<当原稿は、日本一メルマガ「頂門の一針」6月8日号に掲載されました。
http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm>
毛馬 一三
枚方市の清掃工場建設をめぐる談合事件は、市のナンバー2の副市長や「建設談合のドン」といわれる大手ゼネコン大林組顧問、それに大阪府警2課の現職警察官や市長と刎頚の友といわれる現職府議会議員など、中司宏市長と密接な間柄にある関係者が、相次いで逮捕されるというまことに異常な“構図”を顕にした。
だが異常な事態はそれだけで済まなかった。この4月四選を果たしたばかりの同市長が、華々しい舞台としたいと心積りにしていた6月14日からの定例市議会での「所信表明演説」を、中止させられる羽目になったのである。
というのは、市会議員が出席する全員協議会が7日午後開いた会合で、枚方談合事件の捜査の進展がはっきりしない現段階で、市長が議会冒頭で「所信表明演説」を行うのは妥当ではないとして、「中止」させたのだ。
だいたい、市長が市政運営の新たな方針を誇らしげに表明したいとする当選直後の初議会で、議会側の意思でそれを中止させられること自体、全国の自治体では異例なことだ。選挙中に不祥事を起こして後に辞任する嵌めになった故横山ノック大阪府知事も、当選直後の「所信表明演説」は粛々とおこなっていることをみても、その異例さが分かる。
確かに中司市長は、終始事件との関与を否定しているものの、冒頭に触れたように今回の事件を構成する重要人物との交流も深く、それらの人物との会食や引き合わせ紹介行為が浮上してきたことから、市長の「関与」を疑う機運が議会内で急速に高まってきていることは事実。会派によっては、「市長辞職」を主張するところも出てきている。
だから、談合事件を未然にチェック出来なかった議会側が、地検特捜部の捜査の渦中で関与の噂も浮上している同市長の行政運営の行使に“待った”をかける意味も頷けないではない。
こんな中、新疑惑の構図が明るみに出てきた。今回の談合は、市の清掃工場建設を「一括発注方式」から建物本体とプラント部分を「分離発注」させるよう、逮捕された副市長が大林組などに提案したことから始まっている。
この「分離発注」だと、プラントメーカーの介入を受けずに、大林組が元請けになり、利潤確保の有利な道筋が仕組まれるという図式だ。この「分離発注」を拵えてもらったお陰で、大林組・浅沼組JVは55億6000万円の受注がうけられたことは、周知の通りである。
しかしいまのところ表面化していないが、「分離発注」の一方のプラントメーカーの清掃工場建設への受注額は、一般的には「建物本体発注」の2倍強で、従って枚方の清掃工場建設費は111余億円以上ということになる。
そこで問題なのは、そのプラントメーカーの決定の仕方。大阪府下の慣例では、競争入札ではなく、市の特命入札による特定メーカーへの発注になっていることだと、長年府下の清掃工場建設工事に携わってきた自治体OBが明らかにした。
つまりそのOBは、むしろ受注額が大きく、特殊技術を要する特定のプラントメーカーへの特命発注こそが、新たな“癒着”を生み、結果として別構図の贈収賄事件発展への要素を孕んでいると新疑惑の構図のタネ明かしをする。事実昭和42年ごろ、この事件が大阪府下で相次ぎ、大問題になったという。
そう見ていくとこの枚方談合事件は、そう簡単に幕引きになるとは思えない。となれば、6月の定例市議会の冒頭から市長の問責が表面化し、「辞職勧告決議案」が上程されるのは必至の情勢だと議会関係者はいう。
このような情勢から枚方談合は、市長辞任の可能性も強まってきており、仮に市長選挙があれば、その時期は7月22日の参議院選挙と同時にならないとは限らないとみる関係者も出てきている。(了) 07.06.07
2007年06月08日
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