川原俊明(弁護士)
中山成彬国土交通大臣の「(地元住民)ごね得」発言、「日教組解体」論「日本の単一民族国家」論など、失言問題に、おそらく多くの国民はあきれかえっているでしょう。
政治家として、それなりの持論を持って国会に乗り込んできたのは理解するとしても、国務大臣に任命された以上、内閣の一閣僚として、言動に責任を持つべきです。
放言・失言はとんでもないことです。辞任、あるいは、罷免は当然です。
麻生内閣は、国会の内閣総理大臣指名に基づき、麻生総理大臣が組閣した行政府です。立法府としての国会と異なり、行政府としての内閣は、日本国のあるべき姿を示し、日本のより良き未来形成に向けて、内閣が、一丸となって行動すべき立場にあります。
国務大臣である一閣僚は、総理大臣によって任命されます。仲良し内閣とまで揶揄されるほどに、総理大臣の国務大臣任命権は絶対的なものです。それだけに、国を動かす内閣が、閣内不一致の意見を抱えていてはいけないことから、総理大臣の閣僚罷免権が、憲法第67条で保障されているのです。
それだけに、一閣僚としての発言は、時の内閣の方針なり、考え方、と見なされても仕方がありません。
野党が、麻生総理に対する任命責任を主張するのは、それなりの根拠があります。
それにしても、中山国土交通大臣の、閣僚としての自覚のなさは驚きです。国の命運を左右する閣僚としての見識は、全く見られません。
言うまでもなく、日本は民主国家です。多様な意見の存在は、思想信条の自由として保障されています。
しかし、閣僚としては、日本を全体として鳥瞰的に把握すべきその立場を理解なければなりません。閣内統一された意見でもない放言・失言をするようでは、閣僚としてはもちろんのこと、国会議員としても資格がありません。
実に情けない政治家が、国会議員として席を温めていることに、憤りを感じます。
この背景には、国会議員の政治家としての質の低下があります。各政党は、政党の得票率を上げるため、タレント議員の多用、二世議員の重用をし、日本の政治に不可欠な人材よりも、目先の集票マシンを候補に立てるばかげた習性があります。
ここに、日本の政治体制の後進性が見られます。橋下大阪府知事が、中山失言を支持するコメントを流しています。これにもあきれています。彼も、中山氏と同罪でしょう。
二世議員の登用について、小泉元首相の代議士引退声明に関連して、次男坊に票田を承継することを公表しました。靖国参拝評価を別にしても、それなりに活躍した小泉元首相でした。しかし引け際に、票田の世襲を明らかにすることにより、小泉元総理は、評価を大幅に下げたのではないでしょうか。
日本は、江戸時代に戻ってはいけないのです。世界を見つめないといけないのです。国民は、憲法の精神を理解しない政治家を選ぶべきではありません。
2008年09月29日
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