボリシェヴィキ政権なんてどうでもいい」と言っていた。必要なものは
「沢山の食べ物、良い服」、そして-この言葉については謝罪します-「好
みの女性全員」。私がこれを繰り返すのは非常に難しいことですが、私は
キリスト教の司祭であり、あなたが証しを必要としていることを知ってい
ます。このように、不道徳な要素は例外的に強い。

ネルソン上院議員:ラトビア人とは? 彼らはロシア人とどう違うのか?
Mr. Simons:ラトビア人はリガ周辺の地域出身で、リガの人口のほとんど
を占めています。ドイツ軍が侵入し、バルト地方のボリシェヴィキ革命を
弾圧する
と、このラトビア人...は追放され、ロシア中央部に移動した。レーニン
とトロツキーは、大金を提供して彼らを利用した。ラトビア人たちは、ド
イツ人には全く同情せず、ロシア人にはほとんど同情しなかったが、ペト
ログラードやモスクワの通りで自分たちのやりたいことをする権利があっ
た。レーニンもトロツキーも、防衛のためにロシア人にではなく、ラトビ
ア人に頼ると言い、その言葉を守っている。また、ロシア人は一般的にラ
トビア人には同情しない。ロシア人の目には、ラトビア人はどの国籍や人
種よりも下に見えるのでしょう。
キング議員:中国人は赤軍の大部分を占めていましたね。
Mr. Simons:当時のフィンランド(独立宣言1917年12月6日)には、ロシア
の旧体制下で木の伐採などの肉体労働をしていた中国のクーリーが大勢い
ました。フィンランドの赤化運動が鎮圧されると、クーリーとも呼ばれる
この中国人が何千人もロシアの中心部に流れ込んできた。ペトログラード
ではたくさんの人を見かけました。
キング上院議員:先生、あなたの知識では、どこにも市民権を主張してい
ない中国、ドイツ、オーストリアの兵士、ロシアで捕虜になった人たち
が、ボリシェヴィキの軍事組織の中で多数を占めていると思いますか?
Mr. Simons:これらの要素がなければ、赤軍の核は形成されなかっただろ
うと思います。(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)驚くべきことですね。中国人クーリーが数万もい
て、しかも赤軍の中枢の一要素であったとは!

  ♪
(読者の声2)「あの「赤穂浪士討ち入り」から318年」の意味。
 地政学的に日本は常に「鎖国」であったために、外国、異人との関係も
紛争も無かったため極めて独自の独断的な主観的なものが生まれ育った。
それは正にも負にも影響する。数日前、カルロス・ゴーン氏がレバノンか
らの「文句」を東京の外人記者クラブで述べられていた。
 20年ほど前、倒産した日産自動車をアッと言う間に再建し英雄と称えら
れ愛され、卑怯な日本人経営者によって、後ろから騙し討ちに逢い、牢屋
に閉じ込められ、冤罪に問われ、辛うじて不正な検察・司法から逃げ出し
た。日本では、政府、検察、報道が結託して人民の思想を操作しているの
で判らないが、世界では、日本は相変わらず「卑怯な不法な人権も法も無
い」野蛮な国だと言う証拠を見た。
 80年前の日本も同様で、「大本営発表」NHK朝日、国営洗脳機関が、人
民への「正しい情報、正しい思考」を植え付け、異論、反論を許さなかっ
た。戦況はいつも連戦連勝。
? ? ? ?
過去50-30年間も、同様に、人民は操作され、国の本質的問題は隠蔽・回
避され、瀕死の国体は膨大な赤字に飲み込まれる。解決の方法論さえ議論
されない。まして解決方法など、判らない、知らない。持ち主の不明な不
動産、塀も警備員もいない。隣人は悪人で無くとも誘惑される。
 318年前も同じような「統一的な見解、正義感、自己正当化」が行われ
ていた、と作家故堺屋太一氏がこの歴史的な事件について述べられてい
る。端的に言えば、そのような「自己を犠牲にし、大義のために計画的に
成果を納める、仇を討つ」
何故それが綿々と語り継がれて来たか、と言うと、御家断絶は当たり前
で、敵討などしているバカは居なかった。つまり現実には皆無であるの
で、希望的にそうあれたし、と言う心理に元ずく。つまり、日本の社会、
国、企業、その運営、個人の生活、全てが、赤尾浪士の反対の極にある、
と言う悲しい非倫理的な利己的で卑怯な自堕落な暮らしをしている。
 そこで例によって、自信を取り戻すべく、「日本は素晴らしい。世界は
日本の文化、政治、経済の仕方を学びたい。」と言うお題目を唱えて、人
民に、安心して俺たち指導者について来いと言う。同じ指導者が日本を狂
わせ破壊してきた。
 「鎖国日本」が世界の荒波を乗り越えるには、外敵を知る外人の船長が
必要になる。暇を持て余しているトランプ氏などが最適であるが、ゴーン
氏に対する
卑怯なおもてなし対応を見ているので、年棒100億円ほど差し上げても、
お断り、される。ゴーン氏の前任者とは、GHQ社長の故マッカーサー氏で
あった。酷い占領政策を取ったが、日本を共産主義国から守った、と言う
立派な功績もあった。せっかく親切に保存された国体を過去80年間継続し
て潰して来たのは、他ならぬ「国内の敵」売国奴指導者たち。人民は赤尾
浪士の劇を観てやっぱり日本人は素晴らしい、と自己満足。
(在米のKM生)

2021年10月28日

◆雀庵の「常在戦場/101「孫文、魯迅、中共の大失敗」

(下)

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/381(2021/10/26/火】小生はこのところ竹中労
著「水滸伝 窮民革命のための序説」を枕頭において時々読んでいるが、
大本の「水滸伝」は未読である。毛沢東は「水滸伝」を座右の書にしてい
たが、彼は「インテリではなく窮民こそが中国革命の原動力になる」と信
じていた。

竹中労によると1926年1月、毛は「中国農民の各階層の分析およびその革
命に対する態度」の論稿でこう書いている。

<ルンペンプロレタリアート(ルンプロ)とは、帝国主義と軍閥地主階級
の搾取と抑圧を受けたり、ないしは水害・干ばつなどの天災にみまわれて
土地を手放した農民と、働く機会を失った手工業労働者を指して言う。

彼らは兵士、匪賊、盗人、乞食、娼妓であり、社会の評価も様々だが、彼
らが人間であり、五感四肢を持っている点では同じだ。

彼らが生計を立てる道は、兵士なら「戦争」、匪賊なら「略奪」、盗人な
ら「窃盗」、乞食なら「物乞い」、娼妓なら「媚び」で、それぞれ異なる
が、メシのタネを得ようとしている点では同じである。彼らは人類の中で
最も生活の不安定な人々である。

彼らは各地で秘密の組織を作る。例えば福建・広東の「三合会」、湖南・
湖北・貴州・四川諸省の「可老会」、安徽・河南・山東などの「大刀
会」、直隷及び東三省の「在理会」、上海の「青幣」のごとくである。こ
れらの会(ホエ)は、彼らの政治・経済闘争のための互助機関となってい
る。

中国のルンプロの人数は驚くなかれ2000万人以上である(修一:当時の人
口4億人の5%)。それらの人々は勇敢に戦うことができるから、指導よろ
しきを得れば“革命勢力”に変えることが可能である。

ルンプロに対しては、彼らが農民協会(=革命派)の側に立ってそれを助
けるよう、革命の大運動に加わるように促すべきで、断じて彼らを敵側へ
走らせ、反革命派に加担させてはならない>

この“水滸伝式窮民革命論”は1851〜1864年の「太平天国の乱」の研究から
「あり得る戦略だ」と既に1921年には張太雷(中共コミンテルン代表)が
指摘していたが、実戦で活用したのは毛沢東が最初だろう。教条主義的な
インテリ共産主義者は「ルンプロはカネ次第で右にも左にも動くから革命
から排除せよ」というのが原則だったから、毛沢東は一時的だが中共中枢
からパージされたのである。

毛の愛読書「水滸伝」は窮民・豪傑が梁山泊に結集するまでの「20回本」
らしく、ついこの間まで中共では読まれていたが、石平氏の「中国はなぜ
何があっても謝れないのか」によると「水滸伝」は今や何と中共の「悪書
追放」のターゲットになっているようである。

<2014年3月12日に閉幕した中国の全国政治協商会議の席上、委員の李海
浜は「維穏」つまり「社会穏定(安定)の維持」という政治的視点から、
古典小説の『水滸伝』を題材にした映画やドラマの放映禁止を提案して波
紋を呼んだ

近年、民衆による暴動や騒動が多発する中、中央政府は口癖のようにこの
「維穏」のスローガンを唱えるようになっている。要は「維穏」とは、政
権に対する民衆の反発や反抗を抑えて社会の安定を保とう、という意味に
他ならない。

李海浜委員の理解も同じである。彼は政権側の立場に立って、下からの反
乱を描いた『水滸伝』を目の敵にしたのだろう。しかし『水滸伝』は明代
の中国で書かれた長編小説で、舞台は千年も以前の北宋時代であり、そん
なたかが小説がこうも恐れられているということは、現在の共産党政権が
「維穏」にどれほど神経質になっているかの証拠である。

現に、10年ほど前から(習近平)政権は「維穏」を最重要な政治任務と位
置づけ、全力を挙げてそれにあたる構えを示してきた。国内の治安権限を
牛耳る政法委員会は、全国津々浦々の町や村のすべてを「維穏」の第一防
衛線と位置づけた。各地に「維穏弁」(安定維持統括事務所)を設置し、
民衆の中の不穏分子を徹底的に監視しているのである>

2、3年ほど前まで中共では官製メディアでもアンチ太子党=反習近平派の
記事が時々見られたが、今は完全に駆逐されたか、面従腹背でバカバカし
いほど習近平を讃えているようだ。いわゆる“ヨイショ”。持ち上げて、持
ち上げ尽くして、やがてドスンと落とすつもりだろう。石平氏によると
2013年7月8日の人民日報ネット版には「維穏」を批判する以下の記事が
あったという。

「各級政府は最大限の時間と労力を『維穏』に投入しているが、その効果
は一過性のものに過ぎない。抑え付けられた人々の不満は結局蓄積してい
くことになるから、維穏に励めば励むほど社会の安定が崩れる危険性はむ
しろ高まってくるだろう」

実際、「社会の安定」はいつ崩れてもおかしくない。李克強首相によると
14億の人口のうち1日2ドル(230円)、1年730ドル(8万4000円)で暮らす
貧しい民は6億もいる。渋谷司アジア太平洋交流学会会長の試算では――

「下層」:無収入とか1日2ドルにも達しない人を加えると9億6393万人、
全人口の68.85%となる。つまり、中国人の3人に2人以上は「下層」に属
する。

「中間層」:月収2000〜3000元(約3万1300円〜4万6950円)で2億0735万
人、全人口の14.81%。

「上層」:月収3000〜2万元で2億2807万人、全人口の16.29%。

「最上層/富裕層」:月収2万元以上は、全体の0.05%で70万人。「紅2代
/紅3代」(日中戦争や国民党との内戦に参加し、建国に貢献した共産党の
元高級幹部の子弟)、あるいは「官2代/官3代」(新中国成立後、貢献し
た元高級官僚の子弟)らが中心とみられる。(以上)

中共の民の6〜7割は「農村戸籍」で、長男夫婦はキャッシュを求めて都会
へ出稼ぎ、ドヤ街に住み、低学歴、どうにか暮らしているが夢も希望もな
いまさしく「ルンプロ、窮民」そっくりのよう。絶望がいつ怒りに転じる
か・・・

習近平・中共はルンプロの爆発を抑えるためには、1)経済を盛んにして
ルンプロの生活向上を最優先で促進する、2)少なくとも上層階級以上の
富を減らしてルンプロに還元する、3)あるいはみんな貧乏で人民服を着
て痩せていた毛沢東時代の“清貧”に戻る――の3択しかないだろう。

しかし、高度成長の時代は終わったから1)は難しい、2)も中共の支持基
盤を敵に回すようだから激しい抵抗に遭う、となれば一番手っ取り早いの
は3)だろう。人は易きに流れる。

福島香織氏の論稿「来たる6中全会で『歴史決議』、懸念される習近平の
歴史観 トウ小平を否定し文化大革命を再評価か?」(JBプレス
2021.10.21)から。

<習近平は「歴史決議」でトウ小平の改革開放路線が過ちであった、と再
評価することはあり得るだろうか。たとえば、トウ小平は中国を豊かにし
たが、腐敗や格差を生んだとして、トウ小平の改革開放路線に修正の必要
あり、と主張するとか。

それもないことはないが、それに党中央の多数が賛同するだろうか? 党
中央幹部のほとんどが改革開放の恩恵を受けてきた。改革開放のおかげ
で、彼らは富裕層、資本家の仲間入りができたのだ。

習近平の経済路線を振り返ると、実際のところ失敗であった部分が多々あ
る。2015年の上海株大暴落事件しかり、「一帯一路」戦略が各国各地で受
けているネガティブな評価や資金ショート問題しかり。「中国製造2025」
は事実上見直しに迫られている。半導体国産率を2025年までに70%にする
など逆立ちしても達成できない。

さらに、今進行中の不動産バブル圧縮政策やインターネットプラット
フォーム企業の独禁法違反取締強化などに代表される民営金業いじめや、
「3060目標」(2030年までにCO2排出ピークアウト、2060年までにカーボ
ンニュートラルを実現)達成に向けた厳しいCO2排出規制を産業界に課す
環境政策などによって、経済成長が鈍化している状況が誰の目にも明らかだ。

これを「共同富裕」の美名のもとにごまかそうとしているが、実際はトウ
小平の改革開放40年の果実をわずか10年で食いつぶそうとしている

トウ小平の改革開放など過去の経済路線について再評価すれば、習近平の
姉夫婦なども含め習近平ファミリーは改革開放の恩恵を受けているのに、
改革開放の成果を台無しにしかねない経済政策の失敗には反省しないの
か、という話になりかねない>

改革開放が大成功したのは「努力すれば豊かになれる」と支那の民の本能
を刺激したからである。習近平は上層階級の富を奪って、それを下層階級
の慰撫に回そう、そうしないと中共独裁体制はもたない、と考えているの
だろう。が、低成長時代に入りつつある今、それを強行すれば、高度成長
をもたらした野心的で有能な人々のヤル気は衰え、大後退を招きかねな
い。1億の中共党員を守るために「改革開放=中共流資本主義」を止めて
昔の国営企業による非効率の経済を目指す・・・最悪手。

その先にあるのは「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋し
き」だろう。白河は習近平、田沼はトウ小平、胡錦涛、江沢民、今と比べ
れば遥かにマシである

14億の人民を結束させるには、毛沢東が建国後の国際的孤立状態から脱す
るためにアピールした「世界の農村(後進国)から都市(先進国)を包囲
せよ」という戦争だと習近平は心得ているはずだ。

しかし、今の中共は「三農問題」に苦しんでいる。生産性の低下=「農業
問題」、農村の疲弊=「農村問題」、農家所得の低迷=「農民問題」だ。
農村人口は3億4000万で、うち農業に従事しているのは2億。農業経営体1
戸当たりの耕地面積は日本の3分の1、純農業の平均月収は952元(1万4300
円)、上海のホワイトカラーの平均月収と比べると10%以下だ。

農村人口のうち1億4000万は都市部への出稼ぎである。経済低迷で出稼ぎ
需要は細っているようで、国に帰っても農地が売却や立ち退きなどでない
ケースもあり、無頼漢、ルンプロ化が進んでいると聞く。中共により習近
平が今さら「農村から都市を包囲せよ」と号令を掛けたところで、「お前
ら共産党が農村を荒らしたのだ!」と反発されるだけだ。

習近平は戦争で台湾制覇をし、勢いがあればさらにアジア制覇へ向かう腹
づもりだろう。自己崩壊寸前の己と中共が生き残るためには戦争で存在感
を示すという、イチかバチかに欠けるしかない。

パールハーバー・・・これは窮鼠猫を噛むバクチ的自衛戦争、習の戦争は
己と党の生き残り、自己都合、自己保身、私利私欲のための身勝手な侵略
戦争。世界の先進国とNATO、QUAD、AUKUSなどの同盟国が猛然と中共に対
峙し、包囲すれば、恐らく中国国内では「敵は中南海にあり! 戦争を内
乱へ転化せよ」と窮民革命が勃発するのではないか。

窮民革命になるように世界は中共経済包囲網で習近平一派を弱体化させ
る、人民の独裁政権駆逐の戦いを支援する、といった運動を強化する必要
がある。

中共はこうした世界的な中共バッシングに相変わらず無意味な反論を繰り
返すだけである。新華社10/19はこう報じた。「汪文斌(ワン・ウェンビ
ン)外務省報道官は『米国は中国が軍拡競争を激化させたと言う。米国は
中国脅威論の誇大宣伝を止め、責任ある態度をとり、大国の正当な役割を
体現し、国際社会とともに、戦力のバランスと安定を維持し、すべての国
の共通の安全保障を実現するべきである』と主張した」。

10/14〜23の日米台豪を威嚇する中露合同軍事演習「海上連合ー2021」の
最中にあって、イケシャアシャアと居直っている。



1911年の辛亥革命で清朝(満洲族の帝国)から中華民国に移行したが、そ
の際に孫文ら革命勢力が理想としたのは支那人国家の明朝(1368〜1644
年)だった。ドイツの支那研究家、R.ウィルヘルムは明朝の揺籃期につい
てこう書いている。

<明朝は当初から絶対王朝の成立には付き物の残虐さと流血で悪名を馳せ
ていた。少しでも疑わしいところがあれば一族郎党が虐殺された。処刑も
しばしば行われ、その数は数万回にも上っている。人々が明朝の旗下に集
まったのは、彼らが憎むべき外国人(元朝の蒙古人支配)を一掃しつつ
あったからである。しかし、絶対王政の圧政が計り知れないほど悪化の一
途を辿っていることは、すぐに分かった>

中共は見事に「第2明朝」になった。スターリンは毛沢東・中共に食指を
向けず距離を置いていたが、関わるとろくなことにならない、と知ってい
たからだろう。スターリンは3000万人を殺したが、自分も殺されるのでは
ないかと脅えていた。恐怖で腰を抜かすこともあった。彼は青少年時代は
ギリシャ正教の神父を目指していたから神や天を畏怖する心が多少はあっ
たのかもしれない。

一方で毛沢東は8000万〜1億人を殺してまったく平然としていたし、気に
も留めなかった。なぜなら彼自身が神だった、神を演じていたからだ。習
近平はそれを一所懸命に真似ている。所詮はただのエピゴーネン、真似っ
乞食。

そう言えば明国は秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役、1592〜98年)に
反発して属国・朝鮮を支援した。小生は西欧によるキリスト教拡散=植民
地化への秀吉の反発、警鐘だと朝鮮出兵を肯定的に理解しているが、それ
はさておき、明の国力は軍事費の負担のために衰え、明朝衰退の一因と
なったという。カネが無くなる=人心が離れる=敗戦が重なる、やがて国
家は消滅する。

中共が一日永らえば世界の一日の不幸である。ソ連は冷戦で金庫が空っ
ぽ、瓦解した。中共も西側が固く結束して包囲戦を続ければ自壊するので
はないか。今は燃料不足、電気不足、そのうち食糧不足にドル不足・・・
今冬は震えながら冬季五輪か。習近平が世界制覇の妄想的野望を捨てれ
ば、そこそこ安定した国になるのに・・・雉も鳴かずば撃たれまい、自業
自得、残念な生き物である。




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◆ベーシックインカムは日本を壊したい誰かの妄言

鈴木傾城

「働き損」で貧困層だけの国になると気づけ

かなり精密かつ徹底的な税制改革でベーシックインカムを実現したとして
も、そもそもそれで国は成長し、豊かになり、未来は明るいのだろうか。
ベーシックインカムを実現したら、国富が増えるのだろうか。国民は勤勉
で、意欲溢れるようになっていくのだろうか。私は、そう思わない。
(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)


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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。

ベーシックインカムは日本人のためになるのか
最近、多くの人が「ベーシックインカム」を口にするようになっている。

ベーシックインカムとは、政府がすべての国民に対して「毎月一定額を無
条件に配る」という政策を指す。たとえば、毎月8万円なり10万円なりが
誰の口座にも振り込まれるということだ。

最低限の生活資金が振り込まれたら、国民は知的で有意義な生活ができる
はずだという思想がこのベーシックインカムの中に込められている。

多くの仕事を掛け持ちするワーキングプア層や、低賃金を余儀なくされて
いる非正規雇用者や、ブラック企業で死ぬまで働かされている労働者に
とって、ベーシックインカムはとても魅力的な政策に見える。

日本でもベーシックインカムを説く識者もたくさんいるし、それを望んで
いる人も大勢いる。

しかし、本当にベーシックインカムが日本と日本人のためになるのかと言
われれば、私は疑問を感じている。

フィンランドとカナダは「財源の問題」で断念
財源はどうするのかという問題もある。

フィンランドとカナダは実験的にベーシックインカムを取り入れたのだ
が、早期で継続を断念している。もちろん財源の問題だった。

「いや、日本は大丈夫だ。今は問題ない」と主張する人もいるのだが、こ
れから日本は超高齢化が極度に深刻化し、税収が減り、GDP成長も期待で
きず、人口増大も期待できず、萎縮していくのである。

そんな中で政府が莫大な国債を発行しながら国民に金を配りまくる。普通
に考えて、将来に禍根を残すのは目に見えている。
         


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◆中国株、証券投資をやめない

「宮崎正弘の国際情勢解題」
 
令和三年(2021)10月25日(月曜日)
通巻第7092号  

それでもウォー ル街は、中国株、証券投資をやめない
  GS(ゴールドマンサックス)は中国「高盛高華証券」を100%子
会社化

 米国は貿易、技術、軍事方面で中国と衝突を繰り返しながらも、ビジネ
スはまるで別の顔。ウォール街は中国べったりである。
 証券界の王者、GS(ゴールドマンサックス)は、10月21日に、合 弁
企業だった「高盛高華証券」を100%子会社化とした。中国当局がモ ルガ
ン・スタンレーにつづき、弐番目の100%現地法人を認めたことに なる。

 中国は外国企業の進出に対して、これまでは49%の合弁しか認めて来
なかったが、米国との通商軋轢に深化にともない、証券など分野に限って
100%現地邦人を認める方針に切り替えていた。

 また世界最大のファンド「ブラック・ロック」も、従来方針通りに中国
投資を「制限の範囲内で筒一杯、中国株、証券投資を継続する」としている。
 ブラック・ロックは、世界で7・4兆ドルを運用し、支店は世界各地
24ヶ国。日本の現地邦人だけでも350人のスタッフを抱える。

 禿鷹ファンドといわれたブラックストーン系で、REIT商品などで業
績を伸ばしてきた。筆頭株主はメリルリンチ、バークレー銀行など。

 恒大集団のドル建て社債を組み込んだ金融商品を取引しているのも、こ
れら米系のファンド筋や証券である。
恒大集団が10月22日償還日のきたドル建て社債の金利を支払ったと報 じ
られたが、金利のドル送金先はウォール街のシティバンクだった。

 それにしても、政治、外交面でバイデン政権は中国に強硬姿勢を崩して
いないが、筆者には次なる言葉が空しく聞こえるのだ。

 バイデン政権で駐日大使に指名されたエマニュエル(前シカゴ市長)は
10月20日に、上院の指名承認公聴会に臨んだ。
席上、エマニュエルは「同盟国と共通の利益を推進し、同盟関係を深め、
共通の課題に立ち向かう」とし、日米同盟に言及した。

「日米間のパートナーシップは60年以上に及び、自由でひらかれたイン
ド太平洋の平和と繁栄の礎である。最も親密な同盟である日本との絆を深
めることは重要であり、一方、中国は分断を策しており、インド太平洋に
おける米国外交が岐路に立たされている。日本は大きな役割と担うととも
に大きな脅威に晒されている。重要なことは日米と韓国の同盟強化であ
る」として、日本と韓国のささくれだった関係への憂慮も述べた。

 同日、中国大使に指名されたニコラス・バーンズも証言して、「中国の
台湾に対する軍事的恐喝は不当であり、同時にウイグル、チベットにおけ
る人権侵害にも触れた。
「中国とは競争を管理して、偶発的な紛争のリスクを軽減し、中国政府と
は効果的な
意思疎通のチャンネルを求める。しかし米国は信頼できるパートナーがい
るが中国にはいない」と指摘した。

 バーンズは外交官キャリア組で国務次官の経験があり、国際情勢を広範
に把握している強みから香港問題にも言及し「中国に返還された香港を
50年自治を維持するとしたが、中国は約束をことごとく反古にしてき
た」と批判した。

 指名を得るために用意したペーパーを読み上げただけで、本心は別のと
ころにあるのだろう。うつろな響きが脳裏をかすめたのだった。
    
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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   ♪
(読者の声1)トランプ氏が独自SNSを立ち上げました。
「新会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ
(TMTG)は来月にソーシャルメディア「TRUTH Social」
のベータ版の試験運用を始め、2022年第1・四半期から一般の利用を 開始
する計画を明らかにした。」
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-socialmedia-spac-idJPKBN2HC026
 トランプ氏をバンした、フェイスブック、ツイッターの株価は下落です。
Facebook チャート:https://www.tradingview.com/x/i9qb5kEA/
Twitter チャート:https://www.tradingview.com/x/UyAaFKEc/
 大手メディアが1984的に国民を支配するなか、トランプ派が息を吹き返
すきっかけ、さらには日本にも影響を与えればと思います。トランプ氏は
アメリカ人に寄付を募っていましたが、反撃返しですね。
 デジタルワールドトランジションのチャート。
https://www.tradingview.com/x/CNdEm8bW/
来年前半には新SNSスタートだそうです。
https://www.fool.com/investing/2021/10/21/why-digital-world-acquisition-stock-skyrocketed-35/
  (R生、逗子)

  ♪
(読者の声2)歴史学者のニアール・ファーガソンンが、2024年トラ
ンプが戻ってくると予測しています。ファーガソンは左翼的な論調で知ら
れますが、つまり左派も警戒しているということでしょうね。
   (DJ生、熊谷市)


(宮崎正弘のコメント)ファーガソンのみならず多くの人が、トランプ再
選を待ち望んでいます。現時点では50%の可能性があるということでしょ
う。なにしろバイデンがあまりにも酷いですから。

  ♪
(読者の声3)近年急速に政治問題化されているいわゆるLGBTです
が、ロシアのプーチン大統領が今起きていることは1917年の革命中にロシ
アで起こったことと何ら変わりはないと発言している。英語サイトですが
WEB翻訳でも十分理解できる。
https://www.dailywire.com/news/putin-warns-wokeness-is-destroying-the-west-it-happened-in-russia-its-evil-it-destroys-values

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は11日の演説で、極左思想が西
欧諸国の社会問題を引き起こしているとし、「1917年の革命時にロシアで
起きたことと変わらない」と非難しました。
プーチン大統領は、ソチで開催されたヴァルダイ国際討論クラブの第18回
年次総会で、「21世紀のグローバルシェイクアップ」というテーマで発言
しました。プーチンの発言は通訳によって翻訳され、その映像はロシア政
府のウェブサイトにアップロードされた。
プーチンは、欧米諸国にはやりたいことをやる権利があるが、「ロシア社
会の圧倒的多数」はこうした新しい考え方を拒否していると述べた。
「いわゆる社会的進歩の準備は、人類に新しい良心、新しい意識、より正
しいものをもたらすと信じている」とプーチンは語った。
「しかし、一つだけ言っておきたいことがある。彼らが考え出すレシピは
何も新しいものではない。逆説的に思われるかもしれませんが、これはロ
シアで見られたことなのです。1917年の革命の後、ボリシェヴィキはマル
クスとエンゲルスの教義に従った。彼らはまた、伝統的なライフスタイ
ル、政治的、経済的なライフスタイル、さらには道徳の概念、健全な社会
のための基本的な原則を変えることを宣言しました。彼らは、時代や世紀
を超えた価値観を破壊しようとしていました。
「ちなみに、ボリシェヴィキは、自分たちの意見とは異なる他の意見には
絶対的に不寛容だった」とプーチンは続けた。
「このことは、何かが起こっていることを思い出させると思います。西洋
諸国で何が起こっているかを見ると、ロシアがかつて持っていて、遠い道
のりに置き去りにしてきた慣習を目の当たりにして困惑します。平等と差
別に対する戦いが、不条理の瀬戸際にある攻撃的な教条主義に変わり、
シェークスピアのような過去の偉大な作家が、性別や人種の重要性を理解
していない後進的な古典として発表されたために、学校や大学で教えられ
なくなっています」。
「ハリウッドでは、映画館で、映画の中で何をすべきか、何人の人格や俳
優がいて、どんな色をしていて、どんな性を持っているかを思い出させる
ビラがあり、時にはソ連共産党中央委員会のプロパガンダ局が行ったこと
よりもさらに厳しく、厳格なものになっています」と述べた。
そして「高い目標である人種差別との戦いは、新しい文化、キャンセル文
化、そして逆差別、裏の人種差別へと変わっていきます。真の市民の権利
のための闘士たちは、そのような違いをなくそうとしていたのに。私には
夢があります。私の4人の小さな子供たちが、いつの日か、肌の色で判断
されるのではなく、その人の人格の中身で判断される国に住むことです」。
それこそが真の価値である。
「ご存知の通り、ボルシェビキは財産だけでなく、女性も国有化しようと
話していました」
プーチンは続けます。
「新しいアプローチの提案者は、男と女の概念をすべて排除しようとする
ほどで、男と女が存在し、これは生物学的な事実であるとあえて言う人
は、すべて追放されてしまうのです。親1号、親2号、あるいは産んだ親、
あるいは母乳の代わりに人間の乳と言う。そして、そのすべてを言うのだ
から、自分の性的意図がはっきりしない人も不幸にはならない」
「そして、これは新しいことではなく、20年代、1920年代には、ソビエト
のクチュールタゴールがいわゆる「ニュースピーク」を考え出し、それに
よって新しい意識を築き、新しい価値観を打ち出していると考えていまし
たが、それが行き過ぎて、今に至るまでその結果を感じています」と、こ
の問題について結論付けました。
幼い頃から「男の子は簡単に女の子になれる」と教え、その選択を子供た
ちに強要することは、非常に恐ろしいことです。親を押しのけて、子供に
人生を狂わせるような決断をさせるのです。これは、人類に対する犯罪に
近いものであり、進歩の旗の下に行われているが、一部の人々はそれを望
んでいる。

 ロシア革命では婚姻の自由化が行われ、女性の国有化まで検討された。
実際には離婚の増大と父親不明な子供の激増、社会を維持することも困
難、結局は旧来の婚姻が復活するのですが、ソ連を真似た中国共産党支配
下の婚姻制度についての新聞記事がある。

 神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 思想問題(8-073) 台湾日日新
報(新聞) 1934.10.9 (昭和9) 【紅軍に重要役割の共産区の婦女子 妻
のため生きて帰れぬ戦場へ 中華共産区の婚姻制度】
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10071567&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

 男子二十歳、女子十八歳以上、婚姻は登記所において登記、婚姻書を領
収することを正式となす、聘金(結納金)・持参金を全廃し人身売買を厳
禁、など当時の中国としては画期的な内容。ところが女尊男卑の共産区で
は性の乱れどころではない。
「共産区は女尊男卑であるだけに風紀は異常に乱れて居る『由老公』『由
老婆』と言う言葉があるが之は『自由にされた夫』『自由にされた妻』と
言う意味で、他人の妻を自由にする事が容易である代りに自分の妻も容易
に他人に自由にされる『我的老婆和姉妹都給人家由去了』と言う者が沢山
いる、即ち自分の妻と姉妹は皆他人に自由にされ、連れて行かれたと言う
のである」
1976年の唐山地震を経験した女性の手記には博打で持ち金がなくなると妻
を担保にしたとあるので農村部では当たり前だったのかも。
 文革では横暴な地主を打倒する紅色娘子軍という劇がありましたが、共
産区では紅色ならぬ好色娘子軍が大活躍

「女子は紅軍にとっては重大な役割を演じて居る、紅軍は至る処に『紅軍
に入らざる男子に嫁せず』『紅軍に入らぬ夫を持つは恥である』等の宣伝
ビラを貼って居るので女子は泣く泣く愛しき夫を戦場に送り、男子は美し
き妻の為に生きて帰れぬ戦いに出るのである、某慰安隊隊長某女史は演説
して曰く
 某独立営の兵士を募集して居た当時、我が慰安隊は独立営に至って数夜
も続いて勇敢なる兵士に順番に添え寝したので数日を出でずして十万近く
の大兵が集まったのではないか、之実に我が慰安隊の光栄であり女性の光
栄でもある、と言って聴衆を感心さした由である」
 国民党軍でも女優・歌手・看護婦などによる慰安隊は将校の愛人兼用、
下級兵士は村人を襲ったりするのは当時の小説にでてきます。
 今に至るも結婚難の中国男子、土地バブルがはじけて結婚に必須のマン
ションは夢と消える。はてさてどうなることやら。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声4)衆議院選挙の投票日まであと一週間。ネットを見る限り自
民党の獲得議席数は厳し目も予想が多いようですが安倍晋三、高市早苗、
菅義偉といった大物の応援演説はかなりの賑わい。
とくに高市氏の応援演説は力が入っていた。自民党の衆院選特設サイトに
は直近の応援日程が載っており、25日には松戸・柏に高市氏が応援に来る
ので聴きに行くつもり。
https://special.jimin.jp/speech/
 安倍元総理は19日に YouTubeに「あべ晋三チャンネル」を開設。初日で
登録10万人、24日で23万人の人気ぶり。
https://www.youtube.com/channel/UCvTUlYhJ6p_O0SpvNSyEgKQ

 一方、立憲民主党はチャンネル登録から4年たっても登録は2万人と安倍
氏の十分の一以下。10年前の「悪夢の民主党」と同じ顔ぶれでは期待でき
るはずもない。麻生太郎に「立憲共産党」と指摘されるや演説会で共産党
の志位委員長とのツーショットから逃げ出し、テレビの討論番組では日米
同盟を基軸とする外交は自民党と変わらない、とブレブレの枝野党首。
トヨタ労組は立憲支持を取り止めトヨタ出身議員も出馬できなかった。
 連合新会長の芳野友子氏は「共産の閣外協力あり得ない」と立憲に不快
感を示し、岸田総理肝いりの「新しい資本主義実現会議」のメンバーにも
選ばれている。
連合千葉の新会長は電力総連出身でこれまた立憲に不利な情勢。自民党の
議席減は当初いわれていたほどではないかもしれません (PB生、千葉)

2021年10月26日

◆雀庵の「常在戦場

100「孫文、魯迅、中共の大失敗」    (上)

            “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/380(2021/10/24/日】孫文(孫中山)は「大清
帝国を亡ぼし中華民国を起こした偉人」と小生は少年の頃から思っていた。

中2の1964年、東京五輪の頃に世界史の授業で学んだのかもしれない。五
輪の最中に毛沢東が核実験をしたことを知らなかったのは、世界史の先生
が日教組支持で内心は岩波社員の如く「やったーっ、万歳!」と思ってい
たのかもしれないが、これは他の教員や父兄から苦情が出るからなのか、
教えてもらわなかった。五輪の熱狂の中で隠蔽された不都合な真実・・・

当時、孫文は亡くなってから半世紀たっていて「過去の歴史の偉人」とし
て授業で触れてもいい、しかし毛沢東は評価が定まらない「今の人」だか
ら授業では触れない、というルールがあったのだろう。今も昔も同じか?

歴史の授業は「今現在」から始めてはどうか。例えば中学の「日本近代
史」なら明治維新→ 幕末→ 江戸幕府成立→ 戦国時代・・・と過去に遡った
方が俄然興奮し興味津々、知的刺激になるのではないか。現在のように
300万年前の間氷期から石器時代、縄文時代、弥生時代、倭国、大和国と
かやっていたら「ハラハラドキドキ」の明治維新に到達する前に白髪三千
丈、少年老い易く学成り難しになってしまいそう。

高校の授業なら「日本現代史」で2001年9.11テロ→ バブル経済→ GDP大国→
60年安保→ 敗戦→ 大東亜戦争・・・とかに遡及する。愚息は大学生時代に
「オヤジ、日本はアメリカと戦争していたんだって?!」と興奮してい
た、嗚呼。今の教育では話にならん、福田恒存曰く「教育の普及は浮薄の
普及なり」、まったく嘆かわしいと小生は思うが、老いのタワゴトか。

それはそれとして、孫文(1866 - 1925)。気になる存在である。中共で
は国父のように崇敬されて、あちこちに「中山公園」があるが、実際に何
をしたのか、小生はほとんど知らない。魯迅についても同様である。無知
を自覚したら、それなりに納得できるまで調べたい、多動性老人は夢中に
なって1週間を過ごしてまとめたのが以下のレポートである。ご笑覧くだ
され。・・・・・・・・・・・・・・・

10月10日は小生にとっては「1964年東京五輪の日」だが、支那では「中華
民国」誕生を祝う「双十節」。「中華民国を成立させた辛亥革命(辛亥=
しんがい、かのとい、干支の一つ、1911年を示す)の導火線としての武昌
蜂起が起った宣統3 (1911) 年8月19日が太陽暦で10月10日にあたり、10が
2つ重なるところから双十節と呼ばれる。中華民国では国祭日と定めた
が、中華人民共和国では辛亥革命記念日と呼ばれている」(ブリタニカ)

満洲族による清朝統治から支那人による統治へ辛亥革命は「無血革命」の
ように移行したが、孫文は革命現場にはいなかった。痛恨のミス! 内戦
必至とみて軍資金調達で外遊していたそうだが、清朝の想定外の「禅譲」
で肩透かしを食ったようでパッとしない、どうも彼は運が悪い。日本大百
科全書から(カッコ内は修一)。


<孫文は1911年10月に軍資金の募集でアメリカにいた。辛亥革命の勃発を
知り、列強の援助を期待して(さらに)西欧を巡り(2か月後の12月25日
に上海に)帰国。臨時大総統に推されて1912年1月1日、中華民国を発足さ
せた>

遅れて来た青年・・・どころか当時の孫文は45歳の大人、「四十にして惑
わず、不惑」を過ぎている。当時の日本では50歳で初老、隠居が一般的で
あったから、勢いとかオーラ、生臭さが薄らいで神輿に担ぐには丁度い
い、象徴的な看板だったのではないか。

「中華民国を発足させた」とは言っても実態は清帝国から中華民国への政
権移行期であり、行政機構の多くは清帝国のままだったろう。「ラストエ
ンペラー」こと宣統帝=愛新覚羅溥儀の母である隆裕皇太后は溥儀に代わ
り、1912年2月12日、宣統帝の退位を決定し清王朝に幕を引く「詔勅」を
発布した。溥儀の家庭教師、ジョンストンの訳(一部)から引用する。

<今や全国民が共和制政府に傾いている。南部と中部の諸州が、まずこの
意向をはっきりと表明し、続いて北部諸州の軍部指導者も、同様の理想を
支持すると約束した。人々の願望の本質を観察すれば「天命」が分かる。
単に我ら自身の帝室の栄誉だけを思って、国民の欲求に逆らうことは当を
得たことではない。

私は時代の兆候を知り、国民全体の意見の趨勢を吟味した。そこで私は皇
帝の同意を得て、ここに主権を国民に賦与し、共和国の基礎の上に立憲政
府を樹立することを宣言する


私はこの決定を下すにあたり、政治的混乱の終息をひたすら待ち望む我が
臣民に対し、慰めを与えたいと希望するのみならず、政治的主権が究極に
は人民にあることを教えた古の聖賢の訓言に従いたいという思いにも駆ら
れるのである>

哀愁を帯びた名文だ。慶喜も戦線離脱、蟄居する前に一筆、書いておけば
良かったのに・・・

詔勅にある「古の聖賢の訓言」とは、古くは孔子・儒教の「博(ひろ)く
民に施して能(よ)く衆を済(すく)う」政治家は仁者どころか聖人だ、
という教えや、1700年代後期の米国独立戦争やフランス革命で始まった
「国民主権」の思想などだろう。日本が列強に危機感を持って明治維新で
幕藩体制(封建時代)から西洋風の近代国民国家=資本主義経済へ舵を
切ったように、列強に蚕食されるばかりの清帝国も近代化を進める必要を
痛切に感じていたわけだ。

かくして孫文を頭に戴いて中華民国がスタートしたが、孫文ら中国国民党
は議会選挙で過半数を得られず、また統治能力もないために、間もなく政
権を袁世凱に渡した。

袁世凱は清朝の軍人政治家、ナポレオンのように混乱を終息させると期待
されたのだろうが、逆に帝政を目指した。私利私欲で自由に生きるのが大
好きな支那人をまとめて列強に抗する強国にするには、それしかないと
思っていたのだろう。


<孫文は社会改革を志向したが、第二革命に敗れて日本に亡命。宋慶齢と
再婚したのも、この間のことである(宋慶齢は米国留学中の資産家のご令
嬢で、妹は蒋介石夫人の宋美齢)。第三革命で袁世凱が倒れたあとの軍閥
混戦状態の下で三たび広州を中心に政権の樹立に努めた。

孫文は幾多の挫折を経て、軍閥の背後に帝国主義があり、人民と結合して
反帝反軍閥の戦いを進めねばならないことを知り、ロシア革命に学んだ。
1924年1月、中国国民党を改組して、中国共産党と提携(国共合作)し、
労働者、農民の結集を図って国民革命を推進することとした>(日本大百
科全書)

「軍閥」とは何か。WIKIなどではこう説明している。

<軍閥時代:1916〜1928年にかけて中華民国が内戦状態となっていた時期
を指す。袁世凱の死を契機に北京政府の統制が失われ、各地の軍閥が集合
離散を繰り返す軍閥割拠の時代となった


軍閥は、列強の後ろ盾を持ち、地主階級と結びつき、自勢力拡大を最優先
する個人の首領に従う私兵集団であり、中央の統制を受けず、各地に自己
の王国を形成していた。その後、蒋介石の北伐によって各軍閥が国民政府
の統制下に入る形で一応は平定された。


清朝の正規軍は満洲族で構成された「八旗」と漢族で構成された「緑営」
だったが、やがていずれも形骸化して役に立たなくなったので、反乱など
が起こると義勇兵を募ったり(郷勇)、地方の有力者の私兵を動員したり
(団練)して、臨時に軍隊を編成して対応するようになった。この臨時の
軍隊がやがて常設されるようになり、さらに自立化して独立勢力のように
なったのが軍閥である。

清朝の末期の軍隊はこの軍閥の寄り合い所帯のようで、兵隊は中央政府の
命令よりも、直属の軍閥の長の命令に従った。

例えば、袁世凱(1859 - 1916年)は軍閥の長で清王朝の将軍でもあった
が、義和団の乱(北清事件、1900年)の時には動かずに自己の勢力の保全
に勤め、辛亥革命では革命側に付いて清朝を崩壊させた。革命後に孫文が
亡命すると袁は中華民国の大統領に就任、圧倒的な勢力になり、他の軍閥
も大人しく従っていたが、袁が急病死して政権が混乱すると従わなくな
り、中国は軍閥の群雄割拠状態になっていく>

まったく支那の近現代史は波乱万丈、今でも軍閥・派閥が覇権争いをして
いる。永久革命的戦国時代、つける薬なしか? せめてドンパチは支那大
陸内でやってくれ。

作家であり革命を求めていた魯迅(1881 - 1936年、「狂人日記」「阿Q正
伝」で有名)は辛亥革命最中の1911〜12年に小説「懐旧」を書いている。
小生は「懐旧」は未読だが内容は「多くの人民は奴隷であるがために愚か
になった、いつわりの伝統で(歴史や現状、自己を)欺き、革命家を理解
せず、また援けもしない、人民の事業のために死んでいった人びとはあい
かわらず人民からは遠い」(ロシアの魯迅研究家・翻訳者のバズネーエワ
女史)というもので、魯迅のマルクス共産主義あるいは赤い自由主義への
傾倒を示しているようだ。

1848年にマルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」が発行され、その共
産主義思想が1905年と17年のロシア革命で世界に拡散していった。当時の
日本でも自由民権とか大正デモクラシーとして同様な主張が盛んになって
いった。

正義感に溢れ、かつ理想的、科学的な革命思想に見え、世事に疎いインテ
リ、特に若者は“新思潮”に引き付けられたのだ。「流行り病 昔マルクス
 今コロナ」。昨今の米国では時代錯誤のようなマルクス病感染者が増え
ているが、自覚がないからどうなるものやら・・それはさておき

そのマルクスボーイのリーダー格的な魯迅は1912年に孫文の口利きなのか
中華民国の教育部(教育宣伝部門?)に招かれ、軍閥混戦状態の中にあっ
ても1926年まで役人生活を送りながら革命を煽る主要な作品を発表してい
く。そこに北京で行われた民衆の請願デモに対して段祺瑞(北洋軍閥の親
日派、北京政府のトップ)の衛兵が発砲して多数の死傷者を出した「3.18
事件」が起きた。

<1926年3月18日に学生、市民など約5000人が北京の天安門前で国民大会
を開き、列国の最後通牒に反対し「帝国主義打倒」「段祺瑞打倒」「8ヵ
国公使を追放せよ」などのスローガンを掲げてデモを行い、執政府に陳情
しようとして国務院に到着したが、軍警に阻止され、段祺瑞の命令で軍警
が民衆に発砲、約50人の死者と多数の負傷者が出た。

魯迅は政府を激しく批判した。これに対し軍閥政府は魯迅を含め50数名を
指名手配、彼は、日本人やドイツ人が経営する病院に潜伏を余儀なくされ
た。避難生活は5月には終わるが、その年8月北京を離れ、福建省にある厦
門大学の中国文学の教授として迎えられた。翌1927年1月に広州に移り、
中山大学文学系の主任兼教務主任の職に就いたが、4月に国民党による反
共クーデターが起こり、嫌疑を受けて監視され、中山大学の職を辞した。

10月に上海に脱出し、以来、1936年に55歳で没するまで許広平夫人と上海
で暮らした>(コトバンク、WIKIなど)

1925年、59歳で没した孫文、11年後に追った魯迅・・・辛亥革命以降、中
国革命に殉じた、あるいは殺された人々は、中共帝国建国後の8000万〜1
億人を含めると数億になるだろう。孫文や魯迅などは今の習近平・中共を
見て、あの世でどう思っているのか、霊能者とか恐山のイタコに聞きたい
ものだ。(つづく)



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◆ビットコインの総崩れに要警戒
今市太郎

日本が無視するウォン安と韓国デフォルト危機。“助け舟”なく為替・ビッ
トコインの総崩れに要警戒


対ドルで韓国ウォン安が急速に進んでおり、韓国銀行が介入を示唆してい
ます。日本市場はまったく関心がないように見受けられますが、いよいよ
デフォルトに直面するのではないかといった悲観的な見方が広がっていま
す。さらには、韓国国民の個人負債破綻リスクへも警戒が必要です。
(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

止まらぬウォン安に“デフォルト危機”再燃
ドル建ての債務を大量に保有する韓国ではウォンが大幅に下落し、とうと
う危険水域と言われた1ドル1,200ウォンを突破する勢いになっており、い
よいよデフォルトに直面するのではないかといった悲観的な見方が広がっ
ています(編注:原稿執筆時点2021年10月14日)。

韓国銀行(中央銀行)の総裁は、「必要に応じて市場の安定を図る」とし
て介入意向を示していますが、そんなことで制御できるとは到底思えません。

1,200超えから一気に1,700ドル、1,900ドルと上昇することになれば、デ
フォルトもありうる状況になってきています。

直近の市場で、ウォン安に大きな影響を与えているのは原油価格の上昇で
す。この価格上昇はまだまだ続く可能性が高いことから、ウォン安もさら
に継続するリスクが高まっています。

ただ、この手の話は本邦市場ではまったく関心がないようで、もちろん米
国市場でもほとんど無視されたままの状態

実際に韓国が突然デフォルトになって、はじめて騒ぎになりそうな嫌な予
感がしてなりません。
      


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◆米国のメジャーなメディアは黙殺

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月23日(土曜日)
通巻第7090号  <前日発行>

惚け老人の失言なのか、米国のメジャーなメディアは黙殺
    バイデン「台湾が中国に攻撃されたら米国は防衛責任を負う」

 バイデン米大統領は、2021年10月21日にメリーランド州ボル
ティモアで開催された集会で演説し、「もし台湾が中国から攻撃された
ら、米国は防衛責任を負う」と従来の米国が謳ってきた「曖昧戦略」から
大きく逸脱して発言した。
CNN、サウスチャイナ・モーニングポスト、多維新聞網、大紀元などが
大きく伝えた。

補佐官たちは慌てて修正し、従来の台湾概念から逸脱していないとバイデ
ン発言の否定に躍起だった。「惚け老人」の暴走発言を火消ししたという
ことだ。

 米国の台湾関与は、1979年に制定された「台湾関係法」に明記され
ており、台湾の安全を確保するために武器供与をするというもので、防疫
義務は謳っていない。クリントン政権は「そのときに決めるのであり、そ
れまでは曖昧な立場だ」と戦略的曖昧性を全面に押し出していた。

 尖閣諸島防衛に関しても同様であり、「尖閣諸島は日米安保条約第五条
の適用範囲である」とは述べているが、「防衛する」とはひとことも言っ
ていない。
 トランプ政権と雖も、台湾は友人だ。価値観を共有しているとして、台
湾との関係強化、閣僚の訪問も自由としたが、防衛責任については言及し
たことはなかった。

 中国語メディアは「如果中国攻撃台湾、美国将有責任保衛台湾」と報じた。
 如果は「もし」、美国は「米国」である。
 しかし、惚け老人の失言とばかり、米国の大手メディアは、この重大な
政策変更を意味するバイデン発言を黙殺している。
    
     
読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)21日に遼寧省瀋陽でおきたガス爆発事故は4人の死者、
47人負傷の由ですが、これってテロの可能性はないですか?(JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)瀋陽の繁華街が一瞬にして廃墟。ガス爆発の元凶
となった焼き肉レストランは跡形もなく消えてしまっていますね。ガス管
工事中の事故らしく、もしテロなら報道管制を加えていたでしょう。

2021年08月08日

雀庵の「常在戦場/62 脅威の中露朝3派連合」

雀庵の「常在戦場/62 脅威の中露朝3派連合」
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           “シーチン”修一 2.0



【Anne G. of Red Gables/347(2021/8/5/木】当たり前ながら人の能力は
様々で、今の日本では大体、能力に応じた仕事・地位に就いている。思う
に多くの職場では従業員の能力分布は優10%、良20%、可40%で、この計
70%が一人前、主力だ。

その下には不可20%があり、これは教育と訓練で一人前に成長する可能性
があるが、さらにその下にはオニモツというか足を引っ張る10%の、夏彦
翁の言う「できない坊主」がいる。以上は当たらずとも遠からずだろう
が、まあそれなりに適材適所、結構なことだ。

編集・記者という仕事は、同僚を始め顧客や取材先は大卒が多いことも
あって、どうも高卒には向かないようだ。小生は「大卒でなくても教えて
いけば一人前になるだろう」と2人の高卒男子を採用したが、同世代の大
卒と比べると能力の差は歴然だった。

大卒が真面目に学問をしたかどうかは知らないが、4年間でそれなりに読
書をしたり、モノを書いたり、思考を重ねたり、あーだこーだと議論する
ことにそこそこ慣れている。高卒だとその体験というか知的好奇心とか
“学び”が薄い。「この道で行くんだ、編集・記者、出版界以外に我の行く
道なし」という目的意識があまり感じられない、即ちあまり成長しない。
教養・学問系の読書体験がない、というのは致命的な感じがする。

18歳から22歳、あるいは25歳あたりまでの青春とかモラトリアムをいかに
過ごすか、失敗もあるだろうが、結構これが一生を方向付けるのではない
かと思う。70翁になってからそれを痛感するより、若い時にそこそこ知っ
ていた方が良さそうだが、知らない方が面白い人生になりそうでもあ
し・・・でも遠回りのような・・・まあ、何とも言えない

人生には絶対的な「解」がないからいいのだ、とも言える。「解」を求め
るから皆、ヒーヒー言いながら奮闘する、最初から「解」が分かっていた
ら誰が頑張るものか・・・予選落ちが分かっていたら歯を食いしばって努
力しない、「もしかしたら」という夢、目標があるからこそ頑張れるし、
頑張ること自体がメダル以上に大きな意味があるとも言えそうだ。

「Boys, be ambitious」を小生は「男は山っ気が大事だ」と解釈していた
が、北大によると「(朝日1964/3/16が拡散した)この言葉がクラーク博
士のものであることを認めるには、いくつかの無理がありそう」と論評し
ている。「神の恩寵」を確信するピューリタ ン精神から「みんな、頑
張って出世しろよ! 見送りありがとう、元気でな!」という挨拶だった
ようである(初出は博士の離日を見送った第一期生・大島正健博士の著
書)。それが時代とともに尾ひれ羽ひれがついて“立派な訓示”になった。
悪意はないだろうが、ナンカナーの感じ。

男は「山っ気」、チャレンジ精神をもって前進する。♪休みたいとか、遊
びたいとか、そんなこといっぺんでも思うてみろ、そん時は死ね、それが
男ぞ! 若者への励ましの言葉だな。 

習近平の夢、世界制覇の夢・・・死屍累々の夢、これって「山っ気」とか
チャレンジ精神とは程遠い殺人狂の悪夢でしかない。まるで神戸連続児童
殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗こと「少年A」。「老人X」は精神疾患、妄想的殺
人鬼のよう

ヒトラーとスターリンが欧州分割で手を結んだ「独ソ不可侵条約秘密議定
書」(独ソ密約、1939年)のように、アジア制覇を狙う習近平と、太平洋
への出口・北海道を確保したいプーチンが秘密協定を結び、一気に侵攻を
開始する・・・小生が中露の立場ならその戦略で行く。子分の北朝鮮も同
時に南に侵攻する。悪のトライアングル、自国民がいくら死のうが彼らは
伝統的にまったく痛痒を感じない


この核武装しているトライアングル「悪の3派連合」が一気呵成に押し寄
せてきたら・・・尖閣諸島に核ミサイル1発を撃ち込まれ、「次は有人島
だ」と威嚇されたら・・・多分、日台は速攻で降伏しかねない。


英国などの欧州勢も豪、米加も撤収するのだろう、自国民は「遠いアジア
の戦争に介入して若者を犠牲にするな」となりやすいからだ。政治家は選
挙で選ばれるために世論に背を向けられない。それは危急存亡の戦時に
あっては民主主義の弱点だろう。


3派連合は戦争に有利な国家体制、独裁体制だ。欧米と違って自由民主人
権法治とか国民の生命財産・思想信条を保障するといった価値観がない。
独裁国家は戦争や災害で千人万人が死んでも大騒ぎしないし、そもそも不
都合なことは隠蔽するから国民は真実がわからない。


南米の先住民族は欧州からやって来たキリスト教徒によって絶滅した。キ
リスト教徒から見れば異教徒はすべて野獣みたいな蛮族だから容赦しな
い。豪州タスマニアの先住民アボリジニは英国から島流しになった白人に
瞬く間に“駆除”された。戦国時代(16世紀)に来日したポルトガル人宣教
師フロイスの日記を見ると、日本人を珍獣のように観察している。

日本人が駆除されなかったのは時が戦国時代で、信長が刀槍弓矢の戦から
最新鋭の鉄砲を持ってドンパチやる戦争革命を進めていたからである。堺
は鉄砲の世界的生産地だったという。最先端の武器を持っていたから白人
の侵略から免れた。

中露朝3派連合の手下どもは保身のためもあって独裁者の言いなり、クチ
パクである。国民は不都合なことは何も知らされないから、戦死者が多い
のかどうかさえも判断できない、ひたすら命令に従うだけである。逆らえ
ば殺される、戦場なら生きて帰れる可能性はあるのだから、ナチスによっ
て収容所に送られたユダヤ人の如く大人しく従う。危機に果敢に立ち向か
うのではなくて、危機を避ける、先送りする、日和見する・・・人間はそ
ういうもののようだ

戦後のどさくさに紛れて2000年ぶりにユダヤ国家を再興したイスラエル
人。四国程の地に934万人(神奈川県並)が暮らすが、建国当初は周りは
天敵のイスラム教国ばかりだったから核兵器を含めて国防に力を入れてい
る。日本外務省によると――


<軍事力(1)兵役:男子32か月、女子24か月(更に予備役あり)(2)兵
力:正規軍16.95万人(陸軍12.6万人、海軍9500人、空軍3.4万人)、予備
役46.5万人(陸軍40万人、海軍1万人、空軍5.5万人)>


日本を上回る戦力、抑止力を備えているようだ。戦略家ルトワック曰く――

「イスラエルのテルアビブを訪れてみるとよい。大卒の女性たちも当然の
ように子供を3人産んでいる。知人の若い女性も4人きょうだいの一人だ。
イスラエルは『戦士の文化』を社会的に維持しているのである。彼らは、
先進的だが破壊的な現代のイデオロギーには毒されていない。

18歳の若者はフェイスブックへの投稿より軍隊への入隊を欲している。そ
こで彼らは男らしさ、勇敢さ、チャレンジ精神を試される。女性の半数以
上も入隊し、戦闘部隊に参加するものもいる。

イスラエルではハイテク産業が盛んだ。高度なテクノロジーを次々に生み
出している。小国ながら数多くのノーベル賞受賞者(平和賞ではない!)
を輩出している。

戦略において正しい選択をするのは難しい。しかし、最悪の選択とは『ま
あ大丈夫だろう』と考え、何の選択も準備もしないことである」

日本の与党は「まあ大丈夫だろう」、野党は「戦争、ダメ、絶対!」、
みーんな「最悪の選択」「できない坊主」ばっかり。極東の島国の穏やか
過ぎる国民は、ある日突然の大地震、大津波、感染症、土砂崩れ・・・痛
い目に遭うと大騒ぎ。最悪の3派連合に核ミサイル1発撃たれたら、これま
た大騒ぎして、「人命は国家より重い」とか言って不戦敗、そして亡国。

ユダヤ人は2000年の亡国の民と言われるが、日本は北海道はロシア領、本
州・四国は中国領、九州は朝鮮領になり、混血が進んで100年も経てば日
本語や日本人は消えているだろう。ユダヤ人にはユダヤ教という強烈なコ
アがあったから艱難辛苦の末に国家を復活できたが、多神教の日本は脆弱
で、「皇統を断たれたら一巻の終わり」になるかも知れない。

建国=国体の確立から2000年・・・奇跡の国ジパングは「戦争しますか、
それとも消えますか」の岐路にある。


           
       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
欧米と国連が主導する「中国への制裁」
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           島田久仁彦


欧米と国連が主導する「中国への制裁」がまったく機能していない真の理由
 


カネ漬けで“中国依存症”国家を量産。習近平「武力を使わぬ」覇権拡大
中国の動きを今すぐに止めろ。欧米がアジアへ「海軍」を送る訳
英メディアがGRスープラ2.0Lを絶賛!目を見張る3.0Lとの違いとは?
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「世界の最も恐ろしい橋」日本のあの橋も登場
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英国絶賛 日産GT-R NISMO 「興奮冷めない!超現実的なドライブフィール」
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先日掲載の「カネ漬けで“中国依存症”国家を量産。習近平「武力を使わ
ぬ」覇権拡大」では、かつて中国の高官から直接聞いたという、習近平政
権がASEAN諸国で行なっている「テスト」の存在や着々と進む中国による
世界覇権拡大戦略を分析・考察した、元国連紛争調停官の島田久仁彦さ
ん。島田さんは今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交
渉・コミュニケーション術』』で今回、欧米や国連が主導する「対中国制
裁」がまったく機能していないことを指摘しながら、国際問題を良く知る
元紛争調停官という立場から、その「本当の理由」について考察しています。


トランプ前政権からスタートし、大方の評論家の予想に反して、対中制裁
を強化したバイデン政権ですが、対立構造が明確になり、どちらも退くこ
とないバトルを繰り返しています。

しかし、COVID-19のパンデミックという“おまけ”つきかもしれませんが、
果たしてアメリカが主導し、欧州各国が2020年から乗っかってきた対中制
裁措置は本当に機能し、中国の行動を改めるきっかけになったかと尋ねら
れれば、大いに疑問でしょう。

そして冷戦時代が終焉し、アメリカ一強時代になったといっても過言では
ない1990年以降、国連安保理決議に基づき発動された制裁措置は、サダ
ム・フセインのイラク、反米主義を掲げるイラン、核開発が進められる北
朝鮮、今は亡きカダフィ大佐が率いていたリビア、ウクライナに侵攻した
ロシア、そして最近では国軍がクーデターにより10年にわたった民主化運
動を叩き潰そうとし、いまだにショックを与えているミャンマーなどに課
せられました。

自由な貿易の機会を阻害され、外貨の獲得もままならない状況下で、平常
に比べると苦難を強いられることになっていますが、実際に制裁措置が、
これら対象国の動きを制するような結果は生み出せていません。

実際に、真の意味で国連憲章第7章に規定される平和を取り戻すための武
力行使という制裁が用いられた例はないと考えますが(イラク、旧ユーゴ
スラビア紛争などは第7章に基づくものとする議論もありますが、私は当
事者としてそうは思いません)、冷戦下で行われてきた制裁措置には、常
に背後に武力行使・核戦争の影があり、それなりに行動自制の機能を果た
していました。

キューバ危機における米艦隊による海上封鎖は、背後に“核戦争前夜”とい
う分析・脅威が存在したこともあって、機能したと評価できるかもしれま
せん。

冷戦後、そして9月11日に発生した米同時多発テロ事件以降、安保理決議
の名の下、発せられたものも、現在のアメリカ他による対中制裁措置も、
機能しているとはいいがたいでしょう。

その理由は何か。         
           
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すべての中国企業を調査せよと要求
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月30日(金曜日)弐
通巻第7002号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 滴滴や
ファーウェイ、ZTEばかりではない、ぜんぶだ
  米上院議員、SECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求
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 滴滴(DIDI)は6月30日にNY市場に上場し、予定価格14ドル
のところ、初値が18ドル。時価総額はいきなり7兆5700億円となっ
た。四日後、中国はDIDIを手入れして審査に入ったため株価は暴落した。

 7月9日の時価総額はピークから2兆3000億円ほど減らして、5兆
2000億円ほどになった。米国ファンドにも損害がでたことは明らかだ
ろう。上院議会銀行委員会は、この値動きがおかしいので調査を要求した。

 7月26日には中国の学習塾規制強化により、香港株式市場で中国教育
銘柄の株価が半値以下に暴落した。新東方教育科技などはオンライン個別
指導で業績を伸ばしたが、いきなり47%下落した。
 四日間続いた続落で中国の株式市場から6兆3000億円弱が蒸発した。

 中国の株安に連動して、日本の中国依存度の高い企業が軒並み、連鎖株
安となり、とくにソフトバンクグループは真っ青になるほどの暴落ぶり、
ほかに日本電産、ファースト・リティリング(ユニクロ)、東京エレクト
ロン等が下落した。

 7月29日、米上院議員らSECにNY上場のすべての中国企業を調査
せよと要求した。
「滴滴やファーウェイ、ZTEばかりではない、ぜんぶだ」

2021年08月06日

雀庵の「常在戦場/61 中共向けの“解体新書”」

雀庵の「常在戦場/61 中共向けの“解体新書”」
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           “シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/346(2021/8/2/月】包囲網「万里の長城作戦」
で中共を自滅させよ、と小生は唱えているが、考えてみればこれはかつて
のソ連包囲網である「冷戦」と同じだろう。


ソ連は軍事力の強化、維持、更新を優先したため、民生に手が回らずに食
糧から衣類、針、糸まで、ロシア革命以来、何十年も欠乏、それが常態化
していた。第2次大戦後でさえ以下のような有様だった。

<1946〜1947年の飢饉は、凄惨な第二次世界大戦と、1946年に起きた旱魃
の直接の結果だ。旱魃は当然、不作をもたらした。しかしこの飢饉は、実
は回避できたはずだ。ソ連には膨大な量の穀物が備蓄されていたんだか
ら。もしソ連政府が海外への穀物輸出を増やすという悲惨な決定を下して
いなければ(輸出量は戦前のレベルのほぼ2倍だった)・・・


さらに、かつての同盟国(連合国)との新たな戦争を懸念して、ソ連当局
は、農産物の備蓄を維持しようとし、地域への食糧放出を拒んだうえ、強
制的な食糧品納入のノルマも減らさなかった。飢饉の結果、最大150万人
が死亡した>(ロシアビヨンド)

ソ連末期には優遇されていた軍人、軍属までも窮乏生活に耐えられずに共
産党独裁政権に愛想をつかし、まるで腐った木が倒れるようにソ連は自
滅、崩壊した。国際社会は誰もソ連を助けなかった、というのも凄い話
だ。結果的にロシア国民は資本主義自由経済は我が国には合わない、強権
独裁でも飢えるよりはマシ、プーチン万歳!になってしまった・・・

現在の“最悪の帝国”中共との熱戦に先進国は備え始めているが、仮に勝っ
ても14億の民の胃袋を面倒見切れないだろう。と言っても惨状を見捨てる
わけにはいかない。中共政権というガンは切除したい、しかしそれに代
わって世界人口の20%を占める14億の腹を満たし続けるのは避けたい・・・

結局、ソ連さえ崩壊させた「冷戦」という包囲網でじわじわと息の根を止
めていくのが一番現実的な対中戦略ではないか。包囲網で封じ込めないと
飢えた民は周辺国へ大量に逃げ出すから国境線で“難民”にどう対応する
か、考えただけで頭が痛くなる。

ロシアは安全保障と経済発展のために伝統的に国境を守り、同時に国境を
拡大する志向が著しく強いから、ロシアへの越境を試みる中国人を平気で
射殺するだろうが(*)、それ以外の国はフェンスを造るくらいしかでき
ないだろう。

*1900/明治33年7〜8月「江東六十四屯虐殺」(黒竜江=アムール川の悲
劇):義和団の乱が起きると、かねてから満州全域への進出を計画してい
たロシアは「義和団と列強とを相手にしている清国は満州情勢に関わる余
裕がない」と考え、ロシアは東支鉄道保護の名目で満州に大軍を送った。
ロシア軍の行動は横暴を極め、虐殺を行なった。


その結果、清国人約2万5千名もがロシア兵に虐殺されてアムール川に投げ
捨てられ、清国人の遺体が筏のようにアムール川一面を真っ赤に染めて
下って行った。これらの事件によって江東六十四屯から清国人居留民は一
掃され、清の支配は失われることとなる。以上は「正統史観年表」から。


当時、現地で諜報活動にあたっていた石光真清の手記「廣野の花」にはそ
の様子が書かれているが、実際に清国人狩りに動員された懇意のロシア人
の生々しい証言はショッキングだ。阿鼻叫喚の中で多勢に無勢のロシア兵
も逆襲を恐れ、殺られる前に殺れ、と半狂乱になって老若男女、赤ん坊ま
で射殺、銃床で殴り殺し、あるいは川に落として溺死させていく。凄まじ
い虐殺だったが、恐ろしいのは戦時にはそれが常態になることだ。

未だに人権人道意識ゼロのロシアの“蛮勇”を忌避する普通の国なら、フェ
ンスを越えて越境した中国人を殺すわけにはいかず、難民キャンプに収
容、閉じ込めるしかないだろうが、14億の1%でも1400万人! その難民
がやがて押し駆けるのは地続きで温暖で食糧豊富なベトナム、タイあたり
だろうが、とても受け入れられる人数ではない。

結局、当座の対策としてそこから船で主にアジア諸国に送るしかないが、
親中の国、例えばシンガポールだって1000人を受け入れるのが限界だろ
う。中共寄りというか子分のようなカンボジア、ラオス、ミャンマーなど
は自国のことで精一杯で受け入れ能力はないし難民が逆に避けるだろう

台湾、日本を含めてアジア諸国は難民の一時上陸は認めても、欧米、加豪
だって以前のように難民を受け入れやしまい。伝統的な国体、国柄が急速
に(概ね劣化の方向へ)変わってしまうからだ。庇を貸して母屋を取られ
る、ここ数年で中共の横暴にうんざりした諸国は、中国人移民に皆懲り懲
りしているだろう。


「人道」云々以前に、難民の受け入れは多くの問題を起こすから、いずこ
の国も本心では関わりたくない。フェンスに押し寄せる中国人をどうする
か・・・結局は包囲網を頑丈にしていくしかないのだ。つまり中国人自身
で中共一党独裁に代わる新しい体制を創れ、と見放すしかない。不都合な
ことには見て見ぬ振り・・・それ以外に手がないのだから誰も責められや
しない。人道にもとると言うのなら「まずアンタの国が100万人受け入れ
ろ」と言い返されるだけだ。

そうなると支那の党幹部や資産家など上層階級は、自己防衛のために清朝
崩壊後と同様に自警団、やがて軍閥を創るだろう。群雄割拠の内戦が始ま
る可能性もある。小生としては言語≒民族別に20程の国に分裂して欲しい
と願っている。14億という巨大過ぎる国家、大帝国は世界にとって危険過
ぎるからだ。多くの人もそう思っているのではないか

支那では軍事的に日本と世界に大きな影響を与えた大帝国としてモンゴル
帝国(元寇)、大清帝国(日清戦争)があり、今は中共帝国だが、以下の
ように言語は多彩だ。

「北京語」標準語、公用語、普通話であり、北京を中心に使われている。

「広東語」広東省、香港を中心。マレーシアやシンガポールの華僑などに
も浸透。

「東北語」東北地方で使われている。

「四川語」四川省を中心に使われている。

「河南語」黄河の南の河南省で使われている。

「上海語」中国最大の都市である上海で使われているが、ビジネスでの利
便性から北京語に圧されている。

この他に民族・地域の言語として約130種類があるという。代表的なのは
モンゴル語、チベット語、ウイグル語、朝鮮語だろう。夏彦翁曰く「国家
とは言語である」、多言語国家より文字、発音が同じ単一言語、単一民族
の方がまとまりやすいのは確かだ。

ユーゴスラビアは「5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つ
の国家」と言われたが、カリスマ指導者チトーの死後、民族主義が復活し
て建国から50年足らずの1992年には7か国に分裂してしまった。「昨日の
隣人、今日の敵」・・・内戦は悲惨だった。理想と現実は全く違う

小生は以前「中共も米国のような連邦国家にしたらいい」と思っていた
が、現在の米国を見ると共和党系と民主党系は水と油、完全に呉越同舟、
一触即発、内戦一歩手前のよう。今は共通の敵=中共があるから、とりあ
えずは同居している風情で、中共が5〜10年後とかに消滅したら第2次南北
戦争みたいなことになりはしまいかと懸念している。大国は結束している
ときは勢いがあるが、長続きするわけではない。


中共も20程の国に分かれ、それぞれが独立国として、それぞれの国体、文
明文化、経済、社会、価値観を育んでいった方が上手くいくだろうと思
う。無理が通れば道理が引っ込む、無理して統一国家になる必要はないだ
ろう。大体、今さら厄介な支那を侵略しようなどという、おめでたい国は
ない。

国際社会は支那の新興民族国家の資本主義化・民主主義化とともに、各民
族の価値観、歴史、伝統に根差した多様な国造りを指導、支援したらい
い。内戦でガラガラポンが始まるかもしれないが、それはいずこの国も体
験した通過儀礼。血と涙の苦しみから新国家が産まれるだろう。

       
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世界に30年も出遅れた日本企業が
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           赤羽雄二

「経営者主導」で進めるべき4つの事業構造改革


先日掲載の「DX推進を決めた経営者が実践すべき、日報よりも効果的な
「ハイパーアウェアネス(察知力)」活用法」では「経営改革」を進める
上で重要な「7つの鍵」について詳しく解説するとともに、その各々につ
いての解錠のヒントをレクチャーした、ブレークスルーパートナーズ株式
会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。アメリカに本社を置く世
界的なコンサルティング企業マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ赤
羽さんは、自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する
人生相談」』で今回、世界各国で進むDX(デジタルトランスフォーメー
ション)化について、これから日本企業がどう取り組みべきかを簡潔に分
かりやすく解説しています。


赤羽雄二の視点:今話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは
何か、何を知っておくべきか その3
先週は、経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けることと、その7つの
鍵がどういうものか、ご説明しました。また、GAFAとひとくくりします
が、実際は、GFとAとAに分けているべき、というお話もした上で、DXの例
としての「ハイパーアウェアネス」(顧客に最も近い場所にいる従業員全
員を「人間センサー」として情報を得る)についてもご説明しました。


今週は、日本企業がどう取り組んでいくべきか考え、3回シリーズの最後
としたいと思います。

30年出遅れた日本と日本企業は何をねらい、何を期待すべきか
日本企業の事業構造改革とIT活用は、致命的に遅れたと言わざるを得ません。

世界の先進企業の時価総額が150〜230兆円になり、日本のトップがトヨタ
自動車で28兆円という状況では、まともに戦える段階はとっくに過ぎたと
思うしかありません。欧米のみならず、中国、韓国、インドの先進企業
も、日本企業よりDX化が進んでいます。

今、日本と日本企業ができることは、

製造業においては徹底的な事業構造改革とIT活用により、時価総額10〜20
兆円で市場ポジションを何とか死守する。M&Aを成功させる経営力を何と
しても獲得し、より大きな市場ポジションを取る。時価総額が高くない
と、買収され、ばらばらにされる
非製造業においては、今後10年、IT活用に全力投球し、GAFAなどの脅威と
何とか戦って、日本およびアジアの一部での市場ポジションを死守する。
時価総額10〜20兆円がいいところ。M&A、ベンチャー投資を成功させる経
営力を獲得し、何とか合従連衡を進める。時価総額が高くないと、買収さ
れ、ばらばらにされる
新規ベンチャーに関しては、今の10〜100倍起業されるよう、国、民間の
資源を傾斜配分する。大企業からのスピンアウト、転職、創業を大幅に後
押しする。
留学に関しては、今の10〜100倍、海外留学を拡大する(5〜10年後に結果
が出る)
日本の製造業のDXは、どこからどう始めるべきか
事業構造改革を進めるステップとして、まず、何で儲けるのか、経営者主
導で事業ビジョンを書き換える必要があります。それに基づき、経営者主
導で5年以上、事業構造改革を進め、付加価値の高い事業に組み替え続け
ます。

さらに、経営者主導で、PDCAを高速に回し続け、不断の改善をする企業に
生まれ変わります。

並行して、経営者主導で、ITを徹底活用し、生産性を上げ続けます。

加えて、経営者主導で、必要な人材を採用し、上司を鍛え直し、滞留人材
を再活性化します。

つまり、「経営者主導」が不可欠で、経営者が主導しない会社、経営者が
5〜10年継続して取り組めない会社の将来は厳しいと考えるべきです。

最後に、経営者主導であっても、決定的な答えはもうないので、おおよそ
のビジョンを設定したら、後は走りながら考え、修正するしかないです。
GAFAも2000年頃は迷走していました。倒産を何とか免れ、その後の必死の
努力で今があります。

GAFAをうまく活用すればチャンスが、という声もありますが、もしできて
も利益の大半を持っていかれ、実際は食われるだけだと考えられます。し
たがって、大変無責任な意見だと思います。

「考える力」を鍛えたい人に贈る『ゼロ秒思考』著者・赤羽雄二さんが


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アフガニスタンに甦る狐と狸
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月30日(金曜日)
通巻第7001号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アフガニスタンに甦る狐と狸、タリバンは一枚岩ではない
  中国がタリバンを招待した動機と背景を探ると
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 王毅外相が天津でタリバン幹部を接待し、とどのつまり「東トルキスタ
ン独立運動」の新彊ウイグル自治区への軍事出撃拠点とならないように釘
を刺した。かれらに用意されたお土産は何であったか? ソ連と戦ったム
ジャヒディーンが母体のタリバンは、一枚岩ではなく、つねに離合集散を
繰り返す軍閥の呉越同舟というのが実態である。

 北部同盟のマスード司令官は、2001年おそらく内ゲバによって爆殺
された。カメラマンに扮して撮影機材に爆弾を仕掛けていたとされる。死
をも恐れないのはイスラム原理主義が戦いで死ぬことを殉教としているか
らだろう。
 マスードは依然として尊敬を集め、その墓はモスクを形取った廟であ
る。弟はカルザイ政権の副大統領となった。

 マスードが不在となって、アフガニスタンの軍閥事情はさらに複雑化
し、昨日の友は、きょうの敵、そして明日はまた「友人」となる。そう
やって、パシュトーン人主体の山岳国家は過去千年を暮らしてきたのだ。

 北部の拠点マザリシャリフは嘗てドスタム将軍が治めていた。ドスタム
はウズベク人であり、残酷な拷問や虐殺をこのみ、タリバン主流派に属し
たかと思えば、すぐに裏切り、挙げ句はカルザイ政権で副大統領、そして
また裏切り、トルコへ亡命。また復帰するという、果てしない路線変更、
カメレオンの如くに立ち位置を変える。

 イスマイリ・カーンは、北西部のオアシス、ヘラートと統治する「ヘ
ラートの獅子」。不利になるとイランに逃げ込み、政府軍に協力したかと
思えばいつしか裏切る。
カーンはパシュトーン人で、現在はガニ政権の閣僚でタリバンと対峙して
いるが、次の行動は読めない。

 もう一人の厄介な指導者がヘクマチアルだ。
栄華を極めてアフガニスタン政府の首相を二回つとめた。ところが政府高
官の立場に有るかと思えば、裏切り、ときにイランに逃げ込み、トルコで
亡命生活を送っていたからと思えば、アフガニスタンに舞い戻る。現在の
ところ、ヘクマチアル率いる軍閥の動静は伝わってこない。

 現状はと言えばタリバンがアフガニスタンのおよそ七割近くを抑えた
(タリバンは85%を支配したと豪語しているが)。
ガニ政権の崩壊は高らかな足音を立てて近付いた。

 さて「昔の名前ででてきた」、これらドスタム、ヘクマチアル、イスマ
イリ・カーンは、後継有力者が明らかにされないまま、実態として強桿な
軍閥で、お互いが根強い猜疑心を抱き、離合集散、呉越同舟を繰り返すた
め、今日の分析が、そのまま明日も同じ状況とは変わらない。だから中国
は彼らのうちから軍閥代表を選び、招待したのだ。

 タリバンはモスクワへすでに代表を送り込んだが、ちかくイランへも派
遣し、今後の「協力態勢」を協議する予定である。


 ▼明日のアフガニスタンを展望すると。。。。。

 アフガニスタン国内事情はかくの如しだが、一方で国際関係となるとま
すますややこしい。世界史のグレートゲームは、アフガニスタンをめぐる
攻防でもあった。英国が、ソ連が、そして米国が介入し、いずれも失敗に
終わった。

 第一に米軍撤退後、新しいグレートゲームの主人公は、米露は関心あれ
ど、介入せず、NATOも引き揚げる。中国は動静に深い関心を寄せる
も、軍事的支援となるとどうするか。
アフガニスタンで、唯一、政治的存在感を維持するのはトルコ。しかし地
域覇権という文脈で大きな影響力を持つのはパキスタンである。

 イラクへ介入した米軍は、作戦に秀でてはいたが、戦略性に欠け、スン
ニ派、シーア派、そしてクルド族という、事実上の三分割となった。

 リビアへ介入し、カダフィ政権を瓦解させたものの、リビアはベンガジ
とトリポリが対立し、伊太利亜とトルコが魑魅魍魎的な動きをしめし、収
拾がつかないまま、大混乱となっている。

 タリバンに話を戻すと、外国の利害関係を計測するに絶妙な読みをなし
て、兵器や資金を外国から調達することにいささかの躊躇いはない。その
ためには裏切り、取引、暗殺もためらいなく実行する。
 そこで冒頭の話題にもどるのである。
 中国はタリバン幹部にどのような土産をもたせたのか?
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(休刊のお知らせ)小誌は8月1日─2日が休刊です 
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 北朝鮮と拉致問題を理解するために初歩的な知識が必要だ
  面妖な思想をなぜ、人々は崇拝するのだろう?

  ♪
篠原常一郎『北朝鮮と拉致問題を理解するためのチェチェ思想入門』(育
鵬社)
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 主体思想を面妖で狂信的と決めつけるのは容易である。しかし、それで
は何故、北の人々ばかりか、民主主義国家であるはずの韓国の人々があれ
ほど熱狂的に崇拝するのだろうか?という謎を解明できない。
 ましてや、この妖しげな思想が日本で拡がっている。在日朝鮮人の間だ
けならまだしも、沖縄で、そして近年はアイヌ団体に浸透しているから危
険なのである。
 なぜ金三代の独裁政権は転覆しないのか、なぜ外国人を拉致するのか、
そして何故日本人や韓国人がチェチェ思想の魔力にコロリとはまるのか、
著者は元日本共産党の理論家兼活動家だったがゆえに、よく分かるらしい。
 本書はまず冒頭のページで、『チェチェ思想関連機関と日本における諸
団体の相関図』のチャートがあって、理解しやすい。その中心人物に野上
健一という人物が四つの団体の幹部として顔を出している。
 また政治学者の武者小路公秀が名誉理事とか顧問になっている団体が二
つあるうえ、多くで人脈が重なっている。こうした実態が、おおまかに把
握できる。驚きは「北海道アイヌ協会」とチェチェ思想団体との強い繋が
りである。
 アイヌは先住民族ではない。十二、十三世紀にオホーツク海のどこかか
ら北海道へ流れ込んできた人々で、しかも部族どうしがいがみ合い、殺し
合った。アイヌは民族として団結していないうえ、「複数の部族に別れて
いて、それぞれ言葉が違い、単一言語ではありません。そのためアイヌと
いう民族の定義が定まっていません。では誰が決めているのかというと
「北海道アイヌ協会」です」(195−196p)。
 この人たちが国の優遇を承けている。いや、江戸時代からアイヌは優遇
されてきたのだが、2018年度の日本政府のアイヌ政策関連予算は、な
んと40億円強もあるのだ。
 そして現代日本のミステリーだ。
 このアイヌ団体が、チェチェ思想を研究する団体や、その別働隊に密接
な関係があり、とどのつまり『アイヌ利権』を狙っているのである
(201p)。
 話が飛ぶかも知れないが、評者(宮崎)、この話に及んだとき、ふと
『日本書紀』に出てくる「粛清(みしはせ)」を思い出したのだ。なぞの
民族で、ツングース系とされるのだが、六世紀ごろから佐渡や北日本に漂
着した。
 『日本書紀』には三個所、この粛清人が記述されている。
 まず欽明天皇の御代に佐渡島へ粛慎が漂着し、斉明天皇の御代に阿倍比
羅夫が遠征し、討伐したこと。翻って天武天皇・持統天皇の御代には粛慎
が来訪したので、大和朝廷は官位を与えたとある。
 手塚治虫『火の鳥』のモデル、阿部比羅夫は三回蝦夷退治に出向いた
が、佐渡の北辺に盤踞した彼らを制圧し、さらに北海道へ進み、どうやら
奥利尻島あたりにいた粛清人を平定したという記録がある。
 閑話休題。この粛清人が沿海州から来たのか、樺太あたりからの狩猟民
族だったか、諸説あって侃々諤々であるが、結論はでていない。
それにしても、アイヌ利権に振り回され、チェチェ思想が跋扈する日本っ
て、どうなっているのか。
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(休刊のお知らせ)小誌は8月1日─2日が休刊です
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
読者之声
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  ♪
(読者の声1)貴誌6989号(7月21日)の「デジタル通貨」がらみ
の話の中で、宮崎先生は実に重要な視点(扇の要)、つまり「約束手形、
社債、株式、私募債などは未来の企業収益が担保されているだけで、これ
が現代資本主義のからくり」であることを鋭く射抜いておられると思いま
した。
これらはすなわち、「将来の企業収益を信用で担保されているだけ」とい
うことであり、換言すれば、これまでの信用が巨大IT企業のそれに取って
代わりつつあるからです。
そもそも民間銀行の誕生とその発展は「価値イコール通貨」とみなすとす
るところの「人間の性(=同一視してしまう)を社会にトリッキーに組み
込む」ことを前提に制度化したものであり、これを基盤として現代の経済
社会は成り立っているのです。
そのカラクリを一番「認識・利用・応用」してきたのが?小平からの中国
でした。それが巨大IT企業によって徐々に「占拠」されつつあり、このま
ま放置すれば、アリババなどのIT企業が「価値イコール通貨」であること
の「統治手段として」のツール(=メリット)を手中に収める事になり、
これを座視していては大変なことになることに気が着いたのが昨今の中国
の「中枢」なのでしょう。
今までの中国の諸々の金融機関は、資本主義世界の衣装を「保護色」化し
て纏ってきたにすぎなかったのですが、この流れが基板からして変わりつ
つあることは、負債の山の露呈でいよいよ表面化してきました。
中国中枢は自分たちが「価値イコール通貨である」体制を死守するために
は、金融分野をアリババなどにゆだねるわけには決してゆかないことに気
が着いたのです。どうやら資本主義のカラクリを一番理解している国は中
国のようです(SSA)
  ♪
(読者の声2)貴著新刊『日本人が知らない本当の路地裏中国』、たくみ
な描写にひかれ、中国本土に入国したことがない私も行ってみたくなりま
した。等身大の中国のリアルが目の前にあって有益この上ない本だと思い
ました。この本はたいへん意義のあるお仕事と思います。
  (YF生、港区)
   ♪
(読者の声3)貴誌前号投書欄のなかで、「メルマガやブログではなく、
ユーチューブ放送、個人のチャンネルに(論壇は)移行しています。宮崎
さんも、時代に合わせて個人チャンネルも始められると良いと思います」
(老婆心)とありました。
 保守系の論客の多くも個人チャンネルで発言されています。是非、「宮
崎チャンネル」の開局を期待したいです。
  (NK生、鹿児島)


(宮崎正弘のコメント)小生は職業としての物書きを四十年。ずぅっと活
字媒体一本で発言して来ました。ツィッターもフェイスブックもLINE
もやっておりませんし、携帯電話もガラ携です。町に公衆電話がなくなっ
たから仕方なく「年寄りスマホ」を持ち歩いておりますが、使い方は電話
と万歩計だけ。あとは操作方法が分からず、そこへもってきた個人チャン
ネルですか?
 カメラも持ち合わせず、スタジオもなく、どうやって、そういう新しい
ことに時間を費やす必要があるのか、わかりません。月平均で五、六回ほ
ど桜チャンネルや未来ネット、言論テレビ、WILL等の電波媒体に出て
おりますので、十分ではないかと考えています。

   ♪
(読者の声4)貴誌第6999号(読者の声3)に景初三年説への反論が
寄せられていますが、前回述べましたように景初二年六月の時点では勝敗
が決しておらず、もしもその時に大夫難升米が帯方郡に行ったとすれば、
面会した太守は公孫氏側の人物になります。
しかし「魏志倭人伝」には難升米は魏側の太守劉夏と面会したとあります
から、公孫氏滅亡後の景初三年六月のことだというのが明白な事実なのです。
 「魏書 東夷伝 韓伝」に「明帝が景初中(237〜239年)に密かに楽浪郡
太守鮮于嗣と帯方郡太守劉?を送った」という記事がありますが、すでに
前回ご紹介した「東夷伝 序文」に「景初年間(二三七 - 二三九)、大規
模な遠征の軍を動かし、公孫淵を誅殺すると、さらにひそかに兵を船で運
んで海を渡し、楽浪と帯方の郡を攻め取った。」とあります。
「魏書公孫淵伝」によれば公孫淵の死は景初二年八月ですので、明帝はそ
れを知ってから、楽浪郡と帯方郡を攻めさせたということですので、景初
二年六月よりも後の話なのです。
 この景初二年か三年かの問題は、単なる「三国志」原文の誤写かどうか
という軽い問題ではなく、「魏志倭人伝」がどういう政治目的で書かれた
のかを証明するための非常に重要な話なのです。
反論者様は明帝の功績を寿ぐために卑弥呼が遣使したという思い込みか
ら、景初二年説に固執していますが、それが誤解であることをご理解いた
だいたと思います。
 「魏書少帝紀」に『景初三年(239年)正月丁亥朔(ついたち)(十二
月一日)、明帝が重体となった。』とあり、さらに、「魏書明帝紀」に
『(景初)三年
春正月丁亥の日(一日)、太尉司馬宣王が、〔遼東から〕帰還して河内に
到達すると、明帝は早馬によって彼を召しよせ、寝室の中に引き入れて、
手を取り、「私の病気はひじょうに重い。後の事は君にまかせる。君は
よって曹爽とともに幼い息子を輔佐せよ。私は君に会えたのだから思いの
こすことはない。」と告げた。宣王は頓首して涙を流した。その日、明帝
は嘉福殿において崩御した。時に三十六歳であった。癸丑の日(二十七
日)、高平殿に埋葬した。』とあります。
また、「魏書少帝紀」に(景初三年二月)丁丑の日(一月二十一日)に司
馬懿の功績を大いに誉め、天子を善導する役「太傳(たいふ)」に除すと
いう詔勅を下したとあります。この時点の曹魏の実力ナンバーワンは大司
馬(軍のトップ)である上記の曹爽でした。すでに病死した曹魏第一の功
労者曹真の子です。
ですから司馬懿は倭の遣使によって曹真の功績を超えるものにしたいとい
う政治目的から、明帝崩御後に、明帝が任命した帯方郡太守劉?を自分の
部下の劉夏に代えたと推理できます。
 倭国を懐柔するように司馬懿の命を受けた劉夏は、倭国に遣使を促し、
景初三年六月に帯方郡に来た難升米らを洛陽に護衛を付けて送りました。
司馬懿にとっては、自らの功績を最大限にアピールする最も重要なチャン
スですから、幼い皇帝の補佐役になった司馬懿は、たとえ明帝の喪中で
あっても、卑弥呼の遣使を絶賛する詔勅を景初三年十二月に作らせたのだ
と推理できます。
その詔勅を全文掲載する「魏志倭人伝」は、司馬懿を曹魏第一の功労者と
して顕彰するために作られた文書だということです。
曹真の功績であるはずの大月氏の朝貢記事は明帝紀に簡単に書かれていま
すが、「三国志」に西域伝を意図的に載せていませんので、陳寿の偏向が
見て取れます。
「晋書 宣帝紀」にも卑弥呼の朝貢を司馬懿の功績として魏の少帝から封
邑を加増されたという記事が載せられています。
陳寿の「魏志倭人伝」は司馬懿を顕彰するために西晋の朝廷の人々に向け
て作られた文書で間違いないのです。
 ですから魏の朝廷の人々に司馬懿の功績を理解させるために、帯方郡太
守劉夏と、前回述べましたように、漢字を読み書きできる倭の大夫難升米
が談合して作った邪馬台国への行程記事に基づいて、陳寿が「魏志倭人
伝」を書いたのだと推理できます。

このような政治文書のフェイク記事を素直に読んで、いくら正しく解釈し
ても万人が納得できる邪馬台国の場所へはたどり着けなかったということ
なのです。
 
ということで、従来の発想では邪馬台国問題を解決できないということで
すから、ここで新しい発想として、邪馬台国への行程記事は一度横におい
て、ヤマト王権成立過程を仮説推論(アブダクション)によって科学的に
解明する手法を採用しました。

それによって邪馬台国問題だけでなく弥生時代前期末から古墳時代初頭の
歴史問題もほぼ解明できました。その詳細は拙ブログ「古代史を推理す
る」をご覧ください
              (刮目天)

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