2009年06月13日

◆どちらが阿呆か



                渡部亮次郎

鳩山邦夫総務大臣が辞任し、私の許には辞任させた麻生首相を非難する書き込みが殺到したが、これは真相を知らず、コトを利権取引と勘違いしたものだ。真相は官僚の手に乗せられた鳩山氏の失策そのものである。

<鳩山総務相が辞任 日本郵政社長人事で 後任に佐藤国家公安委員長

鳩山邦夫総務相は12日午後、首相官邸で麻生太郎首相に会い、日本郵政の西川善文社長の続投に反対している問題にけじめをつける形で辞表を提出し、首相はこれを受理した。事実上の首相による更迭だ。後任は佐藤勉国家公安委員長が兼務する。

麻生内閣での閣僚の辞任は、首相の盟友で知られる中川昭一財務・金融担当相に次いで3人目。鳩山氏は、首相を支える国会議員による「太郎会」の会長を務め、過去3回の総裁選で首相を支持する中心人物の1人だった。

鳩山氏は記者団に「世の中、正しいことが通らない時があるんだな、今はそういう思いです。今の政治は正しいことを言っても認められないこともある。潔さが大事」と語った。>6月12日14時8分配信 産経新聞

問題の「カンポの宿」はいわば不良資産となっており、1軒ごとにバラ売りに出しても引き受け手のあるはずがない。だから西川社長は(マイナス付き資産だから格安でも仕方がない)と判断して、オリックスに払い下げようと決断したものである。

これを単細胞の連中(マスコミ)が曲解した。「国民の財産を不当に処分しようとした」「利権がらみの裏取引は許せない」と煽り立てた。単細胞の頭脳だとそうなる。世間の大方は倒産を経験したことが無いから、こうした資産処理の常道を知らない。

意地の悪い分析をすれば、お坊ちゃん育ちで、政治家の道をあの田中角栄の許で始めた鳩山は、すべての「取引」を「利権がらみ」と見る癖がついている。だから今回、特にそう思ったに違いない。

だが今回は世論の方が単細胞で、間違っている事に最後まで気付かなかったのは残念だ。

頭が良くてズル賢い総務官僚(元の郵政省幹部)がこれに乗った。
「この際、大臣を世論に乗せて西川のクビを取り、後任社長の椅子を我が物にしよう」。

西川社長の遣り方は、不良資産整理の際の正当な手段。このことを会社経営者のキャリアを持つ麻生首相はよく理解していたが、お坊ちゃん育ちの鳩山は理解できない。「真剣に取り組めばもっと高く売れたはず。利権がらみ、裏取引だ」と理解して騒いだ。

鳩山が「誤解」「不勉強」を「信念」だの「正義」だのといいはじめたとき、つまり問題が表面化したときから麻生首相は鳩山のクビ
を取る以外に方法は無いとのハラヲ括っていたはずだ。

もっと早く真相を明らかにして鳩山を切れば、問題はなかった。それをしなかったのは党内基盤の弱さから来る「迷い」がこうさせた。
だから麻生の政治生命も長くはない。(文中敬称略)2009・06・12
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