2013年04月28日

◆「改憲ダブル選」来年末にも?

榊原 智


憲法96条改正問題が、夏の参院選の争点になった。すでに衆議院では改憲を志向する議員が4分の3以上を占めている。参院選の結果、改選・非改選合わせて改憲派が3分の2以上を占めれば、国会による憲法96条改正案の発議、国民投票の実施が、現実の政治課題にのぼるだろう。

安倍晋三首相はどのような改憲スケジュールを描くだろうか。初めての国民投票の時期を予想すれば、早くて来年(2014年)12月、遅くとも平成27年(2015年)9月になるのではないか。政治情勢次第では、国民投票と次期衆院選とを合わせた「改憲ダブル選挙」の可能性も十分にある。

千載一遇の好機

憲法改正にとって、千載一遇の好機が訪れようとしている。憲法観や改正内容をめぐって、改憲政党の自民党、日本維新の会、みんなの党の主張は、実はかなり異なっている。しかし3党は、「主権者国民」が判断を下す国民投票を実現しやすくする96条改正を目指す点では共通してい
る。

衆議院の定数480。3分の2ラインは320議席だ。昨年12月の衆院選の結果、憲法改正を唱える自民党、維新の会、みんなの党は計366議席で、衆院の76・2%。3分の2ラインどころか4分の3超を占めている。

一方、参議院は定数242。3分の2ラインは162議席だ。非改選の改憲勢力は60議席。3分の2ラインに達するには参院選で、改憲勢力が 102議席得ることが必要だ。昨年衆院選をもとに試算すれば、自民党61議席など改憲勢力は計93議席を得る。

3分の2ラインまで9議席ほど足りないが、民主党にも改憲志向の議員が存在する。参院選後に憲法問題を大義名分にした新党結成など政界再編があれば、参院においても改憲勢力が3分の2ラインに達することは十分あり得る。

クリアすべき課題

首相にとって、参院選後には、もう1つの憲法問題がある。集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈の変更だ。衆院の政治的正当性を確かなものとするため、定数是正・選挙制度改革が必要かもしれない。

そして、民主党政権下の「サボタージュ」で残ったままの国民投票上の3つの宿題がある。投票権年齢の18歳以上への引き下げ、国民投票運動時の公務員の政治的行為のあり方、憲法改正以外への国民投票の拡大の是非(ぜひ)−だ。

これらを処理して初めて、96条改正案の審議、発議ができる。国会の発議から「60日から180日以内」に、国民投票の投票日が設定される。国の基本法の改正をめぐる論議には、衆参とも同一の国会議員が当たるのが望ましい。

さらに、首相の自民党総裁任期が27年(2015年)9月までであることを考えると、冒頭に指摘した時期に、私たちは投票所に足を運ぶことになるのではないか。これは、国民の手による新しい国づくり、世直しの第一歩になる。産経ニュース 2013.4.27 11:33

<「頂門の一針」から転載>

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