2008年11月03日
◆世間に忍び寄る危険性「大麻売買事件」
川原敏明(弁護士)
慶應義塾大学の構内で、大麻を売買していた慶大生が逮捕されました。慶大生の供述は、「同じ大学の何人かと一緒に吸った」、「興味半分」だそうです。
慶大に限らず、法政大学、関東学院ラグビー部など、一部の大学生が、興味本位とはいえ、覚せい剤や大麻など麻薬に手を染めている現実は、亡国の危機を感じます。
日本では、大麻の違法栽培、営利目的譲渡などが違法であることくらい、常識の範疇に属します。
大麻取締法では、みだりに所持し、譲り受け、または譲渡したものは、5年以下の懲役に処せられるのです。これが、営利目的だと、7年以下の懲役、情状により200万円以下の罰金も併科されます。(法24条の2)
ロシア出身の力士・若の鵬が、落とした財布から大麻が発見されたことから、稽古部屋でも吸引器が発見され、ついに相撲界を「解雇」されたことも、目新しいニュースでした。
私たちがよく聞く話は、西成の街中に立っていると、覚せい剤の売人がどこともなくにじり寄ってきて、購入を勧める、というのです。
暴力団の資金源となる覚せい剤にかぎらず、人間の脳を破壊し、体をむしばむ恐ろしい「白い粉」が、日本中に蔓延している可能性を危惧します。
些細なトラブルなのに、常識では考えられない殺人事件にまで簡単に運んでしまう事実。人の命を虫けら以下に扱うひき逃げ事件など。人間の理性を狂わせる背景の一つに、覚せい剤や麻薬・大麻がはびこっているのではないかと恐れています。
私たちが刑事事件を扱う中で、事件発生の背景となっているものの中に、覚せい剤などを原因とするものがあります。吸引・注射などにより、一時的快楽感があるものの、今度は、逆に、幻覚作用が生じて、恐ろしい被害妄想を感じ、他人に危害を加える犯罪者に生まれ変わっていくのです。
いつのまにか、世間に忍び寄る危険性。これは、覚せい剤など、薬漬けのために理性を失った人間が、集団となり、そして国が滅びた世界の歴史を、もう一度、振り返る必要があります。
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