2020年11月14日

◆7大デマゴギーを検証する 

高野 孟


学術会議問題で嘘を撒き散らす菅義偉首相とその仲間

1.105人の推薦名簿は見ていない?

■ 菅義偉@朝日新聞ほかとのインタビュー、10月9日

日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を任命しないという判断は安
倍前政権ではなく現政権で下した。6人を除外する前の推薦者名簿は見て
いない。

● これは、自身の責任を免れたいという心情から口走ってしまった大失
言。じゃあ6人を名簿から削ったのは誰なんだということになるに決まっ
ているのに、それへの答えを準備することなくその場で口走ってしまった
ことは明らかで、つまり彼の答弁能力の貧しさというよりも、はっきり
言って余りの頭の悪さを露呈してしまった。

6人を名簿から削ったのは杉 田和博官房副長官であることがたちまち判明
し、今度は安倍・菅両政権の 官邸を実質取り仕切っているのは警察官僚
であるという「警察国家」的な 実態が晒されることになった。

2.現会員が後任を指名できる?

■ 菅義偉@内閣記者会会見、10月5日

現在の会員が自分の後任を指名することも可能。推薦者をそのまま任命し
てきた前例を踏襲して良いのか。

■ 菅義偉@ジャカルタでの記者会見、10月21日

日本学術会議の会員選考は、現在の会員が後任を推薦することも可能な仕
組み。

● 菅首相が一知半解の法律知識で判断し発言していることの証拠。当初、
彼は学術会議からの推薦通りに任命しなかった理由として、「現在の会員
が自分の後任を指名することも可能」になっていて、そのような閉鎖的仕
組みで指名された人が推薦され、それを首相がそのまま任命してきた前例
を踏襲する必要はないという趣旨のことを述べた。

これはまるっきり事実 誤認で、実際には現会員210人と連携会員約2,000
人が各自2人まで推薦 し、そうすると4,000人超ものリストとなり、それ
を選考委員会が明確な 基準に従って学術的業績などを吟味した上で、105
人のリストを9カ月かけ て作り上げるので、現会員の個人的な恣意によっ
て後任を指名するなどと いうことはあり得ない。

● それをさんざん指摘されたので、菅首相はジャカルタで、後任を「指
名」ではなくて「推薦」できるだけだと発言を修正したのだが、そうであ
ればこのことが任命拒否の理由になるはずがないことにも触れ、自らの法
解釈の誤りを謝罪し、6人の任命拒否を撤回すべきであるけれども、そこ
には踏み込まない。



個人的な見解だが民主党(バイデン)政権には不安感が:

私は永年にわたって民主党政権は「bad newsだ」と言い続けてきた以上、
民主党政権には不安感が残るのだ。如何に綺麗事を言っても、バイデン氏
はオバマ政権の副大統領で、中国を野放しにして来た同志ではなかった
か。確かに選挙キャンペーン中はトランプ大統領並みに厳しく当たると主
張していたと聞いた。だが、果たして実際に大統領になれば、国際協調を
唱えていた以上、現実に対中国に高関税を維持し農産物等の買い増しを強
硬に習近平に迫れるのだろうか。クリントン大統領のように我が国にを軽
視し「輸入を増やせ」と強硬に出てくるのではなかろうか。

私は確かにアメリカの元の上司や同僚たちと同様にトランプ大統領嫌いで
ある。だが、昨日も指摘したようにその公約の実行力と対中国の強硬姿勢
を考える時に、「未だ再選される可能性は僅かでも残っているとの観測が
あるトランプ大統領が再選された方が良かった」となりはしないか。過去
の民主党政権時代を顧みても、民主党政権は我が国を軽視していたのでは
なかったか。「バイデン大統領で良かった」とはならない危険性は残るの
ではないか。

「何だ。貴殿はとんだ変節振りではないか」と非難されそうだが、私はこ
れまでにトランプ大統領の敗退は条件付きでしか記述していない。それは
トランプ大統領擁護ではなく、専門家が解説されるアメリカの法律に基づ
いて言っているだけのことだ。要するに「あの選挙も結果がどうなってし
まうか」を断言するのも「バイデン、万歳」を唱えるのも、未だ早いと考
えているのだ。

at 07:38 | Comment(0) | 高野 孟