宮崎 正弘
令和元年(2019)6月14日(金曜日)通巻第6110号
安倍首相、イラン訪問の成果は?
イランの呻き、一日40萬バーレルしか輸出できないのは死活問題
米国のイラン制裁以後、イランは一日40萬バーレルの原油積み出しし
かできなくなって、100億ドルの収入が蒸発した。経済は停滞から極度の
落ち込み、庶民の生活苦、そのうめき声が聞こえる。
2019年6月12 日、安倍首相はテヘランでロウハニ大統領と会見した。
此の状況に安倍首相はおそらくなにがしかの勝算があって、テヘランに乗
り込んだのだろう。イラン高層部の意見を聞くだけなら「トランプのパシ
リ」とからかわれても仕方がない。そんな損な役割のために特別機を飛ば
したのか?
何か密約が存在するのではないか。
この疑問を率直に呈して報じたのは、イスラエルのメディアだ。米国のメ
ディアは安倍イラン訪問をほとんど無視している。アジアで、安倍外交を
報じているのはインド紙くらい。しかしカタールの『アルジャジーラ』は
さすがに大きく報じている。
米国は2017 年にオバマ政権が結んだ「イラン核合意」から離脱し、19年5
月にはイラン原油輸出を事実上阻止する制裁を課した。日本はイランから
相当量を輸入してきたので代替地捜しに懸命だった。
安倍・ロウハニ共同会見では、「前向きに話し合いがあった」としたが具
体的な内容には触れなかった。
イランは「緊張激化の原因は米国であり、われわれは戦争を望まないし、
もし米国が制裁を解除すれば中東に劇的で前向きな変化が起こるだろう」
と、冷え込んだ米国との関係改善をひたすら禁輸解除が突破口だとした。
現地『テヘランタイムズ』によれば、安倍首相は「平和と安定はこの地域
のみならず世界平和に貢献するものであり、日本は最大限の努力を惜しま
ない」とし、緊張緩和を力説したこと、また日本の首相訪問は41年ぶり
だが、安倍首相自身は個人的に36 年前に父晋太郎が外相時代に随行員と
してテヘラン訪問の経験があること、日本とイランの文化的つながりは長
い歴史があることなどを報じた。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)台湾情勢ですが、「台湾のトランプ」を気取った郭台銘が
立候補を声明したとき、嵐のようなブームが起こり、国民党は慌てて主力
の朱立倫を引っ込め、また王金平も立候補を取りやめました。
国民党幹部は韓国諭の擁立をはかり、高雄市長になったばかりの韓国諭も
事実上、立候補を声明しました。
ポピュリズムに台湾政治も振り回されていますね。
他方、与党の民進党はまるで人気のない蔡英文が再選を狙って党内を説得
し、予備選で勝ってしまった。頼清徳(前首相、元台南市長)の猛追も燃
料切れとなりました。
間もなく郭台銘は失速するでしょう。しかし、本省人にとっては望ましく
ない韓国諭が当選する可能性は大きいと思います。
もし国民党が政権に復権したら、中台関係はますます北京有利となって、
東アジアにも、いやな政治変化となりそう。このあたり如何でしょうか?
(SY生、足立区)
(宮崎正弘のコメント)ご指摘の分析がいまのところ、台湾通の間でも共
通の認識です。蔡英文では勝てないという予測がもっぱらです。しかし、
伏線があります。アメリカですよ。
20日、台湾総統府に珍しい賓客がありました。アーミティジ元国務副長官
一行です。また事実上の在台北米国大使館は海兵隊が駐屯していることは
公知の事実ですが、名称を変えましたね。
事実上の大使館をAIT(米国在台協会)から「台湾米国事務委員会」で
す。代表(大使)はブレント・クリステンセン。元空軍パイロット大佐です。
退役後、クルステンセン大使は議会で外交スタッフとして活躍しました。
現在、台湾米国事務委員会のスタッフは450人。安全部、連絡部はそれぞ
れが陸軍の現役大佐です。背広で登庁していますが、現職軍人が相当数、
台湾の米国大使館にいるのです。
つまりアメリカが、直接総統選挙に介入はしないまでも、どちらが台湾総
統になれば米国に有利なのかという判断をする。このファクターが、これ
からの選挙戦に死活的な影響力を発揮することと思います。
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(読者の声2)三島由紀夫研究会の6月24日の「公開講座」の講師は渥美
饒児氏(文藝賞受賞作家)です。
当日、会場にて渥美氏が持参される三島先生関連のコレクション約60点を
展示します。また渥美氏が編集された三島先生の映像を開場(18時)か
ら開会(18時半)までの30分間会場で上映します。浜松在住の作家・渥美
饒児氏が小説家を志した20代より30年間にわたって蒐集した「三島由
紀夫コレクション」を通じて、三島由紀夫への熱い思いを語って頂きま
す。渥美氏は文藝賞受賞作家です。
記
日時 令和元年6月24日(月)18時半より(18時開場)
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
https://arcadia-jp.org/access/
演題 「私の三島由紀夫コレクション」
講師 渥美饒児氏(あつみじょうじ、小説家)
会費 一般の方、2000円。会員と学生は千円。
<講師プロフィール> 昭和28年生、静岡県浜松市出身。日本大学文理学
部卒。『ミッドナイト・ホモサピエンス』(河出書房新社)で昭和59年
度文藝賞を受賞。『十七歳、悪の履歴書―女子高生コンクリート詰め殺人
事件』(作品社)を原作とした映画「コンクリート」(中村拓監督)が平
成16年に上映される。その他『孤蝶の夢―小説北村透谷』(作品社)、
『原子の闇』、『沈黙のレシピエント』(何れも中央公論新社)。その他
最新作として警察小説の傑作として評価の高い『潜在殺』(河出書房新
社)がある。浜松市在住。
平成25年浜松文芸館で「三島由紀夫コレクション展」を主催した。
2019年06月22日
◆安倍首相、イラン訪問の成果は?
at 09:03
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