渡部 亮次郎
少年の頃、戦争による物資不足から田舎では醤油がなくなったことを書いたら、それじゃソースはどうなのと聞かれて恥じ入った。田舎に昭和10年代、ソースははじめっから無かったから、つい、今でも好きじゃない。
だから大阪では、お好み焼きに行く気にならないから、随分、デートでチャンスを逃した。家人の父親は都内で有名な老舗レストランの料理長だったそうだが、私と同年の義姉はソースより醤油が好きだというから、同じ戦争体験をしているのだ。
長じて大学の食堂に行ったら、どのテーブルにも醤油とソース、胡椒、唐辛子が置いてあった。ところがアメリカへ行ってみたところ、軽食屋のテーブルに置いてあるのは、ケチャップとタバスコに食塩はあったりなかったり。
醤油やソースを置いているのは日本だけだよ、と笑われた。然し、あの固くて分厚い、まずいステーキを飲み下すには少なくとも醤油は不可欠だと思っていたら、その後、アメリカで醤油が大流行で、現地生産もしている。経緯上、アメリカ人は醤油のことをキッコーマンと呼ぶ。
ところでソースはフランス料理の決め手だそうだが、わたしの言っているのは、日本で市販されているソースのこと。ウスターソースというのだそうである。イギリス生まれというが、イギリスで直接味わったことはない。
2014年09月12日
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