2011年06月18日

◆被災者受領の義捐金は「収入」か

川原 俊明

何とも残酷な国であるか。 税金の無駄遣いばかりしている政治家や役人。

一方では、もともとの困窮者が、津波被害でどん底に陥っていってしまった場面をとらえて、生活保護給付を停止するのは、如何なものか。
 
生活困窮者は、申請により生活保護費が受給できるわけですが、その実態は、最低限の生活維持財源しか交付されません。

その困窮者が東日本大震災の被災ですべてを失い、家族も家財も身の回りの衣服もない、といっているのです。この人たちが、世界の善意で集まった義援金を受給しても、何の天罰も受けるはずがありません。

ところが、国は、義援金を受領した生活保護受給者には、義援金支給の範囲で、生活保護費の支払いを停止する、というのです。

今までも例がありました。
交通事故で怪我をした生活保護費受給中の被害者が、示談により損害賠償金を受けると、生活保護費を停止させられるばかりは、残りの賠償金も国に召し上げられてしまいます。

交通事故などによる損害賠償金の受領は、自分の肉体的、精神的、財産的、損失など、マイナスをカバーしてもらう性質のものにすぎず、全体として資産の増加に繋がる「収入」ではありません。あくまで「損失補填」にすぎません。

そのために、所得税制も、受領した損害賠償金には、税金をかけないのです。
このことを考えれば、義援金の受領により生活の立て直しをしようとしている生活保護費受給者から、義援金受給額に見合う生活保護費の停止は、即刻やめるべきです。

乾いたぞうきんを、さらに締め上げるのが、福祉国家日本国の姿勢なのでしょうか。
とんでもないことです。

また、全世界から2700億円もの義援金が集まっているのに、被災して3か月も経った現在でも、まだ、配布額は15%程度だといわれています。

集まった義援金は、すみやかに配布してこそ値打ちがあります。お役所の主張する形式的平等の壁が、これを阻止しています。

仮に配布の不公平が発生したとすれば、後で調整すればすむことです。
 
未曾有の被害に遭い、すべてを失った人々が、一日も早く未来に目を向け、再出発していただきたい。

そのためには、一日も早く、より多くの義援金を受け取ってもらうしかないではありませんか。

<ご連絡>
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◆<2295号 目次>
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