平井 修一
主夫業はマイペースでボチボチやっていられるのなら楽勝だが、そういう日々はそれほどあるわけではない。昨日は7人前、14個のハンバーグ、スープ、野菜炒め、煮物を作ってへばった。
この肉体的な疲労に加えて、時に精神的なストレスに見舞われる。どういう訳か、一度にいろいろなことが重なってどっと押し寄せるのである。「精も根も尽き果てる」ということになるが、類語・縁語はこんなにある。
疲労の極、疲れ果てる、綿のように疲れる、ヘロヘロになる、崩壊寸前の状態、意識喪失寸前、体力を使い果たす、力尽きる、燃え尽きる、ぼろぼろになる、消耗し尽く、ダウンする。
聖徳太子ではないから、問題を一つ一つ解決していかなければならない。重要事項の中で優先事項から手を付けていく。医療で言えば「トリアージ」だ。
トリアージとはこういうことである。
<災害時等において、現存する限られた医療資源(医療スタッフ、医薬品等)を最大限に活用して、救助可能な傷病者を確実に救い、可能な限り多数の傷病者の治療を行うためには、傷病者の傷病の緊急性や重症度に応じて、治療の優先順位を決定し、この優先順位に従って患者搬送、病院選定、治療の実施を行うことが大切である。
トリアージの基本概念は、必ずしも災害時に限らず、日常のなかにも存在する。例えば、一般外来において多くの患者が待っていた場合、その時の状態によっては、長時間の外来診療に待てる状態でない患者が存在したとき、重症患者を優先して治療ができるように他の外来担当医師にも応援を依頼するなどの判断がトリアージとなる>(横須賀市医師会)
このトリアージに従えば、わが家の最優先事項は「長女の健康」だ。長女は第二子を身ごもっているが、第一子の時と同様に切迫流産・早産の危険に直面しており、入院は免れたものの2月18日からわが家で養生している。命懸けの妊娠・出産で、本人も我らも不安いっぱいだ。
小生とカミサンにできることは本人の安静をヘルプすることくらいだ。
炊事、洗濯、育児などで本人に負担がかからないようにする。せめて3月いっぱいまでは赤ちゃんにはお腹の中にいてもらわないと、と祈るばかりである。まったく妊娠・出産は女性にとって命懸けの大仕事だ。
次の優先事項は、切羽詰まったものではないが解決までに長い時間がかかりそうで、悩ましい問題だ。三番目は小生とカミサンが介護を必要とするようになったときどうするのかという、多分10年先、20年先の話で、緊急性はほとんどないが、まあ、大事な話ではあってもボチボチやればいいとは思っている。
今は心身ともに疲れ果てているから最優先の長女のことに専念したい。それが一段落してから二番目、三番目の問題に取り組みたいと小生は思っているが、トリアージを理解しない者もいるから困ったものである。人生は思うようにはいかないものだ。
<「頂門の一針」から転載>